説明

遊技機

【課題】メダルをよりスムースに投入することができる遊技機を提供する。
【解決手段】スロットマシン1は、前面を開放した箱状のマシン本体2を有している。マシン本体2の前面側には前面扉3が開閉自在に取り付けられている。前面扉3にはメダルを投入可能なメダル投入口31を有するメダル投入部30が設けられている。また、メダルをメダル投入口31へ投入するに際し、メダル投入口31及びメダル投入口31付近から当該メダルに向けて送風可能な送風手段が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種として、複数の図柄(識別情報の一種)が所定間隔おきにリールに付されて構成された図柄列を可変表示した後に停止図柄を表示する可変表示手段を備えたスロットマシン等が知られている。
【0003】
この種の遊技機では、メダル等の遊技媒体を用いて遊技が行われるよう構成されており、メダル等を外部から投入するメダル投入口を備えている。具体的には、メダルを所定枚数投入した後、遊技者の始動操作に伴ってリールが回転を始めるとともに、所定の利益を付与可能か否かの抽選が行われる。その後、停止操作に伴って、前記抽選の結果に基づき、可変表示手段の所定領域である有効ラインに図柄が停止表示され、その停止図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるといった具合である。
【0004】
また、投入されたメダルをより正確に検出するといった観点から、メダル投入口へメダルが1枚ずつ投入されるように構成されている遊技機が数多く見受けられる。
【0005】
しかし、メダルを1枚ずつ手に取って、1枚ずつ投入を行っているようでは遊技の進行上、時間効率が悪くなってしまう。そこで、複数枚のメダルを連続的に投入するべく、例えば、複数枚のメダルをメダル投入口へ向けて案内可能な案内溝を備えた遊技機もある(例えば、特許文献1参照。)。このような遊技機においては、複数枚のメダルを重ね合わせて持ち、複数枚のメダルを起立させた状態で案内溝に沿わせてスライドさせることで、先頭のメダルがメダル投入口へと投入されることとなる。その後もメダルをスライドさせていくことで、順次メダルが投入されていくといった具合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−275435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、複数枚のメダルを連続的に投入する場合、メダルがスムースに投入口へ投入されないといった不具合が生じるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記例示した事状等に鑑みてなされたものであり、メダルをよりスムースに投入することができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の遊技機は、
メダルを投入可能な投入口と、前記投入口に向かって延びる案内溝とを備え、
メダルを前記案内溝に沿わせてスライドさせて前記投入口に案内し、前記投入口に投入できるよう構成され、
メダルを遊技媒体として遊技を行う遊技機であって、
前記案内溝に設けられた送風孔と、
少なくともメダルを前記投入口へ投入するに際し、前記送風孔から前記案内溝上に向けて送風可能な送風手段と、
前記投入口の近傍に設けられ、メダル又は遊技者の手の近接又は接触を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知に基づいて前記送風手段を制御する送風制御手段とを備え、
メダルの投入がカウントされない状態においては、前記検知手段の検知がある状態であっても前記送風手段による送風が行わないことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、メダルをよりスムースに投入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施の形態におけるスロットマシンの正面図である。
【図2】各リールの図柄配列を示す説明図である。
【図3】スロットマシンのブロック回路図である。
【図4】リール及び補助表示部の表示演出を説明する説明図である。
【図5】リール及び補助表示部の表示演出を説明する説明図である。
【図6】メダル投入部を示す斜視図である。
【図7】メダル投入部の構成を示す部分断面図である。
【図8】メダル投入部の構成を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、遊技機を回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態につき図面に基づいて説明する。
【0013】
図1に示すように、スロットマシン1は、前面を開放した箱状のマシン本体(本体)2を有している。マシン本体2の前面側には前面扉3が開閉自在に取り付けられている。前面扉3が閉状態となっている場合、前面扉3によってマシン本体2の前面開放側が閉鎖される。前面扉3は閉状態にある場合には図示しないロック機構によって開放不能な状態にロックされており、そのロック状態は前面扉3に設けられた解除操作部たるキーシリンダ4に対する所定のキー操作によって解除されるように構成されている。
【0014】
前面扉3には、縦長の3つの表示窓5,6,7が横並びとなるように設けられている。表示窓5,6,7は透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓5,6,7を通して内部を視認可能な状態とされている。
【0015】
マシン本体2内には、可変表示手段を構成する左リール11,中リール12及び右リール13が収納されている。各リール11,12,13はそれぞれ円筒状(円環状)に形成されているが、少なくとも環状となっていればよい。各リール11,12,13は、その中心軸線が当該リール11,12,13の回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール11,12,13の回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール11,12,13が各表示窓5,6,7と1対1で対応している。従って、各リール11,12,13の表面の一部はそれぞれ対応する表示窓5,6,7を通して視認可能な状態とされている。
【0016】
なお、可変表示手段はこれ以外の構成であってもよい。例えば、ベルト式リール等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器,ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
【0017】
リール11,12,13が回転すると、各表示窓5,6,7を通してリール11,12,13は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。これら各リール11,12,13はそれぞれステッピングモータ等のリールモータ15,16,17(図3参照)に連結されており、各リールモータ15,16,17の駆動により各リール11,12,13が個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る。
【0018】
また、各リール11,12,13の外周面には、それぞれ識別情報としての図柄が多数設けられている。これらの図柄のうち、表示窓5,6,7を介して視認可能な図柄数は、主として表示窓5,6,7の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール11,12,13毎に全体を視認可能な図柄数は3個ずつとされている。
【0019】
ここで、各リール11,12,13に付される図柄について図2を参照しつつ説明する。同図には、左リール11,中リール12,右リール13のそれぞれについての図柄配列が示されている。同図は、各リール11,12,13表面の展開図とみても差し支えない。同図に示すように、各リール11,12,13にはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール11,12,13に対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付されたものであり、リール11,12,13に実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
【0020】
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための「7」図柄がある。「7」図柄としては白色のもの(例えば、左リール第20番目。以下、適宜「白7」図柄と称す)と、赤色のもの(例えば、左リール第21番目。以下、適宜「赤7」図柄と称す)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための「BAR」図柄(例えば、左リール第19番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための「リプレイ図柄」(例えば、左リール第1番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左リール第4番目)、「ベル」図柄(例えば、左リール第2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール第3番目)がある。なお、図2にも示すように、各リール11,12,13において、各図柄の数や配置順序は全く異なっている。
【0021】
各図柄に関する払出枚数について説明する。小役図柄に関し、「スイカ」図柄が後述する有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダル払出、左リール11の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダル払出が行われる。即ち、中リール12及び右リール13の「チェリー」図柄はメダル払出とは無関係であり、言わば無意味な図柄である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係にメダル払出が行われるため、左リール11の複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止された場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払出が行われる。
【0022】
また、その他の図柄に関しては、ビッグボーナス図柄の組合せである「赤7」図柄又は「白7」図柄が同一色で有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、レギュラーボーナス図柄の組合せである「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出が行われる。
【0023】
更に、「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダル払出は行われない。その他の場合、即ち有効ライン上に左リール11の「チェリー」図柄が停止せず、また左・中・右に同一図柄が揃わない場合には、一切メダル払出は行われない。
【0024】
また、本実施の形態では、更なる小役図柄の組合せとして、有効ライン上において「白7」「白7」「赤7」、「白7」「赤7」「白7」、「白7」「赤7」「赤7」、「赤7」「白7」「白7」、「赤7」「白7」「赤7」、「赤7」「赤7」「白7」、「BAR」「白7」「白7」、「BAR」「白7」「赤7」、「BAR」「赤7」「白7」、又は、「BAR」「赤7」「赤7」の図柄が、左・中・右と揃った場合であって、所定条件が満たされている場合には15枚のメダル払出が行われる(以下、これを特殊小役図柄と称する)。但し、特殊小役図柄は、各ゲーム毎に設定され(もちろん設定されない場合もある)、当該設定された図柄の組合せと停止図柄とが合致したときにのみメダルの払出が許容されるようになっている。
【0025】
前面扉3には、各表示窓5,6,7を結ぶように、横方向へ平行となるように3本、斜め方向へたすき掛けとなるように2本、計5本の有効ラインが付されている。勿論、最大有効ライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大有効ライン数を変更するようにしてもよい。これら各有効ラインに対応して、表示窓5,6,7群の正面から見て左側には有効ライン表示部21,22,23が設けられている。第1有効ライン表示部21は中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部22は上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部23は一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。
【0026】
前面扉3の表面のうち表示窓5,6,7の下方左側には、各リール11,12,13を一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー25が設けられている。スタートレバー25は可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段を構成する。スタートレバー25の右側には、回転している各リール11,12,13を個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ27,28,29が設けられている。各ストップスイッチ27,28,29は停止対象となるリール11,12,13に対応する表示窓5,6,7の直下にそれぞれ配置されている。ストップスイッチ27,28,29は可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
【0027】
前面扉3の前面のうち表示窓5,6,7の下方右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口(投入口)31を有するメダル投入部30が設けられている。メダル投入口31は、前後の幅(奥行き)がメダルの厚みとほぼ等しくなっており、メダルを1枚ずつ投入可能となっている。また、図7、8に示すように、メダル投入口31に投入されたメダルは、後述するホッパ装置41に至るメダル通路32へと案内されるようになっている。
【0028】
