遊技機
【課題】常には付与されている特典内容を遊技者に秘匿可能であり、補償サービス時には秘匿状態にある特典内容を容易に認識させ、特典内容に応じた適切な補償サービスを実施できる。
【解決手段】大当り遊技状態終了後に確率変動状態又は変動時間短縮(時短)状態が付与されるパチンコ機10において、付与された特典の特典内容を遊技者に秘匿する。その一方で、特典内容を表示する特典報知部を表示装置の上方に設ける。また、パチンコ機10の機裏側に設けられる切替スイッチ38は、特典内容の報知と秘匿の両状態を選択可能にする。機裏側は、遊技店の管理者が機体を開放させない限り、常には遊技者側から視認できない。従って、常には付与されている特典内容を遊技者に秘匿可能であり、補償サービス時には管理者が機体を開放させることにより、特典報知部の表示内容から特典内容を容易に確認できる。
【解決手段】大当り遊技状態終了後に確率変動状態又は変動時間短縮(時短)状態が付与されるパチンコ機10において、付与された特典の特典内容を遊技者に秘匿する。その一方で、特典内容を表示する特典報知部を表示装置の上方に設ける。また、パチンコ機10の機裏側に設けられる切替スイッチ38は、特典内容の報知と秘匿の両状態を選択可能にする。機裏側は、遊技店の管理者が機体を開放させない限り、常には遊技者側から視認できない。従って、常には付与されている特典内容を遊技者に秘匿可能であり、補償サービス時には管理者が機体を開放させることにより、特典報知部の表示内容から特典内容を容易に確認できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特典が付与されたときに特典内容を遊技者に報知可能な特典報知手段が設けられた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ機の中には、特定条件の成立により、確率変動(以下、「確変」と示す)状態や変動時間短縮(以下、「時短」と示す)状態などの大当りとなる可能性を向上させる特典を付与するものがある。確変状態は、大当りの抽選確率が低確率である通常状態から高確率に変動した状態である。時短状態は、大当りの抽選契機となる始動入賞口を開放するか否かの抽選結果を導出する抽選ゲーム(普通図柄による図柄変動ゲーム)の変動時間が短縮された状態である。そして、このようなパチンコ機においては、特典が付与されると、特典付与状態である旨と共に付与された特典内容を、例えば、可変表示器や装飾ランプなどの演出装置を用いて遊技者に報知している。特典が付与された場合に特典内容を報知することにより、遊技者が遊技を継続させるための動機を与えることができる。
【0003】
しかしながら、特典を付与し得るパチンコ機では、付与された特典内容が遊技者の希望と反する場合(例えば、確変状態を希望しているのにも拘わらず時短状態が付与された場合)や、報知によって特典が付与されないことが判明した場合、遊技の継続に対する遊技者の意欲を殺いでしまう虞がある。そこで、従来、特典を付与し得るパチンコ機において、特典付与状態にあっても、所定条件が成立する迄の間、特典内容を遊技者に報知せずに秘匿状態を維持するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたパチンコ機によれば、秘匿状態を設けることにより、付与された特典内容に拘わらず、遊技継続に対する遊技者の意欲を継続させることが可能となる。
【特許文献1】特開2004−65388号公報(請求項1、段落番号[0073])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特典内容を報知するパチンコ機を設置する遊技店の中には、特典付与状態中に閉店時間を迎えると、遊技途中で遊技者に遊技を終了させることによる不満を解消すべく、特典内容に応じて期待される遊技者の獲得利益を補償するサービスを実施している遊技店が存在する。例えば、確変状態中に閉店時間を迎えてしまった場合には、1回の大当りによって遊技者が獲得し得る賞球を補償している。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたパチンコ機では、特典内容の秘匿状態中に閉店時間を迎えた場合、任意に特典内容の確認を行うことが煩わしく、特典内容に応じた適切な補償を行うために手間や時間を要し、遊技者の遊技店に対する不満を増大させてしまう虞がある。例えば、遊技店では、遊技機設置場所から離れた場所に存在するホールコンピュータを確認し、パチンコ機に付与されている特典内容を把握しなければならない。このように特典内容を遊技者に秘匿した場合には、同時に遊技店においても特典内容の把握が煩わしい状態となり、遊技者に対する補償サービスの妨げとなる虞がある。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、常には付与されている特典内容を遊技者に秘匿可能であり、補償サービス時には秘匿状態にある特典内容を容易に認識させ、特典内容に応じた適切な補償サービスを実施できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームの表示結果に応じて、該表示結果が当り表示結果となる可能性を向上させる特典が付与される遊技機において、前記特典が付与されたときに特典内容を遊技者に報知可能な特典報知手段と、遊技者が操作不能な位置で、かつ、遊技店の管理者が操作可能な位置に、該管理者の操作によって前記特典報知手段が前記特典内容を報知する報知状態と前記特典内容を秘匿する秘匿状態とを切り替える切替手段とを備え、前記切替手段の操作によって前記報知状態とされた場合には、付与されている特典の特典内容が前記特典報知手段で報知される一方で、前記切替手段の操作によって前記秘匿状態とされた場合には、付与されている特典内容が前記特典報知手段で報知されずに秘匿されることを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記切替手段は、遊技店の管理者が機体を開放させた時に、少なくとも該管理者が操作可能となる遊技盤上、機裏側又は機内方に配設されていることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の遊技機において、前記切替手段は、電源投入動作を伴うことなく操作が有効となることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機において、遊技盤には、前記図柄変動ゲームの演出表現に寄与する複数の演出装置が設けられており、前記切替手段は、前記複数の演出装置の何れかに配設されていると共に、該演出装置における前記切替手段の非配設部位と意匠上の一体性を有することを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機において、前記切替手段は、遊技盤において遊技者が視認可能な位置に配設されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、常には付与されている特典内容を遊技者に秘匿可能であり、補償サービス時には秘匿状態にある特典内容を容易に認識させ、特典内容に応じた適切な補償サービスを実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)に具体化した第1の実施形態を図1〜図11に基づき説明する。
【0013】
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外枠をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。中枠12と前枠14は、パチンコ機10の右方に設けられた施錠装置Kによって常には開放不能な状態(閉鎖状態)とされている。そして、中枠12と前枠14は、施錠装置Kに鍵を差込んで回動させることにより施錠状態が解除され、開放可能な状態とされる。遊技店の管理者の開放操作(機体(枠体)を開放させる操作)によって前枠14が開放された場合には、機前面側からの遊技盤13への接触が可能となり、中枠12が開放された場合には、機裏側が視認可能となる。
【0014】
前枠14の前面側には、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う枠ランプ16aが設けられていると共に、遊技盤13の遊技領域13aには、発光演出を行う遊技盤ランプ16bが設けられている。また、上球皿15には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。
【0015】
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器(図柄表示装置)20を備えた表示装置21が配設されている。可変表示器20では、変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、可変表示器20では、複数種類の図柄を複数列で変動させて表示する図柄組み合わせゲーム(図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。本実施形態では、図柄組み合わせゲームで3列の図柄による組み合わせを導出し、該組み合わせを形成する各列の図柄の種類を1〜8の8種類の数字としている。
【0016】
そして、遊技者は、図柄組み合わせゲームにおいて最終的に表示された図柄組み合わせ(表示結果)から大当り又ははずれを認識できる。即ち、可変表示器20に表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([111][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当り図柄組み合わせ(当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが表示されると、遊技者には、大当り遊技状態が付与される。一方、可変表示器20に表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄がリーチを形成する図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの図柄組み合わせとなる。
【0017】
また、表示装置21の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根22を備えた始動入賞口23が配設されている。始動入賞口23の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図6に示す)が設けられている。始動入賞口23は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口23の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉24を備えた大入賞口25が配設されている。そして、大当り遊技状態が付与されると、大入賞口扉24の開動作によって大入賞口25が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
【0018】
また、始動入賞口23の下方には、作動ゲート26が配設されている。作動ゲート26の奥方には、入賞した遊技球を検知するゲートセンサSE2(図6に示す)が設けられている。作動ゲート26は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。普通図柄変動ゲームは、始動入賞口23の開閉羽根22を開閉動作させるか否か(始動入賞口23に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出するために行われる演出である。始動入賞口23は開閉羽根22が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入賞し易い状態とされる。なお、普通図柄変動ゲームは、可変表示器20による表示演出で行っても良いし、ランプなどの発光手段による発光演出で行っても良い。
【0019】
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当り遊技状態終了後(特定条件の成立)、所定の終了条件が成立する迄の間、確率変動(以下、「確変」と示す)状態又は変動時間短縮(以下、「時短」と示す)状態の何れかが付与されるようになっている。本実施形態では、大当り抽選に当選した際に確変状態を付与するか又は時短状態を付与するかの抽選が行われ、その抽選結果に応じて大当り遊技状態終了後、確変状態又は時短状態の何れかが付与されるようになっている。なお、確変状態は、予め定めた確変付与回数(本実施形態では10000回)の図柄組み合わせゲームが行われること、又は確変付与回数に達する前に大当り遊技状態が付与されることの何れかを満たすことにより、終了する。同様に、時短状態は、予め定めた時短付与回数(本実施形態では100回)の図柄組み合わせゲームが行われること、又は時短付与回数に達する前に大当り遊技状態が付与されることの何れかを満たすことにより、終了する。
【0020】
確変状態が付与された場合には、大当りの抽選確率(当選確率)が高確率に変動し、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されると共に開閉羽根22の開放時間が延長される。具体的に言えば、大当りの抽選確率は、低確率となる通常確率(本実施形態では315.7分の1)から高確率(本実施形態では63.1分の1)に変動される。また、普通図柄変動ゲームの変動時間は、通常時変動時間(本実施形態では30秒)から短縮時変動時間(本実施形態では5秒)に変更される。また、開閉羽根22の開放時間は、通常時開放時間(本実施形態では0.3秒)から延長時開放時間(本実施形態では5秒)に変更される。一方で、時短状態が付与された場合には、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されると共に開閉羽根22の開放時間が延長される。時短状態中の大当り抽選の当選確率は、通常確率(低確率)となる。
【0021】
確変状態中は、通常遊技状態時及び時短状態時よりも大当りの抽選確率が高確率に変動することから、大当りの図柄組み合わせが形成される可能性が向上することとなる。また、時短状態中は、通常遊技状態時よりも普通図柄変動ゲームにおいて抽選結果が早く導出されることから単位時間当りの開閉羽根22の開閉動作回数が多くなると共に、開閉羽根22の開放時間が延長されて始動入賞口23への入賞率が高くなる。従って、時短状態は、単位時間当りの図柄組み合わせゲームの回数が増加(即ち、大当りの抽選回数が増加)することから、単位時間当りの大当りの図柄組み合わせが形成される可能性が向上することとなる。以上のことから、確変状態と時短状態は、遊技者にとって有利な特典となる。
【0022】
また、遊技盤13に配設された表示装置21には、大当り遊技状態終了後に特典(確変状態又は時短状態)が付与された場合に、その付与された特典の特典内容を報知する特典報知部(特典報知手段)27が設けられている(図1及び図2)。特典報知部27は、可変表示器20の上方に配置されている。特典報知部27は、液晶ディスプレイにて構成されている。また、特典報知部27では、確変状態が付与されているときには「確変」の文字を画像表示して特典内容を報知し(図2(a))、時短状態が付与されているときには「時短」の文字を画像表示して特典内容を報知するようになっている。そして、本実施形態においては、特典が付与された場合に所定の条件(後述する切替スイッチ38の操作)を満たしているときに、付与された特典の特典内容が特典報知部27にて報知されるようになっている。一方、所定の条件が満たされていないときには、確変状態又は時短状態の何れかの特典が付与されている特典付与状態であっても、付与されている特典の特典内容が報知されず、特典内容が秘匿される。即ち、特典報知部27では、何も画像表示されず、特典内容が報知されない(図2(b))。
