説明

遊技機、主制御基板、周辺基板、遊技機の認証方法及び認証プログラム

【課題】複雑な演算を用いることなく、主制御部から周辺部に送信されるデータが不正制御に利用されることを防止し且つ周辺部のCPUの処理負荷を軽減する。
【解決手段】主制御部は次回の認証に用いる次回の設定パターンをパターン情報から決定すると、該決定した次回の設定パターンに対応した認証値を認証値記憶手段から抽出する。主制御部は抽出した認証値が今回の設定パターンで設定されるように複数種類の認証情報を生成し、該複数種類の認証情報を後段部に送信する。一方、後段部は受信した複数種類の認証情報に設定されている認証データと複数の期待値とを比較して期待値と一致した認証データを有効と判定し、その判定結果と今回の設定パターンとが一致するか否かに基づいた主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを周辺部に送信し且つ次回の設定パターンを特定する。一方、周辺部は後段部から受信した後段認証結果データに応じて所定の処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の基板を備え、これらの基板間の通信の認証を行う遊技機、主制御基板、周辺基板、遊技機の認証方法及び認証プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の基板を備えた遊技機において、これら各基板に対する不正を防止するための様々な技術が提案されている。複数の基板を備えた遊技機とは、たとえば、ぱちんこ遊技機などがある。ぱちんこ遊技機には、遊技機全体の動作を司る主制御基板と、遊技機の各部の動作をおこなう被制御基板(周辺基板)とを備えている。この主制御基板は、周辺基板に制御コマンドを含む制御信号を出力し、その他の周辺基板は、主制御基板から送信された制御信号にしたがって動作を実行する機能を備えている。
【0003】
このような構成の遊技機の場合、主制御基板に対する不正としては、たとえば、正規の主制御基板を不正な制御基板に取り替えたり、主制御基板がおこなう処理を規定したプログラムコードを改ざんしたりといった手法がある。このような不正を防止するため、たとえば、主制御基板内に搭載されたROMに記録されているプログラムデータをROMチェッカによってチェックして、ROMの不正交換などを防止する技術が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−333108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術を用いた場合、プログラムデータの改ざんは検知できるが、正規の主制御用基板と被制御基板との間に不正な制御基板が接続されてしまうと、この不正な制御基板から出力される不正な制御信号による不正制御を防止することができない。
【0006】
図24は、従来技術による不正防止技術の概要を示す説明図である。また、図25は、不正な制御基板の挿入例を示す説明図である。図24、25を用いて不正な制御基板により不正制御について具体的に説明すると、図24に示すように、通常、正規の主制御基板1501は、周辺基板1502に対して正規の制御信号RSを出力して、周辺基板1502の動作を制御する。正規の主制御基板1501には、検査用ポート1503が設けられている。この検査用ポート1503から正規の主制御基板1501の内部に設けられたROMなどに記録されたプログラムデータを検査して、正規の主制御基板1501に不正がおこなわれていないかを検査する。
【0007】
ところが、図25に示すように、遊技機の不正制御をおこなうために、正規の主制御基板1501と周辺基板1502との間に不正な制御基板1601が挿入されてしまう場合がある。この不正な制御基板1601は、正規の主制御基板1501から出力された正規の制御信号RSを破棄または無視し、替わりに不正な制御信号FSを周辺基板1502に出力する。
【0008】
従来技術の場合、周辺基板1502は、入力された信号が正規の制御信号RSであるか不正な制御信号FSであるかを判別することができない。したがって、周辺基板1502に不正な制御信号FSが入力された場合には、不正操作を検出できず、不正な制御信号FSの制御内容に応じた動作をおこなってしまうという問題があった。
【0009】
また、検査用ポート1503は正規の主制御基板1501に設けられているため、検査用ポート1503を用いた検査をおこなっても、正規の主制御基板1501に対する検査結果が返ってしまう。したがって、検査用ポート1503を備えていても、不正な制御基板1601による不正制御を検知することができないという問題があった。
【0010】
また、図26は、信号切替回路による信号切り替えの概要を示す説明図である。図26のように、不正な制御基板1601のなかには、不正な制御信号FSを出力する不正なCPU1602に加えて、信号切替回路1603が搭載されていることがある。信号切替回路1603が搭載されている場合、不正な制御基板1601は、正規のCPU1504から出力される制御信号RSの初期診断や検査動作時には、正規の制御信号RSを出力させ、その他の動作時には、不正な制御信号FSを出力させるように切り替えることができる。すなわち、信号切替回路1603によって検査用ポート1503を用いた検査や、CPUの動作診断をおこなう時だけ正規のCPU1504から出力された正規の制御信号RSを出力させることができる。
【0011】
そのため、周辺基板1502の制御とは異なるデータ、信号を別途用いて正規の主制御基板1501を認証し、不正な制御基板1601を検出する新たな認証方法が検討されている。しかしながら、例えば1つの認証用データや認証用信号を単独で正規の主制御基板1501から周辺基板1502に送信する認証方法では、不正解析者によって解析されやすいため、その解析を困難にする必用があった。また、送信する際に複雑な暗号化をしてしまうと、正規な主制御基板1501及び周辺基板1502の各々の処理が複雑化して処理負担が増加してしまうという問題が生じてしまう。
【0012】
また、最近では、遊技の興趣向上を図るために、リーチや大当たり等の際に遊技者の視覚や聴覚に訴える演出が多様となる傾向にある。そのため、周辺部(周辺基板)側のCPUに既存の処理の他に認証処理を実行させようとすると、CPUの処理負荷が増大して処理速度が低下してしまい、演出のための表示がスムーズに行われなかったり、最悪の場合には、認証処理自体を追加できなかったりするなどの問題があった。
【0013】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、複雑な演算を用いることなく、主制御部から周辺部に送信されるデータが不正制御に利用されることを防止し且つ周辺部のCPUの処理負荷を軽減することができる遊技機、主制御基板、周辺基板、遊技機の認証方法および認証プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明にかかる請求項1記載の遊技機は、制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された制御コマンドに基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機において、前記主制御部は、前記主制御部の認証に用いる複数種類の認証情報の中で、前記複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示すパターン情報を記憶するパターン情報記憶手段と、前記パターン情報が示す前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた複数種類の認証値を記憶する認証値記憶手段と、前記主制御部の次回の認証に用いる次回の前記設定パターンを前記パターン情報から決定する決定手段と、前記決定した次回の設定パターンに対応付けられた前記認証値を前記認証値記憶手段から抽出する認証値抽出手段と、前記抽出した認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する認証情報生成手段と、前記生成した複数種類の認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信手段と、を備え、前記後段部は、前記複数種類の認証値の各々と一致し且つ前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた期待値を複数記憶する期待値記憶手段と、前記周辺部から転送された前記複数種類の認証情報を受信する後段側受信手段と、前記受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データと前記期待値記憶手段に記憶している複数の期待値とを比較して、前記期待値と一致した前記認証データを有効と判定する有効判定手段と、前記有効判定手段の判定結果と予め特定された今回の前記設定パターンとが一致するか否かに基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成手段と、前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信手段と、前記主制御部の認証が成立した場合に、前記認証値である前記認証データと一致した前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該特定した設定パターンを次回の設定パターンとする特定手段と、を備え、前記周辺部は、前記主制御部から受信した前記複数種類の認証情報を前記後段部に転送する転送手段と、前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信手段と、前記受信した後段認証結果データに応じて前記所定の処理を行う処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
上記請求項1に記載した本発明の遊技機によれば、主制御部は、複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示すパターン情報をパターン情報記憶手段に記憶し、該パターン情報が示す前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた複数種類の認証値を認証値記憶手段に記憶している。そして、主制御部は、次回の認証に用いる次回の設定パターンを、予め定められた法則又はランダムにパターン情報から決定すると、該決定した次回の設定パターンに対応した認証値を認証値記憶手段から抽出する。主制御部は、抽出した認証値が予め決定された今回の設定パターンで設定されるように複数種類の認証情報を生成し、該複数種類の認証情報を後段部に周辺部を介して送信する。一方、周辺部は、主制御部から受信した第1認証用データ及び第2認証用データを後段部に転送する。そして、後段部は、主制御部が記憶している複数種類の認証値の各々と一致し且つ主制御部の複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた期待値を期待値記憶手段に複数記憶している。そして、後段部は、周辺部を介して主制御部から受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データと複数の期待値とを比較して、期待値と一致した認証データを有効と判定する。後段部は、その判定結果と予め特定された今回の設定パターンとが一致するか否かに基づいて主制御部を認証し、該認証が成立したか否かを示す後段認証結果データを生成して周辺部に送信する。また、後段部は、主制御部の認証が成立した場合、認証値である認証データと一致した期待値に対応付けられた設定パターンを特定し、該特定パターンを次回の設定パターンとすることができる。一方、周辺部は、後段部から受信した後段認証結果データに応じて遊技機における所定の処理を行うことができる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記設定パターンは、前記複数種類の認証情報に対して複数の有効な前記認証値の設定を示す構成を有し、前記主制御部の認証情報生成手段は、前記次回の設定パターンに対応した前記認証値が、予め定められた前記認証情報に設定され且つ前記今回の設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する手段であり、前記後段部の特定手段は、予め定められた前記認証情報に設定された認証値と一致する前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該設定パターンを次回の設定パターンとする手段であることを特徴とする。
【0017】
上記請求項2に記載した本発明の遊技機によれば、設定パターンが複数種類の認証情報に対して複数の有効な認証値の設定を示している場合、主制御部は予め定められた認証情報に、次回の設定パターンに対応した認証値が今回の設定パターンで設定されるように複数種類の認証情報を生成して後段部に周辺部を介して送信する。そして、後段部は予め定められた認証情報に設定された認証値と一致する期待値に対応付けられた設定パターンを特定し、該設定パターンを次回の設定パターンとすることができる。
【0018】
本発明にかかる請求項3記載の遊技機は、制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された制御コマンドに基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機において、前記主制御部は、前記主制御部の認証に用いる複数種類の認証情報の中で、前記複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示すパターン情報を記憶するパターン情報記憶手段と、前記パターン情報が示す前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた複数種類の認証値を記憶する認証値記憶手段と、前記複数種類の認証値の中から認証値を無作為に選択する選択手段と、前記選択した認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する認証情報生成手段と、前記生成した複数種類の認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信手段と、前記選択した認証値に対応付けられた前記設定パターンを、前記主制御部の次回の認証に用いる次回の前記設定パターンと決定する決定手段と、を備え、前記後段部は、前記複数種類の認証値の各々と一致し且つ前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた期待値を複数記憶する期待値記憶手段と、前記周辺部から転送された前記複数種類の認証情報を受信する後段側受信手段と、前記受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データと前記期待値記憶手段に記憶している複数の期待値とを比較して、前記期待値と一致した前記認証データを有効と判定する有効判定手段と、前記有効判定手段の判定結果と予め特定された今回の前記設定パターンとが一致するか否かに基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成手段と、前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信手段と、前記主制御部の認証が成立した場合に、前記認証値である前記認証データと一致した前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該特定した設定パターンを次回の設定パターンとする特定手段と、を備え、前記周辺部は、前記主制御部から受信した前記複数種類の認証情報を前記後段部に転送する転送手段と、前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信手段と、前記受信した後段認証結果データに応じて前記所定の処理を行う処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
上記請求項3に記載した本発明の遊技機によれば、主制御部は、複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示すパターン情報をパターン情報記憶手段に記憶し、該パターン情報が示す前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた複数種類の認証値を認証値記憶手段に記憶している。そして、主制御部は、複数種類の認証値の中から認証値を無作為に選択すると、該選択した認証値が予め決定された今回の設定パターンで設定されるように複数種類の認証情報を生成して後段部に周辺部を介して送信する。そして、主制御部は、選択した認証値に対応付けられた設定パターンを、主制御部の次回の認証に用いる次回の設定パターンと決定する。一方、周辺部は、主制御部から受信した第1認証用データ及び第2認証用データを後段部に転送する。そして、後段部は、主制御部が記憶している複数種類の認証値の各々と一致し且つ主制御部の複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた期待値を期待値記憶手段に複数記憶している。そして、後段部は、周辺部を介して主制御部から受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データと複数の期待値とを比較して、期待値と一致した認証データを有効と判定する。後段部は、その判定結果と予め特定された今回の設定パターンとが一致するか否かに基づいて主制御部を認証し、該認証が成立したか否かを示す後段認証結果データを生成して周辺部に送信する。また、後段部は、主制御部の認証が成立した場合、認証値である認証データと一致した期待値に対応付けられた設定パターンを特定し、該特定パターンを次回の設定パターンとすることができる。一方、周辺部は、後段部から受信した後段認証結果データに応じて遊技機における所定の処理を行うことができる。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の遊技機において、前記設定パターンは、前記複数種類の認証情報に対して複数の有効な前記認証値の設定を示す構成を有し、前記主制御部の認証情報生成手段は、前記選択した前記認証値が、予め定められた前記認証情報に設定され且つ前記今回の設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する手段であり、前記後段部の特定手段は、予め定められた前記認証情報に設定された認証値と一致する前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該設定パターンを次回の設定パターンとする手段であることを特徴とする。
【0021】
上記請求項4に記載した本発明の遊技機によれば、設定パターンが複数種類の認証情報に対して複数の有効な認証値の設定を示している場合、主制御部は予め定められた認証情報に、複数種類の認証値の中から無作為に選択した認証値が、今回の設定パターンで設定されるように複数種類の認証情報を生成して後段部に周辺部を介して送信する。そして、後段部は予め定められた認証情報に設定された認証値と一致する期待値に対応付けられた設定パターンを特定し、該設定パターンを次回の設定パターンとすることができる。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の遊技機において、前記設定パターンは、前記複数種類の認証情報の全てに対して無効な前記認証データの設定を示す構成を有し、前記今回の設定パターンが前記複数種類の認証情報の全てに対して前記無効な認証データの設定を示している場合、前記主制御部の認証情報生成手段は、前記無効な認証データを前記複数種類の認証情報の各々に設定する手段であり、前記主制御部の決定手段は、予め定められた初期の前記設定パターンを次回の設定パターンと決定する手段であり、そして、前記後段部の特定手段は、前記予め定められた初期の前記設定パターンを次回の設定パターンと特定する手段であることを特徴とする。
【0023】
上記請求項5に記載した本発明の遊技機によれば、設定パターンが複数種類の認証情報の全てに対して無効な認証データの設定を示している場合、主制御部は無効な認証データを複数種類の認証情報の各々に設定して複数種類の認証情報を生成して後段部に周辺部を介して送信する。そして、後段部は予め定められた初期の設定パターンを次回の設定パターンと特定することができる。
【0024】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の遊技機において、前記設定パターンは、前記複数種類の認証情報の順番を規定する構成を有し、前記認証情報生成手段は、前記複数種類の認証情報を前記設定パターンが示す順番で順次生成する手段であり、前記主制御側送信手段は、前記複数種類の認証情報が生成された順番で前記後段部に前記周辺部を介して送信する手段であることを特徴とする。
【0025】
