遊技媒体用容器および遊技媒体計数システム
【課題】使い勝手の向上を図ることができる遊技媒体用容器、および、それを含む遊技媒体計数システムを提供すること。
【解決手段】遊技媒体用容器2のボックス状の容器本体4の側面下部には、容器本体4内のパチンコ玉Pを流出させるための流出窓6が形成されていて、シャッター22が、容器本体4側面に沿ってスライドすることによって流出窓6を開閉する。シャッター22が容器本体4側面に沿って略垂直に延びていることから、シャッター22には容器本体4内のパチンコ玉Pの重力が作用しにくいので、シャッター22の円滑な開閉が可能である。容器本体4の側面下部の流出窓6は、見やすい位置にあるので、流出窓6からパチンコ玉Pが流出する様子が把握しやすい。流出窓6の側方に小分け用の小箱を配置しておくと、容器本体4内のパチンコ玉Pを流出窓6から小箱に円滑に移し変えることができる。
【解決手段】遊技媒体用容器2のボックス状の容器本体4の側面下部には、容器本体4内のパチンコ玉Pを流出させるための流出窓6が形成されていて、シャッター22が、容器本体4側面に沿ってスライドすることによって流出窓6を開閉する。シャッター22が容器本体4側面に沿って略垂直に延びていることから、シャッター22には容器本体4内のパチンコ玉Pの重力が作用しにくいので、シャッター22の円滑な開閉が可能である。容器本体4の側面下部の流出窓6は、見やすい位置にあるので、流出窓6からパチンコ玉Pが流出する様子が把握しやすい。流出窓6の側方に小分け用の小箱を配置しておくと、容器本体4内のパチンコ玉Pを流出窓6から小箱に円滑に移し変えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技媒体を収容するための遊技媒体用容器、および、それを含む遊技媒体計数システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ玉等の遊技媒体を収容するための遊技媒体用容器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1では、パチンコ玉を収容するパチンコ玉収容箱が提案されている。このパチンコ玉収容箱の収容箱本体は、上面を開口した横長箱状に形成されていて、その底板には、排出孔が形成されている。排出孔は、シャッタ板によって開閉される。
【0003】
また、特許文献1では、パチンコ玉収容箱を載せて運搬することができるパチンコ玉運搬用台車も提案されている。パチンコ玉運搬用台車では、台車本体の四隅に走行用の車輪が取り付けられているとともに、台車本体の後部にハンドルが立設されている。台車本体にパチンコ玉収容箱を載せたパチンコ玉運搬用台車をパチンコ玉計数機に装着すると、パチンコ玉収容箱のシャッタ板が開かれる。すると、パチンコ玉収容箱内のパチンコ玉は、排出孔から台車本体内に落下し、その後、台車本体の前面の放出口からパチンコ玉計数機に受け入れられてパチンコ玉計数機で計数される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3679559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のパチンコ玉収容箱では、内部のパチンコ玉を流出させる排出孔が収容箱本体の底面に形成されている。
この場合、排出孔を閉じたシャッタ板には、内部のパチンコ玉の重力が常に作用しているので、シャッタ板の開閉に負担がかかってシャッタ板を円滑に開閉できない虞があることから、この点で、使い勝手の向上を図ることが困難である。
【0006】
また、排出孔が収容箱本体の底面という見えにくい位置にあるので、排出孔からパチンコ玉が流出しているのか否かを把握するのが困難である。
また、たとえば、パチンコ台でいわゆる大当たりが連続して、獲得した多数のパチンコ玉をパチンコ玉収容箱に収容したものの、その後当りが出なくなったので、パチンコ玉収容箱のパチンコ玉を使って遊技を続けなければならない場合がある。この場合、必要に応じてその都度パチンコ玉収容箱からパチンコ玉を取り出すのは不便であるから、パチンコ玉収容箱のパチンコ玉を、パチンコ玉収容箱よりも小さい小箱に移し変えて、この小箱のパチンコ玉を使って遊技をすることがある。この際、特許文献1のパチンコ玉収容箱では、内部のパチンコ玉を収容箱本体の底面の排出孔から取り出して小箱に移し変えねばならない。そのために、排出孔の真下に小箱が位置するように、パチンコ玉が詰まって重いパチンコ玉収容箱を浮かせたり、パチンコ玉収容箱の下に小箱を潜り込ませたりする必要があるので、手間がかかる虞がある。
【0007】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、使い勝手の向上を図ることができる遊技媒体用容器、および、それを含む遊技媒体計数システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、遊技媒体を収容するための遊技媒体用容器であって、上面が開放されたボックス状であって、内部に遊技媒体を収容することができる容器本体と、前記容器本体の側面下部に形成され、前記容器本体内の遊技媒体を流出させるための流出窓と、前記容器本体側面に沿ってスライドすることによって前記流出窓を開閉するシャッターと、を含むことを特徴とする、遊技媒体用容器である。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記シャッターにおいて下部だけが前記容器本体内部に露出されるように前記シャッターを前記容器本体の内側から覆うカバーを含むことを特徴とする、請求項1記載の遊技媒体用容器である。
請求項3記載の発明は、前記シャッターは、前記容器本体の外側に配置される外側シャッターと、前記容器本体の内側に配置される内側シャッターとを含む2重構造であることを特徴とする、請求項1または2記載の遊技媒体用容器である。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記外側シャッターは、途中まで開いたときに前記内側シャッターを開位置へ向けて押圧する押圧部材を備え、前記外側シャッターが開く途中で、前記内側シャッターが、前記押圧部材に押圧されることによって前記外側シャッターに遅れて開くことを特徴とする、請求項3記載の遊技媒体用容器である。
請求項5記載の発明は、前記容器本体の内部の底面は、前記流出窓ヘ向かって下向きに傾斜していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の遊技媒体用容器である。
【0011】
請求項6記載の発明は、前記容器本体には、遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置に連結される被連結部が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の遊技媒体用容器である。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の遊技媒体用容器と、遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置とを含む遊技媒体計数システムであって、前記遊技媒体計数装置は、装置本体と、前記容器を連結することのできる前記装置本体の下部に設けられた連結部と、前記装置本体の下部に設けられ、前記連結部に連結された前記容器の流出窓から流出される遊技媒体を受け入れる下部受入部と、を含むことを特徴とする、遊技媒体計数システムである。
【0012】
請求項8記載の発明は、前記容器の容器本体には、前記遊技媒体計数装置の連結部に連結される被連結部が設けられていて、前記遊技媒体計数装置は、前記連結部に連結された前記容器の被連結部をロックするためのロック部材と、前記ロック部材が前記被連結部をロックしているか否かを検出するためのロック状態検出手段と、を含むことを特徴とする、請求項7記載の遊技媒体計数システムである。
【0013】
請求項9記載の発明は、前記遊技媒体計数装置は、前記下部受入部に受け入れられている遊技媒体が所定量未満であるか否かを検出するための遊技媒体量検出手段と、前記下部受入部に受け入れられている遊技媒体が前記所定量未満であることを前記遊技媒体量検出手段が検出したのに応じて、前記ロック部材による前記被連結部のロックを解除するロック解除手段と、を含むことを特徴とする、請求項8記載の遊技媒体計数システムである。
【0014】
請求項10記載の発明は、前記遊技媒体計数装置は、前記連結部に前記容器の被連結部が連結された状態で、前記シャッターを開閉する開閉手段を含むことを特徴とする、請求項8または9記載の遊技媒体計数システムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、遊技媒体用容器の容器本体は、上面が開放されたボックス状であって、内部に遊技媒体を収容することができる。容器本体の側面下部には、容器本体内の遊技媒体を流出させるための流出窓が形成されていて、シャッターが、容器本体側面に沿ってスライドすることによって流出窓を開閉する。
この場合、シャッターが容器本体側面に沿って略垂直に延びていることから、シャッターには容器本体内の遊技媒体の重力が作用しにくいので、シャッターの円滑な開閉が可能である。
【0016】
また、容器本体の側面下部に形成された流出窓は見やすい位置にあるので、流出窓から遊技媒体が流出する様子が把握しやすい。さらに、流出窓の側方に小分け用の小箱を配置しておくと、容器本体内の遊技媒体を流出窓から小箱に円滑に移し変えることができる。
以上の結果、使い勝手の向上を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、カバーが、シャッターにおいて下部だけが容器本体内部に露出されるように、シャッターを容器本体の内側から覆うので、シャッターにおいて、容器本体内の遊技媒体と接触する部分が下部だけとなる。そのため、開閉するシャッターに対する容器本体内の遊技媒体による抵抗を小さく抑えることができるので、シャッターの円滑な開閉が可能であり、使い勝手が良い。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、シャッターは、容器本体の外側に配置される外側シャッターと、容器本体の内側に配置される内側シャッターとを含む2重構造である。そのため、流出窓から容器本体内部の遊技媒体を流出させている途中でシャッターを閉じた場合、内側シャッターと容器本体との間に遊技媒体が挟まることで内側シャッターを完全に閉じることができなくても、外側シャッターは完全に閉じることができるので、流出窓からの遊技媒体の流出を完全に止めることができ、使い勝手が良い。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、外側シャッターは、途中まで開いたときに内側シャッターを開位置へ向けて押圧する押圧部材を備えていて、外側シャッターが開く途中で、内側シャッターが、押圧部材に押圧されることによって外側シャッターに遅れて開く。この場合、シャッターを閉じた状態で内側シャッターと外側シャッターとの間に遊技媒体が挟まっていたとしても、内側シャッターが閉じたままの状態で外側シャッターだけを少し開けて、この遊技媒体を取り出すことができ、使い勝手が良い。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、容器本体の内部の底面が流出窓ヘ向かって下向きに傾斜しているので、流出窓を開放すると、容器本体内の遊技媒体を流出窓から漏れなく流出させることができ、使い勝手が良い。
請求項6記載の発明によれば、容器本体には、遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置に連結される被連結部が設けられている。これにより、遊技媒体用容器を被連結部において遊技媒体計数装置に連結することで、遊技媒体用容器と遊技媒体計数装置との相対位置を安定させることができるので、遊技媒体用容器から遊技媒体計数装置への遊技媒体の円滑な受け渡しが可能になる。
【0020】
請求項7記載の発明によれば、遊技媒体計数システムは、遊技媒体用容器と、遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置とを含んでいる。
そして、遊技媒体計数装置において、装置本体の下部に設けられた連結部には、(遊技媒体用)容器を連結することができる。また、装置本体では、その下部に設けられた下部受入部が、連結部に連結された容器の流出窓から流出される遊技媒体を受け入れることができる。そのため、この遊技媒体計数システムでは、遊技媒体計数装置による、遊技媒体用容器に収容された遊技媒体の計数が可能である。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、容器の容器本体には、遊技媒体計数装置の連結部に連結される被連結部が設けられている。そして、遊技媒体計数装置では、ロック部材が、連結部に連結された容器の被連結部をロックすることによって、容器と遊技媒体計数装置との相対位置が安定するので、容器から遊技媒体計数装置の下部受入部への遊技媒体の円滑な受入が可能となる。そして、遊技媒体計数装置では、ロック状態検出手段が、ロック部材が容器の被連結部をロックしているか否かを検出するので、ロック部材の動作状態を正確に把握できる。
【0022】
請求項9記載の発明によれば、遊技媒体計数装置では、遊技媒体量検出手段が、下部受入部に受け入れられている遊技媒体が所定量未満であるか否かを検出することによって、容器に収納されていた遊技媒体の計数が進んで容器内の遊技媒体が全て無くなったか否かを把握することができる。
そして、遊技媒体計数装置では、下部受入部に受け入れられている遊技媒体が所定量未満であること、つまり、容器内の遊技媒体が全て無くなったことを遊技媒体量検出手段が検出したのに応じて、ロック解除手段が、ロック部材による容器の被連結部のロックを解除する。これにより、空になった容器を連結部(遊技媒体計数装置)から速やかに取り外すことができる。
【0023】
請求項10記載の発明によれば、遊技媒体計数装置の開閉手段は、連結部に容器の被連結部が連結された状態で、容器のシャッターを開閉する。この場合、連結部に被連結部が連結された状態において、遊技施設の係員等がシャッターに直接触れてシャッターを手動で開閉せずに済むので、使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、遊技施設内に設けられた遊技媒体計数システム1を構成する遊技媒体用容器2および遊技媒体計数装置3の斜視図である。
【図2】図2は、遊技媒体用容器2の斜視図である。
【図3】図3は、遊技媒体用容器2の右側断面図である。
【図4】図4は、上下に複数積み重ねた遊技媒体用容器2の右側断面図である。
【図5】図5は、シャッターユニット20を容器本体4の外側(正面側)から見た斜視図である。
【図6】図6は、シャッターユニット20を容器本体4の内側(背面側)から見た斜視図である。
【図7】図7は、シャッター22を正面側から見た斜視図である。
【図8】図8は、シャッター22を背面側から見た斜視図である。
【図9】図9は、シャッター22の動作状態を示す右側断面図である。
【図10】図10は、遊技媒体計数装置3の装置本体50の下部50Aの一部、連結部51および下部受入部52の斜視図である。
【図11】図11は、連結部51の要部の斜視図である。
【図12】図12は、下部受入部52の一部、揚送機構53および上部受入部54の斜視図である。
【図13】図13は、揚送機構53の斜視図である。
【図14】図14は、揚送機構53を説明するための模式的な斜視図である。
【図15】図15は、揚送機構53の動作を説明するための揚送機構53の模式的な右側断面図である。
【図16】図16は、上部受入部54および計数ユニット55を説明するための計数装置3の模式的な要部右側断面図である。
【図17】図17は、図16に変形例を適用した図である。
【図18】図18は、計数ユニット55の模式的な斜視図である。
【図19】図19は、操作表示部56における表示の一例を示す模式図である。
【図20】図20は、操作表示部56における表示の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
<遊技媒体計数システム>
図1は、遊技施設内に設けられた遊技媒体計数システム1を構成する遊技媒体用容器2および遊技媒体計数装置3の斜視図である。
図1を参照して、この発明に係る遊技媒体計数システム1は、パチンコ店などの遊技施設内に設けられる。遊技媒体計数システム1は、遊技媒体(ここでは、パチンコ玉とする)を収容するための遊技媒体用容器2(遊技媒体搬送体)と、パチンコ玉を計数するための遊技媒体計数装置3とを含んでいる。なお、ここでは、遊技媒体をパチンコ玉としているが、メダルであってもよく、この場合、遊技媒体計数装置3は、メダルを計数する。
【0026】
遊技媒体計数システム1では、遊技台(ここでは、パチンコ台とする)において、いわゆる大当たりによって獲得された多数のパチンコ玉(出玉)が遊技媒体用容器2に収容され、遊技媒体用容器2のパチンコ玉が遊技媒体計数装置3によって計数される。ここで、遊技媒体用容器2よりもパチンコ玉の収容量の少ない小容器(図示せず)が存在し、当たりが少ない場合には、比較的少数の出玉は、小容器に収容され、大当たりが何度も出た場合には、比較的多数の出玉は、遊技媒体用容器2に収容される。
【0027】
以下では、遊技媒体用容器2および遊技媒体計数装置3のそれぞれについて説明する。なお、以下では、遊技媒体用容器2を大容器2と呼び、遊技媒体計数装置3を計数装置3と呼ぶ。
<大容器>
図2は、大容器2の斜視図である。
【0028】
図2に示すように、大容器2は、上面が開放された略直方体のボックス状の容器本体4を含んでいる。容器本体4は、透明または半透明の樹脂等で形成されている。図2(a)の姿勢を基準として、容器本体4は、前後の側壁4A,4Bと、左右の側壁4C,4Dと、底壁4Eとを一体的に含んでいる。側壁4A〜4Dの上端部は、外側へ折り返されている。側壁4A〜4Dの上端縁が、大容器2内に上から連通する略矩形状の投入口5を区画している。容器本体4では、投入口5から投入したパチンコ玉を内部に収容することができる。
【0029】
容器本体4の側面下部、詳しくは、前側壁4Aの下部には、流出窓6が形成されている。流出窓6は、横方向にやや長手で上側の2つの角が丸められた略矩形状であって、前側壁4Aを貫通し、容器本体4の内外を連通させている。前側壁4Aの外表面には、上下に並ぶ目盛り7が刻まれている。
左右の側壁4Cおよび4Dの内側面の上端部には、下方へ窪むスリット8および挿入孔9が並んで形成されている(図2(c)および図2(d)参照)。スリット8には、「大当たり」等のメッセージが記載された札10を差し込むことができ、挿入孔9には、前記メッセージ等が記載された旗11を差し込むことができる(図2(c)参照)。
【0030】
後側壁4Bの内側面の上端部には、下方へ窪む2つの挿入孔12が、横方向に所定の間隔を隔てて形成されている。挿入孔12には、上下が逆になった略U字状のハンドル13の遊端部を上から差し込むことができる(図2(c)参照)。
底壁4Eは、略矩形状であり、その下面(つまり、容器本体4の下面)の四隅には、キャスター14が設けられている(図2(b)参照)。キャスター14が床面上を転がることで、大容器2を円滑に移動させることができ、使い勝手が良い。その際、前述したハンドル13(図2(c)参照)を把持すれば、大容器2を容易に移動させることができる。
【0031】
また、底壁4Eの下面の前端部の左右方向(幅方向)中央部には、ロック軸15(被連結部)およびホルダ16が設けられている。ロック軸15は、上下に細長い金属製の柱状であり、キャスター14の下端よりも手前(上方)の位置まで下方へ延びている。ホルダ16は、金属板を前側へL字状に折り曲げることで形成されている。ホルダ16の前側下端部には、ロック軸15の下端部(遊端部)が連結されていて、これにより、ホルダ16は、ロック軸15を曲がらないように保持している。大容器2に収容されたパチンコ玉を計数装置3で計数する場合に、ロック軸15が計数装置3に連結されることで、大容器2が計数装置3に対して位置決めされる(図1参照)。
【0032】
図3は、大容器2の右側断面図である。図4は、上下に複数積み重ねた大容器2の右側断面図である。
図3を参照して、容器本体4の底壁4Eは、この実施形態では、2重構造になっている。底壁4Eの上側の面は、容器本体4の内部の底面4Fをなしている。底面4Fは、平坦面であり、右側面視において、流出窓6の下端縁から後上側へ緩やかかつ直線状に傾斜している。換言すれば、底面4Fは、流出窓6へ向かって下向きに傾斜している。そのため、投入口5から容器本体4内にパチンコ玉Pを注ぎ込むと、パチンコ玉Pは、容器本体4内において、底面4Fの前端部側(流出窓6側)から溜まっていく。容器本体4内にどれくらいパチンコ玉Pが溜まっているのかは、前述した目盛り7(図2参照)を見ることで把握できる。そして、容器本体4内のパチンコ玉Pは、流出窓6から流出させることができる。
【0033】
また、容器本体4において、前側壁4Aは、垂直方向に対して角度θだけ前側へ傾いていて、全体として略垂直方向に延びている。後側壁4Bは、ほぼ垂直方向に延びている。ここで、角度θは、約15°である。この場合、前後の側壁4A,4Bの間隔が上側へ向かうに従って少しずつ広がっている。そして、前後の側壁4A,4Bの間隔程ではないが、左右の側壁4C,4Dの間隔も上側へ向かうに従って広がっている(図2参照)。
【0034】
そのため、図4に示すように、大容器2の容器本体4の投入口5に対して、別の大容器2を上からはめ込むことができるので、複数の大容器2を上下に積み重ねてコンパクトに収容することができ、使い勝手が良い。積み重ねられて上下に並ぶ大容器2において、上側の大容器2では、キャスター14が下側の大容器2の容器本体4内部の底面4Fに上から接触しているので、姿勢が安定している。
【0035】
図5は、シャッターユニット20を容器本体4の外側(正面側)から見た斜視図である。図6は、シャッターユニット20を容器本体4の内側(背面側)から見た斜視図である。
大容器2は、前側壁4Aの流出窓6を開閉するシャッターユニット20を容器本体4の内部に備えている(図2および図3参照)。
【0036】
図5に示すように、シャッターユニット20は、たとえば金属製のフレーム21と、フレーム21内に収容されるシャッター22とを含んでいる。
フレーム21は、前後に薄くて幅方向に長手のボックス形状である。フレーム21は、前フレーム23と後フレーム24(カバー)とを含んでいる。
前フレーム23は、幅方向に長手の薄板状であり、その上端部および左右の端部は、後側へ折り曲げられている。前フレーム23の幅方向略中央には、流出窓6と同じ形状の貫通穴25が形成されている。貫通穴25は、前フレーム23を、その下端縁から上向きに切り欠いている。
【0037】
後フレーム24は、前フレーム23とほぼ同じ大きさの幅方向に長手の薄板状であり、その上端部および左右の端部は、前側へ折り曲げられている。一方、図6に示すように、後フレーム24の下端部では、幅方向両端部だけが後側へ折り曲げられている。当該幅方向両端部を固定部24Aという。各固定部24Aには、固定部24Aを上下に貫通する挿通孔24Bが形成されている。後フレーム24の下端部において、左右の固定部24Aに挟まれた領域には、幅方向に長手の略矩形状の貫通穴26が形成されている。貫通穴26は、後フレーム24を、その下端縁から上向きに切り欠いている。
【0038】
前フレーム23を後フレーム24の前側かつ内側に配置して(図5参照)、前フレーム23および後フレーム24のそれぞれにおいて、左端部同士を重ね合わせてねじ27で固定し、右端部同士を重ね合わせてねじ27で固定する。これにより、ボックス形状のフレーム21が完成する。このとき、前フレーム23の貫通穴25と後フレーム24の貫通穴26とは対向している(図3参照)。
【0039】
そして、フレーム21は、前フレーム23の貫通穴25が流出窓6に対して後側(容器本体4の内側)から重なって対向した状態で、容器本体4の内部に配置されている(図3参照)。この状態で、後フレーム24の各固定部24Aの挿通孔24Bには、ねじ(図示せず)が挿通されて容器本体4の底壁4E(図3参照)の上面(前述した底面4F)に組み付けられている。そのため、フレーム21(換言すれば、シャッターユニット20)は、容器本体4の前側壁4Aに対して容器本体4の内側から沿った状態で、容器本体4に固定されている(図3参照)。このとき、フレーム21では、後フレーム24の貫通穴26が、容器本体4内に前側から臨んでいる(図3参照)。
【0040】
図7は、シャッター22を正面側から見た斜視図である。図8は、シャッター22を背面側から見た斜視図である。図9は、シャッター22の動作状態を示す右側断面図である。
図7を参照して、シャッター22は、シャッターユニット20において、実際に流出窓6(図3参照)を開閉する。シャッター22は、内側シャッター30と外側シャッター31とを含む2重構造である。
【0041】
図8を参照して、内側シャッター30は、幅方向に長手で前後に薄い略矩形の板状である。内側シャッター30は、本体部32と、シャッターホルダ33とを一体的に備えている。
本体部32は、前後に薄く幅方向に長手の略矩形の板状であり、前フレーム23の貫通穴25および後フレーム24の貫通穴26(図5および図6参照)のいずれよりも大きい。厳密には、本体部32では、下側部分が下端に向かって少し幅狭になっている。本体部32の前側面(図8における奥側の面)の幅方向両側には、前側へ突出する複数のリブ34が幅方向に並んで設けられている。各リブ34の突出量は同じである。また、本体部32の下端縁は、幅方向に沿って水平に延びていて、この下端縁には、ゴム等の弾性体で形成された弾性プレート35が、幅方向全域に亘って取り付けられている。弾性プレート35は、本体部32の下端縁から下方へはみ出ている(図9(c)参照)。
【0042】
シャッターホルダ33は、幅方向に長手で前後に薄いボックス形状であり、その下側面および後側面(図8における手前側の側面)が開放されている。シャッターホルダ33の上側面には、シャッターホルダ33よりも幅広の係止プレート36が上から取り付けられている。係止プレート36の幅方向両端部は、シャッターホルダ33から幅方向外側へ突出していて、当該両端部には、当該両端部を上下に貫通する貫通孔37が形成されている。
【0043】
本体部32は、シャッターホルダ33の左右の側壁33A,33Bによって挟持された状態でシャッターホルダ33に一体化されている。この状態で、本体部32の前側面のリブ34は、シャッターホルダ33内部において、シャッターホルダ33の前側壁33Cに対して隙間を隔てて後側から対向していて、本体部32の略下半分は、シャッターホルダ33から下側へはみ出ている。
【0044】
図7を参照して、外側シャッター31は、前後に薄く幅方向に長手の略矩形の板状であり、前フレーム23の貫通穴25および後フレーム24の貫通穴26(図5および図6参照)のいずれよりも大きい。外側シャッター31は、内側シャッター30の本体部32とほぼ同じ形状であり、外側シャッター31の下側部分は、下端に向かって少し幅狭になっている。外側シャッター31の下側部分の前側面の幅方向略中央には、後側へ窪む凹部38が形成されている。凹部38は、幅方向長手である。外側シャッター31は、凹部38が形成されて部分において、後側へ膨出しており、この膨出した部分は、膨出部31Aとされる(図9参照)。また、外側シャッター31の後側面の上端部の幅方向両端部には、後側へ突出するリブ39が1つずつ形成されている(図8参照)。各リブ39の突出量は同じである。
【0045】
このようなシャッター22は、前述したようにフレーム21内に収容されている(図5および図6参照)。このとき、図9(a)に示すように、シャッター22では、外側シャッター31が、内側シャッター30の本体部32に対して前側に配置されている。ここで、図1〜図9(a)では、内側シャッター30および外側シャッター31がいずれも閉じた状態を示している。
【0046】
