遊技機における不正検出装置
【課題】電磁波を用いた不正行為を容易に判定し得る遊技機における不正検出装置を提供する。
【解決手段】不正検出装置131は、発振検出状態と発振非検出状態とに状態変化するよう構成され、電波により発振非検出状態から発振検出状態に状態変化される検出センサユニット126と、検出センサユニット126を発振非検出状態に維持する検出用金属球127とを備える。検出センサユニット126は、検出コイル131と発振回路と発振検出回路とを備える。検出センサユニット126が発振検出状態に状態変化されたときに、主制御装置が不正電波行為があったと判定する。
【解決手段】不正検出装置131は、発振検出状態と発振非検出状態とに状態変化するよう構成され、電波により発振非検出状態から発振検出状態に状態変化される検出センサユニット126と、検出センサユニット126を発振非検出状態に維持する検出用金属球127とを備える。検出センサユニット126は、検出コイル131と発振回路と発振検出回路とを備える。検出センサユニット126が発振検出状態に状態変化されたときに、主制御装置が不正電波行為があったと判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技機に対する不正行為を検出可能な遊技機における不正検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、遊技機の代表例の一つであるパチンコ機は、機内にセットされる遊技盤の盤面にパチンコ球が打出される遊技領域が画成されている。遊技盤の後側には、設置部材が配設され、該設置部材に、各種図柄を変動表示して図柄変動演出を行う液晶表示装置が配設される。また、前記遊技盤には、液晶表示装置の下方位置に、該液晶表示装置での図柄変動演出を開始させる契機となる始動入賞装置が配設されている。前記始動入賞装置には、球検出センサが設けられており、前記遊技領域を流下するパチンコ球が、始動入賞装置に設けた始動口に入賞して球検出センサに検出されることで、液晶表示装置での図柄変動演出を開始させると共に、パチンコ球を賞球として払出すよう構成されている。
【0003】
前記球検出センサは、パチンコ球が通過可能な検出口を備えた近接センサであって、パチンコ球を検出していない非検出状態では、高レベルの信号(高レベル信号)を出力するようになっている。また、球検出センサは、パチンコ球が検出口を通過する間、パチンコ球を検出した検出状態となり、低レベルの信号(低レベル信号)を出力するようになっている。そして、パチンコ球が検出口を完全に通過すると、球検出センサは、再び非検出状態に戻り、高レベル信号を出力する。球検出センサから出力された信号は、パチンコ機の後側に配設された主制御装置に入力されるようになっている。そして、主制御装置は、低レベル信号が高レベル信号に切り換わった際に、パチンコ球を1カウントして前記図柄変動演出や賞球の支払いを各装置に実行させるよう構成される。
【0004】
ところが、近年では、このような球検出センサの原理を悪用して、電波により球検出センサを検出状態および非検出状態に強制的に切り換える不正行為(いわゆる電波ゴト)が多発して問題となっている。この電波ゴトでは、パチンコ球を検出中(すなわち、パチンコ球が検出口を通過中)の球検出センサに電波を浴びせ、球検出センサを検出状態→非検出状態→検出状態→・・・と強制的に状態変化させる。これにより、主制御装置は、1個のパチンコ球であるのに拘わらず複数回分のカウントをしてしまい、大量の賞球が支払われてしまう弊害がある。
【0005】
そこで、このような電波ゴトへの対策として、例えば特許文献1には、不正な電波を検出する不正検出装置を備えた遊技機が提案されている。この不正検出装置では、通常の球検出センサの内部に不正検出部を設け、該不正検出部が不正な電波を検出すると、球検出センサから出力される球検出信号を無効にして、不正な賞球の獲得を未然防止するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−286344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1の不正検出装置では、球検出センサの内部に通常の球検出部と不正検出部とが併存しているため、構造が複雑化してコストが嵩む要因となる。しかも、不正検出部が不正を検出した場合に、球検出信号の出力を無効化する回路を形成する必要があり、不正検出装置内での信号処理が複雑化して誤判定等が発生する虞がある。
【0008】
すなわち、本発明は、従来技術に係る遊技機における不正検出装置に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、不正行為を容易に判定し得るようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明に係る遊技機における不正検出装置は、
検出コイル(131)、発振回路(F)および発振検出回路(G)を備え、発振回路(F)の発振を発振検出回路(G)が検出した第1状態と、該発振回路(F)の発振の停止または減衰を発振検出回路(G)が検出した第2状態とに状態変化するよう構成されると共に、電磁波により第2状態から第1状態に状態変化される状態変化手段(126)と、
磁性体から構成され、前記発振回路(F)の発振を停止または減衰させて前記状態変化手段(126)を第2状態に維持する状態維持手段(127)と、
前記検出コイル(131)内に前記状態維持手段(127)が位置するよう前記状態変化手段(126)および状態維持手段(127)を保持するケース体(128)とを備えたことを要旨とする。
請求項1の発明によれば、第2状態に維持された状態変化手段が第1状態に状態変化されることで、電磁波による不正行為を容易に検出することができる。また、状態維持手段が検出コイル内に位置するようケース体に保持されるので、状態変化手段を第2状態に確実に維持し得る。しかも、不正検出装置は、ケース体に状態変化手段および状態維持手段を収容する構成としたので、不正検出装置の取り扱いが容易となる。
【0010】
請求項2に係る遊技機における不正検出装置では、
前記状態変化手段は、前記検出コイル(131)、発振回路(F)および発振検出回路(G)を備えた検出センサユニット(126)であって、該検出センサユニット(126)は、該検出コイル(131)が設けられた検出口(130)を備え、
前記状態維持手段は、金属球(127)であり、
前記ケース体(128)は、前記検出口(130)の開口方向に対向する第1半体(132)および第2半体(133)からなり、該第1半体(132)および第2半体(133)は、夫々、ケース基体(134,142)の周縁部から壁部(135,143)が互いに対向する方向へ向けて突出した箱状に形成されて、第1半体(132)および第2半体(133)の間に前記検出センサユニット(126)および金属球(127)を収容するよう構成され、前記第1半体(132)および第2半体(133)のケース基体(134,142)は、金属球(127)の直径寸法だけ離間して該金属球(127)を挟持していることを要旨とする。
請求項2の発明によれば、第1半体および第2半体で金属球を挟持する構成としたので、該金属球を適切な位置に保持することができ、検出センサユニットを第2状態に確実に維持し得る。また、球体をなす金属球は、姿勢を考慮することなく検出口に位置させればよいので、金属球の組み付け作業を効率的とし得る。しかも、金属球を検出センサユニットの検出口に位置させるだけで、検出センサユニットを第2状態に維持することができるから、検出センサユニットを第2状態に維持するための複雑な構造を要することもない。
【0011】
請求項3に係る遊技機における不正検出装置では、前記第1および第2半体(132,133)のケース基体(134,142)には、前記検出センサユニット(126)に当接して該検出センサユニット(126)を位置規制する規制部(138,146)が夫々形成されていることを要旨とする。
請求項3の発明によれば、第1および第2半体のケース基体に設けた規制部により、検出センサユニットを位置規制して、該検出センサユニットの位置ずれを防止することができる。従って、検出センサユニットおよび金属球の適正な位置関係が維持されて、検出センサユニットを第2状態に確実に維持し得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る遊技機における不正検出装置によれば、簡単な構造で不正行為を容易に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例に係るパチンコ機の正面図である。
【図2】実施例に係るパチンコ機を、中枠から遊技盤および前枠を外した状態で示す正面図である。
【図3】実施例に係る中枠の背面図である。
【図4】実施例に係る遊技盤を示す正面図である。
【図5】実施例に係る設置部材を前側から見た状態で示す斜視図である。
【図6】図4のI−I線断面図であって、設置部材から演出装置を取り外した状態で示す。
【図7】実施例に係る設置部材を示す背面図である。
【図8】実施例に係るパチンコ機の制御構成を示すブロック図である。
【図9】実施例に係る設置部材の下部を後側から見た状態で示す斜視図であって、第1,第2収容空間から第1,第2不正防止部材を取り外した状態で示す。
【図10】図4のII−II線断面図であって、遊技盤の下部側を拡大して示す。
【図11】図4のIII−III線断面図であって、遊技盤の下部側を拡大して示す。
【図12】実施例に係る設置部材を拡大して示す背面図であって、(a)は第1収容空間を示し、(b)は第2収容空間を示す。
【図13】(a)は第1不正防止部材の平面図、(b)は第1不正防止部材の正面図である。
【図14】実施例に係る設置部材の下部を後側から見た状態で示す斜視図であって、第1,第2収容空間に第1,第2不正防止部材を配設した状態で示す。
【図15】実施例に係る設置部材の下部を後側から見た状態で示す斜視図であって、第1,第2中継基板保持部に第1,第2中継基板を取り付けた状態で示す。
【図16】図4のIV−IV線断面での要部拡大図である。
【図17】(a)は第2不正防止部材の平面図、(b)は第2不正防止部材の正面図である。
【図18】第2収容空間に第2不正防止部材が配設された状態を拡大して示す横断面図である。
【図19】実施例に係るセンサ設置部を拡大して示す設置部材の背面図である。
【図20】図4のV−V線断面図であって、遊技盤の下部側を拡大して示す。
【図21】(a)は球検出センサを示す概略図であり、(b)は非検出時、球通過時および不正電波行為時における球検出センサの出力信号を示す図である。
【図22】実施例に係る不正検出装置を前側から見た状態で示す分解斜視図である。
【図23】実施例に係る不正検出装置を後側から見た状態で示す分解斜視図である。
【図24】(a)は不正検出装置を示す縦断面図であり、(b)は不正検出装置の側面図である。
【図25】実施例に係る検出センサユニットの回路構成を示すブロック図である。
【図26】(a)は発振検出状態での検出センサユニット内の信号の流れを示すブロック図であり、(b)は発振非検出状態での検出センサユニット内の信号の流れを示すブロック図である。
【図27】正常時および不正行為時において主制御装置に入力される信号波形を示す図である。
【図28】不正電波行為時での検出センサユニット内の信号の流れを示すブロック図である。
【図29】検出センサユニットの検出範囲を示す図である。
【図30】不正電波行為時および不正磁気行為時における各装置での報知方法を示す図である。
【図31】変更例に係るパチンコ機の制御構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る遊技機における不正検出装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機に不正検出装置を設けた場合を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。但し、部材を後側から見た状態で示す図面を参照する場合には、当該参照した図面を基準として「右」、「左」を指称する場合がある。
【実施例】
【0015】
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦向きに設置される固定枠としての矩形枠状の外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤12を着脱可能に保持する本体枠としての中枠13が開閉および着脱可能に組付けられると共に、遊技盤12の後側に配設された設置部材14に対して、各種図柄を変動表示可能な液晶表示装置(図柄表示装置)15が着脱自在に取付けられるよう構成される。また、前記中枠13の前面側には、前記遊技盤12を透視保護するガラス板等の透視保護板(図示せず)を備えた装飾枠としての前枠16が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠16の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿17が開閉可能に組み付けられる。前記前枠16の上部には、フルカラーLED等の発光体を実装した発光体基板(何れも図示せず)を備えたランプ装置(報知手段)18,18が左右に2つ配設されている。前記ランプ装置18は、後述する統括制御装置19に電気的に接続され、該統括制御装置19の制御に基づいて発光体が点灯・点滅したり、発光色を変更させたりするようになっている。なお、前記ランプ装置18の前側は、光透過性のランプカバー18aで被覆してある。また、前記前枠16の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿20が一体的に組み付けられており、前枠16の開閉に合わせて上球受け皿20も一体的に開閉するよう構成される。
【0016】
前記中枠13は、図2に示すように、上下左右の縁部をなす枠部材13a〜13dにより、全体が前記外枠11の開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、中枠13の前後に開口する開口縁部が、前記遊技盤12を設置する遊技盤保持部21として機能するよう構成されている。下枠部材13bの前側には、スピーカ(報知手段)22や打球発射装置23が設置されると共に、遊技者により回動操作されて打球発射装置23を作動させる操作ハンドル24が設けられている。図3に示すように、前記上枠部材13aの後側には、設置枠台等に設けられた外部球供給設備から供給されるパチンコ球を貯留する球タンク25が、該上枠部材13aの左右幅の略全幅に亘って設けられている。また、下枠部材13bの後側には、前記上下の球受け皿20,17に連通する球供給路や設置枠台に設けた球回収樋(何れも図示せず)に連通する球排出路が夫々形成されたセット部材26が配設されている。前記球タンク25とセット部材26とは、各部材25,26における左枠部材13c側の端部間に架設された球通路ユニット27を介して連通接続されており、該球通路ユニット27に配設された球払出装置28の駆動により球タンク25に供給されたパチンコ球を前記上下の球受け皿20,17へ給出するよう構成されている。また、このセット部材26には、前記球払出装置28を駆動制御する払出制御装置29、前記打球発射装置23を駆動制御する発射制御装置30等が配設されている。前記払出制御装置29は、前記パチンコ機10の後側に配設される主制御装置(制御手段)31に第3中継基板72(後述)を介して電気的に接続されており、該主制御装置31から入力される制御信号に基づいて、払出制御装置29が球払出装置28を制御するようになっている(図8参照)。
【0017】
図4に示すように、前記遊技盤12は、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材やベニア等の木板から前記中枠13の遊技盤保持部21に整合する略矩形平板状に形成される。遊技盤12の後面には、図5に示す如き箱状の設置部材(遊技機構成部材)14が組み付けられ、遊技盤12に形成された図柄表示開口部(開口部)12aおよび設置部材14に形成された可視表示部14aを介して液晶表示装置15の表示部15aを遊技盤12の前面側から視認し得るよう構成されている。
【0018】
図4に示すように、前記遊技盤12の前面には、内レール32と外レール33とが半円弧状に配設されて、両レール32,33によりパチンコ球が流下可能な遊技領域34が画成され、前記打球発射装置23から発射されたパチンコ球が遊技領域34内に打ち出されるようになっている。また、前記遊技盤12の下方位置には、前記遊技領域34を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置35が配設されている。始動入賞装置35は、上下に設けた2つの入賞口(上部入賞口35aおよび下部入賞口35b)を備えている。始動入賞装置35の装置本体35c(図6参照)には、上部入賞口35aに入賞したパチンコ球を検出する上部始動球検出センサ36と、下部入賞口35bに入賞したパチンコ球を検出する下部始動球検出センサ37とが設けられている(図8参照)。前記上部始動球検出センサ36および下部始動球検出センサ37は、前記主制御装置31に接続されており、両センサ36,37から出力されるパチンコ球の検出信号は、主制御装置31に入力されるようになっている。主制御装置31は、上部始動球検出センサ36または下部始動球検出センサ37から検出信号を受けると、大当たり抽選を行うと共に、統括制御装置19に制御信号を出力して、前記液晶表示装置15に図柄変動演出を行わせるようになっている。また、主制御装置31は、前記払出制御装置29に制御信号を出力して、前記球払出装置28に所定数の賞球を払い出させるようになっている。
【0019】
前記遊技盤12における始動入賞装置35の下方には、特別入賞装置38が配設されており、前記大当たり抽選の結果、大当たりが発生すると、液晶表示装置15の表示部15aに所定の図柄組合わせで図柄が停止表示されて、特別入賞装置38の入賞口(図示せず)が開放するようになっている。特別入賞装置38の装置本体38a(図6参照)には、第1中継基板70を介して前記主制御装置31に電気的に接続された特別球検出センサ39が設けられている(図8参照)。特別球検出センサ39がパチンコ球を検出すると、検出信号を主制御装置31に出力し、主制御装置31は、前記払出制御装置29に制御信号を出力して、前記球払出装置28に多数の賞球を払い出させる。なお、図6に示すように、前記始動入賞装置35の装置本体35cや特別入賞装置38の装置本体38aは、遊技盤12の下部中央に設けた中央開口部12bを介して遊技盤12の後方に突出している。
【0020】
図4に示すように、前記遊技盤12の下部には、前記特別入賞装置38を挟んで左側に第1普通入賞装置40、右側に第2普通入賞装置41が設けられている。これら第1,第2普通入賞装置40,41は、遊技盤12における前記中央開口部12bの左右に設けた側方開口部12c,12d(図10,図11参照)に夫々取り付けられている。第1,第2普通入賞装置41,42は、複数(実施例では、2つ)の普通入賞口40a,40a,41a,41aを備え、該普通入賞口40a,40a,41a,41aに入賞したパチンコ球は、前記側方開口部12c,12dを介して遊技盤12の後方へ送られる。そして、遊技盤12の後方へ送られたパチンコ球は、設置部材14に設けた後述する球通路部材53,54の球通路59,60を流下して下方へ排出されるよう構成される。
【0021】
〔設置部材について〕
図5,図7に示すように、前記設置部材14は、前記遊技盤12に対向する略矩形状の対向面部42と、該対向面部42の周縁部から前方に延出する外周壁部43とから前方に開放する箱状に形成され、全体が透明の部材で構成されている。前記外周壁部43の前端部には、設置部材14の開口外側へ延出する設置固定部44が複数形成されている。そして、設置固定部44を遊技盤12の後面に当接した状態で、各設置固定部44を遊技盤12にネジ止めすることで、設置部材14が遊技盤12に着脱自在に取付けられる。設置部材14を遊技盤12に取付けた状態では、図6に示すように、該遊技盤12および設置部材14の間に所要の空間(以下、設置スペース45という)が画成される。前記設置部材14には、遊技状態に合わせて発光演出および可動演出を行う複数の演出装置46,47,48が配設されており、設置部材14を遊技盤12に取り付けた状態で、これら演出装置46,47,48が前記設置スペース45に臨むようになっている。図7に示すように、前記対向面部42には、前後方向に開放する可視表示部14aが設けられており、以下の説明において、対向面部42における可視表示部14aの上側部分を上対向面部42aと指称し、可視表示部14aの下側部分を下対向面部42bと指称する。
【0022】
前記対向面部42の後側には、液晶装着部49が設けられ、該液晶装着部49に、前記液晶表示装置15が表示部15aを可視表示部14aに臨ませるように後側から取り付けられる。液晶表示装置15の後側には、パチンコ機10の遊技演出を統括的に制御する統括制御装置19が配設される(図3参照)。図8に示すように、統括制御装置19は、前記液晶表示装置15、ランプ装置18およびスピーカ22に電気的に接続されており、該統括制御装置19から出力される演出制御信号に基づいて、各種装置15,18,22が作動制御されるようになっている。また、統括制御装置19には、前記演出装置46,47,48が電気的に接続されており、該統括制御装置19により各演出装置46,47,48の延出動作が制御される。図3に示すように、前記下対向面部42bの後側には、後述する中継基板保持部67,68,69を後方から覆うように主制御装置31が主基板ベース(図示せず)を介して着脱自在に配設される。前記主制御装置31は、パチンコ機10全体の作動を制御するものであって、図8に示す如く、前記上部始動球検出センサ36や下部始動球検出センサ37、統括制御装置19等、各種装置と電気的に接続されている。また、主制御装置31は、後述する不正検出装置125や磁気センサ83,102からの出力信号に基づいて、不正行為の発生を判定する。
【0023】
〔下対向面部の前側の構成について〕
図5に示すように、前記下対向面部42bの前側中央部には、該下対向面部42bから前方に突出する円弧状の庇状収容部50が形成されている。庇状収容部50は、前方および下方に開放する空間(以下、装置用空間50aという)を画成しており、設置部材14を遊技盤12に取り付けた状態で、庇状収容部50の装置用空間50aに前記始動入賞装置35の装置本体35cが収容されるようになっている(図6参照)。また、図5に示すように、前記下対向面部42bには、球通路固定部(固定部)51,52が庇状収容部50を挟んで左右に2つ形成されており、各球通路固定部51,52に球通路部材(遊技機構成部材)53,54が取り付けられる。各球通路固定部51,52は、下対向面部42bから前方に突出するよう形成され、図9に示すように、設置部材14の後側に下対向面部42bの後面で開口する収容空間(センサと基板との間に形成される空間)55,56を画成している。なお、以下の説明では、図5における左側の球通路固定部および収容空間を第1球通路固定部51および第1収容空間55と夫々指称し、図5における右側の球通路固定部および収容空間を第2球通路固定部52および第2収容空間56と夫々指称する。また、第1球通路固定部51に取り付けられる球通路部材を第1球通路部材53と指称し、第2球通路固定部52に取り付けられる球通路部材を第2球通路部材54と指称する。
【0024】
第1球通路固定部51の前面(以下、第1突出面部57という)および第2球通路固定部52の前面(以下、第2突出面部58という)は、設置部材14の設置固定部44より僅かに後方に位置している(図16参照)。また、図5,図16に示すように、第1突出面部57および第2突出面部58には、夫々、前方へ突出する固定ボス57a,58aが複数形成されている。そして、第1球通路部材53および第2球通路部材54に設けたボス受け部53a,54aに対応の固定ボス57a,58aを整合させて、該固定ボス57a,58aにネジを螺挿することで、第1球通路部材53および第2球通路部材54が第1球通路固定部51および第2球通路固定部52に夫々ネジ止めされる。図5に示すように、第1,第2球通路固定部51,52に第1,第2球通路部材53,54が夫々取り付けられた状態では、両球通路部材53,54が設置部材14の開口前端側に臨むよう構成される。
【0025】
前記第1球通路部材53および第2球通路部材54には、前方に開放する第1球通路59および第2球通路60が夫々画成されており、図10,図11に示すように、第1,第2球通路部材53,54が前記第1,第2球通路固定部51,52に夫々取り付けられた状態で、各球通路部材53,54の開口縁部が前記設置固定部44と同一面上に位置するようになっている。そして、設置部材14を遊技盤12に取り付けた状態では、第1球通路部材53の開口縁部が前記第1普通入賞装置40の後面に当接して、前記第1球通路59が第1普通入賞装置40の普通入賞口40a,40aに連通するようになっている。同様に、第2球通路部材54の開口縁部が前記第2普通入賞装置41の後面に当接して、前記第2球通路60が第2普通入賞装置41の普通入賞口41a,41aに連通するよう構成される。
【0026】
