説明

遊技機の取付け装置

【課題】遊技機を遊技機島に取付けるにあたり、遊技機に備えられた装着枠の上面を押圧して取付けする場合、装着枠の上面と遊技機島の上架板の間の間隙は僅かであるため、この上架板に穴を穿けるかもしくは後端部を切欠いて押圧部材を通過させる必要があり、工事が困難で、また遊技機島の構造強度が損なわれる原因となっていた。
【解決手段】遊技機の装着枠の上面と遊技機島の上架板との設計間隔は3ミリ〜4ミリであり、この間隙に弾性板よりなる押圧板を配置して、この押圧板の後端側を支点として前端部を降下して装着枠の上面を押圧して遊技機を遊技機島に取付けする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ台などの遊技機を遊技機島に取付ける遊技機の取付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ台などの遊技機1は、図2で示したように裏側に設けた矩形の装着枠2にヒンジ構造3によって開閉自在および取外し自在に取付けられており、遊技機1を図1で示した遊技機島4に取付ける場合、装着枠2を外して遊技機島4の上架板5と下架板6と縦部材7とで形成された区画C内に配置し、この装着枠2の枠上板8と枠下板を9をビス等で止着したり、専用の取り付け器具で固定した状態で遊技機1をヒンジ構造3を介して装着枠2に取付け、遊技機1を遊技機島4に閉じて使用に供する。
【0003】
上記の遊技機の取付け作業は、営業時間の終了後の深夜に行われるものであるため短時間でできることが望ましいものであるが、遊技機より装着枠を外し、装着枠を遊技機島に取付け、そしてこの装着枠に遊技機を取付けるような煩雑な作業は短時間ではできなかった。また遊技機の装着枠の取付けはビス等で止着するか、もしくは専用の取付け器具によって行われ、ビス等で止着する場合は遊技機島を損傷して確実に固定されない場合があり、専用の取り付け器具を利用した場合は装着枠の枠上板を下側より挟んだり、また枠上板の前後端を挟み込んだりするものであり、遊技機の高重量(20kg程度以上)に起因して緩みやガタ付きが生じ易く遊技機の固定に信頼性がなかった
【0004】
これらの問題点を解消するために、遊技機を遊技機島に取付けるにあたり、装着枠に遊技機が装着された一体の状態で区画に配置して、遊技機島の上架板の上方から押圧部材で装着枠の枠上板を押圧して固定する装置が提案されている。(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)また、装着枠は遊技機より取外し分離して取付けをするが取付けにビス等を使用しないものとして(特許文献5)が提案されている。
【0005】
押圧部材で、遊技機島の上架板の上方から装着枠の枠上板を押圧して固定する場合、現実店舗での遊技機島に於いては木製の上架板を通過させるための通過穴を加工形成しなければならない。(特許文献3)また、遊技機の性能を確認するテスト島に於いては、上架板を必要としない場合と、営業店舗の遊技機島と同様に上架板を設けている場合があり、後者は営業店舗と同様に上架板に通過穴を形成する必要がある。(特許文献2、特許文献4)
【0006】
遊技機島の上架板を金属製として、遊技機の取り付け装置を遊技機島の設計段階で織り込んだ場合に於いても押圧部材の通過穴は同様に必要となる。(特許文献1)また、押圧部材を上架板に通過させるには、上架板の後端部を切欠加工することも考慮できる(特許文献5)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2528046号(図6)
【特許文献2】特許第4491383号(図4、図6)
【特許文献3】特許第4514158号(図12)
【特許文献4】特開2009−165759号(請求項1、図7)
【特許文献5】特開2006−314653号(図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明が解決しようとする課題は、遊技機島の上架板に穴や切り欠き等の加工をしなくとも、押圧部材で遊技機の枠上板を押圧して遊技機を遊技機島に堅固に取付けることにある。遊技機島の上架板は、特別に設計変更する以外は厚み20ミリ前後、取付け有効巾70ミリ〜80ミリと規格化されており、また、押圧部材は遊技機の装着枠が動かないように押圧するにはある程度の接触面積を必要とするため、結果として通過穴や切欠きの範囲が大きくなり上架板の強度、ひいては遊技機島の強度を損なう原因となっている。これらの加工も特に営業中の店舗で行う場合は工事の難度が増加して工事がコスト高になっていた。
