説明

遊技媒体計数装置

【課題】計数中に異常電源断が発生したときでも、異常電源断復旧後に確実に計数する遊技媒体計数装置を提供する。
【解決手段】機内に流入する遊技媒体を検出する計数センサ部24と、計数センサ部24に至る手前側で遊技媒体の流路を閉鎖するシャッターと、計数センサ部24からの検出信号に基づき遊技媒体を計数するとともに、シャッター駆動部33を制御してシャッターを開閉する制御部29とを備え、電源投入時にシャッターの開閉動作を伴う初期化動作を行なうとともに、入力操作に基づいて計数値を記録した記録媒体を発行する遊技媒体計数装置であって、制御部29は、所定の異常電源断の発生時において、異常電源断を示す異常電断情報を記憶し、異常電源断復旧時において、異常電断情報の記憶の有無の判定を行うとともに、異常電断情報が記憶されているときには、初期化動作において開閉動作を行わない構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置に関し、特に、計数中に停電などによって不慮の電源断が発生した場合、電源断復旧後に確実に計数処理を遂行する遊技媒体計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機が設置されるホールには、遊技者が獲得した遊技球等の遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置が備えられている。この種の遊技媒体計数装置では、例えば、計数対象を遊技球とする計数装置の場合、すり鉢状に形成されたホッパーに投入された遊技球がホッパー底面の投入口から装置内部に順次流入するとともに、流路(レーン)により所定の計数手段(例えば、近接センサ)へ導かれて計数され、そして、計数された結果は、紙製のレシートや磁気カード、ICカードなどの記録媒体に記録されて遊技者に手渡される。
このような遊技媒体計数装置では、所定の駆動手段によって開閉するシャッターを設けたものがある。このシャッターを、投入口に設けることで、遊技球の機内への流入を規制することができる。さらに、電源投入時に、シャッターが正常に作動するかどうか確認するためにシャッターの開閉動作(初期化処理)を行う遊技媒体計数装置がある(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、記録媒体に記録された計数値は、現金や景品と交換可能な価値を有することから、いかなる状況下においても計数処理の正確さが要求される。
例えば、所定のスイッチの操作に基づいて遊技媒体計数装置が正常な状態で電源断される場合以外に、落雷などによる停電や電気系統のトラブル(故障、コンセントの抜け等)によって、遊技媒体計数装置に供給される電力が予期せず絶たれるような異常な状態で電源断(以下、異常電源断という)された場合においても、その正確さを担保する必要がある。
そこで、計数中にこのような異常電源断が起こると、コンデンサに充電された電力によってシャッターを閉鎖状態に駆動させて遊技媒体の流入を防ぐとともに、この充電された電力によりシャッターと検知センサの間に存在する遊技媒体を電源断中に計数する遊技媒体計数装置がある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−172267号公報
【特許文献2】特開2007−229113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の遊技媒体計数装置では、計数中に異常電源断が発生した場合のシャッターの開閉をどのようにするか考慮されていなかったため、異常電源断発生時にシャッターが開放されている場合には、遊技媒体が計数されないまま下流に流れてしまう問題があった。
そこで、特許文献1に記載の遊技媒体計数装置に、さらに、特許文献2に記載の計数装置における異常電源断発生時の処理を適用し、異常電源断発生時にシャッターを閉鎖させることが考えられる。この場合には、異常電源断発生時にシャッターが閉鎖されることで、遊技媒体が計数されないまま下流に流れてしまうことを防ぐことはできるが、異常電源断復旧時(電源投入時)に、ホッパー内(シャッター上)に遊技媒体が貯留されている場合では、初期化処理としてシャッターの開閉動作が行われると、異常電源断復旧直後のため内部が計数可能な状態に初期化されないうちに遊技媒体が下流に流れてしまい、これらの遊技媒体が計数されない問題があった。さらには、シャッターの開閉動作で遊技媒体がシャッターに挟まってしまうおそれがあり、異常電源断復旧後の処理が考慮されていなかった。
【0006】
また、特許文献2に記載の計数装置のように、遊技媒体を検出する検知センサが少ない場合には、コンデンサに充電された電力でシャッターと検知センサの間に存在する遊技媒体を電源断中に計数可能であるが、一般に、遊技島端に設けられる計数機は検知センサが多く充電された電力だけでは全ての遊技媒体を計数できなかった。その結果、電源断発生時にシャッターと検知センサの間の流路に存在する遊技媒体が未計数のまま流下してしまい、遊技者には損失となってしまう問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、計数中に異常電源断が発生したときでも、異常電源断復旧後すぐにシャッターの開閉動作を行わないことで、シャッター上に停留されている遊技媒体を確実に計数する遊技媒体計数装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の遊技媒体計数装置は、機内に流入する遊技媒体を検出する検出手段と、検出手段に至る手前側で遊技媒体の流路を閉鎖するシャッターと、検出手段からの検出信号にもとづいて遊技媒体を計数するとともに、所定の駆動手段を制御してシャッターを開閉する制御手段と、を備え、電源投入時にシャッターの開閉動作を伴う所定の初期化動作を行なうとともに、所定の入力操作に基づいて計数値を記録した所定の記録媒体を発行する遊技媒体計数装置であって、制御手段は、所定の異常電源断の発生時において、異常電源断を示す異常電断情報を記憶し、異常電源断復旧時において、異常電断情報の記憶の有無の判定を行うとともに、異常電断情報が記憶されているときには、初期化動作において開閉動作を行わない構成としてある。
