説明

遊技場システム

【課題】NFC通信装置に記憶された情報を携帯端末で読み取ることで、遊技機ごとに専用のリーダライタを設けることなく、設備コストを抑えることができ、また、遊技者が複雑な操作を要せずに遊技機の遊技情報を取得できる遊技場システムを提供する。
【解決手段】遊技者の所持する通信端末80と、遊技機10ごとに設けられ通信端末80との間でNFC規格にもとづく無線通信を行い、遊技機特定情報を通信端末80に送信するRFタグ90と、遊技機10ごとの遊技情報を記憶し通信端末80から遊技機特定情報を受信し、遊技機特定情報に対応する遊技機10の遊技情報を通信端末80に送信するWEBサーバ70とを備え、通信端末80はRFタグ90から受信した遊技機特定情報をWEBサーバ70へ送信するとともに、WEBサーバ70から遊技情報を受信し、遊技情報を表示させる一連の処理を自動的に実行する実行処理部を有する構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場システムに関し、特に、遊技者の所持する通信端末を介して遊技場に設置された遊技機ごとの遊技情報を配信する遊技場システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機が設置された遊技場においては、各遊技機から出力される遊技信号(スタート信号、大当り信号、アウト信号、セーフ信号等)や遊技場に設置された各種装置からの信号を収集・集計することで、遊技者に対して、遊技機ごとの遊技情報(スタート回数、大当り回数、アウト玉数、セーフ玉数、スランプグラフ等)や機種情報(遊技方法、大当り図柄、リーチ演出、予告演出等)等の遊技機に関する情報を提供するサービスが行われている。
【0003】
近年、携帯電話機などの通信端末の技術発展により、遊技場では通信端末を所持している遊技者に対し、通信端末の通信機能を利用して遊技機に関する情報を提供するサービスが行われている。これにより、遊技場側は、インターネットを介して様々な種類のデータを遊技者に提供することができ、一方、遊技者側は、遊技場の固定箇所(例えば、景品交換カウンター付近など)に設けられた遊技機の遊技情報を表示する表示装置まで出向くことなく、遊技機の前に着座したまま遊技機の遊技情報を得ることができる。
【0004】
このような、通信端末を利用して遊技機に関する情報を配信する技術として、例えば、特許文献1に開示されているような「遊技機の情報提供システム」や、特許文献2に開示されているような「遊技情報提供システム及び遊技情報提供方法」が提案されている。
特許文献1に記載の遊技機の情報提供システムでは、遊技状態に応じて所定のタイミングで、専用サイトのURLがコード化された2次元コード(例えば、QRコード(登録商標))を遊技機のディスプレイに表示するようになっている。これによって、遊技者は、携帯電話に搭載されたカメラ等を利用してQRコード(登録商標)を読み取ることにより、URLを取得し、携帯電話からこのURLが示すサイトに接続することによって、遊技機ごとの遊技情報だけでなく、コンテンツデータ(着メロ(登録商標)、待受画像、ゲームソフト等)をも取得することができる。
【0005】
また、特許文献2に記載の遊技情報提供システムは、非接触方式のICチップが内蔵された通信端末と、遊技機に1対1で併設されたリーダライタを有する台間機とから構成されており、このシステムでは、遊技者の通信端末が台間機にかざされると、通信端末のICチップと台間機のリーダライタが近距離通信を行い、リーダライタが、ICチップに対して機種情報を提供するサイトのURLを送信する(書き込む)ようになっている。これにより、通信端末は、受け取ったURLにもとづきサイトにアクセスすることで、遊技機ごとの遊技情報を取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−167084号公報
【特許文献2】特開2008−237580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、通信端末を利用して遊技機に関する情報を配信する上記の技術発明では、以下のような問題があった。
例えば、特許文献1に記載の遊技機の情報提供システムでは、遊技機ごとの遊技情報やコンテンツデータを取得するには、QRコード(登録商標)を撮像しなければならないため、携帯電話のカメラを起動し、位置決めをして撮像するといった作業を行わなければならず、遊技者にとって手間であり、とくに携帯電話の操作に不慣れな者にとっては非常に煩わしいといった問題があった。
【0008】
また、特許文献2に記載の遊技情報提供システムでは、通信端末を台間機にかざすだけの操作によって、遊技機ごとの遊技情報を取得するため、操作の手間を軽減することはできるが、各台間機にリーダライタをそれぞれ設ける必要があった。すなわち、各通信端末の近距離通信規格に対応したリーダライタを遊技機ごとに設ける必要があるため、設備コストが高くなってしまうという問題があった。
また、通信端末のように、所定の操作に応じて結果を画面表示する場合には、遊技者は、複雑な操作を要せずに最小限の操作で所望の遊技機の遊技情報を得たいという要望がある。
【0009】
ところで、近年では近距離通信方式を用いたシステムが普及しており、この近距離通信の規格として、NFC(Near Field Communication)と称する国際標準規格がある。NFCは、13.56MHzの電波を使い、10cm程度のごく近距離で非接触によって通信を行うことができ、最大424Kbpsの双方向通信を可能とし、様々な通信端末に搭載され、広く適用されている。
【0010】
NFCに対応した通信端末は、主に、非接触ICカードやICタグとして振舞うことができるカードエミュレーション機能、リーダライタ装置として振舞うことができるリーダライタエミュレーション機能、NFC対応の機器間で通信することができる端末間通信機能を備えることができる。
例えば、携帯電話などの通信端末にNFC対応のモジュールが搭載されると、リーダライタエミュレーション機能によって、通信端末がリーダライタとして動作し、ICカードやICタグとの間でデータの読み取りや書き込みをすることができる。また、端末間通信機能によって、例えば、通信端末と家電装置との間で画像データやテキストデータなどを送受信可能となる。
【0011】
