説明

遊技機の基板取付構造

【課題】中継基板と基板保持部材との間に不正部品の配線を挿通させるのを防止する。
【解決手段】基板保持部材60は、第1中継基板95の外周端縁95Cに対向する部分に該外周端縁95Cに近接するよう突設され、該第1中継基板95の略全周を隙間なく囲繞するよう延在する外周突壁部62を備える。従って、第1中継基板95を基板保持部材60に装着すると、該第1中継基板95の外周端縁95Cと外周突壁部62との間から該第1中継基板95の裏側基板面95Bへ不正部品の配線等が挿通されるのを阻止し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板保持部材に配設した中継基板を備えた遊技機の基板取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、遊技機の代表例の一つであるパチンコ機は、固定枠としての外枠に開閉自在に組み付けられた本体枠としての中枠に、前面にパチンコ球が打ち出される遊技領域が画成された遊技盤が着脱自在に配設される。前記遊技盤の前側には、始動入賞装置や特別入賞装置、遊技状態に合わせて発光演出を行う発光演出装置等(以下、電気部品という)が配設されている。また、前記遊技盤の後側には箱状の設置部材が配設され、この設置部材の前側には遊技盤の前側から視認可能な可動演出装置や装飾部材等が配設されると共に、該設置部材の後側には、各種図柄を変動表示して図柄変動演出を行う液晶式やドラム式等の図柄表示装置が配設される。このようなパチンコ機では、前記遊技領域に打ち出して該遊技領域内を流下する遊技球が前記始動入賞装置に設けた始動口に入賞することで、図柄表示装置での図柄変動演出を開始させると共に遊技球を賞球として払出すよう構成されている。そして、前記図柄変動演出の結果、図柄表示装置に特定の図柄の組合わせ(大当り図柄)が表示されると、遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技)を発生して、図柄表示装置における演出に合わせて前記特別入賞装置の入賞口を開放した後に、予め設定された所定のラウンド遊技を繰返して、遊技者に多数の賞球を払出す好機を与えるようになっている。
【0003】
前記設置部材は、前方に開放する箱状に形成され、前記遊技盤の後面から後方へ所定の間隔をおいて対向する設置壁部と、該設置壁部の周縁部から前方に延出する外周壁部とを備え、該外周壁部の前端縁を遊技盤の後側に当接して該遊技盤の後側に配設される。前記設置部材の設置壁部の後側には、前記図柄表示装置の下方に基板設置部が設けられ、この基板設置部には複数のコネクタ接続端子を備えたメイン中継基板等の各種中継基板が配設されている。前記メイン中継基板には、前記始動入賞口や特別入賞口等に配設された球検知センサからの配線や、当該パチンコ機を総合的に制御する主制御装置からの配線が、夫々接続される。すなわちメイン中継基板は、各球検知センサ等からの信号と主制御装置とを電気的に接続するためのものである。
【0004】
前記メイン中継基板は、トレー形状に形成された基板保持部材に対し、コネクタ接続端子が配設された表面を露出した状態(回路がプリント成形された裏側基板面を保護した状態)で装着される。そして、前記基板保持部材を前記基板設置部に対して装着することで、メイン中継基板が前記設置部材に取り付けられる。このような基板取付構造を採用した遊技機は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−273908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで前記基板保持部材は、該基板保持部材に対して中継基板を取付け易くするため、該中継基板のサイズより一回り大きいトレー形状に形成されている。このため、基板保持部材と、装着された中継基板の外周端縁との間には、適宜の隙間が形成されている。従って、所謂ぶら下がり基板等の不正部品の配線が、前記隙間を利用してメイン中継基板の裏側回路面に挿入されて、コネクタ端子のコネクタピンに接続される畏れがあった。このような不正部品がメイン中継基板に接続されると、不正部品によりメイン中継基板を介して前記払出制御装置を不正に操作することで大量の賞球を獲得する不正行為が可能となるため、当該不正行為を防止するような対策が望まれている。
【0007】
すなわち、本発明は、従来技術に係る遊技機における基板取付構造に内在する前記問題に鑑み、これらを解決するべく提案されたものであって、中継基板と基板保持部材との間に不正部品の配線を挿通させるのを防止し得る遊技機の基板取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
表面にコネクタ接続端子(96,97)を備えた中継基板(95)と、前記中継基板(95)が前記表面を露出した状態で取り付けられる基板保持部材(60)とを備え、遊技盤(D)の後側に配設される設置部材(40)の後側に設けた基板設置部(55)に前記基板保持部材(60)を取り外し可能に装着することで、前記中継基板(95)を該設置部材(40)に配設するよう構成した遊技機の基板取付構造において、
前記基板保持部材(60)は、
前記中継基板(95)の外周端縁(95C)に対向する部分に該外周端縁(95C)に近接するよう突設され、該中継基板(95)の略全周を隙間なく囲繞するよう延在する保護壁部(62)を備え、
前記中継基板(95)と保護壁部(62)との間から該中継基板(95)の裏側基板面(95B)へ不正部品の配線が挿通されるのを不能に構成したことを要旨とする。
【0009】
従って、請求項1に係る発明によれば、基板保持部材に中継基板が取り付けられると、該基板保持部材の保護壁部が中継基板の外周端縁に近接して該中継基板の略全周を隙間なく囲繞するようになる。これにより、保護壁部と中継基板の外周端縁との間から該中継基板の裏側基板面へ不正部品の配線が挿通されるのが不能となり、該配線をコネクタ端子のコネクタピンに接続することにより行なわれる不正行為を防止し得る。
【0010】
請求項2に記載の発明では、
前記基板保持部材(60)は、前記中継基板(95)の裏側基板面(95B)に相対する保護面部(61)が、該裏側基板面(95B)における少なくとも回路形成部分と近接するように形成され、
