説明

遊技機のメダル補給装置

【課題】複数の設置島が設置されるとともに互いが電気的に接続されて電気信号の送受信によるメダルの不足情報の交換を行わせ得るものにおいて、メダルの不足情報に関わらず必要に応じて、貯留タンク内のメダルを隣接する他の設置島に搬送することができる遊技機のメダル補給装置を提供する。
【解決手段】設置島と他の設置島との間で延設された渡り手段28を具備した遊技機のメダル補給装置であって、補給制御手段24は、メダル選別手段5で選別され貯留タンクに貯留された小径メダル又は大径メダルを任意選択的にメダル供給搬送手段1を介して渡り手段28に搬送させ得るとともに、任意操作により、メダルの不足情報に関わらず貯留タンク内のメダルを当該渡り手段28を介して隣接する他の設置島に搬送可能とされたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置島に設置された複数の遊技機のそれぞれに対してメダルを供給及び回収可能な遊技機のメダル補給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技場に設置される設置島には、通常、スロットマシンやコインゲーム機などメダルを投入して遊技するものが並列に設置されたものがある。このようなメダルを使用する遊技機は、遊技の過程において、多数のメダルが供給されるとともに、多数のメダルが排出されるため、当該メダルをそれぞれの遊技機に対して自動的に供給及び回収させるべく、従来より、各設置島において、メダル補給装置が配設されている(特許文献1参照)。
【0003】
かかる従来のメダル補給装置は、設置島の上部において長手方向に配設され、メダルを搬送しつつ各遊技機にメダルを供給するためのメダル供給搬送手段と、設置島の下部において長手方向に設置され、各遊技機から排出されたメダルを回収しつつ搬送するメダル回収搬送手段と、メダル回収搬送手段で搬送されたメダルを収容するとともに、その回収したメダルを揚送リフトにて揚送し、メダル供給手段にメダルを補給するメダル補給手段とを具備していた。
【0004】
また、一つの設置島と隣接する他の設置島との間には、通常、搬送手段から成る渡り手段が延設されており、一の設置島から他の設置島に対してメダルを搬送して供給可能とせるとともに、反対に他の設置島から一の設置島に対してメダルを搬送して供給可能とされている。かかる渡り手段は、メダル補給手段から上方に延びる分配タワー内のリフタと連結されており、当該リフタを介して所望方向の渡り手段にメダルが供給されるようになっていた。
【0005】
然るに、本出願人は、遊技場において、一の設置島と隣接する設置島が複数設置されるとともに、当該設置島同士をLAN(ローカルエリアネットワーク:構内通信網)により電気的に接続して電気信号の送受信によるメダルの不足情報の交換を行わせ得るものを検討するに至った。かかるLANによってメダルの不足情報の交換を行わせることにより、渡り手段を介してメダルの供給をスムーズに行わせることが可能であると考えた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−349009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の如きメダル補給装置においては、以下の問題があった。
遊技機で使用されるメダルは、一般に、直径が25mmのもの(小径メダル)と30mmのもの(大径メダル)とが広く普及しており、遊技機の種類によって使用されるメダルの種類(小径メダル又は大径メダル)が異なっているのが実情である。然るに、従来のメダル補給装置は、同一径のメダルを自動的に供給、回収及び補給することは可能であるものの、異なる径のメダルを供給等することができず、1つの設置島には、小径メダル又は大径メダルの何れか一方を使用する遊技機しか設置できない。
【0008】
一方、小径メダルを使用する遊技機が設置された設置島と大径メダルを使用する遊技機が設置された設置島とを隣接させて一つの設置島の如く配設することにより、小径メダル及び大径メダルの何れを使用する遊技機も設置可能とすることが可能と思われるが、その場合、メダルの洗浄手段や揚送手段などの付随構成要素をそれぞれに配設しなければならず、コストが嵩んでしまうとともに、大幅な改修作業が必要となってしまうという不具合があった。
【0009】
そこで、本出願人は、かかる不具合を解消すべく、小径メダルと大径メダルとを選別可能なメダル選別手段をメダル補給手段に具備させることを検討するに至った。しかしながら、設置島に設置する遊技機の機種を種々変更する場合など、小径メダル又は大径メダルを貯留する貯留タンク内を空にする必要が生じたとき、これをメダルの不足情報として隣接する他の設置島にメダルの不足信号が送信されてしまい、当該他の設置島から不用意にメダルが供給されてしまう虞があった。尚、メンテナンス時などにおいて、貯留タンク内のメダルを極めて少量としたい場合でも、上記したような他の設置島からの不用意なメダルの供給がなされてしまう虞がある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、複数の設置島が設置されるとともに互いが電気的に接続されて電気信号の送受信によるメダルの不足情報の交換を行わせ得るものにおいて、メダルの不足情報に関わらず必要に応じて、貯留タンク内のメダルを隣接する他の設置島に搬送することができる遊技機のメダル補給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明は、複数の遊技機が設置される設置島に延設され、それぞれの遊技機に対してメダルを搬送して供給するメダル供給搬送手段と、前記設置島に延設され、それぞれの遊技機から排出されたメダルを回収して搬送するメダル回収搬送手段と、前記メダル回収搬送手段で回収されたメダルを収容するとともに、前記メダル供給搬送手段にメダルを補給するメダル補給手段と、前記メダル補給手段に配設され、前記メダル回収搬送手段で回収されたメダルを小径メダルと大径メダルとに選別するメダル選別手段と、前記メダル補給手段に配設され、前記メダル選別手段で選別されたメダルを貯留可能な貯留タンクと、前記メダル補給手段に配設され、メダルの不足情報の交換が可能な補給制御手段と、前記設置島と他の設置島との間で延設された搬送手段から成り、前記補給制御手段で得られたメダルの不足情報に応じて、当該他の設置島までメダルを搬送して供給可能とされるとともに、当該他の設置島からメダルを搬送して供給可能とされた渡り手段とを具備するとともに、前記設置島には、互いに異なる外径の大径メダル及び小径メダルが使用される遊技機が設置可能とされた遊技機のメダル補給装置であって、前記補給制御手段は、前記メダル選別手段で選別され前記貯留タンクに貯留された前記小径メダル又は大径メダルを任意選択的に前記メダル供給搬送手段を介して前記渡り手段に搬送させ得るとともに、任意操作により、メダルの不足情報に関わらず前記貯留タンク内のメダルを当該渡り手段を介して隣接する他の設置島に搬送可能とされたことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の遊技機のメダル補給装置において、前記任意操作により、前記貯留タンクで貯留したメダルを全て搬送させて当該貯留タンク内を空とすることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の遊技機のメダル補給装置において、前記貯留タンクは、前記メダル選別手段で選別された前記小径メダル又は大径メダルの一方を貯留する第1貯留タンク、及び前記メダル選別手段で選別された前記小径メダル又は大径メダルの他方を貯留する第2貯留タンクを有して成るとともに、前記任意操作により、前記第1貯留タンク又は第2貯留タンクの何れか一方のメダルを選択的に前記渡り手段を介して隣接する他の設置島に搬送させ得ることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1つに記載の遊技機のメダル補給装置において、前記任意操作は、メダルの不足情報に応じて前記小径メダル又は大径メダルを任意選択的に前記メダル供給搬送手段を介して前記渡り手段に搬送させるための前記補給制御手段による制御を無効にすることを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、補給制御手段は、メダル選別手段で選別され貯留タンクに貯留された前記小径メダル又は大径メダルを任意選択的にメダル供給搬送手段を介して渡り手段に搬送させ得るとともに、任意操作により、メダルの不足情報に関わらず貯留タンク内のメダルを当該渡り手段を介して隣接する他の設置島に搬送可能とされたので、複数の設置島が設置されるとともに互いが電気的に接続されて電気信号の送受信によるメダルの不足情報の交換を行わせ得るものにおいて、メダルの不足情報に関わらず必要に応じて、貯留タンク内のメダルを隣接する他の設置島に搬送することができる。
【0016】
また、任意操作により、貯留タンクで貯留したメダルを全て搬送させて当該貯留タンク内を空とするので、設置島に設置する遊技機の機種を種々変更する場合など、小径メダル又は大径メダルを貯留する貯留タンク内をよりスムーズ且つ容易に空にすることができる。
【0017】
さらに、貯留タンクは、メダル選別手段で選別された小径メダル又は大径メダルの一方を貯留する第1貯留タンク、及びメダル選別手段で選別された小径メダル又は大径メダルの他方を貯留する第2貯留タンクを有して成るとともに、任意操作により、第1貯留タンク又は第2貯留タンクの何れか一方のメダルを選択的に渡り手段を介して隣接する他の設置島に搬送させ得るので、貯留タンク内における小径メダル又は大径メダルの何れか一方を任意に他の設置島に搬送させることができる。
