遊技機
【課題】円滑で快適にメダルの投入操作が行なえるメダル投入装置を組み込んだ遊技機を提供する。
【解決手段】本発明の遊技機は、メダルを受け入れる投入口23と、投入口23に向けて下り傾斜してメダルを案内し、メダルを起立した状態で載置させた際、メダルの直径よりも小さい部分の外周縁が2点で接触する接触部を具備した案内面22aを有するメダルガイド部22と、回転中心が、案内面22aにおける最深部と投入口23との間のエッジ位置よりも高い位置となるように回転可能に支持されており、案内面22aにおいて寝かせた状態で案内されるメダルの先端面が当接した際、メダルの先端を中心として遊技媒体を回転させて、そのメダルを寝かせた状態から投入口23に向けて起立する状態に姿勢変化させるように回転する回転ローラ40と、を有している。
【解決手段】本発明の遊技機は、メダルを受け入れる投入口23と、投入口23に向けて下り傾斜してメダルを案内し、メダルを起立した状態で載置させた際、メダルの直径よりも小さい部分の外周縁が2点で接触する接触部を具備した案内面22aを有するメダルガイド部22と、回転中心が、案内面22aにおける最深部と投入口23との間のエッジ位置よりも高い位置となるように回転可能に支持されており、案内面22aにおいて寝かせた状態で案内されるメダルの先端面が当接した際、メダルの先端を中心として遊技媒体を回転させて、そのメダルを寝かせた状態から投入口23に向けて起立する状態に姿勢変化させるように回転する回転ローラ40と、を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダルやコインのような遊技媒体を利用して遊技を行なう遊技機に関するものであり、詳細には、前記遊技媒体が投入される遊技媒体投入装置を組み込んだ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、上記したような遊技媒体(以下、「メダル」と称する)を投入することで遊技が開始される遊技機(例えば、スロットマシン、ルーレットゲーム装置、プッシャーゲーム装置等)には、遊技者がメダルを円滑に投入操作できるように、遊技媒体投入装置(以下、「メダル投入装置」と称する)が組み込まれている。
【0003】
例えば、スロットマシンに組み込まれる一般的なメダル投入装置は、メダルを1枚づつ投入する開口(投入口)と、この開口の後方側に設けられた背面壁と、前記開口の手前側で開口に向けて上昇するような傾斜面によって構成されたメダルガイド部とを備えており、メダルガイド部に複数のメダルを起立状態に並べ、指で押し上げ操作することで、開口にメダルを投入操作できるよう構成されている
また、例えば、特許文献1には、メダルに粘着性のある汚れが付着しても、円滑に開口内に落下させるようにしたメダル投入装置が開示されている。この文献に開示されたメダル投入装置は、メダルが接触する部分であるメダルガイド部の表面や、開口の後方側に設けられた背面壁に突部を形成することでメダルと点接触するようにし、メダルに付着した汚れの影響を最小限にして、円滑にメダルを開口に投入できるよう構成されている。すなわち、この特許文献に開示されているメダルガイド部は、メダルの外周縁と一致するような円弧形状に形成されており、メダルを起立保持させた際、メダルの下端面が4点で点接触できるように構成されている。
【特許文献1】特開平8−252353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したようなメダル投入装置は、メダルを起立した状態でメダルガイド部に載置し、傾斜に沿ってメダルを案内しつつ、開口に投入する構成となっており、その投入の操作態様が画一化されてしまう。すなわち、少数枚のメダルを投入する場合であっても、多数枚のメダルを投入する場合であっても、メダルを起立状態にして円弧面状のメダルガイド部に載置し、傾斜面に沿って背面壁に向けて押さえ付けるように指で案内し、投入操作するようになっている。
【0005】
ところで、上記したような遊技機では、その機種や遊技態様等に応じて、メダルを1枚づつ(或いは2〜3枚づつ)開口に投入操作したり、多数枚のメダルを連続的に開口に投入操作するような場合がある。後者の場合、多数枚のメダルを把持し、積層してメダルガイド部に起立、載置すると、枚数分の肉厚があることから、背面壁に当て付けることで、そのまま開口に落下するようになり、特に不都合は無いが、前者の場合、例えば、指で1枚のメダルを摘み、これをメダルガイド部に起立するように載置して、指で背面壁側に向けて押し付ける投入操作を1枚毎に行なう必要がある。
【0006】
従って、少数枚のメダルを扱う際には、より円滑かつ快適に投入操作が行なえるように改良すべき余地がある。
【0007】
また、開口内にメダルを投入する際、一旦、背面壁に押さえ付けて開口内に落下させることから、メダルと背面壁との間で生じる摩擦の影響により、メダルの落下がメダルの投入操作に追い付かなくなる可能性もあり、円滑な投入操作を妨げることも有り得る。
【0008】
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、円滑で快適にメダルの投入操作が行なえるメダル投入装置を組み込んだ遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、請求項1に係る遊技機は、遊技媒体を投入受付けする遊技媒体投入装置を備えており、前記遊技媒体投入装置は、遊技媒体を受け入れる投入口と、前記投入口に向けて下り傾斜して遊技媒体を案内し、遊技媒体を起立した状態で載置させた際、遊技媒体の直径よりも小さい部分の外周縁が2点で接触する接触部を具備した案内面を有する遊技媒体ガイド部と、回転中心が、前記案内面における最深部と前記投入口との間のエッジ位置よりも高い位置となるように回転可能に支持されており、前記案内面において寝かせた状態で案内される遊技媒体の先端面が当接した際、前記遊技媒体の先端を中心として遊技媒体を回転させて、その遊技媒体を前記寝かせた状態から前記投入口に向けて起立する状態に姿勢変化させるように回転する回転ローラと、を有することを特徴とする。
【0010】
上記した構成の遊技機において、遊技者が遊技媒体(メダル)を投入口に投入すべく、メダルを摘んで遊技媒体ガイド部の案内面に載置する(比較的寝かせた状態、或いは起立させた状態)と、メダルは、直径よりも小さい部分の外周縁が2点で案内面に接触することから不安定な状態となる。そして、案内面は下り傾斜していることから、メダルを摘んでいる指を離すと、メダルの自重とのモーメント作用によって、メダルは傾斜する案内面に沿って、倒れながら投入口に向かって自然に導かれるようになる。すなわち、メダルの投入を行なう場合、遊技媒体ガイド部の案内面に載置し、そのまま指を離すことで、メダルは、自重によるモーメント作用によって傾斜に対して平行になるように倒れながら滑って行き、最終的に、投入口の後部にある背面壁等に当接して投入口に落下するため、より円滑で快適なメダルの投入操作が行なえるようになる。
【0011】
また、上記した構成の遊技機において、遊技者が遊技媒体を投入口に投入すべく、メダルを摘んで遊技媒体ガイド部の案内面に沿って寝かせた状態で載置し、そのままメダルを摘んでいる指を離すと、メダルは傾斜する案内面に沿って滑って行き、最終的に、投入口の後部にある背面壁等に当接して投入口に落下するため、より円滑で快適なメダルの投入操作が行なえるようになる。
【0012】
そして、メダルが投入口付近まで来ると、メダルの端面や端面側の表面部が回転ローラに当接し、その回転作用(下向きの回転作用)によって、メダルは姿勢変化を受けながら投入口に案内されるため、より円滑にメダルを投入口に落下させることが可能となる。
【0013】
特に、前記回転ローラは、その回転中心が、前記案内面における最深部と前記投入口との間のエッジ位置よりも高い位置となるように回転可能に支持されており、前記案内面において寝かせた状態で案内される遊技媒体の先端面が当接した際、前記遊技媒体の先端を中心として遊技媒体を回転させて、その遊技媒体を前記寝かせた状態から前記投入口に向けて起立する状態に姿勢変化させるように前記投入口の開口端位置よりも高い位置で回転可能に支持されているため、下り傾斜した案内面に沿って滑り落ちてくるメダルが回転ローラに当接した際、その当接位置は、回転ローラの中心を通り案内面の延出方向と平行となる仮想線よりも下方側となる。このため、回転ローラは、確実に下向きに回転駆動することが可能となり、この回転ローラの下向きの回転により、メダルは、簡単に下向きに姿勢変化されて、円滑に投入口内に落下するようになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、円滑で快適にメダルの投入操作が行なえるメダル投入装置を組み込んだ遊技機が得られるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る遊技機は、メダルやコインのような遊技媒体(以下、メダル)を利用して遊技を行なう各種の遊技機、例えば、スロットマシン、ルーレットゲーム装置、プッシャーゲーム装置等が該当し、遊技機には、遊技を行なうためにメダルを遊技機内に取り込む遊技媒体投入装置(以下、メダル投入装置)が組み込まれている。