前記裏側基板面(95B)と保護面部(61)との間に不正部品の配線が挿通されるのを不能に構成したことを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、中継基板を基板保持部材に取り付けた状態では、該基板設置部材の保持面部が中継基板との間に不正部品の配線が挿通不能となるよう近接する構成としたので、不正部品の配線を中継基板に接続する不正行為を防止することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、
前記基板保持部材(60)の前記保護壁部(62)の一部に、前記設置部材(40)の後側に配設された部品(90)の当接部(91)が後方から当接する被当接部(66)が設けられ、
設置部材(40)に配設した前記部品(90)の当接部(91)が前記被当接部(66)に当接することで、前記基板保持部材(60)を前記基板設置部(55)から取り外し不能に構成したことを要旨とする。
従って、請求項3に係る発明によれば、基板設置部に基板保持部材を装着した状態で設設置部材の後側に部品を配設することで、該部品により基板保持部材が基板保持部から取り外すことができなくなり、不正を目的とした中継基板の取り外しを阻止し得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る遊技機の基板取付構造によれば、中継基板と基板保持部材との間に不正部品の配線を挿通させるのを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例のパチンコ機の正面図である。
【図2】実施例のパチンコ機の背面図である。
【図3】実施例のパチンコ機における遊技盤を、第1可動演出装置を取り外した状態で示す斜視図である。
【図4】第1〜第3の基板設置部に中継基板を配設した設置部材を後下方から見た斜視図である。
【図5】第1基板設置部に、第1中継基板を装着した基板保持部材を取り付けた状態を示す背面図である。
【図6】図5のX−X線断面図である。
【図7】第1基板設置部から、第1中継基板を装着した基板保持部材を取り外した状態を示す斜視図である。
【図8】第1中継基板と基板保持部材とを後下方から見た斜視図である。
【図9】第1中継基板と基板保持部材とを前上方から見た斜視図である。
【図10】(a)は、弾性部の背面図であり、(b)は、(a)のZ−Z線断面図であって、弾性部の変形による係止突部と係止受部との係脱態様を示している。
【図11】図5のY−Y線断面図であって、設置部材の後側に配設した取付部材の当接部が基板保持部材に当接している状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る遊技機の基板取付構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機Pを例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機Pを前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0015】
(パチンコ機)
実施例に係るパチンコ機Pは、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠Aの開口前面側に、遊技盤Dを着脱可能に保持する本体枠としての中枠Bが、開閉および着脱可能に組み付けられている。そして、前記遊技盤Dの裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置20の始動入賞口20Aへのパチンコ球(遊技球)の入賞)を契機として演出用の図柄を変動表示させて図柄変動演出を行なう図柄表示装置Hが着脱可能に配設されている。また、前記中枠Bの前面側には、前記遊技盤Dを透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板26で前後に開口する窓部を覆うよう構成された装飾枠としての前枠Cが開閉可能に組み付けられると共に、該前枠Cの下方にパチンコ球を貯留する下球皿Fが前記中枠Bに組み付けられる。更に、前記前枠Cの下部位置に、パチンコ球を貯留する上球皿Eが一体的に組み付けられており、前枠Cの開閉に合わせて上球皿Eも一体的に開閉するよう構成される。
【0016】
前記中枠Bの右下方位置には、該中枠Bに配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドルGが設けられており、該操作ハンドルGの操作により打球発射装置が作動されることで、前記上球皿Eに貯留されたパチンコ球が所定間隔(例えば、0.6秒間隔)で1球ずつ前記遊技盤Dに向けて連続的に発射されるようになっている。なお実施例では、前記図柄表示装置Hとして、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球皿Eは、前記前枠Cと別体に形成して中枠Bに対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0017】
前記中枠Bの後側上方には、図2に示すように、設置枠台等に設けられた外部球供給設備(図示せず)から供給されるパチンコ球を貯留する球タンク30が配設されると共に、後側の上下中央より下方には、前記上下の球皿E,Fに連通する球供給路および設置枠台に設けた球回収樋に連通する球排出路が夫々形成されたセット部材31が配設されている。また、中枠Bの裏側における左方には、前記球タンク30とセット部材31とを連通接続する球通路ユニット32が上下に架設され、該球通路ユニット32に配設された球払出装置33の駆動により球タンク30に供給されたパチンコ球を上下の球皿E,Fへ給出するよう構成されている。前記セット部材31には、前記球払出装置33を駆動制御する払出制御装置124や、前記打球発射装置を駆動制御する発射制御装置123等が配設されている。前記払出制御装置124は、遊技盤Dの裏側に配設される設置部材40(後述)の後側に取り付けられた主制御装置120に第2中継基板85(後述)を介して電気的に接続されており、該主制御装置120からの制御信号に基づいて払出制御装置124が前記球払出装置33を制御する。また前記発射制御装置123も、前記主制御装置120に電気的に接続されており、該主制御装置120からの制御信号に基づいて発射制御装置123が前記打球発射装置を制御する。
