説明

遊技施設の遊技管理方法および遊技管理システム

【課題】オフライン状態においても、プリペイドカードの発行、プリペイドカードによる遊技媒体の貸出、プリペイドカードの入金残高の精算を行なうことのできる遊技管理システムを提案すること。
【解決手段】遊技管理システム10では、管理サーバ11が発生した乱数N(11)が貸出機3、カード発行機5、精算機6に送信されて、貸出機側乱数N(3)、発行機側乱数N(5)、精算機側乱数N(6)として記憶保持される。カード発行機5、貸出機3から発行されるプリペイドカード4には、発行機側乱数N(5)、貸出機側乱数N(3)がカード側乱数N(4)として記憶保持される。管理サーバ11との通信コネクションがオンライン状態の場合にはカードID40に基づきカード認証が行なわれ、オフライン状態の場合には、それぞれに記憶保持されている乱数を用いてカード認証が行なわれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリペイドカードなどの記憶媒体を用いてパチンコ玉、メダルなどの遊技媒体の貸出を受けて遊技台でプレイを行なう遊技施設の遊技管理方法および遊技管理システムに関する。さらに詳しくは、遊技施設の管理サーバと遊技媒体の貸出機、カード発行機などの端末との間がオフライン状態のために管理サーバがプリペイドカードなどの認証を行なうことができない場合であっても、プリペイドカードなどの発行、認証、精算を行うことのできる遊技施設の遊技管理方法および遊技管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコホールなどの遊技施設では、ICカードなどからなるプリペイドカードなどの記憶媒体を用いて、遊技台でのプレイに必要なパチンコ玉、メダルなどの遊技媒体の貸出を行なう方式が広く採用されている。このような方式を採用している遊技施設では、発券入金機、発券機能付きの玉貸機などにおいて遊技者に入金してもらい、入金金額が書き込まれたプリペイドカードなどを発行している。遊技者はカードを遊技台に隣接配置されている玉貸機などに挿入して遊技台でプレイするために必要な遊技媒体の貸出を受けて遊技台でプレイすることができる。
【0003】
また、プリペイドカードなどの記憶媒体の偽造、不正使用を防止するために、遊技施設の管理サーバは、玉貸機などの端末において記憶媒体が使用される毎に、端末との間で通信を行ない、記憶媒体に付与されている媒体IDを用いて認証を行なっている。例えば、特許文献1、2には、サーバによってカード認証を行なうプリペイドカードシステム、遊技システムがそれぞれ開示されている。
【特許文献1】特開2002−306793号公報
【特許文献2】特開2006−122090号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来におけるカードなどの記憶媒体を用いて遊技媒体の貸出を行なう遊技システムでは、カードが使用される毎に管理サーバによってカード認証が行なわれている。ここで、管理サーバと、記憶媒体を発行する発行機などの端末との間がオフライン状態の場合には、管理サーバが発行される記憶媒体を識別できず、発行後の記憶媒体の認証を行なうことができなくなる。このため、オフライン状態では記憶媒体を発行することができない。また、管理サーバと記憶媒体が使用される端末との間がオフライン状態の場合には、管理サーバによって記憶媒体の認証を行なうことができない。したがって、この場合には、記憶媒体を用いて遊技媒体を貸し出すことができない。さらには、遊技を終えた遊技者が記憶媒体の入金残高を精算したい場合に、管理サーバと精算機の間がオフライン状態の場合には、記憶媒体の認証ができないので精算を行なうことができない。
【0005】
このように、従来におけるカードなどの記憶媒体を用いて遊技媒体の貸出を行なう遊技システムにおいては、管理サーバと各端末の間がオフライン状態の場合には、記憶媒体の発行、記憶媒体の使用、記憶媒体の入金残高の精算ができないので、遊技者にとっては極めて不便であった。
【0006】