【発明の効果】
【0009】
本発明の遊技媒体計数装置によれば、計数中に異常電源断が発生したときでも、異常電源断復旧後すぐにシャッターの開閉動作を行わないことで、シャッター上に停留されている遊技媒体を確実に計数することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の制御構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置のシャッターの開閉動作を示す説明図で、(a)は、シャッターの閉状態を示す図であり、(b)は、シャッターの開状態を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の異常電源断発生処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の異常電源断復旧処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の表示部における表示例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置のシャッター初期化処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の異常電源断時発券処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の計数情報の記憶状態を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る遊技媒体計数装置の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
【0012】
本実施形態に係る計数装置1は、各図に示すように、計数対象を遊技球とする計数装置であり、すり鉢形状のホッパー4に投入された遊技球が、その底面に配置された投入口31aから機内に流入するとともに、複数の流路により分流・整流されつつ、遊技球を検出する複数のセンサ(計数センサ部24)へ誘導されて計数されるように構成されている。また、計数装置1は、複数の遊技機が設置される遊技機島(不図示)単位に設けられている卓上型の計数装置として構成されている。
さらに、計数装置1は、所定の駆動手段(シャッター駆動部33)により駆動されて投入口31aを開閉し、機内への遊技球の流入を制限するシャッター31を備え、このシャッター31は、異常電源断発生時に電力を供給するバックアップ電源部25bからの電力に基づいて投入口31aを閉塞するように動作する。
以下、本実施形態の計数装置1の具体的な構成について説明する。
【0013】
本実施形態の計数装置1は、特に、装置本体2と、シャッター部3と、ホッパー4とから構成されており、これらは積層されて装置本体2に収容されている。
計数装置1は、図1に示すように、外装に、計数値が記録されたレシートを発行するレシート発行部21と、操作によりレシートの発行が開始されるレシート発行ボタン21aと、計数値などを表示するとともに、タッチ操作により所定の入力操作が可能な入力部として機能するタッチパネルからなる表示部22と、表示部22を覆うように開閉可能な前カバー部23等を備えている。
表示部22には、計数値、操作案内、エラー情報、各種設定内容等が表示される。なお、表示部22における具体的な表示例は後述する。
前カバー部23は、遊技場の従業員が所持している鍵によって開錠され、前カバー部23が開放されることで、表示部22には、特定の画面(図6など)が表示されるようになっている。
【0014】
また、計数装置1は、図2に示すように、内装に、遊技球を検出する複数の近接センサで構成された計数センサ部24と、所定の交流電源から機内各部に適した電源を生成・供給する電源部25aと、異常電源断発生時に電力を供給する二次電池で構成されたバックアップ電源部25bと、計数値や各種設定値等を記憶する記憶部26と、異常時に警報を出力するスピーカやアンプ等で構成された警報部27と、外部の装置(例えば、景品交換装置,ホールコンピュータ等)と通信を行う通信部28と、上記各部を制御するコンピュータとして構成された制御部29と、シャッター31を開閉させるシャッター駆動部33等を備えている。
【0015】
計数センサ部24は、検出手段の一例であり、各流路から流下する遊技球を検出する近接センサ(不図示)を備えている。各近接センサからの検出信号は制御部29に入力され、制御部29によって、この入力回数が計数されて計数値が算出される。
また、計数センサ部24は、異常電源断発生時にバックアップ電源部25bからの電力が供給されず、電源断時は計数不能となっている。そのため、電源断時に流路を流下する遊技球が存在する場合には、これらの遊技球は計数されないことになる。
【0016】
