遊技機
【課題】遊技者の離席または着席の判定時にそれまでの遊技機の状況に適した演出を行うことができる遊技機を提供すること。
【解決手段】演出制御用CPU120は、遊技者センサ32がオンの場合、着席演出実行フラグをセットし、遊技者センサ32がオフの場合、上皿に遊技球が貯留されておらず、かつ、可変表示や大当り遊技状態でなければ、遊技終了の離席であると判定して離席演出実行フラグをセットする。そして、着席演出実行フラグまたは離席演出実行フラグがセットされた場合、遊技者の着席または離席を判定するまでの遊技機の状況に応じた着席演出態様または離席演出態様を決定し、該決定された態様に基づく着席演出または離席演出を実行する。
【解決手段】演出制御用CPU120は、遊技者センサ32がオンの場合、着席演出実行フラグをセットし、遊技者センサ32がオフの場合、上皿に遊技球が貯留されておらず、かつ、可変表示や大当り遊技状態でなければ、遊技終了の離席であると判定して離席演出実行フラグをセットする。そして、着席演出実行フラグまたは離席演出実行フラグがセットされた場合、遊技者の着席または離席を判定するまでの遊技機の状況に応じた着席演出態様または離席演出態様を決定し、該決定された態様に基づく着席演出または離席演出を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技用価値を用いて遊技を行うことが可能であり、所定の演出手段を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一例として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞したことに基づいて、所定の遊技価値を付与可能としたパチンコ遊技機がある。また、遊技機の他の一例として、メダルやコイン、あるいは、パチンコ遊技機と同様の遊技球といった遊技媒体を用いて1ゲームに対する所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより可変表示装置による表示図柄の可変表示を開始し、導出された表示結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能としたスロットマシンがある。ここで、所定の遊技価値の付与は、賞球やメダルといった景品遊技媒体の払出し、遊技者の得点の加算、遊技媒体を使用(消化)しない再ゲームの実行、特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)などの通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態への制御のうち、一部又は全部を含む概念である。
【0003】
この種の遊技機において、遊技機に設けた側距センサにより対象物(遊技者)までの距離を測定することにより、遊技者が遊技機に対応する座席に着席したか及び離席したかを判定し、着席した場合には遊技者を歓迎したり、離席した場合には遊技者を引き止める言葉をアナウンスして遊技者の注意を引き付けるようにしたもの等がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−360800号公報(第5−7頁、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の遊技機では、遊技機から対象物(遊技者)までの距離に応じて着席か離席かを判定し、着席の場合と離席の場合とでアナウンスの内容を異ならせているが、例えば離席の場合に、長時間遊技していた遊技者にも短時間しか遊技していない遊技者にも同じアナウンスが行われるので、それまでの遊技機の状況に適したアナウンスができないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、遊技者の離席または着席の判定時にそれまでの遊技機の状況に適した演出を行うことができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技用価値(遊技球)を用いて遊技を行うことが可能であり、所定の演出手段(例えば、画像表示装置5やスピーカ8L,8R)を備えた遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
所定条件の成立に基づいて、遊技者が離席したか着席したかを判定する遊技者判定手段(演出制御用CPU120がステップS77の着席・離席判定処理を実行する部分/ステップS223の処理を実行する部分)と、
前記演出手段により実行される離席演出を複数種類の離席演出態様(例えば、種別RA〜RF)のうちから決定する離席演出態様決定手段(演出制御用CPU120がステップS822の離席演出種別決定処理を実行する部分)と、
前記離席演出態様決定手段により決定された離席演出態様を前記演出手段で実行する離席演出実行手段(演出制御用CPU120がステップS808の着席・離席演出処理を実行する部分)と、を備え、
前記離席演出態様決定手段は、前記遊技者判定手段により遊技者が離席したと判定されたときに、該判定されるまでの前記遊技機の状況に応じた離席演出態様を決定する(演出制御用CPU120が、遊技時間や大当り回数や遊技状態に応じて種別RA〜RFからいずれかを決定する部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者が離席する際に離席演出を実行することで、遊技を中断または終了しようとする遊技者の興味を引き付けることができるとともに、遊技者判定手段により遊技者が離席したと判定されるまでの遊技機の状況に応じて実行される離席演出の態様が変わるため、遊技者に対しそれまでの遊技機の状況に適した離席演出を提供することができる。
【0008】
本発明の手段1に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機であって、
過去の遊技の結果に関する遊技履歴情報(例えば、変動回数、大当り回数、確変回数、小当り回数等)を記憶する遊技履歴記憶手段(演出制御用CPU120が、コマンド解析処理において受信した演出制御コマンドに基づいて、変動回数カウンタ、大当りカウンタ、確変回数カウンタ、小当り回数カウンタ等のカウンタ値を記憶(セット)する部分)と、
遊技の結果に関する情報(演出制御コマンド)に基づいて前記遊技履歴情報を更新する遊技履歴更新手段(演出制御用CPU120が、コマンド解析処理において受信した演出制御コマンドに基づいて、変動回数カウンタ、大当りカウンタ、確変回数カウンタ、小当り回数カウンタ等のカウンタ値を更新する部分)と、を備え、
前記離席演出態様決定手段は、前記遊技者判定手段(演出制御用CPU120がステップS77の着席・離席判定処理を実行する部分)により遊技者が着席したと判定されたときから離席したと判定されるまでの遊技履歴に応じた離席演出態様を決定する(演出制御用CPU120は、ステップS822の離席演出種別決定処理において、離席種別決定テーブルの条件に基づいて種別を決定する)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者が着席してから離席するまでの遊技履歴に応じて離席演出の態様が変わるため、遊技者の遊技状況に適した離席演出を提供することができる。
【0009】
本発明の手段2に記載の遊技機は、請求項1または手段1に記載の遊技機であって、
前記遊技者判定手段により遊技者が着席したと判定されたことに基づいて計時を開始する計時開始手段(演出制御用CPU120が、ステップS715にて着席を判定した後、ステップS718にて着席タイマのカウンタ値を1加算する部分)と、
前記遊技者判定手段により遊技者が離席したと判定されたときに、前記計時開始手段が計時を開始してからの経過時間が所定時間に達したか否かを判定する経過時間判定手段(演出制御用CPU120が、ステップS708にて記憶された着席タイマ値に基づいて、ステップS840,842にて遊技時間を判定する部分)と、を備え、
前記離席演出態様決定手段は、前記経過時間判定手段が前記所定時間に達したと判定したことを条件に、所定の特典(例えば、2次元コードの表示)を付与する離席演出態様を決定する(演出制御用CPU120が、ステップS840,842にて遊技時間が3時間以上、かつ、大当り回数が3回以下で非潜伏確変状態である場合に種別RCを選択する部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技時間が長くなるほど離席演出にて特典が付与されやすくなるため、遊技者の遊技意欲を向上させて遊技機の稼動を高めることができる。
【0010】
本発明の手段3に記載の遊技機は、請求項1、手段1、手段2のいずれかに記載の遊技機であって、
始動条件の成立(第1始動入賞口に始動入賞したこと。第2始動入賞口に始動入賞したこと)に基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や飾り図柄など)の可変表示を行う可変表示手段(例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5など)と、
前記識別情報の表示結果として予め定められた特定表示結果(例えば大当り図柄となる確定特別図柄や大当り組合せとなる確定飾り図柄など)が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態など)に制御する遊技状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100が遊技制御プロセス処理を行う部分)と、
前記識別情報の可変表示の表示結果が導出されるまでに、遊技の結果を前記特定遊技結果とするか否かを決定する事前決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100が遊技制御プロセス処理を行う部分)と、を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記識別情報の可変表示を行う遊技状態として、前記事前決定手段が前記特定遊技結果とする旨を低確率で決定する低確率遊技状態(通常状態)と前記事前決定手段が前記特定遊技結果とする旨を前記低確率よりも高い高確率で決定する高確率遊技状態(高確低ベース状態、潜伏確変状態)とを含む複数種類の遊技状態のうちいずれかに制御可能であり、
前記離席演出態様決定手段は、前記遊技者判定手段により遊技者が離席したと判定されたときに前記高確率遊技状態に制御されていることを条件として、前記特典として遊技状態が前記高確率状態であることを報知する離席演出態様(種別RD)を決定する(演出制御用CPU120が、ステップS840,842にて遊技時間が3時間以上、かつ、大当り回数が3回以下で潜伏確変状態である場合に種別RDを選択する部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技状態が遊技者にとって有利な高確率遊技状態であるにも関わらず遊技を終了して不利益を被ることを回避させることができる。
【0011】
本発明の請求項2に記載の遊技機は、
遊技用価値(遊技球)を用いて遊技を行うことが可能であり、所定の演出手段(例えば、画像表示装置5やスピーカ8L,8R)を備えた遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
所定条件の成立に基づいて、遊技者が離席したか着席したかを判定する遊技者判定手段(演出制御用CPU120がステップS77の着席・離席判定処理を実行する部分/ステップS223の処理を実行する部分)と、
前記演出手段により実行される着席演出を複数種類の着席演出態様(例えば、種別TA〜TE)のうちから決定する着席演出態様決定手段(演出制御用CPU120がステップS821の着席演出種別決定処理を実行する部分)と、
前記着席演出態様決定手段により決定された着席演出態様を前記演出手段で実行する着席演出実行手段(演出制御用CPU120がステップS808の着席・離席演出処理を実行する部分)と、を備え、
前記着席演出態様決定手段は、前記遊技者判定手段により遊技者が着席したと判定されたときに、該判定されるまでの前記遊技機の状況に応じた着席演出態様を決定する(演出制御用CPU120が、潜伏確変モード演出を実行しているか否か、総大当り回数に応じて種別TA〜TEからいずれかを決定する部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者が着席する際に着席演出を実行することで、遊技を開始しようとする遊技者の興味を引き付けることができるとともに、遊技者判定手段により遊技者が着席したと判定されるまでの遊技機の状況に応じて実行される着席演出の態様が変わるため、遊技者に対しそれまでの遊技機の状況に適した着席演出を提供することができる。
【0012】
本発明の手段4に記載の遊技機は、請求項2に記載の遊技機であって、
過去の遊技の結果に関する遊技履歴情報(例えば、遊技者の遊技時間、大当り回数、遊技状態等)を記憶する遊技履歴記憶手段(演出制御用CPU120が、コマンド解析処理において受信した演出制御コマンドに基づいて、変動回数カウンタ、大当りカウンタ、確変回数カウンタ、小当り回数カウンタ等のカウンタ値を記憶(セット)する部分)と、
遊技の結果に関する情報(演出制御コマンド)に基づいて前記遊技履歴情報を更新する遊技履歴更新手段(演出制御用CPU120が、コマンド解析処理において受信した演出制御コマンドに基づいて、変動回数カウンタ、大当りカウンタ、確変回数カウンタ、小当り回数カウンタ等のカウンタ値を更新する部分)と、を備え、
前記着席演出態様決定手段は、前記遊技履歴に応じた着席演出態様を決定する(演出制御用CPU120は、ステップS821の着席演出種別決定処理において、着席種別決定テーブルの条件に基づいて種別を決定する)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者が着席するまでの遊技機の遊技履歴に応じて着席演出の態様が変わるため、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
【0013】
本発明の手段5に記載の遊技機は、請求項2または手段4に記載の遊技機であって、
前記遊技者判定手段により遊技者が離席(一時離席)したと判定されたことに基づいて計時を開始する計時開始手段(演出制御用CPU120が、ステップS702にて上皿センサ33がオン(ステップS702;Yes)またはステップS703にて演出制御プロセスフラグが0以外(ステップS703;No)であるときに、ステップS710にて離席タイマのカウンタ値を1減算する部分)と、
前記遊技者判定手段により遊技者が着席したと判定されたときに、前記計時開始手段が計時を開始してからの経過時間が所定時間に達したか否かを判定する経過時間判定手段(演出制御用CPU120が、ステップS711にて離席タイマカウント値が0であるか否かを判定する部分)と、を備え、
前記着席演出実行手段は、前記経過時間判定手段が前記所定時間に達していないと判定したときには(演出制御用CPU120が、ステップS711にて離席タイマカウント値が0でないと判定する部分)、前記着席演出を実行させない(演出制御用CPU120は、ステップS712にて着席フラグをクリアしていなければ、ステップS714にて着席フラグがセットされているから、ステップS715〜S717の処理に移行しない)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、短時間のうちに同じ遊技者が何度も着席するたびに着席演出が実行されてしまう煩わしさを回避することができる。
【0014】
本発明の手段6に記載の遊技機は、請求項1、2または手段1〜5のいずれかに記載の遊技機であって、
始動条件の成立(第1始動入賞口に始動入賞したこと。第2始動入賞口に始動入賞したこと)に基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や飾り図柄など)の可変表示を行う可変表示手段(例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5など)と、
前記識別情報の表示結果として予め定められた特定表示結果(例えば大当り図柄となる確定特別図柄や大当り組合せとなる確定飾り図柄など)が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態など)に制御する遊技状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100が遊技制御プロセス処理を行う部分)と、
前記遊技者判定手段(演出制御用CPU120がステップS223の処理を実行する部分)により遊技者が離席したと判定されたことに基づいて、前記遊技機の動作状態を通常動作状態から省電力状態に移行させる省電力移行手段(例えばステップS224〜S231の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記省電力移行手段は、前記遊技者判定手段により遊技者が離席したと判定されたときに、前記可変表示手段による可変表示が実行されていないことを条件として、前記省電力状態に移行させる(例えばステップS75の演出制御プロセス処理にて用いられる演出プロセスフラグの値が“1”〜“3”のいずれかである場合に、ステップS221におけるNoの判定に基づきステップS222以降の処理が実行されない一方、演出プロセスフラグの値が“0”である場合に、ステップS221におけるYesの判定に基づきステップS222以降の処理が実行可能となる部分など)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者が離席したと判定されたときに、可変表示手段による可変表示が実行されていないことを条件として、省電力状態に移行させる。これにより、適切に省電力状態への移行を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
【図3】遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】変動パターンを例示する図である。
【図6】演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】起動時設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】変動パターンコマンド受信待ち処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】着席・離席演出処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】(a)は着席演出種別決定テーブル、(b)は離席演出種別決定テーブルを示す図である。
【図12】着席演出種別決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】離席演出種別決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】離席・着席演出処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】着席・離席判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】省電力モード移行設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】(a)は着席演出画面、(b)(c)は離席演出画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0017】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の中央部に設けられた画像表示装置5の上方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
【0018】
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
【0019】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
【0020】
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
【0021】
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
【0022】
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
【0023】
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
【0024】
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
【0025】
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
【0026】
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
【0027】
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
【0028】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bの上方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成される。遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21により検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20は、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
【0029】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では遊技領域の右側方)には、演出用可動部材31が設けられている。演出用可動部材31は、図2に示す可動部材駆動回路31Aによって移動可能に駆動される「腕」を象った第1可動部材を備えている。また、演出用可動部材31は、第1可動部材と連動して駆動される「顔」を象った第2可動部材を備えてもよい。なお、第2可動部材は、第1可動部材とは独立して駆動されてもよい。
【0030】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
【0031】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。こうした遊技効果ランプ9や装飾用LEDは、パチンコ遊技機1の前面における所定範囲で遊技者が認識可能に発光する発光体(第1発光部材)に含まれる。
【0032】
図1に示す遊技機用枠3において、遊技領域の左右側方に設けられた遊技効果ランプ9のさらに外側には、節電中報知LED9L,9Rが設けられている。節電中報知LED9L,9Rは、パチンコ遊技機1の動作状態が通常動作状態としての通常動作モードに比べて消費電力が少ない省電力状態としての省電力モードであるときに、遊技効果ランプ9や装飾用LEDよりも多くの発光量で発光する発光体(第2発光部材)に含まれる。一例として、省電力モードのときには、遊技効果ランプ9や装飾用LEDが消灯される一方で、節電中報知LED9L,9Rの全部または一部が点灯される。節電中報知LED9L,9Rが発光したときには、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける発光を認識可能な所定範囲とは異なり、パチンコ遊技機1の左右幅方向外側に向けて光が放射される。
【0033】
節電中報知LED9L,9Rは、遊技機用枠3において遊技領域の左右側方に設けられた遊技効果ランプ9の外側に設置することにより、パチンコ遊技機1の前面に対向した場合における左右方向の外側範囲(斜視範囲)において、それらの発光を認識できればよい。こうしたパチンコ遊技機1の斜視範囲に対応した節電中報知LED9L,9Rの設置位置としては、単に遊技効果ランプ9の外側とするものに限定されず、例えば以下のような第1例〜第3例のいずれかとしてもよい。
【0034】
第2例では、第1例と同様に、遊技領域の前面ガラスに隣接する左右側方に設けられた前面枠体をガラス面よりも前面側に突出させる。一方、この例では、第1例とは異なり、節電中報知LED9L,9Rを、ガラス面を囲む前面枠体の内壁面(ガラス面からせり上がる壁面)に節電中報知LED9L,9Rを設置すればよい。この例では、節電中報知LED9L,9Rのそれぞれに対応する斜視範囲が、第1例などとは逆の対応関係となる。すなわち、遊技領域の左側方に設けられた節電中報知LED9Lを点灯させることにより、パチンコ遊技機1の設置位置に対向した場合における右方向の外側範囲(対向した者の側からすれば左方向への斜視範囲)において、その発光を認識することができる。一方、遊技領域の右側方に設けられた節電中報知LED9Rを点灯させることにより、パチンコ遊技機1の設置位置に対向した場合における左方向の外側範囲(対向した者の側からすれば右方向への斜視範囲)において、その発光を認識することができる。
【0035】
第3例では、遊技領域の前面ガラスに隣接する左右側方の前面枠体に節電中報知LEDを設置するものとは異なり、例えば遊技領域の下方に設けられた上皿形成部材の突出部、あるいは打球操作ハンドル30の突出部といった、パチンコ遊技機1における任意の突出部に、節電中報知LED9L,9Rと同様の発光部材を設置してもよい。
【0036】
パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。例えば、打球操作ハンドル30は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル30には、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。タッチセンサは、タッチリングにより遊技者の接触が検出されたときにオン状態となるタッチセンサ検出信号を、所定のタッチセンサ基板へと出力すればよい。タッチセンサ基板からは、例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のI/O105における所定の入力ポートなどに、タッチセンサ検出信号が入力されればよい。
【0037】
遊技領域の下方における所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。打球供給皿の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
【0038】
パチンコ遊技機1の前面における所定位置(図1に示す例では上皿形成部材の前面部)には、パチンコ遊技機1の前面における所定範囲内に進入した遊技者その他の物体(対象物)を検知可能な遊技者センサ32が設けられている。遊技者センサ32は、例えば赤外線センサあるいは光センサを用いて構成され、所定の発信器(発光部材)から出力される赤外線あるいは可視光などを対象物に照射し、その反射光が入射されるアクティブセンサ方式のものであればよい。あるいは、遊技者センサ32として、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサといった固体撮像素子を用いて、対象物にて反射した自然光が入射されるパッシブセンサ方式のものであってもよい。
【0039】
遊技者センサ32は、単一の検知装置として構成されたものであってもよいし、例えばパチンコ遊技機1の表面(前面)あるいは周辺における所定位置に配置された複数の検知装置として構成されたものであってもよい。赤外線や可視光などの電磁波を用いて対象物を検知するものに代えて、あるいは、こうした検知装置とともに、例えば超音波センサといった電磁波以外の信号を用いて対象物を検知できる装置を用いてもよい。さらに、遊技者センサ32は、例えばパチンコ遊技機1に内蔵されることにより、パチンコ遊技機1と一体に形成されたものであってもよいし、例えば遊技場にてパチンコ遊技機1ごとに設置された座席の重量センサといった、パチンコ遊技機1とは別体として形成されたものであってもよい。
【0040】
また、図1に示す例では、上皿形成部材に、遊技球発射装置における遊技球の発射位置(図示略)に供給される遊技球が待機する上皿(打球供給皿)に貯留されている遊技球を検出するための上皿センサ33が設けられている。上皿センサ33は、遊技球が所定球数(例えば、10球)以上貯留されているか否かを検出できるようになっている。
【0041】
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0042】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
【0043】
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
【0044】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9や節電中報知LED9L,9Rといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や節電中報知LED9L,9Rなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
【0045】
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や節電中報知LED9L,9Rなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
【0046】
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
【0047】
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDさらには節電中報知LED9L,9Rの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
【0048】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
【0049】
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0050】
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
【0051】
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
【0052】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
【0053】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
【0054】
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125と、電力制御回路126とが搭載されている。
【0055】
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0056】
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122、電力制御回路126は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、演出用可動部材31を駆動するための可動部材駆動回路31Aに対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線や、遊技者センサ32により遊技者が検知されたか否かを示す情報信号としての遊技者検知信号を伝送するための配線も接続されている。
【0057】
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
【0058】
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
【0059】
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
【0060】
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドや遊技者センサ32から伝送された遊技者検知信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、可動部材駆動回路31Aへと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
【0061】
演出制御基板12に搭載された電力制御回路126は、演出制御基板12に搭載された各種回路や、例えば画像表示装置5、スピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9および装飾用LED、演出用可動部材31といった、各種の演出装置に対する電力供給量を制御する。電力制御回路126は、演出制御用CPU120からの指令に応じて、各種の演出装置や、その制御回路に供給する電力量を調整する。これにより、パチンコ遊技機1の動作状態は、通常の遊技中に対応した通常動作状態としての通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力量が少ない省電力状態としての省電力モードとに、切り替えることができる。
【0062】
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や装飾用LED、さらには節電中報知LED9L,9Rなどに供給する。
【0063】
例えば演出制御基板12に搭載されたRAM122や、音声制御基板13に搭載された音声合成用ICの内蔵RAMといった、サブ側の制御基板に搭載されたRAMは、パチンコ遊技機1における動作状態が省電力モードであるときに、その一部または全部の記憶データが待機電源によって保持されてもよい。一例として、サブ側の制御基板に搭載されたRAMは、主基板11に搭載されたRAM102と同様に、その一部または全部がバックアップ電源によってバックアップされるバックアップRAMであってもよい。
【0064】
あるいは、サブ側の制御基板に搭載されたRAMは、主基板11に搭載されたRAM102とは異なり、パチンコ遊技機1が通常動作モードであるときの電断発生時には、記憶データが保存されないものの、電力制御回路126による電力供給量の調整によって省電力モードとなったときには、待機電源によって記憶データが保存されるものであればよい。電力制御回路126は、省電力モードであるときに、サブ側の制御基板に搭載されたRAMに対する電力供給量を、記憶データの保存(消滅防止)が可能な程度に調整できればよい。例えばDRAM(Dynamic RAM)を用いた場合には、リフレッシュ動作の時間間隔を、記憶データの保存が可能な最長間隔に設定すればよい。
【0065】
なお、サブ側の制御基板に搭載されたRAMにおける記憶データのうち、省電力モードであっても保存すべきデータを、例えば演出制御用CPU120を有するマイクロコンピュータに内蔵あるいは外付の不揮発性記録媒体(例えばフラッシュメモリ、磁気メモリまたは光学メモリ)などに記録させて退避してもよい。この場合には、省電力モードから通常動作モードに復帰させるときに、不揮発性記録媒体に退避させたデータを読み出して、省電力モードとなる以前の記憶状態を回復できればよい。
【0066】
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。
【0067】
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドル30が遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)したときには、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄(第1特図)の可変表示を実行するための始動条件(第1始動条件)が成立する。また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)したときには、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄(第2特図)の可変表示を実行するための始動条件(第2始動条件)が成立する。
【0068】
第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して可変表示の始動条件が成立した後、可変表示を開始するための開始条件(第1開始条件または第2開始条件)が成立したときには、その可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、可変表示結果を導出表示する以前に決定される。
【0069】
そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを特定可能に指定する演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始される。その後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定図柄が停止表示(導出表示)される。
【0070】
画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示が行われる。飾り図柄の可変表示が開始された後、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることがある。ここで、飾り図柄の可変表示状態は、いずれかの飾り図柄表示エリアにて停止表示された飾り図柄が予め定められた大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続することにより、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動することにより、リーチ状態となる。
【0071】
具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動することにより、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。
【0072】
また、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置41の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単に「リーチ演出」ともいう)と称する。なお、リーチ演出には、画像表示装置41における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDにおける点灯動作(点滅動作)、演出用可動部材31の動作などを、飾り図柄の可変表示状態が「リーチ」となる以前とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
【0073】
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
【0074】
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。なお、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない場合を「非リーチ」ともいい、予め定められたチャンス目などの特殊な組合せとならない限り、可変表示結果が「大当り」となる可能性はない。
【0075】
第1特図や第2特図を用いた特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示結果となる確定図柄(確定特別図柄)が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定図柄(確定飾り図柄)が導出表示される。
【0076】
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
【0077】
大当り遊技状態では、大入賞口扉用のソレノイド82が駆動され、遊技領域の所定位置に設けられた大入賞口が開放状態(第1状態)となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を遊技者にとって有利な開放状態(第1状態)とするラウンドが実行される。こうしたラウンドの実行期間以外の期間では、大入賞口を遊技者にとって不利な閉鎖状態(第2状態)とする。
【0078】
大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンドは、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰り返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
【0079】
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態(確率変動状態)に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。
【0080】
また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。
【0081】
確変状態や時短状態では、通常状態よりも始動入賞口を遊技球が通過しやすくなる有利開放制御が行われるようになる。こうした確変状態(高確率状態)や時短状態(高ベース状態)に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
【0082】
「大当り」は、大当り遊技状態の終了後に時短状態(低確高ベース状態)に移行する大当りAと、大当り遊技状態の終了後に確変・時短状態(高確高ベース状態)に移行する大当りBと、大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確低ベース状態)に移行する確変大当Cと、を含む。確変状態(高確低ベース状態)は、通常状態(低確低ベース状態)と始動入賞の成立条件が同一であり、遊技状態が確変状態であることを遊技者が認識困難な状態(所謂潜伏確変状態)となる。
