説明

遊技機

【課題】 装置コストの低減を図るとともに、立体表示と平面表示を用いた複合表示を行うことができる遊技機を提供する。
【解決手段】 表示面に2次元画像を表示する画像表示装置と、表示面を部分的に被覆し、当該被覆部分の2次元画像を遊技者に立体的に認識させる立体表示ユニットを有し、被覆部分以外の2次元画像を平面的に表示する。立体表示ユニットは、表示面の前方に配置され、表示面からの光を透過するとともに、第2機能膜からの光を反射する特性を有する第1機能膜と、第1機能膜の前方に配置され、第1機能膜を透過した表示面からの光を反射するとともに、第1機能膜で反射した光を透過する特性を有する第2機能膜で構成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン、パチスロ遊技機、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシン、パチスロ遊技機、パチンコ遊技機などの遊技機では、所定の条件が成立した場合に1又は複数の図柄を変動して表示するとともに、抽選等によって遊技結果を決定し、所定時間の経過後、或いは、遊技者の操作に応答して遊技結果に応じた図柄を停止して表示させる図柄表示ゲームが実行される。
【0003】
上記のような図柄表示ゲームは、側面に複数の図柄を配列した1又は複数の円筒体(リール)を回転、停止させることにより行われる場合が多かったことから、リールゲームと呼ばれる場合がある。
【0004】
近年では、装置コストの軽減等のためにリールを省略し、液晶装置を用いて図柄表示ゲームを映像で表示する遊技機や、図柄表示ゲーム用のリールに加え、アニメーションなどの映像を用いた演出を行うための液晶装置を有する遊技機も使用されている。
【0005】
しかし、図柄表示ゲームを映像で表示する遊技機では、液晶装置の画像が2次元的であるために現実のリールの立体感を再現することが難しく、現実のリールでの図柄表示ゲームに慣れた遊技者が違和感を感じるなどでゲームの興趣が減殺される場合があった。また、リール装置と液晶装置の両方を有する遊技機では、液晶装置の追加によりコスト増となる問題があり、筐体サイズの制約から小型の液晶装置を使用せざるを得ないために迫力のある演出を行うことが出来ないなどの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−154664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、下記のいずれか一以上の目的を達成するものである。
【0008】
即ち本発明の目的は、装置コストの低減を図るとともに、立体表示と平面表示を用いた複合表示を行うことができる遊技機を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、装置コストの低減を図るとともに、高い現実感をもって立体的なリールを表示できる遊技機を提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、現実感の高いリールの立体的な表示と、歪みのない見易い状態でのアニメーションなどの映像やゲーム画面などの表示とを単一の表示装置上で行うことが可能な遊技機を提供することにある。
【0011】
本発明の更に他の目的は、従来に無い態様での演出やゲームを行うことができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題を解決したものであり、表示面に2次元画像を表示する画像表示装置と、前記表示面を部分的に被覆し、当該被覆部分の前記2次元画像を遊技者に立体的に認識させる立体表示ユニットを有し、前記被覆部分以外の前記2次元画像を遊技者に平面的に認識させることを特徴とする遊技機(請求項1)である。
【0013】
本発明では、立体表示ユニットにより表示面の2次元画像の一部が立体表示され、それ以外の部分が平面表示されるため、単一の表示装置によって、立体表示装置と平面表示装置の2つの表示装置を用いる場合と同等の表示効果を得ることが可能であり、例えば、立体表示の部分において高い現実感をもってリールによる図柄表示ゲームの画像を表示し、平面表示の部分において遊技情報やアニメーション等を歪みのない見易い大画面で表示するなどが可能である。
【0014】
本発明では、前記立体表示ユニットが、前記表示面の前方に配置された第1機能膜と、前記第1機能膜の前方に配置された第2機能膜とを有し、前記第1機能膜は、前記表示面からの光を透過するとともに、前記第2機能膜からの光を反射する特性を有し、前記第2機能膜は、前記第1機能膜を透過した前記表示面からの光を反射するとともに、前記第1機能膜で反射した光を透過する特性を有し、前記第1機能膜と前記第2機能膜の間隔が、上下部位よりも中央部位の方が小さくなるように前記第1機能膜及び前記第2機能膜の少なくともいずれかが湾曲していること(請求項2)が好ましい。
【0015】
本発明の表示手段では、表示面からの光は、第1機能膜を透過した後に第2機能膜で反射し、更に、第1機能膜で反射した後に第2機能膜から前方側に出射する。即ち、表示面からの光は、第2機能膜から出射するまでに、第1機能膜と第2機能膜の間の距離の3倍の光路を経ることになる。このため、第1機能膜と第2機能膜の間隔が、上下部位よりも中央部位の方が小さくなるように第1機能膜及び第2機能膜の少なくともいずれかを湾曲させた場合、立体表示ユニットの前方にいる人の目には、被覆部分における2次元画像がドラム状に湾曲した立体像として認識されることになる。
【0016】
従って、被覆部分において図柄が移動、停止する画像を表示することで、現実のリール装置を用いた図柄表示ゲームを高い現実感をもって再現することが可能である。
【0017】
本発明の第1機能膜には、表示面からの光を透過するとともに、第2機能膜からの光を反射する特性を有する任意の膜を使用することができ、本発明の第2機能膜には、表示面から第1機能膜を透過した光を反射するとともに、第1機能膜で反射した光を透過する特性を有する任意の膜を使用することができる。
【0018】
例えば、本発明の画像表示装置として液晶表示装置を使用した場合は、第1機能膜としては、液晶表示装置からの直線偏光を楕円偏光に変換して透過し、第2機能膜からの楕円偏光の回転方向を逆転させて反射する偏光膜を使用することが可能であり、第2機能膜としては、第1機能膜からの楕円偏光を反射し、その回転方向を逆転させた楕円偏光は透過する偏光膜を使用することが可能である。
【0019】
