説明

遊技媒体貸出装置及びその制御方法

【課題】アンテナの数を増やすことなく、複数種類の処理を行うことが可能な遊技媒体貸出装置遊技媒体貸出装置を提供する。
【解決手段】遊技媒体貸出装置は、投入された有価価値記録媒体を係止する第1検知部11と、第1検知部11から流下した有価価値記録媒体を貯留する第1の通路13と、第1の通路13に設けられ、貯留された有価価値記録媒体を係止する第2検知部17と、第1検知部11または第2検知部17に係止された有価価値記録媒体から有価価値情報及び状態情報の読み出し、又は書き込みを行うアンテナ19と、状態情報を参照して、第1検知部11または第2検知部17の何れに係止されている有価価値記録媒体を処理対象とするか決定し、処理対象とした有価価値記録媒体から読み出した有価価値情報を所定の貸出量に応じて修正してその有価価値記録媒体に書き込み、且つ所定の貸出量の遊技媒体を貸し出す命令を遊技機に送信する制御部6を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の遊技媒体の貸出を行う遊技媒体貸出装置及びその制御方法に関し、特に、貸出す遊技媒体の数に応じて有価価値記録媒体に記録された有価価値情報を更新する遊技媒体貸出装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ機などの遊技機で使用する玉の貸出に、有価価値を記録した有価価値記録媒体を用いたシステムが開発されている。そのシステムでは、有価価値記録媒体に記録された有価価値の残高を読み取り、その残高の範囲で所定数量の玉を貸し出す遊技媒体貸出装置が使用されている。このような遊技媒体貸出装置では、不正防止のために、残高のなくなった有価価値記録媒体を回収し、残高が残っている有価価値記録媒体を遊技者に返却することが望ましい。そこで、有価価値記録媒体であるコインに記録された有価価値情報にアクセスするための第1及び第2の検知部を、それぞれコインが通行する通路の分岐部に設け、コインに記録された有価価値の残高に応じてコインの配送先を切り替える遊技システムが開発されている(特許文献1参照)。
【0003】
係る遊技システムは、投入されたコインに対し、まず、第1の検知部において、貸出す玉の数量に応じてコインに記録された有価価値の残高を修正する。そして、その残高が残っている場合には、そのコインをコイン返却口に直結する通路へ誘導し、遊技者に返却する。一方、残高がなくなった場合には、そのコインを第2の検知部へと通じる通路へ誘導する。そして、第2の検知部に置かれたコインに対して、残高が追加されると、そのコインをコイン返却口に通じる通路へ誘導し、遊技者に返却する。一方、第2の検知部に置かれたコインに対して、そのコインに記録されたIDコードが無効であると判断すると、そのコインを回収する。
【0004】
【特許文献1】特開2001−293242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、遊技媒体貸出装置は、通常、遊技機と遊技機の間に設置されるものであり、その設置スペースは限られている。一方、上記のシステムでは、検知部ごとに別個に設けられたアンテナ及びその付属回路などを、その限られたスペースに配置するため、回路などから発生する熱を逃がすための放熱スペースも限られている。しかし、故障の発生を防止することを考慮すると、放熱スペースをできるだけ広く確保することが望ましい。
【0006】
上記の課題に鑑み、本発明は、アンテナの数を増やすことなく、複数種類の処理を行うことが可能な遊技媒体貸出装置及び遊技媒体貸出装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の形態によれば、有価価値記録媒体に記録された有価価値の残高を表す有価価値情報とその有価価値記録媒体の状態を表す状態情報に基づいて遊技媒体の貸出を行う遊技媒体貸出装置が提供される。係る遊技媒体貸出装置は、投入された有価価値記録媒体を係止する第1検知部と、第1検知部と接続され、第1検知部から流下した有価価値記録媒体を貯留する第1の通路と、第1の通路に設けられ、貯留された有価価値記録媒体を係止する第2検知部と、第1検知部または第2検知部に係止された有価価値記録媒体から、有価価値情報及び状態情報を読み出し、あるいは有価価値情報または状態情報を係止された有価価値記録媒体に書き込むアンテナと、状態情報を参照して、第1検知部または第2検知部の何れに係止されている有価価値記録媒体を処理対象とするか決定し、処理対象とした有価価値記録媒体から読み出した有価価値情報から所定の貸出量に相当する有価価値を減算してその有価価値情報を修正し、処理対象とした有価価値記録媒体に修正された有価価値情報を書き込み、且つ所定の貸出量に相当する量の遊技媒体を遊技者に貸し出す命令を遊技機に送信する制御部とを有する。
【0008】
また本発明の第1の形態において、状態情報は、有価価値の残高が残っていることを表す第1の値と、有価価値の残高がないことを表す第2の値と、一時的な状態であることを表す第3の値のうちの何れか一つの値を有することが好ましい。
【0009】
さらに本発明の第1の形態において、制御部は、第1検知部に係止された有価価値記録媒体の有価価値の残高がなくなったとき、アンテナを通じて、有価価値記録媒体の状態情報を第2の値に書き換えて有価価値記録媒体を第1の通路へ流下させることが好ましい。
【0010】
さらに本発明の第1の形態において、制御部は、第2検知部において有価価値記録媒体を検知すると、アンテナを通じて、その有価価値記録媒体の状態情報を第3の値に書き換えることが好ましい。
【0011】
