説明

遊技機

【課題】アウト口に通入した遊技球を排出する球排出通路での球詰りの発生を抑制する。
【解決手段】パチンコ球の直径2個分以上の開口幅でアウト口24を遊技盤20に形成すると共に、アウト口24に連通するアウト球排出通路72のアウト球入口を、アウト口24の幅以上の寸法で形成する。アウト球排出通路72のアウト球入口は、仕切部75によってパチンコ球1個の通過を許容する複数の分岐入口74a,74bに区画されて、該仕切部75の両側に各分岐入口74a,74bに対応する分岐通路76,80/77,81が形成されると共に、仕切部75における各分岐通路76,80/77,81に臨む面に、上流側から下流側に向かうにつれて対応する分岐通路76,80/77,81の内側に向けて変位する傾斜面75aが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技盤の前面に画成した遊技領域を流下した遊技球を、遊技盤に設けたアウト口から裏側へ排出するよう構成した遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な遊技機であるパチンコ機は、遊技盤の前面に画成した遊技領域の略中央位置に枠状の装飾体(所謂センター役物)が配設されており、この枠状装飾体の開口部を介して複数の図柄を変動表示して図柄変動演出を行う液晶式やドラム式等の図柄表示装置を後方から臨ませると共に、該遊技盤における枠状装飾体の下方位置に、パチンコ球(遊技球)の入賞により図柄表示装置での変動を開始させる始動入賞装置や大当り時等に開放する特別入賞装置等の入賞装置が配設されたものが多数提案されている。この種のパチンコ機では、前記遊技領域に打ち出されたパチンコ球が遊技領域内に植設された遊技釘等との接触により跳ね返りながら次第に自重により流下し、該遊技領域を流下する過程で前記始動入賞装置に入賞することにより、前記図柄表示装置での図柄変動演出に伴うリーチ演出等の各種の遊技演出がなされ、該図柄表示装置に図柄が所定の組み合わせで停止することにより所謂大当りが発生し、前記特別入賞装置が開放して多数の賞球を獲得し得るよう構成される。一方で、遊技領域を流下する過程で前記始動入賞装置等の各種入賞装置に入賞せず、遊技領域の最下部まで流下したパチンコ球は、遊技領域の最下部に設けられたアウト口を介してパチンコ機裏側の球回収部に回収されるようになっている。
【0003】
前記パチンコ機にあっては、アウト口に対して一度に多くのパチンコ球が通入すると、該アウト口に接続する球排出通路の入口付近でパチンコ球が詰ってしまう問題を招くおそれがある。そこで、特許文献1に開示されるように、遊技盤の裏側に位置する機構盤を開放して、遊技盤に設けた球排出通路の入口付近を覆う覆蓋部を露出させ、該覆蓋部を撓ませるか、あるいは覆蓋部に形成した長穴にマイナスドライバ等の工具を挿入する等して、球排出通路内で発生している球詰りを解消するよう構成されたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−135710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のパチンコ機では、球排出通路で生じた球詰りを解消することはできるものの、該球排出通路での球詰りの発生を抑制し得るものではない。すなわち、球詰りの発生頻度が高くなると、遊技者に不快感を与えたり、または球詰りを解消するために遊技を中断させなければならず、パチンコ機の稼働率を低下させる問題を招いていた。
【0006】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、アウト口に通入した遊技球を排出する球排出通路での球詰りの発生を抑えることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(20a)が前側に形成されると共に、該遊技領域(20a)を流下する遊技球が入賞可能な入賞口(26a)を備えた遊技盤(20)と、前記遊技盤(20)に設けられて前記入賞口(26a)に入賞しなかった遊技球を遊技盤(20)の裏側に排出するアウト口(24)と、該アウト口(24)から排出された遊技球を機外に排出案内する球排出通路(72)とを備える遊技機において、
前記アウト口(24)は、遊技球の直径2個分以上の開口幅で形成され、
前記アウト口(24)に連通する前記球排出通路(72)の入口(74)は、前記アウト口(24)の幅以上の寸法で形成されて、該球排出通路(72)の入口(74)に設けられた仕切部(75)によって遊技球1個の通過を許容する複数の分岐入口(74a,74b)に区画されると共に、該仕切部(75)の両側に各分岐入口(74a,74b)に対応する分岐通路(76,80/77,81)が形成され、