本発明では、前記被覆部分の上縁及び下縁の少なくともいずれかの所定幅の部分からの光を遮断する第1遮光帯が前記表示面の前方に配置されていること(請求項3)が好ましい。
【0020】
第1機能膜と第2機能膜の間隔が、上下部位よりも中央部位の方が小さくなるように第1機能膜及び第2機能膜の少なくともいずれかを湾曲させた場合、立体表示ユニットの前方にいる人の目には、1機能膜及び第2機能膜の少なくともいずれかの湾曲により生じる屈折により、表示面における2次元画像が上下方向に圧縮されて見えることになる。
【0021】
そのため、被覆部分よりも上方及び下方の画像が立体表示ユニットにおいて表示されることでその部分の画像が重複して表示される問題を生じる。
【0022】
この発明は、この問題に対処したものであり、被覆部分の上縁及び下縁の少なくともいずれかの所定幅の部分からの光を遮断する第1遮光帯を用いることで被覆部分よりも上方及び下方の画像が立体表示ユニットにおいて表示されることを回避し、重複表示の問題を解消したものである。
【0023】
第1遮光帯は、表示面と第1機能膜の間、第1機能膜と第2機能膜の間、第2機能膜の前方などに配置することができる。
【0024】
第1遮光帯の幅寸法は、立体表示ユニットにより2次元画像が圧縮される寸法と同じにしても良く、或いは、マージンを見てそれよりも幾分大きくしても良い。
【0025】
本発明では、前記被覆部分よりも上方及び下方の少なくともいずれかの前記表示面から前記第2機能膜への光を遮断する第2遮光帯を更に有すること(請求項4)が好ましい。
【0026】
この発明は、請求項3について述べた問題を異なる手段により解決したものである。
【0027】
この発明では、被覆部分よりも上方及び下方の少なくともいずれかの表示面から第2機能膜に向かう光が第2遮光帯により遮断されるため、被覆部分よりも上方及び下方の画像が立体表示ユニットにおいて表示される問題を端的に解決することができる。
【0028】
本発明では、前記立体表示ユニットを前記表示面の面内方向で移動させる移動手段を更に有すること(請求項5)が好ましい。
【0029】
この発明では、立体表示の部分を表示面内で移動させることが可能であるため、従来にない斬新な態様で立体表示と平面表示の複合表示を行うことが可能である。
【0030】
例えば、被覆部分の2次元画像をドラム状に湾曲した曲面上の画像として認識させる立体表示ユニットを使用する場合であれば、被覆部分にリールの画像を表示し、当該リールの画像の表示位置を立体表示ユニットの移動に同期して移動させることにより、遊技状態などに応じてリール装置が遊技機内で移動しているかのような表示を行うことが可能である。
【0031】
本発明では、前記移動手段により前記立体表示ユニットが前記表示面の外側に移動することが可能であること(請求項6)が好ましい。
【0032】
かかる発明では、立体表示ユニットが表示面内にある状態において、立体表示と平面表示を組み合わせた複合表示が可能であるとともに、立体表示ユニットを表示面の外側に移動させることにより、表示面の全体を用いた平面表示を行うことが可能であり、アニメーションやビデオゲーム画面などの映像を見易くかつ迫力のある態様で表示することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の1実施形態に係る遊技機の外観を示す説明図。
【図2】本発明の1実施形態に係る表示装置を示す説明図。
【図3】表示面に表示される例示的な2次元画像及び表示窓から見た表示面の2次元画像を示す説明図。
【図4】本発明の他の実施形態に係る表示装置を示す説明図。
【図5】本発明の更に他の実施形態に係る表示装置を示す説明図。
【図6】本発明の更に他の実施形態に係る表示装置を示す説明図。
【図7】表示窓から見た表示面の2次元画像を示す説明図。
【図8】本発明の1実施形態に係る遊技機におけるハードウェアの概略構成を示す説明図。
【図9】本発明の1実施形態に係る遊技機において実現される機能構成を示す説明図。
【図10】例示的な入賞役データを示す説明図。
【図11】図柄表示ゲームにおける処理の流れを示す説明図。
【図12】格闘ゲームにおける処理の流れを示す説明図。
【図13】特別モード移行処理及び通常モード移行処理の流れを示す説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、カジノやゲームセンター、パチンコ店などに設置される一般にスロットマシンと呼ばれる遊技機1を例として本発明の実施形態を説明する。
【0035】
図1は、本発明に係る遊技機1の外観構成を示す説明図である。
【0036】
この遊技機1は、筐体10の略中央にガラス等の透明な表示窓11が設けられ、当該表示窓11の後方に設置された表示装置30を透視することが可能になっている。表示窓11の表面には、図柄表示ゲームにおける有効ライン11a〜11cの表示が施されている。表示窓11は実施形態に応じてタッチパネル機能を有することができる。
【0037】
表示窓11の下方には、遊技操作を行うための操作パネル20が設けられている。操作パネル20には、遊技媒体を投入するための遊技媒体投入口21、図柄表示ゲームの実行を指示するための複数のスピンボタン22a〜22d及びリスピンボタン23、クレジットされた遊技媒体を精算するための精算ボタン24などが配置されている。スピンボタン22a〜22dは、それぞれ異なるベット数で図柄表示ゲームを実行させるものであり、スピンボタン22a〜22dを操作することで、例えば、「1枚」、「5枚」、「10枚」、「20枚」の遊技媒体をベットした図柄表示ゲームが実行される。リスピンボタン23を操作すると、前回の図柄表示ゲームと同一のベット数で図柄表示ゲームが実行される。
【0038】
上記遊技媒体には、メダルやチップ、硬貨、紙幣、電子マネーなどの任意の媒体を使用することができるが、ここでは、遊技媒体としてメダルが使用されるものとして説明する。
【0039】
筐体10の下方には、メダル払出口12から払い出されたメダルを貯留する貯留箱13が設けられ、筐体10の上部には、演出等のための音響や発光を出力するスピーカー14や発光装置15が設けられている。
【0040】
図2(A)は、表示窓11の後方に設置される表示装置30を示す斜視説明図であり、図2(B)は、表示装置30の仮想平面Sにおける断面図である。
【0041】