【0016】
以下、本発明に係る遊技機の実施形態について、スロットマシンを例示して具体的に説明する。
【0017】
図1に示すように、スロットマシン1は、遊技を実行するための遊技装置(リールユニット)、遊技媒体としてのメダルを払い出すメダル払出装置、及びリールユニットでの遊技動作を制御する制御基板等を収容した本体3と、この本体3に対してヒンジ機構を介して横方向に回動して開閉されるフロントドア(前面扉)5とを備えている。前記フロントドア5には、リールユニットの各回転リールを視認させるリール表示窓7a,7b,7cを有する表示領域7が設けられている。この表示領域7には、例えば、各種の遊技情報を静止画情報、動画情報として表示する画像表示部(例えば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイ、ドットマトリクス表示機等)が配設されており、前記リールユニットの各回転リールの表面を、前記リール表示窓7a,7b,7cを介して透過表示させるようになっている。なお、画像表示部は、回転リールから離れた位置に設置されたものであっても良いし、そのような画像表示部を備えない構成であっても良い。
【0018】
前記フロントドア5の表示領域7の下方側には、台座9が形成されており、ここにベットボタン10a、マックスベットボタン10b、スタートレバー12、3個のストップボタン13a,13b,13c等の各種操作部材が配設されている。
【0019】
さらに、スタートレバー12の下方に位置するフロントドア5には、腰部パネル15が開閉可能に取り付けられており、腰部パネル15の下方に位置するフロントドア5には、本体3内に設置されたメダル払出装置から払出しされるメダルを排出するメダル払出口16に臨むようにしてメダル受皿17が配設されている。
【0020】
また、前記台座9の各種操作部材の右側には、遊技を実行するに際してメダルの投入操作が行なえるメダル投入装置20が組み込まれている。
以下、図2から図8を参照して、メダル投入装置20の構成について説明する。なお、これらの図において、図2は、メダル投入装置の構成を示す斜視図、図3は、表面カバーを取り外した状態を示す斜視図、図4は、中央部分を切断した状態を示す斜視図、図5は、上面図、図6は、正面図、図7は、メダルガイド部とメダルの関係を示す概略正面図、そして、図8は、メダルガイド部と回転ローラの位置関係を示す概略側面図である。
【0021】
メダル投入装置20は、前記台座9を構成しているパネル9aに組み込まれており、パネル9aの表面と略面一となるように形成された露出プレート21を備えている。この露出プレート21には、その中央部分に凹所21aが形成されており、ここに遊技者によって載置されたメダルを案内する案内面22aを具備したメダルガイド部(遊技媒体ガイド部)22と、案内面22aに沿ってガイドされてくるメダルを筐体内部に落下させるスリット状の投入口23が形成されている。この場合、案内面22aは、遊技者側から投入口23に向けて下降するように形成されており、メダルを多数枚、起立させて設置できる程度の長さを備えている。また、案内面22aの傾斜角度については、メダルが円滑に滑るように水平面に対して傾斜していれば良く、その角度については特に限定されることはない。
【0022】
なお、案内面22aは、多数のメダルを連続的に投下できるように、ある程度の長さを有していることが好ましい。具体的には、少なくともメダルの直径以上の長さを有していることが好ましく、更には、連続した投下動作がより円滑で容易に行なえるように、メダルの直径の2〜3倍以上の長さを有していることが好ましい。
【0023】
また、上記した露出プレート21は、例えば、亜鉛(亜鉛合金)をダイカスト鋳造することで一体形成されており、見栄えを向上するために、その表面には、クロムメッキ処理が施されている。また、露出プレート21は、パネル9aに対して着脱可能に構成されていても良い。
【0024】
前記パネル9aの内部のフレームには、投入口23に対応するようにしてメダル受け入れ開口25が形成されており、ここから落下するメダルは、公知のセレクタ装置100に案内されて所定のパラメータ(重量、径など)が測定され、真正と判断されたメダルは、例えば、メダル払出装置のバケットに案内され、そうでないものは、図1に示すメダル払出口16を介してメダル受皿17に返却される。
【0025】
前記メダルガイド部22の案内面22aは、メダルを載置させた際、メダルの直径よりも小さい部分の外周縁が2点で接触するように構成されている。具体的に、本実施形態における案内面22aは、断面U字型に形成されており、図7に示すように、メダルMを案内面に対して略垂直に起立させた際(案内面の傾斜角に対して水平状態以外に載置させた場合)、メダルの直径よりも小さい部分の外周縁が2点で接触するような接触部P1を備えている。このため、断面U字型の案内面22aの最深部Pとメダルの下端縁M1との間では隙間が生じるようになっており、かつ接触部P1がメダルの中心位置Cよりも下方になることから、メダルMの保持状態は不安定となる。
【0026】
前記露出プレート21の凹所21aの背面壁21bには、後述する回転ローラの外周面が露出するように、矩形の開口21cが形成されている。この場合、回転ローラが配置されない構成であれば、背面壁21bは、開口21cが形成されることはなく、そのまま投入口23の後方で、開口よりも上方に位置する壁部(背面壁)として構成され、その部分に押し付けられたり、当接するメダルを、そのまま投入口23に案内する役目を果たす。また、露出プレート21の凹所21aの手前部分には、所定枚数のメダルが載置できるように、略平坦状のメダル載置部21dが形成されている。この場合、メダル載置部21dは、遊技者の利便性を考慮して形成されたものであり、形成しなくても良い。
【0027】
更に、露出プレート21の凹所21aの右側には、メダル返却ボタン30が設けられており、これを押圧操作することによって、投入したメダルを前記メダル受皿17に返却できるように構成されている。
【0028】
前記パネル9aの内部のフレームには、前記露出プレート21に形成された開口21cから、外周面が部分的に露出するように回転ローラ40が支持されている。この回転ローラ40は、図8に示すように、その回転中心E(支持位置)が、前記案内面22aにおける最深部Pと投入口23との間のエッジ位置(投入口23の開口端位置)P2よりも高い位置となるように支持されている。メダルガイド部22の案内面22aに対して、このような位置関係で回転ローラ40を支持することにより、メダルの当接位置を、回転ローラの中心Eを通り、案内面22aの延出方向と平行となる仮想線Xよりも下方側にすることが可能となり、回転ローラを、確実に下向きに回転駆動させることができる。すなわち、回転ローラに対するメダルの当接位置は、上記した仮想線Xとローラ外周が交差する位置E1よりも下方側となり、メダルが投入口付近まで滑り降りて、端面が回転ローラ40に当接した際、回転ローラ40を確実に下向きに回転駆動させることができる(位置E1よりも上側に当接すると、下向きに回転し難くなる)。このような回転ローラ40の下向きの回転により、当接したメダルは、メダルの重力、及び回転ローラ40が回転することによるアシストによって、簡単に下向きに姿勢変化させられ、円滑に投入口23内に落下するようになる。
【0029】
なお、実際には、回転ローラ40の支持位置は、案内面22aに、通常、最も摘み易いメダルの量(ここでは、5〜6枚程度とする)を寝かせた状態で載置した際の前記最深部Pからの高さhよりも、最深部Pから上記した位置E1までの高さHが大きくなる(h<H)ように設定しておくことが好ましい。すなわち、このような位置となるように回転ローラを支持することで、最も摘み易いメダル量を案内面22aに載置した際、それらが滑り降りて回転ローラ40の外周に当接しても、当接位置は、確実に位置E1よりも下側となるため、回転ローラ40を、確実に下向きに回転駆動させることが可能となる(図8において、仮想線X´は、メダルを案内面22aに寝かせた状態で載置した際に、メダルと案内面22aが接触する位置である)。
【0030】
