説明

遊技施設の簡易監視装置

【課題】夜間などにおいて、遊技施設に侵入して遊技台などに不正が行われたことを、廉価な構成により確実に検出可能な簡易監視装置を提案すること。
【解決手段】遊技施設の簡易監視装置11では、営業時間後に遊技台4の電源が落とされると、そのセンサユニット12が監視モードに切り替わる(ST4,5)。人などが接近すると、その感知履歴がメモリ22に残る。翌日の営業開始前に、遊技台4に電源を投入すると、センサユニット12は、感知履歴が残っている場合には侵入者により不正行為が行われた可能性がある旨を台間機5の状態表示ランプ14を駆動して警告する(ST1,2,6)。感知履歴が無い場合にはセンサユニット12は充電モードに切り替わり(ST1,2,3)、台間機5を介して遊技台4に供給される駆動電力によって充電式電池23を充電して、次の監視動作に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、夜間などにおいて遊技施設に設置されている遊技台等を監視するための簡易監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコホールなどの遊技施設では、一般に、遊技台などをビデオカメラによって監視して、不正行為の未然防止、あるいは不正行為の摘発を行っている。遊技台などの撮影画像を取得するためには十分な明るさが必要であるので、閉店後や夜間のように照明が消された状態では監視ができない。そこで、従来においては、閉店後の夜間でも遊技施設を監視できるように、暗視カメラなどを用いた夜間監視システムが提案されている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1にはかかる夜間監視装置が開示されている。ここに開示の夜間監視装置では、異常事態が発生した場合には、より鮮明な画像が得られるように、遊技施設の照明を点灯してビデオカメラを作動させて、昼間監視システムを起動させるようになっている。
【特許文献1】特開平09−275557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような暗視カメラを用いた夜間監視システムは高価である。また、異常が発生した際にシステムを直ちに起動できるように、システムを待機状態にしておく必要があるので、電力消費量も多い。
【0005】
本発明の課題は、夜間などのように照明が消えた後の遊技施設を監視することのできる廉価で省電力型の簡易監視装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の遊技施設の簡易監視装置は、人などの接近を感知するセンサユニットと、前記センサユニットの感知結果を出力する出力手段とを有し、前記センサユニットは、遊技施設の監視対象の機器あるいは、その周辺機器に取り付けられており、当該センサユニットは、それが取り付けられている機器に電源が投入されると、感知動作を開始し、当該電源が遮断されると感知動作を終了し、前記出力手段は、前記電源が投入されると、前記センサユニットの感知結果を出力することを特徴としている。
【0007】
本発明の簡易監視装置では、遊技施設の閉店後などにおいてセンサユニットが取り付けられている機器などの電源が遮断されると、当該センサユニットが感知状態に切り替わり、監視対象の機器に人などが接近することを監視する。開店前において機器の電源が投入されると、センサユニットの感知動作が止み、それまでの感知結果が出力手段から出力される。よって、夜間などのように監視が必要な時間帯においてのみ監視動作を行うことができる。また、人などが接近したという感知結果が出力された場合には、監視対象の機器を調べることにより、不正が行われたか否かを確認できる。
【0008】
ここで、本発明の簡易監視装置の前記センサユニットは充電式電源を備えており、当該充電式電源は、前記センサユニットが取り付けられている機器がオン状態の間に、当該機器の電源によって充電されることを特徴としている。遊技施設の閉店後などにおいて遊技台に不正を働こうとする侵入者によって主電源が切られた場合であっても監視を行うことができる。
【0009】
また、本発明の簡易監視装置の前記出力手段は表示ランプであり、前記センサユニットに感知履歴が残っている場合には所定の形態で前記表示ランプが点灯することを特徴としている。表示ランプを点滅駆動させるなどの方法により、確実に、監視結果を報知することができる。
【0010】
さらに、本発明では、前記表示ランプとして、台間機の状態表示ランプ、あるいは、遊技台の前面上方位置に取り付けられている呼出ランプを用いることを特徴としている。遊技施設の機器を利用して感知履歴を表示するので、簡易監視装置専用の表示ランプを別途設置する必要がなくなる。よって、廉価な構成とすることができる。
【0011】
次に、本発明の簡易監視装置のセンサユニットが取り付けられる機器としては、遊技台、台間機、および呼出ランプを挙げることができる。これらのうちの一つに取り付けてもよいし、それぞれに取り付けることもできる。
【0012】