【0009】
また、遊技機島の上架板の後端を切り欠いて、この切り欠き内に押圧部材が通過するようにした場合、遊技機の装着枠の枠上板の前後巾の規格寸法は最大70ミリ、最小で50ミリ程度で巾の狭い場合は枠上板の後端は20ミリ前側となり、この巾の狭い場合の枠上板を確実に固定するには遊技機島の上架板の切り欠きは通常よりさらに前側に切り欠く必要がある。遊技機島の上架板の取付け有効部(板水平の箇所)は後端より70ミリ〜80ミリで規格化されているので、上記の切り欠きは上架板の巾の半分もしくはそれ以上となり、遊技機島全体の強度劣化の原因となる。(特許文献5)
【0010】
また、遊技機島の上架板の下面と遊技機の装着枠の枠上板の上面との間隙は、遊技機の重量等の原因で設計時の基準間隙の3ミリより広がる範囲でバラツキがあり、押圧部材の押圧時の下死点の高さを一定とした装置では、装着枠の枠上板が同じ力で押圧されないので遊技機の取付け状態が一定とならず取付け不良の原因となっている。また、下死点の高さ調整ができる装置を設けた場合、間隙の大小で一台ごとに調整しなければならず取付け作業に時間がかかる。(特許文献2)(特許文献3)(特許文献4)
【0011】
また、遊技機の装着枠の枠上板は、木もしくは比較的薄い厚みの金属であるので、上面を押圧して固定する場合撓んで固定状態が不安定になり、極端な場合は枠上板の下面に支持部材を設けるものもあった。これを防ぐには枠上板の左右の端箇所の枠縦部材の上端を押すことができればこの問題は解決できる。しかし装置自体の巾に比較して押圧部材の巾は制限があるので、該箇所を押圧することは難しくさらに取付け装置の上記の取り付け箇所に障害物がある場合はできないものであった。
【0012】
また、従来の押圧部材の通過穴や切り欠きは前記の遊技機島の強度が劣化するため、大きく形成できないので押圧面も小さな面積に限定され、結果として装着枠の固定力が弱いので木製の被押圧面に喰い込む突起を形成している。この突起は装着枠が金属製の場合は喰い込むことができないので、装着枠の固定状態の信頼性が劣る。
【0013】
また、押圧部材が弾機的に装着枠の枠上板を押圧するのではなく、押圧位置が固定している装置では、遊技機島に遊技機が長期間取付けられたままの場合、装着枠の撓みや遊技機自体の振動等で遊技機の取付けが緩み、点検時の開閉で遊技機島から外れる場合がある。
【0014】
また、遊技機を遊技機島に取付ける場合、装着枠の後端を規制部材に押し付けて行わないと入れ替え前の遊技機の傾きと同様の傾きにならないため、取付けにあたっては遊技機の前面の上部を押付けながら行う必要があり一人で行う作業としては無理があった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明によれば、遊技機島の上架板と下架板間の区画内に遊技機を配置して、遊技機に備えられた装着枠の枠上板の上面を押圧して遊技機を遊技機島に取付ける遊技機の取付け装置であり、遊技機を遊技機島の区画内の下架板上に載置した状態で、遊技機島の上架板と遊技機の装着枠の枠上板との間隙内に設けた押圧板と、この押圧板の後端側を支点として先端部を降下して装着枠の枠上板を押圧する押圧手段と、遊技機の装着枠の枠上板の後端部に当接して遊技機の後方への移動を規制する規制手段とで構成し、押圧手段を操作して押圧板で遊技機の装着枠の枠上板を押圧して遊技機を遊技機島に固定する遊技機の取付け装置を提供した。
【0016】
上記の押圧板は、弾性板とした。
【0017】
上記の押圧板は、押圧面に滑り止めを設けた。
【0018】
上記の押圧板は、先端部の下面をテーパー状とした。
【0019】
上記の押圧手段は、上下位置調整手段を介在して押圧板に係合し、押圧板は遊技機島の上架板と遊技機の装着枠の枠上板との間隙内で上下位置を調整自在とした。
【0020】
上記の押圧板は、先端部を遊技機島の上架板の下面に弾機的に当接した状態で、遊技機の遊技機島への取付けの待機をするようにした。
【0021】
