遊技場用装置
【課題】 ベース異常を確実かつ早期に検出するとともに、その検出の精度を向上させる。
【解決手段】 遊技媒体投入信号にもとづいて遊技媒体投入数をカウントする投入数カウント手段23と、遊技媒体投入数のカウント値が所定の投入規定数に達するたびに、この達した時点から過去に遡って投入規定数を超える一定の遊技媒体投入数が投入された間を判定区間として設定する判定区間設定手段25と、判定区間内でカウントされた遊技媒体払出数と遊技媒体投入数とにもとづいて、ベースに関する異常が発生したか否かを判定する処理をベース異常判定処理として実行する判定手段25、26とを備え、この判定手段25、26は、判定区間設定手段で判定区間が設定されるたびに、ベース異常判定処理を実行する。
【解決手段】 遊技媒体投入信号にもとづいて遊技媒体投入数をカウントする投入数カウント手段23と、遊技媒体投入数のカウント値が所定の投入規定数に達するたびに、この達した時点から過去に遡って投入規定数を超える一定の遊技媒体投入数が投入された間を判定区間として設定する判定区間設定手段25と、判定区間内でカウントされた遊技媒体払出数と遊技媒体投入数とにもとづいて、ベースに関する異常が発生したか否かを判定する処理をベース異常判定処理として実行する判定手段25、26とを備え、この判定手段25、26は、判定区間設定手段で判定区間が設定されるたびに、ベース異常判定処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機から出力された信号にもとづいて所定の処理を実行する遊技場用装置に関し、特に、遊技機が大当り状態以外の遊技状態であるときに算出された出玉率をベースとし、遊技機に投入された遊技媒体の数をアウト数とし、遊技機から払出された遊技媒体の数をセーフ数とし、アウト数が所定数に達するたびに、この達した時点から過去に遡って一定のアウト数が投入された間を判定区間として設定し、この判定区間におけるセーフ数とアウト数とにもとづいて、ベース異常の発生の有無を判定することにより、そのベース異常を確実かつ早期に発見することが可能な遊技場用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機が設置された遊技場には、それら遊技機の稼動に伴い発生する遊技信号にもとづき、遊技データを集計管理する遊技場管理装置が設置されている。
この遊技場管理装置は、ホールコンピュータと称され、遊技場に設置されたすべての遊技機の売上、粗利、割数、出玉率などの遊技データを集計している。
遊技場の管理者は、それらの遊技データを指標として、パチンコ機の遊技釘の調整やスロットマシンの確率設定値を変更することで、日々の営業利益を調整している。
このように遊技データは、遊技場の営業利益を左右する重要な指標であり、しかも、遊技機の遊技特性を表す指標となることから、信頼性の高い、安定したデータであることが望ましく、遊技釘の調整等による調整結果が正確に反映される遊技データであることが望ましい。
【0003】
ところで、遊技場管理装置で集計管理される遊技データの中に、ベースがある。
ベースとは、一般的には、大当り以外の遊技状態(通常遊技状態、確変状態、時短状態)における出玉率(遊技媒体の投入数に対する払出数の比率)をいい、遊技機が正常に稼動しているときには、通常、一定範囲に収まる。ところが、遊技機内で玉詰まりが発生したり、不正行為により出玉が大量に払い出されたりすると、ベースが一定範囲を逸脱する。このため、遊技場では、そのベースを所定の間隔で算出し、遊技場管理装置の画面に表示することにより、遊技機での異常状態の発生の有無を監視している。
【0004】
そのベース異常の判定方法には、種々のものがある。
例えば、アウト数が100個毎にセーフ数を参照し、この参照したセーフ数が50個以上であった場合に、これをベース異常として検出するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、10分毎にベースの平均値を算出し、これと所定範囲とを比較して、ベース異常を検出するものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
さらに、図12(a)に示すように、所定のアウト数毎(例えば、500個毎)にベースの平均を算出し、この平均値と所定範囲(正常範囲)とを比較して、ベース異常を検出するものがある。
これらの方法によれば、セーフ数やベースの平均値を監視することで、ベース異常を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−167294号公報
【特許文献2】特開2004−081564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したベース異常の判定方法においては、次のような問題があった。
例えば、特許文献1に記載の技術は、アウト数が100個に達するごとにベース異常の判定を行っているが、このようにこまめに判定を行うと、ベースの値が過度に増減して暴れたときに、ベース異常の判定が数多くなされてしまうおそれがあった。
【0008】
また、特許文献2に記載の技術は、10分毎にベース異常を判定しているが、この技術では、ある10分間におけるベースを算出してベース異常の有無を判定し、この判定が終わると、その算出したベースをリセットしていた。そして、次の10分では、この10分間におけるベースを改めて算出してその判定を行っていた。そうすると、例えば、先の10分から次の10分に亘ってベース異常が発生した場合には、その異常値を示すベースの前半が先の10分におけるベースの算出に用いられ、後半が次の10分におけるベースの算出に用いられていた。これにより、先の10分又は次の10分において算出されるベースに対して異常値の影響が小さくなることから、算出されたベースが正常値を示すようになり、ベース異常と判定されなくなる場合があった。
【0009】
さらに、アウト数が所定数に達するたびにベース異常を判定する場合においても、同様のことが生じていた。
例えば、図12(a)に示すように、アウト数が500個に達するたびにベース異常の発生の有無を判定し、0〜500個のときも、500個〜1000個のときも、正常と判定された場合でも、同図(b)の細線の棒グラフで示すように、ベース異常と判定すべき状態が存在することがあった。具体的に、同図(b)においては、アウト数が100個ごとにベースを算出したときに、300〜700個のところでベースが異常値を示していた。ところが、そのうちの前半(300〜500)については、0〜500におけるベースの算出に用いられ、後半(500〜700)については、500〜1000におけるベースの算出に用いられていた。つまり、その異常値が分散してしまい、500個ごとのベースの算出に対する影響が小さくなり、算出されたベースが正常値を示して、ベース異常が検出されないという事態が生じていた。
これらに示すように、ベース異常の発生状態が、ベース異常を判定する複数の区間に亘っているような場合には、そのベース異常が検出されないことがあった。
【0010】
また、従来のベース異常の判定方法では、ベース異常の発生時期とその検出の時期にタイムラグがあった。例えば、図13に示す場合では、ベース異常が、既にアウト数が0〜100個の時点で発生していた。ところが、このベース異常は、アウト数が500個に達したときでなければ検出されなかった。このため、発生したベース異常への対応が遅れることがあった。
さらに、ベース異常から正常状態への復帰とその検出との間にもタイムラグが生じていた。例えば、同図に示すように、ベース異常から正常状態への復帰が、既にアウト数が500〜600個の時点で起こっているものの、アウト数が1000個に達したときでなければ、それが検出されなかった。
このように、ベース異常やその復帰が生じた時点と、これらを検出する時点に、時間的な開きがあった。このため、ホールの従業員は、ベース異常に適切に対応することができないという問題があった。
【0011】
また、図14に示すように、アウト100個毎に算出した5つのベースのうち、1つ目から4つ目までのベースが正常であったとしても、5つ目のベースが極端に高い値を示すときは、平均値が正常範囲を超過してベース異常と判定されることがあった。
さらに、同図に示すように、アウト100個毎に算出した5つのベースのすべてが異常値であったとしても、それら異常値の中に正常範囲を超過しているものと正常範囲未満のものが含まれているときは、平均値が正常範囲内に収まって正常と判定されることがあった。
このように、本来正常と判定すべき状態をベース異常と判定したり、逆に、ベース異常と判定すべき状態を正常と判定したりするなど、ベース異常の判定の精度に問題があった。
【0012】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、ベース異常を確実かつ早期に検出するとともに、その検出の精度を向上可能とする遊技場用装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するため、本発明の遊技場用装置は、遊技機が大当り状態以外の遊技状態であるときの出玉率をベースとし、このベースに関する異常が発生したか否かを判定する遊技場用装置であって、遊技機に投入された遊技媒体の数である遊技媒体投入数を示す遊技媒体投入信号と、遊技機から払出された遊技媒体の数である遊技媒体払出数を示す遊技媒体払出信号とを、遊技機から受信する通信手段と、遊技媒体投入信号にもとづいて遊技媒体投入数をカウントする投入数カウント手段と、遊技媒体払出信号にもとづいて遊技媒体払出数をカウントする払出数カウント手段と、遊技媒体投入数のカウント値が所定の投入規定数に達するたびに、この達した時点から過去に遡って投入規定数を超える一定の遊技媒体投入数が投入された間を判定区間として設定する判定区間設定手段と、判定区間内でカウントされた遊技媒体払出数と当該判定区間における遊技媒体投入数とにもとづいて、ベースに関する異常が発生したか否かを判定する処理をベース異常判定処理として実行する判定手段とを備え、この判定手段は、判定区間設定手段で判定区間が設定されるたびに、ベース異常判定処理を実行する構成としてある。
【発明の効果】
【0014】
本発明の遊技場用装置によれば、遊技媒体投入数が所定数に達するたびに、ベース異常の判定が行われるので、ベース異常を早期に検出できる。
また、遊技媒体投入数が所定数に達するたびに、過去所定数の判断区間に遡ってベース異常を判定するので、ベース異常が複数の区間に亘って発生しているときでも、そのベース異常を確実に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態における遊技場システムの構成を示す概略図である。
【図2】台コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】ベース異常判定方法の第一実施例における台コンピュータの動作を示すフローチャートである。
【図4】ベース異常判定方法の第一実施例による判定の具体例を示す説明図である。
【図5】ベース異常判定方法の第二実施例における台コンピュータの動作を示すフローチャートである。
【図6】ベース異常判定方法の第二実施例による判定の具体例を示す説明図である。
【図7】ベース異常判定方法の第三実施例における台コンピュータの動作を示すフローチャートである。
【図8】ベース異常判定方法の第三実施例による判定の具体例を示す説明図である。
【図9】ベース異常判定方法の第四実施例における台コンピュータの動作を示すフローチャートである。
【図10】ベース異常判定方法の第四実施例による判定の具体例を示す説明図である。
【図11】ベース異常判定方法の第四実施例による判定の具体例を示す図表である。
【図12】ベース異常の判定方法の従来例を示す図である。
【図13】ベース異常の判定方法の他の従来例を示す図である。
【図14】ベース異常の判定方法のさらに他の従来例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る遊技場用装置の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
[遊技場用装置及びこの遊技場用装置を備えた遊技場システム]
まず、本発明の遊技場用装置の実施形態について、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態の遊技場用装置を備えた遊技場システムの構成を示す概略図である。
同図に示すように、本実施形態に係る遊技場システム1は、遊技機10、台コンピュータ20、島コンピュータ30、ホールコンピュータ40で構成されている。
【0018】
ここで、遊技機10は、遊技媒体となる遊技球やメダルを使用して所定の遊技を行う装置であって、代表的なものにパチンコ機10aやスロットマシン10bなどがある。
遊技場においては、通常、複数の遊技機10が所定数単位でまとめられた、いわゆる「島」単位で設置されており、それら複数の遊技機島が遊技場内に並列されるようになっている。
【0019】
各遊技機10は、所定の遊技信号(外部出力信号)を出力する。
例えば、遊技機10がパチンコ機10aの場合には、遊技信号として、大当り状態を示す大当り信号、パチンコ機10aに投入された遊技球の数量を示すアウト信号、パチンコ機10aから払出された遊技球の数量を示すセーフ信号などを出力する。
また、遊技機10がスロットマシン10bの場合には、遊技信号として、大当り状態を示すボーナス信号、メダルの投入枚数を示すメダル投入信号、メダルの払出枚数を示すメダル払出信号などを出力する。
これら遊技信号は、遊技機10から出力されると、台コンピュータ20へ送られ、さらに島コンピュータ30を介してホールコンピュータ40へ送信される。
【0020】
なお、パチンコ機10aから出力されるアウト信号と、スロットマシン10bから出力されるメダル投入信号は、いずれも遊技機10に投入される遊技媒体の数量を示す信号であることから、「遊技媒体投入信号」に相当する。
また、パチンコ機10aから出力されるセーフ信号と、スロットマシン10bから出力されるメダル払出信号は、いずれも遊技機10から払い出される遊技媒体の数量を示す信号であることから、「遊技媒体払出信号」に相当する。
【0021】
さらに、遊技機10は、該遊技機10に所定数(例えば、10個)の遊技媒体が投入されると、遊技媒体投入信号を最小単位の波形(例えば、1パルス)に形成して出力する。
また、遊技機10は、所定数(例えば、10個)の遊技媒体を払出すと、遊技媒体払出信号を最小単位の波形(例えば、1パルス)に形成して出力する。
この本実施形態においては、遊技機10がパチンコ機10aであるものとして説明する。
【0022】
台コンピュータ20は、一又は二以上の遊技機10に対応して設けられた信号中継装置であって、図2に示すように、通信手段21と、記憶手段22と、投入数カウント手段23と、払出数カウント手段24と、判定区間設定手段25と、判断区間決定手段26と、第一判定手段27と、第二判定手段28と、制御手段29とを有している。
【0023】