【0018】
また更に、任意操作は、メダルの不足情報に応じて小径メダル又は大径メダルを任意選択的にメダル供給搬送手段を介して渡り手段に搬送させるための補給制御手段による制御を無効にすることを含むので、よりスムーズ且つ確実に、メダルの不足情報に関わらず必要に応じて、貯留タンク内のメダルを隣接する他の設置島に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る遊技機のメダル補給装置を示す平面模式図
【図2】同遊技機のメダル補給装置を示す側面模式図
【図3】同遊技機のメダル補給装置におけるメダル補給手段の内部構成を示す正面模式図
【図4】同メダル補給手段の内部構成を示す側面模式図
【図5】同メダル補給手段における振分け手段を示す拡大図
【図6】同遊技機のメダル補給装置におけるメダル供給搬送手段を示す側面模式図
【図7】(a)同メダル供給搬送手段を示す平面模式図(b)渡り用シュートのメダルの落下部位を示す模式図
【図8】同メダル供給搬送手段を示す平面拡大図
【図9】同メダル供給搬送手段を示す側面拡大図
【図10】同メダル供給搬送手段を示す断面図
【図11】同遊技機のメダル補給装置におけるリフタ及び渡り手段を側面側から見た状態を示す断面模式図
【図12】同リフタ及び渡り手段を正面側から見た状態を示す断面模式図
【図13】同リフタ及び渡り手段の接続部を示す拡大断面図
【図14】同遊技機のメダル補給装置におけるメダル補給手段の第1貯留タンク及び第2貯留タンクの正面側を覆う蓋部材及び当該第1貯留タンク及び第2貯留タンクを隔成する隔成部材を取り外した状態を示す模式図であって、(a)正面から見た模式図(b)側面から見た模式図
【図15】同遊技機のメダル補給装置における補給制御手段による制御内容を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る遊技機のメダル補給装置は、設置島に設置された複数の遊技機のそれぞれに対してメダルを供給及び回収可能なもので、図1〜10に示すように、設置島K1〜K3のそれぞれの内部に配設されたメダル供給搬送手段1及びメダル回収搬送手段2と、当該設置島K1〜K3のそれぞれの一端部に設置されたメダル補給手段3と、設置島K1の他端部に設置されたメダル計数機4と、分配タワー27内に配設されたリフタ47と、渡り手段28とから主に構成されている。
【0021】
設置島K1〜K3は、遊技場において複数(遊技場によって適宜の数)設置されるとともに、それぞれに複数の遊技機H(スロットマシンやコインゲーム機などメダルを投入して遊技するもの)が並んで設置されたもので、その内側上部における長手方向には、メダル供給搬送手段1が延設されるとともに、内側下部における長手方向には、メダル回収搬送手段2が配設されている。各設置島K1〜K3には、上方に向かって分配タワー27がそれぞれ形成されており、それぞれの分配タワー27内にはリフタ47が配設されるとともに、当該分配タワー27間には搬送コンベア等から成る渡り手段28が配設されている。
【0022】
本実施形態に係る各設置島(K1〜K3)には、互いに異なる外径の大径メダル(直径が30mmのメダル)及び小径メダル(直径が25mmのメダル)が使用される遊技機Hがそれぞれ設置されている。然るに、大径メダルが使用される遊技機Hからメダルの要求信号が発信されると、メダル補給手段3がその要求信号に基づいて、大径メダルを使用する遊技機Hか小径メダルを使用する遊技機Hかを識別して大径メダルをメダル供給搬送手段1に補給する一方、小径メダルが使用される遊技機Hからメダルの要求信号が発信されると、メダル補給手段3がその要求信号に基づいて、大径メダルを使用する遊技機Hか小径メダルを使用する遊技機Hかを識別して小径メダルをメダル供給搬送手段1に補給するよう構成されている。
【0023】
各設置島(K1〜K3)に形成された分配タワー27は、設置島内のメダル(本実施形態においては、メダル供給搬送手段1で搬送されるメダル)を上方に揚送するとともに、そのメダルを渡り手段28を介して隣接する他の設置島に供給するためのリフタ47を内在させたものである。これにより、一の設置島から隣接する他の設置島にメダル(小径メダル又は大径メダル)を供給することができ、他の設置島におけるメダルの不足を回避することができる。尚、本実施形態においては、他の設置島で不足しそうなメダル(小径メダル又は大径メダル)の要求信号が発せられると、その要求信号を受信した一の設置島において、要求されるメダル(小径メダル又は大径メダル)がメダル供給搬送手段1に補給され、渡り手段28を介して他の設置島に当該メダルが供給されるよう構成されている。
【0024】
メダル回収搬送手段2は、各設置島(K1〜K3)に設置された遊技機Hから排出されたメダル(小径メダル及び大径メダル)を回収し、メダル補給手段3まで搬送するためのもので、図2に示すように、一端(図中左端)をメダル補給手段3の筐体3a内に臨ませた回収用搬送コンベア2aを有している。かかる回収用搬送コンベア2aは、モータM1にて駆動可能な駆動ローラW1及び従動ローラW2に懸架された搬送ベルトを有して成り、各遊技機Hから排出されて落下したメダルを受けて、メダル補給手段3内まで搬送し得るよう構成されている。
【0025】
メダル計数機4は、設置島K1に隣接して設けられたもので、内部に遊技者が獲得したメダル(小径メダル及び大径メダル)を投入すると、自動的に計数して出力可能とされたものである。かかるメダル計数機4内には、投入されたメダルを収容するための収容空間Uが形成されているとともに、当該収容空間U内のメダルをメダル計数機4外部に搬送するためのコンベアから成る搬送手段25が配設されている。そして、搬送手段ア25が駆動すると、収容空間U内のメダル(小径メダル及び大径メダル)が設置島(K1〜K3)のシュート26を介してメダル回収搬送手段2に至るよう構成されている。
【0026】
メダル補給手段3は、メダル回収搬送手段2で回収されたメダル(小径メダル及び大径メダル)を収容するとともに、メダル供給搬送手段1にメダル(小径メダル又は大径メダル)を補給するためのもので、図3〜5に示すように、主に、メダル選別手段5と、振分け手段6と、第1貯留タンク7と、第2貯留タンク8と、搬送コンベア21と、洗浄手段9と、リフタ15とが筐体3a内に配設されたものである。
【0027】
メダル選別手段5は、メダル回収搬送手段2で回収されたメダルを小径メダルと大径メダルとに選別するためのものであり、本実施形態においては、メダル選別手段5aと5bの2つを有している。これらメダル選別手段5a、5bは、構成及び機能が同一のものから成り、メダル補給手段3の筐体3aの上部にそれぞれ設置されている。このメダル選別手段5は、メダルを一時的に収容する収容部aと該収容部a内に配設されてモータM2にて作動可能な送出し手段(図示せず)とを有しており、当該モータM2を駆動させて送出し手段を作動させることにより、収容部aから1枚ずつメダル(小径メダル及び大径メダル)を送り出し可能とされている。
【0028】
送り出されたメダルは、収容部aと連通したメダル通路16を通過するよう構成されているとともに、図5に示すように、当該メダル通路16の一部には、小径メダルのみを落下させ得る径の切欠き16aが形成されている。而して、メダル選別手段5の収容部aから送り出されたメダルがメダル通路16を通過する過程で、大径メダルは、大径メダル通路29に至るとともに、小径メダルは、切欠き16aから落下して小径メダル通路30に至るようになっている。
【0029】
更に、メダル通路16における切欠き16aより上流側には、小径メダル及び大径メダルを検知する検知手段が配設されるとともに、小径メダル通路30にも小径メダルを検知する同様の検知手段が配設されている。そして、これら一対の検知手段がそれぞれ通過するメダルを検知してカウントすることにより、メダル通路16を通過する小径メダル及び大径メダルの個数(N1)と、小径メダル通路30を通過する小径メダルの個数(N2)を把握することができる。これにより、N1からN2を減算した値が選別された大径メダルの個数であり、N2が選別された小径メダルの個数であるので、これら個数が補給制御手段24にて認識されるようになっている。
【0030】
振分け手段6は、図5に示すように、大径メダル通路29の所定部位を開閉可能な開閉手段29aと、小径メダル通路30の所定部位を開閉可能な開閉手段30aと、揺動によってメダルの落下経路を選択可能な振分け部材34とから主に構成されている。尚、図中符号31は、開閉手段30aの開閉動作を行わせるソレノイド、符号33は、振分け部材34の揺動動作を行わせるソレノイドを示している。また、開閉手段29aは、図示しないソレノイド(ソレノイド31と同様のソレノイド)によって開閉動作が行われるよう構成されている。
【0031】
然るに、開閉手段29a、30aが閉じた状態では、メダル選別手段5で選別された小径メダル及び大径メダルがそれぞれ小径メダル通路30及び大径メダル通路29を介してシュート17に至り、メダル供給搬送手段1の小径メダル搬送部36a、大径メダル搬送部36bにそれぞれ補給される。また、開閉手段29a又は30aが開いた状態では、メダル選別手段5で選別された小径メダル及び大径メダルがそれぞれ振分け部材34に至ることとなる。尚、図中符号32は、開閉手段30aが開いた状態のとき、小径メダルを振分け部材34まで案内するシュートを示している。
【0032】
