説明

遊技機、管理装置及び遊技装置

【課題】封入球式の遊技機において、釘調整後等に行う試し打ちの作業を合理化する。
【解決手段】封入球式の遊技機であって、遊技機が発生する情報を管理可能であるとともに当該遊技機が発生する情報と予め定められた目標値とを比較して、当該遊技機が発生する情報と該目標値との差が所定値を越えた場合、該当する遊技機を特定して報知する報知手段を備えた管理装置に対して前記遊技機が発生する情報を送信可能な送信手段を備え、該送信手段は、前記遊技機が発生する情報を前記管理装置に対して、当該遊技機に接続されるサンド装置を介して送信可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を循環利用するとともに、特別遊技状態を発生する遊技機、管理装置及び当該遊技機を有する遊技装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技球を用いる遊技機においては、遊技球が発射されて遊技を行う遊技領域が前面側に設けられた遊技盤に、遊技領域を流下する遊技球に接触することで、遊技球の流下方向を変換する釘、風車等の入賞率調整部材が設けられている。入賞率調整部材の遊技盤面に対する角度等を調整すること、すなわち釘調整をすることで、遊技領域に設けられた各種入賞口への入賞率やゲートへの通過率が調整可能になっている。これら入賞率調整部材の調整は基本的に経験に基づいて行われるので、調整後の入賞率を確認するためには、多数の遊技球を試し打ちする必要があった。
【0003】
従来、釘調整を行った遊技機に対する試し打ちを行う場合、遊技店の従業員が遊技球を発射するためのハンドル操作を行ったり、遊技機のハンドルを回転させた状態で固定するとともにタッチセンサを短絡して遊技球の発射を許可するON状態とし、複数の従業員の監視下で遊技球を発射させたりしているが、試し打ち中に上皿の遊技球が不足した場合は、その都度、従業員が上皿に遊技球を補給して、補給した遊技球数を記録していた。そして、試し打ち終了後に、記憶した補給遊技球数(入球数)と、賞球として球箱に排出された遊技球数(出球数)から、適切な釘調整が行われているかを判断しなければならなかった。
【0004】
このため、試し打ち中の従業員の作業を軽減させることを目的として、遊技機での球貸し操作を検出して、遊技機の上皿に遊技球を補給するように指令するとともに、補給した遊技球数を球貸し操作の回数から算出する試し打ち用球補給ユニットを、カード式玉貸機に代って遊技機に接続することにより、試し打ち期間中の上皿への遊技球の補給作業と、補給した遊技球数の管理を簡素化するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、パチンコ遊技機として、外部から球を供給することなく、パチンコ遊技機内に封入された遊技球を循環利用する封入球式のパチンコ遊技機も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。もし、このような遊技機で試し打ちを行うものとすれば、遊技球を遊技領域に多数発射するものとしても遊技球を補給する必要がなく、遊技店の従業員に遊技球を補給する手間がかかることがない。
なお、入球数は、遊技機で遊技領域に発射した遊技球数の値を示し、出球数は、遊技領域に発射した遊技球が入賞して払い出された賞球数を積算した値を示し、入球数から出球数を引いた値が差球数となり、これが釘調整が適切か否かの判断材料の1つとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−168665号公報(第3−4頁,図1)
【特許文献2】特開2002−827号公報(第3−4頁,図12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した試し打ち用球補給ユニットにおいては、一度の球貸し操作で上皿に補給される遊技球数には限りがあるため、それ以上の遊技球により試し打ちを行いたい場合は、従業員が上皿の遊技球残数を監視しながら球貸し操作を繰り返す必要があるため、試し打ち開始後の従業員の作業が完全になくなる訳ではなかった。また、遊技機とカード式玉貸機とを分離させてから遊技機と試し打ち用球補給ユニットを接続して、試し打ちが終了した後には、遊技機とカード式玉貸機を再度接続しなおす必要があり、試し打ち期間中の作業が簡素化されたとしても、それ以外の面倒な作業が増えてしまい、従業員の負担が却って多くなる。
【0008】
また、封入球式の遊技機の場合は、遊技者の保有する遊技球の発射の権利となる持球数が0となるまで、遊技球の発射が可能なので、持球数の数値を高く設定すれば、基本的に試し打ち中に従業員の作業は必要となることはない。しかし、試し打ちの開始時には、上述のハンドルの固定と、タッチセンサの短絡とを行う必要があり、試し打ちの終了時には、ハンドルとタッチセンサを元の状態に復帰させる必要がある。
ここで、通常通り営業している遊技店においては、釘調整及び試し打ちは、基本的に、遊技店の営業開始前、すなわち、前日の営業終了後の深夜に行われるので、試し打ちの終了時に多くの作業が必要となると、複数の従業員を深夜に待機させておく必要があり、試し打ち中に必要な作業がほとんどなくても、従業員の負担となる。
【0009】
この発明の課題は、封入球式の遊技機において、釘調整後等に行う試し打ちの作業を合理化することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、
球貸操作により発生する遊技価値情報から遊技に使用可能な遊技球数である持球数のデータに変換するとともに、該持球数が1以上の場合、封入した遊技球を発射位置に供給し、該遊技球を発射位置が遊技領域に向けて発射するように制御し、発射された遊技球数に対応して該持球数を減算する一方、発射された遊技球が該遊技領域に設けられた入賞領域に入賞した場合は、賞球を払い出すことなく該持球数のデータに賞球数を加算するようにした遊技機であって、
遊技機が発生する情報を管理可能であるとともに当該遊技機が発生する情報と予め定められた目標値とを比較して、当該遊技機が発生する情報と該目標値との差が所定値を越えた場合、該当する遊技機を特定して報知する報知手段を備えた管理装置に対して前記遊技機が発生する情報を送信可能な送信手段を備え、
該送信手段は、前記遊技機が発生する情報を前記管理装置に対して、当該遊技機に接続されるサンド装置を介して送信可能であることを特徴とする。
【0011】
ここで、遊技機とは、遊技球を循環使用する封入球式のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の弾球遊技機である。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の遊技機において、前記サンド装置は球貸機であることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の遊技機において、前記送信手段は、前記遊技機が発生する情報を前記サンド装置にシリアル通信で送信することを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、
請求項3に記載の遊技機を含む遊技装置であって、
前記サンド装置と前記管理装置は通信ボックスを介して接続され、前記サンド装置と前記通信ボックスはシリアル通信可能に接続されるとともに前記通信ボックスと前記管理装置はLANにより接続されていることを特徴とする。
【0015】
ここで、遊技装置とは、前記遊技機単独で構成されるものであっても良いし、遊技機に接続された管理装置等の機能を含んでいても良い。すなわち、本発明の遊技装置の構成要素が、全て遊技機に含まれていても良いし、遊技機の外部にあっても機能する構成要素が、遊技機外部に有って、遊技機外部の構成要素と遊技機の構成要素とから本発明の遊技装置が構成されていても良い。
【0016】
請求項5記載の発明は、
球貸操作により発生する遊技価値情報から遊技に使用可能な遊技球数である持球数のデータに変換するとともに、該持球数が1以上の場合、封入した遊技球を発射位置に供給し、該遊技球を発射位置が遊技領域に向けて発射するように制御し、発射された遊技球数に対応して該持球数を減算する一方、発射された遊技球が該遊技領域に設けられた入賞領域に入賞した場合は、賞球を払い出すことなく該持球数のデータに賞球数を加算するようにした遊技機が発生する情報を管理可能である管理装置であって、
前記遊技機が発生する情報と予め定められた目標値とを比較して、当該遊技機が発生する情報と該目標値との差が所定値を越えた場合、該当する遊技機を特定して報知する報知手段を備え、
前記遊技機が備える送信手段によって送信される当該遊技機が発生する情報を、当該遊技機に接続されるサンド装置を介して受信可能であることを特徴とする。
【0017】
このように、遊技機が発生する情報と目標値との差が所定値を越えた場合に該当する遊技機を特定して報知する報知手段を備えた管理装置に対してサンド装置を介して遊技機が発生する情報を送信可能としたので、入賞率の調整が必要な遊技機が容易にわかるようになり、作業効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、入賞率の調整が必要な遊技機が容易にわかるようになり、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態のガラス枠を開放した封入球式遊技機を示す斜視図である。
【図2】ガラス枠を閉鎖した状態の封入球式遊技機を示す斜視図である。
【図3】封入球式遊技機の背面図である。
【図4】封入球式遊技機の裏面下部を示す要部斜視図である。
【図5】封入球循環ユニットを示す背面図である。
【図6】封入球循環ユニットの前壁部材の内面を示す図である。
【図7】封入球循環ユニットを示す分解斜視図である。
【図8】封入球式遊技機の制御系のブロック図である。
【図9】遊技場の管理システムを示すブロック図である。
【図10】所定数の遊技球数を指定して自動運転を行う際に、タッチパネル表示ユニットに表示される操作画面を示す図である。
【図11】所定数の特賞回数を指定して自動運転を行う際に、タッチパネル表示ユニットに表示される操作画面を示す図である。
【図12】入賞率関連データを表示させる際に、タッチパネル表示ユニットに表示される操作画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施の形態においては、本発明の遊技装置の少なくとも一部である遊技機として封入球式遊技機を用いている。
この封入球式遊技機はパチンコ遊技機であって、例えば、遊技内容等は、従来のパチンコ遊技機と同様とすることが可能となっているとともに、外形等のサイズも同様となっており、パチンコ遊技店の現状の島設備に設置可能となっているが、島設備の球供給機構や球排出機構を用いることがないものとなっている。すなわち、封入球式遊技機は、予め封入された遊技球を用いる。また、封入球式遊技機は、例えば、球貸機等への現金の投入等により発生する遊技価値情報(例えば、金額情報)を入力し、遊技価値情報を遊技に使用可能な遊技球数(遊技媒体数)である持球数のデータに変換し、このデータに対応して封入された遊技球を遊技領域に発射可能とし、遊技球を発射すると発射された遊技球数に対応して持球数のデータを減算するようになっている。また、発射された遊技球が各種入賞口や変動入賞装置等の入賞具に入賞して賞球(遊技球)が発生した場合は、実際の遊技球を払い出すことなく、前記持球数のデータに賞球数が加算されるようになっている。また、持球数のデータが0となると、遊技球の発射ができない状態となる。この状態で遊技価値情報としての金額情報や貯球された遊技媒体数の情報等を遊技媒体数のデータに変換すると、持球数のデータに変換された遊技媒体数のデータが加算され、再び遊技球の発射が可能となる。
【0021】
すなわち、封入球式遊技機は、遊技者の保有する持球数により遊技可能になり、前記発射により持球数から減算処理し、遊技球の入賞により持球数に加算処理するものである。また、発射された遊技球は、遊技領域に至って一部は、入賞領域に入賞して遊技盤の裏面側に導かれてセーフ球として回収されるとともに、残りの入賞しなかった遊技球はアウト球として回収され、これら回収された遊技球が循環流路を通って再び発射可能な状態となるようになっており、遊技球は封入球式遊技機内で循環するようになっている。また、ファールとなった遊技球も循環流路に回収されるとともに、ファールとなった遊技球は遊技に係わることなく(入賞の機会を得ることなく)、回収されて再び発射可能とされるので、ファール球の発生に基づき、遊技価値情報の持球数のデータにファール球数が加算される。
【0022】
図1〜図3に示すように、本実施形態の封入球式遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110と、該機枠110内に嵌め込まれるとともに、該機枠110に対し回動可能に矩形状の前面枠120が軸支されている。すなわち、前面枠120は、機枠110に対してドア状に開閉可能とされている。また、後述する遊技盤1等の各種部材が取り付けられた前面枠120の本体である前面枠本体130には、その中央部から上端部に至る略方形の開口部121(図3に図示)が設けられ、該開口部121に前面側が遊技領域1aとされた遊技盤1が嵌め込込まれている。また、前面枠本体130の開口部121に遊技盤1が嵌め込まれた状態で、遊技盤1の前面は、前面枠本体130の開口部121から露出された状態となっている。
【0023】
また、前面枠本体130には、該前面枠本体130に取り付けられた遊技盤1の遊技領域1aを視認可能な開口窓部144(図2に図示)を有し、この開口窓部144を覆う透明部材としての二重のガラス板141を保持する透明部材保持枠としてのガラス枠140が設けられている。
前面枠本体130は、前面枠120の各部材の取付ベースとなるものであって、上述のように、矩形枠状の機枠110内にちょうど収まるように、概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部121が形成されている。また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部121、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部に渡る部分を覆って前記ガラス枠140が配置されており、遊技盤1の前面と前記ガラス枠140に嵌め込まれた後側のガラス板141裏面との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。
【0024】
また、ガラス枠140の一方の側部(左側部)は、前面枠本体130の一方の側部(左側部)に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、ガラス枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。
また、前面枠本体130及びガラス枠140はそれぞれ周知のパチンコ遊技機等の弾球遊技機と同様に鍵穴159にキーを差して回転させることで閉じた状態にロック可能となっている。また、ガラス枠140が開放されるとガラス枠開放検出センサ142(図8に図示)に検出されるようになっている。
【0025】
また、ガラス枠140の前面側には、遊技領域1aの視認を妨げない位置に、複数の外部アピール装飾ランプ11,…、サイドランプ12,12、スピーカ13,13、エラー表示器14,14(装飾ランプを兼ねる)等が設けられている。外部アピール装飾ランプ11,…は、ガラス枠140の上部に、主に獲得遊技球数が大量となった場合に、これを周囲に報知するためのものである。例えば、入球数(遊技者が遊技機に打ち込んだ球数)と出球数(遊技球の入賞により出てきた賞球数)との差である差球数や差球数に対応する持球数に基づき、例えば、持球数(差球数)が高くなった場合に、持球数に対応する数の外部アピール装飾ランプ11,…が点灯するようになっている。
なお、上述のように封入球式遊技機100では、賞球の払い出しは行われず、上述の出球数、入球数、差球数、持球数等は、実際の遊技球の個数ではなく、データ上の数値となる。すなわち、実際に使用される遊技球は、循環使用される限られた所定数(例えば、25個)しかなく、例えば、遊技領域1aに発射される遊技球を検知してカウントした発射球数、発射されたが戻ってしまった遊技球を検知してカウントしたファール球数、遊技領域1aに発射されて回収された遊技球を検知してカウントした回収球数、入賞した場合の賞球数、遊技店から借りた貸球数等の数値から上述の入球数、出球数、差球数、持球数が得られる。
【0026】
なお、ガラス枠140を開放して遊技球が外に出てしまう等のトラブルがない限り、発射球数=ファール球数+回収球数(回収球数がファール球数を含まない場合)となる。そして、入球数=回収球数=発射球数−ファール球数となり、出球数=賞球数=入球数−貸球数(再プレイ球数)+持球数となり、持球数=貸球数(もしくは再プレイ球数)+出球数−入球数、入球数−出球数=差球数、持球数=貸球数(もしくは再プレイ球数)−差球数となる。以上のように封入球式遊技機100による遊技は、完全にデータ上の数値として行われることになり、遊技球をこぼしたり、遊技球を下皿や上皿に残したりすることによる誤差が生じることがなく、整数単位で確実に管理可能となる。しかし、多数の遊技球を得て、これを遊技球箱に溜めることとそれを周囲の人に見られることとにより遊技者が得られる満足感や優越感といったものが、持球数という数値の増加では得難い。そこで、外部アピール装飾ランプ11,…は、点灯や発光色の変更により、遊技機の周囲に対して持球数が多いことをアピールすることで遊技者が満足感や優越感を得られるように用いられる。
【0027】
