説明

遊技機システム

【課題】所定の目的に使用するための代価が記憶された記憶媒体を当該遊技者が安心して遊技施設の従業員に渡すことができるとともに、当該所定の目的と当該遊技者の居る遊技機を遊技施設の従業員が容易に確認できるようにする。
【解決手段】パチンコ遊技機100のユニット制御部は、所定の条件が成立した場合、RAMが記憶する持球数から、所定の目的に使用するための所定の球数を減算する所定目的用球数減算手段になっている。遊技用のカードリーダ/ライタ187−1は、ユニット制御部のRAMが記憶する前記持球数を遊技用のカード2−1に書き込む。ワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ187−2は、前記パチンコ遊技機100の識別情報、前記所定の目的を指定する所定目的情報、及び前記所定目的用球数減算手段が減算した前記所定の球数をワゴンサービス用のカード2−2に書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支払代価に応じた遊技球の球貸しを遊技機に対して行い、球貸しされた遊技球の内で遊技に使用可能な遊技球を持球数として記憶する遊技機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技盤上を流下させる遊技球を外部と遮断した封入式の遊技機において、遊技者側には実際の遊技球を一切払い出さず、遊技者の持ち球数を積算計算する遊技機が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には以下のような技術が記載されている。すなわち、特許文献1に記載の封入球式パチンコ機は、発射された球の数が、アウト口に入った場合には、アウト球カウンタによって積算計数され、一方、球が入賞口に入った場合には、その入賞に対応する賞品球の数(たとえば15)が、セーフ球カウンタによって積算計数される。そして、制御装置は、2つのカウンタによって計数されたセーフ球数とアウト球数の差(差球数)を算出し、この差球数を遊技前の持ち球数(以下、持球数と呼ぶ)と加算し、その数値を新たな持球数として表示装置に表示する。
【0004】
また、近年開発されている封入式パチンコでは、遊技用のカードを記憶媒体とする球貸機(カードリーダ/ライタ)と接続し、球貸機とデータのやり取りを行うことで、遊技用のカードにチャージされた金額から貸出されたパチンコ球(遊技球)に対応する金額を減算するとともに、貸出された遊技球を元の持球数に加算し、新規の持球数として遊技用のカードに記憶させる。遊技用のカードに記憶された持球のデータは、遊技施設のカウンタ等によって景品と交換される。ここで貸出された遊技球に対応する金額とは、貸し出された遊技球に貸球の交換率(遊技球1個の貸球料金)を掛けた金額のことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−112435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の封入球式パチンコ機は、ワゴンサービスを受ける等、遊技者が遊技以外の所定の目的で持球を使用する際に、球貸し機から遊技用の記憶媒体であるカードを抜いて従業員に渡すことになるので、遊技用のカードに多額のチャージされた金額や多量の持球数が残っている場合、遊技者が遊技用のカードを従業員に渡すことが不安になり、所定の目的に使用するのを回避する場合(例えばワゴンサービスを受けるのを諦める等)が多々あった。また、遊技施設の従業員が所定の目的の内容や注文した遊技者を忘れたり間違えたりすることも多かった。
【0007】
そこで本発明は、上記の実情に鑑み、所定の目的に使用するための代価が記憶された記憶媒体を当該遊技者が安心して遊技施設の従業員に渡すことができるとともに、当該所定の目的と当該遊技者の居る遊技機を遊技施設の従業員が容易に確認できる遊技機システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明の遊技機システム(パチンコ遊技機ユニット1)は、支払代価に応じた遊技球の球貸しを遊技機(パチンコ遊技機100)に対して行う球貸手段(CRユニット21)と、前記球貸手段により球貸しされた遊技球の内で遊技に使用可能な遊技球を持球数として記憶する持球数記憶手段(RAM503)と、前記持球数記憶手段が記憶する持球数から前記遊技に使用する球数を減算する遊技用球数減算手段(CPU501及びROM503に記憶された遊技用球数減算用のプログラム)と、所定の条件が成立した場合、前記持球数記憶手段が記憶する前記持球数から、所定の目的に使用するための所定の球数を減算する所定目的用球数減算手段(CPU501及びROM503に記憶された所定目的用球数減算用のプログラム)と、前記持球数記憶手段が記憶する前記持球数を第1の記憶媒体(カード2−1)に書き込む第1の書込手段(カードリーダ/ライタ187−1)と、少なくとも前記遊技機の識別情報、前記所定の目的を指定する所定目的情報、及び前記所定目的用球数減算手段が減算した前記所定の球数を第2の記憶媒体(カード2−2)に書き込む第2の書込手段(カードリーダ/ライタ187−2)とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、所定の条件が成立した場合、所定目的用球数減算手段が、前記持球数記憶手段が記憶する前記持球数から、所定の目的に使用するための所定の球数を減算し、第2の書込手段が、少なくとも前記遊技機の識別情報、前記所定の目的を指定する所定目的情報、及び前記所定目的用球数減算手段が減算した前記所定の球数を第2の記憶媒体に書き込み、この第2の記憶媒体を遊技者が遊技施設の従業員に渡すことになるので、所定の目的に使用するための代価が記憶された記憶媒体を当該遊技者が安心して遊技施設の従業員に渡すことができるとともに、当該所定の目的と当該遊技者の居る遊技機を遊技施設の従業員が容易に確認できる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機システムであって、前記所定の目的を指定する操作が可能な目的指定操作部(タッチパネル22)を更に備え、前記所定の条件とは、前記目的指定操作部に対して前記所定の目的を指定する操作が行われることであることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の遊技機システムであって、前記支払代価を前記第1の記憶媒体に書き込むとともに、当該第1の記憶媒体に書き込またれ当該支払代価を読み出す支払代価書込読出手段(カードリーダ/ライタ187−1)と、前記支払代価書込読出手段により前記第1の記憶媒体から読み出された前記支払代価から、前記球貸手段により球貸しされた遊技球の球数に対応する支払代価を減算し、前記支払代価書込読出手段に対して当該減算後の支払代価を当該第1の記憶媒体に書き込み更新させる制御を行う更新制御手段(CPU501及びROM503に記憶された更新制御用のプログラム)とを更に備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、所定の目的に使用するための代価が記憶された記憶媒体を当該遊技者が安心して遊技施設の従業員に渡すことができる遊技機システムを提供できるとともに、当該所定の目的と当該遊技者の居る遊技機を遊技施設の従業員が容易に確認できる遊技機システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係るパチンコ遊技機ユニットの斜視図であり、(a)は、主に前面を示す図、(b)は、主に後面を示す図である。
【図2】パチンコ遊技機ユニットの筐体内部の概略構成を示す図であり、(a)は、主に前側から見た図であり、(b)は、主に後側から見た図である。
【図3】(a)は、本実施形態のパチンコ遊技機の遊技盤の概略正面図であり、(b)は、遊技盤の右下に配設された表示器の一例を示す拡大図である。
【図4】本実施形態に係るCRユニット21の斜視図である。
【図5】本実施形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図6】本実施形態の遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図7】本実施形態の遊技制御部の主要動作を示すフローチャートである。
【図8】始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
【図9】ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
【図10】特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
【図11】大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。
【図12】変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。
【図13】停止中処理の内容を示すフローチャートである。
【図14】客待ち設定処理の内容を示すフローチャートである。
【図15】普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
【図16】大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
【図17】遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。
【図18】電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
【図19】本実施形態で用いられる乱数の構成例を示す図である。
【図20】本実施形態の演出制御部の動作を示すフローチャートである。
【図21】パチンコ遊技機ユニットの制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図22】CRユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図23】ユニット制御部がタッチパネルに表示する画面を例示する第1の説明図である。
【図24】ユニット制御部がタッチパネルに表示する画面を例示する第2の説明図である。
【図25】ユニット制御部がタッチパネルに表示する画面を例示する第3の説明図である。
【図26】ユニット制御部がタッチパネルに表示する画面を例示する第4の説明図である。
【図27】ユニット制御部がタッチパネルに表示する画面を例示する第5の説明図である。
【図28】ユニット制御部が行う基本処理の内容を示すフローチャートの第1の分割図である。
【図29】ユニット制御部が行う基本処理の内容を示すフローチャートの第2の分割図である。
【図30】ユニット制御部が行う基本処理の内容を示すフローチャートの第2の分割図である。
【図31】遊技終了処理の内容を示すフローチャートである。
【図32】離席処理の内容を示すフローチャートである。
【図33】サービス処理の内容を示すフローチャートである。
【図34】軍資球不足補充処理の内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0015】
〔パチンコ遊技機ユニットの基本構成〕
図1は、本実施形態に係るパチンコ遊技機ユニット1の斜視図であり、(a)は、主に前面を示す図、(b)は、主に後面を示す図である。
図2は、パチンコ遊技機ユニット1の筐体内部の概略構成を示す図であり、(a)は、主に前側から見た図であり、(b)は、主に後側から見た図である。
パチンコ遊技機ユニット1は、外部から触れられないように複数の遊技球が内部空間に封入されたユニットである。つまり、パチンコ遊技機ユニット1は、遊技者が遊技球を触ることができないようにその内部空間に遊技球が封入され、封入された遊技球が、遊技に用いられるとともに遊技により獲得した遊技球の数や遊技者が保有する遊技に用いることが可能な遊技球の数を視覚化するのに用いられる。
【0016】
パチンコ遊技機ユニット1は、遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100と、パチンコ遊技機100にて遊技球を獲得している感じを視覚的に演出したり、遊技者が遊技に用いることが可能な遊技球の多さを視覚的に演出したりする演出装置20とを、筐体10の内部に備えている。
パチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を獲得させるように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110を備えている。
演出装置20は、遊技中の遊技者が獲得している賞球の多さの感じを視覚的に演出する払出球感演出部60と、遊技中の遊技者が遊技に用いることが可能な遊技球の多さの感じを視覚的に演出する持球感演出部70とを備えている。
そして、封入された遊技球は、遊技のためにパチンコ遊技機100内を循環する循環球と、払出球感演出部60および持球感演出部70にて演出に用いられる演出球とに大別されて活用される。
【0017】
また、パチンコ遊技機ユニット1は、封入された遊技球を洗浄する洗浄装置30と、洗浄装置30にて洗浄された遊技球を、上述した循環球と演出球とに分配する分配装置40とを、筐体10内に備えている。また、パチンコ遊技機ユニット1は、紙幣識別機と、カードから情報を読み取るとともにカードに情報を書き込む2台のカードリーダ/ライタと、を有するCRユニット21を備えている。また、パチンコ遊技機ユニット1は、例えば、低圧の電界を形成したパネルの表面電荷の変化を検知することで指が触れた位置を電気的に検出する静電容量方式や、互いに離間する電極の指が触れた位置が非通電状態から通電状態に変化することによりその位置を電気的に検出する抵抗膜方式等の周知のタッチパネル22を備えている。また、パチンコ遊技機ユニット1は、例えば、遊技者のボタン押下により赤色を点灯させたり、パチンコ遊技機100において大当たりが発生した場合に赤、青、黄色などを点滅させたりする表示灯23を備えている。
そして、これらパチンコ遊技機ユニット1を構成する、遊技盤110、演出装置20、CRユニット21、タッチパネル22、表示灯23、洗浄装置30および分配装置40などは、筐体10に収納されている。
【0018】
また、パチンコ遊技機ユニット1には、筐体10内に、パチンコ遊技機ユニット1を統括的に制御するユニット制御基板、パチンコ遊技機100内を循環する遊技球の管理を行う球データ管理基板、演出装置20を制御する払出球・持球感制御基板、洗浄装置30を制御する洗浄制御基板、分配装置40を制御する分配制御基板および遊技球の発射制御を行う発射基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられている。また、パチンコ遊技機ユニット1には、筐体10内に、供給された24VのAC電源をDC電源に変換するスイッチング電源を有する電源基板(不図示)が配設されている。電源基板は、変換したDC電源を、ユニット制御基板、発射基板、表示灯23および盤電源中継端子板等に出力する。盤電源中継端子板は、遊技盤110にDC電源を出力するとともに、後述するパチンコ遊技機100の遊技制御基板にDC電源を出力する。
【0019】
〔パチンコ遊技機の基本構成〕
図3(a)は、本実施形態のパチンコ遊技機の遊技盤110の概略正面図であり、図3(b)は、遊技盤110の右下に配設された表示器の一例を示す拡大図である。
図3(a)において、遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
【0020】
本実施形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
【0021】
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
【0022】
本実施形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動するゲート124と、が遊技盤110に配設されている。ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器を作動させることとなる遊技球の入賞に係る入賞口をいう。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開く。
【0023】
なお、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選において大当たりに当選する大当たり確率が変動する場合(低確状態(例えば300分の1)から高確状態(例えば30分の1)への変動)がある。また、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ123の羽根の開時間が延長されたり、電動チューリップ123の羽根が開く回数が増えたりする場合がある。
【0024】
また、本実施形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選が始動しない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
また、遊技盤110は、排出口117から遊技領域111の外に排出された遊技球や、各種入賞口に入賞した遊技球が集まる球集合部を有しており、球集合部に集まった遊技球は、この球集合部の下側端部に形成された下端口から遊技盤110の外へ排出される。
【0025】
なお、本実施形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
【0026】
また、遊技盤110の裏面には、内部抽選および当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。
なお、筐体10の、遊技盤110の前面には、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板24が取り付けられている。
【0027】
パチンコ遊技機100は、遊技者がハンドル151(図1参照)に触れてハンドルレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置160(図21参照)を備えている。ハンドル151には、遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154が取り付けられている。また、パチンコ遊技機100は、遊技者のハンドルレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置160に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置158(図21参照)と、供給装置158が発射装置160に供給する遊技球を一時的に溜めておく上皿153(図2参照)と、を備えている。この上皿153には、発射装置160により発射され、遊技領域111に到達しなかった遊技球(ファール球)を、供給装置158の方へ案内する戻し路が形成されている。また、上皿153の上部は筐体10にて覆われており、遊技者が上皿153にある遊技球に触れることができないようになっている。ただ、上皿153の上部を覆う筐体10には、上皿153にある遊技球を外部から視認可能にする透明部位10a(図1(a)参照)が設けられており、遊技者は、その透明部位10aを介して上皿153にある遊技球の一部を見ることが可能になっている。
【0028】
これら発射装置160、供給装置158および上皿153は、パチンコ遊技機ユニット1のユニット本体に直接的または間接的に取り付けられている。そして、発射装置160は、遊技球を遊技盤110に向けて打ち出す打出手段の一例であり、供給装置158は、発射装置160に向けて供給される遊技球が並ぶ供給通路の一例としての上皿153の発射球案内路の最下流部にある遊技球を発射装置160まで供給する供給手段の一例である。また、これら発射装置160、供給装置158および上皿153については後で詳述する。
【0029】
また、パチンコ遊技機100は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156(図1(a)参照)および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
これらスピーカ156および枠ランプ157は、パチンコ遊技機ユニット1のユニット本体に取り付けられている。
【0030】
パチンコ遊技機100の表示器130は、図3(b)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
【0031】
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
【0032】