上記した回転ローラ40は、コスト的に安価となるように、例えば、ウレタンゴムによって形成することが好ましい。また、メダルが接触した際、回転ローラ40がより回転し易いように、表面に摩擦力を向上させる手段、例えば、ローレット40aを形成しておくことが好ましい。すなわち、回転ローラ40が回転し易いほど、メダルが投入口23に落下する際に妨げとなる摩擦力が軽減されるようになる。
【0031】
さらに、上記したように、回転ローラ40を設置する構成では、露出する回転ローラの周囲にカバー42を設置しておくことが好ましい。このように回転ローラ40の周囲にカバーを設置することで、効果的に開口から露出する回転ローラ40の上下、左右の領域を覆うことができ、回転ローラの周囲の隙間部分から異物等を侵入させようとしても、筐体内部への侵入を防ぐことが可能になる。本実施形態のカバー42は、粒状のガラスを混入したPA系の樹脂によって形成されており、パネル9aの内部のフレームに取着されて、前記露出プレート21の凹所21aに形成された矩形の開口21cから、回転ローラの外周面が部分的に露出するように構成されている。
【0032】
以上のように構成された遊技機によれば、遊技者がメダルを投入口23に投入する場合において、例えば、1枚のメダルMをメダルガイド部22の手前側で案内面22aに略垂直となるように起立させると、メダルは、図9に示すように、その中心Cよりも下方位置となる接触部P1(図7参照)でU字型の案内面22aに接触し、下端が宙に浮いた状態で不安定な状態で保持される。このとき、メダルMの重心位置(メダルの中心位置C)は接触部P1よりも上方にあり、かつ案内面22aは下り傾斜していることから、メダルMの自重によって、メダルMの上方は、図の矢印に示すように前方に向けて倒れるようなモーメントが作用する。そして、最終的にメダルMは、二点鎖線で示すように、案内面22aの表面に沿うように倒れ込んで、そのまま投入口23に向かって自然に導かれるようになる。このとき、倒れ込んだメダルは、回転ローラ40に対向する側の端面M2、或いは倒れ込んだ勢いで、径方向外側の表面部M3が回転ローラ40に当接し、その回転作用(下向きの回転作用)及びメダルの重量によって、投入口23に向けて垂直方向に姿勢変化されて、メダルは、円滑に投入口23に落下するようになる。
【0033】
また、例えば、図10に示すように、1枚のメダルMをメダルガイド部22の手前側で案内面22aに対して、比較的寝かせるように起立させると、メダルは、下端が宙に浮いた状態で不安定な状態で保持される。このとき、メダルMの重心位置(メダルの中心位置C)は、接触部P1よりも上方にあり、かつメダルガイド部22は下り傾斜していることから、メダルMの自重によって、起立状態にあるメダルMの上方は、図の矢印に示すように遊技者側に向けて倒れるようなモーメントが作用する。そして、最終的にメダルMは、二点鎖線で示すように、案内面22aの表面に沿うように倒れ、そのまま投入口23に向かって自然に導かれるようになる。このとき、倒れたメダルは、そのまま回転ローラ40に対向する側の端面M4が回転ローラ40に当接し、その回転作用(下向きの回転作用)及びメダルの重量によって、投入口23に向けて垂直方向に姿勢変化されて、メダルは円滑に投入口23に落下するようになる。
【0034】
なお、上記した図9及び図10に示した態様において、少量の複数枚のメダルを、同様にメダルガイド部の案内面22aの手前側に起立させて指を離しても、それぞれのメダルは、上記したような軌道に従って順次回転ローラ40に当接するようになり、連続的に投入口23に落下するようになる。
【0035】
このように、少数枚のメダルを投入する場合、メダルを指で摘んで案内面22aの手前側に起立するように載置し、そのまま指を離すことで、メダルは、起立状態にある上方が投入口側に倒れながら、或いは起立状態にある上方が遊技者側に倒れながら、最終的に回転ローラ40に対向する側の端面領域、或いは径方向外側の表面領域が回転ローラ40に当接し、その回転作用によって姿勢変化を受けながら投入口23に落下するため、より円滑で快適なメダルの投入操作が行なえるようになる。
【0036】
また、図11に示すように、メダルを、案内面22aに起立させずに、単に寝かせた状態で積層載置しても、各メダルは、案内面22aに沿ってそのまま投入口に向けて滑って行き、最終的に、各メダルの端面が回転ローラ40に順次当接して、回転ローラの回転作用(下向きの回転作用)及びメダルの重量によって姿勢変化を受け、投入口23に向けて円滑に落下するようになる。なお、積層されたメダルは、回転ローラ40に当接して姿勢変化を受ける際、積層状態にある最上のメダルの遊技者側後端領域が矢印D1へ回転できることから(2枚目以降は、その上にあるメダルによって矢印D1方向に回転できない)、上側のメダルから順に、姿勢変化を受けながら投入口23に落下するようになる。
【0037】
また、本実施形態では、案内面22aを断面U字型に形成したことから、メダルをメダルガイド部22のサイド領域から投入した場合、メダルは、図5の矢印に示すように、案内面22aの表面に沿って、延出方向の中心に向かいながら滑り落ちると共に、滑り落ちて行く際にローリングモーメントが作用し、投入口に近づくに従って、図6の矢印で示すように、案内面22aの傾斜に対して次第に水平状態に移行するようになる。そして、最終的に、投入口23に落下する直前には、略水平状態になって回転ローラ40に当接し、姿勢変化を受けてそのまま投入口に落下するようになる。すなわち、メダルを、メダルガイド部22のサイド領域から投入しても、上記したような作用(ローリングモーメントの自動調芯効果)によって、最終的に投入口23に落下する直前に、最も落下し易い略水平状態になって回転ローラ40に当接することから、投入口23には、円滑にメダルが落下するようになる。
【0038】
以上のように、遊技者が少量のメダルを取り扱う場合、単にメダルを摘んで、メダルガイド部22の案内面22aの手前側に起立させたり、寝かせた状態で載置したり、あるいはサイド領域から投入しても、上記したような動きによって、円滑にメダルを投入口23に投入することができる。すなわち、遊技者は、メダルを摘んで背面壁側(回転ローラ側)に向けて押し付けるような投入操作を行なう必要がなくなり、より簡単、かつ快適に投入操作が行なえるようになる。
【0039】
また、多数枚のメダルを取り扱う場合であっても、例えば、図12に示すように、多数枚積層して案内面22aに起立させておくことで、各メダルは、その自重によって順次、案内面22aに沿って下方に移動して行き、最終的に回転ローラ40の表面に当接して、回転する回転ローラ40によって下向きに案内され、順次、投入口23に落下するようになる。
【0040】
上記したように、本実施形態の構成によれば、取り扱うメダルの枚数に関係なく、遊技者は、単にメダルを摘んでメダルガイド部22の案内面22aに載置するか、或いはそのまま案内面22aに向けて投入操作を行なうだけで、円滑な投入操作を実行することが可能となる。また、上記した実施形態では、回転ローラ40を配置して、メダルを容易に垂直方向に姿勢変化させて投入口23への落下をアシストする機能を持たせたため、メダルの投入口23への落下が、メダルの投入操作に追い付かなくなるような不具合を解消でき、円滑な投入操作が実現されるようになる。
【0041】
次に、図1、及び図13から図17を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。なお、この実施形態では、遊技機に取り付けられるメダル投入装置の部分について図示することとし、遊技機の全体構成については省略するが、メダル投入装置が組み込まれる遊技機については、例えば、図1に示したようなスロットマシンが該当する。また、これらの図では、上記した実施形態と同様な部分については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0042】
メダル投入装置20を構成する露出プレート21は、上記した実施形態と同様、その中央部分に凹所21aが形成されており、ここに遊技者によって投下されたメダルを案内する案内面22aを具備したメダルガイド部(遊技媒体ガイド部)22が形成されている。前記案内面22aは、遊技者側から投入口側に向けて下降すると共に、その断面形状が図7に示すように断面U字型に形成されている。この場合、案内面22aは、上記実施形態と同様、多数のメダルを連続的に投下できるように、ある程度の長さを有していることが好ましい。具体的には、少なくともメダルの直径以上の長さを有していることが好ましく、更には、連続した投下動作がより円滑で容易に行なえるように、メダルの直径の2〜3倍以上の長さを有していることが好ましい。
【0043】
