説明

遊技機及び発光制御方法

【課題】 筐体デザインを変更するにあたって、デザインパネルと発光表示装置の色合いを調和させ、その調和に要するコストを可及的に抑制できる遊技機を提供することにある。
【解決手段】 装飾のために筐体正面に装着されるデザインパネル22を脱着可能とする。遊技状況に応じて点滅表示を行う遊技状態表示LED部13の発光体を、多色発光が可能なフルカラー発光体とする。色指定データ読取部29bは、光照射装置29b1と光受光装置29b2とを一組として備えており、処理回路29b3は光受光装置29b2から得られた信号に基づいて、透明パネル21の内側にあるデザインパネル22に施された被検出部29aに記録されている色指定データを非接触で読み取って、副制御部160に出力する。この色指定データ読取部29bは、バーコードリーダ、光学式文字読み取り装置又はカラー判別センサ(色センサー)等であり、周知慣用技術であるので説明を省略する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチスロ機に代表される回胴式遊技機やパチンコ機などの遊技機等に関し、更に詳しくは、低コストでデザイン変更が可能で、そのデザイン変更に応じて発光表示装置の多色発光表示演出を自動的に修正する遊技機及び発光制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ機だけではなく、パチスロ機と称される回胴式遊技機やパチンコ機を用いた遊技が、従来のパチンコホールやパチスロ専用ホールで盛んに行われている。この回胴式遊技機における遊技では、例えば遊技者がメダル(遊技媒体)を所定枚数だけ投入した後、スタートスイッチを操作すると、複数個の回転ドラムが回転を始め、回転ドラム上に表示された複数種類の図柄を変動させる変動表示ゲームが開始される。また、スタートレバーやスイッチの操作と同時に、ボーナスゲームや小役の内部当り抽選が実行される。
【0003】
変動表示ゲームが開始されると、遊技者は特定図柄を有効ライン上に揃えるために、複数個の回転ドラムに対応して設けられた複数個の押しボタン式のストップスイッチを操作して、複数個の回転ドラムを狙った位置に停止させる。
【0004】
4号機と称されるパチスロ機において、特定図柄として例えば赤7図柄や青7図柄が有効ライン上に揃った場合には、所定枚数のメダル払い出しが行われると共に、遊技者にとって最も有利なゲームモードであるビッグボーナスゲームモード(BBゲームモード)に突入する。このビッグボーナスゲーム(BBゲーム)においては、小役ゲームが所定回数(例えば30回)消化されるか又はレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム又はジャックゲーム)が所定数回(例えば3回)実行されるまでBBゲームモードが継続し、その結果として、300枚〜700枚程度という大量のメダルが払い出される。
【0005】
また、特定図柄としてバー図柄が有効ライン上に揃った場合には、所定枚数のメダル払い出しが行われると共に、RBゲームが1回だけ実行され、BBゲームには及ばないものの、100数十枚程度のメダルを獲得できるようになっており、遊技者にとってはボーナスゲームを獲得することが回胴式遊技における最大の関心事である。そして、この最大の関心事に対する遊技者の興奮、注目度等を高めるために、遊技機では液晶表示装置において各種のキャラクターを用いた演出を行ったり、光の三原色であるRGB多色発光体を使用した電光表示を行っている。
【0006】
ところで、パチスロ機やパチンコ機等の遊技機分野の製品開発競争は激しく、遊技機メーカは次々と新機種を開発し続ける必要性に迫られている。しかし、完全な新機種の開発には多大のコストがかかる。このため、演出ソフトは変更するものの、筐体に関しては基本的に同じ構造のものを使用し、筐体正面の装飾を演出ソフトに合致したデザインに変更する程度で対応しているのが実情である。
【0007】
遊技機の筐体のデザインの主体となるのは、筐体正面を装飾するために筐体正面に設けられるデザインパネルであり、キャラクターをデザインしたシールの貼り付けにより、所定の装飾を施されている。機種を変更する際に、デザインパネルを変更(デザインパネルに貼るシールを変更)すれば、筐体の見た目の印象は大きく変わる。デザインパネルを用いた回胴式遊技機は、例えば特許文献1及び特許文献2に記載されている。遊技機が認可を受けた後も、シールを変更したデザインパネルへの取り替えは、規則に適合するものであり、法的に許可されている。
【0008】
遊技機の筐体の見た目の印象に大きな影響を与えるものとして、デザインパネルの他には、筐体の正面に設けられる液晶パネル等の動画や静止画を表示する表示演出装置、及びLEDや蛍光管などの発光表示装置がある。例えば、LED発光表示装置は、遊技状況に応じて点滅表示を行うために正面周囲に設けられており、デザインパネルが赤色系統であれば赤色光を点滅させるのに対し、デザインパネルが青色系統であれば青色光を点滅させるというように、同系統のLED光を点滅させるのが、色合いの調和という点から通例となっている。つまり、デザインパネルの色調に合わせて、異なる色で多色発光表示を行う方が適している。
【0009】
キャラクター変更に伴い、デザインパネルを赤色系統から青色系統へ変更した場合、筐体の印象は大きく変わるが、LED発光表示装置が赤色光のままであると色合いが全く合わず、筐体全体の印象はよくない。LED発光表示装置を赤色光のものから青色光のものに交換すると、色調上の違和感はなくなるが、その反面、新たな型式認可を得る必要があり、開発や申請に莫大なコストがかかる。
【0010】
すなわち、デザインパネルの変更はシールの貼り替えで対応できるので、比較的コストがかからないのに対して、LED発光表示装置の交換は、樹脂カバーの変更、例えば赤色カバーから青色カバーへの変更、及びLEDの変更を必要とし、比較的多くの費用コストだけではなく、申請をクリアするために時間を必要とする。このため、筐体を調和のとれたデザインに変更するのに要するトータルコストは、依然として大きいのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2005−205165号公報
【特許文献2】特開2006−255186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、筐体デザインを変更するにあたって、デザインパネルと発光表示装置の色合いを調和させ、しかも、その調和に要するコストを可及的に抑制できる遊技機を提供することにある。
