説明

遊技機

【課題】遊技機において、下皿が遊技球で満タンになったことを確実に検出可能とする。
【解決手段】下皿球通路153における満タン検出スイッチ16の検出部17に対向する領域に、上皿12で貯留しきれなくなった遊技球Bを下皿13へ向けて流下可能とし、かつ当該流下する遊技球Bを満タン検出スイッチ16により検出不能とする非検出通路1535と、非検出通路1535から溢れた遊技球Bを下皿13へ向けて流下可能とし、かつ滞留する遊技球Bを満タン検出スイッチ16により検出可能とする検出通路1534とに分離する境界壁1533を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球貯留量が満タンか否かを検出するための満タン検出スイッチを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特にパチンコ機等の遊技機においては、球払出装置から払い出される貸球や賞球等の遊技球を貯留し、当該貯留している遊技球を遊技領域へ発射するための発射装置へ供給可能な上皿と、上皿で貯留しれきれなくなった遊技球を貯留する下皿と、上皿で貯留しきれなくなった遊技球を下皿へ流下させる球通路と、当該球通路に設けられ下皿に貯留されている遊技球が満タンか否かを検出する満タン検出スイッチとを備え、球通路に滞留した遊技球が満タン検出スイッチに当接することによって下皿が遊技球で満タンであることを検出するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−246124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1記載の遊技機においては、上皿で貯留しきれなくなった遊技球が球通路を下皿へ向けて流下する際、遊技球が設定した経路を辿って流下する状態においては満タン検出スイッチに当接しないように設定されているが、球通路を流下する多数の遊技球の一部には、遊技球同士の衝突等によって流下方向や速度が変化し、下皿が満タンになっていないにも係わらず満タン検出スイッチに当接するものもある。このように、下皿が満タン状態になっていないにも係わらず遊技球が満タン検出スイッチに当接した場合、下皿に遊技球が満タンであると誤検出しないように、通常、満タン検出スイッチが遊技球を検出した時間を計測し、計測時間が所定時間を超えた場合のみ下皿が満タンであると判断して、下皿が満タンである旨をスピーカ等を利用した遊技者の聴覚を通した音声報知、画像表示器、あるいは発光素子を使用した遊技者の視覚を通した報知の他、下皿満タン状態の検出信号を遊技場の管理コンピュータ等、遊技機の外部機器に対して出力することにより、遊技場の係員が携帯する端末装置(情報端末機、ヘッドセット等の業務指示装置等)を通して満タン状態を報知するようにしている。以下、このように下皿が満タン状態になっている状態を遊技機から遊技者の視覚、聴覚を介在させて報知すること、及び外部機器に遊技機の下皿満タン状態の検出信号を出力することを、以下、単に「音声で報知」と記す。
【0005】
しかし、満タン検出スイッチが遊技球を検出した時間を計測する手段においては、遊技球の流下方向や速度の変化等による誤検出に対しては対応可能であるが、下皿内で球噛み現象が発生したり、球通路内で遊技球が満タン検出スイッチがある側へ偏って滞留するような偏り現象等が発生したりすると、下皿に遊技球が満タンになっていないにも係わらず、遊技球が満タン検出スイッチを所定時間押し続けて、下皿が満タンである旨を遊技者に対して誤報知する虞がある。さらには、遊技球が球通路を流下する際、遊技球が既に球通路内に滞留している遊技球に流下する勢いで衝突すると、流下した遊技球が跳ね上がって満タン検出スイッチの操作子に当接して操作子を検出状態に稼働させる場合がある。満タン検出スイッチの操作子に当接する頻度が多いと、満タン検出スイッチを有接点式のものを採用している場合には、満タン検出スイッチの寿命を縮めることとなる。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、下皿が遊技球で満タンになったことを確実に検出可能とした遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