通信手段21は、遊技機10や島コンピュータ30に接続されており、これら遊技機10や島コンピュータ30との間で所定の信号(データ)を送受信する。例えば、通信手段21は、遊技機10から出力された遊技信号を受信する。また、通信手段21は、その遊技信号や、この遊技信号にもとづき算出された遊技情報、後述するベース異常判定方法の判定結果などを、島コンピュータ30を介してホールコンピュータ40へ送信する。
記憶手段22は、台コンピュータ20の有する各種機能を実行するためのプログラムやデータ、通信手段21で受信された信号の示すデータなどを記憶する。この記憶手段22が記憶するデータの詳細については、後記の「ベース異常判定方法」にて詳述する。
【0024】
投入数カウント手段23は、アウト信号にもとづいてアウト数をカウントする。アウト数とは、パチンコ機10aに投入された遊技球の数量をいう。また、アウト信号は、最小単位の波形(1パルス)が所定のアウト数(例えば、10個)を示す。
払出数カウント手段24は、セーフ信号にもとづいてセーフ数をカウントする。セーフ数とは、パチンコ機10aから払出された遊技球の数量をいう。また、セーフ信号は、最小単位の波形(1パルス)が所定のセーフ数(例えば、10個)を示す。
【0025】
判定区間設定手段25は、アウト数のカウント値が所定の投入規定数に達するたびに、この達した時点から過去に遡って一定のアウト数が投入された間を判定区間として設定する。
ここで、所定の投入規定数は、任意に決めることができる。ただし、後記の「ベース異常判定方法」にて詳述するように、第一実施例〜第三実施例においては判断区間におけるアウト数が、第四実施例においてはアウト信号の最小単位の波形に相当するアウト数が、それぞれ所定の投入規定数とされる。
【0026】
判断区間決定手段26は、判定区間に相当する一定のアウト数を整数で等分し、この等分した後のそれぞれの区間を判断区間とし、これら判断区間ごとのアウト数を区間アウト数とし、投入数カウント手段におけるアウト数のカウント値が区間アウト数に達すると、当該カウントの開始から区間アウト数に達した時点までの間を判断区間として決定する。
これら判定区間設定手段25及び判断区間決定手段26の動作の詳細については、後記の「ベース異常判定方法」にて詳述する。
【0027】
第一判定手段27は、判断区間ごとにベースを算出する。ベースとは、遊技機10が大当り状態以外の遊技状態であるときに算出される出玉率をいう。具体的には、次の式1を用いて、ベースを算出することができる。
ベース=セーフ数/アウト数×100 ・・・(式1)
そして、第一判定手段27は、その算出したベースが正常範囲を逸脱しているか否かを判断する。
この第一判定手段27が実行する処理の詳細については、後記の「ベース異常判定方法」で詳述する。
【0028】
第二判定手段28は、過去所定数の判断区間のうち、ベースが正常範囲を逸脱したものと判断された判断区間の数を求め、この数が一定数以上であると、ベース異常が発生したものと判定する。
この第二判定手段28が実行する処理の詳細については、後記の「ベース異常判定方法」で詳述する。
また、これら第一判定手段27と第二判定手段28を併せて「判定手段」というものとする。
【0029】
制御手段29は、例えば、CPUにより構成することができ、記憶手段22に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、台コンピュータ20の構成各部に指令を送り、又は自ら動作して、台コンピュータ20の有する各種機能を実行・制御する。
【0030】
島コンピュータ30は、遊技機10の島ごとに設けられており、台コンピュータ20から送られてきた信号を受信し、この信号に対して所定の処理を行い、ホールコンピュータ40の要求に応じて、その処理後の信号をホールコンピュータ40に送信する。また、島コンピュータ30は、ホールコンピュータ40から送られてきたデータを台コンピュータ20へ送ることができる。
ホールコンピュータ40は、遊技機10で行われた遊技に関するデータを集計管理するコンピュータである。
【0031】
なお、遊技場システム1が導入された遊技場には、図1に示す各装置の他、例えば、遊技機10が大当り状態に移行したことを点灯表示する機能や遊技に関するデータを表示する機能を備えた呼出しランプ、遊技媒体を遊技者に貸出す遊技媒体の貸出機、遊技媒体の数量を計数する遊技媒体計数機、景品交換に関するデータを集計管理するPOS端末、遊技機や会員に関する情報を閲覧可能に表示する遊技データ表示装置など、遊技に関する各種装置を設置することができる。
【0032】
また、遊技場によっては、本実施形態においては、台コンピュータ20、島コンピュータ30、ホールコンピュータ40、その他遊技場システム1に接続可能な装置や機器を、「遊技場用装置」というものとする。
【0033】
[ベース異常判定方法]
次に、本実施形態の遊技場用装置が実行するベース異常判定方法について、図面を参照して説明する。
なお、ここでは、ベース異常判定方法を四つの実施例(第一実施例〜第四実施例)に分けて説明する。
また、遊技機10については、パチンコ機10aを例に挙げて説明する。
【0034】
(1)第一実施例
ベース異常判定方法の第一実施例について、図3、図4を参照して説明する。
図3は、台コンピュータ20にて実行されるベース異常判定方法の第一実施例の処理手順を示すフローチャートである。図4は、ベースの推移とベース異常の判定の具体例を示すグラフである。
第一実施例は、アウト数が所定数に達するたびに、この間を判断区間として決定し、この判断区間におけるベースを算出し、このベースが異常値を示しているか否かを判断し、この判断の結果を区間別判断結果として記憶し、過去所定数の判断区間を判定区間として設定し、この判定区間における各判断区間ごとの区間別判断結果を参照し、ベースが異常値を示していると判断された区間別判断結果の数が一定数以上であると、ベース異常が発生したものと判定するものである。
【0035】
(1−1)処理手順
第一実施例の処理手順について、図3を参照して説明する。
台コンピュータ20の記憶手段22には、区間アウト数と、正常範囲と、異常判定用閾値が記憶されている(S10)。
区間アウト数(区間投入数)とは、一の判断区間におけるアウト数をいう。
正常範囲とは、ベースの示す値が正常と判断される範囲をいう。この正常範囲には、上限値と下限値がある。つまり、ベースが上限値を超過している場合、又は、下限値に満たない場合に、そのベースが異常値を示しているものと判断される。
なお、異常判定用閾値については、後述する。
【0036】
第一判定手段27は、アウト数、セーフ数、ベースの各値を0にリセットする(S11)。
遊技機10が稼動を開始して遊技信号を出力すると、通信手段21は、その遊技信号を受信する(S12)。この遊技信号には、少なくともセーフ信号とアウト信号が含まれている。
なお、遊技機10は、大当り状態以外の遊技状態であり、その遊技機10からは、大当り信号が出力されていないものとする。
【0037】
続いて、払出数カウント手段24は、通信手段21で受信されたセーフ信号にもとづいて、セーフ数をカウントする(S13)。
また、投入数カウント手段23は、アウト信号にもとづいて、アウト数をカウントする(S14)。
これらセーフ数のカウント値とアウト数のカウント値は、記憶手段22へ送られて記憶される。
【0038】
また、判断区間決定手段26は、記憶手段22からアウト数のカウント値と区間アウト数とを取り出すと、そのカウント値が区間アウト数に達したか否かを判断する(S15)。
判断の結果、アウト数のカウント値が区間アウト数に達していないときは、S12以降の処理を実行する。
一方、アウト数のカウント値が区間アウト数に達したときは、判断区間決定手段26は、投入数カウント手段23におけるアウト数のカウントの開始から、そのアウト数が区間アウト数に達したときまでの間を、一の判断区間として決定する(S16)。
なお、区間アウト数は、例えば、100個とすることができる。
【0039】
さらに、第一判定手段27は、その決定された判断区間におけるアウト数とセーフ数とを用いてベースを算出する(S17)。この算出されたベースは、記憶手段22へ送られて記憶される。
そして、第一判定手段27は、記憶手段22から正常範囲を取り出すと、算出したベースと比較する(S18、ベースの異常判断)。
比較の結果、ベースが正常範囲の範囲内であるときは、当該判断区間におけるベースは、正常であると判断する。
一方、ベースが正常範囲を逸脱しているときは、当該判断区間におけるベースは、異常であると判断する。
これら判断の結果は、「区間別判断結果」として、記憶手段22へ送られて記憶される。
【0040】
次いで、判定区間設定手段25は、投入数カウント手段23におけるアウト数のカウントによりカウント値が区間アウト数に達した時点から、過去所定数の判断区間を判定区間として設定する(S19)。
なお、本実施例(及び後述する第二実施例)においては、区間アウト数が「所定の投入規定数」に相当する。
また、ここでは、過去所定数の判断区間を判定区間として設定しているが、これに限るものではなく、アウト数を用いて判定区間を設定することができる。すなわち、判定区間設定手段25は、投入数カウント手段23におけるアウト数のカウントによりカウント値が区間アウト数に達した時点から、過去に遡って一定のアウト数までの間を判定区間として設定することができる。これは、判定区間に相当する一定のアウト数を整数(所定数)で等分し、この等分した後のそれぞれの区間を判断区間とするからである。
さらに、判定区間として設定される一定のアウト数は、例えば、500個とすることができる。
【0041】
そして、第二判定手段28は、記憶手段22に記憶されている区間別判断結果の中から、判定区間における各判断区間ごとの区間別判断結果を抽出し、これら抽出した区間別判断結果のうち、ベースが正常範囲を逸脱しているために異常であるとの判断結果を示す区間別判断結果の数をカウントする(S20)。
【0042】
また、第二判定手段28は、そのカウント数(異常区間数)が閾値以上であるか否かを判断する(S21)。なお、この異常区間数と比較される閾値を「異常判定用閾値」という。
判断の結果、異常区間数が異常判定用閾値未満であるときは、ベース異常が発生しておらず、遊技機10が正常に稼動しているものと判定する(正常と判定、S22)。
一方、異常区間数が異常判定用閾値以上であるときは、ベース異常が発生しており、遊技機10にて何らかの異常な状態が生じているものと判定する(ベース異常と判定、S23)。この場合、台コンピュータ20の通信手段21からホールコンピュータ40へ、ベース異常発生イベントが送信される。
【0043】
判定後、次の遊技信号が通信手段21で受信されると(S24)、投入数カウント手段23が、アウト数のカウント値をリセットし、払出数カウント手段24が、セーフ数のカウント値をリセットする(S25)。その後は、S13以降の処理が繰り返される。
なお、S17、S18、S20〜S23の各処理は、第一判定手段27又は第二判定手段28が実行する処理であり、その内容は、判定区間内でカウントされた遊技媒体払出数と当該判定区間における遊技媒体投入数とにもとづいて判断区間ごとにベースを算出し、これら算出したベースにもとづいて、ベースに関する異常が発生したか否かを判定するものであるので、「ベース異常判定処理」に相当する。
【0044】
(1−2)具体例
第一実施例の具体例について、図4を参照して説明する。
例えば、台コンピュータ20の判断区間決定手段26で決定される判断区間を、判断区間A1、A2、A3、・・・とする。
また、判断区間A1のベースを「20」、判断区間A2のベースを「60」、判断区間A3のベースを「20」、・・・とする。
さらに、ベースの正常範囲は、「10」〜「50」とし、判断区間ごとの異常判断の結果は、判断区間A1が「正常」、判断区間A2が「異常」、判断区間A3が「正常」、・・・とする。
そして、判断区間の区間アウト数を「100」、判定区間のアウト数を「500」、判定区間における判断区間の数を「5」とする。
【0045】
ベース異常の判定は、判断区間が決定されるたびに行われる。
判断区間A1が決定されると、第二判定手段28は、過去所定数(ここでは、「5」)の判断区間における判断結果を記憶手段22から取り出す。ここでは、判断区間A1の判断結果のみが記憶手段22に記憶されているので、その判断結果が取り出される。
そして、第二判定手段28は、取り出した判断結果の中から「異常」と判断された数をカウントする。ここでは、判断区間A1の判断結果が「正常」であるので、「異常」と判断された数は「0」となる。
さらに、第二判定手段28は、そのカウント数である「0」と異常判定用閾値である「3」とを比較する。比較の結果、カウント数である「0」は、異常判定用閾値である「3」に満たないため、第二判定手段28は、ベース異常が発生しておらず、遊技機10が正常に稼動しているものと判定する。
【0046】
判断区間A2〜A7の決定後においても、同様に、ベース異常の判定が行われる。
これら判断区間A2〜A7においては、「異常」と判断された数が「1」又は「2」のいずれかとなり、異常判定用閾値である「3」に満たないため、ベース異常が発生していないものと判定される。
【0047】
これに対し、判断区間A8では、過去所定数(「5」)の判断区間における「異常」と判断された数が「3」となり、異常判定用閾値である「3」以上となるため、ベース異常が発生したものと判定される。この判定により、台コンピュータ20の通信手段21からホールコンピュータ40へ、ベース異常イベントが送信される。
同様に、判断区間A9〜A14では、過去所定数(「5」)の判断区間における「異常」と判断された数が「3」、「4」、「5」のいずれかとなり、異常判定用閾値である「3」以上となるため、ベース異常が発生したものと判定される。この場合は、ベース異常発生中にベース異常を検出したことになるので、台コンピュータ20の通信手段21からホールコンピュータ40へは、判定ごとにベース異常イベントが送信されるとともに、所定のベース情報が送信される。
そして、判断区間A15では、過去所定数(「5」)の判断区間における「異常」と判断された数が「2」となり、異常判定用閾値である「3」に満たないため、正常と判定される。ここで、判定区間A15の直前の判定区間A14においてはベース異常と判定されていたため、この判定区間A15においては、そのベース異常が復帰したものと判定することも可能である。ただし、本実施例では、ベース異常からの自動復帰は行わないこととし、台コンピュータ20の通信手段21からホールコンピュータ40へは、ベース異常復帰イベントを送信しないものとする。なお、後述するように、設定により、ベース異常からの自動復帰を行うこととし、ベース異常復帰イベントを送信するようにすることもできる。
【0048】
以上説明したように、本実施例のベース異常判定方法によれば、アウト数が所定数に達するたびに、過去所定数の判断区間についてベース異常の判定を行うので、ベース異常を早期に検出することができる。
また、ベース異常を判定する区間(過去所定数の判断区間)が、判断区間単位でシフトしていくので、一つのベース異常が二つの判断区間に亘って発生したとしても、その一つのベース異常を確実に検出できる。