前面扉3の表面のうち表示窓5,6,7の下方左側には、メダルとしてのクレジットされた仮想メダルのうち、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)を一度に投入(マックスベッド)するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ33が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ33の下方には当該スイッチ33よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ34及び第3クレジット投入スイッチ35が設けられている。第2クレジット投入スイッチ34はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ35は仮想メダルを1枚ずつ投入するためのものである。
【0029】
なお、上記第2クレジット投入スイッチ34は2枚投入タイプであって実際に使用される頻度が少ないと思われるので、スイッチ数を低減させる意図がある場合には最初に当該スイッチ34を省略すればよい。また、第1クレジット投入スイッチ33は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ33のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ33の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
【0030】
前面扉3の表面のうちメダル投入口31の左側には、ボタン状の切換スイッチ36が設けられている。切換スイッチ36は、メダル投入口31に必要量より多く投入された投入メダルや、所定の遊技の結果遊技者に返還される獲得メダルの取扱形式を変更するために操作される。即ち、例えば電源投入時には、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルはクレジットメダルとして貯留記憶するとともに獲得メダルもクレジットメダルとして貯留記憶するように設定しておく「クレジットモード」とし、切換スイッチ36が操作されると、クレジットメダルがある場合にはその分を現実のメダルとして払い出すとともに余剰の投入メダルや獲得メダルも現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」に切り換えられるようにしておく。そして、この切換スイッチ36が操作される度に「クレジットモード」と「ダイレクトモード」とを交互に切り換えるようにしておけば、遊技者は自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。
【0031】
前面扉3における各表示窓5〜7の配設位置の下方には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶されたメダル数を表示する残数表示部38と、獲得メダルの枚数を表示する獲得数表示部39とが設けられている。これら両表示部38,39は2桁の7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
【0032】
スロットマシン1の下部には、マシン本体2の内部に収納されたホッパ装置41(図3参照)からのメダルが排出されるメダル排出口42と、メダル排出口42から排出された現実のメダルが貯留される受皿43とが設けられている。
【0033】
スロットマシン1の上部には、ビッグ報知部45,レギュラー報知部46,リプレイ報知部47,小役報知部48等の各種報知部が設けられている。これら各種報知部の配置場所は図示のものに限定されないし、共通の報知部で異なる態様の報知を行うようにしてもよい。
【0034】
ビッグ報知部45は、各リール11,12,13の停止時に「赤7」図柄又は「白7」図柄が有効ライン上に揃った場合、ビッグボーナスゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。レギュラー報知部46は、各リール11,12,13の回転停止時に「BAR」図柄が有効ライン上に揃った場合、レギュラーボーナスゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。リプレイ報知部47は、各リール11,12,13の回転停止時に「リプレイ」図柄が有効ライン上に揃った場合、リプレイゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。小役報知部48は、各リール11,12,13の回転停止時に小役図柄としての「スイカ」図柄或いは「ベル」図柄が有効ライン上に揃った場合又は「チェリー」図柄が左リール11の有効ライン上に停止した場合、或いは設定された特殊小役図柄が有効ラインに揃った場合に、所定数のメダルを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。
【0035】
なお、これら各報知部45〜48の表示による報知に代えて、或いは、これに加えて、スロットマシン1に備えられるスピーカ50によって音声により報知してもよい。また、図示しないが、各リール11,12,13の内周側や外周側に発光部材を設けてもよい。各リール11,12,13の内周側の発光部材は光を各リール11,12,13の内側から照射し、各リール11,12,13からの透過光を遊技者に見せるものである。一方、各リール11,12,13の外周側の発光部材は光を各リール11,12,13の外側から照射し、各リール11,12,13からの反射光を遊技者に見せるものである。そして、これら各発光部材の発光度合、発光タイミング、発光時間等によって各種演出効果を生じさせることも可能となる。
【0036】
図1に示すように、前面扉3における各リール11〜13の配設位置の右側には、補助表示部49が設けられている。補助表示部49は、本実施の形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。
【0037】
補助表示部49は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール11〜13による遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施の形態では補助表示部49と称している。補助表示部49は主として遊技者に各種情報を与える等のナビゲーション的な機能を有する。なお、補助表示部49に表示される内容については追って説明する。
【0038】
ここで、上記前面扉3の構成をより詳しく説明する。前面扉3の上部には、当該前面扉3の前端面よりもやや後方へ落ち込んだ位置において、表示パネル91がほぼ鉛直方向に沿って配設されている。表示パネル91には、表示窓5〜7、補助表示部49、第1〜第3有効ライン21〜23、残数表示部38、獲得数表示部39が形成されている。
【0039】
また、表示パネル91の下方には段差部92が形成されている。かかる段差部92は、表示パネル91の下端から前方にやや下方傾斜しながら突出する庇部93と、該庇部93の前端から下方に向けて垂直に延びる縦板部94とから構成されている。
【0040】
庇部93の左部には、第1クレジット投入スイッチ33が設けられており、右部にはメダル投入部30(メダル投入口31)及び切換スイッチ36が設けられている。
【0041】
また、縦板部94の左部には第2,第3クレジット投入スイッチ34,35、スタートレバー25が設けられており、中央部にはストップスイッチ27〜29が設けられており、右部にはキーシリンダ4が設けられている。また、縦板部94の下方には、装飾パネル95が鉛直方向に沿って配設されている。
【0042】
図3に示すように、スロットマシン1には、遊技に関する各種の制御を行うための制御装置51が備えられている。制御装置51は、制御を司るCPU,遊技プログラムを記憶したROM,遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM,各種機器との連絡をとるポート,各種抽選の際に用いられる乱数発生器,時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む制御回路基板(主基板)を有し、その制御回路基板をボックスに収納し封印してなる基板ボックスによって構成されている。かかる制御装置51は、スロットマシン1に内蔵される主基板としての機能を果たすものである。つまり、かかる主基板は、不正等が行われないよう、図示しない基板ボックス内に封印状態で収容され、厳重な不正防止が施されている。なお、本実施の形態では、制御装置51(主基板)が送風制御手段、遊技状態決定手段、貯留記憶手段、可変表示制御手段等に相当する。
【0043】
制御装置51の入力側には、スタートレバー25の操作を検出するスタート検出センサ61、各ストップスイッチ27,28,29の操作を個別に検出するストップ検出センサ62,63,64、メダル投入口31から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ65、各クレジット投入スイッチ33〜35の操作を検出すべく各スイッチ33〜35に個々に対応する各クレジット投入検出センサ66,67,68、切換スイッチ36の操作を検出する切換検出センサ69、各リール11,12,13の回転位置(原点位置)を個別に検出するリール位置検出センサ71,72,73、ホッパ装置41から払い出されるメダルを検出するホッパ検出センサ74等の各種センサが接続されている。
【0044】
図7、8に示すように、上記投入メダル検出センサ65は、実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入口31からホッパ装置41に至るメダル通路32は、メダルが1列で通行可能なように構成されている。そして、メダル通路32には第1センサ96が設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ97及び第3センサ98が近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接位置)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサ96〜98によって投入メダル検出センサ65が構成されている。制御装置51は、第1センサ96から第2センサ97に至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはコイン詰まり又は不正があったものとみなしてエラーとする。エラーになると、エラー報知が行われるとともにエラー解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。また、制御装置51は第2センサ97と第3センサ98とがオンオフされる順序をも監視し、第2,第3センサ97、98が共にオフ、第2センサ97のみオン、第2,第3センサ97、98が共にオン、第3センサ98のみオン、第2,第3センサ97、98が共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみコインが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、メダル通路32でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ65付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。なお、上記第1乃至第3の各センサ96〜98は、メダル通路32の片側部に配設されてもよいし、両側部に分かれて(例えば、第1及び第2センサ96、97はメダル通路32の奥側の側部に設け、第3センサ98はメダル通路32の前側の側部に設ける)配設されてもよい。また、メダルがメダル投入口31から1枚ずつメダル通路32に案内され、メダル通路32を1枚ずつ(重なることなく1列で)通行することで上記のようなメダルの検出を正確に行うことができる。なお、本実施の形態では、投入メダル検出センサがメダル検出手段に相当する。
【0045】
また、図示はしないが、メダル通路32にはメダル振分け装置が設けられている。かかるメダル振分け装置は状況に応じて作動するようになっており、その作動時においては、メダル通路32を通過するメダルを、上記投入メダル検出センサ65に検出される前にメダル排出口42へと案内するようになっている。一方、非作動時においては、上述したように、メダル投入口31から投入されたメダルが、メダル通路32を通過するにあたって投入メダル検出センサ65に検出され、ホッパ装置41へと至るようになっている。
【0046】
なお、上記メダル振分装置の作動する状況としては、各リール11〜13の回転中、及び後述するリプレイゲームの権利保有時であり、かかる状況下ではメダル投入口31からメダルを投入したとしてもメダル排出口42から当該メダルが排出される。さらに、「ダイレクトモード」において、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)を超えるメダルの投入を行った場合、又は「クレジットモード」において、1ゲームにつき投入できるメダル最大数を超え、かつ、貯留記憶可能な所定の最大値(例えばメダル50枚分)を超えるメダルの投入を行った場合もメダル振分装置が作動するようになっている。
【0047】
制御装置51の出力側には、各リールモータ15,16,17を駆動させるモータ駆動回路81、各種表示部21〜23,38,39,各種報知部45〜48を表示駆動させる表示駆動回路82、ホッパ装置41を駆動させるホッパ駆動回路83、スピーカ50を駆動させるスピーカ駆動回路84、補助表示部49を駆動制御する表示制御装置85等が接続されている。
【0048】
かかる表示駆動回路82、表示制御装置85及びスピーカ駆動回路84は、一体化された基板として構成されており、前記主基板との関係ではサブ基板となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声や表示についてはサブ基板化することで、主基板の負担軽減が図られている。そして、かかるサブ基板には、CPU、ROM、RAM等が含まれており、制御装置51からの信号を受け取った上で、サブ基板が独自に各種報知部45〜48、補助表示部49及びスピーカ50を報知制御したり表示制御したりする。なお、サブ基板も主基板と同様にして、対応する基板ボックス内に封印状態で収容されるよう構成してもよい。
【0049】
主基板及びサブ基板は、それぞれ上述のとおりCPU,ROM,RAM等を備えているが、以下の説明では、それらの現実の構成自体に拘束されず、原則として制御装置51等を機能実現手段の集合体として捉えて説明する。即ち、以下に説明する各種機能は各CPUの制御下で実現される機能であり、その制御プログラムはROM(場合によってはRAM)の記憶内容に基づくものであり、その時々の必要なデータはRAMに一時的に記憶保持されることとなるが、それらのプログラム上の要件等については適宜のテーブル構成を採用する等で当業者がなし得るものであるため、個々には説明しない。但し、本実施の形態の利点を把握するのに必要がある場合等については、適宜具体的な説明をする。
