説明

遊技機用呼出ランプユニット

【課題】付加価値を付けることで新たな興趣性を奏し得る遊技機用呼出ランプユニットを提供する。
【解決手段】呼出スイッチ7が操作された際に点灯する呼出ランプ3と、遊技機から受信した信号に基づいて遊技機の遊技情報を表示する遊技情報表示手段4とを有する遊技機用呼出ランプユニット1であって、遊技機から受信した信号に基づいて抽選を行う抽選手段10と、抽選手段10による抽選結果を表示する抽選表示手段5,6を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に対応して設けられる遊技機用呼出ランプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機用呼出ランプユニットは、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に対応して、遊技島の例えば遊技機の上方位置に装着される(特許文献1,2参照)。遊技機用呼出ランプユニットは、呼出スイッチが押された際に点灯する呼出ランプと、遊技機から受信した信号に基づいて遊技機の遊技情報を表示する遊技情報表示手段とを有している。したがって遊技者は、トラブル時に呼出スイッチを押すことで呼出ランプを点灯させて、店員を呼ぶことができる。また遊技者は、遊技情報表示手段に表示された遊技情報を参考にして、多数の遊技機から一つの遊技機を選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−194147号公報
【特許文献2】特開2008−253673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし遊技機用呼出ランプユニットにおいて付加価値を付けて集客力をさらに高めたいという要望がある。そこで本発明では、付加価値を付けることで新たな興趣性を奏し得る遊技機用呼出ランプユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載の通りの構成を備える遊技機用呼出ランプユニットであることを特徴とする。請求項1に記載の発明によると、遊技機用呼出ランプユニットは、遊技機から受信した信号に基づいて抽選を行う抽選手段と、抽選手段による抽選結果を表示する抽選表示手段を有している。
【0006】
したがって抽選手段が抽選を行うことで新たな興趣性(ゲーム性)を奏し得る。またその興趣性は、遊技機からの信号に基づくために遊技機による興趣性と連動し、興趣性を相乗的に高め得る。また抽選手段による抽選は、遊技機によるものではないために遊技場におけるイベントやサービス等にも利用しやすい。そのため遊技場において独自的または斬新的な興趣性を生じさせ得る。
【0007】
請求項2に記載の発明によると、抽選表示手段は、抽選手段による抽選結果に基づいて点灯する抽選ランプを有している。抽選ランプと呼出ランプは、遊技機から受信した信号に含まれる遊技機の大当り情報にも対応して点灯する。したがって抽選ランプと呼出ランプは、抽選アタリ時と呼出スイッチ操作時のみならず、大当り時にも点灯する。そのため大当りのためのランプを別個に設ける場合に比べて、ランプの数を少なくし得る。さらに抽選ランプと呼出ランプの両方を点灯させることで、抽選アタリ時と呼出スイッチ操作時に区別して大当り時を認識し得る。また大当りによる興奮を二種のランプの点灯によって高めることもできる。
【0008】
請求項3に記載の発明によると、抽選表示手段は、抽選手段が抽選状態であることを演出表示し、かつ抽選結果を表示し得る抽選演出表示部を有している。したがって抽選演出表示部が抽選状態と抽選結果とを表示するために、いずれか一方のみを表示する形態に比べて興趣性を向上し得る。
【0009】
請求項4に記載の発明によると、抽選手段による抽選結果を印刷体に印刷する印刷手段、または抽選手段による抽選結果を記録媒体に記録する記録手段を有している。したがって遊技者は、印刷体または記録媒体によって遊技場の店員等に抽選結果を伝えることができる。また抽選結果によるポイントを貯めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】遊技島の一部正面図である。
【図2】呼出ランプユニットの正面図である。
【図3】呼出ランプユニットの電気系統を示すブロック図である。
