説明

遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法および遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置、並びに遊技機キャラクタ付き合成写真発行システム

【課題】遊技機のキャラクタ付きの装飾画像を使った写真シールを提供する際のキャラクタ使用料の精算を容易にする。
【解決手段】遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置Aは、遊技機のキャラクタ付き装飾画像で装飾された写真シールを印刷して発行する際、キャラクタ付き装飾画像の使用回数、すなわちその写真シールの発行回数を各画像ごとに積算し、積算値を管理サーバ60に出力する。管理サーバ60側では、この積算データに基づきキャラクタ使用料を算出する。また、使用回数を積算するかわりに、写真シールの余白に広告を印刷したり、印刷待ち時間にキャラクタに関連するコマーシャルを流してもよい。また、遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置Aは、管理サーバ60や携帯端末機50等からの更新通知に基づき、キャラクタ付き装飾画像の追加・更新を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真とキャラクタ付き装飾画像の合成写真が印刷されたシール等を作成するための合成写真発行装置に関し、特に、遊技機等のゲーム機のキャラクタが含まれるキャラクタ付きのフレーム画像等を装飾画像として使用してシール等を作成することができ、キャラクタ付きフレーム画像が使用されたときは、その使用実績に応じてキャラクタ使用料を精算することが可能な遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アミューズメント施設や商業施設のゲームコーナーなどにおいて、利用者自身が操作して自分の写真を撮影し、撮影した写真に絵柄のフレームを重ね合わせたり、タッチペンなどで写真の上に文字や絵柄を書き込んで写真を加工し、加工した写真をシールに印刷し、オリジナルの写真シールを作成する装置が設置されている。このような装置には、装置製造メーカや装置の購入設置者によって準備された様々なフレーム画像や装飾文字、ワンポイント画像などの装飾画像が予め搭載されている。利用者は、最も自分の好みに合った装飾画像や、話題性が高い装飾画像が搭載された装置を選んで写真シールを作成するので、搭載された装飾画像の内容によって装置の娯楽性が左右されていた。そこで、利用者の嗜好を満足させて娯楽性を高めるために、季節や流行に合わせて、あるいは装置の設置場所などに合わせて装飾画像を更新できるようにした写真シールプリント装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実用新案登録第3044500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
アミューズメント施設の代表的なものとして、パチンコホールや、パチンコ遊技機あるいはスロット遊技機などが設置されたアミューズメントホールがあるが、このような施設に写真シールプリント装置を設置する場合には、施設の利用者の嗜好を満足させるために、遊技機のゲームに登場するキャラクタを用いた装飾画像を搭載することが考えられる。しかしながら、従来は、このようなアミューズメント施設に関連したゲーム等のキャラクタを用いた装飾画像を写真シールプリント装置に搭載することは提案されていなかった。
【0004】
遊技機やゲーム機などのキャラクタを使用した装飾画像を使用する場合には、遊技機メーカやゲーム機メーカ、あるいはそのキャラクタの著作権者等との間でキャラクタの使用許諾に関する契約を結び、その契約においてキャラクタ使用料などを設定するのが一般的であるが、キャラクタ使用料をどのように設定するかは、当該キャラクタを使用した装飾画像がどの程度使用されるかの予想に基づいて行われるため、キャラクタ使用権の一括買い取りのような方法でキャラクタ使用料を設定するのは通常は困難である。そこで、例えば、キャラクタ付きの装飾画像を使用した写真シールが作成された実績に応じてキャラクタ使用料を自動的に精算する方法が考えられるが、このような精算機能が組み込まれた写真シールプリント装置は提案されていなかった。
【0005】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、遊技機のキャラクタ付き装飾画像を使用した写真シールやカード等を作ることができ、当該キャラクタの使用料をその使用実績に応じて容易に精算することができる遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法は、
利用者が撮影した撮影画像と、パチンコ遊技機、スロット遊技機などの遊技機のキャラクタを含むキャラクタ付き装飾画像とを合成して合成写真を作成し、
この合成写真を記録媒体に印刷し、
印刷後の記録媒体を利用者に発行する工程と、
発行される前記記録媒体に使用された前記キャラクタの使用回数を積算する第1処理と、当該キャラクタに関連する遊技機、遊技店などのキャラクタ関連情報を、発行される前記記録媒体に印刷する第2処理と、前記キャラクタ関連情報を、前記キャラクタが印刷された前記記録媒体を発行する際に、音声出力および映像出力の何れかの出力形態で利用者に伝える第3処理のうちの少なくとも一つの処理を行う工程と、を行うことを特徴とする。
【0007】
また、上記の課題を解決するために、本発明の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置は、
利用者が撮影した撮影画像と合成するための複数のキャラクタ付き装飾画像を記憶する装飾画像記憶手段と、前記複数のキャラクタ付き装飾画像の少なくとも1つを選択するための装飾画像選択手段と、前記装飾画像選択手段によって選択されたキャラクタ付き装飾画像と前記撮影画像を合成して合成写真を生成する画像合成手段と、前記合成写真を記録媒体に印刷して印刷後の記録媒体を利用者に発行するプリント手段と、前記装飾画像記憶手段、前記装飾画像選択手段、前記画像合成手段、および前記プリント手段制御する制御手段と、を備えた遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置であって、
前記複数のキャラクタ付き装飾画像のそれぞれは、パチンコ遊技機、スロット遊技機などの遊技機のキャラクタを含んでおり、
前記制御手段は、前記記録媒体の発行数を当該記録媒体に使用された前記キャラクタの使用回数として積算する第1処理と、当該キャラクタに関連する遊技機、遊技店などのキャラクタ関連情報を、発行される前記記録媒体に前記キャラクタと共に印刷する第2処理と、前記キャラクタ関連情報を、前記キャラクタが印刷された前記記録媒体を発行する際に、音声出力および映像出力の何れかの出力形態で利用者に伝える第3処理と、の少なくともいずれかを行うことを特徴とする。
【0008】
本発明では、このような方法あるいは装置により、遊技機のキャラクタ付きの装飾画像で装飾された写真カードや写真シールを利用者に提供できる。また、キャラクタ付き装飾画像が選択されて写真カードや写真シール等が作成された場合には、キャラクタ使用料(いわゆる、ロイヤリティ)を、キャラクタの使用回数に応じて容易に精算することができる。また、キャラクタの使用ごとに当該キャラクタに関連する遊技機、遊技店などの関連情報を印刷、音声、映像などの形態で出力することにより、利用者に対する遊技機、遊技店などの宣伝広告を行うことができる。よって、宣伝広告料とキャラクタ使用料を相殺するという精算方法を自動で行うことができる。
