説明

遊技機及びその制御方法

【課題】遊技媒体の規則的な賭け方に基づく不正な遊技を検出する。
【解決手段】遊技対象物を備える遊技部と、遊技対象物を用いて遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が遊技毎に設定するための賭け数設定部と、下記(a)〜(g)のように作動するようプログラムされた遊技制御部と、を備える。(a)遊技者が遊技を開始可能とし、(b)遊技対象物の作動を制御し、(c)所定の当籤確率に基づいて遊技の勝敗を遊技毎に決し、(d)遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、遊技者に対して遊技媒体を付与し、(e)遊技者により遊技毎に設定された遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積し、(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶し、(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)の作動により蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列と、を比較する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機及びその制御方法に係る。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機として、特許文献1は、ボールを発射する遊技機を開示する。
【0003】
【特許文献1】国際公開第04/094013号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の遊技機では、例えばマーチンゲール法やココモ法、モンテカルロ法などの遊技媒体の規則的な賭け方に基づく不正な遊技に対して何ら対策を講じていなかった。
【0005】
<マーチンゲール法:図18参照>
本方法は、先ず遊技媒体の賭け数を1とし、遊技の勝敗が負けの場合は次の遊技媒体の賭け数を前回の賭け数の2倍とし、一方で、遊技の勝敗が勝ちの場合は次の遊技媒体の賭け数を再度1とする遊技媒体の規則的な賭け方である。この賭け方に基づく遊技媒体の賭け数は、例えば、1,2,4,8,1,2,4,8,16,32,64・・・の如くとなる。
【0006】
<ココモ法:図19参照>
本方法は、先ず遊技媒体の賭け数を1とし、遊技の勝敗が負けの場合は次の遊技媒体の賭け数を1とし、以降、遊技の勝敗が負けの場合は遊技媒体の賭け数を前回の賭け数と前々回の賭け数との和とし、一方で、遊技の勝敗が勝ちの場合は次の遊技媒体の賭け数を再度1とする遊技媒体の規則的な賭け方である。この賭け方に基づく遊技媒体の賭け数は、例えば、1,1,2,3,1,1,2,3,5,8,13,21・・・の如くである。
【0007】
<モンテカルロ法:図20参照>
本方法は、上記のマーチンゲール法やココモ法と比較して若干複雑な遊技媒体の規則的な賭け方である。先ず、紙と筆記具を用意し、この紙に1,2,3と記入する。第一回目の遊技媒体の賭け数は、この時点で紙に記入されている数列(1,2,3)の最初と最後の数字を足し合わせた数字(4)とする。遊技の勝敗が負けの場合は、この数列の最後の数字に1を加算した数字を該数列の末尾に追記し、第二回目の遊技媒体の賭け数を、この時点で紙に記入されている数列(1,2,3,4)の最初と最後の数字を足し合わせた数字(5)とする。一方、遊技の勝敗が勝ちの場合は、第二回目の遊技媒体の賭け数を、第一回目の遊技媒体の賭け数と同じ数字とする。第三回目以降で遊技の勝敗が負けの場合は、その都度、その時点で紙に記入されている数列(例えば、1,2,3,4)の最後の数字に1を加算した数字を該数列の末尾に追記し、遊技媒体の賭け数を、この時点で紙に記入されている数列(1,2,3,4,5)の最初と最後の数字を足し合わせた数字(6)とする。一方、第三回目以降で遊技の勝敗が勝ちの場合は、その時点で紙に記入されている数列(1,2,3,4,5)の両端から2つずつ数字を消去する。この賭け方に基づく遊技媒体の賭け数は、例えば、(第一回目の数列:1,2,3)4、(第二回目の数列:1,2,3,4)5、(第三回目の数列:1,2,3,4,5)6、(第四回目の数列:1,2,3,4,5,6)7、(第五回目の数列:3,4)7、(第六回目の数列:3,4,5)8、(第七回目の数列:3,4,5,6)9・・・の如くである。
【0008】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、上述した従来技術にないエンターテイメント性を備えた遊技機及びその制御方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、例えばマーチンゲール法やココモ法、モンテカルロ法などの前記遊技媒体の規則的な賭け方に基づく不正な遊技を検出することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0011】
本発明の第一の観点によれば、以下のように構成される遊技機が提供される。即ち、遊技対象物を備える遊技部と、前記遊技対象物を用いて遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が遊技毎に設定するための賭け数設定部と、下記(a)〜(g)のように作動するようプログラムされた遊技制御部と、を備える。(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とし、(b)前記遊技部における前記遊技対象物の作動を制御し、(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決し、(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与し、(e)前記賭け数設定部を介して前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積し、(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶し、(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)の作動により蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列と、を比較する。この構成によれば、例えばマーチンゲール法やココモ法、モンテカルロ法などの前記遊技媒体の規則的な賭け方に基づく不正な遊技が検出される。
【0012】
上記の遊技機は以下のように構成することが好ましい。即ち、前記遊技制御部は、更に下記(h)〜(i)のように作動するようプログラムされる。(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶し、(i)前記(h)の作動により算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記(g)のように作動する。この構成によれば、上記の不正な遊技が一層精確に検出される。
【0013】
上記の遊技機は以下のように構成することが好ましい。即ち、前記遊技制御部は、更に下記(j)のように作動するようプログラムされる。(j)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技機又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知する。この構成によれば、前記遊技場の管理者により、上記の不正な遊技が為されている遊技機又は上記の不正な遊技を実行している遊技者が特定されるので、上記の不正な遊技が効果的に防止される。
【0014】
上記の遊技機は以下のように構成することが好ましい。即ち、前記遊技制御部は、更に下記(k)のように作動するようプログラムされる。(k)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させる。この構成によれば、上記の不正な遊技に基づく前記遊技者の不当な利得が回避される。
【0015】
本発明の第二の観点によれば、以下のように構成される遊技機が提供される。即ち、遊技対象物を備える遊技部と、前記遊技対象物を用いて遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が遊技毎に設定するための賭け数設定部と、下記(a)〜(j)のように作動するようプログラムされた遊技制御部と、を備える。(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とし、(b)前記遊技部における前記遊技対象物の作動を制御し、(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決し、(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与する。(e)前記賭け数設定部を介して前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積し、(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶し、(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)の作動により蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列と、を比較し、(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶し、(i)前記(h)の作動により算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記(g)のように作動する。(j)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技機又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知する。この構成によれば、例えばマーチンゲール法やココモ法、モンテカルロ法などの前記遊技媒体の規則的な賭け方に基づく不正な遊技が検出される。上記の不正な遊技が一層精確に検出される。前記遊技場の管理者により、上記の不正な遊技が為されている遊技機又は上記の不正な遊技を実行している遊技者が特定されるので、上記の不正な遊技が効果的に防止される。
【0016】
本発明の第三の観点によれば、以下のように構成される遊技機が提供される。即ち、遊技対象物を備える遊技部と、前記遊技対象物を用いて遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が遊技毎に設定するための賭け数設定部と、下記(a)〜(i)、(k)のように作動するようプログラムされた遊技制御部と、を備える。(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とし、(b)前記遊技部における前記遊技対象物の作動を制御し、(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決し、(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与する。(e)前記賭け数設定部を介して前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積し、(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶し、(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)の作動により蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列と、を比較する。(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶し、(i)前記(h)の作動により算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記(g)のように作動する。(k)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させる。この構成によれば、例えばマーチンゲール法やココモ法、モンテカルロ法などの前記遊技媒体の規則的な賭け方に基づく不正な遊技が検出される。上記の不正な遊技が一層精確に検出される。上記の不正な遊技に基づく前記遊技者の不当な利得が回避される。
【0017】
本発明の第四の観点によれば、以下のように構成される遊技機が提供される。即ち、遊技対象物を備える遊技部と、前記遊技対象物を用いて遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が遊技毎に設定するための賭け数設定部と、下記(a)〜(g)、(j)、(k)のように作動するようプログラムされた遊技制御部と、を備える。(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とし、(b)前記遊技部における前記遊技対象物の作動を制御し、(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決し、(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与する。(e)前記賭け数設定部を介して前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積し、(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶し、(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)の作動により蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列と、を比較する。(j)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技機又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知し、(k)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させる。この構成によれば、例えばマーチンゲール法やココモ法、モンテカルロ法などの前記遊技媒体の規則的な賭け方に基づく不正な遊技が検出される。前記遊技場の管理者により、上記の不正な遊技が為されている遊技機又は上記の不正な遊技を実行している遊技者が特定されるので、上記の不正な遊技が効果的に防止される。上記の不正な遊技に基づく前記遊技者の不当な利得が回避される。
【0018】
本発明の第五の観点によれば、以下のように構成される遊技機が提供される。即ち、遊技対象物を備える遊技部と、前記遊技対象物を用いて遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が遊技毎に設定するための賭け数設定部と、下記(a)〜(k)のように作動するようプログラムされた遊技制御部と、を備える。(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とし、(b)前記遊技部における前記遊技対象物の作動を制御し、(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決し、(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与する。(e)前記賭け数設定部を介して前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積し、(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶し、(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)の作動により蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列と、を比較する。(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶し、(i)前記(h)の作動により算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記(g)のように作動し、(j)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技機又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知し、(k)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させる。この構成によれば、例えばマーチンゲール法やココモ法、モンテカルロ法などの前記遊技媒体の規則的な賭け方に基づく不正な遊技が検出される。上記の不正な遊技が一層精確に検出される。前記遊技場の管理者により、上記の不正な遊技が為されている遊技機又は上記の不正な遊技を実行している遊技者が特定されるので、上記の不正な遊技が効果的に防止される。上記の不正な遊技に基づく前記遊技者の不当な利得が回避される。
