説明

遊技機用セキュリティシステム

【課題】 錠駆動機構を容易に解錠することが可能でかつ解錠された状態を容易に認識することが可能な遊技機用セキュリティシステムを提供する。
【解決手段】 受信したオープン信号が、島内に配置された全ての遊技機のガラス枠の解錠を示す信号である場合には、ホストコンピュータは、アドレスA1に配置された遊技機のモータを回動させるための信号を当該遊技機に備えられた表示装置のCPUに出力するとともに、表示装置の右ランプ部および左ランプ部を点滅させるための信号をCPUに出力する。その後、アドレスA1に配置された遊技機に備えられた表示装置のCPUは、アドレスA2に配置された遊技機のモータを回動させるための信号、ならびに当該遊技機の表示装置の右ランプ部および左ランプ部を点滅させるための信号を、アドレスA2に配置された遊技機の表示装置のCPUに出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機用セキュリティシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、パチンコ機およびパチスロ機(以下、遊技機と称する)は、各種回路および制御装置等を収納する本体部と、遊技領域が配設された遊技盤を備えるとともに開閉可能に設けられた前枠とを有する。この前枠には、遊技者が遊技領域を視認できるように、例えばガラスからなるガラス枠が開閉可能に設けられている。
【0003】
不正行為等を防止するために、遊技機には前枠およびガラス枠を施錠するための錠駆動機構がそれぞれ設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
パチンコ店またはパチスロ店の従業員である遊技機の管理者は、各台の錠駆動機構を解錠することにより前枠を開けて制御装置等の保守作業を行うとともに、各台の錠駆動機構を解錠することによりガラス枠を開けて遊技盤等の保守作業を行っている。そして、これらの保守作業が終われば、管理者により前枠およびガラス枠が例えば手動により施錠される。
【特許文献1】特開2003−193724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、管理者は保守作業を行う際に、各台ごとに錠駆動機構を解錠する必要があり、非常に手間および時間がかかる。
【0006】
また、錠駆動機構が例えばリモートコントロールにより解錠された後において、管理者が、当該錠駆動機構が確実に解錠されているか否かを認識しにくい場合がある。
【0007】
本発明の目的は、錠駆動機構を容易に解錠することが可能でかつ解錠された状態を容易に認識することが可能な遊技機用セキュリティシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る遊技機用セキュリティシステムは、遊技機に開閉可能に重なるように設けられた第1の扉および第2の扉の解錠の処理を行う遊技機用セキュリティシステムであって、遊技機と別個に構成され、遊技機からの信号に基づく表示を行いかつ遊技機に設置される遊技機用表示装置と、遊技機の第1の扉および第2の扉の一方または両方の解錠を指示するホストコンピュータと、ホストコンピュータの指示に基づいて遊技機の第1の扉および第2の扉の一方または両方の解錠を行う錠駆動機構とを備え、遊技機用表示装置は、遊技機からの信号またはホストコンピュータからの信号に基づいて第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を表示する表示手段を有するものである。
【0009】
本発明に係る遊技機用セキュリティシステムにおいては、遊技機の第1の扉および第2の扉の一方または両方の解錠がホストコンピュータにより指示される。ホストコンピュータの指示に基づいて遊技機の第1の扉および第2の扉の一方または両方の解錠が錠駆動機構により行われる。それにより、遊技機の解錠を容易に行うことができる。したがって、手間および作業時間がかからない。
【0010】
また、遊技機からの信号またはホストコンピュータからの信号に基づいて第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態が遊技機用表示装置の表示手段により表示される。それにより、遊技場内の管理者は、遊技機の第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を容易に認識することが可能となる。
【0011】
遊技機は、複数設けられ、遊技機用表示装置は、複数の遊技機にそれぞれ対応して複数設けられ、錠駆動機構は、複数の遊技機の各々に設けられ、ホストコンピュータは、複数の遊技機の各々の解錠を指示し、各遊技機に対応する遊技機用表示装置の表示手段は、第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を表示してもよい。
【0012】
この場合、複数の遊技機の各々の解錠がホストコンピュータにより指示されることにより、複数の遊技機の解錠を統括的かつ容易に行うことができる。
【0013】
また、第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態が、各遊技機に対応する遊技機用表示装置の表示手段によりそれぞれ表示されることにより、遊技場内の管理者は、遊技機の第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を複数の遊技機の各々について容易かつ迅速に認識することが可能となる。
【0014】
表示手段は、点灯状態により第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を表示する表示ランプからなってもよい。
【0015】
この場合、第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態が表示ランプによる点灯状態により表示されることにより、遊技場内の管理者は、遊技機の第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を視覚的に容易に認識することができる。
【0016】
表示手段は、文字または図形により第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を表示する表示パネルからなってもよい。
【0017】
この場合、第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態が表示パネルによる文字または図形により表示されることにより、遊技場内の管理者は、遊技機の第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を視覚的に容易に認識することができる。
【0018】
錠駆動機構は、ホストコンピュータの指示に基づいて一方向または逆方向に回動する回動手段と、第1の扉に掛止される第1の掛止部および第2の扉に掛止される第2の掛止部を有する扉掛止機構と、回動手段の一方向への回動に伴って扉掛止機構の第1の掛止部による第1の扉の掛止を解除し、回動手段の逆方向への回動に伴って扉掛止機構の第2の掛止部による第2の扉の掛止を解除する掛止解除機構とを含んでもよい。
【0019】
この場合、ホストコンピュータの指示に基づいて回動手段が一方向へ回動することにより、扉掛止機構の第1の掛止部による第1の扉の掛止が解除される。それにより、第1の扉が解錠される。
【0020】
また、ホストコンピュータの指示に基づいて回動手段が逆方向へ回動することにより、扉掛止機構の第2の掛止部による第2の扉の掛止が解除される。それにより、第2の扉が解錠される。
【0021】
このように、第1および第2の扉の解錠が1つの回動手段により行われることにより、複数の回動手段を用いた場合に比べ、部品点数の削減および省スペース化を図ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、遊技場内の管理者は、遊技機の解錠を容易に行うことができることにより、手間および作業時間がかからない。また、遊技場内の管理者は、遊技機の第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を容易に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本実施の形態に係る遊技機用セキュリティシステムについて図面を参照しながら説明する。
【0024】
本実施の形態に係る遊技機用セキュリティシステムには、通常呼び出しランプと呼ばれ、遊技機ごとに取り付けられる表示装置が用いられる。
【0025】
図1は、本実施の形態に係る遊技機用セキュリティシステムにおいて表示装置を遊技機に取り付けた状態を示す斜視図である。
【0026】
図1に示すように、複数の島1には、複数の遊技機200がそれぞれ設けられている。
【0027】
遊技機200は、遊技領域が配設された遊技盤を備えるとともに開閉可能に設けられた前枠を有する。この前枠には、遊技者が遊技領域を視認できるように、例えばガラスからなるガラス枠が開閉可能に設けられている。
【0028】
