遊技機
【課題】 所定のタイミングで抽選を行うと共に抽選結果に基づいて情報の出力を行うことにより、一層の遊技意欲の向上を図ることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】 大当り遊技状態の発生が検出されると、ポイント数を決定するための抽選が行われ(ステップS954〜S958)、赤外線発光部33がポイント数に応じた価値を有するサービスポイントを赤外線信号として送信するので、遊技者は携帯電話機200を用いて赤外線信号を受信することにより、サービスポイントを取得することができる。よって、サービスポイントの獲得に対する遊技者の期待感を増大させて遊技意欲をより一層向上させることができる。
【解決手段】 大当り遊技状態の発生が検出されると、ポイント数を決定するための抽選が行われ(ステップS954〜S958)、赤外線発光部33がポイント数に応じた価値を有するサービスポイントを赤外線信号として送信するので、遊技者は携帯電話機200を用いて赤外線信号を受信することにより、サービスポイントを取得することができる。よって、サービスポイントの獲得に対する遊技者の期待感を増大させて遊技意欲をより一層向上させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機などの遊技機では、遊技機の状態に変化が生じると、その遊技機の状態が変化したことが遊技者に報知される。例えば、パチンコ機では、遊技者が多数個の賞球を獲得可能な大当たり遊技状態に突入したときに、その旨が遊技者に報知される。遊技状態の変化は、遊技機の前面に配置されたランプを点灯させたり、LCDディスプレイの表示を変化させたり、スピーカから所定の報知音を出力させたりすることにより報知されるのが一般的である。しかし、遊技機の状態が変化したことの報知は従来から提供されている多くの遊技機で行われているため、上述のような一般的な報知方法に遊技者が飽きてきているのが現状である。
【0003】
このような状況に鑑みて、従来、遊技状態の変化が携帯通信端末を呼び出すことにより報知される旨の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この従来技術のシステムにおける作用の概略は以下の通りである。すなわち、遊技者によって遊技機のスタートレバーが操作されると、そのスタートレバーの操作に応答して内部抽選が行われる。この内部抽選で特別入賞が当選すると、遊技機内に設けられた特別入賞フラグに「1」がセットされる。また、この内部抽選において、特別入賞にかかる図柄配列が有効ライン上に並ぶ前に特別入賞が当選したことを報知するか否かが決定される。報知を行うことが決定されると、遊技機からホール管理コンピュータに報知要求信号が送信される。報知要求信号をホール管理コンピュータが受信すると、ホール管理コンピュータは、報知要求信号を送信した遊技機の台番号と対応づけて記憶している携帯電話機の呼出電話番号を読み出し、その読み出した呼出電話番号により特定される携帯電話機を呼び出す。そして、このような報知態様は、遊技機の前面に配置されたランプを点灯させたり、スピーカから所定の報知音を出力させたりするという従来の報知態様とは異なる斬新なものであり、従来の報知態様に飽きがきている遊技者を満足させることができるという効果を奏する。
【0004】
一方、遊技機に隣接して設けられた台間装置に、携帯電話機の接続端子と係合可能な接続端子を有する携帯電話ホルダを設け、有価価値の購入に費やした金額に応じて獲得されたポイント数が変化するたびに携帯電話ホルダにセットされた
携帯電話機のメモリに、接続端子を介してポイント数データを書き込むようにする旨の従来技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。そして、この従来技術では、ポイント数に応じて遊技機の表示装置に表示されるアニメーションが変更されるため、遊技機におけるゲームに対する興味心を遊技者に持たせ続けることができるという効果を奏する。
【特許文献1】特開2002−119642号公報
【特許文献2】特開2002−200283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術は、単に、ランプの点灯等に代えて、携帯通信端末を介して遊技状態の変化を報知するという新規な報知方法を提供するに留まるものであり、携帯通信端末によって受信された遊技状態に関する情報を積極的に活用することはできなかった。すなわち、例えば、携帯通信端末によって受信された遊技状態に関する情報を、多数の遊技者間で遊技成績を競うランキングへの参加や、遊技結果に応じたサービスポイントの獲得等への利用等は全く想定されておらず、また、携帯通信端末によって受信される情報に複数回に亘る遊技の結果が反映されないため、携帯通信端末にて受信した情報の十分な活用を図ることができず、従って、遊技者の遊技意欲を向上させて、他の遊技ホール又は他の遊技機メーカとの差別化、集客、遊技時間の拡大等に結びつけることができないという問題がある。
【0006】
一方、特許文献2に記載された従来技術では、台間装置とは別体で携帯電話ホルダを設ける必要があり、更に、携帯電話機側の接続端子は規格が統一されておらず、複数機種の携帯電話機に対応するためには複数のタイプの携帯電話機ホルダを設ける必要もあり、設置スペースを要すると共に、コストが高くなるという問題がある。更に、遊技者が遊技を行っている間中、携帯電話ホルダに携帯電話機をセットしておく必要があるため、遊技中は携帯電話機を使用できないという問題があると共に、携帯電話機の置き忘れが発生し易いという問題がある。また、接続端子を介して携帯電話機から不正に情報が読み取られるおそれや、いわゆるコンピュータウィルスが携帯電話機に侵入するおそれがある等、セキュリティの確保が困難であるという問題もある。
【0007】
さらに、上記従来技術の台間装置は、単に有価価値の購入に費やした金額に応じてポイント数データを与えるものであって、遊技者に与えられるポイント数に偶然性が全く存在しないため、遊技者における期待感を増大させて遊技意欲をより一層向上させることができないという問題がある。
【0008】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、所定のタイミングで抽選を行うと共に抽選結果に基づいて情報の出力を行うことにより、一層の遊技意欲の向上を図ることが可能な遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
【0010】
1.遊技者に提供するための情報を出力可能な遊技機であって、
所定のタイミングで情報出力に関する抽選を行う抽選手段と、
その抽選手段による抽選結果に基づいて情報出力を行う情報出力手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
【0011】
手段1によれば、抽選手段が所定のタイミングで情報出力に関する抽選を行い、情報出力手段が、抽選手段による抽選結果に基づいて情報出力を行うので、情報の獲得に対する遊技者の期待感を増大させて遊技意欲をより一層向上させることができる。
【0012】
2.前記抽選手段は、特定の遊技状態が発生した場合に抽選を行うことを特徴
とする手段1に記載の遊技機。
【0013】
手段2によれば、特定の遊技状態が発生した場合に抽選手段によって抽選が行われるので、特定の遊技状態発生時に遊技者の抽選に対する期待感を確実に増大させることができる。
【0014】
3.前記抽選手段は、特定の遊技状態が終了した場合に抽選を行うことを特徴
とする手段1に記載の遊技機。
【0015】
手段3によれば、特定の遊技状態が終了した場合に抽選手段によって抽選が行われるので、特定の遊技状態終了時に遊技者の抽選に対する期待感を確実に増大させることができる。
【0016】
4.前記特定の遊技状態は、大当り遊技状態であることを特徴とする手段2又
は3に記載の遊技機。
【0017】
手段4によれば、大当り遊技状態が発生若しくは終了した場合に抽選手段によって抽選が行われるので、大当り遊技状態発生若しくは終了時に遊技者の抽選に対する期待感を確実に増大させることができる。
【0018】
5.前記抽選手段は、情報出力を実行するか否かを決定するための抽選を行う
ことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
【0019】
手段5によれば、抽選手段が情報出力を実行するか否かを決定するための抽選を行い、抽選結果に基づいて情報出力手段による情報出力が実行若しくは中止される。すなわち、抽選結果によって情報が出力されるか否かが決定されるため、情報獲得に対する遊技者の期待感を確実に増大させることができる。
【0020】
6.前記抽選手段は、出力情報の内容を決定するための抽選を行うことを特徴
とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
【0021】
手段6によれば、抽選手段が出力情報の内容を決定するための抽選を行い、情報出力手段は、抽選によって決定された内容の情報を出力する。すなわち、抽選結果によって出力される情報の内容が決定されるため、より有利な内容の情報獲得に対する遊技者の期待感を確実に増大させることができる。
【0022】
7.前記抽選手段による抽選を実行するために遊技者によって操作される操作手段、
を備え、
前記抽選手段は、前記操作手段が操作されたタイミングに基づいて抽選結果を決定することを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
【0023】
手段7によれば、遊技者が操作手段を操作することにより抽選手段による抽選が実行され、操作手段が操作されたタイミングに基づいて抽選結果を決定する。
よって、遊技者が所望のタイミングで抽選を実行することができると共に、抽選結果の決定に際して遊技者自身による操作を介入させることによって抽選における遊技性が高まり、より一層の遊技意欲の向上が図られる。
【0024】
8.前記操作手段は、押しボタン、タッチパネル、遊技者の身体部位のいずれかの動作を検出するセンサ、又は音声認識装置のいずれかによって構成されたことを特徴とする手段7に記載の遊技機。
【0025】
手段8によれば、遊技者が、押しボタン、タッチパネル、遊技者の身体部位のいずれかの動作を検出するセンサ、又は音声認識装置のいずれかによって構成された操作手段を操作することにより所望のタイミングで容易に抽選を実行することができる。
【0026】
9.前記抽選手段は、抽選の開始から所定時間経過したタイミングで抽選結果を決定することを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
【0027】
手段9によれば、抽選手段が抽選の開始から所定時間経過したタイミングで抽選結果を決定するので、遊技者による入力操作等を必要とすることなく自動的に抽選結果が決定され、円滑に遊技を進行させることができる。
【0028】
10.前記抽選手段は、遊技機の主制御を行うためのメイン基板とは別個に設けられ且つ前記メイン基板からの出力専用の通信線によって接続されたサブ基板上に設けられたことを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の遊技機。
【0029】
手段10によれば、メイン基板とは別個に設けられ且つメイン基板からの出力専用の通信線によって接続されたサブ基板上に抽選手段が設けられているので、抽選手段を介して遊技機の主制御に対する不正が行われることを確実に防止することができる。また、遊技盤を交換する場合等にサブ基板上に設けられた抽選手段を再利用することが可能である点で利便性が高い。
【0030】
11.前記抽選手段による抽選の実行を演出するための抽選演出手段、
を備えたことを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機。
【0031】
手段11によれば、抽選演出手段が抽選手段による抽選の実行を演出するので、遊技者の抽選結果に対する期待感をより一層増大させることができる。尚、演出とは、遊技者が視覚、聴覚等によって認識可能なものを意味しており、例えば、遊技機に設けられた表示装置における表示、装飾ランプの点灯・点滅、音声の発生等が含まれる(以下、同様)。
【0032】
12.前記抽選演出手段は、遊技盤に設けられた表示装置であることを特徴と
する手段11に記載の遊技機。
【0033】
手段12によれば、遊技者より見易い位置に設けられた遊技盤上の表示装置によって抽選の実行が演出されるので、遊技者の抽選結果に対する期待感を確実に増大させることができる。
【0034】
13.前記抽選演出手段は、前記遊技盤に設けられた図柄変動表示装置である
ことを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0035】
手段13によれば、遊技者が遊技中に注視する図柄変動表示装置によって抽選の実行が演出されるので、遊技者の抽選結果に対する期待感を確実に増大させることができる。また、既存の図柄変動表示装置を利用して抽選の実行が演出されるので、抽選演出用の表示装置を別途設ける必要が無く、コストの増加を抑えることができる。
【0036】
14.前記抽選演出手段は、遊技盤外部の枠に設けられた表示装置であること
を特徴とする手段11に記載の遊技機。
【0037】
手段14によれば、遊技盤外部の枠に設けられた表示装置によって抽選の実行が演出されるので、遊技者の抽選結果に対する期待感を確実に増大させることができる。また、遊技盤上の図柄変動表示装置とは別個に設けられた表示装置において抽選の実行が演出されるので、図柄変動表示装置における各種の演出とは独立して抽選演出表示を行うことができる。
【0038】
15.前記抽選手段による抽選結果を報知するための抽選結果報知手段、
を備えたことを特徴とする手段1乃至14のいずれかに記載の遊技機。
【0039】
手段15によれば、抽選結果報知手段が抽選手段による抽選結果を報知するので、遊技者は抽選結果を確実に認識することができる。
【0040】
16.前記抽選結果報知手段は、文字表示、光、音声、携帯通信端末への情報
送信のいずれか若しくはこれらの任意の組合わせにより報知を行うことを特徴とする手段15に記載の遊技機。
【0041】
手段16によれば、文字表示、光、音声、携帯通信端末への情報送信のいずれか若しくはこれらの任意の組合わせにより抽選結果が確実に報知される。
【0042】
17.前記抽選手段は、乱数発生手段より出力される乱数に基づいて抽選を行うことを特徴とする手段1乃至16のいずれかに記載の遊技機。
【0043】
手段17によれば、抽選手段が乱数発生手段より出力される乱数に基づいて抽選を行うので、抽選結果に対する偶然性が確保され、遊技者の抽選結果に対する期待感を増大させることができる。
【0044】
18.前記情報出力手段は、ポイント数に応じた価値を有するサービスポイントを出力することを特徴とする手段1乃至17のいずれかに記載の遊技機。
【0045】
手段18によれば、情報出力手段がポイント数に応じた価値を有するサービスポイントを出力するので、遊技者は携帯通信端末の撮影機能や赤外線通信機能等を用いてサービスポイントを取得することができる。
【0046】
19.前記抽選手段は、前記サービスポイントの出力を実行するか否かを決定するための抽選を行うことを特徴とする手段18に記載の遊技機。
【0047】
手段19によれば、抽選手段がサービスポイントの出力を実行するか否かを決定するための抽選を行うので、抽選結果に基づいて情報出力手段によるサービスポイントの出力が実行若しくは中止される。すなわち、抽選結果によってサービスポイントが出力されるか否かが決定されるため、サービスポイント獲得に対する遊技者の期待感を確実に増大させることができる。
【0048】
20.前記抽選手段は、前記サービスポイントのポイント数を決定するための抽選を行うことを特徴とする手段18に記載の遊技機。
【0049】
手段20によれば、抽選手段がサービスポイントのポイント数を決定するための抽選を行うので、情報出力手段は、抽選によって決定されたポイント数のサービスポイントを出力する。すなわち、抽選結果によって出力されるサービスポイントのポイント数が決定されるため、より大きなポイント数のサービスポイント獲得に対する遊技者の期待感を確実に増大させることができる。
【0050】
21.外部から遊技者特定情報を入力するための遊技者特定情報入力手段、
を備え、
前記遊技者特定情報によって遊技者が特定されている場合に、前記抽選手段による抽選及び/又は前記情報出力手段による情報出力を実行することを特徴とする手段1乃至20のいずれかに記載の遊技機。
【0051】
手段21によれば、遊技者特定情報入力手段によって外部から入力された遊技者特定情報によって遊技者が特定されている場合に、抽選手段による抽選及び/又は情報出力手段による情報出力が実行されるので、不特定の遊技者によって不正に情報の取得が行われることを防止することができる。
【0052】
22.遊技開始時に外部から開始情報を入力させるための開始情報入力手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記開始情報に所定の情報を累積加算する累積加算手段と、
を備え、
前記情報出力手段は、前記累積加算手段による累積加算結果に基づいて情報出力を行うことを特徴とする手段1乃至21のいずれかに記載の遊技機。
【0053】
手段22によれば、開始情報入力手段が遊技開始時に外部から開始情報を入力させ、累積加算手段が抽選手段による抽選結果に基づいて開始情報に所定の情報を累積加算し、情報出力手段が、累積加算手段による累積加算結果に基づいて情報出力を行うので、遊技者は、複数回に亘る遊技の結果を反映する出力情報を、携帯通信端末等を用いて取得することができる。
【0054】
23.前記情報出力手段は、個々に識別可能な態様で情報出力することを特徴とする手段1乃至22のいずれかに記載の遊技機。
【0055】
手段23によれば、前記情報出力手段が、前記累積加算結果を個々に識別可能な態様で情報出力するので、携帯通信端末等における出力情報の不正取得や取得した情報の不正使用を確実に防止してセキュリティ性の確保を図ることができる。
【0056】
24.前記出力情報は、所定の規則に従って付与される固有情報を含んでいることを特徴とする手段23に記載の遊技機。
【0057】
手段24によれば、前記出力情報が所定の規則に従って付与される固有情報を含んでいるので、携帯通信端末等によって取得された出力情報を確実に個々に識別することができる。
【0058】
25.外部から遊技者特定情報を入力するための遊技者特定情報入力手段を備え、
前記出力情報は、前記遊技者特定情報を含んでいることを特徴とする手段23又は24に記載の遊技機。
【0059】
手段25によれば、前記出力情報が、遊技者特定情報入力手段によって外部から入力した遊技者特定情報を含んでいるので、携帯通信端末等によって取得した出力情報がどの遊技者に対して提供されたものであるかを確実に識別することができ、高いセキュリティ性を確保することができる。
【0060】
26.前記出力情報は、前記遊技者特定情報及び所定の規則に従って付与される固有情報を含んでいることを特徴とする手段25に記載の遊技機。
【0061】
手段26によれば、前記出力情報が前記遊技者特定情報及び所定の規則に従って付与される固有情報を含んでいるので、出力情報がどの遊技者に対して提供されたものであるかを識別可能であるのに加えて、同一遊技者に対して提供された各々の出力情報についても個々に識別可能である。
【0062】
27.前記出力情報は、遊技機を識別するための遊技機識別情報を含んでいることを特徴とする手段23乃至26のいずれかに記載の遊技機。
【0063】
手段27によれば、前記出力情報が遊技機を識別するための遊技機識別情報を含んでいるので、携帯通信端末等によって取得した出力情報がどの遊技機から出力されたものであるかを確実に識別することができる。
【0064】
28.前記出力情報は、前記遊技機識別情報及び所定の規則に従って付与される固有情報を含んでいることを特徴とする手段27に記載の遊技機。
【0065】
手段28によれば、前記出力情報が前記遊技機識別情報及び所定の規則に従って付与される固有情報を含んでいるので、出力情報がどの遊技機から出力されたものであるかを識別可能であるのに加えて、同一遊技機から出力された各々の情報についても個々に識別可能である。
【0066】
29.外部から遊技者特定情報を入力するための遊技者特定情報入力手段を備え、
前記出力情報は、前記遊技者特定情報、前記遊技機識別情報及び前記固有情報を含んでいることを特徴とする手段28に記載の遊技機。
【0067】
手段29によれば、前記出力情報が、遊技者特定情報入力手段によって外部から入力した遊技者特定情報、前記遊技機識別情報及び前記固有情報を含んでいるので、出力情報がどの遊技機からどの遊技者に対して提供されたものであるかを識別可能であるのに加えて、同一遊技機から同一遊技者に対して提供された各々のデータについても個々に識別可能である。
【0068】
30.前記固有情報は、所定条件でカウントアップされるカウンタ値であることを特徴とする手段24,26,27又は29のいずれかに記載の遊技機。
【0069】
手段30によれば、前記固有情報が所定条件でカウントアップされるカウンタ値であるので、重複が生じることなく容易且つ確実に固有情報を作成することができる。
【0070】
31.前記固有情報は、所定時点における時間情報であることを特徴とする手段24,26,28又は29のいずれかに記載の遊技機。
【0071】
手段31によれば、前記固有情報が所定時点における時間情報であるので、重複が生じることなく容易且つ確実に固有情報を作成することができる。
【0072】
32.前記出力情報を記憶する出力情報記憶手段、を備え、
前記情報出力手段は、所定のタイミングで前記出力情報記憶手段より前記出力情報を読み出して出力を行うことを特徴とする手段1乃至31のいずれかに記載の遊技機。
【0073】
手段32によれば、前記情報出力手段は、所定のタイミングで前記出力情報記憶手段より前記出力情報を読み出して確実に出力を行うことができる。尚、所定のタイミングとは、遊技が終了した場合や遊技者から情報出力の要求操作が行われた場合等である。
【0074】
33.外部から前記出力情報の出力要求を入力する出力要求入力手段、を備え、
前記情報出力手段は、前記出力要求入力手段を介して出力要求が入力された場合に、前記出力情報記憶手段より前記出力情報を読み出して出力を行うことを特徴とする手段32に記載の遊技機。
【0075】
手段33によれば、遊技者が所望のタイミングで前記出力要求入力手段を介して出力要求を入力すると、前記情報出力手段は前記出力情報記憶手段より前記出力情報を読み出して確実に出力を行うことができる。また、出力要求の受信により遊技者側における出力情報の取得準備が完了したことを遊技機が認識した状態で出力情報の出力を実行することができる。
【0076】
34.外部から遊技者特定情報を入力するための遊技者特定情報入力手段と、
その遊技者特定情報入力手段を介して入力された遊技者特定情報を記憶する遊技者特定情報記憶手段と、
を備え、
前記情報出力手段は、前記遊技者特定情報記憶手段に記憶された遊技者特定情報に対応づけられた携帯通信端末から出力要求が入力された場合に、前記出力情報記憶手段より前記出力情報を読み出して出力を行うことを特徴とする手段33に記載の遊技機。
【0077】
手段34によれば、前記情報出力手段は、前記遊技者特定情報記憶手段に記憶された遊技者特定情報に対応づけられた携帯通信端末から出力要求が入力された場合に、前記出力情報記憶手段より前記出力情報を読み出して出力を行うので、遊技者特定情報記憶手段に記憶された遊技者特定情報に対応づけられた携帯通信端末以外では出力情報の取得を実行することができないため、当該遊技機における遊技者以外の者によって出力情報の不正取得が行われることを防止することができる。
【0078】
35.前記情報出力手段は、無線通信によって前記出力情報を送信するように構成されたことを特徴とする手段1乃至34のいずれかに記載の遊技機。
【0079】
手段35によれば、前記情報出力手段が、無線通信によって前記出力情報を送信するので、携帯通信端末等との間で通信ケーブルの接続等の煩雑な作業を行う必要がなく、携帯通信端末等において極めて簡単に出力情報を受信することができる。
【0080】
36.前記情報出力手段は、電磁波或いは光を指向性を有して出力可能に構成されていることを特徴とする手段35に記載の遊技機。
【0081】
手段36によれば、隣接して配置された複数の遊技機より出力される電磁波或いは光が指向性を有して出力されるため、これら双方の電磁波或いは光が互いに干渉することを回避でき、良好な信号の送受信をより安定して実施することができる。
【0082】
37.前記情報出力手段は、赤外線を媒介として前記出力情報を送信するように構成されたことを特徴とする手段36に記載の遊技機。
【0083】
手段37によれば、情報出力手段が赤外線を媒介として前記出力情報を送信するように構成されているので、指向性を有する無線通信を簡単な構成で安価に実現することができる。
【0084】
38.前記情報出力手段は、有線通信によって前記出力情報を送信するように構成されたことを特徴とする手段1乃至34のいずれかに記載の遊技機。
【0085】
手段38によれば、情報出力手段が有線通信によって前記出力情報を送信するように構成されているので、情報出力手段を簡単且つ安価に構成することができるとともに、高い信頼性で出力情報を確実に携帯通信端末等へ送信することができる。
【0086】
39.前記情報出力手段は、前記出力情報を機械読み取り可能なシンボルとして表示出力することを特徴とする手段1乃至34のいずれかに記載の遊技機。
【0087】
手段39によれば、情報出力手段が前記出力情報を機械読み取り可能なシンボルとして表示出力するので、シンボルの種類に対応した読み取り機能を有する携帯電話機を用いて、確実に出力情報の取得を行うことができる。
【0088】
40.前記出力情報は、一次元若しくは二次元のバーコードとして表示されることを特徴とする手段39に記載の遊技機。
【0089】
手段40によれば、前記出力情報が一次元若しくは二次元のバーコードとして表示されるので、一次元若しくは二次元のバーコード読み取り機能を備えた携帯通信端末等を用いて、簡単且つ確実に非接触的にデータ取得を行うことができる。例えば、前記出力情報が二次元バーコードとして表示される場合には、近年市販されるようになった二次元バーコード読み取り機能を有する携帯電話機を用いて、画面表示された二次元バーコードの読み取りを行うことにより、出力情報を簡単な操作で確実に取得することができる。
【0090】
41.前記出力情報は、文字等の並びとして表示されることを特徴とする手段39に記載の遊技機。
【0091】
手段41によれば、前記出力情報が文字等の並びとして表示されるので、光学的文字認識機能を有する携帯通信端末等を用いて、簡単且つ確実に非接触的に情報取得を行うことができると共に、表示された出力情報の内容を遊技者自身が認識することができる。尚、文字等には、英字、カタカナ、ひらがな、漢字、記号、数字等が含まれる。
【発明の効果】
【0092】
以上詳述したように、本発明によれば、抽選手段が所定のタイミングで情報出力に関する抽選を行い、情報出力手段が、抽選手段による抽選結果に基づいて情報出力を行うので、情報の獲得に対する遊技者の期待感を増大させて遊技意欲をより一層向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0093】
以下、本発明の遊技機をパチンコ機において具体化した各実施の形態につき図面を参照しつつ説明する。
【0094】
第一の実施の形態のパチンコ機1は、遊技ホールに設置されたパチンコ島台のカウンタ台の上部にて複数横方向に並べられて設けられる。パチンコ機1は、図1に示すように、前部には前枠2が設けられ、さらにその前枠2にガラス扉枠3が取付けられている。ガラス扉枠3は、軸により前枠2に開閉可能に支持され、かつガラスが嵌め込まれた金属製の枠と、その枠に嵌め込まれる合成樹脂製の枠(以下「樹脂枠」という)とを備えている。ガラス扉枠3の後方には、図2に示す遊技盤7が配置されている。遊技盤7は略円形の遊技領域を有し、その遊技領域には第1種始動口4、特別図柄表示装置(以下、単に「表示装置」という)5及び大入賞口6が設けられている。第1種始動口4は遊技球Bの通路を備え、その通路入口に羽根4aが開閉可能に支持されている。
【0095】
本実施の形態におけるパチンコ機1では、図1の正面図及び図3の通信制御基板のブロック図に示すように、前枠2の発射ハンドル17近傍に終了ボタン41が設けられている。終了ボタン41は、ボタンの押下によって電気信号を発生する押しボタンであって、図3に示すように、CPU36に電気的に接続されている。終了ボタン41が、遊技終了時に遊技者によって押下されることにより、CPU36において遊技終了が認識されるようになっている。
【0096】
表示装置5下方には、図2に示すように、左右方向の中心を挟んで左側には遊技者が所持する携帯電話機200との間で赤外線通信を行うための赤外線発光部33及び赤外線受光部34と、遊技者の手がかざされたことを検知するための第1赤外線センサ32aとがそれぞれ設けられ、右側には遊技データの蓄積が行われたことを報知するための報知ランプ31と、第1赤外線センサ32aと同様の第2赤外線センサ32bとがそれぞれ設けられている。報知ランプ31、第1赤外線センサ32a、第2赤外線センサ32b、赤外線発光部33、及び赤外線受光部34は、後述する通信制御基板30に接続され且つ制御される。
【0097】
ガラス扉枠3の下部には、賞球が払い出される上受け皿3aが装着されている。また、前枠2の窓孔より下方には下受け皿2aが装着されている。下受け皿2aは、前記上受け皿3aに入りきらない賞球や、上受け皿3aから球抜きした抜き球や、或いはファウル球等の余剰球を、余剰球出口から排出させて貯留させるものである。前枠2における下受け皿2aの右側方には遊技球Bを発射するための発射ハンドル17が回動操作可能に装着されている。発射ハンドル17に対応する前枠2の裏側には駆動手段としてのモータ(図示せず)が装着されており、発射ハンドル17の回動操作によってモータが回動され、これにより打球杆(図示せず)が間欠動作されるとともに、前記発射ハンドル17の回動角度に応じた弾発力に調節される。従って、前記モータ及び打球杆等によって球発射装置が構成されている。
【0098】
表示装置5は第1種始動口4の上方に設けられており、液晶ディスプレイ(LCD)からなる画面5aを備えている。画面5aには多種類の画像が表示されるが、その1つとして、左図柄列8、中図柄列9及び右図柄列10が表示される。図柄列の数は前述したもの(3列)に限られず、1列、2列、4列以上であってもよい。各図柄列8乃至10は、数字、記号等からなる複数の図柄によって構成されている。尚、表示装置5は、サブ基板の一つである図柄表示制御基板22によって駆動制御される。表示装置5では、図柄列8乃至10での図柄変動が、遊技球Bの第1種始動口4への入賞により開始される。図柄変動は左図柄列8、右図柄列10、中図柄列9の順に停止されるが、これは一例にすぎず、別の順序で停止されてもよい。全ての図柄列8乃至10での図柄変動が停止したとき、表示されている図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが、予め定められた組合せ(特定表示結果、以下「大当りの組合せ」という)、すなわち、同一種類の図柄が大当りラインに沿って並んでいるときの同図柄の組合せ(例えば、777)、となる場合がある。この停止図柄の組合せを、以下「大当り図柄」という。本実施形態では、大当りラインとして、水平方向へ延びるもの(上・中・下の3種類)と、斜め方向へ延びるもの(右下がり・左下がりの2種類)の合計5種類存在するが、これに限られない。例えば、大当りラインの数が1つであり、通常、「1ライン」と呼ばれているものであってもよい。そして、大当りの組合せが成立すると特別電動役物が作動し、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技状態が到来し、より多くの賞球を獲得することが可能となる。
【0099】
さらに、パチンコ機1は大当り遊技状態の発生に先立ちリーチ遊技状態となる。ここで、リーチ遊技状態とは大当り遊技状態の直前の状態をいい、例えば、右図柄列10での図柄変動が、大当りライン上において左図柄列8での停止図柄と同一種類の図柄で停止し、かつ、その後に中図柄列9での図柄変動が左右両図柄列8,10での停止図柄と同一種類の図柄で停止されれば最終的に大当りの組合せとなる状態を含む。また、図柄変動が停止すると、大当り遊技状態となる組合せで変動し、その図柄で停止されれば最終的に大当り遊技状態となる場合において、その変動中の状態もリーチ遊技状態に含まれる。これは、通常、全回転(全図柄)リーチと呼ばれているものである。
【0100】
大入賞口6は第1種始動口4の下方に設けられており、1つのVゾーン11、2つの通路12,13及びシャッタ14を備えている。シャッタ14は大入賞口用ソレノイド(以下、単に「ソレノイド」という)15により作動させられ、Vゾーン11及び通路12,13の各入口を開閉する。
【0101】
図2に示すように、遊技盤3には、始動口用スイッチ18、Vゾーン用スイッチ19及びカウントスイッチ20が取付けられている。始動口用スイッチ18は、遊技球Bの第1種始動口4への入賞を検出する。Vゾーン用スイッチ19は遊技球BのVゾーン11への入賞を検出し、カウントスイッチ20は遊技球Bの大入賞口6への入賞を検出する。また、各スイッチ18乃至20の検出結果に基づきソレノイド15及び表示装置5をそれぞれ駆動制御するために、制御装置21、図柄表示制御基板22及び通信制御基板30が設けられている。制御装置21は、パチンコ機1の主制御を行うメイン基板と、音量調整基板、LED基板、払出し制御基板等の各種のサブ基板とから構成されている。図柄表示制御基板22は、サブ基板の一つであり、CPU23,ROM24,RAM26を主要な構成要素として構成され(図3参照)、メイン基板や通信制御基板30から入力される信号に基づいて表示装置5を駆動制御する。また、ROM24には、図柄表示用のデータ、演出用の動画データ、各種のメッセージデータからなるメッセージテーブルが記憶されると共に、後述するように遊技者未特定状態用メッセージテーブル25aと遊技者特定状態用メッセージテーブル25bとからなるラウンド演出メッセージテーブル25等が記憶されている。
【0102】
本実施の形態では、サブ基板の一つとして、さらに通信制御基板30が設けられており、赤外線発光部33及び赤外線受光部34を介して携帯電話機200との間で行われる通信処理の制御が行われる。通信制御基板30の具体的構成については後述する。各制御基板は、読出し専用メモリ(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備え、ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。また、RAMはCPUによる演算結果を一時的に記憶する。尚、不正信号がメイン基板へ入力されることを防止するために、信号の伝送方向は、メイン基板から各サブ基板への一方向のみとなっている。
【0103】
CPUによる制御の1つとして、大当り遊技状態の発生確率を条件に応じて変動させる、いわゆる確率変動がある。具体的には、1/300程度の低確率で大当り遊技状態を発生させる低確率モードと、その約5倍である1/60程度の高確率で大当り遊技状態を発生させる高確率モードとが用意されており、大当り図柄の種類に応じて確率モードが切替えられる。すなわち、大当り図柄が、予め定められた特別図柄(例えば奇数図柄)であると高確率モードに設定され、予め定められた通常図柄(例えば偶数図柄)であると低確率モードに設定される。なお、低確率モードでの発生確率に対する高確率モードでの発生確率の倍数は、前述した値(約5)以外の値であってもよい。
【0104】
また、CPUの出力ポートには、外部接続端子板16が接続されている。また、外部接続端子板16は、ホール管理コンピュータに接続されるホール管理コンピュータ用の出力端子16A〜Eと、通信制御基板30に接続される通信制御基板用の出力端子16a〜eとを備えている。
【0105】
