説明

遊技媒体計数機

【課題】一旦シートに記録した遊技媒体の数量のうち、景品と等価の遊技媒体の数量を差し引いた後に余った端数の遊技媒体を、遊技者が欲する時に返却することが可能な遊技媒体計数機を提供する。
【解決手段】メダル30計数の許可又は禁止を設定する計数禁止手段60と、メダル30の計数が許可されている状態においてメダル30の計数を開始する計数機49と、計数したメダル30の数量をシートに記録するシート印刷手段39とを有する遊技媒体計数機1において、シート読取手段139が一旦シートに記録したメダル30の数量を読み取り、そのメダル30の数量から景品と等価の数量を減算して、その値をシート印刷手段39がシートに記録するとともに、減算後に余った端数のメダルを、払出機149がメダル受皿17に払出すように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機から払出された遊技媒体を計数し、その計数した遊技媒体数をシート又はカードに記録することが可能な遊技媒体計数機に関する。
【背景技術】
【0002】
回胴式遊技機やパチンコ遊技機の遊技媒体として、メダルや遊技球が多用されている。遊技中に遊技機から多量の遊技媒体が払出された場合には、その払出された遊技媒体はドル箱に移して貯留する。例えば、大量の遊技媒体が払出され、遊技者が別の遊技台への移動を希望したとする。その際に、貯留されている大量の遊技媒体を持ちながら狭い遊技場内を移動することが困難な場合がある。このような場合には、一旦多量の遊技媒体をシートに記録しておき、その後に台移動を行うと便利である。このような状況下において台移動を行う場合や、遊技媒体を景品と交換する際には、先ず遊技機の上部に配されているボタンを押して遊技場の店員を呼び、遊技媒体の計数を依頼することになる。以降、通常行われる遊技媒体の計数工程について、工程図を用いて説明する。
【0003】
図6は、大量に取得したメダル(遊技媒体)を景品に交換するまでの、従来の工程を示す図である。
図6に示すように、ドル箱に貯留されているメダルを景品と交換する際には、工程P202にて遊技者に呼ばれた遊技場の店員が、ドル箱を遊技媒体計数機の所まで運搬し、遊技媒体計数機のホッパにメダルを投入する。
【0004】
次に、工程P204にて遊技場の店員は、遊技媒体計数機においてメダルの計数を許可するための鍵を遊技媒体計数機の鍵穴に挿入して回し、遊技媒体計数機において設定されている計数を禁止する状態を解除する操作を行う。通常遊技媒体計数機においては、遊技者自身によるメダルの計数処理を禁止している。これは、メダルの貸出価格が遊技場によって異なっている場合に、悪質な遊技者が貸出価格の安い遊技場からメダルを盗み出し、貸出価格の高い遊技場に持ち込んで遊技媒体計数機に投入して自ら計数し、その後、景品と交換して景品を盗む不正行為を未然に防止するためである。
【0005】
工程P206にて遊技場の店員は、遊技媒体計数機に配されている計数開始スイッチを押下して、遊技媒体計数機を作動させる。すると、遊技媒体計数機は、ホッパに投入したメダルを、ホッパの底部から一枚ずつ取り出して計数する処理を開始する。
【0006】
遊技媒体計数機は、最後のメダルを計数し終わってから所定時間経過したことを条件に、計数処理を終了する。このメダルの計数結果は、シートやカードにメダル数量として記録されて、遊技媒体計数機から出力される。最終的には、シートやカードに記録されたメダル数量は景品と交換することになる。後段にて説明する工程P216は、シートやカードに記録されたメダル数量を景品と交換する工程である。
【0007】
次の工程P208にて遊技者は、メダルの計数結果が記録されているシートやカードを、遊技場の景品交換コーナーまで持ってゆく。そして、工程P216にて所望の景品と交換してもらう。
【0008】
ところが、遊技媒体と景品とを交換する際の交換率は、景品毎に予め定められているために、大抵の場合、景品に交換しきれなかった余りの遊技媒体の数量が残ることになる。この余りの遊技媒体の数量を、端数の遊技媒体と呼ぶことにする。
【0009】
通常、この端数の遊技媒体は、お菓子などの一般的には不要な景品に、半強制的に交換されることになる。この不要な景品への交換を放棄すると、端数の遊技媒体は切り捨てられてしまう。これらは、遊技者にとって不利益なことであり、若干の不満と不快感を感じながら、遊技場を後にすることとなる。また、遊技場側から見ても、端数の遊技媒体程度で遊技者に不快感を与えてしまうことは、好ましいことではない。なお、端数のメダルを、翌日以降の遊技に繰り越すことを可能とした貯メダルシステムを採用している遊技場も存在するので、頻繁に利用するなじみの遊技場で遊技を行うのであれば、端数のメダルを有効に利用することができる。
【0010】
なお、特許文献1(特開平9−28914号公報)及び特許文献2(特開平10−230071号公報)には、遊技媒体計数機に投入した遊技媒体の数量から所望の景品と等価の遊技媒体の数量を差し引いてシート等に記載して発行し、端数の遊技媒体は払出して返却することを可能とした遊技媒体計数機が開示されている。
【0011】
特許文献1及び特許文献2に記載されている遊技媒体計数機を用いて遊技媒体の計数を行うことにより、端数の遊技媒体を生ずることなく、景品と等価交換を行うことが可能なシートを発行することができる。
【特許文献1】特開特開平9−28914号公報