振分け部材34は、ソレノイド33を駆動させることにより、図中実線で示した状態と二点鎖線で示した状態とで揺動可能とされており、実線で示した状態では、大径メダルを大径メダル用ジョッキ18aに落下させて収容させ、小径メダルを小径メダル用ジョッキ18bに落下させて収容させるとともに、二点鎖線で示した状態では、大径メダルを第1貯留タンク7に落下させて収容させ、小径メダルを第2貯留タンク8に落下させて収容させるものである。尚、図中符号35は、振分け部材34で振り分けられた大径メダルを第1貯留タンク7まで案内する通路を示しており、これと同様の通路(図示せず)(小径メダルを第2貯留タンク8まで案内する通路)も第2貯留タンク8側に配設されている。
【0033】
即ち、振分け手段6の動作によって、メダル選別手段5で選別された小径メダル及び大径メダルを、メダル供給搬送手段1の小径メダル搬送部36a及び大径メダル搬送部36bにそれぞれ補給する経路と、小径メダル用ジョッキ18b及び大径メダル用ジョッキ18aにそれぞれ収容させる経路と、第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8にそれぞれ収容させる経路とに切換可能とされているのである。尚、小径メダル用ジョッキ18b及び大径メダル用ジョッキ18aは、それぞれメダル補給手段3から取り外し可能とされており、手作業にて任意の遊技機Hにメダルを補給することが可能とされている。
【0034】
第1貯留タンク7は、メダル選別手段5で選別された小径メダル又は大径メダルの一方を専ら貯留するためのもので、本実施形態においては、大径メダルを専ら貯留可能とされている。かかる第1貯留タンク7は、大径メダルを所定量貯留可能とされており、当該第1貯留タンク7内のメダル(大径メダル)が所定量に達したことを検知する第1検知手段7aが配設されている。この第1検知手段7aは、接触式センサ又は非接触式センサ等を用いることができる。
【0035】
また、第1貯留タンク7は、その底面にメダルを自重にて落下させて吐出可能な吐出口7bが形成されるとともに、当該吐出口7bは、撹拌手段20の下端部にて塞がれている。この撹拌手段20は、螺旋状部材から成り、モータ19にて回転駆動可能とされてたもので、回転駆動によって第1貯留タンク7内のメダルを撹拌させつつ吐出口7bまで導き、当該吐出口7bから吐出可能とされている。
【0036】
第2貯留タンク8は、メダル選別手段5で選別された小径メダル又は大径メダルの他方を専ら貯留するためのもので、本実施形態においては小径メダルを専ら貯留可能とされている。尚、第2貯留タンク8が小径メダル及び大径メダルを混合させて貯留可能なものとしてもよい。即ち、第1貯留タンク7が大径メダルを専ら貯留するのに対し、第2貯留タンク8は、通常状態においては、小径メダルを収容するとともに、所定条件下で、小径メダルと大径メダルとを混合させて貯留可能としてもよいのである。
【0037】
また、第2貯留タンク8には、当該第2貯留タンク8内のメダル(小径メダル)が所定量に達したことを検知する第2検知手段が配設されている。この第2検知手段8aは、第1検知手段7aと同様、接触式センサ又は非接触式センサ等を用いることができる。更に、第2貯留タンク8は、その底面にメダルを自重にて落下させて吐出可能な吐出口8bが形成されるとともに、当該吐出口8bは、撹拌手段20の下端部にて塞がれている。この撹拌手段20は、第1貯留タンク7内に配設されたものと同様、螺旋状部材から成り、モータ19にて回転駆動可能とされたもので、回転駆動によって第2貯留タンク8内のメダルを撹拌させつつ吐出口8bまで導き、当該吐出口8bから吐出可能とされている。
【0038】
然るに、第2貯留タンク8は、第1貯留タンク7よりメダルの貯留量が多く設定(即ち、第1貯留タンク7より大きな容量)されており、第2貯留タンク8にて小径メダル及び大径メダルを混合させて貯留させる際、より多くのメダルを貯留させることができるようになっている。尚、本実施形態においては、第1貯留タンク7に大径メダルを専ら貯留させるとともに、第2貯留タンク8に小径メダルを貯留させるものとされているが、これに代え、第1貯留タンク7に小径メダルを専ら貯留させるとともに、第2貯留タンク8に大径メダルを貯留させるものとしてもよい。
【0039】
ここで、本実施形態においては、メダル選別手段で選別された小径メダル又は大径メダルの一方(本実施形態においては大径メダル)を所定量貯留可能な第1貯留タンク7と、第1貯留タンク7と相違するメダルの貯留量とされるとともに、メダル選別手段5で選別された小径メダル又は大径メダルの他方(本実施形態においては小径メダル)を所定量貯留する第2貯留タンク8とを有しており、特に本実施形態においては、第2貯留タンク8は、第1貯留タンク7よりメダルの貯留量が多く設定(即ち、第1貯留タンク7より大きな容量)されている。
【0040】
而して、1つの設置島(K1〜K3)に設置された遊技機において、小径メダルを使用する遊技機Hの数と大径メダルを使用する遊技機Hの数とに応じて、第1貯留タンク7若しくは第2貯留タンク8の何れに小径メダル又は大径メダルを貯留させるのか任意設定することができる。従って、1つの設置島(K1〜K3)に小径メダルを使用する遊技機Hと大径メダルを使用する遊技機Hとを併設可能とするとともに、当該設置島に設置された遊技機(K1〜K3)に対応させつつ小径メダル及び大径メダルを効率的且つスムーズに貯留させることができる。
【0041】
即ち、設置島(K1〜K3)に設置される遊技機Hに応じて第1貯留タンク7又は第2貯留タンク8に貯留させるメダルの種類が設定可能とされたので、設置島(K1〜K3)に設置された遊技機Hにより確実に対応させつつ小径メダル及び大径メダルを更に効率的且つスムーズに貯留させることができるのである。尚、本実施形態においては、第2貯留タンク8は、第1貯留タンク7よりメダルの貯留量が多く設定(即ち、第1貯留タンク7より大きな容量)されているが、これに代えて、第2貯留タンクは、第1貯留タンクよりメダルの貯留量が少なく設定(即ち、第1貯留タンク7より小さな容量)されたものとしてもよい。
【0042】
さらに、本実施形態においては、図14に示すように、第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8が隣接して形成されるとともに、それらの正面側に蓋部材56を取り付けることにより、当該第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8内にメダルを収容可能とされている。また、第1貯留タンク7と第2貯留タンク8との間には、これら第1貯留タンク7と第2貯留タンク8との間を仕切って隔成するとともに設置島に設置された遊技機に応じて(遊技機が使用するメダルに応じて)任意に取り外し可能な隔成部材57が配設されている。
【0043】
かかる隔成部材57は、第1貯留タンク7と第2貯留タンク8との間にビス等の汎用的な固定手段で固定された状態で、上部が互いのメダルをオーバーフロー可能なように所定寸法の隙間が形成されるとともに、固定手段を緩めることにより第1貯留タンク7と第2貯留タンク8との間から取り外し可能とされている。これにより、隔成部材57を取り外した状態とすれば、第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8の隔成はなくなり、1つの貯留タンクとして機能することとなる。
【0044】
搬送コンベア21は、第1貯留タンク7の吐出口7b下方と第2貯留タンク8の吐出口8b下方とに亘って配設された搬送ベルト21aを有したもので、搬送方向を異ならせることが可能とされたものである。而して、搬送コンベア21の搬送方向を図3中左から右へ設定した場合、第1貯留タンク7の吐出口7b又は第2貯留タンク8の吐出口8bから吐出されたメダルが同図中右側へ搬送され、リフタ15の受け部23に至る一方、搬送コンベア21の搬送方向を同図中右から左へ設定した場合、第1貯留タンク7の吐出口7b又は第2貯留タンク8の吐出口8bから吐出されたメダルが同図中左側へ搬送され、受け通路22を介して受け部10に至るよう構成されている。
【0045】
洗浄手段9は、メダル回収搬送手段2で回収されたメダルを洗浄するためのもので、整列コンベア11と、洗浄コンベア12、13とを有している。整列コンベア11は、受け部10で受けたメダル(小径メダル及び大径メダル)を整列させつつ搬送するものである。この整列コンベア11の終端側に洗浄コンベア12が配設されており、更に当該洗浄コンベア12の終端側に洗浄コンベア13が続いて配設されている。これら洗浄コンベア12は、所望の洗浄液で浸された部材をメダル表面及び裏面に押圧させることにより当該メダル表面と裏面とを払拭可能とされたものである。尚、洗浄コンベア13の終端側には、リフタ15の受け部14が形成されており、洗浄コンベア12、13にて洗浄されたメダルが受け部14を介してリフタ15に至るようになっている。
【0046】
リフタ15は、メダル補給手段3の筐体3a内において上下に延設された搬送手段から成り、受け部23又は受け部14で受けたメダル(小径メダル及び大径メダル)を上方に搬送し、シュート15aを介してメダル選別手段5に至らせるためのものである。而して、搬送コンベア21にて受け部23に搬送されたメダル及び洗浄手段9にて洗浄されたメダルは、リフタ15によってメダル選別手段5まで搬送され、小径メダルと大径メダルとに選別されることとなる。
【0047】
補給制御手段24は、例えばマイコン等を具備した制御盤から成るもので、各遊技機Hからメダルの要求信号を受けるとともに、当該要求信号に応じた動作を行わせ得るものである。例えば、補給制御手段24が遊技機H側から大径メダルの要求信号を受信すると、第1貯留タンク7内の撹拌手段20を動作させるとともに、搬送コンベア21を左向きの搬送方向にて駆動させる。このとき、振分け手段6の開閉手段29a、30aは閉じた状態とされる。これにより、第1貯留タンク7内の大径メダルは、洗浄手段9にて洗浄された後、リフタ15にて搬送されるとともに、メダル選別手段5にて選別された後、メダル供給搬送手段1に補給される。