また、本発明の第1の形態に係る遊技媒体貸出装置は、第1検知部または第2検知部に係止された有価価値記録媒体の残高を追加する残高追加部をさらに有することが好ましい。
【0012】
さらに本発明の第1の形態において、制御部は、第1検知部に状態情報が第1の値を有する有価価値記録媒体が係止されており、且つ第2検知部に第3の値を有する有価価値記録媒体が係止されている場合、第1検知部に係止された有価価値記録媒体を処理対象とすることが好ましい。
【0013】
また、本発明の第1の形態に係る遊技媒体貸出装置は、第1検知部と接続され、第1検知部から流下した有価価値記録媒体を返却する第2の通路と、第1検知部に係止された有価価値記録媒体を、第1の通路または前記第2の通路の何れか一方へ流下させる通路切替部とをさらに有し、制御部は、第1検知部に係止された有価価値記録媒体の有価価値の残高がなくなったとき、その有価価値記録媒体が第1の通路へ流下するように通路切替部を制御し、その有価価値記録媒体の有価価値の残高が残っており、且つ返却を指示する命令を受信した場合、その有価価値記録媒体が第2の通路へ流下するように通路切替部を制御することが好ましい。
【0014】
また、本発明の第2の形態によれば、投入された有価価値記録媒体を係止する第1検知部と、第1検知部と接続され、第1検知部から流下した有価価値記録媒体を貯留する第1の通路と、第1の通路に設けられ、貯留された有価価値記録媒体を係止する第2検知部と、第1検知部または第2検知部に係止された有価価値記録媒体に記録された情報の読み出しまたは書き込みを行うアンテナとを有する遊技媒体貸出装置の制御方法が提供される。係る遊技媒体貸出装置の制御方法は、第1検知部または第2検知部に係止された有価価値記録媒体からその有価価値記録媒体の状態を表す状態情報及び有価価値の残高を表す有価価値情報を取得するステップと、取得した状態情報に基づいて、処理対象とする有価価値記録媒体を決定するステップと、処理対象とした有価価値記録媒体から読み出した有価価値情報から所定の貸出量に相当する有価価値を減算してその有価価値情報を修正するステップと、処理対象とした有価価値記録媒体に修正された有価価値情報を書き込むステップと、所定の貸出量に相当する量の遊技媒体を遊技者に貸し出す命令を遊技機に送信するステップと、を有する。
【0015】
また、本発明の第2の形態に係る遊技媒体貸出装置の制御方法は、修正された有価価値の残高がない場合、処理対象とした有価価値記録媒体の状態情報を有価価値の残高がないことを表す値に書き換えるステップをさらに有することが好ましい。
【0016】
さらに、本発明の第3の形態によれば、上記の何れかに記載の遊技媒体貸出装置で使用される有価価値記録媒体が提供される。係る有価価値記録媒体は、その有価価値記録媒体の状態を表す状態情報と、有価価値の残高を表す有価価値情報を記録する記録部を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、アンテナの数を増やすことなく、複数種類の処理を行うことが可能な遊技媒体貸出装置及び遊技媒体貸出装置の制御方法を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明を適用した遊技媒体貸出装置について詳細に説明する。本発明を適用した遊技媒体貸出装置は、有価価値記録媒体であるコインに記録された有価価値情報を読み取り、その有価価値情報に示された有価価値の残高の範囲で、所定の貸出量の遊技媒体(例えば、パチンコ玉)を貸し出す命令を、パチンコ機などの遊技機に対して送信するものである。また遊技媒体貸出装置は、コインに記録された状態情報に基づいて、一つのアンテナで二つの異なる検知部に位置するコインのうち、何れか一方を選択して情報の更新を行う構成としたものである。
【0019】
図1は、本発明を適用した遊技媒体貸出装置1の概略斜視図を示す。図1に示すように、遊技媒体貸出装置1は、コイン処理部2と、紙幣識別部3と、ユーザインターフェース部4と、貯留ボタン5と、制御部6とを有する。また図2に、遊技媒体貸出装置1を設置した状態を示す。図2に示すように、遊技媒体貸出装置1は、遊技機110と遊技機120の間に設置される。そして、遊技媒体貸出装置1に投入されたコインの残高に従って、所定数の玉を遊技機110に貸し出すよう構成されている。また、遊技機110に設けられた返却ボタン111または玉貸ボタン112を遊技者が操作することにより、遊技媒体貸出装置1に投入されたコインの返却、遊技機110への玉の貸し出しなどの処理が行われる。
図3に、遊技媒体貸出装置1の機能ブロック図を示す。遊技媒体貸出装置1は、通信回線を介して、遊技機110及び発行済みのコインを管理する有価価値記録媒体管理装置130と通信可能に接続されている。
以下、遊技媒体貸出装置1の各部について説明する。
【0020】
コイン処理部2は、遊技媒体貸出装置1の最下部に配置され、投入されたコインから、そのコインに記録された有価価値情報、状態情報、識別情報などを読み取り、制御部6に送信する。またコイン処理部2は、制御部6から受信した有価価値情報、状態情報などを投入されたコインに書き込んで、そのコインに記録された情報を更新する。あるいは、コイン処理部2は、制御部6から受信したそれらの情報を、コイン処理部2内に貯留された、残高の無いコインに書き込む。
【0021】
ここで、本実施形態に係る遊技媒体貸出装置1で使用される、有価価値記録媒体であるコインについて説明する。図4は、このコイン7の概略構成図である。コイン7は、遊技媒体貸出装置1との間で無線通信により情報の交換が可能なICタグ8を内蔵している。そのICタグには、有価価値の残高、そのコインの状態を表す状態情報及び各コインを一意に識別するための識別情報が記録される。本実施形態では、コインの状態として、「価値有り」、「価値無し」、「一時」があり、例えば、「価値有り」が01、「価値無し」が02、「一時」が03といったコードで表される。