【0018】
(遊技盤)
前記遊技盤Dは、図1および図3に示すように、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂製板やベニア等の木製合板を材質とし、前記中枠Bに設けた遊技盤保持部(図示せず)の内縁形状に整合する外縁形成された略矩形の平板状に形成され、その前側には遊技領域10が設けられると共に、その後側には後述する設置部材40が配設されている。遊技盤Dの前側には、左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール11と、この外レール11の内側に中央下部から左上部にかけて並べて配置された内レール12と、外レール11の右上部から内レール12の下部までの間に右方へ凹む湾曲形状に構成された盤面飾り部材13等が配設されており、両レール11,12および盤面飾り部材13で囲まれた内側が前記遊技領域10として構成されている。これにより、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球は、外レール11と内レール12との間を通って遊技領域10の左上部に打ち出された後、該遊技領域10内を流下する。但し、前記内レール12の延在長を大きく設定して、前記外レール11および該内レール12で遊技領域10を形成するように構成してもよい。
【0019】
前記遊技盤Dには、図3に示すように、中央に大きな貫通口が形成され、前後に開口して遊技演出領域とされる表示窓口28Aが形成された枠状装飾部材28が、該貫通口の開口縁に配設されている。この枠状装飾部材28の前部には、図柄表示装置Hで行なわれる遊技内容に合わせた装飾が施されている。そして、前記設置部材40に対して後側から着脱可能に配設された図柄表示装置Hにおける表示部H1や、該設置部材40の前側に配設される第1〜第3の装飾部材46,47,48および第1〜第3の可動演出装置49,50,51等が、枠状装飾部材28の表示窓口28Aに臨むように配設されている。なお、前記枠状装飾部材28と前記盤面飾り部材13との間には、パチンコ球の流下が可能な流下経路15が形成されている。
【0020】
また前記遊技盤Dには、前記貫通口の真下において、該遊技盤Dの左右中央に第1装着口が開設され、該貫通口の右下方(第1装着口の右側)に第2装着口が開設されると共に、前記第1装着口の左側に第3装着口が開設されている。そして、図3に示すように、前記第1装着口には、始動入賞口20Aを備えた始動入賞装置20が前側から配設され、前記第2装着口には、開閉扉21A特別入賞装置21が前側から配設されると共に、第3装着口には、3つの入賞口22Aが左右に配列された普通入賞具22が配設されている。すなわち前記特別入賞装置21は、前記枠状装飾部材28の右側に形成された前記流下経路15の下方に位置している。なお、遊技盤Dの前面における前記遊技領域10内には、多数の球案内釘23や回転球案内具25等が配設されている。
【0021】
前記始動入賞装置20、特別入賞装置21および普通入賞具22には、各々に入賞したパチンコ球を検知する球検知スイッチが個別に配設され、各球検知スイッチからの球検知信号は、前記設置部材40の後側に取り付けられて当該パチンコ機Pを総合的に制御する主制御装置120に送出される。前記主制御装置120は、前記始動入賞装置20の球検知スイッチからの検出信号を受けると、大当たり抽選を行なうと共に、前記設置部材40の後側に取り付けられた統括制御装置121に制御信号を出力して前記図柄表示装置Hに図柄変動演出を行なわせると共に、前記中枠Bの後側に配設された払出制御装置124に制御信号を出力して、球払出装置33に所定数の賞球を払い出させる。そして、前記主制御装置120における前記大当たり抽選の結果として大当たりが発生する場合には、図柄表示装置Hの表示部H1での図柄変動演出の後に、該表示部H1に所定の図柄組合わせで図柄が停止表示され、前記特別入賞装置21の開閉扉21Aが開放位置に姿勢変位して多数のパチンコ球の入賞が可能となる。また主制御装置120は、前記特別入賞装置21の球検知スイッチからの検出信号を受けると、前記払出制御装置124に制御信号を出力して前記球払出装置に所定数の賞球を払い出させる。更に主制御装置120は、前記普通入賞具22の球検知スイッチからの検出信号を受けると、前記払出制御装置124に制御信号を出力して前記球払出装置33に所定数の賞球を払い出させる。
【0022】
(設置部材)
前記設置部材40は、図3および図4に示すように、前方に開放する略矩形のバケット状に一体成された合成樹脂製の部材であって、前側の開放端を遊技盤Dの後面に突き合わせて該遊技盤Dに取り付けられる。この設置部材40は、遊技盤Dの後面に対して後方から所要の間隔で対向して該遊技盤Dの後面を構成する設置壁部41と、この設置壁部41の周縁から前方へ延出形成された外周壁部42と、この外周壁部42の前端から外方に向けて屈曲形成された縁板部43等を備えている。すなわち設置部材40は、外周壁部42で囲われて遊技盤D側に開放する前部開口が矩形状に形成されると共に、縁板部43の外周縁が、遊技盤Dの外周縁より一回り小さい形状および大きさで形成されている。このような設置部材40は、縁板部43を遊技盤Dの後面にネジ止めすることで該遊技盤Dに固定され、遊技盤Dの後面から離間した設置壁部41の前側に、前記第1〜第3の各装飾部材46,47,48や、第1〜第3の各可動演出装置49,50,51や、その他の各種部材の配設を可能とする空間SPを画成するよう構成されている。
【0023】
前記設置部材40の設置壁部41には、図3および図4に示すように、前後に貫通する略矩形の表示開口44が形成されている。また、設置壁部41の後側には、前記図柄表示装置Hを固定するための取付部45が設けられ、表示部H1を表示開口44に臨ませた状態で該図柄表示装置Hが着脱可能に取り付けられる。前記図柄表示装置Hは、各種図柄を表示可能な表示部H1をなす液晶パネルが収容ケースに収容されたユニット部材であって、図2に示すように、該収容ケースの後面には、該図柄表示装置Hの表示部H1の表示制御を行なう表示制御装置122と、当該パチンコ機Pの遊技演出を統括的に制御する前記統括制御装置121とが配設される。統括制御装置121には、設置壁部41の後側に配設した第2中継基板85を介して前記図柄表示装置H、前記前枠Cに配設されたランプ装置や前記中枠Bに配設されたスピーカ等が電気的に接続されており、該統括制御装置121から出力される制御信号に基づいて各装置が作動制御される。また統括制御装置121には、第2中継基板85を介して、設置壁部41の前側に配設された前記第1〜第3の各装飾部材46,47,48に配設された照明装置から導出された配線や、前記第1〜第3の各可動演出装置49,50,51等に配設された駆動装置や照明装置から導出した配線等が電気的に接続されており、該統括制御装置121から出力される制御信号に基づいて各照明装置の点灯制御や各可動演出装置49,50,51の作動が制御される。