また、上記した露出プレート21は、上記した実施形態と同様、例えば、亜鉛(亜鉛合金)をダイカスト鋳造することで一体形成されており、見栄えを向上するために、その表面には、クロムメッキ処理が施されている。このように一体形成される露出プレート21には、図16に示すように、スロットマシン本体側に、予め設けられたボス(図示せず)に容易に取り付けできるように、複数の取り付け穴21fが形成されている。このようにメダルが投下される部分(メダルが接触する部分)となる露出プレート21を一体形成しておき、かつスロットマシン(遊技機)に予め形成されているボスに対して着脱可能に構成することで、別の様々な機種に対しても容易に再利用することが可能となる。すなわち、遊技機側に形成されるボスや露出プレート21の取り付け構造を所定の構造に規格化しておくことにより、様々な機種に着脱したり、再利用等することが可能となる。また、遊技機の外観設計等に応じて、案内面22aの形状や長さ等を変更したい場合など、異なる形状の露出プレート21を製造しておくことで、適切なメダル投入装置に容易に変更することが可能となる。
【0044】
本実施形態では、前記案内面22aを、図7に示した断面形状をそのまま維持して、更に遊技者側に向けて延長形成しており、かつその延長部分を、メダルが載置できるメダル載置部としての機能を持たせている。なお、このメダル載置部は、各図において符号22dで示されており、前記した案内面22aと同一(略同一であっても良い)の形状を有していることから、起立したときにメダルが接触する部分を符号P1´で、U字型の溝の最深部を符号P´で示してある。このメダル載置部22dは、遊技者が複数枚のメダルを載置することができ、そのまま傾斜する案内面22aに向けて押し出すことが容易に形成されたものであれば良く、本実施形態では、図15に示すように、投入口23側に向けて多少傾斜(水平面PXに対して僅かに傾斜)するように形成されている。
【0045】
上記したように、案内面22aと同様な断面形状を有するメダル載置部22dを形成したことによって、例えば、図17(a)に示すように、メダルを複数枚起立状態にして摘んで保持したり、或いは、図17(b)に示すように、メダルを複数枚積層にして載置することが容易になり、メダル載置部22dの傾斜によって、そのまま矢印で示すように案内面22aに向けてメダルを移動させ易くなる。この場合、上述したように、案内面22aの形状によって、メダルは、上述した図9〜図12で示したような状態で投入口23に向けて連続的、かつ円滑に落下するようになるが、案内面22aと同様な断面形状で連続し、かつメダルが載置できるようなメダル載置部22dを設けたことで、メダルの投入位置となる案内面22aの最上部の位置22a´(図14、図15及び図17参照)に、安定した状態でメダルを位置付けすることができるようになり、図9〜図12で示したような状態で、より円滑に多数のメダルを投入口23に流し込むことが可能になる。すなわち、複数枚のメダルを、上記した案内面22aによる作用効果が最も発揮できるように安定した状態で、案内面22aの最上部22a´の位置に位置付けすることが可能となる。
【0046】
また、上記した実施形態では、メダル載置部22dは、水平面PXに対して多少の傾斜をもって形成されていることから、遊技者が指などで投入口に向けて軽く押すだけで、多数のメダルを案内面22aの最上部22a´に容易に移動させることが可能になる。すなわち、案内面22aに対する投下動作が行ない易くなる。
【0047】
なお、メダル載置部22dは、例えば、図17(a),(b)に示すように、安定して多数のメダルを載置できれば良く、図15において、水平面PXに沿って形成しても良いし、或いは、逆に遊技者側に向けて多少傾斜するように形成されていても良い。また、その長さについては、特に限定されることはないが、図17(a)に示すように複数枚起立状態にして摘んで保持できるか、或いは、図17(b)に示すように、メダルを延出方向に沿って少なくとも1つの山積みができるような長さがあれば良い。もちろん、その長さについては、設計に応じて種々変更することが可能であり、延出方向に沿って2つ以上の山積みができるような長さであっても良い。
【0048】
また、メダル載置部22dは、案内面22aと同一な断面形状で構成されることが好ましいが、案内面22aと同様な断面形状で遊技者側に向けて次第に拡大させたり、或いは次第に平坦面状にする等、適宜変形することが可能である。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
【0050】
上記した構成のメダル投入装置において、投入口23の後方に回転ローラ40を配置することなく、単にメダルが当接する背面壁で構成しても良い。また、回転ローラを配置する場合、メダルガイド部22は、単に、投入口に向けて傾斜していれば良く、その断面形状については平坦面にする等、図7に示すような形状に限定されることはない。さらに、上記した実施形態では、案内面22aは、メダルが2点で接触するように、断面U字型の湾曲部を有するように構成したが、案内面22aについては、メダルを載置した際に、そのメダルの直径よりも小さい部分の外周縁が2点で接触し、メダルの下端縁との間で隙間を有するような形状となっていれば良い。例えば、図18(a)に示すように、断面V字型(直線部を有する)にしたり、図18(b)に示すように、断面略U字型(湾曲部と直線部を有する)したり、或いは、案内面22aの表面に凹凸を持たせる等、適宜変形することが可能である。
【0051】
また、上記したメダル投入装置20は、上記した露出プレート21、及び回転ローラ40等の構成部材を予めユニット化しておいて、遊技機本体に組み込むような構成であっても良い。さらに、メダル投入装置20におけるメダルガイド部22は、遊技機本体に、遊技者に対して左右に延出していたり、斜めに延出していたり、或いは、本実施形態とは逆に、遊技機側から遊技者側に向けてメダルを投入する構成であっても良い。
【0052】
また、上記した露出プレート21の形状については、適宜変形することが可能であり、例えば、図19及び図20に示すように、凹所21aの側壁部分21fを、上記した実施形態と比較して幅方向により広げることで、メダル返却ボタン30の露出部分を多くし、メダル返却ボタン30を押圧操作し易いように構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、上述したスロットマシンのような遊技機以外にも、コインやメダルが投入される各種の装置、例えば、自動販売機や、切符など各種の券を発券する発券装置等に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】メダル投入装置が組み込まれる遊技機(スロットマシン)の一例を示す図。
【図2】図1に示すメダル投入装置の構成を示す斜視図。
【図3】表面カバーを取り外したメダル投入装置を示す斜視図。
【図4】メダル投入装置の中央部分を切断した状態を示す斜視図。
【図5】メダル投入装置の上面図。
【図6】メダル投入装置の正面図。
【図7】メダルガイド部とメダルの関係を示す概略正面図。
【図8】メダルガイド部と回転ローラの好ましい位置関係を説明する概略側面図。
【図9】メダルの挙動の一例を示す概略側面図。
【図10】メダルの挙動の別の例を示す概略側面図。
【図11】複数枚のメダルをメダルガイド部に載置した場合のメダルの挙動を示す概略側面図。
【図12】多数枚のメダルを起立してメダルガイド部に載置した場合のメダルの挙動を示す概略側面図。
【図13】本発明の第2の実施形態を示す図であり、遊技機に組み込まれるメダル投入装置を構成する露出プレート部分の斜視図。
【図14】図13に示す露出プレートの平面図。
【図15】メダル載置部とメダルガイド部の案内面の形状を示す側面図
【図16】露出プレートを裏面側から見た斜視図。
【図17】(a)及び(b)を含み、それぞれメダル載置部にメダルを載置した状態を示す概略側面図。
【図18】(a)及び(b)を含み、メダルガイド部の案内面の変形例を示す図。
【図19】メダル投入装置の変形例を示す上面図。
【図20】図19に示すメダル投入装置の正面図。
【符号の説明】
【0055】
1 スロットマシン(遊技機)
20 メダル投入装置(遊技媒体投入装置)
21b 背面壁
22 メダルガイド部(遊技媒体ガイド部)
22a 案内面
22d メダル載置部(遊技媒体載置部)
23 投入口
40 回転ローラ
42 カバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダルやコインのような遊技媒体を利用して遊技を行なう遊技機に関するものであり、詳細には、前記遊技媒体が投入される遊技媒体投入装置を組み込んだ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、上記したような遊技媒体(以下、「メダル」と称する)を投入することで遊技が開始される遊技機(例えば、スロットマシン、ルーレットゲーム装置、プッシャーゲーム装置等)には、遊技者がメダルを円滑に投入操作できるように、遊技媒体投入装置(以下、「メダル投入装置」と称する)が組み込まれている。