【0022】
以下、図5(a)及び(b)を参照しつつ、コイン処理部2の構成を詳細に説明する。図5(a)は、コイン処理部2の概略斜視透過図であり、図5(b)は、コイン処理部2の概略側面透過図である。
図5(a)及び(b)に示すように、コイン処理部2の上端近傍の正面側には、コイン投入口10が設けられている。投入口10には、制御部6からの制御信号に基づいて、投入口10を開閉するシャッタ22が設けられている。また、コイン投入口10に近接して、投入されたコインとの間で情報の読み書きを行うための第1検知部11が配置される。第1検知部11の下方には、投入されたコインを直接遊技者に返却するための返却通路12が設けられる。一方、第1検知部11の側方には、返却通路12と分岐して、投入されたコインを一時的に貯留するためのリサイクル通路13が設けられる。返却通路12及びリサイクル通路13は、コインがその通路内を自重によって転動可能なように、略垂直となるか、下流側ほどその底面が下方へ向かって傾斜するよう形成されている。そして、返却通路12の入口及びリサイクル通路13の入口には、それぞれ返却通路用フラッパ14及びリサイクル通路用フラッパ15が設けられ、通路切替部として機能する。返却通路用フラッパ14は、一端が返却通路12の側面に固定され、その一端を回転軸として回動可能となっている。その回転軸は、図示しないソレノイドに連結されている。そして、返却通路用フラッパ14は、制御部6からの制御信号に基づいて、ソレノイドが所定角だけ回転することにより、第1検知部11から返却通路12へ通じる入口を開閉する。同様に、リサイクル通路用フラッパ15は、一端がリサイクル通路13の側面に固定され、その一端を回転軸として回動可能となっている。その回転軸も、別個に設けられたソレノイド(図示せず)に連結されている。そして、リサイクル通路用フラッパ15は、制御部6からの制御信号に基づいて、そのソレノイドが所定角だけ回転することにより、第1検知部11からリサイクル通路13へ通じる入口を開閉する。返却通路用フラッパ14とリサイクル通路用フラッパ15の両方が閉じている場合、コイン処理部2に投入されたコインは、第1検知部11に係止される。
【0023】
リサイクル通路13と返却通路12は、コイン処理部2の下部で合流し、コイン返却口16へと通じている。また、リサイクル通路13には、返却通路12と合流する直前において、リサイクル通路13に貯留されたコインとの間で情報の読み書きを行うための第2検知部17が設けられている。さらに第2検知部17には、ストッパ18が設けられる。ストッパ18は、制御部6からの制御信号に基づいて、リサイクル通路13内に一時的に貯留されたコインを、第2検知部17または第2検知部17の手前で係止させる。
【0024】
図6(a)及び(b)を参照しつつ、ストッパ18の構成及び動作を説明する。図6(a)及び図6(b)は、ストッパ18を上面から見た概略構成図である。ストッパ18は、第2検知部17の左側に配置された第2検知部ストッパピン18aと、第2検知部17の右側に配置されたリサイクル通路ストッパピン18bを有する。ストッパピン18a及び18bは、それぞれ、一端が筐体18eに回動可能に固定された支持部材18c、18dによって支持されている。そして、筐体18eは、制御部6からの制御信号により、左右に動くように構成されている。そして、図6(a)に示すように、筐体18eが左側へ移動すると、リサイクル通路ストッパピン18bがリサイクル通路13の側壁内へ退避して、第2検知部17への手前で係止されていたコインC1を第2検知部17へ転動させる。同時に、第2検知部ストッパピン18aが、リサイクル通路13の側壁から通路内に突出して、第2検知部17からコイン返却口16への通路を閉じ、コインC1を第2検知部17に係止させる。一方、図6(b)に示すように、筐体18eが右側へ移動すると、リサイクル通路ストッパピン18bがリサイクル通路13の側壁から通路内に突出して、リサイクル通路13を閉じ、リサイクル通路13に貯留されているコインC2を第2検知部17の手前で係止させる。同時に、第2検知部ストッパピン18aがリサイクル通路13の側壁内へ退避して、第2検知部17に存在したコインC1の転動を可能にする。このように、ストッパ18は、何れか一方のストッパピンをリサイクル通路13内に突出させるので、2枚以上のコインが同時にコイン返却口へ転動してしまうことを防止できる。
【0025】
コイン処理部2の側面には、第1検知部11または第2検知部17に係止されたコインから情報を読み取り、あるいはそのコインに記録された情報を更新するためのアンテナ19が設置されている。そしてアンテナ19は、制御部6と電気的に接続されており、コインから読み取った情報及びコインに書き込む情報を制御部6との間で通信する。このアンテナ19は、無線認証システム(RF−ID)などで利用されるアンテナなどで構成され、第1検知部11または第2検知部17に保持されたコインに埋め込まれたICタグとの間で非接触でデータの送受信を行うことができる。
【0026】