そこで、本発明者らは、NFC通信規格に着目し、このNFC通信規格に対応する通信端末をリーダライタとして動作させることによって、従来のシステムにおいて設けていた遊技機ごとのリーダライタを不要とするとともに、遊技情報を取得するまでの一連の処理を通信端末に実行させることより、遊技者の操作負担を軽減させる、本発明を完成するに至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、従来、遊技機ごとに設けられていた専用のリーダライタを不要として、設備コストを抑えるとともに、最小限の操作で遊技機ごとの遊技情報を取得できる遊技場システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の遊技場システムは、遊技場に設置された遊技機ごとの遊技情報を配信する遊技システムであって、遊技者の所持する通信端末と、遊技場に設置される遊技機ごとに設けられ、通信端末との間でNFC(Near Field Communication)規格にもとづく無線通信を行い、当該遊技機を特定可能な遊技機特定情報を前記通信端末に送信するNFC通信装置と、遊技機から出力される所定の遊技信号にもとづいて遊技機ごとに集計された遊技情報を記憶するとともに、通信端末との間で所定の通信回線を介して双方向通信を行い、通信端末から遊技機特定情報を受信するとともに遊技機特定情報に対応する遊技機の遊技情報を通信端末に送信するサーバと、を備え、通信端末は、NFC通信装置から遊技機特定情報を受信するNFC通信部と、受信した遊技機特定情報をサーバに送信するとともに、サーバから遊技情報を受信する遊技情報通信部と、受信した遊技情報を表示する表示部と、NFC通信装置から遊技機特定情報を受信すると、受信した遊技機特定情報をサーバへ送信するとともに、サーバから遊技情報を受信すると、受信した遊技情報を表示部に表示させる一連の処理を自動的に実行する実行処理部と、を有する構成としてある。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明の遊技場システムによれば、従来のシステムにおいて遊技機ごとに設けていた専用リーダライタに代わって、遊技者の所持する通信端末との間でNFC通信規格に基づく無線通信を行う、例えば、RFタグなどの簡易な通信装置を遊技機ごとに備えることで、設備コストを抑えることができる。
また、遊技者は、複雑な操作を要せずに、一の操作のみで、所望する遊技機の遊技情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第一実施形態に係る遊技場システムの構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る遊技場システムの各装置間の信号の流れを示すブロック図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る台コンピュータ(遊技装置)の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係るWEBサーバ(サーバ)の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る携帯端末(通信端末)の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第一実施形態に係るRFタグ(NFC通信装置)の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第一実施形態に係る遊技場システムの動作を示す動作手順図である。
【図8】本発明の第二実施形態に係る台コンピュータ(遊技装置)の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第二実施形態に係る遊技場システムの動作を示す動作手順図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る遊技場システムの好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
本発明の遊技場システムの第一実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
まず、第一実施形態の遊技場システムの構成について、図1〜図6を参照して説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の遊技場システム1は、複数の遊技機10が設置される遊技場(ホール)に備えられ、台間機20と、呼出ランプ30と、台コンピュータ40と、島コンピュータ50と、ホールコンピュータ60と、WEBサーバ70と、携帯端末80と、RFタグ90とで構成されている。
そして、遊技機10と、台間機20と、呼出ランプ30と、台コンピュータ40と、島コンピュータ50と、ホールコンピュータ60とが、有線ネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介して通信可能に接続されている。
また、WEBサーバ70は、所定の通信回線(例えば、インターネット回線網)を介してホールコンピュータ60と接続されている。さらに、WEBサーバ70は、無線LANルータ100aを経由し、遊技者が所持する携帯端末80と無線通信可能に接続されている。
【0018】
RFタグ90は、本実施形態に係るNFC通信装置として動作し、遊技機10と一対一に紐付けさせるべく、呼出ランプ30の筺体表面に貼付されている。
RFタグ90は、微小なICチップを備え、携帯端末80との間で無線通信によるデータの送受信が可能なICタグである。また、このRFタグ90は、電源を有することなく、携帯端末80が近接されることによって、携帯端末80から出力される電波によって電磁誘導により給電されて動作するタイプのRFタグを採用し、携帯端末80をかざすことで、自ら記憶している遊技機10を特定可能な遊技機特定情報(例えば、遊技台番号,遊技場コード)を、携帯端末80に送信する。
【0019】
RFタグ90と携帯端末80に内蔵されているNFC通信部81は、近距離無線通信規格のNFC(Near Field Communication)に対応した装置であり、携帯端末80が、リーダライタエミュレーション機能によって、リーダライタとして動作し、RFタグ90に記憶されている情報を非接触で読み取ることができる。