ここで、出力端子16A及び16aは、上述した高確率モード中であることを示す「確変中信号」を出力する。また、出力端子16B及び16bは、大当りの発生中であることを示す「大当り信号」を出力する。また、出力端子16C及び16cは、予め定められた特別図柄(例えば奇数図柄)による大当りの発生中であることを示す「確変大当り信号」を出力する。また、出力端子16D及び16dは、球発射装置によって遊技球Bの発射が行われているか否かを示す「発射スイッチ信号」を出力する。尚、「発射スイッチ信号」がオンである場合は遊技球Bが発射されている(換言すれば、遊技が行われている)ことを、オフである場合は遊技球Bの発射が中止されている(換言すれば、遊技が中止されている)ことをそれぞれ示している。また、出力端子16E及び16eは、遊技球Bが第1
種始動口4へ入賞することにより表示装置5における図柄変動が発生したことを示す「図柄変動信号」を出力する。
【0106】
通信制御基板30は、遊技者が所持する携帯通信端末としての携帯電話機200との間で赤外線通信を行うための電子制御回路を搭載した回路基板である。より詳細には、通信制御基板30は、図3のブロック図に示すように、インタフェース回路(I/F)35と、CPU36と、ROM37と、RAM38とを備えて構成され、遊技盤7上に設けられた報知ランプ31、情報出力手段としての赤外線発光部33、遊技者特定情報入力手段及び出力要求入力手段としての赤外線受光部34がそれぞれ接続されている。
【0107】
報知ランプ31は、サービスポイントの送信が可能な状態となったことを遊技者に視覚的に報知するためのランプである。報知ランプ31は、送信可能なサービスポイントが有る場合に点灯し、無い場合には消灯されている。また、赤外線発光部33からサービスポイントの送信が行われている間は報知ランプ31が点滅し、送信が終了すると消灯する。第1赤外線センサ32a及び第2赤外線センサ32bは、赤外線を利用して物体の接近を検知するための公知の赤外線センサによって構成されている。表示装置5において遊技者による”はい”又は”いいえ”等の選択を求めるメッセージが表示された状態で、いずれかの赤外線センサに手がかざされると、第1赤外線センサ32a又は第2赤外線センサ32bは手がかざされたことを検知し、これにより遊技者による選択が行われる。赤外線発光部33は、携帯電話機200に対してサービスポイント等を赤外線信号として送信するための発光デバイスである。赤外線受光部34は、携帯電話機200から送信される遊技者特定パスワードやサービスポイントの送信要求(出力要求)信号としての赤外線信号を受信するための受光デバイスである。尚、赤外線信号は指向性を有しているため、携帯電話機200の赤外線受光部208及び赤外線発光部209を、パチンコ機1側の赤外線発光部33及び赤外線受光部34に対向させた状態で、パチンコ機1と携帯電話機200との間で赤外線通信が行われる。また、赤外線発光部33から前方(遊技者側)に向かって赤外線信号が出力されるため、隣接配置されるパチンコ機同士で赤外線信号が干渉することはない。インタフェース部35は、通信線を介して外部接続端子板16の通信制御基板用の出力端子16a〜eと接続され、各端子よりそれぞれ出力される「確変中信号」、「大当り信号」、「確変大当り信号」、「発射スイッチ信号」及び「図柄変動信号」をCPU36に入力する電子回路である。
【0108】
CPU36は、通信制御基板30各部を制御するための制御装置であり、ROM37から制御プログラムを読み出して実行する。ROM37は、通信制御基板30各部を制御するための制御プログラムや各種のデータ等を記憶する読み出し専用の記憶媒体である。RAM38は、CPU36によって使用されるワーク領域、ポイントバッファ38f及びポイント蓄積領域38g、遊技者特定パスワード記憶領域38c、サービスポイント送信用の送信バッファ38d及びポイント数を決定するための内部乱数カウンタ38xを有する書き換え可能な記憶媒体である。不揮発性メモリ39は、後述するサービスポイントの送信が行われる度にカウントアップされるサービスポイントカウンタ39bを不揮発的に記憶するための書き込み可能な不揮発性の記憶媒体である。不揮発性メモリ39に記憶され
るサービスポイントカウンタ39bの値は、パチンコ機1の電源遮断後も記憶保持される。尚、ポイント蓄積領域38gが、本発明の出力情報記憶手段を、遊技者特定パスワード記憶領域38cが遊技者特定情報記憶手段を、内部乱数カウンタ38xが乱数発生手段をそれぞれ構成するものである。
【0109】
次に、パチンコ機1との間で赤外線通信が行われる携帯電話機200の構成について、図4及び図5を参照しつつ説明する。携帯電話機200は、図4の正面図に示すように、ケース202、キー操作部204、液晶パネル(表示部)206、赤外線受光部208、及び赤外線発光部209から構成されている。キー操作部204は、ケース202の正面ケース部203に配設されたもので、十字キー、電源キー、ファンクションキー、オンフックキー(開始キー)、クリアキー、及び文字・数字キー(テンキー)等から構成されている。液晶パネル206は、ケース202に形成された開口部202aの内側に配置されている。赤外線受光部208は、赤外線発光部209とともに、ケース202の左側部202bに配置されている。
【0110】
次に、携帯電話機200の電気回路構成につき図5のブロック図を参照して説明する。携帯電話機200は、液晶パネル206、赤外線受光部208、及び赤外線発光部209に加えて、無線部210、音声回路212、レシーバー214、マイク216、送受信アンテナ218、不揮発性メモリ220、制御部(マイクロコンピュータ)222及び二次電池224を有する。無線部210は、制御部222により制御されて、送受信アンテナ218を通して電波を媒体として基地局に対して送受信する。音声回路212は、無線部210から制御部222を通して出力された受信信号をレシーバー214に出力するとともに、マイク216から出力された音声信号を送信信号として制御部222を通して無線部210に出力する。レシーバー214は、音声回路212から出力された受信信号を受
信音声に変換して出力し、マイク216は、操作者から発せられた送信音声を音声信号に変換して音声回路212に出力する。不揮発性メモリ220は、各種データや、各種のプログラムを不揮発的に記憶する。二次電池224は、各回路に電力を供給する。制御部222は、CPU,ROM及びRAMを含むマイクロコンピュータ等から構成されたもので、電話の発着信処理、電子メールの作成送受信処理、インターネット処理を行う。
【0111】
尚、パチンコ機1からサービスポイントの受信を行うためのサービスポイント受信用プログラムは、例えば、遊技機メーカ等によって運営されるインターネット・ホームページ等からダウンロードして、不揮発性メモリ220に記憶される。また、このとき、遊技機メーカ等の会員登録をすることにより、遊技者特定情報として遊技者の氏名情報を含む遊技者特定パスワードが与えられ、不揮発性メモリ220に記憶される。遊技者特定パスワードは、例えば、”X0012345ヤマダタロウ”のように与えられる。ここで、”X00”は、遊技者特定パスワードであることを示すヘッダ、”12345”は会員番号、”ヤマダタロウ”は遊技者の氏名をそれぞれ表している。尚、この例において、”ヤマダタロウ”が本発明の遊技者の名前に関する情報、及び遊技者の名前の文字列データに相当するものである。ここで、携帯電話機200からパチンコ機1へ遊技者の特定を行う場合には、赤外線発光部209より遊技者特定パスワードが赤外線信号として送信される。一方、パチンコ機1へサービスポイントの送信要求(出力要求)を行う場合には、赤外線発光部209より送信要求信号と共に遊技者特定パスワードが送信される。
【0112】
次に、前記のように構成されたパチンコ機1の作用及び効果について説明する。図6乃至図8及び図16のフローチャートは、制御装置21によって実行される各種ルーチンを示している。これらのルーチンの各処理は、カウンタ群及びフラグFに基づいて実行される。カウンタ群は、ラウンドカウンタR、入賞カウンタP及び確変カウンタCを含む。ラウンドカウンタRはラウンド回数をカウントするためのものであり、入賞カウンタPはカウントスイッチ20の検出結果に基づき大入賞口6への遊技球Bの入賞個数をカウントするためのものである。確変カウンタCは高確率モードの終了を判断するためのものであり、「2」,「1」,「0」の値を採る。なお、カウンタR,P,Cの初期値はいずれも「0」である。
【0113】
そのほかにもカウンタ群は、大当り遊技状態発生を決定するための内部乱数カウンタと、外れリーチ等を決定するための外れリーチ乱数カウンタと、停止図柄等を決定するためのそれぞれの図柄カウンタと、リーチ動作の種類を決定するためのリーチ種別カウンタとを含む。ここで、外れリーチ乱数カウンタによる外れリーチとは、前述したリーチ遊技状態の後に最終的に大当りの組合せとならない状態をいう。フラグFは、Vゾーン11への遊技球Bの入賞の有無を判定するためのものであり、Vゾーン用スイッチ19によって入賞が検出されない場合に「0」に設定され、入賞が検出されると「1」に設定される。なお、確率モードには低確率モードと高確率モードの2種類があることは既に説明したが、初期値には低確率モードが設定されている。
【0114】
さて、遊技者による遊技が開始されると、制御装置21は、まず図6の特別電動役物制御ルーチンのステップS10において、始動口用スイッチ18の検出結果に基づき、遊技球Bの第1種始動口4への入賞があったか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされているとステップS20において、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタの各値を取得するとともに、各図柄カウンタの値に基づき図柄列8乃至10毎に外れ図柄を取得する。ここでの取得とは、各カウンタの値を読取り、その値をメモリに記憶する処理を指す。
【0115】
次に、ステップS30で図柄変動開始処理を実行する。詳しくは、図8のステップS31において、図柄列8乃至10の各図柄をそれぞれ表示装置5で変動表示させる。この表示により、遊技者には左・中・右の3つのリールがあたかも回転しているように見える。ステップS32において、内部乱数カウンタの値が大当り値と同一であるか否かを判定する。大当り値としては、2種類の値(低確率用大当り値、高確率用大当り値)が用意されている。前者は大当り遊技状態を前述した低確率で発生させるための値であり、後者は高確率で発生させるための値である。例えば、内部乱数カウンタが、「0」乃至「299」の範囲で所定時間毎に値を更新するものである場合、そのうちの「7」を低確率用大当り値とし、「7」,「17」,「27」,「37」,「47」を高確率用大当り値とする。すると、大当り遊技状態が発生する確率は、低確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/300となり、高確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/60となる。そして、前回の制御周期で低確率モードが設定されている場合には、低確率用大当り値が大当り値として選択される。高確率モードが設定されている場合には、高確率用大当り値が大当り値として選択される。
【0116】
ステップS32の判定条件が満たされていると、ステップS33において、大当り値に対応する大当り図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。一方、ステップS32の判定条件が満たされていないと、ステップS34において、外れリーチ乱数カウンタの値が予め定められた外れリーチ値と同一である否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS35において、外れリーチ値に対応する図柄(以下「外れリーチ図柄」という)を停止図柄としてメモリに記憶する。なお、ステップS34の判定条件が満たされていないと、ステップS36において、前記ステップS20での外れ図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。そして、上記ステップS33,S35,S36で停止図柄を記憶した後、図柄変動開始処理ルーチンを終了する。前記のようにステップS30の処理(図柄変動開始処理)を実行した後、図6のステップS40において左右両図柄列8,10における図柄を、前記ステップS33,S35,S36のいずれかの処理で記憶した停止図柄に差替える。差替え後の図柄によって左右両図柄列8,10での図柄変動を停止させる。
【0117】
ステップS43では、左右両図柄列8,10における図柄の組合わせがリーチの組合わせ(同一図柄)であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされていると、ステップS45において、リーチ演出表示処理を行う。詳しくは、通信制御基板30において実行される図9に示すリーチ演出表示処理ルーチンにおいて、まず、ステップS450で遊技者特定フラグYFがONしているか否かを判定する。ここで遊技者特定フラグYFは、携帯電話機200から送信された遊技者特定パスワードを赤外線受光部34において受信して、遊技者が特定されている場合にONとなっており、遊技者が未特定である場合にOFFとなっているフラグであり、通信制御基板30において管理される。この判定が満たされていない場合(ステップS450:No)、ステップS453において図柄表示制御基板22に表示指令を送信して遊技者未特定状態用のリーチ演出表示を行う。図10(a)は、遊技者未特定状態用のリーチ演出表示の一例を示している。一方、この判定が満たされている場合(ステップS450:Yes)、ステップS451において、遊技者特定パスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードに含まれる氏名データ(文字コード列)を取得し、ステップS452において、その取得した氏名データを用いて図柄表示制御基板22に表示指令を送信して遊技者特定状態用のリーチ演出表示を行う。図10(b)は、氏名データを用いた遊技者特定状態用のリーチ演出表示の一例を示している。尚、図柄表示制御基板22にはキャラクタジェネレータ(図示せず)が設けられており、遊技者特定パスワードより取得した遊技者氏名の文字コード列を用いて、キャラクタジェネレータを介して表示装置5において氏名表示が行われる。
【0118】
ここで、図10(a)の遊技者未特定状態用のリーチ演出表示では、画面右のキャラクタからの吹き出しメッセージが、「リーチですよ!」となっており、リーチとなったことをメッセージ表示にて報知している。これに対し、図10(b)の遊技者特定状態用のリーチ演出表示では、「ヤマダタロウさん、リーチですよ!」(”ヤマダタロウ”は、遊技者特定パスワードから取得した氏名データ)となっており、リーチとなったことを示すメッセージ中に遊技者の氏名が組み込まれ、自分の氏名が表示装置5上に表示されることによって遊技者の注意をより一層引きつける演出内容となっている。
【0119】
ステップS50では、中図柄列9での図柄変動を停止させる。続いて、ステップS60において、図柄の組合せが大当りの組合せであるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされていると、ステップS70において、大当り信号ONを出力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS80において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS80:Yes)、ステップS90において確変大当り信号ONを出力端子16C及び16cに出力する。続いて、ステップS95において、大当り演出/抽選表示処理を行う。詳しくは、通信制御基板30において実行される図11に示す大当り演出/抽選表示処理において、まず、ステップS950で遊技者特定フラグYFがONしているか否かを判定する。この判定が満たされていない場合(ステップS950:No)、ステップS953において図柄表示制御基板22に表示指令を送信することにより遊技者未特定状態用の大当り演出表示を行う。図12(a)は、表示装置5における遊技者未特定状態用の大当り演出表示の一例を示している(画面5aの左側乃至中央領域)。一方、この判定が満たされている場合(ステップS950:Yes)、ステップS951において、遊技者特定パスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードより氏名データを取得し、ステップS952において、その取得した氏名データを用いて遊技者特定状態用の大当り演出表示を行う。図12(b)は、氏名データを用いた遊技者特定状態用の大当り演出表示の一例を示している(画面5aの左側乃至中央領域)。
【0120】
ここで、図12(a)の遊技者未特定状態用の大当り演出表示では、メッセージが、「大当り」となっており、大当り発生をメッセージ表示にて報知している。これに対し、図12(b)の遊技者特定状態用の大当り演出表示では、「ヤマダタロウさん大当り」(”ヤマダタロウ”は、遊技者特定パスワードから取得した氏名データ)となっており、大当り発生を示すメッセージ中に遊技者の氏名が組み込まれ、自分の氏名が表示装置5上に表示されることによって遊技者の注意をより一層引きつける演出内容となっている。
【0121】
次に、ステップS954において、図柄表示制御基板22に表示指令を送信することによりサービスポイント抽選用のルーレット変動表示の開始処理を行う。すなわち、画面5a右側の抽選演出領域5bに、円形状のルーレット5cを表示すると共に、ルーレット5cを6分割した扇形の第1領域5d、第2領域5e、第3領域5f、第4領域5g、第5領域5h、第6領域5iの各領域についてハイライト表示を所定時間毎に時計回りに順次移動させることにより、遊技者にあたかもルーレットが回転しているように見せる演出表示を行う。尚、図12(a)、(b)は第1領域5dがハイライト表示されている状態を示している。
【0122】
続いて、ステップS955において、ポイント数を決定するための内部乱数カウンタ38xに基づいて、ルーレットにおけるハイライト表示の停止位置(すなわち、第1領域5d乃至第6領域5iのいずれか)をRAM38に記憶する。例えば、内部乱数カウンタが、「0」乃至「119」の範囲で所定時間毎に値を更新するものである場合、内部乱数カウンタ38xの値を「6」で除した余りが「1」となる場合に第1領域5dを、余りが「2」となる場合に第2領域5eを、余りが「3」となる場合に第3領域5fを、余りが「4」となる場合に第4領域5gを、余りが「5」となる場合に第5領域5hを、余りが「0」となる場合に第6領域5iをそれぞれ停止位置として記憶する。続いて、ステップS956において、先に記憶した停止位置に基づいてルーレットの変動表示を停止し、停止位置でハイライト表示を点滅させることによって抽選結果が報知される。ここで、ステップS957において、停止位置がハズレ領域である第6領域5i以外か否かを判定する。停止位置がハズレ領域以外である場合(ステップS957:Yes)、ステップS958において、停止位置の第1領域5d乃至第5領域5iに対応づけられたポイント数をポイントバッファ38fへ記憶させ、リターンする。すなわち、停止位置が第1領域5dの場合は10ポイントを、第2領域5eの場合は20ポイントを、第3領域5fの場合は30ポイントを、第4領域5gの場合は40ポイントを、第5領域5hの場合は50ポイントを、それぞれポイントバッファ38fへ記憶させる。一方、停止位置がハズレ領域(第6領域5i)の場合は、そのままリターンする。尚、ルーレット表示が行われる表示装置5が本発明の抽選結果報知手段及び抽選演出手段を構成するものであり、ステップ
S954〜S958の処理が、本発明の抽選手段として機能するものである。
【0123】
次に、ステップS100において、ラウンドカウンタRをリセットする。ステップS110において入賞カウンタPをリセットするとともに、フラグFを「0」に設定する。続いて、図7のステップS120においてソレノイド15を励磁する。すると、シャッタ14が倒れ、大入賞口6の通路入口が開放される。この開放により、遊技球BのVゾーン11及び通路12,13への入賞が可能となる。ステップS130でラウンドカウンタRを「1」インクリメントする。
【0124】
次に、ステップS135において、ラウンドカウンタRの値に応じてラウンド演出画面表示処理を行う。詳しくは、図柄表示制御基板22において実行される図13(a)に示すラウンド演出画面表示処理において、まず、ステップS1330で、ラウンドカウンタRの値に対応するラウンド演出画面データを図柄表示制御基板22に搭載されたROMより取得し、ステップS1331において、その取得したラウンド演出画面データ及び当り目データに基づいて、ラウンド演出画面(図14、図15の表示例におけるカウント値及び下部メッセージを除く画面構成部分)の表示を行った後、特別電動役物制御ルーチンへリターンする。続いて、ステップS135で、カウンタ値及びメッセージの表示を行う。
【0125】
詳しくは、図13(b)におけるカウンタ値・メッセージ表示ルーチンにおいて、まず、ステップS1350で、カウンタPの値をラウンド演出画面上部の所定位置に表示する。次に、ステップS1351で遊技者特定フラグYFがONしているか否かを判定する。この判定が満たされていない場合(ステップS1351:No)、ステップS1353において、図柄表示制御基板22に搭載されたROM上に設けられたラウンド演出メッセージテーブル25の遊技者未特定状態用メッセージテーブル25a(図3参照)からラウンドカウンタRに対応する遊技者未特定状態用のメッセージを取得し、ステップS1354において、ラウンド演出画面の下部にその取得したメッセージを表示する。尚、ラウンド演出メッセージテーブル25は、遊技者未特定状態用メッセージテーブル25aと遊技者特定状態用メッセージテーブル25bとからなり、それぞれ、「第1ラウンド用メッセージ、第2ラウンド用メッセージ、第3ラウンド用メッセージ、・・・」のように、各ラウンドにおいて表示されるメッセージデータを格納するデータテーブルである。図14(a)は、遊技者未特定状態用のラウンド演出表示の一例(第1ラウンドの表示例)を示しており、図15(a)は、他の例(第3ラウンドの表示例)を示している。一方、この判定が満たされている場合(ステップS1351:Yes)、ステップS1352において、ラウンド演出メッセージテーブル25の遊技者特定状態用メッセージテーブル25bからラウンドカウンタRに対応する遊技者特定状態用のメッセージを取得し、ステップS1354において、ラウンド演出画面の下部にその取得したメッセージを表示する。図14(b)は、メッセージデータを用いた遊技者特定状態用のラウンド演出表示の一例(第1ラウンドの表示例)を示しており、図15(b)は他の一例(第3ラウンドの表示例)を示している。
【0126】
ここで、図14(a)の遊技者未特定状態用のラウンド演出表示(第1ラウンド)では、ラウンド数、カウント数、当り目等の表示、及びラウンド毎に予め設定された図柄が表示されると共に、「パスワードを送信してね!>>>受信した情報で各種グランプリに参加できるよ。」とのメッセージが表示されている。これに対し、図14(b)の遊技者特定状態用のラウンド演出表示(第1ラウンド)では、図14(a)と同様の図柄表示と共に、「大当り回数グランプリ&確変連続回数グランプリ開催中!>>>上位にランクインすると豪華賞品がもらえるよ。」とのメッセージが表示されている。また、図15(a)の遊技者未特定状態用のラウンド演出表示(第3ラウンド)ではラウンド数、カウント数、当り目等の表示、及びラウンド毎に予め設定された図柄が表示されると共に、「パスワードを送信してね!>>>受信した情報でポイントが貯まるよ。」とのメッセー
ジが表示されている。これに対し、図15(b)の遊技者特定状態用のラウンド演出表示では、図15(a)と同様の図柄表示と共に、「○○○ポイントでXXゲーム機○○○○ポイントで電動バイク・・・などなど景品は盛りだくさん。詳しくは当社ホームページを見てね。」とのメッセージが表示されている。
【0127】
このように、遊技者が特定されていない場合には、遊技者特定パスワードの送信を促すと共に、パスワードを送信してサービスポイントを受信することにより得られるメリットをメッセージにて報知する。一方、既に遊技者特定パスワードが送信されて遊技者が特定されている場合には、特定された遊技者に対する有益且つより具体的な情報をメッセージにて報知する。つまり、遊技者特定を行っているか否かで表示装置5における演出内容を変化させ、遊技者特定状況に応じてより効果的な演出を行うように構成されている。尚、遊技者特定パスワードが未入力で大当り遊技状態が発生した場合には、遊技者未特定状態用のメッセージ表示(図14(a)、図15(a))が行われるが、大当り遊技状態の最中(すなわち、ラウンド演出画面表示中)に遊技者特定パスワードが携帯電話機200か
ら送信されてパチンコ機1にて遊技者が特定された場合は、図13(b)のカウンタ値・メッセージ表示処理が特別電動役物制御ルーチン内で繰り返し呼び出されて実行される間に、ステップS1351の判定がNoからYesへと変わるため、遊技者未特定状態用のメッセージ表示(図14(a)、図15(a))から遊技者特定状態用のメッセージ表示(図14(b)、図15(b))へ、直ちにメッセージ表示の切り換えが行われる。よって、遊技者特定パスワードの入力が受け付けられたことを遊技者に認識させることができると共に、遊技者特定状態用のメッセージ表示が直ちに実行されることによって遊技意欲のさらなる向上を図ることができる。
【0128】
次に、ステップS140において、入賞カウンタPの値が所定値Pmax 以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS150において、大入賞口6の閉鎖予定時期がまだか否かを判定する。この判定条件が満たされていると(ステップS150:Yes)、ステップS140へ戻る。その結果、大入賞口6の開放開始後にPmax 個よりも多くの遊技球Bが入賞するか、閉鎖予定時期が到来するかしない限りは、大入賞口6が開放され続ける。これに対し、ステップS140,S150の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS160においてソレノイド15を消磁する。すると、シャッタ14が起こされ、大入賞口6の通路入口が閉鎖される。ステップS170において、ラウンドカウンタRの値が所定値Rmax 以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS180においてフラグFが「1」であ
るか否かを判定する。ステップS180の判定条件が満たされていると(ステップS180:Yes)、図6のステップS110へ戻る。従って、一旦大当り遊技状態が発生すると、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax 回入賞するまでは、大入賞口6が開閉のサイクルを繰返す。例えば、所定値Pmax が「10」に設定され、大入賞口6の開放時間が「約29.5」秒に設定され、所定値Rmax が「16」に設定されている場合には、大入賞口6の開放後、(1)遊技球Bが大入賞口6へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で大入賞口6が閉鎖される。この大入賞口6の開放・閉鎖のサイクルが、遊技球BのVゾーン11への入賞を条件に最大で16回繰返されることとなる。ステップS170,S180の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS190で「大当り信号OFF」を出力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS200において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS200:Yes)、ステップS210において確変大当り信号OFFを出力端子16C及び16cに出力する。続いて、ステップS220で確率変動処理を実行し、その後、特別電動役物制御ルーチンを終了する。
【0129】
図16の確率変動処理ルーチンでは、ステップS221において、大当り図柄が通常図柄(この場合偶数図柄)であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと(ステップS221:No)、すなわち、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると、ステップS227において確変カウンタCが「0」であるか否か(高確率モード中であるか否か)が判定され、確変カウンタCが「0」である(高確率モード中である)場合は(ステップS227:Yes)、ステップS228において、確変中信号ONを出力端子16A及び16aに出力する。続いて、ステップS229において高確率モードを設定し、確変カウンタCに「2」を設定する。ステップS229の処理を実行した後、確率変動処理ルーチンを終了する。このように、高確率中に特別図柄(奇数図柄)で大当り遊技状態が連続して発生した場合には、高確率モードが継続することとなる。一方、前記ステップS221の判定条件が満たされていると、すなわち、大当り図柄が通常図柄(偶数図柄)であると、ステップS222において確変カウンタCが「0」でないか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=0)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=2,1)とステップS223において確変カウンタCを「1」デクリメントする。ステップS224において確変カウンタCが「0」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=1)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=0)とステップS225において、確変中信号OFFを出力端子16A及び16aに出力し、ステップS226において、低確率モードを設定する。このように一旦高確率モードが設定されると、確変カウンタCが「0」となるまで、すなわち、高確率モード設定後、連続して偶数図柄で2回大当り遊技状態が発生するまでは高確率モードが継続する。そして、偶数図柄での大当り遊技状態が2回連続すると、高確率モードが終了し低確率モードに切替えられる。なお、本実施形態での処理手順は一例であり、適宜変更可能である。例えば、図柄変動処理(ステップS31)を停止図柄の記憶処理(ステップS33,S35,S36)の後に行うようにしてもよい。
【0130】
上述したように、本実施形態では、遊技球Bが第1種始動口4へ入賞したことが検出されると、各カウンタの値が取得されるとともに図柄列8乃至10が変動表示される。各カウンタの値に基づき停止図柄が記憶され、その停止図柄によって図柄変動が停止される。停止されたときに表示されている図柄の組合せが大当りの組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態が発生し、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax 回入賞するまで、大入賞口6の開閉のサイクルが繰返される。一方、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると高確率モードが設定され、次回と、その次の回の2回にわたり大当り遊技状態の発生確率が高められる。すなわち、一旦高確率モードが設定されると、次回以降2回の大当り遊技状態の発生確率が高められるが、その期間中に再び奇数図柄で大当り遊技状態が発生す
れば高確率モードが設定される。これに対し、前記期間経過後に通常図柄(偶数図柄)で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが終了する(低確率モードに切替えられる)。
【0131】
次に、通信制御基板30において実行される各処理の詳細説明に先立って、パチンコ機1における遊技の開始から携帯電話機200へのサービスポイント送信までの流れの概略について説明する。本実施の形態は、大当り発生の検出毎に抽選を行い、抽選結果に応じたポイント数を含むサービスポイントを赤外線発光部33より送信する構成としたものである。遊技者は、遊技ホールにおいてパチンコ機1の前方に設置された席に着くと、当該パチンコ機1における遊技を開始する前又は開始後に、自己が所持する携帯電話機200の赤外線発光部209より、遊技者特定パスワードを赤外線信号としてパチンコ機101の赤外線受光部34に対して送信する。パチンコ機1では、遊技者特定パスワードによって遊技者の特定が行われる。
【0132】
そして、大当りが発生する度に抽選が実行され、ポイントバッファ38fにポイント数が記憶される。その後、遊技者は遊技を終了する時に、携帯電話機200より送信要求信号を赤外線信号としてパチンコ機1に送信すると、パチンコ機1に記憶された遊技者特定パスワードと受信した遊技者特定パスワードとが一致することを条件に、パチンコ機1の赤外線発光部33からポイント数データを含むサービスポイントが送信され、携帯電話機200によって受信及び記憶される。携帯電話機200において受信したサービスポイントは、賞品の獲得等のために使用することができる。
【0133】
次に、通信制御基板30において実行される情報通信処理について、図17〜図18に示す情報通信処理メインルーチンのフローチャートを参照しつつ説明する。本ルーチンは、ROM37に記憶されており、CPU36がROM37より所定周期で繰り返し当該ルーチンを読み出して実行する。
【0134】
尚、後述する遊技者特定フラグYFは、遊技者が遊技を中止したとき、すなわち、出力端子16dより出力される発射スイッチ信号がONからOFFになったことを検出したときにOFFされ、情報通信処理において遊技者特定パスワードを受信して遊技者が特定されたときにONされるフラグである。また、携帯電話機200からの遊技者特定パスワード又は送信要求信号の送信は、携帯電話機200において上述したサービスポイント受信用プログラムを起動した状態でボタン204を操作することにより行われるものとする。
【0135】
最初に、ステップS2400において、ポイント数データがポイントバッファ38f又はポイント蓄積領域38gに記憶されているか否かを判定する。ここで、ポイントバッファ38fは、今回の大当り発生に基づく抽選によって獲得されたポイント数データを記憶するバッファである。一方、ポイント蓄積領域38gは、大当り遊技終了後のサービスポイント送信タイム中にポイントバッファ38fに記憶されたポイント数データに基づくサービスポイントの送信が行われなかった場合に、ポイント数データを蓄積記憶するための記憶領域である。ポイント数データが記憶されていない場合は(ステップS2400:No)、ステップS2401において、赤外線受光部34によって遊技者特定パスワードが受信されたか否かを判定する。遊技者特定パスワードが受信されなかった場合は(ステップS2401:No)、本ルーチンを終了する。
【0136】
遊技者特定パスワードが受信された場合は(ステップS2401:Yes)、ステップS2402において、図19に示す遊技者特定処理ルーチンを実行する。以下、図19を参照しつつ、遊技者特定処理ルーチンの処理内容について説明する。遊技者特定処理ルーチンでは、最初に、ステップS24000において、受信した遊技者特定パスワードとパスワード記憶領域38cに記憶されたパスワードとが一致するか否かを判定する。そして、両パスワードが一致する場合は(ステップS24000:Yes)、ステップS24005において、遊技者特定フラグYFをONし、ステップS24006において、遊技者が特定されたことを表示装置5におけるメッセージ表示により遊技者に報知した後、本ルーチンの処理を終了する。受信したパスワードとパスワード記憶領域38cに記憶されたパスワードとが一致しない場合は(ステップS24000:No)、ステップS24001において、ポイント蓄積領域38gに蓄積記憶されたポイント数データを消去する。
【0137】
すなわち、直前に遊技を行った遊技者がサービスポイントの受信を行わずに遊技を終了した場合、ポイント蓄積領域38gにポイント数データが蓄積されたままの状態となる。このような状態で、当該パチンコ機1において新しい遊技者が遊技者特定パスワードを送信すると、パスワード記憶領域38cに記憶されたパスワードと一致しないので、ステップS24001において、前の遊技者によってポイント蓄積領域38gに蓄積記憶されたポイント数データの消去が行われる。これにより、後の遊技者は、前の遊技者における遊技によってポイント蓄積領域38gに蓄積されたポイント数データに基づくサービスポイントの受信を行うことができないため、サービスポイントの不正受信を防止することができる。一方、ポイントバッファ38fの記憶内容は消去されないので、今回の大当り発生に伴って算出されたポイント数データに基づくサービスポイントの受信を確実に行うことができる。