さらに、第1検知部11には、コインがその検知部11に存在するか否かを検知するための投入センサ20が設置される。同様に、第2検知部17には、コインがその検知部17に存在するか否かを検知するためのコイン有無センサ21が設置される。これらセンサも、制御部6と電気的に接続され、コインを検知した場合ON、コインを検知しなかった場合OFFとなる信号を制御部6に送信する。投入センサ20及びコイン有無センサ21は、例えば、コイン処理部2の一方の側壁に設置された発光部と他方の側壁に設置された検出器からなるフォトセンサで構成される。そしてそれらのセンサは、コインが第1検知部11または第2検知部17に係止されていると、発光部からの光がそのコインに遮られて検出器に届かなくなることで、コインが第1検知部11または第2検知部17に係止されていることを検知する。なお、投入センサ20またはコイン有無センサ21として、近接センサなど、他のセンサを用いてもよい。
【0027】
紙幣識別部3は、コインに記録された有価価値の残高を追加するための残高追加部として機能するものであり、遊技媒体貸出装置1の最上部に配置され、投入された紙幣を識別し、その額を算出して制御部6に送信する。なお紙幣識別部3は、紙幣を識別するための公知の様々な装置で構成できるため、ここでは詳細な構成の説明を省略する。
【0028】
ユーザインターフェース部4は、遊技媒体貸出装置1の略中央、かつ遊技媒体貸出装置1の前面に配置される。そしてユーザインターフェース部4は、液晶ディスプレイなどの表示装置で構成される。またユーザインターフェース部4は、テンキーなどの入力装置を備えてもよく、あるいは、タッチパネルディスプレイなどのように、入力装置と表示装置が一体として構成されるものでもよい。そしてユーザインターフェース部4は、制御部6から受信した情報に基づき、コイン処理部2に投入されたコインから読み取った有価価値の残高、紙幣識別部3に投入された紙幣の額、貸し出される遊技媒体の量などを表示する。またユーザインターフェース部4は、表示装置を通じて暗証番号の入力を遊技者に求め、入力装置を通じて入力された暗証番号を制御部6に送信するように構成してもよい。
【0029】
貯留ボタン5は、コイン処理部2のリサイクル通路13内に残高の無いコインを投入するために使用される。貯留ボタン5が押下されると、そのことを示す信号が制御部6に送信され、制御部6は、コイン処理部2のシャッタ22を開口させるなどして、リサイクル通路13内へのコインの投入を可能とする。なお、コイン投入時の処理については後述する。また、貯留ボタン5は、公知の様々なボタンスイッチにて構成することができる。
【0030】
制御部6は、遊技媒体貸出装置1の内部に配置され、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを有する電子回路で構成される。そして制御部6は、遊技媒体貸出装置1の各部を制御する。具体的には、遊技媒体貸出装置1は、コイン処理部2から受信した有価価値情報に示された有価価値の残高の範囲で、遊技媒体を貸し出す命令を遊技機110に送信する。また、紙幣識別部3から受信した有価価値に基づいて、コイン処理部2に投入されたコインなどの残高を修正したり、コインに記録された状態情報を修正する。さらに、有価価値の残高または状態情報の書き換えを行ったコインについて、その識別情報と有価価値の残高などを有価価値記録媒体管理装置130へ送信し、履歴情報として記憶させる。
【0031】
以下、遊技媒体貸出装置1の動作を説明する。なお、以下に説明する動作は、制御部6によって制御される。
図7に、「価値有り」、すなわち有価価値の残高のあるコインが投入された場合の遊技媒体貸出装置1の動作フローチャートを示す。
初期状態として、遊技媒体貸出装置1は待機状態となっている。この場合、返却通路用フラッパ14及びリサイクル通路用フラッパ15はともに閉じている。また、第1検知部11には、コインが存在しない。リサイクル通路13には、残高の無いコインが1枚以上貯留されていてもよい。この場合、第2検知部17に存在するコインの状態情報は「一時」である。
【0032】
制御部6は、まず、投入センサ20がONとなったか否かを調べる(ステップS01)。投入センサがOFFである場合には、遊技媒体貸出装置1は、ステップS01を繰り返し実行する。一方、ステップS01において、投入センサがONとなった場合、制御部6は、シャッタ22を閉じ、コインが追加投入されることを防止する。また制御部6は、アンテナ19を通じて、第1検知部11に存在するはずのコインから識別情報及び状態情報を取得し、取得した情報に基づいて、第1検知部11に「価値有り」コインが有るか否かを判定する(ステップS02)。コインの識別情報、または「価値有り」であることを表す状態情報の何れかが取得されなかった場合、制御部6は、第1検知部11に「価値有り」コインは無く、誤って「価値無し」コインまたは硬貨などの異物が投入されたと判断する。そして、制御部6は、返却通路用フラッパ14を開け、投入された異物を返却口16へ排出する(ステップS03)。そして、一定期間(例えば、3秒間)経過後、制御部6は、返却通路用フラッパ14を閉じ(ステップS04)、待機状態へと戻る。
【0033】
一方、ステップS02において、コインの識別情報及び、「価値有り」であることを表す状態情報が取得された場合、制御部6は、第1検知部11に「価値有り」コインが有ると判定する。なお、ステップS02において、第2検知部17にコインが有ったとしても、そのコインは「価値無し」コインか「一時」コインであるため、第2検知部17に存在するコインから「価値有り」を表す状態情報は取得されない。そのため、第2検知部17に存在するコインを、第1検知部11に存在するコインと誤って検出することは無い。
【0034】
その後、遊技機110の返却ボタン111が押下されたか否かを判定する(ステップS05)。返却ボタン111が押下されたことを、遊技機110から制御部6が受信すると、制御部6は、返却通路用フラッパ14を開放し、第1検知部11に有るコインを返却口16へ排出する(ステップS07)。
