説明

遊技情報表示装置

【課題】自力のRT状態に関する遊技データを把握したいという遊技者のニーズに対応可能な遊技情報表示装置を提供すること。
【解決手段】高確RT状態下で予め定められた報知期間に渡ってATを発動するスロットマシンに対応する遊技情報表示装置1は、報知期間の候補を記憶する候補期間記憶手段121と、スロットマシンの高確RT状態を特定する遊技状態特定手段111と、高確RT状態と特定された特別遊技期間の長さを計測する特別遊技期間計測手段112と、候補期間の長さと特別遊技期間の長さとを比較してスロットマシンにおける非報知期間を推定する報知期間推定手段114と、報知期間と非報知期間とに区別して遊技データを生成する遊技データ生成手段115と、遊技データを表示する遊技データ表示手段117と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者をアシストする機能である、いわゆるAT機能を備えたスロットマシンに対応して個別に設けられる遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、通常状態よりも有利度合いの高い遊技状態としてリプレイ役の入賞確率が高いRT状態が設定されたスロットマシンが知られている。このようなスロットマシンの中には、通常状態において特定のRT移行図柄が停止表示されたときにRT状態へ移行し、RT状態において特定のRT転落図柄が停止表示されたときにRT状態が終了して通常状態へ復帰するスロットマシンがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
さらに、上記のようなスロットマシンの中には、RT移行図柄の停止表示を補助する補助情報や、RT転落図柄の停止表示を回避する回避情報等が報知されるATが設定されたスロットマシンもある。このようなATが発動すれば、RT状態へ移行する確率、及びRT状態を継続できる確率が高くなるので、遊技者の期待感を一気に高揚できる。
【0004】
一方、このようなスロットマシンに対応して個別に設けられる遊技情報表示装置として、RT状態に関する遊技データを表示する表示装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。このような遊技情報表示装置は、RT状態の発生期間内にそのスロットマシンから受信したメダルの投入信号や払出信号等に基づいて、RT状態下で実行されたゲーム数や投入メダル数や払出メダル数などの遊技データを集計する。
【0005】
しかしながら、前記従来の遊技情報表示装置では、次のような問題がある。上記のようなスロットマシンの遊技では、ATが発動しない場合であっても遊技者が自力でRT移行図柄を停止表示させることによりRT状態へ移行でき、その後、RT転落図柄の停止表示を回避できれば、そのRT状態を自力で継続できる。このような自力のRT状態を長く継続できれば、ATが発動した時とは異なる満足感や達成感を遊技者に与えることができる一方、前記従来の遊技情報表示装置のごとく単にRT状態の遊技データを表示するだけでは、自力のRT状態における遊技データを把握できず、このことが遊技者の不満となっているという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−272236号公報
【特許文献2】特開2007−325835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、自力のRT状態に関する遊技データを把握したいという遊技者のニーズに対応可能な遊技情報表示装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の図柄表示領域において複数種類の図柄を所定の配列に従って変動表示する図柄変動表示手段と、遊技媒体が投入された状態でゲームを開始するために遊技者が操作するゲーム開始操作手段と、前記ゲーム開始操作手段が操作されたときに、複数種類の役の中から内部当選役を決定するための内部抽選を実行する内部抽選手段と、前記図柄変動表示手段による図柄の変動表示を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、前記停止操作手段が操作されたときに、内部当選役に対応する図柄を予め規定された引込範囲内で引き込んで前記図柄表示領域に停止表示させる表示制御手段と、前記図柄変動表示手段の各図柄表示領域に停止表示された図柄の組合せに基づいて入賞が発生したか否かを判定する入賞判定手段と、前記入賞判定手段により入賞が発生したと判定されたときに、当該入賞に対応する利益を遊技者に付与する利益付与手段と、通常状態において前記図柄表示領域に停止表示された図柄の組合せが第1特定図柄の組合せである場合に、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、前記特別遊技状態において前記図柄表示領域に停止表示された図柄の組合せが第2特定図柄の組合せである場合に、当該特別遊技状態を終了させて通常状態を発生させる特別遊技状態終了手段と、通常状態において前記第1特定図柄の停止表示を補助するための第1情報、及び前記特別遊技状態において前記第2特定図柄の停止表示を回避するための第2情報を遊技者に報知可能な報知手段と、前記報知手段を作動させるか否かを決定するための報知抽選を実行する報知抽選手段と、前記報知抽選に当選したとき、前記特別遊技状態へ移行した後、予め定められた報知期間に渡って前記報知手段を作動させる報知制御手段と、前記特別遊技状態が発生中である旨を表す特別遊技状態信号を外部に出力する信号出力手段と、を備えたスロットマシンに対応して設けられる遊技情報表示装置において、
前記スロットマシンが出力する前記特別遊技状態信号を受信する信号受信手段と、
前記特別遊技状態信号を受信しているとき、前記スロットマシンにおいて発生中の遊技状態を前記特別遊技状態と特定する遊技状態特定手段と、
前記スロットマシンにおいて前記報知期間として設定される可能性がある候補期間を記憶する候補期間記憶手段と、
前記スロットマシンにおける前記特別遊技状態の発生期間である特別遊技期間の長さを計測する特別遊技期間計測手段と、
前記報知手段が作動した報知期間、及び前記報知手段が作動しなかった非報知期間の区別を前記特別遊技期間について推定する報知期間推定手段と、
前記報知期間と前記非報知期間とで区別して、前記特別遊技状態の遊技データを生成する遊技データ生成手段と、
該遊技データ生成手段が生成した遊技データを表示する遊技データ表示手段と、を備え、
前記報知期間推定手段は、前記候補期間記憶手段が記憶する前記候補期間のうち最短の候補期間よりも前記特別遊技期間が長い第1の場合については、前記特別遊技期間と同時にスタートする遊技期間であって、前記特別遊技期間よりも短く、かつ、長さが最も近い候補期間に渡って継続する遊技期間を前記報知期間と推定し、前記特別遊技期間の残りの遊技期間を前記非報知期間と推定する一方、
前記候補期間記憶手段が記憶する最短の候補期間よりも前記特別遊技期間が短いか、あるいは同じ長さである第2の場合については、前記特別遊技期間の全期間を前記非報知期間と推定することを特徴とする遊技情報表示装置にある(請求項1)。
【0009】
本発明の遊技情報表示装置は、前記特別遊技状態と特定された前記特別遊技期間について、前記報知手段が作動した報知期間か、前記報知手段が作動しなかった非報知期間か、の区別を推定する。この推定を実行するに当たっては、前記候補期間記憶手段が記憶する前記候補期間の長さと前記特別遊技期間の長さとの比較に基づき、以下のような場合分けがなされる。
【0010】
まず、最短の候補期間よりも前記特別遊技期間が長い前記第1の場合については、前記特別遊技期間と同時にスタートする遊技期間であって、前記特別遊技期間よりも短く最も近い候補期間に渡る遊技期間が前記報知期間と推定される。そして、前記特別遊技期間の残りの遊技期間が前記非報知期間と推定される。