【0083】
また、本実施例では、「小当り」に対応する特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、例えば大当りCと同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な開放状態に変化させる可変入賞動作が行われる。
【0084】
よって、通常状態において可変表示結果が「小当り」となった場合、遊技状態は確変状態に移行せず通常状態のままであるが、遊技状態が確変状態に移行したことに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0085】
パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
【0086】
なお、パチンコ遊技機1としては、図1に示すような画像表示装置5を備えないものであってもよい。一例として、遊技領域に設けられた始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、遊技領域に設けられた可変入賞装置を閉鎖状態(第2状態)から開放状態(第1状態)へと変化させ、可変入賞装置の内部に進入した遊技球が複数の領域のうちの特定領域(V入賞口)に進入したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるものであってもよい。
【0087】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
【0088】
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
【0089】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図3のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図3に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS1)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS2)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS3)。
【0090】
その後、CPU103は、遊技用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する遊技用乱数更新処理(ステップS4)を実行した後、遊技制御プロセス処理を実行する(ステップS5)。次いで、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS6)。一例として、コマンド制御処理では、RAM102の所定領域に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0091】
図4は、遊技制御プロセス処理として、図3のステップS5にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す遊技制御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ22のCPUは、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS11)。一例として、ステップS11では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
【0092】
ステップS11にて始動入賞が発生した場合には(ステップS11;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS12)。一例として、ステップS12の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵(または外付)の乱数回路104や、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてRAM102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けて記憶されればよい。
【0093】
ステップS12の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS13)。一例として、ステップS13の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われればよい。また、ステップS12の処理により抽出された可変表示結果決定用の乱数値や変動パターン決定用の乱数値に基づいて、変動パターンがスーパーリーチA〜スーパーリーチDといった特定のリーチ演出を伴う特定の変動パターンに決定されるか否かの判定を行うようにしてもよい。この場合、特定の変動パターンに決定されるか否かの判定結果を特定可能な入賞時判定結果指定コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
【0094】
特定の変動パターンに決定されるか否かを判定する処理では、まず、可変表示結果決定用の乱数値を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定する。例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるROM101の所定領域などには、可変表示結果を「大当り」とするか否かの決定結果に対して判定値が設定された可変表示結果決定テーブルが予め記憶されており、ステップS12の処理により抽出された可変表示結果決定用の乱数値と合致する判定値が割り当てられた決定結果を特定することで、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定することができる。続いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果に応じて、複数種類の変動パターンに対して異なる判定値が設定された変動パターン決定テーブルを選択する。この変動パターン決定テーブルは、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるROM101の所定領域などに予め記憶されていればよい。
【0095】
こうして選択した変動パターン決定テーブルを参照することで、ステップS12の処理により抽出された変動パターン決定用の乱数値と合致する判定値が割り当てられた変動パターンを特定する。これにより、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといった特定のリーチ演出を行う特定の変動パターンに決定されるか否かを判定することができる。このように、始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)を遊技球が通過して始動入賞が発生したときには、その始動入賞に対応する可変表示ゲームの実行が開始されるより前に、変動パターンが特定の変動パターンに決定されるか否かの判定を行い、その判定結果を特定可能な入賞時判定結果指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信されればよい。
【0096】
ステップS11にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS11;No)、ステップS13の処理を実行した後には、遊技プロセスフラグの値を判定する(ステップS21)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
【0097】
例えば、遊技プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。一例として、ステップS101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。
【0098】
ステップS101にて可変表示が開始不可能であるときには(ステップS101;No)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示が開始可能であるときには(ステップS101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS102)。このときには、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値など)を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、可変表示結果決定用の乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「大当り」とするか否かを所定割合で決定する。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定されるように、可変表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。
【0099】
ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに遊技状態決定用の乱数値と遊技状態決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。これらの決定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
【0100】
遊技プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS111)。図5は、パチンコ遊技機1において用いられる変動パターンの設定例を示している。各変動パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が導出表示されるまでの所要時間(可変表示時間)や演出態様の概略を特定可能に示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
【0101】
ステップS111の処理では、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用の乱数値と変動パターン決定テーブルとを用いて、使用パターンとなる変動パターンを所定割合で決定する。このときには、各変動パターンの決定割合を、可変表示結果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせることができる。
【0102】
また、ステップS111の処理では、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合の変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。あるいは、変動パターンを決定するより前に、リーチ決定用の乱数値とリーチ決定テーブルとを用いて、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定するようにしてもよい。すなわち、ステップS111の処理では、可変表示結果やリーチ有無の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができればよい。
【0103】
ステップS111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS112)。一例として、ステップS112の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始コマンドとして、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンドや、変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
【0104】
ステップS112の処理により変動パターンが決定されたことに対応して、可変表示時間が設定される。また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特別図柄の可変表示を開始させるための設定が行われてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよい。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが行われる。その後、遊技プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS113)、遊技制御プロセス処理を終了する。
【0105】
遊技プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS122)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS121;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS123)。
【0106】
ステップS123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS124)。一例として、ステップS124の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
【0107】
ステップS124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS125)。そして、可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS125;Yes)、遊技プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS126)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS125;No)、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS127)、遊技制御プロセス処理を終了する。なお、ステップS127の処理が実行されるときには、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立に基づき終了させると判定したときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
【0108】
遊技プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の大当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS131)。大当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したことなどであればよい。大当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS131;No)、大当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップ132)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS131;Yes)、大当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS133)。
【0109】
一例として、ステップS133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われればよい。その後、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS134)、遊技制御プロセス処理を終了する。
【0110】
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。そして、電力制御回路126から演出制御用CPU120に対して起動用の電力供給が開始されたときには、演出制御用CPU120によって図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理が実行される。電力制御回路126は、初期設定あるいは演出制御用CPU120による省電力モード移行時の設定に基づいて、演出制御用CPU120に対して起動用の電力供給を開始する。例えば、初期設定において、電力制御回路126は、遊技者センサ32により遊技者が検知されたか否かにかかわらず、演出制御用CPU120に対する電力供給を開始する。一方、省電力モード移行時の設定において、電力制御回路126は、遊技者センサ32により遊技者が検知されたときにのみ、演出制御用CPU120に対する電力供給を開始する。
【0111】
図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の起動時設定処理を実行する(ステップS71)。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。こうしたタイマ割込フラグをオン状態にする割込みは、演出制御用のタイマ割込みとなる。ステップS72にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
【0112】
ステップS72にてタイマ割込フラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、演出制御用のタイマ割込処理を実行する。演出制御用のタイマ割込処理には、ステップS74〜S77の処理が含まれている。なお、演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込処理の他に、コマンド受信用の割込処理を実行可能であり、主基板11から中継基板15を介して伝送される演出制御コマンドを受信できればよい。
【0113】
演出制御用のタイマ割込処理において、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
【0114】
尚、コマンド解析処理では、受信した演出制御コマンドに基づいて、パチンコ遊技機1の遊技履歴情報を記憶・更新する処理が行われる。具体的には、例えば可変表示の表示結果が「はずれ」「大当りA〜C」「小当り」のいずれであるかを示す表示結果指定コマンドの受信に基づいて、電源投入時からの総変動回数を計数する変動回数カウンタ、総大当り回数を計数する大当り回数カウンタ、総確変回数を計数する確変回数カウンタ、総小当り回数を計数する小当り回数カウンタ等のカウンタ値を更新(履歴の集計)する処理が行われる。
【0115】
また、本実施例では、電源投入時からの総回転数や総回数だけでなく、遊技者の着席、離席の判定結果に基づいて、遊技者が遊技を開始してから遊技を終了するまでの期間ごとに変動回数、大当り回数、確変回数、小当り回数を計数し、遊技者毎の遊技履歴を個別に記憶できるようになっている。
【0116】
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDさらには節電中報知LED9L,9Rといった装飾発光体(発光部材)における点灯動作、可動部材駆動回路31Aによる演出用可動部材31の駆動動作といった、各種の演出装置を用いた動作制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
【0117】
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、遊技者が着席したか離席したか否かを判定する着席・離席判定処理を実行した後(ステップS77)、省電力モード移行設定処理を実行する(ステップS78)。
【0118】
図7は、起動時設定処理として、図6のステップS71にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す起動時設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、省電力モードフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。省電力モードフラグは、例えば演出制御基板12に搭載されたRAM122の所定領域に設けられ、省電力モードであるときにも待機電源などによりフラグ状態(オフまたはオン)が保持できるものであればよい。省電力モードフラグがオフである場合には(ステップS201;No)、電断後の電力供給などに対応して所定の初期設定条件が成立したとして、初期設定処理を実行する。この初期設定処理には、ステップS202〜S205の処理が含まれている。初期設定処理において、演出制御用CPU120は、演出制御用の初期データを設定する(ステップS202)。
【0119】
ステップS202の処理に続いて、すべての可動部材を原点位置に設定するための処理を実行する(ステップS203)。一例として、演出用可動部材31が「腕」を象った第1可動部材と、「顔」を象った第2可動部材とを含み、それぞれが可動部材駆動回路31Aに含まれる別個のソレノイドによって駆動される場合に、各ソレノイドに対する駆動信号の供給を停止させることにより、第1可動部材と第2可動部材のいずれについても、初期設定位置としての基準位置となる原点位置に設定できればよい。
【0120】
ステップS203の処理を実行した後には、パチンコ遊技機1における動作状態を通常動作モードから省電力モードに移行する場合に対応した初期設定を行う(ステップS204)。ステップS204の処理では、例えば遊技者センサ32により遊技者を含む対象物が検知される範囲の設定、遊技者センサ32による遊技者の検知結果とは異なる動作状態の移行条件の設定、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯設定、節電中報知LED9L,9Rの点灯設定などを、行うことができればよい。
【0121】
遊技者センサ32による検知範囲は、例えば赤外線センサや光センサあるいは超音波センサを用いた場合に、放射信号の出力強度または出力方向を調整することにより、遊技者を含む対象物を検知可能な距離、角度、位置、広さの一部または全部を変更可能に設定できればよい。また、反射信号の検知感度を調整することにより、遊技者を含む対象物を検知可能な距離、角度、位置、広さの一部または全部を変更可能に設定できればよい。より具体的な一例として、遊技者センサ32は、赤外線や光あるいは超音波の発信素子や受信素子の向きを変更可能な電動アクチュエータを内蔵し、演出制御用CPU120からの指令に応じて、その向きを変更することにより、遊技者を検知可能な角度や位置といった検知範囲を調整できればよい。あるいは、発信素子や受信素子の向きを、手動により変更可能としてもよい。
【0122】
遊技者センサ32による検知範囲の一例として、パチンコ遊技機1に対応して遊技場に設置された座席に着席した遊技者を検知可能とする一方、その座席よりも後方の通路(島間通路など)を通過する遊技者などを検知しないように、遊技者センサ32の検知距離や角度、位置、広さの一部または全部が設定されてもよい。
【0123】
動作状態の移行条件には、通常動作状態としての通常動作モードから省電力状態としての省電力モードに移行させるための省電力モード開始条件と、省電力モードから通常動作モードに復帰させるための通常動作復帰条件とが含まれている。遊技者センサ32による検知結果とは異なる移行条件のうち、省電力モード開始条件は、例えば打球操作ハンドル30に設けられたタッチリング(タッチセンサ)により遊技者の接触が検知されないこと、パチンコ遊技機1に隣接して設けられた球貸機(プリペイドカードユニット)からのカード確認信号などに基づいて球貸機にカードが投入されていないと判定されたこと、球貸機からのカード残高表示信号などに基づいて残高が「0」であると判定されたこと、打球供給皿に遊技球が保持(貯留)されていないこと、打球発射装置により遊技球が発射されていないこと、特図ゲームといった可変表示の保留記憶がないこと、第1始動口スイッチ22Aなどの入賞口スイッチにより遊技球が検出されることなく所定時間が経過したこと、遊技領域から排出された遊技球が検出されることなく所定時間が経過したことのうち、一部または全部を含むものとして設定できればよい。通常動作復帰条件は、例えば打球操作ハンドル30に設けられたタッチリング(タッチセンサ)により遊技者の接触が検知されたこと、球貸機からのカード確認信号などに基づいて球貸機にカードが投入されていると判定されたこと、球貸機からのカード残高表示信号などに基づいて残高が「0」以外であると判定されたこと、打球供給皿に遊技球が保持(貯留)されていること、打球発射装置により遊技球が発射されたこと、特図ゲームといった可変表示の保留記憶が行われたこと、入賞口スイッチにより遊技球が検出されたこと、遊技領域から排出された遊技球が検出されたことのうち、一部または全部を含むものとして設定できればよい。
【0124】
省電力モード開始条件と通常動作復帰条件は、それぞれ予め用意された複数種類の条件のうちから設定することができ、省電力モード開始条件の設定と予め対応付けられた通常動作復帰条件が設定されてもよい。一例として、打球操作ハンドル30に設けられたタッチリング(タッチセンサ)により遊技者の接触が検知されないことを省電力モード開始条件に設定したときには、これに対応する通常動作復帰条件として、打球操作ハンドル30に設けられたタッチリング(タッチセンサ)により遊技者の接触が検知されたことに設定されてもよい。
【0125】
なお、遊技者センサ32による検知結果とは異なる移行条件としての省電力モード開始条件や通常動作復帰条件は、設定されない場合があってもよい。すなわち、遊技者センサ32により遊技者が検知されない場合には、任意に設定可能な省電力モード開始条件としては無条件で、通常動作モードから省電力モードに移行させてもよい。ここで、任意に設定可能な省電力モード開始条件とは別に、例えば特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行中ではないことや、遊技状態が大当り遊技状態ではないこと、エラー発生の報知中ではないことといった、予め定められた省電力モード開始条件があってもよい。
【0126】
遊技者センサ32により遊技者が検知された場合には、無条件で省電力モードから通常動作モードに復帰させてもよい。これに対して、遊技者センサ32による遊技者の検知とは異なる通常動作復帰条件の設定により、遊技者センサ32に対して意図的あるいは偶発的に遊技者を検知させて省電力モードから通常動作モードに頻繁に復帰してしまうことを防止できる。すなわち、遊技者センサ32による遊技者の検知とは異なる通常動作復帰条件の設定により、パチンコ遊技機1における節電効果を高めることができる。
【0127】
遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯設定には、通常動作モードであるときの通常時第1点灯設定と、省電力モードであるときの省電力時第1点灯設定とがある。また、節電中報知LED9L,9Rの点灯設定には、通常動作モードであるときの通常時第2点灯設定と、省電力モードであるときの省電力時第2点灯設定とがある。
【0128】
このうち、省電力時第1点灯設定における遊技効果ランプ9や装飾用LEDの発光量は、通常時第1点灯設定における発光量よりも低下させる。一方、通常時第2点灯設定における節電中報知LED9L,9Rの発光量は、省電力時第2点灯設定における発光量よりも低下させる。そして、省電力時第1点灯設定における遊技効果ランプ9や装飾用LEDの発光量は、省電力時第2点灯設定における節電中報知LED9L,9Rの発光量よりも低下させる。すなわち、省電力モードであるときには、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの発光量を、節電中報知LED9L,9Rの発光量よりも低下させる。また、通常時第2点灯設定における節電中報知LED9L,9Rの発光量は、通常時第1点灯設定における遊技効果ランプ9や装飾用LEDの発光量よりも低下させる。すなわち、通常動作モードであるときには、節電中報知LED9L,9Rの発光量を、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの発光量よりも低下させる。
【0129】
なお、省電力時第1点灯設定では、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを消灯させてもよい。通常時第2点灯設定では、節電中報知LED9L,9Rを消灯させてもよい。すなわち、遊技効果ランプ9や装飾用LED、または節電中報知LED9L,9Rを消灯させることにより、発光量を低下させてもよい。あるいは、遊技効果ランプ9や装飾用LED、または節電中報知LED9L,9Rなどに含まれる複数の発光体のうちで、点灯する発光体の数を減少させることにより、発光量を低下させてもよい。あるいは、遊技効果ランプ9や装飾用LED、または節電中報知LED9L,9Rに供給する駆動電圧を低下させることにより、発光量を低下させてもよい。こうした任意の点灯制御により、第1発光部材または第2発光部材の発光量を低下させることができればよい。通常時第2点灯設定における節電中報知LED9L,9Rの発光量は、省電力時第2点灯設定における発光量と同程度であってもよい。このような設定でも、省電力モードであるときには遊技効果ランプ9や装飾用LEDの発光量を低下(あるいは消灯)させることにより、ある程度の節電効果を期待することができる。
【0130】
通常時第1点灯設定や通常時第2点灯設定は、パチンコ遊技機1の仕様に応じて予め決められた固定的な設定とし、ステップS204の処理では、省電力時第1点灯設定や省電力時第2点灯設定を変更可能としてもよい。一方、通常時第1点灯設定や通常時第2点灯設定についても、ステップS204の処理により変更可能としてもよい。
【0131】
節電中報知LED9L,9Rの点灯設定には、省電力モード(あるいは通常動作モード)であるときにいずれのLEDを点灯させるかの設定や、最大発光量となる向きの設定などが含まれてもよい。例えば、遊技場におけるパチンコ遊技機1の設置位置や周辺環境などに基づいて、省電力モードであるときには、節電中報知LED9L,9Rのいずれか一方または両方を点灯させるように設定できればよい。一例として、遊技領域(ガラス面)の左側方に設けられた節電中報知LED9Lを点灯させることにより、パチンコ遊技機1の設置位置に対向した場合における左方向の外側範囲(対向した者の側からすれば右方向への斜視範囲)において、その発光を認識できればよい。遊技領域の右側方に設けられた節電中報知LED9Rを点灯させることにより、パチンコ遊技機1の設置位置に対向した場合における右方向の外側範囲(対向した者の側からすれば左方向への斜視範囲)において、その発光を認識できればよい。節電中報知LED9L,9Rのうちで省電力モード(あるいは通常動作モード)であるときに点灯させるものと消灯させるものの設定は、演出制御用CPU120によるステップS204での初期設定として、ソフトウェアにより設定されてもよいし、例えばディップスイッチなどの手動切替に対応して、ハードウェアにより設定されてもよい。
【0132】
また、例えば節電中報知LED9L,9Rのそれぞれに対応して、各LEDの向きを変更可能な電動アクチュエータを設け、演出制御用CPU120からの指令に応じて、各LEDの向きを変更することにより、各LEDの発光を認識可能な角度や位置といった認識可能範囲を調整できればよい。あるいは、各LEDの向きを、手動により変更可能としてもよい。
【0133】
ステップS204の処理を実行した後には、初期設定に基づく通常動作モードの開始に対応して、遊技効果ランプ9や装飾用LED、あるいは節電中報知LED9L,9Rを通常時の所定態様(初期点灯態様)で点灯を開始させるための設定を行う(ステップS205)。例えば、ステップS205の処理では、演出制御用CPU120が電力制御回路126やランプ制御基板14に対して所定指令を伝送させることにより、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを通常時第1点灯設定に応じて全点灯(あるいは一部点灯)させる一方、節電中報知LED9L,9Rを通常時第2点灯設定に応じて点灯(あるいは消灯)させればよい。
【0134】
ステップS201にて省電力モードフラグがオンである場合には(ステップS201;Yes)、遊技者センサ32による遊技者検知以外に、予め定められた通常動作モードへの復帰条件(通常動作復帰条件)が成立したか否かを判定する(ステップS206)。ステップS206の処理では、パチンコ遊技機1が省電力モードとなる以前に実行されたステップS204の処理による設定に基づいて、通常動作復帰条件が成立したか否かが判定されればよい。
【0135】
ステップS206にて復帰条件が成立していない場合には、起動時設定処理を終了することにより、省電力モードを継続させる。このときには、電力制御回路126に対して所定指令を送り、演出制御用CPU120への電力供給を再び停止させてもよい。また、ステップS206にて復帰条件が成立するか否かを、所定の待機時間が経過するまで繰返し判定した後、復帰条件が成立することなく待機時間が経過したときに、演出制御用CPU120への電力供給を再び停止させてもよい。予め設定した複数の復帰条件のうち、少なくとも1つが成立すれば不成立ではないと判定してもよいし、すべての復帰条件が成立しなければ不成立であると判定してもよい。同一の復帰条件が成立したとの判定が所定回連続して行われたときに不成立ではないと判定してもよい。
【0136】
ステップS206にて復帰条件が成立した場合には、省電力モードフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS207)。また、省電力モードから通常動作モードへの復帰に対応して、所定の復帰報知を開始させるための設定を行う(ステップS208)。復帰報知は、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用可動部材31の動作といった、演出用の電気部品の一部または全部を用いた所定動作により行うことができればよい。復帰報知は、予め定められた復帰報知時間(例えば5秒間など)が経過するまで継続して行われた後に終了すればよい。
【0137】
省電力モードから通常動作モードへの復帰に対応して、遊技効果ランプ9や装飾用LED、あるいは節電中報知LED9L,9Rを通常復帰時の所定態様(復帰時点灯態様)で点灯を開始させるための設定を行う(ステップS209)。例えば、ステップS209の処理では、パチンコ遊技機1における初期設定(ステップS204の処理による設定を含む)に基づいて、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを通常時第1点灯設定に応じて全点灯(あるいは一部点灯)させる一方、節電中報知LED9L,9Rを通常時第2点灯設定に応じて点灯(あるいは消灯)させればよい。
【0138】
一部の可動部材について、原点位置に設定するための処理を実行する(ステップS210)。一例として、演出用可動部材31が「腕」を象った第1可動部材と、「顔」を象った第2可動部材とを含み、それぞれが可動部材駆動回路31Aに含まれる別個のソレノイドによって駆動される場合に、第2可動部材を駆動するソレノイドに対する駆動信号の供給のみを停止させることにより、第2可動部材のみについて、初期設定位置としての基準位置となる原点位置に設定できればよい。一方、第1可動部材については原点位置の設定を行わないようにして、ステップS210の処理を終了すればよい。なお、ステップS210の処理を実行せずに、いずれの可動部材についても、省電力モードから通常動作モードに復帰するときには、原点位置の設定が行われないようにしてもよい。
【0139】
このように、ステップS210の処理では、一部の可動部材についてのみ原点位置に設定される。一方、ステップS203の処理では、すべての可動部材について原点位置に設定される。したがって、例えば「腕」を象った第1可動部材については、所定の初期設定条件が成立したときには原点位置の設定が行われる一方で、省電力モードから通常動作モードへの復帰時には原点位置の設定が行われないように制限される。これに対して、例えば「顔」を象った第2可動部材については、所定の初期設定条件が成立したときに原点位置の設定が行われ、さらに省電力モードから通常動作モードへの復帰時にも原点位置の設定が行われる。
【0140】
ステップS210の処理により原点位置に設定する可動部材は、パチンコ遊技機1の仕様に応じて予め定められてもよいし、例えば演出制御用CPU120によるステップS204での初期設定として、ソフトウェアにより設定されてもよいし、例えばディップスイッチの手動切替に対応して、ハードウェアにより設定されてもよい。特に、複数の可動部材のうちで比較的に重量が大きい可動部材については、省電力モードから通常動作モードに復帰するときに、原点位置の設定を行うようにすればよい。
【0141】
その後、例えばRAM122の所定領域に記憶された可動部材動作情報を読み出す(ステップS211)。可動部材動作情報は、省電力モードに移行する直前の通常動作モードであったときに、動作中の可動部材について、複数の可動部材のうちいずれであるかや、その配置などを特定可能に示す情報であればよい。こうした可動部材動作情報の読出結果に基づいて、省電力モードへの移行時に動作中であった可動部材があるか否かを判定する(ステップS212)。そして、可動部材があると判定した場合には(ステップS212;Yes)、省電力モードへの移行時に動作中であったと判定した可動部材について、可動部材動作情報に基づく復帰位置に設定するための処理を実行する(ステップS213)。
【0142】
ステップS212にて可動部材がないと判定した場合や、ステップS205、S213の処理のいずれかを実行した後には、動作状態信号の外部出力をオン状態とするための設定を行ってから(ステップS214)、起動時設定処理を終了する。動作状態信号は、例えば所定のターミナル基板(情報端子基板)を介して、パチンコ遊技機1の外部装置(例えばホールコンピュータなど)に対し出力され、ホールコンピュータなどの外部装置側でパチンコ遊技機1の動作状態(通常動作モードまたは省電力モード)を認識できるようにすればよい。
【0143】
ステップS214の処理により外部出力された動作状態信号は、パチンコ遊技機1の上方に設けられた呼出ランプに対して伝送されてもよい。呼出ランプは、パチンコ遊技機1などの遊技機における遊技情報(例えば遊技状態や始動回数、大当り回数等)を遊技者に対して表示する遊技情報表示装置となるものであればよい。パチンコ遊技機1の電断状態や省電力モードに対応して動作状態信号がオフ状態であるときには、呼出ランプに対する電力供給も停止され、遊技情報の表示が行われないようにしてもよい。一方、パチンコ遊技機1の動作状態が通常動作状態としての通常動作モードであることに対応して動作状態信号がオン状態であるときには、呼出ランプに対する電力供給が行われ、遊技情報が表示されるようにすればよい。
【0144】
動作状態信号は、通常動作モードであることに対応して高電圧(ハイレベル)のオン状態となり、省電力モードであることに対応して低電圧(ローレベル)のオフ状態となればよい。すなわち、動作状態信号は、省電力モードであるか否かを示す省電力状態信号としてみた場合に、省電力モードではないときにオン状態(ハイレベル)となる負論理の信号であればよい。このように、省電力モードであるときには、動作状態信号を低電圧(ローレベル)にすることにより、省電力モードであるときの消費電力を低減でき、節電効果を高めることができる。
【0145】
図7に示す起動時設定処理では、ステップS201の処理にて省電力モードフラグがオフであることに基づいて通常動作モードとする場合には、ステップS202の処理により演出制御用の初期データが設定される。このときには、例えば表示制御部123のVDPに初期設定指令を送ることで、CGROMのデータチェック、VRAMの初期化や初期データの展開といった、電力供給の開始に伴う表示制御の初期設定が行われる。また、例えば音声制御基板13の音声合成用ICに初期設定指令を送ることで、音声データROMのデータチェック、音声トラックや出力ボリュームの初期化および初期データの設定といった、電力供給の開始に伴う音声出力制御の初期設定が行われる。
【0146】
一方、ステップS201の処理にて省電力モードフラグがオンであることや、ステップS206の処理にて遊技者検知以外の復帰条件が成立したことに基づいて、省電力モードから通常動作モードに復帰させるときには、ステップS202のような設定が行われない。したがって、省電力モードから通常動作モードに復帰させるときには、表示制御や音声出力制御の初期設定が行われない。省電力モードであるときには、表示制御や音声出力制御の初期設定が不要となるように、電力制御回路126による制御の下で、表示制御部123や音声制御基板13に対する電力供給の一部が継続されてもよい。具体的な一例として、省電力モードであるときにもVRAMの記憶データが保持されるように、表示制御部123に対する電力供給の一部が継続されればよい。このように、省電力モードから通常動作モードに復帰するときには、表示制御や音声出力制御の初期設定が行われないようにすることで、表示制御部123や音声制御基板13において、省電力モードからの復帰を短時間で円滑に行うことができる。
【0147】
演出制御用マイクロコンピュータにおけるROM121には、図柄変動制御パターンテーブルを初めとする、各種予告演出の演出制御パターンを含む予告演出制御パターンテーブル(図示略)、各種大当り状態や小当り状態における演出制御パターンや、後述する着席演出や離席演出を含む各種演出制御パターンテーブル(図示略)等が記憶されている。図柄変動制御パターンテーブルには、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータが、変動パターンに応じて格納されている。各図柄変動制御パターンには、例えば、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、並びに音制御実行データ、操作入力等の入力の受付け開始や受付け終了のタイミング等を特定可能な入力受付け期間データ、終了コードといった演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための複数の制御データ(プロセスデータ)が時系列的に設定されている。