図9(a)に示すように、外側シャッター31では、上側部分が、内側シャッター30のシャッターホルダ33内部に対して、遊びを持って下から挿通されている。この状態で、外側シャッター31は、シャッターホルダ33において内部を上から区画する上側壁33Dに下から当接するまでの範囲において、内側シャッター30に対して上下にスライドすることができる。
【0047】
この状態で、外側シャッター31は、その自重によって、下向きに付勢されている。さらには、シャッターホルダ33の内部において、外側シャッター31の上端部31B(押圧部材)とシャッターホルダ33の上側壁33Dとの間に、上下に伸びようとする圧縮ばね等の付勢部材40が介挿されていて、外側シャッター31は、その自重に加えて、付勢部材40によっても下向きに付勢されている。なお、外側シャッター31の上端部31Bには、前述したリブ39が含まれる。
【0048】
ここで、内側シャッター30の前側面のリブ34が外側シャッター31の後側面(リブ39および膨出部31A以外の部分)に対向し、外側シャッター31の後側面のリブ39および膨出部31Aが内側シャッター30の前側面(リブ34以外の部分)に対向している(図8も参照)。これにより、内側シャッター30においてリブ34以外の部分と、外側シャッター31においてリブ39および膨出部31A以外の部分との間には、パチンコ玉P(図3参照)が1つ入る程度の隙間Xが確保されている。そして、この隙間Xが維持された状態で、外側シャッター31は、内側シャッター30に対して上下にスライドすることができる。
【0049】
そして、内側シャッター30は、外側シャッター31の上側部分をシャッターホルダ33内部に受け入れた状態で、フレーム21内で上下にスライドすることができる。
ここで、内側シャッター30の係止プレート36の幅方向両端部の貫通孔37には、上下に縮む引張ばね等の付勢部材41の上端部が係止されている(図7および図8参照)。つまり、外側シャッター31の幅方向両側には、一対の付勢部材41が設けられている。これらの付勢部材41は、シャッターユニット20を構成する部品に含まれる。各付勢部材41の下端部は、フレーム21(図5および図6参照)に係止されており、各付勢部材41は、外側シャッター31を下向きに付勢している。
【0050】
そして、シャッターユニット20において、外側シャッター31の前側面は、前フレーム23の貫通穴25から前側へ露出されており(図5参照)、内側シャッター30の本体部32の後側面の下部は、後フレーム24の貫通穴26から後側へ露出されている(図6参照)。
ここで、前述したように、容器本体4内で固定されたシャッターユニット20において、前フレーム23の貫通穴25が流出窓6に対して容器本体4の内側から重なって対向している(図3参照)。そのため、内側シャッター30および外側シャッター31の相対位置に関して、貫通穴25から露出されている外側シャッター31は、図9(a)に示すように、流出窓6において、内側シャッター30(厳密には、本体部32)よりも容器本体4の外側(前側)に配置され、内側シャッター30(本体部32)は、外側シャッター31よりも容器本体4の内側(後側)に配置されている(図3も参照)。
【0051】
また、シャッター22は、後フレーム24における貫通穴26以外の領域によって、容器本体4の内側から部分的に覆われている(図6参照)。これにより、シャッター22では、内側シャッター30の本体部32の後側面の下部だけが、後フレーム24の貫通穴26から容器本体4内部に露出されている(図6参照)。この場合、シャッター22において、容器本体4内のパチンコ玉Pと接触する部分が本体部32の後側面の下部だけとなる(図3参照)。そのため、開閉するシャッター22に対する容器本体4内のパチンコ玉Pによる抵抗を小さく抑えることができるので、シャッター22の円滑な開閉が可能であり、使い勝手が良い。
【0052】
次に、シャッター22の開閉動作について説明する。図9(a)では、内側シャッター30および外側シャッター31がいずれも下限に位置して流出窓6を後側から塞いでいて、シャッター22は流出窓6を閉じている。このとき、シャッター22(内側シャッター30および外側シャッター31)は閉位置にあり、内側シャッター30および外側シャッター31のそれぞれの下端縁が、幅方向(図9の紙面の厚さ方向)における全域に亘って、容器本体4の内部の底面4Fに対して上から接触している。
【0053】
この状態で、大容器2の前から指先や棒等を外側シャッター31の前側面の凹部38に差し込み、外側シャッター31を上方ヘスライドさせて開き始める。このとき、内側シャッター30は閉じたままで静止している。また、外側シャッター31を上方ヘスライドさせるのに応じて、内側シャッター30の前側面が流出窓6から前側に露出され始める。
外側シャッター31を、所定量上方へスライドさせて途中まで開くと、図9(b)に示すように、外側シャッター31の上端部31Bが、シャッターホルダ33内部の上限に到達して、シャッターホルダ33の上側壁33Dに対して下から当接する。このとき、内側シャッター30は、引き続き閉じている。
【0054】
この状態で、外側シャッター31を、さらに上方へスライドさせて開き続けると、外側シャッター31の上端部31Bがシャッターホルダ33の上側壁33Dを下から押圧するので、外側シャッター31とともに内側シャッター30が上方ヘスライドし始める(開き始める)。つまり、外側シャッター31が途中まで開いたときに、外側シャッター31の上端部31Bが、内側シャッター30を開位置へ向けて押圧するので、外側シャッター31が開く途中で、内側シャッター30が、上端部31Bに押圧されることによって外側シャッター31に遅れて開く。
【0055】
そして、図9(c)に示すように、外側シャッター31を目一杯上方ヘスライドさせると、内側シャッター30および外側シャッター31のそれぞれの下端縁が、流出窓6の上端縁近辺に位置し、流出窓6が開放される。このとき、内側シャッター30および外側シャッター31を含むシャッター22は、完全に開いた(全開した)状態となる。このときのシャッター22(内側シャッター30および外側シャッター31)は、開位置にある。
【0056】
シャッター22を開いて流出窓6を開放すると、容器本体4において流出窓6へ向かって下向きに傾斜している内部底面4Fによって、容器本体4内のパチンコ玉Pを流出窓6から漏れなく流出させることができ、使い勝手が良い(図3参照)。
シャッター22が全開状態にあるときに、外側シャッター31の前側面の凹部38から指先や棒等を外すと、まず、前述した付勢部材41(図7および図8参照)によって下向きに付勢されている内側シャッター30が下降し、図9(a)に示すように閉じる。そして、付勢部材40によって下向きに付勢されている外側シャッター31が、内側シャッター30に遅れて閉じ、これにより、シャッター22が完全に閉まる。このように、付勢部材40は、外側シャッター31を閉じる方向へ付勢していて、付勢部材41は、内側シャッター30を閉じる方向へ付勢している。そのため、外側シャッター31および内側シャッター30の閉じ忘れを防止することができ、使い勝手が良い。
【0057】
ここで、流出窓6から容器本体4内のパチンコ玉P(図3参照)を流出させている途中でシャッター22を閉めようとすると、図9(d)に示すように、内側シャッター30の下端縁と容器本体4の内部の底面4Fとの間にパチンコ玉Pが挟み込まれることがある。この場合、内側シャッター30は完全に閉じることができないが、外側シャッター31は、内側シャッター30に対して独立してスライドできるので、図9(d)に示すように完全に閉じることができる。そのため、内側シャッター30は完全に閉じていなくても、外側シャッター31は完全に閉じることができるので、流出窓6からのパチンコ玉Pの流出を完全に止めることができ、使い勝手が良い。
【0058】
なお、内側シャッター30の下端縁に取り付けられた弾性プレート35が、内側シャッター30の下端縁と底面4Fとの隙間の誤差を幅方向全域において小さくしている。そのため、外側シャッター31を閉じきっていない場合に、図9(d)に示すように内側シャッター30の下端縁と底面4Fとの間にパチンコ玉Pが挟み込まれても、別のパチンコ玉Pが幅方向における別の位置において内側シャッター30の下端縁と底面4Fとの間を通過して流出窓6からこぼれ出ることが防止されている。
【0059】
また、前述したように、内側シャッター30が外側シャッター31に遅れて開く。そのため、図9(a)を参照して、シャッター22を閉じた状態で内側シャッター30と外側シャッター31との隙間Xにパチンコ玉Pが挟まっていたとしても、図9(b)に示すように、内側シャッター30が閉じたままの状態で外側シャッター31だけを少し開けて、このパチンコ玉Pを容器本体4の外側から取り出すことができ、使い勝手が良い。
【0060】
このように、内側シャッター30および外側シャッター31(シャッター22)は、上下にスライドすることによって流出窓6を開閉する。ここで、シャッター22を収容したフレーム21は、前述したように、容器本体4の前側壁4Aに対して容器本体4の内側から沿っていることから、シャッター22も前側壁4Aに沿っている。そのため、シャッター22は、厳密には、前側壁4Aの内側面(容器本体4の側面)に沿って上下にスライドすることによって流出窓6を開閉する。
【0061】
そして、シャッター22は、容器本体4の側面(前側壁4Aの内側面)に沿って略垂直に延びている(図3参照)。そのため、シャッター22には容器本体4内のパチンコ玉Pの重力が作用しにくいので、シャッター22の円滑な開閉が可能である(図3参照)。
また、前述したように大容器2を積み重ねた状態において(図4参照)、上側の大容器2は、下側の大容器2のシャッターユニット20に接触していないので、シャッターユニット20が上側の大容器2に当接されて負担を受けることが防止されている。
【0062】
また、容器本体4の側面下部に形成された流出窓6は見やすいので(図2参照)、流出窓6からパチンコ玉Pが流出する様子が把握しやすい。さらに、流出窓6の側方に小分け用の小箱(前述した小容器)を配置しておくと、容器本体4内のパチンコ玉Pを流出窓6から小箱に円滑に移し変えることができる。
以上の結果、使い勝手の向上を図ることができる。
<計数装置>
図1に示すように、計数装置3は、縦長のボックス形状である。なお、計数装置3の説明に際し、図1における計数装置3の姿勢を基準とする。この場合、図1の紙面手前側を計数装置3の正面側とし、図1の紙面奥側を計数装置3の背面側とし、正面側から計数装置3を見た状態で、計数装置3の左右方向を規定する。
【0063】
計数装置3は、パチンコ台で構成された遊技島の島端や、遊技島で隣り合うパチンコ台の間等に埋め込まれた状態で配置される。
計数装置3は、その外郭をなす装置本体50と、大容器2が連結される連結部51と、装置本体50の下部に設けられて大容器2からパチンコ玉を受け入れる下部受入部52と、下部受入部52が受け入れたパチンコ玉を揚送する揚送機構53と、下部受入部52より高い位置で外部からのパチンコ玉を受け入れる上部受入部54と、パチンコ玉を計数する計数ユニット55(計数手段)と、操作表示部56とを主に備えている。揚送機構53は、下部受入部52が受け入れたパチンコ玉を上部受入部54まで揚送する。操作表示部56は、必要な情報を表示するとともに、計数装置3に指示を入力するための操作を受け付ける。
(1)装置本体
装置本体50は、縦長のボックス形状である。装置本体50は、略立方体形状の下部50Aと、下部50Aの上面の略後半分の領域から上方ヘ延びる縦長の直方体形状の上部50Bとを一体的に有している。下部50Aが上部50Bよりも正面側(前側)へ突き出ているので、右側面視における装置本体50は、略L字形状をなしている。下部50Aの上端(換言すれば、上部50Bの下端)は、装置本体50の高さ方向における略中央位置にある。
【0064】
下部50Aの上面の略前半分の領域(上部50Bより前側の領域)に上部受入部54が設けられている。下部50Aの前側面において左右方向(幅方向)両端部に囲まれた部分は、後側へ窪んでおり、この部分の下部に連結部51および下部受入部52が設けられている。上部受入部54、連結部51および下部受入部52の高さ方向における相対的な位置関係を説明すると、上部受入部54は、装置本体50の上部に設けられ、連結部51および下部受入部52は、装置本体50の下部に設けられており、上部受入部54は、連結部51および下部受入部52よりも上方(高い位置)にある。
【0065】
下部50Aの前側面の幅方向両端部には、状態表示部78が設けられている。状態表示部78は、上下に細長いLEDライトであり、発光パターンを変化させることで、計数装置3の状態を表示する。たとえば、状態表示部78は、計数装置3において大容器2による計数ができない場合には消灯していて、計数できる場合には、待機中として青色で点滅し、計数中には緑色で点灯する。また、状態表示部78は、計数終了後に大容器2が計数装置3から取り外されるのを待っている場合には青色で点灯し、計数中にエラーが生じた場合には赤色で点灯する。
【0066】
下部50Aの前側面の上端部には、上下に扁平な引出テーブル57が前後にスライド可能に設けられている。引出テーブル57は、通常では、実線で示すように下部50A内に引っ込んでいるが、点線で示すように手前側へ引き出すことができる。引き出した引出テーブル57には、前述した小容器(図示せず)を2つ程度載せることができる。
上部50Bの前側面の上部には、操作表示部56が設けられている。操作表示部56は、上部受入部54に対して所定の距離を隔てた真上の位置に配置されている。上部50Bの前側面において操作表示部56と上部受入部54との間の位置には、上部シュート68および返却部69が下からこの順番で設けられている。上部シュート68および返却部69については、後述する。
【0067】
揚送機構53および計数ユニット55は、装置本体50内に設けられている。
また、装置本体50内部には、マイクロコンピュータ等で構成された制御部200(ロック状態検出手段、ロック解除手段、停止手段)が設けられている。制御部200は、計数装置3の動作を制御する。
(2)連結部および下部受入部
図10は、計数装置3の装置本体50の下部50Aの一部、連結部51および下部受入部52の斜視図である。図11は、連結部51の要部の斜視図である。図12は、下部受入部52の一部、揚送機構53および上部受入部54の斜視図である。
【0068】
図1に示すように、連結部51は、下部50Aの前側面で窪んだ部分の下端部に配置されていて、下部受入部52に対して前側から隣接している。
図10では、装置本体50の下部50Aにおいて、前述した前側面で最も窪んだ部分(図1参照)を区画する前側壁50Cの略下半分が図示されている。前側壁50Cの略下半分は、幅広の矩形板状であり、後上側へ少し傾斜している。
【0069】
図10(a)を参照して、前側壁50Cの下端部の幅方向両端部には、前側へ突出する一対のガイド部58が一体的に形成されている。これらのガイド部58は、幅方向に間隔を隔てて配置されている。各ガイド部58は、略直方体のブロック形状である。これらのガイド部58において互いに対向する側の前端部は、丸められたガイド面58Aをなしている。
【0070】
前側壁50Cにおいて左右のガイド部58よりも少し高い位置における幅方向略中央には、流入窓59が形成されている。流入窓59は、前述した大容器2の流出窓6(図2参照)とほぼ同じ大きさを有する幅方向に長手の略矩形状であり、前側壁50Cを前後に貫通している。
連結部51は、前側壁50Cの前側面の下端部において左右のガイド部58に挟まれた幅方向中央に設けられている。
【0071】
連結部51は、ホルダ60(図10(b)、図10(d)および図11参照)と、スライドプレート61と、ロック爪62(ロック部材)と、ガイドプレート63とを含んでいる。
ホルダ60は、前側壁50Cの後側に配置されている(図10(b)および図10(d)参照)。ホルダ60は、図11に示すように、上下に薄く幅方向に長手の略矩形の板状である。
【0072】
スライドプレート61は、上下に薄い板状であり、平面視で略矩形状をなしている。スライドプレート61の前端縁は、左右方向に直線状に延びている。スライドプレート61は、前側壁50Cから前方へ突出するように(図10(a)参照)、ホルダ60の前端の左端部によって支持されていて、この状態で、前後に進退可能である。スライドプレート61は、実線で示すように前方へ進出した進出位置と、点線で示すように後方へ退避した退避位置との間で進退可能である(破線の太線矢印参照)。また、ホルダ60には、図示しない付勢部材が設けられており、この付勢部材によって、スライドプレート61は、進出位置側へ付勢されている。また、ホルダ60には、スライドプレート61の位置を検出する位置センサ77が設けられており、位置センサ77は、前述した制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されている。
【0073】
ロック爪62は、上下に薄い板状であり、スライドプレート61から僅か下側へ離れた位置に配置されている。平面視において、ロック爪62は、スライドプレート61の真下の位置で左側へ延びてから、略直角に折れ曲がってスライドプレート61の左側で前側へ延び、その後、略直角に折れ曲がってスライドプレート61の前側で右側へ延びている。ロック爪62においてスライドプレート61の前側で右側へ延びている部分を先端部62Aという。先端部62Aは、平面視で略三角形状をなしていて、先端部62Aでは、後端縁が左右方向に沿って延びている一方、前端縁が、右後側へ傾斜して延びていて、後端縁の右端につながっている。
【0074】
ロック爪62は、前側壁50Cの前側に配置されていて(図10(a)参照)、ロック爪62の後端部(スライドプレート61の真下の部分)において、ホルダ60によって左右にスライド可能に支持されている。ロック爪62は、実線で示す左側の解除位置と、点線で示す右側のロック位置との間で、実線の太線矢印で示すように左右にスライドできる(図11参照)。
【0075】
ロック爪62に関連して、ホルダ60には、ロック爪62をスライドさせるモータ64と、ロック爪62がロック位置および解除位置のいずれに位置しているかを検出する位置センサ67とが設けられている。モータ64として、たとえば、DCモータを用いることができる。モータ64および位置センサ67は、連結部51に含まれる。また、モータ64および位置センサ67は、前述した制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されている。
【0076】
ガイドプレート63は、図10(a)に示すように、上下に薄い2重構造の板状であり、平面視で略矩形状をなしている。ガイドプレート63の前端縁の幅方向略中央には、ガイドプレート63を前から切り欠く前後に細長いガイド溝65が形成されている。ガイド溝65の溝幅は、前端部において前側へ向かって広くなっている。前述したスライドプレート61およびロック爪62は、2重構造のガイドプレート63の内側に配置されている。図10(a)では、ロック位置にあるロック爪62の先端部62Aと、スライドプレート61とが、前側からこの順番で、ガイド溝65内に配置されている。
【0077】
ガイドプレート63の幅方向両端部には、下方へ延びる延設部66が設けられている。延設部66は、幅方向に薄い板状であって、その前端部は、ガイド溝65側へ折れ曲がっている。
下部受入部52は、図10(b)に示すように、前側壁50Cの裏側(後側)に配置されていて、受入シャッター70と、モータ71と、リンクレバー72と、開閉センサ73(開状態検出手段)と、下部ホッパー74(図12参照)を含んでいる。
【0078】
受入シャッター70は、幅方向に長手の略矩形状であり、前側壁50Cの流入窓59(図10(a)参照)を塞ぎ得る大きさを有している。受入シャッター70は、前側壁50Cの後側面に支持されていて、この状態で、前側壁50Cに沿って上下にスライド可能である。詳しくは、受入シャッター70は、下限に位置して流入窓59を後側から塞ぐ閉位置(図10(a)および図10(b)参照)と、上限に位置して流入窓59のほぼ全てを開放する開位置(図10(c)および図10(d)参照)との間でスライド可能である。
【0079】
また、受入シャッター70の前側面において幅方向中央かつ下寄りの位置には、前側へ突出する細長い円柱状の開閉軸79(開閉手段)が一体的に設けられている(図10(a)および図10(c)参照)。受入シャッター70が開位置と閉位置との間のいずれの位置にあっても、開閉軸79は流入窓59内にあって、前側壁50Cの前側面から前側へ突出している(図10(a)および図10(c)参照)。
【0080】
モータ71は、図10(b)に示すように、背面視における受入シャッター70の左隣に配置されている。モータ71は、たとえば、前側壁50Cの後側面に固定されていて、この状態で、前述した制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されている。
リンクレバー72は、前後に薄くて左右に長手の板状である。リンクレバー72では、背面視における左端部が、制御部200に接続されたクラッチ(図示せず)を介してモータ71の出力軸(図示せず)に連結されていて、背面視における右端部が受入シャッター70の後側面の略中央位置に連結されている。この状態で、リンクレバー72は、背面視において、左端部を中心として回動可能であり、リンクレバー72が回動することによって、リンクレバー72の背面視における右端部が上下に移動する(図10(b)および図10(d)参照)。これに応じて、受入シャッター70が開位置と閉位置との間でスライドする。具体的には、リンクレバー72の背面視における右端部が下限にあるときに、受入シャッター70は閉位置にあり(図10(a)および図10(b)参照)、リンクレバー72の背面視における右端部が上限にあるときに、受入シャッター70は開位置にある(図10(c)および図10(d)参照)。
【0081】
受入シャッター70が閉位置にある状態で、制御部200(図1参照)の制御によりモータ71がONされることによって、リンクレバー72が、背面視における右端部が上限まで上昇するように回動する(図10(d)参照)。これに応じて、受入シャッター70は、開位置まで上昇する(図10(c)および図10(d)参照)。この状態で、制御部200(図1参照)の制御によってモータ71がOFFになると、受入シャッター70は、開位置で固定される。
【0082】
この状態で、前述したクラッチ(図示せず)が制御部200によって切られると、受入シャッター70およびリンクレバー72がモータ71の出力軸から外れるので、受入シャッター70は、自重によって閉位置まで下降し(図10(a)および図10(b)参照)、リンクレバー72は、元も位置まで回動する(図10(b)参照)。その後、制御部200によってクラッチ(図示せず)がつながり、受入シャッター70およびリンクレバー72がモータ71の出力軸に再び連結される。
【0083】
開閉センサ73は、受入シャッター70が開位置および閉位置のいずれに位置しているかを検出する。開閉センサ73として、フォトインタラプタ等の遮光センサを用いることができる。開閉センサ73は、制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されている。
下部ホッパー74は、図12に示すように、断面が略凹状をなす樋状であり、流入窓59(図10(c)参照)の下端縁から連続して左後側へ延びている。下部ホッパー74の内部の底面は、後側へ向かって下方へ傾斜している。
【0084】
パチンコ玉Pを収容した大容器2は、図1に示すように、床面上を移動して、計数装置3に対して前側から連結される。
具体的には、大容器2は、流出窓6(図2参照)が計数装置3の装置本体50の下部50Aの前側壁50Cの流入窓59に前側から対向した状態で、下部50Aにおける窪んだ前側面に前側から嵌め込まれる。このとき、連結部51のロック爪62は、解除位置にあって(図11において実線で示したロック爪62を参照)、その先端部62Aは、ガイドプレート63のガイド溝65から左側へ外れた位置にある(図示せず)。また、このとき、スライドプレート61は、前方へ進出した進出位置にある。
【0085】
そして、大容器2は、図10(a)を参照して、流出窓6側(図2参照)において、左右のガイド部58の間に嵌め込まれる。この際、大容器2は、各ガイド部58のガイド面58Aにガイドされることで、左右のガイド部58の間に円滑に嵌め込まれる。
次いで、大容器2のロック軸15(図2(b)参照)が、ガイドプレート63のガイド溝65内に入り込んでガイド溝65内を後進し、ガイド溝65内において、進出位置のスライドプレート61に対して前側から当接する。
【0086】
この状態で、大容器2を所定量だけ後側へ移動させると、大容器2のロック軸15が、スライドプレート61を後側へ押圧して退避位置までスライドさせる。
このとき、制御部200(図1参照)は、スライドプレート61が進出位置から退避位置までスライドしたのを位置センサ77(図11参照)が検出したのに応じて、大容器2(ロック軸15)が連結部51に連結されたと判断する。そして、制御部200は、モータ64を駆動させ、これにより、ロック爪62を解除位置からロック位置までスライドさせる。すると、図10(a)に示すように、ロック爪62の先端部62Aがガイド溝65内に進出し、大容器2のロック軸15に対して前側から係合する。これにより、ロック軸15がガイド溝65から外れることができないので、ロック軸15およびロック軸15を含む大容器2は、ロック爪62によって、連結部51に連結された状態でロックされる。
【0087】
ここで、ロック爪62がロック位置にあることを位置センサ67(図11参照)が検出し、かつ、スライドプレート61が退避位置にあること位置センサ77(図11参照)が検出したことで、制御部200(図1参照)は、ロック爪62が大容器2のロック軸15をロックしていることを検出する。これにより、計数装置3では、ロック爪62の動作状態を正確に把握できる。なお、大容器2のロック軸15がガイド溝65内になければ、ロック爪62がロック位置にあっても、スライドプレート61が退避位置にないので、制御部200(図1参照)は、ロック爪62が大容器2をロックしていないこと(大容器2が連結部51に正しく連結されていないこと)を検出する。
【0088】
また、スライドプレート61が退避位置にスライドするまで、大容器2を、前述したように所定量だけ後側へ移動させると、大容器2において閉位置にあるシャッター22(外側シャッター31)の外表面の凹部38(図2参照)に対して、計数装置3側で閉位置にある受入シャッター70の前側面の開閉軸79が嵌る(図9(a)参照)。
このように、大容器2が連結部51に連結された状態でロックされるとともに、大容器2側のシャッター22の凹部38に計数装置3側の開閉軸79が嵌った状態で、所定の条件(後述する)が満たされると、制御部200(図1参照)は、モータ71をONして、受入シャッター70を開位置まで上昇させる(図10(c)および図10(d)参照)。
【0089】
ここで、大容器2側のシャッター22の凹部38に計数装置3側の受入シャッター70の開閉軸79が嵌っていることから、シャッター22と受入シャッター70とが連結されているので、受入シャッター70を開位置まで上昇するのに連動して、シャッター22も開位置まで上昇する(図9(c)参照)。つまり、受入シャッター70の開閉軸79は、大容器2が連結部51に連結された状態で、シャッター22を開く。
【0090】
そして、受入シャッター70が開位置にあることを開閉センサ73(図10(b)参照)が検出すると、制御部200(図1参照)は、モータ71をOFFにする。これにより、シャッター22および受入シャッター70の両方は、開位置において全開され、この状態でそれぞれのシャッターの位置が固定される。この際、開閉センサ73は、受入シャッター70が開位置にあるか否かを検出することで、大容器2のシャッター22(図2参照)が開位置にあるか否か(全開したか否か)を間接的に検出する。そして、シャッター22が全開したことを開閉センサ73が検出したのに応じて、制御部200は、モータ71をOFFにして、開閉軸79によるシャッター22の開動作を停止させる。そのため、大容器2において流出窓6がちょうど全開になった状態でシャッター22の動きを停止させることができる(図9(c)参照)。
【0091】