本発明の課題は、この点に鑑みて、管理サーバと記憶媒体が使用される玉貸機などの端末との間がオフライン状態の場合においても、記憶媒体の発行、記憶媒体を用いた遊技媒体の貸出、および、記憶媒体の入金残高の精算を行なうことができるようにした遊技施設の遊技管理方法および遊技管理システムを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の遊技施設の遊技管理方法は、
所定の期間毎に乱数を発生し、
前記乱数を、遊技施設における管理サーバ、遊技台でのプレイに必要な遊技媒体の貸出を行なう貸出機、当該貸出機から遊技媒体の貸出を受けるために用いる記憶媒体を発行する発行機、および、前記記憶媒体に記録されている入金残高を現金精算する精算機に、それぞれ記憶保持させ、
前記管理サーバと前記発行機がオンライン状態の時に、前記発行機から記憶媒体を発行する際には、当該発行機は、発行される記憶媒体に書き込まれた入金情報を当該記憶媒体の媒体IDと共に前記管理サーバに送信し、発行される記憶媒体には前記乱数を書き込み、
前記管理サーバと前記発行機がオフライン状態の時に、前記発行機から記憶媒体を発行する際には、前記入金情報を当該記憶媒体の媒体IDと共に記憶保持し、発行される記憶媒体には前記乱数を書き込み、
前記管理サーバと前記発行機が前記オフライン状態から前記オンライン状態に復帰したときに、前記発行機において対応付けした形態で記憶保持されている前記入金情報と前記媒体IDを前記管理サーバに送信することを特徴としている。
【0008】
本発明の遊技管理方法では、所定期間毎、たとえば、遊技施設における1日の営業時間の開始前の時点で、例えば管理サーバが乱数を発生し、これを管理サーバと発行機に記憶保持させるようにしている。また、発行機は記憶媒体の発行時に乱数を書き込むようにしている。発行された記憶媒体の認証は乱数を用いて行なうことができるので、管理サーバと発行機の間の通信回線がオンライン、オフラインの如何に拘り無く記憶媒体を発行することができる。
【0009】
ここで、乱数が書き込まれた記憶媒体を用いる本発明の遊技管理方法では、
前記管理サーバと前記貸出機がオンライン状態の時に、当該貸出機に前記記憶媒体が挿入されると、当該貸出機は、前記記憶媒体の媒体IDを読み出して前記管理サーバとの間で通信を行なって前記媒体IDに基づき当該記憶媒体による遊技媒体の貸出の可否を決定し、前記記憶媒体を用いて遊技媒体の貸出が行なわれると当該記憶媒体の入金残高を更新し、更新後の入金残高を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバと前記貸出機がオフライン状態の時に、当該貸出機に前記記憶媒体が挿入されると、当該貸出機は記憶保持している貸出機側乱数と、前記記憶媒体から読み出した媒体側乱数とが一致するか否かに基づき当該記憶媒体による遊技媒体の貸出の可否を決定し、前記記憶媒体を用いて遊技媒体の貸出が行なわれると当該記憶媒体の入金残高を更新し、更新後の入金残高を記憶保持し、
前記管理サーバと前記貸出機が前記オフライン状態から前記オンライン状態に復帰したときに、前記貸出機において対応付けした形態で記憶保持されている前記入金情報と前記媒体IDを前記管理サーバに送信することを特徴としている。
【0010】
管理サーバとの間がオンライン状態の場合には、貸出機に挿入された記憶媒体の認証が管理サーバによって行なわれる。オフライン状態の場合には、貸出機において、当該貸出機に記憶保持されている貸出機側乱数と記憶媒体に書き込まれている媒体側乱数を照合することにより、記憶媒体の認証を行なうことができる。したがって、オフライン状態においても記憶媒体を用いて遊技媒体の貸出を行なうことができる。
【0011】
また、本発明の遊技管理方法は、前記貸出機が前記記憶媒体の発行機能を備えている場合に、
前記管理サーバと前記貸出機がオンライン状態の時に、当該貸出機から記憶媒体を発行する際には、当該貸出機は、発行される記憶媒体に書き込まれた入金情報を当該記憶媒体の媒体IDと共に前記管理サーバに送信し、発行される記憶媒体に前記乱数を書き込み、
