説明

遊技機運搬用コンテナ

【課題】積み降ろしの方向が限定されず、輸送時の振動防止、固定操作等の忘れ防止に加えて、種々の遊技機に対応できる様な汎用性を備えた遊技機運搬用コンテナを提供する。
【解決手段】遊技機運搬用コンテナ1は、円形パイプ及び溝付きアルミフレームと連結用パーツとにより、両側面部が開放された直方体形状の枠体として組み立てられたコンテナ本体10と台車100とから構成される。コンテナ本体10は、上下の各段に2台並べた状態で4列ずつ合計16台の遊技機Pを積み込むことができる。2台並べて積み込まれた遊技機Pは、左右両側面部に装着されるクッション部材付きの落下防止部材81,82により、両側から圧迫された状態でしっかりと固定される。落下防止部材81は、梁桁部材21に引っ掛けておけるので紛失や遊技機への衝突のおそれもなく、開放忘れや固定忘れも生じない。また、溝付きアルミフレームのスリットを介してガイド間隔を容易に調整できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、雀球機などの遊技機を完成状態又は半完成状態で運搬するための遊技機運搬用コンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用済み遊技機を仕切のないコンテナーに横向きにして多段積みし、トラックに積み込む方法が提案されている(特許文献1,2)。また、上下2段に仕切る平らな仕切板を備えさせた台車の提案もある(特許文献3)。
【0003】
特許文献1,2に提案されたコンテナーは、遊技機を製品として出荷する場合にも利用できるが、積み降ろしの際に製品同士が接触して傷が付くおそれがあるため、段ボール箱に収納しておく必要があるなど、取扱いに気を使う必要があり、保管や輸送における手間が多く、作業者の負担も大きかった。特許文献3においても、同じ段に積み込んだ遊技機同士の接触による損傷を防止するための措置が必要であり、やはり作業者の負担が大きいという問題が解決できていない。
【0004】
一方、こうした製品同士の接触を避ける様に仕切の付いた運搬台車やパレットの提案が多数なされている(特許文献4〜12)。
【特許文献1】特開平9−267836
【特許文献2】特開平9−216625
【特許文献3】実用新案登録第3119119
【特許文献4】特開平10−24984
【特許文献5】実用新案登録第3041079
【特許文献6】特開2002−248221
【特許文献7】特開2002−293395
【特許文献8】特開平10−29637
【特許文献9】特開2001−212292
【特許文献10】特開2003−190436
【特許文献11】実用新案登録第3092268
【特許文献12】特開2004−57280
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献4〜6は遊技機を横向きに収納する方式を採用している。ところで、遊技機製造ラインでは、縦置きにした状態の外枠に、ガラスの嵌った前枠や遊技盤等を組み付けて遊技機を完成させており、また、遊技場においては遊技機を縦向きで設置されているため、台車等に遊技機を積み降ろしする際に、遊技機を縦向きから横向きに倒し、あるいは横向きから縦向きに起立させるといった作業が必要となる。このため、特許文献4〜6の台車等では、遊技機の積み降ろしの際に手間がかかるという問題を有している。
【0006】
特許文献7は遊技機を縦向きに収納する方式を採用しているので、製造ラインとの間での積み降ろしに際して遊技機を横向きに倒す等といった作業は必要がない。しかし、特許文献7は上方から遊技機を収納する方式であるため、出し入れに昇降装置を必要とし、手間もかかるという問題がある。
【0007】
特許文献8も遊技機を縦向きに収納する方式を採用しているので、製造ラインとの間での積み降ろしに際して遊技機を横向きに倒す等といった作業はなく、遊技機の出し入れを横スライドで実行できる。しかし、特許文献8のものでは、遊技機を入れた側からしか取り出せないという問題がある。また、特許文献8のものでは、遊技機を1列1段しか積めないため、遊技機の積載数が少ないという問題もある。
【0008】
特許文献9の第1,第2実施例は横向きで遊技機を収納する方式であるため、特許文献4〜6と同じ問題を有している。また、特許文献9の第3実施例は縦向きで遊技機を収納する方式で、2列積載可能となっているが、出し入れは上方からである。このため、特許文献7と同様の問題を抱えている。
【0009】
特許文献10は縦向きで横スライドによって遊技機を製造ラインとの間で出し入れ可能となっている。しかし、遊技機は1列1段しか積載できず、積載量に限りがある。また、特許文献10はトラック輸送等を考慮したものではないため、遊技機を積み込んだ状態での固定が不十分であり、そのままではトラック輸送等に利用することができない。
【0010】
特許文献11,12は、縦向き収納・横スライド積み降ろし方式を採用し、2列2段に遊技機を積載可能であり、かつ、台車の左右どちら側からも遊技機を積み降ろしできる。また、床と天井に設けるスライドレールの部分にバネを付属させて収納した遊技機を前後からしっかりと保持固定し、さらに、台車の側面開口部に落下防止用のバーを取り付けることで輸送時の遊技機の振動防止の措置も採られている。加えて、バネによる遊技機の固定・解除を一括で操作するためのレバーも備えられている。
【0011】
しかし、特許文献11,12は、レバー操作による固定を忘れて輸送する可能性や、遊技機を降ろす前にレバー操作を忘れてスライド挟持部で遊技機枠の前面に傷を付けるおそれがある。
【0012】
また、特許文献4〜12は、いずれも遊技機の上部、下部、側部等を前後からしっかりと挟み付けて保持固定する方法を採用している。このため、まず、遊技機の積み降ろしに際して、遊技機を台車等のガイドレールや保治具の隙間にしっかりと位置合わせして作業を実行しなければならず、作業性が悪いという問題がある。また、遊技機の前後方向のサイズ(奥行き寸法)が変更されたり、あるいは奥行き寸法の異なる遊技機を積み込もうとすると、これらに十分に対応できないという問題もある。