一方、最短の候補期間よりも前記特別遊技期間が短いか、同じ長さである前記第2の場合については、前記特別遊技期間の全期間が前記非報知期間と推定される。
【0011】
一般に、前記スロットマシンの遊技では、前記報知手段による報知に依らず自力で前記特別遊技状態を発生できたり長く継続できるほど、遊技者の達成感や満足感が高揚されると考えられる。このような遊技者の達成感や満足感は、前記特別遊技状態を自力で発生できた回数が多かったり、継続できた度合いが高いほど、高くなると考えられる。前記報知期間と前記非報知期間とで区別された前記特別遊技状態の遊技データの表示があれば、前記報知手段による報知がない状態で、遊技者が自力で前記特別遊技状態を発生できたり継続できた度合いを把握できるようになり、遊技者の満足感を高められる。
【0012】
このように、本発明の遊技情報表示装置は、前記報知手段による報知に依らない特別遊技状態に関する遊技データを把握したいという遊技者のニーズに応えることができる遊技情報表示装置である。
【0013】
本発明の遊技情報表示装置に組み合わせるスロットマシンとしては、メダルやコインを遊技媒体とした狭義のスロットマシンのほか、パチンコ玉を遊技媒体としたパロット(R)などであっても良い。
なお、前記候補期間としては、1種類のみの期間であっても良く、2種類以上の期間であっても良い。
【0014】
なお、前記遊技データ生成手段が生成する遊技データとしては、実行されたゲーム数や、特定役の入賞回数、払い出された遊技媒体数と投入された遊技媒体数との差などの遊技データがある。
なお、前記特定遊技期間の長さを計測する方法としては、スロットマシンが外部出力する何らかの遊技信号を利用した計測方法のほか、前記特別遊技状態信号の受信状態が継続した時間を計時することで前記特別遊技期間の長さを計測する方法等、様々な方法がある。
【0015】
また、前記スロットマシンが備える信号出力手段は、ゲームの進行を表す遊技信号を出力するように構成され、
前記信号受信手段は、前記信号出力手段から出力された遊技信号を受信し、
前記特別遊技期間計測手段は、前記特別遊技期間における前記遊技信号の受信回数を計数することにより、当該スロットマシンにおける前記特別遊技期間の長さを計測することも好ましい(請求項2)。
前記遊技信号としては、遊技媒体の投入を表す信号や、遊技媒体の払出を表す信号や、前記図柄変動表示手段による図柄変動の開始を表す信号や、前記ゲーム開始操作手段が有効に操作された旨を表す信号等、様々な信号を利用できる。
【0016】
また、前記報知期間は、予め定められた報知ゲーム数の実行期間である一方、前記候補期間記憶手段は、前記スロットマシンにおいて前記報知ゲーム数として設定される可能性がある候補ゲーム数を前記候補期間として記憶し、
前記特別遊技期間計測手段は、前記スロットマシンがゲームを実行する毎に前記遊技信号として外部出力する信号の受信回数を計数して前記特別遊技期間に実行された特別遊技ゲーム数を計数することにより、当該特別遊技期間の長さを計測することが好ましい(請求項3)。
【0017】
この場合、前記回避情報が報知されない状態における前記特別遊技状態の継続ゲーム数の期待値に対して、前記最短の候補期間に当たる最小の候補ゲーム数が大きく設定されていると、前記非報知期間等の推定精度の点で有利となる。例えば、前記回避情報の報知を伴わずに開始された前記特別遊技状態においては、前記特別遊技ゲーム数が前記最小の候補ゲーム数に到達する可能性が低くなる。前記特別遊技ゲーム数が前記最小の候補ゲーム数よりも少なければ、前記第2の場合に場合分けされ、前記特別遊技期間の全期間が前記非報知期間と正しく推定される。
【0018】
さらに、前記候補ゲーム数として2種類以上のゲーム数が記憶されている場合については、大小関係が隣り合う2種類の候補ゲーム数の差分のゲーム数が、前記継続ゲーム数の期待値よりも大きく設定されていると、前記非報知期間等の推定精度の点で有利となる。この場合には、前記特別遊技ゲーム数が何れかの候補ゲーム数に到達して前記報知手段の作動が停止した後、前記特別遊技状態が前記差分のゲーム数を超えて継続する可能性が低くなり、前記特別遊技ゲーム数が次の候補ゲーム数に達する可能性が低くなる。このような場合は、前記第1の場合に場合分けでき、前記特別遊技ゲーム数よりも少なく最も近い候補ゲーム数として、前記何れかの候補ゲーム数が選択されることになる。その結果、前記特別遊技期間が開始されてから前記何れかの候補ゲーム数に達するまでの期間が前記報知期間と正しく推定され、前記何れかの候補ゲーム数を超えてから前記特別遊技期間が終了するまでの期間が前記非報知期間と正しく推定される。
【0019】
また、前記スロットマシンにおいて前記報知ゲーム数として設定される可能性がある候補ゲーム数は、所定の最小ゲーム数を初項とし、所定の周期ゲーム数を公差とした等差数列を形成しており、
前記候補期間記憶手段は、前記最小ゲーム数及び前記周期ゲーム数を記憶することで、前記等差数列を構成する前記候補ゲーム数を間接的に記憶し、
前記報知期間推定手段は、前記第1の場合には、前記特別遊技ゲーム数から前記最小ゲーム数を差し引いたゲーム数を前記周期ゲーム数により除算したときの余りゲーム数を算出すると共に、当該余りゲーム数を前記特別遊技ゲーム数から差し引いて推定報知ゲーム数を算出したうえで、
前記特別遊技期間の最初のゲームから前記推定報知ゲーム数に渡る遊技期間を前記報知期間と推定すると共に、当該報知期間の次のゲームから前記余りゲーム数に渡る遊技期間を前記非報知期間と推定することが好ましい(請求項4)。
【0020】
この場合には、前記特別遊技ゲーム数と前記最小ゲーム数と前記周期ゲーム数とを利用した比較的単純な演算により前記推定報知ゲーム数を算出でき、前記報知期間及び前記非報知期間を推定する際の計算負荷を低減できる。
前記最小ゲーム数及び前記周期ゲーム数については、自力による前記特別遊技状態の継続ゲーム数の期待値よりも大きく設定されていれば、前記非報知期間等の推定精度の点で有利となる。この継続ゲーム数の期待値よりも前記最小ゲーム数及び前記周期ゲーム数が小さいと、前記非報知期間等の推定精度の点で若干、不利になる。
【0021】
また、前記遊技データ生成手段は、前記特別遊技期間のうち、前記報知期間を含まず前記非報知期間のみからなる特別遊技期間について、前記報知手段が作動しない状態で発生した前記特別遊技状態の遊技期間と判断し、当該特別遊技期間が発生した回数を集計することで、前記報知手段が作動しない状態で前記特別遊技状態が発生した回数を前記遊技データの少なくとも一部として生成する一方、
前記特別遊技期間のうち、前記報知期間を含む特別遊技期間について、前記報知手段が作動する状態で発生した前記特別遊技状態の遊技期間と判断し、当該特別遊技期間が発生した回数を集計することで、前記報知手段が作動する状態で前記特別遊技状態が発生した回数を前記遊技データの少なくとも一部として生成することが好ましい(請求項5)。
この場合には、遊技者が自力で前記特別遊技状態を発生できた回数を明確に把握できるようになる。この回数が多ければ、遊技者が自分の引きの強さを確認でき、満足感が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例1における、遊技情報表示装置を含む遊技情報管理システムの構成を示すブロック図。
【図2】実施例1における、スロットマシンの外観を示す正面図。
【図3】実施例1における、スロットマシンの役、入賞図柄、利益を示す説明図。
【図4】実施例1における、リールの外周に配置された図柄の配列を展開して示す展開図。
【図5】実施例1における、スロットマシンの電気的な構成を示すブロック図。
【図6】実施例1における、内部当選役抽選テーブルの一部を示す説明図。
【図7】実施例1における、AT発動抽選テーブルを示す説明図。
【図8】実施例1における、遊技状態の遷移を説明する状態遷移図。
【図9】実施例1における、リプレイ役が同時当選したときの第1停止リール毎の入賞振り分けを説明する説明図。
