説明

遊技機

【課題】遊技機が外部に出力する遊技情報信号を増加させても、外部端子数や既設の信号線を増やす必要がない遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技球を用いた遊技によって所定の抽選契機が成立するごとに当落抽選するとともに、遊技に係る複数種の遊技情報を生成して出力する主制御基板たる遊技機メイン基板40を備えたパチンコ機5において、外部の機器たる遊技球貸出装置65に接続されるシリアル通信線L2Aが接続される外部端子54Aを設け、前記遊技機メイン基板40には、前記複数種の遊技情報を格納する所定データフォーマットのデジタルデータD1を生成するデジタルデータ生成部98と、前記デジタルデータ生成部98により生成されたデジタルデータD1をシリアル通信により伝送するためのシリアル伝送信号に変換し、前記外部端子54Aに出力するシリアル伝送部99とを設ける構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体を使用して遊技する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技媒体に遊技球を使用して遊技するパチンコ機や、遊技媒体に遊技メダルを使用して遊技するパチスロ機等の遊技機では、一般に、遊技機本体の裏側に、複数の外部端子を有した外部端子板を設け、大当たり遊技や小当たり遊技等の遊技状態や、図柄の変動表示回数(当落抽選回数)等の種々の遊技情報信号を外部端子のそれぞれに出力し、これら外部端子から島設備の信号線を通じてホールコンピュータやデータ表示器等の外部の機器に送出するように構成されている。
【0003】
近年では、遊技機の遊技性の多様化に伴い遊技情報信号の種類数が増加し、外部端子の数も多くなり、また、その仕様も各メーカー、各機種で大きく異なっている。一方、島設備に既設の信号線の数を増設することは容易ではない。このため、信号線の数に比して外部端子の数が多い場合には、ホールコンピュータでのデータ管理に必要な遊技情報信号を取捨選択して、既設の信号線に接続しなければならない。従来では、かかる遊技情報信号の取捨選択作業の容易化を図ることで、外部出力端子と島設備の既設の信号線との接続作業を容易にする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−142189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、遊技機が外部に出力する遊技情報信号を取捨選択する構成であるため、これら全ての遊技情報信号を管理することができない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機が外部に出力する遊技情報信号を増加させても、外部端子数や既設の信号線を増やす必要がない遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、遊技媒体を用いた遊技によって所定の抽選契機が成立するごとに当落抽選するとともに、遊技に係る複数種の遊技情報を生成して出力する主制御基板を備えた遊技機において、外部の機器に接続されるシリアル通信線が接続される外部端子を設け、前記主制御基板には、前記複数種の遊技情報を格納する所定データフォーマットのデジタルデータを生成するデジタルデータ生成手段と、前記デジタルデータ生成手段により生成されたデジタルデータをシリアル通信により伝送するためのシリアル伝送信号に変換し、前記外部端子に出力するシリアル伝送手段とを設けたことを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記遊技機において、前記主制御基板は、前記当落抽選、前記遊技媒体の払出指示、及び前記複数種の遊技情報の生成を行う遊技機メイン基板と、前記遊技機メイン基板の払出指示に基づいて前記遊技媒体の払出制御を実行する払出制御基板と、を備え、前記払出制御基板に、前記デジタルデータ生成手段を設け、前記デジタルデータ生成手段が、前記払出制御に関する情報を含めて前記デジタルデータを生成することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記遊技機において、前記遊技媒体の貸出を制御するとともに、前記デジタルデータを受信し所定の遊技情報を選択的に抽出し管理用の端末に出力する遊技媒体貸出装置に前記シリアル通信線を通じて前記デジタルデータを送出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、主制御基板には、複数種の遊技情報を格納する所定データフォーマットのデジタルデータを生成するデジタルデータ生成手段と、デジタルデータ生成手段により生成されたデジタルデータをシリアル通信により伝送するためのシリアル伝送信号に変換し外部端子に出力するシリアル伝送手段とを設ける構成としたため、1本のシリアル通信線で複数種の遊技情報を一度に送出することができる。さらに、デジタルデータをシリアル伝送信号により送出するため、遊技情報の種類が増えたとしてもデジタルデータのビット数が増えるだけであるから、このデジタルデータを送出するための外部端子や既設の信号線を増やすことなく、全ての遊技情報を外部の機器に送出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る遊技サービスシステムの全体構成を示す図である。
【図2】遊技システムの機能的構成を示す図である。
【図3】複数種の遊技情報を含むデジタルデータの模式図である。
【図4】本発明の変形例にかかるパチンコ機の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る遊技サービスシステム1の構成を示す図である。
遊技サービスシステム1は、遊技店舗2に導入されている遊技管理システム3と、サービス提供サーバー群4とを備えている。遊技管理システム3は、遊技機の一例たるパチンコ機5から遊技情報を取得して管理するシステムであり、複数台のパチンコ機5及びCR(Card Reader)ユニット(遊技球貸出装置)6等を備えて構成されている。サービス提供サーバー群4は、遊技管理システム3に対して各種サービスを提供するサーバー群である。
【0012】
サービス提供サーバー群4には、大別すると、ベンダー系に属するベンダー系サーバー群4Aと、データセンター系に属するデータセンター系サーバー群4Bとが含まれており、それぞれがインターネット等の広域網11を介して遊技管理システム3と通信可能に接続されている。
ベンダー系サーバー群4Aには、遊技機メーカーサーバー12Aと、販社・中古機業者サーバー12Bと、カード会社サーバー12Cと、コンテンツプロバイダーサーバー12Dとが含まれている。
遊技機メーカーサーバー12Aは、パチンコ機5を製造する遊技機メーカーが所有するサーバーであり、販社・中古機業者サーバー12Bは、パチンコ機5を販売する販売会社や中古のパチンコ機5を販売する中古機業者が所有するサーバーである。これら遊技機メーカーサーバー12A、及び販社・中古機業者サーバー12Bからは、製造、或いは販売したパチンコ機5の識別情報(例えば製造番号)と、後述する基板間認証に供される認証用情報としての遊技機ID(例えば、遊技機メイン基板40のCPU固有ID61(図2))と、出荷先とが後述する遊技機ID管理センターサーバー13Dに送信され、当該遊技機ID管理センターサーバー13Dで管理される。
カード会社サーバー12Cは、遊技球の貸し出しに供する後述するプリペイド媒体14を製造販売するカード会社によって利用され、プリペイド媒体の製造番号やシリアル番号の照会サービスを提供するサーバーである。遊技店舗側は、かかる照会サービスを利用することで、偽造等された不正なプリペイド媒体を発見できる。
コンテンツプロバイダーサーバー12Dは、コンテンツを配信するプロバイダーによって利用され、各種コンテンツを配信するサーバーである。コンテンツの例としては、例えば遊技機メーカーによって登録されたパチンコ機5のPR(Public Relations)コンテンツや、遊技性能、遊技方法等の説明コンテンツなどが挙げられる。かかるコンテンツは、遊技管理システム3の例えば各CRユニット6に配信され、後述のタッチ液晶モジュール27などに表示されて遊技者に提供される。
【0013】
データセンター系サーバー群4Bには、コンテンツ配信データセンターサーバー13Aと、プリペイド管理データセンターサーバー13Bと、第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cと、遊技機ID管理センターサーバー13Dと、不正情報監視センターサーバー13Eとが含まれている。
コンテンツ配信データセンターサーバー13Aは、TVや映画などの動画や音楽等のエンターテイメントコンテンツを配信するサーバーであり、かかるコンテンツは、遊技管理システム3の各CRユニット6に配信されタッチ液晶モジュール27などに表示される。
プリペイド管理データセンターサーバー13Bは、遊技店舗2で利用されている各プリペイド媒体14の残価値の記録・照会サービスを提供するサーバーである。また第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cは、遊技店舗2の会員となった遊技者ごとに遊技球の貯玉数の記録・照会サービスを提供するサーバーである。遊技店舗側は、これらプリペイド管理データセンターサーバー13B、及び第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cが記録しているデータと遊技管理システム3で管理しているデータとの間の整合性を検証可能になっている。
【0014】
遊技機ID管理センターサーバー13Dは、パチンコ機5の識別情報と、上記遊技機IDと、当該パチンコ機5の出荷先の遊技店舗2とを対応付けたデータを管理し、また照会可能にするサーバーである。すなわち、どの遊技機IDのどのパチンコ機5がどの遊技店舗2に設置されているかが遊技機ID管理センターサーバー13Dで管理され、また各遊技店舗2から参照可能になる。かかるデータは、遊技機メーカー、販社、或いは中古機業者がパチンコ機5を出荷するごとに遊技機メーカーサーバー12A、及び販社・中古機業者サーバー12Bから登録され、また遊技店舗2がパチンコ機5を撤去するごとに、対応するパチンコ機5のデータが抹消される。また、データ登録者以外にデータを参照できる者を出荷先の遊技店舗2に限定するために、出荷先の遊技店舗2には、当該出荷先に対応付けられた遊技機IDを参照するためのデータアクセスID及びパスワードが付与されている。遊技店舗2側は、これらを用いて遊技機ID管理センターサーバー13Dにアクセスすることで、当該遊技店舗2のみが遊技機IDを取得可能になる。
