説明

遊技機

【課題】複数の遊技が行われる遊技機において、遊技者に混乱を生じることなく各遊技に対する演出を行うことにより、演出効果を高めて遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供する。
【解決手段】始動領域に遊技球が進入すると大当たりの抽選が行われ、この抽選結果は第1表示領域13aで実行される第1演出によって報知される。通過領域を遊技球が通過すると普通図柄の抽選が行われ、この抽選結果は、第2表示領域13bで実行される第2演出によって報知される。第2演出においては、普通図柄の抽選が行われたときに実行中の第1演出に対する示唆を行う示唆演出も織り交ぜて実行される。非時短遊技状態において、大当たりの期待度が高い第1演出の実行中、第2表示領域13bに所定の示唆演出が実行される。この示唆演出が実行された後、当該第1演出が終了するまでの間、普通図柄の抽選がハズレであったことを報知するハズレ報知演出等の実行が制限される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、始動領域への遊技球の進入によって特別遊技の実行可否を決定する抽選が行われるとともに、演出部において種々の演出が行われる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機として、例えば、特許文献1に示すものが知られている。この遊技機は、遊技領域に設けられた普通図柄ゲートを遊技球が通過すると普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって所定の抽選結果が得られた場合に、通常は閉状態に維持されている始動口が開放される。また、始動口に遊技球が入球すると特別図柄の抽選が行われ、所定の図柄が決定されると、通常は閉状態に維持されている大入賞口が開放される大当たり遊技が実行可能となる。
このように、この遊技機においては、普通図柄の抽選と特別図柄の抽選という2つの異なる遊技が同時並行して行われる。そして、こうした各抽選結果は、表示装置上において趣向を凝らした変動表示によって報知されることとなり、遊技者に期待感や緊張感を与えて遊技の興趣を向上するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−104699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように複数の遊技に対する演出や抽選結果の報知が同時並行して行われると、演出が煩雑となって遊技者にわかりにくくなってしまったり、誤解を生じてしまったりするおそれがある。
特に、遊技の興趣を向上するために、普通図柄の抽選や特別図柄の抽選において、複数の抽選結果を設けてさまざまな遊技利益がもたらされるようにしたり、あるいは、多数の演出の態様を設けたりした場合には、遊技者の混乱が一層増してしまい、かえって演出効果が低下してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、複数の遊技が行われる遊技機において、遊技者に混乱を生じることなく各遊技に対する演出を行うことにより、演出効果を高めて遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、遊技球が転動可能な遊技領域と、前記遊技領域を転動する遊技球が進入可能な始動領域と、前記始動領域への遊技球の進入を不可能または困難とする第1の態様またはこの第1の態様よりも前記始動領域への遊技球の進入を容易とする第2の態様に変位する始動可変入賞装置と、前記始動領域への遊技球の進入を条件として、少なくとも遊技者に有利な特別遊技を実行する権利が含まれる遊技利益を決定する遊技利益決定手段と、前記遊技利益決定手段による決定がなされたとき、当該決定内容を報知する第1演出の態様を決定する第1演出決定手段と、前記第1演出決定手段によって決定された態様の第1演出を第1演出部に実行させる第1演出実行手段と、前記第1演出実行手段によって前記特別遊技が実行可能となることを報知する態様の第1演出が実行された場合に前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、前記遊技領域を転動する遊技球が進入可能な通過領域と、前記通過領域への遊技球の進入を条件として、前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変位させるか否かを決定する変位態様決定手段と、前記変位態様決定手段によって前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変位させる決定がなされた場合に、当該決定に基づいて前記始動可変入賞装置を変位させ得る始動可変入賞装置制御手段と、前記始動可変入賞装置制御手段が、前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変位させ難い通常遊技状態、または、該通常遊技状態より前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変位させ易い時短遊技状態にて遊技を制御可能な遊技状態制御手段と、前記遊技状態制御手段が前記通常遊技状態にて遊技を制御しているときに、前記変位態様決定手段によって決定がなされた当該決定内容を報知する報知演出、または、前記遊技利益決定手段によって決定された遊技利益もしくは前記第1演出実行手段によって実行されている第1演出に対する示唆を行う示唆演出のいずれを実行するかを決定する第2演出決定手段と、前記第2演出決定手段によって決定された前記報知演出または示唆選出を第2演出部に実行させる第2演出実行手段と、を備え、前記第2演出実行手段は、前記第1演出実行手段によって実行される第1演出中に、前記第2演出部において所定の示唆演出を実行した場合には、当該第1演出が終了するまでの間、前記変位態様決定手段によって前記始動可変入賞装置が第2の態様に変位しない決定がなされたことを報知する報知演出の実行を制限することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記第2演出決定手段は、前記第1演出実行手段によって所定の第1演出が実行されている場合に前記示唆演出の実行を所定の確率で決定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記第2演出決定手段は、前記変位態様決定手段によって前記始動可変入賞装置を第2の態様に変位させる決定がなされた場合に、前記始動可変入賞装置が第2の態様に変位することを報知する当たり報知演出の実行可否を決定し、前記変位態様決定手段によって前記始動可変入賞装置を第2の態様に変位させない決定がなされた場合に、前記示唆演出の実行可否を決定するとともに、前記示唆演出を実行しない決定がなされた場合に、前記始動可変入賞装置が第2の態様に変位しないことを報知するハズレ報知演出の実行可否を決定することを特徴とする。
【0009】
本発明において、遊技利益決定手段は、始動領域に遊技球が進入したことを条件として遊技者に付与する遊技利益を決定する。この遊技利益決定手段によって決定される遊技利益は、少なくとも、遊技者にとって有利な特別遊技を実行する権利が含まれていればよい。したがって、例えば、特別遊技の実行の権利に加えて、さらに遊技の進行条件を異にする複数の遊技状態(実施形態にける時短遊技状態や通常遊技状態)の中から、以後の遊技状態を決定するようにしてもよい。また、遊技利益決定手段によって決定される遊技利益の中には、現在の状態と何ら変更を生じないという決定(実施形態におけるハズレ)が含まれる。つまり、遊技利益には、必ずしも遊技者にとって有利となるものに限らず、現状に比して変化がないものや、現状よりも不利となるものも含まれる。
本発明において特別遊技の内容は特に限定されないが、少なくとも特別遊技中は、特別遊技が行われていない場合よりも遊技者にとって有利となる必要がある。
【0010】
本発明において、第1演出部および第2演出部は、通常遊技状態において第1演出および第2演出を同時に実行することが可能なものであれば、同一の装置であってもよいしそれぞれ独立した装置であってもよい。例えば、実施形態のように、第1演出部および第2演出部を、同一の液晶表示装置によって構成することとし、その中で表示領域を異にするものであってもよい。また、本発明の第1演出部および第2演出部は、実施形態で示す液晶表示装置に限らず、識別可能に表示することが可能な表示装置や、音声を出力する音声出力装置によって構成してもよい。
【0011】
本発明において、始動可変入賞装置を第2の態様に変位させる条件は特に限定されない。例えば、第2の態様に変位させる決定がなされた場合には、必ず一の設定条件にしたがって始動可変入賞装置を変位させてもよい。あるいは、始動可変入賞装置を第2の態様に変位させる条件を複数設定し、そのいずれかの条件にしたがって始動可変入賞装置を変位させることとしてもよい。
【0012】
本発明において、第2演出部では報知演出または示唆演出が行われる。
本発明の報知演出とは、始動可変入賞装置が第2の態様に変位するか否か、あるいは始動可変入賞装置が変位する態様など、変位態様決定手段の決定内容を報知する演出である。この報知演出は、変位態様決定手段の決定内容が報知される内容であればその詳細は特に限定されない。
本発明の示唆演出とは、遊技利益決定手段によって決定された遊技利益、または、第1演出実行手段によって実行されている第1演出に対する示唆を行う演出である。この示唆演出も、その具体的な内容は特に限定されない。いずれにしても、示唆演出は、決定された遊技利益や、第1演出部で実行されている第1演出に対応して行われるものであればよい。
また、報知演出または示唆演出のいずれを実行するかを決定する方法は特に限定されない。いずれにしても、変位態様決定手段の決定内容や、遊技利益または実行中の第1演出を判断したうえで適宜決定すればよい。
【0013】
本発明によれば、遊技利益を決定するための抽選を行う遊技と、始動可変入賞装置を第2の態様に制御するか否かを決定するための抽選を行う遊技とが同時並行して行われる。そして、通常遊技状態において、遊技利益の決定内容は第1演出によって報知され、始動可変入賞装置の変位態様は第2演出によって報知される。また、第2演出においては、始動可変入賞装置の変位態様を報知する報知演出のみならず、遊技利益や第1演出に対する示唆を行う示唆演出をも実行することとしており、第2演出の演出効果を向上している。そして、上記のように、第2演出において、所定の示唆演出が行われた後に、始動可変入賞装置が第2の態様に変位しないことが報知されると、示唆演出の演出効果が一気に低減するばかりか、遊技者に混乱を生じるおそれがある。
本発明は、第1演出中に所定の示唆演出が実行された場合には、当該第1演出中においては、以後、始動可変入賞装置が第2の態様に変位しないことを報知しないこととしたので、示唆演出の演出効果が低下することなく、遊技者に混乱を生じるおそれもない。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の遊技が行われるとともに、各遊技結果を種々の演出によって報知することにより演出効果を高めながらも、遊技者に混乱を生じたり、あるいは演出の多様性からかえって演出効果が低減してしまったりするといった問題が生じることがなく、遊技の興趣を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】遊技機の正面図である。
【図2】遊技機の裏面側の斜視図である。
【図3】遊技機のブロック図である。
【図4】大当たり判定テーブルおよび当たり判定テーブルを示す図である。
【図5】特別図柄決定テーブルを示す図である。
【図6】普通図柄決定テーブルを示す図である。
【図7】大当たり終了時設定データテーブルを示す図である。
【図8】特別電動役物作動態様決定テーブルを示す図である。
【図9】長当たり用開放態様決定テーブルと短当たり用開放態様決定テーブルと小当たり用開放態様決定テーブルとを示す図である。
【図10】通常遊技状態用(低確率遊技状態用)の変動パターン決定テーブルを示す図である。
【図11】高確率遊技状態用の変動パターン決定テーブルを示す図である。
【図12】小当たり後の特定遊技期間用(低確率遊技状態用)の変動パターン決定テーブルを示す図である。
【図13】普通電動役物作動態様決定テーブルを示す図である。
【図14】普通電動役物の作動態様を示す図である。
【図15】主制御基板におけるメイン処理を示す図である。
【図16】主制御基板におけるタイマ割込処理を示す図である。
【図17】主制御基板における入力制御処理を示す図である。
【図18】主制御基板における第1始動口検出スイッチ入力処理を示す図である。
【図19】主制御基板における事前判定処理を示す図である。
【図20】主制御基板におけるゲート検出スイッチ入力処理を示す図である。
【図21】主制御基板における特図特電制御処理を示す図である。
【図22】主制御基板における特別図柄記憶判定処理を示す図である。
【図23】主制御基板における大当たり判定処理を示す図である。
【図24】主制御基板における特別図柄変動処理を示す図である。
【図25】主制御基板における特別図柄停止処理を示す図である。
【図26】主制御基板における大当たり遊技処理を示す図である。
【図27】主制御基板における小当たり遊技処理を示す図である。
【図28】主制御基板における特別遊技終了処理を示す図である。
【図29】主制御基板における普図普電制御処理を示す図である。
【図30】主制御基板における普通図柄変動処理を示す図である。
【図31】主制御基板における普通電動役物制御処理を示す図である。
【図32】演出制御基板におけるメイン処理を示す図である。
【図33】演出制御基板におけるタイマ割込処理を示す図である。
【図34】演出制御基板におけるコマンド解析処理1を示す図である。
【図35】演出制御基板におけるコマンド解析処理2を示す図である。
【図36】演出制御基板における変動演出パターン決定処理を示す図である。
【図37】演出制御基板における演出図柄停止処理を示す図である。
【図38】演出制御基板における普図変動演出パターン決定処理を示す図である。
【図39】演出制御基板における普通図柄変動停止処理を示す図である。
【図40】演出制御基板におけるフラグ設定処理を示す図である。
【図41】特別図柄の変動演出の一例を示す図である。
【図42】リーチAの変動演出の一例を示す図である。
【図43】リーチBの変動演出の一例を示す図である。
【図44】普通図柄の変動演出に係る前半部の一例を示す図である。
【図45】普通図柄の変動演出に係る後半部の一例を示す図である。
【図46】普通図柄の変動演出に用いられる図柄の一例を示す図である。
【図47】普通図柄の抽選で長開放図柄が決定された場合の演出の一例を示す図である。
【図48】普通図柄の変動演出において所定の図柄が停止したときの演出の一例を示す図である。
【図49】リーチAの変動演出中における各フラグの設定を示すタイムチャートである。
【図50】リーチBの変動演出中における各フラグの設定を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明の遊技機の一例を示す正面図、図2は遊技機の裏面側の斜視図、図3は、制御手段の内部構成を示すブロック図である。
【0017】
遊技機1は、外枠100に保持される遊技盤2を有している。この遊技盤2には、遊技球が転動、流下する遊技領域6が設けられており、ガラス枠110によって遊技領域6の前面が覆われるようにしている。
ガラス枠110には操作ハンドル3が回動可能に設けられている。遊技者が操作ハンドル3に触れると、操作ハンドル3内にあるタッチセンサ3bが、操作ハンドル3に遊技者が触れたことを検知し、発射制御基板106にタッチ信号を送信する。発射制御基板106は、タッチセンサ3bからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド4aの通電を許可する。そして、操作ハンドル3の回転角度を変化させると、操作ハンドル3に直結しているギアが回転し、ギアに連結した発射ボリューム3aのつまみが回転する。この発射ボリューム3aの検出角度に応じた電圧が、遊技球発射機構に設けられた発射用ソレノイド4aに印加される。そして、発射用ソレノイド4aに電圧が印加されると、発射用ソレノイド4aが印加電圧に応じて作動するとともに、操作ハンドル3の回動角度に応じた強さで遊技球が発射される。
【0018】
上記のようにして発射された遊技球は、レール5a、5b間を上昇して遊技盤2の上部位置に達した後、発射の強さに応じて、第1進入領域6cか第2進入領域6dのいずれかの進入領域に進入し、左打ち遊技領域6aまたは右打ち遊技領域6bに落下する。具体的には、遊技機1の正面視において、遊技領域6の幅方向の中心よりも左側に第1進入領域6cおよび左打ち遊技領域6aが設けられ、上記中心よりも右側に第2進入領域6dおよび右打ち遊技領域6bが設けられている。したがって、操作ハンドル3の回動角度が所定角度よりも小さい場合には、遊技球が第1進入領域6cから左打ち遊技領域6aに進入し、操作ハンドル3の回動角度が所定角度よりも大きい場合には、遊技球が第2進入領域6dから右打ち遊技領域6bに進入することとなる。
【0019】
上記左打ち遊技領域6aには、複数の一般入賞口7が設けられている。これら各一般入賞口7には、一般入賞口検出スイッチ7aが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ7aが遊技球の入球を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
【0020】
また、遊技領域6の幅方向略中央には、上記一般入賞口7と同様に、遊技球が入球可能な第1始動口9と、この第1始動口9の下方に位置する第2始動口10が設けられている。第2始動口10は、遊技機1の正面に向かって出没可能な可動片10bを有しており、この可動片10bが没入状態に維持される第1の態様と、可動片10bが突出状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動口10が上記第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口10を遊技球がそのまま落下するため、第2始動口10に遊技球が入球することはない。一方で、第2始動口10が上記第2の態様に制御されているときには、上記可動片10bが受け皿として機能し、第2始動口10への遊技球の入球が容易となる。つまり、第2始動口10は、第1の態様にあるときには遊技球の入球機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球が入球可能となる。なお、ここでは、第2始動口10が第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口10に遊技球が入球することがないようにしている。しかしながら、第2の態様に制御されているときよりも第1の態様に制御されているときの方が遊技球の入球機会が少なければ、第1の態様に制御されているときに第2始動口10に遊技球が入球しても構わない。つまり、第1の態様には、第2始動口10への遊技球の入球が不可能または困難な状態が含まれる。
【0021】
なお、上記第1始動口9および第2始動口10には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ9aおよび第2始動口検出スイッチ10aがそれぞれ設けられており、これら検出スイッチが遊技球の入球を検出すると、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、検出スイッチ9a、10aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
【0022】
一方、右打ち遊技領域6bの下方(上記第2始動口10の真下)には、大入賞口25が設けられている。この大入賞口25は、通常は大入賞口開閉扉25bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、大入賞口開閉扉25bが開放されるとともに、この大入賞口開閉扉25bが遊技球を大入賞口25内に導く受け皿として機能し、遊技球が入球可能となる。
上記した大入賞口25には、大入賞口検出スイッチ25aが設けられており、この大入賞口検出スイッチ25aが遊技球の入球を検出した場合は、予め設定された賞球(例えば9個の遊技球)が払い出される。
【0023】
さらに、上記第1進入領域6cおよび右打ち遊技領域6bには、それぞれ普通図柄ゲート8が遊技球を通過可能に設けられている。普通図柄ゲート8には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ8aが設けられており、このゲート検出スイッチ8aが遊技球の通過を検出すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。
【0024】
遊技領域6の最下部は、左打ち遊技領域6aと右打ち遊技領域6bとが合流しており、一般入賞口7、第1始動口9、第2始動口10、大入賞口25のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するための排出口12が設けられている。
【0025】
なお、本実施形態においては、各入賞口の配置や釘等の盤面構成により、第1進入領域6cに進入した遊技球は、一般入賞口7、第1始動口9、第2始動口10に入球したり、普通図柄ゲート8を通過したりするが、大入賞口25に遊技球が入球することはない。また、これとは逆に、第2進入領域6dに進入した遊技球は、普通図柄ゲート8を通過したり、第2始動口10や大入賞口25に入球したりするが、一般入賞口7や第1始動口9に遊技球が入球することはない。
【0026】
また、上記遊技盤2には、さまざまな演出を行う演出装置が設けられている。
具体的には、上記遊技領域6の略中央部分には液晶表示装置13が設けられており、また、液晶表示装置13の上方には「家紋」を模した演出役物装置15が設けられている。さらに、遊技盤2の上部位置および下部位置の双方には、演出用照明装置16が設けられており、上記操作ハンドル3の左側上方には、演出ボタン17が設けられている。
【0027】
上記液晶表示装置13は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、第1始動口9または第2始動口10に遊技球が入球したときには、抽選結果を遊技者に報知する演出図柄30が変動表示される。演出図柄30というのは、例えば3つの数字をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、特定の図柄(数字)を配列表示するものである。これにより、図柄のスクロール中には、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与えるとともに、スクロールの停止時に表示される図柄によって、抽選結果が遊技者に報知される。この演出図柄30の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクター等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにしている。
【0028】
また、演出用照明装置16は、それぞれ複数のライトを備えており、各ライトの光の照射方向や発光色を変更しながら、さまざまな演出を行うようにしている。
【0029】
また、上記操作ハンドル3の左側には、遊技者が押圧操作可能な演出ボタン17が設けられている。この演出ボタン17は、例えば、上記液晶表示装置13に当該演出ボタン17を操作するようなメッセージが表示されたときのみ有効となる。演出ボタン17には、演出ボタン検出スイッチ17aが設けられており、この演出ボタン検出スイッチ17aが遊技者の操作を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
【0030】
さらに、図1には示していないが、遊技機1にはスピーカからなる音声出力装置18(図3参照)が設けられており、上記の各演出装置に加えて、音声による演出も行うようにしている。
【0031】
そして、遊技領域6の下方には、第1特別図柄表示装置19、第2特別図柄表示装置20、普通図柄表示装置21、第1特別図柄保留表示器22、第2特別図柄保留表示器23、普通図柄保留表示器24が設けられている。
【0032】
上記第1特別図柄表示装置19は、第1始動口9に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、複数のLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置19に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄(点灯態様)を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。このようにして表示される特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示(点滅)された後に、停止表示されるようにしている。
【0033】
より詳細には、第1始動口9に遊技球が入球すると、大当たりの抽選が行われることとなるが、この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、所定時間を経過したところで遊技者に報知される。そして、所定時間が経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。なお、第2特別図柄表示装置20は、第2始動口10に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置19における特別図柄の表示態様と同一である。
【0034】
また、普通図柄表示装置21は、普通図柄ゲート8を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって所定の当たりに当選すると普通図柄表示装置21が点灯し、その後、上記第2始動口10が所定時間、第2の態様に制御される。なお、この普通図柄についても、普通図柄ゲート8を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、所定時間が経過するまで、普通図柄表示装置21を点滅させる等、普通図柄が変動表示するようにしている。
【0035】
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口9または第2始動口10に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで大当たりの抽選の権利が留保される。より詳細には、第1始動口9に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は第1保留として留保され、第2始動口10に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は第2保留として留保される。
これら両保留は、それぞれ上限留保個数を4個に設定し、その留保個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器22と第2特別図柄保留表示器23とに表示される。
そして、普通図柄の上限留保個数も4個に設定されており、その留保個数が、上記第1特別図柄保留表示器22および第2特別図柄保留表示器23と同様の態様によって、普通図柄保留表示器24において表示される。
【0036】