【0148】
また、各種演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、ラウンド等に応じて格納されている。各演出制御パターンには、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。
【0149】
なお、図柄変動制御パターン、各種予告の予告演出制御パターン、各種演出制御パターン等、各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
【0150】
プロセスタイマ設定値は、演出制御用CPU120における演出制御用のプロセスタイマの格納値であるプロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、プロセスタイマ設定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
【0151】
表示制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御実行データは、画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。音制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における演出図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、各スピーカ8L,8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音制御実行データは、各スピーカ8L,8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御実行データには、例えば遊技効果ランプ9や節電中報知LED9L,9Rといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御実行データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。可動部材制御データは、演出可動部材31における動作態様を指定するデータである。
【0152】
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御実行データ、ランプ制御実行データ、可動部材制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。
【0153】
演出制御用CPU120は、これら演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、プロセスタイマ値がプロセスタイマ設定値のいずれかと合致したときには、そのプロセスタイマ設定値と対応付けられた演出制御実行データに含まれる表示制御実行データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させる制御を行う。また、音声制御実行データにより指定される態様で各スピーカ8L,8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御実行データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や節電中報知LED9L,9R等の発光体を点滅させる制御を行う。また、可動部材制御データにより指定される態様で演出可動部材31を動作させる制御を行う。なお、プロセスタイマ設定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
【0154】
本実施例において、演出制御用CPU120は、図6に示すステップS77の着席・離席判定処理にて、遊技者が着席したと判定した場合は、着席フラグをセットし、例えば遊技者を歓迎するなどの着席演出を実行する。また、遊技者が離席したと判定した場合は、着席フラグをリセットし、遊技実行を感謝したり遊技継続の勧誘などの離席演出を実行する。つまり、基本的に着席演出は遊技者が遊技を開始するための着席であると判定したときに行われ、離席演出は遊技を終了するための離席であると判定したときに行われる。
【0155】
ところで、遊技者は遊技を終了するときだけでなく、トイレ休憩等のために遊技を中断して一時離席することがある。このような場合、遊技を継続する意思があるため比較的短時間(例えば、5分以内等)で戻ることが多い。しかし、このように休憩等のために一時離席するときに離席演出が行われ、戻ったときに着席演出が行われると遊技者に煩わしさを与えてしまうため、本実施例では、上皿に遊技球が保持されているときや遊技実行中であるときの離席(一時離席)は、遊技の終了に伴う離席と判定しないようにしている。
【0156】
演出制御用CPU120は、遊技者センサ32及び上皿センサ33の検出結果と演出制御プロセスフラグ値とに基づいて、遊技者の着席または離席を判定する。具体的には、遊技者センサ32がオフの場合に、上皿センサ33がオンまたは演出制御プロセスフラグが0以外、つまり上皿に遊技球を保持しているまたは可変表示や大当り遊技の実行中であれば、遊技中断のための一時離席であって遊技終了の離席と判定しないため、離席時間の計測を開始するだけで、着席フラグをリセットしないので離席演出は実行しない。
【0157】
また、上皿センサ33がオンまたは演出制御プロセスフラグが0以外の場合、遊技者センサ32のオフから所定時間(本実施例では5分)内に遊技者センサ32のオンを判定した場合は、着席フラグをクリアしていないので着席演出は実行されないが、当該遊技者センサ32のオフから5分以内に遊技者センサ32のオンを判定しなかった場合は、遊技終了の離席であると判定して着席フラグをクリアするため、次回着席を判定したときに着席演出を実行する。
【0158】
また、遊技者センサ32がオフの場合に、上皿センサ33がオフ及び演出制御プロセスフラグが0、つまり上皿に遊技球がなく、かつ、可変表示や大当り遊技が行われてなければ、遊技終了の離席であると判定し、離席演出を実行する。また、このときに前回着席してから今回離席するまでに経過した時間(一時離席期間は除く)、つまり遊技者の遊技時間を記憶しておくことで、該遊技時間に応じた態様の離席演出を実行する。
【0159】
次に、遊技者センサ32がオンの場合、着席フラグがセットされていなければ離席状態での着席になるため、着席演出を実行する。すなわち、離席演出の実行後や一時離席時間が5分を超えた場合は離席と判定して着席フラグをクリアするため、着席演出を実行するとともに、着席タイマのカウント、つまり遊技時間の計時を開始する。
【0160】
尚、本実施例では、トイレ休憩などの一時離席であるか否かを、上皿に遊技球が貯留されているかまたは遊技実行中であるか否かに基づいて判定していたが、例えば、パチンコ遊技機1に隣接して設けられた球貸機(プリペイドカードユニット)からのカード確認信号などに基づいて球貸機にカードが投入されていると判定されたこと、球貸機からのカード残高表示信号などに基づいて残高が「0」でないと判定されたこと、打球発射装置により遊技球が発射されていること、特図ゲームといった可変表示の保留記憶があること、のうち一部または全部を含むときに一時離席であると判定してもよい。
【0161】
また、本実施例では、上皿に遊技球が10球以上貯留されている場合に上皿センサ33がオンとなり、これにより遊技継続の意思があると判定する。このように、所定球数以上の遊技球が貯留されている場合に上皿センサ33がオンとなるようにすることで、例えば遊技者が上皿に10球未満の遊技球(例えば2球)が残存していることに気付かずに遊技を終了する場合に、上皿に遊技球が貯留されていると判定して離席演出が実行されないといった事態の発生を回避することができる。尚、上皿に遊技球が貯留されていると判定する遊技球数は上記10球に限定されるものではなく、種々に決定可能である。
【0162】
着席演出の演出態様は、図11(a)に示す着席演出種別決定テーブルに予め複数種類記憶されている。着席演出種別決定テーブルには、遊技者が着席したと判定するまでのパチンコ遊技機1の状況に応じた複数種類の種別TA〜TEが記憶されている。また、特に図示はしないが、これら各種別TA〜TEには複数種類の演出パターンが記憶されており、種別TA〜TEのうちいずれかが決定された場合、決定された種別に対応する複数の演出パターンのうちから決定されるようになっている。
【0163】
そして演出制御用CPU120は、着席演出の実行を決定したときに、図11(a)に示す着席演出種別決定テーブルに基づいて、遊技者が着席したと判定するまでのパチンコ遊技機1の状況に応じた着席演出種別に対応する演出パターンを決定し、該決定した演出パターンに基づいて着席演出を実行する。
【0164】
選択条件としては、演出制御用CPU120が、確変状態であるときに通常状態と同様の演出モードとして確変状態であることを遊技者が認識不可能あるいは認識困難な潜伏確変モードを実行しているか否か、1日の総大当り回数等があるが、例えば1日の総確変大当り回数や小当り回数等の他の条件に基づいて選択されるようにしてもよい。
【0165】
離席演出の演出態様は、図11(b)に示す離席演出種別決定テーブルに予め複数種類記憶されている。離席演出種別決定テーブルには、遊技者が離席したと判定するまでのパチンコ遊技機1の状況に応じた複数種類の種別RA〜RFが記憶されている。また、特に図示はしないが、これら各種別RA〜RFには複数種類の演出パターンが記憶されており、種別RA〜RFのうちいずれかが決定された場合、決定された種別に対応する複数の演出パターンのうちから決定されるようになっている。
【0166】
そして演出制御用CPU120は、離席演出を実行することを決定したときに、図11(b)に示す離席演出種別決定テーブルに基づいて、遊技者が離席したと判定するまでのパチンコ遊技機1の状況に応じた離席演出種別に対応する演出パターンを決定し、該決定した演出パターンに基づいて離席演出を実行する。
【0167】
選択条件としては、遊技者が着席してから離席するまでの遊技時間や大当り回数等の遊技者個人の遊技履歴や、あるいは、遊技者が離席する際の遊技状態が潜伏確変状態であるか否か等の遊技機の状態等があるが、その他にも、確変大当り回数や小当り回数等の他の条件に基づいて選択されるようにしてもよい。
【0168】
このような着席演出や離席演出は、本実施例では、画像表示装置5及びスピーカ8L,8Rにより実行されるようになっている。図17には、着席演出や離席演出の一例が示されている。
【0169】
例えば、種別TAに基づく着席演出では、着席の判定とともに画像表示装置5の表示画面に男性キャラクタが表示され、「いらっしゃいませ!!潜伏している予感が・・・」という文字メッセージが表示されるとともに、スピーカ8L,8Rからは表示された文字メッセージと同一内容の音声メッセージが出力される(図17(a)参照)。
【0170】
種別RCに基づく離席演出では、離席の判定とともに画像表示装置5の表示画面に女性キャラクタが表示され、「お疲れ様。サイトで特典をGETしてね」という文字メッセージが表示されるとともに、スピーカ8L,8Rからは表示された文字メッセージと同一内容の音声メッセージが出力される(図17(b)参照)。
【0171】
種別RDに基づく離席演出では、離席の判定とともに画像表示装置5の表示画面に女性キャラクタが表示され、「現在の確変潜伏期待度は・・・XX%」という文字メッセージが表示されるとともに、スピーカ8L,8Rからは表示された文字メッセージと同一内容の音声メッセージが出力される(図17(c)参照)。
【0172】
このような着席演出や離席演出の演出態様は、上記のものに限定されるものではなく、例えばメッセージ、キャラクタ、背景等が異なる他の演出態様であってもよい。また、演出の選択条件となる遊技履歴内容等を加えたり変更したりできるようにしてもよい。
【0173】
また、本実施例では、画像表示装置5による表示及びスピーカ8L,8Rからの音声出力により着席演出や離席演出を行うようになっているが、画像表示装置5以外の演出手段、例えば演出用可動部材31や遊技効果ランプ9等により演出を実行してもよい。
【0174】
また、パチンコ遊技機1に設けられた表示装置だけでなく、例えばパチンコ遊技機1に隣接して設けられた球貸機(プリペイドカードユニット)に設けられた表示装置等の演出手段にて演出を実行するようにしてもよい。
【0175】
また、着席演出や離席演出にて出力されるメッセージの内容等を、所定操作により変更することができるようにしてもよい。このようにすることで、例えば遊技店の店員等が、その日に実施しているイベントや新装開店状況等に応じて着席時のメッセージを変えたり、離席の際に次回イベント等の遊技店に関する情報を提供することも可能となる。
【0176】
図8は、図6に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS75)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S808のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、画像表示装置5の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。また、着席演出に関する制御も、離席演出に関する表示も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
【0177】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):図9に示すように、変動パターンコマンド受信待ち処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS810)。変動パターンコマンドを受信していれば(ステップS810;Yes)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS811)。また、変動パターンコマンドを受信していなければ(ステップS810;No)、着席演出実行フラグまたは離席演出実行フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS812)、いずれかがセットされていれば(ステップS812;Yes)、演出制御プロセスフラグの値を着席・離席演出開始処理(ステップS807)に対応した値に変更する(ステップS813)。
【0178】
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
【0179】
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
【0180】
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0181】
当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、画像表示装置5に大当り或いは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
【0182】
当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中或いは小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、画像表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
【0183】
当り終了演出処理(ステップS806):画像表示装置5において、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0184】
なお、本実施例では、小当りが発生した場合においては、ステップS804〜806において、確変大当りBが発生した場合と同様の演出処理を実施することで、発生したのが、確変状態に移行する確変大当りBであるのか、確変状態に移行しない小当りが発生したのかを遊技者が判別できないようになっている。
【0185】
着席・離席演出開始処理(ステップS807):画像表示装置5において、遊技者が着席したときまたは遊技を終了して離席する際に、遊技者を歓迎したり勧誘する演出画面を表示する制御を行う。
【0186】
図10は、着席・離席演出開始処理を示すフローチャートである。着席・離席演出開始処理において、演出制御用CPU120は、着席演出実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS820)。着席演出実行フラグがセットされていれば(ステップS820;Yes)、着席演出種別決定処理を実施する(ステップS821)。また、着席演出実行フラグがセットされていなければ(ステップS820;No)、離席演出種別決定処理を実施する(ステップS822)。
【0187】
ここで、図11(a)には、着席演出種別決定処理を実施する際に用いられる着席演出種別決定テーブルが示されており、図11(b)には、離席演出種別決定処理を実施する際に用いられる離席演出種別決定テーブルが示されている。
【0188】
本実施例では、着席演出種別として、種別TA〜TEの5種類の着席演出種別が登録されており、それまでの遊技機の状況に応じて異なるパターンが選択されるようになっている。具体的には、その時点で演出制御用CPU120が潜伏確変モード演出を実行している場合、「潜伏しているかも?・・」というように遊技状態が潜伏確変状態である可能性を示唆する内容のメッセージの表示及び音声アナウンスが行われる種別TAが選択される。また、パチンコ遊技機1の本日の総大当り回数が0回である場合、「一人目を目指してください!」というように本日の初当りの発生を煽る内容のメッセージの表示及びアナウンスが行われる種別TBが選択される。また、パチンコ遊技機1の本日の総大当り回数が1〜20回である場合、「まあまあの調子です!」というように大当りの発生状態を示す内容のメッセージの表示及びアナウンスが行われる種別TCが選択される。また、パチンコ遊技機1の本日の総大当り回数が21〜30回である場合、「絶好調です!」というように大当りの発生状態を示す内容のメッセージの表示及びアナウンスが行われる種別TDが選択される。また、パチンコ遊技機1の本日の総大当り回数が31回以上である場合、「爆裂中です!」というように大当りの発生状態を示す内容のメッセージの表示及びアナウンスが行われる種別TEが選択される。
【0189】
また、離席演出種別として、種別RA〜RFの5種類の離席演出種別が登録されており、それまでの遊技機の状況に応じて異なるパターンが選択されるようになっている。具体的には、後述する着席タイマのカウント値に基づいて、それまで遊技を実施していた遊技者の遊技時間が1時間未満の場合、「もう帰るの?・・」というように遊技の継続を勧誘する内容のメッセージの表示及び音声アナウンスが行われる種別RAが選択される。また、遊技時間が1時間以上3時間未満である場合、「お疲れ様でした」というように長時間の遊技に感謝する内容のメッセージの表示及び音声アナウンスが行われる種別RBが選択される。また、遊技時間が3時間以上で、その期間の大当り回数が3回未満であり、かつ、遊技状態が潜伏確変状態ではない場合、例えば、長時間遊技したにも関わらずあまり大当りが発生しなかった遊技者に対する救済として、遊技機メーカー等が提供するサイトにアクセスするための二次元コードの表示及びアナウンスが行われる種別RCが選択される。この場合、サイトにアクセスすることで、遊技を実行した特典として例えば遊技機や該遊技機に関連するキャラクタ等の壁紙のダウンロードやミニゲーム等が実施可能となるようにしてもよいし、あるいは他の特典を取得できるようにしてもよい。
【0190】
また、遊技時間が3時間以上で、その期間の大当り回数が3回未満であり、かつ、遊技状態が潜伏確変状態である場合、例えば、長時間遊技したにも関わらずあまり大当りが発生しなかった遊技者に対する救済として、特典として遊技状態が潜伏確変状態であることを示す表示(例えば、図17(c)参照)及び音声アナウンスが行われる種別RDが選択される。また、遊技時間が3時間以上で、その期間の大当り回数が30回未満、つまり、3〜29回である場合、例えば、「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしています!」といったように、長時間遊技した遊技者に対して感謝を示す表示及びアナウンスが行われる種別REが選択される。また、遊技時間が3時間以上で、その期間の大当り回数が30回を超えている場合、例えば、「おめでとうございます!大勝利!!」といったように、長時間遊技し、しかも大当りが頻発した遊技者に対して祝福を示す表示及びアナウンスが行われる種別RFが選択される。
【0191】
図12は、図10の着席演出種別決定処理を示すフローチャートである。着席演出種別決定処理では、演出制御用CPU120は、潜伏確変モード演出を実行中であるか否かを確認し(ステップS830)、実行中であれば、(ステップS830;Yes)種別TAを選択する(ステップS831)。実行中でなければ(ステップS830;No)、総大当り回数が0回であるか否かを確認し(ステップS832)、0回であれば(ステップS832;Yes)、種別TBを選択する(ステップS833)。総大当り回数が0回でなければ(ステップS832;No)、総大当り回数が1〜20回であるか否かを確認し(ステップS834)、1〜20回であれば(ステップS834;Yes)、種別TCを選択する(ステップS835)。総大当り回数が1〜20回でなければ(ステップS834;No)、総大当り回数が21〜30回であるか否かを確認し(ステップS836)、21〜30回であれば(ステップS836;Yes)、種別TDを選択する(ステップS837)。そして、総大当り回数が21〜30回でなければ(ステップS836;No)、種別TEを選択する(ステップS838)。
【0192】
図13は、図10の離席演出種別決定処理を示すフローチャートである。離席演出種別決定処理では、演出制御用CPU120は、記憶されている着席タイマのカウンタ値が1時間未満であるか否かを確認し(ステップS840)、1時間未満であれば(ステップS840;Yes)、種別RAを選択する(ステップS841)。1時間未満でなければ(ステップS840;No)、1時間以上3時間未満であるか否かを確認し(ステップS842)、1時間以上3時間未満であれば(ステップS842;Yes)、種別RBを選択する(ステップS843)。1時間以上3時間未満でなければ(ステップS842;No)、前回着席してからの大当り回数が3回以下であるか否かを確認し(ステップS844)、3回以下であれば(ステップS844;Yes)、遊技状態が潜伏確変状態であるか否かを確認する(ステップS845)。潜伏確変状態でなければ(ステップS845;No)、種別RCを選択し(ステップS846)、潜伏確変状態であれば(ステップS845;Yes)、種別RDを選択する(ステップS847)。また、ステップS844で大当り回数が3回以下ではなければ(ステップS840;No)、前回着席してからの大当り回数が30回を超えているか否かを確認し(ステップS848)、30回を超えていない、つまり3〜29回であれば(ステップS848;Yes)、種別REを選択し(ステップS849)、30回を超えていれば(ステップS848;Yes)、種別RFを選択する(ステップS850)。
【0193】
図10に戻って、ステップS823では、ステップS821またはステップS822にて決定された演出パターンに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択し、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS824)。
【0194】
次に、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種遊技効果ランプ9および演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(ステップS825)。例えば、画像表示装置5において着席・離席演出種別パターンに応じた画像を表示させるために、VDPに指令を出力する。また、各種遊技効果ランプ9を点灯/消灯制御を行わせるために、LEDドライバ基板等に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声出力基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
【0195】
そして、演出時間タイマに、着席演出実行フラグまたは離席演出実行フラグで特定される演出時間に相当する値を設定し(ステップS826)、演出制御プロセスフラグの値を着席・離席演出処理(ステップS827)に対応した値にする(ステップS828)。
【0196】
図14は、演出制御プロセス処理における着席・離席演出処理(ステップS808)を示すフローチャートである。着席・離席演出処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、演出時間タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS860,861)。次いで、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS862)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら(ステップS862;Yes)、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS863)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS854)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS865)。
【0197】
次いで、演出時間タイマがタイムアウトしているか否か確認し(ステップS866)、演出時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS866;Yes)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS867)。
【0198】
図15は、図6のステップS77の着席・離席判定処理を示すフローチャートである。着席・離席判定処理では、演出制御用CPU120は、まず遊技者センサ32がオフであるか否かを確認し(ステップS701)、遊技者センサ32がオフであれば(ステップS701;Yes)、上皿センサ33がonであるか否か、つまり遊技終了の離席であるか遊技中断の離席(トイレ休憩など)であるかを確認する(ステップS702)。
【0199】
上皿センサ33がオンではない、つまり遊技終了の離席であれば(ステップS702;No)、演出制御プロセスフラグが0であるか否か、つまり遊技中であるか否かを確認し(ステップS703)、演出制御プロセスフラグが0であれば(ステップS703;Yes)、つまり遊技中でなければ、着席フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS704)。
【0200】
着席フラグがセットされていなければ(ステップS704;No)、遊技者が着席していない状態での遊技者センサ32のオフ検出、つまり遊技機の起動処理後最初のオフ検出であるため、そのまま処理を終了する。また、着席フラグがセットされていれば(ステップS704;Yes)、遊技者が着席していた状態での遊技者センサ32のオフ検出であるため、遊技者が離席(遊技終了離席)したと判定する(ステップS705)。
【0201】
次いで、離席演出実行フラグをセットした後(ステップS706)、着席フラグをクリアする(ステップS707)。そして、その時点の着席タイマ値を記憶した後(ステップS708)、着席タイマ値をリセットする(ステップS709)。これにより、前回遊技者が着席してから離席するまでの時間、つまり遊技時間が特定可能となる。
【0202】
一方、ステップS702において上皿センサ33がオン、つまり遊技中断の離席である場合(ステップS702;Yes)及びプロセスフラグが0以外である、つまり遊技中である(一時的なセンサオフ検出)場合(ステップS701;No)は、離席タイマのカウンタ値を1減算し(ステップS710)、離席タイマのカウンタ値が0になったか否か、つまり離席タイマのカウント減算を開始してから5分が経過したか否かを確認し(ステップS711)、カウンタ値が0でなければ(ステップS711;No)処理を続行し、0であれば(ステップS711;Yes)、中断離席と判定してから5分以上が経過したため遊技終了のための離席と判定し、着席フラグをクリアするとともに(ステップS712)、離席タイマのカウンタ値に所定値(ここでは5分に相当する値)をセットする(ステップS713)。
【0203】
一方、ステップS701において遊技者センサ32がオフでなければ(ステップS701;No)、着席フラグがセットされているか否か、つまり遊技者が着席していない状態での遊技者センサ32のオン検出であるか否かを確認し(ステップS714)、着席フラグがセットされていない、つまり遊技者が着席していない状態での遊技者センサ32のオン検出であれば(ステップS714;No)、遊技者が着席したと判定し(ステップS715)、着席フラグをセットした後(ステップS716)、着席演出実行フラグをセットする(ステップS717)。
【0204】
また、ステップS714において着席フラグがセットされていれば、遊技者が着席している状態での遊技者センサ32のオン検出であるとして、ステップS718に進む。
【0205】
ステップS718では、着席タイマのカウンタ値を1加算し(ステップS718)、離席タイマのカウンタ値に所定値(ここでは5分に相当する値)をセットする(ステップS719)。
【0206】
図16は、省電力モード移行設定処理として、図6のステップS78にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す省電力モード移行設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、RAM122の所定領域などに記憶されている演出制御プロセスフラグの値が“0”であるか否かを判定する(ステップS221)。このとき、演出制御プロセスフラグの値が“0”以外の値であれば(ステップS221;No)、そのまま省電力モード移行設定処理を終了する。
【0207】
ステップS221にて演出制御プロセスフラグの値が“0”であるときには(ステップS221;Yes)、例えば所定のエラー処理が実行中であることなどに対応して、異常発生に伴うエラー報知中であるか否かを判定する(ステップS222)。エラー報知中であると判定されたときには(ステップS222;Yes)、省電力モード移行設定処理を終了する。
【0208】
ステップS222にてエラー報知中ではないと判定されたときには(ステップS222;No)、例えば遊技者センサ32から伝送された遊技者検知信号がオフ状態であるかを確認することなどにより、遊技者の離席が検知されたか否かを判定する(ステップS223)。ここで、遊技者の離席が検知されていなければ(ステップS223;No)、省電力モード移行設定処理を終了する。したがって、遊技者センサ32により遊技者を含む対象物が検知されたときには、パチンコ遊技機1における動作状態が通常動作状態としての通常動作モードに維持されることで、省電力状態としての省電力モードには移行させないように制限される。
【0209】
一方、遊技者センサ32により対象物が検知されなくなり、ステップS223にて遊技者の離席が検知されたときには(ステップS223;Yes)、省電力モードへの移行を開始するために予め設定したその他の条件が成立したか否かを判定する(ステップS224)。ステップS224の処理では、図7に示すステップS204の処理による設定に基づいて、任意に設定可能な省電力モード開始条件が成立したか否かが判定されればよい。そして、省電力モード開始条件が成立していないと判定された場合には(ステップS224;No)、省電力モード移行設定処理を終了する。
【0210】
ステップS224にて省電力モード開始条件が成立したと判定された場合には(ステップS224;Yes)、例えば可動部材駆動回路31Aに対する駆動制御信号の出力設定を確認することなどにより、動作中の可動部材があるか否かを判定する(ステップS225)。このとき、動作中の可動部材があれば(ステップS225;Yes)、例えばRAM122の所定領域などに、可動部材動作情報を記憶させる(ステップS226)。可動部材動作情報は、動作中の可動部材について、複数の可動部材のうちいずれであるかや、その配置などを特定可能に示す情報であればよい。一例として、演出制御用CPU120は、駆動制御信号の出力設定を示すデータをRAM122の所定領域に格納することにより、可動部材動作情報を記憶させればよい。
【0211】
ステップS226の処理に続いて、動作中の可動部材を原点位置に設定するための処理を行う(ステップS227)。例えば、ステップS226の処理では、可動部材駆動回路31Aに対する駆動制御信号の出力を停止することにより、演出用可動部材31に含まれる動作中の可動部材を、基準位置となる原点位置に設定できればよい。
【0212】
このように、省電力モードへの移行に対応して、動作中の可動部材を原点位置に設定することにより、省電力モードに移行したときに可動部材を適切に収納することができる。なお、動作中の可動部材だけでなく、省電力モードへの移行時にすべての可動部材を原点位置に設定する処理が実行されてもよい。これにより、省電力モードから通常動作モードに復帰させるときに可動部材を原点位置に設定する処理が不要になることで、省電力モードからの復帰時に遊技や演出の進行が妨げられることを防止できる。
【0213】
ステップS225にて動作中の可動部材がない場合や(ステップS225;No)、ステップS227の処理を実行した後には、パチンコ遊技機1における遊技状態を特定する(ステップS228)。主基板11から演出制御基板12に対しては、例えば遊技状態が変化したときといった所定タイミングにて、パチンコ遊技機1における遊技状態を特定可能に指定する演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)が伝送されればよい。演出制御用CPU120は、この演出制御コマンドの受信結果に基づいて、現在の遊技状態を特定できればよい。
【0214】
ステップS228における遊技状態の特定結果に基づいて、通常動作モードから省電力モードに移行させるために、遊技効果ランプ9や装飾用LED、あるいは節電中報知LED9L,9Rを省電力時の所定態様(省電力時点灯態様)で点灯を開始させる設定を行う(ステップS229)。例えば、ステップS229の処理では、演出制御用CPU120が電力制御回路126やランプ制御基板14に対して所定指令を伝送させることにより、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを省電力時第1点灯設定に応じて点灯(あるいは消灯)させる一方、節電中報知LED9L,9Rを省電力時第2点灯設定に応じて全点灯(あるいは一部点灯)させればよい。これにより、省電力モードであるときには、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける発光量が、節電中報知LED9L,9Rにおける発光量よりも低下する。
【0215】
ステップS229の処理では、ステップS228の処理にて特定された遊技状態に応じて、節電中報知LED9L,9Rにおける発光態様を異ならせてもよい。一例として、ステップS228の処理により特定された遊技状態が通常状態である場合には、遊技者が遊技継続の意思なく離席したと判断して、ドットマトリクスを形成する節電中報知LED9L,9Rのうちで点灯させるLEDの組合せにより、「遊技者募集中!」といったメッセージを報知する発光態様とする。一方、ステップS228の処理により特定された遊技状態が時短状態または確変状態である場合には、遊技者が遊技継続の意思を有しているものの休憩などの理由により離席したと判断して、ドットマトリクスを形成する節電中報知LED9L,9Rのうちで点灯させるLEDの組合せにより、「チャンス継続中!」といったメッセージを報知する発光態様とする。また、ステップS228の処理にて特定された遊技状態に応じて、例えば節電中報知LED9L,9Rの発光色や最大発光量、点滅動作の有無、点滅間隔などの一部または全部といった、任意の発光態様を異ならせてもよい。
【0216】
なお、省電力モードである期間における節電中報知LED9L,9Rの点灯パターンは、演出制御用CPU120から電力制御回路126に対する指令に応じて設定され、電力制御回路126により節電中報知LED9L,9Rの点灯動作が制御されてもよい。これにより、演出制御用CPU120に対する電力供給を停止しても、節電中報知LED9L,9Rを適切な発光態様で発光させることができる。
【0217】
ステップS228にて遊技状態を特定するために、上皿(打球供給皿)や下皿に所定量以上の遊技球が貯留されているか否かの判定を行い、貯留されている場合には遊技者が遊技継続の意思を有しているものの離席したと判断する一方、貯留されていない場合には遊技者が遊技継続の意思なく離席したと判断してもよい。パチンコ遊技機1における上皿形成部材の所定位置などに設置された操作ボタンに対する所定操作(具体的には押下操作など)に基づいて、遊技者が遊技継続の意思を有しているか否かを確認してもよい。一例として、遊技者センサ32により遊技者の離席が検知されるときなどに、遊技者に遊技を継続するか否かを問い合わせるための報知を行い、その報知に対して操作ボタンの所定操作が検出されたか否かに応じて、遊技継続の意思の有無を確認すればよい。こうした遊技者における遊技継続の意思の有無に応じて、省電力モードである期間における節電中報知LED9L,9Rの点灯パターンを異ならせることにより、省電力モードにおける発光態様を異ならせることができればよい。
【0218】
また、ステップS228にて特定される遊技状態として、例えばパチンコ遊技機1における大当り回数、確変回数、総回転数(ゲーム数)などの遊技実行状況、リーチ回数、ミッション達成状況、所定演出出現有無などの演出実行状況、使用金額、遊技日、各遊技日における遊技実行状況や演出実行状況や使用金額などのうち、一部または全部を含んだ遊技履歴があってもよい。ステップS229にて省電力モードにおける節電中報知LED9L,9Rの発光態様を設定するときには、遊技履歴の特定結果に応じて異なる発光態様に設定してもよい。
【0219】
このように、ステップS228にて特定されるパチンコ遊技機1の遊技状態は、例えば通常状態や時短状態または確変状態といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行に応じて制御される内部的な遊技状態に限定されず、より一般的に、遊技者がパチンコ遊技機1により遊技を実行する上での様々な状態を含んでいてもよい。
【0220】
また、例えば複数の演出モードのうちいずれに制御されているかをステップS228にて特定した後、こうした演出モードの特定結果に基づいて、省電力モードにおける節電中報知LED9L,9Rの発光態様などが設定されてもよい。より具体的な一例として、確変状態であるときに、通常状態と同様の演出モードとして、確変状態であることを遊技者が認識不可能あるいは認識困難な潜伏確変モードになることがあってもよい。ステップS228では、こうした潜伏確変モードとなっているか否かを特定する。そして、ステップS229にて節電中報知LED9L,9Rの発光態様を設定するときに、ステップS228にて特定された演出モードが潜伏確変モードである場合には、特定された演出モードが潜伏確変モード以外の演出モードである場合とは異なる発光態様に設定してもよい。
【0221】
他の一例として、可変表示結果が「大当り」となるための達成条件、あるいは、特定の変動パターン(例えばスーパーリーチを伴う変動パターン)によるリーチ演出などが実行されて所定表示態様となるための達成条件として、あるミッション(課題または指令)を遊技者が認識可能に報知するための演出動作が所定期間(一定時間が経過するまでの期間、あるいは複数回の可変表示が実行されるまでの期間)にわたり行われるミッション報知モードになることがあってもよい。ステップS228では、こうしたミッション報知モードとなっているか否かを特定する。そして、ステップS229にて節電中報知LED9L,9Rの発光態様を設定するときに、ステップS228にて特定された演出モードがミッション報知モードである場合には、特定された演出モードがミッション報知モード以外の演出モードである場合とは異なる発光態様に設定してもよい。
【0222】
ステップS229での設定に続いて、動作状態信号の外部出力をオフ状態とするための設定を行う(ステップS230)。ステップS230での設定により、例えばホールコンピュータあるいは呼出ランプといった外部装置に対して出力される動作状態信号がオフ状態となる。こうして動作状態信号がオフとなることにより、呼出ランプに対する電力供給も停止され、遊技情報の表示が行われないようにしてもよい。一方、動作状態信号がオフとなった場合でも、呼出ランプに対する電力供給は継続され、パチンコ遊技機1が省電力モードであっても呼出ランプによる遊技情報の表示は行われるようにしてもよい。これにより、パチンコ遊技機1が省電力モードであるときでも、呼出ランプの表示による遊技情報の確認を可能にして、遊技者をパチンコ遊技機1へと適切に誘導することができる。なお、呼出ランプに対する電力供給の停止は、ステップS231の処理による指令に応じて行われてもよい。
【0223】