【0023】
次に、パチンコ機10の機裏側に装着された制御基板について説明する。
図3に示すようにパチンコ機10の機裏側には、遊技店の電源に接続され、パチンコ機10の各種構成部材(各種基板など)に動作電圧を供給する電源基板29が装着されている。電源基板29には、電源スイッチ29aが設けられており、該電源スイッチ29aの操作によりパチンコ機10に電源投入されるようになっている。また、機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34が装着されている。図3において表示制御基板32は、可変表示器20の裏面側に装着され、該可変表示器20と共に表示ユニットHを構成している。
【0024】
統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器20の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像)を制御する。ランプ制御基板33は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、枠ランプ16aと遊技盤ランプ16bの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
【0025】
統括制御基板31は、図4及び図5に示すように、各種の電子部品(統括CPU31a、ROM31b、RAM31cなど)が実装される基板35と、該基板35を収容する前ケースカバー36及び後ケースカバー37とから構成されている。基板35には、特典内容を報知する報知状態と特典内容を秘匿する秘匿状態とを選択的に切り替える切替スイッチ(切替手段)38が設けられている。切替スイッチ38は、基板35が前ケースカバー36と後ケースカバー37に収容されることにより(図5(a))、前ケースカバー36側から回動操作可能に設けられている。そして、切替スイッチ38を摘んで回動操作させることにより、報知状態(ON側)又は秘匿状態(OFF側)の何れかに切り替えられる。切替スイッチ38を報知状態とするように操作した場合(ON側に操作した場合)には、付与された特典(確変状態又は時短状態)の特典内容が報知される。その一方で、切替スイッチ38を秘匿状態とするように操作した場合(OFF側に操作した場合)には、付与された特典(確変状態又は時短状態)の特典内容が秘匿される。
【0026】
このように構成された統括制御基板31は、後ケースカバー37の上側に設けられた一対の係合爪39を、表示ユニットHの上側に設けられた一対の係合突部40に係合させることにより、表示ユニットHの裏面側に装着される(図5(b)、(c))。従って、統括制御基板31に設けられた切替スイッチ38は、パチンコ機10の組み付け形態において、図3に示すようにパチンコ機10の機裏側に配置される。機裏側に配置された切替スイッチ38は、遊技者が操作不能であり、遊技店(遊技場)の管理者の開放操作(機体を開放させる操作)によって該管理者が操作可能な位置に設けられていることになる。
【0027】
次に、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32の制御構成を図6に従って説明する。
主制御基板30には、メインCPU30aと、ROM30bと、RAM30cとが設けられている。メインCPU30aは、大当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新している。ROM30bには、パチンコ機10を制御するためのメイン制御プログラムや複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄が変動を開始(図柄組み合わせゲームの開始)してから全列の図柄が表示(図柄組み合わせゲームの終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。また、主制御基板30(メインCPU30a)には、始動口センサSE1とゲートセンサSE2とが接続されている。
【0028】
そして、メインCPU30aは、ROM30bに記憶されたメイン制御プログラムに基づき、各種処理を実行する。即ち、メインCPU30aは、始動入賞口23に遊技球が入賞し、始動口センサSE1からの検知信号を入力すると、RAM30cに記憶(設定)されている始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)が予め定められた上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。この判定結果が肯定(上限数未満である)の場合、メインCPU30aは、保留記憶数を1加算(+1)し、書き換える。また、メインCPU30aは、大当り判定用乱数の値をRAM30cから読み出し、RAM30cの所定の格納領域に順次格納(記憶)する。保留記憶数は、保留中の図柄組み合わせゲームの回数を示すものである。なお、メインCPU30aは、保留中の図柄組み合わせゲームの開始時に保留記憶数を1減算(−1)し、書き換える。
【0029】
また、メインCPU30aは、図柄組み合わせゲームの開始直前に、RAM30cに格納されている前記大当り判定用乱数の値とROM30bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当りか否かを判定(大当り判定)する。メインCPU30aは、確変状態の場合、大当りの抽選確率を高確率に設定して大当り判定を行う一方で、通常遊技状態と時短状態の場合、大当り抽選確率を通常確率に設定して大当り判定を行う。そして、メインCPU30aは、大当り判定で大当りを決定した場合、大当りの図柄組み合わせを構成する大当り図柄を決定すると共に、大当り演出用の変動パターンを決定する。一方で、メインCPU30aは、大当り判定ではずれを決定した場合、はずれの図柄組み合わせを構成するはずれ図柄を決定すると共に、はずれ演出用の変動パターンを決定する。大当り判定が肯定判定される割合が、大当り抽選の当選確率となる。
【0030】
また、メインCPU30aは、大当り判定で大当りを決定した場合、大当り図柄と変動パターンの決定に加えて、確変状態を大当り遊技状態終了後に付与するか又は時短状態を大当り遊技状態終了後に付与するかを抽選(特典抽選)で決定する。そして、メインCPU30aは、確変状態を決定した場合にはRAM30cに確変状態の付与を決定したことを示す確変フラグを設定する一方で、時短状態を決定した場合にはRAM30cに時短状態の付与を決定したことを示す時短フラグを設定する。メインCPU30aは、確変状態の終了時に確変フラグをクリアし、時短状態の終了時に時短フラグをクリアする。
【0031】
そして、図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)と変動パターンを決定したメインCPU30aは、所定の制御コマンドを統括制御基板31(統括CPU31a)に出力する。即ち、メインCPU30aは、図柄及び変動パターンを決定すると、変動パターンを指示すると共に変動開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、各列の図柄を指示する図柄指定コマンドを出力する。また、メインCPU30aは、指示した変動パターンに基づく図柄組み合わせゲームの開始後、指示した変動パターンに定められている演出時間の経過時に、各列の図柄の停止(確定表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。
【0032】
また、メインCPU30aは、大当り判定にて大当りを決定した場合、決定した大当り演出用の変動パターンに基づく図柄組み合わせゲームの終了後、大当り遊技状態を制御するために各種の制御コマンドを出力する。最初に、メインCPU30aは、オープニング演出の開始を指示するオープニングコマンドを出力する。続いて、メインCPU30aは、各ラウンド遊技の開始時に、ラウンド演出の開始を指示するラウンドコマンドを出力する。その後、メインCPU30aは、最終のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の開始を指示するエンディングコマンドを出力する。
【0033】
そして、メインCPU30aは、大当り遊技状態の終了後(エンディング演出の終了後)、統括制御基板31(統括CPU31a)に特典付与コマンドを出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、RAM30cに確変フラグがセットされている場合には確変状態の開始を指示する確変付与コマンド(特典付与コマンド)を出力する。一方で、メインCPU30aは、RAM30cに時短フラグがセットされている場合には時短状態の開始を指示する時短付与コマンド(特典付与コマンド)を出力する。そして、メインCPU30aは、確変フラグがセットされている場合には確変状態を大当り遊技状態終了後に付与し、時短フラグがセットされている場合には時短状態を大当り遊技状態終了後に付与する。
【0034】
また、メインCPU30aは、大当り判定で大当りを決定した場合、その大当りとなる図柄組み合わせゲームの終了時に特典付与状態(確変状態又は時短状態)の解除を指示する特典解除コマンドを統括制御基板31(統括CPU31a)に出力する。さらに、メインCPU30aは、確変状態の終了時と時短状態の終了時にも、特典解除コマンドを統括制御基板31(統括CPU31a)に出力する。
【0035】
次に、統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、統括CPU31aと、ROM31bと、RAM31cとが設けられている。ROM31bには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御するための統括制御プログラム(図7〜図9のフローチャートに示す各処理内容を含む)が記憶されている。また、RAM31cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。そして、統括CPU31aは、メインCPU30aから出力された各種の制御コマンドと統括制御プログラムに基づき、各種処理を実行する。また、統括CPU31aは、メインCPU30aから入力した変動パターン指定コマンドを各制御基板32〜34に出力する。また、統括CPU31aは、メインCPU30aから入力した特典付与コマンドと、特典解除コマンドと、図柄指定コマンドと、全図柄停止コマンドとを表示制御基板32に出力する。
【0036】
以下、統括制御基板31の統括CPU31aが統括制御プログラムに従って実行する処理を、図7〜図9に示すフローチャートに従って詳しく説明する。なお、図7〜図9に示すフローチャートは、特典内容の報知に係る制御を実行するための処理である。統括CPU31aは、所定の周期毎(例えば、2ms毎)に、コマンド入力処理(図7)と、統括側のフラグ設定処理(図8)と、出力処理(図9)とを順次実行する。
【0037】
最初に、コマンド入力処理を図7に従って説明する。
統括CPU31aは、確変付与コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS10)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、確変フラグをRAM31cにセットし(ステップS11)、コマンド入力処理を終了する。一方、ステップS10の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、時短付与コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、時短フラグをRAM31cにセットし(ステップS13)、コマンド入力処理を終了する。
【0038】
ステップS12の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、特典解除コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS14)。この判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、コマンド入力処理を終了する。一方、ステップS14の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、特典付与状態が解除されるので、RAM31cに確変フラグがセットされているとき、該確変フラグをクリアする(ステップS15)。また、統括CPU31aは、RAM31cに時短フラグがセットされているとき、該時短フラグをクリアする(ステップS16)。その後、統括CPU31aはコマンド入力処理を終了する。
【0039】
次に、統括側のフラグ設定処理を図8に従って説明する。
統括CPU31aは、切替スイッチ38がONに設定されているか否か(報知状態に設定されているか否か)を判定する(ステップS20)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、報知フラグをRAM31cにセットする(ステップS21)。報知フラグは、切替スイッチ38が報知状態に設定されていることを示すフラグである。その後、統括CPU31aは、フラグ設定処理を終了する。一方、ステップS20の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、切替スイッチ38がOFFに設定されている(秘匿状態に設定されている)ことから、RAM31cに報知フラグがセットされているとき、該報知フラグをクリアする(ステップS22)。その後、統括CPU31aは、フラグ設定処理を終了する。
【0040】
次に、出力処理を図9に従って説明する。
統括CPU31aは、RAM31cに報知フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS30)。この判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、付与されている特典の特典内容の秘匿を指示する特典秘匿指示コマンドを作成し、その特典秘匿指示コマンドを表示制御基板32のサブCPU32aに出力する(ステップS31)。その後、統括CPU31aは、出力処理を終了する。
【0041】
また、ステップS30の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、RAM31cに確変フラグがセットされているか否か(確変状態が付与されているか否か)を判定する(ステップS32)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、確変状態が付与されていることを報知する確変報知指示コマンドを作成し、その確変報知指示コマンドを表示制御基板32のサブCPU32aに出力する(ステップS33)。その後、統括CPU31aは、出力処理を終了する。
【0042】