【0013】
そこで、本願は、完成状体又は半完成状態の遊技機を運搬したり保管したりするコンテナにおいて、積み降ろしの方向が限定されず、輸送時における振動を防止でき、かつ、固定操作の忘れや開放操作の忘れによる受傷の機会をも低減することができ、作業性が良好で信頼性が高く、かつ、種々の遊技機に対応できる様な汎用性を備えた遊技機運搬用コンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するためになされた本発明の遊技機運搬用コンテナは、以下の構成を備えることにより、完成状態又は少なくとも外枠を備えた半完成状態の遊技機を前後方向に所定間隔で縦置きした状態に支持して複数積載可能なものである。
(1−1)コンテナ本体は、前面部、背面部、床部及び天井部を備え、両側面部が開放されると共に、全幅が前記縦置き状態の遊技機の幅の整数倍より若干大きいこと。
(1−2)前記両側面部には、それぞれ、前記コンテナ本体の全長をカバーし得る長さの落下防止部材が前後に掛け渡す様にして着脱可能に取り付けられること。
(1−3)前記床部の上面側に幅方向に伸びる様に取り付けられた下ガイド部材と、前記天井部の下面側に幅方向に伸びる様に取り付けられた上ガイド部材とが対となり、前記縦置き状態の遊技機の下端部及び上端部を支持する構成となっていること。
(1−4)前記下ガイド部材は、前記縦置き状態の遊技機の下端部の奥行きサイズよりも若干広い間隔に取り付けられる下前ガイドと下後ガイドとを一対として構成され、前記上ガイド部材は、前記縦置き状態の遊技機の上端部の奥行きサイズよりも若干広い間隔に取り付けられる上前ガイドと上後ガイドとを一対として構成されていること。
(1−5)前記床部と前記天井部の間隔が、前記縦置き状態の遊技機の高さよりも大きくなり、前記対となる下ガイド部材の上端から上ガイド部材の下端までの距離が、前記縦置き状態の遊技機の高さよりも小さくなる様に構成されていること。
(1−6)前記落下防止部材は、それぞれ内側にクッション部材を備え、前記両側面部に取り付けられた状態において、前記クッション部材間の間隔が前記縦置き状態の遊技機の幅の整数倍よりも小さく、前記縦置き状態の遊技機に対して両側から押圧力を加え得る様に構成されていること。
(1−7)それ自身の全長に渡って伸びるスリットが形成された下ガイドレールを、前記床部に対して全長方向に伸びる様に取り付け、一対となる下前ガイド及び下後ガイドの少なくとも一方を、前記下ガイドレールのスリットに挿通された下ガイド脱着部材によって着脱可能に取り付けられていること。
(1−8)それ自身の全長に渡って伸びるスリットが形成された上ガイドレールを、前記天井部に対して全長方向に伸びる様に取り付け、一対となる上前ガイド及び上後ガイドの少なくとも一方を、前記上ガイドレールのスリットに挿通された上ガイド脱着部材によって着脱可能に取り付けられていること。
【0015】
上記(1−1)〜(1−8)の構成を備えた本発明の遊技機運搬用コンテナによれば、完成状態又は半完成状態の遊技機を積み込む場合、積み込もうとする側の落下防止部材だけを取り外す。そして、落下防止部材を取り外して開放状態となった方の側面から、遊技機を縦置き状態で幅方向に摺動させて積み込みを行う。このとき、上下のガイド部材は前後方向に余裕のある溝を構成し、かつ、床部と天井部の高さにおいて余裕があるので、遊技機をスムーズに押し込むことができる。また、コンテナ本体に押し込まれた遊技機は、反対側に取り付けたままとした落下防止部材のクッション部材に当接して停止されるので、押し込み過ぎて反対側に落としてしまうという問題もない。
【0016】
こうして遊技機を積み込んだら、取り外した側の落下防止部材を取り付ける。すると、反対側の落下防止部材との間で、遊技機が幅方向両側から押圧されて挟まれた状態にしっかりと固定される。従って、上下のガイド部材で前後から挟み付けていなくても遊技機はしっかりと固定され、振動による受傷のおそれを防止することができる。また、落下防止部材がコンテナ本体の全長をカバーし得る長さを有するので、一斉に固定することができる。
【0017】
また、完成状態又は半完成状態の遊技機を降ろす場合、遊技機を降ろそうとする側の落下防止部材を取り外す。そして、落下防止部材を取り外して開放状態となった方に向かって、反対側から遊技機を押し出す。この場合も、落下防止部材がコンテナ本体の全長をカバーし得る長さを有するので、押し出す側の側面を一斉に開放することができる。
【0018】
さらに、本発明の遊技機運搬用コンテナでは、遊技機を積み込んだり降ろしたりするときは、必ず落下防止部材を取り外して一方の側面を開放状態としなければならないので、各遊技機が固定状態にあるのに誤って押し出そうとしてしまうといった問題を生じさせない。また、上述の様に、積み込みを実施する際にも側面を開放状態とするだけであるから、これを忘れて積みこみ作業を行うことは不可能なので、積み込みの際の開放操作を忘れるといったこともない。そして、上下のガイドの間隔及び床部と天井との高さには余裕があるので、遊技機を無理矢理押し込むといった問題も生じない。
【0019】
こうした特有の作用効果は、全幅が遊技機の幅の整数倍よりも若干大きいコンテナ本体の側面部に全長をカバーし得る長さの落下防止部材を着脱する構成を採用し(1−1,1−2)、前後方向に余裕を有すると共に高さ方向にも余裕を有する上下のガイド部材で遊技機の下端部及び上端部を支持し得る構成を採用すると共に(1−3〜1−5)、落下防止部材を両側面に取り付けると自然に両側からの押圧力が生じて遊技機を固定する構成(1−6)を採用したことによるものである。そして、かかる構成を採用した本発明の遊技機運搬用コンテナは、積み降ろしの方向が限定されず、輸送時における振動を防止でき、かつ、固定操作の忘れや開放操作の忘れによる受傷の機会をも低減することができ、作業性が良好で信頼性の高いものとなっている。