【図4】抽選処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態を図1〜4にしたがって説明する。図1に示すように遊技島20は、複数の遊技機(パチンコ機)21と複数の呼出ランプユニット1を有している。遊技機21の間には、遊技機21側に玉を貸し出す玉貸機(サンド)30が設けられている。呼出ランプユニット1は、各遊技機21に対応して設けられており、各遊技機21の上方に設置される。
【0012】
遊技機21は、図1に示すように玉を発射する発射装置29と、玉が落下する遊技領域を形成する遊技盤22を有している。遊技盤22の略中央部に表示ユニット23が設けられ、表示ユニット23の下方位置に始動入賞口24と大入賞口(アタッカー)25が設けられる。遊技盤22の表示ユニット23の左右位置には作動ゲート27が設けられ、表示ユニット23の下側左右位置には普通入賞口26が設けられる。
【0013】
表示ユニット23は、図1に示すように液晶表示ディスプレイを有しており、液晶表示ディスプレイは、三つの図柄等を表示する。始動入賞口24に玉が入賞した場合、遊技者側へ所定数の玉が与えられるとともに、液晶表示ディスプレイが各図柄を回転させた様子を示す回転図柄を表示する。所定時間経過後に変動図柄が順次停止して(スロットゲーム)、停止した三つの図柄が大当り図柄と一致すると大当り遊技状態になる。
【0014】
大当り状態では大入賞口25が開放して、大入賞口25に玉が入賞することで所定数の玉が遊技者側へ与えられる。大当り図柄は、特別大当図柄と通常大当図柄を有しており、図柄が特別大当図柄に一致した場合には、大当り状態が終了した後に短時間でスロットゲームが数多く消化される(時短状態)。同時に図柄が大当り図柄に一致する確率が上昇され得る(確率変動状態)。これにより大当り状態が連続して発生しやすくなる。
【0015】
呼出ランプユニット1は、図2,3に示すように表示部4,6、ランプ3,5、スイッチ7,8および制御基盤10を有している。遊技情報表示部4と抽選演出表示部6がそれぞれユニット本体2の上部中央位置と下部中央位置に設けられている。呼出ランプ3と抽選ランプ5がそれぞれユニット本体2の上側左右部と下側左右部に設けられている。呼出スイッチ7とデータ切替スイッチ8がユニット本体2の下端右側部に設けられており、ユニット本体2の下端左側部には印刷手段9が設けられている。
【0016】
制御基盤(制御手段、抽選手段)10は、図3に示すようにCPU12とメモリ15と入力回路11と出力回路13を有している。入力回路11は、遊技機21とホールコンピュータ28と接続されており、これらから発信された信号を受信する。CPU12は、入力回路11、スイッチ7,8、タイマ14、メモリ15と接続されている。CPU12は、入力回路11からの信号に基づいてメモリ15に記憶された処理プログラムを実行し、出力回路13に信号を発信する。出力回路13は、表示部4,6とランプ3,5と印刷手段9に信号を発信してこれらを制御する。
【0017】
呼出スイッチ7は、図2,3に示すように押しボタン式であって、遊技機のトラブル発生時などに押されて制御基盤10に呼出信号を発信する。制御基盤10は、呼出信号に基づいて出力回路13を制御して呼出ランプ3を点灯させる。データ切替スイッチ8は、押しボタン式であって、遊技情報表示部4の表示内容を切替える際に押されて制御基盤10に切替信号を発信する。制御基盤10は、切替信号に基づいて出力回路13を制御して遊技情報表示部4の表示内容を切替える。
【0018】
遊技情報表示部(遊技情報表示手段)4は、図2,3に示すように液晶表示ディスプレイを有しており、遊技機21から発信された遊技信号に基づいて遊技情報を表示する。遊技機21は、例えば大当り状態時、確率変動状態時、時短状態時、およびスロットゲーム時において遊技信号を発信する。遊技信号には、大当り情報等の遊技機情報が含まれており、制御基盤10の入力回路11によって遊技信号が受信される。
【0019】
制御基盤10のCPU12は、遊技信号に基づいて遊技機情報の累計を行い、累計結果をメモリ15に記憶させる。例えば大当りになった回数、確率変動になった回数、スロットゲームの回数(スタート回数)が累計される。CPU12は、出力回路13を制御して遊技情報表示部4に遊技機情報等を表示させる。例えば、本日、前日、前々日のスタート回数、大当り回数及び確率変動突入回数、過去の大当り間スタート回数、過去最高の1日の大当り回数、過去の大当り間平均スタート回数などを表示させる。これら表示内容は、データ切替スイッチ8によって切替られ得る。
【0020】