【0003】
例えば、スロットマシンに組み込まれる一般的なメダル投入装置は、メダルを1枚づつ投入する開口(投入口)と、この開口の後方側に設けられた背面壁と、前記開口の手前側で開口に向けて上昇するような傾斜面によって構成されたメダルガイド部とを備えており、メダルガイド部に複数のメダルを起立状態に並べ、指で押し上げ操作することで、開口にメダルを投入操作できるよう構成されている
また、例えば、特許文献1には、メダルに粘着性のある汚れが付着しても、円滑に開口内に落下させるようにしたメダル投入装置が開示されている。この文献に開示されたメダル投入装置は、メダルが接触する部分であるメダルガイド部の表面や、開口の後方側に設けられた背面壁に突部を形成することでメダルと点接触するようにし、メダルに付着した汚れの影響を最小限にして、円滑にメダルを開口に投入できるよう構成されている。すなわち、この特許文献に開示されているメダルガイド部は、メダルの外周縁と一致するような円弧形状に形成されており、メダルを起立保持させた際、メダルの下端面が4点で点接触できるように構成されている。
【特許文献1】特開平8−252353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したようなメダル投入装置は、メダルを起立した状態でメダルガイド部に載置し、傾斜に沿ってメダルを案内しつつ、開口に投入する構成となっており、その投入の操作態様が画一化されてしまう。すなわち、少数枚のメダルを投入する場合であっても、多数枚のメダルを投入する場合であっても、メダルを起立状態にして円弧面状のメダルガイド部に載置し、傾斜面に沿って背面壁に向けて押さえ付けるように指で案内し、投入操作するようになっている。
【0005】
ところで、上記したような遊技機では、その機種や遊技態様等に応じて、メダルを1枚づつ(或いは2〜3枚づつ)開口に投入操作したり、多数枚のメダルを連続的に開口に投入操作するような場合がある。後者の場合、多数枚のメダルを把持し、積層してメダルガイド部に起立、載置すると、枚数分の肉厚があることから、背面壁に当て付けることで、そのまま開口に落下するようになり、特に不都合は無いが、前者の場合、例えば、指で1枚のメダルを摘み、これをメダルガイド部に起立するように載置して、指で背面壁側に向けて押し付ける投入操作を1枚毎に行なう必要がある。
【0006】
従って、少数枚のメダルを扱う際には、より円滑かつ快適に投入操作が行なえるように改良すべき余地がある。
【0007】
また、開口内にメダルを投入する際、一旦、背面壁に押さえ付けて開口内に落下させることから、メダルと背面壁との間で生じる摩擦の影響により、メダルの落下がメダルの投入操作に追い付かなくなる可能性もあり、円滑な投入操作を妨げることも有り得る。
【0008】
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、円滑で快適にメダルの投入操作が行なえるメダル投入装置を組み込んだ遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、請求項1に係る遊技機は、遊技媒体を投入受付けする遊技媒体投入装置を備えており、前記遊技媒体投入装置は、遊技媒体を受け入れる投入口と、前記投入口に向けて下り傾斜して遊技媒体を案内し、遊技媒体を起立した状態で載置させた際、遊技媒体の直径よりも小さい部分の外周縁が2点で接触する接触部を具備した案内面を有する遊技媒体ガイド部と、回転中心が、前記案内面における最深部と前記投入口との間のエッジ位置よりも高い位置となるように回転可能に支持されており、前記案内面において寝かせた状態で案内される遊技媒体の先端面が当接した際、前記遊技媒体の先端を中心として遊技媒体を回転させて、その遊技媒体を前記寝かせた状態から前記投入口に向けて起立する状態に姿勢変化させるように回転する回転ローラと、を有することを特徴とする。
【0010】
上記した構成の遊技機において、遊技者が遊技媒体(メダル)を投入口に投入すべく、メダルを摘んで遊技媒体ガイド部の案内面に載置する(比較的寝かせた状態、或いは起立させた状態)と、メダルは、直径よりも小さい部分の外周縁が2点で案内面に接触することから不安定な状態となる。そして、案内面は下り傾斜していることから、メダルを摘んでいる指を離すと、メダルの自重とのモーメント作用によって、メダルは傾斜する案内面に沿って、倒れながら投入口に向かって自然に導かれるようになる。すなわち、メダルの投入を行なう場合、遊技媒体ガイド部の案内面に載置し、そのまま指を離すことで、メダルは、自重によるモーメント作用によって傾斜に対して平行になるように倒れながら滑って行き、最終的に、投入口の後部にある背面壁等に当接して投入口に落下するため、より円滑で快適なメダルの投入操作が行なえるようになる。
【0011】
また、上記した構成の遊技機において、遊技者が遊技媒体を投入口に投入すべく、メダルを摘んで遊技媒体ガイド部の案内面に沿って寝かせた状態で載置し、そのままメダルを摘んでいる指を離すと、メダルは傾斜する案内面に沿って滑って行き、最終的に、投入口の後部にある背面壁等に当接して投入口に落下するため、より円滑で快適なメダルの投入操作が行なえるようになる。
【0012】
そして、メダルが投入口付近まで来ると、メダルの端面や端面側の表面部が回転ローラに当接し、その回転作用(下向きの回転作用)によって、メダルは姿勢変化を受けながら投入口に案内されるため、より円滑にメダルを投入口に落下させることが可能となる。
【0013】
特に、前記回転ローラは、その回転中心が、前記案内面における最深部と前記投入口との間のエッジ位置よりも高い位置となるように回転可能に支持されており、前記案内面において寝かせた状態で案内される遊技媒体の先端面が当接した際、前記遊技媒体の先端を中心として遊技媒体を回転させて、その遊技媒体を前記寝かせた状態から前記投入口に向けて起立する状態に姿勢変化させるように前記投入口の開口端位置よりも高い位置で回転可能に支持されているため、下り傾斜した案内面に沿って滑り落ちてくるメダルが回転ローラに当接した際、その当接位置は、回転ローラの中心を通り案内面の延出方向と平行となる仮想線よりも下方側となる。このため、回転ローラは、確実に下向きに回転駆動することが可能となり、この回転ローラの下向きの回転により、メダルは、簡単に下向きに姿勢変化されて、円滑に投入口内に落下するようになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、円滑で快適にメダルの投入操作が行なえるメダル投入装置を組み込んだ遊技機が得られるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る遊技機は、メダルやコインのような遊技媒体(以下、メダル)を利用して遊技を行なう各種の遊技機、例えば、スロットマシン、ルーレットゲーム装置、プッシャーゲーム装置等が該当し、遊技機には、遊技を行なうためにメダルを遊技機内に取り込む遊技媒体投入装置(以下、メダル投入装置)が組み込まれている。
【0016】
以下、本発明に係る遊技機の実施形態について、スロットマシンを例示して具体的に説明する。
【0017】
図1に示すように、スロットマシン1は、遊技を実行するための遊技装置(リールユニット)、遊技媒体としてのメダルを払い出すメダル払出装置、及びリールユニットでの遊技動作を制御する制御基板等を収容した本体3と、この本体3に対してヒンジ機構を介して横方向に回動して開閉されるフロントドア(前面扉)5とを備えている。前記フロントドア5には、リールユニットの各回転リールを視認させるリール表示窓7a,7b,7cを有する表示領域7が設けられている。この表示領域7には、例えば、各種の遊技情報を静止画情報、動画情報として表示する画像表示部(例えば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイ、ドットマトリクス表示機等)が配設されており、前記リールユニットの各回転リールの表面を、前記リール表示窓7a,7b,7cを介して透過表示させるようになっている。なお、画像表示部は、回転リールから離れた位置に設置されたものであっても良いし、そのような画像表示部を備えない構成であっても良い。
【0018】
前記フロントドア5の表示領域7の下方側には、台座9が形成されており、ここにベットボタン10a、マックスベットボタン10b、スタートレバー12、3個のストップボタン13a,13b,13c等の各種操作部材が配設されている。
【0019】
さらに、スタートレバー12の下方に位置するフロントドア5には、腰部パネル15が開閉可能に取り付けられており、腰部パネル15の下方に位置するフロントドア5には、本体3内に設置されたメダル払出装置から払出しされるメダルを排出するメダル払出口16に臨むようにしてメダル受皿17が配設されている。