前記仕切部(75)における各分岐通路(76,80/77,81)に臨む面に、上流側から下流側に向かうにつれて対応する分岐通路(76,80/77,81)の内側に向けて変位する傾斜面(75a)が形成されることを要旨とする。
【0008】
請求項1に係る発明によれば、アウト口に通入した遊技球を複数の方向に分岐して流下させるようにしたので、遊技球が密集することで球詰りが発生するのを抑制し得る。
【0009】
請求項2に係る発明では、前記複数の分岐通路(76,80/77,81)の長さが異なるように形成されることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、球排出通路での球詰りを確実に防止することができる。
【0010】
請求項3に係る発明では、前記球排出通路(72)の排出口(80a,81a)は、前記複数の分岐通路(76,80/77,81)に対応して複数設けられて、各分岐通路(76,80/77,81)を通過した遊技球が対応の排出口(80a,81a)から個別に排出されるよう構成されたことを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、球排出通路の出口付近での球詰りも抑制することができる。また、球排出通路の複数の出口から遊技球を分散して排出することで、該遊技球を回収する回収部材の一箇所に遊技球が集中して当ることはなく、該回収部材が損傷するのを抑制し得る。
【0011】
請求項4に係る発明では、前記入賞口(26a)に入賞した遊技球を機外に排出する第2の球排出通路(85)を、前記球排出通路(72)とは独立して備えることを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、球排出通路に流入する遊技球を少なくし得るので、球詰りの発生頻度を抑えることができる。また、入賞口に入賞した遊技球とアウト口に通入した遊技球とを区別して排出することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る遊技機によれば、アウト口に通入した遊技球を排出する球排出通路での球詰りの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図2】実施例に係る前枠を開放した状態で示すパチンコ機の斜視図である。
【図3】実施例に係る中枠を背面側から視た斜視図である。
【図4】実施例に係る中枠基体部と、球通路形成部材と、設置ベースとを分離した状態を示す斜視図である。
【図5】実施例に係る球払出しユニットにおける球抜き通路の形成位置で縦断した要部拡大断面図である。
【図6】(a)は、実施例に係る球通路形成部材を示す斜視図であり、(b)は(a)のX部の拡大図である。
【図7】実施例に係る球通路形成部材を背面側から視た斜視図である。
【図8】(a)は球通路形成部材の平面図であり、(b)は背面図である。
【図9】(a)は中枠基体部におけるアウト球受入れ部を示す要部拡大平面図であり、(b)は中枠に遊技盤を設置した状態においてアウト口の形成位置で横断した状態を示す要部断面図である。
【図10】実施例に係る中枠の背面を示す要部拡大図であって、設置ベースを省略した状態を示す。
【図11】実施例に係る中枠に遊技盤を設置した状態において、アウト口の形成位置で縦断した状態を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機10を例にして説明する。なお、以下の説明において、前・後、左・右とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側から見た状態において指称するものとする。
【実施例】
【0015】
(パチンコ機10の概略構成について)
実施例に係るパチンコ機10の概略構成は、図1または図2に示すように、遊技店に設けられた図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11と、該外枠11に対して着脱および開閉可能に枢支され、各種制御装置130,131等の遊技機構成部品が設置される本体枠としての中枠13と、該中枠13に着脱交換可能に取り付けられて所要の遊技領域20aが画成された遊技盤20と、該中枠13の前面側に着脱および開閉可能に枢支されると共に遊技盤20を透視保護する装飾枠としての前枠14とを基本的に備えている。