一方、本発明は遊技システムに関するものであり、本発明による遊技システムは、遊技台と台間機と簡易監視装置とを有し、当該簡易監視装置として上記構成のものを用いることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の簡易監視装置は、そのセンサユニットが取り付けられている機器の電源が落とされると自動的に監視動作を開始し、電源が投入されると自動的に監視動作を終了して監視結果を出力手段を介して出力する。したがって、一般的に採用されているビデオカメラを備えた監視システムのように画像は取得できないものの、人などが遊技台などに接近したことは確実に検出される。よって、廉価な構成でありながら、夜間などにおいて不正が行われた可能性があることを確実に知ることができる。
【0014】
また、本発明の簡易監視装置のセンサユニットは、充電用電源を備えており、それが取り付けられている機器に電源が投入されると当該充電用電源を充電して、次の監視動作に備えるようになっている。したがって、電力不足で監視ができなくなるという弊害は発生しない。また、夜間などにおいて遊技施設の主電源が遮断された場合であっても監視動作を継続できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した実施の形態を説明する。
【0016】
図1は、本発明の簡易監視装置が組み込まれている遊技システムの概略構成図である。本例の遊技システム1は、一般に使用されている遊技システムと同様であり、遊技施設に配置された複数列の遊技島2を備えており、各遊技島2は複数組の遊技ユニット3が列状に配列された構成となっている。また、各遊技ユニット3は、遊技台4と隣接配置された台間機5から構成されている。各遊技台4の上方位置には呼出ランプユニット6が取り付けられている。呼出ランプユニット6は遊技台4に関する各種のデータを表示するために発光し、また、故障時などにおいて所定のボタンを操作することにより発光するようになっている。
【0017】
各遊技ユニット3は、それが属する遊技島2にそれぞれ設置されている島中継器7を経由して、遊技施設全体を集中管理している管理コンピュータ8に接続されている。また、遊技島2にそれぞれ設置されている島トランス9を介して、主電源10の側から、各遊技ユニット3に対して電力が供給されるようになっている。
【0018】
ここで、各遊技ユニット3には簡易監視装置11が取り付けられており、本例の簡易監視装置11は、遊技台4に取り付けられたセンサユニット12と、台間機5の制御ユニット13および状態表示ランプ14とから構成されている。センサユニット12は、例えば、遊技台4の前面部分を検出領域とする透過型あるいは反射型のホトセンサを備えている。センサユニット12がオン状態になると、遊技台4に接近する人などが検出されると、その感知履歴が記憶保持されるようになっている。
【0019】
図2は簡易監視装置11の制御系を示す概略ブロック図である。簡易監視装置11のセンサユニット12は、ホトセンサ21と、ホトセンサ21による感知履歴を記憶保持するためのメモリ22と、充電式電池23と、これらを制御する制御部24とを備えている。また、センサユニット12の所定の部位にはコネクタ25が取り付けられており、ここを介して台間機5の電源ユニット15から電力が供給され、また、台間機5の制御ユニット13との間で信号の授受が行われる。
【0020】
図3は、本例の簡易監視装置11の動作を示すための概略フローチャートである。このフローチャートに従って、簡易監視装置11の動作を説明する。
【0021】
遊技施設の営業時間が終了した後には、遊技台4、台間機5、呼出ランプユニット6などの各種の機器の電源が遮断される。センサユニット12が取り付けられている遊技台4に隣接配置されている台間機5の電源が遮断されると、遊技台4への給電も遮断される。センサユニット12の制御部24は、それが取り付けられている遊技台4の電源が遮断されたことを検知すると、監視モードに切り替わる(ステップST4、5)。監視モードにおいては、ホトセンサ21によって人などが接近したことが検出されると、制御部24はその感知履歴をメモリ22に記憶保持する。したがって、夜間において、遊技施設に人が侵入して遊技台4に不正を働こうとして接近すると、それがホトセンサ21によって感知され、感知履歴がメモリ22に残る。
【0022】
次に、遊技施設の営業開始前に台間機5の電源が投入されると(ステップST1)、遊技台4への給電も開始される。センサユニット12の制御部24は、遊技台4がオンしたことを検出すると、監視モードを終了し、メモリ22に感知履歴が残っているか否かを確認する(ステップST2)。感知履歴が残っていない場合には、センサユニット12は充電モードに切り替わり、台間機5を経由して遊技台4に供給される駆動電源を利用して充電式電池への充電を開始する(ステップST3)。また、台間機5および遊技台4は通常の動作モードになる。
【0023】
これに対して、メモリ22に感知履歴が残っている場合には、夜間の監視時間帯において遊技台4に人などが接近して不正が行われた可能性があるので、充電モードの代わりに、確認モードに切り替わる。確認モードでは、センサユニット12の制御部24から警報信号が出力され、これが、台間機5の制御ユニット13に入力される。
【0024】
台間機5の制御ユニット13は警報信号を受け取ると、予め設定されている駆動パターンで状態表示ランプ14を駆動し(ステップST6)、当該台間機5および遊技台4も確認モードにする。