前記管理サーバと前記貸出機がオフライン状態の時に、当該貸出機から記憶媒体を発行する際には、前記入金情報を当該記憶媒体の媒体IDと共に記憶保持し、発行される記憶媒体に前記乱数を書き込み、
前記管理サーバと前記貸出機が前記オフライン状態から前記オンライン状態に復帰したときに、前記貸出機において対応付けした形態で記憶保持されている前記入金情報と前記媒体IDを前記管理サーバに送信することを特徴としている。
【0012】
次に、本発明の遊技施設の遊技管理方法は、
前記管理サーバと前記精算機がオンライン状態の時に、当該精算機に前記記憶媒体が挿入されると、当該精算機は、前記記憶媒体の媒体IDを読み出して前記管理サーバとの間で通信を行なって前記媒体IDに基づき当該記憶媒体の入金残高の精算の可否を決定し、精算を行なった後は精算情報を前記媒体IDと共に前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバと前記精算機がオフライン状態の時に、当該精算機に前記記憶媒体が挿入されると、当該精算機は記憶保持している精算機側乱数と、前記記憶媒体から読み出した媒体側乱数とが一致するか否かに基づき当該記憶媒体の入金残高の精算の可否を決定し、精算を行なった後は精算情報を前記媒体IDと共に記憶保持し、
前記管理サーバと前記精算機が前記オフライン状態から前記オンライン状態に復帰したときに、前記精算機において対応付けした形態で記憶保持されている前記精算情報と前記媒体IDを前記管理サーバに送信することを特徴としている。
【0013】
管理サーバとの間がオンライン状態の場合には、精算機に挿入された記憶媒体の認証が管理サーバによって行なわれる。オフライン状態の場合には、精算機において、当該精算機に記憶保持されている精算機側乱数と記憶媒体に書き込まれている媒体側乱数を照合することにより、記憶媒体の認証を行なうことができる。したがって、オフライン状態においても記憶媒体の入金残高の精算を行なうことができる。
【0014】
ここで、本発明の遊技管理方法では、所定の期間毎に発生した各乱数を、連続する複数の期間が経過するまで、前記管理サーバ、前記貸出機、前記発行機および前記精算機に記憶保持することが望ましい。例えば、1日に1回ずつ乱数を発生させる場合には、発生した各乱数を数日間に亘って記憶保持しておくことが望ましい。遊技施設では、発行された記憶媒体が翌日、あるいは翌々日に使用される場合がある。各乱数を数日間に亘って記憶保持しておくことにより、このような場合においてもオフライン状態において記憶媒体の認証を行なうことができる。
【0015】
一方、本発明の遊技管理システムは、
遊技台と、
遊技台でのプレイに必要な遊技媒体の貸出を行なう貸出機と、
前記貸出機から遊技媒体の貸出を受けるために用いる記憶媒体を発行する発行機と、
前記記憶媒体の入金残高を現金精算する精算機と、
前記遊技台、前記貸出機、前記発行機および前記精算機に通信回線を介して接続され、 これらを管理する管理サーバとを有し、
前記管理サーバは乱数発生機能を備えており、
上記の遊技管理方法によって前記記憶媒体を管理することを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の遊技管理方法および遊技管理システムでは、乱数を発生し、発行される記憶媒体に乱数を書き込むと共に、当該乱数を、管理サーバ、発行機、貸出機、精算機のそれぞれに記憶保持させるようにしている。したがって、管理サーバとの間がオフライン状態であっても、発行機、貸出機、精算機のそれぞれは、乱数を用いて、記憶媒体の認証を行なうことができる。したがって、管理サーバとの間がオンライン、オフラインの如何に拘りなく、記憶媒体の発行、記憶媒体を用いた遊技媒体の貸出、記憶媒体の入金残高の精算を行なうことができるので、遊技者にとって極めて便利な遊技管理システムを構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した遊技管理システムの実施の形態を説明する。
【0018】