記憶部26は、計数装置1が備える各種機能を実行するためのプログラムやデータ、計数センサ部24からの検出信号に基づき計数された計数値、計数時刻(計数更新時刻)、電源断検出信号の検出時刻(電源断発生時刻)、異常電源断を示す異常電断フラグ、計数途中の電源断の発生を示す計数中電断フラグ等を記憶する。
記憶部26に記憶される計数値には、異常電源断発生時の計数値、異常電源断復旧後に遊技場の従業員から所定の手段によって新たに追加された計数値を示す補償計数値等がある。なお、異常電源断発生時の計数値は、計数値に係るレシートが発行されると初期化されることになっている。
そして、異常電源断発生時の計数値と、異常電源断を示す異常電断フラグは、本発明に係る異常電断情報として記憶されている。
【0017】
さらに、上記した各計数値は、計数情報として蓄積される。具体的には、異常電源断発生時に記憶した計数値を記録したレシートと補償計数値を記録したレシートとが個別に発行される場合には、各計数値を識別可能に記憶し、異常電源断発生時に記憶した計数値に補償計数値を加算した計数値を記録したレシートが発行される場合には、この加算した合計計数値を識別可能に記憶する(図9参照)。なお、図9に示す計数情報の記憶状態の詳細は後述する。
なお、本実施形態の記憶部26は、EEPROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成されているため、記憶した各情報は電力の供給がなくても保持される。
【0018】
制御部29は、CPU(中央演算処理装置)、各部を制御するプログラムとデータが記録されたROM、ワーク領域となるRAM、上記各部とCPUとを接続するI/Oポートなどで構成され、ROMに記録されたプログラムが実行されることで、各部が制御されて、計数センサ部24からの検出信号に基づいて遊技球を計数する装置として動作するようになっている。そして、制御部29は、バックアップ電源部25bを介して電源部25aと接続され、異常電源断発生後の所定の時間に亘り、バックアップ電源部25bから供給される電力を費やして処理が遂行されるように構成されている。
また、制御部29は、シャッター駆動部33を制御してシャッター31を開閉させる。例えば、異常電源断発生時に、新たな遊技球の流入を阻止するため、シャッター駆動部33(モータ331)を制御し、シャッター31を閉塞させる。
【0019】
また、制御部29は、計数装置1の電源投入時における初期化動作に含まれるシャッター31の開閉動作を制御する。
具体的には、制御部29は、異常電源断発生時の計数値と、異常電源断を示す異常電断フラグとがそれぞれが記憶部26に記憶されていないときには、電源投入時における初期化動作においてシャッター31の開閉動作を行うものの、異常電源断発生時の計数値と、異常電源断を示す異常電断フラグとがそれぞれが記憶部26に記憶されているときには、電源投入時の初期化動作においてシャッター31の開閉動作を行わない。そして、異常電源断発生時の計数値と異常電断フラグとが記憶部26に記憶されているときには、電源投入時のシャッター31の開閉動作を除く初期化動作後に、遊技場の従業員による所定の入力操作(前カバー部23の開放操作など)に基づいてシャッター31の開閉動作を行なわせるようになっている。
このように、電源投入時(異常電源断復旧時)にシャッターの開閉動作をすぐに行わないことで、計数装置1の内部が計数可能な状態に初期化されないうちに、シャッター31上に貯留されている遊技球が未計数のままで計数センサ部24を通過してしまうのを防ぐことができる。
【0020】
図3は、シャッター部3を上から見た平面図であり、同図に示すように、シャッター部3は、箱状に形成され、可動体であるシャッター31と、このシャッター31の両側部に水平に延設させたガイドレール32を備えている。そして、シャッター31が、ガイドレール32上をスライド移動することで投入口31aが開閉されるように構成されている。
投入口31aは、ホッパー4の底面に形成された連通口と連通し、流路に遊技球を流出する。すなわち、シャッター部3は、図3(b)に示すように、シャッター31が開状態では、流入する遊技球を流路に誘導するように動作するとともに、図3(a)に示すように、シャッター31が閉状態では、流路への誘導を妨げるように動作する。
【0021】
また、シャッター部3は、図3に示すように、内装に、シャッター駆動部33、開状態検出部34、閉状態検出部35を備えている。
シャッター駆動部33は、シャッター31を開閉動作させる駆動手段の一例であり、モータ331と、モータ331の回転駆動によって周回するベルト332と、これらを連動させる駆動ローラーとしてのプーリー333と、雄ねじを設けたねじ付きシャフト334と、この雄ねじと係合する雌ねじ335とからなっている。
ベルト332は、モータ331の軸に巻回されるとともにプーリー333と連結され、プーリー333は、ねじ付きシャフト334と連結されている。また、雌ねじ335は、シャッター31の裏面に固定されている。
このような構成により、モータ331を動力とし、モータ331が回転駆動すると、プーリー333がベルト332を介して回転され、プーリー333の回転によりねじ付きシャフト334が、雌ねじ335を介してシャッターを開閉方向に移動させることができる。
シャッター31は、上記したように、制御部29によってシャッター駆動部33が駆動制御され、異常電源断発生時に閉状態とされることで、異常電源断発生後に機内への新たな遊技球の流入を阻止するようになっている。
【0022】