一方、制御部200(図1参照)が前述したクラッチ(図示せず)を切ると、受入シャッター70が自重によって閉位置まで下降する(図10(a)および図10(b)参照)。この際も、シャッター22の凹部38に受入シャッター70の開閉軸79が嵌ってシャッター22と受入シャッター70とが連結されているので、受入シャッター70が閉位置まで下降するのに連動して、開閉軸79が、シャッター22を下向きに押圧して閉位置まで下降させる(図9(a)参照)。つまり、受入シャッター70の開閉軸79は、大容器2のロック軸15が連結部51に連結された状態で(図10(a)参照)、シャッター22を閉じる。また、開閉軸79は、前述したように、シャッター22を開くこともできることから、連結部51にロック軸15が連結された状態において、係員等がシャッター22に直接触れてシャッター22を手動で開閉せずに済むので、使い勝手が良い。
【0092】
そして、受入シャッター70およびシャッター22が開位置まで上昇すると、大容器2側の流出窓6(図2および図9(c)参照)と計数装置3側の流入窓59(図10(c)参照)とが、いずれも開放された状態で互いに対向して連通する。そのため、大容器2内のパチンコ玉P(図3参照)は、開放された流出窓6を通過して外部へ流出し、図10(c)に示すように開放された流入窓59を後側へ通過した後に、下部ホッパー74(図12参照)に受け入れられる。
【0093】
ここで、大容器2が、ロック軸15において計数装置3の連結部51に連結されている(図10(a)参照)。そして、計数装置3側のロック爪62がロック軸15をロックしている(図10(a)参照)。そのため、大容器2と計数装置3との相対位置を安定するので、大容器2から計数装置3の下部受入部52(下部ホッパー74)へのパチンコ玉Pの円滑な受け渡しが可能になる。
【0094】
また、このとき、流出窓6がちょうど全開になっているので(図9(c)参照)、シャッター22が中途半端に開いている場合に比べて、全開の流出窓6から一度に多くのパチンコ玉Pを流出させることができる。これにより、計数装置3では、多くのパチンコ玉Pを速やかに計数することができて使い勝手が良い。
このように、下部受入部52は、連結部51に連結された大容器2の流出窓6から流出されるパチンコ玉P(図3参照)を、図12に示すように、下部ホッパー74で受け入れる。下部ホッパー74に受け入れられたパチンコ玉Pは、下部ホッパー74の内部の底面に沿って後下側へ流れ落ちていく。
【0095】
また、下部受入部52は、下部ホッパー74に存在するパチンコ玉Pの量を検出するための玉検出センサ75(遊技媒体量検出手段)を含んでいる。玉検出センサ75は、下部ホッパー74の略凹状の断面を左右方向から挟むように配置される発光素子75Aおよび受光素子75Bを備えている。発光素子75Aが発光した光は、下部ホッパー74の断面を左右方向に横切って受光素子75Bに受光されるようになっている。玉検出センサ75は、受光素子75Bでの受光量に応じて、下部ホッパー74に受け入れられているパチンコ玉Pの量を検出する。
【0096】
ここで、下部ホッパー74に受け入れられているパチンコ玉Pは、揚送されていって下部ホッパー74から無くなっていく。すると、大容器2内のパチンコ玉Pが、順次、下部ホッパー74で受け入れられて計数されていく。そのため、揚送(すなわち計数処理)が進むと、最終的に、大容器2内のパチンコ玉Pが無くなって、このとき、下部ホッパー74に受け入れられているパチンコ玉Pも所定量未満になる。ここでの所定量とは、たとえば、下部ホッパー74内において上下に積み重ならない程度に存在するときのパチンコ玉Pの量である。
【0097】
玉検出センサ75が、下部受入部52(下部ホッパー74)に受け入れられているパチンコ玉Pが所定量未満であるか否かを検出することによって、大容器2に収納されていたパチンコ玉Pの計数処理(厳密には揚送)が進んで大容器2内のパチンコ玉Pが全て無くなったか否かを把握することができる。
下部ホッパー74に受け入れられているパチンコ玉Pが所定量未満であること(大容器2内のパチンコ玉Pが全て無くなったこと)を玉検出センサ75が検出すると、制御部200(図1参照)は、モータ64を駆動させて、ロック爪62をロック位置から解除位置に動かす(図11参照)。これにより、ロック爪62の先端部62Aがガイド溝65内から外れ、大容器2のロック軸15に対して前側から係合しなくなる(図10(a)参照)。そのため、ロック軸15がガイド溝65から外れることができるので、ロック爪62による大容器2(ロック軸15)のロックが解除され、空になった大容器2を連結部51(計数装置3)から速やかに取り外すことができる。そして、制御部200は、スライドプレート61が退避位置から進出位置までスライドしたのを位置センサ77(図11参照)が検出したのに応じて、大容器2が連結部51(計数装置3)から取り外されたと判断する。
(3)揚送機構
次に、揚送機構53について説明する。
【0098】
図13は、揚送機構53の斜視図である。
図13に示すように、揚送機構53は、縦長であり、装置本体50(図1参照)内に配置されている。計数装置3では、揚送機構53の上寄りの部分に一致する高さ位置に、上部受入部54が配置されている(図12参照)。
揚送機構53は、その外郭をなすケーシング80と、ケーシング80内に収容された揚送部材81と、ケーシング80に取り付けられたモータ82(駆動手段)とを主に含んでいる。
【0099】
ケーシング80は、縦に細長い中空のボックス形状であり、右側面視において下端部が前側へ突出した縦長の略L字形状をなしている。ケーシング80において前側へ突出した下端部の上側面のほぼ全域には、ケーシング80の下端部の内部を上方へ露出させる受入開口部83が形成されている。また、ケーシング80において下端部に上から隣接している部分の前側面には、ケーシング80の内部を前方へ露出させる開口部84が形成されている。受入開口部83と開口部84とは連続している。下部受入部52の下部ホッパー74の後側下端縁は、受入開口部83に臨んでいる。
【0100】
図14は、揚送機構53を説明するための模式的な斜視図である。図15は、揚送機構53の動作を説明するための揚送機構53の模式的な右側断面図である。
揚送機構53は、さらに、図14(a)に示すように、ケーシング80内に、第1プーリー85、第2プーリー86、第3プーリー87、チェーン88およびローラー89を、一対ずつ含んでいる。
【0101】
第1プーリー85は、スプロケットである。一対の第1プーリー85は、水平方向(左右方向)に間隔を隔てた状態でケーシング80の下端部の前側(下部ホッパー74側であり、図13参照)に配置されている。一対の第1プーリー85は、それぞれの中心位置において、左右方向に延びる連結軸90によって連結されている。連結軸90は、ケーシング80によって回転可能に支持されている。
【0102】
第2プーリー86は、スプロケットである。一対の第2プーリー86は、水平方向(左右方向)に間隔を隔てた状態でケーシング80の上端部(上部受入部54側であり、図12参照)に配置されている。一対の第2プーリー86は、それぞれの中心位置において、左右方向に延びる連結軸91によって連結されている。連結軸91は、ケーシング80によって回転可能に支持されている。第2プーリー86は、左右方向で同じ側にある第1プーリー85に対して後上側に位置している。
【0103】
第3プーリー87は、スプロケットである。一対の第3プーリー87は、水平方向(左右方向)に間隔を隔てた状態でケーシング80の下端部の後側(図13参照)に配置されている。一対の第3プーリー87は、それぞれの中心位置において、左右方向に延びる連結軸92によって連結されている。連結軸92は、ケーシング80によって回転可能に支持されている。
【0104】
第3プーリー87は、左右方向で同じ側にある第1プーリー85の後方に位置し、かつ、左右方向で同じ側にある第2プーリー86の真下に位置している。そのため、第1プーリー85、第2プーリー86および第3プーリー87は、左右方向から見て、L字をなすように配列されている。
チェーン88は、無端状(環状)である。一対のチェーン88のうち、一方のチェーン88は、左側の第1プーリー85および第2プーリー86の間に掛け回されている。また、左側の第3プーリー87は、当該一方のチェーン88の内側において前側から接触している。同様に、一対のチェーン88のうち、他方のチェーン88は、右側の第1プーリー85および第2プーリー86の間に掛け回されている。また、右側の第3プーリー87は、当該他方のチェーン88の内側において前側から接触している。各チェーン88は、左右方向から見て、内側に第1プーリー85、第2プーリー86および第3プーリー87を収容したL字をなしている。
【0105】
一対のローラー89は、水平方向(左右方向)に間隔を隔てた状態でチェーン88の外側に配置され、ケーシング80(図13参照)によって回転自在に支持されている。左側のローラー89は、左側の第3プーリー87に対して前上側から対向していて、左側のチェーン88を左側の第3プーリー87側へ押え付けている。右側のローラー89は、右側の第3プーリー87に対して前上側から対向していて、右側のチェーン88を右側の第3プーリー87側へ押え付けている。一対のローラー89がチェーン88を押さえ付けることによって、各チェーン88は、たるみなく、前述したL字をなしている。
【0106】
モータ82は、たとえばACモータであり、ケーシング80の上端部の右側面に取り付けられている(図13参照)。モータ82の出力軸82Aは、右側の第2プーリー86に連結されている。モータ82は、制御部200(図1参照)によって駆動され、これにより、第2プーリー86が回転される。すると、第2プーリー86が駆動側となり、第1プーリー85および第3プーリー87が従動側となって、一対のチェーン88が、L字状の軌跡で周回移動する。
【0107】
そして、揚送部材81は、図14(b)および図14(c)に示す凹状体93を複数備えている。
凹状体93は、左右方向に長手の樋形状であり、右側断面は、略凹状をなしている。そのため、凹状体93は、図14(b)に示す姿勢のときには、上向きの開口部93Aを有するように上向きに開放されている。凹状体93において開口部93Aを左右方向から縁取る部分には、左右方向における外側へ突出して延びる延設部95が一体的に設けられている。
【0108】
凹状体93には、その内部を左右方向において2等分する区画壁94が一体的に設けられている。凹状体93の内部には、開口部93Aからパチンコ玉Pを入れることができる(図14(c)参照)。1つの凹状体93の内部には、区画壁94の左右両側にそれぞれ4つ、合計8つのパチンコ玉Pを入れることができる(図14(c)参照)。
また、凹状体93の前端縁および後端縁のそれぞれには、左右方向におけるほぼ全域に亘って、多数の突起96(塞ぎ部材)が左右方向に所定の間隔を隔てて一体的に設けられている。凹状体93の前端縁の突起96は、前側へ突出し、凹状体93の後端縁の突起96は、前端縁の突起96と同じ突出量で後側へ突出している。前端縁の突起96と後端縁の突起96との左右方向における相対位置に関し、後端縁の隣り合う突起96の間に前端縁の突起96が位置している。そのため、凹状体93では、後端縁の突起96が前端縁の突起96よりも1つ多く設けられている。なお、逆に、前端縁の突起96が後端縁の突起96よりも1つ多く設けられていてもよい。
【0109】
このような凹状体93は、図14(c)に示すように、複数(たとえば、100個程度)が前後に連なった状態で、一対のチェーン88の外周面間に架設されている。このとき、各凹状体93では、左側の延設部95が左側のチェーン88の外周面に固定されていて、右側の延設部95が右側のチェーン88の外周面に固定されており、これによって、凹状体93は、チェーン88の延びる方向と直交する方向(左右方向)に長手となった状態で、一対のチェーン88に固定されている。また、各凹状体93では、開口部93Aが、チェーン88の外側に臨んでいる。
【0110】
また、隣り合う凹状体93において、前側の凹状体93の後端縁の複数の突起96が、後側の凹状体93へ向けて突出し、後側の凹状体93の複数の突起96が、前側の凹状体93へ向けて突出している。そして、隣り合う凹状体93において、前側の凹状体93の後端縁において隣り合う突起96の間に、後側の凹状体93の前端縁において左右方向で同じ位置にある突起96が、遊びを持って嵌まり込んでいる。つまり、隣り合う凹状体93において、一方(前側)の凹状体93の後端縁の突起96と、他方(後側)の凹状体93の前端縁の突起96とが、左右方向に交互に並んでいる。これにより、隣り合う凹状体93の隙間が、それぞれの突起96によって塞がれ、隣り合う凹状体93が連結されている。
【0111】
そして、複数の凹状体93は、隣り合う凹状体93が連結された状態で、図15に示すように、チェーン88の全周に亘って設けられている。つまり、複数の凹状体93をチェーン88に沿って無端状に連結することで、揚送部材81が形成されている。
前述したようにモータ82(図14(a)参照)が駆動されると、揚送部材81が、チェーン88とともに、L字状の軌跡で周回移動する。詳しくは、揚送部材81は、水平方向(前方)に延びる水平部分Lと水平部分Lの後端部から上方へ延びる縦部分Vとを有し、L字状の軌跡で周回移動する。揚送部材81の周回方向は、右側面視で時計回りの方向(太い実線矢印参照)である。このように、モータ82は、一対のチェーン88および揚送部材81を周回移動させる。揚送部材81では、水平部分Lの上側部分が、ケーシング80の受入開口部83から上方に露出されている(図13参照)。
【0112】
揚送部材81が周回移動している最中において、各凹状体93では、開口部93Aが、常にチェーン88の外側を向いている。
また、第1プーリー85の近辺には、第1プーリー85が回転しているか否かを検出するための回転検出センサ119が設けられている。回転検出センサ119は、前述した制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されている。第1プーリー85が回転していることを回転検出センサ119が検出することによって、制御部200は、モータ82の駆動中に揚送部材81が正しく周回移動していることを把握する。
【0113】
前述したように、制御部200が、ロック爪62が大容器2のロック軸15をロックしていること(図10(a)参照)を検出し、計数開始のための所定の条件(後述する)が満足されていると、揚送部材81の周回移動が開始される。
そして、制御部200は、回転検出センサ119の検出結果に基づいて、揚送部材81が正しく周回移動していることを確認すると、受入シャッター70およびシャッター22を開く(図9(c)および図10(c)参照)。これにより、大容器2内のパチンコ玉P(図3参照)が下部ホッパー74に受け入れられる。
【0114】
大容器2から下部ホッパー74に受け入れられたパチンコ玉Pは、下部ホッパー74の内部の底面に沿って後下側へ流れ落ちていくのだが、パチンコ玉Pの流れる先には、揚送部材81の水平部分Lの上側前端部が位置している。そして、揚送部材81において、各凹状体93は、水平部分Lの上側に位置するときには上向きに開放されていて、開口部93Aが上を向いている。そのため、下部ホッパー74のパチンコ玉Pは、自重によって下部ホッパー74から流れ落ちて、水平部分Lの上側に位置する凹状体93の内部に開口部93Aから進入する。このとき、凹状体93では、下部ホッパー74(下部受入部52)から受け入れたパチンコ玉Pをこぼさずに確実に収容することができる。そして、揚送部材81が周回移動するのに応じて、水平部分Lの上側前端部において、下部ホッパー74のパチンコ玉Pが、順次、凹状体93の内部に入って凹状体93に受け入れられて、揚送部材81とともに移動する。
【0115】
ここで、揚送機構53では、揚送部材81の水平部分Lの上側部分の下方、つまり、無端状の揚送部材81の水平部分Lにおける内側に、撓み防止部材99が配置されている。撓み防止部材99は、ケーシング80(図13参照)に支持されている。撓み防止部材99は、上下に平坦な板状である。水平部分Lの上側に位置する凹状体93にパチンコ玉Pが入ることで、水平部分Lの上側部分における揚送部材81がパチンコ玉Pの重みで撓もうとしても、撓み防止部材99が揚送部材81を下から支えるので、水平部分Lが下方へ撓むことを防止でき、揚送部材81の円滑な周回移動を確保できる。
【0116】
また、図14(c)に示すように、揚送部材81では、突起96が、隣り合う凹状体93の隙間を塞ぐ。詳しくは、隣り合う凹状体93のうち、一方の凹状体93の突起96と他方の凹状体93の突起96とが交互に並ぶといった簡易な構成により、隣り合う凹状体93の隙間を確実に塞ぐ。そのため、パチンコ玉Pが当該隙間に嵌り込んでしまって、後述するように上部受入部54に受け渡されないといった不具合を防止できる。
【0117】
また、図15に示すように、凹状体93において内部空間を区画する内側面には、内部空間の底をなす内底面118と、内底面118を挟んで揚送部材81の周回方向において対向する上流側内側面97および下流側内側面98とがある(破線円で囲んだ拡大図を参照)。揚送部材81の周回方向において、下流側内側面98は、上流側内側面97の下流側に位置している。上流側内側面97および下流側内側面98は、いずれも、開口部93Aへ向かうのに従って、揚送部材81の周回方向へ傾斜している。水平部分Lの上側に位置している凹状体93では、内底面118が、略水平に延びていて、内底面118と上流側内側面97とのなす角度Aは、約80°であり、内底面118と下流側内側面98とのなす角度Bは、約120°である。
【0118】
そして、水平部分Lの上側に位置してパチンコ玉Pが入った凹状体93は、揚送部材81の周回移動に伴って、まず後側へ水平移動し、その後、縦部分Vの前側において、開口部93Aを前側へ向けた状態で上方へ垂直移動する。この際、凹状体93内のパチンコ玉Pは、上流側内側面97の上に載っている。ここで、上流側内側面97は、水平面に対して、約10°の角度Cで前上側へ傾斜しているので、開口部93Aが前側へ向いていても、凹状体93内のパチンコ玉Pが開口部93Aからこぼれ落ちることはない(破線円で囲んだ拡大図を参照)。
【0119】
パチンコ玉Pが入った凹状体93が上限まで上昇すると、この凹状体93は、縦部分Vにおいて前側上端部から後側上端部に移る。この際、凹状体93は、第2プーリー86の上側外周面に沿って移動し、凹状体93の開口部93Aは、前側を向いた状態から次第に上方を向き、凹状体93が縦部分Vの後側上端部に移ったときには、後下側を向く。ここで、開口部93Aが後下側を向く段階において、凹状体93内のパチンコ玉Pは、下流側内側面98の上に載るのだが、下流側内側面98は、水平面に対して、約30°の角度Dで後下側へ傾斜している(破線円で囲んだ拡大図を参照)。そのため、この段階において、凹状体93は下向きに開放されているので、凹状体93内のパチンコ玉Pは、自重によって下流側内側面98を伝って後下側へ進み、破線の太線矢印で示すように、開口部93Aから凹状体93の後外側へこぼれ落ちる。
【0120】
パチンコ玉Pのこぼれ落ちる先には、前述した上部シュート68(図1参照)がある。上部シュート68は、上方へ開放された略U字の断面を有する樋状である。上部シュート68は、揚送部材81の縦部分Vの上端部の後方から下降しながら右側へ延びた後に、緩やかに湾曲しながら前下側へ延びており、上部受入部54の上方まで延びている(図12参照)。
【0121】
上部シュート68に関連して、装置本体50の上部50Bの前側面における返却部69と上部受入部54との間の位置には、ガイドカバー115が設けられている(図1参照)。ガイドカバー115は、板状であって、上部50Bの前側面から前側へ突出した後に湾曲して下方へ折れ曲っているとともに、左右の両端部が後側へ折り曲げられて上部50Bの前側面に接続されている(図1参照)。ガイドカバー115は、上部シュート68の前端に対して所定の間隔を隔てて前側から対向している(後述する図16参照)。
【0122】
揚送部材81の縦部分Vの上端部において凹状体93の後外側へこぼれ落ちたパチンコ玉Pは、上部シュート68内に受け止められる。上部シュート68に受け止められたパチンコ玉Pは、上部シュート68に沿って転がり落ちて、上部シュート68の前端から上部受入部54(後述する上部ホッパー103)に落下する(図12参照)。つまり、縦部分Vの後側上端部で下向きに開放された凹状体93は、パチンコ玉Pを上部受入部54側へ投出している。ここで、凹状体93は、縦部分Vの上端部に位置するときには、下向きに開放されているので、パチンコ玉Pを自重で落下させて上部受入部54側へ確実に投出できる。つまり、このような凹状体93によって構成された揚送部材81は、下部受入部52が受け入れたパチンコ玉Pを凹状体93に入れて上部受入部54まで確実に揚送することができる。
【0123】
なお、パチンコ玉Pが上部シュート68内を勢いよく転がり落ちても(図12参照)、上部シュート68の前端の先には、ガイドカバー115があるので、このパチンコ玉Pは、ガイドカバー115にぶつかることで下向きにガイドされ、確実に上部受入部54に落下する(図1および図16参照)。
以上のように、下部ホッパー74のパチンコ玉Pは、揚送部材81の水平部分Lの上側前端部で凹状体93に受け入れられて、水平部分Lの上側部分から縦部分Vの後側上端部までの範囲で揚送部材81によって揚送され、縦部分Vの後側上端部において凹状体93から上部シュート68に受け渡される。
【0124】
なお、パチンコ玉Pを上部シュート68に受け渡した凹状体93は、揚送部材81の周回移動に応じて、開口部93Aを後下側へ向けた状態で縦部分Vの後側を下方へ垂直移動する。次いで、この凹状体93は、開口部93Aを下側へ向けた状態で水平部分Lの下側部分を前側へ水平移動する。その後、この凹状体93は、開口部93Aを前側から上側へ向け、水平部分Lの上側前端部に到達する。これにより、この凹状体93は、再び、水平部分Lの上側前端部で下部ホッパー74のパチンコ玉Pを受け入れて揚送し、上部シュート68に受け渡す。そして、下部ホッパー74のパチンコ玉Pが無くなるまで、揚送部材81の周回移動に伴って、揚送部材81の各凹状体93によるパチンコ玉Pの揚送が繰り返される。
【0125】
このように簡易な構成によって揚送部材81が周回移動することで、下部ホッパー74(下部受入部52)が受け入れたパチンコ玉Pを凹状体93に入れて上部シュート68(上部受入部54)まで連続的に揚送することができる。これにより、下部受入部52で受け入れられたパチンコ玉Pの速やかな計数が可能となることから、遊技客は、パチンコ玉Pの計数が完了するまで長時間待たずに済み、使い勝手が良い。特に、この実施形態では、揚送部材81(揚送機構53)は、1分間に約2万個のパチンコ玉Pを揚送できるように設定されている。
【0126】
また、第3プーリー87は、付勢部材100によって後向きに付勢されている。そのため、揚送部材81およびチェーン88の周回移動に伴ってチェーン88が伸びることがあっても、チェーン88に弛みが発生しないように、第3プーリー87が後側へ移動してチェーン88を内側から押すようになっている。ここで、揚送機構53には、伸び検出センサ101(伸び検出手段)が設けられている。伸び検出センサ101は、前述した制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されている。伸び検出センサ101は、第3プーリー87の後側への移動量を検出することで、チェーン88の伸びを間接的に検出する。その検出結果に基づいて、制御部200が操作表示部56(図1参照)等においてチェーン88の点検を係員に促せば、チェーン88の伸び具合を適切に管理できる。
【0127】
また、揚送機構53は、ケーシング80の右側面の上端部に、円盤状のハンドル114を備えている(図13参照)。ハンドル114は、右側の第2プーリー86(図14(a)参照)の右側に位置していて、ワンウェイクラッチ(図示せず)を介して第2プーリー86に連結されている。そのため、ハンドル114を所定の一方向(右側面視における時計回りの方向)へ回転させると、揚送部材81を手動で周回移動させることができる。
【0128】
たとえば、メンテナンスのために、モータ82(図13参照)の駆動を停止させた状態で揚送部材81を周回移動させたい場合には、ハンドル114を回動させることで揚送部材81を手動で周回移動させて、各凹状体93内にパチンコ玉P以外の異物が詰まっていないか否かを確認することができる。なお、ケーシング80の上部の前側面には、前方へ開放することができるカバー付きのメンテナンス窓116が設けられていて(図13参照)、メンテナンス窓116からケーシング80内の揚送部材81にアクセスして、凹状体93内の異物を取り出すことができる。
(4)上部受入部
上部受入部54は、図12に示すように、左右方向(幅方向)に長手の略直方体のボックス形状をなしている。上部受入部54の上面は、ほぼ全域に亘って開放されていて、開放された部分は、受入口102とされる。受入口102は、幅方向に長手の矩形状である。前述した上部シュート68の前端(出口側)は、受入口102に対して後上側から連続している。
【0129】
上部受入部54内には、上部ホッパー103が設けられている。上部ホッパー103は、略四角錐状に下方へ窪む幅方向に長手の凹部であり、受入口102に対して下から連続している。上部ホッパー103の下端部(最深部)には、幅方向に長手のスリット状の取込口104が形成されている。
図16は、上部受入部54および計数ユニット55を説明するための計数装置3の模式的な要部右側断面図である。図17は、図16に変形例を適用した図である。
【0130】
図16に示すように、取込口104の下方には、流出路105が設けられている。流出路105は、管状であって、取込口104に連続して下方へ延び、その後折れ曲がって装置本体50内を後下側へ延びている。流出路105の後端は、装置本体50の後側面から後方へ向けて開放されている。
上部受入部54には、取込口104を開閉するホッパーシャッター106が設けられている。ホッパーシャッター106は、たとえば上下に薄い板状であり、実線で示すように取込口104を下から閉じる閉位置と、破線で示すように閉位置から後側へずれて取込口104を開放する開位置との間で前後にスライド可能である。ホッパーシャッター106、厳密には、ホッパーシャッター106を開閉させるモータ(図示せず)は、制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されており、制御部200によってホッパーシャッター106の開閉が制御される。ホッパーシャッター106の位置を検出するセンサ(図示せず)が設けられていて、制御部200は、このセンサに電気的に接続されることによって、ホッパーシャッター106の位置を把握する。計数中以外の状態(待機状態)には、ホッパーシャッター106は閉じている。また、計数が終わって所定時間が経過した場合や、ホッパーシャッター106が開いてから所定時間経過しても計数が行われない場合(操作表示部56の操作がない場合も含む)には、ホッパーシャッター106は自動的に閉まるようになっている。
【0131】
また、上部受入部54の前側壁には、認識部107が内蔵されている(図12参照)。不正防止のため、係員が携帯しているIDタグを認識部107にかざしてIDタグが認識部107によって認識されない限り、制御部200は、ホッパーシャッター106を開かない(取込口104を開放しない)ようになっている。ここでの不正とは、不正に獲得したパチンコ玉Pが上部受入部54に受け入れられて計数され、景品に交換されてしまうことである。また、IDタグが認識部107に認識されていないのに、待機状態で大容器2を連結部51に連結させた場合において(図1参照)、大容器2のロック軸15がロック爪62にロックされることがあっても(図10(a)参照)、ホッパーシャッター106は開かないように制御される。
【0132】
このような不正を一層防止するために、計数装置3には、受入口102を上から塞ぐ蓋109が設けられている。蓋109は、係員でなければ取り外すことができない。このように、係員の立会いの下、蓋109を取り外して、係員のIDタグを認識部107にかざさなければ、計数装置3ではパチンコ玉Pの計数が一切できない。このこと(蓋109を取り外してIDタグを認識部107に認識させること)が、計数装置3で計数を開始するために必要な所定の条件である。
【0133】
