説明

遊技機用デモンストレーション装置

【課題】遊技機の良好な紹介が可能な遊技機用デモンストレーション装置を提供すること。
【解決手段】箱体901の開口部に沿って設けられた外枠には、遊技機本体が前方へ回動可能に取り付けられている。遊技機本体には遊技球発射機構が設けられており、遊技球発射機構によって発射された遊技球は遊技盤の遊技領域に打ち出される。また、内枠の前面側全体を覆うようにして、前扉枠が設けられており、前扉枠における窓部の周囲には、実機と共通の装飾用部品や遊技状態に応じて発光する表示ランプ部や効果音などが出力されるスピーカ部等が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の構成の少なくとも一部を備えたデモンストレーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパチンコ機等の遊技機が遊技場等に導入されるにあたっては、遊技場側の担当者が当該遊技機の内容を理解してから導入を決定することが多い。遊技機を遊技場の担当者に紹介する術として、展示場に遊技機を出展したり、カタログ等で紹介したりすることがあった。しかし、展示場に遊技機が出展される頻度は多いとは言えず、またカタログでは実物のイメージが把握し難かった。
【0003】
近年では、キャスター付きの筐体にパチンコ機の制御基板を収納した装置が研究されている。この装置は、コントローラから指令を出すことにより、変動パターンを再現することができる。(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−320359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、変動パターンを見せるだけでは、実際に市場に流通するものとではやはり相違点が多く、遊技機の紹介を有効に出来ていないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
【0007】
請求項1に記載の発明は、遊技領域が形成された遊技盤と、前記遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作手段と、前記発射操作手段への発射操作に基づき、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技盤、前記発射操作手段及び前記発射手段が搭載され、それらの一体的な搬送を可能とする搬送ユニットと、を備えていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、遊技領域が形成された遊技盤と、前記遊技領域を前方から視認可能とする窓部が形成されているとともに、当該窓部の周囲に前記遊技機の前面部に設けられる装飾用部品と共通の装飾用部品が搭載された前面部と、前記遊技盤及び前記前面部が搭載され、それらの一体的な搬送を可能とする搬送ユニットと、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
遊技機の良好な紹介が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】蓋体を取り付けた状態のデモンストレーション装置の斜視図
【図2】蓋体及び車輪を取り外した状態のデモンストレーション装置の斜視図
【図3】(a)蓋体を取り付けた状態のデモンストレーション装置の右側面図、(b)蓋体を取り付けた状態のデモンストレーション装置の左側面図、(c)蓋体を取り付けた状態のデモンストレーション装置の下側からみた底面図
【図4】箱体からパチンコ機の遊技機本体を取り外した状態を示す斜視図
【図5】パチンコ機における遊技機本体の分解斜視図
【図6】内枠の正面図
【図7】遊技盤の正面図
【図8】スルーゲートの平面模式図
【図9】メイン表示部の表示態様を示す図
【図10】遊技機の背面図
【図11】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図
【図12】図柄表示装置の表示画面を示す図
【図13】保留球格納エリアの構成を説明するための説明図。
【図14】振分テーブルの内容を示す図
【図15】保留球格納エリアの構成を説明するための説明図
【図16】主制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャート
【図17】作動口用の入賞処理を示すフローチャート
【図18】情報取得処理を示すフローチャート
【図19】スルー用の入賞処理を示すフローチャート
【図20】大入賞口用の入賞処理を示すフローチャート
【図21】RAM消去スイッチ検知処理
【図22】通常処理を示すフローチャート
【図23】遊技回制御処理を示すフローチャート
【図24】データ設定処理を示すフローチャート
【図25】変動開始処理を示すフローチャート
【図26】変動終了処理を示すフローチャート
【図27】遊技状態移行処理を示すフローチャート
【図28】動作モード移行処理を示すフローチャート
【図29】動作モードM3におけるタイマ割り込み処理を示すフローチャート
【図30】スルー用の検知処理を示すフローチャート
【図31】メイン表示部の表示処理を示すフローチャート
【図32】上作動口用の検知処理を示すフローチャート
【図33】大入賞口の検知処理を示すフローチャート
【図34】RAM消去SW検知処理を示すフローチャート
【図35】通常処理を示すフローチャート
【図36】デモ演出回制御処理を示すフローチャート
【図37】データ設定処理を示すフローチャート
【図38】デモ演出開始処理を示すフローチャート
【図39】動作モード移行処理を示すフローチャート
【図40】動作モードM4におけるタイマ割込み処理を示すフローチャート
【図41】上作動口用の検知処理を示すフローチャート
【図42】動作モードM5におけるタイマ割込み処理を示すフローチャート
【図43】スルー用の検知処理を示すフローチャート
【図44】上作動用の検知処理を示すフローチャート
【図45】通常処理を示すフローチャート
【図46】デモ演出回制御処理を示すフローチャート
【図47】動作モード移行処理を示すフローチャート
【図48】音声ランプ制御装置におけるコマンド対応処理を示すフローチャート
【図49】コマンド対応テーブル
【図50】表示制御装置におけるコマンド対応処理を示すフローチャート
【図51】遊技球操作方式における主制御基板のコネクタの接続状態を示す図
【図52】コントローラ操作方式における主制御基板のコネクタの接続状態を示す図
【図53】コントローラを取り付けた状態のデモンストレーション装置を遊技機本体を図示せずに示した斜視図
【図54】デモンストレーション装置を側面からみた断面模式図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、遊技機用デモンストレーション装置(以下、デモンストレーション装置とも表現する)の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態におけるデモンストレーション装置は、遊技機をデモンストレーション対象とし、当該遊技機の外観や各種演出を遊技場等の当該遊技機を導入する可能性がある者へデモンストレーションする装置である。以下、デモンストレーション対象となる遊技機を実機とも表現し、以下に詳細に説明するパチンコ機10をデモ機とも表現する。
【0012】
図1は蓋体を取り付けた状態のデモンストレーション装置の斜視図、図2は蓋体及び車輪を取り外した状態のデモンストレーション装置の斜視図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、デモンストレーション装置900は、箱体901に遊技機の一種であるパチンコ遊技機10(以下、「パチンコ機」という)を収容して構成されており(図1参照)、蓋体902が取り付けられた状態で遊技場等に搬送され、蓋体902を取り外されるとパチンコ機10の前面側が露出され(図2参照)、パチンコ機10のデモンストレーションが可能な状態となる。
【0014】
以下、蓋体902及び箱体901の外側の構成について説明する。
【0015】
図3(a)は蓋体を取り付けた状態のデモンストレーション装置の左側面図、図3(b)はその右側面図、図3(c)はその下側からみた底面図である。なお、図3(c)は説明の便宜上、車輪を取り外した状態を示している。
【0016】
図1及び図3に示すように、蓋体902の両側部には上下に係合部903が並設されている。蓋体902の係合部903が箱体901の対応する位置に設けられた被係合部904に各々係合されることにより、蓋体902が箱体901に取り付けられている。箱体901及び蓋体902は、ジュラルミン等のアルミニウム合金により形成され、軽量化及び高強度化が図られている。
【0017】
箱体901の上面部及び底面部における前側の位置には左右に並べて把持部905が設けられている。また、図3(b)に示すように箱体901の右側面部における被係合部904に挟まれる位置にも把持部905が設けられている。把持部905は、それぞれ前後方向に回動自在に取り付けられている。図3(c)に示すように、蓋体902の底面部における左右及び箱体901の底面部の後部側における左右には、車輪906を取り付けるための取付孔907が設けられている。箱体901に蓋体902が取り付けられた状態で取付孔907に車輪906を取り付けることにより、デモンストレーション装置900は4つの車輪906で支えられ、デモンストレーション装置900を押して移動させることができる。
【0018】
また、箱体901の底面部における四隅部及び前部側の中央部、並びに蓋体902の底面部の前部側における左右には、脚部908が突出させて設けられている。車輪906を取付孔907から取り外した状態では、デモンストレーション装置900は、これら7つの脚部908により地面に支えられた状態で載置される。また、箱体901から蓋体902を取り外した状態では、パチンコ機10を収容した箱体901は、箱体901の底面部に設けられた5つの脚部908により地面に支えられた状態で載置される。
【0019】
図3(a)に示すように、箱体901及び蓋体902の左側面部における左右には、上下方向にソリ部910が並設されている。ソリ部910は突出させて設けられており、その表面はフッ素樹脂のコーティング加工等により摩擦係数を小さく形成されている。把持部905の一部とソリ部910はデモンストレーション装置900(少なくとも箱体901)の対向した部分(右側面部、左側面部)に設けられ、当該把持部905を上にしてソリ部910を下にしてデモンストレーション装置900(パチンコ機10)を横にした状態で載置することができる。この場合、デモンストレーション装置900はソリ部910により地面に支えられた状態となる。この状態で、地面に対してソリ部910を滑らしながらデモンストレーション装置900を移動させることができる。
【0020】
例えば、デモンストレーション装置900を車両の荷台等に積み込んで搬送する場合に、車両の荷台まではデモンストレーション装置900を車輪906により支持させて押して運搬し、車両の荷台に積み込む際に、デモンストレーション装置900をソリ部910が下方に位置するように倒し、デモンストレーション装置900をソリ部910に支持させた状態で荷台の奥の方に滑り込ませる。この場合、ソリ部910の表面は摩擦係数を小さく形成されているので、デモンストレーション装置900を円滑に移動させることができ、荷台積み込み時の作業負担の軽減化に貢献することができる。
【0021】
次に、箱体901の内部について説明する。図4は箱体からパチンコ機の遊技機本体を取り外した状態を示す斜視図である。
【0022】
図4に示すように、箱体901の前面側には、開口部の縁に沿ってパチンコ機10の外枠911が固定されている。外枠911は矩形枠状をなしており、上下の枠が木製であり、左右の枠がアルミニウム等の金属で形成されている。外枠911は、前部が箱体901の開口部から突出しない位置で上下左右の枠を箱体901に固定されている。外枠911における上枠部と左枠部との連結部分には、上側支持用金具21が前方に突出させて固定されており、さらに外枠911における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が前方に突出させて設けられ、箱体901の開口部よりも前方に位置する。
【0023】
図2に示すように、上側支持用金具21及び下側支持用金具22にはパチンコ機10の遊技機本体12が、上側支持用金具21及び下側支持用金具22側を基端として前方へ回動可能に、取り付けられる。
【0024】
図2及び図4に示すように、外枠911は前部が箱体901の開口部から突出しない位置で箱体901に固定されており、その外枠911に遊技機本体12は取り付けられている。これにより、遊技機本体12が前方へ回動していない状態では、少なくとも遊技機本体12の外枠911に対応する部分は箱体901内に収容させることができる。また、遊技機本体12は、箱体901の開口部より前方に突出された上側支持用金具21及び下側支持用金具22に軸支されているので、遊技機本体12を前方に回動させた場合は、遊技機本体12の回動基端側(図2における右側)も箱体901の前方へせり出すように移動させることができる。これにより、遊技機本体12の背面の空間が広がり、箱体901内部や遊技機本体12の背面側の配線作業等の作業性を向上させることができる。なお、遊技機本体12については後述する。
【0025】
箱体901の内底面における外枠911より後方かつ中央より左側(遊技機本体12を外枠911に取り付けた状態で、後述する遊技機本体12の遊技球発射機構50とは反対側)には、商用電源の電圧100Vをパチンコ機10で使用する24Vに変換する変圧器913が固定されている。外枠911の下枠部における左側には前後方向に貫通させて電線用孔912が形成されており、変圧器913の商用電源に接続される商用電源用電線914は、電線用孔912を通って商用電源に接続される。パチンコ機用電線915は箱体901の左内側面に固定された下側コードクランプ916(下側電線固定部)に固定されている。箱体901の左内側面における下側コードクランプ916の上方には上側コードクランプ917(上側電線固定部)が固定されており、この上側コードクランプ917に固定されるパチンコ機10の電線(図示省略)にパチンコ機用電線915が接続される。
【0026】
箱体901に変圧器913及び外枠911を内蔵しているので、パチンコ機用電線915にパチンコ機10の電線を接続するとともに、商用電源用電線914を商用電源に接続するだけで、パチンコ機10を起動することができる。よって、パチンコ機10を島設備に設置したりすることなく、例えば、遊技場の事務所等においてもパチンコ機10を起動させ、そのパチンコ機10をデモンストレーションすることができる。また、箱体901の後部側に変圧器913が固定されているので、遊技機本体12を箱体901に取り付けた状態で重量バランスを保つことができ、デモンストレーション装置900が前方に倒れる等の不都合が生じる可能性を減じることができる。
【0027】
また、箱体901の内底面におけるほぼ中央(遊技機本体12の排出口に対応する位置)には、球受け容器960がネジや係合片等によって着脱可能に配設されている。球受け容器960内の空間は両側部を上方に張り出して形成されており、上面の中央部には筒状部が上方に突出して形成されている。筒状部の上端に形成された開口部は遊技機本体12の遊技球の排出口に連通され、遊技機本体12から排出された遊技球は、筒状部を通って球受け容器960内の空間に貯留される。球受け容器960は両側部には上方に張り出した空間が形成されているので、球受け容器960に遊技球が貯留された状態でデモンストレーション装置900を横に倒しても当該空間に遊技球を誘導することができ、遊技球が球受け容器960内で暴れる(飛び跳ねる)機会を減じることができる。この貯留された遊技球は、球受け容器960を箱体901から取り外すことによって、球受け容器960から取り出される。
【0028】
次に、遊技機本体12について、図2及び図4を参照しながら図5を用いて説明する。図5はパチンコ機における遊技機本体の分解斜視図である。なお、図5では便宜上パチンコ機の遊技領域内の構成を省略している。
【0029】
既に説明したように、遊技機本体12は、外枠911の上側支持用金具21及び下側支持用金具22により構成された支持機構によって外枠911に対して回動可能に支持されている。
【0030】
また、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠911に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠911の右枠部の内側面に設けられた鉤受け部(図示省略)にて受けられ、遊技機本体12の開放が抑制される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠911の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠911からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
【0031】
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が箱体901に固定された外枠911に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。すなわち、遊技機本体12は箱体901に収容された状態から前方へ回動可能とされている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
【0032】
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
【0033】
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。図6は内枠の正面図である。
【0034】
内枠13は、外形が外枠911とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
【0035】
次に、遊技盤33の構成を図7に基づいて説明する。
【0036】
ここで、本実施形態における遊技機本体12(パチンコ機10)は動作モードM1〜M5の5つの動作モードを有する。詳細は後述するが、動作モードM1及びM2は実機から遊技球を払い出す機能を取り除いた動作モードである。また、動作モードM3〜M5は、複数の番号(以下デモ演出番号ともいう)に対応させて予め定められている演出(以下、デモ演出ともいう)をパチンコ機10に実行させる動作モードである。以下、適宜、動作モードに対応させた説明も行う。
【0037】
遊技盤33には、一般入賞口34,可変入賞装置35,上作動口45,下作動口46,スルーゲート37、可変表示ユニット38、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。一般入賞口34、可変入賞装置35、上作動口45及び下作動口46に遊技球が入ると、それが検知センサにより検知される。ここで、本実施形態におけるデモンストレーション装置900のパチンコ機10(デモ機)ではなく、デモンストレーション対象となる遊技機(実機)であれば、上記検知センサの検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口34への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置35への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口45への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口46への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。下作動口46は、通常は電動役物46aが閉状態となり遊技球が入球できない又は入球し難い状態となっており、開放状態当選となった場合に電動役物46aが開放状態となり遊技球が入球しやすい状態となる。
【0038】
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。デモ機においては、遊技球は払い出されないように構成されている。動作モードM3〜M5においては、上記検知センサの一部が遊技球を検知する又は上記検知センサの一部に遊技球を検知する場合と同等の信号を入力する(以下、まとめて「検知センサが検知」とも表現する)ことにより、パチンコ機10に演出を実行させるための操作を行うことができる。
【0039】
遊技盤33の説明に戻り、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0040】
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口39への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置35、上作動口45、下作動口46又はスルーゲート37への遊技球の入球を、入賞とも表現する。上記のうち、可変入賞装置35、上作動口45、下作動口46においては、遊技球は開口部を通過した後に遊技領域外へ排出され、スルーゲート37においては、遊技球は開口部を通過した後も遊技領域内を移動する。
【0041】
図8はスルーゲートの平面模式図である。スルーゲート37は、遊技盤33の前面から前方に突出して設けられており、遊技球が通過することのできる上下方向に開口された開口部37aを有している。また、開口部37aの周縁部にはスルーゲート用検知センサ211eの検知部213eが設けられている。スルーゲート用検知センサ211eのセンサ本体部212eは遊技盤33の後方に位置している。スルーゲート用検知センサ211eが遊技球を検知することに応じて、動作モードM1、動作モードM2及び実機においては電動役物46aの開放抽選が実行され、動作モードM3〜M5においてはデモ機に実行させる演出番号(メイン表示部43における表示)を切り換えることができる。
【0042】
また、図7に示すように、遊技盤33におけるスルーゲート37の下方には、遊技盤内装飾部49が設けられている。遊技盤内装飾部49は、遊技盤33から前方へ張り出して設けられており、その前端部は後述する前扉枠14のガラス56の後面に当接する位置又はガラス56の後面から遊技球の直径より小さい間隔を空けた位置にある。よって、スルーゲート37を通過した遊技球は、遊技盤内装飾部49の上面である受け用斜面49aに沿って、遊技盤33の中央側へと誘導される。
【0043】
メイン表示部43は、遊技盤内装飾部49の前面側に設けられたセグメント式の表示器である第1結果表示部43a及び第2結果表示部43bから構成される。図9はメイン表示部43の表示態様を示すものである。メイン表示部43は、動作モードM1、動作モードM2及び実機においては、上作動口45に入賞した場合に図9(a)に示すように第1結果表示部43aが変動し、下作動口46に入賞した場合は図9(b)に示すように第2結果表示部43bが変動するが、動作モードM3〜M5では、図9(c)に示すように後述のデモ演出番号が第1結果表示部43a及び第2結果表示部43bを用いて表示される。ちなみに図9(c)ではデモ演出番号「41」が表示されている。
【0044】
なお、メイン表示部43(第1結果表示部43a及び第2結果表示部43b)は、セグメント方式の表示方式を採用しているが、それに限定されず、第1結果表示部43a及び第2結果表示部43bの一方又は両方においてドットマトリックス方式等を採用してもよく、また、これらの表示器として、LED表示器、液晶表示器、有機EL表示器等を採用してもよい。
【0045】
可変表示ユニット38には、実機、動作モードM1及び動作モードM2においては、上作動口45又は下作動口46への入賞をトリガとして図柄を可変表示し、動作モードM3〜M5においては、選択された演出内容を表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット38には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。
【0046】
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、実機、動作モードM1及び動作モードM2において、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
【0047】
可変入賞装置35は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。
【0048】
可変入賞装置35において、通常は大入賞口35aに対して開閉扉35bが閉状態となっており、大入賞口35aに遊技球が入賞できない又は入賞し難い状態となっている。大当たりの際は、大入賞口35aに対して開閉扉35bが開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態となる。
【0049】
可変入賞装置35の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置35が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置35の駆動制御は、後述する主制御装置により行われる。
【0050】