【0138】
続いて、ステップS24002において、ポイント数データがポイントバッファ38fに記憶されているか否かを判定し、記憶されていない場合は(ステップS24002:No)、ステップS24003において、報知ランプ31を消灯する。次に、ステップS24004において、受信したパスワードを遊技者特定パスワード記憶領域38cに記憶する。続いて、ステップS24005において、遊技者特定フラグYFをONし、ステップS24006において、遊技者が特定されたことを表示装置5へのメッセージ表示を行うことにより遊技者に報知し、本ルーチンの処理を終了してメインルーチンへリターンする。このとき、受信した遊技者特定パスワード中に含まれる遊技者の氏名を表す文字列を読み出して、例えば、「ヤマダタロウ様が遊技者として特定されました。」のように遊技者の氏名やニックネーム等を表す文字列を含むメッセージを表示する(図26(a)参照)。これにより、遊技者は、自分が遊技者として特定されたことを表示装置5によるメッセージ表示を見ることにより確認することができる。
【0139】
情報通信処理メインルーチンにおいて、ポイント数データがポイントバッファ38f又はポイント蓄積領域38gに記憶されている場合は(ステップS2400:Yes)、ステップS2403において、報知ランプが点灯される。これにより、遊技者は、パチンコ機102にポイント数データが記憶され、携帯電話機200によってサービスポイントの受信が可能であることを知ることができる。次に、ステップS2404において、赤外線受光部34によって送信要求信号及び遊技者特定パスワードが受信されたか否かを判定する。送信要求信号及び遊技者特定パスワードが受信されなかった場合は(ステップS2404:No)、ステップS2401以降を実行する。
【0140】
送信要求信号及び遊技者特定パスワードが受信された場合(ステップS2404:Yes)、ステップS2405において、送信要求信号と共に受信した遊技者特定パスワードとパスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードとが一致するか否かを判定する。送信要求信号と共に受信した遊技者特定パスワードとパスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードとが一致しない場合は(ステップS2405:No)、ステップS2417において、遊技者特定パスワードの送信を促すメッセージを表示装置5に表示し、本ルーチンの処理を終了する。遊技者特定パスワードの送信を促すメッセージは、例えば、図26(b)に示す通り、「パスワードを送信して遊技者の特定を行ってください。」のように表示される。従って、ポイント数データが記憶されている状態で送信要求が行われた場合であっても、送信要求信号と共に受信した遊技者特定パスワードがパスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードと一致しない場合には、サービスポイントの送信は行われない。このため、サービスポイントの受信前に特定された遊技者以外の者によってサービスポイントが不正に受信されることを防止することができる。
【0141】
送信要求信号と共に受信した遊技者特定パスワードとパスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードとが一致する場合は(ステップS2405:Yes)、ステップS2406において遊技者特定フラグYFがONされているか否かを判定し、ONされていない場合は(ステップS2406:No)、ステップS2407において、遊技者特定フラグYFをONし、ステップS2408において、遊技者が特定されたことを表示装置5へのメッセージ表示を行うことにより遊技者に報知する。このとき、上述した遊技者特定処理ルーチンと同様に、受信した遊技者特定パスワード中に含まれる遊技者の氏名を表す文字列を読み出して、遊技者の氏名やニックネーム等を表す文字列をメッセージ中に表示する(図26(a)参照)。
【0142】
続いて、ステップS2409において、コネクト信号を送信し、ステップS2450において、携帯電話機200からリターン信号を受信する。これにより、通信制御基板30と携帯電話機200との間で、赤外線通信が可能な状態となる。続いて、ステップS2411において、報知ランプ32の点滅を開始する。そして、ステップS2412において、ポイント蓄積領域38gに記憶されたポイント数データを含むサービスポイントの作成及び送信処理を行う。続いて、ステップS2413において、ポイントバッファ38fに記憶されたポイント数データを含むサービスポイントの作成及び送信処理を行う。ここで、ステップS2412及びS2413におけるサービスポイントの作成及び送信処理は、図20に示すサービスポイント作成・送信処理ルーチンを呼び出して実行することにより行われる。
【0143】
ここで、図20を参照しつつ、サービスポイント作成・送信処理ルーチンの処理内容について説明する。尚、図20のフローチャートでは、ステップS2413(ポイントバッファ38fに基づくサービスポイントの作成及び送信)がステップS2412(ポイント蓄積領域38gに基づくサービスポイントの作成及び送信)と異なる部分については、ステップS2413における内容を括弧書きにて示す。
【0144】
サービスポイント作成・送信処理ルーチンでは、ステップS2471において、ポインタBPにポイントバッファ38f(ステップS2413ではポイントバッファ38f)の先頭アドレスを設定する。次に、ステップS2472において、ポイント蓄積領域38g(ポイントバッファ38f)に記憶されたすべてのポイント数データについてサービスポイントの作成及び送信が終了したか否かを判定し、終了した場合は(ステップS2472:Yes)、メインルーチンへリターンする。従って、ポイントバッファ38f又はポイント蓄積領域38gにポイント数データが記憶されていない場合は、ステップS2473以降に示す送信処理を行うことなくリターンする。
【0145】
サービスポイントの送信が終了していないポイント数データがある場合は(ステップS2472:No)、ステップS2473において、当該パチンコ機102を他と識別する遊技機識別情報としての遊技機IDが、RAM38上の送信バッファ38dの1番目の格納領域に格納される。ここで、図23(a)は、ポイント数データを含むサービスポイント送信用の送信バッファ38dのフォーマットを、同図(b)はサービスポイントの格納例をそれぞれ示している。続いて、ステップS474において、不揮発性メモリ39よりサービスポイントカウンタ39bの値を読み出して送信バッファ38dの2番目の領域に格納する。更に、ステップS475において、ポイント蓄積領域38g(ポイントバッファ38f)におけるポインタBPが示すアドレスより、本発明の送信情報としてのポイント数データを読み出して、送信バッファ38dの3番目の領域に格納する。つまり、サービスポイントは、”遊技機ID+サービスポイントカウンタ値+ポイント数データ”というデータ構造を有する。尚、遊技機ID及びサービスポイントカウンタ値が、各サービスポイントを個々に識別するための識別情報に相当するものである。
【0146】
そして、ステップS2476において、送信バッファ38dに格納されたサービスポイントを赤外線発光部33より赤外線信号として送信する。続いて、ステップS2477において、赤外線受光部34にて携帯電話機200より確認信号を受信し、ステップS2478において、不揮発性メモリ39のサービスポイントカウンタの値をカウントアップするとともに、ステップS2479において、ポインタBPの値を更新してステップS2472に戻る。従って、すべてのポイント数データについてサービスポイントの送信処理が終了してリターンするまで(ステップS2472:Yes)、ステップS2473〜S2479の処理を繰り返す。
【0147】
一方、赤外線発光部33からサービスポイントが送信されている間、携帯電話機200の液晶パネル206には、図27(a)に示すように、「サービスポイントを受信しています」とのメッセージが表示される。尚、上記説明より明らかなように、ポイントバッファ38f又はポイント蓄積領域38gに複数のポイント数データが蓄積記憶されている場合は、複数のサービスポイントが連続して送信されるため、一回の受信操作で複数のサービスポイントを一括して受信することができる。尚、サービスポイントカウンタ39bの値が、本発明の「特定の遊技状態の発生毎に設定される固有情報」に相当するものである。
【0148】
情報通信処理メインルーチン(図18)にリターンすると、ステップS2414において、送信終了信号を送信する。一方、携帯電話機200においてパチンコ機1から送信終了信号を受信すると、携帯電話機200の液晶パネル206には、図27(b)に示すように、「サービスポイントの受信が完了しました」とのメッセージが表示され、サービスポイント受信プログラムの実行を終了する。続いて、ステップS2415において、報知ランプ31を消灯し、ステップS2416において、ポイントバッファ38f、ポイント蓄積領域38g及び送信バッファ38dの記憶内容を消去して、本ルーチンの処理を終了する。
【0149】
上述した情報通信処理メインルーチンにおいて送信されたサービスポイントは、携帯電話機200によって受信されると、遊技機ID、サービスポイントカウンタ値及びポイント数データが、携帯電話機200に内蔵されたメモリ220に順次、蓄積記憶される。尚、図28は、携帯電話機200のメモリ220におけるサービスポイントの記憶例を示すものである。
【0150】
ここで、携帯電話機200に記憶されたサービスポイントは、個々のサービスポイントを識別可能に表している。すなわち、遊技機IDによって、全国の遊技店に設置された多数の遊技機の中で、どの遊技機によって付与されたサービスポイントであるかが識別される。さらに、サービスポイントカウンタ値によって、当該パチンコ機1において何回目に出力されたサービスポイントであるかが識別される。上述したように、サービスポイントカウンタ値はサービスポイントの送信毎にカウントアップされるので、同一の値が存在することはない。従って、”遊技機ID+サービスポイントカウンタ値”のデータの並びはそれぞれ固有のものであって、同じデータが2つ存在することがないため、各遊技機における個々のサービスポイントを確実に識別することができる。
【0151】
次に、通信制御基板30における大当り遊技終了後の処理について、図21〜図22に示す大当り遊技終了後処理ルーチンのフローチャートを参照しつつ説明する。尚、大当り遊技終了後処理ルーチンは、ROM37に記憶されており、大当り遊技状態の終了直後にCPU36がROM37より本ルーチンを読み出して実行する。最初に、ステップS2500において、ポイント数データがポイントバッファ38f又はポイント蓄積領域38gに記憶されているか否かを判定する。ポイント数データが記憶されていない場合は(S2500:No)、本ルーチンを終了する。ポイント数データが記憶されている場合は(S2500:Yes)、ステップS2501において、遊技者特定フラグがONであるか否かを判定する。
【0152】
遊技者特定フラグがONである場合は(ステップS2501:Yes)、ステップS2502において、サービスポイントの送信が可能な状態である旨を報知すると共にサービスポイントの受信を促すメッセージを表示装置5に表示する。例えば、図26(c)に示すように、「サービスポイントの送信が可能です。送信要求を行って、サービスポイントを受信してください。受信しない場合は、そのまま蓄積されます。」とのメッセージを表示する。続いて、ステップS2503において、サービスポイントの送信が完了したか否かを判定する。サービスポイントの送信が完了している場合は(ステップS2503:Yes)、本ルーチンを終了する。サービスポイントの送信が完了していない場合は(ステップS2503:No)、ステップS2504において、サービスポイント送信タイムが終了したか否か(サービスポイント送信タイムが開始してから所定時間が経過したか否か)を判定する。サービスポイント送信タイムが終了していない場合は(ステップS2504:No)、ステップS2503へ戻る。サービスポイント送信タイムが終了した場合は(ステップS2504:Yes)、ステップS2505において、ポイントバッファ38fの記憶内容を、ポイント蓄積領域38gのポインタCPが示す領域へ蓄積すると共にポインタCPを更新し、本ルーチンを終了する。
【0153】
ここで、ポイントバッファ38f及びポイント蓄積領域38gへのポイント数データの記憶例について、図55を参照しつつ説明する。まず、1回目の大当り発生後の抽選でハイライト表示がルーレット5c上の第5領域5hに停止した場合、ポイント数データ”50”がポイントバッファ38fへ記憶される(図24(a)右側参照)。その後、大当り遊技終了後のサービスポイント送信タイム中にサービスポイントの送信が行われなかった場合(ステップS2504:Yes)、ポイントバッファ38fの内容がポイント蓄積領域38gのポインタCPが示す領域へ蓄積記憶され(図24(a)左側参照)、ポインタCPが更新される(ステップS2505)。
【0154】
次に、2回目の大当り発生後の抽選でハイライト表示がルーレット5c上の第4領域5gに停止した場合、ポイント数データ”40”がポイントバッファ38fへ記憶される(図24(b)右側参照)。その後、大当り遊技終了後のサービスポイント送信タイム中にサービスポイントの送信が行われなかった場合(ステップS2504:Yes)、ポイントバッファ38fの内容がポイント蓄積領域38gのポインタCPが示す領域へ蓄積記憶され(図24(b)左側参照)、ポインタCPが更新される(ステップS2505)。
【0155】
ステップS2501において遊技者特定フラグYFがOFFである場合は(ステップS2501:No)、ステップS2506において、パスワード記憶領域38cに遊技者特定パスワードが記憶されているか否かを判定する。尚、遊技者特定フラグがOFFであり且つパスワード記憶領域38cに遊技者特定パスワードが記憶されている場合とは、遊技者を特定して遊技を行った後に遊技を中止し、再び同一の遊技者が遊技を再開した場合や、遊技者を特定して遊技を行った後に遊技を終了し、その後、別の遊技者が遊技を開始した場合等である。遊技者特定パスワードが記憶されている場合は(ステップS2506:Yes)、ステップS2507において、遊技者特定パスワードより遊技者氏名の文字列(例えば、”ヤマダタロウ”)を読み出し、ステップS2508において、現在特定されている遊技者の氏名を確認するためのメッセージを表示装置5に表示する。メッセージは、例えば、「現在の遊技者はヤマダタロウ様です。よろしいですか?はい/いいえ」のように表示される(図26(d)参照)。そして、遊技者は自分の氏名が表示されている場合は、”はい”を、他人の氏名が表示されている場合は、”いいえ”を、第1赤外線センサ32a(”はい”の場合)又は第2赤外線センサ32b(”いいえ”の場合)に手をかざすことにより選択する。
【0156】
ここで、第1赤外線センサ32aによって遊技者の手がかざされたことが検知されると、ステップS2509において、”はい”が入力されたと判断され、ステップS2510において、遊技者特定フラグYFがONされた後、ステップS2502へ移行する。一方、第2赤外線センサ32bによって遊技者の手がかざされたことが検知された場合又は所定時間内にいずれの赤外線センサによっても手がかざされたことが検知されなかった場合は、ステップS2509において、”いいえ”が入力されたと判断され、ステップS2511においてパスワード記憶領域38cの内容を消去した後、後述するステップS2512へ移行する。
【0157】
ステップS2506において、パスワード記憶領域38cに遊技者特定パスワードが記憶されていないと判定された場合(ステップS2506:No)、ステップS2512において、遊技者が未特定である旨を報知すると共に遊技者の特定を行うか否かの選択メッセージを表示装置5に表示する。メッセージは、例えば、「現在、遊技者は特定されていません。遊技者の特定を行いますか?はい/いいえ」のように表示される(図26(e)参照)。そして、遊技者は、遊技者の特定を希望する場合は、”はい”を、希望しない場合は、”いいえ”を、第1赤外線センサ32a(”はい”の場合)又は第2赤外線センサ32b(”いいえ”の場合)に手をかざすことにより選択する。
【0158】
ここで、第1赤外線センサ32aによって遊技者の手がかざされたことが検知されると、ステップS2513において、”はい”が入力されたと判断され、ステップS2514において、遊技者特定タイムが形成され、遊技者特定タイム中である旨を報知すると共に遊技者特定パスワードの送信を促すメッセージを表示装置5に表示する。メッセージは、例えば、「<遊技者特定タイム>パスワードを送信して遊技者の特定を行ってください。」のように表示される(図26(f)参照)。一方、第2赤外線センサ32bによって遊技者の手がかざされたことが検知された場合又は所定時間内にいずれの赤外線センサによっても手がかざされたことが検知されなかった場合は、ステップS2513において、”いいえ”が入力されたと判断され、後述するステップS2517へ移行する。従って、遊技者の特定を希望しない場合は遊技者特定タイムへ移行することなく直ちに通常の遊技状態へ戻ることができ、遊技者の特定を希望する場合には確実に遊技者特定タイムへ移行して遊技者特定パスワードの送信を行うための時間が確保される。
【0159】
そして、ステップS2515において、遊技者特定フラグYFがONされたか否かが判定され、遊技者特定フラグYFがONされた場合は(ステップS2515:Yes)、ステップS2502へ移行する。尚、遊技者特定タイム中に携帯電話機200から遊技者特定パスワードが送信されることにより、所定時間間隔で呼び出される図17〜図18の情報通信処理メインルーチン内において遊技者特定処理(図19)が実行された場合に、遊技者特定フラグYFがONされる。遊技者特定フラグYFがONされていない場合は(ステップS2515:No)、ステップS2516において、遊技者特定タイムが終了したか否か(すなわち、ステップS2514で遊技者特定タイムが開始してから所定時間が経過したか否か)が判定される。遊技者特定タイムが終了していない場合は(ステップS2
516:No)、ステップS2515へ戻り、遊技者特定タイムが終了した場合は(ステップS2516:Yes)、ステップS2517において、ポイントバッファ38f及びポイント蓄積領域38gの記憶内容を消去し、ステップS2518において、ポイント数データが消去された旨のメッセージを表示装置5に表示する。例えば、「ポイント数データが消去されました。」のようにメッセージ表示を行う(図26(g)参照)。そして、ステップS2519において、報知ランプ31を消灯した後、本ルーチンの処理を終了する。
【0160】
次に、通信制御基板30において実行される遊技終了処理について、図25に示す遊技終了処理ルーチンのフローチャートを参照しつつ説明する。本ルーチンは、ROM37に記憶されており、CPU36がROM37より所定時間間隔で当該ルーチンを読み出して実行する。最初に、ステップS2600において、終了ボタン41が押下されたか否かを判定する。尚、終了ボタン41の押下は、当該遊技者による遊技終了の意思表示としての遊技終了操作である。終了ボタン41が押下されなかった場合は(ステップS2600:No)、本ルーチンの処理を終了する。
【0161】
終了ボタン41が押下された場合、すなわち、遊技者によって遊技終了操作が行われた場合は(S2600:Yes)、ステップS2601において、ポイント数データがポイントバッファ38f又はポイント蓄積領域38gに記憶されているか否かを判定する。ポイント数データが記憶されていない場合は(ステップS2601:No)、本ルーチンの処理を終了する。
【0162】
ポイント数データが記憶されている場合、すなわち、未送信のポイント数データが残存している場合は(ステップS2601:Yes)、ステップS2602において、ポイント数データの消去を行うことを表示装置5におけるメッセージ表示により予告的に報知する。例えば、図26(h)に示すように、「ポイント数データを消去します。よろしいですか?はい/いいえ」と表示される。そして、ステップS2603において、第1赤外線センサ32aに手がかざされたことが検出された場合又はいずれの赤外線センサによっても手のかざしが検出されなかった場合は、「はい」が入力されたと認識して、ステップS2604において、ポイントバッファ38f又はポイント蓄積領域38gの記憶内容(すなわち、ポイント数データ)の消去、及び遊技者特定パスワード記憶領域38cの記憶内容(すなわち、遊技者特定パスワード)の消去を実行する。続いて、ステップS2605において、ポイント数データが消去された旨のメッセージを表示装置5に表示する。例えば、「ポイント数データが消去されました。」のようにメッセージ表示を行う(図26(g)参照)。そして、ステップS2606において、報知ランプ31を消灯した後、本ルーチンの処理を終了する。
【0163】
一方、ステップS2603において、第2赤外線センサ32bに手がかざされたことが検出された場合は、「いいえ」が入力されたと認識して、ポイント数データの消去を実行することなく、ステップS2607において、図26(c)に示すように、表示装置5に「サービスポイントの送信が可能です。送信要求を行ってサービスポイントを受信してください。受信しない場合はそのまま蓄積されます。」とのメッセージを表示し、ステップS2600へ戻る。よって、遊技者は、サービスポイントの受信を行わずに終了ボタン41を押下してしまった場合であっても、携帯電話機200から送信要求を送信することにより、サービスポイントを受信することができる。
【0164】
以上詳述したことから明らかなように、本実施の形態によれば、大当り遊技状態(特定の遊技状態)の発生が検出されると、ステップS954〜S958(抽選手段)においてポイント数を決定するための抽選(情報出力に関する抽選)が行われ、赤外線発光部33(情報出力手段)がポイント数に応じた価値を有するサービスポイント(遊技者に提供するための情報)を赤外線信号として送信するので、遊技者は携帯電話機200を用いて赤外線信号を受信することにより、サービスポイントを取得することができる。よって、情報の獲得に対する遊技者の期待感を増大させて遊技意欲をより一層向上させることができる。そして、サービスポイントはポイント数に応じた価値を有しているため、携帯電話機200より遊技ホールや遊技機メーカ等にサービスポイントを送ることによって、遊技者がポイント数に応じた賞品を獲得したり、サービスの提供を受けること等が実現でき、遊技者における遊技意欲を向上させて、他の遊技ホール又は他の遊技機メーカとの差別化、集客、遊技時間の拡大等を図ることが可能となる。
【0165】
また、遊技者が遊技中に注視する表示装置5によって抽選の実行が演出されるので、遊技者の抽選結果に対する期待感を確実に増大させることができる。また、既存の表示装置5を利用して抽選の実行が演出されるので、抽選演出用の表示装置を別途設ける必要が無く、コストの増加を抑えることができる。
【0166】
また、大当り遊技状態の発生に基づく抽選の開始から所定時間経過したタイミングで抽選結果を決定することにより、遊技者による入力操作等を必要とすることなく自動的に抽選の実行及び抽選結果の決定が実行され、円滑に遊技を進行させることができる。
【0167】
さらに、メイン基板とは別個に設けられ且つメイン基板からの出力専用の通信線によって接続されたサブ基板である通信制御基板30にて抽選手段が実現されているので、パチンコ機1の主制御に対する不正が行われることを確実に防止することができる。また、遊技盤7を交換する場合に通信制御基板30上に設けられた抽選手段を再利用することが可能である点で利便性が高い。
【0168】
次に、第一の実施の形態の変形例について、図29乃至図30を参照しつつ説明する。前記各実施の形態では、サービスポイントをそれぞれ固有の値とするためにサービスポイントカウンタ値を用いる構成としたが、これには限られない。要するに、特定の遊技状態の発生を個々に識別可能に表すサービスポイントを作成し、携帯通信端末によって受信可能な信号として送信する構成とすればよいのである。例えば、通信制御基板30に時計を内蔵させ、個々の遊技状態の発生時点を表す時点データを、サービスポイントの構成要素として用いる構成としてもよい。図29は、本変形例において、ポイントバッファ38fにおけるポイント数データ及び時点データの記憶例を、図30は携帯電話機200によって受信されたサービスポイントの記憶例を示す図である。この変形例によれば、遊技状態の発生時点を表す時点データによって、重複が生じない固有情報を簡単且つ確実に作成することができる。さらに、時点データを用いることにより、どのようなタイミングで各特定の遊技状態が発生したかを、受信したサービスポイントに基づいて解析することができる。尚、本変形例において、遊技機ID及び時点データが、各サービスポイントを個々に識別するための識別情報に相当するものである。
【0169】
次に、本発明の第二の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施の形態では、大当り遊技状態の発生毎に抽選を行い、抽選結果に基づいてポイント数を決定すると共に、各ポイント数を積算して累積ポイント数を算出し、赤外線発光部33より累積ポイント数に応じた価値を有するサービスポイントを送信する構成としたものである。尚、上述した第一の実施の形態と共通する構成については同一の符号を付し、それらについての詳細な説明を省略する。また、図2、図4乃至図10、図12乃至図16は第一の実施の形態と共に本実施の形態の内容をも表すものとする。
【0170】
本実施の形態におけるパチンコ機101では、図31の正面図及び図32の通信制御基板のブロック図に示すように、遊技球Bを発射するための発射ハンドル17において、遊技者の手で把持される外周部分に指紋センサ42が設けられている。指紋センサ42は、CPU36に接続されており、発射ハンドル17において検出した指紋データがCPU36に伝送される。また、CPU36に伝送された指紋データは、RAM38の指紋データ記憶領域38iに記憶されるとともに、今回検出された指紋データと、指紋データ記憶領域38iに記憶された前回の指紋データとが比較照合される。両指紋データが一致する場合には、同一遊技者が遊技を継続していると判定され、一致しない場合には、遊技者の交替があったと判定される。
【0171】
本実施の形態のRAM38には、図32に示すように、第一の実施形態と同様に遊技者特定パスワード記憶領域38c、送信バッファ38d及び内部乱数カウンタ38xが設けられると共に、ポイントバッファ38f及びポイント蓄積領域38gに代えて、出力情報記憶手段としての累積ポイント記憶領域38hが設けられている。累積ポイント記憶領域38hは、抽選によってポイント数が決定される度に、各ポイント数が順次積算されて算出される累積ポイント数RPを記憶する領域である。さらに、RAM38には、指紋センサ42によって検出された指紋データを記憶する指紋データ記憶領域38iが設けられている。尚、累積ポイント記憶領域38hが本発明の出力情報記憶手段を構成するものである。
【0172】
本実施形態では、図6の特別電動役物制御ルーチンのステップS95において、図11の大当り演出/抽選表示処理ルーチンに代えて、図33の大当り演出/抽選表示処理ルーチンが呼び出されて実行される。図33に示す大当り演出/抽選表示処理ルーチンのステップS950〜S957の処理内容は、図11のフローチャートと同様であるので、これらについての説明を省略する。停止位置がハズレ領域以外である場合(ステップS957:Yes)、ステップS958’において、停止位置の第1領域5d乃至第5領域5iに対応づけられたポイント数を累積ポイント記憶領域38hの累積ポイント数RPに加算し、リターンする。すなわち、停止位置が第1領域5dの場合は10ポイントを、第2領域5eの場合は20ポイントを、第3領域5fの場合は30ポイントを、第4領域5gの場合は40ポイントを、第5領域5hの場合は50ポイントを、それぞれ累積ポイ
ント記憶領域38hの累積ポイント数RPへ累積加算する。尚、ステップS954〜S958’のステップが本発明の抽選手段として機能するものである。
【0173】
次に、通信制御基板30において実行される各処理の詳細説明に先立って、パチンコ機101における遊技の開始から携帯電話機200へのサービスポイント送信までの流れの概略について説明する。本実施の形態は、大当り発生の検出毎に抽選を行ってポイント数を決定すると共に、各ポイント数を積算して累積ポイント数を算出し、赤外線発光部33より累積ポイント数に応じた価値を有するサービスポイントを送信する構成としたものである。遊技者は、遊技ホールにおいてパチンコ機101の前方に設置された席に着くと、当該パチンコ機101における遊技を開始する前に、自己が所持する携帯電話機200の赤外線発光部209より、”機種ID+遊技者特定パスワード+開始データ”を赤外線信号としてパチンコ機101の赤外線受光部34に対して送信する。ここで、機種IDとは、パチンコ機101の機種を識別するための識別情報である。また、開始データは、携帯電話機200におけるポイント数残高である。パチンコ機101では、受信した機種IDによって機種の確認が、遊技者特定パスワードによって遊技者の特定がそれぞれ行われると共に、受信した開始データが現在の累積ポイント数として設定される。
【0174】
ここで、当該機種のパチンコ機で初めて遊技を行う場合、機種IDとしては所定のダミーIDが、開始データとしては”0”が携帯電話機200から送信される。一方、同一機種での2回目以降の遊技の場合、機種IDは当該パチンコ機101の機種IDであり、開始データは当該機種におけるポイント数残高となっている。そして、初めて遊技する場合は開始データが0であるので、表示装置5における演出が最初のストーリーから開始されるのに対し、2回目以降に遊技をする場合は、受信された開始データが現在の累積ポイント数として設定されることにより、パチンコ機101における遊技の進行状況が携帯電話機200におけるポイント数残高に基づいて設定される。
【0175】
そして、大当りが発生する度に抽選が実行され、抽選結果に基づいて決定されたポイント数が累積ポイント記憶領域38hの累積ポイント数RPに加算される。その後、遊技者は遊技を終了する時に、携帯電話機200より”送信要求信号+遊技者特定パスワード”を赤外線信号としてパチンコ機101に送信すると、パチンコ機101に記憶された遊技者特定パスワードと受信した遊技者特定パスワードとが一致することを条件に、パチンコ機101の赤外線発光部33から累積ポイント数データを含むサービスポイントが送信され、携帯電話機200によって受信及び記憶される。携帯電話機200において受信したサービスポイントは、賞品の獲得等のために使用することができ、ポイント数残高を次回遊技の開始時に開始データとしてパチンコ機101に送信することができる。
【0176】
図34のグラフは、累積ポイント数RPの推移例であり、累積ポイント数RP=100で遊技を開始し、大当り発生に伴う抽選によって、時間t1で10ポイント、時間t2で30ポイント、時間t3で40ポイントがそれぞれ累積加算され、時間t4で遊技終了をした時に累積ポイント数RP=180となった例を示している。
【0177】
次に、通信制御基板30において実行される情報通信処理について、図35〜図36に示す情報通信処理メインルーチンのフローチャートを参照しつつ説明する。尚、本ルーチンは、図17乃至図18に示す第一の実施の形態におけるルーチンに代えてROM37に記憶されており、CPU36がROM37より所定周期で繰り返し当該ルーチンを読み出して実行する。
【0178】
尚、携帯電話機200からの開始データ、遊技者特定パスワード、送信要求信号等の送信は、携帯電話機200において上述したサービスポイント受信用プログラムを起動した状態でボタン204を操作することにより行われるものとする。例えば、開始データ送信の際には、図37に示すように、パチンコ機の機種名及びサービスポイント残高を液晶パネル206に表示させ、ボタン204を操作して選択することにより、選択された機種の機種ID、遊技者特定パスワード及び開始データとしてのサービスポイント残高がメモリ220から読み出されて赤外線発光部209より赤外線信号として送信される。
【0179】
図35乃至図36のフローチャートで、最初に、ステップS3400において、赤外線受光部34によって”機種ID+遊技者特定パスワード+開始データ”が受信されたか否かを判定する。”機種ID+遊技者特定パスワード+開始データ”が受信された場合は(ステップS3400:Yes)、ステップS3401において、受信した機種IDが、ROM37に記憶される当該パチンコ機101の機種IDと一致するか否かを判定する。受信した機種IDが当該パチンコ機101の機種IDと一致する場合は(ステップS3401:Yes)、ステップS3402において、受信した開始データの値を累積ポイント記憶領域38hの累積ポイント数RPへ書き込む。ここで、開始データは、携帯電話機200のメモリ220に記憶されたサービスポイントのポイント数残高であるので、ステップS3402の処理により、パチンコ機101における累積ポイント記憶領域38のhの累積ポイント数RPには、携帯電話機200に記憶されたサービスポイントポイント数残高が設定される。
【0180】
受信した機種IDが当該パチンコ機101の機種IDと一致しない場合は(ステップS3401:No)、ステップS3403において、受信した機種IDが所定のダミーIDと一致するか否かを判定する。受信した機種IDが所定のダミーIDと一致する場合は(ステップS3403:Yes)、ステップS3404において、数値”0”を累積ポイント記憶領域38hの累積ポイント数RPへ書き込む。ここで、ダミーIDが送信されるのは当該機種において初めて遊技をする場合であるので、累積ポイント数RPに”0”が設定されることにより、パチンコ機101において新規に遊技を開始する遊技進行状況となる。
【0181】
また、受信した機種IDが当該パチンコ機101の機種ID及び所定のダミーIDのいずれとも一致しない場合は(ステップS3403:No)、ステップS3405において、図38(a)に示すように、「機種IDが一致しません。機種を確認して下さい。」とのメッセージを表示装置5に表示した後、本ルーチンの処理を終了する。
【0182】
ステップS3402又はステップS3404において累積ポイント数RPに開始データが設定された後、ステップS3406において、受信した遊技者特定パスワードをパスワード記憶領域38cに記憶すると共に、遊技者特定フラグYFをONする。続いて、ステップS3407において、図38(b)に示すように、「ヤマダタロウ様が遊技者として特定されました。現在のポイント数残高は○○○ポイントです。」とのメッセージを表示装置5に表示する。さらに、ステップS3408において、累積ポイント数RPの値が図柄表示制御基板22へ送信され、本ルーチンの処理を終了する。
【0183】
一方、表示装置5では、図柄表示制御基板22によって制御されることにより、累積ポイント数の値に対応するストーリー画面による演出表示が行われる。例えば、図39に示すように、累積ポイント数が100ポイント増加する毎に図柄表示制御基板22へ制御指令が送信されることにより、ストーリー1(100ポイント)、ストーリー2)(200ポイント)、ストーリー3)(300ポイント)、ストーリー4(400ポイント)・・・のようにストーリー展開の演出が実行される。尚、図39では、前回の遊技でストーリー1)からストーリー2)の途中まで遊技した後、サービスポイントを携帯電話機200にて受信し、今回の遊技開始時に、携帯電話機200のメモリ220に記憶されたサービスポイントのポイント数残高を開始データとしてパチンコ機101に送信して、ストーリー2)の続
きから遊技が開始された例を示している。
【0184】
ステップS3400において”機種ID+遊技者特定パスワード+開始データ”が受信されなかったと判定された場合は(ステップS3400:No)、ステップS3409において、”送信要求信号+遊技者特定パスワード”が受信されたか否かを判定する。”送信要求信号+遊技者特定パスワード”が受信されなかったと判定された場合は(ステップS3409:No)、本ルーチンの処理を終了する。
【0185】