【0019】
上記の遊技機は以下のように構成することが好ましい。即ち、前記賭け数設定部は、複数の前記遊技者が同時に遊技できるように複数で設けられ、前記遊技制御部は、更に下記(l)〜(m)のように作動するようプログラムされる。(l)前記複数の賭け数設定部のうち何れか一の前記賭け数設定部を介して一の前記遊技者が前記遊技媒体の賭け数を設定した後に、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報をこの遊技者から取得して記憶し、(m)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記(l)の作動により記憶されている前記遊技者特定情報を蓄積する。この構成によれば、上記の不正な遊技を防止する対策に資する。
【0020】
上記の遊技機は以下のように構成することが好ましい。即ち、前記遊技制御部は、更に下記(n)〜(p)のように作動するようプログラムされる。(n)前記複数の賭け数設定部のうち何れか一の前記賭け数設定部を介して一の前記遊技者が前記遊技媒体の賭け数を設定した後に、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報をこの遊技者から取得して記憶し、(o)前記(n)の作動により記憶する前記遊技者特定情報を、前記(m)の作動により蓄積している複数の前記遊技者特定情報の中から検索し、(p)前記(n)の作動により記憶する前記遊技者特定情報が、前記(m)の作動により蓄積している複数の前記遊技者特定情報の何れか一に該当する場合に、前記の所定回数を減じる。この構成によれば、一の遊技機に属する複数のステーションに跨って為される同一遊技者による不正な遊技が早い段階で検出される。
【0021】
本発明の第六の観点によれば、遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が設定した後に、遊技対象物を用いて遊技を行う遊技機の制御は、以下のような方法で行われる。即ち、(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とするステップと、(b)前記遊技対象物の作動を制御するステップと、(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決するステップと、(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与するステップと、を含む。(e)前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積するステップと、(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶するステップと、(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)のステップにより蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列と、を比較するステップと、を含む。これにより、例えばマーチンゲール法やココモ法、モンテカルロ法などの前記遊技媒体の規則的な賭け方に基づく不正な遊技が検出される。
【0022】
上記の遊技機の制御は、以下のような方法で行われることが好ましい。即ち、(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶するステップと、(i)前記(h)のステップにより算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記(g)のステップを実行するステップと、を更に含む。これにより、上記の不正な遊技が一層精確に検出される。
【0023】
上記の遊技機の制御は、以下のような方法で行われることが好ましい。即ち、(j)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技機又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知するステップと、を更に含む。これにより、前記遊技場の管理者により、上記の不正な遊技が為されている遊技機又は上記の不正な遊技を実行している遊技者が特定されるので、上記の不正な遊技が効果的に防止される。
【0024】
上記の遊技機の制御は、以下のような方法で行われることが好ましい。即ち、(k)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させるステップと、を更に含む。これにより、上記の不正な遊技に基づく前記遊技者の不当な利得が回避される。
【0025】
本発明の第七の観点によれば、遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が設定した後に、遊技対象物を用いて遊技を行う遊技機の制御は、以下のような方法で行われる。即ち、(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とするステップと、(b)前記遊技対象物の作動を制御するステップと、(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決するステップと、(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与するステップと、を含む。(e)前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積するステップと、(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶するステップと、(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)のステップにより蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列と、を比較するステップと、を含む。(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶するステップと、(i)前記(h)のステップにより算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記(g)のステップを実行するステップと、(j)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技機又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知するステップと、を含む。これにより、例えばマーチンゲール法やココモ法、モンテカルロ法などの前記遊技媒体の規則的な賭け方に基づく不正な遊技が検出される。上記の不正な遊技が一層精確に検出される。前記遊技場の管理者により、上記の不正な遊技が為されている遊技機又は上記の不正な遊技を実行している遊技者が特定されるので、上記の不正な遊技が効果的に防止される。
【0026】
本発明の第八の観点によれば、遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が設定した後に、遊技対象物を用いて遊技を行う遊技機の制御は、以下のような方法で行われる。即ち、(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とするステップと、(b)前記遊技対象物の作動を制御するステップと、(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決するステップと、(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与するステップと、を含む。(e)前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積するステップと、(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶するステップと、(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)のステップにより蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列と、を比較するステップと、を含む。(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶するステップと、(i)前記(h)のステップにより算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記(g)のステップを実行するステップと、(k)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させるステップと、を含む。これによれば、例えばマーチンゲール法やココモ法、モンテカルロ法などの前記遊技媒体の規則的な賭け方に基づく不正な遊技が検出される。上記の不正な遊技が一層精確に検出される。上記の不正な遊技に基づく前記遊技者の不当な利得が回避される。
【0027】
本発明の第九の観点によれば、遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が設定した後に、遊技対象物を用いて遊技を行う遊技機の制御は、以下のような方法で行われる。即ち、(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とするステップと、(b)前記遊技対象物の作動を制御するステップと、(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決するステップと、(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与するステップと、を含む。(e)前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積するステップと、(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶するステップと、(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)のステップにより蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列と、を比較するステップと、を含む。(j)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技機又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知するステップと、(k)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させるステップと、を含む。これにより、例えばマーチンゲール法やココモ法、モンテカルロ法などの前記遊技媒体の規則的な賭け方に基づく不正な遊技が検出される。前記遊技場の管理者により、上記の不正な遊技が為されている遊技機又は上記の不正な遊技を実行している遊技者が特定されるので、上記の不正な遊技が効果的に防止される。上記の不正な遊技に基づく前記遊技者の不当な利得が回避される。
【0028】
本発明の第十の観点によれば、遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が設定した後に、遊技対象物を用いて遊技を行う遊技機の制御は、以下のような方法で行われる。即ち、(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とするステップと、(b)前記遊技対象物の作動を制御するステップと、(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決するステップと、(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与するステップと、を含む。(e)前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積するステップと、(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶するステップと、(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)のステップにより蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列と、を比較するステップと、を含む。(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶するステップと、(i)前記(h)のステップにより算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記(g)のステップを実行するステップと、を含む。(j)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技機又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知するステップと、(k)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させるステップと、を含む。これにより、例えばマーチンゲール法やココモ法、モンテカルロ法などの前記遊技媒体の規則的な賭け方に基づく不正な遊技が検出される。上記の不正な遊技が一層精確に検出される。前記遊技場の管理者により、上記の不正な遊技が為されている遊技機又は上記の不正な遊技を実行している遊技者が特定されるので、上記の不正な遊技が効果的に防止される。上記の不正な遊技に基づく前記遊技者の不当な利得が回避される。
【0029】
上記の遊技機の制御は、以下のような方法で行われることが好ましい。即ち、複数の前記遊技者が同時に遊技できるように構成する。(l)一の前記遊技者が前記遊技媒体の賭け数を設定した後に、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報をこの遊技者から取得して記憶するステップと、(m)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記(l)のステップにより記憶されている前記遊技者特定情報を蓄積するステップと、を更に含む。これによれば、上記の不正な遊技を防止する対策に資する。
【0030】
上記の遊技機の制御は、以下のような方法で行われることが好ましい。即ち、(n)一の前記遊技者が前記遊技媒体の賭け数を設定した後に、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報をこの遊技者から取得して記憶するステップと、(o)前記(n)のステップにより記憶する前記遊技者特定情報を、前記(m)のステップにより蓄積している複数の前記遊技者特定情報の中から検索するステップと、(p)前記(n)のステップにより記憶する前記遊技者特定情報が、前記(m)のステップにより蓄積している複数の前記遊技者特定情報の何れか一に該当する場合に、前記の所定回数を減じるステップと、を更に含む。これにより、一の遊技機に属する複数のステーションに跨って為される同一遊技者による不正な遊技が早い段階で検出される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
先ず、本明細書における「不正な遊技」を図面を参照しつつ例示する。
【0032】
<マーチンゲール法:図18参照>
遊技者による遊技媒体の規則的な賭け方による不正な遊技を、図18に基づいて説明する。図18は、不正な遊技の一例としてのマーチンゲール法を説明するための説明図である。即ち、本方法は、先ず遊技媒体の賭け数(賭け金)を1とし、遊技の勝敗が負けの場合は次の遊技媒体の賭け数を前回の賭け数の2倍とし、一方で、遊技の勝敗が勝ちの場合は次の遊技媒体の賭け数を再度1とする遊技媒体の規則的な賭け方である。この賭け方に基づく遊技媒体の賭け数は、例えば、1,2,4,8,1,2,4,8,16,32,64・・・の如くとなる。
【0033】
<ココモ法:図19参照>
不正な遊技の他の例としてのココモ法を、図19に基づいて説明する。図19は、不正な遊技の他の例としてのココモ法を説明するための説明図である。即ち、本方法は、先ず遊技媒体の賭け数を1とし、遊技の勝敗が負けの場合は次の遊技媒体の賭け数を1とし、以降、遊技の勝敗が負けの場合は遊技媒体の賭け数を前回の賭け数と前々回の賭け数との和とし、一方で、遊技の勝敗が勝ちの場合は次の遊技媒体の賭け数を再度1とする遊技媒体の規則的な賭け方である。この賭け方に基づく遊技媒体の賭け数は、例えば、1,1,2,3,1,1,2,3,5,8,13,21・・・の如くである。
【0034】
<モンテカルロ法:図20参照>