【0020】
また、本発明の遊技機運搬用コンテナは、(1−7)及び(1−8)の構成を備えたので、固定部材を緩めてガイド部材を移動させることにより、上下のガイド部材が形成する溝部分の間隔を変更することができる。従って、奥行き方向の厚さが異なる遊技機に対しても使用することができる。なお、遊技機の高さ及び幅は、遊技場における遊技島の構成(規格)から、外枠においてこれが異なる様な遊技機は考える必要がない。よって、(1−7)及び(1−8)の構成を採用するだけで、コンテナの汎用性を向上することができるのである。そして、コンテナの汎用性を向上することは、遊技機の積み降ろしに際しての受傷を防止するという目的に対して、より好ましいものとなる。
【0021】
また、本発明の遊技機運搬用コンテナが採用した(1−7)及び(1−8)の構成は、単に、上下のガイド部材が形成する溝部分の間隔を変更できるというだけでなく、その変更可能な範囲がほぼ制限されないという特徴を発揮する。これは、下ガイドレール及び上ガイドレールがそれ自身の全長に渡ってスリットを有するからである。
【0022】
なお、本発明における半完成状態の遊技機とは、外枠のみ、外枠に対して下皿部品だけを固定したものなどを含み、遊技盤や前面扉などが取り付けられる前の状態のものもであっても構わない。また、本発明の遊技機運搬用コンテナには、底面にキャスタを取り付けてハンドカートとして使用可能な構成を採用することができる。
【0023】
ここで、本発明の遊技機運搬用コンテナにおいて、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(2−1)前記下ガイド脱着部材によって取り付けたものと対になる下前ガイド及び下後ガイドは、いずれか一方を前記床部に固定して間隔調整の際の規準としたこと。
(2−2)前記上ガイド脱着部材によって取り付けたものと対になる上前ガイド及び上後ガイドは、いずれか一方を前記天井部に固定して間隔調整の際の規準としたこと。
【0024】
対になる部材の一方をスライド可能とし、他方を固定(スライド不能)にすることで、ガイド部材の間隔調整を行った結果として、ガイド部材が床部や天井部に対して斜めに取り付けられた状態となるのを回避することができる。従って、間隔調整後に遊技機を積み込むときに斜めの溝に遊技機を押し込んで傷つけるといった問題を回避することができる。また、対になる前後のガイドの一方を固定とすることで、コンテナの長さ方向に渡る遊技機積み込み位置のバランスが崩れないことから、重量バランスよく遊技機を積み込むことができる。さらに、規準があることで、間隔調整作業を効率よく実施することができる。
【0025】
ここで、さらに、(2−3)「前記上下のガイド部材において、それぞれ固定されて規準となるものは、各対の上下のガイド部材において対となる前後のガイドの内の同一の側のガイドとされていること」という構成を採用するとよい。この様にすることで、上述した重量バランスよく遊技機積み込み位置を設定する作用がより確実なものとなる。また、対となるガイドの前後いずれかの側だけをスライドさせて間隔調整する作業は間違いが起こり難く、効率よく作業することができる。
【0026】
また、この(2−1)及び(2−2)の構成を採用した遊技機運搬用コンテナにおいて、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(3−1)前記下ガイド脱着部材は、前記下ガイドレールのスリットにネジ軸を挿通して螺合可能なボルト・ナットによって構成され、前記下ガイドレールは、上面に前記スリットが開口されると共に、該スリットの下部に、前記ボルト・ナットの下側のパーツを収容可能な軸方向孔が全長に渡って一体形成された型材によって構成され、前記床部の左右両側部のフレームを兼ねていること。
(3−2)前記上ガイド脱着部材は、前記上ガイドレールのスリットにネジ軸を挿通して螺合可能なボルト・ナットによって構成され、前記上ガイドレールは、下面に前記スリットが開口されると共に、該スリットの上部に、前記ボルト・ナットの上側のパーツを収容可能な軸方向孔が全長に渡って一体形成された型材によって構成され、前記天井部の左右両側部のフレームを兼ねていること。
【0027】
(3−1)及び(3−2)の構成を採用した遊技機運搬用コンテナによれば、下ガイドレール及び上ガイドレールが型材で構成され、かつ、床部及び天井部の左右両側部のフレームを兼ねる様に配置したので、強度メンバーとして有効な機能を発揮することができる。また、型材であるから、その精度が良好で、下ガイド部材及び上ガイド部材の溝間隔を調整する際の位置決め精度が良好である。また、左右両側部のフレームを兼ねる位置に下ガイドレール及び上ガイドレールを配置したので、上下のガイド部材の間隔を調整する作業はコンテナの開放された側面部で実施できるから、位置調整が容易である。また、左右で位置調整するので、前後のガイドを平行な状態にする作業も容易である。従って、幅方向に複数台の遊技機を積み込む様な長いガイドを用いる場合に、手前と奧でガイド部材の溝間隔に差が生じて積み降ろしし難くなるといった不具合も発生しない。なお、型材としては、軽量で、強度もあるアルミ型材が望ましい。
【0028】
また、この(3−1)及び(3−2)の構成を採用した遊技機運搬用コンテナにおいて、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(4−1)前記下ガイド脱着部材及び上ガイド脱着部材を構成するボルト・ナットとして、蝶ナット又は蝶ボルトを採用したこと。
【0029】