【0048】
また、補給制御手段24が遊技機H側から小径メダルの要求信号を受信すると、第2貯留タンク8内の撹拌手段20を動作させるとともに、搬送コンベア21を左向きの搬送方向にて駆動させる。このとき、振分け手段6の開閉手段29a、30aは閉じた状態とされる。これにより、第2貯留タンク7内の小径メダルは、洗浄手段9にて洗浄された後、リフタ15にて搬送されるとともに、メダル選別手段5にて選別された後、メダル供給搬送手段1に補給される。
【0049】
尚、遊技機H側に急いでメダルを補給させる場合、搬送コンベア21を右向きの搬送方向にて駆動させる。この場合、第1貯留タンク7又は第2貯留タンク8内のメダルは、洗浄手段9を介さずリフタ15に至り、当該リフタ15にて搬送されるとともに、メダル選別手段5にて選別された後、メダル供給搬送手段1に補給されることとなる。而して、本実施形態によれば、第1貯留タンク7又は第2貯留タンク8で貯留された小径メダル又は大径メダルを任意選択的にメダル供給搬送手段1に補給可能とされている。
【0050】
ここで、本実施形態においては、第1検知手段7aによりメダル(大径メダル)が所定量に達したことを検知したことを条件として、メダル選別手段5にて選別されて第1貯留タンク7に貯留させるべきメダル(大径メダル)を第2貯留タンク8にオーバーフローさせて、当該第2貯留タンク8にて貯留させるよう構成されている。これにより、1つの設置島に小径メダルを使用する遊技機Hと大径メダルを使用する遊技機Hとを併設させた際、よりスムーズに小径メダル及び大径メダルを貯留させることができる。
【0051】
更に、本実施形態に係るメダル補給手段3は、第1貯留タンク7又は第2貯留タンク8を介さずメダル選別手段5で選別された小径メダル又は大径メダルをメダル供給搬送手段1に補給可能とされている。即ち、補給制御手段24が遊技機H側からメダル(小径メダル又は大径メダル)の要求信号を受信したとき、メダル回収搬送手段2にて回収された後、洗浄手段9にて洗浄されたメダルをメダル選別手段5にて選別させ、そのメダルを直接(第1貯留タンク7又は第2貯留タンク8で貯留させることなく)メダル供給搬送手段1に補給することができるのである。これにより、メダル回収搬送手段2で回収された小径メダル又は大径メダルを素早くメダル供給搬送手段1に補給することができる。
【0052】
更に本実施形態においては、第1検知手段7a又は第2検知手段8aの何れか一方によりメダルが所定量に達したことを検知したことを条件として、その検知がなされた第1貯留タンク7又は第2貯留タンク8内のメダルをメダル供給搬送手段1に補給させるとともに、その補給したメダルをメダル回収搬送手段2にて回収させることにより当該メダルを循環させるよう構成されている。これにより、第1貯留タンク7又は第2貯留タンク8の何れか一方に偏ってメダルが貯留されてしまうのを抑制することができ、より効率的に小径メダル及び大径メダルを貯留させることができる。
【0053】
また更に、上記の如きメダルの循環時、設置島K1に並設されたメダル計数機4内の搬送手段25(図2参照)を駆動させて当該メダル計数機4で計数されたメダルをメダル回収搬送手段2に至らせて、当該メダル計数機4内のメダルも併せて循環させるようにするのが好ましい。この場合、よりスムーズ且つ確実に第1貯留タンク7又は第2貯留タンク8の一方に偏ってメダルが貯留されてしまうのを抑制することができる。
【0054】
メダル供給搬送手段1は、メダル補給手段3から補給されたメダル(小径メダル及び大径メダル)をそれぞれの遊技機Hに対して搬送して供給するための搬送コンベアから成るもので、図6〜10に示すように、左右一対に配設された小径メダル搬送部36a及び大径メダル搬送部36bと、これら小径メダル搬送部36a及び大径メダル搬送部36bにおける長手方向に亘って所定位置に配設された供給手段A及びシュート38とから主に構成されている。
【0055】
小径メダル搬送部36a及び大径メダル搬送部36bは、その基端(図6、7中左端)がメダル補給手段3の筐体3a内に臨ませて配設されており、当該基端側の従動プーリR2、先端(図6、7中右端)側の駆動プーリR1に懸架された左右一対の搬送ベルトから成るものである。尚、本実施形態に係る小径メダル搬送部36a及び大径メダル搬送部36bは、テンションプーリR3にて所定のテンションが付与されるとともに、駆動プーリR1は、モータM3の出力軸Maに連結されている。
【0056】
一方、小径メダルを排出させるシュート17の下方には、小径メダル搬送部36aの基端部が位置するとともに、大径メダルを排出させるシュート17の下方には、大径メダル搬送部36bの基端部が位置している。而して、モータM3を駆動させることにより、小径メダル搬送部36a及び大径メダル搬送部36bを動作させ、シュート17から排出された小径メダルを小径メダル搬送部36aにて搬送させるとともに、シュート17から排出された大径メダルを大径メダル搬送部36bにて搬送させるよう構成されている。
【0057】
また、メダル供給搬送手段1は、図10に示すように、小径メダル搬送部36a及び大径メダル搬送部36bを配設するとともに、後述する供給手段A、シュート38及び閉塞部材44を取り付けるための本体1aを具備しており、かかる本体1aが設置島(K1〜K3)の長手方向に延設されている。この本体1aにおける遊技機Hの設置箇所に対応する部位には、開口1aaがそれぞれ形成されており、当該開口1aaの縁部(具体的には、左縁部、右縁部及び下縁部)には、シュート38或いは閉塞部材44を係止可能な係止部Mが一体形成されている。更に、本体1aにおける小径メダル搬送部36aと大径メダル搬送部36bとの間には、隔壁1abが形成されており、当該隔壁1abによって、小径メダル搬送部36aと大径メダル搬送部36bとが隔成されている。
【0058】
シュート38は、本体1aにおける任意位置の係止部Mに係止可能とされたもので、当該係止部Mに係止された状態で、所定部位に開口1aaと通じる開口が形成されており、小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bからのメダル(小径メダル又は大径メダル)を内部に至らせることが可能とされている。然るに、シュート38を小径メダル搬送部36a側の係止部M、又は大径メダル搬送部36b側の係止部Mに対して選択的に係止させることができ、任意位置での脱着が自在とされている。また、シュート38は、その下端の吐出口にフレキシブルチューブから成る補給管Tが連結されており、この補給管Tを介して各遊技機Hと連結されている。而して、シュート38内に至ったメダル(小径メダル又は大径メダル)は、補給管Tを介して遊技機Hに供給されるよう構成されている。
【0059】
供給手段Aは、小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bで搬送されるメダル(小径メダル又は大径メダル)を所望の位置に係止されたシュート38に対して選択的に供給可能なもので、本体1aにおける小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bの上方の部位に脱着自在とされている。かかる供給手段Aは、フレーム39にて支持されたソレノイド40と、ソレノイド40により揺動可能な揺動部材43と、該揺動部材43に取り付けられたスクレーパ37とを有している。
【0060】
より具体的に説明すると、ソレノイド40の作動軸40aには、アーム部42を介して揺動部材43が連結されているとともに、当該揺動部材43は、軸L1を中心として揺動可能とされている。そして、通常状態(ソレノイド40への通電がなされない状態)においては、揺動部材43はコイルスプリング41の付勢力により、図9中2点鎖線で示した状態とされており、スクレーパ37が小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bから離間した状態となっている。かかる状態では、小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bで搬送されるメダルは、スクレーパ37の下方を通過することとなる。
【0061】
然るに、ソレノイド40への通電がなされると、作動軸40aがコイルスプリング41の付勢力に抗してアーム部42を引っ張り、軸L1を中心として揺動部材43を揺動させることによりスクレーパ37を小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bに近接させる。かかる状態では、小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bで搬送されるメダルは、スクレーパ37と干渉してその部位における開口1aa側に搬送の向きが変わることとなり、その開口1aaの係止部Mに取り付けられたシュート38内に至ることとなる。
【0062】
本実施形態に係る供給手段A及びシュート38は、小径メダル搬送部36a側、又は大径メダル搬送部36b側に任意選択的に取り付けられることにより、遊技機Hに対応した任意位置に取り付け可能とされている。即ち、小径メダルを使用する遊技機Hに対しては、供給手段A及びシュート38を小径メダル搬送部36a側に取り付けるとともに、大径メダルを使用する遊技機Hに対しては、供給手段A及びシュート38を大径メダル搬送部36b側に取り付けることにより、適宜のメダルを供給可能とされているのである。
【0063】