なお、遊技機ID管理センターサーバー13Dの管理データには、他に任意の情報を含めることができ、例えば遊技機メーカー名やパチンコ機5の機種名の情報等を含めても良い。
不正情報監視センターサーバー13Eは、何らかの理由で不正と認められたパチンコ機5の識別情報を照会可能に管理するサーバーである。遊技店舗側は、不正情報監視センターサーバー13Eに問い合わせることで、所有のパチンコ機5が不正なものでないかを確認できる。
【0015】
次いで、遊技管理システム3を構成する各装置について詳述する。
遊技管理システム3は、複数台のパチンコ機5及びCR(Card Reader)ユニット(遊技球貸出装置)6と、精算機7と、管理コンピュータ群8とを備え、CRユニット6、精算機7及び管理コンピュータ群8のそれぞれが店内LAN9、或いは専用通信線10により通信可能に接続されている。
パチンコ機5は、遊技球を遊技媒体に使用する遊技機である。このパチンコ機5は、遊技者が、価値媒体たるプリペイド媒体14を購入、或いは、プリペイド媒体14に現金をチャージし、該プリペイド媒体14の残価値を代償として遊技球を借りて遊技する、いわゆるCR機と呼ばれる遊技機である。そして、かかるパチンコ機5と、当該パチンコ機5と通信可能に接続され、プリペイド媒体14を読み取る上記CRユニット6と、を備えて遊技システム15が構成されている。この遊技システム15では、パチンコ機5は、CRユニット6と電気的に接続されている(通電状態である)事を条件に遊技球を発射可能に構成されている。
【0016】
パチンコ機5は、遊技盤(ゲージ盤)16の前面に前面ガラス17を設け、該前面ガラス17を通じて遊技盤16の遊技領域を視認可能に構成したパチンコ機本体18を備えている。遊技盤16の遊技領域には、遊技球通過時に賞球が得られる入賞口として始動入賞口19や他の入賞口20、常閉状態の大入賞口(いわゆるアタッカー)21と、これら始動入賞口19、大入賞口21及び複数の他の入賞口20のいずれにも入賞しなかった遊技球(いわゆるアウト玉)を遊技領域から遊技盤16の裏側に導いて回収する回収口22と、多数の障害釘23と、始動入賞口19への遊技球の入賞(通過)に伴い図柄を変動表示する図柄表示ユニットとしての遊技機液晶表示器24とが設けられている。始動入賞口19、大入賞口21、及び他の入賞口20に入賞したときの賞球数はそれぞれ異なり、本実施形態では、始動入賞口19が3個、大入賞口21が15個、及び他の入賞口20が10個となっている。
【0017】
パチンコ機本体18の正面には、遊技球の貸出操作用の貸出スイッチ25A、プリペイド媒体14の返却(遊技終了の指示)操作用の返却スイッチ25B、遊技機液晶表示器24での表示演出時などに操作入力するプッシュボタン25C等の各種操作ボタンが設けられている。
またパチンコ機本体18の右下には、遊技球を遊技盤16の遊技領域に1発ずつ所定の時間間隔で発射する遊技球発射ハンドル26が設けられている。遊技球発射ハンドル26の操作に伴って発射された遊技球が始動入賞口19を通過したことを契機にパチンコ機5は特賞の当落抽選を行うとともに、遊技機液晶表示器24に図柄を後述する表示演出を伴って変動表示し、停止図柄により当落抽選結果を遊技者に通知する。また当選時には、パチンコ機5は、大入賞口21を開放して遊技球が入賞し易い状態とすることで遊技者に持玉を増やす機会を与える。
なお、本実施形態では、始動領域に入賞口を設けて始動入賞口19を構成し、当該始動入賞口19の入賞時に当落抽選を行う構成としたが、この始動領域には、必ずしも入賞口を設ける必要はなく、単なる通過ゲートとして構成しても良い。
【0018】
ここで、このパチンコ機5は、所定個数(例えば25個)の遊技球をパチンコ機本体18に封入し、これらの遊技球をパチンコ機本体18の中で循環利用する封入球式の遊技機として構成されている。具体的には、パチンコ機5は、遊技盤16に発射され、始動入賞口19や大入賞口21、複数の他の入賞口20に入賞した遊技球(いわゆるセーフ玉)及び回収口22に回収された遊技球(いわゆるアウト玉)をそれぞれ遊技盤16の裏側に回収し、発射位置に還流する循環流路(図示せず)を有し、当該循環流路内に所定個数の遊技球を封入して、封入した遊技球を繰り返して遊技領域に発射することで遊技を行うように構成されている。封入球式のパチンコ機5においては、パチンコ機本体18の外部から遊技球を補充する必要がないため、パチンコ機本体18の正面に、遊技球を一時的に貯留するいわゆる上皿や、上皿からパチンコ機本体18の内部に遊技球を捕球する捕球口、上皿に賞球を排出する排出口等は設けられておらず、かかる上皿等が従来配設された箇所(すなわち、前面ガラス17の下)には、タッチ液晶モジュール27が設けられている。
タッチ液晶モジュール27は、パチンコ機本体18の台枠に組み込まれたタッチ操作可能な表示ユニットであり、CRユニット6の操作部及び表示部として機能し、かかる構成については、後に詳述する。
【0019】
CRユニット6は、各パチンコ機5の片側に配置され互いに通信可能に接続されており、プリペイド媒体14の残価値がゼロでない事を条件に、貸出スイッチ25Aの操作を示す貸出スイッチ押下信号をパチンコ機5から受信した場合に遊技球の貸出指示信号を出力する。プリペイド媒体14の残価値は、管理コンピュータ群8(より正確には後述するプリペイド管理サーバー35B)に管理されており、CRユニット6は、玉貸完了時に、管理コンピュータ群8との間で貸出玉数に応じてプリペイド媒体14の残価値を減じる処理を行う。なお、CRユニット6は、玉貸時における残価値の使用単位(例えば100円単位、500円単位など)や、1個の遊技球あたりの貸出単価(例えば4円/玉、1円/玉など)を予め設定可能に構成されており、遊技場側が営業形態に応じて適宜に設定・変更可能に成されている。
【0020】
プリペイド媒体14にはICを内蔵した硬貨形状のICコイン14A及びカード型の会員カード14Bが用いられている。会員カード14Bは、遊技店に会員登録している顧客に貸与される記録媒体であり、ICコイン14Aは、それ以外の顧客(いわゆる、ビジター)に貸与される記録媒体である。プリペイド媒体14には、カード会社によって付された、一意に特定するための識別情報が付与されており、この識別情報と残価値とが対応付けられて管理コンピュータ群8により管理されている。
【0021】
このCRユニット6は、プリペイド媒体14の発行機能を有し、紙幣(例えば、「一万円」、「五千円」や「二千円」などの紙幣)を挿入する紙幣挿入口28、ICコイン14Aを投入するコイン投入口29、ICコイン14Aを排出するコイン排出口30、会員カード14Bを挿入する会員カード挿入口31が設けられている。
CRユニット6は、紙幣挿入口28に紙幣が挿入された場合、管理コンピュータ群8と通信して紙幣の額面に応じた価値をプリペイド媒体14に付与する処理を行う。具体的には、CRユニット6は、プリペイド媒体14として会員カード14Bが挿入されている場合には、会員カード14Bの残価値を管理する管理コンピュータ群8に対し、会員カード14Bの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード14Bへのプリペイド残高のチャージが行われる。また、会員カード14Bが挿入されていない場合には、CRユニット6は、新規にICコイン14Aを発行するとともに、ICコイン14Aの残価値を管理する管理コンピュータ群8に対し、このICコイン14Aの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード14Bを持たない遊技者に、プリペイド媒体14としてのICコイン14Aが新規に発行される。
【0022】
CRユニット6は、プリペイド媒体14が投入されている間、その残価値をタッチ液晶モジュール27に表示し、貸出スイッチ25Aの操作により玉貸が行われるごとに、残価値を減算更新し、また更新後の残価値をタッチ液晶モジュール27に表示する。また、CRユニット6は、返却スイッチ25Bが操作されたときには、プリペイド媒体14を排出するとともに、プリペイド媒体14の識別情報と残価値とを管理コンピュータ群8に送信し、これにより、CRユニット6から排出されたときのプリペイド媒体14の最終的な残価値が管理コンピュータ群8に記録される。
精算機7は、プリペイド媒体14の残価値を精算する装置であり、この精算機7には、ICコイン14Aのコイン投入口32及び会員カード14Bのカード挿入口33が設けられている。精算機7は、プリペイド媒体14が投入された場合、残価値を上記管理コンピュータ群8に問い合わせ、残価値に応じた金額を払い出す。精算機7は、金額払出完了後に、その旨を管理コンピュータ群8に通知し、管理コンピュータ群8が、そのプリペイド媒体14の残価値として記録している値をクリアすることで精算が完了する。
【0023】
この遊技管理システム3においては、パチンコ機5ごとにデータ表示器34を備えている。データ表示器34は、対応するパチンコ機5の過去営業日の大当たり情報や、当日の大当たり回数、前回大当たりからの図柄変動回数(スタート回数)といった遊技情報を表示する表示パネル34Aを有する。またデータ表示器34には、表示パネル34Aの他にも、遊技場のホールスタッフを呼び出す呼出ボタンや、パチンコ機5の大当たり状態や確率変動遊技状態、時短遊技状態等の所定の遊技状態を報知するランプ等が設けられている。各データ表示器34は、対応するパチンコ機5と通信するCRユニット6に通信ケーブルL3を通じて接続され、パチンコ機5が出力する遊技情報をCRユニット6から取得して表示パネル34Aに表示する。
【0024】
管理コンピュータ群8は、遊技台計数管理装置35Aと、プリペイド管理サーバー35Bと、持玉管理サーバー35Cと、会員・景品管理サーバー35Dと、コンテンツサーバー35Eと、遊技機ID管理サーバー35Fとを備えている。
