説明

遊技機および遊技機の表示制御方法

【課題】大規模のハードウエアを必要とせず、図柄等の出現、消滅(フェードイン・フェードアウト)を不自然さをなくすようにして行う。
【解決手段】図示しないCPUは、ステップS1510において、表示されている図柄やキャラクタ等の表示色を背景色に除々に近づけていき、表示エリアから消滅させるようにする。さらに、ステップS1520において、表示エリア内に表示されていない図柄やキャラクタ等の表示色と背景色を除々に異なるようにしていき、表示エリアに出現させるようにする。したがって、複雑なハードウエアを不要としつつ不自然さを感じさせることなく図柄の消滅や出現を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊技機の表示制御技術に係わり、特に識別情報等を消滅、出現させる際における表示制御技術の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平9−51980号公報等に記載された従来の表示制御技術にあっては、図柄の出現や消滅を斬新に行うために、LCD等の表示装置に表示される図柄の輝度を除々に高くして行ったり、あるいは、徐々に低くして行ったりして、表示エリア内に表示されていない図柄を表示エリア内に除々に出現させたり(フェードイン)、あるいは、表示エリアに表示されている図柄を表示エリア内から除々に消滅させたり(フェードアウト)して、斬新な図柄の出現、消滅の表示制御を行なっていた。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら輝度調整によって図柄の出現や消滅を行うためには、輝度を変化させるための大規模なハードウエアを必要とするという問題があった。また、表示装置への印加電圧の大きさを変化させて輝度変化を行わせるに際して、連続的な電圧変化を行うためのハードウエアはとりわけ複雑で、マイコン等を利用して、ステップ状に電圧変化を行って輝度変化を行うようにすれば、出現や消滅が不自然に感じられるものとなっていた。
【0003】本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、大規模のハードウエアを必要とせず、図柄等の出現、消滅(フェードイン・フェードアウト)を不自然さをなくすようにして行う遊技機およびその表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の内の請求項1に係る発明は、識別情報を表示可能な表示エリアを有する表示手段を備えた遊技機において、表示されている識別情報の表示色を背景色に除々に近づけていき、前記識別情報を前記表示エリアから消滅させる表示制御手段を備えたことを特徴とするようにした。
【0004】この請求項1に係る発明においては、表示制御手段は、表示されている識別情報の表示色を背景色に除々に近づけていき、識別情報を表示エリアから消滅させるので、複雑なハードウエアを不要としつつ不自然さを感じさせることなく識別情報の消滅(フェードアウト)を行うことができる。
【0005】また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記表示制御手段は、さらに、前記表示エリア内に表示されていない識別情報の表示色を前記背景色と除々に異なるようにしていき、前記識別情報を前記表示エリアに出現させる手段であることを特徴とする。
【0006】この請求項2に係る発明においては、表示制御手段は、表示エリア内に表示されていない識別情報の表示色を背景色と除々に異なるようにしていき、識別情報を表示エリアに出現させるので、複雑なハードウエアを不要としつつ不自然さを感じさせることなく識別情報の出現(フェードイン)を行うことができる。
【0007】また、請求項3に係る発明は、識別情報を表示可能な表示エリアを有する表示手段を備えた遊技機において、所定数の識別情報が揃ってリーチ状態となった場合、出目を決める最終識別情報の表示色を背景色に除々に近づけていき、前記最終識別情報を前記表示エリアから消滅させ、その後、前記表示エリア内に表示されていない最終識別情報の表示色を前記背景色と徐々に異なるようにしていき、前記最終識別情報を前記表示エリアに出現させる表示制御手段を備えたことを特徴とする遊技機である。
【0008】この請求項3に係る発明においては、表示制御手段は、所定数の識別情報が揃ってリーチ状態となった場合、最終識別情報の表示色を背景色に除々に近づけていき、最終識別情報を表示エリアから消滅させる。その後、表示エリア内に表示されていない最終識別情報の表示色を背景色と徐々に異なるようにしていき、最終識別情報を表示エリアに出現させる。したがって、リーチ状態となった場合、不自然さを感じさせることなく、最終識別情報の消滅(フェードアウト)および出現(フェードイン)を行うことができ、遊技者に対して斬新な表示態様でリーチ状態発生を通知できる。
【0009】また、請求項4に係る発明は、請求項3に記載の遊技機において、前記表示制御手段は、前記最終識別情報を前記表示エリアから消滅させる際に、前記リーチ状態を成立させている識別情報もその表示色を前記背景色に徐々に近づけていって前記表示エリアから消滅させ、前記最終識別情報を前記出現させる際に、前記リーチ状態を成立させている識別情報もその表示色を前記背景色と徐々に異なるようにしていって前記表示エリアに出現させる手段であることを特徴とする。
【0010】この請求項4に係る発明においては、表示制御手段は、最終識別情報を表示エリアから消滅させる際に、リーチ状態を成立させている識別情報もその表示色を背景色に徐々に近づけていって表示エリアから消滅させ、最終識別情報を前記出現させる際に、リーチ状態を成立させている識別情報もその表示色を前記背景色と徐々に異なるようにしていって表示エリアに出現させる。したがって、最終識別情報と共に、リーチ状態を成立させている識別情報も、それらの出現や消滅を不自然さを感じさせずに行うことができ、斬新な表示制御によってリーチ通知が一層効果的に行える。
【0011】また、請求項5に係る発明は、請求項3に記載の遊技機において、前記表示制御手段は、前記最終識別情報を前記表示エリアから消滅させる際に、表示エリア内に表示されているキャラクタもその表示色を前記背景色に徐々に近づけていって前記表示エリアから消滅させ、前記最終識別情報を前記出現させる際に、前記キャラクタもその表示色を前記背景色と徐々に異なるようにしていって前記表示エリアに出現させる手段であることを特徴とする。