図1は、遊技施設に設置された遊技管理システムの一例を示す説明図である。遊技施設1には、多数のパチンコ台、スロットマシーンなどの遊技台2と、遊技台2でプレイをするために必要なパチンコ玉、メダルなどの遊技媒体を貸し出す玉貸機、メダル貸機などの貸出機3と、遊技媒体の貸出を受けるために用いる記憶媒体であるプリペイドカード4を発行するカード発行機5と、プリペイドカード4の入金残高を精算する精算機6とが配置されている。
【0019】
遊技台2および貸出機3は交互に多数台配列されて遊技島7を構成しており、遊技施設1には多数列の遊技島7が配置されている。遊技者は、貸出機3において現金を投入して遊技媒体の貸出を受け、隣接する遊技台2でプレイをすることができる。また、カード発行機5において発行されたプリペイドカード4を用いて各貸出機3において遊技媒体の貸出を受けて隣接する遊技台2でプレイを行うことができる。さらに、貸出機3はカード発行機能を備えており、各貸出機3から発行されたプリペイドカード4を用いることも可能となっている。プリペイドカード4の入金残高は精算機6において精算することができる。プリペイドカード4は例えばICカードであり、それぞれにカードID40が付与されている。
【0020】
この構成の遊技施設1の遊技管理システム10は、パーソナルコンピュータを備えた管理サーバ11を中心に構成されている。管理サーバ11は、通信回線、例えば、LAN12および中継ハブ13を介して各遊技島7における各貸出機3の制御部30に接続されている。各貸出機3の制御部30は隣接する遊技台2の制御部20に接続されており、管理サーバ11は各貸出機3を介して各遊技台2を監視している。
【0021】
管理サーバ11は、乱数発生部14および管理データベース15を備えている。乱数発生部14は定期的に乱数N(11)を発生する。例えば、毎日1回、1日の遊技施設1の営業開始前に乱数N(11)を発生する。乱数N(11)は複数日の間、例えば5日間に亘って管理データベース15に記憶保持され、6日目に消去される。したがって、常に5種類の乱数が記憶保持される。勿論、発生した乱数を1日のみ記憶保持し、その日の営業終了後に消去することも可能である。
【0022】
管理データベース15には、各遊技台2のプレイ履歴などが記憶保持される。また、カード発行機5、各貸出機3で発行された各プリペイドカード4のカードID40と入金残高41が対応付けした形態で記憶保持され、入金残高41の履歴も記憶保持される。さらに、精算機6において精算されて回収されたプリペイドカード4、各貸出機3において入金残高が零になって回収されたプリペイドカード4などについても、カードID40に対応付けした形態で履歴が記憶保持される。
【0023】
(カード発行機の動作)
図2はカード発行機5のカード発行動作を示すフローチャートである。図1および図2を参照して説明すると、カード発行機5は、制御部50、入出金処理機構51、カードリーダライタ52、カード発行機構53などを備えている。制御部50は入金があると、カード発行機構53、カードリーダライタ52を駆動して、入金額が入金残高41として書き込まれたプリペイドカード4の発行処理を開始する(図2のステップST21)。発行処理においては、管理サーバ11との通信コネクションがオンライン状態であるか否かを確認し(図2のステップST22)、オンライン状態である場合には、カードリーダライタ52によって発行されるプリペイドカード4のカードID40を読み取り、入金残高41とカードID40を対応付けした形態で管理サーバ11に送信する(図2のステップST23)。管理サーバ11との間がオフライン状態の場合には、制御部50は、入金残高41とカードID40を対応付けした形態で内部記憶部55に記憶保持する。
【0024】
次に、制御部50は内部記憶部55に記憶保持されている当日の発行機側乱数N(5)を、カード側乱数N(4)として、発行されるプリペイドカード4に書き込み(図2のステップST24)、入金額を入金残高41としてプリペイドカード4に書き込む(図2のステップST25)。この後に、プリペイドカード4を発行する(図2のステップST26)。
【0025】