なお、封入球式遊技機100においては、後述するように持球数が数値としてデジタル表示されるが、持球数が多くなった場合に持球数のデジタル表示に加えて外部アピール装飾ランプ11が上述のように持球数に対応して点灯したり、発光色を変更したりすることで、持球数が多いことを遊技者やその周囲の人に報知することができ、持球数が少なくなった場合に持球数のデジタル表示に加えて後述する仮想遊技表示手段となる仮想遊技球表示器154により持球数が少ないことを遊技者に報知することができる。
また、サイドランプ12,12及びエラー表示器14,14は、遊技状態に対応して点灯、点滅、発光色の変更等の演出を行う。また、エラー表示器14,14は、エラー発生時に通常と異なる発光を行うことによりエラー発生を報知する。
【0028】
前面枠本体130の遊技盤1が取り付けられる開口部の下側となる前面枠本体130の下部は、その前面側に後述の前面操作ユニット150が取り付けられるとともに、図3に示すように、その裏面側に後述の発射ユニット60等が取り付けられる取付盤131となっている。
取付盤131の前面側に取り付けられる前面操作ユニット150には、タッチパネル表示ユニット151、タッチセンサ152、発射スライドボリューム153、仮想遊技球表示器154、スピーカ155、及びこれらの部材を保持するとともに後述する発射装置61の操作用のポケット上の凹部158(空間)を形成する発射操作空間形成枠161が設けられている。
タッチパネル表示ユニット151は、表示装置としての液晶ディスプレイを有するもので、基本的な機能として、持球数の情報、金額情報(カード等の記憶媒体に記憶された残額等)、貯球情報(景品と交換せずに遊技店側に貯蓄した遊技球数等)等の遊技情報を表示し、実際の遊技球の払い出しがなくても、いつでも、持球数を確認できるようにするとともに、遊技者や遊技店の店員等に対してエラーの発生を含む各種情報を表示可能となっている。また、タッチパネル表示ユニット151は、タッチパネルとして、表示切替や、その他の表示内容に対応した入力操作を可能とするものである。なお、タッチパネル表示ユニット151は、封入球式遊技機100の左右方向に設定された回転軸回りに回転して傾きを調整できるようになっており、遊技者の体格等に対応して遊技者が見やすい角度に変更可能となっている。
【0029】
また、本発明の封入球式遊技機100においては、従来のパチンコ遊技機に設けられた遊技球の発射を操作するための回転操作式の操作ハンドルに代えて、タッチセンサ152,152及び発射スライドボリューム153を有する。
タッチセンサ152,152は、従来の操作ハンドルに設けられていたものであり、遊技者の手を接触させることにより、信号を発射制御装置63aに出力し、発射制御装置63aの制御の元に発射装置61を作動させて遊技球を発射させるものである。
【0030】
タッチセンサ152,152は、ガラス枠140の下側で前側に膨出した状態の発射操作空間形成枠161の左右側部で、膨出した部分に形成されたポケット状の凹部158の内面のうち、主に遊技機の前方側で後方を向いた部分に設けられている。また、ポケット状の凹部158の底面部分は、遊技者の手をおけるように凹部内より外側に延出した状態となっており、凹部に手を入れてタッチセンサ152,152に触れた状態で楽に手を凹部の底面におけるようになっている。すなわち、凹部の底面は、アームレスト158a(ハンドレスト)として機能する。また、タッチセンサ152,152は、封入球式遊技機100の下部の前面操作ユニット150の左右にそれぞれ設けられているので、右手でも左手でも遊技球の発射の操作が可能となっている。
【0031】
また、従来、発射勢の調整は、操作ハンドルを回転することにより行われていたが、この例の封入球式遊技機100では、上下にスライド移動可能な操作レバー156を備えた発射スライドボリューム153により発射勢を調整できるようになっており、上下に移動可能な発射スライドボリューム153の操作レバー156を上もしくは下に移動すると発射勢が強くなり、逆に移動すると発射勢が弱くなるようになっている。なお、操作レバー156は、任意の位置で止められるようになっており、手を離してもバネ等により発射勢を最低とする位置に戻ることがないので、一度、遊技者が発射勢を決めたら、操作レバー156から手を離して、タッチセンサ152,152に手を触れるだけで遊技球が発射可能となる。
【0032】
仮想遊技球表示器154は、遊技球を払い出すパチンコ遊技機における上皿に溜まった遊技球の減少や増加による流動等を仮想的に表現するものである。
すなわち、遊技球を順次発射した際や、遊技球が入賞した際に、タッチパネル表示ユニット151に表示される持球数の増減だけで、パチンコ遊技機の上皿に溜まった遊技球の発射による減少や、賞球の払い出しによる増加を実感しずらいので、仮想遊技球表示器154で、遊技球の移動を仮想的に再現することで、遊技者に対して遊技球の増減を実感しやすい状態とする。
【0033】
なお、仮想遊技球表示器154は、例えば、遊技球の増減を遊技球の移動で表現するものであり、実際の遊技球を循環移動させることにより表示しても良いし、ディスプレイとして画像により遊技球の移動を表示するものとしても良いし、擬似的にランプの点滅等で遊技球の移動を表現するものとしても良い。
【0034】
スピーカ155は、そのエンクロージャー157となる部分が、図3に示すように後から向かって左側(前から向かって右側)に延出した状態となっており、エンクロージャー157が、右のタッチセンサ152と前後に重なるようになっている。これにより、スピーカ155により発生する振動を右のタッチセンサ152に触れている遊技者の手に伝えて、遊技者が手で音に基づく振動を体感可能となっており、ボディソニックの一種となっている。
【0035】
前面枠本体130下部の取付盤131の裏面側には、図3に示すように、発射ユニット60が設けられるとともに、発射装置61を制御する発射制御装置63aとなる発射制御基板63(ボックス631内に配置)、発射装置61により遊技領域1aに発射された遊技球を回収して再び発射装置61に供給する封入球循環ユニット200(封入球循環装置)、封入球式遊技機100内の各装置に電力を供給する電源基板70(ボックス71a内に配置)、遊技盤1以外の前面枠120に備えられた装置の制御を行う第1枠制御基板81(ボックス81a内に配置)及び第2枠制御基板90(ボックス90a内に配置)が取り付けられている。これら第1枠制御基板81及び第2枠制御基板90が枠制御装置として機能し、遊技盤1に取り付けられた装置を除く、前面枠120の例えば、外部アピール装飾ランプ11,…、タッチパネル表示ユニット151、仮想遊技球表示器154、封入球循環ユニット200、外部とのデータの通信装置等を制御する枠制御装置となる。なお、第1枠制御基板81は、遊技制御基板20及び演出制御基板50からの制御に基づいて第2枠制御基板90及び発射制御基板63を制御するようになっている。
【0036】
また、遊技内容に係わる制御を統括的に行う遊技制御基板20(ボックス22内に配置)及びその制御下で遊技の演出に係わる制御を行う演出制御基板50(ボックス52内に配置)は、遊技盤1の裏面側に設けられている。従って、遊技内容の制御に関する制御装置は遊技盤1に設けられており、遊技盤1を交換することにより、遊技内容に係わらない装置をそのまま流用して遊技内容だけを変更することが可能である。なお、封入球式遊技機100の各種制御装置については後に説明する。
【0037】
図4に示すように、発射ユニット60は、取付盤131に取り付けられる取付プレート64と、取付プレート64に取り付けられる発射レール62と、発射レール62上の遊技球を打撃して遊技球を発射させる発射杵66等を備えた発射装置61とを備える。
発射装置61は、発射モータ(ステッピングモータ)68(図8に図示)と、この発射モータ68に接続されて回転駆動されることにより、遊技球を打撃して遊技球を発射する発射杵66と、発射杵66の回転角度を規制するストッパ部材67と、発射レール62上に後述するように封入球循環ユニット200から供給された遊技球を、発射レール62の下端部上の発射杵66により打撃可能な所定位置に停止させる球位置決め部材69とを備える。
そして、発射レール62の後端部(傾斜下端部)上の球位置決め部材により遊技球が保持される位置が遊技球を遊技領域1aに発射する発射位置となる。
【0038】
また、図1に示すように、ガラス枠140の後方側のガラス板141の裏面と、遊技盤1の前面との間の遊技領域1aの下部を閉塞する底壁部134が形成され、前面枠本体130の底壁部134に遊技領域1aの下側から発射された遊技球が通過する発射球通過口135が設けられている。なお、発射球通過口135を通過した遊技球は、遊技盤1の内外二重にガイドレール2,2が配置された誘導路から遊技領域1aに至る。
また、誘導路から遊技領域1aに至らずに戻ったファール球も発射球通過口135を通過するようになっている。なお、発射レール62の先端面は、発射球通過口135の直下より手前に配置され、発射球通過口135に戻るファール球は、発射レール62上に戻らずに、発射レール62の前に流下し、後述する封入球循環ユニット200のファール球回収部257上に至るようになっている。
【0039】
前記封入球循環ユニット200は、図4から図7に示すように、遊技領域1aに発射された遊技球(アウト球、セーフ球を含み、ファール球を除く)を回収する回収口211を有する回収部材210と、回収口211から発射装置61の遊技球の発射位置まで遊技球を導いて遊技球を循環使用する循環流路220と、この循環流路220の上流側の一部として、回収口211から後述の待機流路221まで遊技球を流下させる回収球流路280と、この回収球流路280を流下する遊技球を検出する回収球検出手段としての回収球センサ212と、循環流路220の下流側の一部分であり、発射位置に送られる前の遊技球を待機させる待機流路221と、待機流路221に待機する遊技球の不足状態を検出する球不足状態検出手段としての球不足検出センサ264と、待機流路221の下流側の端部に設けられ、発射装置61の発射レール62の下端部(遊技球の発射位置)に供給導出口247を介して遊技球の発射のタイミングに応じて順次遊技球を一個宛送球する球送り装置240とを備える。
【0040】
従って、封入球式遊技機100は、遊技機本体内に所定数封入した遊技球を、発射位置から遊技領域1aに発射して遊技を行う一方、遊技を終えた遊技球を回収して発射位置に導いて遊技球を循環使用する循環流路220を備え、前記循環流路220には、前記発射位置へ遊技球を一個宛送球する球送り装置240と、前記球送り装置240により発射位置に送られる遊技球を待機させる待機流路221とを備えたものである。
【0041】
また、封入球循環ユニット200は、ファール球回収手段250として、発射装置61により上述の内側のガイドレール2及び外側のガイドレール2との間に発射されたにも係わらず、再び発射装置61側に向かって戻ってしまったファール球(ガイドレール2同士の間に至らなかった発射球も含む)を回収するファール球回収口251と、回収されたファール球を検知するファール球センサ253と、ファール球回収口251から回収されたファール球(遊技球)を待機流路221(循環流路220)に流下させるファール球流路252とを備える。
また、封入球循環ユニット200は、待機流路221を遊技球の発射毎に移動する遊技球の付着物を除去する付着物除去手段400と、循環流路220内の球を抜く球抜き装置230とを備える。
【0042】
また、封入球循環ユニット200は、封入球循環ユニット200内に通常循環使用される遊技球以外に補給用の遊技球を貯留し、遊技中に循環する遊技球が減少した場合に補給する球補充装置260と、遊技球の入れ替え用の所定数の遊技球(例えば、30球で上述の補給用の遊技球を含む)が収納された球交換カセット(図示略)を取り付けるとともに、球交換カセット内の遊技球を封入球循環ユニット200内に供給するための球交換カセット取付部270とを備える。
また、封入球循環ユニット200の主要部は、図7等に示すように、主要部の前面側を構成する前壁部材310と、主要部の裏面側を構成する後壁部材320とから概略箱状に形成され、主要部の内部に上述の循環流路220(回収球流路280、待機流路221を含む)、ファール球流路252とが形成されている。なお、基本的に前壁部材310側に上述の遊技球の経路を構成する部材が形成されるとともに、センサ、ソレノイド等を取り付ける部材が形成され、後壁部材320には、各部材の取付を補助する部材や、封入球循環ユニット200の外周を囲う外周壁326を有する。また、前壁部材310及び後壁部材320は、それぞれ透明な合成樹脂により一体成型されており、封入球循環ユニット200内の遊技球や、封入球循環ユニット200の前側の遊技球や発射ユニット60等を透視可能となっており、封入球式遊技機100の裏面側から遊技球の詰まり等を目視で確認可能となっている。また、前壁部材310と後壁部材320とは、着脱自在に接合されている。
【0043】
また、封入球循環ユニット200は、その下端部に前面枠本体130の取付盤131の発射レールの取付位置より下方となる所定部位に設けられた左右の取付部132,132(図3に図示)に、着脱可能かつ回動可能に接続する左右の接続部材201,201を備えており、封入球式遊技機100の左右方向に設定された回転軸回りに回転可能となっている。そして、封入球循環ユニット200は、封入球式遊技機100の裏面(取付盤131の裏面)に沿った垂直な状態(使用状態)から前記接続部材201,201を中心に上端が後方側に倒れるように回動して略水平な状態(メンテナンス状態)に回動可能となっている。
また、封入球循環ユニット200の接続部材201,201は、取付盤131の取付部132,132の軸となる突起が回動可能に挿入される筒状の形状を有するとともに、筒状部分にはスリットが形成され、スリット201a,201aから軸を出入可能とされることにより、接続部材201,201が取付部132,132から着脱自在とされ、封入球循環ユニット200を前面枠本体130の取付盤131から取り外し可能(着脱自在)となっている。
【0044】
後壁部材320の左右両端部には、後壁部材320の前側に前壁部材310を取り付けた状態で、後壁部材320を着脱自在に取付盤131に着脱可能に取り付ける取付部材203,203が設けられている。この取付部材203,203を取付盤131から取り外すことで封入球循環ユニット200を後側に倒すように回動自在となる。
【0045】
また、封入球循環ユニット200は、封入球式遊技機100の裏面側となる前面枠本体130の裏面側に取り付けられる。なお、前面枠本体130の下部となる取付盤131は、その主要部となるほぼ垂直な平板部分が、前面枠本体130に固定された遊技盤1より前となるように構成されており、取付盤131の裏面に取り付けられる上述の発射装置61等を有する発射ユニット60が遊技盤1より前面側の遊技領域1aの略真下に配置されるようになっている。
そして、封入球循環ユニット200は、取付盤131に取り付けられた発射ユニット60と前後に重なるように、発射ユニット60の後側に配置されて取付盤131に取り付けられる。そして、封入球循環ユニット200は、取付盤131に取り付けられた状態で前面枠本体130に取り付けられた遊技盤1の略真下に配置されるようになっている。
【0046】
前記回収部材210は、封入球循環ユニット200の上の部分となる上端部(上部)に形成される。そして、回収部材210は、その前部が、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの下から入賞することなく流下した遊技球であるアウト球を回収可能となるように、遊技盤1の下から遊技盤1の前面側の遊技領域1aの下側のガイドレール2の上述の切欠部の下側に延設されている。また、回収部材210は、その後部が、遊技盤1の裏面側を流下して遊技盤1の下側に排出される入賞した遊技球であるセーフ球を回収可能となるように、遊技盤1の下から遊技盤1の裏面側のセーフ球の排出経路(図示略)の下まで延設されている。
【0047】
また、回収部材210は、平面視して封入球式遊技機100の左右方向に沿って長尺な矩形状であり、その周囲が略垂直な囲い壁214となっている。また、回収部材210の(囲い壁214内部の)前後の中央部には、右端部を除いて左右に延在し、回収部材210内に回収された遊技球を封入球循環ユニット200内の回収球センサ212(封入球循環ユニット200内部)に導く導入傾斜部213を底部として有する回収球流路280となっている。
そして、回収部材210の囲い壁214に囲まれて上方に開放された状態となった部分がアウト球とセーフ球を回収する回収口211となっている。また、回収口211の遊技盤1前面側の下となる前部がアウト球を回収するアウト球回収口215とされ、遊技盤1の裏面側の下となる後部がセーフ球を回収するセーフ球回収口216となっている。
【0048】
回収球センサ212は、前壁部材310のセンサ取付部330に固定され、例えば、周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、遊技球が通過する孔212aを備え、この孔212aをパチンコ球が通過した際にHIGHもしくはLOWの信号を出力するものである。
【0049】
そして、回収球センサ212は、その孔212aが導入傾斜部213の傾斜下側の端部から遊技球が流下する位置に配置されており、導入傾斜部213の傾斜下側の端部から、待機流路221の上流側端部であるとともに、ファール球流路252の底部となるファール球傾斜部255の下流側端部である後述の合流部254上に向かって、回収球流路280を流下する遊技球を検出するようになっている。
【0050】
待機流路221は、その底部として、上下三段に前壁部材310から後方側に板状に延出された以下の部材を有する。すなわち、循環流路220は、その底部となる部材として、上述のファール球流路252の下流側端部となり、ファール球流路252を流下するファール球、球補充装置260から循環流路220に補充される遊技球である補充球、上述のように回収球流路280から回収球センサ212を通過して流下する回収球の三種類の遊技球が合流する合流部254と、封入球式遊技機100の裏面側から見て右から左に下り傾斜する合流部254(ファール球流路252)の下側で、裏面側から見て左から右に下り傾斜する流下傾斜部222と、流下傾斜部222の下側で、裏面側から見て右から左に下り傾斜して球送り装置240に至る待機傾斜部223とを有する。