ここで、ガラス枠110は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板(図示せず)を支持している。ガラス板は、ガラス枠110に対して着脱可能に固定されている。
またガラス枠110は、左右方向の一端側(例えば遊技機に正対して左側)においてヒンジ機構部111を介して外枠100に連結されており、ヒンジ機構部111を支点として左右方向の他端側(例えば遊技機に正対して右側)を外枠100から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠110は、ガラス板111とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部111を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠100の内側部分を開放することができる。ガラス枠110の他端側には、ガラス枠110の他端側を外枠100に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠110には、ガラス枠110が外枠100から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ33(図3参照)も設けられている。
【0037】
遊技機1の裏面には、主制御基板101、演出制御基板102、払出制御基板103、電源基板107、遊技情報出力端子板108などが設けられている。また、電源基板107に遊技機に電力を給電するための電源プラグ50や、図示しない電源スイッチが設けられている。
【0038】
(制御手段の内部構成)
次に、図3に示す遊技機のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
【0039】
主制御基板101は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、メインRAM101cを備えている。メインCPU101aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0040】
上記主制御基板101の入力側には、一般入賞口検出スイッチ7a、ゲート検出スイッチ8a、第1始動口検出スイッチ9a、第2始動口検出スイッチ10a、大入賞口検出スイッチ25aが接続されており、遊技球の検出信号が主制御基板101に入力するようにしている。
【0041】
また、主制御基板101の出力側には、第2始動口10の可動片10bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド10cと、大入賞口開閉扉25bを開閉動作させる大入賞口開閉ソレノイド25cと、が接続される。
さらに、主制御基板101の出力側には、第1特別図柄表示装置19、第2特別図柄表示装置20、普通図柄表示装置21、第1特別図柄保留表示器22、第2特別図柄保留表示器23および普通図柄保留表示器24が接続されており、出力ポートを介して各種信号が出力される。
また、主制御基板101は、遊技店のホールコンピュータ等において遊技機の管理をするために必要となる外部情報信号を遊技情報出力端子板108に出力する。
【0042】
主制御基板101のメインROM101bには、後述する遊技制御用のプログラムや各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
また、主制御基板101のメインRAM101cは、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM101cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、判定記憶領域、第1特別図柄記憶領域、第2特別図柄記憶領域、高確率遊技回数(X)記憶領域、時短遊技回数(J)記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、大入賞口入球数(C)記憶領域、遊技状態記憶領域、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域等が設けられている。そして、遊技状態記憶領域は、時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域、特図特電処理データ記憶領域、普図普電処理データ記憶領域を備えている。なお、上述した記憶領域は一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
【0043】
遊技情報出力端子板108は、主制御基板101において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板108は、主制御基板101と配線接続されるとともに、遊技店のホールコンピュータ等に接続をするためのコネクタが設けられている。
【0044】
電源基板107は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板101に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU101aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU101aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
【0045】
演出制御基板102は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、サブRAM102cを備えており、主制御基板101に対して、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU102aは、主制御基板101から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出スイッチ17a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板104または画像制御基板105に送信する。サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0046】
演出制御基板102のサブROM102bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル(図示省略)、停止表示する演出図柄30の組み合わせを決定するための演出図柄パターン決定テーブル(図示省略)等がサブROM102bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
【0047】
演出制御基板102のサブRAM102cは、複数の記憶領域を有している。
サブRAM102cには、コマンド受信バッファ、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域、判定記憶領域(第0記憶領域)、第1保留記憶領域、第2保留記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
【0048】
また、本実施形態では、演出制御基板102には、現在時刻を出力するRTC(リアルタイムクロック)102dが搭載されている。サブCPU102aは、RTC102dから現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号を入力し、現在の日時にもとづいて各種処理を実行する。RTC102dは、通常、遊技機に電源が供給されているときには遊技機からの電源によって動作し、遊技機の電源が切られているときには、電源基板107に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。したがって、RTC102dは、遊技機の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTC102dは、演出制御基板102上に電池を設けて、かかる電池によって動作するようにしてもよい。
【0049】
払出制御基板103は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板103は、払出CPU103a、払出ROM103b、払出RAM103cを備えており、主制御基板101に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPU103aは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ32、扉開放スイッチ33、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROM103bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。また、払出制御基板103の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ31が接続されている。払出CPU103aは、主制御基板101から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ31を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM103cは、払出CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、図示しない遊技球貸出装置(カードユニット)が払出制御基板103に接続されているか確認し、遊技球貸出装置(カードユニット)が接続されていれば、発射制御基板106に遊技球を発射させることを許可する発射制御データを送信する。
【0050】
発射制御基板106は、払出制御基板103から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。そして、タッチセンサ3bからのタッチ信号および発射ボリューム3aからの入力信号を読み出し、発射用ソレノイド4aを通電制御し、遊技球を発射させる。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板106に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技球数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
【0051】
ランプ制御基板104は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置16を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用役物装置15を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板104は、演出制御基板102に接続されており、演出制御基板102から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
【0052】
画像制御基板105は、上記液晶表示装置13の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、画像ROM、画像RAM、VRAMと、音声CPU、音声ROM、音声RAMとを備えている。この画像制御基板105は、上記演出制御基板102に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記液晶表示装置13および音声出力装置18を接続している。
【0053】
上記画像ROMには、液晶表示装置13に表示される演出図柄30や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUが演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、所定の画像データを画像ROMからVRAMに読み出して、液晶表示装置13における表示制御をする。なお、画像CPUは、液晶表示装置13に対して、背景画像表示処理、演出図柄表示処理、キャラクター画像表示処理など各種画像処理を実行するが、背景画像、演出図柄画像、キャラクター画像は、液晶表示装置13の表示画面上において重畳表示される。
すなわち、演出図柄画像やキャラクター画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAMに記憶させる。
【0054】
また、上記音声ROMには、音声出力装置18から出力される音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置18における音声出力制御をする。
【0055】
次に、図4〜図14を参照して、メインROM101bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
【0056】
図4(a)、図4(b)は、特別図柄変動の停止結果を大当たりとするか否かを判定する際に参照される大当たり判定テーブルを示す図である。図4(a)は、第1特別図柄表示装置19において参照される大当たり判定テーブルであり、図4(b)は、第2特別図柄表示装置20において参照される大当たり判定テーブルである。図4(a)と図4(b)とのテーブルでは、小当たりの当選確率が相違しているものの、大当たり確率は同一である。
具体的には、大当たり判定テーブルは、低確率時乱数判定テーブルと高確率時乱数判定テーブルとから構成され、遊技状態を参照し、低確率時乱数判定テーブルまたは高確率時乱数判定テーブルが選択され、選択されたテーブルと抽出された特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」か、を判定するものである。
【0057】
例えば、図4(a)に示す第1特別図柄表示装置19における低確率時乱数判定テーブルによれば、「7」、「317」の2個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。一方、高確率時乱数判定テーブルによれば「7」、「37」、「67」、「97」、「127」、「157」、「187」、「217」、「247」、「277」、「317」、「337」、「367」、「397」、「427」、「457」、「487」、「517」、「547」、「577」の20個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。また、低確率時乱数判定テーブルを用いても高確率時乱数判定テーブルを用いても、特別図柄判定用乱数値が「50」、「100」、「150」、「200」の4個の特別図柄判定用乱数値であった場合に「小当たり」と判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
したがって、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜598であるから、低確率時に大当たりと判定される確率は1/299.5であり、高確率時に大当たりと判定される確率は10倍となって1/29.95である。また、小当たりと判定される確率は、低確率と高確率時ともに1/149.75となる。
【0058】
図4(c)は、普通図柄変動の停止結果を当たりとするか否かを判定する際に参照される当たり判定テーブルを示す図である。
具体的には、当たり判定テーブルは、非時短遊技状態時乱数判定テーブルと時短遊技状態時乱数判定テーブルとから構成され、遊技状態を参照し、非時短遊技状態時乱数判定テーブルまたは時短遊技状態時乱数判定テーブルが選択され、選択されたテーブルと抽出された当たり判定用乱数値に基づいて、「当たり」か「ハズレ」か、を判定するものである。
例えば、図4(c)に示す非時短遊技状態時乱数判定テーブルによれば、「0」という1個の当たり判定用乱数値が当たりと判定される。一方、時短遊技状態時乱数判定テーブルによれば「0」〜「18」の19個の当たり判定用乱数値が当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
したがって、当たり判定用乱数値の乱数範囲が0〜19であるから、非時短遊技状態時に大当たりと判定される確率は1/20であり、時短遊技状態時に大当たりと判定される確率は19/20である。
【0059】
図5は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを示す図である。
図5(a)は、大当たり時に停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図5(b)は、小当たり時に停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図5(c)は、ハズレ時に停止図柄を決定するための図柄決定テーブルである。また、より詳細には図柄決定テーブルも特別図柄表示装置ごとに構成され、第1特別図柄表示装置用の図柄決定テーブルと第2特別図柄表示装置用の図柄決定テーブルとから構成されている。
【0060】
図柄決定テーブルによって、抽出された大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等に基づき、特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定される。例えば、大当たり時には大当たり図柄用乱数値を参照し、大当たり図柄用乱数値が「30」であれば、停止図柄データとして「01」(第1特別図柄1)を決定する。また、小当たり時には小当たり図柄用乱数値を参照し、小当たり図柄用乱数値が「50」であれば、停止図柄データとして「08」(小当たり用特別図柄B)を決定する。さらに、ハズレ時であった場合には、乱数値を参照せずに、停止図柄データとして「00」(特別図柄0)を決定する。
そして、特別図柄の変動開始時には、決定した特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、特別図柄の情報としての演出図柄指定コマンドが生成される。ここで、演出図柄指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEと、実行される制御コマンドの内容(機能)を示す1バイトのDATAとから構成される。このことは、後述する変動パターン指定コマンド、始動入賞指定コマンドについても同様である。
【0061】
なお、後述するように、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり終了後の遊技状態(図7参照)、大当たり態様(図8参照)が決定されることから、特別図柄の種類が大当たり遊技終了後の遊技状態と大当たり態様を決定するものといえる。
【0062】
図6(a)、図6(b)は、普通図柄変動の停止結果に基づいて普通図柄を決定する際に参照される当たり判定テーブルを示す図である。図6(a)は、当たり判定用乱数値の判定により当たりと判定された場合に参照される判定テーブルであり、図6(b)は、当たり判定用乱数値の判定によりハズレと判定された場合に参照される判定テーブルである。
具体的には、普通図柄用乱数値として「0」〜「10」の乱数値からいずれかの乱数値が取得される。図6(a)および図6(b)に示す判定テーブルは、これらの乱数値を判定するものであるが、図6(a)に示す当たり時判定テーブルによれば、「0」および「1」の2個の普通図柄用乱数値が長開放図柄と判定され、「2」〜「10」の9個の普通図柄用乱数値が短開放図柄と判定される。
また、図6(b)に示すハズレ時判定テーブルによれば、「0」〜「10」の11個の普通図柄用乱数値がハズレ図柄と判定される。
なお、長開放図柄および短開放図柄については、後で詳しく説明する。
【0063】
図7は、大当たり終了後の遊技状態を決定するための大当たり終了時設定データテーブルである。図7に示す大当たり終了時設定データテーブルによって、特別図柄の種類(停止図柄データ)と遊技状態バッファに記憶された大当たり当選時の遊技状態とに基づき、高確率遊技フラグの設定、高確率遊技回数(X)の設定、時短遊技フラグの設定、時短遊技回数(J)の設定が行われる。
なお、大当たり当選時の遊技状態を示す遊技状態バッファの「00H」は、時短遊技フラグと高確率遊技フラグの両方がセットされていない遊技状態情報を示し、「01H」は、時短遊技フラグはセットされていないが高確率遊技フラグはセットされている遊技状態情報を示し、「02H」は、時短遊技フラグがセットされているが高確率遊技フラグがセットされていない遊技状態情報を示し、「03H」は、時短遊技フラグと高確率遊技フラグとの両方がセットされている遊技状態情報を示すものである。
【0064】
また、小当たり終了後の特定遊技期間においては、特定の演出を行うために、専用の変動パターン決定テーブル(図12参照)が決定されるべく特定期間回数をセットするように構成している。具体的には、遊技状態バッファが00Hであるとき、すなわち、低確率遊技状態かつ非時短遊技状態時において小当たりが当選したときには、小当たり終了後に特別図柄の変動表示が50回転行われるまでは特定遊技期間になるように、特定期間回数(T)に50回をセットしている。この特定遊技期間中(特定期間回数(T)>0のとき)には、後述するように図12に示す小当たり後の特定遊技期間用(低確率遊技状態用)の変動パターン決定テーブルが決定され、特定遊技期間以外(特定期間回数(T)=0のとき)には、図10に示す通常遊技状態(低確率遊技状態用)の変動パターン決定テーブルまたは図11に示す高確率遊技状態用の変動パターン決定テーブルが決定される。
【0065】
図8は、大入賞口25の開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブルである。図8のテーブルによって、特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、大当たり遊技で行われるラウンド遊技の回数や、大入賞口25の開放態様テーブルが決定される。
なお、本実施形態においては、第1特別図柄表示装置19と第2特別図柄表示装置20とで決定されるテーブルを異にしているが、これは一例に過ぎず、両表示装置19,20においてどのようなテーブルが決定されるかは適宜設定すればよい。
【0066】
図9は、図8で決定された大入賞口の開放態様テーブルの詳細を示す開放態様決定テーブルであり、図9(a)は長当たり用開放態様決定テーブル、図9(b)は短当たり用開放態様決定テーブル、図9(c)は小当たり用開放態様決定テーブルである。
具体的には、ラウンド遊技回数(R)、1ラウンド中の大入賞口25の開放回数(K)、開放時間、閉鎖時間がそれぞれ対応付けられて記憶されている。
【0067】
図9(a)に示す長当たり用開放態様決定テーブルが決定されると、1〜10回目の各ラウンド遊技中に大入賞口25がそれぞれ1回開放される。このときの大入賞口25の最大開放時間は29.500秒に設定され、各ラウンド間における休止時間(大入賞口25の閉鎖時間)は2.000秒に設定される。
【0068】
図9(b)に示す短当たり用開放態様決定テーブルが決定されると、1〜10回目の各ラウンド遊技中に大入賞口25がそれぞれ1回開放される。このときの大入賞口25の最大開放時間は0.052秒に設定され、各ラウンド間における休止時間(大入賞口25の閉鎖時間)は2.000秒に設定される。
【0069】
図9(c)に示す小当たり用開放態様決定テーブルが決定されると、大入賞口25が0.052秒の開放と2.000秒の閉鎖とを繰り返す小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技は、大入賞口25が10回の開閉を連続的に繰り返す1つの遊技と捉えられるため、上記の長当たり遊技や短当たり遊技における「ラウンド遊技」という概念を用いずに制御するようにしているが、大入賞口25の開閉態様は実質的には短当たり遊技と同じである。これにより、遊技者に小当たりであるのか短当たりであるのかということを推測させる楽しみを付与させることができる。ただし、まったく同じ開放時間や閉鎖時間に設定しなくても、遊技者が小当たりであるのか短当たりであるのかを判別不能もしくは判別困難な程度に開閉態様を近似させれば、上記と同様に遊技の興趣を向上することができる。
【0070】
なお、「短当たり」または「小当たり」の開放時間(0.052秒)は、上述したように遊技球が1個発射される時間(約0.6秒)よりも短いため、大入賞口開閉扉25bが開放したとしても大入賞口25に入賞することが困難であり、「短当たり」または「小当たり」の開放態様は「不利な開放態様」といえる。一方、「長当たり」の開放時間(29.5秒)は、遊技球が1個発射される時間(約0.6秒)よりも長いため、「有利な開放態様」といえる。
【0071】
図10乃至図12は、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブルを示す図であり、図10は、主として通常遊技状態(低確率遊技状態用)に参照される通常遊技状態(低確率遊技状態用)の変動パターン決定テーブルであり、図11は、主として高確率遊技状態時に参照される高確率遊技状態用の変動パターン決定テーブルであり、図12は、小当たり終了後の特定遊技期間に参照される小当たり後の特定遊技期間用(低確率遊技状態用)の変動パターン決定テーブルである。なお、小当たり終了後の特定遊技期間は、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルの説明で述べた通り、あくまで小当たり当選時に低確率遊技状態かつ非時短遊技状態時であるときにしか決定されないものである。
【0072】
具体的には、変動パターン決定テーブルによって、特別図柄表示装置の種別、特別図柄判定用乱数値(大当たりの当選または落選)、大当たり図柄用乱数値(大当たり図柄)、時短遊技状態の有無、特別図柄保留数、リーチ判定用乱数値および変動パターン用乱数値に基づき、変動パターンが決定される。変動パターンは、特別図柄の変動開始時に決定され、決定された変動パターンに基づいて変動パターン指定コマンドが生成される。この変動パターン指定コマンドは、出力制御処理において主制御基板101から演出制御基板102へと送信される。
なお、大当たりまたは小当たりのときには、必ずリーチを行うように構成しているため、大当たりまたは小当たりのときにはリーチ判定用乱数値を参照しないように構成されている。
【0073】
また、変動パターン指定コマンドは、MODEとして「E6H」であるときには、第1始動口9に遊技球が入球して、第1特別図柄表示装置19の特別図柄の変動開始時に決定された変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドであることを示し、MODEとして「E7H」であるときには、第2始動口10に遊技球が入球して、第2特別図柄表示装置20の特別図柄の変動開始時に決定された変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドであることを示す。そして、変動パターン指定コマンドのDATAは、具体的な変動パターン番号を示すものである。すなわち、変動パターン指定コマンドも変動パターンを示す情報ということになる。
【0074】
また、図10に示す通常遊技状態用(低確率遊技状態用)の変動パターン決定テーブルと、図11に示す高確率遊技状態用の変動パターン決定テーブルとでは、同じ乱数値等を参照したとしても、異なる変動パターンが決定されるように構成されている。したがって、変動パターンの種別によって、高確率遊技状態に決定された変動パターンか、低確率遊技状態に決定された変動パターンかを区別することができる。