【0013】
なお、関連する先行技術として、特開2002−251152号公報、特開2005−152137号公報、特開平09−330583号公報、特開平04−167286号公報が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、図柄変動ゲームを表示する表示部が形成されたデザインパネルが筐体正面に交換可能に取り付けられると共に、前記筐体正面の周囲に遊技状況に応じて多色発光表示を行う発光表示装置を有する遊技機において、前記発光表示装置を多色発光させる複数の発光パターンを記憶する第一ROMと、前記デザインパネルの被検出部に記録されている色指定データを読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った色指定データに基づいて、前記ROMが記憶する複数の発光パターンの中から発光させる発光パターンを選択することにより、前記発光表示装置を多色発光制御する制御部とを具備することを特徴とする。
【0015】
本発明の遊技機は、上記の遊技機において、前記第一ROMは、色指定データ及び該データに対応する複数の発光パターンデータを一組として記憶することを特徴とする。
【0016】
本発明の遊技機は、請求項2に記載の遊技機において、前記制御部は、発光パターンデータが指定されると、色指定データに対応する複数の発光パターンデータの中から選択することを特徴とする。
【0017】
本発明の発光制御方法は、図柄変動ゲームを表示する表示部が形成されたデザインパネルが筐体正面に交換可能に取り付けられると共に、前記筐体正面の周囲に遊技状況に応じて多色発光表示を行う発光表示装置を有し、前記発光表示装置を多色発光させる複数の発光パターンを記憶する第一ROMを備える遊技機の発光制御方法において、前記デザインパネルの被検出部に記録されている色指定データを読み取る読取ステップと、前記読取ステップが読み取った色指定データに基づいて、前記ROMが記憶する複数の発光パターンの中から発光させる発光パターンを選択することにより、前記発光表示装置を多色発光制御する制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
前記デザインパネルは、透光性樹脂、特に透明樹脂により成形し、図柄表示窓及び動画表示装置の部分を除く部分に貼り付けられたカラーシールにより、装飾変更するのが経済的である。
【0019】
本発明の回胴式遊技機においては、デザインパネルのシール貼り換えによりその色調が変化した場合、発光表示装置をデザインパネルの変化後の色合いに合致した発光色に切り換える。この切り換えにより、デザインパネルを変更した場合の、デザインパネルと発光表示装置の間の色調の不調和を取り除くことができる。しかも、発光表示装置はそのまま使用できるので、デザイン変更に要するコストは低い。
【0020】
発光表示装置のカバーは透明カバーが好ましい。これにより如何なる色調の発光表示にも対応することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の回胴式遊技機は、筐体正面を装飾するためにその正面に装着されるデザインパネルを脱着可能にすると共に、発光表示装置における発光体を多色発光が可能なフルカラー発光体とし、且つその発光体における発光色を設定操作により切換え可能とすることにより、デザインパネルを変更するにあたって、デザインパネルと発光表示装置の色合いを簡単に調和させることができ、したがって、その調和に要するコストを可及的に抑制でき、筐体のデザイン変更を経済的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】回胴式遊技機の正面図である。
【図2】回胴式遊技機の側面図である。
【図3】筐体の正面図である。
【図4】デザインパネルの斜視図である。
【図5】ドラム部の構成図である。
【図6】ドラム部を制御する制御回路系のブロック図である。
【図7】ドラムの図柄配置表である。
【図8】回胴式遊技機の制御回路系のブロック図である。
【図9】デザインパネルの斜視図である。
【図10】回胴式遊技機の制御回路系のブロック図である。
【図11】デザインパネルと変更検出部の関係を示す概念図である。
【図12】デザインパネルの斜視図である。
【図13】回胴式遊技機の制御回路系の全体構造を示すブロック図である。
【図14】デザインパネルと色指定データ読取部の関係を示す概念図である。
【図15】発光パターンROMが記憶する発光パターンデータの概念図である。
【図16】表示演出装置の背景パターンROMが記憶する背景パターンデータの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、特に本願発明は、第三実施例に関係している。
【0024】
第一実施例:
まず、回胴式遊技機の外観及び基本構造を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の正面図、図2は同回胴式有機機の側面図、図3は同回胴式遊技機における筐体の正面図、図4は前扉に使用されるデザインパネルの斜視図である。なお、本願発明に係る遊技機として、パチンコ機が含まれることは言うまでもない。
【0025】
図1及び図2に示すように、本実施形態の回胴式遊技機1はパチスロ機である。この回胴式遊技機1は、四角形の箱体内に回転ドラムを内蔵した筐体1aと、筐体1aの正面側に開閉自在に取付けられた前扉1bとを備えている。
【0026】
回胴式遊技機1の本体である筐体1aは、図3に示すように、中段部にドラム部2を内蔵している。このドラム部2は、横に並んだ3つの縦型の回転ドラム、すなわち左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cにより構成される。各回転ドラムの内部には、回胴部図柄表示LEDが設けられており、各種演出に応じて発光(点灯や点滅)又は消灯を行う。なお、パチンコ機や液晶表示装置での表示を主とする特殊な回胴式遊技機(例えば、ロデオ社製パチスロ機「カイジ」)の場合は、小型のドラム部2が前扉1bに取り付けられる。なお、パチンコ機の場合には、後述する表示演出装置11がドラム部2の役割をする。
【0027】