ここで、保留について説明する。特別図柄や普通図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに他の遊技球による入賞があると、その入賞した遊技球に対する図柄の変動表示動作は、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、規定個数(例えば4個)を限度に保留される。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
【0033】
パチンコ遊技機100は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図1(a)に示すように、本実施形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162とが、筐体10の表面から突出するように配設されている。筐体10は、この入力装置が配置された部位が開口している。演出キー162は、その中央に1つの中央キーを配置し、また、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。遊技者は、4つの周囲キーを操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能であり、また、中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
【0034】
次に、CRユニット21を詳細に説明する。
図4はCRユニット21の斜視図である。
図4において、CRユニット21の筺体181の前面には、左から順にリモコン受光部182、BVユニット部183、表示部184、遊技用及びワゴンサービス用のカード挿排口186−1、186−2が設けられている。表示部184の下側には、操作部185が設けられている。
【0035】
遊技用のカード挿排口186−1は、ホールカード、第1の記憶媒体となる遊技用のプリペイドカード及び会員カードの挿排を行う。遊技用のカード挿排口186−1のプリペイドカード及び会員カードは、遊技者によりチャージされた金額を記憶するとともにパチンコ遊技機100の持球、軍資球及び残球を記憶する。プリペイドカード及び会員カードは、遊技用のカード2−1と呼ぶ。
尚、持球とは、遊技者がこのパチンコ遊技機ユニット1において遊技に使用可能な(発射装置160にて遊技盤110に向けて発射可能な)遊技球のことである。軍資球とは、遊技者によりチャージされた未使用の金額に対応する遊技球の内、自動的に持球の補充に使用される遊技球のことである。残球とは、前記未使用の金額に対応する遊技球の内、自動的に持球の補充に使用されない遊技球のことである。また、以下の説明において、持球数、軍資球数、残球数とは、それぞれ持球、軍資球、残球の球数である。払出球数(獲得賞球数)とは、遊技者がこのパチンコ遊技機ユニット1で獲得した遊技球の総数である。
【0036】
ワゴンサービス用のカード挿排口186−2は、第2の記憶媒体となるワゴンサービス用のカード2−2の挿排を行う。ワゴンサービス用のカード2−2は、ワゴンサービスの内容を指定するワゴンサービス情報、及び前記ワゴンサービスの代価として支払われる球数が記憶されている。
【0037】
〔パチンコ遊技機の制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行うパチンコ遊技機100の制御ユニットについて説明する。
図5は、パチンコ遊技機100の制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、内部抽選および当選の判定等といった払い出す賞球数に関する各種制御を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、を備えている。
【0038】
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、およびランプ制御部320各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
【0039】
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、内部抽選および当選の判定等といった払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かの判定結果を演出制御部300に送る。また、特別図柄抽選時の当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間の短縮設定、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間の短縮設定を行い、設定内容を演出制御部300に送る。
【0040】
さらに、遊技制御部200は、電動チューリップ123の羽根の開時間の延長、および電動チューリップ123の羽根が開く回数の設定、さらには羽根が開く際の開閉動作間隔の設定を制御する。また、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
また、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口125が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
【0041】
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を獲得した旨を、後述するユニット制御部500(図21参照)に出力する。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ獲得した旨をユニット制御部500に出力する。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の獲得は出力しない。
【0042】
遊技制御部200には、図5に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
【0043】
また、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(大当たり抽選)の未抽選分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、ゲート124への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
【0044】
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した獲得賞球数に関連する各種制御を行う。
【0045】
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部400から取得した払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
【0046】
〔演出制御部の構成・機能〕
次に、演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果に基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン等(演出ボタン161および演出キー162)を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。また、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
【0047】
さらには、遊技制御部200が特別図柄抽選時の当選確率を変動させた場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた場合には、演出制御部300は設定された内容に対応させて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
【0048】
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。さらには、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
【0049】
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
【0050】
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
【0051】
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図6は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、特別図柄抽選部231と、普通図柄抽選部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄抽選結果判定部234と、普通図柄制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235と、遊技進行制御部236と、を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
【0052】
特別図柄抽選部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄の抽選を行う。
普通図柄抽選部232は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄抽選を行う。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
【0053】
特別図柄抽選結果判定部234は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、特別図柄の変動時間が短縮される時短遊技状態の有無および大当たりの当選確率が高確率に変動した確変遊技状態の有無の組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短遊技状態および確変遊技状態の両方が発生する大当たり、時短遊技状態のみが発生する大当たり、確変遊技状態のみが発生する大当たり、時短遊技状態および確変遊技状態のいずれも発生しない大当たりが有り得る。以下、これらの大当たりを区別する場合は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づき、「時短有り」、「時短無し」、「確変有り」、「確変無し」等と記載して区別する。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
【0054】
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば一定時間経過または一定個数の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが所定回数繰り返される。通常、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態が発生する(時短有り)大当たりは長当たりとなり、時短遊技状態が発生しない(時短無し)大当たりは短当たりとなる。
【0055】
なお、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態が発生する(確変有り)大当たりは「確変大当たり」とも呼ばれ、確変遊技状態が発生しない(確変無し)大当たりは「通常大当たり」とも呼ばれる。また、遊技の態様によっては、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態のみが発生し、時短遊技状態が発生しない(確変有り+時短無し)大当たりは「潜伏確変大当たり」、「突然確変(突確)大当たり」等とも呼ばれる。さらに、「確変大当たり」において、大入賞口125が開状態となるラウンド数に基づき、「15ラウンド(15R)確変大当たり」、「2ラウンド(2R)確変大当たり」等のように区別される場合もある。
【0056】
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば大入賞口125の開閉が所定回数行われる小当たり遊技が行われ、終了した後においても小当たり当選時の遊技状態を継続する当たりである。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が確変遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても確変遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が確率変動も時間短縮もしていない通常の遊技状態(通常遊技状態)である場合には、小当たり遊技の終了後においても通常遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「はずれ」では、「大当たり」でも「小当たり」でもなく、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
【0057】
変動パターン選択部235は、特別図柄の抽選結果が「大当たり」であった場合に、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。また、「リーチ演出を行うか否か」を判定する。ここでの「リーチ演出」とは、遊技者に大当たりを期待させるための画像表示部114等にて行われる演出である。
遊技進行制御部236は、各遊技状態において遊技の進行を制御する。
【0058】
普通図柄制御部237は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。また、その抽選結果に応じて普通図柄の変動を制御する。この普通図柄抽選の当選確率は、主に時短遊技状態において行われる、電動チューリップ123の開放による第2始動口122への入賞サポート(いわゆる電チューサポート)がある場合には高くなる。
「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122への遊技球の入賞確率が高まる状態を発生させる。上記の入賞サポート(電チューサポート)時には、この規定回数や規定時間が増える。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態は発生しない。
【0059】
大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の開放動作を制御する。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理を制御する。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドの出力を制御する。また、出力制御部241は、後述するユニット制御部500への獲得賞球数などの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段やサブ制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
【0060】
〔遊技機の基本動作〕
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われる。
【0061】
図7は、遊技制御部200の主要動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図7に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。図7を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップS501〜S506)。
【0062】
乱数更新処理(ステップS501)では、遊技制御部200の乱数制御部242は、メイン制御手段やサブ制御手段による処理で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
【0063】
スイッチ処理(ステップS502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200の特別図柄抽選部231は、図5の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200の普通図柄抽選部232は、図5のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
【0064】
図柄処理(ステップS503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄抽選結果判定部234、変動パターン選択部235、および遊技進行制御部236により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部200の普通図柄制御部237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
【0065】
電動役物処理(ステップS504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
【0066】
賞球処理(ステップS505)では、遊技制御部200の賞球処理部240は、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の獲得数の管理を行う。
出力処理(ステップS506)では、遊技制御部200の出力制御部241は、演出制御部300へ制御用コマンドを出力する。また、出力制御部241は、ユニット制御部500へ獲得賞球数に関連する情報を出力する。制御用コマンドおよび獲得賞球数に関連する情報は、ステップS505までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
【0067】
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図8は、図7のステップS502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図8を参照すると、遊技制御部200の特別図柄抽選部231は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(ステップS601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に特別図柄抽選部231は、第1始動口121の入賞における未抽選分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップS602)。図8に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(ステップS602でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
【0068】
一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップS602でYes)、次に特別図柄抽選部231は、保留数U1の値を1加算する(ステップS603)。そして、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップS604)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップS501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたはハズレを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短遊技状態の有無、確変遊技状態の有無、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数、リーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
【0069】
次に、特別図柄抽選部231は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップS605)。この事前判定処理は、抽選結果の判定を図柄変動開始時ではなく始動口入賞時に(すなわちステップS605において)行うものである。なお、抽選結果の予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、特別図柄抽選部231は、ステップS603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数U1増加コマンドをRAM203にセットし(ステップS606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。ステップS605の事前判定処理が行われた場合は、保留数U1増加コマンドには、ステップS605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