また、NFCによる近距離無線通信では、その利用範囲が10cm程度の狭い範囲内で通信が行われるので、不正に読み取られることを防ぐことができるとともに、「かざす」という単純な行為をトリガーとして通信を行うことができる。
【0020】
すなわち、本実施形態の遊技場システム1では、呼出ランプ30の筺体表面に貼付されたRFタグ90に遊技者の所持する携帯端末80をかざすことで、遊技機特定情報を読み取ることができ、さらには、読み取った遊技機特定情報をキーとして、携帯端末80とWEBサーバ70との間で無線通信を行うことで、遊技者が遊技機特定情報に対応する遊技機10ごとの遊技情報を携帯端末80を介して取得することができるようになっている。
以下、遊技場システム1の各装置の構成について詳細に説明する。
【0021】
遊技機10は、パチンコ機,スロットマシン,アレンジボール機,雀球機等、遊技球やメダル等の遊技媒体を使用して遊技を行う各種の遊技機である。
また、各遊技機10からは、遊技状態を示す遊技信号として、大当り状態を示す大当り信号、大当りの抽選確率が通常遊技状態よりアップする確率変動遊技状態、及び/又は、図柄の変動時間が通常遊技状態より短縮する時間短縮遊技状態を示す確変・時短信号等が出力され、遊技媒体の出入数を示す遊技信号として、遊技機10への遊技媒体の投入数を示すアウト信号、遊技機10から遊技媒体の払出数を示すセーフ信号、一ゲームごとに出力されるスタート信号、所定の入賞口に遊技媒体が入賞したことを示す入賞信号等が出力され、これらの遊技信号は呼出ランプ30及び台コンピュータ40に入力される(図2参照)。
【0022】
台間機20は、遊技機10に一対一に対応して設けられた遊技媒体を貸し出す装置であって、現金、貯玉会員カード、ICコインなどが投入されることによって、投入金額に応じた遊技媒体の貸出数を示す貸出信号を台コンピュータ40へ出力するとともに、対応する遊技機10へ貸出数分の遊技媒体を貸し出す。
【0023】
呼出ランプ30は、遊技機10の上方に設置されており、電球やLEDなどのランプを点灯又は点滅させることで、大当りの発生、確変中、店員呼出中等を遊技者に告知するとともに、大当り回数、確変回数、スタート回数、スランプグラフ等の遊技情報を表示する表示装置である。また、遊技機10から出力される各種遊技信号を受信する。
【0024】
台コンピュータ40は、遊技機10、台間機20、呼出ランプ30、島コンピュータ50と通信可能に接続されており、これらの各装置間で所定の信号を送受信する情報処理装置である。台コンピュータ40は、遊技機10から出力される各種遊技信号と台間機20から出力される貸出信号を受信し、適宜蓄積して島コンピュータ50へ送信するようになっている。
【0025】
具体的には、台コンピュータ40は、図3に示すように、主に、通信部41と、記憶部42と、制御部43とを有している。
通信部41は、アウト信号、セーフ信号、大当り信号、確変信号、スタート信号を遊技機10から、貸出信号を台間機20から受信し、島コンピュータ50へ送信する。なお、通信部41は、遊技機10から出力された遊技信号を、呼出ランプ30を介して受信することもできる。
記憶部42は、台コンピュータ40が備える各種機能を実行するためのプログラムやデータを記憶し、例えば、制御部43によって算出された遊技情報を記憶する。
制御部43は、CPUを備えるコンピュータで構成され、記憶部42に記憶されているプログラムを読み込んで実行することで、台コンピュータ40が備える各種機能を実行する。また、制御部43は、遊技機10から出力され、通信部41が受信した各種遊技信号にもとづいて遊技情報を算出する。
【0026】
島コンピュータ50は、台コンピュータ40と、ホールコンピュータ60と通信可能に接続され、これらの各装置間で遊技信号を送受信する情報処理装置として動作することにより、台コンピュータ40から送信されてきた各種信号を受信し、ホールコンピュータ60へ送信する。
【0027】
ホールコンピュータ60は、プログラム制御により動作する情報処理装置であって、通常、遊技場の管理者が操作可能な場所、例えば、カウンター奥の管理室等に設置されている。このホールコンピュータ60によって、遊技場に備えられる全遊技機10の遊技に関する情報(遊技情報、機種情報等)が記憶・管理・分析されるようになっており、この他にも、遊技場において必要な営業管理情報なども管理する。
ホールコンピュータ60は、各島コンピュータ50から通信回線を介して送信される各種遊技信号にもとづいて、遊技機10ごとに遊技情報を算出するとともに、算出した遊技情報や機種情報をWEBサーバ70に定期的に送信する。
【0028】
WEBサーバ70は、本実施形態に係るサーバの一例であり、プログラム制御により動作する情報処理装置であって、会員に関する情報や携帯端末80に配信する情報を記憶・管理する。
具体的には、WEBサーバ70は、図4に示すように、主に、通信部71、会員登録部72、記憶部73、認証部74、制御部75を有している。
【0029】
通信部71は、インターネットを介してホールコンピュータ60と接続し、ホールコンピュータ60から遊技情報や機種情報を定期的に受信する。また、無線通信回線を介して携帯端末80と双方向通信可能に接続されており、携帯端末80から遊技機特定情報を受信するとともに、この遊技機特定情報に対応する遊技機10の遊技情報を携帯端末80に送信する。
会員登録部72は、遊技者からの会員登録を受け付ける処理部であって、例えば、遊技場が開設している会員登録サイトにおいて、携帯端末80から登録に必要な所定の情報が入力されることで登録を受け付ける。
【0030】
記憶部73は、WEBサーバ70が備える各種機能を実行するためのプログラムやデータを記憶する。記憶部73には、例えば、配信情報や会員情報等が記憶されている。
配信情報は、携帯端末80に配信する情報であって、携帯端末80から送信された遊技機特定情報に対応する遊技機10ごとの遊技に関する情報である。具体的には、配信情報は、遊技情報と機種情報とを含んでおり、例えば、遊技機10を一意に特定可能な遊技台番号に、遊技情報である大当り回数,スタート回数,アウト玉数,セーフ玉数と、機種情報である機種名,機種タイプ,遊技方法等が関連付けされた情報である。