また、ステップS32の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、RAM31cに時短フラグがセットされているか否か(時短状態が付与されているか否か)を判定する(ステップS34)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、時短状態が付与されていることを報知する時短報知指示コマンドを作成し、その時短報知指示コマンドを表示制御基板32のサブCPU32aに出力する(ステップS35)。その後、統括CPU31aは、出力処理を終了する。ステップS34の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、何れの特典も付与されていないので、出力処理を終了する。
【0043】
次に、表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、サブCPU32aと、ROM32bと、RAM32cとが設けられている。ROM32bには、可変表示器20や特典報知部27を制御するための表示制御プログラム(図10、図11のフローチャートに示す各処理内容を含む)が記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。そして、サブCPU32aは、メインCPU30aと統括CPU31aから出力された各種の制御コマンドと表示制御プログラムに基づき、各種処理を実行する。
【0044】
表示制御基板32のサブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドに対応する演出内容で表示演出を実行させるように可変表示器20を制御する。この制御により、可変表示器20では、図柄組み合わせゲームが表示演出で行われる。そして、サブCPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、図柄指定コマンドで指定された図柄を確定表示させて図柄組み合わせゲームを終了させる。
【0045】
また、サブCPU32aは、確変報知指示コマンド、時短報知指示コマンド、特典秘匿指示コマンド、又は特典解除コマンドを入力すると、特典内容の報知に係る制御を実行する。以下、表示制御基板32のサブCPU32aが表示制御プログラムに従って実行する処理を、図10及び図11に示すフローチャートに従って説明する。サブCPU32aは、所定の周期毎(例えば、2ms毎)に、表示側のフラグ設定処理(図10)と、特典報知処理(図11)とを順次実行する。
【0046】
最初に、表示側のフラグ設定処理を図10に従って説明する。
サブCPU32aは、確変報知指示コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS40)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU32aは、確変報知フラグをRAM32cにセットし(ステップS41)、フラグ設定処理を終了する。確変報知フラグは、確変状態が付与されている旨を報知することを示すフラグである。一方で、ステップS40の判定結果が否定の場合、サブCPU32aは、時短報知指示コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS42)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU32aは、時短報知フラグをRAM32cにセットし(ステップS43)、フラグ設定処理を終了する。時短報知フラグは、時短状態が付与されている旨を報知することを示すフラグである。
【0047】
また、ステップS42の判定結果が否定の場合、サブCPU32aは、特典秘匿指示コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS44)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU32aは、RAM32cに確変報知フラグがセットされているとき、該確変報知フラグをクリアする(ステップS45)。また、サブCPU32aは、RAM32cに時短報知フラグがセットされているとき、該時短報知フラグをクリアする(ステップS46)。その後、サブCPU32aはフラグ設定処理を終了する。ステップS44が肯定判定されてステップS45,S46の処理が実行された場合には、付与された特典の特典内容が秘匿される。
【0048】
また、ステップS44の判定結果が否定の場合、サブCPU32aは、特典解除コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS47)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU32aは、特典付与状態(確変状態又は時短状態)が解除され、通常遊技状態に移行することから、ステップS45,S46にて確変報知フラグと時短報知フラグをクリアし、フラグ設定処理を終了する。ステップS47の判定結果が否定の場合、サブCPU32aは、フラグ設定処理を終了する。
【0049】
次に、特典報知処理を図11に従って説明する。
サブCPU32aは、RAM32cに確変報知フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS50)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU32aは、確変報知制御を実行する(ステップS51)。この確変報知制御により、特典報知部27では、「確変」の文字が画像表示され、確変状態が付与されている旨の報知が実行される(図2(a))。その後、サブCPU32aは、特典報知処理を終了する。
【0050】
また、ステップS50の判定結果が否定の場合、サブCPU32aは、RAM32cに時短報知フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS52)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU32aは、時短報知制御を実行する(ステップS53)。この時短報知制御により、特典報知部27では、「時短」の文字が画像表示され、時短状態が付与されている旨の報知が実行される。その後、サブCPU32aは、特典報知処理を終了する。
【0051】
また、ステップS52の判定結果が否定の場合、サブCPU32aは、RAM32cに確変報知フラグ及び時短報知フラグの何れもセットされていないので、特典内容を秘匿する特典秘匿制御を実行する(ステップS54)。この特典秘匿制御により、特典報知部27では、特典内容が秘匿される。即ち、特典報知部27では、「確変」又は「時短」の何れの文字も表示されない(図2(b))。その後、サブCPU32aは、特典報知処理を終了する。なお、サブCPU32aは、切替スイッチ38が秘匿状態に設定されている場合に特典秘匿指示コマンドを入力したとき、及び切替スイッチ38は報知状態に設定されているが特典が付与されていないとき(通常遊技状態時)、ステップS54の特典秘匿制御を実行する。
【0052】
このように構成された本実施形態のパチンコ機10では、切替スイッチ38が秘匿状態に設定されている場合、付与されている特典の特典内容が遊技者に秘匿された状態となる(確変状態が付与されているのか、時短状態が付与されているのかが秘匿される)。即ち、統括CPU31aは、特典が付与されると、確変付与コマンド又は時短付与コマンドを入力することから、その入力したコマンドに応じて確変フラグ又は時短フラグをRAM31cにセットする(図7のステップS10〜S13)。しかし、切替スイッチ38が秘匿状態に設定されている場合には、報知フラグがセットされない(図8のステップS20,S22でクリアされるため)。そして、統括CPU31aは、確変報知指示コマンドと時短報知指示コマンドを出力せず、特典秘匿指示コマンドを出力する(図9のステップS31)。このため、サブCPU32aは、特典秘匿指示コマンドを入力することから、確変報知フラグと時短報知フラグをRAM32cにセットせず(図10のステップS44〜S46)、特典秘匿制御を実行する(図11のステップS54)。この結果、特典報知部27では、特典の特典内容が特典報知部27で報知されず、秘匿される。
【0053】
また、切替スイッチ38が報知状態に設定されている場合には、付与されている特典の特典内容が遊技者に報知される状態となる(確変状態が付与されているのか、時短状態が付与されているのかが報知される)。即ち、切替スイッチ38が報知状態に設定されている場合には、報知フラグがセットされる(図8のステップS21)。このため、統括CPU31aは、RAM31cにセットしたフラグ(確変フラグ又は時短フラグ)に応じて確変報知指示コマンド又は時短報知指示コマンドを出力する(図9のステップS32〜S35)。
【0054】
一方、サブCPU32aは、確変報知指示コマンド又は時短報知指示コマンドを入力すると、RAM32cに確変報知フラグ又は時短報知フラグをセットする(図10のステップS40〜S43)。このため、サブCPU32aは、RAM32cにセットしたコマンド(確変報知コマンド又は時短報知コマンド)に応じて確変報知制御又は時短報知制御を実行する(図11のステップS50〜S53)。この結果、特典報知部27では、特典の特典内容(「確変」又は「時短」の表示)が報知される。
【0055】
従って、付与されている特典の特典内容が秘匿された状態で遊技店の閉店時間を迎えて補償サービスを行う場合には、遊技店の管理者が機体(中枠12)を開放させて切替スイッチ38を秘匿状態から報知状態に切り替える。この操作により、特典報知部27では、特典付与状態中であれば、実際に付与されている特典の特典内容が直ちに報知されることとなる。この操作は(切替スイッチ38の操作)は、パチンコ機10の電源を一旦落とし、再投入することなく、パチンコ機10の電源投入がなされた状態で有効となる。即ち、統括CPU31aは、パチンコ機10の動作中、フラグ設定処理(図8)を所定の周期毎に実行していることから、切替スイッチ38の操作は電源投入の状態で有効となる。
【0056】
そして、特典報知部27の表示内容を確認することにより、確変状態が付与されているのか、又は時短状態が付与されているのか、若しくは確変状態と時短状態の何れも付与されていないのかを容易に把握できる。従って、遊技状態に応じた補償サービスの実施が可能となる。特典内容の報知は、遊技盤13に設けられた特典報知部27で実行されるので、切替スイッチ38を秘匿状態から報知状態に切り替えた場合、特典内容は遊技者からも視認可能となる。なお、確変状態と時短状態の何れも付与されていない場合には、切替スイッチ38を切り替えても報知が実行されないので、特典付与状態でないことも把握可能である。因みに、切替スイッチ38を報知状態から秘匿状態に切り替えた場合には、報知フラグがクリアされる(図8のステップS22)。このため、前述同様に、付与されている特典の特典内容は遊技者に秘匿された状態となる。
【0057】
従って、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)切替スイッチ38を遊技店の管理者が操作可能な位置に配設することで、切替スイッチ38が操作されない限り、遊技者に対して特典内容を秘匿することができる。そして、補償サービス時には、遊技店の管理者が切替スイッチ38を操作し、その特典内容を遊技者に視認させることができるので、特典内容に応じた適切な補償サービスを実施できる。
【0058】
(2)また、切替スイッチ38の操作によって常には特典報知部27を秘匿状態にしておくことで、図柄組み合わせゲームに伴う各種演出の妨げになることを回避できる。
(3)パチンコ機10の機裏側は、通常遊技店の管理者が機体(中枠12)を開放させない限り、遊技者側から接触することができないので、切替スイッチ38を確実に操作不能とすることができる。そして、補償サービス時には、遊技店の管理者が機体(中枠12)を開放させ、該管理者が切替スイッチ38を操作する様子を遊技者から視認させることができる。従って、補償サービス時、遊技店の管理者が不正な操作を行っているのではというような疑義を遊技者に感じさせることがない。また、管理者は、機体開放操作によって切替スイッチ38が操作可能となるので、遊技者に特典内容を確認させる場合であっても、その補償サービスに係る行為に煩わしさを感じさせることがない。
【0059】
(4)また、切替スイッチ38の操作によって報知状態から秘匿状態への切替えを可能とした。このため、例えば、前日の閉店時間に遊技店の管理者が補償サービスを実施するために切替スイッチ38を秘匿状態から報知状態に設定変更し、その設定を戻し忘れて翌日の開店を迎えてしまった場合でも、報知状態に設定されていることに気付いた時点で切替スイッチ38を操作すれば、秘匿状態に設定変更できる。従って、報知状態から秘匿状態に設定変更した以降は、特典内容を秘匿することができる。なお、上記設定変更は、パチンコ機10の電源を一旦落とすことなく行うことができる。
【0060】
(5)また、切替スイッチ38の操作を遊技店の管理者のみに許容したので、特典内容を確実に秘匿させることができる。そして、遊技者が切替スイッチ38を操作できない構成としたので、特典内容の秘匿によって遊技者に遊技を継続させるための動機を確実に与えることができる。即ち、遊技店の管理者(又は遊技者)の意に反して遊技者が特典内容を把握してしまうという事態を回避できる。
【0061】
(6)パチンコ機10の電源を一旦遮断し、電源が再投入されると、遊技者は電源遮断前と電源投入後の該パチンコ機10の状態が変化したかのように感じる。そこで、切替スイッチ38の操作を有効とするときに電源投入動作を必要としないので(切替スイッチ38の操作を電源投入状態で有効とすることにより)、補償サービス時、遊技店の管理者が不正な操作を行っているのではないかというような疑義を遊技者に感じさせることがない。
【0062】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図12〜図14に基づき説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成(又は同一制御内容)は、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を簡略又は省略する。
【0063】
図12は、本実施形態のパチンコ機10に組み付けられる遊技盤50を示している。遊技盤50の遊技領域50aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器51を備えた表示装置(センター役物)52が配設されている。可変表示器51では、図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。また、表示装置52の下方には、開閉羽根53を備えた始動入賞口54と、大入賞口扉55を備えた大入賞口56とが配設されている。また、始動入賞口54の左方には、作動ゲート57が配設されている。また、遊技領域50aには、発光演出を行う遊技盤ランプ58が配設されている。
【0064】
本実施形態の遊技盤50に配設された各種部材には、パチンコ機10の装飾効果を高めるために様々な意匠(形状、色彩、模様)の飾りが施されている。具体的に言えば、遊技盤50に配設された各種部材は、和をイメージし得る飾りが施されている。例えば、表示装置52には、扇子、桜、格子扉などを形作った飾りが施されている。また、遊技盤ランプ58には、牡丹を形作った飾りが施されている。表示装置52(可変表示器51)では図柄組み合わせゲームが表示演出で行われると共に、遊技盤ランプ58では図柄組み合わせゲームに合わせて発光演出が行われる。このため、表示装置52(可変表示器51)と遊技盤ランプ58は、図柄組み合わせゲームの演出表現に寄与する演出装置となる。