上記請求項6に記載した本発明の遊技機によれば、設定パターンが前記複数種類の認証情報の順番を規定している場合、主制御部は複数種類の認証情報を設定パターンが示す順番で順次生成し、その順番で複数種類の認証情報を後段部に周辺部を介して送信することができる。
【0026】
請求項7記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の遊技機において、前記認証情報生成手段は、前記複数種類の認証情報を不規則な順番で生成する手段であり、前記主制御側送信手段は、前記複数種類の認証情報が生成された順番で前記後段部に前記周辺部を介して送信する手段であることを特徴とする。
【0027】
上記請求項7に記載した本発明の遊技機によれば、主制御部は複数種類の認証情報を不規則な順番で生成すると、その順番で複数種類の認証情報を後段部に周辺部を介して送信することができる。
【0028】
本発明にかかる請求項8記載の主制御基板は、周辺部と後段部とからなる周辺基板を備える遊技機に用いられ、前記遊技機における所定の処理を行わせる制御コマンドを前記周辺部に送信し、且つ、前記後段部によって認証される主制御基板において、前記主制御部の認証に用いる複数種類の認証情報の中で、前記複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示すパターン情報を記憶するパターン情報記憶手段と、前記パターン情報が示す前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた複数種類の認証値を記憶する認証値記憶手段と、前記主制御部の次回の認証に用いる次回の前記設定パターンを前記パターン情報から決定する決定手段と、前記決定した次回の設定パターンに対応付けられた前記認証値を前記認証値記憶手段から抽出する認証値抽出手段と、前記抽出した認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する認証情報生成手段と、前記生成した複数種類の認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0029】
上記請求項8に記載した本発明の主制御基板によれば、主制御基板は、複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示すパターン情報をパターン情報記憶手段に記憶し、該パターン情報が示す前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた複数種類の認証値を認証値記憶手段に記憶している。そして、主制御基板は、次回の認証に用いる次回の設定パターンを、予め定められた法則又はランダムにパターン情報から決定すると、該決定した次回の設定パターンに対応した認証値を認証値記憶手段から抽出する。そして、主制御基板は、抽出した認証値が予め決定された今回の設定パターンで設定されるように複数種類の認証情報を生成し、該複数種類の認証情報を周辺基板の後段部に周辺部を介して送信することができる。
【0030】
本発明にかかる請求項9記載の主制御基板は、周辺部と後段部とからなる周辺基板を備える遊技機に用いられ、前記遊技機における所定の処理を行わせる制御コマンドを前記周辺部に送信し、且つ、前記後段部によって認証される主制御基板において、前記主制御部の認証に用いる複数種類の認証情報の中で、前記複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示すパターン情報を記憶するパターン情報記憶手段と、前記パターン情報が示す前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた複数種類の認証値を記憶する認証値記憶手段と、前記複数種類の認証値の中から認証値を無作為に選択する選択手段と、前記選択した認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する認証情報生成手段と、前記生成した複数種類の認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信手段と、前記選択した認証値に対応付けられた前記設定パターンを、前記主制御部の次回の認証に用いる次回の前記設定パターンと決定する決定手段と、を備えることを特徴とする。
【0031】
上記請求項9に記載した本発明の主制御基板によれば、主制御基板は、複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示すパターン情報をパターン情報記憶手段に記憶し、該パターン情報が示す前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた複数種類の認証値を認証値記憶手段に記憶している。そして、主制御基板は、複数種類の認証値の中から認証値を無作為に選択すると、該選択した認証値が予め決定された今回の設定パターンで設定されるように複数種類の認証情報を生成して後段部に周辺部を介して送信することができる。そして、主制御基板は、選択した認証値に対応付けられた設定パターンを、主制御基板の次回の認証に用いる次回の設定パターンと決定することができる。
【0032】
本発明にかかる請求項10記載の周辺基板は、請求項8又は9に記載の主制御基板を備える遊技機に搭載されて、前記主制御基板によって送信された制御コマンドに基づいて所定の処理を行う周辺基板において、前記後段部は、前記複数種類の認証値の各々と一致し且つ前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた期待値を複数記憶する期待値記憶手段と、前記周辺部から転送された前記複数種類の認証情報を受信する後段側受信手段と、前記受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データと前記期待値記憶手段に記憶している複数の期待値とを比較して、前記期待値と一致した前記認証データを有効と判定する有効判定手段と、前記有効判定手段の判定結果と予め特定された今回の前記設定パターンとが一致するか否かに基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成手段と、前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信手段と、前記主制御部の認証が成立した場合に、前記認証値である前記認証データと一致した前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該特定した設定パターンを次回の設定パターンとする特定手段と、を備え、前記周辺部は、前記主制御部から受信した前記複数種類の認証情報を前記後段部に転送する転送手段と、前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信手段と、前記受信した後段認証結果データに応じて前記所定の処理を行う処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0033】
上記請求項10に記載した本発明の周辺基板によれば、周辺基板の周辺部は、主制御部から受信した第1認証用データ及び第2認証用データを周辺基板の後段部に転送する。そして、後段部は、主制御部が記憶している複数種類の認証値の各々と一致し且つ主制御部の複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた期待値を期待値記憶手段に複数記憶している。そして、後段部は、周辺部を介して主制御部から受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データと複数の期待値とを比較して、期待値と一致した認証データを有効と判定する。後段部は、その判定結果と予め特定された今回の設定パターンとが一致するか否かに基づいて主制御部を認証し、該認証が成立したか否かを示す後段認証結果データを生成して周辺部に送信する。また、後段部は、主制御部の認証が成立した場合、認証値である認証データと一致した期待値に対応付けられた設定パターンを特定し、該特定パターンを次回の設定パターンとすることができる。一方、周辺部は、後段部から受信した後段認証結果データに応じて遊技機における所定の処理を行うことができる。
【0034】
本発明にかかる請求項11記載の遊技機の認証方法は、制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された制御コマンドに基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機の認証方法において、前記主制御部は、パターン情報記憶手段が記憶し且つ前記主制御部の認証に用いる複数種類の認証情報の中で前記複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示すパターン情報から、前記主制御部の次回の認証に用いる次回の前記設定パターンを決定する決定工程と、前記パターン情報が示す前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた複数種類の認証値を記憶する認証値記憶手段から、前記決定した次回の設定パターンに対応付けられた前記認証値を抽出する認証値抽出工程と、前記抽出した認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する認証情報生成工程と、前記生成した複数種類の認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信工程と、を備え、前記後段部は、前記周辺部から転送された前記複数種類の認証情報を受信する後段側受信工程と、前記複数種類の認証値の各々と一致し且つ前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられて期待値記憶手段に記憶された複数の期待値と前記受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データとを比較して、前記期待値と一致した前記認証データを有効と判定する有効判定工程と、前記有効判定工程の判定結果と予め特定された今回の前記設定パターンとが一致するか否かに基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成工程と、前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信工程と、前記主制御部の認証が成立した場合に、前記認証値である前記認証データと一致した前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該特定した設定パターンを次回の設定パターンとする特定工程と、を備え、前記周辺部は、前記主制御部から受信した前記複数種類の認証情報を前記後段部に転送する転送工程と、前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信工程と、前記受信した後段認証結果データに応じて前記所定の処理を行う処理工程と、を備えることを特徴とする。
【0035】
上記請求項11に記載した本発明の遊技機の認証方法によれば、主制御部は、次回の認証に用いる次回の設定パターンを、予め定められた法則又はランダムにパターン情報から決定すると、該決定した次回の設定パターンに対応した認証値を認証値記憶手段から抽出する。主制御部は、抽出した認証値が予め決定された今回の設定パターンで設定されるように複数種類の認証情報を生成し、該複数種類の認証情報を後段部に周辺部を介して送信する。一方、周辺部は、主制御部から受信した第1認証用データ及び第2認証用データを後段部に転送する。そして、後段部は、周辺部を介して主制御部から受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データと複数の期待値とを比較して、期待値と一致した認証データを有効と判定する。後段部は、その判定結果と予め特定された今回の設定パターンとが一致するか否かに基づいて主制御部を認証し、該認証が成立したか否かを示す後段認証結果データを生成して周辺部に送信する。また、後段部は、主制御部の認証が成立した場合、認証値である認証データと一致した期待値に対応付けられた設定パターンを特定し、該特定パターンを次回の設定パターンとすることができる。一方、周辺部は、後段部から受信した後段認証結果データに応じて遊技機における所定の処理を行うことができる。
【0036】
本発明にかかる請求項12記載の遊技機の認証方法は、制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された制御コマンドに基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機の認証方法において、前記主制御部は、前記主制御部の認証に用いる複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定するパターン情報が示す複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられて、認証値記憶手段が記憶している複数種類の認証値の中から認証値を無作為に選択する選択工程と、前記選択した認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する認証情報生成工程と、前記生成した複数種類の認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信工程と、前記選択した認証値に対応付けられた前記設定パターンを、前記主制御部の次回の認証に用いる次回の前記設定パターンと決定する決定工程と、を備え、前記後段部は、前記周辺部から転送された前記複数種類の認証情報を受信する後段側受信工程と、前記複数種類の認証値の各々と一致し且つ前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられて期待値記憶手段に記憶された複数の期待値と前記受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データとを比較して、前記期待値と一致した前記認証データを有効と判定する有効判定工程と、前記有効判定工程の判定結果と予め特定された今回の前記設定パターンとが一致するか否かに基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成工程と、前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信工程と、前記主制御部の認証が成立した場合に、前記認証値である前記認証データと一致した前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該特定した設定パターンを次回の設定パターンとする特定工程と、を備え、前記周辺部は、前記主制御部から受信した前記複数種類の認証情報を前記後段部に転送する転送工程と、前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信工程と、前記受信した後段認証結果データに応じて前記所定の処理を行う処理工程と、を備えることを特徴とする。
【0037】
上記請求項12に記載した本発明の遊技機の認証方法によれば、主制御部は、複数種類の認証値の中から認証値を無作為に選択すると、該選択した認証値が予め決定された今回の設定パターンで設定されるように複数種類の認証情報を生成して後段部に周辺部を介して送信する。そして、主制御部は、選択した認証値に対応付けられた設定パターンを、主制御部の次回の認証に用いる次回の設定パターンと決定する。一方、周辺部は、主制御部から受信した第1認証用データ及び第2認証用データを後段部に転送する。後段部は、周辺部を介して主制御部から受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データと複数の期待値とを比較して、期待値と一致した認証データを有効と判定する。後段部は、その判定結果と予め特定された今回の設定パターンとが一致するか否かに基づいて主制御部を認証し、該認証が成立したか否かを示す後段認証結果データを生成して周辺部に送信する。また、後段部は、主制御部の認証が成立した場合、認証値である認証データと一致した期待値に対応付けられた設定パターンを特定し、該特定パターンを次回の設定パターンとすることができる。一方、周辺部は、後段部から受信した後段認証結果データに応じて遊技機における所定の処理を行うことができる。
【0038】
本発明にかかる請求項13記載の遊技機の認証プログラムは、制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された制御コマンドに基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機の認証プログラムであって、前記主制御部の第1コンピュータを、パターン情報記憶手段が記憶し且つ前記主制御部の認証に用いる複数種類の認証情報の中で前記複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示すパターン情報から、前記主制御部の次回の認証に用いる次回の前記設定パターンを決定する決定手段と、前記パターン情報が示す前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた複数種類の認証値を記憶する認証値記憶手段から、前記決定した次回の設定パターンに対応付けられた前記認証値を抽出する認証値抽出手段と、前記抽出した認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する認証情報生成手段と、前記生成した複数種類の認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信手段として機能させ、前記後段部の第3コンピュータを、前記周辺部から転送された前記複数種類の認証情報を受信する後段側受信手段と、前記複数種類の認証値の各々と一致し且つ前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられて期待値記憶手段に記憶された複数の期待値と前記受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データとを比較して、前記期待値と一致した前記認証データを有効と判定する有効判定手段と、前記有効判定手段の判定結果と予め特定された今回の前記設定パターンとが一致するか否かに基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成手段と、前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信手段と、前記主制御部の認証が成立した場合に、前記認証値である前記認証データと一致した前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該特定した設定パターンを次回の設定パターンとする特定手段として機能させ、そして、前記周辺部の第2コンピュータを、前記主制御部から受信した前記複数種類の認証情報を前記後段部に転送する転送手段と、前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信手段と、前記受信した後段認証結果データに応じて前記所定の処理を行う処理手段として機能させるための遊技機の認証プログラムである。
【0039】
上記請求項13に記載した本発明の遊技機の認証プログラムによれば、主制御部の第1コンピュータは、次回の認証に用いる次回の設定パターンを、予め定められた法則又はランダムにパターン情報から決定すると、該決定した次回の設定パターンに対応した認証値を認証値記憶手段から抽出する。第1コンピュータは、抽出した認証値が予め決定された今回の設定パターンで設定されるように複数種類の認証情報を生成し、該複数種類の認証情報を後段部に周辺部を介して送信する。一方、周辺部の第2コンピュータは、主制御部から受信した第1認証用データ及び第2認証用データを後段部に転送する。そして、後段部の第3コンピュータは、周辺部を介して主制御部から受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データと複数の期待値とを比較して、期待値と一致した認証データを有効と判定する。後段部は、その判定結果と予め特定された今回の設定パターンとが一致するか否かに基づいて主制御部を認証し、該認証が成立したか否かを示す後段認証結果データを生成して周辺部に送信する。また、第3コンピュータは、主制御部の認証が成立した場合、認証値である認証データと一致した期待値に対応付けられた設定パターンを特定し、該特定パターンを次回の設定パターンとすることができる。一方、周辺部の第2コンピュータは、後段部から受信した後段認証結果データに応じて遊技機における所定の処理を行うことができる。
【0040】