【0050】
制御装置51は、「小役抽選手段」を備えている。小役抽選手段は、スタート検出センサ61からの検出信号が入力されたタイミングによって、小役払出条件が成立したか否かの抽選を行う。本実施形態では小役として「スイカ」,「ベル」,「チェリー」等の複数種類が存在するので、小役抽選手段はどの種類の小役払出条件が成立したかの抽選を行い、各小役フラグの成立の有無が決定される。
【0051】
制御装置51は、「リプレイゲーム抽選手段」を備えている。リプレイゲーム抽選手段は、スタート検出センサ61からの検出信号が入力されたタイミングによって、リプレイゲーム移行条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってリプレイフラグの成立の有無が決定される。
【0052】
制御装置51は、「リプレイゲーム制御手段」を備えている。リプレイゲーム制御手段は、通常遊技中にリプレイフラグが成立している場合、各リール11,12,13の停止時に、後述するリプレイ成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にリプレイ図柄を有効ライン上に停止させる。そして、有効ライン上にリプレイ図柄が停止することを条件に、次回の遊技を無償で行うことができるようにするものである。勿論、このリプレイゲームが行われる場合にも各種抽選は実行されている。
【0053】
制御装置51は、「レギュラーボーナス抽選手段」を備えている。レギュラーボーナス抽選手段は、スタート検出センサ61からの検出信号が入力されたタイミングによって、レギュラーボーナス移行条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってレギュラーボーナスフラグの成立の有無が決定される。
【0054】
制御装置51は、「レギュラーボーナス制御手段」を備えている。レギュラーボーナス制御手段は、通常遊技中に、前記レギュラーボーナスフラグが成立している場合、各リール11,12,13の停止時に、レギュラーボーナス成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にレギュラーボーナス図柄を有効ライン上に停止させる。そして、有効ライン上にレギュラーボーナス図柄が停止することを条件に、予め設定された所定のゲーム回数(ここでは12回)を上限として、現状の遊技状態である通常遊技状態からレギュラーボーナスゲームに移行させ、その後元の遊技状態に復帰させるものである。レギュラーボーナスゲーム中は、有効ラインが1ラインのみとされている。
【0055】
制御装置51は、「レギュラーボーナス中抽選手段」を備えている。レギュラーボーナス中抽選手段は、レギュラーボーナス中にのみ有効化され、スタート検出センサ61からの検出信号が入力されたタイミングによって、所定の図柄(ここでは、リプレイ図柄)の抽選を行う。かかる図柄の抽選は、通常の抽選とは異なり、例えばレギュラーボーナス中はリプレイ図柄が有効ライン上に揃った場合に所定枚数(例えば15枚)のメダルが払い出されるように設定しておき、かかるリプレイ図柄をメダル払出図柄として、当該メダル払出図柄が揃う条件を満たすか否かの抽選が行われている。そして、前記レギュラーボーナス制御手段は、前記抽選の結果、リプレイフラグ(ここでいうリプレイフラグは通常遊技中のものとは異なり、レギュラーボーナス用に新たに設定されたものである。)が成立した場合には前記メダル払出図柄以外の図柄が有効ライン上に揃わないように各リール11,12,13を制御するものであり、しかもメダル払出図柄が所定回数(例えば8回)揃った場合には前記所定の遊技回数(12回)に達していなくともレギュラーボーナスゲームを終了させる。
【0056】
制御装置51は、「ビッグボーナス抽選手段」を備えている。ビッグボーナス抽選手段は、スタート検出センサ61からの検出信号が入力されたタイミングによって、ビッグボーナス移行条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってビッグボーナス成立フラグの有無が決定される。
【0057】
制御装置51は、「ビッグボーナス制御手段」を備えている。ビッグボーナス制御手段は、通常遊技中に、前記ビッグボーナスフラグが成立すると、各リール11,12,13の停止時に、後述するビッグボーナス成立テーブルの内容を参照しつつ、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にビッグボーナス図柄を有効ライン上に停止させる。そして、有効ライン上にビッグボーナス図柄が停止することを条件に、現状の遊技状態である通常遊技からビッグボーナスゲームに移行させ、その後、原則的には元の通常遊技状態に復帰させるものである。
【0058】
制御装置51は、「ビッグボーナス中抽選手段」を備えている。ビッグボーナス中抽選手段は、ビッグボーナス中にのみ有効化され、スタート検出センサ61からの検出信号が入力されたタイミングによって、小役図柄の抽選及びジャックインの抽選を行い、小役フラグ及びジャックインフラグの成立の有無が決定される。そして、前記ビッグボーナス制御手段は、小役フラグの成立によって所定の小役図柄を有効ライン上に揃わせるべく小役成立テーブルを参照しつつ各リール11,12,13を半強制的に引き込み停止制御する。また、ビッグボーナス中抽選手段は、ジャックインフラグの成立確率を1/10に設定している。
【0059】
また、前記ビッグボーナス制御手段は、前記ジャックインフラグの成立によってジャックインさせるべく、リプレイ成立テーブルの内容を参照しつつ、各リール11,12,13を半強制的に引き込み停止制御する。ジャックインとは、ビッグボーナスゲーム中に上記したレギュラーボーナスゲームと同様のゲームを実行させる状態であり、具体的には「リプレイ」図柄が揃うことによって生じる。従って、ジャックイン実行のためにビッグボーナス制御手段は、ジャックイン図柄(リプレイ図柄)を有効ライン上に揃わせるべく各リール11,12,13を半強制的に引き込み停止制御する。ジャックインされると上記したレギュラーボーナスゲームと同様のゲームが実行される。
【0060】
ここで、ビッグボーナスゲームは、30回の小役ゲームを消化するか、予め規定されたジャックイン回数(例えば3回)を消化すると終了するようになっていた。なお、この場合、ジャックインゲームは1小役ゲームとして計算されている。また、小役ゲーム中においては、小役払出条件が成立しやすいよう(小役フラグの成立確率が高められるよう)構成されている。
【0061】
さらに、本実施の形態では、制御装置51は、「特殊小役抽選手段」を備えている。特殊小役抽選手段は、通常遊技中においてスタート検出センサ61からの検出信号が入力されたタイミングによって、特殊小役払出条件が成立したか否かの抽選を行う。本実施の形態では、かかる特殊小役払出条件は比較的高確率で成立するよう設定されている。但し、上述したように、特殊小役図柄として上記10種類が存在しており、しかも、特殊小役払出条件成立毎に設定される特殊小役図柄は1種類のみである。つまり、特殊小役抽選手段はどの種類の特殊図柄で特殊小役払出条件が成立したかの抽選を行い、フラグ成立の条件が成立した場合には、停止図柄が設定された特殊図柄と合致した場合に払出が導出されることとなる。このため、通常遊技中においては、後述する「アシストタイム」に突入しない限りなかなか設定された特殊小役図柄で停止させることは困難となっている(ほとんど偶然である)。
【0062】
なお、小役フラグの成立確率その他のフラグ成立確率はいずれもメダル投入枚数に応じて変化するよう構成されており、概してメダル投入枚数が多い程遊技者に有利な抽選結果が得られるようになっている。従って、遊技者にとっては、1枚ベッドや2枚ベッドで遊技を行うよりも、3枚ベッド(マックスベッド)での遊技を実行することが有利である。
【0063】
制御装置51は、さらに「リール制御手段」及び「記憶手段」を備えている。リール制御手段は、記憶手段の記憶内容に応じて各リール11〜13を制御するものであり、特に記憶手段に記憶された各種テーブルの記憶内容に応じて各リール11〜13の停止位置を制御するものである。詳しくは、各リール11〜13を抽選の結果に基づいた停止態様で停止させるべく、リール位置検出センサ71〜73により検出された各リール11〜13の現在位置を確認し、必要に応じて引き込み停止制御等を行っている。
【0064】
記憶手段(ここではROMであるがRAMであってもよい。)に記憶された各種テーブルとは、成立した各種フラグに応じて個々に設定されたものである。具体的には、例えば何らフラグが成立していない場合にいずれの図柄をも有効ライン上に揃えないようにするための「外れテーブル」、小役フラグ(小役フラグにはベル図柄、スイカ図柄、チェリー図柄等の各小役に対応したそれぞれ異なるフラグが用意されている。)に対応して所定の小役図柄を有効ライン上に揃えるための「小役成立テーブル」、リプレイフラグに対応してリプレイ図柄を有効ライン上に揃えるための「リプレイ成立テーブル」、ビッグボーナスフラグに対応して「赤7」図柄又は「白7」図柄を有効ライン上に揃えるための「ビッグ成立テーブル」、レギュラーボーナスフラグに対応して「BAR」図柄を有効ライン上に揃えるための「レギュラー成立テーブル」、特殊小役フラグ(各種特殊小役図柄に対応したそれぞれ異なるフラグが用意されている。)に対応して所定の特殊小役図柄を有効ライン上に揃えるための「特殊小役成立テーブル」等の他、以上の成立図柄をどの有効ライン上に揃えるかを決定するための「ラインテーブル」等である。
【0065】
次いで、サブ基板のCPUの制御下で実現される制御内容について説明する。但し、以下に説明する制御の多くは、表示制御装置85を機能実現手段の集合体としてとらえてなされるものであり、その制御プログラムはROM(場合によってはRAM)の記憶内容に基づくものであり、その時々の必要なデータはRAMに一時的に記憶保持されることとなるが、それらのプログラム上の要件等については適宜のテーブル構成を採用する等で当業者がなし得るものであるため、個々には説明しない。但し、本実施形態の利点を把握するのに必要がある場合等については、適宜具体的な説明をする。
【0066】
サブ基板のCPUは、「アシストタイム実行抽選手段」を備えている。アシストタイム実行抽選手段は、スタート検出センサ61からの検出信号が入力されたタイミングによって、アシストタイム突入条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってアシストタイム成立フラグの有無が決定される。
【0067】
また、サブ基板のCPUは「アシストタイム制御手段」を備えている。図4に示すように、アシストタイム制御手段は、通常遊技中にアシストタイムフラグが成立すると、所定ゲーム数(例えば10ゲーム又は30ゲーム)の間、各リール11,12,13の変動開始直後に、特殊小役フラグが成立した特殊小役図柄の種類を補助表示部49に表示して遊技者に報知する。
【0068】
即ち、このように補助表示部49において特殊小役図柄に関して「ナビゲーション表示」が行われることで、遊技者には、当該表示された図柄を狙って停止させる旨が促される。そして、図5に示すように、遊技者は、当該ナビゲーション表示に従って、各リール11〜13を停止させることで、かなりの高確率で設定された特殊小役図柄で停止させることができる。
【0069】
次に、以上の構成からなるスロットマシン1の作用につき、遊技方法を踏まえて説明する。
【0070】
遊技の開始に際し、遊技者は、メダル投入口31からメダルを投入するか、クレジット投入スイッチ33〜35を操作して貯留記憶に基づく仮想メダルを投入するかして、遊技を実行する権利を得ることとなる。メダル投入口31に投入されたメダルは投入メダル検出センサ65によって検出され、その検出信号を受けて制御装置51はメダルの投入があったことを判断する。一方、クレジット投入スイッチ33〜35の操作はクレジット投入検出センサ66〜68によって検出され、その検出信号を受けて制御装置51は所定数の仮想メダルの投入があったことを判断する。
【0071】
これらのメダル投入枚数に応じて制御装置51はメダル投入枚数情報データをサブ基板側へ出力し、表示駆動回路82は有効ライン表示部21,22,23を点灯させる。ここで、1枚のメダル投入であれば有効ライン表示部21のみが点灯されて中央の横ラインのみが有効化され、2枚のメダル投入であれば有効ライン表示部21,22が点灯されて中央及び上下の横ラインが有効化され、3枚のメダル投入であれば全ての有効ライン表示部21,22,23が点灯されて全てのラインが有効化されたことを報知する。なお、クレジット投入スイッチ33〜35の操作によるメダル投入の場合には、制御装置51はクレジットされているメダルの貯留記憶数をその分減算し、その減算値に応じた表示を残数表示部38に行わせるように表示制御する。
【0072】
少なくとも1ラインが有効化されている時点で、遊技者がスタートレバー25を操作すると、その操作がスタート検出センサ61によって検出され、その検出信号を受けて制御装置51はスタートレバー25の操作があったことを判断する。すると、制御装置51は、全てのリール11,12,13を一斉(同時でもよいし所定の時間差を設けてもよい。)に回転させるべく、モータ駆動回路81を介して各リールモータ15,16,17を駆動制御する。その結果、各リール11,12,13は遊技者にとっては表面に付された図柄を目視することが困難な程の速度で一方向に回転し、各表示窓5,6,7を介して各図柄があたかも上から下へ向かって可変表示されているかのように映し出される。
【0073】
ところで、本実施の形態においては、1枚ベッド〜3枚ベッド(マックスベッド)のうち、1枚ベッド及び2枚ベッドの場合と3枚ベッド(マックスベッド)の場合とで、スタートレバー25の操作に基づく制御装置51の判断態様が異なるように構成されている。
【0074】
即ち、現在、1枚ベッド、2枚ベッド、マックスベッドのいずれであるかを制御装置51が常に把握しており、マックスベッド時にはスタートレバー25が操作されると、スタート検出センサ61がオン信号を制御装置51に出力されることで、制御装置51においてスタートレバー25の操作が有効なものと判断される。その結果、全てのリール11,12,13が回転開始される。
【0075】