なお、待機中の場合には、操作表示部56の後述するタッチパネル122(図20参照)に、係員を呼ぶことを促す旨のメッセージが表示される。蓋109が取り外されて、係員のIDタグが認識部107にかざされると、タッチパネル122(図20参照)には、受入口102にパチンコ玉Pを投入することを促す旨のメッセージが表示される。
前述したように揚送部材81の周回移動が開始される場合(図15参照)、それに先立って、係員が、計数装置3の前にいて、蓋109を取り外し、自身の携帯するIDタグを認識部107にかざし終えている。そのため、ホッパーシャッター106が開いて、取込口104が開放されている。
【0134】
そして、周回移動する揚送部材81によって下部ホッパー74から揚送されて上部シュート68に受け渡されたパチンコ玉P(図15参照)は、図12において実線の太線矢印で示すように、上部シュート68内を前側へ転がり落ち、受入口102から上部受入部54内に受け入れられて、上部ホッパー103内を落下する。ここから、揚送部材81は、下部ホッパー74(下部受入部52)からパチンコ玉Pを受け取る位置と上部受入部54へパチンコ玉Pを受け渡す位置との間を周回移動していると言える(図15参照)。
【0135】
パチンコ玉Pが上部シュート68から落下して上部受入部54内に受け入れられて上部ホッパー103内を落下する様子は、図16の太い実線矢印でも示されている。この様子は、計数装置3の正面側から見えるので、パチンコ玉Pの計数を待っている遊技客は、足元の大容器2(図1参照)のパチンコ玉Pが確かに計数されていることを確認できて安心するとともに、遊技客にとって、ちょうど良い退屈しのぎになる。
【0136】
また、上部シュート68を勢いよくパチンコ玉Pが前側へ流れても、前述したように、その先にあるガイドカバー115にパチンコ玉Pがぶつかることによって、パチンコ玉Pは、確実に、上部受入部54内に受け入れられて上部ホッパー103内を落下する。
上部受入部54内に受け入れられて上部ホッパー103内を落下するパチンコ玉Pは、開いた状態にある取込口104を通過して流出路105内に進入し、流出路105内を後下側へ転がり落ちる。パチンコ玉Pは、流出路105内を通過する途中で、後述する計数ユニット55によって計数され、その後、流出路105を通過して、1点鎖線の太線矢印で示すように、装置本体50の後側面から排出される。遊技施設の遊技島内には、装置本体50から排出されたパチンコ玉Pを回収する図示しない玉回収路(通称:ドブ)が設けられており、ドブに回収されたパチンコ玉Pは、パチンコ台での遊技に再利用される。
【0137】
ここで、図16において破線円で囲んだ部分の拡大図に示すように、流出路105内の途中には、レバー117が設けられている。レバー117は、左右方向に延びる回動軸117Aを流出路105の上側内周面に有していて、この回動軸117Aを中心として、回動可能である。
流出路105内にパチンコ玉Pがない場合には、レバー117は、点線で示すように、流出路105を途中で遮断するように延びており、このときのレバー117の位置は、「非検出位置」とされる。流出路105内を転がり落ちるパチンコ玉Pが非検出位置のレバー117に対して前上側から当接すると、レバー117は、右側面視で反時計回りに回動し、流出路105の上側内周面に沿う。このときのレバー117の位置は、「検出位置」とされる。レバー117が検出位置にある場合において、パチンコ玉Pは、レバー117の真下を通過して流出路105内を引き続き転がって、装置本体50の後側面から排出される。
【0138】
装置本体50には、レバー117の位置を検出するセンサ(図示せず)が設けられていて、制御部200(図1参照)は、このセンサ(図示せず)に電気的に接続されることで、レバー117の位置を把握している。
ここで、計数装置3の運用に関し、非常に数の多いパチンコ玉Pを計数する場合、前述した大容器2にパチンコ玉Pを収容し、この大容器2を計数装置3の連結部51に連結する(図1および図10(a)参照)。そして、計数装置3において、大容器2のパチンコ玉Pを、下部受入部52に受け入させてから揚送機構53で揚送した後に(図15参照)、実線の太線矢印で示すように、上部受入部54に受け入れさせる。
【0139】
しかし、パチンコ玉Pの数が、大容器2に入れるほど多くない場合には、前述した小容器(図示せず)にパチンコ玉Pを入れて小容器を計数装置3まで手で持って行き、小容器(図示せず)のパチンコ玉Pを、破線の太線矢印で示すように、受入口102から上部受入部54に直接受け入れさせる(図12も参照)。このとき、引出テーブル57を引き出して小容器の置き台として利用できる(図1において点線で示した引出テーブル57を参照)。
【0140】
そして、装置本体50において、たとえば、返却部69の下面には、上部ホッパー103内のパチンコ玉Pの量を検出するための量検出センサ108が設けられている。量検出センサ108は、たとえば光を用いた反射型センサであり、上部ホッパー103内に向けて下向きに投光した光(破線の直線矢印参照)の反射タイミングによって、量検出センサ108と上部ホッパー103内の最上位のパチンコ玉Pとの間の上下方向距離を検出する。この距離に応じて、量検出センサ108は、上部ホッパー103内のパチンコ玉Pの量を検出することができる。そのため、たとえば、この距離が非常に短い場合には、上部ホッパー103内に溢れる位にパチンコ玉Pが溜まっているので、量検出センサ108は、上部ホッパー103が満杯であること(オーバーフロー間近であること)を検出できる。
【0141】
また、前述した蓋109が受入口102を塞いでいる場合には、量検出センサ108の真下に蓋109が位置するので、量検出センサ108は、量検出センサ108と蓋109との間の上下方向距離を検出することで、蓋109が受入口102を塞いでいるのか否かも検出することができる。そして、蓋109が受入口102を塞いでいる状態では、揚送機構53は駆動されない制御になっている。
【0142】
ここで、蓋109が受入口102を上から塞いでいると、受入口102と上部シュート68の前端(出口)との間に蓋109が存在する。そのため、小容器(図示せず)から直接受入口102に注ぎ込まれるパチンコ玉P(太い破線矢印参照)の計数ができないだけでなく、上部シュート68から受入口102へ落下するパチンコ玉P(太い実線矢印参照)の計数もできない。そのため、係員が不在の状態で、小容器(図示せず)および大容器2(図1参照)のいずれのパチンコ玉Pの計数が勝手に実施されることが防止される。
【0143】
蓋109の代わりに、図17に示すように、前後にスライドするスライドカバー113を設けてもよい。なお、図17では、返却部69および量検出センサ108(図16参照)の図示が省略されている。
スライドカバー113は、たとえば、右側から見て円弧状をなしていて、実線で示すように、閉位置に配置されることで、上部シュート68よりも上方に位置して受入口102を上から塞ぐことができる。この状態のスライドカバー113を点線で示すように後側へスライドさせて開位置に配置すると、受入口102を開放することができる。スライドカバー113のスライドは、手動で行われてもよく、装置本体50内に設けられたモータ(図示せず)によって自動で行われてもよい。また、スライドカバー113は、開位置および閉位置のそれぞれにおいてロックされてもよい。
【0144】
このようなスライドカバー113を設けた場合、スライドカバー113を開位置にしない限り、小容器(図示せず)から直接受入口102にパチンコ玉Pを注ぎ込んで計数することはできない。しかし、閉位置のスライドカバー113は、上部シュート68の上方に位置していて、受入口102と上部シュート68との間に存在しないので、スライドカバー113が閉位置の状態で、上部シュート68から受入口102へ落下するパチンコ玉P(太い実線矢印参照)の計数は可能である。ここで、スライドカバー113が透明な材料で形成されていれば、閉位置のスライドカバー113越しに、パチンコ玉Pが上部シュート68から受入口102へ落下する様子を目視できる。
【0145】
ここで、計数に先立って係員のICタグを認識部107(図12参照)にかざした後に、操作表示部56(図1参照)のタッチパネル122(後述する)を操作することで、小容器(図示せず)および大容器2のいずれのパチンコ玉Pを計数するかを選択できる。小容器(図示せず)のパチンコ玉Pを計数することを選択すれば、スライドカバー113を開くことができ、小容器(図示せず)のパチンコ玉を直接受入口102に注ぎ込んで計数することができる。
【0146】
一方、大容器2のパチンコ玉Pを計数することを選択すれば、スライドカバー113は閉じており、大容器2のパチンコ玉Pを揚送して上部シュート68から受入口102に注ぎ込んで計数することはできるが、外部からパチンコ玉Pを直接受入口102に注ぎ込むことはできない。これにより、大容器2のパチンコ玉Pの計数中に、外部のパチンコ玉Pが誤って混ざることを防止できる。また、計数装置3での計数が停止されている状態で、外部のパチンコ玉Pが受入口102に注ぎ込まれることも防止できる。
(5)計数ユニット
図18は、計数ユニット55の模式的な斜視図である。
【0147】
図18を参照して、計数ユニット55は、流出路105(図16参照)の途中に設けられている。
計数ユニット55は、流出路105を途中で分岐させる複数の分岐路(分岐レーン)110と、これらの分岐路110を合流させて流出路105につながる合流路111と、パチンコ玉Pの流れ方向における各分岐路110の下流側端部に設けられた計数センサ112とを含んでいる。なお、図18では、8つの分岐路110を図示しているが、分岐路110の数は、任意で設定される。計数センサ112は、制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されている。
【0148】
上部受入部54に受け入れられた後に流出路105を転がり落ちるパチンコ玉Pは、その途中で、1個ずついずれかの分岐路110に転がり込み、太線矢印で示すように、分岐路110を通過し終える際に、計数センサ112によって計数される。計数を終えたパチンコ玉Pは、分岐路110から合流路111に移り、流出路105を転がって装置本体50の後側面から排出される(図16参照)。
【0149】
ここで、計数センサ112には、たとえば、磁気センサを用いることができる。計数センサ112は、分岐路110をパチンコ玉Pが1つ通過する毎にパルスを1つ出力し、制御部200(図1参照)は、各計数センサ112が出力したパルスの合計からパチンコ玉Pの計数値を算出する。このように、制御部200も、パチンコ玉Pを計数する役割を担っており、その点では、制御部200も計数ユニット55に含まれる。
【0150】
そして、パチンコ玉Pの流れる方向における分岐路110の下流側端部は、隣り合う分岐路110において交互にずれている。これにより、計数センサ112が、隣り合う計数センサ112に対してパチンコ玉Pの流れる方向においてずれて配置されるので、計数センサ112の計数精度が隣の計数センサ112によって影響を受けることはない。
そして、大容器2のパチンコ玉Pを揚送機構53で揚送して計数していた場合において(図15参照)、大容器2のパチンコ玉Pが無くなっても、パチンコ玉Pを収容した別の大容器2があれば、今まで計数を行っていた大容器2を一旦計数装置3から取り外して、当該別の大容器2を計数装置3にセットする(図1参照)。これにより、当該別の大容器2のパチンコ玉Pが揚送機構53で揚送されて計数され、その計数値が、今までの計数値(計数結果)に加算される。
【0151】
また、大容器2のパチンコ玉Pの計数中において、小容器(図示せず)のパチンコ玉Pを、受入口102から上部ホッパー103内に直接投入すると(図16の破線の太線矢印参照)、大容器2および小容器(図示せず)のそれぞれのパチンコ玉Pが上部ホッパー103内で混ざり合い、区別されることなく計数される。つまり、大容器2および小容器(図示せず)のパチンコ玉Pを一度に計数できる。そして、最終的な計数値は、大容器2および小容器(図示せず)のそれぞれのパチンコ玉Pを合わせた数値となる。
【0152】
ここで、図16を参照して、上部受入部54(上部ホッパー103)に受け入れられたパチンコ玉Pは、上部受入部54が受け入れたパチンコ玉Pを計数する計数ユニット55によって計数される。そのため、比較的数の少ないパチンコ玉Pは、前述した小容器(図示せず)から上部受入部54に直接受け入れられると、計数ユニット55によって速やかに計数されるので、遊技客は、パチンコ玉Pの計数が完了するまで長時間待たずに済み、使い勝手が良い。
【0153】
そして、揚送機構53は、下部受入部52が受け入れたパチンコ玉Pを上部受入部54まで揚送する(図15参照)。これにより、下部受入部52が受け入れたパチンコ玉Pは、上部受入部54に受け渡され、その後、計数ユニット55によって計数される。この場合、揚送機構53が故障しても、計数装置3では、上部受入部54で直接受け入れたパチンコ玉Pの計数は少なくとも可能であることから、パチンコ玉Pの計数が継続できるので、使い勝手が良い。
【0154】
このように、パチンコ玉Pを装置本体50の上部受入部54および下部受入部52の両方で受け入れることができる計数装置3(図1参照)において、使い勝手の向上を図ることができる。
そして、大容器2のパチンコ玉Pを揚送機構53(図15参照)で揚送して計数していた場合において、計数センサ112がパルスを出力しておらず、かつ、前述したレバー117が非検出位置にある状態が所定時間続けば、制御部200(図1参照)は、計数処理が完了したものとして、揚送機構53の揚送(揚送部材81の周回移動)を停止させる。これと同時に、制御部200は、下部受入部52の受入シャッター70(図10参照)および大容器2のシャッター22(図2参照)を閉じる。
【0155】
受入シャッター70およびシャッター22が閉じたことを開閉センサ73(図10(b)参照)が検出した後に、制御部200は、モータ64を駆動させてロック爪62を解除位置までスライドさせる(図11参照)。そして、ロック爪62が解除位置にあることを位置センサ67が検出すると、制御部200は、モータ64の駆動を停止させる(図11参照)。このとき、操作表示部56の後述するタッチパネル122(図1参照)には、計数処理が完了した旨や、大容器2を計数装置3から取り外すことを促す旨のメッセージが表示される。
【0156】
大容器2が計数装置3から取り外されると、スライドプレート61が進出位置まで進出するので、制御部200は、大容器2が計数装置3から取り外されたことを検出し、これに応じて、モータ64を駆動させてロック爪62を元のロック位置までスライドさせる(図11参照)。そして、ロック爪62がロック位置にあることを位置センサ67が検出すると、制御部200は、モータ64の駆動を停止させる。その後、制御部200は、上部ホッパー103のホッパーシャッター106を閉じる。
(6)操作表示部
図19および図20は、操作表示部56における表示の一例を示す模式図である。
【0157】
図1に示すように、操作表示部56は、装置本体50の上部50Bの前側面から前側へ突き出るように設けられている。
操作表示部56の前側面の下端(後述するタッチパネル122の直下)には、左右方向に細長いスリット状のカード挿入口127が設けられている。ここで、遊技施設の会員客に割り当てられる会員カードというものがあり、パチンコ玉の計数時にカード挿入口127に会員カードが挿入されると、この会員カードの会員情報が操作表示部56内のカードリーダ(図示せず)によって読み取られる。そして、読み取られた会員情報に、計数装置3での計数結果(パチンコ玉Pの計数値)が関連付けられて、会員カードがカード挿入口127から返却される。計数結果は、会員カード自身に記録されてもよいし、遊技施設内のデータ管理装置に記録されてもよい。
【0158】
返却された会員カードを受け取った会員客は、遊技施設内に設けられた景品カウンターにおいて、会員カードに関連付けられた計数結果(パチンコ玉数)に応じて景品交換をしてもよいし、この計数結果に応じた数のパチンコ玉の全部または一部を貯玉(ちょだま)として遊技施設に預け入れて、翌日以降に貯玉を用いて遊技台で再遊技してもよい。
操作表示部56の前側面に左寄りの位置には、携帯電話リーダ121が設けられている。遊技客の携帯電話を会員カードとして用いることができ、この場合、パチンコ玉の計数時に、携帯電話のIDm(携帯電話に内蔵されたICチップの製造番号)を会員の識別情報として携帯電話リーダ121で読み取って、このIDmに計数結果を関連付けて、IDmおよび計数結果をデータ管理装置で管理する。
【0159】
また、操作表示部56の前側面の右寄りの位置には、左右方向に細長いスリット状のレシート発行口120が設けられていて、会員カードや携帯電話で計数結果を管理しない場合には、計数終了後、計数結果を記録したレシートがレシート発行口120から発行される。発行されたレシートを景品カウンターで係員に引き渡すと、代わりに、計数値分のパチンコ玉に応じた景品を受け取ることができる。
【0160】
なお、計数値によっては、景品に交換しきれない端数分のパチンコ玉(余り玉)が発生する場合がある。そのような余り玉は、前述した返却部69において遊技客に返却される。
操作表示部56の前側面における左右方向中央の位置(出入口120と携帯電話リーダ121との間の位置)には、前述したタッチパネル122が設けられている。タッチパネル122は、たとえば、液晶表示器であり、制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されている。タッチパネル122には、計数結果等の情報が表示されるだけでなく、必要に応じてタッチキーが表示される。タッチパネル122では、計数中における現時点での計数値や、計数完了後の最終的な計数値が表示される。
【0161】
最終的な計数値がタッチパネル122に表示されると、タッチパネル122に表示されたタッチキーを操作することによって、前述したレシート発行を行ったり、計数結果に応じた数のパチンコ玉を貯玉とする処理(貯玉処理)を行ったりすることができる。
前述したように大容器2のパチンコ玉Pの計数が終了して、大容器2が計数装置3から取り外されると、制御部200(図1参照)が上部ホッパー103のホッパーシャッター106(図16も参照)を閉じるのだが、ホッパーシャッター106が閉まると、タッチパネル122には、所定のタッチキーが表示される。このタッチキーを操作することによって、会員カードや携帯電話を用いて貯玉処理を行うか、レシートを発行してもらうかを選択できる。そして、貯玉処理や、レシートの発行が完了すると、計数装置3は待機状態になる。
【0162】
また、たとえば、揚送部材81の周回移動中に凹状体93内にパチンコ玉P以外の異物が入り込んで簡単に取り除けない等の比較的深刻なトラブルが発生した場合には(図15参照)、そのことを装置本体50内のセンサ(図示せず)が検出する。そして、その検出結果に応じて、制御部200(図1参照)が、揚送部材81の周回移動を一時停止させる。これと同時に、制御部200の制御によって、タッチパネル122には、図19に示すように、エラーが発生した旨と、エラーの種類(ここでは、エラーコード「E−XYZ」)と、エラーを解除するための手順と示したエラー解除指示画面と、各種のタッチキー123とが表示され、エラーが発生したことが係員等に報知される。
【0163】
係員は、エラー解除指示画面の内容に従ってエラー解除処理を実行する。図19では、「大玉箱を取り外して下さい。」との内容に従って、大玉箱(大容器2のこと)を計数装置3から取り外す。そして、「玉強制排出」と記載されたタッチキー123を押すと、ホッパーシャッター106が閉じられ、上部ホッパー103内のパチンコ玉P(異物も含む)は、流出路105へ流れ込まなくなる(図16参照)。そして、このタッチキー123を押す都度、揚送部材81(図15参照)の周回移動および停止が繰り返される。これにより、下部ホッパー74および揚送部材81に残っているもの(パチンコ玉Pおよび異物の両方)が揚送され、ホッパーシャッター106が閉じられた上部ホッパー103内に溜まる(図12および図16参照)。なお、このタッチキー123を押すことによる揚送部材81の周回移動は、緊急用のものなので、通常よりも緩和された周回移動停止条件に基づく監視の下で行われる。
【0164】
エラー解除処理が実行されてエラーが完全に解消され、上部ホッパー103内から異物だけを除去した後に(図16参照)、「クリア」と記載されたタッチキー123を押すと、ホッパーシャッター106が再び開かれ(図16参照)、上部ホッパー103内のパチンコ玉Pは、流出路105を通って計数され、ドブへ排出される。
また、計数が行われていない待機状態では、図20に示すように、タッチパネル122には、本日の出玉のランキング等が表示される他に、計数する場合に係員を呼ぶことを促す旨の表示と、係員呼出ボタンをなすタッチキー124と、各種アイコン125とが表示される。
【0165】
係員呼出ボタン124は、「計数する場合は係員呼出ボタンを押してね」という表示の下に表示されている。係員呼出ボタン124が押されて、前述したように、認識部107(図12参照)による係員のIDタグの認識がなされ、かつ、係員によって蓋109が取り外されなければ、計数装置3での計数は一切できない(図16参照)。
図20において、「ドブ詰まり」と記載されたアイコン125は、流出路105内のパチンコ玉Pが流れ落ちない位にドブがパチンコ玉で溢れている(詰まっている)場合に、点灯表示される。具体的に、ドブが詰まっている場合には、流出路105内の前述したレバー117が検出位置にあるにもかかわらず、計数センサ112が計数を行わず(パルスが途切れず)、計数値が増加しない(図16参照)。これらの場合、制御部200(図1参照)は、「ドブ詰まり」と記載されたアイコン125を点灯表示させるとともに、揚送部材81(図15参照)の周回移動を停止させる。これにより、上部ホッパー103や上部シュート68でのパチンコ玉Pのオーバーフローを防止できる(図12参照)。
【0166】
一方、レバー117が非検出位置にあるにもかかわらず(図16参照)、計数センサ112の出力したパルスが途切れない場合には、計数ユニット55の分岐路110や合流路111(図18参照)にパチンコ玉Pが溜まっていることが想定される。また、量検出センサ108が、上部ホッパー103のパチンコ玉Pが満杯であることを検出することがある(図16参照)。これらの場合においても、上部ホッパー103や上部シュート68でのパチンコ玉Pのオーバーフローを防止するため、制御部200は、揚送部材81の周回移動を停止させる。なお、これらの場合(ドブ詰まりも含む)には、時間が経過するとともに、上部ホッパー103や分岐路110や合流路111やドブのパチンコ玉が流れていく(図16参照)。そのため、上部ホッパー103でのパチンコ玉Pの満杯状態や、分岐路110や合流路111やドブでのパチンコ玉Pの詰まりは、自然解消される。満杯状態や詰まりが解消されると、制御部200は、揚送部材81の周回移動を再開させる。
【0167】
また、「大玉箱計数不可」と記載されたアイコン125は、連結部51や下部受入部52や揚送機構53(図10〜図15参照)が故障していて大容器2のパチンコ玉Pを揚送部材81で揚送できない場合に、点灯表示される。このとき、制御部200(図1参照)は、ロック爪62を解除位置で維持しているので(図11参照)、大容器2を連結部51に連結しても、大容器2のロック軸15(図2参照)がロック爪62に係合されない(連結部51にロックされない)。そのため、遊技客や係員は、大容器2が連結部51にロックされないことや、「大玉箱計数不可」と記載されたアイコン125の点灯表示によって、大容器2での計数ができないことを把握する。
【0168】
大容器2での計数ができなくても、前述したように、小容器(図示せず)に収容したパチンコ玉Pを上部受入部54の受入口102から直接注ぎ込んで計数することは可能である(図16の破線の太線矢印参照)。小容器(図示せず)に収容したパチンコ玉Pの計数中には、タッチパネル122には、図20に示す警告画面の代わりに、パチンコ玉Pの計数値が表示され、計数後には、レシートの発行や貯玉処理ができる。その後、タッチパネル122には、図20に示す警告画面が再び表示される。
【0169】
「点検」と記載されたアイコン125は、計数装置3において点検すべきことが発生した場合に、点灯表示される。点検すべきこととして、前述した揚送機構53のチェーン88の伸び調整等が挙げられる(図14および図15参照)。
また、タッチパネル122には、大容器2から流れ出たパチンコ玉Pを計数する場合において、計数がどれくらい進行しているのかが表示されてもよい。たとえば、大容器2から流れ出た先頭のパチンコ玉Pが装置本体50内で現在どこら辺に位置しているのかが、タッチパネル122に模式的に表示される。これにより、計数を待っている遊技客にとっては、退屈しのぎになるし、計数に立ち会っている係員にとっては、計数の進捗状況の把握(換言すれば、計数装置3の動作確認)ができて使い勝手が良い。
【0170】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0171】
1 遊技媒体計数システム
2 遊技媒体用容器(大容器)
3 遊技媒体計数装置
4 容器本体
4F 底面
6 流出窓
15 ロック軸
22 シャッター
24 後フレーム
30 内側シャッター
31 外側シャッター
31B 上端部
50 装置本体
51 連結部
52 下部受入部
62 ロック爪
75 玉検出センサ
79 開閉軸
200 制御部
P パチンコ玉
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技媒体を収容するための遊技媒体用容器、および、それを含む遊技媒体計数システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ玉等の遊技媒体を収容するための遊技媒体用容器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1では、パチンコ玉を収容するパチンコ玉収容箱が提案されている。このパチンコ玉収容箱の収容箱本体は、上面を開口した横長箱状に形成されていて、その底板には、排出孔が形成されている。排出孔は、シャッタ板によって開閉される。
【0003】
また、特許文献1では、パチンコ玉収容箱を載せて運搬することができるパチンコ玉運搬用台車も提案されている。パチンコ玉運搬用台車では、台車本体の四隅に走行用の車輪が取り付けられているとともに、台車本体の後部にハンドルが立設されている。台車本体にパチンコ玉収容箱を載せたパチンコ玉運搬用台車をパチンコ玉計数機に装着すると、パチンコ玉収容箱のシャッタ板が開かれる。すると、パチンコ玉収容箱内のパチンコ玉は、排出孔から台車本体内に落下し、その後、台車本体の前面の放出口からパチンコ玉計数機に受け入れられてパチンコ玉計数機で計数される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3679559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のパチンコ玉収容箱では、内部のパチンコ玉を流出させる排出孔が収容箱本体の底面に形成されている。
この場合、排出孔を閉じたシャッタ板には、内部のパチンコ玉の重力が常に作用しているので、シャッタ板の開閉に負担がかかってシャッタ板を円滑に開閉できない虞があることから、この点で、使い勝手の向上を図ることが困難である。
【0006】
また、排出孔が収容箱本体の底面という見えにくい位置にあるので、排出孔からパチンコ玉が流出しているのか否かを把握するのが困難である。
また、たとえば、パチンコ台でいわゆる大当たりが連続して、獲得した多数のパチンコ玉をパチンコ玉収容箱に収容したものの、その後当りが出なくなったので、パチンコ玉収容箱のパチンコ玉を使って遊技を続けなければならない場合がある。この場合、必要に応じてその都度パチンコ玉収容箱からパチンコ玉を取り出すのは不便であるから、パチンコ玉収容箱のパチンコ玉を、パチンコ玉収容箱よりも小さい小箱に移し変えて、この小箱のパチンコ玉を使って遊技をすることがある。この際、特許文献1のパチンコ玉収容箱では、内部のパチンコ玉を収容箱本体の底面の排出孔から取り出して小箱に移し変えねばならない。そのために、排出孔の真下に小箱が位置するように、パチンコ玉が詰まって重いパチンコ玉収容箱を浮かせたり、パチンコ玉収容箱の下に小箱を潜り込ませたりする必要があるので、手間がかかる虞がある。