筐体1a内のドラム部2より下には、メダル払出装置18(メダルホッパー18)が設けられると共に、メダル払出装置18の側方に位置して電源部170が設けられている。この電源部170は、電源スイッチ170cを装備しており、電源スイッチ170cがオン状態にされると、各回路ブロックに電源を供給する。そして、後述するように、初期チェックや初期設定が行われた後、変動表示ゲームを実行可能なスタンバイ状態にする。
【0028】
電源部170には、電源スイッチ170cと共に、設定用キースイッチ170a、及びエラー解除スイッチ170bが設けられている。設定用キースイッチ170aは、設定変更許可スイッチとも呼ばれ、出玉率の段階設定や段階確認を行うときに使用される。操作キーを鍵穴170dに差し込んで回転させることにより、OFFからONの状態又は逆のONからOFFの状態にすることができる。エラー解除スイッチ170bは、出玉率の段階設定を行う時やエラーによる遊技の中止を解除する時に使用される。
【0029】
回胴式遊技機の顔とも言うべき前扉1bは、前記筐体1aの正面側に片ヒンジ結合により開閉可能に取付けられている。この前扉1bにおいては、高級感の創出やデザイン性の要求で独特の金属感が求められており、通常のクロムめっき、ダーククロムめっき、本物の硬質金めっき、メタライジング(めっき)やサテン調(めっき)などを樹脂素材に付加し華やかさが演出されている。
【0030】
前扉1bの中段からその上側にかけての目立つ部分には、四角形の透明パネル21が嵌め込まれた角窓が設けられている。この角窓には、透明パネル21の裏側に位置してデザインパネル22が交換可能に取り付けられている。デザインパネル22は、透明又は着色した樹脂からなり、キャラクターなどをデザインしたカラーシールを貼り付けたり、電動駆動物を設けることにより、当該機種に対応する装飾が施されている。
【0031】
このデザインパネル22は、図4に示すように、ゲーム状況に応じて各種演出を行う表示演出装置11(又は、「映像表示装置」ともいう。)を取り付ける表示演出装置取付部22jが形成された上面部22a、図柄表示窓3が形成された中面部22b、及び発光表示装置が取り付けられる下面部22cとで形成された底面部22dを有する。底面部22dは内部側へ折れ曲がっており、底面部22dによって繋がれる左側面部22e及び右側面部22fと共に、略箱型形状となって奥まった空間を形成する。この底面部22dに多色発光表示を行う発光表示装置を複数取り付けてもよい。
【0032】
底面部22d上には、立体的に突出する装飾物23、またはゲームの進行に応じて駆動される立体的な電動式駆動物24(例えば、内部当選役とは無関係で単なる演出に用いる電動式のおもちゃや開閉式の扉、又はパチンコ機の場合、大当たりや小当たりなど特定の条件が成立すると開き、多くのパチンコ玉の払い出しにつながる役物で、大入賞口とも呼ばれる。羽根型、箱型、チューリップ型などさまざまな形がある。)が設けられている。
【0033】
底面部22dの上端側及び下端側には、当該デザインパネル22を前扉1bに取り付けるための複数の取付穴が形成された上部取付部22g及び下部取付部22hが連設されている。3面構造の底面部22d、左側面部22e及び右側面部22fからなる5つの内面に装飾用シールを貼ることにより、特に底面部22dでは3つの略平面が形成されることになる。ただし、装飾物23や電動式駆動物24が設けられているので、若干の凹凸が生じるのは当然である。
【0034】
デザインパネル22の中面部22bには、四角形の図柄表示窓3が設けられている。この図柄表示窓3により、ドラム部2に貼り付けられている図柄が透明パネル21を通して目視可能となる。この図柄表示窓3には、横方向に延びる3本の有効ラインと、斜め方向に交差する2本の有効ラインとの合計5本の有効ラインが、左ドラム2aと中ドラム2b及び中ドラム2bと右ドラム2cを結ぶ線で目立つように表示されている。有効ラインの下側には、回胴部ライン表示LEDが埋め込まれており、入賞時に点灯又は点滅するようになっている。
【0035】
図柄表示窓3が設けられた中面部22bの下側に位置する下面部22cには、表示LEDブロック4が設けられている。表示LEDブロック4は、投入枚数LED4a、メダル貯留枚数表示LED4b、メダル払出枚数表示LED4c及びナビゲーションLED4dの表示LED群で構成される。
【0036】
投入枚数LED4aは、遊技を行うために後述する遊技メダル投入口5から投入された遊技メダルの枚数、又は後述するマックスベットボタン8や1ベットボタン7によって投入された遊技メダルの枚数を表示する。メダル貯留枚数表示LED4bは、遊技メダルの貯留枚数(クレジット数)を例えば所定最大数50枚の範囲で表示し、また、貯留メダルの精算時における払い出し演出表示を行う。
【0037】
メダル払出枚数表示LED4cは、入賞時に払出メダルの枚数を表示したり、エラー発生時のエラーコードを表示する。また、メダル払出枚数表示LED4cは、出玉率の段階設定値を表示するのに利用されており、エラー解除スイッチ170bを押すたびに値が+1されて、「6」表示の次には「1」に戻り、ターンアラウンド表示する(図3参照)。
【0038】
ナビゲーションLED4dは、ゲーム状況に応じた各種演出表示を行う。例えば、登場人物のパワーレベルや戦闘機に配備されている機銃や爆弾の数又は破壊度や、効果音に対応した音量レベル表示(一般には、イコライザーとして知られている)を行う。なお、ナビゲーション用としては、小型の液晶表示装置でもよい。
【0039】
上面部22aの表示演出装置取付部22jに取付けられた表示演出装置11は、動画表示装置であり、詳しくは、ブラウン管を利用したディスプレイやLCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)又は有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)などのFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)で実現されており、回胴遊技に関する各種映像演出や所要の情報の告知等を行うようになっている。
【0040】
前扉1b及びデザインパネル22は、樹脂素材を金型で一体成形して形成される。成形の方法としては一般に、射出成形、押出成形、発泡成形や真空成形などが用いられる。
【0041】