なお、配信情報には、遊技機10に関するキャラクタ画像又は動画、遊技機10に関する着メロ(登録商標)等のようにそれ自体を楽しむことが可能なデータを含んでもよい。
本実施形態の配信情報に含まれる遊技情報は、携帯端末80において表示可能となるようにWEBサーバ70(制御部75)で加工されたデータであり、具体的には、ホールコンピュータ60から定期的に受信する遊技情報を遊技機ごとに集計し、携帯端末80のブラウザ上で表示可能なデータ形式に加工したものである。
【0031】
また、記憶部73には、会員向けに配信する情報として、遊技者に有益な情報となるプレミア情報(連荘大当り確率,平均初期投資額,プレミア演出パターン等)が記憶されている。この会員向けの情報は、後述する認証部74によって、会員であると認証された遊技者の携帯端末80のみに送信される。
【0032】
会員情報は、遊技場に会員登録された遊技者に関する情報を含んでおり、会員を一意に特定可能な会員IDに、会員登録部72によって受け付けた情報(例えば、氏名,住所,年齢,性別,登録年月日,携帯端末80を利用する遊技者を特定可能な固有情報(携帯端末識別番号))、前回遊技履歴、遊技で獲得した遊技媒体のうち景品に交換せずに遊技場に預け入れた貯玉数等が関連付けされた情報である。
携帯端末識別番号は、携帯端末80を一意に特定可能な番号であって、例えば、MEID(mobile equipment identifier)と呼ばれる携帯端末80の製造業者によって予め符号化されて、携帯端末80内に記憶されている。そして、この携帯端末識別番号を、遊技者に関する情報と紐付けして会員情報に記憶することで、携帯端末80から要求を受けた際の認証キーとして用いる。
なお、携帯端末識別番号は、MEIDに限らず、例えば、電話番号や、ネットワーク機器に一意に割り当てられる物理アドレス(MACアドレス)等を用いてもよい。
【0033】
認証部74は、携帯端末80を利用する遊技者の認証を行う。
具体的には、認証部74は、携帯端末80から送信される携帯端末識別番号が、記憶部73の会員情報に記憶されているか否かを照合し、この携帯端末80を利用する遊技者が会員であるかの認証処理を行う。また、認証部74は、認証結果を制御部75に送信する。
【0034】
制御部75は、CPUを備えるコンピュータで構成され、記憶部73に記憶されているプログラムを読み込んで実行することで、WEBサーバ70が備える各種機能を実行する。
また、制御部75は、認証部74から認証結果を受信し、遊技者が会員である場合には、配信情報と、会員向けの情報を通信部71から携帯端末80に送信させる。一方、遊技者が会員ではない場合には、配信情報のみを携帯端末80に送信させる。
【0035】
携帯端末80は、本実施形態に係る通信端末の一例であり、例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)等の通信端末であって、一般的な通信制御機能や、URLを指定し所定のサーバにアクセスして所定の情報を取得可能なブラウザ機能等を有している。
また、携帯端末80は、無線通信にてWEBサーバ70と双方向通信可能に接続されている。さらに、携帯端末80は、NFCに対応するRFタグ90との間で近距離無線通信を行う。
【0036】
具体的には、携帯端末80は、図5に示すように、NFC通信部81と、無線LAN通信部82と、記憶部83と、表示部84と、制御部85とを備えている。
NFC通信部81は、NFC規格に対応したモジュールであって、図示しないアンテナ、CPU、メモリを有する。
NFC通信部81は、RFタグ90と近距離無線通信をする際に、アンテナから電波を送信することで、RFタグ90との通信が確立すると、RFタグ90から送信された遊技機特定情報を受信する。そして、受信した遊技機特定情報をメモリに一時的に記憶する。また、受信が終了すると、制御部85に通知する。
すなわち、NFC通信部81は、リーダライタ機能を有しており、携帯端末80がRFタグ90に近接されることで、RFタグ90に記憶されている遊技機特定情報を非接触で読み取ることができる。
【0037】
無線LAN通信部82は、本実施形態に係る遊技情報通信部の一例であり、無線LANルータ100aを介してWEBサーバ70(通信部71)との間で遊技機特定情報及び遊技情報などのデータを無線通信にて送受信する。無線LANルータ100aとの間の無線通信は、Wi−Fiなどの規格にもとづいて行われる。
例えば、無線LAN通信部82は、NFC通信部81がRFタグ90から受信した遊技機特定情報と、記憶部83に記憶された携帯端末識別番号を、WEBサーバ70に送信する。また、無線LAN通信部82は、WEBサーバ70に送信した遊技機特定情報に対応する遊技機10の遊技情報をWEBサーバ70から受信する。
【0038】
記憶部83は、携帯端末80が備える各種機能を実行するためのプログラムやデータを記憶する。
例えば、記憶部83には、前述したように携帯端末80を利用する遊技者を特定可能な携帯端末識別番号が予め記憶されている。携帯端末識別番号は、出荷時に製造業者により符号化されて携帯端末80内に記憶される固有の番号であり、例えば、MEIDと呼ばれる14桁のコードを用いることができる。
この携帯端末識別番号は、WEBサーバ70の認証部74によって認証する際に用いられる。
【0039】
また、記憶部83には、携帯端末80上で実行可能な機能に対応したアプリケーションプログラム(以下、アプリという)が記憶されている。このアプリは、予め記憶されている又は携帯端末80の利用形態に応じてウェブサイトからダウンロード等によって取得された、メール用アプリ,音楽再生アプリ,ゲーム用アプリ等である。
このようなアプリの一つとして、本実施形態の記憶部83には、携帯端末80とWEBサーバ70との間で双方向通信を行うことで、遊技機特定情報及び遊技情報を送受信し、遊技情報を表示する機能を備える自動通信アプリが記憶されている。
具体的には、自動通信アプリは、NFC通信部81がRFタグ90から受信した遊技機特定情報とともに、記憶部83に記憶されている携帯端末識別番号を、無線LAN通信部82からWEBサーバ70へ送信するとともに、送信した遊技機特定情報に対応する遊技機10の遊技情報などをWEBサーバ70から受信し、この受信した情報を表示部84に表示するまでの一連の処理を自動的に行なう機能を有している。
そして、この自動通信アプリは、制御部85のアプリ実行処理部851によって呼び出されて実行されるようになっている。