【特許文献1】特開平10−230071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来、遊技者が遊技中に多量の遊技媒体を取得し、その後、台移動を行うために取得した多量の遊技媒体について計数を行って、遊技媒体の数量が記載されたシートを取得する場合がある。その後遊技者は、そのシートに記録されている遊技媒体の数量のうち、景品と交換した後に余って端数となる数量の遊技媒体を、所望の時期に自由に取得することができなかった。
【0013】
例えば、台移動した先の回胴式遊技機において遊技を行っていたところ、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行させることが可能な内部当籤役が内部当籤していることが報知されたとする。しかし、次回の遊技を行うだけのメダルが既に存在せず、所持金も乏しい状況下において、所持しているシートに記録されている端数のメダルを早急に取得したい場合がある。
【0014】
本発明は、このような課題を解決するために、一旦シートやカードに記録された遊技媒体の数量のうち、景品と等価の遊技媒体の数量を差し引いた後の端数の遊技媒体を、遊技者が欲する時に払出すことが可能な遊技媒体計数機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明に係る遊技媒体計数機は、遊技媒体の数量の計数を許可する状態と、前記遊技媒体の数量の計数を禁止する状態とを設定する計数禁止手段と、前記遊技媒体を貯留可能な遊技媒体貯留手段と、前記遊技媒体の数量の計数が許可されている状態において、前記遊技媒体貯留手段に貯留されている前記遊技媒体の数量を計数する遊技媒体計数手段と、前記計数した遊技媒体の数量を記録媒体に記録する記録手段と、を有する遊技媒体計数機において、前記記録媒体に記録されている遊技媒体の数量を読み取る読取手段と、前記記録媒体から読み取った遊技媒体の数量から、予め定められた所定数の遊技媒体と交換可能な景品と等価の遊技媒体の数量を減算してゆき、余りの遊技媒体の数量を算出する端数算出手段と、前記余りの数量の遊技媒体を払出す遊技媒体払出手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、遊技媒体計数機を用いて、一旦シートやカード等の記録媒体に記録された遊技媒体の数量のうち、景品と等価の遊技媒体の数量を差し引いた後の端数の遊技媒体を、遊技者に返却することができる。これにより、遊技者が遊技にて取得した遊技媒体を有効に使い切ることができ、端数の遊技媒体が不要な景品に交換されたり、端数の遊技媒体が切り捨てられてしまうという、従来遊技者が感じていた不満を解消することができる。
【0017】
また、一般的に使用頻度が少なく、設置場所も周知となっている遊技媒体計数機を用いて、端数の遊技媒体を遊技者に返却することで、早急に端数の遊技媒体を遊技者に返却することができる。これにより、遊技者が台移動を行っている最中である場合や、遊技中である場合においても、遊技者は気軽に端数の遊技媒体を取得することができる。また、通常遊技場に設置されている遊技媒体計数機に、端数の遊技媒体を払出す機能を付加したので、端数の遊技媒体を遊技者に払出す装置を別途設置する必要がない。
【0018】
また、他の発明によれば、前記記録手段は、前記景品と等価の遊技媒体の数量を、新たに記録媒体に記録することを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、景品と等価の遊技媒体を記録媒体に記録しておくことができるので、遊技者は当該記録されている遊技媒体を無駄なく景品に交換することができる。
【0020】
更に、前記読取手段は、前記遊技媒体の計数を禁止する状態が設定されている場合において、前記記録媒体に記録されている遊技媒体の数量の読み取りを開始することが好ましい。
【0021】
本発明によれば、遊技場の店員にしか遊技媒体計数機による遊技媒体の計数処理を許可していない遊技場においても、遊技者が自ら所望の時に遊技媒体計数機を操作して、シート又はカード等の記録媒体に記録されている端数の遊技媒体を、自由に払出すことができる。また、記録媒体に記録されている端数の遊技媒体が極めて少量である場合においても、遊技媒体の払出しを遊技場の店員に依頼する必要が無いので、気兼ね無く遊技媒体に交換することができる。したがって、遊技媒体を使い切り、すっきりした気分で遊技場を後にすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、一旦シートやカードに記録された遊技媒体の数量のうち、景品と等価の遊技媒体の数量を差し引いた後に余った端数の遊技媒体を、遊技者が欲する時に払出すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係る遊技媒体計数機の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る遊技媒体計数機1を上面から見た平面図である。
図1に示すように、遊技媒体計数機1は、投入されたメダル30(遊技媒体)を貯留する、すり鉢状の凹部が形成されたホッパ43(遊技媒体貯留手段)を備えている。ホッパ43の下部には、投入したメダル30の一つ一つをメダル受穴224に落とし込み、当該メダル受穴224を偏芯回転させる受穴付回転盤226を備えている。受穴付回転盤226は、メダルの計数が許可されている状態において計数開始スイッチ41を押下することによってその回転を開始する。メダルの計数が許可されている状態とは、例えば後段にて説明するように、計数禁止手段60の鍵穴に遊技場の店員が所定の鍵を挿入して回した状態である。
【0025】