その樹脂材料としては、汎用樹脂であるABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、エンプラのPA (ポリアミド[ナイロン])、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、スーパーエンプラのPPS(ポリフェニレンサルファイド)、LCP(液晶ポリマ)、PSF(ポリスルホン)、PES(ポリエーテルスルホン)、PAR(ポリアリレート)及び熱硬化性樹脂のフェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ユリア樹脂が用いられる。
【0042】
図4(B)に示すデザインパネル22は、更に折れ曲がった面(淵)として最上面部22iが設けられている点で図4(A)のものと相違する。なお、この最上面部22iを設けることにより、取り付けた表示演出装置11を遊技者に見えやすくできる点と、デザインパネル自身が一層強固になる点で有利となる。
【0043】
前扉1bには更に、透明パネル21が嵌め込まれた角窓の下側に位置して、遊技メダル投入口5、清算ボタン6、1ベッドボタン7、マックスベッドボタン8、スタートレバー9、停止ボタン部10、ドア鍵穴14、スペシャルボタン19及び投入メダル詰まり返却ボタン28が設けられている。これらは、前扉1bの中段部正面の操作部に集中的に配置されている。
【0044】
遊技メダル投入口5は、ドラム部2(回転ドラム)を回転及び停止させる変動表示ゲームを開始させるための遊技メダル(遊技媒体であり、コインという場合もある)を投入する部位である。なお、遊技メダル投入口5の両サイドにはメダル投入表示LED5a及び5bが設けられており、メダルが投入不能な場合には赤色(第一の色)で、一方メダルが投入可能であって遊技用に加算表示されるときには青色(第二の色)で、メダル貯留装置に加算表示されるときには緑色(第三の色)で点灯する。なお、メダルが投入不能な場合には、消灯としてもよい。
【0045】
精算ボタン6は、メダル貯留装置(図示せず)の起動と解除、及び投入メダルと貯留メダルの精算に使用する。
【0046】
1ベットボタン7は、遊技を行うためにメダル貯留装置の貯留メダルを1枚投入するときに使用する。マックスベットボタン8は、遊技を行うためにメダル貯留装置の貯留メダルを最大数である3枚投入するときに使用する。なお、マックスベットボタン3の内部には、LEDが設けられており、マックスベットボタン3が操作可能な状態のときに点灯するようになっている。
【0047】
スタートレバー9は、回胴回転指示手段の一部であり、遊技を行うために所定数の遊技メダルを投入後、ドラム部2を一斉に始動させるときに使用する。また、スタートレバー9は、出玉率の段階設定を行う場合、段階値1〜6の中から選択された所望の設定値を確定させるときに使用する。なお、このスタートレバー9は、上下左右の方向に操作できるように構成されており、後述するスタートSWセンサ及び操作方向センサから、それぞれスタート信号と4つの操作方向(上下、左右)を示す操作方向信号を出力する。即ち、スタートレバー9は、遊技者が所望の方向を入力する方向入力手段に、また、操作方向センサは、方向入力手段によって入力された方向を検出する入力方向検出手段に該当する。ただし、検出すべき操作方向は4つに限定されるものではなく、上下左右それぞれの間の斜め方向も加えることにより8方向検出や、360度の角度を厳密に検出するようにしてもよい。
【0048】
停止ボタン部10は、回転しているドラム部2を停止させるときに使用され、操作しやすいように操作部の正面中央部分に配置されている。この停止ボタン部10には、ストップスイッチである左停止ボタン10a、中停止ボタン10b及び右停止ボタン10cの3つのボタンが横に並んで設けられており、ドラム部2が回転中にこれらのボタンを操作することにより、それぞれのボタンに対応する左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cを停止させることができる。なお、停止ボタン部が操作可能の場合には、停止ボタン10a、停止ボタン10b及び停止ボタン10cに内蔵されているLEDが点灯するようになっている。
【0049】
ドア鍵穴14は、ドアキーにより回胴式遊技機本体1の前扉1bを開けるときや、打ち止めの解除及びエラーによる遊技中止の解除の際に使用される。
【0050】
スペシャルボタン19は、表示演出装置11に表示される各種ゲームやその映像演出に応じて要求される情報(例えば、戦闘機の機銃操作や爆弾投下、登場人物の移動方向等の入力情報)を、遊技者自身が入力するのに使用される。なお、このスペシャルボタン19によって入力される情報は、後述する副基板(サブブロック)に与えられ、あくまで各種映像や音響演出に用いられるものであるから、遊技結果に影響を及ぼすものではない。
【0051】
投入メダル詰まり返却ボタン28は、遊技メダル投入口5に続いて遊技メダルが通過する遊技メダルセレクター(図示せず)に詰まった遊技メダルを返却する時に使用する。
【0052】
前扉1bは更に、透明パネル21及び操作部を取り囲むように配置されたスピーカ部12及び遊技状態表示LED部13を有している。スピーカ部12は、前扉1bの最上部に配置された左上スピーカ12a、右上スピーカ12b、操作部より下に配置された左下スピーカ12c及び右下スピーカ12dの4スピーカで構成されており、各種演出に応じた効果音や段階設定値の変更中に警告音を発生する。なお、図示していないが、実際には左下スピーカ12c及び右下スピーカ12dの上面全体を覆うように保護用のスピーカグリルが取り付けられている。
【0053】
遊技状態表示LED部13は多色発光表示を行う発光表示装置であり、表示演出装置11の最上部に設けられた上部状態表示LED13aと、更に両側面に設けられた左上状態表示LED13b、右上状態表示LED13c、左中状態表示LED13d、右中状態表示LED13e、左下状態表示LED13f及び右下状態表示LED13gとで構成されている。
【0054】
いずれの遊技状態表示LED部13も、透明なクリスタルカットを施されたカバーと、その内部に配置された多数のLEDとを備えている。多数のLEDはあらゆる発色が可能なフルカラーLED(R+G+B)であり、後述するように、設定された発光色により、各種の光演出を効果的に行う。また、段階設定値の変更中には、警告表示として点滅を繰り返す。
【0055】
前扉1bの最下部には受け皿15が設けられている。受け皿15は、メダル払出装置18(メダルホッパー18)からメダル払出口16を経て払い出された遊技メダルを一時的に貯留する部分であり、その数として数百枚程度まで貯留することができる。