CPU12が実行する処理プログラムには、抽選処理プログラムが含まれている。図3,4に示すように抽選処理プログラムは、先ず、遊技機21から発信された遊技信号に基づいて遊技機21が大当り状態か否かをCPU12が判断する(ステップS1)。大当り状態にあると判断した場合、CPU12が抽選を行う(ステップS2)。抽選は、例えば所定の確率でアタリとし、残りをハズレとする。アタリの確率は、メモリ15に予め設定されており、ホールコンピュータ28からの信号に基づいて変更可能である。
【0021】
CPU12は、抽選プログラムに従って抽選を行い、同時に抽選状態であることを抽選演出表示部(抽選表示手段)6に演出表示させる(ステップS3)。例えば抽選演出表示部6が図2に示すように左右に並んだ複数のLED(発光ダイオード)を有しており、LEDを順番に発光させることで光を左右に移動させる。次に、CPU12が所定時間経過後に抽選演出表示部6の一つのLEDのみを点灯させる。所定時間はタイマ14によって測定される。抽選結果がアタリの場合は中心線よりも右側のLEDを点灯させ、ハズレの場合は中心線より左側のLEDを点灯させる。
【0022】
次に、抽選結果がアタリか否かをCPU12が判断する(ステップS4)。アタリの場合は、CPU12がアタリ回数をカウントアップし、アタリ回数をメモリ15に記憶させる(ステップS5)。次に、CPU12が抽選ランプ(抽選表示手段)5を制御して抽選ランプ5を点灯させる(ステップS6)。所定時間経過後にCPU12が抽選演出表示部6を消灯させる(ステップS7,8)。ステップS1において大当り状態ではないと判断した際と、ステップS4においてアタリでないと判断した際には、CPU12が抽選処理プログラムを終了する。
【0023】
ステップS5において記憶したアタリ回数は、呼出スイッチ7の印刷手段9によって印刷され得る。印刷手段9は、図2に示すようにユニット本体2内に収められた印刷体(紙など)にインク等によって印字し、ユニット本体2の下部に設けられた穴2aから印刷体を排出する。
【0024】
ステップS1において遊技機21が大当り状態にあると判断した場合、CPU12は、呼出ランプ3と抽選ランプ5の両方を制御して点灯させる。好ましくは呼出ランプ3と抽選ランプ5を点滅させる。これにより遊技機21が大当り状態にあることが表される。
【0025】
以上のように呼出ランプユニット1は、図2,3に示すように抽選手段(制御基盤10)と、抽選手段の結果を表示する抽選表示手段(5,6)とを有している。したがって抽選手段が抽選を行うことで新たな興趣性(ゲーム性)を奏し得る。またその興趣性は、遊技機21からの信号に基づくために遊技機による興趣性と連動し、興趣性を相乗的に高め得る。また抽選手段による抽選は、遊技機21によるものではないために遊技場におけるイベントやサービス等にも利用しやすい。そのため遊技場において独自的または斬新的な興趣性を生じさせ得る。
【0026】
また抽選表示手段は、図2,3に示すように抽選手段(制御基盤10)による抽選結果に基づいて点灯する抽選ランプ5を有している。抽選ランプ5と呼出ランプ3は、遊技機21から受信した信号に含まれる遊技機21の大当り情報にも対応して点灯する。したがって抽選ランプ5と呼出ランプ3は、抽選アタリ時と呼出スイッチ7の操作時のみならず、大当り時にも点灯する。そのため大当りのためのランプを別個に設ける場合に比べて、ランプの数を少なくし得る。さらに抽選ランプ5と呼出ランプ3の両方を点灯させることで、抽選アタリ時と呼出スイッチ操作時に区別して大当り時を認識し得る。また大当りによる興奮を二種のランプの点灯によって高めることもできる。
【0027】
また抽選表示手段は、図2に示すように複数のLEDを有しかつ複数のLEDが順番に点灯することで抽選手段が抽選状態であることを表示し、かつ所定のLEDが点灯することで抽選結果を示し得る抽選演出表示部6を有している。したがって抽選演出表示部6が抽選状態と抽選結果とを表示するために、いずれか一方のみを表示する形態に比べて興趣性を向上し得る。
【0028】
また呼出ランプユニット1は、抽選手段による抽選結果を印刷体に印刷する印刷手段9を有している。したがって遊技者は、印刷体によって遊技場の店員等に抽選結果を伝えることができる。また抽選結果によるポイントを貯めることもできる。
【0029】
(他の実施の形態)
本発明は、上記実施の形態に限定されず、以下の形態等であっても良い。
(1)上記実施の形態の呼出ランプユニット1は、パチンコ機に対応して遊技島に設けられている。しかしスロットマシンに対応して遊技島に設けられ、スロットマシンからの信号に基づいて抽選手段が抽選を行う形態であっても良い。
