説明

遊技機

【課題】グループ統括制御手段とグループ単位制御手段とを接続する接続線の数を削減しつつ、データが入力されたことを確認し、正しく動作することを保証する遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】遊技領域にて実行される補助遊技の結果に対応して特別遊技状態を発生させるとともに、遊技に係わる演出を行う複数の演出装置を備える遊技機において、演出装置を制御するためのグループ単位制御手段とグループ単位制御手段を制御するグループ統括制御手段とは、タイミング信号線及びデータ線によって接続されて、グループ統括制御手段はデータ送信の後に、グループ単位制御手段からの返答信号を取り込み、取り込まれた返答信号によりデータ送信の成否を判定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
グループに分割された演出装置を制御する複数のグループ単位制御手段と、複数のグループ単位制御手段を制御するグループ統括制御手段とを備える遊技機に関し、特に、グループ統括制御手段からグループ単位制御手段へのデータ送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サブ中継基板と電飾基板との間の配線を簡素化することができる遊技機として、トップ電飾領域の中央部に配置されたトップLED中央基板をサブ中継基板とシリアル接続し、トップ電飾領域の右側部に配置されたトップLED右基板及びトップ電飾領域の左側部に配置されたトップLED左基板をトップLED中央基板から分離して配線により接続した構成の遊技機が知られている。これにより、サブ中継基板からトップ電飾領域への配線数を減らして配線を簡素化することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、信号線の数を削減することができると共に不正行為の発見を容易に行うことができる遊技機として、主基板と副基板との間での信号送信をI2Cバス方式により行い、主基板及び副基板にそれぞれ双方向バスバッファを設けたものがある。この双方向バスバッファは、I2Cバスを構成する二つの双方向シリアルライン(SDA、SCL)をそれぞれ二つの片方向シリアルラインに分岐させるためのものであり、主基板に設けられた双方向バスバッファと副基板に設けられた双方向バスバッファとの間を、それらによって分岐された片方向シリアルラインの信号伝送方向が互いに一致するようにして、四つのシリアル線で接続した構成としている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−212271号公報
【特許文献2】特開2006−15036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の遊技機は、CPU83からトップLED基板への通信はシリアル通信で行っているが、CPU83からトップLED基板への一方向へのデータ送信を行うことしか記載されていない。
【0006】
このため、特許文献1に記載の遊技機では、CPU83からトップLED基板へ正確にデータが送信されている保障ができない。特に、遊技機はノイズに晒される環境下に配置されることが多いので、装飾用のLEDがノイズの影響で遊技進行どおりに発光せず、興趣を低下させてしまう場合がある。
【0007】
これに対して、特許文献2に記載の遊技機は、主基板と副基板との間で双方向通信を行う構成としているが、正確にデータが送信されたかを確認することは記載されていない。このため、遊技機が正しく動作する保証が無い。また、データ線及びクロック線は、上り(主基板から副基板へ)、及び下り(副基板から主基板へ)の各2本が必要となるので、配線を十分に削減できない。
【0008】
本発明は、グループ統括制御手段とグループ単位制御手段とを接続する接続線の数を削減しつつ、データが入力されたことを確認し、正しく動作することを保証する遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、遊技領域にて実行される補助遊技の結果に対応して特別遊技状態を発生させるとともに、遊技に係わる演出を行う複数の演出装置を備える遊技機において、前記複数の演出装置を複数グループに分割し、該分割されたグループに属する演出装置を制御するためのグループ単位制御手段を各グループ毎に設けるとともに、複数の前記グループ単位制御手段を統括的に制御するグループ統括制御手段と、前記グループ統括制御手段から前記グループ単位制御手段へタイミング信号を伝達するタイミング信号線と、前記グループ統括制御手段と前記グループ単位制御手段との間でデータを伝達するデータ線と、を備え、前記グループ統括制御手段は、前記データ線の信号レベルを送信データに対応する信号レベルに設定しながら、前記タイミング信号線の信号レベルを繰り返し変化させることによって、前記グループ単位制御手段にデータを順次送信する送信手段と、前記送信手段によるデータ送信の後に、前記グループ単位制御手段からの返答信号を取り込む返答信号取込手段と、前記返答信号取込手段によって取り込まれた返答信号によりデータ送信の成否を判定する判定手段と、を備え、前記グループ単位制御手段は、前記送信手段によって送信された自宛のデータを受信すると、該送信手段によってデータが送信された前記データ線を介して、前記返答信号を前記グループ統括制御手段へ出力する返答信号出力手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
第2の発明は、前記グループ統括制御手段は、前記送信手段によるデータ送信を開始する場合に送信開始指令処理を実行する送信開始指令手段と、前記送信手段によるデータ送信の後に前記データ線を解放し、前記グループ単位制御手段からの返答信号の受信待機状態に移行させる待機手段と、を備え、前記返答信号取込手段は、前記グループ統括制御手段が前記受信待機状態である場合に、前記タイミング信号線の信号レベルを変化させ、該変化のタイミングに対応して前記グループ単位制御手段から返答信号を取り込む処理を実行し、前記グループ単位制御手段は、前記タイミング信号線の信号レベルが変化する回数を計数し、前記返答信号を出力する返答タイミングを決定するために、前記タイミング信号線の信号レベルの変化回数が所定回数に達したか否かを判定する返答タイミング決定手段を備え、前記返答信号出力手段は、前記返答タイミング決定手段によって前記タイミング信号線の信号レベルの変化回数が前記所定回数に達したと判定された場合に、前記グループ統括制御手段の前記待機手段によって解放された前記データ線の信号レベルを変化させることによって、前記返答信号を出力することを特徴とする。
【0011】
第3の発明は、前記送信開始指令処理は、前記タイミング信号線の信号レベルをハイレベルに維持させた状態で、前記データ線の信号レベルをハイレベルからロウレベルに変化させる処理であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明によると、グループ統括制御手段はグループ単位制御手段へ一本のデータ線を介してデータが送信され、グループ単位制御手段からグループ統括制御手段へも同じデータ線を介して返答信号が送信されるので、基板間の配線を少なくすることができる。また、グループ単位制御手段からグループ統括制御手段へ返答信号がデータ線を介して送信されるので、データ送信が行われたかを確認できる構成となって、誤作動を防止できる。さらに、グループ統括制御手段からグループ単位制御手段へデータを送信した直後に、グループ単位制御手段からグループ統括制御手段へ返答信号を送信するので、高速なデータ通信が可能となる。
【0013】
第2の発明及び第3の発明によると、タイミング信号線及びデータ線だけを用いて、データの送信開始と送信終了をグループ単位制御手段に通知できるので、余分な線が不要となり、基板間の配線を少なくすることができる。また、グループ単位制御手段は、タイミング信号線の信号レベルの変化回数が所定回数に達した直後にグループ統括制御手段に返答信号を送信するので、返答信号を返すタイミングが決定しやすく、高速なデータ通信が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態の遊技機の説明図である。
【図2】本発明の実施形態の遊技盤の正面図である。
【図3】本発明の実施形態の遊技機の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態の演出制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の装飾制御装置の接続の説明図である。
【図6】本発明の実施形態の装飾制御装置のブロック図である。
【図7】本発明の実施形態のI2CI/Oエクスパンダのブロック図である。
【図8A】本発明の実施形態の装飾装置を制御する装飾制御装置のI2CI/Oエクスパンダ周辺の回路図である。
【図8B】本発明の実施形態の役物駆動MOT及び役物駆動SOLを制御する装飾制御装置のI2CI/Oエクスパンダ周辺の回路図である。
【図9】本発明の実施形態の中継基板の入出力に関する接続線の回路図である。
【図10】本発明の実施形態の装飾制御装置の入出力に関する接続線の回路図である。
【図11】本発明の実施形態の装飾制御装置の配線基板におけるSDA接続パターン及びSCL接続パターンの説明図である。
【図12】本発明の実施形態のI2CI/OエクスパンダのVcc端子への電源の供給方法の説明図である。
【図13】本発明の実施形態の演出制御装置から装飾制御装置に出力されるデータに含まれるアドレスの説明図である。
【図14】本発明の実施形態のI2CI/Oエクスパンダアドレステーブルの説明図である。
【図15】本発明の実施形態の演出制御装置による処理のフローチャートである。
【図16】本発明の実施形態のスレーブ選択順序テーブルの説明図である。
【図17】本発明の実施形態のマスタICによるスレーブ出力処理のフローチャートである。
【図18】本発明の実施形態のマスタICが接続線SDA及び接続線SCLを介して出力するデータのスタート条件及びストップ条件の説明図である。
【図19】本発明の実施形態のマスタICから出力されたデータが入力された装飾制御装置610が返答信号を出力するタイミングチャートである。
【図20】本発明の実施形態のマスタICが演出制御データを出力する場合の接続線SDA及び接続線SCLの信号レベルのタイミングチャートである。
【図21】本発明の実施形態のマスタICが装飾制御装置にオールコールアドレスを設定する場合に、マスタICから出力されるデータの説明図である。
【図22】本発明の実施形態のオールコールアドレスが設定されている装飾制御装置を装飾制御する場合に、演出制御装置から出力されるデータの説明図である。
【図23】本発明の実施形態の演出制御装置に複数のマスタICが備わる場合のマスタICと装飾制御装置との接続の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について、図1〜図23を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態の遊技機1の説明図である。
【0017】
遊技機1の前面枠(遊技枠)3は本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して、遊技機1の前面に開閉回動可能に組み付けられる。前面枠3の表側には、遊技盤10(図2参照)が収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)を備えたガラス枠18が取り付けられている。
【0018】
ガラス枠18のカバーガラスの周囲には、装飾光が発光される装飾部材9が備えられている。この装飾部材9の内部にはランプやLED等からなる装飾装置620(図3参照)が備えられている。この装飾装置620を所定の発光態様によって発光することによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
【0019】
ガラス枠18の左右には、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ30が備えられている。また、ガラス枠18の上方には照明ユニット11が備えられている。照明ユニット11の内部には、前述した装飾装置620が備えられている。
【0020】
照明ユニット11の右側には、遊技機1において異常が発生したことを報知するための異常報知LED29が備えられている。
【0021】
前面枠3の下部の開閉パネル20には図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21が、固定パネル22には灰皿15、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
【0022】
また、遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を発射する。
【0023】
また、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が備えられている。
【0024】
遊技者が演出ボタン17を操作することによって、遊技盤10に設けられた表示装置53(図2参照)における特図変動表示ゲームの演出内容を選択して、表示装置53における特図変動表示ゲームに、遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。
【0025】
なお、特図変動表示ゲームは、発射された遊技球が遊技盤10に備わる第1始動入賞口45(図2参照)又は普通変動入賞装置36(図2参照)の第2始動入賞口に入賞した場合に開始される。特図変動表示ゲームでは、表示装置53において複数の識別情報が変動表示する。そして、変動表示していた識別情報が停止し、停止した識別情報の結果態様が特定の結果態様である場合に、遊技機1の状態が遊技者に有利な状態(特典が付与される状態)である特別遊技状態に遷移する。
【0026】
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。これらのボタン26、27の間には、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
【0027】
図2は、本発明の実施形態の遊技盤10の正面図である。
【0028】
図1に示す遊技機1は、内部の遊技領域10a内に遊技球を発射して(弾球して)遊技を行うもので、ガラス枠18のカバーガラスの奥側には、遊技領域10aを構成する遊技盤10が設置されている。
【0029】
遊技盤10は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材33、33、…が取り付けられている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
【0030】
遊技領域10aの略中央には、特図変動表示ゲームの表示領域となる窓部52を形成するセンターケース51が取り付けられている。このセンターケース51に形成された窓部52の後方には、複数の識別情報を変動表示する特図変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置53が配されるようになっている。この表示装置53は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示部53aがセンターケース51の窓部52を介して遊技盤10の前面側から視認可能となるように配されている。なお、表示装置53は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
【0031】
センターケース51の窓部52の上端付近には、遊技状態に基づいて動作可能な可動役物60が取り付けられる。
【0032】
また、遊技盤10には、普図始動ゲート34と、普図変動表示ゲームの未処理回数を表示する普図記憶表示器47、普図変動表示ゲームを表示する普図表示器35が設けられている。また、遊技領域10a内には、第1の始動入賞領域をなす第1始動入賞口45と、第2の始動入賞領域をなす第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置36と、が設けられている。そして、遊技球が第1始動入賞口45に入賞した場合は、補助遊技として第1特図変動表示ゲームが実行され、遊技球が普通変動入賞装置36に入賞した場合は、補助遊技として第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0033】
また、遊技盤10には、第1特図変動表示ゲームを表示する第1特図表示器38と、第2特図変動表示ゲームを表示する第2特図表示器39と、が設けられている。また、第1特図変動表示ゲームの未処理回数(第1特図始動記憶)を表示する第1特図記憶表示器48と、第2特図変動表示ゲームの未処理回数(第2特図始動記憶)を表示する第2特図記憶表示器49が設けられている。なお、普図記憶表示器47、普図表示器35、第1特図表示器38、第2特図表示器39、第1特図記憶表示器48、第2特図記憶表示器49は、遊技状態を表す遊技状態表示LED(図示略)と併せて、セグメントLEDとして一体に設けられている。