第1の発明は、遊技球を払出可能な球払出装置から払い出される遊技球を貯留可能な上皿と、前記上皿で貯留しきれない遊技球を貯留可能な下皿と、前記上皿で貯留しきれない遊技球を前記下皿に流下させる球通路と、前記球通路に設けられ、前記下皿が満タンになることに伴って前記球通路に滞留する遊技球を検出可能な満タン検出手段とを備えた遊技機において、前記球通路における前記満タン検出手段の検出部に対向する領域に、前記上皿で貯留しきれなくなった遊技球を前記下皿へ向けて流下可能とし、かつ当該流下する遊技球を前記満タン検出手段により検出不能とする非検出通路と、前記非検出通路から溢れた遊技球を前記下皿へ向けて流下可能とし、かつ滞留する遊技球を前記満タン検出手段により検出可能とする検出通路とに分離する境界壁を設ける。
【0008】
なお、下皿の満タン状態とは、下皿にのみ遊技球が補充されている状態の他、例えば大役の発生時に遊技機から集中的に賞品としての遊技球が継続して払い出される場合、初期状態では上皿に遊技球が漸次払い出され、上皿の許容量を超えると、溢れ球は下皿に誘導され、さらに下皿の許容量を超えると、溢れ球が下皿から球通路に向かって溢れ、やがて球通路の許容量を超える状態を意味する。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記境界壁は、上端が前記満タン検出手段の検出部よりも上方にあって、下端が前記検出通路を流下する遊技球と前記非検出通路を流下する遊技球とが互いに前記下皿の手前で合流するように、前記球通路に沿って延出するものとする。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、前記球通路を流下する遊技球は、前記境界壁の上端を飛び越えることにより前記非検出通路を流下する。
【0011】
第4の発明は、第2の発明において、前記球通路を流下する遊技球は、前記境界壁の側面に衝突することによって前記非検出通路を流下する。
【0012】
第5の発明は、第2〜4の発明のいずれかにおいて、前記非検出通路に溢れた遊技球は、前記境界壁の上端を乗り越えて前記検出通路へ向けて流下する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、球通路における満タン検出手段の検出部に対向する領域に境界壁を設け、この境界壁によって、上皿で貯留しきれなくなった遊技球を下皿へ向けて流下可能として満タン検出手段により検出不能とする非検出通路と、非検出通路から溢れた遊技球を下皿へ向けて流下可能として満タン検出手段に検出可能とする検出通路とに分離したことによって、満タン検出手段が検出通路に滞留した遊技球を検出することで下皿に遊技球が満タンになったことを確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明における実施形態を適用した遊技機の斜視図である。
【図2】同じくガラス枠を開けた状態の遊技機の斜視図である。
【図3】同じく球誘導ユニットの斜視図である。
【図4】第1実施例における球誘導ユニットの後側の第2ケースの斜視図である。
【図5】同じく第2ケースの正面図である。
【図6】同じく遊技球が非検出通路から溢れる直前状態を示す第2ケースの要部の拡大正面図である。
【図7】同じく遊技球が非検出通路から溢れ出た状態を示す第2ケースの要部の拡大正面図である。
【図8】第2実施例における非検出通路に遊技球が一杯になる直前状態を示す要部の拡大正面図である。
【図9】同じく遊技球が非検出通路から溢れ出た状態を示す要部の拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1、2に示すように、パチンコ機1は、外郭を形成してパチンコホールの島設備に設置される矩形枠状の外枠2を備える。外枠2の前面には、合成樹脂または金属等で形成された内枠3が嵌め込まれており、内枠3の下側には、合成樹脂の下飾り板4が設けられる。
【0016】
内枠3は、左上下部が外枠2の左上下部に設けられた一対のヒンジ部21、22により鉛直軸回りに前後方向へ開閉可能に枢支される。
【0017】
内枠3の前面には、パチンコ機1の前面を形成する枠状の前扉5が上下一対のヒンジ部21、22により鉛直軸回りに前後方向へ開閉可能に枢支されている。前扉5には、ガラス板6が嵌め込まれている。
【0018】