図示のように、表示装置30は表示窓11の後方に配置された箱状の部材である。表示装置30は、その正面に、表示窓11よりも1回り小さいサイズの開口32が形成されたフロントパネル31aを有している。フロントパネル31aには、所定の幅寸法の不透明素材でできた上下2つの第1遮光帯33a,33bを有する遮光パネル33が取り付けられている。
【0042】
従って、開口32は、第1遮光帯33a,33bによって第1〜第3開口32a〜32cに分割され、遊技機1の正面の遊技者は、この第1〜第3開口32a〜32cから表示装置30内に配置された液晶モニタ34の画像を見ることになる。
【0043】
表示装置30の内部には、平坦な表示面35において2次元画像を表示させる液晶モニタ34と、表示面35の前面側の全面を覆う第1機能膜36と、第1機能膜36の更に前面側に配置された第2機能膜37が収納されている。
【0044】
第1機能膜36は、表示面35からの光を透過するとともに、第2機能膜37で反射した光を反射する特性を有している。第2機能膜37は、第1機能膜36を透過した光を反射するとともに、第1機能膜36で反射した光を透過する特性を有している。
【0045】
このような特性を有する第1機能膜36としては、液晶モニタ34から出射される直線偏光を第1の回転方向の楕円偏光に変換して透過するとともに、第2機能膜37からの第1の回転方向の楕円偏光を第2の回転方向に逆転させて反射する偏光膜を使用することが可能である。第2機能膜37としては、第1機能膜36からの第1の回転方向の楕円偏光を反射するとともに、第1機能膜36からの第2の回転方向の楕円偏光を透過する特性を有する偏光膜を使用することが可能である。
【0046】
第2機能膜37は、第1遮光帯33a,33bの裏面に取り付けられた把持部材38a,38bにより上下端を所定角度で把持されており、これにより、所定の曲率で凹状に湾曲した状態に保たれている。このため、第2機能膜37の中央部位では上下部位よりも第1機能膜36と第2機能膜37の間隔dが小さくなっている。
【0047】
第1遮光帯33aの上端の高さと第1遮光帯33bの下端の高さで表示面35を第1〜第3領域35a〜35cの3つの領域に分けて考えると、第1、第3領域35a,35cからの光は、第1機能膜36を通過してそのまま第1、第3開口32a,32cから外部に向けて直進する。
【0048】
これに対して、第2領域35bからの光は、第1機能膜36を通過した後に第2機能膜37で反射されて第1機能膜36に戻り、ここで再度反射された後に第2機能膜37を通過する過程を経た後に第2開口32bから外部に出射される。
【0049】
従って、表示面35から開口32までの光路長は、第1、第3領域35a,35cからの光と第2領域35bからの光で相違することになる。すなわち、第1、第3領域35a,35cからの光の光路長は表示面35から開口32までの距離に一致するのに対して、第2領域35bからの光の光路長は、それよりも第1機能膜36と第2機能膜37との間隔dの2倍の距離だけ長くなる。更に、第2領域35bからの光については、第1機能膜36と第2機能膜37との間隔dが高さ方向で変化しているため、高さ方向で光路長が変化することになる。
【0050】
図2(C)は、表示面35に表示された2次元画像の見え方を示す説明図である。
【0051】
人の目には、より長い光路を経た光ほど遠くからの光のように観察される。そのため、表示面35の第1、第3領域35a,35cに表示された2次元画像は、そのまま表示面35の位置で平面的な像として観察されるのに対し、第2領域35bに表示された2次元画像は、表示面35よりも後方において、しかも、前方に凸状(ドラム状)に湾曲した曲面35d上の立体的な像として観察されることになる。また、第2機能膜37が湾曲しているために生じる屈折により、第2領域35bの画像は上下でそれぞれ所定寸法L1,L2だけ圧縮されて観察される。
【0052】
以上のように構成された本実施形態の表示装置30では、第1機能膜36のうちの第2機能膜37により覆われている部分と第2機能膜37が、本発明の立体表示ユニットに該当する。そして、この立体表示ユニットは、立体表示ユニットに覆われた部分の2次元画像(第2領域35bの2次元画像)を遊技機1の前方に位置する遊技者に立体的に認識させる。
【0053】
図3(A)は、表示面35に表示される例示的な2次元画像40を示す説明図である。
【0054】
この例では、2次元画像40が表示面35上の第1、第3領域35a〜35cに対応する(第1、第3領域35a〜35cと同一位置で同一形状、同一面積の)第1〜第3区画41〜43に分割され、それぞれの区画41〜43内で異なる内容の画像が表示されている。
【0055】
すなわち、第1区画41では、メーカー名、ゲーム機名、タイトルロゴなどの情報や装飾の表示41aがなされている。第3区画43は遊技情報の表示部となっており、遊技機1にクレジットされた総メダル数43a、各図柄表示ゲームにおいてベットされたメダル数であるベット数43b、各図柄表示ゲームの遊技結果に従って払い出される払出メダル数43cなどが表示される。表示41aや43a〜43cは文字、数字、装飾などの平面像としての視認が好ましい画像であれば、どのような画像であっても良い。
【0056】
第2区画42には、各図柄表示ゲームにおける遊技結果(入賞役の当否など)を遊技者に告知するためのスロット画像50が表示されている。スロット画像50は、種々の図柄(「7」、「BAR」、「チェリー」、「ベル」などの模様の他、無地も図柄に含まれる)が上下方向に所定間隔で配列された5つの帯画像50a〜50eで構成されており、スピンボタン22a〜22d又はリスピンボタン23への操作があったときに、各帯画像50a〜50e上の図柄が上方から下方に高速でスクロール表示され、所定時間の経過後、抽選などによって遊技機1が決定した遊技結果に従う図柄が各帯画像50a〜50e上で停止表示される。停止表示された状態では、図示のように、各帯画像50a〜50eに3つの図柄が表示される。
【0057】
図3(B)は、表示面に2次元画像40が表示された状態を表示窓11から見た様子を示す説明図である。
【0058】
上記の通り、2次元画像40は、表示面35から開口32までの光路長の差によって、遊技者からは、図2(C)に示す第1、第3領域35a,35c及び曲面35d上に表示されているように観察される。
【0059】
その結果、第1、第3区画41,43の画像は、表示面35と同じ位置に配置された平面像51,53として観察される。従って、文字や数字などの情報や装飾画像、アニメーションなどを平面像51,53として見易い態様で表示することができる。
【0060】