遊技台計数管理装置35Aは、いわゆるホールコンピュータ(図示では「ホールコン」)と呼ばれる装置であり、各パチンコ機5での出球や大当たり回数、エラー状況、パチンコ機5のパチンコ機本体18が備える扉の開放等の遊技機に係る遊技情報、並びに、各CRユニット6への入金や再プレイ、プリペイド残価値の消費等に関する情報をCRユニット6から取得して中枢的に管理する。遊技台計数管理装置35Aは、かかる各種の情報を、パチンコ機5からではなくCRユニット6から取得する。すなわち、遊技台計数管理装置35AとCRユニット6とはパラレル信号線10A、及び/或いはホールコンI/F装置36を中継器に備えたシリアル信号線10Bを介して接続されており、CRユニット6がパチンコ機5から逐次情報を受信して遊技台計数管理装置35Aに出力する。
【0025】
プリペイド管理サーバー35Bは、プリペイド媒体14としてのICコイン14A及び会員カード14Bの各識別情報と残価値を対応付けて記憶し、これらの残価値を管理するサーバーである。CRユニット6は、プリペイド媒体14が投入されたときには、当該プリペイド媒体14の識別情報に対応する残価値をプリペイド管理サーバー35Bに問い合わせ、応答により得られた残価値をタッチ液晶モジュール27に度数表示する。
プリペイド媒体14の残価値は、CRユニット6でのチャージによって増加し、また玉貸によって減少し、プリペイド管理サーバー35Bは、これらチャージ及び玉貸しに応じて残価値を更新する。すなわち、CRユニット6が残価値をプリペイド媒体14にチャージした場合には、プリペイド管理サーバー35Bは、チャージされた残価値を識別情報とともに取得して残価値を加算更新する。貸出スイッチ25Aの操作に応じてCRユニット6が玉貸を行った場合には、プリペイド管理サーバー35Bは、かかる玉貸の代償価値をプリペイド媒体14の識別情報とともに取得して残価値を減算更新する。
このプリペイド管理サーバー35Bには、上述した精算機7が店内LAN9を介して接続されており、精算機7にプリペイド媒体14が投入されると、精算機7がプリペイド媒体14の残価値をプリペイド管理サーバー35Bに問い合わせて、残価値に応じた金額払い出し等の精算を行う。
【0026】
持玉管理サーバー35Cは、遊技者の持玉数を管理するサーバーである。具体的には、持玉管理サーバー35Cは、遊技者の持玉数を、投入されているプリペイド媒体14の識別情報とともに店内LAN9を介してCRユニット6から取得して管理する。遊技者は、獲得当日に限り、持玉を遊技に使用することができ、CRユニット6は、プリペイド媒体14が投入されたときには、当該プリペイド媒体14の識別情報に対応する持玉数を持玉管理サーバー35Cに問い合わせ、応答により得られた持玉数をタッチ液晶モジュール27に表示する。このときCRユニット6は、持玉を使って遊技球の払い出しを受けるための持玉使用ボタン(図示せず)をタッチ液晶モジュール27に表示し、当該持玉使用ボタンが操作された場合には、所定玉数の遊技球の払出指示信号をパチンコ機5に出力するとともに、持玉管理サーバー35Cに対してプリペイド媒体14の識別情報とともに使用持玉数を送信する。持玉管理サーバー35Cは、使用持玉数を取得すると、対応するプリペイド媒体14の持玉数を減算更新する。また、CRユニット6は、プリペイド媒体14の排出時には、持玉管理サーバー35Cに対してプリペイド媒体14の識別情報とともに最終的な持玉数を送信し、この持玉数が持玉管理サーバー35Cに記録される。なお、持玉管理サーバー35CとCRユニット6との間の通信障害に備え、遊技者の持玉数をプリペイド媒体14にも記録する構成としても良い。
【0027】
会員・景品管理サーバー35Dは、顧客会員と景品交換の管理をするサーバーである。顧客会員の管理について詳述すると、顧客の氏名や年齢、性別、職業、携帯電話番号、会員番号、サービス利用のための暗証番号、会員カード14Bの識別情報、顧客が遊技場に預けている再遊技可能な遊技媒体数(いわゆる貯玉数)、遊技履歴に係る情報が管理される。顧客会員には、氏名や年齢等を通知して会員登録を済ました顧客のみならず、会員登録をせずに遊技を行う顧客、いわゆるビジター会員も含まれる。すなわち、ビジター会員には当日限り有効の専用の会員カード14Bが発行され、当該会員カード14BをCRユニット6に挿入して遊技を行うこととなる。なお、ビジター会員に対し、会員カード14Bに代えて、上述のICコイン14Aを用いることができ、この場合には、CRユニット6に会員カード14Bを挿入せずともICコイン14Aを投入することで遊技を行う。
CRユニット6は、会員カード14Bが挿入された場合、タッチ液晶モジュール27に暗証番号入力画面を表示して入力を促し、入力された暗証番号及び会員カード14Bの識別情報の正当性を会員・景品管理サーバー35Dに問い合わせる。ただし、会員カード14Bがビジター会員用である場合には、かかる問い合わせは省略しても良い。CRユニット6は、これらの正当性が会員・景品管理サーバー35Dによって認められた場合に限り、当該会員・景品管理サーバー35Dから貯玉数を取得し、タッチ液晶モジュール27に表示する。またCRユニット6は貯玉が使用されるごとに会員・景品管理サーバー35Dに貯玉使用数を送信し、これにより会員・景品管理サーバー35Dが当該顧客の貯玉数を減算更新する。
【0028】
また、この遊技管理システム3においては、遊技者が持玉を景品や貯玉に交換可能になされており、会員・景品管理サーバー35Dは、この景品交換の管理機能を有する。
すなわち、遊技者が景品カウンター(図示せず)等で持玉を景品に交換した場合、当該景品カウンターに設置されたPOS端末を含むPOSシステム37から持玉を交換した旨が、プリペイド媒体14の識別情報とともに持玉管理サーバー35Cに入力され、持玉管理サーバー35Cがプリペイド媒体14の識別情報に対応する持玉数を減算更新することで交換が完了する。このとき、会員カード14Bを利用して遊技を行った顧客会員が景品交換した場合に、当該顧客会員が交換した景品を会員・景品管理サーバー35Dに記録して管理するようにしても良い。
また、顧客会員が持玉を貯玉に交換するときには、会員・景品管理サーバー35Dに、貯玉数がプリペイド媒体14の識別情報とともに送信され、顧客会員の会員カード14Bに対応付けて管理されている貯玉数が加算更新され、また同様に第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cが管理する貯玉数のデータも更新される。
なお、遊技場の営業日の終了時に、持玉がゼロでない会員カード14Bが持玉管理サーバー35Cに記録されている場合に、当該持玉管理サーバー35Cが会員・景品管理サーバー35Dに記録を転送し、当該会員・景品管理サーバー35Dが管理する会員カード14Bの貯玉に持玉を加算することで、自動で振り替えるようにしても良い。
【0029】
コンテンツサーバー35Eは、上記コンテンツプロバイダーサーバー12D、及び上記コンテンツ配信データセンターサーバー13Aのそれぞれから各種コンテンツを取得し、各CRユニット6に配信する。
遊技機ID管理サーバー35Fは、所定のデータアクセスIDとパスワードを用いて遊技機ID管理センターサーバー13Dにアクセスし、パチンコ機5の識別情報(製造番号等)、遊技機ID、及び出荷先情報を上記遊技機ID管理センターサーバー13Dから取得して管理する。
【0030】
図2は、遊技システム15の機能的構成を示す図である。
パチンコ機5は、図2に示すように、主基板に分類される遊技機メイン基板40及び払出制御基板41と、主基板に対する周辺基板である演出用サブ基板42及び発射制御基板43とを備えている。主基板は、当落抽選及び遊技球の獲得に影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがある機能を有する回路を実装した基板である。これら遊技機メイン基板40及び払出制御基板41のそれぞれは、開封の痕跡を残すことができる、いわゆる、かしめ構造を有したケース体(図示せず)に封入されている。
遊技機メイン基板40は、入賞に伴う賞球の払出指示や特賞の当落を抽選する主制御CPU40Aを備えた基板である。具体的には、パチンコ機5は、大入賞口21、始動入賞口19、及び複数の他の入賞口20のそれぞれごとに、大入賞口入賞検知センサ44A、始動入賞口入賞検知センサ44B、及び複数の他の入賞口入賞検知センサ44Cを備え、入賞時には、対応する大入賞口入賞検知センサ44A、始動入賞口入賞検知センサ44B、及び複数の他の入賞口入賞検知センサ44Cのいずれかから検知信号が遊技機メイン基板40に出力される。
なお、遊技盤16には、複数の始動入賞口19が設けられている場合には、それぞれごとに始動入賞口入賞検知センサ44Bが設けられ、また同様に、複数の大入賞口21が設けられている場合には、それぞれごとに大入賞口入賞検知センサ44Aが設けられることとなる。
【0031】
本実施形態では、始動入賞口19、大入賞口21、及び複数の他の入賞口20ごとに賞球数が異なり、遊技機メイン基板40は、始動入賞口19、複数の他の入賞口20及び大入賞口21ごとに賞球数を対応付けて記憶する入賞口別賞球数記憶部45を備えている。そして、遊技機メイン基板40は、上記大入賞口入賞検知センサ44A、始動入賞口入賞検知センサ44B、及び複数の他の入賞口入賞検知センサ44Cにて始動入賞口19、大入賞口21、及び複数の他の入賞口20のいずれかへの入賞が検知されるごとに、当該入賞口に対応する賞球数を入賞口別賞球数記憶部45から読み出し、当該賞球数の賞球払い出しを指示する賞球払出指示信号を払出制御基板41に出力する。
また遊技盤16には、図2及び図3に示すように、大入賞口21、始動入賞口19、及び複数の他の入賞口20のそれぞれごとに、入賞時に点灯して遊技者に通知する発光装置としての大入賞口入賞通知灯46A、始動入賞口入賞通知灯46B、及び複数の他の入賞口入賞通知灯46Cが設けられている。
【0032】
また遊技機メイン基板40は、始動入賞口19への入賞の検知を契機として特賞の当落抽選を行い、当落抽選結果を図柄表示部(いわゆる、特別図柄表示器)47に表示する。特賞当選時には、遊技機メイン基板40は遊技状態を特別遊技状態(いわゆる大当たり遊技状態や確率変動状態、時間短縮遊技状態など)に移行させ、特別遊技状態の終了条件成立に伴って通常の遊技状態に移行する。図柄表示部47は、遊技盤16に視認可能に設けられ、例えば7セグメント表示器や多数のLEDランプにより構成されており、表示図柄(7セグ表示や点灯LEDランプの組み合わせ)によって当落抽選結果を表示する。図柄表示部47では、当落抽選結果を示す表示図柄が、遊技機メイン基板40が都度決定する時間の変動表示を経て表示される。また、遊技機メイン基板40は、遊技機液晶表示器24や音源、ランプ等により当落抽選結果に応じた遊技演出を行うべく、どういった演出を行うかを指定し、また図柄の変動時間(当落抽選結果の表示タイミング)等を指定する演出指示信号を、当落抽選結果を示す大当たり発生信号とともに演出用サブ基板42に出力する。さらに遊技機メイン基板40には、パチンコ機本体18に設けられた前面扉の開放等の各種異常情報が払出制御基板41から入力された場合には、音声やランプ、遊技機液晶表示器24などの演出に供する各種の手段を適宜用いて異常を報知する。
