遊技機
【課題】遊技盤とパネル部との位置関係を好適に維持することができる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機10は遊技盤80を樹脂ベース70に搭載してなる内枠13を備えている。樹脂ベース70には、内枠13をパチンコ機10の前方から覆うとともに同樹脂ベース70に対して開閉可能な前面扉14が取り付けられており、同前面扉14は施錠装置500によって閉じた状態で施錠されている。前面扉14はガラスユニット30を有している。ガラスユニット30及び遊技盤80には、それら両者の隙間の拡がりを規制する第2規制機構が設けられている。第2規制機構は、施錠装置500に設けられた可動式の前扉用鉤部材550が解錠操作に伴って施錠解除位置に移動することにより、同前扉用鉤部材550に連動して、上記隙間の拡がりを規制する規制状態から同隙間の拡がりを許容する規制解除状態に切り替る。
【解決手段】パチンコ機10は遊技盤80を樹脂ベース70に搭載してなる内枠13を備えている。樹脂ベース70には、内枠13をパチンコ機10の前方から覆うとともに同樹脂ベース70に対して開閉可能な前面扉14が取り付けられており、同前面扉14は施錠装置500によって閉じた状態で施錠されている。前面扉14はガラスユニット30を有している。ガラスユニット30及び遊技盤80には、それら両者の隙間の拡がりを規制する第2規制機構が設けられている。第2規制機構は、施錠装置500に設けられた可動式の前扉用鉤部材550が解錠操作に伴って施錠解除位置に移動することにより、同前扉用鉤部材550に連動して、上記隙間の拡がりを規制する規制状態から同隙間の拡がりを許容する規制解除状態に切り替る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機には、遊技盤を本体枠に搭載してなる遊技機本体と、その遊技機本体に取り付けられているとともに同遊技機本体を前面側から覆う扉体とを備えているものがある。扉体は、遊技盤の前方に開口部が形成された扉枠と、同扉枠とは別体で形成され、その開口部を覆うパネル部とを有している。パネル部は、遊技盤の前面に対向するようにして配置されており、それら遊技盤とパネル部との間に形成された遊技領域が同パネル部を通して視認可能となっている。遊技盤とパネル部との隙間は、例えば遊技球の直径寸法よりも若干大きく設定されており、上記遊技領域での遊技球の流下が担保されている。
【0003】
遊技領域には入賞口や入賞装置等の各種構成が設けられている。遊技者により遊技球発射ハンドルが操作されると遊技球が遊技領域に向けて発射され、それら遊技球が入賞口や入賞装置等に入賞した場合には予め設定された個数の遊技球が払い出される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−104468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の如く遊技盤とパネル部との間に遊技領域が形成されているタイプの遊技機においては、遊技領域内での遊技球の挙動によって有利不利が決定されるため、それら遊技盤とパネル部との位置関係がばらついたり変化したりすることは好ましくない。
【0006】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技盤とパネル部との位置関係を好適に維持することができる遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
【0008】
請求項1記載の発明は、遊技球が流下する遊技領域が前面側に形成された遊技盤を、本体枠に搭載してなる遊技機本体と、前記遊技盤を遊技機前方から覆うとともに前記遊技領域が視認可能となるように形成されたパネル部を、前記遊技機本体の前方に配されているとともに同遊技機本体に対して開閉可能に設けられた扉枠に搭載してなる扉体と、前記扉体を前記遊技機本体に対して閉じた状態で施錠する施錠状態及び施錠しない施錠解除状態に切替可能な施錠装置と、前記遊技盤及び前記パネル部に設けられているとともに、前記遊技盤と前記パネル部との隙間の変化を規制する規制状態及び規制を解除する規制解除状態に切替可能に構成され、前記扉体が前記遊技機本体に対して閉じることにより前記規制状態となる規制手段と、前記施錠装置の前記施錠解除状態への切り替えに基づいて、前記規制手段を前記規制解除状態に切り替える切替手段とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
遊技盤とパネル部との位置関係を好適に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【図3】前扉枠の構成を示す背面図である。
【図4】前扉枠の構成を示す分解斜視図である。
【図5】内枠の構成を示す正面図である。
【図6】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図7】内枠の構成を示す背面図である。
【図8】遊技盤の背面構成を示す斜視図である。
【図9】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図10】裏パックユニットの構成を示す正面図である。
【図11】内枠から遊技盤を取り外した状態を示す正面斜視図である。
【図12】図5のA−A線部分断面図である。
【図13】開放された前扉枠と遊技盤及び挿入部との位置関係を示す概略図である。
【図14】図6の部分拡大図である。
【図15】第2レールカバーの正面斜視図である。
【図16】第2レールカバーとガラスユニットとの位置関係を示す概略図である。
【図17】図5のB−B線部分断面図である。
【図18】前面扉開閉時の遊技盤とガラスユニットとの位置関係を示す概略図である。
【図19】内枠から遊技盤を取り外した状態を示す斜視図である。
【図20】施錠装置を内枠から取り外した状態を示す斜視図である。
【図21】施錠装置を後方から見た斜視図である。
【図22】施錠装置を主要構成部品毎に分解して示す分解斜視図である。
【図23】両鉤部材の位置関係を示す概略図である。
【図24】操作キーKを時計回りに回動操作した状態を示す概略図である。
【図25】操作キーKを反時計回りに回動操作した状態を示す概略図である。
【図26】第2規制機構を遊技機側方から見た概略図である。
【図27】図27のC−C線部分断面図である。
【図28】前面扉を閉じる際の第2規制機構の動作を示す動作説明図である。
【図29】前面扉を開く際の第2規制機構の動作を示す動作説明図である。
【図30】ガラスユニットの取付構造を示す部分断面図である。
【図31】遊技盤とガラスユニットとの位置関係を示す概略図である。
【図32】遊技盤とガラスユニットとの位置関係を示す概略図である。
【図33】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0012】
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
【0013】
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場の島設備に設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
【0014】
この外枠11によって遊技機主部12が開閉可能な状態で支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
【0015】
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前面扉14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15(図3参照)とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
【0016】
内枠13には、図2に示すように、前面扉14が回動可能に支持されており、パチンコ機10の正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、パチンコ機10の正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
【0017】
次に、前面扉14について説明する。なお、以下の説明では、図1及び図2を参照するとともに、前面扉14の背面の構成については図3及び図4を参照する。図3は前面扉14の背面図、図4は前面扉14の分解斜視図である。
【0018】
図2に示すように、前面扉14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面側のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット30によって同前面扉14の背面側から覆われている(図3参照)。
【0019】
図4に示すように、枠体20には窓部21を囲むようにしてガラスユニット設置部22が形成されている。詳しくは、ガラスユニット設置部22は、枠体20の背面側に配されているとともにパチンコ機10の前方に向けて凹んでおり、その底部に上記窓部21が配設されている。ガラスユニット30は、ガラスユニット設置部22に嵌まることで上下方向及び左右方向への変位が規制されている。
【0020】
ガラスユニット30は、透明性を有するガラスパネル31,32と、それらガラスパネル31,32を保持するガラスホルダ33とを備えている。ガラスホルダ33は、窓部21に沿って形成された環状の枠部34を有しており、同枠部34によって囲まれた領域にガラスパネル31,32が収容されている。
【0021】
枠部34には、ガラスパネル31,32を収容している側とは反対側に突出するようにして枠体20に対する取付部35が複数形成されている。取付部35は枠部34の4隅に配設されており、これら取付部35が枠体20にネジ止めされることで、ガラスユニット30と枠体20とが一体化されている。なお、ガラスユニット30の取付構造に関しては後に詳しく説明する。
【0022】
また、枠部34には、上記囲まれた領域を前後に仕切る仕切り部36が形成されている。仕切り部36は、枠部34の中央側へ起立しており、当該枠部34の周方向に延びる突条をなしている。つまり、仕切り部36によってガラスパネル31,32を収容する収容部37,38が区画されている。
【0023】
各ガラスパネル31,32は、収容部37,38に収容され仕切り部36を挟んで相対向した状態で、同仕切り部36に対して接着されている。これにより、ガラスパネル31,32の間に所定の隙間が確保され、ガラスパネル31,32同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル31,32によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
【0024】
再び図1を参照して説明すれば、窓部21の周囲には各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、窓部21の左右両側には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、中央のエラー表示ランプ部24に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
【0025】
前面扉14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部27と下側膨出部28とが上下に並設されている。上側膨出部27内側には上方に開口した上皿27aが設けられており、下側膨出部28内側には同じく上方に開口した下皿28aが設けられている。上皿27aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導く機能を有している。また、下皿28aは、上皿27a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
【0026】
下側膨出部28並びとなる位置には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル29が設けられている。遊技球発射ハンドル29が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
【0027】
前面扉14の背面には、図2及び図3に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿27aに通じる前扉側上皿通路51と、下皿28aに通じる前扉側下皿通路52とが形成されてなる。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿27aに導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿28aに導かれる。
【0028】
次に、図5に基づき内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においては、図2と同様にパチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0029】
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。また、前面扉14の背面における回動基端側(図3の右側)には、それら支持金具71,72に対応させて突起軸61,62が設けられている。図示は省略するが、支持金具71,72には軸孔が形成されており、それら軸孔に前面扉14の突起軸61,62が挿入されることにより、内枠13に対して前面扉14が回動可能に支持されている。つまり、これら支持金具71,72及び突起軸61,62は内枠13に対する組付機構を構成している。また、前面扉14(詳しくは枠体20)の背面における回動先端側(図3の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤受け部材63が上下方向に複数並設されている。これら鉤受け部材63は内枠13に対する施錠機構を構成する。なお、本実施の形態においては、前面扉14を内枠13に対して開放不能な状態で施錠する上記施錠機構と、遊技機主部12を外枠11に対して開放不能な状態で施錠する施錠機構とが1の施錠装置によって具現化されており、後述する操作手段を操作することで、前面扉14及び遊技機主部12(内枠13)を個別に解錠可能となっているが、同施錠装置に関しての詳細な説明は後述する。
【0030】
樹脂ベース70前面の略中央部分には、遊技盤80を収容する遊技盤収容部73が形成されている。遊技盤収容部73は、パチンコ機10の後方に凹み、遊技盤80を収容する収容空間を区画しており、樹脂ベース70に取り付けられた遊技盤80がその収容空間に嵌まった状態となっている。本実施の形態においては特に、遊技盤80が樹脂ベース70に対して着脱可能に取り付けられており、メンテナンス作業等の容易化が図られている。
【0031】
遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が遊技盤収容部73の開放部分を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスパネル32によって覆われている。ガラスパネル32は、遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80は木製に限定されるのものではなく、例えば合成樹脂材製とすることも可能である。
【0032】
以下、図6に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤80の正面図である。
【0033】
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84及び可変表示ユニット85等がそれぞれ設けられている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口86が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口86を通って遊技領域PEから排出される。
【0034】
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘87が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘87や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確立で発生するように調整されている。
【0035】
可変入賞装置82は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置82の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、同可変入賞装置82の開放が複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返されるように設定されている。
【0036】
可変表示ユニット85は遊技盤80の中央上寄りに配置されており、その下方に作動口83a,83bが配置されている。より詳しくは、作動口83a,83bは、作動口83aを上側、作動口83bを下側として上下に並設されている。可変表示ユニット85及び作動口83a,83bは、遊技性を司る部位であり遊技者の注意が集まりやすい。それら可変表示ユニット85及び作動口83a,83bを遊技機中央において上下に並べて配置することで両者間での視線の移動量を抑え、遊技者の目に生じる負担の低減に貢献している。
【0037】
可変表示ユニット85は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置94を備えている。図柄表示装置94は、液晶ディスプレイ(表示画面94a)を備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御されている。具体的には、表示画面94aにおいては、上段,中段及び下段に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示される。そして、大当たり発生時には、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示され、特別遊技状態へと移行される。なお、表示画面94aにおける表示態様を以下のように変更してもよい。すなわち、左,中及び右に並べて図柄を表示し、それら図柄を上下スクロールさせるようにして変動表示させてもよい。
【0038】
また、可変表示ユニット85は、図柄表示装置94を囲むようにして形成されたセンターフレーム95を備えている。センターフレーム95の上部には、第1特定ランプ部96及び第2特定ランプ部97が設けられている。また、センターフレーム95の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部98,99が設けられている。下側の保留ランプ部98は、図柄表示装置94及び第1特定ランプ部96に対応しており、遊技球が作動口83を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部98の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部99は、第2特定ランプ部97に対応しており、遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部99の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0039】
再び図5を用いて説明すれば、樹脂ベース70における遊技盤収容部73(遊技盤80)の下方には、遊技球発射ハンドル29の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース70に対してネジ止めされることで内枠13に対して一体化されている。
【0040】
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパ115が配されている。球ストッパ115よりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
【0041】
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
【0042】
誘導レール100は、後述する遊技領域区画部材と共に遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
【0043】
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
【0044】
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
【0045】
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路55が配設されている。ファール球通路55は前面扉14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路55内に入ることとなる。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1に示した下皿28aに排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
【0046】
ここで、誘導レール100と共に遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材480について、同誘導レール100との関係を踏まえて説明する。
【0047】
図6に示すように、遊技盤80の誘導レール100は遊技盤80の回動先端側に開放された弧状をなしている。遊技盤80の前面には、その開放部位を塞ぎ誘導レール100と共に遊技領域PEを区画するブロック状の上記遊技領域区画部材480が設けられている。言い換えれば、誘導レール100と遊技領域区画部材480とは、前者が遊技盤80の回動基端側、後者が遊技盤80の回動先端側に配置されることで両者併せて環状をなしており、それら誘導レール100及び遊技領域区画部材480によって区画された領域により遊技領域PEが構成されている。なお、遊技領域区画部材480は、遊技盤80の前面から張り出しており、その前面部がガラスパネル32に対して僅かな隙間(詳しくは遊技球の直径寸法以下の隙間)を隔てて対峙している。これにより、遊技球が遊技領域区画部材480を乗り越えて遊技領域PE外に流出することを回避している。
【0048】
遊技領域区画部材480は、遊技盤80の回動先端側の端部(左端部)に沿って配置されており、遊技盤80の上端部から下端部に跨って上下に延びている。遊技領域区画部材480において外レール102の先端に隣接する部位、詳しくは遊技領域PEの内側に位置する壁面には、外レール102に沿って移動(飛翔)する遊技球が衝突することにより同遊技球を遊技領域PEの中央側へ跳ね返す返しゴム490が装着されている。
【0049】
遊技球発射ハンドル29が操作されると、遊技球が遊技球発射機構110の発射レール112に沿って誘導レール100の入口部分104に向けて発射される。遊技球発射ハンドル29の操作量が予め定められた規定量を上回った場合には、遊技球が外レール102に沿って移動し、可変表示ユニット85(図6参照)の上方を通過する。そして、同遊技球は、外レール102から当該外レール102のレール方向先側に向けて飛び出し、返しゴム490に衝突する。この衝突に基づいて返しゴム490が圧縮され(例えば弾性変形し)、返しゴム490に加わった衝突荷重の一部が遊技領域区画部材480に伝わることとなる。以上の過程を経ることにより、遊技球発射機構110によって遊技球に付与された勢いを弱め、返しゴム490よりも下流側に配された釘87等の各種構成を保護している。
【0050】
図6に示すように、遊技領域区画部材480は、遊技盤80に対して複数箇所でネジ止めされている。それらネジ491の少なくとも1つは返しゴム490の近傍、具体的には遊技球の衝突方向において返しゴム490よりも先側となる位置に配されている。これにより、上記衝突荷重を遊技盤80に対して分散させやすくし、遊技球の繰り返しの衝突に対する耐久性の向上が図られている。
【0051】
また、遊技領域区画部材480は、後述するロック装置を遊技盤80の回動基端側から迂回するようにして遊技盤80の下端縁に至っており、同遊技領域区画部材480の下部、詳しくは誘導レール100の右側開放部分よりも下側となる部位には、誘導レール100の内レール101に遊技領域PE外側から対向する対向部485が形成されている。対向部485は、内レール101において遊技盤80のアウト口86と内レール101の下側の開放端との間となる部位に対して下側から若干の隙間を隔てて対向している。すなわち、内レール101と遊技領域区画部材480とが内外に重なっている。
【0052】
既に説明したように、遊技領域PEに達した遊技球の一部は、同遊技領域PEを流下する過程で一般入賞口81等の入球口に入るが、それら入球口に入らなかった遊技球については内レール101によって排出口としてのアウト口86に導かれる。より具体的には、内レール101は、下方に凸となる円弧状をなしており、その下端部にアウト口86が配置されている。このため、入球口に入らなかった遊技球は、内レール101に衝突した後、内レール101に沿って遊技領域PEの最下部に誘導される。
【0053】
内レール101については、遊技盤80側の開放端及びその周辺での固定強度が同内レール101における他の部位と比べて低くなりやすい。このため、遊技球の衝突による衝撃の影響が同内レール101の開放端及びその周辺では大きくなりやすいと想定される。仮に、内レール101が変形等した場合には、アウト口86へ向けての遊技球の円滑な誘導が妨げられると懸念される。この点、本実施の形態では、内レール101が下方に押される等した場合に遊技領域区画部材480の対向部485に当たることで、同内レール101の変形や位置ずれ等が抑制されることとなる。故に、遊技領域区画部材480によって内レール101を保護することができ、上記不都合を好適に払拭できる。言い換えれば、遊技領域区画部材480には、内レール101のバックアップ機能が付与されている。
【0054】
また、遊技領域区画部材480において対向部485を挟んで内レール101とは反対側となる部位には、各パチンコ機毎に固有となる識別情報(製造番号等)が付与された証紙492と同証紙492を収容する透明なケース部材493とからなる識別ユニット494が設けられており、遊技領域区画部材480には識別ユニット494を収容するユニット収容部486が形成されている。このユニット収容部486に識別ユニット494が嵌まった状態で固定されることで、両者が一体化されている。
【0055】
識別ユニット494はユニット収容部486に対して後方から嵌め込まれており、同ユニット収容部486に形成された開口を介してその一部がパチンコ機10の前方に露出した状態となっている。この開口を介して上記証紙492に付与された識別情報を視認可能となっている。つまり、識別ユニット494を遊技領域区画部材480から取り外すことなく証紙492の識別情報を確認することが可能となっている。
【0056】
遊技領域区画部材480が対向部485を有する構成を採用した場合には、遊技領域区画部材480における対向部485周りでの強度を向上させることで上述した誘導レールのバックアップ機能を向上することができる。このような強度の向上を実現するには、遊技領域区画部材480を大型化することが1つの手法として考えられる。この点、識別ユニット494を収容するユニット収容部486を遊技領域区画部材480に設け、それらユニット収容部486と対向部485とを併存させることで、遊技領域区画部材480の占有スペースを有効利用している。つまり、遊技領域区画部材480の強度向上と識別手段の設置領域の確保(すなわちスペースの有効利用)を可能とし、実用上好ましい構成を実現している。
【0057】
また、遊技領域区画部材480については遊技盤80からの着脱を特に必要としない部品であるため、その取り付けを強固にすることが可能である。この遊技領域区画部材480によって識別ユニット494の取り外しを阻止することで、識別ユニット494の不正な取り外し等を抑制し防犯性の向上に貢献できる。例えば、識別ユニット494を遊技領域区画部材480とは別の部材を用いて遊技盤80に装着する構成と比較して、遊技盤80の前面側のスペースを有効利用できる。遊技盤80の前面には遊技領域PEが形成され、遊技領域PE外の領域が限られている点を考慮すれば、遊技領域区画部材480に識別ユニット494用のユニット収容部486を設けることによる技術的貢献度は大きいと考えられる。
【0058】
再び図5を参照して説明すれば、樹脂ベース70には、遊技盤収容部73からの遊技盤80の取り外しを不可とするロック状態と、同遊技盤80の取り外しを許容するアンロック状態とに切替可能なロック装置79が複数設けられている。ロック装置79はロック状態にて遊技盤80の前面に当接する当接部を有しており、同当接部が遊技盤80の前面に当接することによって遊技盤80の前面扉14側への変位が抑えられることとなる。
【0059】
樹脂ベース70において発射レール112の左方(詳しくは前面扉14を支持している側)には、樹脂ベース70を前後方向に貫通する貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース70に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前面扉14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている(図5参照)。
【0060】
樹脂ベース70において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123からの遊技球の流出を規制するシャッタ124が設けられている。シャッタ124は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能な状態で樹脂ベース70によって支持されている。また、樹脂ベース70にはシャッタ124を阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられており、前面扉14を内枠13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタ124が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前面扉14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前面扉14を閉じた状態では、前面扉14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により上記付勢力に抗してシャッタ124が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51と、本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52とがそれぞれ連通し、遊技球の移動が許容されることとなる。
【0061】
次に、図7に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図7は内枠13の背面図である。
【0062】
樹脂ベース70の背面における回動基端側(図7の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース70の背面には、裏パックユニット15を内枠13に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
【0063】
樹脂ベース70における遊技盤収容部73の底部分(後述する対向板部251)には樹脂ベース70の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース70の背面側に開放された中央開口74が形成されており、その中央開口74が遊技盤収容部73に収容された遊技盤80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤80の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は中央開口74を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、図8に基づき遊技盤80の背面の構成について詳細に説明する。図8は遊技盤80を後方から見た斜視図である。
【0064】
遊技盤80の背面には、可変表示ユニット85を遊技盤80に対して搭載する合成樹脂製の台座部材141が固定されている。台座部材141は、遊技盤80側に開放された略箱状をなしており遊技盤80の背面のほぼ全域を覆っている。台座部材141の一部は樹脂ベース70の中央開口74を通じて同樹脂ベース70の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置94と、その図柄表示装置94を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置94及び表示制御装置は前後方向(樹脂ベース70の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、遊技盤80には、表示制御装置の後方に位置するようにして音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
【0065】
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
【0066】
音声ランプ制御装置ユニット142の下方には、台座部材141を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤80の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
【0067】
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
【0068】
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
【0069】
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
【0070】
台座部材141において遊技盤80の背面と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82,上作動口83a,下作動口83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下方に集合する構成となっている。つまり、台座部材141には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
【0071】
遊技盤80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口86についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口86を介して排出通路内に導出される。
【0072】
また、上記回収通路には、遊技盤80表側の一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知するカウントスイッチと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口スイッチとが装着されており、それら各種スイッチによって入賞検知機構が構成されている。更に、台座部材141において可変表示ユニット85の左右両側には、スルーゲート84を通過する遊技球を検知するゲートスイッチが設けられている。これら各種スイッチは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各スイッチによる検知情報が同主制御装置162に出力される構成となっている。
【0073】
次に、図9及び図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図9はパチンコ機10の背面図、図10は裏パックユニット15の正面図である。
【0074】
図9に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
【0075】
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図10に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット85を囲むのに十分な大きさを有する(図9参照)。
【0076】
ベース部211には、その右上部に外部端子板(図示略)が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部215が形成されており、固定レバー134が挿通部215に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
【0077】
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
【0078】
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿27a、下皿28a又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿27aに通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿28aに通じるように形成されている(図7及び図14参照)。
【0079】
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
【0080】
図10に示すように、制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0081】
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
【0082】
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル29の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
【0083】
(遊技盤80の取付構造)
ここで、図5,図11及び図12に基づき遊技盤80の取付構造について説明する。図11は内枠13から遊技盤80を取り外した状態を示す斜視図、図12は図5のA−A線部分断面図である。
【0084】
遊技盤80は、既に説明したように内枠13の遊技盤収容部73に対して同内枠13の正面側から嵌まっている(図5参照)。図11に示すように、遊技盤収容部73は、遊技盤80の背面に対向する平板状の対向板部251と、同対向板部251から起立し遊技盤80の周縁に沿って延びる周壁部261とによって構成されている。対向板部251は、その略中央に上述した中央開口74が形成されて内枠13の正面視において略矩形枠状をなしている。周壁部261は、遊技盤80における上下左右の各端面に対して個々に対向する上側壁部262,下側壁部263,左側壁部264,右側壁部265が連なってなり、全体として遊技盤80を囲む環状をなしている。なお、周壁部261は中央開口74を囲むようにして形成されているとも言える。
【0085】
内枠13の左側壁部264、すなわち前面扉14を支持している側の壁部264には、遊技盤80の前方への変位を抑える複数のストッパ部271が設けられている。各ストッパ部271は、左側壁部264の内壁面から遊技盤収容部73側へ張り出しており、遊技盤80(詳しくは後述する第2レールカバー400)に対してパチンコ機10の前方から当接している。また、各ストッパ部271は、遊技盤収容部73内に収められており、前面扉14側への突出が抑えられている。
【0086】
それらストッパ部271は、遊技盤80の上端寄り及び下端寄りとなる位置に配置されており、遊技盤80の変位をバランスよく抑えることが可能となっている。ストッパ部271の配置に関して補足すれば、上端寄りのストッパ部271Uは、上記誘導レール100において遊技盤80の回動基端側に凸となっている部分よりも上側に配置されており、下端寄りのストッパ部271Lは同凸となっている部分よりも下側に配置されている。これにより、ストッパ部271及び誘導レール100を遊技盤80の前面側にて好適に共存させ、ストッパ部271の採用に起因した遊技領域PEの圧迫を抑制している。
【0087】
内枠13には、左側壁部264の先端縁に沿うようにして金属製のプレート部材281が配設されている。プレート部材281は、内枠13の上側枠部13a及び下側枠部13bの両枠部に跨って延びる長尺状をなしており、同プレート部材281の両端部分が内枠13の左側枠部13cに対して固定(ネジ止め)されているとともに、同プレート部材281の中間部分が上述したストッパ部271に対して固定(ネジ止め)されている。これにより、内枠13において外枠11や前面扉14に連結されている部分を補強し、更にはストッパ部271の変形を抑制している。
【0088】
以上詳述したストッパ部271と対向板部251とによって、遊技盤80の一側部を挿入可能な挿入部290が構成されている(図12参照)。挿入部290は、前面扉14の回動基端側に位置し、内枠13において同前面扉14を支持している側とは反対側からの遊技盤80の挿入を許容すべく同内枠13の回動先端側(右側壁部265側)に開放されている。特にストッパ部271と対向板部251(詳しくは後述するリブを除いた部分)との隙間寸法は、遊技盤80の厚さ寸法よりも大きく設定されている。これにより、遊技盤80を挿入部290に対して斜め前方から挿入可能とするとともに、同挿入部290に挿入された遊技盤80を当該挿入部290を中心として回動可能としている。また、挿入部290の挿入口を斜め前方に向けることにより、遊技盤挿入時に遊技盤80が前面扉14の後方への張出部分や内枠13の右側枠部13d(図11参照)等に干渉することを抑制している。
【0089】
なお、ストッパ部271の先端部において遊技盤80と対向している部位には面取りが施されており、挿入部290の入口部分が拡張されている。これにより、上記隙間寸法を大きくし、遊技盤80を斜めに挿入する際のストッパ部271と遊技盤80との引っ掛かりを抑制している。
【0090】
挿入部290(ストッパ部271群)の下方、詳しくは内枠13において左側壁部264と下側壁部263とが交わる位置には(図11参照)、挿入部290に挿入された遊技盤80を仮置き可能な仮置き部125が設けられている。仮置き部125は、上記通路形成部材121に形成され、挿入部290側(上方)を向く面状をなしている。なお、仮置き部125は、必ずしも通路形成部材121に形成する必要はなく、樹脂ベース70に形成することも可能である。
【0091】
仮置き部125は、遊技盤収容部73の下側壁部263よりも上側に位置しているとともに、遊技盤80の下端部に対して対向している。一方、遊技盤80における回動基端側の下隅部にはこの仮置き部125に対応した切欠き部88が形成されている(図6参照)。遊技盤80を挿入部290に挿入し回動させる場合には、この仮置き部125に対して遊技盤80の切欠き部88が仮置き(一時的に載置)されることで同遊技盤80の重量の少なくとも一部が内枠13の樹脂ベース70によって支えられることとなる。これにより、遊技盤80を装着する際の作業負担を減らし、遊技盤80の回動操作の容易化を図っている。