即ち、ガイドレールの軸方向孔にナットを収容し、蝶ボルトでガイド部材を挟む様に取り付ける構成や、ガイドレールの軸方向孔にスリットからネジ軸を飛び出させる様にボルトを収容し、蝶ナットでガイド部材を挟む様に取り付ける構成を採用するとよいのである。この様な構成を採用することで、ガイド部材の溝間隔調整作業の作業性がより一層向上するからである。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、積み降ろしの方向が限定されず、輸送時における振動を防止でき、かつ、固定操作の忘れや開放操作の忘れによる受傷の機会をも低減することができ、かつ、種々の遊技機に対応できる様な汎用性を備えた遊技機運搬用コンテナを提供することができる。この汎用性向上は、遊技機の奥行き寸法に最適なコンテナを提供することによる受傷機会の低減という効果も発揮する。従って、本発明によれば、作業性が良好で信頼性が高く、かつ、汎用性の高い遊技機運搬用コンテナを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明を具体化した実施形態を説明する。実施形態の遊技機運搬用コンテナ1は、図1に示す様に、直方体形状の枠体として構成されたコンテナ本体10と、このコンテナ本体10を載置する台車100とから構成されている。
【0032】
コンテナ本体10は、四隅を構成する4本の支柱11〜14と、前面及び背面の幅方向中央に立設される支柱15,16とを備えている。そして、前面を形成する3本の支柱11,12,15の下端には、前面下端梁桁部材21が三方連結用パーツ51及び四方連結用パーツ52を用いて連結固定されている。また、前面を形成する3本の支柱11,12,15の上端には、前面上端梁桁部材22が三方連結用パーツ51及び四方連結用パーツ52を用いて連結固定されている。同様に、背面を形成する3本の支柱13,14,16の下端には背面下端梁桁部材23が、上端には背面上端梁桁部材24が、それぞれ三方連結用パーツ51及び四方連結用パーツ52を用いて連結固定されている。そして、左側の支柱11,13の上端及び下端には左側面下端梁桁部材25及び左側面上端梁桁部材26が、右側の支柱12,14の上端及び下端には右側面下端梁桁部材27及び右側面上端梁桁部材28が、それぞれ三方連結用パーツ51を用いて連結固定されている。
【0033】
さらに、支柱11〜16の高さ方向中間位置にも、前面中間梁桁部材31、背面中間梁桁部材32、左側面中間梁桁部材33及び右側面中間梁桁部材34が、三方連結用パーツ51及び四方連結用パーツ52を用いて連結固定されている。
【0034】
そして、前面下端梁桁部材21と背面下端梁桁部材23との間には、3本の根太部材41が二方連結用パーツ53及び四方連結用パーツ52を用いて前後方向に掛け渡す様に取り付けられて下段床部LebelA(図4参照)が構成されている。同じく、前面上端梁桁部材22と背面上端梁桁部材24との間には、3本の根太部材42が二方連結用パーツ53及び四方連結用パーツ52を用いて前後方向に掛け渡す様に取り付けられて上段天井部LevelB(図4参照)が構成されている。そして、前面中間梁桁部材31と背面中間梁桁部材32には、その間に掛け渡す様に3本の根太部材43が二方連結用パーツ53及び四方連結用パーツ52を用いて前後方向に掛け渡す様に取り付けられると共に、その下面側には4本の根太部材44,45が垂下型二方連結用パーツ54,55を用いて前後方向に掛け渡す様に取り付けられ、上段床部LevelC1及び下段天井部LevelC2(図4参照)が形成されている。これら上段床部LevelC1及び下段天井部LevelC2が、本発明にいうところの中間床部に相当する。なお、下段天上部LevelC2を構成する4本の根太部材44,45の内の左右のものを区別するときは、中段下外側根太部材45と呼ぶ。
【0035】
ここで、左側面下端梁桁部材25、左側面上端梁桁部材26、右側面下端梁桁部材27、右側面上端梁桁部材28、左側面中間梁桁部材33、右側面中間梁桁部材34及び中段下外側根太部材45には、図3に示す様な断面略正方形の溝付きアルミフレーム200を用いている。この溝付きアルミフレーム200は、押し出し成形品であり、スリット201〜204と、各スリット201〜204と連通する台形断面溝205〜208とが、正方形断面の各面に全長に渡って形成されている。一方、これら以外の支柱11〜16、梁桁部材21〜24,31,32、及び根太部材41〜44は、いずれも同一径の合成樹脂製の円形パイプによって構成されている。また、柱材11〜16、前面の梁桁部材21,22,31及び背面の梁桁部材23,24,32は、それぞれ2本の円形パイプを四方連結用パーツ52で連結固定することによって一本の部材となる様に構成されている。そして、柱材11〜16、梁桁部材21〜28,31〜34、及び根太部材41〜45は、すべて、連結用パーツ51〜55の部分で分解することができる様になっている。なお、四方連結用パーツ52、二方連結用パーツ53及び垂下型に方連結用パーツ54は、部材挿入用の孔の断面形状はいずれも円形となっている。これに対し、三方連結用パーツ51及び二方連結用パーツ55の部材挿入孔は、前後方向の連結部が四角形、それ以外は円形となっている。
【0036】
下段床部A及び上段床部C1には、図1,図2に示す様に、コンテナ本体10の幅と同じ長さの4枚のL字形底面部材61が、それぞれの垂直部62を後側にして、前後方向に間隔をあけて、梁桁部材25,27,33,34及び根太部材41,43に対してネジ止め固定えう(スライド不能)されている。このL字形底面部材61は金属製で、その水平部63には、図3(B),(C)に示す様に、溝付きアルミフレーム200(左側面下端梁桁部材25、右側面下端梁桁部材27、左側面中間梁桁部材33及び右側面中間梁桁部材34を構成するもの)の上面側のスリット201と重なる位置に、前後方向に長い長孔64が形成されている。そして、この長孔64に対して蝶ボルト67及び六角ナット68を用いて、合成樹脂製のアングル部材65が、垂直部66が後方になる様にネジ止めによって取り付けられている。なお、六角ナット68は、組み立てる際に、溝付きアルミフレーム200の上面側の台形断面溝205の中に挿入しておく。