【0056】
一方、前扉1bの最上部には、ロゴパネル部17が設けられている。ロゴパネル部17は、例えば製造メーカ又は機種名など、各種商標表示を施すのに使用される。
【0057】
20は左下スピーカ12cと右下スピーカ12dの間に設けられた小物入れ部であり、紙幣類(例えば、千円札)やハンカチ、タバコ、ライターなど遊技者が必要とする物品を任意に置くために使用される。
【0058】
以上が回胴式遊技機の外観及び基本構造の説明である。次に回胴式遊技機における主要な機械的構成部分について説明する。
【0059】
図5はドラム部の構成図、図6はドラム部を制御する制御回路系のブロック図、図7はドラムの図柄配置表である。
【0060】
回胴式遊技機の筐体1aに設けられたドラム部2は、同軸上に配置された3つの縦型の回転ドラム、すなわち左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cを備えている。3つの回転ドラムは、ステップモータ30a、30b及び30cにより独立に回転駆動され、且つ後述する主制御部を介して包括的に回転制御される。この回転制御のために、各ドラムには、各1個のフォトインタラプタからなる回胴センサ31a、31b及び31cが設けられており、各センサからの出力により各ドラムの回転位置が把握される。
【0061】
各ドラムの外周面には、複数種類の図柄が描かれた左回胴帯32a、中回胴帯32b及び右回胴帯32cが、外周面を一周するように貼り付けられている。詳しく説明すると、各回胴帯には、それぞれ異なった並びの図柄が21個描かれている。その図柄としてはビッグボーナス図柄の「赤7」や「青7」、ストックしているビッグボーナス又はレギュラーボーナス放出の契機となる十字架、低確率状態から高確率状態へモード移行させるための抽選の契機となるチェリー及びスイカ、逆の機能を有するベル及びリプレイがある(但し、これは4号機の場合であり、現在の5号機にはそのような機能はない)。
【0062】
変動表示ゲームにおいては、同一図柄が有効ライン上に並んで窓部3に表示されれば入賞となる。なお、同図の星マーク、+マーク、プラムマーク(黒丸マーク)や三角マークは便宜的に示したものであり、実際とは異なっている。
【0063】
次に、回胴式遊技機の制御系の構成を説明する。図8は回胴式遊技機の制御回路系の全体構造を示すブロック図である。
【0064】
回胴式遊技機の制御回路系は、メインブロック(主基板:破線で囲っていない部分)とサブブロック(副基板:破線で囲った部分)とに大別される。メインブロックは遊技結果に関する制御を、サブブロックは遊技経過や結果告知・表示の様々な演出に関する制御を司る。メインブロックからの信号はサブブロックに出力されるが、逆にサブブロックからメインブロックへは一切信号が伝送(送信)できないようになっている。これはゴト対策の為であり、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律により規定されている。
【0065】
この制御回路系は、CPUを内蔵したマイクロプロセッサを搭載する一体型のワンチップマイコン(例えば、エルイーテック社製LE4280B−PA−G1)からなる主制御部100を有している。主制御部100は、所定のデータテーブル領域や装置全体の制御手順を記述した制御プログラムを記憶するROM100aと、カウンタやレジスタ等が形成され制御に必要な情報を一時的に記憶するRAM100b(RWM:リライタブルメモリともいう)とを備えている。
【0066】
主制御部100には、I/0ポート(図示せず)を介して、入力系であるスタートSWセンサ110(スタート・スイッチ・センサ110)、停止ボタン部10内の停止ボタンセンサ120、メダル検出センサ130、ベットボタンセンサ140及び段階設定部150が接続されており、主制御部100はこれらの入力系からの入力信号だけを受信可能に構成されている。
【0067】
主制御部100は又、I/0ポート(図示せず。)を介して、入出力系であるドラム部2(例えば、インデックス信号が主制御部100に入力される)、及び出力系であるメダル払出装置18及び表示LEDブロック4と接続されており、主制御部100はこれらの各装置を制御可能に構成されている。
【0068】
更に、主制御部100はI/0ポート(図示せず)を介して、副制御部160と接続されており、サブブロックの各種制御に必要な制御データ(例えば、コイン投入データや当選状況データ、段階設定部のスイッチ操作状態を示すデータ、段階設定値)を副制御部160に出力する。なお、副制御部160は、内蔵RAMに段階設定値の履歴情報も併せて記憶しており、履歴情報は電池でバックアップされているので主電源を切っても消えることはない。
【0069】
この副制御部160は、主制御部100と同様に、CPUを内蔵したマイクロプロセッサを搭載する一体型のワンチップマイコンであり、サブブロック全体の制御手順を記述した制御プログラムを記憶するROM(図示せず)と、カウンタ、タイマーやレジスタ等が形成され主制御部100から受信した制御に必要な情報を一時的に記憶するRAM(図示せず)などを備えている。なお、副制御部160は、段階設定部のスイッチ操作状態を示すデータに基づいてタイマーをスタートさせ、所定時間経過してもON又はOFFとならない場合、音と光及び液晶表示で異常の発生を報知する。
【0070】
特に、副制御部160は、RAM100bに記憶する段階設定値が所定範囲になく、主制御部100が警告を発生させた後、店員の設定変更スイッチの操作に従って選択された段階設定値を送信してきた場合、内蔵RAMに記憶する最新の段階設定値と送信されてきた段階設定値とが一致したとき、一致した旨を表示又は報知する。例えば、副制御部160は、表示演出装置11に「開店時の段階設定値と一致しました。」を表示し及びスピーカ部12からビープ音を発生させたり、音声で「開店時の段階設定値と一致しました。」の報知を繰り返す。その後、主制御部100は、副制御部160が一致した旨を表示又は報知している状態で、段階設定部150が操作された場合、送信した段階設定値を新たにRAM102に記憶させるとともに、新たに記憶した段階設定値を使用して変動表示ゲームの当落を決定する。
【0071】
この副制御部160には、入力系である入力SW部25(入力スイッチ部25)、計時部26、スペシャルボタンセンサ112、および色調設定部111が接続されている。また、副制御部160には、出力系である表示演出装置11、スピーカ部12及び遊技状態表示LED部13とが接続されている。副制御部160は各装置からの入力信号を受け付けたり、必要なデータや信号を各装置に出力して各種制御を行うことが可能なように構成されている。