【0009】
本発明の遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法において、前記第3処理においては、前記記録媒体の印刷面の余白部分および当該記録媒体の裏面の少なくとも一方に、前記キャラクタ関連情報を印刷するとよい。また、本発明の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置において、前記プリント手段は、前記第3処理を行う場合には、前記記録媒体の印刷面の余白部分および当該記録媒体の裏面の少なくとも一方に、前記キャラクタ関連情報を印刷するとよい。このようにすると、余白部分や裏面を利用して宣伝広告を行うことができる。
【0010】
本発明の遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法において、前記記録媒体として、台紙に剥離可能な状態で複数枚のシールが貼り付けられているものを使用し、前記複数枚のシールのそれぞれに前記合成写真を印刷するとよい。また、本発明の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置において、前記記録媒体は、台紙に剥離可能な状態で複数枚のシールが貼り付けられているものであり、前記プリント手段は、前記複数枚のシールのそれぞれに前記合成写真を印刷するとよい。このようにすると、作成した合成写真を好みの場所にそのまま直ちに貼り付け可能な形態で提供できる。
【0011】
本発明の遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法において、複数台の遊技機が設置されている遊技場所において前記合成写真を発行し、前記キャラクタ付き装飾画像として、当該遊技場所に設置されている前記遊技機において使用されているキャラクタを含むものを用いるようにするとよい。このようにすると、遊技機の利用者にとって娯楽性の高い写真カードや写真シールを提供することができる。また、遊技店や遊技機などの宣伝広告を遊技機の利用者に対して行うことができるので、宣伝効果が高く、タイムリーな宣伝を行うことができる。
【0012】
本発明の遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法において、前記遊技場所に設置されている前記遊技機あるいは当該遊技機を管理している管理コンピュータとの間で通信を行うことにより、各遊技機で使用されている前記キャラクタに関する情報を受け取り、前記遊技場所に設置されている前記遊技機が交換または増設されると、前記キャラクタ付き装飾画像をリアルタイムで更新するようにするとよい。このようにすると、遊技場所に設置された遊技機で使用されているキャラクタと、キャラクタ付き装飾画像に含まれるキャラクタとを一致させることができるので、遊技機の利用者にとって話題性の高い写真カードや写真シールを提供することができる。
【0013】
本発明の遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法において、少なくとも前記第1処理を行い、前記キャラクタの前記使用回数の積算値に基づき、当該キャラクタの使用に際して支払われるべき対価を算出するようにするとよい。このようにすると、キャラクタの使用回数に基づいてキャラクタ使用料を自動で算出できるので、キャラクタ使用料の精算を容易に行うことができる。
【0014】
本発明の遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法において、前記キャラクタ付き装飾画像の属性情報に使用許諾情報を含めておき、前記合成写真の作成時には、前記キャラクタ付き装飾画像の使用許諾情報を確認し、使用許諾を確認できない場合には当該合成写真が印刷された前記記録媒体の発行を禁止するようにするとよい。また、本発明の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置において、前記キャラクタ付き装飾画像の属性情報には使用許諾情報が含まれ、前記制御手段は、前記合成写真の作成時には、前記キャラクタ付き装飾画像の使用許諾情報を確認する処理を行い、有効な使用許諾情報を確認できない場合には、当該合成写真が印刷された前記記録媒体の発行を禁止するようにするとよい。このようにすると、許諾を受けていないキャラクタ付き装飾画像を使用した写真シール等を作成できなくなるので、キャラクタの不正使用を防止することができる。
【0015】
本発明の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置において、外部装置との間でデータの入出力を行うための通信手段を備えるように構成するとよい。このようにすると、キャラクタ付き装飾画像の使用実績や装置の売り上げ情報、メンテナンス情報などを外部に出力することができるので、外部から装置の状況をチェックすることができる。また、管理センタなどから各施設に設置された装置に各種情報を送信することができるので、装置のメンテナンスや設定変更、キャラクタ付き装飾画像の更新などをタイムリーに行うことができる。
【0016】
本発明の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置において、前記制御手段は、前記通信手段から更新通知が入力されたことに基づき、前記装飾画像記憶手段に記憶されている前記キャラクタ付き装飾画像を更新する処理を自動で行うように構成してもよい。このようにすると、流行や季節、遊技機の交換などに対応してキャラクタ付き装飾画像を適宜更新することができるので、話題性があり、娯楽性が高い写真シールや写真カードを利用者に提供することができる。
【0017】
本発明の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置において、前記制御手段は、前記第1処理を行った場合には、当該第1処理において積算された前記キャラクタの使用回数の積算値を、前記通信手段から外部に出力してもよい。このようにすると、外部のサーバ等からキャラクタの使用回数を確認することができるので、キャラクタ使用料の精算を確実かつ容易に行うことができる。
【0018】
また、上記の課題を解決するために、本発明の遊技機キャラクタ付き合成写真発行システムは、上記各構成の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置を備えた端末と、当該端末に通信回線を介して接続可能なサーバと、を備え、前記サーバは、前記端末から前記キャラクタの使用回数の積算値を受信した場合に、当該積算値に基づき、前記キャラクタ付き装飾画像に含まれているキャラクタの使用に際して支払われるべき対価を算出することを特徴とする。このようにすると、サーバ側でキャラクタ付き装飾画像の使用回数を自動でチェックして自動でキャラクタ使用料を算出することができるので、キャラクタ使用料の精算を確実かつ容易に行うことができる。
【0019】