【0037】
また、上段天井部B及び下段天井部C2には、図1,図2に示す様に、コンテナ本体10の幅と同じ長さの8本の合成樹脂製のアングル部材71,73が、2本を一組として、それぞれの垂直部72,74が内側になる様に、前後方向に間隔をあけて取り付けられている。ここで、各組において後方側に位置するアングル部材73は、U字ボルト75、長方形金属プレート76及びナット77を用いて(図8参照)、根太部材42,44に対して固定されている。一方、各組において前方側に位置するアングル部材71は、図3(A)に示す様に、溝付きアルミフレーム200(左側面上端梁桁部材26、右側面上端梁桁部材28及び中段下外側根太部材45を構成するもの)の下面側のスリット203及び台形断面溝207に対して、蝶ボルト67及び六角ナット68を用いて取り付けられている。この場合も、六角ナット68は、組み立てる際に、溝付きアルミフレーム200の下面側の台形断面溝207の中に挿入しておく。
【0038】
下段床部A及び上段床部C1に取り付けられるL字形底面部材61の垂直部62が、本発明にいう下後ガイドとなり、アングル部材65の垂直部66が下前ガイドとなって、これらによって本発明にいう下ガイド部材が構成されている。また、垂直部72を後方にして取り付けられるアングル部材71が本発明にいう上前ガイドとなり、垂直部74を前方にして取り付けられるアングル部材73が本発明にいう上後ガイドとなって、2本一組として、本発明にいう上ガイド部材を構成している。
【0039】
また、図1,図4に示す様に、コンテナ本体10の左右の側面部には、下段側と上段側のそれぞれに、一本ずつの落下防止部材81,82が取り付けられる。落下防止部材81,82は、支柱11等の外周に係合する湾曲した掛け金83,84を両端に備えた金属製の円形パイプによって構成され、コンテナ本体10の前面側の支柱11,12と背面側の支柱13,14の間に掛け渡すことができる長さとされている。また、落下防止部材81,82は、それぞれ装着時の内側となる面に合成ゴム製のクッション部材85,86が取り付けられている。この落下防止部材81,82の掛け金83,84は、湾曲した金属板とバックル式の係合金物とによって構成されており、手で脱着することができる様になっている。また、必要に応じて、中央の支柱15,16の間に掛け渡す様に取り付けることもできる。これにより、各列1台だけを積載した状態でも落下防止部材81,82によって左右から圧迫固定した状態とする方法でも使用することができる。
【0040】
この様にして構成されるコンテナ本体10の収納スペースの全幅BC1は、図4に示す様に、縦置き状態の遊技機Pの幅BPの2倍より若干大きい寸法とされている。一方、落下防止部材81,82は、両側面部に取り付けられた状態において、クッション部材85,86間の間隔BC2が縦置き状態の遊技機Pの幅BPの2倍よりも若干小さくなる様に構成されている。この結果、図4において下段側に示した様に、遊技機Pを一列に対して2台並べて積み込み、落下防止部材81,82を左右の側面部に装着した状態で、縦置き状態の遊技機P,Pに対して両側から押圧力が加わった状態となる。
【0041】
また、図5に示す様に、コンテナ本体10の下段床部と下段天井部の間の下段の高さHC1及び上段床部と上段天井部の間の上段の高さHC2は、縦置き状態の遊技機Pの高さHPよりも大きくなる様に構成されている。そして、下段及び上段において、それぞれ対となる下ガイド部材の上端から上ガイド部材の下端までのガイド間高さHG1,HG2は、縦置き状態の遊技機Pの高さHPよりも小さくなる様に構成されている。
【0042】
さらに、図5に示す様に、下ガイド部材を構成するL字形底面部材61の垂直部62とアングル部材65の垂直部66は、両者の間隔(下ガイド部材の溝幅)DG1が、縦置き状態の遊技機Pの下端部の奥行きサイズDP1よりも若干広くなる様に、取り付け位置を調整されている。また、上ガイド部材を構成するアングル部材71,73は、両者の垂直部72,74の間隔(上ガイド部材の溝幅)DG2が、縦置き状態の遊技機Pの上端部の奥行きサイズDP2よりも若干広くなる様に、取り付け位置を調整されている。なお、遊技機Pの奥行きサイズDP1,DP2は、外枠に対して取り付けられる装飾部品が変わることによって変化する。また、遊技機Pの下端部の奥行きサイズDP1と上端部の奥行きサイズDP2は同じ場合もあれば異なる場合もある。従って、この溝幅調整機能を利用して、積載する遊技機Pに合わせて下部ガイド部材及び上部ガイド部材の溝幅を調整する。これにより、種々の遊技機に使用することができ、また、同種の遊技機であっても製造工程に応じて最適な状態で使用することができる。
【0043】
台車100は、図1,図4,図5に示す様に、コンテナ本体10の底面積よりも若干大きい面積を有する長方形の載置面111と、この載置面111の四隅から所定高さまで伸びてコンテナ本体10の四隅の下端部を外側からガイドし得る四隅ガイド112とを備えた底面枠体110を備えている。この底面枠体110は鋼製のアングル部材を溶接組立して製造され、幅方向に鋼製の帯板113を溶接固定して頑丈な構造としてある。また、四隅ガイド112と底面枠体110とは、前面及び背面で三角形状のブラケット114による補強もなされている。そして、底面枠体110の四隅底面に、キャスタ115が取り付けられている。
【0044】
コンテナ本体10は、図6(A)に示す様に、台車100に載置された状態でハンドカートとして移動できる様にして使用することもできるし、同図(B)に示す様に、単体で保管や工場内のコンベアライン投入用として使用することもできる。なお、図6(A)の状態で使用する場合、コンテナ本体10の自重と載置される遊技機Pの自重に加えて、底面枠体110の垂直部分及び四隅ガイド112によって外側から支持される結果、コンテナ本体10と底面枠体110とを特に連結固定しなくても脱落するといったおそれはない。