さらに、内枠3には、盤面に円形の遊技領域71を形成した遊技盤7が着脱可能にセットされている。遊技盤7の盤面はガラス板6により覆われ、遊技領域71は、ガラス板6を透して前方から視認可能となっている。外枠2の前面左下部には、遊技の状況に応じた効果音を出力する低音用のスピーカ8が設けられる。また、遊技盤7の裏側には、遊技を電気的に制御するための制御部(図示略)が配置される。
【0019】
遊技領域71には、遊技盤7の下側に設けられる発射装置(図2参照)11により遊技領域71に打ち込まれた遊技球の流下方向を変化させる多数の遊技釘(図示略)、遊技領域71に打ち込まれた遊技球が入賞可能な始動口72、複数列の図柄を変動表示可能な例えば液晶ディスプレイからなる表示部73、遊技者にとって不利な第1状態(遊技球が入賞不能な閉鎖状態)と遊技者にとって有利な第2状態(遊技球が入賞可能な開放状態)とに変化可能な大入賞口74、遊技領域71に打ち込まれた遊技球のうち入賞しなかったアウト球を遊技盤7の裏面側に送り出すアウト口75等が設けられる。
【0020】
遊技領域71に打ち込まれた遊技球が始動口72に入賞すると、これを契機に制御部によって所定の確率に基づいて実行される抽選の結果、大当りとなって表示部73に変動表示されていた図柄が所定の組合せで停止して当りに確定表示された場合(例えば、複数列に同一の図柄が揃った場合)には、大当り状態を生起させて、大入賞口74を第1状態から第2状態に変化させる。大当り状態のときには、第2状態にある大入賞口74に多数の遊技球が入賞可能となり、遊技盤7の裏側に設けられる球払出装置(図3参照)20から入賞球として大量の遊技球が払い出される。
【0021】
前扉5の左右両側には、遊技の状況に応じて点灯、消灯及び点滅して照明による演出を行う複数の光源を内蔵した照明部9L、9Rが設けられ、また、同じく左右上部には、遊技の状況に応じた効果音を出力する中高音用のスピーカ10L、10Rが設けられる。さらに、前扉5の前面下部には、払出装置20から払い出される遊技球を貯留して発射装置11へ供給可能な上皿12と、上皿12の真下にあって、上皿12で貯留しきれなくなった遊技球を貯留するための下皿13が設けられる。
【0022】
上皿12は、貯留される遊技球が正面視で右方向へ転動するように、底面が正面視で左側から右側へ向けて下り傾斜している。さらに、上皿12の底面の傾斜方向下流側には、上皿12に貯留される遊技球を1列に整列して発射装置11へ誘導する整列通路121が設けられる。
【0023】
上皿12の左奥端面には、球払出装置(図3参照)20から払い出される貸し玉や賞球等の遊技球が排出される球払出口122が設けられる。
【0024】
下皿13の奥壁面には、上皿12に貯留しきれなくなった遊技球が排出される球払出口131が設けられる。さらに、下皿13の底面には、下皿13の前面に左右方向へスライド可能に設けられた下皿用球抜きレバー132を操作することにより開放して下皿13に貯留されている遊技球を下皿13の下方に配置される球箱(図示略)へ排出するための球抜き孔133が設けられる。
【0025】
前扉5の前面右下部には、発射装置11と電気的に接続されて打球の発射力を調整するための発射ハンドル14の握り部位に設けられたハンドルリング14aが水平軸回りに回転可能に設けられる。
【0026】
内枠3における遊技盤7の下側には、図3に示す球誘導ユニット15が設けられる。球誘導ユニット15は、合成樹脂製の前側の第1ケース15Aと、第1ケース15Aの後側に組み付けられる第2ケース15Bとから構成される。なお、第1ケース15Aの前面には、図2に示すように、第1ケース15Aの前面を閉塞するカバー15C及び発射装置11等が組み付けられるが、図3においては、球誘導ユニット15の内部構造を明示するため、カバー15C及び発射装置11等を省略して示している。
【0027】
なお、本実施の形態においては、球誘導ユニット15は、内枠3の下方に配置されて、球誘導ユニット15と内枠3とは別体に設けられている例を説明するが、これに限定されるものではなく、球誘導ユニット15と内枠3とを一体に設けた構成としても良い。
【0028】