複数の島1は、パチンコホール等の遊技場内に設置される。複数の遊技機200のぞれぞれの上部には、表示装置100が取り付けられている。なお、遊技機200は、パチンコ遊技機であってもよく、パチスロ遊技機であってもよい。本実施の形態では、遊技機200がパチンコ遊技機である場合について説明する。
【0029】
各表示装置100は、対応する遊技機200の動作状況および履歴データ等を表示する。また、複数の表示装置100は、パチンコホールの宣伝広告および外部企業の宣伝広告等の画像コンテンツを表示する。
【0030】
図2は、表示装置100を用いた遊技機用セキュリティシステムの構成を示す模式図である。
【0031】
図2に示すように、各島1には、それぞれコントロールユニット300が設けられている。コントロールユニット300は、島1内の複数の表示装置100に接続される。複数の遊技機200は、それぞれ対応する表示装置100に接続される。
【0032】
ホストコンピュータ500は、各島1のコントロールユニット300に有線または無線で接続される。また、ホストコンピュータ500は、インターネット600を経由して情報配信会社のサーバ700に接続される。
【0033】
ホストコンピュータ500は、表示装置100に表示させる画像コンテンツの画像データをサーバ700からダウンロードして記憶する。また、ホストコンピュータ500は、表示装置100に実行させる表示プログラムおよびランプ制御プログラム等を予め記憶している。
【0034】
また、ホストコンピュータ500は、各コントロールユニット300に、送信先の表示装置100を指定するとともに表示プログラム、ランプ制御プログラムおよび画像データ等を送信する。
【0035】
さらに、ホストコンピュータ500は、島1ごとまたは全ての島1の遊技機200の解錠(セキュリティ)を統括的に管理することができる。詳細については後述する。
【0036】
コントロールユニット300は、ホストコンピュータ500から与えられた表示プログラム、ランプ制御プログラムおよび画像データ等を指定された表示装置100に送信する。
【0037】
表示装置100は、予め記憶している表示プログラム、画像データ等またはコントロールユニット300から与えられる表示プログラムおよび画像データ等に基づいて所定の画像を表示する。
【0038】
また、表示装置100は、リモコン400から無線送信される指示に基づいて画像を表示する。さらに、表示装置100は、予め記憶しているランプ制御プログラムまたはコントロールユニット300から与えられるランプ制御プログラムに基づいてランプの点灯および点滅動作を制御する。
【0039】
表示装置100には、遊技機200から遊技機200の動作状況等の情報が与えられる。表示装置100は、遊技機200の動作状況に基づいて、遊技機200の履歴データを記憶する。
【0040】
また、表示装置100は、記憶した履歴データおよび遊技機200から与えられた動作状況等の情報(以下、台情報と呼ぶ)をコントロールユニット300に与える。
【0041】
コントロールユニット300は、各表示装置100から与えられる各遊技機200の台情報をホストコンピュータ500に与える。ホストコンピュータ500は、各表示装置100の台情報を記憶する。
【0042】
図3は、表示装置100の正面図である。
【0043】
図3に示すように、表示装置100は、液晶表示パネル101、スイッチ部102、リモコン受光部103、右ランプ部104および左ランプ部105を含む。本実施の形態では、液晶表示パネル101として、カラー液晶表示パネルが用いられる。なお、各種表示を行うために、上記液晶表示パネル101の代わりに、例えばLED(発光ダイオード)等を用いた他の表示パネルを用いてもよい。
【0044】
スイッチ部102は、解除ボタン102aおよび設定ボタン102b〜102fを含む。右ランプ部104は、複数のLED(発光ダイオード)104aを含み、左ランプ部105は、複数のLED105aを含む。
【0045】
液晶表示パネル101は、遊技機200の施錠および解錠の状態を表示するとともに、遊技機200の台情報およびパチンコホールが提供する各種サービス情報を表示する。
【0046】
ここで、液晶表示パネル101は、対応する遊技機200の施錠および解除の状態を表示することができるとともに、島1内の全ての遊技機200の施錠および解錠の状態を表示することができる。
【0047】
また、液晶表示パネル101は、台情報として、その液晶表示パネル101に接続される遊技機200の台情報のみならず、他の遊技機200の台情報、パチンコホール全体の台情報の集計結果、各島1の台情報の集計結果など、任意の台情報、詳細な情報、その加工情報を表示することができる。
【0048】
なお、上記サービス情報とは、パチンコホールが遊技者に供給する各種サービスの内容を示す情報である。
【0049】
サービス情報には、イベント企画、新台コーナ(パチンコホールに新規に導入された遊技機のコーナ)、レディースコーナ(女性専用遊技機のコーナ)、遊技機200の使用方法(遊び方)、店内飲食販売等がある。
【0050】
上記イベント企画としては、過去最高獲得枚数の更新イベント、過去最高大当り回数の更新イベント、一列最短大当り発生イベント、スタート回数はまりイベント、タイムサービスイベント等がある。
【0051】
また、液晶表示パネル101は、パチンコホールの宣伝広告、外部企業の宣伝広告等を表示する。
【0052】
液晶表示パネル101は、動画および静止画のいずれか一方または両方をカラー表示することができる。液晶表示パネル101に表示される内容は、コントロールユニット300およびリモコン400から与えられる指示に基づいて切り替わる。
【0053】
また、液晶表示パネル101は、液晶表示パネル101の表示内容を設定する複数の設定情報ボタンを表示する。
【0054】
設定スイッチ102b〜102fは、液晶表示パネル101に表示される複数の設定情報ボタンにそれぞれ対応して配置される。設定スイッチ102b〜102fの操作により、液晶表示パネル101の表示内容が切替わる。
【0055】
液晶表示パネル101は、タッチパネル式の液晶表示パネルでもよい。その場合、設定スイッチ102b〜102fが必要なくなり、表示装置100のスペースを有効に活用することができる。
【0056】
リモコン受光部103は、リモコン400からの赤外線または電波からなる無線信号を受け取る。
【0057】
複数のLEDランプ104a,105aは、コントロールユニット300からの指示、スイッチ部102の操作およびリモコン400からの指示により個別に点灯または点滅する。
【0058】
また、複数のLEDランプ104a,105aは、表示装置100または遊技機200が故障等した場合、遊技機200から得られる大当り、ビッグボーナス等の情報に応じた信号を受け取った場合等に点滅する。
【0059】
さらに、本実施の形態においては、複数のLEDランプ104a,105aは、遊技機200の施錠および解錠が行われた場合に点滅または点灯する。詳細については後述する。
【0060】
解除スイッチ102aは、表示装置100または遊技機200の故障等によるLEDランプ104a,105aの点滅を解除するために用いられる。
【0061】
図4は、表示装置100の制御系を示すブロック図である。
【0062】
図4に示すように、表示装置100は、CPU(中央演算処理装置)110、データメモリ111、ワークメモリ112、プログラム/画像メモリ113、画像キャッシュメモリ114、バックライト駆動部115、インタフェース部116、通信ポート117、スイッチ入力インタフェース部118、LED制御部119、停電監視回路120、リセット回路121およびモータ50を含む。
【0063】
プログラム/画像メモリ113は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリからなり、表示プログラム、ランプ制御プログラムおよび画像データを記憶する。
【0064】
ワークメモリ112は、例えばSRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)からなり、必要に応じてプログラム/画像メモリ113から表示プログラム、ランプ制御プログラムおよび画像データが読込まれる。データメモリ111は、例えばFRAM(フェロエレクトリックランダムアクセスメモリ)からなり、遊技機200の履歴データを記憶する。
【0065】
CPU110は、プログラム/画像メモリ113に記憶された表示プログラムおよび画像データに基づいて液晶表示パネル101に表示させる表示データを作成し、画像キャッシュメモリ114に与える。
【0066】
画像キャッシュメモリ114は、CPU110から与えられた表示データを一時的に格納し、液晶表示パネル101に表示データを与える。
【0067】
液晶表示パネル101は、画像キャッシュメモリ114から与えられる表示データにより、遊技機200の動作状況および遊技機200の履歴データ等の台情報、各種イベント企画、パチンコホールの宣伝広告および外部企業の宣伝広告等を表示する。
【0068】
バックライト駆動部115は、CPU110からの指示により、液晶表示パネルのバックライトを駆動する。インタフェース部116は、遊技機200と表示装置100とを相互に接続する。
【0069】
通信ポート117は、コントロールユニット300と表示装置100とを相互に接続する。リモコン受光部103は、リモコン400から与えられる無線信号をCPU110に与える。