【0045】
以上の様に構成された実施形態の遊技機運搬用コンテナ1に、完成状態又は半完成状態の遊技機Pを積み込む場合、図7,図8で上段側について示した様に、積み込もうとする側の落下防止部材81だけを取り外す。そして、落下防止部材81を取り外して開放状態となった方の側面から、遊技機Pを縦置き状態で幅方向に摺動させて積み込みを行う。このとき、上下のガイド部材は前後方向に余裕のある溝を構成し、かつ、床部と天井部の高さにおいて余裕があるので、遊技機Pをスムーズに押し込むことができる。また、コンテナ本体10に押し込まれた遊技機Pは、反対側に取り付けたままとした落下防止部材82のクッション部材84に当接して停止されるので、押し込み過ぎて反対側に落としてしまうということはない。
【0046】
こうして遊技機を積み込んだら、取り外した側の落下防止部材81を取り付ける。すると、図7,図8で下段側について示した様に、反対側の落下防止部材82との間で、遊技機Pが幅方向両側から押圧されて挟まれた状態にしっかりと固定される。従って、上下のガイド部材で前後から挟み付けていなくても遊技機Pはしっかりと固定され、振動による受傷のおそれを防止することができる。また、落下防止部材81,82がコンテナ本体10の全長をカバーし得る長さを有するので、一斉に固定することができる。
【0047】
また、完成状態又は半完成状態の遊技機Pを降ろす場合、遊技機を降ろそうとする側の落下防止部材81(又は82)を取り外す。そして、落下防止部材81(又は82)を取り外して開放状態となった方に向かって、反対側から遊技機Pを押し出す。この場合も、落下防止部材81,82がコンテナ本体10の全長をカバーし得る長さを有するので、押し出す側の側面を一斉に開放することができる。
【0048】
さらに、実施形態の遊技機運搬用コンテナ1では、遊技機Pを積み込んだり降ろしたりするときは、必ず落下防止部材81(又は82)を取り外して一方の側面を開放状態としなければならないので、各遊技機Pが固定状態にあるのに誤って押し出そうとしてしまうといった問題を生じさせない。また、上述の様に、積み込みを実施する際にも側面を開放状態とするだけであるから、これを忘れて積みこみ作業を行うことは不可能なので、積み込みの際の開放操作を忘れるといったこともない。そして、上下のガイドの間隔DG1,DG2及び床部と天井との高さHC1,HC2には余裕があるので、遊技機Pを無理矢理押し込んで傷を付けるといった問題も生じない。
【0049】
また、本実施形態の遊技機運搬用コンテナ1では、上下2段に各2×4の合計16台の遊技機Pを縦置き状態で積み込むことができるので、多数の遊技機を運搬することが可能である。そして、上下別々に着脱できる落下防止部材81,82を備えたので、下段の積み降ろし作業中に上段に積んである遊技機が落下する等の不具合は生じない。さらに、各列に2台ずつ収納された遊技機は、その外側面はクッション部材85,86で押圧され、内側面は互いの遊技機同士が当接して、しっかりと密着されるので、輸送の際に当接面に傷が付くといったことも起こりにくい。
【0050】
さらに、前後方向に掛け渡す様に取り付けられていた落下防止部材81,82は、図7に示す様に、コンテナ本体10の梁桁部材22等に掛け金83,84を引っ掛けて吊した状態にすることができる。この結果、本発明において重要な構成であるところの落下防止部材81,82を紛失するおそれをなくすことができる。また、落下防止部材81,82を例えば壁に立てかけるなどしなくてもよいので、落下防止部材81,82が倒れて遊技機Pに当たって傷付けるといった問題も生じない。
【0051】
また、本実施形態の遊技機運搬用コンテナ1は、台車100に載置してハンドカートとして用いることができるので、フォークリフトなどをもちいなくても、人が手押し車の容量で押して移動させることができる。一方、工場内のローラコンベア上に投入して次の工程へと回す様な場合は、台車100を用いずに、コンベアライン上に自重でしっかりと載った状態で次の工程へと遊技機載置状態のコンテナを送ることができる。もちろん、コンテナ本体10は、遊技機積み込み工程へと空荷で送る際にも、コンベアライン上にしっかりと載置された状態とすることができる。
【0052】
さらに、トラックの荷台に積み込む場合も、コンテナ本体10だけで使用すれば、荷台での固定作業が軽減される。なお、トラック輸送やコンベアラインへの投入に際して、台車100にコンテナ本体10を載置した状態で使用しても構わない。
【0053】
また、本実施形態の遊技機運搬用コンテナ1は、コンテナ本体10を、パイプ連結用パーツ51〜55と、円形パイプ及び溝付きアルミフレームとを用いて着脱可能に連結固定した柱部材11等、梁桁部材21等及び根太部材41等によって構成されているので、長期に渡って使用しない場合や、空荷のコンテナ1を遠方に輸送したいような場合に、コンテナ本体10を分解してコンパクトな形態とすることができる。また、パイプを組んだものであるから、軽量化も達成されている。従って、空荷における取扱いが容易である。その一方、パイプは外径及び肉厚の設定により、重量を小さくしても断面係数は大きくとることができるので、強度的にも問題は生じない。この様に軽量で丈夫なコンテナ本体10は、台車100に対して装着するときも取り出すときもその作業が容易である。
【0054】
なお、中間床部があることは、単に多数の遊技機を積み込めるというだけではなく、ねじれに対するコンテナ本体10の強度をアップさせている。特に、中間床部の根太部材43,44を上面側と下面側に取り付けたので、このねじり強度向上という作用はより高いものとなっている。
【0055】