また、実施例のパチンコ機10では、パチンコ球を貯留可能な球受け皿17aとしての球皿部材17が前記前枠14に一体的に配設されており、前枠14の開閉動作に合わせて球皿部材17が開閉するよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記前枠14が中枠13の前側で開閉可能な開閉体として機能すると共に、該前枠14が球皿部材17としても機能している。そして、前記パチンコ機10の前面側(実施例では前枠14)における右下部位置には、パチンコ球の発射を制御する制御手段130(図3参照)に接続された操作ハンドル18が配設されており、遊技者による操作ハンドル18の回動操作により後述する球送り装置19および打球発射装置45(図2参照)が作動して、球受け皿17aに貯留されたパチンコ球が遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるよう構成されている。
【0016】
(遊技盤20について)
ここで、前記遊技盤20は、図1または図2に示すように、円弧状に湾曲する外レール21および内レール22が盤面(前面)に配設されて、該内外レール21,22の内側に画成される遊技領域20a内に、図柄表示装置25や入賞装置26等の遊技用部品が配置されている。また、前記遊技盤20の左側部に位置する外レール21および内レール22は、パチンコ球が通過可能な距離だけ離間した状態で遊技領域20aの径方向に重なるよう構成されて、前記打球発射装置45から発射されたパチンコ球を遊技領域20aへ案内する発射通路23を画成している。ここで、図2に示すように、前記発射通路23は、遊技盤20の下端左寄り位置で下方に開口すると共に、遊技盤20の左上部位置で遊技領域20a内に開口しており、前記打球発射装置45から発射されて発射通路23の下方開口から飛翔するパチンコ球が遊技領域20aの上部位置に打ち出されるようになっている。そして、前記遊技領域20aを流下する過程で入賞装置26の入賞口26a(図1参照)に入賞したパチンコ球を図示しない入賞検出センサが検出することで、前記中枠13に配設された賞球や貸球の払出しを制御する制御手段130(図3参照)に入賞検出信号が入力され、該入賞検出信号の入力に応じて後述する球払出装置37(図3、図5参照)が作動制御されて所定数の賞球が払い出されるようになっている。なお、実施例では、パチンコ球の発射を制御する制御手段および賞球や貸球の払出しを制御する制御手段は1つのケースに収容されており、以下の説明において発射・払出し制御装置130と指称するものとする。
【0017】
また、前記遊技盤20の裏側には、前記入賞装置26に入賞したパチンコ球を下端部まで誘導すると共に遊技盤20の下端部側で開口する球誘導部材(図示せず)が設けられており、該入賞装置26に入賞したパチンコ球が球誘導路を介して当該遊技盤20の下方へ排出されるよう構成されている。但し、前記遊技盤20の下方位置に設けられている入賞装置26については、入賞装置26に入賞したパチンコ球を誘導することなく直接落下させるよう構成してもよい。なお以下の説明では、前記入賞装置26に入賞したパチンコ球を、特にセーフ球と指称する場合がある。
【0018】
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内における最下部位置に、遊技盤20の裏側に連通するアウト口24が設けられており、前記入賞装置26に入賞することなく遊技領域20aの最下部まで流下したパチンコ球を、該アウト口24を介して遊技盤20の裏側へ排出するよう構成してある。ここで、前記アウト口24における横方向の開口幅(アウト口24の形成位置における内レール22の延在方向の開口幅)は、パチンコ球の直径2個分以上に設定されており、遊技領域20aの最下部まで流下して内レール22上に滞留した複数個のパチンコ球を速やかにアウト口24から排出し得るようになっている。実施例では、前記アウト口24における横方向の開口幅は、パチンコ球の直径2個分以上かつ3個分より小さく設定されている。また、前記アウト口24における縦方向の開口幅(上下方向の開口幅)は、パチンコ球の直径2個分より小さく設定されており、パチンコ球が上下に積み重なった状態でアウト口24に進入しないよう構成されている。すなわち、実施例では、一度に2個のパチンコ球が並んだ状態でアウト口24に進入し得るようになっている。
【0019】
また、実施例の遊技盤20には、前記アウト口24の形成位置に対応して、後方および下方へ開口する凹部28が形成されており、該凹部28にアウト口24が開口するようになっている(図9参照)。すなわち、前記アウト口24を通過したパチンコ球は、前記凹部28の下方開口を介して下方へ落下するようになっている。また、前記凹部28の左右方向の幅は、前記アウト口24の横方向の開口幅に略一致するよう形成されており、2個のパチンコ球が並んだ状態でアウト口24から排出されるパチンコ球がそのまま落下し得るようになっている。なお以下の説明では、前記アウト口24から排出されるパチンコ球を、特にアウト球と指称する場合がある。