【0070】
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図8を参照すると、次に特別図柄抽選部231は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(ステップS607)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に特別図柄抽選部231は、第2始動口122の入賞における未抽選分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップS608)。図8に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(ステップS608でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
【0071】
一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップS608でYes)、次に特別図柄抽選部231は、保留数U2の値を1加算する(ステップS609)。そして、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップS610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のステップS604と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数など)が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップS501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により特別図柄抽選の結果が確定される。
【0072】
次に、特別図柄抽選部231は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップS611)。この事前判定処理の内容は、上記のステップS605と同様である。この事前判定処理も、抽選結果の予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、特別図柄抽選部231は、ステップS609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数U2増加コマンドをRAM203にセットし(ステップS612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。ステップS611の事前判定処理が行われた場合は、保留数U2増加コマンドには、ステップS611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
【0073】
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図9は、図7のステップS502に示したスイッチ処理のうちのゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200の普通図柄抽選部232は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(ステップS701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に普通図柄抽選部232は、未抽選分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップS702)。図9に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップS702でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
【0074】
一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップS702でYes)、次に普通図柄抽選部232は、保留数Gの値を1加算する(ステップS703)。そして、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップS704)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数など)が取得される。
【0075】
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図10は、図7のステップS503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップS801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりまたは小当たりである場合に、これらの当たりに応じた遊技状態であることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ、小当たり遊技フラグのいずれかがセットされる。本実施形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
【0076】
当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は何らかの当たりによる遊技状態(特別図柄が選択されて停止している状態)であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップS801でYes)。一方、当たり遊技フラグがOFFである場合(ステップS801でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(ステップS802)。特別図柄変動中でない場合(ステップS802でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未抽選分の保留数U1、U2(図8参照)に関する処理を行う(ステップS803〜S806)。本実施形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
【0077】
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(ステップS803)。保留数U2が1以上である場合(ステップS803でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(ステップS804)。一方、保留数U2=0である場合は(ステップS803でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(ステップS805)。保留数U1が1以上である場合(ステップS805でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(ステップS806)。一方、保留数U1=0である場合は(ステップS805でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(ステップS816)。
【0078】
ステップS804またはステップS806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(ステップS807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理においてセットされる。
【0079】
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(ステップS808、S809)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる設定情報(図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。
【0080】
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2(b)に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(ステップS810)。そして、この設定内容を示す設定情報(図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(ステップS811)。ステップS811でセットされた変動開始コマンドは、図7のステップS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0081】
ステップS802で特別図柄変動中と判断された場合(ステップS802でYes)、またはステップS811で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップS812)。すなわち、ステップS810で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がステップS809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップS812でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
【0082】
一方、変動時間を経過した場合(ステップS812でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動を停止し(ステップS813)、変動停止コマンドをRAM203にセットする(ステップS814)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(ステップS815)。停止中処理の内容については後述する。ステップS814でセットされた変動停止コマンドは、図7のステップS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0083】
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図11は、大当たり判定処理(図10のステップS808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄抽選結果判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数の判定を行い(ステップS901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(ステップS902、905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図8のステップS604またはステップS610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図19(a)参照)。
【0084】
ステップS901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(ステップS902でYes)、次に特別図柄抽選結果判定部234は、大当たり図柄乱数の判定を行う(ステップS903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(確変有り+時短有り、確変有り+時短無し、確変無し+時短有り、確変無し+時短無しのいずれか)が決定される。いずれの大当たりとなるかは、図8のステップS604で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちのいずれと一致したかによって決定される(図19(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄抽選結果判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップS904)。
【0085】
ステップS901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(ステップS902でNo、ステップS905でYes)、次に特別図柄抽選結果判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップS906)。
【0086】
ステップS901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(ステップS902、ステップS905でNo)、次に特別図柄抽選結果判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップS907)。
【0087】
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図12は、変動パターン選択処理(図10のステップS809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップS1001)。この判断は、大当たり判定処理(図11)のステップS901、902と同様である(ステップS902の判断結果を用いても良い)。そして、大当たりだった場合(ステップS1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップS1002)。
【0088】
一方、大当たりしなかった場合(ステップS1001でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数の判定を行う(ステップS1003)。リーチ演出を行うか否かは、図8のステップS604で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図19(c)参照)。
乱数を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップS1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップS1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップS1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップS1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
【0089】
次に、変動パターン選択部235は、図8のステップS604またはステップS610で取得した変動パターン乱数およびステップS1002、S1005、S1006でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数の判定を行う(ステップS1007)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、特別図柄抽選の結果が、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる場合がある。
【0090】
この後変動パターン選択部235は、ステップS1007で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(ステップS1008)。ステップS1008でセットされた変動パターンの設定情報は、図10のステップS811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図7のステップS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0091】
〔遊技制御部による停止中処理〕
図13は、停止中処理(図10のステップS815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200の遊技進行制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において時短フラグがONになっているか否かを調べる(ステップS1101)。時短フラグとは、パチンコ遊技機100の遊技状態が時短遊技状態であることを識別するためのフラグである。時短フラグがONである場合(ステップS1101でYes)、遊技進行制御部236は、時短遊技状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップS1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップS1103)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップS1103でYes)、時短フラグをOFFにする(ステップS1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図16)における遊技状態設定処理(図17)で行われる。
【0092】
時短フラグがOFFであった場合(ステップS1101でNo)またはステップS1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(ステップS1103でNo)、次に遊技進行制御部236は、RAM203のフラグ設定において確変フラグがONになっているか否かを調べる(ステップS1105)。確変フラグとは、パチンコ遊技機100の遊技状態が確変遊技であることを識別するためのフラグである。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、一般に、長当たりの後に行われるような確変および時短が付いた遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、一般に、短当たりのあとに行われるような確変はしているが時短は付かない遊技状態である。
【0093】
確変フラグがONである場合(ステップS1105でYes)、遊技進行制御部236は、確変遊技状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(ステップS1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(ステップS1107)。そして、抽選回数X=0であれば(ステップS1107でYes)、確変フラグをOFFにする(ステップS1108)。
なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図16)における遊技状態設定処理(図17)で行われる。
【0094】
確変フラグがOFFであった場合(ステップS1105でNo)またはステップS1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(ステップS1107でNo)、次に遊技進行制御部236は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップS1109)。そして、大当たりだった場合(ステップS1109でYes)、次に遊技進行制御部236は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(ステップS1110)。
【0095】
これらの判断は、大当たり判定処理(図11)で設定情報にセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。例えば、後述する図19(b)の図表に示す図柄のうち、通常図柄Aまたは確変図柄Aがセットされている場合は、大当たりの種類が長当たりであると判断される。また、通常図柄B、確変図柄Bまたは潜確図柄がセットされている場合は、大当たりの種類が短当たりであると判断される。したがって、設定情報に通常図柄Aまたは確変図柄Aがセットされているならば、ステップS1109、S1110の両方でYesである。通常図柄B、確変図柄Bまたは潜確図柄がセットされているならば、ステップS1109でYes、ステップS1110でNoである。はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、ステップS1109でNoである。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図11)のステップS902、S903、S905と概ね同様であるので、ステップS902、S903、S905の判断結果を用いても良い。
【0096】
大当たりの種類が長当たりであった場合(ステップS1110でYes)、遊技進行制御部236は、長当たり遊技フラグをONにする(ステップS1111)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、確率変動の有無を区別していない。確率変動の有無は、後述の大入賞口処理(図16)における遊技状態設定処理(図17)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