【0075】
同様に、図10に示す通常遊技状態用(低確率遊技状態用)の変動パターン決定テーブルと、図12に示す小当たり後の特定遊技期間用(低確率遊技状態用)の変動パターン決定テーブルとでは、同じ乱数値等を参照したとしても、異なる変動パターンが決定されるように構成されている。したがって、変動パターンの種別によって、通常遊技状態であるのか、小当たり後の特定遊技期間であるのかを区別することができる。これに対して、図11に示す高確率遊技状態用の変動パターン決定テーブルと、図12に示す小当たり後の特定遊技期間用(低確率遊技状態用)の変動パターン決定テーブルとでは、同じ変動パターンが決定可能に構成されている。したがって、変動パターンの種別によって、低確率遊技状態であるのか高確率遊技状態であるのかを区別できなくなる。
【0076】
さらに、図10乃至図12に示す変動パターン決定テーブルの特徴として、大当たりの判定結果がハズレの場合に遊技状態が時短遊技状態であるときには、特別図柄の変動時間が短くなるように設定されている。例えば、図10に示す変動パターン決定テーブルであれば、大当たりの判定結果がハズレの場合に保留球数が2のときには、時短遊技状態であればリーチ判定用乱数値に基づいて95%の確率で変動時間が5000msの変動パターン8(短縮変動)が決定されるが、非時短遊技状態であれば変動時間が5000msを超える変動パターンが決定される。このように、時短遊技状態になると変動時間が短くなるように設定されている。
【0077】
なお、本実施形態でいう「リーチ」とは、特別遊技に移行することを報知する演出図柄30の組合せの一部が停止表示された後に、残りの一部の演出図柄30が変動表示を継続するものをいう。例えば、大当たり遊技に移行することを報知する演出図柄30の組合せとして「777」の3桁の演出図柄30の組み合わせが設定されている場合に、2つの演出図柄30が「7」で停止表示され、残りの演出図柄30が変動表示を行っている状態をいう。
【0078】
図13(a)、図13(b)は、普通電動役物作動態様決定テーブルを示す図である。図13(a)は、非時短遊技状態において参照されるテーブルであり、図13(b)は、時短遊技状態において参照されるテーブルである。
具体的には、普通図柄ゲート8への遊技球の通過に起因して行われる普通図柄の抽選によって、長開放図柄が決定されたとき、遊技状態が非時短遊技状態であれば、長開放TBL1に基づいて始動口開閉ソレノイド10cが通電される。この長開放TBL1によれば、第2始動口10が2回開放され、その総開放時間が4.200秒に制御される。
また、非時短遊技状態において短開放図柄が決定された場合には、短開放TBL1に基づいて始動口開閉ソレノイド10cが通電される。この短開放TBL1によれば、第2始動口10が1回開放され、その総開放時間が0.200秒に制御される。
一方、長開放図柄が決定されたとき、遊技状態が時短遊技状態であれば、長開放TBL2に基づいて始動口開閉ソレノイド10cが通電される。この長開放TBL2によれば、第2始動口10が1回開放され、その総開放時間が5.000秒に制御される。
また、時短遊技状態において短開放図柄が決定された場合には、短開放TBL2に基づいて始動口開閉ソレノイド10cが通電される。この短開放TBL2によれば、第2始動口10が1回開放され、その総開放時間が3.000秒に制御される。
【0079】
図14は、始動口開閉ソレノイド10cの通電タイミングをテーブルごとに示すタイムチャートである。図14(a)に示すように、長開放TBL1を参照して第2始動口10が制御される場合、第2始動口10は、まず0.2秒開放した後に4秒間の閉鎖状態を経て、再び4秒間開放される。
また、長解放TBL2を参照して第2始動口10が制御される場合、第2始動口10は、5秒間開放される。
これに対して、短開放TBL1を参照して第2始動口10が制御される場合、第2始動口10は、0.2秒のみ開放され、短開放TBL2を参照して第2始動口10が制御される場合、第2始動口10は、3秒開放されることとなる。
【0080】
(遊技状態の説明)
次に、遊技が進行する際の遊技状態について説明する。本実施形態においては、「低確率遊技状態」「高確率遊技状態」「時短遊技状態」「非時短遊技状態」のいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。ただし、遊技の進行中において、遊技状態が「低確率遊技状態」または「高確率遊技状態」である場合には、必ず「時短遊技状態」または「非時短遊技状態」となっている。つまり、「低確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合と、「高確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、「高確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合とが存在することとなる。
さらに、「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合には、小当たり終了後の特定遊技期間であるときと、小当たり終了後の特定遊技期間でないときが存在する。この「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合に、小当たり終了後の特定遊技期間でないときを「通常遊技状態」と称することとする。
【0081】
本実施形態において「低確率遊技状態」というのは、第1始動口9または第2始動口10に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たりの当選確率が1/299.5に設定された遊技状態をいう。ここでいう大当たりの当選とは、後述する「長当たり遊技」または「短当たり遊技」を実行する権利を獲得することである。
これに対して「高確率遊技状態」というのは、上記大当たりの当選確率が1/29.95に設定された遊技状態をいう。したがって、「高確率遊技状態」では、「低確率遊技状態」よりも、「長当たり遊技」または「短当たり遊技」を実行する権利の獲得が容易となる。
【0082】
本実施形態において「非時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート8を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選に要する時間が10秒に設定され、かつ、長開放図柄が決定された際の第2始動口10の総開放時間が4.2秒、短開放図柄が決定された際の第2始動口10の総開放時間が0.2秒に設定された遊技状態をいう。
これに対して「時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート8を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選に要する時間が1秒に設定され、かつ、長開放図柄が決定された際の第2始動口10の総開放時間が5秒、短開放図柄が決定された際の第2始動口10の総開放時間が3秒に設定された遊技状態をいう。
また、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも普通図柄の抽選で当たりに当選する確率が高くなる。したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、普通図柄ゲート8を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動口10が第2の態様に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技者が遊技球を消費せずに遊技を進行することが可能となる。
なお、普通図柄の抽選において当たりに当選する確率を「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらないように設定してもよい。
【0083】
本実施形態において「小当たり終了後の特定遊技期間」とは、高確率遊技状態であることの期待を持たせるために、高確率遊技状態と同様の演出を決定可能な変動パターン決定テーブル(図12参照)が参照される遊技期間をいう。
【0084】
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
【0085】
(主制御基板のメイン処理)
図15を用いて、主制御基板101のメイン処理を説明する。
【0086】
電源基板107により電源が供給されると、メインCPU101aにシステムリセットが発生し、メインCPU101aは、以下のメイン処理を行う。
【0087】
(ステップS10)
まず、ステップS10において、メインCPU101aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、電源投入に応じて、メインROMから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAMに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
【0088】
(ステップS20)
ステップS20において、メインCPU101aは、変動パターン用乱数値、リーチ判定用乱数値の更新を行う演出乱数更新処理を行う。
【0089】
(ステップS30)
ステップS30において、メインCPU101aは、特別図柄判定用初期値乱数、大当たり図柄用初期値乱数、小当たり図柄用初期値乱数の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
【0090】
(主制御基板のタイマ割込処理)
図16を用いて、主制御基板101のタイマ割込処理を説明する。
【0091】
主制御基板101に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
【0092】
(ステップS100)
まず、ステップS100において、メインCPU101aは、メインCPU101aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
【0093】
(ステップS110)
ステップS110において、メインCPU101aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間などの特別遊技タイマカウンタの更新処理、普通図柄時間カウンタの更新処理、普電開放時間カウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通図柄時間カウンタ、普電開放時間カウンタから1を減算する処理を行う。
【0094】
(ステップS120)
ステップS120において、メインCPU101aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、当たり判定用乱数値の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数カウンタを1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
【0095】
(ステップS130)
ステップS130において、メインCPU101aは、特別図柄判定用初期値乱数カウンタ、大当たり図柄用初期値乱数カウンタ、小当たり図柄用初期値乱数カウンタを1加算して乱数カウンタを更新する初期値乱数更新処理を行う。
【0096】
(ステップS200)
ステップS200において、メインCPU101aは、入力制御処理を行う。
この処理において、メインCPU101aは、一般入賞口検出スイッチ7a、ゲート検出スイッチ8a、第1始動口検出スイッチ9a、第2始動口検出スイッチ10a、大入賞口検出スイッチ25a、の各スイッチに入力があったか否か判定する入力処理を行う。具体的には、図17〜図20を用いて後述する。
【0097】
(ステップS300)
ステップS300において、メインCPU101aは、特別図柄、特別電動役物の制御を行うための特図特電制御処理を行う。詳しくは、図21〜図28を用いて後述する。
【0098】
(ステップS400)
ステップS400において、メインCPU101aは、普通図柄、普通電動役物の制御を行うための普図普電制御処理を行う。詳しくは、図29〜図31を用いて後述する。
【0099】
(ステップS500)
ステップS500において、メインCPU101aは、払出制御処理を行う。
この処理において、メインCPU101aは、大入賞口25、第1始動口9、第2始動口10、一般入賞口7に遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出個数指定コマンドを払出制御基板103に送信する。
より具体的には、後述する図17において更新されている一般入賞口賞球カウンタ、大入賞口賞球カウンタ、始動口賞球カウンタをチェックし、それぞれの入賞口に対応する払出個数指定コマンドを払出制御基板103に送信する。その後、送信した払出個数指定コマンドに対応する賞球カウンタから所定のデータを減算して更新する。
【0100】
(ステップS600)
ステップS600において、メインCPU101aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
【0101】
(ステップS700)
ステップS700において、メインCPU101aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記S600で作成した外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。また、特別図柄表示装置19、20および普通図柄表示装置21の各LEDを点灯させるために、上記S600で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力する表示装置出力処理を行う。さらに、メインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを送信するコマンド送信処理も行う。
【0102】
(ステップS800)
ステップS800において、メインCPU101aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU101aのレジスタに復帰させる。
【0103】
図17を用いて、主制御基板101の入力制御処理を説明する。
【0104】
(ステップS210)
まず、ステップS210において、メインCPU101aは、一般入賞口検出スイッチ7aから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が一般入賞口7に入球したか否かを判定する。メインCPU101aは、一般入賞口検出スイッチ7aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
【0105】
(ステップS220)
ステップS220において、メインCPU101aは、大入賞口検出スイッチ25aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が大入賞口25に入球したか否かを判定する。メインCPU101aは、大入賞口検出スイッチ25aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、大入賞口25に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球カウンタ(C)記憶領域のカウンタを加算して更新する。
【0106】
(ステップS230)
ステップS230において、メインCPU101aは、第1始動口検出スイッチ9aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1始動口9に入球したか否かを判定して、大当たりの判定を行うための所定のデータをセットする。詳しくは、図18を用いて後述する。
【0107】
(ステップS240)
ステップS240において、メインCPU101aは、第2始動口検出スイッチ10aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2始動口10に入球したか否かを判定する。メインCPU101aは、第2始動口検出スイッチ10aから検出信号を入力した場合には、上記ステップS230と同様の処理を行う。ただし、この第2始動口検出スイッチ入力処理においては、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に「1」を加算し、抽出した特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値を第2特別図柄記憶領域に記憶する。つまり、第1始動口検出スイッチ入力処理と第2始動口検出スイッチ入力処理とでは、各種のデータを記憶する記憶領域のみ異なり、その他は全て同じ処理を行うこととなる。
【0108】
(ステップS250)
ステップS250において、メインCPU101aは、ゲート検出スイッチ8aが信号を入力したか、すなわち、遊技球が普通図柄ゲート8を通過したか否かを判定する。このゲート検出スイッチ入力処理については、図20を用いて後述する。
【0109】
図18を用いて、主制御基板101の第1始動口検出スイッチ入力処理を説明する。
【0110】
(ステップS230−1)
まず、ステップS230−1において、メインCPU101aは、第1始動口検出スイッチ9aからの検出信号を入力したか否かを判定する。
第1始動口検出スイッチ9aからの検出信号を入力した場合にはステップS230−2に処理を移し、第1始動口検出スイッチ9aからの検出信号を入力しなかった場合には、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0111】
(ステップS230−2)
ステップS230−2において、メインCPU101aは、賞球のために用いる始動口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する処理を行う。
【0112】
(ステップS230−3)
ステップS230−3において、メインCPU101aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされている保留個数が4未満であるか否かを判定する。第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされている保留個数が4未満であった場合には、ステップS230−4に処理を移し、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされている保留個数が4未満でない場合には第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0113】
(ステップS230−4)
ステップS230−4において、メインCPU101aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に「1」を加算して記憶する。
【0114】
(ステップS230−5)
ステップS230−5において、メインCPU101aは、特別図柄判定用乱数値を取得して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した特別図柄判定用乱数値を記憶する。
【0115】
(ステップS230−6)
ステップS230−6において、メインCPU101aは、大当たり図柄用乱数値を取得して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した大当たり図柄用乱数値を記憶する。
【0116】
(ステップS230−7)
ステップS230−7において、メインCPU101aは、小当たり図柄用乱数値を取得して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した小当たり図柄用乱数値を記憶する。
【0117】
(ステップS230−8)
ステップS230−8において、メインCPU101aは、演出用乱数値(変動パターン用乱数値およびリーチ判定用乱数値)を取得して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した演出用乱数値(変動パターン用乱数値およびリーチ判定用乱数値)を記憶する。
【0118】
(ステップS231)
ステップS231において、メインCPU101aは、上記ステップS230−5〜ステップS230−8で取得した各乱数値を、それぞれ現在の遊技状態に対応するテーブルに基づいて判定する事前判定処理を行って、当該第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。この事前判定処理について、図19を用いて説明する。
【0119】
(ステップS231−1)
まず、ステップS231−1において、メインCPU101aは、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグがONされているか否かを判定する。高確率遊技フラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態すなわち第1始動口9または第2始動口10に遊技球が入球したときの遊技状態が高確率遊技状態である場合である。高確率遊技フラグがONされている場合には、ステップS231−2に処理を移し、高確率遊技フラグがONされていない場合には、ステップS231−3に処理を移す。
【0120】
(ステップS231−2)
上記ステップS231−1において、現在の遊技状態が高確率遊技状態であると判定した場合には、メインCPU101aは、「高確率時乱数判定テーブル」を選択する。
【0121】
(ステップS231−3)
ステップS231−3において、現在の遊技状態が高確率遊技状態ではない(低確率遊技状態)と判定した場合には、メインCPU101aは、「低確率時乱数判定テーブル」を選択する。
【0122】
(ステップS231−4)
ステップS231−4において、メインCPU101aは、特別図柄保留記憶領域に新たに書き込まれた特別図柄判定用乱数値を、上記ステップS231−2またはステップS231−3で選択された「高確率時乱数判定テーブル」または「低確率時乱数判定テーブル」に基づいて判定する。
より具体的には、上記ステップS230−5において新たに乱数値が記憶された特別図柄保留記憶領域が第1特別図柄記憶領域である場合には、図4(a)の第1特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照し、乱数値が記憶された特別図柄保留記憶領域が第2特別図柄記憶領域である場合には、図4(b)の第2特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照して、特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」かが仮判定される。
【0123】
(ステップS231−5)
ステップS231−5において、メインCPU101aは、上記ステップS231−4における大当たり判定の結果、大当たりと仮判定されたか否かを判定する。大当たりと仮判定された場合にはステップS231−6に処理を移し、大当たりと仮判定されなかった場合にはステップS231−10に処理を移す。
【0124】
(ステップS231−6)
上記ステップS231−5において、大当たりと仮判定された場合には、メインCPU101aは、新たに書き込まれた大当たり図柄用乱数値を判定して、特別図柄の種類(停止図柄データ)を仮判定する。
具体的には、新たに乱数値が記憶された特別図柄保留記憶領域が第1特別図柄記憶領域である場合には、第1特別図柄表示装置用の図柄決定テーブル(図5(a)参照)を参照し、新たに乱数値が記憶された特別図柄保留記憶領域が第2特別図柄記憶領域である場合には、第2特別図柄表示装置用の図柄決定テーブル(図5(a)参照)を参照して、大当たり図柄用乱数値に基づいて、停止する特別図柄の種類を示す停止図柄データを仮判定する。
【0125】
(ステップS231−7)
次に、メインCPU101aは、上記ステップS231−6において仮判定された特別図柄に応じて、図10または図11に示す変動パターン決定テーブルをセットする。例えば、上記ステップS231−6において、仮判定された特別図柄が特別図柄1または特別図柄3であった場合には、変動パターン用乱数値「0」〜「29」が変動パターン1と決定され、変動パターン用乱数値「30」〜「99」が変動パターン2と決定されるテーブルをセットする。
【0126】
(ステップS231−8)
次に、メインCPU101aは、上記ステップS231−7(ステップS231−11)でセットされた変動パターン決定テーブルに基づいて、上記ステップS230−8で記憶された変動パターン用乱数値を仮判定する。
【0127】
(ステップS231−9)
次に、メインCPU101aは、上記ステップS231−8で仮判定された変動パターンに対応する始動入賞指定コマンドを生成して、演出用伝送データ格納領域にセットする。
なお、始動入賞指定コマンドは、図10〜図12に示す変動パターン指定コマンドと同様に識別可能に設けられており、変動時間や変動内容、あるいは大当たり、小当たり、ハズレの各情報が対応付けられている。
【0128】
(ステップS231−10)
上記ステップS231−5において、大当たりと仮判定されなかった場合には、メインCPU101aは、小当たりと判定されたか否かの仮判定を行う。小当たりと仮判定された場合には、ステップS231−12に処理を移し、小当たりと仮判定されなかった場合には、ステップS231−11に処理を移す。
【0129】
(ステップS231−11)
上記ステップS231−10において小当たりと仮判定されなかった場合には、メインCPU101aは、図10または図11に示すハズレ用の変動パターン決定テーブルをセットする。これにより、ステップS231−8およびハズレ用の変動パターンが仮判定されるとともに、この仮判定された変動パターンに対応する始動入賞指定コマンドがステップS231−9において演出用伝送データ格納領域にセットされる。
【0130】
(ステップS231−12)
一方、上記ステップS231−10において小当たりと仮判定された場合には、メインCPU101aは、小当たりであること、すなわちチャンス演出であることを示す始動入賞指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
以上の事前判定処理により、遊技球が第1始動口9または第2始動口10に入球した時点で、当該入球を契機として行われる大当たりの抽選の結果が演出制御基板102に送信されることとなる。ただし、この事前判定処理は、あくまでも遊技球が各始動口9,10に入球した時点の遊技状態に応じて判定されるものである。そのため、当該入球によって留保された第1保留または第2保留を処理する前に遊技状態が変更した場合には、後述する大当たり判定処理の結果と、当該事前判定処理の結果とが異なる可能性がある。
【0131】
図20を用いて、主制御基板101のゲート検出スイッチ入力処理を説明する。
【0132】
(ステップS250−1)
まず、メインCPU101aは、ゲート検出スイッチ8aからの検出信号を入力したか否かを判定する。
ゲート検出スイッチ8aからの検出信号を入力した場合にはステップS250−2に処理を移し、ゲート検出スイッチ8aからの検出信号を入力しなかった場合には、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。
【0133】
(ステップS250−2)