【0070】
CPU110は、スイッチ入力インタフェース部118を経由して遊技者によるスイッチ部102の操作に基づく指示を受け取る。さらに、CPU110は、LED制御部119を制御して、右ランプ部104および左ランプ部105の動作を制御する。
【0071】
また、CPU110は、遊技機200の前枠とガラス枠との解錠を行うためのモータ50の動作を制御する。このモータ50の動作については後述する。
【0072】
停電監視回路120は、表示装置100への電源供給が途絶えた場合に、使用者による電源オフであるか停電による電源オフであるか判別する。
【0073】
表示装置100への電源供給が途絶えた時点から所定時間より長い期間表示装置100に再度電源が供給されなければ、停電監視回路120は、使用者による電源オフであると判別する。この場合、再度表示装置100の電源がオンされると、CPU110は日付の更新を行う。
【0074】
一方、表示装置100への電源供給が途絶えた時点から所定時間以内に表示装置100に再度電源が供給されれば、停電監視回路120は、停電が発生したことを判別する。この場合、CPU100は日付の更新を行わない。したがって、遊技機200の履歴データを正確に蓄積することが可能である。
【0075】
リセット回路121は、CPU110にエラーが発生した場合にCPU110をリセットする。それにより、表示装置100の誤動作が防止される。
【0076】
また、リセット回路121は、表示装置100の電源がオンされてから所定時間CPU110のリセットを継続する。それにより、表示装置100の電源電圧が安定してからCPU110が動作を開始する。これにより、表示装置100の誤動作が防止される。
【0077】
ここで、本実施の形態においては、ホストコンピュータ500の制御により遊技機200の前枠とガラス枠との解錠が行われる。
【0078】
具体的には、遊技機200にはモータ50を含む錠駆動機構が設けられており、ホストコンピュータ500からの信号によりこのモータ50を回動させることによって、前枠およびガラス枠の解錠が行われる。以下、詳細について図面を参照しながら説明する。
【0079】
図5は、遊技機200の前枠およびガラス枠を解錠するための錠駆動機構に含まれるモータ50が設けられている様子を示す模式図であり、図6(a)は、遊技機200の前枠が開いている状態を示す模式図であり、図6(b)は、遊技機200のガラス枠が開いている状態を示す模式図である。
【0080】
図5に示すように、各遊技機200には、前枠とガラス枠とを施錠および解錠するための錠駆動機構に含まれるモータ50が設けられている。なお、図5においては、1台の遊技機200に設けられるモータ50のみが点線で示されている。
【0081】
図6(a)および図6(b)に示すように、遊技機200には前枠60が開閉可能に設けられており、この前枠60にはガラス枠61が開閉可能に設けられている。
【0082】
また、図6(a)では、右の遊技機200の前枠60が開いている状態が示され、図6(b)では、右の遊技機200の前枠60が閉じ、ガラス枠61が開いている状態が示されている。
【0083】
ホストコンピュータ500から前枠60およびガラス枠61の一方または両方を解錠するための信号(以下、オープン信号と称する)が、表示装置100のCPU110に出力されると、CPU110は、上記オープン信号に基づいてモータ50を所定の方向に回動させるよう制御する。
【0084】
例えば、CPU110によりモータ50が左回りに回動されることによって、前枠60の解錠が行われる。また、CPU110によりモータ50が右回りに回動されることによって、ガラス枠61の解錠が行われる。
【0085】
図7は、前枠60およびガラス枠61の錠駆動機構を示す模式図である。
【0086】
図7に示すように、遊技機200のモータ50には、回動軸50aを介してカム51が取り付けられている。このモータ50が回動することにより、カム51も所定の方向に回動する。
【0087】
カム51には、突起状の押し部材51aが設けられている。カム51の付近には、板部材52bが設けられている。
【0088】
この板部材52bの両端には、前枠60を施錠および解錠するための前枠ストッパー52が設けられているとともに、所定の位置に角柱部材52aが設けられている。
【0089】
カム51が、モータ50の回動動作により、図7に示す矢印Xの方向に回動すると、カム51の押し部材51aが上記角柱部材52aに当接し、この角柱部材52aを押し上げる。それにより、各前枠ストッパー52が前枠60の係合部(図示せず)からそれぞれ外れることによって、前枠60が解錠される。
【0090】
一方、カム51の付近には、上記板部材52bに並列的に板部材53aが設けられている。この板部材53aの所定の位置には、ガラス枠61を施錠および解錠するためのガラス枠ストッパー53が取り付けられている。
【0091】
また、カム51は、板部材53aを押し下げるための掛かり部51bを有する。
【0092】
カム51が、モータ50の回動により、図7に示す矢印Yの方向に回動すると、カム51の上記掛かり部51bが板部材53aに設けられた孔部(図示せず)に係合し、板部材53を押し下げる。それにより、ガラス枠ストッパー53がガラス枠61の係合部(図示せず)から外れることによって、ガラス枠61が解錠される。
【0093】
次に、遊技機200のガラス枠61の解錠を行うためのホストコンピュータ500の制御についてフローチャートを用いて説明する。なお、前枠60の解錠を行うためのホストコンピュータ500の制御は、ガラス枠61解錠のための上記制御と同様であるので説明を省略する。
【0094】
図8は、ホストコンピュータ500のガラス枠オープン処理を示すフローチャートである。
【0095】
図8に示すように、最初に、ホストコンピュータ500は、例えば、管理者によるリモコン400またはキーボード(図示せず)等の操作により出力されるガラス枠61を解錠するためのオープン信号を受信したか否かを判別する(ステップS1)。オープン信号を受信していない場合には、ホストコンピュータ500は、オープン信号を受信するまで待機する。
【0096】
オープン信号を受信した場合には、ホストコンピュータ500は、受信したオープン信号が、ある1台の遊技機200のガラス枠61の解錠を示す信号であるか、または、島1に配置された全ての遊技機200のガラス枠61の解錠を示す信号であるかを判別する(ステップS2)。
【0097】
受信したオープン信号が、ある1台の遊技機200のガラス枠61の解錠を示す信号である場合には、ホストコンピュータ500は、当該遊技機200のモータ50を回動させるための信号を当該遊技機200に備えられた表示装置100のCPU110に出力するとともに、表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105を点滅させるための信号を上記CPU110に出力する(ステップS3)。
【0098】
それにより、当該遊技機200のガラス枠61の解錠が行われるとともに、表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105が点滅する。このときに、液晶表示パネル101にガラス枠61が解錠されたことを文字または図形により表示してもよい。
【0099】
受信したオープン信号が、島1内に配置された全ての遊技機200のガラス枠61の解錠を示す信号である場合には、ホストコンピュータ500は、アドレスA1に配置された遊技機200のモータ50を回動させるための信号を当該遊技機200に備えられた表示装置100のCPU110に出力するとともに、表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105を点滅させるための信号をCPU110に出力する(ステップS4)。
【0100】
なお、各島1内の各200にはアドレスA1〜Amが割り当てられる。本実施の形態では、上記mは5である。
【0101】
また、上記アドレスA1とは、各島1において、遊技機200が配置されるためのコントロールユニット300に最も近い位置である。
【0102】
ここで、以下の各ステップの処理は、アドレスA1に配置された遊技機200に備えられた表示装置100のCPU110(以下、アドレスA1のCPU110と略記する)の制御によるものである。
【0103】
アドレスA1に配置された遊技機200の解錠が行われ、表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105が点滅された後、アドレスA1のCPU110は、アドレスA2に配置された遊技機200のモータ50を回動させるための信号、ならびに当該遊技機200の表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105を点滅させるための信号を、アドレスA2に配置された遊技機200の表示装置100のCPU110に出力する(ステップS5)。このときに、液晶表示パネル101にガラス枠61が解錠されたことを文字または図形により表示してもよい。
【0104】
なお、上記アドレスA2に配置された遊技機200とは、アドレスA1に配置された上記遊技機200の側方に配置された遊技機200である。