【0097】
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(ステップS1110でNo)、遊技進行制御部236は、短当たり遊技フラグをONにする(ステップS1112)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。
【0098】
ステップS1111またはステップS1112で当たり遊技フラグをONにした後、遊技進行制御部236は、抽選回数J、Xの値を初期化する(ステップS1113)。すなわち、特別図柄抽選で大当たりした(ステップS1109)のであるから、抽選回数J、Xの値を0に戻して新たに数え直す。また、遊技進行制御部236は、ステップS1101において時短フラグがONであって、ステップS1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(ステップS1114)。同様に、ステップS1105において確変フラグがONであって、ステップS1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(ステップS1114)。
【0099】
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(ステップS1109でNo)、次に遊技進行制御部236は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(ステップS1115)。小当たりでなかった場合は(ステップS1115でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(ステップS1115でYes)、遊技進行制御部236は、小当たり遊技フラグをONにする(ステップS1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。
【0100】
ステップS1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、またステップS1116で小当たり遊技フラグをONにした後、遊技進行制御部236は、オープニング動作を開始する(ステップS1117)。ここで、オープニング動作の内容は、ステップS1111、S1112、S1116のいずれで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作のいずれかが行われることとなる。
この後、遊技進行制御部236は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(ステップS1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図7のステップS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0101】
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図14は、客待ち設定処理(図10のステップS816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200の遊技進行制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(ステップS1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
【0102】
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(ステップS1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技進行制御部236は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(ステップS1202)、客待ちフラグをONにする(ステップS1203)。ステップS1202でセットされた客待ちコマンドは、図7のステップS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0103】
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図15は、図7のステップS503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップS1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合に、これに応じた遊技状態(補助遊技状態)であることを識別するためにセットされるフラグである。補助遊技状態では、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図18)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易くなる(補助される)。
【0104】
補助遊技フラグがONである場合、既に普通図柄が選択されて停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(ステップS1301でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(ステップS1301でNo)、次に普通図柄制御部237は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(ステップS1302)。普通図柄変動中でない場合(ステップS1302でNo)、次に普通図柄制御部237は、普通図柄の未抽選分の保留数G(図9参照)が1以上か判断する(ステップS1303)。保留数G=0である場合は(ステップS1303でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
【0105】
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップS1303でYes)、普通図柄制御部237は、保留数Gの値を1減算し(ステップS1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップS1305)。当選したか否かは、図9のステップS704で取得した当たり乱数の値が当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
【0106】
次に、普通図柄制御部237は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(ステップS1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
【0107】
次に、普通図柄制御部237は、普通図柄の変動時間の設定を行う(ステップS1307)。この変動時間は、図13におけるステップS1104、S1114、後述の図17におけるステップS1506等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、ステップS1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄制御部237は、ステップS1307の設定内容に基づき、図5に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(ステップS1308)。
【0108】
ステップS1308で普通図柄の変動を開始した後、またはステップS1302で普通図柄変動中と判断された場合(ステップS1302でYes)、普通図柄制御部237は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップS1309)。すなわち、ステップS1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がステップS1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップS1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
【0109】
一方、変動時間が終了した場合(ステップS1309でYes)、普通図柄制御部237は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(ステップS1310)。そして、普通図柄制御部237は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップS1311)。当選したならば(ステップS1311でYes)、補助遊技フラグをONにする(ステップS1312)。一方、抽選にはずれたならば(ステップS1311でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
【0110】
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図16は、図7のステップS504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップS1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップS1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(ステップS1401でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図13)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップS1402)。
【0111】
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(ステップS1402でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップS1403)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップS1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(ステップS1403でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動設定を行い(ステップS1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(ステップS1405)、大入賞口125の作動ラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(ステップS1406)、大入賞口125を作動開始(開放)する(ステップS1407)。
【0112】
ステップS1404の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
【0113】
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
【0114】
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
【0115】
次に、大入賞口動作制御部238は、ステップS1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(ステップS1408)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(ステップS1408でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(ステップS1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップS1409でNo)。一方、開放時間を経過したか(ステップS1408でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(ステップS1409でYes)、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(ステップS1410)。
【0116】
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動のラウンド数RがステップS1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(ステップS1411)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(ステップS1411でNo)。
【0117】
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(ステップS1411でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング動作を開始する(ステップS1412)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部238は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(ステップS1413)。このオープニングコマンドは、図7のステップS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0118】
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(ステップS1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(ステップS1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップS1417でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(ステップS1417でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、遊技状態設定処理を行った後(ステップS1418)、当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(ステップS1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
【0119】
ステップS1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(ステップS1402でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング中か否かを判断する(ステップS1415)。そして、エンディング中であるならば(ステップS1415でYes)、上記ステップS1417以降の動作を実行する。
【0120】
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(ステップS1415でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(ステップS1416)。そして、作動中でないならば(ステップS1416でNo)、上記ステップS1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(ステップS1416でYes)、上記ステップS1408以降の動作を実行する。
【0121】
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(ステップS1417でYes)に実行される遊技状態設定処理(ステップS1418)の内容を図17に示す。
図17は、遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。
図17に示すように、大入賞口動作制御部238は、まず、図16のステップS1401で当たり遊技フラグがONとなっているので、その当たりの種類を判断する(ステップS1501、S1502、S1503、S1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図11)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図11)のステップS902、S903、S905と概ね同様であるので、ステップS902、S903、S905の判断結果を用いても良い。
【0122】
当たりの種類が小当たりである場合(ステップS1501でYes)、遊技状態(パチンコ遊技機100の内部状態)は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
当たりの種類が確変無し+時短有りの大当たりである場合(ステップS1501でNo、ステップS1502、S1503でYes)、大入賞口動作制御部238は、時短フラグをONにする(ステップS1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が時短遊技状態となる。また、大入賞口動作制御部238は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップS1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、時短遊技状態が終了する。
【0123】
一方、当たりの種類が確変無し+時短無しの大当たりである場合(ステップS1501でNo、ステップS1502でYes、ステップS1503でNo)、大入賞口動作制御部238は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、時短遊技状態にも確変遊技状態にもならない。
【0124】
当たりの種類が確変有り+時短有りの大当たりである場合(ステップS1501、ステップS1502でNo、ステップS1506でYes)、大入賞口動作制御部238は、時短フラグをONにし(ステップS1507)、抽選回数Jの初期値を設定する(ステップS1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、大入賞口動作制御部238は、確変フラグをONにし(ステップS1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(ステップS1510)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が時短付き確変遊技状態となる。そして、この時短付き確変遊技状態における抽選が10000回行われたならば、時短付き確変遊技状態は終了する。
【0125】
一方、当たりの種類が確変有り+時短無しの大当たりである場合(ステップS1501、ステップS1502、ステップS1506でNo)、大入賞口動作制御部238は、確変フラグのみをONにし(ステップS1509)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(ステップS1510)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が時短の付かない確変遊技状態となる。そして、この時短無し確変遊技状態における抽選が10000回行われたならば、時短無し確変遊技状態は終了する。
【0126】
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図18は、図7のステップS504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップS1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップS1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(ステップS1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(ステップS1602)。
【0127】
電動チューリップ123が作動中でない場合(ステップS1602でNo)、電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(ステップS1603)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(ステップS1604)。ここで、作動パターンは、図13におけるステップS1104、S1114、図17におけるステップS1503、S1506等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、ステップS1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短遊技状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