【0033】
払出制御基板41は、遊技球の払出及び発射を管理する払出制御CPU41Aを備えた基板であり、CRユニット6との通電状態に基づいて接続状態を監視し、正常に接続されていない(非導通状態)の場合は、遊技球の発射を禁止し、遊技を不能にする。
ここで、このパチンコ機5は、上述の通り、封入球式の遊技機として構成されているため、遊技中にパチンコ機5の外から遊技球が投入されることはなく、当該遊技球の実際の投入に代えて、発射可能な遊技球の投入がデジタルデータ上で行われる。すなわち、払出制御基板41は、遊技者が発射可能な遊技球の残数(以下、「発射可能玉数」と言う)を記憶する遊技機管理発射可能玉数記憶部48を備え、発射可能玉数が「ゼロ」でない事を条件に、遊技球の発射を許可する発射許可信号を後述する発射制御基板43に出力する。払出制御基板41は、CRユニット6から貸出指示信号が入力された場合、所定貸玉個数の遊技球の投入に代えて、当該所定貸玉個数分を発射可能玉数に加算し、加算結果を貸出結果信号としてCRユニット6に返信する。
【0034】
また、払出制御基板41には、発射可能玉数の増減を管理可能にすべく、回収口22に回収されたアウト玉を検知するアウト玉検知センサ49、発射後遊技領域に到達しなかった遊技球であるファウル玉を検知するファウル玉検知センサ50、及び、発射された遊技球を検知する1或いは複数の発射球検知センサ51(図示例では1つ)のそれぞれの検知信号が入力される。そして、払出制御基板41は、遊技機メイン基板40から賞球払出指示信号を受けるごと、ファウル玉が検知されるごと、及びCRユニット6から貸出指示信号のいずれかが入力されるごとに発射可能玉数を加算更新し、また発射球検知センサ51の検知信号が入力されるごとに発射可能玉数を減算更新することで発射可能玉数を(すなわち遊技者の持玉数)を管理する。払出制御基板41は、これら賞球発生やセンサ検知によって発射可能玉数を増減するごとに増減結果を示す払出結果信号をCRユニット6に出力し、また、増減結果の発射可能玉数を遊技機管理発射可能玉数表示灯52に外部から視認可能に常時表示する。遊技中の発射可能玉数は、CRユニット6の制御の下、パチンコ機5に設けられたタッチ液晶モジュール27にも表示される。これに加え、遊技機管理発射可能玉数表示灯52を外部から視認可能に設けることで、タッチ液晶モジュール27が故障などしても、遊技者は遊技中の持玉数を把握することができるようになっている。なお、アウト玉検知センサ49及びファウル玉検知センサ50の出力を遊技機メイン基板40に入力し、当該遊技機メイン基板40から払出制御基板41に出力する構成としても良い。また、上記貸出指示は、プリペイド媒体14の残価値を対価とした貸出に限らず、貯玉を用いた再プレイ、持玉の払い出しの利用に基づく指示も含む。このとき、不正防止を目的に1回の貸出あたりの玉数に上限をCRユニット6等に設定することもできる。
【0035】
払出制御基板41が管理する上記発射可能玉数は、遊技終了時に決済される。すなわち、遊技者が遊技を終了すべく、会員カード14Bを返却するために返却スイッチ25Bを操作すると、CRユニット6から発射可能玉数移行要求コマンドが払出制御基板41に出力される。払出制御基板41は、この発射可能玉数移行要求コマンドを受信した場合、発射可能玉数をCRユニット6に価値移行する処理(決済処理)を行い、発射可能玉数をゼロにクリアする。CRユニット6に移行した価値は、当該CRユニット6から持玉管理サーバー35Cに持玉数として出力され、そのパチンコ機5に設定された遊技球の貸出単価とともに記録される。
【0036】
上記発射制御基板43は、発射許可信号が払出制御基板41から入力されている事を条件に遊技球の発射を制御する基板であり、また遊技球の発射が可能か否かを示す発射状態信号を払出制御基板41に出力する。この発射制御基板43により、図示せぬ発射装置が制御され、遊技球発射ハンドル26の操作量に応じた弾発力で遊技球が発射される。
また払出制御基板41には、球磨制御基板53が接続されている。球磨制御基板53は、パチンコ機5に封入されている遊技球の玉磨機構を制御する基板である。払出制御基板41は、遊技球発射時に打ち出し可能な遊技球が無くならないように球磨制御基板53から玉磨状態を取得しながら制御する。
さらに、払出制御基板41には、パチンコ機本体18に設けられた各種センサ(前面扉開放センサ、玉数異常検知センサ等)の検知信号が入力され、当該検知信号が遊技機メイン基板40に出力されて異常が判定される。
【0037】
演出用サブ基板42は、遊技機メイン基板40の演出指示信号に基づいて、遊技機液晶表示器24や図示せぬ音源、台枠ランプを制御して、当落抽選結果に応じた遊技演出を行う回路を搭載した基板であり、遊技機メイン基板40に対して信号を出力することはなく、その動作が遊技機メイン基板40の当落抽選結果に影響を及ぼす事がないように構成されている。演出用サブ基板42は、各表示演出に用いる画像データを記憶し、遊技機メイン基板40の演出指示信号及び演出の進行に合わせて画像データを順次読み出し、この画像データに基づく画像信号を遊技機液晶表示器24に出力して、遊技機液晶表示器24に表示させる。
【0038】
またパチンコ機5は、上述した部材の他にも、図2に示すように、外部端子板54と、CR基板55と、遊技機搭載暗号基板56とを備え、さらに、パチンコ機本体18には上述したタッチ液晶モジュール27が組み込まれている。
外部端子板54は、シリアル通信線L2Aが接続される外部端子54Aが設けられた端子板である。この外部端子板54は、遊技情報を含む外部端子出力信号SoutをCRユニット6に一方向に送出し、CRユニット6から外部端子板54への信号入力を禁止する。なお、この遊技情報については後に詳述する。
【0039】
CR基板55は、上記貸出スイッチ25A及び返却スイッチ25Bのスイッチ操作信号をCRユニット6に出力する基板である。また、このCR基板55には、度数表示器57及び貸出可能ランプ58が接続されており、CR基板55は、CRユニット6から入力されたプリペイド媒体14の残価値を示す度数を度数表示器57に7セグメント等で表示するとともに、CRユニット6からの貸出許可信号の有無に応じて貸出可能ランプ58を点灯する。
【0040】
遊技機搭載暗号基板56は、パチンコ機5が備える各基板の中で、いわゆる主基板に分類される上記遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれの基板との間で相互認証する認証基板である。この遊技機搭載暗号基板56は、基板外部から内部の処理動作、処理内容等を特定不可能な、いわゆるブラックボックスとして構成されている。この遊技機搭載暗号基板56には、各基板との間で相互認証を実行する専用の半導体チップであるセキュリティチップ(遊技機側認証手段)60Aと、汎用CPU56Aとが実装されている。セキュリティチップ60Aは、遊技機ID管理センターサーバー13Dで管理されている遊技機IDを認証キーに用いて各基板との間で相互認証を実行する。本実施形態では、相互認証の認証キーに遊技機IDを用いることとしているが、認証キーには、相互認証処理中に基板間で共有可能な値(データ)であれば、上記遊技機IDの他にも任意の値を用いることができる。なお、この相互認証については後述する。
【0041】
この遊技機搭載暗号基板56は、さらに、パチンコ機5とCRユニット6とのシリアル通信インターフェース機能を備え、またセキュリティチップ60Aは所定の暗号キー生成アルゴリズムに基づいて遊技機IDに基づいて暗号キーを生成する機能と、当該暗号キーを用いて所定の暗号通信方式で通信データを暗号化/復号化する機能とを備える。これによりパチンコ機5とCRユニット6の間の通信データがセキュリティチップ60Aにより暗号化/復号化されて暗号通信が行われる。なお、CRユニット6側では、遊技機ID管理サーバー35Fから取得した遊技機IDに基づいて暗号キーが生成されるが、これについては後述する。
遊技機搭載暗号基板56を通じてパチンコ機5とCRユニット6との間で送受される通信データは、主に、改ざん等により出球に影響を及ぼす虞れがあるデータであり、例えば、CRユニット6がパチンコ機5に入力する貸出指示信号(持玉使用時にあっては払出指示信号)や上記遊技機ID、払出制御基板41が出力する、玉貸し/払出しが正常に完了したか否かを示す貸出(払出結果信号)、CR基板55がCRユニット6に出力する貸出スイッチ25A及び返却スイッチ25Bのスイッチ押下信号などである。また遊技者の貯玉或いは持玉の払出操作はタッチ液晶モジュール27に対するタッチ操作により行われてCRユニット6に入力される。なお、上記外部端子板54と遊技機搭載暗号基板56を1つの中継基板の上に設けてもよい。
【0042】
上記遊技機IDは、パチンコ機5ごとに固有に割り振られたIDであり、本実施形態では、遊技機メイン基板40に搭載されている主制御CPU40AのCPU固有ID61を用いることとしている。
遊技機メーカーは、パチンコ機5の製造出荷時に、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれに、認証キーたる遊技機ID(CPU固有ID61)を記録したセキュリティチップ60A、60B、60Cを実装して出荷し、また、遊技機ID管理センターサーバー13Dに、パチンコ機5の識別情報、出荷先、及び遊技機IDを送信して記録し、出荷先の遊技店舗2の遊技機ID管理サーバー35Fから参照可能にする。これらセキュリティチップ60B、60Cは、それぞれ上記遊技機搭載暗号基板56に設けたセキュリティチップ60Aと同じく、遊技機IDに基づいて暗号キーを生成し、当該暗号キーを用いてセキュリティチップ60A、60B、60Cの間の通信を暗号化/復号化して暗号通信する機能を備えている。