更に、本実施形態に係る供給手段Aは、スクレーパ37の向きを任意変更可能とされている。具体的には、スクレーパ37は、図8に示すように、揺動部材43に形成された軸L2を中心として回動自在とされるとともに、ネジnにて当該揺動部材43に対して固定可能とされている。尚、図中の符号43aは、スクレーパ37の回動時、ネジnの干渉を回避するべく弧状に形成された切欠きを示している。
【0064】
而して、小径メダル搬送部36a側に取り付けられた供給手段Aを大径メダル搬送部36b側に取り付ける場合、或いは大径メダル搬送部36b側に取り付けられた供給手段Aを小径メダル搬送部36a側に取り付ける場合、ネジnを緩めてスクレーパ37を回動させてその向きを変更した後、ネジnを再び締めて当該スクレーパ37を固定させる。これにより、供給手段Aを小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bの何れにも容易に取り付け可能とされている。また、本実施形態においては、切欠き43aの途中でネジnを締め付けることができることから、スクレーパ37の角度を任意に調整することができ、メダルの種類に応じたスクレーパ37の角度とすることができる。
【0065】
一方、供給手段A及びシュート38が取り付けられた側と反対側の小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bの開口1aaには、閉塞部材44が取り付けられる。かかる閉塞部材44は、側壁部44aと、蓋部44bとが一体的に形成された部材から成り、側壁部44aの縁部(具体的には、左縁部、右縁部及び下縁部)を係止部Mに係止させることにより、小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bに取り付け可能とされている。
【0066】
この閉塞部材44を取り付けた状態においては、側壁部44aが開口1aaを塞ぐとともに、蓋部44bが小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bの上部を覆うようになっている。これにより、小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bにて搬送される過程において、小径メダル又は大径メダルが、供給手段A及びシュート38が取り付けられた側と反対側の開口1aaから意図せず溢れ落ちてしまうのを防止することができる。
【0067】
本実施形態によれば、図10に示すように、シュート38、供給手段A及び閉塞部材44がメダル供給搬送手段1の任意位置に脱着自在とされているため、遊技機Hに応じたメダルを適宜供給させることができる。また、小径メダル搬送部36aと大径メダル搬送部36bとが左右に並設されているため、複数の遊技機Hに対して、小径メダルの供給と大径メダルの供給とを同時に行わせることができ、メダルの供給を適宜且つスムーズに行わせることができる。特に本実施形態においては、シュート38が供給手段Aとは別部材とされているため、シュート38のみの取り付け位置の変更が容易とされる。
【0068】
更に、本実施形態においては、図11〜13に示すように、設置島Kにおけるメダル供給搬送手段1の任意位置にメダル(小径メダル又は大径メダル)を揚送するリフタ47を配設し、当該リフタ47を介して渡り手段28にメダル(小径メダル又は大径メダル)を搬送させるよう構成されている。即ち、メダル供給搬送手段1における分配タワー27を配設した部位には、左右一対の渡り用シュート38’及び渡り用供給手段A’が取り付けられるとともに、当該渡り用シュート38’の吐出口側には、案内部材45が配設されており、渡り用供給手段A’にて渡り用シュート38’にメダル(小径メダル又は大径メダル)が供給されると、そのメダルが案内部材45を介してリフタ47の下端部に至るようになっている。
【0069】
この渡り用シュート38’及び渡り用供給手段A’は、シュート38及び供給手段Aと同様の構成のものとされており、メダル供給搬送手段1に対する取り付け形態(係止の形態)が同一とされている。即ち、渡り用シュート38’は、本体1における任意位置の係止部Mに係止可能とされたもので、当該係止部Mに係止された状態で、所定部位に開口1aと通じる開口が形成されており、小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bからのメダル(小径メダル又は大径メダル)を内部に至らせることが可能とされているとともに、渡り用供給手段A’は、本体1aにおける小径メダル搬送部36a及び大径メダル搬送部36bの任意位置における上方の部位に脱着自在とされているのである。
【0070】
また、渡り用供給手段A’は、供給手段Aと同様、フレーム39にて支持されたソレノイド40と、ソレノイド40により揺動可能な揺動部材43と、該揺動部材43に取り付けられたスクレーパ37とを有しているとともに、スクレーパ37の向きを任意変更可能とされている。これら渡り用シュート38’及び渡り用供給手段A’の機能等については、既述したシュート38及び供給手段Aと同様であるため、詳細な説明を省略する。而して、渡り用シュート38’及び渡り用供給手段A’をメダル供給搬送手段1における任意の位置に取り付け可能とされている。
【0071】
これにより、小径メダルを渡り手段28に搬送させるには、小径メダル搬送部36aに配設された渡り用供給手段A’を作動させて当該小径メダル搬送部36a側に係止された渡り用シュート38’に小径メダルを送り出すとともに、大径メダルを渡り手段28に搬送させるには、大径メダル搬送部36bに配設された渡り用供給手段A’を作動させて当該大径メダル搬送部36b側に係止された渡り用シュート38’に大径メダルを送り出すことができる。
【0072】
尚、小径メダル搬送部36a側に係止された渡り用シュート38’から落下する小径メダルは、図7(b)に示すように、案内部材45の落下部位αに落下し、そこからリフタ47まで滑り落ちるとともに、大径メダル搬送部36b側に係止された渡り用シュート38’から落下する大径メダルは、同図に示すように、案内部材45の落下部位βに落下し、落下部位αを通過してリフタ47まで滑り落ちるようになっている。
【0073】
リフタ47は、所定寸法離間して配設された上下のプーリRa、Rb間に搬送ベルトを懸架させて構成されたもので、当該搬送ベルトには、所定間隔毎に複数のバケット部47aが形成されている。然るに、モータM4を駆動させてプーリRbを回転させると、案内部材45で案内されたメダルがバケット部47aにて順次上方に搬送され、リフタ47の上端部に至ると、案内部材46を介して渡り手段28に搬送されるようになっている。
【0074】
リフタ47の上端部には、図13に示すように、プーリRbを駆動させるためのモータM4と、案内部材46と、該案内部材46で受けたメダルを左右何れかの渡り手段28に選択的に振り分ける振分け手段Bと、隣接する他の設置島であって図中左側の他の設置島K2に向かって延びる渡り手段28、及び図中右側の他の設置島K3に向かって延びる渡り手段28の各一端とが配設されている。
【0075】
振分け手段Bは、案内部材46で案内されたメダルを右側の他の設置島K3に向かう渡り手段28に通過させ得るメダル通路50と、該メダル通路50の途中から左側の他の設置島K2に向かう渡り手段28にメダルを通過させ得るメダル通路51と、メダル通路50の途中に形成され、その通路を開閉可能とした開閉手段48と、該開閉手段48を開閉動作させるソレノイド49とから構成されており、ソレノイド49を作動させることにより、案内部材46で案内されたメダルを設置島K2に向かう渡り手段28に送るのか、或いは設置島K3に向かう渡り手段28に送るのかを振り分け得るようになっている。
【0076】
これにより、リフタ47で揚送されたメダルを左側の他の設置島K2に供給させるには、開閉手段48を開いた状態とし、メダル通路51を介して同図左側の渡り手段28にメダルを搬送させる一方、リフタ47で揚送されたメダルを右側の他の設置島K3に供給させるには、開閉手段48を閉じた状態とし、メダル通路50を介して同図右側の渡り手段28にメダルを搬送させることができる。
【0077】
また、渡り手段28は、設置島K1における分配タワー27から隣接する他の設置島K2、K2における分配タワー27までそれぞれ延設された搬送コンベアから成り、その搬送方向は任意設定可能とされている。即ち、設置島K1と設置島K2との間の渡り手段28は、図12において、設置島K1のリフタ47で揚送されたメダルを設置島K2に搬送させ得るよう駆動されるとともに、逆転駆動によって、設置島K2のリフタ47で揚送されたメダルを設置島K1に搬送させ得るようになっている。同様に、設置島K1と設置島K3との間の渡り手段28は、図12において、設置島K1のリフタ47で揚送されたメダルを設置島K3に搬送させ得るよう駆動されるとともに、逆転駆動によって、設置島K3のリフタ47で揚送されたメダルを設置島K1に搬送させ得るようになっている。
【0078】
尚、設置島K2におけるリフタ47の上端部には、当該リフタ47を駆動するためのモータM4の他、リフタ47で揚送されたメダルを渡り手段28まで案内するメダル通路54が配設されているとともに、設置島K3におけるリフタ47の上端部には、当該リフタ47を駆動するためのモータM4の他、リフタ47で揚送されたメダルを渡り手段28まで案内するメダル通路55が配設されている。
【0079】
更に、設置島K1と設置島K2との間の渡り手段28の両端部には、フレキシブルチューブ等から成る供給管Tb、Tcがそれぞれ配設されているとともに、設置島K1と設置島K3との間の渡り手段28の両端部には、シュート52、53と接続されたフレキシブルチューブ等から成る供給管Ta、Tdがそれぞれ配設されている。供給管Ta、Tbは、設置島K1のメダル回収搬送手段2まで延設されており、隣接する他の設置島K2、K3から渡り手段28を介して搬送されたメダルを設置島K1のメダル回収搬送手段2に至らせ、その設置島K1のメダル補給手段3に供給し得るようになっている。