【0092】
また、仮置き部125は、挿入部290によりも同挿入部290の開放先側に延びている。これにより、挿入部290に挿入する前に遊技盤80を仮置き可能となっており、更なる作業の容易化に貢献している。
【0093】
遊技盤80を着脱する際には、内枠13の正面側から作業が行われる。この際、言うまでも無く前面扉14が開放された状態で作業が行われる。ここで、開放された前面扉14と遊技盤80及び挿入部290との位置関係について図13に基づき説明を補足する。図13は、開放された前面扉14と遊技盤80及び挿入部290との位置関係を示す概略図である。
【0094】
図13に示すように、前面扉14は内枠13に設けられた上記支持金具71,72によって回動可能に軸支されており、この軸支された部分(回動中心軸線CL)を中心として開閉される構成となっている。支持金具72には前面扉14の最大開放位置を規定する規定部72aが形成されている。前面扉14が開放され、規定部72aに対して当たった場合には、それ以上の開放が不可となる。本実施の形態においては、前面扉14の最大開放量が凡そ100°に設定されている。これは、パチンコ機10がホール等の島設備に設置された状態にて前面扉14が開放された場合に、隣接して設けられた他の遊技機等に対して同前面扉14が干渉しないように、また隣接する遊技機での遊技を妨げないようにするための工夫である。なお、前面扉14の最大開放量は100°に限定されるものではない。少なくとも遊技盤80の着脱が許容される範囲であれば任意に設定してよい。
【0095】
前面扉14の回動中心軸線CLは同前面扉14の前面寄りに位置しており、前面扉14を閉じた状態にて内枠13の内側に当該前面扉14の回動基端部分が嵌まり込む構成となっている。これにより、前面扉14と内枠13との境界部位(特に前面扉14の回動基端側の境界部位)を介して不正具が挿入されるといった不都合を生じにくくし、防犯機能の強化を図っている。
【0096】
この回動中心軸線CLの後方に上記挿入部290が配置されている。前面扉14は所定の厚さを有しているため、上述の如く最大開放位置まで開放された場合であってもその背面の一部が挿入部290よりも右側(前面扉14を支持している側とは反対側)に張り出した状態となる。挿入部290は、その張出部分よりも奥まった位置に存在しているものの、遊技盤80を出し入れする際に当該遊技盤80の通過する軌道PLと前面扉14との干渉が回避されるようにしてその挿入口の向きが定められている。これにより、遊技盤80を装着する際の前面扉14の張り出し部分と遊技盤80との干渉が抑えられている。
【0097】
(誘導レール100の保護に関する構成)
しかしながら、上述の如く挿入部290の挿入口の向きを工夫したとしても、上記干渉の発生機会を減らすことは可能ではあるが、遊技盤80の挿入方向のばらつきや前面扉14の開放不足等に起因した同干渉の発生を完全に払拭することは難しいと想定される。つまり、作業ばらつきに起因した干渉の発生を挿入口等の工夫のみで抑えることは難しいと考えられる。更には、遊技盤80を着脱可能な構成を採用しているため、遊技盤80の輸送時等に遊技盤80をぶつける可能性もあり、遊技盤80の保護機能には改善の余地がある。
【0098】
特に、遊技領域PEを区画している誘導レール100については、遊技盤80の前面から突出しているだけでなく同遊技盤80において挿入部290側に位置しているため、同誘導レール100等によって囲まれている釘87等の各種構成と比較して、上記干渉の対象になりやすいと想定される。
【0099】
既に説明したように誘導レール100には遊技球発射機構110から発射された遊技球を遊技領域PEに導く機能が付与されている。このため、誘導レール100に上記干渉に起因した変形等が発生した場合には、上記遊技領域区画部材480に同様の変形が生じた場合と比較して、遊技球の動きに対する影響が大きくなると想定される。そこで、本実施の形態においては、第1レールカバー350及び第2レールカバー400によって誘導レール100を遊技領域PEの外側から覆う構成とすることにより、誘導レール100を上記干渉等から保護している。
【0100】
第1レールカバー350及び第2レールカバー400は、透明性を有する合成樹脂材料を用いて遊技盤80とは別体で形成されており、図6に示すように同遊技盤80の前面から前方へ突出した状態で当該遊技盤80に固定されている。より詳しくは、両レールカバー350,400は、遊技盤80の前面において遊技領域PEの外側となる領域、詳しくは遊技盤80における挿入部290側の端部と誘導レール100(詳しくは外レール102)との間に、第1レールカバー350が誘導レール100の入口部分104寄りとなるように並べて配置されている。
【0101】
図6に示すように、第1レールカバー350は、遊技盤80の前面と対向する(詳しくは面当たりする)平板状のベース部360を有している。ベース部360は、誘導レール100の入口部分104から外レール102において挿入部側(左側)に凸となっている部分の頂部102aの手前となる位置にまで外レール102に沿って延びている。ベース部360には、当該ベース部360から外レール102と同一側(すなわちパチンコ機10の前方)に起立する起立部370が一体成形されている。起立部370は、外レール102に対して遊技領域PEとは反対側から対向する壁状をなし、当該起立部370の前端縁が外レール102の前端縁よりも前方に突出するように形成されている。この起立部270によって、外レール102、すなわち上記誘導通路103を構成している部分が挿入部290側から覆われた状態となっている。
【0102】
第1レールカバー350よりも、誘導レール100の出口部分105寄りとなる位置に第2レールカバー400が配置されており、これら第1レールカバー350及び第2レールカバー400によって誘導通路103のほぼ全域が遊技盤80の挿入方向先側から覆われている。
【0103】
以下、図14及び図15に基づき第2レールカバー400について詳しく説明する。図14は図6の部分拡大図、図15は第2レールカバー400の構成を示す斜視図である。なお便宜上、図14においては2点鎖線を用いて内枠13を示し、図15においては2点鎖線を用いて遊技盤80を示している。
【0104】
図14に示すように、第2レールカバー400は、遊技盤80の前面において遊技領域PEの外側となる領域、詳しくは遊技盤80における挿入部290側の端部と誘導レール100(詳しくは外レール102)との間に配されており、同端部に沿って延びる縦長状をなしている。
【0105】
第2レールカバー400は、第1レールカバー350と同様に、遊技盤80の前面と対向する(詳しくは面当たりする)平板状のベース部410を有している。ベース部410は、遊技盤80の縁部に沿って上下に延びており、同ベース部410の上端が外レール102において挿入部側(左側)に凸となっている部分の頂部102aよりも上方、且つ同ベース部410の下端が頂部102aよりも下方に位置するように形成されている。ベース部410における外レール102側の縁部は、その中央部分が同外レール102に沿って湾曲しており、外レール102とは反対側の縁部は遊技盤80の縁部に沿って直線状に延びている。つまり、ベース部410は自身の長手方向における中央部分にて幅が狭くなるように括れている(図15参照)。
【0106】
ベース部410には、当該ベース部410から外レール102と同一側(すなわちパチンコ機10の前方)に起立する起立部420が一体成形されている。起立部420は、外レール102に対して遊技領域PEとは反対側から対向する壁状をなし、当該起立部420の前端縁が外レール102の前端縁よりも前方に突出するように形成されている。この起立部420によって、外レール102において挿入部290側に凸となっている部分、すなわち上記誘導通路103を構成している部分が同挿入部290側から覆われた状態となっている。
【0107】
起立部420は、ベース部410における湾曲部分に沿って形成された湾曲部421を有している。湾曲部421は、外レール102に対して平行、且つ同外レール102との間に僅かな隙間が確保されるように構成されている。また、起立部420は、湾曲部421の上端から上方に延びているとともに、同湾曲部421の下端から下方に延びている。以下便宜上、起立部420において湾曲部421よりも上側となる部分を「上側起立部422」と称し、同湾曲部421よりも下側となる部分を「下側起立部423」と称する。
【0108】
上側起立部422及び下側起立部423は、上下に延びる平板状をなしており、上記頂部102aから離れるにつれて外レール102との隙間が大きくなるように形成されている。この隙間の拡がりに合わせて、ベース部410が起立部420よりも外レール102側に延出している。つまり、湾曲部421がベース部410における外レール102側の縁部に沿って形成されているのに対して、上側起立部422及び下側起立部423はベース部410の幅方向における略中央に位置するように形成されている。以下便宜上、ベース部410において起立部420よりも外レール102側となる部分を「内側ベース部411」、同ベース部410において起立部420よりも挿入部290側となる部分を「外側ベース部412」と称する。
【0109】
図13に示すように、内側ベース部411及び外側ベース部412には第2レールカバー400の固定手段を構成するネジ孔413,414が形成されている。これらネジ孔413,414に挿通されたネジ416,417(図14参照)が遊技盤80に対して螺着されることにより、第2レールカバー400と遊技盤80とが一体化されている。
【0110】
図14に外側ベース部412に設けられているネジ孔414及びネジ417は、内側ベース部411に設けられているネジ孔413及びネジ416よりも湾曲部421寄りとなるように第2レールカバー400の長手方向(上下方向)にずらして配されている。これは限られたスペースにて第2レールカバー400の固定強度を向上させるための工夫である。
【0111】
上側起立部422における湾曲部421とは反対側の端部(上端部)には、挿入部290側に突出するアーム部430が形成されている。アーム部430は上記ストッパ部271の上面272と若干の隙間を挟んで対向しており、その対向している部分にはストッパ部271側に凸となる突起431が形成されている。この突起431に対応させてストッパ部271の上面272には下方に凹んだ受け部275が形成されており、その受け部275に突起431が引っ掛かった状態となっている。
【0112】
突起431において挿入部290側を向いている部分にはアーム部430の先端部分から根元部分に向けて下り傾斜する傾斜面432が形成されており、遊技盤80を挿入部290に挿入する際には傾斜面432がストッパ部271の上面272及び側面273の境界部位に当たる。これにより、アーム部430が根元部分(上側起立部422と繋がっている部分)を基端として撓み変形し、突起431がストッパ部271の上面272へと導かれる。この後、アーム部430が弾性力によって変形前の状態に復帰することにより、突起431が受け部275に引っ掛かることとなる。このようにして突起431が受け部275に対して引っ掛かることにより、挿入部290からの遊技盤80の脱落が阻止される。
【0113】
既に説明したように、突起431が受け部275に対して引っ掛かっている状態では、遊技盤80がそれら突起431及び受け部275の引っ掛かり位置よりも回動先端側にて仮置き部125に載っている。つまり、遊技盤80が仮置き部125によって支えられた状態にて、遊技盤80の脱落が阻止されている。これにより、遊技盤80の重さ等による負荷が突起431や受け部275に集中することを好適に回避している。
【0114】
ここで、図12及び図14に基づき第2レールカバー400と挿入部290との関係について補足説明する。図14に示すように、遊技盤80が内枠13に対して装着された状態では、挿入部290(詳しくはストッパ部271)が第2レールカバー400の上側起立部422及び下側起立部423の側方に位置し、第2レールカバー400の外側ベース部412が挿入部290に嵌まっている。
【0115】
外側ベース部412は、ストッパ部271の背面274に対してパチンコ機10の後方から当接している。外側ベース部412においてストッパ部271に当接している部分には、起立部420とは反対側(遊技盤80側)に突出する突出部440が一体成形されている。突出部440は遊技盤80の厚さ方向に延びる筒状をなしており、遊技盤80にはこれら突出部440が嵌合する嵌合孔89が形成されている。嵌合孔89は遊技盤80の前面側及び背面側に開放されており、突出部440の先端部分が同嵌合孔89を通じて遊技盤80の背面側に突出している。
【0116】
突出部440には第2レールカバー400(詳しくは起立部420等)に加わった負荷を当該突出部440を通じて遊技盤80へ分散させる分散機能が付与されており、第2レールカバー400の特定箇所に負荷が集中することを抑制している。特に突出部440は、第2レールカバー400の長手方向に拡がる縦長状をなしていることで、起立部420に対して同起立部420の根元部分を基端とした傾きが生じるような負荷が加わった場合に、そのような負荷を好適に分散させることが可能となっている。
【0117】
図12に示すように、内枠13の対向板部251においてストッパ部271よりも遊技盤80の回動先端寄りとなる部分、詳しくは中央開口74側の縁部には、同縁部から前方に起立するリブが形成されており、このリブに対して突出部440が当接している。このように、突出部440の先端部分が対向板部251のリブに当接することで、遊技盤収容部73の奥側への遊技盤80の変位が規制されている。
【0118】
本実施の形態においては特に、挿入部290の前後幅寸法が遊技盤80の厚さ寸法、詳しくはベース部410の前面から突出部440の先端までの前後寸法よりも僅かに小さく設定されており、遊技盤80を装着完了位置に配置した状態では、遊技盤80が挿入部290に対して強干渉した状態となる。このように、挿入部290に対して遊技盤80を強干渉させることにより、遊技盤80の前後位置のばらつきを抑えることが可能となっている。
【0119】
しかしながら、このような構成を採用する場合、挿入部290への遊技盤80の挿入が難しくなることは好ましくない。そこで、上述の如く第2レールカバー400のベース部410とストッパ部271との当接箇所よりも、同第2レールカバー400の突出部440と対向板部251のリブとの当接箇所のほうが、遊技盤80の回動先端側に位置する構成とすることにより、遊技盤80の挿入を容易化しつつ、装着完了位置に配置した状態での位置ばらつきを好適に抑制することが可能となっている。
【0120】
(隙間の拡がり規制に関する構成)
本実施の形態においては特に、遊技盤80が装着された状態、すなわち同遊技盤80の前後位置がストッパ部271や上記ロック装置79によって規定されている状態にて前面扉14が閉じている場合に、当該遊技盤80とガラスユニット30(詳しくはガラスパネル32)との隙間の拡がりを規制する規制機構を備えていることを特徴の1つとしている。以下、図12,図13,図16及び図17に基づき規制機構について詳しく説明する。図16は第2レールカバー400とガラスユニット30との位置関係を示す概略図、図17は図5のB−B線部分断面図である。なお、図16においては、便宜上ガラスユニット30の一部を2点鎖線及びドットハッチングを用いて表している。また、図17においては、便宜上前面扉14に関する構成についても併せて表示している。
【0121】
図12に示すように、起立部420の湾曲部421には、その前端縁から外レール102側に突出し、遊技盤80に対して同外レール102を挟んで対向する対向部450が形成されている。対向部450は、上側起立部422と下側起立部423とに跨るように形成さており、湾曲部421の補強機能が付与されている。
【0122】
図16に示すように、対向部450は、湾曲部421の中央寄りに配された第1対向部451と、両起立部422,423寄りに配された第2対向部452,453とを有している。より詳しくは、対向部450は、図13に示すように、第1対向部451が遊技盤80側且つ第2対向部452,453が前面扉14側となる段差状に形成されている。
【0123】
図17に示すように、第1対向部451は外レール102の前端縁に対して僅かな隙間を隔てて対向しており、第2対向部452,453は同外レール102の前端縁に対して第1対向部451よりも大きな隙間を隔てて対向している。この外レール102と第2対向部452との隙間に前面扉14の一部が嵌まっている。
【0124】
より具体的には、既に説明したように前面扉14のガラスホルダ33は遊技盤80の外周縁に沿って形成された環状をなしており、遊技盤80の前方に配されている。ガラスホルダ33の枠部34は、同枠部34における遊技盤80側の縁部が第2レールカバー400の対向部450よりも遊技盤80の前面寄りとなるように、ガラスユニット設置部22から遊技盤80側に張り出している。枠部34において第2レールカバー400に遊技領域PE側から対向している部分には、同第2レールカバー400へ向けて延出する延出部39が形成されている。
【0125】
延出部39は、枠部34の外壁面から第2レールカバー400の湾曲部421へ向けて延びる平板状をなしており、少なくともその先端部分が第2対向部452と外レール102との隙間に嵌まっている。延出部39の板面は、遊技盤80及びガラスユニット30の並設方向(前後方向)と直交しているとともに、第2対向部452に対して僅かな隙間を隔ててパチンコ機10の後方から対向している。また、同延出部39の板面は後側のガラスパネル32の後側の板面と略同一の仮想平面上に位置している。つまり、延出部39と後側のガラスパネル32とが略面一となるように形成されている。なお、延出部39が第2対向部452に対してパチンコ機10の後方から当接する構成とすることも可能である。
【0126】
ガラスユニット30及び遊技盤80のうち少なくとも一方が他方から遠ざかる側に変位した場合には、延出部39が第2対向部452に当接し、ガラスユニット30(詳しくは後側のガラスパネル32)と遊技盤80との隙間の拡がりが規制される。特に延出部39の先端部分は、湾曲部421に沿うように湾曲しており、第2対向部452,453に対する掛かり代ができるだけ大きくなるように工夫されている。
【0127】
以上詳述した、第1規制機構は前面扉14の開閉動作に基づいて、隙間の拡がりを規制する規制状態と隙間の拡がりを規制しない規制解除状態とに切り替えられることとなる。ここで、図18に基づき、前面扉14の内枠13に対する開閉動作に伴う第1規制機構の状態切替について説明する。図18は、前面扉14の開閉時におけるガラスユニット30と遊技盤80との位置関係を示す概略図である。
【0128】
図18(a)に示すように前面扉14が開放されている状態では、ガラスユニット30の延出部39が誘導レール100と第2レールカバー400との隙間から外れており、上述した隙間の拡がりが許容された状態、すなわち規制解除状態となっている。
【0129】
前面扉14を図19(a)に示す開位置から図18(b)に示す閉位置に向けて回動させると、この前面扉14の動きに追従して延出部39がパチンコ機10の斜め後方へ向けて移動する。この際、延出部39は回動中心軸線CLよりも後側に位置しているため、同前面扉14の開放量が小さくなるに従って後方への移動成分が小さくなるとともに回動基端側(本実施の形態においては左方)への移動成分が大きくなるようにして延出部39の移動方向が変化する。つまり、前面扉14が閉位置へ向けて移動するにつれて、延出部39の移動成分のうち横方向への移動成分が支配的となる。そして、延出部39が誘導レール100と第2レールカバー400との間に挿入される時点では、後方への移動成分がほぼ0となり、同延出部39の移動方向が遊技盤80の前面に沿う方向となるように変化する。
【0130】
その後、図18(b)に示すように前面扉14が閉位置に到達すると、これと同期して延出部39が第2レールカバー400の対向部450(詳しくは第2対向部453)と平行な位置へ到達する。これにより、上述した隙間の拡がりを規制する規制状態への切り替えが完了する。
【0131】
一方、前面扉14を開放する際には、図18(b)→図18(a)に示すように、延出部39が誘導レール100と第2レールカバー400との隙間から離脱する。この際、前面扉14の開放量が小さい場合には、延出部39が第2レールカバー400の第2対向部453に沿って横方向(本実施の形態においては右方)に変位し、開放量が大きくなるにつれて横方向への移動成分が減少しつつ前方への移動成分が増加することとなる。つまり、延出部39は、上記隙間から離脱するまではほぼ真横に移動し、同隙間から離脱した後は前方への移動成分が増すことで斜め前方へ移動することとなる。これにより、延出部39は第2対向部453に引っ掛かることなく、誘導レール100と第2レールカバー400との隙間から遠ざかる。
【0132】
以上詳述したように、延出部39の移動方向が前面扉14の開放量が小さくなるにつれて遊技盤80の前面に沿う方向となるように推移させることで、同延出部39と第2対向部453とを前後方向(内枠13と前面扉14との並設方向)にて対向させつつ、それら両者の隙間を小さくすることが可能となっている。これにより、隙間の拡がりを規制する機能を好適なものとしている。
【0133】
ガラスユニット30と遊技盤80との隙間の拡がり規制については、前面扉14の回動基端側だけでなく、回動先端側において実施することにより、その効果を一層好適なものとすることができる。但し、上述したような前面扉14の開閉動作に応じた第1規制機構の状態切替は、延出部39及び対向部453を前面扉14の回動基端部寄りに配することで好適に実現されている。言い換えれば、これと同様の構成を前面扉14の回動先端部寄りに配することは困難であると想定される。そこで、本実施の形態においては、前面扉14の回動先端部寄りとなる位置に、上記第1規制機構とは異なる構成を有する第2規制機構を配し、内枠13に設けられた上記施錠装置に対して第2規制機構を連動させることにより、上記状態切替の困難さを克服している。
【0134】
以下、先ず図2,図19〜図22に基づき施錠装置500について詳細に説明し、その後、同施錠装置500との関係を踏まえて第2規制機構について詳しく説明する。図19は内枠13から遊技盤80を取り外した状態を示す斜視図、図20は内枠13から施錠装置500を取り外した状態を示す斜視図、図21は施錠装置500を後方から見た斜視図、図22は施錠装置500を主要構成部品毎に分解して示す分解斜視図である。なお、図21及び図22においては各図21,22の左上がパチンコ機10の前方、右下がパチンコ機10の後方、右上がパチンコ機10の左方、左下がパチンコ機10の右方となっている。
【0135】
図2に示すように、施錠装置500は、内枠13において前面扉14と対向している部分、すなわち内枠13の前面に設けられている。具体的には、図19及び図20に示すように内枠13において前記遊技盤収容部73よりも遊技機主部12の回動先端側となる部位には内枠13の回動先端側の端部に沿って施錠装置収容部75が形成されており、当該施錠装置収容部75に施錠装置500が収容された状態となっている。
【0136】
施錠装置収容部75は、図20に示すように内枠13における上側枠部13a及び下側枠部13bの両者に跨って延び、内枠13の正面側に開放された溝状をなしている。施錠装置500は、施錠装置収容部75の開放部分を覆う長尺状の基枠510を備えており、当該基枠510と施錠装置収容部75とによって施錠装置500に関する各種構成を収容する空間が区画形成されている。遊技盤収容部73と施錠装置収容部75とは左右に並設されており、内枠13に形成された上記右側壁部265によって仕切られている。言い換えれば、右側壁部265は、各収容部73,75の一部を構成している。
【0137】
施錠装置収容部75には、その奥側の壁部(以下、「奥壁部301」と称する)から起立する複数のボス302が設けられており、基枠510にはそれらボス302に固定される基枠固定部511が設けられている。基枠固定部511がボス302の先端部分に当接した状態にてそれらボス302に内枠13の正面側からネジ止めされることにより、施錠装置500と内枠13とが一体化されている。
【0138】
基枠固定部511は、ボス302を挟んで奥壁部301と対向するとともに、施錠装置収容部75の開放部分に合せて形成された長板状をなしている。この基枠固定部511によって同開放部分が覆われ、施錠装置収容部75の内部空間へのアクセスが妨げられている。
【0139】
図20に示すように、基枠固定部511の両長辺のうち遊技盤収容部73側の一方(図21における右端縁)には施錠装置500に関する各種構成が取り付けられた部材取付部515が設けられている。部材取付部515は、基枠固定部511の端部を折り曲げて形成されており、奥壁部301側に起立している。また、基枠固定部511の他方の長辺には、部材取付部515と対向するように折り曲げられたフランジ部516が形成されている。つまり、基枠510は全体として水平断面略コ字状をなしている。これら部材取付部515及びフランジ部516によって、施錠装置500自体の剛性を確保するだけでなく、内枠13を補強する補強部材としての機能を高めることが可能となっている。
【0140】
図21に示すように部材取付部515及びフランジ部516は基枠固定部511とほぼ同等の長さを有する長板状をなしており、それら両者の外板面が施錠装置収容部75の内壁面に当接するように形成されている。これにより、基枠510を迂回して施錠装置収容部75の内部空間へアクセスするといった不正行為を困難なものとしている。なお、部材取付部515及びフランジ部516が施錠装置収容部75の内壁面に対して当接しない構成とすることも可能である。
【0141】
基枠固定部511の下端部寄りとなる部分には、解除操作部たるシリンダ錠520が取り付けられている。図22等に示すように、シリンダ錠520は、基枠固定部511において奥壁部301とは反対側の板面(外面)に取り付けられている台座521と、その台座521からパチンコ機10の前方に向けて延びる円筒状のシリンダ本体522と、そのシリンダ本体522の内部に収容された錠軸部523とを有しており、台座521に対して内枠13の正面側から複数のネジ527が取り付けられることで基枠510に一体化されている。
【0142】
シリンダ本体522の一端及び錠軸部523の一端は、前面扉14(詳しくは枠体20)に形成された挿通孔を介してパチンコ機10の正面側に露出している(図1参照)。錠軸部523においてパチンコ機10の正面側に露出している側の端部にはキー孔524が形成されている。このキー孔524に対して解錠操作用の操作キーを挿入し、同操作キーを錠軸部523の中心軸線を中心として回動させることで、パチンコ機10外部からの解錠操作が行われる。
【0143】
錠軸部523の他端は、基枠固定部511に形成された錠軸部523用の開口を介して施錠装置収容部75内に露出しており、その露出している部分にはカム部材530が装着されている。カム部材530は、図22に示すように、内枠13の背面側から螺着されたネジ531によって錠軸部523に着脱可能な状態で固定されており、上述したキー操作に伴って錠軸部523が回動した場合に同錠軸部523と共に回動する。本実施の形態におけるシリンダ錠520においては特に、操作キーによる解錠操作が行われない限り錠軸部523を回動させることができない内部構造を有しており、カム部材530を指等で直接回動させることが不可となっている。なお、シリンダ錠520として、不正解錠防止機能の高いオムロック(登録商標)を用いる構成としてもよい。
【0144】
カム部材530は、基枠固定部511と平行な円板状部分を有しており、その円板状部分の周縁において前記部材取付部515側となる部分には、略放射方向に突出する上下一対の爪部532,533が形成されている。
【0145】
施錠装置500は、カム部材530の動作(詳しくは爪部532,533の変位)に追従して移動する連動杆540を備えている。連動杆540は、基枠510に沿って延びる長板状をなすとともに同基枠510と同等の長さを有し、部材取付部515によって当該基枠510の長手方向にスライド移動可能な状態で保持されている。また、連動杆540には、カム部材530の爪部532,533と係合する係合孔541,542が形成されている。各爪部532,533が係合孔541,542に係合した状態で回動することで、それら爪部532,533によって連動杆540が基枠510の長手方向(すなわち上方及び下方)に押される。つまり、キー操作によって発生する外力が錠軸部523→カム部材530→連動杆540の順に伝達され、連動杆540が上下にスライド移動することとなる。
【0146】
本実施の形態におけるシリンダ錠520においては、既に説明したようにキー操作によってのみ錠軸部523及びカム部材530の回動が許容される。連動杆540をスライドさせようとしてもカム部材530の爪部532,533と連動杆540の係合孔541,542とが係合することにより、当該連動杆540の移動が阻止される。つまり、施錠装置500においては、カム部材530や連動杆540を動作させる場合にはキー操作が不可欠な構成となっている。
【0147】
基枠510においてシリンダ錠520の上方となる部位、詳しくは遊技盤80の側方となる部位には、前面扉14の鉤受け部材63に引っ掛かる施錠位置と、同鉤受け部材63に引っ掛からない施錠解除位置との両位置に切替可能な前扉用鉤部材550が複数(詳しくは2つ)設けられている。前扉用鉤部材550は基枠固定部511において奥壁部301側を向いた板面に搭載されており、同板面と対向する板状のベース部551と当該ベース部551から前面扉14側に起立する鉤部555とを備えている。基枠固定部511には、鉤部555の前面扉14側への突出を許容するスリット512が形成されており、鉤部555において同スリット512から突出している部分は上方に凸となる爪状をなしている。この爪状部分が鉤受け部材63に対して下側から引っ掛かることにより前面扉14が施錠された状態となっている。
【0148】
ベース部551には、基枠510の長手方向(つまり連動杆540のスライド方向)に延びる長孔552が形成されており、基枠固定部511にはその長孔552に嵌まる軸ピン513が取り付けられている。この軸ピン513によって前扉用鉤部材550がスライド移動可能な状態で保持されている。より詳しくは、長孔552は、軸ピン513から上方に延びており、前扉用鉤部材550の下方への移動、すなわち鉤受け部材63から離れる側への移動が許容されている。
【0149】
ベース部551において部材取付部515側の端部には、同部材取付部515に沿って起立する起立部553が形成されている。起立部553が、連動杆540と部材取付部515とによって挟まれることにより、前扉用鉤部材550の倒れや位置ばらつき等が抑制されている。
【0150】
起立部553の先端部分には、連動杆540側に凸となる突起554が形成されており、当該突起554の先端部分が連動杆540に形成された開放部543から突出している。突起554の先端部分には、付勢部材としてのコイルバネ560が取り付けられており、同コイルバネ560によって前扉用鉤部材550が施錠位置に向けて(上方に)付勢された状態となっている。この付勢方向の先側から長孔552の下端縁が軸ピン513に対して当接することで、前扉用鉤部材550の移動が妨げられ、コイルバネ560の付勢力により前扉用鉤部材550が施錠位置にて保持されている。なお、前扉用鉤部材550における付勢部材の取付部としては、上記突起554に代えて孔部等を用いてもよい。
【0151】
連動杆540がスライド移動すると、開放部543の上端縁によって突起554が押され、前扉用鉤部材550がコイルバネ560の付勢力に抗して施錠位置から施錠解除位置に移動することとなる。
【0152】
前扉用鉤部材550は、基枠固定部511において前面扉14と対向する部位に上下に離して配置されている。詳しくは、それら前扉用鉤部材550は、基枠固定部511の上端側とシリンダ錠520側との両端に寄った位置、具体的には遊技盤80の上端部及び下端部寄りとなる位置にそれぞれ配置されており、前面扉14を施錠している状態での同前面扉14の浮き上がりを抑制しやすくしている。なお、前扉用鉤部材550の個数は2つに限定されるものではなく、例えば1つとしてもよいし、3つ以上とすることも可能である。但し、前扉用鉤部材550を1つとした場合、一方の手で不正具を操ることで施錠状態が不正に解除され、他方の手で前面扉14が開放(回動)され得る。この点、前扉用鉤部材550を2つ以上とすることで、不正解錠に両の手を必要とし、例えば不正行為者が単独である場合には、前面扉14の開放を難しくすることができる。これにより、不正行為(いわゆる引っ掛けゴト)を好適に抑制することができる。
【0153】
次に、図7,図21及び図22に基づき遊技機主部12を外枠11に対して閉じた状態で施錠する施錠機構について説明する。
【0154】
基枠510の部材取付部515には、内枠13を外枠11に対して閉じた状態で施錠する施錠状態と施錠解除状態とに切替可能な内枠用鉤部材620が取り付けられている。内枠用鉤部材620は、図21に示すように、上側の前扉用鉤部材550よりも上方及び下側の前扉用鉤部材550(シリンダ錠520)よりも下方、詳しくは基枠510の両端にそれぞれ配置されている。
【0155】
図22に示すように、内枠用鉤部材620には、部材取付部515の内板面に対向する板状をなし部材取付部515及び前記連動杆540によって挟まれたベース部621と、ベース部621から後方に延出する鉤部625とが形成されている。施錠装置収容部75の奥壁部301には内枠13の厚さ方向に貫通するスリット303が形成されており、鉤部625が同スリット303を介して内枠13の背面側、詳しくは外枠11側に突出している(図7参照)。
【0156】
鉤部625において内枠13の背面側に突出している部分(すなわち鉤部555の先端)は、上方に凸となる爪状をなしている。この爪状部分が外枠11に設けられた鉤受け部材19に対して下方から引っ掛かることにより内枠13が外枠11に対して施錠された状態となる。
【0157】
内枠用鉤部材620は、部材取付部515に固定された軸ピン517によって部材取付部515の板面に沿った回動が許容された状態で軸支されている。ベース部621において、軸ピン517を挟んで鉤部625とは反対側の端部、すなわち基枠固定部511側の端部には、連動杆540側に起立する突起622が形成されている。連動杆540には、突起622との干渉を回避すべく切欠き544が形成されており、同切欠き544を通じて突起622の先端が突出している。
【0158】
突起622の先端部分には、内枠用鉤部材620を施錠位置に向けて付勢する付勢部材としてコイルバネが取り付けられている。上側の内枠用鉤部材620と、下側の内枠用鉤部材620とではこのコイルバネの取り回しが異なっている。詳しくは、上側の内枠用鉤部材620におけるコイルバネの取り回しが特徴的なものとなっている。そこで以下、図23に基づいて上側の内枠用鉤部材620(以下、便宜上「内枠用上側鉤部材620U」と称する)におけるコイルバネ560(以下、便宜上「上側コイルバネ560U」と称する)の取り回しについて詳しく説明し、後に下側の内枠用鉤部材620(以下、便宜上「内枠用下側鉤部材620L」と称する)におけるコイルバネ630(以下、便宜上「下側コイルバネ630」と称する)の取り回しについて簡単に説明する。図23は各鉤部材550U,620Uの位置関係を示す概略図である。なお、前扉用鉤部材550についても同様に、上側の前扉用鉤部材550を「前扉用上側鉤部材550U」と称し、下側の前扉用鉤部材550を「前扉用下側鉤部材550L」と称する。
【0159】
既に説明したように、基枠510の上端側においては、前扉用上側鉤部材550Uと内枠用上側鉤部材620Uとが前者が下側、後者が上側となるように隣接して配置されている。内枠用上側鉤部材620Uの突起622に取り付けられた上側コイルバネ560Uの他方の端部は、前扉用上側鉤部材550Uの突起622に取り付けられている。つまり、内枠用上側鉤部材620Uと前扉用上側鉤部材550Uとが上側コイルバネ560Uによって連結されている。
【0160】
上側コイルバネ560Uは、自身の自由長よりも長くなるように引き伸ばされた状態で取り付けられ、各鉤部材550U,620Uの突起554,622が互いに近づく側に付勢された状態となっている。つまり、上側コイルバネ560Uによって,両鉤部材550U,620Uを施錠位置に付勢する付勢力を常時発生させる構成となっている。
【0161】
本実施の形態においては特に、前扉用上側鉤部材550Uの突起554は、当該前扉用上側鉤部材550U(詳しくはベース部551)において内枠用上側鉤部材620Uの突起622とは反対側の端部に配置されている。具体的には、当該前扉用上側鉤部材550Uの鉤部555よりも更に下側に配置されている。このように、各鉤部材550U,620Uの突起554,622を遠ざけて配置することにより、上側コイルバネ560Uの全長を長くしやすくしている。なお、前扉用上側鉤部材550Uの突起554と、内枠用上側鉤部材620Uの突起622とをパチンコ機10の平面視にて前後及び左右にずらして配置されており、上記上側コイルバネ560Uの全長拡大を促進している。
【0162】
特に内枠用上側鉤部材620Uの突起622については、当該内枠用上側鉤部材620Uの回動中心位置よりも僅かに下側となる位置に配置することで、上側コイルバネ560Uの全長を長くしつつ、付勢力による内枠用上側鉤部材620Uの回動の円滑さを損なわれにくくしている。
【0163】
一方、内枠用下側鉤部材620Lと前扉用下側鉤部材550Lとは、シリンダ錠520を挟んで上下両側に離して配置されている。これに合わせて、下側の各鉤部材550L,620Lについては別個独立したコイルバネ、つまりコイルバネ560L,630が設けられおり、両鉤部材550L,620Lが個々に付勢されている。
【0164】
なお、基枠510の下端寄りに両下側鉤部材550L,620Lをまとめて配置することで、上述した浮き上がり抑制機能を向上することも可能である。この場合、必然的にそれら両下側鉤部材550L,620Lの配置が両上側鉤部材550U,620Uと同様に相互に近づきやすくなる。この場合、それら上側鉤部材550U,620Uと同様に、下側の各鉤部材550L,620Lについても1のコイルバネによってそれら両鉤部材550L,620Lを連結するとよい。
【0165】
ここで、操作キーKの回動操作に伴う施錠装置500の動作について図24及び図25に基づき説明する。図24は操作キーKを時計回りに回動操作した状態を示し、図25は操作キーKを反時計回りに回動操作した状態を示している。また、図24(a)及び25(a)は施錠装置500全体をパチンコ機10の後方から見た斜視図、図24(b)及び図25(b)は基枠510に搭載された各種構成の動作を示す概略図である。
【0166】
図24では操作キーKをシリンダ錠520に差し込んで、時計回りに回動操作している。すると、操作キーKの回動操作に連動してカム部材530の下側爪部533により連動杆540の下側係合孔542が押し上げられ、連動杆540が上昇する。この連動杆540の上昇に伴って同連動杆540の切欠き544(詳しくはその下端縁)により内枠用鉤部材620の突起622が上方に押される。これにより、各内枠用鉤部材620がコイルバネ560,630の付勢力に抗して回動し、同内枠用鉤部材620と鉤受け部材19との引っ掛かり、すなわち施錠状態が解除される(図24(b)参照)。このように施錠状態が解除されることにより、外枠11に対しての遊技機主部12(内枠13)の開放が許容される。その後、操作キーKの回動操作を止めると、コイルバネ560,630の付勢力により、連動杆540及び内枠用鉤部材620が初期位置に復帰する。
【0167】
なお、コイルバネ560については、前扉用鉤部材550に取り付けられており、前扉用鉤部材550の上方への移動が基枠510の軸ピン513によって抑えられる。故に、連動杆540及び内枠用鉤部材620を初期位置に復帰させる付勢力が蓄えられるとともに、前扉用鉤部材550の施錠が維持される。
【0168】
図25では操作キーKをシリンダ錠520に差し込んで、反時計回りに回動操作している。すると、操作キーKの回動操作に連動してカム部材530の上側爪部532により連動杆540の上側係合孔541が押し下げられ、連動杆540が下降する。この連動杆540の下降に伴って同連動杆540の開放部543(詳しくはその上端縁)により前扉用鉤部材550の突起554が下方に押される(図25(b)参照)。これにより、各前扉用鉤部材550がコイルバネ560の付勢力に抗して回動し、同前扉用鉤部材550と鉤受け部材63との引っ掛かり解除される。以上の如く、各前扉用鉤部材550の引っ掛かりが解除されることで、前面扉14の施錠状態が解除される。このように施錠状態が解除されることにより、内枠13に対しての前面扉14の開放が許容される。その後、操作キーKの回動操作を止めると、コイルバネ560の付勢力により、連動杆540及び各前扉用鉤部材550が初期位置に復帰する。
【0169】
因みに、施錠装置500の各種構成については、内枠13と前面扉14とによって囲まれた空間に配置されており、パチンコ機10の外部からの同施錠装置500に対するアクセスが制限されている。つまり、操作キーKを用いて前面扉14を開放させるといった正規の手順を踏むことなく施錠装置500へアクセスすることを難しくし、防犯機能が強化されている。
【0170】
ここで、図2,図4,図19,図26及び図27に基づき、施錠装置500との関係を踏まえて第2規制機構について説明する。図26は第2規制機構をパチンコ機10の側方から見た概略図、図27は図27のC−C線部分断面図である。なお、図26においては2点鎖線を用いて施錠装置500の一部を示している。
【0171】
第2規制機構は、ガラスユニット30に設けられたガラス側係合部材700と、遊技盤80(詳しくは上記遊技領域区画部材480)に設けられ、ガラス側係合部材700に係合する遊技盤側係合部750とを有している。これらガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750は、図2に示すように前面扉14の回動先端寄りとなる位置、すなわち遊技領域PEを挟んで上記第1規制機構とは反対側となる位置に配されている。
【0172】
同図2の部分拡大図及び図4の部分拡大図に示すように、ガラス側係合部材700は前後方向に延びる長板状をなしており、同ガラス側係合部材700の板面が左右を向くようにして配設されている。ガラスユニット30のガラスホルダ33には前後に開放されたスリット721を有する取付部722が一体形成されており、このスリット721に対してガラス側係合部材700の一端部が挿入されている。ガラス側係合部材700及び取付部722には、一連の貫通孔701,723が形成され(図26参照)、これら貫通孔701,723に対して挿通されたネジ731がガラスホルダ33の枠部34に螺着されることにより、ガラス側係合部材700が回動可能な状態で保持されている。
【0173】
図26に示すように、ガラス側係合部材700の上端縁、詳しくはスリット721に収容されている部分には、上方へ凸となる突起702が形成されている。この突起702がスリット721の内壁面(天壁)に対して下側から当接することにより、それ以上の回動を阻止されることとなる。また、スリット721には、ガラス側係合部材700を上方に向けて付勢する付勢部材としての板バネが収容されており、当該板バネの付勢力によって上記突起702がスリット721の天壁に押し付けられた状態となっている。これにより、ガラス側係合部材700の待機位置のばらつきが抑えられている。