本発明にかかる請求項14記載の遊技機の認証プログラムは、制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された制御コマンドに基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機の認証プログラムであって、前記主制御部の第1コンピュータを、前記主制御部の認証に用いる複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定するパターン情報が示す複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられて、認証値記憶手段が記憶している複数種類の認証値の中から認証値を無作為に選択する選択手段と、前記選択した認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する認証情報生成手段と、前記生成した複数種類の認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信手段と、前記選択した認証値に対応付けられた前記設定パターンを、前記主制御部の次回の認証に用いる次回の前記設定パターンと決定する決定手段として機能させ、前記後段部の第3コンピュータを、前記周辺部から転送された前記複数種類の認証情報を受信する後段側受信手段と、前記複数種類の認証値の各々と一致し且つ前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられて期待値記憶手段に記憶された複数の期待値と前記受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データとを比較して、前記期待値と一致した前記認証データを有効と判定する有効判定手段と、前記有効判定手段の判定結果と予め特定された今回の前記設定パターンとが一致するか否かに基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成手段と、前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信手段と、前記主制御部の認証が成立した場合に、前記認証値である前記認証データと一致した前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該特定した設定パターンを次回の設定パターンとする特定手段として機能させ、そして、前記周辺部の第2コンピュータを、前記主制御部から受信した前記複数種類の認証情報を前記後段部に転送する転送手段と、前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信手段と、前記受信した後段認証結果データに応じて前記所定の処理を行う処理手段として機能させるための遊技機の認証プログラムである。
【0041】
上記請求項14に記載した本発明の遊技機の認証プログラムによれば、主制御部の第1コンピュータは、複数種類の認証値の中から認証値を無作為に選択すると、該選択した認証値が予め決定された今回の設定パターンで設定されるように複数種類の認証情報を生成して後段部に周辺部を介して送信する。そして、第1コンピュータは、選択した認証値に対応付けられた設定パターンを、主制御部の次回の認証に用いる次回の設定パターンと決定する。一方、周辺部の第2コンピュータは、主制御部から受信した第1認証用データ及び第2認証用データを後段部に転送する。後段部の第3コンピュータは、周辺部を介して主制御部から受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データと複数の期待値とを比較して、期待値と一致した認証データを有効と判定する。第3コンピュータは、その判定結果と予め特定された今回の設定パターンとが一致するか否かに基づいて主制御部を認証し、該認証が成立したか否かを示す後段認証結果データを生成して周辺部に送信する。また、第3コンピュータは、主制御部の認証が成立した場合、認証値である認証データと一致した期待値に対応付けられた設定パターンを特定し、該特定パターンを次回の設定パターンとすることができる。一方、周辺部の第2コンピュータは、後段部から受信した後段認証結果データに応じて遊技機における所定の処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0042】
以上説明したように本発明によれば、複数種類の設定パターンと複数種類の認証値とを一対一に対応付けておき、主制御側が今回の設定パターンとなるように、次回の設定パターンに対応した認証値を設定して複数種類の認証情報を生成し、該複数種類の認証情報を後段部に周辺部を介して送信するようにしたことから、後段部が複数種類の認証情報に設定された有効な認証値の設定パターンに基づいて主制御側の認証を行うことで、不正な解析者が複数種類の認証情報を解析するのは困難となり、不正な解析者が認証情報を不正に利用することを防止でき且つ不正解析者によってデータが不正に利用されたことを後段部で検知することができる。さらに、複数種類の認証情報の数を増やすことで、設定パターンの数も増やすことができるため、認証強度を高めることができる。また、後段部がその認証値に対応した設定パターンを期待値から特定して、次回の設定パターンとすることで、遊技機における設定パターンの切り替えを不正な解析者が解析するのをより一層困難とすることができる。さらに、複数種類の認証値は予め記憶しておくことができるため、認証情報の生成時に複雑な演算を行う必要がないため、主制御側の処理負担の増加を防止できる。また、後段部が主制御側に対する認証処理を行い、その後段認証結果を周辺側に送信するようにしたことから、周辺側は認証処理を行わずに後段認証結果を参照するだけで良いため、周辺側のCPUの処理付加を軽減することができる。従って、複雑な演算を用いることなく、主制御側から周辺側に送信されるデータが不正制御に利用されることを防止し且つ周辺側のCPUの処理負荷を軽減することができる。また、認証処理の複雑化を図っても、周辺側による演出処理に影響することはないため、セキュリティの向上及び遊技の興趣向上の双方を図ることができる。
【0043】
また、上述した遊技機において、複数種類の認証情報に対して複数の有効な認証値の設定を可能としたことから、主制御側と後段部との間で用いる設定パターンの数を増加させることができるため、不正な解析者が複数種類の認証情報を解析するのはより一層困難となり、不正な解析者が認証情報を不正に利用することを防止でき且つ不正解析者によってデータが不正に利用されたことを後段部で検知することができる。しかも、周辺側は認証処理を行わずに後段認証結果を参照するだけで良いため、周辺側のCPUの処理付加を軽減することができる。
【0044】
さらに、上述した遊技機において、複数種類の認証情報の全てに対して無効な認証データの設定を可能とし、その場合は初期の設定パターンを次回の設定パターンとするようにしたことから、設定パターンの切り替えの解析をより一層困難とすることができるため、不正利用の防止且つ検知の精度向上を図ることができる。
【0045】
また、上述した遊技機において、主制御側が設定パターンによって規定された複数種類の認証情報の順番で該複数種類の認証情報を後段部に送信するようにしたことから、後段部は複数種類の認証情報の各々に設定された認証データの有効、無効のパターンとその順番に基づいて主制御側の認証を行うことができるため、複雑な演算を用いることなく、認証精度の向上を図ることができる。
【0046】
さらに、上述した遊技機において、主制御側が生成した複数種類の認証情報を不規則な順番で後段部に送信するようにしたことから、不正な解析者が複数種類の認証情報を解析するのはより一層困難となり、不正な解析者が認証情報を不正に利用することを防止でき且つ不正解析者によってデータが不正に利用されたことを後段部で検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明のぱちんこ遊技機の遊技盤の一例を示す正面図である。
【図2】ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図3】主制御基板および周辺基板の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】主制御部による演出制御部の制御処理の一部を示すフローチャートである。
【図5】主制御部による演出制御部の制御処理の他の一部を示すフローチャートである。
【図6】大当たり関連コマンドの送信タイミングを示すタイミングチャートである。
【図7】演出制御部による図柄変動処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】演出制御部による大当たり時処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】ランプ制御部による図柄変動時のランプ制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】主制御部が出力する制御信号のデータフォーマットを模式的に示す説明図である。
【図11】認証情報のデータフォーマットを示す説明図である。
【図12】2種類の認証情報を用いる場合の例1を示す説明図である。
【図13】2種類の認証情報を用いる場合の例2を示す説明図である。
【図14】2種類の認証情報を用いる場合の例1を示す説明図である。
【図15】認証値と設定パターンとの対応関係の一例を示す図である。
【図16】認証値と期待値と設定パターンとの対応関係の一例を示す図である。
【図17】主制御部による認証情報の送信手順を示すフローチャートである。
【図18】後段部による認証情報の認証手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】周辺部による制御信号、認証情報及び後段認証結果信号の受信手順を示すフローチャートである。
【図20】複数種類の認証情報を用いた場合の認証処理手順例を示すフローチャートである。
【図21】主制御基板および周辺基板の機能的構成2を示すブロック図である。
【図22】主制御部による認証情報の送信手順2を示すフローチャートである。
【図23】複数種類の認証情報を用いた場合の認証処理手順例2を示すフローチャートである。
【図24】従来技術による不正防止技術の概要を示す説明図である。
【図25】不正な制御基板の挿入例を示す説明図である。
【図26】信号切替回路による信号切り替えの概要を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる遊技機であるぱちんこ遊技機と、このぱちんこ遊技機に搭載されている複数の基板間(主制御基板および周辺基板)の制御信号に含まれる制御コマンドを認証する認証方法および認証プログラムに好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0049】
[実施例1]
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
本発明のぱちんこ遊技機100は、図1に示す遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置に配置された発射部292(図2参照)の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。図示を省略するが、遊技領域103には、遊技球を各種の方向に向けて落下させる複数の釘が設けられている。遊技領域103には、遊技球の落下途中の位置に、遊技球の落下方向を変化させる風車や入賞口が配設されている。
【0050】
遊技盤101の遊技領域103の中央部分には、図柄表示部104が配置されている。図柄表示部104としては、例えば液晶表示器(LCD)が用いられる。なお、図柄表示部104としては、LCDに限らず、CRT、複数のドラム、などを用いることができる。図柄表示部104の下方には、始動入賞させるための始動入賞口105が配設されている。図柄表示部104の左右には、それぞれ入賞ゲート106が配設されている。
【0051】
入賞ゲート106は、落下する遊技球の通過を検出し、始動入賞口105を一定時間だけ開放させる抽選を行うために設けられている。図柄表示部104の側部や下方などには普通入賞口107が配設されている。普通入賞口107に遊技球が入賞すると、ぱちんこ遊技機100は普通入賞時の賞球数(例えば10個)の払い出しを行う。遊技領域103の最下部には、どの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口108が設けられている。
【0052】
上述した図柄表示部104は、特定の入賞口に遊技球が入賞したとき(始動入賞時)に、複数の図柄の表示の変動を開始し、所定時間後に図柄の表示の変動を停止する。この停止時に特定図柄(例えば「777」など)に揃ったときに、ぱちんこ遊技機100は大当たり状態となる。そして、ぱちんこ遊技機100は、大当たり状態のとき、遊技盤101の下方に位置する大入賞口109を一定の期間開放させ、この期間開放を所定ラウンド(例えば15ラウンドなど)繰り返し、大入賞口109に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す。
【0053】
ぱちんこ遊技機100は、図2に示す制御部200を備えている。制御部200は、主制御部201と、演出制御部202Aと、後段部202Bと、賞球制御部203と、を有している。主制御部201は本発明の主制御基板に相当している。演出制御部202Aと後段部202Bは周辺基板に一体に設けられる。そして、主制御部201は、演出制御部202Aと賞球制御部203とに対して送信可能な構成となっている。演出制御部202Aと後段部202Bとの間は双方向通信が可能な構成となっている。即ち、後段部202Bは、演出制御部202Aを介して主制御部201からのデータを受信する構成となっている。
【0054】
主制御部201は、ぱちんこ遊技機100の遊技にかかる基本動作を制御する。演出制御部202Aは、主制御部201から受信した複数種類の認証情報等のデータを後段部202Bに転送(送信)する。後段部202Bは、演出制御部202Aから転送されたデータに基づいて主制御部201の認証を行い、その認証結果を演出制御部202Aに送信する。そして、演出制御部202Aは、主制御部201から受信した制御コマンドに応じて、遊戯中の演出動作を制御する。賞球制御部203は、払い出す賞球数を制御する。
【0055】
主制御部201は、CPU211と、ROM212と、RAM213と、インタフェース(I/F)214と、を有している。CPU211は、ROM212に記憶されたプログラムデータに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する。ROM212は、プログラムデータ等を記憶する記憶領域を有している。RAM213は、CPU211の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。I/F214は、各検出部221〜224から各種データを受信するとともに、演出制御部202A及び賞球制御部203への各種データの送信を行う。主制御部201は、例えばいわゆる主制御基板によってその機能を実現する。
【0056】
この主制御部201の入力側には、始動入賞口105に入賞した入賞球を検出する始動入賞口検出部221と、入賞ゲート106を通過した遊技球を検出するゲート検出部222と、普通入賞口107に入賞した遊技球を検出する普通入賞口検出部223と、大入賞口109に入賞した入賞球を検出する大入賞口検出部224と、がI/F214を介して電気的に接続されている。これらの検出部としては、近接スイッチなどを用いて構成できる。
【0057】
この主制御部201の出力側には、大入賞口開閉部225が電気的に接続されており、主制御部201はこの大入賞口開閉部225の開閉を制御する。大入賞口開閉部225は、大当たり時に大入賞口109を一定期間開放する機能であり、ソレノイドなどを用いて構成できる。この大当たりは、生成した乱数(大当たり判定用乱数)に基づいて、所定の確率(例えば300分の1など)で発生するよう予めプログラムされている。
【0058】
演出制御部202Aは、主制御部201から各種の制御コマンドを含む制御信号を受け取り、このコマンドに基づいて、ROM242に記憶されたプログラムデータを実行して遊技中における演出制御を行う。この演出制御部202Aは、CPU241と、ROM242と、RAM243と、VRAM244と、インタフェース(I/F)245と、を有している。CPU241は、ぱちんこ遊技機100に対応した演出処理を実行する。RAM243は、CPU241の演出処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。VRAM244は、図柄表示部104に表示させる画像データ等を記憶する。I/F245は、主制御部201及び後段部202Bからの各種データの受信を行い、且つ、後段部202B、ランプ制御部251、音声制御部252への各種データの送信を行う。そして、演出制御部202Aは、後段部202Bとともに同一の周辺基板で実現している。また、演出制御部202Aの出力側には、上述した図柄表示部(LCD)104、ランプ制御部251、音声制御部252がI/F245を介して電気的に接続されている。ランプ制御部251はランプ261の点灯を制御する。また、音声制御部252はスピーカ262の音声等の出力を制御する。
【0059】
後段部202Bは、CPU21と、ROM22と、RAM23と、インタフェース(I/F)24と、を有している。CPU21は、ROM22に記憶されたプログラムデータに基づき、主制御部201の認証に伴う処理を行う。ROM22は、前記プログラムデータ等を記憶する記憶領域を有している。RAM23は、CPU21の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。I/F24は、主制御部201から各種データを演出制御部202A(周辺部)を介して受信するとともに、演出制御部202Aへの各種データの送信を行う。
【0060】
賞球制御部203は、主制御部201から各種の制御コマンドを含む制御信号を受け取り、このコマンドに基づいて、ROM282に記憶されたプログラムデータを実行して賞球制御を行う。この賞球制御部203は、CPU281と、ROM282と、RAM283と、インタフェース(I/F)284と、を有している。CPU281は、賞球制御の処理を実行する。RAM283は、CPU281の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。I/F284は、主制御部201からの各種データの受信および発射部292との各種データの送受信を行う。賞球制御部203は、例えばいわゆる賞球基板によってその機能を実現する。
【0061】
賞球制御部203は、I/F284を介して接続される払出部291に対して、入賞時の賞球数を払い出す制御を行う。また、賞球制御部203は、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出し、発射部292における遊技球の発射を制御する。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータなどからなる。賞球制御部203は、この払出部291に対して、各入賞口(始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御を行う。
【0062】
発射部292は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部203は、発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイドなどを駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
【0063】
上記構成の主制御部201と演出制御部202A及び後段部202Bと賞球制御部203は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出基板、賞球基板)に設けられる。そして、演出基板と賞球基板が本発明の周辺基板に相当している。
【0064】
なお、ぱちんこ遊技機100の基板の構成は、これに限らず、例えば、賞球制御部203を、主制御部201又は演出制御部202A及び後段部202Bと同一のプリント基板上に設けるなどの種々異なる構成とすることができる。また、演出制御部202Aと後段部202Bは、同一のプリント基板で実現する構成に代えて、一方のプリント基板を他方のプリント基板に実装する構成、別体のプリント基板をケーブル等で電気的に接続する構成、等のように種々異なる実施形態とすることができる。
【0065】
(主制御基板および周辺基板の機能的構成)
まず、図3を参照して、主制御部201としての機能を有する主制御基板310の機能的構成について説明する。主制御基板310は、周辺基板330を動作させるための制御コマンドを送信する機能部であり、データ記憶部311、決定部312、認証値抽出部314、認証情報生成部315、主制御側送信部316を有して構成している。そして、主制御基板310は、周辺基板330とは別の基板で形成されており、周辺基板330の周辺部202Aと通信可能なように電気的に接続されている。
【0066】