【0049】
なお、図4の判定15回目においては、過去所定数(「5」)の判断区間における「異常」と判断された数が「2」であり、異常判定用閾値である「3」に満たないため、ベース異常が復帰したものと判定しているが、これに限るものではなく、例えば、過去所定数の判断区間における「正常」と判断された数を用いて、ベース異常が復帰したか否かを判定することができる。すなわち、正常判定用の閾値を「3」とし、過去所定数(「5」)の判断区間における「正常」と判断された数が「3」以上であれば、その判定区間は、正常であるものと判定する。そして、同図の判定15回目においては、過去所定数(「5」)の判断区間における「正常」と判断された数が「3」であり、正常判定用の閾値である「3」以上であるため、ベース異常が復帰したものと判定することができる。
【0050】
(2)第二実施例
ベース異常判定方法の第二実施例について、図5、図6を参照して説明する。
図5は、台コンピュータ20にて実行されるベース異常判定方法の第二実施例の処理手順を示すフローチャートである。図6は、ベースの推移とベース異常の判定の具体例を示すグラフである。
第二実施例は、第一実施例の処理を実行後、判定区間におけるベースの平均値を算出し、この平均値が正常範囲内か否かを判断し、その平均値が正常範囲を逸脱しているときにベース異常が発生したものと判定するものである。
【0051】
(2−1)処理手順
第二実施例の処理手順について、図5を参照して説明する。
図3のS10からS23までの処理が実行された後、第二判定手段28は、記憶手段22に記憶されているベースの数(又は、ベースが算出された判断区間の数)が所定数以上であるか否かを判断する(S30)。
ここで、所定数とは、判定区間における判断区間の数である。
【0052】
判断の結果、記憶手段22に記憶されているベースの数(又は、ベースが算出された判断区間の数)が所定数以上でないときは、図3のS10からS23までの処理が実行される。
一方、記憶手段22に記憶されているベースの数(又は、ベースが算出された判断区間の数)が所定数以上であるときは、第二判定手段28は、判定区間におけるベースの平均値を算出する(S31)。
次いで、第二判定手段28は、記憶手段22から正常範囲を取り出し、この正常範囲と算出したベースの平均値とを対比して、その算出したベースの平均値が正常範囲内にあるか否かを判断する(S32)。
【0053】
判断の結果、ベースの平均値が正常範囲内にあるときは、第二判定手段28は、ベース異常が発生しておらず、遊技機10が正常に稼動しているものと判定する(S33)。
一方、ベースの平均値が正常範囲を逸脱しているときは、第二判定手段28は、ベース異常が発生しているものと判定する(S34)。この場合、通信手段21は、ホールコンピュータ40へベース異常発生イベントを送信する。
判定後、次の遊技信号が通信手段21で受信されると(S35)、投入数カウント手段23が、アウト数のカウント値をリセットし、払出数カウント手段24が、セーフ数のカウント値をリセットする(S36)。そして、図3のS1からS21までの処理とS30以降の処理が実行される。
なお、S30からS34までの処理は、第二判定手段28が実行する処理であり、その内容は、判定区間内でカウントされた遊技媒体払出数と当該判定区間における遊技媒体投入数とにもとづいて判定区間におけるベースを算出し、この算出したベースにもとづいて、ベースに関する異常が発生したか否かを判定するものであるので、「ベース異常判定処理」に相当する。
【0054】
(2−2)具体例
第二実施例の具体例について、図6を参照して説明する。
例えば、台コンピュータ20の判断区間決定手段26で決定される判断区間を、判断区間A1、A2、A3、・・・とする。
また、判断区間A1のベースを「20」、判断区間A2のベースを「15」、判断区間A3のベースを「5」、・・・とする。
さらに、ベースの正常範囲は、「10」〜「50」とする。
そして、判断区間の区間アウト数を「100」、判定区間のアウト数を「500」、判定区間における判断区間の数を「5」とする。
【0055】
判断区間A1〜A4については、S30の処理において、ベースが算出された判断区間の数が、所定数(判定区間における判断区間の数「5」)を満たしていないので、S31以降の処理は実行されない。
これに対し、判断区間A5以降については、S30の処理において、ベースが算出された判断区間の数が所定数以上であるので、S31以降の処理が実行される。
【0056】
判断区間A5におけるベースが算出され、S30でYesが判断されると、第二判定手段28は、過去所定数の判断区間(判定区間)におけるベースの平均値を算出する。ここでは、判断区間A1のベースが「20」、判断区間A2のベースが「15」、判断区間A3のベースが「5」、判断区間A4のベースが「45」、判断区間A5のベースが「45」であるので、これら判断区間A1からA5までのベースの平均値は、「26.00」と算出される。
そして、第二判定手段28は、その算出したベースの平均値と正常範囲とを比較する。ここで、正常範囲を「10」〜「50」とすると、判断区間A1からA5までのベースの平均値が「26.00」であるので、正常範囲内にある。このため、第二判定手段28は、ベース異常が発生しておらず、遊技機10が正常に稼動しているものと判定する。
なお、判断区間A6、A7についても、判断区間A5と同様に処理され、正常と判定される。
【0057】
その後、判断区間A8におけるベースが算出され、S30でYesが判断されると、第二判定手段28は、過去所定数の判断区間(判定区間)におけるベースの平均値を算出する。ここでは、判断区間A4のベースが「45」、判断区間A5のベースが「45」、判断区間A6のベースが「70」、判断区間A7のベースが「70」、判断区間A8のベースが「45」であるので、これら判断区間A4からA8までのベースの平均値が「55.00」と算出される。
そして、第二判定手段28は、その算出したベースの平均値と正常範囲とを比較する。ここで、ベースの平均値である「55.00」は、正常範囲である「10」〜「50」を逸脱している。このため、第二判定手段28は、ベース異常が発生したものと判定する。
なお、判断区間A9、A10についても、判断区間A8と同様に処理され、ベース異常が発生したものと判定される。
【0058】
さらに、判断区間A11におけるベースが算出され、S30でYesが判断されると、第二判定手段28は、過去所定数の判断区間(判定区間)におけるベースの平均値を算出する。ここでは、判断区間A7のベースが「70」、判断区間A8のベースが「45」、判断区間A9のベースが「30」、判断区間A10のベースが「60」、判断区間A11のベースが「25」であるので、これら判断区間A7からA11までのベースの平均値が「46.00」と算出される。
そして、第二判定手段28は、その算出したベースの平均値と正常範囲とを比較する。ここで、ベースの平均値である「46.00」は、正常範囲である「10」〜「50」の範囲内にある。このため、第二判定手段28は、正常と判定する。
なお、判断区間A12、A13についても、判断区間A11と同様に処理され、正常と判定される。
【0059】
以上説明したように、本実施例のベース異常判定方法によれば、ベース異常と判定すべき状態が遊技機で発生しているにもかかわらず、第一実施例を実行したときに、その状態をベース異常と判定しない場合、例えば、ベースが異常値を示している判断区間の数が異常判定用閾値よりも少ない場合(その判断区間が一つ又は二つしかない場合)でも、本実施例を実行することにより、そのような場合を補完して、そのベース異常を検出することができる。
具体的には、例えば、図6に示す判定区間のうち、判断区間A4〜A8を含む判定区間について見てみると、それら判断区間ごとのベースのうち、正常範囲を逸脱しているベースが、A6のベース「70」と、A7のベース「70」の二つのみである。このため、第一実施例を実行したときは、それら正常範囲を逸脱している判断区間の数「2」が異常判定用閾値である「3」よりも少ないことから、正常と判定されてしまう。これに対し、本実施例を実行したときは、同図に示すようにベース異常と判定することができる。
このように、第一実施例と本実施例のダブルチェックを行うことで、ベース異常を確実に発見できる。
【0060】
(3)第三実施例
ベース異常判定方法の第三実施例について、図7、図8を参照して説明する。
図7は、台コンピュータ20にて実行されるベース異常判定方法の第三実施例の処理手順を示すフローチャートである。図8は、ベースの推移とベース異常の判定の具体例を示すグラフである。
第三実施例は、判定区間におけるベースの平均値を算出する際、この判定区間における各判断区間ごとのベースの中から最大のものと最小のものを除外した残りのベースを用いて平均値を算出し、この平均値が正常範囲を逸脱しているときにベース異常が発生したものと判定するものである。
【0061】
(3−1)処理手順
第三実施例の処理手順について、図7を参照して説明する。
図3のS10からS17までの処理が実行された後、第二判定手段28は、記憶手段22に記憶されているベースの数(又は、ベースが算出された判断区間の数)が所定数以上であるか否かを判断する(S40)。
【0062】
判断の結果、記憶手段22に記憶されているベースの数(又は、ベースが算出された判断区間の数)が所定数以上でないときは、図3のS10からS17までの処理が実行される。
一方、記憶手段22に記憶されているベースの数(又は、ベースが算出された判断区間の数)が所定数以上であるときは、判定区間設定手段25は、過去所定数の判断区間を判定区間として設定する(S41)。
なお、S41の処理は、図3のS19の処理と同様、投入数カウント手段23におけるアウト数のカウントによりカウント値が区間アウト数に達した時点から、過去所定数の判断区間を判定区間として設定するものである。よって、本実施例においては、区間アウト数が「所定の投入規定数」に相当する。
【0063】
次いで、第二判定手段28は、判定区間における各判断区間ごとに算出されたベースの中から、最大値を示すベースと、最小値を示すベースを選択する(S42)。
続いて、第二判定手段28は、それら最大値を示すベースと最小値を示すベースを除外した残りのベースを用いて、判定区間におけるベースの平均値を算出する(S43)。
【0064】
そして、第二判定手段28は、その算出したベースの平均値が正常範囲内にあるか否かを判断する(S44)。
判断の結果、ベースの平均値が正常範囲内にあるときは、第二判定手段28は、ベース異常が発生しておらず、遊技機10が正常に稼動しているものと判定する(S45)。
一方、ベースの平均値が正常範囲を逸脱しているときは、第二判定手段28は、ベース異常が発生しているものと判定する(S46)。この場合、通信手段21は、ホールコンピュータ40へベース異常発生イベントを送信する。
【0065】
判定後、次の遊技信号が通信手段21で受信されると(S47)、投入数カウント手段23が、アウト数のカウント値をリセットし、払出数カウント手段24が、セーフ数のカウント値をリセットする(S48)。そして、図3のS10からS17までの処理とS40以降の処理が実行される。
なお、S17、S40〜S46の各処理は、第一判定手段27又は第二判定手段28が実行する処理であり、その内容は、判定区間内でカウントされた遊技媒体払出数と当該判定区間における遊技媒体投入数とにもとづいて判断区間ごとにベースを算出し、これら算出したベースにもとづいて、ベースに関する異常が発生したか否かを判定するものであるので、「ベース異常判定処理」に相当する。
【0066】
(3−2)具体例
第三実施例の具体例について、図8を参照して説明する。
例えば、台コンピュータ20の判断区間決定手段26で決定される判断区間を、判断区間A1、A2、A3、・・・とする。
また、判断区間A1のベースを「25」、判断区間A2のベースを「30」、判断区間A3のベースを「20」、・・・とする。
さらに、ベースの正常範囲は、「10」〜「50」とする。
そして、判断区間の区間アウト数を「100」、判定区間のアウト数を「500」、判定区間における判断区間の数を「5」とする。
【0067】
判断区間A1〜A4については、S40の処理において、判断区間の数が所定数(判定区間における判断区間の数「5」)を満たしていないので、S41以降の処理は実行されない。
これに対し、判断区間A5以降については、S40の処理において、判断区間の数が所定数以上であるので、S41以降の処理が実行される。
【0068】
判断区間A5におけるベースが算出され、S40でYesと判断されると、第二判定手段28は、過去所定数の判断区間(判定区間)におけるベースの平均値を算出する。
ここで、第二判定手段28は、判断区間A1〜A5のそれぞれについて算出された五つのベースの中から最大値を示すベースと最小値を示すベースを選択する。
具体的には、判断区間A1のベースが「25」、判断区間A2のベースが「30」、判断区間A3のベースが「20」、判断区間A4のベースが「200」、判断区間A5のベースが「0」であるので、「200」が最大のベース、「0」が最小のベースとして選択される。
【0069】
次いで、第二判定手段28は、それら選択したベースを除外した残りのベースである「25」、「30」、「20」を用いて、これらの平均値を算出する。ここでは、「25.00」が算出される。
続いて、第二判定手段28は、その算出したベースの平均値と正常範囲とを比較する。ここでは、ベースの平均値である「25.00」が正常範囲である「10」〜「50」の範囲内にある。このため、第二判定手段28は、ベース異常が発生しておらず、遊技機10が正常に稼動しているものと判定する。
なお、判断区間A6、A7、A9〜A12、A14についても、判断区間A5と同様に処理され、正常と判定される。
【0070】
また、判断区間A8におけるベースが算出され、S40でYesと判断されると、第二判定手段28は、過去所定数の判断区間(判定区間)におけるベースの平均値を算出する。
ここで、第二判定手段28は、判断区間A4〜A8のそれぞれについて算出された五つのベースの中から最大値を示すベースと最小値を示すベースを選択する。
具体的には、判断区間A4のベースが「200」、判断区間A5のベースが「0」、判断区間A6のベースが「60」、判断区間A7のベースが「55」、判断区間A8のベースが「60」であるので、「200」が最大のベース、「0」が最小のベースとして選択される。
【0071】
次いで、第二判定手段28は、それら選択したベースを除外した残りのベースである「60」、「55」、「60」を用いて、これらの平均値を算出する。ここでは、「58.33」が算出される。
続いて、第二判定手段28は、その算出したベースの平均値と正常範囲とを比較する。ここでは、ベースの平均値が「58.33」が正常範囲である「10」〜「50」を逸脱している。このため、第二判定手段28は、ベース異常が発生したものと判定する。
なお、判断区間A13についても、判断区間A8と同様に処理され、ベース異常が発生したものと判定される。
【0072】