【0174】
ガラス側係合部材700の他端部(すなわち遊技盤80側の端部)には上方に凸となる爪部703が形成されており、同ガラス側係合部材700が上記ネジ731(詳しくは同ネジ731の中心軸線)を中心として回動することにより、爪部703が上下に移動する構成となっている。
【0175】
図5に示すように、ガラス側係合部材700は、前面扉14が内枠13に対して閉じている場合に遊技盤80の遊技領域区画部材480の前方に位置するように配置されており、遊技領域区画部材480にはガラス側係合部材700の爪部703が係合するようにして上記遊技盤側係合部750が形成されている。具体的には、図26に示すように、遊技領域区画部材480は後方に開放された箱状をなしており、その前板部496及び施錠装置側の板部(以下便宜上、側板部497と称する)に跨るように形成された開口部498を通じて遊技領域区画部材480の内部に爪部703が挿入されている。そして、爪部703が前板部496に対して後方から引っ掛かった状態(係合状態)となっている。つまり、遊技領域区画部材480の前板部496及び開口部498によって遊技盤側係合部750が構成されている。
【0176】
また、爪部703には、ガラス側係合部材700の後端部(遊技盤80側の先端部)に向けて下り傾斜する誘導傾斜面703aが設けられている。一方、上記開口部498の上側縁部(前板部496の端部)は、前面扉14が閉位置に向けて移動する際に誘導傾斜面703aが通過する軌道上に位置しているため、前面扉14を閉じる際に誘導傾斜面703aが開口部498の上側縁部に押し付けられることとなる。これにより、当該誘導傾斜面703aの傾斜によって上記板バネの付勢力に抗するようにしてガラス側係合部材700が回動し、このようなガラス側係合部材700の回動によって爪部703が開口部498へと誘導されることとなる。
【0177】
ガラス側係合部材700において開口部498から施錠装置500側に露出している部分には同施錠装置500側に延びるフランジ部704が形成されている。このフランジ部704には、施錠装置500の解錠動作に連動してガラス側係合部材700と遊技盤側係合部750との係合を解除する機能が付与されている。ここで、図26及び図27に加え図20及び図22を参照して、フランジ部704と施錠装置500との関係について詳しく説明する。
【0178】
図22に示すように、施錠装置500の前扉用鉤部材550(詳しくはベース部551)には、遊技盤収容部73側に延出する延出部556が設けられている。図20に示すように施錠装置500の基枠510(詳しくは部材取付部515)には同延出部556に合わせて開口部518が形成され、更に遊技盤収容部73及び施錠装置収容部75を区画している右側壁部265にも延出部556に合わせて切欠き267が形成されており、これら開口部518及び切欠き267を通じて延出部556の先端部分が施錠装置収容部75から突出している(図27参照)。
【0179】
なお、前扉用鉤部材550は解錠操作に伴って上下にスライド移動する構成となっているが、上記開口部518及び切欠き267はこのような前扉用鉤部材550のスライド移動時に延出部556が通過する通過軌道との干渉を回避して形成されている。故に、延出部556が基枠510や右側壁部265に引っ掛かることはなく、前扉用鉤部材550のスライド移動が担保されている。
【0180】
延出部556の先端部分は、前扉用鉤部材550の施錠位置から施錠解除位置への移動経路上にフランジ部704が位置している。詳しくは、ガラス側係合部材700のフランジ部704に対して上方から僅かな隙間を隔てて対向している。このため、前扉用鉤部材550が下方へスライド移動した場合には、当該前扉用鉤部材550の延出部556によってガラス側係合部材700のフランジ部704が下方へ押されることとなる。これにより、ガラス側係合部材700の爪部703が降下し、遊技領域区画部材480の前板部496に対する掛かり代が小さくなる。このように、延出部556に押されることでガラス側係合部材700が動作する点に着目すれば、同延出部556にはガラス側係合部材700を操作する操作部としての機能が付与されているといえる。なお、延出部556とフランジ部704との隙間を排除し、それら両者を当接させる構成としてもよい。
【0181】
ここで、ガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750の掛かり代X1(図26参照)と、前扉用鉤部材550及び鉤受け部材63の掛かり代X2(図24参照)との関係について補足説明する。因みに、図26及び図24においては、図の尺度が異なっているため、各図に示す掛かり代X1,X2については単純に比較できるものではない。
【0182】
ガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750の掛かり代X1は、前扉用鉤部材550及び鉤受け部材63の掛かり代X2よりも小さく設定されている。このため、上述した操作キーを用いて前面扉14の施錠を解除する場合には、先ずガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750の引っ掛かりが解除され、その後、前扉用鉤部材550及び鉤受け部材63の引っ掛かりが解除されることとなる。前扉用鉤部材550及び鉤受け部材63の引っ掛かりが解除された後に、ガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750の引っ掛かりが解除される構成とすることも可能であるが、このような構成においては、ガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750の引っ掛かりが解除されていない状態にて前面扉14が無理に開放されることで、ガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750に負荷が集中する可能性がある。これは、第2規制機構における隙間の拡がりを規制する機能の担保を難しくする要因となり得るため好ましくない。この点、各掛かり代X1,X2を上述の如く設定することにより、そのような不都合の発生を回避している。
【0183】
以下、図28及び図29に基づき第2規制機構の動作について説明する。図28は前面扉14を閉じる際の第2規制機構の動作を示す動作説明図、図29は前面扉14を開く際の第2規制機構の動作を示す動作説明図である。
【0184】
図28(a)に示すように、前面扉14が開放されている場合には、板バネの付勢力によってガラス側係合部材700の突起702がガラスホルダ33のスリット721における天壁に対して当接し、爪部703が上限位置に待機した状態となっている。
【0185】
同図28(a)に示す状態から前面扉14を閉位置に向けて回動させると、ガラス側係合部材700の爪部703に形成された誘導傾斜面703aが遊技領域区画部材480の開口部498における上端縁に当たる。閉位置へ向けての前面扉14の回動が継続されることにより、ガラス側係合部材700は板バネの付勢力に抗して回動し、爪部703が下方へ押し下げられることとなる。
【0186】
このように、ガラス側係合部材700が回動することにより、同ガラス側係合部材700のフランジ部704が降下することとなる。そして、このようにフランジ部704が降下を開始した後、施錠装置500の前扉用鉤部材550に対して前面扉14の鉤受け部材63が当たり、前扉用鉤部材550が下方へスライド移動することとなる。これにより前扉用鉤部材550の延出部556も降下を開始することとなるが、このタイミングにおいては既にフランジ部704が降下を開始しており、延出部556がフランジ部704よりも上側に位置するという相互の位置関係が維持されることとなる。
【0187】
図28(b)に示すように、ガラス側係合部材700の回動量が最大となった後も、前扉用鉤部材550の下方への移動は継続される。その後、前扉用鉤部材550の下方への移動量が最大となった後に、ガラス側係合部材700が板バネの付勢力によって元の位置に復帰するとともに、前扉用鉤部材550がコイルバネ560の付勢力によって元の位置に復帰する。これにより、図28(c)に示すように、ガラス側係合部材700の爪部703が遊技領域区画部材480の前板部496に対して引っ掛かった状態となり、ガラスユニット30と遊技盤80との隙間の拡がりが規制される。また、これと同時に前面扉14が閉位置にて施錠され同前面扉14の開放が不可となる。
【0188】
一方、図29(d)に示すように、前面扉14が内枠13に対して閉じている状態から開放される場合には、施錠装置500が上記操作キーによって操作されることにより、前扉用鉤部材550がコイルバネ560の付勢力に抗して下方へスライド移動することとなる。これにより、前扉用鉤部材550の延出部556が降下し、ガラス側係合部材700のフランジ部704が同延出部556によって押し下げられることとなる。これにより、ガラス側係合部材700が板バネの付勢力に抗して回動し、爪部703が下方へ移動する。この結果、爪部703と遊技領域区画部材480の前板部496との掛かり代が減少する。
【0189】
爪部703と前板部496との引っ掛かりが解除された後も、前扉用鉤部材550の下方へのスライド移動は継続され、操作キーの操作量が最大となったタイミングで、同前扉用鉤部材550のスライド移動が停止することとなる(図29(e)参照)。
【0190】
その後、前面扉14を前方へ回動させることにより、図29(e)→図29(f)に示すように、ガラス側係合部材700が遊技領域区画部材480の開口部498から離脱する側へ移動し、第2規制機構による隙間の拡がり規制が解除されることとなる。
【0191】
本実施の形態においては、上述した隙間の拡がり規制に関する構成に併せてガラスユニット30の取付構造に関する特徴的な構成が採用されている。ここで、図30に基づき、ガラスユニット30の取付構造について説明する。図30は、枠体20に対するガラスユニット30の取付構造を示す部分断面図である。
【0192】
図30に示すように、前面扉14の枠体20にはガラスユニット30(詳しくは取付部35)を保持する保持部57が設けられている。保持部57は内枠13側に凸となる円柱状をなしており、上記取付部35には同保持部57が挿入される挿入部41が形成されている。より具体的には、保持部57の中心軸線は前後方向に延びており、挿入部41は同保持部57と同一方向に延びる有底の丸穴状をなしている。挿入部41に対して保持部57が嵌ることにより、ガラスユニット30の前後方向への移動、すなわち前面扉14と内枠13との並設方向と同じ方向へのスライド移動が許容されている。
【0193】
また、取付部35において挿入部41の底部を形成している部分には貫通孔42が形成されている。貫通孔42にはネジ45が挿入されており、同貫通孔42に挿通されたネジ45の先端部分が保持部57に形成されたネジ穴58に螺着されている。
【0194】
ネジ45の頭部45aは、取付部35に対して内枠13側から隙間を隔てて対向しており、この頭部45aによって枠体20からのガラスユニット30の脱落が阻止されている。このように、ネジ45に枠体20からのガラスユニット30の脱落を阻止する機能が付与されている点に着目すれば、同ネジ45を「ストッパ45」と称することも可能である。
【0195】
ネジ45には「付勢手段」としてのコイルバネ46が挿通されている。コイルバネ46は、頭部45aと取付部35とによって挟まれて圧縮された状態となっており、このコイルバネ46によって取付部35が枠体20側(すなわちパチンコ機10における前方)に付勢されている。つまり、コイルバネ46によってガラスユニット30が遊技盤80の正面側に向けて付勢されている。
【0196】
取付部35において頭部45aと対向している部分には、コイルバネ46が嵌まるバネ用凹部43が形成されている。ガラスユニット30が後方へスライド移動した場合には、コイルバネ46が圧縮されてバネ用凹部43に嵌まることにより、ネジ45の頭部45aが取付部35に対して後方から当接することとなる。つまり、ガラスユニット30のスライドストローク量L1は取付部35とネジ45の頭部45aとの隙間によって規定されている。
【0197】
ここで、ガラスユニット30とガラスユニット設置部22との関係について説明を補足する。既に説明したようにガラスユニット設置部22は凹状をなしており、同ガラスユニット設置部22に対してガラスユニット30が後方から嵌まっている。ガラスユニット設置部22を構成している略環状の周壁部22a、詳しくは内枠13側に起立するとともに窓部21を囲むように形成された周壁部22aと、ガラスユニット30との同ガラスユニット30のスライド方向に対して直交する方向での重なり代L2は、上記スライドストローク量L1よりも大きく設定されている。これにより、ガラスユニット30がネジ45の頭部45aに当接している場合であっても、ガラスユニット30とガラスユニット設置部22(詳しくは周壁部22a)との重なりが担保されることとなる。
【0198】
以上詳述したようにガラスユニット30のスライド移動を許容する構成を採用した場合、同ガラスユニット30がスライドすることで当該ガラスユニット30のガラスパネル32と遊技盤80の遊技領域PEに配された釘87等の各種構成とが干渉することは好ましくない。そこで本実施の形態においては、そのような不都合を回避するための各種工夫が施されている。以下、その一例について説明する。
【0199】
図30に示すように、内枠13に固定されたプレート部材281には、前面扉14が閉じている場合に取付部35に対して遊技盤80側から当接する当接部282が形成されている。当接部282が取付部35に対して当接することにより、ガラスユニット30の遊技盤80側へのスライド移動が阻止されることとなる。これにより、遊技領域PEに設けられた各種構成とガラスパネル32との隙間を維持し、上記干渉等の発生を抑制している。なお、当接部282に相当する構成は、ガラスユニット30の外周に沿うようにして複数配設されている。当接部282については、取付部35を当接対象としたが、これに限定されるものではない。詳細な説明は省略するが、他の当接部の当接対象は取付部35以外の部位(例えば枠部34等)となっている。
【0200】
以上詳述したようにガラスユニット30及び遊技盤80の隙間の拡がりを規制する構成と、ガラスユニット30のスライド移動を許容する構成とを併用することにより、ガラスパネル32と遊技盤80との位置関係を好適に維持することができ、更には防犯機能の向上が期待される。ここで、図31及び図32に基づき外的に要因により前面扉14と内枠13との位置関係が変化した場合のガラスユニット30と遊技盤80との位置関係について説明する。図31は前面扉14の回動基端側における遊技盤80とガラスユニット30との位置関係を示す概略図、図32は前面扉14の回動先端側における遊技盤80とガラスユニット30との位置関係を示す概略図である。
【0201】
前面扉14が内枠13に対して閉じている状態では、図31(a)に示すように遊技盤80(詳しくは第2レールカバー400)の対向部450に対してガラスユニット30の延出部39が僅かな隙間を隔てて対向しているとともに、図32(a)に示すようにガラス側係合部材700の爪部703が遊技盤側係合部750を構成する前板部496に対して僅かな隙間を隔てて対向している。この状態では、ガラスユニット30は、コイルバネ46の付勢力によってスライド範囲のうち最も前寄り(枠体20寄り)となる位置にて待機している。
【0202】
図31(a)→(b)に示すように、内枠13と前面扉14との境界部位にバール等の不正具Tが挿入され、同境界部位が前後方向へ押し拡げられた場合には、内枠13から前面扉14が浮き上がり、同内枠13と前面扉14との隙間が部分的に拡張されることとなる。この場合、図31(b)に示すように、対向部450に対して延出部39が後方から当接することにより、前面扉14の枠体20に追従したガラスユニット30の移動が妨げられる。具体的には、上記コイルバネ46(図30参照)が圧縮されることにより、同ガラスユニット30と枠体20との相対位置が変化することとなる。つまり、枠体20が内枠13から浮き上がったとしてもガラスユニット30はほぼ元の位置に留まったままとなる。これにより、遊技盤80(詳しくはその前面)とガラスパネル32との位置関係が好適に維持される。
【0203】
また、内枠13から枠体20が浮き上がった場合であっても、同図31の部分拡大図に示すように、ガラスユニット30がガラスユニット設置部22から離脱することは無く、ガラスユニット設置部22を構成する周壁部22aとガラスユニット30との重なりが維持されることとなる。故に、枠体20とガラスユニット30との相対位置の変化によって、それら枠体20及びガラスユニット30の隙間が拡がることを抑えることができる。故に、窓部21→同境界を通じた不正具等の挿入が容易になることを抑制できる。
【0204】
ここで、対向部450の配置について補足説明する。既に説明したように前面扉14を同前面扉14の上端部寄り及び下端部寄りに配置された支持金具71,72によって支持している構成において、前面扉14の回動安定性の向上が期待できる反面、それら両支持金具71,72の間となる部位にて、同前面扉14と内枠13との境界部位が拡がりやすくなると想定される。この点、本実施の形態における第2対向部452は、支持金具71,72の間に配置されており、上記規制機能が好適に発揮される。
【0205】
また、両第2対向部452のうち少なくとも下側の一方は、内枠13において前面扉14を支持している側の端部と上記作動口83との間に配置されている。これにより、作動口83付近における上記隙間の拡がりを好適に抑制可能となっている。
【0206】
図32(a)→(b)に示すように、内枠13と前面扉14との境界部位にバール等の不正具Tが挿入され、前面扉14が前方へ押された場合には、内枠13から前面扉14が浮き上がり、同内枠13と前面扉14との隙間が部分的に拡張されることとなる。この場合、図32(b)に示すように、遊技盤側係合部750を構成する遊技領域区画部材480の前板部496に対してガラス側係合部材700の爪部703が後方から当接することにより、前面扉14の枠体20に追従したガラスユニット30の移動が妨げられる。具体的には、上記コイルバネ46(図30参照)が圧縮されることにより、同ガラスユニット30と枠体20との相対位置が変化することとなる。つまり、枠体20が内枠13から浮き上がったとしてもガラスユニット30はほぼ元の位置に留まったままとなる。これにより、遊技盤80(詳しくはその前面)とガラスパネル32との位置関係が好適に維持される。
【0207】
また、内枠13から枠体20が浮き上がった場合であっても、ガラスユニット30がガラスユニット設置部22から離脱することは無く、ガラスユニット設置部22を構成する周壁部22aとガラスユニット30との重なりが維持されることとなる。故に、枠体20とガラスユニット30との相対位置の変化によって、それら枠体20及びガラスユニット30の隙間が拡がることを抑えることができる。故に、窓部21→同境界を通じた不正具等の挿入が容易になることを抑制できる。
【0208】
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図33のブロック図に基づき説明する。図33では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
【0209】
主制御装置162に設けられた主制御基板801には、主制御回路802と停電監視回路803とが内蔵されている。主制御回路802には、MPU811が搭載されている。MPU811には、当該MPU811により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM812と、そのROM812内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM813と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
【0210】
RAM813は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置243に設けられた電源・発射制御基板821からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
【0211】
MPU811には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路802の入力側には、主制御基板801に設けられた停電監視回路803、払出制御装置242に設けられた払出制御基板822及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路803には電源・発射制御基板821が接続されており、主制御回路802には停電監視回路803を介して電力が供給される。
【0212】
一方、主制御回路802の出力側には、停電監視回路803、払出制御基板822及び中継端子板823が接続されている。払出制御基板822には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板823を介して主制御回路802から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板824に対して各種コマンドなどが出力される。
【0213】
停電監視回路803は、主制御回路802と電源・発射制御基板821とを中継し、また電源・発射制御基板821から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
【0214】
払出制御基板822は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU831は、そのMPU831により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM832と、ワークメモリ等として使用されるRAM833とを備えている。
【0215】
払出制御基板822のRAM833は、主制御回路802のRAM813と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板821からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
【0216】
払出制御基板822のMPU831には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板822の入力側には、主制御回路802、電源・発射制御基板821、及び裏パック基板829が接続されている。また、払出制御基板822の出力側には、主制御回路802及び裏パック基板829が接続されている。
【0217】
電源・発射制御基板821は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路802や払出制御基板822等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル29の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0218】
音声ランプ制御基板824は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置825を制御するものである。演算装置であるMPU841は、そのMPU841により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM842と、ワークメモリ等として使用されるRAM843とを備えている。
【0219】
音声ランプ制御基板824のMPU841にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板824の入力側には中継端子板823に中継されて主制御回路802が接続されており、主制御回路802から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置825を制御する。表示制御装置825は、音声ランプ制御基板824から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置94を制御する。
【0220】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0221】
遊技盤80を内枠13の正面側から着脱可能とすることにより、内枠の背面側から遊技盤を着脱する構成と比較して作業の容易化を促進できる。遊技盤を内枠の背側から着脱する構成を想定した場合、内枠を開放した状態で遊技盤の着脱を行う必要が生じる。この場合、例えば内枠が移動しないように同内枠の移動を手で押さえることで、遊技盤の装着作業を円滑に行うことができる。しかしながら、遊技盤の着脱作業の円滑化のために、内枠を手で押える等した場合には、作業が煩雑化し得る。この点、上記実施の形態に示したように内枠13を外枠11に対して閉じた状態で遊技盤80の着脱作業が可能であれば、押し込み操作等によって内枠13が移動することを回避できる。これにより、遊技盤80の着脱作業時に内枠13を手で押さえるといった予備的作業を不要とし、作業の容易化に貢献できる。なお、裏パックユニット15の開閉操作を省略することが可能となるため、作業手順の簡略化を図ることもできる。
【0222】
遊技盤80を装着する際には、同遊技盤80を内枠13の仮置き部125に載せた状態で回動させることが可能となっている。つまり、遊技盤80の重量の少なくとも一部を内枠13側に預けることができるため、同遊技盤80を支えたまま回動させる必要がない。これにより、作業負担の軽減を図っている。
【0223】
遊技盤80を挿入部290に挿入することにより同遊技盤80の突起431と樹脂ベース70の受け部275とが引っ掛かり、当該遊技盤80の挿入部290からの脱落が阻止される。このため、例えば上記回動操作中に遊技盤80から手を離したとしても、それ起因して遊技盤80の装着作業のやり直しが発生するといった不都合が生じにくくなっている。これにより、作業の容易化に貢献できる。
【0224】
また、遊技盤80の挿入部290からの外れを抑制することにより、遊技盤80の装着軌道のばらつきを抑えることも可能となる。これにより、遊技盤80を回動させる際に同遊技盤80が他の構成と干渉することを好適に抑制できる。
【0225】
遊技盤80の装着作業時には、遊技盤80を挿入部290に挿入することによって阻止状態に移行されるため、阻止状態への移行のための別途操作を必要としない。故に、脱落阻止構造を採用することによる遊技盤装着作業の煩雑化を回避することができる。
【0226】
上記突起431及び受け部275は遊技盤80の前面側に配されている。これにより、遊技盤80の脱落が阻止されている状態に切り替っているか否かを目視にて確認しやすくなっている。特に、突起431を第2レールカバー400に一体形成することにより、つまり強度を確保する必要がある構成をまとめることにより、遊技盤80の前面側での占有領域の拡がりを抑えている。この場合、第2レールカバー400の起立部420等によって上記視認性が低下すると懸念されるが、本実施の形態においては第2レールカバー400を透明とすることにより、起立部420を通して突起431を視認可能となっている。これにより、占有領域の拡がりを抑えつつ、それに起因した突起431等の視認性の低下を抑えている。
【0227】
遊技盤80を回動可能とする場合、例えば同遊技盤80を回動可能に支持する軸ピンを樹脂ベース70に設けることも可能である。しかしながら、そのように軸ピンを有する構成を採用した場合、遊技盤80を軸ピンに挿通するための作業スペースを確保する必要が生じる。具体的には、少なくとも軸ピンの中心軸線の延長上にて上記作業スペースを確保する必要が生じる。例えば、軸ピンを樹脂ベースの前方又は後方へオフセットして配置することにより同樹脂ベースと上記作業スペースとの重なりを回避することも可能であるが、このように軸ピンをオフセットして配置することはパチンコ機10の薄型化を難しくする要因となり得るため好ましくない。この点、突起431及び受け部275によって遊技盤80を回動可能とすれば、上記不都合を回避し、パチンコ機10の薄型化を促進することができる。
【0228】
上述の如く遊技盤80を樹脂ベース70に対して着脱可能な構成とすることにより、例えばメンテナンス作業の容易化や遊技盤80の交換(機種変更等)の容易化に貢献できる。しかしながら、遊技盤80を着脱可能とすることにより、以下の不都合が生じやすくなると想定される。つまり、遊技盤80の輸送時に同遊技盤80がぶつけられたり、遊技盤80の着脱作業時に同遊技盤80が前面扉14や内枠13等に干渉したりする可能性がある。
【0229】
遊技盤80の前面には釘87や誘導レール100等の遊技球の動きに影響を与える部品が配設されており、これらの部品が上記干渉の対象となり変形等が生じた場合には、遊技球の動きが想定外のものとなり得るため好ましくない。特に、誘導レール100については釘87等の遊技領域PEに配設された各種構成を囲っているため、それら釘87等と比べて干渉の対象になりやすいと想定される。また、同誘導レール100は遊技球発射機構110から発射された遊技球を遊技領域PEに誘導する機能を有しており、仮に上記干渉により変形等が生じると、誘導機能が低下すると懸念される。本実施の形態によれば、誘導レール100をレールカバー350,400によって覆うことにより、誘導レール100を保護し、上記不都合の発生を抑えることが可能となっている。
【0230】
第2レールカバー400は、誘導レール100を遊技領域PEの外側且つ遊技盤80の正面側から覆っている。これにより、誘導レール100の保護機能の向上が図られている。
【0231】
特に、上述の如く前面扉14と内枠13(樹脂ベース70)との間から挿入部290へ遊技盤80を挿入する構成においては、遊技盤80の正面側に前面扉14が位置するため、同前面扉14と誘導レール100とが干渉しやすくなると想定される。そこで、第2レールカバー400によって同前面扉14側から誘導レール100を覆うことにより、同誘導レール100と前面扉14との干渉を好適に抑制できる。
【0232】
遊技盤80を挿入部290に挿入する際には、誘導レール100において挿入先側となる部分が干渉する可能性が他の部位と比べて干渉しやすくなると想定される。この点、本実施の形態によれば、第2レールカバー400によって誘導レール100における遊技盤80の挿入方向先側となる部位を覆う構成とすることにより、上記保護機能を好適に発揮させることができる。
【0233】
また、遊技球発射機構110から発射された遊技球は、誘導レール100において上記第2レールカバー400によって覆われている部分を経由して遊技領域PEに到達する。つまり、第2レールカバー400により誘導レール100において誘導通路103を構成している部分を覆うことにより、遊技球の誘導機能の担保することが可能となっている。
【0234】
本実施の形態においては特に、第2レールカバー400のベース部410に括れを形成するとともに起立部420が湾曲部421を有することにより、誘導レール100と第2レールカバー400と遊技盤80の前面において好適に共存させている。つまり、誘導レール100によって区画されている遊技領域PEの圧迫を抑えつつ第2レールカバー400を配置している。つまり、第2レールカバー400の保護機能を享受しつつ同第2レールカバー400の占有領域の拡がりを抑えることにより、実用上好ましい構成が実現されている。
【0235】
特に誘導レール100(詳しくは外レール102)において挿入部290側に凸となっている部分と遊技盤80の端部との間となる部位では、第2レールカバー400の設置が許容される領域が狭くなっている。この点、起立部420に外レール102に沿って湾曲する湾曲部421を形成することにより、占有領域の拡がりを抑えつつ、起立部420の強度(詳しくは遊技領域PEの外側から加わる外力に対する耐性)を向上させている。
【0236】
また、起立部420の湾曲部421には対向部450が形成されており、同対向部450が上側起立部422と下側起立部423とに繋がる構成とすることにより、湾曲部421の更なる強度向上が期待できる。特に、対向部450は第1対向部451及び第2対向部452,453が前後に段差状となるように形成されている。これにより、更なる強度向上が可能となっている。
【0237】
上側起立部422及び下側起立部423は、外レール102の頂部102aから遠ざかるにつれて同外レール102との間の隙間が拡がっており、その隙間を埋めるようにして内側ベース部411が形成されている。つまり、湾曲部421を挟んだ上下両側においては、内側ベース部411及び外側ベース部412が形成されている。これら内外のベース部411,412を有する構成とすることにより、湾曲部421の変形を好適に抑えることが可能となっている。
【0238】
このように強度が要求される第2レールカバー400に上記突起431を配設することにより、突起431に相当する構成を別途設ける場合と比較して遊技盤80前面側での設置領域の減縮が可能となっている。
【0239】
内枠を前扉枠で覆うタイプの遊技機においては内枠と前扉枠との位置関係に配慮した構成が採用されているものがある。このような構成では、内枠の樹脂ベースと前扉枠との位置関係を好適に維持することはできるものの、樹脂ベースとは別体で設けられた遊技盤と前扉枠に設けられたガラスパネルとの位置関係を好適に維持することは困難であると想定される。つまり、遊技盤及びガラスパネルの相対位置(前後位置)の変化やばらつきを抑えることは難しいと想定される。
【0240】
遊技盤とガラスパネルとの間に遊技領域が設けられ、その遊技領域を遊技球が流下する構成においては、上述した遊技盤及びガラスパネルの相対位置の変化は遊技領域における遊技球の挙動に影響を及ぼす要因となり得る。遊技盤を有する遊技機においては遊技領域における遊技球の挙動によって有利不利が決定されるため、上述したような遊技盤とガラスパネルとの相対位置の変化は好ましくない。
【0241】
この点、本実施の形態においては、前面扉14の延出部39が遊技盤80の第2レールカバー400と外レール102との間に挿通される構成とすることにより上記不都合の発生を好適に抑え、遊技領域PEを流下する遊技球の挙動を好適なものとすることができる。
【0242】
特に、本実施の形態においては、遊技盤80を樹脂ベース70に対して着脱可能とする構成を採用することにより、メンテナンス作業の容易化や機種変更の促進等に貢献している。しかしながら、このように遊技盤80を着脱可能とすることで、上記効果が期待できる反面、樹脂ベース70に対する遊技盤80の位置ばらつきが生じやすくなると想定される。このため、仮に前面扉14と樹脂ベース70との位置関係を好適に維持することができたとしても、上述した遊技盤80と樹脂ベース70との位置ばらつきは、遊技盤80とガラスパネル32との位置関係に影響を及ぼすと想定される。この点、前面扉14の延出部39と遊技盤80の第2レールカバー400とを設けることによって、上記不都合を抑制し、メンテンナンス作業の容易化等と遊技盤及びパネル部材の位置関係の維持とを好適に両立させることができる。
【0243】
誘導通路103と対向部450との間に前面扉14の延出部39を介在させるとともに、その延出部39における後側の板面とガラスパネル32における後側の板面とを面一とすることで誘導通路103を通過する遊技球の挙動の安定化に貢献できる。
【0244】
例えば、誘導通路103をガラスパネル32と第2レールカバー400の対向部450とによって前方から覆う構成とすることも可能ではあるが、ガラスパネル32が前面扉14側に設けられているとともに対向部450が遊技盤80側に設けられているため、それらガラスパネル32と対向部450との間には隙間や段差が生じやすくなると想定される。このため、誘導通路103により誘導されている遊技球の挙動がこれら隙間や段差等を通過する際に乱れて、安定した遊技球の誘導が困難となり得る。この点、上述の如く、面一となるように設けられた延出部39とガラスパネル32とによって誘導通路103を覆う構成とすれば、そのような不都合を払拭し、実用上好ましい構成を実現できる。
【0245】
また、遊技盤80において前面扉14の回動基端部寄りとなる位置に対向部450を配するとともに前面扉14の回動基端部に延出部39を配することにより、上記隙間に延出部39が挿入される際の同延出部39の移動方向を遊技盤80の前面と略平行とすることが可能となる。故に、例えば対向部450と延出部39との隙間を小さくしたり、それら対向部450及び延出部39の掛かり代(すなわち前後方向における重なり代)を大きくしたりすることができ、上述した隙間の拡がりを規制する機能を一層好適なものとすることができる。
【0246】
、前面扉14の上端及び下端寄りに配置された支持金具71,72によって支持しているため、それら支持金具71,72の中間部位では、前面扉14と内枠13と隙間が拡がりやすくなると想定される。そこで、上記延出部39等を前面扉14の回動基端側に配することにより、そのような不都合の発生を好適に抑制することが可能となっている。
【0247】
また、前面扉14の回動先端側においては施錠装置500により前面扉14の浮き上がりが好適に抑制されているもの、回動基端側では上記支持金具71,72の中間位置での浮き上がりが容易になり得る。仮に前面扉14の回動基端側における内枠13との境界部位からバール等の不正具が挿入され、無理に上記境界部位が押し拡げられると、遊技領域PEにて意図的に球詰まりを発生させることが可能となる。仮に、このような球詰まりが作動口83等の入球口の傍で発生すると、後続する遊技球がそれら球詰まりしている遊技球群によって作動口83等に誘導され、作動口83等への入賞確率が変わってしまうと想定される。つまり、意図的に球詰まりを発生させることにより、不正に特典を享受しようとする試みがなされると懸念される。この点、本実施の形態においては、上記延出部39及び対向部450(詳しくは第2対向部453)を作動口83と上記回動基端側の境界部位との間に配置することにより、上述した不正行為を好適に抑制することが可能となっている。
【0248】
延出部39と対向部450とが当接している場合には、第2レールカバー400に対して遊技盤80から浮き上がるような応力が加わることとなる。第2レールカバー400は起立部420を有しており、前後方向への変形に対する強度が高められている。これにより、延出部39によって前方へ引っ張られたとしても、同第2レールカバー400の変形を抑えることができる。故に、上記隙間の拡がりを好適に抑制できる。
【0249】
以上詳述したように、遊技盤80(詳しくはその前面)とガラスユニット30(詳しくはガラスパネル32)との位置関係を維持可能な構成においては、例えば、延出部39や対向部450の強度を向上することにより隙間の拡がり規制機能を向上することが可能ではある。しかしながら、パチンコ機10内部の限られた領域にてそのように強度向上を図ることは困難であると想定される。特に、遊技盤80の前面側には遊技領域PEが形成されており、強度向上によって遊技領域PEが圧迫されることは好ましくない。更には、枠体20等の浮き上がりに伴って発生する応力が延出部39等に集中することにより同延出部39等に変形が生じやすくなる。故に、規制機能を担保することが困難になり得る。以上の理由から、強度向上に頼って規制機能を向上させることは困難であると想定される。この点、本実施の形態においては、強度向上を図るのではなく、ガラスユニット30をスライド移動可能とすることにより上記規制機能を好適に向上させている。具体的には、ガラスユニット30を前面扉14の枠体20に対して前後方向へのスライド移動を許容した状態で取り付けている。このため、延出部39と対向部450とが当接することで遊技盤80とガラスユニット30との相対位置の変化を抑えつつ、それに伴って延出部39や対向部450等に生じる負荷を小さくすることができる。これにより、上記不都合の発生を抑え、遊技盤80とガラスユニット30との位置関係を好適に維持することができる。
【0250】
ガラスユニット30を可動式とするとともに、コイルバネ46の付勢力によってガラスユニット30を特定位置に保持する構成とすることにより、過度に大きな応力がガラスユニット30や遊技盤80に加わることを抑制することができる。例えば、内枠13と前面扉14との境界部位からバール等の不正具を挿入して、前面扉14を無理やり浮き上がらせるといった不正行為が行われた場合であっても、そのような行為によって発生する応力が、ガラスユニット30や遊技盤80に集中することを抑制することができる。これにより、隙間の拡がりを規制する機能の担保に貢献することができる。
【0251】
また、ガラスユニット30を可動式とするとともに遊技盤80を固定式とすることにより、以下の効果が期待できる。すなわち、内枠13には、遊技盤80だけでなく、遊技球発射機構110が設けられており、上述の如くガラスユニット30をスライドさせることで、遊技盤80と遊技球発射機構110との位置関係を好適に維持しつつ同ガラスユニット30と遊技盤80との位置関係を維持することが可能となる。つまり、ガラスユニット30を固定式とし、遊技盤80を移動式とする場合と比較して、構成の煩雑化を抑えつつ、上記防犯効果等を発揮させることができる。
【0252】
ガラスユニット30を可動式とすることにより、枠体20の窓部21を通じた不正具の挿入が容易化されることは好ましくない。この点、本実施の形態においては内枠13のプレート部材281に設けられた当接部282等によって遊技盤80側へのガラスユニット30の移動を規制する構成とした。これにより、例えばガラスユニット30が押される等した場合であっても、上記隙間が拡大することを抑制することができ、防犯性の低下を抑えることが可能となっている。
【0253】
更には、ガラスユニット30の可動範囲においては同ガラスユニット30がガラスユニット設置部22から離脱することを回避し、ガラスユニット30と枠体20との境界部位の拡がりを抑えている。これにより、窓部21→同境界部位を通じた不正具の挿入を困難なものとすることができる。
【0254】
本実施の形態においては、ガラスユニット30を可動式とするとともに、同ガラスユニット30をコイルバネ46によって前方へ付勢し、前方での限界位置を保持部57によって規定した。これにより、前面扉14を閉じる際のガラスユニット30の位置ばらつきを抑えることができ、規制状態への移行の円滑化を図っている。
【0255】
また、ガラスユニット30を前方へ付勢し、同ガラスユニット30の延出部39が遊技盤80の対向部450に対して当接することで、当該ガラスユニット30の前方への変位を規制する構成とした。このため、仮に、前面扉14が内枠13から浮かした状態で、更にガラスユニット30が前方に引っ張られた場合であっても、付勢力に依存するのではなく延出部39と対向部450との引っ掛かりにより、同ガラスユニット30の前方への変位が規制されることとなる。このようにガラスユニット30の前方への移動を付勢力に頼るのではなく機械的に妨げる構成とすることで、上記隙間維持機能を好適に高めることができ、更なる防犯性向上が期待できる。
【0256】