【0072】
これら各装置のうち、メダル検出センサ130は、メダル投入口5から投入されたメダル数に応じた数のパルス信号を出力し、主制御部100はこのパルス信号を受信して、表示LEDブロック4中のメダル貯留枚数表示LED4bにパルス数に応じた数だけ増加したクレジット数を表示させるように制御する。
【0073】
ベットボタン検出センサ140は、1ベットボタン7又はマックスベットボタン8の操作に応じてパルス信号を出力し、主制御部100は得られたパルス信号に対応するように投入枚数LED4aの枚数表示を制御する。
【0074】
段階設定部150は、後述する出玉率の段階設定操作を行うことにより、ホール側は、イベントや新装オープンでの放出や収益改善のための回収状況に応じて、段階値1〜6の中から所望の設定値を選択することができる。
【0075】
入力SW部(入力スイッチ部)25は、出玉率の段階設定操作が行われた場合の警告モードの設定や、警告を発生させる又は発生させない時間帯の設定を行う。この警告モードとしては、警告発生機能のオン状態又はオフ状態と、設定した時間帯のみ警告を発生させるタイマー状態の3つのモードがある。なお、入力SW部25は、サブブロックの初期化を行うための初期化スイッチとスピーカ部12の音量を切り替える際に使用する音量スイッチからなり、その両方を同時に押した場合に機能するようになっている。
【0076】
計時部26は、衛星などから絶対時間データを受信することにより正確な時間を刻む電波時計からなり、計時した時間を副制御部160に出力する。
【0077】
スペシャルボタンセンサ112は、スペシャルボタン19が操作された時にON信号(例えば、HIGH信号)を出力し、副制御部160はこのON信号を受信したタイミングに応じて各種ゲーム及びその映像演出や当選告知等を表示演出装置11に表示し、更にスピーカ部12から爆弾投下や機銃操作などの効果音を発生させる。
【0078】
色調設定部111は、遊技状態表示LED部13における色調設定する。具体的には、デザインパネル22に貼り付けられるシールの種類に応じてパターン1、2・・・という具合に発光色を変更する。これは、筐体1a内に設けられたスイッチを主導操作することにより行う。色調設定部111からの指示は主制御部100を経由せず、副制御部160に直接与えられる。したがって、この機構は、新機種認可を受けるにあたって障害にならない。
【0079】
遊技者が所定数のメダルを投入後、スタートレバー9を操作すると、スタートSWセンサ110はスタート信号を出力し、主制御部100はこのスタート信号の受信を契機として乱数抽選(内部抽選)等を行うと共に、ドラム部2に駆動パルス信号を出力して変動表示ゲームを開始し、且つ抽選結果に基づいてドラム部2の停止タイミングを制御するようになっている。すなわち、本発明における内部抽選手段及び停止制御手段は、この主制御部100内に構成されている。なお、この1回のスタートレバー9の操作により行われる遊技が1ゲームの変動表示ゲームとなっており、遊技者はボーナスゲーム(ビッグボーナス又はレギュラーボーナス)を獲得してメダルを増やすことを目的に、遊技を繰り返すのである。
【0080】
そして、主制御部100は、変動表示ゲームにおいて所定の役が成立し、メダルの払い出しを行う場合、その払出し数を表示LEDブロック4中のメダル払出枚数表示LED4cに表示し、これをクレジット数に加えてメダル貯留枚数表示LED4bに表示させる。なお、精算ボタン6によって払い出し操作が行われた場合やクレジット数が例えば最大数の50枚を超えた場合には、主制御部100はメダル払出装置18を駆動制御し、必要数のメダルをメダル払出口16から排出させて受け皿15に蓄積させる。
【0081】
さらに、主制御部100は、小役が成立した場合や、特にボーナスゲームが内部当選した場合には、副制御部160に内部当選等に関する制御データ(例えば、成立フラグデータ)を出力する。そして、副制御部160は、主制御部100から制御データを受け取ると、遊技状態表示LED部13の点灯制御による告知、スピーカ部12から効果音を発生させる為の音声合成LSI(図示せず)の制御による告知、停止ボタン部10における3つの停止ボタン10a,10b,10cの選択的な押し込み動作保持による告知、及び表示演出装置11の表示画面内におけるキャラクタや背景映像の制御表示による公知といった各種の演出告知動作を行うように構成されている。
【0082】
新機種を開発する場合、新しいデザインキャラクターが与えられ、演出ソフトも改良される。遊技機1の筐体1aについてはカラーリングを変更する程度で、基本的に同じものを使用し、前扉1bに設けられるデザインパネル22を、新しいキャラクターに合致したものに変更する。
【0083】
キャラクターを変更すると、色調も大きく変わる。例えば赤色系から青色系に変わる。そこで、筐体1a内のスイッチを操作し、色調設定部111を通して遊技状態表示LED部13におけるLEDの発光色を変更する。遊技状態表示LED部13におけるLEDは多色発光が可能なフルカラーLEDであり、赤色系の発光も青色系の発光も可能である。デザインパネル22が赤色系に変更された場合、遊技状態表示LED部13におけるLEDの発光色を赤色系にする。デザインパネル22が青色系に変更された場合、遊技状態表示LED部13におけるLEDの発光色を青色系にする。こうすることにより、外観上はデザインパネル22の変更だけで、違和感のない(デザインパネルと遊技状態表示LED部13との間で色調が調和した)機種変更を行うことができる。
【0084】
デザインパネル22についても、透明パネルに貼るシールを替えるだけであるので、これに要するコストは僅かである。
【0085】
すなわち、形式試験の適合を受けた場合には、同一回胴式遊技機の主要部の設計変更は禁止されており、メインやサブの制御用ソフトの修正や変更は一切できないが、その一方で、デザインパネルや各種カバー類の色調の変更は可能である。そこで、副制御部160のROM(図示せず)に複数の発光パターンである色調データ1(青系)、色調データ2(赤系)、色調データ3(黄系)、色調データ4(緑系)・・・色調データNを予め記憶させておき、副制御部160に設けられたディップスイッチ(1〜N)の価に応じて色調データ1〜Nのなかから一つを読み出し、副制御部160は遊技状態表示LED部13の発光色を制御する。これにより、同一回胴式遊技機のデザイン変更に対応可能となる。