不正な遊技の他の例としてのモンテカルロ法を、図20に基づいて説明する。図20は、不正な遊技の他の例としてのココモ法を説明するための説明図である。即ち、本方法は、上記のマーチンゲール法やココモ法と比較して若干複雑な遊技媒体の規則的な賭け方である。先ず、紙と筆記具を用意し、この紙に1,2,3と記入する。第一回目の遊技媒体の賭け数は、この時点で紙に記入されている数列(1,2,3)の最初と最後の数字を足し合わせた数字(4)とする。遊技の勝敗が負けの場合は、この数列の最後の数字に1を加算した数字を該数列の末尾に追記し、第二回目の遊技媒体の賭け数を、この時点で紙に記入されている数列(1,2,3,4)の最初と最後の数字を足し合わせた数字(5)とする。一方、遊技の勝敗が勝ちの場合は、第二回目の遊技媒体の賭け数を、第一回目の遊技媒体の賭け数と同じ数字とする。第三回目以降で遊技の勝敗が負けの場合は、その都度、その時点で紙に記入されている数列(例えば、1,2,3,4)の最後の数字に1を加算した数字を該数列の末尾に追記し、遊技媒体の賭け数を、この時点で紙に記入されている数列(1,2,3,4,5)の最初と最後の数字を足し合わせた数字(6)とする。一方、第三回目以降で遊技の勝敗が勝ちの場合は、その時点で紙に記入されている数列(1,2,3,4,5)の両端から2つずつ数字を消去する。この賭け方に基づく遊技媒体の賭け数は、例えば、(第一回目の数列:1,2,3)4、(第二回目の数列:1,2,3,4)5、(第三回目の数列:1,2,3,4,5)6、(第四回目の数列:1,2,3,4,5,6)7、(第五回目の数列:3,4)7、(第六回目の数列:3,4,5)8、(第七回目の数列:3,4,5,6)9・・・の如くである。
【0035】
次に、本発明に係る遊技機及びその制御方法の実施形態を説明する。以下、本発明がルーレットゲーム機に適用される例を説明する。なお、本発明は、ルーレットゲーム機のみならず、例えばカードゲームなどの遊技機及びその制御方法に対しても適用される。
【0036】
図1は、本発明の実施形態に係るルーレットゲーム機の制御の概略説明図である。図2は、本発明の実施形態に係るルーレットゲーム機のブロック図である。図3は、本実施形態に係るルーレット装置の平面図である。図4は、本実施形態に係るルーレットゲーム機の概略構成を示す外観斜視図である。
【0037】
このルーレットゲーム機は、ネットワークに接続されていないスタンドアロン形式のゲーム装置であるが、本発明は、ネットワークに接続されたゲーム装置にも適用可能である。
【0038】
図2に示すようにルーレットゲーム機1は、遊技対象物(ルーレットホイール22、ボール27など:図3を併せて参照)を備えるルーレット装置(遊技部)3と、前記遊技対象物を用いて遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が遊技毎に設定するための単位BETボタン(賭け数設定部)66(図5を併せて参照)と、遊技制御部(サーバ13、制御部109、ステーション制御部90など)Xと、を備える。
【0039】
(遊技制御部Xの処理)
前記の遊技制御部Xは、遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が設定した後に、遊技対象物を用いて遊技を行うルーレットゲーム機1の制御を実行可能に構成されている。そして、遊技制御部Xは、(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とする第一処理と、(b)前記遊技対象物の作動を制御する第二処理と、(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決する第三処理と、(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与する第四処理と、(e)前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積する第五処理と、(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶する第六処理と、(g)遊技の所定回数毎に、第五処理により蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、第六処理により記憶されている前記所定の数列と、を比較する第七処理と、を実行可能に構成されている。換言すれば、遊技制御部Xは、第一処理部、第二処理部、第三処理部、第四処理部、第五処理部、第六処理部、第七処理部とを備えている。
【0040】
上記の遊技制御部Xは、更に、(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶する第八処理と、(i)第八処理により算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、第七処理を実行する第九処理と、を実行可能に構成されている。換言すれば、遊技制御部Xは、更に、第八処理部と、第九処理部とを備えている。
【0041】
上記の遊技制御部Xは、更に、(j)第七処理の結果、第六処理により記憶されている前記所定の数列が、第五処理により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、このルーレットゲーム機1又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該ルーレットゲーム機1が設置されている遊技場を管理する管理者に通知する第十処理を実行可能に構成されている。換言すれば、遊技制御部Xは、更に、第十処理部を備えている。
【0042】
上記の遊技制御部Xは、更に、(k)第七処理の結果、第六処理により記憶されている前記所定の数列が、第五処理により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させる第十一処理を実行可能に構成されている。換言すれば、遊技制御部Xは、更に、第十一処理部を備えている。
【0043】
(遊技制御部Xの構成)
図2に示すように、上記の遊技制御部Xは、(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とする遊技開始部301と、(b)前記ルーレット装置3における前記遊技対象物の作動を制御する遊技実行部302と、(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決する遊技勝敗決定部303と、(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与する遊技媒体付与部304と、(e)前記単位BETボタン66を介して前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積する賭け数履歴蓄積部305と、(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶する所定数列記憶部306と、(g)遊技の所定回数毎に、賭け数履歴蓄積部305の作動により蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、所定数列記憶部306の作動により記憶されている前記所定の数列と、を比較する賭け数履歴・所定数列比較部307と、を有する。
【0044】
上記の遊技制御部Xは、更に、(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶する収支算出記憶部308と、(i)収支算出記憶部308の作動により算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、賭け数履歴・所定数列比較部307を作動させる収支判定部309と、を有する。
【0045】
上記の遊技制御部Xは、更に、(j)賭け数履歴・所定数列比較部307の作動の結果、所定数列記憶部306の作動により記憶されている前記所定の数列が、賭け数履歴蓄積部305の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、このルーレットゲーム機1又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知する不正遊技通知部310を有する。
【0046】
上記の遊技制御部Xは、更に、(k)賭け数履歴・所定数列比較部307の作動の結果、所定数列記憶部306の作動により記憶されている前記所定の数列が、賭け数履歴蓄積部305の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させる当籤確率決定部311を有する。
【0047】
(遊技制御部Xの処理)
図4に示すように、本実施形態においてルーレットゲーム機1は、複数の遊技者が同時に遊技できるように構成されている。
【0048】
そして、上記の遊技制御部Xは、更に、(l)一の前記遊技者が前記遊技媒体の賭け数を設定した後に、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報をこの遊技者から取得して記憶する第十二処理と、(m)第七処理の結果、第六処理により記憶されている前記所定の数列が、第五処理により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、第十二処理により記憶されている前記遊技者特定情報を蓄積する第十三処理と、を実行可能に構成されている。換言すれば、遊技制御部Xは、更に、第十二処理部と、第十三処理部と、を備えている。
【0049】
上記の遊技制御部Xは、更に、(n)一の前記遊技者が前記遊技媒体の賭け数を設定した後に、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報をこの遊技者から取得して記憶する第十四処理と、(o)第十四処理により記憶する前記遊技者特定情報を、第十三処理により蓄積している複数の前記遊技者特定情報の中から検索する第十五処理と、(p)第十四処理により記憶する前記遊技者特定情報が、第十三処理により蓄積している複数の前記遊技者特定情報の何れか一に該当する場合に、前記の所定回数を減じる第十六処理と、を実行可能に構成されている。換言すれば、遊技制御部Xは、更に、第十四処理部と、第十五処理部と、第十六処理部と、を備えている。
【0050】
(遊技制御部Xの構成)
図4に示すように、遊技者のベット操作を受け付ける装置としてのステーション4は、複数の遊技者が同時に遊技できるように複数で設けられている。換言すれば、前記の単位BETボタン66は、複数の遊技者が同時に遊技できるように複数で設けられている。
【0051】
そして、上記の遊技制御部Xは、更に、(l)前記複数の単位BETボタン66のうち何れか一の前記単位BETボタン66を介して一の前記遊技者が前記遊技媒体の賭け数を設定した後に、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報をこの遊技者から取得して記憶する第一遊技者特定情報取得記憶部312と、(m)賭け数履歴・所定数列比較部307の作動の結果、所定数列記憶部306の作動により記憶されている前記所定の数列が、賭け数履歴蓄積部305の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、第一遊技者特定情報取得記憶部312の作動により記憶されている前記遊技者特定情報を蓄積する遊技者特定情報蓄積部313と、を有する。
【0052】
上記の遊技制御部Xは、更に、(n)前記複数の単位BETボタン66のうち何れか一の前記単位BETボタン66を介して一の前記遊技者が前記遊技媒体の賭け数を設定した後に、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報をこの遊技者から取得して記憶する第二遊技者特定情報取得記憶部314と、(o)第二遊技者特定情報取得記憶部314の作動により記憶する前記遊技者特定情報を、遊技者特定情報蓄積部313の作動により蓄積している複数の前記遊技者特定情報の中から検索する遊技者特定情報検索部315と、(p)第二遊技者特定情報取得記憶部314の作動により記憶する前記遊技者特定情報が、遊技者特定情報蓄積部313の作動により蓄積している複数の前記遊技者特定情報の何れか一に該当する場合に、前記の所定回数を減じる所定回数決定部316と、を有する。
【0053】
なお、上記の遊技制御部Xは、ハードウェアにより構成されていてもよいし、必要に応じてソフトウェアにより構成されていてもよい。
【0054】
(遊技制御部Xの動作:第一処理(a)〜第七処理(g))
次に、上記の遊技制御部Xの動作を説明する。
【0055】
先ず、遊技開始部301は、ルーレットゲーム機1を下記の状態とする。即ち、この状態とは、ルーレット装置3が備える遊技対象物を用いて遊技するために遊技媒体の賭け数を遊技者が単位BETボタン66を介してルーレットゲーム機1に対して設定することで、この遊技者が遊技を開始できるような状態である。これにより、遊技制御部Xは、(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とする第一処理を実行することとなる。
【0056】
遊技実行部302は、遊技開始部301と単位BETボタン66に接続されている。そして、単位BETボタン66を介して遊技者が遊技対象物を用いて遊技するための遊技媒体の賭け数をルーレットゲーム機1に対して設定し、遊技開始部301を介して遊技者が遊技を開始すると、この遊技実行部302は、遊技開始部301からの指令を受けて、ルーレット装置3の動作を制御する。これにより、遊技制御部Xは、(b)ルーレット装置3における前記遊技対象物の作動を制御する第二処理を実行することとなる。
【0057】
遊技勝敗決定部303は、遊技実行部302に接続されている。そして、遊技実行部302が上記の如く動作した後に、遊技勝敗決定部303は、所定の当籤確率(詳細は後述する。)に基づいて前記遊技の勝敗を決定する。これにより、遊技制御部Xは、(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決する第三処理を実行することになる。
【0058】
遊技媒体付与部304は、遊技勝敗決定部303に接続され、この遊技勝敗決定部303が前記遊技の勝敗を勝ちと決定した場合、遊技媒体付与部304は、遊技者に対して遊技媒体を付与する。これにより、遊技制御部Xは、(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与する第四処理を実行することとなる。なお、この遊技媒体付与部304は、収支算出記憶部308にも接続されている。
【0059】
一方、賭け数履歴蓄積部305は、単位BETボタン66に接続されている。この賭け数履歴蓄積部305は、単位BETボタン66を介して遊技者により設定された遊技媒体の賭け数を取得して蓄積する(図13も併せて参照)。この賭け数履歴蓄積部305の動作は、遊技毎に為される。これにより、遊技制御部Xは、(e)単位BETボタン66を介して前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積する第五処理を実行することとなる。なお、この賭け数履歴蓄積部305は、賭け数履歴・所定数列比較部307にも接続されている。
【0060】
また、所定数列記憶部306は、所定の増分で漸増する所定の数列を前もって記憶している。「所定の増分で漸増する所定の数列」とは、前述したマーチンゲール法やココモ法、モンテカルロ法などの遊技媒体の規則的な賭け方に特有の遊技媒体の賭け数の数列を意味する(図14、図18〜20も併せて参照)。これにより、遊技制御部Xは、(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶する第六処理を実行することとなる。
【0061】
賭け数履歴・所定数列比較部307は、賭け数履歴蓄積部305と所定数列記憶部306に接続されている。そして、賭け数履歴・所定数列比較部307は、遊技の所定回数毎に、上記の賭け数履歴蓄積部305の作動により蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、上記の所定数列記憶部306の作動により記憶されている前記所定の数列と、を比較する。これにより、遊技制御部Xは、(g)遊技の所定回数毎に、第五処理により蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、第六処理により記憶されている前記所定の数列と、を比較する第七処理を実行することとなる。なお、この賭け数履歴・所定数列比較部307は、不正遊技通知部310・当籤確率決定部311・遊技者特定情報蓄積部313にも接続されている。
【0062】
以上の第一処理〜第七処理が実行されることで、例えばマーチンゲール法やココモ法、モンテカルロ法などの前記遊技媒体の規則的な賭け方に基づく不正な遊技が検出される。
【0063】
(遊技制御部Xの動作:第八処理(h)〜第九処理(i))
上記の構成において、遊技制御部Xの動作を更に説明する。
【0064】
収支算出記憶部308は、遊技媒体付与部304に接続されている。この収支算出記憶部308は、遊技の前記所定回数毎に、遊技者の遊技媒体の収支を算出して記憶する。これにより、遊技制御部Xは、(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶する第八処理を実行することとなる。
【0065】
収支判定部309は、収支算出記憶部308と上記の賭け数履歴・所定数列比較部307に接続されている。この収支判定部309は、上記収支算出記憶部308の作動により算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記賭け数履歴・所定数列比較部307を作動させる。これにより、遊技制御部Xは、(i)第八処理により算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、第七処理を実行する第九処理を実行することとなる。