また、延出部39が対向部450に対してパチンコ機10の前方から対向する構成と比較して、以下の効果が期待できる。すなわち、このような構成においては、隙間維持機能を好適に発揮させるには、延出部39と対向部450とが前面扉14を閉じている状態において常時当接する構成とし、更には、ガラスユニット30を後方へ付勢することにより、延出部39及び対向部450を強干渉させておく必要が生じる。この場合、前面扉14に浮き上がり等が発生していない通常時にいおいて、浮き上がりが発生している場合よりも大きな付勢力が延出部39等に加わることとなり、延出部39や対向部450の機能保護が難しくなり得る。この点、上記実施の形態における構成においては、前面扉14の浮き上がりが発生していない場合には、同浮き上がりが発生している場合と比較して小さな付勢力しか加わらない、又は付勢力が加わらない。これにより、上記不都合を好適に払拭することができ、延出部39や対向部450の保護を図ることができる。故に、上記隙間維持機能を好適に担保することが可能となる。
【0257】
また、本実施の形態においては、前面扉14の回動基端側と回動先端側とに遊技盤80とガラスユニット30との隙間の拡がりを規制する構成(第1規制機構及び第2規制機構)を配することにより、遊技盤80の隙間維持のバランスを好適なものとしている。特に、それら各規制機構については前面扉14の開閉に伴って規制状態と規制解除状態とが切り替る構成となっている。具体的には、前面扉14の回動基端側に配された第1規制機構については、前面扉14の開閉動作に基づいて規制状態と規制解除状態との切り替えがなされ、前面扉14の回動先端側に配された第2規制機構については、前面扉14の閉動作に基づいて規制状態への切り替えがなされるとともに施錠装置500における前面扉14の解錠操作に基づいて規制解除状態への切り替えがなされる構成とした。このため規制機構の切り替えのための別途操作を必要とすることがなく、パチンコ機に対して隙間維持機能を付与することに起因したメンテナンス作業等の作業性の低下を抑制している。
【0258】
特に第2規制機構においては、施錠装置500による前面扉14の施錠状態が解除される前に、すなわち前扉用鉤部材550と鉤受け部材63の引っ掛かり解除される前に、隙間の拡がり規制が解除される構成とした。これにより、仮に作業ミス等により施錠解除操作の途中にて前面扉14がパチンコ機10の前方に引っ張られた場合でも、その負荷が第2規制機構に集中するといった不都合を回避することができる。これにより、第2規制機構を保護し、隙間維持機能を好適に担保することができる。
【0259】
また、第2規制機構においてはガラス側係合部材700を可動式、遊技盤側係合部750を固定式とした。遊技盤80においてガラスユニット30と対向する位置には遊技領域PEが形成されているが、上述の如く遊技盤側係合部750を固定式とすることで、以下の効果が期待できる。すなわち、遊技盤側係合部750の簡素化・省スペース化を図り、遊技盤80の前面側にて遊技盤側係合部750と遊技領域PEとを好適に共存させることが可能となる。これにより、遊技盤側係合部750を遊技領域PEに近い位置に配することができ、遊技盤80の前面側にて上記隙間の変化を規制することが可能となる。故に、上記隙間維持機能を一層好適なものとすることができる。
【0260】
遊技領域区画部材480については、返しゴム490や把持部等が設けられる部材であり、ある程度の強度確保が必要となっている。このような強度が要求される部材に遊技盤側係合部750を設けることにより、遊技領域区画部材480の強度を好適に利用して遊技盤側係合部750の強度を確保することができる。これにより、例えば遊技盤側係合部単独で強度確保を図る場合と比較して、当該遊技盤側係合部の占有領域が無駄に拡がることを抑制することができる。
【0261】
また、上記実施の形態では、前面扉14が閉位置に向けて移動する過程にて、先ず第2規制機構(詳しくはガラス側係合部材700)の規制状態への切り替えが開始され、その後、前扉用鉤部材550の施錠状態への切り替えが開始される構成とした。つまり、ガラス側係合部材700のフランジ部704が、前扉用鉤部材550の延出部565に先んじて同延出部565から遠ざかる側へ移動を開始する構成とした。これにより、延出部565とフランジ部704との引っ掛かりを回避しつつ、第2規制機構の規制状態への切替完了タイミングと施錠装置500の施錠状態への切替完了タイミングとを揃えることが可能となっている。故に、ガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750の遊びと、前扉用鉤部材550及び鉤受け部材63の遊びとを小さくすることができ、施錠機能を担保しつつ、隙間の拡がりを規制する機能を向上することが可能となっている。
【0262】
遊技盤80の樹脂ベース70からの取り外しを阻止するロック装置79を樹脂ベース70の前面側に配し、前面扉14を開放することにより、同樹脂ベース70の取り外しが許容される構成とした。これにより、前面扉14が閉鎖されている状態、すなわち上記隙間の拡がりが規制されている状態にて、遊技盤80が移動されることを抑制し、規制機構の保護を図ることが可能となっている。
【0263】
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
【0264】
(1)上記実施の形態では、ガラスユニット30を可動式とすることにより同ガラスユニット30と前面扉14の枠体20との相対位置の変位を許容し、ガラスユニット30(詳しくはガラスパネル32)と遊技盤80(詳しくはその前面)との位置関係を維持する構成としたが、これに限定されるものではない。遊技盤80を可動式とすることにより同遊技盤80と内枠13の樹脂ベース70との相対位置の変位を許容し、ガラスユニット30(詳しくはガラスパネル32)と遊技盤80(詳しくはその前面)との位置関係を維持する構成としてもよい。また、ガラスユニット30及び遊技盤80をそれぞれ可動式とすることも可能である。
【0265】
但し、遊技盤80を可動式とした場合、前面扉14の内枠13からの浮き上がりに応じて、遊技盤80がガラスユニット30に追従して移動することとなる。この際、遊技盤80と同遊技盤80に遊技球を供給する遊技球発射機構110との前後位置がずれることは好ましくない。そこで、遊技盤80が可動式となるように変更を行う場合、併せて以下の変更を行うことが好ましい。具体的には、遊技球発射機構110を樹脂ベース70に対して前後方向へのスライド移動を許容した状態でとりつけるとともに、遊技盤80とともに遊技球発射機構110が移動する構成とするとよい。これにより、遊技盤80と遊技球発射機構110との位置関係を好適に維持することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
【0266】
(2)上記実施の形態では、誘導レール100を覆う第2レールカバー400に「規制手段」としての機能を付与したがこれに限定されるものではない。つまり、第2レールカバー400に設けられた対向部450に相当する構成を別途設けてもよい。また、対向部450に相当する構成を遊技盤80ではなく樹脂ベース70に設けることも可能ではあるが、この場合、遊技盤80と樹脂ベース70との位置関係のばらつきが、遊技盤80とガラスユニット30との位置関係に影響を与える可能性が生じ、それら遊技盤80とガラスユニット30との位置関係を維持する機能が低下し得る。故に、望ましくは対向部450に相当する構成は遊技盤80に設けるとよい。
【0267】
また、対向部450に付与した規制機能を遊技盤80自体に付与することも可能である。例えば、ガラスユニット30の延出部39に相当する構成が遊技盤80の背面に当接する構成とすることも可能である。言い換えれば、「規制手段」を構成する延出部39及び第2レールカバー400が遊技盤80の前方にて引っ掛かる構成としたが、これに限定されるものではない。遊技盤80の後方にて引っ掛かる構成とすることも可能である。例えば、上述したように遊技盤80の背面に対して延出部39が引っ掛かる構成にするとよい。
【0268】
(3)上記実施の形態では、遊技盤80に設けられた第2レールカバー400の対向部450とガラスユニット30に設けられたガラスホルダ33の延出部39とによって「規制手段」を構成し、同「規制手段」を前面扉14の回動基端側に配したが、これに限定されるものではない。例えば、「規制手段」に相当する構成を前面扉14の回動先端側に配することも可能である。
【0269】
例えば、遊技盤80及びガラスユニット30の相対移動が不可となるようにロックするロック状態と、遊技盤80及びガラスユニット30の相対移動を許容するロック解除状態とに切替可能なロック装置を設け、同ロック装置を前面扉14が開放されている場合にはロック状態に切り替わるとともに前面扉14が閉じた場合にロック状態に切り替る構成とすることも可能である。なお、このようなロック装置を採用する場合、同ロック装置が施錠装置と連動してロック状態からロック解除状態に切り替る構成とすることで、更なる防犯性の向上が期待できる。
【0270】
(4)上記実施の形態では、「パネル部」としてのガラスユニット30が複数のガラスパネル31,32を有する構成としたが、ガラスパネルの数は任意である。例えば、ガラスユニット30を1のガラスパネルとガラスホルダとによって構成してもよい。但し、安全性や防犯性の向上を念頭に置けば、パネル部材を少なくとも2枚採用することが好ましい。
【0271】
また、「パネル部」を構成しているガラスパネル31,32を同じく「パネル部」を構成しているガラスホルダ33を介して「扉枠」としての枠体20に取り付ける構成としたが、このガラスホルダ33を省略し、ガラスパネル31,32を枠体20に対して直接取り付ける構成とすることも可能である。例えば「パネル部」が1のガラスパネルによって構成されている場合、同ガラスパネルを枠体に対してスライド移動可能な状態で取り付けることも可能である。
【0272】
(5)上記実施の形態では、「遊技機本体」としての内枠13に対して「扉体」としての前面扉14が回動可能な構成を採用したが、これに限定されるものではない。前面扉14は内枠13をパチンコ機10の前方から覆っていればよく、その開閉方法は任意である。例えば、前面扉14が閉位置と開位置とにスライド移動可能な構成とすることも可能である。
【0273】
(6)上記実施の形態では、「付勢手段」としてのコイルバネ46を前面扉14に取り付ける構成としたが、同コイルバネ46の取付対象は前面扉14に限定されるものではない。例えば内枠13に取り付けられたコイルバネ46によってガラスユニット30をパチンコ機10の前方へ付勢することも可能である。
【0274】
なお、コイルバネ46に関して必須の構成ではなく、これを省略することも可能である。但し、コイルバネ46を省略した場合、ガラスユニット30の位置がばらついた状態で前面扉14が閉じた場合であっても、延出部39が遊技盤80の前面と対向部450との間に挿入されるように同延出部39を誘導する誘導部を設けることが好ましい。例えば、上記誘導部として、対向部450の先端部分や延出部39の先端部分の一方に、当該一方が他方に対して当たった場合に、同延出部39(ガラスユニット30)を誘導する誘導傾斜面を形成するとよい。
【0275】
(7)上記実施の形態では、ネジ45によってガラスユニット30を枠体20に取り付ける構成としたが、ガラスユニット30が前後方向へ移動可能な状態で取り付けられているのであればその取付方法は任意である。例えば、枠体20に、ガラスユニット30の取り外しを阻止するロック位置と取り外しを許容するロック解除位置とに切替可能なロック機構を設け、同ロック機構によってガラスユニット設置部22からのガラスユニット30の脱落を阻止するとよい。
【0276】
(8)上記実施の形態では、ガラスユニット設置部22を凹状とし、同ガラスユニット設置部22にガラスユニット30を収容する構成としたが、これに限定されるものではない。少なくともガラスユニット30をスライド移動可能に保持する保持部57に相当する構成を有していればよく、同ガラスユニット設置部22を省略してもよい。
【0277】
但し、ガラスユニット設置部22を省略した場合、ガラスユニット30を移動可能にしたことにより、窓部21を通じた不正具等の侵入が容易になり得る。これは、防犯性を低下させる要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、ガラスユニット設置部22の周壁部22aに相当する構成を設け、同周壁部22aとガラスユニット30とをガラスユニット30のスライド方向と直交する方向に重ねるとよい。
【0278】
(9)上記実施の形態では、内枠13に「ストッパ」としての当接部282を設け、それら当接部282によって遊技盤80側へのガラスユニット30の移動を阻止する構成としたが、これら当接部282は必須の構成ではなく省略することも可能である。但し、当接部282等を省略した場合には、前面扉14を閉じている状態にてガラスユニット30が押されることにより、同ガラスユニット30と遊技盤80との隙間が小さくなり得る。これは、本実施の形態における上記隙間維持の思想に逆行することとなり得るため好ましくない。故に、望ましくは当接部282に相当する構成の省略は控えるとよい。
【0279】
(10)上記実施の形態では、ガラスユニット30の取付部35とコイルバネ46とを同じ位置に配置したが、これら取付部35とコイルバネ46との配置は任意に変更してよい。但し、取付部35にガラスユニット30をスライド移動可能とする機能が付与されている点に着目すれば、コイルバネ46を取付部35寄りとなる位置に配置することが望ましい。なお、コイルバネ46に代えて、板バネ等の他のバネを採用することも可能であり、更にはゴム等の他の付勢部材を採用することも可能である。
【0280】
(11)上記実施の形態では、ガラスユニット30の延出部39が遊技盤80の対向部450に対して後方から当接することにより、ガラスユニット30の前方への移動を不可とする構成とした。ガラスユニット30の前方への移動を不可とする構成は、それに限定されるものではない。例えば、延出部39が対向部450に対して前方から当接する構成を採用するとともに、コイルバネ等の付勢手段を用いてガラスユニット30を遊技盤80側へ付勢する構成とすれば、ガラスユニット30の前方への移動を抑えることが可能となる。
【0281】
但し、このような変更を行った場合には、ガラスユニット30と枠体20との相対位置のずれが大きくなった場合に規制機能が停止しないように、付勢力の初期値を高めに設定する必要が生じる。このため、上記相対位置のずれが最も小さい状態にて上記付勢力が最大となり、延出部39や対向部450に生じる負荷が大きくなると想定される。これは規制機能担保の観点から好ましくないと考えられる。一方、上記実施の形態においては、相対位置のずれ量が最小である場合にコイルバネ46の付勢力も最小となり、延出部39や対向部450に生じる負荷が大きくなることを好適に回避することができる。更には、ガラスユニット30と遊技盤80との隙間の変化が微小な場合には、延出部39と対向うぶ450との当接を回避することができ、それら延出部39等を好適に保護することが可能となる。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したようにガラスユニット30側の「規制部」としての延出部39が遊技盤側の「規制部」としての対向部450に対して後方から当接(対向)する構成を採用するとよい。
【0282】
(12)上記実施の形態では、内枠13(詳しくは樹脂ベース70)において前面扉14を軸支している側と同一側に挿入部290を配したが、これを変更し、内枠13において前面扉14を軸支している側とは反対側に挿入部290を配することも可能である。但し、このような変更を行った場合には、遊技盤80を着脱する際に前面扉14が作業の邪魔になりやすいと想定される。確かに、前面扉14の開放量を大きくすることで、作業性の低下を抑えることは可能であるが、このような対応は作業スペースが無駄に拡がる要因となり得るため好ましくない。特に、遊技ホール等の島設備に設置されている状態にて前面扉14を大きく開放させる必要があると、隣接する遊技機での遊技を妨げる要因となり得るため好ましくない。この点、上記実施の形態に示したように、前面扉14を軸支している側と同一側に挿入部290を配すれば、上記不都合を払拭し、実用上好ましい構成を実現できる。
【0283】
(13)上記実施の形態では、遊技盤80を回動させることにより装着完了位置へ配置可能な構成としたが、これに限定されるものではない。例えば遊技盤80を所定の方向にスライド移動させることで装着完了位置へ配置可能な構成とすることも可能である。
【0284】
(14)上記実施の形態では、樹脂ベース70に対して遊技盤80を同樹脂ベース70の前方から着脱可能な構成としたが、これを変更し、同遊技盤80を樹脂ベース70の後方から着脱可能な構成とすることも可能である。
【0285】
(15)上記実施の形態では、「パネル部材」をガラス製としたが、合成樹脂製とすることも可能である。このようにパネル部材を合成樹脂製とする場合には、併せて以下の変更を行うことも可能である。すなわち、延出部39に相当する構成を、パネル部材に設けることも可能である。
【0286】
(16)上記実施の形態では、「パネル側係合部」としてのガラス側係合部材700を可動式とし、「遊技盤側係合部」としての遊技盤側係合部750を固定式としたが、これに限定されるものではない。少なくとも両者のうち一方が可動式となっていればよく、例えばガラス側係合部材を固定式とし、遊技盤側係合部を可動式とすることも可能である。
【0287】
上記実施の形態においては特に、施錠装置500における可動部材(詳しくは連動杆540や前扉用鉤部材550)が内枠13(樹脂ベース70)に配設されている。そこで、上述の如く、遊技盤側係合部750を可動式とすれば、遊技盤側係合部750と施錠装置500との位置関係のばらつきを抑えることができる。また、前面扉14を回動可能に軸支している構成においては、同前面扉14の回動先端側にて、前面扉14の位置ずれ等が生じやすくなると想定される。この点、上述の如く遊技盤側係合部750を可動式とすれば、前面扉14の位置ずれに起因して施錠装置500の解錠動作との連動が妨げられるといった不都合の発生を好適に抑制することができる。
【0288】
なお、ガラス側係合部材と遊技盤側係合部との両者を共に可動式とすることも可能である。但しこのような変更を行った場合には、一方を固定式とする場合と比較して隙間維持機能の更なる向上が困難であるのに対して、構成が複雑化することによる耐久性の低下等のデメリットが生じ得る。故に、望ましくは、一方の係合部のみを可動式とするとよい。
【0289】
(17)上記実施の形態では、ガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750を、施錠装置500寄りとなる位置に配置したが、それらガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750の配置は任意である。但し、施錠装置500に生じる動力を利用して規制状態から規制解除状態への切り替えを行う場合、施錠装置500から離れるにしたがって、上記動力の伝達が困難になる。故に、望ましくは、ガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750を、施錠装置500寄りとなる位置に配置するとよい。
【0290】
(18)上記実施の形態では、遊技領域区画部材480に遊技盤側係合部750を設けたが、これを変更し、遊技領域区画部材480とは別に遊技盤側係合部を設けてもよい。
【0291】
このような変更を行う場合には、遊技盤側係合部を遊技盤80の前面側ではなく背面側に配することも可能である。例えば、遊技盤側係合部を遊技盤80とは別体で設けるのではなく、遊技盤80自身の背面等にガラス側係合部材700が引っ掛かる構成、すなわち遊技盤80に遊技盤側係合部を形成する構成としてもよい。
【0292】
しかしながら、遊技盤80が当該遊技盤80の前面基準で位置決めされている点に着目すれば、遊技盤側係合部を遊技盤80の背面側に配することで、遊技盤80の厚み誤差の影響を受けやすくなり、同影響が隙間維持機能を低下させる要因となり得る。故に、遊技盤側係合部を配設する場合には、上記不都合の発生を回避すべく同遊技盤側係合部を遊技盤80の前面側に配することが好ましい。
【0293】
(19)上記実施の形態では、ガラス側係合部材700が施錠装置500の前扉用鉤部材550に連動して、規制状態から規制解除状態に切り替る構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも前面扉14の施錠を解除する場合にキー操作等に追従して動作する可動部材に対して連動する構成とすればよい。例えば、ガラス側係合部材700が連動杆540に対して連動する構成とすることも可能である。
【0294】
但し、このような変更を行う場合には、以下の点に配慮することが好ましい。すなわち、本実施の形態に示す連動杆540においては内枠用鉤部材620を動作させる機能が付与されているため、内枠13を開放する際にも動作することとなる。このように前面扉14の開放とは関係なく連動杆540が動作した場合には、その影響が規制機構におよぶことを回避することが好ましい。
【0295】
(20)上記実施の形態では、前面扉14の回動基端側に施錠装置500とは別個独立して機能する第1規制機構を配設したが、同第1規制機構については必須の構成ではなく、これを省略することも可能である。
【0296】
このように第1規制機構を省略する場合、第2規制機構に相当する構成(すなわち施錠装置500に連動して機能する構成)を前面扉14の回動基端側に配することも可能である。しかしながら、このような変更を行った場合には上記変形例にて説明したように、施錠装置に発生する動力を前面扉14の回動基端側に伝えるための構成が必要となる。これは、動力伝達に関する構成の占有領域を無駄に大きくする要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、施錠装置とは無関係に規制状態及び規制解除状態の切り替えが行われる第1規制機構と、施錠装置に連動して規制状態及び規制解除状態の切り替えが行われる第2規制機構とを併用することが好ましい。
【0297】
(21)上記実施の形態では、第2規制機構の規制状態から規制解除状態への切替完了タイミングが、施錠装置500によって前面扉14が施錠されている状態から施錠が解除されている状態への切替完了タイミングに対して先行する構成としたがこれに限定されるものではない。例えば、両タイミングが同時となる構成とすることも可能である。
【0298】
(22)上記実施の形態では、ガラス側係合部材700が回動することにより規制状態と規制解除状態との切り替えがなされる構成としたが、ガラス側係合部材700の動作態様については任意である。例えば、ガラス側係合部材700がスライド移動することにより規制状態と規制解除状態との切り替えがなされる構成としてもよい。
【0299】
(23)上記実施の形態では、施錠装置500が、内枠13に対して前面扉14が閉じている状態で同前面扉14を開放不能に施錠する前面扉用の施錠機構と、外枠11に対して内枠13が閉じている状態で同内枠13を開放不能に施錠する内枠用の施錠機構とを併有する構成としたが、これら各施錠機構を別個独立して設けてもよい。
【0300】
(24)上記実施の形態では、施錠装置500を内枠13に配設したが、これにを変更し、施錠装置を前面扉14に配設することも可能である。但し、このような変更を行った場合には、内枠13を外枠11に対して閉じたまま、前面扉14を開放することが困難になり得る。これは、メンテナンス作業等の煩雑化を招来する要因となり得るため好ましくない。故に、このような変更を行う場合、上記変形例(23)に示した構成を併せて適用するとよい。
【0301】
また、上記実施の形態では、施錠装置500を樹脂ベース70の前面側に配設したが、これを変更し、施錠装置を樹脂ベース70の背面側に配設してもよい。
【0302】
(25)上記実施の形態では、前面扉14が閉位置に向けて移動する過程にて、先ず第2規制機構のガラス側係合部材700の規制状態への切り替えが開始され、その後、前扉用鉤部材550の施錠状態への切り替えが開始される構成とした。つまり、ガラス側係合部材700のフランジ部704が、前扉用鉤部材550の延出部565に先んじて同延出部565から遠ざかる側へ移動を開始する構成とした。これを変更し、第2規制機構の規制状態への切り替えが施錠装置500の施錠状態への切り替えに先んじて完了する構成とすることも可能である。
【0303】
但し、このような変更を行った場合には、規制状態への切り替えと施錠状態への切り替えとのタイムラグに応じてガラス側係合部材700の爪部703と遊技盤側係合部750の前板部496との間に生じる隙間(遊び)が大きくなり、隙間の拡がりを規制する機能が低下すると想定される。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように第2規制機構の規制状態への切替完了タイミングと、施錠装置500の施錠状態への切替完了タイミングとを揃えるとよい。
【0304】
(26)上記実施の形態では、第1規制機構及び第2規制機構によって、遊技盤80とガラスユニット30との隙間の拡がりを規制する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。例えば、それら両規制機構により、遊技盤80とガラスユニット30との隙間の狭まりを規制する構成としてもよいし、隙間の拡がり及び狭まりの両方を規制する構成としてもよい。
【0305】
また、各規制機構に異なる機能を付与することも可能である。例えば、第1規制機構によって上記隙間の拡がりを規制するとともに、第2規制機構によって上記隙間の狭まりを規制する構成としてもよい。
【0306】
(27)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
【0307】
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0308】
特徴1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が前面側に形成された遊技盤(遊技盤80)を、本体枠(樹脂ベース70)に搭載してなる遊技機本体(内枠13)と、
前記遊技盤を遊技機前方から覆うとともに前記遊技領域が視認可能となるように形成されたパネル部(ガラスユニット30)を、前記遊技機本体の前方に配されているとともに同遊技機本体に対して開閉可能に設けられた扉枠(枠体20)に搭載してなる扉体(前面扉14)と、
前記扉体を前記遊技機本体に対して閉じた状態で施錠する施錠状態及び施錠しない施錠解除状態に切替可能な施錠装置(施錠装置500)と、
前記遊技盤及び前記パネル部に設けられているとともに、前記遊技盤と前記パネル部との隙間の変化を規制する規制状態及び規制を解除する規制解除状態に切替可能に構成され、前記扉体が前記遊技機本体に対して閉じることにより前記規制状態となる規制手段(ガラスユニット30のガラス側係合部材700及び遊技盤80の遊技盤側係合部750)と、
前記施錠装置の前記施錠解除状態への切り替えに基づいて、前記規制手段を前記規制解除状態に切り替える切替手段(前扉用鉤部材550の延出部556)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0309】
遊技機本体を扉体で覆うタイプの遊技機においては本体枠と扉枠との位置関係に配慮した構成が採用されているものがある。このような構成では、本体枠と扉枠との位置関係を好適に維持することはできるものの、本体枠に対して別体で設けられた遊技盤と、扉枠に対して別体で設けられたパネル部との位置関係を好適に維持することは困難であると想定される。つまり、遊技盤及びパネル部の相対位置(前後位置)の変化やばらつきを抑えることは難しいと想定される。
【0310】
遊技盤とパネル部との間に遊技領域が設けられ、その遊技領域を遊技球が流下する構成においては、上述した遊技盤及びパネル部の相対位置の変化は遊技領域における遊技球の挙動に影響し得る。遊技盤を有する遊技機においては遊技領域における遊技球の挙動によって有利不利が決定されるため、遊技盤とパネル部材との相対位置が変化することは好ましくない。
【0311】
この点、本特徴によれば、扉体を遊技機本体に対して閉じることによりパネル部と遊技盤とに設けられた規制手段によってそれら遊技盤及びパネル部の隙間の変化(例えば遊技盤とパネル部との間隔の変化)が規制される。これにより、上記不都合の発生を好適に抑え、遊技領域を流下する遊技球の挙動を好適なものとすることができる。一方、扉体を開く場合には、施錠装置を施錠解錠状態に切り替えることで、上記規制手段も規制解除状態に切り替わる。これにより、扉体の開放が許容される。つまり、規制手段を規制解除状態に切り替えるための別途操作を必要としない。故に、隙間の変化を規制可能な構成を採用しつつ、それによって扉体の開閉作業が困難になることを抑制できる。
【0312】
なお、本特徴に示す遊技盤とパネル部とは必ずしも平行である必要はない。つまり、上記隙間が全ての箇所で一定となる構成に限定されるものではなく、例えば遊技盤の前面が平面である場合にパネル部の後面を曲面とすることも可能である。更には、本特徴における「隙間の変化」は必ずしも遊技盤とパネル部との最短距離の変化に限定しているのではなく、それら遊技盤及びパネル部両者における任意箇所同士の距離の変化を含んでいる。
【0313】
特徴2.前記切替手段は、前記扉体が開放される場合に、前記施錠装置が前記施錠状態で維持されている間に、前記規制手段の前記規制解除状態への切り替えを完了するように構成されていることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
【0314】
特徴2によれば、扉体の開放が許容されている状態では規制手段は規制解除状態に切り替っている。つまり、解錠操作に基づく施錠解除状態への切り替えに先行して規制手段が規制解除状態に切り替る。このため、仮に作業ミス等により施錠解除操作の途中にて扉体が手前側に引っ張られた場合でも、その負荷が規制手段に集中するといった不都合を回避することができる。これにより、規制手段を保護し、特徴1に示した隙間維持機能を好適に担保することができる。
【0315】
特徴3.前記規制手段は、前記遊技盤に設けられた遊技盤側係合部(遊技盤側係合部750)及び前記パネル部に設けられたパネル側係合部(ガラス側係合部材700)を有し、それら遊技盤側係合部及びパネル側係合部が係合することにより前記規制状態に切り替るように構成されており、
前記遊技盤側係合部及び前記パネル側係合部のうち少なくとも一方は、他方に対する係合位置から係合が解除される係合解除位置へ前記切替手段に連動して移動可能に設けられていることを特徴とする特徴1又は特徴2に記載の遊技機。
【0316】
特徴3によれば、扉体を遊技機本体に対して閉じている場合、遊技盤側係合部とパネル側係合部とが係合することにより、隙間の変化が規制された状態となる。そして、施錠装置が施錠解除状態に切り替えらることにより、両係合部のうち少なくとも一方が係合解除位置へ移動し、上記規制が解除される。これにより、特徴1に示した構成を好適に実現することができる。
【0317】
特徴4.前記規制手段は、前記遊技盤に設けられた遊技盤側係合部(遊技盤側係合部750)と前記パネル部に設けられたパネル側係合部(ガラス側係合部材700)とを有し、それら遊技盤側係合部及びパネル側係合部が係合することにより前記規制状態に切り替るように構成されており、
前記パネル側係合部は、前記遊技盤側係合部と係合する係合位置から係合が解除される係合解除位置へ前記切替手段に連動して移動可能に設けられていることを特徴とする特徴1又は特徴2に記載の遊技機。
【0318】
特徴4によれば、特徴1に示した構成を好適に実現することができる。特に、パネル側係合部を可動式とすることにより、必ずしも遊技盤側係合部を可動式にする必要がなくなる。つまり、遊技盤側係合部を固定式とすることが可能となる。遊技盤においてパネル部と対向する位置には遊技領域が形成されているが、上述の如く遊技盤側係合部の構成を簡素化できれば、遊技盤の前面側にて遊技盤側係合部と遊技領域とを好適に共存させることが可能となる。つまり、遊技盤の前面側(遊技領域に近い位置で)隙間の変化を規制することが可能となり、上記隙間維持機能を一層好適なものとすることができる。
【0319】
特徴5.前記施錠装置は、
前記扉枠に固定された扉側施錠部材(鉤受け部材63)と、
前記本体枠に設けられ、前記施錠解除状態に切り替る場合に前記扉側施錠部材に対する施錠位置から施錠解除位置へ移動する本体側施錠部材(前扉用鉤部材550)と
を有し、
前記切替手段は、前記本体枠に配設されているとともに、前記施錠装置が解錠状態に切り替えられた場合に第1位置から第2位置へ移動するように構成されており、
前記パネル側係合部には、前記扉体が前記遊技機本体に対して閉じることにより、前記切替手段の前記第1位置から前記第2位置への移動経路上に配され、同切替手段によって操作される操作部が設けられていることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
【0320】
例えば扉側施錠部材を可動式、本体側施錠部材を固定式とするとともに切替手段を扉枠体に配設することにより特徴3に示した構成を実現することも可能である。このような対応を行うことで、パネル側係合部,切替手段及び施錠装置を好適に連動させることができる。しかしながら、このような構成を採用すると、施錠装置の簡素化が困難になったり、遊技本体や扉体の開閉作業が煩雑化したりし得る。具体的には、近年では遊技機本体が遊技ホール等の島設備に固定される支持枠(外枠11)によって支持され、施錠装置に同遊技機本体を支持枠に対して閉じた状態で施錠する機能が付与されている遊技機が提案されている。このような遊技機においては施錠装置における可動部を遊技機本体に集約することにより、施錠装置の構成の簡略化及び遊技機本体や扉体の開閉作業の容易化が図られている。故に、上述の如く扉側施錠部材を可動式とすることは施錠装置の好適化の流れに逆行することになり得る。
【0321】
そこで、本特徴に示すように、本体側施錠部材を可動式とするとともに切替手段を本体枠に配設し、パネル部側係合部に、扉体が遊技機本体に対して閉じることにより切替手段の移動経路上に配される操作部を設けることにより、上記各種不都合を払拭しつつ、特徴3に示した効果を享受することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
【0322】
特徴6.前記扉枠は、前記本体枠によって回動可能に支持されており、
前記施錠装置は、前記本体枠において前記扉枠が支持されている側とは反対側、及び前記扉枠における回動先端側に配されており、
前記規制手段及び前記切替手段は、前記施錠装置と同一側に配されていることを特徴とする特徴1乃至特徴6のいずれか1つに記載の遊技機。
【0323】
本特徴に示すように扉枠が本体枠によって回動可能に支持されている構成においては、施錠装置を扉枠が支持されている側、及び前記扉枠における回動先端側に配することで、遊技機本体からの扉体の浮き上がりを好適に抑制し、防犯性の向上に貢献することができる。このような構成においては、規制手段及び切替手段を施錠装置と同一側に配することにより、隙間維持に関する構成の占有領域の拡がりを抑えることができる。
【0324】
特徴7.前記遊技盤は、当該遊技盤の前面から前方へ起立して、前記遊技盤の前面に前記遊技領域及びその遊技領域へ遊技球を誘導する誘導部を区画形成する区画部(誘導レール100や遊技領域区画部材480の側壁部)を有しており、
前記規制手段は、前記遊技盤と前記パネル部との間であって、前記区画部と前記施錠装置との間に配置されていることを特徴とする特徴6に記載の遊技機。
【0325】
特徴7によれば、規制手段を遊技盤とパネル部との間に配置することにより、隙間維持機能を一層好適なものとすることができる。また、規制手段を区画部と施錠装置との間に配することにより、規制手段と遊技領域との前後方向での重なりを回避しつつ、遊技盤の前面側にて遊技領域と規制手段とを好適に共存させることができ、更には遊技盤の前面側にて切替手段と遊技領域とを好適に共存させることができる。
【0326】
特徴8.前記規制手段は、第1規制手段であり、
前記遊技盤及び前記パネル部において前記扉体の回動基端側となる部分に設けられ、前記扉体が前記遊技機本体に対して閉じている場合に、前記遊技盤と前記パネル部との隙間の変化を規制する第2規制手段(ガラスユニット30の延出部39及び遊技盤80の対向部450)を備え、
前記第2規制手段は、
前記遊技盤に配設され、当該遊技盤の前面に対して所定の隙間を隔てて対向する遊技盤側規制部(対向部450)と、
前記パネル部に配設され、同扉体が前記遊技機本体に対して閉じた位置へ回動することにより前記遊技盤側規制部及び前記遊技盤の間に挿入され、前記扉体が前記遊技機本体に対して開いた位置へ回動することにより同扉体の動きに追従して前記遊技盤側規制部及び前記遊技盤の間から離脱するパネル側規制部(延出部39)と
を有していることを特徴とする特徴6又は特徴7に記載の遊技機。
【0327】
特徴8によれば、遊技盤の一端側に設けられた第1規制手段と、他端側に設けられた第2規制手段とによって、遊技盤及びパネル部の隙間の変化を好適に抑制することができる。第2規制手段は、扉体の開閉操作に基づいて規制状態と規制解除状態との切り替えがなされるため、第1規制手段と同様に切替操作を別途必要としない。これにより、規制機能の向上を図りつつ、それに起因した扉体の開閉操作の煩雑化を回避することができる。
【0328】
特徴6等に示したように施錠装置を扉枠の回動先端側及び本体枠において扉枠を支持している側と反対側に配置する構成においては、第1規制手段を回動先端側に配置することで、隙間維持に関する構成(特に切替手段)の占有領域の拡がりを抑えることができる。ここで、仮に第2規制手段と同様の位置に第1規制手段に相当する構成を配設した場合には、上記占有領域が過度に拡がってしまうと想定される。これは、遊技領域を圧迫する要因となり得るため好ましくない。
【0329】
また、本特徴においては、遊技盤において扉体の回動基端側となる位置に遊技盤側規制部を配置するとともにパネル部において扉体の回動基端側となる位置にパネル側規制部を配置することにより、上記隙間にパネル側規制部が挿入される際及び同隙間から離脱する際の同パネル側規制部の移動方向を遊技盤の前面と略平行とすることが可能となる。故に、例えば遊技盤側規制部とパネル側規制部との隙間を小さくしたり、それら両規制部の掛かり代(すなわち前後方向における重なり代)を大きくしたりすることができ、規制手段の規制機能を一層好適なものとすることができる。ここで、仮に第1規制手段と同様の位置に第2規制手段に相当する構成を配設した場合には、上記隙間にパネル側規制部を挿入することが困難となり、上記効果を享受することが困難となり得る。
【0330】
以上の理由から、扉体を回動可能とする構成においては本特徴に示すように、回動基端側及び回動先端側にて異なるタイプの規制手段を採用することにより、規制機能を好適に向上させつつ、それに起因した扉体の開放作業の複雑化を回避し、更には規制手段及びそれに付随する構成の省スペース化及び簡素化を図ることができる。
【0331】
なお、特徴7(区画部を有する構成)との組み合わせにおいては特に、区画部を挟んで第1規制手段とは反対側に第2規制手段を配置するとよい。
【0332】
特徴9.前記パネル部は、少なくとも前記規制手段によって隙間の変化が規制されている状態にて、前記扉枠との前後方向への相対変位が許容されるようにして当該扉枠に搭載されていることを特徴とする特徴1乃至特徴7のいずれか1つに記載の遊技機。
【0333】
特徴9によれば、本体枠から扉枠が浮く等してそれら本体枠と扉枠との前後方向への相対位置が変化した場合であっても、それに応じてパネル部と扉枠との前後方向への相対位置が変化することにより、パネル部及び扉枠の隙間が維持される。これにより、本体枠と扉枠との位置のばらつき等に起因した遊技盤及びパネル部の位置のばらつきや隙間の変化を抑えることができ、遊技盤とパネル部との位置関係を好適に維持することができる。
【0334】
なお、本特徴に示す技術的特徴を特徴8に適用することも可能であるが、この場合、本特徴を「前記パネル部は、少なくとも前記第1規制手段及び第2規制手段によって隙間の変化が規制されている状態にて、当該パネル部及び前記扉枠の並設方向での同扉枠との相対変位が許容されるようにして当該扉枠に搭載されていることを特徴とする特徴8に記載の遊技機」に変更するとよい。
【0335】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【0336】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル29)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導通路103)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘87等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【符号の説明】
【0337】
10…遊技機としてのパチンコ機、11…外枠、13…遊技機本体としての内枠、14…扉体としての前面扉、20…扉枠としての枠体、21…窓部、22…ガラスユニット設置部、22a…囲み部としての周壁部、30…パネル部としてのガラスユニット、31,32…ガラスパネル、33…ガラスホルダ、35…取付部、39…第2規制手段を構成する延出部、45…ネジ、45a…頭部、46…コイルバネ、57…保持部、70…本体枠としての樹脂ベース、73…遊技盤設置部としての遊技盤収容部、80…遊技盤、100…誘導手段としての誘導レール、101…内レール、102…外レール、103…誘導通路、110…遊技球発射部としての遊技球発射機構、112…発射レール、271…ストッパ部、400…第2レールカバー、450…第2規制手段を構成する対向部、500…施錠装置、550…前扉用鉤部材、556…切替手段としての延出部、700…パネル側係合部としてのガラス側係合部材、750…遊技盤側係合部、PE…遊技領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機には、遊技盤を本体枠に搭載してなる遊技機本体と、その遊技機本体に取り付けられているとともに同遊技機本体を前面側から覆う扉体とを備えているものがある。扉体は、遊技盤の前方に開口部が形成された扉枠と、同扉枠とは別体で形成され、その開口部を覆うパネル部とを有している。パネル部は、遊技盤の前面に対向するようにして配置されており、それら遊技盤とパネル部との間に形成された遊技領域が同パネル部を通して視認可能となっている。遊技盤とパネル部との隙間は、例えば遊技球の直径寸法よりも若干大きく設定されており、上記遊技領域での遊技球の流下が担保されている。
【0003】
遊技領域には入賞口や入賞装置等の各種構成が設けられている。遊技者により遊技球発射ハンドルが操作されると遊技球が遊技領域に向けて発射され、それら遊技球が入賞口や入賞装置等に入賞した場合には予め設定された個数の遊技球が払い出される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−104468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の如く遊技盤とパネル部との間に遊技領域が形成されているタイプの遊技機においては、遊技領域内での遊技球の挙動によって有利不利が決定されるため、それら遊技盤とパネル部との位置関係がばらついたり変化したりすることは好ましくない。
【0006】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技盤とパネル部との位置関係を好適に維持することができる遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