一方、1枚ベッド又は2枚ベッド時にはスタートレバー25が単に操作されるだけではリール11,12,13は回転開始せず、スタートレバー25をいわゆるダブルクリック操作した場合にはじめてリール11,12,13が回転開始するようになっている。より詳細に説明すると、スタートレバー25が1回操作されるとスタート検出センサ61からはオン信号が制御装置51に出力されるが、その後、更にスタートレバー25が所定の短時間(例えば1秒)以内に操作されてスタート検出センサ61から再度オン信号が制御装置51に出力された時点でスタートレバー25の操作が有効なものと判断され、この時点ではじめて全てのリール11,12,13が回転開始される。即ち、制御装置51は1枚ベッド又は2枚ベッド時には所定の短時間(例えば1秒)以内にスタート検出センサ61から2回のオン信号が出力されるか否かを判断し、その判断の結果、2回のオン信号が出力された時点でスタート有効化処理を実行するのである。
【0076】
これにより、1枚ベッド時又は2枚ベッド時に誤ってスタートレバー25を操作したとしても(誤ってスタートレバー25に触れてしまっても)、その操作は無効なものとされ、当り確率の低い1枚ベッド又は2枚ベッドでの遊技が無駄に行われる事態を回避することができる。勿論、例えば残り1枚しかメダルが残っていないという状況で遊技者が1枚ベッドでの遊技を望む場合には、スタートレバー25をいわゆるダブルクリック操作すればよいのであり、1又は2枚の残存メダルが全くの無駄になることもない。
【0077】
前記スタートレバー25の操作に基づく検出信号が制御装置51に入力されたタイミングで、通常遊技中では、小役抽選手段、リプレイゲーム抽選手段、レギュラーボーナス抽選手段、ビッグボーナス抽選手段、特殊小役抽選手段による各抽選が行われる。
【0078】
小役抽選手段による抽選結果が、小役フラグ成立を意味する場合は、適宜の小役図柄を有効ライン上に停止させ得る権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、リプレイゲーム抽選手段による抽選結果が、リプレイフラグ成立を意味する場合は、リプレイゲームへ移行する権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、レギュラーボーナス抽選手段による抽選結果がレギュラーボーナスフラグ成立を意味する場合は、レギュラーボーナスゲームへ移行する権利が与えられ、そのフラグはレギュラーボーナスゲームへ移行するまで保持される。また、ビッグボーナス抽選手段による抽選結果がビッグボーナスフラグ成立を意味する場合は、ビッグボーナスゲームへ移行する権利が与えられ、そのフラグはビッグボーナスゲームへ移行するまで保持される。さらに、特殊小役抽選手段による抽選結果が、特殊小役フラグ成立を意味する場合は、適宜の特殊小役図柄を有効ライン上に停止させ得る権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。
【0079】
さらに、各抽選手段の抽選結果が、いずれの条件成立をも意味しない場合には、いずれのフラグもたたない。
【0080】
以上の各抽選手段による抽選が終了した後、遊技者がストップスイッチ27,28,29を任意の順序で操作すると、その操作がそれぞれストップ検出センサ62,63,64によって個別に検出され、各検出信号を受けて制御装置51は各ストップスイッチ27,28,29の操作があったことを判断する。すると、制御装置51は、操作された各ストップスイッチ27,28,29に対応したリール11,12,13を個別に停止させるべく、モータ駆動回路81を介して各リールモータ15,16,17を停止制御する。
【0081】
これら各リール11,12,13の停止位置は、上記各抽選手段による抽選結果である各成立フラグに基づき、制御装置51の記憶手段に記憶されている前記各テーブルを参照して決定される。従って、有効ラインからリール回転方向手前の4図柄分までに成立フラグに対応した図柄が存在すれば、原則として、その図柄が積極的に有効ライン上に引き込まれるような制御がなされることとなり、リール停止タイミングが4図柄分手前までの誤差であれば、その誤差を吸収することができる。その結果、遊技者が熟練していなくとも制御装置51によって成立フラグに応じた図柄を有効ライン上に極力停止させることが可能となる。なお、本実施の形態では、「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄は、各リール11〜13に付された図柄配列において、最大でも4図柄間隔となっている(図2参照)。つまり、「ベル」図柄に対応した小役フラグ又はリプレイフラグが成立した場合には、上記引き込み制御により、有効ライン上に「ベル」図柄又は「リプレイ」図柄が左・中・右と必ず揃うようになっている。
【0082】
各リール11,12,13の停止時において、有効ライン上の停止図柄の組合せが、予め定められた所定の図柄の組合せである場合、即ち小役図柄の組合せ、リプレイ図柄の組合せ、第1特別図柄(ビッグボーナス図柄)の組合せ、第2特別図柄(レギュラーボーナス図柄)の組合せ、設定された特殊小役図柄の組合せである場合、制御装置51はサブ基板側の表示駆動回路82を介して各停止図柄の組合せに応じて払い出されるメダル数を獲得数表示部39に表示させる。
【0083】
制御装置51は、サブ基板を介した獲得数表示部39への表示と並行して、各停止図柄の組合せに応じた数のメダルをメダルとして払い出すための払出制御を行う。かかるメダルの払出は、制御装置51がホッパ駆動回路83を介してホッパ装置41を駆動することにより、メダル排出口42から受皿43へ直接的に現実のメダルとして払い出される。ただし、切換スイッチ36の操作を切換検出センサ69が検出し、制御装置51がクレジットモードであると判断した場合において貯留記憶できる最大値(50枚分)に達していない場合には、その分が直接ホッパ装置41を駆動することなく、クレジットメダルとして貯留記憶される。この場合、制御装置51はクレジットされているメダルの貯留記憶数に今回獲得したメダル数分を加算し、その加算値に応じた表示を残数表示部38に行わせるようにサブ基板を介して表示制御する。勿論、この場合でも貯留記憶できる最大値である50枚分を越えた分はホッパ装置41より直接メダルが払い出される。
【0084】
そして、有効ライン上に揃った図柄が小役図柄或いは何ら払出のない図柄の組合せである場合には、通常遊技が続行される。一方、有効ライン上に揃った図柄の組合せがリプレイ図柄の組合せである場合にはリプレイゲーム制御手段によって次回のゲームを無償で行うことができるリプレイゲームが実行される。また、有効ライン上に揃った図柄の組合せがレギュラーボーナス図柄の組合せである場合にはレギュラーボーナス制御手段によってレギュラーボーナスゲームが実行される。また、有効ライン上に揃った図柄の組合せがビッグボーナス図柄の組合せである場合にはビッグボーナス制御手段によってビッグボーナスゲームが実行される。
【0085】
なお、小役図柄が有効ライン上に揃った場合、制御装置51は、表示駆動回路82を介して小役報知部48を表示制御して小役成立を表示報知するとともに、スピーカ駆動回路84を介してスピーカ50を駆動制御して小役成立を音声報知する。また、リプレイ図柄が有効ライン上に揃った場合、制御装置51は、表示駆動回路82を介してリプレイ報知部47を表示制御してリプレイゲームへの移行を表示報知するとともに、スピーカ駆動回路84を介してスピーカ50を駆動制御してリプレイゲームへの移行を音声報知する。
【0086】
また、レギュラーボーナス図柄が有効ライン上に揃った場合、制御装置51は、表示駆動回路82を介してレギュラー報知部46を表示制御してレギュラーボーナスゲームへの移行を表示報知するとともに、スピーカ駆動回路84を介してスピーカ50を駆動制御してレギュラーボーナスゲームへの移行を音声報知する。
【0087】
また、ビッグボーナス図柄が有効ライン上に揃った場合、制御装置51は、表示駆動回路82を介してビッグ報知部45を表示制御してビッグボーナスゲームへの移行を表示報知するとともに、スピーカ駆動回路84を介してスピーカ50を駆動制御してビッグボーナスゲームへの移行を音声報知する。
【0088】
さらに、特殊小役図柄が有効ライン上に揃った場合、制御装置51は、表示駆動回路82を介して小役報知部48を表示制御して特殊小役成立を表示報知する(勿論、別途特殊小役報知部を設け、これによって特殊小役成立を表示報知してもよい)とともに、スピーカ駆動回路84を介してスピーカ50を駆動制御して特殊小役成立を音声報知する。
【0089】
併せて、アシストタイムフラグが成立した場合、サブ基板のCPUは、図示しない表示ランプ等を表示制御してアシストタイムフラグの成立を表示報知するとともに、スピーカ駆動回路84を介してスピーカ50を駆動制御して特殊小役成立を音声報知する。
【0090】
これらスピーカ50による音声報知は、遊技者へのメダル返還による利益が大きいもの程大袈裟なもの(音量を大きくしたり、トーンを高くしたり、リズムを変化させる等)とすることが好ましい。各報知部45〜48の表示態様についても同様であり、例えばビッグボーナスゲーム中、アシストタイム中では、めまぐるしく点滅させる等のように表示態様を変化させることによって、得られる利益の大きさを遊技者に推し量らせることができる。
【0091】
さて、本実施の形態ではメダル投入部30に特徴がある。以下、メダル投入部30について図面を参照しつつ説明する。なお、図6は、メダル投入部30を示す斜視図であり、図7はメダル投入部30の構成を示す図6のJ−J線部分断面図であり、図8は図7のK−K線部分断面図である。
【0092】
図6〜8に示すように、メダル投入部30は、上方に向かって開口するメダル投入口31と、該メダル投入口31の手前側に設けられた案内溝101と、メダル投入口31の奥側に立設されたストッパー部102とを備えている。つまり、案内溝101とストッパー部102とは、メダル投入口31を挟んで相対するようになっている。換言すれば、メダル投入口31は、案内溝101とストッパー部102との略境界部に設けられている。
【0093】
メダル投入口31は、左右方向に長い略矩形状をなし、その前後幅がメダルの厚みよりも若干広く形成されるとともに、左右幅がメダルの径よりも若干広く形成されている。つまり、メダル投入口31は、メダルを1枚ずつでしか投入できないような大きさとなっている。また、メダル投入口31から投入されたメダルが案内される上記メダル通路32の下壁を構成する部分(下壁103)は、メダル通路32の内外が通気可能な構成となっている。かかるメダル通路32の構成として、例えば、かかるメダル通路32の下壁103を格子状にしたり、メダルの厚みよりも幅の狭いスリットを形成したりしてもよい。
【0094】
案内溝101はメダル投入口31に向かって略前後方向に延び、左右方向の縦断面形状がメダルの外周形状に沿うような略円弧状となっている。かかる構成によりメダルは左右方向への移動が規制されるため、メダルを起立させた状態で案内溝101に沿わせて、メダル投入口31へとスムースにスライドさせることができる。さらに、案内溝101には、上下方向に貫通する第1送風孔104が所定間隔毎(マトリクス状)に複数形成されている。
【0095】
ストッパー部102は、ストッパー部102の前面とメダル投入口31の後側縁部とが面一となるように形成されている。かかる構成により、メダルをメダル投入口31に投入するのに最適なメダルの位置及び最適なメダルの角度を容易に定めることができ、ストッパー部102(ストッパー部102の前面)に沿わせてスムースにメダルを投入することができる。さらに、ストッパー部102の前面側には、前後方向に貫通する第2送風孔105が所定間隔毎(マトリクス状)に複数形成されている。なお、本実施の形態では、ストッパー部102の前面が壁部に相当する。
【0096】
段差部92の内部(裏側)には、送風手段としての送風装置106が設けられている。送風装置106は、排気口121及び吸気口122を有する収容ケース123と、該収容ケース123内に設けられた送風モータ124と、該送風モータ124の駆動力を伝達する回転軸125と、該回転軸125の先端に接続されたプロペラ126とを備えている。そして、送風モータ124の駆動によりプロペラ126が回転することで排気口121から風を吹き出すよう構成されている。なお、プロペラ126が送風部材に相当し、送風モータ124が送風駆動手段に相当する。
【0097】
前記排気口121には、先が3つに枝分かれした連通部材としてのダクト108が連接されている。かかるダクト108の枝分かれした各先端部は、案内溝101の下面、ストッパー部102の背面、メダル通路32の下壁103の下面と接続されている。そして、送風装置106により生起された風が、第1送風孔104、第2送風孔105、及びメダル投入口31から案内溝101上に向けて吹出されるよう構成されている。なお、ストッパー部102の背面側には、送風路を有する変流部109が設けられており、ダクト108が変流部109を介してストッパー部102と接続されることで、送風装置106による風が第2送風孔105から吹出されるようになっている。
【0098】
また、案内溝101の奥側にはメダルの有無を検知する検知手段としての送風センサ110が設けられている(図3参照)。かかる送風センサ110は、制御装置51の入力側に接続されている。また、制御装置51の出力側には送風装置106を駆動させる送風駆動回路86が接続されている。
【0099】
本実施の形態では、送風センサ110は、案内溝101の左上端部に設けられた発光部111と、該発光部111と相対するようにして案内溝101の右上端部に設けられた受光部112とを備える透過型フォトセンサを採用している。そして、発光部111から受光部112に至る光が遮られ、受光部112への入光がない、或いはほとんどない場合、送風装置106が駆動するようになっている。なお、発光部111及び受光部112は、案内溝101の面と略面一、又は案内溝101よりも没入した位置に配設されている。
【0100】
また、制御装置51は、送風が開始されてからの時間を計測するタイマを備えており、送風が開始されてから10秒が経過すると送風を停止するような制御を行う。
【0101】
加えて、送風機構30の右側における庇部93には無効スイッチとしてのキャンセルボタン115が設けられている(図1参照)。キャンセルボタン115が押された場合には、発光部111から受光部112に至る光が遮られたとしても送風が行われない(送風装置104が駆動しない)オフ状態となる。また、オフ状態でキャンセルボタン115を押すことで、送風が行われるオン状態となり、送風が行われない状態が解除される。
【0102】
これより、メダルのメダル投入口31への投入方法について説明する。まず、複数枚のメダルを親指と人差し指(中指)とで支持するようにして重ね合わせて持ち、ストッパー部102とメダルの腹(面)とを対向させるようにして複数枚のメダルを起立させた状態で案内溝101に沿わせて奥側へとスライドさせていく。このとき、遊技者の指、或いはメダルによって発光部111から受光部112に至る光が遮られる。そして、送風装置106が駆動し、第1送風孔104、第2送風孔105、及びメダル投入口31から風が吹出される。送風が開始されてから10秒間は当該送風状態が維持され、メダルに風を受けながらメダルをスライドさせていくこととなる。そして、複数枚のメダルを案内溝101の奥側までスライドさせると、複数枚のメダルのうち、メダル投入口31にかかった先頭(一番奥側)の1枚が、ストッパー部102に沿ってメダル投入口31へと投入される。具体的には、メダル投入口31上に位置した先頭のメダルがメダル投入口31に自然落下することでメダルの投入が行われる。その後もメダルを奥側へとスライドさせていくことで順次メダルが1枚ずつメダル投入口31へ投入されることとなる。