【0105】
次に、アドレスA1のCPU110は、解錠のための信号ならびに右ランプ部104および左ランプ部105の点滅のための信号を島1内の全ての遊技機200に出力したか否かを判別する(ステップS6)。
【0106】
解錠のための信号ならびに右ランプ部104および左ランプ部105の点滅のための信号を島1内の全ての遊技機200に出力していない場合には、アドレスA1のCPU110は、上記ステップS5の処理に戻る。
【0107】
この場合、アドレスA1のCPU110は、アドレスA3に配置された遊技機200のモータを回動させるための信号、ならびに当該遊技機200の表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105を点滅させるための信号を、アドレスA3に配置された遊技機200の表示装置100のCPU110に出力する。上記のように、島1内のアドレスA1〜Amに配置された遊技機200において解錠および各ランプ部の点滅動作が順に行われる。
【0108】
解錠のための信号ならびに右ランプ部104および左ランプ部105の点滅のための信号を島1内の全ての遊技機200に出力した場合には、ガラス枠オープン処理が終了される。
【0109】
このように、遊技機200の解錠および表示装置100の点滅の処理を遊技機200に対して順次行うことにより、消費電力を低減することができる。なお、消費電力を考慮しないのであれば、島1に配置された全ての遊技機200の解錠および表示装置100の点滅の処理を同時に行ってもよい。
【0110】
本実施の形態では、店員または管理者が遊技機200の前枠60またはガラス枠61を手動で閉じると、前枠60またはガラス枠61が施錠される。前枠60およびガラス枠61の解錠状態および施錠状態は、前枠60およびガラス枠61に取り付けられたセンサにより検出され、この検出結果が表示装置100のCPU110およびホストコンピュータ500に送信される。
【0111】
それにより、表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105または液晶表示パネル101は、遊技機200の前枠60またはガラス枠61の解錠状態または施錠状態を表示することができる。
【0112】
また、各表示装置100のCPU110は、ホストコンピュータ500からの信号に基づいて右ランプ部104および左ランプ部105または液晶表示パネル101に前枠60およびガラス枠61の解錠状態および施錠状態を表示させてもよい。
【0113】
また、遊技機200の施錠時に、表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105または液晶表示パネル101に遊技機200が施錠されたことを表示させてもよい。
【0114】
さらに、ホストコンピュータ500からの信号に基づいて遊技機200の前枠60およびガラス枠61を施錠するように構成してもよい。
【0115】
(本実施の形態における効果)
本実施の形態においては、ホストコンピュータ500により1台または複数台の遊技機200の解錠が行われる。ホストコンピュータ500による複数の遊技機200の統括的な解錠により、遊技機200の解錠を容易に行うことができる。
【0116】
また、本実施の形態においては、遊技機200の解錠時に、表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105が点滅する。それにより、パチンコホール等の遊技場内の管理者は、遊技機200の前枠60またはガラス枠61の解錠された状態を容易に認識することが可能となる。
【0117】
(請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係)
本実施の形態においては、前枠60およびガラス枠61が第1および第2の扉に相当し、表示装置100が遊技機用表示装置に相当し、右ランプ部104および左ランプ部105が表示ランプおよび表示手段に相当し、液晶表示パネル101が表示パネルおよび表示手段に相当し、モータ50が回動手段に相当し、前枠ストッパー52が第1の掛止部に相当し、ガラス枠ストッパー53が第2の掛止部に相当する。
【0118】
また、本実施の形態においては、前枠ストッパー52、角柱部材52a、板部材52b、ガラス枠ストッパー53および板部材53aが扉掛止機構に相当し、カム51、押し部材51aおよび掛かり部51bが掛止解除機構に相当する。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明に係る遊技機用セキュリティシステムは、遊技機の統括的な管理に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本実施の形態に係る遊技機用セキュリティシステムにおいて表示装置を遊技機に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図2】表示装置を用いた遊技機用セキュリティシステムの構成を示す模式図である。
【図3】表示装置の正面図である。
【図4】表示装置の制御系を示すブロック図である。
【図5】遊技機の前枠およびガラス枠を解錠するための錠駆動機構に含まれるモータが設けられている様子を示す模式図である。
【図6】(a)は、遊技機の前枠が開いている状態を示す模式図であり、(b)は、遊技機のガラス枠が開いている状態を示す模式図である。
【図7】前枠およびガラス枠の錠駆動機構を示す模式図である。
【図8】ホストコンピュータのガラス枠オープン処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0121】
1 島
50 モータ
50a 回動軸
51 カム
51a 押し部材
51b 掛かり部
52 前枠ストッパー
52a 角柱部材
52b 板部材
53 ガラス枠ストッパー
53a 板部材
60 前枠
61 ガラス枠
100 表示装置
101 液晶表示パネル
102 スイッチ部
104 右ランプ部
105 左ランプ部
104a,105a LEDランプ
110 CPU
111 データメモリ
112 ワークメモリ
113 プログラム・画像メモリ
114 画像キャッシュメモリ
116 インタフェース部
117 通信ポート
118 スイッチ入力インタフェース部
119 LED制御部
200 遊技機
300 コントロールユニット
400 リモコン
500 ホストコンピュータ
501 表示画面
502 コンテンツ選択部
503 台選択ボタン
504 表示位置選択ボタン
600 インターネット
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機用セキュリティシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、パチンコ機およびパチスロ機(以下、遊技機と称する)は、各種回路および制御装置等を収納する本体部と、遊技領域が配設された遊技盤を備えるとともに開閉可能に設けられた前枠とを有する。この前枠には、遊技者が遊技領域を視認できるように、例えばガラスからなるガラス枠が開閉可能に設けられている。
【0003】
不正行為等を防止するために、遊技機には前枠およびガラス枠を施錠するための錠駆動機構がそれぞれ設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
パチンコ店またはパチスロ店の従業員である遊技機の管理者は、各台の錠駆動機構を解錠することにより前枠を開けて制御装置等の保守作業を行うとともに、各台の錠駆動機構を解錠することによりガラス枠を開けて遊技盤等の保守作業を行っている。そして、これらの保守作業が終われば、管理者により前枠およびガラス枠が例えば手動により施錠される。
【特許文献1】特開2003−193724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、管理者は保守作業を行う際に、各台ごとに錠駆動機構を解錠する必要があり、非常に手間および時間がかかる。
【0006】
また、錠駆動機構が例えばリモートコントロールにより解錠された後において、管理者が、当該錠駆動機構が確実に解錠されているか否かを認識しにくい場合がある。
【0007】
本発明の目的は、錠駆動機構を容易に解錠することが可能でかつ解錠された状態を容易に認識することが可能な遊技機用セキュリティシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る遊技機用セキュリティシステムは、複数の遊技機の各々に開閉可能に重なるように設けられた第1の扉および第2の扉の解錠の処理を行う遊技機用セキュリティシステムであって、複数の遊技機と別個に構成され、複数の遊技機にそれぞれ設置されるとともに、対応する遊技機からの信号に基づいて遊技機の動作状況を示す情報をそれぞれ表示する複数の呼び出しランプと、複数の遊技機の第1の扉および第2の扉の一方または両方の解錠を複数の呼び出しランプのうち一の呼び出しランプに指示するホストコンピュータと、複数の遊技機の各々に設けられ、対応する呼び出しランプの指示に基づいて対応する遊技機の第1の扉および第2の扉の一方または両方の解錠を行う錠駆動機構とを備え、一の呼び出しランプは、対応する錠駆動機構に解錠を指示するとともに、他の呼び出しランプに対して遊技機ごとに解錠を指示し、他の呼び出しランプは、一の呼び出しランプの指示に基づいて対応する錠駆動機構に解錠を指示し、複数の呼び出しランプの各々は、ホストコンピュータからの指示、または一の呼び出しランプからの指示に基づいて第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態をさらに表示する表示手段を有するものである。