一方、第2区画42のスロット画像50は、表示面35bよりも遠い位置に配置された前方に凸状(ドラム状)に湾曲した曲面35d上の立体的なスロット像52として観察される。
【0061】
スロット像52では、スロット画像50の5つの帯画像50a〜50e上で図柄が上下に高速でスクロール表示されたときに、凸状(ドラム状)に湾曲した5つのリール像52a〜52eが高速回転しているように観察され、各帯画像50a〜50e上で図柄が停止表示される毎に、対応するリール像52a〜52eの回転が停止したように観察される。それ故に、物理的に立体的な形状を有するリールを回転、停止させることにより行われていた図柄表示ゲームと同様の立体感、迫力をもって図柄表示ゲームを楽しむことが可能である。
【0062】
このように、本実施形態では、単一の2次元表示装置である液晶モニタ34を用いて、リール装置と液晶表示装置の両方を備える遊技機と同等の表示効果が実現される。
【0063】
また、第2機能膜37の湾曲により生じる屈折のために、開口32bから観察される表示面35上の2次元画像40は、第2区画42の上部及び下部がそれぞれ所定長さL1,L2だけ圧縮した状態で観察される。従って、遮光帯33a,33bを取り外した場合には、その部分に第2区画42の外側の画像(すなわち、第1、第3区画41,43の画像)が見えることになり、第1区画41の画像の一部が平面像51とスロット像52で重複して表示され、第3区画43の画像の一部が平面像53とスロット像52で重複して表示される不都合を生じる。
【0064】
本実施形態では、表示面35のうちの第2領域35b(立体表示ユニットにより覆われる部分)の上縁及び下縁の幅L1,L2の部分からの光を遮断する第1遮光帯33a、33bが表示面35の前方に配置されているため、上記重複表示の問題が解消されている。
【0065】
図4(A)は、本発明の他の実施形態に係る表示装置30Aを示す説明図であり、図4(B)は、表示装置30Aにおける第2領域35b上端付近を拡大して示す説明図である。
【0066】
表示装置30Aでは、把持部材38aから第2領域35bの上端に向かって不透明な素材でできた第2遮光帯39aが延在し、把持部材38bから第2領域35bの下端に向かって不透明な素材でできた第2遮光帯39bが延在している点を除いて表示装置30と同一の構成を有している。
【0067】
表示装置30Aでは、図4(B)に示すように、第2領域35bから第2機能膜37に向かう光b1は第2遮光帯39aに遮られないために曲面35上の像52として第2開口32bから観察され得るが、第1領域35aから第2機能膜37に向かう光b2は第2遮光帯39aに遮断されて立体表示ユニット内に入射できないため、第2開口32bから観察され得ない。第3領域35cから第2機能膜37に向かう光についても同様である。
【0068】
従って、表示装置30Aでは、第1、第3領域35a,35cの画像がスロット像52において重複表示される問題をより確実に防止することが可能である。
【0069】
図5は、本発明の更に他の実施形態に係る表示装置30Bを示す説明図である。
【0070】
表示装置30Bでは、把持部材38aの下端と第1遮光帯33aの下端を一致させて把持部材38aが第1遮光帯33aに取り付けられ、把持部材38bの上端と第1遮光帯33aの上端を一致させて把持部材38bが第1遮光帯33bに取り付けられている点を除いて表示装置30と同一の構成を有している。
【0071】
表示装置30Bでは、第1、第3区画41,43内の画像はそのまま平面像51,53として観察され、第2区画42の画像は立体表示ユニットの作用で凸状(ドラム状)に湾曲した曲面35d上の立体的なスロット像52として観察されるなど、表示装置30と同一の作用効果を達成する。
【0072】
更に、表示装置30Bでは、把持部材38aの取付位置がL3だけ下方に移動し、把持部材38bの取付位置がL4だけ上方に移動しているため、第2機能膜37の寸法を表示装置30の場合よりもL3+L4だけ小さくすることが可能であり、より低コストで立体表示と平面表示の複合表示を実現することが可能である。
【0073】
図6は、本発明の更に他の実施形態に係る表示装置30Cを示す説明図である。
【0074】
表示装置30Cは、上部パネル31bの一部に開口が設けられるとともに、追加的な部材として、表示装置30Cの左右位置で上下方向に延びる軌道61と、遮光パネル33に取り付けられた軌道61上を走行可能な走行輪62と、遮光パネル33に取り付けられたベルト63の巻き取り、巻き戻しを行うモーターなどで構成される駆動装置64を有する点を除いて表示装置30と同一の構成を有している。
【0075】
表示装置30Cにおいても、第1機能膜36のうちの第2機能膜37により覆われている部分と第2機能膜37が立体表示ユニットとして機能し、この立体表示ユニットは、駆動装置64によってベルト63の巻き取り、巻き戻しを行うことにより、一体となって上下に駆動される(第1機能膜36は移動しないが、第1機能膜36のうちの第2機能膜37により覆われている部分は第2機能膜37の移動とともに相対的に移動する)。
【0076】
表示装置30Cでは、立体表示ユニットが表示面35の中央付近にある第1状態(図6(A))において、表示装置30と同様の平面表示と立体表示の複合表示を行うことが可能である。更に、駆動装置64の駆動によって、第1遮光帯33bの下端が表示面35の上端よりも上方に位置するところまで立体表示ユニットを移動させた第2状態(図6(B))では、表示面35の全面を用いた大画面での迫力のある平面画像の表示を行うことが可能である。
【0077】
なお、第2状態では、第1機能膜36と第2機能膜37の重なり部分が無いため、立体表示ユニットに第1機能膜36は含まれないことになる。
【0078】
図7(A)は、表示装置30を第2状態にして表示面35の全面に例示的な2次元画像である格闘ゲーム画像44を表示させた状態を表示窓11から見た様子を示す説明図である。
【0079】
この例では、格闘ゲーム画像44には、プレイヤキャラクタ45a及び敵キャラクタ45b、ライフゲージ46a,46b、残り時間表示47及び操作ボタン48a〜48dが表示されており、遊技者は操作ボタン48a〜48dを用いてプレイヤキャラクタ45aを操作して敵キャラクタ45bと格闘する格闘ゲームを楽しむことが可能である。
【0080】
また、表示装置30Cを第1状態から第2状態に移行させる途中には、立体表示ユニットの上方への移動に同期して2次元画像40内におけるスロット画像50の位置を上方にスクロールさせることで、図7(B)のように、スロット像52が持ち上がっていき、平面像53を表示する面積が広がっていく様子を演出した移行画面を表示することが可能である。