図10に示すように、前記第1球通路部材53には、第1センサ取付部61が後方に突出するよう形成されている。また、第1球通路固定部51の第1突出面部57には、前後方向に開放する第1センサ挿通孔62が形成され、第1球通路部材53を第1球通路固定部51に取り付けた状態で、該第1センサ取付部61が第1センサ挿通孔62を介して前記第1収容空間55内に延出するよう構成される。前記第1センサ取付部61には、前記第1普通入賞装置40の普通入賞口40aに入賞したパチンコ球を検出する第1普通球検出センサ63が着脱自在に取り付けられる。第1普通球検出センサ63は、第1センサ取付部61に取り付けられた状態で、前記第1収容空間55に後部側が収容される。図8に示すように、第1普通球検出センサ63は、第1中継基板70を介して前記主制御装置31に電気的に接続され、第1普通球検出センサ63がパチンコ球を検出すると、検出信号が主制御装置31に出力されるようになっている。そして、前記主制御装置31は、第1普通球検出センサ63から検出信号が入力されると、前記払出制御装置29に制御信号を出力し、球払出装置28に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。
【0027】
図11に示すように、前記第2球通路部材54には、第2センサ取付部64が後方に突出するよう形成されている。また、第2球通路固定部52の第2突出面部58には、前後方向に開放する第2センサ挿通孔65が形成され、第2球通路部材54を第2球通路固定部52に取り付けた状態で、該第2センサ取付部64が第2センサ挿通孔65を介して前記第2収容空間56内に延出している。第2センサ取付部64には、前記第2普通入賞装置41の普通入賞口41a,41aに入賞したパチンコ球を検出する第2普通球検出センサ66が着脱自在に取り付けられる。第2普通球検出センサ66は、第2センサ取付部64に取り付けられた状態で、前記第2収容空間56に後部側が収容されるようになっている。図8に示すように、この第2普通球検出センサ66は、第1普通球検出センサ63と同様に、第1中継基板70を介して前記主制御装置31に電気的に接続されている。そして、第2普通球検出センサ66から検出信号が主制御装置31に入力されると、主制御装置31は、前記払出制御装置29を制御して、球払出装置28に所定数の賞球を払い出させるようになっている。
【0028】
〔下対向面部の後側の構成について〕
図9に示すように、前記下対向面部42bの後面には、左右に隣接して複数(実施例では3つ)の中継基板保持部67,68,69が設けられ、各中継基板保持部67,68,69に中継基板70,71,72が着脱自在に配設される(図7参照)。図9の右側の中継基板保持部(基板設置部)67は、前記第1球通路固定部51の後方に位置し、前記第1収容空間55が該中継基板保持部67において後方へ開口している。また、図9の左側の中継基板保持部68は、前記第2球通路固定部52の後方に位置し、前記第2収容空間56が該中継基板保持部68において後方へ開口している。更に、図9の中央の中継基板保持部69は、前記庇状収容部50の後方位置に形成されている。なお、以下の説明において、図9の右側に位置する中継基板保持部を第1中継基板保持部67と指称し、図9の左側に位置する中継基板保持部を第2中継基板保持部68と指称し、図9の中央に位置する中継基板保持部を第3中継基板保持部69と指称する。また、第1〜第3中継基板保持部67,68,69に取り付けられる中継基板を、第1〜第3中継基板70,71,72と夫々指称する。
【0029】
〔第1中継基板保持部について〕
第1中継基板保持部67は、前記下対向面部42bの後面から後方に突出すると共に前記第1収容空間55の後方開口(以下、第1開口部73という)を囲繞するよう上下左右に延在する第1突壁74a〜74dと、下側の第1突壁74bおよび左右の第1突壁74c,74dの隅部に夫々設けられ、これら第1突壁74b,74c,74dの後縁部から後方に離間した第1押え片75,75とを備える。なお、図9に示す状態を基準として上下左右の第1突壁を、第1上突壁74a、第1下突壁74b、第1左突壁74cおよび第1右突壁74dと夫々指称する。第1右突壁74dの上部には、後方に突出する第1基板フック76が形成されている。また、前記第1左突壁74cには、左右に開放する第1配線通孔77が形成されている。そして、図9において、第1中継基板70の下側の両隅部を、対応する第1押え片75,75の前側に臨ませて、第1中継基板70の上部側を前方へ押圧することで、第1基板フック76が第1中継基板70に後方から係止して、第1中継基板70が第1中継基板保持部67に着脱自在に取り付けられる。前記第1中継基板70には、後述する第1,第2磁気センサ83,102から導出する配線83X,102Xや前記特別球検出センサ39、第1,第2普通球検出センサ63,66等の配線(何れも図示せず)が接続される(図8,図15参照)。また、第1中継基板70は、前記主制御装置31と電気的に接続されており、これらセンサ83,102,39,63,66を主制御装置31に中継接続している。
【0030】
〔第1収容空間について〕
図12(a)に示すように、前記第1収容空間55は、上下左右の内側面(以下、第1内側面78という)により画成され、略矩形状の前記第1開口部73が後方に開口している。なお、図12(a)に示す状態を基準として、第1収容空間55の上下左右の第1内側面78を、第1上内側面78a、第1下内側面78b、第1左内側面78cおよび第1右内側面78dと夫々指称する。第1収容空間55の第1上内側面78aおよび第1下内側面78bは、後方に向かうにつれて互いに離間すると共に、第1収容空間55の第1左内側面78cおよび第1右内側面78dは、後方に向かうにつれて互いに離間するよう構成されている(図10,図16参照)。すなわち、第1収容空間55は、前方から後方にかけて次第に拡開するよう形成されている。図10に示すように、第1下内側面78bは、前側の上段部79と該上段部79より1段下方に位置した後側の下段部80とを備え、上段部79および下段部80が連結壁81により連結された段状構造をなしている。前記第1収容空間55の内部には、前記第1上内側面78aに近接する位置に第1センサ保持部82が形成されている。この第1センサ保持部82は、図12(a)に示すように、後方に開放する筒状の保持体82aと、該保持体82aの後部から後方に突出する保持フック82bとを備え、該保持体82aの内部に第1磁気センサ(センサ)83が後方から挿入されるようになっている。そして、前記保持体82aに挿入された第1磁気センサ83の後部に保持フック82bが係止することで、第1磁気センサ83が第1センサ保持部82に着脱自在に取り付けられる。この第1磁気センサ83は、磁石等から発せられる磁気を検出するものであって、遊技盤12に磁石等を近付けて遊技領域34を流下するパチンコ球を誘導する不正行為(以下、不正磁気行為という)を検出するものである。
【0031】
ここで、図7,図10に示すように、前記第1中継基板保持部67に第1中継基板70を取り付けた状態では、第1中継基板70は、第1磁気センサ83の後方に離間して、該センサ83と前後に重なる位置関係となる。そして、第1収容空間55の第1開口部73が第1中継基板70により後側から覆われて設置部材14の後方から視認不能となる。ここで、第1中継基板70で覆われる第1収容空間55には、例えば第1中継基板70に接続された前記各種センサ39,63,66,82,83を操作したり、前記主制御装置31に信号を出力して、予め設定された制御とは異なる制御を行わせる等を目的とした不正部品A(図10参照)が設置される虞がある。そこで、実施例に係るパチンコ機10では、第1収容空間55を埋める第1不正防止部材(不正防止部材)84を配設することで、規定の不正部品Aの取り付けを防止するよう構成されている。ここで、規定の不正部品Aとは、予め設定されたサイズ(体積)を有する不正部品Aを指しており、当該サイズの不正部品Aについては、第1不正防止部材84の存在により第1収容空間55への設置が阻止される。また、不正部品Aとしては、基板や装置、器具等の電気信号を送出可能な電子部品が含まれる。
【0032】
〔第1不正防止部材について〕
図13(a),(b),図14に示すように、前記第1不正防止部材84は、板状の第1基部(基部)85の周縁部から第1側壁部(側壁部)86が前方に延出して構成され、前方に開放する略直方体形状をなしている。なお、以下の説明では、図14に示すように、第1不正防止部材84を後側から見た状態を基準として、第1基部85の上下左右の縁部から延出する第1側壁部86を、第1上側壁部86a、第1下側壁部86b、第1左側壁部86cおよび第1右側壁部86dと夫々指称する場合がある。前記第1基部85は、前記第1開口部73の開口形状に整合した矩形状に形成され、図14に示すように、第1不正防止部材84が第1収容空間55に配設された状態で、第1基部85が第1開口部73と略同一面上に位置して、該第1基部85が第1開口部73を塞ぐよう構成される。ここで、第1基部85が第1開口部73を「塞ぐ」とは、第1基部85が第1開口部73を完全に閉塞した状態に加え、該第1基部85と第1開口部73の縁部との間に前記規定の不正部品Aを差し込むのが不能となる程度の隙間が生じた状態を含む意味である。実施例では、第1基部85と第1開口部73の縁部との間には、前記規定の不正部品Aが挿入不能となる範囲で僅かな隙間が生じている。第1基部85には、前後方向に開放する第1配線口87が開設されており、前記第1磁気センサ83から導出する配線83Xが第1配線口87を介して第1基部85の後方に引き出されるようになっている。そして、第1配線口87から引き出された第1磁気センサ83の配線83Xは、図14,図15に示すように、前記第1配線通孔77を左方に引き回された後、前記第1中継基板70に接続される。すなわち、第1磁気センサ83は、第1中継基板70を介して主制御装置31に電気的に接続され、第1磁気センサ83が磁気を検出した際に出力される検出信号(以下、磁気検出信号という)は、主制御装置31に入力されるようになっている。
【0033】
図10に示すように、前記第1上側壁部86aおよび第1下側壁部86bは、前方に向かうにつれて互いに離間するよう傾斜すると共に、図13(a)に示すように、第1左側壁部86cおよび第1右側壁部86dは、前方に向かうにつれて互いに離間するよう傾斜している。すなわち、第1不正防止部材84は、前方に向かうにつれて拡開する形状とされる。第1不正防止部材84を第1収容空間55に配設した状態では、第1下側壁部86bの前端部が前記第1下内側面78bの連結壁81に当接するよう構成される。また、第1上側壁部86a、第1下側壁部86b、第1左御側壁部および第1右側壁部86dが、第1上内側面78a、第1下内側面78bの下段部80、第1左内側面78cおよび第1右内側面78dに夫々対向するよう構成される(図10,図16参照)。ここで、各第1側壁部86が第1収容空間55の各第1内側面78に対向するとは、前記規定の不正部品Aを差し込むのが不能となる程度に各第1側壁部86が対応の第1内側面78に近接または当接した状態をいう。すなわち、第1不正防止部材84を第1収容空間55に配設することで、第1基部85が第1開口部73を塞ぐと共に、第1側壁部86が対応の第1内側面78に対向して、第1不正防止部材84と第1内側面78との間に不正部品Aを設置するのは不能となる。
【0034】
図13(b)に示すように、前記第1不正防止部材84には、該第1不正防止部材84の内部空間を分割する第1仕切壁88が複数形成されている。第1仕切壁88は、第1不正防止部材84の内部空間を前記規定の不正部品Aの設置が不能となる寸法の小空間(以下、第1小空間Bという)に分割するよう設けられる。すなわち、第1不正防止部材84の内部空間は、第1仕切壁88により第1小空間Bに分割されて、第1不正防止部材84の内部空間への前記不正部品Aの設置は不能となる。
【0035】
図13(a),(b)に示すように、前記各第1側壁部86には、前後方向に延在すると共に弾性変形可能に構成された第1押圧部89が形成されている。実施例では、第1上側壁部86aに2つの第1押圧部89,89が形成されると共に、第1下側壁部86b、第1左側壁部86cおよび第1右側壁部86dに第1押圧部89が夫々1つずつ形成されている。各押圧部89は、各第1側壁部86の前端縁部から後方に切り込んだ2つのスリット90,90の間に形成されており、各第1押圧部89の前端部には、第1側壁部86から外方に突出した第1突部91が形成されている。そして、第1不正防止部材84を第1収容空間55に配設した際に、各第1押圧部89は、第1不正防止部材84の内側(第1不正防止部材84の内部空間側)へ弾性変形した状態で、各第1突部91が第1収容空間55の第1内側面78に当接するようになっている(図10参照)。更に、第1上側壁部86aには、左右の第1押圧部89,89の間に位置して、前方および上下方向に開放する第1逃げ部92が形成されている。第1不正防止部材84を第1収容空間55に配設した状態では、図10に示すように、前記第1磁気センサ83および第1センサ保持部82が第1逃げ部92に臨んで、第1上側壁部86aに干渉しないよう構成される。
【0036】
〔第2中継基板保持部について〕
図9に示すように、前記第2中継基板保持部68は、下対向面部42bの後面から後方に突出すると共に前記第2収容空間56の後方開口(第2開口部93という)を囲繞するよう上下左右に設けられた第2突壁94a〜94dと、上側の第2突壁94aの上縁部から下方に延出する第2押え片95とを備える。なお、図9に示す状態を基準として、上下左右に延在する第2突壁94を、第2上突壁94a、第2下突壁94b、第2左突壁94cおよび第2右突壁94dと夫々指称する。第2下突壁94bには、後方に突出する第2基板フック96,96が左右に並んで2つ形成されている。第2中継基板保持部68は、第2開口部93の上縁に沿って延在すると共に下対向面部42bの後面から後方に突出する第2支持突壁97を備えている。そして、第2中継基板71の上縁部を第2押え片95の前側に臨ませ、該第2中継基板71の下部側を前方へ押圧することで、両第2基板フック96,96が第2中継基板71の下縁部に後方から係止して、第2中継基板71が第2中継基板保持部68に着脱自在に取り付けられる。第2中継基板71が第2中継基板保持部68に取り付けられた状態では、第2中継基板71の前面が前記第2支持突壁97に当接して支持される。第2中継基板71には、前記演出装置46,47,48等から導出する配線が接続されると共に、前記統括制御装置19が接続されている。なお、第2上突壁94aには、上下方向に開放する第2配線通孔98が切欠形成されている。
【0037】
〔第2収容空間について〕
図12(b)に示すように、前記第2収容空間56は、上下左右の第2内側面99により画成され、略矩形状の前記第2開口部93が後方に開口している。第2収容空間56の上下の第2内側面99,99は、後方に向かうにつれて互いに離間すると共に、第2収容空間56の左右の第2内側面99,99は、後方に向かうにつれて互いに離間している(図11,図16参照)。すなわち、第2収容空間56は、前記第1収容空間55と同様に、前方から後方にかけて次第に拡開する形状とされる。なお、図12(b)に示す状態を基準として、第2収容空間56の上下左右の内側面を、第2上内側面99a、第2下内側面99b、第2左内側面99cおよび第2右内側面99dと夫々指称する場合がある。
【0038】
図11に示すように、前記第2上内側面99aおよび第2下内側面99bには、前後方向に延在する延出部100,100が夫々1つずつ形成され、両延出部100,100は上下方向に対向して設けられる。各延出部100は、第2上内側面99aまたは第2下内側面99bから第2収容空間56側へ突出するよう形成されており、延出部100における第2収容空間56側に突出した端縁部100aは、互いに平行に延在している(図11参照)。図12(b)に示すように、前記第2収容空間56の内部には、前記第2上内側面99aおよび第2左内側面99cの隅部に第2センサ保持部101が形成されている。第2センサ保持部101は、前記第1センサ保持部82と同様に、後方に開放する筒状の保持体101aと、該保持体101aの後部から後方に突出する保持フック101bとを備え、該保持体101aの内部に第2磁気センサ(センサ)102が後方から挿入されるようになっている。そして、第2センサ保持部101の保持体101aに挿入された第2磁気センサ102の後部に前記保持フック101bが係止することで、第2磁気センサ102が第2センサ保持部101に着脱自在に取り付けられる。この第2磁気センサ102は、第1磁気センサ83と同様に、磁石等から発せられる磁気を検出するセンサであり、前記不正磁気行為を検出するためのものである。
【0039】
ここで、図7,図11に示すように、前記第2中継基板保持部68に第2中継基板71を取り付けた状態では、第2中継基板71は、第2磁気センサ102の後方に離間して、該センサ102と前後に重なる位置関係となる。そして、第2収容空間56の第2開口部93は、第2中継基板71により後側から覆われて設置部材14の後側から第2収容空間56は視認不能となる。このため、第1収容空間55と同様に、第2中継基板71を介して主制御装置31に不正信号を出力して、予め設定された制御とは異なる制御を行わせる等を目的として前記不正部品Aが第2収容空間56に設置される虞がある。そこで、第2収容空間56に対しても、第2不正防止部材(不正防止部材)103を着脱自在に配設して、規定の不正部品Aの第2収容空間56への設置を防止するよう構成されている。すなわち、第2収容空間56に第2不正防止部材103を配設することで、前記規定のサイズの不正部品Aについては、第2不正防止部材103の存在により第2収容空間56への設置が阻止される。
【0040】
〔第2不正防止部材について〕
図14,図17(a),(b)に示すように、前記第2不正防止部材103は、前記第1不正防止部材84と基本的に同様な構成であって、板状の第2基部(基部)104の周縁部から第2側壁部105が前方に延出し、前方に開放する略直方体形状をなしている。なお、以下の説明において、図14に示す状態を基準として、第2基部104の上下左右の縁部から延出する第2側壁部105を、第2上側壁部105a、第2下側壁部105b、第2左側壁部105cおよび第2右側壁部105dと夫々区別して指称する場合がある。前記第2基部104は、前記第2開口部93の開口形状に整合した横長矩形状に形成され、第2不正防止部材103が第2収容空間56に配設された状態で、第2基部104が第2開口部93を塞ぐよう構成される。ここで、第2基部104が第2開口部93を「塞ぐ」とは、第1不正防止部材84の場合と同様に、第2基部104が第2開口部93を完全に閉塞した状態に加え、該第2基部104と第2開口部93の縁部との間に規定の不正部品Aを差し込むのが不能となる範囲で隙間が生じた状態を含む意味である。実施例では、第2基部104と第2開口部93の縁部との間には、規定の不正部品Aが挿入不能となる程度の僅かな隙間が生じている(図14参照)。前記第2基部104には、前後方向に開放する第2配線口106が開設されており、前記第2磁気センサ102から導出する配線102Xが第2配線口106を介して第2収容空間56から引き出されるようになっている。図14,図15に示すように、第2配線口106から引き出された第2磁気センサ102の配線102Xは、前記第2上突壁94aの第2配線通孔98を介して設置部材14の後方に引き出される。そして、第2磁気センサ102の配線102Xは、前記第3中継基板72の後方を図15の右方へ引き回されて、前記第1中継基板70に接続される。すなわち、図8に示すように、第2磁気センサ102は、第1中継基板70を介して前記主制御装置31に電気的に接続され、第2磁気センサ102の磁気検出信号は、前記主制御装置31に入力される。
【0041】
前記第2上側壁部105aおよび第2下側壁部105bは、第2不正防止部材103を第2収容空間56に挿入する際に、第2上内側面99aの延出部100および第2下内側面99bの延出部100が夫々摺動して、第2上側壁部105aおよび第2上内側面99aが延出部100,100によって案内されるようになっている。また、前記第2上側壁部105aおよび第2下側壁部105bは、前方に向かうにつれて互いに離間するよう傾斜している。なお、図11には、第2上側壁部105aおよび第2下側壁部105bが延出部100,100に当接することで弾性変形し、両側壁部105a,105bが前後に平行な姿勢となった状態が図示されている。また、図16に示すように、第2左側壁部105cおよび第2右側壁部105dは、前方に向かうにつれて互いに離間するよう傾斜している。すなわち、第2不正防止部材103は、第1不正防止部材84と同様に、前方に向かうにつれて拡開した形状とされる。
【0042】
図11に示すように、第2側壁部105の前端部は、第2不正防止部材103を第2収容空間56に配設した状態で、前記第2突出面部58の後面に当接するよう構成される。また、第2不正防止部材103を第2収容空間56に配設した状態で、第2上側壁部105a、第2下側壁部105b、第2左側壁部105cおよび第2右側壁部105dが、夫々、第2上内側面99a、第2下内側面99b、第2左内側面99cおよび第2右内側面99dに対向するよう構成される(図11,図16参照)。ここで、各第2側壁部105が第2収容空間56の第2内側面99に対向するとは、第1不正防止部材84の場合と同様に、前記規定の不正部品Aを差し込むのが不能となる程度に各第2側壁部105が対応の第2内側面99に近接または当接した状態をいう。すなわち、第2不正防止部材103を第2収容空間56に配設した状態では、前記第2基部104が第2開口部93を塞ぐと共に、各第2側壁部105が第2内側面99に対向し、第2不正防止部材103と第2内側面99との間に規定の不正部品Aを設置するのは不能とされる。
【0043】
図17(b)に示すように、前記第2不正防止部材103には、該第2不正防止部材103の内部空間を左右に分割する第2仕切壁107が複数(実施例では2つ)形成されている。ここで、第2仕切壁107は、第2不正防止部材103の内部空間を前記規定の不正部品Aの設置が不能となる寸法の小空間(以下、第2小空間Cという)に分割するよう設けられている。すなわち、第2不正防止部材103の内部空間は、第2仕切壁107により複数(実施例では3つ)の第2小空間Cに分割されているので、第2不正防止部材103の内部空間に前記不正部品Aが設置するのは不能とされる。また、図11に示すように、左右の中央の第2小空間Cの前方開口は、第2不正防止部材103が第2収容空間56に配設された状態で、前記第2突出面部58の第2センサ挿通孔65に臨むようになっている。そして、第2センサ挿通孔65を介して第2収容空間56に臨む第2センサ取付部64および第2普通球検出センサ66が、中央の第2小空間Cに収容されて第2不正防止部材103と干渉することはない。
【0044】
図17(a),(b)に示すように、前記第2側壁部105には、前後方向に延在すると共に弾性変形可能に構成された第2押圧部108が形成されている。実施例では、第2下側壁部105bに2つの第2押圧部108,108が形成されると共に、第2上側壁部105a、第2左側壁部105cおよび第2右側壁部105dに第2押圧部108が夫々1つずつ形成されている。各第2押圧部108は、対応の第2側壁部105の前端縁部から後方に切り込んだ2つの第2スリット109,109の間に形成されており、各第2押圧部108の前端部には、第2側壁部105から外方に突出した第2突部110が形成されている。そして、第2不正防止部材103を第2収容空間56に配設した際に、各第2押圧部108は、第2不正防止部材103の内側(第2不正防止部材103の内部空間側)へ弾性変形した状態で、各第2突部110が第2収容空間56の第2内側面99に当接するようになっている(図18参照)。更に、第2上側壁部105aおよび第2左側壁部105cには、両側壁部105a,105cの隅部を含む部位を前側から切り欠いて、前方および上下左右方向に開放する第2逃げ部111が形成されている。図18に示すように、第2不正防止部材103を第2収容空間56に配設した状態では、前記第2磁気センサ102および第2センサ保持部101が第2逃げ部111に臨むようになっており、第2磁気センサ102および第2センサ保持部101がこれら第2上側壁部105a、第2左側壁部105cに干渉しないよう構成される。
【0045】
〔第3中継基板保持部について〕
前記第3中継基板保持部69は、図9に示す状態を基準として、前記第2右突壁94dの右側に近接して上下方向に延在する第3左突壁112と、下対向面部42bの下縁部に沿って延在する第3下突壁113と、第3左突壁112および前記第1左突壁74cの上端部から両突壁112,74cが対向する側へ向けて夫々延出する第3押え片114,114とから基本的に構成される。また、第3中継基板保持部69における右側の側壁部は、第1中継基板保持部67の第1左突壁74cが兼用している。第3下突壁113には、後方に突出する第3基板フック115,115が左右に並んで複数(実施例では2つ)形成されている。更に、第3左突壁112および第1左突壁74cには、両突壁112,74cが対向する側に突出する第3支持突壁116が複数形成されている。そして、前記第3中継基板72の上縁部を両第3押え片114,114の前側に臨ませ、該第3中継基板72の下部側を前方へ押圧することで、両第3基板フック115,115が第3中継基板72の下縁部に後方から係止する。これにより、第3中継基板72は、第3支持突壁116に支持された状態で、第3中継基板保持部69に着脱自在に取り付けられる(図7参照)。図8に示すように、前記第3中継基板72には、前記払出制御装置29が接続されている。また、第3中継基板72は、前記主制御装置31に電気的に接続されており、前記払出制御装置29を主制御装置31に中継接続している。
【0046】