【0012】この請求項5に係る発明においては、表示制御手段は、最終識別情報を表示エリアから消滅させる際に、表示エリア内に表示されているキャラクタもその表示色を背景色に徐々に近づけていって表示エリアから消滅させ、最終識別情報を出現させる際に、キャラクタもその表示色を背景色と徐々に異なるようにしていって表示エリアに出現させる。したがって、最終識別情報と共に、キャラクタも、それらの出現や消滅を不自然さを感じさせずに行うことができ、斬新な表示制御によってリーチ通知が一層効果的に行える。
【0013】また、請求項6に係る発明は、識別情報を表示可能な表示エリアを有する表示手段を備えた遊技機において、所定の条件が満足された場合、表示エリア内に表示されている図柄やキャラクタ等の総ての表示物の表示色を背景色に除々に近づけていき、前記総ての表示物を前記表示エリアから消滅させ、その後、前記表示エリア内から消滅させた総ての表示物の表示色を前記背景色と徐々に異なるようにしていき、前記表示エリアに出現させる表示制御手段を備えたことを特徴とする遊技機である。
【0014】この請求項6に係る発明においては、表示制御手段は、所定の条件が満足された場合、表示エリア内に表示されている図柄やキャラクタ等の総ての表示物の表示色を背景色に除々に近づけていき、総ての表示物を表示エリアから消滅させ、その後、表示エリア内から消滅させた総ての表示物の表示色を背景色と徐々に異なるようにしていき、表示エリアに出現させる。したがって、リーチ時には総ての表示物が不自然さを感じさせずに消滅・出現(フェードアウト・フェードイン)されて遊技演出効果を高めることができる。
【0015】また、請求項7に係る発明は、請求項3、4、5および6の内のいずれか一項に記載の遊技機において、前記表示制御手段は、出目が大当りとなる識別情報を前記出現させる識別情報とし、前記表示エリア内に出現させる手段であることを特徴とする。
【0016】この請求項7に係る発明においては、表示制御手段は、出目が大当りとなる識別情報を表示エリア内に出現させるので、不自然さを感じさせずにフェードインを行いながら、遊技者の期待感を高めることができる。
【0017】そして、請求項8に係る発明は、識別情報を表示可能な表示エリアを有する表示手段を備えた遊技機の表示制御方法において、表示されている識別情報の表示色を徐々に変化させて、前記識別情報を前記表示エリアから消滅させ、その後、前記表示エリア内に表示されていない識別情報の表示色を除々に変化させて、前記識別情報を前記表示エリアに出現させることを特徴とする遊技機の表示制御方法である。
【0018】この請求項8に係る発明においては、表示されている識別情報の表示色を除々に変化させるので、識別情報とその周囲の背景の色が同じに(完全同一でなくても良い)なったら識別情報を表示エリアから消滅させることを不自然さを感じさせることなく行える。その後、表示エリア内に表示されていない識別情報の表示色を除々に変化させるので、識別情報とその周囲の色が異なると視認できるようになると、識別情報を表示エリアに出現させることを不自然さを感じさせることなく行うことができる。
【0019】以上の発明において「徐々に」とは、複数段階で変化させることをも含む趣旨であり、「背景色」は単色でも複数色でも良く、さらに、「消滅」とは、背景色と表示色とを完全に一致させることはもちろんのこと、判別不可能な程度に近づけることを含む趣旨である。なお、このような表示制御は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に表示制御手順を記録しておき、コンピュータがこの記録媒体に記録した表示制御手順を読み取って実行することによって実現できる。このような記録媒体としては、ROM、半導体IC等の半導体記録媒体、DVDROM、CDROM等の光記録媒体、フレキシブルディスク等の磁気記録媒体、MO等の光磁気記録媒体が挙げられる。
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は遊技盤10の模式的な説明図である。遊技盤10の略中央部には、3つ図柄(左、中、右)を表示可能な表示エリアを有していて、表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタによる図柄で構成される識別情報が変動表示可能である特別図柄表示装置100が配設されており、その真下には特別図柄始動口104が配設されていて、この特別図柄始動口104の両側には普通図柄作動ゲート102、102が配設されている。また、一対の開閉部材120、120が特別図柄始動口104を形成するように離間して開閉可能に設けられている。
【0020】さらに、特別図柄始動口104の下方には、大入賞口106、普通図柄表示装置108、アウト口114がこの順で配設されており、さらに、特別図柄始動口104の両斜め上方にはランプ表示装置110、110が配設されていると共に、遊技盤10の両側端部近傍にもランプ表示装置(より具体的にはLED装置)112、112が配設されている。
【0021】そして、特別図柄始動口104に遊技玉が入賞されて乱数抽選が行われ、この抽選された乱数が大当り値である時には、表示エリアにおいて少なくとも1つの識別情報の変動表示が開始されその後、所定パターン(例えば「7、7、7」)の表示が特別図柄表示装置100によって行われ、大入賞口106が所定パターンで開閉制御されて遊技者にとって有利な大当り遊技状態となる。さらに、大当たり出目のうちでも特定の出目になると、大当たり確率が小から大となる確率変動機能を有すると共に、変動表示回数が所定数回、例えば50回の間は図柄変動時間が短縮されて遊技者にとって有利となる時間短縮機能を有している。
【0022】また、普通図柄作動ゲート102が遊技玉の通過を検出すると、乱数抽選が行われこの抽選された乱数が小当り値である時には、普通図柄表示装置108の表示エリアにおいて所定パターン(例えば「7」や「3」)での表示をし、その後に、開閉部材120が開状態となって遊技玉が特別図柄始動口104に入賞した場合にも、同様に乱数抽選が行われこの抽選された乱数が大当り値である時には、表示エリアにおける変動表示が開始されその後、所定表示パターン(例えば「7、7、7」)の表示が特別図柄表示装置100によって行われ、大入賞口106が所定パターンで開閉制御されて遊技者にとって有利な大当り状態となる。一方、入賞されない打玉はアウト口114を介して排出される。