大当たりの状態にない場合に、可変入賞装置35に対応する検知センサが検知した場合は、動作モードの切り替えが行われる。具体的には、各動作モードで、上記検知又はそれに対応する信号の入力が発生する都度、動作モードM1→動作モードM2→動作モードM3→動作モードM4→動作モードM5→動作モードM1の順で切り換わる。なお、実機において、大当たりの状態にない場合に当該検知センサが検知した場合は、大当たりではない場合に大入賞口35aへの遊技球の入賞があったということで、エラーが報知されるように構成されている。
【0051】
図7の説明に戻り、遊技盤33には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これら内レール部47と外レール部48とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
【0052】
遊技球発射機構50は、図6に示すように、樹脂ベース31における窓孔32の下方に取り付けられている。遊技球発射機構50は、電磁式のソレノイド51と、発射レール52と、球送り機構53とからなり、ソレノイド51への電気的な信号の入力により当該ソレノイド51の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構53によって発射レール52上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
【0053】
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図2及び図5に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス56が嵌め込まれている。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部55の上方に設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
【0054】
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、実機において、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有するものである。また、下皿58aは、実機において、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
【0055】
下側膨出部58の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置59が設けられている。ハンドル装置59が操作されることにより、遊技球発射機構50から遊技球が発射される。
【0056】
次に、パチンコ機の背面側の構成について説明する。図10はパチンコ機の背面図である。
【0057】
図10に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット61が搭載されている。
【0058】
主制御装置ユニット61は、合成樹脂製の取付台を有し、取付台に主制御装置81が搭載されている。主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備している。主制御装置81の主制御基板には、各種検知センサが接続されるコネクタ701〜705が左右方向に並べて設けられている。
【0059】
裏パックユニット15は、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部72などが取り付けられるベース部74と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75とを有する。保護カバー部75は前後方向において、コネクタ701〜705とは重なっておらず、後方からコネクタ701〜705に触れることが容易な状態となっている。
【0060】
図示しない音声ランプ制御装置ユニットは、内枠13の背面における主制御装置ユニット61の上方に取り付けられており、後方が保護カバー部75に覆われている。音声ランプ制御装置ユニットは、音声ランプ制御装置82(図11参照)と、取付台とを具備する構成となっており、取付台上に音声ランプ制御装置82が装着されている。音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。
【0061】
ベース部74には、その右上部に外部端子板76が設けられている。外部端子板76には各種の出力端子が設けられており、実機において、遊技場側の管理制御装置等の外部機器を接続した場合は、これらの出力端子を通じて当該外部機器に対して各種信号が出力される。ベース部74には、保護カバー部75を迂回するようにして払出機構部72が配設されている。すなわち、裏パック71の最上部には上方に開口したタンク77が設けられており、タンク77には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク77の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置96が設けられている。実機において、払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。
【0062】
払出機構部72には、裏パック基板79が設置されている。裏パック基板79には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源センサの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0063】
ベース部74の下端部には、制御装置集合ユニット73が取り付けられている。制御装置集合ユニット73は、横長形状をなす取付台151を有し、取付台151に払出制御装置97(図10には図示せず、図11参照)と電源及び発射制御装置98とが搭載されている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0064】
電源及び発射制御装置98は、基板ボックス84内に電源及び発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。本パチンコ機10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ90を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
【0065】
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図11のブロック図に基づいて説明する。
【0066】
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202は、当該MPU202により実行される動作モード毎の処理のためのプログラム等の各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU202が有する機能の一部、例えば、ROM203の機能やRAM204の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
【0067】
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97、RAM消去スイッチ90及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサとして、一般入賞口34、可変入賞装置35、上作動口45、下作動口46及びスルーゲート37などといった入賞対応入球部に設けられた上作動口用検知センサ211a、下作動口用検知センサ211b、大入賞口用検知センサ211c、一般入賞口用検知センサ211d及びスルーゲート用検知センサ211eが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定が行われる。また、MPU202では、上作動口45及び下作動口46への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート37への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
【0068】
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。
【0069】
音声ランプ制御装置82には、変動用コマンド、変動種別コマンド、変動終了コマンド、デモ演出開始コマンド、デモ演出終了コマンドなどの各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
【0070】
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置35の開閉扉35bを開閉動作させる可変入賞駆動部35c、下作動口46の電動役物46aを開閉動作させる電動役物駆動部46b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
【0071】
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口35aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部35cの駆動制御が実行される。また、下作動口46の電動役物46aの開放状態当選となった場合には、電動役物46aが開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部46bの駆動制御が実行される。
【0072】
さらには、MPU202の出力側には、外部出力端子板99が接続されている。この場合、外部出力端子板99には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子99aと、大当たり及び特別外れ信号出力端子99bとが設けられている。
【0073】
MPU202は、遊技結果が大当たり結果となった場合には、大当たり信号出力端子99aを通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子99aからLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
【0074】
外部出力端子板99から出力される上記信号は、実機においては、例えば、遊技ホール側の管理制御装置等の外部機器を外部出力端子板99に接続した場合に、当該外部機器によって受信され、遊技結果の収集等に用いられる。本実施形態におけるデモ機(パチンコ機10)においても、各種遊技情報を収集して動作を確認等をするために外部機器を接続することが可能である。
【0075】
停電監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
【0076】
電源及び発射制御装置98は、パチンコ機用電線915(図4参照)に接続されている。そして、そのパチンコ機用電線915から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0077】
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
【0078】
表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定する。
【0079】
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図12に基づいて説明する。図12は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
【0080】
図12(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図12(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
【0081】
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
【0082】
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
【0083】
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。また、後述する非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、共通用動画が表示されるようになっている。
【0084】
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
【0085】
表示画面Gの下部における左側には、第1保留表示領域Gaが設定されており、表示画面Gの下部における右側には、第2保留表示領域Gbが設定されている。
【0086】
第1保留表示領域Gaは、遊技球が上作動口45に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口45に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
【0087】
例えば、遊技球が上作動口45に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口45に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。当該第1保留表示領域Gaにおける表示内容は、後に詳細に説明する。
【0088】
また、第2保留表示領域Gbは、遊技球が下作動口46に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1〜Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が下作動口46に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
【0089】
例えば、遊技球が下作動口46に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみにて保留用画像が表示され、遊技球が下作動口46に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1〜第4単位保留表示領域Gb4の全てにおいて保留用画像が表示される。当該第2保留表示領域Gbにおける表示内容は、後に詳細に説明する。
【0090】
図柄表示装置41の表示画面Gの左上部には、パチンコ機10の動作モードM1〜M5を表示させる動作モード表示領域Gmが設定されている。動作モード表示領域Gmには、動作モード移行時に動作モードを表示させても、常に現在の動作モードを表示するようにしてもよい。
【0091】
<動作モードM1及び動作モードM2におけるカウンタについて>
次に、動作モードM1及び動作モードM2における各種カウンタについて説明する。
【0092】
動作モードM1及び動作モードM2においては、MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしている。具体的には、図13に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1結果表示部43a及び第2結果表示部43b(図9参照)並びに図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口46の電動役物46aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
【0093】
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。RAM204には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア232が設けられている。そして、この保留球格納エリア232に、動作モードM1及びM2の場合は、上作動口45又は下作動口46への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
【0094】
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口45又は下作動口46に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口45に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口46に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
【0095】
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブルとして記憶されている。本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。
【0096】
動作モードM1においては、上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は21個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。また、動作モードM2においては、大当たり当選となる乱数の数が、動作モードM1のそれより多く(例えば、低確率モードで50個、高確率モードで100個)設定されている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
【0097】
また、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となるが、本パチンコ機10においては、外れ結果として、特別外れ結果と通常外れ結果との2種類が設定されている。
【0098】
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置35の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口46の電動役物におけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
【0099】
ここで、開閉実行モードにおける可変入賞装置35の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置35への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口35aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口35aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。なお、実機においては大入賞口35aの開放時間に応じて払い出される遊技球数が増減するので当該開放時間の長短は重要である。これに対して、パチンコ機10においては遊技球が払い出されないため、開閉実行モード中の演出効果は減少する。よって、大入賞口35aの開放時間は実機より短く設定してもよい。
【0100】
一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口35aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口35aへの入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
【0101】
この場合に、本パチンコ機10では、発射ハンドル54が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構50が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口35aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口35aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
【0102】
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口35aの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置35への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。
【0103】
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置35への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口35aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置35への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
【0104】
下作動口46の電動役物46aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口46の電動役物46aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されている。
【0105】
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物46aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物46aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
【0106】
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口46への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口46よりも上作動口45への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口45よりも下作動口46への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口46への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
【0107】
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
【0108】
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口45又は下作動口46に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口45に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口46に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
【0109】
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア222に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図14を用いて説明する。図14に示すように、振分テーブルとしては、図14(a)の第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図14(b)の第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
【0110】
第1結果表示部用の振分テーブルでは、図14(a)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
【0111】
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0112】
非明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持される大当たり結果である。換言すれば、非明示2R確変大当たり結果は、非明示2R確変大当たり状態へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0113】
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0114】
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0115】
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
【0116】
第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
【0117】
上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が次に高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるとともにサポートモードでは低頻度サポートモードとなる非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
【0118】