受穴付回転盤226のメダル受穴224に入ったメダル30は、受穴付回転盤226の回転に伴ってホッパ43の下部から排出され、排出されながら、計数機49のメダル検出部及び計数機制御手段42(後段にて説明する図3参照。)により検出、計数されて、貯留される。
【0026】
遊技媒体計数機1の上面には、投入後に計数したメダル30の数量(メダル枚数)等を表示する投入枚数表示部40aと、投入したメダル30の数量うち、シートやカード等の記録媒体に記録する数量(記録枚数)を表示する記録枚数表示部40bと、当該遊技媒体計数機1から実際に払出されるメダル30の数量(メダル払出枚数)を表示する払出枚数表示部40cとを備えている。
【0027】
また、遊技媒体計数機1の上面には、投入したメダル30のうち記録媒体に記録する数量を設定する際などにおいて操作する0〜9までの数字スイッチ(入力手段34の一形態。)と、入力した数量を修正する際に押下して直前に入力した数値を消去するBSスイッチ(入力手段34の一形態。)とが配されている。また遊技媒体計数機1の上面には、前記メダル30の数量を設定した後に、シートに記録(印刷)する処理、カードに記録する処理、及びメダル30を払出す処理の実行等を指示するエントリースイッチ34eが配置されている。
【0028】
また、遊技媒体計数機1には、磁気記録式又はICタグを内蔵したカードに対して貯メダル数を読み書きしたり、遊技者を識別する固有の識別情報(カードID)を読み取るカードリーダーライタ37(記録手段、読取手段の一形態。)と、シートの用紙にメダル数量やシート情報、バーコード、又はQRコード等を印刷して出力するシート印刷手段39(記録手段)と、一旦シートに記録されたメダル数量を読み取るシート読取手段139(読取手段)と、端数として払出したメダルを貯留するメダル受皿17とが配されている。
【0029】
遊技媒体計数機1には、遊技者自身によるメダルの計数処理を禁止して、所定の鍵を所持している遊技場の店員のみが計数処理を実行できるようにするための、計数禁止手段60の鍵穴が開口している。本実施例では、図4を用いて後段にて説明するように、遊技場の店員が所定の鍵を鍵穴に挿入して回し、遊技媒体計数機1において設定されている計数を禁止する状態を解除する操作を行って、メダルの計数を許可する状態にしてからでないと、計数開始スイッチ41を押下してもメダル30の計数処理が開始されないように構成されている。
【0030】
次に、遊技媒体計数機1の内部構造について、図2を用いて説明する。図2は、図1に示す遊技媒体計数機1のII−II矢視断面図である。
すり鉢状の凹部が形成されたホッパ43の底部には、計数機49が配置されている。この計数機49の前面には、計数機49から排出された後のメダル30を通過させて、払出機149(遊技媒体払出手段)のホッパ143内に落下させるシュート50を配置してある。なお、払出機149から排出されたメダル30は、シュート150の内部を通過して落下し、メダル受皿17に払出される。
【0031】
計数機49、及び払出機149の下部の両側部は、筐体2に形成した溝状のガイド11に案内されて、図2の紙面の左右方向及び上下方向に位置決めされながら、紙面の表裏方向に対して摺動可能に構成されている。計数機49及び払出機149の手前方向の位置決めは、固定具12のフックをそれぞれ計数機49及び払出機149の前壁に係合させることによって行っている。
【0032】
計数機49のホッパ43、及び払出機149のホッパ143の底部には、図1に示すように4つのメダル受穴224が90度間隔で開設されている。この4つのメダル受穴224は、回転する略円盤形状の受穴付回転盤226の上面に配されている。この受穴付回転盤226を回転駆動することによって、受穴付回転盤226のメダル受穴224に落とし込まれているメダル30が、受穴付回転盤226裏側の側部から、シュート50又はシュート150の方向に向けて放出される。このとき、計数機49及び払出機149にそれぞれ配されているメダル検出部が、メダル30が放出される毎に遊技媒体排出信号を出力する。
【0033】
この、計数機49から出力された遊技媒体排出信号を計数機制御手段42が計数することにより、ホッパ43に投入されたメダル30の数量を把握することができる。同様に、払出機149から出力された遊技媒体排出信号を払出機制御手段142が計数することにより、メダル受皿17に払出されたメダル30の数量を把握することができる。
【0034】
次に、本発明に係る遊技媒体計数機1における制御部29のブロック図を図3に示す。
遊技媒体計数機1の制御部29には、遊技媒体計数機1の全体の制御を統括するとともに、バス38を介して接続されている各周辺機器を制御するCPU31が配置されている。バス38には、CPU31を動作させるプログラムや定数、各種データの初期値等を記憶するROM32と、CPU31が実行するプログラムを展開して記憶するとともに、演算に用いる定数やフラグを記憶するなど、プログラム実行の際に作業領域として用いるRAM33とが接続されている。
【0035】
なお、本実施例においては、プログラムや各種データ等を記憶する媒体としてROM32を用いるように構成したが、これに限らず、通信手段を介して他のコンピュータからこれらの情報を取得してもよいし、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の他の記録媒体から取得することも可能である。
【0036】
また、図3では、CPU31、ROM32及びRAM33を別々に設けた実施例を示した、これらが一体となっているワンチップマイコンやASIC等を使用することも可能である。
【0037】