【0051】
また、待機流路221の流下傾斜部222の下流側部分の上、すなわち、前壁部材310のファール球傾斜部255の上流部分の下には、球補充装置260の作動を制御する際に用いられる球不足検出センサ264を取り付けるための近接センサ取付部319が設けられて、これに球不足検出センサ264が取り付けられている。球不足検出センサ264は、周知の近接センサスイッチで、金属である遊技球が近接している状態で、遊技球が存在していることを示す信号を出力する。従って、遊技球が正常に回収されていれば、球不足検出センサ264により、少なくとも所定期間内に回収された遊技球が検出される。
【0052】
また、待機流路221の流下傾斜部222上には、上端部がファール球傾斜部255の合流部254と一体に接合され、下端部が待機傾斜部223と一体に接合された流下天井部224が形成されている。また、循環流路220の待機傾斜部223上には、上端部が流下傾斜部222に一体に接合された待機天井部225が形成されている。
【0053】
前記ファール球回収手段250においては、前記ファール球流路252の上端部の上に前記ファール球回収口251が備えられ、ファール球回収口251の下側でかつ、ファール球流路252の上端部の上側にファール球センサ253が配置されている。
ファール球回収口251は、封入球循環ユニット200の前面を構成する前壁部材310の裏面側から見て右上端部に形成された開口で、回収されたファール球を封入球循環ユニット200外部から内部に導入するようになっている。また、前壁部材310の前面側のファール球回収口251の下側縁に対応する位置には、前壁部材310前面から前方に延出するファール球回収部257が備えられている。ファール球回収部257は、上面が後方のファール球回収口251に向かって下り傾斜した板状に形成されるとともに、ファール球回収口251につながる後側縁を除く周囲を囲んで上に突出した突条258を備えたもので、封入球循環ユニット200を取付盤131にほぼ垂直な状態に取り付けた際に、ファール球回収部257は、発射レール62の上端部(発射方向端部)の隣で、発射球通過口135の真下に配置され、発射球通過口135を通過して流下するファール球を受けるようになっている。
【0054】
従って、ファール球回収手段250においては、遊技盤1の前面側から発射球通過口135を通過して遊技盤1の下側に流下したファール球がファール球回収部257で受けられる。そして、ファール球回収部257の上面に至ったファール球は、上面の傾斜に沿って後方のファール球回収口251から封入球循環ユニット200内のファール球流路252に入り、ファール球回収口251の下側のファール球センサ253を通過し、ファール球流路252の底部となるファール球傾斜部255上に至る。そして、ファール球傾斜部255上の遊技球は、傾斜に沿って合流部254に至り、回収球流路280を流下した遊技球と合流するように上述の待機流路221に至り、この待機流路221を流下することになる。
なお、ファール球センサ253は、回収球センサ212と同様に周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、センサ取付部330の回収球センサ212の下側に、回収球センサ212と逆向きに取り付けられ、ファール球センサ253の遊技球が通過する孔253aがファール球流路252の上端部に配置されるようになっている。そして、回収球センサ212と同様にファール球を検出して信号を出力する。
【0055】
遊技球を封入球循環ユニットから抜き出す球抜き装置230は、循環流路220の下流側部分となる待機流路221の下流側端部に隣接する球送り装置240の後面側に設けられている。
この球抜き装置230は、球抜き開口部231と、これを開閉する板状の蓋部材232と、蓋部材232を支持、案内するリブ234、235、236とからなる。
【0056】
球抜き開口部231は、後壁部材320の移送供給部材243がある位置に設けられており、その大きさは、遊技球1個が通過できる程度の大きさである。
また、後壁部材320に設けられた球抜き開口部231の外面には、球抜き開口部231を開閉するための板状の蓋部材232が、左右にスライド自在に設けられており、その球抜き開口部231の側方には、球抜き開口部231の開放時にこの蓋部材232を格納する蓋部材格納部237が設けられている。
この蓋部材232の背面には、開閉操作をするための取っ手232aが突設されている。
この蓋部材格納部237は蓋部材232の横幅以上の幅を持ち、球抜き開口部231の開放時に、蓋部材232を球抜き開口部231から完全に退避できるようになっている。
さらに、後壁部材320の外面には、球抜き開口部231とこれに隣接する蓋部材格納部237の外周に外周リブ234が突設されており、蓋部材232はこの外周リブ234の内側に形成されたスライド部233に支持される。
【0057】
このスライド部233の球抜き開口部231の位置と、蓋部材格納部237の位置には、その上下に蓋部材232を案内するそれぞれ一対のリブ235、236が突設されていて、蓋部材232はこのリブ235、236の内側(前側)をスライドするようになっている。
二対のリブ235、236のうち、球抜き開口部231側のリブ235は、蓋部材格納部237側のリブ236に比べて、蓋部材232を案内する面の前後位置が移送供給部材243(前)寄りになっている。
また、蓋部材格納部237の前壁239は、球抜き開口部231にかけて前側に傾斜している。
【0058】
これによって、蓋部材232は、球抜き開口部231を開放する位置である蓋部材格納部237にある位置から、球抜き開口部231を閉じる位置に移動する際に、リブ235および蓋部材格納部237の前壁239によって移送供給部材243(前)側に案内されて斜めに移動する。
そして、球抜き開口部231を閉じる位置では、蓋部材232の内面が後壁部材320の内面とほぼ同じ前後位置になる。
これにより、蓋部材232閉鎖時に段差が生じることが無く、球抜き開口部231付近での遊技球の流れを妨げない。
【0059】
また、球抜き開口部231側の下側のリブ235は、その上面に球抜き開口部231から外側に向かって下る傾斜を有しており、球抜き時に球抜き開口部231から流出する遊技球を案内して、滑らかに流下させる役割も有する。
下側のスライド部233の、球抜き開口部231と蓋部材格納部237の境界付近には突起部238があって、球抜き時に蓋部材格納部237に格納された蓋部材232がこの突起部238の上に乗り上げるようになっている。
これによって、蓋部材232が押し上げられて上側のスライド部233に圧接するので、球抜き時の振動によって蓋部材232が動くことを防止でき、開放状態を維持することができる。
【0060】
移送供給部材243は後述する球送り装置240を構成する部材であって、左右と後方側が開放したコ字状(チャネル状)の部材である。
この移送供給部材243の遊技球を載置(保持)する底面板部材243aは、遊技球を1個分載置可能であって、封入球循環ユニット200の背面側から見て右から左に下るように傾斜(待機流路221と同じ傾斜)している。
また、底面板部材243aの一部あるいは全部は、その厚さが封入球循環ユニット200の背面側から見て、奥側から手前側にかけて薄くなっており、上面が手前側(後側)に下るように傾斜している。
つまり、底面板部材243aの上面は、封入球循環ユニット200の背面側から見て、右奥(右前)から左手前(左後)に下るように傾斜している。
これによって、球抜き開口部231を開放したときに、遊技球が封入球循環ユニット200内から自然に流出する。
【0061】
以上のように構成される球抜き装置230は、封入球式遊技機100内に封入された遊技球を係員等の外部操作により取り出すためのもので、封入球式遊技機100のメンテナンス、遊技球の交換などのために、封入球式遊技機100から遊技球を取り出すために用いられる。
遊技球の交換時には、蓋部材232をスライドさせて蓋部材格納部237に格納し、球抜き開口部231を開放して、移送供給部材243の底面板部材243aに形成された傾斜に沿って遊技球を流出させて、封入球式遊技機100(封入球循環ユニット200)から外部に取り出すようになっている。
【0062】
球送り装置240は、待機流路221の下流側に設けられ、待機流路221の傾斜により待機流路221上に一列に並んで待機する遊技球の荷重による遊技球の傾斜下側への移動を規制する規制壁241を備え、上述のように並んだ遊技球の最も傾斜下側の遊技球を一個だけ受ける球受け部242と、球受け部242で保持された遊技球を規制壁241の上部にあって、供給流路245の入口である供給導入口249に移送する移送供給部材243と、移送供給部材243を昇降駆動する球送りソレノイド244とを備える。
また、球送り装置240は、規制壁241の球受け部242の反対側に形成され、規制壁241を乗り越え、供給導入口249から流入した遊技球を発射装置61(発射レール62上)に導出するための供給流路245と、球送り検出手段として供給流路245を通過して発射位置に送られる遊技球を検知する球送りセンサ246(供給球センサ)と、供給流路245(封入球循環ユニット200)の遊技球の発射装置61への導出口となる供給導出口247とを備える。
【0063】
規制壁241は、傾斜した待機流路221上に並んだ遊技球の最も傾斜下側の遊技球を止めるもので、例えば、遊技球の直径より僅かに低い高さ(最も下に位置する移送供給部材243の後述の底面板部材243aの上面からの高さ)を有する板状に形成されている。また、球受け部242は、規制壁241と直角に接合された状態の保持部底壁248を備え、規制壁241と保持部底壁248とがL字状となっている。
【0064】
移送供給部材243は、球受け部242の保持部底壁248上に配置されて、球受け部242に流入した遊技球を載置(保持)する保持部として機能する底面板部材243aと前面側壁243bと天板部分とを備えて、左右と後方側が開放したコ字状(チャネル状)に形成され、遊技球を右から左に通過させられるようになっている。なお、底面板部材243aは、コ字状の移送供給部材243の底部となる部分である。そして、移送供給部材243は、その天板部分に球送りソレノイド244のプランジャーが接続されている。そして、球送りソレノイド244により、底面板部材243aの遊技球が載る上面が待機傾斜部223の最も傾斜下側の上面より下となる位置と、底面板部材243aの上面が規制壁241の上端より上となる位置との間を昇降自在とされている。
【0065】
そして、移送供給部材243が上方にあるときは、底面板部材243aが供給導入口249に隣設するようになっている。また、底面板部材243aの上面は、上述のように、封入球循環ユニット200の背面側から見て右から左に下るように傾斜(待機流路221と同じ傾斜)していると共に、手前側(後側)に下るように傾斜している。
そして、待機流路221の待機傾斜部223上から球受け部242に配置された移送供給部材243の底面板部材243a上に流入した遊技球は、底面板部材243a上でその傾斜により規制壁241と蓋部材232が隣接する部分に寄って、規制壁241と蓋部材232に接触した状態となるようになっている。そして、移送供給部材243が球送りソレノイド244により上昇させられ、底面板部材243aの上面が規制壁241の上端より高くなった際に、底面板部材243a上の遊技球が底面板部材243aの傾斜によって規制壁241を越えて供給導入口249から供給流路245側に流下するようになっている。なお、底面板部材243aの一側端(待機流路221に臨む端部)は、上昇した場合に、待機流路221上で次ぎに移送供給部材243に送られる遊技球が移送供給部材243の下に入り込むことがないように、待機流路221の最下流部で待機する遊技球の直径より高く上がらないようになっている。
【0066】
球送りソレノイド244は、そのプランジャーを略垂直に下方に向けた状態で、前壁部材310に設けられた球送りソレノイド取付部311に取り付けられており、プランジャーの先端に移送供給部材243を接続した状態で、プランジャーを上下に駆動するようになっている。また、球送りソレノイド244は、発射制御基板63により発射装置61と同期して制御され、発射装置61が遊技球を発射した直後に、昇降して、遊技球を発射位置に送るとともに、遊技球が発射位置に送られると発射装置61が遊技球を発射するようになっている。
【0067】
供給流路245は、規制壁241に関して移送供給部材243の反対側に形成され、規制壁241に沿って遊技球をほぼ真下に流下させた後に、前方に案内して、前方の供給導出口247から遊技球を封入球循環ユニット200の前側の発射装置61側に導出するようになっている。なお、供給流路245は、前壁部材310から後方に延出する供給流路壁部245aにより形成されている。また、供給流路245の底部となる位置には、封入球式遊技機100の前後方向に沿って垂直に立設された流路リブ245bが形成され、流路リブ245b上が後から前に向かって下るように傾斜した状態となっており、流路リブ245b上に流下した遊技球が流路リブ245b上を後から前に転動して供給導出口247から導出されるようになっている。
【0068】
球送りセンサ246は、回収球センサ212と同様に周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、供給流路245に関して球送り装置240の反対側となる前壁部材310の位置に設けられた供給センサ取付部312に後端部が取り付けられ、前端部が規制壁241に当接もしくは近接して配置され、規制壁241を乗り越えて供給導入口249から流入して供給流路245を真下に流下する遊技球が通過する孔246aが形成され、供給流路245を流下して孔246aを通過する遊技球を検出するようになっている。
なお、球送りセンサ246も回収球センサ212と同様に遊技球を検出して信号を出力する。球送りセンサ246に検出された遊技球は、検出直後に発射装置61に供給されて発射されるので、球送りセンサ246は、発射装置61の前側であるが、遊技球の発射を検出する発射球センサも兼ねるものとなっている。
【0069】
球補充装置260は、循環流路220の上側に設けられた左右に長尺で、傾斜角を変更可能に回転移動自在とされた球貯留板261を備えた補充球貯留部262と、球貯留板261の傾斜角を変更して補充球貯留部262を遊技球を貯留する状態と、遊技球を補充する状態とに切り替える補充ソレノイド263と、球貯留板261の裏面側から見て左側(ファール球流路252の反対)に設けられ、球貯留板261上の遊技球の落下を規制するとともに、球交換カセット取付部270から流入する遊技球を球貯留板261上に導く、球抑え部材265とを備える。
【0070】
球貯留板261は、その中央部より前側の位置を前壁部材310に設けられた回転ピン313に回動自在に軸支されている。そして、球貯留板261は、通常時は、球を貯留する状態となっており、球貯留板261の一方の端部である球抑え部材265側の後端部が下になるように僅かに傾斜した状態で、球貯留板261上に遊技球を一列に複数個(例えば5個)載せるようになっている。この際に、球貯留板261上の遊技球のうちの最も一方の端部側に載った遊技球が球抑え部材265に抑えられた状態となり、球貯留板261の傾斜に沿って遊技球が流下しないようになっている。
【0071】
また、球貯留板261の他方の端部である前端部は、ファール球傾斜部255(ファール球流路252)の傾斜下側の合流部254上に位置しており、球貯留板261がファール球流路252側の他方の端部が下になるように傾斜した場合に、球貯留板261上の遊技球を合流部254上に流下させるようになっている。すなわち、補充球となる遊技球を補充する状態では、球貯留板261は、ファール球流路252側の他方の端部を下にするように傾斜する。
【0072】
また、球貯留板261の一方の端部には、その下側に補充ソレノイド263のプランジャーに接続された掛止板263aに掛止される係止部261aが設けられ、補充ソレノイド263のプランジャーの上下動により、球貯留板261の傾斜角を変更できるようになっており、プランジャーを下げた状態では、球貯留板261の一方の端部が下となるように傾斜して球貯留状態となり、プランジャーを上げた状態では、球貯留板261の他方の端部が下となるように傾斜して球補充状態となる。
【0073】
さらに、球貯留板261の一方の端部には、係止部261aから球貯留板261の延長線に沿って延出して球交換カセット取付部270に至る係合部材261bが形成されている。係合部材261bは、球交換カセット取付部270の後述する作動リンク部材273に係合し、球交換カセット取付部270に球交換カセットをセットした場合に上に持ち上げられ、球貯留板261の一方の端部が他方の端部に対して高くなるように傾斜させ、球貯留板261を球補充状態にするようになっている。
【0074】
補充ソレノイド263は、前壁部材310に形成された補充ソレノイド取付部314にプランジャーを上に向けて取り付けられ、第1枠制御装置83の制御により、球不足検出センサ264により、循環流路220の球不足検出センサ264の位置で所定時間以内に遊技球が検出されない場合に、プランジャーを上げるように制御されている。これにより、循環流路220において、遊技球が不足した場合に、補充ソレノイド263により球貯留板261が球補充状態となるように傾斜角が変更され、球貯留板261上の遊技球を循環流路220の上流側端部となる合流部254に供給するようになっている。
なお、球不足は、例えば、遊技領域1aにおいて、遊技球の詰まり等が発生し、遊技領域1a内に通常より多くの遊技球が存在することにより、封入球循環ユニット200に回収される遊技球の数が減った場合や、ガラス枠140を開放した際に、遊技球が外部に流出した場合等に発生する。
【0075】