特に、非明示2R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後において、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードが通常遊技状態と同様に低頻度サポートモードとなる。そうすると、遊技状態として、電動役物46aのサポートモードが低頻度サポートモードで共通しているにも関わらず、当否抽選モードが高確率モードとなる遊技状態を作り出すことができ、遊技者に対して当否抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
【0119】
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図14(b)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
【0120】
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、上作動口45への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口46への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
【0121】
ここで、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、第1結果表示部用の振分テーブルでは、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、第2結果表示部用の振分テーブルでは、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、上作動口45への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口46への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。
【0122】
但し、下作動口46への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、上作動口45への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、下作動口46への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、上作動口45への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
【0123】
また、非明示2R確変大当たり結果では、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードは低頻度サポートモードへ移行することとなるため、15R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果と比較した場合に、電動役物46aが開放状態となりにくいことによりそれだけ遊技球の払出を受ける機会が減り、さらには第2結果表示部用の振分テーブルに基づいて振分抽選が行われる可能性が低くなる。
【0124】
以上のとおり、上作動口45と下作動口46とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は上作動口45及び下作動口46のうち、下作動口46への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、下作動口46への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
【0125】
また、本パチンコ機10では、上記のとおり、当否抽選において外れ結果となった場合に、通常外れ結果又は特別外れ結果となる。この場合、外れ結果となった場合に比較的高確率で発生する通常外れ結果では、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
【0126】
一方、外れ結果となった場合に比較的低確率で発生する特別外れ結果では、特別外れ状態となる。特別外れ状態では、当否抽選において外れ結果となった状況において開閉実行モードに移行することとなる。但し、移行先の開閉実行モードは、低頻度入賞モードである。したがって、特別外れ結果となったとしても、大入賞口35aへの遊技球の入賞は期待できない。また、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モード及びサポートモードの移行は発生しない。
【0127】
上記のように特別外れ結果を設定することで、可変入賞装置35の大入賞口35aの開放を演出として用いることができる。ここで、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態下で、特別外れ結果となった場合、低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行するのみであり、その後には上記通常遊技状態に復帰する。これに対して、上記非明示2R確変大当たり結果が発生した場合には、低頻度入賞モードである開閉実行モードに移行し、その後にはサポートモードが低頻度サポートモードであるものの当否抽選モードが高確率モードとなる。そうすると、通常遊技状態下での特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、同一の低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行すること及びその後にサポートモードが低頻度サポートとなることで共通し、両者の差異は前者においては当否抽選モードが低確率モードとなるのに対して後者においては高確率モードとなることで相違する。つまり、通常遊技状態下での特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、可変入賞装置35の挙動及び下作動口46の電動役物46aの挙動といった各可動物の挙動が共通し、内部的な抽選状態のみが相違することとなる。これにより、通常遊技状態下において低頻度入賞モードである開閉実行モードが発生した場合には、その後に当否抽選モードが高確率モードに移行しているか否かを想像させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
【0128】
なお、当否抽選モードが低確率モードである場合には、特別外れ結果となる乱数の値は大当たり当選となる乱数の値と同様に2個である。一方、当否抽選モードが高確率モードである場合には、特別外れ結果となる乱数の値は、大当たり当選となる乱数の値の数及び低確率モードで特別外れ結果となる乱数の値の数よりも少ない1個である。このように特別外れ結果となる乱数の値の数を、高確率モード下における大当たり当選となる乱数の値の数よりも少なくすることで、高確率モード下では特別外れ結果となる確率よりも大当たり当選となる確率を高くすることができる。また、特別外れ結果となる乱数の値の数を、低確率モード下よりも高確率モード下の方を少なく設定することで、高確率モード下では特別外れ結果となる確率を低確率モード下よりも低くすることができる。
【0129】
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口45又は下作動口46に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口45に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口46に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
【0130】
ここで、リーチ表示とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置35の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
【0131】
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
【0132】
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
【0133】
図12の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
【0134】
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
【0135】
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部43a及び第2結果表示部43bにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1結果表示部43a又は第2結果表示部43bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
【0136】
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり249)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート37に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物46aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物46aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物46aを開放状態に制御しない。
【0137】
既に説明したように、MPU202では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、第1結果表示部43a及び第2結果表示部43bにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が用いられる。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部43a及び第2結果表示部43bにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203の停止結果テーブル記憶エリア224が用いられる。
【0138】
<動作モードM3〜M5におけるデモ演出番号について>
次に、動作モードM3〜M5におけるデモ演出番号について説明する。
【0139】
動作モードM3〜M5においては、MPU202は、RAM204の所定領域に設定されたデモ演出番号用バッファ236に記憶されたデモ演出番号C5(以下、バッファ側デモ演出番号C5bとも表現する)を取得することによって、当該デモ演出番号C5に対応した演出を実行させるための処理を行う。
【0140】
デモ演出番号用バッファ236に記憶されたデモ演出番号C5は動作モードM3〜M5毎に異なるタイミングで更新される。各動作モードにおける更新タイミングについては後述する。
【0141】
また、動作モードM3及びM4の場合は、上作動口45に対応する上作動口用検知センサ211aの検知履歴に合わせて、バッファ側デモ演出番号C5bの各値がRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納される。
【0142】
<保留球格納エリア232の構成>
次に、保留球格納エリア232の構成を、図15を用いてより詳細に説明する。
【0143】
第1結果表示部用保留エリアRaは、上作動口45への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、デモ演出番号C5の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。また、第2結果表示部用保留エリアRbは、下作動口46への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。ここで、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbは、第1結果表示部用保留エリアRaがC5記憶領域を有していること以外は、同一の構成となっているため、以下には、両保留エリアRa,Rbのうち第1結果表示部用保留エリアRaの構成について説明する。
【0144】
第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアと、保留数記憶領域とより構成されている。各記憶エリアは、大当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのC1記憶領域と、大当たり種別カウンタC2の値を格納するためのC2記憶領域と、リーチ乱数カウンタC3の値を格納するためのC3記憶領域と、デモ演出番号C5の値を格納するためのC5記憶領域と、により構成されている。この第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアにより、上作動口45への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
【0145】
デモ演出番号C5は、パチンコ機10における後述の動作モードM3〜M5にて使用される値であり、所定の場合にRAM204のデモ演出番号用バッファ236に記憶されているデモ演出番号C5が更新され、遊技球が上作動口45に入賞したタイミング等で第1結果表示部用保留エリアRaに格納される。
【0146】
C1記憶領域は2バイトで構成されており、0〜599のいずれかの大当たり乱数カウンタC1値が0〜9の下位10ビットを用いて格納されるようになっている。C1記憶領域のうち10〜15の上位6ビットは未使用領域となっている。
【0147】
C2記憶領域は1バイトで構成されており、0〜29のいずれかの大当たり種別カウンタC2値が0〜4の下位5ビットを用いて格納されるようになっている。C2記憶領域のうち5〜7の上位2ビットは未使用領域となっている。
【0148】
C3記憶領域は1バイトで構成されており、0〜238のいずれかのリーチ乱数カウンタC3値が0〜7の全8ビットを用いて格納されるようになっている。
【0149】
C5記憶領域は1バイトで構成されており、0〜41のいずれかのデモ演出番号が0〜5の下位6ビットを用いて格納されているようになっている。C5記憶領域のうち6〜7の上位2ビットは未使用領域となっている。
【0150】
保留数記憶領域は、記憶エリアの使用数、すなわち上作動口45に遊技球が入賞して保留された個数を記憶するための記憶領域である。保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜4のいずれかの値が0〜2の下位3ビットを用いて格納されるようになっている。保留数記憶領域のうち3〜7の上位5ビットは未使用領域となっている。
【0151】
また、保留球格納エリア232には、第1結果表示部用保留エリアRaにおける保留数と第2結果表示部用保留エリアRbにおける保留数との和の数の情報を記憶するための総保留数記憶領域が設けられている。総保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜8のいずれかの値が0〜3の下位4ビットを用いて格納されるようになっている。総保留数記憶領域のうち4〜7の上位4ビットは未使用領域となっている。
【0152】
図13に示す実行エリアAEは、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。実行エリアAEに移動された各値に基づいて各種コマンドが生成される。実行エリアAEは、各結果表示部用保留エリアRaの1つ分の記憶エリアと同一構成、すなわち、2バイト構成のC1記憶領域と、1バイト構成のC2記憶領域と、1バイト構成のC3記憶領域と、1バイト構成のC5記憶領域と、により構成されている。
【0153】
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
本実施形態におけるデモンストレーション装置900のパチンコ機10は5種類の動作モードM1〜M5を備えており、それぞれに主制御装置81内のMPU202にて実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を備えている。これら各処理について、上記動作モード毎に説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
【0154】
<動作モードM1>
以下に動作モードM1のタイマ割り込み処理及び通常処理について説明する。
【0155】
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
【0156】
ステップS101では、各種入賞センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種センサの状態を読み込むと共に、当該センサの状態を判定して検出情報を保存する。
【0157】
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS104にて、作動口45,46への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて、スルーゲート37への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行し、さらにステップS106にて、大入賞口35aへの入賞に伴う大入賞口用の入賞処理を実行し、さらにステップS107にて、RAM消去スイッチ検知処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
【0158】
ステップS104における作動口用の入賞処理、ステップS105におけるスルー用の入賞処理、ステップS106における大入賞口用の入賞処理及びステップS107におけるRAM消去SW検知処理について以下に説明する。
【0159】
<作動口用の入賞処理>
先ず、作動口用の入賞処理について図17のフローチャートを参照しながら説明する。
【0160】
ステップS201では、遊技球が上作動口45に入賞(始動入賞)したか否かを上作動口45に対応した検知センサ(上作動口用検知センサ211a)の検知状態により判定する。遊技球が上作動口45に入賞したと判定すると、ステップS202では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS203では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
【0161】
ステップS201にて遊技球が上作動口45に入賞していないと判定した場合、ステップS204では、遊技球が下作動口46に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口46に対応した検知センサ(下作動口用検知センサ211b)の検知状態により判定する。遊技球が下作動口46に入賞したと判定すると、ステップS205では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS203にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
【0162】
一方、ステップS201,ステップS204が共にNOの場合、すなわち上作動口45,下作動口46のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
【0163】
ここで、ステップS205の情報取得処理を図18のフローチャートにより詳細に説明する。
【0164】
先ずステップS301では、上述したステップS202又はステップS205にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
【0165】
続くステップS304では、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
【0166】
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
【0167】
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。
【0168】
続くステップS305では、上作動口45又は下作動口46に遊技球が入賞したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82側に認識させるための情報である作動入賞コマンドの選定処理を実行する。具体的には、始動保留記憶数Nとして第1始動保留記憶数RaN又は第2始動保留記憶数RbNのいずれがセットされているかにより、今回の情報取得処理の対象となった作動口が上作動口45又は下作動口46のいずれであるかを特定し、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回の作動入賞コマンドとして上作動口45又は下作動口46への入賞が発生したことの情報を含む作動入賞コマンドを選定する。
【0169】
続くステップS306では、ステップS305にて選定した作動入賞コマンドを音声ランプ制御装置82側への送信対象のコマンドとして設定した後に、本情報取得処理を終了する。ステップS306にて設定された作動入賞コマンドは、通常処理(図22)におけるステップS701にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82に送信された作動入賞コマンドは表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では、受信した作動入賞コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ga及び第2保留表示領域Gbにおける表示を保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
【0170】
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について図19のフローチャートを参照しながら説明する。
【0171】
ステップS401では、遊技球がスルーゲート37に入賞したか否かをスルーゲート37に対応した検知センサ(スルーゲート用検知センサ211e)の検知状態により判定する。遊技球がスルーゲート37に入賞したと判定した場合には、ステップS402に進み、役物保留記憶数SNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。
【0172】
遊技球がスルーゲート37に入賞し、且つ、役物保留記憶数SN<4であることを条件にステップS403に進み、役物保留記憶数SNを1インクリメントする。続く、ステップS404では、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM204の電役保留エリア233の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納した後、本入賞処理を終了する。
【0173】
一方、ステップS401でスルーゲート37に遊技球が入賞したと判定されなかった場合又はステップS402にて役物保留記憶数SNの値が上限値以上と判定された場合には電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
【0174】
<大入賞口用の入賞処理>
次に、大入賞口用の入賞処理について図20のフローチャートを参照しながら説明する。
【0175】
ステップS501では、遊技球が大入賞口35aに入賞したか否かを大入賞口35aに対応した検知センサ(大入賞口用検知センサ211c)の検知状態により判定する。遊技球が大入賞口35aに入賞したと判定した場合には、ステップS502に進み、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204のその他フラグ格納エリア235における開閉実行モードフラグ格納エリアに開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
【0176】
ステップS502にて開閉実行モード中でないと判定した場合は、ステップS503で動作モード移行フラグがRAM204のその他フラグ格納エリア235に格納されているか否かを判定する。
【0177】
ステップS503にて動作モード移行フラグが格納されていないと判定された場合は、ステップS504にて、RAM204のその他フラグ格納エリア235に動作モード移行フラグを格納する。
【0178】
動作モード移行フラグは、MPU202が通常処理(図22)にてパチンコ機10の動作モードを移行させる場合に参照するフラグであり、開閉実行モード中でない場合に大入賞口35aに入賞した場合にRAM204のその他フラグ格納エリア235における動作モード移行フラグ格納エリアに格納されている状態となり、動作モード移行処理が行われる場合(他の動作モードのタイマ処理及び通常処理に移行する場合)に消去される。
【0179】
ステップS501にて大入賞口35aへの入賞がないと判定した場合、ステップS502にて開閉実行モード中であると判定した場合及びステップS503にて動作モード移行フラグが既に格納されていると判定した場合は、そのまま本入賞処理を終了する。
【0180】
<RAM消去スイッチ検知処理>
次に、RAM消去スイッチ検知処理について図21のフローチャートを参照しながら説明する。
【0181】