【0020】
(外枠11について)
前記外枠11は、図2に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されており、該外枠11の左上部位置および左下部位置に、当該外枠11と中枠13とを開閉可能に連結する外枠側ヒンジ部11aが取り付けられている。なお、実施例では、前記外枠11は上縁を構成する上外枠部12aと、下縁を構成する下外枠部12bと、左縁を構成する左外枠部(図示せず)と、右縁を構成する右外枠部12cとから基本的に構成されて、上下の外枠部が木製の板部材で形成されると共に、左右の外枠部がアルミ等の金属部材で形成されている。また、前記下外枠部12bの前端部には、左右方向の全長に亘って上方へ延出する輿板12dが備えられており、上外枠部12aおよび左右の外枠部12cと、下外枠部12bの輿板12dとにより、前記中枠13が臨む前後に開口した開口部を画成するようになっている。なお、前記輿板12dの高さは、遊技店において別途準備される球箱の高さよりも大きな寸法に設定されて、前枠14に設けられた前記球皿部材17の下方に位置するように球箱を輿板12dの前側に設置し得るよう構成されている。
【0021】
(前枠14について)
前記前枠14は、図2に示すように、前記外枠11の開口形状に略整合する矩形状に形成された前枠基体部15に、前後に貫通する窓口15aが開口する枠状に形成されており、該前枠14を中枠13に対して閉鎖した状態で、前記遊技盤20に形成された遊技領域20a(図1、図2参照)が窓口15aを介して前方に露出するよう構成されている。そして、前記前枠基体部15の裏面側には、前記窓口15aの開設位置に対応してガラス板等の透明な透視保護板が着脱可能に配設されており、パチンコ機10の前側から遊技盤20を視認可能な状態で透視保護している。なお、前記前枠14に取り付けられる透視保護板の図示を省略してある。また、前記前枠14(前枠基体部15)の左上部位置および左下部位置には、当該前枠14を中枠13に対して開閉可能に連結する前枠側ヒンジ部14aが設けられており、該前枠14を中枠13に対して閉鎖した際に、中枠13の前面全体が前枠14で被覆されるよう構成されている。そして、前記前枠14(前枠基体部15)における左側部の上下端部に、中枠側ヒンジ部13aに枢支される前枠側ヒンジ部14aが取り付けられている。
【0022】
前記前枠14(前枠基体部15)の前面側には、図1に示すように、上方へ開口する球受け皿17aを備えた前記球皿部材17が前記窓口15aの下方位置に取り付けられており、該球受け皿17a内に所定数のパチンコ球を一時的に貯留し得るようになっている。そして、前記前枠14(前枠基体部15)の後面側に、前記発射・払出し制御装置130に接続する球送り装置19が前記球受け皿17aの下流端部に連通するよう設置されており、前記操作ハンドル18の回動操作に基づいて球送り装置19が作動して球受け皿17aに貯留されたパチンコ球を1球ずつ打球発射装置45に送出すよう構成されている。なお、実施例では、前記前枠14(前枠基体部15)における球皿部材17の右側方に、前記操作ハンドル18が設置されている。また、前記前枠14(前枠基体部15)には、球受け皿17aの左端部側で開口する給出口16が前後に貫通するよう開設されている。この給出口16は、前記前枠14を中枠13に対して閉鎖した状態で、中枠13に形成された後述の連絡通路55に連通接続するよう構成され、該連絡通路55を介してパチンコ球(賞球や貸球、ファール球)が球受け皿17aへ給出されるようになっている。
【0023】
また、実施例に係る前記球皿部材17には、前記球受け皿17aの内部(例えば底面)で開口すると共に該球皿部材17の下面に開口する球抜き路(図示せず)が形成されている。前記球抜き路の球受け皿17a側の開口は、前記球皿部材17に配設された球抜き操作ボタン17b(図1参照)の操作に応じて開閉するシャッタ部材(図示せず)により閉鎖されており、該球抜き操作ボタン17bを操作してシャッタ部材を開閉動作させることで、球受け皿17aに貯留されたパチンコ球を球皿部材17の下方に設置した球箱に直接抜き出し得るようになっている。このように、実施例のパチンコ機10は、パチンコ球を貯留する球受け皿17aを前面側に1つだけ備えた所謂「一枚皿タイプ」のパチンコ機10として構成されている。また、前記球皿部材17の上面には、貸球操作ボタン17cが上面に設けられており、該貸球操作ボタン17cを遊技者が押下することで、前記発射・払出し制御装置130に貸球払出し信号が入力され、前記中枠13に設けられた球払出装置37が作動されて所定数の貸球が球受け皿17aに払い出されるようになっている。なお、前記前枠基体部15の前面には、前記窓口15aの周囲を囲繞するよう各種の装飾部材15bやランプ装置等が配設されて、パチンコ機10の前面を装飾している。