【0023】図2は、このような遊技の進行状況に応じた遊技機制御が行われる遊技機の主要部のみを示した制御ブロック図である。主制御部200は、CPUを内蔵したマイクロプロセッサを搭載していて、後に説明する、特別図柄表示装置100を制御するための各種のコマンドを、少なくとも含む多種多様な制御コマンドを格納するコマンドデータテーブル領域202および一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納するROM201とワークエリアが形成されるRAM203とが設けられていて、一体型のワンチップマイコンとなっている。
【0024】主制御部200には、入力ポート210を介して、特別図柄始動口104内部に設けられ遊技玉の特別図柄始動口104への入賞を検出する特別図柄始動スイッチ304、普通図柄作動ゲート102の内部に設けられ遊技玉のゲート通過を検出する普通図柄作動スイッチ306、および、大入賞口106の内部に設けられ遊技玉の大入賞口106への入賞を検出する大入賞口スイッチ308が接続さされ、主制御部200は各検出信号を受信可能となっている。
【0025】また、主制御部200には、出力ポート215を介して、特別図柄やキャラクタを表示する表示エリアを有して左、中、右の夫々の図柄を独立して可変表示可能でLCD等で実現される特別図柄表示装置100、ランプを点灯制御するランプ表示装置110、112、効果音を発生する効果音発生装置116、例えば7セグメント表示デバイスで実現される普通図柄表示装置108、始動口の開閉部材120を開閉制御するための始動口作動ソレノイド300、および、大入賞口106の幅広な開閉部材を開閉制御するための大入賞口作動ソレノイド302が接続され、主制御部200は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。そして、主制御部200は、特に特別図柄表示装置100に対しては所定数個の表示制御用のコマンドを所定のタイミングで送信可能となっていて、特別図柄表示装置100は受け取ったコマンドに基いて、主制御部200に頼らずに自身内のCPUが細かな表示制御を行うようになっている。
【0026】また、主制御部200には、電源供給を行うための電源回路212と所定時間毎にリセット信号を出力するリセット回路213とが接続されていて、さらに、リセット回路213には、主制御部200から周期的タイマカウンタによって生成されたパルス信号が入力されると共に、電源回路212からの電流供給状況を監視するためのモニタ信号が入力される。
【0027】さて、図12に示すように、主制御部200から特別図柄表示装置100に送られる表示制御用のコマンドは、コマンドの分類を識別するための識別子で1バイト長のデジタル情報であるモード(MODE)と、実行されるコマンドの内容(機能)を示す1バイト長のデジタル情報であるイベント(EVENT)とでなっており、図6乃至図9は、ROM201に格納されたコマンドデータテーブル領域202上の表示制御用コマンドデータの一部を示している。
【0028】図6乃至図9に示すように、表示制御用のコマンドには、「特別図柄を変動させ、変動開始後、どれだけ時間経過してから特別図柄(識別情報)を停止させるかを指示するためのコマンド」、「特別図柄左の停止図柄を指定するコマンド」、「特別図柄中の停止図柄を指定するコマンド」、「特別図柄右の停止図柄を指定するコマンド」、「特別図柄を停止させるためのコマンド」がある。これらのコマンドは、遊技状況に応じて変動表示の変動態様がどのように変化しても必ず必要なものであり、主制御部200は、図柄変動表示を開始させるような遊技状況となったときこれらの5つのコマンドを1回の変動表示制御において所定のタイミングで特別図柄表示装置100に送信する。
【0029】図3は、特別図柄表示装置100のブロック構成図である。特別図柄表示装置100は、主制御部200からのストローブ信号やコマンドを受信するためのデータ受信回路1140(データレベルを変換する電圧変換回路を含む)と、この電圧変換回路等に電源供給を行う電源回路1160と、受信したコマンドに基づいて表示制御を行うために必要な制御データを生成して画像処理用LSI(VDP)1060に出力するCPU1020(表示制御手段)と、CPU1020の動作手順を記述したプログラムを内蔵するプログラムROM1040と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM1090と、画像展開処理を行う画像処理用LSI(VDP)1060と、画像処理用LSI(VDP)1060が展開した画像データを一時的に記憶するビデオRAM1080と、画像処理用LSI(VDP)1060が画像展開するために必要なデータを格納したキャラクタROM1180と、ビデオRAM1080に一時的に記憶された画像データを受け取って送出するLCDパネル用インターフェイス回路1100と、このLCDパネル用インターフェイス回路1100から送出された画像データを用いて表示画像を出力するLCDパネル1120とを有している。
【0030】図4(a)に示すように、キャラクタROM1180は、ROMタイトル領域、ROM管理情報領域、実際のキャラクタデータを格納したキャラクタイメージデータ領域、キャラクタの色彩データを格納したパレットデータ領域、および、キャラクタの動きを定義した情報を格納したシナリオデータ領域を有していて、キャラクタデータは、特定の圧縮方法で圧縮された状態でキャラクタイメージデータ領域に格納されており、さらに、図4(b)に示すように、パレットデータ領域は、色番号とカラーコードとが対となったものが複数種類格納されている。
【0031】そして、特別図柄表示装置100のCPU1020は、データ受信回路1140が受信したコマンドに応じて生成した制御データを画像処理用LSI(VDP)1060に与えると、画像処理用LSI(VDP)1060は、キャラクタイメージデータ領域から獲得したキャラクタデータを解凍してパレットデータ領域から獲得した色彩データで色付けして、シナリオデータ領域から獲得した情報で指定されたビデオRAM1080上の位置に画像展開したデータを一時的に格納し、一時的に格納したデータをLCDパネル用インターフェイス回路1100に送ることによって、LCDパネル1120によって、変動表示速度変化等を含む様々な画像表示が細かに行われる。