以上説明したように、本実施例のベース異常判定方法によれば、ベースが異常値を示すものの、その原因が一時的なものであり、自然に解消することが見込まれるために、あえてベース異常と判定する必要がない場合について、ベース異常と判定しないようにすることができる。なお、その原因には、例えば、セーフ詰まりから解消されるときや、アウト詰まりが生じたときなどがある。
【0073】
(4)第四実施例
ベース異常判定方法の第四実施例について、図9〜図11を参照して説明する。
図9は、台コンピュータ20にて実行されるベース異常判定方法の第四実施例の処理手順を示すフローチャートである。図10は、ベースの推移とベース異常の判定の具体例を示すグラフである。図11は、ベースの推移とベース異常の判定の具体例を示す図表である。
第四実施例は、最小単位の波形(例えば、1パルス)に形成されたアウト信号を受信してアウト数が所定数(例えば、10個)増加(加算)されるたびに、過去の所定アウト数におけるベースを算出し、このベースが正常範囲を逸脱しているときにベース異常が発生したものと判定するものである。
【0074】
(4−1)処理手順
第四実施例の処理手順について、図9を参照して説明する。
遊技機10は、遊技内容に応じて、アウト信号とセーフ信号を出力する。ここで、アウト信号は、遊技機10に所定数(例えば、10個)の遊技媒体が投入されるたびに、最小単位の波形(1パルス)に形成されて出力される。
【0075】
台コンピュータ20の記憶手段22には、正常範囲と、判定アウト数が記憶されている(S50)。
第一判定手段27は、アウト数、セーフ数、ベースの各値を0にリセットする(S51)。
次いで、通信手段21がセーフ信号を受信すると(S52)、投入数カウント手段23が、そのセーフ信号にもとづいて、セーフ数をカウントする(S53)。
また、通信手段21がアウト信号を受信すると(S54)、投入数カウント手段23が、そのアウト信号にもとづいて、アウト数をカウントする(S55)。
これらセーフ数のカウント値とアウト数のカウント値は、記憶手段22へ送られて記憶される。
【0076】
S54において、最小単位の波形(1パルス)に形成されたアウト信号が受信されたことにより、S55において、所定のアウト数(例えば、10個)がカウントされると、第二判定手段28は、そのカウント数(カウント値の増加分)が所定の投入規定数以上であるか否かを判断する(S56)。ここで、所定の投入規定数は、アウト信号の最小単位の波形に相当するアウト数と同数とする。
判断の結果、そのカウント数が所定の投入規定数以上であるときは、判定区間設定手段25は、カウント数が所定の投入規定数に達した時点から過去に遡って一定のアウト数を判定区間として設定する(S57)。
一方、そのカウント数が所定の投入規定数未満であるときは、S52以降の処理が実行される。
【0077】
次いで、第二判定手段28は、その判定区間におけるアウト数とセーフ数とを用いてベースを算出する(S58)。この算出されたベースは、記憶手段22へ送られて記憶される。
さらに、第二判定手段28は、記憶手段22から正常範囲を取り出すと、算出したベースと比較する(S59)。
比較の結果、ベースが正常範囲の範囲内であるときは、当該判定区間におけるベースは、正常であると判定する(S60)。
一方、ベースが正常範囲を逸脱しているときは、当該判定区間においてベース異常が発生したものと判定する(S61)。
【0078】
判定後、次の遊技信号が通信手段21で受信されると(S62)、S52以降の処理が実行される。
なお、S58からS61までの処理は、第二判定手段28が実行する処理であり、その内容は、判定区間内でカウントされた遊技媒体払出数と当該判定区間における遊技媒体投入数とにもとづいて当該判定区間におけるベースを算出し、この算出したベースにもとづいて、ベースに関する異常が発生したか否かを判定するものであるので、「ベース異常判定処理」に相当する。
【0079】
(4−2)具体例
第四実施例の具体例について、図10、図11を参照して説明する。
例えば、遊技機10から出力されるアウト信号は、アウト数が10個に対し1パルスで出力されるものとする。
また、図11の「番号」は、通信手段21でアウト信号が1パルス受信されるたびに(アウト数が変化するたびに)付される番号である。
さらに、ベースの正常範囲は、「10」〜「50」とする。
そして、判定区間のアウト数を「500」とする。
【0080】
投入数カウント手段23は、通信手段21で受信されたアウト信号にもとづいて、アウト数をカウントする。このカウント値は、累計され、「累計アウト数」として、記憶手段22に記憶される(図11参照)。
また、払出数カウント手段24は、通信手段21で受信されたセーフ信号にもとづいて、セーフ数をカウントする。このカウント値は、累計され、「累計セーフ数」として、記憶手段22に記憶される(図11参照)。
【0081】
図11に示す番号1〜50においては、アウト数が「500」未満であるので、判定区間のアウト数である「500」に達しておらず、図9に示すS57以降の処理は実行されない。
これに対し、番号51以降においては、アウト数が「500」以上であるので、判定区間のアウト数である「500」に達しており、図9に示すS57以降の処理が実行される。
【0082】
番号51において、算出されたベースが正常範囲と比較される。ここで、番号51のベースは、「38.0」であり、正常範囲である「10」〜「50」の範囲内にあるので、第二判定手段28は、ベース異常が発生しておらず、遊技機10が正常に稼動しているものと判定する。
なお、番号52〜54についても、同様の内容で処理が実行され、正常と判定される。
【0083】
また、番号55のベースは、「52.0」であり、正常範囲である「10」〜「50」を逸脱しているので、第二判定手段28は、ベース異常が発生したものと判定する。
なお、番号56〜58、105〜107についても、同様の内容で処理が実行され、異常と判定される。
【0084】
さらに、番号108のベースは、「50.0」であり、正常範囲の範囲内にあるので、第二判定手段28は、ベース異常が復帰したものと判定する。
【0085】
以上説明したように、本実施例のベース異常判定方法によれば、ベースが変化するたびにベース異常の有無を判定するので、ベース異常を必ず検出できる。
また、ベースが変化するたびに判定を行うので、ベース異常をいち早く検出できる。
【0086】
以上、本発明の遊技場用装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技場用装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、台コンピュータがベース異常判定方法を実行することとしたが、ベース異常判定方法は、台コンピュータが実行することに限るものではなく、島コンピュータやホールコンピュータなど、他の遊技場用装置により実行することができる。
【0087】
また、上述した各実施例における正常範囲は、いずれも同じ値を用いたが、同じ値に限るものではなく、異なる値とすることができる。これは、第一実施例の正常範囲が、判断区間ごとのベースについて、正常・異常を判断する際に用いる範囲であるのに対し、第二実施例〜第四実施例の正常範囲は、過去所定数の判断区間ごとのベースの平均値について、正常・異常を判断する際に用いる範囲であるからである。
【0088】
さらに、遊技場用装置がベース異常判定方法を実行し、ベース異常が発生しているものと判定した場合において、この発生中に、遊技場用装置がその後の判断区間についてベース異常判定方法を実行し、その結果、ベース異常の判定を行うための条件を満たしているとき、これをベース異常として判定するか否かについては、設定により決めることができる。
例えば、「判定する」との設定を行ったときは、ベース異常の発生中でも、条件を満たしていれば、繰り返しベース異常の判定が行われる。一方、「判定しない」との設定を行ったときは、ベース異常の発生中は、ベース異常の判定が繰り返し行われることはない。
なお、「判定する」との設定を行った場合、正常区間の上限値を超過したベース異常と、正常区間の下限値を下回ったベース異常とは区別せず、いずれもベース異常として発生させることができる。
【0089】
また、ベース異常の発生中に、遊技場用装置がその後の判断区間についてベース異常判定方法を実行し、その結果、ベース異常の復帰の判定を行う条件を満たしているとき、自動復帰をするか否かについては、設定により決めることができる。
例えば、「自動復帰する」との設定を行ったときは、ベース異常の発生中でも、条件を満たしていれば、自動復帰を行う。一方、「自動復帰しない」との設定を行ったときは、条件を満たしていても、ベース異常は、自動復帰しない。
なお、「自動復帰しない」との設定を行ったときは、手動により、ベース異常を復帰させることができる。
【0090】
さらに、賞球の最大を15玉とし、アウト数が10玉で1パルスのアウト信号を出力し、セーフ数が10玉で1パルスのセーフ信号を出力する場合において、アウト信号を1パルス検出したときに、セーフ信号が15パルスを超過(150玉を超過)することは物理的にあり得ないので、この場合のベースを除外して、ベース異常を判定することができる。
【0091】
また、アウト信号が検出されない状態でセーフ数が所定数以上(例えば、500玉)検出されたときには、アウトタンク(パチンコ機の裏面に配置され、投入された遊技球を受入れるタンク)の詰まりが検出され、アウト異常となる。その後、遊技場の従業員によりアウトタンクの詰まりが解消されると、今度は、単位時間当りのアウト数が増大し、アウト出すぎ異常となる。この場合に、ベース異常の判定を行うと、ベースの下限異常と判断されるため、ベースの数値(区間)が正常になるまで、ベース異常と判断してもベース異常の報知を行わないようにすることができる。これにより、遊技場の管理者は、不必要な情報を確認して対応しなくてもよくなる。
【0092】
なお、本発明の遊技場用装置は、第一実施例〜第四実施例のそれぞれにおける遊技場用装置を任意に組み合わせたものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、ベース異常の検出に関する発明であるため、ベース異常の検出を行う装置や機器に利用可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 遊技場システム
10 遊技機
20 台コンピュータ
21 通信手段
22 記憶手段
23 投入数カウント手段
24 払出数カウント手段
25 判定区間設定手段
26 判断区間決定手段
27 第一判定手段
28 第二判定手段
30 島コンピュータ
40 ホールコンピュータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機から出力された信号にもとづいて所定の処理を実行する遊技場用装置に関し、特に、遊技機が大当り状態以外の遊技状態であるときに算出された出玉率をベースとし、遊技機に投入された遊技媒体の数をアウト数とし、遊技機から払出された遊技媒体の数をセーフ数とし、アウト数が所定数に達するたびに、この達した時点から過去に遡って一定のアウト数が投入された間を判定区間として設定し、この判定区間におけるセーフ数とアウト数とにもとづいて、ベース異常の発生の有無を判定することにより、そのベース異常を確実かつ早期に発見することが可能な遊技場用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機が設置された遊技場には、それら遊技機の稼動に伴い発生する遊技信号にもとづき、遊技データを集計管理する遊技場管理装置が設置されている。
この遊技場管理装置は、ホールコンピュータと称され、遊技場に設置されたすべての遊技機の売上、粗利、割数、出玉率などの遊技データを集計している。
遊技場の管理者は、それらの遊技データを指標として、パチンコ機の遊技釘の調整やスロットマシンの確率設定値を変更することで、日々の営業利益を調整している。
このように遊技データは、遊技場の営業利益を左右する重要な指標であり、しかも、遊技機の遊技特性を表す指標となることから、信頼性の高い、安定したデータであることが望ましく、遊技釘の調整等による調整結果が正確に反映される遊技データであることが望ましい。
【0003】
ところで、遊技場管理装置で集計管理される遊技データの中に、ベースがある。
ベースとは、一般的には、大当り以外の遊技状態(通常遊技状態、確変状態、時短状態)における出玉率(遊技媒体の投入数に対する払出数の比率)をいい、遊技機が正常に稼動しているときには、通常、一定範囲に収まる。ところが、遊技機内で玉詰まりが発生したり、不正行為により出玉が大量に払い出されたりすると、ベースが一定範囲を逸脱する。このため、遊技場では、そのベースを所定の間隔で算出し、遊技場管理装置の画面に表示することにより、遊技機での異常状態の発生の有無を監視している。
【0004】
そのベース異常の判定方法には、種々のものがある。
例えば、アウト数が100個毎にセーフ数を参照し、この参照したセーフ数が50個以上であった場合に、これをベース異常として検出するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、10分毎にベースの平均値を算出し、これと所定範囲とを比較して、ベース異常を検出するものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
さらに、図12(a)に示すように、所定のアウト数毎(例えば、500個毎)にベースの平均を算出し、この平均値と所定範囲(正常範囲)とを比較して、ベース異常を検出するものがある。
これらの方法によれば、セーフ数やベースの平均値を監視することで、ベース異常を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−167294号公報
【特許文献2】特開2004−081564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したベース異常の判定方法においては、次のような問題があった。
例えば、特許文献1に記載の技術は、アウト数が100個に達するごとにベース異常の判定を行っているが、このようにこまめに判定を行うと、ベースの値が過度に増減して暴れたときに、ベース異常の判定が数多くなされてしまうおそれがあった。
【0008】
また、特許文献2に記載の技術は、10分毎にベース異常を判定しているが、この技術では、ある10分間におけるベースを算出してベース異常の有無を判定し、この判定が終わると、その算出したベースをリセットしていた。そして、次の10分では、この10分間におけるベースを改めて算出してその判定を行っていた。そうすると、例えば、先の10分から次の10分に亘ってベース異常が発生した場合には、その異常値を示すベースの前半が先の10分におけるベースの算出に用いられ、後半が次の10分におけるベースの算出に用いられていた。これにより、先の10分又は次の10分において算出されるベースに対して異常値の影響が小さくなることから、算出されたベースが正常値を示すようになり、ベース異常と判定されなくなる場合があった。
【0009】
さらに、アウト数が所定数に達するたびにベース異常を判定する場合においても、同様のことが生じていた。