【0065】
また、遊技盤50に配設された表示装置52には、大当り遊技状態終了後に特典(確変状態又は時短状態)が付与された場合に、その付与された特典の特典内容を表示する特典報知部(特典報知手段)60が設けられている(図13に示す)。特典報知部60は、可変表示器51の上方に配置されている。本実施形態の特典報知部60は、図13及び図14に示すように、付与された特典(確変状態又は時短状態)に応じて点灯可能な複数の発光部材が配設された基板61の前方に、透光性の板材(例えば、アクリル板)63を配置して構成されている。基板61には、確変状態時に点灯される確変表示LED62aと、時短状態時に点灯される時短表示LED62bとが配設されている。また、板材63の前面側には、各LED62a,62bと対応する位置に、該各LED62a,62bの点灯意義を認識させるための状態識別子64が付されている。より詳しく言えば、確変表示LED62aと対応する位置には状態識別子64として「確変」の文字が付され、時短表示LED62bと対応する位置には状態識別子64として「時短」の文字が付されている。なお、状態識別子64は、シール貼付や直接プリントして付されていても良いし、例えば、●(黒丸)、−(バー)などの記号としても良い。
【0066】
また、板材63の前方には、格子扉を模した固定扉65と該固定扉65と同一意匠をなす可動扉66とが設けられている。固定扉65と可動扉66は、機前面側から各扉65,66の背面側が透視不能となる部材で構成されている。そして、固定扉65と板材63との間には、収容部SP(図13(b)と図14(b)に示す)が形成されており、該収容部SPは、可動扉66を収容可能な大きさで形成されている。可動扉66は、左右方向(機前側から見た左右)に手動にてスライド移動可能に構成されている。そして、可動扉66は、襖を開閉させるときと同じ要領で左右方向にスライド移動させることにより、収容部SPに収容可能であり、かつ、収容部SPから引出可能とされている。また、収容部SPの最奥方には、該収容部SPに収容された可動扉66を検知する検知センサSE3が配設されている。検知センサSE3は、発光素子(図示しない)と、該発光素子に対して対向配置され、発光素子の出射光を受光可能な受光素子(図示しない)とから構成されている。また、可動扉66の端部(図13及び図14において左端部)には、検出片66aが設けられている。
【0067】
図13(a),(b)は、可動扉66が収容部SPに収容された状態を示している。可動扉66が収容部SPに収容された場合には、可動扉66の背面側に配置されている特典報知部60が現れ、その表示内容が機前面側から視認可能とされる。一方、図14(a),(b)は、可動扉66が収容部SPから引出された状態を示している。可動扉66が収容部SPから引出された場合には、可動扉66によって特典報知部60が隠蔽され、その表示内容が機前面側から視認不能とされる。即ち、特典報知部60は、表示装置52における特典報知部60の配設部位が可動扉66で覆蓋されることにより表示内容が視認不能とされる一方で(図13の状態)、覆蓋状態が解除されることにより表示内容が視認可能とされる(図14の状態)。
【0068】
そして、本実施形態の可動扉66は、特典内容を報知する報知状態と特典内容を秘匿する秘匿状態とを選択的に切り替える切替スイッチとしての機能を備えている。この可動扉66は、図14に示すように閉められた状態において秘匿状態を設定し、図13に示すように開けられた状態において報知状態を設定するように構成されている。詳しく言えば、図14に示すように可動扉66が閉められた状態では、検知センサSE3の発光素子の出射光が受光素子にて受光される。この状態(受光素子の受光状態(ON状態))では、検知センサSE3が可動扉66を検知していないので秘匿状態が設定される。その一方で、図13に示すように可動扉66が開けられた状態では、検知センサSE3の発光素子の出射光が可動扉66の検出片66aで遮断され、前記出射光が受光素子にて受光されない。この状態(受光素子の非受光状態(OFF状態))では、検知センサSE3が可動扉66を検知しているので報知状態が設定される。本実施形態では、可動扉66(検出片66aを含む)と検知センサSE3により、切替手段が構成される。検知センサSE3は、表示制御基板32に接続されている。
【0069】
そして、可動扉66を開けるように手動にてスライド移動(本実施形態では左方側にスライド移動)させる操作をした場合には、可動扉66が検知センサSE3により検知されるので、秘匿状態から報知状態に切り替え設定され、付与された特典の特典内容が報知される。即ち、付与されている特典(確変状態又は時短状態)の特典内容に応じて確変表示LED62a又は時短表示LED62bの何れかが点灯する。
【0070】
その一方で、可動扉66を閉じるように手動にてスライド移動(本実施形態では右方側にスライド移動)させる操作をした場合には、可動扉66が検知センサSE3により検知されないので、報知状態から秘匿状態に切り替え設定され、付与された特典の特典内容が秘匿される。即ち、付与されている特典(確変状態又は時短状態)の特典内容に関係なく、確変表示LED62aと時短表示LED62bの全てが消灯する。
【0071】
表示制御基板32のサブCPU32aは、可動扉66(切替スイッチ)が報知状態(検知センサSE3がOFF状態)に設定されている場合、特典報知処理(図11)において確変報知フラグがセットされていれば、確変報知制御によって確変表示LED62aを点灯させる。また、サブCPU32aは、可動扉66(切替スイッチ)が報知状態(検知センサSE3がOFF状態)に設定されている場合、特典報知処理(図11)において時短報知フラグがセットされていれば、時短報知制御によって時短表示LED62bを点灯させる。一方で、サブCPU32aは、可動扉66(切替スイッチ)が秘匿状態(検知センサSE3がON状態)に設定されている場合、特典報知処理(図11)において確変報知フラグと時短報知フラグがセットされていなければ、特典秘匿制御によって確変表示LED62aと時短表示LED62bを消灯させ、特典内容を秘匿させる。なお、その他の特典内容の報知に係る制御(主制御基板30、統括制御基板31、表示制御基板32の制御)は、第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0072】
可動扉66は、遊技盤50に配設された表示装置52に設けられており、表示装置52に接触するためには前枠14を開放させる必要がある。このため、可動扉66は、遊技店の管理者の操作(機体(枠体)を開放させる操作)によって報知状態から秘匿状態への切り替え操作が可能となる。従って、切替スイッチとなる可動扉66は、遊技者が操作不能であり、遊技店の管理者の開放操作(機体を開放させる操作)によって該管理者が操作可能な位置に設けられていることになる。
【0073】
また、可動扉66は、格子扉を模した飾りが施されており、表示装置52に設けられた他の飾り(例えば、扇子や桜)と共に和をイメージし得るように構成されている。即ち、可動扉66と表示装置52を構成する他の部材とは、同一主体(思想、テーマ)のもとで構成された飾りが施されており、意匠上の一体性を有している。なお、表示装置52に設けられた他の飾り(又は他の部材)は、可動扉66の非配設部位に設けられているものである。また、意匠上の一体性とは、形状、色彩、模様などが同一又は関連しており、全体にまとまりがあることをいう。
【0074】
従って、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(6)と同様の効果に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(7)切替スイッチとなる可動扉66を遊技盤50に設けられた演出装置(本実施形態では可変表示器51を有する表示装置52)に配設し、その演出装置と意匠上の一体性を有するように構成したことにより、遊技盤50に切替スイッチとなる可動扉66が配設されても違和感を覚えさせることがない。従って、図柄組み合わせゲーム中に遊技者に可動扉66の存在を意識させることなく、遊技に集中させることができる。
【0075】
(8)切替スイッチを構成する部材として、手動にてスライド移動可能で、収容部SPに対して収容及び引出し可能な可動扉66を設けた。このため、検知センサSE3に不具合が生じ、常時、報知状態が設定されてしまう事態が発生しても、特典報知部60の前面側を透視不能な部材からなる可動扉66にて覆蓋することができる。従って、可動扉66が遊技店の管理者の操作によって開放されない限り、特典内容を秘匿することができる。
【0076】
(9)遊技盤50において遊技者から視認可能な位置に切替スイッチとなる可動扉66を配設することにより、補償サービス時、遊技店の管理者が可動扉66を操作する様子を遊技者から視認させることができる。従って、補償サービス時、遊技店の管理者が不正な操作を行っているのではというような疑義を遊技者に感じさせることがない。また、一般に補償サービスは、遊技店の管理者の手で遊技盤50に配設された入賞装置(始動入賞口54や大入賞口56)に遊技球を入賞させることにより行う。このような補償サービスを行う場合、該サービスの一連の作業を遊技者に見せながら行うことができ、遊技者の補償サービスに係る疑義を解消させることができる。
【0077】
(10)遊技盤50は、通常遊技店の管理者が機体(前枠14)を開放させない限り、遊技者側から接触することができないので、切替スイッチとなる可動扉66を確実に操作不能とすることができる。そして、補償サービス時には、遊技店の管理者が機体(前枠14)を開放させ、該管理者が切替スイッチとなる可動扉66を操作する様子を遊技者から視認させることができる。従って、補償サービス時、遊技店の管理者が不正な操作を行っているのではというような疑義を遊技者に感じさせることがない。また、管理者は、機体開放操作によって切替スイッチとなる可動扉66が操作可能となるので、遊技者に特典内容を確認させる場合であっても、その補償サービスに係る行為に煩わしさを感じさせることがない。
【0078】
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・各実施形態において、特典内容を報知する手段(特典報知手段)を変更しても良い。例えば、第1の実施形態では、特典報知部27にて特典内容を報知しているが、可変表示器20の表示演出、枠ランプ16aや遊技盤ランプ16bの発光演出又はスピーカ17の音声演出にて報知してもよい。また、複数の装置を組み合わせて報知しても良い。例えば、可変表示器20とスピーカ17を組み合わせて報知をしても良い。
【0079】
・第1の実施形態において、特典報知部27の構成を変更してもよい。例えば、液晶ディスプレイに代えて、7セグメントLED、ドットマトリクスLED、リール、又はドラムなどによって特典報知部27を構成しても良い。同様に、第2の実施形態において、特典報知部60の構成を変更しても良い。
【0080】
・各実施形態は、パチンコ機10に代えて、スロットマシン(回胴式遊技機(所謂、パチスロ)や遊技球(パチンコ球)を遊技媒体としたスロットマシンに具体化してもよい。例えば、スロットマシンでは、ボーナス(当り)の当選確率(放出確率)を高確率に変動させる機能や、アシストタイム(AT)機能を搭載したものがあり、これらの機能によって付与される遊技状態は遊技者にとって有利な特典となり得る。従って、これらの機能を搭載したスロットマシンにおいて、特典内容の秘匿と報知を実行可能に構成し、機内方に設けた切替スイッチにて報知状態と秘匿状態とを切り替えるようにしても良い。
【0081】
・各実施形態において、大当り遊技状態終了後に付与される特典の種類を、確変状態又は時短状態のみにしてもよい。
・第1の実施形態において、切替スイッチ38の構成を、例えば、押し釦スイッチ等に変更してもよい。同様に、第2の実施形態において、切替スイッチ(可動扉66)の構成を変更しても良い。
【0082】
・第1の実施形態において、切替スイッチ38を、遊技機(パチンコ機10)の機内方に設けても良い。例えば、切替スイッチ38は、前枠14の裏側に設けても良く、この場合には切替スイッチ38が機内方に設けられることとなる。
【0083】
・第2の実施形態において、切替スイッチを、可変表示器51(表示装置52)以外の図柄組み合わせゲームの演出表現に寄与する演出装置に設けても良い。例えば、遊技盤ランプ58に切替スイッチを設けても良い。また、切替スイッチは、遊技盤50において遊技者が視認可能な位置に設けることが好ましく、例えば、遊技盤50に直接設けても良い。
【0084】
・第2の実施形態において、遊技盤50に配設された各種部材に施される飾りの意匠は、変更しても良い。この場合、切替スイッチに施される飾りと他の部材に施される飾りは、意匠上の一体性を有していることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。
【図2】(a),(b)は、表示装置を示す拡大正面図。
【図3】パチンコ遊技機の機裏側を示す背面図。
【図4】前ケースカバー、統括制御基板、後ケースカバー及び表示ユニットの分解斜視図。
【図5】(a)は、統括制御基板を示す正面図、(b)と(c)は、統括制御基板と表示ユニットを示す側面図。
【図6】パチンコ遊技機の制御構成を示すブロック図。
【図7】コマンド入力処理を示すフローチャート。
【図8】統括側のフラグ設定処理を示すフローチャート。
【図9】出力処理を示すフローチャート。
【図10】表示側のフラグ設定処理を示すフローチャート。
【図11】特典報知処理を示すフローチャート。
【図12】第2の実施形態の遊技盤を示す正面図。
【図13】(a)は、可動扉が開き、機前面側から特典報知部が視認可能とされた表示装置を示す拡大正面図、(b)は、(a)のA−A線断面図。
【図14】(a)は、可動扉が閉じ、機前面側から特典報知部が視認不能とされた表示装置を示す拡大正面図、(b)は、(a)のB−B線断面図。
【符号の説明】
【0086】
10…パチンコ遊技機、16b…遊技盤ランプ、17…スピーカ、20…可変表示器、27,60…特典報知部、31a…統括CPU、32a…サブCPU、38…切替スイッチ、66…可動扉、66a…検出片、SE3…検知センサ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、特典が付与されたときに特典内容を遊技者に報知可能な特典報知手段が設けられた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ機の中には、特定条件の成立により、確率変動(以下、「確変」と示す)状態や変動時間短縮(以下、「時短」と示す)状態などの大当りとなる可能性を向上させる特典を付与するものがある。確変状態は、大当りの抽選確率が低確率である通常状態から高確率に変動した状態である。時短状態は、大当りの抽選契機となる始動入賞口を開放するか否かの抽選結果を導出する抽選ゲーム(普通図柄による図柄変動ゲーム)の変動時間が短縮された状態である。そして、このようなパチンコ機においては、特典が付与されると、特典付与状態である旨と共に付与された特典内容を、例えば、可変表示器や装飾ランプなどの演出装置を用いて遊技者に報知している。特典が付与された場合に特典内容を報知することにより、遊技者が遊技を継続させるための動機を与えることができる。
【0003】