【0128】
ステップS1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(ステップS1602でYes)、またはステップS1604で電動チューリップを作動させた後、電動チューリップ動作制御部239は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(ステップS1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(ステップS1605でNo)。一方、開放時間を経過したならば(ステップS1605でYes)、電動チューリップ動作制御部239は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(ステップS1606)。
【0129】
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図11)、変動パターン選択処理(図12)、普通図柄処理(図15)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図19は、本実施形態で用いられる乱数の構成例を示す図である。
図19(a)には大当たり乱数の構成例、図19(b)には大当たり図柄乱数の構成例、図19(c)にはリーチ乱数の構成例、図19(d)には当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
【0130】
図19(a)を参照すると、大当たり乱数は、パチンコ遊技機100の遊技状態が確変のない通常時の大当たりと確変時の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲はいずれも0〜299の300個である。通常時の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また確変時の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、確変時に始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、通常時に特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、確変か否かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
【0131】
図19(b)を参照すると、大当たり図柄には、通常図柄A、通常図柄B、確変図柄A、確変図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、通常図柄Aおよび通常図柄Bは、確変無しの大当たりであることを表す図柄であり、このうち通常図柄Aは長当たり(時短有り)、通常図柄Bは短当たり(時短無し)をそれぞれ表す。確変図柄Aおよび確変図柄Bは、確変有りの大当たりであることを表す図柄であり、このうち確変図柄Aは長当たり(時短有り)、確変図柄Bは短当たり(時短無し)をそれぞれ表す。潜確図柄は、確変有り+時短無しの大当たりであることを表す図柄である。したがって、確変図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、確変潜伏演出を行う条件とするために確変図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
【0132】
通常図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に通常図柄Aでの当選(確変無し+時短有り)となる確率は、35/250(=7/50)である。
通常図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に通常図柄Bでの当選(確変無し+時短無し)となる確率は、15/250(=3/50)である。
【0133】
確変図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Aでの当選(確変有り+時短有り)となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Aでの当選(確変有り+時短有り)となる確率は、175/250(=7/10)である。
【0134】
確変図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Bでの当選(確変有り+時短無し)となる確率は、75/250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Bでの当選(確変有り+時短無し)となる確率は、25/250(=1/10)である。
【0135】
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選(確変有り+時短無し)となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
【0136】
以上のように、図19(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当たりは、確変有り+時短無しの大当たり(確変図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、確変有り+時短有りの大当たり(確変図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122のいずれか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
【0137】
図19(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
【0138】
図19(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短遊技状態が発生していないときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短遊技状態が発生しているときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
【0139】
これらの乱数値は、所定の初期値から始まって、図7に示す乱数更新処理(ステップS501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図8)およびゲートスイッチ処理(図9)で取得され、特別図柄処理(図10)や普通図柄処理(図15)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当たり乱数では299)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
【0140】
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図20は、遊技制御部200からコマンドを受信した際の演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図20(a)に示すメイン処理と、図20(b)に示す割り込み処理とからなる。図20(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(ステップS1801)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(ステップS1802)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(ステップS1803)、割り込み処理を受け付ける。
【0141】
割り込み処理は、ステップS1802で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図20(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(ステップS1811)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(ステップS1812)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(ステップS1813)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
【0142】
〔パチンコ遊技機ユニットの制御ユニットの構成〕
図21は、パチンコ遊技機ユニット1の制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、パチンコ遊技機ユニット1の制御ユニットは、払出球数、持球数、軍資球数及び残球数の表示等、パチンコ遊技機ユニット1を統括的に制御する制御手段の一例としてのユニット制御部500と、パチンコ遊技機ユニット1内に封入された遊技球のデータを管理する球データ管理部600と、を備えている。また、払出球感演出部60および持球感演出部70における演出を制御する払出球・持球感制御部700と、洗浄装置30による遊技球の洗浄を制御する洗浄制御部800と、分配装置40による遊技球の分配を制御する分配制御部900と、供給装置158,発射装置160などによる遊技球の発射を制御する発射制御部650と、を備えている。
ユニット制御部500、球データ管理部600、払出球・持球感制御部700、洗浄制御部800、分配制御部900、発射制御部650各々は、パチンコ遊技機ユニット1の後面に配設された上述したユニット制御基板、球データ管理基板、払出球・持球感制御基板、洗浄制御基板、分配制御基板および発射制御基板において個別に構成されている。
【0143】
〔ユニット制御部の構成・機能〕
ユニット制御部500は、パチンコ遊技機ユニット1の統括に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU501と、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM502と、CPU501の作業用メモリ等として用いられるRAM503と、を備えている。
図21に示すように、ユニット制御部500には、球データ管理部600、発射制御部650、洗浄制御部800、CRユニット21およびタッチパネル22が接続されている。また、ユニット制御部500には、盤電源中継端子板を介してパチンコ遊技機100の遊技制御部200と接続されている。また、ユニット制御部500には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信するユニット用外部情報端子基板450が接続されている。
【0144】
ユニット制御部500は、パチンコ遊技機100から、パチンコ遊技機100の第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞したことに起因して遊技者が獲得した賞球の情報を取得する。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ獲得した旨の情報を、遊技制御部200から取得する。
ユニット制御部500は、遊技制御部200から取得した獲得した賞球数に関する情報等を、ユニット用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。
【0145】
また、ユニット制御部500は、球データ管理部600から、遊技球が発射されたとの情報、ファール球の情報を取得する。また、ユニット制御部500は、CRユニット21に挿入されたカード(図4に示した遊技用のカード2−1、ワゴンサービス用のカード2−2)に記憶された情報、遊技球を借りるべく投入された紙幣の金額の情報などをCRユニット21から取得する。
そして、ユニット制御部500は、このようにして取得した情報に基づいて、払出球数、持球数、残金に対応する軍資球数及び残球数等の管理を行い、RAM503に払出球数、持球数、軍資球数及び残球数を記憶する。また、ユニット制御部500は、持球数、軍資球数及び残球数の情報を、CRユニット21に挿入された遊技用のカード2−1に記憶すべき情報としてCRユニット21に送信する。尚、CRユニット21に挿入された遊技用のカード2−1には、払出球数を記憶することも可能である。
また、ユニット制御部500は、持球数または軍資球からワゴンサービス用の代価に相当する球数を減算し、減算した球数とワゴンサービスの内容を指定するワゴンサービス情報を、CRユニット21に挿入されたワゴンサービス用のカード2−2に記憶すべき情報としてCRユニット21に送信する。
【0146】
また、ユニット制御部500は、ホールの営業が終了した場合には、洗浄装置30を制御して、パチンコ遊技機ユニット1に封入された全ての遊技球の洗浄を指示する。
また、ユニット制御部500は、分配装置40を制御して、パチンコ遊技機ユニット1に封入された全ての遊技球を、遊技のためにパチンコ遊技機100内を循環する循環球と、払出球感演出部60にて払出球感演出に用いられる演出球と、持球感演出部70にて持球感演出に用いられる演出球と、に分配する。
【0147】
また、ユニット制御部500には、レール球検知センサ159と、残球フォトセンサ153fと、抑制弁ソレノイド153bsと、開閉弁ソレノイド153gsとが接続されている。そして、ユニット制御部500は、レール球検知センサ159、残球フォトセンサ153fなどから送られてくる情報を基に、抑制弁ソレノイド153bs、開閉弁ソレノイド153gsなどを制御して、発射球案内路の遊技球の数を調整する。
【0148】
また、ユニット制御部500は、受付手段の一例としてのタッチパネル22にメニュー画面などの表示を行うとともに、メニュー画面などタッチパネル22に表示されたボタンが押された旨の情報をタッチパネル22から取得する。
【0149】
〔球データ管理部の構成・機能〕
球データ管理部600は、循環球の管理に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU601と、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM602と、CPU601の作業用メモリ等として用いられるRAM603と、を備えている。
球データ管理部600には、図21に示すように、発射装置160により発射された遊技球を検出する発射検出部(発射スイッチ(SW))611(図3(a)参照)と、遊技盤110の下端口118を通過する遊技球を検出する下端口検出部(下端口スイッチ(SW))612(図21−1参照)と、ファール球を検出するファール球検出部(ファール球スイッチ(SW))613(図3(a)参照)と、が接続されている。
【0150】
球データ管理部600は、発射検出部(発射スイッチ(SW))611から発射装置160により遊技球が発射されたとの情報や、下端口検出部(下端口スイッチ(SW))612から遊技盤110の下端口118を遊技球が通過したとの情報や、ファール球検出部(ファール球スイッチ(SW))613からファール球となった旨の情報を取得するとともに、これらの情報をユニット制御部500に送信する。
また、球データ管理部600は、ユニット制御部500から払出球数、持球数、軍資球及び残球数の情報を取得する。そして、球データ管理部600は、払出球数、持球数、軍資球及び残球数の管理を行うとともに、払出球・持球感制御部700に、払出球数、持球数を送信する。
球データ管理部600には、上述した球上昇装置52と、球切り装置58と、抑制弁153bとが接続されており、球データ管理部600がこれらの駆動を制御する。
【0151】
〔払出球・持球感制御部の構成・機能〕
払出球・持球感制御部700は、払出球感演出および持球感演出に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU701と、CPU701にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM702と、CPU701の作業用メモリ等として用いられるRAM703と、を備えている。
払出球・持球感制御部700には、図21に示すように、挿入側フォトセンサ76e、排出側フォトセンサ76fおよび球検知フォトセンサ76gが接続されている。
また、払出球・持球感制御部700には、払出球感演出部60に設けられた、回転体用モータ、調整弁用モータなどの各駆動部61と、持球感演出部70に設けられた、挿入側モータ、排出側モータなどの各駆動部85と、が接続されている。
そして、払出球・持球感制御部700は、球データ管理部600から取得した払出球数、持球数に基づいて払出球感演出部60および持球感演出部70を制御する。
【0152】
〔洗浄制御部の構成・機能〕
洗浄制御部800は、遊技球の洗浄に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU801と、CPU801にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM802と、CPU801の作業用メモリ等として用いられるRAM803と、を備えている。
洗浄制御部800には、洗浄前ストック32aから内ケース38に供給される遊技球を検出する洗浄前球検出部(洗浄前球スイッチ(SW))811と、洗浄装置30からメインストック41に供給される遊技球を検出する洗浄後球検出部(洗浄後球スイッチ(SW))812と、が接続されている。
また、洗浄制御部800には、洗浄装置30に設けられた、内ケース38を上下動させる上下動装置や回転装置、球送り装置33aを駆動するステッピングモータ33am、ノズル33bを回転させる回転モータなどの各駆動部813が接続されている。
そして、洗浄制御部800は、ユニット制御部500から取得したコマンドに基づいて、パチンコ遊技機ユニット1に封入された全ての遊技球の洗浄を行うように洗浄装置30を制御する。
【0153】
〔分配制御部の構成・機能〕
分配制御部900は、遊技球の分配に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU901と、CPU901にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM902と、CPU901の作業用メモリ等として用いられるRAM903と、を備えている。
分配制御部900には、上述したノズル位置検知センサ49が接続されている。また、分配制御部900には、分配装置40に設けられた、球切り装置43、分配ノズル44を回転駆動する回転モータなどの各駆動部904が接続されている。
そして、分配制御部900は、ユニット制御部500からのコマンドに基づいて分配装置40を制御する。すなわち、分配制御部900は、分配装置40を制御して、パチンコ遊技機ユニット1に封入された全ての遊技球を、遊技のためにパチンコ遊技機100内を循環する循環球と、払出球感演出部60にて払出球感演出に用いられる演出球と、持球感演出部70にて持球感演出に用いられる演出球とに分配する。
【0154】
〔発射制御部の構成・機能〕
発射制御部650は、遊技球の発射に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU651と、CPU651にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM652と、CPU651の作業用メモリ等として用いられるRAM653と、を備えている。
図22において、CRユニット21について詳細に説明する。
図22は、CRユニット21のブロック図である。
図22において、CRユニット21は、記録媒体であるプリペイドカード(図4に示した遊技用カード2−1の一例)に関連付けられた度数の残数(以下、「残度数」と言う)を管理するためのプリペイドカード管理用ターミナルコントローラ(以下、プリペイドカード管理T/Cと称す。)1001を中心としたホール管理遊技システムと、遊技店にて予め登録処理された遊技客の会員情報を管理する会員管理用ターミナルコントローラ(以下、「会員管理T/C」と言う)1002を中心とした会員管理システムとに帰属している。
【0155】
このうち、ホール管理遊技システムは、プリペイドカード管理T/C1001、「島」と呼ばれるグループごとに設けられた島コントローラ及びカード発行機が接続された構成となる。さらに、島コントローラには、各島に設置された複数のパチンコ遊技機ユニット1内のパチンコ遊技機100及びそれぞれに併設されたCRユニット21が接続されている。
【0156】
パチンコ遊技機100は、プリペイドカード対応のいわゆるCRパチンコ機であるものとしている。
【0157】