開状態検出部34と閉状態検出部35は、フォトインタラプタで構成され、シャッター31の開状態又は閉状態(開閉位置)を検出する。具体的には、開状態検出部34は、シャッター31が前端に移動し、投入口31aが開放された状態となったことを検出し、閉状態検出部35は、シャッター31が後端に移動し、投入口31aが閉鎖された状態となったことを検出する。
そして、開状態検出部34と閉状態検出部35は、開閉状態を検出した場合には、制御部29に検出信号を出力し、制御部29はこの検出信号からシャッター41の開閉状態を認識することができる。すなわち、制御部29は、開状態検出部34と閉状態検出部35からの検出信号を監視しつつ、モータ331を回転制御して、シャッター41を開状態又は閉状態にすることができる。
【0023】
このように構成された計数装置1は、異常電源断の発生に伴い制御部29によって制御されて、以下のように動作する。
まず、図4を参照して、本実施形態に係る計数装置1の異常電源断発生時に行う異常電源断発生処理について説明する。
具体的には、制御部29は、電源部25aが生成する所定の電圧(例えば、5V)を定期的に監視するとともに、電位が所定のレベルまで下がると、異常電源断が発生したと認識する。また、異常電源断発生時に「異常電源断検出信号」を出力する検出回路(不図示)を備えている。
【0024】
まず、制御部29は、電源部25aの電位のレベルを監視することによって異常電源断が発生したか否かを判定する(S1)。
異常電源断が発生したと判定された場合に(S1:YES)、電源部25aからの電力の供給が絶たれ、バックアップ電源部25bからの電力に切り替る(S2)。バックアップ電源部25bは、電源が正常状態のときに常時充電されており、制御部29とシャッター駆動部33は、このバックアップ電源部25bから直接電力が供給され、動作を遂行することができるものとする。そして、制御部29は、モータ331を回転制御し、シャッター31を閉塞(閉状態)させる(S3)。これにより、異常電源断後に新たな遊技球の流入を阻止することができる。
【0025】
次に、制御部29は、計数中に異常電源断が発生したか否かを判定する(S4)。
具体的には、記憶部26に異常電源断発生時の計数値が記憶されているか否かを判定する。上記したように計数値は、レシートが発行されたときに初期化されるので、計数値が記憶されているときは、レシートが発行されていない「計数中」であると判定できる。
そして、このような判定によって、計数中に異常電源断が発生したと判定された場合には(S4:YES)、異常電源断発生時の計数値と、異常電源断を示す異常電断フラグをセット(ON)して、記憶部26に記憶する(S5)。そして、ここで記憶された、異常電源断発生時の計数値と異常電断フラグは、異常電断情報として記憶され、後述する異常電源断復旧時の異常電断情報の記憶の有無の判定で用いられる。
【0026】
次に、制御部29は、異常電源断発生の直前に計数値の変化があるか否かを判定する(S6)。
これは、制御部29は、計数センサ部24からの検出信号の検出間隔を所定周期(例えば、0.5秒)ごとに監視し記憶するとともに、この記憶された検出信号の検出間隔が、異常電源断発生の直前に所定時間(例えば、1秒)以内か否かを判定する。例えば、検出間隔が所定時間以内の場合は、異常電源断発生の直前に計数値の変化があると判断でき、連続して遊技球が計数されて、まさに、計数センサ部24を遊技球が通過している「計数途中」であるとみなすことができる。一方、検出間隔が所定時間以外の場合は、異常電源断発生の直前に計数値の変化はないと判断でき、連続して遊技球が計数されていないため、計数途中ではないとみなすことができる。
なお、異常電源断発生の直前に計数値の変化があるか否かの判定方法は、上記に限らず、例えば、検出信号を検出した最新の時刻(計数更新時刻)と異常電源断検出信号の検出時刻(異常電源断発生時刻)とを比較し、これらの時間差が所定時間以内か否かによって判定してもよい。
【0027】
異常電源断発生の直前に計数値の変化がある場合は(S6:YES)、連続して遊技球が計数されているとき、すなわち計数途中に、電源断が発生したものとみなし、計数センサ部24を通過する遊技球を検出できずに機内を流下した「未計数の遊技球」が存在するものと推定する。そのため、この未計数の遊技球分の計数値(補償計数値)を、レシート発行時に遊技者に補償する必要がある。そこで、補償の対象であることを示す計数中電断フラグをセット(ON)して(S7)、記憶する。なお、異常電源断の発生に伴う補償方法ついては後述する。
一方、異常電源断発生の直前に計数値の変化がない場合は(S6:NO)、計数途中に電源断が発生していないとみなし、未計数のままで計数センサ部24を通過した遊技球はないと推定する。そして、計数中電断フラグをセットせずにS8へ移行する。そして、各種データを記憶部26に記憶し、退避させてからシャットダウンを行い(S8)、異常電源断発生処理が終了される。
【0028】
このように、計数装置1は、異常電源断発生時にバックアップ電源部25bからの電力に基づいて動作し、投入口31aを閉塞(閉状態)するシャッター31を備えるため、異常電源断発生時に機内への新たな遊技球の流入を阻止することができる。
また、異常電源断発生時の計数値の変化を判定することで、シャッター31と計数センサ部24の間に存在する未計数の遊技球の有無がわかる。
【0029】
上記したように、計数装置1は、異常電源断の発生に伴い異常電源断発生処理が実行され、復旧するまでシャットダウンした状態となる。そして、電源が投入され復旧すると、異常電源断の発生によってシャッター31上に停留したままの遊技球の計数などを行う異常電源断復旧処理が実行される。この異常電源断復旧処理には、シャッター31の開閉動作を行うシャッター初期化処理などが含まれている。また、この異常電源断復旧処理に割り込み処理として実行可能な、異常電源断の発生に伴うレシートを発行する異常電源断時発券処理がある。