【0024】
(中枠13について)
前記中枠13は、図2、図3に示すように、前記外枠11の開口形状に略整合すると共に上方側に偏った位置で前後に開口する矩形枠状に形成されており、該中枠13の左上部位置および左下部位置に、当該中枠13と外枠11とを開閉可能に連結すると共に中枠13と前枠14とを開閉可能に連結する中枠側ヒンジ部13aが設けられている。すなわち、前記中枠13は、前記外枠側ヒンジ部11aと中枠側ヒンジ部13aとを連結することで、中枠13の左側部が外枠11に対して開閉可能に枢支され、中枠側ヒンジ部13aと前枠側ヒンジ部14aとを連結することで、中枠13および前枠14の左側部が相対的に開閉可能に枢支されるようになっている。また、実施例における外枠11、中枠13および前枠14の夫々は、各ヒンジ部11a,13a,14aに相対的に設けられた支持軸および軸孔の軸支構造により開閉可能に連結されるようになっている。
【0025】
ここで、前記中枠13は、図2、図3に示すように、前記遊技機構成部品が設置される設置部として機能する中枠基体部30(図2参照)と、中枠基体部30の左右側部に設けられて中枠13の左右側縁をなす左右の中枠部32,33と、該左右の中枠部32,33の上端部に設けられて中枠13の上縁をなす上中枠部31とから構成されて、これら各部材30〜33を組み付けた際に、全体が前記外枠11の開口形状に整合する大きさの枠体状に形成される。そして、前記中枠基体部30と各中枠部31〜33とを組み付けた際に画成される開口部(以下、遊技盤設置部40という)の開口内側に、前記遊技盤20が着脱可能に設置されている。なお、前記中枠13を構成する中枠基体部30と各中枠部31〜33は独立した部材である必要はなく、中枠基体部30および各中枠部31〜33の内の複数または全てを樹脂等で一体成形することも可能である。
【0026】
また、前記中枠13の裏側上方位置には、遊技店に設けられた図示しない球供給設備から供給されるパチンコ球を貯留する球タンク41が配置されると共に、該球タンク41に貯留されたパチンコ球を所定列数に整列して流下させるタンクレール42が設けられている(図3参照)。前記中枠13の裏側には、前記遊技盤設置部40の下方に、前記球受け皿17aに連通する合流通路ユニット60(図3、図5参照)が設けられており、前記球タンク41およびタンクレール42の下方に離間して合流通路ユニット60が配置されている。そして、前記タンクレール42および合流通路ユニット60に架け渡された球払出しユニット(球払出経路部)35を介して、該タンクレール42と合流通路ユニット60とを連通接続するよう構成されて、球タンク41に貯留されたパチンコ球がタンクレール42、球払出しユニット35および合流通路ユニット60を介して球受け皿17aに供給されるようになっている。なお、実施例では、前記球タンク41およびタンクレール42は前記上中枠部31と一体形成され、前記中枠基体部30の裏側に前記合流通路ユニット60が取り付けられている。
【0027】
ここで、前記球払出しユニット35は、図5に示すように、前記タンクレール42に連通される上流側通路36と、前記合流通路ユニット60に連通される下流側通路38と、該上流側通路36の下流端および下流側通路38の上流端を連通して、前記発射・払出し制御装置130からの制御信号に基づいて作動する球払出装置37とを備えている。すなわち、前記球払出装置37が停止した状態においては前記設置枠台に設けた球供給設備から前記球タンク41に供給されたパチンコ球が前記上流側通路36に充填された状態で貯留され、前記発射・払出し制御装置130からの賞球または貸球の払出し信号に基づいて作動した球払出装置37により、該上流側通路36に貯留されたパチンコ球が下流側通路38に案内されることで、最終的に賞球または貸球として前記球受け皿17aに給出されるよう構成されている。すなわち、前記球払出しユニット35の上流側通路36がパチンコ球を貯留する球貯留部として機能している。
【0028】