上記の押圧手段は、遊技機島の上架板の上面に固定したケース本体と、ケース本体に枢着し下端部を押圧板の後端に設けた支点部材に係合した腕板と、ケース本体に回転自在に架設し腕板の上端部と係合するナット部材を螺合し一端部に操作部を形成した螺子とで構成し、操作部を回転し押圧板の先端部を降下して遊技機を遊技機島に固定するようにした。
【0022】
上記の押圧手段は、遊技機島の上架板の上面に固定したケース本体と、ケース本体に枢着し下端部を押圧板の後端に設けた支点部材に係合した腕板と、ケース本体に軸方向に弾機的にスライド自在に架設し腕板の上端部と係合する係合部を備え一端部にはカムローラーを回転自在に設けたスライドシャフトと、前記カムローラーに係合し操作部を備えたカムとで構成し、操作部を上下操作し押圧板の先端部を降下して遊技機を遊技機島に固定するようにした。
【0023】
上記の操作部は、遊技機島の前面で開閉板を有する点検開口部に臨ませた。
【0024】
上記の操作部は、遊技機島の前面板に開口を形成して、この開口より操作するようにした。
【0025】
上記の規制手段は、遊技機の前後方向に移動自在として遊技機の傾きを調節できるようにした。
【0026】
以上の解決手段によって上記の課題が解決される。
【発明の効果】
【0027】
この発明は、上記のように構成したので遊技機島の上架板と遊技機の装着枠の枠上板との間隙内に設けた押圧板が、この先端部から順次に遊技機の装着枠の枠上板を押圧して遊技機を遊技機島に堅固に取付けるので、遊技機島の上架板に押圧部材が移動する通過穴や切り欠きを形成することがなく、また遊技機島の上架板の強度の減少や遊技機島の上架板の加工等を原因とする装置自体の取付け作業の難度が解消できる。
【0028】
また、遊技機島の上架板に穴や切り欠きを形成する必要がないので、押圧板を大面積で形成して押圧力を強くでき、特に装着枠の枠上板の左右の端に対応する遊技機島への該装置の取付け箇所に障害物があっても押圧板の巾を広くすることで枠上板の枠縦部材との対応箇所を押圧することができ枠上板の撓み等の問題に関係なく堅固に固定できる。
また、押圧板は弾性作用によって遊技機島の上架板と遊技機の装着枠の枠上板との間隙の大小に関係なく枠上板を押圧するので遊技機は遊技機島に堅固に固定され、上記の間隙量に変化が生じても固定状態に影響を受けない。また、遊技機を長期間取付けたままの状態に起因する装着枠の撓みや、遊技機自体の振動による取付け箇所の緩み等は押圧板の弾性によって吸収するので、遊技機は長期間取付けたままでも開閉時に外れたりすることがない。
【0029】
また、押圧板は下面に設けた滑り止めによって上記の弾性作用との相乗効果で、装着枠が金属性の場合においても木製と同様に堅固に固定することができる。
【0030】
また、押圧板は遊技機島の上架板と装着枠の枠上板との間隙内で上下に移動できるようにしたので、上架板の厚みや上記の間隙の大小に対応させて上下に移動することで枠上板を一定の押圧力で押圧でき、枠上板の厚みや間隙の大小で遊技機の固定状態に影響を及ぼさない。
【0031】
また、押圧板は先端部の下面をテーパー状とし、装着枠の取付け待機時にはこの先端部を遊技機島の上架板の下面に弾機的に当接した状態としたので、装着枠の装着時、即ち遊技機の取付け時に押圧板が装着枠の装着の邪魔となることが無く、且つ装着枠の固定前の段階で仮止めの作用が営まれる。
【0032】
また、押圧板は押圧手段で遊技機の装着枠の枠上板の後端側を支点として先端部を降下して装着枠の枠上板を押圧するので、枠上板は遊技機島の下架板方向に押圧されて固定される過程で、枠上板の後端部方向にも押圧されて後端部を規制手段で位置決めされる。よって遊技機は遊技機島への取付け作業において、前面の上部を後方へ押し付けて行うような無理な作業をすることが無く、遊技機の傾きも入れ替え前の遊技機と略同様の傾きとして取付けすることができる。
【0033】
また、押圧板は螺子を利用した押圧手段で所定の圧力にいたるまで枠上板を連続的に押圧するので、遊技機島の上架板と装着枠の枠上板の間隙の距離に関係無く装着枠を堅固に固定することができる。
【0034】
また、カムを利用した押圧手段で枠上板を押圧するものは押圧操作が短時間で簡単に行える。
【0035】
また、操作部は遊技機島の点検開口部もしくは遊技機島の前面板の開口に設けたので、遊技機の取付け操作が遊技機の前面側より行える。
【0036】