【0025】
この後に、店員などによって、遊技台4、台間機5などの機器が確認され、不正行為などが行われたか否かなどが調べられる。店員によって正常であることが確認され、あるいは、不正行為が見つかった場合にはそれが除去される(ステップST7)。この後に、一旦電源を遮断して再投入すると、確認モードがリセットされる(ステップST8)。この結果、状態表示ランプ14がオフし、台間機5および遊技台4は通常の動作モードに切り替わる。また、簡易監視装置11のセンサユニット12は充電モードに切り替わり、充電式電池の充電が開始される(ステップST1、2、3)。
【0026】
以上説明したように、本例の簡易監視装置11は、台間機5を介して給電される遊技台4がオン状態の間は、その駆動電源を利用して充電を行い、遊技台4がオフの夜間などにおいては監視を行い、人などの接近物を検出した場合にはその感知履歴を残し、翌日の営業開始時に電源が投入された時点において、感知履歴が残っている場合にはその旨を警告するようになっている。したがって、カメラを用いることなく、廉価な構成により、夜間などにおいて遊技台などに人が接近して不正行為を行った可能性がある場合を確実に検出できる。また、充電式電池23を電源としているので、主電源が遮断された場合においても監視を行うことができる。
【0027】
さらには、台間機5の状態表示ランプ14を利用して感知履歴が残っている場合に警報を発するようにしているので、極めて廉価に簡易監視装置を実現できるという利点もある。
【0028】
(その他の実施の形態)
なお、感知履歴を出力するための専用の出力手段を配置してもよい。例えば、台間機5などの前面に専用のLEDなどの表示ランプ、警報ブザーを配置してもよい。この場合には、夜間の監視時間帯においてホトセンサ21によって人などの接近を感知した時に、表示ランプ、警報ブザーなどを駆動することも可能である。このようにすれば、警報に驚き、不審者は侵入が検知されたことに気付き、不正を行うことなく退却することが想定されるので、不正を未然に防止できるという効果を期待できる。
【0029】
次に、本例ではセンサユニット12を遊技台4に取り付けてあるが、台間機5あるいは呼出ランプ6に取り付けることもできる。また、遊技台4、台間機5の不正行為を監視できるのであれば、それ以外の周辺機器であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明を適用した遊技システムの概略構成図である。
【図2】図1の簡易監視装置の制御系を示す概略ブロック図である。
【図3】図1の簡易監視装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0031】
1 遊技システム
2 遊技島
3 遊技ユニット
4 遊技台
5 台間機
6 呼出ランプ
7 島中継器
8 管理コンピュータ
9 島トランス
10 主電源
11 簡易監視装置
12 センサユニット
13 制御ユニット
14 状態表示ランプ
15 電源ユニット
21 ホトセンサ
22 メモリ
23 充電式電池
24 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人などの接近を感知するセンサユニットと、
前記センサユニットの感知結果を出力する出力手段とを有し、
前記センサユニットは、遊技施設の監視対象の機器あるいは、その周辺機器に取り付けられており、
当該センサユニットは、それが取り付けられている機器に電源が投入されると、感知動作を開始し、当該電源が遮断されると感知動作を終了し、
前記出力手段は、前記電源が投入されると、前記センサユニットの感知結果を出力することを特徴とする遊技施設の簡易監視装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記センサユニットは充電式電源を備えており、
当該充電式電源は、前記センサユニットが取り付けられている機器がオン状態の間に、当該機器の電源によって充電されることを特徴とする遊技施設の簡易監視装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記出力手段は表示ランプであり、
前記センサユニットに感知履歴が残っている場合には所定の形態で前記表示ランプが点灯することを特徴とする遊技施設の簡易監視装置。
【請求項4】
請求項3において、
表示ランプとして、台間機の状態表示ランプ、あるいは、遊技台の前面上方位置に取り付けられている呼出ランプを用いることを特徴とする遊技施設の簡易監視装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかにおいて、
前記センサユニットが取り付けられている機器は、遊技台、台間機、呼出ランプのうちの、少なくとも一つであることを特徴とする遊技施設の簡易監視装置。
【請求項6】
遊技台と、台間機と、簡易監視装置とを有し、
前記簡易監視装置は、請求項1ないし5のうちのいずれかの項に記載のものであることを特徴とする遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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