【0007】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、使い勝手の向上を図ることができる遊技媒体用容器、および、それを含む遊技媒体計数システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、遊技媒体を収容するための遊技媒体用容器であって、上面が開放されたボックス状であって、内部に遊技媒体を収容することができる容器本体と、前記容器本体の側面下部に形成され、前記容器本体内の遊技媒体を流出させるための流出窓と、前記容器本体側面に沿ってスライドすることによって前記流出窓を開閉するシャッターと、を含むことを特徴とする、遊技媒体用容器である。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記シャッターにおいて下部だけが前記容器本体内部に露出されるように前記シャッターを前記容器本体の内側から覆うカバーを含むことを特徴とする、請求項1記載の遊技媒体用容器である。
請求項3記載の発明は、前記シャッターは、前記容器本体の外側に配置される外側シャッターと、前記容器本体の内側に配置される内側シャッターとを含む2重構造であることを特徴とする、請求項1または2記載の遊技媒体用容器である。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記外側シャッターは、途中まで開いたときに前記内側シャッターを開位置へ向けて押圧する押圧部材を備え、前記外側シャッターが開く途中で、前記内側シャッターが、前記押圧部材に押圧されることによって前記外側シャッターに遅れて開くことを特徴とする、請求項3記載の遊技媒体用容器である。
請求項5記載の発明は、前記容器本体の内部の底面は、前記流出窓ヘ向かって下向きに傾斜していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の遊技媒体用容器である。
【0011】
請求項6記載の発明は、前記容器本体には、遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置に連結される被連結部が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の遊技媒体用容器である。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の遊技媒体用容器と、遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置とを含む遊技媒体計数システムであって、前記遊技媒体計数装置は、装置本体と、前記容器を連結することのできる前記装置本体の下部に設けられた連結部と、前記装置本体の下部に設けられ、前記連結部に連結された前記容器の流出窓から流出される遊技媒体を受け入れる下部受入部と、を含むことを特徴とする、遊技媒体計数システムである。
【0012】
請求項8記載の発明は、前記容器の容器本体には、前記遊技媒体計数装置の連結部に連結される被連結部が設けられていて、前記遊技媒体計数装置は、前記連結部に連結された前記容器の被連結部をロックするためのロック部材と、前記ロック部材が前記被連結部をロックしているか否かを検出するためのロック状態検出手段と、を含むことを特徴とする、請求項7記載の遊技媒体計数システムである。
【0013】
請求項9記載の発明は、前記遊技媒体計数装置は、前記下部受入部に受け入れられている遊技媒体が所定量未満であるか否かを検出するための遊技媒体量検出手段と、前記下部受入部に受け入れられている遊技媒体が前記所定量未満であることを前記遊技媒体量検出手段が検出したのに応じて、前記ロック部材による前記被連結部のロックを解除するロック解除手段と、を含むことを特徴とする、請求項8記載の遊技媒体計数システムである。
【0014】
請求項10記載の発明は、前記遊技媒体計数装置は、前記連結部に前記容器の被連結部が連結された状態で、前記シャッターを開閉する開閉手段を含むことを特徴とする、請求項8または9記載の遊技媒体計数システムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、遊技媒体用容器の容器本体は、上面が開放されたボックス状であって、内部に遊技媒体を収容することができる。容器本体の側面下部には、容器本体内の遊技媒体を流出させるための流出窓が形成されていて、シャッターが、容器本体側面に沿ってスライドすることによって流出窓を開閉する。
この場合、シャッターが容器本体側面に沿って略垂直に延びていることから、シャッターには容器本体内の遊技媒体の重力が作用しにくいので、シャッターの円滑な開閉が可能である。
【0016】
また、容器本体の側面下部に形成された流出窓は見やすい位置にあるので、流出窓から遊技媒体が流出する様子が把握しやすい。さらに、流出窓の側方に小分け用の小箱を配置しておくと、容器本体内の遊技媒体を流出窓から小箱に円滑に移し変えることができる。
以上の結果、使い勝手の向上を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、カバーが、シャッターにおいて下部だけが容器本体内部に露出されるように、シャッターを容器本体の内側から覆うので、シャッターにおいて、容器本体内の遊技媒体と接触する部分が下部だけとなる。そのため、開閉するシャッターに対する容器本体内の遊技媒体による抵抗を小さく抑えることができるので、シャッターの円滑な開閉が可能であり、使い勝手が良い。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、シャッターは、容器本体の外側に配置される外側シャッターと、容器本体の内側に配置される内側シャッターとを含む2重構造である。そのため、流出窓から容器本体内部の遊技媒体を流出させている途中でシャッターを閉じた場合、内側シャッターと容器本体との間に遊技媒体が挟まることで内側シャッターを完全に閉じることができなくても、外側シャッターは完全に閉じることができるので、流出窓からの遊技媒体の流出を完全に止めることができ、使い勝手が良い。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、外側シャッターは、途中まで開いたときに内側シャッターを開位置へ向けて押圧する押圧部材を備えていて、外側シャッターが開く途中で、内側シャッターが、押圧部材に押圧されることによって外側シャッターに遅れて開く。この場合、シャッターを閉じた状態で内側シャッターと外側シャッターとの間に遊技媒体が挟まっていたとしても、内側シャッターが閉じたままの状態で外側シャッターだけを少し開けて、この遊技媒体を取り出すことができ、使い勝手が良い。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、容器本体の内部の底面が流出窓ヘ向かって下向きに傾斜しているので、流出窓を開放すると、容器本体内の遊技媒体を流出窓から漏れなく流出させることができ、使い勝手が良い。
請求項6記載の発明によれば、容器本体には、遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置に連結される被連結部が設けられている。これにより、遊技媒体用容器を被連結部において遊技媒体計数装置に連結することで、遊技媒体用容器と遊技媒体計数装置との相対位置を安定させることができるので、遊技媒体用容器から遊技媒体計数装置への遊技媒体の円滑な受け渡しが可能になる。
【0020】
請求項7記載の発明によれば、遊技媒体計数システムは、遊技媒体用容器と、遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置とを含んでいる。
そして、遊技媒体計数装置において、装置本体の下部に設けられた連結部には、(遊技媒体用)容器を連結することができる。また、装置本体では、その下部に設けられた下部受入部が、連結部に連結された容器の流出窓から流出される遊技媒体を受け入れることができる。そのため、この遊技媒体計数システムでは、遊技媒体計数装置による、遊技媒体用容器に収容された遊技媒体の計数が可能である。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、容器の容器本体には、遊技媒体計数装置の連結部に連結される被連結部が設けられている。そして、遊技媒体計数装置では、ロック部材が、連結部に連結された容器の被連結部をロックすることによって、容器と遊技媒体計数装置との相対位置が安定するので、容器から遊技媒体計数装置の下部受入部への遊技媒体の円滑な受入が可能となる。そして、遊技媒体計数装置では、ロック状態検出手段が、ロック部材が容器の被連結部をロックしているか否かを検出するので、ロック部材の動作状態を正確に把握できる。
【0022】
請求項9記載の発明によれば、遊技媒体計数装置では、遊技媒体量検出手段が、下部受入部に受け入れられている遊技媒体が所定量未満であるか否かを検出することによって、容器に収納されていた遊技媒体の計数が進んで容器内の遊技媒体が全て無くなったか否かを把握することができる。
そして、遊技媒体計数装置では、下部受入部に受け入れられている遊技媒体が所定量未満であること、つまり、容器内の遊技媒体が全て無くなったことを遊技媒体量検出手段が検出したのに応じて、ロック解除手段が、ロック部材による容器の被連結部のロックを解除する。これにより、空になった容器を連結部(遊技媒体計数装置)から速やかに取り外すことができる。
【0023】
請求項10記載の発明によれば、遊技媒体計数装置の開閉手段は、連結部に容器の被連結部が連結された状態で、容器のシャッターを開閉する。この場合、連結部に被連結部が連結された状態において、遊技施設の係員等がシャッターに直接触れてシャッターを手動で開閉せずに済むので、使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、遊技施設内に設けられた遊技媒体計数システム1を構成する遊技媒体用容器2および遊技媒体計数装置3の斜視図である。
【図2】図2は、遊技媒体用容器2の斜視図である。
【図3】図3は、遊技媒体用容器2の右側断面図である。
【図4】図4は、上下に複数積み重ねた遊技媒体用容器2の右側断面図である。
【図5】図5は、シャッターユニット20を容器本体4の外側(正面側)から見た斜視図である。
【図6】図6は、シャッターユニット20を容器本体4の内側(背面側)から見た斜視図である。
【図7】図7は、シャッター22を正面側から見た斜視図である。
【図8】図8は、シャッター22を背面側から見た斜視図である。
【図9】図9は、シャッター22の動作状態を示す右側断面図である。
【図10】図10は、遊技媒体計数装置3の装置本体50の下部50Aの一部、連結部51および下部受入部52の斜視図である。
【図11】図11は、連結部51の要部の斜視図である。
【図12】図12は、下部受入部52の一部、揚送機構53および上部受入部54の斜視図である。
【図13】図13は、揚送機構53の斜視図である。
【図14】図14は、揚送機構53を説明するための模式的な斜視図である。
【図15】図15は、揚送機構53の動作を説明するための揚送機構53の模式的な右側断面図である。
【図16】図16は、上部受入部54および計数ユニット55を説明するための計数装置3の模式的な要部右側断面図である。
【図17】図17は、図16に変形例を適用した図である。
【図18】図18は、計数ユニット55の模式的な斜視図である。
【図19】図19は、操作表示部56における表示の一例を示す模式図である。
【図20】図20は、操作表示部56における表示の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
<遊技媒体計数システム>
図1は、遊技施設内に設けられた遊技媒体計数システム1を構成する遊技媒体用容器2および遊技媒体計数装置3の斜視図である。
図1を参照して、この発明に係る遊技媒体計数システム1は、パチンコ店などの遊技施設内に設けられる。遊技媒体計数システム1は、遊技媒体(ここでは、パチンコ玉とする)を収容するための遊技媒体用容器2(遊技媒体搬送体)と、パチンコ玉を計数するための遊技媒体計数装置3とを含んでいる。なお、ここでは、遊技媒体をパチンコ玉としているが、メダルであってもよく、この場合、遊技媒体計数装置3は、メダルを計数する。
【0026】
遊技媒体計数システム1では、遊技台(ここでは、パチンコ台とする)において、いわゆる大当たりによって獲得された多数のパチンコ玉(出玉)が遊技媒体用容器2に収容され、遊技媒体用容器2のパチンコ玉が遊技媒体計数装置3によって計数される。ここで、遊技媒体用容器2よりもパチンコ玉の収容量の少ない小容器(図示せず)が存在し、当たりが少ない場合には、比較的少数の出玉は、小容器に収容され、大当たりが何度も出た場合には、比較的多数の出玉は、遊技媒体用容器2に収容される。
【0027】
以下では、遊技媒体用容器2および遊技媒体計数装置3のそれぞれについて説明する。なお、以下では、遊技媒体用容器2を大容器2と呼び、遊技媒体計数装置3を計数装置3と呼ぶ。
<大容器>
図2は、大容器2の斜視図である。
【0028】
図2に示すように、大容器2は、上面が開放された略直方体のボックス状の容器本体4を含んでいる。容器本体4は、透明または半透明の樹脂等で形成されている。図2(a)の姿勢を基準として、容器本体4は、前後の側壁4A,4Bと、左右の側壁4C,4Dと、底壁4Eとを一体的に含んでいる。側壁4A〜4Dの上端部は、外側へ折り返されている。側壁4A〜4Dの上端縁が、大容器2内に上から連通する略矩形状の投入口5を区画している。容器本体4では、投入口5から投入したパチンコ玉を内部に収容することができる。
【0029】
容器本体4の側面下部、詳しくは、前側壁4Aの下部には、流出窓6が形成されている。流出窓6は、横方向にやや長手で上側の2つの角が丸められた略矩形状であって、前側壁4Aを貫通し、容器本体4の内外を連通させている。前側壁4Aの外表面には、上下に並ぶ目盛り7が刻まれている。
左右の側壁4Cおよび4Dの内側面の上端部には、下方へ窪むスリット8および挿入孔9が並んで形成されている(図2(c)および図2(d)参照)。スリット8には、「大当たり」等のメッセージが記載された札10を差し込むことができ、挿入孔9には、前記メッセージ等が記載された旗11を差し込むことができる(図2(c)参照)。
【0030】
後側壁4Bの内側面の上端部には、下方へ窪む2つの挿入孔12が、横方向に所定の間隔を隔てて形成されている。挿入孔12には、上下が逆になった略U字状のハンドル13の遊端部を上から差し込むことができる(図2(c)参照)。
底壁4Eは、略矩形状であり、その下面(つまり、容器本体4の下面)の四隅には、キャスター14が設けられている(図2(b)参照)。キャスター14が床面上を転がることで、大容器2を円滑に移動させることができ、使い勝手が良い。その際、前述したハンドル13(図2(c)参照)を把持すれば、大容器2を容易に移動させることができる。
【0031】
また、底壁4Eの下面の前端部の左右方向(幅方向)中央部には、ロック軸15(被連結部)およびホルダ16が設けられている。ロック軸15は、上下に細長い金属製の柱状であり、キャスター14の下端よりも手前(上方)の位置まで下方へ延びている。ホルダ16は、金属板を前側へL字状に折り曲げることで形成されている。ホルダ16の前側下端部には、ロック軸15の下端部(遊端部)が連結されていて、これにより、ホルダ16は、ロック軸15を曲がらないように保持している。大容器2に収容されたパチンコ玉を計数装置3で計数する場合に、ロック軸15が計数装置3に連結されることで、大容器2が計数装置3に対して位置決めされる(図1参照)。
【0032】
図3は、大容器2の右側断面図である。図4は、上下に複数積み重ねた大容器2の右側断面図である。
図3を参照して、容器本体4の底壁4Eは、この実施形態では、2重構造になっている。底壁4Eの上側の面は、容器本体4の内部の底面4Fをなしている。底面4Fは、平坦面であり、右側面視において、流出窓6の下端縁から後上側へ緩やかかつ直線状に傾斜している。換言すれば、底面4Fは、流出窓6へ向かって下向きに傾斜している。そのため、投入口5から容器本体4内にパチンコ玉Pを注ぎ込むと、パチンコ玉Pは、容器本体4内において、底面4Fの前端部側(流出窓6側)から溜まっていく。容器本体4内にどれくらいパチンコ玉Pが溜まっているのかは、前述した目盛り7(図2参照)を見ることで把握できる。そして、容器本体4内のパチンコ玉Pは、流出窓6から流出させることができる。
【0033】
また、容器本体4において、前側壁4Aは、垂直方向に対して角度θだけ前側へ傾いていて、全体として略垂直方向に延びている。後側壁4Bは、ほぼ垂直方向に延びている。ここで、角度θは、約15°である。この場合、前後の側壁4A,4Bの間隔が上側へ向かうに従って少しずつ広がっている。そして、前後の側壁4A,4Bの間隔程ではないが、左右の側壁4C,4Dの間隔も上側へ向かうに従って広がっている(図2参照)。
【0034】
そのため、図4に示すように、大容器2の容器本体4の投入口5に対して、別の大容器2を上からはめ込むことができるので、複数の大容器2を上下に積み重ねてコンパクトに収容することができ、使い勝手が良い。積み重ねられて上下に並ぶ大容器2において、上側の大容器2では、キャスター14が下側の大容器2の容器本体4内部の底面4Fに上から接触しているので、姿勢が安定している。
【0035】
図5は、シャッターユニット20を容器本体4の外側(正面側)から見た斜視図である。図6は、シャッターユニット20を容器本体4の内側(背面側)から見た斜視図である。
大容器2は、前側壁4Aの流出窓6を開閉するシャッターユニット20を容器本体4の内部に備えている(図2および図3参照)。
【0036】
図5に示すように、シャッターユニット20は、たとえば金属製のフレーム21と、フレーム21内に収容されるシャッター22とを含んでいる。
フレーム21は、前後に薄くて幅方向に長手のボックス形状である。フレーム21は、前フレーム23と後フレーム24(カバー)とを含んでいる。
前フレーム23は、幅方向に長手の薄板状であり、その上端部および左右の端部は、後側へ折り曲げられている。前フレーム23の幅方向略中央には、流出窓6と同じ形状の貫通穴25が形成されている。貫通穴25は、前フレーム23を、その下端縁から上向きに切り欠いている。
【0037】
後フレーム24は、前フレーム23とほぼ同じ大きさの幅方向に長手の薄板状であり、その上端部および左右の端部は、前側へ折り曲げられている。一方、図6に示すように、後フレーム24の下端部では、幅方向両端部だけが後側へ折り曲げられている。当該幅方向両端部を固定部24Aという。各固定部24Aには、固定部24Aを上下に貫通する挿通孔24Bが形成されている。後フレーム24の下端部において、左右の固定部24Aに挟まれた領域には、幅方向に長手の略矩形状の貫通穴26が形成されている。貫通穴26は、後フレーム24を、その下端縁から上向きに切り欠いている。
【0038】
前フレーム23を後フレーム24の前側かつ内側に配置して(図5参照)、前フレーム23および後フレーム24のそれぞれにおいて、左端部同士を重ね合わせてねじ27で固定し、右端部同士を重ね合わせてねじ27で固定する。これにより、ボックス形状のフレーム21が完成する。このとき、前フレーム23の貫通穴25と後フレーム24の貫通穴26とは対向している(図3参照)。
【0039】
そして、フレーム21は、前フレーム23の貫通穴25が流出窓6に対して後側(容器本体4の内側)から重なって対向した状態で、容器本体4の内部に配置されている(図3参照)。この状態で、後フレーム24の各固定部24Aの挿通孔24Bには、ねじ(図示せず)が挿通されて容器本体4の底壁4E(図3参照)の上面(前述した底面4F)に組み付けられている。そのため、フレーム21(換言すれば、シャッターユニット20)は、容器本体4の前側壁4Aに対して容器本体4の内側から沿った状態で、容器本体4に固定されている(図3参照)。このとき、フレーム21では、後フレーム24の貫通穴26が、容器本体4内に前側から臨んでいる(図3参照)。
【0040】
図7は、シャッター22を正面側から見た斜視図である。図8は、シャッター22を背面側から見た斜視図である。図9は、シャッター22の動作状態を示す右側断面図である。
図7を参照して、シャッター22は、シャッターユニット20において、実際に流出窓6(図3参照)を開閉する。シャッター22は、内側シャッター30と外側シャッター31とを含む2重構造である。
【0041】
図8を参照して、内側シャッター30は、幅方向に長手で前後に薄い略矩形の板状である。内側シャッター30は、本体部32と、シャッターホルダ33とを一体的に備えている。
本体部32は、前後に薄く幅方向に長手の略矩形の板状であり、前フレーム23の貫通穴25および後フレーム24の貫通穴26(図5および図6参照)のいずれよりも大きい。厳密には、本体部32では、下側部分が下端に向かって少し幅狭になっている。本体部32の前側面(図8における奥側の面)の幅方向両側には、前側へ突出する複数のリブ34が幅方向に並んで設けられている。各リブ34の突出量は同じである。また、本体部32の下端縁は、幅方向に沿って水平に延びていて、この下端縁には、ゴム等の弾性体で形成された弾性プレート35が、幅方向全域に亘って取り付けられている。弾性プレート35は、本体部32の下端縁から下方へはみ出ている(図9(c)参照)。
【0042】
シャッターホルダ33は、幅方向に長手で前後に薄いボックス形状であり、その下側面および後側面(図8における手前側の側面)が開放されている。シャッターホルダ33の上側面には、シャッターホルダ33よりも幅広の係止プレート36が上から取り付けられている。係止プレート36の幅方向両端部は、シャッターホルダ33から幅方向外側へ突出していて、当該両端部には、当該両端部を上下に貫通する貫通孔37が形成されている。
【0043】
本体部32は、シャッターホルダ33の左右の側壁33A,33Bによって挟持された状態でシャッターホルダ33に一体化されている。この状態で、本体部32の前側面のリブ34は、シャッターホルダ33内部において、シャッターホルダ33の前側壁33Cに対して隙間を隔てて後側から対向していて、本体部32の略下半分は、シャッターホルダ33から下側へはみ出ている。
【0044】
図7を参照して、外側シャッター31は、前後に薄く幅方向に長手の略矩形の板状であり、前フレーム23の貫通穴25および後フレーム24の貫通穴26(図5および図6参照)のいずれよりも大きい。外側シャッター31は、内側シャッター30の本体部32とほぼ同じ形状であり、外側シャッター31の下側部分は、下端に向かって少し幅狭になっている。外側シャッター31の下側部分の前側面の幅方向略中央には、後側へ窪む凹部38が形成されている。凹部38は、幅方向長手である。外側シャッター31は、凹部38が形成されて部分において、後側へ膨出しており、この膨出した部分は、膨出部31Aとされる(図9参照)。また、外側シャッター31の後側面の上端部の幅方向両端部には、後側へ突出するリブ39が1つずつ形成されている(図8参照)。各リブ39の突出量は同じである。
【0045】
このようなシャッター22は、前述したようにフレーム21内に収容されている(図5および図6参照)。このとき、図9(a)に示すように、シャッター22では、外側シャッター31が、内側シャッター30の本体部32に対して前側に配置されている。ここで、図1〜図9(a)では、内側シャッター30および外側シャッター31がいずれも閉じた状態を示している。
【0046】
図9(a)に示すように、外側シャッター31では、上側部分が、内側シャッター30のシャッターホルダ33内部に対して、遊びを持って下から挿通されている。この状態で、外側シャッター31は、シャッターホルダ33において内部を上から区画する上側壁33Dに下から当接するまでの範囲において、内側シャッター30に対して上下にスライドすることができる。
【0047】
この状態で、外側シャッター31は、その自重によって、下向きに付勢されている。さらには、シャッターホルダ33の内部において、外側シャッター31の上端部31B(押圧部材)とシャッターホルダ33の上側壁33Dとの間に、上下に伸びようとする圧縮ばね等の付勢部材40が介挿されていて、外側シャッター31は、その自重に加えて、付勢部材40によっても下向きに付勢されている。なお、外側シャッター31の上端部31Bには、前述したリブ39が含まれる。
【0048】
ここで、内側シャッター30の前側面のリブ34が外側シャッター31の後側面(リブ39および膨出部31A以外の部分)に対向し、外側シャッター31の後側面のリブ39および膨出部31Aが内側シャッター30の前側面(リブ34以外の部分)に対向している(図8も参照)。これにより、内側シャッター30においてリブ34以外の部分と、外側シャッター31においてリブ39および膨出部31A以外の部分との間には、パチンコ玉P(図3参照)が1つ入る程度の隙間Xが確保されている。そして、この隙間Xが維持された状態で、外側シャッター31は、内側シャッター30に対して上下にスライドすることができる。
【0049】
そして、内側シャッター30は、外側シャッター31の上側部分をシャッターホルダ33内部に受け入れた状態で、フレーム21内で上下にスライドすることができる。
ここで、内側シャッター30の係止プレート36の幅方向両端部の貫通孔37には、上下に縮む引張ばね等の付勢部材41の上端部が係止されている(図7および図8参照)。つまり、外側シャッター31の幅方向両側には、一対の付勢部材41が設けられている。これらの付勢部材41は、シャッターユニット20を構成する部品に含まれる。各付勢部材41の下端部は、フレーム21(図5および図6参照)に係止されており、各付勢部材41は、外側シャッター31を下向きに付勢している。
【0050】
そして、シャッターユニット20において、外側シャッター31の前側面は、前フレーム23の貫通穴25から前側へ露出されており(図5参照)、内側シャッター30の本体部32の後側面の下部は、後フレーム24の貫通穴26から後側へ露出されている(図6参照)。
ここで、前述したように、容器本体4内で固定されたシャッターユニット20において、前フレーム23の貫通穴25が流出窓6に対して容器本体4の内側から重なって対向している(図3参照)。そのため、内側シャッター30および外側シャッター31の相対位置に関して、貫通穴25から露出されている外側シャッター31は、図9(a)に示すように、流出窓6において、内側シャッター30(厳密には、本体部32)よりも容器本体4の外側(前側)に配置され、内側シャッター30(本体部32)は、外側シャッター31よりも容器本体4の内側(後側)に配置されている(図3も参照)。
【0051】
また、シャッター22は、後フレーム24における貫通穴26以外の領域によって、容器本体4の内側から部分的に覆われている(図6参照)。これにより、シャッター22では、内側シャッター30の本体部32の後側面の下部だけが、後フレーム24の貫通穴26から容器本体4内部に露出されている(図6参照)。この場合、シャッター22において、容器本体4内のパチンコ玉Pと接触する部分が本体部32の後側面の下部だけとなる(図3参照)。そのため、開閉するシャッター22に対する容器本体4内のパチンコ玉Pによる抵抗を小さく抑えることができるので、シャッター22の円滑な開閉が可能であり、使い勝手が良い。
【0052】
次に、シャッター22の開閉動作について説明する。図9(a)では、内側シャッター30および外側シャッター31がいずれも下限に位置して流出窓6を後側から塞いでいて、シャッター22は流出窓6を閉じている。このとき、シャッター22(内側シャッター30および外側シャッター31)は閉位置にあり、内側シャッター30および外側シャッター31のそれぞれの下端縁が、幅方向(図9の紙面の厚さ方向)における全域に亘って、容器本体4の内部の底面4Fに対して上から接触している。
【0053】
この状態で、大容器2の前から指先や棒等を外側シャッター31の前側面の凹部38に差し込み、外側シャッター31を上方ヘスライドさせて開き始める。このとき、内側シャッター30は閉じたままで静止している。また、外側シャッター31を上方ヘスライドさせるのに応じて、内側シャッター30の前側面が流出窓6から前側に露出され始める。