なお、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれが遊技機IDに基づいて暗号キーを生成し暗号通信に用いる構成とした、これに限らず、遊技機ID以外の情報を暗号キー生成のためのシード情報として用いる構成としても良い。この場合、遊技機搭載暗号基板56とCRユニット6との間で共通の暗号キーを用いて暗号通信を可能にするために、暗号キーを生成するためのシード情報を、遊技機メーカーが遊技機ID管理センターサーバー13D、及び遊技機ID管理サーバー35Fを通じてCRユニット6が取得し暗号キーを生成可能にする。
このように、パチンコ機5に設けた各セキュリティチップ60A、60B、60Cが遊技機IDに基づいて生成される暗号キーで暗号通信し、またCRユニット6に設けたセキュリティチップ60Dは遊技機ID管理サーバー35Fから受け取った遊技機IDに基づいて暗号キーを生成する構成とすることで、暗号キー自体がパチンコ機5及びCRユニット6の間で送受されることがない。
【0043】
パチンコ機5の基板間の相互認証について具体的には、例えばパチンコ機5の毎回の電源投入時に、遊技機搭載暗号基板56のセキュリティチップ60Aが主導的に相互認証を行う。すなわち、セキュリティチップ60Aは遊技機メイン基板40のセキュリティチップ60B、及び払出制御基板41のセキュリティチップ60Cのそれぞれに対して認証開始要求を出力する。この認証開始要求を受けて、セキュリティチップ60Bがセキュリティチップ60A、60Cのそれぞれと遊技機IDを交換し、各セキュリティチップ60A、60B、60Cが受け取った遊技機IDと自身の遊技機IDとに基づいて認証を行うことで相互認証を行う。またセキュリティチップ60Cも同様に、セキュリティチップ60A、60Bと遊技機IDを交換し、各セキュリティチップ60A、60B、60Cが受け取った遊技機IDと自身の遊技機IDとに基づいて認証を行うことで相互認証を行う。これにより遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の各基板間で相互認証が行われる。そして各セキュリティチップ60B、60Cは認証結果をセキュリティチップ60Aに出力し、当該セキュリティチップ60Aは、セキュリティチップ60A、60B、60Cのそれぞれの認証結果の不成立の有無に基づいてパチンコ機5における基板間の相互認証結果(成立/不成立)を判定しCRユニット6に出力する。このように相互認証においては、遊技機搭載暗号基板56が主導的に行うことで、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の不正改造などを発見し易くできる。
また、遊技機搭載暗号基板56は、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のいずれかが不正に交換される等して相互認証が不成立となった場合には、払出制御基板41とCRユニット6の導通状態を遮断する等して遊技球の発射を禁止することで強制的に遊技不能状態にする。これにより、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のいずれかが不正交換された状態での遊技を禁止できる。
【0044】
なお、パチンコ機5の基板間認証を、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれが同じCPU固有ID61を保持しているか否かを判定することで行う構成を例示したが、これに限らない。
すなわち、先ず、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41に実装されたそれぞれのセキュリティチップ60A、60B、60Cが正規のものか否かを判定することで、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれが正規のものか否かを判定し(正規基板判定)、次いで、遊技機メイン基板40の主制御CPU40とセキュリティチップ60Bのペア(対)が正しい組み合わせかを判定する(正規CPU判定)ことで行っても良い。
このように、正規基板判定と正規CPU判定を行うことで、基板の不正交換、並びに、遊技機メイン基板40の主制御CPU40Aの不正交換を確実に検知することができる。
【0045】
セキュリティチップ60A、60B、60Cが正規のものか否かの判定(正規基板判定)は、例えば遊技機搭載暗号基板56のセキュリティチップ60Aが、他のセキュリティチップ60B、60Cを認証することで行われる。この認証には任意の認証手法を用いることができる。
また、遊技機メイン基板40の主制御CPU40とセキュリティチップ60Bのペア(対)の判定(正規CPU判定)は、遊技機搭載暗号基板56が遊技機メイン基板40にCPU固有ID61の返信を要求するときに、セキュリティチップ60Bに記録されたCPU固有ID61も合せて返信するように要求し、両者を比較し、一致/不一致を判定することにより行われる。この場合には、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれのセキュリティチップ60A、60B、60CにCPU固有ID61を記録する必要はなく、遊技機メイン基板40のセキュリティチップ60BにのみCPU固有ID61を予め記録しておけば十分である。
【0046】
遊技機搭載暗号基板56からCRユニット6に出力された相互認証結果は、遊技台計数管理装置35A及びタッチ液晶モジュール27に出力されるとともに、パチンコ機5に設けたLEDランプ等に直接出力される。このように、相互認証結果をパチンコ機5の外部のみならずパチンコ機5のLEDランプ等にも出力することで、外部との通信線に対する不正行為により、相互認証結果が正常に出力されない場合でも、LEDランプの点灯等で遊技場の管理者にパチンコ機5の相互認証結果を通知することができる。
【0047】
またパチンコ機5においては、遊技機メイン基板40を遊技盤16に取り付け、払出制御基板41をパチンコ機本体18の本体枠に取り付けて構成されている。この構成においては、パチンコ機本体18の本体枠を機種毎に共通に使用し、遊技盤16を機種毎に設けることで複数の機種が構成されており、実際に、遊技店舗2においてパチンコ機5を入れ替える時には、遊技盤16だけを取り替えるという運用が一般的である。このような場合に、パチンコ機本体18に、本来とは異なる他の遊技盤16を誤って取り付けてしまったときであっても、遊技機搭載暗号基板56により遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の相互認証が不成立となることから、作業者は、上記のような誤取付を容易に察知することができ、誤った組み合わせでのパチンコ機5の稼働を防止できる。
【0048】
パチンコ機本体18に組み込まれたタッチ液晶モジュール27は、CRユニット6により制御されて当該CRユニット6の表示部及び操作部として機能する。すなわち、CRユニット6が遊技球貸出装置の装置本体に、タッチ液晶モジュール27が遊技球貸出装置の表示部及び操作部にそれぞれ相当し、これらによって遊技球貸出装置65が構成される。
【0049】
タッチ液晶モジュール27は、遊技球貸出装置65の装置本体たるCRユニット6に互いに通信可能に接続されており、タッチパネルを備えた液晶表示部66を備え、この液晶表示部66の表示画像を制御する画像表示制御信号SgがCRユニット6から入力されている。液晶表示部66に対するタッチ操作は、CRユニット6にタッチ操作入力信号Stとして出力され、当該CRユニット6にタッチ操作が入力される。すなわち、このタッチ液晶モジュール27は、パチンコ機5に組み込まれているものの、その表示動作はCRユニット6によって制御され、なおかつ、入力操作はCRユニット6に出力されており、CRユニット6の表示部及び操作部として構成されている。
【0050】
また、CRユニット6からタッチ液晶モジュール27には、当該タッチ液晶モジュール27の電力供給線67を介して動作電力が供給されている。すなわち、タッチ液晶モジュール27は、CRユニット6との間でパチンコ機5を介さずに直接的に通信し、また、動作電力もCRユニット6から供給を受ける構成であるため、パチンコ機5が備える電気回路を変更する必要が無く、製造等が容易となる。
【0051】
CRユニット6は、貸出装置制御基板68と、プリペイド媒体14を読み書きする価値媒体R/W69と、所定の遊技者に対してコンテンツを配信等のサービスを提供すべく遊技者IDを記録した例えば電子決済機能付き携帯電話等に対し遊技者IDを読み書きするID識別媒体R/W70と、紙幣識別機71と、リモコン操作を受け付けるためのリモコン受光部72と、各種異常等を検知するためのセンサ類73と、貸出装置搭載暗号基板74と、電源モジュール75とを備えている。
電源モジュール75は、CRユニット6の各部に電源を供給するとともに、上記のように、タッチ液晶モジュール27にも電力を供給する。また、この電源モジュール75の電力が貸出I/F用電源として、パチンコ機5の遊技機搭載暗号基板56、払出制御基板41、及びCR基板55のそれぞれに出力されている。遊技機搭載暗号基板56、及びCR基板55は、この貸出I/F用電源を駆動電源とし駆動し、また、払出制御基板41は貸出I/F用電源の入力を検知することでCRユニット6との導通状態を検知する。すなわち、払出制御基板41への貸出I/F用電源の入力を遮蔽することでパチンコ機5とCRユニット6とが非導通状態となり、パチンコ機5での遊技球の発射が禁止される。なお、遊技機搭載暗号基板56、及びCR基板55は、貸出I/F用電源の供給を検知していれば、パチンコ機5が備える電源を駆動電源として駆動しても良い。
【0052】
このCRユニット6には、パチンコ機5との接続コネクタとして、外部端子板54及び遊技機搭載暗号基板56とを通信ケーブルL2で接続するコネクタCAと、タッチ液晶モジュール27との間を通信ケーブルL1で接続するコネクタCBとが、それぞれ別々に設けられている。
コネクタCAに接続される通信ケーブルL2は、外部端子板54の外部端子54A、及び後述するシリアル通信I/F90を接続する上記シリアル通信線L2Aと、遊技機搭載暗号基板56、及び後述する貸出装置搭載暗号基板74を接続するシリアル通信線L2Bと、さらに、CRユニット6の後述する電源モジュール75からパチンコ機5に電源を供給する貸出I/F用電源線Mとを束ねた信号ケーブルである。