例えば、図12(a)に示すように、アウト数が500個に達するたびにベース異常の発生の有無を判定し、0〜500個のときも、500個〜1000個のときも、正常と判定された場合でも、同図(b)の細線の棒グラフで示すように、ベース異常と判定すべき状態が存在することがあった。具体的に、同図(b)においては、アウト数が100個ごとにベースを算出したときに、300〜700個のところでベースが異常値を示していた。ところが、そのうちの前半(300〜500)については、0〜500におけるベースの算出に用いられ、後半(500〜700)については、500〜1000におけるベースの算出に用いられていた。つまり、その異常値が分散してしまい、500個ごとのベースの算出に対する影響が小さくなり、算出されたベースが正常値を示して、ベース異常が検出されないという事態が生じていた。
これらに示すように、ベース異常の発生状態が、ベース異常を判定する複数の区間に亘っているような場合には、そのベース異常が検出されないことがあった。
【0010】
また、従来のベース異常の判定方法では、ベース異常の発生時期とその検出の時期にタイムラグがあった。例えば、図13に示す場合では、ベース異常が、既にアウト数が0〜100個の時点で発生していた。ところが、このベース異常は、アウト数が500個に達したときでなければ検出されなかった。このため、発生したベース異常への対応が遅れることがあった。
さらに、ベース異常から正常状態への復帰とその検出との間にもタイムラグが生じていた。例えば、同図に示すように、ベース異常から正常状態への復帰が、既にアウト数が500〜600個の時点で起こっているものの、アウト数が1000個に達したときでなければ、それが検出されなかった。
このように、ベース異常やその復帰が生じた時点と、これらを検出する時点に、時間的な開きがあった。このため、ホールの従業員は、ベース異常に適切に対応することができないという問題があった。
【0011】
また、図14に示すように、アウト100個毎に算出した5つのベースのうち、1つ目から4つ目までのベースが正常であったとしても、5つ目のベースが極端に高い値を示すときは、平均値が正常範囲を超過してベース異常と判定されることがあった。
さらに、同図に示すように、アウト100個毎に算出した5つのベースのすべてが異常値であったとしても、それら異常値の中に正常範囲を超過しているものと正常範囲未満のものが含まれているときは、平均値が正常範囲内に収まって正常と判定されることがあった。
このように、本来正常と判定すべき状態をベース異常と判定したり、逆に、ベース異常と判定すべき状態を正常と判定したりするなど、ベース異常の判定の精度に問題があった。
【0012】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、ベース異常を確実かつ早期に検出するとともに、その検出の精度を向上可能とする遊技場用装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するため、本発明の遊技場用装置は、遊技機が大当り状態以外の遊技状態であるときの出玉率をベースとし、このベースに関する異常が発生したか否かを判定する遊技場用装置であって、遊技機に投入された遊技媒体の数である遊技媒体投入数を示す遊技媒体投入信号と、遊技機から払出された遊技媒体の数である遊技媒体払出数を示す遊技媒体払出信号とを、遊技機から受信する通信手段と、遊技媒体投入信号にもとづいて遊技媒体投入数をカウントする投入数カウント手段と、遊技媒体払出信号にもとづいて遊技媒体払出数をカウントする払出数カウント手段と、遊技媒体投入数のカウント値が所定の投入規定数に達するたびに、この達した時点から過去に遡って投入規定数を超える一定の遊技媒体投入数が投入された間を判定区間として設定する判定区間設定手段と、判定区間内でカウントされた遊技媒体払出数と当該判定区間における遊技媒体投入数とにもとづいて、ベースに関する異常が発生したか否かを判定する処理をベース異常判定処理として実行する判定手段とを備え、この判定手段は、判定区間設定手段で判定区間が設定されるたびに、ベース異常判定処理を実行する構成としてある。
【発明の効果】
【0014】
本発明の遊技場用装置によれば、遊技媒体投入数が所定数に達するたびに、ベース異常の判定が行われるので、ベース異常を早期に検出できる。
また、遊技媒体投入数が所定数に達するたびに、過去所定数の判断区間に遡ってベース異常を判定するので、ベース異常が複数の区間に亘って発生しているときでも、そのベース異常を確実に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態における遊技場システムの構成を示す概略図である。
【図2】台コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】ベース異常判定方法の第一実施例における台コンピュータの動作を示すフローチャートである。
【図4】ベース異常判定方法の第一実施例による判定の具体例を示す説明図である。
【図5】ベース異常判定方法の第二実施例における台コンピュータの動作を示すフローチャートである。
【図6】ベース異常判定方法の第二実施例による判定の具体例を示す説明図である。
【図7】ベース異常判定方法の第三実施例における台コンピュータの動作を示すフローチャートである。
【図8】ベース異常判定方法の第三実施例による判定の具体例を示す説明図である。
【図9】ベース異常判定方法の第四実施例における台コンピュータの動作を示すフローチャートである。
【図10】ベース異常判定方法の第四実施例による判定の具体例を示す説明図である。
【図11】ベース異常判定方法の第四実施例による判定の具体例を示す図表である。
【図12】ベース異常の判定方法の従来例を示す図である。
【図13】ベース異常の判定方法の他の従来例を示す図である。
【図14】ベース異常の判定方法のさらに他の従来例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る遊技場用装置の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
[遊技場用装置及びこの遊技場用装置を備えた遊技場システム]
まず、本発明の遊技場用装置の実施形態について、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態の遊技場用装置を備えた遊技場システムの構成を示す概略図である。
同図に示すように、本実施形態に係る遊技場システム1は、遊技機10、台コンピュータ20、島コンピュータ30、ホールコンピュータ40で構成されている。
【0018】
ここで、遊技機10は、遊技媒体となる遊技球やメダルを使用して所定の遊技を行う装置であって、代表的なものにパチンコ機10aやスロットマシン10bなどがある。
遊技場においては、通常、複数の遊技機10が所定数単位でまとめられた、いわゆる「島」単位で設置されており、それら複数の遊技機島が遊技場内に並列されるようになっている。
【0019】
各遊技機10は、所定の遊技信号(外部出力信号)を出力する。
例えば、遊技機10がパチンコ機10aの場合には、遊技信号として、大当り状態を示す大当り信号、パチンコ機10aに投入された遊技球の数量を示すアウト信号、パチンコ機10aから払出された遊技球の数量を示すセーフ信号などを出力する。
また、遊技機10がスロットマシン10bの場合には、遊技信号として、大当り状態を示すボーナス信号、メダルの投入枚数を示すメダル投入信号、メダルの払出枚数を示すメダル払出信号などを出力する。
これら遊技信号は、遊技機10から出力されると、台コンピュータ20へ送られ、さらに島コンピュータ30を介してホールコンピュータ40へ送信される。
【0020】
なお、パチンコ機10aから出力されるアウト信号と、スロットマシン10bから出力されるメダル投入信号は、いずれも遊技機10に投入される遊技媒体の数量を示す信号であることから、「遊技媒体投入信号」に相当する。
また、パチンコ機10aから出力されるセーフ信号と、スロットマシン10bから出力されるメダル払出信号は、いずれも遊技機10から払い出される遊技媒体の数量を示す信号であることから、「遊技媒体払出信号」に相当する。
【0021】
さらに、遊技機10は、該遊技機10に所定数(例えば、10個)の遊技媒体が投入されると、遊技媒体投入信号を最小単位の波形(例えば、1パルス)に形成して出力する。
また、遊技機10は、所定数(例えば、10個)の遊技媒体を払出すと、遊技媒体払出信号を最小単位の波形(例えば、1パルス)に形成して出力する。
この本実施形態においては、遊技機10がパチンコ機10aであるものとして説明する。
【0022】
台コンピュータ20は、一又は二以上の遊技機10に対応して設けられた信号中継装置であって、図2に示すように、通信手段21と、記憶手段22と、投入数カウント手段23と、払出数カウント手段24と、判定区間設定手段25と、判断区間決定手段26と、第一判定手段27と、第二判定手段28と、制御手段29とを有している。
【0023】
通信手段21は、遊技機10や島コンピュータ30に接続されており、これら遊技機10や島コンピュータ30との間で所定の信号(データ)を送受信する。例えば、通信手段21は、遊技機10から出力された遊技信号を受信する。また、通信手段21は、その遊技信号や、この遊技信号にもとづき算出された遊技情報、後述するベース異常判定方法の判定結果などを、島コンピュータ30を介してホールコンピュータ40へ送信する。
記憶手段22は、台コンピュータ20の有する各種機能を実行するためのプログラムやデータ、通信手段21で受信された信号の示すデータなどを記憶する。この記憶手段22が記憶するデータの詳細については、後記の「ベース異常判定方法」にて詳述する。
【0024】
投入数カウント手段23は、アウト信号にもとづいてアウト数をカウントする。アウト数とは、パチンコ機10aに投入された遊技球の数量をいう。また、アウト信号は、最小単位の波形(1パルス)が所定のアウト数(例えば、10個)を示す。
払出数カウント手段24は、セーフ信号にもとづいてセーフ数をカウントする。セーフ数とは、パチンコ機10aから払出された遊技球の数量をいう。また、セーフ信号は、最小単位の波形(1パルス)が所定のセーフ数(例えば、10個)を示す。
【0025】
判定区間設定手段25は、アウト数のカウント値が所定の投入規定数に達するたびに、この達した時点から過去に遡って一定のアウト数が投入された間を判定区間として設定する。
ここで、所定の投入規定数は、任意に決めることができる。ただし、後記の「ベース異常判定方法」にて詳述するように、第一実施例〜第三実施例においては判断区間におけるアウト数が、第四実施例においてはアウト信号の最小単位の波形に相当するアウト数が、それぞれ所定の投入規定数とされる。
【0026】
判断区間決定手段26は、判定区間に相当する一定のアウト数を整数で等分し、この等分した後のそれぞれの区間を判断区間とし、これら判断区間ごとのアウト数を区間アウト数とし、投入数カウント手段におけるアウト数のカウント値が区間アウト数に達すると、当該カウントの開始から区間アウト数に達した時点までの間を判断区間として決定する。
これら判定区間設定手段25及び判断区間決定手段26の動作の詳細については、後記の「ベース異常判定方法」にて詳述する。
【0027】
第一判定手段27は、判断区間ごとにベースを算出する。ベースとは、遊技機10が大当り状態以外の遊技状態であるときに算出される出玉率をいう。具体的には、次の式1を用いて、ベースを算出することができる。
ベース=セーフ数/アウト数×100 ・・・(式1)
そして、第一判定手段27は、その算出したベースが正常範囲を逸脱しているか否かを判断する。
この第一判定手段27が実行する処理の詳細については、後記の「ベース異常判定方法」で詳述する。
【0028】
第二判定手段28は、過去所定数の判断区間のうち、ベースが正常範囲を逸脱したものと判断された判断区間の数を求め、この数が一定数以上であると、ベース異常が発生したものと判定する。
この第二判定手段28が実行する処理の詳細については、後記の「ベース異常判定方法」で詳述する。
また、これら第一判定手段27と第二判定手段28を併せて「判定手段」というものとする。
【0029】
制御手段29は、例えば、CPUにより構成することができ、記憶手段22に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、台コンピュータ20の構成各部に指令を送り、又は自ら動作して、台コンピュータ20の有する各種機能を実行・制御する。
【0030】
島コンピュータ30は、遊技機10の島ごとに設けられており、台コンピュータ20から送られてきた信号を受信し、この信号に対して所定の処理を行い、ホールコンピュータ40の要求に応じて、その処理後の信号をホールコンピュータ40に送信する。また、島コンピュータ30は、ホールコンピュータ40から送られてきたデータを台コンピュータ20へ送ることができる。
ホールコンピュータ40は、遊技機10で行われた遊技に関するデータを集計管理するコンピュータである。
【0031】
なお、遊技場システム1が導入された遊技場には、図1に示す各装置の他、例えば、遊技機10が大当り状態に移行したことを点灯表示する機能や遊技に関するデータを表示する機能を備えた呼出しランプ、遊技媒体を遊技者に貸出す遊技媒体の貸出機、遊技媒体の数量を計数する遊技媒体計数機、景品交換に関するデータを集計管理するPOS端末、遊技機や会員に関する情報を閲覧可能に表示する遊技データ表示装置など、遊技に関する各種装置を設置することができる。
【0032】
また、遊技場によっては、本実施形態においては、台コンピュータ20、島コンピュータ30、ホールコンピュータ40、その他遊技場システム1に接続可能な装置や機器を、「遊技場用装置」というものとする。
【0033】
[ベース異常判定方法]
次に、本実施形態の遊技場用装置が実行するベース異常判定方法について、図面を参照して説明する。
なお、ここでは、ベース異常判定方法を四つの実施例(第一実施例〜第四実施例)に分けて説明する。
また、遊技機10については、パチンコ機10aを例に挙げて説明する。
【0034】
(1)第一実施例
ベース異常判定方法の第一実施例について、図3、図4を参照して説明する。
図3は、台コンピュータ20にて実行されるベース異常判定方法の第一実施例の処理手順を示すフローチャートである。図4は、ベースの推移とベース異常の判定の具体例を示すグラフである。
第一実施例は、アウト数が所定数に達するたびに、この間を判断区間として決定し、この判断区間におけるベースを算出し、このベースが異常値を示しているか否かを判断し、この判断の結果を区間別判断結果として記憶し、過去所定数の判断区間を判定区間として設定し、この判定区間における各判断区間ごとの区間別判断結果を参照し、ベースが異常値を示していると判断された区間別判断結果の数が一定数以上であると、ベース異常が発生したものと判定するものである。
【0035】
(1−1)処理手順
第一実施例の処理手順について、図3を参照して説明する。