外側シャッター31を、所定量上方へスライドさせて途中まで開くと、図9(b)に示すように、外側シャッター31の上端部31Bが、シャッターホルダ33内部の上限に到達して、シャッターホルダ33の上側壁33Dに対して下から当接する。このとき、内側シャッター30は、引き続き閉じている。
【0054】
この状態で、外側シャッター31を、さらに上方へスライドさせて開き続けると、外側シャッター31の上端部31Bがシャッターホルダ33の上側壁33Dを下から押圧するので、外側シャッター31とともに内側シャッター30が上方ヘスライドし始める(開き始める)。つまり、外側シャッター31が途中まで開いたときに、外側シャッター31の上端部31Bが、内側シャッター30を開位置へ向けて押圧するので、外側シャッター31が開く途中で、内側シャッター30が、上端部31Bに押圧されることによって外側シャッター31に遅れて開く。
【0055】
そして、図9(c)に示すように、外側シャッター31を目一杯上方ヘスライドさせると、内側シャッター30および外側シャッター31のそれぞれの下端縁が、流出窓6の上端縁近辺に位置し、流出窓6が開放される。このとき、内側シャッター30および外側シャッター31を含むシャッター22は、完全に開いた(全開した)状態となる。このときのシャッター22(内側シャッター30および外側シャッター31)は、開位置にある。
【0056】
シャッター22を開いて流出窓6を開放すると、容器本体4において流出窓6へ向かって下向きに傾斜している内部底面4Fによって、容器本体4内のパチンコ玉Pを流出窓6から漏れなく流出させることができ、使い勝手が良い(図3参照)。
シャッター22が全開状態にあるときに、外側シャッター31の前側面の凹部38から指先や棒等を外すと、まず、前述した付勢部材41(図7および図8参照)によって下向きに付勢されている内側シャッター30が下降し、図9(a)に示すように閉じる。そして、付勢部材40によって下向きに付勢されている外側シャッター31が、内側シャッター30に遅れて閉じ、これにより、シャッター22が完全に閉まる。このように、付勢部材40は、外側シャッター31を閉じる方向へ付勢していて、付勢部材41は、内側シャッター30を閉じる方向へ付勢している。そのため、外側シャッター31および内側シャッター30の閉じ忘れを防止することができ、使い勝手が良い。
【0057】
ここで、流出窓6から容器本体4内のパチンコ玉P(図3参照)を流出させている途中でシャッター22を閉めようとすると、図9(d)に示すように、内側シャッター30の下端縁と容器本体4の内部の底面4Fとの間にパチンコ玉Pが挟み込まれることがある。この場合、内側シャッター30は完全に閉じることができないが、外側シャッター31は、内側シャッター30に対して独立してスライドできるので、図9(d)に示すように完全に閉じることができる。そのため、内側シャッター30は完全に閉じていなくても、外側シャッター31は完全に閉じることができるので、流出窓6からのパチンコ玉Pの流出を完全に止めることができ、使い勝手が良い。
【0058】
なお、内側シャッター30の下端縁に取り付けられた弾性プレート35が、内側シャッター30の下端縁と底面4Fとの隙間の誤差を幅方向全域において小さくしている。そのため、外側シャッター31を閉じきっていない場合に、図9(d)に示すように内側シャッター30の下端縁と底面4Fとの間にパチンコ玉Pが挟み込まれても、別のパチンコ玉Pが幅方向における別の位置において内側シャッター30の下端縁と底面4Fとの間を通過して流出窓6からこぼれ出ることが防止されている。
【0059】
また、前述したように、内側シャッター30が外側シャッター31に遅れて開く。そのため、図9(a)を参照して、シャッター22を閉じた状態で内側シャッター30と外側シャッター31との隙間Xにパチンコ玉Pが挟まっていたとしても、図9(b)に示すように、内側シャッター30が閉じたままの状態で外側シャッター31だけを少し開けて、このパチンコ玉Pを容器本体4の外側から取り出すことができ、使い勝手が良い。
【0060】
このように、内側シャッター30および外側シャッター31(シャッター22)は、上下にスライドすることによって流出窓6を開閉する。ここで、シャッター22を収容したフレーム21は、前述したように、容器本体4の前側壁4Aに対して容器本体4の内側から沿っていることから、シャッター22も前側壁4Aに沿っている。そのため、シャッター22は、厳密には、前側壁4Aの内側面(容器本体4の側面)に沿って上下にスライドすることによって流出窓6を開閉する。
【0061】
そして、シャッター22は、容器本体4の側面(前側壁4Aの内側面)に沿って略垂直に延びている(図3参照)。そのため、シャッター22には容器本体4内のパチンコ玉Pの重力が作用しにくいので、シャッター22の円滑な開閉が可能である(図3参照)。
また、前述したように大容器2を積み重ねた状態において(図4参照)、上側の大容器2は、下側の大容器2のシャッターユニット20に接触していないので、シャッターユニット20が上側の大容器2に当接されて負担を受けることが防止されている。
【0062】
また、容器本体4の側面下部に形成された流出窓6は見やすいので(図2参照)、流出窓6からパチンコ玉Pが流出する様子が把握しやすい。さらに、流出窓6の側方に小分け用の小箱(前述した小容器)を配置しておくと、容器本体4内のパチンコ玉Pを流出窓6から小箱に円滑に移し変えることができる。
以上の結果、使い勝手の向上を図ることができる。
<計数装置>
図1に示すように、計数装置3は、縦長のボックス形状である。なお、計数装置3の説明に際し、図1における計数装置3の姿勢を基準とする。この場合、図1の紙面手前側を計数装置3の正面側とし、図1の紙面奥側を計数装置3の背面側とし、正面側から計数装置3を見た状態で、計数装置3の左右方向を規定する。
【0063】
計数装置3は、パチンコ台で構成された遊技島の島端や、遊技島で隣り合うパチンコ台の間等に埋め込まれた状態で配置される。
計数装置3は、その外郭をなす装置本体50と、大容器2が連結される連結部51と、装置本体50の下部に設けられて大容器2からパチンコ玉を受け入れる下部受入部52と、下部受入部52が受け入れたパチンコ玉を揚送する揚送機構53と、下部受入部52より高い位置で外部からのパチンコ玉を受け入れる上部受入部54と、パチンコ玉を計数する計数ユニット55(計数手段)と、操作表示部56とを主に備えている。揚送機構53は、下部受入部52が受け入れたパチンコ玉を上部受入部54まで揚送する。操作表示部56は、必要な情報を表示するとともに、計数装置3に指示を入力するための操作を受け付ける。
(1)装置本体
装置本体50は、縦長のボックス形状である。装置本体50は、略立方体形状の下部50Aと、下部50Aの上面の略後半分の領域から上方ヘ延びる縦長の直方体形状の上部50Bとを一体的に有している。下部50Aが上部50Bよりも正面側(前側)へ突き出ているので、右側面視における装置本体50は、略L字形状をなしている。下部50Aの上端(換言すれば、上部50Bの下端)は、装置本体50の高さ方向における略中央位置にある。
【0064】
下部50Aの上面の略前半分の領域(上部50Bより前側の領域)に上部受入部54が設けられている。下部50Aの前側面において左右方向(幅方向)両端部に囲まれた部分は、後側へ窪んでおり、この部分の下部に連結部51および下部受入部52が設けられている。上部受入部54、連結部51および下部受入部52の高さ方向における相対的な位置関係を説明すると、上部受入部54は、装置本体50の上部に設けられ、連結部51および下部受入部52は、装置本体50の下部に設けられており、上部受入部54は、連結部51および下部受入部52よりも上方(高い位置)にある。
【0065】
下部50Aの前側面の幅方向両端部には、状態表示部78が設けられている。状態表示部78は、上下に細長いLEDライトであり、発光パターンを変化させることで、計数装置3の状態を表示する。たとえば、状態表示部78は、計数装置3において大容器2による計数ができない場合には消灯していて、計数できる場合には、待機中として青色で点滅し、計数中には緑色で点灯する。また、状態表示部78は、計数終了後に大容器2が計数装置3から取り外されるのを待っている場合には青色で点灯し、計数中にエラーが生じた場合には赤色で点灯する。
【0066】
下部50Aの前側面の上端部には、上下に扁平な引出テーブル57が前後にスライド可能に設けられている。引出テーブル57は、通常では、実線で示すように下部50A内に引っ込んでいるが、点線で示すように手前側へ引き出すことができる。引き出した引出テーブル57には、前述した小容器(図示せず)を2つ程度載せることができる。
上部50Bの前側面の上部には、操作表示部56が設けられている。操作表示部56は、上部受入部54に対して所定の距離を隔てた真上の位置に配置されている。上部50Bの前側面において操作表示部56と上部受入部54との間の位置には、上部シュート68および返却部69が下からこの順番で設けられている。上部シュート68および返却部69については、後述する。
【0067】
揚送機構53および計数ユニット55は、装置本体50内に設けられている。
また、装置本体50内部には、マイクロコンピュータ等で構成された制御部200(ロック状態検出手段、ロック解除手段、停止手段)が設けられている。制御部200は、計数装置3の動作を制御する。
(2)連結部および下部受入部
図10は、計数装置3の装置本体50の下部50Aの一部、連結部51および下部受入部52の斜視図である。図11は、連結部51の要部の斜視図である。図12は、下部受入部52の一部、揚送機構53および上部受入部54の斜視図である。
【0068】
図1に示すように、連結部51は、下部50Aの前側面で窪んだ部分の下端部に配置されていて、下部受入部52に対して前側から隣接している。
図10では、装置本体50の下部50Aにおいて、前述した前側面で最も窪んだ部分(図1参照)を区画する前側壁50Cの略下半分が図示されている。前側壁50Cの略下半分は、幅広の矩形板状であり、後上側へ少し傾斜している。
【0069】
図10(a)を参照して、前側壁50Cの下端部の幅方向両端部には、前側へ突出する一対のガイド部58が一体的に形成されている。これらのガイド部58は、幅方向に間隔を隔てて配置されている。各ガイド部58は、略直方体のブロック形状である。これらのガイド部58において互いに対向する側の前端部は、丸められたガイド面58Aをなしている。
【0070】
前側壁50Cにおいて左右のガイド部58よりも少し高い位置における幅方向略中央には、流入窓59が形成されている。流入窓59は、前述した大容器2の流出窓6(図2参照)とほぼ同じ大きさを有する幅方向に長手の略矩形状であり、前側壁50Cを前後に貫通している。
連結部51は、前側壁50Cの前側面の下端部において左右のガイド部58に挟まれた幅方向中央に設けられている。
【0071】
連結部51は、ホルダ60(図10(b)、図10(d)および図11参照)と、スライドプレート61と、ロック爪62(ロック部材)と、ガイドプレート63とを含んでいる。
ホルダ60は、前側壁50Cの後側に配置されている(図10(b)および図10(d)参照)。ホルダ60は、図11に示すように、上下に薄く幅方向に長手の略矩形の板状である。
【0072】
スライドプレート61は、上下に薄い板状であり、平面視で略矩形状をなしている。スライドプレート61の前端縁は、左右方向に直線状に延びている。スライドプレート61は、前側壁50Cから前方へ突出するように(図10(a)参照)、ホルダ60の前端の左端部によって支持されていて、この状態で、前後に進退可能である。スライドプレート61は、実線で示すように前方へ進出した進出位置と、点線で示すように後方へ退避した退避位置との間で進退可能である(破線の太線矢印参照)。また、ホルダ60には、図示しない付勢部材が設けられており、この付勢部材によって、スライドプレート61は、進出位置側へ付勢されている。また、ホルダ60には、スライドプレート61の位置を検出する位置センサ77が設けられており、位置センサ77は、前述した制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されている。
【0073】
ロック爪62は、上下に薄い板状であり、スライドプレート61から僅か下側へ離れた位置に配置されている。平面視において、ロック爪62は、スライドプレート61の真下の位置で左側へ延びてから、略直角に折れ曲がってスライドプレート61の左側で前側へ延び、その後、略直角に折れ曲がってスライドプレート61の前側で右側へ延びている。ロック爪62においてスライドプレート61の前側で右側へ延びている部分を先端部62Aという。先端部62Aは、平面視で略三角形状をなしていて、先端部62Aでは、後端縁が左右方向に沿って延びている一方、前端縁が、右後側へ傾斜して延びていて、後端縁の右端につながっている。
【0074】
ロック爪62は、前側壁50Cの前側に配置されていて(図10(a)参照)、ロック爪62の後端部(スライドプレート61の真下の部分)において、ホルダ60によって左右にスライド可能に支持されている。ロック爪62は、実線で示す左側の解除位置と、点線で示す右側のロック位置との間で、実線の太線矢印で示すように左右にスライドできる(図11参照)。
【0075】
ロック爪62に関連して、ホルダ60には、ロック爪62をスライドさせるモータ64と、ロック爪62がロック位置および解除位置のいずれに位置しているかを検出する位置センサ67とが設けられている。モータ64として、たとえば、DCモータを用いることができる。モータ64および位置センサ67は、連結部51に含まれる。また、モータ64および位置センサ67は、前述した制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されている。
【0076】
ガイドプレート63は、図10(a)に示すように、上下に薄い2重構造の板状であり、平面視で略矩形状をなしている。ガイドプレート63の前端縁の幅方向略中央には、ガイドプレート63を前から切り欠く前後に細長いガイド溝65が形成されている。ガイド溝65の溝幅は、前端部において前側へ向かって広くなっている。前述したスライドプレート61およびロック爪62は、2重構造のガイドプレート63の内側に配置されている。図10(a)では、ロック位置にあるロック爪62の先端部62Aと、スライドプレート61とが、前側からこの順番で、ガイド溝65内に配置されている。
【0077】
ガイドプレート63の幅方向両端部には、下方へ延びる延設部66が設けられている。延設部66は、幅方向に薄い板状であって、その前端部は、ガイド溝65側へ折れ曲がっている。
下部受入部52は、図10(b)に示すように、前側壁50Cの裏側(後側)に配置されていて、受入シャッター70と、モータ71と、リンクレバー72と、開閉センサ73(開状態検出手段)と、下部ホッパー74(図12参照)を含んでいる。
【0078】
受入シャッター70は、幅方向に長手の略矩形状であり、前側壁50Cの流入窓59(図10(a)参照)を塞ぎ得る大きさを有している。受入シャッター70は、前側壁50Cの後側面に支持されていて、この状態で、前側壁50Cに沿って上下にスライド可能である。詳しくは、受入シャッター70は、下限に位置して流入窓59を後側から塞ぐ閉位置(図10(a)および図10(b)参照)と、上限に位置して流入窓59のほぼ全てを開放する開位置(図10(c)および図10(d)参照)との間でスライド可能である。
【0079】
また、受入シャッター70の前側面において幅方向中央かつ下寄りの位置には、前側へ突出する細長い円柱状の開閉軸79(開閉手段)が一体的に設けられている(図10(a)および図10(c)参照)。受入シャッター70が開位置と閉位置との間のいずれの位置にあっても、開閉軸79は流入窓59内にあって、前側壁50Cの前側面から前側へ突出している(図10(a)および図10(c)参照)。
【0080】
モータ71は、図10(b)に示すように、背面視における受入シャッター70の左隣に配置されている。モータ71は、たとえば、前側壁50Cの後側面に固定されていて、この状態で、前述した制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されている。
リンクレバー72は、前後に薄くて左右に長手の板状である。リンクレバー72では、背面視における左端部が、制御部200に接続されたクラッチ(図示せず)を介してモータ71の出力軸(図示せず)に連結されていて、背面視における右端部が受入シャッター70の後側面の略中央位置に連結されている。この状態で、リンクレバー72は、背面視において、左端部を中心として回動可能であり、リンクレバー72が回動することによって、リンクレバー72の背面視における右端部が上下に移動する(図10(b)および図10(d)参照)。これに応じて、受入シャッター70が開位置と閉位置との間でスライドする。具体的には、リンクレバー72の背面視における右端部が下限にあるときに、受入シャッター70は閉位置にあり(図10(a)および図10(b)参照)、リンクレバー72の背面視における右端部が上限にあるときに、受入シャッター70は開位置にある(図10(c)および図10(d)参照)。
【0081】
受入シャッター70が閉位置にある状態で、制御部200(図1参照)の制御によりモータ71がONされることによって、リンクレバー72が、背面視における右端部が上限まで上昇するように回動する(図10(d)参照)。これに応じて、受入シャッター70は、開位置まで上昇する(図10(c)および図10(d)参照)。この状態で、制御部200(図1参照)の制御によってモータ71がOFFになると、受入シャッター70は、開位置で固定される。
【0082】
この状態で、前述したクラッチ(図示せず)が制御部200によって切られると、受入シャッター70およびリンクレバー72がモータ71の出力軸から外れるので、受入シャッター70は、自重によって閉位置まで下降し(図10(a)および図10(b)参照)、リンクレバー72は、元も位置まで回動する(図10(b)参照)。その後、制御部200によってクラッチ(図示せず)がつながり、受入シャッター70およびリンクレバー72がモータ71の出力軸に再び連結される。
【0083】
開閉センサ73は、受入シャッター70が開位置および閉位置のいずれに位置しているかを検出する。開閉センサ73として、フォトインタラプタ等の遮光センサを用いることができる。開閉センサ73は、制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されている。
下部ホッパー74は、図12に示すように、断面が略凹状をなす樋状であり、流入窓59(図10(c)参照)の下端縁から連続して左後側へ延びている。下部ホッパー74の内部の底面は、後側へ向かって下方へ傾斜している。
【0084】
パチンコ玉Pを収容した大容器2は、図1に示すように、床面上を移動して、計数装置3に対して前側から連結される。
具体的には、大容器2は、流出窓6(図2参照)が計数装置3の装置本体50の下部50Aの前側壁50Cの流入窓59に前側から対向した状態で、下部50Aにおける窪んだ前側面に前側から嵌め込まれる。このとき、連結部51のロック爪62は、解除位置にあって(図11において実線で示したロック爪62を参照)、その先端部62Aは、ガイドプレート63のガイド溝65から左側へ外れた位置にある(図示せず)。また、このとき、スライドプレート61は、前方へ進出した進出位置にある。
【0085】
そして、大容器2は、図10(a)を参照して、流出窓6側(図2参照)において、左右のガイド部58の間に嵌め込まれる。この際、大容器2は、各ガイド部58のガイド面58Aにガイドされることで、左右のガイド部58の間に円滑に嵌め込まれる。
次いで、大容器2のロック軸15(図2(b)参照)が、ガイドプレート63のガイド溝65内に入り込んでガイド溝65内を後進し、ガイド溝65内において、進出位置のスライドプレート61に対して前側から当接する。
【0086】
この状態で、大容器2を所定量だけ後側へ移動させると、大容器2のロック軸15が、スライドプレート61を後側へ押圧して退避位置までスライドさせる。
このとき、制御部200(図1参照)は、スライドプレート61が進出位置から退避位置までスライドしたのを位置センサ77(図11参照)が検出したのに応じて、大容器2(ロック軸15)が連結部51に連結されたと判断する。そして、制御部200は、モータ64を駆動させ、これにより、ロック爪62を解除位置からロック位置までスライドさせる。すると、図10(a)に示すように、ロック爪62の先端部62Aがガイド溝65内に進出し、大容器2のロック軸15に対して前側から係合する。これにより、ロック軸15がガイド溝65から外れることができないので、ロック軸15およびロック軸15を含む大容器2は、ロック爪62によって、連結部51に連結された状態でロックされる。
【0087】
ここで、ロック爪62がロック位置にあることを位置センサ67(図11参照)が検出し、かつ、スライドプレート61が退避位置にあること位置センサ77(図11参照)が検出したことで、制御部200(図1参照)は、ロック爪62が大容器2のロック軸15をロックしていることを検出する。これにより、計数装置3では、ロック爪62の動作状態を正確に把握できる。なお、大容器2のロック軸15がガイド溝65内になければ、ロック爪62がロック位置にあっても、スライドプレート61が退避位置にないので、制御部200(図1参照)は、ロック爪62が大容器2をロックしていないこと(大容器2が連結部51に正しく連結されていないこと)を検出する。
【0088】
また、スライドプレート61が退避位置にスライドするまで、大容器2を、前述したように所定量だけ後側へ移動させると、大容器2において閉位置にあるシャッター22(外側シャッター31)の外表面の凹部38(図2参照)に対して、計数装置3側で閉位置にある受入シャッター70の前側面の開閉軸79が嵌る(図9(a)参照)。
このように、大容器2が連結部51に連結された状態でロックされるとともに、大容器2側のシャッター22の凹部38に計数装置3側の開閉軸79が嵌った状態で、所定の条件(後述する)が満たされると、制御部200(図1参照)は、モータ71をONして、受入シャッター70を開位置まで上昇させる(図10(c)および図10(d)参照)。
【0089】
ここで、大容器2側のシャッター22の凹部38に計数装置3側の受入シャッター70の開閉軸79が嵌っていることから、シャッター22と受入シャッター70とが連結されているので、受入シャッター70を開位置まで上昇するのに連動して、シャッター22も開位置まで上昇する(図9(c)参照)。つまり、受入シャッター70の開閉軸79は、大容器2が連結部51に連結された状態で、シャッター22を開く。
【0090】
そして、受入シャッター70が開位置にあることを開閉センサ73(図10(b)参照)が検出すると、制御部200(図1参照)は、モータ71をOFFにする。これにより、シャッター22および受入シャッター70の両方は、開位置において全開され、この状態でそれぞれのシャッターの位置が固定される。この際、開閉センサ73は、受入シャッター70が開位置にあるか否かを検出することで、大容器2のシャッター22(図2参照)が開位置にあるか否か(全開したか否か)を間接的に検出する。そして、シャッター22が全開したことを開閉センサ73が検出したのに応じて、制御部200は、モータ71をOFFにして、開閉軸79によるシャッター22の開動作を停止させる。そのため、大容器2において流出窓6がちょうど全開になった状態でシャッター22の動きを停止させることができる(図9(c)参照)。
【0091】
一方、制御部200(図1参照)が前述したクラッチ(図示せず)を切ると、受入シャッター70が自重によって閉位置まで下降する(図10(a)および図10(b)参照)。この際も、シャッター22の凹部38に受入シャッター70の開閉軸79が嵌ってシャッター22と受入シャッター70とが連結されているので、受入シャッター70が閉位置まで下降するのに連動して、開閉軸79が、シャッター22を下向きに押圧して閉位置まで下降させる(図9(a)参照)。つまり、受入シャッター70の開閉軸79は、大容器2のロック軸15が連結部51に連結された状態で(図10(a)参照)、シャッター22を閉じる。また、開閉軸79は、前述したように、シャッター22を開くこともできることから、連結部51にロック軸15が連結された状態において、係員等がシャッター22に直接触れてシャッター22を手動で開閉せずに済むので、使い勝手が良い。
【0092】
そして、受入シャッター70およびシャッター22が開位置まで上昇すると、大容器2側の流出窓6(図2および図9(c)参照)と計数装置3側の流入窓59(図10(c)参照)とが、いずれも開放された状態で互いに対向して連通する。そのため、大容器2内のパチンコ玉P(図3参照)は、開放された流出窓6を通過して外部へ流出し、図10(c)に示すように開放された流入窓59を後側へ通過した後に、下部ホッパー74(図12参照)に受け入れられる。
【0093】
ここで、大容器2が、ロック軸15において計数装置3の連結部51に連結されている(図10(a)参照)。そして、計数装置3側のロック爪62がロック軸15をロックしている(図10(a)参照)。そのため、大容器2と計数装置3との相対位置を安定するので、大容器2から計数装置3の下部受入部52(下部ホッパー74)へのパチンコ玉Pの円滑な受け渡しが可能になる。
【0094】
また、このとき、流出窓6がちょうど全開になっているので(図9(c)参照)、シャッター22が中途半端に開いている場合に比べて、全開の流出窓6から一度に多くのパチンコ玉Pを流出させることができる。これにより、計数装置3では、多くのパチンコ玉Pを速やかに計数することができて使い勝手が良い。
このように、下部受入部52は、連結部51に連結された大容器2の流出窓6から流出されるパチンコ玉P(図3参照)を、図12に示すように、下部ホッパー74で受け入れる。下部ホッパー74に受け入れられたパチンコ玉Pは、下部ホッパー74の内部の底面に沿って後下側へ流れ落ちていく。
【0095】
また、下部受入部52は、下部ホッパー74に存在するパチンコ玉Pの量を検出するための玉検出センサ75(遊技媒体量検出手段)を含んでいる。玉検出センサ75は、下部ホッパー74の略凹状の断面を左右方向から挟むように配置される発光素子75Aおよび受光素子75Bを備えている。発光素子75Aが発光した光は、下部ホッパー74の断面を左右方向に横切って受光素子75Bに受光されるようになっている。玉検出センサ75は、受光素子75Bでの受光量に応じて、下部ホッパー74に受け入れられているパチンコ玉Pの量を検出する。
【0096】
ここで、下部ホッパー74に受け入れられているパチンコ玉Pは、揚送されていって下部ホッパー74から無くなっていく。すると、大容器2内のパチンコ玉Pが、順次、下部ホッパー74で受け入れられて計数されていく。そのため、揚送(すなわち計数処理)が進むと、最終的に、大容器2内のパチンコ玉Pが無くなって、このとき、下部ホッパー74に受け入れられているパチンコ玉Pも所定量未満になる。ここでの所定量とは、たとえば、下部ホッパー74内において上下に積み重ならない程度に存在するときのパチンコ玉Pの量である。
【0097】
玉検出センサ75が、下部受入部52(下部ホッパー74)に受け入れられているパチンコ玉Pが所定量未満であるか否かを検出することによって、大容器2に収納されていたパチンコ玉Pの計数処理(厳密には揚送)が進んで大容器2内のパチンコ玉Pが全て無くなったか否かを把握することができる。
下部ホッパー74に受け入れられているパチンコ玉Pが所定量未満であること(大容器2内のパチンコ玉Pが全て無くなったこと)を玉検出センサ75が検出すると、制御部200(図1参照)は、モータ64を駆動させて、ロック爪62をロック位置から解除位置に動かす(図11参照)。これにより、ロック爪62の先端部62Aがガイド溝65内から外れ、大容器2のロック軸15に対して前側から係合しなくなる(図10(a)参照)。そのため、ロック軸15がガイド溝65から外れることができるので、ロック爪62による大容器2(ロック軸15)のロックが解除され、空になった大容器2を連結部51(計数装置3)から速やかに取り外すことができる。そして、制御部200は、スライドプレート61が退避位置から進出位置までスライドしたのを位置センサ77(図11参照)が検出したのに応じて、大容器2が連結部51(計数装置3)から取り外されたと判断する。