【0024】
図1および図3に示すように、前記設置壁部41において、前記表示開口44の上側に位置する上板部41Aの前方には前記第1装飾部材46が配設され、該表示開口44の右に位置する右板部41Bの前方には前記第2装飾部材47が配設されると共に該表示開口44の左に位置する左板部41Cの前方には第3装飾部材48が配設されている。また、第1装飾部材46の前側に第1可動演出装置49が配設されると共に、前記第2装飾部材47の前側に第2可動演出装置50が配設されている。更に、前記設置壁部41の前側には、該設置壁部41と前記第1〜第3の各装飾部材46,47,48との間に形成された空間に第3可動演出装置51が配設されている。前記第1〜第3の各装飾部材46,47,48および第1〜第3の各可動演出装置49,50,51から導出された配線は、前記設置壁部41の所要位置から設置部材40の裏側へ引き出され、前記第2中継基板85のコネクタ接続端子に接続される。
【0025】
(基板設置部)
前記設置部材40には、図4に示すように、前記設置壁部41において前記表示開口44の下側に位置する下板部41Dの後側に、複数(実施例では3つ)の基板設置部55,56,57が形成されている。なお、以下の説明において、左側(図4では右側)に位置する基板設置部55を「第1基板設置部」と指称し、左右中央に位置する基板設置部56を「第2基板設置部」と指称すると共に、右側(図4では左側)に位置する基板設置部57を「第3基板設置部」と指称する。第1基板設置部55には第1中継基板95が保持され、第2基板設置部56には第2中継基板85が保持されると共に、第3基板設置部57には第3中継基板110が保持される。なお、前記下板部41Dの後側には、前記主制御装置120が取り付けられる取付部材(部品)90(図2、図11参照)が着脱自在に配設され、該取付部材90で各基板設置部55,56,57が後方から覆われる。また、以下の第1〜第3の基板設置部55,56,57、第1〜第3基板95,100,105およびこれらに関連する部材、部位に関する説明では、遊技盤Dを裏側から見た状態を基準として左右を指すものとする。
【0026】
(第1基板設置部)
前記第1基板設置部55は、図5〜図7に示すように、前記第1中継基板95を取付けた基板保持部材(後述)60の外部輪郭形状が合致する形状に形成された設置部80と、前記設置部80の左上角部および左下角部に設けられた保持片部(保持部)81,81と、前記設置部80の右側において前記下板部41Dに設けられた係止受部(被係止部)82とを備えている。この第1基板設置部55は、設置部材40の後側から前記基板保持部材60を着脱可能に取り付け得るように構成されている。
【0027】
(設置部)
前記設置部80は、図7に示すように、前記設置壁部41における前記下板部41Dの後面に後方へ突出した複数の突壁部で囲まれて矩形状部分である。すなわち設置部80は、前記下板部41Dの一部である底壁部83と、該設置部80の右縁を構成して上下に延在する右縦壁部84と、該設置部80の左縁を構成して上下に延在する左縦壁部85と、該設置部80の上縁を構成して左右に延在する上横壁部86と、該設置部80の下縁を構成して左右に延在する下横壁部87とで画成されている。図7に示すように、前記上横壁部86および下横壁部87の対向する壁面間の上下間隔S1は、前記基板保持部材60の縦寸法T1と同じに設定され、右縦壁部84および左縦壁部85の対向する壁面間の左右間隔S2は、基板保持部材60の横寸法T2と同じに設定されると共に、各壁部84,85,86,87の下板部41Dから後方への突出高さS3は、前記基板保持部材60の厚さ寸法T3と同じに設定されている。そして前記設置部80は、図7に示すように、前記普通入賞具22に設けられて当該パチンコ機Pの検査時に検査機器(スイッチ等)を一時的に装着する検査部(図示せず)の後方に設けられていて、該設置部80の底壁部83には該検査部に連通する開口54が形成されており、設置部80から基板保持部材60を取り外した状態で、該開口54を介して検査部に対する検査機器の着脱を行ない得るようになっている。なお、右縦壁部84、左縦壁部85および上横壁部86は、設置部80の対応する縁の一部に沿うように形成されている。
【0028】
(保持片部)
前記各保持片部81,81は、図5および図7に示すように、前記設置壁部41Bの下板部41Dの後面から前記設置部80の後側へ延出した庇状部で、各保持片部81における底壁部83と対向する面は、該底壁部83と平行な平面に形成されている。前記保持片部81,81と前記底壁部83との前後方向の間隔は、前記突出高さS3と同じになっており、保持片部81と底壁部83との間に、前記基板保持部材60の左側縁部を左側から差し込むことが可能となっている。すなわち各保持片部81は、設置部80に装着した前記基板保持部材60の左側部分に後側から当接して、該基板保持部材60を該設置部80に保持するように機能する。
【0029】
(係止受部)
前記右縦壁部84は、図5および図7に示すように、設置部80の上下間隔S1の約半分の長さに形成されていて、設置部80の左側下部は左方へ開口しており、この開放部分の右側には、該開放部分に相当する長さで上下に延在する隔壁部88が、前記右縦壁部84の突出高さと同じ突出高さに形成されている。そして、前記設置部80と前記隔壁部88との間には、設置壁部41の下板部41Dを切り欠いて該設置部80に開口する開口89が形成されている。この開口89には、前記基板保持部材60に右方へ突出するように設けた弾性部(後述)67および当接片部66が整合するようになっている(図5、図6参照)。そして、図6、図7および図10に示すように、前記隔壁部88の前記開口89に臨む壁面の後端には、上下に離間すると共に前記設置部80側へ突出した前記係止受部82,82が突設されている。前記各係止受部82,82の上下方向の間隔K1は、図10(a)に示すように、前記基板保持部材60に設けた弾性部67の操作部70の上下幅K2より僅かに大きく設定されており、両係止受部82,82の間に該操作部70が左側から入り込むことが可能となっている(図10(a)、図10(b)参照)。