【0066】
以上の第一処理〜第七処理に加えて、第八処理及び第九処理が実行されることで、上記の不正な遊技が一層精確に検出される。
【0067】
(遊技制御部Xの動作:第十処理(j))
上記の構成において、遊技制御部Xの動作を更に説明する。
【0068】
不正遊技通知部310は、賭け数履歴・所定数列比較部307に接続されている。この不正遊技通知部310は、賭け数履歴・所定数列比較部307の作動の結果、所定数列記憶部306の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記賭け数履歴蓄積部305の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技制御部Xを備えるルーレットゲーム機1又は該ルーレットゲーム機1で遊技をしている該遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該ルーレットゲーム機1が設置されている遊技場を管理する管理者に通知する。これにより、遊技制御部Xは、(j)第七処理の結果、第六処理により記憶されている前記所定の数列が、第五処理により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、このルーレットゲーム機1又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該ルーレットゲーム機1が設置されている遊技場を管理する管理者に通知する第十処理を実行することとなる。
【0069】
以上の第一処理〜第七処理に加えて、第十処理が実行されることで、前記遊技場の管理者により、上記の不正な遊技が為されている遊技機又は上記の不正な遊技を実行している遊技者が特定されるので、上記の不正な遊技が効果的に防止される。
【0070】
(遊技制御部Xの動作:第十一処理(k))
上記の構成において、遊技制御部Xの動作を更に説明する。
【0071】
当籤確率決定部311は、賭け数履歴・所定数列比較部307に接続されている。この当籤確率決定部311は、賭け数履歴・所定数列比較部307の作動の結果、所定数列記憶部306の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記賭け数履歴蓄積部305の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させる。例えば、当籤確率が10%である遊技又は当籤確率が50%である遊技のうち何れの遊技を選択するか遊技者に委ねられている場合、この遊技者が選択し得る遊技を、当籤確率が10%である遊技に限定する、などである。これにより、遊技制御部Xは、(k)第七処理の結果、第六処理により記憶されている前記所定の数列が、第五処理により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させる第十一処理を実行することとなる。
【0072】
以上の第一処理〜第七処理に加えて、第十一処理が実行されることで、上記の不正な遊技に基づく前記遊技者の不当な利得が回避される。
【0073】
(遊技制御部Xの動作:第十二処理(l)〜第十三処理(m))
上記の構成において、遊技制御部Xの動作を更に説明する。
【0074】
第一遊技者特定情報取得記憶部312は、遊技開始部301に接続されている。この第一遊技者特定情報取得記憶部312は、前記複数の単位BETボタン66のうち何れか一の前記単位BETボタン66を介して一の前記遊技者が前記遊技媒体の賭け数を設定した後に、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報をこの遊技者から取得して記憶する。これにより、遊技制御部Xは、(l)一の前記遊技者が前記遊技媒体の賭け数を設定した後に、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報をこの遊技者から取得して記憶する第十二処理を実行することとなる。なお、この第一遊技者特定情報取得記憶部312は、遊技者特定情報蓄積部313にも接続されている。
【0075】
遊技者特定情報蓄積部313は、賭け数履歴・所定数列比較部307と第一遊技者特定情報取得記憶部312に接続されている。この遊技者特定情報蓄積部313は、賭け数履歴・所定数列比較部307の作動の結果、所定数列記憶部306により記憶されている前記所定の数列が、前記賭け数履歴蓄積部305により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、第一遊技者特定情報取得記憶部312の作動により記憶されている前記遊技者特定情報を蓄積する。これにより、遊技制御部Xは、(m)第七処理の結果、第六処理により記憶されている前記所定の数列が、第五処理により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、第十二処理により記憶されている前記遊技者特定情報を蓄積する第十三処理を実行することとなる。なお、この遊技者特定情報蓄積部313は、遊技者特定情報検索部315にも接続されている。
【0076】
以上の第一処理〜第七処理に加えて、第十二処理及び第十三処理が実行されることで、上記の不正な遊技を防止する対策に資する。
【0077】
(遊技制御部Xの動作:第十四処理(n)〜第十六処理(p))
上記の構成において、遊技制御部Xの動作を更に説明する。
【0078】
第二遊技者特定情報取得記憶部314は、遊技開始部301に接続されている。この第二遊技者特定情報取得記憶部314は、前記複数の単位BETボタン66のうち何れか一の前記単位BETボタン66を介して一の前記遊技者が前記遊技媒体の賭け数を設定した後に、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報をこの遊技者から取得して記憶する。これにより、遊技制御部Xは、(n)一の前記遊技者が前記遊技媒体の賭け数を設定した後に、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報をこの遊技者から取得して記憶する第十四処理を実行することとなる。この第二遊技者特定情報取得記憶部314は、遊技者特定情報検索部315にも接続されている。
【0079】
遊技者特定情報検索部315は、遊技者特定情報蓄積部313と第二遊技者特定情報取得記憶部314に接続されている。この遊技者特定情報検索部315は、第二遊技者特定情報取得記憶部314の作動により記憶する前記遊技者特定情報を、遊技者特定情報蓄積部313の作動により蓄積している複数の前記遊技者特定情報の中から検索する。これにより、遊技制御部Xは、(o)第十四処理により記憶する前記遊技者特定情報を、第十三処理により蓄積している複数の前記遊技者特定情報の中から検索する第十五処理を実行することとなる。なお、この遊技者特定情報検索部315は、所定回数決定部316にも接続されている。
【0080】
所定回数決定部316は、遊技者特定情報検索部315に接続されている。この所定回数決定部316は、第二遊技者特定情報取得記憶部314の作動により記憶する前記遊技者特定情報が、遊技者特定情報蓄積部313の作動により蓄積している複数の前記遊技者特定情報の何れか一に該当する場合に、前記の所定回数を減じる。前記の所定回数を減じることは、端的に言えば、賭け数履歴・所定数列比較部307が実行される間隔を狭める(実行する頻度を高める。)ことに相当する。これにより、遊技制御部Xは、(p)第十四処理により記憶する前記遊技者特定情報が、第十三処理により蓄積している複数の前記遊技者特定情報の何れか一に該当する場合に、前記の所定回数を減じる第十六処理を実行することとなる。
【0081】
以上の第一〜第七処理に加えて、第十二〜第十七処理が実行されることで、一のルーレットゲーム機1に属する複数のステーション4に跨って為される同一遊技者による不正な遊技が早い段階で検出される。
【0082】
次に、本実施形態に係るルーレットゲーム機1の詳細な構成を説明する。図3に示すように、ルーレットゲーム機1が備えるルーレット装置3は、筐体2(図4参照)に固定される枠体21と、枠体21の内側に回転可能に収納支持されたルーレットホイール22とを備えている。ルーレットホイール22の上面には、凹状のナンバーポケット23が多数(本実施形態では計38個)形成されている。さらに、各ナンバーポケット23の外方向におけるルーレットホイール22の上面には、各ナンバーポケット23と対応するように「0」、「00」、「1」〜「36」の各番号が表示された番号表示板25が形成されている。
【0083】
枠体21の内部には、ボール投入口36が形成されている。ボール投入口36には、ボール投入装置104(図10参照)が連結されている。このボール投入装置104の駆動に伴って、ボール投入口36からルーレットホイール22上にボール27が投入される。また、ルーレット装置3の全体は、その上方において、半球状の透明アクリル製のカバー部材28(図4参照)により覆われている。
【0084】
ルーレットホイール22の下方には、ホイール駆動用モータ106(図10参照)が設けられている。このホイール駆動用モータ106の駆動に伴ってルーレットホイール22が回転する。
【0085】
また、ルーレットホイール22の下方には、所定間隔で金属板(図示せず)が取り付けられている。この金属板を、ポケット位置検出回路107(図10参照)が備える近接センサが検出することにより、ナンバーポケット23の位置が検出される。
【0086】
枠体21は、緩やかに内側に向けて傾斜しており、その中間部にはガイド壁29が形成されている。ガイド壁29は、投入されたボール27を遠心力に抗するようにガイドしてボール27を転動させる。ボール27は、回転速度が弱まり遠心力を失っていくと、枠体21の斜面を転がり落ちて内側へと向かい、回転するルーレットホイール22に至る。そして、ルーレットホイール22に転がって来たボール27は、さらに回転するルーレットホイール22の外側の番号表示板25上を通っていずれかのナンバーポケット23に収納される。その結果、ボール27が収納されたナンバーポケット23の番号がボールセンサ105によって判定される。判定された番号が当籤番号となる。
【0087】
ルーレットホイール22の回転、及び、ボール27の打ち出しは、モータ駆動時間、ボール初速度、及び、打ち出しディレイ時間を含んで構成される制御データに基づいて行われる。
【0088】
モータ駆動時間は、ホイール駆動用モータ106(図10参照)を駆動する時間である。ルーレットホイール22は、モータ駆動時間だけホイール駆動用モータ106により所定の回転速度で回転される。なお、ルーレットホイール22は、ホイール駆動用モータ106による駆動が解除された後、徐々に回転速度が弱まり、やがて停止する。ボール初速度は、ボール投入装置104からボール27を投入する際の初速度である。打ち出しディレイ時間は、ルーレットホイール22の回転中において、所定のナンバーポケット23が所定位置を通過してからボール27を打ち出すまでの時間である。
【0089】
次に、図4を参照されたい。図4に示すように、ルーレットゲーム機1は、本体部分となる筐体2と、筐体2の上面の略中央部に設けられた前述のルーレット装置3と、ルーレット装置3を囲繞するように配設された複数個(本実施形態では12個)のステーション4と、筐体2の上方に設けられた電光表示部5とを備えている。
【0090】
ステーション4は、遊技者のベット操作を受け付ける装置である。ステーション4は、少なくとも、貨幣や遊技に使用するチップやメダル等の遊技媒体の通貨価値を投入するメダル投入口6と、遊技者により所定の指示が入力される複数のコントロールボタン等から構成されるコントロール部7と、ゲームに係る画像を表示させる画像表示装置8とを備える。遊技者は、画像表示装置8に表示される画像を見ながら、タッチパネル50(図11参照)やコントロール部7等を操作することにより、ルーレット装置3が備える遊技対象物を用いて遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技毎に設定したり、展開されるゲームを進行させたり、できる。
【0091】
また、各ステーション4が設置された筐体2の側面には、メダル払出口9がそれぞれ設けられている。さらに、各ステーション4の画像表示装置8の右上には音楽、効果音等を流すスピーカ10が設けられている。
【0092】
各ステーション4の画像表示装置8上部には、WINランプ11がそれぞれ設けられている。遊技においてステーション4でベットした数字(本実施形態では「0」、「00」、「1」〜「36」)などが当籤した場合に、当籤したステーション4のWINランプ11を点灯させる。また、ジャックポット(以下、JPともいう)を獲得するためのJPボーナスゲームにおいてJPの獲得をしたステーション4のWINランプ11についても同様にして点灯させる。なお、このWINランプ11は、設置された全てのステーション4(本実施形態では12台)から認視可能な位置に設けられており、同一のルーレットゲーム機1で遊技中の他の遊技者は、その点灯を常に確認することが可能である。
【0093】
メダル投入口6の内部にはメダルセンサ97(図11参照)が設けられている。このメダルセンサ97は、メダル投入口6より投入されたメダル等の通貨価値の識別を行うと共に、投入されたメダルをカウントする。また、メダル払出口9の内部にはホッパー94(図11参照)が設けられており、所定枚数のメダルをメダル払出口9から払い出す。
【0094】
筐体2の角に位置するコーナー部12の内部には、サーバ13が配置されている。サーバ13は、遊技者によって操作されることのないように、通常はコーナー部12の内部に収納されている。ルーレットゲーム機1の管理者は、キースイッチを使用してコーナー部12に設けられたコーナー扉14を開くことによって、サーバ13の操作が可能となる。そして、サーバ13を操作することによって、ルーレットゲーム機1の各種設定を行うことができる。
【0095】
電光表示部5には、JPの額を表示するJP額表示部15が設けられている。本実施形態に係るルーレットゲーム機1では、後述するように「MEGA」、「MAJOR」、「MINI」の3種類のJPが設けられている。「MEGA」のJPでは、全12箇所のステーション4においてゲームでベットされたクレジットの内、0.15%のクレジットを累積して記憶する。「MAJOR」のJPでは、ベットされたクレジットの内、0.20%のクレジットを累積して記憶する。「MINI」のJPでは、ベットされたクレジットの内、0.30%のクレジットを累積して記憶する。そして、後述するJPボーナスゲームによっていずれか1つのJPに当籤となった場合に、該当するJPに累積された累積額に相当するクレジットが所定のステーション4に対して払い出される。JP額表示部15には3種類のJPのうち、「MEGA」のJPの累積額を表示する。JP額表示部15は、電光表示部5の頂上部に設けられており、ステーション4で遊技する全ての遊技者からその表示内容が認視可能となっている。
【0096】
図5は、画像表示装置に表示される画像の一例を示す図である。図5に示すように、遊技中において、画像表示装置8には、テーブル式ベッティングボード60を有するBET画面61が表示される。遊技者は、画像表示装置8の前面に設けられているタッチパネル50を操作することによって、手持ちのクレジットを使用してチップをベットすることができる。
【0097】
まず、図5に基づいてゲーム中に表示されるBET画面61を説明する。BET画面61に表示されるテーブル式ベッティングボード60には、「0」、「00」、「1」〜「36」の38種の数字がマス目状に配列表示されている。また、「奇数の数字」、「偶数の数字」、「番号表示板の色の種類(赤又は黒)」、「一定の数字範囲(例えば「1」〜「12」等)」を指定してチップをベットするための特殊なBETエリアも同様にマス目状に配列表示されている。
【0098】
テーブル式ベッティングボード60の下方には、結果履歴表示部65、単位BETボタン66、払い戻し結果表示部67、クレジット数表示部68が表示されている。結果履歴表示部65には、前回までの遊技における当籤番号の結果が一覧に表示される。なお、1遊技とは、各ステーション4において遊技者がベットを行い、ボール27がナンバーポケット23に落下し、当籤番号に基づいてクレジットの払い出しが行われるまでの一連の動作をいう。1遊技が終了すると、新たな当籤番号が上から追加して表示されていき、最大16遊技の当籤番号の履歴を確認することが可能となっている。
【0099】
また、単位BETボタン66は、遊技者が指定したBETエリア72(番号及びのマークのマス目上、若しくはマス目を形成するライン上)にチップをベットするためのボタンである。単位BETボタン66は1BETボタン66A、5BETボタン66B、10BETボタン66C、100BETボタン66Dの四種類から構成されている。
【0100】
遊技者は、ベットするBETエリア72を指等で画面を直接押すことにより、後述のカーソル70で指定する。その状態で、1BETボタン66Aを1回押下すると、遊技者はチップを1枚ベットすることができる。1BETボタン66Aを指等で押すごとに「1」→「2」→「3」→・・・の順にベット枚数を増加させることができる。また、5BETボタン66Bを1回押下すると、チップを5枚単位でベットすることができる。5BETボタン66Bを指等で押すごとに「5」→「10」→「15」→・・・の順にベット枚数を増加させることができる。