データ記憶部311は、本発明のパターン情報記憶手段及び認証値記憶手段に相当し、パターン情報、複数種類の認証値、等の各種データを記憶している。データ記憶部311としては、例えば、主制御部201のROM212、RAM213(図2参照)の一部を用いることができる。また、データ記憶部311は、周辺部に送信した複数種類の認証情報を時系列的に記憶する記憶領域を有している。そして、複数種類の認証情報の数は、主制御基板310の1回の認証に用いる情報の数によって規定される。
【0067】
パターン情報は、主制御部201(主制御基板310)の認証に用いる複数種類の認証情報の中で、複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示す情報となっている。例えば、パターン情報は、複数種類の認証情報の各々に対応した有効/無効を示すフラグデータを有するデータ構造、テーブル、等で実現する。そして、複数種類の認証値は、パターン情報が示す複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられている。複数種類の認証値の各々は、相異なるデータであり、例えば主制御部201のROM212における複数種類の所定領域のチェックサム、予め定められた固有の値、等が挙げられる。
【0068】
決定部312は、本発明の決定手段に相当し、主制御部201の次回の認証に用いる次回の設定パターンをパターン情報が示す複数種類の設定パターンの中から決定し、該決定した設定パターンを示す次回設定パターンデータをデータ記憶部311等に記憶する。決定部312は、次回の設定パターンを例えば乱数等を用いて不規則に決定することで、不正解析者によって不正に解析されるのを困難にしている。
【0069】
認証値抽出部314は、本発明の認証値抽出手段に相当し、決定部312が決定した次回の設定パターンに対応付けられた認証値をデータ記憶部(認証値記憶手段)311から抽出し、該抽出した認証値をRAM213等に記憶する。そして、認証値抽出部314によって抽出された認証値が、今回の認証に用いる認証値となる。
【0070】
認証情報生成部315は、本発明の認証情報生成手段に相当し、認証値抽出部314によって抽出された認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように複数種類の認証情報を生成する。そして、予め決定された今回の設定パターンは、認証情報生成部315の1回目の処理においては、予め定められた初期値である初期設定パターンとなり、2回目以降の処理においては、前回の処理で決定された次回の設定パターンとなる。
【0071】
認証情報生成部315は、設定パターンが有効な認証値を設定すると示す認証情報に対しては、認証値抽出部314が抽出した認証値を認証データとして設定して認証情報を生成する。また、認証情報生成部315は、設定パターンが有効な認証値を設定しないと示す認証情報に対しては、有効な認証値とは異なる無効な値を認証データとして設定して認証情報を生成する。即ち、複数種類の認証情報の各々は、認証データを有する情報であり、その認証データは有効データ又は無効データとなっている。
【0072】
主制御側送信部316は、本発明の主制御側送信手段に相当し、認証情報生成部315が生成した複数種類の認証情報を周辺基板330の周辺部202Aを介して後段部202Bに送信する。主制御側送信部316は、周辺部202Aを制御する制御信号を周辺基板330の周辺部202Aに送信する。そして、本実施形態の主制御側送信部316は、例えば、主制御基板310から周辺基板330に送信される制御信号とは別の信号である認証情報信号として認証情報を周辺基板330の後段部202Bに送信する。これにより、ぱちんこ遊技機100において、制御信号と認証情報信号とを区別化している。
【0073】
本発明のぱちんこ遊技機100は、有効な認証値が設定された認証情報と無効な認証情報とを組み合わせて主制御基板310から周辺基板330の後段部202Bに周辺部202Aを介して送信し、周辺基板330の後段部202Bはその複数種類の認証情報の設定パターンに基づいて主制御基板310の認証を行う構成を採用している。よって、ぱちんこ遊技機100は、複数種類の設定パターンを組み合わせて認証することで、セキュリティの向上を図るとともに、主制御部201から周辺基板330に単独で認証情報を送信しても、それが容易に解析されることを困難にすることができる。
【0074】
続いて、上述した演出制御部202Aなどの周辺部としての機能を有する周辺基板330の機能的構成について説明する。図3に示すように、周辺基板330は、周辺部(演出制御部)202Aと、後段部202Bと、を有して構成している。そして、周辺基板330は、周辺部(演出制御部)202Aと後段部202Bとの間で双方向通信が可能に構成している。なお、本実施例では、演出制御部202Aと後段部202Bとを有する周辺基板330とした場合について説明するが、これに代えて、賞球制御部203側に後段部202Bを設けた周辺基板とすることもできる。
【0075】
次に、後段部202Bは、後段側受信部331、後段側記憶部332、有効判定部333、後段認証結果データ生成部334、後段側送信部335、特定部336を有して構成している。
【0076】
後段側受信部331は、本発明の後段側受信手段に相当し、主制御基板310が周辺部202Aに送信し且つ当該周辺部202Aから転送された複数種類の認証情報等を受信する。本実施形態の後段側受信部331は、例えば、複数種類の認証情報の各々に対応した認証情報信号を受信することによって、認証情報を主制御基板310から周辺部202Aを介して受信する。
【0077】
後段側記憶部332は、本発明の期待値記憶手段に相当している。後段側記憶部332は、上述した主制御基板310から受信すべき複数種類の認証値、即ち、主制御基板310のデータ記憶部311が記憶している複数種類の認証値の各々と一致する期待値を複数記憶している。これにより、周辺基板330の後段部202Bは、認証情報に設定された認証データと期待値が一致していれば、認証データが正規の認証値である有効データと判定でき、また、認証情報に設定された認証データと期待値が一致していなければ、認証データが無効データと判定できる。
【0078】
後段側記憶部332は、上述した複数の期待値の各々に、上述した複数種類の設定パターンの各々が一対一に対応付けて記憶している。後段側記憶部332は、例えば、複数種類の設定パターンを示す設定パターンデータを期待値に対応付けて記憶することで、期待値から設定パターンを特定することを可能としている。
【0079】
後段側記憶部332は、主制御基板310から受信した複数種類の認証情報を関連付けて時系列的に記憶する記憶領域を有している。そして、後段側記憶部332は、認証値と一致した期待値に基づいて特定した、主制御基板310の次回の認証に用いる次回の設定パターンを示す次回設定パターンデータを記憶しており、後述する特定部336によって更新される。
【0080】
有効判定部333は、本発明の有効判定手段に相当し、主制御基板310から受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データと後段側記憶部332に記憶している複数の期待値とを比較して、期待値と一致した認証データを有効と判定する。また、有効判定部333は、認証データと一致する期待値が存在しない場合、認証データを無効と判定する。そして、有効判定部333は、複数種類の認証情報の認証データの各々に対する有効、無効を示す判定結果を後段側記憶部332に記憶する。
【0081】
後段認証結果データ生成部334は、本発明の後段認証結果データ生成手段に相当し、有効判定部333の判定結果と予め特定された今回の設定パターンとが一致するか否かに基づいて主制御基板310の認証を行う。後段認証結果データ生成部334は、複数種類の認証情報の各々に今回の設定パターン通りに有効データ、無効データが設定されている場合、正規の主制御基板310であると判定して認証成立とする。また、今回の設定パターン通りに設定されていない場合、不正な主制御基板310であると判定して、認証不成立とする。後段認証結果データ生成部334は、主制御基板310(主制御部)の認証が成立したか否かを示す後段認証結果データを生成する。即ち、後段認証結果データは、後段部202Bが主制御部201を認証したか否かの認証結果を示している。
【0082】
後段側送信部335は、本発明の後段側送信手段に相当し、後段認証結果データ生成部334が生成した後段認証結果データを周辺部202Aに送信する。そして、後段側送信部335は、例えば、前記生成した後段認証結果データを後段認証結果信号として周辺部202Aに送信する。
【0083】
特定部336は、本発明の特定手段に相当し、後段認証結果データ生成部334によって主制御基板310の認証が成立した場合、認証値である認証データと一致した期待値に対応付けられた設定パターンを、上述したパターン情報が示す複数種類の設定パターンの中から特定し、該特定した設定パターンを次回の設定パターンとして後段側記憶部332の次回設定パターンデータに設定する。
【0084】
次に、周辺部202Aは、転送部351と、周辺側受信部352と、処理部353と、を有して構成している。
【0085】
転送部351は、本発明の転送手段に相当し、主制御基板310から複数種類の認証情報を受信し且つ該受信した複数種類の認証情報の各々を後段部202Bに転送する。本実施形態の転送部351は、例えば、複数種類の認証情報の各々に対応した認証情報信号を主制御基板310から受信すると、該認証情報信号を後段部202Bにそのまま送信することで、複数種類の認証情報を後段部202Bに転送している。なお、本実施形態では、周辺部202Aは、前記認証情報信号とは別に主制御基板310から制御コマンドに対応した制御信号を、後段部202Bには転送せずに受信する。
【0086】
周辺側受信部352は、本発明の周辺側受信手段に相当し、周辺基板330の後段部202Bによって送信された前記後段認証結果データ等を受信する。そして、本実施形態の周辺側受信部352は、例えば後段部202Bが送信した後述する認証結果信号を受信することによって、後段認証結果データを後段部202Bから受信する。
【0087】
処理部353は、本発明の処理手段に相当し、後段部202Bから受信した後段認証結果データに応じて、ぱちんこ遊技機100における所定の処理を行う。処理部353は、前記後段認証結果データが認証成立を示している場合、主制御基板310から受信した制御信号から制御コマンドを抽出し、該制御コマンドに対応した所定の処理を行う。また、処理部353は、前記後段認証結果データが認証成立を示している場合、報知を行う。なお、前記所定の処理は、ぱちんこ遊技機100における主制御部201からの制御コマンドに応じて行う、例えば、はずれ処理、大当たりリーチ処理、大当たり開始処理、大当たりラウンド処理、大当たり終了処理、等の処理が挙げられる。
【0088】
なお、本実施形態では、周辺部202Aと後段部202Bとの間で通信するデータを暗号化しない構成で説明するが、周辺部202Aと後段部202Bとの間で通信するデータについても暗号化する構成とすることもできる。
【0089】
また、本実施形態では、主制御基板310のCPU211が請求項中の第1コンピュータ、周辺基板330の周辺部(演出制御部)202AのCPU241が請求項中の第2コンピュータ、周辺基板330の後段部202BのCPU21が請求項中の第3コンピュータとして機能させる場合について説明する。そして、主制御基板310のROM212は、前記第1コンピュータを請求項中の決定手段、認証値抽出手段、認証情報生成手段、主制御側送信手段、等の各種手段として機能させるための主制御側認証プログラムを記憶している。また、周辺基板330の周辺部202AのROM242は、前記第2コンピュータを請求項中の転送手段、周辺側受信手段、処理手段、等の各種手段として機能させるための周辺側認証プログラムを記憶している。また、周辺基板330の後段部202BのROM22は、前記第3コンピュータを請求項中の後段側受信手段、有効判定手段、後段認証結果データ生成手段と、後段側送信手段と、特定手段、等の各種手段として機能させるための後段側認証プログラムを記憶している。即ち、主制御側認証プログラムと周辺側認証プログラムと後段側認証プログラムとによって本発明の認証プログラムを構成している。
【0090】
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
上記構成によるぱちんこ遊技機100の基本動作の一例を説明する。主制御部201は、各入賞口に対する遊技球の入賞状況を制御コマンドとして賞球制御部203に出力する。賞球制御部203は、主制御部201から出力された制御コマンドに応じて、入賞状況に対応した賞球数の払い出しを行う。
【0091】
また、主制御部201は、始動入賞口105に遊技球が入賞するごとに、対応する制御コマンドを演出制御部202Aに出力し、演出制御部202Aは、図柄表示部104の図柄を変動表示させ、停止させることを繰り返す。そして、主制御部201は、大当たりの発生が決定しているときには、対応する制御コマンドを演出制御部202Aに出力し、演出制御部202Aは、所定の図柄で揃えて変動表示を停止させるとともに、大入賞口109を開放する制御を行う。演出制御部202Aは、大当たり発生期間中、および大当たり発生までの間のリーチ時や、リーチ予告時などには、図柄表示部104に対して、図柄の変動表示に加えて各種の演出表示を行う。このほか、各種役物に対して特定の駆動を行ったり、ランプ261の表示状態を補正するなどの演出を行う。
【0092】
そして、主制御部201は、大当たり発生期間中に、大入賞口109を複数回開放させる。1回の開放が1ラウンドとして、例えば15回のラウンドが繰り返し実行される。1ラウンドの期間は、遊技球が大入賞口109に例えば10個入賞するまでの期間、あるいは所定期間(例えば30秒)とされている。この際、賞球制御部203は、大入賞口109に対する遊技球1個の入賞当たり、例えば15個の賞球数で払い出しを行う。ぱちんこ遊技機100は、大当たり終了後、この大当たり状態を解除し、通常の遊技状態に復帰する。
【0093】
(各制御部による処理の詳細)
次に、各制御部が行う各種処理の詳細について説明する。まず、主制御部201による演出制御部202Aの制御処理について説明する。なお、図4〜図9においては、演出制御部202Aの制御処理の手順を明確にするため、認証データおよび付随データについては考慮しないものとする。即ち、図4〜図9の説明において、「コマンドを送信する」とは、「当該コマンドを示すデータ(制御コマンドデータ)を含む制御信号を送信する」との意味であり、例えば認証データや付随データの有無は考慮しないものとする。
【0094】
主制御部201は、図4に示すステップS401において、ぱちんこ遊技機100の電源がオンされたか否かを判定する。主制御部201は、電源がオンされていないと判定した場合(S401:No)、この判定処理を繰り返すことで、ぱちんこ遊技機100の電源がオンされるまで待機する。一方、主制御部201は、電源がオンされたと判定した場合(S401:Yes)、ステップS402の処理に移行する。
【0095】
主制御部201は、ステップS402において、演出制御部202Aや賞球制御部203などの各周辺部に対して電源オンコマンドを送信し、ステップS403の処理に移行する。この処理によって電源オンコマンドが送信されると、演出制御部202Aは、ランプ制御部251や音声制御部252、図柄表示部104のそれぞれに対して電源オン時の演出用の制御コマンド(具体的には、ランプの点灯や音声の出力、デモストレーション(デモ)画面の表示などを指示する制御コマンド)を送信する。
【0096】
主制御部201は、ステップS403において、ROM212またはRAM213に記憶している未抽選入賞回数データを参照して、未抽選入賞回数が0回か否かを判別する。未抽選入賞回数とは、始動入賞口105に検出された入賞球の数(入賞回数)から、入賞球に対応する抽選が行われた回数(既抽選回数)を減じた数である。そして、主制御部201は、未抽選入賞回数が0回ではないと判定した場合(S403:No)、ステップ410の処理に移行する。一方、主制御部201は、未抽選入賞回数が0回であると判定した場合(S403:Yes)、ステップS404において、デモが開始されてから経過した時間を計測し、ステップS405の処理に移行する。
【0097】
主制御部201は、デモが開始されてから所定時間が経過したか否かを判定する。主制御部201は、デモが開始されてから所定時間が経過していないと判定した場合(S405:No)、ステップS407の処理に移行する。一方、主制御部201は、デモが開始されてから所定時間が経過したと判定した場合(S405:Yes)、ステップS406において、演出制御部202Aに客待ちデモコマンドを送信し、ステップS407の処理に移行する。
【0098】
主制御部201は、ステップS407において、始動入賞口検出部221によって入賞球が検出されたか否かを判定する。主制御部201は、入賞球が検出されていないと判定した場合(S407:No)、ステップS404の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、主制御部201は、入賞球が検出されたと判定した場合(S407:Yes)、ステップS408において、デモが開始されてから計測していた時間をクリアし、ステップS409において、未抽選入賞回数に1を加算し、ステップS410の処理に移行する。そして、主制御部201は、ステップS410において、大当たり判定用乱数を取得し、ステップS411において、未抽選入賞回数から1を減算し、図5に示すステップS412の処理に移行する。
【0099】
主制御部201は、ステップS412において、大当たり判定用乱数が大当たり乱数であるか否かを判定する。主制御部201は、大当たり乱数であると判定した場合(S412:Yes)、ステップS413において、演出制御部202Aに大当たりリーチコマンド(図柄変動コマンド)を送信する。そして、主制御部201は、ステップS414において、図柄変動時間が経過したか否かを判定する。主制御部201は、図柄変動時間が経過していないと判定した場合(S414:No)、この判定処理を繰り返すことで、図柄変動時間が経過するのを待つ。一方、主制御部201は、図柄変動時間が経過したと判定した場合(S414:Yes)、ステップS415において、演出制御部202Aに図柄停止コマンドを送信し、ステップS416の処理に移行する。
【0100】
主制御部201は、ステップS416において、演出制御部202Aに大当たり開始コマンドを送信し、続けて、ステップS417において、大当たり中の各ラウンドに対応するコマンド(大当たりコマンド)を演出制御部202Aに順次送信する。そして、主制御部201は、全てのラウンドの大当たりコマンドの送信が終了すると、ステップS418において、大当たり終了コマンドを演出制御部202Aに送信し、ステップS422の処理に移行する。
【0101】
また、主制御部201は、ステップS412において、大当たり乱数ではないと判定した場合(S412:No)、ステップS419において、はずれリーチコマンド(図柄変動コマンド)を演出制御部202Aに送信し、ステップS420の処理に移行する。そして、主制御部201は、ステップS420において、図柄変動時間が経過したか否かを判定する。主制御部201は、図柄変動時間が経過していないと判定した場合(S420:No)、この判定処理を繰り返すことで、図柄変動時間の経過を待つ。一方、主制御部201は、図柄変動時間が経過したと判定した場合(S420:Yes)、ステップS421において、図柄停止コマンドを演出制御部202Aに送信し、ステップS422の処理に移行する。
【0102】
主制御部201は、ステップS422において、ぱちんこ遊技機100の電源がオフされたか否かを判定する。主制御部201は、電源がオフされていないと判定した場合(S422:No)、図4に示すステップS403の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、主制御部201は、電源がオフされたと判定した場合(S422:Yes)、ステップS423において、終了処理コマンドを演出制御部202Aに送信し、本フローチャートによる処理を終了する。
【0103】
次に、ぱちんこ遊技機100における大当たり関連コマンド(大当たりリーチコマンド、大当たり開始コマンド、大当たりコマンド、大当たり終了コマンド)の主制御部201から演出制御部202Aに対する送信タイミングの一例を、図6の図面を参照して説明する。
【0104】
大当たりリーチコマンドは、実際に大当たりが発生するよりも頻繁に、且つランダムに送信される。また、大当たり開始コマンドは、実際に大当たりが発生した場合に、大当たり状態に移行する際に1度だけ送信される。また、大当たりコマンドは、大当たり状態に移行した後、ラウンド毎に継続的に送信される。また、大当たり終了コマンドは、大当たり状態の全てのラウンドが終了し、通常の状態に移行する際に1度だけ送信される。
【0105】
以下では、図柄変動時(大当たりリーチコマンド(図5のステップS413を参照)または、はずれリーチコマンド(図5のステップS419を参照)を受信した場合)及び、大当たり時の処理を説明する。
【0106】