また、遊技機の取り付けにあたり規制手段によって遊技機の傾きを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の一実施例を示す遊技機島の正面図
【図2】遊技機と装着枠の開閉状態を示す斜視図
【図3】遊技機の取付け装置を設置した遊技機島の断面図
【図4】同上、遊技機の取り付け装置の断面図
【図5】遊技機の取り付け装置の押圧手段の動作を示す断面図
【図6】図4の遊技機の取付け装置の一部切り欠き右側面図
【図7】遊技機の取り付け装置の分解斜視図
【図8】押圧板の上下移動状態を示す断面図
【図9】押圧板の待機状態を示す断面図
【図10】押圧板の押圧状態を示す断面図
【図11】遊技機の装着枠の枠下板の取付け状態を示す断面図
【図12】同上、他の実施例図
【図13】同上、他の実施例図
【図14】遊技機島の他の実施例を示す正面図
【図15】同上、断面図
【図16】押圧手段の他の実施例を示す断面図
【図17】同上、作用状態図
【図18】同上、分解斜視図
【図19】カムの他の実施例を示す断面図
【図20】規制手段の他の実施例を示す断面図
【図21】同上、要部断面図
【発明を実施するための形態】
【0038】
この発明を図面に基づいて説明する。
【0039】
この発明の遊技機の取付け装置Aは図1で示した遊技機島4の区画7に対応し左右一対として上架板5に取付けられている。遊技機島4はこの上架板5と下架板6と通常サンドと称する玉供給用のケース等を含む縦部材7で区画Cが形成されている。この区画Cに遊技機1が配置されて使用に供する。
【0040】
遊技機1は図2で示したように装着枠2がヒンジ構造3を介して機体の裏側に閉じた状態で上記の区画C内に取付けられる。区画C内に配置された遊技機1は図3で示したように装着枠2の枠下板9が下架板6上に載置され且つ、枠上板8が上架板5の下方で適宜な間隙Bを保持して対向するようにして装着枠2が取付けられ、結果として遊技機1が遊技機島4に開閉自在として取付けられる。
【0041】
この発明の取付け装置Aは装着枠2の上部の取付け、即ち枠上板8に対する取付け装置に関するもので、一方、枠下板9の取付けは、釘やビスもしくは図11に示した螺子による取り付け装置(特開2011−24979)または図12で示したトグルクランプによる取り付け装置(特開2009−148486)さらには図13で示したように枠下板9の後端部の後退のみを規制する後退規制装置等、枠下板9の固定手段は特に限定するものではない。また、この取付け装置Aは枠上板8を下方に押圧して固定するものであるので、下架板6上にゴム等の滑り止め(図示せず)を設けて接触抵抗を大きくして固定する手段も考えられる。
【0042】
上架板5と枠上板8の間隙Bは装着枠2が自在に出入りできるように設計時には3mm程度の間隔が保たれているが、長期間の使用による遊技機4の荷重でこの間隔は大きくなる。この取り付け装置Aは上記の間隙B内に押圧板10を配置してこの枠上板8の上面を押圧して装着枠2を固定するものである。しかしながら押圧板10は装着枠2の出入りの邪魔にならない1mmから2mm程度の厚みに限定される上に、押圧板10を単に水平降下させて枠上板8を押圧しても、押圧板10の先端部が枠上板8の上面より上方に反り上がり後端部のみが枠上板8の後端部上面を押圧することになる。この不安定な取付け状態では高重量の遊技機1を堅固に固定することはできないので、遊技機1を前方に開いて遊技機1の左側上部の取付け部に全体の荷重が掛かると、枠上板8の上面の前側が押圧板10で押圧されていないため前方に動いて遊技機1は脱落する。
【0043】
また、枠上板8の規格巾は70mmであるが特殊な場合は50mm程度の物もあり、枠上板8は前端の位置を基準として取り付けられるため巾が狭い場合、押圧板10の後端側より離れた箇所で押圧することになり遊技機1の固定状態は、尚一層悪くなる。この取付け装置Aは上記の観点より押圧板10をこの後端側を支点として先端側が降下するようにして枠上板8の上面を押圧するようにしたものである。
【0044】
図3より図7で示した取付け装置Aは、遊技機島4の上架板5と遊技機1の装着枠2の枠上板8との間隙B内に設けた押圧板10と、上下位置調整手段11を介して押圧板10を設けた押圧手段12と、規制手段36とで構成している。
【0045】