【0081】
以下、表示装置30Cを備える遊技機1のハードウェア構成、機能構成及び動作態様を説明する。
【0082】
図8は、遊技機1に実装されるハードウェアの概略構成を示すブロック図である。
【0083】
図示のように、遊技機1には、CPU71や記憶装置72、画像処理装置73、入出力ポート74等を搭載した制御基板70が内蔵されている。
【0084】
ここで、CPU71は、遊技機1の制御動作の中枢となって装置全体を統括的に制御する情報処理装置である。
【0085】
記憶装置72は、遊技機1の動作に必要となるプログラムやデータを記録するものであり、記憶装置72は、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等の公知の記憶装置を単独又は組み合わせて構成することができる。
【0086】
画像処理装置73は、画像デコーダ及びフレームバッファを有するGPUやディスプレイコントローラ等から構成される半導体デバイスであり、液晶モニタ34において表示する画像を生成する処理を実行する。即ち、GPUはCPU71からのコマンドに従ってジオメトリ処理やレンダリング処理等の画像生成処理を実行することでフレーム毎の画像をフレームバッファに描画し、これが所定時間毎にディスプレイコントローラにより出力されて画像の表示が行われる。
【0087】
制御基板70には、入出力ポート74を介して各種周辺機器が接続されており、CPU71が記憶装置72に記録される本発明のプログラムに従ってこれら周辺機器との間で信号の授受を行うことにより、遊技機1における遊技動作が実行される。なお、上記本発明のプログラムは、当初から記憶装置72に記録しておくことも可能であるが、ネットワーク上のサーバーからのダウンロードやCD−ROMやDVD−ROM等の記憶媒体からの複製等によって記憶装置72に導入する方式とすることで、遊技や演出等の変更への対応性を高めることが可能である。
【0088】
上記周辺機器には、操作パネル20上の各操作部材への操作やメダルの投入を検出するスイッチ基板75、表示窓11上に貼付され、表示窓11上での指などによるタッチ位置を検出するタッチパネル76、表示装置30Bの第1状態と第2状態を切り替えるための駆動装置64、2次元画像40を表示面35に表示させる液晶モニタ34、筐体10内部に貯留されたメダルを計数して貯留箱41に払い出すホッパー装置77、スピーカー14、発光装置15などが含まれる。
【0089】
図9は、CPU71が記憶装置72に記録されるプログラムを実行することにより遊技機1において実現される機能ブロック80を示す説明図である。
【0090】
図示のように、本実施形態の機能ブロック80には、モード制御部81、図柄表示ゲーム実行部82及び格闘ゲーム実行部87を有している。
【0091】
モード制御部81は、所定の条件が成立した場合に遊技モードの切り替えを行うものであり、駆動装置64の駆動により立体表示ユニットを移動させるユニット移動部81aと、立体表示ユニットの移動中の移行画面を表示させる移行画面表示部81bを有している。
【0092】
本発明では、どのような場合に立体表示ユニットをどの位置に移動させ、立体表示ユニットの位置に応じてどのような内容のゲームを行い、或いは、液晶モニタ34においてどのような表示を行うかなどは任意であるが、本実施形態の遊技機1では、通常モードにおいては表示装置30を図6(A)の第1状態として図柄表示ゲーム実行部82による図柄表示ゲームが反復して実行され、図柄表示ゲームにおいて「7役」などの特定の入賞役が成立した場合には、遊技モードが特別モードに移行し、表示装置30を図6(B)の第2状態として格闘ゲーム実行部87による格闘ゲームが実行されるようになっている。
【0093】
図柄表示ゲーム実行部82は、通常モードにおいて図柄表示ゲームを反復して実行するものであり、メダル管理部83、遊技結果決定部84、第1画像生成部85、入賞役判定部86を備えている。
【0094】
メダル管理部83は、遊技機1にクレジットされた総メダル数CR及び各図柄表示ゲームにおけるベット数BNを管理するものであり、遊技媒体投入口21からメダルが投入された場合、及び、入賞役判定部86又は勝敗判定部94により払出メダル数POが特定された場合には、投入されたメダル数又は払出メダル数POに応じてクレジットCRを増加させ、スピンボタン22a〜22dへの操作があった場合には、操作されたボタン22a〜22dに対応付けられた数値をベット数BNとして特定し、リスピンボタン23への操作があった場合には、直前の図柄表示ゲームと同じベット数BNを特定し、特定されたベット数BNだけ総メダル数CRを減少させる。
【0095】
遊技結果決定部84は、乱数発生部84a及び抽選テーブル84bを有しており、スピンボタン22a〜22d又はリスピンボタン23への操作がある毎に図柄表示ゲームにおける遊技結果を決定する処理を実行する。
【0096】
本発明において、遊技結果の種類や決定のタイミング、条件、方法等は任意であるが、本実施形態の遊技結果決定部84は、スピンボタン22a〜22d又はリスピンボタン23への操作のタイミングで抽選により、遊技結果として予め定められた複数種類の入賞役の成否を決定するものとされている。
【0097】
具体的には、所定範囲(例えば、0〜999)の数値と入賞役の関係を規定した入賞役データが抽選テーブル84bに規定されており、スピンボタン22a〜22d又はリスピンボタン23の操作の時点で乱数発生部84aが上記範囲の乱数を発生させ、この乱数を抽選テーブル84bに照らし合わせることにより遊技結果が決定される。
【0098】
図10は、抽選テーブル84bに規定される例示的な入賞役データを示す説明図である。
【0099】
図示の抽選テーブル84bでは、「1〜3」、「4〜9」、「10〜99」及び「100〜199」の範囲の数値には、それぞれ「7役」、「BAR役」、「ベル役」、「チェリー役」が割り当てられており、乱数発生部84aが発生させた乱数がこれらの範囲の数値である場合には、それぞれに割り当てられた入賞役が遊技結果として決定される。乱数発生部84aが発生させた乱数が上記以外の数値の場合は、遊技結果としてハズレが決定される。なお、上記各入賞役にはそれぞれ対応する図柄(又は図柄の配列/組み合わせ)及び払出メダル数POが規定されており、図10では各入賞役についての払出メダル数POが併せて示されている。