【0086】
第二実施例:
図9は前扉にはめ込んで使用されるデザインパネルの斜視図、及び図10は回胴式遊技機の制御回路系の全体構造を示すブロック図であり、図4のデザインパネルと図8のブロック図との相違点についてのみ説明し、その他の同一構成については図4及び図8に関する記載を援用する。
【0087】
27は、変更検出部(手段)であり、色調設定部111に替えて設けられている。
変更検出部27は、デザインパネル22のデザイン上の変更を検出する装置であり、例えば、(a)光照射装置と光受光装置とを備える装置、(b)デザインパネル22上に設けられたスライド式の突起により押されるプッシュスイッチを備える装置、(c)光照射装置と光受光装置とを備え、デザインパネル上に設けられたスライド式の突起を検出装置である。
【0088】
副制御部160は、変更検出部27の検出結果に応じて、遊技状態表示LED部13(発光表示装置)の発光色を制御する。また、表示演出装置11の発光色も併せて制御するようになっている。
【0089】
図11は、デザインパネルと変更検出部の関係を示す概念図である。
【0090】
図11(a)において、変更検出部27は光照射装置27aと光受光装置27bとを上下方向に一組として備えており、透明パネル21の内側にあるデザインパネル22に施されたデザイン上の変更である反射部27cの有無を、光照射装置27aが照射した光を光受光装置27bが受光するか否かで検出する(左図は受光で右図は非受光)。この変更検出部27は、デザインパネル22の左右に一つずつ合計3つRGBに対応して設けられており、それらの組み合わせにより8つの状態(2の3乗)を検出可能である。
【0091】
図11(b)において、変更検出部27はプッシュスイッチ27dを備えており、透明パネル21の内側にあるデザインパネル22に施されたデザイン上の変更であるスライドスイッチ27eの位置を、プッシュスイッチ27dの上中下のスイッチ端子を押されることにより検出する(左図は中スイッチ端子、右図は上スイッチ端子がON状態で他はOFFとなっている。)
【0092】
図11(c)において、変更検出部27は光照射装置27aと光受光装置27bとを左右方向に一組として上下方向に3組備えており、透明パネル21の内側にあるデザインパネル22に施されたデザイン上の変更であるスライドスイッチ27eの上中下3つの位置を、光照射装置27aが照射した光を光受光装置27bが受光するか否かで検出する(左図は非受光で右図は受光)。
【0093】
第三実施例:
図12は前扉にはめ込んで使用されるデザインパネルの斜視図、及び図13は回胴式遊技機の制御回路系の全体構造を示すブロック図であり、図4のデザインパネルと図8のブロック図との相違点についてのみ説明し、その他の同一構成については図4及び図8に関する記載を援用する。
【0094】
まず、デザインパネル22には、ドラム部2が回転する図柄変動ゲームを表示する為の図柄表示窓3(表示部)が形成されており、ドラム部2に貼り付けられている図柄が透明パネル21を通して目視可能となっている。このデザインパネル22は、図1に示すとおり、筐体1aの正面に交換可能に取り付けられると共に、筐体1aの正面の周囲には遊技状況に応じて多色発光表示を行う遊技状態表示LED部13(発光表示装置)を有する。なお、パチンコ機の場合には、表示演出装置11が図柄変動ゲームを表示する表示部に相当する。
【0095】
29bは、色指定データ読取部であり、色調設定部111に替えて設けられており、デザインパネル上に施された被検出部29a(デザイン変更に相当)に記録されている色指定データを読み取る。
【0096】
161は、発光パターンROMであり、遊技状態表示LED部13を多色発光させる複数の発光パターンを記憶する。
【0097】
副制御部160は、色指定データ読取部29bが読み取った色指定データを内部のワークRAM領域(図示せず)に記憶し、色指定データに基づいて、発光パターンROM161が記憶する複数の発光パターンの中から遊技状態表示LED部13を多色発光させる発光パターンを選択する。例えば、色指定データ読取部29bが読み取った色指定データが0(即ち「赤」)であれば、副制御部160は「赤」グループに属する複数の発光パターンの中から、遊技状況に応じて1つの発光パターンを選択することにより、赤系デザインパネルに適した発光演出を行うようになっている。
【0098】
図14は、デザインパネルと色指定データ読取部の関係を示す概念図である。
【0099】
色指定データ読取部29bは、光照射装置29b1と光受光装置29b2とを一組として備えており、処理回路29b3は光受光装置29b2から得られた信号に基づいて、透明パネル21の内側にあるデザインパネル22に施された被検出部29aに記録されている色指定データを非接触で読み取って、副制御部160に出力する。この色指定データ読取部29bは、例えば、バーコードリーダ、光学式文字読み取り装置(OCR、オールインワン文字認識センサー)又はカラー判別センサ(色センサー)等であり、周知慣用技術であるので説明を省略する。
【0100】
図15は、発光パターンROM161が記憶する発光パターンデータの概念図である。
発光パターンROM161の所定領域には、色指定データ領域と発光パターンデータ領域が存在し、色指定データ及びそれに対応する複数の発光パターンデータを一組として記憶する。
【0101】
例えば、色指定データ0は赤系デザインパネルに対応しており、赤系に適する複数の発光パターン(パターンデータ1、パターンデータ2、パターンデータ3、パターンデータ4…パターンデータM)が記憶されている。このパターンデータは、遊技状態表示LED部13を構成する個々のLEDの点灯時間とオン/オフ及びオンであれば発光色を指定するデータで構成される。例えば、パターン3(1秒):0.2秒間「LED1(オフ)、LED2(青)、LED3(赤)、LED4(紫)、…、LEDn(赤)」、0.4秒間「LED1(黄)、LED2(オフ)、LED3(オフ)、LED4(赤)、…、LEDn(紫)」、…というように指定されている。つまり、パターン3を選択すると1秒間だけ遊技状態表示LED部13を所定のパターンで多色発光させることができる。
【0102】
同様に、色指定データ1は青系デザインパネルに対応し、…色指定データNは黒系デザインパネルに対応し、青系〜黒系に適する複数の発光パターン(パターンデータ1、パターンデータ2、パターンデータ3、パターンデータ4…パターンデータM)が記憶され、合計N+1色のデザインパネルに適する発光パターンを記憶する。