台コンピュータ20の記憶手段22には、区間アウト数と、正常範囲と、異常判定用閾値が記憶されている(S10)。
区間アウト数(区間投入数)とは、一の判断区間におけるアウト数をいう。
正常範囲とは、ベースの示す値が正常と判断される範囲をいう。この正常範囲には、上限値と下限値がある。つまり、ベースが上限値を超過している場合、又は、下限値に満たない場合に、そのベースが異常値を示しているものと判断される。
なお、異常判定用閾値については、後述する。
【0036】
第一判定手段27は、アウト数、セーフ数、ベースの各値を0にリセットする(S11)。
遊技機10が稼動を開始して遊技信号を出力すると、通信手段21は、その遊技信号を受信する(S12)。この遊技信号には、少なくともセーフ信号とアウト信号が含まれている。
なお、遊技機10は、大当り状態以外の遊技状態であり、その遊技機10からは、大当り信号が出力されていないものとする。
【0037】
続いて、払出数カウント手段24は、通信手段21で受信されたセーフ信号にもとづいて、セーフ数をカウントする(S13)。
また、投入数カウント手段23は、アウト信号にもとづいて、アウト数をカウントする(S14)。
これらセーフ数のカウント値とアウト数のカウント値は、記憶手段22へ送られて記憶される。
【0038】
また、判断区間決定手段26は、記憶手段22からアウト数のカウント値と区間アウト数とを取り出すと、そのカウント値が区間アウト数に達したか否かを判断する(S15)。
判断の結果、アウト数のカウント値が区間アウト数に達していないときは、S12以降の処理を実行する。
一方、アウト数のカウント値が区間アウト数に達したときは、判断区間決定手段26は、投入数カウント手段23におけるアウト数のカウントの開始から、そのアウト数が区間アウト数に達したときまでの間を、一の判断区間として決定する(S16)。
なお、区間アウト数は、例えば、100個とすることができる。
【0039】
さらに、第一判定手段27は、その決定された判断区間におけるアウト数とセーフ数とを用いてベースを算出する(S17)。この算出されたベースは、記憶手段22へ送られて記憶される。
そして、第一判定手段27は、記憶手段22から正常範囲を取り出すと、算出したベースと比較する(S18、ベースの異常判断)。
比較の結果、ベースが正常範囲の範囲内であるときは、当該判断区間におけるベースは、正常であると判断する。
一方、ベースが正常範囲を逸脱しているときは、当該判断区間におけるベースは、異常であると判断する。
これら判断の結果は、「区間別判断結果」として、記憶手段22へ送られて記憶される。
【0040】
次いで、判定区間設定手段25は、投入数カウント手段23におけるアウト数のカウントによりカウント値が区間アウト数に達した時点から、過去所定数の判断区間を判定区間として設定する(S19)。
なお、本実施例(及び後述する第二実施例)においては、区間アウト数が「所定の投入規定数」に相当する。
また、ここでは、過去所定数の判断区間を判定区間として設定しているが、これに限るものではなく、アウト数を用いて判定区間を設定することができる。すなわち、判定区間設定手段25は、投入数カウント手段23におけるアウト数のカウントによりカウント値が区間アウト数に達した時点から、過去に遡って一定のアウト数までの間を判定区間として設定することができる。これは、判定区間に相当する一定のアウト数を整数(所定数)で等分し、この等分した後のそれぞれの区間を判断区間とするからである。
さらに、判定区間として設定される一定のアウト数は、例えば、500個とすることができる。
【0041】
そして、第二判定手段28は、記憶手段22に記憶されている区間別判断結果の中から、判定区間における各判断区間ごとの区間別判断結果を抽出し、これら抽出した区間別判断結果のうち、ベースが正常範囲を逸脱しているために異常であるとの判断結果を示す区間別判断結果の数をカウントする(S20)。
【0042】
また、第二判定手段28は、そのカウント数(異常区間数)が閾値以上であるか否かを判断する(S21)。なお、この異常区間数と比較される閾値を「異常判定用閾値」という。
判断の結果、異常区間数が異常判定用閾値未満であるときは、ベース異常が発生しておらず、遊技機10が正常に稼動しているものと判定する(正常と判定、S22)。
一方、異常区間数が異常判定用閾値以上であるときは、ベース異常が発生しており、遊技機10にて何らかの異常な状態が生じているものと判定する(ベース異常と判定、S23)。この場合、台コンピュータ20の通信手段21からホールコンピュータ40へ、ベース異常発生イベントが送信される。
【0043】
判定後、次の遊技信号が通信手段21で受信されると(S24)、投入数カウント手段23が、アウト数のカウント値をリセットし、払出数カウント手段24が、セーフ数のカウント値をリセットする(S25)。その後は、S13以降の処理が繰り返される。
なお、S17、S18、S20〜S23の各処理は、第一判定手段27又は第二判定手段28が実行する処理であり、その内容は、判定区間内でカウントされた遊技媒体払出数と当該判定区間における遊技媒体投入数とにもとづいて判断区間ごとにベースを算出し、これら算出したベースにもとづいて、ベースに関する異常が発生したか否かを判定するものであるので、「ベース異常判定処理」に相当する。
【0044】
(1−2)具体例
第一実施例の具体例について、図4を参照して説明する。
例えば、台コンピュータ20の判断区間決定手段26で決定される判断区間を、判断区間A1、A2、A3、・・・とする。
また、判断区間A1のベースを「20」、判断区間A2のベースを「60」、判断区間A3のベースを「20」、・・・とする。
さらに、ベースの正常範囲は、「10」〜「50」とし、判断区間ごとの異常判断の結果は、判断区間A1が「正常」、判断区間A2が「異常」、判断区間A3が「正常」、・・・とする。
そして、判断区間の区間アウト数を「100」、判定区間のアウト数を「500」、判定区間における判断区間の数を「5」とする。
【0045】
ベース異常の判定は、判断区間が決定されるたびに行われる。
判断区間A1が決定されると、第二判定手段28は、過去所定数(ここでは、「5」)の判断区間における判断結果を記憶手段22から取り出す。ここでは、判断区間A1の判断結果のみが記憶手段22に記憶されているので、その判断結果が取り出される。
そして、第二判定手段28は、取り出した判断結果の中から「異常」と判断された数をカウントする。ここでは、判断区間A1の判断結果が「正常」であるので、「異常」と判断された数は「0」となる。
さらに、第二判定手段28は、そのカウント数である「0」と異常判定用閾値である「3」とを比較する。比較の結果、カウント数である「0」は、異常判定用閾値である「3」に満たないため、第二判定手段28は、ベース異常が発生しておらず、遊技機10が正常に稼動しているものと判定する。
【0046】
判断区間A2〜A7の決定後においても、同様に、ベース異常の判定が行われる。
これら判断区間A2〜A7においては、「異常」と判断された数が「1」又は「2」のいずれかとなり、異常判定用閾値である「3」に満たないため、ベース異常が発生していないものと判定される。
【0047】
これに対し、判断区間A8では、過去所定数(「5」)の判断区間における「異常」と判断された数が「3」となり、異常判定用閾値である「3」以上となるため、ベース異常が発生したものと判定される。この判定により、台コンピュータ20の通信手段21からホールコンピュータ40へ、ベース異常イベントが送信される。
同様に、判断区間A9〜A14では、過去所定数(「5」)の判断区間における「異常」と判断された数が「3」、「4」、「5」のいずれかとなり、異常判定用閾値である「3」以上となるため、ベース異常が発生したものと判定される。この場合は、ベース異常発生中にベース異常を検出したことになるので、台コンピュータ20の通信手段21からホールコンピュータ40へは、判定ごとにベース異常イベントが送信されるとともに、所定のベース情報が送信される。
そして、判断区間A15では、過去所定数(「5」)の判断区間における「異常」と判断された数が「2」となり、異常判定用閾値である「3」に満たないため、正常と判定される。ここで、判定区間A15の直前の判定区間A14においてはベース異常と判定されていたため、この判定区間A15においては、そのベース異常が復帰したものと判定することも可能である。ただし、本実施例では、ベース異常からの自動復帰は行わないこととし、台コンピュータ20の通信手段21からホールコンピュータ40へは、ベース異常復帰イベントを送信しないものとする。なお、後述するように、設定により、ベース異常からの自動復帰を行うこととし、ベース異常復帰イベントを送信するようにすることもできる。
【0048】
以上説明したように、本実施例のベース異常判定方法によれば、アウト数が所定数に達するたびに、過去所定数の判断区間についてベース異常の判定を行うので、ベース異常を早期に検出することができる。
また、ベース異常を判定する区間(過去所定数の判断区間)が、判断区間単位でシフトしていくので、一つのベース異常が二つの判断区間に亘って発生したとしても、その一つのベース異常を確実に検出できる。
【0049】
なお、図4の判定15回目においては、過去所定数(「5」)の判断区間における「異常」と判断された数が「2」であり、異常判定用閾値である「3」に満たないため、ベース異常が復帰したものと判定しているが、これに限るものではなく、例えば、過去所定数の判断区間における「正常」と判断された数を用いて、ベース異常が復帰したか否かを判定することができる。すなわち、正常判定用の閾値を「3」とし、過去所定数(「5」)の判断区間における「正常」と判断された数が「3」以上であれば、その判定区間は、正常であるものと判定する。そして、同図の判定15回目においては、過去所定数(「5」)の判断区間における「正常」と判断された数が「3」であり、正常判定用の閾値である「3」以上であるため、ベース異常が復帰したものと判定することができる。
【0050】
(2)第二実施例
ベース異常判定方法の第二実施例について、図5、図6を参照して説明する。
図5は、台コンピュータ20にて実行されるベース異常判定方法の第二実施例の処理手順を示すフローチャートである。図6は、ベースの推移とベース異常の判定の具体例を示すグラフである。
第二実施例は、第一実施例の処理を実行後、判定区間におけるベースの平均値を算出し、この平均値が正常範囲内か否かを判断し、その平均値が正常範囲を逸脱しているときにベース異常が発生したものと判定するものである。
【0051】
(2−1)処理手順
第二実施例の処理手順について、図5を参照して説明する。
図3のS10からS23までの処理が実行された後、第二判定手段28は、記憶手段22に記憶されているベースの数(又は、ベースが算出された判断区間の数)が所定数以上であるか否かを判断する(S30)。
ここで、所定数とは、判定区間における判断区間の数である。
【0052】
判断の結果、記憶手段22に記憶されているベースの数(又は、ベースが算出された判断区間の数)が所定数以上でないときは、図3のS10からS23までの処理が実行される。
一方、記憶手段22に記憶されているベースの数(又は、ベースが算出された判断区間の数)が所定数以上であるときは、第二判定手段28は、判定区間におけるベースの平均値を算出する(S31)。
次いで、第二判定手段28は、記憶手段22から正常範囲を取り出し、この正常範囲と算出したベースの平均値とを対比して、その算出したベースの平均値が正常範囲内にあるか否かを判断する(S32)。
【0053】
判断の結果、ベースの平均値が正常範囲内にあるときは、第二判定手段28は、ベース異常が発生しておらず、遊技機10が正常に稼動しているものと判定する(S33)。
一方、ベースの平均値が正常範囲を逸脱しているときは、第二判定手段28は、ベース異常が発生しているものと判定する(S34)。この場合、通信手段21は、ホールコンピュータ40へベース異常発生イベントを送信する。
判定後、次の遊技信号が通信手段21で受信されると(S35)、投入数カウント手段23が、アウト数のカウント値をリセットし、払出数カウント手段24が、セーフ数のカウント値をリセットする(S36)。そして、図3のS1からS21までの処理とS30以降の処理が実行される。
なお、S30からS34までの処理は、第二判定手段28が実行する処理であり、その内容は、判定区間内でカウントされた遊技媒体払出数と当該判定区間における遊技媒体投入数とにもとづいて判定区間におけるベースを算出し、この算出したベースにもとづいて、ベースに関する異常が発生したか否かを判定するものであるので、「ベース異常判定処理」に相当する。
【0054】
(2−2)具体例
第二実施例の具体例について、図6を参照して説明する。
例えば、台コンピュータ20の判断区間決定手段26で決定される判断区間を、判断区間A1、A2、A3、・・・とする。
また、判断区間A1のベースを「20」、判断区間A2のベースを「15」、判断区間A3のベースを「5」、・・・とする。
さらに、ベースの正常範囲は、「10」〜「50」とする。
そして、判断区間の区間アウト数を「100」、判定区間のアウト数を「500」、判定区間における判断区間の数を「5」とする。
【0055】
判断区間A1〜A4については、S30の処理において、ベースが算出された判断区間の数が、所定数(判定区間における判断区間の数「5」)を満たしていないので、S31以降の処理は実行されない。
これに対し、判断区間A5以降については、S30の処理において、ベースが算出された判断区間の数が所定数以上であるので、S31以降の処理が実行される。
【0056】
判断区間A5におけるベースが算出され、S30でYesが判断されると、第二判定手段28は、過去所定数の判断区間(判定区間)におけるベースの平均値を算出する。ここでは、判断区間A1のベースが「20」、判断区間A2のベースが「15」、判断区間A3のベースが「5」、判断区間A4のベースが「45」、判断区間A5のベースが「45」であるので、これら判断区間A1からA5までのベースの平均値は、「26.00」と算出される。
そして、第二判定手段28は、その算出したベースの平均値と正常範囲とを比較する。ここで、正常範囲を「10」〜「50」とすると、判断区間A1からA5までのベースの平均値が「26.00」であるので、正常範囲内にある。このため、第二判定手段28は、ベース異常が発生しておらず、遊技機10が正常に稼動しているものと判定する。
なお、判断区間A6、A7についても、判断区間A5と同様に処理され、正常と判定される。
【0057】
その後、判断区間A8におけるベースが算出され、S30でYesが判断されると、第二判定手段28は、過去所定数の判断区間(判定区間)におけるベースの平均値を算出する。ここでは、判断区間A4のベースが「45」、判断区間A5のベースが「45」、判断区間A6のベースが「70」、判断区間A7のベースが「70」、判断区間A8のベースが「45」であるので、これら判断区間A4からA8までのベースの平均値が「55.00」と算出される。