(2)上記実施の形態の抽選演出表示部6は、複数のLEDを有する形態であった。しかし抽選演出表示部が液晶表示ディスプレイ、複数のパイロットランプ、複数の7セグメントディスプレイなどを有し、液晶表示ディスプレイ等によって抽選手段が抽選状態であることを演出表示し、かつ抽選結果を表示し得る形態であっても良い。
(3)上記実施の形態の抽選演出表示部6は、左右に並んだ複数のLEDを有しており、左右に光が移動するように制御される。しかし上下に並んだ複数のLEDを有しており、上下に光が移動するように制御される形態であっても良い。あるいは液晶表示ディスプレイまたは左右および上下に並んだ複数のLEDを有しており、あみだくじを引く様子を表示する形態であっても良い。あみだくじは、例えば上下に延出する複数の縦線と、縦線間を結ぶ複数の横線を有し、縦線を上から下へ移動しかつ横線がある毎に隣の縦線に移動し、最下部に表示するアタリまたはハズレに届くことで抽選結果を表示する。
(4)上記実施の形態の呼出ランプユニット1は、印刷手段9を有している。しかし呼出ランプユニットが記憶手段を有しており、記憶手段がユニット本体2の穴2aから挿入された記録媒体にアタリの回数を記憶させる形態等であっても良い。
(5)上記実施の形態の呼出スイッチ7とデータ切替スイッチ8は、押されることで操作される形態であった。しかしこれらスイッチがスライド等によって操作される形態であっても良い。
(6)上記実施の形態の呼出ランプユニット1は、抽選表示手段として抽選ランプ5と抽選演出表示部6を有しているが、いずれか一方のみを有する形態であっても良い。
(7)上記実施の形態の抽選手段(制御基盤10)は、遊技機21から受信した信号に基づいて遊技機21が大当りであるか否かを判断し、遊技機21が大当りである判断した際に抽選を行う。しかし抽選手段が遊技機から受信した信号に基づいて、遊技機が時短状態または確率変動状態またはスロットゲームが開始された状態であるか等を判断して、その判断結果に基づいて抽選手段が抽選を行う形態であっても良い。
【符号の説明】
【0030】
1…呼出ランプユニット
2…ユニット本体
3…呼出ランプ
4…遊技情報表示部(遊技情報表示手段)
5…抽選ランプ(抽選表示手段)
6…抽選演出表示部(抽選表示手段)
7…呼出スイッチ
8…データ切替スイッチ
9…印刷手段
10…制御基盤(制御手段、抽選手段)
11…入力回路
12…CPU
13…出力回路
14…タイマ
15…メモリ
21…遊技機
28…ホールコンピュータ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼出スイッチが操作された際に点灯する呼出ランプと、遊技機から受信した信号に基づいて前記遊技機の遊技情報を表示する遊技情報表示手段とを有する遊技機用呼出ランプユニットであって、
前記遊技機から受信した信号に基づいて抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果を表示する抽選表示手段を有することを特徴とする遊技機用呼出ランプユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機用呼出ランプユニットであって、
抽選表示手段は、抽選手段による抽選結果に基づいて点灯する抽選ランプを有し、
前記抽選ランプと呼出ランプは、遊技機から受信した信号に含まれる遊技機の大当り情報にも対応して点灯することを特徴とする遊技機用呼出ランプユニット。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技機用呼出ランプユニットであって、
抽選表示手段は、抽選手段が抽選状態であることを演出表示し、かつ抽選結果を表示し得る抽選演出表示部を有することを特徴とする遊技機用呼出ランプユニット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の遊技機用呼出ランプユニットであって、
抽選手段による抽選結果を印刷体に印刷する印刷手段、または抽選手段による抽選結果を記録媒体に記録する記録手段を有することを特徴とする遊技機用呼出ランプユニット。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−200897(P2010−200897A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48235(P2009−48235)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(390005120)株式会社森創 (89)
【Fターム(参考)】