以上詳述したように、本実施の形態では、メダル投入口31へのメダル投入に際し、当該メダルに対して送風を行うことができる。そのため、複数のメダルをまとめて持って連続的に投入する場合においては、隣接するメダルの間に風を通し、メダル同士を密着させないようにすることができる。つまり、隣接するメダル間の摩擦抵抗を低減させることができる。
【0103】
具体的に、メダル投入口31から送風されることで、メダルとメダル投入口31周縁部又はストッパー部102等との摩擦抵抗を低減させることができる。従って、先頭のメダルの投入が隣接するメダルやメダル投入口31周縁部等によって阻害され、メダルがメダル投入口31へ入っていかなくなるといったおそれを抑制することができる。結果として、メダルをよりスムースに投入することができる。また、かかる作用効果によって、メダルの投入に際しての時間効率を向上させ、速やかな遊技進行を実現することができる。さらには、メダルが上手く投入されないことに起因する興趣の低下を防止することができる。
【0104】
また、第1送風孔104から送風されることで、案内溝101とメダルとの間に空気が入り込み、メダルが案内溝101と密着するのを抑制することができる。つまり、メダルと案内溝101との間に発生する摩擦力を低減させることができ、メダルをメダル投入口31へとスムースにスライドさせることができる。また、案内溝101上において、隣接するメダル間に風を通し、メダル間の摩擦抵抗を低減させることができる。
【0105】
さらに、第2送風孔105から送風されることで、メダルとストッパー部102の前面とが密着するのを防止することができ、両者の間に働く摩擦力によってメダルがメダル投入口31に入っていかなくなるといったおそれを防止することができる。また、例えば、複数のメダルを案内溝101に沿わせてスライドさせた場合、先頭のメダルが次のメダルに押圧されることでストッパー部102に押し付けられ、メダルがメダル投入口31に入っていかないといった不具合が発生することが考えられるが、本実施の形態では、ストッパー部31とメダルとの密着を防止することができるため、かかる不具合の発生を回避することができる。
【0106】
また、送風の強さによっては、メダルを風力で動かすこともできる。そのため、遊技者が自らメダルを振動させる等してメダルを整列し直し、メダルの膠着状態を解消しなければならないといった不具合を低減させることができる。
【0107】
さらに、遊技を行うことで汗ばむ手(指先)や、汗等が付着したメダル、メダル投入口31、案内溝101、ストッパー部102等を乾かすことができる。従って、例えば、汗や汚れ等がメダルに付着することでメダル同士の摩擦抵抗が増し、メダルがメダル投入口31へ投入されにくくなるといった不具合等を抑制することができる。結果として、メダルの投入をさらにスムースに行うことができる。
【0108】
加えて、メダルの投入に際し、メダルに向けて送風がなされることで、ゴミ等の異物がメダル投入口31、第1送風孔104、及び第2送風孔105からマシン本体2内部へ侵入するのを抑制することができる。例えば、メダルや遊技者の手等に付着したゴミ等が送風により吹き飛ばされるといった具合である。
【0109】
送風センサ110(発光部111及び受光部112)を備えることで、送風装置106を常時駆動させるのではなく、送風センサ110の検知に応じて駆動させることができる。そのため、メダルの投入が行われないときには送風装置106を駆動させないことで、送風装置106の駆動頻度を低減させ、上記効果を保持しつつ省エネルギー化を図ることができる。
【0110】
送風センサ110は、案内溝101に沿ってスライドするメダルを検知可能に設けられている。つまり、メダルをメダル投入口31に投入する動作のみで送風センサ110が遊技者の指やメダルを検知し、送風を開始させることができる。従って、送風を開始させてからメダルの投入を行うといった2度手間を回避することができる。また、メダルをメダル投入口31へ投入するといった動作以外に、送風装置106を駆動させるべく、例えば空いている指を送風センサ110に検知されるように動かすといった手間を省略することができ、結果として、時間効率の向上を図ることができる。
【0111】
また、送風の開始動作を含むメダルの投入に際し、もう一方の手(左手)を煩わすことがないことから、当該もう一方の手が自由になり、例えば、ドリンクを口に運んだり、その他の遊技に関する操作(例えば、スタートレバー25やストップスイッチ27〜29の操作)を行ったり、休ませたりすることができる。
【0112】
また、キャンセルボタン115を備えることで、遊技者は、送風装置106を駆動させるか否かを自分の意思で決めることができる。
【0113】
さらに、送風が開始されてから10秒が経過すると送風が停止するようになっている。そのため、メダルの投入が済んだ後も送風装置106がオフされないこと(消し忘れ等)で、送風が必要ないときにも送風が行われるといったことを回避することができ、更なる省エネルギー化を図ることができる。
【0114】
また、第1送風孔104及び第2送風孔105は、それぞれ所定間隔毎に複数形成されている。そのため、案内溝101或いはストッパー部102前面の全域においてほぼ均一に送風を行うことができる。また、第1送風孔104及び第2送風孔105がそれぞれ複数形成されることで、案内溝101及びストッパー部102のメダルとの接触面積が減少することでも、メダルを案内溝101に沿わせてスムースにスライドさせたり、メダルとストッパー部102との摩擦抵抗を低減させたりといった効果を向上させることができる。
【0115】
加えて、メダルが自重でメダル投入口31へと落下していくよう構成されている。例えば、鉛直方向に沿って延びる面に形成されたメダル投入口にメダルを投入する場合、メダル投入に際し、メダルをメダル投入口に対して水平方向に押し込むといったような手間を要するが、メダルが自重でメダル投入口31へと落下していく構成を採用することで、かかる手間を省略することができる。
【0116】
なお、上記各種効果は、複数のメダルに関連する効果を除き、1枚のメダルを投入する際にも発揮される。
【0117】
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0118】
(a)上記実施の形態における送風センサ110の配設位置は特に限定されるものではないが、メダル投入口31の近傍に設けられることが望ましい。ここでいう「メダル投入口31の近傍」には案内溝101、案内溝101の側方、ストッパー部102といった部分が含まれ、例えば、案内溝101上、案内溝101の側部、ストッパー部102のメダル投入口31側或いはその裏面側に送風センサ110を設け、その付近におけるメダル又は遊技者の手の近接や接触を検知可能に構成してもよい。また、案内溝101の側方に送風センサ110を設け、案内溝101に沿わせてメダルをスライドさせる際に遊技者の指が送風センサ110に検知され、送風が開始されるよう構成してもよい。
【0119】
また、上記実施の形態では、送風センサ110として透過型フォトセンサが採用されていたが、送風センサ110の種類は特に限定されるものではなく、例えば、近接センサ、分離型フォトセンサ、反射型フォトセンサ、タッチセンサ等の各種センサを採用することができる。
【0120】
(b)上記実施の形態における、第1送風孔104及び第2送風孔105の形状、大きさ、数等は特に限定されるものではない。例えば、第1送風孔104を、前後方向に沿ってメダル投入口31(近傍)まで延びる長穴(スリット)として形成してもよい。また、ストッパー部102の前面を格子状にしてもよい。これらの構成を採用した場合、メダルの投入に際し、当該メダルに対して片寄りなく送風を行うことができる。
【0121】
また、第2送風孔105から吹出される風の向きは、幾分メダル投入口31側に向かうよう構成されていることとしてもよい。その場合、メダルをメダル投入口31へと案内するといった力がメダルに対して働くこととなり、よりスムースにメダルをメダル投入口31へと投入することができる。
【0122】
(c)上記実施の形態では、1つの送風装置106により、第1送風孔104、第2送風孔105、及びメダル投入口31から送風が行われるよう構成されていたが、送風装置を、第1送風孔104から風を吹き出すためのもの、第2送風孔105から風を吹き出すためのもの、メダル投入口31から風を吹き出すものといったように個別に設けてもよいし、2つの送風手段により、第1送風孔104、第2送風孔105、及びメダル投入口31から送風が行われるよう構成してもよい。
【0123】
(d)上記実施の形態における送風センサ110に代えて、送風装置106のオン・オフを切り替えるための操作スイッチ(操作手段)を、前面扉3の前面(例えば庇部93等)に設けるよう構成してもよい。かかる構成を採用した場合でも、送風手段の駆動頻度を低減させ、省エネルギー化を図ることができる。
【0124】
なお、操作スイッチの構成としては、レバースイッチ、スライドスイッチ、シーソースイッチ、プッシュスイッチ等の各種スイッチが挙げられる。また、上記構成の態様例としては、案内溝101の側方に前記操作スイッチを設け、案内溝101に沿わせてメダルをスライドさせる際に遊技者の指が操作スイッチに接触し、送風装置106がオンされるような構成が挙げられる。
【0125】
また、案内溝101上に前記操作スイッチを設け、案内溝101上にメダルを載置する、又はメダルを案内溝101に沿わせてスライドさせる際に当該メダルが操作スイッチに接触し、送風装置106がオンされるような構成が挙げられる。また、後者の構成を採用する場合、操作スイッチとしてプッシュスイッチを採用し、押圧状態にある操作スイッチと案内溝101とが面一となるような構成としてもよい。併せて、少なくともメダルの案内方向における操作スイッチの手前側が、案内溝101との間に段差が形成されないようスロープ状になっていることとしてもよい。これらの構成を採用する場合、メダルのスライドが操作スイッチによって阻害されるのを抑制することができる。
【0126】
(e)上記実施の形態において、送風装置106による送風の強さを調節することのできる調節手段としての調節つまみを設けてもよい。一口にメダルをメダル投入口31へ投入するとはいっても、かかる投入方法は遊技者によって多少の差異が生じるものである。例えば、メダルをストッパー部102に押し付けるようにして投入を行う遊技者がいる一方で、メダルをストッパー部102にあまり触れないようにして投入を行う遊技者もいる。その点、(e)によると、送風の強さを調節することができるため、例えば、送風による抵抗をあまり受けたくない人は送風の強さを弱めに調節するといったように各遊技者が送風の強さを自分に合った強さに調節することができる。従って、送風がなされることが、ある遊技者にとっては最初から好都合なことであっても、ある遊技者にとっては送風に慣れるまで少し時間がかかるといった不具合を解消することができる。すなわち、どの遊技者にとっても、メダル投入口31へのメダル投入に際し、当該メダルに送風がなされることで、メダルの投入をスムースに行うことができる。
【0127】
なお、送風センサ110や上記(d)の操作スイッチが調節つまみを兼ねるよう構成し、送風センサ110の検知や操作スイッチの操作によって、送風のオン・オフ及び送風の強さの調節ができるよう構成してもよい。例えば、操作スイッチとして回動可能又はスライド可能なつまみを採用することができる。また、例えば、送風センサ110の検知時間(長さ)に応じて送風の強さが変化するよう構成してもよい。もちろん、調節つまみを独立させて設けてもよい。
【0128】
(f)上記実施の形態では、案内溝101は、庇部93に突設されたメダル投入部30の一部として構成されていたが(図1、6参照)、例えば、庇部93を凹ませるようにして形成された部分であってもよい。
【0129】
(g)上記実施の形態において、制御装置51により所定の遊技状態又は所定の停止態様が導出されると決定された場合、送風センサ110による検知が無効化されるとともに、送風が行われないよう構成してもよい。その場合、送風を遊技演出の一環として利用することができる。かかる構成の態様例としては、リプレイ図柄が有効ライン上に左・中・右と表示された場合には、送風センサ110が遊技者の指やメダルを検知しても送風が行われないようにしてもよい。また、例えば、制御装置51において、ビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスに移行することが決定された場合や、ダイレクトモード時には送風センサ110が遊技者の指やメダルを検知しても送風が行われないようにしてもよい。
【0130】
(h)上記実施の形態において、貯留記憶されたクレジットメダル数が所定数以上になった場合、送風センサ110の検知が無効化されるとともに、送風が行われないよう構成してもよい。その場合、送風の機会をひかえることで、更なる省エネルギー化を図ることができる。また、送風によって、現在のクレジットメダル数を概ね把握することができる。かかる構成の態様として、例えば、40枚以上のメダルが貯留記憶されている場合、送風センサ110が遊技者の指やメダルを検知したとしても送風が行われないようにしてもよい。かかる構成は、メダル投入の必要性がさほどないときには、メダルの投入をそれほど素早く行えなくても差し支えないので、送風をひかえて省エネルギー化を図るといった主旨に基づいている。もちろん、貯留記憶の最大枚数である50枚のメダルが貯留記憶されている場合には、送風センサ110が遊技者の指やメダルを検知したとしても送風が行われないようにしてもよい。
【0131】
(i)上記実施の形態では、「アシストタイム」に際して、設定された特殊小役図柄を補助表示部49に表示することとしている。これに対し、3つのリール11〜13の停止操作順序(左・中・右の順列組合せの6通りのうちのいずれか)が別途設定された順序と合致した場合に、特殊小役図柄が揃いやすく構成されているタイプの遊技機に適用することも可能である。この場合、「アシストタイム」に際しては、例えば補助表示部49に「中→右→左」といった具合に停止順序を示唆表示することが例示される。また、この例の場合、特殊小役図柄は上記実施の形態ほど多く用意する必要がない。
【0132】