以下、異常電源断復旧処理を用いて、本発明の解決課題である、異常電源断復旧後(電源投入時)に装置内部が計数可能な状態ではないときに、シャッター31の開閉動作が行われることで、シャッター31上の遊技球が未計数のまま下流に流れてしまう課題の解決手段について説明する。
また、異常電源断時発券処理を用いて、本発明の解決課題である、計数途中で電源断が発生した時にシャッター31と計数センサ部24の間の流路に存在する遊技球が未計数のままで計数センサ部24を通過してしまう課題の解決手段について説明する。
【0030】
まず、図5及び図6を参照して、本実施形態に係る計数装置1の異常電源断復旧処理について説明する。
制御部29は、電源部25に電源が投入され、所定の電位まで上がると初期化動作を行う(S11)。この初期化動作では、制御部29を構成する各デバイスの初期化処理を行う。そして、初期化処理によって計数センサ部24は、検出可能な状態になり、制御部29は、計数可能な状態となる。すなわち、計数装置1は新たに投入された遊技球を計数可能な状態となる。
なお、上記したように、初期化動作には、シャッター31の開閉動作も含まれるが、本実施形態における制御部29は、電源が投入されたときに異常電断情報(異常電源断発生時の計数値と異常電断フラグ)が記憶部26に記憶されている場合に限り、シャッター31の開閉動作は行わないようになっている。
【0031】
次に、制御部29は、計数中に異常電源断が発生したか否かを判定する(S12)。
具体的には、異常電断情報の記憶の有無の判定を行う。すなわち、異常電源断発生時の計数値と異常電断フラグとがそれぞれが記憶されているかを判定する。
計数値が記憶されているとともに、異常電断フラグがセットされて記憶されている場合は(S12:YES)、未だレシートの発行が完了していない、すなわち計数中に、異常電源断が発生したと判断できる。その結果、異常電源断の復旧に関する処理が以降行われることになる。
【0032】
そして、制御部29は、表示部22に、前カバー部23の開放操作を促す表示を行わせる(S13)。例えば、図6(a)に示すように、表示部22は、異常電源断を検出した旨と異常電源断発生時の計数値(7777玉)を表示するとともに、前カバー部23の開放操作を促す表示を行う。
遊技場の従業員による操作に基づいて、前カバー部23が開放された場合は(S14:YES)、続いて、表示部22は、シャッター31の開放操作を促す表示を行う。例えば、図6(b)に示すように、画面上にシャッター31を開放可能なシャッター開放ボタンを表示し、押下操作を促す(S15)。
【0033】
遊技場の従業員による操作に基づいて、シャッター開放ボタンが押下された場合は(S16:YES)、制御部29は、モータ331を回転制御してシャッター31を開放させる。これにより、シャッター31上に停留している遊技球が新たに機内に流入し、計数センサ部24によって計数されることになる。このとき、表示部22は、図6(c)に示すように、計数中を示す画面を表示する(S17)。
図6(c)に示す画面では、例えば、新たに機内に流入した遊技球が計数センサ部24によって検出される度に、異常電源断発生時の計数値(7777玉)が+1加算されてリアルタイムに更新表示される。あるいは、異常電源断発生時の計数値(7777玉)をそのまま表示させ、新たに機内に流入して計数された遊技球数を同時に表示することもできる。これにより、遊技者は異常電源断発生時に計数された計数値と異常電源断復旧後に新たに計数された計数値とを個別に確認することができる。
また、S15〜S16におけるシャッター31の開放動作は、S14における前カバー部23の開放に基づいて自動的に動作されるようにしてもよい。
【0034】
そして、制御部29は、計数センサ部24において遊技球が検出されるか否かを判定する(S18)。遊技球が検出された場合には(S18:YES)、新たな遊技球が流入されたことにより、異常電源断発生時の計数値を+1ずつ加算して更新するとともに、記憶部26に記憶する(S19)。なお、この記憶部26に記憶されている異常電源断発生時の計数値は、同時に表示部22に表示される。
【0035】
上記したように制御部29は、計数センサ部24からの検出信号を監視しており、この検出信号の検出間隔が所定時間経過したか否かを判定する(S20)。検出間隔が所定時間経過した場合は(S20:YES)、制御部29は、シャッター31上に停留されている遊技球を全て計数したものとして、計数が完了したとみなし、表示部22に異常電源断復帰処理(シャッター初期化処理)の実行操作を促す表示を行わせる。例えば、図6(d)に示すように、表示部22は、新たに流入された遊技球数を含む異常電源断発生時の計数値と、異常電源断復帰処理を実行可能な復帰ボタンを表示して、押下操作を促す(S21)。
一方、検出間隔が所定時間経過していない場合は(S20:NO)、ホッパー4内のシャッター31上に未だ停留されている遊技球があるとして、S18に移行し、この停留されている遊技球が検出されるまで繰り返される。
【0036】
なお、前カバー部23が開放されたときに(S14:YES)、遊技場の従業員などの目視によって、シャッター31上に停留されている遊技球が存在しないと判断できる場合には、所定の操作に基づいてS15〜S20を省略し、S21へ移行してもよい。
【0037】
図6(d)に示す復帰ボタンが押下された場合は(S22:YES)、続いて、後述するシャッター初期化処理が行われて(S24)、異常電源断復旧処理が終了される。