【0032】また、図5は、コマンド送受信タイミングを示したタイミングチャートである。前述したように、コマンドは1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなっていて、この例では、主制御部200は、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号(DUSTB)の1つ目の立ち上がりを契機として、モード(MODE)情報を送信し、次いでストローブ信号(DUSTB)の2つ目の立ち上がりを契機として、イベント(EVENT)情報を送信する。すると、これに対応して、特別図柄表示装置のCPU1020は、ストローブ信号(DUSTB)が送信されてくると割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信してRAM1090に格納する。
【0033】次に、まず、主制御部200や特別図柄表示装置100のCPU1020が行う通常の遊技機動作を図10(遊技制御のゼネラルフローチャート)や図11R>1を参照して説明し、その後、図15乃至図23を参照して本発明の特徴的な表示制御について説明して本発明の理解の容易化に努める。なお、図10に示す一連の処理は主制御部200が実行するが、リセット回路213から所定時間(例えば4msec)毎に供給されるリセット信号をトリガとして先頭のステップから実行する。
【0034】まず、図示しない電源スイッチによって電源回路212を起動状態とすると主制御部200が起動状態となるが、この電源投入が行われてから初めての処理が実行されたか否かを判定する(ステップS110)。電源投入後、初めての処理の場合には(Yes)ステップS200に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS120に移行する。
【0035】ステップS200では、RAM203の初期化処理として記憶エリアのクリア処理を実行し、次いで、ステップS210では、初期制御処理を行うためのデータをRAM203の所定の領域にセットする。一方、ステップS120では、RAM203内に形成される図示しない、大当り判定用、小当り判定用等の各種の乱数生成用ループカウンタのカウント値をインクリメントし、ステップS130では、遊技機制御に用いる各種のタイマのタイマ値を更新する。
【0036】次に、ステップS140において、特別図柄始動スイッチ304、普通図柄作動スイッチ306、大入賞口スイッチ308が出力した検出信号を入力ポート203を介して図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する入力ポート処理を実行し、次いで、ステップS150に移行してポート入力処理で読み込み格納したデータを把握するためのスイッチチェック処理を実行する。
【0037】次に、ステップS160にて各スイッチ304、306、308等の断線や短絡の有無のチェックを行い、これらの障害が発生している場合には(Yes)ステップS220に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS180に移行する(ステップS170)。
【0038】そして、ステップS180において、普通図柄表示装置107の表示制御に必要なデータをRAM203の所定領域に格納すると共に、特別図柄表示装置100の表示制御に必要なコマンド(先に図6乃至図9にて説明したコマンドを含む)をRAM203の所定領域に格納して、前記各種のタイマのタイマ値を減じる(ステップS190)。なお、ステップS180において、主制御部200は、遊技制御に応じて必要なモード、イベントのコマンドをコマンドデータテーブル領域202を参照して決定し、決定したモード、イベントを示すデジタル情報をRAM203の所定エリアに格納する。
【0039】次に、ステップS195において、大入賞口106と特別図柄始動口104の開閉部材120とを所定パターンで開閉制御するために、始動口作動ソレノイド300と大入賞口作動ソレノイド302とを駆動制御し、次いで、ステップS220において、図示しない賞球払出装置に払出し動作を行わせるための制御情報を出力するための賞球セット処理を実行し、さらにステップS230、240、250において、図示しない遊技機管理装置に各種の遊技データを出力する外部情報処理、ランプ表示装置110、112を遊技状態に対応させて点灯制御するためのコマンドをRAM203の所定エリアに格納する表示灯制御処理、効果音発生装置116を遊技状態に対応させて効果音発生制御するためのコマンドをRAM203の所定エリアに格納する効果音処理を実行する。
【0040】次に、ステップS260では、各処理でRAM203に格納したデータを出力ポート215を介して対応する装置に出力し(ポート出力処理)、これを受け取った装置側はこれに基づいた制御動作を行う。そして、特別図柄表示装置100に対して、まず、ストローブ信号を出力し、ステップS180にてRAM203に格納されたモード、イベントのデータを先に図5に示したようにして送信する。これによって、特別図柄表示装置100には、例えば図6乃至図9にて示したコマンドが主制御部200から送信され、受信することになる。
【0041】ステップS270では、リセット回路213からリセット信号が入力されるまでリセット待機処理を実行すると共に、リセット信号が入力された場合にはステップS110に移行して遊技機制御を継続する。なお、このリセット待機処理としては、先に述べた各種の乱数生成用のカウンタの更新等が挙げられる。
【0042】次に、コマンドを受け取った特別図柄表示装置100のCPU1020の動作について、図11を参照しつつ説明する。まず、ステップS1100において、CPU1020は自身のスタックポインタの設定、RAM1090の初期化、レジスタクリア等の自身の初期化等を行いステップS1102において、新しいコマンドが入力されたか否かを判断する。新たな表示制御のためのコマンドが入力されたと判断された場合には(Yes)ステップS1104に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS1110に移行する。
【0043】ステップS1104では、図5において説明した割り込み処理において、データ受信回路1140が受信したコマンドをRAM1090にコピーし、コマンドが正常か否かのチェック等を行う。次に、CPU1020は、主制御部200とは独立して細かな表示制御を行うための必要なコマンドを得るべく、処理テーブル(図示せず)の先頭アドレスを決定し、次いでステップS1108において、画像処理用LSI1060へ出力するためにRAM1090の必要なエリアのデータを更新する。