まず、演出制御部202Aによる図柄変動処理について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。演出制御部202Aは、図7に示すステップS701において、主制御部201から図柄変動コマンドを受信したか否かを判定する。演出制御部202Aは、図柄変動コマンドを受信していないと判定した場合(S701:No)、この判定処理を繰り返すことで、図柄変動コマンドの受信を待つ。一方、演出制御部202Aは、図柄変動コマンドを受信したと判定した場合(S701:Yes)、ステップS702において、変動演出選択用乱数を取得し、ステップS703において、取得した乱数に基づいて変動演出の種類を選択し、ステップS704の処理に移行する。そして、演出制御部202Aは、ステップS704において、ランプ制御部251や音声制御部252に対して変動演出別の演出開始コマンドを送信し、ステップS705の処理に移行する。
【0107】
演出制御部202Aは、ステップS705において、演出時間が経過したか否かを判定する。演出制御部202Aは、演出時間が経過したと判定した場合(S705:Yes)、ステップS707の処理に移行する。一方、演出制御部202Aは、演出時間が経過していないと判定した場合(S705:No)、ステップS706において、主制御部201から図柄停止コマンドを受信したか否かを判定する。そして、演出制御部202Aは、図柄停止コマンドを受信していないと判定した場合(S706:No)、ステップS705の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、演出制御部202Aは、図柄停止コマンドを受信したと判定した場合(S706:Yes)、ステップS707において、ランプ制御部251や音声制御部252に対して演出停止コマンドを送信し、本フローチャートによる処理を終了する。
【0108】
続いて、演出制御部202Aによる大当たり時処理について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。演出制御部202Aは、図8に示すステップS801において、主制御部201から大当たり開始コマンド(図5のステップS416を参照)を受信したか否かを判定する。演出制御部202Aは、大当たり開始コマンドを受信していないと判定した場合(S801:No)、この判定処理を繰り返すことで、大当たり開始コマンドの受信を待つ。一方、演出制御部202Aは、大当たり開始コマンドを受信したと判定した場合(S801:Yes)、ステップS802において、ランプ制御部251や音声制御部252に対して大当たり開始処理コマンドを送信し、ステップS803の処理に移行する。
【0109】
演出制御部202Aは、ステップS803において、主制御部201からラウンド別の大当たりコマンド(図5のステップS417を参照)を受信したか否かを判定する。演出制御部202Aは、大当たりコマンドを受信していないと判定した場合(S803:No)、この判定処理を繰り返すことで、大当たりコマンドの受信を待つ。一方、演出制御部202Aは、大当たりコマンドを受信したと判定した場合(S803:Yes)、ステップS804において、ランプ制御部251や音声制御部252に対して受信したラウンド別の大当たりコマンドに対応するラウンド別処理コマンドを送信し、ステップS805の処理に移行する。
【0110】
演出制御部202Aは、ステップS805において、主制御部201から大当たり終了コマンド(図5のステップS418を参照)を受信したか否かを判定する。演出制御部202Aは、大当たり終了コマンドを受信していないと判定した場合(S805:No)、この判定処理を繰り返すことで、大当たり終了コマンドの受信を待つ。一方、演出制御部202Aは、大当たり終了コマンドを受信したと判定した場合(S805:Yes)、ステップS806において、ランプ制御部251や音声制御部252に対して大当たり終了処理コマンドを送信し、本フローチャートによる処理を終了する。
【0111】
続いて、ランプ制御部251によるランプ制御処理について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。ここでは、演出制御部202Aから演出開始コマンドを受信した場合(図柄変動時)の処理について説明する。そして、ランプ制御部251は、図9に示すステップS901において、演出制御部202Aから演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。ランプ制御部251は、演出開始コマンドを受信していないと判定した場合(S901:No)、この判定処理を繰り返すことで、演出開始コマンドの受信を待つ。一方、ランプ制御部251は、演出開始コマンドを受信したと判定した場合(S901:Yes)、ステップS902において、コマンド別に予め用意されているコマンド別データを読み出し、ステップS903の処理に移行する。
【0112】
ランプ制御部251は、ステップS903において、コマンド別の選択ルーチンを実行し、ステップS904において、受信した演出開始コマンドに対応したランプデータをセットし、ステップS905において、ランプ261に対してランプデータを出力し、ステップS906の処理に移行する。そして、この処理によってランプ261は、ランプデータに基づいて点灯又は消灯する。
【0113】
ランプ制御部251は、ステップS906において、演出制御部202Aから演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。ランプ制御部251は、演出停止コマンドを受信していないと判定した場合(S906:No)、この判定処理を繰り返すことで、演出停止コマンドの受信を待つ。一方、ランプ制御部251は、演出停止コマンドを受信したと判定した場合(S906:Yes)、ステップS907において、ランプデータの出力を停止し、本フローチャートによる処理を終了する。
【0114】
なお、図9にはランプ制御部251の処理を記載したが、音声制御部252による音声制御も、図9の処理とほぼ同様である。音声制御部252による音声制御処理は、例えば、図9の処理において、ステップS904、S905、S907の「ランプデータ」を「音声データ」と読み替えればよい。
【0115】
(制御信号のデータフォーマット)
次に、主制御部201が出力する通常の制御信号の一例を説明する。
【0116】
図10において、通常の制御信号1010は、制御コマンドデータ1001と付随データ1002とを有している。制御コマンドデータ1001は、例えばリーチコマンドや大当たり開始コマンド、ラウンド別コマンドなどの各コマンド固有のデータである。また、付随データ1002は、制御コマンドデータ1001に付随するデータであり、例えば、入賞した遊技球の数などの制御コマンドデータ1001に基づく処理に必要なデータである。
【0117】
(認証情報のデータフォーマット)
次に、上述した制御信号1010とは異なる認証情報信号が認証情報を有する場合の一例を説明する。なお、本実施形態では、主制御部201が後段部202Bに周辺部202Aを介して認証情報信号を出力することで、認証情報を主制御部201から後段部202Bに送信する場合を前提に説明する。
【0118】
図11において、認証情報1020は、識別部1021と、データ部1022と、を有して構成している。そして、識別部1021は、認証情報1020を識別することが可能な識別データが設定される。識別データの一例としては、相異なる複数種類の認証コマンドが挙げられ、例えば16進数の0xA0、0xB0、等の値が設定される。これにより、後段部202Bは、識別部1021に基づいて複数種類の認証情報1020の各々の識別することができる。そして、認証コマンドは、上述した制御コマンドデータ1001の制御コマンドと異なるコマンドとすることで、制御コマンドデータ1001との区別化を図ることができる。
【0119】
データ部1022は、上述した設定パターンに基づいて、主制御部201の認証に用いる有効な認証値又は無効な値の何れか一方の認証データが設定される。そして、認証データは、有効なデータを有効データとし、無効なデータを無効データとしている。また、有効データは、複数の認証コマンドに設定する場合、例えば、全てに認証値を設定する、予め定められた認証コマンドに対してのみ認証値を設定し且つ他の認証コマンドに対しては他の認証値を設定する、など種々異なる実施形態とすることができる。なお、データ部1022は、有効な認証値又は無効な値に他のデータを付随させる等の他の構成とすることもできる。
【0120】
続いて、図11に示す後段認証結果信号は、後段部202Bが上述した複数種類の認証情報1020を用いて主制御部201の認証を行った認証結果を示す認証結果情報1030を周辺部202Aに送信する。そして、認証情報1030は、識別部1031と結果部1032とを有して構成している。識別部1031は、認証結果信号1030を識別することが可能な識別データが設定される。なお、識別データとしては、認証情報1020の識別部1021に設定されたデータを流用する、予め定められたデータを用いるなど種々異なる実施形態とすることができる。
【0121】
次に、主制御部210の1回の認証処理で用いる複数種類の認証情報1020を1セットとした場合の一例を以下に説明する。
【0122】
まず、2つの認証情報1020を1セットとする場合、図12に示すように、各認証情報1020の識別部1021には、相異なる認証コマンドC1、C2が設定される。そして、認証コマンドC1が無効、認証コマンドC2が有効と前記設定パターンが示している場合、認証コマンドC1に対応したデータ部1022には無効なデータが設定され、認証コマンドC2に対応したデータ部1022には前記認証値である有効データが設定される。これにより、1セットの認証情報1020の生成が完了する。
【0123】
続いて、2種類の認証コマンドC1,C2を用いて3つの認証情報1020を1セットとして生成する場合、図13に示すように、2つの認証情報1020の識別部1021には、認証コマンドC1が設定され、残りの1つの認証情報1020の識別部1021には、認証コマンドC2が設定される。そして、認証コマンドC1が無効、認証コマンドC2が有効と前記設定パターンが示している場合、認証コマンドC1に対応した2つのデータ部1022の各々には無効なデータが設定され、認証コマンドC2に対応した1つのデータ部1022には前記認証値である有効データが設定される。これにより、1セットが3つの認証情報1020の生成が完了する。
【0124】
続いて、相異なる3つの認証情報1020を1セットとする場合、図14に示すように、各認証情報1020の識別部1021には、相異なる認証コマンドC1、C2、C3が設定される。そして、認証コマンドC1、C2が有効、認証コマンドC3が無効と前記設定パターンが示している場合、認証コマンドC1、C2に対応したデータ部1022の各々には前記認証値である有効データが設定され、認証コマンドC3に対応したデータ部1022には無効なデータが設定される。これにより、1セットが3種類の相異なる認証情報1020の生成が完了する。
【0125】
このように複数種類の認証情報1020は、有効な認証値が複数種類の認証コマンドC1〜C3に対応した前記設定パターンで設定されるため、複数種類の設定パターンを切り替えることで、複数種類の認証情報1020に設定される認証値の設定パターンを切り替えることができるため、不正な解析者がそれを解析するのを困難とすることができる。
【0126】
(設定パターンの切り替え例)
次に、複数種類の設定パターンを主制御部201で切り替えて、後段部202Bがその切り替える設定パターンを認証値を用いて特定するための構成例を説明する。
【0127】
図15において、主制御部201は、4つの設定パターンP1〜P4を用いる場合、その各々と一対一に対応した4つの認証値A1〜A4を用いる。そして、パターン情報Dは、複数種類の設定パターンP1〜P4を示す情報となっている。本実施形態では、パターン情報Dが設定パターンPとそれに対応した設定コマンドC1,C2の各設定とを対応付けて示す情報となっている。具体的には、設定パターンP1は、認証コマンドC1は無効、認証コマンドC2は無効となっている。設定パターンP2は、認証コマンドC1は無効、認証コマンドC2は有効となっている。設定パターンP3は、認証コマンドC1は有効、認証コマンドC2は無効となっている。設定パターンP4は、認証コマンドC1は有効、認証コマンドC2は有効となっている。そして、パターン情報Dが有する設定パターンP1〜P4と認証値A1〜A4を一対一に対応付けているため、認証値A及び設定パターンPの各々からリンク先を辿ることができる。そして、設定パターンPは、認証コマンドC1、認証コマンドC2のその順序を順番として規定することで、設定パターンに順番の要素を加味できると共に、設定パターンの数を増加させることができる。
【0128】
これに対応する後段部202Bは、図16に示すように、認証値A1〜A4の各々と一致する期待値B1〜B4を後段側記憶部332に記憶している。そして、後段部202Bは、期待値B1〜B4の各々に、認証値A1〜A4に対応した設定パターンP1〜P4を対応付けて記憶している。これにより、後段部202Bは、期待値Bから1つの設定パターンPを特定することができる。なお、本実施形態の期待値B1〜B4と設定パターンP1〜P4との対応付けについては、期待値B1〜B4と上述したパターン情報Dを対応付けることを前提に説明するが、これに代えて、期待値B1〜B4と設定パターンP1〜P4を示すデータを対応付ける実施形態とすることもできる。この場合は、設定パターンP1〜P4の各々に対応したプログラムを予め記憶しておき、設定パターンP1〜P4を特定した場合に該当するプログラムを起動させて、設定パターンP1〜P4に対応した各認証データの有効判定等の処理を行う実施形態とすることで対応できる。そして、本実施形態の後段部202Bは、設定パターンP2の場合、認証コマンドC1に対応したデータ部1022に無効データ、認証コマンドC2に対応したデータ部1022に有効データがその順番で受信して設定されていれば、主制御部201の認証を成立させる場合について説明するが、これに代えて、その順序は問わない実施形態とすることもできる。
【0129】
(認証情報信号の送受信に関する処理)
以下に、主制御部201と後段部202Bとの間で行う上記認証情報信号の通信例を説明する。まず、主制御部201のCPU211(第1コンピュータ)による認証情報信号の送信手順の一例を、図17のフローチャートを参照して説明する。
【0130】
ぱちんこ遊技機100の電源がON(投入)されると、主制御部201は図17に示す被認証処理を実行し、ステップS1201において、予め定められた認証タイミングであるか否かを判定する。主制御部201は、認証タイミングではないと判定した場合(S1201:No)、ステップS1208の処理に進む。一方、主制御部201は、認証タイミングであると判定した場合(S1201:Yes)、ステップS1202の処理に進む。
【0131】
主制御部201は、ステップS1202において、データ記憶部311の次回設定パターンデータに設定されている設定パターンを今回の設定パターンとしてセットし、その後ステップS1203の処理に進む。なお、前記次回設定パターンデータに設定パターンが設定されていない場合、即ち初回の処理では、ぱちんこ遊技機100において初期値として予め定められた初回設定パターンを今回の設定パターンとしてセットする。
【0132】
主制御部201は、ステップS1203において、パターン情報Dが示す複数種類の設定パターンPの中から、主制御部201の次回の認証に用いる次回の設定パターンを無作為に決定し、該決定した次回の設定パターンをデータ記憶部311の次回設定パターンデータに設定し、その後ステップS1204の処理に進む。なお、次回の設定パターンの決定方法の一例としては、乱数を用いて決定する方法等が挙げられる。
【0133】
主制御部201は、ステップS1204において、前記決定した次回の設定パターンに対応する認証値を、データ記憶部311に記憶している複数の認証値Aの中から抽出してRAM213等に記憶し、その後ステップS1205の処理に進む。
【0134】
主制御部201は、ステップS1205において、複数種類の認証情報1020の識別部1021の各々に、今回の設定パターンに対応した複数種類の認証コマンドの各々を設定し、その複数種類の認証コマンドの各々に対応したデータ部1022に、認証値である有効データと無効データを今回の設定パターンと一致するように設定して複数種類の認証情報1020を生成してデータ記憶部311等に記憶し、その後ステップS1206の処理に進む。
【0135】
なお、設定パターンが複数種類の認証情報1020の順番を規定している場合、主制御部201は、その順番となるように複数種類の認証情報1020を生成する。また、複数種類の認証情報1020を不規則な順番で生成する場合、例えば複数種類の認証コマンドC1〜C5の順番が入れ替わるように複数種類の認証情報1020を生成する。また、複数種類の認証情報1020の中に有効な認証値を複数設定する場合、ぱちんこ遊技機100において予め定められた認証情報1020に設定された認証値を用いる。
【0136】
主制御部201は、ステップS1206において、前記生成した複数種類の認証情報1020を、後段部202Bとの間で予め定められた暗号化方法で暗号化し、ステップS1207において、前記暗号化した複数種類の認証情報1020の各々に基づいて認証情報信号を生成して主制御側送信部316から周辺部202Aに対して送信することで、該認証情報信号が周辺部202Aを介して後段部202Bに送信され、その後ステップS1208の処理に進む。なお、主制御部201と後段部202Bとの間で暗号化が不要な場合は、ステップS1206の処理を削除して、複数種類の認証情報1020をそのまま後段部202Bに周辺部202Aを介して送信する。
【0137】
主制御部201は、ステップS1208において、ぱちんこ遊技機100の電源がオフされたか否かを判定する。そして、主制御部201は、電源がオフされていないと判定した場合(S1208:No)、ステップS1201の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、主制御部201は、電源がオフされたと判定した場合(S1208:Yes)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0138】
続いて、後段部202BのCPU21(第3コンピュータ)による複数種類の認証情報の受信処理の手順を、図18のフローチャートを参照して説明する。
【0139】
後段部202Bは、図18に示す認証側処理を実行すると、ステップS1301において、受信部331によって主制御部201から周辺部202Aを介して認証情報(認証情報信号)1020を受信したか否かを判定する。後段部202Bは、認証情報1020を受信していないと判定した場合(S1301:No)、ステップS1312の処理に進む。一方、後段部202Bは、認証情報1020を受信したと判定した場合(S1301:Yes)、ステップS1302の処理に進む。
【0140】
後段部202Bは、ステップS1302において、受信した認証情報1020を主制御部201の前記暗号化方式に対応した復号化方式で復号化し、該認証情報1020のデータ部1022から認証データを抽出して後段側記憶部332等に記憶し、後段側記憶部332の受信カウンタをインクリメント(+1)し、その後ステップS1303の処理に進む。なお、主制御部201と後段部202Bとの間で暗号化が不要な場合は、ステップS1302における復号化処理を削除する。また、本実施形態では、受信カウンタを用いて上述した1セットの認証情報の受信を確認する場合について説明するが、これに代えて、例えば1セット分のフラグデータを用いるなど種々異なる実施形態とすることができる。
【0141】
後段部202Bは、ステップS1303において、抽出した認証データと後段側記憶部332の複数の期待値とを比較して、認証データが期待値と一致しているか否かを判定する。後段部202Bは、認証データが期待値と一致していると判定した場合(S1303:Yes)、認証データは有効であることから、ステップS1304において、受信した認証情報1020の識別部1021に設定されている認証コマンドCに「有効」を示す有効データを関連付けて後段側記憶部332等の有効判定結果情報に設定し、その後ステップS1306の処理に進む。なお、有効判定結果情報は、認証コマンドと有効/無効とを一対のデータとして複数設定することが可能なデータ構造となっている。一方、後段部202Bは、認証データが期待値と一致していないと判定した場合(S1303:No)、認証データは無効であることから、ステップS1305において、受信した認証情報1020の識別部1021に設定されている認証コマンドCに「無効」を示す無効データを関連付けて後段側記憶部332等の有効判定結果情報に設定し、その後ステップS1306の処理に進む。
【0142】
後段部202Bは、ステップS1306において、後段側記憶部332の受信カウンタと設定パターンが示すパターン数(認証コマンドの数)とを比較して、主制御部201から全ての認証情報1020を受信したか否かを判定する。後段部202Bは、全ての認証情報1020を受信していないと判定した場合(S1306:No)、ステップS1312の処理に進む。一方、後段部202Bは、全ての認証情報1020を受信したと判定した場合(S1306:Yes)、後段側記憶部332の受信カウンタをクリアし、その後ステップS1307の処理に進む。