【0009】
本発明に係る遊技機用セキュリティシステムにおいては、複数の遊技機の第1の扉および第2の扉の一方または両方の解錠がホストコンピュータにより複数の呼び出しランプのうち一の呼び出しランプに指示される。
【0010】
ホストコンピュータにより解錠を指示された一の呼び出しランプは、対応する錠駆動機構に解錠を指示するとともに、他の呼び出しランプに対して遊技機ごとに解錠を指示する。他の呼び出しランプは、一の呼び出しランプの指示に基づいて対応する錠駆動機構に解錠を指示する。
【0011】
これにより、複数の遊技機の第1の扉および第2の扉の一方または両方の解錠が錠駆動機構により行われる。それにより、複数の遊技機の解錠を統括的かつ容易に行うことができる。したがって、手間および作業時間がかからない。
【0012】
また、第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態が呼び出しランプの表示手段により表示される。それにより、遊技場内の管理者は、複数の遊技機の各々について第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を容易かつ迅速に認識することが可能となる。
【0013】
さらに、上記一の呼び出しランプから他の呼び出しランプに対して遊技機ごとに解錠が指示されることにより、消費電力が低減される。
【0014】
表示手段は、点灯状態により第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を表示する表示ランプからなってもよい。
【0015】
この場合、第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態が表示ランプによる点灯状態により表示されることにより、遊技場内の管理者は、遊技機の第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を視覚的に容易に認識することができる。
【0016】
表示手段は、文字または図形により第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を表示する表示パネルからなってもよい。
【0017】
この場合、第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態が表示パネルによる文字または図形により表示されることにより、遊技場内の管理者は、遊技機の第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を視覚的に容易に認識することができる。
【0018】
錠駆動機構は、ホストコンピュータの指示に基づいて一方向または逆方向に回動する回動手段と、第1の扉に掛止される第1の掛止部および第2の扉に掛止される第2の掛止部を有する扉掛止機構と、回動手段の一方向への回動に伴って扉掛止機構の第1の掛止部による第1の扉の掛止を解除し、回動手段の逆方向への回動に伴って扉掛止機構の第2の掛止部による第2の扉の掛止を解除する掛止解除機構とを含んでもよい。
【0019】
この場合、ホストコンピュータの指示に基づいて回動手段が一方向へ回動することにより、扉掛止機構の第1の掛止部による第1の扉の掛止が解除される。それにより、第1の扉が解錠される。
【0020】
また、ホストコンピュータの指示に基づいて回動手段が逆方向へ回動することにより、扉掛止機構の第2の掛止部による第2の扉の掛止が解除される。それにより、第2の扉が解錠される。
【0021】
このように、第1および第2の扉の解錠が1つの回動手段により行われることにより、複数の回動手段を用いた場合に比べ、部品点数の削減および省スペース化を図ることができる。
【0022】
一の呼び出しランプは、他の複数の呼び出しランプに対して順次解錠を指示してもよい。この場合、消費電力がさらに低減される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、遊技場内の管理者は、遊技機の解錠を容易に行うことができることにより、手間および作業時間がかからない。
【0024】
また、遊技場内の管理者は、複数の遊技機の第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を容易に認識することができる。
【0025】
さらに、一の呼び出しランプから他の呼び出しランプに対して遊技機ごとに解錠が指示されることにより、消費電力が低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本実施の形態に係る遊技機用セキュリティシステムについて図面を参照しながら説明する。
【0027】
本実施の形態に係る遊技機用セキュリティシステムには、通常呼び出しランプと呼ばれ、遊技機ごとに取り付けられる表示装置が用いられる。
【0028】
図1は、本実施の形態に係る遊技機用セキュリティシステムにおいて表示装置を遊技機に取り付けた状態を示す斜視図である。
【0029】
図1に示すように、複数の島1には、複数の遊技機200がそれぞれ設けられている。
【0030】
遊技機200は、遊技領域が配設された遊技盤を備えるとともに開閉可能に設けられた前枠を有する。この前枠には、遊技者が遊技領域を視認できるように、例えばガラスからなるガラス枠が開閉可能に設けられている。
【0031】
複数の島1は、パチンコホール等の遊技場内に設置される。複数の遊技機200のぞれぞれの上部には、表示装置100が取り付けられている。なお、遊技機200は、パチンコ遊技機であってもよく、パチスロ遊技機であってもよい。本実施の形態では、遊技機200がパチンコ遊技機である場合について説明する。
【0032】
各表示装置100は、対応する遊技機200の動作状況および履歴データ等を表示する。また、複数の表示装置100は、パチンコホールの宣伝広告および外部企業の宣伝広告等の画像コンテンツを表示する。
【0033】
図2は、表示装置100を用いた遊技機用セキュリティシステムの構成を示す模式図である。
【0034】
図2に示すように、各島1には、それぞれコントロールユニット300が設けられている。コントロールユニット300は、島1内の複数の表示装置100に接続される。複数の遊技機200は、それぞれ対応する表示装置100に接続される。
【0035】
ホストコンピュータ500は、各島1のコントロールユニット300に有線または無線で接続される。また、ホストコンピュータ500は、インターネット600を経由して情報配信会社のサーバ700に接続される。
【0036】
ホストコンピュータ500は、表示装置100に表示させる画像コンテンツの画像データをサーバ700からダウンロードして記憶する。また、ホストコンピュータ500は、表示装置100に実行させる表示プログラムおよびランプ制御プログラム等を予め記憶している。
【0037】
また、ホストコンピュータ500は、各コントロールユニット300に、送信先の表示装置100を指定するとともに表示プログラム、ランプ制御プログラムおよび画像データ等を送信する。
【0038】
さらに、ホストコンピュータ500は、島1ごとまたは全ての島1の遊技機200の解錠(セキュリティ)を統括的に管理することができる。詳細については後述する。
【0039】
コントロールユニット300は、ホストコンピュータ500から与えられた表示プログラム、ランプ制御プログラムおよび画像データ等を指定された表示装置100に送信する。
【0040】
表示装置100は、予め記憶している表示プログラム、画像データ等またはコントロールユニット300から与えられる表示プログラムおよび画像データ等に基づいて所定の画像を表示する。
【0041】
また、表示装置100は、リモコン400から無線送信される指示に基づいて画像を表示する。さらに、表示装置100は、予め記憶しているランプ制御プログラムまたはコントロールユニット300から与えられるランプ制御プログラムに基づいてランプの点灯および点滅動作を制御する。
【0042】
表示装置100には、遊技機200から遊技機200の動作状況等の情報が与えられる。表示装置100は、遊技機200の動作状況に基づいて、遊技機200の履歴データを記憶する。
【0043】
また、表示装置100は、記憶した履歴データおよび遊技機200から与えられた動作状況等の情報(以下、台情報と呼ぶ)をコントロールユニット300に与える。
【0044】
コントロールユニット300は、各表示装置100から与えられる各遊技機200の台情報をホストコンピュータ500に与える。ホストコンピュータ500は、各表示装置100の台情報を記憶する。
【0045】
図3は、表示装置100の正面図である。
【0046】