制御部50の内部記憶部55に記憶保持されている発行機側乱数N(5)は、管理サーバ11から供給される乱数N(11)を発行機側乱数N(5)として記憶保持したものである。この発行機側乱数N(5)は、管理サーバ11の場合と同様に、5日間に亘って記憶保持され、6日目に消去される。したがって、常に5種類の乱数が記憶保持される。
【0026】
また、カード発行機5は管理サーバ11との間の通信コネクションがオフライン状態からオンライン状態に復帰したときに、カード発行機5の内部記憶部55において対応付けした形態で記憶保持されている入金残高41とカードID40を含むカード発行情報を管理サーバ11に送信する。管理サーバ11は受信したカード発行情報を管理データベース15に記憶保持する。
【0027】
(貸出機のカード発行動作)
図3は貸出機3によるカード発行動作を示すフローチャートである。図1および図3を参照して説明すると、貸出機3は、制御部30、入出金処理機構31、カードリーダライタ32、カード発行機構33、遊技媒体貸出機構34などを備えている。制御部30は、入金があり、カード発行指示が入力されると、カード発行機構33、カードリーダライタ32を駆動して、入金額が入金残高41として書き込まれたプリペイドカード4の発行処理を開始する(図3のステップST31)。
【0028】
発行処理においては、管理サーバ11との通信コネクションがオンライン状態であるか否かを確認し(図3のステップST32)、オンライン状態である場合には、カードリーダライタ32によって発行されるプリペイドカード4のカードID40を読み取り、入金額(入金残高41)とカードID40を対応付けした形態で管理サーバ11に送信する(図3のステップST33)。管理サーバ11との間がオフライン状態の場合には、制御部30は、入金額とカードID40を対応付けした形態で内部記憶部55に記憶保持する。
【0029】
次に、制御部30は内部記憶部35に記憶保持されている当日の貸出機側乱数N(3)を、カード側乱数N(4)として、発行されるプリペイドカード4に書き込み(図3のステップST34)、入金額を入金残高41としてプリペイドカード4に書き込む(図3のステップST35)。この後に、プリペイドカード4を発行する(図3のステップST36)。
【0030】
制御部30の内部記憶部35に記憶保持されている貸出機側乱数N(3)は、管理サーバ11から供給される乱数N(11)を貸出機側乱数N(3)として記憶保持したものである。この貸出機側乱数N(3)は、管理サーバ11の場合と同様に、5日間に亘って記憶保持され、6日目に消去される。したがって、常に5種類の乱数が記憶保持される。
【0031】
また、貸出機3は管理サーバ11との間の通信コネクションがオフライン状態からオンライン状態に復帰したときに、貸出機3の内部記憶部35において対応付けした形態で記憶保持されている入金残高41とカードID40を含むカード発行情報を管理サーバ11に送信する。管理サーバ11は受信したカード発行情報を管理データベース15に記憶保持する。
【0032】
(貸出機のカード認証動作)
次に、図4は貸出機3の遊技媒体貸出時のカード認証動作を示すフローチャートである。図1および図4を参照して説明すると、貸出機3にプリペイドカード4が挿入されて遊技媒体の貸出要求が入力された場合には(図4のステップST41)、制御部30は、管理サーバ11との間の通信コネクションがオンライン状態であるか否かを確認する(図4のステップST42)。
【0033】
オンライン状態の場合には、プリペイドカード4のカードID40および入金残高41を読み出し、管理サーバ11にカードID40を送信して、管理サーバ11によるカード認証結果を待つ(ステップST43)。認証がとれた場合には遊技媒体の貸出処理を行う(ステップST44)。この後に、プリペイドカード4の入金残高が、貸出金額が減額された金額に更新され、貸出金額などの貸出情報が管理サーバ11に送信される。これに対して、認証されなかった場合には、遊技媒体の貸出を禁止し、プリペイドカード4を排出する(ステップST45)。
【0034】