【0053】
貸出装置制御基板68は、制御手段として、各部を制御する主制御用のCPU76Aと、高速I/O(Input/Output)用のCPU76Bとを、それぞれに別々に有している。CPU76Bは、主としてタッチ液晶モジュール27に各種情報を表示するための画像処理や、当該タッチ液晶モジュール27に対するタッチ操作の受付処理といった、高速なデータのI/Oを要求される処理の制御を主に実行するものである。すなわち、貸出装置制御基板68には、高速I/O部品として、コンテンツサーバー35Eとの通信インターフェースである高速I/F77と、ワンセグ放送(ワンセグ:携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス)を受信してタッチ液晶モジュール27に表示するワンセグユニット78と、画像や動画のキャッシュとして機能する画像・動画一時記憶部79と、タッチ液晶モジュール27との間で画像表示制御信号Sgを送受する通信I/Fとである高速通信I/F80と、当該タッチ液晶モジュール27からのタッチ操作信号の入力インターフェースであるシリアル通信I/F81とが設けられており、これらがCPU76Bによって制御される。このように画像処理等のデータの高速I/Oが要求される処理用に専用のCPU76Bを設けることで処理の遅延が防止される。
【0054】
2つのCPU76AとCPU76Bとは、それぞれCPU間通信I/F82A、82Bによって相互にデータ通信可能に接続され、連携が図られている。
主制御用のCPU76Aは、プリペイド媒体14や会員カード14Bのデータの読み書き、管理コンピュータ群8、及びデータ表示器34とのデータ送受等の制御、パチンコ機5に対する玉貸制御の他、さらに遊技中におけるプリペイド媒体14の残価値、持玉及び再プレイ可能玉数(貯玉数)を管理する。
詳述すると、CPU76Aは、キャッシュメモリを備え、当該キャッシュメモリを、プリペイド残価値記憶部83、貸出装置管理持玉数記憶部84、再プレイ可能玉数記憶部85、遊技機管理残玉数記憶部86として機能させる。
プリペイド残価値記憶部83は、プリペイド媒体14の残価値を記憶するものであり、プリペイド媒体14の投入時、或いは発行時にプリペイド管理サーバー35Bから取得した残価値を初期値として記憶し、玉貸操作に伴って残価値を減算更新し、またチャージ操作に伴って加算更新する。
【0055】
貸出装置管理持玉数記憶部84は、遊技者の持玉数を記憶する。すなわち、プリペイド媒体14がCRユニット6に投入されたときに、持玉管理サーバー35Cで管理されている持玉数が読み出されて貸出装置管理持玉数記憶部84に貸出装置管理持玉数として格納され、またタッチ液晶モジュール27に表示される。この貸出装置管理玉数は、遊技者が持玉を使用するごとに減算更新される。また、この貸出装置管理玉数は、パチンコ機5に記録されている遊技機管理発射可能玉数をパチンコ機5から持玉に移行する操作を遊技者が行った事を契機に加算更新される。本実施形態では、遊技終了のための返却スイッチ25Bの操作を移行操作とみなし、プリペイド媒体14の返却時に、貸出装置管理玉数を遊技機管理発射可能玉数で加算更新し、更新後の貸出装置管理玉数を持玉管理サーバー35Cに通知し、またプリペイド媒体14に記録する。この移行操作に伴い、遊技機管理発射可能玉数は「ゼロ」にクリアされる。
なお、持玉管理サーバー35Cで管理されている持玉数を貸出装置管理持玉数記憶部84に格納する構成に限らず、例えばプリペイド媒体14に記録されている持玉数や会員・景品管理サーバー35Dで管理されている貯玉数を貸出装置管理持玉数記憶部84に格納しても良い。
また、遊技機管理発射可能玉数から持玉への移行の契機としては、上記の他にも、例えばタッチ液晶モジュール27に設けた移行操作のためのボタンに対するタッチ操作や、休憩時にパチンコ機5をロックするための休憩ボタンが操作されたときなどが挙げられる。休憩ボタン操作時のパチンコ機5のロックについて簡単に説明すると、ロック時には、CRユニット6が貸出指示信号を送信しないようにすることでパチンコ機5での遊技球の貸出動作が行われないようになり、また遊技機管理発射可能玉数が持玉に移行して「ゼロ」にクリアされることで、遊技球を用いた遊技ができない状態(ロック状態)に維持される。
【0056】
再プレイ可能玉数記憶部85は、遊技者の貯玉数を記憶するものであり、会員カード14Bの挿入後パスワード認証正常終了時に、会員・景品管理サーバー35Dから取得した貯玉数を初期値として記憶し、貯玉の払出操作に伴って貯玉数を減算更新する。この貯玉数は、タッチ液晶モジュール27に再プレイ可能玉数として表示され、返却スイッチ25Bの操作時に、再プレイ可能玉数記憶部85に記憶されている貯玉数が会員・景品管理サーバー35Dに送信されて記録される。なお、このキャッシュメモリは、その他、各種情報の記憶部87としても用いられる。
【0057】
またCPU76Aは、上記CPU76Bが高速I/O部品を制御したのに対して、それよりも低速で良いI/O部品を制御する。すなわち、貸出装置制御基板68には、店内LAN9を介した管理コンピュータ群8との通信インターフェースであるシリアル通信I/F88と、ホールコンI/F装置36を介した遊技台計数管理装置35Aとの通信インターフェースであるシリアル通信I/F89と、パチンコ機5の外部端子板54との通信インターフェースであるシリアル通信I/F90と、後述する貸出装置搭載暗号基板74との通信インターフェースであるシリアル通信I/F91とを備え、これらがCPU76Aによって制御されている。
【0058】
パチンコ機5の外部端子板54との通信インターフェースであるシリアル通信I/F90は、パチンコ機5からの入力専用として構成されており、CRユニット6からパチンコ機5にはシリアル信号を送出しない。すなわち、シリアル通信I/F90は、パチンコ機5からの入力を受け付けるポーリング処理を間欠的に行うことで、パチンコ機5からの入力だけを受信する、いわゆる単方向通信を行う。これに加え、パチンコ機5の外部端子板54には、シリアル通信線L2Aを通じて入力される信号を遮断する入力信号遮断回路(図示せず)が設けられており、パチンコ機5を誤動作させ得る不正な信号をシリアル通信線L2Aに流し込まれたとしても、当該信号のパチンコ機5への入力が阻止されるようになっている。
【0059】
また、貸出装置制御基板68には、パラレル信号線10Aを介して遊技台計数管理装置35Aと接続するためのパラレルポート92が設けられており、パラレルポート92からの出力が光MOSリレー等の駆動回路を備えた信号変換器93で信号変換され、パラレル出力用コネクタ94に接続されたパラレル信号線10Aを介して遊技台計数管理装置35Aに出力される。
さらに、貸出装置制御基板68には、通信ケーブルL3(図1参照)を介してデータ表示器34を接続するためのデータ表示器接続部97が設けられている。すなわち、貸出装置制御基板68のCPU76Aは、パチンコ機5から送出された外部端子出力信号Soutに含められている遊技情報に基づいて、大当たり発生や、図柄変動回数、遊技状態等を示す信号をデータ表示器接続部97から通信ケーブルL3を通じてデータ表示器34に出力し、表示パネル34Aに表示させる。
【0060】
上記貸出装置搭載暗号基板74は、貸出装置制御基板68との間で相互認証するとともに、パチンコ機5の遊技機搭載暗号基板56を介して入出力される通信データを、当該遊技機搭載暗号基板56のセキュリティチップ60Aと同様のアルゴリズムで生成した暗号キーで暗号化/復号化する基板であり、セキュリティチップ(貸出装置側認証手段)60Dと、汎用CPU95とを備えている。すなわちセキュリティチップ60Dは、遊技機ID管理サーバー35Fからパチンコ機5の遊技機IDを取得し、当該遊技機IDに基づいてパチンコ機5と暗号通信するための暗号キーを生成し、この暗号キーを用いて遊技機搭載暗号基板56との間で暗号通信する。また、貸出装置制御基板68にもセキュリティチップ60Eが搭載されており、これらセキュリティチップ60D、60Eはそれぞれ、相互認証するための所定の認証キーを予め保持する。この認証キーはパチンコ機5の認証キーと同じである必要はない。パチンコ機5のこの貸出装置搭載暗号基板74は、遊技機搭載暗号基板56と同様に、基板外部から内部の処理動作、処理内容等を特定不可能な、いわゆるブラックボックスとして構成されている。
【0061】
貸出装置搭載暗号基板74と遊技機搭載暗号基板56とは、それぞれCRユニット6の電源モジュール75とパチンコ機5の電源とによって駆動されるが、相互間の通信路の電気的ノイズを低減するために、貸出装置搭載暗号基板74、及び遊技機搭載暗号基板56をCRユニット6、及びパチンコ機5から電気的に絶縁する構成としても良い。すなわち、貸出装置搭載暗号基板74、及び遊技機搭載暗号基板56の通信路用に供される専用の所定電圧の直流電源をCRユニット6に設ける構成としても良い。また、専用の直流電源に対して、所定電圧を生成するための電力をパチンコ機5側から電力線PLを介して供給する構成としても良い。
【0062】
そして、CRユニット6の電源投入時等の所定のタイミングで、貸出装置搭載暗号基板74のセキュリティチップ60Dが主導的にセキュリティチップ60Eと相互認証を行う。すなわち、セキュリティチップ60Dは貸出装置制御基板68のセキュリティチップ60Eに対して認証開始要求を出力する。この認証開始要求を受けて、セキュリティチップ60Eがセキュリティチップ60Dと認証キーを交換し、セキュリティチップ60D、60Eの両者が受け取った認証キーと自身の認証キーとに基づいて認証を行うことで相互認証を行い、貸出装置搭載暗号基板74が認証結果を遊技台計数管理装置35A及びタッチ液晶モジュール27に出力する。このとき、貸出装置搭載暗号基板74は、貸出装置制御基板68が不正に交換される等して相互認証が不成立となった場合には、パチンコ機5への貸出指示信号の出力を遮断する等して強制的に貸出不能状態にする。これにより、貸出装置制御基板68が不正交換された状態での貸出を禁止できる。また、貸出装置搭載暗号基板74が主導的に相互認証を開始することで、貸出装置制御基板68に対する不正が発見し易くなる。
【0063】
ここで、上述の通り、パチンコ機5においても、遊技機搭載暗号基板56の主導によって遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれが他の2つの基板間で相互認証を行い、当該相互認証の結果が遊技機搭載暗号基板56からCRユニット6の貸出装置搭載暗号基板74に出力される。