【0030】
前記各係止受部82,82は、図10(a)および図11(b)に示すように、前記設置部80を指向した部位に形成された当接面82Aと、前側を指向した部位に形成された係止面82Bとを備えている。そして前記係止受部82,82は、前記設置部80に前記基板保持部材60を正規の姿勢でセットした際に、前記弾性部67が変形していない常態において、該弾性部67に設けた後述する係止突部(係止部)71,71の後側に位置するように設けられている。すなわち、前記各係止受部82は、前記設置部80に前記基板保持部材60を取り付ける際に前記弾性部67の変位部69に前記当接面82Aが右方から当接して、該弾性部67を弾性変形させ得るようになっている。また各係止受部82は、前記設置部80に前記基板保持部材60を適切にセットした際に、前記弾性部67に設けた前記係止突部71に前記係止面82Bが後方から当接して、該弾性部67に係止するようになっている。
【0031】
(基板保持部材)
前記基板保持部材60は、図7〜図9に示すように、後方へ開放するトレー状の部材で、前記第1中継基板95を設置する板状の設置面部(保護面部)61と、該設置面部61の外周縁に沿って延在して後方へ突出した外周突壁部(保護壁部)62と、該外周突壁部62の後端における右上角部および右下角部から左方へ延出するように形成した基板係止部63とを備えている。また基板保持部材60は、前記設置面部61の右側に、弾性変形が可能に形成されて、前記係止受部82,82に係脱可能に係止する弾性部67を備えている。
【0032】
(設置面部)
前記設置面部61には、外周突壁部62に臨む外縁に沿って設置段部61Aが形成されており、図6に示すように、前記第1中継基板95の裏側基板面95Bの外縁部分が該設置段部61Aに当接する。これにより基板保持部材60は、第1中継基板95の裏側基板面95Bが前記設置面部61と近接した状態で該第1中継基板95が取り付けられるように構成されている。また前記設置面部61は、第1中継基板95と同じ形状、サイズに構成されており、該第1中継基板95の裏側基板面95Bの全体に近接して該裏側基板面95Bの回路形成部分を適切に被覆するようになっている。ここで、前記第1中継基板95の裏側基板面95Bが前記設置面部61に近接するとは、該裏側基板面95Bと該設置面部61とが直接には接触していないが、不正部品の配線等の異物が入ることが不能な間隔で、該裏側基板面95Bと該設置面部61とが対向した状態となっていることを指している。
【0033】
図8に示すように、前記外周突壁部62の内周面における上下間隔L1は、前記第1中継基板95の縦寸法M1と同じに設定され、該外周突壁部62の内周面における左右間隔L2は、該第1中継基板95の横寸法M2と同じに設定されると共に、前記外周突壁部62の後端から前記設置段部61Aまでの深さL3は、該第1中継基板95の板厚M3と同じに設定されている。これにより基板保持部材60は、第1中継基板95の外周端縁95Cが前記外周突壁部62の内周面と近接して囲繞した状態で該第1中継基板95が取り付けられるように構成されている。ここで、前記基板保持部材60の外周突壁部62と前記第1中継基板95の外周端縁95Cとが近接するとは、該裏側基板面95Bと該設置面部61とが隙間なく接触した状態や、不正部品の配線等の異物が入ることが不能な間隔で離間した状態で、該外周突壁部62と外周端縁95Cとが対向していることを指している。
【0034】
また、図8に示すように、前記設置面部61の下部右側には、後方へ突出した係止ボス64が設けられると共に、該設置面部61の下部左側には、後方へ突出したネジ締結ボス65が設けられている。前記係止ボス64は、前記第1中継基板95の下部右側に設けた係止孔98に前側から整合して突入係止すると共に、前記ネジ締結ボス65は、前記第1中継基板95の下部左側に設けたネジ挿通孔99に前側から整合するようになっている。
【0035】
また前記基板保持部材60は、図9に示すように、前記設置面部61の裏面となる前面に、前方へ突出した突部75が形成されると共に、この突部75の前面には、更に前方へ突出した突片部76が形成されている。前記突部75および突片部76は、図6に示すように、基板保持部材60を設置部80に正規の姿勢で取付けた際に、前記底壁部83に形成された前記開口54に前記突部75が嵌合し、図示しない検査部へ前記突片部76が臨むように構成されている。前記突部75の外周輪郭形状は、前記開口54の周輪郭形状と略同じ形状に形成されており、該突部75が開口54に嵌合することで、該開口54の開口の略全体が覆蓋されるようになっている。また前記突片部76は、前記開口54の前方に位置する前記検査部内に延出して該検査部内を複数の小さな領域に分割することで、所定サイズの不正部品が該検査部内へ設置されるのを防止するべく機能する。ここで前記不正部品は、例えば、前記始動入賞装置20や特別入賞装置21を誤作動させたり、予め設定された制御条件とは異なった制御条件で前記制御装置に遊技を実行させるための基板や装置、器具等を指している。すなわち前記基板保持部材60は、前記開口54を覆蓋すると共に検査部を分割する不正防止手段として機能するようになっている。更に、前記設置面部61における左縁には、図6および図9等に示すように、該設置面部61の外面から外周突壁部62の外面に向けて斜めに面取りされた形状の傾斜面78が形成されている。この傾斜面78は、基板保持部材60を第1基板設置部55の設置部80へ装着する際に、該設置部80の底壁部83に摺接させるガイド面として機能する。
【0036】
(基板係止部)