図19に示すように、第3中継基板保持部69には、後方に開放するセンサ設置空間(設置空間)117が画成されたセンサ設置部(設置部)118が形成されている。このセンサ設置部118は、前記庇状収容部50および前記第1収容空間55の間に位置しており、該センサ設置部118に後述する不正検出装置125が着脱自在に配設される(図14参照)。前記センサ設置部118は、前記下対向面部42bより前方に位置する設置前板部119(図20参照)と、該設置前板部119の後面から後方に突出する一対のセンサ用ボス120,120(図19参照)とを備えており、該センサ用ボス120,120に後述する不正検出装置125のケース体128がネジ止めされる。また、センサ設置部118の下部は、前記設置部材14の下側の外周壁部43で構成されており、外周壁部43における該センサ設置部118の下部をなす部位(以下、設置下板部121という)には、後方および上下方向に開放する設置凹部122が形成されている。なお、図9に示すように、前記センサ設置空間117は、前記第1左突壁74cに設けた第1配線通孔77を介して前記第1収容空間55に連通している。
【0047】
〔電波による不正行為について〕
ここで、前述した2つの始動球検出センサ36,37や特別球検出センサ39は、いわゆる誘導式近接スイッチであって、実施例のパチンコ機10では、何れも同一のセンサ(以後、これらセンサ36,37,39を単に球検出センサDという場合がある)が採用されている。図21(a)に示すように、球検出センサDは、発振回路等を備えたセンサ本体123とコイルが設けられてパチンコ球が通過可能な球通過口124とを基本構成としている。図21(b)に示す如く、球検出センサDは、パチンコ球を検出していない状態(パチンコ球が球通過口124を通過していない状態)では、発振回路が発振して、高レベルの信号(以下、ハイレベル信号という)を出力するように設定されている。一方、球検出センサDは、パチンコ球を検出している状態(パチンコ球が球通過口124を通過している間)では、発振回路の発振が停止または減衰して、低レベルの信号(以下、ローレベル信号という)を出力するように設定されている。そして、主制御装置31は、球検出センサDからの出力信号がハイレベル信号からローレベル信号に切り換わったときにパチンコ球を1カウントして、前記払出制御装置29を制御して球払出装置28に賞球を払い出させる。
【0048】
ところが、この球検出センサDに電波を放射して、該球検出センサDの出力信号を強制的に変更する不正行為(以下、不正電波行為という)が行われることがある。一般的に、この不正電波行為は、図20に示す如く、不正行為者が遊技盤12の斜め下方に電波発生器Eを隠し持ち、始動入賞装置35や特別入賞装置38等が設けられる遊技盤12の下部中央へ向けて電波を電波発生器Eから放射して行われる。この電波発生器Eから放射される電波を、パチンコ球が球通過口124を通過する間に球検出センサDが浴びると、該球検出センサDは、断続的な発振があったと誤検出してしまう。その結果、図21(b)に示すように、球検出センサDは、ローレベル信号およびハイレベル信号を繰り返し出力し、前記主制御装置31は、ハイレベル信号からローレベル信号に切り換わる度にパチンコ球をカウントすることとなる。そして、主制御装置31は、1個のパチンコ球が球通過口124を通過したのにも拘わらず、複数個分のカウントをして、多くの賞球を払い出したり、大当たり抽選が行われてしまう虞がある。そこで、実施例のパチンコ機10では、このような不正電波行為を検出するべく、前記センサ設置部118に不正検出装置125が設置されている。
【0049】
〔不正検出装置について〕
図22,図23に示すように、前記不正検出装置125は、検出センサユニット(状態変化手段)126と、検出用金属球(状態維持手段,磁性体,金属球,遊技球)127と、これら検出センサユニット126および検出用金属球127を収容したケース体128とから基本的に構成されている。前記検出センサユニット126は、矩形状のセンサ装置本体129と、貫通孔が画成された円筒状の検出口130とから基本的に構成され、実施例では、前述した始動入賞装置35や特別入賞装置38等に設けられる球検出センサDと同一のものが採用されている。前記検出口130の開口円の直径は、前記検出用金属球127の直径より僅かに大きく設定されている(図24(a)参照)。前記検出口130には、開口縁に沿って検出コイル131が巻装されており、該検出コイル131により検出口130の周囲に磁界を発生させるようになっている。図25に示すように、前記センサ装置本体129には、発振回路F、発振検出回路Gおよび出力回路Hが形成されている。図26(a)に示すように、前記発振回路Fは、検出口130の磁界中に磁性体(検出用金属球127)が存在しない状態で、高周波(例えば、1MHz)で発振するようになっている。また、図26(b)に示すように、前記検出口130の磁界中に磁性体(検出用金属球127)が存在すると、発振回路Fは、発振を停止または減衰させるようになっている。実施例の発振回路Fは、検出口130に磁性体(検出用金属球127)が存在した状態で、発振を停止させるように設定されている。
【0050】
前記発振検出回路Gは、前記発振回路Fの発振状態を検出して、当該発振状態に応じた信号を出力するものである。図26(a)に示すように、発振検出回路Gは、発振回路Fの発振を検出すると発振検出信号を前記出力回路Hに出力すると共に、図26(b)に示すように、発振回路Fが発振を停止または減衰(実施例では、発振の停止)を検出すると出力回路Hに発振停止検出信号を出力するよう構成される。すなわち、検出センサユニット126は、磁性体の有無により、発振検出回路Gが発振を検出した発振検出状態(第1状態)と、発振検出回路Gが発振の停止を検出した発振非検出状態(第2状態)とに状態変化可能に構成されている。
【0051】
前記出力回路Hは、前記発振検出回路Gから発振検出信号が入力されると、前記ハイレベル信号を出力し、該発振検出回路Gから発振停止検出信号が入力されると、前記ローレベル信号を出力するようになっている。なお、図26(b)に示すように、ローレベル信号は、0より僅かに大きな値となっている。前記出力回路Hは、後述するように第1中継基板70を介して主制御装置31に電気的に接続されており、出力回路Hから出力されたハイレベル信号およびローレベル信号は、主制御装置31に入力される。前記検出用金属球127は、前記発振回路Fの発振を停止させて検出センサユニット126を発振非検出状態に維持する(状態変化手段を第2状態に維持する)ものである。実施例では、検出用金属球127として、磁性体であるパチンコ球が用いられている。後述するように、検出用金属球127は、検出口130内に位置した状態でケース体128に収容される。
【0052】
すなわち、実施例の不正検出装置125は、前記不正電波行為が行われていない正常時では、検出用金属球127により発振回路Fの発振が停止されて、検出センサユニット126は、発振非検出状態に維持される。従って、図27に示すように、発振検出回路Gは、発振停止検出信号を出力し、出力回路Hからローレベル信号が出力されるので、前記主制御装置31に対して常にローレベル信号が入力される。一方、検出センサユニット126が発振非検出状態にある場合において、前記電波発生器Eから電波が検出センサユニット126に放射されると、図28に示すように、発振回路Fは発振を停止しているのにも拘わらず、電波によって断続的な発振が強制的に生起される。従って、不正電波行為が行われると、発振検出回路Gが断続的な発振を検出して、発振検出信号および発振停止検出信号を交互に出力するようになっている。これにより、図27に示すように、前記出力回路Hは、ハイレベル信号およびローレベル信号を主制御装置31に交互に出力する。なお、実施例に係る不正検出装置125では、検出センサユニット126における電波の検出範囲が、図29に示す如く、前記検出口130の開口方向側(図29では上下方向)が大きくなっている。すなわち、検出センサユニット126は、検出口130の開口方向から放射される電波に反応し易い構成となっている。
【0053】
図22,図23に示すように、前記ケース体128は、前記検出口130の開口方向に対向する第1半体132および第2半体133から基本的に構成され、第1半体132の後側に第2半体133が組み付けられるようになっている。前記第1半体132は、略矩形状の第1ケース基体(ケース基体)134と該第1ケース基体134の周縁部から後方へ延出する第1外壁部(壁部)135とから構成され、後方に開放する箱状に形成されている。図24(a)に示すように、第1ケース基体134は、上方から下方にかけて後方に傾斜しており、ケース体128をセンサ設置部118に取り付けた状態で、遊技盤12の盤面に対し所定角度(実施例では約60°)傾斜するよう構成される(図20参照)。左右の第1外壁部135,135の上部には、薄板状の突出片136,136が外方に突出するよう夫々形成され、各突出片136に円盤状のケース体ボス受け137が形成されている。各ケース体ボス受け137の前面は、遊技盤12の盤面と平行な面をなしており、前記センサ設置部118のセンサ用ボス120,120の後端部を対応のケース体ボス受け137,137に嵌合したもとで、各ケース体ボス受け137,137の通孔を介してセンサ用ボス120,120にネジを螺挿することで、第1半体132(ケース体128)がセンサ設置部118にネジ止めされる。
【0054】
図23に示すように、前記第1ケース基体134の後面には、該第1ケース基体134の左右の幅方向に亘って延在する複数(実施例では2つ)の第1規制部(規制部)138が形成されている。第1規制部138は、第1ケース基体134の後面から後方に突出しており、図24(a)に示すように、第1半体132に前記検出センサユニット126を収容した際に、第1規制部138が検出センサユニット126に当接して位置決めするようになっている。左右の第1外壁部135,135には、前後方向に延在する一対の案内リブ139,139が夫々形成されている(図23,図24(b)に左側の案内リブ139,139を図示)。一対の案内リブ139,139は、所定間隔離間して互いに平行に延在している。また、左右の第1外壁部135,135には、一対の案内リブ139,139の間を上下に延在する係止段部140が夫々形成され(図22に右側の係止段部140を図示)、各第1外壁部135の係止段部140より前側の部位は、内側(対向する第1外壁部135側)に凹んでいる。更に、右側の第1外壁部135の下部には、該第1外壁部135の後縁部を切り欠いて第1配線用切欠部141が形成されている。
【0055】
図22,図23に示すように、前記第2半体133は、略矩形状の第2ケース基体(ケース基体)142と該第2ケース基体142の周縁部から前方へ延出する第2外壁部(壁部)143とから構成され、前方に開放する箱状に形成されている。第2半体133の前側に開放する開口形状は、前記第1半体132の後側に開放する開口形状と略一致している。第2ケース基体142は、上方から下方にかけて後方に傾斜しており、ケース体128を前記センサ設置部118に取り付けた状態で、遊技盤12の盤面に対して所定角度(実施例では、約60°)傾斜するよう構成される(図20参照)。すなわち、図24(a)に示すように、第1半体132および第2半体133を組み付けた状態で、第1ケース基体134および第2ケース基体142は互いに平行に延在するようになっている。
【0056】
図22に示すように、左右の第2外壁部143,143には、弾性変形可能な薄板状の弾性係止片144,144が前方に延出するよう夫々形成されている。両弾性係止片144,144の離間距離は、前記第1半体132の左右の幅寸法(左右の第1外壁部135,135の離間距離)より僅かに大きく設定されている。また、図24(b)に示すように、各弾性係止片144の上下方向の寸法は、前記一対の案内リブ139,139の離間距離より僅かに小さく設定される。図22に示すように、各弾性係止片144の前端部には、内側(対向する弾性係止片144側)へ突出するケース係止部145が形成されている。両ケース係止部145,145の離間間隔は、前記第1半体132の左右の幅寸法(左右の第1外壁部135,135の離間距離)より僅かに小さく設定されている。そして、各弾性係止片144を弾性変形させつつ一対の案内リブ139,139の間に差し込み、各ケース係止部145が対応の係止段部140に係止することで、第1半体132および第2半体133が着脱自在に組み付けられる(図24(b)参照)。第1半体132および第2半体133が組み付けられた状態では、該第1半体132の第1外壁部135の後端部が第2半体133の第2外壁部143の前端部に当接し、第1半体132および第2半体133の間に前記検出センサユニット126および検出用金属球127を収容可能な空間が画成される。
【0057】
図22に示すように、前記第2ケース基体142の前面には、該第2ケース基体142の左右の幅方向に亘って延在する複数(実施例では2つ)の第2規制部(規制部)146が前方に突出するよう形成されており、第2半体133に検出センサユニット126を収容した状態で、第2規制部146が検出センサユニット126に当接して位置決めするようになっている。すなわち、図24(a)に示すように、第1半体132および第2半体133を組み付けた状態では、検出センサユニット126が第1規制部138および第2規制部146により挟持されて、検出センサユニット126が第1ケース基体134および第2ケース基体142と平行な姿勢に保持される。また、第2規制部146の第2ケース基体142の前面からの離間距離m2は、第1規制部138における第1ケース基体134の後面からの離間距離m1と略同一に設定されている。従って、検出センサユニット126は、第1ケース基体134および第2ケース基体142の離間方向(検出口130の開口方向)の略中央位置に保持される。更に、第1半体132および第2半体133を組み付けた状態で、第1ケース基体134および第2ケース基体142の離間距離lは、前記検出用金属球127の直径寸法と略等しくなるよう設定されている。従って、検出口130内に位置する検出用金属球127は、第1ケース基体134および第2ケース基体142で挟持されて、ケース体128内にガタつくことなく保持される。検出用金属球127がケース体128内に収容された状態では、検出用金属球127の中心が検出口130における開口方向の中央部と略一致するよう位置している。
【0058】
図22に示すように、右側の前記第2外壁部143の下部には、第2外壁部143の前縁部を切り欠いて第2配線用切欠部147が形成されている。この第2配線用切欠部147は、第1半体132および第2半体133を組み付けた状態で、第1配線用切欠部141に整合して、1つの配線用挿通孔148を画成する(図24(a)参照)。そして、この配線用挿通孔148には、前記ケース体128に収容された検出センサユニット126の配線126Xが挿通されて、該ケース体128の外部に引き出されるよう構成される。図15に示すように、不正検出装置125をセンサ設置部118に取り付けた状態では、ケース体128の下部側が設置凹部122を介して前記設置下板部121から下方に突出し、配線用挿通孔148がセンサ設置部118の外部に露出する。そして、配線用挿通孔148を介して引き出された検出センサユニット126の配線126Xは、前記第1中継基板70に接続される。
【0059】
図15に示すように、不正検出装置125がセンサ設置部118に取り付けられた状態では、不正検出装置125は、前記庇状収容部50の装置用空間50aの左方(図15では、右方)に位置する。従って、不正検出装置125は、遊技盤12の下部後方において、前記始動入賞装置35や特別入賞装置38に近接して位置することとなる(図4,図20参照)。また、センサ設置部118は、設置部材14の後側に設けられるから、不正検出装置125は、設置部材14で隠されて遊技盤12の前側から視認不能となる。しかも、前記検出センサユニット126は、上方から下方に向けて後方に傾斜した姿勢でケース体128内に収容されているから、図20に示すように、前記検出口130の開口方向が後方から前方に向けて下方傾斜する方向となる。すなわち、検出口130の開口方向を遊技盤12の前側下方へ向けて指向させることで、遊技盤12の前側下方にセットした電波発生器Eから放射される不正電波を捉え易くしている。また、不正検出装置125がセンサ設置部118に取り付けられた状態では、ケース体128の大部分が前記センサ設置空間117に収容されて、ケース体128の後部が設置部材14の後部から突出しないようになっている。なお、前記第3中継基板72が第3中継基板保持部69に取り付けられた状態では、前記センサ設置空間117が第3中継基板72により閉塞され、図7に示すように、不正検出装置125は、ケース体128の下部を残して第3中継基板72により覆われる。
【0060】
〔主制御装置の不正判定について〕
前述のように、前記主制御装置31は、正常時(発振非検出状態)には、不正検出装置125からローレベル信号が入力される(図27参照)。また、不正電波行為により検出ユニットが発振検出状態に状態変化されると、出力回路Hからハイレベル信号が入力される。そして、主制御装置31は、不正検出装置125からの信号がローレベル信号からハイレベル信号に切り換わったときに、不正電波行為が発生したと判定するようになっている(図27参照)。すなわち、検出用金属球127により発振非検出状態に維持されている筈の検出センサユニット126が発振検出状態に状態変化されると、主制御装置31は不正電波行為を検出する。
【0061】
ここで、不正行為者により検出センサユニット126から導出する配線126Xを切断されたり、検出センサユニット126から引き抜かれたりした場合(以下、断線行為という)、図27に示すように、出力回路Hから信号が出力されなくなる(すなわち、信号が0となる)。そこで、主制御装置31は、前記断線行為により、出力回路Hからの出力がなくなったときに、断線行為が発生したと判定するよう設定されている。また、不正行為者が検出ユニットから検出用金属球127を抜き取った場合(以下、球抜行為という)、発振回路Fは発振を再開して、前記検出センサユニット126が発振検出状態に維持される。このため、前記電波発生器Eからの電波を受けても発振回路Fの発振は継続されるから、図27に示すように、出力回路Hからハイレベル信号が出力され続ける。すなわち、電波を受けても出力回路Hから出力される信号が切り換わらなくなるから、不正電波行為を検出し得なくなってしまう。そこで、主制御装置31は、前記球抜行為により、出力回路Hからの出力がローレベル信号からハイレベル信号に切り換わったときに、球抜行為が発生したと判定するようになっている。なお、不正磁気行為については、前記第1,第2磁気センサ83,102から前記磁気検出信号が入力されたときに、主制御装置31が不正磁気行為の発生を判定する。
【0062】
〔不正判定時の制御構成について〕
次に、不正判定時における主制御装置31の制御構成について、以下説明する。前記主制御装置31は、前記断線行為および球抜行為を含む不正電波行為や不正磁気行為の発生を検出すると、これら不正行為の発生を報知する制御を行う。すなわち、主制御装置31は、前記統括制御装置19に制御信号を出力して前記液晶表示装置15やランプ装置18、スピーカ22に不正行為の発生を報知させる。ここで、図30に示すように、実施例に係るパチンコ機10では、不正電波行為(断線行為および球抜行為を含む)および不正磁気行為で、液晶表示装置15、ランプ装置18およびスピーカ22での作動態様が異なっている。従って、主制御装置31は、発生した不正行為に対応した制御信号を統括制御装置19に出力するよう構成される。具体的には、不正電波行為が発生した場合には、液晶表示装置15の表示部15aに不正電波行為発生の旨を表示させると共に、スピーカ22に不正電波行為発生の旨を音声出力させる。更に、前記ランプ装置18を第1の色(実施例では、緑色)で発光させて、不正電波行為の発生を報知させる。また、不正磁気行為が発生した場合には、液晶表示装置15の表示部15aに不正磁気行為発生の旨を表示させると共に、スピーカ22に不正磁気行為発生の旨を音声出力させる。更に、ランプ装置18を第2の色(実施例では、紫色)で発光させて、不正磁気行為の発生を報知する。
【0063】
図8に示すように、主制御装置31は、パチンコ機10の裏側に設けた外部端子板150を介して遊技場の管理室等に設置されたホールコンピュータ(報知手段)149に電気的に接続されている。そして、前記不正電波行為および不正磁気行為を検出すると、主制御装置31は、ホールコンピュータ149に対してセキュリティー信号を出力するよう設定されている。実施例では、不正電波行為および不正磁気行為の何れの場合も、同一のセキュリティー信号が出力されるようになっている。前記ホールコンピュータ149では、セキュリティー信号が入力されると、不正行為の発生を該ホールコンピュータ149の図示しないディスプレイ等に表示させて、管理者等に不正行為の発生を報知させるようになっている。ここで、何れの不正行為が発生しても、同一のセキュリティー信号がホールコンピュータ149に入力されるので、前記ディスプレイでの表示内容は同一となる。但し、液晶表示装置15やランプ装置18、スピーカ22における作動態様は、不正電波行為および不正磁気行為で異なっていることから、何れの不正行為が発生したかを判別することは可能である。
【0064】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例の作用について、以下説明する。
【0065】
〔第1,第2不正防止部材について〕
先ず始めに、第1,第2不正防止部材84,103の作用について説明する。第1,第2球通路固定部51,52に、前記第1,第2球通路部材53,54を取り付ける場合に、第1突出面部57の固定ボス57a,57aに第1球通路部材53のボス受け部53a,53aをネジ止めすると共に、第2突出面部58の固定ボス58a,58aに第2球通路部材54のボス受け部54a,54aをネジ止めする。これにより、図5に示すように、第1,第2球通路部材53,54が、第1,第2球通路固定部51,52に取り付けられる。このとき、図10に示すように、第1球通路部材53の第1センサ取付部61に設置した第1普通球検出センサ63が、前記第1突出面部57の第1センサ挿通孔62を介して第1収容空間55における上段部79の上方に臨む。同様に、図11に示すように、第2球通路部材54の第2センサ取付部64に設置した第2普通球検出センサ66は、前記第2突出面部58の第2センサ挿通孔65を介して第2収容空間56に臨む。ここで、第1,第2球通路固定部51,52は、設置部材14の対向面部42から前方に突出するよう形成されているから、図5に示すように、第1,第2球通路部材53,54は、設置部材14の開口前端側に臨んだ状態となる。また、第1,第2球通路部材53,54を固定する固定ボス57a,57a,58a,58aは、前記対向面部42より前方に位置する第1,第2突出面部57,58に設けられている。このため、固定ボス57a,57a,58a,58aを対向面部42に直接設けた場合に較べ、第1,第2突出面部57,58が前方に突出する分だけ固定ボス57a,57a,58a,58aの前後寸法を短くし得る。従って、固定ボス57a,57a,58a,58aの強度が向上して、第1,第2球通路部材53,54を安定して設置部材14に取り付けることができる。
【0066】
次に、第1,第2収容空間55,56に、第1,第2磁気センサ83,102を夫々取り付ける。すなわち、前記第1開口部73を介して第1磁気センサ83を第1収容空間55に挿入し、第1センサ保持部82の保持体82aに第1磁気センサ83を差し込む。そして、第1センサ保持部82の保持フック82bが第1磁気センサ83に係止することで、第1磁気センサ83が第1センサ保持部82に取り付けられる(図12(a)参照)。同様に、前記第2開口部93を介して第2磁気センサ102を第2収容空間56に挿入し、第2センサ保持部101の保持体101aに第2磁気センサ102を差し込む。そして、第2センサ保持部101の保持フック101bが第2磁気センサ102に係止することで、第2磁気センサ102が第2センサ保持部101に取り付けられる(図12(b)参照)。このとき、第1,第2収容空間55,56は、前方から後方に向けて拡開しているから、第1,第2磁気センサ83,102を第1,第2センサ保持部82,101に容易に取り付けることができる。
【0067】
次に、第1収容空間55に第1不正防止部材84を配設する際には、第1側壁部86の前側を第1開口部73に挿入し、第1不正防止部材84を第1収容空間55に押し込める。このとき、図10に示すように、第1収容空間55の第1内側面78は、前方から後方へかけて拡開するよう形成されているから、第1開口部73の開口寸法を前側(第1突出面部57)より大きくし得る。従って、第1不正防止部材84を第1収容空間55に容易に挿入することができ、作業性を向上し得る。
【0068】
第1不正防止部材84を更に挿入して、図10に示すように、第1側壁部86の前端が前記第1収容空間55内部の連結壁81に当接すると、第1不正防止部材84が第1収容空間55に完全に差し込まれる。このとき、各第1側壁部86の第1突部91が対応の第1内側面78に当接して、前記第1押圧部89が弾性変形した状態となる。すなわち、第1押圧部89の弾性力により第1突部91が第1側壁部86を押圧し、第1不正防止部材84が第1収容空間55に所定の係止力で配設される。これにより、第1不正防止部材84が第1収容空間55からすり抜けたり、僅かな衝撃で脱落したりするのを防止し得る。しかも、第1押圧部89により第1不正防止部材84が第1収容空間55内で保持されるから、該第1不正防止部材84を固定部材等で固定する必要がなく、第1不正防止部材84の取り付けが容易となる。また、第1不正防止部材84は、後方から前方にかけて第1側壁部86が拡開する形状とされて、第1収容空間55の構成とは反対の関係となっている。従って、第1側壁部86の前側にある第1突部91が第1内側面78に確実に当接して、第1不正防止部材84を第1収容空間55にしっかりと保持することができる。
【0069】