以上説明した様に、本実施形態の遊技機運搬用コンテナ1によれば、積み降ろしの方向が限定されず、輸送時における振動を防止でき、かつ、固定操作の忘れや開放操作の忘れによる受傷の機会をも低減することができている。この結果、作業性が良好で信頼性の高い遊技機運搬用コンテナを提供することができている。また、2台並べて複数列2段に遊技機Pを積載することのできる積載能力の大きい遊技機運搬用コンテナを提供することができている。さらに、落下防止部材81,82を紛失したり、落下防止部材81,82で遊技機Pに傷つけたりするおそれを防止することまでできている。そして、移動が容易でトラックの荷台や工場内のコンベアラインに投入する際の作業も面倒にならないという効果が発揮される。さらに、取扱い易い軽量性を有し、なおかつ、不要の場合には分解して保管することもできる。また、分解可能なコンテナ本体のねじり強度を向上すると共に、積載能力を向上させることができている。
【0056】
また、溝付きアルミフレーム200を採用したことにより、上下のガイド部材が形成する溝部分の間隔を容易に、かつ、広範囲に渡って変更することができる。なお、実施形態では、上下のガイド部材において、それぞれ後ろ側のガイド部材を固定する構成を採用したが、後ろ側のガイド部材も溝付きアルミフレーム200のスリット及び台形断面溝を利用して取付位置を容易に変更できる様に構成してもよい。かかる構成を採用する場合には、溝付きアルミフレーム200がコンテナ本体の全長に渡ってガイドレールとして機能し、より一層の汎用性向上を図ることができる。
【0057】
なお、実施形態の様に対になるガイド部材の一方をスライド可能とし、他方を固定にする構成を採用することにより、後ろ側のガイドが前後方向の位置の基準として定まることから、間隔調整を行った結果、ガイド部材が床部や天井部に対して斜めに取り付けられた状態となるのを回避することができるという利点がある。従って、実施形態によれば、容易に間隔調整を実施できるだけでなく、遊技機を積み込むときに斜めの溝に遊技機を押し込んで傷つけるといった問題を回避することもできるのである。また、対になる前後のガイドの一方を固定とすることで、コンテナの長さ方向に渡る遊技機積み込み位置のバランスが崩れないことから、重量バランスよく遊技機を積み込むことができる。さらに、規準があることで、間隔調整作業を効率よく実施することができる。
【0058】
特に、実施形態は、「上下のガイド部材において、それぞれ固定されて規準となるものは、各対の上下のガイド部材において対となる前後のガイドの内の同一の側のガイドとされている」ので、上述した重量バランスよく遊技機積み込み位置を設定する作用がより確実なものとなっている。また、対となるガイドの前後いずれかの側だけをスライドさせて間隔調整する作業は間違いが起こり難く、効率よく作業することができる。
【0059】
また、実施形態においては、蝶ボルト67を溝付きアルミフレーム200のスリット201,203にネジ軸を挿通して台形断面溝205,207内に予め収納しておいた六角ナット68に螺合して止める構成を採用したので、次の様な作用・効果も発揮される。まず、上下のガイドレールがアルミ型材で構成され、かつ、床部及び天井部の左右両側部のフレームを兼ねる様に配置したので、強度メンバーとして有効な機能を発揮することができる。また、アルミ型材であるから、その精度が良好で、下ガイド部材及び上ガイド部材の溝間隔を調整する際の位置決め精度が良好である。また、左右両側部のフレームを兼ねる位置に上下のガイドレールを配置したので、上下のガイド部材の間隔を調整する作業はコンテナの開放された側面部で実施でき、位置調整が容易である。また、左右で位置調整するので、前後のガイドを平行な状態にする作業も容易である。従って、幅方向に複数台の遊技機を積み込む様な長いガイドを用いる場合に、手前と奧でガイド部材の溝間隔に差が生じて積み降ろしし難くなるといった不具合も発生しない。また、蝶ボルト67を用いたことにより、ガイド部材の溝間隔調整作業の作業性がより一層向上している。
【0060】
以上、発明を実施するための最良の形態としての一実施形態を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
【0061】
例えば、蝶ボルトと六角ナットではなく、六角ボルトと蝶ナットを用いる様にしてもよい。また、上下2段ではなく、1段のみの構造のコンテナ本体としたり、各列に2台並べるのではなく、1台の遊技機を載置する構成のコンテナ本体としたり、あるいは、各列3台を3段積みできる様なさらに大きなコンテナ本体とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施形態の遊技機運搬用コンテナの分解斜視図である。
【図2】実施形態におけるコンテナ本体の要部拡大斜視図である。
【図3】実施形態におけるコンテナ本体のガイド部材の取付状態を示し、(A)は上ガイド部材の取付状態の断面図、(B)は下ガイド部材の取付状態の断面図、(C)は下ガイド部材の取付状態の平面図である。
【図4】実施形態の遊技機運搬用コンテナの正面図である。
【図5】実施形態の遊技機運搬用コンテナの縦断面図である。
【図6】実施形態の遊技機運搬用コンテナの使用態様を示す斜視図である。
【図7】実施形態の遊技機運搬用コンテナの使用態様を示す斜視図である。
【図8】実施形態の遊技機運搬用コンテナの使用態様を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1・・・遊技機運搬用コンテナ
10・・・コンテナ本体
11〜14・・・四隅の支柱
15,16・・・前面及び背面の幅方向中央の支柱
21・・・前面下端梁桁部材
22・・・前面上端梁桁部材
23・・・背面下端梁桁部材
24・・・背面上端梁桁部材
25・・・左側面下端梁桁部材
26・・・左側面上端梁桁部材
27・・・右側面下端梁桁部材
28・・・右側面上端梁桁部材
31・・・前面中間梁桁部材
32・・・背面中間梁桁部材