【0100】
第1画像生成部85は、図3(A)に例示した2次元画像40の画像データを生成する処理を実行する。
【0101】
具体的には、第1区画41においてはタイトルロゴ等を表示させ、第3区画においてはメダル管理部83が管理する総メダル数CR、ベット数BN及び入賞役判定部86が特定する払出メダル数POを随時それぞれの表示部位43a〜43cに表示させる。
【0102】
更に、第2区画42においてはスロット画像50を表示させ、スピンボタン22a〜22d又はリスピンボタン23への操作があった場合には、各帯画像50a〜50e上で図柄のスクロール表示を実行し、所定時間の経過後、遊技結果決定部84が決定した遊技結果に応じた図柄を停止表示させる。
【0103】
入賞役判定部86は、第1画像生成部85が停止表示させた図柄に基づいて入賞役の成否を判定し、成立の場合は成立した入賞役について規定された払出メダル数POを抽選テーブル84bのデータに基づいて特定する。例えば、有効ライン11a〜11c上に「7」の図柄が5つ並んだ場合には、「7役」の成立が判定されて500枚の払出メダル数POが、「BAR」の図柄が5つ並んだ場合には、「BAR役」の成立が判定されて200枚の払出メダル数POが特定される。
【0104】
格闘ゲーム実行部87は、遊技モードが特別モードに切り替えられた場合に格闘ゲームを実行するものであり、PC制御部88、EC制御部89、ダメージ判定部90、ライフ管理部91、時間管理部92、第2画像生成部93及び勝敗判定部94を備えている。
【0105】
PC制御部88は、タッチパネル76へのタッチ操作に従ってプレイヤキャラクタ45aのゲーム空間内での時々刻々の位置及び姿勢を導出するものであり、格闘ゲーム画像44の左右ボタン48a、48bがタッチされた場合にはゲーム空間内でプレイヤキャラクタを左右に移動させ、パンチボタン48c、キックボタン48dがタッチされた場合にはプレイヤキャラクタ45aに敵キャラクタ45bに対するパンチ、キックの動作を行わせる。
【0106】
EC制御部89は、予め定められたアルゴリズムに従って敵キャラクタ45bのゲーム空間内での時々刻々の位置及び姿勢を制御するものであり、プレイヤキャラクタ45aの位置及び姿勢に応じてプレイヤキャラクタ45aに対する接近動作や攻撃動作を行わせる。
【0107】
ダメージ判定部90は、敵キャラクタ45bの攻撃動作によりプレイヤキャラクタ45aが受けたダメージ値PD及びプレイヤキャラクタ45aの攻撃動作により敵キャラクタ45bが受けたダメージ値EDを導出する処理を実行する。
【0108】
ダメージ値PD,EDをどのような方法で導出するかは任意であるが、例えば、一方のキャラクタの手や足が他方のキャラクタの胴部や頭部に当たった場合に、当たった部位や当たったときの手や足の角度などに基づいてダメージ値PD,EDを導出することが考えられる。
【0109】
ライフ管理部91は、プレイヤキャラクタ45a及び敵キャラクタ45bのライフ値PL,ELの管理を行うものである。
【0110】
ライフ値PL,ELをどのような方法で管理するかは任意であるが、本実施形態では、プレイヤキャラクタ45a及び敵キャラクタ45bにそれぞれ初期ライフ値IPL,IELが設定されており、ダメージ判定部90がダメージ値PD,EDを導出する毎に、対応するキャラクタのライフ値PL,ELからダメージ値PD,EDを減算する処理が実行される。
【0111】
時間管理部92は、予め定められたゲーム時間GTから格闘ゲーム開始からの経過時間を減算することで残り時間RTの管理を行うものである。
【0112】
第2画像生成部93は、PC制御部88、EC制御部89、ライフ管理部91及び時間管理部92からの情報に基づいて、図7(A)に例示した格闘ゲーム画像44の画像を生成する処理を実行する。
【0113】
具体的には、所定時間毎にPC制御部88及びEC制御部89が導出した位置及び姿勢データに従ってプレイヤキャラクタ45a及び敵キャラクタ45bのためのオブジェクトが配置された仮想モデルを画像化し、これにライフ値PL,EL及び残り時間RTを表すライフゲージ46a,46b及び残り時間表示47を上書きした画像を出力することにより格闘ゲーム画像44が生成される。
【0114】
勝敗判定部94は、残り時間RT及びライフ値PL,ELに基づいて格闘ゲームにおける勝敗の判定を行うとともに、判定の結果やゲームの内容に基づいて払出メダル数POを特定する。
【0115】
本発明において格闘ゲームの勝敗判定を行うか否かやどのような方法で判定するか、或いは、判定に応じてメダルの払い出しを行うか否かなどは任意であるが、本実施形態の勝敗判定部94は、残り時間RTがゼロとなるまでの間にライフ値PLがゼロとなった場合には敗北を判定し、ライフ値ELがゼロとなった場合には勝利を判定し、ライフ値PL,ELがゼロとならないまま残り時間RTがゼロとなった場合には引き分けを判定する。
【0116】
払出メダル数POは、判定の結果が勝利であった場合には500枚、敗北の場合は0枚、のように既定の枚数としても良いし、残り時間RTやライフ値PL,ELなどから数式等を用いて払出枚数POを算出する方式としても良い。
【0117】
図11は、本実施形態の遊技機1において実行される図柄表示ゲームにおける処理の流れを示す説明図である。
【0118】
図示のように、図柄表示ゲームでは、ステップS1においてベット数BN及び払出メダル数POの初期化が行われた後にステップS2において遊技媒体投入口21へのメダル投入が検査され、投入があった場合(Yes)にはステップS3において総メダル数CRが更新された後に処理はステップS2に戻される。
【0119】
ステップS2においてメダル投入が検出されなかった場合には、ステップS4においてスピンボタン22a〜22d又はリスピンボタン23への操作の有無が検査され、操作が検出されなかった場合(No)は、処理はステップS2に戻される。
【0120】
ステップS4において上記操作が検出された場合(Yes)には、図柄表示ゲームの開始となり、処理はステップS5に移行する。
【0121】
ステップS5では、ステップS4において操作されたボタンに応じてメダル管理部83がベット数BNの設定及び総メダル数CRの更新を行う。具体的には、スピンボタン22a〜22dの操作であった場合には、ベット数BNはそれぞれ「1枚」、「5枚」、「10枚」、「20枚」に設定され、リスピンボタン23の操作であった場合は、前回の図柄表示ゲームでのベット数PBNがベット数BNに設定され、設定されたベット数BNだけ総メダル数CRは減算される。