図10に示すように、第1不正防止部材84を第1収容空間55に挿入した際に、第1逃げ部92に第1磁気センサ83および第1センサ保持部82が臨むから、第1上側壁部86aが第1磁気センサ83、第1センサ保持部82に干渉するのは防止される。第1磁気センサ83から導出する配線83Xは、図14に示すように、第1基部85の第1配線口87を介して第1収容空間55の後方に引き出される。そして、第1収容空間55から引き出された第1磁気センサ83の配線83Xは、第1中継基板保持部67の第1配線通孔77を左方へ引き回される。
【0070】
ここで、図14に示すように、第1不正防止部材84が第1収容空間55に配設された状態では、第1基部85が第1開口部73と略同一面上に位置して、該第1基部85が第1開口部73を塞いだ状態となる。更に、図10,図16に示すように、第1側壁部86が対応の第1内側面78に対向し、第1収容空間55における後側(下段部80側)の空間が第1不正防止部材84で埋められる。すなわち、第1不正防止部材84は、第1内側面78との間に僅かな隙間しか残らない程度に第1収容空間55に嵌まり込むから、該第1不正防止部材84と第1内側面78との間に不正部品Aを設置するのは不能とされる。また、第1不正防止部材84の内部空間は、第1仕切壁88により第1小空間Bに分割されているから、第1不正防止部材84の内部空間に不正部品Aが設置されることもない。更に、前記第1逃げ部92を設けることで、第1収容空間55の前側の空間を第1不正防止部材84で略隙間なく埋めることができるので、不正部品Aの設置をより効果的に防止し得る。なお、図10に示すように、第1収容空間55の前側(上段部79側)の空間には、第1普通球検出センサ63が収容されるから、該センサ63の存在により第1収容空間55の前側への不正部品Aの設置も不能とされる。
【0071】
また、第1収容空間55に第1不正防止部材84を配設することで、第1球通路部材53の固定部としての第1球通路固定部51の強度を向上することができ、第1球通路部材53を安定して固定することができる。更に、第1不正防止部材84により第1収容空間55内が埋められることで、該第1収容空間55内に塵埃等が溜まり難くなり、前記第1普通球検出センサ63や第1磁気センサ83に不具合等が生じるのを回避し得る。
【0072】
第2不正防止部材103を前記第2収容空間56に配設する場合には、第2側壁部105の前側を第2開口部93に挿入し、第2不正防止部材103を第2収容空間56に押し込める。図11に示すように、第2収容空間56においても、第2内側面99は、前方から後方へかけて拡開するよう形成されているから、第2開口部93の開口寸法を大きくとることができ、第2不正防止部材103を第2収容空間56に容易に挿入することができる。また、第2不正防止部材103を挿入する際、第2収容空間56の第2上内側面99aに設けた延出部100に第2不正防止部材103の第2上側壁部105aが摺動すると共に、第2収容空間56の第2下内側面99bに設けた延出部100に第2不正防止部材103の第2下側壁部105bが摺動する。このとき、図11に示す如く、延出部100,100の端縁部100a,100aは、前後方向に互いに平行に延在しているから、第2上内側面99aおよび第2下内側面99bが延出部100,100に案内されて、第2不正防止部材103をスムーズに第2収容空間56に挿入することができる。
【0073】
第2不正防止部材103の第2側壁部105が第2突出面部58に当接すると、第2不正防止部材103が第2収容空間56に完全に挿入される。このとき、図18に示すように、各第2側壁部105の第2突部110が対応の第2内側面99に当接して、各第2押圧部108が弾性変形した状態となるから、第2不正防止部材103が第2収容空間56に所定の係止力で配設される。従って、第2不正防止部材103が第2収容空間56から簡単に抜け落ちたりするのを防止し得る。また、他の固定手段等で第2不正防止部材103を固定する必要がないから、第2不正防止部材103の取り付けが容易となる。しかも、第2不正防止部材103は、後方から前方に向けて拡開しているから、第2突部110が第2内側面99に確実に当接して、第2不正防止部材103が第2収容空間56にしっかりと保持される。
【0074】
図18に示すように、第2不正防止部材103を第2収容空間56に挿入した際に、前記第2逃げ部111に第2磁気センサ102および第2センサ保持部101が臨むから、第2上側壁部105aおよび第2左側壁部105cが第2磁気センサ102および第2センサ保持部101に干渉することはない。第2磁気センサ102から導出する配線102Xは、前記第2配線口106を介して第2収容空間56の後方に引き出され、前記第2中継基板保持部68の第2配線通孔98から上方へ引き出される(図14参照)。なお、図11に示すように、第2不正防止部材103が第2収容空間56に挿入されると、前記第2普通球検出センサ66の後部が、第2不正防止部材103の第2小空間Cに収容される。
【0075】
図14に示すように、第2不正防止部材103が第2収容空間56に配設された状態では、第2基部104が第2開口部93を塞ぐと共に、第2側壁部105が対応の第2内側面99に対向して、第2収容空間56は第2不正防止部材103で埋められる。すなわち、第2不正防止部材103は、第2内側面99との間に僅かな隙間しか残らない程度に第2収容空間56に嵌まり込むから、該第2不正防止部材103と第2内側面99との間に不正部品Aを設置するのは不能とされる。また、第2不正防止部材103の内部空間は、第2仕切壁107により不正部品Aの設置が不能となる大きさの第2小空間Cに分割されているから、該第2不正防止部材103の内部空間に不正部品Aが設置されることもない。しかも、前記第2逃げ部111を設けることで、第2収容空間56内を第2不正防止部材103で略隙間なく埋めることができるから、不正部品Aの設置をより効果的に防止することができる。
【0076】
なお、第2収容空間56に第2不正防止部材103を配設することで、第2球通路固定部52の強度が向上されて、第2球通路部材54を安定的に固定し得る利点がある。また、第2不正防止部材103により第2収容空間56内を埋めることで、該第2収容空間56内に塵埃等が溜まり難くなり、前記第2普通球検出センサ66や第2磁気センサ102に不具合等が生じるのを抑制し得る。
【0077】
なお、第1,第2押圧部89,108は、第1,第2突部91,110が第1,第2内側面78,99に単に当接するだけだから、第1,第2不正防止部材84,103を後方へ引き抜くだけで容易に第1,第2収容空間55,56から取り外すことができる。また、第2不正防止部材103については、第2収容空間56から引き抜く際に前記延出部100,100によって第2上側壁部105aおよび第2下側壁部105bが案内されるから、第2不正防止部材103をスムーズに第2収容空間56から取り外すことができる。
【0078】
第1〜第3中継基板70,71,72を第1〜第3中継基板保持部67,68,69に夫々取り付けると、図15に示すように、第1,第2収容空間55,56は、第1,第2中継基板70,71に夫々後方から閉塞されて、設置部材14の後方から視認不能となる。しかるに、第1,第2収容空間55,56は、第1,第2不正防止部材84,103により埋められているから、当該空間55,56に不正部品Aが設置されることはなく、長期に亘って不正行為が継続する事態を阻止し得る。図15に示すように、前記第1配線通孔77から引き出された第1磁気センサ83の配線83Xは、第1中継基板70に接続される。すなわち、第1磁気センサ83の配線83Xについては、第1収容空間55の真後ろに位置する第1中継基板70に接続する構成としたので、該配線83Xを引き回す距離が短くなって、配線作業を簡単にし得る。前記第2配線通孔98から引き出された第2磁気センサ102の配線102Xは、設置部材14における図15の右方へ引き回されて、前記第1中継基板70に接続される。
【0079】
〔不正検出装置について〕
次に、不正検出装置125の作用について説明する。先ず始めに、不正検出装置125を組み付ける際には、第1半体132に検出センサユニット126をセットし、前記検出口130内に検出用金属球127を挿入する。そして、第2半体133の弾性係止片144,144を対応する案内リブ139,139の間に差し込み、ケース係止部145,145を係止段部140,140に係止させることで、第1半体132および第2半体133が組み付けられる。このように、ケース体128は、弾性係止片144,144のケース係止部145,145を係止段部140,140に係止させるだけで、容易に組み付けることができ、ネジ等の固定手段を用いる必要がない。しかも、不正検出装置125は、ケース体128内に検出センサユニット126および検出用金属球127が収容されて、1つのユニットとして扱うことができるので、不正検出装置125の取り扱いが容易となる。
【0080】
図24(a)に示すように、第1半体132および第2半体133を組み付けると、検出センサユニット126が第1規制部138および第2規制部146により挟持されて、検出センサユニット126は、第1ケース基体134および第2ケース基体142と平行な姿勢に保持される。これにより、検出センサユニット126は、第1ケース基体134および第2ケース基体142の離間方向の略中央位置でガタつくことなく保持される。更に、検出口130内にセットした検出用金属球127に対して、第1ケース基体134および第2ケース基体142が当接するから、該検出用金属球127は、検出口130内の開口方向の略中央位置に保持される。すなわち、検出用金属球127を検出コイル131の誘導磁界内に正確に位置させることができ、検出センサユニット126を発振非検出状態に確実に維持させることが可能となる。
【0081】
第1半体132および第2半体133を組み付けるだけで、検出センサユニット126および検出用金属球127の適切な位置関係が規定されるから、両者の位置関係を確保するための慎重な作業を要することなく、組み付け作業を極めて効率的にすることができる。また、検出センサユニット126および検出用金属球127を適切な位置関係で保持するための複雑な構造を要しないから、コストを低廉にし得る。しかも、球体の検出用金属球127を採用することで、該検出用金属球127の姿勢を考慮することなく検出口130内に位置させればよく、検出用金属球127の組み付けが簡単となる。このように、実施例では、検出センサユニット126として、既存の検出センサDと同一のものを採用し、検出用金属球127としてのパチンコ球により検出センサユニット126を発振非検出状態に維持する構成とした。従って、検出センサユニット126や検出用金属球127を新たに開発、製造する必要がなく、コストを低廉にし得る。
【0082】
次に、センサ設置部118に不正検出装置125を取り付ける。すなわち、設置凹部122にケース体128の下部側を臨ませると共に、不正検出装置125をセンサ設置空間117に挿入して、ケース体128のケース体ボス受け137,137を、センサ設置部118のセンサ用ボス120,120の後端部に整合させる。そして、センサ用ボス120,120にネジを螺挿することで、不正検出装置125がセンサ設置部118に取り付けられる。このとき、図15に示すように、不正検出装置125の下部側が、設置凹部122を介してセンサ設置空間117から下方に突出し、ケース体128の配線用挿通孔148がセンサ設置空間117の外部に臨む。この状態で、配線用挿通孔148から引き出された検出センサユニット126の配線126Xを、第1中継基板70に接続する。このように、不正検出装置125を設置部材14の後側に設けたので、第1中継基板70に容易に配線125Xを接続することができ、配線作業を効率的に行い得る。また、図20に示すように、不正検出装置125の大部分は、センサ設置空間117に収容されて、ケース体128の後部が設置部材14の後側で嵩張らないようになっている。すなわち、不正検出装置125が設置部材14の後部から突出して、該不正検出装置125が邪魔になるのを防止し得る。
【0083】
不正検出装置125がセンサ設置部118に取り付けられると、該不正検出装置125は、遊技盤12の下部後方において、前記始動入賞装置35や特別入賞装置38に近接して位置することとなる(図4,図20参照)。そして、ケース体128が上方から下方に向けて後方に傾斜した姿勢となるから、検出センサユニット126の検出口130の開口方向は、後方から前方に向けて下方傾斜した方向となる。従って、図20に示す如く、遊技盤12の前側下方から前記始動入賞装置35や特別入賞装置38に向けて放射された電波を捉え易くして、不正電波行為を確実に検出することが可能となる。しかも、不正検出装置125は、設置部材14で隠されて遊技盤12の前側から視認不能となるから、不正行為者に不正対策が施されていることを覚知されるのを回避し得る。また、不正検出装置125の設置箇所が判別し得ないから、該不正検出装置125の検出範囲を避けるように電波を放射させて、不正電波行為の検出を免れるような行為を抑制することができる。
【0084】
〔不正行為時の作用について〕
次に、不正電波行為が行われた場合の作用について、説明する。なお、不正検出装置125は、不正電波行為が行われていない正常時では、前記検出用金属球127により検出センサユニット126が発振非検出状態に維持されて、出力回路Hからローレベル信号が出力されている。従って、図27示すように、正常時においては、主制御装置31にローレベル信号が入力され続ける。不正電波行為が発生すると、図28に示すように、電波により発信検出回路Gが断続的な発振を誤検出して、出力回路Hは、ローレベル信号およびハイレベル信号を交互に繰り返し出力する。そして、主制御装置31は、出力回路Hからの信号がローレベル信号からハイレベル信号に切り換わったときに、不正電波行為が発生したと判定する。すなわち、実施例の不正検出装置125によれば、電波により検出センサユニット126が発振非検出状態から発振検出状態に変化するので、簡単な構造により不正電波行為を極めて容易に検出し得る。そして、実施例では、出力回路Hからの出力がローレベル信号からハイレベル信号に切り換わったことで、主制御装置31が不正電波行為の発生を判定するので、極めて簡単な制御で不正電波行為を検出することができる。従って、主制御装置31での制御負担を少なくすることができ、誤判定が生ずる可能性も少なくなる。また、検出センサユニット126に電波を検出するための回路等を別途形成することなく、既存の検出センサDと同じものを検出センサユニット126として採用し得るから、不正検出装置125の製造コストを抑制することができる。
【0085】
不正電波行為の発生を判定すると、主制御装置31は、統括制御装置19に制御信号を出力して、液晶表示装置15、ランプ装置18およびスピーカ22に不正電波行為の発生を報知させる。すなわち、図30に示すように、液晶表示装置15は、表示部15aに不正電波行為発生の旨を表示させると共に、スピーカ22が不正電波行為発生の旨を音声出力する。更に、前記ランプ装置18が第1の色で発光体を発光させて、不正電波行為の発生を遊技場の従業員等に報知させる。このように、不正電波行為が発生すると、直ちに当該不正の発生を液晶表示装置15等が報知するから、当該不正を遊技場内の従業員等に速やかに知らせることができる。しかも、液晶表示装置15やスピーカ22等には、不正電波行為の発生の旨が報知されると共に、ランプ装置18が不正電波行為に対応した第1の色で発光するから、従業員等は、何れの不正行為が発生したかについても容易に判別することができ、迅速に対応することができる。
【0086】
更に、主制御装置31は、外部端子板150を介してホールコンピュータ149にセキュリティー信号を出力する。セキュリティー信号を受けたホールコンピュータ149は、ディスプレイに何らかの不正行為が発生した旨を表示させて、管理室の管理者等に報知させる。このように、不正電波行為の発生が判定されると、パチンコ機10だけでなく、ホールコンピュータ149にも報知されるので、仮に遊技場の従業員等が不正の発生に気付かなかったとしても、管理室の管理者等に不正の発生を知らせることができる。なお、ホールコンピュータ149には、同一のセキュリティー信号が入力されるから、前記ディスプレイでの表示内容は何れの不正行為(不正電波行為または不正磁気行為)が生じた場合でも同一となる。しかるに、前述のように、液晶表示装置15やランプ装置18、スピーカ22において不正電波行為である旨が報知されるから、従業員等は、不正電波行為が発生したことを認識することができる。
【0087】
次に、前記断線行為が行われた場合には、図27に示すように、出力回路Hから主制御装置31に信号が入力されなくなる。出力回路Hからの入力がなくなると、主制御装置31は、断線行為が発生したと判定して、前述した不正電波行為の場合と同じ対応を行う。すなわち、液晶表示装置15の表示部15aに不正電波行為発生の旨が表示されると共に、スピーカ22が不正電波行為発生の旨を音声出力する。また、前記ランプ装置18を第1の色で発光させて、不正電波行為の発生を遊技場の従業員等に報知させる。更に、主制御装置31は、ホールコンピュータ149にセキュリティー信号を出力して、ホールコンピュータ149のディスプレイに何らかの不正行為が発生した旨を表示させる。このように、実施例では、断線行為が行われた場合にも、当該行為を検出し得るので、検出センサユニット126の配線126Xを切断して、不正検出装置125が無効化されるのを防止し得る。
【0088】
また、前記球抜行為が行われた場合には、検出用金属球127が検出口130から取り外されることで、前記発振回路Fが発振を開始する。従って、発振検出回路Gが発振を検出して、検出センサユニット126が発振検出状態に状態変化する。これにより、図27に示すように、出力回路Hの出力信号はローレベル信号からハイレベル信号に切り換わる。そこで、主制御装置31は、出力回路Hから入力される信号がローレベル信号からハイレベル信号に切り換わったときに、球抜行為が発生したと判定して、前述した不正電波行為の場合と同じ対応を行って、不正の発生を報知する。このように、実施例では、球抜行為が行われた場合においても、当該不正行為を検出し得るので、検出用金属球127を検出口130から取り外して、不正検出装置125が無効化されるのを防止することができる。
【0089】
なお、不正磁気行為が行われた場合には、磁石等の磁気を第1磁気センサ83または第2磁気センサ102が検出して、検出信号を主制御装置31に出力する。第1磁気センサ83または第2磁気センサ102から検出信号が入力されると、主制御装置31は、不正磁気行為が発生したと判定して、当該不正行為を液晶表示装置15等に報知させる。すなわち、主制御装置31は、統括制御装置19に制御信号を出力して、液晶表示装置15、ランプ装置18およびスピーカ22に不正電波行為の発生を報知させる。具体的には、図30に示すように、液晶表示装置15の表示部15aに不正磁気行為発生の旨を表示させると共に、スピーカ22に不正磁気行為発生の旨を音声出力させる。更に、前記ランプ装置18が第2の色で発光体を発光させて、不正磁気行為の発生を遊技場の従業員等に報知させる。このように、不正磁気行為が発生した場合にも、当該不正行為の発生を直ちに従業員等に報知することができる。しかも、液晶表示装置15やスピーカ22等の出力内容やランプ装置18の発光色から不正磁気行為が発生したのを判別し得るから、従業員等は、当該不正磁気行為に素早く対応することができる。なお、主制御装置31は、不正磁気行為が発生した場合にも、セキュリティー信号をホールコンピュータ149に出力する。従って、ホールコンピュータ149のディスプレイに何らかの不正行為が発生した旨が表示されて、管理室の管理者等は、不正行為の発生を知ることができる。
【0090】
〔変更例〕
なお、前述した実施例は、以下に示す通り、種々の変更が可能である。
(1)実施例では、主制御装置は、外部端子板を介して前記ホールコンピュータに電気的に接続する構成とした。そして、主制御装置からのセキュリティー信号は、外部端子板を介してホールコンピュータに入力されるようになっていた(図8参照)。しかしながら、例えば、図31に示すように、外部端子板151を払出制御装置29に接続して、主制御装置31が、第3中継基板72、払出制御装置29、外部端子板151を介してホールコンピュータ149に電気的に接続する構成としてもよい。この場合、主制御装置31から出力されたセキュリティー信号は、第3中継基板72→払出制御装置29→外部端子板151を経てホールコンピュータ149に入力される。
(2)実施例では、何れの不正行為が発生した場合も、主制御装置が同一のセキュリティー信号を出力する構成とした。しかしながら、主制御装置が出力するセキュリティー信号を不正行為毎に変更して、ホールコンピュータでの表示内容が不正行為毎に異なるようにしてもよい。このように、不正行為の種類に応じたセキュリティー信号を出力すれば、ホールコンピュータにおいて、不正電波行為または不正磁気行為の何れが発生したかを管理者等が簡単に判別することができる。
(3)実施例では、断線行為や球抜行為が発生した場合にも、不正電波行為の発生時と同じように液晶表示装置等に報知させる構成とした。しかしながら、断線行為や球抜行為が生じた場合に、夫々異なる態様で報知させるようにしてもよい。例えば、断線行為が発生した場合には、液晶表示装置やスピーカに断線行為が発生した旨を報知させると共に、ランプ装置を第3の色(例えば赤色)で発光させる。また、球抜行為が発生した場合には、液晶表示装置やスピーカに球抜行為が発生した旨を表示させると共に、ランプ装置を第4の色(例えば白色)で発光させる等して、断線行為や球抜行為についても夫々判別し得るようにしてもよい。
(4)実施例では、発振検出状態で出力回路がハイレベル信号を出力し、発振非検出状態で出力回路がローレベル信号を出力する構成とし、ハイレベル信号が出力されたときに主制御装置が不正電波行為の発生を判定する構成とした。しかしながら、出力回路が出力する信号としては、発振検出状態および発振非検出状態に対応した2種類の信号であれば、如何なる信号であってもよい。例えば、実施例とは反対に、発振検出状態でローレベル信号を出力し、発振非検出状態でハイレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、ローレベル信号が入力されたときに、主制御装置は不正電波行為が発生したと判定する。
(5)実施例では、検出センサユニット(状態維持手段)が電波により発振非検出状態(第2状態)から発振検出状態(第1状態)に状態変化される構成とした。しかしながら、磁気により状態変化手段が第2状態から第1状態に変化される構成として、磁気によって、例えば上部始動球検出センサや下部始動球検出センサ、特別球検出センサ等を誤作動させる行為を検出し得るようにしてもよい。
(6)実施例では、状態維持手段としてパチンコ球である検出用金属球を採用したが、状態維持手段としては、発振回路の発振を停止または減衰させ得る磁性体であれば、如何なるものであってもよい。例えば、角柱状や円柱状の金属体を状態維持手段として採用し得る。
(7)実施例では、不正検出装置を、設置部材に設けたが、遊技盤の裏側に設けてもよい。また、複数の不正検出装置を遊技機に設置してもよい。
(8)実施例では、収容空間を左右に2つ設けたが、収容空間を1つとしたり、3つ以上設けてもよい。
(9)実施例では、不正防止部材は、前方に開放する箱状としたが、前側を閉じた構成としてもよい。また、不正防止部材の内部を中実としてもよい。
(10)実施例では、仕切壁により不正防止部材の内部を分割したが、例えば、不正防止部材の内部に突起状の仕切部材を複数設けて、不正防止部材の内部空間を分割してもよい。
(11)実施例では、固定部としての球通路固定部材に収容空間を形成したが、例えば、演出装置を設置するための固定部の後側に収容空間を画成する構成としてもよい。
(12)実施例では、挿通孔(第1配線口,第2配線口)を介して、センサ(第1,第2磁気センサ)の配線を挿通する構成としたが、挿通孔を介してセンサをセンサ保持部に着脱する構成としてもよい。この場合、不正防止部材を空間から取り外すことなくセンサをセンサ保持部に着脱し得るので、作業を効率的にし得る。
(13)実施例では、上下左右の枠部材を組み付けて中枠を構成したが、中枠を一体物で構成してもよい。
【符号の説明】
【0091】
126 検出センサユニット(状態変化手段)
127 検出用金属球(状態維持手段、磁性体、金属球)
128 ケース体
130 検出口
131 検出コイル
132 第1半体
133 第2半体
134 第1ケース基体(ケース基体)
135 第1外壁部(壁部)
138 第1規制壁(規制部)
142 第2ケース基体(ケース基体)
143 第2外壁部(壁部)
146 第2規制部(規制部)
F 発振回路
G 発振検出回路
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技機に対する不正行為を検出可能な遊技機における不正検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、遊技機の代表例の一つであるパチンコ機は、機内にセットされる遊技盤の盤面にパチンコ球が打出される遊技領域が画成されている。遊技盤の後側には、設置部材が配設され、該設置部材に、各種図柄を変動表示して図柄変動演出を行う液晶表示装置が配設される。また、前記遊技盤には、液晶表示装置の下方位置に、該液晶表示装置での図柄変動演出を開始させる契機となる始動入賞装置が配設されている。前記始動入賞装置には、球検出センサが設けられており、前記遊技領域を流下するパチンコ球が、始動入賞装置に設けた始動口に入賞して球検出センサに検出されることで、液晶表示装置での図柄変動演出を開始させると共に、パチンコ球を賞球として払出すよう構成されている。
【0003】