ステップS601では、RAM消去スイッチ90が押されているか否かを判定する。RAM消去スイッチ90が押されていると判定した場合は、ステップS602にて、開閉モード実行中か否かを判定する。開閉実行モード中であると判定した場合は、ステップS603にて、RAM消去スイッチタイマTRを1インクリメントし、続くステップS604にて、RAM消去スイッチタイマTRが1000か否かを判定する。RAM消去スイッチタイマTRはMPU202でRAM消去スイッチ90が押されている時間を把握するためのタイマである。RAM消去スイッチタイマTRが1000であると判定した場合は、ステップS605にてRAM204のその他フラグ格納エリア235にラウンドキャンセルフラグを格納し、ステップS606にてRAM消去スイッチタイマTRを0に更新した後、本検知処理を終了する。
【0182】
ステップS601でRAM消去スイッチ90が押されていないと判定した場合、及びステップS602で開閉モード実行中ではないと判定した場合は、ステップS607にてRAM消去スイッチタイマTRを0に更新した後、本検知処理を終了する。また、ステップS604にて、RAM消去スイッチタイマTRが1000ではないと判定した場合は、そのまま本検知処理を終了する。
【0183】
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図22のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に、又は動作モード移行時に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS701〜S707の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS708,S709のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0184】
通常処理において、ステップS701では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82側に対して送信する。
【0185】
次に、ステップS702では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
【0186】
その後、ステップS703では、メイン表示部43の変動制御や変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定を行う。
【0187】
その後、ステップS704では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
【0188】
ステップS705では、下作動口46に設けられた電動役物46aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物46aを開放状態とするか否かの判定、役物用表示部44の表示制御などを行う。
【0189】
ステップS706では、動作モードを移行させるための動作モード移行処理を実行する。詳細は後述するが、この動作モード移行処理により、動作モードM1から動作モードM2に移行する。
【0190】
続くステップS707では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS708,S709)。つまり、ステップS708では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS709では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
【0191】
ここで、ステップS701〜S706の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
【0192】
<遊技回制御処理>
次に、ステップS703の遊技回制御処理を図23〜図26のフローチャートを参照して説明する。
【0193】
遊技回制御処理では、先ずステップS801にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204のその他フラグ格納エリア235における開閉実行モードフラグ格納エリアに開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
【0194】
開閉実行モード中である場合には、ステップS802以降の処理、すなわちステップS803〜ステップS805の遊技回開始用処理及びステップS806〜ステップS809の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口45,46への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
【0195】
開閉実行モード中でない場合には、ステップS802にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部43a又は第2結果表示部43bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204のその他フラグ格納エリア235における変動表示中フラグ格納エリアに変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部43a又は第2結果表示部43bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
【0196】
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS803〜ステップS805の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS803にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口45及び下作動口46のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS804にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS805にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
【0197】
ここで、ステップS804のデータ設定処理及びステップS805の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
【0198】
先ず、データ設定処理について、図24のフローチャートを参照して説明する。
【0199】
データ設定処理では、先ずステップS901にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS902〜ステップS907の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS908〜ステップS913の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
【0200】
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部43bについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口46に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
【0201】
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS902にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS903では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS904では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
【0202】
その後、ステップS905にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
【0203】
続くステップS906では、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリアに第2結果表示部フラグが記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部43a又は第2結果表示部43bのいずれであるかを特定するための情報である。
【0204】
続くステップS907では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口45に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
【0205】
ステップS907にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図22)におけるステップS701にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82に送信されたシフト時コマンドは表示制御装置212に送信され、表示制御装置212は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【0206】
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS908にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS909では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS910では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
【0207】
その後、ステップS911にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
【0208】
続くステップS912では、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリアに第2結果表示部フラグが記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
【0209】
続くステップS913では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち下作動口46に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
【0210】
ステップS913にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図22)におけるステップS701にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82に送信されたシフト時コマンドは表示制御装置212に送信され、表示制御装置212は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【0211】
次に、変動開始処理について、図25のフローチャートを参照して説明する。
【0212】
変動開始処理では、先ずステップS1001にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられた高確率モードフラグ格納エリアに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
【0213】
高確率モードでない場合には、ステップS1002にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図15(a)に示すように低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS1003にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図15(b)に示すように高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
【0214】
ステップS1002又はステップS1003の処理の後は、ステップS1004〜ステップS1011にて、今回の遊技回の遊技結果を設定するための処理を実行するとともに、今回の遊技回において第1結果表示部43a又は第2結果表示部43bのいずれかで実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。この場合に、停止結果を設定する場合には、ROM203における停止結果情報群記憶手段としての停止結果テーブル記憶エリア224に記憶されている各種停止結果テーブルが参照される。各種停止結果テーブルには、大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値に対応させて数字やアルファベット等の停止結果が記憶されている。
【0215】
変動開始処理(図25)の説明に戻り、ステップS1002又はステップS1003の処理の後は、ステップS1004にて、ステップS1002又はステップS1003における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS1005〜ステップS1010において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
【0216】
ステップS1005では、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS1006にて第1結果表示部用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、非明示2R確変大当たり結果の数値範囲、明示2R確変大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
【0217】
一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS1007にて第2結果表示部用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
【0218】
ステップS1006又はステップS1007の処理の後は、ステップS1008にて、ステップS1006又はステップS1007において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS1009にて、非明示2R確変大当たり結果なのか明示2R大当たり結果なのか15R確変大当たり結果なのかを判断し、各大当たり結果に対応した停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後に各大当たり結果に対応したフラグをRAM204のその他フラグ格納エリア235に格納し、本停止結果設定処理を終了する。
【0219】
ステップS1009の処理を実行した後は、ステップS1012に進む。一方、ステップS1006又はステップS1007において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果でない場合には、ステップS1008にて否定判定をし、ステップS1010に進む。ステップS1010では、通常大当たり用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。その後、ステップS1012に進む。
【0220】
また、ステップS1002又はステップS1003における抽選の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS1004にて否定判定をし、ステップS1011に進む。ステップS1011では、外れ結果となる今回の遊技回において第1結果表示部43a又は第2結果表示部43bにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
【0221】
ステップS1011の処理を実行した後はステップS1012に進む。ステップS1012では、第1結果表示部43a又は第2結果表示部43bにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。本設定処理は、リーチの有無、高頻度サポートモードか否か等により、参照する変動表示時間テーブルを決定し、その変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。
【0222】
ステップS1012の後は、ステップS1013にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報、特別外れ結果の情報などが含まれる。
【0223】
ステップS1013にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図22)におけるステップS701にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様(すなわち、変動表示パターン)が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置82から表示制御装置212にパターンコマンド、停止結果コマンド、予告コマンドとして出力される。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から受信した上記各種コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
【0224】
その後、ステップS1014にて、第1結果表示部43a及び第2結果表示部43bのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部43aであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部43bであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
【0225】
遊技回制御処理(図23)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS806〜ステップS809の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS806にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、ステップS1012(図25)の変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図16)が起動される度に、1ディクリメントされる。
【0226】
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS807にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該結果表示部を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
【0227】
変動表示時間が経過している場合には、ステップS808にて変動終了処理を実行する。ここで、変動終了処理について、図26のフローチャートを参照しながら説明する。
【0228】
先ず、ステップS1101では、RAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。続くステップS1102では、ROM203に記憶されている停止結果データ群の中から、ステップS1101にて確認したアドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データから結果表示の内容を確認する。
【0229】
続くステップS1103では、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS1104にて、ステップS1102において確認した結果表示の内容を、第1結果表示部43aに出力した後に、本変動終了処理を終了する。これにより、第1結果表示部43aでは上記出力に係る結果表示が停止表示された状態で絵柄の変動表示が終了される。
【0230】
一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS1105にて、ステップS1102において確認した結果表示の内容を、第2結果表示部43bに出力した後に、本変動終了処理を終了する。これにより、第2結果表示部43bでは上記出力に係る結果表示が停止表示された状態で絵柄の変動表示が終了される。
【0231】
ここで、上記ステップS1104にて第1結果表示部43aに停止表示された結果表示及び上記ステップS1105にて第2結果表示部43bに停止表示された結果表示は、次回の遊技回における遊技回制御処理にてステップS805の変動開始処理が実行されるまで維持される。つまり、MPU202は、1の遊技回が終了する場合に第1結果表示部43a又は第2結果表示部43bに停止表示させた結果表示の内容が、次回の遊技回が開始されるまで維持されるように、各結果表示部43a,43bを表示制御する機能を有している。
【0232】
遊技回制御処理(図23)では、変動終了処理を実行した後に、ステップS809にて変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS809にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図22)におけるステップS701にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
【0233】
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS704の遊技状態移行処理を図27のフローチャートを参照して説明する。
【0234】
先ず、ステップS1201では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1202に進み、1の遊技回の第1結果表示部43a又は第2結果表示部43bにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0235】
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS1203にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ又は特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0236】
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1204にて、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS1205にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられたラウンドカウンタエリアRC1に、「2」をセットする。ラウンドカウンタエリアRC1は、大入賞口35aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS1206にて、ラウンドカウンタエリアRC1に、「15」をセットして、本遊技状態移行処理を終了する。
【0237】
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS1201にて肯定判定をし、ステップS1207に進む。ステップS1207では、ラウンドキャンセルフラグがRAM204のその他フラグ格納エリア235に格納されているか否かの判定を行う。ラウンドキャンセルフラグが格納されていないのであれば、ステップS1208に進み、大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理では、大入賞口35aの開閉の時間、入賞数、ラウンド数を監視し、大入賞口35aの開閉を制御する。続くステップ1209では、未消化ラウンド数(RC)が0になったか否かの判定を行う。未消化ラウンド数が0でなければ、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。未消化ラウンド数が0であれば、ステップ1211に進み、開閉実行モードの終了処理を行う。開閉実行モードの終了処理では、開閉実行モード等のフラグを消去する。また、ステップS1207にて、ラウンドキャンセルフラグが格納されていると判定した場合は、ステップ1210で未消化ラウンド数を0に更新した後、ステップS1211に進み、開閉実行モード終了処理を行う。
【0238】
<動作モード移行処理>
次に、ステップS706の動作モード移行処理を図28のフローチャートを参照して説明する。
【0239】
動作モード移行処理では、先ずステップS1301にて、動作モード移行フラグがあるか否かを判定する。具体的には、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられた動作モード移行フラグ格納エリアに動作モード移行フラグが格納されているか否かを判定する。動作モード移行フラグは、タイマ割り込み処理における大入賞口用の入賞処理(図20)で格納され、動作モードが移行される場合に消去されるフラグである。
【0240】