【0044】次に、ステップS1110において、RAM1090にセットされている図柄制御用データに基づいて、画像処理用LSI1060へ出力するためのスクロールデータを求めてRAM1090にセットし、図柄表示位置を設定し、次いで、ステップS1112において、図柄速度制御に必要なデータをプログラムROM1040に内蔵されている速度テーブル(図示せず)から取得してRAM1090にセットし、次にステップS1114において、速度データに基づいて図柄オフセット値を更新し、設定された速度で図柄変動を行うための準備を行う。
【0045】次に、ステップS1116において、RAM1090にセットされているアニメーション処理用データが格納されているアニメーション処理用テーブル(図示せず)からアニメーションデータを取得し背景画像の表示のための準備を行い、RAM1090内のVDP出力用バッファにセットし、出力許可フラグが「1」か否かを判断する(ステップS1118)。
【0046】そして、出力許可フラグが「1」でない場合(No)にはステップS1102に戻って一連の処理を繰り返す一方、出力許可フラグが「1」の場合(Yes)にはステップS1120にて、VDP出力用バッファにセットされているデータを画像処理用LSI1060に出力する。画像処理用LSI1060はこれに応じてキャラクタROM1180のデータを獲得して画像展開し、画像展開されたデータはビデオRAM1080に一時的に記憶された後、LCDパネル用インターフェイス回路1100に送られLCDパネル1120による画像表示が行われる。このようにして、特別図柄表示装置100における設定された表示位置において、設定された速度での図柄変動表示等が行われる。
【0047】図13、図14は主制御部200から特別図柄表示装置100へ送信するコマンドの送信タイミングの一例、送信コマンドの説明図であり、これらの図を参照すれば分かるように、主制御部200は、特別図柄始動口104に遊技球が入賞した等の所定の条件が満足されると、まず、図柄変動を開始し図柄変動開始から停止するまでの時間を指定するためのコマンドを送信し(■)、これからT1時間経過後に左停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(■)、これからT2時間経過後に中停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(■)、これからT3時間経過後に右停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(■)、そして、変動開始からT時間経過後に全図柄を停止させるためのコマンド(■)を送信し、さらに、これらのコマンドを受信した特別図柄表示装置100のCPU1020は、■にて指定された時間が経過する前に、変動速度変化等の細かな表示制御を行って一連の変動表示制御を行い、変動開始からT時間経過後に変動表示制御を終了する。
【0048】以下に本発明の特徴を説明するための実施の形態を説明する。図15は、本発明の表示制御概要を示すフローチャートである。CPU1020は、ステップS1500において、送信されてくる停止図柄情報を参照してリーチ状態か否かを判断し、リーチ状態でないと判断した場合(No)にはステップS1530に移行する。一方、リーチ状態であると判断した場合(Yes)にはステップS1510に移行する。
【0049】ステップS1510においては、CPU1020は、フェードアウト処理を実行する。CPU1020は、表示されている図柄やキャラクタ等の表示色を背景色に除々に近づけていき、表示エリアから消滅させるようにする。例えば、図柄を消滅させる場合には、この図柄を構成する画素のRGBデータをその周囲の背景色のRGBデータに除々に等しくするような処理を行う。したがって、複雑なハードウエアを不要としつつ不自然さを感じさせることなく図柄の消滅(除々に消滅するフェードアウト処理)を行うことができる。
【0050】次に、ステップS1520においては、CPU1020は、フェードイン処理を実行する。CPU1020は、表示エリア内に表示されていない図柄やキャラクタ等の表示色と背景色を除々に異なるようにしていき、表示エリアに出現させるようにする。例えば、図柄を出現させる場合には、この図柄を構成する画素のRGBデータをその周囲の背景色のRGBデータに除々に異なるような処理を行う。したがって、複雑なハードウエアを不要としつつ不自然さを感じさせることなく図柄の出現(徐々に出現するフェードイン処理)を行うことができる。そして、ステップS1530において、出目を総て出現させて停止表示を行なう。
【0051】このようにして、表示されている図柄やキャラクタ等の識別情報の表示色を除々に変化させるので、識別情報とその周囲の背景の色が同じに(完全同一でなくても良い)なったら識別情報を表示エリアから消滅させることを不自然さを感じさせることなく行える。その後、表示エリア内に表示されていない識別情報の表示色を除々に変化させるので、識別情報とその周囲の色が異なると視認できるようになると、識別情報を表示エリアに出現させることを不自然さを感じさせることなく行うことができる。
【0052】(第1の実施の形態)図16を参照してこの実施の形態について説明する。図16(a)はリーチ時の図柄表示状態を示している。CPU1020は、リーチ時に(ステップS1500のYes)、右図柄に対してフェードアウト処理を行う(ステップS1510)。これによって、図16(a)、(b)に示すように、右図柄「4」の表示色が徐々にその周囲の背景色と等しくなっていき、右図柄が徐々に不鮮明になって最終的に消滅する(図16(c)参照)。
【0053】さらに、CPU1020は、右図柄に対してフェードアウト処理を行う(ステップS1520)。これによって、図16(d)、(e)に示すように、先に消滅した右図柄「4」の近隣の(図柄表示列順の近い)図柄「5」が徐々にその周囲の背景色と異なっていき、右図柄が徐々に鮮明になって出現する。そして、図1616(e)に示すように出目の停止表示が行われる。
【0054】したがって、CPU1020は、2個の図柄が揃ってリーチ状態となった場合、右図柄の表示色を背景色に除々に近づけていき、右図柄を表示エリアから消滅させ、その後、表示エリア内に表示されていない右図柄の表示色を背景色と徐々に異なるようにしていき表示エリアに出現させので、リーチ状態となった場合、不自然さを感じさせることなく、右図柄の消滅(フェードアウト)および出現(フェードイン)を行うことができ、遊技者に対して斬新な表示態様でリーチ状態発生を通知できる。