【0101】
また、10BETボタン66Cを1回押下すると、チップを10枚単位でベットすることができる。10BETボタン66Cを指等で押すごとに「10」→「20」→「30」→・・・の順にベット枚数を増加させることができる。さらに、100BETボタン66Dを押下すると、チップを100枚単位(100BETボタン66Dを指等で押すごとに「100」→「200」→「300」→・・・の順にベット枚数が増加)でベットすることができる。
【0102】
払い戻し結果表示部67は、前回の遊技における遊技者のチップのベット枚数、及び払い戻しのクレジット数が表示される。ここで、払い戻しクレジット数よりベット枚数を引いた数が、前回の遊技により遊技者が新たに獲得したクレジット数となる。
【0103】
クレジット数表示部68は、現在の遊技者が所有するクレジット数が表示される。このクレジット数は、チップをベットした際にはそのベット数(1ベットに対して1クレジット)に応じて減少する。また、ベットしたチップが当籤し、クレジットの払い戻しが行われた場合には、払い戻し枚数分のクレジット数が増加する。なお、遊技者が所有するクレジット数が0となった場合には、遊技終了となる。
【0104】
また、テーブル式ベッティングボード60の上部には、BETタイム表示部69が設けられている。BETタイム表示部69には遊技者がベットするために与えられる残り時間が表示される。ベット操作の受付開始時には「20」が表示され、1秒ごとに数字が1ずつ減少し、数字が「0」となったときにベット操作の受付を終了する。また、各ステーション4において、遊技者のベット期間が残り5秒となった場合にボール投入装置104を駆動させ、ボール27をルーレット盤上に投入する。
【0105】
BETタイム表示部69の右側には、「MEGA」のJPの現在までに蓄積されたクレジット数を表示するMEGA表示部73と、「MAJOR」のJPの現在までに蓄積されたクレジット数を表示するMAJOR表示部74と、「MINI」のJPの現在までに蓄積されたクレジット数を表示するMINI表示部75とが設けられている。
【0106】
MEGA表示部73には、全12箇所のステーション4において1遊技ごとにベットされたクレジットの内、0.15%のクレジットが累積して加算されたものが表示される。MAJOR表示部74には、ベットされたクレジットの内、0.20%のクレジットが累積して加算されたものが表示される。MINI表示部75は、ベットされたクレジットの内、0.30%のクレジットが累積して加算されたものが表示される。MEGA表示部73、MAJOR表示部74、及び、MINI表示部75に表示される数値は、全てのステーション4で共通の数値である。JPボーナスゲームによってJPの当籤となった場合には、各表示部73〜75に表示されたJPの内、当籤したJPのクレジット数が払い出され、払い出された後のJPの表示部には、初期値の数値(「MINI」は200クレジット、「MAJOR」は5000クレジット、「MEGA」は50000クレジット)が表示される。
【0107】
また、テーブル式ベッティングボード60上には、現在遊技者が選択しているBETエリア72を示すカーソル70が表示される。また、現時点までにおいてベットしたチップの枚数とBETエリア72を示すチップマーク71が表示される。このチップマーク71上に表示された数字が、チップのベット枚数を示す。例えば、図5に示すように「18」のマスに置かれた「7」のチップマーク71は、番号「18」に7枚のチップをベットしていることを示している(図5において番号「18」はチップマーク71で隠れている)。なお、このように1つ番号のみにベットする方法は「ストレート・ベット」と呼ばれるベット方法である。
【0108】
また、「5」、「6」、「8」、「9」のマス目の交点に置かれた「1」のチップマーク71は、番号「5」、「6」、「8」、「9」の4つの番号をカバーして1枚のチップをベットしていることを示している。なお、このように4つ番号をカバーしてベットする方法は「コーナー・ベット」と呼ばれるベット方法である。
【0109】
他にベット方法としては、2つの番号の間のライン上に2つの番号をカバーしてベットする「スプリット・ベット」、番号の横一列(図5中、縦方向の一列)の端に3つの番号(例えば、「13」、「14」、「15」)をカバーしてベットする「ストリート・ベット」、番号「00」と「3」の間のライン上に「0」、「00」、「1」、「2」、「3」の5つの番号をカバーしてベットする「ファイブ・ベット」がある。
【0110】
また、他のベット方法として、番号の横二列(図5中、縦方向の二列)の番号の間に6つの番号(例えば、「13」、「14」、「15」、「16」、「17」、「18」)をカバーしてベットする「ライン・ベット」、「2to1」と書かれたマス目上で12個の番号をカバーしてベットする「コラム・ベット」、「1st12」、「2nd12」、「3rd12」と書かれたマス目上でそれぞれ12個の番号をカバーしてベットする「ダズン・ベット」がある。
【0111】
さらに、テーブル式ベッティングボード60の最下段に設けられた6つのマス目を用いて、番号表示板の色(「赤」又は「黒」)、番号の奇数偶数、番号が18以下か19以上かによって18個の番号をカバーしてベットする方法がある。ここで、これら複数のベット方法は、ベットしたチップが当籤した際のチップ一枚あたりのクレジットの配当(配当倍率)がそれぞれ異なっている。
【0112】
このように、遊技者に対しては、異なる当籤確率を呈するベット方法が複数提供されている。ベット自体は一の遊技の構成要素であるから、換言すれば、遊技者に対して、異なる当籤確率を呈する遊技が複数提供されていると言える。そして、当籤確率が異なる複数の遊技のうち何れの遊技を選択するかは遊技者に委ねられている。
【0113】
上記のように構成されたBET画面61で遊技者がベットする際には、まず、ベットを行うBETエリア72(番号及びのマークのマス目上、若しくはマス目を形成するライン上)を、直接指で画面を押圧することにより指定する。その結果、カーソル70が指定したBETエリア72に移動する。
【0114】
その後、単位BETボタン66の各単位ボタン(1BETボタン66A、5BETボタン66B、10BETボタン66C、100BETボタン66D)を押下することにより、その単位数分のチップが指定されたBETエリア72にベットされる。例えば、10BETボタン66Cを4回、5BETボタン66Bを1回、1BETボタン66Aを3回押下すれば、合計48枚のチップをベットすることができる。
【0115】
<ルーレットゲーム機の内部構成>
図6は、本実施形態に係るルーレットゲーム機の内部構成を示すブロック図である。図6に示すように、ルーレットゲーム機1は、サーバ13とサーバ13に接続された複数(本実施形態では12台)のステーション4と、ルーレット装置3と、電光表示部(図4参照)5とから構成されている。なお、ルーレット装置3の内部構成及びステーション4の内部構成に関しては後に詳細に説明する。
【0116】
<サーバの内部構成>
サーバ13は、サーバ13の全体の制御を行うサーバ制御用CPU81、ROM82、RAM83、タイマ84、液晶駆動回路85を介して接続された液晶ディスプレイ32、及び、キーボード33を備えている。
【0117】
サーバ制御用CPU81は、各ステーション4から供給される入力信号、ROM82、及び、RAM83に記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を行い、その結果に基づいてステーション4に命令信号を送信することにより、各ステーション4を主導的に制御する。例えば、ルーレット装置3に制御信号を送信し、ボール27の発射やルーレットホイール22の回転を制御する。
【0118】
ROM82は、例えば、半導体メモリ等により構成されている。ROM82には、ルーレットゲーム機1の基本的な機能を実現させるためのプログラムや、メンテナンス時期の報知及び報知する報知条件の設定、管理を実行するプログラム、ルーレットゲームに対する配当倍率(チップ一枚あたりの当籤に対するクレジットの払い出し数)、各ステーション4を主導的に制御するためのプログラム等を記憶する。
【0119】
RAM83は、各ステーション4から供給されるチップのベット情報、センサにより判定されたルーレット装置3の当籤番号、現在までに累積されたJPの額、及び、サーバ制御用CPU81により実行された処理の結果に関するデータ等を一時的に記憶する。
【0120】
サーバ制御用CPU81には、時間計測を行うタイマ84が接続されている。タイマ84の時間情報は、サーバ制御用CPU81に送信される。サーバ制御用CPU81は、タイマ84の時間情報に基づいて、後述のようにルーレットホイール22の回転動作やボール27の投入の制御を行う。
【0121】
また、サーバ制御用CPU81は、電光表示部5のLED等の発光を制御することにより電飾による演出を行い、また電光表示部5に対して所定の文字等の表示を行う。また、サーバ制御用CPU81は、電光表示部5の特にJP額表示部15に、現在までに累積されているJP(本実施形態では、「MEGA」のJP)の額を表示させる。
【0122】
図7は、本実施形態に係るルーレットゲーム機のROMの記憶領域を示した模式図である。図7に示すように、ROM82には、ゲームに関する配当倍率が記憶された配当クレジット記憶エリア82Aが設けられている。なお、配当クレジット記憶エリア82Aに記憶されたBET画面61の各BETエリア72に対する配当倍率は、そのベット方法の種類(「ストレート・ベット」、「コーナー・ベット」、「スプリット・ベット」等)によって「×2」〜「×36」の倍率が予め決定され記憶されている。
【0123】
図8は、本実施形態に係るルーレットゲーム機のRAMの記憶領域を示した模式図である。図8に示すように、RAM83には、現在遊技中の遊技者のベット情報が記憶されるベット情報記憶エリア83A、ボールセンサ105により判定されたルーレット装置3の当籤番号を記憶する当籤番号記憶エリア83B、「MINI」のJPとして累積加算されたクレジット数が記憶される「MINI」のJP累積記憶エリア83C、「MAJOR」のJPとして累積加算されたクレジット数が記憶される「MAJOR」のJP累積記憶エリア83D、及び、「MEGA」のJPとして累積加算されたクレジット数が記憶される「MEGA」のJP累積記憶エリア83Eが設けられている。ベット情報は、具体的には、BET画面61において指定したBETエリア72(図5参照)、ベットしたチップの枚数(ベット数)、及び、ベット方法の種類等のステーション4を用いて行ったベットに関する情報である。
【0124】
さらに、RAM83は、払い出し枚数記憶エリア83Fが設けられている。払い出し枚数記憶エリア83Fは、過去の所定回数のゲームにおける遊技者への払い出し枚数を記憶している。この払い出し枚数記憶エリア83Fは、全遊技者に対する払い出し枚数を一括して記憶していてもよいし、遊技者毎に払い出し枚数を記憶していてもよい。
【0125】
更に、RAM83には、過去に不正な遊技を行ったことのある遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報が記憶され蓄積される遊技者特定情報記憶エリア(遊技者特定情報蓄積部313に対応する。)83Gが設けられている。図9は、本実施形態に係るルーレットゲーム機のRAMの記憶領域を示した模式図である。この遊技者特定情報記憶エリア83Gのデータ領域には、図9に示すように、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報(本実施形態では顔写真により遊技者が特定される)が例えば画像データ形式で記憶されている。
【0126】
<ルーレット装置の内部構成>
図10は、本実施形態に係るルーレット装置の内部構成を示すブロック図である。図10に示すように、ルーレット装置3は、制御部109、ポケット位置検出回路107、ボール投入装置104、ボールセンサ105、ホイール駆動用モータ106、及び、ボール回収装置108を備えている。
【0127】
制御部109は、CPU101、ROM102、及び、RAM103を備えている。CPU101は、サーバ13から供給される制御信号や、ROM102、RAM103に記憶された制御データ及びプログラムに基づいて、ボール27の発射やルーレットホイール22の回転を制御する。
【0128】
ポケット位置検出回路107は、近接センサを備えており、ルーレットホイール22に取り付けられている金属板の検出の有無により、ルーレットホイール22の位置を検出する。
【0129】
ボール投入装置104は、ボール投入口36(図3参照)からルーレットホイール22上にボール27を投入する装置である。ボール投入装置104は、制御データに設定されている初速度でボール27を投入する。また、ボール投入装置104は、制御データに設定されている打ち出しディレイ時間に基づくタイミングでボール27を投入する。すなわち、ポケット位置検出回路107により所定のナンバーポケット23(例えば、「00」)が所定位置(例えば、ボール投入口36の前)を通過したと検出してから、打ち出しディレイ時間経過後にボール27を投入する。
【0130】
ボールセンサ105は、ボール27がどのナンバーポケット23に収納されたかを判定するためのものである。判定結果は検出信号として出力される。ホイール駆動用モータ106は、ルーレットホイール22を回転させるためのものであり、駆動開始後、制御データに設定されたモータ駆動時間経過後に駆動を停止する。ボール回収装置108は、ゲーム終了後にルーレットホイール22上のボール27を回収する装置である。
【0131】
<ステーションの内部構成>
図11は本実施形態に係るステーションの内部構成を示すブロック図である。なお、12台設けられたステーション4は基本的に同じ構成を有しており、以下には1台のステーション4を例にして説明する。
【0132】
ステーション4は、図11に示すように、ステーション制御用CPU91とROM92とRAM93とから構成されるステーション制御部90を備えている。ROM92は、例えば、半導体メモリ等により構成されている。ROM92には、ステーション4の基本的な機能を実現させるためのプログラム、その他ステーション4の制御上必要な各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM93は、ステーション制御用CPU91で演算された各種データ、遊技者の現在所有する(ステーション4に貯留された)クレジット数、遊技者によるチップのベット状況等を一時的に記憶しておくメモリである。
【0133】
図12は、本実施形態に係るステーションのRAM93の記憶領域を示した模式図である。図12に示すように、RAM93には、単位BETボタン66を介して遊技者により遊技毎に設定された遊技媒体の賭け数が記憶される賭け数履歴蓄積エリア93A(賭け数履歴蓄積部305に対応する。)と、所定の増分で漸増する所定の数列が記憶される所定数列記憶エリア93B(所定数列記憶部306に対応する。)と、遊技の所定回数毎に算出された遊技者の遊技媒体の収支を記憶する収支記憶エリア93C(収支算出記憶部308に対応する。)と、遊技者が遊技媒体の賭け数を設定した後に取得される遊技者特定情報を記憶する第一遊技者特定情報記憶エリア93D(第一遊技者特定情報取得記憶部312に対応する。)と、遊技者が遊技媒体の賭け数を設定した後に取得される遊技者特定情報を記憶する第二遊技者特定情報記憶エリア93E(第二遊技者特定情報取得記憶部314に対応する。)と、が設けられている。
【0134】
上記の賭け数履歴蓄積エリア93Aのデータ領域には、図13に示すように、単位BETボタン66を介して遊技者によりにより遊技毎に設定された遊技媒体の賭け数の履歴が、テーブル形式で記憶される。上記の所定数列記憶エリア93Bのデータ領域には、図14に示すように、所定の増分で漸増する所定の数列がテーブル形式で記憶されている。なお、図14には、マーチンゲール法と称される規則的な数列の一部が示されている。上記の第一遊技者特定情報記憶エリア93D及び第二遊技者特定情報記憶エリア93Eのデータ領域には、遊技者特定情報(本実施形態では顔写真により遊技者が特定される)が例えば画像データ形式で記憶される。
【0135】
なお、本実施形態では、RAM93において、第一遊技者特定情報記憶エリア93Dと第二遊技者特定情報記憶エリア93Eとが別個独立して設けられるとしたが、別個独立して設ける技術上の制約は特になく、単一のエリアを、第一遊技者特定情報記憶エリア93D及び第二遊技者特定情報記憶エリア93Eとして利用することとしてもよい。
【0136】
また、ステーション制御用CPU91には、コントロール部7(図4参照)に設けられたBET確定ボタン47、払い戻しボタン48、ヘルプボタン49、カメラ46がそれぞれ接続されている。
【0137】
BET確定ボタン47は、画像表示装置8によるベット操作の後にベットを確定する際に押下されるボタンである。払い戻しボタン48は、通常、ゲーム終了時に押下されるボタンである。払い戻しボタン48が押下されると、ゲーム等によって獲得した現在遊技者が所有するクレジットに応じたメダル(通常は1クレジットに対してメダル1枚)がメダル払出口9から払い戻される。
【0138】
ヘルプボタン49は、ゲームの操作方法等が不明な場合に押下されるボタンである。ヘルプボタン49が押下されると、その直後に画像表示装置8上に各種の操作情報を示したヘルプ画面が表示される。
【0139】
カメラ46は、単位BETボタン66が表示される画像表示装置8の前に座る遊技者の顔写真の撮影に供されるカメラである。