前記各基板係止部63,63は、図5、図7および図8に示すように、前記外周突壁部62の後端から前記設置面部61の後側へ延出した庇状部で、各基板係止部63における設置面部61と対向する面は、該設置面部61と平行な平面に形成されている。前記各基板係止部63と前記設置段部61Aとの前後方向の間隔は、前記深さL3と同じになっており、基板係止部63と設置段部61Aとの間に、前記第1中継基板95の右側縁部を左側から差し込むことが可能となっている。すなわち各基板係止部63は、設置段部61Aで支持された前記第1中継基板95の右側部分に後側から当接して、該第1中継基板95を該設置面部61に保持するように機能する。なお、各基板係止部63は、外周突壁部62の右上角部および右下角部に設けられており、基板保持部材60を前記第1基板設置部55の設置部80に装着した際に、前記保持片部81と干渉しない。
【0037】
(弾性部)
前記基板保持部材60は、図5〜図10に示すように、前記設置面部61の右縁に一体的に形成されて、前方および右方へ突出した前記弾性部67を備えている。この弾性部67は、前述したように、前記第1基板保持部55として構成された前記係止受部82,82に係脱可能に変形することで、前記設置部80に対する前記基板保持部材60の着脱を可能とするものである。前記弾性部67は、前記設置面部61の右縁から前方へ延出する基部68と、前記基部68の前部から右方へ屈曲して後方へ延出し、該基部68の右側に位置する変位部69とを備えると共に、前記変位部69の後部には、後方へ延出する操作部70を備え、平面視において略J形に形成されている。従って弾性部67は、前記操作部70を設置面部61の右縁側へ指先等で押すことで、前記変位部69と前記基部68とを連設する屈曲部分が変形して、該変位部69が該設置面部61の側へ近接移動するようになると共に、該操作部70に対する外力を解除することで、変位部69が設置面部61から離間移動して元の状態に弾性復帰するように構成されている。
【0038】
(係止突部)
図9および図10(a)に示すように、上下幅K2の前記操作部70は、前記変位部69の上下幅より小さく設定されており、該変位部69の上縁後端は該操作部70より上方へ突出していると共に該変位部69の下縁後端は該操作部70より下方へ突出しており、該変位部69と操作部70との上下の段差部が、前記係止突部71,71となっている。そして、前記係止突部71,71は、前述したように、前記操作部70に対する操作を行なわない前記弾性部67の常態においては、前記各係止受部82,82と前後方向で重なって該係止受部82,82の係止面82Bに係止する(図5、図6、図10(a)、図10(b))。また前記係止突部71,71は、前記操作部70を設置面部61側へ押した前記弾性部67の変形状態においては、前記係止受部82,82から設置面部61側へ移動して、該係止受部82との係止が解除されるようになっている(図10(b)に2点鎖線で表示)。
【0039】
(当接片部)
また、前記基板保持部材60は、前記設置面部61の右縁において前記弾性部67の上側に、左方へ庇状に延出した略矩形の当接片部(被当接部)66を備えている。この当接片部66は、図5、図7および図11に示すように、設置部80に基板保持部材60を装着すると、前記隔壁部88と前記右縦壁部84との間に形成された凹段部88Aに後方から整合して、該当接片部66の先端が該凹段部88Aに係合する。また当接片部66は、前記凹段部88Aに整合することで、前記弾性部67と共に前記開口89を覆蓋するようになっており、該当接片部66は蓋手段としても機能するようになっている。
【0040】
また前記当接片部66には、図11に示すように、前記設置部材40の設置壁部41の後側に配設される前記取付部材90に設けた当接部91が、後方から当接するようになっている。すなわち、前記基板保持部材60を第1基板設置部55の設置部80に装着した状態で前記取付部材90を設置部材40に取り付けると、前記当接部91が当接片部66に後方から当接することで、該当接片部66は、前記隔壁部88の凹端部88Aと該当接部91とにより前後から挟持されるように構成されている。これにより、前記取付部材90を前記設置壁部41に取り付けると、第1基板設置部55に対する基板保持部材60の着脱が規制されるように構成されている。
【0041】
(第1中継基板)
前記第1中継基板95には、図8等に示すように、前記基板保持部材60から露出する表面95Aに、前記始動入賞装置20、特別入賞装置21および普通入賞具22に入賞したパチンコ球を検出する各球検出スイッチ等からの配線(図示せず)が接続されるコネクタ接続端子96や、前記主制御装置120からの配線(図示省略)が接続されるコネクタ接続端子97等が配設されている。従って第1中継基板95は、前記始動入賞装置20、特別入賞装置21および普通入賞具22の球検出スイッチや各種センサ等と主制御装置120とを電気的に接続する。また第1中継基板95には、図8に示すように、その下部右側に、前記係止ボス64が嵌合する係止孔98が形成されると共に、下部左側に、前記ネジ締結ボス65に整合するネジ挿通孔99が形成されている。
【0042】
前述のように構成された基板保持部材60に対して、前記第1中継基板95は、次のようにして装着される。すなわち、前記第1中継基板95を、その裏側基板面95Bを前記設置面部61に対向させた状態で、該第1中継基板95の右端上部および右端下部を前記各基板係止部63の前側に差し込むと共に、該第1中継基板95の左部を設置面部61に向けて押し込むことで、当該第1中継基板95が基板保持部材60の設置段部61Aに支持される。そして、前記係止孔98に前記係止ボス64が係合すると共に、前記ネジ挿通孔99に挿通させたネジ92を前記ネジ締結ボス65に締結することで、第1中継基板95が設置面部61に固定される。そして、前述すると共に図8に示すように、前記外周突壁部62の内周面における上下間隔L1が前記第1中継基板95の縦寸法M1と同じに設定され、該外周突壁部62の内周面における左右間隔L2が該第1中継基板95の横寸法M2と同じに設定されると共に、前記外周突壁部62の後端から前記設置段部61Aまでの深さL3が該第1中継基板95の板厚M3と同じに設定されていることで、前記外周突壁部62が、該第1中継基板95の外周端縁95Cの略全周に亘って隙間なく接触した状態で囲繞する(図5〜図7参照)。これにより、第1中継基板95の裏側基板面95Bに形成された回路形成部分が前記設置面部61により被覆保護される。
【0043】