そしてCRユニット6では、貸出装置搭載暗号基板74と貸出装置制御基板68の間の相互認証結果が成立し貸出可能状態になっているとき、パチンコ機5から相互認証結果として相互認証成立の旨が入力されたことを条件に、貸出装置搭載暗号基板74、及び遊技機搭載暗号基板56が装置間の相互認証を行う。このときの装置間の相互認証には、例えば上記遊技機ID(CPU固有ID61)を認証キーに用いることができる。すなわち、貸出装置搭載暗号基板74のセキュリティチップ60Dは、遊技機ID管理サーバー35Fから取得して保持している遊技機IDを遊技機搭載暗号基板56のセキュリティチップ60Aに送信し、当該セキュリティチップ60Aは自身に格納されている遊技機IDを貸出装置搭載暗号基板74のセキュリティチップ60Dに送信し、各セキュリティチップ60A、60Dは、受信した遊技機IDと、自身が保持する遊技機IDとに基づいて相互に認証する。そして、装置間の相互認証が成立した場合にだけ、遊技球の貸出動作が可能になる。すなわち、貸出装置搭載暗号基板74が遊技機搭載暗号基板56の認証を認めなかった場合(パチンコ機5に不正改造の疑いがある場合)、貸出装置搭載暗号基板74は、パチンコ機5への貸出指示信号の出力を禁止し、或いはパチンコ機5との導通状態を非導通状態にするなどして、貸出動作を実行不能にする。一方、遊技機搭載暗号基板56が貸出装置搭載暗号基板74の認証を認めなかった場合(CRユニット6に不正改造の疑いがある場合)、遊技機搭載暗号基板56は、CRユニット6への貸出スイッチ25Aのスイッチ押下信号の出力を禁止するなどして貸出動作を実行不能にする。
【0064】
これにより、パチンコ機5、及びCRユニット6のそれぞれでの基板間の相互認証で不正が検知されなかった場合でも、さらにパチンコ機5、及びCRユニット6が装置間で相互に認証することで、不正を確実に見つけ出すことができる。また、パチンコ機5、及びCRユニット6の相互認証が不成立の場合には、遊技球の貸出動作が不能となり、封入球式であるパチンコ機5では遊技機を行うことができなくなるから、パチンコ機5又はCRユニット6に不正改造が行われた状態での遊技を確実に防止することができる。
【0065】
CRユニット6とパチンコ機5の装置間認証を、互いが保持する遊技機IDの正当性を相互に判定することで行う構成を例示したが、これに限らない。すなわち、装置間認証においては、CRユニット6がパチンコ機5の正当性を認証できれば良く、例えば、CRユニット6の貸出装置搭載暗号基板74が、上記パチンコ機5の基板間認証でも述べた正規CPU判定と同様に、遊技機メイン基板40のCPU固有ID61と、当該遊技機メイン基板40のセキュリティチップ60Bに記録されたCPU固有ID61との両者の送信をパチンコ機5に要求し、両者を比較し、一致/不一致を判定することにより当該パチンコ機5の正当性を認証しても良い。このように正規CPU判定をCRユニット6が行うことで装置間認証を行う場合には、この認証により、遊技機メイン基板40の主制御CPU40Aの不正交換や不正改造が判定できることから、パチンコ機5の基板間認証においては、当該正規CPU判定を省略し、セキュリティチップ60A、60B、60Cが正規なものかを判定する上述の正規基板判定だけを行えば良い。さらに、この場合、正規基板判定を、遊技機搭載暗号基板56のセキュリティチップ60Aに代えてCRユニット6の貸出装置搭載暗号基板74のセキュリティチップ60Dが主導的に実行し、遊技機メイン基板40のセキュリティチップ60B及び払出制御基板41のセキュリティチップ60Cを認証する構成とすることで、遊技機搭載暗号基板56を省略することもできる。
【0066】
また、CRユニット6が、パチンコ機5の装置間認証を上記正規CPU判定により行う構成とした場合には、よりセキュリティを高めるために、パチンコ機5から受信したCPU固有ID61が、前回の認証成立に取得していたCPU固有ID61と一致しているか否かをCRユニット6の貸出装置搭載暗号基板74、或いは、遊技機ID管理サーバー35Fが判定する構成としても良い。
【0067】
ところで、上述の通り、パチンコ機5では、遊技機メイン基板40の主制御CPU40Aが遊技に係る遊技情報を生成して払出制御基板41に送出し、この払出制御基板41から外部端子板54を通じて外部端子出力信号SoutとしてCRユニット6に送出される。
遊技情報には、遊技に係る情報として、遊技の進行状況に係る情報、出球に係る情報、及び、パチンコ機本体18の異常に係る情報が含まれている。遊技の進行状況に係る情報には、図柄の変動停止(すなわち当落抽選終了)ごとに出力されるスタート通知、非通常の遊技状態(例えば確率変動状態や時短遊技状態)、特賞発生を示す大当たり発生通知等が含まれている。また出球に係る情報には、賞球(セーフ玉、ファール玉)発生通知やアウト玉検知(遊技球発射)通知が含まれている。パチンコ機本体18の異常に係る情報には、パチンコ機本体18が備える扉の開放を通知する扉開放信号、及び、パチンコ機本体18に設けられた不正検知のための各種センサ類(例えば磁気センサ等)の不正検知通知が含まれている。
【0068】
なお、封入球式でない従来型のパチンコ機では、発射玉数(アウト玉数)情報は、パチンコ機から出力されるのではなく、当該パチンコ機から島設備に排出されるアウト玉を計数センサ付アウトタンクで受け、その計数出力を他の機器を介さずに直接台コントローラに入力する構成となっている。
これに対して、封入球式である本実施形態のパチンコ機5では、島設備からパチンコ機5への遊技球の流入、及びパチンコ機5から島設備への遊技球の排出が無く、発射玉、ファウル玉(発射後盤面に投入されず発射台に戻ってくる玉、戻り玉)、アウト玉がパチンコ機5によって個別に検知され、それぞれが上記出球に係る信号として外部に出力されている。
【0069】
これらの遊技情報は、主制御CPU40Aによって遊技中に逐次生成され、払出制御基板41に基板間通信により送出される。この基板間通信には、本実施形態では、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の各セキュリティチップ60B、60Cの暗号通信機能を用いた暗号通信が用いられる。ただし、遊技情報については、あくまでも遊技の結果を示す情報であり遊技に影響を及ぼすことがないため、遊技機メイン基板40から払出制御基板41に暗号化して送信しなくとも良い。
【0070】
払出制御基板41は、図2に示すように、遊技機メイン基板40から受信した各種の遊技情報を格納する所定データフォーマットのデジタルデータD1(図3)を生成するデジタルデータ生成部98と、このデジタルデータ生成部98により生成されたデジタルデータD1をシリアル通信により伝送するためのシリアル伝送信号に変換し、外部端子54Aに出力するシリアル伝送部99とを備えている。
【0071】
図3は、デジタルデータD1の構成を模式的に示す図である。
この図に示すように、デジタルデータD1は、所定ビット長のデータであり、先頭ビットE0から所定ビットEaまでに各種の遊技情報が格納され、また所定ビットEbから最終ビットEbまでに発射制御情報が格納される。払出制御情報は、払出制御基板41での払出制御に関する情報であり、例えば遊技球発射ハンドル26のハンドル操作エラーや発射制御基板43からのエラー通知、球磨制御基板53からのエラー通知等の各種のエラー通知を含む。すなわち、本実施形態では、デジタルデータ生成部98を遊技機メイン基板40ではなく、払出制御基板41に設けているため、デジタルデータ生成部98は、遊技機メイン基板40が生成する遊技情報のみならず、払出制御基板41が検知する発射制御時のエラー情報等を発射制御情報として含めて1つのデジタルデータD1に格納し、一度にCRユニット6に送出することができる。
【0072】
かかるデジタルデータD1は、遊技情報、及び発射制御情報のいずれかに含まれる情報が発生する都度、或いは、所定時間(例えば数ミリ秒)ごとにデジタルデータ生成部98によって生成される。このデジタルデータD1にあっては、遊技情報、及び発射制御情報に含まれる各種の情報に、それぞれ情報量に応じたビット数が割り当てられ、また先頭ビットE0を基準に規定のビット位置に格納されることで、受信側のCRユニット6が所望の情報を取得する際に、当該情報に規定されたビット位置を参照することで一意に情報を取り出せるようになっている。
【0073】
そして、上記のようにして生成されたデジタルデータD1は、シリアル伝送部99によって、シリアル通信により伝送するためのシリアル伝送信号に変換され、シリアル外部端子信号として外部端子54Aに出力され、シリアル通信線L2Aを通じてCRユニット6に送出される。
このように、デジタルデータD1をシリアル伝送信号に変換して送出することで、遊技情報の種別や数が増えデジタルデータD1のビット数が増えたとしても、信号線の数を増やす必要がなく1本のシリアル通信線L2Aで伝送することができる。
【0074】
CRユニット6の貸出装置制御基板68にあっては、デジタルデータD1を受信すると、このデジタルデータD1の遊技情報及び発射制御情報のうち、遊技台計数管理装置35Aに出力する情報を選択してパラレルポート92、或いはシリアル通信I/F89を通じて出力する。
さらに詳述すると、一般に、パチンコ機5が遊技台計数管理装置35Aに出力する遊技情報の情報種別は数多く、またパチンコ機5の種別(いわゆるセブン機、羽モノ、権利モノなど)や、機種毎の特徴によって多彩である。一方、遊技店舗2側が、パチンコ機5が出力する遊技情報のうち、どの情報を扱うかは、遊技店舗2の営業方針等によって個々に決定される。さらに、遊技台計数管理装置35Aに結線可能な配線数(遊技情報に含まれる信号を個々に伝送する配線数)にも制限があり、一般的には10系統程度が配線数の上限となる。
【0075】
そこで、本実施形態では、デジタルデータD1によりパチンコ機5からCRユニット6に当該パチンコ機5が出力可能な全ての遊技情報、並びに払出制御情報を出力し、このCRユニット6が遊技台計数管理装置35Aに合わせた情報を選択し出力する構成となっている。すなわち、貸出装置制御基板68には、遊技台計数管理装置35Aが管理可能、或いは管理している情報に合わせて、当該遊技台計数管理装置35Aに出力すべき情報が予め設定されている。そして、貸出装置制御基板68は、デジタルデータD1を受信するごとに、この設定に基づいて、デジタルデータD1から遊技情報及び払出制御情報に含まれる所定の情報を選択(抽出)して出力する。