(j)また、図柄の種類や停止操作順序以外にも、所定の操作をすることで特殊小役図柄が停止されやすくなるタイプの遊技機にも適用可能である。例えば、ストップボタン27〜29を押圧操作するインターバル等が別途設定されたインターバルと合致した場合に特殊小役図柄が揃いやすく構成されているタイプの遊技機に適用することも可能である。また、上記実施の形態では「アシストタイム」を採用したスロットマシンについて記載されているが、もちろん「アシストタイム」のないスロットマシンにおいてもメダル投入口31に関する構成を適応することができる。
【0133】
(k)補助表示部49には、ナビゲーション表示演出等を実行するための表示がなされるものとして説明したが、これに加えて、他の表示を行うようにしてもよい。例えば遊技者が遊技をしていない状況下では遊技方法を解説する表示を行ったり、ビッグボーナスフラグ成立の告知を行ったり、キャラクタ等の演出用図柄を表示して表示内容に重み付けをするようにしてもよい。
【0134】
(l)ナビゲーション表示等のための補助演出を液晶表示器,ドットマトリックス表示器等による補助表示部49を用いて実現したが、前面扉3にリール11,12,13に付された図柄と同様の図柄を付しておき、その図柄をバックライト点灯等によって明るくして報知するようにしてもよい。また、以上例示した電気的表示器に代えて、ナビゲーション用リール等の機械的表示器を用いてもよい。更に、「スイカ」図柄を緑色,「ベル」図柄を黄色といったように遊技者に直感でどの図柄を示しているかを理解させることができる複数色を発光可能な構成としておき、その色によってナビゲーションの状況を判別させるようにしてもよい。更に又、以上例示した表示報知に代えて或いはそれに加えて、音声によって報知するようにしてもよい。この場合、スピーカ50がそのナビゲーション機能(教示手段としての機能)を有することとなる。
【0135】
(m)ビッグボーナスゲーム及びレギュラーボーナスゲームを有するスロットマシン1について説明したが、これ以外のスロットマシンに適用してもよい。例えば、ビッグボーナスゲームについて、ゲーム中の遊技内容が異なり期待される獲得メダル数の異なる複数種のビッグボーナスゲームを有するものであってもよく、この場合、上記実施形態における「赤7」図柄と「白7」図柄とで異ならせること等によって識別可能とすればよい。また、レギュラーボーナスゲームを省略したものとしてもよく、逆にビッグボーナスゲームを省略したものとしてもよい。更に、ビッグボーナスゲーム後に所定条件成立(所定ゲーム回数の終了、所定フラグ成立等)までメダルの消費を抑えてゲームを進行し得るチャンスゲーム機能等の各種付加価値を設けたものとしてもよい。
【0136】
(n)各リール11,12,13の図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
【0137】
(o)遊技機として回胴式遊技機、特にスロットマシン1について具体化した例を示したが、メダル等の略板状の遊技媒体を用いて遊技を行う他の遊技機に具体化してもよい。なお、「板状体」とは、例えば、円盤状、四角板状、或いはこれらに孔が形成されたもの(リング等)といった形状のものが含まれる。また、メダルの素材は特に限定されるものではなく、例えば、金属、樹脂等を採用することができる。
【0138】
(p)上記実施の形態では、制御装置51(主基板)が送風制御手段に相当するよう構成されていたが、送風制御手段に対応する制御装置(送風装置106を制御する基板)を制御装置51(主基板)とは別に設けてもよい。その場合、プログラム内容等を変えるべく別の主基板をスロットマシン1に搭載する場合にも、かかる主基板に送風装置106を制御するプログラムなどを新たに書き込むことなく、送風機能を有するスロットマシンとして容易に転用することができる。
【0139】
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
【0140】
手段1.メダルを投入可能な投入口を備え、メダルを用いて遊技を行う遊技機であって、
少なくともメダルを前記投入口へ投入するに際し、前記投入口から送風可能な送風手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【0141】
手段1によれば、投入口へのメダル投入に際し、当該メダルに対して送風を行うことができる。そのため、複数のメダルをまとめて持って連続的に投入する場合においては、隣接するメダルの間に風を通し、メダル同士を密着させないようにすることができる。つまり、隣接するメダル間の摩擦抵抗を低減させることができる。また、投入口から風が吹き出されるため、メダルと投入口周縁部(又は当該投入口の周縁の一部に立設された壁部等)との摩擦抵抗を低減させることができる。従って、先頭のメダルの投入が隣接するメダルや投入口周縁部等によって阻害され、メダルが投入口へ入っていかなくなるといったおそれを抑制することができる。結果として、メダルをよりスムースに投入することができる。また、かかる作用効果によって、メダルの投入に際しての時間効率を向上させ、速やかな遊技進行を実現することができる。さらには、メダルが上手く投入されないことに起因する興趣の低下を防止することができる。
【0142】
また、送風の強さによっては、メダルを風力で動かすこともできる。そのため、遊技者が自らメダルを振動させる等してメダルを整列し直し、メダルの膠着状態を解消しなければならないといった不具合を低減させることができる。
【0143】
なお、「少なくともメダルを前記投入口へ投入するに際し、前記投入口から送風可能」とあるのは「メダルを前記投入口へ投入するに際し、前記投入口から当該メダルに向けて送風可能」といった意味も含むものである。つまり、少なくともメダルを前記投入口へ投入するに際し、当該メダルに対して送風するといった主旨であり、例えば、前記投入口付近から前記投入口に向けて送風可能な送風手段を備え、投入口へのメダル投入に際し、当該メダルに対して送風を行うことで、隣接するメダル間の摩擦抵抗やメダルと投入口周縁部との摩擦抵抗を低減させ、メダルの投入をスムースに行えるよう構成することができる。かかる構成を採用する場合「前記投入口付近から前記投入口に向けて送風可能」とは「前記投入口付近に送風孔を備え、前記送風孔から前記投入口に向けて送風可能」といった意味を含むものである。また、上記手段の構成に加え、メダルが自重で投入口へと落下していく構成を採用することができる。例えば、鉛直方向に沿って延びる面に形成された投入口にメダルを投入する場合、メダル投入に際し、メダルを投入口に対して水平方向に押し込むといったような手間を要するが、メダルが自重で投入口へと落下していく構成を採用することで、かかる手間を省略することができる。加えて、「メダル」とは「板状体」といった意味を含み、例えば、円盤状、四角板状、或いはこれらに孔が形成されたもの(リング等)といった形状のものが含まれる。また、メダルの素材は特に限定されるものではなく、例えば、金属、樹脂等を採用することができる。
【0144】
また、前記投入口に向かって延び、メダルを前記投入口へ案内するための案内溝を備えることとしてもよい。さらに、前記投入口の周縁の一部に立設され、メダルを前記投入口へ案内するための壁部を備えることとしてもよい。加えて、投入口から吹出される風の強さ(風力)は、当然メダルの投入(自然落下)を妨げない強さに設定されることが望ましい。以下の手段でも同様であるが、上記各種効果は、複数のメダルに関連する効果を除き、1枚のメダルを投入する際にも発揮される。
【0145】
手段2.メダルを投入可能な投入口と、前記投入口に向かって延びる案内溝とを備え、
メダルを前記案内溝に沿わせてスライドさせて前記投入口に案内し、前記投入口に投入できるよう構成され、
メダルを遊技媒体として遊技を行う遊技機であって、
前記案内溝に設けられた送風孔と、
少なくともメダルを前記投入口へ投入するに際し、前記送風孔から前記案内溝上に向けて送風可能な送風手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
【0146】
手段2によれば、案内溝に沿ってスライドされるメダルに対して、案内溝(送風孔)から送風を行うことができる。そのため、案内溝とメダルとの間に空気が入り込むことで、メダルが案内溝と密着するのを抑制することができる。つまり、メダルと案内溝との間に発生する摩擦力を低減させることができ、メダルを投入口へとスムースにスライドさせることができる。また、案内溝上において、隣接するメダル間に風を通し、メダル間の摩擦抵抗を低減させることができる。結果として、上記手段1と同様の効果が奏される。
【0147】
また、案内溝に沿ってメダルをスライドさせることで、メダルを投入口へと容易に案内することができる。
【0148】
なお、前記送風孔の形状、大きさ、数等は特に限定されるものではなく、例えば、前記送風孔を複数形成してもよく、さらには、複数の送風孔を所定間隔毎或いはドットマトリックス状に形成してもよい。また、送風孔を、案内溝の案内方向に沿って投入口(近傍)まで延びる長穴(スリット)として形成してもよい。このような構成を採用した場合、案内溝の全域においてほぼ均一に送風を行うことができる。また、案内溝の面を格子状にしてもよい。その場合、上記効果を一層確実なものとすることができる。また、送風孔を大きく形成したり、複数設けたりすることでメダルとの接触面積が減少することでも、メダルを案内溝に沿わせてスムースにスライドさせるといった効果を向上させることができる。
【0149】
また、前記案内溝を、メダルの外周形状に沿うようにして湾曲形成した場合には、案内溝に沿ってメダルをスライドさせる際に、メダルの位置決めをより確実に行うことができたり、送風孔から吹出される風を効率よくメダルに当てることができたりする。さらに、「前記投入口に向かって延びる案内溝」とあるのは「前記投入口に向かって略水平に延びる案内溝」といった意味も含むものである。その場合、メダルを案内溝に沿わせてスライドさせるためには、遊技者がメダルを案内溝に押し付けるようにしないといけないといった不具合を回避することができる。また、メダルのスライドに際しては、遊技者がメダルを手に持ってスライドさせていくこととなるが、メダルを前記案内溝に沿わせて略水平にスライドさせる場合には、メダルそのものの重みを支持しなくてもよいため、特に強い力を必要とせず、メダルをやさしく支持するようにしてメダルをスライドさせることができる。加えて、案内溝の送風孔から吹出される風の強さ(風力)は、メダルにかかる重力よりも弱く設定されることが望ましい。
【0150】
手段3.メダルを投入可能な投入口と、前記投入口の周縁の一部に立設された壁部とを備え、
メダルを前記壁部に沿わせて前記投入口へ投入できるよう構成され、
メダルを遊技媒体として遊技を行う遊技機であって、
前記壁部に設けられた送風孔と、
少なくともメダルを前記投入口へ投入するに際し、前記送風孔から送風可能な送風手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
【0151】
手段3によれば、メダル投入に際し、当該メダルに対して、少なくとも壁部(送風孔)から送風を行うことができる。従って、メダルと壁部とが密着するのを防止することができ、両者の間に働く摩擦力によってメダルが投入口に入っていかなくなるといったおそれを防止することができる。結果として、上記手段1と同様の効果が奏される。
【0152】
加えて、壁部の存在により、メダルを投入口に投入するのに最適なメダルの位置及び最適なメダルの角度を容易に定めることができ、結果として、メダルの投入を比較的スムースに行うことができる。
【0153】
なお、前記送風孔の形状、大きさ、数等は特に限定されるものではなく、例えば、前記送風孔を複数形成してもよく、さらには、複数の送風孔を所定間隔毎或いはドットマトリックス状に形成してもよい。また送風孔を長穴(スリット)として形成してもよい。このような構成を採用した場合、壁部の全域においてほぼ均一に送風を行うことができる。併せて、壁部の投入口側の面を格子状にしてもよい。その場合、上記効果を一層確実なものとすることができる。加えて、壁部の送風孔から吹出される風の強さ(風力)は、投入口へのメダル投入を妨げない強さに設定されることが望ましい。
【0154】
手段4.メダルを投入可能な投入口と、前記投入口に向かって延びる案内溝とを備え、
メダルを前記案内溝に沿わせてスライドさせて前記投入口に案内し、前記投入口に投入できるよう構成され、
メダルを遊技媒体として遊技を行う遊技機であって、
前記案内溝に設けられた送風孔と、
少なくともメダルを前記投入口へ投入するに際し、前記投入口及び前記送風孔から前記案内溝上に向けて送風可能な送風手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
【0155】
手段4によれば、送風孔及び投入口から送風が行われることで、メダルを投入口へとスムースにスライドさせて、メダルを投入口へとスムースに投入することができる。結果として、上記手段1及び上記手段2の効果を相乗して奏することができる。なお、送風手段を、送風孔から風を吹き出すためのものと、投入口から風を吹き出すためのものと個別に設けてもよいし、1つの送風手段により、案内溝の送風孔及び投入口からの送風が行われるよう構成してもよい。
【0156】
手段5.前記送風手段に接続され、先端部が2つに枝分かれした連通部材を備え、
前記連通部材の枝分かれした先端部を前記投入口及び前記送風口と連結し、前記送風手段と前記投入口及び前記送風口とを連通させたことを特徴とする手段4に記載の遊技機。
【0157】
手段5によれば、1つの送風手段を用いて投入口及び送風口の2箇所から送風を行うことができる。従って、送風手段を、送風孔から風を吹き出すためのもの、投入口から風を吹き出すものといったように個別に設けた場合よりも、送風手段の設置に関して省スペース化を図ることができる。なお、連通部材とは、ダクトといった意味も含まれる。
【0158】
手段6.メダルを投入可能な投入口と、前記投入口の周縁の一部に立設された壁部とを備え、
メダルを前記壁部に沿わせて前記投入口へ投入できるよう構成され、
メダルを遊技媒体として遊技を行う遊技機であって、
前記壁部に設けられた送風孔と、
少なくともメダルを前記投入口へ投入するに際し、前記送風孔及び前記投入口から当該メダルに向けて送風可能な送風手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
【0159】
手段6によれば、投入口及び送風孔から送風が行われることで、メダルを前記投入口へ投入するに際し、メダルと投入口周縁部(壁部を含む)との摩擦抵抗や隣接するメダル間の摩擦抵抗を低減させてメダル投入をスムースに行うことができる。結果として、上記手段1及び上記手段3の効果を相乗して奏することができる。なお、送風手段を、送風孔から風を吹き出すためのものと、投入口から風を吹き出すためのものと個別に設けてもよいし、1つの送風手段により、案内溝の送風孔及び投入口からの送風が行われるよう構成してもよい。
【0160】