前記球検出センサは、パチンコ球が通過可能な検出口を備えた近接センサであって、パチンコ球を検出していない非検出状態では、高レベルの信号(高レベル信号)を出力するようになっている。また、球検出センサは、パチンコ球が検出口を通過する間、パチンコ球を検出した検出状態となり、低レベルの信号(低レベル信号)を出力するようになっている。そして、パチンコ球が検出口を完全に通過すると、球検出センサは、再び非検出状態に戻り、高レベル信号を出力する。球検出センサから出力された信号は、パチンコ機の後側に配設された主制御装置に入力されるようになっている。そして、主制御装置は、低レベル信号が高レベル信号に切り換わった際に、パチンコ球を1カウントして前記図柄変動演出や賞球の支払いを各装置に実行させるよう構成される。
【0004】
ところが、近年では、このような球検出センサの原理を悪用して、電波により球検出センサを検出状態および非検出状態に強制的に切り換える不正行為(いわゆる電波ゴト)が多発して問題となっている。この電波ゴトでは、パチンコ球を検出中(すなわち、パチンコ球が検出口を通過中)の球検出センサに電波を浴びせ、球検出センサを検出状態→非検出状態→検出状態→・・・と強制的に状態変化させる。これにより、主制御装置は、1個のパチンコ球であるのに拘わらず複数回分のカウントをしてしまい、大量の賞球が支払われてしまう弊害がある。
【0005】
そこで、このような電波ゴトへの対策として、例えば特許文献1には、不正な電波を検出する不正検出装置を備えた遊技機が提案されている。この不正検出装置では、通常の球検出センサの内部に不正検出部を設け、該不正検出部が不正な電波を検出すると、球検出センサから出力される球検出信号を無効にして、不正な賞球の獲得を未然防止するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−286344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1の不正検出装置では、球検出センサの内部に通常の球検出部と不正検出部とが併存しているため、構造が複雑化してコストが嵩む要因となる。しかも、不正検出部が不正を検出した場合に、球検出信号の出力を無効化する回路を形成する必要があり、不正検出装置内での信号処理が複雑化して誤判定等が発生する虞がある。
【0008】
すなわち、本発明は、従来技術に係る遊技機における不正検出装置に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、不正行為を容易に判定し得るようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明に係る遊技機における不正検出装置は、
検出コイル(131)、発振回路(F)および発振検出回路(G)を備え、発振回路(F)の発振を発振検出回路(G)が検出した第1状態と、該発振回路(F)の発振の停止または減衰を発振検出回路(G)が検出した第2状態とに状態変化するよう構成されると共に、電磁波により第2状態から第1状態に状態変化される状態変化手段(126)と、
磁性体から構成され、前記発振回路(F)の発振を停止または減衰させて前記状態変化手段(126)を第2状態に維持する状態維持手段(127)と、
前記検出コイル(131)内に前記状態維持手段(127)が位置するよう前記状態変化手段(126)および状態維持手段(127)を保持するケース体(128)とを備えたことを要旨とする。
請求項1の発明によれば、第2状態に維持された状態変化手段が第1状態に状態変化されることで、電磁波による不正行為を容易に検出することができる。また、状態維持手段が検出コイル内に位置するようケース体に保持されるので、状態変化手段を第2状態に確実に維持し得る。しかも、不正検出装置は、ケース体に状態変化手段および状態維持手段を収容する構成としたので、不正検出装置の取り扱いが容易となる。
【0010】
請求項2に係る遊技機における不正検出装置では、
前記状態変化手段は、前記検出コイル(131)、発振回路(F)および発振検出回路(G)を備えた検出センサユニット(126)であって、該検出センサユニット(126)は、該検出コイル(131)が設けられた検出口(130)を備え、
前記状態維持手段は、金属球(127)であり、
前記ケース体(128)は、前記検出口(130)の開口方向に対向する第1半体(132)および第2半体(133)からなり、該第1半体(132)および第2半体(133)は、夫々、ケース基体(134,142)の周縁部から壁部(135,143)が互いに対向する方向へ向けて突出した箱状に形成されて、第1半体(132)および第2半体(133)の間に前記検出センサユニット(126)および金属球(127)を収容するよう構成され、前記第1半体(132)および第2半体(133)のケース基体(134,142)は、金属球(127)の直径寸法だけ離間して該金属球(127)を挟持していることを要旨とする。
請求項2の発明によれば、第1半体および第2半体で金属球を挟持する構成としたので、該金属球を適切な位置に保持することができ、検出センサユニットを第2状態に確実に維持し得る。また、球体をなす金属球は、姿勢を考慮することなく検出口に位置させればよいので、金属球の組み付け作業を効率的とし得る。しかも、金属球を検出センサユニットの検出口に位置させるだけで、検出センサユニットを第2状態に維持することができるから、検出センサユニットを第2状態に維持するための複雑な構造を要することもない。
【0011】
請求項3に係る遊技機における不正検出装置では、前記第1および第2半体(132,133)のケース基体(134,142)には、前記検出センサユニット(126)に当接して該検出センサユニット(126)を位置規制する規制部(138,146)が夫々形成されていることを要旨とする。
請求項3の発明によれば、第1および第2半体のケース基体に設けた規制部により、検出センサユニットを位置規制して、該検出センサユニットの位置ずれを防止することができる。従って、検出センサユニットおよび金属球の適正な位置関係が維持されて、検出センサユニットを第2状態に確実に維持し得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る遊技機における不正検出装置によれば、簡単な構造で不正行為を容易に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例に係るパチンコ機の正面図である。
【図2】実施例に係るパチンコ機を、中枠から遊技盤および前枠を外した状態で示す正面図である。
【図3】実施例に係る中枠の背面図である。
【図4】実施例に係る遊技盤を示す正面図である。
【図5】実施例に係る設置部材を前側から見た状態で示す斜視図である。
【図6】図4のI−I線断面図であって、設置部材から演出装置を取り外した状態で示す。
【図7】実施例に係る設置部材を示す背面図である。
【図8】実施例に係るパチンコ機の制御構成を示すブロック図である。
【図9】実施例に係る設置部材の下部を後側から見た状態で示す斜視図であって、第1,第2収容空間から第1,第2不正防止部材を取り外した状態で示す。
【図10】図4のII−II線断面図であって、遊技盤の下部側を拡大して示す。
【図11】図4のIII−III線断面図であって、遊技盤の下部側を拡大して示す。
【図12】実施例に係る設置部材を拡大して示す背面図であって、(a)は第1収容空間を示し、(b)は第2収容空間を示す。
【図13】(a)は第1不正防止部材の平面図、(b)は第1不正防止部材の正面図である。
【図14】実施例に係る設置部材の下部を後側から見た状態で示す斜視図であって、第1,第2収容空間に第1,第2不正防止部材を配設した状態で示す。
【図15】実施例に係る設置部材の下部を後側から見た状態で示す斜視図であって、第1,第2中継基板保持部に第1,第2中継基板を取り付けた状態で示す。
【図16】図4のIV−IV線断面での要部拡大図である。
【図17】(a)は第2不正防止部材の平面図、(b)は第2不正防止部材の正面図である。
【図18】第2収容空間に第2不正防止部材が配設された状態を拡大して示す横断面図である。
【図19】実施例に係るセンサ設置部を拡大して示す設置部材の背面図である。
【図20】図4のV−V線断面図であって、遊技盤の下部側を拡大して示す。
【図21】(a)は球検出センサを示す概略図であり、(b)は非検出時、球通過時および不正電波行為時における球検出センサの出力信号を示す図である。
【図22】実施例に係る不正検出装置を前側から見た状態で示す分解斜視図である。
【図23】実施例に係る不正検出装置を後側から見た状態で示す分解斜視図である。
【図24】(a)は不正検出装置を示す縦断面図であり、(b)は不正検出装置の側面図である。
【図25】実施例に係る検出センサユニットの回路構成を示すブロック図である。
【図26】(a)は発振検出状態での検出センサユニット内の信号の流れを示すブロック図であり、(b)は発振非検出状態での検出センサユニット内の信号の流れを示すブロック図である。
【図27】正常時および不正行為時において主制御装置に入力される信号波形を示す図である。
【図28】不正電波行為時での検出センサユニット内の信号の流れを示すブロック図である。
【図29】検出センサユニットの検出範囲を示す図である。
【図30】不正電波行為時および不正磁気行為時における各装置での報知方法を示す図である。
【図31】変更例に係るパチンコ機の制御構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る遊技機における不正検出装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機に不正検出装置を設けた場合を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。但し、部材を後側から見た状態で示す図面を参照する場合には、当該参照した図面を基準として「右」、「左」を指称する場合がある。
【実施例】
【0015】
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦向きに設置される固定枠としての矩形枠状の外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤12を着脱可能に保持する本体枠としての中枠13が開閉および着脱可能に組付けられると共に、遊技盤12の後側に配設された設置部材14に対して、各種図柄を変動表示可能な液晶表示装置(図柄表示装置)15が着脱自在に取付けられるよう構成される。また、前記中枠13の前面側には、前記遊技盤12を透視保護するガラス板等の透視保護板(図示せず)を備えた装飾枠としての前枠16が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠16の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿17が開閉可能に組み付けられる。前記前枠16の上部には、フルカラーLED等の発光体を実装した発光体基板(何れも図示せず)を備えたランプ装置(報知手段)18,18が左右に2つ配設されている。前記ランプ装置18は、後述する統括制御装置19に電気的に接続され、該統括制御装置19の制御に基づいて発光体が点灯・点滅したり、発光色を変更させたりするようになっている。なお、前記ランプ装置18の前側は、光透過性のランプカバー18aで被覆してある。また、前記前枠16の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿20が一体的に組み付けられており、前枠16の開閉に合わせて上球受け皿20も一体的に開閉するよう構成される。
【0016】
前記中枠13は、図2に示すように、上下左右の縁部をなす枠部材13a〜13dにより、全体が前記外枠11の開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、中枠13の前後に開口する開口縁部が、前記遊技盤12を設置する遊技盤保持部21として機能するよう構成されている。下枠部材13bの前側には、スピーカ(報知手段)22や打球発射装置23が設置されると共に、遊技者により回動操作されて打球発射装置23を作動させる操作ハンドル24が設けられている。図3に示すように、前記上枠部材13aの後側には、設置枠台等に設けられた外部球供給設備から供給されるパチンコ球を貯留する球タンク25が、該上枠部材13aの左右幅の略全幅に亘って設けられている。また、下枠部材13bの後側には、前記上下の球受け皿20,17に連通する球供給路や設置枠台に設けた球回収樋(何れも図示せず)に連通する球排出路が夫々形成されたセット部材26が配設されている。前記球タンク25とセット部材26とは、各部材25,26における左枠部材13c側の端部間に架設された球通路ユニット27を介して連通接続されており、該球通路ユニット27に配設された球払出装置28の駆動により球タンク25に供給されたパチンコ球を前記上下の球受け皿20,17へ給出するよう構成されている。また、このセット部材26には、前記球払出装置28を駆動制御する払出制御装置29、前記打球発射装置23を駆動制御する発射制御装置30等が配設されている。前記払出制御装置29は、前記パチンコ機10の後側に配設される主制御装置(制御手段)31に第3中継基板72(後述)を介して電気的に接続されており、該主制御装置31から入力される制御信号に基づいて、払出制御装置29が球払出装置28を制御するようになっている(図8参照)。
【0017】
図4に示すように、前記遊技盤12は、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材やベニア等の木板から前記中枠13の遊技盤保持部21に整合する略矩形平板状に形成される。遊技盤12の後面には、図5に示す如き箱状の設置部材(遊技機構成部材)14が組み付けられ、遊技盤12に形成された図柄表示開口部(開口部)12aおよび設置部材14に形成された可視表示部14aを介して液晶表示装置15の表示部15aを遊技盤12の前面側から視認し得るよう構成されている。
【0018】
図4に示すように、前記遊技盤12の前面には、内レール32と外レール33とが半円弧状に配設されて、両レール32,33によりパチンコ球が流下可能な遊技領域34が画成され、前記打球発射装置23から発射されたパチンコ球が遊技領域34内に打ち出されるようになっている。また、前記遊技盤12の下方位置には、前記遊技領域34を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置35が配設されている。始動入賞装置35は、上下に設けた2つの入賞口(上部入賞口35aおよび下部入賞口35b)を備えている。始動入賞装置35の装置本体35c(図6参照)には、上部入賞口35aに入賞したパチンコ球を検出する上部始動球検出センサ36と、下部入賞口35bに入賞したパチンコ球を検出する下部始動球検出センサ37とが設けられている(図8参照)。前記上部始動球検出センサ36および下部始動球検出センサ37は、前記主制御装置31に接続されており、両センサ36,37から出力されるパチンコ球の検出信号は、主制御装置31に入力されるようになっている。主制御装置31は、上部始動球検出センサ36または下部始動球検出センサ37から検出信号を受けると、大当たり抽選を行うと共に、統括制御装置19に制御信号を出力して、前記液晶表示装置15に図柄変動演出を行わせるようになっている。また、主制御装置31は、前記払出制御装置29に制御信号を出力して、前記球払出装置28に所定数の賞球を払い出させるようになっている。
【0019】
前記遊技盤12における始動入賞装置35の下方には、特別入賞装置38が配設されており、前記大当たり抽選の結果、大当たりが発生すると、液晶表示装置15の表示部15aに所定の図柄組合わせで図柄が停止表示されて、特別入賞装置38の入賞口(図示せず)が開放するようになっている。特別入賞装置38の装置本体38a(図6参照)には、第1中継基板70を介して前記主制御装置31に電気的に接続された特別球検出センサ39が設けられている(図8参照)。特別球検出センサ39がパチンコ球を検出すると、検出信号を主制御装置31に出力し、主制御装置31は、前記払出制御装置29に制御信号を出力して、前記球払出装置28に多数の賞球を払い出させる。なお、図6に示すように、前記始動入賞装置35の装置本体35cや特別入賞装置38の装置本体38aは、遊技盤12の下部中央に設けた中央開口部12bを介して遊技盤12の後方に突出している。
【0020】
図4に示すように、前記遊技盤12の下部には、前記特別入賞装置38を挟んで左側に第1普通入賞装置40、右側に第2普通入賞装置41が設けられている。これら第1,第2普通入賞装置40,41は、遊技盤12における前記中央開口部12bの左右に設けた側方開口部12c,12d(図10,図11参照)に夫々取り付けられている。第1,第2普通入賞装置41,42は、複数(実施例では、2つ)の普通入賞口40a,40a,41a,41aを備え、該普通入賞口40a,40a,41a,41aに入賞したパチンコ球は、前記側方開口部12c,12dを介して遊技盤12の後方へ送られる。そして、遊技盤12の後方へ送られたパチンコ球は、設置部材14に設けた後述する球通路部材53,54の球通路59,60を流下して下方へ排出されるよう構成される。
【0021】
〔設置部材について〕
図5,図7に示すように、前記設置部材14は、前記遊技盤12に対向する略矩形状の対向面部42と、該対向面部42の周縁部から前方に延出する外周壁部43とから前方に開放する箱状に形成され、全体が透明の部材で構成されている。前記外周壁部43の前端部には、設置部材14の開口外側へ延出する設置固定部44が複数形成されている。そして、設置固定部44を遊技盤12の後面に当接した状態で、各設置固定部44を遊技盤12にネジ止めすることで、設置部材14が遊技盤12に着脱自在に取付けられる。設置部材14を遊技盤12に取付けた状態では、図6に示すように、該遊技盤12および設置部材14の間に所要の空間(以下、設置スペース45という)が画成される。前記設置部材14には、遊技状態に合わせて発光演出および可動演出を行う複数の演出装置46,47,48が配設されており、設置部材14を遊技盤12に取り付けた状態で、これら演出装置46,47,48が前記設置スペース45に臨むようになっている。図7に示すように、前記対向面部42には、前後方向に開放する可視表示部14aが設けられており、以下の説明において、対向面部42における可視表示部14aの上側部分を上対向面部42aと指称し、可視表示部14aの下側部分を下対向面部42bと指称する。
【0022】
前記対向面部42の後側には、液晶装着部49が設けられ、該液晶装着部49に、前記液晶表示装置15が表示部15aを可視表示部14aに臨ませるように後側から取り付けられる。液晶表示装置15の後側には、パチンコ機10の遊技演出を統括的に制御する統括制御装置19が配設される(図3参照)。図8に示すように、統括制御装置19は、前記液晶表示装置15、ランプ装置18およびスピーカ22に電気的に接続されており、該統括制御装置19から出力される演出制御信号に基づいて、各種装置15,18,22が作動制御されるようになっている。また、統括制御装置19には、前記演出装置46,47,48が電気的に接続されており、該統括制御装置19により各演出装置46,47,48の延出動作が制御される。図3に示すように、前記下対向面部42bの後側には、後述する中継基板保持部67,68,69を後方から覆うように主制御装置31が主基板ベース(図示せず)を介して着脱自在に配設される。前記主制御装置31は、パチンコ機10全体の作動を制御するものであって、図8に示す如く、前記上部始動球検出センサ36や下部始動球検出センサ37、統括制御装置19等、各種装置と電気的に接続されている。また、主制御装置31は、後述する不正検出装置125や磁気センサ83,102からの出力信号に基づいて、不正行為の発生を判定する。
【0023】
〔下対向面部の前側の構成について〕
図5に示すように、前記下対向面部42bの前側中央部には、該下対向面部42bから前方に突出する円弧状の庇状収容部50が形成されている。庇状収容部50は、前方および下方に開放する空間(以下、装置用空間50aという)を画成しており、設置部材14を遊技盤12に取り付けた状態で、庇状収容部50の装置用空間50aに前記始動入賞装置35の装置本体35cが収容されるようになっている(図6参照)。また、図5に示すように、前記下対向面部42bには、球通路固定部(固定部)51,52が庇状収容部50を挟んで左右に2つ形成されており、各球通路固定部51,52に球通路部材(遊技機構成部材)53,54が取り付けられる。各球通路固定部51,52は、下対向面部42bから前方に突出するよう形成され、図9に示すように、設置部材14の後側に下対向面部42bの後面で開口する収容空間(センサと基板との間に形成される空間)55,56を画成している。なお、以下の説明では、図5における左側の球通路固定部および収容空間を第1球通路固定部51および第1収容空間55と夫々指称し、図5における右側の球通路固定部および収容空間を第2球通路固定部52および第2収容空間56と夫々指称する。また、第1球通路固定部51に取り付けられる球通路部材を第1球通路部材53と指称し、第2球通路固定部52に取り付けられる球通路部材を第2球通路部材54と指称する。
【0024】
第1球通路固定部51の前面(以下、第1突出面部57という)および第2球通路固定部52の前面(以下、第2突出面部58という)は、設置部材14の設置固定部44より僅かに後方に位置している(図16参照)。また、図5,図16に示すように、第1突出面部57および第2突出面部58には、夫々、前方へ突出する固定ボス57a,58aが複数形成されている。そして、第1球通路部材53および第2球通路部材54に設けたボス受け部53a,54aに対応の固定ボス57a,58aを整合させて、該固定ボス57a,58aにネジを螺挿することで、第1球通路部材53および第2球通路部材54が第1球通路固定部51および第2球通路固定部52に夫々ネジ止めされる。図5に示すように、第1,第2球通路固定部51,52に第1,第2球通路部材53,54が夫々取り付けられた状態では、両球通路部材53,54が設置部材14の開口前端側に臨むよう構成される。
【0025】
前記第1球通路部材53および第2球通路部材54には、前方に開放する第1球通路59および第2球通路60が夫々画成されており、図10,図11に示すように、第1,第2球通路部材53,54が前記第1,第2球通路固定部51,52に夫々取り付けられた状態で、各球通路部材53,54の開口縁部が前記設置固定部44と同一面上に位置するようになっている。そして、設置部材14を遊技盤12に取り付けた状態では、第1球通路部材53の開口縁部が前記第1普通入賞装置40の後面に当接して、前記第1球通路59が第1普通入賞装置40の普通入賞口40a,40aに連通するようになっている。同様に、第2球通路部材54の開口縁部が前記第2普通入賞装置41の後面に当接して、前記第2球通路60が第2普通入賞装置41の普通入賞口41a,41aに連通するよう構成される。
【0026】
図10に示すように、前記第1球通路部材53には、第1センサ取付部61が後方に突出するよう形成されている。また、第1球通路固定部51の第1突出面部57には、前後方向に開放する第1センサ挿通孔62が形成され、第1球通路部材53を第1球通路固定部51に取り付けた状態で、該第1センサ取付部61が第1センサ挿通孔62を介して前記第1収容空間55内に延出するよう構成される。前記第1センサ取付部61には、前記第1普通入賞装置40の普通入賞口40aに入賞したパチンコ球を検出する第1普通球検出センサ63が着脱自在に取り付けられる。第1普通球検出センサ63は、第1センサ取付部61に取り付けられた状態で、前記第1収容空間55に後部側が収容される。図8に示すように、第1普通球検出センサ63は、第1中継基板70を介して前記主制御装置31に電気的に接続され、第1普通球検出センサ63がパチンコ球を検出すると、検出信号が主制御装置31に出力されるようになっている。そして、前記主制御装置31は、第1普通球検出センサ63から検出信号が入力されると、前記払出制御装置29に制御信号を出力し、球払出装置28に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。
【0027】
図11に示すように、前記第2球通路部材54には、第2センサ取付部64が後方に突出するよう形成されている。また、第2球通路固定部52の第2突出面部58には、前後方向に開放する第2センサ挿通孔65が形成され、第2球通路部材54を第2球通路固定部52に取り付けた状態で、該第2センサ取付部64が第2センサ挿通孔65を介して前記第2収容空間56内に延出している。第2センサ取付部64には、前記第2普通入賞装置41の普通入賞口41a,41aに入賞したパチンコ球を検出する第2普通球検出センサ66が着脱自在に取り付けられる。第2普通球検出センサ66は、第2センサ取付部64に取り付けられた状態で、前記第2収容空間56に後部側が収容されるようになっている。図8に示すように、この第2普通球検出センサ66は、第1普通球検出センサ63と同様に、第1中継基板70を介して前記主制御装置31に電気的に接続されている。そして、第2普通球検出センサ66から検出信号が主制御装置31に入力されると、主制御装置31は、前記払出制御装置29を制御して、球払出装置28に所定数の賞球を払い出させるようになっている。
【0028】
〔下対向面部の後側の構成について〕
図9に示すように、前記下対向面部42bの後面には、左右に隣接して複数(実施例では3つ)の中継基板保持部67,68,69が設けられ、各中継基板保持部67,68,69に中継基板70,71,72が着脱自在に配設される(図7参照)。図9の右側の中継基板保持部(基板設置部)67は、前記第1球通路固定部51の後方に位置し、前記第1収容空間55が該中継基板保持部67において後方へ開口している。また、図9の左側の中継基板保持部68は、前記第2球通路固定部52の後方に位置し、前記第2収容空間56が該中継基板保持部68において後方へ開口している。更に、図9の中央の中継基板保持部69は、前記庇状収容部50の後方位置に形成されている。なお、以下の説明において、図9の右側に位置する中継基板保持部を第1中継基板保持部67と指称し、図9の左側に位置する中継基板保持部を第2中継基板保持部68と指称し、図9の中央に位置する中継基板保持部を第3中継基板保持部69と指称する。また、第1〜第3中継基板保持部67,68,69に取り付けられる中継基板を、第1〜第3中継基板70,71,72と夫々指称する。