【0020】
また、前記台座9の各種操作部材の右側には、遊技を実行するに際してメダルの投入操作が行なえるメダル投入装置20が組み込まれている。
以下、図2から図8を参照して、メダル投入装置20の構成について説明する。なお、これらの図において、図2は、メダル投入装置の構成を示す斜視図、図3は、表面カバーを取り外した状態を示す斜視図、図4は、中央部分を切断した状態を示す斜視図、図5は、上面図、図6は、正面図、図7は、メダルガイド部とメダルの関係を示す概略正面図、そして、図8は、メダルガイド部と回転ローラの位置関係を示す概略側面図である。
【0021】
メダル投入装置20は、前記台座9を構成しているパネル9aに組み込まれており、パネル9aの表面と略面一となるように形成された露出プレート21を備えている。この露出プレート21には、その中央部分に凹所21aが形成されており、ここに遊技者によって載置されたメダルを案内する案内面22aを具備したメダルガイド部(遊技媒体ガイド部)22と、案内面22aに沿ってガイドされてくるメダルを筐体内部に落下させるスリット状の投入口23が形成されている。この場合、案内面22aは、遊技者側から投入口23に向けて下降するように形成されており、メダルを多数枚、起立させて設置できる程度の長さを備えている。また、案内面22aの傾斜角度については、メダルが円滑に滑るように水平面に対して傾斜していれば良く、その角度については特に限定されることはない。
【0022】
なお、案内面22aは、多数のメダルを連続的に投下できるように、ある程度の長さを有していることが好ましい。具体的には、少なくともメダルの直径以上の長さを有していることが好ましく、更には、連続した投下動作がより円滑で容易に行なえるように、メダルの直径の2〜3倍以上の長さを有していることが好ましい。
【0023】
また、上記した露出プレート21は、例えば、亜鉛(亜鉛合金)をダイカスト鋳造することで一体形成されており、見栄えを向上するために、その表面には、クロムメッキ処理が施されている。また、露出プレート21は、パネル9aに対して着脱可能に構成されていても良い。
【0024】
前記パネル9aの内部のフレームには、投入口23に対応するようにしてメダル受け入れ開口25が形成されており、ここから落下するメダルは、公知のセレクタ装置100に案内されて所定のパラメータ(重量、径など)が測定され、真正と判断されたメダルは、例えば、メダル払出装置のバケットに案内され、そうでないものは、図1に示すメダル払出口16を介してメダル受皿17に返却される。
【0025】
前記メダルガイド部22の案内面22aは、メダルを載置させた際、メダルの直径よりも小さい部分の外周縁が2点で接触するように構成されている。具体的に、本実施形態における案内面22aは、断面U字型に形成されており、図7に示すように、メダルMを案内面に対して略垂直に起立させた際(案内面の傾斜角に対して水平状態以外に載置させた場合)、メダルの直径よりも小さい部分の外周縁が2点で接触するような接触部P1を備えている。このため、断面U字型の案内面22aの最深部Pとメダルの下端縁M1との間では隙間が生じるようになっており、かつ接触部P1がメダルの中心位置Cよりも下方になることから、メダルMの保持状態は不安定となる。
【0026】
前記露出プレート21の凹所21aの背面壁21bには、後述する回転ローラの外周面が露出するように、矩形の開口21cが形成されている。この場合、回転ローラが配置されない構成であれば、背面壁21bは、開口21cが形成されることはなく、そのまま投入口23の後方で、開口よりも上方に位置する壁部(背面壁)として構成され、その部分に押し付けられたり、当接するメダルを、そのまま投入口23に案内する役目を果たす。また、露出プレート21の凹所21aの手前部分には、所定枚数のメダルが載置できるように、略平坦状のメダル載置部21dが形成されている。この場合、メダル載置部21dは、遊技者の利便性を考慮して形成されたものであり、形成しなくても良い。
【0027】
更に、露出プレート21の凹所21aの右側には、メダル返却ボタン30が設けられており、これを押圧操作することによって、投入したメダルを前記メダル受皿17に返却できるように構成されている。
【0028】
前記パネル9aの内部のフレームには、前記露出プレート21に形成された開口21cから、外周面が部分的に露出するように回転ローラ40が支持されている。この回転ローラ40は、図8に示すように、その回転中心E(支持位置)が、前記案内面22aにおける最深部Pと投入口23との間のエッジ位置(投入口23の開口端位置)P2よりも高い位置となるように支持されている。メダルガイド部22の案内面22aに対して、このような位置関係で回転ローラ40を支持することにより、メダルの当接位置を、回転ローラの中心Eを通り、案内面22aの延出方向と平行となる仮想線Xよりも下方側にすることが可能となり、回転ローラを、確実に下向きに回転駆動させることができる。すなわち、回転ローラに対するメダルの当接位置は、上記した仮想線Xとローラ外周が交差する位置E1よりも下方側となり、メダルが投入口付近まで滑り降りて、端面が回転ローラ40に当接した際、回転ローラ40を確実に下向きに回転駆動させることができる(位置E1よりも上側に当接すると、下向きに回転し難くなる)。このような回転ローラ40の下向きの回転により、当接したメダルは、メダルの重力、及び回転ローラ40が回転することによるアシストによって、簡単に下向きに姿勢変化させられ、円滑に投入口23内に落下するようになる。
【0029】
なお、実際には、回転ローラ40の支持位置は、案内面22aに、通常、最も摘み易いメダルの量(ここでは、5〜6枚程度とする)を寝かせた状態で載置した際の前記最深部Pからの高さhよりも、最深部Pから上記した位置E1までの高さHが大きくなる(h<H)ように設定しておくことが好ましい。すなわち、このような位置となるように回転ローラを支持することで、最も摘み易いメダル量を案内面22aに載置した際、それらが滑り降りて回転ローラ40の外周に当接しても、当接位置は、確実に位置E1よりも下側となるため、回転ローラ40を、確実に下向きに回転駆動させることが可能となる(図8において、仮想線X´は、メダルを案内面22aに寝かせた状態で載置した際に、メダルと案内面22aが接触する位置である)。
【0030】
上記した回転ローラ40は、コスト的に安価となるように、例えば、ウレタンゴムによって形成することが好ましい。また、メダルが接触した際、回転ローラ40がより回転し易いように、表面に摩擦力を向上させる手段、例えば、ローレット40aを形成しておくことが好ましい。すなわち、回転ローラ40が回転し易いほど、メダルが投入口23に落下する際に妨げとなる摩擦力が軽減されるようになる。
【0031】
さらに、上記したように、回転ローラ40を設置する構成では、露出する回転ローラの周囲にカバー42を設置しておくことが好ましい。このように回転ローラ40の周囲にカバーを設置することで、効果的に開口から露出する回転ローラ40の上下、左右の領域を覆うことができ、回転ローラの周囲の隙間部分から異物等を侵入させようとしても、筐体内部への侵入を防ぐことが可能になる。本実施形態のカバー42は、粒状のガラスを混入したPA系の樹脂によって形成されており、パネル9aの内部のフレームに取着されて、前記露出プレート21の凹所21aに形成された矩形の開口21cから、回転ローラの外周面が部分的に露出するように構成されている。
【0032】
以上のように構成された遊技機によれば、遊技者がメダルを投入口23に投入する場合において、例えば、1枚のメダルMをメダルガイド部22の手前側で案内面22aに略垂直となるように起立させると、メダルは、図9に示すように、その中心Cよりも下方位置となる接触部P1(図7参照)でU字型の案内面22aに接触し、下端が宙に浮いた状態で不安定な状態で保持される。このとき、メダルMの重心位置(メダルの中心位置C)は接触部P1よりも上方にあり、かつ案内面22aは下り傾斜していることから、メダルMの自重によって、メダルMの上方は、図の矢印に示すように前方に向けて倒れるようなモーメントが作用する。そして、最終的にメダルMは、二点鎖線で示すように、案内面22aの表面に沿うように倒れ込んで、そのまま投入口23に向かって自然に導かれるようになる。このとき、倒れ込んだメダルは、回転ローラ40に対向する側の端面M2、或いは倒れ込んだ勢いで、径方向外側の表面部M3が回転ローラ40に当接し、その回転作用(下向きの回転作用)及びメダルの重量によって、投入口23に向けて垂直方向に姿勢変化されて、メダルは、円滑に投入口23に落下するようになる。
【0033】