(3)揚送機構
次に、揚送機構53について説明する。
【0098】
図13は、揚送機構53の斜視図である。
図13に示すように、揚送機構53は、縦長であり、装置本体50(図1参照)内に配置されている。計数装置3では、揚送機構53の上寄りの部分に一致する高さ位置に、上部受入部54が配置されている(図12参照)。
揚送機構53は、その外郭をなすケーシング80と、ケーシング80内に収容された揚送部材81と、ケーシング80に取り付けられたモータ82(駆動手段)とを主に含んでいる。
【0099】
ケーシング80は、縦に細長い中空のボックス形状であり、右側面視において下端部が前側へ突出した縦長の略L字形状をなしている。ケーシング80において前側へ突出した下端部の上側面のほぼ全域には、ケーシング80の下端部の内部を上方へ露出させる受入開口部83が形成されている。また、ケーシング80において下端部に上から隣接している部分の前側面には、ケーシング80の内部を前方へ露出させる開口部84が形成されている。受入開口部83と開口部84とは連続している。下部受入部52の下部ホッパー74の後側下端縁は、受入開口部83に臨んでいる。
【0100】
図14は、揚送機構53を説明するための模式的な斜視図である。図15は、揚送機構53の動作を説明するための揚送機構53の模式的な右側断面図である。
揚送機構53は、さらに、図14(a)に示すように、ケーシング80内に、第1プーリー85、第2プーリー86、第3プーリー87、チェーン88およびローラー89を、一対ずつ含んでいる。
【0101】
第1プーリー85は、スプロケットである。一対の第1プーリー85は、水平方向(左右方向)に間隔を隔てた状態でケーシング80の下端部の前側(下部ホッパー74側であり、図13参照)に配置されている。一対の第1プーリー85は、それぞれの中心位置において、左右方向に延びる連結軸90によって連結されている。連結軸90は、ケーシング80によって回転可能に支持されている。
【0102】
第2プーリー86は、スプロケットである。一対の第2プーリー86は、水平方向(左右方向)に間隔を隔てた状態でケーシング80の上端部(上部受入部54側であり、図12参照)に配置されている。一対の第2プーリー86は、それぞれの中心位置において、左右方向に延びる連結軸91によって連結されている。連結軸91は、ケーシング80によって回転可能に支持されている。第2プーリー86は、左右方向で同じ側にある第1プーリー85に対して後上側に位置している。
【0103】
第3プーリー87は、スプロケットである。一対の第3プーリー87は、水平方向(左右方向)に間隔を隔てた状態でケーシング80の下端部の後側(図13参照)に配置されている。一対の第3プーリー87は、それぞれの中心位置において、左右方向に延びる連結軸92によって連結されている。連結軸92は、ケーシング80によって回転可能に支持されている。
【0104】
第3プーリー87は、左右方向で同じ側にある第1プーリー85の後方に位置し、かつ、左右方向で同じ側にある第2プーリー86の真下に位置している。そのため、第1プーリー85、第2プーリー86および第3プーリー87は、左右方向から見て、L字をなすように配列されている。
チェーン88は、無端状(環状)である。一対のチェーン88のうち、一方のチェーン88は、左側の第1プーリー85および第2プーリー86の間に掛け回されている。また、左側の第3プーリー87は、当該一方のチェーン88の内側において前側から接触している。同様に、一対のチェーン88のうち、他方のチェーン88は、右側の第1プーリー85および第2プーリー86の間に掛け回されている。また、右側の第3プーリー87は、当該他方のチェーン88の内側において前側から接触している。各チェーン88は、左右方向から見て、内側に第1プーリー85、第2プーリー86および第3プーリー87を収容したL字をなしている。
【0105】
一対のローラー89は、水平方向(左右方向)に間隔を隔てた状態でチェーン88の外側に配置され、ケーシング80(図13参照)によって回転自在に支持されている。左側のローラー89は、左側の第3プーリー87に対して前上側から対向していて、左側のチェーン88を左側の第3プーリー87側へ押え付けている。右側のローラー89は、右側の第3プーリー87に対して前上側から対向していて、右側のチェーン88を右側の第3プーリー87側へ押え付けている。一対のローラー89がチェーン88を押さえ付けることによって、各チェーン88は、たるみなく、前述したL字をなしている。
【0106】
モータ82は、たとえばACモータであり、ケーシング80の上端部の右側面に取り付けられている(図13参照)。モータ82の出力軸82Aは、右側の第2プーリー86に連結されている。モータ82は、制御部200(図1参照)によって駆動され、これにより、第2プーリー86が回転される。すると、第2プーリー86が駆動側となり、第1プーリー85および第3プーリー87が従動側となって、一対のチェーン88が、L字状の軌跡で周回移動する。
【0107】
そして、揚送部材81は、図14(b)および図14(c)に示す凹状体93を複数備えている。
凹状体93は、左右方向に長手の樋形状であり、右側断面は、略凹状をなしている。そのため、凹状体93は、図14(b)に示す姿勢のときには、上向きの開口部93Aを有するように上向きに開放されている。凹状体93において開口部93Aを左右方向から縁取る部分には、左右方向における外側へ突出して延びる延設部95が一体的に設けられている。
【0108】
凹状体93には、その内部を左右方向において2等分する区画壁94が一体的に設けられている。凹状体93の内部には、開口部93Aからパチンコ玉Pを入れることができる(図14(c)参照)。1つの凹状体93の内部には、区画壁94の左右両側にそれぞれ4つ、合計8つのパチンコ玉Pを入れることができる(図14(c)参照)。
また、凹状体93の前端縁および後端縁のそれぞれには、左右方向におけるほぼ全域に亘って、多数の突起96(塞ぎ部材)が左右方向に所定の間隔を隔てて一体的に設けられている。凹状体93の前端縁の突起96は、前側へ突出し、凹状体93の後端縁の突起96は、前端縁の突起96と同じ突出量で後側へ突出している。前端縁の突起96と後端縁の突起96との左右方向における相対位置に関し、後端縁の隣り合う突起96の間に前端縁の突起96が位置している。そのため、凹状体93では、後端縁の突起96が前端縁の突起96よりも1つ多く設けられている。なお、逆に、前端縁の突起96が後端縁の突起96よりも1つ多く設けられていてもよい。
【0109】
このような凹状体93は、図14(c)に示すように、複数(たとえば、100個程度)が前後に連なった状態で、一対のチェーン88の外周面間に架設されている。このとき、各凹状体93では、左側の延設部95が左側のチェーン88の外周面に固定されていて、右側の延設部95が右側のチェーン88の外周面に固定されており、これによって、凹状体93は、チェーン88の延びる方向と直交する方向(左右方向)に長手となった状態で、一対のチェーン88に固定されている。また、各凹状体93では、開口部93Aが、チェーン88の外側に臨んでいる。
【0110】
また、隣り合う凹状体93において、前側の凹状体93の後端縁の複数の突起96が、後側の凹状体93へ向けて突出し、後側の凹状体93の複数の突起96が、前側の凹状体93へ向けて突出している。そして、隣り合う凹状体93において、前側の凹状体93の後端縁において隣り合う突起96の間に、後側の凹状体93の前端縁において左右方向で同じ位置にある突起96が、遊びを持って嵌まり込んでいる。つまり、隣り合う凹状体93において、一方(前側)の凹状体93の後端縁の突起96と、他方(後側)の凹状体93の前端縁の突起96とが、左右方向に交互に並んでいる。これにより、隣り合う凹状体93の隙間が、それぞれの突起96によって塞がれ、隣り合う凹状体93が連結されている。
【0111】
そして、複数の凹状体93は、隣り合う凹状体93が連結された状態で、図15に示すように、チェーン88の全周に亘って設けられている。つまり、複数の凹状体93をチェーン88に沿って無端状に連結することで、揚送部材81が形成されている。
前述したようにモータ82(図14(a)参照)が駆動されると、揚送部材81が、チェーン88とともに、L字状の軌跡で周回移動する。詳しくは、揚送部材81は、水平方向(前方)に延びる水平部分Lと水平部分Lの後端部から上方へ延びる縦部分Vとを有し、L字状の軌跡で周回移動する。揚送部材81の周回方向は、右側面視で時計回りの方向(太い実線矢印参照)である。このように、モータ82は、一対のチェーン88および揚送部材81を周回移動させる。揚送部材81では、水平部分Lの上側部分が、ケーシング80の受入開口部83から上方に露出されている(図13参照)。
【0112】
揚送部材81が周回移動している最中において、各凹状体93では、開口部93Aが、常にチェーン88の外側を向いている。
また、第1プーリー85の近辺には、第1プーリー85が回転しているか否かを検出するための回転検出センサ119が設けられている。回転検出センサ119は、前述した制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されている。第1プーリー85が回転していることを回転検出センサ119が検出することによって、制御部200は、モータ82の駆動中に揚送部材81が正しく周回移動していることを把握する。
【0113】
前述したように、制御部200が、ロック爪62が大容器2のロック軸15をロックしていること(図10(a)参照)を検出し、計数開始のための所定の条件(後述する)が満足されていると、揚送部材81の周回移動が開始される。
そして、制御部200は、回転検出センサ119の検出結果に基づいて、揚送部材81が正しく周回移動していることを確認すると、受入シャッター70およびシャッター22を開く(図9(c)および図10(c)参照)。これにより、大容器2内のパチンコ玉P(図3参照)が下部ホッパー74に受け入れられる。
【0114】
大容器2から下部ホッパー74に受け入れられたパチンコ玉Pは、下部ホッパー74の内部の底面に沿って後下側へ流れ落ちていくのだが、パチンコ玉Pの流れる先には、揚送部材81の水平部分Lの上側前端部が位置している。そして、揚送部材81において、各凹状体93は、水平部分Lの上側に位置するときには上向きに開放されていて、開口部93Aが上を向いている。そのため、下部ホッパー74のパチンコ玉Pは、自重によって下部ホッパー74から流れ落ちて、水平部分Lの上側に位置する凹状体93の内部に開口部93Aから進入する。このとき、凹状体93では、下部ホッパー74(下部受入部52)から受け入れたパチンコ玉Pをこぼさずに確実に収容することができる。そして、揚送部材81が周回移動するのに応じて、水平部分Lの上側前端部において、下部ホッパー74のパチンコ玉Pが、順次、凹状体93の内部に入って凹状体93に受け入れられて、揚送部材81とともに移動する。
【0115】
ここで、揚送機構53では、揚送部材81の水平部分Lの上側部分の下方、つまり、無端状の揚送部材81の水平部分Lにおける内側に、撓み防止部材99が配置されている。撓み防止部材99は、ケーシング80(図13参照)に支持されている。撓み防止部材99は、上下に平坦な板状である。水平部分Lの上側に位置する凹状体93にパチンコ玉Pが入ることで、水平部分Lの上側部分における揚送部材81がパチンコ玉Pの重みで撓もうとしても、撓み防止部材99が揚送部材81を下から支えるので、水平部分Lが下方へ撓むことを防止でき、揚送部材81の円滑な周回移動を確保できる。
【0116】
また、図14(c)に示すように、揚送部材81では、突起96が、隣り合う凹状体93の隙間を塞ぐ。詳しくは、隣り合う凹状体93のうち、一方の凹状体93の突起96と他方の凹状体93の突起96とが交互に並ぶといった簡易な構成により、隣り合う凹状体93の隙間を確実に塞ぐ。そのため、パチンコ玉Pが当該隙間に嵌り込んでしまって、後述するように上部受入部54に受け渡されないといった不具合を防止できる。
【0117】
また、図15に示すように、凹状体93において内部空間を区画する内側面には、内部空間の底をなす内底面118と、内底面118を挟んで揚送部材81の周回方向において対向する上流側内側面97および下流側内側面98とがある(破線円で囲んだ拡大図を参照)。揚送部材81の周回方向において、下流側内側面98は、上流側内側面97の下流側に位置している。上流側内側面97および下流側内側面98は、いずれも、開口部93Aへ向かうのに従って、揚送部材81の周回方向へ傾斜している。水平部分Lの上側に位置している凹状体93では、内底面118が、略水平に延びていて、内底面118と上流側内側面97とのなす角度Aは、約80°であり、内底面118と下流側内側面98とのなす角度Bは、約120°である。
【0118】
そして、水平部分Lの上側に位置してパチンコ玉Pが入った凹状体93は、揚送部材81の周回移動に伴って、まず後側へ水平移動し、その後、縦部分Vの前側において、開口部93Aを前側へ向けた状態で上方へ垂直移動する。この際、凹状体93内のパチンコ玉Pは、上流側内側面97の上に載っている。ここで、上流側内側面97は、水平面に対して、約10°の角度Cで前上側へ傾斜しているので、開口部93Aが前側へ向いていても、凹状体93内のパチンコ玉Pが開口部93Aからこぼれ落ちることはない(破線円で囲んだ拡大図を参照)。
【0119】
パチンコ玉Pが入った凹状体93が上限まで上昇すると、この凹状体93は、縦部分Vにおいて前側上端部から後側上端部に移る。この際、凹状体93は、第2プーリー86の上側外周面に沿って移動し、凹状体93の開口部93Aは、前側を向いた状態から次第に上方を向き、凹状体93が縦部分Vの後側上端部に移ったときには、後下側を向く。ここで、開口部93Aが後下側を向く段階において、凹状体93内のパチンコ玉Pは、下流側内側面98の上に載るのだが、下流側内側面98は、水平面に対して、約30°の角度Dで後下側へ傾斜している(破線円で囲んだ拡大図を参照)。そのため、この段階において、凹状体93は下向きに開放されているので、凹状体93内のパチンコ玉Pは、自重によって下流側内側面98を伝って後下側へ進み、破線の太線矢印で示すように、開口部93Aから凹状体93の後外側へこぼれ落ちる。
【0120】
パチンコ玉Pのこぼれ落ちる先には、前述した上部シュート68(図1参照)がある。上部シュート68は、上方へ開放された略U字の断面を有する樋状である。上部シュート68は、揚送部材81の縦部分Vの上端部の後方から下降しながら右側へ延びた後に、緩やかに湾曲しながら前下側へ延びており、上部受入部54の上方まで延びている(図12参照)。
【0121】
上部シュート68に関連して、装置本体50の上部50Bの前側面における返却部69と上部受入部54との間の位置には、ガイドカバー115が設けられている(図1参照)。ガイドカバー115は、板状であって、上部50Bの前側面から前側へ突出した後に湾曲して下方へ折れ曲っているとともに、左右の両端部が後側へ折り曲げられて上部50Bの前側面に接続されている(図1参照)。ガイドカバー115は、上部シュート68の前端に対して所定の間隔を隔てて前側から対向している(後述する図16参照)。
【0122】
揚送部材81の縦部分Vの上端部において凹状体93の後外側へこぼれ落ちたパチンコ玉Pは、上部シュート68内に受け止められる。上部シュート68に受け止められたパチンコ玉Pは、上部シュート68に沿って転がり落ちて、上部シュート68の前端から上部受入部54(後述する上部ホッパー103)に落下する(図12参照)。つまり、縦部分Vの後側上端部で下向きに開放された凹状体93は、パチンコ玉Pを上部受入部54側へ投出している。ここで、凹状体93は、縦部分Vの上端部に位置するときには、下向きに開放されているので、パチンコ玉Pを自重で落下させて上部受入部54側へ確実に投出できる。つまり、このような凹状体93によって構成された揚送部材81は、下部受入部52が受け入れたパチンコ玉Pを凹状体93に入れて上部受入部54まで確実に揚送することができる。
【0123】
なお、パチンコ玉Pが上部シュート68内を勢いよく転がり落ちても(図12参照)、上部シュート68の前端の先には、ガイドカバー115があるので、このパチンコ玉Pは、ガイドカバー115にぶつかることで下向きにガイドされ、確実に上部受入部54に落下する(図1および図16参照)。
以上のように、下部ホッパー74のパチンコ玉Pは、揚送部材81の水平部分Lの上側前端部で凹状体93に受け入れられて、水平部分Lの上側部分から縦部分Vの後側上端部までの範囲で揚送部材81によって揚送され、縦部分Vの後側上端部において凹状体93から上部シュート68に受け渡される。
【0124】
なお、パチンコ玉Pを上部シュート68に受け渡した凹状体93は、揚送部材81の周回移動に応じて、開口部93Aを後下側へ向けた状態で縦部分Vの後側を下方へ垂直移動する。次いで、この凹状体93は、開口部93Aを下側へ向けた状態で水平部分Lの下側部分を前側へ水平移動する。その後、この凹状体93は、開口部93Aを前側から上側へ向け、水平部分Lの上側前端部に到達する。これにより、この凹状体93は、再び、水平部分Lの上側前端部で下部ホッパー74のパチンコ玉Pを受け入れて揚送し、上部シュート68に受け渡す。そして、下部ホッパー74のパチンコ玉Pが無くなるまで、揚送部材81の周回移動に伴って、揚送部材81の各凹状体93によるパチンコ玉Pの揚送が繰り返される。
【0125】
このように簡易な構成によって揚送部材81が周回移動することで、下部ホッパー74(下部受入部52)が受け入れたパチンコ玉Pを凹状体93に入れて上部シュート68(上部受入部54)まで連続的に揚送することができる。これにより、下部受入部52で受け入れられたパチンコ玉Pの速やかな計数が可能となることから、遊技客は、パチンコ玉Pの計数が完了するまで長時間待たずに済み、使い勝手が良い。特に、この実施形態では、揚送部材81(揚送機構53)は、1分間に約2万個のパチンコ玉Pを揚送できるように設定されている。
【0126】
また、第3プーリー87は、付勢部材100によって後向きに付勢されている。そのため、揚送部材81およびチェーン88の周回移動に伴ってチェーン88が伸びることがあっても、チェーン88に弛みが発生しないように、第3プーリー87が後側へ移動してチェーン88を内側から押すようになっている。ここで、揚送機構53には、伸び検出センサ101(伸び検出手段)が設けられている。伸び検出センサ101は、前述した制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されている。伸び検出センサ101は、第3プーリー87の後側への移動量を検出することで、チェーン88の伸びを間接的に検出する。その検出結果に基づいて、制御部200が操作表示部56(図1参照)等においてチェーン88の点検を係員に促せば、チェーン88の伸び具合を適切に管理できる。
【0127】
また、揚送機構53は、ケーシング80の右側面の上端部に、円盤状のハンドル114を備えている(図13参照)。ハンドル114は、右側の第2プーリー86(図14(a)参照)の右側に位置していて、ワンウェイクラッチ(図示せず)を介して第2プーリー86に連結されている。そのため、ハンドル114を所定の一方向(右側面視における時計回りの方向)へ回転させると、揚送部材81を手動で周回移動させることができる。
【0128】
たとえば、メンテナンスのために、モータ82(図13参照)の駆動を停止させた状態で揚送部材81を周回移動させたい場合には、ハンドル114を回動させることで揚送部材81を手動で周回移動させて、各凹状体93内にパチンコ玉P以外の異物が詰まっていないか否かを確認することができる。なお、ケーシング80の上部の前側面には、前方へ開放することができるカバー付きのメンテナンス窓116が設けられていて(図13参照)、メンテナンス窓116からケーシング80内の揚送部材81にアクセスして、凹状体93内の異物を取り出すことができる。
(4)上部受入部
上部受入部54は、図12に示すように、左右方向(幅方向)に長手の略直方体のボックス形状をなしている。上部受入部54の上面は、ほぼ全域に亘って開放されていて、開放された部分は、受入口102とされる。受入口102は、幅方向に長手の矩形状である。前述した上部シュート68の前端(出口側)は、受入口102に対して後上側から連続している。
【0129】
上部受入部54内には、上部ホッパー103が設けられている。上部ホッパー103は、略四角錐状に下方へ窪む幅方向に長手の凹部であり、受入口102に対して下から連続している。上部ホッパー103の下端部(最深部)には、幅方向に長手のスリット状の取込口104が形成されている。
図16は、上部受入部54および計数ユニット55を説明するための計数装置3の模式的な要部右側断面図である。図17は、図16に変形例を適用した図である。
【0130】
図16に示すように、取込口104の下方には、流出路105が設けられている。流出路105は、管状であって、取込口104に連続して下方へ延び、その後折れ曲がって装置本体50内を後下側へ延びている。流出路105の後端は、装置本体50の後側面から後方へ向けて開放されている。
上部受入部54には、取込口104を開閉するホッパーシャッター106が設けられている。ホッパーシャッター106は、たとえば上下に薄い板状であり、実線で示すように取込口104を下から閉じる閉位置と、破線で示すように閉位置から後側へずれて取込口104を開放する開位置との間で前後にスライド可能である。ホッパーシャッター106、厳密には、ホッパーシャッター106を開閉させるモータ(図示せず)は、制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されており、制御部200によってホッパーシャッター106の開閉が制御される。ホッパーシャッター106の位置を検出するセンサ(図示せず)が設けられていて、制御部200は、このセンサに電気的に接続されることによって、ホッパーシャッター106の位置を把握する。計数中以外の状態(待機状態)には、ホッパーシャッター106は閉じている。また、計数が終わって所定時間が経過した場合や、ホッパーシャッター106が開いてから所定時間経過しても計数が行われない場合(操作表示部56の操作がない場合も含む)には、ホッパーシャッター106は自動的に閉まるようになっている。
【0131】
また、上部受入部54の前側壁には、認識部107が内蔵されている(図12参照)。不正防止のため、係員が携帯しているIDタグを認識部107にかざしてIDタグが認識部107によって認識されない限り、制御部200は、ホッパーシャッター106を開かない(取込口104を開放しない)ようになっている。ここでの不正とは、不正に獲得したパチンコ玉Pが上部受入部54に受け入れられて計数され、景品に交換されてしまうことである。また、IDタグが認識部107に認識されていないのに、待機状態で大容器2を連結部51に連結させた場合において(図1参照)、大容器2のロック軸15がロック爪62にロックされることがあっても(図10(a)参照)、ホッパーシャッター106は開かないように制御される。
【0132】
このような不正を一層防止するために、計数装置3には、受入口102を上から塞ぐ蓋109が設けられている。蓋109は、係員でなければ取り外すことができない。このように、係員の立会いの下、蓋109を取り外して、係員のIDタグを認識部107にかざさなければ、計数装置3ではパチンコ玉Pの計数が一切できない。このこと(蓋109を取り外してIDタグを認識部107に認識させること)が、計数装置3で計数を開始するために必要な所定の条件である。
【0133】
なお、待機中の場合には、操作表示部56の後述するタッチパネル122(図20参照)に、係員を呼ぶことを促す旨のメッセージが表示される。蓋109が取り外されて、係員のIDタグが認識部107にかざされると、タッチパネル122(図20参照)には、受入口102にパチンコ玉Pを投入することを促す旨のメッセージが表示される。
前述したように揚送部材81の周回移動が開始される場合(図15参照)、それに先立って、係員が、計数装置3の前にいて、蓋109を取り外し、自身の携帯するIDタグを認識部107にかざし終えている。そのため、ホッパーシャッター106が開いて、取込口104が開放されている。
【0134】
そして、周回移動する揚送部材81によって下部ホッパー74から揚送されて上部シュート68に受け渡されたパチンコ玉P(図15参照)は、図12において実線の太線矢印で示すように、上部シュート68内を前側へ転がり落ち、受入口102から上部受入部54内に受け入れられて、上部ホッパー103内を落下する。ここから、揚送部材81は、下部ホッパー74(下部受入部52)からパチンコ玉Pを受け取る位置と上部受入部54へパチンコ玉Pを受け渡す位置との間を周回移動していると言える(図15参照)。
【0135】
パチンコ玉Pが上部シュート68から落下して上部受入部54内に受け入れられて上部ホッパー103内を落下する様子は、図16の太い実線矢印でも示されている。この様子は、計数装置3の正面側から見えるので、パチンコ玉Pの計数を待っている遊技客は、足元の大容器2(図1参照)のパチンコ玉Pが確かに計数されていることを確認できて安心するとともに、遊技客にとって、ちょうど良い退屈しのぎになる。
【0136】
また、上部シュート68を勢いよくパチンコ玉Pが前側へ流れても、前述したように、その先にあるガイドカバー115にパチンコ玉Pがぶつかることによって、パチンコ玉Pは、確実に、上部受入部54内に受け入れられて上部ホッパー103内を落下する。
上部受入部54内に受け入れられて上部ホッパー103内を落下するパチンコ玉Pは、開いた状態にある取込口104を通過して流出路105内に進入し、流出路105内を後下側へ転がり落ちる。パチンコ玉Pは、流出路105内を通過する途中で、後述する計数ユニット55によって計数され、その後、流出路105を通過して、1点鎖線の太線矢印で示すように、装置本体50の後側面から排出される。遊技施設の遊技島内には、装置本体50から排出されたパチンコ玉Pを回収する図示しない玉回収路(通称:ドブ)が設けられており、ドブに回収されたパチンコ玉Pは、パチンコ台での遊技に再利用される。
【0137】
ここで、図16において破線円で囲んだ部分の拡大図に示すように、流出路105内の途中には、レバー117が設けられている。レバー117は、左右方向に延びる回動軸117Aを流出路105の上側内周面に有していて、この回動軸117Aを中心として、回動可能である。
流出路105内にパチンコ玉Pがない場合には、レバー117は、点線で示すように、流出路105を途中で遮断するように延びており、このときのレバー117の位置は、「非検出位置」とされる。流出路105内を転がり落ちるパチンコ玉Pが非検出位置のレバー117に対して前上側から当接すると、レバー117は、右側面視で反時計回りに回動し、流出路105の上側内周面に沿う。このときのレバー117の位置は、「検出位置」とされる。レバー117が検出位置にある場合において、パチンコ玉Pは、レバー117の真下を通過して流出路105内を引き続き転がって、装置本体50の後側面から排出される。
【0138】
装置本体50には、レバー117の位置を検出するセンサ(図示せず)が設けられていて、制御部200(図1参照)は、このセンサ(図示せず)に電気的に接続されることで、レバー117の位置を把握している。
ここで、計数装置3の運用に関し、非常に数の多いパチンコ玉Pを計数する場合、前述した大容器2にパチンコ玉Pを収容し、この大容器2を計数装置3の連結部51に連結する(図1および図10(a)参照)。そして、計数装置3において、大容器2のパチンコ玉Pを、下部受入部52に受け入させてから揚送機構53で揚送した後に(図15参照)、実線の太線矢印で示すように、上部受入部54に受け入れさせる。
【0139】
しかし、パチンコ玉Pの数が、大容器2に入れるほど多くない場合には、前述した小容器(図示せず)にパチンコ玉Pを入れて小容器を計数装置3まで手で持って行き、小容器(図示せず)のパチンコ玉Pを、破線の太線矢印で示すように、受入口102から上部受入部54に直接受け入れさせる(図12も参照)。このとき、引出テーブル57を引き出して小容器の置き台として利用できる(図1において点線で示した引出テーブル57を参照)。