CRユニット21は、プリペイドカード管理T/C1001と各パチンコ遊技機100との間に介在し、プリペイドカード管理T/C1001に対してプリペイドカードの残度数の問い合わせや残度数の減算要求を行うとともに、残度数がある場合にパチンコ遊技機100に対して球投出指示を行うことにより遊技球の貸出しを行う装置である。
【0158】
前記カード発行機は、紙幣が入金された場合に、該入金額に応じた有価価値(度数)が関連付けられるプリペイドカードの発行処理並びにプリペイドカードPCに関連付けられた度数に対する加算処理を主機能とするものであり、遊技店に数台設置されている。
【0159】
プリペイドカード管理T/C1001は、プリペイドカードの識別情報(プリペイドカードID)及びこのプリペイドカードの残度数を記憶管理する装置である。例えば、CRユニット21にて高額紙幣が挿入された場合には、CRユニット21から発行対象となる内蔵カードのプリペイドカードIDとともに挿入紙幣の金額を受け付け、当該プリペイドカードIDに挿入紙幣分の金額を価値付けた後、CRユニット21に「価値付け完了通知」を返信する。
【0160】
一方、前記会員管理システムは、会員管理T/C1002、島コントローラ、計数機、景品管理装置及び景品払出機が接続された構成となる。
【0161】
CRユニット21は、上述した球貸し機能に加え、会員カード(図4に示した遊技用カード2−1のもう一つの例)を受け入れて会員管理T/C1002に預け入れられた貯球(持球)を引き落とすいわゆる再プレイの機能を有する。具体的には、会員がCRユニット21に会員カードを挿入すると、会員管理T/C1001が管理する貯球残高から再プレイ分の球数を減算するとともに、パチンコ遊技機100に対して球投出指示を行う。
【0162】
前記計数機は、持球(遊技客が獲得した遊技球及び球貸しを受けたが遊技に使用されなかった遊技球の合計)を計数する計数機であり、その計数結果をバーコード印字した計数レシートを発行するレシート発行機能も有する。また、この計数機は、会員管理T/C1002にて記憶管理される貯球残高に計数結果の一部または全部を貯球加算させる計数貯球機能を有している。
【0163】
前記景品管理装置は、遊技店内に設けられる景品交換カウンタに配設された販売時点情報管理端末(POS(Point of Sales)端末)と呼ばれる景品交換用の端末装置である。具体的には、景品交換カウンタ内の係員が、計数機から排出された獲得球数がバーコード印字された計数レシートを遊技客から受け取ると、この計数レシートから獲得球数をバーコードリーダで読み取るとともに、この獲得球数分の一般景品を係員による手作業で遊技客に受け渡す。また、遊技客が特殊景品への交換を希望する場合には、係員はこの景品管理装置に設けられた特殊景品交換ボタンを押下し、景品払出機に獲得球数分の特殊景品の払い出しを指示する。
【0164】
また、この景品管理装置では、計数レシートから読み取った獲得球数の一部又は全部を会員又は仮会員の貯球残高に預け入れることもできる。例えば、係員が貯球を希望する会員から計数レシート及び会員カードを受け取ったならば、この会員カードを景品管理装置のカードリーダに挿入して会員IDを読み取った後に、貯球操作を行って会員管理T/C1002に貯球依頼を行う。
【0165】
会員管理T/C1002は、図示しない会員管理テーブルを用いて遊技店に登録された会員及び仮会員の統括管理を行う管理装置である。この会員管理テーブルは、会員ID、貯球残高及び属性情報を対応付けて記憶している。そして、計数機又は景品管理装置から貯球加算依頼を受け付けたならば該当する貯球口座内の貯球残高を加算処理し、CRユニット21又は景品管理装置から貯球減算依頼を受け付けたならば該当する貯球口座内の貯球残高を減算処理する。
【0166】
このように、CRユニット21では、プリペイドカード管理T/C1001と協働してプリペイドカードを用いた遊技球の貸出サービスを提供し、また、会員管理T/C1002と協働して会員カードを用いた貯球・再プレイサービスを提供している。
【0167】
CRユニット21は、リモコン受光部182と、BVユニット部183と、表示部184と、操作部185と、遊技用及びワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ187−1、187−2と、搬送/繰出機構部188−1、188−2と、カード収納部189−1、189−2と、記憶部190と、制御部191と、IF部192と、遊技機用IF部193とを有する。
【0168】
操作部185は、貸出ボタン、返却ボタンなどの各種ボタン群の総称であり、また、表示部184は、状態表示ランプ、カード状態表示ランプ、入金可能ランプ及び7SEG表示部などの総称である。
【0169】
IF部192は、当該CRユニット21と他の装置(例えば、プリペイドカードT/C1001、会員管理T/C1002、島コントローラ、などの装置)の間で各種通信の制御を行うためのインターフェースであり、遊技機用IF部193は、当該CRユニット21とパチンコ遊技機100との間で各種通信の制御を行うためのインターフェースである。
【0170】
BVユニット部183は、CRユニット21前面の紙幣挿入口に挿入された紙幣の金種(千円、二千円、五千円及び一万円)を識別する紙幣識別機であり、識別した挿入紙幣の金種を制御部191に出力する。また、挿入紙幣が偽造紙幣である場合には、当該紙幣を返却する。
リモコン受光部182は、図示しない専用のリモコンから照射される赤外線を受光するものであり、リモコンから照射される赤外線を通じてCRユニット21に対する各種操作(例えば、プリペイドカードの補充操作及び回収操作など)を受け付ける。
【0171】
遊技用のカードリーダ/ライタ187−1は、CRユニット21前面の遊技用のカード挿排口186−1に挿入されたプリペイドカードや会員カードなどの各種カードに記録された情報を読み込むカードリーダであり、具体的には、これら各種カードからプリペイドカードの識別情報や会員カードの識別情報を読み込み、該読み込んだ情報を制御部191に出力する。遊技用のカードリーダ/ライタ187−1は、遊技者によりチャージ(入金)された金額による度数を記憶するとともに、残度数の減算を行い、さらにパチンコ遊技機100の払出球(獲得賞球)、持球数、前記残度数に対応する軍資球及び残球を記憶する。
【0172】
ワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ187−2は、CRユニット21前面のワゴンサービス用のカード挿排口186−2に挿入されたワゴンサービス用のカード2−2に記録された情報を読み込むカードリーダであるとともに、ワゴンサービス用の情報を書き込むカードライタであり、具体的には、ワゴンサービス用のカード2−2から書き込み済みのワゴンサービス情報、及び前記ワゴンサービスの代価として払われる球数を読み込み、該読み込んだ情報を制御部191に出力する。またワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ187−2は、制御部191の制御に応じてワゴンサービスの内容を指定するワゴンサービス情報、及び前記ワゴンサービスの代価として払われる球数を書き込む。
【0173】
遊技用のカード収納部189−1は、残度数が価値付けられていないプリペイドカードを収納する収納部であり、遊技客がプリペイドカードを持参していなくとも遊技客が所持する紙幣により遊技可能にするため、事前に複数枚のプリペイドカードを収納したものである。例えば、遊技客によって紙幣が挿入されると、収納されているプリペイドカードうち搬送/繰出機構部188−1に1番近いものが挿入された紙幣の金額による度数関連付けの対象とされる。
【0174】
ワゴンサービス用のカード収納部189−2は、ワゴンサービス用の情報が未記憶のワゴンサービス用のカード2−2を収納する収納部であり、遊技客がワゴンサービス用のカード2−2を持参していなくとも持球によりワゴンサービスを受けることを可能にするため、事前に複数枚のワゴンサービス用のカード2−2を収納したものである。例えば、遊技客によってワゴンサービスの操作が行われると、収納されているワゴンサービス用のカード2−2うち搬送/繰出機構部188−2に1番近いものがワゴンサービス用の情報記憶の対象とされる。
【0175】
搬送/繰出機構部188−1、188−2は、それぞれ遊技用及びワゴンサービス用のカード挿排口186−1、186−2(図1参照)の奥側に設けられ、各種カードの搬送/繰出を行う機構部である。具体的には、遊技用及びワゴンサービス用のカード挿排口186−1、186−2から挿入された遊技用のカード2−1及びワゴンサービス用のカード2−2を遊技用及びワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ187−1、187−2に搬送したり、遊技用及びワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ187−1、187−2内に保持された及びワゴンサービス用のカード2−2をカード収納部189−1、189−2に搬送したり、また、カード収納部189−1、189−2に収納された内蔵プリペイドカード及び内蔵ワゴンサービス用のカード2−2を遊技用及びワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ187−1、187−2に繰り出したり、遊技用及びワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ187−1、187−2に保持されたプリペイドカード及びワゴンサービス用のカード2−2を遊技用及びワゴンサービス用のカード挿排口186−1、186−2に繰り出したりする。
【0176】
記憶部190は、制御部191による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する格納手段(記憶手段)であり、本発明に関連する情報として、当該CRユニット21が何番台のパチンコ遊技機100に併設されているかを表す台番号情報194を記憶している。
【0177】
制御部191は、CRユニット21の全体制御を司る制御部であり、カード情報処理部195及び球貸し処理部196を備える。
【0178】
カード情報処理部195は、当該CRユニット21にて利用されるプリペイドカードの情報を管理する処理部である。具体的には、プリペイドカード管理T/C1001と協働して、カード収納部189−1、189−2に内蔵されるプリペイドカードに挿入紙幣の金額を価値付けたり、遊技球の貸出対価として挿入中のプリペイドカードから所定数の度数(例えば、1度の貸出操作で貸し出される度数を「5度数」=遊技球125個分とする)を減算徴収したり、また、遊技用及びワゴンサービス用のカード挿排口186−1、186−2を介してプリペイドカードを受け入れた場合には、遊技用及びワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ187−1、187−2を通じて読み取ったプリペイドカードIDに対応する残度数を問合せて取得したりもする。
【0179】
球貸し処理部196は、遊技球を貸し出す「球貸し処理」を行う処理部である。具体的には、残度数が存在するプリペイドカードが挿入された状態で、遊技客による貸出操作(軍資球補充操作)が行われた場合(例えば、図24の「補充」と示された選択ボタン1030の押下を受け付けた場合)に、カード情報処理部195にてプリペイドカードの残度数に対応する残球数が更新された残球数と軍資球数に分割され、パチンコ遊技機100に軍資球数の補充指示を行ってパチンコ遊技機100内部の球データ管理部600に残球数から遊技球「125個」を軍資球数に移動させる。パチンコ遊技機100は、持球が不足した場合、軍資球数を持ち球に移動することで、球貸し処理部196からパチンコ遊技機100に遊技球「125個」が貸し出されることになる。
【0180】
このように、CRユニット21においては、初期設定が終了していれば、プリペイドカード管理T/C1001と協働してプリペイドカードを用いた遊技球の貸出サービスを提供することができる。また、ここでは説明を省略したが、会員管理T/C1002と協働して会員カードを用いた貯球・再プレイサービスも提供することもできる。
【0181】
遊技機用IF部193は、当該CRユニット21とパチンコ遊技機100との間で各種通信の制御を行うためのインターフェースである。
【0182】
CRユニット21において、制御部191は、パチンコ遊技機100に計数された各種遊技球の個数を記憶部190に払出球数、持球数、軍資球数及び残球数として記憶し、記憶した払出球数、持球数、軍資球数及び残球数をカード収納部189−1に収納されたプリペイドカードの識別情報に対応するプリペイドカード管理T/C1001の記憶領域に記憶したり、カード収納部189−1に収納された会員カードの識別情報に対応する会員管理T/C1002の口座に記憶したりすることが可能である。計数機は、パチンコ遊技機100に計数されプリペイドカードや会員カードの識別情報に対応して記憶された持球の個数に応じて、計数レシートを発行する。また計数機は、会員管理T/C1002にて記憶管理される貯球残高に持球数の一部または全部を貯球加算させる計数貯球機能を有している。
【0183】
記憶部190に記憶された払出球数、持球数、軍資球数及び残球数及びパチンコ遊技機100に計数された遊技球の個数(払出球数、持球数、軍資球数及び残球数)は、カード収納部189−1からプリペイドカードまたは会員カードが排出される毎にリセットされる。
【0184】
〔タッチパネル22に表示する画面〕
尚、以下の説明では、遊技用のカード2−1がプリペイドカードの場合について示し、遊技用のカード2−1が会員カードの場合については説明を省略している。
【0185】
図23乃至図27は、ユニット制御部500がタッチパネル22に表示する画面を例示する第1乃至第5の説明図である。
【0186】
CRユニット21に遊技用のカード2−1も紙幣も挿入されておらず、遊技中ではない場合に、ユニット制御部500は、図23(a)の空台画面P1をタッチパネル22に表示する。空台画面P1には、灰色の背景1010に重ねて、上から順に「ゲーム開始」の文字1101、「カードまたは現金を挿入してください」の文字1102、「払出球」の文字1103が表示されている。文字1103の右側には、払出球の個数(払出球数)に対応する「0」の数字1104が表示される。
【0187】
そして、ユニット制御部500は、CRユニット21に遊技用のカード2−1または紙幣が挿入されたときには、タッチパネル22に図23(b)のゲーム初期画面P2を数秒間表示させる。ゲーム初期画面P2には、薄緑色の背景1020が表示される。ゲーム初期画面P2の上部には、左から順に「サービス」、「離席」、「ゲーム終了」と示された選択ボタン1021、1022、1023が背景1020に重ねて表示される。ゲーム初期画面P2の中部から下部には、「払出球」、「持球」、「軍資球」の文字1024、1025、1026が表示される。文字1024、1025、1026の右側には、払出球、持球、軍資球の個数(払出球数、持球数、軍資球数)にそれぞれ対応する「0」の数字1027、1028、1029が表示される。
【0188】
文字1026の下側には、「補充」と示された選択ボタン1030が背景1020に重ねて表示される。選択ボタン1030の右側には、「残球」の文字1031が表示される。文字1031の右側には、残球の個数(残球)に対応する「2500」の数字1032が表示される。
【0189】
ユニット制御部500は、ゲーム初期画面P2が表示された状態で「補充」と示された選択ボタン1030が1回押された場合には、125個の残球を軍資球に移動する。これにより、ゲーム初期画面P2の残球数に対応する数字1032が「2500」から「2375」に変化し、ゲーム初期画面P2の軍資球数に対応する数字1027が「0」から「125」に変化し、さらに125個の軍資球が自動的に持球に移動してゲーム初期画面P2の軍資球数に対応する数字1029が「125」から「0」に変化し、ゲーム初期画面P2の持球数に対応する数字1028が「0」から「125」に変化して遊技が可能になる。この後、「補充」と示された選択ボタン1030が3回押された場合、ユニット制御部500は、図24(a)のゲーム中画面P4を表示させる。
【0190】
また、ユニット制御部500は、選択ボタン1030が押されない状態でゲーム初期画面P2が数秒表示した後に、図23(c)の画面P3をタッチパネル22に表示させる。
図23(c)に示すように、ゲーム中軍資球補充画面P3では、ゲーム初期画面P2の表示の右下部に不足補充ウインドウ1041が表示される。
【0191】
不足補充ウインドウ1041は、薄黄色の背景1042が表示される。不足補充ウインドウ1041の上部には、「軍資球が足りません 残球から補充しますか」の文字1043が背景1042に重ねて表示される。不足補充ウインドウ1041の下部には、左から順に「はい」、「いいえ」と示された選択ボタン1044、1045が背景1042に重ねて表示される。
【0192】
図23(c)のゲーム中軍資球補充画面P3が表示された状態で「はい」の選択ボタン1044が押された場合、ユニット制御部500は、125個の残球を軍資球に移動し、ゲーム初期画面P2の残球数に対応する数字1032を「2500」から「2375」に変化させ、ゲーム初期画面P2の軍資球数に対応する数字1027を「0」から「125」に変化させ、さらに125個の軍資球を自動的に持球に移動させてゲーム初期画面P2の軍資球数に対応する数字1029を「125」から「0」に変化させ、ゲーム初期画面P2の持球数に対応する数字1028を「0」から「125」に変化させて遊技を可能にする。この後、不足補充ウインドウ1041が閉じ、図23(b)に示した「補充」の選択ボタン1030が3回押された場合、ユニット制御部500は、図24(a)のゲーム中画面P4を表示させる。
【0193】
ゲーム中軍資球補充画面P3が表示された状態で「いいえ」の選択ボタン1045が押された場合、ユニット制御部500は、図23(b)のゲーム初期画面P2を表示させる。
図24(a)のゲーム中画面P4では、ゲーム初期画面P2の残球数に対応する数字1032が「2000」に変化し、ゲーム初期画面P2の軍資球数に対応する数字1027が「125」に変化し、ゲーム初期画面P2の持球数に対応する数字1028が「375」に変化する。
【0194】
この後、遊技者がハンドル151を操作し発射装置160(図21参照)により遊技球を発射すると、持球数が遊技球を一個発射する毎に1減算され、遊技球の入賞毎に所定の球数が持球数に加算される。また、遊技球の入賞毎に所定の球数が払出球数に加算される。これにより、例えば、図24(b)に示すゲーム中画面P5では、持球数に対応する数字1028が「764」に変化し、ゲーム中画面P4の払出球数に対応する数字1027が「2565」に変化している。
【0195】
図24(b)に示すゲーム中画面P5が表示された状態で「ゲーム終了」の選択ボタン1023が押された場合、ユニット制御部500は、図24(c)のカード注意画面P6を表示させる。ゲーム中画面P5が表示された状態で「離席」の選択ボタン1022が押された場合、ユニット制御部500は、図25(a)の離席操作画面P7をタッチパネル22に表示する。タッチパネル22にゲーム中画面P5が表示された状態で「サービス」の選択ボタン1021が押された場合、ユニット制御部500は、図27(a)のサービス操作用画面P11をタッチパネル22に表示する。
【0196】
「ゲーム終了」に対応する図24(c)のカード注意画面P6では、空台画面P1の表示の中央部にカード注意ウインドウ1046が表示される。
カード注意ウインドウ1046は、黒地の背景1047が表示される。カード注意ウインドウ1046には、「カードを忘れずに お持ち下さい」の白色の文字1048が背景1047に重ねて表示される。
【0197】
「離席」に対応する図25(a)の離席操作画面P7では、灰色の背景1050が表示され、離席操作画面P7の上部には、離席選択の文字1051が表示される。文字1051の下側には、左から順に「食事」、「トイレ」、と示された選択ボタン1052、1053が背景1050に重ねて表示される。離席操作画面P7の左下部には、「キャンセル」と示された選択ボタン1054が表示されている。
【0198】
離席操作画面P7が表示された状態で「キャンセル」の選択ボタン1054が押された場合、ユニット制御部500は、図24(b)のゲーム中画面P5をタッチパネル22に表示する。離席操作画面P7が表示された状態で「食事」の選択ボタン1052または「トイレ」の選択ボタン1053が押された場合、ユニット制御部500は、図25(b)の離席用カード注意画面P8を表示させる。
【0199】
図25(b)の離席用カード注意画面P8では、後述の離席中画面P9の表示の中央部にウインドウ1061が表示される。
ウインドウ1061は、黒地の背景1062が表示される。ウインドウ1061には、「カードを忘れずに お持ち下さい」の白色の文字1063が背景1062に重ねて表示される。ここで、遊技用のカード2−1がCRユニット21の遊技用のカード挿排口186−1から引き抜かれると、ユニット制御部500は、図25(c)の離席中画面P9を表示させる。