球誘導ユニット15には、第2ケース15Bの左奥上部にあって、球払出装置20から払い出される貸し玉や賞球(以下、遊技球Bと記す)を受け入れる球受入口151と、第1ケース15Aの左正面にあって、前扉5を閉じた状態で、球受入口151から受け入れた遊技球Bを上皿12へ誘導するように上皿12の球払出口122に連通する上皿球通路152と、第2ケース15Bの前面にあって、上皿12に貯留しきれなくなって上皿球通路152に溢れた遊技球Bを下皿12へ向けて流下させるための下皿球通路153と、第1ケース15Aの前面下部にあって、前扉5を閉じた状態で、下皿球通路153を流下した遊技球Bが下皿13に流れ込むように、下皿13の球払出口131に連通する下皿連通口154が設けられる。
【0029】
図4〜7は、本発明に係わる第1実施例を示す。図4、5に示すように、下皿球通路153は、上皿球通路152上に溢れて下皿球通路153を流下する遊技球Bを右方向へ転動させるように上面が右下向き傾斜する傾斜面1531と、傾斜面1531上の右端から落下した遊技球Bを下皿連通口154へ向けて誘導し得るように、正面視で垂直で、かつ側面視で前下がり傾斜する落下部1532とを連続して形成する。
【0030】
下皿球通路153の傾斜面1531の真下で、かつ落下部1532の左側面には、当該左側面から一部が突出し得るように前後方向の軸171回りに揺動可能に枢支される検出レバー17と、検出レバー17の左側にあって、検出レバー17の揺動を検出することより下皿13に遊技球Bが満タンか否かを検出する満タン検出手段をなす有接点式の満タン検出スイッチ16とが設けられる。
【0031】
検出レバー17は、常時は図5に示すように一部分が落下部1532の左側面から突出した非検出位置に保持されて、突出した一部分に遊技球Bが当接することによって時計回りへ揺動した図7に示す検出位置に移動する。なお、検出レバー17における落下部1532の側面から突出した部分は、本発明に係わる満タン検出手段の検出部を形成する。
【0032】
満タン検出スイッチ16は、検出レバー17が非検出位置から検出位置へ揺動するとOFF状態からON状態に切り替わる。満タン検出スイッチ16のON信号は、制御部に送信される。制御部は、満タン検出スイッチ16からのON信号を所定時間継続して受信した場合に遊技球Bが下皿13に満タン状態であると判断し、下皿13が満タンである旨を遊技者に対して「音声で報知」するように照明部9L、9R、スピーカ8、10L、10Rまたは表示部73を駆動制御する。
【0033】
下皿球通路153における落下部1532には、検出レバー17に対向する領域を左右に分離するように下方へ延出する境界壁1533が設けられる。
【0034】
境界壁1533は、落下部1532に沿って設けられ、下皿球通路153における検出レバー17に対向する領域を、遊技球Bが傾斜面1531の右端から落下部1532へ落下する際、遊技球Bを検出レバー17に当接しないように、換言すると満タン検出スイッチ16により検出不能として下皿13へ向けて誘導可能な右側(検出レバー17から離間する側)の非検出通路1535と、非検出通路1535に溢れた遊技球Bを下皿12へ向けて流下可能として検出レバー17に当接可能、換言すると満タン検出スイッチ16により検出可能とする左側(検出レバー17に近接する側)の検出通路1534とに分離する。
【0035】
境界壁1533の上端は、傾斜面1531の右端から落下部1532に落下する遊技球Bが飛び越えて非検出通路1535側へ流下し得るように傾斜面1531の下流側の右端、最適には傾斜面1531の下流側延長線よりも低く、かつ検出レバー17よりも僅かに高くなるように設定される。また同じく下端は、検出通路1534を流下する遊技球Bと非検出通路1535を流下する遊技球Bとが下皿13の手前で互いに合流するように、下皿連通口154へ向けて延出する。
【0036】
次に、第1実施例の作用について説明する。
遊技領域71に打ち込まれた遊技球が始動口72に入賞し、これを契機に基づいて実行される制御部の抽選の結果、大当りが生起されると、前述のように球払出装置20から大量の遊技球Bが払い出される。
【0037】
球払出装置20から払い出された遊技球Bは、球誘導ユニット15の球受入口151から受け入れられて上皿球通路152、球払出口122を通って上皿12に流下して貯留される。上皿12が遊技球Bで満タンになって上皿球通路152に遊技球Bが溢れると、当該溢れた遊技球Bは、下皿球通路153側へ向けて流下して、傾斜面1531を転動しつつ落下部1532へ向けて流下する。
【0038】