【0040】
表示部84は、タッチ操作可能なタッチパネルで構成されるものであって、動画、画像、テキスト、テンキー等を表示するとともに、指やタッチペンで画面上の表示に触れることにより入力(例えば、通信操作、文字入力操作、選択操作等)を受け付ける。
例えば、表示部84には、制御部85のアプリ実行処理部851によって実行される各種アプリの実行結果が表示される。
【0041】
制御部85は、CPUを備えるコンピュータで構成され、記憶部83に記憶されているプログラムを読み込んで実行することで、携帯端末80が備える各種機能を実行する。
具体的には、制御部85は、アプリ実行処理部851を備え、記憶部83に記憶されている各アプリを実行する。
例えば、NFC通信部81から遊技機特定情報の読み取り終了の通知を受けると、上記の自動通信アプリを呼び出し、起動する。
この自動通信アプリに従って、アプリ実行処理部851は、RFタグ90から受信した遊技機特定情報と携帯端末識別番号とを、WEBサーバ70に無線LAN通信部82を介して送信する。このとき、アプリ実行処理部851は、WEBサーバ70に接続する際に、WEBサーバ70のアドレスに遊技機特定情報を付加したURL(Uniform Resource Locator)を生成し、このURLにもとづいてWEBサーバ70に対して接続を行う。
その結果、遊技機特定情報が検索キーとなって、この遊技機特定情報に対応する遊技機10の遊技情報がWEBサーバ70によって検索され、検索された遊技情報(配信情報)が無線LAN通信部82を介して受信されることになる。
さらに、アプリ実行処理部851は、受信した遊技情報を表示部に表示させる。
【0042】
このように、本実施形態の携帯端末80は、リーダライタ機能を有するNFC通信部81が、RFタグ90に記憶されている遊技機特定情報を読み取ると、自動通信アプリが自動的に起動され、アプリ実行処理部851が、この自動通信アプリに従って、WEBサーバ70との間において遊技機特定情報及び遊技情報の送受信を行うととともに、遊技者が指定した遊技機10の遊技情報を表示部84に表示するという一連の動作を自動的に実行するようになっている。
【0043】
また、本実施形態に係る携帯端末80は、NFC通信部81と無線LAN通信部82の2つの通信部を備えており、まず、NFC通信部81を用いたNFC規格にもとづく近距離無線通信を行い、その後、NFCによる近距離無線通信よりも高速に通信可能な無線LAN通信部82を用いた無線LAN通信に切り替えて送受信を行う。
すなわち、テキストデータなどのデータサイズが小さいものをNFC通信部81を介して送受信し、画像や動画、音楽データ(着メロ(登録商標))等のデータサイズが大きいものを無線LAN通信部82を介して送受信することができ、通信の負荷を抑えることができる。
【0044】
RFタグ90は、本実施形態に係るNFC通信装置の一例であり、図6に示すように、ICチップ(CPU及びメモリ)と、アンテナとを備え、これらを樹脂やガラス等でモールドしてタグ(荷札)状に形成した超小型(例えば、40mm×20mm等)の非接触型ICタグからなる。
RFタグ90は、自ら電源を有さずに、携帯端末80の近接により、NFC通信部81のアンテナから電波を受信すると、電磁誘導によって起電され、動作可能となる。
【0045】
RFタグ90のメモリには、例えば、遊技台番号,遊技場コード等からなる遊技機特定情報や、CPUに実行させるNFC通信規格に基づく通信プログラムや相互認証プログラム等が記憶されている。
ICチップのCPUは、メモリに記憶されたプログラムに従い、携帯端末80からの電波に搬送された信号成分を取り出し、これにもとづいて携帯端末80との間で相互認証を行いながら通信を確立させ、メモリに記憶されている遊技機特定情報を携帯端末80に送信する処理を実行する。
このように、RFタグ90は、電源を備えることなく、チップ化されたIC及びアンテナを樹脂でモールドした構成からなることから、従来のシステムにおいて遊技機10ごとに設けていた専用リーダライタよりも安価に製造することができ、遊技場システムの導入に掛かる費用を抑えることができる。
また、RFタグ90は、取り付け場所や取り付け方法が特定されない、小型で薄肉の形状を有することから、呼出ランプ30の筐体表面だけでなく、その内部や、台間機20、台コンピュータ40の表面又は内部など、遊技者が着座したまま携帯端末80をかざすことができる位置に取り付けることもできる。
【0046】
次に、以上のような構成からなる本実施形態の遊技場システムの動作について、各図を参照して説明する。
図7は、第一実施形態に係る遊技場システムの動作を示す動作手順図である。
まず、遊技者が遊技機10の遊技情報を取得する場合に、所望の遊技機10に対応するRFタグ90に遊技者の携帯端末80をかざすと、この操作をトリガーとして、以下の処理が行われる。
【0047】
携帯端末80が、RFタグ90との近距離無線通信可能な範囲内に位置すると、携帯端末80から送信される電波によって携帯端末80とRFタグ90との間で通信が確立する(S10)。
そして、RFタグ90は、記憶している遊技機特定情報(遊技台番号,遊技場コード)を携帯端末80のNFC通信部81へ送信する(S11)。NFC通信部81は、RFタグ90から遊技機特定情報を受信し(S12)、受信した遊技機特定情報をメモリに一時的に記憶するとともに、受信が終了した旨を制御部85に通知する。
【0048】
携帯端末80の制御部85(アプリ実行処理部851)は、受信終了の通知を受けると(S13−YES)、記憶部83に記憶されている自動通信アプリを呼び出し、起動する。
この自動通信アプリに従って、アプリ実行処理部851は、遊技機特定情報とともに、記憶部83に記憶されている携帯端末識別番号を、無線LAN通信部82からWEBサーバ70へ送信する(S14)。このとき、携帯端末80からWEBサーバ70へ接続する際には、アプリ実行処理部851は、URLを指定して接続を行う。例えば、WEBサーバ70のアドレスに遊技機特定情報を付加し、「http://WEBサーバのアドレス+遊技場コード+遊技台番号」のように遊技機特定情報を含んだURLを用いる。
そして、WEBサーバ70の通信部71は、携帯端末80から送信された遊技機特定情報と携帯端末識別番号を受信する(S15)。
【0049】