一方、復帰ボタンが押下されない場合は(S22:NO)、再び、計数センサ部24において遊技球が検出されるか否かを判定する(S23)。そして、例えば、ホッパー4内に新たに遊技球が投入されるなどによって、遊技球が検出された場合には(S23:YES)、S18へ移行し、これら遊技球の検出が行われる。
【0038】
このように、計数中に異常電源断が発生した場合に、異常電源断復旧後に遊技場の従業員などの所定の操作に基づき、シャッター31上に停留されている遊技球を計数させた後に、シャッターの開閉動作を行う。これによって、異常電源断復旧後にシャッター31上に遊技球が停留されている場合であっても、この遊技球が、計数装置1の初期化処理が整わないことによって計数されずに下流に流れることはない。
また、表示部22が、図6に示すような表示を行うことにより、遊技場の従業員は、遊技者に異常電源断発生時の計数値を確認させつつ、計数作業を進行させることができるので、計数値の透明性を確保することができる。
【0039】
次に、図7を参照して、異常電源断復旧処理におけるシャッター初期化処理(S24)について具体的に説明する。
まず、制御部29は、閉状態検出部35からの検出信号に基づいて、シャッター31が閉位置(閉状態)か否か判定する(S241)。シャッター31が閉位置であると判定したときには(S241:YES)、S245に移り、開動作の動作確認処理が行われる。
一方、シャッター31が閉位置ではないと判定したときには(S241:NO)、制御部29は、モータ331を回転制御し、シャッター31を閉位置へ閉鎖させる(S242)。そして、制御部29は、閉状態検出手段35からの検出信号に基づき、シャッター31が閉位置か否かを判定し(S243)、閉位置であると判定したときには(S243:YES)、モータ331を停止させる(S244)。
【0040】
S243において、シャッター31が閉位置ではないと判定したときには(S243:NO)、さらに、モータ331の駆動開始時間から所定時間経過したか否かを判定する(S246)。この所定時間を、例えば4秒と設定した場合、モータ331の駆動開始時間から4秒経過した場合には(S246:YES)、何らかの要因によってシャッター31が閉じない異常な状態であると判断される。例えば、シャッター31に遊技球が挟まってしまい閉位置に位置しない場合や、シャッター31に不正に異物が噛み込まれることで、シャッター31が開放状態にされて閉位置に位置しない場合等が考えられる。
そして、このような異常な状態においては、制御部29は、モータ331を停止させる(S247)とともに、表示部22と警報部27を駆動させ、所定のエラー表示や警報を行わせる(S248)。
【0041】
次に、シャッター31が閉状態となったときに、制御部29は、モータ331を回転制御し、シャッター31を開位置へ開放させる(S245)。
そして、制御部29は、開状態検出部34からの検出信号に基づいて、シャッター31が開位置か否か判定し(S249)、開位置であると判定したときには(S249:YES)、モータ331を停止させる(S250)。
一方、シャッター31が開位置ではないと判定したときには(S249:NO)、上記したS246〜S248と同様の異常を判定する処理が行われる(S252〜S254)。
【0042】
次に、シャッター31が開状態となったときに、制御部29は、モータ331を回転制御し、シャッター31を閉位置へ閉鎖させる(S251)。
そして、制御部29は、閉状態検出部35からの検出信号に基づいて、シャッター31が閉位置か否か判定し(S255)、閉位置であると判定したときには(S255:YES)、モータ331を停止させ(S256)、シャッター初期化処理を終了する。
一方、シャッター31が閉位置ではないと判定したときには(S255:NO)、上記したS246〜S248と同様の異常を判定する処理が行われる(S257〜S259)。
このように、電源投入時にシャッター31の開閉動作を繰り返し行い、正常に作動することを確認するシャッター初期化処理を行うことによって、遊技球や異物がシャッター31に挟まった開状態が維持されることがない。また、異物の噛み込みによってシャッター31が破損してしまうことを防止することができる。
【0043】
次に、図8及び図9を参照して、本実施形態に係る計数装置1の異常電源断時発券処理について説明する。
異常電源断時発券処理は、例えば、レシート発行ボタン21aの押下に基づいて出力されるレシート発行信号を検知することで処理が開始され、異常電源断復旧処理に割り込んで実行可能となっている。
【0044】
まず、制御部29は、レシート発行信号を検知することによって、発券操作がされたと判定したときは(S31:YES)、続いて、計数中電断フラグがセットされているか否かを判定する(S32)。すなわち、まさに計数途中に電源断が発生し、未計数のままで計数センサ部24を通過した遊技球があるか否かを判定する。
判定の結果、計数中電断フラグがクリア(OFF)されている場合は(S32:NO)、計数途中の電源断により未計数のままで計数センサ部24を通過した遊技球が存在しないため、レシート発行部21は、異常電源断発生時に計数されたことを識別可能な所定の情報が記録されたレシートのみを発行する(S33)。例えば、異常電源断発生時の計数値が5000玉である場合には、「5000玉 電断」のような印字がされたレシートが発行される。そして、制御部29は、異常電源断発生時の計数値を、異常電源断発生時に計数されたことを識別可能に記憶部26に記憶するとともに、遊技場の景品交換カウンターなどに設置され、発行されたレシートと景品との景品交換処理を行う景品交換装置(POS装置)にも出力して記憶させる(S34)。例えば、図9(a)に示すように、通常時の計数値(状態欄が「空白」)と異常電源断発生時の計数値(状態欄が「電断」)で識別可能に記憶されている。これによって、異常電源断が発生したときの計数値であることを一見して把握できる。