【0008】
請求項1記載の発明は、遊技球が流下する遊技領域が前面側に形成された遊技盤を、本体枠に搭載してなる遊技機本体と、前記遊技盤を遊技機前方から覆うとともに前記遊技領域が視認可能となるように形成されたパネル部を、前記遊技機本体の前方に配されているとともに同遊技機本体に対して開閉可能に設けられた扉枠に搭載してなる扉体と、前記扉体を前記遊技機本体に対して閉じた状態で施錠する施錠状態及び施錠しない施錠解除状態に切替可能な施錠装置と、前記遊技盤及び前記パネル部に設けられているとともに、前記遊技盤と前記パネル部との隙間の変化を規制する規制状態及び規制を解除する規制解除状態に切替可能に構成され、前記扉体が前記遊技機本体に対して閉じることにより前記規制状態となる規制手段と、前記施錠装置の前記施錠解除状態への切り替えに基づいて、前記規制手段を前記規制解除状態に切り替える切替手段とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
遊技盤とパネル部との位置関係を好適に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【図3】前扉枠の構成を示す背面図である。
【図4】前扉枠の構成を示す分解斜視図である。
【図5】内枠の構成を示す正面図である。
【図6】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図7】内枠の構成を示す背面図である。
【図8】遊技盤の背面構成を示す斜視図である。
【図9】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図10】裏パックユニットの構成を示す正面図である。
【図11】内枠から遊技盤を取り外した状態を示す正面斜視図である。
【図12】図5のA−A線部分断面図である。
【図13】開放された前扉枠と遊技盤及び挿入部との位置関係を示す概略図である。
【図14】図6の部分拡大図である。
【図15】第2レールカバーの正面斜視図である。
【図16】第2レールカバーとガラスユニットとの位置関係を示す概略図である。
【図17】図5のB−B線部分断面図である。
【図18】前面扉開閉時の遊技盤とガラスユニットとの位置関係を示す概略図である。
【図19】内枠から遊技盤を取り外した状態を示す斜視図である。
【図20】施錠装置を内枠から取り外した状態を示す斜視図である。
【図21】施錠装置を後方から見た斜視図である。
【図22】施錠装置を主要構成部品毎に分解して示す分解斜視図である。
【図23】両鉤部材の位置関係を示す概略図である。
【図24】操作キーKを時計回りに回動操作した状態を示す概略図である。
【図25】操作キーKを反時計回りに回動操作した状態を示す概略図である。
【図26】第2規制機構を遊技機側方から見た概略図である。
【図27】図27のC−C線部分断面図である。
【図28】前面扉を閉じる際の第2規制機構の動作を示す動作説明図である。
【図29】前面扉を開く際の第2規制機構の動作を示す動作説明図である。
【図30】ガラスユニットの取付構造を示す部分断面図である。
【図31】遊技盤とガラスユニットとの位置関係を示す概略図である。
【図32】遊技盤とガラスユニットとの位置関係を示す概略図である。
【図33】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0012】
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
【0013】
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場の島設備に設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
【0014】
この外枠11によって遊技機主部12が開閉可能な状態で支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
【0015】
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前面扉14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15(図3参照)とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
【0016】
内枠13には、図2に示すように、前面扉14が回動可能に支持されており、パチンコ機10の正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、パチンコ機10の正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
【0017】
次に、前面扉14について説明する。なお、以下の説明では、図1及び図2を参照するとともに、前面扉14の背面の構成については図3及び図4を参照する。図3は前面扉14の背面図、図4は前面扉14の分解斜視図である。
【0018】
図2に示すように、前面扉14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面側のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット30によって同前面扉14の背面側から覆われている(図3参照)。
【0019】
図4に示すように、枠体20には窓部21を囲むようにしてガラスユニット設置部22が形成されている。詳しくは、ガラスユニット設置部22は、枠体20の背面側に配されているとともにパチンコ機10の前方に向けて凹んでおり、その底部に上記窓部21が配設されている。ガラスユニット30は、ガラスユニット設置部22に嵌まることで上下方向及び左右方向への変位が規制されている。
【0020】
ガラスユニット30は、透明性を有するガラスパネル31,32と、それらガラスパネル31,32を保持するガラスホルダ33とを備えている。ガラスホルダ33は、窓部21に沿って形成された環状の枠部34を有しており、同枠部34によって囲まれた領域にガラスパネル31,32が収容されている。
【0021】
枠部34には、ガラスパネル31,32を収容している側とは反対側に突出するようにして枠体20に対する取付部35が複数形成されている。取付部35は枠部34の4隅に配設されており、これら取付部35が枠体20にネジ止めされることで、ガラスユニット30と枠体20とが一体化されている。なお、ガラスユニット30の取付構造に関しては後に詳しく説明する。
【0022】
また、枠部34には、上記囲まれた領域を前後に仕切る仕切り部36が形成されている。仕切り部36は、枠部34の中央側へ起立しており、当該枠部34の周方向に延びる突条をなしている。つまり、仕切り部36によってガラスパネル31,32を収容する収容部37,38が区画されている。
【0023】
各ガラスパネル31,32は、収容部37,38に収容され仕切り部36を挟んで相対向した状態で、同仕切り部36に対して接着されている。これにより、ガラスパネル31,32の間に所定の隙間が確保され、ガラスパネル31,32同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル31,32によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
【0024】
再び図1を参照して説明すれば、窓部21の周囲には各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、窓部21の左右両側には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、中央のエラー表示ランプ部24に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
【0025】
前面扉14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部27と下側膨出部28とが上下に並設されている。上側膨出部27内側には上方に開口した上皿27aが設けられており、下側膨出部28内側には同じく上方に開口した下皿28aが設けられている。上皿27aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導く機能を有している。また、下皿28aは、上皿27a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
【0026】
下側膨出部28並びとなる位置には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル29が設けられている。遊技球発射ハンドル29が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
【0027】
前面扉14の背面には、図2及び図3に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿27aに通じる前扉側上皿通路51と、下皿28aに通じる前扉側下皿通路52とが形成されてなる。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿27aに導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿28aに導かれる。
【0028】
次に、図5に基づき内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においては、図2と同様にパチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0029】
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。また、前面扉14の背面における回動基端側(図3の右側)には、それら支持金具71,72に対応させて突起軸61,62が設けられている。図示は省略するが、支持金具71,72には軸孔が形成されており、それら軸孔に前面扉14の突起軸61,62が挿入されることにより、内枠13に対して前面扉14が回動可能に支持されている。つまり、これら支持金具71,72及び突起軸61,62は内枠13に対する組付機構を構成している。また、前面扉14(詳しくは枠体20)の背面における回動先端側(図3の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤受け部材63が上下方向に複数並設されている。これら鉤受け部材63は内枠13に対する施錠機構を構成する。なお、本実施の形態においては、前面扉14を内枠13に対して開放不能な状態で施錠する上記施錠機構と、遊技機主部12を外枠11に対して開放不能な状態で施錠する施錠機構とが1の施錠装置によって具現化されており、後述する操作手段を操作することで、前面扉14及び遊技機主部12(内枠13)を個別に解錠可能となっているが、同施錠装置に関しての詳細な説明は後述する。
【0030】
樹脂ベース70前面の略中央部分には、遊技盤80を収容する遊技盤収容部73が形成されている。遊技盤収容部73は、パチンコ機10の後方に凹み、遊技盤80を収容する収容空間を区画しており、樹脂ベース70に取り付けられた遊技盤80がその収容空間に嵌まった状態となっている。本実施の形態においては特に、遊技盤80が樹脂ベース70に対して着脱可能に取り付けられており、メンテナンス作業等の容易化が図られている。
【0031】
遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が遊技盤収容部73の開放部分を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスパネル32によって覆われている。ガラスパネル32は、遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80は木製に限定されるのものではなく、例えば合成樹脂材製とすることも可能である。
【0032】
以下、図6に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤80の正面図である。
【0033】
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84及び可変表示ユニット85等がそれぞれ設けられている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口86が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口86を通って遊技領域PEから排出される。
【0034】
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘87が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘87や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確立で発生するように調整されている。
【0035】
可変入賞装置82は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置82の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、同可変入賞装置82の開放が複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返されるように設定されている。
【0036】
可変表示ユニット85は遊技盤80の中央上寄りに配置されており、その下方に作動口83a,83bが配置されている。より詳しくは、作動口83a,83bは、作動口83aを上側、作動口83bを下側として上下に並設されている。可変表示ユニット85及び作動口83a,83bは、遊技性を司る部位であり遊技者の注意が集まりやすい。それら可変表示ユニット85及び作動口83a,83bを遊技機中央において上下に並べて配置することで両者間での視線の移動量を抑え、遊技者の目に生じる負担の低減に貢献している。
【0037】
可変表示ユニット85は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置94を備えている。図柄表示装置94は、液晶ディスプレイ(表示画面94a)を備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御されている。具体的には、表示画面94aにおいては、上段,中段及び下段に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示される。そして、大当たり発生時には、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示され、特別遊技状態へと移行される。なお、表示画面94aにおける表示態様を以下のように変更してもよい。すなわち、左,中及び右に並べて図柄を表示し、それら図柄を上下スクロールさせるようにして変動表示させてもよい。
【0038】
また、可変表示ユニット85は、図柄表示装置94を囲むようにして形成されたセンターフレーム95を備えている。センターフレーム95の上部には、第1特定ランプ部96及び第2特定ランプ部97が設けられている。また、センターフレーム95の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部98,99が設けられている。下側の保留ランプ部98は、図柄表示装置94及び第1特定ランプ部96に対応しており、遊技球が作動口83を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部98の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部99は、第2特定ランプ部97に対応しており、遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部99の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0039】
再び図5を用いて説明すれば、樹脂ベース70における遊技盤収容部73(遊技盤80)の下方には、遊技球発射ハンドル29の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース70に対してネジ止めされることで内枠13に対して一体化されている。
【0040】
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパ115が配されている。球ストッパ115よりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
【0041】
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
【0042】
誘導レール100は、後述する遊技領域区画部材と共に遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
【0043】
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
【0044】
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
【0045】
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路55が配設されている。ファール球通路55は前面扉14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路55内に入ることとなる。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1に示した下皿28aに排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
【0046】
ここで、誘導レール100と共に遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材480について、同誘導レール100との関係を踏まえて説明する。
【0047】
図6に示すように、遊技盤80の誘導レール100は遊技盤80の回動先端側に開放された弧状をなしている。遊技盤80の前面には、その開放部位を塞ぎ誘導レール100と共に遊技領域PEを区画するブロック状の上記遊技領域区画部材480が設けられている。言い換えれば、誘導レール100と遊技領域区画部材480とは、前者が遊技盤80の回動基端側、後者が遊技盤80の回動先端側に配置されることで両者併せて環状をなしており、それら誘導レール100及び遊技領域区画部材480によって区画された領域により遊技領域PEが構成されている。なお、遊技領域区画部材480は、遊技盤80の前面から張り出しており、その前面部がガラスパネル32に対して僅かな隙間(詳しくは遊技球の直径寸法以下の隙間)を隔てて対峙している。これにより、遊技球が遊技領域区画部材480を乗り越えて遊技領域PE外に流出することを回避している。
【0048】
遊技領域区画部材480は、遊技盤80の回動先端側の端部(左端部)に沿って配置されており、遊技盤80の上端部から下端部に跨って上下に延びている。遊技領域区画部材480において外レール102の先端に隣接する部位、詳しくは遊技領域PEの内側に位置する壁面には、外レール102に沿って移動(飛翔)する遊技球が衝突することにより同遊技球を遊技領域PEの中央側へ跳ね返す返しゴム490が装着されている。
【0049】
遊技球発射ハンドル29が操作されると、遊技球が遊技球発射機構110の発射レール112に沿って誘導レール100の入口部分104に向けて発射される。遊技球発射ハンドル29の操作量が予め定められた規定量を上回った場合には、遊技球が外レール102に沿って移動し、可変表示ユニット85(図6参照)の上方を通過する。そして、同遊技球は、外レール102から当該外レール102のレール方向先側に向けて飛び出し、返しゴム490に衝突する。この衝突に基づいて返しゴム490が圧縮され(例えば弾性変形し)、返しゴム490に加わった衝突荷重の一部が遊技領域区画部材480に伝わることとなる。以上の過程を経ることにより、遊技球発射機構110によって遊技球に付与された勢いを弱め、返しゴム490よりも下流側に配された釘87等の各種構成を保護している。
【0050】
図6に示すように、遊技領域区画部材480は、遊技盤80に対して複数箇所でネジ止めされている。それらネジ491の少なくとも1つは返しゴム490の近傍、具体的には遊技球の衝突方向において返しゴム490よりも先側となる位置に配されている。これにより、上記衝突荷重を遊技盤80に対して分散させやすくし、遊技球の繰り返しの衝突に対する耐久性の向上が図られている。
【0051】
また、遊技領域区画部材480は、後述するロック装置を遊技盤80の回動基端側から迂回するようにして遊技盤80の下端縁に至っており、同遊技領域区画部材480の下部、詳しくは誘導レール100の右側開放部分よりも下側となる部位には、誘導レール100の内レール101に遊技領域PE外側から対向する対向部485が形成されている。対向部485は、内レール101において遊技盤80のアウト口86と内レール101の下側の開放端との間となる部位に対して下側から若干の隙間を隔てて対向している。すなわち、内レール101と遊技領域区画部材480とが内外に重なっている。
【0052】
既に説明したように、遊技領域PEに達した遊技球の一部は、同遊技領域PEを流下する過程で一般入賞口81等の入球口に入るが、それら入球口に入らなかった遊技球については内レール101によって排出口としてのアウト口86に導かれる。より具体的には、内レール101は、下方に凸となる円弧状をなしており、その下端部にアウト口86が配置されている。このため、入球口に入らなかった遊技球は、内レール101に衝突した後、内レール101に沿って遊技領域PEの最下部に誘導される。
【0053】
内レール101については、遊技盤80側の開放端及びその周辺での固定強度が同内レール101における他の部位と比べて低くなりやすい。このため、遊技球の衝突による衝撃の影響が同内レール101の開放端及びその周辺では大きくなりやすいと想定される。仮に、内レール101が変形等した場合には、アウト口86へ向けての遊技球の円滑な誘導が妨げられると懸念される。この点、本実施の形態では、内レール101が下方に押される等した場合に遊技領域区画部材480の対向部485に当たることで、同内レール101の変形や位置ずれ等が抑制されることとなる。故に、遊技領域区画部材480によって内レール101を保護することができ、上記不都合を好適に払拭できる。言い換えれば、遊技領域区画部材480には、内レール101のバックアップ機能が付与されている。
【0054】
また、遊技領域区画部材480において対向部485を挟んで内レール101とは反対側となる部位には、各パチンコ機毎に固有となる識別情報(製造番号等)が付与された証紙492と同証紙492を収容する透明なケース部材493とからなる識別ユニット494が設けられており、遊技領域区画部材480には識別ユニット494を収容するユニット収容部486が形成されている。このユニット収容部486に識別ユニット494が嵌まった状態で固定されることで、両者が一体化されている。
【0055】
識別ユニット494はユニット収容部486に対して後方から嵌め込まれており、同ユニット収容部486に形成された開口を介してその一部がパチンコ機10の前方に露出した状態となっている。この開口を介して上記証紙492に付与された識別情報を視認可能となっている。つまり、識別ユニット494を遊技領域区画部材480から取り外すことなく証紙492の識別情報を確認することが可能となっている。
【0056】
遊技領域区画部材480が対向部485を有する構成を採用した場合には、遊技領域区画部材480における対向部485周りでの強度を向上させることで上述した誘導レールのバックアップ機能を向上することができる。このような強度の向上を実現するには、遊技領域区画部材480を大型化することが1つの手法として考えられる。この点、識別ユニット494を収容するユニット収容部486を遊技領域区画部材480に設け、それらユニット収容部486と対向部485とを併存させることで、遊技領域区画部材480の占有スペースを有効利用している。つまり、遊技領域区画部材480の強度向上と識別手段の設置領域の確保(すなわちスペースの有効利用)を可能とし、実用上好ましい構成を実現している。
【0057】
また、遊技領域区画部材480については遊技盤80からの着脱を特に必要としない部品であるため、その取り付けを強固にすることが可能である。この遊技領域区画部材480によって識別ユニット494の取り外しを阻止することで、識別ユニット494の不正な取り外し等を抑制し防犯性の向上に貢献できる。例えば、識別ユニット494を遊技領域区画部材480とは別の部材を用いて遊技盤80に装着する構成と比較して、遊技盤80の前面側のスペースを有効利用できる。遊技盤80の前面には遊技領域PEが形成され、遊技領域PE外の領域が限られている点を考慮すれば、遊技領域区画部材480に識別ユニット494用のユニット収容部486を設けることによる技術的貢献度は大きいと考えられる。
【0058】
再び図5を参照して説明すれば、樹脂ベース70には、遊技盤収容部73からの遊技盤80の取り外しを不可とするロック状態と、同遊技盤80の取り外しを許容するアンロック状態とに切替可能なロック装置79が複数設けられている。ロック装置79はロック状態にて遊技盤80の前面に当接する当接部を有しており、同当接部が遊技盤80の前面に当接することによって遊技盤80の前面扉14側への変位が抑えられることとなる。
【0059】
樹脂ベース70において発射レール112の左方(詳しくは前面扉14を支持している側)には、樹脂ベース70を前後方向に貫通する貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース70に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前面扉14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている(図5参照)。
【0060】
樹脂ベース70において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123からの遊技球の流出を規制するシャッタ124が設けられている。シャッタ124は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能な状態で樹脂ベース70によって支持されている。また、樹脂ベース70にはシャッタ124を阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられており、前面扉14を内枠13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタ124が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前面扉14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前面扉14を閉じた状態では、前面扉14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により上記付勢力に抗してシャッタ124が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51と、本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52とがそれぞれ連通し、遊技球の移動が許容されることとなる。
【0061】
次に、図7に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図7は内枠13の背面図である。
【0062】
樹脂ベース70の背面における回動基端側(図7の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース70の背面には、裏パックユニット15を内枠13に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
【0063】
樹脂ベース70における遊技盤収容部73の底部分(後述する対向板部251)には樹脂ベース70の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース70の背面側に開放された中央開口74が形成されており、その中央開口74が遊技盤収容部73に収容された遊技盤80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤80の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は中央開口74を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、図8に基づき遊技盤80の背面の構成について詳細に説明する。図8は遊技盤80を後方から見た斜視図である。
【0064】
遊技盤80の背面には、可変表示ユニット85を遊技盤80に対して搭載する合成樹脂製の台座部材141が固定されている。台座部材141は、遊技盤80側に開放された略箱状をなしており遊技盤80の背面のほぼ全域を覆っている。台座部材141の一部は樹脂ベース70の中央開口74を通じて同樹脂ベース70の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置94と、その図柄表示装置94を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置94及び表示制御装置は前後方向(樹脂ベース70の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、遊技盤80には、表示制御装置の後方に位置するようにして音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
【0065】
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
【0066】
音声ランプ制御装置ユニット142の下方には、台座部材141を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤80の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
【0067】
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
【0068】
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
【0069】
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
【0070】
台座部材141において遊技盤80の背面と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82,上作動口83a,下作動口83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下方に集合する構成となっている。つまり、台座部材141には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
【0071】
遊技盤80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口86についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口86を介して排出通路内に導出される。
【0072】
また、上記回収通路には、遊技盤80表側の一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知するカウントスイッチと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口スイッチとが装着されており、それら各種スイッチによって入賞検知機構が構成されている。更に、台座部材141において可変表示ユニット85の左右両側には、スルーゲート84を通過する遊技球を検知するゲートスイッチが設けられている。これら各種スイッチは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各スイッチによる検知情報が同主制御装置162に出力される構成となっている。
【0073】
次に、図9及び図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図9はパチンコ機10の背面図、図10は裏パックユニット15の正面図である。
【0074】
図9に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
【0075】
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図10に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット85を囲むのに十分な大きさを有する(図9参照)。
【0076】
ベース部211には、その右上部に外部端子板(図示略)が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部215が形成されており、固定レバー134が挿通部215に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
【0077】
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
【0078】
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿27a、下皿28a又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿27aに通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿28aに通じるように形成されている(図7及び図14参照)。
【0079】
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
【0080】
図10に示すように、制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0081】
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
【0082】
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル29の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
【0083】
(遊技盤80の取付構造)
ここで、図5,図11及び図12に基づき遊技盤80の取付構造について説明する。図11は内枠13から遊技盤80を取り外した状態を示す斜視図、図12は図5のA−A線部分断面図である。
【0084】
遊技盤80は、既に説明したように内枠13の遊技盤収容部73に対して同内枠13の正面側から嵌まっている(図5参照)。図11に示すように、遊技盤収容部73は、遊技盤80の背面に対向する平板状の対向板部251と、同対向板部251から起立し遊技盤80の周縁に沿って延びる周壁部261とによって構成されている。対向板部251は、その略中央に上述した中央開口74が形成されて内枠13の正面視において略矩形枠状をなしている。周壁部261は、遊技盤80における上下左右の各端面に対して個々に対向する上側壁部262,下側壁部263,左側壁部264,右側壁部265が連なってなり、全体として遊技盤80を囲む環状をなしている。なお、周壁部261は中央開口74を囲むようにして形成されているとも言える。
【0085】
内枠13の左側壁部264、すなわち前面扉14を支持している側の壁部264には、遊技盤80の前方への変位を抑える複数のストッパ部271が設けられている。各ストッパ部271は、左側壁部264の内壁面から遊技盤収容部73側へ張り出しており、遊技盤80(詳しくは後述する第2レールカバー400)に対してパチンコ機10の前方から当接している。また、各ストッパ部271は、遊技盤収容部73内に収められており、前面扉14側への突出が抑えられている。
【0086】
それらストッパ部271は、遊技盤80の上端寄り及び下端寄りとなる位置に配置されており、遊技盤80の変位をバランスよく抑えることが可能となっている。ストッパ部271の配置に関して補足すれば、上端寄りのストッパ部271Uは、上記誘導レール100において遊技盤80の回動基端側に凸となっている部分よりも上側に配置されており、下端寄りのストッパ部271Lは同凸となっている部分よりも下側に配置されている。これにより、ストッパ部271及び誘導レール100を遊技盤80の前面側にて好適に共存させ、ストッパ部271の採用に起因した遊技領域PEの圧迫を抑制している。
【0087】
内枠13には、左側壁部264の先端縁に沿うようにして金属製のプレート部材281が配設されている。プレート部材281は、内枠13の上側枠部13a及び下側枠部13bの両枠部に跨って延びる長尺状をなしており、同プレート部材281の両端部分が内枠13の左側枠部13cに対して固定(ネジ止め)されているとともに、同プレート部材281の中間部分が上述したストッパ部271に対して固定(ネジ止め)されている。これにより、内枠13において外枠11や前面扉14に連結されている部分を補強し、更にはストッパ部271の変形を抑制している。
【0088】
以上詳述したストッパ部271と対向板部251とによって、遊技盤80の一側部を挿入可能な挿入部290が構成されている(図12参照)。挿入部290は、前面扉14の回動基端側に位置し、内枠13において同前面扉14を支持している側とは反対側からの遊技盤80の挿入を許容すべく同内枠13の回動先端側(右側壁部265側)に開放されている。特にストッパ部271と対向板部251(詳しくは後述するリブを除いた部分)との隙間寸法は、遊技盤80の厚さ寸法よりも大きく設定されている。これにより、遊技盤80を挿入部290に対して斜め前方から挿入可能とするとともに、同挿入部290に挿入された遊技盤80を当該挿入部290を中心として回動可能としている。また、挿入部290の挿入口を斜め前方に向けることにより、遊技盤挿入時に遊技盤80が前面扉14の後方への張出部分や内枠13の右側枠部13d(図11参照)等に干渉することを抑制している。
【0089】
なお、ストッパ部271の先端部において遊技盤80と対向している部位には面取りが施されており、挿入部290の入口部分が拡張されている。これにより、上記隙間寸法を大きくし、遊技盤80を斜めに挿入する際のストッパ部271と遊技盤80との引っ掛かりを抑制している。
【0090】
挿入部290(ストッパ部271群)の下方、詳しくは内枠13において左側壁部264と下側壁部263とが交わる位置には(図11参照)、挿入部290に挿入された遊技盤80を仮置き可能な仮置き部125が設けられている。仮置き部125は、上記通路形成部材121に形成され、挿入部290側(上方)を向く面状をなしている。なお、仮置き部125は、必ずしも通路形成部材121に形成する必要はなく、樹脂ベース70に形成することも可能である。
【0091】
仮置き部125は、遊技盤収容部73の下側壁部263よりも上側に位置しているとともに、遊技盤80の下端部に対して対向している。一方、遊技盤80における回動基端側の下隅部にはこの仮置き部125に対応した切欠き部88が形成されている(図6参照)。遊技盤80を挿入部290に挿入し回動させる場合には、この仮置き部125に対して遊技盤80の切欠き部88が仮置き(一時的に載置)されることで同遊技盤80の重量の少なくとも一部が内枠13の樹脂ベース70によって支えられることとなる。これにより、遊技盤80を装着する際の作業負担を減らし、遊技盤80の回動操作の容易化を図っている。
【0092】
また、仮置き部125は、挿入部290によりも同挿入部290の開放先側に延びている。これにより、挿入部290に挿入する前に遊技盤80を仮置き可能となっており、更なる作業の容易化に貢献している。
【0093】
遊技盤80を着脱する際には、内枠13の正面側から作業が行われる。この際、言うまでも無く前面扉14が開放された状態で作業が行われる。ここで、開放された前面扉14と遊技盤80及び挿入部290との位置関係について図13に基づき説明を補足する。図13は、開放された前面扉14と遊技盤80及び挿入部290との位置関係を示す概略図である。
【0094】
図13に示すように、前面扉14は内枠13に設けられた上記支持金具71,72によって回動可能に軸支されており、この軸支された部分(回動中心軸線CL)を中心として開閉される構成となっている。支持金具72には前面扉14の最大開放位置を規定する規定部72aが形成されている。前面扉14が開放され、規定部72aに対して当たった場合には、それ以上の開放が不可となる。本実施の形態においては、前面扉14の最大開放量が凡そ100°に設定されている。これは、パチンコ機10がホール等の島設備に設置された状態にて前面扉14が開放された場合に、隣接して設けられた他の遊技機等に対して同前面扉14が干渉しないように、また隣接する遊技機での遊技を妨げないようにするための工夫である。なお、前面扉14の最大開放量は100°に限定されるものではない。少なくとも遊技盤80の着脱が許容される範囲であれば任意に設定してよい。
【0095】
前面扉14の回動中心軸線CLは同前面扉14の前面寄りに位置しており、前面扉14を閉じた状態にて内枠13の内側に当該前面扉14の回動基端部分が嵌まり込む構成となっている。これにより、前面扉14と内枠13との境界部位(特に前面扉14の回動基端側の境界部位)を介して不正具が挿入されるといった不都合を生じにくくし、防犯機能の強化を図っている。
【0096】
この回動中心軸線CLの後方に上記挿入部290が配置されている。前面扉14は所定の厚さを有しているため、上述の如く最大開放位置まで開放された場合であってもその背面の一部が挿入部290よりも右側(前面扉14を支持している側とは反対側)に張り出した状態となる。挿入部290は、その張出部分よりも奥まった位置に存在しているものの、遊技盤80を出し入れする際に当該遊技盤80の通過する軌道PLと前面扉14との干渉が回避されるようにしてその挿入口の向きが定められている。これにより、遊技盤80を装着する際の前面扉14の張り出し部分と遊技盤80との干渉が抑えられている。
【0097】
(誘導レール100の保護に関する構成)
しかしながら、上述の如く挿入部290の挿入口の向きを工夫したとしても、上記干渉の発生機会を減らすことは可能ではあるが、遊技盤80の挿入方向のばらつきや前面扉14の開放不足等に起因した同干渉の発生を完全に払拭することは難しいと想定される。つまり、作業ばらつきに起因した干渉の発生を挿入口等の工夫のみで抑えることは難しいと考えられる。更には、遊技盤80を着脱可能な構成を採用しているため、遊技盤80の輸送時等に遊技盤80をぶつける可能性もあり、遊技盤80の保護機能には改善の余地がある。
【0098】