そして、第二判定手段28は、その算出したベースの平均値と正常範囲とを比較する。ここで、ベースの平均値である「55.00」は、正常範囲である「10」〜「50」を逸脱している。このため、第二判定手段28は、ベース異常が発生したものと判定する。
なお、判断区間A9、A10についても、判断区間A8と同様に処理され、ベース異常が発生したものと判定される。
【0058】
さらに、判断区間A11におけるベースが算出され、S30でYesが判断されると、第二判定手段28は、過去所定数の判断区間(判定区間)におけるベースの平均値を算出する。ここでは、判断区間A7のベースが「70」、判断区間A8のベースが「45」、判断区間A9のベースが「30」、判断区間A10のベースが「60」、判断区間A11のベースが「25」であるので、これら判断区間A7からA11までのベースの平均値が「46.00」と算出される。
そして、第二判定手段28は、その算出したベースの平均値と正常範囲とを比較する。ここで、ベースの平均値である「46.00」は、正常範囲である「10」〜「50」の範囲内にある。このため、第二判定手段28は、正常と判定する。
なお、判断区間A12、A13についても、判断区間A11と同様に処理され、正常と判定される。
【0059】
以上説明したように、本実施例のベース異常判定方法によれば、ベース異常と判定すべき状態が遊技機で発生しているにもかかわらず、第一実施例を実行したときに、その状態をベース異常と判定しない場合、例えば、ベースが異常値を示している判断区間の数が異常判定用閾値よりも少ない場合(その判断区間が一つ又は二つしかない場合)でも、本実施例を実行することにより、そのような場合を補完して、そのベース異常を検出することができる。
具体的には、例えば、図6に示す判定区間のうち、判断区間A4〜A8を含む判定区間について見てみると、それら判断区間ごとのベースのうち、正常範囲を逸脱しているベースが、A6のベース「70」と、A7のベース「70」の二つのみである。このため、第一実施例を実行したときは、それら正常範囲を逸脱している判断区間の数「2」が異常判定用閾値である「3」よりも少ないことから、正常と判定されてしまう。これに対し、本実施例を実行したときは、同図に示すようにベース異常と判定することができる。
このように、第一実施例と本実施例のダブルチェックを行うことで、ベース異常を確実に発見できる。
【0060】
(3)第三実施例
ベース異常判定方法の第三実施例について、図7、図8を参照して説明する。
図7は、台コンピュータ20にて実行されるベース異常判定方法の第三実施例の処理手順を示すフローチャートである。図8は、ベースの推移とベース異常の判定の具体例を示すグラフである。
第三実施例は、判定区間におけるベースの平均値を算出する際、この判定区間における各判断区間ごとのベースの中から最大のものと最小のものを除外した残りのベースを用いて平均値を算出し、この平均値が正常範囲を逸脱しているときにベース異常が発生したものと判定するものである。
【0061】
(3−1)処理手順
第三実施例の処理手順について、図7を参照して説明する。
図3のS10からS17までの処理が実行された後、第二判定手段28は、記憶手段22に記憶されているベースの数(又は、ベースが算出された判断区間の数)が所定数以上であるか否かを判断する(S40)。
【0062】
判断の結果、記憶手段22に記憶されているベースの数(又は、ベースが算出された判断区間の数)が所定数以上でないときは、図3のS10からS17までの処理が実行される。
一方、記憶手段22に記憶されているベースの数(又は、ベースが算出された判断区間の数)が所定数以上であるときは、判定区間設定手段25は、過去所定数の判断区間を判定区間として設定する(S41)。
なお、S41の処理は、図3のS19の処理と同様、投入数カウント手段23におけるアウト数のカウントによりカウント値が区間アウト数に達した時点から、過去所定数の判断区間を判定区間として設定するものである。よって、本実施例においては、区間アウト数が「所定の投入規定数」に相当する。
【0063】
次いで、第二判定手段28は、判定区間における各判断区間ごとに算出されたベースの中から、最大値を示すベースと、最小値を示すベースを選択する(S42)。
続いて、第二判定手段28は、それら最大値を示すベースと最小値を示すベースを除外した残りのベースを用いて、判定区間におけるベースの平均値を算出する(S43)。
【0064】
そして、第二判定手段28は、その算出したベースの平均値が正常範囲内にあるか否かを判断する(S44)。
判断の結果、ベースの平均値が正常範囲内にあるときは、第二判定手段28は、ベース異常が発生しておらず、遊技機10が正常に稼動しているものと判定する(S45)。
一方、ベースの平均値が正常範囲を逸脱しているときは、第二判定手段28は、ベース異常が発生しているものと判定する(S46)。この場合、通信手段21は、ホールコンピュータ40へベース異常発生イベントを送信する。
【0065】
判定後、次の遊技信号が通信手段21で受信されると(S47)、投入数カウント手段23が、アウト数のカウント値をリセットし、払出数カウント手段24が、セーフ数のカウント値をリセットする(S48)。そして、図3のS10からS17までの処理とS40以降の処理が実行される。
なお、S17、S40〜S46の各処理は、第一判定手段27又は第二判定手段28が実行する処理であり、その内容は、判定区間内でカウントされた遊技媒体払出数と当該判定区間における遊技媒体投入数とにもとづいて判断区間ごとにベースを算出し、これら算出したベースにもとづいて、ベースに関する異常が発生したか否かを判定するものであるので、「ベース異常判定処理」に相当する。
【0066】
(3−2)具体例
第三実施例の具体例について、図8を参照して説明する。
例えば、台コンピュータ20の判断区間決定手段26で決定される判断区間を、判断区間A1、A2、A3、・・・とする。
また、判断区間A1のベースを「25」、判断区間A2のベースを「30」、判断区間A3のベースを「20」、・・・とする。
さらに、ベースの正常範囲は、「10」〜「50」とする。
そして、判断区間の区間アウト数を「100」、判定区間のアウト数を「500」、判定区間における判断区間の数を「5」とする。
【0067】
判断区間A1〜A4については、S40の処理において、判断区間の数が所定数(判定区間における判断区間の数「5」)を満たしていないので、S41以降の処理は実行されない。
これに対し、判断区間A5以降については、S40の処理において、判断区間の数が所定数以上であるので、S41以降の処理が実行される。
【0068】
判断区間A5におけるベースが算出され、S40でYesと判断されると、第二判定手段28は、過去所定数の判断区間(判定区間)におけるベースの平均値を算出する。
ここで、第二判定手段28は、判断区間A1〜A5のそれぞれについて算出された五つのベースの中から最大値を示すベースと最小値を示すベースを選択する。
具体的には、判断区間A1のベースが「25」、判断区間A2のベースが「30」、判断区間A3のベースが「20」、判断区間A4のベースが「200」、判断区間A5のベースが「0」であるので、「200」が最大のベース、「0」が最小のベースとして選択される。
【0069】
次いで、第二判定手段28は、それら選択したベースを除外した残りのベースである「25」、「30」、「20」を用いて、これらの平均値を算出する。ここでは、「25.00」が算出される。
続いて、第二判定手段28は、その算出したベースの平均値と正常範囲とを比較する。ここでは、ベースの平均値である「25.00」が正常範囲である「10」〜「50」の範囲内にある。このため、第二判定手段28は、ベース異常が発生しておらず、遊技機10が正常に稼動しているものと判定する。
なお、判断区間A6、A7、A9〜A12、A14についても、判断区間A5と同様に処理され、正常と判定される。
【0070】
また、判断区間A8におけるベースが算出され、S40でYesと判断されると、第二判定手段28は、過去所定数の判断区間(判定区間)におけるベースの平均値を算出する。
ここで、第二判定手段28は、判断区間A4〜A8のそれぞれについて算出された五つのベースの中から最大値を示すベースと最小値を示すベースを選択する。
具体的には、判断区間A4のベースが「200」、判断区間A5のベースが「0」、判断区間A6のベースが「60」、判断区間A7のベースが「55」、判断区間A8のベースが「60」であるので、「200」が最大のベース、「0」が最小のベースとして選択される。
【0071】
次いで、第二判定手段28は、それら選択したベースを除外した残りのベースである「60」、「55」、「60」を用いて、これらの平均値を算出する。ここでは、「58.33」が算出される。
続いて、第二判定手段28は、その算出したベースの平均値と正常範囲とを比較する。ここでは、ベースの平均値が「58.33」が正常範囲である「10」〜「50」を逸脱している。このため、第二判定手段28は、ベース異常が発生したものと判定する。
なお、判断区間A13についても、判断区間A8と同様に処理され、ベース異常が発生したものと判定される。
【0072】
以上説明したように、本実施例のベース異常判定方法によれば、ベースが異常値を示すものの、その原因が一時的なものであり、自然に解消することが見込まれるために、あえてベース異常と判定する必要がない場合について、ベース異常と判定しないようにすることができる。なお、その原因には、例えば、セーフ詰まりから解消されるときや、アウト詰まりが生じたときなどがある。
【0073】
(4)第四実施例
ベース異常判定方法の第四実施例について、図9〜図11を参照して説明する。
図9は、台コンピュータ20にて実行されるベース異常判定方法の第四実施例の処理手順を示すフローチャートである。図10は、ベースの推移とベース異常の判定の具体例を示すグラフである。図11は、ベースの推移とベース異常の判定の具体例を示す図表である。
第四実施例は、最小単位の波形(例えば、1パルス)に形成されたアウト信号を受信してアウト数が所定数(例えば、10個)増加(加算)されるたびに、過去の所定アウト数におけるベースを算出し、このベースが正常範囲を逸脱しているときにベース異常が発生したものと判定するものである。
【0074】
(4−1)処理手順
第四実施例の処理手順について、図9を参照して説明する。
遊技機10は、遊技内容に応じて、アウト信号とセーフ信号を出力する。ここで、アウト信号は、遊技機10に所定数(例えば、10個)の遊技媒体が投入されるたびに、最小単位の波形(1パルス)に形成されて出力される。
【0075】
台コンピュータ20の記憶手段22には、正常範囲と、判定アウト数が記憶されている(S50)。
第一判定手段27は、アウト数、セーフ数、ベースの各値を0にリセットする(S51)。
次いで、通信手段21がセーフ信号を受信すると(S52)、投入数カウント手段23が、そのセーフ信号にもとづいて、セーフ数をカウントする(S53)。
また、通信手段21がアウト信号を受信すると(S54)、投入数カウント手段23が、そのアウト信号にもとづいて、アウト数をカウントする(S55)。
これらセーフ数のカウント値とアウト数のカウント値は、記憶手段22へ送られて記憶される。
【0076】
S54において、最小単位の波形(1パルス)に形成されたアウト信号が受信されたことにより、S55において、所定のアウト数(例えば、10個)がカウントされると、第二判定手段28は、そのカウント数(カウント値の増加分)が所定の投入規定数以上であるか否かを判断する(S56)。ここで、所定の投入規定数は、アウト信号の最小単位の波形に相当するアウト数と同数とする。
判断の結果、そのカウント数が所定の投入規定数以上であるときは、判定区間設定手段25は、カウント数が所定の投入規定数に達した時点から過去に遡って一定のアウト数を判定区間として設定する(S57)。
一方、そのカウント数が所定の投入規定数未満であるときは、S52以降の処理が実行される。
【0077】
次いで、第二判定手段28は、その判定区間におけるアウト数とセーフ数とを用いてベースを算出する(S58)。この算出されたベースは、記憶手段22へ送られて記憶される。
さらに、第二判定手段28は、記憶手段22から正常範囲を取り出すと、算出したベースと比較する(S59)。
比較の結果、ベースが正常範囲の範囲内であるときは、当該判定区間におけるベースは、正常であると判定する(S60)。
一方、ベースが正常範囲を逸脱しているときは、当該判定区間においてベース異常が発生したものと判定する(S61)。
【0078】
判定後、次の遊技信号が通信手段21で受信されると(S62)、S52以降の処理が実行される。
なお、S58からS61までの処理は、第二判定手段28が実行する処理であり、その内容は、判定区間内でカウントされた遊技媒体払出数と当該判定区間における遊技媒体投入数とにもとづいて当該判定区間におけるベースを算出し、この算出したベースにもとづいて、ベースに関する異常が発生したか否かを判定するものであるので、「ベース異常判定処理」に相当する。
【0079】
(4−2)具体例
第四実施例の具体例について、図10、図11を参照して説明する。
例えば、遊技機10から出力されるアウト信号は、アウト数が10個に対し1パルスで出力されるものとする。
また、図11の「番号」は、通信手段21でアウト信号が1パルス受信されるたびに(アウト数が変化するたびに)付される番号である。
さらに、ベースの正常範囲は、「10」〜「50」とする。
そして、判定区間のアウト数を「500」とする。
【0080】
投入数カウント手段23は、通信手段21で受信されたアウト信号にもとづいて、アウト数をカウントする。このカウント値は、累計され、「累計アウト数」として、記憶手段22に記憶される(図11参照)。
また、払出数カウント手段24は、通信手段21で受信されたセーフ信号にもとづいて、セーフ数をカウントする。このカウント値は、累計され、「累計セーフ数」として、記憶手段22に記憶される(図11参照)。
【0081】
図11に示す番号1〜50においては、アウト数が「500」未満であるので、判定区間のアウト数である「500」に達しておらず、図9に示すS57以降の処理は実行されない。
これに対し、番号51以降においては、アウト数が「500」以上であるので、判定区間のアウト数である「500」に達しており、図9に示すS57以降の処理が実行される。
【0082】
番号51において、算出されたベースが正常範囲と比較される。ここで、番号51のベースは、「38.0」であり、正常範囲である「10」〜「50」の範囲内にあるので、第二判定手段28は、ベース異常が発生しておらず、遊技機10が正常に稼動しているものと判定する。
なお、番号52〜54についても、同様の内容で処理が実行され、正常と判定される。
【0083】
また、番号55のベースは、「52.0」であり、正常範囲である「10」〜「50」を逸脱しているので、第二判定手段28は、ベース異常が発生したものと判定する。
なお、番号56〜58、105〜107についても、同様の内容で処理が実行され、異常と判定される。
【0084】
さらに、番号108のベースは、「50.0」であり、正常範囲の範囲内にあるので、第二判定手段28は、ベース異常が復帰したものと判定する。