【図10】実施例1における、AT発動時の通常状態画面を示す正面図。
【図11】実施例1における、AT発動時のRT中画面を示す正面図。
【図12】実施例1における、AT非発動時のRT中画面を示す正面図。
【図13】実施例1における、管理装置の構成を示すブロック図。
【図14】実施例1における、遊技情報表示装置の正面図。
【図15】実施例1における、遊技情報表示装置の構成を示すブロック図。
【図16】実施例1における、遊技データ表示画面を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、スロットマシン5(遊技機)に対応して個別に設けられる遊技情報表示装置1に関する例である。この内容について、図1〜図16を用いて説明する。
【0024】
本例の遊技情報表示装置1(以下、表示装置1という。)は、図1に示すごとく、メダルを貸し出す貸出装置3と共にスロットマシン5に対して個別に設けられている。遊技場では、表示装置1、貸出装置3及びスロットマシン5の組合せが、遊技場管理装置(管理装置)2により管理され、全体として遊技場管理システム(管理システム)100が形成されている。この管理システム100では、図1に示すごとく、管理装置2のほか、スロットマシン5毎に設けられた貸出装置3及び表示装置1が通信ネットワーク40に接続されている。スロットマシン5は、表示装置1を介して通信可能な状態で通信ネットワーク40に接続されている。
【0025】
まず、本例のスロットマシン5について説明する。スロットマシン5は、図2に示すごとく外観的な構成を有している。スロットマシン5の前面部分は、略矩形状の図柄表示窓51を略中央に設けた前面枠体50によって形成されている。前面枠体50は、図柄表示窓51の上側に、液晶表示部638、左右一対のスピーカ57及び装飾ランプ部636を配置してなる。図柄表示窓51の下側には、スロットマシン5の基部をなすベース部500が形成されている。図柄表示窓51の右側には、メダル(遊技媒体)の払出数を表示する払出数表示部551、及びクレジット数を表示するクレジット表示部552が配置されている。
【0026】
ベース部500は、遊技者から奥まって位置する図柄表示窓51に対して相対的に張り出すように形成されている。ベース部500は、図柄表示窓51に隣り合う上端部に棚面状の操作面54を有し、下端部にメダル受け皿55を有し、操作面54の下側に隣接して操作パネル53を有している。
【0027】
操作面54には、クレジット機能によりクレジット(貯留)されたメダルを投入するためのベットボタン64と、クレジットされたメダルを払い出させるための精算ボタン65と、メダルを直接投入するためのメダル投入口630と、が配置されている。操作パネル53には、リール52の図柄変動を開始させるためのスタートレバー62(ゲーム開始操作手段)、図柄変動を停止させるためのストップボタン61(停止操作手段)が配置されている。
【0028】
図柄表示窓51は、図2に示すごとく、図柄表示領域510L、C、Rを含む表示窓である。各図柄表示領域510L、C、Rは、いずれも3図柄分の図柄表示領域である。図柄表示窓51全体では、3行3列よりなる2次元マトリクス状に配置された9図柄分の図柄表示領域が形成されている。2次元マトリクス状に9個の図柄525が配置される図柄表示領域においては、入賞の対象となる入賞図柄の並び方向である入賞ライン511〜515が設定されている。
【0029】
各図柄表示領域510L、C、Rの裏側には、図柄変動表示手段520を構成するリール52L、C、Rがそれぞれ配置されている。詳しくは図4を参照して後述するごとくリール52L、C、Rは、円柱形状の外周面に略一定の間隔を空けて21個の図柄525が配置された回転式のリールである。リール52L、C、Rにそれぞれ個別に対応するストップボタン61として、左ストップボタン61L、中ストップボタン61C、右ストップボタン61Rが設けられている。
【0030】
液晶表示部638は、液晶ディスプレイよりなる。液晶表示部638は、遊技を演出するための各種の演出画面や、遊技データを表示する表示画面などを表示可能である。特に、本例の液晶表示部638は、通常状態及び高確RT状態においてATを発動する報知手段78としての機能を実現する。報知手段78による通常状態画面81、及びRT中画面82、83の内容については、図10〜図12を参照して後で詳しく説明する。
【0031】
本例のスロットマシン5では、図3に示すごとく、ボーナス役(BB役、RB役)、15枚役A〜C及び10枚役A・Bよりなる複数種類の小役のほか、リプレイ役A〜Eが設定されている。図3では、左列に各役の名称を、中列に各役に対応する図柄525の組合せである入賞図柄を、右列に入賞に応じて遊技者に付与される利益を示してある。利益としては、同図中「利益」欄の左側に示す非ボーナス状態下の利益と、同右側に示すボーナス状態下の利益と、を示してある。
【0032】
本例では、リプレイ役Aの入賞図柄が後述する低確RT状態への移行契機となる低確RT図柄となっており、リプレイ役Cの入賞図柄が後述する高確RT状態(特別遊技状態)への移行契機となる高確RT図柄(第1特定図柄の組合せ)となっている。また、10枚役を取りこぼしたときに100%の確率で停止表示される10枚役こぼし図柄が高確RT状態の終了契機となる高確RT終了図柄(第2特定図柄の組合せ)となっている。なお、本例では、通常状態下のリプレイ役、及び高確RT状態下の10枚役が、ATの報知対象役となっている。
【0033】
ここで、ATの報知対象役であるリプレイ役及び10枚役の入賞図柄を説明する。図3のごとく、リプレイ役Aの入賞図柄は、図柄「RP」のゾロ目である。リプレイ役Aの入賞図柄を元にして右リール52Rを図柄「黒オレンジ」に置換すればリプレイ役Bの入賞図柄となり、図柄「スイカ」に置換すればリプレイ役Cの入賞図柄となる。
【0034】
また、10枚役Aの入賞図柄は「黒オレンジ」のゾロ目である。10枚役Aの入賞図柄を元にして左リール52Lの図柄を「白オレンジ」に置換した組み合わせが10枚役Bの入賞図柄となっている。さらに、左リール52Lの図柄を図柄「RP」に置換した組合せが10枚役こぼし図柄となっている。
【0035】
本例のスロットマシン5では、各リール52L、C、Rの図柄が図4に示すごとく配列されている。左リール52L及び中リール52Cでは、リプレイ役A〜Cに共通する図柄「RP」の最大間隔が4図柄となっている。ここで、本例のスロットマシン5では、後述するごとくリール52が停止する際の引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。また、図柄表示領域510L、510Cでは、上段中段下段の3図柄分に渡って入賞ラインが設定されている。したがって、左リール52L及び中リール52Cにおける「RP」は、停止操作のタイミングに関わらず必ず引込範囲内に存在し、入賞ライン上に停止表示される図柄となっている。
【0036】
右リール52Rでは、リプレイ役A〜Cにそれぞれ対応する図柄「RP」、図柄「黒オレンジ」及び図柄「スイカ」について、最大間隔がいずれも4図柄となっている。他のリール52L、Cにおける図柄「RP」と同様、右リール52Rにおける「RP」、「黒オレンジ」及び「スイカ」は、停止操作のタイミングに関わらず必ず引込範囲内に存在し、入賞ライン上に停止表示される図柄となっている。
【0037】
リプレイ役の図柄が上記のように配列された本例のスロットマシン5におけるリプレイ役A〜Cは、仮に単独当選したとすれば必ず入賞し、他のリプレイ役と同時当選した場合でも、ストップボタン61L、C、Rを所定の順番で停止操作すれば、必ず入賞するリプレイ役となっている。スロットマシン5では、リプレイ役A・Cを含む同時当選が発生したときに、リプレイ役A(低確RT図柄)を回避してリプレイ役C(高確RT図柄)を入賞させるためのストップボタン61の操作態様である第1停止リールが存在している。なお、第1停止リールと入賞リプレイ役の種類との関係については、図9を参照して後述する。