【0200】
図25(c)の離席中画面P9では、黒地の背景1070が表示される。離席中画面P9の中央部には、「離席中」の白色の文字1071が背景1070に重ねて表示される。ゲーム初期画面P2の下部には、「払出球」の白色の文字1072が表示される。文字1072の右側には、払出球に対応する「2565」の白色の数字1073が表示される。
ここで、「トイレ」の選択ボタン1053が操作され遊技用のカード2−1がCRユニット21の遊技用のカード挿排口186−1から引き抜かれてから10分以内、または「食事」の選択ボタン1052が操作され遊技用のカード2−1がCRユニット21の遊技用のカード挿排口186−1から引き抜かれてから45分以内に引き抜かれたカードと同じカードが遊技用のカード挿排口186−1に挿入された場合、ユニット制御部500は、図24(b)のゲーム中画面P5を表示させる。
【0201】
図25(a)の「トイレ」の選択ボタン1053が操作され遊技用のカード2−1がCRユニット21の遊技用のカード挿排口186−1から引き抜かれてから10分以内、または図25(a)の「食事」の選択ボタン1054が操作され遊技用のカード2−1がCRユニット21の遊技用のカード挿排口186−1から引き抜かれてから45分以内に引き抜かれたカードと同じカードが遊技用のカード挿排口186−1に挿入されなかった場合、図26の離席時間超過画面P10が表示される。
【0202】
即ち、ユニット制御部500は、離席中画面P9が表示されているときに、食事休憩あるいはトイレ休憩として予め定められた時間内に遊技者が戻った場合には、タッチパネル22に図24(b)のゲーム中画面P5を表示させ、予め定められた時間内に遊技者が戻らなかった場合には、タッチパネル22に図26の離席時間超過画面P10を表示させる。
【0203】
図26の離席時間超過画面P10では、離席用カード注意画面P8の表示に加えて、「離席制限時間を超えましたので 台を使用する事はできません 台を使用する場合は係員に連絡してください」の文字1081が背景1070に重ねて表示される。
【0204】
ここで、本実施形態にかかるパチンコ遊技機ユニット1においては、持球数が1以上であり、かつ軍資球が1個以上ある場合に、発射装置160が遊技球を1個発射したら、ユニット制御部500は、持球数を1個減算し、軍資球は減らさない。また、発射された遊技球が入賞口に入賞することに起因して賞球を獲得した場合には、ユニット制御部500は、獲得賞球数の分、持球数を増やし、軍資球数は増やさない。また、持球数が零であり、かつ軍資球数が遊技球1個に相当する金額以上ある場合には、発射装置160にて遊技球が1個発射されたら、ユニット制御部500は、軍資球数を減らし、その発射された遊技球がファール球となった場合には持球数を、ファール球となった分増やす。
【0205】
「サービス」に対応する図27(a)のサービス操作用画面P11においては、青色の背景1080が表示され、サービス操作用画面P11の上部には、「メニュー選択」の文字1081が表示される。文字1081の下側には、「ご注文のボタンを押しますとお支払いが確定します」の文字1082が表示され、文字1051の下側には、左から順に「お茶」、「ジュース」、「コーヒー(ホット)」、「コーヒー(アイス)」と示された選択ボタン1083、1084、1085、1086が背景1080に重ねて表示される。選択ボタン1083、1084、1085、1086の下側には、それぞれ「お茶」、「ジュース」、「コーヒー(ホット)」、「コーヒー(アイス)」の代価の遊技球数の「160球」、「160球」、「120球」、「100球」の文字1087、1088、1089、1090が背景1080に重ねて表示される。サービス操作用画面P11の左下部には、「キャンセル」と示された選択ボタン1091が表示されている。サービス操作用画面P11の中部から下部には、「持球」、「軍資球」の文字1092、1093が表示される。文字1092、1093の右側には、それぞれ持球、軍資球の個数(持球数、軍資球数)に対応する「764」、「375」の数字1094、1095が表示される。
【0206】
文字1093の下側には、「補充」と示された選択ボタン1094が背景1080に重ねて表示される。選択ボタン1096の右側には、「残球」の文字1095が表示される。文字1097の右側には、残球の個数(残球)に対応する「2000」の数字1098が表示される。
【0207】
図27(a)のサービス操作用画面P11に示す持球が不足しない状態で「お茶」、「ジュース」、「コーヒー(ホット)」、「コーヒー(アイス)」の選択ボタン1083、1084、1085、1086のいずれかが押された場合、押された選択ボタンに対応する代価が持球から引かれるとともに、CRユニット21は、サービス用のカードに代価の球数とサービスの種類のデータを書き込み、カード挿排口186−2からサービス用のカードを半分程度排出する。遊技者は、カード挿排口186−2からサービス用のカードを引き抜いて店員に渡す。これにより、遊技者はサービスを受けることが可能になる。この後、ユニット制御部500は、図24(b)のゲーム中画面P5から前記代価の持球を引いた画像を表示させる。
【0208】
ここで、持球が33個の状態で「サービス」に対応する選択ボタン1021が操作されると、ユニット制御部500は、例えば図27(b)のサービス操作用画面P12を表示させる。サービス操作用画面P12は、図27(a)のサービス操作用画面P11に対して、軍資球の個数(持球数、軍資球数)に対応する「33」、「0」の数字1101、1102が異なって表示される。
【0209】
このようなサービス操作用画面P12が表示された状態で、「お茶」、「ジュース」、「コーヒー(ホット)」、「コーヒー(アイス)」の選択ボタン1083、1084、1085、1086のいずれかが押された場合、ユニット制御部500は、図27(c)のサービス用軍資球補充画面P13を表示させる。
図27(c)のサービス用軍資球補充画面P13は、サービス操作用画面P12の表示の右下部にウインドウ1111を表示したものである。
【0210】
ウインドウ1111は、薄黄色の背景1112が表示される。ウインドウ1111の上部には、「軍資球が足りません 残球から補充しますか」の文字1113が背景1112に重ねて表示される。不足補充ウインドウ1041の下部には、左から順に「はい」、「いいえ」、と示された選択ボタン1114、1115が背景1112に重ねて表示される。
【0211】
例えば、「お茶」の選択ボタン1083が押され、サービス用軍資球補充画面P13が表示された状態で「「はい」の選択ボタン1114が押された場合、ユニット制御部500は、250個の残球を軍資球に移動ざせ、サービス操作用画面P12の残球数に対応する数字1032を「2000」から「1750」に変化させ、サービス操作用画面P12の軍資球数に対応する数字1027を「0」から「250」に変化させ、さらに250個の軍資球が自動的に持球に移動してゲーム初期画面P2の軍資球数に対応する数字1029を「250」から「0」に変化させ、ゲーム初期画面P2の持球数に対応する数字1028が「0」から「250」に変化させる。この後、ユニット制御部500は、「お茶」の代価「160」を持球から差し引き、数字1028を「250」から「90」に変化させる。これと略同時に、CRユニット21は、ワゴンサービス用のカード2−2に代価の球数とワゴンサービスの内容を指定するワゴンサービス情報を書き込み、カード挿排口186−2からワゴンサービス用のカード2−2を半分程度排出する。遊技者は、カード挿排口186−2からワゴンサービス用のカード2−2を引き抜いて店員に渡す。これにより、遊技者はサービスを受けることが可能になる。
【0212】
サービス用軍資球補充画面P13が表示された状態で「「いいえ」の選択ボタン1114が押された場合、サービス操作用画面P12の表示に戻る。
なお、これらユニット制御部500が行うタッチパネル22への画面表示および遷移のタイミングについては後述する。
【0213】
〔パチンコ遊技機ユニットの基本動作〕
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機ユニット1の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機ユニット1の基本的な動作は、ユニット制御部500により行われる。そして、このユニット制御部500の制御の下、球データ管理部600により遊技球のデータの管理が行われ、払出球・持球感制御部700により払出球感演出部60および持球感演出部70の制御が行われる。また、ユニット制御部500の制御の下、洗浄制御部800により洗浄装置30の制御が行われ、分配制御部900により分配装置40の制御が行われる。
【0214】
〔ユニット制御部の初期処理〕
ユニット制御部500は、電源投入時の初期処理として、パチンコ遊技機ユニット1の番号として予め設定されている番号を読み込み、表示する。また、ユニット制御部500は、パチンコ遊技機100に対して予め設定されている、遊技球1球当たりの金額(例えば、1円/1球、4円/1球)を読み込む。また、ユニット制御部500は、タッチパネル22に空台画面P1を表示させる。
【0215】
〔ユニット制御部による基本処理〕
ユニット制御部500は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、基本処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。
【0216】
図28乃至図30は、ユニット制御部500のCPU501が行う基本処理の内容を示すフローチャートの第1乃至第3の分割図である。
図28を参照すると、ユニット制御部500のCPU501は、まず、RAM503においてセットされるフラグ設定において遊技中フラグがOFFになっているか否かを判別する(ステップS4701)。ここで、遊技中フラグは、後述するように、CRユニット21に紙幣が挿入されたときあるいは零より多い持球数が記憶されているカードが挿入されたときにONにされるフラグである。
【0217】
そして、遊技中フラグがOFFである場合(ステップS4701でYes)、CPU501は、閉店であるか否かを判別する(ステップS4702)。これは、現在の時刻が、閉店時刻として予め定められた時刻になったか否かを判別する処理である。そして、閉店である場合(ステップS4702でYes)、CPU501は、洗浄処理についてのコマンドを洗浄制御部800に送信し(ステップS4703)、本基本処理を終了する。他方、閉店ではない場合(ステップS4702でNo)、CPU501は、CRユニット21の遊技用のカード挿排口186−1にカードが挿入されたか否かを判別する(ステップS4704)。そして、CRユニット21のカード挿排口186−1にカードが挿入された場合(ステップS4704でYes)、CPU501は、カードエラーであるか否かを判別する(ステップS4706)。これは、挿入されたカードの識別情報が読み取り可能であるか否かを判別し、読み取り不可能である場合にカードエラーと判定する処理である。あるいは、挿入されたカードが、このパチンコ遊技機ユニット1が配置されたホールで使用可能であるか、つまりそのカードの識別情報が予めROM502に記憶された識別情報と一致するか否かを判別し、一致しない場合に使用不可能としてカードエラーと判定する処理である。なお、カードの識別情報としては、カードの製造番号であることを例示することができる。
【0218】
そして、カードエラーである場合(ステップS4706でYes)、CPU501は、カードエラーである旨をタッチパネル22に表示させる(ステップS4707)。他方、カードエラーではない場合(ステップS4706でNo)、CPU501は、挿入されたカードがホールカードであるか否かを判別する(ステップS4708)。これは、挿入されたカードの識別情報が、予めホールの従業員用のカードとしてROM502に記憶された識別情報と一致するか否かを判別する処理である。そして、挿入されたカードがホールカードである場合(ステップS4708でYes)、パチンコ遊技機100の扉を開放する(ステップS4709)。他方、ホールカードではない場合(ステップS4708でNo)、CPU501は、CRユニット21に挿入された遊技用のカード2−1に、零より多い持球数が記憶されているか否か、つまり持球があるか否かを判別する(ステップS4710)。そして、カードに、持球がある場合(ステップS4710でYes)、CPU501は、RAM503のフラグ設定においてセットされた遊技中フラグをONとする(ステップS4711)。その後、CPU501は、ゲーム初期画面P2をタッチパネル22に表示する(ステップS4712)。
【0219】
他方、CRユニット21のカード挿排口186−1にカードが挿入されていない場合(ステップS4704でNo)、CPU501は、CRユニット21に紙幣が挿入されたか否かを判別する(ステップS4705)。そして、紙幣が挿入された場合(ステップS4705でYes)、CPU501は、遊技中フラグをONとし(ステップS4711)、ゲーム初期画面P2をタッチパネル22に表示する(ステップS4712)。また、ステップS4705の判別処理中においてCRユニット21に紙幣が挿入されていない場合(ステップS4705でNo)、CPU501は、今回の基本処理を終了する。
【0220】
そして、CPU501は、ステップS4712にてタッチパネル22にゲーム初期画面P2を表示した後、ステップS4710にてカードに、持球が無い場合(ステップS4710でNo)、およびステップS4701にて遊技中フラグがOFFではないと判定された場合(ステップS4701でNo)、ホールの従業員を呼び出すために設けられた呼び出しボタン(不図示)が押されたか否かを判別する(ステップS4713)。そして、呼び出しボタンが押された場合(ステップS4713でYes)、CPU501は、表示灯23を赤色点灯する(ステップS4714)。呼び出しボタンが押されていない場合(ステップS4713でNo)、およびステップS4714にて表示灯23を赤色点灯した後、CPU501は、「ゲーム終了」と示されたボタン(「ゲーム終了」の選択ボタン1023)が押されたか否かを判別する(図29のステップS4715)。
【0221】
図29において、CPU501は、ステップS4715にて「ゲーム終了」と示されたボタンが押された場合(ステップS4715でYes)、タッチパネル22に空台画面P1を表示し(ステップS4716)、別ルーチンの遊技終了処理を実行する(ステップS4717)。遊技終了処理の内容については後述する。
【0222】
他方、「ゲーム終了」と示されたボタンが押されていない場合(ステップS4715でNo)、CPU501は、タッチパネル22に表示されたゲーム初期画面P2の「離席」と示されたボタンが押されたか否かを判別する(ステップS4718)。そして、「離席」と示されたボタンが押された場合(ステップS4718でYes)、CPU501は、タッチパネル22に離席操作画面P7を表示し(ステップS4719)、別ルーチンの離席処理を実行する(ステップS4720)。離席処理の内容については後述する。
【0223】
他方、「離席」と示されたボタンが押されていない場合(ステップS4718でNo)、CPU501は、タッチパネル22に離席用カード注意画面P8が表示されているか否かを判別する(ステップS4721)。そして、タッチパネル22に離席用カード注意画面P8が表示されている場合(ステップS4721でYes)、CPU501は、遊技用のカード挿排口186−1からカードが完全に引き抜かれているか否かを判別する(ステップS4722)。遊技用のカード挿排口186−1からカードが完全に引き抜かれている場合(ステップS4722でYes)、CPU501は、タッチパネル22に離席中画面P9を表示し(ステップS4723)、今回の基本処理を終了する。遊技用のカード挿排口186−1からカードが完全に引き抜かれていない場合(ステップS4722でNo)、CPU501は、今回の基本処理を終了する。
【0224】
他方、タッチパネル22に離席用カード注意画面P8が表示されていない場合(ステップS4724でNo)、CPU501は、タッチパネル22に表示されたゲーム初期画面P2またはゲーム中画面P4またはゲーム中画面P5の「サービス」と示されたボタン(「サービス」の選択ボタン1021)が押されたか否かを判別する(ステップS4724)。そして、「サービス」と示されたボタンが押された場合(ステップS4724でYes)、CPU501は、タッチパネル22にサービス操作用画面P11を表示し(ステップS4725)、別ルーチンのサービス処理を実行する(ステップS4726)。サービス処理の内容については後述する。
【0225】
「サービス」と示されたボタンが押されなかった場合(ステップS4724でNo)、CPU501は、タッチパネル22に表示された「補充」と示されたボタン(「補充」の選択ボタン1030)が押されたか否かを判別する(ステップS4727)。そして、「補充」と示されたボタンが押された場合(ステップS4727でYes)、CPU501は、軍資球補充処理を実行し(ステップS4728)、ステップS4729(図30参照)の処理に移行する。軍資球補充処理の内容については後述する。「補充」と示されたボタンが押されなかった場合(ステップS4727でNo)、CPU501は、そのままステップS4729(図30参照)の処理に移行する。
【0226】
図30に示すように、ステップS4729の処理において、CPU501は、持球数が0か否かを判別する。持球数が0の場合(ステップS4729でYes)、CPU501は、ステップS4730の処理に移行し、持球数が1以上の場合(ステップS4729でNo)、CPU501は、ステップS4734の処理に移行する。
【0227】
ステップS4730の処理において、CPU501は、軍資球数が125以上か否かを判別する。軍資球数が125以上の場合(ステップS4730でYes)、CPU501は、ステップS4731において軍資球を使って持球を補充する処理を行い、ステップS4734の処理に移行する。この持球を補充する処理の場合、CPU501は、軍資球数から125の球数を引き、持球数に125の球数を加算する処理を行う。軍資球数が125より少ない場合(ステップS4730でNo)、CPU501は、サービス用軍資球補充画面P13の表示を行い(ステップS4732)、別ルーチンの軍資球不足補充処理を実行し(ステップS4733)、ステップS4734の処理に移行する。軍資球不足補充処理の内容については後述する。ステップS4734の処理において、CPU501は、球データ管理部600および遊技制御部200から情報を取得する。その後、CPU501は、球データ管理部600から取得した情報に基づいて遊技球が発射されたか否かを判別する(ステップS4735)。そして、遊技球が発射されていない場合(ステップS4735でNo)、CPU501は、遊技制御部200から取得した情報に基づいて賞球を獲得したか否かを判別する(ステップS4736)。そして、賞球を獲得していない場合(ステップS4736でNo)、CPU501は、CRユニット21に紙幣が挿入されたか否かを判別する(ステップS4737)。
【0228】
そして、CPU501は、遊技球が発射された場合(ステップS4735でYes)、賞球を獲得した場合(ステップS4736でYes)、および紙幣が挿入された場合(ステップS4737でYes)に、残金に対応する残球、払出球数、持球数に関するデータを更新する(ステップS4738)。払出球数の更新は、これまでの累積払出球数に、今回獲得した賞球数を加算する処理である。持球数の更新は、前回のフローにおける持球数から発射した遊技球の数を減算する処理、あるいは前回のフローにおける持球数に、今回獲得した賞球数を加算する処理である。残金に対応する残球の更新は、前回のフローにおける残金に対応する残球に、今回挿入された金額に対応する遊技球の球数を加算する処理である。その後、CPU501は、残金に対応する残球、払出球数、持球数に関する更新されたデータを、CRユニット21に挿入された遊技用のカード2−1に記憶する(ステップS4739)し、払出球・持球感制御部700に送信する(ステップS4740)。
【0229】
〔ユニット制御部による遊技終了処理〕
図31は、遊技終了処理(図29のステップS4717)の内容を示すフローチャートである。
この遊技終了処理において、ユニット制御部500のCPU501は、まず、持球数が零より多いか否か、言い換えれば持球があるか否かを判別する(ステップS5001)。そして、持球がある場合(ステップS5001でYes)、CPU501は、発射制御部650に対して発射停止信号を送信開始する(ステップS5002)。そして、CPU501は、遊技用のカードリーダ/ライタ187−1を用いてカード挿排口186−1に挿入されたカードに持球、残球及び軍資球の情報を記録し、カード挿排口186−1からカードを排出させる(ステップS5003)。その後、遊技中フラグをOFFにし(ステップS5004)、タッチパネル22に空台画面P1を表示し(ステップS5005)、発射制御部650に対する発射停止信号の送信を停止する(ステップS5006)。