【0034】
さらに遊技領域10aには、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有し、第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する特別変動入賞装置42、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴43が設けられている。この他、遊技領域10aには、一般入賞口44、44、…、打球方向変換部材としての風車46、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
【0035】
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートSW34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが行われる。
【0036】
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態中に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数が上限数未満であるならば、普図始動記憶数が1加算されて、当該普図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数が普図始動記憶として一つ記憶される。
【0037】
普図変動表示ゲームが開始できない状態とは、例えば、普図変動表示ゲームが既に行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置36が開状態に変換されている状態のことをいう。
【0038】
なお、普図変動表示ゲームの始動記憶数は、LEDを備える普図記憶表示器47にて表示される。
【0039】
普図変動表示ゲームは、遊技盤10に設けられた普図表示器35で実行されるようになっている。なお、表示装置53の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしてもよく、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、この識別図柄を所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。
【0040】
この普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となれば、普図変動表示ゲームが当りとなって、普通変動入賞装置36の開閉部材36a、36aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される。これにより、普通変動入賞装置36に遊技球が入賞しやすくなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0041】
普通変動入賞装置36は左右一対の開閉部材36a、36aを具備し、第1始動入賞口45の下部に配設される。この開閉部材36a、36aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合(普図変動表示ゲームが当りとなった場合)には、駆動装置としてのソレノイド(普電SOL36b、図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置36に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
【0042】
また、本実施形態の遊技機1は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技状態として、表示装置53における特図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮する時短動作状態(第2動作状態)を発生可能となっている。この時短動作状態(第2動作状態)は、普通変動入賞装置36の動作状態が、通常動作状態(第1動作状態)に比べて開放状態となりやすい状態である。
【0043】
この時短動作状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が、通常動作状態における長い実行時間よりも短くなるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置36の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置36が開放される場合に、開放時間が通常動作状態の短い開放時間より長くされるように制御される(例えば、0.3秒が1.8秒)。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置36が1回ではなく、複数回(例えば、2回)開放される。さらに、時短動作状態においては普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御される。すなわち、通常動作状態よりも普通変動入賞装置36の開放回数が増加され、普通変動入賞装置36に遊技球が入賞しやすくなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0044】
第1始動入賞口45の内部には第1始動口SW45a(図3参照)が備えられ、この第1始動口SW45aによって遊技球を検出することに基づき、補助遊技としての第1特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。また、普通変動入賞装置36の内部には第2始動口SW36d(図3参照)が備えられ、この第2始動口SW36dによって遊技球を検出することに基づき、補助遊技としての第2特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。
【0045】
この第1特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で第1始動記憶(特図1始動記憶)として記憶される。そして、この第1始動記憶数は、第1特図記憶表示器48に表示される。また、第2特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で第2始動記憶(特図2始動記憶)として記憶される。そして、この第2始動記憶数は、第2特図記憶表示器49にて表示される。
【0046】
そして、第1特図変動表示ゲームが開始可能な状態(第1始動記憶数及び第2始動記憶数が0の状態)で、第1始動入賞口45に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って抽出された乱数が第1始動記憶として記憶されて、第1始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに第1始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲームが開始され、この際に第1始動記憶数が1減算される。
【0047】
また、第2特図変動表示ゲームは第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるため、第1始動記憶数が0でなくても、第2始動記憶数が0であれば、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置36に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って抽出された乱数が第2始動記憶として記憶されて、第2始動記憶数が1加算されるととともに、実行中の第1特図変動表示ゲームが終了後直ちに第2始動記憶に基づいて、第2特図変動表示ゲームが開始され、この際に第2始動記憶数が1減算される。
【0048】
一方、第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口45に遊技球が入賞すると、第1始動記憶数が上限数未満(例えば、4個未満)ならば、第1始動記憶数が1加算されて、第1始動入賞口45に遊技球が入賞したタイミングで抽出された乱数が第1始動記憶として一つ記憶される。
【0049】
同様に、この場合に第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置36に遊技球が入賞すると、第2始動記憶数が上限数未満(例えば、4個未満)ならば、第2始動記憶数が1加算されて、第2始動入賞口に遊技球が入賞したタイミングで抽出された乱数が第2始動記憶として一つ記憶される。
【0050】
そして、第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、第1始動記憶又は第2始動記憶に基づき第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが開始される。このとき、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームは同時に実行されることはなく、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。
【0051】
すなわち、第1始動記憶と第2始動記憶がある場合には、第2特図変動表示ゲームが実行される。
【0052】
補助遊技としての第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲームは、遊技盤10に設けられた第1特図表示器38、第2特図表示器39で実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置53にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特図変動表示ゲームが実行される。そして、この特図変動表示ゲームの結果として、第1特図表示器38又は第2特図表示器39の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して表示装置53の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。なお、遊技機に第1特図表示器38、第2特図表示器39を備えずに、表示装置53のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしてもよい。
【0053】
また、本実施形態の遊技機1は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技状態として確変状態(第2確率状態)を発生可能となっている。この確変状態(第2確率状態)は、特図変動表示ゲームでの当り結果となる確率が、通常確率状態(第1確率状態)に比べて高い状態である。なお、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。また、確変状態と上述した時短動作状態はそれぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
【0054】
図3は、本発明の実施形態の遊技機1の構成を示すブロック図である。
【0055】
遊技機1は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置500、各種演出を行うために表示装置53及びスピーカ30等を制御する演出制御装置550、遊技球を払い出すために図示しない払出モータを制御する払出制御装置580を備える。
【0056】
まず、遊技制御装置500について説明する。図4では、演出制御装置550について説明する。
【0057】
遊技制御装置500は、遊技用マイコン501、入力I/F(Interface)505、出力I/F(Interface)506、及び外部通信端子507を備える。
【0058】
遊技用マイコン501は、CPU502、ROM(Read Only Memory)503及びRAM(Random Access Memory)504を備える。
【0059】
CPU502は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司る。ROM503は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM504は、遊技制御時にワークエリアとして利用される。
【0060】
外部通信端子507は、遊技制御装置500の設定情報等を検査する検査装置等の外部機器に遊技制御装置500を接続する。
【0061】
CPU502は、入力I/F505を介して各種入力装置(第1始動口SW45a、第2始動口SW36d、一般入賞口SW44a、ゲートSW34a、カウントSW42d、ガラス枠開放SW18a、前面枠開放SW3a、球切れSW54、振動センサ55、及び磁気センサ56)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
【0062】
第1始動口SW45aは、第1始動入賞口45に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口SW36dは、普通変動入賞装置36の第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。
【0063】
一般入賞口SWa44a〜44nは、一般入賞口44に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。ゲートSW34aは、普図始動ゲート34を遊技球が通過したことを検出するスイッチである。
【0064】
カウントSW42dは、特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。
【0065】
ガラス枠開放SW18aは、ガラス枠18が開放されたことを検出するスイッチである。前面枠開放SW3aは、前面枠3が開放されたことを検出するスイッチである。
【0066】
球切れSW54は、遊技機1の内部に貯留され、払い出しに用いられる遊技球の数が所定数以下になったことを検出するスイッチである。
【0067】
振動センサ55は、遊技機1に与えられた振動を検出するセンサであり、遊技機1に振動を与えて、不当に遊技球を獲得する不正を検出する。磁気センサ56は、第1始動入賞口45、普通変動入賞装置36の第2始動入賞口、一般入賞口44、特別変動入賞装置42の大入賞口、及び普図始動ゲート34付近に設けられ、磁力を検出するセンサである。磁気センサ93は、各入賞口付近に磁石を近づけて、遊技領域10aに発射された遊技球を各入賞口に導く不正を検出する。
【0068】
また、CPU502は、出力I/F506を介して、第1特図表示器38、第1特図記憶表示器48、第2特図表示器39、第2特図記憶表示器49、普図表示器35、普電SOL36b、大入賞口SOL42b、払出制御装置580、及び演出制御装置550に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
【0069】
第1特図表示器38には、第1始動入賞口45に遊技球が入賞した場合に補助遊技として実行される第1特図変動表示ゲームが表示される。第1特図記憶表示器48には、所定の上限数の範囲内で記憶される第1特図変動表示ゲームを開始する始動権利である第1始動記憶数が表示される。
【0070】
第2特図表示器39には、普通変動入賞装置36の大入賞口に遊技球が入賞した場合に補助遊技として実行される第2特図変動表示ゲームが表示される。第2特図記憶表示器49には、所定の上限数の範囲内で記憶される第2特図変動表示ゲームを開始する始動権利である第2始動記憶数が表示される。
【0071】
普図表示器35には、遊技球が普図始動ゲート34を通過した場合に行われる普図変動表示ゲームが表示される。
【0072】
普電SOL36bは、普図表示器35で実行される普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となった場合に、開閉部材36a、36aを開放し、普通変動入賞装置36の第2始動入賞口を遊技球が入賞しやすい状態にする。
【0073】
大入賞口SOL42bは、第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームの結果が特別の結果態様となり、特別遊技状態となった場合に、特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放して、大入賞口を遊技球が入賞しやすい状態に変換する。
【0074】
また、遊技制御装置500は、遊技機データを、外部情報端子508を介して、図示しない情報収集端末装置を介して、図示しない遊技場管理装置に出力する。遊技場管理装置は、遊技場に設置された遊技機1の遊技データを収集管理する計算機である。
【0075】
また、払出制御装置580は、遊技球が一般入賞口44又は大入賞口に入賞した場合に、入賞した入賞口に対応する数の遊技球の払い出し、又は球貸ボタン26が操作された場合に、所定数の遊技球の払い出しを行う払出指令を遊技制御装置500から受信した場合に、受信した払出指令に基づいて、図示しない払出モータを制御する。なお、払出指令には、払い出す遊技球の数が含まれる。