【0055】(第2の実施の形態)この実施の形態はリーチ状態を発生させるための図柄もフェードアウト、フェードインする点に特徴がある。図17を参照してこの実施の形態について説明する。図17(a)はリーチ時の図柄表示状態を示している。CPU1020は、リーチ時に(ステップS1500のYes)、全図柄に対してフェードアウト処理を行う(ステップS1510)。これによって、図17(a)、(b)に示すように、左図柄「7」、中図柄「7」、右図柄「4」の表示色が徐々にその周囲の背景色と等しくなっていき、全図柄が徐々に不鮮明になって最終的に消滅する(図17(c)参照)。
【0056】さらに、CPU1020は、全図柄に対してフェードアウト処理を行う(ステップS1520)。これによって、図17(d)、(e)に示すように、先に消滅した左図柄、中図柄、および、右図柄「4」の近隣の(図柄表示列順の近い)図柄「5」が徐々にその周囲の背景色と異なっていき、全図柄が徐々に鮮明になって出現する。そして、図17(e)に示すように出目の停止表示が行われる。
【0057】したがって、CPU1020は、右図柄を表示エリアから消滅させる際に、リーチ状態を成立させている左図柄、中図柄もその表示色を背景色に徐々に近づけていって表示エリアから消滅させ、右図柄を出現させる際に、左図柄、中図柄の表示色をその周囲の背景色と徐々に異なるようにしていって表示エリアに出現させるので、右図柄と共に、リーチ状態を成立させている左図柄、中図柄も、それらの出現や消滅を不自然さを感じさせずに行うことができ、斬新な表示制御によってリーチ通知が一層効果的に行える。
【0058】(第3の実施の形態)この実施の形態は右図柄の他にキャラクタに対してもフェードイン処理、フェードアウト処理を行なう点に特徴がある。図18を参照してこの実施の形態について説明する。図18(a)はリーチ時の図柄表示状態を示していて、図中の「〇」や「×」はキャラクタである。CPU1020は、リーチ時に(ステップS1500のYes)、右図柄とキャラクタに対してフェードアウト処理を行う(ステップS1510)。これによって、図18(a)、(b)に示すように、右図柄「4」とキャラクタの表示色が徐々にその周囲の背景色と等しくなっていき、右図柄とキャラクタが徐々に不鮮明になって最終的に消滅する(図18(c)参照)。
【0059】さらに、CPU1020は、右図柄とキャラクタに対してフェードアウト処理を行う(ステップS1520)。これによって、図18(d)、(e)に示すように、先に消滅したキャラクタ、および、先に消滅した右図柄「4」の近隣の(図柄表示列順の近い)図柄「5」が徐々にその周囲の背景色と異なっていき、キャラクタと右図柄が徐々に鮮明になって出現する。そして、図18(e)に示すように出目の停止表示が行われる。
【0060】したがって、CPU1020は、、表示制御手段は、右図柄を表示エリアから消滅させる際に、表示エリア内に表示されているキャラクタもその表示色を背景色に徐々に近づけていって表示エリアから消滅させ、右図柄を出現させる際に、キャラクタもその表示色を背景色と徐々に異なるようにしていって表示エリアに出現させるので、右図柄と共に、キャラクタも、それらの出現や消滅を不自然さを感じさせずに行うことができ、斬新な表示制御によってリーチ通知が一層効果的に行える。
【0061】(第4の実施の形態)この実施の形態は、表示エリアの全表示物に対してフェードイン処理、フェードアウト処理を行う点に特徴がある。図19を参照してこの実施の形態について説明する。図19(a)はリーチ時の図柄表示状態を示していて、図柄やキャラクタ(「〇」や「×」で記載)等が表示されている。CPU1020は、リーチ時に(ステップS1500のYes)、全表示物、即ち、全図柄や全キャラクタに対してフェードアウト処理を行う(ステップS1510)。これによって、図19(a)、(b)に示すように、全表示物の表示色が徐々にその周囲の背景色と等しくなっていき、全表示物が徐々に不鮮明になって最終的に消滅する(図19(c)参照)。
【0062】さらに、CPU1020は、全表示物に対してフェードアウト処理を行う(ステップS1520)。これによって、図19(d)、(e)に示すように、先に消滅した全表示物が徐々にその周囲の背景色と異なっていき、全表示物が徐々に鮮明になって出現する。そして、図19(e)に示すように出目の停止表示が行われる。
【0063】したがって、CPU1020は、2個の図柄が揃ってリーチ状態となった場合、全図柄やキャラクタ等の総ての表示物の表示色を背景色に除々に近づけていき、総ての表示物を表示エリアから消滅させ、その後、表示エリア内から消滅させた総ての表示物の表示色を背景色と徐々に異なるようにしていき、表示エリアに出現させる。したがって、リーチ時には総ての表示物が不自然さを感じさせずに消滅・出現(フェードアウト・フェードイン)されて遊技演出効果を高めることができる。
【0064】(第5の実施の形態)この実施の形態は、第1の実施の形態において右図柄を出現させる際に、大当りとなるような図柄を出現させる点に特徴がある。図2020を参照してこの実施の形態について説明する。図20R>0(a)はリーチ時の図柄表示状態を示している。CPU1020は、リーチ時に(ステップS1500のYes)、右図柄に対してフェードアウト処理を行う(ステップS1510)。これによって、図20(a)、(b)に示すように、右図柄「4」の表示色が徐々にその周囲の背景色と等しくなっていき、右図柄が徐々に不鮮明になって最終的に消滅する(図20(c)参照)。
【0065】さらに、CPU1020は、右図柄に対してフェードアウト処理を行う(ステップS1520)。これによって、図20(d)、(e)に示すように、先に消滅した右図柄「4」の替わりに、大当り状態を生起させる図柄「7」が徐々にその周囲の背景色と異なっていくようにする。すると、右図柄「7」が徐々に鮮明になって出現する。そして、図20(e)に示すように大当り出目の停止表示が行われ、以降大当り状態での遊技機の動作制御が行われるので、不自然さを感じさせずにフェードインを行いながら、遊技者の期待感を高めることができる。
【0066】(第6の実施の形態)この実施の形態は、第2の実施の形態において右図柄を出現させる際に、大当りとなるような図柄を出現させる点に特徴がある。図2121を参照してこの実施の形態について説明する。図21R>1(a)はリーチ時の図柄表示状態を示している。CPU1020は、リーチ時に(ステップS1500のYes)、全図柄に対してフェードアウト処理を行う(ステップS1510)。これによって、図21(a)、(b)に示すように、左図柄「7」、中図柄「7」、右図柄「4」の表示色が徐々にその周囲の背景色と等しくなっていき、全図柄が徐々に不鮮明になって最終的に消滅する(図21(c)参照)。