【0143】
後段部202Bは、ステップS1307において、後段側記憶部332等の有効判定結果情報が示す有効判定結果が今回の設定パターンと一致しているか否かを判定する。なお、判定方法の一例としては、複数種類の認証コマンドCに対応した有効/無効の判定結果と、設定パターンが示す認証コマンドCの有効/無効とが完全に一致しているか否かを判定する。そして、複数種類の認証情報1020の順番を認証判定に加味する場合、設定パターンが示す認証コマンドCの順番通りに、有効判定結果情報に設定されているか否かを判定して対応する。
【0144】
後段部202Bは、今回の設定パターンと一致すると判定した場合(S1307:Yes)、ステップS1308において、主制御部201に対する認証を成立させ、認証成立を示す後段認証結果データを生成してRAM23等に記憶し、その後ステップS1309の処理に進む。そして、後段部202Bは、ステップS1309において、今回の認証処理で有効と判定した認証データと一致した期待値に対応付けられた設定パターンを特定し、該特定した設定パターンを次回の設定パターンとして後段側記憶部332の次回設定パターンデータに設定し、その後ステップS1311の処理に進む。
【0145】
なお、複数種類の認証情報1020の中に有効な認証値が認証データとして複数設定されている場合は、例えば、相互間で取り決めた所望の認証コマンド、順番、等に対応した認証情報1020に設定された認証値を用いる。また、複数の有効な認証情報1020の中の何れの有効データ(認証値)を、次回の設定パターンの特定に用いるかは、種々異なる実施形態とすることが可能であり、例えば、認証コマンドに優先度を割り振り、予め定められた優先度の認証コマンドに対応した認証値を前記特定に用いる実施形態とすることもできる。
【0146】
一方、後段部202Bは、ステップS1307で今回の設定パターンと一致していないと判定した場合(S1307:No)、ステップS1310において、主制御部201に対する認証を不成立とし、認証不成立を示す後段認証結果データを生成してRAM23等に記憶し、その後ステップS1311の処理に進む。
【0147】
後段部202Bは、ステップS1311において、前記生成した後段認証結果データを結果部1032に設定して後段認証結果情報1030し、該後段認証結果情報1030を付加した後段認証結果信号を生成して後段側送信部335から周辺部202Aに対して送信し、その後ステップS1312の処理に進む。
【0148】
後段部202Bは、ステップS1312において、ぱちんこ遊技機100の電源がオフされたか否かを判定する。そして、周辺部は、電源がオフされていないと判定した場合(S1312:No)、ステップS1301の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、後段部202Bは、電源がオフされたと判定した場合(S1312:Yes)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0149】
続いて、周辺部202AのCPU241(第2コンピュータ)による各種制御信号、複数種類の認証情報及び後段認証結果信号の受信処理の手順を、図19のフローチャートを参照して説明する。
【0150】
周辺部202Aは、ステップS1401において、主制御部201から制御信号1010を受信したか否かを判定する。周辺部202Aは、制御信号1010を受信したと判定した場合(S1401:Yes)、ステップS1402において、受信した制御信号1010に含まれている制御コマンドデータ1001および付随データ1002に基づく所定の処理を行い、その後ステップS1407の処理に進む。
【0151】
一方、周辺部202Aは、制御信号1010を受信していないと判定した場合(S1401:No)、ステップS1403において、主制御部201から認証情報(認証情報信号)1020を受信したか否かを判定する。周辺部202Aは、認証情報1020を受信したと判定した場合(S1403:Yes)、ステップS1404において、その認証情報1020を後段部202Bに転送(送信)し、その後ステップS1407の処理に進む。一方、周辺部202Aは、認証情報1020を受信していないと判定した場合(S1403:No)、ステップS1405の処理に進む。
【0152】
周辺部202Aは、ステップS1405において、受信した信号が識別部1031を有しているか否か等に基づいて、後段部202Bから後段認証結果信号を受信したか否かを判定する。そして、周辺部202Aは、後段認証結果信号を受信していないと判定した場合(S1405:No)、ステップS1407の処理に進む。一方、周辺部202Aは、後段認証結果信号を受信していると判定した場合(S1405:Yes)、ステップS1406の処理に進む。
【0153】
周辺部202Aは、ステップS1406において、受信した後段認証結果信号の結果部1032を参照して、後段認証結果信号は認証成立を示しているか否かを判定する。そして、周辺部202Aは、後段認証結果が認証成立を示していると判定した場合(S1406:Yes)、その認証結果をRAM243等に記憶し、その後ステップS1407の処理に進む。
【0154】
周辺部202Aは、ステップS1407において、ぱちんこ遊技機100の電源がオフされたか否かを判定する。そして、周辺部202Aは、電源がオフされていないと判定した場合(S1407:No)、ステップS1401の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、周辺部202Aは、電源がオフされたと判定した場合(S1407:Yes)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0155】
一方、周辺部202Aは、ステップS1406で後段認証結果が認証成立を示していないと判定した場合(S1406:No)、ステップS1408において、例えばスピーカ262(図2参照)等から報知信号を出力して、本フローチャートによる処理を終了する。なお、後段認証結果が認証成立を示していない、即ち、認証不成立を示している場合の周辺部202Aの処理については、報知信号を出力するだけで、周辺部202Aの処理を継続させるようにしてもよい。
【0156】
(複数種類の認証情報を用いた認証処理手順例)
次に、図15に示すパターン情報Dを用いて、複数種類の設定パターンP1〜P4を切り替えて主制御基板310の認証を行う場合の手順の一例を、図20の図面を参照して説明する。
【0157】
図20において、被認証者である主制御基板310は、予め定められた今回の設定パターンP1をパターン情報Dからセットする(S1501)。主制御基板310は、初期設定の設定パターンP2を次回の設定パターンと決定し、該結果をデータ記憶部311の次回設定パターンデータに設定する(S1502)。そして、主制御基板310は、次回の設定パターンP2に対応付けられた認証値A2をデータ記憶部311から抽出する(S1503)。
【0158】
主制御基板310は、複数種類の認証情報1020の識別部1021の各々に、今回の設定パターンP1に対応した順番で認証コマンドC1,C2の各々を設定し、今回の設定パターンP1が認証コマンドC1,C2の双方に無効データの設定を示していることから、その認証コマンドC1,C2の各々に対応したデータ部1022に、認証値A2とは異なる無効データを認証データとして設定して今回の設定パターンP1と一致した複数種類の認証情報1020C1,C2を生成する(S1504)。そして、主制御基板310は、双方に無効データが設定された認証情報1020C1,C2を周辺基板330の後段部202Bに周辺部202Aを介してに送信する(S1505)。
【0159】
このように認証処理手順では、認証コマンドC1,C2の各々に対応した認証情報1020をそれぞれ認証情報1020C1,C2と表している。そして、認証情報1020C1,C2はその順番で送信する場合について説明するが、その順番を逆にしてもよい。
【0160】
一方、周辺基板330の周辺部202Aは、主制御基板310から受信した認証情報1020C1,C2を後段部202Bに転送する(S1511)。
【0161】
一方、周辺基板330の後段部202Bは、周辺部202Aから複数種類の認証情報1020C1,C2を受信すると(S1521)、認証情報1020C1,C2の識別部1021に設定された認証コマンドC1,C2毎に、データ部1022の認証データと後段側記憶部332に記憶している複数の期待値とが一致するか否かに基づいて、認証データが有効であるか否かを判定し、その判定結果を後段側記憶部332等の有効判定結果情報に設定する(S1522)。そして、後段部202Bは、有効判定結果情報が示す判定結果が初期値である今回の設定パターンP1と一致しているか否かを判定し、該判定結果に基づいた主制御基板310の認証結果を示す後段認証結果データを有する後段認証結果情報1030を生成し、該後段認証結果情報1030を付加した後段認証結果信号を周辺基板330の周辺部202Aに対して送信する(S1523)。この場合、後段部202Bは、認証コマンドC1,C2の双方が無効である場合に、主制御基板310の認証を成立させる。そして、後段部202Bは、主制御基板310の認証が成立した場合、今回受信した認証情報1020C1,C2には認証値が設定されていないことから、予め定められた設定パターンP2を次回の設定パターンとして特定し、後段側記憶部332の次回設定パターンデータに設定して(S1524)、2回目以降の認証処理を行う。
【0162】
また、周辺基板330の周辺部202Aは、後段部202Bから受信した後段認証結果信号の後段認証結果情報1030が認証成立を示している場合、主制御部201から受信した制御コマンドデータ1001及び付随データ1002に対応した所定の処理の実行を可能とし、また、後段認証結果情報1030が認証成立を示していない場合、報知信号を出力する(S1512)。
【0163】
続いて、主制御基板310は、データ記憶部311の次回設定パターンデータが示す設定パターンP2を今回の設定パターンP2としてセットする(S1531)。そして、主制御基板310は、パターン情報Dから次回の設定パターンを設定パターンP3とランダムに決定して、該結果をデータ記憶部311の次回設定パターンデータに設定する(S1532)。そして、主制御基板310は、次回の設定パターンP3に対応付けられた認証値A3をデータ記憶部311から抽出する(S1533)。
【0164】
主制御基板310は、複数種類の認証情報1020の識別部1021の各々に、今回の設定パターンP2に対応した順番で認証コマンドC1,C2の各々を設定し、今回の設定パターンP2が認証コマンドC1,C2に無効データ及び有効データの設定を示していることから、その認証コマンドC1,C2の各々に対応したデータ部1022に、認証値A3とは異なる無効データと認証値A3である有効データとを認証データとして順次設定して、今回の設定パターンP2と一致する複数種類の認証情報1020C1,C2を生成する(S1534)。そして、主制御基板310は、一方に有効データが設定された認証情報1020C1,C2を周辺基板330に送信する(S1535)。
【0165】
一方、周辺基板330の周辺部202Aは、主制御基板310から受信した認証情報1020C1,C2を後段部202Bに転送する(S1541)。
【0166】
一方、周辺基板330の後段部202Bは、周辺部202Aを介して主制御基板310から複数種類の認証情報1020C1,C2を受信すると(S1551)、認証情報1020C1,C2の識別部1021に設定された認証コマンドC1,C2毎に、データ部1022の認証データと後段側記憶部332に記憶している複数の期待値とが一致するか否かに基づいて、認証データが有効であるか否かを判定し、その判定結果を後段側記憶部332等の有効判定結果情報に設定する(S1552)。そして、後段部202Bは、有効判定結果情報が示す判定結果が初期値である今回の設定パターンP2と一致しているか否かを判定し、該判定結果に基づいた主制御基板310の認証結果を示す後段認証結果データを有する後段認証結果情報1030を生成し、該後段認証結果情報1030を付加した後段認証結果信号を周辺基板330の周辺部202Aに対して送信する(S1553)。この場合、後段部202Bは、認証コマンドC1が無効、認証コマンドC2が有効である場合に、主制御基板310の認証を成立させる。そして、後段部202Bは、主制御基板310の認証が成立した場合、有効と判定した認証データ(認証値A3)と一致した後段側記憶部332の期待値B3に対応付けられた設定パターンP3と特定し、後段側記憶部332の次回設定パターンデータに設定して(S1554)、以降の認証処理を行う。
【0167】
また、周辺基板330の周辺部202Aは、後段部202Bから受信した後段認証結果信号の後段認証結果情報1030が認証成立を示している場合、主制御部201から受信した制御コマンドデータ1001及び付随データ1002に対応した所定の処理の実行を可能とし、また、後段認証結果情報1030が認証成立を示していない場合、報知信号を出力する(S1542)。
【0168】
なお、上述した認証処理手順では、認証情報1020C1,C2を設定パターンPが規定する順番で主制御基板310から周辺基板330に送信する場合について説明したが、これに代えて、送信順番を不規則に変化させてもよい。
【0169】
以上説明したぱちんこ遊技機100によれば、複数種類の設定パターンP1〜P4と複数種類の認証値A1〜A4とを一対一に対応付けておき、主制御部201が今回の設定パターンPとなるように、次回の設定パターンPに対応した認証値Aを設定して複数種類の認証情報1020を生成し、該複数種類の認証情報1020を後段部202Bに周辺部202Aを介して送信するようにしたことから、後段部202Bが複数種類の認証情報1020に設定された有効な認証値の設定パターンPに基づいて主制御部201の認証を行うことで、不正な解析者が複数種類の認証情報1020を解析するのは困難となり、不正な解析者が認証情報1020を不正に利用することを防止でき且つ不正解析者によってデータが不正に利用されたことを後段部202Bで検知することができる。さらに、複数種類の認証情報1020の数を増やすことで、設定パターンPの数も増やすことができるため、認証強度を高めることができる。また、後段部202Bがその認証値に対応した設定パターンPを期待値Bから特定して、次回の設定パターンPとすることで、ぱちんこ遊技機100における設定パターンP1〜P4の切り替えを不正な解析者が解析するのをより一層困難とすることができる。さらに、複数種類の認証値Aは予め記憶しておくことができるため、認証情報1020の生成時に複雑な演算を行う必要がないため、主制御部201の処理負担の増加を防止できる。また、後段部202Bが主制御部201に対する認証処理を行い、その後段認証結果を周辺部202Aに送信するようにしたことから、周辺部202Aは認証処理を行わずに後段認証結果を参照するだけで良いため、周辺部202AのCPUの処理付加を軽減することができる。従って、複雑な演算を用いることなく、主制御部201から周辺部202Aに送信されるデータが不正制御に利用されることを防止し且つ周辺部202AのCPUの処理負荷を軽減することができる。また、認証処理の複雑化を図っても、周辺部202Aによる演出処理に影響することはないため、セキュリティの向上及び遊技の興趣向上の双方を図ることができる。
【0170】
また、上述したぱちんこ遊技機100において、複数種類の認証情報1020に対して複数の有効な認証値Aの設定を可能としたことから、主制御部201と後段部202Bとの間で用いる設定パターンPの数を増加させることができるため、不正な解析者が複数種類の認証情報1020を解析するのはより一層困難となり、不正な解析者が認証情報1020を不正に利用することを防止でき且つ不正解析者によってデータが不正に利用されたことを後段部202Bで検知することができる。
【0171】
さらに、上述したぱちんこ遊技機100において、複数種類の認証情報1020の全てに対して無効な認証データの設定を可能とし、その場合は初期の設定パターンを次回の設定パターンPとするようにしたことから、設定パターンPの切り替えの解析をより一層困難とすることができるため、不正利用の防止且つ検知の精度向上を図ることができる。
【0172】
また、上述したぱちんこ遊技機100において、主制御部201が設定パターンPによって規定された複数種類の認証情報1020の順番で該複数種類の認証情報1020を後段部202Bに送信するようにすれば、後段部202Bは複数種類の認証情報1020の各々に設定された認証データの有効、無効のパターンとその順番に基づいて主制御部201の認証を行うことができるため、複雑な演算を用いることなく、認証精度の向上を図ることができる。
【0173】
さらに、上述したぱちんこ遊技機100において、主制御部201が生成した複数種類の認証情報1020を不規則な順番で後段部202Bに送信するようにすれば、不正な解析者が複数種類の認証情報1020を解析するのはより一層困難となり、不正な解析者が認証情報1020を不正に利用することを防止でき且つ不正解析者によってデータが不正に利用されたことを後段部202Bで検知することができる。
【0174】
[実施例2]
以下に、上述したぱちんこ遊技機100の実施例2を説明する。なお、上述した構成と同一部分については、同一の符号を付して異なる部分のみを詳細に説明する。
【0175】
(主制御基板および周辺基板の機能的構成)
まず、ぱちんこ遊技機100は、上述した図2に示す制御部200を備えている。制御部200は、主制御部201と、演出制御部(周辺部)202Aと、後段部202Bと、賞球制御部203と、を有している。そして、ぱちんこ遊技機100は、図21に示すように、主制御部201としての機能を有する主制御基板310と、上述した演出制御部202Aと後段部202Bを有する周辺基板330と、を有して構成している。そして、主制御基板310は周辺基板330と通信可能なように電気的に接続されている。
【0176】
主制御基板310は、上述したデータ記憶部311、決定部312、認証情報生成部315、主制御側送信部316と、選択部313と、を有して構成している。
【0177】
選択部313は、本発明の選択手段に相当し、データ記憶部311に記憶している複数種類の認証値の中から1つの認証値を無作為に選択する。選択部313は、乱数等を用いて1つの認証値を選択する。なお、選択部313は、設定パターンが複数の認証情報に有効データの設定を示している場合、その数に応じた複数の認証値を選択することもできる。
【0178】
上述した決定部312は、選択部313が選択した認証値に対応付けられた設定パターンを、主制御基板310の次回の認証に用いる次回の設定パターンと決定し、該決定した設定パターンを示す次回設定パターンデータをデータ記憶部311等に記憶する。
【0179】
上述した認証情報生成部315は、選択部313によって選択された認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように複数種類の認証情報を生成する。そして、予め決定された今回の設定パターンは、認証情報生成部315の1回目の処理においては、予め定められた初期値である初期設定パターンとなり、2回目以降の処理においては、前回の処理で決定された次回の設定パターンとなる。そして、設定パターンが複数の有効データの設定を示している場合、次回の設定パターンに対応付ける認証値が、予め定められた認証情報に設定され且つ今回の設定パターンで設定されるように複数種類の認証情報を生成する。
【0180】
実施例2のぱちんこ遊技機100も、実施例1と同様に、有効な認証値が設定された認証情報と無効な認証情報とを組み合わせて主制御基板310から周辺基板330の後段部202Bに周辺部202Aを介して送信し、後段部202Bはその複数種類の認証情報の設定パターンに基づいて主制御基板310の認証を行う構成を採用している。よって、ぱちんこ遊技機100は、複数種類の設定パターンを組み合わせて認証することで、セキュリティの向上を図るとともに、主制御部201から周辺基板330に単独で認証情報を送信しても、それが容易に解析されることを困難にすることができる。
【0181】
続いて、図21に示す周辺基板330の周辺部202Aは、実施例1と同様に、上述した転送部351、周辺側受信部352、処理部353を有して構成している。そして、後段部202Bも、実施例1と同様に、上述した後段側受信部331、後段側記憶部332、有効判定部333、後段認証結果データ生成部334,後段側送信部335、特定部336を有して構成している。このように周辺基板330は、実施例1と同様の構成で実現できるため、その説明は省略する。
【0182】