上記ステップS250−1において、ゲート検出スイッチ8aからの検出信号を入力したと判定した場合には、メインCPU101aは、普通図柄保留数(G)が4未満であるかを判定する。本実施形態においては、普通図柄ゲート8を遊技球が通過すると普通図柄の変動表示が行われるが、この普通図柄の変動表示の権利の上限留保数は「4」に設定されることとなる。普通図柄保留数(G)が4未満であると判定した場合にはステップS250−3に処理を移し、普通図柄保留数(G)が4未満ではない(4である)と判定した場合にはゲート検出スイッチ入力処理を終了する。
【0134】
(ステップS250−3)
上記ステップS250−2において、普通図柄保留数(G)が4未満であると判定した場合には、メインCPU101aは、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている普通図柄保留数(G)に「1」を加算した値を新たな普通図柄保留数(G)として記憶する。
【0135】
(ステップS250−4)
次に、メインCPU101aは、予め用意された乱数範囲(例えば、0〜19)から1つの当たり判定用乱数値を抽出するとともに、抽出した乱数値を普通図柄保留記憶領域に記憶させる。
【0136】
(ステップS250−5)
次に、メインCPU101aは、予め用意された乱数範囲(例えば、0〜10)から1つの図柄判定用乱数値を抽出するとともに、抽出した乱数値を普通図柄保留記憶領域に記憶させる。
【0137】
図21を用いて、主制御基板101の特図特電制御処理を説明する。
【0138】
(ステップS301)
まず、ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば小当たり遊技処理(ステップS350)に処理を移し、特図特電処理データ=5であれば特別遊技終了処理(ステップS360)に処理を移す。詳しくは、図22〜図28を用いて後述する。
【0139】
図22を用いて、主制御基板101の特別図柄記憶判定処理を説明する。
【0140】
(ステップS310−1)
ステップS310−1において、メインCPU101aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ここで、特別図柄の変動表示中であれば(特別図柄時間カウンタ≠0)、特別図柄記憶判定処理を終了し、特別図柄の変動表示中でなければ(特別図柄時間カウンタ=0)、ステップ310−2に処理を移す。
【0141】
(ステップS310−2)
ステップS310−2において、メインCPU101aは、特別図柄の変動中ではない場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域が1以上であるかを判定する。第2特別図柄保留数(U2)記憶領域が1以上でない場合には、ステップS310−4に処理を移し、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域が「1」以上であると判定した場合にはステップS310−3に処理を移す。
これにより、第1特別図柄記憶領域よりも第2特別図柄記憶領域が優先して処理されていく。
【0142】
(ステップS310−3)
ステップS310−3において、メインCPU101aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値から「1」を減算して記憶する。
【0143】
(ステップS310−4)
ステップS310−4において、メインCPU101aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域が1以上であるかを判定する。第1特別図柄保留数(U1)記憶領域が1以上でない場合には、ステップS319−1に処理を移し、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域が「1」以上であると判定した場合にはステップS310−5に処理を移す。
【0144】
(ステップS310−5)
ステップS310−5において、メインCPU101aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値から「1」を減算して記憶する。
【0145】
(ステップS310−6)
ステップS310−6において、メインCPU101aは、上記ステップS310−2〜S310−5において減算された特別図柄保留数(U)記憶領域に対応する特別図柄保留記憶領域に記憶された所定の乱数値(特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、変動パターン用乱数値)と始動入賞指定コマンドのシフト処理を行う。具体的には、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された所定の乱数値と始動入賞指定コマンドとを1つ前の記憶部にシフトさせる。ここで、第1記憶部に記憶されている所定の乱数値と始動入賞指定コマンドとは、判定記憶領域(第0記憶部)にシフトさせる。このとき、第1記憶部に記憶されている所定の乱数値と始動入賞指定コマンドとは、判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれるとともに、既に判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれていたデータは特別図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。これにより、前回の遊技で用いた所定の乱数値と始動入賞指定コマンドとが消去される。また、シフト後には、始動入賞指定コマンドのMODEを、シフト後の記憶領域に対応するように加工処理する。
【0146】
例えば、第1特別図柄保留記憶領域の第2記憶部にある始動入賞指定コマンドと所定の乱数値とを第1特別図柄保留記憶領域の第1記憶部にシフトさせた後、始動入賞指定コマンドのMODE「A2H」を「A1H」に加工処理する。同様に、第1特別図柄保留記憶領域の第3記憶部にある始動入賞指定コマンドと所定の乱数値とを第2記憶部にシフトさせた後、始動入賞指定コマンドのMODE「A3H」を「A2H」に加工処理し、第1特別図柄保留記憶領域の第4記憶部にある始動入賞指定コマンドと所定の乱数値とを第3記憶部にシフトさせた後、始動入賞指定コマンドのMODE「A4H」を「A3H」に加工処理する。同様に、第2特別図柄保留記憶領域の第1記憶部〜第3記憶部へとシフトされると、「B2H」を「B1H」に、「B3H」を「B2H」に、「B4H」を「B3H」に加工処理する。ここで、第4記憶部のデータをシフトさせた後には、新たな第4記憶領域にはブランクデータがセットされ、第4記憶領域のデータがクリアされる。
【0147】
(ステップS311)
ステップS311において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれたデータ(特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値)に基づいて、大当たり判定処理を実行する。詳しくは、図23を用いて、後述する。
【0148】
(ステップS312)
ステップS312においては、メインCPU101aは、変動パターン決定処理を行う。
変動パターン決定処理は、まずメインRAM101cの遊技状態記憶領域を参照して、現在の遊技状態に基づく変動パターン決定テーブルを決定する。具体的には、高確率遊技状態である場合には図11に示す高確率遊技状態用の変動パターン決定テーブルを決定し、低確率遊技状態である場合に特定期間回数(T)=0のときには、図10に示す通常遊技状態(低確率遊技状態用)の変動パターン決定テーブルを決定し、低確率遊技状態である場合に特定期間回数(T)>0のときには、図12に示す小当たり後の特定遊技期間用(低確率遊技状態用)の変動パターン決定テーブルを決定する。
その後、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および変動パターン用乱数値を参照し、決定した変動パターン決定テーブルに基づいて、変動パターンを決定する。
【0149】
(ステップS313)
ステップS313において、メインCPU101aは、決定した変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0150】
(ステップS314)
ステップS314において、メインCPU101aは、変動開始時の遊技状態を確認し、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0151】
(ステップS315)
ステップS315において、メインCPU101aは、特別図柄表示装置19,20において特別図柄の変動表示を開始する。つまり、特別図柄の変動表示データを処理領域にセットする。これにより、処理領域に書き込まれた情報が、第1保留(U1)に係る場合には特別図柄表示装置19を点滅させ、第2保留(U2)に係る場合には特別図柄表示装置20を点滅させることとなる。
【0152】
(ステップS316)
ステップS316において、メインCPU101aは、上記のようにして特別図柄の変動表示を開始したら、特別図柄時間カウンタに上記ステップS312において決定した変動パターンに基づいた変動時間(カウンタ値)を特別図柄時間カウンタにセットする。なお、特別図柄時間カウンタは上記S110において4ms毎に減算処理されていく。
【0153】
(ステップS317)
ステップS317において、メインCPU101aは、デモ判定フラグに00Hをセットする。すなわち、デモ判定フラグをクリアする。なお、デモ判定フラグ=「00H」というのは、現在、特別図柄の変動表示中であったり、特別遊技中であったりすることを示す。一方、特別図柄の変動表示中でもなく、特別遊技中でもない場合にはデモ判定フラグ「01H」が記憶される。デモ判定フラグ=「01H」が記憶されている場合には、後述するステップS319−3においてデモ指定コマンドがセットされ、演出制御基板102に特別図柄の変動表示中でも特別遊技中でもないことが伝達される。
【0154】
(ステップS318)
ステップS318において、メインCPU101aは、特図特電処理データ=1をセットし、図24に示す特別図柄変動処理に処理を移して、特別図柄記憶判定処理を終了する。
【0155】
(ステップS319−1)
上記ステップS310−4において、第1保留(U1)が「0」であると判定した場合、すなわち、第1保留(U1)および第2保留(U2)のいずれも留保されていない場合には、メインCPU101aは、デモ判定フラグに01Hがセットされているか否かを判定する。デモ判定フラグに01Hがセットされている場合には特別図柄記憶判定処理を終了し、デモ判定フラグに01Hがセットされていない場合にはステップS319−2に処理を移す。
【0156】
(ステップS319−2)
ステップS319−2において、メインCPU101aは、後述するステップS319−3でデモ指定コマンドを何度もセットすることがないように、デモ判定フラグに01Hをセットする。
【0157】
(ステップS319−3)
ステップS319−3において、メインCPU101aは、デモ指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、特別図柄記憶判定処理を終了する。
【0158】
図23を用いて、大当たり判定処理を説明する。
【0159】
(ステップS311−1)
まず、ステップS311−1において、メインCPU101aは、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグがONされているか否かを判定する。高確率遊技フラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合である。高確率遊技フラグがONされている場合には、ステップS311−2に処理を移し、高確率遊技フラグがONされていない場合には、ステップS311−3に処理を移す。
【0160】
(ステップS311−2)
ステップS311−2において、メインCPU101aは、現在の遊技状態が高確率遊技状態であると判定した場合には、「高確率時乱数判定テーブル」を選択する。
【0161】
(ステップS311−3)
ステップS311−3において、メインCPU101aは、現在の遊技状態が高確率遊技状態ではない(低確率遊技状態)と判定した場合には、「低確率時乱数判定テーブル」を選択する。
【0162】
(ステップS311−4)
ステップS311−4において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた特別図柄判定用乱数値を、上記ステップS311−2またはステップS311−3で選択された「高確率時乱数判定テーブル」または「低確率時乱数判定テーブル」に基づいて判定する。
より具体的には、上記ステップS310−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第1特別図柄記憶領域である場合には、図4(a)の第1特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照し、上記ステップS310−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第2特別図柄記憶領域である場合には、図4(b)の第2特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照して、特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」かが判定される。
【0163】
(ステップS311−5)
ステップS311−5において、メインCPU101aは、上記ステップS311−4における大当たり判定の結果、大当たりと判定されたか否かを判定する。大当たりと判定された場合にはステップS311−6に処理を移し、大当たりと判定されなかった場合にはステップS311−9に処理を移す。
【0164】
(ステップS311−6)
ステップS311−6において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた大当たり図柄用乱数値を判定して、特別図柄の種類(停止図柄データ)を決定し、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする大当たり図柄決定処理を行う。
具体的には、上記ステップS310−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第1特別図柄記憶領域である場合には、第1特別図柄表示装置用の図柄決定テーブル(図5(a)参照)を参照し、上記ステップS310−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第2特別図柄記憶領域である場合には、第2特別図柄表示装置用の図柄決定テーブル(図5(a)参照)を参照して、大当たり図柄用乱数値に基づいて、停止する特別図柄の種類を示す停止図柄データを決定し、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
なお、決定された特別図柄は、後述するように図25の特別図柄停止処理において「大当たり」か「小当たり」を決定するのに用いられるとともに、図26の大当たり遊技処理や図29の小当たり遊技処理において大入賞口の作動態様を決定するのにも用いられ、図28の特別遊技終了処理において大当たり終了後の遊技状態を決定するためにも用いられる。
【0165】
(ステップS311−7)
ステップS311−7において、メインCPU101aは、演出制御基板102に特別図柄に対応するデータを送信するため、大当たり用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成して、演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0166】
(ステップS311−8)
ステップS311−8において、メインCPU101aは、遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)にセットされた情報から大当たり当選時の遊技状態を判定し、大当たり当選時の遊技状態を示す遊技状態情報を遊技状態バッファにセットする。具体的には、時短遊技フラグと高確率遊技フラグの両方がセットされていなければ00Hをセットし、時短遊技フラグはセットされていないが高確率遊技フラグはセットされていれば01Hをセットし、時短遊技フラグがセットされているが高確率遊技フラグがセットされていなければ02Hをセットし、時短遊技フラグと高確率遊技フラグとの両方がセットされていれば03Hをセットする。
このように遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)とは別に、遊技状態バッファに大当たり当選時の遊技状態をセットすることとしたのは、大当たり遊技中には遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)にある高確率遊技フラグや時短遊技フラグがリセットされてしまうため、大当たり終了後に大当たりの当選時の遊技状態に基づいて、新たに大当たり終了時の遊技状態を決定する場合には、遊技状態記憶領域を参照することができないからである。このように、遊技状態記憶領域とは別に、大当たり当選時の遊技状態を示す遊技情報を記憶するための遊技状態バッファを設けることにより、大当たり終了後に遊技状態バッファにある遊技情報を参照することで、大当たり当選時の遊技状態に基づいて新たに大当たり終了後の遊技状態(時短遊技状態や時短回数など)を設定できる。
【0167】
(ステップS311−9)
上記ステップS311−5において、大当たりと判定されなかった場合には、メインCPU101aは、小当たりと判定されたか否かの判定を行う。小当たりと判定された場合には、ステップS311−10に処理を移し、小当たりと判定されなかった場合には、ステップS311−12に処理を移す。
【0168】
(ステップS311−10)
ステップS311−10において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた小当たり図柄用乱数値を判定して、特別図柄の種類を決定し、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする小当たり図柄決定処理を行う。
具体的には、図5(b)の図柄決定テーブルを参照して、小当たり図柄用乱数値に基づいて、特別図柄の種類を示す停止図柄データを決定し、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。なお、本実施形態においては、「小当たり」の種類として「小当たりA」と「小当たりB」とが設けられている。ただし、いずれの「小当たり」に当選しても、その後に実行される小当たり遊技の内容は全く同一であり、「小当たりA」と「小当たりB」とでは、特別図柄表示装置19、20に停止表示される特別図柄のみが異なる。
【0169】
(ステップS311−11)
ステップS311−11において、メインCPU101aは、演出制御基板102に特別図柄に対応するデータを送信するため、小当たり用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成して、演出用伝送データ格納領域にセットし、ステップS311−8に処理を移す。
【0170】
(ステップS311−12)
ステップS311−12において、メインCPU101aは、図5(c)の図柄決定テーブルを参照してハズレ用の特別図柄を決定し、決定したハズレ用の停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
【0171】
(ステップS311−13)
ステップS311−13において、メインCPU101aは、演出制御基板102に特別図柄に対応するデータを送信するため、ハズレ用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成し、演出用伝送データ格納領域にセットして、大当たり判定処理を終了する。
【0172】
図24を用いて、特別図柄変動処理を説明する。
【0173】
(ステップS320−1)
ステップS320−1において、メインCPU101aは、ステップS316においてセットされた変動時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、変動時間を経過していないと判定した場合には、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
【0174】
(ステップS320−2)
上記ステップS320−1においてセットされた時間を経過したと判定した場合には、メインCPU101aは、当該特別図柄変動処理以前のルーチン処理(大当たり判定処理)において、上記ステップS311−6、S311−10、S311−12でセットされた特別図柄を特別図柄表示装置19、20に停止表示する。これにより、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
【0175】
(ステップS320−3)
ステップS320−3において、メインCPU101aは、図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0176】
(ステップS320−4)
ステップS320−4において、メインCPU101aは、上記のようにして特別図柄の停止表示を開始したら、特別図柄時間カウンタに図柄停止時間(1秒=250カウンタ)をセットする。なお、特別図柄時間カウンタは上記S110において4ms毎に−1減算処理されていく。
【0177】
(ステップS320−5)
ステップS320−5において、メインCPU101aは、特図特電処理データに2をセットし、図25に示す特別図柄停止処理に処理を移して、特別図柄変動処理を終了する。
【0178】
図25を用いて、特別図柄停止処理を説明する。
【0179】
(ステップS330−1)
ステップS330−1において、メインCPU101aは、ステップS320−4においてセットされた図柄停止時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、図柄停止時間を経過していないと判定した場合には、特別図柄停止処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
【0180】
(ステップS330−2)
ステップS330−2において、メインCPU101aは、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判定する。時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合である。時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には、ステップS330−3に処理を移し、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には、ステップS330−4に処理を移す。
【0181】
(ステップS330−3)
ステップS330−3において、メインCPU101aは、時短遊技終了判定処理を行う。具体的には、時短遊技回数(J)記憶領域に記憶されている(J)から「1」を減算するととともに新たな残り変動回数(J)として記憶し、その記憶された時短遊技回数(J)が「0」であるか否かを判定し、時短遊技回数(J)=0であれば、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグをクリア(OFF)する。一方、時短遊技回数(J)=0でなければ、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグはONのままで、ステップS330−4に処理を移す。
【0182】
(ステップS330−4)
ステップS330−4において、メインCPU101aは、高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判定する。高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合である。高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には、ステップS330−5に処理を移し、高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には、ステップS330−6に処理を移す。
【0183】
(ステップS330−5)
ステップS330−5において、メインCPU101aは、高確率遊技終了判定処理を行う。具体的には、高確率遊技回数(X)記憶領域に記憶されている(X)から「1」を減算するとともに新たな高確率遊技回数(X)として記憶し、その記憶された高確率遊技回数(X)が「0」であるか否かを判定し、高確率遊技回数(X)=0であると判定された場合には、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグをクリア(OFF)する。一方、高確率遊技回数(X)=0でないと判定された場合には、ステップS330−6に処理を移す。
【0184】
(ステップS330−6)
ステップS330−6において、メインCPU101aは、特定期間回数カウンタ(T)=0であるか否かを判定し、特定期間回数カウンタ(T)=0であればステップS330−8に処理を移し、特定期間回数カウンタ(T)=0でなければステップS330−7に処理を移す。
【0185】
(ステップS330−7)
ステップS330−7において、メインCPU101aは、特定期間回数カウンタ(T)から「1」を減算した演算値を、新たな特定期間回数カウンタ(T)として記憶する。
【0186】
(ステップS330−8)
ステップS330−8において、メインCPU101aは、現在の遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0187】
(ステップS330−9)
ステップS330−9において、メインCPU101aは、大当たりであるか否かを判定する。具体的には停止図柄データ記憶領域に記憶されている停止図柄データが大当たり図柄(停止図柄データ=01〜06?)のものであるか否かを判定する。ここで、大当たり図柄と判定された場合には、ステップS330−13に処理を移し、大当たり図柄と判定されなかった場合には、ステップS330−10に処理を移す。
【0188】
(ステップS330−10)
ステップS330−10において、メインCPU101aは、小当たりであるか否かを判定する。具体的には停止図柄データ記憶領域に記憶されている停止図柄データが小当たり図柄(停止図柄データ=07〜10?)であるか否かを判定する。ここで、小当たり図柄と判定された場合には、ステップS330−11に処理を移し、小当たり図柄と判定されなかった場合には、ステップS330−12に処理を移す。
【0189】
(ステップS330−11)
ステップS330−11において、メインCPU101aは、特図特電処理データに4をセットし、ステップS330−15に処理を移す。
【0190】
(ステップS330−12)
上記ステップS330−10において、小当たり図柄ではないと判定した場合には、メインCPU101aは、特図特電処理データに0をセットし、図22に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
【0191】
(ステップS330−13)