図10に、コイン返却時のコイン処理部2を示す。返却通路用フラッパ14は、返却通路12に沿う位置まで退避されており、第1検知部11に係止されていたコインCは、返却通路12内を落下して、返却口16へ向かう。
【0035】
返却通路用フラッパ14が開放されてから、一定期間(例えば、3秒間)経過後、制御部6は、返却通路用フラッパ14を閉じ(ステップS08)、待機状態へと戻る。一方、ステップS05において、返却ボタン11が押下されていない場合、遊技機110の玉貸ボタン112が押下されたか否かを判定する(ステップS06)。玉貸ボタン112も押下されていない場合には、制御部6は、遊技媒体貸出装置1の制御をステップS05へ戻し、返却ボタン111または玉貸ボタン112が押下されるまでステップS05〜S06を繰り返す。
【0036】
一方、ステップS06において、玉貸ボタン112が押下されたことを、遊技機110から制御部6が受信すると、制御部6は、遊技機110に対して、1回当たりの貸出量に相当する遊技媒体を貸し出す命令を送信する。また制御部6は、有価価値の残高から所定価値を差し引いた残りの残高をコイン処理部2へ送信し、アンテナ19を通じて第1検知部11に存在するコインに書き込む(ステップS09)。その際、制御部6は、「価値有り」コインの識別番号、すなわち、ステップS02で第1検知部11に存在するコインから読み取った識別番号を、残高とともにアンテナ19を通じて送信する。そしてコインでは、送信された識別情報が、内蔵するIDタグに記録された識別情報と照合して一致する場合にのみ、残高を書き換える。そのため、第2検知部17にもコインが存在する場合でも、第1検知部11に存在するコインのみ、残高が修正される。
また制御部6は、その残りの残高をユーザインターフェース部4に表示させる。さらに制御部6は、ステップS02でコインから読み取った識別情報とともに、修正された有価価値の残高を、有価価値記録媒体管理装置130に送信する。有価価値記録媒体管理装置130では、受信した識別情報で特定されるコインの履歴情報に、受信した有価価値の残高を書き込み、その履歴情報を更新する。
【0037】
その後、制御部6は、そのコインの残高が、残っているか否かを調べる(ステップS10)。残高が残っている場合、制御部6は、遊技媒体貸出装置1の制御をステップS05へ戻す。一方、ステップS10において、第1検知部11に存在するコインの残高が残っていない場合、制御部6は、「価値無し」を表す状態情報をコイン処理部2へ送信し、アンテナ19を通じて第1検知部11に存在するコインの状態情報を、「価値無し」に修正する(ステップS11)。この場合においても、制御部6は、ステップS02で第1検知部11に存在するコインから読み取った識別番号を、その状態情報とともにアンテナ19を通じて送信する。そしてコインでは、受信した識別情報が、内蔵するIDタグに記録された識別情報と一致する場合にのみ、状態情報を書き換えるので、第1検知部11に係止されたコインの状態情報のみが修正される。
【0038】
その後、制御部6は、リサイクル通路用フラッパ15を開放し、第1検知部11に存在する、「価値無し」に修正されたコインをリサイクル通路13に回収する(ステップS12)。それに伴い、投入センサ20はOFFとなる。
図11に、コイン回収時におけるコイン処理部2を示す。リサイクル通路用フラッパ15は、リサイクル通路13の上端に沿う位置まで退避されており、第1検知部11に係止されていたコインCは、リサイクル通路13内に貯留される。
リサイクル通路用フラッパ15が開放されてから、一定期間(例えば、3秒間)経過後、制御部6は、リサイクル通路用フラッパ15を閉じる(ステップS13)。またシャッタ22を開放する。
【0039】
その後、制御部6は、コイン有無センサ21がONか否か、すなわち、第2検知部17にコインが存在するか否かを判定する(ステップS14)。コイン有無センサ21がOFFであれば、制御部6は、ステップS14を繰り返す。一方、コイン有無センサ21がONの場合、制御部6は、アンテナ19を通じて第2検知部17に存在するコインの識別情報を取得する。このとき、制御部6は、「価値無し」あるいは「一時」を表す状態情報とともに得られた識別情報を、第2検知部17に存在するコインの識別情報と認識する。そして、制御部6は、第2検知部17に存在するコインの識別情報とともに、「一時」を表す状態情報をコイン処理部2に送り、アンテナ19を通じて第2検知部17に存在するコインの状態情報を「一時」に書き換える(ステップS15)。その後、待機状態へと戻る。このように、本実施形態では、第2検知部17に係止されたコインは、その状態情報が「一時」となるように修正される。
【0040】
次に、紙幣識別装置3に紙幣が投入され、リサイクル通路13内に貯留された「価値無し」コインの残高を増やして「価値有り」コインとする場合の遊技媒体貸出装置1の動作を、図8に示したフローチャートを参照しつつ説明する。
初期状態として、遊技媒体貸出装置1は待機状態となっている。この場合、返却通路用フラッパ14及びリサイクル通路用フラッパ15はともに閉じている。また、第1検知部11には、コインが存在しない。リサイクル通路13には、「価値無し」状態、すなわち、残高の無いコインが1枚以上貯留されており、第2検知部17に「一時」コインが存在する。そして制御部6は、第2検知部17に存在するコインの識別情報を取得し、制御部6内のメモリに一時的に保存している。
【0041】