図3に示すように、表示装置100は、液晶表示パネル101、スイッチ部102、リモコン受光部103、右ランプ部104および左ランプ部105を含む。本実施の形態では、液晶表示パネル101として、カラー液晶表示パネルが用いられる。なお、各種表示を行うために、上記液晶表示パネル101の代わりに、例えばLED(発光ダイオード)等を用いた他の表示パネルを用いてもよい。
【0047】
スイッチ部102は、解除ボタン102aおよび設定ボタン102b〜102fを含む。右ランプ部104は、複数のLED(発光ダイオード)104aを含み、左ランプ部105は、複数のLED105aを含む。
【0048】
液晶表示パネル101は、遊技機200の施錠および解錠の状態を表示するとともに、遊技機200の台情報およびパチンコホールが提供する各種サービス情報を表示する。
【0049】
ここで、液晶表示パネル101は、対応する遊技機200の施錠および解除の状態を表示することができるとともに、島1内の全ての遊技機200の施錠および解錠の状態を表示することができる。
【0050】
また、液晶表示パネル101は、台情報として、その液晶表示パネル101に接続される遊技機200の台情報のみならず、他の遊技機200の台情報、パチンコホール全体の台情報の集計結果、各島1の台情報の集計結果など、任意の台情報、詳細な情報、その加工情報を表示することができる。
【0051】
なお、上記サービス情報とは、パチンコホールが遊技者に供給する各種サービスの内容を示す情報である。
【0052】
サービス情報には、イベント企画、新台コーナ(パチンコホールに新規に導入された遊技機のコーナ)、レディースコーナ(女性専用遊技機のコーナ)、遊技機200の使用方法(遊び方)、店内飲食販売等がある。
【0053】
上記イベント企画としては、過去最高獲得枚数の更新イベント、過去最高大当り回数の更新イベント、一列最短大当り発生イベント、スタート回数はまりイベント、タイムサービスイベント等がある。
【0054】
また、液晶表示パネル101は、パチンコホールの宣伝広告、外部企業の宣伝広告等を表示する。
【0055】
液晶表示パネル101は、動画および静止画のいずれか一方または両方をカラー表示することができる。液晶表示パネル101に表示される内容は、コントロールユニット300およびリモコン400から与えられる指示に基づいて切り替わる。
【0056】
また、液晶表示パネル101は、液晶表示パネル101の表示内容を設定する複数の設定情報ボタンを表示する。
【0057】
設定スイッチ102b〜102fは、液晶表示パネル101に表示される複数の設定情報ボタンにそれぞれ対応して配置される。設定スイッチ102b〜102fの操作により、液晶表示パネル101の表示内容が切替わる。
【0058】
液晶表示パネル101は、タッチパネル式の液晶表示パネルでもよい。その場合、設定スイッチ102b〜102fが必要なくなり、表示装置100のスペースを有効に活用することができる。
【0059】
リモコン受光部103は、リモコン400からの赤外線または電波からなる無線信号を受け取る。
【0060】
複数のLEDランプ104a,105aは、コントロールユニット300からの指示、スイッチ部102の操作およびリモコン400からの指示により個別に点灯または点滅する。
【0061】
また、複数のLEDランプ104a,105aは、表示装置100または遊技機200が故障等した場合、遊技機200から得られる大当り、ビッグボーナス等の情報に応じた信号を受け取った場合等に点滅する。
【0062】
さらに、本実施の形態においては、複数のLEDランプ104a,105aは、遊技機200の施錠および解錠が行われた場合に点滅または点灯する。詳細については後述する。
【0063】
解除スイッチ102aは、表示装置100または遊技機200の故障等によるLEDランプ104a,105aの点滅を解除するために用いられる。
【0064】
図4は、表示装置100の制御系を示すブロック図である。
【0065】
図4に示すように、表示装置100は、CPU(中央演算処理装置)110、データメモリ111、ワークメモリ112、プログラム/画像メモリ113、画像キャッシュメモリ114、バックライト駆動部115、インタフェース部116、通信ポート117、スイッチ入力インタフェース部118、LED制御部119、停電監視回路120、リセット回路121およびモータ50を含む。
【0066】
プログラム/画像メモリ113は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリからなり、表示プログラム、ランプ制御プログラムおよび画像データを記憶する。
【0067】
ワークメモリ112は、例えばSRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)からなり、必要に応じてプログラム/画像メモリ113から表示プログラム、ランプ制御プログラムおよび画像データが読込まれる。データメモリ111は、例えばFRAM(フェロエレクトリックランダムアクセスメモリ)からなり、遊技機200の履歴データを記憶する。
【0068】
CPU110は、プログラム/画像メモリ113に記憶された表示プログラムおよび画像データに基づいて液晶表示パネル101に表示させる表示データを作成し、画像キャッシュメモリ114に与える。
【0069】
画像キャッシュメモリ114は、CPU110から与えられた表示データを一時的に格納し、液晶表示パネル101に表示データを与える。
【0070】
液晶表示パネル101は、画像キャッシュメモリ114から与えられる表示データにより、遊技機200の動作状況および遊技機200の履歴データ等の台情報、各種イベント企画、パチンコホールの宣伝広告および外部企業の宣伝広告等を表示する。
【0071】
バックライト駆動部115は、CPU110からの指示により、液晶表示パネルのバックライトを駆動する。インタフェース部116は、遊技機200と表示装置100とを相互に接続する。
【0072】
通信ポート117は、コントロールユニット300と表示装置100とを相互に接続する。リモコン受光部103は、リモコン400から与えられる無線信号をCPU110に与える。
【0073】
CPU110は、スイッチ入力インタフェース部118を経由して遊技者によるスイッチ部102の操作に基づく指示を受け取る。さらに、CPU110は、LED制御部119を制御して、右ランプ部104および左ランプ部105の動作を制御する。
【0074】
また、CPU110は、遊技機200の前枠とガラス枠との解錠を行うためのモータ50の動作を制御する。このモータ50の動作については後述する。
【0075】
停電監視回路120は、表示装置100への電源供給が途絶えた場合に、使用者による電源オフであるか停電による電源オフであるか判別する。
【0076】
表示装置100への電源供給が途絶えた時点から所定時間より長い期間表示装置100に再度電源が供給されなければ、停電監視回路120は、使用者による電源オフであると判別する。この場合、再度表示装置100の電源がオンされると、CPU110は日付の更新を行う。
【0077】
一方、表示装置100への電源供給が途絶えた時点から所定時間以内に表示装置100に再度電源が供給されれば、停電監視回路120は、停電が発生したことを判別する。この場合、CPU100は日付の更新を行わない。したがって、遊技機200の履歴データを正確に蓄積することが可能である。
【0078】
リセット回路121は、CPU110にエラーが発生した場合にCPU110をリセットする。それにより、表示装置100の誤動作が防止される。
【0079】
また、リセット回路121は、表示装置100の電源がオンされてから所定時間CPU110のリセットを継続する。それにより、表示装置100の電源電圧が安定してからCPU110が動作を開始する。これにより、表示装置100の誤動作が防止される。
【0080】
ここで、本実施の形態においては、ホストコンピュータ500の制御により遊技機200の前枠とガラス枠との解錠が行われる。
【0081】
具体的には、遊技機200にはモータ50を含む錠駆動機構が設けられており、ホストコンピュータ500からの信号によりこのモータ50を回動させることによって、前枠およびガラス枠の解錠が行われる。以下、詳細について図面を参照しながら説明する。
【0082】
図5は、遊技機200の前枠およびガラス枠を解錠するための錠駆動機構に含まれるモータ50が設けられている様子を示す模式図であり、図6(a)は、遊技機200の前枠が開いている状態を示す模式図であり、図6(b)は、遊技機200のガラス枠が開いている状態を示す模式図である。
【0083】
図5に示すように、各遊技機200には、前枠とガラス枠とを施錠および解錠するための錠駆動機構に含まれるモータ50が設けられている。なお、図5においては、1台の遊技機200に設けられるモータ50のみが点線で示されている。
【0084】
図6(a)および図6(b)に示すように、遊技機200には前枠60が開閉可能に設けられており、この前枠60にはガラス枠61が開閉可能に設けられている。
【0085】
また、図6(a)では、右の遊技機200の前枠60が開いている状態が示され、図6(b)では、右の遊技機200の前枠60が閉じ、ガラス枠61が開いている状態が示されている。
【0086】
ホストコンピュータ500から前枠60およびガラス枠61の一方または両方を解錠するための信号(以下、オープン信号と称する)が、表示装置100のCPU110に出力されると、CPU110は、上記オープン信号に基づいてモータ50を所定の方向に回動させるよう制御する。