球交換カセット取付部270は、後壁部材320に形成されたカセット挿入部271と、前壁部材310に形成されたカセット受け部272と、球交換カセット取付部270に挿入された球交換カセットを掛止するカセット掛止部279と、球交換カセットの取付時に上述の球貯留板261の傾斜角を変更する作動リンク部材273と、カセット蓋開放係止部材274とを有する。
【0076】
カセット挿入部271は、後壁部材320に形成され、球交換カセットを挿入する挿入開口部276と、後壁部材320の挿入開口部276の周囲に後方に延出するように設けられ、挿入される球交換カセットを案内するとともに、挿入された球交換カセットを支持するカセットガイド部材277とを有する。なお、球交換カセット取付部270においては、球交換カセットをセットした際に、球交換カセットの球出口がある側(球補充装置260側)の一方の端部が他方の端部より低くなるように傾斜し、球交換カセット取付部270にセットされた際に、球交換カセット内の遊技球が球交換カセットの傾斜により球出口に向かって流下するようになっている。
【0077】
前壁部材310に形成されたカセット受け部272は、球交換カセットの挿入方向の前端部に対応する形状を有した凹部であり、挿入された球交換カセットの前端部が凹部であるカセット受け部272に挿入されることで、球交換カセットの前端部を位置決めした状態に支持するようになっている。また、カセット受け部272の球補充装置260側となる左右の一方の端部(裏面から見て右側端部)に、後述するように回動移動する作動リンク部材273の移動を妨げないように作動リンク部材開口部(図示略)が形成されている。
【0078】
カセット掛止部279は、前壁部材310に形成されるともに、前壁部材310から後方に延出して後壁部材320の挿入開口部276の周縁部の下部からカセットガイド部材277に沿って配置され、その後端部に上面に係合突起278を有する。また、係合突起278は、球交換カセットを球交換カセット取付部270に挿入される際の球交換カセットの通過経路内に突出しているが、球交換カセットを挿入する際に、球交換カセットに係合突起278が接触すると、カセット掛止部279が弾性変形し、球交換カセットを挿入開口部276に挿入可能とするとともに、挿入後に球交換カセット下面に掛止して、球交換カセットを保持する。
【0079】
カセット蓋開放係止部材274は、後壁部材320のカセット挿入部271の近傍で、かつ、球補充装置260側となる部分で、後方に延出して形成されるとともに、カセット挿入部271に向かって突出する蓋係合突起274aを備える。蓋係合突起274aは、球交換カセット取付部270に球交換カセットをセットする際に、球交換カセットの球出口を覆うとともに、前後方向にスライド移動して球出口を開閉自在とするカセット蓋と係合し、球交換カセットを前方に移動して球交換カセット取付部270に挿入する際に、前方に移動する球交換カセットに対してカセット蓋を固定し、カセット蓋を球交換カセット本体に対して相対的に後方に移動させて、カセット蓋が球交換カセットの球出口を開放した状態とするものである。
これにより、球交換カセットを球交換カセット取付部270にセットすることで、球交換カセットの球出口が開放状態となり、球交換カセットをセットした時点で、球交換カセットの球出口から遊技球が球補充装置260を経て循環流路220側に流下を開始することになる。
【0080】
作動リンク部材273は、前壁部材310の球交換カセット取付部270の球補充装置260側端部に配置されるものである。また、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間は、球交換時等における球交換カセット取付部270から球補充装置260への遊技球の導入経路となっており、作動リンク部材273は、遊技球の導入経路を開閉する開閉部材として機能する。また、遊技球交換時等の外部からの遊技球の補給に際し、球交換カセット取付部270から循環流路220に遊技球を送る際に、遊技球が球補充装置260を通過するようになっている。そして、作動リンク部材273は、外部からの遊技球の補給時に、球補充装置260の球貯留板261を上述の貯留状態の傾斜角から補充状態の傾斜角に変換するようになっている。
作動リンク部材273は、その下端部を除く主要部が前記導入経路を開閉する開閉扉部273aとされ、導入経路を遊技球の通過が不可となるように閉塞する前後幅及び上下幅を有するとともに、後述するようにセットされる球交換カセットに押圧される際に確実に押圧可能な厚み(左右幅)を有する。また、作動リンク部材273は、その主要部となる開閉扉部273aの下となる下端部に、下端部の前部から後方に延出した板状のリンク片273bを有する。また、リンク片273bは、上述の球交換カセット取付部270側に延出する球貯留板261の係合部材261bの下側の近傍(接しても良い)に配置されている。
また、作動リンク部材273は、開閉扉部273aとリンク片273bとの接合部分が前壁部材310に形成された軸(図示略)に回転自在に軸支されている。
【0081】
そして、作動リンク部材273は、外部から力のかかっていない通常時は、開閉扉部273aが上述の遊技球の導入経路を閉じる状態となっている。この場合に、球交換カセット取付部270への球交換カセットの挿入時に、開閉扉部273aが球交換カセットの通過経路となる部分の左右の端部のうちの一方の球補充装置260側端部に配置され、球交換カセット取付部270の挿入開口部276に球交換カセットを挿入した場合に、開閉扉部273aが後方に押されることで、開閉扉部273aが後方に移動して前記導入経路が開放状態となるとともに、リンク片273bが斜め上前方に移動するように作動リンク部材273が回転移動する。
【0082】
また、リンク片273bは、上述のように球貯留板261の係合部材261bの下側の近傍に配置されており、上述のように球交換カセットを挿入することで、リンク片273bが斜め上に上がると、係合部材261bを押し上げ、球貯留板261が、球交換カセット取付部270側に向かって下り傾斜して遊技球を貯留する状態から、ファール球回収手段250に向かって下り傾斜して遊技球を合流部254に流下させて遊技球を補充する状態となる。そして、球交換カセットの球出口から球補充装置260装置側に流下した遊技球は、球貯留板261上を流下して循環流路220に流入する。なお、リンク片273bは、球貯留板261の係合部材261bの下側に配置されているので、補充ソレノイド263が、球貯留板261の係合部材261b側の端部を上昇させて、補充球を補充する状態となっても、リンク片273bは動かず、開閉扉部273aは、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間を閉塞した状態を維持するようになっている。
【0083】
以上のように球交換カセットを球交換カセット取付部270にセットすると、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間で、作動リンク部材273の開閉扉部273aが遊技球の導入経路を開放することで、上述のように球交換カセットの球出口から流出した遊技球は、球補充装置260の球交換カセット取付部270側に端部に形成された球抑え部材265上を通過して、球貯留板261上に流下するが、この際に、球貯留板261は、作動リンク部材273により補充状態とされ、ファール球回収手段250側に向かって下り傾斜しているので、補給される遊技球は、球貯留板261上をファール球回収手段250側に流下して、球貯留板261の端部から落下し、循環流路220の上流側端部となる合流部254上に流下して、循環流路220内に流入することになる。
【0084】
付着物除去手段400は、前記流下経路となる循環流路220の待機流路221内に遊技球と接触可能に設けられてアースされた金属プレート410と、流下経路となる循環流路220の待機流路221内に対して吹き出しもしくは吸い込みにより人口風を形成する風形成手段となる送風ファン420とを備えている。
【0085】
前記金属プレート410は、待機流路221の底部(遊技球流下底部)を構成するとともに、前壁部材310の裏面から後方に延出する板状の待機傾斜部223に取り付けられている。そして、金属プレート410は、待機傾斜部223の待機流路221の底面となる上面に、待機傾斜部223の前後幅(遊技球の流下方向と直交する方向の幅)のほぼ全幅に渡って配置され、かつ、金属製の発射レール62を含む発射ユニット60に対してアースされた状態となっている。従って、遊技球が待機流路221の金属プレート410上を通過すると静電気が除去される。
【0086】
前記送風ファン420は、電気製品の電源、基板等の排熱(冷却)用の周知の送風ファンであって、例えば、正面視して略正方形のケーシング内のファンとファンを回転するモータとを備えたものであり、前壁部材310の前面側で、待機流路221の金属プレート410が取り付けられた位置の前に設けられた送風ファン取付部310aに取り付けられている。また、送風ファン420の送風方向は、この例において、封入球式遊技機100の前後方向の前から後となっている。
【0087】
また、前壁部材310の送風ファン420の取付位置で、かつ、待機流路221の金属プレート410が配置された位置の上部と下部とには、通気口318,…が形成されている。
また、後壁部材320の裏面の送風ファン420の取付位置に対応する部分には、フィルタ開口部322を有するフィルタ(図示略)を取り付けるためのフィルタ取付部321が設けられている。
上述のように静電気が除去された遊技球に付着した埃等の付着物は送風ファン420の送風により吹き飛ばされ、フィルタに回収される。
【0088】
なお、送風ファン420は、表示装置としてのタッチパネル表示ユニット151の裏面側であってタッチパネル表示ユニット151を配設するためのベース枠体である前面枠本体130の取付盤131に形成されて送風ファン420に連通するファン開口部139から、タッチパネル表示ユニット151から放出される熱を吸い込むように、封入球式遊技機100の前後方向の前側から後側に送風し、タッチパネル表示ユニットを冷却するようになっている。
【0089】
そして、以上のような封入球式遊技機100において、前面枠本体130の開口部121に嵌め込まれた遊技盤1の前面側の遊技領域1aにおいて遊技が行われることになる。
すなわち、封入球式遊技機100は、図1に示す、遊技盤1のガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うものであり、該遊技領域1aには、図1に示すように、普図始動ゲート6,6、この普図始動ゲート6,6を遊技球が通過して普図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を表示する普図始動記憶表示器(図示略)、普通図柄(普図)の変動表示ゲームを表示する普図変動表示器(図示略)、普通変動入賞装置9、この普通変動入賞装置9に遊技球が入賞して特図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を点灯表示する特図始動記憶表示器(図示略)、特別図柄(特図、識別情報)の変動表示ゲームの表示等を行う変動表示装置4(可変表示装置)、特別変動入賞装置5、一般入賞口8,…、風車と呼ばれる打球方向変換部材(図示略)、多数の障害釘(図示省略)などが設けられている。
【0090】
なお、本発明の封入球式遊技機100の遊技盤1においては、遊技領域1aをその下端部まで流下しても入賞しなかった遊技球としてのアウト球を遊技領域1aの下端部において遊技盤1の裏面側に導くアウト穴が設けられておらず、その代わりに遊技盤1の前面で遊技領域1aを囲むガイドレール2が、遊技領域1aの下端部で設けられていない構成、すなわち、ガイドレール2の遊技領域1aの下側を囲む部分に、切欠部が設けられる構成となっており、入賞しなかった遊技球は、遊技盤1の下端部の中央部分で、遊技盤1の前面側の遊技領域1aからそのまま遊技領域1aの外側(下側)の前記回収口211に流下する構成となっている。
【0091】
前記普通変動入賞装置9は左右一対の開閉部材とこの開閉部材を動作させる普電ソレノイド9a(図8に図示:普電SOL)とを具備し、この開閉部材は、常時は遊技球が1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示器の普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(例えば、「7」)となった場合には、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置9に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
この普通変動入賞装置9は、特図の始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置9の内部(入賞領域)に備えられた始動口センサ9b(図8に図示;始動口SW)により遊技球を検出することに基づき始動条件が成立し、特図の変動表示ゲームが開始されるようになっている。
【0092】
また、普図始動ゲート6,6内には、該普図始動ゲート6,6を通過した遊技球を検出するためのゲートセンサ6a(図8に図示:ゲートSW)が設けられている。
そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、普図始動ゲート6,6内を通過すると、普図変動表示器において普図の変動表示ゲームが行われる。
ここで、普図変動表示器は、例えば、LEDなどによって構成され、普通図柄(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)の変動表示ゲームは、普図変動表示器の点灯状態を所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようになっている。
この普図の変動表示ゲームの結果、普図変動表示器における停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置9の開閉部材が所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放される。これにより、普通変動入賞装置9に遊技球が入賞しやすくなり、特図の変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0093】
また、特図の変動表示装置4(特別図柄表示装置)は、例えば、液晶ディスプレイ41を備え、表示内容が変化可能な表示画面42を有している。この表示画面42における表示内容は、表示制御手段としての機能を有する演出制御装置51(図8に図示;演出基板)により制御されるようになっている。
そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が特図の始動口を兼ねる普通変動入賞装置9へ進入して始動条件が成立することに基づき、表示画面42にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特別図柄の変動表示ゲームを実行可能となっている。なお、特図の変動表示ゲームは、表示画面42において、複数種類の識別情報を所定時間変動表示させることにより行う。
そして、この特図の変動表示ゲームの結果として、表示画面42の表示態様が特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。
【0094】
ここで、特別変動入賞装置5は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉によって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせるサイクル遊技が、所定回数(所定ラウンド数)を限度に行われる。
なお、開閉扉は、大入賞口ソレノイド5a(図8に図示:大入賞口SOL)により駆動される。
また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するためのカウントセンサ5b(図8に図示;カウントSW)と、大入賞口に入った遊技球のうち継続入賞領域(V入賞領域)に流入した遊技球を検出するためのV入賞センサ5c(図8に図示;VSW)が配設されている。
なお、各一般入賞口8,…の内部(入賞領域)には、該入賞口8,…に入った遊技球を検出するための入賞口センサ8a(図8に図示;左入賞SW、右入賞SW)が配設されている。
【0095】
サイクル遊技とは、大入賞口が開いてから所定の時間が経過するか、大入賞口に所定数の遊技球が入賞するかの条件のうち、いずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定のラウンド回数繰り返して行う遊技の形態である。
次のラウンドに進むことができる条件としては、大入賞口が開放している間に、大入賞口に設けられた継続入賞領域に入賞して、V入賞センサ5cから遊技制御装置21に検出信号が入力されることが条件となっており、継続入賞領域に入賞しなかった場合は、所定のラウンド回数に達していなくてもそのラウンドで特別遊技状態が終了(パンク)する。
【0096】
ここで、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口8、普通変動入賞装置9、特別変動入賞装置5の大入賞口等の入賞口(入賞具)の何れかに流入して入賞が発生すると、該入賞した遊技球が各入賞口のセンサにより検出され、該検出に基づき、各入賞口に対応して設定された所定の賞球数が、上述の持球数のデータに加算される。
【0097】
従って、特別遊技状態中に上記のサイクル遊技を行うことにより、遊技者は高い遊技球数(特定の遊技価値)の獲得機会を得る。
すなわち、封入球式遊技機100はパチンコ遊技機として、特図変動表示ゲームの結果、予め定められた特別結果態様となった場合に(大当りとなった場合に)、遊技者に特定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生可能に構成されている。
【0098】