また、図5に示すように、前記球払出しユニット35には、前記上流側通路36における前記球払出装置37との連通部(下流端)より上流側から分岐する球抜き通路39が設けられており、前記中枠13(中枠基体部30)に設けられた回収球排出通路90(後述)に当該球抜き通路39が連通するよう構成されている。前記上流側通路36と球抜き通路39との分岐位置には、前記球払出しユニット35の外部に露出する開閉操作部39b(図3参照)の操作により、該球抜き通路39を開閉する球抜き手段としての球抜き弁39aの開閉状態を切替え可能に構成されており、該球抜き弁39aを開放作動させることで上流側通路36内に貯留されたパチンコ球が球抜き通路39へ案内されるようになっている。ここで、前記球抜き通路39が連通する前記回収球排出通路90は、設置枠台に設けた球回収設備に連通するよう構成されており、当該球抜き通路39を通過したパチンコ球が球回収設備へ回収されるようになっている。なお、実施例では、前記球払出しユニット35の下端部まで前記球抜き通路39が延在するよう形成されている。なお以下の説明では、前記球抜き通路39を介して回収されるパチンコ球を、特に回収球と指称する場合がある。
【0029】
(中枠基体部30について)
前記中枠基体部30の前面には、図2、図4に示すように、前記遊技盤設置部40に設置された遊技盤20の盤面(前面)と略同一平面上に位置する発射装置設置部43が形成されており、前記操作ハンドル18の操作により作動してパチンコ球を前記発射通路23に向けて発射する打球発射装置45が発射装置設置部43に設置されている。また、前記中枠基体部30の裏側には、遊技店に設けられた前記球供給設備からパチンコ機10に供給されたパチンコ球を前記球回収設備へ回収する球通路形成部材70(後述)が配設されると共に、該球通路形成部材70の後方に、前記制御装置130,131が設置される設置ベース56が配設されている。前記打球発射装置45は、前記発射通路23の始端開口部23aを指向する傾斜姿勢で発射装置設置部43に設置されると共に前記球送り装置19から送出されるパチンコ球を発射待機位置に保持する発射レール45aと、操作ハンドル18の操作に応じて作動され、発射レール45aにおける発射待機位置に保持されたパチンコ球を打球する打球杆45bとを備えており、打球杆45bにより打球されたパチンコ球が発射レール45aに沿って発射通路23へ向けて発射されるようになっている。また、前記中枠基体部30の上端部には、前記発射レール45aの延長線上に、前記発射通路23の始端開口部23aに開口する発射口が設けられており、前記発射レール45aに沿って発射されたパチンコ球が発射口を介して発射通路23へ移動し得るよう構成されている。そして、前記発射通路23に発射されたパチンコ球が、前記外レール21に沿って遊技領域20aへ向けて案内される。
【0030】
また、前記中枠基体部30には、図2、図5に示すように、前記前枠14を中枠13に対して閉鎖した状態で前記給出口16と対応する位置に、中枠基体部30の前後に貫通する連絡通路55が設けられて、該前枠14を中枠13に対して閉鎖することで連絡通路55の前方開口(球出口)に給出口16が連通接続するよう構成されている。前記連絡通路55の後方開口(球入口)には、前記合流通路ユニット60の球流下経路部65が連通接続するよう構成されており、該合流通路ユニット60の球流下経路部65に到来したパチンコ球(賞球や貸球、ファール球)が連絡通路55および給出口16を介して球受け皿17aに案内されるようになっている。なお、前記連絡通路55は、前記中枠基体部30の左端部近傍に位置するよう形成されている。
【0031】
(設置ベース56について)
前記設置ベース56は、図3、図4に示すように、前記中枠基体部30の後面と略整合する大きさに形成されて、該中枠基体部30との間に前記球通路形成部材70を挟んだ状態で当該中枠基体部30に取り付けられている。そして、前記設置ベース56の後面側には、左右の一方に偏った位置(図3では左側に偏った位置)に、パチンコ機10を制御する各種制御装置130,131が設置される制御装置設置部57が設けられると共に、左右の他方に偏った位置に、前記合流通路ユニット60が設置される設置凹部58が設けられている。なお実施例では、前記設置ベース56の制御装置設置部57に、外部電源に接続されてパチンコ機10で使用する電源を生成する電源制御装置131が設置されると共に、該電源制御装置131の後側に前記発射・払出し制御装置130が重なるよう設置されている。そして、前記設置ベース56を中枠基体部30に取り付けた状態で、前記制御装置設置部57が球通路形成部材70と前後に重なって、アウト球通路80,81、セーフ球通路88および回収球排出通路90の後方開口を閉塞するよう構成されている。
【0032】