【0087】
例えば、CPU110によりモータ50が左回りに回動されることによって、前枠60の解錠が行われる。また、CPU110によりモータ50が右回りに回動されることによって、ガラス枠61の解錠が行われる。
【0088】
図7は、前枠60およびガラス枠61の錠駆動機構を示す模式図である。
【0089】
図7に示すように、遊技機200のモータ50には、回動軸50aを介してカム51が取り付けられている。このモータ50が回動することにより、カム51も所定の方向に回動する。
【0090】
カム51には、突起状の押し部材51aが設けられている。カム51の付近には、板部材52bが設けられている。
【0091】
この板部材52bの両端には、前枠60を施錠および解錠するための前枠ストッパー52が設けられているとともに、所定の位置に角柱部材52aが設けられている。
【0092】
カム51が、モータ50の回動動作により、図7に示す矢印Xの方向に回動すると、カム51の押し部材51aが上記角柱部材52aに当接し、この角柱部材52aを押し上げる。それにより、各前枠ストッパー52が前枠60の係合部(図示せず)からそれぞれ外れることによって、前枠60が解錠される。
【0093】
一方、カム51の付近には、上記板部材52bに並列的に板部材53aが設けられている。この板部材53aの所定の位置には、ガラス枠61を施錠および解錠するためのガラス枠ストッパー53が取り付けられている。
【0094】
また、カム51は、板部材53aを押し下げるための掛かり部51bを有する。
【0095】
カム51が、モータ50の回動により、図7に示す矢印Yの方向に回動すると、カム51の上記掛かり部51bが板部材53aに設けられた孔部(図示せず)に係合し、板部材53を押し下げる。それにより、ガラス枠ストッパー53がガラス枠61の係合部(図示せず)から外れることによって、ガラス枠61が解錠される。
【0096】
次に、遊技機200のガラス枠61の解錠を行うためのホストコンピュータ500の制御についてフローチャートを用いて説明する。なお、前枠60の解錠を行うためのホストコンピュータ500の制御は、ガラス枠61解錠のための上記制御と同様であるので説明を省略する。
【0097】
図8は、ホストコンピュータ500のガラス枠オープン処理を示すフローチャートである。
【0098】
図8に示すように、最初に、ホストコンピュータ500は、例えば、管理者によるリモコン400またはキーボード(図示せず)等の操作により出力されるガラス枠61を解錠するためのオープン信号を受信したか否かを判別する(ステップS1)。オープン信号を受信していない場合には、ホストコンピュータ500は、オープン信号を受信するまで待機する。
【0099】
オープン信号を受信した場合には、ホストコンピュータ500は、受信したオープン信号が、ある1台の遊技機200のガラス枠61の解錠を示す信号であるか、または、島1に配置された全ての遊技機200のガラス枠61の解錠を示す信号であるかを判別する(ステップS2)。
【0100】
受信したオープン信号が、ある1台の遊技機200のガラス枠61の解錠を示す信号である場合には、ホストコンピュータ500は、当該遊技機200のモータ50を回動させるための信号を当該遊技機200に備えられた表示装置100のCPU110に出力するとともに、表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105を点滅させるための信号を上記CPU110に出力する(ステップS3)。
【0101】
それにより、当該遊技機200のガラス枠61の解錠が行われるとともに、表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105が点滅する。このときに、液晶表示パネル101にガラス枠61が解錠されたことを文字または図形により表示してもよい。
【0102】
受信したオープン信号が、島1内に配置された全ての遊技機200のガラス枠61の解錠を示す信号である場合には、ホストコンピュータ500は、アドレスA1に配置された遊技機200のモータ50を回動させるための信号を当該遊技機200に備えられた表示装置100のCPU110に出力するとともに、表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105を点滅させるための信号をCPU110に出力する(ステップS4)。
【0103】
なお、各島1内の各200にはアドレスA1〜Amが割り当てられる。本実施の形態では、上記mは5である。
【0104】
また、上記アドレスA1とは、各島1において、遊技機200が配置されるためのコントロールユニット300に最も近い位置である。
【0105】
ここで、以下の各ステップの処理は、アドレスA1に配置された遊技機200に備えられた表示装置100のCPU110(以下、アドレスA1のCPU110と略記する)の制御によるものである。
【0106】
アドレスA1に配置された遊技機200の解錠が行われ、表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105が点滅された後、アドレスA1のCPU110は、アドレスA2に配置された遊技機200のモータ50を回動させるための信号、ならびに当該遊技機200の表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105を点滅させるための信号を、アドレスA2に配置された遊技機200の表示装置100のCPU110に出力する(ステップS5)。このときに、液晶表示パネル101にガラス枠61が解錠されたことを文字または図形により表示してもよい。
【0107】
なお、上記アドレスA2に配置された遊技機200とは、アドレスA1に配置された上記遊技機200の側方に配置された遊技機200である。
【0108】
次に、アドレスA1のCPU110は、解錠のための信号ならびに右ランプ部104および左ランプ部105の点滅のための信号を島1内の全ての遊技機200に出力したか否かを判別する(ステップS6)。
【0109】
解錠のための信号ならびに右ランプ部104および左ランプ部105の点滅のための信号を島1内の全ての遊技機200に出力していない場合には、アドレスA1のCPU110は、上記ステップS5の処理に戻る。
【0110】
この場合、アドレスA1のCPU110は、アドレスA3に配置された遊技機200のモータを回動させるための信号、ならびに当該遊技機200の表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105を点滅させるための信号を、アドレスA3に配置された遊技機200の表示装置100のCPU110に出力する。上記のように、島1内のアドレスA1〜Amに配置された遊技機200において解錠および各ランプ部の点滅動作が順に行われる。
【0111】
解錠のための信号ならびに右ランプ部104および左ランプ部105の点滅のための信号を島1内の全ての遊技機200に出力した場合には、ガラス枠オープン処理が終了される。
【0112】
このように、遊技機200の解錠および表示装置100の点滅の処理を遊技機200に対して順次行うことにより、消費電力を低減することができる。なお、消費電力を考慮しないのであれば、島1に配置された全ての遊技機200の解錠および表示装置100の点滅の処理を同時に行ってもよい。
【0113】
本実施の形態では、店員または管理者が遊技機200の前枠60またはガラス枠61を手動で閉じると、前枠60またはガラス枠61が施錠される。前枠60およびガラス枠61の解錠状態および施錠状態は、前枠60およびガラス枠61に取り付けられたセンサにより検出され、この検出結果が表示装置100のCPU110およびホストコンピュータ500に送信される。
【0114】
それにより、表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105または液晶表示パネル101は、遊技機200の前枠60またはガラス枠61の解錠状態または施錠状態を表示することができる。
【0115】
また、各表示装置100のCPU110は、ホストコンピュータ500からの信号に基づいて右ランプ部104および左ランプ部105または液晶表示パネル101に前枠60およびガラス枠61の解錠状態および施錠状態を表示させてもよい。
【0116】
また、遊技機200の施錠時に、表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105または液晶表示パネル101に遊技機200が施錠されたことを表示させてもよい。
【0117】
さらに、ホストコンピュータ500からの信号に基づいて遊技機200の前枠60およびガラス枠61を施錠するように構成してもよい。
【0118】
(本実施の形態における効果)
本実施の形態においては、ホストコンピュータ500により1台または複数台の遊技機200の解錠が行われる。ホストコンピュータ500による複数の遊技機200の統括的な解錠により、遊技機200の解錠を容易に行うことができる。
【0119】