また、本発明の遊技機キャラクタ付き合成写真発行システムは、上記各構成の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置を備えた端末と、当該端末に通信回線を介して接続可能なサーバと、を備えており、前記端末は、複数台の遊技機が設置されている遊技場所に設置されており、前記サーバは、前記遊技場所に設置されている各遊技機あるいは当該各遊技機を管理している管理コンピュータとの間で通信を行い、前記各遊技機または前記管理コンピュータから前記各遊技機の交換または前記遊技場所への新規遊技台の増設に関する情報が入力されたことに基づき、前記端末に前記更新通知を送信することを特徴とする。このようにすると、サーバ側において遊技機の交換や増設に関する情報を一括管理し、各端末にその情報を一括送信することができるので、キャラクタ付き装飾画像の更新の手間を削減することができる。また、タイムリーにキャラクタ付き装飾画像の更新を行うことができるので、遊技機の利用者にとって話題性の高い写真カードや写真シールを提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、遊技機のキャラクタ付きの装飾画像で装飾された写真カードや写真シールを利用者に提供することができる。また、キャラクタ付き装飾画像が選択されて写真カードや写真シール等が作成された場合には、キャラクタ使用料を、キャラクタの使用回数に応じて容易に精算することができる。また、キャラクタの使用ごとに当該キャラクタに関連する遊技機、遊技店などの関連情報を印刷、音声、映像などの形態で出力することにより、利用者に対する遊技機、遊技店などの宣伝広告を行うことができる。よって、宣伝広告料とキャラクタ使用料を相殺するという精算方法を自動で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1実施形態:遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置)
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置の実施の形態を説明する。
【0022】
(装置の構成)
図1は遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置の斜視図、図2は遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置のブロック図である。遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置A(以下、装置Aという)は、パチンコホールなどのアミューズメント施設に設置される箱型の装置である。装置Aは、装置本体1の前面中央上部に表示画面11を配置し、その下に、手前側を下方に向けて傾斜させた操作パネル12を配置してある。操作パネル12の中央にはタッチパネル13(表示手段)が設けられ、タッチパネル13の右手前側にシャッターボタン14、取り消しボタン15a、および決定ボタン15bが並んでいる。また、タッチパネル13の左手前側には、赤外線通信装置16の送受信部16a及びシャッターリモコン17の接続端子17aが設けられている。装置本体1の前面下部の右側寄りには、硬貨投入口18、紙幣投入口19、投入金額表示パネル20、返却ボタン21、釣銭ボタン22、返却口23が配置されている。また、装置本体1の前面下部の左側寄りには、写真シール排出口24が開口している。
【0023】
表示画面11は、装置本体1の前面開口1aに嵌め込まれた透明パネルである。透明パネルの後方における装置本体1の内部には、ハーフミラー25がその上端側を前傾させて斜め下向きに約45度傾けた状態で配置されており、ハーフミラー25の下方にはモニタ26が上方向きに配置されている。ハーフミラー25は、反射面を装置前方側に向けてあるので、モニタ26に表示された表示画像がハーフミラー25の反射面に映りこみ、表示画面11上に表示される。モニタ26には、装置本体1の内部に配置された制御装置30からの映像出力信号が入力される。
【0024】
ハーフミラー25の後方には、CCDカメラ等を備えたデジタルカメラ27が配置されている。デジタルカメラ27は、表示画面11の前方に被写体として立った人物を、透明パネル製の表示画面11およびハーフミラー25越しに撮影できる。デジタルカメラ27のファインダー映像は、制御装置30によって中継されあるいは直接モニタ26に入力されてモニタ26に表示され、ハーフミラー25の反射面に映りこんで表示画面11上に表示される。被写体を撮影するためのデジタルカメラ27の操作は、シャッターボタン14およびシャッターリモコン17により行う。撮影された画像は、制御装置30に入力される。
【0025】
タッチパネル13は、液晶ディスプレイとマトリクススイッチ等を組み合わせた公知の構成である。タッチパネル13への入力信号は制御装置30に入力され、装置Aの操作信号として処理される。赤外線通信装置16は携帯電話等の携帯端末機50との間で通信を行うためのものであり、赤外線通信装置16への入力信号は制御装置30に入力される。
【0026】
写真シール排出口24の後方における装置本体1の内部には、プリンタ28(プリント手段)が配置されている。プリンタ28は写真シールや写真カードを印刷可能であり、装置本体1の背面や側面等に設けられた不図示のメンテナンス扉を開けてこのプリンタ28に印刷用紙やインク等の消耗品を供給できる。プリンタ28における印刷数量や消耗品の残量はセンサやカウンタによって計数されており、その計数情報は制御装置30に入力される。写真シール用の印刷用シートD(記録媒体:図5参照)は、台紙上に剥離可能な複数枚のシールが貼り付けられているものであり、シールが貼り付けられた面が印刷面である。
【0027】
硬貨投入口18や紙幣投入口19の後方における装置本体1の内部には、自動精算機29が配置されている。自動精算機29は、硬貨投入口18および紙幣投入口19から投入された紙幣および硬貨の種類を判別するセンサ、投入された紙幣及び硬貨を計数して格納する機構、釣銭を払い出す払い出し機構、および制御部等を備えている。自動精算機29の制御部は、投入金額がこの装置Aの使用料金(有効金額)以上であるか判定し、投入金額が有効金額を上回った場合には余剰金額を釣銭として払い出す。また、自動精算機29は、有効金額が投入された場合には、その旨の情報を制御装置30に入力する。
【0028】
制御装置30は、CPUなどの処理部31と、RAM、ROM、HDDなどの記憶部32(装飾画像記憶手段)と、データの入出力を行うための通信部33(通信手段)等を備えたコンピュータである。通信部33は、遊技施設内LAN回線、外部通信回線等を介して外部の管理サーバ60等の外部装置とデータを送受信可能である。また、赤外線通信装置16やケーブル等を介してサービス用の携帯端末機50等との間でデータを送受信可能である。
【0029】
制御装置30は、タッチパネル13にこの装置Aの各種操作画面を表示して利用者の操作信号に基づいて所定の処理を行う機能、操作パネル12上の他の操作手段の操作信号に基づいて所定の処理を行う機能、外部の管理サーバ60や携帯端末機50等と通信を行い、得られた情報に基づいて所定の処理を行う機能、などを有しており、そのための各種プログラムを記憶部32に内蔵している。また、制御装置30は、外部の管理サーバ60等が内蔵しているソフトウェアの機能を利用して処理を行うこともできる。
【0030】