【0076】
遊技制御装置500は、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、遊技の状況を示す遊技データとして、出力I/F506を介して、演出制御装置550へ送信する。
【0077】
図4は、本発明の実施形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
【0078】
演出制御装置550は、遊技制御装置500から入力される遊技データに基づいて、演出内容を決定して、表示装置53、及びスピーカ30を制御するとともに、装飾制御装置610を介して装飾装置620、役物駆動SOL560(ソレノイド)、及び役物駆動MOT(モータ)561を制御する。詳細は後述するが、これら装飾装置620、役物駆動SOL560、及び役物駆動MOT561(総称して演出装置という)によって、遊技の演出が行われる。また、演出制御装置550は、演出ボタン17から当該演出ボタン17が操作されたことを示す信号が入力される。
【0079】
演出制御装置550は、CPU551、制御ROM552、RAM553、画像ROM554、音ROM555、VDP556、音LSI557、入出力I/F558、電源投入検出回路559、マスタIC570、及び加算器590を備える。
【0080】
CPU551は、遊技制御装置500に接続され、遊技制御装置500から指令信号が割込信号(INT)として入力され、入力された指令信号に基づいて、各種演出を制御する主制御装置である。また、CPU551には、マスタIC570の後述するコントローラ574から割込信号が入力されるとともに、VDP556から割込信号が入力される。
【0081】
なお、CPU551に割込信号が入力されると、CPU551は、現在実行中の処理を中断して、入力された割込信号に対応する処理を実行する。
【0082】
制御ROM552には、演出制御のための不変の情報(プログラム、データ等)が格納されている。RAM553は、演出制御時にワークエリアとして利用される。
【0083】
画像ROM554には、表示装置53に表示される画像データが格納され、画像ROM554はVDP556に接続されている。音ROM555には、スピーカ30から出力される音データが格納され、音ROM555は音LSI557に接続されている。
【0084】
VDP556は、表示装置53への画像出力を制御するプロセッサである。音LSI557は、スピーカ30からの音声出力を制御する回路である。
【0085】
なお、VDP556は、表示装置53に表示される画像を更新する周期(1/60秒周期)と同期する同期信号を発生させる同期信号発生手段を備える。同期信号発生手段は、同期信号を発生させるごとに、発生させた同期信号をCPU551に割込信号として入力する。
【0086】
入出力I/F558は、演出ボタン17に接続されるインタフェースである。
【0087】
なお、演出ボタン17は、上皿21の上縁部に設けられ、表示装置53で実行される第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームにおける演出で、遊技者によって操作される。
【0088】
CPU551、VDP556、RAM553、制御ROM552、音LSI557、及び入出力I/F558はバス563を介してそれぞれ接続されている。
【0089】
電源投入検出回路559は、演出制御装置550に電源が投入された場合に、マスタIC570の図示しないレジスタをデフォルト状態(すべて0)に初期化するリセット信号を加算器590を介して出力する。
【0090】
また、CPU551は、所定の条件が成立した場合に、リセット信号をバス563を介して入出力I/F558に出力し、入出力I/F558は入力されたリセット信号を加算器590へ出力する。
【0091】
いずれの場合にもリセット信号は加算器590を介してマスタIC570に入力されるので、電源投入検出回路559及びCPU551の少なくとも一方からリセット信号が出力されていれば、リセット信号がマスタIC570に入力される。
【0092】
次に、マスタIC570について説明する。
【0093】
マスタIC570は、制御対象となる演出装置の装飾制御装置610のアドレスを指定して、指定したアドレスの装飾制御装置610に演出装置の制御内容を出力する。
【0094】
マスタIC570は、接続線Vcc、接続線Vact、接続線SDA、接続線SCL、及び接続線GND(図5参照)の5本の接続線を介して、中継基板(装飾制御装置)600に接続される。
【0095】
接続線Vccは、中継基板600及び装飾制御装置610に電源を供給するための接続線である。接続線Vactは、演出装置に電源を供給するための接続線である。接続線SDAは、演出制御装置550と装飾制御装置610との間でデータを通信するための接続線であり、本実施形態におけるデータ線として機能する。接続線SCLは、接続線SDAでのデータ通信に用いられるクロック信号を入出力するための接続線であり、本実施形態におけるタイミング信号線として機能する。図5に示す接続線GNDは、接続線Vcc及び接続線Vactで供給される電源のグランドである。
【0096】
中継基板600と装飾制御装置610との間は、マスタIC570と中継基板600との間と同じく、接続線Vcc、接続線Vact、接続線SDA、接続線SCL、及び接続線GNDを介して接続される。
【0097】
マスタIC570と装飾制御装置610とは、接続線SDA及び接続SCLによって2ライン双方向通信を行う。
【0098】
マスタIC570は、中継基板600及び装飾制御装置610にデータを送信する場合には、まず、接続線SCLの信号レベルをHIGHに維持したまま、接続線SDAの信号レベルをHIGHからLOWに変化させることにより、装飾制御装置610へのデータ出力を開始するためのスタート条件を成立させる(装飾制御装置610に対してスタートコンディションを発行する)。
【0099】
この後、マスタIC570は、接続線SCLの信号レベルをLOWに変更し、接続線SCLの信号レベルがLOWである間に接続線SDAの信号レベルを送信データの最初のビットのレベルに設定し、所定時間後に接続線SCLの信号レベルをLOWからHIGHに変化させる。接続線SCLの信号レベルがHIGHに変化すると、装飾制御装置610は接続線SDAの信号レベルを取り込んで、送信データの最初のビットとして認識する。次いで、マスタIC570は、接続線SCLの信号レベルをHIGHからLOWに戻す。
【0100】
この手順を1回実行すると、マスタIC570から装飾制御装置610へ1ビットのデータが送信され、最終的にはこの手順が8回繰り返されることで、送信データの8ビット全てがマスタIC570から装飾制御装置610へ送信される(1バイト分のデータが送信される)。
【0101】
そして、マスタIC570は、最後の8ビット目のデータを送信し終えて、接続線SCLの信号レベルをHIGHからLOWに戻した際に、接続線SDAを解放して装飾制御装置610からの返答信号を受信することを待機する受信待機状態にする。
【0102】
受信待機状態になると、装飾制御装置610は、接続線SDAを介して1ビットの返答信号(後述するACK又はNACK)をマスタIC570に返す。次いで、マスタIC570は、接続線SCLの信号レベルをLOWからHIGHに変化させて返答信号のレベルを取り込み、所定時間後に接続線SCLの信号レベルをHIGHからLOWに変化させると、装飾制御装置610は接続線SDAを解放する。
【0103】
マスタIC570は、このような1バイト分のデータ送信と1ビット分の返答信号の受信とを交互に繰り返し、装飾制御装置610へ出力すべきデータがすべて出力されるまで継続する。マスタIC570は、出力すべきデータの出力が終了した場合には、接続線SCLの信号レベルをHIGHに維持したまま、接続線SDAの信号レベルをLOWからHIGHに変更させることにより、装飾制御装置610へのデータ出力を終了するためのストップ条件を成立させる(装飾制御装置610に対してストップコンディションを発行する)。
【0104】
入力用BUF571は、装飾制御装置610から接続線SDAを介して入力されたデータが一時的に記憶される記憶装置である。
【0105】
具体的には、マスタIC570が入力モードに設定された場合において、装飾制御装置610からマスタIC570に送信されたデータが、フィルタ575Aによりノイズが除去されて入力用BUF571に一時的に記憶される。
【0106】
出力用BUF572は、装飾制御装置610に接続線SDAを介して出力するデータが一時的に記憶される。
【0107】
リセットREG573は、バス563に接続され、CPU551からの指令を受けてリセット信号をコントローラ574に出力する。コントローラ574は、マスタIC570を統括的に制御し、各種処理を実行する。
【0108】
フィルタ575Aは、接続線SDAから入力されたデータのノイズを除去する。ドライバ576Aは、接続線SDAからデータを出力する場合に、トランジスタ578Aが動作可能な電圧をトランジスタ578Aに印加する。
【0109】
図9に示すように接続線SDAには、プルアップ抵抗Rによって所定の電圧が印加されて、接続線SDAはフィルタ575A及びトランジスタ578Aに接続されている。
【0110】
トランジスタ578Aは、電力消費を抑えるために電界効果トランジスタ(FET)が用いられており、トランジスタ578Aのゲートはドライバ576Aに接続され、ドレインはプルアップ抵抗Rにより所定の電圧が印加された接続線SDAに接続され、ソースは接地されている。
【0111】
トランジスタ578Aのゲートに印加される電圧がトランジスタ578Aを動作させる所定値よりも小さければ、ドレインとソースとの間に電流が流れないので、接続線SDAに印加された電圧は降下せず、その結果、接続線SDAはHIGHレベルとなる。一方、トランジスタ578Aのゲートに印加される電圧がトランジスタ578Aを動作させる所定値以上であれば、所定値の電圧が印加されたドレインから接地されているソースへ電流が流れることによって、接続線SDAの電圧が低下し、その結果、接続線SDAはLOWレベルとなる。
【0112】
なお、トランジスタ578Aは、10ミリアンペア程度の電流をドレインからソースへ流しても破損しない仕様のものを用いている。このため、接続線SDAには、通常のI2Cバス使用で用いられる電流値よりもはるかに大きい10ミリアンペア程度の電流を流すことが可能であり、演出制御装置550と装飾制御装置610との間のデータ送信が、ノイズによる障害に耐えうる構成となっている。
【0113】
ドライバ576Aは、データを接続線SDAから出力する場合に、トランジスタ578Aにドレインとソースとの間に電流を流すためにトランジスタ578Aのゲートにトランジスタ578Aが動作可能な値の電圧を印加する。そして、ドライバ576Aは、接続線SDAの電圧を、HIGHレベル又はLOWレベルに設定することによって、データを接続線SDAから出力する。
【0114】
また、フィルタ575Bは、接続線SCLから入力されたデータのノイズを除去する。ドライバ576Bは、接続線SCLからデータを出力する場合に、トランジスタ578Bが動作可能な電圧をトランジスタ578Bに印加する。
【0115】
図9に示すように接続線SCLは、プルアップ抵抗Rによって所定の電圧が印加されて、接続線SDAはフィルタ575B及びトランジスタ578Bに接続されている。
【0116】
トランジスタ578Bは、電力消費を抑えるために電界効果トランジスタ(FET)が用いられており、トランジスタ578Bのゲートはドライバ576Bに接続され、ドレインはプルアップ抵抗Rにより所定の電圧が印加された接続線SCLに接続され、ソースは接地されている。
【0117】
トランジスタ578Bのゲートに印加される電圧がトランジスタ578Bを動作させる所定値よりも小さければ、ドレインとソースとの間に電流が流れないので、接続線SCLに印加された電圧は降下せず、その結果、接続線SCLはHIGHレベルとなる。一方、トランジスタ578Bのゲートに印加される電圧がトランジスタ578Bを動作させる所定値以上であれば、所定値の電圧が印加されたドレインから接地されているソースへ電流が流れることによって、接続線SCLの電圧が低下し、その結果、接続線SCLはLOWレベルとなる。
【0118】
なお、トランジスタ578Bは、10ミリアンペア程度の電流をドレインからソースへ流しても破損しない仕様のものを用いている。そのため、接続線SCLには、通常のI2Cバス使用で用いられる電流値よりもはるかに大きい10ミリアンペア程度の電流を流すことが可能であり、演出制御装置550と装飾制御装置610との間のデータ送信が、ノイズによる障害に耐えうる構成となっている。
【0119】
ドライバ576Bは、クロック信号を接続線SCLから出力する場合に、トランジスタ578Bにドレインとソースとの間に電流を流すためにトランジスタ578Bのゲートにトランジスタ578Bが動作可能な値の電圧を印加する。そして、ドライバ578Bは、接続線SCLの電圧を、HIGHレベルとLOWレベルとに繰り返し変化させることによって、クロック信号を接続線SCLから出力する。
【0120】
電源投入リセット回路577は、マスタIC570に電源が投入されて、電源投入リセット回路577内の電圧が所定値に達した場合に、入力用BUF571及び出力用BUF572などの記憶領域をデフォルト状態にするためのリセット信号をコントローラ574に出力する。
【0121】
次に、中継基板600及び装飾制御装置610について説明する。
【0122】
なお、中継基板600は、装飾制御装置610のうちマスタIC570に直接接続される、つまり最も上流側に位置するものである。
【0123】
装飾装置620は、装飾制御装置610に設けたI2CI/Oエクスパンダ615(図6で後述)によって制御され、電流を流すことによって光が点滅して演出を行う発光装置であり、例えばLEDなどで構成される。役物駆動ソレノイド(SOL)560は、電流が流れると往復動作する装置であり、遊技盤10に配置される図示しない装飾のための役物を可動させて演出を行う。役物駆動モータ(MOT)561は、電流が流れると回転動作する装置であり、可動役物60を可動させて演出を行う。役物駆動ソレノイド(SOL)560及び役物駆動モータ(MOT)561も、装飾制御装置610に設けたI2CI/Oエクスパンダ615によって制御される。
【0124】
なお、役物駆動SOL560が可動役物60を可動させてもよいし、役物駆動MOT561が図示しない役物を可動させてもよい。
【0125】
演出制御装置550と中継基板600との接続方法、及び中継基板600と中継基板600以外の装飾制御装置610との接続方法は、図5で詳細を説明する。装飾制御装置610は、図6〜図10で詳細を説明する。
【0126】
図5は、本発明の実施形態の装飾制御装置610A〜610Fの接続の説明図である。なお、説明の都合上、装飾制御装置610として、1個の中継基板600と、6個の装飾制御装置610A〜610Fを図示しているが、実際には、遊技機の仕様に対応して必要な数の装飾制御装置610が接続されている。
【0127】
演出制御装置550は、接続線Vcc、接続線Vact、接続線SDA、接続線SCL、及び接続線GND(以下、この5本の接続線を一つのハーネスという)を介して演出制御装置550と接続される。
【0128】
中継基板600には、二つの装飾制御装置610A及び610Dがそれぞれハーネスによって並列に接続される。
【0129】
装飾制御装置610Aにはハーネスを介して装飾制御装置610Bが接続され、装飾制御装置610Bにはハーネスを介して装飾制御装置610Cが接続される。
【0130】
一方、装飾制御装置610Dにはハーネスを介して装飾制御装置610Eが接続され、装飾制御装置610Eにはハーネスを介して装飾制御装置610Fが接続される。
【0131】
各装飾制御装置610は、ハーネスを自身に接続するための取付口となるコネクタを備える。このコネクタは各装飾制御装置610で共通であるので、接続線を接続順の誤配線を防止できる。
【0132】
ここで、装飾制御装置610に設けたI2CI/Oエクスパンダ615(図6で後述)が装飾装置620を制御する方法について説明する。
【0133】
演出制御装置550は、遊技制御装置500から入力された遊技データに基づいて、演出内容を決定する。そして、演出制御装置550は、決定された演出内容で装飾制御装置610を制御するために、制御対象となる装飾制御装置610のアドレス(I2CI/Oエクスパンダ615のアドレス)と演出内容を示す演出データとを含む演出制御データを中継基板600に出力する。このとき、演出制御データは、中継基板600を介して演出制御装置550に接続されるすべての装飾制御装置610に対して接続線SDAから出力される。このため、マスタIC570は、マスタIC570に接続されるすべての装飾制御装置610を制御可能である。
【0134】