【0103】
副制御部160は、遊技状態表示LED部13を発光演出させるに際して、例えばパターンデータ4が指定されると、ワークRAM領域に記憶する色指定データを確認し、その色指定データが3であれば、色指定データ(黄)に対応するパターンデータ4を選択することにより、遊技状態表示LED部13を多色発光させる。このパターンデータ指定を途切れることなく行うことにより、連続して遊技状態表示LED部13に多色発光演出をさせることが可能である。
【0104】
図16は、表示演出装置11の背景パターンROMが記憶する背景パターンデータの概念図である。
【0105】
背景パターンROM(図示せず)の所定領域には発光パターンROM161と同様に、色指定データ領域と背景パターンデータ領域が存在し、色指定データ及びそれに対応する複数の背景パターンデータを一組として記憶する。
【0106】
例えば、色指定データ0は赤系デザインパネルに対応しており、赤系に適する複数の背景パターン(パターンデータ1、パターンデータ2、パターンデータ3、パターンデータ4…パターンデータM)が記憶されており、色指定データとパターンデータを指定することにより、表示演出装置11の背景パターンをデザインパネルにマッチさせることができる。
【符号の説明】
【0107】
1 回胴式遊技機
1a 筐体
1b 前扉
2 ドラム部
2a 左ドラム
2b 中ドラム
2c 右ドラム
3 図柄表示窓
4 表示LEDブロック
4a 投入枚数LED
4b メダル貯留枚数表示LED
4c メダル払出枚数表示LED
4d ナビゲーションLED
5 メダル投入口
5a メダル投入表示LED
5b メダル投入表示LED
6 精算ボタン
7 1ベットボタン
8 マックスベットボタン
9 スタートレバー(回胴回転始動装置)
9a グリップ
9b シャフト
9e ジョイスティック
10 停止ボタン部
10a 左停止ボタン(ストップスイッチ)
10b 中停止ボタン(ストップスイッチ)
10c 右停止ボタン(ストップスイッチ)
11 表示演出装置(動画表示装置)
11a コマンド受信部
11b 表示演出制御部
11c ROM
11d RAM
11e 表示パネル
12 スピーカ部
12a 左上スピーカ
12b 右上スピーカ
12c 左下スピーカ
12d 右下スピーカ
13 遊技状態表示LED部(発光表示装置)
14 ドア鍵穴
15 受け皿
16 メダル払出口
17 ロゴパネル部
18 メダル払出装置
19 スペシャルボタン
20 小物入れ部
21 透明パネル
22 デザインパネル
23 装飾物
24 電動式駆動物
25 入力SW部
26 計時部
27 変更検出部
27a 光照射装置
27b 光受光装置
27c 反射部
27d プッシュスイッチ
27e スライドスイッチ
28 投入メダル詰まり返却ボタン
29a 被検出部
29b 色指定データ読取部
29b1 光照射装置
29b2 光受光装置
29b3 処理回路
30a ステップモータ(左ドラム用)
30b ステップモータ(中ドラム用)
30c ステップモータ(右ドラム用)
31a 回胴センサ(左ドラム用)
31b 回胴センサ(中ドラム用)
31c 回胴センサ(右ドラム用)
32a 左回胴帯
32b 中回胴帯
32c 右回胴帯
100 主制御部
100a ROM
100b RAM
110 スタートSWセンサ
111 色調設定部
112 スペシャルボタンセンサ
120 停止ボタンセンサ
130 メダル検出センサ
140 ベットボタンセンサ
150 段階設定部
160 副制御部
161 発光パターンROM
170 電源部
170a 設定用キースイッチ
170b エラー解除スイッチ
170c 電源スイッチ
170d 鍵穴


【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄変動ゲームを表示する表示部が形成されたデザインパネルが筐体正面に交換可能に取り付けられると共に、前記筐体正面の周囲に遊技状況に応じて多色発光表示を行う発光表示装置を有する遊技機において、
前記発光表示装置を多色発光させる複数の発光パターンを記憶する第一ROMと、
前記デザインパネルの被検出部に記録されている色指定データを読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った色指定データに基づいて、前記ROMが記憶する複数の発光パターンの中から発光させる発光パターンを選択することにより、前記発光表示装置を多色発光制御する制御部と、
を具備することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記第一ROMは、色指定データ及び該データに対応する複数の発光パターンデータを一組として記憶すること、
を特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機において、
前記制御部は、発光パターンデータが指定されると、色指定データに対応する複数の発光パターンデータの中から選択すること、
を特徴とする遊技機。
【請求項4】
図柄変動ゲームを表示する表示部が形成されたデザインパネルが筐体正面に交換可能に取り付けられると共に、前記筐体正面の周囲に遊技状況に応じて多色発光表示を行う発光表示装置を有し、前記発光表示装置を多色発光させる複数の発光パターンを記憶する第一ROMを備える遊技機の発光制御方法において、
前記デザインパネルの被検出部に記録されている色指定データを読み取る読取ステップと、
前記読取ステップが読み取った色指定データに基づいて、前記ROMが記憶する複数の発光パターンの中から発光させる発光パターンを選択することにより、前記発光表示装置を多色発光制御する制御ステップと、
を含むことを特徴とする発光制御方法。



















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−172378(P2010−172378A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−15713(P2009−15713)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(500553844)ネット株式会社 (200)
【Fターム(参考)】