手段7.前記送風手段を1つと、前記送風手段に接続され、先端部が2つに枝分かれした連通部材とを備え、
前記連通部材の枝分かれした先端部を前記投入口及び前記送風口と連結し、
前記送風手段による風が、前記連通部材を通じて前記投入口及び前記送風口から吹出されるよう構成したことを特徴とする手段6に記載の遊技機。
【0161】
手段7によれば、1つの送風手段を用いて投入口及び送風口の2箇所から送風を行うことができる。従って、送風手段を、送風孔から風を吹き出すためのもの、投入口から風を吹き出すものといったように個別に設けた場合よりも、送風手段の設置に関して省スペース化を図ることができる。
【0162】
手段8.メダルを投入可能な投入口と、前記投入口に向かって延びる案内溝と、前記投入口を挟んで前記案内溝と相対するように前記投入口の周縁の一部に立設された壁部とを備え、
メダルを起立させた状態で前記案内溝に沿わせてスライドさせて前記投入口に案内し、前記壁部に沿わせて前記投入口に投入できるよう構成され、
メダルを遊技媒体として遊技を行う遊技機であって、
前記案内溝に設けられた第1送風孔と、
前記壁部に設けられた第2送風孔と、
少なくともメダルを前記投入口へ投入するに際し、前記第1送風孔及び第2送風孔から送風可能な送風手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【0163】
手段8によれば、メダルを前記投入口へ投入するに際し、前記第1送風孔及び第2送風孔から当該メダルに向けて送風される。つまり、第1送風孔から送風されることで、案内溝上において、隣接するメダル間に風を通し、メダル間の摩擦抵抗を低減させるとともに、メダルを投入口へとスムースにスライドさせることができる。
【0164】
また、第2送風孔から送風されることで、メダルと壁部との間に働く摩擦抵抗を低減させることができ、メダルの投入をスムースに行うことができる。また、例えば、複数のメダルを案内溝に沿わせてスライドさせた場合、先頭のメダルが次のメダルに押圧されることで壁部に押し付けられ、メダルが投入口に入っていかないといった不具合が発生することが考えられるが、本手段では、壁部とメダルとの密着を防止することができるため、かかる不具合の発生を回避することができる。結果として、上記手段2及び手段3の効果が相まって、より一層の効果を奏することができる。
【0165】
なお、送風手段は、第1送風孔から風を吹き出すためのもの、第2送風孔から風を吹き出すためのものといったように個別に設けてもよいし、1つの送風手段により、第1送風孔、第2送風孔から送風が行われるよう構成してもよい。
【0166】
手段9.前記送風手段を1つと、前記送風手段に接続され、先端部が2つに枝分かれした連通部材とを備え、
前記連通部材の枝分かれした先端部を前記第1送風口及び前記第2送風口と連結し、
前記送風手段による風が、前記連通部材を通じて前記第1送風口及び前記第2送風口から吹出されるよう構成したことを特徴とする手段8に記載の遊技機。
【0167】
手段9によれば、1つの送風手段を用いて第1送風口及び第2送風口の2箇所から送風を行うことができる。従って、送風手段を、第1送風孔から風を吹き出すためのもの、第2送風口から風を吹き出すものといったように個別に設けた場合よりも、送風手段の設置に関して省スペース化を図ることができる。
【0168】
手段10.メダルを投入可能な投入口と、前記投入口に向かって延びる案内溝と、前記投入口を挟んで前記案内溝と相対するように前記投入口の周縁の一部に立設された壁部とを備え、
メダルを起立させた状態で前記案内溝に沿わせてスライドさせて前記投入口に案内し、前記壁部に沿わせて前記投入口に投入できるよう構成され、
メダルを遊技媒体として遊技を行う遊技機であって、
前記案内溝に設けられた第1送風孔と、
前記壁部に設けられた第2送風孔と、
少なくともメダルを前記投入口へ投入するに際し、前記投入口、前記第1送風孔、及び前記第2送風孔から送風可能な送風手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【0169】
手段10によれば、メダルを前記投入口へ投入するに際し、投入口、第1送風孔、及び第2送風孔から当該メダルに向けて送風される。つまり、第1送風孔から送風されることで、案内溝上において、隣接するメダル間に風を通し、メダル間の摩擦抵抗を低減させるとともに、メダルを投入口へとスムースにスライドさせることができる。
【0170】
また、第2送風孔から送風されることで、メダルと壁部との間に働く摩擦抵抗を低減させることができ、メダルの投入をスムースに行うことができる。また、例えば、複数のメダルを案内溝に沿わせてスライドさせた場合、先頭のメダルが次のメダルに押圧されることで壁部に押し付けられ、メダルが投入口に入っていかないといった不具合が発生することが考えられるが、本手段では、壁部とメダルとの密着を防止することができるため、かかる不具合の発生を回避することができる。結果として、上記手段2及び手段3の効果が相まって、より一層の効果を奏することができる。
【0171】
さらに、投入口からも送風が行われるよう構成することで、投入口へのメダル投入をスムースに行うことができるといった効果をより確実に奏することができる。
【0172】
なお、送風手段は、第1送風孔から風を吹き出すためのもの、第2送風孔から風を吹き出すためのもの、投入口から風を吹き出すものといったように個別に設けてもよいし、1つ又は2つの送風手段により、第1送風孔、第2送風孔、及び投入口から送風が行われるよう構成してもよい。
【0173】
手段11.前記送風手段を1つと、前記送風手段に接続され、先端部が3つに枝分かれした連通部材とを備え、
前記連通部材の枝分かれした先端部を前記投入口、前記第1送風口、及び前記第2送風口と連結し、
前記送風手段による風が、前記連通部材を通じて前記投入口、前記第1送風口、及び前記第2送風口から吹出されるよう構成したことを特徴とする手段10に記載の遊技機。
【0174】
手段11によれば、1つの送風手段を用いて投入口、第1送風口、及び第2送風口の3箇所から送風を行うことができる。従って、送風手段を、第1送風孔から風を吹き出すためのもの、第2送風孔から風を吹き出すためのもの、投入口から風を吹き出すものといったように個別に設けた場合よりも、送風手段の設置に関して省スペース化を図ることができる。
【0175】
手段12.前記送風手段のオン・オフを切り替えるための操作手段を、遊技者が操作可能なように設けたことを特徴とする手段1乃至11のいずれかに記載の遊技機。
【0176】
手段12によれば、送風手段を常時駆動させるのではなく、遊技者が必要に応じて駆動させることができる。例えば、メダルの投入が行われないときには送風手段を駆動させないことで送風手段の駆動頻度を低減させ、上記効果を保持しつつ省エネルギー化を図ることができる。
【0177】
なお、操作手段としては、レバースイッチ、スライドスイッチ、シーソースイッチ、プッシュスイッチ等の各種スイッチが挙げられる。
【0178】
手段13.前記操作手段は、前記投入口の近傍に設けられていることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0179】
手段13によれば、一方の手を用いて前記投入口にメダルを投入しつつ、当該一方の手、又は当該メダルで操作手段を操作できるよう構成することができる。その場合、メダルの投入と送風手段を駆動させる動作とを一方の手のみで同時に行うことができる。従って、送風を開始させてからメダルの投入を行うといった2度手間を回避することができる。結果として、時間効率の向上を図ることができる。
【0180】
また、操作手段の操作を含むメダルの投入に際し、もう一方の手を煩わすことがないことから、当該もう一方の手が自由になり、例えば、ドリンクを口に運んだり、その他の遊技に関する操作(例えば、始動操作手段や停止操作手段の操作)を行ったり、休ませたりすることができる。ただし、操作手段は、投入口に投入されるメダルの移動を阻害しないよう配設されることが望ましい。
【0181】
また「投入口の近傍」には案内溝、案内溝の側方、壁部といった部分が含まれ、例えば、案内溝上、案内溝の側部、壁部の奥側に操作手段を設けてもよい。
【0182】
手段14.前記操作手段は、メダルを前記投入口へ投入するに際し、当該メダル又は当該メダルを投入する遊技者の手が接触する位置に設けられていることを特徴とする手段13に記載の遊技機。
【0183】
手段14によれば、メダルを前記投入口に投入する動作のみで前記操作手段が操作され、送風を開始させることができる。従って、メダルを投入口へ投入するといった動作以外に、送風手段を駆動させるべく、例えば空いている指で操作手段を操作するといった手間を省略することができ、上記手段13の効果を一層確実なものとすることができる。
【0184】
なお、手段14の態様例としては、例えば、前記案内溝の側方に前記操作手段を設け、前記案内溝に沿わせてメダルをスライドさせる際に遊技者の指が前記操作手段に接触し、前記送風手段がオンされるような構成が挙げられる。また、前記案内溝上に前記操作手段を設け、前記案内溝上にメダルを載置する、又はメダルを案内溝に沿わせてスライドさせる際に当該メダルが前記操作手段に接触し、前記送風手段がオンされるような構成が挙げられる。また、後者の構成を採用する場合、操作手段としてプッシュスイッチを採用し、押圧状態にある操作手段と案内溝とが面一となるような構成としてもよい。併せて、少なくともメダルの案内方向における操作手段の始端部側(手前側)が、案内溝上面との間に段差が形成されないようスロープ状になっていることとしてもよい。これらの構成を採用する場合、メダルのスライドが操作手段によって阻害されるのを抑制することができる。
【0185】
また、本手段では、操作手段を操作するといった独立した作業を行うことなく、メダルを投入するにあたって必ず送風が開始されるといった作用効果が得られるのであるが、前記操作手段の操作を無効化する無効スイッチを遊技者が操作可能なように設け、送風手段を駆動させるか否かを遊技者の意思で決めることができるよう構成してもよい。その場合、送風を受けたくない遊技者は送風を受けないように設定することができる。
【0186】
手段15.前記操作手段の操作に基づいて前記送風手段を制御する送風制御手段を備えたことを特徴とする手段12乃至14のいずれかに記載の遊技機。
【0187】
手段15によれば、送風制御手段を備えることにより、送風に関してより的確な制御を行うことができる。例えば、送風の開始や停止のタイミングを計ったり、送風の強さを調整可能にしたりすることで、省エネルギー化を図ったり、利便性を高めたりすることができる。
【0188】
手段16.始動操作手段の操作に起因して複数種の識別情報を可変表示するとともに、少なくとも停止操作手段の操作に起因して可変表示を停止させる可変表示手段と、
前記始動操作手段の操作を契機として抽選を行うとともに、各種遊技状態及び識別情報の停止態様を決定する遊技状態決定手段とを備え、
前記遊技状態決定手段により所定の遊技状態又は所定の停止態様が導出されると決定された場合、前記送風制御手段は、前記操作手段の操作を無効化するとともに、送風が行われないよう制御することを特徴とする手段15に記載の遊技機。
【0189】
手段16によれば、メダル投入の必要性がない、或いはメダルの投入が行えない遊技状態が導出される場合には、送風が行われないよう構成することで、更なる省エネルギー化を図ることができる。また、送風を遊技演出の一環として利用することができる。手段16の態様として、例えば、可変表示手段において、次回の遊技を無償で行えることを意味する表示(所定の停止態様)がなされた場合には、操作手段を操作しても送風が行われないようにしてもよい。また、例えば、遊技状態決定手段において、遊技者に大量のメダルを払出すこと(所定の遊技状態)が決定された場合、操作手段を操作しても送風が行われないようにしてもよい。
【0190】
手段17.前記投入口に投入されたメダルの数を貯留記憶可能な貯留記憶手段を備え、貯留記憶されたメダル数が所定数以上になった場合、前記送風制御手段は、前記操作手段の操作を無効化するとともに、送風が行われないよう制御することを特徴とする手段15又は16に記載の遊技機。
【0191】
手段17によれば、送風の機会をひかえることで、更なる省エネルギー化を図ることができる。また、送風によって、現在のメダル貯留数を概ね把握することができる。手段17の態様として、例えば、最高で50枚のメダルを貯留記憶可能な貯留記憶手段が、40枚以上のメダルを貯留記憶している場合、操作手段を操作しても送風が行われないようにしてもよい。かかる構成は、メダル投入の必要性がさほどないときには、メダルの投入をそれほど素早く行えなくても差し支えないので、送風をひかえて省エネルギー化を図るといった主旨に基づいている。もちろん、最高で50枚のメダルを貯留記憶可能な貯留記憶手段が、50枚以上のメダルを貯留記憶している場合には、送風が行われないようにしてもよい。
【0192】
手段18.前記操作手段の操作が行われてからの時間を計測するタイマを備え、前記送風制御手段は、前記操作手段が操作されてから所定時間が経過すると送風を停止させるよう制御することを特徴とする手段12乃至17のいずれかに記載の遊技機。
【0193】
手段18によれば、メダルの投入が済んだ後も送風手段がオフされないこと(消し忘れ等)で、送風が必要ないときにも送風が行われるといったことを回避することができ、更なる省エネルギー化を図ることができる。手段18の態様として、例えば、操作手段が操作されてから10秒後に送風が停止制御されるよう構成してもよい。また、送風が開始されてからの時間を計測するタイマを備え、前記送風制御手段は、送風が開始されてから所定時間が経過すると送風を停止させるよう制御するといった構成を採用しても同様の効果を奏することができる。
【0194】
手段19.メダル又は遊技者の手の近接又は接触を検知する検知手段と、前記検知手段の検知に基づいて前記送風手段を制御する送風制御手段とを備えたことを特徴とする手段1乃至11のいずれかに記載の遊技機。
【0195】
手段19によれば、送風手段を常時駆動させるのではなく、検知手段の検知に応じて駆動させることができる。例えば、メダルの投入が行われないときには送風手段を駆動させないことで、送風手段の駆動頻度を低減させ、上記効果を保持しつつ省エネルギー化を図ることができる。
【0196】
なお、検知手段としては、近接センサ、フォトセンサ、タッチセンサ等の各種センサが挙げられる。
【0197】
手段20.前記検知手段は、前記投入口の近傍に設けられていることを特徴とする手段19に記載の遊技機。
【0198】
手段20によれば、メダルの投入と送風手段を駆動させる動作とを一方の手のみで同時に行えるよう構成することができる。従って、送風を開始させてからメダルの投入を行うといった2度手間を回避することができる。結果として、時間効率の向上を図ることができる。
【0199】