各装飾制御装置610には、一意なアドレスが予め設定されているので、演出制御データが入力されると、入力された演出制御データに含まれるアドレスと設定されているアドレスとが一致するか否かを判定する。そして、入力された演出制御データに含まれるアドレスと設定されているアドレスとが一致すると判定された場合には、装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615は、演出制御データに含まれる演出データに基づいて、装飾装置620を制御するとともに、8ビット目のデータが入力された直後に返答信号をマスタIC570に出力する。
【0135】
このように、装飾制御装置610は、演出制御装置550からの指令に基づく制御を行うので、演出制御装置550と装飾制御装置610との関係は、演出制御装置550のマスタIC570がマスタであり、装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615がスレーブである。
【0136】
図5では、装飾制御装置610の制御対象が装飾装置620である場合について説明したが、装飾制御装置610の制御対象が役物駆動SOL560や役物駆動MOT561であってもよい。
【0137】
図6は、本発明の実施形態の装飾制御装置610のブロック図である。
【0138】
図6では、装飾制御装置610の内部に装飾装置620であるLEDを備える装飾制御装置610(図6の下側の装飾制御装置610)と、外部の装飾装置620に接続される装飾制御装置610(図6の中央の装飾制御装置610)と、について説明する。
【0139】
まず、装飾制御装置610の内部にLEDを備える装飾制御装置610について説明する。
【0140】
図6の下側の装飾制御装置610は、I2CI/Oエクスパンダ615及びLED(装飾装置20)を備える。接続線SDA及び接続線SCLは、装飾制御装置610内で二つに分岐し、一方は、そのまま次の装飾制御装置610に出力される。他方は、I2CI/Oエクスパンダ615に接続される。
【0141】
また、I2CI/Oエクスパンダ615の出力側には、制御対象となる装飾装置620が接続される。I2CI/Oエクスパンダ615の出力側は、図7で説明するポート0〜15によって構成される。さらに、装飾制御装置610のすべてのポートが、図8Aで後述する電流制限抵抗R0〜R15を介して、内部のLEDに接続されている。なお、この電流制限抵抗R0〜R15も、装飾制御装置610に備えられている。
【0142】
前述したように、I2CI/Oエクスパンダ615は、演出制御装置550から入力された演出制御データに含まれるアドレスと、当該I2CI/Oエクスパンダ615に設定されているアドレスとが一致する場合にのみ、演出制御データに含まれる装飾データに基づいて、I2CI/Oエクスパンダ615に接続されている装飾装置620を制御する。
【0143】
次に、外部の装飾装置620に接続される装飾制御装置610について説明する。
【0144】
図6の中央の装飾制御装置610は、I2CI/Oエクスパンダ615及びLED(装飾装置20)を備え、装飾制御装置610の外部に接続される装飾装置基板625に備わるLEDに電流を流すための接続線、装飾装置基板625のLEDに電源電圧を供給する接続線、及び、グランドに接地する接続線を介して、装飾制御装置610と装飾装置基板625とが接続される。
【0145】
装飾装置基板625は、I2CI/Oエクスパンダ615を備えておらず、LEDのみを備えた基板である。この場合、装飾装置基板625に備えたLEDに接続される電流制限抵抗(図8A)を、装飾装置基板625に設けることになるが、I2CI/Oエクスパンダ615が備えられた装飾制御装置610に設けてもよい。
【0146】
なお、装飾装置基板625に設けたLEDの数に対応して、装飾制御装置610から装飾装置基板625へ渡されることになる、これらのLEDに電流を流すための接続線の数が決定される。例えば、装飾装置基板625に二つのLEDを備えた場合には、I2CI/Oエクスパンダ615のポートとLEDVを接続する2本の制御線と、Vledを供給する電源線が1本とが、少なくとも必要となる。
【0147】
そして、中央の装飾制御装置610に設けられたI2CI/Oエクスパンダ615も、演出制御装置550から入力された演出制御データに含まれるアドレスと、当該I2CI/Oエクスパンダ615に設定されているアドレスとが一致する場合にのみ、演出制御データに含まれる装飾データに基づいて、I2CI/Oエクスパンダ615に接続されている装飾装置620を制御する。この場合、中央の装飾制御装置610に設けられた装飾装置620と、装飾装置基板625に設けられた装飾装置620の両方が、I2CI/Oエクスパンダ615によって制御される。
【0148】
このように、装飾装置基板625を設けて、装飾制御装置610から一部の装飾装置(LED)を分離させることで、離れた箇所に配置されたLEDであっても、共通のI2CI/Oエクスパンダ615により制御することができる。
【0149】
なお、装飾制御装置610は、装飾装置620の代わりに、役物駆動SOL560や役物駆動MOT561を接続し、これらを制御してもよいが、詳細は、図8Bで後述する。
【0150】
図7は、本発明の実施形態のI2CI/Oエクスパンダ615のブロック図である。
【0151】
2CI/Oエクスパンダ615は、接続線SDAに接続されるトランジスタ630、接続線SDAに接続されるフィルタ631、接続線SDAに接続されるドライバ632、接続線SCLに接続されるフィルタ633、バスコントローラ634、出力設定レジスタ635、出力コントローラ636、I2CI/Oエクスパンダ615の出力側の各ポート0〜15に接続されるドライバ637、各ポート0〜15に接続されるトランジスタ638A〜638P、及びリセット信号発生回路639を備える。
【0152】
フィルタ631は、接続線SDAに接続され、接続線SDAから入力されたデータのノイズを除去し、ノイズが除去されたデータをバスコントローラ634に出力する。ドライバ632は、返答信号を接続線SDAから出力する場合に、トランジスタ630が動作可能な電圧をトランジスタ630に印加する。
【0153】
ドライバ632は、接続線SDAからデータ(返答信号)を出力する場合に、トランジスタ630が動作可能な電圧をトランジスタ630に印加する。
【0154】
トランジスタ630は、電力消費を抑えるために電界効果トランジスタ(FET)が用いられており、トランジスタ630のゲートはドライバ631に接続され、ドレインはプルアップ抵抗R(図4参照)により所定の電圧が印加された接続線SDAに接続され、ソースは接地されている。
【0155】
トランジスタ630のゲートに印加される電圧がトランジスタ630を動作させる所定値よりも小さければ、ドレインとソースとの間に電流が流れない。一方、トランジスタ630のゲートに印加される電圧がトランジスタ630を動作させる所定値以上であれば、所定値の電圧が印加されたドレインから接地されているソースへ電流が流れることによって、接続線SDAの電圧が低下する。なお、トランジスタ630は、10ミリアンペア程度の電流をドレインからソースへ流しても破損しない仕様のものを用いている。
【0156】
ドライバ632は、データ(返答信号)を接続線SDAから出力する場合に、トランジスタ630にドレインとソースとの間に電流を流すためにトランジスタ630のゲートにトランジスタ630が動作可能な値の電圧を印加する。そして、ドライバ632は、接続線SDAの電圧をHIGHからLOWへ繰り返し変化させることによって、データを接続線SDAから出力する。
【0157】
フィルタ633は、接続線SCLに接続され、接続線SCLから入力されたデータのノイズを除去し、ノイズが除去されたデータをバスコントローラ634に出力する。
【0158】
また、I2CI/Oエクスパンダ615には、当該I2CI/Oエクスパンダ615に備わるアドレス設定用端子A0〜A3によって固有のアドレスが設定されており、バスコントローラ634に入力されている。
【0159】
バスコントローラ634は、接続線SDAから入力されたデータのアドレスがI2CI/Oエクスパンダ615に設定されたアドレスと一致するか否かを判定し、一致している場合に当該データを取り込み、取り込んだデータにより出力設定レジスタ635を更新する。
【0160】
また、バスコントローラ634は、SCL接続線の信号レベルのLOWからHIGHへの変化回数が8回に達し8ビット目のデータを取り込んだ後、SCL接続線の信号レベルがHIGHからLOWへ変化すると、返答信号を接続線SDAからマスタIC570に出力する。さらに、SCL接続線の信号レベルがLOWからHIGHへ変化することが確認され、再度SCL接続線の信号レベルがHIGHからLOWへ変化すると、接続線SDAを開放する。つまり、SCL接続線の信号レベルのLOWからHIGHへの変化回数が9回になるタイミングで返答信号を出力する。
【0161】
出力設定レジスタ635には、当該I2CI/Oエクスパンダ615の動作モードやポート0〜15の出力状態が設定される。また、リセット信号が出力設定レジスタ635に入力されることによって、出力設定レジスタ635は、すべてのポート0〜15に電流が流れないように初期状態に設定される。
【0162】
出力コントローラ636は、出力設定レジスタ635に設定されたデータに基づいて、ポートドライバ637を介して、各ポート0〜15に接続された演出装置に電流を流すことによって、演出装置の出力状態を実際に制御する。
【0163】
ドライバ637は、ポートに電流を流す場合に、電流を流すポートに接続されるトランジスタ638A〜638Pが動作可能な電圧を当該トランジスタに印加する。
【0164】
トランジスタ638A〜638Pのゲートはドライバ637に接続され、ドレインは図8A及び図8Bに示すように演出装置を動作させるための電圧が印加された接続線に接続するポート端子に接続され、ソースは接地されている。
【0165】
トランジスタ638A〜638Pのゲートに印加される電圧がトランジスタ638A〜638Pを動作させる所定値よりも小さければ、ドレインとソースとの間に電流が流れない。一方、638A〜638Pのゲートに印加される電圧がトランジスタ638を動作させる所定値以上であれば、図8Aに示す電源Vled、又は図8Bに示す電源Vmotや電源Vsolからゲートに印加されている所定の電圧が、トランジスタ638のドレインを介して接地されているソースへ電流が流れることによって、ポート端子に接続された演出装置の出力状態を制御できる。
【0166】
また、装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615は、I2CI/Oエクスパンダ615のポート端子に接続された全ての演出装置を同時期に制御することが可能であるので、I2CI/Oエクスパンダ615のポート端子に接続された一つの演出装置を一つのグループとして制御することができる。
【0167】
そして、各装飾制御装置610に備わるI2CI/Oエクスパンダ615同士は、互いに異なるアドレスが割り当てられているので、演出装置が複数のグループに分割された形態となっている。即ち、各装飾制御装置610に備わるI2CI/Oエクスパンダ615は、演出装置をグループ単位で制御可能なグループ単位制御手段として構成されているものである。
【0168】
従って、装飾制御装置610を統括する演出制御装置550は、グループ単位制御手段をグループを統括して制御するグループ統括制御手段として機能している。
【0169】
リセット信号発生回路639には、I2CI/Oエクスパンダ615に電源を供給する接続線Vccと接続されるVcc端子、及び外部からのリセット信号を受け付けるRESET端子が接続されている。
【0170】
リセット信号発生回路639は、I2CI/Oエクスパンダ615に電源が投入され、電圧が所定値まで立ち上がった場合、リセット信号を発生させ、発生させたリセット信号をバスコントローラ634、出力設定レジスタ635、及び出力コントローラ636に入力する。
【0171】
なお、外部からLOWレベルのリセット信号が入力された場合には、リセット信号発生回路639はリセット信号を出力するが、本実施形態では、図8A及び図8Bに示すようにRESET端子はHIGHにプルアップされているため、外部からリセット信号が入力されることはないので、リセット信号発生回路639は外部からの信号が入力されたことによって、リセット信号を発生させることはない。
【0172】
図8Aは、本発明の実施形態の装飾装置620を制御する装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615周辺の回路図である。
【0173】
2CI/Oエクスパンダ615は、入力端子としてNC端子、RESET端子、SCL端子、SDA端子、Vcc端子、A0〜A3端子、及びGND端子を備え、出力端子として、PORT0〜PORT15を備える。
【0174】
RESET端子には、プルアップ抵抗Rを介してI2CI/Oエクスパンダ615に供給される電源が接続されている。このため、リセット端子に印加される電圧は常にHIGHに維持されている。
【0175】
SCL端子は接続線SCLに接続され、SDA端子は接続線SDAに接続される。
【0176】
Vcc端子には、I2CI/Oエクスパンダ615に供給される電源が接続される。また、Vcc端子には、電源ノイズを除去するコンデンサCPが接続される。
【0177】
A0端子〜A3端子は、I2CI/Oエクスパンダ615にアドレスを設定するための端子である。なお、通常I2CI/Oエクスパンダ615のアドレスは、4ビットで表現され、この端子にI2CI/Oエクスパンダ615の電源が印加されている場合にはバスコントローラ634に「1」が設定され、この端子がグランドに接続されている場合にはバスコントローラ634に「0」が設定される。
【0178】
したがって、図8Aに示すI2CI/Oエクスパンダ615のアドレスは「0100」であり、図8Bに示すI2CI/Oエクスパンダ615のアドレスは「0110」である。GND端子は、電圧をグランドするための端子である。
【0179】
各PORT0端子〜PORT15端子は、電流制限抵抗R0〜R15を介して各LED0〜LED15からなる装飾装置620に接続される。なお、PORT0にように、ポート1個に対して1個のLEDを接続してもよいが、PORT1〜15のように、ポート1個に対して複数個のLEDを接続してもよい。
【0180】
全てのポートにLEDを1個ずつ設ける場合は、1個のI2CI/Oエクスパンダ615によって、最大で16個のLEDを制御できることになる。また、各ポートに接続されるLEDの個数が異なる場合は、1個のポートに直列に接続された全てのLEDを1種類のLEDということにすれば、1個のI2CI/Oエクスパンダ615によって、最大で16種類のLEDを制御できることになる。
【0181】
PORT0端子〜PORT15端子に接続されるトランジスタ638A〜638P(図7参照)のゲートに対してドライバ637から電圧が印加されると、電圧が印加されたトランジスタ638A〜638Pのドレインからソースへ電流が流れることが可能になり、PORT0端子〜PORT15端子に接続されるLED0〜LED15に電流が流れ、各LED0〜LED15は点灯する。
【0182】
一方、ドライバ637がトランジスタ638A〜638Pのゲートに電圧を印加しなければ、各LED0〜LED15に電流が流れない状態になり、各LED0〜LED15は点灯しない。
【0183】
なお、I2CI/Oエクスパンダ615のPORT0端子〜PORT15端子には、LEDの代わりに、モーターやソレノイドを接続することも可能であるので、I2CI/Oエクスパンダ615を用いて、モーターやソレノイドを駆動する場合について説明する。
【0184】
図8Bは、本発明の実施形態の役物駆動MOT561及び役物駆動SOL560を制御する装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615周辺の回路図である。
【0185】
役物駆動MOT561はステッピングモータにより構成され、ステッピングモータを駆動する各相の信号端子に、所定の電圧を順次印加することで回動する。本実施形態では、役物駆動MOT561の各相の信号端子が、PORT0端子〜PORT3端子に接続される。
【0186】
役物駆動MOT561に接続されているPORT0端子〜PORT3端子に接続されるトランジスタ638A〜638Dのいずれかのゲートに対してドライバ637から電圧が印加されると、電圧が印加されたトランジスタ638A〜638Dのドレインからソースへ電流が流れることが可能になり、PORT0端子〜PORT3端子に接続される役物駆動MOT561に電流が流れ、役物駆動MOT561が駆動する。
【0187】
なお、各PORT0端子〜PORT3端子と役物駆動MOT561とを接続する接続線は分岐し、分岐した一方の接続線は、役物駆動MOT561に供給される電源にダイオードD及びツェナダイオードZDを介して接続される。
【0188】
また、PORT端子15は、役物駆動SOL560に接続される。役物駆動SOL560に接続されているPORT15端子に接続されるトランジスタ638Pのゲートに対してドライバ637から電圧が印加されると、電圧が印加されたトランジスタ638Pのドレインからソースへ電流が流れることが可能になり、PORT15端子に接続される役物駆動SOL560に電流が流れ、役物駆動AOL560が駆動する。
【0189】