上記の押圧手段12は、上架板5の上面に固定したケース本体13と、ケース本体13に枢着し上端部を螺子14に螺合したナット部材15に係合し、下端部を支点部材16と係合した腕板17と、ケース本体13に枢着し下端部を上下位置調整手段11を介して押圧板10の後端部に接続した上記の支点部材16とで構成している。
【0046】
押圧板10は図7に示したように、後端側18の上面に取付け金具19を固定している。取付け金具19は凸形状の基底部20を、螺子穴21と押圧板10の取付け穴22を介して螺子23で押圧板10に止着している。
【0047】
支点部材16は、下端部に取付け金具19の頭部24を上下方向スライド自在に収容する収容部25を形成し、一対の立上り板26に設けた軸穴27、28に頭部を径大とした支軸29、30を挿通している。支軸29は立上り板26より突出した個所のピン穴31にピン32を嵌入して脱落を阻止され、支軸30はケース本体13の内側に立上り板26を臨ませた状態で、ケース本体13の軸穴33および立上り板26の軸穴28に挿通してこの突出個所のピン穴34にピン35を嵌入して支点部材16をケース本体13に揺動自在に取付けている。
【0048】
支点部材16の収容部25の天井個所には軸穴37を備えた天板38が一体に形成され、この軸穴37には調整螺子39の径小な空転部40を回転自在に挿入し、天板38より突出した個所のピン穴41にピン109を嵌入して調整螺子39は収容部25内で回転自在に設けられている。取付け金具19の凸形状の頭部の穴42aの下面には上記の調整螺子39と螺合するナット42が固着されているので、取付け金具19を上記の収容部25内に入れて調整螺子39の下端の6角穴43を押圧板10の穴44よりレンチで回すことで、取付け金具19は収容部25内で回転を規制されて上昇して押圧板10を上昇および下降する。押圧板10の間隙B内での上下位置調整手段11は上述の構成で営まれる。
【0049】
ケース本体13は、下端部の水平取付け部45を上架板5上に配置し、一体の垂下部46が上架板5の後端に当接した状態で、上架板5の下側より先端に螺子形成機能を有するビス47で上架板5を貫通しさらに水平取付け部45の止着穴48に螺子を切りながら貫通してケース本体13を堅固に固定する。
【0050】
ケース本体13には両側にカム49を一体に形成したナット部材15を螺合した螺子14が回転自在に架設されている。螺子14は前端部に形成した径小な空転部50をケース本体13の軸穴51に挿通し、後端の径小部52を支持板53の軸穴54に回転自在に挿入しナット部材15の回転を規制した状態で、空転部50より連続形成した6角の操作部55をレンチ等で回すと、ナット部材15は螺子14の軸方向に移動する。支持板53は取付け穴56を形成した両側の取付け部57をケース本体13の外側に臨ませ、この取付け穴56とケース本体13の螺子穴58によって螺子59で止着する。
【0051】
一対の腕板17は接続部60で一体に形成され、上下端部にカム溝61、62が、一方中央個所に軸穴63が設けられている。この腕板17を本体ケース13内に装置して、頭部を径大とした支軸64を軸穴63およびケース本体の軸穴65に挿通しケース本体13の突出個所のピン穴66にピン67を嵌入することで、腕板17はケース本体13内で支軸64を支点として規制される範囲で回転できる。カム溝61をナット部材15のカム49に係合し、カム溝62を支点部材16の支軸29に係合して上記の操作部55を回すとナット部材15の移動にともなって支点部材16に設けた押圧板10は後端側を支点として先端が降下もしくは上昇する。
【0052】
上記の規制手段36は、本体ケース13に固着され螺子穴110を備えた案内板68と、この案内板68に上下方向に移動自在に案内される上部取付け部69に螺子穴110と対応する長穴70を形成し、下部に固着したナット71と連続した通過穴72を設けた規制板73と、ナット71に螺合し先端に位置決め部74を形成した調整ボルト75とで構成している。規制板73は上部取付け部69を案内板68の曲折部76内に入れて長穴70を介して螺子77で螺子穴110に止着され、ナット71に調整ボルト75を螺入した状態で螺子77の止着操作で調整ボルト75の上下位置を長穴70の範囲で調整できる。
【0053】