【0045】
一方、S32の判定の結果、計数中電断フラグがセットされている場合は(S32:YES)、制御部29は、報知部27を制御して、計数途中の電源断によって未計数のままで計数センサ部24を通過した遊技球があったことを報知する(S35)。そして、この場合には、遊技場の従業員の判別に基づいて未計数の遊技球分に相当する計数値(補償計数値)を遊技者に補填する場合がある。以下、補償計数値を遊技者に補填する場合の具体的な方法について説明する。
【0046】
異常電源断が発生したときの計数値と、異常電源断復旧後に遊技場の従業員による所定の手段によって新たに追加された計数値を示す補償計数値と、が記録されたレシートを発行する方法として、遊技場の従業員の判別に基づき、異常電源断発生時の計数値と補償計数値とが個別又は合計して発行するかが選択される。
そして、制御部29は、異常電源断発生時の計数値と補償計数値を個別に発行するか否かを判定し(S36)、個別に発行するとした場合は(S36:YES)、レシート発行部21は、S33と同様に、異常電源断発生時に計数されたことを識別可能な所定の情報が記録されたレシートを発行する(S37)。そして、制御部29は、図9(b)に示すように、異常電源断発生時に計数されたことを識別可能に記憶部26及び景品交換装置に出力して記憶させる(S38)。
【0047】
次に、遊技場の従業員の判別に基づき、遊技者に対して異常電源断の発生に伴う補償を行うか否かが選択される。
そして、制御部29は、補償を行うか否かを判定し(S39)、補償を行うとした場合には(S39:YES)、遊技場の従業員は、例えば、補償玉分の遊技球を、遊技者へ目視可能なように計数を行う。このように、補償玉となる遊技球を実際に遊技者に見せて計数を行うことで遊技者に不信感を与える事が無くなる。
制御部29は、計数センサ部24において補償玉が検出されるか否かを判定する(S40)。補償玉が検出された場合には(S40:YES)、補償玉が流入されたことにより、補償計数値を+1ずつ加算して更新するとともに、記憶部26に記憶する(S41)。
【0048】
制御部29は、レシート発行信号を検知することによって、補償計数値に対する発券操作がされたと判定したときは(S42:YES)、レシート発行部21は、補償玉が追加して計数されたことを識別可能な所定の情報が記録されたレシートを発行する(S43)。例えば、「1000玉 電補」のような印字がされたレシートが発行される。そして、制御部29は、図9(b)に示すように、例えば、状態欄に「電補」のように、補償玉が追加投入され計数されたことを識別可能に記憶部26及び景品交換装置に出力して記憶させる(S44)。そして、レシートの発行に伴い計数中電断フラグがクリアされる(S45)。
このように、異常電源断発生時の計数値と補償計数値とを個別に発行する場合は、計数中に異常電源断が発生したことを把握できるとともに、正確な補償玉数を把握できる。
【0049】
一方、S36において、異常電源断発生時の計数値と補償計数値とを合計した合計計数値として発行するとした場合は(S36:NO)、レシート発行部21は、異常電源断発生時に計数され、かつ、補償玉が追加投入され計数されたことを識別可能な所定の情報が記録されたレシートを発行する(S46)。例えば、異常電源断発生時の計数値が5000玉、補償玉(補償計数値)が、上記したように遊技者へ目視可能なように補償玉が計数されて1000玉の場合では、「6000玉 電断補」のような印字がされたレシートが発行される。そして、制御部29は、図9(c)に示すように、例えば、状態欄に「電断補」のように、異常電源断発生時に計数され、かつ、補償玉が追加投入され計数されたことを識別可能に記憶部26及び景品交換装置に出力して記憶させる(S47)。そして、レシートの発行に伴い計数中電断フラグがクリアされて(S48)、通常発券処理に移行することで(S49)、異常電源断時発券処理が終了する。
このように、異常電源断発生時の計数値と補償計数値とを合計した計数値でレシートを発行する場合では、計数中に異常電源断が発生して、補償玉が追加されたことを把握できる。
【0050】
このように、計数途中に電源断が発生したときに、未計数のままで計数センサ部24を通過した遊技球分の計数値(補償計数値)を遊技者に補填することができる。
また、レシート及び計数装置(記憶部26)に、計数中に異常電源断が発生したことがわかるように記憶することで、計数中に異常電源断が発生したことが後で把握できる。また、異常電源断の発生によって補償がされたことがわかるように記憶することで、異常電源断の発生によって補償玉が追加されたことが後で把握できる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態に係る計数装置1によれば、計数中に異常電源断が発生したときでも、異常電源断復旧後すぐにシャッター31の開閉動作を行わないことで、シャッター上に停留されている遊技媒体を確実に計数することができる。
また、まさに計数途中に電源断が発生したときに未計数のままで計数センサ部24を通過した遊技球が存在しても、復旧後にその遊技球分の計数値(補償計数値)を遊技者に対して補填することができる。
【0052】