その後、電力制御回路126に対する所定指令の伝送により、演出制御基板12に搭載された各種回路や、各種の演出装置などへの電力供給量を減少させるように制限する(ステップS231)。ステップS231の処理により電力制御回路126に対して伝送される指令は、遊技者センサ32への電力供給は継続して遊技者の検知を可能にすることが指示できればよい。また、例えばRAM122の一部または全部といった、サブ側の制御基板に搭載されたRAMについて、省電力モードであるときにも記憶データの保存が可能となるように、所定の電力供給を指示してもよい。こうして省電力モードに移行させることに対応して、省電力モードフラグをオン状態にセットすればよい。
【0224】
ステップS231の処理では、例えば画像表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9および装飾用LEDの一部または全部といった、演出用の電気部品や、それらを制御するための各種回路に対しては、電力供給を停止(あるいは極力制限)して、消費電力が通常動作モードよりも低減するよう指示すればよい。なお、表示制御部123や音声制御基板13に対する電力供給の一部を継続させて、省電力モードからの復帰時に表示制御や音声出力制御の初期設定を行うことなく、省電力モードへの移行前における制御状態に復帰できるようにしてもよい。
【0225】
例えば画像表示装置5に対する電力供給が停止されることにより、画像表示装置5の画面上における各種画像の表示が消去される。また、スピーカ8L,8Rに対する電力供給が停止されることにより、スピーカ8L,8Rからの効果音出力が停止される(消音状態)。遊技効果ランプ9および装飾用LEDに対する電力供給が停止されることにより、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける点灯動作が停止される(消灯状態)。
【0226】
加えて、ステップS231の処理では、パチンコ遊技機1を介して球貸機(プリペイドカードユニット)に供給される所定電圧(例えば24V)の電力供給を停止させてもよい。これにより、例えばパチンコ遊技機1の上皿形成部材における所定位置に設けられた度数表示LEDや球貸可能報知LEDにおける表示を停止させる。
【0227】
ステップS231の処理が実行されるときに、演出制御用CPU120は、例えば所定のRAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定することなどにより、以後、RAM122へのアクセスを禁止してもよい。これにより、電力供給の停止に伴って演出制御用CPU120により実行されるプログラムの暴走が生じても、RAM122の記憶内容が破損することを防止できる。こうした省電力モードへの移行設定が行われた後には、待機状態(ループ処理)に入ることで、電力供給の停止による演出制御用CPU120の動作停止まで待機する。
【0228】
図8に示す演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値が“1”〜“3”のいずれかであるときに、特図ゲームの実行に対応して飾り図柄の可変表示を行うための処理が実行される。一方、演出制御プロセスフラグの値が“0”であるときには、可変表示を行うための処理が実行されない。したがって、図9に示すステップS221の処理にて演出制御プロセスフラグが“0”であると判定されたときには、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行されていない。
【0229】
また、図8に示す演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値が“4”または“5”であるときに、大当り遊技状態に対応して各種演出を行うための処理が実行される。一方、演出制御プロセスフラグの値が“0”であるときには、大当り遊技状態に対応した処理が実行されない。したがって、図9に示すステップS221の処理にて演出制御プロセスフラグが“0”であると判定されたときには、大当り遊技状態に制御されていない。
【0230】
そして、ステップS223の処理による遊技者の離席検知判定は、ステップS221にて演出制御プロセスフラグの値が“0”であることに基づいて実行可能となる一方、演出制御プロセスフラグの値が“0”以外の値であるときには実行されないように制限される。すなわち、演出制御用CPU120は、遊技者センサ32により遊技者が検知されずに離席したと判定されたときに、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行されていないことを条件として、あるいは大当り遊技状態に制御されていないことを条件として、通常動作モードから省電力モードに移行させる制御を行う。
【0231】
さらに、ステップS223の処理による遊技者の離席検知判定は、ステップS222にてエラー報知中ではないときに実行可能となる一方、エラー報知中であるときには実行されないように制限される。すなわち、演出制御用CPU120は、遊技者センサ32により遊技者が検知されずに離席したと判定されたときに、エラー報知中ではないことを条件として、通常動作モードから省電力モードに移行させる制御を行う。
【0232】
パチンコ遊技機1では、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口、大入賞口といった各種の入賞口において、入賞検出スイッチによる検出結果などに基づいて、異常入賞が発生したか否かの判定が行われる。そして、異常入賞が発生したと判定された場合には、主基板11から演出制御基板12に対して伝送された演出制御コマンド(例えば異常入賞通知コマンドなど)に基づいて、所定の演出側エラー処理が実行されることにより、異常入賞の発生に伴うエラー報知が行われる。
【0233】
また、パチンコ遊技機には、例えば磁石センサや電波センサ、振動センサといった、不正行為や不正動作を感知する各種のセンサが、所定位置に設けられてもよい。一例として、遊技領域の内部における所定位置に対応した遊技盤2の裏面には、磁石センサや電波センサが設けられ、磁石や電波を用いた不正行為を感知できるようにしてもよい。磁石センサは、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口、あるいは大入賞口に磁力で遊技球を誘導することといった、不正行為に用いられる磁石を検出する。電波センサは、例えば第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22B、あるいはカウントスイッチ23などの各種スイッチや検出器から出力される検出信号を電波によりオン状態とすることといった、不正行為に用いられる電波を検出する。振動センサは、例えば遊技領域の前面ガラスを囲む前面枠体や上皿形成部材などを叩いて遊技球の動きに変化を与えて遊技球を各入賞口に進入させるといった、不正行為により生じる振動を検出する。こうした各種のセンサにより不正行為や不正動作が感知された場合には、主基板11から演出制御基板12に対して伝送された演出制御コマンド(例えば不正通知コマンドなど)に基づいて、所定の演出側エラー処理が実行されることにより、不正行為や不正動作の感知に伴うエラー報知が行われる。
【0234】
こうしたエラー報知が行われているときには、ステップS222にてエラー報知中であると判定されることにより、ステップS223以降の処理が実行されないように制限される。なお、エラー報知中だけでなく、初期化報知中であるときにも、通常動作モードから省電力モードに移行させないように制限してもよい。例えば演出制御基板12に対する電力供給が開始されたときに、図7のステップS201にて省電力モードフラグがオフであると判定されたことに基づいて初期設定処理が実行される場合には、その実行に伴う初期化報知が行われる。こうした初期化報知が行われているときには、図9に示すステップS223以降の処理が実行されないように制限してもよい。
【0235】
なお、遊技者センサ32により遊技者が検知されずに離席したと判定されたときに、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行されていないこと、大当り遊技状態に制御されていないこと、エラー報知中(あるいは初期化報知中)ではないことのうち、少なくとも1つを条件として、通常動作モードから省電力モードに移行させる制御が行われてもよい。
【0236】
ステップS231の処理が実行されて省電力モードとなった後には、各種の入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、例えば異常入賞の発生に伴うエラー報知の実行制御といった、所定の制御が実行されてもよい。演出制御用CPU120が省電力モード移行設定処理を実行して省電力モードに移行させた場合でも、主基板11の側では通常時の電力供給が継続して行われており、第1始動入賞口や第2始動入賞口、大入賞口などの各種の入賞口を通過(進入)した遊技球が検出される。演出制御用CPU120では、省電力モードであるときでも入賞球の検出に基づき主基板11から伝送された所定の演出制御コマンド(例えば入賞指定コマンドなど)を受信可能とし、その受信に対応して所定の演出側エラー処理が実行されることにより、省電力モードであるときの入賞発生に伴うエラー報知が行われるようにすればよい。このように、省電力モードであるときの入賞検出に基づいて所定の制御が行われることにより、遊技者の離席が検知され着席が検知されていないときに、各種の入賞口を通過(進入)した遊技球の検出を異常入賞の発生として、適切に報知することができる。
【0237】
パチンコ遊技機1における動作状態が通常動作状態としての通常動作モードになった後、例えば遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生すると、特別図柄や飾り図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。画像表示装置5の表示領域では、特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。
【0238】
そして、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出され、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となったときには、大当り遊技状態に制御されて大入賞口が第1状態(例えば開放状態)に変化するラウンドが行われることで、遊技者が多数の賞球を得られる有利な状態となる。このように、パチンコ遊技機1において、可変表示結果が「大当り」に決定されたことに基づく特図ゲームや、それに対応して実行される飾り図柄の可変表示は、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合よりも遊技者の有利度が高い遊技となる。
【0239】
特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われておらず、しかも大当り遊技状態にも制御されていないときには、図8に示す演出制御プロセス処理で用いられる演出制御プロセスフラグの値が“0”となり、演出制御用のタイマ割込みが発生するごとに、ステップS800の変動パターンコマンド受信待ち処理が実行される。このような演出制御プロセスフラグの値が“0”であり、さらには演出制御基板12の側においてエラー報知中でもないときには、図16に示すステップS223の処理にて、遊技者センサ32を用いて遊技者の離席検知があったか否かが判定される。そして、遊技者の離席検知があったときには、その他の省電力モード開始条件が成立することにより、ステップS225〜S231の処理が実行されて、パチンコ遊技機1における動作状態が通常動作モードから省電力モードに移行する。
【0240】
こうして省電力モードに移行するときには、図16に示すステップS225の処理にて、動作中の可動部材があるか否かが判定される。そして、動作中の可動部材があるときには、ステップS226の処理にて可動部材動作情報を記憶させた後、ステップS227の処理にて原点位置に設定する。このように、省電力モードへの移行時には動作中の可動部材を原点位置に設定することにより、省電力モードであるときに可動部材を適切に収納することができる。また、動作中の可動部材についてのみ原点位置に設定することで、省電力モードに移行するための処理負担を軽減することができる。
【0241】
一方、省電力モードから通常動作モードに復帰するときには、図7に示すステップS201の処理にて省電力モードフラグがオンであることや、ステップS206の処理にて遊技者検知以外に予め設定された通常動作復帰条件が成立したことが判定される。これらの判定結果に基づいて、ステップS210の処理が実行されることにより、一部の可動部材が原点位置に設定される。したがって、省電力モードから通常動作モードに復帰するときには、原点位置への設定が行われる可動部材と、そのような設定が行われない可動部材とがある。
【0242】
また、図7に示すステップS210の処理が実行されるときには、ステップS211の処理により読み出した可動部材動作情報に基づいて、省電力モードへの移行時に動作中であった可動部材を、ステップS213の処理により復帰位置に設定する。
【0243】
通常動作モードと省電力モードでの遊技効果ランプ9と節電中報知LED9L,9Rにおける発光動作は、例えば、通常動作モードであるときに、節電中報知LED9L,9Rにおける発光量は、遊技効果ランプ9における発光量よりも低下する。より具体的な一例として、通常動作モードであるときには、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを3カンデラ以上の光度で発光させる一方、節電中報知LED9L,9Rを1カンデラ以下の光度で発光させる。なお、通常動作モードであるときには、節電中報知LED9L,9Rをすべて消灯させてもよい。
【0244】
一方、省電力モードであるときに、遊技効果ランプ9における発光量は、節電中報知LED9L,9Rにおける発光量よりも低下する。より具体的な一例として、省電力モードであるときには、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを消灯させる一方(0カンデラ)、節電中報知LED9L,9Rを2カンデラ以上の光度で発光させる。なお、省電力モードであるときでも、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの一部または全部を、1カンデラ以下の範囲で発光させることがあってもよい。
【0245】
こうして、遊技効果ランプ9や装飾用LED、節電中報知LED9L,9Rといった発光部材の全体における発光量を、省電力モードであるときには通常動作モードであるときに比べて数分の1以下(より具体的には半分以下)に抑制できればよい。また、省電力モードであるときには、節電中報知LED9L,9Rを点滅させるように、駆動信号のパルス幅を制御してもよい。この場合には、駆動信号パルスのデューティー比を変更することにより、点滅による発光量を自由に設定できればよい。
【0246】
通常動作モードから省電力モードに移行するときには、電力供給量を段階的に減少させてもよい。一例として、まずは、通常動作モードにおける電力供給量と省電力モードにおける電力供給量との中間程度(50%節電状態)まで電力供給量を減少させてから、所定時間(例えば10秒)が経過するまでは、その電力供給量を維持する。その後、遊技者が検知されることなく所定時間が経過したときに、省電力モードにおける電力供給量(100%節電状態)に減少させてもよい。
【0247】
省電力モードから通常動作モードに復帰するときには、図7に示すステップS208の処理により、通常動作モードへの復帰報知が行われる。一例として、図示しない復帰報知画面を画像表示装置5に表示する復帰報知が実行されればよい。復帰報知画面(図示略)では、例えば「遊技に戻ります」といったメッセージを報知する演出画像が表示され、省電力モードから通常動作モードに復帰することを遊技者に認識させることができる。
【0248】
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。具体的な一例として、上記実施の形態では、省電力モードから通常動作モードへの復帰時には原点位置の設定が行われないように制限する可動部材を設けた構成とともに、特別図柄や飾り図柄の可変表示中ではないことや、大当り遊技状態ではないことを条件として、通常動作モードから省電力モードに移行させる構成、さらには省電力モードであるときに遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける発光量を節電中報知LED9L,9Rにおける発光量よりも低下させる構成を備えるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、これらの構成のうち一部のみを備えるものであってもよい。
【0249】
上記実施の形態では、通常動作モードから省電力モードに移行させるときに、省電力モードフラグをオン状態に設定するとともに、演出制御用CPU120に対する電力供給を停止させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、省電力モードでは、通常動作モードのときよりも消費電力が少ない状態で演出制御用CPU120を動作させてもよい。一例として、省電力モードのときには、通常動作モードのときよりも演出制御用CPU120のクロック周波数を低下させることにより、演出制御用CPU120での消費電力を抑制してもよい。また、演出制御用のタイマ割込みが発生する周期を、省電力モードであるときには通常動作モードのときより長くすることにより、演出制御用CPU120での消費電力を抑制してもよい。
【0250】
上記実施の形態では、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120により、図6に示すステップS71の起動時設定処理やステップS79の省電力モード移行設定処理が実行されることで、パチンコ遊技機1における動作状態を通常動作モードと省電力モードとに切替可能であるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103により、パチンコ遊技機1における動作状態を通常動作モードと省電力モードとに切替可能とする処理が実行されてもよい。
【0251】
遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103により通常動作モードから省電力モードへと移行させるときには、例えば遊技領域の内部に設けられて遊技球の流路を切替可能に動作する球流制御用可動部材、あるいは特別図柄の可変表示に対応した回転動作により外周部に複数種類の図柄が配列された複数のリールといった、所定の可動部材を原点位置に設定するための処理が実行されてもよい。そして、省電力モードから通常動作モードに復帰させるときには、所定の可動部材を原点位置に設定するための処理が実行されないように制限してもよい。あるいは、所定の可動部材とは異なる特定可動部材については、省電力モードから通常動作モードに復帰させるときに、原点位置に設定するための処理が実行されてもよい。
【0252】
このように、通常動作モードと省電力モードとの切替えに応じて原点位置の設定が行われる可動部材や、原点位置の設定が行われない可動部材は、演出用可動部材31に限定されず、遊技球の流路を切替可能に動作する球流制御用可動部材や、複数種類の所定図柄が外周部に配列されて可変表示を行い表示結果を導出する回転式の可変表示用可動部材などを含んでいてもよい。
【0253】
遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103により通常動作モードから省電力モードへと移行させた後には、各種の入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、例えば異常入賞の発生に伴う遊技制御の停止といった、所定の制御が実行されてもよい。遊技制御の停止には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示を停止させることや、大当り遊技状態への制御を停止させること、確変状態または時短状態といった特別遊技状態への制御を停止させることの一部または全部を含んでもよい。さらに、例えば入賞検出に基づく遊技球(賞球)の払出し、あるいは打球発射装置による遊技球の発射といった、パチンコ遊技機1において遊技を進行させるための任意の制御を停止させてもよい。このように、省電力モードであるときの入賞検出に基づいて遊技制御を停止させることにより、遊技者の離席が検知され着席が検知されていないときに、各種の入賞口を通過(進入)した遊技球の検出を異常入賞の発生として、不適切な遊技の進行を防止することができる。
【0254】
上記実施の形態では、パチンコ遊技機1の動作状態を省電力モードに移行させるときに、節電中報知LED9L,9Rを省電力時第2点灯設定で点灯させることにより、所定の発光量で発光させるものとして説明した。こうした節電中報知LED9L,9Rに代えて、例えば有機ELディスプレイや電気泳動ディスプレイといった、任意の表示器を用いてもよい。特に、例えば電気泳動ディスプレイのように、電力供給がなくても表示状態を維持できる記憶性の表示装置(一定時間毎に表示内容を更新するリフレッシュ動作を必要としない表示装置)を用いた場合には、省電力モードに対応した表示を維持するための電力供給が不要になることで、消費電力を抑制することができる。
【0255】
その他にも、パチンコ遊技機1といった遊技機の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、遊技効果ランプや節電中報知LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【0256】
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1といった遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0257】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0258】
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、遊技者が遊技を終了して離席する際に離席演出が実行されることで、遊技を終了しようとする遊技者の興味を引き付けることができるとともに、演出制御用CPU120が遊技者の離席を判定するまでのパチンコ遊技機1の状況(例えば、遊技履歴や遊技状態など)に応じて実行される離席演出の態様(種別やパターン)が変わるため、遊技者に対しそれまでのパチンコ遊技機1の状況に適した離席演出を提供することができる。
【0259】
また、遊技者が着席する際に着席演出が実行されることで、遊技を開始しようとする遊技者の興味を引き付けることができるとともに、演出制御用CPU120が遊技者の着席を判定するまでのパチンコ遊技機1の状況(例えば、遊技履歴や遊技状態など)に応じて実行される着席演出の態様(種別やパターン)が変わるため、遊技者に対しそれまでのパチンコ遊技機1の状況に適した着席演出を提供することができる。
【0260】
尚、演出制御用CPU120が遊技者の離席または着席を判定するまでのパチンコ遊技機1の状況とは、例えば、営業開始時から当該判定までのパチンコ遊技機1の変動回数、大当り回数、確変回数、小当り回数等、当該パチンコ遊技機1の過去の遊技の結果(1日及び複数日単位での遊技結果を含む)に関する遊技履歴情報だけでなく、所定の遊技者が遊技を開始してから終了するまでの遊技者単位の変動回数、大当り回数、確変回数、小当り回数、遊技時間等、遊技者の過去の遊技の結果に関する遊技履歴情報も含む。
【0261】
また、上記のような遊技履歴だけでなく、演出制御用CPU120が遊技者の離席または着席を判定した時点において遊技制御マイクロコンピュータ100が制御している遊技状態の種別(例えば、高確状態、低確状態、高ベース状態、低ベース状態)や、演出制御用CPU120が制御している演出モードの種別(例えば、潜伏確変モード等)等、遊技制御状態や演出制御状態等も遊技機の状況に含まれる。
【0262】
そして、演出制御用CPU120は、離席演出種別決定処理や着席演出種別決定処理において、遊技者が着席または離席するまでの遊技履歴や遊技状態等に応じて離席演出や着席演出の態様を決定することで、該遊技履歴に応じて演出態様が変わることになるため、遊技者の遊技状況に適した離席演出や着席演出を提供することができる。
【0263】
また、本実施例では、演出制御用CPU120が離席を判定したときに、遊技者が着席したときから離席するまでに経過した時間、つまり遊技時間が所定時間(例えば3時間)に達していることを条件に、所定の特典(例えば、2次元コードの表示)を付与する種別RCに基づく離席演出を実行することで、遊技時間が長くなるほど離席演出にて特典が付与されやすくなるため、遊技者の遊技意欲を向上させてパチンコ遊技機1の稼動を高めることができる。
【0264】
また、本実施例では、演出制御用CPU120が離席を判定したときに、遊技者の遊技時間が3時間以上、かつ、大当り回数が3回以下で潜伏確変状態であると判定した場合に、潜伏確変状態の期待度が表示される種別RDに基づく離席演出を実行することで、遊技状態が遊技者にとって有利な高確率遊技状態であるにも関わらず遊技を終了して不利益を被ることを回避させることができる。
【0265】
また、このように長時間遊技をしていたにも関わらず大当り回数が少なかった遊技者には、離席演出にて遊技者にとって有利となる特典を付与することにより該遊技者を救済することができる等、今回の遊技結果に応じた離席演出を提供することができるため、例えば遊技結果が良いときでも悪いときでも同じ内容の演出が実施される場合に比べて、そのときの遊技者の状況に適した演出を提供することができるため、演出に対する遊技者の興味を引き付けておくことができる。
【0266】
また、このように遊技者に付与する特典は、必ずしもパチンコ遊技機1の遊技において遊技者にとって有利となる情報に限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機1に関連する情報であれば必ずしも遊技者にとって有利な情報でなくてもよく、また、情報ではなく遊技に関連して付与されるポイントやデータ(例えば、機種に登場するキャラクタの壁紙など)であってもよい。
【0267】
さらに、本実施例では、遊技時間が所定時間に到達することで離席演出にて特典が付与されるようになっていたが、遊技時間に応じて付与される特典の内容が変わるようにしてもよい。
【0268】
また、演出制御用CPU120は、遊技者センサ32がオフである場合に、上皿センサ33がオンであるまたは演出制御プロセスフラグが0であれば、遊技終了の離席とは判定せず、着席フラグをクリアしないまま離席タイマのカウンタ値を減算していくだけであるため、離席演出が実行されることはない。また、その状態から離席タイマのカウンタ値が0にならないうち(5分以内)に遊技者センサ32がオンになった場合、着席フラグがセットされたままであるから、着席と判定されない。
【0269】
すなわち、遊技者が着席したか離席したか否かの判定を、遊技者を検出可能な遊技者センサ32の検出結果と、上皿センサ33の検出結果及び演出制御プロセスフラグ値などの他の判定条件の成立状況と、に基づいて判定している。
【0270】
よって、例えばトイレ休憩等、遊技継続の意思がある遊技者が一時離席した場合において、離席の際に離席演出が行われたり、着席の際に着席演出が行われたりすることがないので、離席してから比較的短時間(例えば5分)のうちに戻る遊技者に対して、離席演出や着席演出が実行されてしまう煩わしさを回避することができる。
【0271】
但し、所定時間である5分が経過しても着席を判定できない場合には、遊技者が遊技を終了した可能性もあるとして着席フラグがクリアされるため、5分以上経過後の着席を判定したときには、着席演出が実行される。
【0272】
さらに、上記のように遊技継続の意思がある遊技者がトイレ休憩等のために一時離席した場合だけでなく、遊技中の遊技者が着席したまま身体を左右にずらす、あるいは落下物を拾うために下向きにかがむような動作をしたり、所定のエラーや球詰まりの発生を解除するために離席すること等によって遊技者センサ32が一時的にオフになった場合にも、離席演出や着席演出が実行されてしまうことを回避できる。
【0273】
また、本実施例では、遊技者センサ32がオフである場合に、上皿センサ33がオンであるまたは演出制御プロセスフラグが0であれば、着席フラグをクリアしないことで遊技終了の離席と判定しないようにしていたが、着席フラグとは別個に、遊技中断用の一時離席フラグと遊技終了用の離席フラグとをそれぞれの状況に応じてセットするようにしてもよい。
【0274】
さらに、このような一時離席後の着席時において、着席演出の一例として、遊技を中断していた遊技者に対して「お帰りなさい」等のメッセージを表示する演出態様を含むようにしてもよい。
【0275】
また、本実施例では、遊技者センサ32がオフにならなければ離席演出は実行されないため、離席演出が実行されるタイミングは着席していた遊技者が立ち上がったタイミングとなるが、例えばモーションセンサ等を用いて遊技者が立ち上がるのか着席するのかを判定できるようにすれば、例えば遊技者が椅子の横に退避しなくても、該遊技者の立ち上がり動作で離席を判定できるようになる。
【0276】
また、図6に示すステップS77の省電力モード移行設定処理では、図16に示すような処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の動作状態を、通常動作状態としての通常動作モードから省電力状態としての省電力モードに移行させることができる。一方、図6に示すステップS71の起動時設定処理では、図7に示すステップS206〜S214の処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の動作状態を、省電力モードから通常動作モードに復帰させる。また、図7に示すステップS201にて省電力モードフラグがオフであることにより初期設定条件が成立したときには、ステップS203の処理が実行されることで、すべての可動部材が原点位置に設定される。これに対して、ステップS201にて省電力モードフラグがオンであることにより通常動作モードに復帰させるときには、ステップS210の処理が実行されることで、所定の可動部材については原点位置に設定する処理が実行されないように制限する。したがって、省電力モードから通常動作モードに復帰させる処理負担の軽減により、省電力モードからの復帰が短時間で円滑に行われるので、遊技や演出の進行が妨げられることを防止できる。
【0277】
図16に示す省電力モード移行設定処理では、例えばステップS227の処理といった、省電力モードへの移行時に所定の可動部材を原点位置とするための処理が実行される。これにより、省電力モードであるときに可動部材を適切に収納することができる。また、省電力モードから通常動作モードに復帰させるときに可動部材を原点位置とするための処理が不要になることで、省電力モードから通常動作モードに復帰させる処理負担の軽減により、省電力モードからの復帰が短時間で円滑に行われるので、遊技や演出の進行が妨げられることを防止できる。
【0278】
上記実施の形態において、図16に示す省電力モード移行設定処理では、ステップS223の処理により遊技者の離席検知があったと判定されたことに基づいて、ステップS224〜S231の処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の動作状態を、通常動作モードから省電力モードに移行させる。一方、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄の可変表示が実行されているときには、演出制御プロセスフラグが“1”〜“3”のいずれかとなる。したがって、ステップS221の処理にて演出制御プロセスフラグの値が“0”以外であると判定されることから、ステップS222以降の処理が実行されず、省電力モードには移行しないように制限される。すなわち、遊技者の離席検知があったときには、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行されていないことを条件として、省電力モードに移行させる。これにより、遊技機における遊技が進行中であるときに省電力モードとなってしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないように、省電力モードへの移行を適切に行うことができる。
【0279】
また、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態である場合に対応する演出が実行されるときには、演出制御プロセスフラグが“4”または“5”のいずれかとなる。したがって、図16に示すステップS221の処理にて演出制御プロセスフラグの値が“0”以外であると判定されることから、ステップS222以降の処理が実行されず、省電力モードには移行しないように制限される。すなわち、遊技者の離席検知があったときには、大当り遊技状態に制御されていないことを条件として、省電力モードに移行させる。これにより、遊技機における遊技が進行中であるにもかかわらず省電力モードとなってしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないように、省電力モードへの移行を適切に行うことができる。
【0280】
遊技者センサ32は、パチンコ遊技機1などの遊技機の前面における所定範囲内に進入した対象物を検知する。図16に示すステップS223の処理では、遊技者センサ32から伝送された遊技者検知信号がオフ状態となり対象物が検知されなくなったときに、遊技者が離席したと判定する。こうした遊技者センサ32を用いて遊技者が離席したか着席したかを確実に判定することにより、省電力モードへの移行を適切に行うことができる。
【0281】
電力制御回路126は、例えば図16に示すステップS231の処理により演出制御用CPU120から伝送される指令に基づいて、省電力モードであるときにも遊技者センサ32への電力供給を継続し、遊技者センサ32により遊技者が検知されたときには、演出制御用CPU120に対する電力供給を開始する。こうした電力供給を受けた演出制御用CPU120は、図6に示すステップS71の起動時設定処理にて、図7に示すステップS206〜S214の処理を実行することにより、遊技者が着席したと判定されたことに基づいて、省電力モードから通常動作モードに復帰させる。したがって、遊技者の着席により省電力モードから通常動作モードへの復帰を適切に行うことができる。
【0282】
図7に示す起動時設定処理では、省電力モードから通常動作モードへの復帰に対応して、ステップS208の処理により所定の復帰報知を開始させる。これにより、遊技者が通常動作モードへの復帰を明確に認識できるので、遊技者の混乱を防止できる。
【0283】
上記実施の形態において、遊技効果ランプ9や装飾用LEDは、パチンコ遊技機1の前面における所定範囲で遊技者が認識可能に発光する第1発光部材を構成する。一方、節電中報知LED9R、9Lは、パチンコ遊技機1の斜視方向(左右幅方向外側)に対応して遊技者が認識可能に発光する第2発光部材を構成する。図16に示す省電力モード移行設定処理では、ステップS229の処理を実行することにより、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを省電力時第1点灯設定に応じて点灯(あるいは消灯)させる一方、節電中報知LED9L,9Rを省電力時第2点灯設定に応じて全点灯(あるいは一部点灯)させる。省電力時第1点灯設定や省電力時第2点灯設定は、例えば図7に示すステップS204の処理が実行されることにより、あるいは予め定められた固定的な設定により、省電力モードであるときに、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける発光量を、節電中報知LED9L,9Rにおける発光量よりも低下させる。こうした発光の設定により、パチンコ遊技機1などの遊技機における消費電力を抑制しつつ遊技者を遊技機へと適切に誘導することで、遊技機の稼働率を向上させることができる。
【0284】
図7に示す起動時設定処理では、例えばステップS205、S209の処理において、通常動作モードとなる場合に対応した点灯動作を開始させる設定が行われることにより、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを通常時第1点灯設定に応じて全点灯(あるいは一部点灯)させる一方、節電中報知LED9L,9Rを通常時第2点灯設定に応じて点灯(あるいは消灯)させる。通常時第1点灯設定や通常時第2点灯設定は、例えば図7に示すステップS204の処理が実行されることにより、あるいは予め定められた固定的な設定により、通常動作モードであるときに、節電中報知LED9L,9Rにおける発光量を、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける発光量よりも低下させる。こうした発光の設定により、通常動作モードであるときに節電中報知LED9L,9Rでの無駄な発光を防止することで、消費電力を抑制することができる。
【0285】
図16に示すステップS229の処理では、ステップS228の処理により特定された遊技状態に応じて、節電中報知LED9L,9Rにおける発光態様を異ならせることができる。これにより、省電力モードであってもパチンコ遊技機1などの遊技機における遊技状態を確認することができるので、遊技者を遊技機へと適切に誘導することや、省電力モードであるときの演出効果を高めることができる。
【0286】
図7に示すステップS204の処理では、節電中報知LED9L,9Rの点灯設定として、省電力モードであるときにいずれのLEDを点灯させるかの設定や、最大発光量となる向きの設定などを行うことができる。こうした点灯設定に基づき、図16に示すステップS229の処理が実行されることで、節電中報知LED9L,9Rといった第2発光部材を構成する複数の発光体のうち、一部または全部を発光させる。これにより、パチンコ遊技機1といった遊技機の遊技場における設置場所などに応じて、省電力モードであるときの発光態様を変更可能として適切に消費電力を抑制しつつ、遊技者を遊技機へと適切に誘導することができる。
【0287】
また、本実施例では、遊技者の離席を判定したときに遊技が実行されていないことに基づいて省電力モードに移行するようになっていたが、遊技者の離席の判定に関わらず、所定時間遊技が実行されないことを条件に省電力モードに移行するようにするか否かを設定できるようにしてもよい。
【0288】
具体的には、例えば、電源投入時において、遊技者による操作が不能な位置に設けられた初期化スイッチ(例えばRAM102のクリアスイッチ)をオンにしてRAM102の初期化を実施した後、例えば画像表示装置5に省電力モードに移行可能とするか否かを決定させるための選択画面(図示略)を表示し、所定の演出ボタン(図示略)等を操作することで、省電力モードに移行可能とするか否かを設定できるようにしてもよい。このように初期化スイッチの操作が必要となるため、該設定は遊技場の店員しか行うことができない。
【0289】
省電力モードに移行可能に設定した場合、遊技機の電源をオフとしない限り省電力モードの設定を解除することはできなくなる。そして、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行中ではない場合、遊技状態が大当り遊技状態ではない場合、エラー発生の報知中ではない場合には、遊技効果ランプ9を消灯または明度や輝度を低下させるなどするとともに、画像表示装置5に省電力モード中である旨を示すメッセージ(例えば「節電中」など)を表示させてもよい。
【0290】
また、このように省電力モードに移行した場合、画像表示装置5の電源をオフにはしないが、省電力モードにしたり、あるいは電源をオフにしてもよい。
【0291】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0292】
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状のパチンコ球(遊技球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えばメダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。また、遊技機はパチンコ遊技機に限定されるものではなく、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
【符号の説明】
【0293】
1 パチンコ遊技機
4A,4B 特別図柄表示装置
5 画像表示装置
6A 普通入賞球装置
6B 普通可変入賞球装置
7 特別可変入賞球装置
8L,8R スピーカ
11 主基板
12 演出制御基板
32 遊技者センサ
33 上皿センサ
100 遊技制御用マイクロコンピュータ
120 演出制御用CPU
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技用価値を用いて遊技を行うことが可能であり、所定の演出手段を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一例として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞したことに基づいて、所定の遊技価値を付与可能としたパチンコ遊技機がある。また、遊技機の他の一例として、メダルやコイン、あるいは、パチンコ遊技機と同様の遊技球といった遊技媒体を用いて1ゲームに対する所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより可変表示装置による表示図柄の可変表示を開始し、導出された表示結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能としたスロットマシンがある。ここで、所定の遊技価値の付与は、賞球やメダルといった景品遊技媒体の払出し、遊技者の得点の加算、遊技媒体を使用(消化)しない再ゲームの実行、特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)などの通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態への制御のうち、一部又は全部を含む概念である。