動作モード移行フラグが格納されている場合は、ステップS1302にて開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204のその他フラグ格納エリア235における開閉実行モードフラグ格納エリアに開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、遊技状態移行処理(図27)にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
【0241】
開閉実行モード中ではない場合には、ステップS1303にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部43a又は第2結果表示部43bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204のその他フラグ格納エリア235における変動表示中フラグ格納エリアに変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部43a又は第2結果表示部43bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
【0242】
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS1304にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口45及び下作動口46のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。
【0243】
共通保留数CRNが「0」である場合には、ステップS1305で動作モード移行フラグを消去した後、動作モードM2へ移行する。つまり、動作モード移行処理において、動作モード移行フラグが格納(記憶)されている状態で、開閉実行モード中でも変動表示中でもなく、共通保留数CRNが「0」の場合に動作モードM2へ移行される。
【0244】
動作モードM2へ移行した場合には、動作モードM2へ移行したことを識別できるコマンドが、主制御装置81から音声ランプ制御装置82を経由して表示制御装置212に送信される。表示制御装置212は当該コマンドを受信することにより、図柄表示装置41の表示画面Gにおける動作モード表示領域Gm(図12(b)参照)に、動作モードM2を示す「2」を表示させる。以降、動作モードが移行する都度、動作モード表示領域Gmには、移行先の動作モードを示す「1」〜「5」のいずれかが表示される。
【0245】
ステップS1301にて動作モード移行フラグがないと判定された場合、ステップS1302にて開閉実行モード中であると判定された場合、ステップS1303にて変動表示中であると判定された場合、ステップS1304にて共通保留数CRNが「0」ではないと判定された場合は、動作モードの移行は行われずに動作モード移行処理はそのまま終了される。
【0246】
なお、実機において、開閉実行モード中でない場合に大入賞口用検知センサ211cにより大入賞口35aへの遊技球の入賞が検知された場合は、エラーが報知されるように構成されている。遊技場に設置されている実機において開閉実行モード中でない場合の大入賞口35aへの遊技球の入賞は不正による可能性が極めて高いためである。
【0247】
以上のように、動作モードM1は、実機と同様に遊技領域に遊技球を発射させることができ、上作動口45又は下作動口46に遊技球が入賞したタイミングに応じて、各種カウンタ(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3)の値が取得され、取得された各種カウンタの値等に応じて一遊技回の演出等が決定される。
【0248】
実機とパチンコ機10との主な相違点は、実機においては開閉実行モード中に大入賞口35aへの遊技球の入賞が検知された場合はエラー情報を出力する構成であるのに対して、パチンコ機10においては上記の場合は動作モードM2に移行する点、実機においては遊技球が払い出されるように構成されているのに対して、パチンコ機10においては遊技球が払い出されない点である。
【0249】
また、パチンコ機10は実機に対して主制御装置81のMPU202と音声ランプ制御装置82のMPUを変更している。実行する処理についても、実機の処理を基本的に用いつつ一部の処理を変更及び追加して、デモンストレーションに必要な処理を実行させている。例えば、遊技球が開閉実行モード中以外に大入賞口35aへ入球した場合においては、実機においてはエラー情報を出力する処理を実行するが、これに代えて、パチンコ機10では動作モードを移行する処理を実行する。
【0250】
また、基盤ボックス84はもちろん、内蔵されるプリント基板自体も実機と同一部品を使用しているので、パチンコ機10に要する部材コストを低減することができ、プログラム自体も流用しつつ一部機能を変更追加しているので、開発コストも低減できる。
【0251】
また、プログラム容量やデータ容量の大きい表示制御装置212のCPU、ROM等は変更の必要がないので、開発コストを低減できる。ただし、表示制御装置212を一部変更して、表示画面Gの右上等にデモ表示中等と表示させてもよい。
【0252】
<動作モードM2>
動作モードM2の当否テーブルは、動作モードM1の当否テーブルとは異なり、大当たり当選及び特別外れ結果に対応する大当たり乱数カウンタC1の値の数が動作モードM1の当否テーブルのそれより多く設定されている。
【0253】
これにより、動作モードM2は動作モードM1と比較して、大当たり当選する確率等が高くなる。よって、動作モードM1と比較して大当たり当選及び特別はずれ結果に対応した図柄表示装置41、表示ランプ部63、スピーカ部64、可変入賞装置35及び下作動口46それぞれの動作による又はそれらの組み合わせによる演出を頻繁に確認することができる。
【0254】
また、動作モード移行処理において、動作モードM1では、動作モード移行フラグがあり、開閉実行モード中ではなく、変動表示中でもなく、共通保留数CRNが「0」の場合に動作モードM2へ移行しているが(図28参照)、動作モードM2では同様の場合に動作モードM3へ移行する。
【0255】
動作モードM2において上記以外の構成は動作モードM1と同一であるので、その説明を省略する。
【0256】
<動作モードM3>
以下に動作モードM3のタイマ割り込み処理及び通常処理について説明する。
【0257】
なお、以下ではデモ演出番号用バッファ236に記憶されているデモ演出番号C5をバッファ側デモ演出番号C5bとも表現し、保留球格納エリア232の実行エリアAEに記憶されているデモ演出番号C5を実行エリア側デモ演出番号C5aとも表現する。バッファ側デモ演出番号C5bはスルーゲート37の検知状態に応じて更新され、後述する所定のタイミングで実行エリアAEに実行エリア側デモ演出番号C5aとして格納される。MPU202は実行エリア側デモ演出番号C5aに対応するデモ演出用コマンドを音声ランプ制御装置82側に送信する。
【0258】
また、デモ演出番号C5は「0」〜「41」が設定されており、各デモ演出番号C5に対応して表示ランプ部63の発光態様やスピーカ部64の表示態様、図柄表示装置41の表示態様等が設定されている。この設定された内容に応じて各装置が制御されることにより、外れリーチ時の演出や、大当たり時の演出、開閉実行モード時の演出等が実行される。
【0259】
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。
本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
【0260】
ステップS3001では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種センサの状態を読み込むと共に、当該センサの状態を判定して検出情報を保存する。
【0261】
その後、ステップS3002にて、スルーゲート37の検知に伴うスルー用の検知処理を実行し、さらにステップS3003にて、上作動口45の検知に伴う上作動口用の検知処理を実行し、さらにステップS3004にて、大入賞口35aの検知に伴う大入賞口用の検知処理を実行し、さらにステップS3005にて、RAM消去スイッチ検知処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
【0262】
ステップS3002におけるスルー用の検知処理、ステップS3003における上作動口用の検知処理、ステップS3004における大入賞口用の検知処理及びステップS3005におけるRAM消去スイッチ検知処理について以下に説明する。
【0263】
<スルー用の検知処理>
スルー用の検知処理について図30のフローチャートを参照しながら説明する。
【0264】
先ず、ステップS3101にて、スルーゲート37に対応したスルーゲート用検知センサ211eが検知したか否か(検知信号を出力したか否か)を判定する。検知している場合は、ステップS3102にてスルー時間カウンタTGを1インクリメントし、ステップS3103でその値が1000より小さいか否かを判定する。スルー時間カウンタTGは、スルーゲート用検知センサ211eが連続で検知している場合にカウントアップされ、スルー時間カウンタTGの値を監視することにより、スルーゲート用検知センサ211eが連続で検知した期間を判別することができる。
【0265】
ステップS3103でスルー時間カウンタTGが1000より小さいと判定された場合は、ステップS3124にてメイン表示部の表示処理を行った後、本処理を終了する。一方、スルー時間カウンタTGの値が1000以上であると判定された場合は、ステップS3104に進み、デモ演出中か否かを判定する。具体的には、デモ演出中フラグがRAM204のその他フラグ格納エリアに格納されているか否かを判定する。デモ演出中ではないと判定した場合は、ステップS3105に進み、バッファ側デモ演出番号C5bが0か否かを判定する。
【0266】
ステップS3105にて、バッファ側デモ演出番号C5bが0であると判定された場合は、ステップS3107にてバッファ側デモ演出番号C5bが41に更新される。一方、バッファ側デモ演出番号C5bが0ではないと判定された場合は、ステップS3106にてバッファ側デモ演出番号C5bが1ディクリメントされる。
【0267】
ステップS3106又はステップS3107の処理の後は、ステップS3108でRAM204のその他フラグ格納エリア235に戻り実行フラグを格納し、ステップS3109にて、スルー時間カウンタTGを0に更新し、ステップS3124にてメイン表示部の表示処理を行った後、本処理を終了する。
【0268】
ステップS3104にて、デモ演出中であると判定した場合は、ステップS3110にてデモ演出時間を0に更新する。その後、ステップS3111にて、RAM204のその他フラグ格納エリア235にデモ演出停止実行フラグを格納し、ステップS3112にて、スルー時間カウンタTGを0に更新し、ステップS3124にてメイン表示部の表示処理を行った後、本処理を終了する。
【0269】
以上の処理により、デモ演出中ではない場合に、スルーゲート用検知センサ211eが検知している時間が所定期間(例えば、2sec以上)になると、バッファ側デモ演出番号C5bが1ディクリメントされる。バッファ側デモ演出番号C5bが最小値「0」である場合は、バッファ側デモ演出番号C5bは「41」に更新される。
【0270】
また、デモ演出中である場合に、スルーゲート用検知センサ211eが検知している時間が所定期間(例えば、2sec以上)になると、デモ演出時間が0に更新される。このデモ演出時間は、後述のデモ演出回制御処理(図36)でMPU202により参照され、最終的に実行中の演出がキャンセルされる。
【0271】
ステップ3101にて、スルーゲート用検知センサ211eが検知していないと判定した場合は、ステップS3113にて、RAM204のその他フラグ格納エリア235にデモ演出停止実行フラグが格納されているか否かの判定を行う。デモ演出停止実行フラグが格納されている判定された場合は、ステップS3120にて、デモ演出停止実行フラグを消去し、ステップS3121にて、スルー時間カウンタTGを0に更新し、ステップS3124にてメイン表示部の表示処理を行った後、本処理を終了する。
【0272】
ここで、デモ演出停止実行フラグを有しない場合は、デモ演出停止に係る処理(ステップS3110〜S3112)が行われた後にさらに連続して所定期間(例えば2sec)以下のスルー検知が行われた後に、ステップS3114以降の処理が行われてしまう。すなわち、例えば、2.1sec間連続してスルーゲート用検知センサ211eに検知させた場合は、2sec経過した時点でデモ演出停止に係る処理が行われ、その後0.1sec経過した時点でバッファ側デモ演出番号C5bが1インクリメント(または「0」に更新)されてしまう。このようなことを回避するために、デモ演出停止実行フラグを設定し、デモ演出停止実行フラグがある場合は、後述のステップS3114以降の処理を行わないようにしている。
【0273】
ステップS3113にて、デモ演出停止実行フラグなしと判定された場合は、ステップS3114にて戻り実行フラグがRAM204のその他フラグ格納エリア235に格納されているか否かの判定を行う。戻り実行フラグが格納されていると判定された場合は、ステップS3122にて、戻り実行フラグを消去し、ステップS3123にて、スルー時間カウンタTGを0に更新し、ステップS3124にてメイン表示部の表示処理を行った後、本処理を終了する。
【0274】
ここで、戻り実行フラグを有しない場合は、戻りに係る処理(ステップS3105〜S3109)が行われた後にさらに連続して所定期間(例えば2sec)以下のスルー検知が行われた後に、ステップS3115以降の処理が行われてしまう。すなわち、例えば、2.1sec間連続してスルーゲート用検知センサ211eに検知させた場合は、2sec経過した時点で戻りに係る処理が行われ、その後0.1sec経過した時点でバッファ側デモ演出番号C5bが1インクリメント(または「0」に更新)されてしまう。このようなことを回避するために、戻り実行フラグを設定し、戻り実行フラグがある場合は、後述のステップS3115以降の処理を行わないようにしている。
【0275】
ステップS3114にて、戻り実行フラグなしと判定された場合は、ステップS3115にて、スルー時間カウンタTGが0か否かの判定を行う。スルー時間カウンタTGが0と判定された場合は、ステップS3124にてメイン表示部の表示処理を行った後、本処理を終了する。一方、ステップS3115にて、スルー時間カウンタTGが0ではないと判定された場合は、ステップS3116にて、バッファ側デモ演出番号C5bが41か否かの判定を行う。バッファ側デモ演出番号C5bが41である場合は、ステップS3118にてバッファ側デモ演出番号C5bを0に更新し、バッファ側デモ演出番号C5bが41ではない場合は、ステップS3117でバッファ側デモ演出番号C5bを1インクリメントする。
【0276】
以上の処理により、スルーゲート用検知センサ211eが検知すると(検知している時間が所定期間未満(例えば、2sec未満)であると)、バッファ側デモ演出番号C5bが1インクリメントされる。バッファ側デモ演出番号C5bが最大値「41」である場合は、バッファ側デモ演出番号C5bは「0」に更新される。
【0277】
ステップS3117又はステップS3118の後は、ステップS3119にて、スルー時間カウンタTGを0に更新し、ステップS3124にてメイン表示部の表示処理を行った後、本処理を終了する。
【0278】
<メイン表示部の表示処理>
次に、ステップ3124のメイン表示部表示処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。
【0279】
メイン表示部43の表示処理は、先ず、ステップS3201にて、バッファ側デモ演出番号C5bを取得する。次いで、ステップS3202にて当該C5bの値の上位側を第1結果表示部43aに表示させ、ステップS3203にて当該C5bの値の下位側を第2結果表示部43bに表示させて、本表示処理を終了させる。
【0280】
なお、当該C5bの値が1桁(すなわち0〜9)である場合は、第1結果表示部43aには0を表示させるか、または何も表示させないように制御する。
【0281】
<上作動口用の検知処理>
次に、上作動口用の検知処理について図32のフローチャートを参照しながら説明する。
【0282】
ステップS3301では、上作動口45に対応する上作動口用検知センサ211aが検知したか否か(検知信号を出力したか否か)を判定する。検知していないと判定した場合は、そのまま本検知処理を終了する。一方、検知したと判定した場合は、ステップS3302にて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された第1始動保留記憶数RaNが上限値4より小さいか否かを判定する。RaNが4以上と判定した場合は、そのまま本検知処理を終了する。一方、RaNが4より小さいと判定した場合は、ステップS3003にてRaNの値を1インクリメントする。
【0283】
続くステップS3304では、上作動口用検知センサ211aが検知したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報である作動入賞コマンドの設定処理を実行する。具体的には、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から今回の入賞コマンドとして、上作動口用検知センサ211aが検知したことの情報を含む作動入賞コマンドを設定する。この作動入賞コマンドは、通常処理(図35)におけるステップS3601にて、音声ランプ制御装置82に送信される。作動入賞コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212は受信した作動入賞コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
【0284】
続くステップS3305では、RAM204のデモ演出番号用バッファ236に書き込まれているバッファ側デモ演出番号C5bの値を、第1結果表示部用保留エリアRaにおけるC5記憶領域の空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS3303にて1インクリメントした第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
【0285】
続くステップS3306では、バッファ側デモ演出番号C5bの値が上限値(本実施形態では41)か否かの判定を行う。判定の結果、バッファ側デモ演出番号C5bの値が上限値でなければ、ステップS3307にてバッファ側デモ演出番号C5bの値を1インクリメントして、バッファ側デモ演出番号C5bの値が上限値であれば、ステップS3308にてバッファ側デモ演出番号C5bの値を0に更新して、本上作動口用の検知処理を終了する。
【0286】
以上の処理により、上作動口45に対応する検知センサが検知した場合は、バッファ側デモ演出番号C5bを第1結果表示部用保留エリアRaに格納することができる。また、バッファ側デモ演出番号C5bを第1結果表示部用保留エリアRaに格納した後は、バッファ側デモ演出番号C5bを1インクリメント(最大値「41」の場合は「0」に更新)する。よって、次回上作動口45に対応する検知センサが検知した場合は、1インクリメントされた(または「0」に更新された)バッファ側デモ演出番号C5bが第1結果表示部用保留エリアRaに格納される。
【0287】
<大入賞口用の検知処理>
次に、大入賞口用の検知処理について図33のフローチャートを参照しながら説明する。
【0288】
ステップS3401では、大入賞口35a対応した大入賞口用検知センサ211cが検知したか否か(検知信号を出力したか否か)を判定する。検知したと判定した場合には、ステップS3402に進み、開閉実行モードか否かを判定する。動作モードM3では開閉実行モードの設定がないので、このステップS3402では必ず否定判定がされるが、本検知処理のプログラムを動作モードM1と同じプログラムを使用し、ROM203に記憶させるプログラムデータの増大化を抑制している。
【0289】
続く、ステップS3403で動作モード移行フラグがRAM204のその他フラグ格納エリア235に格納されているか否かを判定する。
【0290】
ステップS3403にて動作モード移行フラグが格納されていないと判定された場合は、ステップS3404にてRAM204のその他フラグ格納エリア235に動作モード移行フラグを格納する。
【0291】
動作モード移行フラグは、MPU202が通常処理(図35)にてパチンコ機10の動作モードを移行させる場合に参照するフラグであり、ラウンド演出中でない場合に大入賞口35aに大入賞口用検知センサ211cが検知した場合にRAM204のその他フラグ格納エリア235における動作モード移行フラグ格納エリアに格納されている状態となり、動作モード移行処理が行われる場合(他の動作モードのタイマ処理及び通常処理に移行する場合)に消去される。
【0292】
ステップS3401にて大入賞口35aへの入賞がないと判定した場合、ステップS3402にてラウンド演出中であると判定した場合及びステップS3403にて動作モード移行フラグが既に格納されていると判定した場合は、そのまま本検知処理を終了する。
【0293】
<RAM消去スイッチ検知処理>
次に、RAM消去スイッチ検知処理について図34のフローチャートを参照しながら説明する。
【0294】
ステップS3501では、RAM消去スイッチ90が押されているか否かを判定する。RAM消去スイッチ90が押されていると判定した場合は、ステップS3502にて、デモ演出中か否かを判定する。デモ演出中であると判定した場合は、ステップ3503にて、実行中のデモ演出はラウンド演出か否かを判定する。具体的には、RAM204の実行エリアAEに格納されている実行エリア側デモ演出番号C5aの値を取得し、その値に対応したデモ演出がラウンド演出か否かを判定する。ラウンド演出とは、実機や動作モードM1、M2における開閉実行モード中に実行される演出に対応するものである。
【0295】
ステップS3503にて、ラウンド演出であると判定した場合は、ステップS3504にて、RAM消去スイッチタイマTRを1インクリメントし、続くステップS3505にて、RAM消去スイッチタイマTRが1000か否かを判定する。RAM消去スイッチタイマTRはMPU202でRAM消去スイッチ90が押されている時間を把握するためのタイマである。RAM消去スイッチタイマTRが1000であると判定した場合は、ステップS3506にてデモ演出時間を0に更新し、ステップS3507にてRAM消去スイッチタイマTRを0に更新した後、本検知処理を終了する。ステップS3506において、デモ演出時間を0に更新することにより、後述の通常処理におけるデモ演出回制御処理のステップS3705〜S3707において、デモ演出を中止するための処理がされる。
【0296】
ステップS3501でRAM消去スイッチ90が押されていないと判定した場合、ステップS3502でデモ演出中ではないと判定した場合及びステップS3503でラウンド演出ではないと判断した場合は、ステップS3508にてRAM消去スイッチタイマTRを0に更新した後、本検知処理を終了する。また、ステップS3505にて、RAM消去スイッチタイマTRが1000ではないと判定した場合は、そのまま本検知処理を終了する。
【0297】
<通常処理>
次に、動作モードM3の通常処理の流れを図35のフローチャートを参照しながら説明する。動作モードM3の通常処理は動作モードM2からの動作モード移行時に開始される処理であり、ステップS3601〜S3604の処理が4msec周期の定期処理として実行される。
【0298】
通常処理において、ステップS3601では、動作モードM3におけるタイマ割り込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、デモ演出開始コマンド、デモ演出終了コマンド等が設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82側に対して送信する。
【0299】
次に、ステップS3602では各デモ演出回におけるデモ演出を制御するためのデモ演出回制御処理を実行する。
【0300】
ステップS3603では、動作モードを移行させるための動作モード移行処理を実行する。この動作モード移行処理により、動作モードM3から動作モードM4に移行する。
【0301】
続くステップS3604では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定し、4msec経過後に次の通常処理の実行を開始する。
【0302】
以下に、ステップS3602のデモ演出回制御処理及びステップS3603の動作モード移行処理について説明する。
【0303】
<デモ演出回制御処理>
ステップS3602のデモ演出回制御処理を図36〜図38のフローチャートを参照して説明する。
【0304】
デモ演出回制御処理では、まず、ステップS3701にて、デモ演出中か否かを判定する。具体的には、RAM204のその他フラグ格納エリア235におけるデモ演出中フラグ格納エリアにデモ演出中フラグが格納されているか否かを判定する。当該デモ演出中フラグは、後述するデモ演出を開始させる場合に格納され、デモ演出を終了させる場合に消去される。
【0305】
デモ演出中でない場合には、ステップS3702にて第1始動保留記憶数RaNが「0」か否かを判定する。第1始動保留記憶数RaNが「0」の場合はそのまま遊技回制御処理を終了する。第1始動保留記憶数RaNが「0」でない場合は、ステップS3703にて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されているデータ(動作モードM3〜M5においてはデモ演出番号C5の値)をデモ演出用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS3704にて図柄表示装置41におけるデモ演出を開始させるためのデモ演出開始処理を実行した後に、本制御処理を終了する。