【0085】
以上説明したように、本実施例のベース異常判定方法によれば、ベースが変化するたびにベース異常の有無を判定するので、ベース異常を必ず検出できる。
また、ベースが変化するたびに判定を行うので、ベース異常をいち早く検出できる。
【0086】
以上、本発明の遊技場用装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技場用装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、台コンピュータがベース異常判定方法を実行することとしたが、ベース異常判定方法は、台コンピュータが実行することに限るものではなく、島コンピュータやホールコンピュータなど、他の遊技場用装置により実行することができる。
【0087】
また、上述した各実施例における正常範囲は、いずれも同じ値を用いたが、同じ値に限るものではなく、異なる値とすることができる。これは、第一実施例の正常範囲が、判断区間ごとのベースについて、正常・異常を判断する際に用いる範囲であるのに対し、第二実施例〜第四実施例の正常範囲は、過去所定数の判断区間ごとのベースの平均値について、正常・異常を判断する際に用いる範囲であるからである。
【0088】
さらに、遊技場用装置がベース異常判定方法を実行し、ベース異常が発生しているものと判定した場合において、この発生中に、遊技場用装置がその後の判断区間についてベース異常判定方法を実行し、その結果、ベース異常の判定を行うための条件を満たしているとき、これをベース異常として判定するか否かについては、設定により決めることができる。
例えば、「判定する」との設定を行ったときは、ベース異常の発生中でも、条件を満たしていれば、繰り返しベース異常の判定が行われる。一方、「判定しない」との設定を行ったときは、ベース異常の発生中は、ベース異常の判定が繰り返し行われることはない。
なお、「判定する」との設定を行った場合、正常区間の上限値を超過したベース異常と、正常区間の下限値を下回ったベース異常とは区別せず、いずれもベース異常として発生させることができる。
【0089】
また、ベース異常の発生中に、遊技場用装置がその後の判断区間についてベース異常判定方法を実行し、その結果、ベース異常の復帰の判定を行う条件を満たしているとき、自動復帰をするか否かについては、設定により決めることができる。
例えば、「自動復帰する」との設定を行ったときは、ベース異常の発生中でも、条件を満たしていれば、自動復帰を行う。一方、「自動復帰しない」との設定を行ったときは、条件を満たしていても、ベース異常は、自動復帰しない。
なお、「自動復帰しない」との設定を行ったときは、手動により、ベース異常を復帰させることができる。
【0090】
さらに、賞球の最大を15玉とし、アウト数が10玉で1パルスのアウト信号を出力し、セーフ数が10玉で1パルスのセーフ信号を出力する場合において、アウト信号を1パルス検出したときに、セーフ信号が15パルスを超過(150玉を超過)することは物理的にあり得ないので、この場合のベースを除外して、ベース異常を判定することができる。
【0091】
また、アウト信号が検出されない状態でセーフ数が所定数以上(例えば、500玉)検出されたときには、アウトタンク(パチンコ機の裏面に配置され、投入された遊技球を受入れるタンク)の詰まりが検出され、アウト異常となる。その後、遊技場の従業員によりアウトタンクの詰まりが解消されると、今度は、単位時間当りのアウト数が増大し、アウト出すぎ異常となる。この場合に、ベース異常の判定を行うと、ベースの下限異常と判断されるため、ベースの数値(区間)が正常になるまで、ベース異常と判断してもベース異常の報知を行わないようにすることができる。これにより、遊技場の管理者は、不必要な情報を確認して対応しなくてもよくなる。
【0092】
なお、本発明の遊技場用装置は、第一実施例〜第四実施例のそれぞれにおける遊技場用装置を任意に組み合わせたものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、ベース異常の検出に関する発明であるため、ベース異常の検出を行う装置や機器に利用可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 遊技場システム
10 遊技機
20 台コンピュータ
21 通信手段
22 記憶手段
23 投入数カウント手段
24 払出数カウント手段
25 判定区間設定手段
26 判断区間決定手段
27 第一判定手段
28 第二判定手段
30 島コンピュータ
40 ホールコンピュータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機が大当り状態以外の遊技状態であるときの出玉率をベースとし、このベースに関する異常が発生したか否かを判定する遊技場用装置であって、
前記遊技機に投入された遊技媒体の数である遊技媒体投入数を示す遊技媒体投入信号と、前記遊技機から払出された遊技媒体の数である遊技媒体払出数を示す遊技媒体払出信号とを、前記遊技機から受信する通信手段と、
前記遊技媒体投入信号にもとづいて前記遊技媒体投入数をカウントする投入数カウント手段と、
前記遊技媒体払出信号にもとづいて前記遊技媒体払出数をカウントする払出数カウント手段と、
前記遊技媒体投入数のカウント値が所定の投入規定数に達するたびに、この達した時点から過去に遡って前記投入規定数を超える一定の遊技媒体投入数が投入された間を判定区間として設定する判定区間設定手段と、
前記判定区間内でカウントされた遊技媒体払出数と当該判定区間における遊技媒体投入数とにもとづいて、前記ベースに関する異常が発生したか否かを判定する処理をベース異常判定処理として実行する判定手段とを備え、
この判定手段は、前記判定区間設定手段で前記判定区間が設定されるたびに、前記ベース異常判定処理を実行する
ことを特徴とする遊技場用装置。
【請求項2】
前記ベースの示す値が正常とされる範囲を正常範囲として記憶する記憶手段と、
前記判定区間に相当する前記一定の遊技媒体投入数を整数で等分し、この等分した後のそれぞれの区間を判断区間とし、これら判断区間ごとの遊技媒体投入数を区間投入数とし、前記投入数カウント手段における前記遊技媒体投入数のカウント値が前記区間投入数に達すると、当該カウントの開始から前記区間投入数に達した時点までの間を前記判断区間として決定する判断区間決定手段とを備え、
前記判定手段は、
前記遊技媒体投入数のカウント値が前記区間投入数に達すると、前記判断区間における前記遊技媒体投入数と前記遊技媒体払出数とにもとづいて当該判断区間における前記ベースを算出し、この算出したベースが前記正常範囲を逸脱しているか否かを判断し、この判断の結果を区間別判断結果として前記記憶手段に記憶させる第一判定手段と、
前記判定区間における複数の前記判断区間のそれぞれの前記区間別判断結果を参照し、前記ベースが前記正常範囲を逸脱していると判断された区間別判断結果の数が閾値以上であると前記ベースに関する異常が発生したものと判定する第二判定手段とを有した
ことを特徴とする請求項1記載の遊技場用装置。
【請求項3】
前記第二判定手段は、前記判定区間における前記遊技媒体投入数と前記遊技媒体払出数とにもとづいて当該判定区間における前記ベースを算出し、このベースが前記正常範囲を逸脱しているときは、前記ベースに関する異常が発生したものと判定する
ことを特徴とする請求項2記載の遊技場用装置。
【請求項4】
前記ベースの示す値が正常とされる範囲を正常範囲として記憶する記憶手段と、
前記判定区間に相当する前記一定の遊技媒体投入数を整数で等分し、この等分した後のそれぞれ区間を判断区間とし、これら判断区間ごとの遊技媒体投入数を区間投入数とし、前記投入数カウント手段における前記遊技媒体投入数のカウント値が前記区間投入数に達すると、当該カウントの開始から前記区間投入数に達した時点までの間を前記判断区間として決定する判断区間決定手段とを備え、
前記判定手段は、
前記遊技媒体投入数のカウント値が前記区間投入数に達すると、前記判断区間における前記遊技媒体投入数と前記遊技媒体払出数とにもとづいて当該判断区間における前記ベースを算出する第一判定手段と、
前記判定区間における各判断区間ごとに算出された前記ベースの中から最大値を示すベースと最小値を示すベースとを除外し、残りのベースを用いて平均値を算出し、この平均値が前記正常範囲を逸脱していると、前記ベースに関する異常が発生したものと判定する第二判定手段とを有した
ことを特徴とする請求項1記載の遊技場用装置。
【請求項5】
前記ベースの示す値が正常とされる範囲を正常範囲として記憶する記憶手段を備え、
前記遊技媒体投入信号は、前記遊技機に所定数の遊技媒体が投入されるたびに、最小単位の波形に形成されて、前記遊技機から出力され、
前記通信手段は、前記遊技媒体投入信号を受信し、
前記投入カウント手段は、前記最小単位の波形に形成された前記遊技媒体投入信号が前記通信手段で受信されるたびに、当該最小単位の波形に相当する遊技媒体の数をカウントし、
前記判定区間設定手段は、前記最小単位の波形に相当する遊技媒体の数を前記投入規定数とし、前記投入カウント手段が前記最小単位の波形に相当する前記遊技媒体の数をカウントして該カウント数が前記投入規定数に達するたびに、この達した時点から過去に遡って前記投入規定数を超える一定の遊技媒体投入数が投入された間を判定区間として設定し、
前記判定手段は、前記遊技媒体投入数のカウント値が増加するたびに、前記判定区間における前記遊技媒体投入数と前記遊技媒体払出数とにもとづいて当該判定区間における前記ベースを算出し、このベースが前記正常範囲を逸脱していると、前記ベースに関する異常が発生したものと判定する
ことを特徴とする請求項1記載の遊技場用装置。
【請求項1】
遊技機が大当り状態以外の遊技状態であるときの出玉率をベースとし、このベースに関する異常が発生したか否かを判定する遊技場用装置であって、
前記遊技機に投入された遊技媒体の数である遊技媒体投入数を示す遊技媒体投入信号と、前記遊技機から払出された遊技媒体の数である遊技媒体払出数を示す遊技媒体払出信号とを、前記遊技機から受信する通信手段と、
前記遊技媒体投入信号にもとづいて前記遊技媒体投入数をカウントする投入数カウント手段と、
前記遊技媒体払出信号にもとづいて前記遊技媒体払出数をカウントする払出数カウント手段と、
前記遊技媒体投入数のカウント値が所定の投入規定数に達するたびに、この達した時点から過去に遡って前記投入規定数を超える一定の遊技媒体投入数が投入された間を判定区間として設定する判定区間設定手段と、
前記判定区間内でカウントされた遊技媒体払出数と当該判定区間における遊技媒体投入数とにもとづいて、前記ベースに関する異常が発生したか否かを判定する処理をベース異常判定処理として実行する判定手段とを備え、
この判定手段は、前記判定区間設定手段で前記判定区間が設定されるたびに、前記ベース異常判定処理を実行する
ことを特徴とする遊技場用装置。
【請求項2】
前記ベースの示す値が正常とされる範囲を正常範囲として記憶する記憶手段と、
前記判定区間に相当する前記一定の遊技媒体投入数を整数で等分し、この等分した後のそれぞれの区間を判断区間とし、これら判断区間ごとの遊技媒体投入数を区間投入数とし、前記投入数カウント手段における前記遊技媒体投入数のカウント値が前記区間投入数に達すると、当該カウントの開始から前記区間投入数に達した時点までの間を前記判断区間として決定する判断区間決定手段とを備え、
前記判定手段は、
前記遊技媒体投入数のカウント値が前記区間投入数に達すると、前記判断区間における前記遊技媒体投入数と前記遊技媒体払出数とにもとづいて当該判断区間における前記ベースを算出し、この算出したベースが前記正常範囲を逸脱しているか否かを判断し、この判断の結果を区間別判断結果として前記記憶手段に記憶させる第一判定手段と、
前記判定区間における複数の前記判断区間のそれぞれの前記区間別判断結果を参照し、前記ベースが前記正常範囲を逸脱していると判断された区間別判断結果の数が閾値以上であると前記ベースに関する異常が発生したものと判定する第二判定手段とを有した
ことを特徴とする請求項1記載の遊技場用装置。
【請求項3】
前記第二判定手段は、前記判定区間における前記遊技媒体投入数と前記遊技媒体払出数とにもとづいて当該判定区間における前記ベースを算出し、このベースが前記正常範囲を逸脱しているときは、前記ベースに関する異常が発生したものと判定する
ことを特徴とする請求項2記載の遊技場用装置。
【請求項4】
前記ベースの示す値が正常とされる範囲を正常範囲として記憶する記憶手段と、
前記判定区間に相当する前記一定の遊技媒体投入数を整数で等分し、この等分した後のそれぞれ区間を判断区間とし、これら判断区間ごとの遊技媒体投入数を区間投入数とし、前記投入数カウント手段における前記遊技媒体投入数のカウント値が前記区間投入数に達すると、当該カウントの開始から前記区間投入数に達した時点までの間を前記判断区間として決定する判断区間決定手段とを備え、
前記判定手段は、
前記遊技媒体投入数のカウント値が前記区間投入数に達すると、前記判断区間における前記遊技媒体投入数と前記遊技媒体払出数とにもとづいて当該判断区間における前記ベースを算出する第一判定手段と、
前記判定区間における各判断区間ごとに算出された前記ベースの中から最大値を示すベースと最小値を示すベースとを除外し、残りのベースを用いて平均値を算出し、この平均値が前記正常範囲を逸脱していると、前記ベースに関する異常が発生したものと判定する第二判定手段とを有した
ことを特徴とする請求項1記載の遊技場用装置。
【請求項5】
前記ベースの示す値が正常とされる範囲を正常範囲として記憶する記憶手段を備え、
前記遊技媒体投入信号は、前記遊技機に所定数の遊技媒体が投入されるたびに、最小単位の波形に形成されて、前記遊技機から出力され、
前記通信手段は、前記遊技媒体投入信号を受信し、
前記投入カウント手段は、前記最小単位の波形に形成された前記遊技媒体投入信号が前記通信手段で受信されるたびに、当該最小単位の波形に相当する遊技媒体の数をカウントし、
前記判定区間設定手段は、前記最小単位の波形に相当する遊技媒体の数を前記投入規定数とし、前記投入カウント手段が前記最小単位の波形に相当する前記遊技媒体の数をカウントして該カウント数が前記投入規定数に達するたびに、この達した時点から過去に遡って前記投入規定数を超える一定の遊技媒体投入数が投入された間を判定区間として設定し、
前記判定手段は、前記遊技媒体投入数のカウント値が増加するたびに、前記判定区間における前記遊技媒体投入数と前記遊技媒体払出数とにもとづいて当該判定区間における前記ベースを算出し、このベースが前記正常範囲を逸脱していると、前記ベースに関する異常が発生したものと判定する
ことを特徴とする請求項1記載の遊技場用装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−95830(P2012−95830A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245999(P2010−245999)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]