また、例えば、図10に示すように、1枚のメダルMをメダルガイド部22の手前側で案内面22aに対して、比較的寝かせるように起立させると、メダルは、下端が宙に浮いた状態で不安定な状態で保持される。このとき、メダルMの重心位置(メダルの中心位置C)は、接触部P1よりも上方にあり、かつメダルガイド部22は下り傾斜していることから、メダルMの自重によって、起立状態にあるメダルMの上方は、図の矢印に示すように遊技者側に向けて倒れるようなモーメントが作用する。そして、最終的にメダルMは、二点鎖線で示すように、案内面22aの表面に沿うように倒れ、そのまま投入口23に向かって自然に導かれるようになる。このとき、倒れたメダルは、そのまま回転ローラ40に対向する側の端面M4が回転ローラ40に当接し、その回転作用(下向きの回転作用)及びメダルの重量によって、投入口23に向けて垂直方向に姿勢変化されて、メダルは円滑に投入口23に落下するようになる。
【0034】
なお、上記した図9及び図10に示した態様において、少量の複数枚のメダルを、同様にメダルガイド部の案内面22aの手前側に起立させて指を離しても、それぞれのメダルは、上記したような軌道に従って順次回転ローラ40に当接するようになり、連続的に投入口23に落下するようになる。
【0035】
このように、少数枚のメダルを投入する場合、メダルを指で摘んで案内面22aの手前側に起立するように載置し、そのまま指を離すことで、メダルは、起立状態にある上方が投入口側に倒れながら、或いは起立状態にある上方が遊技者側に倒れながら、最終的に回転ローラ40に対向する側の端面領域、或いは径方向外側の表面領域が回転ローラ40に当接し、その回転作用によって姿勢変化を受けながら投入口23に落下するため、より円滑で快適なメダルの投入操作が行なえるようになる。
【0036】
また、図11に示すように、メダルを、案内面22aに起立させずに、単に寝かせた状態で積層載置しても、各メダルは、案内面22aに沿ってそのまま投入口に向けて滑って行き、最終的に、各メダルの端面が回転ローラ40に順次当接して、回転ローラの回転作用(下向きの回転作用)及びメダルの重量によって姿勢変化を受け、投入口23に向けて円滑に落下するようになる。なお、積層されたメダルは、回転ローラ40に当接して姿勢変化を受ける際、積層状態にある最上のメダルの遊技者側後端領域が矢印D1へ回転できることから(2枚目以降は、その上にあるメダルによって矢印D1方向に回転できない)、上側のメダルから順に、姿勢変化を受けながら投入口23に落下するようになる。
【0037】
また、本実施形態では、案内面22aを断面U字型に形成したことから、メダルをメダルガイド部22のサイド領域から投入した場合、メダルは、図5の矢印に示すように、案内面22aの表面に沿って、延出方向の中心に向かいながら滑り落ちると共に、滑り落ちて行く際にローリングモーメントが作用し、投入口に近づくに従って、図6の矢印で示すように、案内面22aの傾斜に対して次第に水平状態に移行するようになる。そして、最終的に、投入口23に落下する直前には、略水平状態になって回転ローラ40に当接し、姿勢変化を受けてそのまま投入口に落下するようになる。すなわち、メダルを、メダルガイド部22のサイド領域から投入しても、上記したような作用(ローリングモーメントの自動調芯効果)によって、最終的に投入口23に落下する直前に、最も落下し易い略水平状態になって回転ローラ40に当接することから、投入口23には、円滑にメダルが落下するようになる。
【0038】
以上のように、遊技者が少量のメダルを取り扱う場合、単にメダルを摘んで、メダルガイド部22の案内面22aの手前側に起立させたり、寝かせた状態で載置したり、あるいはサイド領域から投入しても、上記したような動きによって、円滑にメダルを投入口23に投入することができる。すなわち、遊技者は、メダルを摘んで背面壁側(回転ローラ側)に向けて押し付けるような投入操作を行なう必要がなくなり、より簡単、かつ快適に投入操作が行なえるようになる。
【0039】
また、多数枚のメダルを取り扱う場合であっても、例えば、図12に示すように、多数枚積層して案内面22aに起立させておくことで、各メダルは、その自重によって順次、案内面22aに沿って下方に移動して行き、最終的に回転ローラ40の表面に当接して、回転する回転ローラ40によって下向きに案内され、順次、投入口23に落下するようになる。
【0040】
上記したように、本実施形態の構成によれば、取り扱うメダルの枚数に関係なく、遊技者は、単にメダルを摘んでメダルガイド部22の案内面22aに載置するか、或いはそのまま案内面22aに向けて投入操作を行なうだけで、円滑な投入操作を実行することが可能となる。また、上記した実施形態では、回転ローラ40を配置して、メダルを容易に垂直方向に姿勢変化させて投入口23への落下をアシストする機能を持たせたため、メダルの投入口23への落下が、メダルの投入操作に追い付かなくなるような不具合を解消でき、円滑な投入操作が実現されるようになる。
【0041】
次に、図1、及び図13から図17を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。なお、この実施形態では、遊技機に取り付けられるメダル投入装置の部分について図示することとし、遊技機の全体構成については省略するが、メダル投入装置が組み込まれる遊技機については、例えば、図1に示したようなスロットマシンが該当する。また、これらの図では、上記した実施形態と同様な部分については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0042】
メダル投入装置20を構成する露出プレート21は、上記した実施形態と同様、その中央部分に凹所21aが形成されており、ここに遊技者によって投下されたメダルを案内する案内面22aを具備したメダルガイド部(遊技媒体ガイド部)22が形成されている。前記案内面22aは、遊技者側から投入口側に向けて下降すると共に、その断面形状が図7に示すように断面U字型に形成されている。この場合、案内面22aは、上記実施形態と同様、多数のメダルを連続的に投下できるように、ある程度の長さを有していることが好ましい。具体的には、少なくともメダルの直径以上の長さを有していることが好ましく、更には、連続した投下動作がより円滑で容易に行なえるように、メダルの直径の2〜3倍以上の長さを有していることが好ましい。
【0043】
また、上記した露出プレート21は、上記した実施形態と同様、例えば、亜鉛(亜鉛合金)をダイカスト鋳造することで一体形成されており、見栄えを向上するために、その表面には、クロムメッキ処理が施されている。このように一体形成される露出プレート21には、図16に示すように、スロットマシン本体側に、予め設けられたボス(図示せず)に容易に取り付けできるように、複数の取り付け穴21fが形成されている。このようにメダルが投下される部分(メダルが接触する部分)となる露出プレート21を一体形成しておき、かつスロットマシン(遊技機)に予め形成されているボスに対して着脱可能に構成することで、別の様々な機種に対しても容易に再利用することが可能となる。すなわち、遊技機側に形成されるボスや露出プレート21の取り付け構造を所定の構造に規格化しておくことにより、様々な機種に着脱したり、再利用等することが可能となる。また、遊技機の外観設計等に応じて、案内面22aの形状や長さ等を変更したい場合など、異なる形状の露出プレート21を製造しておくことで、適切なメダル投入装置に容易に変更することが可能となる。
【0044】
本実施形態では、前記案内面22aを、図7に示した断面形状をそのまま維持して、更に遊技者側に向けて延長形成しており、かつその延長部分を、メダルが載置できるメダル載置部としての機能を持たせている。なお、このメダル載置部は、各図において符号22dで示されており、前記した案内面22aと同一(略同一であっても良い)の形状を有していることから、起立したときにメダルが接触する部分を符号P1´で、U字型の溝の最深部を符号P´で示してある。このメダル載置部22dは、遊技者が複数枚のメダルを載置することができ、そのまま傾斜する案内面22aに向けて押し出すことが容易に形成されたものであれば良く、本実施形態では、図15に示すように、投入口23側に向けて多少傾斜(水平面PXに対して僅かに傾斜)するように形成されている。
【0045】