管理サーバ11との間がオフライン状態の場合には、プリペイドカード4に記憶保持されているカード側乱数N(4)を読み出す。読み出したカード側乱数N(4)が、貸出機3の内部記憶部35に記憶保持されている5種類の貸出機側乱数N(3)のうちのいずれか一つに一致するか否かを判別する。一致している場合にはプリペイドカード4が正規のカードであると判断して遊技媒体の貸出を許可する(ステップST46→ST44)。この後に、プリペイドカード4の入金残高が、貸出金額が減額された金額に更新され、貸出金額などの貸出情報が、カードIDと対応付けした形態で内部記憶部35に記憶保持される。
【0035】
これに対して、乱数の一致がとれない場合にはプリペイドカード4が正規のカードではないと判断して遊技媒体の貸出を禁止して、当該プリペイドカード4を排出する(ステップST46→ST45)。
【0036】
なお、貸出機3は管理サーバ11との間の通信コネクションがオフライン状態からオンライン状態に復帰したときに、貸出機3の内部記憶部35において対応付けした形態で記憶保持されている貸出情報とカードID40を含むカード発行情報を管理サーバ11に送信する。管理サーバ11は受信した貸出情報を管理データベース15に記憶保持する。
【0037】
(精算機の動作)
次に、図5は精算機6のカード精算動作を示すフローチャートである。図1および図5を参照して説明すると、精算機6は、制御部60と、出金処理機構61と、カードリーダライタ62と、カード回収機構63などを備えている。制御部60は、プリペイドカード4が挿入されると(図5のステップST51)、管理サーバ11との間の通信コネクションがオンライン状態であるか否かを確認する(図5のステップST52)。
【0038】
オンライン状態の場合には、プリペイドカード4のカードID40および入金残高41を読み出し、管理サーバ11にカードID40を送信して、管理サーバ11によるカード認証結果を待つ(ステップST53)。認証がとれた場合には精算を許可して、プリペイドカード4のカードID40および入金残高41を読み出して入金残高の精算処理を行い(ステップST54)、そうでない場合には精算処理を禁止してプリペイドカード4を排出する(ステップST55)。精算情報は管理サーバ11に送信され、その管理データベース15に記憶保持される。
【0039】
管理サーバ11との間がオフライン状態の場合には、プリペイドカード4に記憶保持されているカード側乱数N(4)を読み出す。読み出したカード側乱数N(4)が、精算機6の制御部60における内部記憶部65に記憶保持されている5種類の精算機側乱数N(6)のうちのいずれか一つに一致するか否かを判別する。一致している場合にはプリペイドカード4が正規のカードであると判断して精算を許可する(ステップST56→ST54)。精算情報は、カードIDに対応付けして、内部記憶部65に記憶保持される。
【0040】
これに対して、乱数の一致がとれない場合には、プリペイドカード4が正規のカードではないと判断して精算を禁止して、当該プリペイドカード4を排出する(ステップST56→ST55)。
【0041】
ここで、制御部60の内部記憶部65に記憶保持されている精算機側乱数N(6)は、管理サーバ11から供給される乱数N(11)を精算機側乱数N(6)として記憶保持したものである。この精算機側乱数N(6)も、管理サーバ11の場合と同様に、5日間に亘って記憶保持され、6日目に消去される。したがって、常に5種類の乱数が記憶保持される。
【0042】
また、精算機6は管理サーバ11との間の通信コネクションがオフライン状態からオンライン状態に復帰したときに、精算機6の内部記憶部65において対応付けした形態で記憶保持されている精算情報とカードID40を管理サーバ11に送信する。管理サーバ11は受信した精算情報を管理データベース15に記憶保持する。
【0043】
(遊技管理システムの効果)
以上説明したように、本例の遊技管理システム10においては、管理サーバ11によって発生する乱数を用いて、オフライン状態においてプリペイドカード4の発行処理および認証、精算処理を行うようにしている。したがって、オフライン状態において、プリペイドカード4を発行できない、プリペイドカード4を使用できない、プリペイドカード4の入金残高を精算できない、という不便を解消できる。