【0038】
一方、10枚役に対応する図柄については、次のようになっている。中リール52C及び右リール52Rでは、10枚役A・Bに共通する図柄「黒オレンジ」の最大間隔が4図柄となっている。したがって、中リール52C及び右リール52Rにおける「黒オレンジ」は、停止操作のタイミングに関わらず必ず引込範囲内に存在し、入賞ライン上に停止表示される図柄となっている。
【0039】
左リール52Lでは、10枚役A・Bの一方に対応する特定の種類の図柄「オレンジ」の最大間隔が15図柄以上、10枚役A・Bの何れかに対応する任意の種類の図柄「オレンジ」の最大間隔が6図柄となっている。したがって、左リール52Lにおける「オレンジ」は、停止操作のタイミングによらず2種類のうちのいずれかが必ず引込範囲内に存在することになる。一方、特定の種類の「オレンジ」については、停止操作のタイミングが合致しなければ停止表示させることができないようになっている。
【0040】
このように図柄が配列された10枚役A・Bについては、同時当選したときに何れかの10枚役を必ず入賞できる一方、単独当選したときにその種類が不明であるときの入賞確率は1/2となっている。そして、10枚役の入賞が取りこぼされたときには、高確RT終了図柄である10枚役こぼし図柄(図3参照。)が必ず停止表示されるようになっている。
【0041】
スロットマシン5は、図5に示すごとく、電気的な構成を備えている。スロットマシン5の基本動作を制御する主制御部58、ATを含む演出動作を制御する副制御部59、及び、これらの制御部58、59に電気的に接続された各部について説明する。
主制御部58に対しては、スタートレバー62やストップボタン61等の各種の操作手段のほか、メダル投入口630(図2)を介して直接投入されたメダルを検知する投入メダル検知部63、リール52と共に図柄変動表示手段520を構成するリール駆動部521、リール52の回転位置を検知する基準位置検知部632、メダルを払い出すメダル払出部633、払出数表示部551やクレジット表示部552を含む各種表示部634、遊技者の有利度合いを表す設定値を設定するための設定値操作部68、及び各種の信号を出力する信号出力部(信号出力手段)635等が電気的に接続されている。
副制御部59に対しては、装飾ランプ部636、液晶表示部638のほか、スピーカ57を制御する音声出力部637等が電気的に接続されている。
【0042】
リール駆動部521は、ステップ単位で制御可能なステッピングモータ(図示略)を含み、このステッピングモータの回転駆動力によりリール52を回転駆動する手段である。
基準位置検知部632は、各リール52L、C、Rについて基準位置片の通過を検知し、検知信号を出力する検知部である。
設定値操作部68は、設定キー680を利用して、ボーナス役等の内部当選確率が異なる6段階の設定値を変更するための操作部である。
【0043】
制御部58、59は、図5に示すごとく、それぞれ、CPU581、591、メモリ手段であるROM583、593・RAM584、594、及びI/O部582、592を備えている。主制御部58は、さらに、内部当選役抽選用の乱数を抽出する乱数抽出部585と、乱数を発生する乱数発生部586と、を備えている。また、主制御部58のI/O部582は、副制御部59に対する単方向のデータ送信部としての機能を備えている。主制御部58から副制御部59に向けて送信される内部信号、内部データとしては、以下の信号がある。
【0044】
・メダル投入信号:投入メダル1枚毎に送信される信号。
・リール始動信号:リールが始動したときに送信される信号。
・リール停止信号:全てのリールが停止したときに送信される信号。
・内部当選役信号:内部当選役の種類を表す信号。
・ボーナス信号:ボーナス状態が発生中である旨を表す信号。
・RT信号:高確RT状態が発生中である旨を表す信号。
・内部当選役抽選用の乱数:内部当選役を抽選により決定するための乱数。
【0045】
主制御部58のCPU581は、ROM583から読み込みしたソフトウェアプログラムを実行することにより、内部当選役を抽選する内部抽選手段71、内部当選役に対応する内部当選フラグを制御するフラグ制御手段710、リール52を制御する表示制御手段72、入賞を判定する入賞判定手段73、入賞に応じて利益を付与する利益付与手段74、低確RT状態を制御する低確RT状態制御手段751、高確RT状態を制御する特別遊技状態発生手段752・特別遊技状態終了手段753としての各機能を実現する。
副制御部59のCPU591は、ROM593から読み込みしたソフトウェアプログラムを実行することにより、ATに関する報知抽選を実行する報知抽選手段76、ATを発動させる報知制御手段77、AT情報を報知する報知手段78としての各機能を実現する。
【0046】
主制御部58のROM583は、内部抽選手段71が内部当選役の抽選に用いる内部当選役抽選テーブル(図6)、表示制御手段72がリール52の停止制御に用いるリール制御テーブル(図示略)を記憶している。
副制御部59のROM593は、報知抽選の一部をなすAT発動抽選のためのAT発動抽選テーブル(図7)を記憶している。
【0047】
副制御部59のRAM594の記憶領域には、各種の実行ゲーム数を記憶するゲーム数カウンタ594A、及びATモードが選択されたAT有りの高確RT状態の継続ゲーム数である残ARTゲーム数を記憶するATカウンタ594Bが設けられている。ゲーム数カウンタ594Aが記憶するゲーム数としては、当日の累計ゲーム数のほか、AT有りの高確RT状態で継続した累計ゲーム数や、ATなしの高確RT状態で継続した累計ゲーム数等がある。
【0048】
リール制御テーブルは、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたデータテーブルである。
内部当選役抽選テーブルは、図6に示すごとく、0〜65535の内部当選役抽選用の乱数のうち、各役の当選乱数の範囲が規定されたデータテーブルである。内部当選役抽選テーブルとしては、通常状態に適用されるテーブル、低確RT状態に適用されるテーブル、高確RT状態に適用されるテーブルのほか、図示しないボーナス状態に適用されるテーブルがある。ボーナス状態を除く各遊技状態の内部当選役抽選テーブルは、設定値毎に用意されている。なお、同図中、各遊技状態に対応する欄のうち、縦方向の左列は当選乱数の個数を示し、同右列は内部当選確率を分母(1/xのx。)により示している。
【0049】
通常状態、低確RT状態及び高確RT状態用のテーブルでは、リプレイ役以外の各役の当選乱数が共通する一方、リプレイ役の当選乱数の設定が異なっている。通常状態用のテーブルでは、リプレイ役Aを含めた2種類以上のリプレイ役が同時当選する乱数のみが設定されている。通常状態用のテーブルでは、いずれかのリプレイ役の内部当選確率が1/1.5であり、高確RT状態の契機となるリプレイ役Cの内部当選確率が約1/22となっている。
【0050】
低確RT状態用及び高確RT状態用のテーブルでは、いずれも、リプレイ役Aが単独で内部当選する乱数のみが設定されており、相違点はリプレイ役Aの内部当選確率にある。低確RT状態用のテーブルにおけるリプレイ役Aの内部当選確率が1/7.3であるのに対して、高確RT状態用のテーブルにおける同確率は1/1.5となっている。
【0051】
AT発動抽選テーブルは、図7に示すごとく、AT発動抽選に当選するAT当選乱数が規定されたデータテーブルである。本例では、低確RT状態下の15枚役及び10枚役の当選乱数のうちの一部がAT当選乱数となっている。例えば、15枚役Aの当選乱数500個のうちの100個、10枚役AとBの同時当選乱数3000個のうちの10個などがAT当選乱数となっており、0〜65535の全乱数範囲のうち全部で240個の乱数がAT当選乱数となっている。
【0052】