傾斜面1531から落下部1532へ落下する遊技球Bは、図5に示すように、境界壁1533の上端を飛び越えて非検出通路1535側を通って下皿13に流下して貯留される。これにより、遊技球Bが下皿球通路153内で前述の偏り現象が発生しても、非検知通路1535内に滞留している遊技球Bが境界壁1533に遮られて検出レバー17に当接しないため、誤検出することはない。さらには、下皿球通路153内で跳ね返った遊技球Bが境界壁1533によって遮られるため、遊技球Bが検出レバー17を直撃することはない。
【0039】
なお、遊技球B同士の衝突等により遊技球Bの流下方向が変化したり、流下速度が減速したりすると、多数の遊技球Bの中には、非検出通路1535に遊技球Bが溢れていないにも係わらず、境界壁1533の上端を飛び越えないで検出通路1534側に流下するものもある。この場合においては、遊技球Bが検出通路1534を通過するときに検出レバー17に当接して、満タン検出スイッチ16がOFF状態からON状態に切り替わるが、遊技球Bは検出レバー17を直ぐに通過して下皿13へ向けて流下するため、その際、満タン検出スイッチ16から制御部へ送信されるON信号は、予め定めた所定時間よりも短いため、下皿13が満タンであると判断されることはない。
【0040】
下皿13に遊技球Bが満タンになって、図6に示すように、遊技球Bが下皿球通路153における落下部1532の非検出通路1535に一杯になると、その後に続いて傾斜面1531から転がり落ちてくる遊技球Bは、非検出通路1535から溢れて境界壁1533の上端を乗り越えて検出通路1534へ落下する。そして、図7に示すように、検出通路1534内に遊技球Bが一杯になって、遊技球Bが検出レバー17に当接して満タン検出スイッチ16のON状態が所定時間継続すると、制御部は、満タン検出スイッチ16のON信号が所定時間継続したことに基づいて、下皿13に遊技球Bが満タンになったものと判断して、遊技者に対して下皿13の球抜きを行うように照明部9L、9R、スピーカ10L、10Rまたは表示部73が「音声で報知」するように制御する。
【0041】
球抜きの報知に基づいて、遊技者が下皿用球抜きレバー132をスライド操作して、球抜き孔133を開放すると、下皿13に貯留されていた遊技球Bは、球抜き孔133から球箱へ排出される。
【0042】
下皿13内の遊技球Bが球箱へ排出されて、下皿球通路153内に滞留している遊技球Bが下皿13へ流下すると、検出通路1534に滞留している遊技球Bは、検出レバー17の位置よりも下がって検出レバー17から離れる。これにより、満タン検出スイッチ16に対する検出レバー17との当接状態は解除されるため、満タン検出スイッチ16は、ON状態からOFF状態に切り替わり、制御部は球抜きの報知の制御を停止する。
【0043】
以上のように、第1実施例においては、下皿球通路153における検出レバー17に対向する領域に境界壁1533を設け、当該境界壁1533により下皿球通路153内の遊技球Bを検出可能な検出通路1534と検出不能な非検出通路1535とに分離して、検出通路1534に滞留した遊技球Bを満タン検出スイッチ16によって検出するものであるから、下皿13が遊技球Bで満タンになったことを確実に検出することが可能となる。また、下皿球通路153内で跳ね返った遊技球Bを境界壁1533により検出レバー17に直撃しないように遮るため、特に満タン検出スイッチ16を有接点式のスイッチを採用した場合には、満タン検出スイッチ16の寿命を延ばすことが可能となる。
【0044】
図8、9は、本発明に係わる第2実施例を示す。
第2実施例における満タン検出スイッチ160及び検出レバー170は、下皿球通路153における落下部1532の右側面、すなわち傾斜面1531から流下してくる遊技球Bの転動方向へ対向する側面に配置される。
【0045】
落下部1532における検出レバー170に対向する領域には、右側の検出通路1536と左側の非検出通路1537とに分離する境界壁1538が設けられる。
【0046】
境界壁1538は、遊技球Bが傾斜面1531の右端から落下部1532に落下する際、遊技球Bが境界壁1538の上端を乗り越えない高さ、換言すれば傾斜面1531を流下する遊技球Bが上端に衝突する程度の高さに設定される。
【0047】