特に、遊技領域PEを区画している誘導レール100については、遊技盤80の前面から突出しているだけでなく同遊技盤80において挿入部290側に位置しているため、同誘導レール100等によって囲まれている釘87等の各種構成と比較して、上記干渉の対象になりやすいと想定される。
【0099】
既に説明したように誘導レール100には遊技球発射機構110から発射された遊技球を遊技領域PEに導く機能が付与されている。このため、誘導レール100に上記干渉に起因した変形等が発生した場合には、上記遊技領域区画部材480に同様の変形が生じた場合と比較して、遊技球の動きに対する影響が大きくなると想定される。そこで、本実施の形態においては、第1レールカバー350及び第2レールカバー400によって誘導レール100を遊技領域PEの外側から覆う構成とすることにより、誘導レール100を上記干渉等から保護している。
【0100】
第1レールカバー350及び第2レールカバー400は、透明性を有する合成樹脂材料を用いて遊技盤80とは別体で形成されており、図6に示すように同遊技盤80の前面から前方へ突出した状態で当該遊技盤80に固定されている。より詳しくは、両レールカバー350,400は、遊技盤80の前面において遊技領域PEの外側となる領域、詳しくは遊技盤80における挿入部290側の端部と誘導レール100(詳しくは外レール102)との間に、第1レールカバー350が誘導レール100の入口部分104寄りとなるように並べて配置されている。
【0101】
図6に示すように、第1レールカバー350は、遊技盤80の前面と対向する(詳しくは面当たりする)平板状のベース部360を有している。ベース部360は、誘導レール100の入口部分104から外レール102において挿入部側(左側)に凸となっている部分の頂部102aの手前となる位置にまで外レール102に沿って延びている。ベース部360には、当該ベース部360から外レール102と同一側(すなわちパチンコ機10の前方)に起立する起立部370が一体成形されている。起立部370は、外レール102に対して遊技領域PEとは反対側から対向する壁状をなし、当該起立部370の前端縁が外レール102の前端縁よりも前方に突出するように形成されている。この起立部270によって、外レール102、すなわち上記誘導通路103を構成している部分が挿入部290側から覆われた状態となっている。
【0102】
第1レールカバー350よりも、誘導レール100の出口部分105寄りとなる位置に第2レールカバー400が配置されており、これら第1レールカバー350及び第2レールカバー400によって誘導通路103のほぼ全域が遊技盤80の挿入方向先側から覆われている。
【0103】
以下、図14及び図15に基づき第2レールカバー400について詳しく説明する。図14は図6の部分拡大図、図15は第2レールカバー400の構成を示す斜視図である。なお便宜上、図14においては2点鎖線を用いて内枠13を示し、図15においては2点鎖線を用いて遊技盤80を示している。
【0104】
図14に示すように、第2レールカバー400は、遊技盤80の前面において遊技領域PEの外側となる領域、詳しくは遊技盤80における挿入部290側の端部と誘導レール100(詳しくは外レール102)との間に配されており、同端部に沿って延びる縦長状をなしている。
【0105】
第2レールカバー400は、第1レールカバー350と同様に、遊技盤80の前面と対向する(詳しくは面当たりする)平板状のベース部410を有している。ベース部410は、遊技盤80の縁部に沿って上下に延びており、同ベース部410の上端が外レール102において挿入部側(左側)に凸となっている部分の頂部102aよりも上方、且つ同ベース部410の下端が頂部102aよりも下方に位置するように形成されている。ベース部410における外レール102側の縁部は、その中央部分が同外レール102に沿って湾曲しており、外レール102とは反対側の縁部は遊技盤80の縁部に沿って直線状に延びている。つまり、ベース部410は自身の長手方向における中央部分にて幅が狭くなるように括れている(図15参照)。
【0106】
ベース部410には、当該ベース部410から外レール102と同一側(すなわちパチンコ機10の前方)に起立する起立部420が一体成形されている。起立部420は、外レール102に対して遊技領域PEとは反対側から対向する壁状をなし、当該起立部420の前端縁が外レール102の前端縁よりも前方に突出するように形成されている。この起立部420によって、外レール102において挿入部290側に凸となっている部分、すなわち上記誘導通路103を構成している部分が同挿入部290側から覆われた状態となっている。
【0107】
起立部420は、ベース部410における湾曲部分に沿って形成された湾曲部421を有している。湾曲部421は、外レール102に対して平行、且つ同外レール102との間に僅かな隙間が確保されるように構成されている。また、起立部420は、湾曲部421の上端から上方に延びているとともに、同湾曲部421の下端から下方に延びている。以下便宜上、起立部420において湾曲部421よりも上側となる部分を「上側起立部422」と称し、同湾曲部421よりも下側となる部分を「下側起立部423」と称する。
【0108】
上側起立部422及び下側起立部423は、上下に延びる平板状をなしており、上記頂部102aから離れるにつれて外レール102との隙間が大きくなるように形成されている。この隙間の拡がりに合わせて、ベース部410が起立部420よりも外レール102側に延出している。つまり、湾曲部421がベース部410における外レール102側の縁部に沿って形成されているのに対して、上側起立部422及び下側起立部423はベース部410の幅方向における略中央に位置するように形成されている。以下便宜上、ベース部410において起立部420よりも外レール102側となる部分を「内側ベース部411」、同ベース部410において起立部420よりも挿入部290側となる部分を「外側ベース部412」と称する。
【0109】
図13に示すように、内側ベース部411及び外側ベース部412には第2レールカバー400の固定手段を構成するネジ孔413,414が形成されている。これらネジ孔413,414に挿通されたネジ416,417(図14参照)が遊技盤80に対して螺着されることにより、第2レールカバー400と遊技盤80とが一体化されている。
【0110】
図14に外側ベース部412に設けられているネジ孔414及びネジ417は、内側ベース部411に設けられているネジ孔413及びネジ416よりも湾曲部421寄りとなるように第2レールカバー400の長手方向(上下方向)にずらして配されている。これは限られたスペースにて第2レールカバー400の固定強度を向上させるための工夫である。
【0111】
上側起立部422における湾曲部421とは反対側の端部(上端部)には、挿入部290側に突出するアーム部430が形成されている。アーム部430は上記ストッパ部271の上面272と若干の隙間を挟んで対向しており、その対向している部分にはストッパ部271側に凸となる突起431が形成されている。この突起431に対応させてストッパ部271の上面272には下方に凹んだ受け部275が形成されており、その受け部275に突起431が引っ掛かった状態となっている。
【0112】
突起431において挿入部290側を向いている部分にはアーム部430の先端部分から根元部分に向けて下り傾斜する傾斜面432が形成されており、遊技盤80を挿入部290に挿入する際には傾斜面432がストッパ部271の上面272及び側面273の境界部位に当たる。これにより、アーム部430が根元部分(上側起立部422と繋がっている部分)を基端として撓み変形し、突起431がストッパ部271の上面272へと導かれる。この後、アーム部430が弾性力によって変形前の状態に復帰することにより、突起431が受け部275に引っ掛かることとなる。このようにして突起431が受け部275に対して引っ掛かることにより、挿入部290からの遊技盤80の脱落が阻止される。
【0113】
既に説明したように、突起431が受け部275に対して引っ掛かっている状態では、遊技盤80がそれら突起431及び受け部275の引っ掛かり位置よりも回動先端側にて仮置き部125に載っている。つまり、遊技盤80が仮置き部125によって支えられた状態にて、遊技盤80の脱落が阻止されている。これにより、遊技盤80の重さ等による負荷が突起431や受け部275に集中することを好適に回避している。
【0114】
ここで、図12及び図14に基づき第2レールカバー400と挿入部290との関係について補足説明する。図14に示すように、遊技盤80が内枠13に対して装着された状態では、挿入部290(詳しくはストッパ部271)が第2レールカバー400の上側起立部422及び下側起立部423の側方に位置し、第2レールカバー400の外側ベース部412が挿入部290に嵌まっている。
【0115】
外側ベース部412は、ストッパ部271の背面274に対してパチンコ機10の後方から当接している。外側ベース部412においてストッパ部271に当接している部分には、起立部420とは反対側(遊技盤80側)に突出する突出部440が一体成形されている。突出部440は遊技盤80の厚さ方向に延びる筒状をなしており、遊技盤80にはこれら突出部440が嵌合する嵌合孔89が形成されている。嵌合孔89は遊技盤80の前面側及び背面側に開放されており、突出部440の先端部分が同嵌合孔89を通じて遊技盤80の背面側に突出している。
【0116】
突出部440には第2レールカバー400(詳しくは起立部420等)に加わった負荷を当該突出部440を通じて遊技盤80へ分散させる分散機能が付与されており、第2レールカバー400の特定箇所に負荷が集中することを抑制している。特に突出部440は、第2レールカバー400の長手方向に拡がる縦長状をなしていることで、起立部420に対して同起立部420の根元部分を基端とした傾きが生じるような負荷が加わった場合に、そのような負荷を好適に分散させることが可能となっている。
【0117】
図12に示すように、内枠13の対向板部251においてストッパ部271よりも遊技盤80の回動先端寄りとなる部分、詳しくは中央開口74側の縁部には、同縁部から前方に起立するリブが形成されており、このリブに対して突出部440が当接している。このように、突出部440の先端部分が対向板部251のリブに当接することで、遊技盤収容部73の奥側への遊技盤80の変位が規制されている。
【0118】
本実施の形態においては特に、挿入部290の前後幅寸法が遊技盤80の厚さ寸法、詳しくはベース部410の前面から突出部440の先端までの前後寸法よりも僅かに小さく設定されており、遊技盤80を装着完了位置に配置した状態では、遊技盤80が挿入部290に対して強干渉した状態となる。このように、挿入部290に対して遊技盤80を強干渉させることにより、遊技盤80の前後位置のばらつきを抑えることが可能となっている。
【0119】
しかしながら、このような構成を採用する場合、挿入部290への遊技盤80の挿入が難しくなることは好ましくない。そこで、上述の如く第2レールカバー400のベース部410とストッパ部271との当接箇所よりも、同第2レールカバー400の突出部440と対向板部251のリブとの当接箇所のほうが、遊技盤80の回動先端側に位置する構成とすることにより、遊技盤80の挿入を容易化しつつ、装着完了位置に配置した状態での位置ばらつきを好適に抑制することが可能となっている。
【0120】
(隙間の拡がり規制に関する構成)
本実施の形態においては特に、遊技盤80が装着された状態、すなわち同遊技盤80の前後位置がストッパ部271や上記ロック装置79によって規定されている状態にて前面扉14が閉じている場合に、当該遊技盤80とガラスユニット30(詳しくはガラスパネル32)との隙間の拡がりを規制する規制機構を備えていることを特徴の1つとしている。以下、図12,図13,図16及び図17に基づき規制機構について詳しく説明する。図16は第2レールカバー400とガラスユニット30との位置関係を示す概略図、図17は図5のB−B線部分断面図である。なお、図16においては、便宜上ガラスユニット30の一部を2点鎖線及びドットハッチングを用いて表している。また、図17においては、便宜上前面扉14に関する構成についても併せて表示している。
【0121】
図12に示すように、起立部420の湾曲部421には、その前端縁から外レール102側に突出し、遊技盤80に対して同外レール102を挟んで対向する対向部450が形成されている。対向部450は、上側起立部422と下側起立部423とに跨るように形成さており、湾曲部421の補強機能が付与されている。
【0122】
図16に示すように、対向部450は、湾曲部421の中央寄りに配された第1対向部451と、両起立部422,423寄りに配された第2対向部452,453とを有している。より詳しくは、対向部450は、図13に示すように、第1対向部451が遊技盤80側且つ第2対向部452,453が前面扉14側となる段差状に形成されている。
【0123】
図17に示すように、第1対向部451は外レール102の前端縁に対して僅かな隙間を隔てて対向しており、第2対向部452,453は同外レール102の前端縁に対して第1対向部451よりも大きな隙間を隔てて対向している。この外レール102と第2対向部452との隙間に前面扉14の一部が嵌まっている。
【0124】
より具体的には、既に説明したように前面扉14のガラスホルダ33は遊技盤80の外周縁に沿って形成された環状をなしており、遊技盤80の前方に配されている。ガラスホルダ33の枠部34は、同枠部34における遊技盤80側の縁部が第2レールカバー400の対向部450よりも遊技盤80の前面寄りとなるように、ガラスユニット設置部22から遊技盤80側に張り出している。枠部34において第2レールカバー400に遊技領域PE側から対向している部分には、同第2レールカバー400へ向けて延出する延出部39が形成されている。
【0125】
延出部39は、枠部34の外壁面から第2レールカバー400の湾曲部421へ向けて延びる平板状をなしており、少なくともその先端部分が第2対向部452と外レール102との隙間に嵌まっている。延出部39の板面は、遊技盤80及びガラスユニット30の並設方向(前後方向)と直交しているとともに、第2対向部452に対して僅かな隙間を隔ててパチンコ機10の後方から対向している。また、同延出部39の板面は後側のガラスパネル32の後側の板面と略同一の仮想平面上に位置している。つまり、延出部39と後側のガラスパネル32とが略面一となるように形成されている。なお、延出部39が第2対向部452に対してパチンコ機10の後方から当接する構成とすることも可能である。
【0126】
ガラスユニット30及び遊技盤80のうち少なくとも一方が他方から遠ざかる側に変位した場合には、延出部39が第2対向部452に当接し、ガラスユニット30(詳しくは後側のガラスパネル32)と遊技盤80との隙間の拡がりが規制される。特に延出部39の先端部分は、湾曲部421に沿うように湾曲しており、第2対向部452,453に対する掛かり代ができるだけ大きくなるように工夫されている。
【0127】
以上詳述した、第1規制機構は前面扉14の開閉動作に基づいて、隙間の拡がりを規制する規制状態と隙間の拡がりを規制しない規制解除状態とに切り替えられることとなる。ここで、図18に基づき、前面扉14の内枠13に対する開閉動作に伴う第1規制機構の状態切替について説明する。図18は、前面扉14の開閉時におけるガラスユニット30と遊技盤80との位置関係を示す概略図である。
【0128】
図18(a)に示すように前面扉14が開放されている状態では、ガラスユニット30の延出部39が誘導レール100と第2レールカバー400との隙間から外れており、上述した隙間の拡がりが許容された状態、すなわち規制解除状態となっている。
【0129】
前面扉14を図19(a)に示す開位置から図18(b)に示す閉位置に向けて回動させると、この前面扉14の動きに追従して延出部39がパチンコ機10の斜め後方へ向けて移動する。この際、延出部39は回動中心軸線CLよりも後側に位置しているため、同前面扉14の開放量が小さくなるに従って後方への移動成分が小さくなるとともに回動基端側(本実施の形態においては左方)への移動成分が大きくなるようにして延出部39の移動方向が変化する。つまり、前面扉14が閉位置へ向けて移動するにつれて、延出部39の移動成分のうち横方向への移動成分が支配的となる。そして、延出部39が誘導レール100と第2レールカバー400との間に挿入される時点では、後方への移動成分がほぼ0となり、同延出部39の移動方向が遊技盤80の前面に沿う方向となるように変化する。
【0130】
その後、図18(b)に示すように前面扉14が閉位置に到達すると、これと同期して延出部39が第2レールカバー400の対向部450(詳しくは第2対向部453)と平行な位置へ到達する。これにより、上述した隙間の拡がりを規制する規制状態への切り替えが完了する。
【0131】
一方、前面扉14を開放する際には、図18(b)→図18(a)に示すように、延出部39が誘導レール100と第2レールカバー400との隙間から離脱する。この際、前面扉14の開放量が小さい場合には、延出部39が第2レールカバー400の第2対向部453に沿って横方向(本実施の形態においては右方)に変位し、開放量が大きくなるにつれて横方向への移動成分が減少しつつ前方への移動成分が増加することとなる。つまり、延出部39は、上記隙間から離脱するまではほぼ真横に移動し、同隙間から離脱した後は前方への移動成分が増すことで斜め前方へ移動することとなる。これにより、延出部39は第2対向部453に引っ掛かることなく、誘導レール100と第2レールカバー400との隙間から遠ざかる。
【0132】
以上詳述したように、延出部39の移動方向が前面扉14の開放量が小さくなるにつれて遊技盤80の前面に沿う方向となるように推移させることで、同延出部39と第2対向部453とを前後方向(内枠13と前面扉14との並設方向)にて対向させつつ、それら両者の隙間を小さくすることが可能となっている。これにより、隙間の拡がりを規制する機能を好適なものとしている。
【0133】
ガラスユニット30と遊技盤80との隙間の拡がり規制については、前面扉14の回動基端側だけでなく、回動先端側において実施することにより、その効果を一層好適なものとすることができる。但し、上述したような前面扉14の開閉動作に応じた第1規制機構の状態切替は、延出部39及び対向部453を前面扉14の回動基端部寄りに配することで好適に実現されている。言い換えれば、これと同様の構成を前面扉14の回動先端部寄りに配することは困難であると想定される。そこで、本実施の形態においては、前面扉14の回動先端部寄りとなる位置に、上記第1規制機構とは異なる構成を有する第2規制機構を配し、内枠13に設けられた上記施錠装置に対して第2規制機構を連動させることにより、上記状態切替の困難さを克服している。
【0134】
以下、先ず図2,図19〜図22に基づき施錠装置500について詳細に説明し、その後、同施錠装置500との関係を踏まえて第2規制機構について詳しく説明する。図19は内枠13から遊技盤80を取り外した状態を示す斜視図、図20は内枠13から施錠装置500を取り外した状態を示す斜視図、図21は施錠装置500を後方から見た斜視図、図22は施錠装置500を主要構成部品毎に分解して示す分解斜視図である。なお、図21及び図22においては各図21,22の左上がパチンコ機10の前方、右下がパチンコ機10の後方、右上がパチンコ機10の左方、左下がパチンコ機10の右方となっている。
【0135】
図2に示すように、施錠装置500は、内枠13において前面扉14と対向している部分、すなわち内枠13の前面に設けられている。具体的には、図19及び図20に示すように内枠13において前記遊技盤収容部73よりも遊技機主部12の回動先端側となる部位には内枠13の回動先端側の端部に沿って施錠装置収容部75が形成されており、当該施錠装置収容部75に施錠装置500が収容された状態となっている。
【0136】
施錠装置収容部75は、図20に示すように内枠13における上側枠部13a及び下側枠部13bの両者に跨って延び、内枠13の正面側に開放された溝状をなしている。施錠装置500は、施錠装置収容部75の開放部分を覆う長尺状の基枠510を備えており、当該基枠510と施錠装置収容部75とによって施錠装置500に関する各種構成を収容する空間が区画形成されている。遊技盤収容部73と施錠装置収容部75とは左右に並設されており、内枠13に形成された上記右側壁部265によって仕切られている。言い換えれば、右側壁部265は、各収容部73,75の一部を構成している。
【0137】
施錠装置収容部75には、その奥側の壁部(以下、「奥壁部301」と称する)から起立する複数のボス302が設けられており、基枠510にはそれらボス302に固定される基枠固定部511が設けられている。基枠固定部511がボス302の先端部分に当接した状態にてそれらボス302に内枠13の正面側からネジ止めされることにより、施錠装置500と内枠13とが一体化されている。
【0138】
基枠固定部511は、ボス302を挟んで奥壁部301と対向するとともに、施錠装置収容部75の開放部分に合せて形成された長板状をなしている。この基枠固定部511によって同開放部分が覆われ、施錠装置収容部75の内部空間へのアクセスが妨げられている。
【0139】
図20に示すように、基枠固定部511の両長辺のうち遊技盤収容部73側の一方(図21における右端縁)には施錠装置500に関する各種構成が取り付けられた部材取付部515が設けられている。部材取付部515は、基枠固定部511の端部を折り曲げて形成されており、奥壁部301側に起立している。また、基枠固定部511の他方の長辺には、部材取付部515と対向するように折り曲げられたフランジ部516が形成されている。つまり、基枠510は全体として水平断面略コ字状をなしている。これら部材取付部515及びフランジ部516によって、施錠装置500自体の剛性を確保するだけでなく、内枠13を補強する補強部材としての機能を高めることが可能となっている。
【0140】
図21に示すように部材取付部515及びフランジ部516は基枠固定部511とほぼ同等の長さを有する長板状をなしており、それら両者の外板面が施錠装置収容部75の内壁面に当接するように形成されている。これにより、基枠510を迂回して施錠装置収容部75の内部空間へアクセスするといった不正行為を困難なものとしている。なお、部材取付部515及びフランジ部516が施錠装置収容部75の内壁面に対して当接しない構成とすることも可能である。
【0141】
基枠固定部511の下端部寄りとなる部分には、解除操作部たるシリンダ錠520が取り付けられている。図22等に示すように、シリンダ錠520は、基枠固定部511において奥壁部301とは反対側の板面(外面)に取り付けられている台座521と、その台座521からパチンコ機10の前方に向けて延びる円筒状のシリンダ本体522と、そのシリンダ本体522の内部に収容された錠軸部523とを有しており、台座521に対して内枠13の正面側から複数のネジ527が取り付けられることで基枠510に一体化されている。
【0142】
シリンダ本体522の一端及び錠軸部523の一端は、前面扉14(詳しくは枠体20)に形成された挿通孔を介してパチンコ機10の正面側に露出している(図1参照)。錠軸部523においてパチンコ機10の正面側に露出している側の端部にはキー孔524が形成されている。このキー孔524に対して解錠操作用の操作キーを挿入し、同操作キーを錠軸部523の中心軸線を中心として回動させることで、パチンコ機10外部からの解錠操作が行われる。
【0143】
錠軸部523の他端は、基枠固定部511に形成された錠軸部523用の開口を介して施錠装置収容部75内に露出しており、その露出している部分にはカム部材530が装着されている。カム部材530は、図22に示すように、内枠13の背面側から螺着されたネジ531によって錠軸部523に着脱可能な状態で固定されており、上述したキー操作に伴って錠軸部523が回動した場合に同錠軸部523と共に回動する。本実施の形態におけるシリンダ錠520においては特に、操作キーによる解錠操作が行われない限り錠軸部523を回動させることができない内部構造を有しており、カム部材530を指等で直接回動させることが不可となっている。なお、シリンダ錠520として、不正解錠防止機能の高いオムロック(登録商標)を用いる構成としてもよい。
【0144】
カム部材530は、基枠固定部511と平行な円板状部分を有しており、その円板状部分の周縁において前記部材取付部515側となる部分には、略放射方向に突出する上下一対の爪部532,533が形成されている。
【0145】
施錠装置500は、カム部材530の動作(詳しくは爪部532,533の変位)に追従して移動する連動杆540を備えている。連動杆540は、基枠510に沿って延びる長板状をなすとともに同基枠510と同等の長さを有し、部材取付部515によって当該基枠510の長手方向にスライド移動可能な状態で保持されている。また、連動杆540には、カム部材530の爪部532,533と係合する係合孔541,542が形成されている。各爪部532,533が係合孔541,542に係合した状態で回動することで、それら爪部532,533によって連動杆540が基枠510の長手方向(すなわち上方及び下方)に押される。つまり、キー操作によって発生する外力が錠軸部523→カム部材530→連動杆540の順に伝達され、連動杆540が上下にスライド移動することとなる。
【0146】
本実施の形態におけるシリンダ錠520においては、既に説明したようにキー操作によってのみ錠軸部523及びカム部材530の回動が許容される。連動杆540をスライドさせようとしてもカム部材530の爪部532,533と連動杆540の係合孔541,542とが係合することにより、当該連動杆540の移動が阻止される。つまり、施錠装置500においては、カム部材530や連動杆540を動作させる場合にはキー操作が不可欠な構成となっている。
【0147】
基枠510においてシリンダ錠520の上方となる部位、詳しくは遊技盤80の側方となる部位には、前面扉14の鉤受け部材63に引っ掛かる施錠位置と、同鉤受け部材63に引っ掛からない施錠解除位置との両位置に切替可能な前扉用鉤部材550が複数(詳しくは2つ)設けられている。前扉用鉤部材550は基枠固定部511において奥壁部301側を向いた板面に搭載されており、同板面と対向する板状のベース部551と当該ベース部551から前面扉14側に起立する鉤部555とを備えている。基枠固定部511には、鉤部555の前面扉14側への突出を許容するスリット512が形成されており、鉤部555において同スリット512から突出している部分は上方に凸となる爪状をなしている。この爪状部分が鉤受け部材63に対して下側から引っ掛かることにより前面扉14が施錠された状態となっている。
【0148】
ベース部551には、基枠510の長手方向(つまり連動杆540のスライド方向)に延びる長孔552が形成されており、基枠固定部511にはその長孔552に嵌まる軸ピン513が取り付けられている。この軸ピン513によって前扉用鉤部材550がスライド移動可能な状態で保持されている。より詳しくは、長孔552は、軸ピン513から上方に延びており、前扉用鉤部材550の下方への移動、すなわち鉤受け部材63から離れる側への移動が許容されている。
【0149】
ベース部551において部材取付部515側の端部には、同部材取付部515に沿って起立する起立部553が形成されている。起立部553が、連動杆540と部材取付部515とによって挟まれることにより、前扉用鉤部材550の倒れや位置ばらつき等が抑制されている。
【0150】
起立部553の先端部分には、連動杆540側に凸となる突起554が形成されており、当該突起554の先端部分が連動杆540に形成された開放部543から突出している。突起554の先端部分には、付勢部材としてのコイルバネ560が取り付けられており、同コイルバネ560によって前扉用鉤部材550が施錠位置に向けて(上方に)付勢された状態となっている。この付勢方向の先側から長孔552の下端縁が軸ピン513に対して当接することで、前扉用鉤部材550の移動が妨げられ、コイルバネ560の付勢力により前扉用鉤部材550が施錠位置にて保持されている。なお、前扉用鉤部材550における付勢部材の取付部としては、上記突起554に代えて孔部等を用いてもよい。
【0151】
連動杆540がスライド移動すると、開放部543の上端縁によって突起554が押され、前扉用鉤部材550がコイルバネ560の付勢力に抗して施錠位置から施錠解除位置に移動することとなる。
【0152】
前扉用鉤部材550は、基枠固定部511において前面扉14と対向する部位に上下に離して配置されている。詳しくは、それら前扉用鉤部材550は、基枠固定部511の上端側とシリンダ錠520側との両端に寄った位置、具体的には遊技盤80の上端部及び下端部寄りとなる位置にそれぞれ配置されており、前面扉14を施錠している状態での同前面扉14の浮き上がりを抑制しやすくしている。なお、前扉用鉤部材550の個数は2つに限定されるものではなく、例えば1つとしてもよいし、3つ以上とすることも可能である。但し、前扉用鉤部材550を1つとした場合、一方の手で不正具を操ることで施錠状態が不正に解除され、他方の手で前面扉14が開放(回動)され得る。この点、前扉用鉤部材550を2つ以上とすることで、不正解錠に両の手を必要とし、例えば不正行為者が単独である場合には、前面扉14の開放を難しくすることができる。これにより、不正行為(いわゆる引っ掛けゴト)を好適に抑制することができる。
【0153】
次に、図7,図21及び図22に基づき遊技機主部12を外枠11に対して閉じた状態で施錠する施錠機構について説明する。
【0154】
基枠510の部材取付部515には、内枠13を外枠11に対して閉じた状態で施錠する施錠状態と施錠解除状態とに切替可能な内枠用鉤部材620が取り付けられている。内枠用鉤部材620は、図21に示すように、上側の前扉用鉤部材550よりも上方及び下側の前扉用鉤部材550(シリンダ錠520)よりも下方、詳しくは基枠510の両端にそれぞれ配置されている。
【0155】
図22に示すように、内枠用鉤部材620には、部材取付部515の内板面に対向する板状をなし部材取付部515及び前記連動杆540によって挟まれたベース部621と、ベース部621から後方に延出する鉤部625とが形成されている。施錠装置収容部75の奥壁部301には内枠13の厚さ方向に貫通するスリット303が形成されており、鉤部625が同スリット303を介して内枠13の背面側、詳しくは外枠11側に突出している(図7参照)。
【0156】
鉤部625において内枠13の背面側に突出している部分(すなわち鉤部555の先端)は、上方に凸となる爪状をなしている。この爪状部分が外枠11に設けられた鉤受け部材19に対して下方から引っ掛かることにより内枠13が外枠11に対して施錠された状態となる。
【0157】
内枠用鉤部材620は、部材取付部515に固定された軸ピン517によって部材取付部515の板面に沿った回動が許容された状態で軸支されている。ベース部621において、軸ピン517を挟んで鉤部625とは反対側の端部、すなわち基枠固定部511側の端部には、連動杆540側に起立する突起622が形成されている。連動杆540には、突起622との干渉を回避すべく切欠き544が形成されており、同切欠き544を通じて突起622の先端が突出している。
【0158】
突起622の先端部分には、内枠用鉤部材620を施錠位置に向けて付勢する付勢部材としてコイルバネが取り付けられている。上側の内枠用鉤部材620と、下側の内枠用鉤部材620とではこのコイルバネの取り回しが異なっている。詳しくは、上側の内枠用鉤部材620におけるコイルバネの取り回しが特徴的なものとなっている。そこで以下、図23に基づいて上側の内枠用鉤部材620(以下、便宜上「内枠用上側鉤部材620U」と称する)におけるコイルバネ560(以下、便宜上「上側コイルバネ560U」と称する)の取り回しについて詳しく説明し、後に下側の内枠用鉤部材620(以下、便宜上「内枠用下側鉤部材620L」と称する)におけるコイルバネ630(以下、便宜上「下側コイルバネ630」と称する)の取り回しについて簡単に説明する。図23は各鉤部材550U,620Uの位置関係を示す概略図である。なお、前扉用鉤部材550についても同様に、上側の前扉用鉤部材550を「前扉用上側鉤部材550U」と称し、下側の前扉用鉤部材550を「前扉用下側鉤部材550L」と称する。
【0159】
既に説明したように、基枠510の上端側においては、前扉用上側鉤部材550Uと内枠用上側鉤部材620Uとが前者が下側、後者が上側となるように隣接して配置されている。内枠用上側鉤部材620Uの突起622に取り付けられた上側コイルバネ560Uの他方の端部は、前扉用上側鉤部材550Uの突起622に取り付けられている。つまり、内枠用上側鉤部材620Uと前扉用上側鉤部材550Uとが上側コイルバネ560Uによって連結されている。
【0160】
上側コイルバネ560Uは、自身の自由長よりも長くなるように引き伸ばされた状態で取り付けられ、各鉤部材550U,620Uの突起554,622が互いに近づく側に付勢された状態となっている。つまり、上側コイルバネ560Uによって,両鉤部材550U,620Uを施錠位置に付勢する付勢力を常時発生させる構成となっている。
【0161】
本実施の形態においては特に、前扉用上側鉤部材550Uの突起554は、当該前扉用上側鉤部材550U(詳しくはベース部551)において内枠用上側鉤部材620Uの突起622とは反対側の端部に配置されている。具体的には、当該前扉用上側鉤部材550Uの鉤部555よりも更に下側に配置されている。このように、各鉤部材550U,620Uの突起554,622を遠ざけて配置することにより、上側コイルバネ560Uの全長を長くしやすくしている。なお、前扉用上側鉤部材550Uの突起554と、内枠用上側鉤部材620Uの突起622とをパチンコ機10の平面視にて前後及び左右にずらして配置されており、上記上側コイルバネ560Uの全長拡大を促進している。
【0162】
特に内枠用上側鉤部材620Uの突起622については、当該内枠用上側鉤部材620Uの回動中心位置よりも僅かに下側となる位置に配置することで、上側コイルバネ560Uの全長を長くしつつ、付勢力による内枠用上側鉤部材620Uの回動の円滑さを損なわれにくくしている。
【0163】
一方、内枠用下側鉤部材620Lと前扉用下側鉤部材550Lとは、シリンダ錠520を挟んで上下両側に離して配置されている。これに合わせて、下側の各鉤部材550L,620Lについては別個独立したコイルバネ、つまりコイルバネ560L,630が設けられおり、両鉤部材550L,620Lが個々に付勢されている。
【0164】
なお、基枠510の下端寄りに両下側鉤部材550L,620Lをまとめて配置することで、上述した浮き上がり抑制機能を向上することも可能である。この場合、必然的にそれら両下側鉤部材550L,620Lの配置が両上側鉤部材550U,620Uと同様に相互に近づきやすくなる。この場合、それら上側鉤部材550U,620Uと同様に、下側の各鉤部材550L,620Lについても1のコイルバネによってそれら両鉤部材550L,620Lを連結するとよい。
【0165】
ここで、操作キーKの回動操作に伴う施錠装置500の動作について図24及び図25に基づき説明する。図24は操作キーKを時計回りに回動操作した状態を示し、図25は操作キーKを反時計回りに回動操作した状態を示している。また、図24(a)及び25(a)は施錠装置500全体をパチンコ機10の後方から見た斜視図、図24(b)及び図25(b)は基枠510に搭載された各種構成の動作を示す概略図である。
【0166】
図24では操作キーKをシリンダ錠520に差し込んで、時計回りに回動操作している。すると、操作キーKの回動操作に連動してカム部材530の下側爪部533により連動杆540の下側係合孔542が押し上げられ、連動杆540が上昇する。この連動杆540の上昇に伴って同連動杆540の切欠き544(詳しくはその下端縁)により内枠用鉤部材620の突起622が上方に押される。これにより、各内枠用鉤部材620がコイルバネ560,630の付勢力に抗して回動し、同内枠用鉤部材620と鉤受け部材19との引っ掛かり、すなわち施錠状態が解除される(図24(b)参照)。このように施錠状態が解除されることにより、外枠11に対しての遊技機主部12(内枠13)の開放が許容される。その後、操作キーKの回動操作を止めると、コイルバネ560,630の付勢力により、連動杆540及び内枠用鉤部材620が初期位置に復帰する。
【0167】
なお、コイルバネ560については、前扉用鉤部材550に取り付けられており、前扉用鉤部材550の上方への移動が基枠510の軸ピン513によって抑えられる。故に、連動杆540及び内枠用鉤部材620を初期位置に復帰させる付勢力が蓄えられるとともに、前扉用鉤部材550の施錠が維持される。
【0168】
図25では操作キーKをシリンダ錠520に差し込んで、反時計回りに回動操作している。すると、操作キーKの回動操作に連動してカム部材530の上側爪部532により連動杆540の上側係合孔541が押し下げられ、連動杆540が下降する。この連動杆540の下降に伴って同連動杆540の開放部543(詳しくはその上端縁)により前扉用鉤部材550の突起554が下方に押される(図25(b)参照)。これにより、各前扉用鉤部材550がコイルバネ560の付勢力に抗して回動し、同前扉用鉤部材550と鉤受け部材63との引っ掛かり解除される。以上の如く、各前扉用鉤部材550の引っ掛かりが解除されることで、前面扉14の施錠状態が解除される。このように施錠状態が解除されることにより、内枠13に対しての前面扉14の開放が許容される。その後、操作キーKの回動操作を止めると、コイルバネ560の付勢力により、連動杆540及び各前扉用鉤部材550が初期位置に復帰する。
【0169】
因みに、施錠装置500の各種構成については、内枠13と前面扉14とによって囲まれた空間に配置されており、パチンコ機10の外部からの同施錠装置500に対するアクセスが制限されている。つまり、操作キーKを用いて前面扉14を開放させるといった正規の手順を踏むことなく施錠装置500へアクセスすることを難しくし、防犯機能が強化されている。
【0170】
ここで、図2,図4,図19,図26及び図27に基づき、施錠装置500との関係を踏まえて第2規制機構について説明する。図26は第2規制機構をパチンコ機10の側方から見た概略図、図27は図27のC−C線部分断面図である。なお、図26においては2点鎖線を用いて施錠装置500の一部を示している。
【0171】
第2規制機構は、ガラスユニット30に設けられたガラス側係合部材700と、遊技盤80(詳しくは上記遊技領域区画部材480)に設けられ、ガラス側係合部材700に係合する遊技盤側係合部750とを有している。これらガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750は、図2に示すように前面扉14の回動先端寄りとなる位置、すなわち遊技領域PEを挟んで上記第1規制機構とは反対側となる位置に配されている。
【0172】
同図2の部分拡大図及び図4の部分拡大図に示すように、ガラス側係合部材700は前後方向に延びる長板状をなしており、同ガラス側係合部材700の板面が左右を向くようにして配設されている。ガラスユニット30のガラスホルダ33には前後に開放されたスリット721を有する取付部722が一体形成されており、このスリット721に対してガラス側係合部材700の一端部が挿入されている。ガラス側係合部材700及び取付部722には、一連の貫通孔701,723が形成され(図26参照)、これら貫通孔701,723に対して挿通されたネジ731がガラスホルダ33の枠部34に螺着されることにより、ガラス側係合部材700が回動可能な状態で保持されている。
【0173】
図26に示すように、ガラス側係合部材700の上端縁、詳しくはスリット721に収容されている部分には、上方へ凸となる突起702が形成されている。この突起702がスリット721の内壁面(天壁)に対して下側から当接することにより、それ以上の回動を阻止されることとなる。また、スリット721には、ガラス側係合部材700を上方に向けて付勢する付勢部材としての板バネが収容されており、当該板バネの付勢力によって上記突起702がスリット721の天壁に押し付けられた状態となっている。これにより、ガラス側係合部材700の待機位置のばらつきが抑えられている。
【0174】
ガラス側係合部材700の他端部(すなわち遊技盤80側の端部)には上方に凸となる爪部703が形成されており、同ガラス側係合部材700が上記ネジ731(詳しくは同ネジ731の中心軸線)を中心として回動することにより、爪部703が上下に移動する構成となっている。
【0175】
図5に示すように、ガラス側係合部材700は、前面扉14が内枠13に対して閉じている場合に遊技盤80の遊技領域区画部材480の前方に位置するように配置されており、遊技領域区画部材480にはガラス側係合部材700の爪部703が係合するようにして上記遊技盤側係合部750が形成されている。具体的には、図26に示すように、遊技領域区画部材480は後方に開放された箱状をなしており、その前板部496及び施錠装置側の板部(以下便宜上、側板部497と称する)に跨るように形成された開口部498を通じて遊技領域区画部材480の内部に爪部703が挿入されている。そして、爪部703が前板部496に対して後方から引っ掛かった状態(係合状態)となっている。つまり、遊技領域区画部材480の前板部496及び開口部498によって遊技盤側係合部750が構成されている。
【0176】
また、爪部703には、ガラス側係合部材700の後端部(遊技盤80側の先端部)に向けて下り傾斜する誘導傾斜面703aが設けられている。一方、上記開口部498の上側縁部(前板部496の端部)は、前面扉14が閉位置に向けて移動する際に誘導傾斜面703aが通過する軌道上に位置しているため、前面扉14を閉じる際に誘導傾斜面703aが開口部498の上側縁部に押し付けられることとなる。これにより、当該誘導傾斜面703aの傾斜によって上記板バネの付勢力に抗するようにしてガラス側係合部材700が回動し、このようなガラス側係合部材700の回動によって爪部703が開口部498へと誘導されることとなる。
【0177】
ガラス側係合部材700において開口部498から施錠装置500側に露出している部分には同施錠装置500側に延びるフランジ部704が形成されている。このフランジ部704には、施錠装置500の解錠動作に連動してガラス側係合部材700と遊技盤側係合部750との係合を解除する機能が付与されている。ここで、図26及び図27に加え図20及び図22を参照して、フランジ部704と施錠装置500との関係について詳しく説明する。
【0178】
図22に示すように、施錠装置500の前扉用鉤部材550(詳しくはベース部551)には、遊技盤収容部73側に延出する延出部556が設けられている。図20に示すように施錠装置500の基枠510(詳しくは部材取付部515)には同延出部556に合わせて開口部518が形成され、更に遊技盤収容部73及び施錠装置収容部75を区画している右側壁部265にも延出部556に合わせて切欠き267が形成されており、これら開口部518及び切欠き267を通じて延出部556の先端部分が施錠装置収容部75から突出している(図27参照)。
【0179】
なお、前扉用鉤部材550は解錠操作に伴って上下にスライド移動する構成となっているが、上記開口部518及び切欠き267はこのような前扉用鉤部材550のスライド移動時に延出部556が通過する通過軌道との干渉を回避して形成されている。故に、延出部556が基枠510や右側壁部265に引っ掛かることはなく、前扉用鉤部材550のスライド移動が担保されている。