制御部29のバス38には、エントリースイッチ34e、数字スイッチ及びBSスイッチ等から構成される入力手段34と、ホッパ43に貯留されているメダル30の計数開始を指示する計数開始スイッチ41と、投入枚数表示部40a、記録枚数表示部40b、及び払出枚数表示部40c等の各表示手段の表示制御を行う表示インターフェース35と、管理コンピュータ400との間で、遊技者を識別する固有の識別情報(カードID)やパスワード、遊技者の住所、氏名、電話番号、カードに貯留されている貯メダル数に関する情報、特定のシートが使用可能な状態にあるか否かを表すシート情報等を送受信する通信インターフェース36とが接続されている。
【0038】
なお、投入枚数表示部40a、記録枚数表示部40b、及び払出枚数表示部40c等の表示手段として液晶表示装置(Liquid Crystal Display)を用いることができるが、LED(Light Emitting Diode)やFED(Field Emission Display)、有機EL、その他の表示装置を用いることができる。
【0039】
また、制御部29のバス38には、計数開始スイッチ41の押下信号や、計数禁止手段60から出力される計数禁止信号等に応じて、計数機49の受穴付回転盤226(図1参照。)の回転制御を行う計数機制御手段42が接続されている。
【0040】
この計数機制御手段42は、計数機49が出力した遊技媒体排出信号を計数することにより、投入されたメダル30の数量を計数する機能と、この計数したメダル数量を、バス38を介してCPU31に通知する機能とを備えている。
【0041】
また、制御部29のバス38には、CPU31の指令に基づき払出機149の受穴付回転盤の回転制御を行うことによって、メダル30の払出制御を行う払出機制御手段142が接続されている。
【0042】
この払出機制御手段142は、払出機149が出力した遊技媒体排出信号を計数することにより、メダル受皿17に払出されたメダル30の数量を計数する機能と、この計数したメダル数量を、バス38を介してCPU31に通知する機能を備えている。
【0043】
また、制御部29のバス38には、磁気記録式又はICタグを内蔵したカードから取得した情報をCPU31に伝達するとともに、CPU31の指令に基づいてカードに各種情報を記録するカードリーダーライタ37と、CPU31の指令に基づいて、所定のシートの用紙に、メダル数量やシート情報、バーコード又はQRコードを記録するシート印刷手段39とが接続されている。
【0044】
また、制御部29のバス38には、計数禁止手段60が接続されている。この計数禁止手段60は、通常はメダル30の計数を禁止する信号を出力しており、遊技場の店員などの当該遊技媒体計数機1を管理する者が、メダル30の計数を許可した状態においてのみ、メダル30の計数を許可する信号を出力する。
【0045】
この計数禁止手段60の一例として、メダル30の計数を許可するための所定の鍵が鍵穴に挿入され、その鍵が回されたことを条件に、メダル30の計数を許可する信号を出力する構成を用いることができる。また、メダル30の計数を許可するための、所定のIDやパスワードが記録されたカードが近づけられたことを条件に、メダル30の計数を許可する信号を出力する構成を用いることができる。
【0046】
また、制御部29のバス38には、一旦シートに記録されたメダル数量を読み取って、当該メダル数量の情報をCPU31に伝達するシート読取手段139(読取手段)を備えている。なお、一旦メダル数量が読み取られて、端数のメダルが払出されたり、新たなメダル数量が記録されたシートが発行された際に、複数のシートに重複してメダル数量が記録されることがないように、一旦メダル数量が読み取られたシート情報を管理コンピュータ400上で無効に設定するか、メダル情報を読み取り終えたシートを回収するように構成するとよい。
【0047】
なお、上述のように、カードとして磁気記録式又はICタグを内蔵したプリペイドカードや会員カード等を用いることができる。カードとして当日以外の使用も可能な会員カードを用いた場合には、本発明に係る遊技媒体計数機1を管理コンピュータ400のネットワークに接続して、管理コンピュータ400にて貯メダル数の管理を行う。例えば、管理コンピュータ400において、遊技者を識別する固有の識別情報(カードID)と関連付けて記憶している貯メダル数を書き換えることにより、貯メダル数を増やしたり、貯メダル数から引き落として実際にメダルを払出すことができる。
【0048】
次に、制御部29のCPU31が実行する電源投入処理について、図4を用いて説明する。
遊技媒体計数機1の電源を投入すると、CPU31が実行する処理は、ステップS202に進み、遊技媒体計数機1の初期化処理を行う。ここでは、RAMチェックや接続されている周辺機器の初期設定を行うとともに、各周辺機器の設定処理やエラーチェックを行う。そして、プログラムをROM32からロードしてRAM33に展開し、各定数に初期値をセットする。以降の処理でカードとして会員カードを用いる場合や、シート情報を管理コンピュータ400から取得する場合には、通信インターフェース36(図3参照。)を介して管理コンピュータ400と通信を行い、ハンドシェイク処理を行って、通信を確立しておく。
【0049】
なお、ステップS202では、後述する計数機作動中フラグ、計数開始スイッチ押下中フラグ、計数終了時フラグ、シート出力中フラグ、カード記録中フラグ、端数払出中フラグ、シート読取中フラグ、カード読取中フラグ、及びメダル払出中フラグをリセットし、各種エラーフラグをリセットしておく。また、交換完了フラグをセットして、メダル計数カウンタの値、メダル記録枚数カウンタの値、メダル払出枚数カウンタの値は、それぞれゼロリセットしておく。なお、上記エラーフラグは、図3に示した各種周辺機器の一部が故障した場合や、メダル30が詰まった場合などをフォローするためのエラー処理に用いるフラグであるが、詳細な説明は省略する。