記憶部32には、キャラクタ付き装飾画像データが多数記憶されている。キャラクタ付き装飾画像データは、追加、消去あるいは書き換えが可能な方式で記憶されている。本発明におけるキャラクタ付き装飾画像Bの一例であるフレーム画像を図3に示す。この図に示すように、キャラクタ付き装飾画像Bは、パチンコ遊技機やスロット遊技機などの遊技機のゲームに使用されるキャラクタB1と、利用者が撮影した写真を嵌め込むための写真表示枠B2を並べて表示している。キャラクタ付き装飾画像Bの中には、キャラクタ名やメッセージ、タイトルなどの文字B3が表示されている。なお、キャラクタ付き装飾画像Bのデザインはこのようなものに限定されず、例えば、キャラクタとフレームだけ、あるいは、キャラクタとタイトルだけで構成してもよい。また、これ以外にも、キャラクタが含まれているものであれば、様々なデザインを用いることができる。
【0031】
次に、制御装置30が行う各種処理について説明する。
【0032】
(電源投入処理および料金投入処理)
制御装置30は、電源の投入により起動し、モニタ26、デジタルカメラ27、プリンタ28、自動精算機29等の各部を起動させてスタンバイ状態にする。スタンバイ状態では、自動精算機29を除く各部は操作パネル12上のタッチパネル13や各種ボタンの操作に反応しない。制御装置30は、自動精算機29から有効金額が投入された旨の信号が入力された場合に、タッチパネル13や各種ボタンからの操作を受付可能にする。
【0033】
(装飾画像選択処理)
制御装置30は、初期画面表示プログラムに基づき、記憶部32に記憶されたキャラクタ付き装飾画像データをタッチパネル13に所定の表示形式で表示して装置利用者に選択させる。図4は初期選択画面の一例であり、複数のキャラクタ付き装飾画像Bが配列されている。キャラクタ付き装飾画像Bには、それぞれ、フレーム番号すなわち識別番号が付けられている。制御装置30は、複数のフレーム表示区画が配列された初期選択画面の画面レイアウトに対して、各フレーム表示区画の番号にそれぞれフレーム画像(キャラクタ付き装飾画像)のフレーム番号を割り当てることにより、キャラクタ付き装飾画像Bを配列させる。なお、キャラクタ付き装飾画像Bの数が1画面で納まらない場合には、キャラクタ付き装飾画像Bを複数のグループに分けて最初にグループを選択させ、次画面で個々のキャラクタ付き装飾画像Bを表示して選択させてもよい。また、装置Aの設定により、初期選択画面に表示させるキャラクタ付き装飾画像Bを適宜変更するようにしてもよい。
【0034】
(画像合成処理)
制御装置30は、選択されたキャラクタ付き装飾画像Bをデジタルカメラ27の撮影画像と合成する処理を行う。例えば、画像処理ソフトウェアによって撮影画像を写真表示枠B2の位置に配置してその前面から写真表示枠B2を重ね合わせ、2つの画像のレイヤーを統合し、合成写真を作成する。また、制御装置30は、合成写真をタッチパネル13上に表示して利用者に確認させる。制御装置30は、取り消しボタン15aが押された旨の信号が入力された場合には、画像処理ソフトウェアで行った画像合成処理をリセットし、作成した合成写真を消去する。なお、合成写真を確認した後、画像処理ソフトウェアの機能を利用して利用者がタッチペンでさらに合成写真上に書き込みを行ったり、レイアウトの調整を行うことができるようにしてもよい。また、赤外線通信装置16に携帯電話等を接続し、デジタルカメラ27の撮影画像を用いる代わりに、携帯電話のメモリに保存されている写真データを用いて合成写真を作成してもよい。
【0035】
(印刷処理)
制御装置30は、合成写真を確認した利用者によって決定ボタン15bが押された場合には、その旨の信号が入力されたことに基づき、合成写真の印刷用データおよび印刷指令信号をプリンタ28に出力し、印刷用シートD上の写真シールCに合成写真を印刷する。印刷用シートDの種類やそのレイアウトは1種類のみでもよいが、利用者が選択できるようにしてもよい。印刷が完了したシートはプリンタ28から写真シール排出口24に排出される。これにより、合成写真を印刷した印刷用シートD(記録媒体)が発行され、利用者に提供される。
【0036】
(キャラクタ使用料の精算に関する処理:(1)広告印刷処理)
制御装置30は、決定ボタン15bが押されてプリンタ28に合成写真の印刷指令信号が出力された場合には、その合成写真の印刷において、印刷用シートDの印刷面D1の余白部分に、図5(a)に示すような広告E1を印刷することができる。また、図5(b)に示すように、印刷用シートDの裏面D2には、キャラクタの著作権に関する注意事項E2を印刷する。なお、広告E1と注意事項E2の印刷位置を入れ替えたり、広告E1だけを印刷するようにしてもよい。広告E1の内容は、この合成写真に含まれるキャラクタに関連するものであり、例えば、遊技機の広告、遊技機が設置された施設の広告、このキャラクタが使用されている他のゲーム機や商品の広告、遊技機製造メーカの広告、このキャラクタの権利者の他の商品や事業に関する広告、などである。広告印刷用のデータ(広告データ)はキャラクタ付き装飾画像に関連付けて記憶部32に記憶されている。広告データはキャラクタ付き装飾画像と1対1であってもよく、複数の装飾画像で同じ広告データを用いてもよい。また、広告データは随時変更可能になっており、外部の管理サーバ60から制御装置30に適宜新規広告データを送信して、古い広告データを書き換えることができる。また、赤外線通信装置16や不図示のケーブル等を介してサービス用の携帯端末機50を制御装置30に接続し、必要に応じて広告データを書き換えることができる。
【0037】
(キャラクタ使用料の精算に関する処理:(2)広告表示処理)
制御装置30は、決定ボタン15bが押されてプリンタ28に合成写真の印刷指令信号が出力された場合には、モニタ26あるいはタッチパネル13にコマーシャル映像などの映像信号を入力し、表示画面11やタッチパネル13にコマーシャル映像に表示させることができる。印刷中にコマーシャル映像を流すようにすれば、印刷待ち時間中も利用者を退屈させないようにすることができ、より娯楽性を高めることができる。また、制御装置30は、不図示のスピーカに音声信号を入力し、宣伝音楽や宣伝用のアナウンスをコマーシャル映像と共に流すこともできる。また、コマーシャル映像はなしで宣伝音楽やアナウンスのみを流しても良い。このような映像出力、音声出力による宣伝広告の内容は、上記広告E1と同様に遊技機やゲーム機、遊技施設、商品、遊技機製造メーカ、キャラクタ権利者の商品や事業、などに関するものであり、そのデータは、上記広告E1と同様に適宜書き換えることができる。
【0038】
(キャラクタ使用料の精算に関する処理:(3)キャラクタ使用回数積算処理)
制御装置30は、プリンタ28に合成写真の印刷指令信号を出力した場合に、この合成写真に使われたフレーム画像(キャラクタ付き装飾画像)の使用回数のこれまでの積算データに、今回の印刷枚数を加算する処理を行うことができる。制御装置30は、記憶部32に記憶されている全てのキャラクタ付き装飾画像Bについて、そのキャラクタの使用回数(キャラクタを含む合成画像が印刷用シートD上の写真シールCに印刷され、利用者に発行された回数)の積算データを作成し、記憶部32に記憶している。制御装置30は、月毎、週毎などの一定期間ごとに、あるいは通信部33に外部から積算データの問い合わせ通知が入力されたときに、この積算データを外部の管理サーバ60に送信する。また、制御装置30は、赤外線通信装置16やケーブル等を介してサービス用の携帯端末機50が接続されたときに、当該携帯端末機50からの要求に応じて積算データを送信する。
【0039】