【0067】さらに、CPU1020は、全図柄に対してフェードアウト処理を行う(ステップS1520)。これによって、図21(d)、(e)に示すように、先に消滅した左図柄、中図柄、および、右図柄「4」の替わりの大当り図柄「7」が徐々にその周囲の背景色と異なっていき、全図柄が徐々に鮮明になって出現する。そして、図21(e)に示すように大当り出目の停止表示が行われ、以降大当り状態での遊技機の動作制御が行われるので、不自然さを感じさせずにフェードインを行いながら、遊技者の期待感を高めることができる。
【0068】(第7の実施の形態)この実施の形態は、第3の実施の形態において右図柄を出現させる際に、大当りとなるような図柄を出現させる点に特徴がある。図2222を参照してこの実施の形態について説明する。図22R>2(a)はリーチ時の図柄表示状態を示していて、図中の「〇」や「×」はキャラクタである。CPU1020は、リーチ時に(ステップS1500のYes)、右図柄とキャラクタに対してフェードアウト処理を行う(ステップS1510)。これによって、図22(a)、(b)に示すように、右図柄「4」とキャラクタの表示色が徐々にその周囲の背景色と等しくなっていき、右図柄とキャラクタが徐々に不鮮明になって最終的に消滅する(図22(c)参照)。
【0069】さらに、CPU1020は、右図柄とキャラクタに対してフェードアウト処理を行う(ステップS1520)。これによって、図22(d)、(e)に示すように、先に消滅したキャラクタ、および、先に消滅した右図柄「4」の替わりの大当り図柄「5」が徐々にその周囲の背景色と異なっていき、キャラクタと右図柄が徐々に鮮明になって出現する。そして、図22(e)に示すように大当り出目の停止表示が行われ、以降大当り状態での遊技機の動作制御が行われるので、不自然さを感じさせずにフェードインを行いながら、遊技者の期待感を高めることができる。
【0070】(第8の実施の形態)この実施の形態は、第4の実施の形態において右図柄を出現させる際に、大当りとなるような図柄を出現させる点に特徴がある。図2323を参照してこの実施の形態について説明する。図23R>3(a)はリーチ時の図柄表示状態を示していて、図柄やキャラクタ(「〇」や「×」で記載)等が表示されている。CPU1020は、リーチ時に(ステップS1500のYes)、全表示物、即ち、全図柄や全キャラクタに対してフェードアウト処理を行う(ステップS1510)。これによって、図23(a)、(b)に示すように、全表示物の表示色が徐々にその周囲の背景色と等しくなっていき、全表示物が徐々に不鮮明になって最終的に消滅する(図23(c)参照)。
【0071】さらに、CPU1020は、全表示物に対してフェードアウト処理を行う(ステップS1520)。これによって、図23(d)、(e)に示すように、先に消滅した全表示物が徐々にその周囲の背景色と異なっていき、全表示物が徐々に鮮明になって出現する。そして、図23(e)に示すように出目の停止表示が行われる。この際、右図柄は先に消滅した図柄「4」に替えて大当り図柄「7」が出現するようにする。そして、図22(e)に示すように大当り出目の停止表示が行われ、以降大当り状態での遊技機の動作制御が行われるので、不自然さを感じさせずにフェードイン処理を行いながら、遊技者の期待感を高めることができる。
【0072】以上、本発明の実施の形態について説明してきたが上記実施の形態に対して、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形や変更が行える。例えば、全表示物をフェードイン、フェードアウトさせる契機をリーチ予告時とすること、キャラクタは表示させた状態で図柄だけをフェードイン、フェードアウトすること等の種々の変形や変更を行っても良い。さらに、本発明はパチンコ機のみならず、パチスロ機やTVゲーム等の他の遊技機にも適用可能である。
【発明の効果】以上説明したきたように、請求項1や請求項2に係る発明によれば、表示されている識別情報の表示色を背景色に除々に近づけていき、識別情報を表示エリアから消滅させるので、複雑なハードウエアを不要としつつ不自然さを感じさせることなく識別情報の消滅(フェードアウト)を行うことができ、また、表示エリア内に表示されていない識別情報の表示色を背景色と除々に異なるようにしていき、識別情報を表示エリアに出現させるので、複雑なハードウエアを不要としつつ不自然さを感じさせることなく識別情報の出現(フェードイン)を行うことができるという効果が得られる。
【0073】また、請求項3に係る発明によれば、特に、リーチ状態となった場合、不自然さを感じさせることなく、最終識別情報の消滅(フェードアウト)および出現(フェードイン)を行うことができ、遊技者に対して斬新な表示態様でリーチ状態発生を通知できるという効果が得られる。
【0074】また、請求項4に係る発明によれば、最終識別情報と共に、リーチ状態を成立させている識別情報も、それらの出現や消滅を不自然さを感じさせずに行うことができ、斬新な表示制御によってリーチ通知が一層効果的に行えるという効果が得られる。
【0075】また、請求項5に係る発明によれば、最終識別情報と共に、キャラクタも、それらの出現や消滅を不自然さを感じさせずに行うことができ、斬新な表示制御によってリーチ通知が一層効果的に行えるという効果が得られる。
【0076】また、請求項6に係る発明によれば、所定の条件が満足されたた場合、総ての表示物の表示色を背景色に除々に近づけていき、総ての表示物を表示エリアから消滅させ、その後、表示エリア内から消滅させた総ての表示物の表示色を背景色と徐々に異なるようにしていき、表示エリアに出現させるので、リーチ時には総ての表示物が不自然さを感じさせずに消滅・出現(フェードアウト・フェードイン)されて遊技演出効果を高めることができるという効果が得られる。
【0077】また、請求項7に係る発明によれば、出目が大当りとなる識別情報を表示エリア内に出現させるので、不自然さを感じさせずにフェードインを行いながら、遊技者の期待感を高めることができるという効果が得られる。
【0078】そして、請求項8に係る発明によれば、表示されている識別情報の表示色を除々に変化させるので、両者の色が同じになったら識別情報を表示エリアから消滅させることを不自然さを感じさせることなく行え、その後、表示エリア内に表示されていない識別情報の表示色を除々に変化させるので、両者の色が異なると視認できるようになると、識別情報を表示エリアに出現させることを不自然さを感じさせることなく行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技盤10の模式的な説明図である。