【0140】
ステーション制御用CPU91は、各ボタンの押下等により出力される操作信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。具体的には、遊技者の操作が入力されたことを受けてコントロール部7から供給される入力信号、及び、ROM92とRAM93とに記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を実行し、その結果をサーバ制御用CPU81に送信する。
【0141】
また、ステーション制御用CPU91は、サーバ制御用CPU81からの命令信号を受信し、ステーション4を構成する周辺機器を制御し、ステーション4においてゲームを進行させる。また、ステーション制御用CPU91は、処理の内容に応じて、遊技者の操作が入力されたことを受けてコントロール部7から供給される入力信号、及び、ROM92とRAM93とに記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を実行し、その結果に基づいて、ステーション4を構成する周辺機器を制御し、ゲームを進行させる。
【0142】
また、ステーション制御用CPU91には、ホッパー94が接続されている。ホッパー94は、ステーション制御用CPU91からの命令信号により、所定枚数のメダルをメダル払出口9(図4参照)から払い出す。
【0143】
さらに、ステーション制御用CPU91には、液晶駆動回路95を介して画像表示装置8が接続されている。なお、液晶駆動回路95は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMを備えている。
【0144】
プログラムROMには、画像表示装置8での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。画像ROMには、例えば、画像表示装置8で表示される画像を形成するためのドットデータが格納されている。画像制御CPUは、ステーション制御用CPU91で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中から画像表示装置8に表示する画像の決定を行うものである。
【0145】
ワークRAMは、画像制御プログラムを画像制御CPUで実行するときの一時記憶装置として構成される。VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像を形成し、画像表示装置8に出力するものである。なお、ビデオRAMは、VDPで画像を形成するときの一時記憶装置として構成される。
【0146】
また、画像表示装置8の前面には、上述したようにタッチパネル50が取り付けられており、タッチパネル50の操作情報は、ステーション制御用CPU91に対して送信される。タッチパネル50では、BET画面61において遊技者のチップのベット操作が行われる。具体的には、BETエリア72の選択、単位BETボタン66の操作等においてタッチパネル50の操作が行われ、その情報がステーション制御用CPU91に送信される。そして、その情報に基づいてRAM93に現在の遊技者のベット情報(BET画面61において指定したBETエリア、並びにベットしたチップの枚数)が随時記憶される。さらに、そのベット情報はサーバ制御用CPU81に対して送信され、RAM83のベット情報記憶エリアに記憶される。加えて、そのベット情報のうちベットしたチップの枚数に係る情報は、RAM93の賭け数履歴蓄積エリア93Aに逐次、蓄積される。
【0147】
さらに、音出力回路96及びスピーカ10がステーション制御用CPU91に接続されており、スピーカ10は、音出力回路96からの出力信号に基づき各種演出を行う際に各種の効果音を発生するものである。
【0148】
また、ステーション制御用CPU91には、メダルセンサ97が接続されている。メダルセンサ97は、メダル投入口6(図4参照)から投入されたメダルを検出するとともに、投入されたメダルを演算し、その結果をステーション制御用CPU91に対して送信する。ステーション制御用CPU91は、送信された信号に基づいてRAM93に記憶された遊技者の所有するクレジット数を増加させる。
【0149】
また、ステーション制御用CPU91にはWINランプ11が接続されている。ステーション制御用CPU91は、BET画面61でベットしたチップが当籤した場合やJPに当籤した場合、或いは、不正な遊技を検出した場合に、WINランプ11を所定の色で点灯させる。
【0150】
以上の構成において、サーバ制御用CPU81、ROM82、RAM83、ステーション制御用CPU91、ROM92、RAM93、CPU101、ROM102、及びRAM103は、本実施形態に係わるルーレットゲーム機1の遊技制御部(コントローラ)Xとして機能する。
【0151】
次に、本実施形態に係るルーレットゲーム機1が備えるサーバ制御用CPU81が実行するサーバ側遊技処理、ステーション制御用CPU91が実行するステーション側遊技処理、及び、CPU101が実行するルーレット側遊技処理について図15〜図17に基づき説明する。図15〜図17は、本実施形態に係るルーレットゲーム機の遊技処理を示すフローチャートである。
【0152】
<ステーション側の遊技処理>
先ず、図15〜17に基づいてステーション側の遊技処理について説明する。
【0153】
ステーション制御用CPU91は、遊技者によりメダル又は貨幣等が投入されたか否かを、メダルセンサ97の検出信号に基づいて判断する(ステップS10:(a)第一処理)。メダル又は貨幣等の投入がないと判断した場合(ステップS10:NO)、投入されたと判断されるまで、この処理が繰り返される。
【0154】
一方、メダル又は貨幣等が投入されたと判断した場合(ステップS10:YES)、ステーション制御用CPU91は、投入枚数に応じた額のクレジットを加算する(ステップS11)。この処理において、ステーション制御用CPU91は、投入枚数に応じた額のクレジットデータをRAM93に記録させる。次に、ステーション制御用CPU91は、サーバ13に対してメダル又は貨幣の投入があったことを指示するメダル検出信号を送信する(ステップS12)。
【0155】
その後、ステーション制御用CPU91は、ステーション4の画像表示装置8に、図5に示したBET画面61を表示させる(ステップS13)。次いで、ステーション制御用CPU91は、遊技者がチップをベットすることが可能なベット期間の計時を開始する(ステップS14)。ゲームに参加した遊技者は、このベットの受付が可能となったベット期間中に、タッチパネル50を操作して、自分が予想する番号に関連したBETエリア72に自分のチップをベットすることができる(図5参照)。なお、遊技者は、ベット期間が開始されたゲームに途中から参加することもできる。本実施形態に係るルーレットゲーム機1では、最大12人で遊技することができる。さらに、今回のゲームが前回のゲームに引き続いて行われる場合には、前回のゲーム終了後にすぐにベット操作の受付が開始される。
【0156】
次に、ステーション制御用CPU91は、ベット期間が終了した旨を示すベット期間終了信号をサーバ制御用CPU81から受信する(ステップS15)。これにより、ステーション制御用CPU91は、ステーション4の画像表示装置8に、ベット期間が終了した旨の画像を表示し、タッチパネル50でのベット操作の受付を終了させる(ステップS16)。
【0157】
その後、ステーション制御用CPU91は、ステーション4において遊技者が行ったベット情報(指定したBETエリア72や、指定したBETエリア72にベットしたチップの枚数(ベット数))を送信する(ステップS17)。
【0158】
更に、ステーション制御用CPU91は、上記のベット数をRAM93の賭け数履歴蓄積エリア93Aに蓄積させる(ステップS17a:(e)第五処理:図13参照)。
【0159】
加えて、ステーション制御用CPU91は、カメラ46を用いて、遊技者の顔写真を撮影し、その顔写真に係る画像データを、RAM93の第一遊技者特定情報記憶エリア93D及び第二遊技者特定情報記憶エリア93Eに記憶させる(ステップS17b:(l)第十二処理:(n)第十四処理)。
【0160】
次に、ステーション制御用CPU91は、サーバ制御用CPU81によって実行される後述のJPボーナスゲームの決定処理の決定結果をサーバ13から受信する(図16:ステップS18)。JPボーナスゲームの決定結果は、所定のJPボーナスゲームを各ステーション4で発生させるか否かに関する決定結果と、さらにJPボーナスゲームを発生させる場合においては、12台のステーション4の内、どのステーション4においてJPの当籤とするか(若しくは、全てのステーション4でハズレとするか)、さらにJPの当籤とする場合においては、どのJP(「MEGA」、「MAJOR」、「MINI」)の当籤とするかに関する決定結果とが含まれる。
【0161】
その後、ステーション制御用CPU91は、ステップS18で受信したJPボーナスゲーム決定処理の結果に基づいて、JPボーナスゲームを発生させるか否かを判断する(ステップS19)。JPボーナスゲームを発生させないと判断した場合(ステップS19:NO)、処理はステップS21に移行する。
【0162】
一方、JPボーナスゲームを発生させると判断した場合(ステップS19:YES)、JPの獲得に関する所定の選択式のJPボーナスゲームを実行する。そして、そのゲーム結果(JPを獲得できたか否か)を、ステップS19で受信した決定結果に基づいて画像表示装置8に表示する(ステップS20)。その後、処理はステップS21に移行する。ステップS21において、ステーション制御用CPU91は、サーバ制御用CPU81から送信されたクレジットの払出結果を受信する(ステップS21)。なお、クレジットの払出結果は、ゲームの払出結果と、JPボーナスゲームによるJPの払出結果とから構成される。
【0163】
次に、ステーション制御用CPU91は、ステップS21で受信した払出結果に基づいて、クレジットの払い出しを行う(ステップS22:(d)第四処理)。具体的には、ゲームの配当に相当する額のクレジットデータと、JPボーナスゲームが発生して当該ステーション4がJPに当籤した場合には現在までに累積されたJPの配当に相当する額のクレジットデータとをそれぞれRAM93に記憶する。なお、払い戻しボタン48が押下されると、現在RAM93に記憶されたクレジット数に応じたメダル(通常は1クレジットに対してメダル1枚)がメダル払出口9から払い戻される。
【0164】
次に、ステーション制御用CPU91は、RAM93の第一遊技者特定情報記憶エリア93Dに記憶されている遊技者の顔写真に係る画像データをサーバ制御用CPU81に送信する(S70)。
【0165】
そして、ステーション制御用CPU91は、サーバ制御用CPU81により決定された所定回数を受信する(S72)。
【0166】
次に、ステーション制御用CPU91は、遊技者が遊技を行った回数が、ステップS72で受信した所定回数に達しているか否かを判定する(S74)。この回数が所定回数に達していないとステーション制御用CPU91が判定した場合は、ステップS13へと処理を戻し、再度ベット期間を開始して、次回のゲームへと移行する。一方、この回数が所定回数に達しているとステーション制御用CPU91が判定した場合は、上記の遊技者が遊技を行った回数を初期化すると共に、遊技者の遊技媒体の収支を算出し、その算出結果をRAM93の収支記憶エリア93Cに記憶する(S76:(h)第八処理)。
【0167】
そして、ステーション制御用CPU91は、ステップS76において算出され収支記憶エリア93Cに記憶されている前記遊技者の遊技媒体の収支がプラスか否かを判定する(S78:(i)第九処理)。この収支がプラスでないとステーション制御用CPU91が判定した場合は、ステップS13へと処理を戻し、再度ベット期間を開始して、次回ゲームへと移行する。一方、この収支がプラスであるとステーション制御用CPU91が判定した場合は、ステップ17aにおいて取得され賭け数履歴蓄積エリア93Aに蓄積されている遊技者の遊技媒体の賭け数の履歴(図13)と、予め所定数列記憶エリア93Bに記憶されている所定の数列(図14)と、を比較する(S80:(g)第七処理)。
【0168】
これにより、例えばマーチンゲール法やココモ法、モンテカルロ法などの前記遊技媒体の規則的な賭け方に基づく不正な遊技が検出される。
【0169】
なお、ステップS78で為される収支の判定の結果を前提としてステップS80が実行されるようにしているので、ステップS80による上記の不正な遊技の検出が一層精確に為されることとなる。
【0170】
次に、ステーション制御用CPU91は、前もって((f)第六処理)所定数列記憶エリア93Bに記憶されている前記所定の数列が、賭け数履歴蓄積エリア93Aに記憶されている遊技者の遊技媒体の賭け数の履歴に含まれているか否かを判定する(S82)。この判定結果において、前記所定の数列が、遊技者の遊技媒体の賭け数の履歴に含まれていないとステーション制御用CPU91が判定した場合は、ステップS13へと処理を戻し、再度ベット期間を開始して、次回ゲームへと移行する。一方、この判定結果において、前記所定の数列が、遊技者の遊技媒体の賭け数の履歴に含まれているとステーション制御用CPU91が判定した場合は、このルーレットゲーム機1(更に具体的にステーション4でも勿論よい。)又はこの遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該ルーレットゲーム機1が設置されている遊技場を管理する管理者に通知する(S84:(j)第十処理)。
【0171】
これにより、前記遊技場の管理者により、上記の不正な遊技が為されているルーレットゲーム機1又は上記の不正な遊技を実行している遊技者が特定されるので、上記の不正な遊技が効果的に防止される。
【0172】
なお、この通知は、種々の手段を用いて為される。例えば、この通知は、電光表示部5やWINランプ11、スピーカ10などを介して為される。
【0173】
次に、ステーション制御用CPU91は、遊技者による遊技の当籤確率を低下させる(S86:(k)第十一処理)。
【0174】
これにより、上記の不正な遊技に基づく前記遊技者の不当な利得が回避される。
【0175】
具体的には、ステーション制御用CPU91は、以下のように、遊技者による遊技の当籤確率を低下させる。ここで、図5を参照されたい。図5に示されるテーブル式ベッティングボード60には、前述したように、異なる当籤確率を呈する遊技が複数提供されている。例えば、「奇数の数字」又は「偶数の数字」のうち何れか一を指定してチップをベットすれば、当籤確率は50%となる。「番号表示板の色の種類(赤又は黒)」を指定してチップをベットしたときも同様である。これに対し、テーブル式ベッティングボード60にマス目状に配列表示されている38種の数字の何れかを指定してチップをベットした場合は、遊技の当籤確率は、上記の場合と比較して低いといえる。そこで、ステーション制御用CPU91は、チップをベットする際に、「奇数の数字」や「偶数の数字」を指定できないようにしたり、「番号表示板の色の種類(赤又は黒)」を指定できないようにすることで、間接的に、遊技者による遊技の当籤確率を低下させる。
【0176】
次に、ステーション制御用CPU91は、RAM93の第二遊技者特定情報記憶エリア93Eに記憶されている遊技者の顔写真に係る画像データをサーバ制御用CPU81へ送信する(S88)。
【0177】
その後、何れかのステーション4において遊技が継続して行われる場合には、ステップS13へと処理を戻し、再度ベット期間を開始して、次回のゲームへと移行する。一方、全てのステーション4において遊技が終了される場合には、遊技処理を終了する。
【0178】
<サーバ側の遊技処理>
次に、図15〜図17に基づいてサーバ側の遊技処理について説明する。
【0179】
先ず、サーバ制御用CPU81は、ステーション制御用CPU91から送信されたメダル検出信号を受信して、遊技者によりメダル又は貨幣が投入されたか否かを判断する(ステップS30)。本実施形態に係るルーレットゲーム機1では、いずれかのステーション4でメダル又は貨幣が投入されると、投入されたステーション4のステーション制御用CPU91からサーバ制御用CPU81にメダル検出信号が送られる。
【0180】
次に、サーバ制御用CPU81は、最初に参加した遊技者がメダル又は貨幣を投入した時点より、ベット期間の計時を開始する(ステップS31)。ベット期間は、遊技者がベット入力をすることが可能な期間である。ゲームに参加した遊技者は、このベット期間中に、タッチパネル50を操作して、自分が予想する番号に関連したBETエリア72に自らのチップをベットすることができる。
【0181】
次いで、サーバ制御用CPU81は、ベット期間が残り5秒となったか否かを判断する(ステップS32)。なお、残りのベット期間は、BETタイム表示部69に表示される(図5参照)。残り5秒に到達していないと判断した場合(ステップS32:NO)、達したと判断されるまで、この処理が繰り返される。
【0182】
一方、残り5秒であると判断した場合(ステップS32:YES)、サーバ制御用CPU81は、ルーレット装置3の動作を開始させるための制御信号を、ルーレット装置3のCPU101に送信する(ステップS33)。
【0183】
その後、サーバ制御用CPU81は、ベット期間が終了したか否かを判断する(ステップS34)。ベット期間が終了していないと判断した場合(ステップS34:NO)、ベット期間が終了すると判断されるまで、この処理が繰り返される。
【0184】