しかしながら、特典を付与し得るパチンコ機では、付与された特典内容が遊技者の希望と反する場合(例えば、確変状態を希望しているのにも拘わらず時短状態が付与された場合)や、報知によって特典が付与されないことが判明した場合、遊技の継続に対する遊技者の意欲を殺いでしまう虞がある。そこで、従来、特典を付与し得るパチンコ機において、特典付与状態にあっても、所定条件が成立する迄の間、特典内容を遊技者に報知せずに秘匿状態を維持するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたパチンコ機によれば、秘匿状態を設けることにより、付与された特典内容に拘わらず、遊技継続に対する遊技者の意欲を継続させることが可能となる。
【特許文献1】特開2004−65388号公報(請求項1、段落番号[0073])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特典内容を報知するパチンコ機を設置する遊技店の中には、特典付与状態中に閉店時間を迎えると、遊技途中で遊技者に遊技を終了させることによる不満を解消すべく、特典内容に応じて期待される遊技者の獲得利益を補償するサービスを実施している遊技店が存在する。例えば、確変状態中に閉店時間を迎えてしまった場合には、1回の大当りによって遊技者が獲得し得る賞球を補償している。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたパチンコ機では、特典内容の秘匿状態中に閉店時間を迎えた場合、任意に特典内容の確認を行うことが煩わしく、特典内容に応じた適切な補償を行うために手間や時間を要し、遊技者の遊技店に対する不満を増大させてしまう虞がある。例えば、遊技店では、遊技機設置場所から離れた場所に存在するホールコンピュータを確認し、パチンコ機に付与されている特典内容を把握しなければならない。このように特典内容を遊技者に秘匿した場合には、同時に遊技店においても特典内容の把握が煩わしい状態となり、遊技者に対する補償サービスの妨げとなる虞がある。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、常には付与されている特典内容を遊技者に秘匿可能であり、補償サービス時には秘匿状態にある特典内容を容易に認識させ、特典内容に応じた適切な補償サービスを実施できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームの表示結果に応じて、該表示結果が当り表示結果となる可能性を向上させる特典が付与される遊技機において、前記特典が付与されたときに特典内容を遊技者に報知可能な特典報知手段と、遊技者が操作不能な位置で、かつ、遊技店の管理者が操作可能な位置に、該管理者の操作によって前記特典報知手段が前記特典内容を報知する報知状態と前記特典内容を秘匿する秘匿状態とを切り替える切替手段とを備え、前記切替手段の操作によって前記報知状態とされた場合には、付与されている特典の特典内容が前記特典報知手段で報知される一方で、前記切替手段の操作によって前記秘匿状態とされた場合には、付与されている特典内容が前記特典報知手段で報知されずに秘匿されることを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記切替手段は、遊技店の管理者が機体を開放させた時に、少なくとも該管理者が操作可能となる遊技盤上、機裏側又は機内方に配設されていることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の遊技機において、前記切替手段は、電源投入動作を伴うことなく操作が有効となることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機において、遊技盤には、前記図柄変動ゲームの演出表現に寄与する複数の演出装置が設けられており、前記切替手段は、前記複数の演出装置の何れかに配設されていると共に、該演出装置における前記切替手段の非配設部位と意匠上の一体性を有することを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機において、前記切替手段は、遊技盤において遊技者が視認可能な位置に配設されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、常には付与されている特典内容を遊技者に秘匿可能であり、補償サービス時には秘匿状態にある特典内容を容易に認識させ、特典内容に応じた適切な補償サービスを実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)に具体化した第1の実施形態を図1〜図11に基づき説明する。
【0013】
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外枠をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。中枠12と前枠14は、パチンコ機10の右方に設けられた施錠装置Kによって常には開放不能な状態(閉鎖状態)とされている。そして、中枠12と前枠14は、施錠装置Kに鍵を差込んで回動させることにより施錠状態が解除され、開放可能な状態とされる。遊技店の管理者の開放操作(機体(枠体)を開放させる操作)によって前枠14が開放された場合には、機前面側からの遊技盤13への接触が可能となり、中枠12が開放された場合には、機裏側が視認可能となる。
【0014】
前枠14の前面側には、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う枠ランプ16aが設けられていると共に、遊技盤13の遊技領域13aには、発光演出を行う遊技盤ランプ16bが設けられている。また、上球皿15には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。
【0015】
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器(図柄表示装置)20を備えた表示装置21が配設されている。可変表示器20では、変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、可変表示器20では、複数種類の図柄を複数列で変動させて表示する図柄組み合わせゲーム(図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。本実施形態では、図柄組み合わせゲームで3列の図柄による組み合わせを導出し、該組み合わせを形成する各列の図柄の種類を1〜8の8種類の数字としている。
【0016】
そして、遊技者は、図柄組み合わせゲームにおいて最終的に表示された図柄組み合わせ(表示結果)から大当り又ははずれを認識できる。即ち、可変表示器20に表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([111][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当り図柄組み合わせ(当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが表示されると、遊技者には、大当り遊技状態が付与される。一方、可変表示器20に表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄がリーチを形成する図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの図柄組み合わせとなる。
【0017】
また、表示装置21の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根22を備えた始動入賞口23が配設されている。始動入賞口23の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図6に示す)が設けられている。始動入賞口23は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口23の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉24を備えた大入賞口25が配設されている。そして、大当り遊技状態が付与されると、大入賞口扉24の開動作によって大入賞口25が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
【0018】
また、始動入賞口23の下方には、作動ゲート26が配設されている。作動ゲート26の奥方には、入賞した遊技球を検知するゲートセンサSE2(図6に示す)が設けられている。作動ゲート26は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。普通図柄変動ゲームは、始動入賞口23の開閉羽根22を開閉動作させるか否か(始動入賞口23に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出するために行われる演出である。始動入賞口23は開閉羽根22が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入賞し易い状態とされる。なお、普通図柄変動ゲームは、可変表示器20による表示演出で行っても良いし、ランプなどの発光手段による発光演出で行っても良い。
【0019】
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当り遊技状態終了後(特定条件の成立)、所定の終了条件が成立する迄の間、確率変動(以下、「確変」と示す)状態又は変動時間短縮(以下、「時短」と示す)状態の何れかが付与されるようになっている。本実施形態では、大当り抽選に当選した際に確変状態を付与するか又は時短状態を付与するかの抽選が行われ、その抽選結果に応じて大当り遊技状態終了後、確変状態又は時短状態の何れかが付与されるようになっている。なお、確変状態は、予め定めた確変付与回数(本実施形態では10000回)の図柄組み合わせゲームが行われること、又は確変付与回数に達する前に大当り遊技状態が付与されることの何れかを満たすことにより、終了する。同様に、時短状態は、予め定めた時短付与回数(本実施形態では100回)の図柄組み合わせゲームが行われること、又は時短付与回数に達する前に大当り遊技状態が付与されることの何れかを満たすことにより、終了する。
【0020】
確変状態が付与された場合には、大当りの抽選確率(当選確率)が高確率に変動し、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されると共に開閉羽根22の開放時間が延長される。具体的に言えば、大当りの抽選確率は、低確率となる通常確率(本実施形態では315.7分の1)から高確率(本実施形態では63.1分の1)に変動される。また、普通図柄変動ゲームの変動時間は、通常時変動時間(本実施形態では30秒)から短縮時変動時間(本実施形態では5秒)に変更される。また、開閉羽根22の開放時間は、通常時開放時間(本実施形態では0.3秒)から延長時開放時間(本実施形態では5秒)に変更される。一方で、時短状態が付与された場合には、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されると共に開閉羽根22の開放時間が延長される。時短状態中の大当り抽選の当選確率は、通常確率(低確率)となる。
【0021】
確変状態中は、通常遊技状態時及び時短状態時よりも大当りの抽選確率が高確率に変動することから、大当りの図柄組み合わせが形成される可能性が向上することとなる。また、時短状態中は、通常遊技状態時よりも普通図柄変動ゲームにおいて抽選結果が早く導出されることから単位時間当りの開閉羽根22の開閉動作回数が多くなると共に、開閉羽根22の開放時間が延長されて始動入賞口23への入賞率が高くなる。従って、時短状態は、単位時間当りの図柄組み合わせゲームの回数が増加(即ち、大当りの抽選回数が増加)することから、単位時間当りの大当りの図柄組み合わせが形成される可能性が向上することとなる。以上のことから、確変状態と時短状態は、遊技者にとって有利な特典となる。
【0022】
また、遊技盤13に配設された表示装置21には、大当り遊技状態終了後に特典(確変状態又は時短状態)が付与された場合に、その付与された特典の特典内容を報知する特典報知部(特典報知手段)27が設けられている(図1及び図2)。特典報知部27は、可変表示器20の上方に配置されている。特典報知部27は、液晶ディスプレイにて構成されている。また、特典報知部27では、確変状態が付与されているときには「確変」の文字を画像表示して特典内容を報知し(図2(a))、時短状態が付与されているときには「時短」の文字を画像表示して特典内容を報知するようになっている。そして、本実施形態においては、特典が付与された場合に所定の条件(後述する切替スイッチ38の操作)を満たしているときに、付与された特典の特典内容が特典報知部27にて報知されるようになっている。一方、所定の条件が満たされていないときには、確変状態又は時短状態の何れかの特典が付与されている特典付与状態であっても、付与されている特典の特典内容が報知されず、特典内容が秘匿される。即ち、特典報知部27では、何も画像表示されず、特典内容が報知されない(図2(b))。
【0023】
次に、パチンコ機10の機裏側に装着された制御基板について説明する。
図3に示すようにパチンコ機10の機裏側には、遊技店の電源に接続され、パチンコ機10の各種構成部材(各種基板など)に動作電圧を供給する電源基板29が装着されている。電源基板29には、電源スイッチ29aが設けられており、該電源スイッチ29aの操作によりパチンコ機10に電源投入されるようになっている。また、機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34が装着されている。図3において表示制御基板32は、可変表示器20の裏面側に装着され、該可変表示器20と共に表示ユニットHを構成している。
【0024】
統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器20の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像)を制御する。ランプ制御基板33は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、枠ランプ16aと遊技盤ランプ16bの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
【0025】
統括制御基板31は、図4及び図5に示すように、各種の電子部品(統括CPU31a、ROM31b、RAM31cなど)が実装される基板35と、該基板35を収容する前ケースカバー36及び後ケースカバー37とから構成されている。基板35には、特典内容を報知する報知状態と特典内容を秘匿する秘匿状態とを選択的に切り替える切替スイッチ(切替手段)38が設けられている。切替スイッチ38は、基板35が前ケースカバー36と後ケースカバー37に収容されることにより(図5(a))、前ケースカバー36側から回動操作可能に設けられている。そして、切替スイッチ38を摘んで回動操作させることにより、報知状態(ON側)又は秘匿状態(OFF側)の何れかに切り替えられる。切替スイッチ38を報知状態とするように操作した場合(ON側に操作した場合)には、付与された特典(確変状態又は時短状態)の特典内容が報知される。その一方で、切替スイッチ38を秘匿状態とするように操作した場合(OFF側に操作した場合)には、付与された特典(確変状態又は時短状態)の特典内容が秘匿される。
【0026】