【0306】
データ設定処理について、図37のフローチャートを参照して説明する。
【0307】
データ設定処理では、先ずステップS3801にて第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続く、ステップS3802で第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータ(デモ演出番号C5の値の情報)を実行エリアAEに移動する。
【0308】
その後、ステップS3803にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
【0309】
続くステップS3804では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82側に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口45に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82側への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
【0310】
ステップS3804にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図35)におけるステップS3601にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82は受信したシフト時コマンドを表示制御装置212に送信し、表示制御装置212は受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【0311】
次に、デモ演出開始処理について、図38のフローチャートを参照して説明する。
【0312】
デモ演出開始処理では、先ず、実行エリアに格納された実行エリア側デモ演出番号C5aの値を取得する。次いで、ステップS3902にて、デモ演出用テーブルを参照して、デモ演出時間を特定し、続くステップS3903にて当該デモ演出時間の情報をセットする。デモ演出の時間はデモ演出毎に設定されている。具体的には、デモ演出時間情報はROM203のデモ演出時間テーブル記憶エリア226にデモ演出番号C5の値にそれぞれ対応させて記憶されており、今回のデモ演出番号C5の値に対応したデモ演出時間情報を取得し、そのデモ演出時間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられたデモ演出時間カウンタエリアにセットする。
【0313】
続く、ステップS3904にてデモ演出開始コマンドを設定する。デモ演出開始コマンドには、デモ演出番号C5の値の情報が含まれる。
【0314】
ステップS3904にて設定されたデモ演出開始コマンドは通常処理(図35)におけるステップS3601にて、音声ランプ制御装置82側に送信される。
【0315】
続く、ステップS3905でRAM204のその他フラグ格納エリア235にデモ演出中フラグを格納して、本デモ演出開始処理を終了する。
【0316】
デモ演出回制御処理(図36)の説明に戻り、ステップS3701にてデモ演出中であると判定された場合は、ステップS3705にて、デモ演出時間が経過したか否かの判定を行う。具体的には、RAM204のデモ演出時間カウンタエリアに格納されているデモ演出時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該デモ演出時間情報の値は、上述したように、デモ演出開始処理(図38)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図29)が起動される度に、1ディクリメントされる。デモ演出時間が経過していない場合は、そのままデモ演出回制御処理を終了する。
【0317】
デモ演出時間が経過していると判定された場合は、ステップS3706にてデモ演出中フラグを消去し、続くステップS3707にてデモ演出終了コマンドを設定して、本デモ演出回制御処理を終了する。ステップS3707にて設定されたデモ演出終了コマンドは通常処理(図35)におけるステップS3601にて、音声ランプ制御装置82側に送信される。音声ランプ制御装置82では受信したデモ演出終了コマンドを表示制御装置212に送信し、表示制御装置212は受信したデモ演出終了コマンドに基づいて、そのデモ演出回における演出を終了させる。
【0318】
<動作モード移行処理>
次に、ステップS3603の動作モード移行処理を図39のフローチャートを参照して説明する。
【0319】
動作モード移行処理では、先ずステップS4001にて、動作モード移行フラグがあるか否かを判定する。具体的には、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられた動作モード移行フラグ格納エリアに動作モード移行フラグが格納されているか否かを判定する。動作モード移行フラグは、タイマ割り込み処理における大入賞口用の検知処理(図33)で格納され、動作モードが移行される場合に消去されるフラグである。
【0320】
動作モード移行フラグが格納されている場合は、ステップS4002にて、デモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でない場合には、ステップS4003にて、第1始動保留記憶数RaNが「0」か否かを判定する。
【0321】
第1始動保留記憶数RaNが「0」である場合には、ステップS4004で動作モード移行フラグを消去し、ステップS4005にてバッファ側デモ演出番号C5bの値を0に更新した後、動作モードM4へ移行する。
【0322】
つまり、動作モード移行処理において、動作モード移行フラグが格納(記憶)されている状態で、デモ演出中ではなく、第1始動保留記憶数RaNが「0」の場合に動作モードM4へ移行される。
【0323】
ステップS2701にて動作モード移行フラグがないと判定された場合、ステップS2702にて開閉実行モード中であると判定された場合、ステップS2703にてデモ演出中であると判定された場合、ステップS2704にて第1始動保留記憶数RaNが「0」ではないと判定された場合は、動作モードの移行は行われずに動作モード移行処理はそのまま終了される。
【0324】
以上のように、動作モードM3は、スルーゲート37に遊技球を入賞させること等によりスルーゲート用検知センサ211eを検知させることに応じてデモ演出を選択(バッファ側デモ演出番号C5bの値を更新)することが可能であり、上作動口45に遊技球を入賞させること等により対応する検知センサが検知することに応じて、当該選択されたデモ演出を実行させることが可能である。
【0325】
また、デモ演出が実行されている状態で、上作動口45に対応する検知センサを検知させることにより、その時点で選択されているデモ演出の実行を予約することが可能である。
【0326】
また、動作モードM3は上作動口45に対応した検知センサが検知するたびに、バッファ側デモ演出番号C5bの値が更新される。これにより、スルーゲート用検知センサ211eを検知させることなく、上作動口45に対応した検知センサを複数回検知させた場合は、デモ演出番号C5順にデモ演出が実行又は予約される。
【0327】
また、大入賞口35aに対応する検知センサを検知させることにより、動作モードM4に移行させることが可能である。
【0328】
<動作モードM4>
以下に動作モードM4のタイマ割り込み処理について説明する。なお、通常処理については動作モードM3と同様なので、その説明を省略する。
【0329】
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図40のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
【0330】
ステップS4101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種センサの状態を読み込むと共に、当該センサの状態を判定して検出情報を保存する。
【0331】
その後、ステップS4102にて、スルーゲート37の検知に伴うスルー用の検知処理を実行し、さらにステップS4103にて、上作動口45の検知に伴う上作動口用の検知処理を実行し、さらにステップS4104にて、大入賞口35aの検知に伴う大入賞口用の検知処理を実行し、ステップS4105にてRAM消去スイッチ検知処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
【0332】
ステップS4103における上作動口用の検知処理について、以下に説明する。なお、ステップS4102におけるスルー用の検知処理、ステップS4104における大入賞口用の検知処理及びステップS4105におけるRAM消去スイッチ検知処理については動作モードM3と同様なので(図30、図33及び図34参照)、その説明を省略する。
【0333】
<上作動口用の検知処理>
先ず、上作動口用の検知処理について図41のフローチャートを参照しながら説明する。
【0334】
ステップS4201では、上作動口45に対応する上作動口用検知センサ211aが検知したか否か(検知信号を出力したか否か)を判定する。検知していないと判定した場合は、そのまま本検知処理を終了する。一方、検知したと判定した場合は、ステップS4202にて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された第1始動保留記憶数RaNが上限値4より小さいか否かを判定する。RaNが4以上と判定した場合は、そのまま本検知処理を終了する。一方、RaNが4より小さいと判定した場合は、ステップS4203にてRaNの値を1インクリメントする。
【0335】
続くステップS4204では、上作動口用検知センサ211aが検知したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報である作動入賞コマンドの設定処理を実行する。具体的には、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から今回の入賞コマンドとして、上作動口用検知センサ211aが検知したことの情報を含む作動入賞コマンドを設定する。この作動入賞コマンドは、通常処理における外部出力処理にて、音声ランプ制御装置82に送信される。作動入賞コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212は受信した作動入賞コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
【0336】
続くステップS4205では、RAM204のデモ演出番号用バッファ236に書き込まれているバッファ側デモ演出番号C5bの値を、第1結果表示部用保留エリアRaにおけるC5記憶領域の空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS4203にて1インクリメントした第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納して、本検知処理を終了する。
【0337】
以上のように、動作モードM4は、スルーゲート37に遊技球を入賞させること等によりスルーゲート用検知センサ211eを検知させることに応じてデモ演出を選択(バッファ側デモ演出番号C5bの値を更新)することが可能であり、上作動口45に遊技球を入賞させること等により対応する検知センサを検知させることに応じて、当該選択されたデモ演出を実行させることが可能である。
【0338】
また、デモ演出が実行されている状態で、上作動口45に対応する検知センサを検知させることにより、その時点で選択されているデモ演出の実行を予約することが可能である。
【0339】
また、動作モードM3は上作動口45に対応した検知センサが検知するたびに、バッファ側デモ演出番号C5bの値が更新されるが、動作モードM4においては当該更新がされない構成が異なる。これにより、スルーゲート用検知センサ211eを検知させることなく、上作動口45に対応した検知センサを複数回検知させた場合は、同一のデモ演出が複数回実行される。
【0340】
また、大入賞口35aに対応する検知センサを検知させることにより、動作モードM5に移行させることが可能である。
【0341】
<動作モードM5>
以下に動作モードM5のタイマ割り込み処理及び通常処理について説明する。
【0342】
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図42のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
【0343】
ステップS5001では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種センサの状態を読み込むと共に、当該センサの状態を判定して検出情報を保存する。
【0344】
その後、ステップS5002にて、スルーゲート37の検知に伴うスルー用の検知処理を実行し、さらにステップS5003にて、上作動口45の検知に伴う上作動口用の検知処理を実行し、さらにステップS5004にて、大入賞口35aの検知に伴う大入賞口用の検知処理を実行し、さらにステップS5005にて、RAM消去スイッチ検知処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
【0345】
ステップS5002におけるスルー用の検知処理及びステップS5003における上作動口用の検知処理について以下に説明する。ステップS5004における大入賞口用の検知処理及びステップS5005におけるRAM消去スイッチ検知処理については、動作モードM3と同様(図33及び図34参照)なので、その説明を省略する。
【0346】
<スルー用の検知処理>
スルー用の検知処理について図43のフローチャートを参照しながら説明する。
【0347】
先ず、ステップS5101にて、スルーゲート37に対応したスルーゲート用検知センサ211eが検知したか否か(検知信号を出力したか否か)を判定する。検知している場合は、ステップS5102にてスルー時間カウンタTGを1インクリメントし、ステップS5103でその値が1000より小さいか否かを判定する。スルー時間カウンタTGは、スルーゲート用検知センサ211eが連続で検知している場合にカウントアップされ、スルー時間カウンタTGの値を監視することにより、スルーゲート用検知センサ211eが連続で検知した期間を判別することができる。
【0348】
ステップS5103でスルー時間カウンタTGが1000より小さいと判定された場合は、ステップS5115にてメイン表示部の表示処理を行った後、本処理を終了する。一方、スルー時間カウンタTGの値が1000以上であると判定された場合は、ステップS5104に進み、デモ演出時間を0に更新する。その後、ステップS5105にて、RAM204のその他フラグ格納エリア235にデモ演出停止実行フラグを格納し、ステップS5106にて、スルー時間カウンタTGを0に更新し、ステップS5115にてメイン表示部の表示処理を行った後、本処理を終了する。
【0349】
ステップ5101にて、スルーゲート用検知センサ211eが検知していないと判定した場合は、ステップS5107にて、RAM204のその他フラグ格納エリア235にデモ演出停止実行フラグが格納されているか否かの判定を行う。デモ演出停止実行フラグが格納されている判定された場合は、ステップS5113にて、デモ演出停止実行フラグを消去し、ステップS5114にて、スルー時間カウンタTGを0に更新し、ステップS5115にてメイン表示部の表示処理を行った後、本処理を終了する。
ステップS5107にて、デモ演出停止実行フラグなしと判定された場合は、ステップS5108にて、スルー時間カウンタTGが0か否かの判定を行う。スルー時間カウンタTGが0であると判定された場合は、ステップS5115にてメイン表示部の表示処理を行った後、本処理を終了する。一方、ステップS5108にて、スルー時間カウンタTGが0ではないと判定された場合は、ステップS5109にて、バッファ側デモ演出番号C5bが41であるか否かの判定を行う。
【0350】
ステップS5109にて、バッファ側デモ演出番号C5bが41であると判定された場合は、ステップS5111にてバッファ側デモ演出番号C5bが0に更新される。一方、バッファ側デモ演出番号C5bが41ではないと判定された場合は、ステップS5110にてバッファ側デモ演出番号C5bが1インクリメントされる。
【0351】
ステップS5110又はステップS5111の処理の後は、ステップS5112にて、スルー時間カウンタTGを0に更新し、ステップS5115にてメイン表示部の表示処理を行った後、本処理を終了する。
【0352】
なお、ステップS5115のメイン表示部表示処理については、動作モードM3と同様(図31)なので、その説明を省略する。
【0353】
<上作動口用の検知処理>
上作動口用の検知処理について図44のフローチャートを参照しながら説明する。
【0354】
ステップ5201では、上作動口45に対応する上作動口用検知センサ211aが検知したか否か(検知信号を出力したか否か)を判定する。検知していないと判定した場合は、そのまま本検知処理を終了する。一方、検知したと判定した場合は、ステップS5202にて、デモ演出スタートフラグがRAM204のその他フラグ格納エリア235に格納されているか否かの判定を行う。デモ演出スタートフラグが格納されていると判定された場合は、そのまま本検知処理を終了する。一方、デモ演出スタートフラグが格納されていないと判定された場合は、ステップS5203にてバッファ側デモ演出番号C5bの値をRAMの実行エリアAEに格納し、ステップS5204にて、デモ演出スタートフラグを格納し、本検知処理を終了する。
【0355】
<通常処理>
次に、動作モードM5の通常処理の流れを図45のフローチャートを参照しながら説明する。動作モードM5の通常処理は動作モードM4からの動作モード移行時に開始される処理であり、ステップS5301〜S5304の処理が4msec周期の定期処理として実行される。
【0356】
通常処理において、ステップS5301では、動作モードM5におけるタイマ割り込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、デモ演出開始コマンド、デモ演出終了コマンド等が設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82側に対して送信する。
【0357】
次に、ステップS5302では各デモ演出回におけるデモ演出を制御するためのデモ演出回制御処理を実行する。
【0358】
ステップS5303では、動作モードを移行させるための動作モード移行処理を実行する。この動作モード移行処理により、動作モードM5から動作モードM1に移行する。
【0359】
続くステップS5304では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定し、4msec経過後に次の通常処理の実行を開始する。
【0360】
以下に、ステップS5302のデモ演出回制御処理及びステップS5303の動作モード移行処理について説明する。
【0361】
<デモ演出回制御処理>
ステップS5302のデモ演出回制御処理を図46のフローチャートを参照して説明する。
【0362】
デモ演出回制御処理では、まず、ステップS5401にて、RAM204のその他フラグ格納エリア235にデモ演出スタートフラグが格納されているか否かを判定する。デモ演出スタートフラグが格納されていない場合は、そのまま本制御処理を終了する。一方、デモ演出スタートフラグが格納されている場合は、ステップS5402にて、デモ演出中か否かを判定する。具体的には、RAM204のその他フラグ格納エリア235におけるデモ演出中フラグ格納エリアにデモ演出中フラグが格納されているか否かを判定する。当該デモ演出中フラグは、デモ演出を開始させる場合に格納され、デモ演出を終了させる場合に消去される。
【0363】
ステップS5402にて、デモ演出中でないと判定された場合は、ステップS5403にてバッファ側デモ演出番号C5bを実行エリアAEに格納した後、S5404にて図柄表示装置41におけるデモ演出を開始させるためのデモ演出開始処理を実行した後に、本制御処理を終了する。なお、デモ演出開始処理においては、動作モードM3と同様(図38)なので、その説明を省略する。
【0364】
ステップS5402にてデモ演出中であると判定された場合は、ステップS5405にて、デモ演出時間が経過したか否かの判定を行う。具体的には、RAM204のデモ演出時間カウンタエリアに格納されているデモ演出時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該デモ演出時間情報の値は、上述したように、デモ演出開始処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図40)が起動される度に、1ディクリメントされる。デモ演出時間が経過していない場合は、そのまま本制御処理を終了する。
【0365】
デモ演出時間が経過していると判定された場合は、ステップS5406にてデモ演出中フラグを消去し、続くステップS5407にてデモ演出終了コマンドを設定する。
【0366】
続くステップS5408では、バッファ側デモ演出番号C5bの値が41か否かを判定する。バッファ側デモ演出番号C5bの値が41であると判定された場合は、バッファ側デモ演出番号C5bの値を0に更新して、本制御処理を終了する。バッファ側デモ演出番号C5bの値が41ではないと判定された場合は、バッファ側デモ演出番号C5bの値を1インクリメントして、本制御処理を終了する。
【0367】
ステップS5407にて設定されたデモ演出終了コマンドは通常処理(図45)におけるステップS5301にて、音声ランプ制御装置82側に送信される。音声ランプ制御装置82では受信したデモ演出終了コマンドを表示制御装置212に送信し、表示制御装置212は受信したデモ演出終了コマンドに基づいて、そのデモ演出回における演出を終了させる。
【0368】
<動作モード移行処理>
次に、ステップS5303の動作モード移行処理を図47のフローチャートを参照して説明する。
【0369】
動作モード移行処理では、先ずステップS5501にて、動作モード移行フラグがあるか否かを判定する。具体的には、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられた動作モード移行フラグ格納エリアに動作モード移行フラグが格納されているか否かを判定する。動作モード移行フラグは、タイマ割り込み処理における大入賞口用の検知処理で格納され、動作モードが移行される場合に消去されるフラグである。
【0370】
動作モード移行フラグが格納されている場合は、ステップS5502にて、デモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でない場合には、ステップS5503で動作モード移行フラグを消去し、ステップS5504でデモ演出スタートフラグを消去し、さらにステップS5505にてバッファ側デモ演出番号C5bの値を0に更新した後、動作モードM1へ移行する。
【0371】
つまり、動作モード移行処理において、動作モード移行フラグが格納(記憶)されている状態で、デモ演出中ではない場合(デモ演出が終了した状態の場合)に動作モードM1へ移行される。
【0372】
ステップS5501にて動作モード移行フラグがないと判定された場合及びステップS5502にてデモ演出中であると判定された場合は、動作モードの移行は行われずに動作モード移行処理はそのまま終了される。
【0373】
以上のように、動作モードM5は、デモ演出を開始させる前までは、スルーゲート37に遊技球を入賞させること等によりスルーゲート用検知センサ211eを検知させることに応じてデモ演出を選択(バッファ側デモ演出番号C5bの値を更新)することが可能である。また、上作動口45に遊技球を入賞させること等により対応する検知センサを検知させることに応じて、当該選択されたデモ演出からデモ演出番号C5順にデモ演出を自動的に実行させることが可能である。
【0374】
また、大入賞口35aに対応する検知センサを検知させることにより、動作モードM1に移行させることが可能である。
【0375】
<音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212における処理>
次に、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212におけるコマンド対応処理について、説明する。
【0376】
先ず、音声ランプ制御装置82におけるコマンド対応処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。
【0377】
コマンド対応処理は、所的期間毎(例えば、2msec毎)に起動される処理である。
【0378】