上記したように、案内面22aと同様な断面形状を有するメダル載置部22dを形成したことによって、例えば、図17(a)に示すように、メダルを複数枚起立状態にして摘んで保持したり、或いは、図17(b)に示すように、メダルを複数枚積層にして載置することが容易になり、メダル載置部22dの傾斜によって、そのまま矢印で示すように案内面22aに向けてメダルを移動させ易くなる。この場合、上述したように、案内面22aの形状によって、メダルは、上述した図9〜図12で示したような状態で投入口23に向けて連続的、かつ円滑に落下するようになるが、案内面22aと同様な断面形状で連続し、かつメダルが載置できるようなメダル載置部22dを設けたことで、メダルの投入位置となる案内面22aの最上部の位置22a´(図14、図15及び図17参照)に、安定した状態でメダルを位置付けすることができるようになり、図9〜図12で示したような状態で、より円滑に多数のメダルを投入口23に流し込むことが可能になる。すなわち、複数枚のメダルを、上記した案内面22aによる作用効果が最も発揮できるように安定した状態で、案内面22aの最上部22a´の位置に位置付けすることが可能となる。
【0046】
また、上記した実施形態では、メダル載置部22dは、水平面PXに対して多少の傾斜をもって形成されていることから、遊技者が指などで投入口に向けて軽く押すだけで、多数のメダルを案内面22aの最上部22a´に容易に移動させることが可能になる。すなわち、案内面22aに対する投下動作が行ない易くなる。
【0047】
なお、メダル載置部22dは、例えば、図17(a),(b)に示すように、安定して多数のメダルを載置できれば良く、図15において、水平面PXに沿って形成しても良いし、或いは、逆に遊技者側に向けて多少傾斜するように形成されていても良い。また、その長さについては、特に限定されることはないが、図17(a)に示すように複数枚起立状態にして摘んで保持できるか、或いは、図17(b)に示すように、メダルを延出方向に沿って少なくとも1つの山積みができるような長さがあれば良い。もちろん、その長さについては、設計に応じて種々変更することが可能であり、延出方向に沿って2つ以上の山積みができるような長さであっても良い。
【0048】
また、メダル載置部22dは、案内面22aと同一な断面形状で構成されることが好ましいが、案内面22aと同様な断面形状で遊技者側に向けて次第に拡大させたり、或いは次第に平坦面状にする等、適宜変形することが可能である。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
【0050】
上記した構成のメダル投入装置において、投入口23の後方に回転ローラ40を配置することなく、単にメダルが当接する背面壁で構成しても良い。また、回転ローラを配置する場合、メダルガイド部22は、単に、投入口に向けて傾斜していれば良く、その断面形状については平坦面にする等、図7に示すような形状に限定されることはない。さらに、上記した実施形態では、案内面22aは、メダルが2点で接触するように、断面U字型の湾曲部を有するように構成したが、案内面22aについては、メダルを載置した際に、そのメダルの直径よりも小さい部分の外周縁が2点で接触し、メダルの下端縁との間で隙間を有するような形状となっていれば良い。例えば、図18(a)に示すように、断面V字型(直線部を有する)にしたり、図18(b)に示すように、断面略U字型(湾曲部と直線部を有する)したり、或いは、案内面22aの表面に凹凸を持たせる等、適宜変形することが可能である。
【0051】
また、上記したメダル投入装置20は、上記した露出プレート21、及び回転ローラ40等の構成部材を予めユニット化しておいて、遊技機本体に組み込むような構成であっても良い。さらに、メダル投入装置20におけるメダルガイド部22は、遊技機本体に、遊技者に対して左右に延出していたり、斜めに延出していたり、或いは、本実施形態とは逆に、遊技機側から遊技者側に向けてメダルを投入する構成であっても良い。
【0052】
また、上記した露出プレート21の形状については、適宜変形することが可能であり、例えば、図19及び図20に示すように、凹所21aの側壁部分21fを、上記した実施形態と比較して幅方向により広げることで、メダル返却ボタン30の露出部分を多くし、メダル返却ボタン30を押圧操作し易いように構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、上述したスロットマシンのような遊技機以外にも、コインやメダルが投入される各種の装置、例えば、自動販売機や、切符など各種の券を発券する発券装置等に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】メダル投入装置が組み込まれる遊技機(スロットマシン)の一例を示す図。
【図2】図1に示すメダル投入装置の構成を示す斜視図。
【図3】表面カバーを取り外したメダル投入装置を示す斜視図。
【図4】メダル投入装置の中央部分を切断した状態を示す斜視図。
【図5】メダル投入装置の上面図。
【図6】メダル投入装置の正面図。
【図7】メダルガイド部とメダルの関係を示す概略正面図。
【図8】メダルガイド部と回転ローラの好ましい位置関係を説明する概略側面図。
【図9】メダルの挙動の一例を示す概略側面図。
【図10】メダルの挙動の別の例を示す概略側面図。
【図11】複数枚のメダルをメダルガイド部に載置した場合のメダルの挙動を示す概略側面図。
【図12】多数枚のメダルを起立してメダルガイド部に載置した場合のメダルの挙動を示す概略側面図。
【図13】本発明の第2の実施形態を示す図であり、遊技機に組み込まれるメダル投入装置を構成する露出プレート部分の斜視図。
【図14】図13に示す露出プレートの平面図。
【図15】メダル載置部とメダルガイド部の案内面の形状を示す側面図
【図16】露出プレートを裏面側から見た斜視図。
【図17】(a)及び(b)を含み、それぞれメダル載置部にメダルを載置した状態を示す概略側面図。
【図18】(a)及び(b)を含み、メダルガイド部の案内面の変形例を示す図。
【図19】メダル投入装置の変形例を示す上面図。
【図20】図19に示すメダル投入装置の正面図。
【符号の説明】
【0055】
1 スロットマシン(遊技機)
20 メダル投入装置(遊技媒体投入装置)
21b 背面壁
22 メダルガイド部(遊技媒体ガイド部)
22a 案内面
22d メダル載置部(遊技媒体載置部)
23 投入口
40 回転ローラ
42 カバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を投入受付けする遊技媒体投入装置を備えた遊技機において、
前記遊技媒体投入装置は、
遊技媒体を受け入れる投入口と、
前記投入口に向けて下り傾斜して遊技媒体を案内し、遊技媒体を起立した状態で載置させた際、遊技媒体の直径よりも小さい部分の外周縁が2点で接触する接触部を具備した案内面を有する遊技媒体ガイド部と、
回転中心が、前記案内面における最深部と前記投入口との間のエッジ位置よりも高い位置となるように回転可能に支持されており、前記案内面において寝かせた状態で案内される遊技媒体の先端面が当接した際、前記遊技媒体の先端を中心として遊技媒体を回転させて、その遊技媒体を前記寝かせた状態から前記投入口に向けて起立する状態に姿勢変化させるように回転する回転ローラと、
を有することを特徴とする遊技機。
【請求項1】
遊技媒体を投入受付けする遊技媒体投入装置を備えた遊技機において、
前記遊技媒体投入装置は、
遊技媒体を受け入れる投入口と、
前記投入口に向けて下り傾斜して遊技媒体を案内し、遊技媒体を起立した状態で載置させた際、遊技媒体の直径よりも小さい部分の外周縁が2点で接触する接触部を具備した案内面を有する遊技媒体ガイド部と、
回転中心が、前記案内面における最深部と前記投入口との間のエッジ位置よりも高い位置となるように回転可能に支持されており、前記案内面において寝かせた状態で案内される遊技媒体の先端面が当接した際、前記遊技媒体の先端を中心として遊技媒体を回転させて、その遊技媒体を前記寝かせた状態から前記投入口に向けて起立する状態に姿勢変化させるように回転する回転ローラと、
を有することを特徴とする遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2008−229397(P2008−229397A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172091(P2008−172091)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【分割の表示】特願2004−282012(P2004−282012)の分割
【原出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【分割の表示】特願2004−282012(P2004−282012)の分割
【原出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
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