上記ステップS330−9において、大当たり図柄であると判定した場合には、メインCPU101aは、特図特電処理データに3をセットし、図26に示す大当たり遊技処理に処理を移す。
【0192】
(ステップS330−14)
ステップS330−14において、メインCPU101aは、遊技状態や時短回数をリセットする。具体的には、高確率遊技フラグ記憶領域、高確率遊技回数(X)記憶領域、時短遊技フラグ記憶領域、時短遊技回数(J)記憶領域にあるデータをクリアする。
【0193】
(ステップS330−15)
ステップS330−15において、メインCPU101aは、停止図柄データに応じて、「長当たり」、「短当たり」、「小当たり」のいずれであるかを判定し、これらの種別に応じたオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0194】
(ステップS330−16)
ステップS330−16において、メインCPU101aは、停止図柄データに応じて、「長当たり」、「短当たり」、「小当たり」のいずれであるかを判定し、これらの種別に応じたオープニング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。本処理を終了したら、特別図柄停止処理を終了する。
【0195】
図26を用いて、大当たり遊技処理を説明する。
【0196】
(ステップS340−1)
まず、ステップS340−1において、メインCPU101aは、現在オープニング中であるか否かを判定する。例えば、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に「0」が記憶されていれば、現在オープニング中であるので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域を参照し、現在オープニング中であるか判定する。現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS340−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判定した場合には、S340−6に処理を移す。
【0197】
(ステップS340−2)
ステップS340−2において、メインCPU101aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判定する。すなわち、上記ステップS330−16でセットされた特別遊技タイマカウンタが「0」になったか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0であれば、オープニング時間を経過したと判定する。その結果、オープニング時間を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、オープニング時間を経過している場合にはステップS340−3に処理を移す。
【0198】
(ステップS340−3)
ステップS340−3において、メインCPU101aは、大当たり開始設定処理を行う。
大当たり開始設定処理は、まず停止図柄データに応じて、大当たりの種別に応じた開放態様決定テーブルを決定する。具体的には、図8に示すように、停止図柄データに応じて、長当たり用開放態様決定テーブル(図9(a))、短当たり用開放態様決定テーブル(図9(b))のいずれかを決定してセットする。
次に、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。なお、本ステップS340−3においては、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には何も記憶されていない。つまり、まだラウンド遊技が1回も行われていないので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には「1」を記憶することとなる。
【0199】
(ステップS340−4)
ステップS340−4において、メインCPU101aは、大入賞口開放処理を行う。この 大入賞口開放処理は、大入賞口開閉ソレノイド25cの通電開始データをセットするとともに、上記ステップS340−3でセットされたテーブルを参照して、現在のラウンド遊技回数(R)および開放回数(K)に基づいて、大入賞口25の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
【0200】
(ステップS340−5)
ステップS340−5において、メインCPU101aは、K=1であるか否かを判定し、K=1であった場合には、演出制御基板102にラウンド遊技回数の情報を送信するため、ラウンド遊技回数(R)に応じて大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。例えば、大当たりの1回目のラウンド遊技の開始においては、ラウンド遊技回数(R)が「1」にセットされ、K=1となっているので、大入賞口開放1ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。一方、K=1でない場合には、大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットせずに、大当たり遊技処理を終了する。すなわち、K=1である場合というのはラウンドの開始を意味するので、ラウンドの開始のときのみ、大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを送信するようにしている。
本実施形態においては、図9に示すとおり、1回のラウンド遊技につき大入賞口の開放回数を1回に設定しているため、当該ステップS340−5において必ず大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドがセットされる。ただし、1回のラウンド遊技につき、大入賞口25を複数回開放することとした場合には、上記のとおりK=1である場合にのみ大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを送信することとなる。
【0201】
(ステップS340−6)
ステップS340−6において、メインCPU101aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS340−19に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS340−7に処理が移される。
【0202】
(ステップS340−7)
ステップS340−7において、メインCPU101aは、大入賞口25の閉鎖中であるか否かを判定する。大入賞口25の閉鎖中と判定された場合には、ステップS340−8に処理を移し、大入賞口25の閉鎖中でないと判定された場合には、ステップS340−9に処理を移す。
【0203】
(ステップS340−8)
ステップS340−8において、メインCPU101aは、後述するステップS340−10において設定された閉鎖時間が経過したか判定する。なお、閉鎖時間も、オープニング時間と同様に特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、閉鎖時間を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間を経過している場合にはステップS340−4に処理を移す。
【0204】
(ステップS340−9)
ステップS340−9において、メインCPU101aは、大入賞口25の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。
この「開放終了条件」は、大入賞口入球カウンタ(C)の値が最大個数(例えば9個)に達したこと、または最大開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が該当する。
そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS340−10に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
【0205】
(ステップS340−10)
ステップS340−10において、メインCPU101aは、大入賞口閉鎖処理を行う。
大入賞口閉鎖処理は、大入賞口25を閉鎖するために、大入賞口開閉ソレノイド25cの通電停止データをセットするとともに、上記ステップ340−3において決定された開放態様決定テーブル(図9参照)を参照して、現在のラウンド遊技回数(R)および開放回数(K)に基づいて、大入賞口25の閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、大入賞口25が閉鎖することになる。
【0206】
(ステップS340−11)
ステップS340−11において、メインCPU101aは、1回のラウンドが終了したか否かを判定する。具体的には、1回のラウンドは、開放回数(K)が最大開放回数となること、または大入賞口入球カウンタ(C)の値が最大個数(例えば9個)に達したことを条件に終了するので、かかる条件が成立したか否かを判定する。
そして、1回のラウンドが終了したと判定した場合にはステップS340−12に処理を移し、1回のラウンドが終了していないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
【0207】
(ステップS340−12)
ステップS340−12において、メインCPU101aは、開放回数(K)記憶領域に0をセットするとともに、大入賞口入球数(C)記憶領域に0をセットする。すなわち、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域をクリアする。
【0208】
(ステップS340−13)
ステップS340−13において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)が最大であるか否かを判定する。ラウンド遊技回数(R)が最大である場合には、ステップS340−16に処理を移し、ラウンド遊技回数(R)が最大でない場合には、ステップS340−14に処理を移す。
【0209】
(ステップS340−14)
ステップS340−14において、メインCPU101aは、演出制御基板102にラウンド遊技の終了情報を送信するため、ラウンド遊技回数(R)に応じてラウンド終了指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0210】
(ステップS340−15)
次に、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。
【0211】
(ステップS340−16)
一方、上記ステップS340−13において、ラウンド遊技回数(R)が最大であると判定した場合には、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)をリセットする。
【0212】
(ステップS340−17)
次に、メインCPU101aは、停止図柄データに応じて、「長当たり」か「短当たり」のいずれの大当たりであるかを判定し、大当たりの種別に応じたエンディングコマンドを演出制御基板102に送信するために演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0213】
(ステップS340−18)
ステップS340−18において、メインCPU101aは、停止図柄データに応じて、「長当たり」か「短当たり」のいずれの大当たりであるかを判定し、大当たりの種別に応じたエンディング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
【0214】
(ステップS340−19)
ステップS340−19において、メインCPU101aは、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判定し、エンディング時間を経過したと判定した場合にはステップS340−20に処理を移し、エンディング時間を経過していないと判定した場合には、そのまま当該大当たり遊技処理を終了する。
【0215】
(ステップS340−20)
次に、メインCPU101aは、特図特電処理データに5をセットし、図28に示す特別遊技終了処理に処理を移す。
【0216】
次に、図27を用いて、小当たり遊技処理を説明する。
【0217】
(ステップS350−1)
まず、ステップS350−1において、メインCPU101aは、現在オープニング中であるか否かを判定する。現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS350−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判定した場合には、S350−5に処理を移す。
【0218】
(ステップS350−2)
ステップS350−2において、メインCPU101aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、オープニング時間を経過したと判定する。その結果、オープニング時間を経過していない場合には、当該小当たり遊技処理を終了し、オープニング時間を経過している場合にはステップS350−3に処理を移す。
【0219】
(ステップS350−3)
ステップS350−3において、メインCPU101aは、小当たり開始設定処理を行う。
小当たり開始設定処理は、停止図柄データに応じて、小当たりの種別に応じた開放態様決定テーブルを決定する。
具体的には、図8に示すように、停止図柄データに応じて、小当たり用開放態様決定テーブル(図9(c))を決定する。
【0220】
(ステップS350−4)
ステップS350−4において、メインCPU101aは、大入賞口開放処理を行う。
大入賞口開放処理は、まず開放回数(K)記憶領域に記憶されている開放回数(K)に「1」を加算して記憶する。また、大入賞口開閉扉25bを開放するために大入賞口開閉ソレノイド25cの通電開始データをセットするとともに、上記ステップ350−3において決定された開放態様決定テーブル(図9参照)を参照して、開放回数(K)に基づいて、大入賞口25の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
【0221】
(ステップS350−5)
ステップS350−5において、メインCPU101aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、予め設定された開放回数(K)の遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS350−14に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS350−6に処理が移される。
【0222】
(ステップS350−6)
ステップS350−6において、メインCPU101aは、大入賞口25の閉鎖中であるか否かを判定する。大入賞口25の閉鎖中と判定された場合には、ステップS350−7に処理を移し、大入賞口25の閉鎖中でないと判定された場合には、ステップS350−8に処理を移す。
【0223】
(ステップS350−7)
ステップS350−7において、メインCPU101aは、後述するステップS350−9において設定された閉鎖時間が経過したか判定される。なお、閉鎖時間も、オープニング時間と同様に特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、閉鎖時間を経過していない場合には、当該小当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間を経過している場合にはステップS350−4に処理を移す。
【0224】
(ステップS350−8)
ステップS350−8において、メインCPU101aは、大入賞口25の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。
この「開放終了条件」は、大入賞口入球カウンタ(C)の値が最大個数(例えば9個)に達したこと、または大入賞口25の1回の開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が該当する。
そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS350−9に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該小当たり遊技処理を終了する。
【0225】
(ステップS350−9)
ステップS350−9において、メインCPU101aは、大入賞口閉鎖処理を行う。
大入賞口閉鎖処理は、大入賞口開閉扉25bを閉鎖するために大入賞口開閉ソレノイド25cの通電停止データをセットするとともに、上記ステップ350−3において決定された開放態様決定テーブル(図9参照)を参照して、現在の開放回数(K)に基づいて、大入賞口25の閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、大入賞口25が閉鎖することになる。
【0226】
(ステップS350−10)
ステップS350−10において、メインCPU101aは、小当たり終了条件が成立したか否かを判定する。小当たり終了条件としては、開放回数(K)が最大開放回数となること、または大入賞口入球カウンタ(C)の値が最大個数(例えば9個)に達したことである。
そして、小当たり終了条件が成立したと判定した場合にはステップS350−11に処理を移し、小当たり終了条件が成立していないと判定した場合には当該小当たり遊技処理を終了する。
【0227】
(ステップS350−11)
ステップS350−11において、メインCPU101aは、開放回数(K)記憶領域に0をセットするとともに、大入賞口入球数(C)記憶領域に0をセットする。すなわち、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域をクリアする。
【0228】
(ステップS350−12)
ステップS350−12において、メインCPU101aは、停止図柄データに応じて、小当たりの種別に応じたエンディングコマンドを演出制御基板102に送信するために演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0229】
(ステップS350−13)
ステップS350−13において、メインCPU101aは、停止図柄データに応じて、小当たりの種別に応じたエンディング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
【0230】
(ステップS350−14)
ステップS350−14において、メインCPU101aは、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判定し、エンディング時間を経過したと判定した場合には、ステップS350−15に処理を移し、エンディング時間を経過していないと判定した場合には、小当たり遊技処理を終了する。
【0231】
(ステップS350−15)
ステップS350−15において、メインCPU101aは、特図特電処理データに5をセットし、後述する図28に示す特別遊技終了処理に処理を移す。
【0232】
図28を用いて、特別遊技終了処理を説明する。
【0233】
(ステップS360−1)
ステップS360−1において、メインCPU101aは、停止図柄データ記憶領域にセットされた停止図柄データおよび遊技状態バッファにある遊技情報をロードする。
【0234】
(ステップS360−2)
ステップS360−2において、メインCPU101aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S360−1においてロードした停止図柄データおよび遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、大当たり終了時に高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグをセットさせるか否かの処理を行う。例えば、停止図柄データが「02」であれば、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットする(ONにする)。
【0235】
(ステップS360−3)
ステップS360−3において、メインCPU101aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S360−1においてロードした停止図柄データおよび遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、高確率遊技回数(X)記憶領域に所定の回数をセットさせる。例えば、停止図柄データが「02」であれば、高確率遊技回数(X)記憶領域に75回をセットする。
【0236】
(ステップS360−4)
ステップS360−4において、メインCPU101aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S360−1においてロードした停止図柄データおよび遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、時短遊技フラグ記憶領域にフラグをセットさせるか否かの処理を行う。例えば、停止図柄データが「01」の場合には,時短遊技フラグ記憶領域にフラグをセットする(ONにする)(図7参照)。
【0237】
(ステップS360−5)
ステップS360−5において、メインCPU101aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S360−1においてロードした停止図柄データおよび遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、時短遊技回数(J)記憶領域に所定の回数をセットさせる。例えば、停止図柄データが「01」の場合には,時短遊技回数(J)記憶領域に70回をセットする。
【0238】
(ステップS360−6)
ステップS360−6において、メインCPU101aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、上記S360−1においてロードした停止図柄データおよび遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、特定期間回数カウンタ(T)に所定の回数をセットさせる。具体的には、停止図柄データが「07」〜「10」であって、遊技状態バッファが00Hである場合には、特定期間回数カウンタ(T)に50回をセットする。
【0239】
(ステップS360−7)
ステップS360−7において、メインCPU101aは、遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0240】
(ステップS360−8)
ステップS360−8において、メインCPU101aは、特図特電処理データに0をセットし、図22に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
【0241】
図29を用いて、普図普電制御処理を説明する。
【0242】
(ステップS401)(ステップS402)
まず、ステップS401において普図普電処理データの値をロードし、ステップS402においてロードした普図普電処理データから分岐アドレスを参照し、普図普電処理データ=0であれば普通図柄変動処理(ステップS410)に処理を移し、普図普電処理データタ=1であれば普通電動役物制御処理(ステップS420)に処理を移す。詳しくは、図30、図31を用いて後述する。
【0243】
図30を用いて、普通図柄変動処理を説明する。
【0244】
(ステップS410−1)
ステップS410−1において、メインCPU101aは、普通図柄の変動表示中であるか否かを判定する。普通図柄の変動表示中であればステップS410−18に処理を移し、普通図柄の変動表示中でなければステップS410−2に処理を移す。
【0245】
(ステップS410−2)
上記ステップS410−1において、変動表示中ではないと判定した場合には、メインCPU101aは、後述するステップS410−21でセットされる普通図柄の停止表示時間が経過したかを判定する。その結果、普通図柄の停止時間が経過していると判定した場合にはステップS410−3に処理を移し、普通図柄の停止時間が経過していないと判定した場合には当該普通図柄変動処理を終了する。
【0246】
(ステップS410−3)
上記ステップS410−2において、普通図柄の停止時間を経過していると判定した場合には、メインCPU101aは、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶された普通図柄の保留数(G)が1以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶された普通図柄の保留数(G)が1以上である場合にはステップS410−4に処理を移し、保留数(G)が「0」の場合には普通図柄の変動表示は行われないため、普通図柄変動処理を終了する。
【0247】
(ステップS410−4)
上記ステップS410−2において、普通図柄の保留数(G)が「1」以上であると判定した場合には、メインCPU101aは、特別図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値(G)から「1」を減算した新たな保留数(G)を記憶する。
【0248】
(ステップS410−5)
次に、メインCPU101aは、普通図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、1つ前の記憶部に記憶されているデータは、所定の処理領域に書き込まれるとともに、普通図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。
【0249】
(ステップS410−6)(ステップS410−7)
次に、メインCPU101aは、普通図柄保留記憶領域に記憶された当たり判定用乱数値の判定を行う。なお、複数の当たり判定用乱数値が記憶されている場合には、当該当たり判定用乱数値が記憶された順に読み出されるようにしている。
具体的には、図4(c)に示す当たり判定テーブルを参照し、処理領域にシフトされた当たり判定用乱数値を上記のテーブルに照らし合わせて当たりか否かの判定を行う。例えば、上記テーブルによれば、非時短遊技状態であれば「0」〜「19」の当たり乱数のうち「0」の1個の当たり判定用乱数値が当たりと判定され、時短遊技状態であれば「0」〜「19」の当たり乱数のうち「0」〜「18」の19個の当たり判定用乱数値が当たりと判定され、その他の乱数はハズレと判定される。
その結果、当たりと判定された場合には、ステップS410−8に処理を移し、当たりと判定されなかった場合にはステップS410−12に処理を移す。
【0250】
(ステップS410−8)〜(ステップS410−11)
上記ステップS410−7において、当たりと判定された場合には、メインCPU101aは、図柄判定処理を行う(ステップS410−8)。ここでは、図6(a)に示す普通図柄決定テーブルを参照して、処理領域にシフトされた図柄判定用乱数値を判定して、長開放図柄または短開放図柄のいずれかを決定する。具体的には、処理領域にシフトされた図柄判定用乱数値が「0」または「1」の場合には長開放図柄と判定し、「2」〜「10」の場合には短開放図柄と判定する。