前記乱数抽出部585は、図5に示すごとく、乱数発生部586が発生する乱数(0〜65535)の中から内部当選役抽選用の乱数を抽出する。本例では、副制御部59が、内部当選役抽選用の乱数を利用して、AT発動抽選等の報知抽選を実行している。本例に代えて、副制御部59が報知抽選専用の乱数発生部を有するようにしても良い。
【0053】
内部抽選手段71は、図5に示すごとく、内部抽選により内部当選役を決定し、その内部当選役に対応する内部当選フラグを成立させる手段である。内部抽選手段71は、内部当選役抽選テーブル(図6)に規定された各役の当選乱数に対して内部当選役抽選用の乱数を照合し、内部当選役を決定する。内部抽選手段71は、前記内部当選役抽選テーブルのうちの何れかを遊技状態に応じて選択的に利用する。
【0054】
フラグ制御手段710は、内部抽選手段71が決定した内部当選役に対応する内部当選フラグを制御する手段である。フラグ制御手段710は、ボーナス役以外の他の役の内部当選フラグについては、当該内部当選フラグが初めて成立したゲームで入賞したか否かに関わらず次のゲームを開始するまでにオフ状態(ゼロ)にリセットする。したがって、ボーナス役以外の各役が内部当選したゲームで入賞しなかった場合、全て取りこぼしとなる。一方、ボーナス役の内部当選フラグであるボーナス役フラグについては、入賞するまで、内部当選フラグの成立状態が次回のゲームに順次、持ち越され、入賞に応じてオフ状態にリセットされる。
【0055】
報知抽選手段76は、低確RT状態下で実行される報知抽選として、AT発動抽選及びARTゲーム数抽選を実行する手段である。AT発動抽選は、低確RT状態下のゲームで抽出された内部当選役抽選用の乱数をAT発動抽選テーブル(図7)と照合して実行される。AT発動抽選に当選した場合には、前記ATカウンタ594Bの残ARTゲーム数に初期値である50ゲームがセットされ、報知手段78が作動するATモードが選択される。低確RT状態下の残りの各ゲームでは、AT発動抽選に代えて、ARTゲーム数抽選が実行される。本例では、何れかの15枚役の内部当選をもってARTゲーム数抽選の当選とし、当選する毎にATカウンタ594Bの残ARTゲーム数が25ゲームずつ加算される。
【0056】
低確RT状態が終了した時点の残ARTゲーム数が、高確RT状態への移行後に報知手段78が作動(ATモード)する報知ゲーム数となる。本例のスロットマシン5で設定される可能性がある報知ゲーム数は、50、75、100、125、150・・・という初項50、公差25の等差数列の何れかの値となる。AT発動抽選に当選したときにセットされる50ゲームが前記等差数列の初項をなす最小ゲーム数となっており、ATゲーム数抽選での当選毎に加算される25ゲームが前記等差数列の公差をなす周期ゲーム数となっている。
【0057】
表示制御手段72は、図5に示すごとく、ゲーム開始信号に応じてリール52の図柄変動を開始すると共に、変動停止信号に応じてリール52の図柄変動を停止させる手段である。表示制御手段72は、リール駆動部521を構成するステッピングモータに制御パルスを入力し、1パルス毎に1ステップずつステッピングモータを回転させる。表示制御手段72は、リール駆動部521に入力した制御パルス数、すなわちステッピングモータが回転したステップ数をカウントする。特に、本例の表示制御手段72は、各リール52の基準位置片の検知信号を取り込む毎にステップ数をゼロリセットすることで、直近の検知信号の後に生じたステップ数をカウントしている。
【0058】
表示制御手段72は、規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)等が定める所定の引込範囲内の図柄を入賞ライン上に停止させる、いわゆる引込制御を実行する。本例では、前記のごとく、引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。表示制御手段72は、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたリール制御テーブルに対して変動停止信号を取り込みした際のステップ数を照合し、停止位置を決定する。表示制御手段72は、内部当選フラグに対応する図柄を決定した停止位置に引き込んでリール52を停止させる。なお、本例のスロットマシン5では、リール52の変動開始に応じて、そのゲームに対するメダルの使用数分のアウト信号が表示装置1に向けて外部出力される。
【0059】
低確RT状態制御手段751は、リプレイ役の入賞確率が低く遊技者にとって不利な低確RT状態を制御する手段である。低確RT状態制御手段751は、低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞図柄が通常状態下で停止表示されたときに低確RT状態を発生させる。低確RT状態制御手段751は、消化ゲーム数が64ゲームに達するか、あるいはBB役及びRB役の何れかが内部当選したとき、低確RT状態を終了させる。
【0060】
特別遊技状態発生手段752は、リプレイ役の入賞確率が高く遊技者にとって有利な高確RT状態を発生させる手段である。特別遊技状態発生手段752は、高確RT図柄であるリプレイ役Cの入賞図柄が通常状態下で停止表示されたときに高確RT状態を発生させる。
特別遊技状態終了手段753は、高確RT状態を終了させて通常状態へ復帰させる手段である。特別遊技状態終了手段753は、高確RT終了図柄である10枚役こぼし図柄が停止表示されたときに高確RT状態を終了させる。
【0061】
報知制御手段77は、ATモードが選択された通常状態及び高確RT状態においてATを発動させる手段である。報知制御手段77は、前記AT発動抽選に当選してATモードが選択されたとき、通常状態への復帰に応じてATを発動させる。また、ATモードの通常状態から高確RT状態へ移行したとき、ATモードを継続させ、ゲームを実行する毎に残ARTゲーム数を1ゲームずつ減算する。報知制御手段77は、残ARTゲーム数がゼロゲームに達したときに、ATモードから非ATモードに切り換えてATを終了させる。ここで、本例では、ATモードが選択されたAT有りの高確RT状態をART状態といい、非ATモードが選択されたATなしの高確RT状態を自力RT状態という。自力RT状態としては、非ATモードが選択された状態で開始された高確RT状態と、ATモードから非ATモードへの切換によるAT終了後の高確RT状態と、がある。
【0062】
報知手段78は、ATモード下で報知対象役が内部当選したとき、AT情報(第1情報、第2情報)を報知する手段である。報知手段78は、後述する図10の通常状態画面81や、後述する図11のRT中画面82を液晶表示部638に表示することでAT情報を報知する。
【0063】
次に、以上のように構成されたスロットマシン5が発生する遊技状態について、図8の状態遷移図を参照して説明する。
【0064】
(低確RT状態)
低確RT状態下の各ゲームでは、まず、AT発動抽選が実行される。AT発動抽選に当選するとATモードが選択される。AT発動抽選の当選後、低確RT状態下の残りのゲームで前記ARTゲーム数抽選が実行され、低確RT状態が終了したとき、ART状態の継続ゲーム数(報知ゲーム数)である残ARTゲーム数が確定する。
【0065】
(通常状態)
通常状態においてリプレイ役の同時当選パターンが発生したとき、第1停止リールに応じて、入賞するリプレイ役が図9のように振り分けられる。例えば、リプレイ役A・B・Cの同時当選パターンにおいて第1停止リールが左リール52L又は中リール52Cであった場合には、リプレイ役Aが入賞する。一方、第1停止リールが右リール52Rであった場合には、リプレイ役Cが入賞する。このとき、右リール52Rを第1停止リールとすべき旨は、高確RT図柄であるリプレイ役Cの入賞図柄を停止表示させるための補助情報であると共に、低確RT図柄であるリプレイ役Aの入賞図柄を回避するための回避情報となる。
【0066】