広告印刷処理(第1処理)、広告表示処理(第2処理)、キャラクタ使用回数積算処理(第3処理)の3つの処理は、キャラクタ使用料の精算のために行われるものであり、これらの中からどの処理を行うかを適宜選択して、装置Aを設定する。また、これらの処理を組み合わせて実施するように装置Aを設定してもよい。広告印刷処理または広告表示処理を行う場合には、自動的にキャラクタ使用料を宣伝広告料と相殺することができる。また、キャラクタ使用回数積算処理を行っていれば、使用回数に1回あたりの使用料を掛けるだけでキャラクタ使用料を算出することができるので、キャラクタ使用料の精算が容易である。
【0040】
(キャラクタ付き装飾画像更新処理)
制御装置30は、記憶部32に記憶されたキャラクタ付き装飾画像データの更新や追加を行うことができる。例えば、月毎、週毎などの一定期間ごとに、あるいは通信部33に外部から更新通知が入力されたときやタッチパネル13に所定の操作信号が入力されたときに、外部の管理サーバ60と通信を行って新しいキャラクタ付き装飾画像データをダウンロードし、現在のキャラクタ付き装飾画像データに対する更新あるいは追加を行うことができる。また、赤外線通信装置16やケーブル等を介してサービス用の携帯端末機50が接続されたときに、当該携帯端末機50から新しいキャラクタ付き装飾画像データを受信して、更新あるいは追加処理を行うことができる。また、不図示のケーブル等を介してHDDやCD−ROMドライブなどを装置Aに接続し、HDDやCD―ROMなどの記憶媒体から新しいキャラクタ付き装飾画像データを読み出して、更新あるいは追加処理を行うこともできる。
【0041】
(暗号化処理)
制御装置30は、外部の管理サーバ60や携帯端末機50等との間で通信を行う場合に、通信データを自動で暗号化する処理を行うことができる。例えば、管理サーバ60や携帯端末機50との間で暗号化および復号化のためのパスワードを設定しておき、このパスワードを権限のある管理者のみが扱えるように管理する。また、制御装置30、管理サーバ60、携帯端末機50に暗号化ソフトウェアをインストールしておく。そして、キャラクタ付き装飾画像データやキャラクタに関連する情報のデータを送受信するときは、この暗号化ソフトウェアパスワードによって送受信データの暗号化および復号化を行う。
【0042】
(使用許諾情報確認処理)
制御装置30は、新たにキャラクタ付き装飾画像データを受信したり読み込んだりしたときは、当該キャラクタ付き装飾画像データが正規のデータかどうかを確認する処理を行うことができる。例えば、キャラクタ付き装飾画像データに電子透かしが埋め込まれているかどうかを電子透かし検出用のソフトウェアによって検査し、正規のデータであるかどうかを確認する。そして、新しいデータが正規のものであった場合は、そのデータによりキャラクタ付き装飾画像データの更新または追加を行う。一方、正規のデータでなかった場合は、当該データを消去する処理、外部出力や画像表示を禁止する処理、当該データを用いた合成画像の作成を禁止する処理、等を行うこともできる。また、外部の管理サーバ60に不正なデータを検出したことをメール等で通知したり、タッチパネル13や表示画面11に表示して管理者の注意を促すことができる。
【0043】
(売り上げ集計処理)
制御装置30は、自動精算機29への貨幣の投入金額および自動精算機29からの釣銭の払い出し金額を積算し、日毎、週毎などの一定期間ごとに装置Aの売り上げを集計することができる。また、制御装置30は、キャラクタ付き装飾画像ごとに売り上げの集計を行うこともできる。また、集計データは、プリンタ28で印刷して出力したり、メール等で管理サーバ60に送信して利用することができる。また、制御装置30には、プリンタ28から印刷シートやインクなどの消耗品の使用数量および残数量の情報が入力されるので、消耗品の補充にかかる金額を算出して集計データに加えることもできる。
【0044】
(メンテナンス処理)
制御装置30は、タッチパネル13にメンテナンス用の画面を表示させて、装置Aの各構成部分に不具合があった場合に不具合箇所や不具合内容を表示するようにしてもよい。また、音声により不具合の警告を行っても良い。また、消耗品の数量をチェックして、残量が少なくなった場合に画面表示や音声による通知を行ったり、残量がゼロになった場合に警告を行うようにしてもよい。これにより、例えば、プリンタ28の紙詰まりやインク切れ、用紙切れなどを素早く解消することができる。また、管理サーバ60との通信が正常に行われなかった場合に、その旨を表示して注意を促すことができる。
【0045】
(遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置の設置形態)
ここで、本実施形態の装置Aをパチンコホール(遊技場所)に設置する場合の設置形態について説明する。図6に示すように、パチンコホールHには、パチンコ遊技機やスロット遊技機などの遊技機H1と台間機H2とを併設して所定台数並べた遊技島H3がいくつか配列されている。装置Aは、パチンコホールH内において、例えば、壁際の自動販売機設置スペースや、精算カウンタ付近、あるいは、ホール出入口付近などに設置されている。各遊技機H1は、台間機H2を介してパチンコホールHの施設内LAN回線H4に接続されており、施設内LAN回線H4は、パチンコホールH内にある管理サーバH5に接続されている。装置Aは通信部33により施設内LAN回線H4に接続されており、管理サーバH5から装置Aに、パチンコホールH内の各遊技機H1に関する情報が入力される。管理サーバH5は、各遊技機H1の売り上げや各遊技機H1への遊技媒体の供給、あるいは各遊技機H1の設定を個々に管理することができる。
【0046】
例えば、パチンコホールH内の遊技機H1の一部あるいは全部が新しい遊技機に交換された場合には、管理サーバH5から装置Aに、パチンコホールH内に設置されている遊技機H1に使用されている全てのキャラクタの新しいリストを含んだ更新通知が装置Aに送信される。装置Aは、新しいキャラクタリストと記憶部32に現在記憶されている既存のキャラクタリストとを比較して、追加あるいは更新されたキャラクタについて、キャラクタ付き装飾画像のデータの追加、あるいは、古いデータとの入れ替えを行う。更新すべきキャラクタ付き装飾画像のデータについては、更新通知と共に管理サーバH5から装置Aに送信してもよく、装置Aから更新通知に基づいて管理サーバH5にアクセスし、ダウンロードするようにしてもよい。これにより、装置Aにおいて提供できる写真シールに使用可能なキャラクタの種類がパチンコホールH内の遊技機H1に使用されているキャラクタの種類と一致するように、キャラクタ付き装飾画像がリアルタイムに更新される。なお、管理サーバH5がパチンコホールHから離れた建物内に設置され、外部通信回線を介して施設内LAN回線H4に接続されていてもよい。
【0047】
装置Aにおいて広告印刷処理(第1処理)あるいは広告表示処理(第2処理)を行うように設定した場合には、管理サーバH5は、キャラクタ付き装飾画像の追加あるいは変更と共に、広告に用いる印刷用データ、コマーシャル映像データ、宣伝音楽データ、宣伝アナウンスデータなどの追加あるいは更新があるか確認し、必要なデータの追加あるいは更新通知を装置Aに送信する。一方、装置Aにおいてキャラクタ使用回数積算処理のみを行うように設定している場合には、装置Aでは、新たなキャラクタを使用回数の積算リストに加えてキャラクタごとに使用回数の積算を行う。なお、広告の内容は、遊技機H1の将来の増設や交換を宣伝する内容にしてもよく、パチンコホールHにおける各種イベントの開催やサービスの変更などに対応させた内容にしてもよい。
【0048】
(本実施形態の効果)