次いで、WEBサーバ70の認証部74は、携帯端末80から送信された携帯端末識別番号を用いて、この携帯端末80を利用する遊技者の認証を行う(S16)。
具体的には、認証部74は、受信した携帯端末識別番号が、記憶部73の会員情報に予め登録されている携帯端末識別番号か否かを照合する。そして、認証結果を制御部75に送信する。
認証の結果、登録されている場合には、制御部75は、遊技機特定情報(遊技場コード,遊技台番号)を検索キーとして、これに対応する遊技機10の配信情報(遊技情報)を検索する。そして、検索された配信情報と、会員向けの情報(プレミア情報,貯玉数等)を通信部71から携帯端末80に送信させる。
一方、認証の結果、登録されていない場合には、制御部75は、記憶部73に記憶された配信情報のみを携帯端末80に送信させる(S17)。
このように、制御部75は、携帯端末80から受信した遊技機特定情報(遊技台番号)に対応する遊技機10の配信情報(遊技情報)を携帯端末80に送信する。
【0050】
WEBサーバ70から配信情報や会員向けの情報が送信されると、携帯端末80の制御部85(アプリ実行処理部851)は、これらの情報を、無線LAN通信部82を介して受信するとともに(S18)、表示部84に表示する(S19)。
このように、遊技者は所望する遊技機10の遊技情報を得たい場合に、この遊技機10に対応するRFタグ90に遊技者の携帯端末80がかざすことで、自動的に、所望の遊技機10の遊技情報が、遊技者の携帯端末80に配信される。さらに、遊技者が会員である場合には、会員特典となる情報も配信されることになる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態の遊技場システム1によれば、遊技機10を特定可能な遊技機特定情報が記憶されたNFC通信装置(RFタグ90)を遊技装置(呼出ランプ30)の筐体表面に貼付した構成とすることで、遊技者が所持する携帯端末80がRFタグ90にかざされると、自動的に、遊技者から指定された遊技機10の遊技情報が携帯端末80を介して配信される。
このように、NFC規格に対応した携帯端末80とRFタグ90とを備えることで、遊技機10ごとに専用のリーダライタを設ける必要がなく、遊技場システムの導入に掛かる設備コストを抑えることができる。
また、遊技者は、RFタグ90に携帯端末80をかざすだけの操作で、複雑な操作を要せずに一の操作のみで所望の遊技機10の遊技情報を取得することができる。
【0052】
[第二実施形態]
次に、本発明の遊技場システムの第二実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、第二実施形態に係る台コンピュータ(遊技装置)の構成を示すブロック図であり、図9は、第二実施形態に係る遊技場システムの動作を示す動作手順図である。
【0053】
本実施形態は、第一実施形態と比較して、NFC通信装置を、遊技装置に内蔵している点で相違する。すなわち、本実施形態では、図8に示すように、NFC通信装置として動作するNFC通信部44を、台コンピュータ40の内部に設けた構成としてある。
NFC通信部44は、第一実施形態のRFタグ90と、アンテナを外部に備える点で異なるものの、その他の構成は同じである。このように、NFC通信部44のアンテナが台コンピュータ40の外部に露出した構成としていることにより、携帯端末80を台コンピュータ40にかざすことで、携帯端末80とNFC通信部44とが近距離無線通信を行うことになる。
NFC通信部44は、携帯端末80が近接され、アンテナから電波を受信すると、台コンピュータ40の制御部43に読み取り操作がされたことを通知する。これにより、台コンピュータ40の記憶部42に記憶されている遊技情報が制御部43によって読み出され、NFC通信部44のメモリに送られることで、メモリに記憶されている遊技機特定情報とともに、遊技情報が携帯端末80に送信可能となる。
【0054】
ここで、携帯端末80に送信される遊技情報は、遊技の進行によって遊技機10から随時出力された遊技信号を集計した、最新の遊技情報(スタート回数、大当り回数、アウト玉数、セーフ玉数等)である。
また、この遊技情報は、携帯端末80の表示部84において表示可能なデータ形式ではなく、携帯端末80において表示可能に加工される前の生データ(遊技データ)である。したがって、携帯端末80が、台コンピュータ40との近距離無線通信によって、生データとなる遊技情報を受信した際でも、携帯端末80の表示部84では、この遊技情報を表示できないようになっている。
この遊技情報は、単にデータ形式が異なるため携帯端末80の表示部84において表示できないだけではなく、共通鍵又は公開鍵などの暗号鍵に基づいて暗号化され、暗号鍵を有しない携帯端末80においては復号化できない暗号化データとなっている。
そこで、本実施形態では、携帯端末80がNFC通信部44から読み取った最新の遊技情報をWEBサーバ70へ送信することにより、これを受信したWEBサーバ70が暗号鍵に基づいて復号化を行うとともに携帯端末80で表示可能なデータ形式に変換して携帯端末80に送信する構成としている。
これによって、遊技者は所望する遊技機10の遊技情報を最新の情報で取得することができる。
なお、本実施形態において、第一実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0055】
NFC通信部44のメモリには、例えば、遊技台番号,遊技場コード等からなる遊技機特定情報や、NFC通信規格に基づく通信プログラムや相互認証プログラム等が記憶されている。
なお、遊技機特定情報は、NFC通信部44のメモリに限らず、記憶部42に記憶してもよい。この場合には、携帯端末80とNFC通信部44との間で近距離無線通信がされた際に、遊技機特定情報は、制御部43によって読み出され、NFC通信部44のメモリに送られることになる。
【0056】
次に、本実施形態における遊技場システム1の動作について図9を参照して説明する。
まず、携帯端末80が、台コンピュータ40との近距離無線通信可能な範囲内に位置すると、携帯端末80から送信される電波によって携帯端末80とNFC通信部44との間で通信が確立する(S20)。
このとき、台コンピュータ40の制御部43は、携帯端末80から読み取り操作がされたことを示す信号を受信すると(S21)、記憶部42に記憶されている遊技情報を読み出し、NFC通信部44のメモリに送る。