上記の取付け装置Aによって遊技機4を取付けるには、操作部55を回して押圧板10を図8で示したように間隙B内で水平の姿勢とし、ついで押圧板10の下側より調整螺子39を回して上架板5の下面方向に上昇させる。このさい押圧板10は図9で示したように上架板5の下面より多少間隔Dを保持して上下の位置決めをし、次いで操作部55を押圧板10の先端が上昇する向きに回転して先端部を上架板5の下面に押圧当接する。押圧板10は先端部の下面をテーパー状78としているので、上記の待機状態で遊技機島4の区画Cに遊技機1の装着枠2が導入される際に枠上板8が押圧板10の先端にぶつかっても押圧板10の先端部が下がって装着の障害となることが無く、さらにテーパー状78の案内でスムーズに押圧板10の下側に導入される。
【0054】
次に遊技機1を装着枠2が備えられた状態で区画C内に導入する。この際に枠上板8は後端を調整ボルト75の位置決め部74に当接して後方の移動を規制される。調整ボルト75は枠上板8の上下位置に対応して螺子77の操作で上下位置を調整する。遊技機1は上部が後方に傾いた姿勢で遊技機島4に取付けられるものであり、この傾きは調整ボルト75を回して事前に設定する。
【0055】
次に操作部55を押圧板10の先端部が下降する向きに回して、図10で示したように押圧板10の下面で先端部より順次に枠上板8を押圧して装着枠2を堅固に固定する。この時押圧板10の先端部は後方に移動しながら枠上板8を降下押圧するので枠上板8は同様に位置決め部74を押圧して位置決めされる。操作部55は電動ドライバーもしくは手動レンチ等で操作するが、締め付けトルクを設定することで装着枠2の固定力を一定とすることができる。また、万が一取り付けが緩んだ場合は操作部55を締め直すことで遊技機のガタ付を解消できるが、押圧板10の下面にゴムを焼付け加工したり凹凸面の形成および滑り止めテープの貼り付け等滑り止め79を形成して固定を堅固にする。また装着枠2の枠上板8の被押圧面が金属面である場合、該箇所にアルミテープや両面粘着テープもしくは滑り止めテープを貼り付けることで、遊技機1の取付け状態を尚いっそう堅固にすることができる。
【0056】
操作部55は図3で示したように遊技機島4の前面の点検開口80に臨ませ、この開閉板81を開いて遊技機島4の前側から上記の取付け作業を行う。従ってこの取り付け装置Aでは遊技機1を装着枠2が取付いた状態で区画Cに入れて取付け作業を行うことができる。
【0057】
図14と図15は遊技機島4の点検開口80が玉箱置82の上部にあるものを示し、この場合は操作部55に対応する前面板83に開口84を穿けて操作できるようにする。開口84には営業時にはキャップ85を嵌めて部外者の操作を防止する。
【0058】
図16から図19は押圧手段12の他の実施例を示している。ケース本体13に架設されカム86よりなる係合部87を有するスライドシャフト88は両端部を軸穴89、90、108に挿通してケース本体13およびケース本体13に固着した支持板91にバネ92を介して弾機的に摺動自在に設けられている。このスライドシャフト88はケース本体13に固着した一方の支持板93側の突出端に支軸94でカムローラー95を枢支している。カム86は腕板17のカム溝61に係合している。カムローラー95には支持板93の軸穴96で支持された支軸97で回転自在としたカム98が係合し、カム98の操作部99を図17に示したように操作して腕板17の上端部を支軸64を支点として移動させて遊技機1の取付けを行う。支持板91と93は螺子100、101および止着穴102、103、104によってケース本体13に止着している。図19はカム98の他の実施例を示している。カム98は円形として偏芯個所に支軸97が設けられ、操作部99を操作した場合カムローラー95を連続的に押圧するので、図17の実施例に比較して押圧板10の押圧力が限定されない。
【0059】
図20と図21は規制手段36の他の実施例を示し、規制手段36が押圧板10と一体としたものを例示している。押圧板10の下側に螺子105で支持板106を止着し、挿通穴107を有する立下り部111にナット112を固着している。ナット112に調整ボルト75を螺入して装着枠2の後方の位置決めを行う。
【産業上の利用可能性】
【0060】
この発明の遊技機の取り付け装置はパチンコ台の取付け以外にスロットマシーンの取付けにおいても同様に利用できる。
【符号の説明】
【0061】
A・・・取付け装置
B・・・間隙
C・・・区画
1・・・遊技機
2・・・装着枠
4・・・遊技機島
5・・・上架板
6・・・下架板
7・・・縦部材
8・・・枠上板
9・・・枠下板