【0230】
そして、CPU501は、持球がない場合(ステップS5001でNo)、残球数が0より多いか否か、言い換えれば残球または軍資球があるか否かを判別する(ステップS5007)。そして、残球または軍資球がある場合(ステップS5007でYes)、CPU501は、遊技用及びワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ187−1を用いてカード挿排口186−1に挿入されたカードに残球及びは軍資球の情報を記録し、カード挿排口186−1からカードを排出させる(ステップS5008)。CPU501は、その後、遊技中フラグをOFFにし(ステップS5009)、空台画面P1をタッチパネル22に表示する(ステップS5010)。残球と軍資球の両方がない場合(ステップS5007でNo)、CPU501は、カード挿排口186−1からカードを排出させずに、ステップS5009の処理に移行する。
【0231】
なお、このフローチャートにおいては、発射装置160による遊技球の発射を停止するべく、ステップS5002にて発射制御部650に対して発射停止信号を送信開始し、遊技中フラグをOFFにした後のステップS5006にて発射停止信号の送信を停止しているが、かかる態様に限定されない。例えば、以下の態様でもよい。CPU501は、ステップS5002にて発射制御部650に対して発射停止信号を送信し、この発射停止信号を受信した発射制御部650はRAM653においてセットされる発射停止フラグをONに設定する。また、CPU501はステップS5006にて発射制御部650に対して発射許可信号を送信し、この発射許可信号を受信した発射制御部650は発射停止フラグをOFFに設定する。そして、発射制御部650のタイミング信号生成部661は、発射許可フラグがONであり、かつ、発射停止フラグがOFFであるときに、タッチセンサ151cからのタッチ信号が入力され、かつ、停止スイッチ154aからの停止信号、遊技制御部200からの遊技停止信号のいずれの停止信号も入力されていないことを条件として発射タイミング信号および球送りタイミング信号を出力する。
【0232】
〔ユニット制御部による離席処理〕
図32は、離席処理(図29のステップS4720)の内容を示すフローチャートである。
【0233】
この離席処理において、ユニット制御部500のCPU501は、まず、タッチパネル22に離席操作画面P7を表示しているか否かを判別する(ステップS5101)。そして、離席操作画面P7を表示している場合(ステップS5101でYes)、ユニット制御部500のCPU501は、タッチパネル22に表示された離席操作画面P7の「食事」と示された選択ボタン1052が押されたか否かを判別する(ステップS5102)。そして、「食事」と示された選択ボタン1052が押された場合(ステップS5102でYes)、ユニット制御部500のCPU501は、食事休憩用の時間として予め定められた時間をROM502から読み出してRAM503にセットする(ステップS5103)。他方、「食事」と示された選択ボタン1052が押されていない場合(ステップS5102でNo)、ユニット制御部500のCPU501は、タッチパネル22に表示された離席操作画面P7の「トイレ」と示された選択ボタン1053が押されたか否かを判別する(ステップS5104)。そして、「トイレ」と示された選択ボタン1053が押された場合(ステップS5104でYes)、ユニット制御部500のCPU501は、トイレ休憩用の時間として予め定められた時間をROM502から読み出してRAM503にセットする(ステップS5105)。
【0234】
ステップS5103にて食事休憩時間がセット、あるいはステップS5105にてトイレ休憩時間がセットされた場合、ユニット制御部500のCPU501は、残球あるいは持球が有るか否かを判別する(ステップS5106)。そして、残球及び持球の両方が無い場合(ステップS5106でNo)、ユニット制御部500のCPU501は、カード挿排口186−1から本人確認用のカードを排出する(ステップS5107)。その後、ユニット制御部500のCPU501は、RAM503のフラグ設定においてセットされた休憩フラグをONとし(ステップS5109)、離席中画面P9をタッチパネル22に表示する(ステップS5110)。その後、ユニット制御部500のCPU501は、休憩中処理を実行する(ステップS5111)。残球あるいは持球が有る場合(ステップS5106でYes)、ユニット制御部500のCPU501は、遊技用のカードリーダ/ライタ187−1を用いてカード挿排口186−1に挿入されたカードに残球あるいは持球の情報を記録し、カード挿排口186−1からカードを排出する(ステップS5108)。その後、ユニット制御部500のCPU501は、ステップS5109→S5110→S5111の処理に移行する。
【0235】
他方、「トイレ」の選択ボタン1053が押されていない場合(ステップS5104でNo)、ユニット制御部500のCPU501は、タッチパネル22に表示された離席操作画面P7の「キャンセル」と示された選択ボタン1054が押されたか否かを判別する(ステップS5112)。そして、「キャンセル」と示された選択ボタン1054が押された場合(ステップS5112でYes)、ユニット制御部500のCPU501は、ゲーム中画面(例えば画面P4、P5)をタッチパネル22に表示する(ステップS5113)。そして、「キャンセル」と示された選択ボタン1054が押されていなかった場合(ステップS5112でNo)、CPU501は、今回の離席処理を終了する。
【0236】
〔ユニット制御部によるサービス処理〕
図33は、サービス処理(図29のステップS4726)の内容を示すフローチャートである。
このサービス処理において、ユニット制御部500のCPU501は、まず、タッチパネル22にサービス操作用画面(例えば画面P11、P12)を表示しているか否かを判別する(ステップS5201)。そして、サービス操作用画面を表示している場合(ステップS5201でYes)、CPU501は、サービス内容が確定したか否かを判別する(ステップS5202)。これは、サービス操作用画面(例えば画面P11、P12)に表示された、サービスを受けたい物の選択ボタンが押され、サービスに対応する代価(軍資球及び持球)があるか否かを判別する処理であり、CPU501は、サービスを受けたい物の選択ボタンが押され、サービスに対応する代価(軍資球及び持球)がある場合にはサービス内容が確定したと判定し、いずれかの選択ボタンが押されていない場合にはサービス内容が確定していないと判定する。そして、サービス内容が確定した場合(ステップS5202でYes)、CPU501は、ワゴンサービスの代価として払われる球数を持球数または軍資球数から差し引き、ワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ187−2に対してワゴンサービスの内容を指定するワゴンサービス情報、及び前記ワゴンサービスの代価として払われる球数をワゴンサービス用のカードに書き込ませ、この後、カード挿排口186−2からワゴンサービス用のカードを排出させる(ステップS5203)。ステップS5203の処理の後、CPU501は、確定したサービス内容についての情報を、ユニット用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する(ステップS5204)し、ゲーム中画面(例えば画面P4、P5)をタッチパネル22に表示する(ステップS5205)。
【0237】
他方、サービス内容が確定していない場合(ステップS5202でNo)、代価(残球及び持球)がサービスに対応する代価(軍資球及び持球)が不足しているか否かを判別する(ステップS5206)。サービスに対応する代価(軍資球及び持球)が不足している場合(ステップS5206でYes)、CPU501は、サービス用軍資球補充画面P13の表示を行い(ステップS5207)、別ルーチンの軍資球不足補充処理を実行する(ステップS5208)。サービスに対応する代価(軍資球及び持球)が不足していなかった場合(ステップS5206でNo)、CPU501は、ステップS5209の処理に移行する。
【0238】
ステップS5209において、CPU501は、サービス操作用画面(例えば画面P11、P12)の「キャンセル」と示された選択ボタン1054が押さたか否かを判別する。「キャンセル」と示された選択ボタン1054が押された場合(ステップS5209でYes)、CPU501は、ゲーム中画面をタッチパネル22に表示する(ステップS5205)。「キャンセル」と示された選択ボタン1054が押されなかった場合、CPU501は、サービス操作用画面の表示を継続する。
【0239】
図34は、軍資球不足補充処理(図30のステップS4733)の内容を示すフローチャートである。
この軍資球不足補充処理おいて、ユニット制御部500のCPU501は、まず、タッチパネル22に不足補充ウインドウ1041が表示されているか否かを判別する(ステップS5301)。不足補充ウインドウ1041が表示されていない場合(ステップS5301でNo)、CPU501は、今回の軍資球不足補充処理を終了する。ゲーム中軍資球補充画面P3に示すように不足補充ウインドウ1041が表示されている場合(ステップS5301でYes)、CPU501は、不足補充ウインドウ1041に表示された「はい」と示されたボタンと示されたボタン(「はい」の選択ボタン1044)が押されたか否かを判別する(ステップS5102)。そして、「はい」と示されたボタンが押された場合(ステップS5102でYes)、CPU501は、残球数から所定(例えば125)の球数を差し引き、この差し引いた球数を軍資球数に加算する軍資球補充処理(ステップS5303)を行い、今回の軍資球不足補充処理を終了する。「はい」と示されたボタンが押されていない場合(ステップS5102でNo)、CPU501は、不足補充ウインドウ1041に表示された「いいえ」と示されたボタンと示されたボタン(「いいえ」の選択ボタン1045)が押されたか否かを判別する(ステップS5104)。そして、CPU501は、「いいえ」と示されたボタンが押された場合(ステップS5104でYes)、不足補充ウインドウ1041を閉じてゲーム初期画面P2を表示し、今回の軍資球不足補充処理を終了する。「いいえ」と示されたボタンが押されていない場合(ステップS5105でNo)、今回の軍資球不足補充処理を終了する。
【0240】
尚、図33に示したステップS5208の軍資球不足補充処理においても、ゲーム初期画面P2、ゲーム中軍資球補充画面P3がそれぞれサービス操作用画面P12、サービス用軍資球補充画面P13に変わるだけで、図34と同様の処理を行う。
【0241】
以上に説明した本実施形態の構成及び動作を纏めて説明すると、パチンコ遊技機ユニット1(図1参照)は、遊技機システムになっている。
【0242】
パチンコ遊技機100(図1参照)は、遊技の入賞に対する賞球が払い出されることなく、当該賞球の球数を電気的に記憶可能な遊技機になっている。
【0243】
CRユニット21(図4参照)は、支払代価に応じた遊技球の球貸しを遊技機(パチンコ遊技機100)に対して行う球貸手段になっている。この場合、CRユニット21(図4参照)は、支払代価に応じた遊技球の球数を前記パチンコ遊技機100に電気的に記憶させることで当該パチンコ遊技機100に球貸しを行う。
【0244】
ユニット制御部500(図21参照)のRAM503は、前記CRユニット21により球貸しされた遊技球の内で遊技に使用可能な遊技球を持球数として記憶する持球数記憶手段になっている。この場合、RAM503は、前記CRユニット21により球貸しされた遊技球の内で前記遊技に未だ使用されていない遊技球の球数、及び前記遊技の入賞による球数の合計を、遊技者が遊技に使用可能な遊技球の数である持球数として記憶する。
ユニット制御部500のCPU501及びROM503に記憶された遊技用球数減算用のプログラムは、前記RAM503が記憶する持球数から前記遊技に使用する球数を減算する遊技用球数減算手段になっている。
また、ユニット制御部500のCPU501及びROM503に記憶された所定目的用球数減算用のプログラムは、所定の条件が成立した場合、前記RAM503が記憶する前記持球数から、所定の目的に使用するための所定の球数を減算する所定目的用球数減算手段になっている。
遊技用のカード2−1(図4参照)は、第1の記憶媒体になっている。
【0245】
ワゴンサービス用のカード2−2(図4参照)は、第2の記憶媒体になっている。
遊技用のカードリーダ/ライタ187−1(図22参照)は、前記RAM503が記憶する前記持球数を遊技用のカード2−1に書き込む第1の書込手段になっている。
ワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ187−2(図22参照)は、少なくとも前記パチンコ遊技機100の識別情報、前記所定の目的を指定する所定目的情報(本実施形態の場合、ワゴンサービスの内容)、及び前記所定目的用球数減算手段が減算した前記所定の球数をワゴンサービス用のカード2−2に書き込む第2の書込手段になっている。
タッチパネル22(図1参照)は、前記所定の目的を指定する操作が可能な目的指定操作部になっている。前記所定の条件が成立とは、前記タッチパネル22は、に対して前記所定の目的を指定する操作が行われることである。
【0246】
遊技用のカードリーダ/ライタ187−1は、前記支払代価を前記遊技用のカード2−1に書き込むとともに、当該遊技用のカード2−1に書き込またれ当該支払代価を読み出す支払代価書込読出手段になっている。
ユニット制御部500のCPU501及びROM503に記憶された更新制御用のプログラムは、前記遊技用のカードリーダ/ライタ187−1により前記遊技用のカード2−1から読み出された前記支払代価から、前記CRユニット21により球貸しされた遊技球の球数に対応する支払代価を減算し、前記遊技用のカードリーダ/ライタ187−1に対して当該減算後の支払代価を当該遊技用のカード2−1に書き込み更新させる制御を行う更新制御手段になっている。
【0247】
前記遊技用のカードリーダ/ライタ187−1は、前記遊技用のカード2−1を挿脱可能にする第1の挿脱部を有する。前記ワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ187−2は、前記ワゴンサービス用のカード2−2を挿脱可能にする第2の挿脱部を前記第1の挿脱部と異なる位置に有する。
前記ワゴンサービス用のカード2−2は、前記遊技用のカード2−1と異なる規格で構成してもよい。前記第2の記憶媒体及び前記第2の書込手段としては、カードに対応するもの以外にも、例えばICコインに対応するもの等、各種適用可能である。
CRユニット21は、前記パチンコ遊技機100と情報の送受を行うことでパチンコ遊技機100に球貸しを行う球貸機になっている。
前記遊技用のカードリーダ/ライタ187−1及び前記ワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ187−2は、前記CRユニット21に設けられている。
【0248】
本実施形態によれば、所定の条件が成立した場合、ユニット制御部500のCPU501が、前記RAM503が記憶する前記持球数から、所定の目的に使用するための所定の球数を減算し、ワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ187−2が、少なくとも前記パチンコ遊技機100の識別情報、前記所定の目的を指定する所定目的情報、及び前記所定目的用球数減算手段が減算した前記所定の球数をワゴンサービス用のカード2−2に書き込み、このワゴンサービス用のカード2−2を遊技者が遊技施設の従業員に渡すので、所定の目的(本実施形態の場合、ワゴンサービス)に使用する際に、当該所定の目的に使用するための代価が記憶された記憶媒体(本実施形態の場合、ワゴンサービス用のカード2−2)を当該遊技者が安心して遊技施設の従業員に渡すことができるとともに、当該所定の目的と当該遊技者の居る遊技機を遊技施設の従業員が容易に確認できる。
【0249】
なお、上述した実施形態においては、パチンコ遊技機100の循環機構の構成、特に上皿153の構成および上皿153の発射球案内路における遊技球の数の調整を、演出装置20などとともにパチンコ遊技機ユニット1を構成するパチンコ遊技機100に適用した場合について述べたが、特に限定されない。例えば、演出装置20を備えずに、外部から触れられないように内部空間に封入された複数の遊技球を遊技のためだけに循環させる封入式のパチンコ遊技機に適用してもよい。また、外部から触れられないように内部空間に封入された複数の遊技球を1台のパチンコ遊技機のみで循環させるのではなく、1つの筐体に収納された複数台のパチンコ遊技機で循環させるように構成されたパチンコ遊技機群の中のパチンコ遊技機に適用してもよい。また、複数台のパチンコ遊技機が連なって島設備を構成し、この島設備において遊技球が循環されるように構成され、遊技者には外部から遊技球を触れられないようにしているが、例えばホールの従業員は外部から遊技球を触れられるように構成された島設備の中のパチンコ遊技機に適用してもよい。
【0250】
また、遊技球が封入される内部空間とは、本実施形態に係るパチンコ遊技機ユニット1においては、筐体10により囲まれた空間を示し、1つの筐体に複数台のパチンコ遊技機が収納されたパチンコ遊技機群においては、その1つの筐体により囲まれた空間を示す。また、演出装置20を備えずに、封入された複数の遊技球を遊技のためだけに循環させる封入式のパチンコ遊技機においては、このパチンコ遊技機の筐体により囲まれた空間を示す。また、複数台のパチンコ遊技機が連なって構成された島設備においては、遊技者により外部から触れられない空間を示す。
また、ワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ187−2(図22参照)は、前記パチンコ遊技機100の識別情報、前記所定の目的を指定する所定目的情報、及び前記所定目的用球数減算手段が減算した前記所定の球数以外の情報、例えばカードリーダ/ライタ187−2自体の識別情報を書き込むように構成してもよい。
【符号の説明】
【0251】
1…パチンコ遊技機ユニット、2−1…遊技用のカード、2−2…ワゴンサービス用のカード、10…筐体、20…演出装置、21…CRユニット、22…タッチパネル、30…洗浄装置、40…分配装置、60…払出球感演出部、70…持球感演出部、100…パチンコ遊技機、110…遊技盤、153…上皿、160…発射装置、500…ユニット制御部、503…RAM、501…CPU、503…ROM、187−1…遊技用のカードリーダ/ライタ、187−2…ワゴンサービス用のカードリーダ/ライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支払代価に応じた遊技球の球貸しを遊技機に対して行う球貸手段と、
前記球貸手段により球貸しされた遊技球の内で遊技に使用可能な遊技球を持球数として記憶する持球数記憶手段と、
前記持球数記憶手段が記憶する持球数から前記遊技に使用する球数を減算する遊技用球数減算手段と、
所定の条件が成立した場合、前記持球数記憶手段が記憶する前記持球数から、所定の目的に使用するための所定の球数を減算する所定目的用球数減算手段と、
前記持球数記憶手段が記憶する前記持球数を第1の記憶媒体に書き込む第1の書込手段と、
少なくとも前記遊技機の識別情報、前記所定の目的を指定する所定目的情報、及び前記所定目的用球数減算手段が減算した前記所定の球数を第2の記憶媒体に書き込む第2の書込手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機システム。
【請求項2】
前記所定の目的を指定する操作が可能な目的指定操作部を更に備え、
前記所定の条件とは、前記目的指定操作部に対して前記所定の目的を指定する操作が行われることであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機システム。
【請求項3】
前記支払代価を前記第1の記憶媒体に書き込むとともに、当該第1の記憶媒体に書き込またれ当該支払代価を読み出す支払代価書込読出手段と、
前記支払代価書込読出手段により前記第1の記憶媒体から読み出された前記支払代価から、前記球貸手段により球貸しされた遊技球の球数に対応する支払代価を減算し、前記支払代価書込読出手段に対して当該減算後の支払代価を当該第1の記憶媒体に書き込み更新させる制御を行う更新制御手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate


【公開番号】特開2013−17645(P2013−17645A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153266(P2011−153266)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】