ステップS3409において、”送信要求信号+遊技者特定パスワード”が受信された場合は(ステップS3409:Yes)、ステップS3410において、送信要求信号と共に受信した遊技者特定パスワードとパスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードとが一致するか否かを判定する。尚、パスワード記憶領域38cに遊技者特定パスワードが記憶されていない場合も、一致しない場合として判定される。送信要求信号と共に受信した遊技者特定パスワードとパスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードとが一致しない場合は(ステップS3410:No)、ステップS3411において、図38
(c)に示すように、「パスワードが一致しないか未入力のため、サービスポイントを送信できません。」とのメッセージを表示装置5に表示し、本ルーチンの処理を終了する。
【0186】
従って、携帯電話機200から送信要求信号が送信された場合であっても、送信要求信号と共に受信した遊技者特定パスワードがパスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードと一致しない場合には、サービスポイントの送信は行われない。このため、遊技開始時に特定された遊技者以外の者によってサービスポイントが不正に受信されることを防止することができる。
【0187】
送信要求信号と共に受信した遊技者特定パスワードとパスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードとが一致する場合は(ステップS3410:Yes)、ステップS3412において、コネクト信号を送信し、ステップS3413において、携帯電話機200からリターン信号を受信する。これにより、通信制御基板30と携帯電話機200との間で、赤外線通信が可能な状態となる。続いて、ステップS3414において、報知ランプ32の点滅を開始する。そして、ステップS3415において、サービスポイントの作成及び送信処理を行う。ここで、ステップS3415におけるサービスポイントの作成及び送信処理は、図20に示す第一の実施の形態におけるルーチンに代えて、図40に示すサービスポイント作成・送信処理ルーチンを呼び出して実行することにより行われる。
【0188】
サービスポイント作成・送信処理ルーチンでは、ステップS3471において、当該パチンコ機101を他と識別する遊技機識別情報としての遊技機IDが、RAM38上の送信バッファ38dの1番目の格納領域に格納される。ここで、図41(a)は、サービスポイント送信用の送信バッファ38dのフォーマットを、同図(b)はサービスポイントの格納例をそれぞれ示している。続いて、ステップS3472において、不揮発性メモリ39よりサービスポイントカウンタ39bの値を読み出して送信バッファの2番目の領域に格納する。更に、ステップS3473において、累積ポイント記憶領域38hに記憶された本発明の送信情報としての累積ポイント数RPの値を送信バッファ38dの3番目の領域に格納する。つまり、サービスポイントは、”遊技機ID+サービスポイントカウンタ値+累積ポイント数データ”というデータ構造を有する。尚、遊技機IDの上3桁は機種IDであり、開始データとともに送信される機種IDは遊技機IDに基づいて設定される。尚、遊技機ID及びサービスポイントカウンタ値が、各サービスポイントを個々に識別するための識別情報に相当するものである。
【0189】
そして、ステップS3474において、送信バッファ38dに格納されたサービスポイントを赤外線発光部33より赤外線信号として送信する。続いて、ステップS3475において、赤外線受光部34にて携帯電話機200より確認信号を受信し、ステップS3476において、不揮発性メモリ39のサービスポイントカウンタの値をカウントアップした後、メインルーチンにリターンする。
【0190】
情報通信処理メインルーチン(図36)にリターンすると、ステップS3416において、送信終了信号を送信する。続いて、ステップS3417において、報知ランプ31を消灯し、ステップS3418において、累積ポイント数RPに”0”を設定するとともに、遊技者特定フラグYFをOFFし、送信バッファ38dの記憶内容を消去して、本ルーチンの処理を終了する。
【0191】
上述した情報通信処理メインルーチンにおいて送信されたサービスポイントは、携帯電話機200によって受信されると、遊技機ID、サービスポイントカウンタ値、累積ポイント数データが、携帯電話機200に内蔵されたメモリ220に記憶される。尚、図43は、携帯電話機200のメモリ220における記憶例を示すものである。
【0192】
次に、通信制御基板30において実行される遊技終了処理について、図42に示す遊技終了処理ルーチンのフローチャートを参照しつつ説明する。本ルーチンは、ROM37に記憶されており、CPU36がROM37より所定周期で繰り返し当該ルーチンを読み出して実行する。
【0193】
最初に、ステップS3600において、指紋センサ42より出力される今回の
指紋データと指紋データ記憶領域38iに記憶された前回の指紋データとを比較照合し、指紋が一致するか否かが判定される。指紋が一致する場合は(ステップS3600:Yes)、本ルーチンの処理を終了する。すなわち、指紋が一致する場合は、同一遊技者による遊技が継続していることを意味するからである。
【0194】
指紋が一致しないと判定された場合、すなわち、遊技者が交替することにより交替前の遊技者による遊技が終了したと判定された場合は(ステップS3600:No)、ステップS3601において、累積ポイント数RPが累積ポイント記憶領域38hに記憶されているか否かを判定する。累積ポイント数RPが記憶されていない場合は(ステップS3601:No)、本ルーチンの処理を終了する。
【0195】
累積ポイント数RPが記憶されている場合、すなわち、未送信の累積ポイント数RPデータが残存している場合は(ステップS3601:Yes)、ステップS3602において、累積ポイント記憶領域38hの記憶内容(すなわち、累積ポイント数RP)の消去、及び遊技者特定パスワード記憶領域38cの記憶内容(すなわち、遊技者特定パスワード)の消去を実行する。続いて、ステップS3603において、累積ポイント数RPデータが消去された旨のメッセージを表示装置5に表示する。例えば、「累積ポイントが消去されました。」のようにメッセージ表示を行う(図38(d)参照)。そして、ステップS3604において、報知ランプ31を消灯した後、本ルーチンの処理を終了する。
【0196】
以上詳述したことから明らかなように、本実施の形態によれば、上述した第一の実施の形態において奏される効果に代えて(或いは加えて)、以下に示す種々の作用効果が奏される。すなわち、本実施の形態によれば、大当り遊技状態(特定の遊技状態)の発生が検出されると、ステップS954〜S958’(抽選手段)においてポイント数を決定するための抽選(情報出力に関する抽選)が行われ、ポイント数が累積ポイント記憶領域38hの累積ポイント数RPに累積加算され、赤外線発光部33(情報出力手段)が累積ポイント数に応じた価値を有するサービスポイント(遊技者に提供するための情報)を赤外線信号として送信するので、遊技者は携帯電話機200を用いて赤外線信号を受信することにより、複数回の遊技において累積されたポイント数を含むサービスポイントを取得することができる。よって、情報の獲得に対する遊技者の期待感を増大させて遊技意欲をより一層向上させることができる。そして、サービスポイントはポイント数に応じた価値を有しているため、携帯電話機200より遊技ホールや遊技機メーカ等にサービスポイントを送ることによって、遊技者がポイント数に応じた賞品を獲得したり、サービスの提供を受けること等が実現でき、遊技者における遊技意欲を向上させて、他の遊技ホール又は他の遊技機メーカとの差別化、集客、遊技時間の拡大等を図ることが可能となる。
【0197】
尚、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0198】
例えば、前記各実施の形態は、大当り遊技状態の発生の基づく抽選の開始から所定時間経過したタイミングで抽選結果を決定することにより、遊技者による入力操作等を必要とすることなく自動的に抽選の実行及び抽選結果の決定が実行される構成としたが、抽選を実行するために遊技者によって操作される操作手段を設け、操作手段が操作されたタイミングに基づいてルーレット変動表示(すなわち、抽選の実行)を開始すると共にルーレット変動表示の停止(すなわち、抽選結果の決定)を行うように構成してもよい。本変形例によれば、遊技者が所望のタイミングで抽選を実行することができると共に、抽選結果の決定に際して遊技者自身による操作を介入させることによって抽選における遊技性が高まり、より一層の遊技意欲の向上が図られる。また、上述した操作手段としては、押しボタ
ン、タッチパネル、遊技者の身体部位のいずれかの動作を検出するセンサ、又は音声認識装置等によって構成することが可能である。尚、図44は、本変形例のパチンコ機を示す正面図であり、抽選を実行するために遊技者によって操作される操作手段としての抽選ボタン3bを上受け皿3aに設けた一例を示している。
【0199】
前記各実施の形態において、抽選によってサービスポイントのポイント数を決定する構成としたが、ポイント数に代えてサービスポイントとは異なる特別な付加価値情報の種類を決定し、赤外線発光部33より赤外線信号として送信する構成としてもよい。これにより、遊技者は、付加価値情報の獲得を一つの遊技目標として遊技を行うことができ、遊技意欲を向上させることができる。
【0200】
前記各実施の形態では、大当り遊技状態が発生した場合にポイント数を決定するための抽選を行う構成としたが、大当り遊技状態が終了した時点で抽選を行うようにしてもよい。あるいは、大当り遊技状態以外の特定の遊技状態(例えば、リーチ遊技状態)の発生若しくは終了時等、他の所定のタイミングで抽選を行うように構成してもよい。また、前記各実施の形態では、ポイント数を決定するための抽選を行う構成としたが、例えば、当選か落選かを決定するための抽選を行い、当選の場合はサービスポイントの送信を実行し、落選の場合はサービスポイントの送信を中止するように構成してもよい。
【0201】
また、前記各実施形態では、画面5aにルーレット5cを表示して抽選の実行を演出するように構成したが、ルーレット表示以外のいかなる態様で抽選の演出を行うように構成しても構わない。また、前記各実施形態では、大当り演出画面と抽選演出画面とを、遊技盤7に設けられた表示装置5の画面5aにて分割表示する構成としたが、抽選演出画面を表示するための表示装置を遊技盤7上若しくは遊技盤7外部のガラス扉枠3等に別途設ける構成としてもよい。
【0202】
前記各実施の形態では、赤外線送信部33からサービスポイントを赤外線信号信号として出力し、携帯電話機200において赤外線信号を受信することにより、サービスポイントを取得する構成としたが、図柄表示制御基板22のROM24に二次元バーコード生成プログラムを内蔵し、表示装置5においてサービスポイントを二次元バーコードとして表示出力する構成としてもよい。本変形例によれば、CCDカメラ及び二次元バーコード解読機能付きの携帯電話機200を用いて二次元バーコードを読み取ることによりサービスポイントを取得することが可能である。そして、ポイント数が蓄積された結果を一つの二次元バーコードにて表示することにより、複数のサービスポイントを一括して取得することができる。また、二次元バーコード生成プログラムが表示装置5の制御を行う図柄表示
制御基板22に設けられているので、図柄表示制御基板22へコマンド等を送信することにより少ない処理負荷で二次元バーコード表示を行うことができる。図45は、表示装置5のラウンド表示画面における二次元バーコードの表示例を示している。尚、本変形例において表示装置5が本発明の情報出力手段を、二次元バーコード生成プログラムがバーコード生成手段をそれぞれ構成するものである。また、二次元バーコード生成プログラムを、図柄表示制御基板22に代えて通信制御基板30に設ける構成としてもよい。この構成によれば、当該パチンコ機1が廃棄される場合等に通信制御基板30を含む通信ユニットを取り外して他の遊技機にて再利用することが可能である点で利便性が高い。また、二次元バーコード生成プログラムを、パチンコ機1本体の制御装置21のメイン基板に設ける構成としてもよい。この構成によれば、二次元バーコード生成プログラムが、パチンコ機1本体にかしめ固定されたメイン基板に設けられているので、確実に不正防止を図ることができる。
【0203】
また、上述した変形例では、二次元バーコード生成プログラムが、蓄積された複数の送信情報を一つのバーコードとして生成し、表示装置5において、その生成された一つのバーコードを表示することにより、複数の送信情報を一つのバーコードにより一括して表示し、これにより送信情報を携帯電話機200にて一括して取得することができる構成としたが、これには限られない。例えば、二次元バーコード生成プログラムが、各送信情報毎にそれぞれバーコードとして生成し、生成された前記各バーコードをRAM38(又はRAM26)にて蓄積記憶し、蓄積記憶された各バーコードを表示装置5において、順次、読み出して表示するように構成してもよい。本変形例によれば、蓄積記憶された送信情報が表示装置5にて順次表示されるので、各送信情報を携帯電話機200により順次取得することができる。或いは、送信情報(例えば、大当り遊技状態の発生を表す遊技
状態データやサービスポイント等)に対応づけて一次元若しくは二次元のバーコードのパターンを予め記憶するバーコード記憶手段(ROM)を備え、RAM38に蓄積記憶された各送信情報についてバーコード記憶手段よりバーコードを読み出して表示するように構成してもよい。この変形例によれば、処理負荷の大きいバーコード生成処理を行うことなく、少ない処理負荷で表示装置5におけるバーコード表示を行うことができる。
【0204】
また、二次元バーコードに代えて、他の機械読み取り可能なシンボルを採用してもよい。例えば、一次元バーコードとして表示出力してもよく、文字等(英字、カタカナ、ひらがな、漢字、記号、数字等を含む)の並びとして表示してもよい。尚、光学的文字認識機能を有する携帯通信端末を用いて文字等の並びを認識して、情報取得を行うことが可能である。さらに、遊技盤7に設けられた図柄変動表示装置としての表示装置5とは別に、遊技盤7の他の位置、或いは遊技盤7外部の前枠2又はガラス扉枠3上に、二次元バーコード表示出力用の表示装置を情報出力手段として別途設ける構成としてもよい。例えば、図46に示すパチンコ機102は、前枠2の周縁部において、ガラス扉枠3の角部近傍に設けた開口部を介して二次元バーコード表示装置5’、報知ランプ31、及び赤外線受光部34を露出させるように配置した例を示している。本変形例によれば、表示装置5における図柄変動表示の表示領域に影響を与えることが無いという利点があると共に、携帯電話機200による読み取り操作がし易く、且つ他の遊技者による不正な読み取り操作が行われにくい位置に適宜配置が可能であるという利点がある。また、遊技盤7のみが交換された場合に、遊技盤7外部の前枠2に設けられた二次元バーコード表示装置5’を再利用することができる。また、パチンコ機に玉貸しに関する機能を有する台間装置が接続され且つ台間装置が表示装置を備えている場合には、台間装置にて二次元バーコード表示を行うように構成してもよい。
【0205】
前記各実施の形態では、遊技者の操作によって携帯電話機200から赤外線信号として送信される遊技者特定パスワードを入力させる構成としたが、携帯電話機200に設けられた端子を介して携帯電話機200内のメモリの記憶内容を読み出し可能な装置を設ける構成としてもよい。また、遊技者の操作により情報の入力が可能な入力手段、例えば、パチンコ機の枠等に設けたキーボード、タッチパネル等の入力装置を介して遊技者特定パスワードを入力する構成としてもよい。また、玉貸しに関する機能を有する台間装置より出力される情報を入力させるためのインタフェース基板(インタフェース手段)を介して遊技者特定パスワードを入力させる構成としてもよい。この場合、例えば、台間装置にタッチパネル等の入力装置又は赤外線受信装置等を設け、これらの装置によって入力された遊
技者特定パスワードが、インタフェース基板を介して入力される構成としてもよい。或いは、台間装置によって磁気カード又はICカードから遊技者特定パスワードを読み取り、インタフェース基板を介して入力させる構成としてもよい。
【0206】
前記各実施の形態では、第1赤外線センサ32a又は第2赤外線センサ32bに手をかざすことにより遊技者特定状況の確認結果を入力する構成としたがこれには限られない。例えば、押しボタン、タッチパネル、遊技者の身体部位のいずれかの動作を検出するセンサ、携帯電話機200から送信される情報の受信装置、又は音声認識装置のいずれかによって構成された確認入力手段を介して、遊技者特定状況の確認結果を入力するように構成してもよい。
【0207】
前記各実施の形態では、遊技者が特定されていることを携帯電話機200による遊技者特定パスワードの送信によって遊技者が特定された時、又は遊技者が特定されないまま大当り遊技状態が終了した時に、表示装置5において報知する構成としたが、これら以外のタイミングで報知を行うように構成してもよい。例えば、遊技開始直後に報知を行うようにしてもよい。これにより、遊技者は、遊技開始後、直ぐに遊技者が特定されていることを知ることができる。尚、遊技が開始されたことの検出は、出力端子16dにおける発射スイッチ信号がオフからオンになったことを検出することにより行うことができる。
【0208】
また、特定の遊技状態の発生が検出された時に遊技者特定の報知を行う構成としてもよい。これにより、遊技者は、大当り遊技状態等の特定の遊技状態の発生によって遊技状態データの受信が可能となった時点で、遊技者が特定されていることを確実に知ることができる。また、前記実施の形態では、大当り遊技状態の終了時に遊技者が未特定である場合に、遊技者が未特定であることを報知する構成としたが、大当り遊技状態等の特定の遊技状態の発生検出時に報知し、遊技者特定タイムを形成するように構成してもよい。また、所定時間間隔で遊技者特定の報知を行う構成としてもよい。これにより、所定時間間隔で繰り返し表示されるメッセージによって、遊技者は、遊技者が特定された状態であることを常に確認することができる。
【0209】
また、前記各実施の形態では、遊技者が特定されていること、遊技者特定タイム中であること、サービスポイントの送信が可能な状態となったこと、遊技者が未特定であること、及び蓄積情報が消去されたことを表示装置5によるメッセージ表示により報知する構成としたが、図柄表示によって報知してもよい。また、発光装置を用いて光の点灯や点滅等によって報知を行うようにしてもよい。尚、発光装置としては、電球や発光ダイオード等種々の方式で発光するものを用いることができる。或いは、音声発生装置を用いて音声によるメッセージによって、報知を行うようにしてもよい。さらに、各報知内容を表す情報を携帯電話機200へ送信することにより報知を行うように構成してもよい。例えば、遊技者が特定されたこと等の内容を表す情報を、電子メールとして送信する構成としてもよく、或いは赤外線信号として送信する構成としてもよい。これによれば、遊技者は、自己の携帯通信端末において遊技者が特定されたこと等を知ることができる。
【0210】
前記各実施の形態では、赤外線発光部33、赤外線受光部34及び報知ランプ31を遊技盤7上に設ける構成としたが、これには限られず、パチンコ機1に備わる他の機能に支障を来さない範囲内でパチンコ機1のいかなる部位に配設してもよい。例えば、前枠2の左下に設ける構成としてもよく、前枠2上の他の部位若しくは他の枠内に設けてもよい。尚、椅子に着座して遊技を行う遊技者の背後から不正にサービスポイントが受信されることを防止するために、パチンコ機1前面において、着座した遊技者の上半身に対向する領域に赤外線発光部33及び受光部34を設けることが望ましく、より好ましくはパチンコ機1の左右方向中央部付近である。
【0211】
また、前枠2上に赤外線発光部33、赤外線受光部34及び報知ランプ31を設ける場合には、より確実に不正受信を防止するために、赤外線発光部33及び受光部34の前面より手前(遊技者側)に所定間隔を離隔させて平行に樹脂等からなる板状部材を突出させる構造を設けてもよい。そして、携帯電話機200を赤外線発光部33及び受光部34と板状部材との間に挿入してサービスポイントの受信を行う。このような構成によれば、赤外線発光部33から発せられる赤外線信号が板状部材によって遮断されるため、当該遊技者以外の者により不正にサービスポイントが受信されることが確実に防止される。
【0212】
前記実施の形態では、通信制御基板30をパチンコ機1に内蔵させる構成としたが、通信制御基板30、報知ランプ31、赤外線発光部33、及び赤外線受光部34を内蔵する通信ユニットをパチンコ機1とは別体で設け、遊技島に設置されているパチンコ機1の下部位置に突設形成された膳板上に設置してもよい。或いは、パチンコ機1に隣接して設置される玉貸しに関する機能を備えた台間装置に通信ユニットを内蔵させる構成としてもよい。尚、前記実施の形態では、通信制御基板30が、外部接続端子板16を介して制御装置21と接続される構成であるため、通信ユニットを容易に別体化することが可能である。
【0213】
前記実施の形態では、携帯電話機200との間で赤外線を媒介として無線通信を行う構成としたが、これには限られず、例えば、電波を媒介とする近距離通信技術として知られるブルートゥース通信が可能な携帯通信端末との間でブルートゥースによる無線通信を行う構成としてもよい。より具体的には、図47に示すように、上述した実施形態における赤外線発光部33及び赤外線受光部34に代えて、例えば、本変形例のパチンコ機103若しくはパチンコ機103に隣接して設置される玉貸しに関する機能を有するカードユニット内に、2.47GHz帯の約1mW以下である微弱電波のやり取りを可能とするブルートゥースモジュール501を設けると共に、略垂直方向に指向性を有するアンテナモジュール502をパチンコ機103と対応する遊技者用椅子50との間の床上、遊技者用椅子50の内部、又は遊技島に設置されているパチンコ機1の下部位置に突設形成された膳板上に設ける。また、ブルートゥースモジュール501とアンテナモジュール502とは、伝送線503によって電気的に接続されている。尚、図47では、遊技者用椅子50の内部にアンテナモジュール502を設けた例を示しており、(a)は携帯電話機200がアンテナモジュール502に通信圏内にある場合、(b)は通信圏外にある場合をそれぞれ示している。
【0214】
そして、本変形例における動作について説明すると、まず、ブルートゥース通信が可能な携帯通信端末としての携帯電話機200を所持する遊技者が、遊技者用椅子50に着座してアンテナモジュール502の通信圏内に携帯電話機200が入圏した際には(図47(a)参照)、パチンコ機103若しくはカードユニットは、ブルートゥースIDの送受等のブルートゥース規格に伴う通常の認証手続きを前記入圏した携帯電話機200との間において実施するとともに、その携帯電話機200の電話番号をブルートゥースユニットを介して非接触にて受信、入手する。その入手した携帯電話機200の電話番号データは、通信対象の情報端末として登録されるとともに、ホール管理コンピュータに送信される。この際、何らかの理由により、近接する複数のパチンコ機1若しくはカードユニットにて同一の電話番号データが誤って入手された場合には、既に登録済みとなっている電話番号と重複が生じていないかを確認し、重複が生じている場合は電話番号の再送信を要求して通信対象の登録をやり直す。このようにして通信対象登録された携帯電話機200に対して、2.47GHz帯の微弱電波によりサービスポイントの送信が行われる。
【0215】
本変形例によれば、遊技者は、携帯電話機200を衣服のポケット等に入れたまま、或いは膳板上に設けられたフォルダに載置した状態でサービスポイントを受信することができる。従って、特定の遊技状態の発生を検出する度にサービスポイントを送信し、携帯電話機200においてサービスポイントを受信するように構成することが可能である。また、アンテナモジュール502から上面方向に垂直に電波が放射され、アンテナ上面の所定角度範囲内に電波放射が集中してなされ、その所定角度範囲外には電波放射が殆どなされないようになっているため、隣接するアンテナモジュール同士の電波干渉が生じることが防止される。
【0216】
また、本変形例においては、遊技者がパチンコ機103から離れることに伴って、携帯電話機200がアンテナモジュール502の通信圏内から通信圏外へ移動したことをブルートゥースモジュール501が検出することに基づいて、当該遊技者の遊技終了を検出するように構成してもよい(図47(b)参照)。さらに、ブルートゥースモジュール501からホール管理コンピュータへ遊技終了を通知し、ホール管理コンピュータから携帯電話機200へ、パチンコ機103に残存している情報の消去を行ってよいか否かを確認するための電子メールを送信するように構成してもよい。
【0217】
尚、本変形例においては、ホール管理コンピュータに送信された電話番号データに基づいて遊技者が特定される(例えば、登録済みの会員であることが特定される)ことを条件にサービスポイントを出力するようにしてもよい。また、パチンコ機1若しくはカードユニットが、特定された遊技者の氏名情報を携帯通信端末から受信して、パチンコ機1の制御装置21のサブ基板の一つである図柄表示制御基板22へ入力することにより、表示装置5の画面5aに遊技者の氏名入りのメッセージを、例えば、「田中様、いらっしゃいませ!」のように表示するように構成してもよい。
【0218】
前記各実施の形態では、携帯電話機200との間で無線通信によりサービスポイントを伝送する構成としたが、これには限られず、有線通信により携帯電話機200へサービスポイントを送信するように構成してもよい。例えば、パチンコ機1に接続端子を備えた携帯電話ホルダを設け、その携帯電話ホルダに携帯電話機200を載置することにより、携帯電話ホルダの接続端子と携帯電話機200の接続端子とが接続されて有線通信を行うことが可能となる構成としてもよい。
【0219】
前記各実施の形態では、携帯通信端末として携帯電話機200を用いた例を示したが、携帯電話機以外にPHS(簡易型携帯電話、Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等の各種の携帯通信端末を利用することが可能である。
【0220】
前記実施の形態では、パチンコ機1に報知ランプ31を設ける構成としたが、報知ランプ31を省略して、表示装置5の画面5aのメッセージ表示のみにより、送信可能なサービスポイントがあることを報知する構成としてもよい。
【0221】
前記各実施の形態では、赤外線受光部34を常に赤外線信号の受信待機状態とする構成としたが、携帯電話機200の通信ユニット30への接近を検知するセンサ手段を設け、そのセンサ手段が携帯電話機200の接近を検出したときに、受信待機状態となるように構成してもよい。尚、センサ手段としては、種々の方式による公知の接近物検知用センサ(例えば、赤外線センサ等)を採用することが可能である。
【0222】
前記各実施の形態では、高確率モード中に通常大当りが2回連続して発生したことに起因して低確率モードへ遷移する構成としたが、通常大当たりが1回発生したことに起因して低確率モードへ遷移する構成としてもよい。
【0223】
前記各実施の形態では、大当り遊技終了時に遊技者特定の有無で異なるメッセージ表示を行う構成としたが、大当り発生時における演出内容として、「遊技者特定有りの演出」、「遊技者特定無しの演出」、「途中で遊技者が特定されたときの演出」を用意し、それぞれの場合に異なる演出を行う構成としてもよい。例えば、遊技者が特定されないまま大当りが発生したときには、表示装置にて遊技者特定を促す演出を行うようにしてもよい。
【0224】
本発明は、前記各実施の形態とは異なる種々の遊技機にも適用可能である。例えば、本発明に適用される遊技機は、パチンコ遊技機であって、基本構成としては発射ハンドルを備え、その発射ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0225】
また、本発明に適用される他の遊技機は、スロットマシンであって、基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。図48は、本発明をスロットマシンに適用した一実施の形態であるスロットマシン301の外観を示す正面図である。図48に示されるように、スロットマシン301には、可変表示手段305下方の左側に赤外線発光部333及び赤外線受光部334と、第1赤外線センサ332aとが、右側に報知ランプ331と、第2赤外線センサ332bとがそれぞれ設けられている。
【0226】
また、本発明に適用されるさらに別の遊技機は、パチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機であって、基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。図49は、本発明をパチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機に適用した一実施の形態である遊技機401の外観を示す正面図である。図49に示されるように、遊技機401には、可変表示手段405下方の左側に赤外線発光部433及び赤外線受光部434と、第1赤外線センサ432aとが、右側に報知ランプ431と、第2赤外線センサ432bとがそれぞれ設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0227】
【図1】本発明の実施の形態におけるパチンコ機の正面図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の概略構成図である。
【図3】通信制御基板のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】携帯電話機の正面図である。
【図5】携帯電話機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】特別電動役物制御ルーチンを説明するフローチャートである。
【図7】特別電動役物制御ルーチンの図6の続き部分を説明するフローチャートである。
【図8】図柄変動開始処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図9】リーチ演出表示処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図10】(a)は遊技者未特定の場合におけるリーチ演出表示の一例を、(b)は遊技者が特定されている場合におけるリーチ演出表示の一例を示す図である。
【図11】大当り演出/抽選表示処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図12】(a)は遊技者未特定の場合における大当り演出/抽選表示の一例を、(b)は遊技者が特定されている場合における大当り演出/抽選表示の一例を示す図である。
【図13】(a)はラウンド演出画面表示処理ルーチンを、(b)はカウンタ値・メッセージ表示処理ルーチンをそれぞれ説明するフローチャートである。
【図14】(a)は遊技者未特定の場合における第1ラウンド演出表示の一例を、(b)は遊技者が特定されている場合における第1ラウンド演出表示の一例を示す図である。
【図15】(a)は遊技者未特定の場合における第3ラウンド演出表示の一例を、(b)は遊技者が特定されている場合における第3ラウンド演出表示の一例を示す図である。
【図16】確率変動処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図17】情報通信処理メインルーチンを説明するフローチャートである。
【図18】図17に示す情報通信処理メインルーチンの続きを説明するフローチャートである。
【図19】遊技者特定処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図20】サービスポイント作成・送信処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図21】大当り遊技終了後処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図22】図21に示す大当り遊技終了後処理ルーチンの続きを説明するフローチャートである。
【図23】(a)は送信バッファのフォーマット(サービスポイントのデータ構造)を、(b)は送信バッファの格納例を示す図である。
【図24】ポイントバッファ及びポイント蓄積領域におけるポイント数データの記憶例を示す図である。
【図25】遊技終了処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図26】遊技盤の表示装置におけるメッセージ表示例を示す図であり、(a)は遊技者の特定が行われた時に、(b)はパスワードの送信を促す場合に、(c)はサービスポイントの受信を促す場合に、(d)は現在特定されている遊技者の氏名を確認する場合に、(e)は遊技者が未特定である旨の報知すると共に遊技者の特定を行うか否かを選択させる場合に、(f)は遊技者特定タイム中である旨を報知すると共に遊技者特定パスワードの送信を促す場合に、(g)はポイント数データが消去された旨を報知する場合に、(h)はポイント数データの消去を確認する場合におけるメッセージの表示例をそれぞれ示している。
【図27】携帯電話機におけるメッセージ表示例を示す図であり、(a)はサービスポイント受信中に、(b)はサービスポイントの受信終了時におけるメッセージの表示例をそれぞれ示している。
【図28】携帯電話機によって受信されたサービスポイントの記憶例を示す図である。
【図29】第一の実施の形態の変形例においてポイントバッファにポイント数データ及び時点データが記憶された例を示す図である。
【図30】第一の実施の形態の変形例において携帯電話機によって受信されたサービスポイントの記憶例を示す図である。
【図31】第二の実施の形態におけるパチンコ機の正面図である。
【図32】第二の実施の形態における通信制御基板のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図33】大当り演出/抽選表示処理ルーチンを説明するフローチャートである(第二の実施の形態)。
【図34】累積ポイント数RPの推移を示すグラフである。
【図35】情報通信処理メインルーチン(第二の実施の形態)を説明するフローチャートである。
【図36】図35に示す情報通信処理メインルーチン(第二の実施の形態)の続きを説明するフローチャートである。
【図37】携帯電話機におけるメッセージ表示例を示す図であり、機種選択及び開始データ送信画面の表示例を示している(第二の実施の形態)。
【図38】遊技盤の表示装置におけるメッセージ表示例を示す図であり、(a)機種IDが一致しないことを報知する場合に、(b)は遊技者の特定及び遊技開始を報知する場合に、(c)はパスワードが一致しないことを報知する場合に、(d)は累積ポイント数データの消去を確認する場合におけるメッセージの表示例をそれぞれ示している(第二の実施の形態)。
【図39】累積ポイント数とストーリー展開との関係を示すグラフである(第二の実施の形態)。
【図40】サービスポイント作成・送信処理ルーチン(第二の実施の形態)を説明するフローチャートである。
【図41】(a)は送信バッファのフォーマット(サービスポイントのデータ構造)を、(b)は送信バッファの格納例を示す図である(第二の実施の形態)。
【図42】遊技終了処理ルーチン(第二の実施の形態)を説明するフローチャートである。
【図43】携帯電話機によって受信されたサービスポイントの記憶例を示す図である(第二の実施の形態)。
【図44】抽選ボタンを設けた変形例におけるパチンコ機の正面図である。
【図45】第1ラウンド演出画面における二次元バーコードの表示の一例を示す図である。
【図46】遊技盤外部の前枠に二次元バーコード表示用の表示装置を設けた変形例を示す正面図である。
【図47】ブルートゥースを採用した変形例におけるパチンコ機の側面図であり、(a)は携帯電話機がアンテナモジュールの通信圏内にある場合を、(b)は通信圏外にある場合をそれぞれ示している。
【図48】本発明をスロットマシンに適用した一実施の形態を示す正面図である。