【0140】
そして、装置本体50において、たとえば、返却部69の下面には、上部ホッパー103内のパチンコ玉Pの量を検出するための量検出センサ108が設けられている。量検出センサ108は、たとえば光を用いた反射型センサであり、上部ホッパー103内に向けて下向きに投光した光(破線の直線矢印参照)の反射タイミングによって、量検出センサ108と上部ホッパー103内の最上位のパチンコ玉Pとの間の上下方向距離を検出する。この距離に応じて、量検出センサ108は、上部ホッパー103内のパチンコ玉Pの量を検出することができる。そのため、たとえば、この距離が非常に短い場合には、上部ホッパー103内に溢れる位にパチンコ玉Pが溜まっているので、量検出センサ108は、上部ホッパー103が満杯であること(オーバーフロー間近であること)を検出できる。
【0141】
また、前述した蓋109が受入口102を塞いでいる場合には、量検出センサ108の真下に蓋109が位置するので、量検出センサ108は、量検出センサ108と蓋109との間の上下方向距離を検出することで、蓋109が受入口102を塞いでいるのか否かも検出することができる。そして、蓋109が受入口102を塞いでいる状態では、揚送機構53は駆動されない制御になっている。
【0142】
ここで、蓋109が受入口102を上から塞いでいると、受入口102と上部シュート68の前端(出口)との間に蓋109が存在する。そのため、小容器(図示せず)から直接受入口102に注ぎ込まれるパチンコ玉P(太い破線矢印参照)の計数ができないだけでなく、上部シュート68から受入口102へ落下するパチンコ玉P(太い実線矢印参照)の計数もできない。そのため、係員が不在の状態で、小容器(図示せず)および大容器2(図1参照)のいずれのパチンコ玉Pの計数が勝手に実施されることが防止される。
【0143】
蓋109の代わりに、図17に示すように、前後にスライドするスライドカバー113を設けてもよい。なお、図17では、返却部69および量検出センサ108(図16参照)の図示が省略されている。
スライドカバー113は、たとえば、右側から見て円弧状をなしていて、実線で示すように、閉位置に配置されることで、上部シュート68よりも上方に位置して受入口102を上から塞ぐことができる。この状態のスライドカバー113を点線で示すように後側へスライドさせて開位置に配置すると、受入口102を開放することができる。スライドカバー113のスライドは、手動で行われてもよく、装置本体50内に設けられたモータ(図示せず)によって自動で行われてもよい。また、スライドカバー113は、開位置および閉位置のそれぞれにおいてロックされてもよい。
【0144】
このようなスライドカバー113を設けた場合、スライドカバー113を開位置にしない限り、小容器(図示せず)から直接受入口102にパチンコ玉Pを注ぎ込んで計数することはできない。しかし、閉位置のスライドカバー113は、上部シュート68の上方に位置していて、受入口102と上部シュート68との間に存在しないので、スライドカバー113が閉位置の状態で、上部シュート68から受入口102へ落下するパチンコ玉P(太い実線矢印参照)の計数は可能である。ここで、スライドカバー113が透明な材料で形成されていれば、閉位置のスライドカバー113越しに、パチンコ玉Pが上部シュート68から受入口102へ落下する様子を目視できる。
【0145】
ここで、計数に先立って係員のICタグを認識部107(図12参照)にかざした後に、操作表示部56(図1参照)のタッチパネル122(後述する)を操作することで、小容器(図示せず)および大容器2のいずれのパチンコ玉Pを計数するかを選択できる。小容器(図示せず)のパチンコ玉Pを計数することを選択すれば、スライドカバー113を開くことができ、小容器(図示せず)のパチンコ玉を直接受入口102に注ぎ込んで計数することができる。
【0146】
一方、大容器2のパチンコ玉Pを計数することを選択すれば、スライドカバー113は閉じており、大容器2のパチンコ玉Pを揚送して上部シュート68から受入口102に注ぎ込んで計数することはできるが、外部からパチンコ玉Pを直接受入口102に注ぎ込むことはできない。これにより、大容器2のパチンコ玉Pの計数中に、外部のパチンコ玉Pが誤って混ざることを防止できる。また、計数装置3での計数が停止されている状態で、外部のパチンコ玉Pが受入口102に注ぎ込まれることも防止できる。
(5)計数ユニット
図18は、計数ユニット55の模式的な斜視図である。
【0147】
図18を参照して、計数ユニット55は、流出路105(図16参照)の途中に設けられている。
計数ユニット55は、流出路105を途中で分岐させる複数の分岐路(分岐レーン)110と、これらの分岐路110を合流させて流出路105につながる合流路111と、パチンコ玉Pの流れ方向における各分岐路110の下流側端部に設けられた計数センサ112とを含んでいる。なお、図18では、8つの分岐路110を図示しているが、分岐路110の数は、任意で設定される。計数センサ112は、制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されている。
【0148】
上部受入部54に受け入れられた後に流出路105を転がり落ちるパチンコ玉Pは、その途中で、1個ずついずれかの分岐路110に転がり込み、太線矢印で示すように、分岐路110を通過し終える際に、計数センサ112によって計数される。計数を終えたパチンコ玉Pは、分岐路110から合流路111に移り、流出路105を転がって装置本体50の後側面から排出される(図16参照)。
【0149】
ここで、計数センサ112には、たとえば、磁気センサを用いることができる。計数センサ112は、分岐路110をパチンコ玉Pが1つ通過する毎にパルスを1つ出力し、制御部200(図1参照)は、各計数センサ112が出力したパルスの合計からパチンコ玉Pの計数値を算出する。このように、制御部200も、パチンコ玉Pを計数する役割を担っており、その点では、制御部200も計数ユニット55に含まれる。
【0150】
そして、パチンコ玉Pの流れる方向における分岐路110の下流側端部は、隣り合う分岐路110において交互にずれている。これにより、計数センサ112が、隣り合う計数センサ112に対してパチンコ玉Pの流れる方向においてずれて配置されるので、計数センサ112の計数精度が隣の計数センサ112によって影響を受けることはない。
そして、大容器2のパチンコ玉Pを揚送機構53で揚送して計数していた場合において(図15参照)、大容器2のパチンコ玉Pが無くなっても、パチンコ玉Pを収容した別の大容器2があれば、今まで計数を行っていた大容器2を一旦計数装置3から取り外して、当該別の大容器2を計数装置3にセットする(図1参照)。これにより、当該別の大容器2のパチンコ玉Pが揚送機構53で揚送されて計数され、その計数値が、今までの計数値(計数結果)に加算される。
【0151】
また、大容器2のパチンコ玉Pの計数中において、小容器(図示せず)のパチンコ玉Pを、受入口102から上部ホッパー103内に直接投入すると(図16の破線の太線矢印参照)、大容器2および小容器(図示せず)のそれぞれのパチンコ玉Pが上部ホッパー103内で混ざり合い、区別されることなく計数される。つまり、大容器2および小容器(図示せず)のパチンコ玉Pを一度に計数できる。そして、最終的な計数値は、大容器2および小容器(図示せず)のそれぞれのパチンコ玉Pを合わせた数値となる。
【0152】
ここで、図16を参照して、上部受入部54(上部ホッパー103)に受け入れられたパチンコ玉Pは、上部受入部54が受け入れたパチンコ玉Pを計数する計数ユニット55によって計数される。そのため、比較的数の少ないパチンコ玉Pは、前述した小容器(図示せず)から上部受入部54に直接受け入れられると、計数ユニット55によって速やかに計数されるので、遊技客は、パチンコ玉Pの計数が完了するまで長時間待たずに済み、使い勝手が良い。
【0153】
そして、揚送機構53は、下部受入部52が受け入れたパチンコ玉Pを上部受入部54まで揚送する(図15参照)。これにより、下部受入部52が受け入れたパチンコ玉Pは、上部受入部54に受け渡され、その後、計数ユニット55によって計数される。この場合、揚送機構53が故障しても、計数装置3では、上部受入部54で直接受け入れたパチンコ玉Pの計数は少なくとも可能であることから、パチンコ玉Pの計数が継続できるので、使い勝手が良い。
【0154】
このように、パチンコ玉Pを装置本体50の上部受入部54および下部受入部52の両方で受け入れることができる計数装置3(図1参照)において、使い勝手の向上を図ることができる。
そして、大容器2のパチンコ玉Pを揚送機構53(図15参照)で揚送して計数していた場合において、計数センサ112がパルスを出力しておらず、かつ、前述したレバー117が非検出位置にある状態が所定時間続けば、制御部200(図1参照)は、計数処理が完了したものとして、揚送機構53の揚送(揚送部材81の周回移動)を停止させる。これと同時に、制御部200は、下部受入部52の受入シャッター70(図10参照)および大容器2のシャッター22(図2参照)を閉じる。
【0155】
受入シャッター70およびシャッター22が閉じたことを開閉センサ73(図10(b)参照)が検出した後に、制御部200は、モータ64を駆動させてロック爪62を解除位置までスライドさせる(図11参照)。そして、ロック爪62が解除位置にあることを位置センサ67が検出すると、制御部200は、モータ64の駆動を停止させる(図11参照)。このとき、操作表示部56の後述するタッチパネル122(図1参照)には、計数処理が完了した旨や、大容器2を計数装置3から取り外すことを促す旨のメッセージが表示される。
【0156】
大容器2が計数装置3から取り外されると、スライドプレート61が進出位置まで進出するので、制御部200は、大容器2が計数装置3から取り外されたことを検出し、これに応じて、モータ64を駆動させてロック爪62を元のロック位置までスライドさせる(図11参照)。そして、ロック爪62がロック位置にあることを位置センサ67が検出すると、制御部200は、モータ64の駆動を停止させる。その後、制御部200は、上部ホッパー103のホッパーシャッター106を閉じる。
(6)操作表示部
図19および図20は、操作表示部56における表示の一例を示す模式図である。
【0157】
図1に示すように、操作表示部56は、装置本体50の上部50Bの前側面から前側へ突き出るように設けられている。
操作表示部56の前側面の下端(後述するタッチパネル122の直下)には、左右方向に細長いスリット状のカード挿入口127が設けられている。ここで、遊技施設の会員客に割り当てられる会員カードというものがあり、パチンコ玉の計数時にカード挿入口127に会員カードが挿入されると、この会員カードの会員情報が操作表示部56内のカードリーダ(図示せず)によって読み取られる。そして、読み取られた会員情報に、計数装置3での計数結果(パチンコ玉Pの計数値)が関連付けられて、会員カードがカード挿入口127から返却される。計数結果は、会員カード自身に記録されてもよいし、遊技施設内のデータ管理装置に記録されてもよい。
【0158】
返却された会員カードを受け取った会員客は、遊技施設内に設けられた景品カウンターにおいて、会員カードに関連付けられた計数結果(パチンコ玉数)に応じて景品交換をしてもよいし、この計数結果に応じた数のパチンコ玉の全部または一部を貯玉(ちょだま)として遊技施設に預け入れて、翌日以降に貯玉を用いて遊技台で再遊技してもよい。
操作表示部56の前側面に左寄りの位置には、携帯電話リーダ121が設けられている。遊技客の携帯電話を会員カードとして用いることができ、この場合、パチンコ玉の計数時に、携帯電話のIDm(携帯電話に内蔵されたICチップの製造番号)を会員の識別情報として携帯電話リーダ121で読み取って、このIDmに計数結果を関連付けて、IDmおよび計数結果をデータ管理装置で管理する。
【0159】
また、操作表示部56の前側面の右寄りの位置には、左右方向に細長いスリット状のレシート発行口120が設けられていて、会員カードや携帯電話で計数結果を管理しない場合には、計数終了後、計数結果を記録したレシートがレシート発行口120から発行される。発行されたレシートを景品カウンターで係員に引き渡すと、代わりに、計数値分のパチンコ玉に応じた景品を受け取ることができる。
【0160】
なお、計数値によっては、景品に交換しきれない端数分のパチンコ玉(余り玉)が発生する場合がある。そのような余り玉は、前述した返却部69において遊技客に返却される。
操作表示部56の前側面における左右方向中央の位置(出入口120と携帯電話リーダ121との間の位置)には、前述したタッチパネル122が設けられている。タッチパネル122は、たとえば、液晶表示器であり、制御部200(図1参照)に対して電気的に接続されている。タッチパネル122には、計数結果等の情報が表示されるだけでなく、必要に応じてタッチキーが表示される。タッチパネル122では、計数中における現時点での計数値や、計数完了後の最終的な計数値が表示される。
【0161】
最終的な計数値がタッチパネル122に表示されると、タッチパネル122に表示されたタッチキーを操作することによって、前述したレシート発行を行ったり、計数結果に応じた数のパチンコ玉を貯玉とする処理(貯玉処理)を行ったりすることができる。
前述したように大容器2のパチンコ玉Pの計数が終了して、大容器2が計数装置3から取り外されると、制御部200(図1参照)が上部ホッパー103のホッパーシャッター106(図16も参照)を閉じるのだが、ホッパーシャッター106が閉まると、タッチパネル122には、所定のタッチキーが表示される。このタッチキーを操作することによって、会員カードや携帯電話を用いて貯玉処理を行うか、レシートを発行してもらうかを選択できる。そして、貯玉処理や、レシートの発行が完了すると、計数装置3は待機状態になる。
【0162】
また、たとえば、揚送部材81の周回移動中に凹状体93内にパチンコ玉P以外の異物が入り込んで簡単に取り除けない等の比較的深刻なトラブルが発生した場合には(図15参照)、そのことを装置本体50内のセンサ(図示せず)が検出する。そして、その検出結果に応じて、制御部200(図1参照)が、揚送部材81の周回移動を一時停止させる。これと同時に、制御部200の制御によって、タッチパネル122には、図19に示すように、エラーが発生した旨と、エラーの種類(ここでは、エラーコード「E−XYZ」)と、エラーを解除するための手順と示したエラー解除指示画面と、各種のタッチキー123とが表示され、エラーが発生したことが係員等に報知される。
【0163】
係員は、エラー解除指示画面の内容に従ってエラー解除処理を実行する。図19では、「大玉箱を取り外して下さい。」との内容に従って、大玉箱(大容器2のこと)を計数装置3から取り外す。そして、「玉強制排出」と記載されたタッチキー123を押すと、ホッパーシャッター106が閉じられ、上部ホッパー103内のパチンコ玉P(異物も含む)は、流出路105へ流れ込まなくなる(図16参照)。そして、このタッチキー123を押す都度、揚送部材81(図15参照)の周回移動および停止が繰り返される。これにより、下部ホッパー74および揚送部材81に残っているもの(パチンコ玉Pおよび異物の両方)が揚送され、ホッパーシャッター106が閉じられた上部ホッパー103内に溜まる(図12および図16参照)。なお、このタッチキー123を押すことによる揚送部材81の周回移動は、緊急用のものなので、通常よりも緩和された周回移動停止条件に基づく監視の下で行われる。
【0164】
エラー解除処理が実行されてエラーが完全に解消され、上部ホッパー103内から異物だけを除去した後に(図16参照)、「クリア」と記載されたタッチキー123を押すと、ホッパーシャッター106が再び開かれ(図16参照)、上部ホッパー103内のパチンコ玉Pは、流出路105を通って計数され、ドブへ排出される。
また、計数が行われていない待機状態では、図20に示すように、タッチパネル122には、本日の出玉のランキング等が表示される他に、計数する場合に係員を呼ぶことを促す旨の表示と、係員呼出ボタンをなすタッチキー124と、各種アイコン125とが表示される。
【0165】
係員呼出ボタン124は、「計数する場合は係員呼出ボタンを押してね」という表示の下に表示されている。係員呼出ボタン124が押されて、前述したように、認識部107(図12参照)による係員のIDタグの認識がなされ、かつ、係員によって蓋109が取り外されなければ、計数装置3での計数は一切できない(図16参照)。
図20において、「ドブ詰まり」と記載されたアイコン125は、流出路105内のパチンコ玉Pが流れ落ちない位にドブがパチンコ玉で溢れている(詰まっている)場合に、点灯表示される。具体的に、ドブが詰まっている場合には、流出路105内の前述したレバー117が検出位置にあるにもかかわらず、計数センサ112が計数を行わず(パルスが途切れず)、計数値が増加しない(図16参照)。これらの場合、制御部200(図1参照)は、「ドブ詰まり」と記載されたアイコン125を点灯表示させるとともに、揚送部材81(図15参照)の周回移動を停止させる。これにより、上部ホッパー103や上部シュート68でのパチンコ玉Pのオーバーフローを防止できる(図12参照)。
【0166】
一方、レバー117が非検出位置にあるにもかかわらず(図16参照)、計数センサ112の出力したパルスが途切れない場合には、計数ユニット55の分岐路110や合流路111(図18参照)にパチンコ玉Pが溜まっていることが想定される。また、量検出センサ108が、上部ホッパー103のパチンコ玉Pが満杯であることを検出することがある(図16参照)。これらの場合においても、上部ホッパー103や上部シュート68でのパチンコ玉Pのオーバーフローを防止するため、制御部200は、揚送部材81の周回移動を停止させる。なお、これらの場合(ドブ詰まりも含む)には、時間が経過するとともに、上部ホッパー103や分岐路110や合流路111やドブのパチンコ玉が流れていく(図16参照)。そのため、上部ホッパー103でのパチンコ玉Pの満杯状態や、分岐路110や合流路111やドブでのパチンコ玉Pの詰まりは、自然解消される。満杯状態や詰まりが解消されると、制御部200は、揚送部材81の周回移動を再開させる。
【0167】
また、「大玉箱計数不可」と記載されたアイコン125は、連結部51や下部受入部52や揚送機構53(図10〜図15参照)が故障していて大容器2のパチンコ玉Pを揚送部材81で揚送できない場合に、点灯表示される。このとき、制御部200(図1参照)は、ロック爪62を解除位置で維持しているので(図11参照)、大容器2を連結部51に連結しても、大容器2のロック軸15(図2参照)がロック爪62に係合されない(連結部51にロックされない)。そのため、遊技客や係員は、大容器2が連結部51にロックされないことや、「大玉箱計数不可」と記載されたアイコン125の点灯表示によって、大容器2での計数ができないことを把握する。
【0168】
大容器2での計数ができなくても、前述したように、小容器(図示せず)に収容したパチンコ玉Pを上部受入部54の受入口102から直接注ぎ込んで計数することは可能である(図16の破線の太線矢印参照)。小容器(図示せず)に収容したパチンコ玉Pの計数中には、タッチパネル122には、図20に示す警告画面の代わりに、パチンコ玉Pの計数値が表示され、計数後には、レシートの発行や貯玉処理ができる。その後、タッチパネル122には、図20に示す警告画面が再び表示される。
【0169】
「点検」と記載されたアイコン125は、計数装置3において点検すべきことが発生した場合に、点灯表示される。点検すべきこととして、前述した揚送機構53のチェーン88の伸び調整等が挙げられる(図14および図15参照)。
また、タッチパネル122には、大容器2から流れ出たパチンコ玉Pを計数する場合において、計数がどれくらい進行しているのかが表示されてもよい。たとえば、大容器2から流れ出た先頭のパチンコ玉Pが装置本体50内で現在どこら辺に位置しているのかが、タッチパネル122に模式的に表示される。これにより、計数を待っている遊技客にとっては、退屈しのぎになるし、計数に立ち会っている係員にとっては、計数の進捗状況の把握(換言すれば、計数装置3の動作確認)ができて使い勝手が良い。
【0170】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0171】
1 遊技媒体計数システム
2 遊技媒体用容器(大容器)
3 遊技媒体計数装置
4 容器本体
4F 底面
6 流出窓
15 ロック軸
22 シャッター
24 後フレーム
30 内側シャッター
31 外側シャッター
31B 上端部
50 装置本体
51 連結部
52 下部受入部
62 ロック爪
75 玉検出センサ
79 開閉軸
200 制御部
P パチンコ玉
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を収容するための遊技媒体用容器であって、
上面が開放されたボックス状であって、内部に遊技媒体を収容することができる容器本体と、
前記容器本体の側面下部に形成され、前記容器本体内の遊技媒体を流出させるための流出窓と、
前記容器本体側面に沿ってスライドすることによって前記流出窓を開閉するシャッターと、
を含むことを特徴とする、遊技媒体用容器。
【請求項2】
前記シャッターにおいて下部だけが前記容器本体内部に露出されるように前記シャッターを前記容器本体の内側から覆うカバーを含むことを特徴とする、請求項1記載の遊技媒体用容器。
【請求項3】
前記シャッターは、前記容器本体の外側に配置される外側シャッターと、前記容器本体の内側に配置される内側シャッターとを含む2重構造であることを特徴とする、請求項1または2記載の遊技媒体用容器。
【請求項4】
前記外側シャッターは、途中まで開いたときに前記内側シャッターを開位置へ向けて押圧する押圧部材を備え、
前記外側シャッターが開く途中で、前記内側シャッターが、前記押圧部材に押圧されることによって前記外側シャッターに遅れて開くことを特徴とする、請求項3記載の遊技媒体用容器。
【請求項5】
前記容器本体の内部の底面は、前記流出窓ヘ向かって下向きに傾斜していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の遊技媒体用容器。
【請求項6】
前記容器本体には、遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置に連結される被連結部が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の遊技媒体用容器。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の遊技媒体用容器と、遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置とを含む遊技媒体計数システムであって、
前記遊技媒体計数装置は、
装置本体と、
前記容器を連結することのできる前記装置本体の下部に設けられた連結部と、
前記装置本体の下部に設けられ、前記連結部に連結された前記容器の流出窓から流出される遊技媒体を受け入れる下部受入部と、
を含むことを特徴とする、遊技媒体計数システム。
【請求項8】
前記容器の容器本体には、前記遊技媒体計数装置の連結部に連結される被連結部が設けられていて、
前記遊技媒体計数装置は、
前記連結部に連結された前記容器の被連結部をロックするためのロック部材と、
前記ロック部材が前記被連結部をロックしているか否かを検出するためのロック状態検出手段と、
を含むことを特徴とする、請求項7記載の遊技媒体計数システム。
【請求項9】
前記遊技媒体計数装置は、
前記下部受入部に受け入れられている遊技媒体が所定量未満であるか否かを検出するための遊技媒体量検出手段と、
前記下部受入部に受け入れられている遊技媒体が前記所定量未満であることを前記遊技媒体量検出手段が検出したのに応じて、前記ロック部材による前記被連結部のロックを解除するロック解除手段と、
を含むことを特徴とする、請求項8記載の遊技媒体計数システム。
【請求項10】
前記遊技媒体計数装置は、前記連結部に前記容器の被連結部が連結された状態で、前記シャッターを開閉する開閉手段を含むことを特徴とする、請求項8または9記載の遊技媒体計数システム。
【請求項1】
遊技媒体を収容するための遊技媒体用容器であって、
上面が開放されたボックス状であって、内部に遊技媒体を収容することができる容器本体と、
前記容器本体の側面下部に形成され、前記容器本体内の遊技媒体を流出させるための流出窓と、
前記容器本体側面に沿ってスライドすることによって前記流出窓を開閉するシャッターと、
を含むことを特徴とする、遊技媒体用容器。
【請求項2】
前記シャッターにおいて下部だけが前記容器本体内部に露出されるように前記シャッターを前記容器本体の内側から覆うカバーを含むことを特徴とする、請求項1記載の遊技媒体用容器。
【請求項3】
前記シャッターは、前記容器本体の外側に配置される外側シャッターと、前記容器本体の内側に配置される内側シャッターとを含む2重構造であることを特徴とする、請求項1または2記載の遊技媒体用容器。
【請求項4】
前記外側シャッターは、途中まで開いたときに前記内側シャッターを開位置へ向けて押圧する押圧部材を備え、
前記外側シャッターが開く途中で、前記内側シャッターが、前記押圧部材に押圧されることによって前記外側シャッターに遅れて開くことを特徴とする、請求項3記載の遊技媒体用容器。
【請求項5】
前記容器本体の内部の底面は、前記流出窓ヘ向かって下向きに傾斜していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の遊技媒体用容器。
【請求項6】
前記容器本体には、遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置に連結される被連結部が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の遊技媒体用容器。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の遊技媒体用容器と、遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置とを含む遊技媒体計数システムであって、
前記遊技媒体計数装置は、
装置本体と、
前記容器を連結することのできる前記装置本体の下部に設けられた連結部と、
前記装置本体の下部に設けられ、前記連結部に連結された前記容器の流出窓から流出される遊技媒体を受け入れる下部受入部と、
を含むことを特徴とする、遊技媒体計数システム。
【請求項8】
前記容器の容器本体には、前記遊技媒体計数装置の連結部に連結される被連結部が設けられていて、
前記遊技媒体計数装置は、
前記連結部に連結された前記容器の被連結部をロックするためのロック部材と、
前記ロック部材が前記被連結部をロックしているか否かを検出するためのロック状態検出手段と、
を含むことを特徴とする、請求項7記載の遊技媒体計数システム。
【請求項9】
前記遊技媒体計数装置は、
前記下部受入部に受け入れられている遊技媒体が所定量未満であるか否かを検出するための遊技媒体量検出手段と、
前記下部受入部に受け入れられている遊技媒体が前記所定量未満であることを前記遊技媒体量検出手段が検出したのに応じて、前記ロック部材による前記被連結部のロックを解除するロック解除手段と、
を含むことを特徴とする、請求項8記載の遊技媒体計数システム。
【請求項10】
前記遊技媒体計数装置は、前記連結部に前記容器の被連結部が連結された状態で、前記シャッターを開閉する開閉手段を含むことを特徴とする、請求項8または9記載の遊技媒体計数システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−61155(P2012−61155A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208255(P2010−208255)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]