ATモードが選択されたAT有りの通常状態では、リプレイ役の同時当選に応じてリプレイ役Cを入賞させるための補助情報の報知が実行される。具体的には、報知手段78による図10の通常状態画面81の表示により、入賞図柄が高確RT図柄であるリプレイ役Cを入賞させるための第1停止リールが報知される。通常状態画面81は、リプレイ役Cを入賞させる第1停止リールを報知する第1停止報知欄811と、AT有りの通常状態が開始されてからの差枚数(払出数−投入数)を表示する差枚数表示欄812と、報知に応じて入賞するリプレイ役の種類を報知するリプレイ役報知欄814と、を組み合わせてなる。リプレイ役の同時当選では、必ずリプレイ役Aが含まれているため、リプレイ役Cを入賞させるための補助情報によれば、入賞図柄が低確RT図柄であるリプレイ役Aを回避して低確RT状態への移行を阻止できる。なお、リプレイ役Cが内部当選せず、リプレイ役Aとリプレイ役B、Dが内部当選したゲームでは、リプレイ役Bを入賞させるための補助情報を報知することにより、低確RT状態への移行を阻止できるようになる。
【0067】
(高確RT状態)
ATモードが選択されたAT有りの通常状態から高確RT状態へ移行したときには、前記ART状態となる。ART状態では、10枚役A・Bが単独で内部当選したときの10枚役こぼし図柄の回避情報の報知が実行される。具体的には、報知手段78による図11のRT中画面82の表示により、内部当選した10枚役の種類が報知される。RT中画面82は、高確RT状態が発生中である旨を報知する状態報知欄824と、内部当選した10枚役の種類を報知する内部当選役報知欄821と、AT有りの通常状態が開始されてからの差枚数(払出数−投入数)を表示する差枚数表示欄822と、ART状態の残りゲーム数としてATカウンタ594Bが記憶する残ARTゲーム数を表示する残ARTゲーム数表示欄823と、を組合せてなる。同図は、回避情報として、10枚役Aが内部当選した旨を報知するRT中画面である。
【0068】
残ARTゲーム数がゼロに到達してATが終了した後の自力RT状態、及び非ATモードのAT無しの通常状態から高確RT状態へ移行した際の自力RT状態では、10枚役が単独で内部当選したとき、図12に示すRT中画面83が液晶表示部638に表示される。このRT中画面83では、図11のRT中画面82に対して、内部当選した10枚役の種類を特定できないように内部当選役報知欄831が変更されていると共に、残ARTゲーム数表示欄823が省かれている。
【0069】
以上のように構成されたスロットマシン5が、信号出力部635(図5)を介して表示装置1に向けて外部出力する信号としては、以下の各信号がある。
(1)セーフ信号:入賞に応じてメダルが1枚払い出される毎に出力される信号。
(2)アウト信号:ゲームに使用されたメダル数分、ゲームの開始に応じて出力される信号。
(3)RB信号:RB状態の発生中に出力される信号。
(4)BB信号:BB状態の発生中に出力される信号。
(5)RT信号(特別遊技状態信号):高確RT状態の発生中に出力される信号。ART状態及び自力RT状態について共通。
【0070】
次に、管理装置2について説明する。管理装置2は、図13に示すごとく、液晶ディスプレイ250や図示しないプリンタ等を含む出力部25と、各種の演算処理を実行する装置本体20と、キーボード260及び図示しないマウスを含む入力部26と、を備えている。装置本体20は、演算処理を実行するCPUを含む制御部201、ハードディスクドライブ(HDD)、ROM、RAM等を含む記憶部202、及び各種信号あるいは情報の入出力経路を含む送受信部203(I/O)を備えている。本例の管理装置2は、この送受信部203を介して通信ネットワーク40(図1)に接続されている。
【0071】
記憶部202は、管理対象の各スロットマシン5の遊技仕様を記憶している。遊技仕様としては、本例のスロットマシン5によるATモードの仕様情報、すなわち50、75、100、125、150・・・という初項50、公差25の等差数列をなす報知ゲーム数(ART状態の継続ゲーム数)の初項をなす最小ゲーム数(50ゲーム)、及び公差をなす周期ゲーム数(25ゲーム)を記憶している。このATモードの仕様情報は、送受信部203を介して、表示装置1に向けて送信される。
【0072】
次に、表示装置1について説明する。表示装置1は、図14に示すごとく、スロットマシン5の上側のスペースに配設される横長の装置である。表示装置1の正面には、データ表示部15を中心として、左右両側に配置された装飾ランプ163と、左ランプの下側に配置された呼出ボタン161と、右ランプの下側に配置されたデータ切換ボタン162と、が配置されている。
【0073】
表示装置1の内部には、演算処理を実行するCPU11を含む制御部10のほか、ハードディスクドライブ(HDD)、ROM、RAM等を含む記憶部12、及び各種信号あるいは情報の入出力経路をなす通信ポート(図示略)を含む送受信部(I/O)13が収容されている。表示装置1は、送受信部13を介して通信ネットワーク40(図1)に接続されている。
【0074】
送受信部13は、スロットマシン5が外部出力する信号を受信する信号受信手段131としての機能を備えている。本例の信号受信手段131がスロットマシン5側から取り込む信号としては、上記のごとく、セーフ信号、アウト信号、BB信号、RB信号、RT信号がある。さらに、送受信部13は、管理装置2が出力する前記ATモードの仕様情報を受信する機能を備えている。ATモードの仕様情報としては、上記のごとく、等差数列をなす報知ゲーム数の最小ゲーム数(50ゲーム)及び周期ゲーム数(25ゲーム)がある。
【0075】
記憶部12は、スロットマシン5で設定され得る前記報知ゲーム数(ART状態の継続ゲーム数)の候補ゲーム数を記憶する候補期間記憶手段121、及び対応するスロットマシン5の遊技データを記憶する遊技データ記憶手段122としての機能を備えている。さらに、記憶部12の記憶領域には、1回の高確RT状態において実行されたRTゲーム数(特別遊技ゲーム数)を計数するためのRTゲーム数カウンタが設定されている。
候補期間記憶手段121は、管理装置2から受信したATモードの仕様情報(最小ゲーム数、周期ゲーム数)を記憶することにより、50、75、100、125、150・・・という等差数列を形成する候補ゲーム数を記憶している。
【0076】
遊技データ記憶手段122が記憶する遊技データとしては、以下がある。
(1)累計ゲーム数:当日の開店後に非ボーナス状態(通常状態、低確RT状態、高確RT状態)において実行された累計のゲーム数。
(2)通常ゲーム数:累計ゲーム数のうち、通常状態及び低確RT状態において実行された累計のゲーム数。
(3)BB回数:BB状態の発生回数。
(4)RB回数:RB状態の発生回数。
(5)ARTゲーム数:AT有りの高確RT状態において実行された累計のゲーム数。
(6)自力RTゲーム数:ATなしの高確RT状態において実行された累計のゲーム数。
(7)ART回数:AT有りの通常状態からAT有りの高確RT状態への移行回数。
(8)自力RT回数:ATなしの通常状態からATなしの高確RT状態への移行回数。
【0077】
CPU11は、ソフトウェアの実行により、スロットマシン5の遊技状態を特定する遊技状態特定手段111、高確RT状態下で実行されたRTゲーム数(特別遊技ゲーム数)を計数する特別遊技期間計測手段112、報知期間/非報知期間の区別を推定する報知期間推定手段114、報知期間と非報知期間とを区別して遊技データを生成する遊技データ生成手段115、各種の遊技データを集計する遊技データ集計手段116、及び遊技データを表示する遊技データ表示手段117としての機能を備えている。
【0078】
遊技状態特定手段111は、スロットマシン5の遊技状態を特定する手段である。遊技状態特定手段111は、RT信号が受信されたとき、対応するスロットマシン5で発生中の遊技状態を高確RT状態と特定する。
【0079】
特別遊技期間計測手段112は、高確RT状態と特定された特別遊技期間内に実行されたRTゲーム数を計数する手段である。特別遊技期間計測手段112は、対応するスロットマシンで高確RT状態が開始されたとき、前記RTゲーム数カウンタのカウンタ値であるRTゲーム数の計数をゼロスタートで開始し、アウト信号を3回受信する毎にRTゲーム数を1ゲームずつ加算する。