【0003】
この種の遊技機において、遊技機に設けた側距センサにより対象物(遊技者)までの距離を測定することにより、遊技者が遊技機に対応する座席に着席したか及び離席したかを判定し、着席した場合には遊技者を歓迎したり、離席した場合には遊技者を引き止める言葉をアナウンスして遊技者の注意を引き付けるようにしたもの等がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−360800号公報(第5−7頁、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の遊技機では、遊技機から対象物(遊技者)までの距離に応じて着席か離席かを判定し、着席の場合と離席の場合とでアナウンスの内容を異ならせているが、例えば離席の場合に、長時間遊技していた遊技者にも短時間しか遊技していない遊技者にも同じアナウンスが行われるので、それまでの遊技機の状況に適したアナウンスができないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、遊技者の離席または着席の判定時にそれまでの遊技機の状況に適した演出を行うことができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技用価値(遊技球)を用いて遊技を行うことが可能であり、所定の演出手段(例えば、画像表示装置5やスピーカ8L,8R)を備えた遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
所定条件の成立に基づいて、遊技者が離席したか着席したかを判定する遊技者判定手段(演出制御用CPU120がステップS77の着席・離席判定処理を実行する部分/ステップS223の処理を実行する部分)と、
前記演出手段により実行される離席演出を複数種類の離席演出態様(例えば、種別RA〜RF)のうちから決定する離席演出態様決定手段(演出制御用CPU120がステップS822の離席演出種別決定処理を実行する部分)と、
前記離席演出態様決定手段により決定された離席演出態様を前記演出手段で実行する離席演出実行手段(演出制御用CPU120がステップS808の着席・離席演出処理を実行する部分)と、を備え、
前記離席演出態様決定手段は、前記遊技者判定手段により遊技者が離席したと判定されたときに、該判定されるまでの前記遊技機の状況に応じた離席演出態様を決定する(演出制御用CPU120が、遊技時間や大当り回数や遊技状態に応じて種別RA〜RFからいずれかを決定する部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者が離席する際に離席演出を実行することで、遊技を中断または終了しようとする遊技者の興味を引き付けることができるとともに、遊技者判定手段により遊技者が離席したと判定されるまでの遊技機の状況に応じて実行される離席演出の態様が変わるため、遊技者に対しそれまでの遊技機の状況に適した離席演出を提供することができる。
【0008】
本発明の手段1に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機であって、
過去の遊技の結果に関する遊技履歴情報(例えば、変動回数、大当り回数、確変回数、小当り回数等)を記憶する遊技履歴記憶手段(演出制御用CPU120が、コマンド解析処理において受信した演出制御コマンドに基づいて、変動回数カウンタ、大当りカウンタ、確変回数カウンタ、小当り回数カウンタ等のカウンタ値を記憶(セット)する部分)と、
遊技の結果に関する情報(演出制御コマンド)に基づいて前記遊技履歴情報を更新する遊技履歴更新手段(演出制御用CPU120が、コマンド解析処理において受信した演出制御コマンドに基づいて、変動回数カウンタ、大当りカウンタ、確変回数カウンタ、小当り回数カウンタ等のカウンタ値を更新する部分)と、を備え、
前記離席演出態様決定手段は、前記遊技者判定手段(演出制御用CPU120がステップS77の着席・離席判定処理を実行する部分)により遊技者が着席したと判定されたときから離席したと判定されるまでの遊技履歴に応じた離席演出態様を決定する(演出制御用CPU120は、ステップS822の離席演出種別決定処理において、離席種別決定テーブルの条件に基づいて種別を決定する)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者が着席してから離席するまでの遊技履歴に応じて離席演出の態様が変わるため、遊技者の遊技状況に適した離席演出を提供することができる。
【0009】
本発明の手段2に記載の遊技機は、請求項1または手段1に記載の遊技機であって、
前記遊技者判定手段により遊技者が着席したと判定されたことに基づいて計時を開始する計時開始手段(演出制御用CPU120が、ステップS715にて着席を判定した後、ステップS718にて着席タイマのカウンタ値を1加算する部分)と、
前記遊技者判定手段により遊技者が離席したと判定されたときに、前記計時開始手段が計時を開始してからの経過時間が所定時間に達したか否かを判定する経過時間判定手段(演出制御用CPU120が、ステップS708にて記憶された着席タイマ値に基づいて、ステップS840,842にて遊技時間を判定する部分)と、を備え、
前記離席演出態様決定手段は、前記経過時間判定手段が前記所定時間に達したと判定したことを条件に、所定の特典(例えば、2次元コードの表示)を付与する離席演出態様を決定する(演出制御用CPU120が、ステップS840,842にて遊技時間が3時間以上、かつ、大当り回数が3回以下で非潜伏確変状態である場合に種別RCを選択する部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技時間が長くなるほど離席演出にて特典が付与されやすくなるため、遊技者の遊技意欲を向上させて遊技機の稼動を高めることができる。
【0010】
本発明の手段3に記載の遊技機は、請求項1、手段1、手段2のいずれかに記載の遊技機であって、
始動条件の成立(第1始動入賞口に始動入賞したこと。第2始動入賞口に始動入賞したこと)に基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や飾り図柄など)の可変表示を行う可変表示手段(例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5など)と、
前記識別情報の表示結果として予め定められた特定表示結果(例えば大当り図柄となる確定特別図柄や大当り組合せとなる確定飾り図柄など)が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態など)に制御する遊技状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100が遊技制御プロセス処理を行う部分)と、
前記識別情報の可変表示の表示結果が導出されるまでに、遊技の結果を前記特定遊技結果とするか否かを決定する事前決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100が遊技制御プロセス処理を行う部分)と、を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記識別情報の可変表示を行う遊技状態として、前記事前決定手段が前記特定遊技結果とする旨を低確率で決定する低確率遊技状態(通常状態)と前記事前決定手段が前記特定遊技結果とする旨を前記低確率よりも高い高確率で決定する高確率遊技状態(高確低ベース状態、潜伏確変状態)とを含む複数種類の遊技状態のうちいずれかに制御可能であり、
前記離席演出態様決定手段は、前記遊技者判定手段により遊技者が離席したと判定されたときに前記高確率遊技状態に制御されていることを条件として、前記特典として遊技状態が前記高確率状態であることを報知する離席演出態様(種別RD)を決定する(演出制御用CPU120が、ステップS840,842にて遊技時間が3時間以上、かつ、大当り回数が3回以下で潜伏確変状態である場合に種別RDを選択する部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技状態が遊技者にとって有利な高確率遊技状態であるにも関わらず遊技を終了して不利益を被ることを回避させることができる。
【0011】
本発明の請求項2に記載の遊技機は、
遊技用価値(遊技球)を用いて遊技を行うことが可能であり、所定の演出手段(例えば、画像表示装置5やスピーカ8L,8R)を備えた遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
所定条件の成立に基づいて、遊技者が離席したか着席したかを判定する遊技者判定手段(演出制御用CPU120がステップS77の着席・離席判定処理を実行する部分/ステップS223の処理を実行する部分)と、
前記演出手段により実行される着席演出を複数種類の着席演出態様(例えば、種別TA〜TE)のうちから決定する着席演出態様決定手段(演出制御用CPU120がステップS821の着席演出種別決定処理を実行する部分)と、
前記着席演出態様決定手段により決定された着席演出態様を前記演出手段で実行する着席演出実行手段(演出制御用CPU120がステップS808の着席・離席演出処理を実行する部分)と、を備え、
前記着席演出態様決定手段は、前記遊技者判定手段により遊技者が着席したと判定されたときに、該判定されるまでの前記遊技機の状況に応じた着席演出態様を決定する(演出制御用CPU120が、潜伏確変モード演出を実行しているか否か、総大当り回数に応じて種別TA〜TEからいずれかを決定する部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者が着席する際に着席演出を実行することで、遊技を開始しようとする遊技者の興味を引き付けることができるとともに、遊技者判定手段により遊技者が着席したと判定されるまでの遊技機の状況に応じて実行される着席演出の態様が変わるため、遊技者に対しそれまでの遊技機の状況に適した着席演出を提供することができる。
【0012】
本発明の手段4に記載の遊技機は、請求項2に記載の遊技機であって、
過去の遊技の結果に関する遊技履歴情報(例えば、遊技者の遊技時間、大当り回数、遊技状態等)を記憶する遊技履歴記憶手段(演出制御用CPU120が、コマンド解析処理において受信した演出制御コマンドに基づいて、変動回数カウンタ、大当りカウンタ、確変回数カウンタ、小当り回数カウンタ等のカウンタ値を記憶(セット)する部分)と、
遊技の結果に関する情報(演出制御コマンド)に基づいて前記遊技履歴情報を更新する遊技履歴更新手段(演出制御用CPU120が、コマンド解析処理において受信した演出制御コマンドに基づいて、変動回数カウンタ、大当りカウンタ、確変回数カウンタ、小当り回数カウンタ等のカウンタ値を更新する部分)と、を備え、
前記着席演出態様決定手段は、前記遊技履歴に応じた着席演出態様を決定する(演出制御用CPU120は、ステップS821の着席演出種別決定処理において、着席種別決定テーブルの条件に基づいて種別を決定する)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者が着席するまでの遊技機の遊技履歴に応じて着席演出の態様が変わるため、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
【0013】
本発明の手段5に記載の遊技機は、請求項2または手段4に記載の遊技機であって、
前記遊技者判定手段により遊技者が離席(一時離席)したと判定されたことに基づいて計時を開始する計時開始手段(演出制御用CPU120が、ステップS702にて上皿センサ33がオン(ステップS702;Yes)またはステップS703にて演出制御プロセスフラグが0以外(ステップS703;No)であるときに、ステップS710にて離席タイマのカウンタ値を1減算する部分)と、
前記遊技者判定手段により遊技者が着席したと判定されたときに、前記計時開始手段が計時を開始してからの経過時間が所定時間に達したか否かを判定する経過時間判定手段(演出制御用CPU120が、ステップS711にて離席タイマカウント値が0であるか否かを判定する部分)と、を備え、
前記着席演出実行手段は、前記経過時間判定手段が前記所定時間に達していないと判定したときには(演出制御用CPU120が、ステップS711にて離席タイマカウント値が0でないと判定する部分)、前記着席演出を実行させない(演出制御用CPU120は、ステップS712にて着席フラグをクリアしていなければ、ステップS714にて着席フラグがセットされているから、ステップS715〜S717の処理に移行しない)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、短時間のうちに同じ遊技者が何度も着席するたびに着席演出が実行されてしまう煩わしさを回避することができる。
【0014】
本発明の手段6に記載の遊技機は、請求項1、2または手段1〜5のいずれかに記載の遊技機であって、
始動条件の成立(第1始動入賞口に始動入賞したこと。第2始動入賞口に始動入賞したこと)に基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や飾り図柄など)の可変表示を行う可変表示手段(例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5など)と、
前記識別情報の表示結果として予め定められた特定表示結果(例えば大当り図柄となる確定特別図柄や大当り組合せとなる確定飾り図柄など)が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態など)に制御する遊技状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100が遊技制御プロセス処理を行う部分)と、
前記遊技者判定手段(演出制御用CPU120がステップS223の処理を実行する部分)により遊技者が離席したと判定されたことに基づいて、前記遊技機の動作状態を通常動作状態から省電力状態に移行させる省電力移行手段(例えばステップS224〜S231の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記省電力移行手段は、前記遊技者判定手段により遊技者が離席したと判定されたときに、前記可変表示手段による可変表示が実行されていないことを条件として、前記省電力状態に移行させる(例えばステップS75の演出制御プロセス処理にて用いられる演出プロセスフラグの値が“1”〜“3”のいずれかである場合に、ステップS221におけるNoの判定に基づきステップS222以降の処理が実行されない一方、演出プロセスフラグの値が“0”である場合に、ステップS221におけるYesの判定に基づきステップS222以降の処理が実行可能となる部分など)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者が離席したと判定されたときに、可変表示手段による可変表示が実行されていないことを条件として、省電力状態に移行させる。これにより、適切に省電力状態への移行を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
【図3】遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】変動パターンを例示する図である。
【図6】演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】起動時設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】変動パターンコマンド受信待ち処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】着席・離席演出処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】(a)は着席演出種別決定テーブル、(b)は離席演出種別決定テーブルを示す図である。
【図12】着席演出種別決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】離席演出種別決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】離席・着席演出処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】着席・離席判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】省電力モード移行設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】(a)は着席演出画面、(b)(c)は離席演出画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0017】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の中央部に設けられた画像表示装置5の上方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
【0018】
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
【0019】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
【0020】
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
【0021】
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
【0022】
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
【0023】
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
【0024】
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
【0025】
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
【0026】
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
【0027】
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
【0028】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bの上方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成される。遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21により検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20は、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
【0029】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では遊技領域の右側方)には、演出用可動部材31が設けられている。演出用可動部材31は、図2に示す可動部材駆動回路31Aによって移動可能に駆動される「腕」を象った第1可動部材を備えている。また、演出用可動部材31は、第1可動部材と連動して駆動される「顔」を象った第2可動部材を備えてもよい。なお、第2可動部材は、第1可動部材とは独立して駆動されてもよい。
【0030】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
【0031】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。こうした遊技効果ランプ9や装飾用LEDは、パチンコ遊技機1の前面における所定範囲で遊技者が認識可能に発光する発光体(第1発光部材)に含まれる。
【0032】
図1に示す遊技機用枠3において、遊技領域の左右側方に設けられた遊技効果ランプ9のさらに外側には、節電中報知LED9L,9Rが設けられている。節電中報知LED9L,9Rは、パチンコ遊技機1の動作状態が通常動作状態としての通常動作モードに比べて消費電力が少ない省電力状態としての省電力モードであるときに、遊技効果ランプ9や装飾用LEDよりも多くの発光量で発光する発光体(第2発光部材)に含まれる。一例として、省電力モードのときには、遊技効果ランプ9や装飾用LEDが消灯される一方で、節電中報知LED9L,9Rの全部または一部が点灯される。節電中報知LED9L,9Rが発光したときには、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける発光を認識可能な所定範囲とは異なり、パチンコ遊技機1の左右幅方向外側に向けて光が放射される。
【0033】
節電中報知LED9L,9Rは、遊技機用枠3において遊技領域の左右側方に設けられた遊技効果ランプ9の外側に設置することにより、パチンコ遊技機1の前面に対向した場合における左右方向の外側範囲(斜視範囲)において、それらの発光を認識できればよい。こうしたパチンコ遊技機1の斜視範囲に対応した節電中報知LED9L,9Rの設置位置としては、単に遊技効果ランプ9の外側とするものに限定されず、例えば以下のような第1例〜第3例のいずれかとしてもよい。
【0034】
第2例では、第1例と同様に、遊技領域の前面ガラスに隣接する左右側方に設けられた前面枠体をガラス面よりも前面側に突出させる。一方、この例では、第1例とは異なり、節電中報知LED9L,9Rを、ガラス面を囲む前面枠体の内壁面(ガラス面からせり上がる壁面)に節電中報知LED9L,9Rを設置すればよい。この例では、節電中報知LED9L,9Rのそれぞれに対応する斜視範囲が、第1例などとは逆の対応関係となる。すなわち、遊技領域の左側方に設けられた節電中報知LED9Lを点灯させることにより、パチンコ遊技機1の設置位置に対向した場合における右方向の外側範囲(対向した者の側からすれば左方向への斜視範囲)において、その発光を認識することができる。一方、遊技領域の右側方に設けられた節電中報知LED9Rを点灯させることにより、パチンコ遊技機1の設置位置に対向した場合における左方向の外側範囲(対向した者の側からすれば右方向への斜視範囲)において、その発光を認識することができる。
【0035】
第3例では、遊技領域の前面ガラスに隣接する左右側方の前面枠体に節電中報知LEDを設置するものとは異なり、例えば遊技領域の下方に設けられた上皿形成部材の突出部、あるいは打球操作ハンドル30の突出部といった、パチンコ遊技機1における任意の突出部に、節電中報知LED9L,9Rと同様の発光部材を設置してもよい。
【0036】
パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。例えば、打球操作ハンドル30は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル30には、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。タッチセンサは、タッチリングにより遊技者の接触が検出されたときにオン状態となるタッチセンサ検出信号を、所定のタッチセンサ基板へと出力すればよい。タッチセンサ基板からは、例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のI/O105における所定の入力ポートなどに、タッチセンサ検出信号が入力されればよい。
【0037】
遊技領域の下方における所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。打球供給皿の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
【0038】
パチンコ遊技機1の前面における所定位置(図1に示す例では上皿形成部材の前面部)には、パチンコ遊技機1の前面における所定範囲内に進入した遊技者その他の物体(対象物)を検知可能な遊技者センサ32が設けられている。遊技者センサ32は、例えば赤外線センサあるいは光センサを用いて構成され、所定の発信器(発光部材)から出力される赤外線あるいは可視光などを対象物に照射し、その反射光が入射されるアクティブセンサ方式のものであればよい。あるいは、遊技者センサ32として、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサといった固体撮像素子を用いて、対象物にて反射した自然光が入射されるパッシブセンサ方式のものであってもよい。
【0039】
遊技者センサ32は、単一の検知装置として構成されたものであってもよいし、例えばパチンコ遊技機1の表面(前面)あるいは周辺における所定位置に配置された複数の検知装置として構成されたものであってもよい。赤外線や可視光などの電磁波を用いて対象物を検知するものに代えて、あるいは、こうした検知装置とともに、例えば超音波センサといった電磁波以外の信号を用いて対象物を検知できる装置を用いてもよい。さらに、遊技者センサ32は、例えばパチンコ遊技機1に内蔵されることにより、パチンコ遊技機1と一体に形成されたものであってもよいし、例えば遊技場にてパチンコ遊技機1ごとに設置された座席の重量センサといった、パチンコ遊技機1とは別体として形成されたものであってもよい。
【0040】
また、図1に示す例では、上皿形成部材に、遊技球発射装置における遊技球の発射位置(図示略)に供給される遊技球が待機する上皿(打球供給皿)に貯留されている遊技球を検出するための上皿センサ33が設けられている。上皿センサ33は、遊技球が所定球数(例えば、10球)以上貯留されているか否かを検出できるようになっている。
【0041】
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0042】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
【0043】
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
【0044】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9や節電中報知LED9L,9Rといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や節電中報知LED9L,9Rなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
【0045】
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や節電中報知LED9L,9Rなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
【0046】
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
【0047】
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDさらには節電中報知LED9L,9Rの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
【0048】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
【0049】
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0050】
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
【0051】
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
【0052】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
【0053】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
【0054】
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125と、電力制御回路126とが搭載されている。
【0055】
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0056】
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122、電力制御回路126は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、演出用可動部材31を駆動するための可動部材駆動回路31Aに対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線や、遊技者センサ32により遊技者が検知されたか否かを示す情報信号としての遊技者検知信号を伝送するための配線も接続されている。
【0057】
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
【0058】
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
【0059】
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
【0060】
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドや遊技者センサ32から伝送された遊技者検知信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、可動部材駆動回路31Aへと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
【0061】
演出制御基板12に搭載された電力制御回路126は、演出制御基板12に搭載された各種回路や、例えば画像表示装置5、スピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9および装飾用LED、演出用可動部材31といった、各種の演出装置に対する電力供給量を制御する。電力制御回路126は、演出制御用CPU120からの指令に応じて、各種の演出装置や、その制御回路に供給する電力量を調整する。これにより、パチンコ遊技機1の動作状態は、通常の遊技中に対応した通常動作状態としての通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力量が少ない省電力状態としての省電力モードとに、切り替えることができる。
【0062】
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や装飾用LED、さらには節電中報知LED9L,9Rなどに供給する。
【0063】
例えば演出制御基板12に搭載されたRAM122や、音声制御基板13に搭載された音声合成用ICの内蔵RAMといった、サブ側の制御基板に搭載されたRAMは、パチンコ遊技機1における動作状態が省電力モードであるときに、その一部または全部の記憶データが待機電源によって保持されてもよい。一例として、サブ側の制御基板に搭載されたRAMは、主基板11に搭載されたRAM102と同様に、その一部または全部がバックアップ電源によってバックアップされるバックアップRAMであってもよい。
【0064】
あるいは、サブ側の制御基板に搭載されたRAMは、主基板11に搭載されたRAM102とは異なり、パチンコ遊技機1が通常動作モードであるときの電断発生時には、記憶データが保存されないものの、電力制御回路126による電力供給量の調整によって省電力モードとなったときには、待機電源によって記憶データが保存されるものであればよい。電力制御回路126は、省電力モードであるときに、サブ側の制御基板に搭載されたRAMに対する電力供給量を、記憶データの保存(消滅防止)が可能な程度に調整できればよい。例えばDRAM(Dynamic RAM)を用いた場合には、リフレッシュ動作の時間間隔を、記憶データの保存が可能な最長間隔に設定すればよい。
【0065】
なお、サブ側の制御基板に搭載されたRAMにおける記憶データのうち、省電力モードであっても保存すべきデータを、例えば演出制御用CPU120を有するマイクロコンピュータに内蔵あるいは外付の不揮発性記録媒体(例えばフラッシュメモリ、磁気メモリまたは光学メモリ)などに記録させて退避してもよい。この場合には、省電力モードから通常動作モードに復帰させるときに、不揮発性記録媒体に退避させたデータを読み出して、省電力モードとなる以前の記憶状態を回復できればよい。
【0066】
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。
【0067】
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドル30が遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)したときには、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄(第1特図)の可変表示を実行するための始動条件(第1始動条件)が成立する。また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)したときには、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄(第2特図)の可変表示を実行するための始動条件(第2始動条件)が成立する。
【0068】
第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して可変表示の始動条件が成立した後、可変表示を開始するための開始条件(第1開始条件または第2開始条件)が成立したときには、その可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、可変表示結果を導出表示する以前に決定される。
【0069】
そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを特定可能に指定する演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始される。その後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定図柄が停止表示(導出表示)される。
【0070】
画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示が行われる。飾り図柄の可変表示が開始された後、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることがある。ここで、飾り図柄の可変表示状態は、いずれかの飾り図柄表示エリアにて停止表示された飾り図柄が予め定められた大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続することにより、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動することにより、リーチ状態となる。
【0071】
具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動することにより、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。
【0072】
また、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置41の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単に「リーチ演出」ともいう)と称する。なお、リーチ演出には、画像表示装置41における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDにおける点灯動作(点滅動作)、演出用可動部材31の動作などを、飾り図柄の可変表示状態が「リーチ」となる以前とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
【0073】
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
【0074】
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。なお、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない場合を「非リーチ」ともいい、予め定められたチャンス目などの特殊な組合せとならない限り、可変表示結果が「大当り」となる可能性はない。
【0075】
第1特図や第2特図を用いた特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示結果となる確定図柄(確定特別図柄)が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定図柄(確定飾り図柄)が導出表示される。
【0076】
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
【0077】
大当り遊技状態では、大入賞口扉用のソレノイド82が駆動され、遊技領域の所定位置に設けられた大入賞口が開放状態(第1状態)となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を遊技者にとって有利な開放状態(第1状態)とするラウンドが実行される。こうしたラウンドの実行期間以外の期間では、大入賞口を遊技者にとって不利な閉鎖状態(第2状態)とする。
【0078】
大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンドは、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰り返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
【0079】
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態(確率変動状態)に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。
【0080】
また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。
【0081】
確変状態や時短状態では、通常状態よりも始動入賞口を遊技球が通過しやすくなる有利開放制御が行われるようになる。こうした確変状態(高確率状態)や時短状態(高ベース状態)に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
【0082】
「大当り」は、大当り遊技状態の終了後に時短状態(低確高ベース状態)に移行する大当りAと、大当り遊技状態の終了後に確変・時短状態(高確高ベース状態)に移行する大当りBと、大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確低ベース状態)に移行する確変大当Cと、を含む。確変状態(高確低ベース状態)は、通常状態(低確低ベース状態)と始動入賞の成立条件が同一であり、遊技状態が確変状態であることを遊技者が認識困難な状態(所謂潜伏確変状態)となる。
【0083】
また、本実施例では、「小当り」に対応する特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、例えば大当りCと同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な開放状態に変化させる可変入賞動作が行われる。
【0084】
よって、通常状態において可変表示結果が「小当り」となった場合、遊技状態は確変状態に移行せず通常状態のままであるが、遊技状態が確変状態に移行したことに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0085】
パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
【0086】
なお、パチンコ遊技機1としては、図1に示すような画像表示装置5を備えないものであってもよい。一例として、遊技領域に設けられた始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、遊技領域に設けられた可変入賞装置を閉鎖状態(第2状態)から開放状態(第1状態)へと変化させ、可変入賞装置の内部に進入した遊技球が複数の領域のうちの特定領域(V入賞口)に進入したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるものであってもよい。
【0087】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
【0088】
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
【0089】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図3のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図3に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS1)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS2)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS3)。