【0080】
同様に、供給管Tcは、設置島K2のメダル回収搬送手段2まで延設されており、設置島K1から渡り手段28を介して搬送されたメダルを設置島K2のメダル回収搬送手段2に至らせ、その設置島K2のメダル補給手段3に供給し得るようになっているとともに、供給管Tdは、設置島K3のメダル回収搬送手段2まで延設されており、設置島K1から渡り手段28を介して搬送されたメダルを設置島K3のメダル回収搬送手段2に至らせ、その設置島K3のメダル補給手段3に供給し得るようになっている。
【0081】
而して、例えば設置島K2にメダルの不足が生じた場合、当該設置島K2における補給制御手段24から要求信号が発せられ、その要求信号を受信した設置島K1における補給制御手段24は、要求されたメダルをメダル補給手段3からメダル供給搬送手段1に補給させるとともに、供給手段A’のスクレーパ37を動作させて、補給されたメダルを渡り用シュート38’に至らせる。
【0082】
当該渡り用シュート38’に至ったメダルは、リフタ47により順次揚送され、設置島K1と設置島K2との間の渡り手段28まで搬送される。このとき、当該渡り手段28は、設置島K1から設置島K2に向かう搬送方向とされており、搬送されたメダルを当該設置島K2の供給管Tcに至らせ、その設置島K2のメダル回収搬送手段2にてメダル補給手段3まで搬送させる。これにより、設置島K1から設置島K2にメダルを搬送して供給させることができる。
【0083】
更に、例えば設置島K1にメダルの不足が生じた場合、当該設置島K1における補給制御手段24から要求信号が発せられ、その要求信号を受信した設置島K2、K3における補給制御手段24は、要求されたメダルをメダル補給手段3からメダル供給搬送手段1に補給させるとともに、供給手段A’のスクレーパ37を動作させて、補給されたメダルを渡り用シュート38’に至らせる。
【0084】
当該渡り用シュート38’に至ったメダルは、リフタ47により順次揚送され、設置島K1と設置島K2との間の渡り手段28、及び設置島K1と設置島K3との間の渡り手段28まで搬送される。このとき、これら渡り手段28は、設置島K1に向かう搬送方向とされており、搬送されたメダルを当該設置島K1の供給管Ta、Tbに至らせ、その設置島K1のメダル回収搬送手段2にてメダル補給手段3まで搬送させる。これにより、設置島K2、K3から設置島K1にメダルを搬送して供給させることができる。
【0085】
ここで、本実施形態においては、設置島Kと隣接する他の設置島(K2、K3)が複数設置されるとともに、図1に示すように、当該設置島(K1〜K3)同士をLANケーブルLKによって電気的に接続して電気信号の送受信によるメダルの不足情報の交換を行わせ得るものとされており、設置島(K1〜K3)同士を電気的に接続するLAN(ローカルエリアネットワーク:構内通信網)が構築されている。尚、LANケーブルLKは、各設置島(K1〜K3)におけるメダル補給手段3の補給制御手段24にそれぞれ接続されており、これらメダル補給手段3間において、メダルの不足情報等を交換し得るようになっている。LANは、本実施形態の如く有線で接続されるものの他、無線で接続されるものであってもよい。
【0086】
そして、隣接した他の複数の設置島(K2、K3)のそれぞれからメダルの要求信号が発信された際、又は隣接した他の複数の設置島(K2、K3)のそれぞれに対してメダルの要求信号が発信された際、メダルの供給元の優先順位を決定し得るよう構成されている。例えば、設置島K1の小径メダルが不足した際、小径メダルの要求信号を発信し、その要求信号を隣接する他の設置島(K2、K3)がそれぞれ受信する。このとき、設置島K1の補給制御手段24においては、LANを介して他の設置島(K2、K3)が保有するメダル(小径メダル及び大径メダル)の数を把握していることから、これら両者の小径メダルの保有量を比較した後、保有する小径メダルが多い設置島(K2又はK3)から優先的に渡り手段28を介して小径メダルが供給されるよう制御される。
【0087】
然るに、設置島K1の大径メダルが不足した際も同様な制御が行われることとなる。即ち、設置島K1に対して優先的にメダル(小径メダル又は大径メダル)を供給する供給元を、他の設置島(K1又はK2)が保有するメダル(小径メダル又は大径メダル)の量に応じて決定し得るのである。尚、各設置島(K1〜K3)における小径メダル及び大径メダルの保有量は、既述したように、各設置島(K1〜K3)における補給制御手段24にて把握されている。
【0088】
ここで、本実施形態においては、補給制御手段24は、メダル選別手段5で選別され貯留タンク(第1貯留タンク7又は第2貯留タンク8)に貯留された小径メダル又は大径メダルを任意選択的にメダル供給搬送手段1を介して渡り手段28に搬送させ得るとともに、図示しない操作ボタン或いは操作ノブ等の操作手段に対する任意操作(タッチパネル等の任意位置に触れることによる操作も含む)により、メダルの不足情報に関わらず貯留タンク(第1貯留タンク7又は第2貯留タンク8)内のメダルを当該渡り手段28を介して隣接する他の設置島(K2、K3)に搬送可能とされている。
【0089】
すなわち、任意操作により、第1貯留タンク7又は第2貯留タンク8の何れか一方のメダルを選択的に渡り手段28を介して隣接する他の設置島に搬送させ得るものとされるよう補給制御手段24による制御がなされるのである。これにより、貯留タンク(第1貯留タンク7又は第2貯留タンク8)内における小径メダル又は大径メダルの何れか一方を任意に他の設置島に搬送させることができる。尚、第1貯留タンク7又は第2貯留タンク8のメダルを同時に渡り手段28を介して隣接する他の設置島に搬送させ得るよう補給制御手段24による制御がなされてもよい。
【0090】
さらに、本実施形態においては、任意操作により、貯留タンク(第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8)で貯留したメダルを全て搬送させて当該貯留タンク(第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8)内を空とするよう補給制御手段24による制御がなされる。これにより、設置島に設置する遊技機Hの機種を種々変更する場合など、小径メダル又は大径メダルを貯留する貯留タンク(第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8)内をよりスムーズ且つ容易に空にすることができる。
【0091】
より具体的には、任意操作は、メダルの不足情報に応じて小径メダル又は大径メダルを任意選択的にメダル供給搬送手段1を介して渡り手段28に搬送させるための補給制御手段24による制御を無効にすることを含むものとされる。例えば、図15に示すように、まず所定操作が行われたか否かが判定され(S1)、所定操作が行われていない場合は、通常通りの制御に従い、メダルの不足情報に応じた制御が継続的に行われる(S5)一方、所定操作が行われると、メダル不足情報に応じた制御が無効とされ(S2)、第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8内のメダルを排出させる。
【0092】
その後、貯留タンク(第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8)が空となったか否かを例えば第1検知手段7a及び第2検知手段8aによる検知にて判定し(S4)、貯留タンク(第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8)が空となったと判定されると、一連の制御が終了する。尚、S4においては、モータ19が所定時間継続して駆動したことにより空になったか否かの判定が行われるものとしてもよい。
【0093】
このように、任意操作は、メダルの不足情報に応じて小径メダル又は大径メダルを任意選択的にメダル供給搬送手段1を介して渡り手段28に搬送させるための補給制御手段24による制御を無効にすることを含むので、よりスムーズ且つ確実に、メダルの不足情報に関わらず必要に応じて、貯留タンク(第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8)内のメダルを隣接する他の設置島に搬送することができる。
【0094】
特に、本実施形態においては、第1貯留タンク7と第2貯留タンク8との間を仕切って隔成するとともに設置島に設置された遊技機に応じて任意に取り外し可能な隔成部材57を具備しているので、設置島に小径メダルを使用する遊技機と大径メダルを使用する遊技機とが混在して設置された形態の場合、隔成部材57を取り付けた状態とし、小径メダルを使用する遊技機のみ設置される形態及び大径メダルを使用する遊技機のみ設置される形態の場合、隔成部材57を取り外した状態として用いることができる。
【0095】
これにより、第1貯留タンク7と第2貯留タンク8との間を仕切って隔成するとともに設置島に設置された遊技機に応じて任意に取り外し可能な隔成部材57を具備したので、設置島に小径メダルを使用する遊技機と大径メダルを使用する遊技機とが混在して設置された形態と、小径メダルを使用する遊技機のみ設置される形態又は大径メダルを使用する遊技機のみ設置される形態の何れにおいても、メダルを有効に貯留させることができる。
【0096】