制御部6は、紙幣識別部3に紙幣が投入されたか否かを調べる(ステップS21)。紙幣の投入が検知されない場合、ステップS21を繰り返す。一方、ステップS21で、紙幣の投入が検知されると、制御部6は、コインが追加投入されないように、シャッタ22を閉じる。また制御部6は、紙幣識別部3から受信した投入額に相当する有価価値の残高を、第2検知部17に存在するコインの識別情報とともにコイン処理部2へ送信する。そして、アンテナ19を通じて第2検知部17に存在するコインの有価価値の残高を、制御部6から送られた値に修正する(ステップS22)。さらに制御部6は、その新たな残高をユーザインターフェース部4に表示させる。さらに制御部6は、事前にコインから読み取った識別情報とともに、修正された有価価値の残高を、有価価値記録媒体管理装置130に送信する。有価価値記録媒体管理装置130では、受信した識別情報で特定されるコインの履歴情報に、受信した有価価値の残高を書き込み、その履歴情報を更新する。
【0042】
その後、遊技機110の返却ボタン111が押下されたか否かを判定する(ステップS23)。返却ボタン111が押下されたことを、遊技機110から制御部6が受信すると、制御部6は、「価値有り」を表す状態情報を、第2検知部17に存在するコインの識別情報とともにコイン処理部2へ送信し、アンテナ19を通じて第2検知部17に存在するコインの状態情報を、「価値有り」に修正する(ステップS25)。そして制御部6は、ストッパ18のストッパピン18aをリサイクル通路13の外へ退避し、ストッパピン18bをリサイクル通路13内に突出させる。そして、第2検知部17に有るコインを返却口16へ排出する(ステップS26)。その後、制御部6は、ストッパ18のストッパピン18bをリサイクル通路13の外へ退避し、ストッパピン18aをリサイクル通路13内に突出させ、リサイクル通路13内に貯留されている「価値無し」コインを第2検知部17へ誘導する(ステップS27)。そして、制御部6は、アンテナ19を通じて第2検知部17に存在するコインの識別情報を取得し、制御部6内のメモリに保存する。また制御部6は、その識別情報とともに、「一時」を表す状態情報をコイン処理部2に送り、アンテナ19を通じて第2検知部17に係止されたコインの状態情報を「一時」に修正する(ステップS28)。同時に制御部6は、シャッタ22を開放する。その後、待機状態へと戻る。
【0043】
一方、ステップS23において、返却ボタン111が押下されていない場合、遊技機110の玉貸ボタン112が押下されたか否かを判定する(ステップS24)。玉貸ボタン112も押下されていない場合には、制御部6は、遊技媒体貸出装置1の制御をステップS23へ戻し、返却ボタン111または玉貸ボタン112が押下されるまでステップS23〜S24を繰り返す。
【0044】
一方、ステップS24において、玉貸ボタン112が押下されたことを、遊技機110から制御部6が受信すると、制御部6は、遊技機110に対して、1回当たりの貸出量に相当する遊技媒体を貸し出す命令を送信する。また制御部6は、有価価値の残高から所定価値を差し引いた残りの残高をコイン処理部2へ送信し、アンテナ19を通じて第2検知部17に存在するコインに書き込む(ステップS29)。その際、制御部6は、事前に第2検知部17に存在するコインから読み取った識別番号を、有価価値の残高とともにアンテナ19を通じて送信する。そしてコインでは、送信された識別情報が、内蔵するIDタグに記録された識別情報と照合して一致する場合にのみ、残高を書き換える。また制御部6は、事前にコインから読み取った識別情報とともに、修正された有価価値の残高を、有価価値記録媒体管理装置130に送信する。有価価値記録媒体管理装置130では、受信した識別情報で特定されるコインの履歴情報に、受信した有価価値の残高を書き込み、その履歴情報を更新する。
【0045】
その後、制御部6は、そのコインの残高が、残っているか否かを調べる(ステップS30)。残高が残っている場合、制御部6は、遊技媒体貸出装置1の制御をステップS23へ戻す。一方、ステップS30において、第2検知部17に存在するコインの残高が残っていない場合、制御部6は、シャッタ22を開放し(ステップS31)、遊技媒体貸出装置1を待機状態に戻す。
【0046】
さらに、リサイクル通路13内に「価値無し」コインを貯留する場合の遊技媒体貸出装置1の動作を、図9に示したフローチャートを参照しつつ説明する。
初期状態として、遊技媒体貸出装置1は待機状態となっている。この場合、返却通路用フラッパ14及びリサイクル通路用フラッパ15はともに閉じている。また、第1検知部11には、コインが存在しない。リサイクル通路13には、残高の無いコインが1枚以上貯留されていてもよい。この場合、第2検知部17に存在するコインの状態情報は「一時」である。
【0047】
まず、制御部6は、貯留ボタン5が押下されたか否かを調べる(ステップS41)。貯留ボタン5が押下されていない場合、制御部6はステップS41を繰り返す。一方、貯留ボタン5が押下され、そのことを示す信号を制御部6が受信すると、制御部6は、投入センサ20がONとなったか否かを調べる(ステップS42)。投入センサがOFFである場合には、制御部6は、ステップS41〜S42を繰り返し実行する。一方、ステップS42において、投入センサがONとなった場合、制御部6は、アンテナ19を通じて第1検知部11に存在するコインの状態情報と識別情報を取得する(ステップS43)。このとき、第2検知部17にもコインが存在したとしても、取得されたコインの状態情報を参照し、その状態情報が「価値有り」か「価値無し」である方のコインを第1検知部11に存在するコインと特定できる。その後、制御部6はシャッタ22を閉じ、コインが追加投入されることを防止する(ステップS44)。
【0048】