次に、以上のような封入球式遊技機100の制御系について図8の制御ブロック図を参照して説明する。
封入球式遊技機100の制御系としては、遊技の進行を制御する遊技制御装置21(主基板:遊技制御基板20)と、この遊技制御装置21の制御下で各種の演出に関する制御を行う演出制御装置51(演出基板:演出制御基板50)と、遊技制御装置21及び演出制御装置51の制御下で、仮想遊技球表示器154及び外部アピール装飾ランプ11(外部アピール装飾基板11a)、封入球循環ユニット200等の制御を行う第1枠制御装置83(第1制御基板:第1枠制御基板81)と、第1枠制御装置83の制御下で、持球数(遊技球数)の演算等を行うとともにタッチパネル表示ユニット151の制御と、外部との通信の制御等を行う第2枠制御装置91(第2制御基板:第2枠制御基板90)と、第1枠制御装置83の制御下で発射装置61の制御等を行う発射制御装置63a(発射制御基板63)とを備える。
【0099】
このうち遊技制御装置21は、CPU、RAM、ROM等を有するパチンコ遊技機において周知のものであり、特図や普図の変動表示ゲームに関連する各種乱数値なども生成している。各種乱数値には、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数値などが含まれ、この乱数値に基づいて遊技制御装置21は、特図や普図の変動表示ゲームの当たり、外れ等のゲームの結果を決定している。
【0100】
また、遊技制御装置21には、入出力インタフェースを介して各入賞口センサ8a(左入賞スイッチ、右入賞スイッチ)、ゲートセンサ6a(ゲートスイッチ)、始動口センサ9b(始動口スイッチ)、カウントセンサ5b(カウントスイッチ)、V入賞センサ5c(Vスイッチ)が接続され、これらセンサからの遊技球の検出信号が入力されるようになっている。そして、入賞口センサ8a、始動口センサ9b、カウントセンサ5b等の各種入賞口、入賞装置に設けられたセンサからの入力に基づき賞球が発生することになる。
遊技制御装置21は、各入賞領域に設けられたセンサの遊技球の検出信号に基づいて、各センサ毎にあらかじめ設定された数値(賞球数)を示す賞球に関する情報を発生して出力する。
封入球式遊技機100においては、封入球式以外のパチンコ遊技機において、賞球としての遊技球の払い出しを制御する排出制御装置に代えて、賞球に関する情報が遊技制御装置21から第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91に出力されるようになっており、第2枠制御装置91においては、賞球に関する情報に基づいて、賞球数(出球数)をカウントする処理が行われるとともに、持球数に賞球数を加算する演算処理が行われるようになっている。
また、遊技制御装置21においては、ゲートセンサ6a、始動口センサ9b、V入賞センサ5cから入力される信号に基づいて、特図及び普図の変動表示ゲームの進行の制御が行われる。
【0101】
また、遊技制御装置21には、I/Oを介して普電ソレノイド9a、大入賞口ソレノイド5a、方向切替ソレノイド5dが接続されて制御されるようになっており、特図や普図の変動表示ゲームの結果に基づいて、特別変動入賞装置5や普通変動入賞装置9の開閉が制御される。なお、普電ソレノイド9aが普通変動入賞装置9を開閉駆動するもので、大入賞口ソレノイドが特別変動入賞装置5の開閉駆動するもので、方向切替ソレノイド5dが大入賞口内のV入賞センサ5cが配置された継続入賞領域とそれ以外の一般入賞領域とのうちのどちらか一方に遊技球を案内するように切り替えるものである。
また、遊技制御装置21は、I/Oを介して第1枠制御装置83及び演出制御装置51に接続され、第1枠制御装置83及び演出制御装置51に後述する各種データを遊技機情報として送信している。
例えば、遊技制御装置21は、上述の賞球に関するデータとして、遊技球の入賞に基づく賞球がある場合に、賞球数を示す賞球数コマンドを遊技機情報の1つとして第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91に出力する。
また、遊技制御装置21は、特図の始動入賞に基づく特図の変動表示ゲームの開始及び停止、大当り外れの判定等の制御に基づいて、特図の変動表示ゲームの開始(変動開始)及び停止(変動停止)、大当りとしての特別遊技状態後に大当りの当選確率が高められた確率変動状態を伴う特別遊技状態の開始(確変での大当り開始)、確率変動状態を伴わない特別遊技状態の開始(非確変での大当り開始)、その他変動表示ゲームの停止図柄や変動表示時間等を含む遊技の演出に関するデータを演出制御装置51に送信する。
【0102】
また、遊技制御装置21は、特図及び普図の始動入賞(始動口センサ9b及びゲートセンサ6aから入力される検出信号)に対応して上限値(例えば、4)の範囲内で特図及び普図の変動表示ゲームを始動する始動条件の成立の回数を特図及び普図の始動記憶数(保留数)としてカウントするようになっている。そして、遊技制御装置21は、特図もしくは普図の始動入賞が有る度に上限値の範囲内で特図もしくは普図の始動記憶数を1増加し、特図もしくは普図の変動表示ゲームを開始する度に特図もしくは普図の始動記憶数を1減少する制御を行っており、この始動記憶数に関するデータを、演出制御装置51に送信している。また、始動記憶数に関するデータには、特図もしくは普図の始動記憶数が上限値となった状態で、特図もしくは普図の始動入賞があったことを示す特図もしくは普図のオーバーフロー入賞発生のデータが含まれる。
【0103】
演出制御装置51は、CPU、ROM、RAM等を備えるとともに、ビデオ制御用の各種ICを備え、パチンコ遊技機において周知のものであり、遊技制御装置21における特図の変動表示ゲームの進行の制御に基づいて、変動表示装置4(表示ユニット)における特図の変動表示ゲームの表示制御や、それに伴う遊技盤1等に設けられたランプ、LEDを有する装飾基板45におけるランプ、LED等の発光による演出制御等を行う。
【0104】
また、演出制御装置51は、上述のように遊技制御装置21と接続されるとともに、I/Oを介して第1枠制御装置83と接続され、上述のように遊技制御装置21から送信された演出に関するデータを演出コマンドとし、始動記憶数に関するデータを保留コマンドとし、これら演出コマンド及び保留コマンドを第1枠制御装置83に送信する。
【0105】
第1枠制御装置83は、CPU84a、RAM84b、ROM84c等と、音データを記憶したROM84dや、音信号を生成する音LSI84e、音信号を増幅してスピーカに出力するアンプ84f、I/O85,…等により構成されている。
このうち、CPU84aは、制御部、演算部を備え、各種演算・制御を行うものであり、封入球循環ユニット200の制御や、外部アピール装飾ランプ11(外部アピール装飾基板11a)及び仮想遊技球表示器154におけるLED等の電気的発光源の点灯・消灯・発光色の変更等の制御を行う。
RAM84bは、各種フラグ、各種タイマ、各種カウンタ等の記憶領域を含むCPU84aの作業領域等を備えている。
ROM84cには、外部アピール装飾ランプ11及び仮想遊技球表示器154におけるLEDの点灯・消灯・発光色の変更等の制御を行うためのプログラムや、遊技球を循環使用する際の各種制御を行うためのプログラムや、音による演出のためのプログラム等が記憶されている。
【0106】
また、ROM84dには、演出用の音楽、効果音等の音データが記憶され、音LSI84eは、演出制御装置51の演出コマンドに従ってCPU84aで実行される音による演出のためのプログラムに基づいて、ROM84dから音データを読み出して音信号を生成する。そして、音LSI84eで生成された音信号は、アンプ84fで増幅されてスピーカ13,155に出力される。
【0107】
また、第1枠制御装置83は、I/O85,…を介して、外部アピール装飾ランプ11(外部アピール装飾基板11a)及び仮想遊技球表示器154に接続されている。そして、後述するように第2枠制御装置91で算出される持球数のデータに基づいて、第1枠制御装置83は、上述のように外部アピール装飾ランプ11,…の点灯、発光色の変更等を制御する。
【0108】
また、第1枠制御装置83は、I/O85,…を介して、封入球循環ユニット200(封入経路ユニット)の球送りセンサ246(発射球検出スイッチ)、ファール球センサ253(戻り球検出スイッチ)、回収球センサ212(入球検出スイッチ)、球不足検出センサ264(球量検出スイッチ)、補充ソレノイド263(球量調節ソレノイド)が接続されている。
また、第1枠制御装置83は、球不足検出センサ264から、封入球循環ユニット200内で待機する遊技球が不足していることを示す信号が入力した場合には、補充ソレノイド263を作動させ、遊技球を補充する処理を行う。
【0109】
また、第1枠制御装置83には、I/O85を介してガラス枠開放検出センサ142(ガラス枠開放検出スイッチ)が接続され、外部アピール装飾ランプ11等を用いてガラス枠140が開放していることを報知する処理を行う。
さらに、第1枠制御装置83は、上述のようにI/O85を介して遊技制御装置21、演出制御装置51に接続されると共に、第2枠制御装置91(第2制御基板)及び発射制御装置63a(発射制御基板)に接続される。
【0110】
そして、第1枠制御装置83は、第2枠制御装置91において持球数の算出処理を行えるように、球送りセンサ246が遊技球が球送り位置に送られたのを検出した際に入力される検出信号と、ファール球センサ253がファール球(戻り球)を検出した際に入力される検出信号とを第2枠制御装置91に中継し、さらに、遊技制御装置21から入力される遊技球の賞球に関する賞球数コマンド(賞球数を示す)を第2枠制御装置91に中継する。
【0111】
また、第1枠制御装置83は、第2枠制御装置91で管理される持球数が1以上の場合に発射球の発射を許可し、持球数が0の場合に発射を禁止する制御信号を発射制御装置63aに出力する。また、第1枠制御装置83は、後述するように遊技球を自動発射するための球送り許可信号と発射補助信号とを発射制御装置63aに出力する。
【0112】
また、第1枠制御装置83と第2枠制御装置91とは、制御情報用のラインと、データ転送のためのシリアル通信用のラインとで接続されている。
シリアル通信用ラインは、第1枠制御装置83から第2枠制御装置91に上述の演出コマンド及び保留コマンドのデータに基づいて、特図の変動表示ゲームのスタート信号、オーバーフロー入賞(余剰保留球)、非確変での大当り開始、終了信号、確変での大当り開始、終了信号、入球信号、出球(賞球)信号等を送信するためのものである。
また、第2枠制御装置は、上述の信号をホールサーバに外部情報として送信可能であり、ホールサーバ900側で各封入球式遊技機100の変動表示ゲームの実行回数、非確変での大当り(特別遊技状態の発生)回数、確変での大当り(特別遊技状態の発生)回数、入球数、出球数、差球数等を管理可能としている。
【0113】
第2枠制御装置91は、主にI/O制御(通信制御)用のCPU91a(CPU1)、ROM91b、RAM91c、I/O91d等からなる通信制御部と、タッチパネル表示ユニット151の制御用のCPU91e(CPU2)、ROM91f、RAM91g、VDP91h(Video Display Processor)、VDP91h用のROM91i、LCDコントローラ91j等からなるタッチパネル制御部を備えている。
そして、CPU91a等からなる通信制御部は、第1枠制御装置83から入力された外部情報となるデータをシリアル通信(RS232C)用のI/O91dから、後述するように球貸機901等を介してホールサーバ900に出力するための処理を行う。また、第2枠制御装置91の通信制御部は、CAN(control area network)用のI/O91dを介して外部演出装置902に接続されている。なお、外部演出装置902は、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機上に配置される呼出ランプ(ナンバーランプ)であり、各種ランプ、特図の変動表示ゲームの実行回数、大当り回数等の遊技機情報を表示可能な表示器902aや、効果音等を発生する音声出力装置902b等を備えるものである。なお、外部演出装置902には、トップランプ(代表ランプ)等の島設備の端部毎等に設けられるものが含まれていても良い。
【0114】
そして、第2枠制御装置91の通信制御部は、CANで接続された各遊技機毎の外部演出装置902に、上述の変動表示ゲームのスタート、非確変大当り、確変大当り等の外部情報とほぼ同様のデータを出力する。
また、ブロック図には図示しないが、第2枠制御装置91には、LAN用のI/Oを介して、アプリケーションサーバ903に接続されており、アプリケーションサーバ903にも外部情報と同様のデータを送信するようになっている。
【0115】
また、第2枠制御装置91のCPU91aでは、持球数の管理を行っている。
上述のように、第2枠制御装置91には、球送りセンサ246、ファール球センサ253、回収球センサ212からの遊技球の検出信号が第1枠制御装置83を介して入力される。そして、CPU91aは、球送りセンサ246が遊技球が球送り位置に送られたのを検出した際(発射球を検出した際)に、遊技球が遊技領域1aに発射されたものとして、持球数を1減算し、ファール球センサ253がファール球(戻り球)を検出した場合に遊技球を1加算することにより持球数を算出する。なお、最終的に、球送りセンサ246の検出回数からファール球センサ253の検出回数を引いたものが、回収球センサ212の検出回数と等しくなり、これが入球数となる。
【0116】
また、CPU91aは、遊技制御装置21から第1枠制御装置83を介して賞球数コマンドが入力された際に、上述のように発射球が検出される毎に減算される持球数に賞球数コマンドが示す賞球数を加算する処理を行う。さらに、第2枠制御装置91は、タッチパネル表示ユニット151において、後述するように球貸操作が行われた場合には、タッチパネル表示ユニット151の操作に基づく第2枠制御装置91のタッチパネル制御部からのデータに基づいて球貸された貸球数を持球数に加算する処理を行う。これにより、第2枠制御装置91においては、入球数、出球数(賞球数)、差球数、持球数を算出することが可能となる。
【0117】
また、第2枠制御装置91のCPU91aでは、試し打ちの制御と入賞率関連データの算出を行っている。
試し打ちの制御とは、例えば、試し打ちを行う期間の管理やその他の設定条件の管理、試し打ち中のデータの監視である。
試し打ちを行う期間としては、例えば、発射球数、発射時間、特賞回数などが所定数に達するまでの期間、もしくは、特定遊技状態へ移行することが成立するまでの期間と設定することができる。
【0118】
試し打ちの期間として、所定の発射球数を発射するまでの期間が設定された場合は、CPU91aは、RAM91cのカウンタ記憶領域に、設定された所定の発射球数を発射残球数の初期値として記憶する。球送りセンサ246からの遊技球の検出信号が第1枠制御装置83を介してCPU91aに入力されると、CPU91aはRAM91cのカウンタ記憶領域に記憶していた発射残球数から1減少させる処理を行う。また、ファール球センサ253からの遊技球の検出信号が、第1枠制御装置83を介してCPU91aに入力されると、CPU91aはRAM91cのカウンタ記憶領域の発射残球数を1増加させる処理を行う。そして、発射残球数が0になったときにCPU91aは第1枠制御装置83に対して、遊技球の発射を停止する処理を行うように指示する。これによってCPU91aは、所定の発射球数を発射するまでの期間だけ試し打ちを行うように制御することができる。
【0119】
試し打ちの期間として、所定の発射時間が設定された場合は、CPU91aは、試し打ちの開始と同時にRAM91cのタイマ記憶領域において計時を開始し、設定された発射時間になったときに第1枠制御装置83に対して、遊技球の発射を停止する処理を行うように指示する。これによってCPU91aは、所定の発射時間だけ試し打ちを行うように制御することができる。
【0120】
試し打ちの期間として、所定の特賞回数が得られるまでと設定された場合は、CPU91aは、RAM91cのカウンタ記憶領域に、設定された特賞回数を特賞残回数の初期値として記憶する。遊技制御装置21から第1枠制御装置83を介してCPU91aに特別遊技状態の発生に関する情報が入力されると、CPU91aはRAM91cのカウンタ記憶領域に記憶していた特賞残回数から1減少させる処理を行う。そして、特賞残回数が0になったときにCPU91aは第1枠制御装置83に対して、遊技球の発射を停止する処理を行うように指示する。これによってCPU91aは、所定の特賞回数が得られるまでの期間試し打ちを行うように制御することができる。
なお、特賞回数のカウント時期を、遊技制御装置21から第1枠制御装置83を介してCPU91aに特別遊技状態の終了に関する情報が入力されたときとしても良い。
【0121】
試し打ちの期間として、特定遊技状態に移行することが成立するまでと設定された場合は、CPU91aは、遊技制御装置21から第1枠制御装置を介して入力される特定遊技状態への移行に関する情報を監視する。そして、特定遊技状態への移行に関する情報が入力されたときに、CPU91aは第1枠制御装置83に対して、遊技球の発射を停止する処理を行うように指示する。これによってCPU91aは、特定遊技状態に移行することが成立するまでの期間試し打ちを行うように制御することができる。
【0122】
遊技機データとは、遊技球の自動発射に伴い遊技機から発生するデータであって、例えば、入球数、出球数、スタート回数、余剰保留球数、特賞回数、特賞中入球数、特賞中出球数である。入賞率関連データとは、遊技球の入賞領域への入賞率に関連するデータのことであって、例えば、差球数、ベース、特賞出球数である。なお、出球数、スタート回数、余剰保留球数、特賞出球数は、遊技機から発生する遊技機データであるが、入賞領域への入賞に基づき発生するデータであるので入賞率関連データでもある。さらに、入球数、特賞回数、特賞中入球数を入賞率関連データに含んでも良い。
【0123】