【0044】
ここで、プリペイドカード4のデータの暗号のセキュリティを強化することにより、カードの偽造、不正使用を阻止することも考えられる。しかし、暗号はアルゴリズムが一度でも破られると無制限にカードデータの複製が行なわれてしまう。乱数を用いると、一定の期間毎にデータが更新される。また、遊技施設毎にデータが異なる。したがって、カードの偽造、不正使用を効果的に防止できる。
【0045】
(その他の実施の形態)
上記の例では、記憶媒体としてICカードからなるプリペイドカードを用いた場合を説明したが、記憶媒体としてはコイン状記憶媒体などの異なる形状のもの、記憶形態が異なるものなど各種の記憶媒体を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明を適用した遊技施設の遊技管理システムを示す説明図である。
【図2】カード発行機のカード発行動作を示すフローチャートである。
【図3】貸出機のカード発行動作を示すフローチャートである。
【図4】貸出機のカード認証動作を示すフローチャートである。
【図5】精算機のカード精算動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1 遊技施設
2 遊技台
3 貸出機
4 プリペイドカード
5 カード発行機
6 精算機
7 遊技島
10 遊技管理システム
11 管理サーバ
12 LAN
13 中継ハブ
14 乱数発生部
15 管理データベース
20 制御部
30 制御部
31 入出金処理機構
32 カードリーダライタ
33 カード発行機構
34 遊技媒体貸出機構
35 内部記憶部
40 カードID
41 入金残高
50 制御部
51 入出金処理機構
52 カードリーダライタ
53 カード発行機構
55 内部記憶部
60 制御部
61 出金処理機構
62 カードリーダライタ
63 カード回収機構
65 内部記憶部
N(11) 乱数
N(3) 貸出機側乱数
N(4) カード側乱数
N(5) 発行機側乱数
N(6) 精算機側乱数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の期間毎に乱数を発生し、
前記乱数を、遊技施設における管理サーバ、遊技台でのプレイに必要な遊技媒体の貸出を行なう貸出機、当該貸出機から遊技媒体の貸出を受けるために用いる記憶媒体を発行する発行機、および、前記記憶媒体に記録されている入金残高を現金精算する精算機に、それぞれ記憶保持させ、
前記管理サーバと前記発行機がオンライン状態の時に、前記発行機から記憶媒体を発行する際には、当該発行機は、発行される記憶媒体に書き込まれた入金情報を当該記憶媒体の媒体IDと共に前記管理サーバに送信し、発行される記憶媒体には前記乱数を書き込み、
前記管理サーバと前記発行機がオフライン状態の時に、前記発行機から記憶媒体を発行する際には、前記入金情報を当該記憶媒体の媒体IDと共に記憶保持し、発行される記憶媒体には前記乱数を書き込み、
前記管理サーバと前記発行機が前記オフライン状態から前記オンライン状態に復帰したときに、前記発行機において対応付けした形態で記憶保持されている前記入金情報と前記媒体IDを前記管理サーバに送信することを特徴とする遊技施設の遊技管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技施設の遊技管理方法において、
前記管理サーバと前記貸出機がオンライン状態の時に、当該貸出機に前記記憶媒体が挿入されると、当該貸出機は、前記記憶媒体の媒体IDを読み出して前記管理サーバとの間で通信を行なって前記媒体IDに基づき当該記憶媒体による遊技媒体の貸出の可否を決定し、前記記憶媒体を用いて遊技媒体の貸出が行なわれると当該記憶媒体の入金残高を更新し、更新後の入金残高を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバと前記貸出機がオフライン状態の時に、当該貸出機に前記記憶媒体が挿入されると、当該貸出機は記憶保持している貸出機側乱数と、前記記憶媒体から読み出した媒体側乱数とが一致するか否かに基づき当該記憶媒体による遊技媒体の貸出の可否を決定し、前記記憶媒体を用いて遊技媒体の貸出が行なわれると当該記憶媒体の入金残高を更新し、更新後の入金残高を記憶保持し、