以上、本発明の遊技媒体計数装置において、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る遊技媒体計数装置は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態においては、補償玉数分の遊技球を実際に遊技者に目視可能に計数し、この補償計数値に対応するレシートを発行する構成として説明したが、これに限らず、例えば、表示部22の所定の入力部から補償玉数を入力し、この入力値を補償計数値としてレシートを発行する構成としてもよい。
また、本実施形態においては、計数対象を遊技球としたが、計数対象をメダルとすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、遊技球、メダル等の遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 計数装置(遊技媒体計数装置)
2 装置本体
22 表示部
24 計数センサ部(検出手段)
25b バックアップ電源部
26 記憶部
29 制御部
31 シャッター
31a 投入口
33 シャッター駆動部(駆動手段)
34 開状態検出部
35 閉状態検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機内に流入する遊技媒体を検出する検出手段と、当該検出手段に至る手前側で遊技媒体の流路を閉鎖するシャッターと、前記検出手段からの検出信号にもとづいて遊技媒体を計数するとともに、所定の駆動手段を制御して前記シャッターを開閉する制御手段と、を備え、電源投入時に前記シャッターの開閉動作を伴う所定の初期化動作を行なうとともに、所定の入力操作に基づいて計数値を記録した所定の記録媒体を発行する遊技媒体計数装置であって、
前記制御手段は、
所定の異常電源断の発生時において、異常電源断を示す異常電断情報を記憶し、
前記異常電源断復旧時において、前記異常電断情報の記憶の有無の判定を行うとともに、前記異常電断情報が記憶されているときには、前記初期化動作において前記開閉動作を行わない
ことを特徴とする遊技媒体計数装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記異常電源断の発生時において、そのときの計数値と、異常電源断を示す異常電断フラグとを前記異常電断情報として記憶し、
前記異常電源断復旧時において、前記計数値と前記異常電断フラグの有無の判定を行うとともに、前記計数値と前記異常電断フラグとがそれぞれが記憶されているときには、前記初期化動作において前記開閉動作を行わない
ことを特徴とする請求項1記載の遊技媒体計数装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記異常電断情報の記憶の有無の判定において、前記異常電断情報が記憶されていないときには、前記初期化動作において前記開閉動作を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技媒体計数装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記異常電断情報の記憶の有無の判定において、前記異常電断情報が記憶されているときには、前記シャッターの開閉動作を除く前記初期化動作後における所定の入力操作に基づいて前記シャッターの開閉動作を行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記検出手段からの検出信号の検出間隔を計時するとともに、前記異常電源断の発生時における前記検出間隔が所定時間以内のときに計数途中の電源断を示す計数中電断フラグを記憶し、
前記異常電源断復旧時において、前記計数中電断フラグの記憶の有無の判定を行うとともに、前記計数中電断フラグが記憶されているときには、所定の報知手段を制御して計数途中の電源断の発生を示す所定の報知を行なう
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項6】
前記計数中電断フラグの記憶の有無の判定において、前記計数中電断フラグが記憶されている場合であって、前記異常電源断の発生により未計数のままで前記検出手段を通過した遊技媒体数分の計数値を遊技者に補填するにあたり、
前記制御手段は、
前記異常電源断復旧後に所定の手段によって新たに追加された計数値を補償計数値として記憶し、
前記異常電源断の発生時に記憶した計数値を記録した前記記録媒体と前記補償計数値を記録した前記記録媒体とが個別に発行される場合において、各計数値を識別可能に記憶し、
前記異常電源断の発生時に記憶した計数値に前記補償計数値を加算した計数値を記録した前記記録媒体が発行される場合において、この加算した計数値を補償計数値を含む合計計数値として記憶する
ことを特徴とする請求項5記載の遊技媒体計数装置。
【請求項7】
前記計数中電断フラグの記憶の有無の判定において、前記計数中電断フラグが記憶されているときには、前記記録媒体は計数途中の電源断の発生を示す旨を記録して発行されることを特徴とする請求項5又は6記載の遊技媒体計数装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−95804(P2012−95804A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245188(P2010−245188)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】