なお、図8Bでは、I2CI/Oエクスパンダ615に役物駆動MOT561及び役物駆動SOL560の双方が接続されているが、一つのI2CI/Oエクスパンダ615に対して、役物駆動MOT561及び役物駆動SOL560の少なくとも一方だけを接続した構成でもよい。
【0190】
例えば、ステッピングモーターだけを制御するグループとしてのI2CI/Oエクスパンダ615を専用に設けたり、ソレノイドだけを制御するグループとしてのI2CI/Oエクスパンダ615を専用に設けるようにしてもよい。このような構成により、同一グループに属する演出装置を同じタイミングで制御することが可能となるので、高速処理が必要な演出装置だけをグループ化して効率よく制御することも可能となる。
【0191】
図9は、本発明の実施形態の中継基板600の入出力に関する接続線の回路図である。
【0192】
中継基板600は、上流コネクタ601、二つの下流コネクタ602A、602B、及びI2CI/Oエクスパンダ615を備える。
【0193】
上流コネクタ601は中継基板600よりも上流のマスタIC570に接続されるコネクタであり、コネクタ602A、602Bは、中継基板600よりも下流の装飾制御装置610に接続される。
【0194】
二つの下流コネクタ602A、602Bに接続線SDAを接続するために、上流コネクタ601から延びる内部接続線SDA911は分岐901で第1接続線SDA921と第2接続線SDA931とに分岐する。第1接続線SDA921は下流コネクタ602Aに接続され、第2接続線SDA931は下流コネクタ602Bに接続される。
【0195】
同じく、上流コネクタ601から延びる内部接続線SCL912は分岐902で第1接続線SCL922と第2接続線SCL932とに分岐する。第1接続線SCL922は下流コネクタ602Aに接続され、第2接続線SCL932は下流コネクタ602Bに接続される。
【0196】
接続線SDAをI2CI/Oエクスパンダ615に接続するために、第2接続線SDA931は分岐903で分岐し、分岐した第2接続線SDA931はI2CI/Oエクスパンダ615の図8A及び図8に示すSDA端子に接続される。また、接続線SCLをI2CI/Oエクスパンダ615に接続するために、第2接続線SCL932は分岐904で分岐し、分岐した第2接続線SCL932はI2CI/Oエクスパンダ615の図8A及び図8Bに示すSCL端子に接続される。
【0197】
なお、I2CI/Oエクスパンダ615には、I2CI/Oエクスパンダ615の電源電圧となる電圧Vccが供給されている。また、図9では図示されていないが、I2CI/Oエクスパンダ615からは、中継基板600に設けたLED(装飾装置200)を駆動する各ポート0〜15の信号線(図8A参照)が出力されている。
【0198】
また、I2CI/Oエクスパンダ615は、第2接続線SDA931及び第2接続線SCL932が接続されるとしたが、第1接続線SDA921及び第1接続線SCL922に接続されてもよい。
【0199】
2CI/Oエクスパンダ615が上流のマスタIC570に接続線SDAを介して出力する信号、及び上流のマスタIC570から中継基板600のI2CI/Oエクスパンダ615へ接続線SDAを介して入力される信号のノイズを除去するために、内部接続線SDA911にはツェナダイオードZD941が接続されている。
【0200】
具体的には、内部接続線SDA911は分岐905で分岐し、分岐した内部接続線SDA911はツェナダイオードZD941のカソード側に接続され、ツェナダイオードZD941のアノード側は接地されている。
【0201】
このため、内部接続線SDA911に印加された所定以上の電圧(例えば、パルス性のノイズ信号)は、ツェナダイオードZD941によって逃がされる。
【0202】
また、上流のマスタIC570から中継基板600のI2CI/Oエクスパンダ615へ接続線SCLを介して入力される信号のノイズを除去するために、内部接続線SCL912にはツェナダイオードZD942が接続されている。
【0203】
具体的には、内部接続線SCL912は分岐906で分岐し、分岐した内部接続線SCL912はツェナダイオードZD942のカソード側に接続され、ツェナダイオードZD942のアノード側は接地されている。
【0204】
このため、内部接続線SCL912に印加された所定以上の電圧(例えば、パルス性のノイズ信号)は、ツェナダイオードZD942によって逃がされる。
【0205】
中継基板600のI2CI/Oエクスパンダ615が下流コネクタ602Aに接続された装飾制御装置610に接続線SDAを介して出力する信号、及び下流コネクタ602Aに接続された装飾制御装置610から中継基板600のI2CI/Oエクスパンダ615へ接続線SDAを介して入力される信号のノイズを除去するために、第1接続線SDA921にはツェナダイオードZD943が接続されている。
【0206】
具体的には、第1接続線SDA921は分岐907で分岐し、分岐した第1接続線SDA921はツェナダイオードZD943のカソード側に接続され、ツェナダイオードZD943のアノード側は接地されている。
【0207】
このため、内部接続線SDA921に印加された所定以上の電圧(例えば、パルス性のノイズ信号)は、ツェナダイオードZD943によって逃がされる。
【0208】
また、第1接続線SDA921に接続されるツェナダイオードZD943と同じく、第2接続線SDA931にもツェナダイオード945が接続される。
【0209】
また、中継基板600のI2CI/Oエクスパンダ615から下流コネクタ602Aに接続された装飾制御装置610へ接続線SCLを介して入力される信号のノイズを除去するために、第1接続線SCL922にはツェナダイオードZD944が接続されている。
【0210】
具体的には、第1接続線SCL922は分岐908で分岐し、分岐した第1接続線SCL922はツェナダイオードZD944のカソード側に接続され、ツェナダイオードZD944のアノード側は接地されている。
【0211】
このため、内部接続線SCL922に印加された所定以上の電圧(例えば、パルス性のノイズ信号)は、ツェナダイオードZD944によって逃がされる。
【0212】
また、第1接続線SCL922に接続されるツェナダイオードZD944と同じく、第2接続線SCL932にもツェナダイオードZD946が接続される。
【0213】
また、マスタIC570に接続される上流側の接続線SDA、及び装飾制御装置610に接続される下流側の接続線SDAの電圧をプルアップするためのプルアップ抵抗R951が、第1接続線SDA921に接続される。同じく、マスタIC570に接続される上流側の接続線SCL、及び装飾制御装置610に接続される下流側の接続線SCLの電圧をプルアップするためのプルアップ抵抗R952が、第1接続線SDA922に接続される。
【0214】
具体的には、第1接続線SDA921は分岐909で分岐し、分岐した第1接続線SDA921はプルアップ抵抗R951に接続される。同じく第1接続線SCL922は分岐910で分岐し、分岐した第1接続線SCL922はプルアップ抵抗R952に接続される。
【0215】
なお、接続線SDA及び接続線SCLの電圧をプルアップするプルアップ抵抗951、952は、中継基板600が備えなくてもよく、マスタIC570が備えてもよいし、中継基板600以外の装飾制御装置610が備えてもよい。要するに、接続線SDA及び接続線SCLを駆動するトランジスタのドレインの端子に、電圧Vccを供給できる箇所であれば、どこでもよい。
【0216】
中継基板600のI2CI/Oエクスパンダ615に電源電圧を供給する接続線Vccに接続される上流コネクタ601のVcc端子から延びる内部接続線Vcc971と、上流コネクタ601のGND端子から延び、接地されている内部接続線GND972とは、平滑コンデンサC961及びバイパスコンデンサ962を介して接続されている。
【0217】
平滑コンデンサC961は、電源の電圧波形を滑らかにするためのコンデンサであり、バイパスコンデンサCP962は、電源の電圧のノイズを除去するためのコンデンサである。
【0218】
このため、中継基板600のI2CI/Oエクスパンダ615に供給される電源電圧は、平滑コンデンサC961により電圧が平滑化され、バイパスコンデンサ962によりノイズが除去されて、I2CI/Oエクスパンダ615に供給される。
【0219】
同じく、下流コネクタ602A、602BのVcc端子から延びる内部接続線Vcc973と、GND端子から延びる内部接続線GND974とは、平滑コンデンサC961及びバイパスコンデンサ962を介して接続されている。これによって、平滑化され、ノイズが除去された電圧が下流の装飾制御装置610に接続される接続線Vccに印加される。
【0220】
図10は、本発明の実施形態の装飾制御装置610の入出力に関する接続線の回路図である。
【0221】
装飾制御装置610は、上流コネクタ611、I2CI/Oエクスパンダ615、及び下流コネクタ612を備える。
【0222】
上流コネクタ611には、中継基板600又は上流側の装飾制御装置610からバスが接続される。下流コネクタ612には、下流側の装飾制御装置610に接続するバスが接続される。
【0223】
上流コネクタ611のSDA端子と下流コネクタ612のSDA端子とは、内部接続線SDA1011によって接続されている。また、上流コネクタ611のSCL端子と下流コネクタ612のSCL端子とは、内部接続線SCL1012によって接続されている。
【0224】
接続線SDAをI2CI/Oエクスパンダ615に接続するために、内部接続線SDA1011は分岐1011で分岐し、分岐した内部接続線SDA1011はI2CI/Oエクスパンダ615の図8A及び図8に示すSDA端子に接続される。また、接続線SCLをI2CI/Oエクスパンダ615に接続するために、内部接続線SCL1012は分岐1002で分岐し、分岐した内部接続線SCL1012はI2CI/Oエクスパンダ615の図8A及び図8Bに示すSCL端子に接続される。
【0225】
なお、I2CI/Oエクスパンダ615には、I2CI/Oエクスパンダ615の電源電圧となる電圧Vccが供給されている。また、図10では図示されていないが、I2CI/Oエクスパンダ615からは、当該装飾制御装置610に係わるLED(装飾装置200)を駆動する各ポート0〜15の信号線(図8A参照)が出力されている。
【0226】
図10に示す装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615が上流コネクタ611に接続された上流の装飾制御装置610又は中継基板600に接続線SDAを介して出力する信号、及び上流コネクタ611に接続された上流の装飾制御装置610又は中継基板600から図10に示す装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615へ接続線SDAを介して入力される信号のノイズを除去するために、内部接続線SDA1011にはツェナダイオードZD1041が接続されている。
【0227】
具体的には、内部接続線SDA1011は分岐1003で分岐し、分岐した内部接続線SDA1011はツェナダイオードZD1041のカソード側に接続され、ツェナダイオードZD1041のアノード側は接地されている。
【0228】
このため、内部接続線SDA1011に印加された所定以上の電圧(例えば、パルス性のノイズ信号)は、ツェナダイオードZD1041によって逃がされる。
【0229】
また、上流コネクタ611に接続される上流の装飾制御装置610又は中継基板600から図10に示す装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615へ接続線SCLを介して入力される信号のノイズを除去するために、内部接続線SCL1012にはツェナダイオードZD942が接続されている。
【0230】
具体的には、内部接続線SCL1012は分岐1004で分岐し、分岐した内部接続線SCL1012はツェナダイオードZD1042のカソード側に接続され、ツェナダイオードZD1042のアノード側は接地されている。
【0231】
このため、内部接続線SCL1012に印加された所定以上の電圧(例えば、パルス性のノイズ信号)は、ツェナダイオードZD1042によって逃がされる。
【0232】
図10に示す装飾制御装置620のI2CI/Oエクスパンダ615が下流コネクタ612に接続された下流の装飾制御装置610に接続線SDAを介して出力する信号、及び下流コネクタ612に接続された下流の装飾制御装置610から図10に示す装飾制御装置のI2CI/Oエクスパンダ615へ接続線SDAを介して入力される信号のノイズを除去するために、内部接続線SDA1011にはツェナダイオードZD1043が接続されている。
【0233】
具体的には、内部接続線SDA1011は分岐1005で分岐し、分岐した内部接続線SDA1011はツェナダイオードZD1043のカソード側に接続され、ツェナダイオードZD1043のアノード側は接地されている。
【0234】
このため、内部接続線SDA1011に印加された所定以上の電圧(例えば、パルス性のノイズ信号)は、ツェナダイオードZD1043によって逃がされる。
【0235】
また、図10に示す装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615から下流コネクタ612に接続された下流の装飾制御装置610へ接続線SCLを介して入力される信号のノイズを除去するために、内部接続線SCL1012にはツェナダイオードZD1044が接続されている。
【0236】
具体的には、内部接続線SCL1012は分岐1006で分岐し、分岐した内部接続線SCL1012はツェナダイオードZD1044のカソード側に接続され、ツェナダイオードZD1044のアノード側は接地されている。
【0237】
このため、内部接続線SCL1012に印加された所定以上の電圧(例えば、パルス性のノイズ信号)は、ツェナダイオードZD1044によって逃がされる。
【0238】
装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615に電源電圧を供給する接続線Vccに接続される上流コネクタ611のVcc端子から延びる内部接続線Vcc1071と、上流コネクタ611のGND端子から延び、接地されている内部接続線GND1072とは、平滑コンデンサC1061及びバイパスコンデンサ1062を介して接続されている。
【0239】
平滑コンデンサC1061は図9に示す平滑コンデンサC961と同じコンデンサであり、バイパスコンデンサCP1062は図9に示すバイパスコンデンサ962と同じコンデンサである。
【0240】
また、下流コネクタ612のVcc端子から延びる内部接続線Vcc1073と、GND端子から延びる内部接続線GND1074とは、平滑コンデンサC1061及びバイパスコンデンサ1062を介して接続されている。
【0241】
図11は、本発明の実施形態の装飾制御装置610の配線基板におけるSDA接続パターン及びSCL接続パターンの説明図である。
【0242】
入力コネクタ611のSDA端子と出力コネクタ612とSDA端子は、内部SDA接続線であるSDA接続パターン1101によって接続され、入力コネクタ611のSCL端子と出力コネクタ612とSCL端子は、内部SCL接続線であるSCL接続パターン1102によって接続される。
【0243】
SDA接続パターン1101とSCL接続パターン1102とは、略平行であって、ほぼ同じ長さとなるように配設される。
【0244】
また、SDA接続パターン1101及びSCL接続パターン1102の両側部は、絶縁体によって形成されるGNDガード1103で覆われる。これによって、SDA接続パターン1101に印加される電圧とSCL接続パターン1102に印加される電圧とが、互いに干渉して、誤った演出制御データが出力されることを防止できる。
【0245】
なお、中継基板600の配線基板も、装飾制御装置610と同じく、SDA接続パターン及びSCL接続パターンが絶縁体で覆われている。
【0246】
図12は、本発明の実施形態のI2CI/Oエクスパンダ615のVcc端子への電源の供給方法の説明図である。
【0247】
上流の装飾制御装置610又は中継基板600から図12に示すI2CI/Oエクスパンダ615を備える装飾制御装置610に接続される接続線Vccから供給されるI2CI/Oエクスパンダ615の電源電圧は、I2CI/Oエクスパンダ615のVcc端子から供給される。
【0248】
また、図10で説明したように、I2CI/Oエクスパンダ615に供給される電源電圧は、接続線Vccに印加される電圧が平滑コンデンサ1061により平滑化されるとともに、バイパスコンデンサ1062によりノイズが除去されたものである。
【0249】
バイパスコンデンサ1062の一方は図10に示すようにグランドに接続される。このグランドは、装飾制御装置610の基板上では絶縁体であるGNDパターン1201により構成される。
【0250】
また、バイパスコンデンサ1062の他方は、I2CI/Oエクスパンダ電源接続パターン1202によってI2CI/Oエクスパンダ615のVcc端子に接続されるとともに、他回路電源接続パターン1203によって他の回路(例えば、下流コネクタ612のVcc端子など)に接続される。