また、実施例2についても、主制御基板310のCPU211が請求項中の第1コンピュータ、周辺基板330の周辺部(演出制御部)202AのCPU241が請求項中の第2コンピュータ、周辺基板330の後段部202BのCPU21が請求項中の第3コンピュータとして機能させる場合について説明する。そして、主制御基板310のROM212は、前記第1コンピュータを請求項中の選択手段、認証情報生成手段、主制御側送信手段、決定手段、等の各種手段として機能させるための主制御側認証プログラムを記憶している。また、周辺基板330の周辺部202AのROM242は、前記第2コンピュータを請求項中の転送手段、周辺側受信手段、処理手段、等の各種手段として機能させるための周辺側認証プログラムを記憶している。また、周辺基板330の後段部202BのROM22は、前記第3コンピュータを請求項中の後段側受信手段、有効判定手段、後段認証結果データ生成手段と、後段側送信手段と、特定手段、等の各種手段として機能させるための後段側認証プログラムを記憶している。即ち、主制御側認証プログラムと周辺側認証プログラムと後段側認証プログラムとによって本発明の認証プログラムを構成している。
【0183】
(認証情報信号の送受信に関する処理)
以下に、主制御部201と後段部202Bとの間で行う上記認証情報信号の通信例を説明する。まず、主制御部201のCPU211(第1コンピュータ)による認証情報信号の送信手順2の一例を、図22のフローチャートを参照して説明する。
【0184】
ぱちんこ遊技機100の電源がON(投入)されると、主制御部201は図22に示す被認証処理を実行し、ステップS1601において、予め定められた認証タイミングであるか否かを判定する。主制御部201は、認証タイミングではないと判定した場合(S1601:No)、ステップS1608の処理に進む。一方、主制御部201は、認証タイミングであると判定した場合(S1601:Yes)、ステップS1602の処理に進む。
【0185】
主制御部201は、ステップS1602において、データ記憶部311の次回設定パターンデータに設定されている設定パターンを今回の設定パターンとしてセットし、その後ステップS1603の処理に進む。なお、前記次回設定パターンデータに設定パターンが設定されていない場合、即ち初回の処理では、ぱちんこ遊技機100において初期値として予め定められた初回設定パターンを今回の設定パターンとしてセットする。
【0186】
主制御部201は、ステップS1603において、データ記憶部311に記憶している複数種類の期待値の中から乱数等を用いて1つの認証値を選択してRAM213等に記憶し、その後ステップS1604の処理に進む。なお、このフローチャートでは、説明を簡単化するために、1つの認証値を選択する場合について説明するが、これに代えて、複数の認証値を選択する構成とすることもできる。
【0187】
主制御部201は、ステップS1604において、複数種類の認証情報1020の識別部1021の各々に、今回の設定パターンに対応した複数種類の認証コマンドの各々を設定し、その複数種類の認証コマンドの各々に対応したデータ部1022に、前記選択した認証値である有効データと無効データを今回の設定パターンと一致するように設定して複数種類の認証情報1020を生成してデータ記憶部311等に記憶し、その後ステップS1605の処理に進む。
【0188】
なお、設定パターンが複数種類の認証情報1020の順番を規定している場合、主制御部201は、その順番となるように複数種類の認証情報1020を生成する。また、複数種類の認証情報1020を不規則な順番で生成する場合、例えば複数種類の認証コマンドC1〜C5の順番が入れ替わるように複数種類の認証情報1020を生成する。また、複数種類の認証情報1020の中に有効な認証値を複数設定する場合、ぱちんこ遊技機100において予め定められた認証情報1020に設定された認証値を用いる。
【0189】
主制御部201は、ステップS1605において、前記生成した複数種類の認証情報1020を、周辺部との間で予め定められた暗号化方法で暗号化し、ステップS1606において、前記暗号化した複数種類の認証情報1020の各々に基づいて認証情報信号を生成して主制御側送信部316から後段部202Bに周辺部202Aを介して送信し、その後ステップS1607の処理に進む。なお、主制御部201と後段部202Bとの間で暗号化が不要な場合は、ステップS1605の処理を削除して、複数種類の認証情報1020をそのまま周辺部に送信する。
【0190】
主制御部201は、ステップS1607において、パターン情報Dが示す複数種類の設定パターンPの中から、前記選択した認証値に対応した設定パターンを特定し、該特定した設定パターンを主制御部201の次回の認証に用いる次回の設定パターンとしてデータ記憶部311の次回設定パターンデータに設定し、その後ステップS1608の処理に進む。
【0191】
主制御部201は、ステップS1608において、ぱちんこ遊技機100の電源がオフされたか否かを判定する。そして、主制御部201は、電源がオフされていないと判定した場合(S1608:No)、ステップS1601の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、主制御部201は、電源がオフされたと判定した場合(S1608:Yes)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0192】
続いて、周辺基板330における周辺部202AのCPU241(第2コンピュータ)が行う上記制御信号と上記後段認証結果信号の受信処理の手順、及び、後段部202BのCPU21(第3コンピュータ)が行う前記認証情報信号の受信処理の手順は、実施例1の図19に示す処理、及び、図18に示す認証側処理をそのまま用いることができるため、詳細な説明は省略する。
【0193】
(複数種類の認証情報を用いた認証処理手順例2)
次に、図15に示すパターン情報Dを用いて、複数種類の設定パターンP1〜P4を切り替えて主制御基板310の認証を行う場合の処理手順2の一例を、図23の図面を参照して説明する。
【0194】
図23において、被認証者である主制御基板310は、予め定められた今回の設定パターンP2をパターン情報Dからセットする(S1701)。そして、主制御基板310は、複数種類の認証値A1〜A4の中からランダムに1つの認証値A2を抽出する(S1702)。
【0195】
主制御基板310は、複数種類の認証情報1020の識別部1021の各々に、今回の設定パターンP2に対応した順番で認証コマンドC1,C2の各々を設定し、今回の設定パターンP2が認証コマンドC1,C2に無効データ及び有効データの設定を示していることから、その認証コマンドC1,C2の各々に対応したデータ部1022に、認証値A3とは異なる無効データと認証値A2である有効データとを認証データとして順次設定して、今回の設定パターンP2と一致する複数種類の認証情報1020C1,C2を生成する(S1703)。そして、主制御基板310は、一方に有効データが設定された認証情報1020C1,C2を周辺基板330の後段部202Bに周辺部202Aを介して送信する(S1704)。そして、主制御基板310は、選択した認証値A2に対応付けられた設定パターンP2を、主制御基板310の次回の認証に用いる次回の設定パターンと決定し、該結果をデータ記憶部311の次回設定パターンデータに設定する(S1705)。即ち、主制御基板310は次回の認証処理においても、設定パターンP2を継続して用いることになる。
【0196】
このように認証処理手順では、認証コマンドC1,C2の各々に対応した認証情報1020をそれぞれ認証情報1020C1,C2と表している。そして、認証情報1020C1,C2はその順番で送信する場合について説明するが、その順番を逆にしてもよい。
【0197】
一方、周辺基板330の周辺部202Aは、主制御基板310から受信した認証情報1020C1,C2を後段部202Bに転送する(S1711)。
【0198】
一方、周辺基板330の後段部202Bは、周辺部202Aから複数種類の認証情報1020C1,C2を受信すると(S1721)、認証情報1020C1,C2の識別部1021に設定された認証コマンドC1,C2毎に、データ部1022の認証データと後段側記憶部332に記憶している複数の期待値とが一致するか否かに基づいて、認証データが有効であるか否かを判定し、その判定結果を後段側記憶部332等の有効判定結果情報に設定する(S1722)。そして、後段部202Bは、有効判定結果情報が示す判定結果が初期値である今回の設定パターンP1と一致しているか否かを判定し、該判定結果に基づいた主制御基板310の認証結果を示す後段認証結果データを有する後段認証結果情報1030を生成し、該後段認証結果情報1030を付加した後段認証結果信号を周辺基板330の周辺部202Aに対して送信する(S1723)。この場合、後段部202Bは、認証コマンドC1が無効、認証コマンドC2が有効である場合に、主制御基板310の認証を成立させる。そして、後段部202Bは、有効と判定した認証データ(認証値A2)と一致した後段側記憶部332の期待値B2に対応付けられた設定パターンP2と特定し、後段側記憶部332の次回設定パターンデータに設定して(S1724)、2回目以降の認証処理を行う。
【0199】
また、周辺基板330の周辺部202Aは、後段部202Bから受信した後段認証結果信号の後段認証結果情報1030が認証成立を示している場合、主制御部201から受信した制御コマンドデータ1001及び付随データ1002に対応した所定の処理の実行を可能とし、また、後段認証結果情報1030が認証成立を示していない場合、報知信号を出力する(S1712)。
【0200】
続いて、主制御基板310は、データ記憶部311の次回設定パターンデータが示す設定パターンP2を今回の設定パターンP2としてセットする(S1731)。そして、主制御基板310は、複数種類の認証値A1〜A4の中からランダムに1つの認証値A4を抽出する(S1732)。
【0201】
主制御基板310は、複数種類の認証情報1020の識別部1021の各々に、今回の設定パターンP2に対応した順番で認証コマンドC1,C2の各々を設定し、今回の設定パターンP2が認証コマンドC1,C2に無効データ及び有効データの設定を示していることから、その認証コマンドC1,C2の各々に対応したデータ部1022に、認証値A4とは異なる無効データと認証値A4である有効データとを認証データとして順次設定して、今回の設定パターンP2と一致する複数種類の認証情報1020C1,C2を生成する(S1733)。そして、主制御基板310は、一方に有効データが設定された認証情報1020C1,C2を周辺基板330の後段部202Bに周辺部202Aを介して送信する(S1734)。そして、主制御基板310は、選択した認証値A4に対応付けられた設定パターンP4を、主制御基板310の次回の認証に用いる次回の設定パターンと決定し、該結果をデータ記憶部311の次回設定パターンデータに設定する(S1735)。即ち、次回の認証処理においては、設定パターンP2から設定パターンP4に切り替えることになる。
【0202】
一方、周辺基板330の周辺部202Aは、主制御基板310から受信した認証情報1020C1,C2を後段部202Bに転送する(S1741)。
【0203】
一方、周辺基板330の後段部202Bは、主制御基板310から複数種類の認証情報1020C1,C2を受信すると(S1751)、認証情報1020C1,C2の識別部1021に設定された認証コマンドC1,C2毎に、データ部1022の認証データと後段側記憶部332に記憶している複数の期待値とが一致するか否かに基づいて、認証データが有効であるか否かを判定し、その判定結果を後段側記憶部332等の有効判定結果情報に設定する(S1752)。そして、後段部202Bは、有効判定結果情報が示す判定結果が今回の設定パターンP2と一致しているか否かを判定し、該判定結果に基づいた主制御基板310の認証結果を示す後段認証結果データを有する後段認証結果情報1030を生成し、該後段認証結果情報1030を付加した後段認証結果信号を周辺基板330の周辺部202Aに対して送信する(S1753)。この場合、後段部202Bは、認証コマンドC1が無効、認証コマンドC2が有効である場合に、主制御基板310の認証を成立させる。そして、後段部202Bは、有効と判定した認証データ(認証値A4)と一致した後段側記憶部332の期待値B4に対応付けられた設定パターンP4を特定し、後段側記憶部332の次回設定パターンデータに設定して(S1754)、以降の認証処理を行う。
【0204】
また、周辺基板330の周辺部202Aは、後段部202Bから受信した後段認証結果信号の後段認証結果情報1030が認証成立を示している場合、主制御部201から受信した制御コマンドデータ1001及び付随データ1002に対応した所定の処理の実行を可能とし、また、後段認証結果情報1030が認証成立を示していない場合、報知信号を出力する(S1742)。
【0205】
なお、上述した認証処理手順2では、認証情報1020C1,C2を設定パターンPが規定する順番で主制御基板310から周辺基板330に送信する場合について説明したが、これに代えて、送信順番を不規則に変化させてもよい。
【0206】
以上説明したぱちんこ遊技機100によれば、複数種類の設定パターンP1〜P4と複数種類の認証値A1〜A4とを一対一に対応付けておき、主制御部201が今回の設定パターンPとなるように、次回の設定パターンPに対応した認証値Aを設定して複数種類の認証情報1020を生成し、該複数種類の認証情報1020を後段部202Bに周辺部202Aを介して送信するようにしたことから、後段部202Bが複数種類の認証情報1020に設定された有効な認証値の設定パターンPに基づいて主制御部201の認証を行うことで、不正な解析者が複数種類の認証情報1020を解析するのは困難となり、不正な解析者が認証情報1020を不正に利用することを防止でき且つ不正解析者によってデータが不正に利用されたことを後段部202Bで検知することができる。さらに、複数種類の認証情報1020の数を増やすことで、設定パターンPの数も増やすことができるため、認証強度を高めることができる。また、後段部202Bがその認証値に対応した設定パターンPを期待値Bから特定して、次回の設定パターンPとすることで、ぱちんこ遊技機100における設定パターンP1〜P4の切り替えを不正な解析者が解析するのをより一層困難とすることができる。さらに、複数種類の認証値Aは予め記憶しておくことができるため、認証情報1020の生成時に複雑な演算を行う必要がないため、主制御部201の処理負担の増加を防止できる。また、後段部202Bが主制御部201に対する認証処理を行い、その後段認証結果を周辺部202Aに送信するようにしたことから、周辺部202Aは認証処理を行わずに後段認証結果を参照するだけで良いため、周辺部202AのCPUの処理付加を軽減することができる。従って、複雑な演算を用いることなく、主制御部201から周辺部202Aに送信されるデータが不正制御に利用されることを防止し且つ周辺部202AのCPUの処理負荷を軽減することができる。また、認証処理の複雑化を図っても、周辺部202Aによる演出処理に影響することはないため、セキュリティの向上及び遊技の興趣向上の双方を図ることができる。
【0207】
また、上述したぱちんこ遊技機100において、複数種類の認証情報1020に対して複数の有効な認証値Aの設定を可能としたことから、主制御部201と後段部202Bとの間で用いる設定パターンPの数を増加させることができるため、不正な解析者が複数種類の認証情報1020を解析するのはより一層困難となり、不正な解析者が認証情報1020を不正に利用することを防止でき且つ不正解析者によってデータが不正に利用されたことを後段部202Bで検知することができる。
【0208】
さらに、上述したぱちんこ遊技機100において、複数種類の認証情報1020の全てに対して無効な認証データの設定を可能とし、その場合は初期の設定パターンを次回の設定パターンPとするようにしたことから、設定パターンPの切り替えの解析をより一層困難とすることができるため、不正利用の防止且つ検知の精度向上を図ることができる。
【0209】
また、上述したぱちんこ遊技機100において、主制御部201が設定パターンPによって規定された複数種類の認証情報1020の順番で該複数種類の認証情報1020を後段部202Bに送信するようにすれば、後段部202Bは複数種類の認証情報1020の各々に設定された認証データの有効、無効のパターンとその順番に基づいて主制御部201の認証を行うことができるため、複雑な演算を用いることなく、認証精度の向上を図ることができる。
【0210】
さらに、上述したぱちんこ遊技機100において、主制御部201が生成した複数種類の認証情報1020を不規則な順番で後段部202Bに送信するようにすれば、不正な解析者が複数種類の認証情報1020を解析するのはより一層困難となり、不正な解析者が認証情報1020を不正に利用することを防止でき且つ不正解析者によってデータが不正に利用されたことを後段部202Bで検知することができる。
【0211】
なお、本実施形態で説明した主制御部及び周辺部の制御方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な電送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0212】
以上のように、本発明は、主制御部への不正が懸念される遊技機やその遊技機に搭載される制御基板に有用であり、特に、ぱちんこ遊技機、スロット遊技機、雀球遊技機、その他各種の遊技機に適用することができる。これらの遊技機においても、上記各実施の形態と同様に構成することにより、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0213】
100 ぱちんこ遊技機
201 主制御部
202A 周辺部(演出制御部)
202B 後段部
310 主制御基板
311 データ記憶部
312 決定部
313 選択部
314 認証値抽出部
315 認証情報生成部
316 主制御側送信部
330 周辺基板
331 後段側受信部
332 後段側記憶部
333 有効判定部
334 後段認証結果データ生成部
335 後段側送信部
336 特定部
351 転送部
352 周辺側受信部
352 処理部
1020 認証情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された制御コマンドに基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機において、
前記主制御部は、
前記主制御部の認証に用いる複数種類の認証情報の中で、前記複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示すパターン情報を記憶するパターン情報記憶手段と、
前記パターン情報が示す前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた複数種類の認証値を記憶する認証値記憶手段と、
前記主制御部の次回の認証に用いる次回の前記設定パターンを前記パターン情報から決定する決定手段と、
前記決定した次回の設定パターンに対応付けられた前記認証値を前記認証値記憶手段から抽出する認証値抽出手段と、
前記抽出した認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する認証情報生成手段と、
前記生成した複数種類の認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信手段と、を備え、
前記後段部は、
前記複数種類の認証値の各々と一致し且つ前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた期待値を複数記憶する期待値記憶手段と、
前記周辺部から転送された前記複数種類の認証情報を受信する後段側受信手段と、
前記受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データと前記期待値記憶手段に記憶している複数の期待値とを比較して、前記期待値と一致した前記認証データを有効と判定する有効判定手段と、
前記有効判定手段の判定結果と予め特定された今回の前記設定パターンとが一致するか否かに基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成手段と、
前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信手段と、
前記主制御部の認証が成立した場合に、前記認証値である前記認証データと一致した前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該特定した設定パターンを次回の設定パターンとする特定手段と、を備え、
前記周辺部は、
前記主制御部から受信した前記複数種類の認証情報を前記後段部に転送する転送手段と、
前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信手段と、
前記受信した後段認証結果データに応じて前記所定の処理を行う処理手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記設定パターンは、前記複数種類の認証情報に対して複数の有効な前記認証値の設定を示す構成を有し、
前記主制御部の認証情報生成手段は、前記次回の設定パターンに対応した前記認証値が、予め定められた前記認証情報に設定され且つ前記今回の設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する手段であり、