また、前述のように構成された第1基板設置部55に対して、前記第1中継基板95を装着した前記基板保持部材60は、次のようにして装着される。すなわち、前記基板保持部材60の左端上部および左端下部を前記保持片部81の前側に差し込むと共に、該基板保持部材60の右部を設置部80に向けて押し込むことで、前記弾性部67の変位部69が前記各係止受部82,82の当接面82Aに当接して該変位部69が設置面部61側へ移動し、これにより基板保持部材60が設置部80に収容される。このとき、前記基板保持部材60の前記傾斜面78を前記設置部80の底壁部83に当てることで該基板保持部材60の差し込み時の姿勢が安定し、第1基板設置部55に対して該基板保持部材60を簡易に差し込むことができる。そして、基板保持部材60が設置部80に適切にセットされると、前記前記変位部69に対する前記各係止受部82,82の当接が解除され、該係止受部82,82の係止面82Bに前記係止突部71,71が係止される。また、前述すると共に図7に示すように、前記上下間隔S1が前記基板保持部材60の縦寸法T1と同じに設定され、前記左右間隔S2が基板保持部材60の横寸法T2と同じに設定されると共に、前記突出高さS3が前記基板保持部材60の厚さ寸法T3と同じに設定されていることで、前記右縦壁部84、左縦壁部85、上横壁部86および下横壁部87が、該基板保持部材60の外縁に接触する(図5、図6参照)。更に、前記基板保持部材60の設置面部61の前面が前記設置部80の底壁部83に密着的に当接する一方、前記突部75が前記開口54に嵌合すると共に、前記突片部76が前記検査部内へ延出する。従って、前記設置部80に設けた前記開口54が前記基板保持部材60で被覆されるから、設置面部61と底壁部83との間から不正部品の配線等の異物を挿入することが不可能であるから、該基板保持部材60は不正防止部材として機能する。
【0044】
(第2基板設置部)
第2基板設置部56は、図4に示すように、矩形状に形成された第2中継基板100の外縁形状に合致する内縁形状に形成されて後方へ開口する矩形の枠状部105と、この枠状部105の内壁面に形成されて第2中継基板100を裏側から支持する支持部(図示せず)と、枠状部105の上縁部において左右に離間して配設されて下方へ突出した2つの係止爪106,106と、該枠状部105の下縁部において左右に離間して配設されて後方へ突出した2つの係止フック107,107とを備える。各係止フック107は、第2中継基板100の下縁部に係止する爪部が先端側において下方へ突設されると共に、先端側が上方へ変位するように弾性変形が可能となっている。従って第2中継基板100は、その上縁部を前記各係止爪106,106の前側へ差し込むと共に下縁部を前方へ押すことで、前記各係止フック107の弾性変形により枠状部105の内側にセットされる。そして、前記各係止爪106が第2中継基板100の上縁部に後方から係止すると共に、各係止フック107が該第2中継基板100の下縁部に後方から係止することで、該第2中継基板100は第2基板設置部56に着脱可能に係止保持される。
【0045】
(第2中継基板)
前記第2中継基板100は、図4に示すように、前記主制御装置120からの配線、前記統括制御装置121からの配線、前記表示制御装置122からの配線、前記第1〜第3可動演出装置47,48,49からの配線等が多数接続され、これらを電気的に接続するものである。すなわち第2中継基板100の表面100Aには、主制御装置120からの配線(図示省略)が接続されるコネクタ接続端子101や、統括制御装置121からの配線(図示省略)が接続されるコネクタ接続端子102や、表示制御装置122からの配線(図示省略)が接続されるコネクタ接続端子103が配設されている。また第2中継基板100には、前記第1〜第3の各可動演出装置47,48,49からの各配線が各々接続される複数のコネクタ接続端子104等も配設されている。従って第2中継基板100は、前記主制御装置120、統括制御装置121、表示制御装置122、第1〜第3可動演出装置47,48,49等を電気的に接続する、
【0046】
(第3基板設置部)
第3基板設置部57は、図4に示すように、矩形状に形成された第3中継基板110の外縁形状に合致する内縁形状に形成されて後方へ開口する矩形の枠状部115と、この枠状部115の内壁面に形成されて第3中継基板110を裏側から支持する支持部(図示せず)と、枠状部115の上縁部の左右中央に配設されて下方へ突出した係止爪116と、該枠状部115の下縁部において左右に離間して配設されて後方へ突出した2つの係止フック117,117とを備える。各係止フック117は、第3中継基板110の下縁部に係止する爪部が先端側において下方へ突設されると共に、先端側が上方へ変位するように弾性変形が可能となっている。従って第3中継基板110は、その上縁部を前記各係止爪116の前側へ差し込むと共に下縁部を前方へ押すことで、前記各係止フック117の弾性変形により枠状部105の内側にセットされる。そして、前記各係止爪116が第3中継基板110の上縁部に後方から係止すると共に、各係止フック117が該第3中継基板110の下縁部に後方から係止することで、該第3中継基板110は第3基板設置部57に着脱可能に係止保持される。
【0047】
(第3中継基板)
前記第3中継基板110は、図示しない電源装置に接続される電源中継基板であって、前記主制御装置120からのハーネス(図示省略)が接続されるコネクタ接続端子111や統括制御装置121からのハーネス(図示省略)が接続されるコネクタ接続端子112等を備えている。すなわち、前記主制御装置120および統括制御装置121に対しては、第3中継基板110を介して電源の供給が図られる。
【0048】
前述のように構成された実施例のパチンコ機Pでは、前述したように、第1中継基板95が取り付けられた基板保持部材60は、該基板保持部材60を第1基板設置部55の設置部80に整合させて後方から押し込むことで、前記弾性部67の変位部69が設置面部61に近接するように該弾性部67が変形するので、該第1基板設置部55に簡単かつ確実に設置することが可能である。すなわち、第1中継基板95を第1基板設置部55の設置部80に取り付けるに際して、ネジ等を締結する必要がない。そして、第1中継基板95が取り付けられた基板保持部材60を第1基板設置部55にセットすると、弾性部67に設けた係止突部71が該第1基板設置部55に設けた係止受部82に係止することで、設置部80を挟んだ左右両側に位置する保持片部81,81および係止受部82に基板保持部材60が係止されるので、第1中継基板95を第1基板設置部55に確実かつ安定的に保持することができる。