【0251】
この場合、I2CI/Oエクスパンダ電源接続パターン1202の長さが他回路電源接続パターン1203の長さよりも短くなるように、I2CI/Oエクスパンダ615とバイパスコンデンサ1062とが配置されている。つまり、バイパスコンデンサ1062は、他の回路よりもI2CI/Oエクスパンダ615に近くに配置される。
【0252】
また、I2CI/Oエクスパンダ電源接続パターン1202上から他回路電源接続パターン1203が分岐しないようにする。
【0253】
これらは、I2CI/Oエクスパンダ615にノイズが含まれた電源が供給されることを防止するためである。
【0254】
図13は、本発明の実施形態の演出制御装置550から装飾制御装置610に出力されるデータに含まれるスレーブアドレス1300の説明図である。
【0255】
スレーブアドレス1300は、上位3ビットからなる固定アドレス部1301及び下位5ビットからなる可変アドレス部1302を含む。
【0256】
固定アドレス部1301は、「110」が予め設定されていて、I2CI/Oエクスパンダ615が変更できないアドレスである。
【0257】
可変アドレス部1302は、I2CI/Oエクスパンダ615に設定可能なアドレスであり、制御対象となるI2CI/Oエクスパンダ615のA0〜A3の端子に設定されているパターンに対応した4ビットのI2CI/Oエクスパンダアドレス1303と、当該データが読み出し要求であるのか書き込み要求であるのかを示す1ビットのR/W識別データ1304と、が含まれる。
【0258】
演出制御装置550から装飾制御装置610に出力される演出制御データは、書き込み要求であるので、R/W識別データ1304には、通常「0」が登録される。
【0259】
図14は、本発明の実施形態のI2CI/Oエクスパンダアドレステーブル1400の説明図である。
【0260】
2CI/Oエクスパンダアドレステーブル1400は、マスタIC570によって管理されるテーブルである。I2CI/Oエクスパンダアドレステーブル1400は、スレーブアドレス1401とI2CI/Oエクスパンダアドレス1402との対応関係を示している。
【0261】
スレーブアドレス1401には、演出制御装置550により送受信の対象として指定される装飾制御装置610のスレーブアドレスが格納されている。スレーブアドレスは、図13で前述したように、上位3ビットからなる固定アドレス部と、4ビットのI2CI/Oエクスパンダアドレスと、1ビットのR/W識別データとを組み合わせて構成される。
【0262】
2CI/Oエクスパンダアドレス1402には、図8Aや図8Bで前述したように、各スレーブアドレスに対応する4ビットのI2CI/Oエクスパンダアドレスが登録される。
【0263】
ただし、I2CI/Oエクスパンダアドレスのうち、アドレス「1000」及びアドレス「1011」は、各I2CI/Oエクスパンダ615を相互に識別するための固有のアドレスとしては使用できない。
【0264】
「1000」は、すべての装飾制御装置610に対する指令を出力する場合に指定されるアドレス(オールコールアドレス)の電源投入時のデフォルト値として用いられる。「1011」はソフトウェアによってデバイスをリセットする場合に用いられるアドレスである。
【0265】
このように、装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615に設定可能なアドレスは14個であるために、演出制御装置550は、14個のI2CI/Oエクスパンダ615を制御できる。また、一つの装飾制御装置610は、PORT0〜PORT15を備えるので、16個(言い換えれば16種類)のLEDを制御できる。よって、演出制御装置550は、224個(言い換えれば224種類)のLEDを制御できる。
【0266】
図15は、本発明の実施形態の演出制御装置550による処理のフローチャートである。
【0267】
図15に示す処理では、例えば、装飾装置620のグループ、役物駆動SOL560のグループ、及び役物駆動MOT561のグループのように、演出装置の種類ごとのグループに分割し、装飾制御装置610は、分割されたグループに属する演出装置を制御する。例として、装飾装置620のグループが8グループ存在するものとして、それぞれ発光型演出装置のグループA〜Hということにする。また、役物駆動SOL560と役物駆動MOT561は、同一のグループになっているものとして、これを可動型演出装置のグループということにする。
【0268】
図15に示す演出制御装置550の処理は、演出制御装置550のCPU551によって実行される。
【0269】
演出制御装置550は、演出制御装置550に電源が投入されると、まずステップ1501〜1509の処理を実行し、ステップ1510の処理でVDP556から画像更新周期と同期する同期信号(例えば、1/30秒周期の同期信号)が割込信号としてCPU551に入力されるまで待機する。そして、VDP556から画像更新周期と同期する同期信号が割込信号としてCPU551に入力されると、ステップ1502〜1509の処理を繰り返し実行する。
【0270】
まず、演出制御装置550は、演出制御装置550を初期化する(1501)。このとき、入出力I/F558を介してマスタIC570が初期化され、さらに、マスタIC570に指示して、全てのI2CI/Oエクスパンダ615をリセットして初期状態にする。
【0271】
次に、演出制御装置550は、表示装置53に画像を表示するために、VDP556に画像を表示させる指令となるデータを出力する(1502)。
【0272】
そして、演出制御装置550は、役物駆動SOL560及び役物駆動MOT561を遊技状態に応じて制御するための演出制御データを、役物駆動SOL560及び役物駆動MOT561を制御する装飾制御装置610に出力する(1503)。
【0273】
そして、演出制御装置550は、スピーカ30から音を遊技状態に応じて出力させるために、音制御データを音LSI557に出力し、音LSI557に音制御データに基づいてスピーカ30から音を出力させる(1504)。
【0274】
そして、演出制御装置550は、図16に示すスレーブ選択順序テーブル1600を参照し、VDP556からCPU551に同期信号が入力されるごとに更新する時分割カウンタのスレーブ選択順序を選択し、選択したスレーブ選択順序に基づいて、装飾装置620を制御する各グループの装飾制御装置610に演出制御データをマスタIC570から出力する(1505)。
【0275】
なお、時分割カウンタは「0」〜「3」までの値をとり、CPU551にVDP556から同期信号が入力されると、CPU551は、時分割カウンタをインクリメントする。なお、時分割カウンタが「3」である場合に、VDP556からCPU551に同期信号が入力されると、CPU551は、時分割カウンタを「0」に更新する。
【0276】
次に、演出制御装置550は、VDP556に次に出力されるデータを編集し(1506)、役物駆動SOL560及び役物駆動MOT561を制御する装飾制御装置610に次に出力される演出制御データを編集する(1507)。
【0277】
そして、演出制御装置550は、音LSI557に出力される音制御データを編集し(1508)、装飾装置620を制御する各グループの装飾制御装置610に次に出力される演出制御データを編集し(1509)、VDP556から同期信号がCPU551に入力されるまで待機する。
【0278】
なお、CPU551にVDP556から同期信号が入力されると、演出制御装置550は、時分割カウンタを更新し(1510)、ステップ1502の処理に進む。
【0279】
このように、図15による処理では、表示装置53の画像を更新する周期と同期して、演出制御装置550のマスタIC570から装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615へ演出制御データを送信し、I2CI/Oエクスパンダ615は受信した演出制御データに基づいて演出装置620を制御するので、表示装置53における演出と演出装置620における演出とが調和し、遊技者に違和感を与えないので、興趣を高めることができる。
【0280】
また、図15による処理では、マスタIC570は、先に役物駆動SOL560及び役物駆動MOT561を制御する装飾制御装置610に演出制御データを出力し、後から装飾装置620を制御する装飾制御装置610に演出制御データを出力する。このため、同期信号の発生タイミングからの経過時間のばらつきが、役物駆動MOT561及び役物駆動MOT561に関しては小さく、装飾装置620に関しては大きくなる。そのため、役物駆動MOT561及び役物駆動MOT561が制御されるタイミングがより正確になり、遊技者の注目を集める可動役物60などを遊技状態に対して正確に制御できるので、遊技者に違和感を与えない。
【0281】
図16は、本発明の実施形態のスレーブ選択順序テーブル1600の説明図である。
【0282】
スレーブ選択順序テーブル1600は制御ROM552に記憶され、スレーブ選択順序テーブル1600には、時分割カウンタの値ごとに制御対象となる装飾制御装置610のグループの制御順序が登録されている。
【0283】
なお、以下の説明では、前述したように、可動型演出装置グループは、役物駆動SOL560及び役物駆動MOT561を制御する装飾制御装置610のグループであり、発光型演出装置グループA〜Hは、装飾装置620を制御する装飾制御装置610のグループである。
【0284】
スレーブ選択順序テーブル1600は、時分割カウンタ1601及びスレーブ選択順序1602を含む。
【0285】
時分割カウンタ1601には「0」〜「3」の値が登録されている。スレーブ選択順序1602は、マスタIC570が演出制御データを出力する装飾制御装置620の順序が登録されている。ここでは、図15のステップ1503における「モータ・ソレノイド関連出力」の処理にて、可動型演出装置グループが制御され、その後、図15のステップ1505における「時分割カウンタに対応する発光装置関連出力」の処理にて、発光型演出装置グループA〜Hのうち、時分割カウンタに対応するグループのみが表の上から下へ向かう順序で制御されることを示している。
【0286】
時分割カウンタ1601が「0」である場合のスレーブ選択順序1602には、可動型演出装置グループ、発光型演出装置グループA、発光型演出装置グループB、発光型演出装置グループD、及び発光型演出装置グループHが登録されている。CPU551は、可動型演出装置グループ、発光型演出装置グループA、発光型演出装置グループB、発光型演出装置グループD、及び発光型演出装置グループHの順で制御する。
【0287】
時分割カウンタ1601が「1」である場合のスレーブ選択順序1602には、可動型演出装置グループ、発光型演出装置グループA、発光型演出装置グループC、及び発光型演出装置グループEが登録されている。
【0288】
時分割カウンタ1601が「2」である場合のスレーブ選択順序1602には、可動型演出装置グループ、発光型演出装置グループA、発光型演出装置グループB、及び発光型演出装置グループFが登録されている。
【0289】
時分割カウンタ1601が「3」である場合のスレーブ選択順序1602には、可動型演出装置グループ、発光型演出装置グループA、発光型演出装置グループC、及び発光型演出装置グループGが登録されている。
【0290】
つまり、可動型演出装置グループの装飾制御装置610には、最初にマスタIC570から演出制御データが出力され、可動型演出装置グループの装飾制御装置610に演出制御データが出力された後に、発光型演出装置グループの装飾制御装置610に演出制御データが出力される。
【0291】
図17にて詳細に説明するが、マスタIC570は、制御対象の装飾制御装置610に演出制御データを初めに出力し、制御対象の装飾制御装置610からACKの返答信号が入力された場合には、次の制御対象となる装飾制御装置610を選択して演出制御データを出力する。
【0292】
したがって、ACKの返答信号が無条件に装飾制御装置610からマスタIC570に入力されるのであれば、同期信号に同期してマスタIC570から装飾制御装置610に演出制御データを送信できる。しかしながら、データ通信がノイズ等により正しく送信できない場合には、制御対象の装飾制御装置610からACKの返答信号が入力されない(NACKの返答信号が入力される)ことになり、この場合には、再度同じデータを制御対象の装飾制御装置610に出力する処理を行っている。
【0293】
このため、スレーブ選択順序が後になる装飾制御装置610ほど、マスタIC570から送信される演出制御データが入力されるタイミングが周期的にならない傾向がある。言い換えれば、同期信号の発生タイミングと演出制御データの送信タイミングとに時間差があり、この時間差のばらつきがスレーブ選択順序が後になる装飾制御装置610ほど大きくなるということになる。
【0294】
また、可動型演出装置グループの装飾制御装置610が制御する演出装置は、遊技状態にあわせて可動するため、遊技状態にあわせて発光する装飾装置620よりも遊技者の注目を集めるものである。
【0295】
したがって、可動型演出装置グループの装飾制御装置610が制御する演出装置の制御タイミングに遅れが生じないように、マスタIC570は、可動型演出装置グループの装飾制御装置610に最初に演出制御データを出力するようにしている。
【0296】
次に、スレーブ選択順序テーブル1600による各グループの装飾制御装置610の制御頻度について説明する。
【0297】
可動型演出装置グループ、及び発光型演出装置グループAは、時分割カウンタのすべてに登録されているので、VDP556からの同期信号がCPU551に入力されるごとに制御される。また、発光型演出装置グループB及び発光型演出装置グループCは、時分割カウンタが「1」である場合と「2」である場合とに登録されているので、VDP556から同期信号がCPU551に2回入力されると、1回制御される。また、発光型演出装置グループD〜Hは、時分割カウンタが「0」〜「3」のいずれか一つである場合に登録されているので、VDP556から同期信号がCPU551に4回入力されると、1回制御される。
【0298】
なお、発光型演出装置グループA〜Hは、グループに属するLEDの制御頻度に応じて、適宜割り当てられている。例えば、高速な輝度変化を必要とするLEDのグループをグループAとして割り当て、低速な輝度変化で充分なLEDのグループはグループD〜Hを割り当てている。
【0299】
これにより、可動型演出装置グループの装飾制御装置610の制御頻度が、発光型演出装置グループB〜Hの装飾制御装置610の制御頻度以上になる。このため、遊技者の注目度の高い可動型演出装置グループの装飾制御装置610が制御する演出装置の制御間隔を細分化できるため、遊技者に違和感の少ない演出を行うことができる。
【0300】
また、同期信号が発生するたびに、マスタIC570から、発光型演出装置グループA〜Hの全てに演出制御データを送信するのではなく、時分割カウンタに対応する一部の発光型演出装置グループを選択して演出制御データを送信している。このため、同期信号の周期内に占める演出制御データの送信時間の割合が少なくなり、処理時間を効率化することができる。
【0301】
また、本実施形態では、可動型演出装置グループの装飾制御装置610の制御頻度が、VDP556から出力される画像更新周期と同期する同期信号のタイミングで制御を行っているが、発光型演出装置グループA〜Hの制御頻度だけを同期信号に同期させ、可動型演出装置グループの装飾制御装置610の制御頻度は、より高速(例えば2ミリ秒周期)にしてもよい。
【0302】
図17は、本発明の実施形態のマスタIC570によるスレーブ出力処理のフローチャートである。
【0303】
図15に示すステップ1503の処理が実行されると、可動型演出装置グループとなるスレーブが選択されて、マスタIC570のコントローラ574により、このスレーブ出力処理が実行される。また、図15に示すステップ1505の処理が実行された場合には、図16で前述した時分割カウンタに対応する発光型演出装置グループのスレーブが順に選択され、その都度、マスタIC570のコントローラ574により、このスレーブ出力処理が実行される。
【0304】
まず、マスタIC570は、装飾制御装置610からのACKの返答信号が受信できなかった回数を計数するためのACKカウンタを0に初期化する(1700)。次に、マスタIC570は、接続線SDA及び接続線SCLの信号レベルを、スタート条件を示す信号レベルに変化させる(1701)。
【0305】
具体的には、マスタIC570は、接続線SCLの信号レベルをHIGHに維持したまま、接続線SDAの信号レベルをHIGHからLOWに変化させることよってスタート条件を示す信号を出力する。
【0306】
装飾制御装置610にスタート条件が入力されると、装飾制御装置610は、接続線SCLの信号レベルをカウントするための図示しない信号変化カウンタを0回に初期化する。
【0307】
なお、マスタIC570は、スタート条件を示す信号を出力後、制御対象となる装飾制御装置610へデータを送るために、接続線SCLのレベルをLOWに変更する。
【0308】
次に、マスタIC570は、制御対象となる装飾制御装置610のスレーブアドレスのデータを、接続線SCLの信号レベルを変化させながら、接続線SDAを介して出力する(1702)。