本実施形態の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置Aは、以上のような構成により、遊技機のキャラクタ付き装飾画像Bで装飾された写真カードや写真シールを発行して利用者に提供できる。また、キャラクタの使用ごとに当該キャラクタに関連する遊技機、遊技店などの関連情報を印刷、音声、映像などの形態で出力することにより、利用者に対する遊技機、遊技店などの宣伝広告を行うことができる。よって、キャラクタ付き装飾画像を使用したことにより支払うべきキャラクタ使用料を、キャラクタに関する宣伝広告料と相殺して自動的に精算することができる。また、キャラクタの使用回数を積算することができるので、そのデータにもとづき、キャラクタ使用料を容易に精算することができる。
【0049】
また、装置Aでは、使用許諾情報の確認およびデータの暗号化により、キャラクタの不正使用やキャラクタに関連する情報の不正な流出を抑制することができる。また、キャラクタ付き装飾画像や広告の内容を定期的にあるいは管理サーバ60、管理サーバH5等からの通知に基づいて追加・更新することができるので、タイムリーに更新を行うことができ、キャラクタ付き装飾画像が陳腐化しないようにすることができる。よって、話題性があり、娯楽性が高い写真シールや写真カードを利用者に提供することができる。また、サービス用の携帯端末機50をこの装置Aに直接接続してキャラクタ付き装飾画像データを更新することもできるので、キャラクタ付き装飾画像を遊技施設の管理者やメンテナンス担当者の判断で適宜入れ替えることも可能である。
【0050】
(第2実施形態:遊技機キャラクタ付き合成写真発行システム)
本実施形態は、第1実施形態の装置Aを端末装置100とし、この端末装置100および端末装置100と通信回線により接続される管理サーバ200により、遊技機キャラクタ付き合成写真発行システムSを構成したものである。図7に本システムの構成を示す。
【0051】
管理サーバ200は、CPUなどの処理部201と、ソフトウェアや各種データを記憶するためのRAM、ROM、HDD等からなる記憶部202と、インターネットなどの外部通信回線と接続するための通信部203を備えており、パソコンなどで構成することができる。管理サーバ200には、通信回線を介して、複数の端末装置100が接続されている。
【0052】
端末装置100である装置Aは、例えば、基本ソフトウェアのみが搭載された状態で製造メーカから買い取られ、代理店によってキャラクタ付き装飾画像のデータや広告データなどが搭載される。そして、代理店とパチンコホールなどの遊技店とのリース契約などにより、さまざまな遊技店に設置される。代理店と遊技店との間で管理契約やリース契約などが交わされた場合には、キャラクタ付き装飾画像の使用料はこの代理店から権利者に対して支払われ、また、キャラクタ付き装飾画像の入れ替えや使用許諾期間の管理・更新は代理店によって行われるので、管理サーバ200は、通常は、代理店が運営する管理センタに設置される。各遊技店における端末装置100の設置形態は、例えば図6で示すような形態である。なお、管理サーバ200は、各遊技店における端末装置100と直接接続されていてもよく、また、各遊技店における遊技機管理用の管理サーバを介して端末装置100と接続されていてもよい。
【0053】
管理サーバ200は、端末装置100へキャラクタ付き装飾画像の更新通知を送信したり、端末装置100からの要求に応じてキャラクタ付き装飾画像を端末装置100にダウンロードさせる処理を行う。また、管理サーバ200は、端末装置100からの売り上げデータや各キャラクタの使用回数の積算データ、メンテナンスデータなどを受信する。これにより、代理店の担当者は、各端末装置100の稼働状況を管理サーバ200にログインして閲覧することができ、必要な管理措置をとることができる。また、管理サーバ200には、各キャラクタ付き装飾画像ごとに、その使用回数に応じてキャラクタ使用料を算出するためのソフトウェアが搭載されている。これにより、管理サーバ200では、定期的に、あるいは担当者が決定したタイミングで、各キャラクタ付き装飾画像の使用回数に応じてキャラクタ使用料を自動で算出することができる。
【0054】
(遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法)
遊技機キャラクタ付き合成写真発行システムSは、図8に示すS1〜S7の各工程を適宜行うことにより使用される。各端末装置100では、まず、以下の(1)〜(4)の工程により写真シールや写真カードを作成し、利用者に発行する。
【0055】
(1)タッチパネル13の操作により、内蔵するキャラクタ付き装飾画像(例えば、フレーム画像)の中から、好みのキャラクタ付き装飾画像を選択する処理を行う(装飾画像選択工程:S1)。
(2)そして、選んだフレーム画像をタッチパネル13上に表示したまま、デジタルカメラ27による被写体人物(利用者自身)の撮影を行う(画像撮影工程:S2)。なお、携帯電話などのメモリに記憶された写真を使う場合には、この工程において、デジタルカメラ27の撮影を行わずに、赤外線通信装置16の送受信部16aからの入力により、写真データを制御装置30に取り込む。
(3)続いて、選んだフレーム画像と撮影画像(あるいは外部から入力した画像)の合成を行い(画像合成工程:S3)、気に入れば決定ボタン15bを押して印刷処理に進み、気に入らなければ取り消しボタン15aを押して作成した合成写真を消去する。そして、撮影のやり直し、または、キャラクタ付き装飾画像の選択のやり直しを行い、気に入る合成写真が完成するまで繰り返す。
(4)印刷処理では、プリンタ28により、合成写真を記録媒体、例えば写真シール用の印刷用シートDに印刷し、写真シール排出口24に排出する(印刷工程:S4)。
【0056】
そして、各端末装置100では、合成写真が記録媒体に印刷されて発行されることに起因して、以下の(5)〜(7)のいずれかの工程を行う。
(5)プリンタ28に合成写真の印刷指令信号が出力された場合に、その合成写真の印刷において、印刷用シートDの印刷面D1の余白部分に広告を印刷すると共に、裏面D2にキャラクタの著作権に関する注意事項を印刷する(広告印刷工程:S5a)。
(6)プリンタ28に合成写真の印刷指令信号が出力された場合には、合成写真の印刷待ち時間中に、表示画面11あるいはタッチパネル13上にコマーシャル映像を流す。また、コマーシャル映像と共に、不図示のスピーカからの音声出力により、宣伝音楽あるいは宣伝アナウンスを流す(広告表示工程:S5b)。なお、映像と音声の一方のみの出力を行っても良い。
(7)プリンタ28に合成写真の印刷指令信号が出力された場合に、この合成写真に使われたキャラクタの使用回数のこれまでの積算データに、今回の使用回数(例えば、印刷用シートDの印刷枚数)を加算する(使用回数積算工程:S5c)。
【0057】
遊技機キャラクタ付き合成写真発行システムSは、(1)〜(4)及び(7)を行うように設定されている場合には、さらに、以下の(8)(9)の工程を行う。
(8)例えば、週毎あるいは月毎のような定期的なタイミングで、あるいは管理サーバ200側から要求されたタイミングで、管理サーバ200に各キャラクタ付き装飾画像の使用回数の積算データを送信する(積算値出力工程:S6)。
(9)そして、管理サーバ200において、この積算データに基づいて、キャラクタ使用料を算出する(対価算出工程:S7)。
【0058】