先ず、ステップS6001にて、変動用コマンド又はデモ演出用コマンドを受信したか否かを判定する。変動用コマンド又はデモ演出用コマンドを受信しているのであれば、ステップS6002にて、図49に示すコマンド対応テーブルを参照して、送信するコマンドを特定する。当該コマンド対応テーブルは、デモ演出開始コマンドに対応させてパターンコマンド、停止結果コマンド及び予告コマンドの組み合わせが設定されている。また、当該コマンド対応テーブルは、変動用コマンド及び変動種別コマンドの組み合わせに対応させてパターンコマンド、停止結果コマンド及び予告コマンドの組み合わせが設定されている。音声ランプ制御装置82は、コマンド対応テーブルを参照して、今回受信したデモ演出用コマンドに対応したパターンコマンド、停止結果コマンド及び予告コマンドを特定し、又は、変動用コマンド及び変動種別コマンドの組み合わせに対応したパターンコマンド、停止結果コマンド及び予告コマンドを特定する。実機においては、予告コマンドは、音声ランプ制御装置82にて予告抽選が行われ、予告の有無及び予告の内容が決定される。つまり、変動用コマンド及び変動種別コマンドに基づいて、大当たりの当否、大当たりに当選している場合の大当たりの種別及び決定した演出の内容に対応した情報を含ませて決定される。
【0379】
続く、ステップS6003にて、ステップS6002にて特定したコマンドを表示制御装置212に送信する。
【0380】
ステップS6001にて、変動用コマンド又はデモ演出用コマンドを受信していない場合は、ステップS6004にて、変動終了コマンド又はデモ終了コマンドを受信したか否かの判定をする。変動終了コマンド又はデモ終了コマンドを受信していれば、ステップS6005にて、表示制御装置212に送信する。変動終了コマンド又はデモ終了コマンドを受信していなければ、そのまま本処理を終了する。
【0381】
なお、音声ランプ制御装置82は、パターンコマンド、停止結果コマンド及び予告コマンドに応じて表示ランプ部63及びスピーカ部64の出力を制御する。
【0382】
また、大当たり演出においては、音声ランプ制御装置82は主制御装置81からオープニングコマンド及びエンディングコマンドを受信し、これらのコマンドに基づいて演出内容を決定し、当該表示内容を含むコマンドを表示制御装置212に送信する。また、音声ランプ制御装置82は、当該演出内容を含むコマンドに応じて表示ランプ部63及びスピーカ部64の出力を制御する。
【0383】
音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信される上記コマンドは、実機と同じである。
【0384】
次に、表示制御装置212におけるコマンド対応処理について、図50のフローチャートを参照しながら説明する。表示制御装置212は実機と同じコマンドを音声ランプ制御装置82から受信するので、以下に説明するコマンド対応処理は実機と同一である。
【0385】
先ず、ステップS7001にて音声ランプ制御装置82からコマンドを受信した否かの判定を行う。コマンドを受信している場合は、ステップS7002にてそのコマンドに対応した表示データテーブルが設定されているか否かを判定する。パターンコマンド、停止結果コマンド、予告コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドに対してはそれぞれ表示データテーブルが設定されているので、これらのコマンドを受信している場合は、本ステップでは肯定判定を行う。次いで、ステップS7003にて、各コマンドに対応した表示データテーブルを設定する。
【0386】
ステップS7003にて各コマンドに対応した表示データテーブルを設定した後、又はステップS7001にて音声ランプ制御装置82からコマンドを受信していない場合は、ステップS7004にて、設定した表示データテーブルから今回のコマンドの内容に対応した表示情報を把握し、表示情報に基づいて図柄表示装置41に画像を表示させる。
【0387】
なお、パターンコマンドには、表示させる背景やキャラクタ画像、動画等の情報が含まれている。また、予告コマンドには、パターンコマンドには、パターンコマンドにより決定される表示内容に合成させて表示させるキャラクタ画像等の情報が含まれている。
【0388】
<操作方式について>
本実施形態におけるデモンストレーション装置900の動作モードM3〜M5においては、上作動口45、大入賞口35a及びスルーゲート37に遊技球を入賞させることにより、上作動口用検知センサ211a、大入賞口用検知センサ211c及びスルーゲート用検知センサ211eに検知させ、操作する方式(以下、遊技球操作方式ともいう)を採用することができる。また、上作動口用検知センサ211a、大入賞口用検知センサ211c及びスルーゲート用検知センサ211eが接続されている中継基板用コネクタ703及び上作動口用コネクタ704から、上記各検知センサ211a,211c,211eを取り外し、替わりにコントローラを接続する方式(以下、コントローラ操作方式ともいう)を採用することもできる。
【0389】
遊技操作方式においては、パチンコ機10のデモンストレーションを行う場合、例えば、スルーゲート37に遊技球を入賞させながらメイン表示部43に表示させるデモ演出番号を更新させ所望のデモ演出番号が表示されたら、上作動口45に遊技球を入賞させることによりメイン表示部43にデモ演出番号に対応したデモ演出を実行させることができる。この場合、デモンストレーションを行う者(以下、操作員という)は、前扉枠14を開放した状態でデモンストレーション装置900の正面視で左側に立ち、図柄表示装置41より左側のスルーゲート37を使用する。このようにすることで、操作員の腕が図柄表示装置41の前方に位置することがなく、見ている者(デモンストレーションを受けている者)の図柄表示装置41への視線を遮ることがない。また、使用するスルーゲート37と同様に、メイン表示部43は図柄表示装置41より左側にあるので、操作員からメイン表示部43までの距離が短く、操作員によるメイン表示部43の確認が容易である。また、メイン表示部43は、スルーゲート37より下側にあるので、遊技球をスルーゲート37に入賞させる遊技盤33付近の操作員の手がメイン表示部43の前方に位置することがなく、操作員はメイン表示部43の確認を容易に行うことができる。
【0390】
次に、遊技球操作方式からコントローラ操作方式に変更するにあたってコントローラを接続する方法について、図10を参照しながら図51乃至図53を用いて説明する。
【0391】
図51は遊技球操作方式における主制御基板のコネクタの接続状態を示す図、図52はコントローラ操作方式における主制御基板のコネクタの接続状態を示す図、図53はコントローラを取り付けた状態のデモンストレーション装置900において遊技機本体を省略して示した斜視図である。
【0392】
遊技球操作方式においては、図51に示すように、主制御基板の音声ランプ制御装置用コネクタ701には音声ランプ制御装置82が接続され、メイン表示部用コネクタ702にはメイン表示部43が接続され、上作動口用コネクタ704には上作動口用検知センサ211aが接続され、下作動口用コネクタ705には下作動口用検知センサ211bが接続されている。また、中継基板用コネクタ703には、大入賞口35a開閉用のソレノイド710、大入賞口用検知センサ211c、一般入賞口用検知センサ211d及びスルーゲート用検知センサ211eが接続された中継基板720が接続されている(実際の各コネクタ701〜705の位置については図10参照)。
【0393】
まず、遊技機本体12を前方に回動させ、遊技機本体12の背面及び箱体901の内部に手が届く状態にする。
【0394】
次いで、図52に示すように、上記接続のうち上作動口用コネクタ704と上作動口用検知センサ211aとの接続を解除し、中継基板用コネクタ703と中継基板720との接続を解除する。
【0395】
次いで、コントローラ800のモードボタン802及びファンクションボタン803に対応した信号線805と、コントローラ800のスタートボタン801に対応した信号線804と、中継基板720と中継基板用コネクタ703を接続するための信号線806と、をパチンコ機10の背面側にとおす。具体的には、図53に示すように上記信号線の束を電線用孔912に前方から通し、信号線805を中継基板用コネクタ703に接続し、信号線804を上作動口用コネクタ704に接続し、信号線806を中継基板から延びている信号線に接続する。
【0396】
次いで、遊技機本体12を後方に回動させ箱体901に対して閉じた状態にする。
【0397】
これにより、コントローラ800のスタートボタン801を押すことにより、遊技球操作方式において上作動口用検知センサ211aが上作動口45への入賞を検知した場合と同様の信号が上作動口用コネクタ704に入力される。
【0398】
また、コントローラ800のモードボタン802を押すことにより、遊技球操作方式において大入賞口用検知センサ211cが大入賞口35aへの入賞を検知した場合と同様の信号が中継基板用コネクタ703に入力される。
【0399】
また、コントローラ800のファンクションボタン803を押すことにより、遊技球操作方式においてスルーゲート用検知センサ211eがスルーゲート37への入賞を検知した場合と同様の信号が中継基板用コネクタ703に入力される。
【0400】
すなわち、上記遊技球操作方式における上作動口45、大入賞口35a及びスルーゲート37へ遊技球を入賞させた場合のパチンコ機10の動作を、コントローラ操作方式においてはスタートボタン801、モードボタン802及びファンクションボタン803を押すことにより実現させることができる。
【0401】
また、図10に示すように、背面視で左から音声ランプ制御装置用コネクタ701、メイン表示部用コネクタ702、中継基板用コネクタ703、上作動口用コネクタ704、下作動口用コネクタ705が並べて設けられている。上記各種コネクタ701〜705は保護カバー部75と前後方向において重ならない位置に設けられ、コントローラの接続作業を行いやすいように工夫されている。また、コントローラ800から延びる信号線が接続される中継基板用コネクタ703及び上作動口用コネクタ704は隣同士に設けられており、これらコネクタへのコントローラ800の信号線を接続する際の作業者の動線を少なくすることができ、接続作業の負担を減らすことができる。
【0402】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0403】
デモンストレーション装置900は箱体901及び蓋体902に車輪906が取り付けられるので、デモンストレーション装置900を容易に運搬することができる。
【0404】
箱体901に収容されるパチンコ機10は遊技球発射機構50を有するので、デモンストレーション装置900を運搬した先で、実機と同様に遊技球を発射させて遊技をすることができるので、実機と操作部分のイメージを掴むことが容易であり、有効なデモンストレーションを行うことができる。
【0405】
実機において目立つ部分である前扉枠14が設けられているので、実機の外観のイメージを掴むことが容易であり、有効なデモンストレーションを行うことができる。
【0406】
箱体901には、パチンコ機10の外枠911が固定されており、外枠911に遊技機本体12が取り付けられているので、外枠911を共通に利用することができる他のパチンコ機の遊技機本体を取り付けて運搬することができる。
【0407】
遊技場の島設備等に既に設置されている外枠が外枠911と共通の構成であれば、遊技機本体12を外枠911から取り外して、遊技場の島設備等に既に設置されている外枠に取り付けることができる。
【0408】
開閉実行モードでない場合に大入賞口35aに遊技球を入賞させることにより、動作モードを移行させるように構成しており、動作モードを移行させるためには開閉扉35bを手動で強制的に開放させて遊技球を入賞させる必要がある。よって、動作モードM1及びM2において実際に遊技球を遊技領域に打ち出している場合に、突然動作モードが移行する等の不都合が生じることを防止できる。
【0409】
また、動作モードM3及びM4においては、デモ演出が実行されていない状態でスルーゲート37に遊技球を所定期間(例えば、2sec)以上滞留させることにより、またはコントローラ800のファンクションボタン803を押し続けることにより、選択されるデモ演出番号を1ずつ減らすことができるので、デモ演出の選択が容易になる。
【0410】
また、デモ演出が実行されている状態でスルーゲート37に遊技球を所定期間(例えば、2sec)以上滞留させることにより、またはコントローラ800のファンクションボタン803を押し続けることにより、実行されているデモ演出を中止させることができる。
【0411】
また、動作モードM3及びM4において、デモ演出が実行されている状態で上作動口45への遊技球の入賞があると、デモ演出の実行が予約された状態となり、現在実行されているデモ演出終了後に当該入賞に基づいたデモ演出が実行される。
【0412】
また、動作モードM3〜M5においては、遊技球をスルーゲート37に入賞させることにより、デモ演出番号C5を選択できるように構成している。また、スルーゲート37に入賞した遊技球は、遊技盤33の後方に誘導されることがなく遊技領域内に排出される。よって、スルーゲート37に入賞させた遊技球を遊技領域で受け取り、再びスルーゲート37に入賞させるという操作ができる。この操作を繰り返すことにより、1個の遊技球で連続してデモ演出番号C5を容易に更新させることができる。
【0413】
スルーゲート37から排出された遊技球を受け取ることができず、遊技球が遊技領域を流下したとしても、遊技球は遊技盤内装飾部49の受け用斜面49aに衝突し、落下の勢いが弱められ移動速度が減少する。よって、スルーゲート37から排出された遊技球を容易に取得することができる。
【0414】
メイン表示部43は、動作モードM1、M2、実機においては、第1結果表示部43aが上作動口45への遊技球の入賞に対応した表示を行い、第2結果表示部43bが下作動口46への遊技球の入賞に対応した表示を行う。また、動作モードM3〜M5においては、第1結果表示部43a及び第2結果表示部43bで協働してデモ演出番号C5の表示を行う。よって、実機の構成部品であるメイン表示部43に、動作モードM1及びM2の場合と動作モードM3〜M5の場合のそれぞれに対応させた表示を行わせているので、別途デモ演出番号の表示部を設ける必要がなく、メイン表示部43を有効に利用できている。
【0415】
また、デモ演出番号C5は、主制御装置81によって決定され、主制御装置81によってメイン表示部43に表示される。よって、デモ演出番号C5の決定及び表示は、他の制御装置等の影響を受けることなく、単独で行うことができる。
【0416】
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。
【0417】
(1)本実施形態においては、箱体901の両側に設けられた被係合部904に蓋体902の両側に設けられた係合部903を係合させることにより、箱体901に蓋体902を取り付ける構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、箱体901の一端側に蓋体902の一端側を軸支させ、当該軸支部分を基端として蓋体902が前方に開放可能である構成としてもよい。この場合は、箱体901から蓋体902を取り外す必要がないので、蓋体902が紛失する可能性を減じることができる。
【0418】
また、蓋体902を箱体901に対して上下方向又は左右方向にスライド可能に取り付けてもよい。
【0419】
また、蓋体902を取り付けない構成としてもよい。但し、このような変更を行った場合は、デモンストレーション装置900の搬送途中でパチンコ機10の前面側を第三者に目撃されたり、パチンコ機の前面側が破損したりする不都合が生じることが想定される。故に、好ましくは上記実施形態に示したように蓋体902を取り付ける構成とするとよい。
【0420】
(2)上記実施形態においては、上作動口用検知センサ211a、大入賞口用検知センサ211c及びスルーゲート用検知センサ211eの検知状態を用いて各動作モードにおける操作及び動作モードの切り換えを行ったが、これを変更し、下作動口用検知センサ211b、一般入賞口用検知センサ211d及び不正対策用の磁気センサ等を用いてもよい。
【0421】
(3)上記実施形態においては、動作モードM1〜M5の5種類のモードを備えたが、これら5種類の動作モードうちいずれかひとつの動作モードを備えていればよい。
【0422】
(4)図54は箱体901内で遊技機10を傾斜させる様子を示す横断面模式図である。遊技機10は角度調整部950により箱体901に対して前後方向に傾けることが可能である。これにより、遊技場の島設備と同様の設置状況を実現することができる。角度調整部950としては、遊技機の下部の両端を遊技機が下部を基端として回動可能に軸支する構成や、遊技機の背面を支持する背もたれ状の支持部材を備える構成等がある。
【0423】
(5)上記実施形態においては、信号線806を中継基板720と接続する構成としたが、大入賞口35aの開閉処理を行わせる必要がない場合は、信号線806は省略してもよい。
【0424】
(6)上記実施形態においては、動作モードの移行は、変動中又はデモ演出中ではなく、保留球数がない場合に、実行させたが、これに限定されるものではない。例えば、今回の変動またはデモ演出が終了したら、保留球数を0にして動作モードを移行させてもよいし、今回の変動又はデモ演出が実行中であれば、変動又はデモ演出中を強制的に終了させて、保留球を0にして動作モードを移行させてもよい。
【0425】
(7)上記実施形態においては、スルーゲート37に対応したスルーゲート用検知センサが連続して検知した期間により、選択するデモ演出番号C5を順送り、逆送りする処理を実行したが、これに限定されるものではない。例えば、スルーゲート37に上下に検知センサを並べて設けて、スルーゲート37の遊技球の通過方向を検知して、通過方向に対応させた処理を実行させてもよい。例えば、遊技球が上から下へ通過した場合は、デモ演出番号C5を順送りさせ、遊技球が下から上へ通過した場合は、デモ演出番号C5を逆送りする処理を実行してもよい。
【0426】
(8)上記実施形態においては、デモ演出番号C5はメイン表示部43に表示させたが、主制御装置81のMPU202に表示制御されるという点に鑑みれば役物用表示部44に表示させてもよい。
【0427】
(9)表示画面Gの表示領域Gmには、実機において大当たり中のラウンド数が表示される領域を流用してもよい。また、表示領域Gmに表示される動作モードの番号を表す画像データは、実機におけるラウンド数を表す画像データを流用してもよい。
【0428】
(10)上記各実施形態とは異なる他のタイプの遊技機、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。また、スロットマシンに対して本発明を適用してもよく、スロットマシンとパチンコ機とが融合した遊技機に対して本発明を適用してもよい。
【0429】
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0430】
特徴A1.デモンストレーション対象の遊技機にて適用される演出を演出実行装置(図柄表示装置41、表示ランプ部63、スピーカ部64)にて実行させる演出制御手段(表示制御装置212)と、
外部要因を検知するように設けられているとともに、その検知を行うための構成が前記遊技機において前記外部要因を検知するために設けられている検知手段と共通している共通の検知手段(上作動口用検知センサ211a、大入賞口用検知センサ211c、スルーゲート用検知センサ211e)と、
前記共通の検知手段にて前記外部要因が検知されたことに基づいて、演出の実行に係る処理を実行する検知対応制御手段(主制御装置81のMPU202における上作動口用の検知処理、大入賞口用の検知処理、スルー用の検知処理、デモ演出回制御処理、動作モード移行処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機用デモンストレーション装置。
【0431】
特徴A1の遊技機用デモンストレーション装置では、デモンストレーションの対象となる遊技機(以下、実機とも表現する)の検知手段と共通の検知手段を備えている。よって、実機に設けられた検知手段を流用して、デモンストレーション装置における検知手段として利用することができるので、新たに遊技機用デモンストレーション装置のための構成を追加する際の製作期間やコスト等を省くことができる。
【0432】
ここで、演出の実行に係る処理としては、予め設定されている演出を開始させる処理、予め設定されている複数の演出から演出を選択する処理等がある。
【0433】
特徴A2.遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤33)と、
前記遊技盤に設けられ、前記遊技領域を遊技球が流下した場合に、その遊技球が入球可能な入球部(大入賞口35a、スルーゲート37、上作動口45)と、
当該入球部に入球した遊技球を検知する検知手段(上作動口用検知センサ211a、大入賞口用検知センサ211c、スルーゲート用検知センサ211e)と、
デモンストレーション対象の遊技機にて適用される演出を演出実行装置(図柄表示装置41、表示ランプ部63、スピーカ部64)にて実行させる演出制御手段(表示制御装置212)と、
前記検知手段にて遊技球が検知されたことに基づいて、前記演出の実行に係る処理を実行する検知対応制御手段(主制御装置81のMPU202における上作動口用の検知処理、大入賞口用の検知処理、スルー用の検知処理、デモ演出回制御処理、動作モード移行処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機用デモンストレーション装置。
【0434】
特徴A2によれば、遊技盤に設けられた入球部及び検知手段を流用して、デモンストレーション装置における検知手段として利用することができるので、新たに遊技機用デモンストレーション装置のための構成を追加する際の製作期間やコスト等を省くことができる。
【0435】
また、入球部に遊技球を入球させることによる検知手段の検知結果に基づいて、デモンストレーション演出に関する操作(デモンストレーション演出用に設定された表示の開始等)を行える。この場合は、入球部に遊技球が入球することにより装置が動作するという点では実機と同じであり、直感的な操作でデモンストレーションを行うことが可能となる。
【0436】
ここで、演出の実行に係る処理としては、予め設定されている演出を開始させる処理、予め設定されている複数の演出から演出を選択する処理等がある。
【0437】
特徴A3.前記入球部として、遊技球が入球しにくい第1状態と、それよりも遊技球が入球しやすい第2状態(開閉実行モードにある状態)とに切り換えられる切換入球部(大入賞口35a)を有しており
さらに、前記切換入球部を前記第1状態と前記第2状態とに切り換える制御を行う切換制御手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)を備えており、
前記検知対応制御手段は、前記切換制御手段が前記切換入球部を前記第1状態になるように制御している状態において、前記検知手段が前記切換入球部への入球を検知した場合に、演出の実行に係る処理を実行する手段(主制御装置81のMPU202における大入賞口用の検知処理、動作モード移行処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0438】
特徴A3によれば、切換制御手段が、切換入球部を第1状態にする制御を行っている場合と、切換入球部を第2状態にする制御を行っている場合とがある。切換制御手段は遊技機用デモンストレーション装置の一部であるので、遊技機用デモンストレーション装置は切換制御手段が上記制御を行っていることを把握することができ、第1状態になるように制御している状態において、検知手段が切換入球部への入球を検知した場合に、演出の実行に係る処理を実行する。
【0439】
例えば、実際に遊技球を遊技領域に打ち出した場合は、遊技球は遊技領域を不規則に移動するので、遊技球を打ち出している者の意思とは別に、切換入球部に遊技球が入球することが考えられる。よって、遊技球を打ち出している状態で起動を望まない処理が切換入球部に対応して設定されている場合は、切換入球部に遊技球が入球しないことが好ましい。この点、本特徴においては、切換入球部が遊技球の入りにくい第1状態になるように制御されている場合に検知対応制御手段による処理が行われるので、遊技球を遊技領域に打ち出している状態で遊技球が切換入球部に入球することにより遊技機用デモンストレーション装置が意に反した動作をする等の不都合が生じる可能性を減じることができる。
【0440】
特徴A4.前記検知対応制御手段は、前記切換制御手段が前記切換入球部を前記第2状態になるように制御している状態において、前記検知手段が前記切換入球部への入球を検知した場合に、前記第1状態における前記検知対応制御手段の前記処理とは異なる演出の実行に係る処理を実行する手段を備えていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0441】
特徴A4によれば、検知対応制御手段は、遊技球が入球した場合の切換入球部の状態が、第1状態にあるか第2状態にあるかで、実行する演出の実行に係る処理を異ならせることができる。よって、多様な演出や演出に関する操作を行うことができる。
【0442】
特徴A5.前記入球部として前記遊技領域から入球した遊技球を通過させて再び前記遊技領域に排出する通過入球部(スルーゲート37)を有しており、
前記検知対応制御手段は、前記検知手段が前記通過入球部への入球を検知した場合に、前記演出の実行に係る処理を実行する手段(主制御装置81のMPU202におけるスルー用の検知処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2乃至A4のいずれかに記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0443】