また、図5に示すように、前記設置凹部58は、前後および上方へ開放するよう形成されており、中枠基体部30に取り付けられた合流通路ユニット60が設置凹部58に臨むと共に、該合流通路ユニット60の下面を設置凹部58で当接支持するよう構成されている。前記設置凹部58における合流通路ユニット60を支持する支持面58a(上面)には、左右方向へ延在する球通路59が形成されている。前記設置ベース56に形成される球通路59は、前記制御装置設置部57の形成方向(球通路形成部材70の設置方向)へ向けて下方傾斜するよう構成されて、該設置ベース56の球通路59の下流端部に、前記球通路形成部材70に形成される回収球排出通路90(後述)が連通するよう構成されている。なお、前記設置ベース56の後面側の側部(図3では右側部)には、前記設置凹部58の下方位置に、パチンコ機10に並設される磁気カードやICカード図示しない球貸しユニットに接続される外部インターフェース基板132が設置されている。
【0033】
(合流通路ユニット60について)
図3、図5に示すように、前記合流通路ユニット60は、ユニット本体としての本体部61と、該本体部61に形成されてパチンコ球が流下する球流下経路部65とを備えており、前記中枠13(中枠基体部30)の裏側に本体部61がネジ等で固定されるようになっている。前記合流通路ユニット60の本体部61には、前記連絡通路55の球入口およびファール球受け部50の排出口52と対応する位置に、前記球流下経路部65に開口する連通口(連絡通路55に対応する連通口61aのみ図5に図示)が夫々開設されており、一方の連通口61aを介して球流下経路部65から連絡通路55を介してパチンコ球が球受け皿17aへ給出されると共に、他方の連通口を介してファール球受け部50から球流下経路部65へパチンコ球(ファール球)が流入し得るよう構成されている。また、前記球流下経路部65は、前記球払出しユニット35の下流側通路38に連通するよう構成されており、前記球払出装置37の作動により払出された賞球や貸球は、下流側通路38を介して球流下経路部65に流入し得るようになっている。このように、実施例のパチンコ機10では、賞球や貸球として遊技者に払出されるパチンコ球が通過する経路と、発射不良に伴いファール球として球受け皿17aへ回収されるパチンコ球が通過する経路とが合流通路ユニット60において合流するようになっている。
【0034】
前記合流通路ユニット60の下面側には、前後方向に延在する球通路62が形成されており(図5参照)、該球通路62の後端部に前記払出しユニット35に設けられた球抜き通路39が連通するよう構成されている。また、前記合流通路ユニット60の球通路62の前端部は、該合流通路ユニット60を中枠基体部30に配設した状態において、前記設置ベース56に形成された球通路59の上流側端部に連通するよう構成されており、前記払出しユニット35の球抜き通路39を介して合流通路ユニット60の球通路62に流入した回収球を、設置ベース56の球通路59に誘導するよう構成されている。すなわち、前記払出しユニット35の上流側通路36に貯留されたパチンコ球は、前記開閉操作部39bの開放操作に伴い球抜き通路39を介して合流通路ユニット60の球通路62へ案内されて、前記設置ベース56の球通路59を介して球通路形成部材70の回収球排出通路90へ案内されるようになっている。
【0035】
(球通路形成部材70について)
図4、図6〜図8に示すように、前記球通路形成部材70には、アウト口24に通入したパチンコ球(アウト球)を機外に排出案内する球排出通路(以下アウト球排出通路72という)と、前記入賞装置26に入賞したパチンコ球(セーフ球)を機外に排出案内する第2の球排出通路(以下セーフ球排出通路85という)と、前記球払出しユニット35の球抜き通路39を介して回収されるパチンコ球(回収球)を機外に排出案内する球排出通路(以下回収球排出通路90という)とが夫々独立した通路として形成されている。すなわち、実施例の球通路形成部材70は、パチンコ機10において遊技に供されたアウト球およびセーフ球と、パチンコ機10において遊技に供されることなく回収される回収球とをパチンコ機10の外部へ排出する経路が設けられている。
【0036】