10・・・押圧板
11・・・上下位置調整手段
12・・・押圧手段
13・・・ケース本体
14・・・螺子
15・・・ナット部材
16・・・支点部材
17・・・腕板
36・・・規制手段
55・・・操作部
80・・・点検開口
81・・・開閉板
83・・・前面板
84・・・開口
87・・・係合部
88・・・スライドシャフト
95・・・カムローラー
99・・・操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機島の上架板と下架板間の区画内に遊技機を配置して、遊技機に備えられた装着枠の枠上板の上面を押圧して遊技機を遊技機島に取付ける遊技機の取付け装置であり、遊技機を遊技機島の区画内の下架板上に載置した状態で、遊技機島の上架板と遊技機の装着枠の枠上板との間隙内に設けた押圧板と、この押圧板の後端側を支点として先端部を降下する押圧手段と、遊技機の装着枠の枠上板の後端部に当接して遊技機の後方への移動を規制する規制手段とで構成し、押圧手段を操作して押圧板で遊技機の装着枠の枠上板を押圧して遊技機を遊技機島に固定することを特徴とする遊技機の取付け装置。
【請求項2】
上記の押圧板は、弾性板としたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機の取付け装置。
【請求項3】
上記の押圧板は、押圧面に滑り止めを設けたことを特徴とする請求項1と請求項2に記載の遊技機の取付け装置。
【請求項4】
上記の押圧板は、先端部の下面をテーパー状としたことを特徴とする請求項1と請求項2および請求項3に記載の遊技機の取付け装置。
【請求項5】
上記の押圧手段は、上下位置調整手段を介在して押圧板に係合し、押圧板は遊技機島の上架板と遊技機の装着枠の枠上板との間隙内で上下位置を調整自在としたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機の取付け装置。
【請求項6】
上記の押圧板は、先端部を遊技機島の上架板の下面に弾機的に当接した状態で、遊技機の遊技機島への取付けの待機をするようにしたことを特徴とする請求項1と請求項2と請求項4および請求項5に記載の遊技機の取付け装置。
【請求項7】
上記の押圧手段は、遊技機島の上架板の上面に固定したケース本体と、ケース本体に枢着し下端部を押圧板の後端に設けた支点部材に係合した腕板と、ケース本体に回転自在に架設し腕板の上端部と係合するナット部材を螺合し一端部に操作部を形成した螺子とで構成し、操作部を回転し押圧板の先端部を降下して遊技機を遊技機島に固定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機の取付け装置。
【請求項8】
上記の押圧手段は、遊技機島の上架板の上面に固定したケース本体と、ケース本体に枢着し下端部を押圧板の後端に設けた支点部材に係合した腕板と、ケース本体に軸方向に弾機的にスライド自在に架設し腕板の上端部と係合する係合部を備え一端部にはカムローラーを回転自在に設けたスライドシャフトと、前記カムローラーに係合し操作部を備えたカムとで構成し、操作部を上下し押圧板の先端部を降下して遊技機を遊技機島に固定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機の取付け装置。
【請求項9】
上記の操作部は、遊技機島の前面で開閉板を有する点検開口部に臨ませたことを特徴とする請求項7および請求項8に記載の遊技機の取付け装置。
【請求項10】
上記の操作部は、遊技機島の前面板に開口を形成して、この開口より操作するようにしたことを特徴とする請求項7に記載の遊技機の取付け装置。
【請求項11】
上記の規制手段は、遊技機の前後方向に移動自在として遊技機の傾きを調節できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機の取付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−232086(P2012−232086A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114154(P2011−114154)
【出願日】平成23年4月30日(2011.4.30)
【出願人】(504191246)
【Fターム(参考)】