このように構成された統括制御基板31は、後ケースカバー37の上側に設けられた一対の係合爪39を、表示ユニットHの上側に設けられた一対の係合突部40に係合させることにより、表示ユニットHの裏面側に装着される(図5(b)、(c))。従って、統括制御基板31に設けられた切替スイッチ38は、パチンコ機10の組み付け形態において、図3に示すようにパチンコ機10の機裏側に配置される。機裏側に配置された切替スイッチ38は、遊技者が操作不能であり、遊技店(遊技場)の管理者の開放操作(機体を開放させる操作)によって該管理者が操作可能な位置に設けられていることになる。
【0027】
次に、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32の制御構成を図6に従って説明する。
主制御基板30には、メインCPU30aと、ROM30bと、RAM30cとが設けられている。メインCPU30aは、大当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新している。ROM30bには、パチンコ機10を制御するためのメイン制御プログラムや複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄が変動を開始(図柄組み合わせゲームの開始)してから全列の図柄が表示(図柄組み合わせゲームの終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。また、主制御基板30(メインCPU30a)には、始動口センサSE1とゲートセンサSE2とが接続されている。
【0028】
そして、メインCPU30aは、ROM30bに記憶されたメイン制御プログラムに基づき、各種処理を実行する。即ち、メインCPU30aは、始動入賞口23に遊技球が入賞し、始動口センサSE1からの検知信号を入力すると、RAM30cに記憶(設定)されている始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)が予め定められた上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。この判定結果が肯定(上限数未満である)の場合、メインCPU30aは、保留記憶数を1加算(+1)し、書き換える。また、メインCPU30aは、大当り判定用乱数の値をRAM30cから読み出し、RAM30cの所定の格納領域に順次格納(記憶)する。保留記憶数は、保留中の図柄組み合わせゲームの回数を示すものである。なお、メインCPU30aは、保留中の図柄組み合わせゲームの開始時に保留記憶数を1減算(−1)し、書き換える。
【0029】
また、メインCPU30aは、図柄組み合わせゲームの開始直前に、RAM30cに格納されている前記大当り判定用乱数の値とROM30bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当りか否かを判定(大当り判定)する。メインCPU30aは、確変状態の場合、大当りの抽選確率を高確率に設定して大当り判定を行う一方で、通常遊技状態と時短状態の場合、大当り抽選確率を通常確率に設定して大当り判定を行う。そして、メインCPU30aは、大当り判定で大当りを決定した場合、大当りの図柄組み合わせを構成する大当り図柄を決定すると共に、大当り演出用の変動パターンを決定する。一方で、メインCPU30aは、大当り判定ではずれを決定した場合、はずれの図柄組み合わせを構成するはずれ図柄を決定すると共に、はずれ演出用の変動パターンを決定する。大当り判定が肯定判定される割合が、大当り抽選の当選確率となる。
【0030】
また、メインCPU30aは、大当り判定で大当りを決定した場合、大当り図柄と変動パターンの決定に加えて、確変状態を大当り遊技状態終了後に付与するか又は時短状態を大当り遊技状態終了後に付与するかを抽選(特典抽選)で決定する。そして、メインCPU30aは、確変状態を決定した場合にはRAM30cに確変状態の付与を決定したことを示す確変フラグを設定する一方で、時短状態を決定した場合にはRAM30cに時短状態の付与を決定したことを示す時短フラグを設定する。メインCPU30aは、確変状態の終了時に確変フラグをクリアし、時短状態の終了時に時短フラグをクリアする。
【0031】
そして、図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)と変動パターンを決定したメインCPU30aは、所定の制御コマンドを統括制御基板31(統括CPU31a)に出力する。即ち、メインCPU30aは、図柄及び変動パターンを決定すると、変動パターンを指示すると共に変動開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、各列の図柄を指示する図柄指定コマンドを出力する。また、メインCPU30aは、指示した変動パターンに基づく図柄組み合わせゲームの開始後、指示した変動パターンに定められている演出時間の経過時に、各列の図柄の停止(確定表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。
【0032】
また、メインCPU30aは、大当り判定にて大当りを決定した場合、決定した大当り演出用の変動パターンに基づく図柄組み合わせゲームの終了後、大当り遊技状態を制御するために各種の制御コマンドを出力する。最初に、メインCPU30aは、オープニング演出の開始を指示するオープニングコマンドを出力する。続いて、メインCPU30aは、各ラウンド遊技の開始時に、ラウンド演出の開始を指示するラウンドコマンドを出力する。その後、メインCPU30aは、最終のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の開始を指示するエンディングコマンドを出力する。
【0033】
そして、メインCPU30aは、大当り遊技状態の終了後(エンディング演出の終了後)、統括制御基板31(統括CPU31a)に特典付与コマンドを出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、RAM30cに確変フラグがセットされている場合には確変状態の開始を指示する確変付与コマンド(特典付与コマンド)を出力する。一方で、メインCPU30aは、RAM30cに時短フラグがセットされている場合には時短状態の開始を指示する時短付与コマンド(特典付与コマンド)を出力する。そして、メインCPU30aは、確変フラグがセットされている場合には確変状態を大当り遊技状態終了後に付与し、時短フラグがセットされている場合には時短状態を大当り遊技状態終了後に付与する。
【0034】
また、メインCPU30aは、大当り判定で大当りを決定した場合、その大当りとなる図柄組み合わせゲームの終了時に特典付与状態(確変状態又は時短状態)の解除を指示する特典解除コマンドを統括制御基板31(統括CPU31a)に出力する。さらに、メインCPU30aは、確変状態の終了時と時短状態の終了時にも、特典解除コマンドを統括制御基板31(統括CPU31a)に出力する。
【0035】
次に、統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、統括CPU31aと、ROM31bと、RAM31cとが設けられている。ROM31bには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御するための統括制御プログラム(図7〜図9のフローチャートに示す各処理内容を含む)が記憶されている。また、RAM31cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。そして、統括CPU31aは、メインCPU30aから出力された各種の制御コマンドと統括制御プログラムに基づき、各種処理を実行する。また、統括CPU31aは、メインCPU30aから入力した変動パターン指定コマンドを各制御基板32〜34に出力する。また、統括CPU31aは、メインCPU30aから入力した特典付与コマンドと、特典解除コマンドと、図柄指定コマンドと、全図柄停止コマンドとを表示制御基板32に出力する。
【0036】
以下、統括制御基板31の統括CPU31aが統括制御プログラムに従って実行する処理を、図7〜図9に示すフローチャートに従って詳しく説明する。なお、図7〜図9に示すフローチャートは、特典内容の報知に係る制御を実行するための処理である。統括CPU31aは、所定の周期毎(例えば、2ms毎)に、コマンド入力処理(図7)と、統括側のフラグ設定処理(図8)と、出力処理(図9)とを順次実行する。
【0037】
最初に、コマンド入力処理を図7に従って説明する。
統括CPU31aは、確変付与コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS10)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、確変フラグをRAM31cにセットし(ステップS11)、コマンド入力処理を終了する。一方、ステップS10の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、時短付与コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、時短フラグをRAM31cにセットし(ステップS13)、コマンド入力処理を終了する。
【0038】
ステップS12の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、特典解除コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS14)。この判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、コマンド入力処理を終了する。一方、ステップS14の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、特典付与状態が解除されるので、RAM31cに確変フラグがセットされているとき、該確変フラグをクリアする(ステップS15)。また、統括CPU31aは、RAM31cに時短フラグがセットされているとき、該時短フラグをクリアする(ステップS16)。その後、統括CPU31aはコマンド入力処理を終了する。
【0039】
次に、統括側のフラグ設定処理を図8に従って説明する。
統括CPU31aは、切替スイッチ38がONに設定されているか否か(報知状態に設定されているか否か)を判定する(ステップS20)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、報知フラグをRAM31cにセットする(ステップS21)。報知フラグは、切替スイッチ38が報知状態に設定されていることを示すフラグである。その後、統括CPU31aは、フラグ設定処理を終了する。一方、ステップS20の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、切替スイッチ38がOFFに設定されている(秘匿状態に設定されている)ことから、RAM31cに報知フラグがセットされているとき、該報知フラグをクリアする(ステップS22)。その後、統括CPU31aは、フラグ設定処理を終了する。
【0040】
次に、出力処理を図9に従って説明する。
統括CPU31aは、RAM31cに報知フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS30)。この判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、付与されている特典の特典内容の秘匿を指示する特典秘匿指示コマンドを作成し、その特典秘匿指示コマンドを表示制御基板32のサブCPU32aに出力する(ステップS31)。その後、統括CPU31aは、出力処理を終了する。
【0041】
また、ステップS30の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、RAM31cに確変フラグがセットされているか否か(確変状態が付与されているか否か)を判定する(ステップS32)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、確変状態が付与されていることを報知する確変報知指示コマンドを作成し、その確変報知指示コマンドを表示制御基板32のサブCPU32aに出力する(ステップS33)。その後、統括CPU31aは、出力処理を終了する。
【0042】
また、ステップS32の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、RAM31cに時短フラグがセットされているか否か(時短状態が付与されているか否か)を判定する(ステップS34)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、時短状態が付与されていることを報知する時短報知指示コマンドを作成し、その時短報知指示コマンドを表示制御基板32のサブCPU32aに出力する(ステップS35)。その後、統括CPU31aは、出力処理を終了する。ステップS34の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、何れの特典も付与されていないので、出力処理を終了する。
【0043】
次に、表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、サブCPU32aと、ROM32bと、RAM32cとが設けられている。ROM32bには、可変表示器20や特典報知部27を制御するための表示制御プログラム(図10、図11のフローチャートに示す各処理内容を含む)が記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。そして、サブCPU32aは、メインCPU30aと統括CPU31aから出力された各種の制御コマンドと表示制御プログラムに基づき、各種処理を実行する。
【0044】
表示制御基板32のサブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドに対応する演出内容で表示演出を実行させるように可変表示器20を制御する。この制御により、可変表示器20では、図柄組み合わせゲームが表示演出で行われる。そして、サブCPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、図柄指定コマンドで指定された図柄を確定表示させて図柄組み合わせゲームを終了させる。
【0045】
また、サブCPU32aは、確変報知指示コマンド、時短報知指示コマンド、特典秘匿指示コマンド、又は特典解除コマンドを入力すると、特典内容の報知に係る制御を実行する。以下、表示制御基板32のサブCPU32aが表示制御プログラムに従って実行する処理を、図10及び図11に示すフローチャートに従って説明する。サブCPU32aは、所定の周期毎(例えば、2ms毎)に、表示側のフラグ設定処理(図10)と、特典報知処理(図11)とを順次実行する。
【0046】
最初に、表示側のフラグ設定処理を図10に従って説明する。