【図2】遊技機の制御ブロック図である。
【図3】特別図柄表示装置100のブロック構成図である。
【図4】キャラクタROMメモリマップ、パレットデータの説明図である。
【図5】コマンド送受信のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図7】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図8】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図9】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図10】遊技機の遊技制御動作を説明するためのゼネラルフローチャートである。
【図11】特別図柄表示装置100のCPU1020の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】コマンドのデータ構造の説明図である。
【図13】図柄表示のためのコマンド送信タイミングを示すタイミングチャートである。
【図14】コマンド送信を説明するための説明図である。
【図15】本発明の実施の形態の表示制御を説明するためのフローチャートである。
【図16】第1の実施形態を説明するための説明図である。
【図17】第2の実施形態を説明するための説明図である。
【図18】第3の実施形態を説明するための説明図である。
【図19】第4の実施形態を説明するための説明図である。
【図20】第5の実施形態を説明するための説明図である。
【図21】第6の実施形態を説明するための説明図である。
【図22】第7の実施形態を説明するための説明図である。
【図23】第8の実施形態を説明するための説明図である。
【符号の説明】
10 遊技盤
100 特別図柄表示装置
102 普通図柄作動ゲート
104 特別図柄始動口
106 大入賞口
108 普通図柄表示装置
110 ランプ表示装置
112 ランプ表示装置
114 アウト口
116 効果音発生装置
120 開閉部材
200 主制御部
201 ROM
202 コマンドデータテーブル領域
203 RAM
210 入力ポート
213 リセット回路
212 電源回路
215 出力ポート
300 始動口作動ソレノイド
302 大入賞口作動ソレノイド
304 特別図柄始動スイッチ
306 普通図柄作動スイッチ
308 大入賞口スイッチ
1020 CPU
1040 プログラムROM
1060 画像処理用LSI
1080 ビデオRAM
1090 RAM
1100 LCDパネル用インターフェイス回路
1120 LCDパネル
1140 データ受信回路
1160 電源回路
1180 キャラクタROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】 識別情報を表示可能な表示エリアを有する表示手段を備えた遊技機において、表示されている識別情報の表示色を背景色に除々に近づけていき、前記識別情報を前記表示エリアから消滅させる表示制御手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】 請求項1に記載の遊技機において、前記表示制御手段は、さらに、前記表示エリア内に表示されていない識別情報の表示色を前記背景色と除々に異なるようにしていき、前記識別情報を前記表示エリアに出現させる手段であることを特徴とする遊技機。
【請求項3】 識別情報を表示可能な表示エリアを有する表示手段を備えた遊技機において、所定数の識別情報が揃ってリーチ状態となった場合、出目を決める最終識別情報の表示色を背景色に除々に近づけていき、前記最終識別情報を前記表示エリアから消滅させ、その後、前記表示エリア内に表示されていない最終識別情報の表示色を前記背景色と徐々に異なるようにしていき、前記最終識別情報を前記表示エリアに出現させる表示制御手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項4】 請求項3に記載の遊技機において、前記表示制御手段は、前記最終識別情報を前記表示エリアから消滅させる際に、前記リーチ状態を成立させている識別情報もその表示色を前記背景色に徐々に近づけていって前記表示エリアから消滅させ、前記最終識別情報を前記出現させる際に、前記リーチ状態を成立させている識別情報もその表示色を前記背景色と徐々に異なるようにしていって前記表示エリアに出現させる手段であることを特徴とする遊技機。
【請求項5】 請求項3に記載の遊技機において、前記表示制御手段は、前記最終識別情報を前記表示エリアから消滅させる際に、表示エリア内に表示されているキャラクタもその表示色を前記背景色に徐々に近づけていって前記表示エリアから消滅させ、前記最終識別情報を前記出現させる際に、前記キャラクタもその表示色を前記背景色と徐々に異なるようにしていって前記表示エリアに出現させる手段であることを特徴とする遊技機。
【請求項6】 識別情報を表示可能な表示エリアを有する表示手段を備えた遊技機において、所定の条件が満足された場合、表示エリア内に表示されている図柄やキャラクタ等の総ての表示物の表示色を背景色に除々に近づけていき、前記総ての表示物を前記表示エリアから消滅させ、その後、前記表示エリア内から消滅させた総ての表示物の表示色を前記背景色と徐々に異なるようにしていき、前記表示エリアに出現させる表示制御手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項7】 請求項3、4、5および6の内のいずれか一項に記載の遊技機において、前記表示制御手段は、出目が大当りとなる識別情報を前記出現させる識別情報とし、前記表示エリア内に出現させる手段であることを特徴とする遊技機。
【請求項8】 識別情報を表示可能な表示エリアを有する表示手段を備えた遊技機の表示制御方法において、表示されている識別情報の表示色を徐々に変化させて、前記識別情報を前記表示エリアから消滅させ、その後、前記表示エリア内に表示されていない識別情報の表示色を除々に変化させて、前記識別情報を前記表示エリアに出現させることを特徴とする遊技機の表示制御方法。

【図1】
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【図7】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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