【0080】
なお、本例では、ゲームの開始時にスロットマシン5から出力される所定数のアウト信号を遊技信号として利用してゲームの実行を検知した例である。アウト信号は、投入されたメダル1枚毎に出力されるため、3BETの非ボーナス状態(通常状態、低確RT状態、高確RT状態)ではゲーム毎に3回、2BETのボーナス状態ではゲーム毎に2回ずつアウト信号が出力されることになる。そこで、本例の特別遊技期間計測手段112は、高確RT状態を含め非ボーナス状態では、アウト信号が3回出力される毎にゲームの実行を判定し、ゲーム数を計数する。
【0081】
報知期間推定手段114は、高確RT状態と特定された特別遊技期間について、ART状態に対応する報知期間、及び自力RT状態に対応する非報知期間を推定する手段である。
報知期間推定手段114及び遊技データ生成手段115は、まず、スロットマシン5においてART状態が継続した報知ゲーム数の推定値である推定ARTゲーム数(推定報知ゲーム数)を生成する。具体的には、候補期間記憶手段121が間接的に記憶する候補ゲーム数(50、75、100、125、150・・・)のうち、RTゲーム数よりも小さい候補ゲーム数であって、かつ、RTゲーム数に最も近い候補ゲーム数を選択し、これを推定ARTゲーム数とし、残りのゲーム数を推定自力RTゲーム数とする。報知期間推定手段114は、RTゲーム数に渡る特別遊技期間のうち、ゼロゲーム(最初のゲーム)から前記推定ARTゲーム数までの遊技期間を前記報知期間と推定する。また、前記推定ARTゲーム数を超過した後の残りの推定自力RTゲーム数に渡る遊技期間を前記非報知期間と推定する。
【0082】
推定ARTゲーム数は、遊技データ記憶手段122が記憶するARTゲーム数に加算される。推定自力RTゲーム数は、遊技データ記憶手段122が記憶する自力RTゲーム数に加算される。さらに、特別遊技期間のうち、報知期間と推定された遊技期間を含む特別遊技期間が発生する毎に、遊技データ記憶手段122のART回数を1回ずつ加算する。また、特別遊技期間のうち、報知期間と推定された遊技期間を含まない特別遊技期間が発生する毎に、遊技データ記憶手段122の自力RT回数を1回ずつ加算する。
【0083】
なお、本例のスロットマシン5では、自力RT状態の継続ゲーム数の期待値が25ゲームよりも小さく設定されている。それ故、前記最小ゲーム数である50ゲームはもとより、前記周期ゲーム数である25ゲームを超えて自力RT状態が継続する可能性が低くなっている。
【0084】
遊技データ集計手段116は、対応するスロットマシン5の遊技データを集計する手段である。遊技データ集計手段116は、遊技データ記憶手段122に記憶される以下の各遊技データを集計する。
(1)累計ゲーム数:非ボーナス状態(通常状態、低確RT状態、高確RT状態)においてアウト信号を3回受信する毎に1ゲームずつ加算される。
(2)通常ゲーム数:通常状態又は低確RT状態においてアウト信号を3回受信する毎に1ゲームずつ加算される。
(3)BB回数:BB信号の非受信状態から受信状態への切換毎に1回ずつ加算される。
(4)RB回数:RB信号の非受信状態から受信状態への切換毎に1回ずつ加算される。
【0085】
遊技データ表示手段117は、遊技データ生成手段115及び遊技データ集計手段116による遊技データ等を、データ表示部15に表示する手段である。遊技データ表示手段117による遊技データ表示画面150を図16に例示する。遊技データ表示画面150は、機種及び台番を示す台情報表示欄の下側に、データ表示欄を設けた画面である。データ表示欄としては、本日の遊技データの表示欄、及び前日以前の遊技データの表示欄のうちの何れかが択一的に表示される。データ表示欄には、累計ゲーム数、通常ゲーム数、推定ARTゲーム数(画面上ではARTゲーム数)、推定自力RTゲーム数(画面上では自力RTゲーム数)、BB回数、RB回数、ART回数、自力RT回数が表示される。本日の遊技データと、前日以前の遊技データとは、データ切換ボタン162の操作に応じて切換可能である。
【0086】
以上のように、本例の遊技情報表示装置1によれば、ART状態が発生中である旨を表す信号を受信しなくても、RT状態下の特別遊技期間について、ART状態に対応する報知期間と、自力RT状態に対応する非報知期間と、の区別を推定できる。報知期間と非報知期間とを区別して生成された遊技データに基づけば、遊技者が自力RT状態の発生・継続度合いを把握できるようになる。これにより、自力RT状態による遊技者の達成感や満足感を一層、高揚できる。
【0087】
なお、表示装置1が表示する遊技データとして、以下の各データを設定することも良い。BB入賞確率(BB回数/累計ゲーム数)や、RB入賞確率(RB回数/累計ゲーム数)や、ART突入確率(ART回数/通常ゲーム数)や、自力RT突入確率(自力RT回数/通常ゲーム数)や、ART比率(ARTゲーム数/累計ゲーム数)や、自力RT比率(自力RTゲーム数/累計ゲーム数)や、ART平均ゲーム数(ARTゲーム数/ART回数)や、自力RT平均ゲーム数(自力RTゲーム数/自力RT回数)等を設定しても良い。
【0088】
なお、本例は、ART状態の候補ゲーム数について、等差数列の最小ゲーム数及び周期ゲーム数を記憶することで、候補ゲーム数の組合せを間接的に記憶した例である。最小ゲーム数及び周期ゲーム数に代えて、50、75、100、125、150・・・といった候補ゲーム数の組合せを直接、記憶することも良い。
また、本例では、最小ゲーム数として50ゲーム、周期ゲーム数として25ゲームが設定されている。最小ゲーム数及び周期ゲーム数は、本例とは異なる値であっても良い。
【0089】
なお、本例の推定ARTゲーム数の推定方法に代えて、次のような推定方法を採用することもできる。この推定方法では、まず、RTゲーム数から最小ゲーム数を減算したゲーム数を算出する。次に、このゲーム数を周期ゲーム数により除算したときの余りゲーム数(推定自力RTゲーム数)を求め、この余りゲーム数をRTゲーム数から減算すれば、推定ARTゲーム数を算出できる。例えば、RTゲーム数が114ゲームであるときには、(114−50)÷25の算出式により、前記余りゲーム数が14ゲームと算出され、推定ARTゲーム数が100ゲームと算出される。
【0090】
なお、本例では、図16を参照して説明した通り、ART状態下で実行された推定ARTゲーム数と、自力RT状態下で実行された推定自力RTゲーム数と、を出力している。これに代えて、あるいはこれに加えて、ART状態及び自力RT状態における払出数や差枚数など他の遊技データを出力することも良い。
【0091】
なお、本例では、特別遊技状態として高確RT状態(リプレイタイム)を発生するスロットマシンを例示したが、特別遊技状態は、本例の高確RT状態に限定されない。特別遊技状態としては、例えば、CT(チャレンジタイム)など、遊技者にとって有利な状態であれば、どのような遊技状態であっても良い。
また、本例は、ゲームの実行を表す遊技信号として、アウト信号を利用した例である。本例に代えて、スタートレバーが有効に操作された旨を表す操作信号を利用してゲームの実行を検知することもできる。
【0092】
なお、本例では、低確RT図柄及び高確RT図柄として、リプレイ役の入賞図柄が設定されている。当然ながら、リプレイ役の入賞図柄には限定されない。
また、本例は、低確RT状態下のAT発動抽選に当選しない限り、通常状態下でATが発動しない例である。本例に代えて、AT発動抽選に当選しない場合にも、通常状態下でATを発動する場合を設けることも良い。
【0093】
以上のごとく本発明の実施例を詳細に説明したが、これらの実施例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、実施例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して実施例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0094】