そして、ステップS410−8における図柄判定処理の結果が、長開放図柄と判定された場合には長開放図柄をセットし(ステップS410−10)、短開放図柄と判定された場合には短開放図柄をセットする(ステップS410−11)。
【0251】
(ステップS410−12)
また、上記ステップS410−7において、当たりと判定されなかった場合には、メインCPU101aは、ハズレ図柄をセットする。
【0252】
(ステップS410−13)
次に、メインCPU101aは、普図変動パターン指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。なお、普図変動パターン指定コマンドというのは、決定された普通図柄が長開放図柄、短開放図柄およびハズレ図柄のいずれであるのかを示すものであり、当該コマンドが演出制御基板102に送信されると、演出制御基板102において普通図柄の抽選に係る演出(普通図柄の変動演出)が実行される。
【0253】
(ステップS410−14)
次に、メインCPU101aは、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判定する。時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされている場合というのは、遊技状態が時短遊技状態にあるときであり、上記フラグがONされていない場合というのは、遊技状態が非時短遊技状態にあるときである。時短遊技フラグがONしていると判定した場合にはステップS410−15に処理を移し、時短遊技フラグがONしていないと判定した場合にはステップS410−16に処理を移す。
【0254】
(ステップS410−15)(ステップS410−16)
上記ステップS410−14において、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされていると判定した場合には、メインCPU101aは、普通図柄時間カウンタに1秒に対応するカウンタをセットし(ステップS410−15)、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされていないと判定した場合には、普通図柄時間カウンタに10秒に対応するカウンタをセットする(ステップS410−16)。このステップS410−15またはステップS410−16の処理によって、普通図柄の変動表示の時間が決定されることとなる。なお、普通図柄時間カウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
【0255】
(ステップS410−17)
次に、メインCPU101aは、普通図柄表示装置21において普通図柄の変動表示を開始する。普通図柄の変動表示というのは、普通図柄表示装置21においてLEDを所定の間隔で点滅させ、あたかも現在抽選中であるかのような印象を遊技者に与えるものである。この普通図柄の変動表示は、上記ステップS410−15またはステップS410−16において設定された時間だけ継続して行われることとなる。本処理を終了すると、普通図柄変動処理が終了する。
【0256】
(ステップS410−18)
また、上記ステップS410−1において、変動表示中であると判定した場合には、メインCPU101aは、設定された変動時間を経過したか否かを判定する。すなわち、普通図柄時間カウンタが4ms毎に減算処理されていき、セットされた普通図柄時間カウンタが0となっているか判定する。その結果、設定された変動時間を経過していないと判定した場合には、そのまま変動表示を継続して行う必要があるため、普通図柄変動処理を終了して次のサブルーチンを実行する。
【0257】
(ステップS410−19)
上記ステップS410−18において、設定された変動時間を経過したと判定した場合には、メインCPU101aは、普通図柄表示装置21における普通図柄の変動を停止する。このとき、普通図柄表示装置21には、それ以前のルーチン処理によって設定された普通図柄(長開放図柄、短開放図柄またはハズレ図柄)が停止表示する。これにより、普通図柄の抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。
【0258】
(ステップS410−20)
次に、メインCPU101aは、普通図柄の変動表示が停止して図柄が確定したことを演出制御基板102に送信すべく、普通図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。なお、普通図柄確定コマンドは、停止表示した図柄がいずれの図柄であるかを識別可能となっている。
【0259】
(ステップS410−21)
次に、メインCPU101aは、普通図柄表示装置21に普通図柄を停止表示させる時間をセットする。ここでは、確定した図柄を遊技者が認識できるように、普通図柄の停止時間を1秒として、普通図柄時間カウンタに1秒に対応するカウンタをセットする。
【0260】
(ステップS410−22)(ステップS410−23)
次に、メインCPU101aは、設定されていた普通図柄が当たり図柄(長開放図柄または短開放図柄)であるか否かを判定し、設定されていた普通図柄が当たり図柄であった場合には、ステップS410−23において普図普電処理データ=1をセットし、普通電動役物制御処理に処理を移し、設定されていた普通図柄がハズレ図柄であった場合には、そのまま普通図柄変動処理を終了する。
【0261】
図31を用いて、普通電動役物制御処理を説明する。なお、この普通電動役物制御処理は、図30に示す普通図柄変動処理のステップS410−22において、「当たり」と判定された場合に実行される。
【0262】
(ステップS420−1)
メインCPU101aは、ステップS410−21でセットされた普通図柄停止時間が経過したかを判定する。その結果、普通図柄停止時間が経過したと判定した場合にはステップS420−2に処理を移し、普通図柄停止時間は経過していないと判定した場合には当該普通電動役物制御処理を終了する。
【0263】
(ステップS420−2)
上記ステップS420−1において、普通図柄停止時間が経過したと判定した場合には、メインCPU101aは、既に始動口開閉ソレノイド10cが開放制御中であるかを判定する。その結果、始動口開閉ソレノイド10cが開放制御中であると判定した場合にはステップS420−12に処理を移し、始動口開閉ソレノイド10cは開放制御中ではないと判定した場合にはステップS420−3に処理を移す。
【0264】
(ステップS420−3)
上記ステップS420−2において、始動口開閉ソレノイド10cは開放制御中ではないと判定した場合には、メインCPU101aは、時短遊技フラグがオンしているか、すなわち現在の遊技状態が時短遊技状態であるかを判定する。その結果、現在の遊技状態が時短遊技状態であると判定した場合にはステップS420−8に処理を移し、現在の遊技状態が時短遊技状態でないと判定した場合にはステップS420−4に処理を移す。
【0265】
(ステップS420−4)
上記ステップS420−3において、現在の遊技状態は時短遊技状態ではないと判定した場合には、メインCPU101aは、普通図柄表示装置21に停止表示されている図柄、つまり、上記ステップS410−21でセットされた図柄が長開放図柄であるかを判定する。その結果、停止表示されている図柄が長開放図柄であると判定した場合にはステップS420−5に処理を移し、停止表示されている図柄が長開放図柄ではないと判定した場合にはステップS420−7に処理を移す。
【0266】
(ステップS420−5)
上記ステップS420−4において、停止表示されている図柄が長開放図柄であると判定した場合には、メインCPU101aは、普電開放時間カウンタに4.2秒に対応するカウンタをセットする。
【0267】
(ステップS420−6)
次に、メインCPU101aは、第2始動口10の開放が開始することを演出制御基板102に伝送すべく、長開放開始コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。なお、本実施形態においては、非時短遊技状態であって、かつ、長開放図柄が決定された場合にのみ、始動口開閉ソレノイド10cの通電開始時に長開放図柄が演出制御基板102に送信される。ただし、始動口開閉ソレノイド10cの通電開始時に、普通図柄の種類や遊技状態を識別可能に演出制御基板102に送信しても構わない。
【0268】
(ステップS420−7)
一方、上記ステップS420−4において、停止表示されている図柄は長開放図柄ではないと判定した場合(短開放図柄と判定した場合)には、メインCPU101aは、普電開放時間カウンタに0.2秒に対応するカウンタをセットする。
【0269】
(ステップS420−8)
また、上記ステップS420−3において、現在の遊技状態が時短遊技状態であると判定した場合にも、メインCPU101aは、上記ステップS420−4と同様に、普通図柄表示装置21に停止表示されている図柄が長開放図柄であるかを判定する。その結果、停止表示されている図柄が長開放図柄であると判定した場合にはステップS420−9に処理を移し、停止表示されている図柄が長開放図柄ではないと判定した場合にはステップS420−10に処理を移す。
【0270】
(ステップS420−9)
上記ステップS420−8において、停止表示されている図柄が長開放図柄であると判定した場合には、メインCPU101aは、普電開放時間カウンタに5秒に対応するカウンタをセットする。
【0271】
(ステップS420−10)
一方、上記ステップS420−8において、停止表示されている図柄は長開放図柄ではないと判定した場合(短開放図柄であると判定した場合)には、メインCPU101aは、普電開放時間カウンタに3秒に対応するカウンタをセットする。
【0272】
(ステップS420−11)
ステップS420−11において、メインCPU101aは、始動口開閉ソレノイド10cを通電するためのテーブルをセットする。具体的には、ステップS420−5の処理が行われた場合には、図14(a)に示す長開放TBL1をセットし、ステップS420−7の処理が行われた場合には、図14(c)に示す短開放TBL1をセットする。また、ステップS420−9の処理が行われた場合には、図14(b)に示す長開放TBL2をセットし、ステップS420−10の処理が行われた場合には、図14(d)に示す短開放TBL2をセットする。そして、セットしたテーブルに基づいて始動口開閉ソレノイド10cに通電を開始する。これにより、第2始動口10が開放して第2の態様に制御されることとなる。
【0273】
(ステップS420−12)
ステップS420−12において、メインCPU101aは、設定された普電開放時間を経過したか否かを判定する。すなわち、普電開放時間カウンタが4ms毎に減算処理されていき、セットされた普電開放時間カウンタ=0となったか否かを判定する。その結果、普電開放時間カウンタ=0となったと判定した場合にはステップS420−13に処理を移し、普電開放時間カウンタ=0となっていないと判定した場合には当該普通電動役物制御処理を終了する。
【0274】
(ステップS420−13)
上記ステップS420−12において、設定された普電開放時間を経過したと判定された場合には、メインCPU101aは、始動口開閉ソレノイド10cの通電を停止する。これにより、第2始動口10は第1の態様に復帰し、再び遊技球の入球が不可能または困難となり、実行されていた補助遊技が終了することとなる。
【0275】
(ステップS420−14)
次に、メインCPU101aは、普図普電処理データ=0をセットして図30の普通図柄変動処理に処理を移し、普通電動役物制御処理は終了する。
【0276】
次に、演出制御基板102におけるサブCPU102aにより実行される処理について説明する。
【0277】
(演出制御基板102のメイン処理)
図32を用いて、演出制御基板102のメイン処理を説明する。
【0278】
(ステップS1000)
ステップS1000において、サブCPU102aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU102aは、電源投入に応じて、サブROM102bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM102cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1100に処理を移す。
【0279】
(ステップS1100)
ステップS1100において、サブCPU102aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU102aは、サブRAM102cに記憶される種々の乱数値を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、上記ステップS1100の処理を繰り返し行う。
【0280】
(演出制御基板102のタイマ割込処理)
図33を用いて、演出制御基板102のタイマ割込処理を説明する。
図示はしないが、演出制御基板102に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
【0281】
(ステップS1400)
まず、ステップS1400において、サブCPU102aは、サブCPU102aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
【0282】
(ステップS1500)
ステップS1500において、サブCPU102aは、演出制御基板102で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
【0283】
(ステップS1600)
ステップS1600において、サブCPU102aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU102aは、サブRAM102cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、図34および図35を用いて後述する。なお、演出制御基板102は、主制御基板101から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板102のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS1600において受信したコマンドの解析処理が行われる。
【0284】
(ステップS1750)
ステップS1750において、サブCPU102aは、フラグ設定処理を行う。詳しくは後述するが、本実施形態においては、液晶表示装置13の表示領域上で普通図柄の変動演出が行われるが、この普通図柄の変動演出は、特別図柄の変動演出の内容や進捗状況に応じて、開始が制限される場合がある。サブCPU102aは、このフラグ設定処理において、普通図柄の変動演出の開始を制限したり許可したりするための種々のフラグをオンまたはオフすることとなる。このフラグ設定処理については、図40を用いて後述する。
【0285】
(ステップS1770)
ステップS1770において、サブCPU102aは、演出ボタン検出スイッチ17aの信号のチェックを行い、演出ボタン17に関する演出入力制御処理を行う。具体的には、演出ボタン17の押圧操作が演出ボタン検出スイッチ17aによって検出された場合には、演出ボタン入力コマンドを送信バッファに格納する。送信バッファに演出ボタン入力コマンドが格納されると、次のデータ出力処理において画像制御基板105に演出ボタン入力コマンドが送信され、演出ボタン17が押圧操作されたことが画像制御基板105に伝達される。
【0286】
(ステップS1800)
ステップS1800において、サブCPU102aは、サブRAM102cの送信バッファにセットされている各種データを画像制御基板105やランプ制御基板104へ送信する。
【0287】
(ステップS1900)
ステップS1900において、サブCPU102aは、ステップS1400で退避した情報をサブCPU102aのレジスタに復帰させる。
【0288】
(演出制御基板のコマンド解析処理)
図34および図35を用いて、演出制御基板102のコマンド解析処理を説明する。なお、図35のコマンド解析処理2は、図34のコマンド解析処理1に引き続いて行われるものである。
【0289】
(ステップS1601)
ステップS1601において、サブCPU102aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したかを確認する。
サブCPU102aは、受信バッファにコマンドがなければコマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあればステップS1610に処理を移す。
【0290】
(ステップS1610)
ステップS1610において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを確認する。なお、デモ指定コマンドは、主制御基板101のステップS319−3においてセットされる。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであれば、ステップS1611に処理を移し、デモ指定コマンドでなければステップS1620に処理を移す。
【0291】
(ステップS1611)
ステップS1611において、サブCPU102aは、デモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定処理を行う。
具体的には、デモ演出パターンを決定し、決定したデモ演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定したデモ演出パターンの情報を画像制御基板105とランプ制御基板104に送信するため、決定したデモ演出パターンに基づくデータをサブRAM102bの送信バッファにセットする。
【0292】
(ステップS1620)
ステップS1620において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、始動入賞指定コマンドであるか否かを確認する。なお、始動入賞指定コマンドは、主制御基板101のステップS231−9またはステップS231−12においてセットされる。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが始動入賞指定コマンドであれば、ステップS1621に処理を移し、始動入賞指定コマンドでなければステップS1630に処理を移す。
【0293】
(ステップS1621)
ステップS1621において、サブCPU102aは、受信した始動入賞指定コマンドを解析するとともに、当該始動入賞指定コマンドに対応するデータ更新処理を実行する。始動入賞指定コマンドには、事前判定処理によって仮判定された大当たり、小当たり、ハズレに係る情報と、仮判定された変動パターンに係る情報とが対応付けられている。したがって、ここでは新たに留保された第1保留(U1)または第2保留(U2)についての情報が、サブRAM102cの所定の記憶領域に記憶されることとなる。
【0294】
(ステップS1622)
ステップS1622において、サブCPU102aは、始動入賞指定コマンドを解析し、保留表示を所定の態様で行うべく保留表示コマンドを画像制御基板105とランプ制御基板104に送信する保留表示態様決定処理を行う。これにより、液晶表示装置13には、第1保留(U1)および第2保留(U2)の現在の留保個数が表示されることとなる。
【0295】
(ステップS1630)
ステップS1630において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する。なお、変動パターン指定コマンドは、主制御基板101のステップS313においてセットされる。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであれば、ステップS1631に処理を移し、変動パターン指定コマンドでなければステップS1640に処理を移す。
【0296】
(ステップS1631)
ステップS1631において、サブCPU102aは、受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を行う。この変動演出パターン決定処理については、図36を用いて後述する。
【0297】
(ステップS1632)
ステップS1632において、サブCPU102aは、第1保留記憶領域および第2保留記憶領域に記憶されている保留表示データと始動入賞指定コマンドに対応するデータとをシフトさせ、シフトした後の保留表示データの情報を画像制御基板105とランプ制御基板104に送信する保留表示態様更新処理を行う。
【0298】
(ステップS1640)
ステップS1640において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄指定コマンドであるか否かを確認する。なお、演出図柄指定コマンドは、主制御基板101のステップS311−7、ステップS311−11、ステップS311−13においてセットされる。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであれば、ステップS1641に処理を移し、演出図柄指定コマンドでなければステップS1650に処理を移す。
【0299】
(ステップS1641)
ステップS1641において、サブCPU102aは、受信した演出図柄指定コマンドの内容に基づいて、演出表示装置13に停止表示させる演出図柄30を決定する演出図柄決定処理を行う。
具体的には、演出図柄指定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に応じて演出図柄30の組み合わせを構成する演出図柄データを決定し、決定された演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットする。
【0300】
(ステップS1650)
ステップS1650において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを確認する。なお、図柄確定コマンドは、主制御基板101のステップS320−3においてセットされる。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであれば、ステップS1651に処理を移し、図柄確定コマンドでなければステップS1660に処理を移す。
【0301】
(ステップS1651)
ステップS1651において、サブCPU102aは、演出図柄30を停止表示させるために、上記ステップS1641で決定された演出図柄データに基づくデータと、演出図柄を停止表示させるための停止指示データをサブRAM102bの送信バッファにセットする演出図柄停止処理を行う。この演出図柄停止処理については、図37を用いて後述する。
【0302】
(ステップS1660)
ステップS1660において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、普図変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する。なお、普図変動パターン指定コマンドは、主制御基板101のステップS410−13においてセットされる。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが普図変動パターン指定コマンドであれば、ステップS1661に処理を移し、普図変動パターン指定コマンドでなければステップS1670に処理を移す。
【0303】
(ステップS1661)
ステップS1661において、サブCPU102aは、受信した普図変動パターン指定コマンドに基づいて、複数の普図変動演出パターンの中から1つの普図変動演出パターンを決定する普図変動演出パターン決定処理を行う。この普図変動演出パターン決定処理については、図38を用いて後述する。
【0304】
(ステップS1670)
ステップS1670において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、長開放開始コマンドであるか否かを確認する。なお、長開放開始コマンドは、主制御基板101のステップS420−6においてセットされる。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが長開放開始コマンドであれば、ステップS1671に処理を移し、長開放開始コマンドでなければステップS1680に処理を移す。
【0305】
(ステップS1671)
ステップS1671において、サブCPU102aは、長開放中演出処理を行う。ここでは、非時短遊技状態において第2始動口10が長時間(4.2秒)開放されることを遊技者に報知すべく、後述する図47の演出が実行される。具体的な演出の態様については後述する。
【0306】
(ステップS1680)
ステップS1680において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、普通図柄確定コマンドであるか否かを確認する。なお、普通図柄確定コマンドは、主制御基板101のステップS410−20においてセットされる。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが普通図柄確定コマンドであれば、ステップS1681に処理を移し、普通図柄確定コマンドでなければステップS1690に処理を移す。
【0307】
(ステップS1681)
ステップS1681において、サブCPU102aは、普図演出図柄(図46の各図柄40a〜40d)を停止表示させるために、受信した普通図柄確定コマンドに対応する演出図柄データと、普図演出図柄を停止表示させるための停止指示データをサブRAM102bの送信バッファにセットする普通図柄変動停止処理を行う。この普通図柄変動停止処理については、図39を用いて後述する。
【0308】
(ステップS1690)
ステップS1690において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。なお、遊技状態指定コマンドは、主制御基板101のステップS314およびステップS330−8においてセットされる。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであればステップS1691に処理を移し、遊技状態指定コマンドでなければステップS1700に処理を移す。
【0309】
(ステップS1691)
ステップS1691において、サブCPU102aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態をサブRAM102cにある遊技状態記憶領域にセットする。
【0310】
(ステップS1700)
ステップS1700において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニングコマンドであるか否かを確認する。なお、オープニングコマンドは、主制御基板101のステップS330−15においてセットされる。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドであればステップS1701に処理を移し、オープニングコマンドでなければステップS1710に処理を移す。
【0311】
(ステップS1701)
ステップS1701において、サブCPU102aは、当たり開始演出パターンを決定する当たり開始演出パターン決定処理を行う。