図8に示すように、非検出通路1537に遊技球Bが溢れていない場合には、傾斜面1531の右端から転がり落ちる遊技球Bは、境界壁1538の左側面あるいは上端近傍に衝突してそのまま左側の非検出通路1537側を通過して下皿13へ流下する。また、図9に示すように、遊技球Bが非検出通路1537に一杯になると、その後に続いて傾斜面1531を転動してくる後続の遊技球Bは、貯留されている遊技球Bをガイドとして、境界壁1538の上端を乗り越えて右側の検出通路1536へ流下する。そして、検出通路1536に遊技球Bが一杯になると、遊技球Bが検出レバー170に当接して、満タン検出スイッチ160がOFF状態からON状態に切り替わることによって、下皿13に遊技球Bが満タンになったことを検出する。よって、第2実施例においても前記第1実施例と同様な作用効果を奏し、下皿13に遊技球Bが満タンになったことを確実に検出することが可能となる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、上記実施形態に対して、次のような変形や変更を施すことが可能である。
(i)満タン検出スイッチ16、160を有接点式のスイッチに代えて、無接点式のスイッチ、または金属(遊技球B)に反応する近接スイッチにする。
(ii)満タン検出スイッチ16、160を近接スイッチとした場合には、本発明に係わる検出部は、検出レバーに代わって、近接スイッチの検出面となる。
【符号の説明】
【0049】
1 パチンコ機
2 外枠
3 内枠
4 下飾り板
5 前扉
6 ガラス板
7 遊技盤
8 スピーカ
9L、9R 照明部
10L、10R スピーカ
11 発射装置
12 上皿
13 下皿
14 発射ハンドル
15 球誘導ユニット
15A 第1ケース
15B 第2ケース
15C カバー
16、160 満タン検出スイッチ(満タン検出手段)
17、170 検出レバー(満タン検出手段の検出部)
20 球払出装置
21、22 ヒンジ部
71 遊技領域
72 始動口
73 表示部
74 大入賞口
75 アウト口
121 整列通路
122 球払出口
131 球払出口
132 下皿用球抜きレバー
133 球抜き孔
151 球受入口
152 上皿球通路
153 下皿球通路
154 下皿連通口
171 軸
1531 傾斜面
1532 落下部
1533、1538 境界壁
1534、1536 検出通路
1535、1537 非検出通路
B 遊技球

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を払出可能な球払出装置から払い出される遊技球を貯留可能な上皿と、前記上皿で貯留しきれない遊技球を貯留可能な下皿と、前記上皿で貯留しきれない遊技球を前記下皿に流下させる球通路と、前記球通路に設けられ、前記下皿が満タンになることに伴って前記球通路に滞留する遊技球を検出可能な満タン検出手段とを備えた遊技機において、
前記球通路における前記満タン検出手段の検出部に対向する領域に、前記上皿で貯留しきれなくなった遊技球を前記下皿へ向けて流下可能とし、かつ当該流下する遊技球を前記満タン検出手段により検出不能とする非検出通路と、前記非検出通路から溢れた遊技球を前記下皿へ向けて流下可能とし、かつ滞留する遊技球を前記満タン検出手段により検出可能とする検出通路とに分離する境界壁を設けたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記境界壁は、上端が前記満タン検出手段の検出部よりも上方にあって、下端が前記検出通路を流下する遊技球と前記非検出通路を流下する遊技球とが互いに前記下皿の手前で合流するように、前記球通路に沿って延出することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記球通路を流下する遊技球は、前記境界壁の上端を飛び越えることにより前記非検出通路を流下することを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記球通路を流下する遊技球は、前記境界壁の側面に衝突することによって前記非検出通路を流下することを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【請求項5】
前記非検出通路に溢れた遊技球は、前記境界壁の上端を乗り越えて前記検出通路へ向けて流下することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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