このうち通常状態における入賞率関連データである通常遊技データとしては、入球数、出球数(賞球数)、差球数、スタート回数、余剰保留球数、ベースなどがあり、特別遊技状態における入賞率関連データである特別遊技データとしては、特賞回数、特賞中入球数、特賞中出球数、特賞出球数、平均特賞出球数、最大特賞出球数、最小特賞出球数などがある。CPU91aは、第1枠制御装置83を介して入力される各種センサなどからの信号に基づき、これらのデータを算出する。
【0124】
なお、第2枠制御装置91のCPU91aは、遊技制御装置21から第1枠制御装置83を介して特別遊技状態の開始情報が入力されたときから、特別遊技状態の終了情報が入力されるまでの期間を特別遊技状態と判断し、特別遊技データを算出する。そして、これ以外のときを通常状態と判断し通常遊技データを算出する。ただし、確変、普図時短のときの入賞率関連データを、通常遊技データと別に算出するようにしても良い。
【0125】
入球数は、実際に遊技領域1aに発射された遊技球の数である。
球送りセンサ246からの遊技球の検出信号が、第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91のCPU91aに入力されると、CPU91aはRAM91cの遊技機データ記憶領域の入球数を1増加させる処理を行う。また、ファール球センサ253からの遊技球の検出信号が、第1枠制御装置83を介してCPU91aに入力されると、CPU91aはRAM91cの遊技機データ記憶領域の入球数を1減少させる処理を行う。これによって入球数をカウントすることができる。なお、遊技領域1aに発射され、封入球循環ユニット200に回収された遊技球が通過する回収球センサ212からの遊技球の検出信号を、上記と同様にカウントすることでも入球数をカウントできる。
【0126】
出球数(賞球数)は、遊技球の入賞領域への入賞に対する賞球の数である。
各入賞領域に設けられたセンサからの遊技球の検出信号が、遊技制御装置21に入力されると、遊技制御装置21は上述したように賞球に関する情報を出力する。この賞球に関する情報が第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91のCPU91aに入力されると、CPU91aはRAM91cの遊技機データ記憶領域の出球数を、賞球に関する情報に基づいて賞球数の分だけ増加させる処理を行う。これによって出球数をカウントすることができる。
【0127】
差球数は、入球数から出球数を差し引いたものである。また、ベースは入球数100個あたりの出球数である。
CPU91aは、上述のように算出されてRAM91cに記憶された入球数、出球数の値を読み出し、入球数から出球数を差し引く処理を行うことで差球数を算出する処理を行う。また、CPU91aはRAM91cから入球数、出球数を読み出し、出球数を入球数で割って得られた値に100をかける処理を行い、入球数100個あたりの出球数であるベースを算出する。
【0128】
スタート回数は、普通変動入賞装置9に遊技球が入賞し、特図の変動表示ゲームが行われた回数である。また、余剰保留球数は、普通変動入賞装置9に遊技球が入賞したにもかかわらず、始動記憶数の上限値以上であったため、特図の変動表示ゲームを行うことができなかった遊技球の数である。
遊技制御装置21からは、特図の変動表示ゲームの開始時に、特図の変動表示ゲームの開始に関する情報が出力される。この情報が第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91のCPU91aに入力されると、CPU91aはRAM91cの遊技機データ記憶領域のスタート回数を1増加させる処理を行う。これによってスタート回数をカウントすることができる。
また、遊技制御装置21からは、余剰保留球の発生時に余剰保留球の発生に関する情報が出力される。この情報がCPU91aに入力されると、CPU91aはRAM91cの遊技機データ記憶領域の余剰保留球数を1増加させる処理を行う。これによって余剰保留球数をカウントすることができる。
【0129】
特賞回数は、特別遊技状態が発生した回数である。
遊技制御装置21で行われる特図の変動表示ゲームの結果が大当りであった場合は、特別遊技状態の発生に関する情報が出力される。この情報が第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91のCPU91aに入力されると、CPU91aはRAM91cの遊技機データ記憶領域の特賞回数を1増加させる処理を行う。これによって特賞回数をカウントすることができる。
【0130】
特賞中入球数、特賞中出球数は特別遊技状態における入球数、出球数であって、上述の通常遊技データの入球数、出球数と同様にCPU91aが処理することでカウントされ、RAM91cに特賞中入球数、特賞中出球数として記憶される。
また、特賞出球数は、特賞中出球数から特賞中入球数を差し引いた値であって、CPU91aがRAM91cから上述の特賞中出球数、特賞中入球数を読み出し、特賞中出球数から特賞中入球数を差し引く処理を行うことで算出される。なお、複数回の特賞があった場合は、それぞれの特賞について特賞中入球数、特賞中出球数をカウントするとともに特賞出球数を算出する。
【0131】
平均特賞出球数は、複数回の特別遊技状態における特賞出球数の平均値である。また、最大特賞出球数は、複数回の特別遊技状態における特賞出球数のうち、最も多い特賞出球数であり、最小特賞出球数は最も少ない特賞出球数である。
CPU91aは、RAM91cの遊技機データ記憶領域に記憶されている各特賞の特賞出球数を読み出し、これらを加算して特賞回数で割る処理を行うことで平均特賞出球数を算出する。また、CPU91aは、RAM91cの遊技機データ記憶領域に記憶されている各特賞の特賞出球数を読み出し、最も多い特賞出球数を最大特賞出球数、最も少ない特賞出球数を最小特賞出球数とする処理を行う。
【0132】
なお、特別遊技データのうち、特賞中入球数、特賞中出球数、特賞出球数、平均特賞出球数、最大特賞出球数、最小特賞出球数については、特別遊技状態において入賞可能になる特別変動入賞装置5への入賞に関するデータを、他の入賞領域への入賞に関するデータと分けて収集するようにしても良い。
【0133】
また、第2枠制御装置91のCPU91e等からなるタッチパネル制御部は、タッチパネル表示ユニット151に接続され、タッチパネル表示ユニット151のタッチパネル15aからの入力信号を処理するとともに、タッチパネル表示ユニット151のLCDパネル15bへの画像表示を制御する。
すなわち、LCDパネル15bには、予め設定された複数の画面のうちの1つの画面が表示されるとともに、該表示画面にタッチパネル15a用のボタンが表示され、タッチパネル15aから前記ボタンの範囲内の座標位置が入力されると、予めボタンに対応して設定された処理を行うようになっている。なお、第2枠制御装置91における処理は、タッチパネル15aから入力された座標位置に基づいて、行う処理を決定するものであり、ボタンに対応した処理は、第1枠制御装置83で行われる。なお、LCDパネル15bには、上述のボタン以外に、持球数、金額情報、変動表示ゲームの実行回数、非確変大当り回数、確変大当り回数等のデータ表示も行われる。
【0134】
すなわち、第2枠制御装置91のタッチパネル制御部は、ROM91iに格納された画像データ等を用いてVDPが各種ボタンが表示される設定画面の表示データを作成し、作成された表示データをLCDコントローラ91jを介してLCDパネル15bに表示させる制御を行うとともに、同様に、第1枠制御装置83から送信されるデータに基づくデータがRAM91gに記憶され、RAM91gに記憶されたデータを表示するためのデータ表示の制御を行う。また、タッチパネル制御部は、表示されたボタンの1つに対応する位置がタッチパネル15aから入力された場合に、位置が入力されたボタンに対応する処理を開始するように第1枠制御装置83に制御信号を出力する。
なお、ブロック図に示されるインバータ基板15fは、LCDパネル15bのバックライトの冷陰極管に高周波数の交流電流を供給するものである。
【0135】
発射制御装置63aは、CPU63b、発射装置61のモータ68(発射モータ)のドライバ回路63c、I/O63dを備えており、I/O63dには、タッチセンサ152(発射操作部タッチセンサ)及び発射スライドボリューム153(スライドボリューム基板)、球送りソレノイド244が接続され、ドライバ回路63cには、モータ68が接続されている。
そして、発射制御装置63aのCPU63bは、図示しないROMに記憶されたプログラムに基づいて、後述するように第1枠制御装置83からの発射許可の制御信号を受信した状態で、発射スライドボリューム153の操作レバー156の操作に基づく信号レベルにより、発射装置61における遊技球の発射勢を制御するとともに、タッチセンサ152において、遊技者の手が検出された場合に、発射装置61のモータ68を制御して所定の時間間隔毎に遊技球を順次発射する制御を行う。また、発射制御装置63aは、発射装置61による遊技球の発射のタイミングに合わせて、球送りソレノイド244を作動させて、封入球循環ユニット200から発射装置61に遊技球を供給する制御を行う。
【0136】
また、発射制御装置63aは、上述のように第1枠制御装置83に接続されており、第1枠制御装置83は、持球数が0以上の場合に、遊技球の発射位置への送りと、遊技球の発射を許可する制御信号を送信するようになっている。これにより、上述のように発射制御装置63aにおいて、持球数が1以上の場合に、遊技者の発射操作により遊技球の発射が可能となる。
また、第1枠制御装置83から発射制御装置63aには、後述するように試し打ち等のための自動発射用に、タッチセンサ152からの検出信号無しに、球送りソレノイド244による遊技球の発射位置への移動と、モータ68による遊技球の発射を可能とする球送り許可信号と、発射補助信号とが出力可能となっている。
【0137】
なお、発射制御装置63aとなる発射制御基板63においては、制御回路を汎用のCPU63bを用いずに専用のロジックデバイス(汎用性のあるプログラマブルロジックデバイスを用いても良い)により構成しても良く、CPUに代えてロジックデバイスを用いることでコストダウンを図ることができる。
【0138】
次に、図9を参照して、遊技場の管理システムについて説明する。
遊技場においては、例えば、複数列の島設備に、それぞれ複数の封入球式遊技機100が左右に並べて設置されるとともに、各封入球式遊技機100毎に隣接して、遊技機同士の間に配置されるサンド装置である球貸機901が封入球式遊技機100と1対1で配置される。また、島設備毎等の複数の球貸機901毎に通信ボックス904が配置され、通信ボックス904がホールサーバ900及びPOS装置905に接続されている。
【0139】
そして、封入球式遊技機100と球貸機901は、上述のようにシリアル通信可能にRS232Cで接続されている。そして、球貸機901は、シリアル通信可能にRS485で通信ボックス904に接続されている。また、通信ボックス904と、ホールサーバ900と、POS装置905とがLANにより接続されている。
そして、各封入球式遊技機100からは上述の外部情報が球貸機901に出力され、各球貸機901から外部情報が通信ボックス904に出力され、通信ボックス904は、LANにより接続されたホールサーバ900及びPOS装置905に外部情報を送信可能となっている。
【0140】
また、球貸機901には、後述するようにカードリーダライタやコインセレクタ紙幣識別機等が配置され、記憶媒体であるカードに記憶されたデータやカードに記憶されたデータに対応するホールサーバに記憶されたデータや、コインセレクタや紙幣識別機に投入された現金により発生したデータに基づく金額情報(遊技価値情報)を有し、この金額情報を封入球式遊技機100に送信可能とされ、封入球式遊技機100において、タッチパネル表示ユニット151において、球貸操作として遊技価値情報を遊技媒体数に変換して持球数に加算可能となっている。
【0141】
POS装置905は、例えば、カードリーダライタ及びバーコードリーダを備え、後述するように記憶媒体であるカードに記憶されたデータに対応してホールサーバ900に記憶された持球数のデータを抽出可能となっているとともに、景品に付けられたバーコードに対応して景品のデータ(景品を交換するのに必要な遊技媒体数を含む)を抽出可能となっている。そして、POS装置905は、持球数を景品交換した際に、持球数から景品に対応する遊技媒体数を減算して、景品交換による持球数の精算と、景品の管理等を行うものである。なお、POS装置905は、特定の景品を持球数に対応して払い出すようになっていても良い。
【0142】
そして、ホールサーバ900においては、各遊技機の外部情報に基づいて、各遊技機の入球データ、出球データ、差球データ、変動表示ゲームの実行回数、非確変の大当り回数、確変の大当り回数等のデータが時系列に従って記憶して管理できるとともに、POS装置905において景品に交換された持球数も含めて遊技場全体での遊技媒体数の状態を管理可能となっている。また、本発明における遊技装置は、封入球式遊技機100単体であっても良いが、上述のように接続されたホールサーバ900等の遊技場システム内の封入球式遊技機100と接続された外部装置を含んでも良く、本発明における各種設定や出力をホールサーバ900で行うものとしても良く、封入球式遊技機100とホールサーバ900等の外部装置とを含めて本発明の遊技装置としても良い。この場合に、ホールサーバ900が複数の封入球式遊技機100に接続されていることから、複数の封入球式遊技機100の設定を同時に行ったり、複数の封入球式遊技機100からのデータの出力を1つのモニタに一度に表示したり、一枚の紙に印刷したりすることが可能となる。
【0143】
また、上述のように各封入球式遊技機100は、第2枠制御装置91がCANを介して所謂呼出ランプである外部演出装置902の表示器902a及び音声出力装置902bに接続されており、ランプによる演出、表示器902aへの変動表示ゲームの実行回数、大当り回数等の表示、音声出力装置902bからの音声による演出等を可能としている。なお、外部演出装置902は、封入球式遊技機100に対して1対1で対応して配置されるが、CANにより相互に接続されており、各種演出を外部演出装置902同士が連携するように行うことも可能である。
【0144】
また、各封入球式遊技機100は、LANを介してアプリケーションサーバ903に接続され、アプリケーションサーバ903は、インターネットに接続されている。そして、各封入球式遊技機100から出力される外部情報とほぼ同様の情報がアプリケーションサーバ903に入力されて記憶されている。そして、インターネットを介してパソコン906や携帯電話等の携帯端末からアプリケーションサーバ903にアクセスすることにより、各遊技機の情報が閲覧可能となる。
【0145】
次に、以上のような構成の遊技装置を用いた試し打ちと、遊技機データ、入賞率関連データの算出について説明する。
試し打ちは、釘(入賞率調整部材)の調整後などに行うものであり、これによって上述したような遊技機データや入賞率関連データを算出し、調整の結果が所望の結果であるか調べるためのものである。また、後述するように、この試し打ちによって遊技客へのサービスとして特定遊技状態から営業開始できるように調整することもできる。
【0146】
試し打ちは、第2枠制御装置91において、釘調整メニュープログラムを実行することで行うことができる。当該プログラムは、発射条件設定手段によって試し打ちを行う条件を設定でき、設定条件に基づき自動発射制御手段により試し打ちの実行を行った後、入賞率関連データ算出手段により入賞率関連データを算出できるものである。
【0147】
遊技機100の電源を投入すると、VDP91hがROM91iからメンテナンスメニュー画面を読み出し、タッチパネル表示ユニット151にメンテナンスメニューを表示する(図示略)。メンテナンスメニューには、遊技機100に関する情報を得るための複数のメニューが用意されており、タッチパネル表示ユニット151には、これらのメニューを選択できるよう複数のボタンが表示される。試し打ちを行うときは、このメンテナンスメニューのうち、釘調整メニューボタンが表示されている範囲に触れて釘調整メニューを選択する。これによって、タッチパネル制御部には、釘調整メニューボタンが表示されている範囲内の座標位置が入力され、釘調整メニューが選択されたことが検知される。そして、この情報がCPU91aに入力される。
【0148】
CPU91aは、この入力を受けてROM91bから釘調整メニュープログラムを読み出しこれに沿った処理を実行する。
第2枠制御装置91のCPU91aは、タッチパネル表示ユニット151制御用のCPU91eに対して、発射条件の設定画面を表示するように指示を出し、図10(a)に示すような画面が表示される。この釘調整メニュープログラムにおいて、所定数の遊技球を発射したときの入賞率関連データを求めるときは、タッチパネル表示ユニット151において、スタート自動運転を選択する。この情報も上述したように第2枠制御装置91のCPU91aに入力される。
【0149】
続いてCPU91aは、図10(b)に示すような自動運転する遊技球数(予定発射球数)を指定する画面を表示するようCPU91eに指示を出し、タッチパネル表示ユニット151で入力された情報をRAM91cの発射条件記憶領域に記憶する。
以上のことから、CPU91aで実行される釘調整メニューの条件設定を、CPU91eを介してタッチパネル表示ユニット151を用いて行うこととなる。
つまり、第2枠制御装置91とタッチパネル表示ユニット151が、遊技球の自動発射の期間を特定する発射条件設定手段として機能する。
発射条件設定手段においては、この他に特別遊技状態の発生回数や、発射時間、後に算出される入賞率関連データに対する目標値などを設定でき(図示略)、これらの情報をRAM91cの発射条件記憶領域に記憶する。
なお、目標値としては、入球数、出球数、差球数、スタート回数、余剰保留球数、ベース、特賞回数、特賞中入球数、特賞中出球数、特賞出球数、平均特賞出球数、最大特賞出球数、最小特賞出球数などの入賞率関連データを設定できる。