具体的には、オープニングコマンドに基づいて当たり開始演出パターンを決定し、決定した当たり開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり開始演出パターンの情報を画像制御基板105とランプ制御基板104に送信するため、決定した当たり開始演出パターンに基づくデータをサブRAM102bの送信バッファにセットする。
【0312】
(ステップS1710)
ステップS1710において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する。なお、大入賞口開放指定コマンドは、主制御基板101のステップS340−5においてセットされる。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであればステップS1711に処理を移し、大入賞口開放指定コマンドでなければステップS1720に処理を移す。
【0313】
(ステップS1711)
ステップS1711において、サブCPU102aは、大当たり演出パターンを決定するラウンド中演出パターン決定処理を行う。
具体的には、何回目のラウンド遊技が開始するかについての情報を有する大入賞口開放指定コマンドに基づいて、開始するラウンドごとにラウンド中演出パターンを決定する。そして、決定したラウンド中演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、当該演出パターンの情報を画像制御基板105とランプ制御基板104に送信するため、対応するデータをサブRAM102bの送信バッファにセットする。
【0314】
(ステップS1720)
ステップS1720において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、ラウンド終了指定コマンドであるか否かを確認する。なお、ラウンド終了指定コマンドは、主制御基板101のステップS340−14においてセットされる。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドがラウンド終了指定コマンドであればステップS1721に処理を移し、ラウンド終了指定コマンドでなければステップS1730に処理を移す。
【0315】
(ステップS1721)
ステップS1721において、サブCPU102aは、各ラウンド間の演出パターンを決定する休止中演出パターン決定処理を行う。
【0316】
(ステップS1730)
ステップS1730において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディングコマンドであるか否かを確認する。なお、エンディングコマンドは、主制御基板101のステップS340−17およびステップS350−12においてセットされる。
サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドであればステップS1731に処理を移し、エンディングコマンドでなければコマンド解析処理を終了する。
【0317】
(ステップS1731)
ステップS1731において、サブCPU102aは、当たり終了演出パターンを決定する当たり終了演出パターン決定処理を行う。
具体的には、エンディングコマンドに基づいて当たり終了演出パターンを決定し、決定した当たり終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり終了演出パターンの情報を画像制御基板105とランプ制御基板104に送信するため、決定した当たり終了演出パターンに基づくデータをサブRAM102bの送信バッファにセットする。
【0318】
本実施形態によれば、決定された特別図柄に係る変動演出と、これとは別に決定される普通図柄に係る変動演出とが、液晶表示装置13の第1表示領域13aおよび第2表示領域13bにおいて、それぞれ行われる点に特徴がある。そして、こうした特別図柄に係る変動演出と普通図柄に係る変動演出とを行うべく、本実施形態においては、上記のコマンド解析処理のうち、変動演出パターン決定処理、演出図柄停止処理、普図変動演出パターン決定処理、普通図柄変動停止処理およびフラグ設定処理を、図36〜図40に示すように行うこととしている。
なお、ここでは、まず、上記の各処理によって実行される液晶表示装置13上の演出の具体例について図41〜図48を用いて説明することとし、その後、当該演出を実行するための処理について具体的に説明することとする。
【0319】
図41に示すように、液晶表示装置13は、全表示領域のうち下部中央の一部を除くほぼ全領域にわたって設けられた第1表示領域13aと、液晶表示装置13の下部中央に設けられた第2表示領域13bと、に区分されている。
通常、第1表示領域13aには、図41(a)に示すような背景画像が表示されており、主制御基板101から演出制御基板102に変動パターン指定コマンドが送信されると、図41(b)に示すように、液晶表示装置13の第1表示領域13aにおいて演出図柄30が変動表示(スクロール表示)を開始する。
【0320】
なお、ここでは、1〜9の数字が記された図柄によって構成される図柄構成群が3つ表示され、これらの各図柄構成群が第1表示領域13a内の左表示領域、中表示領域、右表示領域のそれぞれにおいて縦方向にスクロール表示されることを、図柄の変動表示としている。ただし、図柄の変動表示の態様はこれに限定されるものではなく、図柄が所定時間停止せずに変化(変動)するものであれば、変動表示の態様はどのようなものであってもよい。各図では、図柄が確定せずに変動表示している状態を矢印で表示している。
そして、変動表示が開始してから所定時間が経過すると、図41(c)に示すように、上記ステップS1641で決定された図柄が停止表示されるとともに、各表示領域において停止表示された図柄の組み合わせによって遊技者に付与される遊技利益が報知される。
【0321】
なお、第1表示領域13aの下方左側には、第1保留(U1)の留保個数が風車の数によって表示され、第2表示領域13aの下方右側には、第2保留(U2)の留保個数が風車または団子の数によって表示される。図41の各図においては、第1保留(U1)が3つ留保されており、第2保留(U2)が1つも留保されていない状態を示している。
【0322】
図42は、主制御基板101のステップS312において、リーチAに係る変動パターンが決定された場合の変動演出の一例を示している。
主制御基板101から演出制御基板102にリーチAに係る変動パターン指定コマンドが送信されると、図42(a)に示すように、各図柄構成群が変動表示(スクロール表示)を開始するとともに、所定時間経過後に図42(b)に示すように、中表示領域を除く左表示領域および右表示領域において同一の図柄が停止表示され、いわゆるリーチ状態となる。
このように、リーチ状態となった場合には、図42(c)に示すように、襖が閉じる背景画像が表示されるとともに、さらに所定時間経過後に、図42(d)に示すように、所定のストーリー画像が再生表示される。なお、図42(d)に示すように、ストーリー画像が表示されると、画像が見にくくなるのを防止しながらも変動中であることを識別できるように、第1表示領域13aの左上の領域に図柄構成群を小さく変動表示させるようにしている。
【0323】
図43は、主制御基板101のステップS312において、リーチBに係る変動パターンが決定された場合の変動演出の一例を示している。
例えば、図43(a)に示すように演出図柄30が停止表示した状態で、主制御基板101から演出制御基板102にリーチBに係る変動パターン指定コマンドが送信されると、図43(b)に示すように、各図柄構成群が変動表示(スクロール表示)を開始する。そして、所定時間経過後に図43(c)に示すように、所定の画像がカットイン表示された後に、図43(d)に示すように演出図柄30が一時的に停止表示される。なお、このとき、第1表示領域13aの中表示領域には、「継続」という文字が停止表示される。この表示態様は、1回の変動演出が最初から繰り返して行われることを意味するものであり、図42(e)に示すように、再度、各図柄構成群が変動表示を開始する。
【0324】
そして、上記と同様に、図43(f)に示すように、再び所定の画像がカットイン表示された後に、図43(g)に示すように演出図柄30が一時的に停止表示される。なお、この場合も、上記と同様に、1回の変動演出が最初から繰り返して行われることを意味する態様の図柄が停止表示することとなる。
したがって、図43(h)に示すように、第1表示領域13aにおいて、再度、各図柄構成群が変動表示を開始するとともに、所定時間経過後に、今度は図43(i)に示すように、中表示領域を除く左表示領域および右表示領域において同一の図柄が停止表示され、いわゆるリーチ状態となる。
このように、リーチ状態となった場合には、リーチAに係る変動演出の場合と同様に、図43(j)に示すように、襖が閉じる背景画像が表示されるとともに、さらに所定時間経過後に、図43(k)に示すように、所定のストーリー画像が再生表示される。このように、リーチBに係る変動演出においては、あたかも変動演出が3回開始されるかのような印象を与えた後にリーチ状態となり、最終的に所定の画像が再生表示されることとなる。
【0325】
次に、普通図柄の変動演出の具体例について図44〜図48を用いて説明する。
通常、第2表示領域13bには、図44(a)に示すように家紋を模した画像が表示されている。そして、主制御基板101から演出制御基板102に普図変動パターン指定コマンドが送信されると、図44(b)に示すように、液晶表示装置13の第1表示領域13aにキャラクターが登場するとともに、図44(c)に示すように、普通図柄の変動演出の内容が説明される。
その後、図45(a)に示すように、液晶表示装置13の第2表示領域13bにおいて、ルーレットがスクロール表示されるとともに、所定時間経過後に図45(b)または図45(c)に示すように、所定の図柄が停止表示されて、普通図柄の抽選結果が報知される。
なお、本実施形態においては、こうした普通図柄の変動演出が非時短遊技状態においてのみ実行され、時短遊技状態において普通図柄の変動演出が実行されることはない。そして、非時短遊技状態における普通図柄の変動時間は10秒と一様に決定されるため、図44(a)に示す普通図柄の変動演出の開始から、図45(b)または図45(c)に示す図柄の確定までに10秒を要することとなる。
【0326】
本実施形態においては、図46に示すように、普図演出図柄40は、4種類の図柄がリール上に記されており、普通図柄の変動表示が開始すると普図演出図柄40がスクロール表示を開始し、所定時間経過すると4種類の図柄40a〜40dのいずれかが第2表示領域13bに停止表示することとなる。
図柄40aは、「団子」を模した図柄によって構成されており、第2始動口10が4.2秒開放することが対応付けられている。つまり、遊技状態が非時短遊技状態である場合に、主制御基板101において長開放図柄が決定されると、普図演出図柄40の変動表示が開始してから所定時間経過後に、第2表示領域13bに図柄40aが停止表示することとなる。
【0327】
図柄40bは、「×」を模した図柄によって構成されており、第2始動口10が開放しないこと、および、0.2秒のみ開放することが対応付けられている。つまり、遊技状態が非時短遊技状態である場合に、主制御基板101において短開放図柄またはハズレ図柄が決定されると、普図演出図柄40の変動表示が開始してから所定時間経過後に、第2表示領域13bに図柄40bが停止表示することとなる。このことからも明らかなように、本実施形態においては、第2始動口10が0.2秒開放する場合であっても、第2始動口10が開放しない場合と同様に、図柄40bが停止表示されることとなる。
以上のように、普図演出図柄40のうち、図柄40aおよび図柄40bは、決定された普通図柄に対応付けられており、これら両図柄40a,40bによって、第2始動口10が長開放されるか否かを報知するようにしている。
【0328】
また、図柄40cは、「激熱」という文字図柄によって構成されており、現在、第1表示領域13aにおいて変動表示されている演出態様に対応付けられている。具体的には、普通図柄の変動表示が開始するときに、第1表示領域13aにおいて変動表示中の演出態様がリーチAまたはリーチBに係るものである場合に、所定の確率で図柄40cが決定される。つまり、リーチAまたはリーチBに係る変動演出が行われた場合には、高確率で大当たりに当選することから、図柄40cを停止表示することにより、第1表示領域13aにおいて大当たりの期待度の高い演出が実行されていることを示唆することとなる。
【0329】
図柄40dは、「チェンジ」という文字図柄によって構成されている。この図柄40dが停止表示すると、第1表示領域13aにおいて変動表示されている演出態様すなわち演出モードが変更することとなる。具体的には、普通図柄の変動表示が開始するときに、事前判定処理によってチャンス演出(短当たりまたは小当たり)に係る変動パターンが仮決定された保留が留保されている場合に図柄40dが決定される。言い換えれば、図柄40dが停止表示した場合には、チャンス演出を実行すると仮決定された保留が留保されていることとなる。第2表示領域13bに図柄40dが停止表示すると、第1表示領域13aにおいて変動表示中の演出の態様(背景画像や演出図柄30の態様)が変更され、これによって、現在留保されているいずれかの保留によってチャンス演出が実行されることが報知されることとなる。
【0330】
以上のように、図柄40a,40bには決定された普通図柄が対応付けられているのに対して、図柄40c,40dには特別図柄(特別図柄の変動パターン)が対応付けられている。このように、第2表示領域13bにおいては、長開放図柄が決定されたか否かを報知しながら、場合によっては、特別図柄の変動パターンに対する示唆が織り交ぜられて実行されることとなる。
なお、第2表示領域13bに図柄40aが停止表示した場合には、図47(a)〜(c)に示すように、第2表示領域13bにおいて、第2始動口10が開放していることを報知する演出が実行される。この演出は、長開放開始コマンドの受信により、上記ステップS1671の長開放中演出処理によって実行される。そして、この間に第2始動口10に遊技球が入球すると、当該第2始動口10への遊技球の入球数が、第1表示領域13aの右側に縦方向に表示される団子の数によって表示され、また、獲得された第2保留(U2)の数が、第2表示領域13aの下方右側に団子の数によって表示される。
【0331】
また、例えば、図48(a)に示すように、第1表示領域13aにおいて演出図柄30が変動表示しているときに、図48(b)に示すように、第2表示領域13bに図柄40dが停止表示したとする。この場合には、図48(c)に示すように、変更する演出モードを示すカットイン画像が第1表示領域13aに表示された後に、図48(d)に示すように、背景画像や演出図柄30などの第1表示領域13aの表示態様が、変更された演出モードに対応する表示態様に変更される。
このように、第1表示領域13aにおける変動演出と、第2表示領域13bにおける変動演出とは、互いに関係性を有するものであるが、第2表示領域13bにおける変動演出を開始するにあたっては、さまざまな制約が設けられている。以下に、第2表示領域13bにおける変動演出を開始するにあたって設けられた制約について説明する。
【0332】
図49は、図42のリーチAに係る変動演出の経過を示すタイムチャートである。図49において、(1)は、リーチAに係る変動演出が開始してからの経過時間を示しており、変動演出の開始から終了までが60秒であることを示している。(2)は、第1表示領域13aにおける経過時間ごとの変動演出の内容を示している。具体的には、経過時間が0のとき、図42(a)に示すように変動演出が開始となり、7〜8秒が経過したところで、図42(b)に示すようにいわゆるリーチ態様となる。そして、約10秒が経過したところで、図42(c)に示すように、背景画像において襖が閉じられるとともに、約20秒が経過したところで、図42(d)に示すように、所定の画像が再生表示される。
【0333】
図49の(3)は、演出制御基板102において、制限フラグがオンまたはオフされるタイミングを示している。この制限フラグというのは、第2表示領域13bにおいて普図変動演出の開始を制限したり許可したりするためのものであり、制限フラグがオンした状態では普通図柄の変動演出の開始が制限され、制限フラグがオフした状態で普通図柄の変動演出が開始可能となる。このリーチAに係る変動演出においては、特別図柄の変動演出がいわゆるリーチ状態となり、背景画像において襖が閉じられてから当該特別図柄の変動演出が終了するまでの間、制限フラグがオンされることとなる。したがって、第1表示領域13aにおいてリーチAに係る変動演出が実行された場合、背景画像において襖が閉じられた後は第2表示領域13bにおける変動演出が開始されることはない。
【0334】
図49の(4)は、演出制御基板102において、モード移行規制フラグがオンまたはオフされるタイミングを示している。このモード移行規制フラグというのは、図46に示す普図演出図柄40のうち、図柄40dが停止表示したことに起因して行われる演出モードの移行(図48)を規制するものである。具体的には、モード移行規制フラグがオフした状態で図柄40dが停止表示した場合には、当該図柄40dが停止表示してすぐに演出モードが変更される。これに対して、モード移行規制フラグがオンした状態で図柄40dが停止表示した場合には、すぐに演出モードが変更することなく、次の特別図柄に係る変動表示の開始とともに演出モードが変更される。
既に説明したとおり、第2表示領域13bに図柄40dが停止表示すると、第1表示領域13aの演出の態様を決定するための演出モードが変更され、即座に背景画像や演出図柄30の表示態様が変更される。しかしながら、第1表示領域13aにおいて行われる変動演出の終了間際2〜3秒間が図柄確定期間として設定されており、仮にこの間に第2表示領域13bに図柄40dが停止表示した場合には、次の特別図柄の変動演出の開始とともに演出モードを変更するようにしている。
【0335】
このように、演出モードの変更を、変動演出の終了間際の図柄確定期間においては行わないこととしたのは、演出図柄30の停止表示が識別できなくなってしまうのを防ぐためである。仮に、変動演出の終了間際に演出モードを変更することとなると、演出図柄30の表示態様の変更にともなって、演出図柄30が所定時間停止表示されていることを認識しにくくなってしまい、大当たりの抽選結果の報知が確実になされなくなってしまう。そこで、変動演出の終了間際に図柄40dが停止表示した場合には、即座に演出モード(第1表示領域13aの表示態様)を変更せずに、次の変動演出の開始にともなって演出モードを変更することとしたのである。
【0336】
図49の(5)は、演出制御基板102において、特定演出フラグがオンまたはオフされるタイミングを示している。この特定演出フラグは、第2表示領域13bに停止表示させる図柄として、図柄40cを決定可能であるか否かを示すものであり、特定演出フラグがオンしている状態では図柄40cが決定可能となり、特定演出フラグがオフしている状態では図柄40cが決定不可能となる。
言い換えれば、第2表示領域13bに図柄40cが停止表示されるのは、特定演出フラグがオンしている場合のみであり、本実施形態では、リーチAまたはリーチBに係る変動演出の実行中にのみ、図柄40cが停止表示される。
【0337】
また、図50は、図43のリーチBに係る変動演出の経過を示すタイムチャートである。このリーチBに係る変動演出においても、リーチAに係る変動演出と同様に、変動演出の終了間際の図柄確定期間にモード移行規制フラグがオンされるとともに、変動演出の開始から終了まで特定演出フラグがオンされる。
ただし、図50の(3)に示すように、制限フラグのオンまたはオフのタイミングが、リーチAに係る変動演出の場合と異なっている。具体的には、第1表示領域13aにおける1回の変動演出中に、普図変動演出の開始を制限する期間と、普図変動演出の開始を許可する期間と、が交互に繰り返された後に、当該変動演出が終了するまで制限フラグがオンされたままとなる。
以上のように、各演出の態様に応じてフラグのオンまたはオフのタイミングが予め設定されており、こうしたフラグの状況に応じて各変動演出が制御されることとなる。
【0338】
以下に、演出制御基板102のコマンド解析処理のうち、上記のように演出を実行するために特に特徴的な処理について、図36〜図40を用いて説明する。
演出制御基板102の受信バッファに、主制御基板101から送信された変動パターン指定コマンドが格納されると、サブCPU102aは、図36に示す変動演出パターン決定処理を実行する。この変動演出パターン決定処理は、特別図柄の変動表示中に、液晶表示装置13をはじめとする種々の演出用の装置をどのように制御するかを示す変動演出パターンを決定するものである。
【0339】
(ステップS1631−1)
まず、サブCPU102aは、上記ステップS1100で更新された演出用乱数値を取得する。
【0340】
(ステップS1631−2)
次に、サブCPU102aは、現在設定されている演出モードおよび受信した変動パターン指定コマンドに対応する演出モードテーブルをセットする。本実施形態においては、時短遊技状態や高確率遊技状態などの遊技状態、あるいは小当たり後の特定期間といった具合に、遊技の進行状況に応じて異なる演出モードが設定される。
また、演出モードテーブルは、変動パターン指定コマンドごとに複数に区分される。例えば、第1演出モード〜第4演出モードの4種類の演出モードが設けられている場合には、第1演出モードテーブルは、さらにリーチA用、リーチB用、チャンス演出用といった具合に、受信する変動パターン指定コマンドごとに区分されている。
ここでは、現在設定されている演出モードに対応するとともに、受信した変動パターン指定コマンドに対応する演出モードテーブルをセットする。なお、演出モードテーブルは、それぞれ演出図柄30の表示態様や背景画像の表示態様、さらには表示されるキャラクター等の表示態様やストーリーの内容等を決定するものである。
【0341】
(ステップS1631−3)
次に、サブCPU102aは、上記ステップS1631−2でセットされた演出モードテーブルと、上記ステップS1631−1で取得された演出用乱数値に基づいて、1の変動演出パターンを決定する。
【0342】
(ステップS1631−4)
次に、サブCPU102aは、上記ステップS1631−3で決定した変動演出パターンを画像制御基板105およびランプ制御基板104に伝送すべく、変動演出パターンコマンドを伝送データ格納領域にセットする。なお、変動演出パターンコマンドが画像制御基板105およびランプ制御基板104に送信されると、変動演出パターンコマンドに基づいて液晶表示装置13、演出用役物装置15、演出用照明装置16および音声出力装置18が制御される。
【0343】
(ステップS1631−5)
次に、サブCPU102aは、変動演出が開始してからの経過時間を計時すべく、演出時間タイマをセットする。例えば、リーチAに係る変動演出パターンが決定された場合には、60秒に対応するカウンタがセットされる。
【0344】
(ステップS1631−6)
次に、サブCPU102aは、液晶表示装置13に演出図柄30を停止表示させる期間である図柄確定期間をセットする。この図柄確定期間は、変動演出終了前3秒から変動演出が終了するまでの間である。
【0345】
(ステップS1631−7)
次に、サブCPU102aは、上記ステップS1631−3で決定された変動演出パターンが、予め設定された特定演出すなわち本実施形態ではリーチAまたはリーチBに係る変動演出であるかを判定する。その結果、特定演出であると判定した場合にはステップS1631−8に処理を移し、特定演出ではないと判定した場合にはステップS1631−9に処理を移す。
【0346】
(ステップS1631−8)
上記ステップS1631−7において、特定演出パターンが決定されたと判定した場合には、サブCPU102aは特定演出フラグをオンする。これにより、図49の(5)および図50の(5)に示すように、リーチAおよびリーチBに係る変動演出の開始時に特定演出フラグがオンされることとなる。
【0347】
(ステップS1631−9)
次に、サブCPU102aは、上記ステップS1631−3で決定された変動演出パターンに基づく変動演出中に、普図変動演出の開始を制限する制限期間があるかを判定する。この制限期間は、変動演出パターンごとに予め設定されており、例えば、リーチAまたはリーチBに係る変動演出パターンであれば図49または図50に示すように制限期間が設定されており、図10に示す短縮変動演出パターンであれば制限期間が設定されていない。決定された変動演出パターンに制限期間が設定されていると判定した場合にはステップS1631−10に処理を移し、制限期間が設定されていないと判定した場合には当該変動演出パターン決定処理を終了する。
【0348】
(ステップS1631−10)
上記ステップS1631−9において、制限期間が設定されていると判定した場合には、サブCPU102aは、変動演出パターンごとに予め設定されている制限期間(制限時間)をカウンタにセットする。例えば、リーチAに係る変動演出パターンであれば、10秒〜60秒の間を制限期間としてカウンタにセットする。
【0349】
以上のように、この変動演出パターン決定処理によれば、特定演出(リーチAまたはリーチB)が決定された場合には特定演出フラグがオンされるとともに、決定された変動演出パターンに応じたタイミングで制限フラグがオンされることとなる。
【0350】
次に、図37を用いて演出図柄停止処理について説明する。なお、この演出図柄停止処理は、特別図柄の変動表示の時間が経過したところで、主制御基板101から演出制御基板102に図柄確定コマンドが送信されることによって実行される。
【0351】
(ステップS1651−1)
まず、サブCPU102aは、液晶表示装置13において変動表示中の演出図柄30を停止表示させるべく、停止指示データをセットする。この停止指示データが画像制御基板105に送信されると、画像制御基板105において演出図柄30を停止表示させるように画像制御が行われる。
【0352】
(ステップS1651−2)
次に、サブCPU102aは、サブRAM102cに設けられた示唆演出回数(S)記憶領域に記憶された値をリセットする。なお、示唆演出回数(S)というのは、1回の特別図柄の変動演出中に、第2表示領域13bに図柄40c(激熱)が停止表示されて、第1表示領域13aで実行されている変動演出に対する示唆が何回行われたのかを示すものである。ここでは、演出図柄30の停止すなわち特別図柄の変動表示の終了にともなって、示唆演出回数(S)をリセットすることとなる。
【0353】
(ステップS1651−3)
次に、サブCPU102aは、モード移行規制フラグをリセットすなわちオフする。モード移行規制フラグは、第2表示領域13bに図柄40d(チェンジ)が停止表示したときに、演出モードが即座に変更されるのを規制するものである。このモード移行規制フラグは、特別図柄の変動演出の終了前3秒のところでオンされ、当該特別図柄の変動演出が終了するところでオフされる。
【0354】
(ステップS1651−4)
次に、サブCPU102aは、特定演出フラグをリセットする。この特定演出フラグは、特定演出(リーチAまたはリーチB)に係る変動演出の開始時にオンされ、演出図柄30が停止表示するところでオフされることとなる。
【0355】
(ステップS1651−5)
次に、サブCPU102aは、停止表示する図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。その結果、停止表示する図柄が小当たり図柄であると判定した場合にはステップS1651−6に処理を移し、停止表示する図柄が小当たり図柄ではないと判定した場合には当該演出図柄停止処理を終了する。
【0356】
(ステップS1651−6)
上記ステップS1651−5において、停止する図柄は小当たり図柄であると判定した場合には、サブCPU102aは制限フラグをオフする。