【0309】
ステップ1702の処理で出力されるアドレスデータは図13に示すように8ビットのデータ列であるため、1回の出力処理(接続線SCLが8回HIGHに変化する間の出力)でアドレスデータが出力される。
【0310】
ステップ1702の処理で出力されたアドレスデータが装飾制御装置610に入力された場合、装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615は、入力されたアドレスデータと自身に設定されているアドレスとが一致するか否かを判定する。
【0311】
入力されたアドレスデータと一致するアドレスが設定されているI2CI/Oエクスパンダ615は、接続線SCLのLOWからHIGHへの変更回数が8回目になった直後であって、そのHIGHレベルとなっている接続線SCLがLOWレベルへと変化することを契機として、返答信号を接続線SDAからマスタIC570に出力する。
【0312】
次に、マスタIC570は、ステップ1702の処理でアドレスデータが出力されてから所定時間以内にACKの返答信号がマスタIC570に入力されたか否かを確認する(1703)。
【0313】
ACKの返答信号が入力されたか否かによって、処理が以下の三つに分岐する(1704)。
【0314】
第1に、ステップ1702の処理でアドレスデータが初めて出力されてから所定時間以内にACKの返答信号が入力されない場合(ACKカウンタが0の状態でNACKの返答信号が入力された場合)には、マスタIC570は、再度アドレスデータを出力するために、ステップ1714の処理に移行する。ステップ1714の処理では、ACKの返答信号の受信に失敗したことを計数するためにACKカウンタを+1更新し、ステップ1701の処理に戻る。
【0315】
第2に、初めてステップ1702の処理で出力されたアドレスデータに対応するACKの返答信号が所定時間以内入力されず、再度ステップ1702の処理でアドレスデータが出力されてから所定時間以内にACKの返答信号が入力されない場合(ACKカウンタが1の状態でNACKの返答信号が入力された場合)には、マスタIC570は、スレーブ出力処理を異常終了する(1705)。この場合、今回選択している装飾制御装置610へのデータ送信を中止し、次の装飾制御装置610が選択されて、再度、スレーブ出力処理が先頭から実行されることになる。
【0316】
第3に、ステップ1702の処理でアドレスデータが初めて出力されてから所定時間以内にACKの返答信号が入力された場合、又は再度ステップ1702の処理でアドレスデータが初めて出力されてから所定時間以内にACKの返答信号が入力された場合には、マスタIC570は、出力用BUF572に記憶されているデータから8ビット分のデータを1番目に出力するデータとして取得し、取得したデータの出力を準備する(1706)。
【0317】
そして、マスタIC570は、取得したデータを接続線SDAから出力する(1707)。
【0318】
そして、ステップ1702の処理で出力されたアドレスデータが自身に設定されたアドレスと一致する装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615は、ステップ1707の処理で出力されたデータを、接続線SCLがLOWからHIGHになったタイミングで取り込む。そして、当該装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615は、接続線SCLの8回目のLOWからHIGHに変化したことでデータを取り込み、次いで接続線SCLがHIGHからLOWへ変化することを契機に、返答信号を接続線SDAからマスタIC570に出力する。
【0319】
次に、マスタIC570は、ステップ1707の処理でデータが出力されてから所定時間以内にACKの返答信号がマスタIC570に入力されたか否かを確認する(1708)。
【0320】
ACKの返答信号が入力されたか否かによって、処理が以下の三つに分岐する(1709)。
【0321】
第1に、ステップ1702の処理でアドレスデータが初めて出力されてから所定時間以内にACKの返答信号が入力されていない場合(ACKカウンタが0の状態でNACKの返答信号が入力された場合)には、マスタIC570は、再度アドレスデータを出力するために、ステップ1714の処理に移行する。ステップ1714の処理では、返答信号の受信に失敗したことを計数するためにACKカウンタを+1更新し、ステップ1701の処理に戻る。
【0322】
第2に、初めてステップ1707の処理で出力されたデータの返答信号が所定時間以内に入力されず、再度ステップ1707の処理でデータが出力されてから所定時間以内にACKの返答信号が入力されていない場合(ACKカウンタが1の状態でNACKの返答信号が入力された場合)には、マスタIC570はスレーブ出力処理を異常終了する(1710)。この場合、今回選択している装飾制御装置610へのデータ送信を中止し、次の装飾制御装置610が選択されて、再度、スレーブ出力処理が先頭から実行されることになる。
【0323】
第3に、ステップ1707の処理でデータが初めて出力されてから所定時間以内にACKの返答信号が入力された場合、又は再度ステップ1707の処理でデータが出力されてから所定時間以内にACKの返答信号が入力された場合には、マスタIC570は、出力用BUF572に記憶されているすべてのデータを出力したか否かを判定する(1711)。
【0324】
ステップ1711の処理で、出力用BUF572に記憶されているデータが出力されていないと判定された場合、マスタIC570は、出力用BUF572に記憶されている次の8ビット分のデータを次に出力するデータとして取得し、取得したデータの出力を準備し(1712)、ステップ1706の処理に戻る。
【0325】
一方、ステップ1711の処理で、出力用BUF572に記憶されているすべてのデータを出力したと判定された場合、マスタIC570は、接続線SDA及び接続線SCLの信号レベルを、ストップ条件を示す信号レベルに変化させ(1713)、スレーブ出力処理を終了する。
【0326】
ステップ1713の処理では、具体的には、マスタIC570は、接続線SCLの信号レベルをHIGHに維持したまま、接続線SDAの信号レベルをLOWからHIGHに変更させることによりストップ条件を示す信号を出力する。
【0327】
図17による処理では、マスタIC570は、8ビットのデータを出力後に、装飾制御装置610からの返答信号を取り込むことにより、データ転送の成否を判定し、データ転送が失敗している場合(つまり、NACKの返答信号がマスタIC570に入力された場合)、出力したデータを1回だけ再度出力するので、装飾制御装置610にデータを可能な限り確実に出力することができ、演出装置の誤動作を防止できる。また、出力したデータを1回だけ再度出力することにより、データ送信時間が必要以上に長くなることを防止できる。
【0328】
なお、図17による処理で、ステップ1701の処理でマスタIC570がスタート条件を送信する際には、接続線SDAがHIGHになっている必要があるが、ノイズ等の影響によって、接続線SDAがLOWとなったまま変化しない状態が発生する場合がある。
【0329】
本実施形態では、マスタIC570が装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615に送信するスレーブアドレスには、R/W識別データが「0」(書き込みを意味する)となっているものだけを用いている(図13参照)が、ノイズ等の影響によって、R/W識別データが「1」(読み出しを意味する)となった状態で、I2CI/Oエクスパンダ615へ伝わることがある。
【0330】
この場合、I2CI/Oエクスパンダ615は読み出しモードとなり、マスタIC570によって接続線SCLの信号レベルが変化することに対応して、I2CI/Oエクスパンダ615からマスタIC570へ、接続線SDAを介してデータを1ビットごと伝送する処理を行う。
【0331】
このとき、I2CI/Oエクスパンダ615は、8ビットのデータを伝送するごとに、マスタIC570から接続線SDAを介してアクノリッジ信号を受信する処理を行い、アクノリッジ信号を受信するとさらに8ビットのデータ伝送を行い、以後、この8ビットのデータ伝送とアクノリッジ信号の確認を繰り返すが、この間は、接続線SDAがI2CI/Oエクスパンダ615によって占有されている状態となる。
【0332】
一方で、I2CI/Oエクスパンダ615は、8ビットのデータ伝送後に、マスタIC570から接続線SDAを介してアクノリッジ信号を受信できないときは、接続線SDAを解放してデータ伝送を中止する。なお、I2CI/Oエクスパンダ615は、マスタIC570から接続線SDAを介してアクノリッジ信号を受信する際には、接続線SDAがLOWレベルであればアクノリッジ信号を受信したと解釈し、接続線SDAがHIGHレベルであればアクノリッジ信号を受信しないと解釈する。
【0333】
よって、マスタIC570からのデータがノイズ等の影響により変化し、この変化したデータを勝手に受信して読み出しモードとなったI2CI/Oエクスパンダ615が発生してしまうと、接続線SDAがいつまでも解放されないことになる。
【0334】
このような場合に、接続線SDAの信号レベルはLOWに維持されたままになり、マスタIC570と、本来送信を行うことを意図していた装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615との間で接続線SDAを介した通信が行えなくなる。
【0335】
そこで、マスタIC570は、ステップ1701の処理でスタート条件を示す信号を出力する前に、接続線SDAからデータが出力できる状態であるか否かを判定するために、接続線SDAの信号レベルがHIGHであるか否かを判定する。
【0336】
接続線SDAの信号レベルがHIGHでないと判定された場合、接続線SDAからデータが出力できないので、ドライバ576Aによりトランジスタ578Aに動作可能な電圧を印加しないことによってトランジスタ578Aをオンさせずに(接続線SDAを解放した状態で)、接続SCLの信号レベルを少なくとも9回変化させる。
【0337】
このような処理を行うことで、読み出しモードとなったI2CI/Oエクスパンダ615は、接続SCLの信号レベルの変化に合わせて接続線SDAにデータを出力するが、接続SCLの信号レベルの変化が少なくとも9回行われる途中において、マスタIC570からのアクノリッジ信号を確認するタイミングが発生する。このとき、接続線SDAは解放されているのでHIGHレベルとなり、読み出しモードとなったI2CI/Oエクスパンダ615は、アクノリッジ信号を受信しなかったと判断するので、データ伝送をやめて接続線SDAを解放することになる。
【0338】
なお、この処理は、スタート条件を示す信号を出力する前だけでなく、マスタIC570が飾制御装置610へデータを出力する前に行われるようにしてもよい。具体的には、ステップ1702、1707、及び1713の処理の前に実行されてもよい。
【0339】
このようにして、読み出しモードとなった装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615から強制的に接続線SDAを解放させるので、接続線SDAの信号レベルはHIGHに維持されるようになる。
【0340】
図18は、本発明の実施形態のマスタIC570が接続線SDA及び接続線SCLを介して出力するデータのスタート条件及びストップ条件の説明図である。
【0341】
接続線SCLは通常時に信号レベルがHIGHになっており、マスタIC570は、装飾制御装置610にデータを出力する際に、接続線SCLの信号レベルをLOWからHIGHに変化させ、装飾制御装置610が接続線SDAのデータを取り込むためのストローブ信号として作用させる。
【0342】
接続線SDAは通常時に信号レベルがHIGHになっており、接続線SCLのクロック信号に合わせて接続線SDAからデータが出力される。
【0343】
マスタIC570は、接続線SCLの信号レベルをHIGHに維持したまま、接続線SDAの信号レベルをHIGHからLOWに変化させることで、データの出力が開始することを示すスタート条件となる信号を出力する。
【0344】
装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615は、接続線SDA及び接続線SCLからスタート条件となる信号が入力されると、データの出力が開始することを把握する。
【0345】
マスタIC570は、接続線SCLの信号レベルをHIGHに維持したまま、接続線SDAの信号レベルをLOWからHIGHに変化させることで、データの出力が終了することを示すストップ条件を示す信号を出力する。
【0346】
装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615は、ストップ条件が入力されると、データの出力が終了することを把握する。
【0347】
図19は、本発明の実施形態のマスタIC570から出力されたデータが入力された装飾制御装置610が返答信号を出力するタイミングチャートである。
【0348】
装飾制御装置610は、スタート条件が成立してから接続線SCLの信号レベルの変化回数を計数し、接続線SCLのクロック信号に合わせて接続線SDAから入力されるデータを取り込む。
【0349】
そして、装飾制御装置610は、スタート条件が成立してから接続線SCLの信号レベルの変化回数が9回に達する直前に、返答信号をマスタIC570に接続線SDAを介して出力する。換言すると、装飾制御装置610は、接続線SDAから8ビット目のデータを取り込んだ後に、接続線SCLの信号レベルがHIGHからLOWに変化することを契機に、返答信号を当該接続線SDAを介して出力する。
【0350】
なお、図に示すように、データの受信に成功したことを示す返答信号(ACKの返答信号)はLOWレベルによって示され、データの受信に失敗したことを示す返答信号(NACKの返答信号、図ではACK出力なしに相当)はHIGHレベルによって示される。
【0351】
また、マスタIC570は、スタート条件が成立してから接続線SCLの信号レベルが8回変化すると、接続線SDAを解放することによって、装飾制御装置610から返答信号の入力を待機する。そして、マスタIC570は、接続線SDAを解放したまま、接続線SCLの信号レベルを変化させて、装飾制御装置610からの返答信号を取り込む。
【0352】
図20は、本発明の実施形態のマスタIC570が演出制御データを出力する場合の接続線SDA及び接続線SCLの信号レベルのタイミングチャートである。
【0353】
まず、マスタIC570は、演出制御データの出力を開始する場合には、接続線SCLの信号レベルをHIGHに維持したまま、接続線SDAの信号レベルをHIGHからLOWに変化させることによって、スタート条件を示す信号を出力し、これからデータを出力することを装飾制御装置610に通知する。
【0354】
次に、マスタIC570は、合計7ビットからなる制御対象となる装飾制御装置610のアドレスを出力する。次に、マスタIC570は、読み出し要求である書き込み要求であるかを示すデータを8ビット目に出力する。
【0355】
そして、マスタIC570は、接続線SCLの信号レベルが9回目にHIGHになるときに、装飾制御装置610から返答信号が入力されるので、ACKの返答信号であれば接続線SDAの信号レベルがLOWに変化し、NACKの返答信号であれば接続線SDAの信号レベルがHIGHに変化する。
【0356】
次に、マスタIC570は、アドレスデータの出力後、演出制御データを、8の倍数となるビット数で出力する。マスタIC570は、演出制御データの8ビット目を出力した後、ACKの返答信号が入力されるのを待って演出制御データの9ビット目を出力する。以降、8の倍数番目に相当するビットのデータを出力すると、ACKの返答信号が入力されるのを確認してから、(8の倍数+1)番目のビットを出力し、全データが出力されるまで繰り返す。
【0357】
なお、マスタIC570は、演出制御データの8の倍数番目となるビットを出力した後、所定時間経過してもACKの返答信号が入力されない場合には、接続線SDAを介して、再度アドレスデータを出力し、ACKの返答信号を確認しながら、もう一度、演出制御データを1ビット目から出力する。
【0358】
また、マスタIC570は、演出制御データの最後のビットのデータを出力した後、ACKの返答信号が入力されるのを待って、ストップ条件を示す信号を出力する。
【0359】
なお、図20では、スタート条件を示す信号を出力してからストップ条件を示す信号を出力するまでの間に、合計24ビット(スレーブアドレス8ビット、演出制御データ16ビット)のデータを出力しているが、24ビット以上であってもよいし、24ビット以下であってもよい。
【0360】
図21は、本発明の実施形態のマスタIC570が、スレーブアドレスを指定して装飾制御装置610にデータを設定する場合において、マスタIC570とI2CI/Oエクスパンダ615との間で授受されるデータのフォーマットを説明する図である。
【0361】