そして、設置島に小径メダルを使用する遊技機と大径メダルを使用する遊技機とが混在して設置されている形態(隔成部材を取り付けた状態)から小径メダルを使用する遊技機のみ設置される形態又は大径メダルを使用する遊技機のみ設置される形態に変更する場合、任意操作により、図15のフローチャートに基づく制御が行われ、メダルの不足情報に関わらず貯留タンク(第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8)内のメダルを渡り手段28を介して隣接する他の設置島に搬送して当該貯留タンク(第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8)内を空にする。その状態で隔成部材57を第1貯留タンク7と第2貯留タンク8との間から取り外すことにより、当該第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8を一つの貯留タンクとして機能させることができる。
【0097】
一方、小径メダルを使用する遊技機のみ設置される形態又は大径メダルを使用する遊技機のみ設置される形態(隔成部材を取り外した状態)から設置島に小径メダルを使用する遊技機と大径メダルを使用する遊技機とが混在して設置されている形態に変更する場合、任意操作により、図15のフローチャートに基づく制御が行われ、メダルの不足情報に関わらず貯留タンク(第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8)内のメダルを渡り手段28を介して隣接する他の設置島に搬送して当該貯留タンク(第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8)内を空にする。その状態で隔成部材57を第1貯留タンク7と第2貯留タンク8との間に取り付けることにより、当該第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8のそれぞれに小径メダル、大径メダルを区別して貯留させる貯留タンクとして機能させることができる。
【0098】
上記実施形態によれば、補給制御手段24は、メダル選別手段5で選別され貯留タンク(第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8)に貯留された小径メダル又は大径メダルを任意選択的にメダル供給搬送手段1を介して渡り手段28に搬送させ得るとともに、任意操作により、メダルの不足情報に関わらず貯留タンク(第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8)内のメダルを当該渡り手段を28介して隣接する他の設置島に搬送可能とされたので、複数の設置島が設置されるとともに互いが電気的に接続されて電気信号の送受信によるメダルの不足情報の交換を行わせ得るものにおいて、メダルの不足情報に関わらず必要に応じて、貯留タンク(第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8)内のメダルを隣接する他の設置島に搬送することができる。
【0099】
また、脱着可能な隔成部材57を具備するとともに、補給制御手段24は、任意操作により、メダルの不足情報に関わらず貯留タンク(第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8)内のメダルを渡り手段28を介して隣接する他の設置島に搬送可能とされたので、設置島に小径メダルを使用する遊技機と大径メダルを使用する遊技機とが混在して設置されている形態(隔成部材を取り付けた状態)から小径メダルを使用する遊技機のみ設置される形態又は大径メダルを使用する遊技機のみ設置される形態に変更する場合、或いは小径メダルを使用する遊技機のみ設置される形態又は大径メダルを使用する遊技機のみ設置される形態(隔成部材を取り外した状態)から設置島に小径メダルを使用する遊技機と大径メダルを使用する遊技機とが混在して設置されている形態に変更する場合、容易に隔成部材57の取り付け作業或いは取り外し作業を行わせることができる。
【0100】
さらに、設置島(K1〜K3)のメダル補給手段3には、それぞれ補給制御手段24が配設されるとともに、これら補給制御手段24同士が構内通信網(LAN)にて接続され、メダルの不足情報の交換を行わせ得るよう構成されたので、メダルの不足情報の交換をよりスムーズ且つ容易に行わせることができ、渡り手段28を介したメダルの供給をより適切且つスムーズに行わせることができる。
【0101】
また更に、設置島(K1〜K3)には、互いに異なる外径の大径メダル及び小径メダルが使用される遊技機Hが設置可能とされるとともに、メダル補給手段3は、メダル回収搬送手段1で回収されたメダルを小径メダルと大径メダルとに選別するメダル選別手段5を具備し、当該メダル選別手段5で選別された小径メダル又は大径メダルを任意選択的にメダル供給搬送手段1を介して渡り手段28に搬送可能とされたので、1つの設置島に小径メダルを使用する遊技機と大径メダルを使用する遊技機Hとを併設可能とするとともに、隣接する他の設置島に任意種類のメダル(小径メダル又は大径メダル)を搬送して供給することができる。
【0102】
また、メダル供給搬送手段1は、メダル補給手段3で補給された小径メダルを搬送する小径メダル搬送部36aと、メダル補給手段3で補給された大径メダルを搬送する大径メダル搬送部36bと、小径メダル搬送部36a側及び大径メダル搬送部36b側に脱着自在とされ、当該小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bで搬送される小径メダル又は大径メダルを遊技機Hに供給可能なシュート38とを具備するとともに、要求信号を受信した際、要求されるメダルの種類に応じて小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bにて搬送される小径メダル又は大径メダルを渡り手段28に供給させるので、1つの設置島に小径メダルを使用する遊技機Hと大径メダルを使用する遊技機Hとを併設可能とするとともに、渡り手段28を介したメダルの供給をより一層適切且つスムーズに行わせることができる。
【0103】
加えて、本実施形態によれば、設置島(K1〜K3)におけるメダル供給搬送手段1の任意位置にメダルを揚送するリフタ47を配設し、当該リフタ47を介して渡り手段28にメダルを搬送させるので、渡り手段28の延設部位を設置島(K1〜K3)の任意に設定することができ、遊技場における設置島のレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0104】
また、設置島(K1〜K3)には、互いに異なる外径の大径メダル及び小径メダルが使用される遊技機Hが設置可能とされるとともに、メダル補給手段3は、メダル回収搬送手段2で回収されたメダルを小径メダルと大径メダルとに選別するメダル選別手段5を具備し、当該メダル選別手段5で選別された小径メダル又は大径メダルを任意選択的にメダル供給搬送手段1及びリフタ47を介して渡り手段28に搬送可能とされたので、1つの設置島に小径メダルを使用する遊技機Hと大径メダルを使用する遊技機Hとを併設可能とするとともに、隣接する他の設置島に任意種類のメダル(渡り用シュート38’及び供給手段A’を小径メダル搬送部36a側に取り付ければ小径メダル、当該渡り用シュート38’及び供給手段A’を大径メダル搬送部36b側に取り付ければ大径メダル)を搬送して供給することができる。
【0105】
更に、メダル供給搬送手段1は、メダル補給手段3で補給された小径メダルを搬送する小径メダル搬送部36aと、メダル補給手段3で補給された大径メダルを搬送する大径メダル搬送部36bと、小径メダル搬送部36a側及び大径メダル搬送部36b側に脱着自在とされ、当該小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bで搬送される小径メダル又は大径メダルを遊技機Hに供給可能なシュート38とを具備するとともに、小径メダル搬送部36a側及び大径メダル搬送部36b側の所望位置に脱着自在とされ、当該小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bで搬送される小径メダル又は大径メダルをリフタ47に供給可能な渡り用シュート38’を具備したので、隣接する他の設置島に任意種類のメダル(小径メダル又は大径メダル)をよりスムーズに搬送して供給することができる。
【0106】
また更に、小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bにおける渡り用シュート38’が配設された部位には、当該小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bで搬送されるメダルを当該渡り用シュート38’に対して選択的に供給可能な渡り用供給手段A’が脱着自在とされたので、隣接する他の設置島に任意種類のメダル(小径メダル又は大径メダル)をより確実且つスムーズに搬送して供給することができる。
【0107】
また、渡り用供給手段A’は、揺動可能な揺動部材43と、該揺動部材43に取り付けられたスクレーパ37とを有するとともに、揺動部材43を揺動させることにより、スクレーパ37を小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bに近接又は離間させて、当該小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bで搬送されるメダルを渡り用シュート38’に対して選択的に供給可能とされたので、隣接する他の設置島に任意種類のメダル(小径メダル又は大径メダル)をより一層確実に搬送して供給することができる。