【0029】
〔第1中継基板保持部について〕
第1中継基板保持部67は、前記下対向面部42bの後面から後方に突出すると共に前記第1収容空間55の後方開口(以下、第1開口部73という)を囲繞するよう上下左右に延在する第1突壁74a〜74dと、下側の第1突壁74bおよび左右の第1突壁74c,74dの隅部に夫々設けられ、これら第1突壁74b,74c,74dの後縁部から後方に離間した第1押え片75,75とを備える。なお、図9に示す状態を基準として上下左右の第1突壁を、第1上突壁74a、第1下突壁74b、第1左突壁74cおよび第1右突壁74dと夫々指称する。第1右突壁74dの上部には、後方に突出する第1基板フック76が形成されている。また、前記第1左突壁74cには、左右に開放する第1配線通孔77が形成されている。そして、図9において、第1中継基板70の下側の両隅部を、対応する第1押え片75,75の前側に臨ませて、第1中継基板70の上部側を前方へ押圧することで、第1基板フック76が第1中継基板70に後方から係止して、第1中継基板70が第1中継基板保持部67に着脱自在に取り付けられる。前記第1中継基板70には、後述する第1,第2磁気センサ83,102から導出する配線83X,102Xや前記特別球検出センサ39、第1,第2普通球検出センサ63,66等の配線(何れも図示せず)が接続される(図8,図15参照)。また、第1中継基板70は、前記主制御装置31と電気的に接続されており、これらセンサ83,102,39,63,66を主制御装置31に中継接続している。
【0030】
〔第1収容空間について〕
図12(a)に示すように、前記第1収容空間55は、上下左右の内側面(以下、第1内側面78という)により画成され、略矩形状の前記第1開口部73が後方に開口している。なお、図12(a)に示す状態を基準として、第1収容空間55の上下左右の第1内側面78を、第1上内側面78a、第1下内側面78b、第1左内側面78cおよび第1右内側面78dと夫々指称する。第1収容空間55の第1上内側面78aおよび第1下内側面78bは、後方に向かうにつれて互いに離間すると共に、第1収容空間55の第1左内側面78cおよび第1右内側面78dは、後方に向かうにつれて互いに離間するよう構成されている(図10,図16参照)。すなわち、第1収容空間55は、前方から後方にかけて次第に拡開するよう形成されている。図10に示すように、第1下内側面78bは、前側の上段部79と該上段部79より1段下方に位置した後側の下段部80とを備え、上段部79および下段部80が連結壁81により連結された段状構造をなしている。前記第1収容空間55の内部には、前記第1上内側面78aに近接する位置に第1センサ保持部82が形成されている。この第1センサ保持部82は、図12(a)に示すように、後方に開放する筒状の保持体82aと、該保持体82aの後部から後方に突出する保持フック82bとを備え、該保持体82aの内部に第1磁気センサ(センサ)83が後方から挿入されるようになっている。そして、前記保持体82aに挿入された第1磁気センサ83の後部に保持フック82bが係止することで、第1磁気センサ83が第1センサ保持部82に着脱自在に取り付けられる。この第1磁気センサ83は、磁石等から発せられる磁気を検出するものであって、遊技盤12に磁石等を近付けて遊技領域34を流下するパチンコ球を誘導する不正行為(以下、不正磁気行為という)を検出するものである。
【0031】
ここで、図7,図10に示すように、前記第1中継基板保持部67に第1中継基板70を取り付けた状態では、第1中継基板70は、第1磁気センサ83の後方に離間して、該センサ83と前後に重なる位置関係となる。そして、第1収容空間55の第1開口部73が第1中継基板70により後側から覆われて設置部材14の後方から視認不能となる。ここで、第1中継基板70で覆われる第1収容空間55には、例えば第1中継基板70に接続された前記各種センサ39,63,66,82,83を操作したり、前記主制御装置31に信号を出力して、予め設定された制御とは異なる制御を行わせる等を目的とした不正部品A(図10参照)が設置される虞がある。そこで、実施例に係るパチンコ機10では、第1収容空間55を埋める第1不正防止部材(不正防止部材)84を配設することで、規定の不正部品Aの取り付けを防止するよう構成されている。ここで、規定の不正部品Aとは、予め設定されたサイズ(体積)を有する不正部品Aを指しており、当該サイズの不正部品Aについては、第1不正防止部材84の存在により第1収容空間55への設置が阻止される。また、不正部品Aとしては、基板や装置、器具等の電気信号を送出可能な電子部品が含まれる。
【0032】
〔第1不正防止部材について〕
図13(a),(b),図14に示すように、前記第1不正防止部材84は、板状の第1基部(基部)85の周縁部から第1側壁部(側壁部)86が前方に延出して構成され、前方に開放する略直方体形状をなしている。なお、以下の説明では、図14に示すように、第1不正防止部材84を後側から見た状態を基準として、第1基部85の上下左右の縁部から延出する第1側壁部86を、第1上側壁部86a、第1下側壁部86b、第1左側壁部86cおよび第1右側壁部86dと夫々指称する場合がある。前記第1基部85は、前記第1開口部73の開口形状に整合した矩形状に形成され、図14に示すように、第1不正防止部材84が第1収容空間55に配設された状態で、第1基部85が第1開口部73と略同一面上に位置して、該第1基部85が第1開口部73を塞ぐよう構成される。ここで、第1基部85が第1開口部73を「塞ぐ」とは、第1基部85が第1開口部73を完全に閉塞した状態に加え、該第1基部85と第1開口部73の縁部との間に前記規定の不正部品Aを差し込むのが不能となる程度の隙間が生じた状態を含む意味である。実施例では、第1基部85と第1開口部73の縁部との間には、前記規定の不正部品Aが挿入不能となる範囲で僅かな隙間が生じている。第1基部85には、前後方向に開放する第1配線口87が開設されており、前記第1磁気センサ83から導出する配線83Xが第1配線口87を介して第1基部85の後方に引き出されるようになっている。そして、第1配線口87から引き出された第1磁気センサ83の配線83Xは、図14,図15に示すように、前記第1配線通孔77を左方に引き回された後、前記第1中継基板70に接続される。すなわち、第1磁気センサ83は、第1中継基板70を介して主制御装置31に電気的に接続され、第1磁気センサ83が磁気を検出した際に出力される検出信号(以下、磁気検出信号という)は、主制御装置31に入力されるようになっている。
【0033】
図10に示すように、前記第1上側壁部86aおよび第1下側壁部86bは、前方に向かうにつれて互いに離間するよう傾斜すると共に、図13(a)に示すように、第1左側壁部86cおよび第1右側壁部86dは、前方に向かうにつれて互いに離間するよう傾斜している。すなわち、第1不正防止部材84は、前方に向かうにつれて拡開する形状とされる。第1不正防止部材84を第1収容空間55に配設した状態では、第1下側壁部86bの前端部が前記第1下内側面78bの連結壁81に当接するよう構成される。また、第1上側壁部86a、第1下側壁部86b、第1左御側壁部および第1右側壁部86dが、第1上内側面78a、第1下内側面78bの下段部80、第1左内側面78cおよび第1右内側面78dに夫々対向するよう構成される(図10,図16参照)。ここで、各第1側壁部86が第1収容空間55の各第1内側面78に対向するとは、前記規定の不正部品Aを差し込むのが不能となる程度に各第1側壁部86が対応の第1内側面78に近接または当接した状態をいう。すなわち、第1不正防止部材84を第1収容空間55に配設することで、第1基部85が第1開口部73を塞ぐと共に、第1側壁部86が対応の第1内側面78に対向して、第1不正防止部材84と第1内側面78との間に不正部品Aを設置するのは不能となる。
【0034】
図13(b)に示すように、前記第1不正防止部材84には、該第1不正防止部材84の内部空間を分割する第1仕切壁88が複数形成されている。第1仕切壁88は、第1不正防止部材84の内部空間を前記規定の不正部品Aの設置が不能となる寸法の小空間(以下、第1小空間Bという)に分割するよう設けられる。すなわち、第1不正防止部材84の内部空間は、第1仕切壁88により第1小空間Bに分割されて、第1不正防止部材84の内部空間への前記不正部品Aの設置は不能となる。
【0035】
図13(a),(b)に示すように、前記各第1側壁部86には、前後方向に延在すると共に弾性変形可能に構成された第1押圧部89が形成されている。実施例では、第1上側壁部86aに2つの第1押圧部89,89が形成されると共に、第1下側壁部86b、第1左側壁部86cおよび第1右側壁部86dに第1押圧部89が夫々1つずつ形成されている。各押圧部89は、各第1側壁部86の前端縁部から後方に切り込んだ2つのスリット90,90の間に形成されており、各第1押圧部89の前端部には、第1側壁部86から外方に突出した第1突部91が形成されている。そして、第1不正防止部材84を第1収容空間55に配設した際に、各第1押圧部89は、第1不正防止部材84の内側(第1不正防止部材84の内部空間側)へ弾性変形した状態で、各第1突部91が第1収容空間55の第1内側面78に当接するようになっている(図10参照)。更に、第1上側壁部86aには、左右の第1押圧部89,89の間に位置して、前方および上下方向に開放する第1逃げ部92が形成されている。第1不正防止部材84を第1収容空間55に配設した状態では、図10に示すように、前記第1磁気センサ83および第1センサ保持部82が第1逃げ部92に臨んで、第1上側壁部86aに干渉しないよう構成される。
【0036】
〔第2中継基板保持部について〕
図9に示すように、前記第2中継基板保持部68は、下対向面部42bの後面から後方に突出すると共に前記第2収容空間56の後方開口(第2開口部93という)を囲繞するよう上下左右に設けられた第2突壁94a〜94dと、上側の第2突壁94aの上縁部から下方に延出する第2押え片95とを備える。なお、図9に示す状態を基準として、上下左右に延在する第2突壁94を、第2上突壁94a、第2下突壁94b、第2左突壁94cおよび第2右突壁94dと夫々指称する。第2下突壁94bには、後方に突出する第2基板フック96,96が左右に並んで2つ形成されている。第2中継基板保持部68は、第2開口部93の上縁に沿って延在すると共に下対向面部42bの後面から後方に突出する第2支持突壁97を備えている。そして、第2中継基板71の上縁部を第2押え片95の前側に臨ませ、該第2中継基板71の下部側を前方へ押圧することで、両第2基板フック96,96が第2中継基板71の下縁部に後方から係止して、第2中継基板71が第2中継基板保持部68に着脱自在に取り付けられる。第2中継基板71が第2中継基板保持部68に取り付けられた状態では、第2中継基板71の前面が前記第2支持突壁97に当接して支持される。第2中継基板71には、前記演出装置46,47,48等から導出する配線が接続されると共に、前記統括制御装置19が接続されている。なお、第2上突壁94aには、上下方向に開放する第2配線通孔98が切欠形成されている。
【0037】
〔第2収容空間について〕
図12(b)に示すように、前記第2収容空間56は、上下左右の第2内側面99により画成され、略矩形状の前記第2開口部93が後方に開口している。第2収容空間56の上下の第2内側面99,99は、後方に向かうにつれて互いに離間すると共に、第2収容空間56の左右の第2内側面99,99は、後方に向かうにつれて互いに離間している(図11,図16参照)。すなわち、第2収容空間56は、前記第1収容空間55と同様に、前方から後方にかけて次第に拡開する形状とされる。なお、図12(b)に示す状態を基準として、第2収容空間56の上下左右の内側面を、第2上内側面99a、第2下内側面99b、第2左内側面99cおよび第2右内側面99dと夫々指称する場合がある。
【0038】
図11に示すように、前記第2上内側面99aおよび第2下内側面99bには、前後方向に延在する延出部100,100が夫々1つずつ形成され、両延出部100,100は上下方向に対向して設けられる。各延出部100は、第2上内側面99aまたは第2下内側面99bから第2収容空間56側へ突出するよう形成されており、延出部100における第2収容空間56側に突出した端縁部100aは、互いに平行に延在している(図11参照)。図12(b)に示すように、前記第2収容空間56の内部には、前記第2上内側面99aおよび第2左内側面99cの隅部に第2センサ保持部101が形成されている。第2センサ保持部101は、前記第1センサ保持部82と同様に、後方に開放する筒状の保持体101aと、該保持体101aの後部から後方に突出する保持フック101bとを備え、該保持体101aの内部に第2磁気センサ(センサ)102が後方から挿入されるようになっている。そして、第2センサ保持部101の保持体101aに挿入された第2磁気センサ102の後部に前記保持フック101bが係止することで、第2磁気センサ102が第2センサ保持部101に着脱自在に取り付けられる。この第2磁気センサ102は、第1磁気センサ83と同様に、磁石等から発せられる磁気を検出するセンサであり、前記不正磁気行為を検出するためのものである。
【0039】
ここで、図7,図11に示すように、前記第2中継基板保持部68に第2中継基板71を取り付けた状態では、第2中継基板71は、第2磁気センサ102の後方に離間して、該センサ102と前後に重なる位置関係となる。そして、第2収容空間56の第2開口部93は、第2中継基板71により後側から覆われて設置部材14の後側から第2収容空間56は視認不能となる。このため、第1収容空間55と同様に、第2中継基板71を介して主制御装置31に不正信号を出力して、予め設定された制御とは異なる制御を行わせる等を目的として前記不正部品Aが第2収容空間56に設置される虞がある。そこで、第2収容空間56に対しても、第2不正防止部材(不正防止部材)103を着脱自在に配設して、規定の不正部品Aの第2収容空間56への設置を防止するよう構成されている。すなわち、第2収容空間56に第2不正防止部材103を配設することで、前記規定のサイズの不正部品Aについては、第2不正防止部材103の存在により第2収容空間56への設置が阻止される。
【0040】
〔第2不正防止部材について〕
図14,図17(a),(b)に示すように、前記第2不正防止部材103は、前記第1不正防止部材84と基本的に同様な構成であって、板状の第2基部(基部)104の周縁部から第2側壁部105が前方に延出し、前方に開放する略直方体形状をなしている。なお、以下の説明において、図14に示す状態を基準として、第2基部104の上下左右の縁部から延出する第2側壁部105を、第2上側壁部105a、第2下側壁部105b、第2左側壁部105cおよび第2右側壁部105dと夫々区別して指称する場合がある。前記第2基部104は、前記第2開口部93の開口形状に整合した横長矩形状に形成され、第2不正防止部材103が第2収容空間56に配設された状態で、第2基部104が第2開口部93を塞ぐよう構成される。ここで、第2基部104が第2開口部93を「塞ぐ」とは、第1不正防止部材84の場合と同様に、第2基部104が第2開口部93を完全に閉塞した状態に加え、該第2基部104と第2開口部93の縁部との間に規定の不正部品Aを差し込むのが不能となる範囲で隙間が生じた状態を含む意味である。実施例では、第2基部104と第2開口部93の縁部との間には、規定の不正部品Aが挿入不能となる程度の僅かな隙間が生じている(図14参照)。前記第2基部104には、前後方向に開放する第2配線口106が開設されており、前記第2磁気センサ102から導出する配線102Xが第2配線口106を介して第2収容空間56から引き出されるようになっている。図14,図15に示すように、第2配線口106から引き出された第2磁気センサ102の配線102Xは、前記第2上突壁94aの第2配線通孔98を介して設置部材14の後方に引き出される。そして、第2磁気センサ102の配線102Xは、前記第3中継基板72の後方を図15の右方へ引き回されて、前記第1中継基板70に接続される。すなわち、図8に示すように、第2磁気センサ102は、第1中継基板70を介して前記主制御装置31に電気的に接続され、第2磁気センサ102の磁気検出信号は、前記主制御装置31に入力される。
【0041】
前記第2上側壁部105aおよび第2下側壁部105bは、第2不正防止部材103を第2収容空間56に挿入する際に、第2上内側面99aの延出部100および第2下内側面99bの延出部100が夫々摺動して、第2上側壁部105aおよび第2上内側面99aが延出部100,100によって案内されるようになっている。また、前記第2上側壁部105aおよび第2下側壁部105bは、前方に向かうにつれて互いに離間するよう傾斜している。なお、図11には、第2上側壁部105aおよび第2下側壁部105bが延出部100,100に当接することで弾性変形し、両側壁部105a,105bが前後に平行な姿勢となった状態が図示されている。また、図16に示すように、第2左側壁部105cおよび第2右側壁部105dは、前方に向かうにつれて互いに離間するよう傾斜している。すなわち、第2不正防止部材103は、第1不正防止部材84と同様に、前方に向かうにつれて拡開した形状とされる。
【0042】
図11に示すように、第2側壁部105の前端部は、第2不正防止部材103を第2収容空間56に配設した状態で、前記第2突出面部58の後面に当接するよう構成される。また、第2不正防止部材103を第2収容空間56に配設した状態で、第2上側壁部105a、第2下側壁部105b、第2左側壁部105cおよび第2右側壁部105dが、夫々、第2上内側面99a、第2下内側面99b、第2左内側面99cおよび第2右内側面99dに対向するよう構成される(図11,図16参照)。ここで、各第2側壁部105が第2収容空間56の第2内側面99に対向するとは、第1不正防止部材84の場合と同様に、前記規定の不正部品Aを差し込むのが不能となる程度に各第2側壁部105が対応の第2内側面99に近接または当接した状態をいう。すなわち、第2不正防止部材103を第2収容空間56に配設した状態では、前記第2基部104が第2開口部93を塞ぐと共に、各第2側壁部105が第2内側面99に対向し、第2不正防止部材103と第2内側面99との間に規定の不正部品Aを設置するのは不能とされる。
【0043】
図17(b)に示すように、前記第2不正防止部材103には、該第2不正防止部材103の内部空間を左右に分割する第2仕切壁107が複数(実施例では2つ)形成されている。ここで、第2仕切壁107は、第2不正防止部材103の内部空間を前記規定の不正部品Aの設置が不能となる寸法の小空間(以下、第2小空間Cという)に分割するよう設けられている。すなわち、第2不正防止部材103の内部空間は、第2仕切壁107により複数(実施例では3つ)の第2小空間Cに分割されているので、第2不正防止部材103の内部空間に前記不正部品Aが設置するのは不能とされる。また、図11に示すように、左右の中央の第2小空間Cの前方開口は、第2不正防止部材103が第2収容空間56に配設された状態で、前記第2突出面部58の第2センサ挿通孔65に臨むようになっている。そして、第2センサ挿通孔65を介して第2収容空間56に臨む第2センサ取付部64および第2普通球検出センサ66が、中央の第2小空間Cに収容されて第2不正防止部材103と干渉することはない。
【0044】
図17(a),(b)に示すように、前記第2側壁部105には、前後方向に延在すると共に弾性変形可能に構成された第2押圧部108が形成されている。実施例では、第2下側壁部105bに2つの第2押圧部108,108が形成されると共に、第2上側壁部105a、第2左側壁部105cおよび第2右側壁部105dに第2押圧部108が夫々1つずつ形成されている。各第2押圧部108は、対応の第2側壁部105の前端縁部から後方に切り込んだ2つの第2スリット109,109の間に形成されており、各第2押圧部108の前端部には、第2側壁部105から外方に突出した第2突部110が形成されている。そして、第2不正防止部材103を第2収容空間56に配設した際に、各第2押圧部108は、第2不正防止部材103の内側(第2不正防止部材103の内部空間側)へ弾性変形した状態で、各第2突部110が第2収容空間56の第2内側面99に当接するようになっている(図18参照)。更に、第2上側壁部105aおよび第2左側壁部105cには、両側壁部105a,105cの隅部を含む部位を前側から切り欠いて、前方および上下左右方向に開放する第2逃げ部111が形成されている。図18に示すように、第2不正防止部材103を第2収容空間56に配設した状態では、前記第2磁気センサ102および第2センサ保持部101が第2逃げ部111に臨むようになっており、第2磁気センサ102および第2センサ保持部101がこれら第2上側壁部105a、第2左側壁部105cに干渉しないよう構成される。
【0045】
〔第3中継基板保持部について〕
前記第3中継基板保持部69は、図9に示す状態を基準として、前記第2右突壁94dの右側に近接して上下方向に延在する第3左突壁112と、下対向面部42bの下縁部に沿って延在する第3下突壁113と、第3左突壁112および前記第1左突壁74cの上端部から両突壁112,74cが対向する側へ向けて夫々延出する第3押え片114,114とから基本的に構成される。また、第3中継基板保持部69における右側の側壁部は、第1中継基板保持部67の第1左突壁74cが兼用している。第3下突壁113には、後方に突出する第3基板フック115,115が左右に並んで複数(実施例では2つ)形成されている。更に、第3左突壁112および第1左突壁74cには、両突壁112,74cが対向する側に突出する第3支持突壁116が複数形成されている。そして、前記第3中継基板72の上縁部を両第3押え片114,114の前側に臨ませ、該第3中継基板72の下部側を前方へ押圧することで、両第3基板フック115,115が第3中継基板72の下縁部に後方から係止する。これにより、第3中継基板72は、第3支持突壁116に支持された状態で、第3中継基板保持部69に着脱自在に取り付けられる(図7参照)。図8に示すように、前記第3中継基板72には、前記払出制御装置29が接続されている。また、第3中継基板72は、前記主制御装置31に電気的に接続されており、前記払出制御装置29を主制御装置31に中継接続している。
【0046】
図19に示すように、第3中継基板保持部69には、後方に開放するセンサ設置空間(設置空間)117が画成されたセンサ設置部(設置部)118が形成されている。このセンサ設置部118は、前記庇状収容部50および前記第1収容空間55の間に位置しており、該センサ設置部118に後述する不正検出装置125が着脱自在に配設される(図14参照)。前記センサ設置部118は、前記下対向面部42bより前方に位置する設置前板部119(図20参照)と、該設置前板部119の後面から後方に突出する一対のセンサ用ボス120,120(図19参照)とを備えており、該センサ用ボス120,120に後述する不正検出装置125のケース体128がネジ止めされる。また、センサ設置部118の下部は、前記設置部材14の下側の外周壁部43で構成されており、外周壁部43における該センサ設置部118の下部をなす部位(以下、設置下板部121という)には、後方および上下方向に開放する設置凹部122が形成されている。なお、図9に示すように、前記センサ設置空間117は、前記第1左突壁74cに設けた第1配線通孔77を介して前記第1収容空間55に連通している。
【0047】
〔電波による不正行為について〕
ここで、前述した2つの始動球検出センサ36,37や特別球検出センサ39は、いわゆる誘導式近接スイッチであって、実施例のパチンコ機10では、何れも同一のセンサ(以後、これらセンサ36,37,39を単に球検出センサDという場合がある)が採用されている。図21(a)に示すように、球検出センサDは、発振回路等を備えたセンサ本体123とコイルが設けられてパチンコ球が通過可能な球通過口124とを基本構成としている。図21(b)に示す如く、球検出センサDは、パチンコ球を検出していない状態(パチンコ球が球通過口124を通過していない状態)では、発振回路が発振して、高レベルの信号(以下、ハイレベル信号という)を出力するように設定されている。一方、球検出センサDは、パチンコ球を検出している状態(パチンコ球が球通過口124を通過している間)では、発振回路の発振が停止または減衰して、低レベルの信号(以下、ローレベル信号という)を出力するように設定されている。そして、主制御装置31は、球検出センサDからの出力信号がハイレベル信号からローレベル信号に切り換わったときにパチンコ球を1カウントして、前記払出制御装置29を制御して球払出装置28に賞球を払い出させる。
【0048】