前記管理サーバと前記貸出機が前記オフライン状態から前記オンライン状態に復帰したときに、前記貸出機において対応付けした形態で記憶保持されている前記入金情報と前記媒体IDを前記管理サーバに送信することを特徴とする遊技施設の遊技管理方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技施設の遊技管理方法において、
前記貸出機が前記記憶媒体の発行機能を備えている場合には、
前記管理サーバと前記貸出機がオンライン状態の時に、当該貸出機から記憶媒体を発行する際には、当該貸出機は、発行される記憶媒体に書き込まれた入金情報を当該記憶媒体の媒体IDと共に前記管理サーバに送信し、発行される記憶媒体に前記乱数を書き込み、
前記管理サーバと前記貸出機がオフライン状態の時に、当該貸出機から記憶媒体を発行する際には、前記入金情報を当該記憶媒体の媒体IDと共に記憶保持し、発行される記憶媒体に前記乱数を書き込み、
前記管理サーバと前記貸出機が前記オフライン状態から前記オンライン状態に復帰したときに、前記貸出機において対応付けした形態で記憶保持されている前記入金情報と前記媒体IDを前記管理サーバに送信することを特徴とする遊技施設の遊技管理方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項に記載の遊技施設の遊技管理方法において、
前記管理サーバと前記精算機がオンライン状態の時に、当該精算機に前記記憶媒体が挿入されると、当該精算機は、前記記憶媒体の媒体IDを読み出して前記管理サーバとの間で通信を行なって前記媒体IDに基づき当該記憶媒体の入金残高の精算の可否を決定し、精算を行なった後は精算情報を前記媒体IDと共に前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバと前記精算機がオフライン状態の時に、当該精算機に前記記憶媒体が挿入されると、当該精算機は記憶保持している精算機側乱数と、前記記憶媒体から読み出した媒体側乱数とが一致するか否かに基づき当該記憶媒体の入金残高の精算の可否を決定し、精算を行なった後は精算情報を前記媒体IDと共に記憶保持し、
前記管理サーバと前記精算機が前記オフライン状態から前記オンライン状態に復帰したときに、前記精算機において対応付けした形態で記憶保持されている前記精算情報と前記媒体IDを前記管理サーバに送信することを特徴とする遊技施設の遊技管理方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項に記載の遊技施設の遊技管理方法において、
所定の期間毎に発生した各乱数を、連続する複数の期間が経過するまで、前記管理サーバ、前記貸出機、前記発行機および前記精算機に記憶保持することを特徴とする遊技施設の遊技管理方法。
【請求項6】
遊技台と、
遊技台でのプレイに必要な遊技媒体の貸出を行なう貸出機と、
前記貸出機から遊技媒体の貸出を受けるために用いる記憶媒体を発行する発行機と、
前記記憶媒体の入金残高を現金精算する精算機と、
前記遊技台、前記貸出機、前記発行機および前記精算機に通信回線を介して接続され、これらを管理する管理サーバとを有し、
前記管理サーバは乱数発生機能を備えており、
請求項1ないし5のうちのいずれかの項に記載の遊技管理方法によって前記記憶媒体を管理することを特徴とする遊技施設の遊技管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−110350(P2010−110350A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282837(P2008−282837)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【出願人】(000128946)マミヤ・オーピー株式会社 (122)
【Fターム(参考)】