【0050】
ステップS202にて各種初期設定処理が終了すると、次のステップS204に進み、バス38を介して接続されている入力手段34、計数開始スイッチ41、計数機制御手段42、払出機制御手段142、カードリーダーライタ37、シート印刷手段39、シート読取手段139、及び計数禁止手段60等の周辺機器がポートに出力している情報を順次読み込んで、RAM33の所定領域に記憶する。
【0051】
例えば、計数禁止手段60から、メダル30の計数を禁止する信号が出力されている場合、すなわち、当該遊技媒体計数機1を管理している遊技場の店員により、メダル30の計数が許可されていない場合には、計数禁止中フラグをセットする。そして、計数開始スイッチ41に併設されているイネーブルランプを消灯しておくフラグを、RAM33に記憶する。
【0052】
他方、例えば、遊技場の店員により、メダル30の計数を許可するための所定の鍵が鍵穴に挿入され、その鍵が回されるなどして、メダル30の計数を許可する状態に設定された場合には、計数禁止手段60から出力されていたメダル30の計数を禁止する信号が解除される。この場合には、CPU31は計数禁止中フラグをリセットする。そして、計数開始スイッチ41に併設されているイネーブルランプを点灯させるフラグを、RAM33に記憶する。実際にイネーブルランプを点灯させる処理は、後のステップS240にて、このフラグに基づいて行う。
【0053】
また、計数開始スイッチ41から、メダル30の計数を開始する信号が出力されていない場合、すなわち、遊技場の店員が、計数開始スイッチ41を押下していない場合には、計数開始スイッチ押下中フラグをリセットする。他方、計数開始スイッチ41から、メダル30の計数を開始する信号が出力されている場合、すなわち、遊技場の店員が、計数開始スイッチ41を押下している場合には、計数開始スイッチ押下中フラグをセットする。
【0054】
次のステップS206にてCPU31は、現在の状況が計数機作動開始時であるか否かの判断を行う。ここでは、計数機作動中フラグがリセット状態にあること、計数禁止中フラグがリセットされていること(具体的には、遊技場の店員により、メダル30の計数を許可するための所定の鍵が鍵穴に挿入され、その鍵が回されている場合。)、計数開始スイッチ押下中フラグがセットされていること(具体的には、遊技場の店員が、計数開始スイッチ41を押下している場合。)、シート読取中フラグがセットされていないこと(具体的には、メダル数量が記録されているシートが、シート読取手段139に挿入されていないこと。)、及び、交換完了フラグがセットされていることを条件に、計数機作動開始時であると判断する。CPU31が、計数機作動開始時であると判断した場合には、ステップS208に分岐し、計数機作動中フラグをセットしてRAM33に記憶する処理を行う。他方、計数機作動開始時でないと判断した場合には、直接ステップS210の処理に進む。
【0055】
なお、ステップS208にてCPU31は、例えば5秒程度の停止タイマー(オフディレイタイマー)をセットする。この停止タイマーは、後段にて説明するステップS216にて計数機49の受穴付回転盤226(図1参照。)を回転させておくためのタイマーであり、再度設定しない限り、5秒後にアップして受穴付回転盤226を停止させるタイマーである。
【0056】
ステップS210にてCPU31は、現在の状況が計数終了時であるか否かの判断を行う。ここでは計数機作動中フラグをRAM33から読み出して、前回のプログラムスキャン(ステップS204〜ステップS240の間の処理。)から今回のプログラムスキャンの間で、計数機作動中フラグがリセットされたことにより、立下がり微分の情報を得ているか否か(すなわち、計数機作動中フラグのダウンエッジを取得したか否か。)の判断を行う。もし、計数機作動中フラグが、今回のプログラムスキャンでリセットされた場合には、ステップS212に分岐し、メダル記録枚数カウンタに、メダル計数カウンタの値をセットする。そして、計数終了時フラグ、シート出力中フラグ及びカード記録中フラグをセットする処理を行う。他方、メダル計数終了時でないと判断した場合には、直接ステップS214に進む。
【0057】
なお、ステップS212にてセットした計数終了時フラグは、メダル30の計数結果をシート及びカードの双方に分けて記録する際に、双方の記録処理が共に終了するまで保持しておくためのフラグである。なお、以下の説明では、メダル30の計数結果をシートに記録して読み取る実施例について説明するが、シートに記録して読み取る処理と同様の処理を、カードについて実行することもできる。また、シート及びカードの双方を併用する処理を採用することもできる。
【0058】
次のステップS214にてCPU31は、計数機作動中フラグがセットされているか否かの判断を行う。もし、計数機作動中フラグがセットされている場合には、ステップS216に進み、計数機49の受穴付回転盤226を回転させるためのフラグをセットし、イネーブルランプを点滅させるフラグをセットする。イネーブルランプが点滅している間は、計数機49の受穴付回転盤226が回転しており、メダル計数中であることを表している。そして、計数機制御手段42から計数したメダル数量を取得して、メダル計数カウンタに記憶する。これに加えてCPU31は、今回のプログラムスキャンで、新たにメダル計数カウンタの値が更新されたか否かの判断を行う。もしメダル計数カウンタの値が更新されていた場合には、ホッパ43内にメダル30が残っている可能性があるので、受穴付回転盤226の停止タイマーを再設定する処理を行う。なお、実際に受穴付回転盤226を回転させ、イネーブルランプを点滅させる処理は、後のステップS240にて、これらのフラグに基づいて行う。他方、計数機作動中フラグがセットされていない場合には、直接ステップS218の処理に進む。