次いで、NFC通信部44は、記憶している遊技機特定情報と遊技情報を、携帯端末80のNFC通信部81へ送信する(S22)。NFC通信部81は、NFC通信部44から遊技機特定情報と遊技情報を受信し(S23)、メモリに一時的に記憶するとともに、受信が終了した旨を制御部85に通知する。なお、受信した遊技情報は、暗号化された情報であることから、表示部84において表示させたとしても、解読不能な情報となっている。
【0057】
携帯端末80の制御部85(アプリ実行処理部851)は、受信終了の通知を受けると(S24−YES)、記憶部83の自動通信アプリを呼び出し、起動する。
この自動通信アプリに従って、アプリ実行処理部851は、遊技機特定情報と遊技情報とともに、記憶部83に記憶されている携帯端末識別番号を、無線LAN通信部82からWEBサーバ70へ送信する(S25)。そして、WEBサーバ70の通信部71は、携帯端末80から送信された遊技機特定情報と、遊技情報と、携帯端末識別番号とを受信する(S26)。また、WEBサーバ70の制御部75は、受信した遊技情報を暗号鍵に基づいて復号化する。
これにより、WEBサーバ70は、受信した遊技情報(遊技データ)にもとづき、記憶部73に記憶している遊技情報を更新する。すなわち、最新の遊技機10の遊技情報を記憶部73に記憶することになる。
【0058】
ここで、第一実施形態と同様に、WEBサーバ70の認証部74において、携帯端末80から送信された携帯端末識別番号を用いて、この携帯端末80を利用する遊技者の会員認証を行う(S27)。認証の結果、会員又は非会員に応じて、制御部75は、受信した最新の遊技情報を含む配信情報、及び/又は、会員向けの情報を携帯端末80に送信させる(S28)。なお、これらの情報は、WEBサーバ70において復号化されており、携帯端末80の表示部84に表示可能な情報となっている。
WEBサーバ70から配信情報や会員向けの情報が送信されると、携帯端末80のアプリ実行処理部851は、これらの情報を無線LAN通信部82を介して受信するとともに(S29)、表示部84に表示する(S30)。これにより、遊技者は最新の遊技情報を取得することができる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態の遊技場システム1によれば、NFC通信装置(NFC通信部44)を、遊技の進行に伴い変化する最新の遊技情報(遊技データ)が記憶される遊技装置(台コンピュータ40)の内部に備え、この台コンピュータ40に携帯端末80がかざされると遊技情報(遊技データ)が、自動的に、WEBサーバ70に送信されるように構成することにより、WEBサーバ70に記憶される配信情報(遊技情報)が最新の情報に更新されることになる。
これによって、遊技者は、所望の遊技機10に関する遊技情報を最新の状態で取得することができる。
また、携帯端末80は遊技装置(台コンピュータ40)から遊技情報(遊技データ)を受信できるものの、この遊技情報(遊技データ)は暗号化され直接解読することはできないので、この遊技情報(遊技データ)のWEBサーバ70への送信を強制させるようになっている。これにより、遊技者の協力によりWEBサーバ70に記憶される遊技情報の更新が促進されることになる。
【0060】
また、遊技情報を送信した見返りとして、最新の遊技情報を取得可能とするだけでなく、遊技情報(遊技データ)を送信した遊技者に所定の特典情報を付与することもできる。
具体的には、WEBサーバ70で管理され、携帯端末80からの遊技情報(遊技データ)の送信によって更新される、例えば、大当り出玉数や大当り回数などの遊技情報が所定数に達した場合には、当該遊技情報(遊技データ)を送信した遊技者を祝福すべく、所定の特典情報(クーポンの発行、プレミア情報等)をダウンロード可能に提供することもできる。これにより、携帯端末80からの遊技情報(遊技データ)の送信が促進され、WEBサーバ70で管理する遊技情報の更新頻度を高めることができる。
【0061】
また、WEBサーバ70は、携帯端末80から受信した遊技情報(遊技データ)を、遊技機ごとの遊技情報として管理するだけではなく、送信した遊技者限りの遊技情報として蓄積して管理することもできる。
すなわち、WEBサーバ70は、会員ごとの遊技履歴をデータベースとして管理し、遊技情報(遊技データ)とともに受信した携帯端末識別番号が会員の携帯端末識別番号であると認証したときには、受信した遊技情報(遊技データ)を当該会員の遊技履歴データベースに加えて更新することもできる。
この遊技履歴データベースは、遊技情報(遊技データ)を送信した遊技者が過去に遊技を行った、遊技場名、機種名、日付ごと等に区分けされた、ゲーム回数、大当り回数、出玉率、投資金額等の遊技履歴データからなり、WEBサーバ70が遊技情報(遊技データ)を受信するたびに記憶データが更新される。
これにより、遊技者は、携帯端末80を介してWEBサーバ70から最新の遊技情報、すなわち、更新された自身の遊技履歴データをWEBサーバ70から取得して確認することができる。
【0062】
なお、本実施形態では、NFC通信部44を、台コンピュータ40の内部に備えた構成としたが、これに限らず、遊技の進行によって遊技機10から出力される遊技信号を受信し、最新の遊技情報を記憶可能であれば、例えば、台間機20や呼出ランプ30等の遊技装置の内部に設けることもできる。
また、携帯端末80は、WEBサーバ70を介して遊技情報を取得したが、遊技装置(台コンピュータ40)から直接取得することもできる。これは、上記の実施形態において、遊技装置(台コンピュータ40)から携帯端末80に送信される遊技データを携帯端末80が表示可能なデータ形式とすることで実現可能である。
また、携帯端末80が遊技装置(台コンピュータ40)から暗号化された遊技情報を取得する場合であっても、会員登録等の手続きを経て予めWEBサーバ70から取得した暗号鍵を用いて復号化することもできる。
【0063】
以上、本発明の遊技場システムの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技場システムは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、携帯端末80のNFC通信部81によって、NFC通信装置(RFタグ90又はNFC通信部44)に記憶されている遊技機特定情報などを読み取る場合を説明したが、これに限らず、NFC通信装置に書き込みを行うようにしてもよい。この場合には、携帯端末80上で入力された情報や、携帯端末80の記憶部83に記憶された所定の情報を、NFC通信装置が貼付又は内蔵された遊技装置にかざすことで、これらの情報を書き込むこととしてもよい。