【図49】本発明をパチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機に適用した一実施の形態を示す正面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機などの遊技機では、遊技機の状態に変化が生じると、その遊技機の状態が変化したことが遊技者に報知される。例えば、パチンコ機では、遊技者が多数個の賞球を獲得可能な大当たり遊技状態に突入したときに、その旨が遊技者に報知される。遊技状態の変化は、遊技機の前面に配置されたランプを点灯させたり、LCDディスプレイの表示を変化させたり、スピーカから所定の報知音を出力させたりすることにより報知されるのが一般的である。しかし、遊技機の状態が変化したことの報知は従来から提供されている多くの遊技機で行われているため、上述のような一般的な報知方法に遊技者が飽きてきているのが現状である。
【0003】
このような状況に鑑みて、従来、遊技状態の変化が携帯通信端末を呼び出すことにより報知される旨の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この従来技術のシステムにおける作用の概略は以下の通りである。すなわち、遊技者によって遊技機のスタートレバーが操作されると、そのスタートレバーの操作に応答して内部抽選が行われる。この内部抽選で特別入賞が当選すると、遊技機内に設けられた特別入賞フラグに「1」がセットされる。また、この内部抽選において、特別入賞にかかる図柄配列が有効ライン上に並ぶ前に特別入賞が当選したことを報知するか否かが決定される。報知を行うことが決定されると、遊技機からホール管理コンピュータに報知要求信号が送信される。報知要求信号をホール管理コンピュータが受信すると、ホール管理コンピュータは、報知要求信号を送信した遊技機の台番号と対応づけて記憶している携帯電話機の呼出電話番号を読み出し、その読み出した呼出電話番号により特定される携帯電話機を呼び出す。そして、このような報知態様は、遊技機の前面に配置されたランプを点灯させたり、スピーカから所定の報知音を出力させたりするという従来の報知態様とは異なる斬新なものであり、従来の報知態様に飽きがきている遊技者を満足させることができるという効果を奏する。
【0004】
一方、遊技機に隣接して設けられた台間装置に、携帯電話機の接続端子と係合可能な接続端子を有する携帯電話ホルダを設け、有価価値の購入に費やした金額に応じて獲得されたポイント数が変化するたびに携帯電話ホルダにセットされた
携帯電話機のメモリに、接続端子を介してポイント数データを書き込むようにする旨の従来技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。そして、この従来技術では、ポイント数に応じて遊技機の表示装置に表示されるアニメーションが変更されるため、遊技機におけるゲームに対する興味心を遊技者に持たせ続けることができるという効果を奏する。
【特許文献1】特開2002−119642号公報
【特許文献2】特開2002−200283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術は、単に、ランプの点灯等に代えて、携帯通信端末を介して遊技状態の変化を報知するという新規な報知方法を提供するに留まるものであり、携帯通信端末によって受信された遊技状態に関する情報を積極的に活用することはできなかった。すなわち、例えば、携帯通信端末によって受信された遊技状態に関する情報を、多数の遊技者間で遊技成績を競うランキングへの参加や、遊技結果に応じたサービスポイントの獲得等への利用等は全く想定されておらず、また、携帯通信端末によって受信される情報に複数回に亘る遊技の結果が反映されないため、携帯通信端末にて受信した情報の十分な活用を図ることができず、従って、遊技者の遊技意欲を向上させて、他の遊技ホール又は他の遊技機メーカとの差別化、集客、遊技時間の拡大等に結びつけることができないという問題がある。
【0006】
一方、特許文献2に記載された従来技術では、台間装置とは別体で携帯電話ホルダを設ける必要があり、更に、携帯電話機側の接続端子は規格が統一されておらず、複数機種の携帯電話機に対応するためには複数のタイプの携帯電話機ホルダを設ける必要もあり、設置スペースを要すると共に、コストが高くなるという問題がある。更に、遊技者が遊技を行っている間中、携帯電話ホルダに携帯電話機をセットしておく必要があるため、遊技中は携帯電話機を使用できないという問題があると共に、携帯電話機の置き忘れが発生し易いという問題がある。また、接続端子を介して携帯電話機から不正に情報が読み取られるおそれや、いわゆるコンピュータウィルスが携帯電話機に侵入するおそれがある等、セキュリティの確保が困難であるという問題もある。
【0007】
さらに、上記従来技術の台間装置は、単に有価価値の購入に費やした金額に応じてポイント数データを与えるものであって、遊技者に与えられるポイント数に偶然性が全く存在しないため、遊技者における期待感を増大させて遊技意欲をより一層向上させることができないという問題がある。
【0008】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、所定のタイミングで抽選を行うと共に抽選結果に基づいて情報の出力を行うことにより、一層の遊技意欲の向上を図ることが可能な遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
【0010】
1.遊技者に提供するための情報を出力可能な遊技機であって、
所定のタイミングで情報出力に関する抽選を行う抽選手段と、
その抽選手段による抽選結果に基づいて情報出力を行う情報出力手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
【0011】
手段1によれば、抽選手段が所定のタイミングで情報出力に関する抽選を行い、情報出力手段が、抽選手段による抽選結果に基づいて情報出力を行うので、情報の獲得に対する遊技者の期待感を増大させて遊技意欲をより一層向上させることができる。
【0012】
2.前記抽選手段は、特定の遊技状態が発生した場合に抽選を行うことを特徴
とする手段1に記載の遊技機。
【0013】
手段2によれば、特定の遊技状態が発生した場合に抽選手段によって抽選が行われるので、特定の遊技状態発生時に遊技者の抽選に対する期待感を確実に増大させることができる。
【0014】
3.前記抽選手段は、特定の遊技状態が終了した場合に抽選を行うことを特徴
とする手段1に記載の遊技機。
【0015】
手段3によれば、特定の遊技状態が終了した場合に抽選手段によって抽選が行われるので、特定の遊技状態終了時に遊技者の抽選に対する期待感を確実に増大させることができる。
【0016】
4.前記特定の遊技状態は、大当り遊技状態であることを特徴とする手段2又
は3に記載の遊技機。
【0017】
手段4によれば、大当り遊技状態が発生若しくは終了した場合に抽選手段によって抽選が行われるので、大当り遊技状態発生若しくは終了時に遊技者の抽選に対する期待感を確実に増大させることができる。
【0018】
5.前記抽選手段は、情報出力を実行するか否かを決定するための抽選を行う
ことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
【0019】
手段5によれば、抽選手段が情報出力を実行するか否かを決定するための抽選を行い、抽選結果に基づいて情報出力手段による情報出力が実行若しくは中止される。すなわち、抽選結果によって情報が出力されるか否かが決定されるため、情報獲得に対する遊技者の期待感を確実に増大させることができる。
【0020】
6.前記抽選手段は、出力情報の内容を決定するための抽選を行うことを特徴
とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
【0021】
手段6によれば、抽選手段が出力情報の内容を決定するための抽選を行い、情報出力手段は、抽選によって決定された内容の情報を出力する。すなわち、抽選結果によって出力される情報の内容が決定されるため、より有利な内容の情報獲得に対する遊技者の期待感を確実に増大させることができる。
【0022】
7.前記抽選手段による抽選を実行するために遊技者によって操作される操作手段、
を備え、
前記抽選手段は、前記操作手段が操作されたタイミングに基づいて抽選結果を決定することを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
【0023】
手段7によれば、遊技者が操作手段を操作することにより抽選手段による抽選が実行され、操作手段が操作されたタイミングに基づいて抽選結果を決定する。
よって、遊技者が所望のタイミングで抽選を実行することができると共に、抽選結果の決定に際して遊技者自身による操作を介入させることによって抽選における遊技性が高まり、より一層の遊技意欲の向上が図られる。
【0024】
8.前記操作手段は、押しボタン、タッチパネル、遊技者の身体部位のいずれかの動作を検出するセンサ、又は音声認識装置のいずれかによって構成されたことを特徴とする手段7に記載の遊技機。
【0025】
手段8によれば、遊技者が、押しボタン、タッチパネル、遊技者の身体部位のいずれかの動作を検出するセンサ、又は音声認識装置のいずれかによって構成された操作手段を操作することにより所望のタイミングで容易に抽選を実行することができる。
【0026】
9.前記抽選手段は、抽選の開始から所定時間経過したタイミングで抽選結果を決定することを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
【0027】
手段9によれば、抽選手段が抽選の開始から所定時間経過したタイミングで抽選結果を決定するので、遊技者による入力操作等を必要とすることなく自動的に抽選結果が決定され、円滑に遊技を進行させることができる。
【0028】
10.前記抽選手段は、遊技機の主制御を行うためのメイン基板とは別個に設けられ且つ前記メイン基板からの出力専用の通信線によって接続されたサブ基板上に設けられたことを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の遊技機。
【0029】
手段10によれば、メイン基板とは別個に設けられ且つメイン基板からの出力専用の通信線によって接続されたサブ基板上に抽選手段が設けられているので、抽選手段を介して遊技機の主制御に対する不正が行われることを確実に防止することができる。また、遊技盤を交換する場合等にサブ基板上に設けられた抽選手段を再利用することが可能である点で利便性が高い。
【0030】
11.前記抽選手段による抽選の実行を演出するための抽選演出手段、
を備えたことを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機。
【0031】
手段11によれば、抽選演出手段が抽選手段による抽選の実行を演出するので、遊技者の抽選結果に対する期待感をより一層増大させることができる。尚、演出とは、遊技者が視覚、聴覚等によって認識可能なものを意味しており、例えば、遊技機に設けられた表示装置における表示、装飾ランプの点灯・点滅、音声の発生等が含まれる(以下、同様)。
【0032】
12.前記抽選演出手段は、遊技盤に設けられた表示装置であることを特徴と
する手段11に記載の遊技機。
【0033】
手段12によれば、遊技者より見易い位置に設けられた遊技盤上の表示装置によって抽選の実行が演出されるので、遊技者の抽選結果に対する期待感を確実に増大させることができる。
【0034】
13.前記抽選演出手段は、前記遊技盤に設けられた図柄変動表示装置である
ことを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0035】
手段13によれば、遊技者が遊技中に注視する図柄変動表示装置によって抽選の実行が演出されるので、遊技者の抽選結果に対する期待感を確実に増大させることができる。また、既存の図柄変動表示装置を利用して抽選の実行が演出されるので、抽選演出用の表示装置を別途設ける必要が無く、コストの増加を抑えることができる。
【0036】
14.前記抽選演出手段は、遊技盤外部の枠に設けられた表示装置であること
を特徴とする手段11に記載の遊技機。
【0037】
手段14によれば、遊技盤外部の枠に設けられた表示装置によって抽選の実行が演出されるので、遊技者の抽選結果に対する期待感を確実に増大させることができる。また、遊技盤上の図柄変動表示装置とは別個に設けられた表示装置において抽選の実行が演出されるので、図柄変動表示装置における各種の演出とは独立して抽選演出表示を行うことができる。
【0038】
15.前記抽選手段による抽選結果を報知するための抽選結果報知手段、
を備えたことを特徴とする手段1乃至14のいずれかに記載の遊技機。
【0039】
手段15によれば、抽選結果報知手段が抽選手段による抽選結果を報知するので、遊技者は抽選結果を確実に認識することができる。
【0040】
16.前記抽選結果報知手段は、文字表示、光、音声、携帯通信端末への情報
送信のいずれか若しくはこれらの任意の組合わせにより報知を行うことを特徴とする手段15に記載の遊技機。
【0041】
手段16によれば、文字表示、光、音声、携帯通信端末への情報送信のいずれか若しくはこれらの任意の組合わせにより抽選結果が確実に報知される。
【0042】
17.前記抽選手段は、乱数発生手段より出力される乱数に基づいて抽選を行うことを特徴とする手段1乃至16のいずれかに記載の遊技機。
【0043】
手段17によれば、抽選手段が乱数発生手段より出力される乱数に基づいて抽選を行うので、抽選結果に対する偶然性が確保され、遊技者の抽選結果に対する期待感を増大させることができる。
【0044】
18.前記情報出力手段は、ポイント数に応じた価値を有するサービスポイントを出力することを特徴とする手段1乃至17のいずれかに記載の遊技機。
【0045】
手段18によれば、情報出力手段がポイント数に応じた価値を有するサービスポイントを出力するので、遊技者は携帯通信端末の撮影機能や赤外線通信機能等を用いてサービスポイントを取得することができる。
【0046】
19.前記抽選手段は、前記サービスポイントの出力を実行するか否かを決定するための抽選を行うことを特徴とする手段18に記載の遊技機。
【0047】
手段19によれば、抽選手段がサービスポイントの出力を実行するか否かを決定するための抽選を行うので、抽選結果に基づいて情報出力手段によるサービスポイントの出力が実行若しくは中止される。すなわち、抽選結果によってサービスポイントが出力されるか否かが決定されるため、サービスポイント獲得に対する遊技者の期待感を確実に増大させることができる。
【0048】
20.前記抽選手段は、前記サービスポイントのポイント数を決定するための抽選を行うことを特徴とする手段18に記載の遊技機。
【0049】
手段20によれば、抽選手段がサービスポイントのポイント数を決定するための抽選を行うので、情報出力手段は、抽選によって決定されたポイント数のサービスポイントを出力する。すなわち、抽選結果によって出力されるサービスポイントのポイント数が決定されるため、より大きなポイント数のサービスポイント獲得に対する遊技者の期待感を確実に増大させることができる。
【0050】
21.外部から遊技者特定情報を入力するための遊技者特定情報入力手段、
を備え、
前記遊技者特定情報によって遊技者が特定されている場合に、前記抽選手段による抽選及び/又は前記情報出力手段による情報出力を実行することを特徴とする手段1乃至20のいずれかに記載の遊技機。
【0051】
手段21によれば、遊技者特定情報入力手段によって外部から入力された遊技者特定情報によって遊技者が特定されている場合に、抽選手段による抽選及び/又は情報出力手段による情報出力が実行されるので、不特定の遊技者によって不正に情報の取得が行われることを防止することができる。
【0052】
22.遊技開始時に外部から開始情報を入力させるための開始情報入力手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記開始情報に所定の情報を累積加算する累積加算手段と、
を備え、
前記情報出力手段は、前記累積加算手段による累積加算結果に基づいて情報出力を行うことを特徴とする手段1乃至21のいずれかに記載の遊技機。
【0053】
手段22によれば、開始情報入力手段が遊技開始時に外部から開始情報を入力させ、累積加算手段が抽選手段による抽選結果に基づいて開始情報に所定の情報を累積加算し、情報出力手段が、累積加算手段による累積加算結果に基づいて情報出力を行うので、遊技者は、複数回に亘る遊技の結果を反映する出力情報を、携帯通信端末等を用いて取得することができる。
【0054】
23.前記情報出力手段は、個々に識別可能な態様で情報出力することを特徴とする手段1乃至22のいずれかに記載の遊技機。
【0055】
手段23によれば、前記情報出力手段が、前記累積加算結果を個々に識別可能な態様で情報出力するので、携帯通信端末等における出力情報の不正取得や取得した情報の不正使用を確実に防止してセキュリティ性の確保を図ることができる。
【0056】
24.前記出力情報は、所定の規則に従って付与される固有情報を含んでいることを特徴とする手段23に記載の遊技機。
【0057】
手段24によれば、前記出力情報が所定の規則に従って付与される固有情報を含んでいるので、携帯通信端末等によって取得された出力情報を確実に個々に識別することができる。
【0058】
25.外部から遊技者特定情報を入力するための遊技者特定情報入力手段を備え、
前記出力情報は、前記遊技者特定情報を含んでいることを特徴とする手段23又は24に記載の遊技機。
【0059】
手段25によれば、前記出力情報が、遊技者特定情報入力手段によって外部から入力した遊技者特定情報を含んでいるので、携帯通信端末等によって取得した出力情報がどの遊技者に対して提供されたものであるかを確実に識別することができ、高いセキュリティ性を確保することができる。
【0060】
26.前記出力情報は、前記遊技者特定情報及び所定の規則に従って付与される固有情報を含んでいることを特徴とする手段25に記載の遊技機。
【0061】
手段26によれば、前記出力情報が前記遊技者特定情報及び所定の規則に従って付与される固有情報を含んでいるので、出力情報がどの遊技者に対して提供されたものであるかを識別可能であるのに加えて、同一遊技者に対して提供された各々の出力情報についても個々に識別可能である。
【0062】
27.前記出力情報は、遊技機を識別するための遊技機識別情報を含んでいることを特徴とする手段23乃至26のいずれかに記載の遊技機。
【0063】
手段27によれば、前記出力情報が遊技機を識別するための遊技機識別情報を含んでいるので、携帯通信端末等によって取得した出力情報がどの遊技機から出力されたものであるかを確実に識別することができる。
【0064】
28.前記出力情報は、前記遊技機識別情報及び所定の規則に従って付与される固有情報を含んでいることを特徴とする手段27に記載の遊技機。
【0065】
手段28によれば、前記出力情報が前記遊技機識別情報及び所定の規則に従って付与される固有情報を含んでいるので、出力情報がどの遊技機から出力されたものであるかを識別可能であるのに加えて、同一遊技機から出力された各々の情報についても個々に識別可能である。
【0066】
29.外部から遊技者特定情報を入力するための遊技者特定情報入力手段を備え、
前記出力情報は、前記遊技者特定情報、前記遊技機識別情報及び前記固有情報を含んでいることを特徴とする手段28に記載の遊技機。
【0067】
手段29によれば、前記出力情報が、遊技者特定情報入力手段によって外部から入力した遊技者特定情報、前記遊技機識別情報及び前記固有情報を含んでいるので、出力情報がどの遊技機からどの遊技者に対して提供されたものであるかを識別可能であるのに加えて、同一遊技機から同一遊技者に対して提供された各々のデータについても個々に識別可能である。
【0068】
30.前記固有情報は、所定条件でカウントアップされるカウンタ値であることを特徴とする手段24,26,27又は29のいずれかに記載の遊技機。
【0069】
手段30によれば、前記固有情報が所定条件でカウントアップされるカウンタ値であるので、重複が生じることなく容易且つ確実に固有情報を作成することができる。
【0070】
31.前記固有情報は、所定時点における時間情報であることを特徴とする手段24,26,28又は29のいずれかに記載の遊技機。
【0071】
手段31によれば、前記固有情報が所定時点における時間情報であるので、重複が生じることなく容易且つ確実に固有情報を作成することができる。
【0072】
32.前記出力情報を記憶する出力情報記憶手段、を備え、
前記情報出力手段は、所定のタイミングで前記出力情報記憶手段より前記出力情報を読み出して出力を行うことを特徴とする手段1乃至31のいずれかに記載の遊技機。
【0073】
手段32によれば、前記情報出力手段は、所定のタイミングで前記出力情報記憶手段より前記出力情報を読み出して確実に出力を行うことができる。尚、所定のタイミングとは、遊技が終了した場合や遊技者から情報出力の要求操作が行われた場合等である。
【0074】
33.外部から前記出力情報の出力要求を入力する出力要求入力手段、を備え、
前記情報出力手段は、前記出力要求入力手段を介して出力要求が入力された場合に、前記出力情報記憶手段より前記出力情報を読み出して出力を行うことを特徴とする手段32に記載の遊技機。
【0075】
手段33によれば、遊技者が所望のタイミングで前記出力要求入力手段を介して出力要求を入力すると、前記情報出力手段は前記出力情報記憶手段より前記出力情報を読み出して確実に出力を行うことができる。また、出力要求の受信により遊技者側における出力情報の取得準備が完了したことを遊技機が認識した状態で出力情報の出力を実行することができる。
【0076】
34.外部から遊技者特定情報を入力するための遊技者特定情報入力手段と、
その遊技者特定情報入力手段を介して入力された遊技者特定情報を記憶する遊技者特定情報記憶手段と、
を備え、
前記情報出力手段は、前記遊技者特定情報記憶手段に記憶された遊技者特定情報に対応づけられた携帯通信端末から出力要求が入力された場合に、前記出力情報記憶手段より前記出力情報を読み出して出力を行うことを特徴とする手段33に記載の遊技機。
【0077】
手段34によれば、前記情報出力手段は、前記遊技者特定情報記憶手段に記憶された遊技者特定情報に対応づけられた携帯通信端末から出力要求が入力された場合に、前記出力情報記憶手段より前記出力情報を読み出して出力を行うので、遊技者特定情報記憶手段に記憶された遊技者特定情報に対応づけられた携帯通信端末以外では出力情報の取得を実行することができないため、当該遊技機における遊技者以外の者によって出力情報の不正取得が行われることを防止することができる。
【0078】
35.前記情報出力手段は、無線通信によって前記出力情報を送信するように構成されたことを特徴とする手段1乃至34のいずれかに記載の遊技機。
【0079】
手段35によれば、前記情報出力手段が、無線通信によって前記出力情報を送信するので、携帯通信端末等との間で通信ケーブルの接続等の煩雑な作業を行う必要がなく、携帯通信端末等において極めて簡単に出力情報を受信することができる。
【0080】
36.前記情報出力手段は、電磁波或いは光を指向性を有して出力可能に構成されていることを特徴とする手段35に記載の遊技機。
【0081】
手段36によれば、隣接して配置された複数の遊技機より出力される電磁波或いは光が指向性を有して出力されるため、これら双方の電磁波或いは光が互いに干渉することを回避でき、良好な信号の送受信をより安定して実施することができる。
【0082】
37.前記情報出力手段は、赤外線を媒介として前記出力情報を送信するように構成されたことを特徴とする手段36に記載の遊技機。
【0083】
手段37によれば、情報出力手段が赤外線を媒介として前記出力情報を送信するように構成されているので、指向性を有する無線通信を簡単な構成で安価に実現することができる。
【0084】
38.前記情報出力手段は、有線通信によって前記出力情報を送信するように構成されたことを特徴とする手段1乃至34のいずれかに記載の遊技機。
【0085】
手段38によれば、情報出力手段が有線通信によって前記出力情報を送信するように構成されているので、情報出力手段を簡単且つ安価に構成することができるとともに、高い信頼性で出力情報を確実に携帯通信端末等へ送信することができる。
【0086】
39.前記情報出力手段は、前記出力情報を機械読み取り可能なシンボルとして表示出力することを特徴とする手段1乃至34のいずれかに記載の遊技機。
【0087】
手段39によれば、情報出力手段が前記出力情報を機械読み取り可能なシンボルとして表示出力するので、シンボルの種類に対応した読み取り機能を有する携帯電話機を用いて、確実に出力情報の取得を行うことができる。
【0088】
40.前記出力情報は、一次元若しくは二次元のバーコードとして表示されることを特徴とする手段39に記載の遊技機。
【0089】
手段40によれば、前記出力情報が一次元若しくは二次元のバーコードとして表示されるので、一次元若しくは二次元のバーコード読み取り機能を備えた携帯通信端末等を用いて、簡単且つ確実に非接触的にデータ取得を行うことができる。例えば、前記出力情報が二次元バーコードとして表示される場合には、近年市販されるようになった二次元バーコード読み取り機能を有する携帯電話機を用いて、画面表示された二次元バーコードの読み取りを行うことにより、出力情報を簡単な操作で確実に取得することができる。
【0090】
41.前記出力情報は、文字等の並びとして表示されることを特徴とする手段39に記載の遊技機。
【0091】
手段41によれば、前記出力情報が文字等の並びとして表示されるので、光学的文字認識機能を有する携帯通信端末等を用いて、簡単且つ確実に非接触的に情報取得を行うことができると共に、表示された出力情報の内容を遊技者自身が認識することができる。尚、文字等には、英字、カタカナ、ひらがな、漢字、記号、数字等が含まれる。
【発明の効果】
【0092】
以上詳述したように、本発明によれば、抽選手段が所定のタイミングで情報出力に関する抽選を行い、情報出力手段が、抽選手段による抽選結果に基づいて情報出力を行うので、情報の獲得に対する遊技者の期待感を増大させて遊技意欲をより一層向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0093】
以下、本発明の遊技機をパチンコ機において具体化した各実施の形態につき図面を参照しつつ説明する。
【0094】
第一の実施の形態のパチンコ機1は、遊技ホールに設置されたパチンコ島台のカウンタ台の上部にて複数横方向に並べられて設けられる。パチンコ機1は、図1に示すように、前部には前枠2が設けられ、さらにその前枠2にガラス扉枠3が取付けられている。ガラス扉枠3は、軸により前枠2に開閉可能に支持され、かつガラスが嵌め込まれた金属製の枠と、その枠に嵌め込まれる合成樹脂製の枠(以下「樹脂枠」という)とを備えている。ガラス扉枠3の後方には、図2に示す遊技盤7が配置されている。遊技盤7は略円形の遊技領域を有し、その遊技領域には第1種始動口4、特別図柄表示装置(以下、単に「表示装置」という)5及び大入賞口6が設けられている。第1種始動口4は遊技球Bの通路を備え、その通路入口に羽根4aが開閉可能に支持されている。
【0095】
本実施の形態におけるパチンコ機1では、図1の正面図及び図3の通信制御基板のブロック図に示すように、前枠2の発射ハンドル17近傍に終了ボタン41が設けられている。終了ボタン41は、ボタンの押下によって電気信号を発生する押しボタンであって、図3に示すように、CPU36に電気的に接続されている。終了ボタン41が、遊技終了時に遊技者によって押下されることにより、CPU36において遊技終了が認識されるようになっている。
【0096】
表示装置5下方には、図2に示すように、左右方向の中心を挟んで左側には遊技者が所持する携帯電話機200との間で赤外線通信を行うための赤外線発光部33及び赤外線受光部34と、遊技者の手がかざされたことを検知するための第1赤外線センサ32aとがそれぞれ設けられ、右側には遊技データの蓄積が行われたことを報知するための報知ランプ31と、第1赤外線センサ32aと同様の第2赤外線センサ32bとがそれぞれ設けられている。報知ランプ31、第1赤外線センサ32a、第2赤外線センサ32b、赤外線発光部33、及び赤外線受光部34は、後述する通信制御基板30に接続され且つ制御される。
【0097】
ガラス扉枠3の下部には、賞球が払い出される上受け皿3aが装着されている。また、前枠2の窓孔より下方には下受け皿2aが装着されている。下受け皿2aは、前記上受け皿3aに入りきらない賞球や、上受け皿3aから球抜きした抜き球や、或いはファウル球等の余剰球を、余剰球出口から排出させて貯留させるものである。前枠2における下受け皿2aの右側方には遊技球Bを発射するための発射ハンドル17が回動操作可能に装着されている。発射ハンドル17に対応する前枠2の裏側には駆動手段としてのモータ(図示せず)が装着されており、発射ハンドル17の回動操作によってモータが回動され、これにより打球杆(図示せず)が間欠動作されるとともに、前記発射ハンドル17の回動角度に応じた弾発力に調節される。従って、前記モータ及び打球杆等によって球発射装置が構成されている。
【0098】
表示装置5は第1種始動口4の上方に設けられており、液晶ディスプレイ(LCD)からなる画面5aを備えている。画面5aには多種類の画像が表示されるが、その1つとして、左図柄列8、中図柄列9及び右図柄列10が表示される。図柄列の数は前述したもの(3列)に限られず、1列、2列、4列以上であってもよい。各図柄列8乃至10は、数字、記号等からなる複数の図柄によって構成されている。尚、表示装置5は、サブ基板の一つである図柄表示制御基板22によって駆動制御される。表示装置5では、図柄列8乃至10での図柄変動が、遊技球Bの第1種始動口4への入賞により開始される。図柄変動は左図柄列8、右図柄列10、中図柄列9の順に停止されるが、これは一例にすぎず、別の順序で停止されてもよい。全ての図柄列8乃至10での図柄変動が停止したとき、表示されている図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが、予め定められた組合せ(特定表示結果、以下「大当りの組合せ」という)、すなわち、同一種類の図柄が大当りラインに沿って並んでいるときの同図柄の組合せ(例えば、777)、となる場合がある。この停止図柄の組合せを、以下「大当り図柄」という。本実施形態では、大当りラインとして、水平方向へ延びるもの(上・中・下の3種類)と、斜め方向へ延びるもの(右下がり・左下がりの2種類)の合計5種類存在するが、これに限られない。例えば、大当りラインの数が1つであり、通常、「1ライン」と呼ばれているものであってもよい。そして、大当りの組合せが成立すると特別電動役物が作動し、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技状態が到来し、より多くの賞球を獲得することが可能となる。
【0099】
さらに、パチンコ機1は大当り遊技状態の発生に先立ちリーチ遊技状態となる。ここで、リーチ遊技状態とは大当り遊技状態の直前の状態をいい、例えば、右図柄列10での図柄変動が、大当りライン上において左図柄列8での停止図柄と同一種類の図柄で停止し、かつ、その後に中図柄列9での図柄変動が左右両図柄列8,10での停止図柄と同一種類の図柄で停止されれば最終的に大当りの組合せとなる状態を含む。また、図柄変動が停止すると、大当り遊技状態となる組合せで変動し、その図柄で停止されれば最終的に大当り遊技状態となる場合において、その変動中の状態もリーチ遊技状態に含まれる。これは、通常、全回転(全図柄)リーチと呼ばれているものである。
【0100】
大入賞口6は第1種始動口4の下方に設けられており、1つのVゾーン11、2つの通路12,13及びシャッタ14を備えている。シャッタ14は大入賞口用ソレノイド(以下、単に「ソレノイド」という)15により作動させられ、Vゾーン11及び通路12,13の各入口を開閉する。
【0101】
図2に示すように、遊技盤3には、始動口用スイッチ18、Vゾーン用スイッチ19及びカウントスイッチ20が取付けられている。始動口用スイッチ18は、遊技球Bの第1種始動口4への入賞を検出する。Vゾーン用スイッチ19は遊技球BのVゾーン11への入賞を検出し、カウントスイッチ20は遊技球Bの大入賞口6への入賞を検出する。また、各スイッチ18乃至20の検出結果に基づきソレノイド15及び表示装置5をそれぞれ駆動制御するために、制御装置21、図柄表示制御基板22及び通信制御基板30が設けられている。制御装置21は、パチンコ機1の主制御を行うメイン基板と、音量調整基板、LED基板、払出し制御基板等の各種のサブ基板とから構成されている。図柄表示制御基板22は、サブ基板の一つであり、CPU23,ROM24,RAM26を主要な構成要素として構成され(図3参照)、メイン基板や通信制御基板30から入力される信号に基づいて表示装置5を駆動制御する。また、ROM24には、図柄表示用のデータ、演出用の動画データ、各種のメッセージデータからなるメッセージテーブルが記憶されると共に、後述するように遊技者未特定状態用メッセージテーブル25aと遊技者特定状態用メッセージテーブル25bとからなるラウンド演出メッセージテーブル25等が記憶されている。
【0102】
本実施の形態では、サブ基板の一つとして、さらに通信制御基板30が設けられており、赤外線発光部33及び赤外線受光部34を介して携帯電話機200との間で行われる通信処理の制御が行われる。通信制御基板30の具体的構成については後述する。各制御基板は、読出し専用メモリ(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備え、ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。また、RAMはCPUによる演算結果を一時的に記憶する。尚、不正信号がメイン基板へ入力されることを防止するために、信号の伝送方向は、メイン基板から各サブ基板への一方向のみとなっている。
【0103】
CPUによる制御の1つとして、大当り遊技状態の発生確率を条件に応じて変動させる、いわゆる確率変動がある。具体的には、1/300程度の低確率で大当り遊技状態を発生させる低確率モードと、その約5倍である1/60程度の高確率で大当り遊技状態を発生させる高確率モードとが用意されており、大当り図柄の種類に応じて確率モードが切替えられる。すなわち、大当り図柄が、予め定められた特別図柄(例えば奇数図柄)であると高確率モードに設定され、予め定められた通常図柄(例えば偶数図柄)であると低確率モードに設定される。なお、低確率モードでの発生確率に対する高確率モードでの発生確率の倍数は、前述した値(約5)以外の値であってもよい。
【0104】
また、CPUの出力ポートには、外部接続端子板16が接続されている。また、外部接続端子板16は、ホール管理コンピュータに接続されるホール管理コンピュータ用の出力端子16A〜Eと、通信制御基板30に接続される通信制御基板用の出力端子16a〜eとを備えている。
【0105】
ここで、出力端子16A及び16aは、上述した高確率モード中であることを示す「確変中信号」を出力する。また、出力端子16B及び16bは、大当りの発生中であることを示す「大当り信号」を出力する。また、出力端子16C及び16cは、予め定められた特別図柄(例えば奇数図柄)による大当りの発生中であることを示す「確変大当り信号」を出力する。また、出力端子16D及び16dは、球発射装置によって遊技球Bの発射が行われているか否かを示す「発射スイッチ信号」を出力する。尚、「発射スイッチ信号」がオンである場合は遊技球Bが発射されている(換言すれば、遊技が行われている)ことを、オフである場合は遊技球Bの発射が中止されている(換言すれば、遊技が中止されている)ことをそれぞれ示している。また、出力端子16E及び16eは、遊技球Bが第1
種始動口4へ入賞することにより表示装置5における図柄変動が発生したことを示す「図柄変動信号」を出力する。
【0106】
通信制御基板30は、遊技者が所持する携帯通信端末としての携帯電話機200との間で赤外線通信を行うための電子制御回路を搭載した回路基板である。より詳細には、通信制御基板30は、図3のブロック図に示すように、インタフェース回路(I/F)35と、CPU36と、ROM37と、RAM38とを備えて構成され、遊技盤7上に設けられた報知ランプ31、情報出力手段としての赤外線発光部33、遊技者特定情報入力手段及び出力要求入力手段としての赤外線受光部34がそれぞれ接続されている。
【0107】