ところが、この球検出センサDに電波を放射して、該球検出センサDの出力信号を強制的に変更する不正行為(以下、不正電波行為という)が行われることがある。一般的に、この不正電波行為は、図20に示す如く、不正行為者が遊技盤12の斜め下方に電波発生器Eを隠し持ち、始動入賞装置35や特別入賞装置38等が設けられる遊技盤12の下部中央へ向けて電波を電波発生器Eから放射して行われる。この電波発生器Eから放射される電波を、パチンコ球が球通過口124を通過する間に球検出センサDが浴びると、該球検出センサDは、断続的な発振があったと誤検出してしまう。その結果、図21(b)に示すように、球検出センサDは、ローレベル信号およびハイレベル信号を繰り返し出力し、前記主制御装置31は、ハイレベル信号からローレベル信号に切り換わる度にパチンコ球をカウントすることとなる。そして、主制御装置31は、1個のパチンコ球が球通過口124を通過したのにも拘わらず、複数個分のカウントをして、多くの賞球を払い出したり、大当たり抽選が行われてしまう虞がある。そこで、実施例のパチンコ機10では、このような不正電波行為を検出するべく、前記センサ設置部118に不正検出装置125が設置されている。
【0049】
〔不正検出装置について〕
図22,図23に示すように、前記不正検出装置125は、検出センサユニット(状態変化手段)126と、検出用金属球(状態維持手段,磁性体,金属球,遊技球)127と、これら検出センサユニット126および検出用金属球127を収容したケース体128とから基本的に構成されている。前記検出センサユニット126は、矩形状のセンサ装置本体129と、貫通孔が画成された円筒状の検出口130とから基本的に構成され、実施例では、前述した始動入賞装置35や特別入賞装置38等に設けられる球検出センサDと同一のものが採用されている。前記検出口130の開口円の直径は、前記検出用金属球127の直径より僅かに大きく設定されている(図24(a)参照)。前記検出口130には、開口縁に沿って検出コイル131が巻装されており、該検出コイル131により検出口130の周囲に磁界を発生させるようになっている。図25に示すように、前記センサ装置本体129には、発振回路F、発振検出回路Gおよび出力回路Hが形成されている。図26(a)に示すように、前記発振回路Fは、検出口130の磁界中に磁性体(検出用金属球127)が存在しない状態で、高周波(例えば、1MHz)で発振するようになっている。また、図26(b)に示すように、前記検出口130の磁界中に磁性体(検出用金属球127)が存在すると、発振回路Fは、発振を停止または減衰させるようになっている。実施例の発振回路Fは、検出口130に磁性体(検出用金属球127)が存在した状態で、発振を停止させるように設定されている。
【0050】
前記発振検出回路Gは、前記発振回路Fの発振状態を検出して、当該発振状態に応じた信号を出力するものである。図26(a)に示すように、発振検出回路Gは、発振回路Fの発振を検出すると発振検出信号を前記出力回路Hに出力すると共に、図26(b)に示すように、発振回路Fが発振を停止または減衰(実施例では、発振の停止)を検出すると出力回路Hに発振停止検出信号を出力するよう構成される。すなわち、検出センサユニット126は、磁性体の有無により、発振検出回路Gが発振を検出した発振検出状態(第1状態)と、発振検出回路Gが発振の停止を検出した発振非検出状態(第2状態)とに状態変化可能に構成されている。
【0051】
前記出力回路Hは、前記発振検出回路Gから発振検出信号が入力されると、前記ハイレベル信号を出力し、該発振検出回路Gから発振停止検出信号が入力されると、前記ローレベル信号を出力するようになっている。なお、図26(b)に示すように、ローレベル信号は、0より僅かに大きな値となっている。前記出力回路Hは、後述するように第1中継基板70を介して主制御装置31に電気的に接続されており、出力回路Hから出力されたハイレベル信号およびローレベル信号は、主制御装置31に入力される。前記検出用金属球127は、前記発振回路Fの発振を停止させて検出センサユニット126を発振非検出状態に維持する(状態変化手段を第2状態に維持する)ものである。実施例では、検出用金属球127として、磁性体であるパチンコ球が用いられている。後述するように、検出用金属球127は、検出口130内に位置した状態でケース体128に収容される。
【0052】
すなわち、実施例の不正検出装置125は、前記不正電波行為が行われていない正常時では、検出用金属球127により発振回路Fの発振が停止されて、検出センサユニット126は、発振非検出状態に維持される。従って、図27に示すように、発振検出回路Gは、発振停止検出信号を出力し、出力回路Hからローレベル信号が出力されるので、前記主制御装置31に対して常にローレベル信号が入力される。一方、検出センサユニット126が発振非検出状態にある場合において、前記電波発生器Eから電波が検出センサユニット126に放射されると、図28に示すように、発振回路Fは発振を停止しているのにも拘わらず、電波によって断続的な発振が強制的に生起される。従って、不正電波行為が行われると、発振検出回路Gが断続的な発振を検出して、発振検出信号および発振停止検出信号を交互に出力するようになっている。これにより、図27に示すように、前記出力回路Hは、ハイレベル信号およびローレベル信号を主制御装置31に交互に出力する。なお、実施例に係る不正検出装置125では、検出センサユニット126における電波の検出範囲が、図29に示す如く、前記検出口130の開口方向側(図29では上下方向)が大きくなっている。すなわち、検出センサユニット126は、検出口130の開口方向から放射される電波に反応し易い構成となっている。
【0053】
図22,図23に示すように、前記ケース体128は、前記検出口130の開口方向に対向する第1半体132および第2半体133から基本的に構成され、第1半体132の後側に第2半体133が組み付けられるようになっている。前記第1半体132は、略矩形状の第1ケース基体(ケース基体)134と該第1ケース基体134の周縁部から後方へ延出する第1外壁部(壁部)135とから構成され、後方に開放する箱状に形成されている。図24(a)に示すように、第1ケース基体134は、上方から下方にかけて後方に傾斜しており、ケース体128をセンサ設置部118に取り付けた状態で、遊技盤12の盤面に対し所定角度(実施例では約60°)傾斜するよう構成される(図20参照)。左右の第1外壁部135,135の上部には、薄板状の突出片136,136が外方に突出するよう夫々形成され、各突出片136に円盤状のケース体ボス受け137が形成されている。各ケース体ボス受け137の前面は、遊技盤12の盤面と平行な面をなしており、前記センサ設置部118のセンサ用ボス120,120の後端部を対応のケース体ボス受け137,137に嵌合したもとで、各ケース体ボス受け137,137の通孔を介してセンサ用ボス120,120にネジを螺挿することで、第1半体132(ケース体128)がセンサ設置部118にネジ止めされる。
【0054】
図23に示すように、前記第1ケース基体134の後面には、該第1ケース基体134の左右の幅方向に亘って延在する複数(実施例では2つ)の第1規制部(規制部)138が形成されている。第1規制部138は、第1ケース基体134の後面から後方に突出しており、図24(a)に示すように、第1半体132に前記検出センサユニット126を収容した際に、第1規制部138が検出センサユニット126に当接して位置決めするようになっている。左右の第1外壁部135,135には、前後方向に延在する一対の案内リブ139,139が夫々形成されている(図23,図24(b)に左側の案内リブ139,139を図示)。一対の案内リブ139,139は、所定間隔離間して互いに平行に延在している。また、左右の第1外壁部135,135には、一対の案内リブ139,139の間を上下に延在する係止段部140が夫々形成され(図22に右側の係止段部140を図示)、各第1外壁部135の係止段部140より前側の部位は、内側(対向する第1外壁部135側)に凹んでいる。更に、右側の第1外壁部135の下部には、該第1外壁部135の後縁部を切り欠いて第1配線用切欠部141が形成されている。
【0055】
図22,図23に示すように、前記第2半体133は、略矩形状の第2ケース基体(ケース基体)142と該第2ケース基体142の周縁部から前方へ延出する第2外壁部(壁部)143とから構成され、前方に開放する箱状に形成されている。第2半体133の前側に開放する開口形状は、前記第1半体132の後側に開放する開口形状と略一致している。第2ケース基体142は、上方から下方にかけて後方に傾斜しており、ケース体128を前記センサ設置部118に取り付けた状態で、遊技盤12の盤面に対して所定角度(実施例では、約60°)傾斜するよう構成される(図20参照)。すなわち、図24(a)に示すように、第1半体132および第2半体133を組み付けた状態で、第1ケース基体134および第2ケース基体142は互いに平行に延在するようになっている。
【0056】
図22に示すように、左右の第2外壁部143,143には、弾性変形可能な薄板状の弾性係止片144,144が前方に延出するよう夫々形成されている。両弾性係止片144,144の離間距離は、前記第1半体132の左右の幅寸法(左右の第1外壁部135,135の離間距離)より僅かに大きく設定されている。また、図24(b)に示すように、各弾性係止片144の上下方向の寸法は、前記一対の案内リブ139,139の離間距離より僅かに小さく設定される。図22に示すように、各弾性係止片144の前端部には、内側(対向する弾性係止片144側)へ突出するケース係止部145が形成されている。両ケース係止部145,145の離間間隔は、前記第1半体132の左右の幅寸法(左右の第1外壁部135,135の離間距離)より僅かに小さく設定されている。そして、各弾性係止片144を弾性変形させつつ一対の案内リブ139,139の間に差し込み、各ケース係止部145が対応の係止段部140に係止することで、第1半体132および第2半体133が着脱自在に組み付けられる(図24(b)参照)。第1半体132および第2半体133が組み付けられた状態では、該第1半体132の第1外壁部135の後端部が第2半体133の第2外壁部143の前端部に当接し、第1半体132および第2半体133の間に前記検出センサユニット126および検出用金属球127を収容可能な空間が画成される。
【0057】
図22に示すように、前記第2ケース基体142の前面には、該第2ケース基体142の左右の幅方向に亘って延在する複数(実施例では2つ)の第2規制部(規制部)146が前方に突出するよう形成されており、第2半体133に検出センサユニット126を収容した状態で、第2規制部146が検出センサユニット126に当接して位置決めするようになっている。すなわち、図24(a)に示すように、第1半体132および第2半体133を組み付けた状態では、検出センサユニット126が第1規制部138および第2規制部146により挟持されて、検出センサユニット126が第1ケース基体134および第2ケース基体142と平行な姿勢に保持される。また、第2規制部146の第2ケース基体142の前面からの離間距離m2は、第1規制部138における第1ケース基体134の後面からの離間距離m1と略同一に設定されている。従って、検出センサユニット126は、第1ケース基体134および第2ケース基体142の離間方向(検出口130の開口方向)の略中央位置に保持される。更に、第1半体132および第2半体133を組み付けた状態で、第1ケース基体134および第2ケース基体142の離間距離lは、前記検出用金属球127の直径寸法と略等しくなるよう設定されている。従って、検出口130内に位置する検出用金属球127は、第1ケース基体134および第2ケース基体142で挟持されて、ケース体128内にガタつくことなく保持される。検出用金属球127がケース体128内に収容された状態では、検出用金属球127の中心が検出口130における開口方向の中央部と略一致するよう位置している。
【0058】
図22に示すように、右側の前記第2外壁部143の下部には、第2外壁部143の前縁部を切り欠いて第2配線用切欠部147が形成されている。この第2配線用切欠部147は、第1半体132および第2半体133を組み付けた状態で、第1配線用切欠部141に整合して、1つの配線用挿通孔148を画成する(図24(a)参照)。そして、この配線用挿通孔148には、前記ケース体128に収容された検出センサユニット126の配線126Xが挿通されて、該ケース体128の外部に引き出されるよう構成される。図15に示すように、不正検出装置125をセンサ設置部118に取り付けた状態では、ケース体128の下部側が設置凹部122を介して前記設置下板部121から下方に突出し、配線用挿通孔148がセンサ設置部118の外部に露出する。そして、配線用挿通孔148を介して引き出された検出センサユニット126の配線126Xは、前記第1中継基板70に接続される。
【0059】
図15に示すように、不正検出装置125がセンサ設置部118に取り付けられた状態では、不正検出装置125は、前記庇状収容部50の装置用空間50aの左方(図15では、右方)に位置する。従って、不正検出装置125は、遊技盤12の下部後方において、前記始動入賞装置35や特別入賞装置38に近接して位置することとなる(図4,図20参照)。また、センサ設置部118は、設置部材14の後側に設けられるから、不正検出装置125は、設置部材14で隠されて遊技盤12の前側から視認不能となる。しかも、前記検出センサユニット126は、上方から下方に向けて後方に傾斜した姿勢でケース体128内に収容されているから、図20に示すように、前記検出口130の開口方向が後方から前方に向けて下方傾斜する方向となる。すなわち、検出口130の開口方向を遊技盤12の前側下方へ向けて指向させることで、遊技盤12の前側下方にセットした電波発生器Eから放射される不正電波を捉え易くしている。また、不正検出装置125がセンサ設置部118に取り付けられた状態では、ケース体128の大部分が前記センサ設置空間117に収容されて、ケース体128の後部が設置部材14の後部から突出しないようになっている。なお、前記第3中継基板72が第3中継基板保持部69に取り付けられた状態では、前記センサ設置空間117が第3中継基板72により閉塞され、図7に示すように、不正検出装置125は、ケース体128の下部を残して第3中継基板72により覆われる。
【0060】
〔主制御装置の不正判定について〕
前述のように、前記主制御装置31は、正常時(発振非検出状態)には、不正検出装置125からローレベル信号が入力される(図27参照)。また、不正電波行為により検出ユニットが発振検出状態に状態変化されると、出力回路Hからハイレベル信号が入力される。そして、主制御装置31は、不正検出装置125からの信号がローレベル信号からハイレベル信号に切り換わったときに、不正電波行為が発生したと判定するようになっている(図27参照)。すなわち、検出用金属球127により発振非検出状態に維持されている筈の検出センサユニット126が発振検出状態に状態変化されると、主制御装置31は不正電波行為を検出する。
【0061】
ここで、不正行為者により検出センサユニット126から導出する配線126Xを切断されたり、検出センサユニット126から引き抜かれたりした場合(以下、断線行為という)、図27に示すように、出力回路Hから信号が出力されなくなる(すなわち、信号が0となる)。そこで、主制御装置31は、前記断線行為により、出力回路Hからの出力がなくなったときに、断線行為が発生したと判定するよう設定されている。また、不正行為者が検出ユニットから検出用金属球127を抜き取った場合(以下、球抜行為という)、発振回路Fは発振を再開して、前記検出センサユニット126が発振検出状態に維持される。このため、前記電波発生器Eからの電波を受けても発振回路Fの発振は継続されるから、図27に示すように、出力回路Hからハイレベル信号が出力され続ける。すなわち、電波を受けても出力回路Hから出力される信号が切り換わらなくなるから、不正電波行為を検出し得なくなってしまう。そこで、主制御装置31は、前記球抜行為により、出力回路Hからの出力がローレベル信号からハイレベル信号に切り換わったときに、球抜行為が発生したと判定するようになっている。なお、不正磁気行為については、前記第1,第2磁気センサ83,102から前記磁気検出信号が入力されたときに、主制御装置31が不正磁気行為の発生を判定する。
【0062】
〔不正判定時の制御構成について〕
次に、不正判定時における主制御装置31の制御構成について、以下説明する。前記主制御装置31は、前記断線行為および球抜行為を含む不正電波行為や不正磁気行為の発生を検出すると、これら不正行為の発生を報知する制御を行う。すなわち、主制御装置31は、前記統括制御装置19に制御信号を出力して前記液晶表示装置15やランプ装置18、スピーカ22に不正行為の発生を報知させる。ここで、図30に示すように、実施例に係るパチンコ機10では、不正電波行為(断線行為および球抜行為を含む)および不正磁気行為で、液晶表示装置15、ランプ装置18およびスピーカ22での作動態様が異なっている。従って、主制御装置31は、発生した不正行為に対応した制御信号を統括制御装置19に出力するよう構成される。具体的には、不正電波行為が発生した場合には、液晶表示装置15の表示部15aに不正電波行為発生の旨を表示させると共に、スピーカ22に不正電波行為発生の旨を音声出力させる。更に、前記ランプ装置18を第1の色(実施例では、緑色)で発光させて、不正電波行為の発生を報知させる。また、不正磁気行為が発生した場合には、液晶表示装置15の表示部15aに不正磁気行為発生の旨を表示させると共に、スピーカ22に不正磁気行為発生の旨を音声出力させる。更に、ランプ装置18を第2の色(実施例では、紫色)で発光させて、不正磁気行為の発生を報知する。
【0063】
図8に示すように、主制御装置31は、パチンコ機10の裏側に設けた外部端子板150を介して遊技場の管理室等に設置されたホールコンピュータ(報知手段)149に電気的に接続されている。そして、前記不正電波行為および不正磁気行為を検出すると、主制御装置31は、ホールコンピュータ149に対してセキュリティー信号を出力するよう設定されている。実施例では、不正電波行為および不正磁気行為の何れの場合も、同一のセキュリティー信号が出力されるようになっている。前記ホールコンピュータ149では、セキュリティー信号が入力されると、不正行為の発生を該ホールコンピュータ149の図示しないディスプレイ等に表示させて、管理者等に不正行為の発生を報知させるようになっている。ここで、何れの不正行為が発生しても、同一のセキュリティー信号がホールコンピュータ149に入力されるので、前記ディスプレイでの表示内容は同一となる。但し、液晶表示装置15やランプ装置18、スピーカ22における作動態様は、不正電波行為および不正磁気行為で異なっていることから、何れの不正行為が発生したかを判別することは可能である。
【0064】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例の作用について、以下説明する。
【0065】
〔第1,第2不正防止部材について〕
先ず始めに、第1,第2不正防止部材84,103の作用について説明する。第1,第2球通路固定部51,52に、前記第1,第2球通路部材53,54を取り付ける場合に、第1突出面部57の固定ボス57a,57aに第1球通路部材53のボス受け部53a,53aをネジ止めすると共に、第2突出面部58の固定ボス58a,58aに第2球通路部材54のボス受け部54a,54aをネジ止めする。これにより、図5に示すように、第1,第2球通路部材53,54が、第1,第2球通路固定部51,52に取り付けられる。このとき、図10に示すように、第1球通路部材53の第1センサ取付部61に設置した第1普通球検出センサ63が、前記第1突出面部57の第1センサ挿通孔62を介して第1収容空間55における上段部79の上方に臨む。同様に、図11に示すように、第2球通路部材54の第2センサ取付部64に設置した第2普通球検出センサ66は、前記第2突出面部58の第2センサ挿通孔65を介して第2収容空間56に臨む。ここで、第1,第2球通路固定部51,52は、設置部材14の対向面部42から前方に突出するよう形成されているから、図5に示すように、第1,第2球通路部材53,54は、設置部材14の開口前端側に臨んだ状態となる。また、第1,第2球通路部材53,54を固定する固定ボス57a,57a,58a,58aは、前記対向面部42より前方に位置する第1,第2突出面部57,58に設けられている。このため、固定ボス57a,57a,58a,58aを対向面部42に直接設けた場合に較べ、第1,第2突出面部57,58が前方に突出する分だけ固定ボス57a,57a,58a,58aの前後寸法を短くし得る。従って、固定ボス57a,57a,58a,58aの強度が向上して、第1,第2球通路部材53,54を安定して設置部材14に取り付けることができる。
【0066】
次に、第1,第2収容空間55,56に、第1,第2磁気センサ83,102を夫々取り付ける。すなわち、前記第1開口部73を介して第1磁気センサ83を第1収容空間55に挿入し、第1センサ保持部82の保持体82aに第1磁気センサ83を差し込む。そして、第1センサ保持部82の保持フック82bが第1磁気センサ83に係止することで、第1磁気センサ83が第1センサ保持部82に取り付けられる(図12(a)参照)。同様に、前記第2開口部93を介して第2磁気センサ102を第2収容空間56に挿入し、第2センサ保持部101の保持体101aに第2磁気センサ102を差し込む。そして、第2センサ保持部101の保持フック101bが第2磁気センサ102に係止することで、第2磁気センサ102が第2センサ保持部101に取り付けられる(図12(b)参照)。このとき、第1,第2収容空間55,56は、前方から後方に向けて拡開しているから、第1,第2磁気センサ83,102を第1,第2センサ保持部82,101に容易に取り付けることができる。
【0067】
次に、第1収容空間55に第1不正防止部材84を配設する際には、第1側壁部86の前側を第1開口部73に挿入し、第1不正防止部材84を第1収容空間55に押し込める。このとき、図10に示すように、第1収容空間55の第1内側面78は、前方から後方へかけて拡開するよう形成されているから、第1開口部73の開口寸法を前側(第1突出面部57)より大きくし得る。従って、第1不正防止部材84を第1収容空間55に容易に挿入することができ、作業性を向上し得る。
【0068】
第1不正防止部材84を更に挿入して、図10に示すように、第1側壁部86の前端が前記第1収容空間55内部の連結壁81に当接すると、第1不正防止部材84が第1収容空間55に完全に差し込まれる。このとき、各第1側壁部86の第1突部91が対応の第1内側面78に当接して、前記第1押圧部89が弾性変形した状態となる。すなわち、第1押圧部89の弾性力により第1突部91が第1側壁部86を押圧し、第1不正防止部材84が第1収容空間55に所定の係止力で配設される。これにより、第1不正防止部材84が第1収容空間55からすり抜けたり、僅かな衝撃で脱落したりするのを防止し得る。しかも、第1押圧部89により第1不正防止部材84が第1収容空間55内で保持されるから、該第1不正防止部材84を固定部材等で固定する必要がなく、第1不正防止部材84の取り付けが容易となる。また、第1不正防止部材84は、後方から前方にかけて第1側壁部86が拡開する形状とされて、第1収容空間55の構成とは反対の関係となっている。従って、第1側壁部86の前側にある第1突部91が第1内側面78に確実に当接して、第1不正防止部材84を第1収容空間55にしっかりと保持することができる。
【0069】
図10に示すように、第1不正防止部材84を第1収容空間55に挿入した際に、第1逃げ部92に第1磁気センサ83および第1センサ保持部82が臨むから、第1上側壁部86aが第1磁気センサ83、第1センサ保持部82に干渉するのは防止される。第1磁気センサ83から導出する配線83Xは、図14に示すように、第1基部85の第1配線口87を介して第1収容空間55の後方に引き出される。そして、第1収容空間55から引き出された第1磁気センサ83の配線83Xは、第1中継基板保持部67の第1配線通孔77を左方へ引き回される。
【0070】
ここで、図14に示すように、第1不正防止部材84が第1収容空間55に配設された状態では、第1基部85が第1開口部73と略同一面上に位置して、該第1基部85が第1開口部73を塞いだ状態となる。更に、図10,図16に示すように、第1側壁部86が対応の第1内側面78に対向し、第1収容空間55における後側(下段部80側)の空間が第1不正防止部材84で埋められる。すなわち、第1不正防止部材84は、第1内側面78との間に僅かな隙間しか残らない程度に第1収容空間55に嵌まり込むから、該第1不正防止部材84と第1内側面78との間に不正部品Aを設置するのは不能とされる。また、第1不正防止部材84の内部空間は、第1仕切壁88により第1小空間Bに分割されているから、第1不正防止部材84の内部空間に不正部品Aが設置されることもない。更に、前記第1逃げ部92を設けることで、第1収容空間55の前側の空間を第1不正防止部材84で略隙間なく埋めることができるので、不正部品Aの設置をより効果的に防止し得る。なお、図10に示すように、第1収容空間55の前側(上段部79側)の空間には、第1普通球検出センサ63が収容されるから、該センサ63の存在により第1収容空間55の前側への不正部品Aの設置も不能とされる。
【0071】
また、第1収容空間55に第1不正防止部材84を配設することで、第1球通路部材53の固定部としての第1球通路固定部51の強度を向上することができ、第1球通路部材53を安定して固定することができる。更に、第1不正防止部材84により第1収容空間55内が埋められることで、該第1収容空間55内に塵埃等が溜まり難くなり、前記第1普通球検出センサ63や第1磁気センサ83に不具合等が生じるのを回避し得る。
【0072】