【0064】
また、上述した実施形態では、携帯端末80のNFC通信部81によって、台コンピュータ40(遊技装置)に記憶されている遊技情報などを読み取る場合を説明したが、これに限らず、他の情報を読み取るようにしてもよい。
例えば、遊技場の管理用として携帯端末80を用いる場合、この携帯端末80にメンテナンス用アプリを用意し、携帯端末80を台コンピュータ40にかざすことで、メンテナンス用アプリに従って、各台コンピュータ40に記憶されたメンテナンスに関する情報(作業方法、作業履歴など)を受信し、携帯端末80の表示部84に表示することができる。これにより、遊技場側では、各遊技装置が設置された場所で、メンテナンスに関する情報を取得することができる。
【0065】
また、このメンテナンスに関する情報を、携帯端末80を介してWEBサーバ70に送信することにより、WEBサーバ70において台コンピュータ40ごとのメンテナンスに関する情報を管理させることもできる。
この場合は、携帯端末80は台コンピュータ40を特定可能な遊技装置特定情報とともにメンテナンスに関する情報をWEBサーバ70に送信するとともに、WEBサーバ70はこの遊技装置特定情報をキーとして台コンピュータ40ごとのメンテナンスに関する情報を管理し、携帯端末80はWEBサーバ70から台コンピュータ40ごとのメンテナンスに関する情報を受信することになる。
【0066】
また、上述した実施形態では、携帯端末80からの要求に応じて、WEBサーバ70から、予め決められた項目の配信情報や会員向け情報が配信される場合を説明したが、これに限らず、配信を希望する情報が一覧表示されたメニュー画面を表示部85に表示し、遊技者が配信を受けたい情報を選択可能としてもよい。例えば、遊技方法のみや、スランプグラフのみのように遊技者に任意に選択させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、携帯端末を利用して遊技機ごとの遊技情報を遊技者に配信する遊技場システムに好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0068】
10 遊技機
30 呼出ランプ
40 台コンピュータ(遊技装置)
44 NFC通信部(NFC通信装置)
70 WEBサーバ(サーバ)
74 認証部
80 携帯端末(通信端末)
81 NFC通信部
851 アプリ実行処理部(実行処理部)
90 RFタグ(NFC通信装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に設置された遊技機ごとの遊技情報を配信する遊技場システムであって、
遊技者の所持する通信端末と、
遊技場に設置される遊技機ごとに設けられ、前記通信端末との間でNFC(Near Field Communication)規格にもとづく無線通信を行い、当該遊技機を特定可能な遊技機特定情報を前記通信端末に送信するNFC通信装置と、
遊技機から出力される所定の遊技信号にもとづいて遊技機ごとに集計された遊技情報を記憶するとともに、前記通信端末との間で所定の通信回線を介して双方向通信を行い、前記通信端末から前記遊技機特定情報を受信するとともに前記遊技機特定情報に対応する遊技機の前記遊技情報を前記通信端末に送信するサーバと、を備え、
前記通信端末は、
前記NFC通信装置から前記遊技機特定情報を受信するNFC通信部と、
受信した前記遊技機特定情報を前記サーバに送信するとともに、前記サーバから前記遊技情報を受信する遊技情報通信部と、
受信した前記遊技情報を表示する表示部と、
前記NFC通信装置から前記遊技機特定情報を受信すると、受信した前記遊技機特定情報を前記サーバへ送信するとともに、前記サーバから前記遊技情報を受信すると、受信した前記遊技情報を前記表示部に表示させる一連の処理を自動的に実行する実行処理部と、を有する
ことを特徴とする遊技場システム。
【請求項2】
前記通信端末は、遊技者を特定可能な固有情報を記憶する記憶部を有し、
前記実行処理部は、
前記NFC通信装置から前記遊技機特定情報を受信すると、前記遊技機特定情報とともに前記固有情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、
予め登録された前記固有情報を記憶する記憶部と、
前記通信端末から前記固有情報を受信すると、この固有情報が、記憶部に記憶されている固有情報に含まれるか否かを照合して、当該通信端末を利用する遊技者の認証を行う認証部と、を備え、
予め登録された遊技者であるとの認証により、遊技に有益な所定の情報を前記通信端末に送信する
ことを特徴とする請求項1記載の遊技場システム。
【請求項3】
前記NFC通信装置は、
RFタグ又は非接触型ICカードからなる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技場システム。
【請求項4】
遊技機ごとに設置され、当該遊技機から出力される所定の遊技信号を受信するとともに、受信した遊技信号にもとづいて所定の遊技データを集計する遊技装置を有し、
前記遊技装置は、
前記NFC通信装置を備え、前記遊技機特定情報とともに前記遊技データを前記通信端末に送信し、
前記通信端末は、
前記遊技機特定情報を前記遊技データとともに前記サーバへ送信し、
前記サーバは、
受信した前記遊技データにもとづいて前記遊技情報を更新するとともに、更新した遊技情報を前記通信端末に送信する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技場システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−85858(P2013−85858A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231351(P2011−231351)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】