【0150】
また、発射条件設定手段においては、特別遊技状態が発生したときに遊技球の発射を中断し、特別遊技状態が終了した後に遊技球の発射を再開するように設定することもできる。これによって、特別遊技状態における特別変動入賞装置5(特別入賞領域)への入賞を避けることができるとともに、継続入賞領域への入賞も避けることができるので、特別遊技状態を強制的に終了(パンク)させることができる。この機能を用いれば、試し打ちの途中で特別遊技状態となっても特別遊技状態での出球がカウントされないとともに、時間を短縮することができるので、通常状態における入賞率関連データを効率よく求めることができる。
【0151】
また、発射条件設定手段においては、特別遊技状態の発生が容易な特定遊技状態(確変や普図時短)へ移行することが成立するまで遊技球を発射し、特定遊技状態へ移行することが成立した時点で遊技球の発射を停止するように設定することができる。すなわち、試し打ちの後に特定遊技状態から遊技を始められるように設定することができるようになる。このような設定を用いれば、例えば、閉店後にこのような設定条件で遊技球を自動発射させ、翌営業日に遊技客へのサービスとして特定遊技状態から遊技を始められる状態にすることができる。また、試し打ちで得られた入賞率関連データを参照すれば、特定遊技状態から遊技を始められる状態にする遊技機を選択できる。
【0152】
上述したような発射条件の設定がすべて完了したら、第2枠制御装置91のCPU91aは、CPU91eに対して、タッチパネル表示ユニット151に自動運転の開始ボタンを表示する指示を出す。タッチパネル表示ユニット151において、自動運転の開始が選択されると、この情報がCPU91aに入力され、自動運転を開始する処理を行う。この処理として、第2枠制御装置91のCPU91aは、第1枠制御装置83のCPU84aに対して発射許可信号を出力するように指示する。これに応じてCPU84aが発射制御装置63aに対して球送り許可信号及び発射補助信号を送信した場合、タッチセンサ152からの入力がなく、かつ、持ち球数が0であっても発射制御装置63aが球送りソレノイド244及び発射モータ68を駆動させ遊技球を自動発射する。また、RAM91cに設けられたカウンタ記憶領域に、発射残球数の初期値として、上述の発射条件設定手段で設定した予定発射球数を入力する。そして、CPU91aは、図10(c)に示すように、CPU91eに対して、タッチパネル表示ユニット151に自動運転の進行状況を表示させる。
【0153】
封入球循環ユニット200内で待機している遊技球が、球送り装置240で供給流路245に送られ、供給流路245に設けられた球送りセンサ246を通過すると、信号が第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91のCPU91aに入力される。CPU91aは、この入力に対応してRAM91cのカウンタ記憶領域に記憶していた発射残球数から1減少させる処理を行う。また、発射されたにもかかわらず、遊技領域1aに到達せずに戻ってきたファール球としての遊技球は、封入球循環ユニット200に回収されファール球センサ253を通過する。このファール球センサ253からの信号も第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91のCPU91aに入力され、これに応じてRAM91cのカウンタ記憶領域に記憶していた発射残球数を1増加させる処理を行う。つまり、RAM91cのカウンタ記憶領域において、発射残球数から実際に遊技領域に発射された遊技球の数(実発射球数)が減算される処理が行われる。そして、値が0になったときにCPU91aは第1枠制御装置83に対して、遊技球の発射を停止する処理を行うように指示する。第1枠制御装置83は、この指示に応じて上述の球送り許可信号及び発射補助信号の発射制御装置63aへの送信を停止し、遊技球の発射を停止させる。
【0154】
また、遊技領域1aに発射され、封入球循環ユニット200に回収された遊技球が通過する回収球センサ212からの信号も、第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91のCPU91aに入力される。CPU91aは、この入力に応じてRAM91cの遊技機データ記憶領域の回収球数を1加算する処理を行うことで回収球数をカウントする。なお、この回収球数は、封入球式遊技機100の外に遊技球が出なければ実発射球数と一致するものであり、これを確認することで遊技球が正常に循環しているかを確認することができる。
【0155】
遊技領域1aに発射された遊技球が入賞領域に入賞すると、各入賞領域に設けられたセンサからの信号が遊技制御装置21に入力される。遊技制御装置21は、各入賞領域への入賞球数と、入賞した入賞領域に合わせた賞球数を遊技機情報として第1枠制御装置83に出力する。この信号は、第1枠制御装置83を介して第2枠制装置91のCPU91aに入力される。CPU91aは、この入力に応じてRAM91cの遊技機データ記憶領域の入賞数及び賞球数を加算する処理を行う。
【0156】
入賞領域の内、普通変動入賞装置9(始動入賞領域)に遊技球が入賞すると、遊技制御装置21において、特図の変動表示ゲームが開始される(役物装置の作動)。この特図の変動表示ゲームの開始と結果は、演出制御装置51、第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91のCPU91aに入力され、RAM91cの遊技機データ記憶領域に記憶される。また、普通変動入賞装置9に入賞したにもかかわらず、始動記憶数(保留数)の上限値以上であったため、特図の変動表示ゲームを行えなかった遊技球数も、第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91のCPU91aに入力され、余剰保留球数(オーバーフロー入賞数)としてRAM91cの遊技機データ記憶領域に記憶される。
【0157】
第2枠制御装置91においては、遊技制御装置21から演出制御装置51、第1枠制御装置83を介して入力された特図の変動表示ゲームの結果が当たりであった場合は、特別遊技状態の発生回数としてカウントしRAM91cの遊技機データ記憶領域に記憶する。そして、特図の変動表示ゲームの結果が確変を伴う当たりであった場合は、特別遊技状態としてカウントするとともに、確変回数としてカウントしRAM91cの遊技機データ記憶領域に記憶する。また、特別遊技状態の開始及び終了の信号も第2枠制御装置91のCPU91aに入力される。
【0158】
発射条件設定手段において、特別遊技状態の処理方法として強制的に終了(パンク)させると設定した場合、CPU91aは、特別遊技状態の開始信号が入力されたときに、上述の遊技球の発射を停止する処理を行う。そして、CPU91aは、特別遊技状態の終了信号が入力されたときに、遊技球の発射を再開する処理を行う。
【0159】
発射条件設定手段において、特別遊技状態を強制的に終了させないとした場合は、特別遊技状態になってもそのまま遊技球の発射が継続される。
特別遊技状態においては、上述した入賞領域への入賞の他に、特別変動入賞装置5への入賞が可能となる。第2枠制御装置91では、上述の遊技機データに加え、遊技制御装置21から演出制御装置51、第1枠制御装置83を介して送信される特別変動入賞装置5への入賞数及び継続入賞領域への入賞数等をカウントしRAM91cの遊技機データ記憶領域に記憶する。
【0160】
なお、特別遊技状態における遊技機データは、通常状態の遊技機データとは区別してRAM91cの遊技機データ記憶領域に記憶する。また、特定遊技状態(確変、普図時短)における遊技機データを区別してRAM91cの遊技機データ記憶領域に記憶するようにしても良い。
【0161】
すなわち、第1枠制御装置83、第2枠制御装置91、遊技制御装置21、発射制御装置63aが、遊技球の発射開始指示の検出に基づいて、発射条件設定手段で設定された発射条件を充足するまでの期間、発射位置へ遊技球を供給するとともに発射装置61が遊技球を発射するように自動制御する自動発射制御手段として機能する。
【0162】
以上のことから、発射位置に供給した遊技球を発射装置61が遊技領域1aに向けて発射するように制御するとともに、該遊技領域1aを経た遊技球を回収し、再び該発射位置に供給して遊技球を循環利用する一方、該遊技領域1aに配置した役物装置の動作に応じて特別遊技条件が成立した場合に、特別遊技状態の発生が可能な遊技機を含む遊技装置において、遊技機で遊技球を発射する期間を特定可能な発射条件を設定する発射条件設定手段と、遊技球の発射開始指示の検出に基づいて、発射条件を充足するまでの期間、発射位置へ遊技球を供給するとともに発射装置61が該遊技球を発射するように自動制御する自動発射制御手段を備えたこととなる。
【0163】
また、発射条件設定手段は、発射する遊技球数を予定した予定発射球数を設定するものであり、自動発射制御手段は、実発射球数を計数するとともに、実発射球数を予定発射球数に基づいて監視して、実発射球数が予定発射球数に達した場合に、遊技球の発射を停止することとなる。
【0164】
さらに、自動発射制御手段は、特別遊技状態の発生状況を監視して、特別遊技状態の発生に基づき遊技球の発射制御を中断して、特別遊技状態の終了に基づき遊技球の発射制御を再開することとなる。
【0165】
発射条件設定手段において設定した条件を満たし、自動発射制御手段による遊技球の自動発射が終了したら、第2枠制御装置91のCPU91aは、RAM91cの遊技機データ記憶領域に記憶された遊技機データを読み出し、これを元に入賞率関連データを算出する処理を行う。
上述したように、通常状態における遊技機データと特別遊技状態における遊技機データは、別々にRAM91cの遊技機データ記憶領域に記憶されている。CPU91aはこれらのデータを元に、通常状態における入賞率関連データ(通常遊技データ)と、特別遊技状態における入賞率関連データ(特別遊技データ)をそれぞれ算出する処理を行う。
【0166】
通常状態における入賞率関連データ(通常遊技データ)の算出処理としては、例えば、入球数から出球数を差し引いた値である差球数を算出する処理や、入球100個あたりの出球数であるベースを算出する処理などがあり、これらの処理よって算出された入賞率関連データはRAM91cの入賞率関連データ記憶領域に、通常状態における入賞率関連データ(通常遊技データ)として記憶される。
なお、入球数、出球数(賞球数)、スタート回数、余剰保留球数を、通常状態における入賞率関連データ(通常遊技データ)としてRAM91cの入賞率関連データ記憶領域に記憶しても良い。
【0167】
また、特別遊技状態における入賞率関連データ(特別遊技データ)の算出処理としては、例えば、以下に示すような処理がある。
特別遊技状態における特賞中出球数から特賞中入球数を差し引き、特別遊技状態において遊技客が得る遊技球の数である特賞出球数を算出する処理。
複数回の特別遊技状態において算出された特賞出球数のうち、最も多いものを最大特賞出球数、最も少ないものを最小特賞出球数とする処理。
複数回の特賞出球を加算し、これを特別遊技状態の発生回数で割って、特別遊技状態で得られる特賞出球の平均値である平均特賞出球数を算出する処理。
これらの処理よって算出された特別遊技状態における入賞率関連データは、通常状態における入賞率関連データとは別にRAM91cの入賞率関連データ記憶領域に、特別遊技状態における入賞率関連データ(特別遊技データ)として記憶される。
なお、特賞回数、特賞中入球数を、特別遊技状態における入賞率関連データ(特別遊技データ)としてRAM91cの入賞率関連データ記憶領域に記憶しても良い。
【0168】
すなわち、第2枠制御装置91が、発射した遊技球数や入賞領域に入賞した遊技球数、特別遊技状態の発生回数などの遊技機データを元に入賞率関連データを算出する入賞率関連データ算出手段として機能する。
【0169】
以上のことから、入賞領域は、遊技球が入賞することで役物装置を作動させる始動入賞領域9と、特別遊技状態が発生した場合に遊技球の入賞確率が高まる特別入賞領域5を含み、入賞率関連データ算出手段は、特別遊技状態が発生していない通常期間は、始動入賞領域9を含む特別入賞領域5以外の入賞領域への遊技球の入賞率に関する通常遊技データを入賞率関連データとして算出し、特別遊技状態が発生した特別遊技期間は、通常遊技データに加え、特別入賞領域への遊技球の入賞率に関する特別遊技データを入賞率関連データとして算出することとなる。
【0170】
入賞率関連データの算出が完了したら、第2枠制御装置91のCPU91aはRAM91cの入賞率関連データ記憶領域に記憶されている入賞率関連データを読み出し、これをCPU91eに出力してタッチパネル表示ユニット151に表示させる。なお、この入賞率関連データは、図12(a)に示すような、釘調整メニューの選択画面において基礎データの表示を選択することで、CPU91aがRAM91cからデータを読み出し、図12(b)に示すように、タッチパネル表示ユニット151に表示させられるようになっている。
【0171】
すなわち、第2枠制御装置91とタッチパネル表示ユニット151が入賞率関連データを表示する入賞率関連データ表示手段として機能する。
【0172】
以上のことから、遊技領域1aに、遊技球の入賞が可能な入賞領域と、該入賞領域への遊技球の入賞率を調整可能な入賞率調整部材とを配置し、自動発射制御手段により遊技球を循環利用することで遊技機から発生する遊技機データに基づいて、入賞領域への遊技球の入賞率に関する入賞率関連データを算出する入賞率関連データ算出手段と、入賞率関連データを表示する入賞率関連データ表示手段を備えたこととなる。
【0173】
また、CPU91aは得られた入賞率関連データとRAM91cの設定条件記憶領域に記憶された目標値との比較を行う。
目標値と入賞率関連データの差が所定値(この所定値もあらかじめRAM91cに記憶されている)を越える場合は、CPU91aが第1枠制御装置83を介して外部アピール基板11aに情報を出力し、外部アピール装飾ランプ11を点灯させるなどして外部に報知する。つまり、第1枠制御装置83、第2枠制御装置91、外部アピール装飾基板11a、外部アピール装飾ランプ11が報知手段として機能する。なお、外部に報知する手段としては、タッチパネル表示ユニット151やスピーカ155、外部演出装置902の表示器902aや音声出力装置902bなどを用いても良い。
【0174】
以上のことから、入賞率関連データと予め定められた目標値とを比較して、入賞率関連データと目標値との差が所定値を越えた場合、該当する遊技機を特定して報知する報知手段を備えたこととなる。
【0175】
その他の設定条件における入賞率関連データの算出も上記と同様に行うことができる。
例えば、所定の特賞回数が得られるまでの入賞率関連データを求めるときは、図11(a)に示すように、タッチパネル表示ユニット151においてアタッカ自動運転を選択する。次に、図11(b)に示すように、特別遊技状態の発生回数(実特別遊技発生回数)を選択し、その他、試し打ち中の特別遊技状態の処理方法(強制的に終了させるか否か)や目標値の設定などの設定を行う。条件の設定が完了したら、自動運転を開始する。自動運転中は、図11(c)に示すように、進行状況を示す画面が表示される。第2枠制御装置91のRAM91cのカウンタ記憶領域には、特別遊技残り回数の初期値として、予定特別遊技回数が入力される。CPU91aは、RAM91cのカウンタ記憶領域において、特別遊技状態の発生回数を監視し、実際に特別遊技状態が発生した回数(実特別遊技発生回数)が、予定特別遊技回数に達したら自動運転を終了する。そして、図11(d)に示すように、タッチパネル表示ユニット151に自動運転によって得られた遊技機データから算出した入賞率関連データを表示する。また、入賞率関連データと目標値とを比較し、目標値との差が所定値を越える場合はこれを外部に報知する。
なお、特に、特別遊技状態における入賞率関連データを収集したいときは、擬似的に大当り信号を出力して特別遊技状態を強制的に発生できるようにすれば、試し打ちにかかる時間を短縮することができる。また、特別遊技状態の回数をカウントするときに、特別遊技状態の終了に関する情報の入力をカウントするようにすれば、設定した回数の特別遊技状態を消化した時に自動運転を終了することができる。
【0176】
以上のことから、発射条件設定手段は、特別遊技状態の発生回数を予定した予定特別遊技回数を設定するものであり、自動発射制御手段は、実特別遊技発生回数を計数するとともに、該実特別遊技発生回数を予定特別遊技回数に基づいて監視して、該実特別遊技発生回数が予定特別遊技回数に達した場合に、遊技球の発射を停止することとなる。
【0177】
また、所定の発射時間における入賞率関連データを求めるときは、タッチパネル表示ユニット151によって発射時間を指定し自動運転を開始する(図示略)。第2枠制御装置91のCPU91aは、RAM91cに設けられたタイマ記憶領域において、実際に遊技球を発射した時間(実発射時間)を計測して、実発射時間が予定発射時間に達したら自動運転を終了する。そして、タッチパネル表示ユニット151に自動運転によって得られた遊技機データから算出した入賞率関連データを表示するとともに、目標値との差が所定値を越える場合はこれを外部に報知する。
【0178】
以上のことから、発射条件設定手段は、遊技球を発射する時間を予定した予定発射時間を設定するものであり、自動発射制御手段は、実発射時間を計測するとともに、実発射時間を予定発射時間に基づいて監視して、実発射時間が予定発射時間に達した場合に、遊技球の発射を停止することとなる。
【0179】
また、特定遊技状態(確変、普図時短)へ移行することが成立した時点で遊技球の発射を停止するように設定するときも、タッチパネル表示ユニット151によって設定する(図示略)。このように設定したとき、第2枠制御装置91において、遊技制御装置21から演出制御装置51、第1枠制御装置83を介して送信される特図の変動表示ゲーム(可変表示遊技)の結果を監視する。そして、特図の変動表示ゲーム(可変表示遊技)の結果が特定遊技状態を伴う大当りであったときは、上述したような遊技球の発射を停止する処理を行う。この遊技球の発射を停止する処理を行う時期は、CPU91aに特別遊技状態の開始信号が入力されたときでも良いし、特別遊技状態を消化してCPU91aに特別遊技状態の終了信号が入力されたときでも良い。