一方、ベット期間が終了したと判断した場合(ステップS34:YES)、サーバ制御用CPU81は、ベット期間が終了したことを示すベット期間終了信号をステーション制御用CPU91に対して送信する(ステップS35)。ステーション制御用CPU91は、この終了信号を受信することにより、ステーション4におけるベット操作の受付を終了させる。
【0185】
次いで、サーバ制御用CPU81は、各ステーション4において遊技者が行ったベット情報(指定したBETエリア72、指定したBETエリア72にベットしたチップの枚数(ベット数)、ベット方法)をステーション制御用CPU91から受信し(ステップS36)、RAM83のベット情報記憶エリア83Aに記憶する。
【0186】
その後、サーバ制御用CPU81は、ステップS36で受信した各ステーション4でベットされた合計クレジットに基づいて、JP累積処理を行う(ステップS37)。この処理において、サーバ制御用CPU81は、合計クレジットの0.30%に相当するクレジットをRAM83の「MINI」のJP累積記憶エリア83Cに記録されたJPの額に累積して加算する。また、合計クレジットの0.20%に相当するクレジットをRAM83の「MAJOR」のJP累積記憶エリア83Dに記録されたJPの額に累積して加算する。また、合計クレジットの0.15%に相当するクレジットをRAM83の「MEGA」のJP累積記憶エリア83Eに記録されたJPの額に累積して加算する。さらに、サーバ制御用CPU81は、このJP額に基づいて、JP額表示部15、MEGA表示部73、MAJOR表示部74、及び、MINI表示部75の表示を更新する。
【0187】
次に、サーバ制御用CPU81は、JPボーナスゲーム決定処理を行う(図16:ステップS38)。この処理において、サーバ制御用CPU81は、サンプリング回路等でサンプリングされた乱数値を用いて、JPボーナスゲームを各ステーション4で発生させるか否かを決定する。さらに、サーバ制御用CPU81は、JPボーナスゲームを発生させと決定した場合、12台のステーション4の内、どのステーション4においてJPの当籤とするか(若しくは、全てのステーション4でハズレとするか)を決定する。また、サーバ制御用CPU81は、JPの当籤とする場合、どのJP(「MEGA」、「MAJOR」、「MINI」)の当籤とするかを決定する。
【0188】
次いで、サーバ制御用CPU81は、ステップS38の処理に基づいて、JPボーナスゲームの決定結果を各ステーション4に対して送信する(ステップS39)。その後、サーバ制御用CPU81は、ボールセンサ105の検出信号を送信してくるように要求信号をルーレット装置3に送信する(ステップS40)。これにより、ルーレット装置3は、ボールセンサ105を駆動させ、得られた検出信号をサーバ制御用CPU81に送信し、サーバ制御用CPU81は、検出信号を受信する(ステップS41)。
【0189】
そして、サーバ制御用CPU81は、ボール27がどの番号に対応付けられたナンバーポケット23に収納されたかを判定する(ステップS42)。次に、サーバ制御用CPU81は、ステップS36で受信した各ステーション4のベット情報と、ステップS42において判定されたポケット23の種類とから、各ステーション4においてベットしたチップが当籤しているか否かの判定を行う(ステップS43:(c)第三処理)。
【0190】
その後、サーバ制御用CPU81は、配当計算処理を実行する(ステップS44)。配当計算処理においてサーバ制御用CPU81は、当籤番号にベットされた当たりチップをステーション4ごとに認識し、ROM82の配当クレジット記憶エリア82Aに記憶された各BETエリア72に対する配当倍率(チップ一枚(1ベット)あたりに払い出されるクレジット数)を用いて、各ステーション4に払い出されるクレジットの配当額の合計を計算する。
【0191】
次に、サーバ制御用CPU81は、ステップS44の配当計算処理に基づくゲームのクレジットの払出結果、及び、ステップS38のJPボーナスゲーム決定処理に基づくJPの払出結果の送信処理を実行する(ステップS45)。具体的にサーバ制御用CPU81は、ゲームで当籤したステーション4のステーション制御用CPU91に対してゲームの配当額に相当するクレジットデータを出力する。また、サーバ制御用CPU81は、JPに当籤した場合にはさらに現在累積されているJP額に相当するクレジットデータを出力する。
【0192】
その後、サーバ制御用CPU81は、ルーレット装置3に制御信号を送信することにより、ルーレットホイール22の下方に設けられたボール回収装置108を駆動させ、ルーレットホイール22上のボール27を回収する(ステップS46)。回収されたボール27は次回以降のゲームにおいて再度ルーレット装置3のルーレットホイール22内に投入される。
【0193】
次に、サーバ制御用CPU81は、ステーション制御用CPU91から、遊技者の顔写真に係る画像データを受信する(S100)。そして、ステップS100において受信した画像データを、RAM83の遊技者特定情報記憶エリア83Gに蓄積している複数の画像データの中から検索する(S102:(o)第十五処理)。この検索の結果、ステップS100において受信した画像データが、遊技者特定情報記憶エリア83Gに蓄積されている該複数の画像データの何れか一に該当するとサーバ制御用CPU81が判定した場合は、現行の前記所定回数を減じるように、所定回数を決定する(S104:(p)第十六処理)。一方、この検索の結果、ステップS100において受信した画像データが、遊技者特定情報記憶エリア83Gに蓄積されちる該複数の画像データの何れか一に該当しないとサーバ制御用CPU81が判定した場合は、現行の前記所定回数と同一の所定回数となるように、所定回数を決定する(S104)。これにより、一のルーレットゲーム機1に属する複数のステーション4に跨って為される同一遊技者による不正な遊技が早い段階で検出される。
【0194】
そして、サーバ制御用CPU81は、ステップS104で決定した所定回数をステーション制御用CPU91へ送信する(S106)。
【0195】
次に、サーバ制御用CPU81は、ステーション制御用CPU91から遊技者の顔写真に係る画像データを再度、受信し(S108)、この画像データを遊技者特定情報記憶エリア83Gに蓄積する(S110:(m)第十三処理)。これにより、上記の不正な遊技を防止する対策に資する。
【0196】
そして、処理はステップS30に移行する。
【0197】
<ルーレット側の遊技処理>
次に、図15〜図17に基づいてルーレット側の遊技処理について説明する。まず、CPU101は、サーバ13側からルーレット装置3の動作信号を受信すると、現在参照している制御データに設定されるモータ駆動時間だけ、ホイール駆動用モータ106を駆動させ、ルーレットホイール22を回転させる(ステップS60)。
【0198】
次に、CPU101は、ルーレットホイール22の回転が開始されてから、所定時間(例えば、20秒)経過したか否かを判断する(ステップS61)。所定時間を経過していないと判断した場合(ステップS61:NO)、経過したと判断されるまで、この処理が繰り返される。
【0199】
一方、所定時間を経過したと判断した場合(ステップS61:YES)、CPU101は、ポケット位置検出回路107を駆動させ、特定のポケット23(例えば「00」)が特定位置(例えば、ボール投入口36の前)を通過したか否かを判断する(ステップS62)。特定ポケット23が特定位置を通過していないと判断した場合(ステップS62:NO)、通過したと判断されるまで、この処理が繰り返される。
【0200】
また、特定ポケット23が特定位置を通過したと判断した場合(ステップS62:YES)、CPU101は、現在参照している制御データに設定されるディレイ時間経過後にボール投入装置104を駆動させてボール27を投入する(ステップS63:(b)第二処理)。このとき、ボール投入装置104は、制御データに設定される初速度でボール27を投入する。その後、CPU101は、サーバ13からステップS40において説明した要求信号を受信する(図16:ステップS64)。これにより、CPU101は、ボールセンサ105の検出信号をサーバ13に送信する(ステップS65)。
【0201】
次いで、CPU101は、処理はステップS60に移行する。
【0202】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0203】
即ち、上記実施形態において遊技者特定情報は、遊技者の顔写真に係る画像データとしたが、これに限定されることはない。即ち、遊技者特定情報は、公知のPTS(Player Tracking System)を適用したものであってもよい。
【0204】
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。
【0205】
また、本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各ステップは、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各ステップにおける処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各ステップを行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。
【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】本発明の実施形態に係るルーレットゲーム機の制御の概略説明図
【図2】本発明の実施形態に係るルーレットゲーム機のブロック図
【図3】本実施形態に係るルーレット装置の平面図
【図4】本実施形態に係るルーレットゲーム機の概略構成を示す外観斜視図
【図5】画像表示装置に表示される画像の一例を示す図
【図6】本実施形態に係るルーレットゲーム機の内部構成を示すブロック図
【図7】本実施形態に係るルーレットゲーム機のROMの記憶領域を示した模式図
【図8】本実施形態に係るルーレットゲーム機のRAMの記憶領域を示した模式図
【図9】本実施形態に係るルーレットゲーム機のRAMの記憶領域を示した模式図
【図10】本実施形態に係るルーレット装置の内部構成を示すブロック図
【図11】本実施形態に係るステーションの内部構成を示すブロック図
【図12】本実施形態に係るステーションのRAM93の記憶領域を示した模式図
【図13】賭け数の履歴テーブルを例示する図
【図14】マーチンゲール法に関連した数列テーブルを例示する図
【図15】本実施形態に係るルーレットゲーム機の遊技処理を示すフローチャート
【図16】本実施形態に係るルーレットゲーム機の遊技処理を示すフローチャート
【図17】本実施形態に係るルーレットゲーム機の遊技処理を示すフローチャート
【図18】不正な遊技の一例としてのマーチンゲール法を説明するための説明図
【図19】不正な遊技の一例としてのココモ法を説明するための説明図
【図20】不正な遊技の一例としてのモンテカルロ法を説明するための説明図
【符号の説明】
【0207】
1 ルーレットゲーム機
3 ルーレット装置
4 ステーション
5 電光表示部
13 サーバ13

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技対象物を備える遊技部と、
前記遊技対象物を用いて遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が遊技毎に設定するための賭け数設定部と、
下記(a)〜(g)のように作動するようプログラムされた遊技制御部と、
を備える、ことを特徴とする遊技機。
(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とし、
(b)前記遊技部における前記遊技対象物の作動を制御し、
(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決し、
(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与し、
(e)前記賭け数設定部を介して前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積し、
(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶し、
(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)の作動により蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列と、を比較する。
【請求項2】
前記遊技制御部は、更に下記(h)〜(i)のように作動するようプログラムされる、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶し、
(i)前記(h)の作動により算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記(g)のように作動する。
【請求項3】
前記遊技制御部は、更に下記(j)のように作動するようプログラムされる、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
(j)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技機又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知する。
【請求項4】
前記遊技制御部は、更に下記(k)のように作動するようプログラムされる、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
(k)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させる。
【請求項5】
遊技対象物を備える遊技部と、
前記遊技対象物を用いて遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が遊技毎に設定するための賭け数設定部と、
下記(a)〜(j)のように作動するようプログラムされた遊技制御部と、
を備える、ことを特徴とする遊技機。
(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とし、
(b)前記遊技部における前記遊技対象物の作動を制御し、
(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決し、
(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与し、
(e)前記賭け数設定部を介して前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積し、
(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶し、
(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)の作動により蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列と、を比較し、
(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶し、
(i)前記(h)の作動により算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記(g)のように作動し、
(j)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技機又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知する。
【請求項6】
遊技対象物を備える遊技部と、
前記遊技対象物を用いて遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が遊技毎に設定するための賭け数設定部と、
下記(a)〜(i)、(k)のように作動するようプログラムされた遊技制御部と、
を備える、ことを特徴とする遊技機。
(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とし、
(b)前記遊技部における前記遊技対象物の作動を制御し、
(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決し、
(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与し、
(e)前記賭け数設定部を介して前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積し、
(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶し、
(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)の作動により蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列と、を比較し、
(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶し、
(i)前記(h)の作動により算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記(g)のように作動し、