報知ランプ31は、サービスポイントの送信が可能な状態となったことを遊技者に視覚的に報知するためのランプである。報知ランプ31は、送信可能なサービスポイントが有る場合に点灯し、無い場合には消灯されている。また、赤外線発光部33からサービスポイントの送信が行われている間は報知ランプ31が点滅し、送信が終了すると消灯する。第1赤外線センサ32a及び第2赤外線センサ32bは、赤外線を利用して物体の接近を検知するための公知の赤外線センサによって構成されている。表示装置5において遊技者による”はい”又は”いいえ”等の選択を求めるメッセージが表示された状態で、いずれかの赤外線センサに手がかざされると、第1赤外線センサ32a又は第2赤外線センサ32bは手がかざされたことを検知し、これにより遊技者による選択が行われる。赤外線発光部33は、携帯電話機200に対してサービスポイント等を赤外線信号として送信するための発光デバイスである。赤外線受光部34は、携帯電話機200から送信される遊技者特定パスワードやサービスポイントの送信要求(出力要求)信号としての赤外線信号を受信するための受光デバイスである。尚、赤外線信号は指向性を有しているため、携帯電話機200の赤外線受光部208及び赤外線発光部209を、パチンコ機1側の赤外線発光部33及び赤外線受光部34に対向させた状態で、パチンコ機1と携帯電話機200との間で赤外線通信が行われる。また、赤外線発光部33から前方(遊技者側)に向かって赤外線信号が出力されるため、隣接配置されるパチンコ機同士で赤外線信号が干渉することはない。インタフェース部35は、通信線を介して外部接続端子板16の通信制御基板用の出力端子16a〜eと接続され、各端子よりそれぞれ出力される「確変中信号」、「大当り信号」、「確変大当り信号」、「発射スイッチ信号」及び「図柄変動信号」をCPU36に入力する電子回路である。
【0108】
CPU36は、通信制御基板30各部を制御するための制御装置であり、ROM37から制御プログラムを読み出して実行する。ROM37は、通信制御基板30各部を制御するための制御プログラムや各種のデータ等を記憶する読み出し専用の記憶媒体である。RAM38は、CPU36によって使用されるワーク領域、ポイントバッファ38f及びポイント蓄積領域38g、遊技者特定パスワード記憶領域38c、サービスポイント送信用の送信バッファ38d及びポイント数を決定するための内部乱数カウンタ38xを有する書き換え可能な記憶媒体である。不揮発性メモリ39は、後述するサービスポイントの送信が行われる度にカウントアップされるサービスポイントカウンタ39bを不揮発的に記憶するための書き込み可能な不揮発性の記憶媒体である。不揮発性メモリ39に記憶され
るサービスポイントカウンタ39bの値は、パチンコ機1の電源遮断後も記憶保持される。尚、ポイント蓄積領域38gが、本発明の出力情報記憶手段を、遊技者特定パスワード記憶領域38cが遊技者特定情報記憶手段を、内部乱数カウンタ38xが乱数発生手段をそれぞれ構成するものである。
【0109】
次に、パチンコ機1との間で赤外線通信が行われる携帯電話機200の構成について、図4及び図5を参照しつつ説明する。携帯電話機200は、図4の正面図に示すように、ケース202、キー操作部204、液晶パネル(表示部)206、赤外線受光部208、及び赤外線発光部209から構成されている。キー操作部204は、ケース202の正面ケース部203に配設されたもので、十字キー、電源キー、ファンクションキー、オンフックキー(開始キー)、クリアキー、及び文字・数字キー(テンキー)等から構成されている。液晶パネル206は、ケース202に形成された開口部202aの内側に配置されている。赤外線受光部208は、赤外線発光部209とともに、ケース202の左側部202bに配置されている。
【0110】
次に、携帯電話機200の電気回路構成につき図5のブロック図を参照して説明する。携帯電話機200は、液晶パネル206、赤外線受光部208、及び赤外線発光部209に加えて、無線部210、音声回路212、レシーバー214、マイク216、送受信アンテナ218、不揮発性メモリ220、制御部(マイクロコンピュータ)222及び二次電池224を有する。無線部210は、制御部222により制御されて、送受信アンテナ218を通して電波を媒体として基地局に対して送受信する。音声回路212は、無線部210から制御部222を通して出力された受信信号をレシーバー214に出力するとともに、マイク216から出力された音声信号を送信信号として制御部222を通して無線部210に出力する。レシーバー214は、音声回路212から出力された受信信号を受
信音声に変換して出力し、マイク216は、操作者から発せられた送信音声を音声信号に変換して音声回路212に出力する。不揮発性メモリ220は、各種データや、各種のプログラムを不揮発的に記憶する。二次電池224は、各回路に電力を供給する。制御部222は、CPU,ROM及びRAMを含むマイクロコンピュータ等から構成されたもので、電話の発着信処理、電子メールの作成送受信処理、インターネット処理を行う。
【0111】
尚、パチンコ機1からサービスポイントの受信を行うためのサービスポイント受信用プログラムは、例えば、遊技機メーカ等によって運営されるインターネット・ホームページ等からダウンロードして、不揮発性メモリ220に記憶される。また、このとき、遊技機メーカ等の会員登録をすることにより、遊技者特定情報として遊技者の氏名情報を含む遊技者特定パスワードが与えられ、不揮発性メモリ220に記憶される。遊技者特定パスワードは、例えば、”X0012345ヤマダタロウ”のように与えられる。ここで、”X00”は、遊技者特定パスワードであることを示すヘッダ、”12345”は会員番号、”ヤマダタロウ”は遊技者の氏名をそれぞれ表している。尚、この例において、”ヤマダタロウ”が本発明の遊技者の名前に関する情報、及び遊技者の名前の文字列データに相当するものである。ここで、携帯電話機200からパチンコ機1へ遊技者の特定を行う場合には、赤外線発光部209より遊技者特定パスワードが赤外線信号として送信される。一方、パチンコ機1へサービスポイントの送信要求(出力要求)を行う場合には、赤外線発光部209より送信要求信号と共に遊技者特定パスワードが送信される。
【0112】
次に、前記のように構成されたパチンコ機1の作用及び効果について説明する。図6乃至図8及び図16のフローチャートは、制御装置21によって実行される各種ルーチンを示している。これらのルーチンの各処理は、カウンタ群及びフラグFに基づいて実行される。カウンタ群は、ラウンドカウンタR、入賞カウンタP及び確変カウンタCを含む。ラウンドカウンタRはラウンド回数をカウントするためのものであり、入賞カウンタPはカウントスイッチ20の検出結果に基づき大入賞口6への遊技球Bの入賞個数をカウントするためのものである。確変カウンタCは高確率モードの終了を判断するためのものであり、「2」,「1」,「0」の値を採る。なお、カウンタR,P,Cの初期値はいずれも「0」である。
【0113】
そのほかにもカウンタ群は、大当り遊技状態発生を決定するための内部乱数カウンタと、外れリーチ等を決定するための外れリーチ乱数カウンタと、停止図柄等を決定するためのそれぞれの図柄カウンタと、リーチ動作の種類を決定するためのリーチ種別カウンタとを含む。ここで、外れリーチ乱数カウンタによる外れリーチとは、前述したリーチ遊技状態の後に最終的に大当りの組合せとならない状態をいう。フラグFは、Vゾーン11への遊技球Bの入賞の有無を判定するためのものであり、Vゾーン用スイッチ19によって入賞が検出されない場合に「0」に設定され、入賞が検出されると「1」に設定される。なお、確率モードには低確率モードと高確率モードの2種類があることは既に説明したが、初期値には低確率モードが設定されている。
【0114】
さて、遊技者による遊技が開始されると、制御装置21は、まず図6の特別電動役物制御ルーチンのステップS10において、始動口用スイッチ18の検出結果に基づき、遊技球Bの第1種始動口4への入賞があったか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされているとステップS20において、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタの各値を取得するとともに、各図柄カウンタの値に基づき図柄列8乃至10毎に外れ図柄を取得する。ここでの取得とは、各カウンタの値を読取り、その値をメモリに記憶する処理を指す。
【0115】
次に、ステップS30で図柄変動開始処理を実行する。詳しくは、図8のステップS31において、図柄列8乃至10の各図柄をそれぞれ表示装置5で変動表示させる。この表示により、遊技者には左・中・右の3つのリールがあたかも回転しているように見える。ステップS32において、内部乱数カウンタの値が大当り値と同一であるか否かを判定する。大当り値としては、2種類の値(低確率用大当り値、高確率用大当り値)が用意されている。前者は大当り遊技状態を前述した低確率で発生させるための値であり、後者は高確率で発生させるための値である。例えば、内部乱数カウンタが、「0」乃至「299」の範囲で所定時間毎に値を更新するものである場合、そのうちの「7」を低確率用大当り値とし、「7」,「17」,「27」,「37」,「47」を高確率用大当り値とする。すると、大当り遊技状態が発生する確率は、低確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/300となり、高確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/60となる。そして、前回の制御周期で低確率モードが設定されている場合には、低確率用大当り値が大当り値として選択される。高確率モードが設定されている場合には、高確率用大当り値が大当り値として選択される。
【0116】
ステップS32の判定条件が満たされていると、ステップS33において、大当り値に対応する大当り図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。一方、ステップS32の判定条件が満たされていないと、ステップS34において、外れリーチ乱数カウンタの値が予め定められた外れリーチ値と同一である否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS35において、外れリーチ値に対応する図柄(以下「外れリーチ図柄」という)を停止図柄としてメモリに記憶する。なお、ステップS34の判定条件が満たされていないと、ステップS36において、前記ステップS20での外れ図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。そして、上記ステップS33,S35,S36で停止図柄を記憶した後、図柄変動開始処理ルーチンを終了する。前記のようにステップS30の処理(図柄変動開始処理)を実行した後、図6のステップS40において左右両図柄列8,10における図柄を、前記ステップS33,S35,S36のいずれかの処理で記憶した停止図柄に差替える。差替え後の図柄によって左右両図柄列8,10での図柄変動を停止させる。
【0117】
ステップS43では、左右両図柄列8,10における図柄の組合わせがリーチの組合わせ(同一図柄)であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされていると、ステップS45において、リーチ演出表示処理を行う。詳しくは、通信制御基板30において実行される図9に示すリーチ演出表示処理ルーチンにおいて、まず、ステップS450で遊技者特定フラグYFがONしているか否かを判定する。ここで遊技者特定フラグYFは、携帯電話機200から送信された遊技者特定パスワードを赤外線受光部34において受信して、遊技者が特定されている場合にONとなっており、遊技者が未特定である場合にOFFとなっているフラグであり、通信制御基板30において管理される。この判定が満たされていない場合(ステップS450:No)、ステップS453において図柄表示制御基板22に表示指令を送信して遊技者未特定状態用のリーチ演出表示を行う。図10(a)は、遊技者未特定状態用のリーチ演出表示の一例を示している。一方、この判定が満たされている場合(ステップS450:Yes)、ステップS451において、遊技者特定パスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードに含まれる氏名データ(文字コード列)を取得し、ステップS452において、その取得した氏名データを用いて図柄表示制御基板22に表示指令を送信して遊技者特定状態用のリーチ演出表示を行う。図10(b)は、氏名データを用いた遊技者特定状態用のリーチ演出表示の一例を示している。尚、図柄表示制御基板22にはキャラクタジェネレータ(図示せず)が設けられており、遊技者特定パスワードより取得した遊技者氏名の文字コード列を用いて、キャラクタジェネレータを介して表示装置5において氏名表示が行われる。
【0118】
ここで、図10(a)の遊技者未特定状態用のリーチ演出表示では、画面右のキャラクタからの吹き出しメッセージが、「リーチですよ!」となっており、リーチとなったことをメッセージ表示にて報知している。これに対し、図10(b)の遊技者特定状態用のリーチ演出表示では、「ヤマダタロウさん、リーチですよ!」(”ヤマダタロウ”は、遊技者特定パスワードから取得した氏名データ)となっており、リーチとなったことを示すメッセージ中に遊技者の氏名が組み込まれ、自分の氏名が表示装置5上に表示されることによって遊技者の注意をより一層引きつける演出内容となっている。
【0119】
ステップS50では、中図柄列9での図柄変動を停止させる。続いて、ステップS60において、図柄の組合せが大当りの組合せであるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされていると、ステップS70において、大当り信号ONを出力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS80において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS80:Yes)、ステップS90において確変大当り信号ONを出力端子16C及び16cに出力する。続いて、ステップS95において、大当り演出/抽選表示処理を行う。詳しくは、通信制御基板30において実行される図11に示す大当り演出/抽選表示処理において、まず、ステップS950で遊技者特定フラグYFがONしているか否かを判定する。この判定が満たされていない場合(ステップS950:No)、ステップS953において図柄表示制御基板22に表示指令を送信することにより遊技者未特定状態用の大当り演出表示を行う。図12(a)は、表示装置5における遊技者未特定状態用の大当り演出表示の一例を示している(画面5aの左側乃至中央領域)。一方、この判定が満たされている場合(ステップS950:Yes)、ステップS951において、遊技者特定パスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードより氏名データを取得し、ステップS952において、その取得した氏名データを用いて遊技者特定状態用の大当り演出表示を行う。図12(b)は、氏名データを用いた遊技者特定状態用の大当り演出表示の一例を示している(画面5aの左側乃至中央領域)。
【0120】
ここで、図12(a)の遊技者未特定状態用の大当り演出表示では、メッセージが、「大当り」となっており、大当り発生をメッセージ表示にて報知している。これに対し、図12(b)の遊技者特定状態用の大当り演出表示では、「ヤマダタロウさん大当り」(”ヤマダタロウ”は、遊技者特定パスワードから取得した氏名データ)となっており、大当り発生を示すメッセージ中に遊技者の氏名が組み込まれ、自分の氏名が表示装置5上に表示されることによって遊技者の注意をより一層引きつける演出内容となっている。
【0121】
次に、ステップS954において、図柄表示制御基板22に表示指令を送信することによりサービスポイント抽選用のルーレット変動表示の開始処理を行う。すなわち、画面5a右側の抽選演出領域5bに、円形状のルーレット5cを表示すると共に、ルーレット5cを6分割した扇形の第1領域5d、第2領域5e、第3領域5f、第4領域5g、第5領域5h、第6領域5iの各領域についてハイライト表示を所定時間毎に時計回りに順次移動させることにより、遊技者にあたかもルーレットが回転しているように見せる演出表示を行う。尚、図12(a)、(b)は第1領域5dがハイライト表示されている状態を示している。
【0122】
続いて、ステップS955において、ポイント数を決定するための内部乱数カウンタ38xに基づいて、ルーレットにおけるハイライト表示の停止位置(すなわち、第1領域5d乃至第6領域5iのいずれか)をRAM38に記憶する。例えば、内部乱数カウンタが、「0」乃至「119」の範囲で所定時間毎に値を更新するものである場合、内部乱数カウンタ38xの値を「6」で除した余りが「1」となる場合に第1領域5dを、余りが「2」となる場合に第2領域5eを、余りが「3」となる場合に第3領域5fを、余りが「4」となる場合に第4領域5gを、余りが「5」となる場合に第5領域5hを、余りが「0」となる場合に第6領域5iをそれぞれ停止位置として記憶する。続いて、ステップS956において、先に記憶した停止位置に基づいてルーレットの変動表示を停止し、停止位置でハイライト表示を点滅させることによって抽選結果が報知される。ここで、ステップS957において、停止位置がハズレ領域である第6領域5i以外か否かを判定する。停止位置がハズレ領域以外である場合(ステップS957:Yes)、ステップS958において、停止位置の第1領域5d乃至第5領域5iに対応づけられたポイント数をポイントバッファ38fへ記憶させ、リターンする。すなわち、停止位置が第1領域5dの場合は10ポイントを、第2領域5eの場合は20ポイントを、第3領域5fの場合は30ポイントを、第4領域5gの場合は40ポイントを、第5領域5hの場合は50ポイントを、それぞれポイントバッファ38fへ記憶させる。一方、停止位置がハズレ領域(第6領域5i)の場合は、そのままリターンする。尚、ルーレット表示が行われる表示装置5が本発明の抽選結果報知手段及び抽選演出手段を構成するものであり、ステップ
S954〜S958の処理が、本発明の抽選手段として機能するものである。
【0123】
次に、ステップS100において、ラウンドカウンタRをリセットする。ステップS110において入賞カウンタPをリセットするとともに、フラグFを「0」に設定する。続いて、図7のステップS120においてソレノイド15を励磁する。すると、シャッタ14が倒れ、大入賞口6の通路入口が開放される。この開放により、遊技球BのVゾーン11及び通路12,13への入賞が可能となる。ステップS130でラウンドカウンタRを「1」インクリメントする。
【0124】
次に、ステップS135において、ラウンドカウンタRの値に応じてラウンド演出画面表示処理を行う。詳しくは、図柄表示制御基板22において実行される図13(a)に示すラウンド演出画面表示処理において、まず、ステップS1330で、ラウンドカウンタRの値に対応するラウンド演出画面データを図柄表示制御基板22に搭載されたROMより取得し、ステップS1331において、その取得したラウンド演出画面データ及び当り目データに基づいて、ラウンド演出画面(図14、図15の表示例におけるカウント値及び下部メッセージを除く画面構成部分)の表示を行った後、特別電動役物制御ルーチンへリターンする。続いて、ステップS135で、カウンタ値及びメッセージの表示を行う。
【0125】
詳しくは、図13(b)におけるカウンタ値・メッセージ表示ルーチンにおいて、まず、ステップS1350で、カウンタPの値をラウンド演出画面上部の所定位置に表示する。次に、ステップS1351で遊技者特定フラグYFがONしているか否かを判定する。この判定が満たされていない場合(ステップS1351:No)、ステップS1353において、図柄表示制御基板22に搭載されたROM上に設けられたラウンド演出メッセージテーブル25の遊技者未特定状態用メッセージテーブル25a(図3参照)からラウンドカウンタRに対応する遊技者未特定状態用のメッセージを取得し、ステップS1354において、ラウンド演出画面の下部にその取得したメッセージを表示する。尚、ラウンド演出メッセージテーブル25は、遊技者未特定状態用メッセージテーブル25aと遊技者特定状態用メッセージテーブル25bとからなり、それぞれ、「第1ラウンド用メッセージ、第2ラウンド用メッセージ、第3ラウンド用メッセージ、・・・」のように、各ラウンドにおいて表示されるメッセージデータを格納するデータテーブルである。図14(a)は、遊技者未特定状態用のラウンド演出表示の一例(第1ラウンドの表示例)を示しており、図15(a)は、他の例(第3ラウンドの表示例)を示している。一方、この判定が満たされている場合(ステップS1351:Yes)、ステップS1352において、ラウンド演出メッセージテーブル25の遊技者特定状態用メッセージテーブル25bからラウンドカウンタRに対応する遊技者特定状態用のメッセージを取得し、ステップS1354において、ラウンド演出画面の下部にその取得したメッセージを表示する。図14(b)は、メッセージデータを用いた遊技者特定状態用のラウンド演出表示の一例(第1ラウンドの表示例)を示しており、図15(b)は他の一例(第3ラウンドの表示例)を示している。
【0126】
ここで、図14(a)の遊技者未特定状態用のラウンド演出表示(第1ラウンド)では、ラウンド数、カウント数、当り目等の表示、及びラウンド毎に予め設定された図柄が表示されると共に、「パスワードを送信してね!>>>受信した情報で各種グランプリに参加できるよ。」とのメッセージが表示されている。これに対し、図14(b)の遊技者特定状態用のラウンド演出表示(第1ラウンド)では、図14(a)と同様の図柄表示と共に、「大当り回数グランプリ&確変連続回数グランプリ開催中!>>>上位にランクインすると豪華賞品がもらえるよ。」とのメッセージが表示されている。また、図15(a)の遊技者未特定状態用のラウンド演出表示(第3ラウンド)ではラウンド数、カウント数、当り目等の表示、及びラウンド毎に予め設定された図柄が表示されると共に、「パスワードを送信してね!>>>受信した情報でポイントが貯まるよ。」とのメッセー
ジが表示されている。これに対し、図15(b)の遊技者特定状態用のラウンド演出表示では、図15(a)と同様の図柄表示と共に、「○○○ポイントでXXゲーム機○○○○ポイントで電動バイク・・・などなど景品は盛りだくさん。詳しくは当社ホームページを見てね。」とのメッセージが表示されている。
【0127】
このように、遊技者が特定されていない場合には、遊技者特定パスワードの送信を促すと共に、パスワードを送信してサービスポイントを受信することにより得られるメリットをメッセージにて報知する。一方、既に遊技者特定パスワードが送信されて遊技者が特定されている場合には、特定された遊技者に対する有益且つより具体的な情報をメッセージにて報知する。つまり、遊技者特定を行っているか否かで表示装置5における演出内容を変化させ、遊技者特定状況に応じてより効果的な演出を行うように構成されている。尚、遊技者特定パスワードが未入力で大当り遊技状態が発生した場合には、遊技者未特定状態用のメッセージ表示(図14(a)、図15(a))が行われるが、大当り遊技状態の最中(すなわち、ラウンド演出画面表示中)に遊技者特定パスワードが携帯電話機200か
ら送信されてパチンコ機1にて遊技者が特定された場合は、図13(b)のカウンタ値・メッセージ表示処理が特別電動役物制御ルーチン内で繰り返し呼び出されて実行される間に、ステップS1351の判定がNoからYesへと変わるため、遊技者未特定状態用のメッセージ表示(図14(a)、図15(a))から遊技者特定状態用のメッセージ表示(図14(b)、図15(b))へ、直ちにメッセージ表示の切り換えが行われる。よって、遊技者特定パスワードの入力が受け付けられたことを遊技者に認識させることができると共に、遊技者特定状態用のメッセージ表示が直ちに実行されることによって遊技意欲のさらなる向上を図ることができる。
【0128】
次に、ステップS140において、入賞カウンタPの値が所定値Pmax 以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS150において、大入賞口6の閉鎖予定時期がまだか否かを判定する。この判定条件が満たされていると(ステップS150:Yes)、ステップS140へ戻る。その結果、大入賞口6の開放開始後にPmax 個よりも多くの遊技球Bが入賞するか、閉鎖予定時期が到来するかしない限りは、大入賞口6が開放され続ける。これに対し、ステップS140,S150の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS160においてソレノイド15を消磁する。すると、シャッタ14が起こされ、大入賞口6の通路入口が閉鎖される。ステップS170において、ラウンドカウンタRの値が所定値Rmax 以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS180においてフラグFが「1」であ
るか否かを判定する。ステップS180の判定条件が満たされていると(ステップS180:Yes)、図6のステップS110へ戻る。従って、一旦大当り遊技状態が発生すると、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax 回入賞するまでは、大入賞口6が開閉のサイクルを繰返す。例えば、所定値Pmax が「10」に設定され、大入賞口6の開放時間が「約29.5」秒に設定され、所定値Rmax が「16」に設定されている場合には、大入賞口6の開放後、(1)遊技球Bが大入賞口6へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で大入賞口6が閉鎖される。この大入賞口6の開放・閉鎖のサイクルが、遊技球BのVゾーン11への入賞を条件に最大で16回繰返されることとなる。ステップS170,S180の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS190で「大当り信号OFF」を出力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS200において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS200:Yes)、ステップS210において確変大当り信号OFFを出力端子16C及び16cに出力する。続いて、ステップS220で確率変動処理を実行し、その後、特別電動役物制御ルーチンを終了する。
【0129】
図16の確率変動処理ルーチンでは、ステップS221において、大当り図柄が通常図柄(この場合偶数図柄)であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと(ステップS221:No)、すなわち、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると、ステップS227において確変カウンタCが「0」であるか否か(高確率モード中であるか否か)が判定され、確変カウンタCが「0」である(高確率モード中である)場合は(ステップS227:Yes)、ステップS228において、確変中信号ONを出力端子16A及び16aに出力する。続いて、ステップS229において高確率モードを設定し、確変カウンタCに「2」を設定する。ステップS229の処理を実行した後、確率変動処理ルーチンを終了する。このように、高確率中に特別図柄(奇数図柄)で大当り遊技状態が連続して発生した場合には、高確率モードが継続することとなる。一方、前記ステップS221の判定条件が満たされていると、すなわち、大当り図柄が通常図柄(偶数図柄)であると、ステップS222において確変カウンタCが「0」でないか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=0)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=2,1)とステップS223において確変カウンタCを「1」デクリメントする。ステップS224において確変カウンタCが「0」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=1)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=0)とステップS225において、確変中信号OFFを出力端子16A及び16aに出力し、ステップS226において、低確率モードを設定する。このように一旦高確率モードが設定されると、確変カウンタCが「0」となるまで、すなわち、高確率モード設定後、連続して偶数図柄で2回大当り遊技状態が発生するまでは高確率モードが継続する。そして、偶数図柄での大当り遊技状態が2回連続すると、高確率モードが終了し低確率モードに切替えられる。なお、本実施形態での処理手順は一例であり、適宜変更可能である。例えば、図柄変動処理(ステップS31)を停止図柄の記憶処理(ステップS33,S35,S36)の後に行うようにしてもよい。
【0130】
上述したように、本実施形態では、遊技球Bが第1種始動口4へ入賞したことが検出されると、各カウンタの値が取得されるとともに図柄列8乃至10が変動表示される。各カウンタの値に基づき停止図柄が記憶され、その停止図柄によって図柄変動が停止される。停止されたときに表示されている図柄の組合せが大当りの組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態が発生し、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax 回入賞するまで、大入賞口6の開閉のサイクルが繰返される。一方、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると高確率モードが設定され、次回と、その次の回の2回にわたり大当り遊技状態の発生確率が高められる。すなわち、一旦高確率モードが設定されると、次回以降2回の大当り遊技状態の発生確率が高められるが、その期間中に再び奇数図柄で大当り遊技状態が発生す
れば高確率モードが設定される。これに対し、前記期間経過後に通常図柄(偶数図柄)で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが終了する(低確率モードに切替えられる)。
【0131】
次に、通信制御基板30において実行される各処理の詳細説明に先立って、パチンコ機1における遊技の開始から携帯電話機200へのサービスポイント送信までの流れの概略について説明する。本実施の形態は、大当り発生の検出毎に抽選を行い、抽選結果に応じたポイント数を含むサービスポイントを赤外線発光部33より送信する構成としたものである。遊技者は、遊技ホールにおいてパチンコ機1の前方に設置された席に着くと、当該パチンコ機1における遊技を開始する前又は開始後に、自己が所持する携帯電話機200の赤外線発光部209より、遊技者特定パスワードを赤外線信号としてパチンコ機101の赤外線受光部34に対して送信する。パチンコ機1では、遊技者特定パスワードによって遊技者の特定が行われる。
【0132】
そして、大当りが発生する度に抽選が実行され、ポイントバッファ38fにポイント数が記憶される。その後、遊技者は遊技を終了する時に、携帯電話機200より送信要求信号を赤外線信号としてパチンコ機1に送信すると、パチンコ機1に記憶された遊技者特定パスワードと受信した遊技者特定パスワードとが一致することを条件に、パチンコ機1の赤外線発光部33からポイント数データを含むサービスポイントが送信され、携帯電話機200によって受信及び記憶される。携帯電話機200において受信したサービスポイントは、賞品の獲得等のために使用することができる。
【0133】
次に、通信制御基板30において実行される情報通信処理について、図17〜図18に示す情報通信処理メインルーチンのフローチャートを参照しつつ説明する。本ルーチンは、ROM37に記憶されており、CPU36がROM37より所定周期で繰り返し当該ルーチンを読み出して実行する。
【0134】
尚、後述する遊技者特定フラグYFは、遊技者が遊技を中止したとき、すなわち、出力端子16dより出力される発射スイッチ信号がONからOFFになったことを検出したときにOFFされ、情報通信処理において遊技者特定パスワードを受信して遊技者が特定されたときにONされるフラグである。また、携帯電話機200からの遊技者特定パスワード又は送信要求信号の送信は、携帯電話機200において上述したサービスポイント受信用プログラムを起動した状態でボタン204を操作することにより行われるものとする。
【0135】
最初に、ステップS2400において、ポイント数データがポイントバッファ38f又はポイント蓄積領域38gに記憶されているか否かを判定する。ここで、ポイントバッファ38fは、今回の大当り発生に基づく抽選によって獲得されたポイント数データを記憶するバッファである。一方、ポイント蓄積領域38gは、大当り遊技終了後のサービスポイント送信タイム中にポイントバッファ38fに記憶されたポイント数データに基づくサービスポイントの送信が行われなかった場合に、ポイント数データを蓄積記憶するための記憶領域である。ポイント数データが記憶されていない場合は(ステップS2400:No)、ステップS2401において、赤外線受光部34によって遊技者特定パスワードが受信されたか否かを判定する。遊技者特定パスワードが受信されなかった場合は(ステップS2401:No)、本ルーチンを終了する。
【0136】
遊技者特定パスワードが受信された場合は(ステップS2401:Yes)、ステップS2402において、図19に示す遊技者特定処理ルーチンを実行する。以下、図19を参照しつつ、遊技者特定処理ルーチンの処理内容について説明する。遊技者特定処理ルーチンでは、最初に、ステップS24000において、受信した遊技者特定パスワードとパスワード記憶領域38cに記憶されたパスワードとが一致するか否かを判定する。そして、両パスワードが一致する場合は(ステップS24000:Yes)、ステップS24005において、遊技者特定フラグYFをONし、ステップS24006において、遊技者が特定されたことを表示装置5におけるメッセージ表示により遊技者に報知した後、本ルーチンの処理を終了する。受信したパスワードとパスワード記憶領域38cに記憶されたパスワードとが一致しない場合は(ステップS24000:No)、ステップS24001において、ポイント蓄積領域38gに蓄積記憶されたポイント数データを消去する。
【0137】
すなわち、直前に遊技を行った遊技者がサービスポイントの受信を行わずに遊技を終了した場合、ポイント蓄積領域38gにポイント数データが蓄積されたままの状態となる。このような状態で、当該パチンコ機1において新しい遊技者が遊技者特定パスワードを送信すると、パスワード記憶領域38cに記憶されたパスワードと一致しないので、ステップS24001において、前の遊技者によってポイント蓄積領域38gに蓄積記憶されたポイント数データの消去が行われる。これにより、後の遊技者は、前の遊技者における遊技によってポイント蓄積領域38gに蓄積されたポイント数データに基づくサービスポイントの受信を行うことができないため、サービスポイントの不正受信を防止することができる。一方、ポイントバッファ38fの記憶内容は消去されないので、今回の大当り発生に伴って算出されたポイント数データに基づくサービスポイントの受信を確実に行うことができる。
【0138】
続いて、ステップS24002において、ポイント数データがポイントバッファ38fに記憶されているか否かを判定し、記憶されていない場合は(ステップS24002:No)、ステップS24003において、報知ランプ31を消灯する。次に、ステップS24004において、受信したパスワードを遊技者特定パスワード記憶領域38cに記憶する。続いて、ステップS24005において、遊技者特定フラグYFをONし、ステップS24006において、遊技者が特定されたことを表示装置5へのメッセージ表示を行うことにより遊技者に報知し、本ルーチンの処理を終了してメインルーチンへリターンする。このとき、受信した遊技者特定パスワード中に含まれる遊技者の氏名を表す文字列を読み出して、例えば、「ヤマダタロウ様が遊技者として特定されました。」のように遊技者の氏名やニックネーム等を表す文字列を含むメッセージを表示する(図26(a)参照)。これにより、遊技者は、自分が遊技者として特定されたことを表示装置5によるメッセージ表示を見ることにより確認することができる。
【0139】