遊技機キャラクタ付き合成写真発行システムSは、上記(1)〜(9)の各工程を適宜行うことにより、利用者への写真シール等の発行とキャラクタ使用料の精算を行う。このようにすれば、端末装置100がばらばらに離れた遊技店に複数設置されていても、代理店の管理担当者は自動でその全てについてキャラクタ付き装飾画像ごとにその使用回数を確認することができ、当該使用回数に対するキャラクタ使用料の総額や、各遊技店ごとのキャラクタ使用料を自動で算出することができる。また、キャラクタの権利者から新しいキャラクタ付き装飾画像が提供された場合には、各遊技店にある端末装置100に一括してキャラクタ付き装飾画像の更新通知を送信することができ、自動でキャラクタ付き装飾画像の追加あるいは更新を行うことができる。よって、キャラクタ付き装飾画像の追加・更新の手間を削減することができる。また、タイムリーにキャラクタ付き装飾画像の追加・更新を行うことができる。
【0059】
また、管理サーバ200は、定期的に、または端末装置100から要求されたタイミングに合わせて、あるいは外部入力により決定されたタイミング(例えば、遊技店における遊技機の交換や増設のタイミング)にあわせて、新規キャラクタ付き装飾画像を端末装置100に送信する。そして、端末装置100側では、既存のキャラクタ付き装飾画像に新規キャラクタ付き装飾画像を追加あるいは更新する処理を行う。なお、この際、(5)(6)において印刷、映像、音声などの出力形態で行われる広告やコマーシャルなどのデータを、キャラクタ付き装飾画像のデータと共に更新してもよい。
【0060】
また、管理サーバ200側において、印刷、映像、音声などによる宣伝広告料とキャラクタ使用料とを相殺する精算方法、キャラクタ付き装飾画像の使用回数を積算して使用回数に応じたキャラクタ使用料を支払う精算方法、のいずれの方法を各端末装置100側で行うかの設定を行っても良い。このようにすれば、管理サーバ200側でキャラクタ使用料の精算方式を一括して管理することができる。
【0061】
(改変例:遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置)
本例では、図9に示すように、装置本体1の前面開口1aに透明ガラスではなく液晶モニタ41を配置し、その背面側にLCDドライバを配置してハーフミラー25とモニタ26を省略し、制御装置30からの映像出力信号を直接液晶モニタ41に表示する。デジタルカメラ27は表示画面11の上方に配置されている。このようにすれば、モニタを上向きに設置する必要がなく、ハーフミラーも使用しないので、装置本体1の奥行きをコンパクトにすることができる。また、この図に示すように、タッチパネル13の位置にキーボード42を配置してもよい。この場合、キャラクタ付き装飾画像は、タッチパネルでなく、液晶モニタ41に表示されて選択される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明を適用した遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置の斜視図である。
【図2】遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置のブロック図である。
【図3】キャラクタ付き装飾画像の一例(フレーム画像)を示す説明図である。
【図4】キャラクタ付き装飾画像の選択画面を示す説明図である。
【図5】余白に広告が印刷された写真シールを示す説明図である。
【図6】遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置の設置形態を示す説明図である。
【図7】遊技機キャラクタ付き合成写真発行システムのシステム構成図である。
【図8】遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法のフローチャートである。
【図9】改変例の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置の説明図である。
【符号の説明】
【0063】
1 装置本体
1a 前面開口
11 表示画面
12 操作パネル
13 タッチパネル
14 シャッターボタン
15a 取り消しボタン
15b 決定ボタン
16 赤外線通信装置
16a 送受信部
17 シャッターリモコン
17a 接続端子
18 硬貨投入口
19 紙幣投入口
20 投入金額表示パネル
21 返却ボタン
22 釣銭ボタン
23 返却口
24 写真シール排出口
25 ハーフミラー
26 モニタ
27 デジタルカメラ
28 プリンタ
29 自動精算機
30 制御装置
31 処理部
32 記憶部
33 通信部
41 液晶モニタ
42 キーボード
50 携帯端末機
60 管理サーバ
100 端末装置
200 管理サーバ
201 処理部
202 記憶部
203 通信部
A 遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置(装置)
B 装飾画像
B1 キャラクタ
B2 写真表示枠
B3 文字
C 写真シール
D 印刷用シート
D1 印刷面
D2 裏面
E1 広告
E2 注意事項
H パチンコホール
H1 遊技機
H2 台間機
H3 遊技島
H4 施設内LAN回線
H5 管理サーバ
S 遊技機キャラクタ付き合成写真発行システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が撮影した撮影画像と、パチンコ遊技機、スロット遊技機などの遊技機のキャラクタを含むキャラクタ付き装飾画像とを合成して合成写真を作成し、
この合成写真を記録媒体に印刷し、
印刷後の記録媒体を利用者に発行する工程と、
発行される前記記録媒体に使用された前記キャラクタの使用回数を積算する第1処理と、当該キャラクタに関連する遊技機、遊技店などのキャラクタ関連情報を、発行される前記記録媒体に印刷する第2処理と、前記キャラクタ関連情報を、前記キャラクタが印刷された前記記録媒体を発行する際に、音声出力および映像出力の何れかの出力形態で利用者に伝える第3処理のうちの少なくとも一つの処理を行う工程と、を行うことを特徴とする遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法において、
前記第3処理においては、前記記録媒体の印刷面の余白部分および当該記録媒体の裏面の少なくとも一方に、前記キャラクタ関連情報を印刷することを特徴とする遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法において、
前記記録媒体として、台紙に剥離可能な状態で複数枚のシールが貼り付けられているものを使用し、前記複数枚のシールのそれぞれに前記合成写真を印刷することを特徴とする遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項に記載の遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法において、
複数台の遊技機が設置されている遊技場所において前記合成写真を発行し、
前記キャラクタ付き装飾画像として、当該遊技場所に設置されている前記遊技機において使用されているキャラクタを含むものを用いることを特徴とする遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法。
【請求項5】
請求項4に記載の遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法において、