前記後段部の特定手段は、予め定められた前記認証情報に設定された認証値と一致する前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該設定パターンを次回の設定パターンとする手段であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された制御コマンドに基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機において、
前記主制御部は、
前記主制御部の認証に用いる複数種類の認証情報の中で、前記複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示すパターン情報を記憶するパターン情報記憶手段と、
前記パターン情報が示す前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた複数種類の認証値を記憶する認証値記憶手段と、
前記複数種類の認証値の中から認証値を無作為に選択する選択手段と、
前記選択した認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する認証情報生成手段と、
前記生成した複数種類の認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信手段と、
前記選択した認証値に対応付けられた前記設定パターンを、前記主制御部の次回の認証に用いる次回の前記設定パターンと決定する決定手段と、を備え、
前記後段部は、
前記複数種類の認証値の各々と一致し且つ前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた期待値を複数記憶する期待値記憶手段と、
前記周辺部から転送された前記複数種類の認証情報を受信する後段側受信手段と、
前記受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データと前記期待値記憶手段に記憶している複数の期待値とを比較して、前記期待値と一致した前記認証データを有効と判定する有効判定手段と、
前記有効判定手段の判定結果と予め特定された今回の前記設定パターンとが一致するか否かに基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成手段と、
前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信手段と、
前記主制御部の認証が成立した場合に、前記認証値である前記認証データと一致した前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該特定した設定パターンを次回の設定パターンとする特定手段と、を備え、
前記周辺部は、
前記主制御部から受信した前記複数種類の認証情報を前記後段部に転送する転送手段と、
前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信手段と、
前記受信した後段認証結果データに応じて前記所定の処理を行う処理手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
前記設定パターンは、前記複数種類の認証情報に対して複数の有効な前記認証値の設定を示す構成を有し、
前記主制御部の認証情報生成手段は、前記選択した前記認証値が、予め定められた前記認証情報に設定され且つ前記今回の設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する手段であり、
前記後段部の特定手段は、予め定められた前記認証情報に設定された認証値と一致する前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該設定パターンを次回の設定パターンとする手段であることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記設定パターンは、前記複数種類の認証情報の全てに対して無効な前記認証データの設定を示す構成を有し、
前記今回の設定パターンが前記複数種類の認証情報の全てに対して前記無効な認証データの設定を示している場合、
前記主制御部の認証情報生成手段は、前記無効な認証データを前記複数種類の認証情報の各々に設定する手段であり、
前記主制御部の決定手段は、予め定められた初期の前記設定パターンを次回の設定パターンと決定する手段であり、そして、
前記後段部の特定手段は、前記予め定められた初期の前記設定パターンを次回の設定パターンと特定する手段であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記設定パターンは、前記複数種類の認証情報の順番を規定する構成を有し、
前記認証情報生成手段は、前記複数種類の認証情報を前記設定パターンが示す順番で順次生成する手段であり、
前記主制御側送信手段は、前記複数種類の認証情報が生成された順番で前記後段部に前記周辺部を介して送信する手段であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記認証情報生成手段は、前記複数種類の認証情報を不規則な順番で生成する手段であり、
前記主制御側送信手段は、前記複数種類の認証情報が生成された順番で前記後段部に前記周辺部を介して送信する手段であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項8】
周辺部と後段部とからなる周辺基板を備える遊技機に用いられ、前記遊技機における所定の処理を行わせる制御コマンドを前記周辺部に送信し、且つ、前記後段部によって認証される主制御基板において、
前記主制御部の認証に用いる複数種類の認証情報の中で、前記複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示すパターン情報を記憶するパターン情報記憶手段と、
前記パターン情報が示す前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた複数種類の認証値を記憶する認証値記憶手段と、
前記主制御部の次回の認証に用いる次回の前記設定パターンを前記パターン情報から決定する決定手段と、
前記決定した次回の設定パターンに対応付けられた前記認証値を前記認証値記憶手段から抽出する認証値抽出手段と、
前記抽出した認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する認証情報生成手段と、
前記生成した複数種類の認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信手段と、を備えることを特徴とする主制御基板。
【請求項9】
周辺部と後段部とからなる周辺基板を備える遊技機に用いられ、前記遊技機における所定の処理を行わせる制御コマンドを前記周辺部に送信し、且つ、前記後段部によって認証される主制御基板において、
前記主制御部の認証に用いる複数種類の認証情報の中で、前記複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示すパターン情報を記憶するパターン情報記憶手段と、
前記パターン情報が示す前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた複数種類の認証値を記憶する認証値記憶手段と、
前記複数種類の認証値の中から認証値を無作為に選択する選択手段と、
前記選択した認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する認証情報生成手段と、
前記生成した複数種類の認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信手段と、
前記選択した認証値に対応付けられた前記設定パターンを、前記主制御部の次回の認証に用いる次回の前記設定パターンと決定する決定手段と、を備えることを特徴とする主制御基板。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の主制御基板を備える遊技機に搭載されて、前記主制御基板によって送信された制御コマンドに基づいて所定の処理を行う周辺基板において、
前記後段部は、
前記複数種類の認証値の各々と一致し且つ前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた期待値を複数記憶する期待値記憶手段と、
前記周辺部から転送された前記複数種類の認証情報を受信する後段側受信手段と、
前記受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データと前記期待値記憶手段に記憶している複数の期待値とを比較して、前記期待値と一致した前記認証データを有効と判定する有効判定手段と、
前記有効判定手段の判定結果と予め特定された今回の前記設定パターンとが一致するか否かに基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成手段と、
前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信手段と、
前記主制御部の認証が成立した場合に、前記認証値である前記認証データと一致した前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該特定した設定パターンを次回の設定パターンとする特定手段と、を備え、
前記周辺部は、
前記主制御部から受信した前記複数種類の認証情報を前記後段部に転送する転送手段と、
前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信手段と、
前記受信した後段認証結果データに応じて前記所定の処理を行う処理手段と、を備えることを特徴とする周辺基板。
【請求項11】
制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された制御コマンドに基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機の認証方法において、
前記主制御部は、
パターン情報記憶手段が記憶し且つ前記主制御部の認証に用いる複数種類の認証情報の中で前記複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示すパターン情報から、前記主制御部の次回の認証に用いる次回の前記設定パターンを決定する決定工程と、
前記パターン情報が示す前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた複数種類の認証値を記憶する認証値記憶手段から、前記決定した次回の設定パターンに対応付けられた前記認証値を抽出する認証値抽出工程と、
前記抽出した認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する認証情報生成工程と、
前記生成した複数種類の認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信工程と、を備え、
前記後段部は、
前記周辺部から転送された前記複数種類の認証情報を受信する後段側受信工程と、
前記複数種類の認証値の各々と一致し且つ前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられて期待値記憶手段に記憶された複数の期待値と前記受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データとを比較して、前記期待値と一致した前記認証データを有効と判定する有効判定工程と、
前記有効判定工程の判定結果と予め特定された今回の前記設定パターンとが一致するか否かに基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成工程と、
前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信工程と、
前記主制御部の認証が成立した場合に、前記認証値である前記認証データと一致した前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該特定した設定パターンを次回の設定パターンとする特定工程と、を備え、
前記周辺部は、
前記主制御部から受信した前記複数種類の認証情報を前記後段部に転送する転送工程と、
前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信工程と、
前記受信した後段認証結果データに応じて前記所定の処理を行う処理工程と、を備えることを特徴とする遊技機の認証方法。
【請求項12】
制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された制御コマンドに基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機の認証方法において、
前記主制御部は、
前記主制御部の認証に用いる複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定するパターン情報が示す複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられて、認証値記憶手段が記憶している複数種類の認証値の中から認証値を無作為に選択する選択工程と、
前記選択した認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する認証情報生成工程と、
前記生成した複数種類の認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信工程と、
前記選択した認証値に対応付けられた前記設定パターンを、前記主制御部の次回の認証に用いる次回の前記設定パターンと決定する決定工程と、を備え、
前記後段部は、
前記周辺部から転送された前記複数種類の認証情報を受信する後段側受信工程と、
前記複数種類の認証値の各々と一致し且つ前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられて期待値記憶手段に記憶された複数の期待値と前記受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データとを比較して、前記期待値と一致した前記認証データを有効と判定する有効判定工程と、
前記有効判定工程の判定結果と予め特定された今回の前記設定パターンとが一致するか否かに基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成工程と、
前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信工程と、
前記主制御部の認証が成立した場合に、前記認証値である前記認証データと一致した前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該特定した設定パターンを次回の設定パターンとする特定工程と、を備え、
前記周辺部は、
前記主制御部から受信した前記複数種類の認証情報を前記後段部に転送する転送工程と、
前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信工程と、
前記受信した後段認証結果データに応じて前記所定の処理を行う処理工程と、を備えることを特徴とする遊技機の認証方法。
【請求項13】
制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された制御コマンドに基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機の認証プログラムであって、
前記主制御部の第1コンピュータを、
パターン情報記憶手段が記憶し且つ前記主制御部の認証に用いる複数種類の認証情報の中で前記複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定する複数種類の設定パターンを示すパターン情報から、前記主制御部の次回の認証に用いる次回の前記設定パターンを決定する決定手段と、
前記パターン情報が示す前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられた複数種類の認証値を記憶する認証値記憶手段から、前記決定した次回の設定パターンに対応付けられた前記認証値を抽出する認証値抽出手段と、
前記抽出した認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する認証情報生成手段と、
前記生成した複数種類の認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信手段として機能させ、
前記後段部の第3コンピュータを、
前記周辺部から転送された前記複数種類の認証情報を受信する後段側受信手段と、
前記複数種類の認証値の各々と一致し且つ前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられて期待値記憶手段に記憶された複数の期待値と前記受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データとを比較して、前記期待値と一致した前記認証データを有効と判定する有効判定手段と、
前記有効判定手段の判定結果と予め特定された今回の前記設定パターンとが一致するか否かに基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成手段と、
前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信手段と、
前記主制御部の認証が成立した場合に、前記認証値である前記認証データと一致した前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該特定した設定パターンを次回の設定パターンとする特定手段として機能させ、そして、
前記周辺部の第2コンピュータを、
前記主制御部から受信した前記複数種類の認証情報を前記後段部に転送する転送手段と、
前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信手段と、
前記受信した後段認証結果データに応じて前記所定の処理を行う処理手段として機能させるための遊技機の認証プログラム。
【請求項14】
制御コマンドを送信する主制御部と、前記主制御部によって送信された制御コマンドに基づいて所定の処理を行う周辺部と、前記主制御部の認証を行う後段部と、を備える遊技機の認証プログラムであって、
前記主制御部の第1コンピュータを、
前記主制御部の認証に用いる複数種類の認証情報の各々に有効な認証値を設定するパターン情報が示す複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられて、認証値記憶手段が記憶している複数種類の認証値の中から認証値を無作為に選択する選択手段と、
前記選択した認証値が予め決定された今回の前記設定パターンで設定されるように前記複数種類の認証情報を生成する認証情報生成手段と、
前記生成した複数種類の認証情報を前記後段部に前記周辺部を介して送信する主制御側送信手段と、
前記選択した認証値に対応付けられた前記設定パターンを、前記主制御部の次回の認証に用いる次回の前記設定パターンと決定する決定手段として機能させ、
前記後段部の第3コンピュータを、
前記周辺部から転送された前記複数種類の認証情報を受信する後段側受信手段と、
前記複数種類の認証値の各々と一致し且つ前記複数種類の設定パターンの各々と一対一に対応付けられて期待値記憶手段に記憶された複数の期待値と前記受信した複数種類の認証情報の各々に設定されている認証データとを比較して、前記期待値と一致した前記認証データを有効と判定する有効判定手段と、
前記有効判定手段の判定結果と予め特定された今回の前記設定パターンとが一致するか否かに基づいた前記主制御部の認証結果を示す後段認証結果データを生成する後段認証結果データ生成手段と、
前記生成した後段認証結果データを前記周辺部に送信する後段側送信手段と、
前記主制御部の認証が成立した場合に、前記認証値である前記認証データと一致した前記期待値に対応付けられた前記設定パターンを特定し、該特定した設定パターンを次回の設定パターンとする特定手段として機能させ、そして、
前記周辺部の第2コンピュータを、
前記主制御部から受信した前記複数種類の認証情報を前記後段部に転送する転送手段と、
前記後段部から前記後段認証結果データを受信する周辺側受信手段と、
前記受信した後段認証結果データに応じて前記所定の処理を行う処理手段として機能させるための遊技機の認証プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−29778(P2012−29778A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170492(P2010−170492)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【出願人】(300023383)株式会社トリニティーセキュリティーシステムズ (376)
【Fターム(参考)】