情報通信処理メインルーチンにおいて、ポイント数データがポイントバッファ38f又はポイント蓄積領域38gに記憶されている場合は(ステップS2400:Yes)、ステップS2403において、報知ランプが点灯される。これにより、遊技者は、パチンコ機102にポイント数データが記憶され、携帯電話機200によってサービスポイントの受信が可能であることを知ることができる。次に、ステップS2404において、赤外線受光部34によって送信要求信号及び遊技者特定パスワードが受信されたか否かを判定する。送信要求信号及び遊技者特定パスワードが受信されなかった場合は(ステップS2404:No)、ステップS2401以降を実行する。
【0140】
送信要求信号及び遊技者特定パスワードが受信された場合(ステップS2404:Yes)、ステップS2405において、送信要求信号と共に受信した遊技者特定パスワードとパスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードとが一致するか否かを判定する。送信要求信号と共に受信した遊技者特定パスワードとパスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードとが一致しない場合は(ステップS2405:No)、ステップS2417において、遊技者特定パスワードの送信を促すメッセージを表示装置5に表示し、本ルーチンの処理を終了する。遊技者特定パスワードの送信を促すメッセージは、例えば、図26(b)に示す通り、「パスワードを送信して遊技者の特定を行ってください。」のように表示される。従って、ポイント数データが記憶されている状態で送信要求が行われた場合であっても、送信要求信号と共に受信した遊技者特定パスワードがパスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードと一致しない場合には、サービスポイントの送信は行われない。このため、サービスポイントの受信前に特定された遊技者以外の者によってサービスポイントが不正に受信されることを防止することができる。
【0141】
送信要求信号と共に受信した遊技者特定パスワードとパスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードとが一致する場合は(ステップS2405:Yes)、ステップS2406において遊技者特定フラグYFがONされているか否かを判定し、ONされていない場合は(ステップS2406:No)、ステップS2407において、遊技者特定フラグYFをONし、ステップS2408において、遊技者が特定されたことを表示装置5へのメッセージ表示を行うことにより遊技者に報知する。このとき、上述した遊技者特定処理ルーチンと同様に、受信した遊技者特定パスワード中に含まれる遊技者の氏名を表す文字列を読み出して、遊技者の氏名やニックネーム等を表す文字列をメッセージ中に表示する(図26(a)参照)。
【0142】
続いて、ステップS2409において、コネクト信号を送信し、ステップS2450において、携帯電話機200からリターン信号を受信する。これにより、通信制御基板30と携帯電話機200との間で、赤外線通信が可能な状態となる。続いて、ステップS2411において、報知ランプ32の点滅を開始する。そして、ステップS2412において、ポイント蓄積領域38gに記憶されたポイント数データを含むサービスポイントの作成及び送信処理を行う。続いて、ステップS2413において、ポイントバッファ38fに記憶されたポイント数データを含むサービスポイントの作成及び送信処理を行う。ここで、ステップS2412及びS2413におけるサービスポイントの作成及び送信処理は、図20に示すサービスポイント作成・送信処理ルーチンを呼び出して実行することにより行われる。
【0143】
ここで、図20を参照しつつ、サービスポイント作成・送信処理ルーチンの処理内容について説明する。尚、図20のフローチャートでは、ステップS2413(ポイントバッファ38fに基づくサービスポイントの作成及び送信)がステップS2412(ポイント蓄積領域38gに基づくサービスポイントの作成及び送信)と異なる部分については、ステップS2413における内容を括弧書きにて示す。
【0144】
サービスポイント作成・送信処理ルーチンでは、ステップS2471において、ポインタBPにポイントバッファ38f(ステップS2413ではポイントバッファ38f)の先頭アドレスを設定する。次に、ステップS2472において、ポイント蓄積領域38g(ポイントバッファ38f)に記憶されたすべてのポイント数データについてサービスポイントの作成及び送信が終了したか否かを判定し、終了した場合は(ステップS2472:Yes)、メインルーチンへリターンする。従って、ポイントバッファ38f又はポイント蓄積領域38gにポイント数データが記憶されていない場合は、ステップS2473以降に示す送信処理を行うことなくリターンする。
【0145】
サービスポイントの送信が終了していないポイント数データがある場合は(ステップS2472:No)、ステップS2473において、当該パチンコ機102を他と識別する遊技機識別情報としての遊技機IDが、RAM38上の送信バッファ38dの1番目の格納領域に格納される。ここで、図23(a)は、ポイント数データを含むサービスポイント送信用の送信バッファ38dのフォーマットを、同図(b)はサービスポイントの格納例をそれぞれ示している。続いて、ステップS474において、不揮発性メモリ39よりサービスポイントカウンタ39bの値を読み出して送信バッファ38dの2番目の領域に格納する。更に、ステップS475において、ポイント蓄積領域38g(ポイントバッファ38f)におけるポインタBPが示すアドレスより、本発明の送信情報としてのポイント数データを読み出して、送信バッファ38dの3番目の領域に格納する。つまり、サービスポイントは、”遊技機ID+サービスポイントカウンタ値+ポイント数データ”というデータ構造を有する。尚、遊技機ID及びサービスポイントカウンタ値が、各サービスポイントを個々に識別するための識別情報に相当するものである。
【0146】
そして、ステップS2476において、送信バッファ38dに格納されたサービスポイントを赤外線発光部33より赤外線信号として送信する。続いて、ステップS2477において、赤外線受光部34にて携帯電話機200より確認信号を受信し、ステップS2478において、不揮発性メモリ39のサービスポイントカウンタの値をカウントアップするとともに、ステップS2479において、ポインタBPの値を更新してステップS2472に戻る。従って、すべてのポイント数データについてサービスポイントの送信処理が終了してリターンするまで(ステップS2472:Yes)、ステップS2473〜S2479の処理を繰り返す。
【0147】
一方、赤外線発光部33からサービスポイントが送信されている間、携帯電話機200の液晶パネル206には、図27(a)に示すように、「サービスポイントを受信しています」とのメッセージが表示される。尚、上記説明より明らかなように、ポイントバッファ38f又はポイント蓄積領域38gに複数のポイント数データが蓄積記憶されている場合は、複数のサービスポイントが連続して送信されるため、一回の受信操作で複数のサービスポイントを一括して受信することができる。尚、サービスポイントカウンタ39bの値が、本発明の「特定の遊技状態の発生毎に設定される固有情報」に相当するものである。
【0148】
情報通信処理メインルーチン(図18)にリターンすると、ステップS2414において、送信終了信号を送信する。一方、携帯電話機200においてパチンコ機1から送信終了信号を受信すると、携帯電話機200の液晶パネル206には、図27(b)に示すように、「サービスポイントの受信が完了しました」とのメッセージが表示され、サービスポイント受信プログラムの実行を終了する。続いて、ステップS2415において、報知ランプ31を消灯し、ステップS2416において、ポイントバッファ38f、ポイント蓄積領域38g及び送信バッファ38dの記憶内容を消去して、本ルーチンの処理を終了する。
【0149】
上述した情報通信処理メインルーチンにおいて送信されたサービスポイントは、携帯電話機200によって受信されると、遊技機ID、サービスポイントカウンタ値及びポイント数データが、携帯電話機200に内蔵されたメモリ220に順次、蓄積記憶される。尚、図28は、携帯電話機200のメモリ220におけるサービスポイントの記憶例を示すものである。
【0150】
ここで、携帯電話機200に記憶されたサービスポイントは、個々のサービスポイントを識別可能に表している。すなわち、遊技機IDによって、全国の遊技店に設置された多数の遊技機の中で、どの遊技機によって付与されたサービスポイントであるかが識別される。さらに、サービスポイントカウンタ値によって、当該パチンコ機1において何回目に出力されたサービスポイントであるかが識別される。上述したように、サービスポイントカウンタ値はサービスポイントの送信毎にカウントアップされるので、同一の値が存在することはない。従って、”遊技機ID+サービスポイントカウンタ値”のデータの並びはそれぞれ固有のものであって、同じデータが2つ存在することがないため、各遊技機における個々のサービスポイントを確実に識別することができる。
【0151】
次に、通信制御基板30における大当り遊技終了後の処理について、図21〜図22に示す大当り遊技終了後処理ルーチンのフローチャートを参照しつつ説明する。尚、大当り遊技終了後処理ルーチンは、ROM37に記憶されており、大当り遊技状態の終了直後にCPU36がROM37より本ルーチンを読み出して実行する。最初に、ステップS2500において、ポイント数データがポイントバッファ38f又はポイント蓄積領域38gに記憶されているか否かを判定する。ポイント数データが記憶されていない場合は(S2500:No)、本ルーチンを終了する。ポイント数データが記憶されている場合は(S2500:Yes)、ステップS2501において、遊技者特定フラグがONであるか否かを判定する。
【0152】
遊技者特定フラグがONである場合は(ステップS2501:Yes)、ステップS2502において、サービスポイントの送信が可能な状態である旨を報知すると共にサービスポイントの受信を促すメッセージを表示装置5に表示する。例えば、図26(c)に示すように、「サービスポイントの送信が可能です。送信要求を行って、サービスポイントを受信してください。受信しない場合は、そのまま蓄積されます。」とのメッセージを表示する。続いて、ステップS2503において、サービスポイントの送信が完了したか否かを判定する。サービスポイントの送信が完了している場合は(ステップS2503:Yes)、本ルーチンを終了する。サービスポイントの送信が完了していない場合は(ステップS2503:No)、ステップS2504において、サービスポイント送信タイムが終了したか否か(サービスポイント送信タイムが開始してから所定時間が経過したか否か)を判定する。サービスポイント送信タイムが終了していない場合は(ステップS2504:No)、ステップS2503へ戻る。サービスポイント送信タイムが終了した場合は(ステップS2504:Yes)、ステップS2505において、ポイントバッファ38fの記憶内容を、ポイント蓄積領域38gのポインタCPが示す領域へ蓄積すると共にポインタCPを更新し、本ルーチンを終了する。
【0153】
ここで、ポイントバッファ38f及びポイント蓄積領域38gへのポイント数データの記憶例について、図55を参照しつつ説明する。まず、1回目の大当り発生後の抽選でハイライト表示がルーレット5c上の第5領域5hに停止した場合、ポイント数データ”50”がポイントバッファ38fへ記憶される(図24(a)右側参照)。その後、大当り遊技終了後のサービスポイント送信タイム中にサービスポイントの送信が行われなかった場合(ステップS2504:Yes)、ポイントバッファ38fの内容がポイント蓄積領域38gのポインタCPが示す領域へ蓄積記憶され(図24(a)左側参照)、ポインタCPが更新される(ステップS2505)。
【0154】
次に、2回目の大当り発生後の抽選でハイライト表示がルーレット5c上の第4領域5gに停止した場合、ポイント数データ”40”がポイントバッファ38fへ記憶される(図24(b)右側参照)。その後、大当り遊技終了後のサービスポイント送信タイム中にサービスポイントの送信が行われなかった場合(ステップS2504:Yes)、ポイントバッファ38fの内容がポイント蓄積領域38gのポインタCPが示す領域へ蓄積記憶され(図24(b)左側参照)、ポインタCPが更新される(ステップS2505)。
【0155】
ステップS2501において遊技者特定フラグYFがOFFである場合は(ステップS2501:No)、ステップS2506において、パスワード記憶領域38cに遊技者特定パスワードが記憶されているか否かを判定する。尚、遊技者特定フラグがOFFであり且つパスワード記憶領域38cに遊技者特定パスワードが記憶されている場合とは、遊技者を特定して遊技を行った後に遊技を中止し、再び同一の遊技者が遊技を再開した場合や、遊技者を特定して遊技を行った後に遊技を終了し、その後、別の遊技者が遊技を開始した場合等である。遊技者特定パスワードが記憶されている場合は(ステップS2506:Yes)、ステップS2507において、遊技者特定パスワードより遊技者氏名の文字列(例えば、”ヤマダタロウ”)を読み出し、ステップS2508において、現在特定されている遊技者の氏名を確認するためのメッセージを表示装置5に表示する。メッセージは、例えば、「現在の遊技者はヤマダタロウ様です。よろしいですか?はい/いいえ」のように表示される(図26(d)参照)。そして、遊技者は自分の氏名が表示されている場合は、”はい”を、他人の氏名が表示されている場合は、”いいえ”を、第1赤外線センサ32a(”はい”の場合)又は第2赤外線センサ32b(”いいえ”の場合)に手をかざすことにより選択する。
【0156】
ここで、第1赤外線センサ32aによって遊技者の手がかざされたことが検知されると、ステップS2509において、”はい”が入力されたと判断され、ステップS2510において、遊技者特定フラグYFがONされた後、ステップS2502へ移行する。一方、第2赤外線センサ32bによって遊技者の手がかざされたことが検知された場合又は所定時間内にいずれの赤外線センサによっても手がかざされたことが検知されなかった場合は、ステップS2509において、”いいえ”が入力されたと判断され、ステップS2511においてパスワード記憶領域38cの内容を消去した後、後述するステップS2512へ移行する。
【0157】
ステップS2506において、パスワード記憶領域38cに遊技者特定パスワードが記憶されていないと判定された場合(ステップS2506:No)、ステップS2512において、遊技者が未特定である旨を報知すると共に遊技者の特定を行うか否かの選択メッセージを表示装置5に表示する。メッセージは、例えば、「現在、遊技者は特定されていません。遊技者の特定を行いますか?はい/いいえ」のように表示される(図26(e)参照)。そして、遊技者は、遊技者の特定を希望する場合は、”はい”を、希望しない場合は、”いいえ”を、第1赤外線センサ32a(”はい”の場合)又は第2赤外線センサ32b(”いいえ”の場合)に手をかざすことにより選択する。
【0158】
ここで、第1赤外線センサ32aによって遊技者の手がかざされたことが検知されると、ステップS2513において、”はい”が入力されたと判断され、ステップS2514において、遊技者特定タイムが形成され、遊技者特定タイム中である旨を報知すると共に遊技者特定パスワードの送信を促すメッセージを表示装置5に表示する。メッセージは、例えば、「<遊技者特定タイム>パスワードを送信して遊技者の特定を行ってください。」のように表示される(図26(f)参照)。一方、第2赤外線センサ32bによって遊技者の手がかざされたことが検知された場合又は所定時間内にいずれの赤外線センサによっても手がかざされたことが検知されなかった場合は、ステップS2513において、”いいえ”が入力されたと判断され、後述するステップS2517へ移行する。従って、遊技者の特定を希望しない場合は遊技者特定タイムへ移行することなく直ちに通常の遊技状態へ戻ることができ、遊技者の特定を希望する場合には確実に遊技者特定タイムへ移行して遊技者特定パスワードの送信を行うための時間が確保される。
【0159】
そして、ステップS2515において、遊技者特定フラグYFがONされたか否かが判定され、遊技者特定フラグYFがONされた場合は(ステップS2515:Yes)、ステップS2502へ移行する。尚、遊技者特定タイム中に携帯電話機200から遊技者特定パスワードが送信されることにより、所定時間間隔で呼び出される図17〜図18の情報通信処理メインルーチン内において遊技者特定処理(図19)が実行された場合に、遊技者特定フラグYFがONされる。遊技者特定フラグYFがONされていない場合は(ステップS2515:No)、ステップS2516において、遊技者特定タイムが終了したか否か(すなわち、ステップS2514で遊技者特定タイムが開始してから所定時間が経過したか否か)が判定される。遊技者特定タイムが終了していない場合は(ステップS2
516:No)、ステップS2515へ戻り、遊技者特定タイムが終了した場合は(ステップS2516:Yes)、ステップS2517において、ポイントバッファ38f及びポイント蓄積領域38gの記憶内容を消去し、ステップS2518において、ポイント数データが消去された旨のメッセージを表示装置5に表示する。例えば、「ポイント数データが消去されました。」のようにメッセージ表示を行う(図26(g)参照)。そして、ステップS2519において、報知ランプ31を消灯した後、本ルーチンの処理を終了する。
【0160】
次に、通信制御基板30において実行される遊技終了処理について、図25に示す遊技終了処理ルーチンのフローチャートを参照しつつ説明する。本ルーチンは、ROM37に記憶されており、CPU36がROM37より所定時間間隔で当該ルーチンを読み出して実行する。最初に、ステップS2600において、終了ボタン41が押下されたか否かを判定する。尚、終了ボタン41の押下は、当該遊技者による遊技終了の意思表示としての遊技終了操作である。終了ボタン41が押下されなかった場合は(ステップS2600:No)、本ルーチンの処理を終了する。
【0161】
終了ボタン41が押下された場合、すなわち、遊技者によって遊技終了操作が行われた場合は(S2600:Yes)、ステップS2601において、ポイント数データがポイントバッファ38f又はポイント蓄積領域38gに記憶されているか否かを判定する。ポイント数データが記憶されていない場合は(ステップS2601:No)、本ルーチンの処理を終了する。
【0162】
ポイント数データが記憶されている場合、すなわち、未送信のポイント数データが残存している場合は(ステップS2601:Yes)、ステップS2602において、ポイント数データの消去を行うことを表示装置5におけるメッセージ表示により予告的に報知する。例えば、図26(h)に示すように、「ポイント数データを消去します。よろしいですか?はい/いいえ」と表示される。そして、ステップS2603において、第1赤外線センサ32aに手がかざされたことが検出された場合又はいずれの赤外線センサによっても手のかざしが検出されなかった場合は、「はい」が入力されたと認識して、ステップS2604において、ポイントバッファ38f又はポイント蓄積領域38gの記憶内容(すなわち、ポイント数データ)の消去、及び遊技者特定パスワード記憶領域38cの記憶内容(すなわち、遊技者特定パスワード)の消去を実行する。続いて、ステップS2605において、ポイント数データが消去された旨のメッセージを表示装置5に表示する。例えば、「ポイント数データが消去されました。」のようにメッセージ表示を行う(図26(g)参照)。そして、ステップS2606において、報知ランプ31を消灯した後、本ルーチンの処理を終了する。
【0163】
一方、ステップS2603において、第2赤外線センサ32bに手がかざされたことが検出された場合は、「いいえ」が入力されたと認識して、ポイント数データの消去を実行することなく、ステップS2607において、図26(c)に示すように、表示装置5に「サービスポイントの送信が可能です。送信要求を行ってサービスポイントを受信してください。受信しない場合はそのまま蓄積されます。」とのメッセージを表示し、ステップS2600へ戻る。よって、遊技者は、サービスポイントの受信を行わずに終了ボタン41を押下してしまった場合であっても、携帯電話機200から送信要求を送信することにより、サービスポイントを受信することができる。
【0164】
以上詳述したことから明らかなように、本実施の形態によれば、大当り遊技状態(特定の遊技状態)の発生が検出されると、ステップS954〜S958(抽選手段)においてポイント数を決定するための抽選(情報出力に関する抽選)が行われ、赤外線発光部33(情報出力手段)がポイント数に応じた価値を有するサービスポイント(遊技者に提供するための情報)を赤外線信号として送信するので、遊技者は携帯電話機200を用いて赤外線信号を受信することにより、サービスポイントを取得することができる。よって、情報の獲得に対する遊技者の期待感を増大させて遊技意欲をより一層向上させることができる。そして、サービスポイントはポイント数に応じた価値を有しているため、携帯電話機200より遊技ホールや遊技機メーカ等にサービスポイントを送ることによって、遊技者がポイント数に応じた賞品を獲得したり、サービスの提供を受けること等が実現でき、遊技者における遊技意欲を向上させて、他の遊技ホール又は他の遊技機メーカとの差別化、集客、遊技時間の拡大等を図ることが可能となる。
【0165】
また、遊技者が遊技中に注視する表示装置5によって抽選の実行が演出されるので、遊技者の抽選結果に対する期待感を確実に増大させることができる。また、既存の表示装置5を利用して抽選の実行が演出されるので、抽選演出用の表示装置を別途設ける必要が無く、コストの増加を抑えることができる。
【0166】
また、大当り遊技状態の発生に基づく抽選の開始から所定時間経過したタイミングで抽選結果を決定することにより、遊技者による入力操作等を必要とすることなく自動的に抽選の実行及び抽選結果の決定が実行され、円滑に遊技を進行させることができる。
【0167】
さらに、メイン基板とは別個に設けられ且つメイン基板からの出力専用の通信線によって接続されたサブ基板である通信制御基板30にて抽選手段が実現されているので、パチンコ機1の主制御に対する不正が行われることを確実に防止することができる。また、遊技盤7を交換する場合に通信制御基板30上に設けられた抽選手段を再利用することが可能である点で利便性が高い。
【0168】
次に、第一の実施の形態の変形例について、図29乃至図30を参照しつつ説明する。前記各実施の形態では、サービスポイントをそれぞれ固有の値とするためにサービスポイントカウンタ値を用いる構成としたが、これには限られない。要するに、特定の遊技状態の発生を個々に識別可能に表すサービスポイントを作成し、携帯通信端末によって受信可能な信号として送信する構成とすればよいのである。例えば、通信制御基板30に時計を内蔵させ、個々の遊技状態の発生時点を表す時点データを、サービスポイントの構成要素として用いる構成としてもよい。図29は、本変形例において、ポイントバッファ38fにおけるポイント数データ及び時点データの記憶例を、図30は携帯電話機200によって受信されたサービスポイントの記憶例を示す図である。この変形例によれば、遊技状態の発生時点を表す時点データによって、重複が生じない固有情報を簡単且つ確実に作成することができる。さらに、時点データを用いることにより、どのようなタイミングで各特定の遊技状態が発生したかを、受信したサービスポイントに基づいて解析することができる。尚、本変形例において、遊技機ID及び時点データが、各サービスポイントを個々に識別するための識別情報に相当するものである。
【0169】
次に、本発明の第二の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施の形態では、大当り遊技状態の発生毎に抽選を行い、抽選結果に基づいてポイント数を決定すると共に、各ポイント数を積算して累積ポイント数を算出し、赤外線発光部33より累積ポイント数に応じた価値を有するサービスポイントを送信する構成としたものである。尚、上述した第一の実施の形態と共通する構成については同一の符号を付し、それらについての詳細な説明を省略する。また、図2、図4乃至図10、図12乃至図16は第一の実施の形態と共に本実施の形態の内容をも表すものとする。
【0170】
本実施の形態におけるパチンコ機101では、図31の正面図及び図32の通信制御基板のブロック図に示すように、遊技球Bを発射するための発射ハンドル17において、遊技者の手で把持される外周部分に指紋センサ42が設けられている。指紋センサ42は、CPU36に接続されており、発射ハンドル17において検出した指紋データがCPU36に伝送される。また、CPU36に伝送された指紋データは、RAM38の指紋データ記憶領域38iに記憶されるとともに、今回検出された指紋データと、指紋データ記憶領域38iに記憶された前回の指紋データとが比較照合される。両指紋データが一致する場合には、同一遊技者が遊技を継続していると判定され、一致しない場合には、遊技者の交替があったと判定される。
【0171】
本実施の形態のRAM38には、図32に示すように、第一の実施形態と同様に遊技者特定パスワード記憶領域38c、送信バッファ38d及び内部乱数カウンタ38xが設けられると共に、ポイントバッファ38f及びポイント蓄積領域38gに代えて、出力情報記憶手段としての累積ポイント記憶領域38hが設けられている。累積ポイント記憶領域38hは、抽選によってポイント数が決定される度に、各ポイント数が順次積算されて算出される累積ポイント数RPを記憶する領域である。さらに、RAM38には、指紋センサ42によって検出された指紋データを記憶する指紋データ記憶領域38iが設けられている。尚、累積ポイント記憶領域38hが本発明の出力情報記憶手段を構成するものである。
【0172】
本実施形態では、図6の特別電動役物制御ルーチンのステップS95において、図11の大当り演出/抽選表示処理ルーチンに代えて、図33の大当り演出/抽選表示処理ルーチンが呼び出されて実行される。図33に示す大当り演出/抽選表示処理ルーチンのステップS950〜S957の処理内容は、図11のフローチャートと同様であるので、これらについての説明を省略する。停止位置がハズレ領域以外である場合(ステップS957:Yes)、ステップS958’において、停止位置の第1領域5d乃至第5領域5iに対応づけられたポイント数を累積ポイント記憶領域38hの累積ポイント数RPに加算し、リターンする。すなわち、停止位置が第1領域5dの場合は10ポイントを、第2領域5eの場合は20ポイントを、第3領域5fの場合は30ポイントを、第4領域5gの場合は40ポイントを、第5領域5hの場合は50ポイントを、それぞれ累積ポイ
ント記憶領域38hの累積ポイント数RPへ累積加算する。尚、ステップS954〜S958’のステップが本発明の抽選手段として機能するものである。
【0173】
次に、通信制御基板30において実行される各処理の詳細説明に先立って、パチンコ機101における遊技の開始から携帯電話機200へのサービスポイント送信までの流れの概略について説明する。本実施の形態は、大当り発生の検出毎に抽選を行ってポイント数を決定すると共に、各ポイント数を積算して累積ポイント数を算出し、赤外線発光部33より累積ポイント数に応じた価値を有するサービスポイントを送信する構成としたものである。遊技者は、遊技ホールにおいてパチンコ機101の前方に設置された席に着くと、当該パチンコ機101における遊技を開始する前に、自己が所持する携帯電話機200の赤外線発光部209より、”機種ID+遊技者特定パスワード+開始データ”を赤外線信号としてパチンコ機101の赤外線受光部34に対して送信する。ここで、機種IDとは、パチンコ機101の機種を識別するための識別情報である。また、開始データは、携帯電話機200におけるポイント数残高である。パチンコ機101では、受信した機種IDによって機種の確認が、遊技者特定パスワードによって遊技者の特定がそれぞれ行われると共に、受信した開始データが現在の累積ポイント数として設定される。
【0174】
ここで、当該機種のパチンコ機で初めて遊技を行う場合、機種IDとしては所定のダミーIDが、開始データとしては”0”が携帯電話機200から送信される。一方、同一機種での2回目以降の遊技の場合、機種IDは当該パチンコ機101の機種IDであり、開始データは当該機種におけるポイント数残高となっている。そして、初めて遊技する場合は開始データが0であるので、表示装置5における演出が最初のストーリーから開始されるのに対し、2回目以降に遊技をする場合は、受信された開始データが現在の累積ポイント数として設定されることにより、パチンコ機101における遊技の進行状況が携帯電話機200におけるポイント数残高に基づいて設定される。
【0175】
そして、大当りが発生する度に抽選が実行され、抽選結果に基づいて決定されたポイント数が累積ポイント記憶領域38hの累積ポイント数RPに加算される。その後、遊技者は遊技を終了する時に、携帯電話機200より”送信要求信号+遊技者特定パスワード”を赤外線信号としてパチンコ機101に送信すると、パチンコ機101に記憶された遊技者特定パスワードと受信した遊技者特定パスワードとが一致することを条件に、パチンコ機101の赤外線発光部33から累積ポイント数データを含むサービスポイントが送信され、携帯電話機200によって受信及び記憶される。携帯電話機200において受信したサービスポイントは、賞品の獲得等のために使用することができ、ポイント数残高を次回遊技の開始時に開始データとしてパチンコ機101に送信することができる。
【0176】
図34のグラフは、累積ポイント数RPの推移例であり、累積ポイント数RP=100で遊技を開始し、大当り発生に伴う抽選によって、時間t1で10ポイント、時間t2で30ポイント、時間t3で40ポイントがそれぞれ累積加算され、時間t4で遊技終了をした時に累積ポイント数RP=180となった例を示している。
【0177】
次に、通信制御基板30において実行される情報通信処理について、図35〜図36に示す情報通信処理メインルーチンのフローチャートを参照しつつ説明する。尚、本ルーチンは、図17乃至図18に示す第一の実施の形態におけるルーチンに代えてROM37に記憶されており、CPU36がROM37より所定周期で繰り返し当該ルーチンを読み出して実行する。
【0178】
尚、携帯電話機200からの開始データ、遊技者特定パスワード、送信要求信号等の送信は、携帯電話機200において上述したサービスポイント受信用プログラムを起動した状態でボタン204を操作することにより行われるものとする。例えば、開始データ送信の際には、図37に示すように、パチンコ機の機種名及びサービスポイント残高を液晶パネル206に表示させ、ボタン204を操作して選択することにより、選択された機種の機種ID、遊技者特定パスワード及び開始データとしてのサービスポイント残高がメモリ220から読み出されて赤外線発光部209より赤外線信号として送信される。
【0179】
図35乃至図36のフローチャートで、最初に、ステップS3400において、赤外線受光部34によって”機種ID+遊技者特定パスワード+開始データ”が受信されたか否かを判定する。”機種ID+遊技者特定パスワード+開始データ”が受信された場合は(ステップS3400:Yes)、ステップS3401において、受信した機種IDが、ROM37に記憶される当該パチンコ機101の機種IDと一致するか否かを判定する。受信した機種IDが当該パチンコ機101の機種IDと一致する場合は(ステップS3401:Yes)、ステップS3402において、受信した開始データの値を累積ポイント記憶領域38hの累積ポイント数RPへ書き込む。ここで、開始データは、携帯電話機200のメモリ220に記憶されたサービスポイントのポイント数残高であるので、ステップS3402の処理により、パチンコ機101における累積ポイント記憶領域38のhの累積ポイント数RPには、携帯電話機200に記憶されたサービスポイントポイント数残高が設定される。
【0180】
受信した機種IDが当該パチンコ機101の機種IDと一致しない場合は(ステップS3401:No)、ステップS3403において、受信した機種IDが所定のダミーIDと一致するか否かを判定する。受信した機種IDが所定のダミーIDと一致する場合は(ステップS3403:Yes)、ステップS3404において、数値”0”を累積ポイント記憶領域38hの累積ポイント数RPへ書き込む。ここで、ダミーIDが送信されるのは当該機種において初めて遊技をする場合であるので、累積ポイント数RPに”0”が設定されることにより、パチンコ機101において新規に遊技を開始する遊技進行状況となる。
【0181】
また、受信した機種IDが当該パチンコ機101の機種ID及び所定のダミーIDのいずれとも一致しない場合は(ステップS3403:No)、ステップS3405において、図38(a)に示すように、「機種IDが一致しません。機種を確認して下さい。」とのメッセージを表示装置5に表示した後、本ルーチンの処理を終了する。
【0182】
ステップS3402又はステップS3404において累積ポイント数RPに開始データが設定された後、ステップS3406において、受信した遊技者特定パスワードをパスワード記憶領域38cに記憶すると共に、遊技者特定フラグYFをONする。続いて、ステップS3407において、図38(b)に示すように、「ヤマダタロウ様が遊技者として特定されました。現在のポイント数残高は○○○ポイントです。」とのメッセージを表示装置5に表示する。さらに、ステップS3408において、累積ポイント数RPの値が図柄表示制御基板22へ送信され、本ルーチンの処理を終了する。
【0183】
一方、表示装置5では、図柄表示制御基板22によって制御されることにより、累積ポイント数の値に対応するストーリー画面による演出表示が行われる。例えば、図39に示すように、累積ポイント数が100ポイント増加する毎に図柄表示制御基板22へ制御指令が送信されることにより、ストーリー1(100ポイント)、ストーリー2)(200ポイント)、ストーリー3)(300ポイント)、ストーリー4(400ポイント)・・・のようにストーリー展開の演出が実行される。尚、図39では、前回の遊技でストーリー1)からストーリー2)の途中まで遊技した後、サービスポイントを携帯電話機200にて受信し、今回の遊技開始時に、携帯電話機200のメモリ220に記憶されたサービスポイントのポイント数残高を開始データとしてパチンコ機101に送信して、ストーリー2)の続
きから遊技が開始された例を示している。
【0184】
ステップS3400において”機種ID+遊技者特定パスワード+開始データ”が受信されなかったと判定された場合は(ステップS3400:No)、ステップS3409において、”送信要求信号+遊技者特定パスワード”が受信されたか否かを判定する。”送信要求信号+遊技者特定パスワード”が受信されなかったと判定された場合は(ステップS3409:No)、本ルーチンの処理を終了する。
【0185】
ステップS3409において、”送信要求信号+遊技者特定パスワード”が受信された場合は(ステップS3409:Yes)、ステップS3410において、送信要求信号と共に受信した遊技者特定パスワードとパスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードとが一致するか否かを判定する。尚、パスワード記憶領域38cに遊技者特定パスワードが記憶されていない場合も、一致しない場合として判定される。送信要求信号と共に受信した遊技者特定パスワードとパスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードとが一致しない場合は(ステップS3410:No)、ステップS3411において、図38
(c)に示すように、「パスワードが一致しないか未入力のため、サービスポイントを送信できません。」とのメッセージを表示装置5に表示し、本ルーチンの処理を終了する。
【0186】
従って、携帯電話機200から送信要求信号が送信された場合であっても、送信要求信号と共に受信した遊技者特定パスワードがパスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードと一致しない場合には、サービスポイントの送信は行われない。このため、遊技開始時に特定された遊技者以外の者によってサービスポイントが不正に受信されることを防止することができる。
【0187】