また、本実施の形態においては、遊技機200の解錠時に、表示装置100の右ランプ部104および左ランプ部105が点滅する。それにより、パチンコホール等の遊技場内の管理者は、遊技機200の前枠60またはガラス枠61の解錠された状態を容易に認識することが可能となる。
【0120】
(請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係)
本実施の形態においては、前枠60およびガラス枠61が第1および第2の扉に相当し、表示装置100が呼び出しランプに相当し、右ランプ部104および左ランプ部105が表示ランプおよび表示手段に相当し、液晶表示パネル101が表示パネルおよび表示手段に相当し、モータ50が回動手段に相当し、前枠ストッパー52が第1の掛止部に相当し、ガラス枠ストッパー53が第2の掛止部に相当する。
【0121】
また、本実施の形態においては、前枠ストッパー52、角柱部材52a、板部材52b、ガラス枠ストッパー53および板部材53aが扉掛止機構に相当し、カム51、押し部材51aおよび掛かり部51bが掛止解除機構に相当する。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明に係る遊技機用セキュリティシステムは、遊技機の統括的な管理に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本実施の形態に係る遊技機用セキュリティシステムにおいて表示装置を遊技機に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図2】表示装置を用いた遊技機用セキュリティシステムの構成を示す模式図である。
【図3】表示装置の正面図である。
【図4】表示装置の制御系を示すブロック図である。
【図5】遊技機の前枠およびガラス枠を解錠するための錠駆動機構に含まれるモータが設けられている様子を示す模式図である。
【図6】(a)は、遊技機の前枠が開いている状態を示す模式図であり、(b)は、遊技機のガラス枠が開いている状態を示す模式図である。
【図7】前枠およびガラス枠の錠駆動機構を示す模式図である。
【図8】ホストコンピュータのガラス枠オープン処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0124】
1 島
50 モータ
50a 回動軸
51 カム
51a 押し部材
51b 掛かり部
52 前枠ストッパー
52a 角柱部材
52b 板部材
53 ガラス枠ストッパー
53a 板部材
60 前枠
61 ガラス枠
100 表示装置
101 液晶表示パネル
102 スイッチ部
104 右ランプ部
105 左ランプ部
104a,105a LEDランプ
110 CPU
111 データメモリ
112 ワークメモリ
113 プログラム・画像メモリ
114 画像キャッシュメモリ
116 インタフェース部
117 通信ポート
118 スイッチ入力インタフェース部
119 LED制御部
200 遊技機
300 コントロールユニット
400 リモコン
500 ホストコンピュータ
501 表示画面
502 コンテンツ選択部
503 台選択ボタン
504 表示位置選択ボタン
600 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に開閉可能に重なるように設けられた第1の扉および第2の扉の解錠の処理を行う遊技機用セキュリティシステムであって、
前記遊技機と別個に構成され、前記遊技機からの信号に基づく表示を行いかつ前記遊技機に設置される遊技機用表示装置と、
前記遊技機の前記第1の扉および第2の扉の一方または両方の解錠を指示するホストコンピュータと、
前記ホストコンピュータの指示に基づいて前記遊技機の前記第1の扉および第2の扉の一方または両方の解錠を行う錠駆動機構とを備え、
前記遊技機用表示装置は、前記遊技機からの信号または前記ホストコンピュータからの信号に基づいて前記第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を表示する表示手段を有することを特徴とする遊技機用セキュリティシステム。
【請求項2】
前記遊技機は、複数設けられ、
前記遊技機用表示装置は、前記複数の遊技機にそれぞれ対応して複数設けられ、前記錠駆動機構は、前記複数の遊技機の各々に設けられ、
前記ホストコンピュータは、前記複数の遊技機の各々の解錠を指示し、
各遊技機に対応する前記遊技機用表示装置の表示手段は、前記第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を表示することを特徴とする請求項1記載の遊技機用セキュリティーシステム。
【請求項3】
前記表示手段は、点灯状態により前記第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を表示する表示ランプからなることを特徴とする請求項1または2記載の遊技機用セキュリティシステム。
【請求項4】
前記表示手段は、文字または図形により前記第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を表示する表示パネルからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機用セキュリティシステム。
【請求項5】
前記錠駆動機構は、
前記ホストコンピュータの指示に基づいて一方向または逆方向に回動する回動手段と、
前記第1の扉に掛止される第1の掛止部および前記第2の扉に掛止される第2の掛止部を有する扉掛止機構と、
前記回動手段の前記一方向への回動に伴って前記扉掛止機構の前記第1の掛止部による前記第1の扉の掛止を解除し、前記回動手段の前記逆方向への回動に伴って前記扉掛止機構の前記第2の掛止部による前記第2の扉の掛止を解除する掛止解除機構とを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機用セキュリティシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機の各々に開閉可能に重なるように設けられた第1の扉および第2の扉の解錠の処理を行う遊技機用セキュリティシステムであって、
前記複数の遊技機と別個に構成され、前記複数の遊技機にそれぞれ設置されるとともに、対応する遊技機からの信号に基づいて遊技機の動作状況を示す情報をそれぞれ表示する複数の呼び出しランプと、
複数の遊技機の前記第1の扉および第2の扉の一方または両方の解錠を前記複数の呼び出しランプのうち一の呼び出しランプに指示するホストコンピュータと、
前記複数の遊技機の各々に設けられ、対応する呼び出しランプの指示に基づいて対応する前記遊技機の前記第1の扉および第2の扉の一方または両方の解錠を行う錠駆動機構とを備え、
前記一の呼び出しランプは、対応する錠駆動機構に前記解錠を指示するとともに、他の呼び出しランプに対して遊技機ごとに前記解錠を指示し、前記他の呼び出しランプは、前記一の呼び出しランプの指示に基づいて対応する錠駆動機構に前記解錠を指示し、
前記複数の呼び出しランプの各々は、前記ホストコンピュータからの指示、または前記一の呼び出しランプからの指示に基づいて前記第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態をさらに表示する表示手段を有することを特徴とする遊技機用セキュリティシステム。
【請求項2】
前記表示手段は、点灯状態により前記第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を表示する表示ランプからなることを特徴とする請求項1記載の遊技機用セキュリティシステム。
【請求項3】
前記表示手段は、文字または図形により前記第1の扉および第2の扉の解錠状態または施錠状態を表示する表示パネルからなることを特徴とする請求項1または2記載の遊技機用セキュリティシステム。
【請求項4】
前記錠駆動機構は、
前記ホストコンピュータの指示に基づいて一方向または逆方向に回動する回動手段と、
前記第1の扉に掛止される第1の掛止部および前記第2の扉に掛止される第2の掛止部を有する扉掛止機構と、
前記回動手段の前記一方向への回動に伴って前記扉掛止機構の前記第1の掛止部による前記第1の扉の掛止を解除し、前記回動手段の前記逆方向への回動に伴って前記扉掛止機構の前記第2の掛止部による前記第2の扉の掛止を解除する掛止解除機構とを含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の遊技機用セキュリティシステム。
【請求項5】
前記一の呼び出しランプは、他の複数の呼び出しランプに対して順次前記解錠を指示することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機用セキュリティシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−255058(P2006−255058A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−74559(P2005−74559)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(000101204)アサヒ電機株式会社 (8)
【Fターム(参考)】