サブCPU32aは、確変報知指示コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS40)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU32aは、確変報知フラグをRAM32cにセットし(ステップS41)、フラグ設定処理を終了する。確変報知フラグは、確変状態が付与されている旨を報知することを示すフラグである。一方で、ステップS40の判定結果が否定の場合、サブCPU32aは、時短報知指示コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS42)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU32aは、時短報知フラグをRAM32cにセットし(ステップS43)、フラグ設定処理を終了する。時短報知フラグは、時短状態が付与されている旨を報知することを示すフラグである。
【0047】
また、ステップS42の判定結果が否定の場合、サブCPU32aは、特典秘匿指示コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS44)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU32aは、RAM32cに確変報知フラグがセットされているとき、該確変報知フラグをクリアする(ステップS45)。また、サブCPU32aは、RAM32cに時短報知フラグがセットされているとき、該時短報知フラグをクリアする(ステップS46)。その後、サブCPU32aはフラグ設定処理を終了する。ステップS44が肯定判定されてステップS45,S46の処理が実行された場合には、付与された特典の特典内容が秘匿される。
【0048】
また、ステップS44の判定結果が否定の場合、サブCPU32aは、特典解除コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS47)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU32aは、特典付与状態(確変状態又は時短状態)が解除され、通常遊技状態に移行することから、ステップS45,S46にて確変報知フラグと時短報知フラグをクリアし、フラグ設定処理を終了する。ステップS47の判定結果が否定の場合、サブCPU32aは、フラグ設定処理を終了する。
【0049】
次に、特典報知処理を図11に従って説明する。
サブCPU32aは、RAM32cに確変報知フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS50)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU32aは、確変報知制御を実行する(ステップS51)。この確変報知制御により、特典報知部27では、「確変」の文字が画像表示され、確変状態が付与されている旨の報知が実行される(図2(a))。その後、サブCPU32aは、特典報知処理を終了する。
【0050】
また、ステップS50の判定結果が否定の場合、サブCPU32aは、RAM32cに時短報知フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS52)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU32aは、時短報知制御を実行する(ステップS53)。この時短報知制御により、特典報知部27では、「時短」の文字が画像表示され、時短状態が付与されている旨の報知が実行される。その後、サブCPU32aは、特典報知処理を終了する。
【0051】
また、ステップS52の判定結果が否定の場合、サブCPU32aは、RAM32cに確変報知フラグ及び時短報知フラグの何れもセットされていないので、特典内容を秘匿する特典秘匿制御を実行する(ステップS54)。この特典秘匿制御により、特典報知部27では、特典内容が秘匿される。即ち、特典報知部27では、「確変」又は「時短」の何れの文字も表示されない(図2(b))。その後、サブCPU32aは、特典報知処理を終了する。なお、サブCPU32aは、切替スイッチ38が秘匿状態に設定されている場合に特典秘匿指示コマンドを入力したとき、及び切替スイッチ38は報知状態に設定されているが特典が付与されていないとき(通常遊技状態時)、ステップS54の特典秘匿制御を実行する。
【0052】
このように構成された本実施形態のパチンコ機10では、切替スイッチ38が秘匿状態に設定されている場合、付与されている特典の特典内容が遊技者に秘匿された状態となる(確変状態が付与されているのか、時短状態が付与されているのかが秘匿される)。即ち、統括CPU31aは、特典が付与されると、確変付与コマンド又は時短付与コマンドを入力することから、その入力したコマンドに応じて確変フラグ又は時短フラグをRAM31cにセットする(図7のステップS10〜S13)。しかし、切替スイッチ38が秘匿状態に設定されている場合には、報知フラグがセットされない(図8のステップS20,S22でクリアされるため)。そして、統括CPU31aは、確変報知指示コマンドと時短報知指示コマンドを出力せず、特典秘匿指示コマンドを出力する(図9のステップS31)。このため、サブCPU32aは、特典秘匿指示コマンドを入力することから、確変報知フラグと時短報知フラグをRAM32cにセットせず(図10のステップS44〜S46)、特典秘匿制御を実行する(図11のステップS54)。この結果、特典報知部27では、特典の特典内容が特典報知部27で報知されず、秘匿される。
【0053】
また、切替スイッチ38が報知状態に設定されている場合には、付与されている特典の特典内容が遊技者に報知される状態となる(確変状態が付与されているのか、時短状態が付与されているのかが報知される)。即ち、切替スイッチ38が報知状態に設定されている場合には、報知フラグがセットされる(図8のステップS21)。このため、統括CPU31aは、RAM31cにセットしたフラグ(確変フラグ又は時短フラグ)に応じて確変報知指示コマンド又は時短報知指示コマンドを出力する(図9のステップS32〜S35)。
【0054】
一方、サブCPU32aは、確変報知指示コマンド又は時短報知指示コマンドを入力すると、RAM32cに確変報知フラグ又は時短報知フラグをセットする(図10のステップS40〜S43)。このため、サブCPU32aは、RAM32cにセットしたコマンド(確変報知コマンド又は時短報知コマンド)に応じて確変報知制御又は時短報知制御を実行する(図11のステップS50〜S53)。この結果、特典報知部27では、特典の特典内容(「確変」又は「時短」の表示)が報知される。
【0055】
従って、付与されている特典の特典内容が秘匿された状態で遊技店の閉店時間を迎えて補償サービスを行う場合には、遊技店の管理者が機体(中枠12)を開放させて切替スイッチ38を秘匿状態から報知状態に切り替える。この操作により、特典報知部27では、特典付与状態中であれば、実際に付与されている特典の特典内容が直ちに報知されることとなる。この操作は(切替スイッチ38の操作)は、パチンコ機10の電源を一旦落とし、再投入することなく、パチンコ機10の電源投入がなされた状態で有効となる。即ち、統括CPU31aは、パチンコ機10の動作中、フラグ設定処理(図8)を所定の周期毎に実行していることから、切替スイッチ38の操作は電源投入の状態で有効となる。
【0056】
そして、特典報知部27の表示内容を確認することにより、確変状態が付与されているのか、又は時短状態が付与されているのか、若しくは確変状態と時短状態の何れも付与されていないのかを容易に把握できる。従って、遊技状態に応じた補償サービスの実施が可能となる。特典内容の報知は、遊技盤13に設けられた特典報知部27で実行されるので、切替スイッチ38を秘匿状態から報知状態に切り替えた場合、特典内容は遊技者からも視認可能となる。なお、確変状態と時短状態の何れも付与されていない場合には、切替スイッチ38を切り替えても報知が実行されないので、特典付与状態でないことも把握可能である。因みに、切替スイッチ38を報知状態から秘匿状態に切り替えた場合には、報知フラグがクリアされる(図8のステップS22)。このため、前述同様に、付与されている特典の特典内容は遊技者に秘匿された状態となる。
【0057】
従って、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)切替スイッチ38を遊技店の管理者が操作可能な位置に配設することで、切替スイッチ38が操作されない限り、遊技者に対して特典内容を秘匿することができる。そして、補償サービス時には、遊技店の管理者が切替スイッチ38を操作し、その特典内容を遊技者に視認させることができるので、特典内容に応じた適切な補償サービスを実施できる。
【0058】
(2)また、切替スイッチ38の操作によって常には特典報知部27を秘匿状態にしておくことで、図柄組み合わせゲームに伴う各種演出の妨げになることを回避できる。
(3)パチンコ機10の機裏側は、通常遊技店の管理者が機体(中枠12)を開放させない限り、遊技者側から接触することができないので、切替スイッチ38を確実に操作不能とすることができる。そして、補償サービス時には、遊技店の管理者が機体(中枠12)を開放させ、該管理者が切替スイッチ38を操作する様子を遊技者から視認させることができる。従って、補償サービス時、遊技店の管理者が不正な操作を行っているのではというような疑義を遊技者に感じさせることがない。また、管理者は、機体開放操作によって切替スイッチ38が操作可能となるので、遊技者に特典内容を確認させる場合であっても、その補償サービスに係る行為に煩わしさを感じさせることがない。
【0059】
(4)また、切替スイッチ38の操作によって報知状態から秘匿状態への切替えを可能とした。このため、例えば、前日の閉店時間に遊技店の管理者が補償サービスを実施するために切替スイッチ38を秘匿状態から報知状態に設定変更し、その設定を戻し忘れて翌日の開店を迎えてしまった場合でも、報知状態に設定されていることに気付いた時点で切替スイッチ38を操作すれば、秘匿状態に設定変更できる。従って、報知状態から秘匿状態に設定変更した以降は、特典内容を秘匿することができる。なお、上記設定変更は、パチンコ機10の電源を一旦落とすことなく行うことができる。
【0060】
(5)また、切替スイッチ38の操作を遊技店の管理者のみに許容したので、特典内容を確実に秘匿させることができる。そして、遊技者が切替スイッチ38を操作できない構成としたので、特典内容の秘匿によって遊技者に遊技を継続させるための動機を確実に与えることができる。即ち、遊技店の管理者(又は遊技者)の意に反して遊技者が特典内容を把握してしまうという事態を回避できる。
【0061】
(6)パチンコ機10の電源を一旦遮断し、電源が再投入されると、遊技者は電源遮断前と電源投入後の該パチンコ機10の状態が変化したかのように感じる。そこで、切替スイッチ38の操作を有効とするときに電源投入動作を必要としないので(切替スイッチ38の操作を電源投入状態で有効とすることにより)、補償サービス時、遊技店の管理者が不正な操作を行っているのではないかというような疑義を遊技者に感じさせることがない。
【0062】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図12〜図14に基づき説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成(又は同一制御内容)は、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を簡略又は省略する。
【0063】
図12は、本実施形態のパチンコ機10に組み付けられる遊技盤50を示している。遊技盤50の遊技領域50aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器51を備えた表示装置(センター役物)52が配設されている。可変表示器51では、図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。また、表示装置52の下方には、開閉羽根53を備えた始動入賞口54と、大入賞口扉55を備えた大入賞口56とが配設されている。また、始動入賞口54の左方には、作動ゲート57が配設されている。また、遊技領域50aには、発光演出を行う遊技盤ランプ58が配設されている。
【0064】
本実施形態の遊技盤50に配設された各種部材には、パチンコ機10の装飾効果を高めるために様々な意匠(形状、色彩、模様)の飾りが施されている。具体的に言えば、遊技盤50に配設された各種部材は、和をイメージし得る飾りが施されている。例えば、表示装置52には、扇子、桜、格子扉などを形作った飾りが施されている。また、遊技盤ランプ58には、牡丹を形作った飾りが施されている。表示装置52(可変表示器51)では図柄組み合わせゲームが表示演出で行われると共に、遊技盤ランプ58では図柄組み合わせゲームに合わせて発光演出が行われる。このため、表示装置52(可変表示器51)と遊技盤ランプ58は、図柄組み合わせゲームの演出表現に寄与する演出装置となる。
【0065】
また、遊技盤50に配設された表示装置52には、大当り遊技状態終了後に特典(確変状態又は時短状態)が付与された場合に、その付与された特典の特典内容を表示する特典報知部(特典報知手段)60が設けられている(図13に示す)。特典報知部60は、可変表示器51の上方に配置されている。本実施形態の特典報知部60は、図13及び図14に示すように、付与された特典(確変状態又は時短状態)に応じて点灯可能な複数の発光部材が配設された基板61の前方に、透光性の板材(例えば、アクリル板)63を配置して構成されている。基板61には、確変状態時に点灯される確変表示LED62aと、時短状態時に点灯される時短表示LED62bとが配設されている。また、板材63の前面側には、各LED62a,62bと対応する位置に、該各LED62a,62bの点灯意義を認識させるための状態識別子64が付されている。より詳しく言えば、確変表示LED62aと対応する位置には状態識別子64として「確変」の文字が付され、時短表示LED62bと対応する位置には状態識別子64として「時短」の文字が付されている。なお、状態識別子64は、シール貼付や直接プリントして付されていても良いし、例えば、●(黒丸)、−(バー)などの記号としても良い。
【0066】
また、板材63の前方には、格子扉を模した固定扉65と該固定扉65と同一意匠をなす可動扉66とが設けられている。固定扉65と可動扉66は、機前面側から各扉65,66の背面側が透視不能となる部材で構成されている。そして、固定扉65と板材63との間には、収容部SP(図13(b)と図14(b)に示す)が形成されており、該収容部SPは、可動扉66を収容可能な大きさで形成されている。可動扉66は、左右方向(機前側から見た左右)に手動にてスライド移動可能に構成されている。そして、可動扉66は、襖を開閉させるときと同じ要領で左右方向にスライド移動させることにより、収容部SPに収容可能であり、かつ、収容部SPから引出可能とされている。また、収容部SPの最奥方には、該収容部SPに収容された可動扉66を検知する検知センサSE3が配設されている。検知センサSE3は、発光素子(図示しない)と、該発光素子に対して対向配置され、発光素子の出射光を受光可能な受光素子(図示しない)とから構成されている。また、可動扉66の端部(図13及び図14において左端部)には、検出片66aが設けられている。
【0067】
図13(a),(b)は、可動扉66が収容部SPに収容された状態を示している。可動扉66が収容部SPに収容された場合には、可動扉66の背面側に配置されている特典報知部60が現れ、その表示内容が機前面側から視認可能とされる。一方、図14(a),(b)は、可動扉66が収容部SPから引出された状態を示している。可動扉66が収容部SPから引出された場合には、可動扉66によって特典報知部60が隠蔽され、その表示内容が機前面側から視認不能とされる。即ち、特典報知部60は、表示装置52における特典報知部60の配設部位が可動扉66で覆蓋されることにより表示内容が視認不能とされる一方で(図13の状態)、覆蓋状態が解除されることにより表示内容が視認可能とされる(図14の状態)。