33・・・左側面中間梁桁部材
34・・・右側面中間梁桁部材
41〜45・・・根太部材
51・・・三方連結用パーツ
52・・・四方連結用パーツ
53・・・二方連結用パーツ
54,55・・・垂下型二方連結用パーツ
61・・・L字形底面部材
62・・・垂直部
63・・・水平部
64・・・長孔
65・・・アングル部材
66・・・垂直部
67・・・蝶ボルト
68・・・六角ナット
71,73・・・アングル部材
72,74・・・垂直部
75・・・U字ボルト
76・・・長方形金属プレート
77・・・ナット
81,82・・・落下防止部材
83,84・・・掛け金
85,86・・・クッション部材
100・・・台車
110・・・底面枠体
111・・・載置面
112・・・四隅ガイド
113・・・帯板
114・・・ブラケット
115・・・キャスタ
BC1・・・収納スペースの全幅
BC2・・・クッション部材間の間隔
BP・・・遊技機の幅
DG1・・・下ガイド部材の溝幅
DG2・・・上ガイド部材の溝幅
DP1・・・遊技機の下端の奥行きサイズ
DP2・・・遊技機の上端の奥行きサイズ
HC1・・・下段の高さ
HC2・・・上段の高さ
HG1・・・下段のガイド間高さ
HG2・・・上段のガイド間高さ
HP・・・縦置き状態の遊技機の高さ
LevelA・・・下段床部
LevelB・・・上段天井部
LevelC1・・・上段床部
LevelC2・・・下段天井部
P・・・遊技機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構成を備えることにより、完成状態又は少なくとも外枠を備えた半完成状態の遊技機を前後方向に所定間隔で縦置きした状態に支持して複数積載可能な遊技機運搬用コンテナ。
(1−1)コンテナ本体は、前面部、背面部、床部及び天井部を備え、両側面部が開放されると共に、全幅が前記縦置き状態の遊技機の幅の整数倍より若干大きいこと。
(1−2)前記両側面部には、それぞれ、前記コンテナ本体の全長をカバーし得る長さの落下防止部材が前後に掛け渡す様にして着脱可能に取り付けられること。
(1−3)前記床部の上面側に幅方向に伸びる様に取り付けられた下ガイド部材と、前記天井部の下面側に幅方向に伸びる様に取り付けられた上ガイド部材とが対となり、前記縦置き状態の遊技機の下端部及び上端部を支持する構成となっていること。
(1−4)前記下ガイド部材は、前記縦置き状態の遊技機の下端部の奥行きサイズよりも若干広い間隔に取り付けられる下前ガイドと下後ガイドとを一対として構成され、前記上ガイド部材は、前記縦置き状態の遊技機の上端部の奥行きサイズよりも若干広い間隔に取り付けられる上前ガイドと上後ガイドとを一対として構成されていること。
(1−5)前記床部と前記天井部の間隔が、前記縦置き状態の遊技機の高さよりも大きくなり、前記対となる下ガイド部材の上端から上ガイド部材の下端までの距離が、前記縦置き状態の遊技機の高さよりも小さくなる様に構成されていること。
(1−6)前記落下防止部材は、それぞれ内側にクッション部材を備え、前記両側面部に取り付けられた状態において、前記クッション部材間の間隔が前記縦置き状態の遊技機の幅の整数倍よりも小さく、前記縦置き状態の遊技機に対して両側から押圧力を加え得る様に構成されていること。
(1−7)それ自身の全長に渡って伸びるスリットが形成された下ガイドレールを、前記床部に対して全長方向に伸びる様に取り付け、一対となる下前ガイド及び下後ガイドの少なくとも一方を、前記下ガイドレールのスリットに挿通された下ガイド脱着部材によって着脱可能に取り付けられていること。
(1−8)それ自身の全長に渡って伸びるスリットが形成された上ガイドレールを、前記天井部に対して全長方向に伸びる様に取り付け、一対となる上前ガイド及び上後ガイドの少なくとも一方を、前記上ガイドレールのスリットに挿通された上ガイド脱着部材によって着脱可能に取り付けられていること。
【請求項2】
さらに、以下の構成をも備えた請求項1記載の遊技機運搬用コンテナ。
(2−1)前記下ガイド脱着部材によって取り付けたものと対になる下前ガイド及び下後ガイドは、いずれか一方を前記床部に固定して間隔調整の際の規準としたこと。
(2−2)前記上ガイド脱着部材によって取り付けたものと対になる上前ガイド及び上後ガイドは、いずれか一方を前記天井部に固定して間隔調整の際の規準としたこと。
【請求項3】
さらに、以下の構成をも備えた請求項2記載の遊技機運搬用コンテナ。
(3−1)前記下ガイド脱着部材は、前記下ガイドレールのスリットにネジ軸を挿通して螺合可能なボルト・ナットによって構成され、前記下ガイドレールは、上面に前記スリットが開口されると共に、該スリットの下部に、前記ボルト・ナットの下側のパーツを収容可能な軸方向孔が全長に渡って一体形成された型材によって構成され、前記床部の左右両側部のフレームを兼ねていること。
(3−2)前記上ガイド脱着部材は、前記上ガイドレールのスリットにネジ軸を挿通して螺合可能なボルト・ナットによって構成され、前記上ガイドレールは、下面に前記スリットが開口されると共に、該スリットの上部に、前記ボルト・ナットの上側のパーツを収容可能な軸方向孔が全長に渡って一体形成された型材によって構成され、前記天井部の左右両側部のフレームを兼ねていること。
【請求項4】
さらに、以下の構成をも備えた請求項3記載の遊技機運搬用コンテナ。
(4−1)前記下ガイド脱着部材及び上ガイド脱着部材を構成するボルト・ナットとして、蝶ナット又は蝶ボルトを採用したこと。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−120399(P2008−120399A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−304230(P2006−304230)
【出願日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】