【0076】
このように、CRユニット6がデジタルデータD1から遊技台計数管理装置35Aに出力すべき情報を選択して出力する構成とすることで、既設の配線の追加、変更等をせずとも、パチンコ機5の機種毎に、及び遊技場の経営方針にしたがって、遊技台計数管理装置35Aに出力する遊技情報及び払出制御情報を自由に、かつ簡単に選択・割当ることができる。
また、パチンコ機5から遊技情報及び払出制御情報をCRユニット6が直接取得するため、これらの情報に合わせた情報(例えば大当たり発生時の演出やエラー発生時のエラー通知画面)をタッチ液晶モジュール27の液晶表示部66にリアルタイムに表示することができる。
【0077】
また、貸出装置制御基板68は、上記デジタルデータD1を受信した場合、このデジタルデータD1に含まれる遊技情報、及び払出制御情報のうちデータ表示器34に表示すべき情報を抽出してデータ表示器接続部97から出力する。データ表示器34に出力する情報には、スタート(図柄変動)、非通常の遊技状態(確変・時短)、大当たり、扉開放エラー、及びパチンコ機本体18に対する不正検知等が含まれている。データ表示器34は、かかる情報を受信すると、この情報に基づいて、表示パネル34Aへのデータ表示やランプの点灯を行う。
【0078】
かかる構成においては、遊技台計数管理装置35A、及びデータ表示器34のそれぞれがパチンコ機5に接続されるのではなく、CRユニット6に接続されているため、例えばパチンコ機5の入れ替えの度に遊技台計数管理装置35A、及びデータ表示器34とパチンコ機5の配線接続作業を行う必要がなく、パチンコ機5とCRユニット6を接続するだけで良いため配線作業が容易となる。
【0079】
以上説明したように、本実施形態によれば、払出制御基板41に、複数種の遊技情報を格納する所定データフォーマットのデジタルデータD1を生成するデジタルデータ生成部98と、デジタルデータ生成部98により生成されたデジタルデータD1をシリアル通信により伝送するためのシリアル伝送信号に変換し外部端子54Aに出力するシリアル伝送部99とを設ける構成としたため、1本のシリアル通信線L2Aで複数種の遊技情報を一度に送出することができる。さらに、かかるデジタルデータD1をシリアル伝送信号により送出するため、遊技情報の種類が増えたとしてもデジタルデータD1のビット数が増加するだけで信号線の数が増えることがないため、デジタルデータD1を送出するための外部端子54Aや既設の信号線を増やすことなく、全ての遊技情報をCRユニット6に送出することができる。
【0080】
また本実施形態によれば、払出制御基板41に、デジタルデータ生成部98を設け、このデジタルデータ生成部98が、払出制御に関する払出制御情報を含めてデジタルデータD1を生成する構成とした。
これにより、遊技機メイン基板40が生成する遊技情報のみならず、払出制御に関する情報も一度に送信することができる。
【0081】
また本実施形態によれば、CRユニット6にデジタルデータD1を、シリアル通信線L2Aを通じて送出する構成としたため、デジタルデータD1に格納されている情報に合わせた情報(例えば大当たり発生時の演出やエラー発生時のエラー通知画面)をタッチ液晶モジュール27の液晶表示部66にリアルタイムに表示することができる。
これに加え、CRユニット6がデジタルデータD1から遊技台計数管理装置35Aに出力すべき情報を選択する構成としたため、既設の配線等を追加、変更することなく、パチンコ機5の機種毎に、及び遊技場の経営方針にしたがって、遊技台計数管理装置35Aに出力する遊技情報及び払出制御情報を自由に選択・割当てることができる。
【0082】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、任意に変形及び応用が可能である。
【0083】
例えば、上述した実施形態では、パチンコ機5の払出制御基板41が生成したデジタルデータD1を外部端子板54にシリアル外部端子信号として直接出力する構成を例示したが、これに限らず、遊技機搭載暗号基板56を経由して外部端子板54に出力する構成としても良い。
図4は、本変形例にかかるパチンコ機105の構成を示す図である。なお、この図には、パチンコ機105からデジタルデータD1を送出するための構成を主に示すものである。
【0084】
この図に示すように、本変形例に係るパチンコ機105にあっては、払出制御基板41は、デジタルデータD1のシリアル外部端子信号を遊技機搭載暗号基板156に送出する。遊技機搭載暗号基板156は、シリアル外部端子信号の信号レベルを、CRユニット6との間で送受する他の暗号化信号(貸出(払出)指示信号や貸出(払出)結果信号等)と同じレベルに調整するレベル変換部56Bを備え、当該レベル変換部56Bでレベル調整された後、信号ケーブルQを通じて外部端子板154に出力される。この信号ケーブルQには、シリアル外部端子信号と上記他の暗号化信号を各々並列に伝送可能なパラレル信号ケーブルが用いられている。このとき、シリアル外部端子信号は、汎用CPU56Aやセキュリティチップ60Aで暗号化されることはなく平文のまま外部端子板154に出力される。外部端子板154には、信号ケーブルQを通じて入力されたシリアル外部端子信号を外部端子出力信号Soutとして出力し、また上記他の暗号化信号を貸出(払出)指示信号として出力する端子台154Bが配設される。なお、外部端子板154にあっては、外部端子出力信号Soutを送出する端子からパチンコ機105への信号入力を禁止する電気回路を備えている。
本変形例によれば、シリアル外部端子信号及び上記他の暗号化信号の両方が1つの端子台154Bに集約されて送信されるため、1セットのハーネスによってCRユニット6とパチンコ機105を接続することができる。また同様に、遊技機搭載暗号基板156と外部端子板154の接続においても、シリアル外部端子信号及び上記他の暗号化信号の両方の伝送を1つの信号ケーブルQを通じて行うことができる。
これにより、パチンコ機105とCRユニット6の接続作業、並びにパチンコ機105内の基板間配線作業が容易となる。
【0085】
例えば上述した実施形態において、遊技情報を従前の通信線で外部の機器が受信可能にするために、遊技情報の種別ごとに設けた外部端子を外部端子板54に更に並設して、各外部端子から遊技情報を示す従前の信号(ON/OFFのパルス信号)を出力する構成としても良い。
また上述した実施形態において、デジタルデータ生成部98がデジタルデータD1に発射制御情報を格納する構成を例示したが、これに限らず、デジタルデータD1に遊技情報だけを格納する構成としても良い。
【0086】
また上述した実施形態では、遊技機の一例として封入球式のパチンコ機5を例示したが、これに限らず、パチンコ機5の外部から遊技者が遊技球を例えば上皿から補給して遊技するパチンコ機であっても良い。
【0087】
また上述した実施形態では、遊技機の一例としてパチンコ機5を例示したが、これに限らず、遊技媒体の投入を条件に、所定の抽選契機成立時に当落抽選を行う遊技機であれば、任意の遊技機に本発明を適用することができる。かかる遊技機には、例えば、遊技メダルを遊技媒体に使用し、遊技メダルの投入を条件に、操作レバーが操作された時に当落抽選を行うパチスロ機などが挙げられる。この場合には、本発明の遊技媒体貸出装置が遊技メダルをパチスロ機に貸し出す遊技メダル貸出装置に適用される。
【符号の説明】
【0088】
3 遊技管理システム
5、105 パチンコ機(遊技機)
6 CRユニット
14 プリペイド媒体
15 遊技システム
34 データ表示器(外部の機器)
35A 遊技台計数管理装置
40 遊技機メイン基板(主制御基板)
41 払出制御基板(主制御基板)
54、154 外部端子板
54A 外部端子
56、156 遊技機搭載暗号基板
156B レベル変換部
65 遊技球貸出装置(遊技媒体貸出装置)
68 貸出装置制御基板
97 データ表示器接続部
98 デジタルデータ生成部
99 シリアル伝送部
40A 主制御CPU
41A 払出制御CPU
Sout 外部端子出力信号
D1 デジタルデータ
L1、L2、L3 通信ケーブル
L2A、L2B シリアル通信線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を用いた遊技によって所定の抽選契機が成立するごとに当落抽選するとともに、遊技に係る複数種の遊技情報を生成して出力する主制御基板を備えた遊技機において、
外部の機器に接続されるシリアル通信線が接続される外部端子を設け、
前記主制御基板には、前記複数種の遊技情報を格納する所定データフォーマットのデジタルデータを生成するデジタルデータ生成手段と、前記デジタルデータ生成手段により生成されたデジタルデータをシリアル通信により伝送するためのシリアル伝送信号に変換し、前記外部端子に出力するシリアル伝送手段とを設けた
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記主制御基板は、
前記当落抽選、前記遊技媒体の払出指示、及び前記複数種の遊技情報の生成を行う遊技機メイン基板と、前記遊技機メイン基板の払出指示に基づいて前記遊技媒体の払出制御を実行する払出制御基板と、を備え、
前記払出制御基板に、前記デジタルデータ生成手段を設け、前記デジタルデータ生成手段が、前記払出制御に関する情報を含めて前記デジタルデータを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技媒体の貸出を制御するとともに、前記デジタルデータを受信し所定の遊技情報を選択的に抽出し管理用の端末に出力する遊技媒体貸出装置に前記シリアル通信線を通じて前記デジタルデータを送出することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−24193(P2012−24193A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−163908(P2010−163908)
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【出願人】(501468770)株式会社ジョイコシステムズ (66)
【Fターム(参考)】