次に、制御部6は、第1検知部11に存在するコインが「価値有り」コインか「価値無し」コインか判定する(ステップS45)。「価値有り」コインであれば、制御部6は、返却通路用フラッパ14を開放し、第1検知部11に存在するコインを返却する(ステップS46)。そして一定期間経過後(例えば3秒後)、返却通路用フラッパ14を閉じ(ステップS47)、待機状態に戻る。一方、ステップS45において、そのコインが「価値無し」コインと判断されれば、制御部6は、リサイクル通路用フラッパ15を開放し、そのコインをリサイクル通路13内へ転動させて回収する(ステップS48)。そして一定期間経過後、リサイクル通路用フラッパ15を閉じる(ステップS49)。
【0049】
その後、制御部6は、コイン有無センサ21がONか否か、すなわち、第2検知部17にコインが存在するか否かを判定する(ステップS50)。コイン有無センサ21がOFFであれば、制御部6は、ステップS50を繰り返す。一方、コイン有無センサ21がONの場合、制御部6は、アンテナ19を通じて第2検知部17に存在するコインの識別情報を取得する。このとき、制御部6は、「価値無し」あるいは「一時」を表す状態情報とともに得られた識別情報を、第2検知部17に存在するコインの識別情報と認識する。そして、制御部6は、第2検知部17に存在するコインの識別情報とともに、「一時」を表す状態情報をコイン処理部2に送り、アンテナ19を通じて第2検知部17に存在するコインの状態情報を「一時」に書き換える(ステップS51)。その後、制御部6は、シャッタ22を開放し(ステップS52)、待機状態へと戻る。
【0050】
上記の実施形態では、コインの識別番号を、状態情報とともに取得することで、第1検知部11と第2検知部17の両方にコインが存在する場合であっても、第2の検知部17に存在するコインの識別番号を特定した。しかし、第1検知部11にコインが存在する間に、リサイクル通路13へ回収されたコインの識別番号を取得し、その取得順と、第2検知部17を通じて返却されたコインの識別番号を制御部6で管理しておくことにより、第2検知部17でコインの識別情報を取得しなくても、第2検知部17に存在するコインの識別番号を特定することができる。
【0051】
以上説明してきたように、本発明を適用した遊技媒体貸出装置は、コインに記録された状態情報を参照して、有価価値の残高を書き換えるコインを特定することにより、二つの検知部にコインが同時に存在しても、一つのアンテナで、一方のコインに記憶された情報のみを更新することができる。特に、上記の実施形態では、第2検知部17に存在するコインの状態情報は、第2検知部17に係止された直後及び第2検知部17から返却される直前を除き、「一時」となっているため、アンテナ19を通じて読み取ったコインの識別情報が「一時」か否かを調べることにより、第1検知部11に存在するコインか、第2検知部17に存在するコインかを特定できる。また、コインに記録された情報を修正する際には、アンテナ19を通じて修正情報をコインの識別情報とともに送信するので、コインに内蔵されたICタグの方で、受信した識別情報がICタグに記憶されている識別情報と一致するか否かにより、その修正情報を反映するか否かを決定できる。そのため、二つの検知部の両方にコインが存在する場合でも、一方のコインの情報だけを適切に修正できる。
【0052】
なお、上述してきた実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。例えば、図8に示した紙幣投入時の動作について、ステップS22でシャッタ22を閉じず、有価価値の残高を持ったコインを追加投入できるように動作させてもよい。この場合、有価価値の残高のある、すなわち、「価値有り」コインが第1検知部11に存在すると、制御部6は、紙幣の投入または玉の貸し出しの際、第2検知部17に存在する「一時」コインではなく、第1検知部11に存在する「価値有り」コインの有価価値情報を修正する。
【0053】
このように、本発明の範囲内で、様々な修正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明を適用した遊技媒体貸出装置の概略斜視図である。
【図2】本発明を適用した遊技媒体貸出装置の設置状態を表す概略図である。
【図3】本発明を適用した遊技媒体貸出装置の機能ブロック図である。
【図4】本発明を適用した遊技媒体貸出装置で使用されるコインの概略構成図である。
【図5】(a)は、コイン処理部の概略斜視透過図であり、(b)は、コイン処理部の概略側面透過図である。
【図6】(a)及び(b)は、ストッパを上面から見た概略構成図である。
【図7】有価価値の残高のあるコインが投入された場合における、遊技媒体貸出装置の動作フローチャートである。
【図8】紙幣が投入された場合における、遊技媒体貸出装置の動作フローチャートである。
【図9】リサイクル通路に残高の無いコインを貯留させる場合における、遊技媒体貸出装置の動作フローチャートである。
【図10】コイン返却時における、コイン処理部の概略側面透過図である。
【図11】コイン貯留時における、コイン処理部の概略側面透過図である。
【符号の説明】
【0055】
1 遊技媒体貸出装置
2 コイン処理部
3 紙幣識別部
4 ユーザインタフェース部
5 貯留ボタン
6 制御部
7 コイン
8 ICタグ
10 コイン投入口
11 第1検知部
12 返却通路
13 リサイクル通路
14 返却通路用フラッパ
15 リサイクル通路用フラッパ
16 コイン返却口
17 第2検知部
18 ストッパ
18a、18b ストッパピン
18c、18d 支持部材
18e ストッパ筐体
19 アンテナ
20 投入センサ
21 コイン有無センサ
22 シャッタ
110、120 遊技機
111 返却ボタン
112 玉貸ボタン