第2不正防止部材103を前記第2収容空間56に配設する場合には、第2側壁部105の前側を第2開口部93に挿入し、第2不正防止部材103を第2収容空間56に押し込める。図11に示すように、第2収容空間56においても、第2内側面99は、前方から後方へかけて拡開するよう形成されているから、第2開口部93の開口寸法を大きくとることができ、第2不正防止部材103を第2収容空間56に容易に挿入することができる。また、第2不正防止部材103を挿入する際、第2収容空間56の第2上内側面99aに設けた延出部100に第2不正防止部材103の第2上側壁部105aが摺動すると共に、第2収容空間56の第2下内側面99bに設けた延出部100に第2不正防止部材103の第2下側壁部105bが摺動する。このとき、図11に示す如く、延出部100,100の端縁部100a,100aは、前後方向に互いに平行に延在しているから、第2上内側面99aおよび第2下内側面99bが延出部100,100に案内されて、第2不正防止部材103をスムーズに第2収容空間56に挿入することができる。
【0073】
第2不正防止部材103の第2側壁部105が第2突出面部58に当接すると、第2不正防止部材103が第2収容空間56に完全に挿入される。このとき、図18に示すように、各第2側壁部105の第2突部110が対応の第2内側面99に当接して、各第2押圧部108が弾性変形した状態となるから、第2不正防止部材103が第2収容空間56に所定の係止力で配設される。従って、第2不正防止部材103が第2収容空間56から簡単に抜け落ちたりするのを防止し得る。また、他の固定手段等で第2不正防止部材103を固定する必要がないから、第2不正防止部材103の取り付けが容易となる。しかも、第2不正防止部材103は、後方から前方に向けて拡開しているから、第2突部110が第2内側面99に確実に当接して、第2不正防止部材103が第2収容空間56にしっかりと保持される。
【0074】
図18に示すように、第2不正防止部材103を第2収容空間56に挿入した際に、前記第2逃げ部111に第2磁気センサ102および第2センサ保持部101が臨むから、第2上側壁部105aおよび第2左側壁部105cが第2磁気センサ102および第2センサ保持部101に干渉することはない。第2磁気センサ102から導出する配線102Xは、前記第2配線口106を介して第2収容空間56の後方に引き出され、前記第2中継基板保持部68の第2配線通孔98から上方へ引き出される(図14参照)。なお、図11に示すように、第2不正防止部材103が第2収容空間56に挿入されると、前記第2普通球検出センサ66の後部が、第2不正防止部材103の第2小空間Cに収容される。
【0075】
図14に示すように、第2不正防止部材103が第2収容空間56に配設された状態では、第2基部104が第2開口部93を塞ぐと共に、第2側壁部105が対応の第2内側面99に対向して、第2収容空間56は第2不正防止部材103で埋められる。すなわち、第2不正防止部材103は、第2内側面99との間に僅かな隙間しか残らない程度に第2収容空間56に嵌まり込むから、該第2不正防止部材103と第2内側面99との間に不正部品Aを設置するのは不能とされる。また、第2不正防止部材103の内部空間は、第2仕切壁107により不正部品Aの設置が不能となる大きさの第2小空間Cに分割されているから、該第2不正防止部材103の内部空間に不正部品Aが設置されることもない。しかも、前記第2逃げ部111を設けることで、第2収容空間56内を第2不正防止部材103で略隙間なく埋めることができるから、不正部品Aの設置をより効果的に防止することができる。
【0076】
なお、第2収容空間56に第2不正防止部材103を配設することで、第2球通路固定部52の強度が向上されて、第2球通路部材54を安定的に固定し得る利点がある。また、第2不正防止部材103により第2収容空間56内を埋めることで、該第2収容空間56内に塵埃等が溜まり難くなり、前記第2普通球検出センサ66や第2磁気センサ102に不具合等が生じるのを抑制し得る。
【0077】
なお、第1,第2押圧部89,108は、第1,第2突部91,110が第1,第2内側面78,99に単に当接するだけだから、第1,第2不正防止部材84,103を後方へ引き抜くだけで容易に第1,第2収容空間55,56から取り外すことができる。また、第2不正防止部材103については、第2収容空間56から引き抜く際に前記延出部100,100によって第2上側壁部105aおよび第2下側壁部105bが案内されるから、第2不正防止部材103をスムーズに第2収容空間56から取り外すことができる。
【0078】
第1〜第3中継基板70,71,72を第1〜第3中継基板保持部67,68,69に夫々取り付けると、図15に示すように、第1,第2収容空間55,56は、第1,第2中継基板70,71に夫々後方から閉塞されて、設置部材14の後方から視認不能となる。しかるに、第1,第2収容空間55,56は、第1,第2不正防止部材84,103により埋められているから、当該空間55,56に不正部品Aが設置されることはなく、長期に亘って不正行為が継続する事態を阻止し得る。図15に示すように、前記第1配線通孔77から引き出された第1磁気センサ83の配線83Xは、第1中継基板70に接続される。すなわち、第1磁気センサ83の配線83Xについては、第1収容空間55の真後ろに位置する第1中継基板70に接続する構成としたので、該配線83Xを引き回す距離が短くなって、配線作業を簡単にし得る。前記第2配線通孔98から引き出された第2磁気センサ102の配線102Xは、設置部材14における図15の右方へ引き回されて、前記第1中継基板70に接続される。
【0079】
〔不正検出装置について〕
次に、不正検出装置125の作用について説明する。先ず始めに、不正検出装置125を組み付ける際には、第1半体132に検出センサユニット126をセットし、前記検出口130内に検出用金属球127を挿入する。そして、第2半体133の弾性係止片144,144を対応する案内リブ139,139の間に差し込み、ケース係止部145,145を係止段部140,140に係止させることで、第1半体132および第2半体133が組み付けられる。このように、ケース体128は、弾性係止片144,144のケース係止部145,145を係止段部140,140に係止させるだけで、容易に組み付けることができ、ネジ等の固定手段を用いる必要がない。しかも、不正検出装置125は、ケース体128内に検出センサユニット126および検出用金属球127が収容されて、1つのユニットとして扱うことができるので、不正検出装置125の取り扱いが容易となる。
【0080】
図24(a)に示すように、第1半体132および第2半体133を組み付けると、検出センサユニット126が第1規制部138および第2規制部146により挟持されて、検出センサユニット126は、第1ケース基体134および第2ケース基体142と平行な姿勢に保持される。これにより、検出センサユニット126は、第1ケース基体134および第2ケース基体142の離間方向の略中央位置でガタつくことなく保持される。更に、検出口130内にセットした検出用金属球127に対して、第1ケース基体134および第2ケース基体142が当接するから、該検出用金属球127は、検出口130内の開口方向の略中央位置に保持される。すなわち、検出用金属球127を検出コイル131の誘導磁界内に正確に位置させることができ、検出センサユニット126を発振非検出状態に確実に維持させることが可能となる。
【0081】
第1半体132および第2半体133を組み付けるだけで、検出センサユニット126および検出用金属球127の適切な位置関係が規定されるから、両者の位置関係を確保するための慎重な作業を要することなく、組み付け作業を極めて効率的にすることができる。また、検出センサユニット126および検出用金属球127を適切な位置関係で保持するための複雑な構造を要しないから、コストを低廉にし得る。しかも、球体の検出用金属球127を採用することで、該検出用金属球127の姿勢を考慮することなく検出口130内に位置させればよく、検出用金属球127の組み付けが簡単となる。このように、実施例では、検出センサユニット126として、既存の検出センサDと同一のものを採用し、検出用金属球127としてのパチンコ球により検出センサユニット126を発振非検出状態に維持する構成とした。従って、検出センサユニット126や検出用金属球127を新たに開発、製造する必要がなく、コストを低廉にし得る。
【0082】
次に、センサ設置部118に不正検出装置125を取り付ける。すなわち、設置凹部122にケース体128の下部側を臨ませると共に、不正検出装置125をセンサ設置空間117に挿入して、ケース体128のケース体ボス受け137,137を、センサ設置部118のセンサ用ボス120,120の後端部に整合させる。そして、センサ用ボス120,120にネジを螺挿することで、不正検出装置125がセンサ設置部118に取り付けられる。このとき、図15に示すように、不正検出装置125の下部側が、設置凹部122を介してセンサ設置空間117から下方に突出し、ケース体128の配線用挿通孔148がセンサ設置空間117の外部に臨む。この状態で、配線用挿通孔148から引き出された検出センサユニット126の配線126Xを、第1中継基板70に接続する。このように、不正検出装置125を設置部材14の後側に設けたので、第1中継基板70に容易に配線125Xを接続することができ、配線作業を効率的に行い得る。また、図20に示すように、不正検出装置125の大部分は、センサ設置空間117に収容されて、ケース体128の後部が設置部材14の後側で嵩張らないようになっている。すなわち、不正検出装置125が設置部材14の後部から突出して、該不正検出装置125が邪魔になるのを防止し得る。
【0083】
不正検出装置125がセンサ設置部118に取り付けられると、該不正検出装置125は、遊技盤12の下部後方において、前記始動入賞装置35や特別入賞装置38に近接して位置することとなる(図4,図20参照)。そして、ケース体128が上方から下方に向けて後方に傾斜した姿勢となるから、検出センサユニット126の検出口130の開口方向は、後方から前方に向けて下方傾斜した方向となる。従って、図20に示す如く、遊技盤12の前側下方から前記始動入賞装置35や特別入賞装置38に向けて放射された電波を捉え易くして、不正電波行為を確実に検出することが可能となる。しかも、不正検出装置125は、設置部材14で隠されて遊技盤12の前側から視認不能となるから、不正行為者に不正対策が施されていることを覚知されるのを回避し得る。また、不正検出装置125の設置箇所が判別し得ないから、該不正検出装置125の検出範囲を避けるように電波を放射させて、不正電波行為の検出を免れるような行為を抑制することができる。
【0084】
〔不正行為時の作用について〕
次に、不正電波行為が行われた場合の作用について、説明する。なお、不正検出装置125は、不正電波行為が行われていない正常時では、前記検出用金属球127により検出センサユニット126が発振非検出状態に維持されて、出力回路Hからローレベル信号が出力されている。従って、図27示すように、正常時においては、主制御装置31にローレベル信号が入力され続ける。不正電波行為が発生すると、図28に示すように、電波により発信検出回路Gが断続的な発振を誤検出して、出力回路Hは、ローレベル信号およびハイレベル信号を交互に繰り返し出力する。そして、主制御装置31は、出力回路Hからの信号がローレベル信号からハイレベル信号に切り換わったときに、不正電波行為が発生したと判定する。すなわち、実施例の不正検出装置125によれば、電波により検出センサユニット126が発振非検出状態から発振検出状態に変化するので、簡単な構造により不正電波行為を極めて容易に検出し得る。そして、実施例では、出力回路Hからの出力がローレベル信号からハイレベル信号に切り換わったことで、主制御装置31が不正電波行為の発生を判定するので、極めて簡単な制御で不正電波行為を検出することができる。従って、主制御装置31での制御負担を少なくすることができ、誤判定が生ずる可能性も少なくなる。また、検出センサユニット126に電波を検出するための回路等を別途形成することなく、既存の検出センサDと同じものを検出センサユニット126として採用し得るから、不正検出装置125の製造コストを抑制することができる。
【0085】
不正電波行為の発生を判定すると、主制御装置31は、統括制御装置19に制御信号を出力して、液晶表示装置15、ランプ装置18およびスピーカ22に不正電波行為の発生を報知させる。すなわち、図30に示すように、液晶表示装置15は、表示部15aに不正電波行為発生の旨を表示させると共に、スピーカ22が不正電波行為発生の旨を音声出力する。更に、前記ランプ装置18が第1の色で発光体を発光させて、不正電波行為の発生を遊技場の従業員等に報知させる。このように、不正電波行為が発生すると、直ちに当該不正の発生を液晶表示装置15等が報知するから、当該不正を遊技場内の従業員等に速やかに知らせることができる。しかも、液晶表示装置15やスピーカ22等には、不正電波行為の発生の旨が報知されると共に、ランプ装置18が不正電波行為に対応した第1の色で発光するから、従業員等は、何れの不正行為が発生したかについても容易に判別することができ、迅速に対応することができる。
【0086】
更に、主制御装置31は、外部端子板150を介してホールコンピュータ149にセキュリティー信号を出力する。セキュリティー信号を受けたホールコンピュータ149は、ディスプレイに何らかの不正行為が発生した旨を表示させて、管理室の管理者等に報知させる。このように、不正電波行為の発生が判定されると、パチンコ機10だけでなく、ホールコンピュータ149にも報知されるので、仮に遊技場の従業員等が不正の発生に気付かなかったとしても、管理室の管理者等に不正の発生を知らせることができる。なお、ホールコンピュータ149には、同一のセキュリティー信号が入力されるから、前記ディスプレイでの表示内容は何れの不正行為(不正電波行為または不正磁気行為)が生じた場合でも同一となる。しかるに、前述のように、液晶表示装置15やランプ装置18、スピーカ22において不正電波行為である旨が報知されるから、従業員等は、不正電波行為が発生したことを認識することができる。
【0087】
次に、前記断線行為が行われた場合には、図27に示すように、出力回路Hから主制御装置31に信号が入力されなくなる。出力回路Hからの入力がなくなると、主制御装置31は、断線行為が発生したと判定して、前述した不正電波行為の場合と同じ対応を行う。すなわち、液晶表示装置15の表示部15aに不正電波行為発生の旨が表示されると共に、スピーカ22が不正電波行為発生の旨を音声出力する。また、前記ランプ装置18を第1の色で発光させて、不正電波行為の発生を遊技場の従業員等に報知させる。更に、主制御装置31は、ホールコンピュータ149にセキュリティー信号を出力して、ホールコンピュータ149のディスプレイに何らかの不正行為が発生した旨を表示させる。このように、実施例では、断線行為が行われた場合にも、当該行為を検出し得るので、検出センサユニット126の配線126Xを切断して、不正検出装置125が無効化されるのを防止し得る。
【0088】
また、前記球抜行為が行われた場合には、検出用金属球127が検出口130から取り外されることで、前記発振回路Fが発振を開始する。従って、発振検出回路Gが発振を検出して、検出センサユニット126が発振検出状態に状態変化する。これにより、図27に示すように、出力回路Hの出力信号はローレベル信号からハイレベル信号に切り換わる。そこで、主制御装置31は、出力回路Hから入力される信号がローレベル信号からハイレベル信号に切り換わったときに、球抜行為が発生したと判定して、前述した不正電波行為の場合と同じ対応を行って、不正の発生を報知する。このように、実施例では、球抜行為が行われた場合においても、当該不正行為を検出し得るので、検出用金属球127を検出口130から取り外して、不正検出装置125が無効化されるのを防止することができる。
【0089】
なお、不正磁気行為が行われた場合には、磁石等の磁気を第1磁気センサ83または第2磁気センサ102が検出して、検出信号を主制御装置31に出力する。第1磁気センサ83または第2磁気センサ102から検出信号が入力されると、主制御装置31は、不正磁気行為が発生したと判定して、当該不正行為を液晶表示装置15等に報知させる。すなわち、主制御装置31は、統括制御装置19に制御信号を出力して、液晶表示装置15、ランプ装置18およびスピーカ22に不正電波行為の発生を報知させる。具体的には、図30に示すように、液晶表示装置15の表示部15aに不正磁気行為発生の旨を表示させると共に、スピーカ22に不正磁気行為発生の旨を音声出力させる。更に、前記ランプ装置18が第2の色で発光体を発光させて、不正磁気行為の発生を遊技場の従業員等に報知させる。このように、不正磁気行為が発生した場合にも、当該不正行為の発生を直ちに従業員等に報知することができる。しかも、液晶表示装置15やスピーカ22等の出力内容やランプ装置18の発光色から不正磁気行為が発生したのを判別し得るから、従業員等は、当該不正磁気行為に素早く対応することができる。なお、主制御装置31は、不正磁気行為が発生した場合にも、セキュリティー信号をホールコンピュータ149に出力する。従って、ホールコンピュータ149のディスプレイに何らかの不正行為が発生した旨が表示されて、管理室の管理者等は、不正行為の発生を知ることができる。
【0090】
〔変更例〕
なお、前述した実施例は、以下に示す通り、種々の変更が可能である。
(1)実施例では、主制御装置は、外部端子板を介して前記ホールコンピュータに電気的に接続する構成とした。そして、主制御装置からのセキュリティー信号は、外部端子板を介してホールコンピュータに入力されるようになっていた(図8参照)。しかしながら、例えば、図31に示すように、外部端子板151を払出制御装置29に接続して、主制御装置31が、第3中継基板72、払出制御装置29、外部端子板151を介してホールコンピュータ149に電気的に接続する構成としてもよい。この場合、主制御装置31から出力されたセキュリティー信号は、第3中継基板72→払出制御装置29→外部端子板151を経てホールコンピュータ149に入力される。
(2)実施例では、何れの不正行為が発生した場合も、主制御装置が同一のセキュリティー信号を出力する構成とした。しかしながら、主制御装置が出力するセキュリティー信号を不正行為毎に変更して、ホールコンピュータでの表示内容が不正行為毎に異なるようにしてもよい。このように、不正行為の種類に応じたセキュリティー信号を出力すれば、ホールコンピュータにおいて、不正電波行為または不正磁気行為の何れが発生したかを管理者等が簡単に判別することができる。
(3)実施例では、断線行為や球抜行為が発生した場合にも、不正電波行為の発生時と同じように液晶表示装置等に報知させる構成とした。しかしながら、断線行為や球抜行為が生じた場合に、夫々異なる態様で報知させるようにしてもよい。例えば、断線行為が発生した場合には、液晶表示装置やスピーカに断線行為が発生した旨を報知させると共に、ランプ装置を第3の色(例えば赤色)で発光させる。また、球抜行為が発生した場合には、液晶表示装置やスピーカに球抜行為が発生した旨を表示させると共に、ランプ装置を第4の色(例えば白色)で発光させる等して、断線行為や球抜行為についても夫々判別し得るようにしてもよい。
(4)実施例では、発振検出状態で出力回路がハイレベル信号を出力し、発振非検出状態で出力回路がローレベル信号を出力する構成とし、ハイレベル信号が出力されたときに主制御装置が不正電波行為の発生を判定する構成とした。しかしながら、出力回路が出力する信号としては、発振検出状態および発振非検出状態に対応した2種類の信号であれば、如何なる信号であってもよい。例えば、実施例とは反対に、発振検出状態でローレベル信号を出力し、発振非検出状態でハイレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、ローレベル信号が入力されたときに、主制御装置は不正電波行為が発生したと判定する。
(5)実施例では、検出センサユニット(状態維持手段)が電波により発振非検出状態(第2状態)から発振検出状態(第1状態)に状態変化される構成とした。しかしながら、磁気により状態変化手段が第2状態から第1状態に変化される構成として、磁気によって、例えば上部始動球検出センサや下部始動球検出センサ、特別球検出センサ等を誤作動させる行為を検出し得るようにしてもよい。
(6)実施例では、状態維持手段としてパチンコ球である検出用金属球を採用したが、状態維持手段としては、発振回路の発振を停止または減衰させ得る磁性体であれば、如何なるものであってもよい。例えば、角柱状や円柱状の金属体を状態維持手段として採用し得る。
(7)実施例では、不正検出装置を、設置部材に設けたが、遊技盤の裏側に設けてもよい。また、複数の不正検出装置を遊技機に設置してもよい。
(8)実施例では、収容空間を左右に2つ設けたが、収容空間を1つとしたり、3つ以上設けてもよい。
(9)実施例では、不正防止部材は、前方に開放する箱状としたが、前側を閉じた構成としてもよい。また、不正防止部材の内部を中実としてもよい。
(10)実施例では、仕切壁により不正防止部材の内部を分割したが、例えば、不正防止部材の内部に突起状の仕切部材を複数設けて、不正防止部材の内部空間を分割してもよい。
(11)実施例では、固定部としての球通路固定部材に収容空間を形成したが、例えば、演出装置を設置するための固定部の後側に収容空間を画成する構成としてもよい。
(12)実施例では、挿通孔(第1配線口,第2配線口)を介して、センサ(第1,第2磁気センサ)の配線を挿通する構成としたが、挿通孔を介してセンサをセンサ保持部に着脱する構成としてもよい。この場合、不正防止部材を空間から取り外すことなくセンサをセンサ保持部に着脱し得るので、作業を効率的にし得る。
(13)実施例では、上下左右の枠部材を組み付けて中枠を構成したが、中枠を一体物で構成してもよい。
【符号の説明】
【0091】
126 検出センサユニット(状態変化手段)
127 検出用金属球(状態維持手段、磁性体、金属球)
128 ケース体
130 検出口
131 検出コイル
132 第1半体
133 第2半体
134 第1ケース基体(ケース基体)
135 第1外壁部(壁部)
138 第1規制壁(規制部)
142 第2ケース基体(ケース基体)
143 第2外壁部(壁部)
146 第2規制部(規制部)
F 発振回路
G 発振検出回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出コイル、発振回路および発振検出回路を備え、発振回路の発振を発振検出回路が検出した第1状態と、該発振回路の発振の停止または減衰を発振検出回路が検出した第2状態とに状態変化するよう構成されると共に、電磁波により第2状態から第1状態に状態変化される状態変化手段と、
磁性体から構成され、前記発振回路の発振を停止または減衰させて前記状態変化手段を第2状態に維持する状態維持手段と、
前記検出コイル内に前記状態維持手段が位置するよう前記状態変化手段および状態維持手段を保持するケース体とを備えた
ことを特徴とする遊技機における不正検出装置。
【請求項2】
前記状態変化手段は、前記検出コイル、発振回路および発振検出回路を備えた検出センサユニットであって、該検出センサユニットは、該検出コイルが設けられた検出口を備え、
前記状態維持手段は、金属球であり、
前記ケース体は、前記検出口の開口方向に対向する第1半体および第2半体からなり、該第1半体および第2半体は、夫々、ケース基体の周縁部から壁部が互いに対向する方向へ向けて突出した箱状に形成されて、第1半体および第2半体の間に前記検出センサユニットおよび金属球を収容するよう構成され、前記第1半体および第2半体のケース基体は、金属球の直径寸法だけ離間して該金属球を挟持している請求項1記載の遊技機における不正検出装置。
【請求項3】
前記第1および第2半体のケース基体には、前記検出センサユニットに当接して該検出センサユニットを位置規制する規制部が夫々形成されている請求項2記載の遊技機における不正検出装置。
【請求項1】
検出コイル、発振回路および発振検出回路を備え、発振回路の発振を発振検出回路が検出した第1状態と、該発振回路の発振の停止または減衰を発振検出回路が検出した第2状態とに状態変化するよう構成されると共に、電磁波により第2状態から第1状態に状態変化される状態変化手段と、
磁性体から構成され、前記発振回路の発振を停止または減衰させて前記状態変化手段を第2状態に維持する状態維持手段と、
前記検出コイル内に前記状態維持手段が位置するよう前記状態変化手段および状態維持手段を保持するケース体とを備えた
ことを特徴とする遊技機における不正検出装置。
【請求項2】
前記状態変化手段は、前記検出コイル、発振回路および発振検出回路を備えた検出センサユニットであって、該検出センサユニットは、該検出コイルが設けられた検出口を備え、
前記状態維持手段は、金属球であり、
前記ケース体は、前記検出口の開口方向に対向する第1半体および第2半体からなり、該第1半体および第2半体は、夫々、ケース基体の周縁部から壁部が互いに対向する方向へ向けて突出した箱状に形成されて、第1半体および第2半体の間に前記検出センサユニットおよび金属球を収容するよう構成され、前記第1半体および第2半体のケース基体は、金属球の直径寸法だけ離間して該金属球を挟持している請求項1記載の遊技機における不正検出装置。
【請求項3】
前記第1および第2半体のケース基体には、前記検出センサユニットに当接して該検出センサユニットを位置規制する規制部が夫々形成されている請求項2記載の遊技機における不正検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2012−210280(P2012−210280A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76857(P2011−76857)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
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