【0180】
延出部556の先端部分は、前扉用鉤部材550の施錠位置から施錠解除位置への移動経路上にフランジ部704が位置している。詳しくは、ガラス側係合部材700のフランジ部704に対して上方から僅かな隙間を隔てて対向している。このため、前扉用鉤部材550が下方へスライド移動した場合には、当該前扉用鉤部材550の延出部556によってガラス側係合部材700のフランジ部704が下方へ押されることとなる。これにより、ガラス側係合部材700の爪部703が降下し、遊技領域区画部材480の前板部496に対する掛かり代が小さくなる。このように、延出部556に押されることでガラス側係合部材700が動作する点に着目すれば、同延出部556にはガラス側係合部材700を操作する操作部としての機能が付与されているといえる。なお、延出部556とフランジ部704との隙間を排除し、それら両者を当接させる構成としてもよい。
【0181】
ここで、ガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750の掛かり代X1(図26参照)と、前扉用鉤部材550及び鉤受け部材63の掛かり代X2(図24参照)との関係について補足説明する。因みに、図26及び図24においては、図の尺度が異なっているため、各図に示す掛かり代X1,X2については単純に比較できるものではない。
【0182】
ガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750の掛かり代X1は、前扉用鉤部材550及び鉤受け部材63の掛かり代X2よりも小さく設定されている。このため、上述した操作キーを用いて前面扉14の施錠を解除する場合には、先ずガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750の引っ掛かりが解除され、その後、前扉用鉤部材550及び鉤受け部材63の引っ掛かりが解除されることとなる。前扉用鉤部材550及び鉤受け部材63の引っ掛かりが解除された後に、ガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750の引っ掛かりが解除される構成とすることも可能であるが、このような構成においては、ガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750の引っ掛かりが解除されていない状態にて前面扉14が無理に開放されることで、ガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750に負荷が集中する可能性がある。これは、第2規制機構における隙間の拡がりを規制する機能の担保を難しくする要因となり得るため好ましくない。この点、各掛かり代X1,X2を上述の如く設定することにより、そのような不都合の発生を回避している。
【0183】
以下、図28及び図29に基づき第2規制機構の動作について説明する。図28は前面扉14を閉じる際の第2規制機構の動作を示す動作説明図、図29は前面扉14を開く際の第2規制機構の動作を示す動作説明図である。
【0184】
図28(a)に示すように、前面扉14が開放されている場合には、板バネの付勢力によってガラス側係合部材700の突起702がガラスホルダ33のスリット721における天壁に対して当接し、爪部703が上限位置に待機した状態となっている。
【0185】
同図28(a)に示す状態から前面扉14を閉位置に向けて回動させると、ガラス側係合部材700の爪部703に形成された誘導傾斜面703aが遊技領域区画部材480の開口部498における上端縁に当たる。閉位置へ向けての前面扉14の回動が継続されることにより、ガラス側係合部材700は板バネの付勢力に抗して回動し、爪部703が下方へ押し下げられることとなる。
【0186】
このように、ガラス側係合部材700が回動することにより、同ガラス側係合部材700のフランジ部704が降下することとなる。そして、このようにフランジ部704が降下を開始した後、施錠装置500の前扉用鉤部材550に対して前面扉14の鉤受け部材63が当たり、前扉用鉤部材550が下方へスライド移動することとなる。これにより前扉用鉤部材550の延出部556も降下を開始することとなるが、このタイミングにおいては既にフランジ部704が降下を開始しており、延出部556がフランジ部704よりも上側に位置するという相互の位置関係が維持されることとなる。
【0187】
図28(b)に示すように、ガラス側係合部材700の回動量が最大となった後も、前扉用鉤部材550の下方への移動は継続される。その後、前扉用鉤部材550の下方への移動量が最大となった後に、ガラス側係合部材700が板バネの付勢力によって元の位置に復帰するとともに、前扉用鉤部材550がコイルバネ560の付勢力によって元の位置に復帰する。これにより、図28(c)に示すように、ガラス側係合部材700の爪部703が遊技領域区画部材480の前板部496に対して引っ掛かった状態となり、ガラスユニット30と遊技盤80との隙間の拡がりが規制される。また、これと同時に前面扉14が閉位置にて施錠され同前面扉14の開放が不可となる。
【0188】
一方、図29(d)に示すように、前面扉14が内枠13に対して閉じている状態から開放される場合には、施錠装置500が上記操作キーによって操作されることにより、前扉用鉤部材550がコイルバネ560の付勢力に抗して下方へスライド移動することとなる。これにより、前扉用鉤部材550の延出部556が降下し、ガラス側係合部材700のフランジ部704が同延出部556によって押し下げられることとなる。これにより、ガラス側係合部材700が板バネの付勢力に抗して回動し、爪部703が下方へ移動する。この結果、爪部703と遊技領域区画部材480の前板部496との掛かり代が減少する。
【0189】
爪部703と前板部496との引っ掛かりが解除された後も、前扉用鉤部材550の下方へのスライド移動は継続され、操作キーの操作量が最大となったタイミングで、同前扉用鉤部材550のスライド移動が停止することとなる(図29(e)参照)。
【0190】
その後、前面扉14を前方へ回動させることにより、図29(e)→図29(f)に示すように、ガラス側係合部材700が遊技領域区画部材480の開口部498から離脱する側へ移動し、第2規制機構による隙間の拡がり規制が解除されることとなる。
【0191】
本実施の形態においては、上述した隙間の拡がり規制に関する構成に併せてガラスユニット30の取付構造に関する特徴的な構成が採用されている。ここで、図30に基づき、ガラスユニット30の取付構造について説明する。図30は、枠体20に対するガラスユニット30の取付構造を示す部分断面図である。
【0192】
図30に示すように、前面扉14の枠体20にはガラスユニット30(詳しくは取付部35)を保持する保持部57が設けられている。保持部57は内枠13側に凸となる円柱状をなしており、上記取付部35には同保持部57が挿入される挿入部41が形成されている。より具体的には、保持部57の中心軸線は前後方向に延びており、挿入部41は同保持部57と同一方向に延びる有底の丸穴状をなしている。挿入部41に対して保持部57が嵌ることにより、ガラスユニット30の前後方向への移動、すなわち前面扉14と内枠13との並設方向と同じ方向へのスライド移動が許容されている。
【0193】
また、取付部35において挿入部41の底部を形成している部分には貫通孔42が形成されている。貫通孔42にはネジ45が挿入されており、同貫通孔42に挿通されたネジ45の先端部分が保持部57に形成されたネジ穴58に螺着されている。
【0194】
ネジ45の頭部45aは、取付部35に対して内枠13側から隙間を隔てて対向しており、この頭部45aによって枠体20からのガラスユニット30の脱落が阻止されている。このように、ネジ45に枠体20からのガラスユニット30の脱落を阻止する機能が付与されている点に着目すれば、同ネジ45を「ストッパ45」と称することも可能である。
【0195】
ネジ45には「付勢手段」としてのコイルバネ46が挿通されている。コイルバネ46は、頭部45aと取付部35とによって挟まれて圧縮された状態となっており、このコイルバネ46によって取付部35が枠体20側(すなわちパチンコ機10における前方)に付勢されている。つまり、コイルバネ46によってガラスユニット30が遊技盤80の正面側に向けて付勢されている。
【0196】
取付部35において頭部45aと対向している部分には、コイルバネ46が嵌まるバネ用凹部43が形成されている。ガラスユニット30が後方へスライド移動した場合には、コイルバネ46が圧縮されてバネ用凹部43に嵌まることにより、ネジ45の頭部45aが取付部35に対して後方から当接することとなる。つまり、ガラスユニット30のスライドストローク量L1は取付部35とネジ45の頭部45aとの隙間によって規定されている。
【0197】
ここで、ガラスユニット30とガラスユニット設置部22との関係について説明を補足する。既に説明したようにガラスユニット設置部22は凹状をなしており、同ガラスユニット設置部22に対してガラスユニット30が後方から嵌まっている。ガラスユニット設置部22を構成している略環状の周壁部22a、詳しくは内枠13側に起立するとともに窓部21を囲むように形成された周壁部22aと、ガラスユニット30との同ガラスユニット30のスライド方向に対して直交する方向での重なり代L2は、上記スライドストローク量L1よりも大きく設定されている。これにより、ガラスユニット30がネジ45の頭部45aに当接している場合であっても、ガラスユニット30とガラスユニット設置部22(詳しくは周壁部22a)との重なりが担保されることとなる。
【0198】
以上詳述したようにガラスユニット30のスライド移動を許容する構成を採用した場合、同ガラスユニット30がスライドすることで当該ガラスユニット30のガラスパネル32と遊技盤80の遊技領域PEに配された釘87等の各種構成とが干渉することは好ましくない。そこで本実施の形態においては、そのような不都合を回避するための各種工夫が施されている。以下、その一例について説明する。
【0199】
図30に示すように、内枠13に固定されたプレート部材281には、前面扉14が閉じている場合に取付部35に対して遊技盤80側から当接する当接部282が形成されている。当接部282が取付部35に対して当接することにより、ガラスユニット30の遊技盤80側へのスライド移動が阻止されることとなる。これにより、遊技領域PEに設けられた各種構成とガラスパネル32との隙間を維持し、上記干渉等の発生を抑制している。なお、当接部282に相当する構成は、ガラスユニット30の外周に沿うようにして複数配設されている。当接部282については、取付部35を当接対象としたが、これに限定されるものではない。詳細な説明は省略するが、他の当接部の当接対象は取付部35以外の部位(例えば枠部34等)となっている。
【0200】
以上詳述したようにガラスユニット30及び遊技盤80の隙間の拡がりを規制する構成と、ガラスユニット30のスライド移動を許容する構成とを併用することにより、ガラスパネル32と遊技盤80との位置関係を好適に維持することができ、更には防犯機能の向上が期待される。ここで、図31及び図32に基づき外的に要因により前面扉14と内枠13との位置関係が変化した場合のガラスユニット30と遊技盤80との位置関係について説明する。図31は前面扉14の回動基端側における遊技盤80とガラスユニット30との位置関係を示す概略図、図32は前面扉14の回動先端側における遊技盤80とガラスユニット30との位置関係を示す概略図である。
【0201】
前面扉14が内枠13に対して閉じている状態では、図31(a)に示すように遊技盤80(詳しくは第2レールカバー400)の対向部450に対してガラスユニット30の延出部39が僅かな隙間を隔てて対向しているとともに、図32(a)に示すようにガラス側係合部材700の爪部703が遊技盤側係合部750を構成する前板部496に対して僅かな隙間を隔てて対向している。この状態では、ガラスユニット30は、コイルバネ46の付勢力によってスライド範囲のうち最も前寄り(枠体20寄り)となる位置にて待機している。
【0202】
図31(a)→(b)に示すように、内枠13と前面扉14との境界部位にバール等の不正具Tが挿入され、同境界部位が前後方向へ押し拡げられた場合には、内枠13から前面扉14が浮き上がり、同内枠13と前面扉14との隙間が部分的に拡張されることとなる。この場合、図31(b)に示すように、対向部450に対して延出部39が後方から当接することにより、前面扉14の枠体20に追従したガラスユニット30の移動が妨げられる。具体的には、上記コイルバネ46(図30参照)が圧縮されることにより、同ガラスユニット30と枠体20との相対位置が変化することとなる。つまり、枠体20が内枠13から浮き上がったとしてもガラスユニット30はほぼ元の位置に留まったままとなる。これにより、遊技盤80(詳しくはその前面)とガラスパネル32との位置関係が好適に維持される。
【0203】
また、内枠13から枠体20が浮き上がった場合であっても、同図31の部分拡大図に示すように、ガラスユニット30がガラスユニット設置部22から離脱することは無く、ガラスユニット設置部22を構成する周壁部22aとガラスユニット30との重なりが維持されることとなる。故に、枠体20とガラスユニット30との相対位置の変化によって、それら枠体20及びガラスユニット30の隙間が拡がることを抑えることができる。故に、窓部21→同境界を通じた不正具等の挿入が容易になることを抑制できる。
【0204】
ここで、対向部450の配置について補足説明する。既に説明したように前面扉14を同前面扉14の上端部寄り及び下端部寄りに配置された支持金具71,72によって支持している構成において、前面扉14の回動安定性の向上が期待できる反面、それら両支持金具71,72の間となる部位にて、同前面扉14と内枠13との境界部位が拡がりやすくなると想定される。この点、本実施の形態における第2対向部452は、支持金具71,72の間に配置されており、上記規制機能が好適に発揮される。
【0205】
また、両第2対向部452のうち少なくとも下側の一方は、内枠13において前面扉14を支持している側の端部と上記作動口83との間に配置されている。これにより、作動口83付近における上記隙間の拡がりを好適に抑制可能となっている。
【0206】
図32(a)→(b)に示すように、内枠13と前面扉14との境界部位にバール等の不正具Tが挿入され、前面扉14が前方へ押された場合には、内枠13から前面扉14が浮き上がり、同内枠13と前面扉14との隙間が部分的に拡張されることとなる。この場合、図32(b)に示すように、遊技盤側係合部750を構成する遊技領域区画部材480の前板部496に対してガラス側係合部材700の爪部703が後方から当接することにより、前面扉14の枠体20に追従したガラスユニット30の移動が妨げられる。具体的には、上記コイルバネ46(図30参照)が圧縮されることにより、同ガラスユニット30と枠体20との相対位置が変化することとなる。つまり、枠体20が内枠13から浮き上がったとしてもガラスユニット30はほぼ元の位置に留まったままとなる。これにより、遊技盤80(詳しくはその前面)とガラスパネル32との位置関係が好適に維持される。
【0207】
また、内枠13から枠体20が浮き上がった場合であっても、ガラスユニット30がガラスユニット設置部22から離脱することは無く、ガラスユニット設置部22を構成する周壁部22aとガラスユニット30との重なりが維持されることとなる。故に、枠体20とガラスユニット30との相対位置の変化によって、それら枠体20及びガラスユニット30の隙間が拡がることを抑えることができる。故に、窓部21→同境界を通じた不正具等の挿入が容易になることを抑制できる。
【0208】
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図33のブロック図に基づき説明する。図33では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
【0209】
主制御装置162に設けられた主制御基板801には、主制御回路802と停電監視回路803とが内蔵されている。主制御回路802には、MPU811が搭載されている。MPU811には、当該MPU811により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM812と、そのROM812内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM813と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
【0210】
RAM813は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置243に設けられた電源・発射制御基板821からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
【0211】
MPU811には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路802の入力側には、主制御基板801に設けられた停電監視回路803、払出制御装置242に設けられた払出制御基板822及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路803には電源・発射制御基板821が接続されており、主制御回路802には停電監視回路803を介して電力が供給される。
【0212】
一方、主制御回路802の出力側には、停電監視回路803、払出制御基板822及び中継端子板823が接続されている。払出制御基板822には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板823を介して主制御回路802から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板824に対して各種コマンドなどが出力される。
【0213】
停電監視回路803は、主制御回路802と電源・発射制御基板821とを中継し、また電源・発射制御基板821から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
【0214】
払出制御基板822は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU831は、そのMPU831により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM832と、ワークメモリ等として使用されるRAM833とを備えている。
【0215】
払出制御基板822のRAM833は、主制御回路802のRAM813と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板821からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
【0216】
払出制御基板822のMPU831には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板822の入力側には、主制御回路802、電源・発射制御基板821、及び裏パック基板829が接続されている。また、払出制御基板822の出力側には、主制御回路802及び裏パック基板829が接続されている。
【0217】
電源・発射制御基板821は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路802や払出制御基板822等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル29の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0218】
音声ランプ制御基板824は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置825を制御するものである。演算装置であるMPU841は、そのMPU841により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM842と、ワークメモリ等として使用されるRAM843とを備えている。
【0219】
音声ランプ制御基板824のMPU841にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板824の入力側には中継端子板823に中継されて主制御回路802が接続されており、主制御回路802から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置825を制御する。表示制御装置825は、音声ランプ制御基板824から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置94を制御する。
【0220】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0221】
遊技盤80を内枠13の正面側から着脱可能とすることにより、内枠の背面側から遊技盤を着脱する構成と比較して作業の容易化を促進できる。遊技盤を内枠の背側から着脱する構成を想定した場合、内枠を開放した状態で遊技盤の着脱を行う必要が生じる。この場合、例えば内枠が移動しないように同内枠の移動を手で押さえることで、遊技盤の装着作業を円滑に行うことができる。しかしながら、遊技盤の着脱作業の円滑化のために、内枠を手で押える等した場合には、作業が煩雑化し得る。この点、上記実施の形態に示したように内枠13を外枠11に対して閉じた状態で遊技盤80の着脱作業が可能であれば、押し込み操作等によって内枠13が移動することを回避できる。これにより、遊技盤80の着脱作業時に内枠13を手で押さえるといった予備的作業を不要とし、作業の容易化に貢献できる。なお、裏パックユニット15の開閉操作を省略することが可能となるため、作業手順の簡略化を図ることもできる。
【0222】
遊技盤80を装着する際には、同遊技盤80を内枠13の仮置き部125に載せた状態で回動させることが可能となっている。つまり、遊技盤80の重量の少なくとも一部を内枠13側に預けることができるため、同遊技盤80を支えたまま回動させる必要がない。これにより、作業負担の軽減を図っている。
【0223】
遊技盤80を挿入部290に挿入することにより同遊技盤80の突起431と樹脂ベース70の受け部275とが引っ掛かり、当該遊技盤80の挿入部290からの脱落が阻止される。このため、例えば上記回動操作中に遊技盤80から手を離したとしても、それ起因して遊技盤80の装着作業のやり直しが発生するといった不都合が生じにくくなっている。これにより、作業の容易化に貢献できる。
【0224】
また、遊技盤80の挿入部290からの外れを抑制することにより、遊技盤80の装着軌道のばらつきを抑えることも可能となる。これにより、遊技盤80を回動させる際に同遊技盤80が他の構成と干渉することを好適に抑制できる。
【0225】
遊技盤80の装着作業時には、遊技盤80を挿入部290に挿入することによって阻止状態に移行されるため、阻止状態への移行のための別途操作を必要としない。故に、脱落阻止構造を採用することによる遊技盤装着作業の煩雑化を回避することができる。
【0226】
上記突起431及び受け部275は遊技盤80の前面側に配されている。これにより、遊技盤80の脱落が阻止されている状態に切り替っているか否かを目視にて確認しやすくなっている。特に、突起431を第2レールカバー400に一体形成することにより、つまり強度を確保する必要がある構成をまとめることにより、遊技盤80の前面側での占有領域の拡がりを抑えている。この場合、第2レールカバー400の起立部420等によって上記視認性が低下すると懸念されるが、本実施の形態においては第2レールカバー400を透明とすることにより、起立部420を通して突起431を視認可能となっている。これにより、占有領域の拡がりを抑えつつ、それに起因した突起431等の視認性の低下を抑えている。
【0227】
遊技盤80を回動可能とする場合、例えば同遊技盤80を回動可能に支持する軸ピンを樹脂ベース70に設けることも可能である。しかしながら、そのように軸ピンを有する構成を採用した場合、遊技盤80を軸ピンに挿通するための作業スペースを確保する必要が生じる。具体的には、少なくとも軸ピンの中心軸線の延長上にて上記作業スペースを確保する必要が生じる。例えば、軸ピンを樹脂ベースの前方又は後方へオフセットして配置することにより同樹脂ベースと上記作業スペースとの重なりを回避することも可能であるが、このように軸ピンをオフセットして配置することはパチンコ機10の薄型化を難しくする要因となり得るため好ましくない。この点、突起431及び受け部275によって遊技盤80を回動可能とすれば、上記不都合を回避し、パチンコ機10の薄型化を促進することができる。
【0228】
上述の如く遊技盤80を樹脂ベース70に対して着脱可能な構成とすることにより、例えばメンテナンス作業の容易化や遊技盤80の交換(機種変更等)の容易化に貢献できる。しかしながら、遊技盤80を着脱可能とすることにより、以下の不都合が生じやすくなると想定される。つまり、遊技盤80の輸送時に同遊技盤80がぶつけられたり、遊技盤80の着脱作業時に同遊技盤80が前面扉14や内枠13等に干渉したりする可能性がある。
【0229】
遊技盤80の前面には釘87や誘導レール100等の遊技球の動きに影響を与える部品が配設されており、これらの部品が上記干渉の対象となり変形等が生じた場合には、遊技球の動きが想定外のものとなり得るため好ましくない。特に、誘導レール100については釘87等の遊技領域PEに配設された各種構成を囲っているため、それら釘87等と比べて干渉の対象になりやすいと想定される。また、同誘導レール100は遊技球発射機構110から発射された遊技球を遊技領域PEに誘導する機能を有しており、仮に上記干渉により変形等が生じると、誘導機能が低下すると懸念される。本実施の形態によれば、誘導レール100をレールカバー350,400によって覆うことにより、誘導レール100を保護し、上記不都合の発生を抑えることが可能となっている。
【0230】
第2レールカバー400は、誘導レール100を遊技領域PEの外側且つ遊技盤80の正面側から覆っている。これにより、誘導レール100の保護機能の向上が図られている。
【0231】
特に、上述の如く前面扉14と内枠13(樹脂ベース70)との間から挿入部290へ遊技盤80を挿入する構成においては、遊技盤80の正面側に前面扉14が位置するため、同前面扉14と誘導レール100とが干渉しやすくなると想定される。そこで、第2レールカバー400によって同前面扉14側から誘導レール100を覆うことにより、同誘導レール100と前面扉14との干渉を好適に抑制できる。
【0232】
遊技盤80を挿入部290に挿入する際には、誘導レール100において挿入先側となる部分が干渉する可能性が他の部位と比べて干渉しやすくなると想定される。この点、本実施の形態によれば、第2レールカバー400によって誘導レール100における遊技盤80の挿入方向先側となる部位を覆う構成とすることにより、上記保護機能を好適に発揮させることができる。
【0233】
また、遊技球発射機構110から発射された遊技球は、誘導レール100において上記第2レールカバー400によって覆われている部分を経由して遊技領域PEに到達する。つまり、第2レールカバー400により誘導レール100において誘導通路103を構成している部分を覆うことにより、遊技球の誘導機能の担保することが可能となっている。
【0234】
本実施の形態においては特に、第2レールカバー400のベース部410に括れを形成するとともに起立部420が湾曲部421を有することにより、誘導レール100と第2レールカバー400と遊技盤80の前面において好適に共存させている。つまり、誘導レール100によって区画されている遊技領域PEの圧迫を抑えつつ第2レールカバー400を配置している。つまり、第2レールカバー400の保護機能を享受しつつ同第2レールカバー400の占有領域の拡がりを抑えることにより、実用上好ましい構成が実現されている。
【0235】
特に誘導レール100(詳しくは外レール102)において挿入部290側に凸となっている部分と遊技盤80の端部との間となる部位では、第2レールカバー400の設置が許容される領域が狭くなっている。この点、起立部420に外レール102に沿って湾曲する湾曲部421を形成することにより、占有領域の拡がりを抑えつつ、起立部420の強度(詳しくは遊技領域PEの外側から加わる外力に対する耐性)を向上させている。
【0236】
また、起立部420の湾曲部421には対向部450が形成されており、同対向部450が上側起立部422と下側起立部423とに繋がる構成とすることにより、湾曲部421の更なる強度向上が期待できる。特に、対向部450は第1対向部451及び第2対向部452,453が前後に段差状となるように形成されている。これにより、更なる強度向上が可能となっている。
【0237】
上側起立部422及び下側起立部423は、外レール102の頂部102aから遠ざかるにつれて同外レール102との間の隙間が拡がっており、その隙間を埋めるようにして内側ベース部411が形成されている。つまり、湾曲部421を挟んだ上下両側においては、内側ベース部411及び外側ベース部412が形成されている。これら内外のベース部411,412を有する構成とすることにより、湾曲部421の変形を好適に抑えることが可能となっている。
【0238】
このように強度が要求される第2レールカバー400に上記突起431を配設することにより、突起431に相当する構成を別途設ける場合と比較して遊技盤80前面側での設置領域の減縮が可能となっている。
【0239】
内枠を前扉枠で覆うタイプの遊技機においては内枠と前扉枠との位置関係に配慮した構成が採用されているものがある。このような構成では、内枠の樹脂ベースと前扉枠との位置関係を好適に維持することはできるものの、樹脂ベースとは別体で設けられた遊技盤と前扉枠に設けられたガラスパネルとの位置関係を好適に維持することは困難であると想定される。つまり、遊技盤及びガラスパネルの相対位置(前後位置)の変化やばらつきを抑えることは難しいと想定される。
【0240】
遊技盤とガラスパネルとの間に遊技領域が設けられ、その遊技領域を遊技球が流下する構成においては、上述した遊技盤及びガラスパネルの相対位置の変化は遊技領域における遊技球の挙動に影響を及ぼす要因となり得る。遊技盤を有する遊技機においては遊技領域における遊技球の挙動によって有利不利が決定されるため、上述したような遊技盤とガラスパネルとの相対位置の変化は好ましくない。
【0241】
この点、本実施の形態においては、前面扉14の延出部39が遊技盤80の第2レールカバー400と外レール102との間に挿通される構成とすることにより上記不都合の発生を好適に抑え、遊技領域PEを流下する遊技球の挙動を好適なものとすることができる。
【0242】
特に、本実施の形態においては、遊技盤80を樹脂ベース70に対して着脱可能とする構成を採用することにより、メンテナンス作業の容易化や機種変更の促進等に貢献している。しかしながら、このように遊技盤80を着脱可能とすることで、上記効果が期待できる反面、樹脂ベース70に対する遊技盤80の位置ばらつきが生じやすくなると想定される。このため、仮に前面扉14と樹脂ベース70との位置関係を好適に維持することができたとしても、上述した遊技盤80と樹脂ベース70との位置ばらつきは、遊技盤80とガラスパネル32との位置関係に影響を及ぼすと想定される。この点、前面扉14の延出部39と遊技盤80の第2レールカバー400とを設けることによって、上記不都合を抑制し、メンテンナンス作業の容易化等と遊技盤及びパネル部材の位置関係の維持とを好適に両立させることができる。
【0243】
誘導通路103と対向部450との間に前面扉14の延出部39を介在させるとともに、その延出部39における後側の板面とガラスパネル32における後側の板面とを面一とすることで誘導通路103を通過する遊技球の挙動の安定化に貢献できる。
【0244】
例えば、誘導通路103をガラスパネル32と第2レールカバー400の対向部450とによって前方から覆う構成とすることも可能ではあるが、ガラスパネル32が前面扉14側に設けられているとともに対向部450が遊技盤80側に設けられているため、それらガラスパネル32と対向部450との間には隙間や段差が生じやすくなると想定される。このため、誘導通路103により誘導されている遊技球の挙動がこれら隙間や段差等を通過する際に乱れて、安定した遊技球の誘導が困難となり得る。この点、上述の如く、面一となるように設けられた延出部39とガラスパネル32とによって誘導通路103を覆う構成とすれば、そのような不都合を払拭し、実用上好ましい構成を実現できる。
【0245】
また、遊技盤80において前面扉14の回動基端部寄りとなる位置に対向部450を配するとともに前面扉14の回動基端部に延出部39を配することにより、上記隙間に延出部39が挿入される際の同延出部39の移動方向を遊技盤80の前面と略平行とすることが可能となる。故に、例えば対向部450と延出部39との隙間を小さくしたり、それら対向部450及び延出部39の掛かり代(すなわち前後方向における重なり代)を大きくしたりすることができ、上述した隙間の拡がりを規制する機能を一層好適なものとすることができる。
【0246】
、前面扉14の上端及び下端寄りに配置された支持金具71,72によって支持しているため、それら支持金具71,72の中間部位では、前面扉14と内枠13と隙間が拡がりやすくなると想定される。そこで、上記延出部39等を前面扉14の回動基端側に配することにより、そのような不都合の発生を好適に抑制することが可能となっている。
【0247】
また、前面扉14の回動先端側においては施錠装置500により前面扉14の浮き上がりが好適に抑制されているもの、回動基端側では上記支持金具71,72の中間位置での浮き上がりが容易になり得る。仮に前面扉14の回動基端側における内枠13との境界部位からバール等の不正具が挿入され、無理に上記境界部位が押し拡げられると、遊技領域PEにて意図的に球詰まりを発生させることが可能となる。仮に、このような球詰まりが作動口83等の入球口の傍で発生すると、後続する遊技球がそれら球詰まりしている遊技球群によって作動口83等に誘導され、作動口83等への入賞確率が変わってしまうと想定される。つまり、意図的に球詰まりを発生させることにより、不正に特典を享受しようとする試みがなされると懸念される。この点、本実施の形態においては、上記延出部39及び対向部450(詳しくは第2対向部453)を作動口83と上記回動基端側の境界部位との間に配置することにより、上述した不正行為を好適に抑制することが可能となっている。
【0248】
延出部39と対向部450とが当接している場合には、第2レールカバー400に対して遊技盤80から浮き上がるような応力が加わることとなる。第2レールカバー400は起立部420を有しており、前後方向への変形に対する強度が高められている。これにより、延出部39によって前方へ引っ張られたとしても、同第2レールカバー400の変形を抑えることができる。故に、上記隙間の拡がりを好適に抑制できる。
【0249】
以上詳述したように、遊技盤80(詳しくはその前面)とガラスユニット30(詳しくはガラスパネル32)との位置関係を維持可能な構成においては、例えば、延出部39や対向部450の強度を向上することにより隙間の拡がり規制機能を向上することが可能ではある。しかしながら、パチンコ機10内部の限られた領域にてそのように強度向上を図ることは困難であると想定される。特に、遊技盤80の前面側には遊技領域PEが形成されており、強度向上によって遊技領域PEが圧迫されることは好ましくない。更には、枠体20等の浮き上がりに伴って発生する応力が延出部39等に集中することにより同延出部39等に変形が生じやすくなる。故に、規制機能を担保することが困難になり得る。以上の理由から、強度向上に頼って規制機能を向上させることは困難であると想定される。この点、本実施の形態においては、強度向上を図るのではなく、ガラスユニット30をスライド移動可能とすることにより上記規制機能を好適に向上させている。具体的には、ガラスユニット30を前面扉14の枠体20に対して前後方向へのスライド移動を許容した状態で取り付けている。このため、延出部39と対向部450とが当接することで遊技盤80とガラスユニット30との相対位置の変化を抑えつつ、それに伴って延出部39や対向部450等に生じる負荷を小さくすることができる。これにより、上記不都合の発生を抑え、遊技盤80とガラスユニット30との位置関係を好適に維持することができる。
【0250】
ガラスユニット30を可動式とするとともに、コイルバネ46の付勢力によってガラスユニット30を特定位置に保持する構成とすることにより、過度に大きな応力がガラスユニット30や遊技盤80に加わることを抑制することができる。例えば、内枠13と前面扉14との境界部位からバール等の不正具を挿入して、前面扉14を無理やり浮き上がらせるといった不正行為が行われた場合であっても、そのような行為によって発生する応力が、ガラスユニット30や遊技盤80に集中することを抑制することができる。これにより、隙間の拡がりを規制する機能の担保に貢献することができる。
【0251】
また、ガラスユニット30を可動式とするとともに遊技盤80を固定式とすることにより、以下の効果が期待できる。すなわち、内枠13には、遊技盤80だけでなく、遊技球発射機構110が設けられており、上述の如くガラスユニット30をスライドさせることで、遊技盤80と遊技球発射機構110との位置関係を好適に維持しつつ同ガラスユニット30と遊技盤80との位置関係を維持することが可能となる。つまり、ガラスユニット30を固定式とし、遊技盤80を移動式とする場合と比較して、構成の煩雑化を抑えつつ、上記防犯効果等を発揮させることができる。
【0252】
ガラスユニット30を可動式とすることにより、枠体20の窓部21を通じた不正具の挿入が容易化されることは好ましくない。この点、本実施の形態においては内枠13のプレート部材281に設けられた当接部282等によって遊技盤80側へのガラスユニット30の移動を規制する構成とした。これにより、例えばガラスユニット30が押される等した場合であっても、上記隙間が拡大することを抑制することができ、防犯性の低下を抑えることが可能となっている。
【0253】
更には、ガラスユニット30の可動範囲においては同ガラスユニット30がガラスユニット設置部22から離脱することを回避し、ガラスユニット30と枠体20との境界部位の拡がりを抑えている。これにより、窓部21→同境界部位を通じた不正具の挿入を困難なものとすることができる。
【0254】
本実施の形態においては、ガラスユニット30を可動式とするとともに、同ガラスユニット30をコイルバネ46によって前方へ付勢し、前方での限界位置を保持部57によって規定した。これにより、前面扉14を閉じる際のガラスユニット30の位置ばらつきを抑えることができ、規制状態への移行の円滑化を図っている。
【0255】
また、ガラスユニット30を前方へ付勢し、同ガラスユニット30の延出部39が遊技盤80の対向部450に対して当接することで、当該ガラスユニット30の前方への変位を規制する構成とした。このため、仮に、前面扉14が内枠13から浮かした状態で、更にガラスユニット30が前方に引っ張られた場合であっても、付勢力に依存するのではなく延出部39と対向部450との引っ掛かりにより、同ガラスユニット30の前方への変位が規制されることとなる。このようにガラスユニット30の前方への移動を付勢力に頼るのではなく機械的に妨げる構成とすることで、上記隙間維持機能を好適に高めることができ、更なる防犯性向上が期待できる。
【0256】
また、延出部39が対向部450に対してパチンコ機10の前方から対向する構成と比較して、以下の効果が期待できる。すなわち、このような構成においては、隙間維持機能を好適に発揮させるには、延出部39と対向部450とが前面扉14を閉じている状態において常時当接する構成とし、更には、ガラスユニット30を後方へ付勢することにより、延出部39及び対向部450を強干渉させておく必要が生じる。この場合、前面扉14に浮き上がり等が発生していない通常時にいおいて、浮き上がりが発生している場合よりも大きな付勢力が延出部39等に加わることとなり、延出部39や対向部450の機能保護が難しくなり得る。この点、上記実施の形態における構成においては、前面扉14の浮き上がりが発生していない場合には、同浮き上がりが発生している場合と比較して小さな付勢力しか加わらない、又は付勢力が加わらない。これにより、上記不都合を好適に払拭することができ、延出部39や対向部450の保護を図ることができる。故に、上記隙間維持機能を好適に担保することが可能となる。
【0257】
また、本実施の形態においては、前面扉14の回動基端側と回動先端側とに遊技盤80とガラスユニット30との隙間の拡がりを規制する構成(第1規制機構及び第2規制機構)を配することにより、遊技盤80の隙間維持のバランスを好適なものとしている。特に、それら各規制機構については前面扉14の開閉に伴って規制状態と規制解除状態とが切り替る構成となっている。具体的には、前面扉14の回動基端側に配された第1規制機構については、前面扉14の開閉動作に基づいて規制状態と規制解除状態との切り替えがなされ、前面扉14の回動先端側に配された第2規制機構については、前面扉14の閉動作に基づいて規制状態への切り替えがなされるとともに施錠装置500における前面扉14の解錠操作に基づいて規制解除状態への切り替えがなされる構成とした。このため規制機構の切り替えのための別途操作を必要とすることがなく、パチンコ機に対して隙間維持機能を付与することに起因したメンテナンス作業等の作業性の低下を抑制している。
【0258】
特に第2規制機構においては、施錠装置500による前面扉14の施錠状態が解除される前に、すなわち前扉用鉤部材550と鉤受け部材63の引っ掛かり解除される前に、隙間の拡がり規制が解除される構成とした。これにより、仮に作業ミス等により施錠解除操作の途中にて前面扉14がパチンコ機10の前方に引っ張られた場合でも、その負荷が第2規制機構に集中するといった不都合を回避することができる。これにより、第2規制機構を保護し、隙間維持機能を好適に担保することができる。
【0259】
また、第2規制機構においてはガラス側係合部材700を可動式、遊技盤側係合部750を固定式とした。遊技盤80においてガラスユニット30と対向する位置には遊技領域PEが形成されているが、上述の如く遊技盤側係合部750を固定式とすることで、以下の効果が期待できる。すなわち、遊技盤側係合部750の簡素化・省スペース化を図り、遊技盤80の前面側にて遊技盤側係合部750と遊技領域PEとを好適に共存させることが可能となる。これにより、遊技盤側係合部750を遊技領域PEに近い位置に配することができ、遊技盤80の前面側にて上記隙間の変化を規制することが可能となる。故に、上記隙間維持機能を一層好適なものとすることができる。
【0260】
遊技領域区画部材480については、返しゴム490や把持部等が設けられる部材であり、ある程度の強度確保が必要となっている。このような強度が要求される部材に遊技盤側係合部750を設けることにより、遊技領域区画部材480の強度を好適に利用して遊技盤側係合部750の強度を確保することができる。これにより、例えば遊技盤側係合部単独で強度確保を図る場合と比較して、当該遊技盤側係合部の占有領域が無駄に拡がることを抑制することができる。
【0261】