【0090】
その後、CPU103は、遊技用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する遊技用乱数更新処理(ステップS4)を実行した後、遊技制御プロセス処理を実行する(ステップS5)。次いで、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS6)。一例として、コマンド制御処理では、RAM102の所定領域に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0091】
図4は、遊技制御プロセス処理として、図3のステップS5にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す遊技制御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ22のCPUは、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS11)。一例として、ステップS11では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
【0092】
ステップS11にて始動入賞が発生した場合には(ステップS11;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS12)。一例として、ステップS12の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵(または外付)の乱数回路104や、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてRAM102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けて記憶されればよい。
【0093】
ステップS12の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS13)。一例として、ステップS13の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われればよい。また、ステップS12の処理により抽出された可変表示結果決定用の乱数値や変動パターン決定用の乱数値に基づいて、変動パターンがスーパーリーチA〜スーパーリーチDといった特定のリーチ演出を伴う特定の変動パターンに決定されるか否かの判定を行うようにしてもよい。この場合、特定の変動パターンに決定されるか否かの判定結果を特定可能な入賞時判定結果指定コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
【0094】
特定の変動パターンに決定されるか否かを判定する処理では、まず、可変表示結果決定用の乱数値を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定する。例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるROM101の所定領域などには、可変表示結果を「大当り」とするか否かの決定結果に対して判定値が設定された可変表示結果決定テーブルが予め記憶されており、ステップS12の処理により抽出された可変表示結果決定用の乱数値と合致する判定値が割り当てられた決定結果を特定することで、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定することができる。続いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果に応じて、複数種類の変動パターンに対して異なる判定値が設定された変動パターン決定テーブルを選択する。この変動パターン決定テーブルは、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるROM101の所定領域などに予め記憶されていればよい。
【0095】
こうして選択した変動パターン決定テーブルを参照することで、ステップS12の処理により抽出された変動パターン決定用の乱数値と合致する判定値が割り当てられた変動パターンを特定する。これにより、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといった特定のリーチ演出を行う特定の変動パターンに決定されるか否かを判定することができる。このように、始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)を遊技球が通過して始動入賞が発生したときには、その始動入賞に対応する可変表示ゲームの実行が開始されるより前に、変動パターンが特定の変動パターンに決定されるか否かの判定を行い、その判定結果を特定可能な入賞時判定結果指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信されればよい。
【0096】
ステップS11にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS11;No)、ステップS13の処理を実行した後には、遊技プロセスフラグの値を判定する(ステップS21)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
【0097】
例えば、遊技プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。一例として、ステップS101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。
【0098】
ステップS101にて可変表示が開始不可能であるときには(ステップS101;No)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示が開始可能であるときには(ステップS101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS102)。このときには、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値など)を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、可変表示結果決定用の乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「大当り」とするか否かを所定割合で決定する。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定されるように、可変表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。
【0099】
ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに遊技状態決定用の乱数値と遊技状態決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。これらの決定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
【0100】
遊技プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS111)。図5は、パチンコ遊技機1において用いられる変動パターンの設定例を示している。各変動パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が導出表示されるまでの所要時間(可変表示時間)や演出態様の概略を特定可能に示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
【0101】
ステップS111の処理では、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用の乱数値と変動パターン決定テーブルとを用いて、使用パターンとなる変動パターンを所定割合で決定する。このときには、各変動パターンの決定割合を、可変表示結果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせることができる。
【0102】
また、ステップS111の処理では、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合の変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。あるいは、変動パターンを決定するより前に、リーチ決定用の乱数値とリーチ決定テーブルとを用いて、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定するようにしてもよい。すなわち、ステップS111の処理では、可変表示結果やリーチ有無の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができればよい。
【0103】
ステップS111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS112)。一例として、ステップS112の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始コマンドとして、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンドや、変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
【0104】
ステップS112の処理により変動パターンが決定されたことに対応して、可変表示時間が設定される。また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特別図柄の可変表示を開始させるための設定が行われてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよい。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが行われる。その後、遊技プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS113)、遊技制御プロセス処理を終了する。
【0105】
遊技プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS122)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS121;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS123)。
【0106】
ステップS123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS124)。一例として、ステップS124の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
【0107】
ステップS124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS125)。そして、可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS125;Yes)、遊技プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS126)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS125;No)、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS127)、遊技制御プロセス処理を終了する。なお、ステップS127の処理が実行されるときには、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立に基づき終了させると判定したときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
【0108】
遊技プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の大当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS131)。大当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したことなどであればよい。大当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS131;No)、大当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップ132)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS131;Yes)、大当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS133)。
【0109】
一例として、ステップS133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われればよい。その後、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS134)、遊技制御プロセス処理を終了する。
【0110】
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。そして、電力制御回路126から演出制御用CPU120に対して起動用の電力供給が開始されたときには、演出制御用CPU120によって図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理が実行される。電力制御回路126は、初期設定あるいは演出制御用CPU120による省電力モード移行時の設定に基づいて、演出制御用CPU120に対して起動用の電力供給を開始する。例えば、初期設定において、電力制御回路126は、遊技者センサ32により遊技者が検知されたか否かにかかわらず、演出制御用CPU120に対する電力供給を開始する。一方、省電力モード移行時の設定において、電力制御回路126は、遊技者センサ32により遊技者が検知されたときにのみ、演出制御用CPU120に対する電力供給を開始する。
【0111】
図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の起動時設定処理を実行する(ステップS71)。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。こうしたタイマ割込フラグをオン状態にする割込みは、演出制御用のタイマ割込みとなる。ステップS72にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
【0112】
ステップS72にてタイマ割込フラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、演出制御用のタイマ割込処理を実行する。演出制御用のタイマ割込処理には、ステップS74〜S77の処理が含まれている。なお、演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込処理の他に、コマンド受信用の割込処理を実行可能であり、主基板11から中継基板15を介して伝送される演出制御コマンドを受信できればよい。
【0113】
演出制御用のタイマ割込処理において、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
【0114】
尚、コマンド解析処理では、受信した演出制御コマンドに基づいて、パチンコ遊技機1の遊技履歴情報を記憶・更新する処理が行われる。具体的には、例えば可変表示の表示結果が「はずれ」「大当りA〜C」「小当り」のいずれであるかを示す表示結果指定コマンドの受信に基づいて、電源投入時からの総変動回数を計数する変動回数カウンタ、総大当り回数を計数する大当り回数カウンタ、総確変回数を計数する確変回数カウンタ、総小当り回数を計数する小当り回数カウンタ等のカウンタ値を更新(履歴の集計)する処理が行われる。
【0115】
また、本実施例では、電源投入時からの総回転数や総回数だけでなく、遊技者の着席、離席の判定結果に基づいて、遊技者が遊技を開始してから遊技を終了するまでの期間ごとに変動回数、大当り回数、確変回数、小当り回数を計数し、遊技者毎の遊技履歴を個別に記憶できるようになっている。
【0116】
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDさらには節電中報知LED9L,9Rといった装飾発光体(発光部材)における点灯動作、可動部材駆動回路31Aによる演出用可動部材31の駆動動作といった、各種の演出装置を用いた動作制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
【0117】
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、遊技者が着席したか離席したか否かを判定する着席・離席判定処理を実行した後(ステップS77)、省電力モード移行設定処理を実行する(ステップS78)。
【0118】
図7は、起動時設定処理として、図6のステップS71にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す起動時設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、省電力モードフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。省電力モードフラグは、例えば演出制御基板12に搭載されたRAM122の所定領域に設けられ、省電力モードであるときにも待機電源などによりフラグ状態(オフまたはオン)が保持できるものであればよい。省電力モードフラグがオフである場合には(ステップS201;No)、電断後の電力供給などに対応して所定の初期設定条件が成立したとして、初期設定処理を実行する。この初期設定処理には、ステップS202〜S205の処理が含まれている。初期設定処理において、演出制御用CPU120は、演出制御用の初期データを設定する(ステップS202)。
【0119】
ステップS202の処理に続いて、すべての可動部材を原点位置に設定するための処理を実行する(ステップS203)。一例として、演出用可動部材31が「腕」を象った第1可動部材と、「顔」を象った第2可動部材とを含み、それぞれが可動部材駆動回路31Aに含まれる別個のソレノイドによって駆動される場合に、各ソレノイドに対する駆動信号の供給を停止させることにより、第1可動部材と第2可動部材のいずれについても、初期設定位置としての基準位置となる原点位置に設定できればよい。
【0120】
ステップS203の処理を実行した後には、パチンコ遊技機1における動作状態を通常動作モードから省電力モードに移行する場合に対応した初期設定を行う(ステップS204)。ステップS204の処理では、例えば遊技者センサ32により遊技者を含む対象物が検知される範囲の設定、遊技者センサ32による遊技者の検知結果とは異なる動作状態の移行条件の設定、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯設定、節電中報知LED9L,9Rの点灯設定などを、行うことができればよい。
【0121】
遊技者センサ32による検知範囲は、例えば赤外線センサや光センサあるいは超音波センサを用いた場合に、放射信号の出力強度または出力方向を調整することにより、遊技者を含む対象物を検知可能な距離、角度、位置、広さの一部または全部を変更可能に設定できればよい。また、反射信号の検知感度を調整することにより、遊技者を含む対象物を検知可能な距離、角度、位置、広さの一部または全部を変更可能に設定できればよい。より具体的な一例として、遊技者センサ32は、赤外線や光あるいは超音波の発信素子や受信素子の向きを変更可能な電動アクチュエータを内蔵し、演出制御用CPU120からの指令に応じて、その向きを変更することにより、遊技者を検知可能な角度や位置といった検知範囲を調整できればよい。あるいは、発信素子や受信素子の向きを、手動により変更可能としてもよい。
【0122】
遊技者センサ32による検知範囲の一例として、パチンコ遊技機1に対応して遊技場に設置された座席に着席した遊技者を検知可能とする一方、その座席よりも後方の通路(島間通路など)を通過する遊技者などを検知しないように、遊技者センサ32の検知距離や角度、位置、広さの一部または全部が設定されてもよい。
【0123】
動作状態の移行条件には、通常動作状態としての通常動作モードから省電力状態としての省電力モードに移行させるための省電力モード開始条件と、省電力モードから通常動作モードに復帰させるための通常動作復帰条件とが含まれている。遊技者センサ32による検知結果とは異なる移行条件のうち、省電力モード開始条件は、例えば打球操作ハンドル30に設けられたタッチリング(タッチセンサ)により遊技者の接触が検知されないこと、パチンコ遊技機1に隣接して設けられた球貸機(プリペイドカードユニット)からのカード確認信号などに基づいて球貸機にカードが投入されていないと判定されたこと、球貸機からのカード残高表示信号などに基づいて残高が「0」であると判定されたこと、打球供給皿に遊技球が保持(貯留)されていないこと、打球発射装置により遊技球が発射されていないこと、特図ゲームといった可変表示の保留記憶がないこと、第1始動口スイッチ22Aなどの入賞口スイッチにより遊技球が検出されることなく所定時間が経過したこと、遊技領域から排出された遊技球が検出されることなく所定時間が経過したことのうち、一部または全部を含むものとして設定できればよい。通常動作復帰条件は、例えば打球操作ハンドル30に設けられたタッチリング(タッチセンサ)により遊技者の接触が検知されたこと、球貸機からのカード確認信号などに基づいて球貸機にカードが投入されていると判定されたこと、球貸機からのカード残高表示信号などに基づいて残高が「0」以外であると判定されたこと、打球供給皿に遊技球が保持(貯留)されていること、打球発射装置により遊技球が発射されたこと、特図ゲームといった可変表示の保留記憶が行われたこと、入賞口スイッチにより遊技球が検出されたこと、遊技領域から排出された遊技球が検出されたことのうち、一部または全部を含むものとして設定できればよい。
【0124】
省電力モード開始条件と通常動作復帰条件は、それぞれ予め用意された複数種類の条件のうちから設定することができ、省電力モード開始条件の設定と予め対応付けられた通常動作復帰条件が設定されてもよい。一例として、打球操作ハンドル30に設けられたタッチリング(タッチセンサ)により遊技者の接触が検知されないことを省電力モード開始条件に設定したときには、これに対応する通常動作復帰条件として、打球操作ハンドル30に設けられたタッチリング(タッチセンサ)により遊技者の接触が検知されたことに設定されてもよい。
【0125】
なお、遊技者センサ32による検知結果とは異なる移行条件としての省電力モード開始条件や通常動作復帰条件は、設定されない場合があってもよい。すなわち、遊技者センサ32により遊技者が検知されない場合には、任意に設定可能な省電力モード開始条件としては無条件で、通常動作モードから省電力モードに移行させてもよい。ここで、任意に設定可能な省電力モード開始条件とは別に、例えば特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行中ではないことや、遊技状態が大当り遊技状態ではないこと、エラー発生の報知中ではないことといった、予め定められた省電力モード開始条件があってもよい。
【0126】
遊技者センサ32により遊技者が検知された場合には、無条件で省電力モードから通常動作モードに復帰させてもよい。これに対して、遊技者センサ32による遊技者の検知とは異なる通常動作復帰条件の設定により、遊技者センサ32に対して意図的あるいは偶発的に遊技者を検知させて省電力モードから通常動作モードに頻繁に復帰してしまうことを防止できる。すなわち、遊技者センサ32による遊技者の検知とは異なる通常動作復帰条件の設定により、パチンコ遊技機1における節電効果を高めることができる。
【0127】
遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯設定には、通常動作モードであるときの通常時第1点灯設定と、省電力モードであるときの省電力時第1点灯設定とがある。また、節電中報知LED9L,9Rの点灯設定には、通常動作モードであるときの通常時第2点灯設定と、省電力モードであるときの省電力時第2点灯設定とがある。
【0128】
このうち、省電力時第1点灯設定における遊技効果ランプ9や装飾用LEDの発光量は、通常時第1点灯設定における発光量よりも低下させる。一方、通常時第2点灯設定における節電中報知LED9L,9Rの発光量は、省電力時第2点灯設定における発光量よりも低下させる。そして、省電力時第1点灯設定における遊技効果ランプ9や装飾用LEDの発光量は、省電力時第2点灯設定における節電中報知LED9L,9Rの発光量よりも低下させる。すなわち、省電力モードであるときには、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの発光量を、節電中報知LED9L,9Rの発光量よりも低下させる。また、通常時第2点灯設定における節電中報知LED9L,9Rの発光量は、通常時第1点灯設定における遊技効果ランプ9や装飾用LEDの発光量よりも低下させる。すなわち、通常動作モードであるときには、節電中報知LED9L,9Rの発光量を、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの発光量よりも低下させる。
【0129】
なお、省電力時第1点灯設定では、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを消灯させてもよい。通常時第2点灯設定では、節電中報知LED9L,9Rを消灯させてもよい。すなわち、遊技効果ランプ9や装飾用LED、または節電中報知LED9L,9Rを消灯させることにより、発光量を低下させてもよい。あるいは、遊技効果ランプ9や装飾用LED、または節電中報知LED9L,9Rなどに含まれる複数の発光体のうちで、点灯する発光体の数を減少させることにより、発光量を低下させてもよい。あるいは、遊技効果ランプ9や装飾用LED、または節電中報知LED9L,9Rに供給する駆動電圧を低下させることにより、発光量を低下させてもよい。こうした任意の点灯制御により、第1発光部材または第2発光部材の発光量を低下させることができればよい。通常時第2点灯設定における節電中報知LED9L,9Rの発光量は、省電力時第2点灯設定における発光量と同程度であってもよい。このような設定でも、省電力モードであるときには遊技効果ランプ9や装飾用LEDの発光量を低下(あるいは消灯)させることにより、ある程度の節電効果を期待することができる。
【0130】
通常時第1点灯設定や通常時第2点灯設定は、パチンコ遊技機1の仕様に応じて予め決められた固定的な設定とし、ステップS204の処理では、省電力時第1点灯設定や省電力時第2点灯設定を変更可能としてもよい。一方、通常時第1点灯設定や通常時第2点灯設定についても、ステップS204の処理により変更可能としてもよい。
【0131】
節電中報知LED9L,9Rの点灯設定には、省電力モード(あるいは通常動作モード)であるときにいずれのLEDを点灯させるかの設定や、最大発光量となる向きの設定などが含まれてもよい。例えば、遊技場におけるパチンコ遊技機1の設置位置や周辺環境などに基づいて、省電力モードであるときには、節電中報知LED9L,9Rのいずれか一方または両方を点灯させるように設定できればよい。一例として、遊技領域(ガラス面)の左側方に設けられた節電中報知LED9Lを点灯させることにより、パチンコ遊技機1の設置位置に対向した場合における左方向の外側範囲(対向した者の側からすれば右方向への斜視範囲)において、その発光を認識できればよい。遊技領域の右側方に設けられた節電中報知LED9Rを点灯させることにより、パチンコ遊技機1の設置位置に対向した場合における右方向の外側範囲(対向した者の側からすれば左方向への斜視範囲)において、その発光を認識できればよい。節電中報知LED9L,9Rのうちで省電力モード(あるいは通常動作モード)であるときに点灯させるものと消灯させるものの設定は、演出制御用CPU120によるステップS204での初期設定として、ソフトウェアにより設定されてもよいし、例えばディップスイッチなどの手動切替に対応して、ハードウェアにより設定されてもよい。
【0132】
また、例えば節電中報知LED9L,9Rのそれぞれに対応して、各LEDの向きを変更可能な電動アクチュエータを設け、演出制御用CPU120からの指令に応じて、各LEDの向きを変更することにより、各LEDの発光を認識可能な角度や位置といった認識可能範囲を調整できればよい。あるいは、各LEDの向きを、手動により変更可能としてもよい。
【0133】
ステップS204の処理を実行した後には、初期設定に基づく通常動作モードの開始に対応して、遊技効果ランプ9や装飾用LED、あるいは節電中報知LED9L,9Rを通常時の所定態様(初期点灯態様)で点灯を開始させるための設定を行う(ステップS205)。例えば、ステップS205の処理では、演出制御用CPU120が電力制御回路126やランプ制御基板14に対して所定指令を伝送させることにより、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを通常時第1点灯設定に応じて全点灯(あるいは一部点灯)させる一方、節電中報知LED9L,9Rを通常時第2点灯設定に応じて点灯(あるいは消灯)させればよい。
【0134】
ステップS201にて省電力モードフラグがオンである場合には(ステップS201;Yes)、遊技者センサ32による遊技者検知以外に、予め定められた通常動作モードへの復帰条件(通常動作復帰条件)が成立したか否かを判定する(ステップS206)。ステップS206の処理では、パチンコ遊技機1が省電力モードとなる以前に実行されたステップS204の処理による設定に基づいて、通常動作復帰条件が成立したか否かが判定されればよい。
【0135】
ステップS206にて復帰条件が成立していない場合には、起動時設定処理を終了することにより、省電力モードを継続させる。このときには、電力制御回路126に対して所定指令を送り、演出制御用CPU120への電力供給を再び停止させてもよい。また、ステップS206にて復帰条件が成立するか否かを、所定の待機時間が経過するまで繰返し判定した後、復帰条件が成立することなく待機時間が経過したときに、演出制御用CPU120への電力供給を再び停止させてもよい。予め設定した複数の復帰条件のうち、少なくとも1つが成立すれば不成立ではないと判定してもよいし、すべての復帰条件が成立しなければ不成立であると判定してもよい。同一の復帰条件が成立したとの判定が所定回連続して行われたときに不成立ではないと判定してもよい。
【0136】
ステップS206にて復帰条件が成立した場合には、省電力モードフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS207)。また、省電力モードから通常動作モードへの復帰に対応して、所定の復帰報知を開始させるための設定を行う(ステップS208)。復帰報知は、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用可動部材31の動作といった、演出用の電気部品の一部または全部を用いた所定動作により行うことができればよい。復帰報知は、予め定められた復帰報知時間(例えば5秒間など)が経過するまで継続して行われた後に終了すればよい。
【0137】
省電力モードから通常動作モードへの復帰に対応して、遊技効果ランプ9や装飾用LED、あるいは節電中報知LED9L,9Rを通常復帰時の所定態様(復帰時点灯態様)で点灯を開始させるための設定を行う(ステップS209)。例えば、ステップS209の処理では、パチンコ遊技機1における初期設定(ステップS204の処理による設定を含む)に基づいて、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを通常時第1点灯設定に応じて全点灯(あるいは一部点灯)させる一方、節電中報知LED9L,9Rを通常時第2点灯設定に応じて点灯(あるいは消灯)させればよい。
【0138】
一部の可動部材について、原点位置に設定するための処理を実行する(ステップS210)。一例として、演出用可動部材31が「腕」を象った第1可動部材と、「顔」を象った第2可動部材とを含み、それぞれが可動部材駆動回路31Aに含まれる別個のソレノイドによって駆動される場合に、第2可動部材を駆動するソレノイドに対する駆動信号の供給のみを停止させることにより、第2可動部材のみについて、初期設定位置としての基準位置となる原点位置に設定できればよい。一方、第1可動部材については原点位置の設定を行わないようにして、ステップS210の処理を終了すればよい。なお、ステップS210の処理を実行せずに、いずれの可動部材についても、省電力モードから通常動作モードに復帰するときには、原点位置の設定が行われないようにしてもよい。
【0139】
このように、ステップS210の処理では、一部の可動部材についてのみ原点位置に設定される。一方、ステップS203の処理では、すべての可動部材について原点位置に設定される。したがって、例えば「腕」を象った第1可動部材については、所定の初期設定条件が成立したときには原点位置の設定が行われる一方で、省電力モードから通常動作モードへの復帰時には原点位置の設定が行われないように制限される。これに対して、例えば「顔」を象った第2可動部材については、所定の初期設定条件が成立したときに原点位置の設定が行われ、さらに省電力モードから通常動作モードへの復帰時にも原点位置の設定が行われる。
【0140】
ステップS210の処理により原点位置に設定する可動部材は、パチンコ遊技機1の仕様に応じて予め定められてもよいし、例えば演出制御用CPU120によるステップS204での初期設定として、ソフトウェアにより設定されてもよいし、例えばディップスイッチの手動切替に対応して、ハードウェアにより設定されてもよい。特に、複数の可動部材のうちで比較的に重量が大きい可動部材については、省電力モードから通常動作モードに復帰するときに、原点位置の設定を行うようにすればよい。
【0141】
その後、例えばRAM122の所定領域に記憶された可動部材動作情報を読み出す(ステップS211)。可動部材動作情報は、省電力モードに移行する直前の通常動作モードであったときに、動作中の可動部材について、複数の可動部材のうちいずれであるかや、その配置などを特定可能に示す情報であればよい。こうした可動部材動作情報の読出結果に基づいて、省電力モードへの移行時に動作中であった可動部材があるか否かを判定する(ステップS212)。そして、可動部材があると判定した場合には(ステップS212;Yes)、省電力モードへの移行時に動作中であったと判定した可動部材について、可動部材動作情報に基づく復帰位置に設定するための処理を実行する(ステップS213)。
【0142】
ステップS212にて可動部材がないと判定した場合や、ステップS205、S213の処理のいずれかを実行した後には、動作状態信号の外部出力をオン状態とするための設定を行ってから(ステップS214)、起動時設定処理を終了する。動作状態信号は、例えば所定のターミナル基板(情報端子基板)を介して、パチンコ遊技機1の外部装置(例えばホールコンピュータなど)に対し出力され、ホールコンピュータなどの外部装置側でパチンコ遊技機1の動作状態(通常動作モードまたは省電力モード)を認識できるようにすればよい。
【0143】
ステップS214の処理により外部出力された動作状態信号は、パチンコ遊技機1の上方に設けられた呼出ランプに対して伝送されてもよい。呼出ランプは、パチンコ遊技機1などの遊技機における遊技情報(例えば遊技状態や始動回数、大当り回数等)を遊技者に対して表示する遊技情報表示装置となるものであればよい。パチンコ遊技機1の電断状態や省電力モードに対応して動作状態信号がオフ状態であるときには、呼出ランプに対する電力供給も停止され、遊技情報の表示が行われないようにしてもよい。一方、パチンコ遊技機1の動作状態が通常動作状態としての通常動作モードであることに対応して動作状態信号がオン状態であるときには、呼出ランプに対する電力供給が行われ、遊技情報が表示されるようにすればよい。
【0144】
動作状態信号は、通常動作モードであることに対応して高電圧(ハイレベル)のオン状態となり、省電力モードであることに対応して低電圧(ローレベル)のオフ状態となればよい。すなわち、動作状態信号は、省電力モードであるか否かを示す省電力状態信号としてみた場合に、省電力モードではないときにオン状態(ハイレベル)となる負論理の信号であればよい。このように、省電力モードであるときには、動作状態信号を低電圧(ローレベル)にすることにより、省電力モードであるときの消費電力を低減でき、節電効果を高めることができる。
【0145】
図7に示す起動時設定処理では、ステップS201の処理にて省電力モードフラグがオフであることに基づいて通常動作モードとする場合には、ステップS202の処理により演出制御用の初期データが設定される。このときには、例えば表示制御部123のVDPに初期設定指令を送ることで、CGROMのデータチェック、VRAMの初期化や初期データの展開といった、電力供給の開始に伴う表示制御の初期設定が行われる。また、例えば音声制御基板13の音声合成用ICに初期設定指令を送ることで、音声データROMのデータチェック、音声トラックや出力ボリュームの初期化および初期データの設定といった、電力供給の開始に伴う音声出力制御の初期設定が行われる。
【0146】
一方、ステップS201の処理にて省電力モードフラグがオンであることや、ステップS206の処理にて遊技者検知以外の復帰条件が成立したことに基づいて、省電力モードから通常動作モードに復帰させるときには、ステップS202のような設定が行われない。したがって、省電力モードから通常動作モードに復帰させるときには、表示制御や音声出力制御の初期設定が行われない。省電力モードであるときには、表示制御や音声出力制御の初期設定が不要となるように、電力制御回路126による制御の下で、表示制御部123や音声制御基板13に対する電力供給の一部が継続されてもよい。具体的な一例として、省電力モードであるときにもVRAMの記憶データが保持されるように、表示制御部123に対する電力供給の一部が継続されればよい。このように、省電力モードから通常動作モードに復帰するときには、表示制御や音声出力制御の初期設定が行われないようにすることで、表示制御部123や音声制御基板13において、省電力モードからの復帰を短時間で円滑に行うことができる。
【0147】
演出制御用マイクロコンピュータにおけるROM121には、図柄変動制御パターンテーブルを初めとする、各種予告演出の演出制御パターンを含む予告演出制御パターンテーブル(図示略)、各種大当り状態や小当り状態における演出制御パターンや、後述する着席演出や離席演出を含む各種演出制御パターンテーブル(図示略)等が記憶されている。図柄変動制御パターンテーブルには、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータが、変動パターンに応じて格納されている。各図柄変動制御パターンには、例えば、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、並びに音制御実行データ、操作入力等の入力の受付け開始や受付け終了のタイミング等を特定可能な入力受付け期間データ、終了コードといった演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための複数の制御データ(プロセスデータ)が時系列的に設定されている。
【0148】
また、各種演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、ラウンド等に応じて格納されている。各演出制御パターンには、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。
【0149】
なお、図柄変動制御パターン、各種予告の予告演出制御パターン、各種演出制御パターン等、各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
【0150】
プロセスタイマ設定値は、演出制御用CPU120における演出制御用のプロセスタイマの格納値であるプロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、プロセスタイマ設定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
【0151】
表示制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御実行データは、画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。音制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における演出図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、各スピーカ8L,8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音制御実行データは、各スピーカ8L,8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御実行データには、例えば遊技効果ランプ9や節電中報知LED9L,9Rといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御実行データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。可動部材制御データは、演出可動部材31における動作態様を指定するデータである。