なお、第1保留(U1)または第2保留(U2)が留保されると、事前判定処理によって大当たり、小当たり、ハズレの抽選結果および変動パターンが仮決定される。そして、主制御基板101において、留保された保留が小当たりであると仮決定されるとともに、当該小当たりであることを示す始動入賞指定コマンドが演出制御基板102に送信されると、液晶表示装置13の第2表示領域13bに図柄40d(チェンジ)が停止表示することがある。そして、第2表示領域13bに図柄40dが停止表示すると、以後、小当たりに係る変動演出が終了するまで、演出モードが変更されることとなる。
本実施形態においては、この小当たりに係る変動演出が終了するまでの間の演出モード中は、普図変動演出を開始しないこととしているため、制限フラグがオンされている。したがって、停止表示した図柄が小当たり図柄であった場合には、制限フラグをオフするとともに、以後、普図変動演出が開始可能となるようにしている。
【0357】
次に、図38を用いて普図変動演出パターン決定処理について説明する。なお、この普図変動演出パターン決定処理は、主制御基板101から演出制御基板102に普図変動パターン指定コマンドが送信されることによって実行される。
また、この普図変動演出パターン決定処理は、液晶表示装置13の第2表示領域13bにおいて実行される普通図柄の変動演出の態様、すなわち、図柄40a〜40dのいずれを第2表示領域13bに停止表示させるかを決定するための処理である。
【0358】
(ステップS1661−1)
まず、サブCPU102aは、サブRAM102cに設けられ、現在の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンしているか否かを判定する。その結果、時短遊技フラグがオンしていると判定した場合には当該普図変動演出パターン決定処理を終了し、時短遊技フラグがオンしていないと判定した場合にはステップS1661−2に処理を移す。
【0359】
(ステップS1661−2)
上記ステップS1661−1において、時短遊技フラグはオンしていないと判定した場合には、サブCPU102aは、普通図柄の変動演出の開始を制限する制限フラグがオンしているか否かを判定する。その結果、制限フラグがオンしていると判定した場合には当該普図変動演出パターン決定処理を終了し、制限フラグがオンしていないと判定した場合にはステップS1661−3に処理を移す。
【0360】
(ステップS1661−3)
上記ステップS1661−2において、制限フラグはオンしていないと判定した場合には、サブCPU102aは、受信した普図変動パターン指定コマンドが長開放図柄に係るコマンドであるかを判定する。その結果、長開放図柄に係るコマンドであると判定した場合にはステップS1661−4に処理を移し、長開放図柄に係るコマンドではないと判定した場合にはステップS1661−5に処理を移す。
【0361】
(ステップS1661−4)
上記ステップS1661−3において、受信した普図変動パターン指定コマンドが、長開放図柄に係るコマンドであると判定した場合には、サブCPU102aは、図44および図45(c)に示す普図変動演出を実行するための長開放演出パターンコマンドを送信バッファにセットする。この長開放演出パターンコマンドを画像制御基板105が受信すると、画像制御基板105の画像CPUによって、図44および図45(c)に示す変動演出が実行される。
【0362】
(ステップS1661−5)
一方、上記ステップS1661−3において、受信した普図変動パターン指定コマンドは、長開放図柄に係るコマンドではないと判定した場合には、サブCPU102aは、特定演出フラグがオンしているか否かを判定する。その結果、特定演出フラグがオンしていると判定した場合にはステップS1661−6に処理を移し、特定演出フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS1661−11に処理を移す。
【0363】
(ステップS1661−6)
上記ステップS1661−5において、特定演出フラグがオンしていると判定した場合には、サブCPU102aは、上記ステップS1100で更新された演出用乱数値を取得する。
【0364】
(ステップS1661−7)
次に、サブCPU102aは、上記ステップS1661−6で取得した演出用乱数値に基づいて、示唆演出すなわち液晶表示装置13の第2表示領域13bに図柄40c(激熱)を停止表示するか否かを判定する。なお、この示唆演出の実行判定処理において、図柄40cを停止表示すると決定する確率は適宜設定すればよく、100%実行することとしても構わない。
【0365】
(ステップS1661−8)
上記ステップS1661−7において、示唆演出を実行すると判定した場合にはステップS1661−9に処理を移し、示唆演出を実行しないと判定した場合にはステップS1661−11に処理を移す。
【0366】
(ステップS1661−9)
上記ステップS1661−8において、示唆演出を実行すると判定した場合には、サブCPU102aは、普通図柄の変動演出において、最終的に図柄40cを停止表示すべく、示唆演出パターンコマンドをセットする。この示唆演出パターンコマンドを画像制御基板105が受信すると、画像制御基板105の画像CPUによって、図44に示す変動演出が開始されるとともに、普通図柄確定コマンドの受信によって図柄40cが停止表示される。
【0367】
(ステップS1661−10)
次に、サブCPU102aは、1回の特別図柄の変動演出中に示唆演出が行われた回数を記憶する示唆演出回数(S)記憶領域に1を記憶させる。これにより、当該特別図柄の変動演出中に示唆演出が1回行われたことが記憶される。
【0368】
(ステップS1661−11)
また、上記ステップS1661−5において特定演出フラグはオンしていないと判定した場合、または、上記ステップS1661−8において示唆演出を実行しないと判定した場合には、サブCPU102aは、事前判定処理によってチャンス演出が仮決定された第1保留(U1)または第2保留(U2)があるか否かを判定する。その結果、チャンス演出が仮決定された保留があると判定した場合にはステップS1661−12に処理を移し、チャンス演出が仮決定された保留はないと判定した場合にはステップS1661−13に処理を移す。
【0369】
(ステップS1661−12)
上記ステップS1661−11において、チャンス演出が仮決定された保留があると判定した場合には、サブCPU102aは、普通図柄の変動演出において、最終的に図柄40dを停止表示すべく、モード移行演出パターンコマンドを送信バッファにセットする。このモード移行演出パターンコマンドを画像制御基板105が受信すると、画像制御基板105の画像CPUによって、図44に示す変動演出が開始されるとともに、普通図柄確定コマンドの受信によって図柄40dが停止表示される。
【0370】
(ステップS1661−13)
上記ステップS1661−11において、チャンス演出が仮決定された保留はないと判定した場合には、サブCPU102aは、サブRAM102cに記憶された示唆演出回数(S)が「1」であるか否かを判定する。その結果、示唆演出回数(S)が「1」である場合には、普通図柄の変動演出パターンを決定せずに当該普図変動演出パターン決定処理を終了し、示唆演出回数(S)が「1」でない場合には、ステップS1661−14に処理を移す。
【0371】
(ステップS1661−14)
上記ステップS1661−13において、示唆演出回数(S)が「1」ではないと判定した場合には、サブCPU102aは、普通図柄の変動演出において、最終的に図柄40bを停止表示すべく、ハズレ演出パターンコマンドを送信バッファにセットする。このハズレ演出パターンコマンドを画像制御基板105が受信すると、画像制御基板105の画像CPUによって、図44に示す変動演出が開始されるとともに、普通図柄確定コマンドの受信によって図柄40bが停止表示される。
【0372】
以上のように、この普図変動演出パターン決定処理によれば、遊技状態が時短遊技状態である場合には、普通図柄の変動演出を実行しない決定がなされる(ステップS1661−1のNO)。したがって、第2始動口10の開閉は、特に遊技者に報知されることなく実行されることとなる。
また、主制御基板101において普通図柄の変動表示が開始するときに、第1表示領域13aにおいて所定の態様の演出が行われている場合にも、普通図柄の変動演出を実行しない決定がなされる(ステップS1661−2のNO)。本実施形態においては、第1表示領域13aに表示される背景画像において襖が閉じられた後、所定のストーリー画像が再生表示される場合や、所定の画像が表示されているときには、普通図柄の変動表示を開始しないこととしている。
これは、特別図柄の変動演出と、普通図柄の変動演出とが同時に行われると、遊技者の意識が分散化されて特別図柄の変動演出の演出効果が低減したり、遊技者に混乱を生じたりするおそれがあるためである。つまり、第1表示領域13aで所定の演出が実行されている場合には、普通図柄の変動演出を実行しないようにして、特別図柄の変動演出の演出効果を高めるとともに、遊技者に混乱を生じないようにしたのである。
【0373】
また、図38からも明らかなように、普図演出図柄40には、第2始動口10の長開放(図柄40a)>特別図柄の変動演出の示唆(図柄40c)>演出モードの変更(図柄40d)>第2始動口10の非開放または短開放(図柄40d)という順に、優先順位が設けられている。特に、第2始動口10の長開放はもっとも優先順位が高く設定されているため、第2始動口10に遊技球を入球させる機会を逸失することがないようにしている。
また、例えば、1回の特別図柄の変動演出中に既に示唆演出が行われた場合には、以後、当該特別図柄の変動演出中に、普図変動演出においてハズレが報知されることがないようにしている。これは、第2表示領域13bにおいて、「激熱」と一度表示された後に、再度「×」と表示されると、期待度の高いリーチAまたはリーチBに係る演出が実行されるものの、最終的にはハズレになるのではないかという誤解を生じなくするためである。このように、普図変動演出において特にハズレの報知を行わないこととしても、特に遊技者にとって不利が生じることはない。
【0374】
次に、図39を用いて普通図柄変動停止処理について説明する。なお、この普通図柄変動停止処理は、主制御基板101から演出制御基板102に普通図柄確定コマンドが送信されることによって実行される。
また、この普通図柄変動停止処理は、液晶表示装置13の第2表示領域13bに、図柄40a〜40dのいずれかを停止表示させるための処理である。
【0375】
(ステップS1681−1)
まず、サブCPU102aは、第2表示領域13bに停止表示させる図柄が図柄40d(チェンジ)であるかを判定する。なお、いずれの図柄を停止表示させるかについては、普図変動演出の開始時に記憶されている。その結果、停止表示させる図柄が図柄40d(チェンジ)であると判定した場合にはステップS1681−2に処理を移し、停止表示させる図柄が図柄40dではないと判定した場合にはステップS1681−6に処理を移す。
【0376】
(ステップS1681−2)
上記ステップS1681−1において、停止表示させる図柄は図柄40dであると判定した場合には、サブCPU102aは、モード移行規制フラグがオンしているか否かを判定する。その結果、モード移行規制フラグがオンしていると判定した場合にはステップS1681−4に処理を移し、モード移行規制フラグがオンしていないと判定した場合にはステップS1681−3に処理を移す。
【0377】
(ステップS1681−3)
上記ステップS1681−2において、モード移行規制フラグはオンしていないと判定した場合には、サブCPU102aは、画像制御基板105に伝送するモード移行コマンドを送信バッファにセットする。画像制御基板105の画像CPUは、モード移行コマンドを受信すると、変動表示中の画像の表示態様を、移行後の演出モードに対応する表示態様に即座に変更して表示する画像制御を行う。
【0378】
(ステップS1681−4)
ステップS1681−4において、サブCPU102aは、以後の演出モードを専用の演出モードに変更するための演出モード設定処理を行う。ここで演出モードが設定されると、以後、変動演出パターンを決定する際のテーブルが変更される。したがって、モード移行規制フラグがオンになっている場合には、次に変動演出パターンを決定して変動演出が開始するタイミングで演出モードが変更されることとなる。
【0379】
(ステップS1681−5)
次に、サブCPU102aは、サブRAM102cの所定の記憶領域において制限フラグをオンする。これにより、上記ステップS1681−4で設定される演出モード中は、普図変動演出が実行されなくなる。
【0380】
(ステップS1681−6)
次に、サブCPU102aは、第2表示領域13aにおいて変動表示中の普図演出図柄40を停止表示させるべく、停止指示データをセットする。この停止指示データが画像制御基板105に送信されると、画像CPUが、決定されている図柄40a〜40dを停止表示させるように画像制御を行う。
【0381】
次に、図40を用いてフラグ設定処理について説明する。なお、このフラグ設定処理は、図36の変動演出パターン決定処理のうちステップS1631−5でセットされたタイマのカウンタ値に基づいて、制限フラグをオンまたはオフしたり、あるいはモード移行規制フラグをオンしたりするものである。
【0382】
(ステップS1750−1)
まず、サブCPU102aは、演出時間タイマのカウント値が0であるか、すなわち、現在、特別図柄の変動演出の実行中であるかを判定する。その結果、演出時間タイマのカウント値が0であると判定した場合には当該フラグ設定処理を終了し、演出時間タイマのカウント値が0でないと判定した場合すなわち特別図柄の変動演出の実行中であると判定した場合にはステップS1750−2に処理を移す。
【0383】
(ステップS1750−2)
上記ステップS1750−1において、カウント値が0でないと判定した場合には、サブCPU102aは、普図変動演出制限期間であるかを判定する。この普図変動演出制限期間であるか否かの判定は、ステップS1631−3で決定された変動演出パターンのタイムテーブルに基づいて判定する。具体的には、リーチAに係る変動演出が実行されている場合には、図49に示すように、10秒〜60秒の間が普図変動演出制限期間に設定されている。したがって、ここでは現在実行中の変動演出パターンから、普図変動演出制限期間に設定されているか否かを判定することとなる。その結果、現在、普図変動演出制限期間であると判定した場合にはステップS1750−3に処理を移し、普図変動演出制限期間ではないと判定した場合にはステップS1750−4に処理を移す。
【0384】
(ステップS1750−3)
上記ステップS1750−2において、現在、普図変動演出制限期間であると判定した場合には、サブCPU102aは、制限フラグをオンに変更または維持する処理を行う。
【0385】
(ステップS1750−4)
一方、上記ステップS1750−2において、現在、普図変動演出制限期間ではないと判定した場合には、サブCPU102aは、制限フラグをオフに変更または維持する処理を行う。
【0386】
(ステップS1750−5)
次に、サブCPU102aは、図柄確定期間であるかを判定する。この図柄確定期間であるか否かの判定は、演出時間タイマのカウント値が残り3秒を切るものであるか否かを判定することによって行われる。その結果、図柄確定期間であると判定した場合にはステップS1750−6に処理を移し、図柄確定期間ではないと判定した場合には当該フラグ設定処理を終了する。
【0387】
(ステップS1750−6)
上記ステップS1750−5において、図柄確定期間であると判定した場合には、サブCPU102aはモード移行規制フラグをオンする。これにより、特別図柄の変動演出の終了間際に、第2表示領域13bに図柄40dが停止表示したとしても、即座に図柄や背景画像等が変更されるのを規制するようにしている。
【0388】
以上のように、本実施形態によれば、同一の液晶表示装置13の表示領域内で、特別図柄に係る変動演出と、普通図柄に係る変動演出とが実行される。そして、特別図柄の抽選結果すなわち特別遊技の実行可否を決定する大当たりの抽選に比べて、普通図柄の変動演出において当たりに当選しやすいことから、通常の遊技において遊技者に倦怠感を生じさせにくくすることができる。
また、本実施形態によれば、特別図柄の変動演出において、いわゆるリーチとなった場合には、普通図柄の変動演出の開始を制限することとしているので、2つの演出が同一の液晶表示装置13で行われていても、遊技者に混乱を生じないようにすることができる。特に、いわゆる擬似連続演出といわれるリーチBに係る演出のように、変動開始が複数回行われるような印象を与える演出においては、変動開始が何回繰り返して行われたのかに遊技者が期待感を示す。こうした演出中に普通図柄の変動演出を制限することにより、遊技者を特別図柄の変動演出に集中させることが可能となり、普通図柄の変動演出を実行することによってもたらされる特別図柄の変動演出についての演出効果の低下を防ぐことができる。
【0389】
なお、本実施形態においては第1始動口9および第2始動口10の2つの始動口を設けることとしたが、少なくとも遊技球の進入容易性が変位する1つの始動領域が設けられていればよく、その数や配置、具体的な構造は特に限定されない。
また、本実施形態においては、時短遊技状態においてのみ普通図柄の変動演出を実行することとしたが、遊技状態を問わずに常に普通図柄の変動演出を実行することとしてもよく、普通図柄の変動演出を実行する条件は上記に限らず、適宜設定すればよい。
また、本実施形態においては、普通図柄の変動演出の開始が制限される期間を設けたが、こうした期間は必ずしも設けなければならないわけではなく、適宜設定することが可能である。
【0390】
また、本実施形態においては、短開放図柄が決定されたとき、およびハズレ図柄が決定されたときに、普通図柄の変動演出においてハズレ用の変動演出が実行されるようにしたが、ハズレ用の変動演出は必ずしも実行しなければならないものではない。例えば、短開放図柄が決定されたとき、およびハズレ図柄が決定されたときに、普通図柄の変動演出を実行しないこととしても構わない。この場合には、ステップS1661−13およびステップS1661−14の処理を行わないようにプログラムすればよい。
【0391】
また、本実施形態においては、普通図柄の抽選によって長開放図柄が決定されたとき、長開放TBL1を参照して第2始動口10が開閉する。このとき、第2始動口10は、0.2秒開放した後に、4秒の閉鎖時間が経過してから、再び4秒開放することとしたが、第2始動口10の開閉の態様はこれに限られるものではなく、適宜設定することが可能である。例えば、普通図柄の抽選によって当たりかハズレかのみを決定し、当たりとなった場合に、所定の態様で第2始動口10を開閉することとしても構わない。
また、本実施形態においては、第1表示領域13aで実行中の変動演出パターンすなわち実行中の演出の態様に基づいて、示唆演出の実行可否を決定することとした。しかしながら、例えば、大当たりの抽選結果すなわち第1表示領域13aで実行中の変動演出によって報知される遊技利益に基づいて、示唆演出の実行可否を決定することとしてもよい。仮に、小当たりまたは短当たりに当選した場合に示唆演出を実行することとした場合には、例えば、ステップS1631−7において、受信した変動パターン指定コマンドが小当たりまたは短当たりであるかを判定し、小当たりまたは短当たりと判定された場合に、特定演出フラグをオンすればよい。このように、実行中の変動演出ではなく、大当たりの抽選結果に基づいて示唆演出の実行可否を決定することとしても、上記と同様の効果を実現可能である。
なお、遊技状態の内容や盤面構成、あるいは各種の設定等は一具体例に過ぎず、これらは本実施形態で説明した内容は全て、本発明を実現可能な範囲で適宜設定変更が可能である。
【0392】
本実施形態において第2始動口10内の領域が本発明の始動領域に相当する。
本実施形態における可動片10bおよび始動口開閉ソレノイド10cによって本発明の始動可変入賞装置が構成されている。
本実施形態における長当たり遊技および短当たり遊技が本発明の特別遊技に相当し、この特別遊技の進行と、高確率遊技状態、低確率遊技状態、時短遊技状態、非時短遊技状態といった各遊技状態のいずれの遊技状態に設定するのかが本発明の遊技利益に相当する。
本実施形態において、図23に示す大当たり判定処理を実行するメインCPU101aが、本発明の遊技利益決定手段に相当する。
【0393】
本実施形態において、液晶表示装置13の第1表示領域13aが本発明の第1演出部に相当し、この第1表示領域13aに表示される種々の演出(図41〜図43の演出)が、本発明の第1演出に相当する。
本実施形態において、図22に示すステップS312の変動パターン決定処理を実行するメインCPU101aおよび図36に示すステップS1631−3の変動演出パターンを決定する処理を実行するサブCPU102aが、本発明の第1演出決定手段に相当する。
本実施形態において、決定された変動演出パターンコマンドに基づいて制御を行う画像制御基板が本発明の第1演出実行手段に相当する。
【0394】
本実施形態において、図26に示す大当たり遊技処理を実行するメインCPU101aが本発明の特別遊技実行手段に相当する。
本実施形態において、普通図柄ゲート8内の領域が本発明の通過領域に相当する。
本実施形態において、図30に示す普通図柄変動処理を実行するメインCPU101aが本発明の変位態様決定手段に相当する。
本実施形態において、図31に示す普通電動役物制御処理を実行するメインCPU101aが本発明の始動可変入賞装置制御手段に相当する。
【0395】
本実施形態において、液晶表示装置13の第2表示領域13bが本発明の第2演出部に相当する。
本実施形態において、図46に示す図柄40aまたは図柄40bを停止表示させる演出が本発明の報知演出に相当し、特には図柄40aを停止表示させる演出が当たり報知演出、図柄40bを停止表示させる演出がハズレ報知演出に相当する。また、図46に示す図柄40cまたは図柄40dを停止表示させる演出が本発明の示唆演出に相当する。
本実施形態において、図38に示す普図変動演出パターン決定処理を実行するサブCPU102aが、本発明の第2演出決定手段に相当する。
本実施形態において、決定された普図変動演出パターンコマンド(長開放演出パターンコマンド、示唆演出パターンコマンド、モード移行演出パターンコマンド、ハズレ演出パターンコマンド)に基づいて制御を行う画像制御基板が、本発明の第2演出実行手段に相当する。
【符号の説明】
【0396】
6 遊技領域
8 普通図柄ゲート
10 第2始動口
10b 可動片
10c 始動口開閉ソレノイド
13 液晶表示装置
13a 第1表示領域
13b 第2表示領域
101 主制御基板
101a メインCPU
101b メインROM
101c メインRAM
102 演出制御基板
102a サブCPU
102b サブROM
102c サブRAM
105 画像制御基板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が転動可能な遊技領域と、
前記遊技領域を転動する遊技球が進入可能な始動領域と、
前記始動領域への遊技球の進入を不可能または困難とする第1の態様またはこの第1の態様よりも前記始動領域への遊技球の進入を容易とする第2の態様に変位する始動可変入賞装置と、
前記始動領域への遊技球の進入を条件として、少なくとも遊技者に有利な特別遊技を実行する権利が含まれる遊技利益を決定する遊技利益決定手段と、
前記遊技利益決定手段による決定がなされたとき、当該決定内容を報知する第1演出の態様を決定する第1演出決定手段と、
前記第1演出決定手段によって決定された態様の第1演出を第1演出部に実行させる第1演出実行手段と、
前記第1演出実行手段によって前記特別遊技が実行可能となることを報知する態様の第1演出が実行された場合に前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記遊技領域を転動する遊技球が進入可能な通過領域と、
前記通過領域への遊技球の進入を条件として、前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変位させるか否かを決定する変位態様決定手段と、
前記変位態様決定手段によって前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変位させる決定がなされた場合に、当該決定に基づいて前記始動可変入賞装置を変位させ得る始動可変入賞装置制御手段と、
前記始動可変入賞装置制御手段が、前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変位させ難い通常遊技状態、または、該通常遊技状態より前記始動可変入賞装置を前記第2の態様に変位させ易い時短遊技状態にて遊技を制御可能な遊技状態制御手段と、
前記遊技状態制御手段が前記通常遊技状態にて遊技を制御しているときに、前記変位態様決定手段によって決定がなされた当該決定内容を報知する報知演出、または、前記遊技利益決定手段によって決定された遊技利益もしくは前記第1演出実行手段によって実行されている第1演出に対する示唆を行う示唆演出のいずれを実行するかを決定する第2演出決定手段と、
前記第2演出決定手段によって決定された前記報知演出または示唆選出を第2演出部に実行させる第2演出実行手段と、を備え、
前記第2演出実行手段は、
前記第1演出実行手段によって実行される第1演出中に、前記第2演出部において所定の示唆演出を実行した場合には、当該第1演出が終了するまでの間、前記変位態様決定手段によって前記始動可変入賞装置が第2の態様に変位しない決定がなされたことを報知する報知演出の実行を制限することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第2演出決定手段は、
前記第1演出実行手段によって所定の第1演出が実行されている場合に前記示唆演出の実行を所定の確率で決定することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記第2演出決定手段は、
前記変位態様決定手段によって前記始動可変入賞装置を第2の態様に変位させる決定がなされた場合に、前記始動可変入賞装置が第2の態様に変位することを報知する当たり報知演出の実行可否を決定し、
前記変位態様決定手段によって前記始動可変入賞装置を第2の態様に変位させない決定がなされた場合に、前記示唆演出の実行可否を決定するとともに、前記示唆演出を実行しない決定がなされた場合に、前記始動可変入賞装置が第2の態様に変位しないことを報知するハズレ報知演出の実行可否を決定することを特徴とする請求項1または2記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図49】
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【図50】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【公開番号】特開2012−166101(P2012−166101A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−135026(P2012−135026)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【分割の表示】特願2010−148314(P2010−148314)の分割
【原出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】