【0059】
次のステップS218にてCPU31は、シート出力中フラグがセットされているか否かの判断を行う。もし、シート出力中フラグがセットされている場合には、メダル30の計数結果を投入枚数表示部40aに表示するとともに、当該計数結果をシートに記録するために、ステップS234の処理に分岐する。他方、シート出力中フラグがセットされていない場合には、次のステップS220の処理に進む。
【0060】
ステップS220にてCPU31は、遊技者がシートをシート読取手段139に挿入したことにより、シート読取中フラグがセットされているか否かの判断を行う。シート読取中フラグがセットされている場合には、ステップS222に分岐し、シート読取手段139からシートに記載されているメダル数量を読み取る処理を行う。シートに記載されているメダルの読取処理が終了した場合には、シート読取中フラグをリセットする処理を行う。他方、シート読取中フラグがセットされていないと判断した場合には、直接ステップS224の処理に進む。
【0061】
ステップS224にてCPU31は、現在の状況がシート読取開始時であるか否かの判断を行う。ここでは、先ず、シート読取手段139から出力されるシート読取中ステータスを参照して、シート読取手段139に新たなシートが挿入されたか否かの判断を行うとともに、バス38を介してシート読取手段139を参照し、挿入されたシートのシート情報を読み取る。そして、読み取ったシート情報が現在有効なシートであるか否かについて、通信インターフェース36を介して管理コンピュータ400に問い合わせる処理を行う。
【0062】
そして、シート読取手段139に挿入されたシートが有効なシートであって、計数禁止中フラグがセットされており、計数を禁止する状態にあること(具体的には、遊技場の店員により、メダル30の計数を許可するための所定の鍵が鍵穴に挿入されておらず、メダルの計数処理を行い得る状況に無いこと。)、及び、交換完了フラグがセットされていること(すなわち、メダル30の計数処理や端数のメダルの払出処理を行っていないこと。)を条件に、シート読取開始時であると判断する。なお、ここで、シート読取開始時であると判断する要件として、計数を禁止する状態にあることを条件としているのは、メダルの計数処理と端数メダルの払出処理との双方が同時に実行されてしまうことにより、メダルの計数処理と端数メダルの払出処理の双方で利用する、シートやカードの取り違えを予め防止するためである。
【0063】
ステップS224にて、CPU31がシート読取開始時であると判断した場合には、ステップS226に分岐し、シート読取中フラグをセットしてRAM33に記憶する処理を行う。そして、シート読取手段139からメダル数量を取得して、メダル計数カウンタに記憶する。他方、シート読取開始時でないと判断した場合には、直接ステップS228の処理に進む。
【0064】
次のステップS228にてCPU31は、現在の状況がシート読取終了時であるか否かの判断を行う。ここでは、先ず、シート読取中フラグを参照して、今回のプログラムスキャンで立下がり微分を得ているか否か(すなわち、シート読取中フラグのダウンエッジを取得したか否か。)の判断を行う。もし、シート読取中フラグが、今回のプログラムスキャンでリセットされていない場合には、ステップS238に分岐する。他方、シート読取中フラグが今回のプログラムスキャンでリセットされた場合には、シートからメダル数量を取得する処理が終了したことを受けて、次のステップS230に進む。
【0065】
次のステップS230にてCPU31は、シートからメダル数量を取得する処理が終了したことを受けて、取得したメダル数量から景品のメダル数量(例えば遊技者所望の特殊景品のメダル数量。)を減算してゆき、当該景品と等価のメダル数量の総和と、減算した余りのメダル数量(端数)とを算出する。そして、景品と等価のメダル数量の総和をメダル記録枚数カウンタにセットし、算出した端数をメダル払出枚数カウンタにセットする処理を行う。次にCPU31は、シート出力中フラグと、メダル払出中フラグと、端数払出中フラグとをセットする処理を行う。そして、次のステップS232の処理に進む。
【0066】
ステップS232にてCPU31は、メダル払出枚数カウンタの値と、そのカウンタ値に対応した枚数のメダルの払出指示とを、払出機制御手段142に出力する。例えば、ステップS230にて算出した端数が234枚であった場合には、234の値とその払出指示とを払出機制御手段142に出力して、払出機制御手段142からメダル30の払出処理が完了したことを表すステータスを待つ処理を行う。なお、ステップS232にて、払出機制御手段142からメダル30の払出処理が完了したことを表すステータスを取得した場合には、CPU31は、メダル払出中フラグをリセットする。
【0067】
次のステップS234にてCPU31は、メダル計数カウンタの値、メダル記録枚数カウンタの値、メダル払出枚数カウンタの値をそれぞれ取得し、その値を投入枚数表示部40a、記録枚数表示部40b、及び払出枚数表示部40cに表示する指令を、表示インターフェース35に出力する。なお、実際に指令を出力するタイミングは、後段のステップS240である。