はじめに出力される8ビットのデータ2101には、データ送信の対象となる装飾制御装置610のアドレス「A0〜A6」と、当該データが読み出し要求であるのか書き込み要求であるのかを示す1ビットのR/W識別データとが含まれる。このアドレス「A0〜A6」のうち、「A4〜A6」は値「110」となる固定アドレス部であり、「A0〜A3」はI2CI/Oエクスパンダ615のA0〜A3の端子に設定されているアドレスに相当する(図13参照)。
【0362】
次に、出力される8ビットのデータ2102には、出力設定レジスタ635には、I2CI/Oエクスパンダ615の出力設定レジスタ635(図7参照)に割り当てられている領域を指定するコントロールレジスタデータが含まれる。具体的には、5ビットの「D0〜D4」からなるレジスタアドレスと、3ビットの「AI0〜AI2」からなる自動書込パラメータとからなる。レジスタアドレスは出力設定レジスタ635の領域を指定する情報であり、マスタIC570により書き込み又は読み出しを行う領域のアドレスを指定する。自動書込パラメータは、マスタIC570によって、レジスタアドレスが指定する領域のみをアクセスするのか、指定する領域に隣接する領域も含んでアクセスするのかを指定するパラメータである。
【0363】
次に、出力される8の倍数となるビットのデータ2103には、コントロールレジスタデータによって指定される出力設定レジスタ635の領域に対して、実際に書き込まれるデータが割り当てられる。
【0364】
図22は、本発明の実施形態の装飾制御装置610を装飾制御する場合において、マスタIC570とI2CI/Oエクスパンダ615との間で授受されるデータの具体的な数値例を示す説明図である。データは、図21のデータフォーマットによって、マスタIC570とI2CI/Oエクスパンダ615との間で送受信される。
【0365】
はじめに出力される8ビットのデータ2201には、装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615のスレーブアドレスを示す「1101100」が割り当てられている。
【0366】
次に出力される8ビットのデータ2202には、LEDの出力データを設定するために割り当てられている装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615の出力設定レジスタ635のアドレスが含まれる。ここでは、I2CI/Oエクスパンダ615のPORT0端子〜PORT3端子に接続されるLEDの発光状態を設定するための領域である、LEDOUT0レジスタ(アドレス=10100)を指定することにする。
【0367】
次に、出力される8ビットのデータ2203には、装飾制御装置610が装飾装置620に行う装飾制御の内容を示すデータが含まれる。具体的には、LEDOUT0レジスタに設定されるデータが割り当てられている。これにより、I2CI/Oエクスパンダ615のPORT0端子〜PORT3端子に接続されるLEDの発光状態(点灯、消灯、点滅など)が指定され、指定された状態でLEDが発光する。
【0368】
このようにして、I2CI/Oエクスパンダ615のPORT0端子〜PORT3端子のLEDの発光状態が制御されるが、I2CI/Oエクスパンダ615の他のPORT端子(PORT4〜PORT15)も、コントロールレジスタデータ2202の値を指定して、出力データ2203を設定することで制御可能である。PORT端子に、モーターやソレノイドが接続されていても、同様に制御される。
【0369】
図23は、本発明の実施形態の演出制御装置550に複数のマスタIC570が備わる場合のマスタIC570と装飾制御装置610との接続の説明図である。
【0370】
図23では、演出制御装置550は、三つのマスタIC570A〜570Cを備える。
【0371】
マスタIC570Aは、中継基板600Aと接続され、中継基板600Aは、装飾制御装置610A〜610Cと直列に接続されるとともに、装飾制御装置610D〜610Fと直列に接続される。
【0372】
マスタIC570Bは、中継基板600Bと接続され、中継基板600Bは、装飾制御装置610G〜610Iと直列に接続されるとともに、装飾制御装置610J〜610Lと直列に接続される。
【0373】
マスタIC570Cは、中継基板600Cと接続され、中継基板600Cは、装飾制御装置610M〜610Oと直列に接続されるとともに、装飾制御装置610P〜610Rと直列に接続される。
【0374】
ここで、一つのマスタIC570に接続されている装飾制御装置610群を系統という。系統とは、具体的には、マスタIC570Aであれば、中継基板600A、装飾制御装置610A〜610Fである。
【0375】
マスタIC570は、接続されている装飾制御装置610にデータを出力可能であるため、マスタIC570は、接続されている装飾制御装置610を制御可能である。
【0376】
このような構成により、1個のマスタIC570で制御できるI2CI/Oエクスパンダ615の数の制限(図14に示すように14個を上限とする)がなくなり、多彩な演出制御を可能とすることが期待できる。
【0377】
なお、今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
【0378】
特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
【0379】
(1)遊技を統括的に制御する遊技制御手段と、該遊技制御手段からの指令に対応して、遊技の演出を行う複数の演出装置を制御する演出制御手段と、を備える遊技機において、前記複数の演出装置を複数グループに分割し、該分割されたグループに属する演出装置を制御するためのグループ単位制御手段を各グループ毎に設け、前記演出制御手段を、複数の前記グループ単位制御手段を統括的に制御するグループ統括制御手段として構成し、前記グループ統括制御手段から前記グループ単位制御手段へタイミング信号を伝達するタイミング信号線、及び前記グループ統括制御手段と前記グループ単位制御手段との間でデータを通信するデータ線によって前記グループ統括制御手段と前記グループ単位制御手段とが接続されて、前記グループ統括制御手段と前記各グループ単位制御手段との間で相互にデータ通信を可能とし、前記グループ統括制御手段は、前記データ線の信号レベルを送信データに対応する信号レベルに設定しながら、前記タイミング信号線の信号レベルを繰り返し変化させることによって、前記グループ単位制御手段にデータを順次送信する送信手段と、前記送信手段によるデータ送信の後に、前記グループ単位制御手段からの返答信号を取り込む返答信号取込手段と、前記返答信号取込手段によって取り込まれた返答信号によりデータ送信の成否を判定する判定手段と、を備え、前記グループ単位制御手段は、前記送信手段によって送信された自宛のデータを受信すると、該送信手段によってデータが送信された前記データ線を介して、前記返答信号を前記グループ統括制御手段へ出力する返答信号出力手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【0380】
(2)前記グループ統括制御手段は、前記送信手段によるデータ送信を開始する場合に、前記タイミング信号線の信号レベルを維持させた状態で、前記データ線の信号レベルを所定のレベルに変化させる送信開始指令処理を実行する送信開始指令手段と、前記送信手段によるデータ送信の後に前記データ線を解放し、前記グループ単位制御手段からの返答信号の受信待機状態に移行させる待機手段と、を備え、前記返答信号取込手段は、前記グループ統括制御手段が前記受信待機状態である場合に、前記タイミング信号線の信号レベルを変化させ、該変化のタイミングに対応して前記グループ単位制御手段から返答信号を取り込む処理を実行し、前記グループ単位制御手段は、前記タイミング信号線の信号レベルが変化する回数を計数し、前記返答信号を出力する返答タイミングを決定するために、前記タイミング信号線の信号レベルの変化回数が所定回数に達したか否かを判定する返答タイミング決定手段を備え、前記返答信号出力手段は、前記返答タイミング決定手段によって前記タイミング信号線の信号レベルの変化回数が前記所定回数に達したと判定された場合に、前記グループ統括制御手段の前記待機手段によって解放された前記データ線の信号レベルを変化させることによって、前記返答信号を出力することを特徴とする(1)に記載の遊技機。
【0381】
(3)遊技に関する画像を表示する画像表示装置と、前記演出制御手段からの指令に基づいて、前記画像表示装置の画像を所定周期で更新する制御を行う画像表示制御手段と、前記画像表示制御手段が画像を更新する所定周期と同期する同期信号を発生する同期信号発生手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記同期信号発生手段からの同期信号に基づいて、前記画像表示制御手段に指令を送信する一方で、前記同期信号と同期させて、前記送信手段から前記グループ単位制御手段へデータを送信することを特徴とする(1)に記載の遊技機。
【0382】
(4)前記演出装置は、発光による演出を行う発光型演出装置と、可動物による演出を行う可動型演出装置とを含み、前記グループ単位制御手段は、前記発光型演出装置を制御するグループ単位発光制御手段、及び前記可動型演出装置を制御するグループ単位可動制御手段によって構成され、前記演出制御手段は、前記判定手段によりデータ送信が失敗したと判定された場合に、前記送信手段によってデータを再送させる再送手段と、前記送信手段によってデータが送信されるグループ単位制御手段の順序を決定する送信先順序決定手段と、を備え、前記送信先順序決定手段は、先に前記グループ単位可動制御手段にデータを送信し、後から前記グループ単位発光制御手段にデータを送信するように、順序を決定することを特徴とする(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。
【0383】
(5)前記送信先順序決定手段は、前記グループ単位可動制御手段が制御される頻度が、前記グループ単位発光制御手段が制御される頻度よりも高くなるように、前記順序を決定することを特徴とする(4)に記載の遊技機。
【0384】
(6)前記グループ統括制御手段は、前記データ線の信号レベルに基づいて、データが送信できるか否かを判定するデータ線状態判定手段と、前記データ線状態判定手段によってデータが送信できないと判定された場合に、前記グループ単位制御手段に前記返答信号をさせるべく、前記前記タイミング信号線の信号レベルを少なくとも前記所定回数変化させるタイミング信号線活性化手段と、を備えることを特徴とする(2)に記載の遊技機。
【0385】
(1)に記載の発明によると、グループ統括制御手段はグループ単位制御手段へ一本のデータ線を介してデータが送信され、グループ単位制御手段からグループ統括制御手段へも同じデータ線を介して返答信号が送信されるので、基板間の配線を少なくすることができる。また、グループ単位制御手段からグループ統括制御手段へ返答信号がデータ線を介して送信されるので、データ送信が行われたかを確認できる構成となって、誤作動を防止できる。さらに、グループ統括制御手段からグループ単位制御手段へデータを送信した直後に、グループ単位制御手段からグループ統括制御手段へ返答信号を送信するので、高速なデータ通信が可能となる。
【0386】
(2)に記載の発明によると、タイミング信号線及びデータ線だけを用いて、データの送信開始と送信終了をグループ単位制御手段に通知できるので、余分な線が不要となり、基板間の配線を少なくすることができる。また、グループ単位制御手段は、タイミング信号線の信号レベルの変化回数が所定回数に達した直後にグループ統括制御手段に返答信号を送信するので、返答信号を返すタイミングが決定しやすく、高速なデータ通信が可能となる。
【0387】
(3)に記載の発明によると、画像表示装置の画像更新の周期と同期させて演出装置を制御できるので、演出に調和がとれるようになり、興趣を高めることができる。
【0388】
(4)に記載の発明によると、遊技者の注目度の高い可動型演出装置の動作を、発光型演出装置の動作よりも時間的に正確に作動させることができるようになり、演出装置の動作に違和感が無くなる。
【0389】
(5)に記載の発明によると、遊技者の注目度の高い可動型演出装置の時間制御単位を、発光型演出装置の時間制御単位よりも細分化できるので、違和感の無い演出を実行できる。
【0390】
(6)に記載の発明によると、ノイズ等によってタイミング信号線の変化回数が異常となった場合でも、新たにタイミング信号線を少なくとも所定回数繰り返し変化させることで、グループ単位制御手段に対してデータの送信を終了させることができる。このため、データ送信が完了していないと判断しているグループ単位制御手段の動作が終了するので、グループ単位可動制御手段がデータ線を占有している場合等に、その開放をさせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0391】
以上のように、本発明は、演出制御装置が装飾制御装置を制御する遊技機に適用可能である。
【符号の説明】
【0392】
1 遊技機
2 本体枠(外枠)
3 前面枠
4 ヒンジ
10 遊技盤
11 照明ユニット
17 演出ボタン
18 ガラス枠
34 普図始動ゲート
36 普通変動入賞装置
42 特別変動入賞装置
44 一般入賞口
45 第1始動入賞口
51 センターケース
52 窓部
53 表示装置
55 振動センサ
60 可動役物
500 遊技制御装置
550 演出制御装置
560 役物駆動SOL
561 役物駆動MOT
570 マスタIC
580 払出制御装置
600 中継基板(装飾制御装置)
610 装飾制御装置
620 装飾装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域にて実行される補助遊技の結果に対応して特別遊技状態を発生させるとともに、遊技に係わる演出を行う複数の演出装置を備える遊技機において、
前記複数の演出装置を複数グループに分割し、該分割されたグループに属する演出装置を制御するためのグループ単位制御手段を各グループ毎に設けるとともに、
複数の前記グループ単位制御手段を統括的に制御するグループ統括制御手段と、
前記グループ統括制御手段から前記グループ単位制御手段へタイミング信号を伝達するタイミング信号線と、
前記グループ統括制御手段と前記グループ単位制御手段との間でデータを伝達するデータ線と、を備え、
前記グループ統括制御手段は、
前記データ線の信号レベルを送信データに対応する信号レベルに設定しながら、前記タイミング信号線の信号レベルを繰り返し変化させることによって、前記グループ単位制御手段にデータを順次送信する送信手段と、
前記送信手段によるデータ送信の後に、前記グループ単位制御手段からの返答信号を取り込む返答信号取込手段と、
前記返答信号取込手段によって取り込まれた返答信号によりデータ送信の成否を判定する判定手段と、を備え、
前記グループ単位制御手段は、前記送信手段によって送信された自宛のデータを受信すると、該送信手段によってデータが送信された前記データ線を介して、前記返答信号を前記グループ統括制御手段へ出力する返答信号出力手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記グループ統括制御手段は、
前記送信手段によるデータ送信を開始する場合に送信開始指令処理を実行する送信開始指令手段と、
前記送信手段によるデータ送信の後に前記データ線を解放し、前記グループ単位制御手段からの返答信号の受信待機状態に移行させる待機手段と、を備え、
前記返答信号取込手段は、前記グループ統括制御手段が前記受信待機状態である場合に、前記タイミング信号線の信号レベルを変化させ、該変化のタイミングに対応して前記グループ単位制御手段から返答信号を取り込む処理を実行し、
前記グループ単位制御手段は、前記タイミング信号線の信号レベルが変化する回数を計数し、前記返答信号を出力する返答タイミングを決定するために、前記タイミング信号線の信号レベルの変化回数が所定回数に達したか否かを判定する返答タイミング決定手段を備え、
前記返答信号出力手段は、前記返答タイミング決定手段によって前記タイミング信号線の信号レベルの変化回数が前記所定回数に達したと判定された場合に、前記グループ統括制御手段の前記待機手段によって解放された前記データ線の信号レベルを変化させることによって、前記返答信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記送信開始指令処理は、前記タイミング信号線の信号レベルをハイレベルに維持させた状態で、前記データ線の信号レベルをハイレベルからロウレベルに変化させる処理であることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−259815(P2010−259815A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142506(P2010−142506)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【分割の表示】特願2009−109648(P2009−109648)の分割
【原出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】