1 遊技情報表示装置(表示装置)
100 遊技場管理システム
111 遊技状態特定手段
112 特別遊技期間計測手段
114 報知期間推定手段
115 遊技データ生成手段
116 遊技データ集計手段
117 遊技データ表示手段
121 候補期間記憶手段
122 遊技データ記憶手段
131 信号受信手段
15 情報表示部
150 遊技データ表示画面
5 スロットマシン
520 図柄変動表示手段
61 ストップボタン(停止操作手段)
62 スタートレバー(ゲーム開始操作手段)
635 信号出力部(信号出力手段)
71 内部抽選手段
72 表示制御手段
73 入賞判定手段
74 利益付与手段
752 特別遊技状態発生手段
753 特別遊技状態終了手段
78 報知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄表示領域において複数種類の図柄を所定の配列に従って変動表示する図柄変動表示手段と、
遊技媒体が投入された状態でゲームを開始するために遊技者が操作するゲーム開始操作手段と、
前記ゲーム開始操作手段が操作されたときに、複数種類の役の中から内部当選役を決定するための内部抽選を実行する内部抽選手段と、
前記図柄変動表示手段による図柄の変動表示を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、
前記停止操作手段が操作されたときに、内部当選役に対応する図柄を予め規定された引込範囲内で引き込んで前記図柄表示領域に停止表示させる表示制御手段と、
前記図柄変動表示手段の各図柄表示領域に停止表示された図柄の組合せに基づいて入賞が発生したか否かを判定する入賞判定手段と、
前記入賞判定手段により入賞が発生したと判定されたときに、当該入賞に対応する利益を遊技者に付与する利益付与手段と、
通常状態において前記図柄表示領域に停止表示された図柄の組合せが第1特定図柄の組合せである場合に、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
前記特別遊技状態において前記図柄表示領域に停止表示された図柄の組合せが第2特定図柄の組合せである場合に、当該特別遊技状態を終了させて通常状態を発生させる特別遊技状態終了手段と、
通常状態において前記第1特定図柄の停止表示を補助するための第1情報、及び前記特別遊技状態において前記第2特定図柄の停止表示を回避するための第2情報を遊技者に報知可能な報知手段と、
前記報知手段を作動させるか否かを決定するための報知抽選を実行する報知抽選手段と、
前記報知抽選に当選したとき、前記特別遊技状態へ移行した後、予め定められた報知期間に渡って前記報知手段を作動させる報知制御手段と、
前記特別遊技状態が発生中である旨を表す特別遊技状態信号を外部に出力する信号出力手段と、を備えたスロットマシンに対応して設けられる遊技情報表示装置において、
前記スロットマシンが出力する前記特別遊技状態信号を受信する信号受信手段と、
前記特別遊技状態信号を受信しているとき、前記スロットマシンにおいて発生中の遊技状態を前記特別遊技状態と特定する遊技状態特定手段と、
前記スロットマシンにおいて前記報知期間として設定される可能性がある候補期間を記憶する候補期間記憶手段と、
前記スロットマシンにおける前記特別遊技状態の発生期間である特別遊技期間の長さを計測する特別遊技期間計測手段と、
前記報知手段が作動した報知期間、及び前記報知手段が作動しなかった非報知期間の区別を前記特別遊技期間について推定する報知期間推定手段と、
前記報知期間と前記非報知期間とで区別して、前記特別遊技状態の遊技データを生成する遊技データ生成手段と、
該遊技データ生成手段が生成した遊技データを表示する遊技データ表示手段と、を備え、
前記報知期間推定手段は、前記候補期間記憶手段が記憶する前記候補期間のうち最短の候補期間よりも前記特別遊技期間が長い第1の場合については、前記特別遊技期間と同時にスタートする遊技期間であって、前記特別遊技期間よりも短く、かつ、長さが最も近い候補期間に渡って継続する遊技期間を前記報知期間と推定し、前記特別遊技期間の残りの遊技期間を前記非報知期間と推定する一方、
前記候補期間記憶手段が記憶する最短の候補期間よりも前記特別遊技期間が短いか、あるいは同じ長さである第2の場合については、前記特別遊技期間の全期間を前記非報知期間と推定することを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記スロットマシンが備える信号出力手段は、ゲームの進行を表す遊技信号を出力するように構成され、
前記信号受信手段は、前記信号出力手段から出力された遊技信号を受信し、
前記特別遊技期間計測手段は、前記特別遊技期間における前記遊技信号の受信回数を計数することにより、当該スロットマシンにおける前記特別遊技期間の長さを計測することを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記報知期間は、予め定められた報知ゲーム数の実行期間である一方、前記候補期間記憶手段は、前記スロットマシンにおいて前記報知ゲーム数として設定される可能性がある候補ゲーム数を前記候補期間として記憶し、
前記特別遊技期間計測手段は、前記スロットマシンがゲームを実行する毎に前記遊技信号として外部出力する信号の受信回数を計数して前記特別遊技期間に実行された特別遊技ゲーム数を計数することにより、当該特別遊技期間の長さを計測することを特徴とする請求項2に記載の遊技情報表示装置。
【請求項4】
前記スロットマシンにおいて前記報知ゲーム数として設定される可能性がある候補ゲーム数は、所定の最小ゲーム数を初項とし、所定の周期ゲーム数を公差とした等差数列を形成しており、
前記候補期間記憶手段は、前記最小ゲーム数及び前記周期ゲーム数を記憶することで、前記等差数列を構成する前記候補ゲーム数を間接的に記憶し、
前記報知期間推定手段は、前記第1の場合には、前記特別遊技ゲーム数から前記最小ゲーム数を差し引いたゲーム数を前記周期ゲーム数により除算したときの余りゲーム数を算出すると共に、当該余りゲーム数を前記特別遊技ゲーム数から差し引いて推定報知ゲーム数を算出したうえで、
前記特別遊技期間の最初のゲームから前記推定報知ゲーム数に渡る遊技期間を前記報知期間と推定すると共に、当該報知期間の次のゲームから前記余りゲーム数に渡る遊技期間を前記非報知期間と推定することを特徴とする請求項3に記載の遊技情報表示装置。
【請求項5】
前記遊技データ生成手段は、前記特別遊技期間のうち、前記報知期間を含まず前記非報知期間のみからなる特別遊技期間について、前記報知手段が作動しない状態で発生した前記特別遊技状態の遊技期間と判断し、当該特別遊技期間が発生した回数を集計することで、前記報知手段が作動しない状態で前記特別遊技状態が発生した回数を前記遊技データの少なくとも一部として生成する一方、
前記特別遊技期間のうち、前記報知期間を含む特別遊技期間について、前記報知手段が作動する状態で発生した前記特別遊技状態の遊技期間と判断し、当該特別遊技期間が発生した回数を集計することで、前記報知手段が作動する状態で前記特別遊技状態が発生した回数を前記遊技データの少なくとも一部として生成することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の遊技情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−66023(P2012−66023A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215627(P2010−215627)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】