【0068】
次のステップS236にてCPU31は、メダル記録枚数カウンタの値と、バーコード情報又はQRコード情報と、その印刷指示をシート印刷手段39に出力する。例えば、ステップS230にて算出した景品と等価のメダル数量の総和が1000枚であった場合には、1000の値とその印刷指示とを、シート印刷手段39に出力する。そして、シート印刷手段39からシートに対する印刷処理が完了したことを表すステータスを待つ処理を行う。ステップS236にて、シート印刷手段39からシートに対する印刷処理が完了したことを表すステータスを取得した場合には、CPU31は、シート出力中フラグをリセットする。
【0069】
次のステップS238にてCPU31は、交換完了フラグのフラグ処理、計数終了時フラグのリセット処理、及び端数払出中フラグのリセット処理を行う。メダルの計数処理時において、交換完了フラグをリセットする条件は、計数機作動中フラグが今回のプログラムスキャンでセットされたことである。また、交換完了フラグをセットする条件は、計数終了時フラグがセットされており、シート出力中フラグ及びカード記録中フラグの双方がリセットされていることである。ここで、交換完了フラグをセットした場合には、メダルの計数処理が終了したことを受けて、計数終了時フラグをリセットする。そして、メダル計数カウンタの値、メダル記録枚数カウンタの値、メダル払出枚数カウンタの値を、それぞれゼロリセットする。
【0070】
端数メダルの払出処理時において、交換完了フラグをリセットする条件は、シート読取中フラグが今回のプログラムスキャンでセットされたことである。また、交換完了フラグをセットする条件は、シート出力中フラグ及びメダル払出中フラグがリセットされていることにより、シートの印刷出力とメダルの払出処理との双方の処理が終了しており、端数払出中フラグがセットされていることである。ここで、交換完了フラグをセットした場合には、メダルの払出処理が終了したことを受けて、端数払出中フラグをリセットする。そして、メダル計数カウンタの値、メダル記録枚数カウンタの値、メダル払出枚数カウンタの値を、それぞれゼロリセットする。
【0071】
次のステップS240にてCPU31は、バス38を介して接続されている入力手段34及び計数開始スイッチ41の各ランプ、表示インターフェース35、通信インターフェース36、計数機制御手段42、払出機制御手段142、カードリーダーライタ37、シート印刷手段39、シート読取手段139等のポートに対して、指令や各種情報を出力する。出力処理が終了すると、再びステップS204の処理に戻り、以降の処理を繰り返し実行する。
【0072】
なお、上記の実施例では、シートに記録されているメダル数量を取得して、その取得したメダル数量から景品のメダル数量を減算してゆき、当該景品と等価のメダル数量の総和をシートに記録し、減算した余りの端数をメダル受皿17に払出す実施例を示したが、同様な処理をカードについて行うこともできる。例えば、カードに記録されているメダル数量の情報を読み取って、景品と等価のメダル数量の総和をカードに記録し、減算した余りの端数をメダル受皿17に払出することもできる。また、シートとカードとを併用することもできる。
【0073】
次に本発明の作用について説明する。図5は、従来のメダル計数処理に加えて、一旦シートやカードに記録されたメダル数量から、景品と等価の遊技媒体の数量を差し引いて、当該景品と等価のメダル数量の総和をシートやカードに記録し、減算した余りの端数をメダル受皿17に払出す行程を表した工程図である。
【0074】
図5に示すように、ドル箱に貯留されているメダルを景品と交換する際には、工程P102にて遊技者に呼ばれた遊技場の店員が、ドル箱を遊技媒体計数機の所まで運搬し、遊技媒体計数機のホッパにメダルを投入する。
【0075】
次に、工程P104にて遊技場の店員は、遊技媒体計数機においてメダルの計数を許可するための鍵を遊技媒体計数機の鍵穴に挿入して回し、遊技媒体計数機において設定されている計数を禁止する状態を解除する操作を行う。
【0076】
工程P106にて遊技場の店員は、遊技媒体計数機に配されている計数開始スイッチを押下して、メダル計数処理を開始させる(図4に示したステップS206参照。)。すると、遊技媒体計数機は、ホッパに投入したメダルを、ホッパの底部から一枚ずつ取り出して計数する処理を開始する(図4に示したステップS216参照。)。メダル計数処理が開始された場合には、先の工程P104にて鍵穴に挿入した鍵を抜き取る。
【0077】
遊技媒体計数機は、最後のメダルを計数し終わってから所定時間経過したことを条件に、計数処理を終了する(図4に示したステップS210参照。)。このメダルの計数結果は、シートやカードにメダル数量として記録されて、遊技媒体計数機から出力される(図4に示したステップS236参照。)。メダルの計数処理が終了したら、遊技場の店員は、他の業務を行うために遊技媒体計数機から離れることができる。
【0078】
次の工程P108にて遊技者は、メダルの計数結果が記録されているシートやカードを持って、他の遊技機に移動して遊技を継続することができる。また、シートやカードに記録されたメダル数量に端数が存在しており、この端数をメダルとして取得することを遊技者が希望する場合には、後段にて説明する工程P110にて、このシートやカードを遊技媒体計数機に挿入することで端数のメダルを取得することができる。なお、遊技媒体計数機の使用頻度は、遊技場の閉店間際以外は少なく、空いていることが多いので、遊技者は希望する時にメダルを取得することができる。