【0180】
そして、タッチパネル表示ユニット151に自動運転によって得られた遊技機データから算出した入賞率関連データを表示する。また、入賞率関連データと目標値とを比較し、目標値との差が所定値を越える場合はこれを外部に報知する。ここで、遊技客へのサービスとして、翌営業日に特定遊技状態から開始させる遊技機を選択するために、例えば、差球がプラスの遊技機(遊技店側から見て儲けている遊技機)や特賞回数の少ない遊技機が報知対象となるように目標値を設定すれば都合がよい。また、このように特定遊技状態から営業開始するようにした場合、遊技者が発射操作を開始したときに、その遊技機が特定遊技機状態であることを報知するようにしても良い。
【0181】
また、特定遊技状態(確変、普図時短)へ移行することが成立した時点で遊技球の発射を停止する他に、所定のスタート回数や、所定の発射球数、所定の変動パターンが発生したときに遊技球の発射を停止するようにし、翌営業日にその状態から営業開始できるようにしても良い。
ここで、変動パターンとは、変動表示ゲームの基本的な表示パターンを示すもので、少なくとも変動表示ゲームを表示する時間を規定するものであり、変動表示ゲームの開始時に遊技制御装置21から演出制御装置51へ送られるものである。この変動パターンは演出制御装置51から第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91のCPU91aに入力される。CPU91aは、入力される変動パターンのうち、所定の変動パターンが入力されたときに、遊技球の発射を停止する処理を行う。
【0182】
以上のことから、遊技機100は、可変表示遊技の表示が可能な可変表示装置4(変動表示装置)を備え、可変表示遊技の表示結果が特別表示態様であった場合に特別遊技状態の発生が可能であるとともに、予め定められた特定条件の内容に応じて、特別遊技状態の発生が容易な特定遊技状態へ移行することが成立するものであり、発射条件設定手段は、特定遊技状態へ移行することが成立するまで遊技球を発射させることを設定するものであり、自動発射制御手段は、特定遊技状態へ移行することが成立したか否かを監視して、特定遊技状態へ移行することが成立した場合に、遊技球の発射を停止することとなる。
【0183】
なお、以上の実施の形態において遊技装置は、遊技機100単体で構成されるとし、遊技機100において条件の設定や入賞率関連データの解析等を行うとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技機外部のホールサーバ900などの管理システムを含んでいても良い。
【0184】
例えば、図9に示すような遊技装置において遊技機100は、球貸機901、通信ボックス904を介してホールサーバ900に接続されている。試し打ちを行う際は、ホールサーバ900から通信ボックス904、球貸機901を介し、各遊技機に対して釘調整メニュープログラムを起動させる指示を出すとともに、設定条件などの情報を送信する。これらの情報は、第2枠制御装置のCPU91aに入力され、CPU91aは、釘調整メニューの起動及び各種条件を設定する処理を行い、処理が完了したら自動発射を開始する。上述したように、第2枠制御装置91のCPU91aは自動運転中に得られる情報をRAM91cに記憶する。CPU91aは、設定した条件を満たし自動運転を終了した後、得られた遊技機データを、球貸機901、通信ボックス904を介してホールサーバ900に送信する。ホールサーバ900は、得られた遊技機データから入賞率関連データの算出を行い、得られた入賞率関連データと目標値との差が所定値を越える場合は、ホールサーバ900のディスプレイなどで報知する。このように、試し打ちをホールサーバ900で一括して管理すれば、作業の効率をより向上させることができる。
【0185】
その他、ホールサーバ900において、機種毎、島毎に上記設定を行うようにしても良いし、指定した遊技機に対してだけ試し打ちを行えるようにしても良い。また、目標値との差が所定値を越えた遊技機を報知する方法として、外部演出装置902の表示器902aや音声出力装置902bなどを用いても良い。
【0186】
また、以上の実施の形態においては、第1枠制御装置83から発射制御装置63aに対して遊技球の発射制御信号(試し打ち時に送信される球送り許可信号、発射補助信号を含む)を送信するとしたが、第2枠制御装置83から発射制御装置63aに対して遊技球の発射許可信号を送信するようにしても良い。
なお、第2枠制御装置91から発射制御装置63aに対して発射許可信号を送信するときは、第1枠制御装置83に設けられ、CPU84aを介さず第2枠制御装置91と発射制御装置63aを接続する図示しない回路を用いて直接送信する。
【0187】
以上のような遊技装置は、発射位置に供給した遊技球を発射装置61が遊技領域1aに向けて発射するように制御するとともに、該遊技領域1aを経た遊技球を回収し、再び該発射位置に供給して遊技球を循環利用する一方、該遊技領域1aに配置した役物装置の動作に応じて特別遊技条件が成立した場合に、特別遊技状態の発生が可能な遊技機100を含む遊技装置であって、遊技機100で遊技球を発射する期間を特定可能な発射条件を設定する発射条件設定手段と、遊技球の発射開始指示の検出に基づいて、発射条件を充足するまでの期間、発射位置へ遊技球を供給するとともに発射装置61が該遊技球を発射するように自動制御する自動発射制御手段を備えている。
【0188】
従って、発射条件設定手段によって設定した条件を充足するまで自動発射制御手段により遊技球を発射するようにしたことで、試し打ち作業が自動化されて作業効率を向上させることができる。
特に、遊技機100外部の管理装置900から指定した遊技機100に対して一括して試し打ち指示を出すようにすればより作業効率を向上できる。
すなわち、遊技店が所望する発射条件を設定するだけで、一定期間遊技球の自動発射を行うことができるようにしたので、従業員の監視が一切必要なくなり、作業効率を大幅に向上させることができる。
【0189】
また、遊技領域1aに、遊技球の入賞が可能な入賞領域と、該入賞領域への遊技球の入賞率を調整可能な入賞率調整部材とを配置し、自動発射制御手段により遊技球を循環利用することで遊技機100から発生する遊技機データに基づいて、入賞領域への遊技球の入賞率に関する入賞率関連データを算出する入賞率関連データ算出手段と、入賞率関連データを表示する入賞率関連データ表示手段を備えている。
【0190】
従って、遊技機データに基づいて入賞率関連データを算出する入賞率関連データ算出手段と、このデータを表示する表示手段を備えたことで、得られた遊技機データから遊技機100の調整状況を知る上で必要な入賞率関連データを算出して表示できる。
これによって、入賞率の調整が必要な遊技機100が容易にわかるようになり、作業効率を向上させることができる。
【0191】
また、入賞率関連データと予め定められた目標値とを比較して、入賞率関連データと該目標値との差が所定値を越えた場合、該当する遊技機100を特定して報知する報知手段を備えている。
【0192】
従って、入賞率関連データとあらかじめ定められた目標値とを比較し、これらの差が所定値を越えた場合に報知するようにしたことで、調整が必要な遊技機100を容易に確認でき、作業効率を向上させることができる。
【0193】
また、入賞領域は、遊技球が入賞することで役物装置を作動させる始動入賞領域9と、特別遊技状態が発生した場合に遊技球の入賞確率が高まる特別入賞領域5を含み、入賞率関連データ算出手段は、特別遊技状態が発生していない通常期間は、始動入賞領域(普通変動入賞装置9)を含む特別入賞領域(特別変動入賞装置5)以外の入賞領域への遊技球の入賞率に関する通常遊技データを入賞率関連データとして算出し、特別遊技状態が発生した特別遊技期間は、該通常遊技データに加え、特別入賞領域5への遊技球の入賞率に関する特別遊技データを入賞率関連データとして算出するようにしている。
【0194】
従って、入賞率関連データ算出手段が通常期間と特別遊技期間のデータを区別して算出することで、始動入賞領域9への入賞にかかわる入賞率調整部材の調整結果の確認が容易に行える。また、通常期間と特別遊技期間のデータを併せて確認することで、実際の営業に近い状態での遊技機100の調整結果の確認が可能となる。
【0195】
また、発射条件設定手段は、発射する遊技球数を予定した予定発射球数を設定するものであり、自動発射制御手段は、実発射球数を計数するとともに、該実発射球数を予定発射球数に基づいて監視して、該実発射球数が予定発射球数に達した場合に、遊技球の発射を停止するようにしている。
【0196】
従って、発射条件設定手段で予定発射球数を設定し、自動発射制御手段が、実発射球数が予定発射球数に達した場合に遊技球の発射を停止するようにしたことで、遊技店が所望する遊技球数の試し打ちを自動的に行うことができる。
【0197】
また、発射条件設定手段は、遊技球を発射する時間を予定した予定発射時間を設定するものであり、自動発射制御手段は、実発射時間を計測するとともに、該実発射時間を予定発射時間に基づいて監視して、該実発射時間が予定発射時間に達した場合に、遊技球の発射を停止するようにしている。
【0198】
従って、発射条件設定手段で予定発射時間を設定し、自動発射制御手段が、実発射時間が予定発射時間に達した場合に、遊技球の発射を停止するようにしたことで、遊技店が所望するテスト発射の時間の試し打ちを自動的に行うことができる。また、設定時間によっては、実際の営業に近い状態でのテストが可能となる。
【0199】
また、発射条件設定手段は、特別遊技状態の発生回数を予定した予定特別遊技回数を設定するものであり、自動発射制御手段は、実特別遊技発生回数を計数するとともに、該実特別遊技発生回数を予定特別遊技回数に基づいて監視して、該実特別遊技発生回数が予定特別遊技回数に達した場合に、遊技球の発射を停止するようにしている。
【0200】
従って、発射条件設定手段で予定特別遊技回数を設定し、自動発射制御手段が、実特別遊技発生回数が予定特別遊技発生回数に達した場合に、遊技球の発射を停止するようにしたことで、遊技店が所望する回数の特別遊技が発生するまでの試し打ちを自動的に行うことができる。また、設定する特別遊技状態発生回数によっては、実際の営業に近い状態でのテストが可能となる。
【0201】
また、遊技機100は、可変表示遊技の表示が可能な可変表示装置4を備え、該可変表示遊技の表示結果が特別表示態様であった場合に特別遊技状態の発生が可能であるとともに、予め定められた特定条件の内容に応じて、特別遊技状態の発生が容易な特定遊技状態へ移行することが成立するものであり、発射条件設定手段は、特定遊技状態へ移行することが成立するまで遊技球を発射させることを設定するものであり、自動発射制御手段は、特定遊技状態へ移行することが成立したか否かを監視して、特定遊技状態へ移行することが成立した場合に、遊技球の発射を停止するようにしている。
【0202】
従って、発射条件設定手段で特定遊技状態へ移行することが成立するまで遊技球を発射させることを設定し、自動発射制御手段が特定遊技状態へ移行することが成立した場合に、遊技球の発射を停止することで、遊技客へのサービスとして特定遊技状態から営業開始することが容易になる。
また、試し打ちによって得られた入賞率関連データを参照し、サービス対象台として特定遊技状態からの営業を開始する遊技機を選択できる。
【0203】
また、自動発射制御手段は、特別遊技状態の発生状況を監視して、特別遊技状態の発生に基づき遊技球の発射制御を中断して、特別遊技状態の終了に基づき遊技球の発射制御を再開するようにしている。
【0204】
従って、自動発射制御手段は、特別遊技状態の発生の基づき遊技球の発射を中断し、特別遊技状態の終了に基づき遊技球の発射制御を再開することで、特別遊技状態を強制的に終了(パンク)させることができ、特別遊技状態の消化にかかる時間や発射遊技球の節約が可能となるとともに、通常期間の入賞率関連データのみを得ることができる。
また、特定遊技状態が成立するまでに要する時間や発射遊技球の節約が可能となる。
【0205】
なお、本発明の遊技装置を、変動表示ゲームを行う遊技機以外の、例えば、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき変動入賞装置(役物装置)の可動部材を所定回数開状態に変換(例えば、0.5秒の1回或いは0.8秒の2回の間欠開放)する補助遊技を実行するとともに、該開状態への変換により変動入賞装置に流入した遊技球が変動入賞装置内部に設けられた特別入賞口(継続入賞口)へ入賞した場合に、該変動入賞装置の可動部材を補助遊技の場合よりも遊技者に有利に変換(0.8秒の開放を最大18回行う)する特別遊技状態を発生するようにし、該特別遊技状態中に変動入賞装置に流入した遊技球が特別入賞口へ入賞した場合には、該特別遊技状態を継続(最大15ラウンドの継続)するようにした遊技機(所謂、羽根物、第2種のパチンコ遊技機)に応用してもよい。
さらに、本発明を第3種のパチンコ遊技機に応用しても良い。
【0206】
なお、本発明の遊技装置に含まれる遊技機としては、前記実施の形態に示されるような封入球式のパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技装置に適用可能である。
また、本発明の遊技装置に含まれる遊技場の管理システムについても、前記実施の形態に示されるような構成に限られるものではない。
さらに、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0207】
1 遊技盤
1a 遊技領域
4 変動表示装置(役物装置、可変表示装置)
5 特別変動入賞装置(特別入賞領域)
9 普通変動入賞装置(始動入賞領域)
11 外部アピールランプ(報知手段)
11a 外部アピール装飾基板(報知手段)
21 遊技制御装置
51 演出制御装置
61 発射装置
63a 発射制御装置
83 第1枠制御装置
91 第2枠制御装置(発射条件設定手段、自動発射制御手段、入賞率関連データ算出手
段、入賞率関連データ表示手段、報知手段)
100 封入球式遊技機(遊技機、遊技装置)
151 タッチパネル表示ユニット(入賞率関連データ表示手段)
200 封入球循環ユニット
900 ホールサーバ(管理システム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
球貸操作により発生する遊技価値情報から遊技に使用可能な遊技球数である持球数のデータに変換するとともに、該持球数が1以上の場合、封入した遊技球を発射位置に供給し、該遊技球を発射位置が遊技領域に向けて発射するように制御し、発射された遊技球数に対応して該持球数を減算する一方、発射された遊技球が該遊技領域に設けられた入賞領域に入賞した場合は、賞球を払い出すことなく該持球数のデータに賞球数を加算するようにした遊技機であって、
遊技機が発生する情報を管理可能であるとともに当該遊技機が発生する情報と予め定められた目標値とを比較して、当該遊技機が発生する情報と該目標値との差が所定値を越えた場合、該当する遊技機を特定して報知する報知手段を備えた管理装置に対して前記遊技機が発生する情報を送信可能な送信手段を備え、
該送信手段は、前記遊技機が発生する情報を前記管理装置に対して、当該遊技機に接続されるサンド装置を介して送信可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記サンド装置は球貸機であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記送信手段は、前記遊技機が発生する情報を前記サンド装置にシリアル通信で送信することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
請求項3に記載の遊技機を含む遊技装置であって、
前記サンド装置と前記管理装置は通信ボックスを介して接続され、前記サンド装置と前記通信ボックスはシリアル通信可能に接続されるとともに前記通信ボックスと前記管理装置はLANにより接続されていることを特徴とする遊技装置。
【請求項5】
球貸操作により発生する遊技価値情報から遊技に使用可能な遊技球数である持球数のデータに変換するとともに、該持球数が1以上の場合、封入した遊技球を発射位置に供給し、該遊技球を発射位置が遊技領域に向けて発射するように制御し、発射された遊技球数に対応して該持球数を減算する一方、発射された遊技球が該遊技領域に設けられた入賞領域に入賞した場合は、賞球を払い出すことなく該持球数のデータに賞球数を加算するようにした遊技機が発生する情報を管理可能である管理装置であって、
前記遊技機が発生する情報と予め定められた目標値とを比較して、当該遊技機が発生する情報と該目標値との差が所定値を越えた場合、該当する遊技機を特定して報知する報知手段を備え、
前記遊技機が備える送信手段によって送信された当該遊技機が発生する情報を、当該遊技機に接続されるサンド装置を介して受信可能であることを特徴とする管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−210481(P2012−210481A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−173506(P2012−173506)
【出願日】平成24年8月6日(2012.8.6)
【分割の表示】特願2011−49766(P2011−49766)の分割
【原出願日】平成16年4月30日(2004.4.30)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【出願人】(000127628)株式会社エース電研 (339)
【Fターム(参考)】