【0068】
そして、本実施形態の可動扉66は、特典内容を報知する報知状態と特典内容を秘匿する秘匿状態とを選択的に切り替える切替スイッチとしての機能を備えている。この可動扉66は、図14に示すように閉められた状態において秘匿状態を設定し、図13に示すように開けられた状態において報知状態を設定するように構成されている。詳しく言えば、図14に示すように可動扉66が閉められた状態では、検知センサSE3の発光素子の出射光が受光素子にて受光される。この状態(受光素子の受光状態(ON状態))では、検知センサSE3が可動扉66を検知していないので秘匿状態が設定される。その一方で、図13に示すように可動扉66が開けられた状態では、検知センサSE3の発光素子の出射光が可動扉66の検出片66aで遮断され、前記出射光が受光素子にて受光されない。この状態(受光素子の非受光状態(OFF状態))では、検知センサSE3が可動扉66を検知しているので報知状態が設定される。本実施形態では、可動扉66(検出片66aを含む)と検知センサSE3により、切替手段が構成される。検知センサSE3は、表示制御基板32に接続されている。
【0069】
そして、可動扉66を開けるように手動にてスライド移動(本実施形態では左方側にスライド移動)させる操作をした場合には、可動扉66が検知センサSE3により検知されるので、秘匿状態から報知状態に切り替え設定され、付与された特典の特典内容が報知される。即ち、付与されている特典(確変状態又は時短状態)の特典内容に応じて確変表示LED62a又は時短表示LED62bの何れかが点灯する。
【0070】
その一方で、可動扉66を閉じるように手動にてスライド移動(本実施形態では右方側にスライド移動)させる操作をした場合には、可動扉66が検知センサSE3により検知されないので、報知状態から秘匿状態に切り替え設定され、付与された特典の特典内容が秘匿される。即ち、付与されている特典(確変状態又は時短状態)の特典内容に関係なく、確変表示LED62aと時短表示LED62bの全てが消灯する。
【0071】
表示制御基板32のサブCPU32aは、可動扉66(切替スイッチ)が報知状態(検知センサSE3がOFF状態)に設定されている場合、特典報知処理(図11)において確変報知フラグがセットされていれば、確変報知制御によって確変表示LED62aを点灯させる。また、サブCPU32aは、可動扉66(切替スイッチ)が報知状態(検知センサSE3がOFF状態)に設定されている場合、特典報知処理(図11)において時短報知フラグがセットされていれば、時短報知制御によって時短表示LED62bを点灯させる。一方で、サブCPU32aは、可動扉66(切替スイッチ)が秘匿状態(検知センサSE3がON状態)に設定されている場合、特典報知処理(図11)において確変報知フラグと時短報知フラグがセットされていなければ、特典秘匿制御によって確変表示LED62aと時短表示LED62bを消灯させ、特典内容を秘匿させる。なお、その他の特典内容の報知に係る制御(主制御基板30、統括制御基板31、表示制御基板32の制御)は、第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0072】
可動扉66は、遊技盤50に配設された表示装置52に設けられており、表示装置52に接触するためには前枠14を開放させる必要がある。このため、可動扉66は、遊技店の管理者の操作(機体(枠体)を開放させる操作)によって報知状態から秘匿状態への切り替え操作が可能となる。従って、切替スイッチとなる可動扉66は、遊技者が操作不能であり、遊技店の管理者の開放操作(機体を開放させる操作)によって該管理者が操作可能な位置に設けられていることになる。
【0073】
また、可動扉66は、格子扉を模した飾りが施されており、表示装置52に設けられた他の飾り(例えば、扇子や桜)と共に和をイメージし得るように構成されている。即ち、可動扉66と表示装置52を構成する他の部材とは、同一主体(思想、テーマ)のもとで構成された飾りが施されており、意匠上の一体性を有している。なお、表示装置52に設けられた他の飾り(又は他の部材)は、可動扉66の非配設部位に設けられているものである。また、意匠上の一体性とは、形状、色彩、模様などが同一又は関連しており、全体にまとまりがあることをいう。
【0074】
従って、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(6)と同様の効果に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(7)切替スイッチとなる可動扉66を遊技盤50に設けられた演出装置(本実施形態では可変表示器51を有する表示装置52)に配設し、その演出装置と意匠上の一体性を有するように構成したことにより、遊技盤50に切替スイッチとなる可動扉66が配設されても違和感を覚えさせることがない。従って、図柄組み合わせゲーム中に遊技者に可動扉66の存在を意識させることなく、遊技に集中させることができる。
【0075】
(8)切替スイッチを構成する部材として、手動にてスライド移動可能で、収容部SPに対して収容及び引出し可能な可動扉66を設けた。このため、検知センサSE3に不具合が生じ、常時、報知状態が設定されてしまう事態が発生しても、特典報知部60の前面側を透視不能な部材からなる可動扉66にて覆蓋することができる。従って、可動扉66が遊技店の管理者の操作によって開放されない限り、特典内容を秘匿することができる。
【0076】
(9)遊技盤50において遊技者から視認可能な位置に切替スイッチとなる可動扉66を配設することにより、補償サービス時、遊技店の管理者が可動扉66を操作する様子を遊技者から視認させることができる。従って、補償サービス時、遊技店の管理者が不正な操作を行っているのではというような疑義を遊技者に感じさせることがない。また、一般に補償サービスは、遊技店の管理者の手で遊技盤50に配設された入賞装置(始動入賞口54や大入賞口56)に遊技球を入賞させることにより行う。このような補償サービスを行う場合、該サービスの一連の作業を遊技者に見せながら行うことができ、遊技者の補償サービスに係る疑義を解消させることができる。
【0077】
(10)遊技盤50は、通常遊技店の管理者が機体(前枠14)を開放させない限り、遊技者側から接触することができないので、切替スイッチとなる可動扉66を確実に操作不能とすることができる。そして、補償サービス時には、遊技店の管理者が機体(前枠14)を開放させ、該管理者が切替スイッチとなる可動扉66を操作する様子を遊技者から視認させることができる。従って、補償サービス時、遊技店の管理者が不正な操作を行っているのではというような疑義を遊技者に感じさせることがない。また、管理者は、機体開放操作によって切替スイッチとなる可動扉66が操作可能となるので、遊技者に特典内容を確認させる場合であっても、その補償サービスに係る行為に煩わしさを感じさせることがない。
【0078】
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・各実施形態において、特典内容を報知する手段(特典報知手段)を変更しても良い。例えば、第1の実施形態では、特典報知部27にて特典内容を報知しているが、可変表示器20の表示演出、枠ランプ16aや遊技盤ランプ16bの発光演出又はスピーカ17の音声演出にて報知してもよい。また、複数の装置を組み合わせて報知しても良い。例えば、可変表示器20とスピーカ17を組み合わせて報知をしても良い。
【0079】
・第1の実施形態において、特典報知部27の構成を変更してもよい。例えば、液晶ディスプレイに代えて、7セグメントLED、ドットマトリクスLED、リール、又はドラムなどによって特典報知部27を構成しても良い。同様に、第2の実施形態において、特典報知部60の構成を変更しても良い。
【0080】
・各実施形態は、パチンコ機10に代えて、スロットマシン(回胴式遊技機(所謂、パチスロ)や遊技球(パチンコ球)を遊技媒体としたスロットマシンに具体化してもよい。例えば、スロットマシンでは、ボーナス(当り)の当選確率(放出確率)を高確率に変動させる機能や、アシストタイム(AT)機能を搭載したものがあり、これらの機能によって付与される遊技状態は遊技者にとって有利な特典となり得る。従って、これらの機能を搭載したスロットマシンにおいて、特典内容の秘匿と報知を実行可能に構成し、機内方に設けた切替スイッチにて報知状態と秘匿状態とを切り替えるようにしても良い。
【0081】
・各実施形態において、大当り遊技状態終了後に付与される特典の種類を、確変状態又は時短状態のみにしてもよい。
・第1の実施形態において、切替スイッチ38の構成を、例えば、押し釦スイッチ等に変更してもよい。同様に、第2の実施形態において、切替スイッチ(可動扉66)の構成を変更しても良い。
【0082】
・第1の実施形態において、切替スイッチ38を、遊技機(パチンコ機10)の機内方に設けても良い。例えば、切替スイッチ38は、前枠14の裏側に設けても良く、この場合には切替スイッチ38が機内方に設けられることとなる。
【0083】
・第2の実施形態において、切替スイッチを、可変表示器51(表示装置52)以外の図柄組み合わせゲームの演出表現に寄与する演出装置に設けても良い。例えば、遊技盤ランプ58に切替スイッチを設けても良い。また、切替スイッチは、遊技盤50において遊技者が視認可能な位置に設けることが好ましく、例えば、遊技盤50に直接設けても良い。
【0084】
・第2の実施形態において、遊技盤50に配設された各種部材に施される飾りの意匠は、変更しても良い。この場合、切替スイッチに施される飾りと他の部材に施される飾りは、意匠上の一体性を有していることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。
【図2】(a),(b)は、表示装置を示す拡大正面図。
【図3】パチンコ遊技機の機裏側を示す背面図。
【図4】前ケースカバー、統括制御基板、後ケースカバー及び表示ユニットの分解斜視図。
【図5】(a)は、統括制御基板を示す正面図、(b)と(c)は、統括制御基板と表示ユニットを示す側面図。
【図6】パチンコ遊技機の制御構成を示すブロック図。
【図7】コマンド入力処理を示すフローチャート。
【図8】統括側のフラグ設定処理を示すフローチャート。
【図9】出力処理を示すフローチャート。
【図10】表示側のフラグ設定処理を示すフローチャート。
【図11】特典報知処理を示すフローチャート。
【図12】第2の実施形態の遊技盤を示す正面図。
【図13】(a)は、可動扉が開き、機前面側から特典報知部が視認可能とされた表示装置を示す拡大正面図、(b)は、(a)のA−A線断面図。
【図14】(a)は、可動扉が閉じ、機前面側から特典報知部が視認不能とされた表示装置を示す拡大正面図、(b)は、(a)のB−B線断面図。
【符号の説明】
【0086】
10…パチンコ遊技機、16b…遊技盤ランプ、17…スピーカ、20…可変表示器、27,60…特典報知部、31a…統括CPU、32a…サブCPU、38…切替スイッチ、66…可動扉、66a…検出片、SE3…検知センサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームの表示結果に応じて、該表示結果が当り表示結果となる可能性を向上させる特典が付与される遊技機において、
前記特典が付与されたときに特典内容を遊技者に報知可能な特典報知手段と、
遊技者が操作不能な位置で、かつ、遊技店の管理者が操作可能な位置に、該管理者の操作によって前記特典報知手段が前記特典内容を報知する報知状態と前記特典内容を秘匿する秘匿状態とを切り替える切替手段とを備え、
前記切替手段の操作によって前記報知状態とされた場合には、付与されている特典の特典内容が前記特典報知手段で報知される一方で、
前記切替手段の操作によって前記秘匿状態とされた場合には、付与されている特典内容が前記特典報知手段で報知されずに秘匿されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記切替手段は、遊技店の管理者が機体を開放させた時に、少なくとも該管理者が操作可能となる遊技盤上、機裏側又は機内方に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記切替手段は、電源投入動作を伴うことなく操作が有効となることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技盤には、前記図柄変動ゲームの演出表現に寄与する複数の演出装置が設けられており、
前記切替手段は、前記複数の演出装置の何れかに配設されていると共に、該演出装置における前記切替手段の非配設部位と意匠上の一体性を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記切替手段は、遊技盤において遊技者が視認可能な位置に配設されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項1】
複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームの表示結果に応じて、該表示結果が当り表示結果となる可能性を向上させる特典が付与される遊技機において、
前記特典が付与されたときに特典内容を遊技者に報知可能な特典報知手段と、
遊技者が操作不能な位置で、かつ、遊技店の管理者が操作可能な位置に、該管理者の操作によって前記特典報知手段が前記特典内容を報知する報知状態と前記特典内容を秘匿する秘匿状態とを切り替える切替手段とを備え、
前記切替手段の操作によって前記報知状態とされた場合には、付与されている特典の特典内容が前記特典報知手段で報知される一方で、
前記切替手段の操作によって前記秘匿状態とされた場合には、付与されている特典内容が前記特典報知手段で報知されずに秘匿されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記切替手段は、遊技店の管理者が機体を開放させた時に、少なくとも該管理者が操作可能となる遊技盤上、機裏側又は機内方に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記切替手段は、電源投入動作を伴うことなく操作が有効となることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技盤には、前記図柄変動ゲームの演出表現に寄与する複数の演出装置が設けられており、
前記切替手段は、前記複数の演出装置の何れかに配設されていると共に、該演出装置における前記切替手段の非配設部位と意匠上の一体性を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記切替手段は、遊技盤において遊技者が視認可能な位置に配設されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−61578(P2006−61578A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−250448(P2004−250448)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
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