【0122】
ステップS6では、第1画像生成部85が各帯画像50a〜50eにおける図柄のスクロール表示を実行する。これにより、遊技者は、立体的なリール像52a〜52eが回転して図柄の変動表示が行われている様子を高い現実感をもって楽しむことができる。
【0123】
ステップS7では、遊技結果決定部84が遊技結果を決定し、同時に、第1画像生成部は、決定された遊技結果に整合するように、各帯画像50a〜50e上で停止表示させる図柄を決定する。
【0124】
その後、ステップS8において所定時間の待機が行われた後に、ステップS9では第1画像生成部85がステップS6で決定した図柄を順次帯画像50a〜50eで停止表示させる。これにより、遊技者は、立体的なリール像52a〜52eが順次停止していく様子を高い現実感をもって楽しむことができる。
【0125】
続くステップS10では、ステップS9で停止表示させた図柄(又は図柄の配列/組み合わせ)に基づいて入賞役判定部86が入賞役の成否判定を実行する。
【0126】
そして、いずれかの入賞役が成立している場合(Yes)には、処理はステップS11に移行し、メダル管理部83が成立した入賞役について規定された払出メダル数POとベット数BNを乗算した値をクレジットCRに加算する処理を実行する。
【0127】
更に、ステップS12では、成立した入賞役が特別役であるか否かが判定され、特別役である場合(Yes)には、遊技モードを特別モードに移行させるべく特別モード移行処理が実行される。
【0128】
入賞役の成立が判定されなかった場合(ステップS10:No)、及び、成立した入賞役が特別役でなかった場合(ステップS12:No)には、前回ベット数PBNがセットされた後に、次回の図柄表示ゲームを実行するべく処理はステップS1に戻される。
【0129】
図12は、本実施形態の遊技機1において実行される格闘ゲームにおいて実行される処理の流れを示す説明図である。
【0130】
図示のように、格闘ゲームでは、ステップS21においてゲーム変数の初期化が行われ、ステップS22では、タッチパネル76へのタッチ操作が検査される。
【0131】
続くステップS23では、PC制御部88及びEC制御部89が動作し、当該タッチパネル76への操作及び所定のアルゴリズムに従って、プレイヤキャラクタ45a及び敵キャラクタ45bのゲーム空間内での位置及び/又は姿勢が制御される。
【0132】
そして、ステップS24では、ダメージ判定部90が両キャラクタのダメージ値PD,EDを導出する処理を行い、ステップS25では、ライフ管理部91が当該ダメージ値PD,EDに基づいてライフ値PL,ELを更新する処理を実行し、ステップS26では、時間管理部92において管理される残り時間RTが調べられ、これがゼロとなった場合(Yes)には引き分けが判定されて格闘ゲームは終了となる。
【0133】
残り時間RTがゼロでない場合(ステップS26:No)には、ステップS27において勝敗判定部94が勝敗判定を実行する。即ち、ライフ値PLがゼロであれば敗北が判定され、ライフ値ELがゼロであれば勝利が判定される。
【0134】
そして、ステップS27において勝利の判定がなされた場合には、ステップS28において勝敗判定部94が特定した払出メダル数POに直前の図柄変動ゲームでのベット数BNを乗算した値がクレジットCRに加算されて格闘ゲームは終了となり、ステップS27において敗北が判定された場合にはステップS28が実行されることなく格闘ゲームは終了となる。
【0135】
格闘ゲームが終了した場合、遊技モードを通常モードに移行させるべく、通常モード移行処理が実行される。
【0136】
ステップS27においてライフ値PL,ELがともにゼロでない場合には、ゲームの継続が判定され、ステップS29において残り時間RTから所定の割込時間Tsを減算する処理が実行され、ステップS30においてCPUが発生させる割込信号の受信を待って処理はステップS22に移行する。
【0137】
図13(A)、(B)は、それぞれ、特別モード移行処理及び通常モード移行処理の流れを示す説明図である。
【0138】
特別モード移行処理では、ステップS41において、ユニット移動部81aが動作し、駆動装置64の駆動によって第1遮光帯33bの下端が表示面35の上端よりも上方に位置するところまで立体表示ユニットを上昇させ、これにより表示装置30Cを図6(B)に示す第2状態に移行させる。これと平行してステップS42では、移行画面表示部81bが動作し、立体表示ユニットの移動に同期して2次元画像40内におけるスロット画像50の位置を上方にスクロールさせることで図7(B)に例示される移行画像を表示する。
【0139】
これらの処理の完了後、格闘ゲームを実行するべく処理はステップS21に移行する。
【0140】
通常モード移行処理では、ステップS51において、ユニット移動部81aが動作し、駆動装置64の駆動でベルト63を巻き戻すことで立体表示ユニットを表示面35の中央付近まで下降させ、これにより表示装置30Cを図6(A)に示す第1状態に移行させる。これと平行してステップS52では、移行画面表示部81bが動作し、通常モードへの移行を告知するための移行画像を表示面35に表示させる処理が実行される。移行画像の内容は任意であるが、例えば、ステップS42と逆モーションの画像とすることで、スロット像52が上方から下降してくる様子を演出することが可能である。
【0141】
これらの処理の完了後、図柄表示ゲームを実行するべく処理はステップS1に移行する。
【0142】
本実施形態の遊技機1では、表示装置30Cが第1状態のときは、立体的なスロット像52によって現実のリールが使用されているかのような高い現実感をもって図柄表示ゲームを楽しむことができ、同時に、文字、数字等の情報やアニメーションを視認性に優れる平面像51,53で表示することが可能である。更に、表示装置30Cを第2状態とすることで、表示面35の全面を用いた大画面で迫力のある画像を視認性に優れる平面像で表示することが可能であり、また、画像が平坦であるために、タッチパネル方式で画像上で表示されるボタンを操作するようにした場合の操作性を高めることも可能である。
【0143】
以上、例示的な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態により限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々の変更、改変を行うことが可能である。
【0144】