(k)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させる。
【請求項7】
遊技対象物を備える遊技部と、
前記遊技対象物を用いて遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が遊技毎に設定するための賭け数設定部と、
下記(a)〜(g)、(j)、(k)のように作動するようプログラムされた遊技制御部と、
を備える、ことを特徴とする遊技機。
(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とし、
(b)前記遊技部における前記遊技対象物の作動を制御し、
(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決し、
(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与し、
(e)前記賭け数設定部を介して前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積し、
(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶し、
(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)の作動により蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列と、を比較し、
(j)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技機又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知し、
(k)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させる。
【請求項8】
遊技対象物を備える遊技部と、
前記遊技対象物を用いて遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が遊技毎に設定するための賭け数設定部と、
下記(a)〜(k)のように作動するようプログラムされた遊技制御部と、
を備える、ことを特徴とする遊技機。
(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とし、
(b)前記遊技部における前記遊技対象物の作動を制御し、
(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決し、
(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与し、
(e)前記賭け数設定部を介して前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積し、
(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶し、
(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)の作動により蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列と、を比較し、
(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶し、
(i)前記(h)の作動により算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記(g)のように作動し、
(j)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技機又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知し、
(k)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させる。
【請求項9】
前記賭け数設定部は、複数の前記遊技者が同時に遊技できるように複数で設けられ、
前記遊技制御部は、更に下記(l)〜(m)のように作動するようプログラムされる、
ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一に記載の遊技機。
(l)前記複数の賭け数設定部のうち何れか一の前記賭け数設定部を介して一の前記遊技者が前記遊技媒体の賭け数を設定した後に、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報をこの遊技者から取得して記憶し、
(m)前記(g)の作動の結果、前記(f)の作動により記憶されている前記所定の数列が、前記(e)の作動により記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記(l)の作動により記憶されている前記遊技者特定情報を蓄積する。
【請求項10】
前記遊技制御部は、更に下記(n)〜(p)のように作動するようプログラムされる、
ことを特徴とする請求項9に記載の遊技機。
(n)前記複数の賭け数設定部のうち何れか一の前記賭け数設定部を介して一の前記遊技者が前記遊技媒体の賭け数を設定した後に、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報をこの遊技者から取得して記憶し、
(o)前記(n)の作動により記憶する前記遊技者特定情報を、前記(m)の作動により蓄積している複数の前記遊技者特定情報の中から検索し、
(p)前記(n)の作動により記憶する前記遊技者特定情報が、前記(m)の作動により蓄積している複数の前記遊技者特定情報の何れか一に該当する場合に、前記の所定回数を減じる。
【請求項11】
遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が設定した後に、遊技対象物を用いて遊技を行う遊技機の制御方法であり、
(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とするステップと、
(b)前記遊技対象物の作動を制御するステップと、
(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決するステップと、
(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与するステップと、
(e)前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積するステップと、
(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶するステップと、
(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)のステップにより蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列と、を比較するステップと、
を含む、ことを特徴とする遊技機の制御方法。
【請求項12】
(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶するステップと、
(i)前記(h)のステップにより算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記(g)のステップを実行するステップと、
を更に含む、ことを特徴とする請求項11に記載の遊技機の制御方法。
【請求項13】
(j)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技機又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知するステップと、
を更に含む、ことを特徴とする請求項11に記載の遊技機の制御方法。
【請求項14】
(k)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させるステップと、
を更に含む、ことを特徴とする請求項11に記載の遊技機の制御方法。
【請求項15】
遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が設定した後に、遊技対象物を用いて遊技を行う遊技機の制御方法であり、
(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とするステップと、
(b)前記遊技対象物の作動を制御するステップと、
(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決するステップと、
(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与するステップと、
(e)前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積するステップと、
(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶するステップと、
(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)のステップにより蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列と、を比較するステップと、
(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶するステップと、
(i)前記(h)のステップにより算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記(g)のステップを実行するステップと、
(j)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技機又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知するステップと、
を含む、ことを特徴とする遊技機の制御方法。
【請求項16】
遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が設定した後に、遊技対象物を用いて遊技を行う遊技機の制御方法であり、
(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とするステップと、
(b)前記遊技対象物の作動を制御するステップと、
(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決するステップと、
(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与するステップと、
(e)前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積するステップと、
(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶するステップと、
(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)のステップにより蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列と、を比較するステップと、
(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶するステップと、
(i)前記(h)のステップにより算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記(g)のステップを実行するステップと、
(k)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させるステップと、
を含む、ことを特徴とする遊技機の制御方法。
【請求項17】
遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が設定した後に、遊技対象物を用いて遊技を行う遊技機の制御方法であり、
(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とするステップと、
(b)前記遊技対象物の作動を制御するステップと、
(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決するステップと、
(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与するステップと、
(e)前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積するステップと、
(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶するステップと、
(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)のステップにより蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列と、を比較するステップと、
(j)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技機又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知するステップと、
(k)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させるステップと、
を含む、ことを特徴とする遊技機の制御方法。
【請求項18】
遊技するための遊技媒体の賭け数を遊技者が設定した後に、遊技対象物を用いて遊技を行う遊技機の制御方法であり、
(a)前記遊技者が前記遊技を開始可能とするステップと、
(b)前記遊技対象物の作動を制御するステップと、
(c)所定の当籤確率に基づいて前記遊技の勝敗を遊技毎に決するステップと、
(d)前記遊技の勝敗を勝ちと決した場合に、前記遊技者に対して前記遊技媒体を付与するステップと、
(e)前記遊技者により遊技毎に設定された前記遊技媒体の賭け数を該遊技毎に取得して蓄積するステップと、
(f)所定の増分で漸増する所定の数列を記憶するステップと、
(g)遊技の所定回数毎に、前記(e)のステップにより蓄積されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴と、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列と、を比較するステップと、
(h)遊技の前記所定回数毎に、前記遊技者の前記遊技媒体の収支を算出して記憶するステップと、
(i)前記(h)のステップにより算出され記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の収支がプラスの場合に限り、前記(g)のステップを実行するステップと、
(j)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、この遊技機又は前記遊技者のうち少なくとも何れか一方を、該遊技機が設置されている遊技場を管理する管理者に通知するステップと、
(k)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記遊技者による前記遊技の前記当籤確率を低下させるステップと、
を含む、ことを特徴とする遊技機の制御方法。
【請求項19】
複数の前記遊技者が同時に遊技できるように構成した遊技機の制御方法であって、
(l)一の前記遊技者が前記遊技媒体の賭け数を設定した後に、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報をこの遊技者から取得して記憶するステップと、
(m)前記(g)のステップの結果、前記(f)のステップにより記憶されている前記所定の数列が、前記(e)のステップにより記憶されている前記遊技者の前記遊技媒体の賭け数の履歴に含まれている場合に、前記(l)のステップにより記憶されている前記遊技者特定情報を蓄積するステップと、
を更に含む、ことを特徴とする請求項11〜18の何れか一に記載の遊技機の制御方法。
【請求項20】
(n)一の前記遊技者が前記遊技媒体の賭け数を設定した後に、遊技者を特定するための情報としての遊技者特定情報をこの遊技者から取得して記憶するステップと、
(o)前記(n)のステップにより記憶する前記遊技者特定情報を、前記(m)のステップにより蓄積している複数の前記遊技者特定情報の中から検索するステップと、
(p)前記(n)のステップにより記憶する前記遊技者特定情報が、前記(m)のステップにより蓄積している複数の前記遊技者特定情報の何れか一に該当する場合に、前記の所定回数を減じるステップと、
を更に含む、ことを特徴とする請求項19に記載の遊技機の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−132267(P2008−132267A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322154(P2006−322154)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)