【0079】
例えば、遊技者が所望する特殊景品の単価が、メダル500枚であって、このときシートやカードに記録されたメダル数量が1234枚であったとすると、このシートやカードで特殊景品2個を得ることができる。しかし、234枚の端数が発生する。遊技場内に、この234枚のメダル数量で交換可能な所望の景品が存在しない場合や、再度別の回胴式遊技機で遊技を再開したい場合には、次の工程P110にて、端数となっている234枚のメダルを払出すことができる。
【0080】
次の工程P110にて遊技者は、シート又はカードを遊技媒体計数機に挿入して(図4に示したステップS220参照。)、遊技者所望の景品と等価のメダル数量の総和が記録されたシートやカードを取得し(図4に示したステップS236参照。)、端数のメダルを取得する(図4に示したステップS232参照。)。この処理を遊技媒体計数機に実行させる際には、遊技媒体計数機においてメダルの計数を許可するための鍵は不要であるので、遊技者が自ら、所望の時に、この処理を行うことができる。
【0081】
払出されたメダルで再遊技を行う場合には、工程P112にて端数のメダルをドル箱に入れて所望の回胴式遊技機まで移動し、遊技を再開することができる。なお、シートやカードに残っているメダルの端数が少ない場合(例えば数枚程度。)であっても、敢えて遊技場の店員を呼ぶことなく、工程P110にて、遊技者が自ら端数のメダルを取得することができるので、気兼ねなく取得したメダルを使い切ることができる。
【0082】
遊技者所望の景品と等価のメダル数量の総和が記録されたシートやカードは、工程P114にて遊技場の景品交換コーナーまで持ってゆく。そして、工程P116にて所望の景品と交換してもらう。ここでは、シートやカードに記録されているメダル数量の総和は、景品の単価の総和であるので、メダルの端数は発生しない。したがって、取得したメダルを全て使い切った満足感をもって、遊技場を後にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に係る遊技媒体計数機を上面から見た平面図である。
【図2】図1に示す遊技媒体計数機のII−II矢視断面図である。
【図3】遊技媒体計数機における制御部のブロック図である。
【図4】制御部のCPUが実行する電源投入処理のフローチャートである。
【図5】本発明に係る遊技媒体計数装置を用いて、一旦シートやカードに記録された遊技媒体の数量から、景品と等価の遊技媒体の数量を差し引いた後に余った端数の遊技媒体を、遊技者に返却する行程を表した工程図である。
【図6】大量に取得したメダルを景品に交換するまでの、従来の工程を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
1 遊技媒体計数機
2 筐体
11 ガイド
12 固定具
17 メダル受皿
29 制御部
30 メダル(遊技媒体)
31 CPU(遊技媒体計数手段、端数算出手段)
32 ROM
33 RAM
34 入力手段
35 表示インターフェース
36 通信インターフェース
37 カードリーダーライタ(記録手段、読取手段)
38 バス
39 シート印刷手段(記録手段)
40a 投入枚数表示部
40b 記録枚数表示部
40c 払出枚数表示部
41 計数開始スイッチ
42 計数機制御手段
43 ホッパ(遊技媒体貯留手段)
49 計数機(遊技媒体計数手段)
60 計数禁止手段
139 シート読取手段(読取手段)
142 払出機制御手段
143 ホッパ
149 払出機(遊技媒体払出手段)
50,150 シュート
224 メダル受穴
226 受穴付回転盤
400 管理コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体の数量の計数を許可する状態と、前記遊技媒体の数量の計数を禁止する状態とを設定する計数禁止手段と、
前記遊技媒体を貯留可能な遊技媒体貯留手段と、
前記遊技媒体の数量の計数が許可されている状態において、前記遊技媒体貯留手段に貯留されている前記遊技媒体の数量を計数する遊技媒体計数手段と、
前記計数した遊技媒体の数量を記録媒体に記録する記録手段と、
を有する遊技媒体計数機において、
前記記録媒体に記録されている遊技媒体の数量を読み取る読取手段と、
前記記録媒体から読み取った遊技媒体の数量から、予め定められた所定数の遊技媒体と交換可能な景品と等価の遊技媒体の数量を減算してゆき、余りの遊技媒体の数量を算出する端数算出手段と、
前記余りの数量の遊技媒体を払出す遊技媒体払出手段と、
を備えたことを特徴とする遊技媒体計数機。
【請求項2】
前記記録手段は、前記景品と等価の遊技媒体の数量を、新たに記録媒体に記録することを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体計数機。
【請求項3】
前記読取手段は、前記遊技媒体の計数を禁止する状態において、前記記録媒体に記録されている遊技媒体の数量の読み取りを開始することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技媒体計数機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−213740(P2009−213740A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62056(P2008−62056)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】