【0108】
尚、上記実施形態によれば、メダル補給手段3は、メダル回収搬送手段2で回収されたメダルを小径メダルと大径メダルとに選別するメダル選別手段5を具備し、当該メダル選別手段5で選別された小径メダル又は大径メダルを任意選択的にメダル供給搬送手段1に補給可能とされるとともに、メダル供給搬送手段1は、メダル補給手段3で補給された小径メダルを搬送する小径メダル搬送部36aと、メダル補給手段3で補給された大径メダルを搬送する大径メダル搬送部36bと、小径メダル搬送部36a側及び大径メダル搬送部36b側に脱着自在とされ、当該小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bで搬送される小径メダル又は大径メダルを遊技機Hに供給可能なシュート38とを具備したので、1つの設置島(K1〜K3)に小径メダルを使用する遊技機Hと大径メダルを使用する遊技機Hとを併設可能とするとともに、設置島(K1〜K3)に設置すべき遊技機Hを入れ替えた際、小径メダルを使用する遊技機Hと大径メダルを使用する遊技機Hとが変更された場合であっても、そのような変更にメダル供給搬送手段1を容易に対応させることができる。
【0109】
また、小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bにおけるシュート38が配設された部位には、当該小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bで搬送されるメダルを当該シュート38に対して選択的に供給可能な供給手段Aが脱着自在とされたので、設置島(K1〜K3)に設置すべき遊技機Hを入れ替えた際、小径メダルを使用する遊技機Hと大径メダルを使用する遊技機Hとが変更された場合であっても、そのような変更にメダル供給搬送手段1をより容易に対応させることができる。
【0110】
更に、供給手段Aは、揺動可能な揺動部材43と、該揺動部材43に取り付けられたスクレーパ37とを有するとともに、揺動部材43を揺動させることにより、スクレーパ37を小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bに近接又は離間させて、当該小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bで搬送されるメダルをシュート38に対して選択的に供給可能とされたので、より確実且つスムーズにシュート38に対してメダルを供給することができる。
【0111】
また更に、スクレーパ37は、その向きを任意変更可能とされたので、設置島(K1〜K3)に設置すべき遊技機Hを入れ替えた際、小径メダルを使用する遊技機Hと大径メダルを使用する遊技機Hとが変更された場合であっても、そのような変更にメダル供給搬送手段1をより一層容易に対応させることができる。
【0112】
また、供給手段A及びシュートが取り付けら38れた側と反対側の小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bには、当該小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bの側方に形成された開口1aaを塞ぐ側壁部44aと、当該小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bの上部を覆う蓋部44bとが一体的に形成された閉塞部材44が脱着自在とされたので、供給手段A及びシュート38が取り付けられない側からメダルが外部に溢れてしまうのを確実に防止させることができる。
【0113】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばメダル補給手段3をメダル選別手段5が配設されてメダルを小径メダル及び大径メダルに選別可能な他の形態のものとしてもよい。また、メダル補給手段3に配設されるメダル選別手段5は、本実施形態の如く2つ並設させたものに限定されず、単独で配設させたもの或いは3つ以上並設させたものとしてもよい。メダル選別手段は、本実施形態のものに限定されず、メダル回収搬送手段2で回収されたメダルを小径メダルと大径メダルとに選別するものであれば他の形態のものであってもよい。更に、本実施形態においては、メダル補給手段3の筐体3a内に洗浄手段9が配設されているが、設置島(K1〜K3)内に配設されたものであってもよく、洗浄手段9を具備しないものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0114】
補給制御手段は、メダル選別手段で選別され貯留タンクに貯留された小径メダル又は大径メダルを任意選択的にメダル供給搬送手段を介して渡り手段に搬送させ得るとともに、任意操作により、メダルの不足情報に関わらず貯留タンク内のメダルを当該渡り手段を介して隣接する他の設置島に搬送可能とされた遊技機のメダル補給装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0115】
1 メダル供給搬送手段
2 メダル回収搬送手段
3 メダル補給手段
4 メダル計数機
5 メダル選別手段
6 振分け手段
7 第1貯留タンク
7a 第1検知手段
8 第2貯留タンク
8a 第2検知手段
9 洗浄手段
10 受け部
11 整列コンベア
12 洗浄コンベア
13 洗浄コンベア
14 受け部
15 リフタ
16 メダル通路
17 シュート
18a 大径メダル用ジョッキ
18b 小径メダル用ジョッキ
19 モータ
20 撹拌手段
21 搬送コンベア
22 受け通路
23 受け部
24 補給制御手段
25 搬送手段
26 シュート
27 分配タワー
28 渡り手段
29 大径メダル通路
30 小径メダル通路
31 ソレノイド
32 シュート
33 ソレノイド
34 振分け部材
35 通路
36a 小径メダル搬送部
36b 大径メダル搬送部
37 スクレーパ
38 シュート
38’ 渡り用シュート
39 フレーム
40 ソレノイド
41 コイルスプリング
42 アーム部
43 揺動部材
44 閉塞部材
45、46 案内部材
47 リフタ
48 開閉手段
49 ソレノイド
50 メダル通路
51 メダル通路
52、53 シュート
54 メダル通路
55 メダル通路
56 蓋部材
57 隔成部材
A 供給手段
A’ 渡り用供給手段
K1〜K3 設置島

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が設置される設置島に延設され、それぞれの遊技機に対してメダルを搬送して供給するメダル供給搬送手段と、
前記設置島に延設され、それぞれの遊技機から排出されたメダルを回収して搬送するメダル回収搬送手段と、
前記メダル回収搬送手段で回収されたメダルを収容するとともに、前記メダル供給搬送手段にメダルを補給するメダル補給手段と、
前記メダル補給手段に配設され、前記メダル回収搬送手段で回収されたメダルを小径メダルと大径メダルとに選別するメダル選別手段と、
前記メダル補給手段に配設され、前記メダル選別手段で選別されたメダルを貯留可能な貯留タンクと、
前記メダル補給手段に配設され、メダルの不足情報の交換が可能な補給制御手段と、
前記設置島と他の設置島との間で延設された搬送手段から成り、前記補給制御手段で得られたメダルの不足情報に応じて、当該他の設置島までメダルを搬送して供給可能とされるとともに、当該他の設置島からメダルを搬送して供給可能とされた渡り手段と、
を具備するとともに、前記設置島には、互いに異なる外径の大径メダル及び小径メダルが使用される遊技機が設置可能とされた遊技機のメダル補給装置であって、
前記補給制御手段は、前記メダル選別手段で選別され前記貯留タンクに貯留された前記小径メダル又は大径メダルを任意選択的に前記メダル供給搬送手段を介して前記渡り手段に搬送させ得るとともに、任意操作により、メダルの不足情報に関わらず前記貯留タンク内のメダルを当該渡り手段を介して隣接する他の設置島に搬送可能とされたことを特徴とする遊技機のメダル補給装置。
【請求項2】
前記任意操作により、前記貯留タンクで貯留したメダルを全て搬送させて当該貯留タンク内を空とすることを特徴とする請求項1記載の遊技機のメダル補給装置。
【請求項3】
前記貯留タンクは、前記メダル選別手段で選別された前記小径メダル又は大径メダルの一方を貯留する第1貯留タンク、及び前記メダル選別手段で選別された前記小径メダル又は大径メダルの他方を貯留する第2貯留タンクを有して成るとともに、前記任意操作により、前記第1貯留タンク又は第2貯留タンクの何れか一方のメダルを選択的に前記渡り手段を介して隣接する他の設置島に搬送させ得ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機のメダル補給装置。
【請求項4】
前記任意操作は、メダルの不足情報に応じて前記小径メダル又は大径メダルを任意選択的に前記メダル供給搬送手段を介して前記渡り手段に搬送させるための前記補給制御手段による制御を無効にすることを含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の遊技機のメダル補給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−115496(P2012−115496A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268053(P2010−268053)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】