また、送風の開始動作(検知手段に検知される)を含むメダルの投入に際し、もう一方の手を煩わすことがないことから、当該もう一方の手が自由になり、例えば、ドリンクを口に運んだり、その他の遊技に関する操作(例えば、始動操作手段や停止操作手段の操作)を行ったり、休ませたりすることができる。ただし、検知手段は、投入口に投入されるメダルの移動を阻害しないよう配設されることが望ましい。
【0200】
「投入口の近傍」には案内溝、案内溝の側方、壁部といった部分が含まれ、例えば、案内溝上、案内溝の側部、壁部の投入口側或いはその裏面側に検知手段を設け、その付近におけるメダル又は遊技者の手の近接や接触を検知可能に構成してもよい。
【0201】
手段21.前記検知手段は、メダルを前記投入口へ投入するに際し、当該メダル又は当該メダルを投入する遊技者の手を検知するよう構成されていることを特徴とする手段20に記載の遊技機。
【0202】
手段21によれば、メダルを前記投入口に投入する動作のみで前記検知手段が当該動作を検知し、送風を開始させることができる。従って、メダルを投入口へ投入するといった動作以外に、送風手段を駆動させるべく、例えば空いている指を検知手段に検知されるように動かすといった手間を省略することができ、上記手段20の効果を一層確実なものとすることができる。
【0203】
なお、手段21の態様例としては、例えば、前記案内溝の側方に前記検知手段を設け、前記案内溝に沿わせてメダルをスライドさせる際に遊技者の指が前記検知手段に検知され、送風が開始されるような態様例が挙げられる。また、前記案内溝上に前記検知手段を設け、前記案内溝上にメダルを載置する、又はメダルを案内溝に沿わせてスライドさせる際に当該メダルが前記検知手段に検知され、送風が開始されるような態様例が挙げられる。
【0204】
また、本手段では、検知手段に検知されるよう指を動かす等といった独立した動作を行うことなく、メダルを投入するにあたって必ず送風が開始されるといった作用効果が得られるのであるが、前記検知手段の検知を無効化する無効スイッチを遊技者が操作可能なように設け、送風手段を駆動させるか否かを遊技者の意思で決めることができるよう構成してもよい。その場合、送風を受けたくない遊技者は送風を受けないように設定することができる。
【0205】
手段22.始動操作手段の操作に起因して複数種の識別情報を可変表示するとともに、少なくとも停止操作手段の操作に起因して可変表示を停止させる可変表示手段と、
前記始動操作手段の操作を契機として抽選を行うとともに、各種遊技状態及び識別情報の停止態様を決定する遊技状態決定手段とを備え、
前記遊技状態決定手段により所定の遊技状態又は所定の停止態様が導出されると決定された場合、前記送風制御手段は、前記検知手段の検知を無効化するとともに、送風が行われないよう制御することを特徴とする手段19乃至21のいずれかに記載の遊技機。
【0206】
手段22によれば、更なる省エネルギー化を図ることができる。また、送風を遊技演出の一環として利用することができる。手段22の態様として、例えば、可変表示手段において、次回の遊技を無償で行えることを意味する表示がなされた場合には、操作手段を操作しても送風が行われないようにしてもよい。また、遊技状態決定手段において、遊技者に大量のメダルを払出すことが決定された場合、操作手段を操作しても送風が行われないようにしてもよい。
【0207】
手段23.前記投入口に投入されたメダルの数を貯留記憶可能な貯留記憶手段を備え、貯留記憶されたメダル数が所定数以上になった場合、前記送風制御手段は、前記検知手段の検知を無効化するとともに、送風が行われないよう制御することを特徴とする手段19乃至22のいずれかに記載の遊技機。
【0208】
手段23によれば、送風の機会をひかえることで、更なる省エネルギー化を図ることができる。また、送風によって、現在のメダル貯留数を概ね把握することができる。手段23の態様として、例えば、最高で50枚のメダルを貯留記憶可能な貯留記憶手段が、40枚以上のメダルを貯留記憶している場合には、送風が行われないようにしてもよい。かかる構成は、メダル投入の必要性がさほどないときには、メダルの投入をそれほど素早く行えなくても差し支えないので、送風をひかえて省エネルギー化を図るといった主旨に基づいている。もちろん、最高で50枚のメダルを貯留記憶可能な貯留記憶手段が、50枚以上のメダルを貯留記憶している場合には、送風が行われないようにしてもよい。
【0209】
手段24.前記検知手段がメダル又は遊技者の手の近接又は接触を検知してからの時間を計測するタイマを備え、前記送風制御手段は、前記検知手段がメダル又は遊技者の手の近接又は接触を検知してから所定時間が経過すると送風を停止させるよう制御することを特徴とする手段19乃至23のいずれかに記載の遊技機。
【0210】
手段24によれば、メダルの投入が済んだ後も送風手段がオフされないこと(消し忘れ等)で、送風が必要ないときにも送風が行われるといったことを回避することができ、更なる省エネルギー化を図ることができる。手段24の態様として、例えば、送風が開始されてから10秒後に送風が停止制御されるよう構成してもよい。
【0211】
なお「前記検知手段がメダル又は遊技者の手の近接又は接触を検知してからの時間」とあるのは「前記検知手段がメダル又は遊技者の手の近接又は接触を検知し終えてからの時間」といった意味も含むものである。また、送風が開始されてからの時間を計測するタイマを備え、前記送風制御手段は、送風が開始されてから所定時間が経過すると送風を停止させるよう制御するといった構成を採用しても同様の効果を奏することができる。
【0212】
手段25.前記送風手段による送風の強さを調節することのできる調節手段を設けたことを特徴とする手段12乃至24のいずれかに記載の遊技機。
【0213】
一口にメダルを投入口へ投入するとはいっても、かかる投入方法は遊技者によって多少の差異が生じるものである。例えば、メダルを壁部に押し付けるようにして投入を行う遊技者がいる一方で、メダルを壁部にあまり触れないようにして投入を行う遊技者もいる。手段25によると、送風の強さを調節することができるため、例えば、送風による抵抗をあまり受けたくない人は送風の強さを弱めに調節するといったように各遊技者が送風の強さを自分に合った強さに調節することができる。従って、送風がなされることが、ある遊技者にとっては最初から好都合なことであっても、ある遊技者にとっては送風に慣れるまで少し時間がかかるといった不具合を解消することができる。すなわち、どの遊技者にとっても、投入口へのメダル投入に際し、当該メダルに送風がなされることで、メダルの投入をスムースに行うことができる。
【0214】
なお、前記操作手段や前記検知手段が調節手段を兼ねるよう構成し、操作手段の操作や検知手段の検知によって、送風のオン・オフ及び送風の強さの調節ができるよう構成してもよい。例えば、操作手段として回動可能又はスライド可能なつまみを採用することができる。また、例えば、検知手段の検知時間(長さ)に応じて送風の強さが変化するよう構成してもよい。もちろん、調節手段を独立させて設けてもよい。
【0215】
手段26.前記送風手段は、回転可能な送風部材と前記送風部材を駆動する送風駆動手段とを備え、前記送風部材が回転させられることで送風可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至25のいずれかに記載の遊技機。
【0216】
手段26によれば、駆動手段を駆動させ送風部材を回転させることで風を生起させることができる。なお、送風部材には、プロペラ等を採用することができ、送風駆動手段にはモータ等を採用することができる。つまり、送風手段とは、ファン(送風機、扇風機)といった意味も含まれる。
【0217】
手段27.前記投入口は、メダルを1つずつ投入可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至26のいずれかに記載の遊技機。
【0218】
手段27によれば、投入口においてメダルが重なり合うようにして詰まってしまうといったおそれを抑制することができる。
【0219】
また、投入口にメダルが1枚ずつ投入されるため、投入されるメダルに対してより風があたることとなる。その場合、遊技者の汗等が付着したメダルをより乾かすことができる。従って、例えば、汗や汚れ等がメダルに付着することでメダルと投入口付近との摩擦抵抗が増し、メダルが投入口へ投入されにくくなるといった不具合等を抑制することができる。
【0220】
さらに、メダルの投入に際し、1枚ずつ投入されるメダルに向けて送風がなされることで、ゴミ等の異物が投入口から遊技機内部へ侵入するのをより確実に抑制することができる。例えば、メダルや遊技者の手等に付着したゴミ等が送風により吹き飛ばされるといった具合である。
【0221】
なお、メダルを遊技機内部に貯留可能な貯留手段と、前記投入口から投入されたメダルを、前記貯留手段へと案内するメダル通路とを備えることとしてもよい。また、前記投入口から投入されたメダルを検出するメダル検出手段を備えることとしてもよい。以下に、かかる構成を採用したうえでの本手段の作用効果を述べると、メダルが投入口に1つずつ投入されるため、当該投入口から投入されたメダルの投入先であるメダル通路においてメダルが重なり合うようにして詰まってしまうといったおそれを抑制することができる。また、メダルが投入口に1つずつ投入されるため、メダル検出手段がメダルを1つずつ検出することができ、メダルの検出をより正確かつ確実に行うことができる。
【0222】
また「前記投入口は、メダルを1つずつ投入可能に構成されている」とあるのを「前記投入口は、メダルを1つずつ投入可能な大きさに構成されている」、或いは「前記投入口は、メダルを1つずつ前記メダル通路へと案内可能に構成されている」としてもよい。また、メダルを1つずつ投入可能な大きさとは、投入口の幅がメダルの径とほぼ同じ長さで、投入口の奥行き幅がメダルの厚みとほぼ同じ長さといった意味を有するものである。
【0223】
手段28.始動操作手段の操作に起因して複数種の識別情報を可変表示するとともに、少なくとも停止操作手段の操作に起因して可変表示を停止させる可変表示手段と、
前記始動操作手段の操作を契機として抽選を行うとともに、各種遊技状態及び識別情報の停止態様を決定する遊技状態決定手段と、
前記停止操作手段の操作に起因して停止される可変表示に前記抽選の結果を反映させる可変表示制御手段とを備え、
前記可変表示手段にて所定領域に停止された識別情報が特定識別情報である場合には所定量のメダルが付与されるよう構成された手段1乃至27のいずれかに記載の遊技機。
【0224】
手段29.前面を開放した箱状の本体と、前記本体の前面に開閉可能に設けられた扉体とを備え、前記扉体の前面は、前記識別情報を視認可能とする表示パネル部と、前記表示パネル部の下端から前方に向けて略水平に延びる庇部及び当該庇部の前端部から下方に向けて略鉛直に延びる縦板部からなる段差部とを備え、前記庇部には、前記投入口が形成されていることを特徴とする手段28に記載の遊技機。
【0225】
なお、前記案内溝は、庇部に突設される案内部の一部として構成されてもよいし、前記庇部を凹ませるようにして形成された部分であってもよい。
【0226】
手段30.手段1乃至29のいずれかにおいて、遊技機は回胴式遊技機であること。ここで、回胴式遊技機の構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定停止表示する可変表示手段を備え、始動操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備えた回胴式遊技機」となる。なお、回胴式遊技機にあっては、前記リール等を具備する可変表示手段を可変表示装置として捉えてもよいし、前記リールとは別途設けられ、前記識別情報に対応する(疑似的な対応であってもよい)識別情報を表示可能な表示装置(例えば液晶表示装置)をここにいう可変表示装置として捉えてもよい。
【符号の説明】
【0227】
1…遊技機としての回胴式遊技機たるスロットマシン、2…本体としてのマシン本体、3…フロントパネル、5,6,7…表示窓、11…可変表示手段を構成する左リール、12…可変表示手段を構成する中リール、13…可変表示手段を構成する右リール、15…可変表示手段を構成する左リールモータ、16…可変表示手段を構成する中リールモータ、17…可変表示手段を構成する右リールモータ、21,22,23…有効ライン表示部、25…始動操作手段としてのスタートレバー、27,28,29…停止操作手段としてのストップスイッチ、30…メダル投入部、31…投入口としてのメダル投入口、32…メダル通路、41…ホッパ装置、51…送風制御手段、遊技状態決定手段、貯留記憶手段、可変表示制御手段等を構成する制御装置、65…メダル検出手段としての投入メダル検出センサ、91…表示パネル、92…段差部、93…庇部、94…縦板部、101…案内部、102…壁部を構成するストッパー部、103…案内溝、104…第1送風孔、105…第2送風孔、106…送風手段としての送風装置、108…連通部材としてのダクト、110…検知手段としての送風センサ、111…検知手段を構成する発光部、112…検知手段を構成する受光部、115…無効スイッチとしてのキャンセルボタン、124…送風駆動手段としての送風モータ、126…送風部材としてのプロペラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メダルを投入可能な投入口と、前記投入口に向かって延びる案内溝とを備え、
メダルを前記案内溝に沿わせてスライドさせて前記投入口に案内し、前記投入口に投入できるよう構成され、
メダルを遊技媒体として遊技を行う遊技機であって、
前記案内溝に設けられた送風孔と、
少なくともメダルを前記投入口へ投入するに際し、前記送風孔から前記案内溝上に向けて送風可能な送風手段と、
前記投入口の近傍に設けられ、メダル又は遊技者の手の近接又は接触を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知に基づいて前記送風手段を制御する送風制御手段とを備え、
メダルの投入がカウントされない状態においては、前記検知手段の検知がある状態であっても前記送風手段による送風が行わないことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−162381(P2010−162381A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102049(P2010−102049)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【分割の表示】特願2004−64145(P2004−64145)の分割
【原出願日】平成16年3月8日(2004.3.8)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】