例えば、上記実施形態では、表示面35の全面が第1機能膜36で覆われる場合を示したが、第2領域35bの部分のみに第1機能膜36を配置しても構わない、この場合、表示装置30Cにおいては、第1機能膜36と第2機能膜37が一体となって移動するようにすることが必要である。
【0145】
また、上記実施形態では、第2機能膜37を凹状に湾曲させた場合を示したが、第1機能膜を凸状に湾曲させることでも同様の効果を達成可能であり、両方の機能膜36,37を湾曲させても同様の効果は達成可能である。
【0146】
また、上記実施形態では、画像表示装置として液晶モニタを使用した場合について説明したが、ブラウン管、プラズマ、有機ELディスプレイなどの他の方式の画像表示装置を使用することが可能である。ただし、上記実施形態における第1、第2機能膜36,37を用いた立体表示ユニットとの組み合わせで使用する場合には、表示面35と第1機能膜36の間に表示面35から第1機能膜36への非偏光を直線偏光に変更するための偏光板を追加的に配置することが必要である。
【0147】
また、表示装置30Cを使用する実施形態において、立体表示ユニットが表示面の中央付近にある第1状態と、立体表示ユニットが表示面の外側にある第2状態の間で移行する場合を例として説明したが、立体表示ユニットを表示面内における第1状態とは異なる位置(例えば、上端位置や下端位置)に移動させた第3状態への移行を可能とし、遊技状態やゲーム内容に応じて、第1状態と第3状態の間での移行、或いは、第2状態と第3状態の間での移行を行うよう構成するなども可能である。
【0148】
また、上記実施形態では、凸状に湾曲した立体像が観察される立体表示ユニットを使用した場合を例として示したが、他の形状の立体像が観察される立体表示ユニットを使用することも可能であり、立体像の形状に応じた種々のゲームを行う遊技機を実現することが可能である。
【0149】
その他、上記実施形態における遊技機又はこれを構成する部材の形状、寸法、材質、機能構成、動作態様、制御態様、遊技機の制御に使用するパラメータの種類、算出方法、画像やゲームの内容等は単なる例として記載したものであり、これらは特許請求の範囲の記載内において任意に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0150】
1・・・遊技機、10・・・筐体、11・・・表示窓、11a〜11c・・・有効ライン、12・・・メダル払出口、13・・・貯留箱、14・・・スピーカー、15・・・発光装置、20・・・操作パネル、21・・・遊技媒体投入口、22a〜22d・・・スピンボタン、23・・・リスピンボタン、24・・・精算ボタン、30,30A〜30C・・・表示装置、31a・・・フロントパネル、31b・・・上部パネル、32・・・開口、33・・・遮光パネル、33a,33b・・・第1遮光帯、34・・・液晶モニタ、35・・・表示面、36・・・第1機能膜、37・・・第2機能膜、38a,38b・・・把持部材、39a,39b・・・第2遮光帯、40・・・2次元画像、44・・・格闘ゲーム画像、45a・・・プレイヤキャラクタ、45b・・・敵キャラクタ、46a,46b・・・ライフゲージ、47・・・残り時間表示、48a〜48d・・・操作ボタン、50・・・スロット画像、50a〜50e・・・帯画像、51,53・・・平面像、52・・・スロット像、52a〜52e・・・リール像、61・・・軌道、62・・・走行輪、63・・・ベルト、64・・・駆動装置、70・・・制御基板、71・・・CPU、72・・・記憶装置、73・・・画像処理装置、74・・・入出力ポート、75・・・スイッチ基板、76・・・タッチパネル、77・・・ホッパー装置、80・・・機能ブロック、81・・・モード制御部、81a・・・ユニット移動部、81b・・・移行画面表示部、82・・・図柄表示ゲーム実行部、83・・・メダル管理部、84・・・遊技結果決定部、85・・・第1画像生成部、86・・・入賞役判定部、87・・・格闘ゲーム実行部、88・・・PC制御部、89・・・EC制御部、90・・・ダメージ判定部、91・・・ライフ管理部、92・・・時間管理部、93・・・第2画像生成部、94・・・勝敗判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面に2次元画像を表示する画像表示装置と、
前記表示面を部分的に被覆し、当該被覆部分の前記2次元画像を遊技者に立体的に認識させる立体表示ユニットを有し、
前記被覆部分以外の前記2次元画像を遊技者に平面的に認識させることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記立体表示ユニットが、
前記表示面の前方に配置された第1機能膜と、
前記第1機能膜の前方に配置された第2機能膜とを有し、
前記第1機能膜は、前記表示面からの光を透過するとともに、前記第2機能膜からの光を反射する特性を有し、
前記第2機能膜は、前記第1機能膜を透過した前記表示面からの光を反射するとともに、前記第1機能膜で反射した光を透過する特性を有し、
前記第1機能膜と前記第2機能膜の間隔が、上下部位よりも中央部位の方が小さくなるように前記第1機能膜及び前記第2機能膜の少なくともいずれかが湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記被覆部分の上縁及び下縁の少なくともいずれかの所定幅の部分からの光を遮断する第1遮光帯が前記表示面の前方に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記被覆部分よりも上方及び下方の少なくともいずれかの前記表示面から前記第2機能膜への光を遮断する第2遮光帯を更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記立体表示ユニットを前記表示面の面内方向で移動させる移動手段を更に有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記移動手段により前記立体表示ユニットが前記表示面の外側に移動することが可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−136057(P2011−136057A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298363(P2009−298363)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】