前記遊技場所に設置されている前記遊技機あるいは当該遊技機を管理している管理コンピュータとの間で通信を行うことにより、各遊技機で使用されている前記キャラクタに関する情報を受け取り、
前記遊技場所に設置されている前記遊技機が交換または増設されると、前記キャラクタ付き装飾画像をリアルタイムで更新することを特徴とする遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちのいずれかの項に記載の遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法において、
少なくとも前記第1処理を行い、
前記キャラクタの前記使用回数の積算値に基づき、当該キャラクタの使用に際して支払われるべき対価を算出することを特徴とする遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のうちのいずれかの項に記載の遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法において、
前記キャラクタ付き装飾画像の属性情報に使用許諾情報を含めておき、
前記合成写真の作成時には、前記キャラクタ付き装飾画像の使用許諾情報を確認し、使用許諾を確認できない場合には当該合成写真が印刷された前記記録媒体の発行を禁止することを特徴とする遊技機キャラクタ付き合成写真の発行方法。
【請求項8】
利用者が撮影した撮影画像と合成するための複数のキャラクタ付き装飾画像を記憶する装飾画像記憶手段と、前記複数のキャラクタ付き装飾画像の少なくとも1つを選択するための装飾画像選択手段と、前記装飾画像選択手段によって選択されたキャラクタ付き装飾画像と前記撮影画像を合成して合成写真を生成する画像合成手段と、前記合成写真を記録媒体に印刷して印刷後の記録媒体を利用者に発行するプリント手段と、前記装飾画像記憶手段、前記装飾画像選択手段、前記画像合成手段、および前記プリント手段制御する制御手段と、を備えた遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置であって、
前記複数のキャラクタ付き装飾画像のそれぞれは、パチンコ遊技機、スロット遊技機などの遊技機のキャラクタを含んでおり、
前記制御手段は、前記記録媒体の発行数を当該記録媒体に使用された前記キャラクタの使用回数として積算する第1処理と、当該キャラクタに関連する遊技機、遊技店などのキャラクタ関連情報を、発行される前記記録媒体に前記キャラクタと共に印刷する第2処理と、前記キャラクタ関連情報を、前記キャラクタが印刷された前記記録媒体を発行する際に、音声出力および映像出力の何れかの出力形態で利用者に伝える第3処理と、の少なくともいずれかを行うことを特徴とする遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置。
【請求項9】
請求項8に記載の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置において、
前記プリント手段は、前記第3処理を行う場合には、前記記録媒体の印刷面の余白部分および当該記録媒体の裏面の少なくとも一方に、前記キャラクタ関連情報を印刷することを特徴とする遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置において、
前記記録媒体は、台紙に剥離可能な状態で複数枚のシールが貼り付けられているものであり、前記プリント手段は、前記複数枚のシールのそれぞれに前記合成写真を印刷することを特徴とする遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置。
【請求項11】
請求項8ないし10のいずれかの項に記載の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置において、
前記キャラクタ付き装飾画像の属性情報には使用許諾情報が含まれ、
前記制御手段は、前記合成写真の作成時には、前記キャラクタ付き装飾画像の使用許諾情報を確認する処理を行い、有効な使用許諾情報を確認できない場合には、当該合成写真が印刷された前記記録媒体の発行を禁止することを特徴とする遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置。
【請求項12】
請求項8ないし11のいずれかの項に記載の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置において、
外部装置との間でデータの入出力を行うための通信手段を備えることを特徴とする遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置。
【請求項13】
請求項12に記載の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置において、
前記制御手段は、前記通信手段から更新通知が入力されたことに基づき、前記装飾画像記憶手段に記憶されている前記キャラクタ付き装飾画像を更新する処理を自動で行うことを特徴とする遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置。
【請求項14】
請求項12または13に記載の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置において、
前記制御手段は、前記第1処理を行った場合には、当該第1処理において積算された前記キャラクタの使用回数の積算値を、前記通信手段から外部に出力することを特徴とする遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置。
【請求項15】
請求項14に記載の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置を備えた端末と、当該端末に通信回線を介して接続可能なサーバと、を備えた遊技機キャラクタ付き合成写真発行システムであって、
前記サーバは、前記端末から前記キャラクタの使用回数の積算値を受信した場合に、当該積算値に基づき、前記キャラクタ付き装飾画像に含まれているキャラクタの使用に際して支払われるべき対価を算出することを特徴とする遊技機キャラクタ付き合成写真発行システム。
【請求項16】
請求項13に記載の遊技機キャラクタ付き合成写真発行装置を備えた端末と、当該端末に通信回線を介して接続可能なサーバと、を備えた遊技機キャラクタ付き合成写真発行システムであって、
前記端末は、複数台の遊技機が設置されている遊技場所に設置されており、
前記サーバは、前記遊技場所に設置されている各遊技機あるいは当該各遊技機を管理している管理コンピュータとの間で通信を行い、前記各遊技機または前記管理コンピュータから前記各遊技機の交換または前記遊技場所への新規遊技台の増設に関する情報が入力されたことに基づき、前記端末に前記更新通知を送信することを特徴とする遊技機キャラクタ付き合成写真発行システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−92781(P2009−92781A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261359(P2007−261359)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(000128946)マミヤ・オーピー株式会社 (122)
【Fターム(参考)】