また、上記実施の形態では、前面扉14が閉位置に向けて移動する過程にて、先ず第2規制機構(詳しくはガラス側係合部材700)の規制状態への切り替えが開始され、その後、前扉用鉤部材550の施錠状態への切り替えが開始される構成とした。つまり、ガラス側係合部材700のフランジ部704が、前扉用鉤部材550の延出部565に先んじて同延出部565から遠ざかる側へ移動を開始する構成とした。これにより、延出部565とフランジ部704との引っ掛かりを回避しつつ、第2規制機構の規制状態への切替完了タイミングと施錠装置500の施錠状態への切替完了タイミングとを揃えることが可能となっている。故に、ガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750の遊びと、前扉用鉤部材550及び鉤受け部材63の遊びとを小さくすることができ、施錠機能を担保しつつ、隙間の拡がりを規制する機能を向上することが可能となっている。
【0262】
遊技盤80の樹脂ベース70からの取り外しを阻止するロック装置79を樹脂ベース70の前面側に配し、前面扉14を開放することにより、同樹脂ベース70の取り外しが許容される構成とした。これにより、前面扉14が閉鎖されている状態、すなわち上記隙間の拡がりが規制されている状態にて、遊技盤80が移動されることを抑制し、規制機構の保護を図ることが可能となっている。
【0263】
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
【0264】
(1)上記実施の形態では、ガラスユニット30を可動式とすることにより同ガラスユニット30と前面扉14の枠体20との相対位置の変位を許容し、ガラスユニット30(詳しくはガラスパネル32)と遊技盤80(詳しくはその前面)との位置関係を維持する構成としたが、これに限定されるものではない。遊技盤80を可動式とすることにより同遊技盤80と内枠13の樹脂ベース70との相対位置の変位を許容し、ガラスユニット30(詳しくはガラスパネル32)と遊技盤80(詳しくはその前面)との位置関係を維持する構成としてもよい。また、ガラスユニット30及び遊技盤80をそれぞれ可動式とすることも可能である。
【0265】
但し、遊技盤80を可動式とした場合、前面扉14の内枠13からの浮き上がりに応じて、遊技盤80がガラスユニット30に追従して移動することとなる。この際、遊技盤80と同遊技盤80に遊技球を供給する遊技球発射機構110との前後位置がずれることは好ましくない。そこで、遊技盤80が可動式となるように変更を行う場合、併せて以下の変更を行うことが好ましい。具体的には、遊技球発射機構110を樹脂ベース70に対して前後方向へのスライド移動を許容した状態でとりつけるとともに、遊技盤80とともに遊技球発射機構110が移動する構成とするとよい。これにより、遊技盤80と遊技球発射機構110との位置関係を好適に維持することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
【0266】
(2)上記実施の形態では、誘導レール100を覆う第2レールカバー400に「規制手段」としての機能を付与したがこれに限定されるものではない。つまり、第2レールカバー400に設けられた対向部450に相当する構成を別途設けてもよい。また、対向部450に相当する構成を遊技盤80ではなく樹脂ベース70に設けることも可能ではあるが、この場合、遊技盤80と樹脂ベース70との位置関係のばらつきが、遊技盤80とガラスユニット30との位置関係に影響を与える可能性が生じ、それら遊技盤80とガラスユニット30との位置関係を維持する機能が低下し得る。故に、望ましくは対向部450に相当する構成は遊技盤80に設けるとよい。
【0267】
また、対向部450に付与した規制機能を遊技盤80自体に付与することも可能である。例えば、ガラスユニット30の延出部39に相当する構成が遊技盤80の背面に当接する構成とすることも可能である。言い換えれば、「規制手段」を構成する延出部39及び第2レールカバー400が遊技盤80の前方にて引っ掛かる構成としたが、これに限定されるものではない。遊技盤80の後方にて引っ掛かる構成とすることも可能である。例えば、上述したように遊技盤80の背面に対して延出部39が引っ掛かる構成にするとよい。
【0268】
(3)上記実施の形態では、遊技盤80に設けられた第2レールカバー400の対向部450とガラスユニット30に設けられたガラスホルダ33の延出部39とによって「規制手段」を構成し、同「規制手段」を前面扉14の回動基端側に配したが、これに限定されるものではない。例えば、「規制手段」に相当する構成を前面扉14の回動先端側に配することも可能である。
【0269】
例えば、遊技盤80及びガラスユニット30の相対移動が不可となるようにロックするロック状態と、遊技盤80及びガラスユニット30の相対移動を許容するロック解除状態とに切替可能なロック装置を設け、同ロック装置を前面扉14が開放されている場合にはロック状態に切り替わるとともに前面扉14が閉じた場合にロック状態に切り替る構成とすることも可能である。なお、このようなロック装置を採用する場合、同ロック装置が施錠装置と連動してロック状態からロック解除状態に切り替る構成とすることで、更なる防犯性の向上が期待できる。
【0270】
(4)上記実施の形態では、「パネル部」としてのガラスユニット30が複数のガラスパネル31,32を有する構成としたが、ガラスパネルの数は任意である。例えば、ガラスユニット30を1のガラスパネルとガラスホルダとによって構成してもよい。但し、安全性や防犯性の向上を念頭に置けば、パネル部材を少なくとも2枚採用することが好ましい。
【0271】
また、「パネル部」を構成しているガラスパネル31,32を同じく「パネル部」を構成しているガラスホルダ33を介して「扉枠」としての枠体20に取り付ける構成としたが、このガラスホルダ33を省略し、ガラスパネル31,32を枠体20に対して直接取り付ける構成とすることも可能である。例えば「パネル部」が1のガラスパネルによって構成されている場合、同ガラスパネルを枠体に対してスライド移動可能な状態で取り付けることも可能である。
【0272】
(5)上記実施の形態では、「遊技機本体」としての内枠13に対して「扉体」としての前面扉14が回動可能な構成を採用したが、これに限定されるものではない。前面扉14は内枠13をパチンコ機10の前方から覆っていればよく、その開閉方法は任意である。例えば、前面扉14が閉位置と開位置とにスライド移動可能な構成とすることも可能である。
【0273】
(6)上記実施の形態では、「付勢手段」としてのコイルバネ46を前面扉14に取り付ける構成としたが、同コイルバネ46の取付対象は前面扉14に限定されるものではない。例えば内枠13に取り付けられたコイルバネ46によってガラスユニット30をパチンコ機10の前方へ付勢することも可能である。
【0274】
なお、コイルバネ46に関して必須の構成ではなく、これを省略することも可能である。但し、コイルバネ46を省略した場合、ガラスユニット30の位置がばらついた状態で前面扉14が閉じた場合であっても、延出部39が遊技盤80の前面と対向部450との間に挿入されるように同延出部39を誘導する誘導部を設けることが好ましい。例えば、上記誘導部として、対向部450の先端部分や延出部39の先端部分の一方に、当該一方が他方に対して当たった場合に、同延出部39(ガラスユニット30)を誘導する誘導傾斜面を形成するとよい。
【0275】
(7)上記実施の形態では、ネジ45によってガラスユニット30を枠体20に取り付ける構成としたが、ガラスユニット30が前後方向へ移動可能な状態で取り付けられているのであればその取付方法は任意である。例えば、枠体20に、ガラスユニット30の取り外しを阻止するロック位置と取り外しを許容するロック解除位置とに切替可能なロック機構を設け、同ロック機構によってガラスユニット設置部22からのガラスユニット30の脱落を阻止するとよい。
【0276】
(8)上記実施の形態では、ガラスユニット設置部22を凹状とし、同ガラスユニット設置部22にガラスユニット30を収容する構成としたが、これに限定されるものではない。少なくともガラスユニット30をスライド移動可能に保持する保持部57に相当する構成を有していればよく、同ガラスユニット設置部22を省略してもよい。
【0277】
但し、ガラスユニット設置部22を省略した場合、ガラスユニット30を移動可能にしたことにより、窓部21を通じた不正具等の侵入が容易になり得る。これは、防犯性を低下させる要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、ガラスユニット設置部22の周壁部22aに相当する構成を設け、同周壁部22aとガラスユニット30とをガラスユニット30のスライド方向と直交する方向に重ねるとよい。
【0278】
(9)上記実施の形態では、内枠13に「ストッパ」としての当接部282を設け、それら当接部282によって遊技盤80側へのガラスユニット30の移動を阻止する構成としたが、これら当接部282は必須の構成ではなく省略することも可能である。但し、当接部282等を省略した場合には、前面扉14を閉じている状態にてガラスユニット30が押されることにより、同ガラスユニット30と遊技盤80との隙間が小さくなり得る。これは、本実施の形態における上記隙間維持の思想に逆行することとなり得るため好ましくない。故に、望ましくは当接部282に相当する構成の省略は控えるとよい。
【0279】
(10)上記実施の形態では、ガラスユニット30の取付部35とコイルバネ46とを同じ位置に配置したが、これら取付部35とコイルバネ46との配置は任意に変更してよい。但し、取付部35にガラスユニット30をスライド移動可能とする機能が付与されている点に着目すれば、コイルバネ46を取付部35寄りとなる位置に配置することが望ましい。なお、コイルバネ46に代えて、板バネ等の他のバネを採用することも可能であり、更にはゴム等の他の付勢部材を採用することも可能である。
【0280】
(11)上記実施の形態では、ガラスユニット30の延出部39が遊技盤80の対向部450に対して後方から当接することにより、ガラスユニット30の前方への移動を不可とする構成とした。ガラスユニット30の前方への移動を不可とする構成は、それに限定されるものではない。例えば、延出部39が対向部450に対して前方から当接する構成を採用するとともに、コイルバネ等の付勢手段を用いてガラスユニット30を遊技盤80側へ付勢する構成とすれば、ガラスユニット30の前方への移動を抑えることが可能となる。
【0281】
但し、このような変更を行った場合には、ガラスユニット30と枠体20との相対位置のずれが大きくなった場合に規制機能が停止しないように、付勢力の初期値を高めに設定する必要が生じる。このため、上記相対位置のずれが最も小さい状態にて上記付勢力が最大となり、延出部39や対向部450に生じる負荷が大きくなると想定される。これは規制機能担保の観点から好ましくないと考えられる。一方、上記実施の形態においては、相対位置のずれ量が最小である場合にコイルバネ46の付勢力も最小となり、延出部39や対向部450に生じる負荷が大きくなることを好適に回避することができる。更には、ガラスユニット30と遊技盤80との隙間の変化が微小な場合には、延出部39と対向うぶ450との当接を回避することができ、それら延出部39等を好適に保護することが可能となる。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したようにガラスユニット30側の「規制部」としての延出部39が遊技盤側の「規制部」としての対向部450に対して後方から当接(対向)する構成を採用するとよい。
【0282】
(12)上記実施の形態では、内枠13(詳しくは樹脂ベース70)において前面扉14を軸支している側と同一側に挿入部290を配したが、これを変更し、内枠13において前面扉14を軸支している側とは反対側に挿入部290を配することも可能である。但し、このような変更を行った場合には、遊技盤80を着脱する際に前面扉14が作業の邪魔になりやすいと想定される。確かに、前面扉14の開放量を大きくすることで、作業性の低下を抑えることは可能であるが、このような対応は作業スペースが無駄に拡がる要因となり得るため好ましくない。特に、遊技ホール等の島設備に設置されている状態にて前面扉14を大きく開放させる必要があると、隣接する遊技機での遊技を妨げる要因となり得るため好ましくない。この点、上記実施の形態に示したように、前面扉14を軸支している側と同一側に挿入部290を配すれば、上記不都合を払拭し、実用上好ましい構成を実現できる。
【0283】
(13)上記実施の形態では、遊技盤80を回動させることにより装着完了位置へ配置可能な構成としたが、これに限定されるものではない。例えば遊技盤80を所定の方向にスライド移動させることで装着完了位置へ配置可能な構成とすることも可能である。
【0284】
(14)上記実施の形態では、樹脂ベース70に対して遊技盤80を同樹脂ベース70の前方から着脱可能な構成としたが、これを変更し、同遊技盤80を樹脂ベース70の後方から着脱可能な構成とすることも可能である。
【0285】
(15)上記実施の形態では、「パネル部材」をガラス製としたが、合成樹脂製とすることも可能である。このようにパネル部材を合成樹脂製とする場合には、併せて以下の変更を行うことも可能である。すなわち、延出部39に相当する構成を、パネル部材に設けることも可能である。
【0286】
(16)上記実施の形態では、「パネル側係合部」としてのガラス側係合部材700を可動式とし、「遊技盤側係合部」としての遊技盤側係合部750を固定式としたが、これに限定されるものではない。少なくとも両者のうち一方が可動式となっていればよく、例えばガラス側係合部材を固定式とし、遊技盤側係合部を可動式とすることも可能である。
【0287】
上記実施の形態においては特に、施錠装置500における可動部材(詳しくは連動杆540や前扉用鉤部材550)が内枠13(樹脂ベース70)に配設されている。そこで、上述の如く、遊技盤側係合部750を可動式とすれば、遊技盤側係合部750と施錠装置500との位置関係のばらつきを抑えることができる。また、前面扉14を回動可能に軸支している構成においては、同前面扉14の回動先端側にて、前面扉14の位置ずれ等が生じやすくなると想定される。この点、上述の如く遊技盤側係合部750を可動式とすれば、前面扉14の位置ずれに起因して施錠装置500の解錠動作との連動が妨げられるといった不都合の発生を好適に抑制することができる。
【0288】
なお、ガラス側係合部材と遊技盤側係合部との両者を共に可動式とすることも可能である。但しこのような変更を行った場合には、一方を固定式とする場合と比較して隙間維持機能の更なる向上が困難であるのに対して、構成が複雑化することによる耐久性の低下等のデメリットが生じ得る。故に、望ましくは、一方の係合部のみを可動式とするとよい。
【0289】
(17)上記実施の形態では、ガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750を、施錠装置500寄りとなる位置に配置したが、それらガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750の配置は任意である。但し、施錠装置500に生じる動力を利用して規制状態から規制解除状態への切り替えを行う場合、施錠装置500から離れるにしたがって、上記動力の伝達が困難になる。故に、望ましくは、ガラス側係合部材700及び遊技盤側係合部750を、施錠装置500寄りとなる位置に配置するとよい。
【0290】
(18)上記実施の形態では、遊技領域区画部材480に遊技盤側係合部750を設けたが、これを変更し、遊技領域区画部材480とは別に遊技盤側係合部を設けてもよい。
【0291】
このような変更を行う場合には、遊技盤側係合部を遊技盤80の前面側ではなく背面側に配することも可能である。例えば、遊技盤側係合部を遊技盤80とは別体で設けるのではなく、遊技盤80自身の背面等にガラス側係合部材700が引っ掛かる構成、すなわち遊技盤80に遊技盤側係合部を形成する構成としてもよい。
【0292】
しかしながら、遊技盤80が当該遊技盤80の前面基準で位置決めされている点に着目すれば、遊技盤側係合部を遊技盤80の背面側に配することで、遊技盤80の厚み誤差の影響を受けやすくなり、同影響が隙間維持機能を低下させる要因となり得る。故に、遊技盤側係合部を配設する場合には、上記不都合の発生を回避すべく同遊技盤側係合部を遊技盤80の前面側に配することが好ましい。
【0293】
(19)上記実施の形態では、ガラス側係合部材700が施錠装置500の前扉用鉤部材550に連動して、規制状態から規制解除状態に切り替る構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも前面扉14の施錠を解除する場合にキー操作等に追従して動作する可動部材に対して連動する構成とすればよい。例えば、ガラス側係合部材700が連動杆540に対して連動する構成とすることも可能である。
【0294】
但し、このような変更を行う場合には、以下の点に配慮することが好ましい。すなわち、本実施の形態に示す連動杆540においては内枠用鉤部材620を動作させる機能が付与されているため、内枠13を開放する際にも動作することとなる。このように前面扉14の開放とは関係なく連動杆540が動作した場合には、その影響が規制機構におよぶことを回避することが好ましい。
【0295】
(20)上記実施の形態では、前面扉14の回動基端側に施錠装置500とは別個独立して機能する第1規制機構を配設したが、同第1規制機構については必須の構成ではなく、これを省略することも可能である。
【0296】
このように第1規制機構を省略する場合、第2規制機構に相当する構成(すなわち施錠装置500に連動して機能する構成)を前面扉14の回動基端側に配することも可能である。しかしながら、このような変更を行った場合には上記変形例にて説明したように、施錠装置に発生する動力を前面扉14の回動基端側に伝えるための構成が必要となる。これは、動力伝達に関する構成の占有領域を無駄に大きくする要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、施錠装置とは無関係に規制状態及び規制解除状態の切り替えが行われる第1規制機構と、施錠装置に連動して規制状態及び規制解除状態の切り替えが行われる第2規制機構とを併用することが好ましい。
【0297】
(21)上記実施の形態では、第2規制機構の規制状態から規制解除状態への切替完了タイミングが、施錠装置500によって前面扉14が施錠されている状態から施錠が解除されている状態への切替完了タイミングに対して先行する構成としたがこれに限定されるものではない。例えば、両タイミングが同時となる構成とすることも可能である。
【0298】
(22)上記実施の形態では、ガラス側係合部材700が回動することにより規制状態と規制解除状態との切り替えがなされる構成としたが、ガラス側係合部材700の動作態様については任意である。例えば、ガラス側係合部材700がスライド移動することにより規制状態と規制解除状態との切り替えがなされる構成としてもよい。
【0299】
(23)上記実施の形態では、施錠装置500が、内枠13に対して前面扉14が閉じている状態で同前面扉14を開放不能に施錠する前面扉用の施錠機構と、外枠11に対して内枠13が閉じている状態で同内枠13を開放不能に施錠する内枠用の施錠機構とを併有する構成としたが、これら各施錠機構を別個独立して設けてもよい。
【0300】
(24)上記実施の形態では、施錠装置500を内枠13に配設したが、これにを変更し、施錠装置を前面扉14に配設することも可能である。但し、このような変更を行った場合には、内枠13を外枠11に対して閉じたまま、前面扉14を開放することが困難になり得る。これは、メンテナンス作業等の煩雑化を招来する要因となり得るため好ましくない。故に、このような変更を行う場合、上記変形例(23)に示した構成を併せて適用するとよい。
【0301】
また、上記実施の形態では、施錠装置500を樹脂ベース70の前面側に配設したが、これを変更し、施錠装置を樹脂ベース70の背面側に配設してもよい。
【0302】
(25)上記実施の形態では、前面扉14が閉位置に向けて移動する過程にて、先ず第2規制機構のガラス側係合部材700の規制状態への切り替えが開始され、その後、前扉用鉤部材550の施錠状態への切り替えが開始される構成とした。つまり、ガラス側係合部材700のフランジ部704が、前扉用鉤部材550の延出部565に先んじて同延出部565から遠ざかる側へ移動を開始する構成とした。これを変更し、第2規制機構の規制状態への切り替えが施錠装置500の施錠状態への切り替えに先んじて完了する構成とすることも可能である。
【0303】
但し、このような変更を行った場合には、規制状態への切り替えと施錠状態への切り替えとのタイムラグに応じてガラス側係合部材700の爪部703と遊技盤側係合部750の前板部496との間に生じる隙間(遊び)が大きくなり、隙間の拡がりを規制する機能が低下すると想定される。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように第2規制機構の規制状態への切替完了タイミングと、施錠装置500の施錠状態への切替完了タイミングとを揃えるとよい。
【0304】
(26)上記実施の形態では、第1規制機構及び第2規制機構によって、遊技盤80とガラスユニット30との隙間の拡がりを規制する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。例えば、それら両規制機構により、遊技盤80とガラスユニット30との隙間の狭まりを規制する構成としてもよいし、隙間の拡がり及び狭まりの両方を規制する構成としてもよい。
【0305】
また、各規制機構に異なる機能を付与することも可能である。例えば、第1規制機構によって上記隙間の拡がりを規制するとともに、第2規制機構によって上記隙間の狭まりを規制する構成としてもよい。
【0306】
(27)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
【0307】
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0308】
特徴1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が前面側に形成された遊技盤(遊技盤80)を、本体枠(樹脂ベース70)に搭載してなる遊技機本体(内枠13)と、
前記遊技盤を遊技機前方から覆うとともに前記遊技領域が視認可能となるように形成されたパネル部(ガラスユニット30)を、前記遊技機本体の前方に配されているとともに同遊技機本体に対して開閉可能に設けられた扉枠(枠体20)に搭載してなる扉体(前面扉14)と、
前記扉体を前記遊技機本体に対して閉じた状態で施錠する施錠状態及び施錠しない施錠解除状態に切替可能な施錠装置(施錠装置500)と、
前記遊技盤及び前記パネル部に設けられているとともに、前記遊技盤と前記パネル部との隙間の変化を規制する規制状態及び規制を解除する規制解除状態に切替可能に構成され、前記扉体が前記遊技機本体に対して閉じることにより前記規制状態となる規制手段(ガラスユニット30のガラス側係合部材700及び遊技盤80の遊技盤側係合部750)と、
前記施錠装置の前記施錠解除状態への切り替えに基づいて、前記規制手段を前記規制解除状態に切り替える切替手段(前扉用鉤部材550の延出部556)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0309】
遊技機本体を扉体で覆うタイプの遊技機においては本体枠と扉枠との位置関係に配慮した構成が採用されているものがある。このような構成では、本体枠と扉枠との位置関係を好適に維持することはできるものの、本体枠に対して別体で設けられた遊技盤と、扉枠に対して別体で設けられたパネル部との位置関係を好適に維持することは困難であると想定される。つまり、遊技盤及びパネル部の相対位置(前後位置)の変化やばらつきを抑えることは難しいと想定される。
【0310】
遊技盤とパネル部との間に遊技領域が設けられ、その遊技領域を遊技球が流下する構成においては、上述した遊技盤及びパネル部の相対位置の変化は遊技領域における遊技球の挙動に影響し得る。遊技盤を有する遊技機においては遊技領域における遊技球の挙動によって有利不利が決定されるため、遊技盤とパネル部材との相対位置が変化することは好ましくない。
【0311】
この点、本特徴によれば、扉体を遊技機本体に対して閉じることによりパネル部と遊技盤とに設けられた規制手段によってそれら遊技盤及びパネル部の隙間の変化(例えば遊技盤とパネル部との間隔の変化)が規制される。これにより、上記不都合の発生を好適に抑え、遊技領域を流下する遊技球の挙動を好適なものとすることができる。一方、扉体を開く場合には、施錠装置を施錠解錠状態に切り替えることで、上記規制手段も規制解除状態に切り替わる。これにより、扉体の開放が許容される。つまり、規制手段を規制解除状態に切り替えるための別途操作を必要としない。故に、隙間の変化を規制可能な構成を採用しつつ、それによって扉体の開閉作業が困難になることを抑制できる。
【0312】
なお、本特徴に示す遊技盤とパネル部とは必ずしも平行である必要はない。つまり、上記隙間が全ての箇所で一定となる構成に限定されるものではなく、例えば遊技盤の前面が平面である場合にパネル部の後面を曲面とすることも可能である。更には、本特徴における「隙間の変化」は必ずしも遊技盤とパネル部との最短距離の変化に限定しているのではなく、それら遊技盤及びパネル部両者における任意箇所同士の距離の変化を含んでいる。
【0313】
特徴2.前記切替手段は、前記扉体が開放される場合に、前記施錠装置が前記施錠状態で維持されている間に、前記規制手段の前記規制解除状態への切り替えを完了するように構成されていることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
【0314】
特徴2によれば、扉体の開放が許容されている状態では規制手段は規制解除状態に切り替っている。つまり、解錠操作に基づく施錠解除状態への切り替えに先行して規制手段が規制解除状態に切り替る。このため、仮に作業ミス等により施錠解除操作の途中にて扉体が手前側に引っ張られた場合でも、その負荷が規制手段に集中するといった不都合を回避することができる。これにより、規制手段を保護し、特徴1に示した隙間維持機能を好適に担保することができる。
【0315】
特徴3.前記規制手段は、前記遊技盤に設けられた遊技盤側係合部(遊技盤側係合部750)及び前記パネル部に設けられたパネル側係合部(ガラス側係合部材700)を有し、それら遊技盤側係合部及びパネル側係合部が係合することにより前記規制状態に切り替るように構成されており、
前記遊技盤側係合部及び前記パネル側係合部のうち少なくとも一方は、他方に対する係合位置から係合が解除される係合解除位置へ前記切替手段に連動して移動可能に設けられていることを特徴とする特徴1又は特徴2に記載の遊技機。
【0316】
特徴3によれば、扉体を遊技機本体に対して閉じている場合、遊技盤側係合部とパネル側係合部とが係合することにより、隙間の変化が規制された状態となる。そして、施錠装置が施錠解除状態に切り替えらることにより、両係合部のうち少なくとも一方が係合解除位置へ移動し、上記規制が解除される。これにより、特徴1に示した構成を好適に実現することができる。
【0317】
特徴4.前記規制手段は、前記遊技盤に設けられた遊技盤側係合部(遊技盤側係合部750)と前記パネル部に設けられたパネル側係合部(ガラス側係合部材700)とを有し、それら遊技盤側係合部及びパネル側係合部が係合することにより前記規制状態に切り替るように構成されており、
前記パネル側係合部は、前記遊技盤側係合部と係合する係合位置から係合が解除される係合解除位置へ前記切替手段に連動して移動可能に設けられていることを特徴とする特徴1又は特徴2に記載の遊技機。
【0318】
特徴4によれば、特徴1に示した構成を好適に実現することができる。特に、パネル側係合部を可動式とすることにより、必ずしも遊技盤側係合部を可動式にする必要がなくなる。つまり、遊技盤側係合部を固定式とすることが可能となる。遊技盤においてパネル部と対向する位置には遊技領域が形成されているが、上述の如く遊技盤側係合部の構成を簡素化できれば、遊技盤の前面側にて遊技盤側係合部と遊技領域とを好適に共存させることが可能となる。つまり、遊技盤の前面側(遊技領域に近い位置で)隙間の変化を規制することが可能となり、上記隙間維持機能を一層好適なものとすることができる。
【0319】
特徴5.前記施錠装置は、
前記扉枠に固定された扉側施錠部材(鉤受け部材63)と、
前記本体枠に設けられ、前記施錠解除状態に切り替る場合に前記扉側施錠部材に対する施錠位置から施錠解除位置へ移動する本体側施錠部材(前扉用鉤部材550)と
を有し、
前記切替手段は、前記本体枠に配設されているとともに、前記施錠装置が解錠状態に切り替えられた場合に第1位置から第2位置へ移動するように構成されており、
前記パネル側係合部には、前記扉体が前記遊技機本体に対して閉じることにより、前記切替手段の前記第1位置から前記第2位置への移動経路上に配され、同切替手段によって操作される操作部が設けられていることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
【0320】
例えば扉側施錠部材を可動式、本体側施錠部材を固定式とするとともに切替手段を扉枠体に配設することにより特徴3に示した構成を実現することも可能である。このような対応を行うことで、パネル側係合部,切替手段及び施錠装置を好適に連動させることができる。しかしながら、このような構成を採用すると、施錠装置の簡素化が困難になったり、遊技本体や扉体の開閉作業が煩雑化したりし得る。具体的には、近年では遊技機本体が遊技ホール等の島設備に固定される支持枠(外枠11)によって支持され、施錠装置に同遊技機本体を支持枠に対して閉じた状態で施錠する機能が付与されている遊技機が提案されている。このような遊技機においては施錠装置における可動部を遊技機本体に集約することにより、施錠装置の構成の簡略化及び遊技機本体や扉体の開閉作業の容易化が図られている。故に、上述の如く扉側施錠部材を可動式とすることは施錠装置の好適化の流れに逆行することになり得る。
【0321】
そこで、本特徴に示すように、本体側施錠部材を可動式とするとともに切替手段を本体枠に配設し、パネル部側係合部に、扉体が遊技機本体に対して閉じることにより切替手段の移動経路上に配される操作部を設けることにより、上記各種不都合を払拭しつつ、特徴3に示した効果を享受することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
【0322】
特徴6.前記扉枠は、前記本体枠によって回動可能に支持されており、
前記施錠装置は、前記本体枠において前記扉枠が支持されている側とは反対側、及び前記扉枠における回動先端側に配されており、
前記規制手段及び前記切替手段は、前記施錠装置と同一側に配されていることを特徴とする特徴1乃至特徴6のいずれか1つに記載の遊技機。
【0323】
本特徴に示すように扉枠が本体枠によって回動可能に支持されている構成においては、施錠装置を扉枠が支持されている側、及び前記扉枠における回動先端側に配することで、遊技機本体からの扉体の浮き上がりを好適に抑制し、防犯性の向上に貢献することができる。このような構成においては、規制手段及び切替手段を施錠装置と同一側に配することにより、隙間維持に関する構成の占有領域の拡がりを抑えることができる。
【0324】
特徴7.前記遊技盤は、当該遊技盤の前面から前方へ起立して、前記遊技盤の前面に前記遊技領域及びその遊技領域へ遊技球を誘導する誘導部を区画形成する区画部(誘導レール100や遊技領域区画部材480の側壁部)を有しており、
前記規制手段は、前記遊技盤と前記パネル部との間であって、前記区画部と前記施錠装置との間に配置されていることを特徴とする特徴6に記載の遊技機。
【0325】
特徴7によれば、規制手段を遊技盤とパネル部との間に配置することにより、隙間維持機能を一層好適なものとすることができる。また、規制手段を区画部と施錠装置との間に配することにより、規制手段と遊技領域との前後方向での重なりを回避しつつ、遊技盤の前面側にて遊技領域と規制手段とを好適に共存させることができ、更には遊技盤の前面側にて切替手段と遊技領域とを好適に共存させることができる。
【0326】
特徴8.前記規制手段は、第1規制手段であり、
前記遊技盤及び前記パネル部において前記扉体の回動基端側となる部分に設けられ、前記扉体が前記遊技機本体に対して閉じている場合に、前記遊技盤と前記パネル部との隙間の変化を規制する第2規制手段(ガラスユニット30の延出部39及び遊技盤80の対向部450)を備え、
前記第2規制手段は、
前記遊技盤に配設され、当該遊技盤の前面に対して所定の隙間を隔てて対向する遊技盤側規制部(対向部450)と、
前記パネル部に配設され、同扉体が前記遊技機本体に対して閉じた位置へ回動することにより前記遊技盤側規制部及び前記遊技盤の間に挿入され、前記扉体が前記遊技機本体に対して開いた位置へ回動することにより同扉体の動きに追従して前記遊技盤側規制部及び前記遊技盤の間から離脱するパネル側規制部(延出部39)と
を有していることを特徴とする特徴6又は特徴7に記載の遊技機。
【0327】
特徴8によれば、遊技盤の一端側に設けられた第1規制手段と、他端側に設けられた第2規制手段とによって、遊技盤及びパネル部の隙間の変化を好適に抑制することができる。第2規制手段は、扉体の開閉操作に基づいて規制状態と規制解除状態との切り替えがなされるため、第1規制手段と同様に切替操作を別途必要としない。これにより、規制機能の向上を図りつつ、それに起因した扉体の開閉操作の煩雑化を回避することができる。
【0328】
特徴6等に示したように施錠装置を扉枠の回動先端側及び本体枠において扉枠を支持している側と反対側に配置する構成においては、第1規制手段を回動先端側に配置することで、隙間維持に関する構成(特に切替手段)の占有領域の拡がりを抑えることができる。ここで、仮に第2規制手段と同様の位置に第1規制手段に相当する構成を配設した場合には、上記占有領域が過度に拡がってしまうと想定される。これは、遊技領域を圧迫する要因となり得るため好ましくない。
【0329】
また、本特徴においては、遊技盤において扉体の回動基端側となる位置に遊技盤側規制部を配置するとともにパネル部において扉体の回動基端側となる位置にパネル側規制部を配置することにより、上記隙間にパネル側規制部が挿入される際及び同隙間から離脱する際の同パネル側規制部の移動方向を遊技盤の前面と略平行とすることが可能となる。故に、例えば遊技盤側規制部とパネル側規制部との隙間を小さくしたり、それら両規制部の掛かり代(すなわち前後方向における重なり代)を大きくしたりすることができ、規制手段の規制機能を一層好適なものとすることができる。ここで、仮に第1規制手段と同様の位置に第2規制手段に相当する構成を配設した場合には、上記隙間にパネル側規制部を挿入することが困難となり、上記効果を享受することが困難となり得る。
【0330】
以上の理由から、扉体を回動可能とする構成においては本特徴に示すように、回動基端側及び回動先端側にて異なるタイプの規制手段を採用することにより、規制機能を好適に向上させつつ、それに起因した扉体の開放作業の複雑化を回避し、更には規制手段及びそれに付随する構成の省スペース化及び簡素化を図ることができる。
【0331】
なお、特徴7(区画部を有する構成)との組み合わせにおいては特に、区画部を挟んで第1規制手段とは反対側に第2規制手段を配置するとよい。
【0332】
特徴9.前記パネル部は、少なくとも前記規制手段によって隙間の変化が規制されている状態にて、前記扉枠との前後方向への相対変位が許容されるようにして当該扉枠に搭載されていることを特徴とする特徴1乃至特徴7のいずれか1つに記載の遊技機。
【0333】
特徴9によれば、本体枠から扉枠が浮く等してそれら本体枠と扉枠との前後方向への相対位置が変化した場合であっても、それに応じてパネル部と扉枠との前後方向への相対位置が変化することにより、パネル部及び扉枠の隙間が維持される。これにより、本体枠と扉枠との位置のばらつき等に起因した遊技盤及びパネル部の位置のばらつきや隙間の変化を抑えることができ、遊技盤とパネル部との位置関係を好適に維持することができる。
【0334】
なお、本特徴に示す技術的特徴を特徴8に適用することも可能であるが、この場合、本特徴を「前記パネル部は、少なくとも前記第1規制手段及び第2規制手段によって隙間の変化が規制されている状態にて、当該パネル部及び前記扉枠の並設方向での同扉枠との相対変位が許容されるようにして当該扉枠に搭載されていることを特徴とする特徴8に記載の遊技機」に変更するとよい。
【0335】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【0336】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル29)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導通路103)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘87等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【符号の説明】
【0337】
10…遊技機としてのパチンコ機、11…外枠、13…遊技機本体としての内枠、14…扉体としての前面扉、20…扉枠としての枠体、21…窓部、22…ガラスユニット設置部、22a…囲み部としての周壁部、30…パネル部としてのガラスユニット、31,32…ガラスパネル、33…ガラスホルダ、35…取付部、39…第2規制手段を構成する延出部、45…ネジ、45a…頭部、46…コイルバネ、57…保持部、70…本体枠としての樹脂ベース、73…遊技盤設置部としての遊技盤収容部、80…遊技盤、100…誘導手段としての誘導レール、101…内レール、102…外レール、103…誘導通路、110…遊技球発射部としての遊技球発射機構、112…発射レール、271…ストッパ部、400…第2レールカバー、450…第2規制手段を構成する対向部、500…施錠装置、550…前扉用鉤部材、556…切替手段としての延出部、700…パネル側係合部としてのガラス側係合部材、750…遊技盤側係合部、PE…遊技領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域が前面側に形成された遊技盤を、本体枠に搭載してなる遊技機本体と、
前記遊技盤を遊技機前方から覆うとともに前記遊技領域が視認可能となるように形成されたパネル部を、前記遊技機本体の前方に配されているとともに同遊技機本体に対して開閉可能に設けられた扉枠に搭載してなる扉体と、
前記扉体を前記遊技機本体に対して閉じた状態で施錠する施錠状態及び施錠しない施錠解除状態に切替可能な施錠装置と、
前記遊技盤及び前記パネル部に設けられているとともに、前記遊技盤と前記パネル部との隙間の変化を規制する規制状態及び規制を解除する規制解除状態に切替可能に構成され、前記扉体が前記遊技機本体に対して閉じることにより前記規制状態となる規制手段と、
前記施錠装置の前記施錠解除状態への切り替えに基づいて、前記規制手段を前記規制解除状態に切り替える切替手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記切替手段は、前記扉体が開放される場合に、前記施錠装置が前記施錠状態で維持されている間に、前記規制手段の前記規制解除状態への切り替えを完了するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記規制手段は、前記遊技盤に設けられた遊技盤側係合部と前記パネル部に設けられたパネル側係合部とを有し、それら遊技盤側係合部及びパネル側係合部が係合することにより前記規制状態に切り替るように構成されており、
前記パネル側係合部は、前記遊技盤側係合部と係合する係合位置から係合が解除される係合解除位置へ前記切替手段に連動して移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記施錠装置は、
前記扉枠に固定された扉側施錠部材と、
前記本体枠に設けられ、前記施錠解除状態に切り替る場合に前記扉側施錠部材に対する施錠位置から施錠解除位置へ移動する本体側施錠部材と
を有し、
前記切替手段は、前記本体枠に配設されているとともに、前記施錠装置が解錠状態に切り替えられた場合に第1位置から第2位置へ移動するように構成されており、
前記パネル側係合部には、前記扉体が前記遊技機本体に対して閉じることにより、前記切替手段の前記第1位置から前記第2位置への移動経路上に配され、同切替手段によって操作される操作部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域が前面側に形成された遊技盤を、本体枠に搭載してなる遊技機本体と、
前記遊技盤を遊技機前方から覆うとともに前記遊技領域が視認可能となるように形成されたパネル部を、前記遊技機本体の前方に配されているとともに同遊技機本体に対して開閉可能に設けられた扉枠に搭載してなる扉体と、
前記扉体を前記遊技機本体に対して閉じた状態で施錠する施錠状態及び施錠しない施錠解除状態に切替可能な施錠装置と、
前記遊技盤及び前記パネル部に設けられているとともに、前記遊技盤と前記パネル部との隙間の変化を規制する規制状態及び規制を解除する規制解除状態に切替可能に構成され、前記扉体が前記遊技機本体に対して閉じることにより前記規制状態となる規制手段と、
前記施錠装置の前記施錠解除状態への切り替えに基づいて、前記規制手段を前記規制解除状態に切り替える切替手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記切替手段は、前記扉体が開放される場合に、前記施錠装置が前記施錠状態で維持されている間に、前記規制手段の前記規制解除状態への切り替えを完了するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記規制手段は、前記遊技盤に設けられた遊技盤側係合部と前記パネル部に設けられたパネル側係合部とを有し、それら遊技盤側係合部及びパネル側係合部が係合することにより前記規制状態に切り替るように構成されており、
前記パネル側係合部は、前記遊技盤側係合部と係合する係合位置から係合が解除される係合解除位置へ前記切替手段に連動して移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記施錠装置は、
前記扉枠に固定された扉側施錠部材と、
前記本体枠に設けられ、前記施錠解除状態に切り替る場合に前記扉側施錠部材に対する施錠位置から施錠解除位置へ移動する本体側施錠部材と
を有し、
前記切替手段は、前記本体枠に配設されているとともに、前記施錠装置が解錠状態に切り替えられた場合に第1位置から第2位置へ移動するように構成されており、
前記パネル側係合部には、前記扉体が前記遊技機本体に対して閉じることにより、前記切替手段の前記第1位置から前記第2位置への移動経路上に配され、同切替手段によって操作される操作部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2011−56097(P2011−56097A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210131(P2009−210131)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
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