特徴A5によれば、遊技領域から通過入球部に入球した遊技球は、通過入球部を通過した後再び遊技領域に排出される。これにより、例えば、手で通過入球部に入球させた遊技球を、通過入球部から排出されたときに再び取得することができる。よって、繰り返し通過入球部に遊技球を入球させる操作を行う場合でも、1個の遊技球で繰り返し入球させることができるので操作性の向上に貢献できる。
【0444】
特徴A6.前記検知対応制御手段は、前記通過入球部への入球に対する前記検知手段の検知状況に応じて、異なる前記演出の実行に係る処理を実行する手段(主制御装置81のMPU202におけるスルー用の検知処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0445】
特徴A6によれば、通過入球部に遊技球を通過させる方向は双方向(例えば、上から下、及び下から上)にすることができ、通過入球部の出口側をふさいでおくことにより遊技球を通過部に滞留させておくこともできる。よって、例えば、通過入球部に連続して遊技球が滞留している期間によって実行する処理を決定したり、遊技球が通過入球部を通過する方向によって実行する処理を決定したりできる。これにより、多様な演出又は演出に関連する操作を行うことが可能になる。
【0446】
特徴A7.前記通過入球部への入球に対する前記検知手段の検知状況に応じて、前記演出の選択に係る処理を実行する手段(主制御装置81のMPU202におけるスルー用の検知処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A5又はA6に記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0447】
特徴A7によれば、通過入球部に遊技球が入球したことを検知手段が検知することによって、実行させる演出を選択させることができる。特徴A5及びA6でも説明したように、通過入球部には遊技球1個を用いて繰り返し検知させることができるとともに、検知状況に応じた異なる処理を実行させたりもできる。よって、演出の多様な操作性、例えば、演出を順送りで選択したり、逆送り選択したりする際の操作性の向上に貢献することができる。
【0448】
特徴A8.前記入球部として、前記遊技機において演出実行装置における演出の実行の契機に用いられる始動入球部と共通する共通の始動入球部(上作動口45)を有しており、
前記検知対応制御手段は、前記検知手段にて前記共通の始動入球部に遊技球が入球したことを検知されたことに基づいて、前記演出制御手段により前記演出実行装置において演出が開始されるようにする手段(主制御装置81のMPU202における上作動口用の検知処理、デモ演出回制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2乃至A7のいずれか1つに記載の遊技用デモンストレーション装置。
【0449】
特徴A8によれば、実機の始動入球部と共通の構成を有している始動入球部に遊技球を入球することにより演出を開始させることができる。実機においては、始動入球部に遊技球が入球することに応じて、大当たり抽選が行われその抽選結果に応じた演出が開始される。よって、デモンストレーション用の演出を開始させるにあたっても、実機の始動入球部と共通の構成を有している始動入球部を利用することにより、直感的な操作が可能となる。
【0450】
特徴A9.発射操作に基づき前記遊技領域に遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構50)と、
前記入球部として、任意のタイミングで遊技球の入球が発生する第1入球部(上作動口45)と、限定されたタイミングで遊技球の入球が可能となる第2入球部(大入賞口35a)と、を有しており、
前記第1入球部が前記遊技機と同様に入賞部として機能する第1モード(動作モードM1、M2)と、当該第1モードとは異なる第2モード(動作モードM3、M4、M5)と、が設定されており、
第2入球部が前記モードの切り換えに寄与する(主制御装置81のMPU202における大入賞口用の検知処理、動作モード移行処理を実行する機能)ことを特徴とする特徴A2乃至A8のいずれか1つに記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0451】
特徴A9によれば、第1入球部に遊技球が入球することにより実機の入賞部と同様に大当たり抽選やその結果に応じた演出が行われる第1モードと、第1モードとは異なる第2モードと、を有する。このモードの切り換えは、第2入球部に入球することにより行われる。よって、第1モードか第2モードかを第2入球部に入球することにより選択することができる。
【0452】
また、限定されたタイミングで遊技球の入球が発生する第2入球部がモードの切り替えに寄与するので、発射操作に基づき遊技領域に遊技球を発射させている際に、第2入球部に遊技球が頻繁に入球する等して、操作者の意に反したモードの切り換えが起きるという不都合が生じる可能性を減じることができる。
【0453】
特徴A10.前記入球部として、遊技球が入球しにくい第1状態と、それよりも遊技球が入球しやすい第2状態(開閉実行モードにある状態)とに切り換えられる切換入球部(大入賞口35a)を有しており
さらに、前記切換入球部を前記第1状態と前記第2状態とに切り換える制御を行う切換制御手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0454】
特徴A10によれば、第1モードで実際に遊技球を遊技領域に打ち出している場合(いわゆる実機モードで遊技している場合)、遊技球は遊技領域を不規則に移動するので、操作者の意思とは別に、第2入球部に遊技球が入球することが考えられる。そして、第2入球部に遊技球が入球することにより、操作者の意に反して、動作モードが第1モードから第2モードへ切り替わることが想定される。その点、本特徴においては、第2入球部が切換入球部であり、また、切換入球部が遊技球の入りにくい第1状態になるように制御されている場合に検知対応制御手段による処理が行われる。よって、遊技球を遊技領域に打ち出している状態で遊技球が切換入球部に入球する可能性を減じることができ、操作者の意に反して動作モードの移行が行われる不都合が生じる可能性を減じることができる。
【0455】
特徴A11.前記遊技機において抽選結果を表示する表示部と共通する共通の表示部(メイン表示部43)と、
前記共通の表示部に前記演出の内容に関する情報を表示させる演出識別情報表示手段(主制御装置81のMPU202におけるメイン表示部表示処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1つに記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0456】
特徴A11によれば、実機と共通した表示部に、実機と同様に抽選結果を表示させたり、演出識別情報表示手段により、演出を識別する情報を表示させたりできる。実機にもともと設けられている表示部を使用することにより、新たに遊技機用デモンストレーション装置のための構成を追加する際の製作期間やコスト等を省くことができる。
【0457】
特徴A12.前記共通の表示部と接続されている制御装置(主制御装置81)を備え、
前記制御装置は、前記演出識別情報表示手段を備えていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0458】
特徴A12によれば、表示部は演出識別情報表示手段を備えている制御装置に接続されているので、演出を識別する情報の表示は他の装置の影響を受けることなく、単独で行うことができる。
【0459】
特徴A13.前記遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作手段(発射ハンドル54)と、
前記発射操作手段への発射操作に基づき、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構50)と、
前記遊技盤、前記検知手段、前記演出制御手段、前記検知対応制御手段、前記発射操作手段及び前記発射手段が搭載され、それらの一体的な搬送を可能とする搬送ユニット(箱体901)と、
を備えていることを特徴とする特徴A2乃至A12のいずれか1つに記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0460】
特徴A13によれば、遊技機用デモンストレーション装置において、発射操作手段及び発射手段を含む遊技機の構成部品を備えている。よって、遊技機用デモンストレーション装置であるにもかかわらず、発射操作手段を操作することにより発射手段に遊技球を遊技領域に対して発射させることができる。よって、遊技球の遊技領域内での挙動や実際に遊技を行った感覚等を確認することができ、有効なデモンストレーションを行うことができる。
【0461】
また、遊技機の上記構成部品は、搬送ユニットに設けられているので、遊技機用デモンストレーション装置を容易に搬送することができる。
【0462】
特徴A14.前記遊技領域を前方から視認可能とする窓部が形成されているとともに、当該窓部の周囲に前記遊技機の前面部に設けられる装飾用部品と共通の装飾用部品が搭載された前面部(前扉枠14)と、
前記遊技盤、前記検知手段、前記演出制御手段、前記検知対応制御手段及び前記前面部が搭載され、それらの一体的な搬送を可能とする搬送ユニット(箱体901)と、
を備えていることを特徴とする特徴A2乃至A12のいずれか1つに記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0463】
特徴A14によれば、実機と共通の装飾用部品が搭載された前面部を有するので、実機の前方からの外観を、実機と近い状態又は全く同じ状態で確認することができ、有効なデモンストレーションを行うことができる。また、前面部に表示ランプやスピーカを設けることにより、それらの発光態様や出力態様を実機と同じにすることによって、実機のイメージをさらにつかみやすくなる。
【0464】
また、遊技機の上記構成部品は、搬送ユニットに設けられているので、遊技機用デモンストレーション装置を容易に搬送することができる。
【0465】
特徴A15.前記搬送ユニットは、
当該搬送ユニットに搭載された前記各構成部品を有する遊技機本体(遊技機本体12)と、
当該遊技機本体を回動可能に支持する外枠(外枠911)と、
がさらに搭載されていることを特徴とする特徴A13又はA14に記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0466】
特徴A15によれば、実機と共通の遊技機本体を搬送ユニットに設けられた外枠に取り付けた状態で搬送することができ、また、実機と共通の遊技機本体を利用してデモンストレーションを行うことができる。
【0467】
特徴A16.前記検知手段の出力側が接続される検知手段用コネクタ部(中継基板用コネクタ703、上作動口用コネクタ704)と、
前記検知手段用コネクタ部に接続され前記検知手段と同様の出力をする操作装置(コントローラ800)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A17のいずれか1つに記載のデモンストレーション装置。
【0468】
特徴A16によれば、もともと実機に設けられており、入球部に対応した検知手段の出力側が接続される検知手段用コネクタ部に、前記接続を解除して操作装置を接続する。そして、操作装置は検知手段用コネクタ部に検知手段と同様の入力をすることができるので、操作装置を操作することにより、遊技機用デモンストレーション装置には、遊技球が検知手段により検知された場合と同様の動作を行うことができる。すなわち、遊技球を検知手段に検知させることによる操作に替えて、操作装置で操作することができる。
【0469】
特徴A17.前記検知手段用コネクタ部を複数有しており、
前記検知手段用コネクタ部を含む複数のコネクタ部から構成されるコネクタ群(各種コネクタ701〜705)を備えており、
前記検知手段用コネクタ部同士は隣接していることを特徴とする特徴A18に記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0470】
特徴A17によれば、操作装置を複数の検知手段用コネクタ部に接続するにあたり、接続されるコネクタが互いに近くに配置されているので、操作装置のコネクタへの接続作業の負担を軽減することができる。
【0471】
特徴A18.前記遊技領域から排出される遊技球を排出口に向けて誘導する排出通路部と、前記搬送ユニットに設けられ、前記排出口から排出される遊技球を収容する遊技球容器(球受け容器960)と、を備えていることを特徴とする特徴A13乃至A17のいずれか1つに記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0472】
特徴A18によれば、入球部に入球した遊技球は排出通路部を経由して、遊技球容器に貯留されるので、遊技球が散乱するのを防止できる。
【0473】
特徴A19.前記遊技球容器は、前記排出口から排出された遊技球を受ける受け口を備えているとともに、前記搬送用ユニットが横倒しされた場合に前記受け口からの遊技球の流出を抑制する流出抑制構造を備えていることを特徴とする特徴A18に記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0474】
特徴A19によれば、遊技球容器に遊技球が収容された状態でデモンストレーション装置を横に倒しても、受け口から遊技球が流出することを防止することができる。
【0475】
流出抑制構造としては、受け口に逆止弁を設けた構造や、搬送用ユニットが横倒しされた場合に受け口より下方における遊技球の収容空間をその他の空間より大きく形成した構造等が採用される。
【0476】
特徴B1.遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤33)と、
前記遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作手段(発射ハンドル54)と、
前記発射操作手段への発射操作に基づき、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構50)と、
前記遊技盤、前記発射操作手段及び前記発射手段が搭載され、それらの一体的な搬送を可能とする搬送ユニット(箱体901)と、
を備えていることを特徴とする遊技機用デモンストレーション装置。
【0477】
特徴B1の遊技機用デモンストレーション装置では、発射操作手段及び発射手段を含む遊技機の構成部品を備えている。よって、遊技機用デモンストレーション装置であるにもかかわらず、発射操作手段を操作することにより発射手段に遊技球を遊技領域に対して発射させることができる。よって、遊技球の遊技領域内での挙動や実際に遊技を行った感覚等を確認することができ、有効なデモンストレーションを行うことができる。
【0478】
また、遊技機の上記構成部品は、搬送ユニットに設けられているので、遊技機用デモンストレーション装置を容易に搬送することができる。
【0479】
特徴B2.遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤33)と、
前記遊技領域を前方から視認可能とする窓部が形成されているとともに、当該窓部の周囲に前記遊技機の前面部に設けられる装飾用部品と共通の装飾用部品が搭載された前面部(前扉枠14)と、
前記遊技盤及び前記前面部が搭載され、それらの一体的な搬送を可能とする搬送ユニット(箱体901)と、
を備えていることを特徴とする遊技機用デモンストレーション装置。
【0480】
特徴B2の遊技機用デモンストレーション装置では、実機と共通の装飾用部品が搭載された前面部を有するので、実機の前方からの外観を、実機と近い状態又は全く同じ状態で確認することができ、有効なデモンストレーションを行うことができる。また、前面部に表示ランプやスピーカを設けることにより、それらの発光態様や出力態様を実機と同じにすることによって、実機のイメージをさらにつかみやすくなる。
【0481】
また、遊技機の上記構成部品は、搬送ユニットに設けられているので、遊技機用デモンストレーション装置を容易に搬送することができる。
【0482】
特徴B3.前記搬送ユニットは、
当該搬送ユニットに搭載された前記各構成部品を有する遊技機本体(遊技機本体12)と、
当該遊技機本体を回動可能に支持する外枠(外枠911)と、
がさらに搭載されていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0483】
特徴B3によれば、実機と共通の遊技機本体を搬送ユニットに設けられた外枠に取り付けた状態で搬送することができ、また、実機と共通の遊技機本体を利用してデモンストレーションを行うことができる。
【0484】
特徴B4.遊技球が入球部に入球したことを検知する検知手段(上作動口用検知センサ211a、大入賞口用検知センサ211c、スルーゲート用検知センサ211e)と、
前記検知手段の出力側が接続される検知手段用コネクタ部(中継基板用コネクタ703、上作動口用コネクタ704)と、
前記検知手段用コネクタ部に接続され前記検知手段と同様の出力をする操作装置(コントローラ800)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1つに記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0485】
特徴B4によれば、もともと実機に設けられており、入球部に対応した検知手段の出力側が接続される検知手段用コネクタ部に、前記接続を解除して操作装置を接続する。そして、操作装置は検知手段用コネクタ部に検知手段と同様の入力をすることができるので、操作装置を操作することにより、遊技機用デモンストレーション装置には、遊技球が検知手段により検知された場合と同様の動作を行うことができる。すなわち、遊技球を検知手段に検知させることによる操作に替えて、操作装置で操作することができる。
【0486】
特徴B5.前記検知手段用コネクタ部を複数有しており、
前記検知手段用コネクタ部を含む複数のコネクタ部から構成されるコネクタ群(各種コネクタ701〜705)を備えており、
前記検知手段用コネクタ部同士は隣接していることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0487】
特徴B5によれば、操作装置を複数の検知手段用コネクタ部に接続するにあたり、接続されるコネクタが互いに近くに配置されているので、操作装置のコネクタへの接続作業の負担を軽減することができる。
【0488】
特徴B6.前記遊技領域から排出される遊技球を排出口に向けて誘導する排出通路部と、前記搬送ユニットに設けられ、前記排出口から排出される遊技球を収容する遊技球容器(球受け容器960)と、を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1つに記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0489】
特徴B6によれば、入球部に入球した遊技球は排出通路部を経由して、遊技球容器に貯留されるので、遊技球が散乱するのを防止できる。
【0490】
特徴B7.前記遊技球容器は、前記排出口から排出された遊技球を受ける受け口を備えているとともに、前記搬送用ユニットが横倒しされた場合に前記受け口からの遊技球の流出を抑制する流出抑制構造を備えていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0491】
特徴B7によれば、遊技球容器に遊技球が収容された状態でデモンストレーション装置を横に倒しても、受け口から遊技球が流出することを防止することができる。
【0492】
流出抑制構造としては、受け口に逆止弁を設けた構造や、搬送用ユニットが横倒しされた場合に受け口より下方における遊技球の収容空間をその他の空間より大きく形成した構造等が採用される。
【0493】
特徴B8.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球しにくい第1状態と、それよりも遊技球が入球しやすい第2状態(開閉実行モードにある状態)とに切り換えられる切換入球部(大入賞口35a)と、
前記切換入球部を前記第1状態と前記第2状態とに切り換える制御を行う切換制御手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1つに記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【0494】
特徴B8によれば、第1状態と第2状態とに切り換えられる切換入球部を有するので、切換入球部を有する実機のデモンストレーションを効率的に行うことができる。
【0495】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【0496】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【0497】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に基づいて前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に基づいて前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
【符号の説明】
【0498】
10…パチンコ機、12…遊技機本体、13…内枠、14…前扉枠、15…裏パックユニット、33…遊技盤、34…一般入賞口、35…可変入賞装置、35a…大入賞口、35b…開閉扉、35c…可変入賞駆動部、37…スルーゲート、37a…開口部、38…可変表示ユニット、41…図柄表示装置、43…メイン表示部、43a…第1結果表示部、43b…第2結果表示部、44…役物用表示部、45…上作動口、46…下作動口、46a…電動役物、49…遊技盤内装飾部、49a…受け用斜面、50…遊技球発射機構、54…発射ハンドル、59…ハンドル装置、61…主制御装置ユニット、63…表示ランプ部、64…スピーカ部、71…裏パック、72…払出機構部、75…保護カバー部、81…主制御装置、82…音声ランプ制御装置、84…基板ボックス、90…RAM消去スイッチ、96…払出装置、97…払出制御装置、98…発射制御装置、201…主制御基板、202…MPU、203…ROM、204…RAM、211a…上作動口用検知センサ、211b…下作動口用検知センサ、211c…大入賞口用検知センサ、211d…一般入賞口用検知センサ、211e…スルーゲート用検知センサ、212…表示制御装置、212e…センサ本体部、223…変動表示時間テーブル記憶エリア、224…停止結果テーブル記憶エリア、225…コマンド情報記憶エリア、226…デモ演出時間テーブル記憶エリア、231…抽選カウンタ用バッファ、232…保留球格納エリア、233…電役保留エリア、234…カウンタエリア、235…フラグ格納エリア、236…デモ演出番号用バッファ、701…音声ランプ制御装置用コネクタ、702…メイン表示部用コネクタ、703…中継基板用コネクタ、704…上作動口用コネクタ、705…下作動口用コネクタ、720…中継基板、800…コントローラ、801…スタートボタン、802…モードボタン、803…ファンクションボタン、900…デモンストレーション装置、901…箱体、902…蓋体、903…係合部、904…被係合部、905…把持部、906…車輪、907…取付孔、908…脚部、910…ソリ部、911…外枠、912…電線用孔、913…変圧器、914…商用電源用電線、915…パチンコ機用電線、950…角度調整部、960…球受け容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に向けて遊技球を発射させるべく操作される発射操作手段と、
前記発射操作手段への発射操作に基づき、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技盤、前記発射操作手段及び前記発射手段が搭載され、それらの一体的な搬送を可能とする搬送ユニットと、
を備えていることを特徴とする遊技機用デモンストレーション装置。
【請求項2】
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域を前方から視認可能とする窓部が形成されているとともに、当該窓部の周囲に前記遊技機の前面部に設けられる装飾用部品と共通の装飾用部品が搭載された前面部と、
前記遊技盤及び前記前面部が搭載され、それらの一体的な搬送を可能とする搬送ユニットと、
を備えていることを特徴とする遊技機用デモンストレーション装置。
【請求項3】
前記搬送ユニットは、
当該搬送ユニットに搭載された前記各構成部品を有する遊技機本体と、
当該遊技機本体を回動可能に支持する外枠と、
がさらに搭載されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機用デモンストレーション装置。
【請求項4】
遊技球が入球部に入球したことを検知する検知手段と、
前記検知手段の出力側が接続される検知手段用コネクタ部と、
前記検知手段用コネクタ部に接続され前記検知手段と同様の出力をする操作装置と、
を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の遊技機用デモンストレーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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