送信要求信号と共に受信した遊技者特定パスワードとパスワード記憶領域38cに記憶された遊技者特定パスワードとが一致する場合は(ステップS3410:Yes)、ステップS3412において、コネクト信号を送信し、ステップS3413において、携帯電話機200からリターン信号を受信する。これにより、通信制御基板30と携帯電話機200との間で、赤外線通信が可能な状態となる。続いて、ステップS3414において、報知ランプ32の点滅を開始する。そして、ステップS3415において、サービスポイントの作成及び送信処理を行う。ここで、ステップS3415におけるサービスポイントの作成及び送信処理は、図20に示す第一の実施の形態におけるルーチンに代えて、図40に示すサービスポイント作成・送信処理ルーチンを呼び出して実行することにより行われる。
【0188】
サービスポイント作成・送信処理ルーチンでは、ステップS3471において、当該パチンコ機101を他と識別する遊技機識別情報としての遊技機IDが、RAM38上の送信バッファ38dの1番目の格納領域に格納される。ここで、図41(a)は、サービスポイント送信用の送信バッファ38dのフォーマットを、同図(b)はサービスポイントの格納例をそれぞれ示している。続いて、ステップS3472において、不揮発性メモリ39よりサービスポイントカウンタ39bの値を読み出して送信バッファの2番目の領域に格納する。更に、ステップS3473において、累積ポイント記憶領域38hに記憶された本発明の送信情報としての累積ポイント数RPの値を送信バッファ38dの3番目の領域に格納する。つまり、サービスポイントは、”遊技機ID+サービスポイントカウンタ値+累積ポイント数データ”というデータ構造を有する。尚、遊技機IDの上3桁は機種IDであり、開始データとともに送信される機種IDは遊技機IDに基づいて設定される。尚、遊技機ID及びサービスポイントカウンタ値が、各サービスポイントを個々に識別するための識別情報に相当するものである。
【0189】
そして、ステップS3474において、送信バッファ38dに格納されたサービスポイントを赤外線発光部33より赤外線信号として送信する。続いて、ステップS3475において、赤外線受光部34にて携帯電話機200より確認信号を受信し、ステップS3476において、不揮発性メモリ39のサービスポイントカウンタの値をカウントアップした後、メインルーチンにリターンする。
【0190】
情報通信処理メインルーチン(図36)にリターンすると、ステップS3416において、送信終了信号を送信する。続いて、ステップS3417において、報知ランプ31を消灯し、ステップS3418において、累積ポイント数RPに”0”を設定するとともに、遊技者特定フラグYFをOFFし、送信バッファ38dの記憶内容を消去して、本ルーチンの処理を終了する。
【0191】
上述した情報通信処理メインルーチンにおいて送信されたサービスポイントは、携帯電話機200によって受信されると、遊技機ID、サービスポイントカウンタ値、累積ポイント数データが、携帯電話機200に内蔵されたメモリ220に記憶される。尚、図43は、携帯電話機200のメモリ220における記憶例を示すものである。
【0192】
次に、通信制御基板30において実行される遊技終了処理について、図42に示す遊技終了処理ルーチンのフローチャートを参照しつつ説明する。本ルーチンは、ROM37に記憶されており、CPU36がROM37より所定周期で繰り返し当該ルーチンを読み出して実行する。
【0193】
最初に、ステップS3600において、指紋センサ42より出力される今回の
指紋データと指紋データ記憶領域38iに記憶された前回の指紋データとを比較照合し、指紋が一致するか否かが判定される。指紋が一致する場合は(ステップS3600:Yes)、本ルーチンの処理を終了する。すなわち、指紋が一致する場合は、同一遊技者による遊技が継続していることを意味するからである。
【0194】
指紋が一致しないと判定された場合、すなわち、遊技者が交替することにより交替前の遊技者による遊技が終了したと判定された場合は(ステップS3600:No)、ステップS3601において、累積ポイント数RPが累積ポイント記憶領域38hに記憶されているか否かを判定する。累積ポイント数RPが記憶されていない場合は(ステップS3601:No)、本ルーチンの処理を終了する。
【0195】
累積ポイント数RPが記憶されている場合、すなわち、未送信の累積ポイント数RPデータが残存している場合は(ステップS3601:Yes)、ステップS3602において、累積ポイント記憶領域38hの記憶内容(すなわち、累積ポイント数RP)の消去、及び遊技者特定パスワード記憶領域38cの記憶内容(すなわち、遊技者特定パスワード)の消去を実行する。続いて、ステップS3603において、累積ポイント数RPデータが消去された旨のメッセージを表示装置5に表示する。例えば、「累積ポイントが消去されました。」のようにメッセージ表示を行う(図38(d)参照)。そして、ステップS3604において、報知ランプ31を消灯した後、本ルーチンの処理を終了する。
【0196】
以上詳述したことから明らかなように、本実施の形態によれば、上述した第一の実施の形態において奏される効果に代えて(或いは加えて)、以下に示す種々の作用効果が奏される。すなわち、本実施の形態によれば、大当り遊技状態(特定の遊技状態)の発生が検出されると、ステップS954〜S958’(抽選手段)においてポイント数を決定するための抽選(情報出力に関する抽選)が行われ、ポイント数が累積ポイント記憶領域38hの累積ポイント数RPに累積加算され、赤外線発光部33(情報出力手段)が累積ポイント数に応じた価値を有するサービスポイント(遊技者に提供するための情報)を赤外線信号として送信するので、遊技者は携帯電話機200を用いて赤外線信号を受信することにより、複数回の遊技において累積されたポイント数を含むサービスポイントを取得することができる。よって、情報の獲得に対する遊技者の期待感を増大させて遊技意欲をより一層向上させることができる。そして、サービスポイントはポイント数に応じた価値を有しているため、携帯電話機200より遊技ホールや遊技機メーカ等にサービスポイントを送ることによって、遊技者がポイント数に応じた賞品を獲得したり、サービスの提供を受けること等が実現でき、遊技者における遊技意欲を向上させて、他の遊技ホール又は他の遊技機メーカとの差別化、集客、遊技時間の拡大等を図ることが可能となる。
【0197】
尚、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0198】
例えば、前記各実施の形態は、大当り遊技状態の発生の基づく抽選の開始から所定時間経過したタイミングで抽選結果を決定することにより、遊技者による入力操作等を必要とすることなく自動的に抽選の実行及び抽選結果の決定が実行される構成としたが、抽選を実行するために遊技者によって操作される操作手段を設け、操作手段が操作されたタイミングに基づいてルーレット変動表示(すなわち、抽選の実行)を開始すると共にルーレット変動表示の停止(すなわち、抽選結果の決定)を行うように構成してもよい。本変形例によれば、遊技者が所望のタイミングで抽選を実行することができると共に、抽選結果の決定に際して遊技者自身による操作を介入させることによって抽選における遊技性が高まり、より一層の遊技意欲の向上が図られる。また、上述した操作手段としては、押しボタ
ン、タッチパネル、遊技者の身体部位のいずれかの動作を検出するセンサ、又は音声認識装置等によって構成することが可能である。尚、図44は、本変形例のパチンコ機を示す正面図であり、抽選を実行するために遊技者によって操作される操作手段としての抽選ボタン3bを上受け皿3aに設けた一例を示している。
【0199】
前記各実施の形態において、抽選によってサービスポイントのポイント数を決定する構成としたが、ポイント数に代えてサービスポイントとは異なる特別な付加価値情報の種類を決定し、赤外線発光部33より赤外線信号として送信する構成としてもよい。これにより、遊技者は、付加価値情報の獲得を一つの遊技目標として遊技を行うことができ、遊技意欲を向上させることができる。
【0200】
前記各実施の形態では、大当り遊技状態が発生した場合にポイント数を決定するための抽選を行う構成としたが、大当り遊技状態が終了した時点で抽選を行うようにしてもよい。あるいは、大当り遊技状態以外の特定の遊技状態(例えば、リーチ遊技状態)の発生若しくは終了時等、他の所定のタイミングで抽選を行うように構成してもよい。また、前記各実施の形態では、ポイント数を決定するための抽選を行う構成としたが、例えば、当選か落選かを決定するための抽選を行い、当選の場合はサービスポイントの送信を実行し、落選の場合はサービスポイントの送信を中止するように構成してもよい。
【0201】
また、前記各実施形態では、画面5aにルーレット5cを表示して抽選の実行を演出するように構成したが、ルーレット表示以外のいかなる態様で抽選の演出を行うように構成しても構わない。また、前記各実施形態では、大当り演出画面と抽選演出画面とを、遊技盤7に設けられた表示装置5の画面5aにて分割表示する構成としたが、抽選演出画面を表示するための表示装置を遊技盤7上若しくは遊技盤7外部のガラス扉枠3等に別途設ける構成としてもよい。
【0202】
前記各実施の形態では、赤外線送信部33からサービスポイントを赤外線信号信号として出力し、携帯電話機200において赤外線信号を受信することにより、サービスポイントを取得する構成としたが、図柄表示制御基板22のROM24に二次元バーコード生成プログラムを内蔵し、表示装置5においてサービスポイントを二次元バーコードとして表示出力する構成としてもよい。本変形例によれば、CCDカメラ及び二次元バーコード解読機能付きの携帯電話機200を用いて二次元バーコードを読み取ることによりサービスポイントを取得することが可能である。そして、ポイント数が蓄積された結果を一つの二次元バーコードにて表示することにより、複数のサービスポイントを一括して取得することができる。また、二次元バーコード生成プログラムが表示装置5の制御を行う図柄表示
制御基板22に設けられているので、図柄表示制御基板22へコマンド等を送信することにより少ない処理負荷で二次元バーコード表示を行うことができる。図45は、表示装置5のラウンド表示画面における二次元バーコードの表示例を示している。尚、本変形例において表示装置5が本発明の情報出力手段を、二次元バーコード生成プログラムがバーコード生成手段をそれぞれ構成するものである。また、二次元バーコード生成プログラムを、図柄表示制御基板22に代えて通信制御基板30に設ける構成としてもよい。この構成によれば、当該パチンコ機1が廃棄される場合等に通信制御基板30を含む通信ユニットを取り外して他の遊技機にて再利用することが可能である点で利便性が高い。また、二次元バーコード生成プログラムを、パチンコ機1本体の制御装置21のメイン基板に設ける構成としてもよい。この構成によれば、二次元バーコード生成プログラムが、パチンコ機1本体にかしめ固定されたメイン基板に設けられているので、確実に不正防止を図ることができる。
【0203】
また、上述した変形例では、二次元バーコード生成プログラムが、蓄積された複数の送信情報を一つのバーコードとして生成し、表示装置5において、その生成された一つのバーコードを表示することにより、複数の送信情報を一つのバーコードにより一括して表示し、これにより送信情報を携帯電話機200にて一括して取得することができる構成としたが、これには限られない。例えば、二次元バーコード生成プログラムが、各送信情報毎にそれぞれバーコードとして生成し、生成された前記各バーコードをRAM38(又はRAM26)にて蓄積記憶し、蓄積記憶された各バーコードを表示装置5において、順次、読み出して表示するように構成してもよい。本変形例によれば、蓄積記憶された送信情報が表示装置5にて順次表示されるので、各送信情報を携帯電話機200により順次取得することができる。或いは、送信情報(例えば、大当り遊技状態の発生を表す遊技
状態データやサービスポイント等)に対応づけて一次元若しくは二次元のバーコードのパターンを予め記憶するバーコード記憶手段(ROM)を備え、RAM38に蓄積記憶された各送信情報についてバーコード記憶手段よりバーコードを読み出して表示するように構成してもよい。この変形例によれば、処理負荷の大きいバーコード生成処理を行うことなく、少ない処理負荷で表示装置5におけるバーコード表示を行うことができる。
【0204】
また、二次元バーコードに代えて、他の機械読み取り可能なシンボルを採用してもよい。例えば、一次元バーコードとして表示出力してもよく、文字等(英字、カタカナ、ひらがな、漢字、記号、数字等を含む)の並びとして表示してもよい。尚、光学的文字認識機能を有する携帯通信端末を用いて文字等の並びを認識して、情報取得を行うことが可能である。さらに、遊技盤7に設けられた図柄変動表示装置としての表示装置5とは別に、遊技盤7の他の位置、或いは遊技盤7外部の前枠2又はガラス扉枠3上に、二次元バーコード表示出力用の表示装置を情報出力手段として別途設ける構成としてもよい。例えば、図46に示すパチンコ機102は、前枠2の周縁部において、ガラス扉枠3の角部近傍に設けた開口部を介して二次元バーコード表示装置5’、報知ランプ31、及び赤外線受光部34を露出させるように配置した例を示している。本変形例によれば、表示装置5における図柄変動表示の表示領域に影響を与えることが無いという利点があると共に、携帯電話機200による読み取り操作がし易く、且つ他の遊技者による不正な読み取り操作が行われにくい位置に適宜配置が可能であるという利点がある。また、遊技盤7のみが交換された場合に、遊技盤7外部の前枠2に設けられた二次元バーコード表示装置5’を再利用することができる。また、パチンコ機に玉貸しに関する機能を有する台間装置が接続され且つ台間装置が表示装置を備えている場合には、台間装置にて二次元バーコード表示を行うように構成してもよい。
【0205】
前記各実施の形態では、遊技者の操作によって携帯電話機200から赤外線信号として送信される遊技者特定パスワードを入力させる構成としたが、携帯電話機200に設けられた端子を介して携帯電話機200内のメモリの記憶内容を読み出し可能な装置を設ける構成としてもよい。また、遊技者の操作により情報の入力が可能な入力手段、例えば、パチンコ機の枠等に設けたキーボード、タッチパネル等の入力装置を介して遊技者特定パスワードを入力する構成としてもよい。また、玉貸しに関する機能を有する台間装置より出力される情報を入力させるためのインタフェース基板(インタフェース手段)を介して遊技者特定パスワードを入力させる構成としてもよい。この場合、例えば、台間装置にタッチパネル等の入力装置又は赤外線受信装置等を設け、これらの装置によって入力された遊
技者特定パスワードが、インタフェース基板を介して入力される構成としてもよい。或いは、台間装置によって磁気カード又はICカードから遊技者特定パスワードを読み取り、インタフェース基板を介して入力させる構成としてもよい。
【0206】
前記各実施の形態では、第1赤外線センサ32a又は第2赤外線センサ32bに手をかざすことにより遊技者特定状況の確認結果を入力する構成としたがこれには限られない。例えば、押しボタン、タッチパネル、遊技者の身体部位のいずれかの動作を検出するセンサ、携帯電話機200から送信される情報の受信装置、又は音声認識装置のいずれかによって構成された確認入力手段を介して、遊技者特定状況の確認結果を入力するように構成してもよい。
【0207】
前記各実施の形態では、遊技者が特定されていることを携帯電話機200による遊技者特定パスワードの送信によって遊技者が特定された時、又は遊技者が特定されないまま大当り遊技状態が終了した時に、表示装置5において報知する構成としたが、これら以外のタイミングで報知を行うように構成してもよい。例えば、遊技開始直後に報知を行うようにしてもよい。これにより、遊技者は、遊技開始後、直ぐに遊技者が特定されていることを知ることができる。尚、遊技が開始されたことの検出は、出力端子16dにおける発射スイッチ信号がオフからオンになったことを検出することにより行うことができる。
【0208】
また、特定の遊技状態の発生が検出された時に遊技者特定の報知を行う構成としてもよい。これにより、遊技者は、大当り遊技状態等の特定の遊技状態の発生によって遊技状態データの受信が可能となった時点で、遊技者が特定されていることを確実に知ることができる。また、前記実施の形態では、大当り遊技状態の終了時に遊技者が未特定である場合に、遊技者が未特定であることを報知する構成としたが、大当り遊技状態等の特定の遊技状態の発生検出時に報知し、遊技者特定タイムを形成するように構成してもよい。また、所定時間間隔で遊技者特定の報知を行う構成としてもよい。これにより、所定時間間隔で繰り返し表示されるメッセージによって、遊技者は、遊技者が特定された状態であることを常に確認することができる。
【0209】
また、前記各実施の形態では、遊技者が特定されていること、遊技者特定タイム中であること、サービスポイントの送信が可能な状態となったこと、遊技者が未特定であること、及び蓄積情報が消去されたことを表示装置5によるメッセージ表示により報知する構成としたが、図柄表示によって報知してもよい。また、発光装置を用いて光の点灯や点滅等によって報知を行うようにしてもよい。尚、発光装置としては、電球や発光ダイオード等種々の方式で発光するものを用いることができる。或いは、音声発生装置を用いて音声によるメッセージによって、報知を行うようにしてもよい。さらに、各報知内容を表す情報を携帯電話機200へ送信することにより報知を行うように構成してもよい。例えば、遊技者が特定されたこと等の内容を表す情報を、電子メールとして送信する構成としてもよく、或いは赤外線信号として送信する構成としてもよい。これによれば、遊技者は、自己の携帯通信端末において遊技者が特定されたこと等を知ることができる。
【0210】
前記各実施の形態では、赤外線発光部33、赤外線受光部34及び報知ランプ31を遊技盤7上に設ける構成としたが、これには限られず、パチンコ機1に備わる他の機能に支障を来さない範囲内でパチンコ機1のいかなる部位に配設してもよい。例えば、前枠2の左下に設ける構成としてもよく、前枠2上の他の部位若しくは他の枠内に設けてもよい。尚、椅子に着座して遊技を行う遊技者の背後から不正にサービスポイントが受信されることを防止するために、パチンコ機1前面において、着座した遊技者の上半身に対向する領域に赤外線発光部33及び受光部34を設けることが望ましく、より好ましくはパチンコ機1の左右方向中央部付近である。
【0211】
また、前枠2上に赤外線発光部33、赤外線受光部34及び報知ランプ31を設ける場合には、より確実に不正受信を防止するために、赤外線発光部33及び受光部34の前面より手前(遊技者側)に所定間隔を離隔させて平行に樹脂等からなる板状部材を突出させる構造を設けてもよい。そして、携帯電話機200を赤外線発光部33及び受光部34と板状部材との間に挿入してサービスポイントの受信を行う。このような構成によれば、赤外線発光部33から発せられる赤外線信号が板状部材によって遮断されるため、当該遊技者以外の者により不正にサービスポイントが受信されることが確実に防止される。
【0212】
前記実施の形態では、通信制御基板30をパチンコ機1に内蔵させる構成としたが、通信制御基板30、報知ランプ31、赤外線発光部33、及び赤外線受光部34を内蔵する通信ユニットをパチンコ機1とは別体で設け、遊技島に設置されているパチンコ機1の下部位置に突設形成された膳板上に設置してもよい。或いは、パチンコ機1に隣接して設置される玉貸しに関する機能を備えた台間装置に通信ユニットを内蔵させる構成としてもよい。尚、前記実施の形態では、通信制御基板30が、外部接続端子板16を介して制御装置21と接続される構成であるため、通信ユニットを容易に別体化することが可能である。
【0213】
前記実施の形態では、携帯電話機200との間で赤外線を媒介として無線通信を行う構成としたが、これには限られず、例えば、電波を媒介とする近距離通信技術として知られるブルートゥース通信が可能な携帯通信端末との間でブルートゥースによる無線通信を行う構成としてもよい。より具体的には、図47に示すように、上述した実施形態における赤外線発光部33及び赤外線受光部34に代えて、例えば、本変形例のパチンコ機103若しくはパチンコ機103に隣接して設置される玉貸しに関する機能を有するカードユニット内に、2.47GHz帯の約1mW以下である微弱電波のやり取りを可能とするブルートゥースモジュール501を設けると共に、略垂直方向に指向性を有するアンテナモジュール502をパチンコ機103と対応する遊技者用椅子50との間の床上、遊技者用椅子50の内部、又は遊技島に設置されているパチンコ機1の下部位置に突設形成された膳板上に設ける。また、ブルートゥースモジュール501とアンテナモジュール502とは、伝送線503によって電気的に接続されている。尚、図47では、遊技者用椅子50の内部にアンテナモジュール502を設けた例を示しており、(a)は携帯電話機200がアンテナモジュール502に通信圏内にある場合、(b)は通信圏外にある場合をそれぞれ示している。
【0214】
そして、本変形例における動作について説明すると、まず、ブルートゥース通信が可能な携帯通信端末としての携帯電話機200を所持する遊技者が、遊技者用椅子50に着座してアンテナモジュール502の通信圏内に携帯電話機200が入圏した際には(図47(a)参照)、パチンコ機103若しくはカードユニットは、ブルートゥースIDの送受等のブルートゥース規格に伴う通常の認証手続きを前記入圏した携帯電話機200との間において実施するとともに、その携帯電話機200の電話番号をブルートゥースユニットを介して非接触にて受信、入手する。その入手した携帯電話機200の電話番号データは、通信対象の情報端末として登録されるとともに、ホール管理コンピュータに送信される。この際、何らかの理由により、近接する複数のパチンコ機1若しくはカードユニットにて同一の電話番号データが誤って入手された場合には、既に登録済みとなっている電話番号と重複が生じていないかを確認し、重複が生じている場合は電話番号の再送信を要求して通信対象の登録をやり直す。このようにして通信対象登録された携帯電話機200に対して、2.47GHz帯の微弱電波によりサービスポイントの送信が行われる。
【0215】
本変形例によれば、遊技者は、携帯電話機200を衣服のポケット等に入れたまま、或いは膳板上に設けられたフォルダに載置した状態でサービスポイントを受信することができる。従って、特定の遊技状態の発生を検出する度にサービスポイントを送信し、携帯電話機200においてサービスポイントを受信するように構成することが可能である。また、アンテナモジュール502から上面方向に垂直に電波が放射され、アンテナ上面の所定角度範囲内に電波放射が集中してなされ、その所定角度範囲外には電波放射が殆どなされないようになっているため、隣接するアンテナモジュール同士の電波干渉が生じることが防止される。
【0216】
また、本変形例においては、遊技者がパチンコ機103から離れることに伴って、携帯電話機200がアンテナモジュール502の通信圏内から通信圏外へ移動したことをブルートゥースモジュール501が検出することに基づいて、当該遊技者の遊技終了を検出するように構成してもよい(図47(b)参照)。さらに、ブルートゥースモジュール501からホール管理コンピュータへ遊技終了を通知し、ホール管理コンピュータから携帯電話機200へ、パチンコ機103に残存している情報の消去を行ってよいか否かを確認するための電子メールを送信するように構成してもよい。
【0217】
尚、本変形例においては、ホール管理コンピュータに送信された電話番号データに基づいて遊技者が特定される(例えば、登録済みの会員であることが特定される)ことを条件にサービスポイントを出力するようにしてもよい。また、パチンコ機1若しくはカードユニットが、特定された遊技者の氏名情報を携帯通信端末から受信して、パチンコ機1の制御装置21のサブ基板の一つである図柄表示制御基板22へ入力することにより、表示装置5の画面5aに遊技者の氏名入りのメッセージを、例えば、「田中様、いらっしゃいませ!」のように表示するように構成してもよい。
【0218】
前記各実施の形態では、携帯電話機200との間で無線通信によりサービスポイントを伝送する構成としたが、これには限られず、有線通信により携帯電話機200へサービスポイントを送信するように構成してもよい。例えば、パチンコ機1に接続端子を備えた携帯電話ホルダを設け、その携帯電話ホルダに携帯電話機200を載置することにより、携帯電話ホルダの接続端子と携帯電話機200の接続端子とが接続されて有線通信を行うことが可能となる構成としてもよい。
【0219】
前記各実施の形態では、携帯通信端末として携帯電話機200を用いた例を示したが、携帯電話機以外にPHS(簡易型携帯電話、Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等の各種の携帯通信端末を利用することが可能である。
【0220】
前記実施の形態では、パチンコ機1に報知ランプ31を設ける構成としたが、報知ランプ31を省略して、表示装置5の画面5aのメッセージ表示のみにより、送信可能なサービスポイントがあることを報知する構成としてもよい。
【0221】
前記各実施の形態では、赤外線受光部34を常に赤外線信号の受信待機状態とする構成としたが、携帯電話機200の通信ユニット30への接近を検知するセンサ手段を設け、そのセンサ手段が携帯電話機200の接近を検出したときに、受信待機状態となるように構成してもよい。尚、センサ手段としては、種々の方式による公知の接近物検知用センサ(例えば、赤外線センサ等)を採用することが可能である。
【0222】
前記各実施の形態では、高確率モード中に通常大当りが2回連続して発生したことに起因して低確率モードへ遷移する構成としたが、通常大当たりが1回発生したことに起因して低確率モードへ遷移する構成としてもよい。
【0223】
前記各実施の形態では、大当り遊技終了時に遊技者特定の有無で異なるメッセージ表示を行う構成としたが、大当り発生時における演出内容として、「遊技者特定有りの演出」、「遊技者特定無しの演出」、「途中で遊技者が特定されたときの演出」を用意し、それぞれの場合に異なる演出を行う構成としてもよい。例えば、遊技者が特定されないまま大当りが発生したときには、表示装置にて遊技者特定を促す演出を行うようにしてもよい。
【0224】
本発明は、前記各実施の形態とは異なる種々の遊技機にも適用可能である。例えば、本発明に適用される遊技機は、パチンコ遊技機であって、基本構成としては発射ハンドルを備え、その発射ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0225】
また、本発明に適用される他の遊技機は、スロットマシンであって、基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。図48は、本発明をスロットマシンに適用した一実施の形態であるスロットマシン301の外観を示す正面図である。図48に示されるように、スロットマシン301には、可変表示手段305下方の左側に赤外線発光部333及び赤外線受光部334と、第1赤外線センサ332aとが、右側に報知ランプ331と、第2赤外線センサ332bとがそれぞれ設けられている。
【0226】
また、本発明に適用されるさらに別の遊技機は、パチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機であって、基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。図49は、本発明をパチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機に適用した一実施の形態である遊技機401の外観を示す正面図である。図49に示されるように、遊技機401には、可変表示手段405下方の左側に赤外線発光部433及び赤外線受光部434と、第1赤外線センサ432aとが、右側に報知ランプ431と、第2赤外線センサ432bとがそれぞれ設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0227】
【図1】本発明の実施の形態におけるパチンコ機の正面図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の概略構成図である。
【図3】通信制御基板のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】携帯電話機の正面図である。
【図5】携帯電話機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】特別電動役物制御ルーチンを説明するフローチャートである。
【図7】特別電動役物制御ルーチンの図6の続き部分を説明するフローチャートである。
【図8】図柄変動開始処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図9】リーチ演出表示処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図10】(a)は遊技者未特定の場合におけるリーチ演出表示の一例を、(b)は遊技者が特定されている場合におけるリーチ演出表示の一例を示す図である。
【図11】大当り演出/抽選表示処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図12】(a)は遊技者未特定の場合における大当り演出/抽選表示の一例を、(b)は遊技者が特定されている場合における大当り演出/抽選表示の一例を示す図である。
【図13】(a)はラウンド演出画面表示処理ルーチンを、(b)はカウンタ値・メッセージ表示処理ルーチンをそれぞれ説明するフローチャートである。
【図14】(a)は遊技者未特定の場合における第1ラウンド演出表示の一例を、(b)は遊技者が特定されている場合における第1ラウンド演出表示の一例を示す図である。
【図15】(a)は遊技者未特定の場合における第3ラウンド演出表示の一例を、(b)は遊技者が特定されている場合における第3ラウンド演出表示の一例を示す図である。
【図16】確率変動処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図17】情報通信処理メインルーチンを説明するフローチャートである。
【図18】図17に示す情報通信処理メインルーチンの続きを説明するフローチャートである。
【図19】遊技者特定処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図20】サービスポイント作成・送信処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図21】大当り遊技終了後処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図22】図21に示す大当り遊技終了後処理ルーチンの続きを説明するフローチャートである。
【図23】(a)は送信バッファのフォーマット(サービスポイントのデータ構造)を、(b)は送信バッファの格納例を示す図である。
【図24】ポイントバッファ及びポイント蓄積領域におけるポイント数データの記憶例を示す図である。
【図25】遊技終了処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図26】遊技盤の表示装置におけるメッセージ表示例を示す図であり、(a)は遊技者の特定が行われた時に、(b)はパスワードの送信を促す場合に、(c)はサービスポイントの受信を促す場合に、(d)は現在特定されている遊技者の氏名を確認する場合に、(e)は遊技者が未特定である旨の報知すると共に遊技者の特定を行うか否かを選択させる場合に、(f)は遊技者特定タイム中である旨を報知すると共に遊技者特定パスワードの送信を促す場合に、(g)はポイント数データが消去された旨を報知する場合に、(h)はポイント数データの消去を確認する場合におけるメッセージの表示例をそれぞれ示している。
【図27】携帯電話機におけるメッセージ表示例を示す図であり、(a)はサービスポイント受信中に、(b)はサービスポイントの受信終了時におけるメッセージの表示例をそれぞれ示している。
【図28】携帯電話機によって受信されたサービスポイントの記憶例を示す図である。
【図29】第一の実施の形態の変形例においてポイントバッファにポイント数データ及び時点データが記憶された例を示す図である。
【図30】第一の実施の形態の変形例において携帯電話機によって受信されたサービスポイントの記憶例を示す図である。
【図31】第二の実施の形態におけるパチンコ機の正面図である。
【図32】第二の実施の形態における通信制御基板のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図33】大当り演出/抽選表示処理ルーチンを説明するフローチャートである(第二の実施の形態)。
【図34】累積ポイント数RPの推移を示すグラフである。
【図35】情報通信処理メインルーチン(第二の実施の形態)を説明するフローチャートである。
【図36】図35に示す情報通信処理メインルーチン(第二の実施の形態)の続きを説明するフローチャートである。
【図37】携帯電話機におけるメッセージ表示例を示す図であり、機種選択及び開始データ送信画面の表示例を示している(第二の実施の形態)。
【図38】遊技盤の表示装置におけるメッセージ表示例を示す図であり、(a)機種IDが一致しないことを報知する場合に、(b)は遊技者の特定及び遊技開始を報知する場合に、(c)はパスワードが一致しないことを報知する場合に、(d)は累積ポイント数データの消去を確認する場合におけるメッセージの表示例をそれぞれ示している(第二の実施の形態)。
【図39】累積ポイント数とストーリー展開との関係を示すグラフである(第二の実施の形態)。
【図40】サービスポイント作成・送信処理ルーチン(第二の実施の形態)を説明するフローチャートである。
【図41】(a)は送信バッファのフォーマット(サービスポイントのデータ構造)を、(b)は送信バッファの格納例を示す図である(第二の実施の形態)。
【図42】遊技終了処理ルーチン(第二の実施の形態)を説明するフローチャートである。
【図43】携帯電話機によって受信されたサービスポイントの記憶例を示す図である(第二の実施の形態)。
【図44】抽選ボタンを設けた変形例におけるパチンコ機の正面図である。
【図45】第1ラウンド演出画面における二次元バーコードの表示の一例を示す図である。
【図46】遊技盤外部の前枠に二次元バーコード表示用の表示装置を設けた変形例を示す正面図である。
【図47】ブルートゥースを採用した変形例におけるパチンコ機の側面図であり、(a)は携帯電話機がアンテナモジュールの通信圏内にある場合を、(b)は通信圏外にある場合をそれぞれ示している。
【図48】本発明をスロットマシンに適用した一実施の形態を示す正面図である。
【図49】本発明をパチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機に適用した一実施の形態を示す正面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に提供するための情報を出力可能な遊技機であって、
所定のタイミングで情報出力に関する抽選を行う抽選手段と、
その抽選手段による抽選結果に基づいて情報出力を行う情報出力手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項1】
遊技者に提供するための情報を出力可能な遊技機であって、
所定のタイミングで情報出力に関する抽選を行う抽選手段と、
その抽選手段による抽選結果に基づいて情報出力を行う情報出力手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【公開番号】特開2009−219930(P2009−219930A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161928(P2009−161928)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【分割の表示】特願2003−99772(P2003−99772)の分割
【原出願日】平成15年4月3日(2003.4.3)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【分割の表示】特願2003−99772(P2003−99772)の分割
【原出願日】平成15年4月3日(2003.4.3)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
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