【0152】
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御実行データ、ランプ制御実行データ、可動部材制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。
【0153】
演出制御用CPU120は、これら演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、プロセスタイマ値がプロセスタイマ設定値のいずれかと合致したときには、そのプロセスタイマ設定値と対応付けられた演出制御実行データに含まれる表示制御実行データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させる制御を行う。また、音声制御実行データにより指定される態様で各スピーカ8L,8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御実行データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や節電中報知LED9L,9R等の発光体を点滅させる制御を行う。また、可動部材制御データにより指定される態様で演出可動部材31を動作させる制御を行う。なお、プロセスタイマ設定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
【0154】
本実施例において、演出制御用CPU120は、図6に示すステップS77の着席・離席判定処理にて、遊技者が着席したと判定した場合は、着席フラグをセットし、例えば遊技者を歓迎するなどの着席演出を実行する。また、遊技者が離席したと判定した場合は、着席フラグをリセットし、遊技実行を感謝したり遊技継続の勧誘などの離席演出を実行する。つまり、基本的に着席演出は遊技者が遊技を開始するための着席であると判定したときに行われ、離席演出は遊技を終了するための離席であると判定したときに行われる。
【0155】
ところで、遊技者は遊技を終了するときだけでなく、トイレ休憩等のために遊技を中断して一時離席することがある。このような場合、遊技を継続する意思があるため比較的短時間(例えば、5分以内等)で戻ることが多い。しかし、このように休憩等のために一時離席するときに離席演出が行われ、戻ったときに着席演出が行われると遊技者に煩わしさを与えてしまうため、本実施例では、上皿に遊技球が保持されているときや遊技実行中であるときの離席(一時離席)は、遊技の終了に伴う離席と判定しないようにしている。
【0156】
演出制御用CPU120は、遊技者センサ32及び上皿センサ33の検出結果と演出制御プロセスフラグ値とに基づいて、遊技者の着席または離席を判定する。具体的には、遊技者センサ32がオフの場合に、上皿センサ33がオンまたは演出制御プロセスフラグが0以外、つまり上皿に遊技球を保持しているまたは可変表示や大当り遊技の実行中であれば、遊技中断のための一時離席であって遊技終了の離席と判定しないため、離席時間の計測を開始するだけで、着席フラグをリセットしないので離席演出は実行しない。
【0157】
また、上皿センサ33がオンまたは演出制御プロセスフラグが0以外の場合、遊技者センサ32のオフから所定時間(本実施例では5分)内に遊技者センサ32のオンを判定した場合は、着席フラグをクリアしていないので着席演出は実行されないが、当該遊技者センサ32のオフから5分以内に遊技者センサ32のオンを判定しなかった場合は、遊技終了の離席であると判定して着席フラグをクリアするため、次回着席を判定したときに着席演出を実行する。
【0158】
また、遊技者センサ32がオフの場合に、上皿センサ33がオフ及び演出制御プロセスフラグが0、つまり上皿に遊技球がなく、かつ、可変表示や大当り遊技が行われてなければ、遊技終了の離席であると判定し、離席演出を実行する。また、このときに前回着席してから今回離席するまでに経過した時間(一時離席期間は除く)、つまり遊技者の遊技時間を記憶しておくことで、該遊技時間に応じた態様の離席演出を実行する。
【0159】
次に、遊技者センサ32がオンの場合、着席フラグがセットされていなければ離席状態での着席になるため、着席演出を実行する。すなわち、離席演出の実行後や一時離席時間が5分を超えた場合は離席と判定して着席フラグをクリアするため、着席演出を実行するとともに、着席タイマのカウント、つまり遊技時間の計時を開始する。
【0160】
尚、本実施例では、トイレ休憩などの一時離席であるか否かを、上皿に遊技球が貯留されているかまたは遊技実行中であるか否かに基づいて判定していたが、例えば、パチンコ遊技機1に隣接して設けられた球貸機(プリペイドカードユニット)からのカード確認信号などに基づいて球貸機にカードが投入されていると判定されたこと、球貸機からのカード残高表示信号などに基づいて残高が「0」でないと判定されたこと、打球発射装置により遊技球が発射されていること、特図ゲームといった可変表示の保留記憶があること、のうち一部または全部を含むときに一時離席であると判定してもよい。
【0161】
また、本実施例では、上皿に遊技球が10球以上貯留されている場合に上皿センサ33がオンとなり、これにより遊技継続の意思があると判定する。このように、所定球数以上の遊技球が貯留されている場合に上皿センサ33がオンとなるようにすることで、例えば遊技者が上皿に10球未満の遊技球(例えば2球)が残存していることに気付かずに遊技を終了する場合に、上皿に遊技球が貯留されていると判定して離席演出が実行されないといった事態の発生を回避することができる。尚、上皿に遊技球が貯留されていると判定する遊技球数は上記10球に限定されるものではなく、種々に決定可能である。
【0162】
着席演出の演出態様は、図11(a)に示す着席演出種別決定テーブルに予め複数種類記憶されている。着席演出種別決定テーブルには、遊技者が着席したと判定するまでのパチンコ遊技機1の状況に応じた複数種類の種別TA〜TEが記憶されている。また、特に図示はしないが、これら各種別TA〜TEには複数種類の演出パターンが記憶されており、種別TA〜TEのうちいずれかが決定された場合、決定された種別に対応する複数の演出パターンのうちから決定されるようになっている。
【0163】
そして演出制御用CPU120は、着席演出の実行を決定したときに、図11(a)に示す着席演出種別決定テーブルに基づいて、遊技者が着席したと判定するまでのパチンコ遊技機1の状況に応じた着席演出種別に対応する演出パターンを決定し、該決定した演出パターンに基づいて着席演出を実行する。
【0164】
選択条件としては、演出制御用CPU120が、確変状態であるときに通常状態と同様の演出モードとして確変状態であることを遊技者が認識不可能あるいは認識困難な潜伏確変モードを実行しているか否か、1日の総大当り回数等があるが、例えば1日の総確変大当り回数や小当り回数等の他の条件に基づいて選択されるようにしてもよい。
【0165】
離席演出の演出態様は、図11(b)に示す離席演出種別決定テーブルに予め複数種類記憶されている。離席演出種別決定テーブルには、遊技者が離席したと判定するまでのパチンコ遊技機1の状況に応じた複数種類の種別RA〜RFが記憶されている。また、特に図示はしないが、これら各種別RA〜RFには複数種類の演出パターンが記憶されており、種別RA〜RFのうちいずれかが決定された場合、決定された種別に対応する複数の演出パターンのうちから決定されるようになっている。
【0166】
そして演出制御用CPU120は、離席演出を実行することを決定したときに、図11(b)に示す離席演出種別決定テーブルに基づいて、遊技者が離席したと判定するまでのパチンコ遊技機1の状況に応じた離席演出種別に対応する演出パターンを決定し、該決定した演出パターンに基づいて離席演出を実行する。
【0167】
選択条件としては、遊技者が着席してから離席するまでの遊技時間や大当り回数等の遊技者個人の遊技履歴や、あるいは、遊技者が離席する際の遊技状態が潜伏確変状態であるか否か等の遊技機の状態等があるが、その他にも、確変大当り回数や小当り回数等の他の条件に基づいて選択されるようにしてもよい。
【0168】
このような着席演出や離席演出は、本実施例では、画像表示装置5及びスピーカ8L,8Rにより実行されるようになっている。図17には、着席演出や離席演出の一例が示されている。
【0169】
例えば、種別TAに基づく着席演出では、着席の判定とともに画像表示装置5の表示画面に男性キャラクタが表示され、「いらっしゃいませ!!潜伏している予感が・・・」という文字メッセージが表示されるとともに、スピーカ8L,8Rからは表示された文字メッセージと同一内容の音声メッセージが出力される(図17(a)参照)。
【0170】
種別RCに基づく離席演出では、離席の判定とともに画像表示装置5の表示画面に女性キャラクタが表示され、「お疲れ様。サイトで特典をGETしてね」という文字メッセージが表示されるとともに、スピーカ8L,8Rからは表示された文字メッセージと同一内容の音声メッセージが出力される(図17(b)参照)。
【0171】
種別RDに基づく離席演出では、離席の判定とともに画像表示装置5の表示画面に女性キャラクタが表示され、「現在の確変潜伏期待度は・・・XX%」という文字メッセージが表示されるとともに、スピーカ8L,8Rからは表示された文字メッセージと同一内容の音声メッセージが出力される(図17(c)参照)。
【0172】
このような着席演出や離席演出の演出態様は、上記のものに限定されるものではなく、例えばメッセージ、キャラクタ、背景等が異なる他の演出態様であってもよい。また、演出の選択条件となる遊技履歴内容等を加えたり変更したりできるようにしてもよい。
【0173】
また、本実施例では、画像表示装置5による表示及びスピーカ8L,8Rからの音声出力により着席演出や離席演出を行うようになっているが、画像表示装置5以外の演出手段、例えば演出用可動部材31や遊技効果ランプ9等により演出を実行してもよい。
【0174】
また、パチンコ遊技機1に設けられた表示装置だけでなく、例えばパチンコ遊技機1に隣接して設けられた球貸機(プリペイドカードユニット)に設けられた表示装置等の演出手段にて演出を実行するようにしてもよい。
【0175】
また、着席演出や離席演出にて出力されるメッセージの内容等を、所定操作により変更することができるようにしてもよい。このようにすることで、例えば遊技店の店員等が、その日に実施しているイベントや新装開店状況等に応じて着席時のメッセージを変えたり、離席の際に次回イベント等の遊技店に関する情報を提供することも可能となる。
【0176】
図8は、図6に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS75)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S808のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、画像表示装置5の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。また、着席演出に関する制御も、離席演出に関する表示も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
【0177】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):図9に示すように、変動パターンコマンド受信待ち処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS810)。変動パターンコマンドを受信していれば(ステップS810;Yes)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS811)。また、変動パターンコマンドを受信していなければ(ステップS810;No)、着席演出実行フラグまたは離席演出実行フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS812)、いずれかがセットされていれば(ステップS812;Yes)、演出制御プロセスフラグの値を着席・離席演出開始処理(ステップS807)に対応した値に変更する(ステップS813)。
【0178】
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
【0179】
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
【0180】
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0181】
当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、画像表示装置5に大当り或いは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
【0182】
当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中或いは小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、画像表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
【0183】
当り終了演出処理(ステップS806):画像表示装置5において、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0184】
なお、本実施例では、小当りが発生した場合においては、ステップS804〜806において、確変大当りBが発生した場合と同様の演出処理を実施することで、発生したのが、確変状態に移行する確変大当りBであるのか、確変状態に移行しない小当りが発生したのかを遊技者が判別できないようになっている。
【0185】
着席・離席演出開始処理(ステップS807):画像表示装置5において、遊技者が着席したときまたは遊技を終了して離席する際に、遊技者を歓迎したり勧誘する演出画面を表示する制御を行う。
【0186】
図10は、着席・離席演出開始処理を示すフローチャートである。着席・離席演出開始処理において、演出制御用CPU120は、着席演出実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS820)。着席演出実行フラグがセットされていれば(ステップS820;Yes)、着席演出種別決定処理を実施する(ステップS821)。また、着席演出実行フラグがセットされていなければ(ステップS820;No)、離席演出種別決定処理を実施する(ステップS822)。
【0187】
ここで、図11(a)には、着席演出種別決定処理を実施する際に用いられる着席演出種別決定テーブルが示されており、図11(b)には、離席演出種別決定処理を実施する際に用いられる離席演出種別決定テーブルが示されている。
【0188】
本実施例では、着席演出種別として、種別TA〜TEの5種類の着席演出種別が登録されており、それまでの遊技機の状況に応じて異なるパターンが選択されるようになっている。具体的には、その時点で演出制御用CPU120が潜伏確変モード演出を実行している場合、「潜伏しているかも?・・」というように遊技状態が潜伏確変状態である可能性を示唆する内容のメッセージの表示及び音声アナウンスが行われる種別TAが選択される。また、パチンコ遊技機1の本日の総大当り回数が0回である場合、「一人目を目指してください!」というように本日の初当りの発生を煽る内容のメッセージの表示及びアナウンスが行われる種別TBが選択される。また、パチンコ遊技機1の本日の総大当り回数が1〜20回である場合、「まあまあの調子です!」というように大当りの発生状態を示す内容のメッセージの表示及びアナウンスが行われる種別TCが選択される。また、パチンコ遊技機1の本日の総大当り回数が21〜30回である場合、「絶好調です!」というように大当りの発生状態を示す内容のメッセージの表示及びアナウンスが行われる種別TDが選択される。また、パチンコ遊技機1の本日の総大当り回数が31回以上である場合、「爆裂中です!」というように大当りの発生状態を示す内容のメッセージの表示及びアナウンスが行われる種別TEが選択される。
【0189】
また、離席演出種別として、種別RA〜RFの5種類の離席演出種別が登録されており、それまでの遊技機の状況に応じて異なるパターンが選択されるようになっている。具体的には、後述する着席タイマのカウント値に基づいて、それまで遊技を実施していた遊技者の遊技時間が1時間未満の場合、「もう帰るの?・・」というように遊技の継続を勧誘する内容のメッセージの表示及び音声アナウンスが行われる種別RAが選択される。また、遊技時間が1時間以上3時間未満である場合、「お疲れ様でした」というように長時間の遊技に感謝する内容のメッセージの表示及び音声アナウンスが行われる種別RBが選択される。また、遊技時間が3時間以上で、その期間の大当り回数が3回未満であり、かつ、遊技状態が潜伏確変状態ではない場合、例えば、長時間遊技したにも関わらずあまり大当りが発生しなかった遊技者に対する救済として、遊技機メーカー等が提供するサイトにアクセスするための二次元コードの表示及びアナウンスが行われる種別RCが選択される。この場合、サイトにアクセスすることで、遊技を実行した特典として例えば遊技機や該遊技機に関連するキャラクタ等の壁紙のダウンロードやミニゲーム等が実施可能となるようにしてもよいし、あるいは他の特典を取得できるようにしてもよい。
【0190】
また、遊技時間が3時間以上で、その期間の大当り回数が3回未満であり、かつ、遊技状態が潜伏確変状態である場合、例えば、長時間遊技したにも関わらずあまり大当りが発生しなかった遊技者に対する救済として、特典として遊技状態が潜伏確変状態であることを示す表示(例えば、図17(c)参照)及び音声アナウンスが行われる種別RDが選択される。また、遊技時間が3時間以上で、その期間の大当り回数が30回未満、つまり、3〜29回である場合、例えば、「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしています!」といったように、長時間遊技した遊技者に対して感謝を示す表示及びアナウンスが行われる種別REが選択される。また、遊技時間が3時間以上で、その期間の大当り回数が30回を超えている場合、例えば、「おめでとうございます!大勝利!!」といったように、長時間遊技し、しかも大当りが頻発した遊技者に対して祝福を示す表示及びアナウンスが行われる種別RFが選択される。
【0191】
図12は、図10の着席演出種別決定処理を示すフローチャートである。着席演出種別決定処理では、演出制御用CPU120は、潜伏確変モード演出を実行中であるか否かを確認し(ステップS830)、実行中であれば、(ステップS830;Yes)種別TAを選択する(ステップS831)。実行中でなければ(ステップS830;No)、総大当り回数が0回であるか否かを確認し(ステップS832)、0回であれば(ステップS832;Yes)、種別TBを選択する(ステップS833)。総大当り回数が0回でなければ(ステップS832;No)、総大当り回数が1〜20回であるか否かを確認し(ステップS834)、1〜20回であれば(ステップS834;Yes)、種別TCを選択する(ステップS835)。総大当り回数が1〜20回でなければ(ステップS834;No)、総大当り回数が21〜30回であるか否かを確認し(ステップS836)、21〜30回であれば(ステップS836;Yes)、種別TDを選択する(ステップS837)。そして、総大当り回数が21〜30回でなければ(ステップS836;No)、種別TEを選択する(ステップS838)。
【0192】
図13は、図10の離席演出種別決定処理を示すフローチャートである。離席演出種別決定処理では、演出制御用CPU120は、記憶されている着席タイマのカウンタ値が1時間未満であるか否かを確認し(ステップS840)、1時間未満であれば(ステップS840;Yes)、種別RAを選択する(ステップS841)。1時間未満でなければ(ステップS840;No)、1時間以上3時間未満であるか否かを確認し(ステップS842)、1時間以上3時間未満であれば(ステップS842;Yes)、種別RBを選択する(ステップS843)。1時間以上3時間未満でなければ(ステップS842;No)、前回着席してからの大当り回数が3回以下であるか否かを確認し(ステップS844)、3回以下であれば(ステップS844;Yes)、遊技状態が潜伏確変状態であるか否かを確認する(ステップS845)。潜伏確変状態でなければ(ステップS845;No)、種別RCを選択し(ステップS846)、潜伏確変状態であれば(ステップS845;Yes)、種別RDを選択する(ステップS847)。また、ステップS844で大当り回数が3回以下ではなければ(ステップS840;No)、前回着席してからの大当り回数が30回を超えているか否かを確認し(ステップS848)、30回を超えていない、つまり3〜29回であれば(ステップS848;Yes)、種別REを選択し(ステップS849)、30回を超えていれば(ステップS848;Yes)、種別RFを選択する(ステップS850)。
【0193】
図10に戻って、ステップS823では、ステップS821またはステップS822にて決定された演出パターンに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択し、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS824)。
【0194】
次に、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種遊技効果ランプ9および演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(ステップS825)。例えば、画像表示装置5において着席・離席演出種別パターンに応じた画像を表示させるために、VDPに指令を出力する。また、各種遊技効果ランプ9を点灯/消灯制御を行わせるために、LEDドライバ基板等に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声出力基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
【0195】
そして、演出時間タイマに、着席演出実行フラグまたは離席演出実行フラグで特定される演出時間に相当する値を設定し(ステップS826)、演出制御プロセスフラグの値を着席・離席演出処理(ステップS827)に対応した値にする(ステップS828)。
【0196】
図14は、演出制御プロセス処理における着席・離席演出処理(ステップS808)を示すフローチャートである。着席・離席演出処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、演出時間タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS860,861)。次いで、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS862)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら(ステップS862;Yes)、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS863)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS854)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS865)。
【0197】
次いで、演出時間タイマがタイムアウトしているか否か確認し(ステップS866)、演出時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS866;Yes)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS867)。
【0198】
図15は、図6のステップS77の着席・離席判定処理を示すフローチャートである。着席・離席判定処理では、演出制御用CPU120は、まず遊技者センサ32がオフであるか否かを確認し(ステップS701)、遊技者センサ32がオフであれば(ステップS701;Yes)、上皿センサ33がonであるか否か、つまり遊技終了の離席であるか遊技中断の離席(トイレ休憩など)であるかを確認する(ステップS702)。
【0199】
上皿センサ33がオンではない、つまり遊技終了の離席であれば(ステップS702;No)、演出制御プロセスフラグが0であるか否か、つまり遊技中であるか否かを確認し(ステップS703)、演出制御プロセスフラグが0であれば(ステップS703;Yes)、つまり遊技中でなければ、着席フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS704)。
【0200】
着席フラグがセットされていなければ(ステップS704;No)、遊技者が着席していない状態での遊技者センサ32のオフ検出、つまり遊技機の起動処理後最初のオフ検出であるため、そのまま処理を終了する。また、着席フラグがセットされていれば(ステップS704;Yes)、遊技者が着席していた状態での遊技者センサ32のオフ検出であるため、遊技者が離席(遊技終了離席)したと判定する(ステップS705)。
【0201】
次いで、離席演出実行フラグをセットした後(ステップS706)、着席フラグをクリアする(ステップS707)。そして、その時点の着席タイマ値を記憶した後(ステップS708)、着席タイマ値をリセットする(ステップS709)。これにより、前回遊技者が着席してから離席するまでの時間、つまり遊技時間が特定可能となる。
【0202】
一方、ステップS702において上皿センサ33がオン、つまり遊技中断の離席である場合(ステップS702;Yes)及びプロセスフラグが0以外である、つまり遊技中である(一時的なセンサオフ検出)場合(ステップS701;No)は、離席タイマのカウンタ値を1減算し(ステップS710)、離席タイマのカウンタ値が0になったか否か、つまり離席タイマのカウント減算を開始してから5分が経過したか否かを確認し(ステップS711)、カウンタ値が0でなければ(ステップS711;No)処理を続行し、0であれば(ステップS711;Yes)、中断離席と判定してから5分以上が経過したため遊技終了のための離席と判定し、着席フラグをクリアするとともに(ステップS712)、離席タイマのカウンタ値に所定値(ここでは5分に相当する値)をセットする(ステップS713)。
【0203】
一方、ステップS701において遊技者センサ32がオフでなければ(ステップS701;No)、着席フラグがセットされているか否か、つまり遊技者が着席していない状態での遊技者センサ32のオン検出であるか否かを確認し(ステップS714)、着席フラグがセットされていない、つまり遊技者が着席していない状態での遊技者センサ32のオン検出であれば(ステップS714;No)、遊技者が着席したと判定し(ステップS715)、着席フラグをセットした後(ステップS716)、着席演出実行フラグをセットする(ステップS717)。
【0204】
また、ステップS714において着席フラグがセットされていれば、遊技者が着席している状態での遊技者センサ32のオン検出であるとして、ステップS718に進む。
【0205】
ステップS718では、着席タイマのカウンタ値を1加算し(ステップS718)、離席タイマのカウンタ値に所定値(ここでは5分に相当する値)をセットする(ステップS719)。
【0206】
図16は、省電力モード移行設定処理として、図6のステップS78にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す省電力モード移行設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、RAM122の所定領域などに記憶されている演出制御プロセスフラグの値が“0”であるか否かを判定する(ステップS221)。このとき、演出制御プロセスフラグの値が“0”以外の値であれば(ステップS221;No)、そのまま省電力モード移行設定処理を終了する。
【0207】
ステップS221にて演出制御プロセスフラグの値が“0”であるときには(ステップS221;Yes)、例えば所定のエラー処理が実行中であることなどに対応して、異常発生に伴うエラー報知中であるか否かを判定する(ステップS222)。エラー報知中であると判定されたときには(ステップS222;Yes)、省電力モード移行設定処理を終了する。
【0208】
ステップS222にてエラー報知中ではないと判定されたときには(ステップS222;No)、例えば遊技者センサ32から伝送された遊技者検知信号がオフ状態であるかを確認することなどにより、遊技者の離席が検知されたか否かを判定する(ステップS223)。ここで、遊技者の離席が検知されていなければ(ステップS223;No)、省電力モード移行設定処理を終了する。したがって、遊技者センサ32により遊技者を含む対象物が検知されたときには、パチンコ遊技機1における動作状態が通常動作状態としての通常動作モードに維持されることで、省電力状態としての省電力モードには移行させないように制限される。
【0209】
一方、遊技者センサ32により対象物が検知されなくなり、ステップS223にて遊技者の離席が検知されたときには(ステップS223;Yes)、省電力モードへの移行を開始するために予め設定したその他の条件が成立したか否かを判定する(ステップS224)。ステップS224の処理では、図7に示すステップS204の処理による設定に基づいて、任意に設定可能な省電力モード開始条件が成立したか否かが判定されればよい。そして、省電力モード開始条件が成立していないと判定された場合には(ステップS224;No)、省電力モード移行設定処理を終了する。
【0210】
ステップS224にて省電力モード開始条件が成立したと判定された場合には(ステップS224;Yes)、例えば可動部材駆動回路31Aに対する駆動制御信号の出力設定を確認することなどにより、動作中の可動部材があるか否かを判定する(ステップS225)。このとき、動作中の可動部材があれば(ステップS225;Yes)、例えばRAM122の所定領域などに、可動部材動作情報を記憶させる(ステップS226)。可動部材動作情報は、動作中の可動部材について、複数の可動部材のうちいずれであるかや、その配置などを特定可能に示す情報であればよい。一例として、演出制御用CPU120は、駆動制御信号の出力設定を示すデータをRAM122の所定領域に格納することにより、可動部材動作情報を記憶させればよい。
【0211】
ステップS226の処理に続いて、動作中の可動部材を原点位置に設定するための処理を行う(ステップS227)。例えば、ステップS226の処理では、可動部材駆動回路31Aに対する駆動制御信号の出力を停止することにより、演出用可動部材31に含まれる動作中の可動部材を、基準位置となる原点位置に設定できればよい。
【0212】
このように、省電力モードへの移行に対応して、動作中の可動部材を原点位置に設定することにより、省電力モードに移行したときに可動部材を適切に収納することができる。なお、動作中の可動部材だけでなく、省電力モードへの移行時にすべての可動部材を原点位置に設定する処理が実行されてもよい。これにより、省電力モードから通常動作モードに復帰させるときに可動部材を原点位置に設定する処理が不要になることで、省電力モードからの復帰時に遊技や演出の進行が妨げられることを防止できる。
【0213】
ステップS225にて動作中の可動部材がない場合や(ステップS225;No)、ステップS227の処理を実行した後には、パチンコ遊技機1における遊技状態を特定する(ステップS228)。主基板11から演出制御基板12に対しては、例えば遊技状態が変化したときといった所定タイミングにて、パチンコ遊技機1における遊技状態を特定可能に指定する演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)が伝送されればよい。演出制御用CPU120は、この演出制御コマンドの受信結果に基づいて、現在の遊技状態を特定できればよい。
【0214】
ステップS228における遊技状態の特定結果に基づいて、通常動作モードから省電力モードに移行させるために、遊技効果ランプ9や装飾用LED、あるいは節電中報知LED9L,9Rを省電力時の所定態様(省電力時点灯態様)で点灯を開始させる設定を行う(ステップS229)。例えば、ステップS229の処理では、演出制御用CPU120が電力制御回路126やランプ制御基板14に対して所定指令を伝送させることにより、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを省電力時第1点灯設定に応じて点灯(あるいは消灯)させる一方、節電中報知LED9L,9Rを省電力時第2点灯設定に応じて全点灯(あるいは一部点灯)させればよい。これにより、省電力モードであるときには、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける発光量が、節電中報知LED9L,9Rにおける発光量よりも低下する。
【0215】
ステップS229の処理では、ステップS228の処理にて特定された遊技状態に応じて、節電中報知LED9L,9Rにおける発光態様を異ならせてもよい。一例として、ステップS228の処理により特定された遊技状態が通常状態である場合には、遊技者が遊技継続の意思なく離席したと判断して、ドットマトリクスを形成する節電中報知LED9L,9Rのうちで点灯させるLEDの組合せにより、「遊技者募集中!」といったメッセージを報知する発光態様とする。一方、ステップS228の処理により特定された遊技状態が時短状態または確変状態である場合には、遊技者が遊技継続の意思を有しているものの休憩などの理由により離席したと判断して、ドットマトリクスを形成する節電中報知LED9L,9Rのうちで点灯させるLEDの組合せにより、「チャンス継続中!」といったメッセージを報知する発光態様とする。また、ステップS228の処理にて特定された遊技状態に応じて、例えば節電中報知LED9L,9Rの発光色や最大発光量、点滅動作の有無、点滅間隔などの一部または全部といった、任意の発光態様を異ならせてもよい。
【0216】
なお、省電力モードである期間における節電中報知LED9L,9Rの点灯パターンは、演出制御用CPU120から電力制御回路126に対する指令に応じて設定され、電力制御回路126により節電中報知LED9L,9Rの点灯動作が制御されてもよい。これにより、演出制御用CPU120に対する電力供給を停止しても、節電中報知LED9L,9Rを適切な発光態様で発光させることができる。
【0217】
ステップS228にて遊技状態を特定するために、上皿(打球供給皿)や下皿に所定量以上の遊技球が貯留されているか否かの判定を行い、貯留されている場合には遊技者が遊技継続の意思を有しているものの離席したと判断する一方、貯留されていない場合には遊技者が遊技継続の意思なく離席したと判断してもよい。パチンコ遊技機1における上皿形成部材の所定位置などに設置された操作ボタンに対する所定操作(具体的には押下操作など)に基づいて、遊技者が遊技継続の意思を有しているか否かを確認してもよい。一例として、遊技者センサ32により遊技者の離席が検知されるときなどに、遊技者に遊技を継続するか否かを問い合わせるための報知を行い、その報知に対して操作ボタンの所定操作が検出されたか否かに応じて、遊技継続の意思の有無を確認すればよい。こうした遊技者における遊技継続の意思の有無に応じて、省電力モードである期間における節電中報知LED9L,9Rの点灯パターンを異ならせることにより、省電力モードにおける発光態様を異ならせることができればよい。
【0218】
また、ステップS228にて特定される遊技状態として、例えばパチンコ遊技機1における大当り回数、確変回数、総回転数(ゲーム数)などの遊技実行状況、リーチ回数、ミッション達成状況、所定演出出現有無などの演出実行状況、使用金額、遊技日、各遊技日における遊技実行状況や演出実行状況や使用金額などのうち、一部または全部を含んだ遊技履歴があってもよい。ステップS229にて省電力モードにおける節電中報知LED9L,9Rの発光態様を設定するときには、遊技履歴の特定結果に応じて異なる発光態様に設定してもよい。
【0219】
このように、ステップS228にて特定されるパチンコ遊技機1の遊技状態は、例えば通常状態や時短状態または確変状態といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行に応じて制御される内部的な遊技状態に限定されず、より一般的に、遊技者がパチンコ遊技機1により遊技を実行する上での様々な状態を含んでいてもよい。
【0220】
また、例えば複数の演出モードのうちいずれに制御されているかをステップS228にて特定した後、こうした演出モードの特定結果に基づいて、省電力モードにおける節電中報知LED9L,9Rの発光態様などが設定されてもよい。より具体的な一例として、確変状態であるときに、通常状態と同様の演出モードとして、確変状態であることを遊技者が認識不可能あるいは認識困難な潜伏確変モードになることがあってもよい。ステップS228では、こうした潜伏確変モードとなっているか否かを特定する。そして、ステップS229にて節電中報知LED9L,9Rの発光態様を設定するときに、ステップS228にて特定された演出モードが潜伏確変モードである場合には、特定された演出モードが潜伏確変モード以外の演出モードである場合とは異なる発光態様に設定してもよい。
【0221】
他の一例として、可変表示結果が「大当り」となるための達成条件、あるいは、特定の変動パターン(例えばスーパーリーチを伴う変動パターン)によるリーチ演出などが実行されて所定表示態様となるための達成条件として、あるミッション(課題または指令)を遊技者が認識可能に報知するための演出動作が所定期間(一定時間が経過するまでの期間、あるいは複数回の可変表示が実行されるまでの期間)にわたり行われるミッション報知モードになることがあってもよい。ステップS228では、こうしたミッション報知モードとなっているか否かを特定する。そして、ステップS229にて節電中報知LED9L,9Rの発光態様を設定するときに、ステップS228にて特定された演出モードがミッション報知モードである場合には、特定された演出モードがミッション報知モード以外の演出モードである場合とは異なる発光態様に設定してもよい。
【0222】
ステップS229での設定に続いて、動作状態信号の外部出力をオフ状態とするための設定を行う(ステップS230)。ステップS230での設定により、例えばホールコンピュータあるいは呼出ランプといった外部装置に対して出力される動作状態信号がオフ状態となる。こうして動作状態信号がオフとなることにより、呼出ランプに対する電力供給も停止され、遊技情報の表示が行われないようにしてもよい。一方、動作状態信号がオフとなった場合でも、呼出ランプに対する電力供給は継続され、パチンコ遊技機1が省電力モードであっても呼出ランプによる遊技情報の表示は行われるようにしてもよい。これにより、パチンコ遊技機1が省電力モードであるときでも、呼出ランプの表示による遊技情報の確認を可能にして、遊技者をパチンコ遊技機1へと適切に誘導することができる。なお、呼出ランプに対する電力供給の停止は、ステップS231の処理による指令に応じて行われてもよい。
【0223】
その後、電力制御回路126に対する所定指令の伝送により、演出制御基板12に搭載された各種回路や、各種の演出装置などへの電力供給量を減少させるように制限する(ステップS231)。ステップS231の処理により電力制御回路126に対して伝送される指令は、遊技者センサ32への電力供給は継続して遊技者の検知を可能にすることが指示できればよい。また、例えばRAM122の一部または全部といった、サブ側の制御基板に搭載されたRAMについて、省電力モードであるときにも記憶データの保存が可能となるように、所定の電力供給を指示してもよい。こうして省電力モードに移行させることに対応して、省電力モードフラグをオン状態にセットすればよい。
【0224】
ステップS231の処理では、例えば画像表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9および装飾用LEDの一部または全部といった、演出用の電気部品や、それらを制御するための各種回路に対しては、電力供給を停止(あるいは極力制限)して、消費電力が通常動作モードよりも低減するよう指示すればよい。なお、表示制御部123や音声制御基板13に対する電力供給の一部を継続させて、省電力モードからの復帰時に表示制御や音声出力制御の初期設定を行うことなく、省電力モードへの移行前における制御状態に復帰できるようにしてもよい。
【0225】
例えば画像表示装置5に対する電力供給が停止されることにより、画像表示装置5の画面上における各種画像の表示が消去される。また、スピーカ8L,8Rに対する電力供給が停止されることにより、スピーカ8L,8Rからの効果音出力が停止される(消音状態)。遊技効果ランプ9および装飾用LEDに対する電力供給が停止されることにより、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける点灯動作が停止される(消灯状態)。
【0226】
加えて、ステップS231の処理では、パチンコ遊技機1を介して球貸機(プリペイドカードユニット)に供給される所定電圧(例えば24V)の電力供給を停止させてもよい。これにより、例えばパチンコ遊技機1の上皿形成部材における所定位置に設けられた度数表示LEDや球貸可能報知LEDにおける表示を停止させる。
【0227】