【0049】
また、第1中継基板95が取り付けられた基板保持部材60を第1基板設置部55から取り外す際には、前記操作部70を指先等で操作して弾性部67を弾性変形させることで、第1基板設置部55に設けた前記係止受部82と基板保持部材60の弾性部67に設けた係止突部71との係合が解除されるので、第1中継基板95を取り付けた該基板保持部材60を第1基板設置部55から簡単かつ容易に取り外すことができる。
【0050】
また、前記第1中継基板95を前記基板保持部材60に装着することで、該基板保持部材60における前記外周突壁部62の内周面が、該第1中継基板95の外周端縁95Cの略全周に亘って隙間なく接触した状態で囲繞するから、該外周突壁部62と第1中継基板95の外周端縁95Cとの間から針状や薄板または不正部品の配線等の異物を挿入することが不可能である。これにより、外周突壁部62と第1中継基板95の外周端縁95Cとの間から該第1中継基板95の裏側基板面95Bに設けた回路形成部分へ異物を挿通することが不能となり、該異物をコネクタ接続端子のコネクタピンに接続することにより行なわれる不正行為を防止し得る。また、第1中継基板95の裏側基板面95Bに形成された回路形成部分は、基板保持部材60の前記設置面部61が該裏側基板面85Bの全体を被覆しているので、該設置面部61により好適に保護される。
【0051】
更に、前記第1中継基板95を装着した前記基板保持部材60を前記第1基板設置部55の設置部80に装着することで、前記右縦壁部84、左縦壁部85、上横壁部86および下横壁部87の各内周面が該基板保持部材60の外縁に接触しているから、該基板保持部材60が第1基板設置部55へがたつくことなく保持される。また、前記保持片部81,81が基板保持部材60の右部を後方から保持すると共に、係止突部71と係止受部82とが係止することで、該基板保持部材60の設置面部61の前面が前記設置部80の底壁部83に密着的に当接する一方、前記突部75前記開口54に嵌合すると前記突片部76が検査部へ延出するから、設置面部61と底壁部83との間から前記開口針状や薄板状の異物または不正部品の配線等を検査部へ挿入することが不可能であり、不正行為を好適に防止し得る。
【0052】
更に、前記基板保持部材60に設けた前記当接片部66に、前記設置部材40の後側に配設された前記取付部材90の当接部91が後方から当接するので、第1基板設置部55に対する前記基板保持部材60の着脱が規制され、不正を目的とした基板保持部材60の着脱を好適に阻止し得る。
【0053】
(変更例)
本発明に係る遊技機は、実施例に例示の形態に限らず種々の変更が可能である。
(1)実施例では、基板保持部材60の右端に弾性部67を設けた形態を例示したが、この弾性部67の形成位置はこれに限らず、該基板保持部材60の左端に弾性部67を設けてもよいし、上端または下端に設けてもよい。
(2)設置部80の周縁に設けた各右縦壁部84、左縦壁部85、上横壁部86および下横壁部87は、該設置部80を完全に囲繞するように連設するようにしてもよい。
(3)前記当接片部66の形成位置は、前記取付部材90の当接部91が当接可能な位置であれば、前記設置面部61の周縁部分のどの部分に設けてもよい。
(4)前記基板保持部材60の設置面部61は、前記第1中継基板95の裏側基板面95Bにおける回路形成部分に少なくとも近接する形状とすれば、該設置面部61により該回路形成部分を保護することができる。
(5)なお前記設置面部61は、前記第1中継基板95の裏側基板面95Bにおける少なくとも回路形成部分と近接する形状に形成してもよい。
(6)実施例では、遊技機としてのパチンコ機を示したが、遊技機はパチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機等であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
40 設置部材,55 第1基板設置部(基板設置部),60 基板保持部材
61 設置面部(保護面部),62 外周突壁部(保護壁部),66 当接片部(被当接部)
90 取付部材(部品),91 当接部,95 第1中継基板(中継基板),95B 裏側基板面
95C 外周端縁,96 コネクタ接続端子,97 コネクタ接続端子,D 遊技盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にコネクタ接続端子を備えた中継基板と、前記中継基板が前記表面を露出した状態で取り付けられる基板保持部材とを備え、遊技盤の後側に配設される設置部材の後側に設けた基板設置部に前記基板保持部材を取り外し可能に装着することで、前記中継基板を該設置部材に配設するよう構成した遊技機の基板取付構造において、
前記基板保持部材は、
前記中継基板の外周端縁に対向する部分に該外周端縁に近接するよう突設され、該中継基板の略全周を隙間なく囲繞するよう延在する保護壁部を備え、
前記中継基板と保護壁部との間から該中継基板の裏側基板面へ不正部品の配線が挿通されるのを不能に構成した
ことを特徴とする遊技機の基板取付構造。
【請求項2】
前記基板保持部材は、前記中継基板の裏側基板面に相対する保護面部が、該裏側基板面における少なくとも回路形成部分と近接するように形成され、
前記裏側基板面と保護面部との間に不正部品の配線が挿通されるのを不能に構成した請求項1記載の遊技機の基板取付構造。
【請求項3】
前記基板保持部材の前記保護壁部の一部に、前記設置部材の後側に配設された部品の当接部が後方から当接する被当接部が設けられ、
設置部材に配設した前記部品の当接部が前記被当接部に当接することで、前記基板保持部材を前記基板設置部から取り外し不能に構成した請求項1または2記載の遊技機の基板取付構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−102979(P2013−102979A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249027(P2011−249027)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】