130 有価価値記録媒体管理装置
C,C1,C2 コイン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有価価値記録媒体に記録された有価価値の残高を表す有価価値情報と該有価価値記録媒体の状態を表す状態情報に基づいて遊技媒体の貸出を行う遊技媒体貸出装置であって、
投入された有価価値記録媒体を係止する第1検知部と、
前記第1検知部と接続され、前記第1検知部から流下した有価価値記録媒体を貯留する第1の通路と、
前記第1の通路に設けられ、貯留された有価価値記録媒体を係止する第2検知部と、
前記第1検知部または前記第2検知部に係止された有価価値記録媒体から、前記有価価値情報及び前記状態情報を読み出し、あるいは前記有価価値情報または前記状態情報を該有価価値記録媒体に書き込むアンテナと、
前記状態情報を参照して、前記第1検知部または前記第2検知部の何れに係止されている有価価値記録媒体を処理対象とするか決定し、該処理対象とした有価価値記録媒体から読み出した有価価値情報から所定の貸出量に相当する有価価値を減算して該有価価値情報を修正し、該処理対象とした有価価値記録媒体に修正された有価価値情報を書き込み、且つ該所定の貸出量に相当する量の遊技媒体を遊技者に貸し出す命令を遊技機に送信する制御部と、
を有することを特徴とする遊技媒体貸出装置。
【請求項2】
前記状態情報は、有価価値の残高が残っていることを表す第1の値と、有価価値の残高がないことを表す第2の値と、一時的な状態であることを表す第3の値のうちの何れか一つの値を有する、請求項1に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1検知部に係止された有価価値記録媒体の有価価値の残高がなくなったとき、前記アンテナを通じて、該有価価値記録媒体の状態情報を前記第2の値に書き換えて該有価価値記録媒体を前記第1の通路へ流下させる、請求項2に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2検知部において有価価値記録媒体を検知すると、前記アンテナを通じて、該有価価値記録媒体の状態情報を前記第3の値に書き換える、請求項3に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項5】
前記第1検知部または前記第2検知部に係止された有価価値記録媒体の残高を追加する残高追加部をさらに有する、請求項4に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1検知部に、前記状態情報が前記第1の値を有する有価価値記録媒体が係止されており、且つ前記第2検知部に、前記状態情報が前記第3の値を有する有価価値記録媒体が係止されている場合、前記第1検知部に係止された有価価値記録媒体を処理対象とする、請求項5に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項7】
前記第1検知部と接続され、前記第1検知部から流下した有価価値記録媒体を返却する第2の通路と、
前記第1検知部に係止された有価価値記録媒体を、前記第1の通路または前記第2の通路の何れか一方へ流下させる通路切替部とをさらに有し、
前記制御部は、前記第1検知部に係止された有価価値記録媒体の有価価値の残高がなくなったとき、該有価価値記録媒体が前記第1の通路へ流下するように前記通路切替部を制御し、該有価価値記録媒体の有価価値の残高が残っており、且つ返却を指示する命令を受信した場合、該有価価値記録媒体が前記第2の通路へ流下するように前記通路切替部を制御する、請求項3〜6の何れか一項に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項8】
投入された有価価値記録媒体を係止する第1検知部と、前記第1検知部と接続され、前記第1検知部から流下した有価価値記録媒体を貯留する第1の通路と、前記第1の通路に設けられ、貯留された有価価値記録媒体を係止する第2検知部と、前記第1検知部または前記第2検知部に係止された有価価値記録媒体に記録された情報の読み出しまたは書き込みを行うアンテナとを有する遊技媒体貸出装置の制御方法であって、
前記第1検知部または前記第2検知部に係止された有価価値記録媒体から該有価価値記録媒体の状態を表す状態情報及び有価価値の残高を表す有価価値情報を取得するステップと、
前記状態情報に基づいて、処理対象とする有価価値記録媒体を決定するステップと、
前記処理対象とした有価価値記録媒体から読み出した有価価値情報から所定の貸出量に相当する有価価値を減算して該有価価値情報を修正するステップと、
前記処理対象とした有価価値記録媒体に修正された有価価値情報を書き込むステップと、
前記所定の貸出量に相当する量の遊技媒体を遊技者に貸し出す命令を遊技機に送信するステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
前記修正された有価価値の残高がない場合、前記処理対象とした有価価値記録媒体の状態情報を有価価値の残高がないことを表す値に書き換えるステップをさらに有する、請求項8に記載の制御方法。
【請求項10】
請求項1〜7の何れか一項に記載の遊技媒体貸出装置で使用される有価価値記録媒体であって、
有価価値記録媒体の状態を表す状態情報と、有価価値の残高を表す有価価値情報を記録する記録部を有することを特徴とする有価価値記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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