ステップS231の処理が実行されるときに、演出制御用CPU120は、例えば所定のRAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定することなどにより、以後、RAM122へのアクセスを禁止してもよい。これにより、電力供給の停止に伴って演出制御用CPU120により実行されるプログラムの暴走が生じても、RAM122の記憶内容が破損することを防止できる。こうした省電力モードへの移行設定が行われた後には、待機状態(ループ処理)に入ることで、電力供給の停止による演出制御用CPU120の動作停止まで待機する。
【0228】
図8に示す演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値が“1”〜“3”のいずれかであるときに、特図ゲームの実行に対応して飾り図柄の可変表示を行うための処理が実行される。一方、演出制御プロセスフラグの値が“0”であるときには、可変表示を行うための処理が実行されない。したがって、図9に示すステップS221の処理にて演出制御プロセスフラグが“0”であると判定されたときには、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行されていない。
【0229】
また、図8に示す演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値が“4”または“5”であるときに、大当り遊技状態に対応して各種演出を行うための処理が実行される。一方、演出制御プロセスフラグの値が“0”であるときには、大当り遊技状態に対応した処理が実行されない。したがって、図9に示すステップS221の処理にて演出制御プロセスフラグが“0”であると判定されたときには、大当り遊技状態に制御されていない。
【0230】
そして、ステップS223の処理による遊技者の離席検知判定は、ステップS221にて演出制御プロセスフラグの値が“0”であることに基づいて実行可能となる一方、演出制御プロセスフラグの値が“0”以外の値であるときには実行されないように制限される。すなわち、演出制御用CPU120は、遊技者センサ32により遊技者が検知されずに離席したと判定されたときに、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行されていないことを条件として、あるいは大当り遊技状態に制御されていないことを条件として、通常動作モードから省電力モードに移行させる制御を行う。
【0231】
さらに、ステップS223の処理による遊技者の離席検知判定は、ステップS222にてエラー報知中ではないときに実行可能となる一方、エラー報知中であるときには実行されないように制限される。すなわち、演出制御用CPU120は、遊技者センサ32により遊技者が検知されずに離席したと判定されたときに、エラー報知中ではないことを条件として、通常動作モードから省電力モードに移行させる制御を行う。
【0232】
パチンコ遊技機1では、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口、大入賞口といった各種の入賞口において、入賞検出スイッチによる検出結果などに基づいて、異常入賞が発生したか否かの判定が行われる。そして、異常入賞が発生したと判定された場合には、主基板11から演出制御基板12に対して伝送された演出制御コマンド(例えば異常入賞通知コマンドなど)に基づいて、所定の演出側エラー処理が実行されることにより、異常入賞の発生に伴うエラー報知が行われる。
【0233】
また、パチンコ遊技機には、例えば磁石センサや電波センサ、振動センサといった、不正行為や不正動作を感知する各種のセンサが、所定位置に設けられてもよい。一例として、遊技領域の内部における所定位置に対応した遊技盤2の裏面には、磁石センサや電波センサが設けられ、磁石や電波を用いた不正行為を感知できるようにしてもよい。磁石センサは、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口、あるいは大入賞口に磁力で遊技球を誘導することといった、不正行為に用いられる磁石を検出する。電波センサは、例えば第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22B、あるいはカウントスイッチ23などの各種スイッチや検出器から出力される検出信号を電波によりオン状態とすることといった、不正行為に用いられる電波を検出する。振動センサは、例えば遊技領域の前面ガラスを囲む前面枠体や上皿形成部材などを叩いて遊技球の動きに変化を与えて遊技球を各入賞口に進入させるといった、不正行為により生じる振動を検出する。こうした各種のセンサにより不正行為や不正動作が感知された場合には、主基板11から演出制御基板12に対して伝送された演出制御コマンド(例えば不正通知コマンドなど)に基づいて、所定の演出側エラー処理が実行されることにより、不正行為や不正動作の感知に伴うエラー報知が行われる。
【0234】
こうしたエラー報知が行われているときには、ステップS222にてエラー報知中であると判定されることにより、ステップS223以降の処理が実行されないように制限される。なお、エラー報知中だけでなく、初期化報知中であるときにも、通常動作モードから省電力モードに移行させないように制限してもよい。例えば演出制御基板12に対する電力供給が開始されたときに、図7のステップS201にて省電力モードフラグがオフであると判定されたことに基づいて初期設定処理が実行される場合には、その実行に伴う初期化報知が行われる。こうした初期化報知が行われているときには、図9に示すステップS223以降の処理が実行されないように制限してもよい。
【0235】
なお、遊技者センサ32により遊技者が検知されずに離席したと判定されたときに、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行されていないこと、大当り遊技状態に制御されていないこと、エラー報知中(あるいは初期化報知中)ではないことのうち、少なくとも1つを条件として、通常動作モードから省電力モードに移行させる制御が行われてもよい。
【0236】
ステップS231の処理が実行されて省電力モードとなった後には、各種の入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、例えば異常入賞の発生に伴うエラー報知の実行制御といった、所定の制御が実行されてもよい。演出制御用CPU120が省電力モード移行設定処理を実行して省電力モードに移行させた場合でも、主基板11の側では通常時の電力供給が継続して行われており、第1始動入賞口や第2始動入賞口、大入賞口などの各種の入賞口を通過(進入)した遊技球が検出される。演出制御用CPU120では、省電力モードであるときでも入賞球の検出に基づき主基板11から伝送された所定の演出制御コマンド(例えば入賞指定コマンドなど)を受信可能とし、その受信に対応して所定の演出側エラー処理が実行されることにより、省電力モードであるときの入賞発生に伴うエラー報知が行われるようにすればよい。このように、省電力モードであるときの入賞検出に基づいて所定の制御が行われることにより、遊技者の離席が検知され着席が検知されていないときに、各種の入賞口を通過(進入)した遊技球の検出を異常入賞の発生として、適切に報知することができる。
【0237】
パチンコ遊技機1における動作状態が通常動作状態としての通常動作モードになった後、例えば遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生すると、特別図柄や飾り図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。画像表示装置5の表示領域では、特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。
【0238】
そして、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出され、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となったときには、大当り遊技状態に制御されて大入賞口が第1状態(例えば開放状態)に変化するラウンドが行われることで、遊技者が多数の賞球を得られる有利な状態となる。このように、パチンコ遊技機1において、可変表示結果が「大当り」に決定されたことに基づく特図ゲームや、それに対応して実行される飾り図柄の可変表示は、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合よりも遊技者の有利度が高い遊技となる。
【0239】
特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われておらず、しかも大当り遊技状態にも制御されていないときには、図8に示す演出制御プロセス処理で用いられる演出制御プロセスフラグの値が“0”となり、演出制御用のタイマ割込みが発生するごとに、ステップS800の変動パターンコマンド受信待ち処理が実行される。このような演出制御プロセスフラグの値が“0”であり、さらには演出制御基板12の側においてエラー報知中でもないときには、図16に示すステップS223の処理にて、遊技者センサ32を用いて遊技者の離席検知があったか否かが判定される。そして、遊技者の離席検知があったときには、その他の省電力モード開始条件が成立することにより、ステップS225〜S231の処理が実行されて、パチンコ遊技機1における動作状態が通常動作モードから省電力モードに移行する。
【0240】
こうして省電力モードに移行するときには、図16に示すステップS225の処理にて、動作中の可動部材があるか否かが判定される。そして、動作中の可動部材があるときには、ステップS226の処理にて可動部材動作情報を記憶させた後、ステップS227の処理にて原点位置に設定する。このように、省電力モードへの移行時には動作中の可動部材を原点位置に設定することにより、省電力モードであるときに可動部材を適切に収納することができる。また、動作中の可動部材についてのみ原点位置に設定することで、省電力モードに移行するための処理負担を軽減することができる。
【0241】
一方、省電力モードから通常動作モードに復帰するときには、図7に示すステップS201の処理にて省電力モードフラグがオンであることや、ステップS206の処理にて遊技者検知以外に予め設定された通常動作復帰条件が成立したことが判定される。これらの判定結果に基づいて、ステップS210の処理が実行されることにより、一部の可動部材が原点位置に設定される。したがって、省電力モードから通常動作モードに復帰するときには、原点位置への設定が行われる可動部材と、そのような設定が行われない可動部材とがある。
【0242】
また、図7に示すステップS210の処理が実行されるときには、ステップS211の処理により読み出した可動部材動作情報に基づいて、省電力モードへの移行時に動作中であった可動部材を、ステップS213の処理により復帰位置に設定する。
【0243】
通常動作モードと省電力モードでの遊技効果ランプ9と節電中報知LED9L,9Rにおける発光動作は、例えば、通常動作モードであるときに、節電中報知LED9L,9Rにおける発光量は、遊技効果ランプ9における発光量よりも低下する。より具体的な一例として、通常動作モードであるときには、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを3カンデラ以上の光度で発光させる一方、節電中報知LED9L,9Rを1カンデラ以下の光度で発光させる。なお、通常動作モードであるときには、節電中報知LED9L,9Rをすべて消灯させてもよい。
【0244】
一方、省電力モードであるときに、遊技効果ランプ9における発光量は、節電中報知LED9L,9Rにおける発光量よりも低下する。より具体的な一例として、省電力モードであるときには、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを消灯させる一方(0カンデラ)、節電中報知LED9L,9Rを2カンデラ以上の光度で発光させる。なお、省電力モードであるときでも、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの一部または全部を、1カンデラ以下の範囲で発光させることがあってもよい。
【0245】
こうして、遊技効果ランプ9や装飾用LED、節電中報知LED9L,9Rといった発光部材の全体における発光量を、省電力モードであるときには通常動作モードであるときに比べて数分の1以下(より具体的には半分以下)に抑制できればよい。また、省電力モードであるときには、節電中報知LED9L,9Rを点滅させるように、駆動信号のパルス幅を制御してもよい。この場合には、駆動信号パルスのデューティー比を変更することにより、点滅による発光量を自由に設定できればよい。
【0246】
通常動作モードから省電力モードに移行するときには、電力供給量を段階的に減少させてもよい。一例として、まずは、通常動作モードにおける電力供給量と省電力モードにおける電力供給量との中間程度(50%節電状態)まで電力供給量を減少させてから、所定時間(例えば10秒)が経過するまでは、その電力供給量を維持する。その後、遊技者が検知されることなく所定時間が経過したときに、省電力モードにおける電力供給量(100%節電状態)に減少させてもよい。
【0247】
省電力モードから通常動作モードに復帰するときには、図7に示すステップS208の処理により、通常動作モードへの復帰報知が行われる。一例として、図示しない復帰報知画面を画像表示装置5に表示する復帰報知が実行されればよい。復帰報知画面(図示略)では、例えば「遊技に戻ります」といったメッセージを報知する演出画像が表示され、省電力モードから通常動作モードに復帰することを遊技者に認識させることができる。
【0248】
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。具体的な一例として、上記実施の形態では、省電力モードから通常動作モードへの復帰時には原点位置の設定が行われないように制限する可動部材を設けた構成とともに、特別図柄や飾り図柄の可変表示中ではないことや、大当り遊技状態ではないことを条件として、通常動作モードから省電力モードに移行させる構成、さらには省電力モードであるときに遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける発光量を節電中報知LED9L,9Rにおける発光量よりも低下させる構成を備えるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、これらの構成のうち一部のみを備えるものであってもよい。
【0249】
上記実施の形態では、通常動作モードから省電力モードに移行させるときに、省電力モードフラグをオン状態に設定するとともに、演出制御用CPU120に対する電力供給を停止させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、省電力モードでは、通常動作モードのときよりも消費電力が少ない状態で演出制御用CPU120を動作させてもよい。一例として、省電力モードのときには、通常動作モードのときよりも演出制御用CPU120のクロック周波数を低下させることにより、演出制御用CPU120での消費電力を抑制してもよい。また、演出制御用のタイマ割込みが発生する周期を、省電力モードであるときには通常動作モードのときより長くすることにより、演出制御用CPU120での消費電力を抑制してもよい。
【0250】
上記実施の形態では、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120により、図6に示すステップS71の起動時設定処理やステップS79の省電力モード移行設定処理が実行されることで、パチンコ遊技機1における動作状態を通常動作モードと省電力モードとに切替可能であるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103により、パチンコ遊技機1における動作状態を通常動作モードと省電力モードとに切替可能とする処理が実行されてもよい。
【0251】
遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103により通常動作モードから省電力モードへと移行させるときには、例えば遊技領域の内部に設けられて遊技球の流路を切替可能に動作する球流制御用可動部材、あるいは特別図柄の可変表示に対応した回転動作により外周部に複数種類の図柄が配列された複数のリールといった、所定の可動部材を原点位置に設定するための処理が実行されてもよい。そして、省電力モードから通常動作モードに復帰させるときには、所定の可動部材を原点位置に設定するための処理が実行されないように制限してもよい。あるいは、所定の可動部材とは異なる特定可動部材については、省電力モードから通常動作モードに復帰させるときに、原点位置に設定するための処理が実行されてもよい。
【0252】
このように、通常動作モードと省電力モードとの切替えに応じて原点位置の設定が行われる可動部材や、原点位置の設定が行われない可動部材は、演出用可動部材31に限定されず、遊技球の流路を切替可能に動作する球流制御用可動部材や、複数種類の所定図柄が外周部に配列されて可変表示を行い表示結果を導出する回転式の可変表示用可動部材などを含んでいてもよい。
【0253】
遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103により通常動作モードから省電力モードへと移行させた後には、各種の入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、例えば異常入賞の発生に伴う遊技制御の停止といった、所定の制御が実行されてもよい。遊技制御の停止には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示を停止させることや、大当り遊技状態への制御を停止させること、確変状態または時短状態といった特別遊技状態への制御を停止させることの一部または全部を含んでもよい。さらに、例えば入賞検出に基づく遊技球(賞球)の払出し、あるいは打球発射装置による遊技球の発射といった、パチンコ遊技機1において遊技を進行させるための任意の制御を停止させてもよい。このように、省電力モードであるときの入賞検出に基づいて遊技制御を停止させることにより、遊技者の離席が検知され着席が検知されていないときに、各種の入賞口を通過(進入)した遊技球の検出を異常入賞の発生として、不適切な遊技の進行を防止することができる。
【0254】
上記実施の形態では、パチンコ遊技機1の動作状態を省電力モードに移行させるときに、節電中報知LED9L,9Rを省電力時第2点灯設定で点灯させることにより、所定の発光量で発光させるものとして説明した。こうした節電中報知LED9L,9Rに代えて、例えば有機ELディスプレイや電気泳動ディスプレイといった、任意の表示器を用いてもよい。特に、例えば電気泳動ディスプレイのように、電力供給がなくても表示状態を維持できる記憶性の表示装置(一定時間毎に表示内容を更新するリフレッシュ動作を必要としない表示装置)を用いた場合には、省電力モードに対応した表示を維持するための電力供給が不要になることで、消費電力を抑制することができる。
【0255】
その他にも、パチンコ遊技機1といった遊技機の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、遊技効果ランプや節電中報知LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【0256】
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1といった遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0257】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0258】
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、遊技者が遊技を終了して離席する際に離席演出が実行されることで、遊技を終了しようとする遊技者の興味を引き付けることができるとともに、演出制御用CPU120が遊技者の離席を判定するまでのパチンコ遊技機1の状況(例えば、遊技履歴や遊技状態など)に応じて実行される離席演出の態様(種別やパターン)が変わるため、遊技者に対しそれまでのパチンコ遊技機1の状況に適した離席演出を提供することができる。
【0259】
また、遊技者が着席する際に着席演出が実行されることで、遊技を開始しようとする遊技者の興味を引き付けることができるとともに、演出制御用CPU120が遊技者の着席を判定するまでのパチンコ遊技機1の状況(例えば、遊技履歴や遊技状態など)に応じて実行される着席演出の態様(種別やパターン)が変わるため、遊技者に対しそれまでのパチンコ遊技機1の状況に適した着席演出を提供することができる。
【0260】
尚、演出制御用CPU120が遊技者の離席または着席を判定するまでのパチンコ遊技機1の状況とは、例えば、営業開始時から当該判定までのパチンコ遊技機1の変動回数、大当り回数、確変回数、小当り回数等、当該パチンコ遊技機1の過去の遊技の結果(1日及び複数日単位での遊技結果を含む)に関する遊技履歴情報だけでなく、所定の遊技者が遊技を開始してから終了するまでの遊技者単位の変動回数、大当り回数、確変回数、小当り回数、遊技時間等、遊技者の過去の遊技の結果に関する遊技履歴情報も含む。
【0261】
また、上記のような遊技履歴だけでなく、演出制御用CPU120が遊技者の離席または着席を判定した時点において遊技制御マイクロコンピュータ100が制御している遊技状態の種別(例えば、高確状態、低確状態、高ベース状態、低ベース状態)や、演出制御用CPU120が制御している演出モードの種別(例えば、潜伏確変モード等)等、遊技制御状態や演出制御状態等も遊技機の状況に含まれる。
【0262】
そして、演出制御用CPU120は、離席演出種別決定処理や着席演出種別決定処理において、遊技者が着席または離席するまでの遊技履歴や遊技状態等に応じて離席演出や着席演出の態様を決定することで、該遊技履歴に応じて演出態様が変わることになるため、遊技者の遊技状況に適した離席演出や着席演出を提供することができる。
【0263】
また、本実施例では、演出制御用CPU120が離席を判定したときに、遊技者が着席したときから離席するまでに経過した時間、つまり遊技時間が所定時間(例えば3時間)に達していることを条件に、所定の特典(例えば、2次元コードの表示)を付与する種別RCに基づく離席演出を実行することで、遊技時間が長くなるほど離席演出にて特典が付与されやすくなるため、遊技者の遊技意欲を向上させてパチンコ遊技機1の稼動を高めることができる。
【0264】
また、本実施例では、演出制御用CPU120が離席を判定したときに、遊技者の遊技時間が3時間以上、かつ、大当り回数が3回以下で潜伏確変状態であると判定した場合に、潜伏確変状態の期待度が表示される種別RDに基づく離席演出を実行することで、遊技状態が遊技者にとって有利な高確率遊技状態であるにも関わらず遊技を終了して不利益を被ることを回避させることができる。
【0265】
また、このように長時間遊技をしていたにも関わらず大当り回数が少なかった遊技者には、離席演出にて遊技者にとって有利となる特典を付与することにより該遊技者を救済することができる等、今回の遊技結果に応じた離席演出を提供することができるため、例えば遊技結果が良いときでも悪いときでも同じ内容の演出が実施される場合に比べて、そのときの遊技者の状況に適した演出を提供することができるため、演出に対する遊技者の興味を引き付けておくことができる。
【0266】
また、このように遊技者に付与する特典は、必ずしもパチンコ遊技機1の遊技において遊技者にとって有利となる情報に限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機1に関連する情報であれば必ずしも遊技者にとって有利な情報でなくてもよく、また、情報ではなく遊技に関連して付与されるポイントやデータ(例えば、機種に登場するキャラクタの壁紙など)であってもよい。
【0267】
さらに、本実施例では、遊技時間が所定時間に到達することで離席演出にて特典が付与されるようになっていたが、遊技時間に応じて付与される特典の内容が変わるようにしてもよい。
【0268】
また、演出制御用CPU120は、遊技者センサ32がオフである場合に、上皿センサ33がオンであるまたは演出制御プロセスフラグが0であれば、遊技終了の離席とは判定せず、着席フラグをクリアしないまま離席タイマのカウンタ値を減算していくだけであるため、離席演出が実行されることはない。また、その状態から離席タイマのカウンタ値が0にならないうち(5分以内)に遊技者センサ32がオンになった場合、着席フラグがセットされたままであるから、着席と判定されない。
【0269】
すなわち、遊技者が着席したか離席したか否かの判定を、遊技者を検出可能な遊技者センサ32の検出結果と、上皿センサ33の検出結果及び演出制御プロセスフラグ値などの他の判定条件の成立状況と、に基づいて判定している。
【0270】
よって、例えばトイレ休憩等、遊技継続の意思がある遊技者が一時離席した場合において、離席の際に離席演出が行われたり、着席の際に着席演出が行われたりすることがないので、離席してから比較的短時間(例えば5分)のうちに戻る遊技者に対して、離席演出や着席演出が実行されてしまう煩わしさを回避することができる。
【0271】
但し、所定時間である5分が経過しても着席を判定できない場合には、遊技者が遊技を終了した可能性もあるとして着席フラグがクリアされるため、5分以上経過後の着席を判定したときには、着席演出が実行される。
【0272】
さらに、上記のように遊技継続の意思がある遊技者がトイレ休憩等のために一時離席した場合だけでなく、遊技中の遊技者が着席したまま身体を左右にずらす、あるいは落下物を拾うために下向きにかがむような動作をしたり、所定のエラーや球詰まりの発生を解除するために離席すること等によって遊技者センサ32が一時的にオフになった場合にも、離席演出や着席演出が実行されてしまうことを回避できる。
【0273】
また、本実施例では、遊技者センサ32がオフである場合に、上皿センサ33がオンであるまたは演出制御プロセスフラグが0であれば、着席フラグをクリアしないことで遊技終了の離席と判定しないようにしていたが、着席フラグとは別個に、遊技中断用の一時離席フラグと遊技終了用の離席フラグとをそれぞれの状況に応じてセットするようにしてもよい。
【0274】
さらに、このような一時離席後の着席時において、着席演出の一例として、遊技を中断していた遊技者に対して「お帰りなさい」等のメッセージを表示する演出態様を含むようにしてもよい。
【0275】
また、本実施例では、遊技者センサ32がオフにならなければ離席演出は実行されないため、離席演出が実行されるタイミングは着席していた遊技者が立ち上がったタイミングとなるが、例えばモーションセンサ等を用いて遊技者が立ち上がるのか着席するのかを判定できるようにすれば、例えば遊技者が椅子の横に退避しなくても、該遊技者の立ち上がり動作で離席を判定できるようになる。
【0276】
また、図6に示すステップS77の省電力モード移行設定処理では、図16に示すような処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の動作状態を、通常動作状態としての通常動作モードから省電力状態としての省電力モードに移行させることができる。一方、図6に示すステップS71の起動時設定処理では、図7に示すステップS206〜S214の処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の動作状態を、省電力モードから通常動作モードに復帰させる。また、図7に示すステップS201にて省電力モードフラグがオフであることにより初期設定条件が成立したときには、ステップS203の処理が実行されることで、すべての可動部材が原点位置に設定される。これに対して、ステップS201にて省電力モードフラグがオンであることにより通常動作モードに復帰させるときには、ステップS210の処理が実行されることで、所定の可動部材については原点位置に設定する処理が実行されないように制限する。したがって、省電力モードから通常動作モードに復帰させる処理負担の軽減により、省電力モードからの復帰が短時間で円滑に行われるので、遊技や演出の進行が妨げられることを防止できる。
【0277】
図16に示す省電力モード移行設定処理では、例えばステップS227の処理といった、省電力モードへの移行時に所定の可動部材を原点位置とするための処理が実行される。これにより、省電力モードであるときに可動部材を適切に収納することができる。また、省電力モードから通常動作モードに復帰させるときに可動部材を原点位置とするための処理が不要になることで、省電力モードから通常動作モードに復帰させる処理負担の軽減により、省電力モードからの復帰が短時間で円滑に行われるので、遊技や演出の進行が妨げられることを防止できる。
【0278】
上記実施の形態において、図16に示す省電力モード移行設定処理では、ステップS223の処理により遊技者の離席検知があったと判定されたことに基づいて、ステップS224〜S231の処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の動作状態を、通常動作モードから省電力モードに移行させる。一方、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄の可変表示が実行されているときには、演出制御プロセスフラグが“1”〜“3”のいずれかとなる。したがって、ステップS221の処理にて演出制御プロセスフラグの値が“0”以外であると判定されることから、ステップS222以降の処理が実行されず、省電力モードには移行しないように制限される。すなわち、遊技者の離席検知があったときには、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行されていないことを条件として、省電力モードに移行させる。これにより、遊技機における遊技が進行中であるときに省電力モードとなってしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないように、省電力モードへの移行を適切に行うことができる。
【0279】
また、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態である場合に対応する演出が実行されるときには、演出制御プロセスフラグが“4”または“5”のいずれかとなる。したがって、図16に示すステップS221の処理にて演出制御プロセスフラグの値が“0”以外であると判定されることから、ステップS222以降の処理が実行されず、省電力モードには移行しないように制限される。すなわち、遊技者の離席検知があったときには、大当り遊技状態に制御されていないことを条件として、省電力モードに移行させる。これにより、遊技機における遊技が進行中であるにもかかわらず省電力モードとなってしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないように、省電力モードへの移行を適切に行うことができる。
【0280】
遊技者センサ32は、パチンコ遊技機1などの遊技機の前面における所定範囲内に進入した対象物を検知する。図16に示すステップS223の処理では、遊技者センサ32から伝送された遊技者検知信号がオフ状態となり対象物が検知されなくなったときに、遊技者が離席したと判定する。こうした遊技者センサ32を用いて遊技者が離席したか着席したかを確実に判定することにより、省電力モードへの移行を適切に行うことができる。
【0281】
電力制御回路126は、例えば図16に示すステップS231の処理により演出制御用CPU120から伝送される指令に基づいて、省電力モードであるときにも遊技者センサ32への電力供給を継続し、遊技者センサ32により遊技者が検知されたときには、演出制御用CPU120に対する電力供給を開始する。こうした電力供給を受けた演出制御用CPU120は、図6に示すステップS71の起動時設定処理にて、図7に示すステップS206〜S214の処理を実行することにより、遊技者が着席したと判定されたことに基づいて、省電力モードから通常動作モードに復帰させる。したがって、遊技者の着席により省電力モードから通常動作モードへの復帰を適切に行うことができる。
【0282】
図7に示す起動時設定処理では、省電力モードから通常動作モードへの復帰に対応して、ステップS208の処理により所定の復帰報知を開始させる。これにより、遊技者が通常動作モードへの復帰を明確に認識できるので、遊技者の混乱を防止できる。
【0283】
上記実施の形態において、遊技効果ランプ9や装飾用LEDは、パチンコ遊技機1の前面における所定範囲で遊技者が認識可能に発光する第1発光部材を構成する。一方、節電中報知LED9R、9Lは、パチンコ遊技機1の斜視方向(左右幅方向外側)に対応して遊技者が認識可能に発光する第2発光部材を構成する。図16に示す省電力モード移行設定処理では、ステップS229の処理を実行することにより、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを省電力時第1点灯設定に応じて点灯(あるいは消灯)させる一方、節電中報知LED9L,9Rを省電力時第2点灯設定に応じて全点灯(あるいは一部点灯)させる。省電力時第1点灯設定や省電力時第2点灯設定は、例えば図7に示すステップS204の処理が実行されることにより、あるいは予め定められた固定的な設定により、省電力モードであるときに、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける発光量を、節電中報知LED9L,9Rにおける発光量よりも低下させる。こうした発光の設定により、パチンコ遊技機1などの遊技機における消費電力を抑制しつつ遊技者を遊技機へと適切に誘導することで、遊技機の稼働率を向上させることができる。
【0284】
図7に示す起動時設定処理では、例えばステップS205、S209の処理において、通常動作モードとなる場合に対応した点灯動作を開始させる設定が行われることにより、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを通常時第1点灯設定に応じて全点灯(あるいは一部点灯)させる一方、節電中報知LED9L,9Rを通常時第2点灯設定に応じて点灯(あるいは消灯)させる。通常時第1点灯設定や通常時第2点灯設定は、例えば図7に示すステップS204の処理が実行されることにより、あるいは予め定められた固定的な設定により、通常動作モードであるときに、節電中報知LED9L,9Rにおける発光量を、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける発光量よりも低下させる。こうした発光の設定により、通常動作モードであるときに節電中報知LED9L,9Rでの無駄な発光を防止することで、消費電力を抑制することができる。
【0285】
図16に示すステップS229の処理では、ステップS228の処理により特定された遊技状態に応じて、節電中報知LED9L,9Rにおける発光態様を異ならせることができる。これにより、省電力モードであってもパチンコ遊技機1などの遊技機における遊技状態を確認することができるので、遊技者を遊技機へと適切に誘導することや、省電力モードであるときの演出効果を高めることができる。
【0286】
図7に示すステップS204の処理では、節電中報知LED9L,9Rの点灯設定として、省電力モードであるときにいずれのLEDを点灯させるかの設定や、最大発光量となる向きの設定などを行うことができる。こうした点灯設定に基づき、図16に示すステップS229の処理が実行されることで、節電中報知LED9L,9Rといった第2発光部材を構成する複数の発光体のうち、一部または全部を発光させる。これにより、パチンコ遊技機1といった遊技機の遊技場における設置場所などに応じて、省電力モードであるときの発光態様を変更可能として適切に消費電力を抑制しつつ、遊技者を遊技機へと適切に誘導することができる。
【0287】
また、本実施例では、遊技者の離席を判定したときに遊技が実行されていないことに基づいて省電力モードに移行するようになっていたが、遊技者の離席の判定に関わらず、所定時間遊技が実行されないことを条件に省電力モードに移行するようにするか否かを設定できるようにしてもよい。
【0288】
具体的には、例えば、電源投入時において、遊技者による操作が不能な位置に設けられた初期化スイッチ(例えばRAM102のクリアスイッチ)をオンにしてRAM102の初期化を実施した後、例えば画像表示装置5に省電力モードに移行可能とするか否かを決定させるための選択画面(図示略)を表示し、所定の演出ボタン(図示略)等を操作することで、省電力モードに移行可能とするか否かを設定できるようにしてもよい。このように初期化スイッチの操作が必要となるため、該設定は遊技場の店員しか行うことができない。
【0289】
省電力モードに移行可能に設定した場合、遊技機の電源をオフとしない限り省電力モードの設定を解除することはできなくなる。そして、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行中ではない場合、遊技状態が大当り遊技状態ではない場合、エラー発生の報知中ではない場合には、遊技効果ランプ9を消灯または明度や輝度を低下させるなどするとともに、画像表示装置5に省電力モード中である旨を示すメッセージ(例えば「節電中」など)を表示させてもよい。
【0290】
また、このように省電力モードに移行した場合、画像表示装置5の電源をオフにはしないが、省電力モードにしたり、あるいは電源をオフにしてもよい。
【0291】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0292】
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状のパチンコ球(遊技球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えばメダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。また、遊技機はパチンコ遊技機に限定されるものではなく、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
【符号の説明】
【0293】
1 パチンコ遊技機
4A,4B 特別図柄表示装置
5 画像表示装置
6A 普通入賞球装置
6B 普通可変入賞球装置
7 特別可変入賞球装置
8L,8R スピーカ
11 主基板
12 演出制御基板
32 遊技者センサ
33 上皿センサ
100 遊技制御用マイクロコンピュータ
120 演出制御用CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技用価値を用いて遊技を行うことが可能であり、所定の演出手段を備えた遊技機であって、
所定条件の成立に基づいて、遊技者が離席したか着席したかを判定する遊技者判定手段と、
前記演出手段により実行される離席演出を複数種類の離席演出態様のうちから決定する離席演出態様決定手段と、
前記離席演出態様決定手段により決定された離席演出態様を前記演出手段で実行する離席演出実行手段と、を備え、
前記離席演出態様決定手段は、前記遊技者判定手段により遊技者が離席したと判定されたときに、該判定されるまでの前記遊技機の状況に応じた離席演出態様を決定する、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技用価値を用いて遊技を行うことが可能であり、所定の演出手段を備えた遊技機であって、
所定条件の成立に基づいて、遊技者が離席したか着席したかを判定する遊技者判定手段と、
前記演出手段により実行される着席演出を複数種類の着席演出態様のうちから決定する着席演出態様決定手段と、
前記着席演出態様決定手段により決定された着席演出態様を前記演出手段で実行する着席演出実行手段と、を備え、
前記着席演出態様決定手段は、前記遊技者判定手段により遊技者が着席したと判定されたときに、該判定されるまでの前記遊技機の状況に応じた着席演出態様を決定する、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項1】
遊技用価値を用いて遊技を行うことが可能であり、所定の演出手段を備えた遊技機であって、
所定条件の成立に基づいて、遊技者が離席したか着席したかを判定する遊技者判定手段と、
前記演出手段により実行される離席演出を複数種類の離席演出態様のうちから決定する離席演出態様決定手段と、
前記離席演出態様決定手段により決定された離席演出態様を前記演出手段で実行する離席演出実行手段と、を備え、
前記離席演出態様決定手段は、前記遊技者判定手段により遊技者が離席したと判定されたときに、該判定されるまでの前記遊技機の状況に応じた離席演出態様を決定する、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技用価値を用いて遊技を行うことが可能であり、所定の演出手段を備えた遊技機であって、
所定条件の成立に基づいて、遊技者が離席したか着席したかを判定する遊技者判定手段と、
前記演出手段により実行される着席演出を複数種類の着席演出態様のうちから決定する着席演出態様決定手段と、
前記着席演出態様決定手段により決定された着席演出態様を前記演出手段で実行する着席演出実行手段と、を備え、
前記着席演出態様決定手段は、前記遊技者判定手段により遊技者が着席したと判定されたときに、該判定されるまでの前記遊技機の状況に応じた着席演出態様を決定する、
ことを特徴とする遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−239798(P2012−239798A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115656(P2011−115656)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
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