また、前記球通路形成部材70には、図6に示すように、前記中枠基体部30に対向する平板部71の前面に、前記発射通路23に飛翔したパチンコ球の内で、前記遊技領域20aまで到達する勢いがなく発射通路23を逆流したパチンコ球(所謂ファール球)を回収するファール球受け部50が設けられている。ここで、前記ファール球受け部50は、前記平板部71の前面側に設けられており、該平板部71の前面において上方へ開口すると共に、該平板部71の前後へ開口する皿状に形成されている。前記中枠基体部30には、ファール球受け部50と対応する位置に上下および後方に開口する第1の切欠部30aが形成されており、球通路形成部材70を取り付けた際に、ファール球受け部50におけるファール球の受入れ口51としての上方開口が、前記第1の切欠部30aを介して前記発射通路23を画成する外レール21の下端部に臨むよう構成されている。そして、前記ファール球受け部50におけるファール球の排出口52としての後方開口が、前記合流通路ユニット60に形成された連通口に連通接続するよう構成されて、ファール球受け部50に受入れたファール球が合流通路ユニット60を介して球受け皿17aに回収されるようになっている。
【0037】
また、前記球通路形成部材70には、図9、図11に示すように、該球通路形成部材70を中枠基体部30に取り付けた状態で、該中枠基体部30の上端部より上方へ延出する当て板部70aが設けられており、遊技盤20を中枠13の遊技盤設置部40に設置した際に、当該遊技盤20の裏面下部に当て板部70aが当接するよう構成されている。ここで、前記遊技盤20に形成された凹部28の後方開口は前記当て板部70aにより閉塞されるよう構成されており(図11参照)、前記遊技盤20を流下してアウト口24を介して排出されたパチンコ球(アウト球)が遊技盤20の下方へ排出されるようになっている。
【0038】
(アウト球排出通路72について)
前記アウト球排出通路72は、図7、図8、図10に示すように、前記アウト口24を通過したアウト球を受けるアウト球受入れ部73と、該アウト球受入れ部73に連通すると共に当該アウト球受入れ部73に受入れたアウト球を球通路形成部材70(中枠基体部30)の下端部まで案内して下方へ排出するアウト球通路80,81とから構成されている。ここで、前記アウト球受入れ部73は、前記球通路形成部材70における平板部71の前面から前方へ突出して、該平板部71の前面側において上方へ開口すると共に、当該平板部71の裏側に開口するよう構成されており、該アウト球受入れ部73の上方開口に受入れたアウト球を平板部71の裏側(アウト球通路80,81)へ誘導するようになっている。そして、前記中枠基体部30には、アウト球受入れ部73の形成位置に対応して上下および後方に開口する第2の切欠部30bが形成されており、中枠基体部30に球通路形成部材70を組み付けた際に、該第2の切欠部30bにアウト球受入れ部73が臨むよう構成されている。ここで、前記アウト球受入れ部73は、前記遊技盤20に形成された凹部28の下方開口の下方に位置するよう形成されており、前記アウト口24を通過して凹部28から遊技盤20の下方へ落下したアウト球がアウト球受入れ部73に流入するようになっている。なお、以下の説明では、前記アウト球受入れ部73の上方開口を、特にアウト球入口74と指称する場合がある。なお、図10等における符号Pはパチンコ球を示している。
【0039】
前記アウト球受入れ部73におけるアウト球入口74の横方向の開口幅は、前記アウト口24における横方向の開口幅(左右方向の開口幅)と略整合するようパチンコ球の直径2個分以上に設定されている。すなわち、前記アウト球受入れ部73の横方向の開口幅は、パチンコ球の直径2個分以上かつ3個分より小さく設定されて、前記アウト口24を介して並んだ状態で一度に排出される2個のパチンコ球をアウト球受入れ部73に受入れ得るよう構成されている。
【0040】
図6に示すように、前記アウト球受入れ部73におけるアウト球入口74には、1個のパチンコ球の通入を許容する複数の分岐入口74a,74bに区画する仕切部75が設けられており、アウト口24から排出されたパチンコ球を、仕切部75により区画された何れかの分岐入口74a,74bを介して1個ずつ受入れるようになっている。実施例では、前記アウト球入口74における横方向の中間位置に前記仕切部75が設けられており、横方向に隣接する2つの分岐入口74a,74bに区画するようになっている。すなわち、前記アウト口24から2個のパチンコ球が並んだ状態で一度に排出された場合に、前記仕切部75により区画された左右の分岐入口74a,74bに1個ずつアウト球が流入するよう構成されている。また、前記仕切部75は、前記アウト球受入れ部73の全長に亘って上下に延在するよう形成されて、該アウト球受入れ部73において左右に並んだ複数(実施例では2つ)の球通路形成部材70(以下、球受け通路76,77という)に分岐するようになっている。なお以下の説明では、図6において右側に位置する球受け通路を第1球受け通路76と指称し、左側に位置する球受け通路を第2球受け通路77と指称すると共に、該第1球受け通路76および第2球受け通路77に対応する分岐入口74a,74bの夫々を、第1分岐入口74aおよび第2分岐入口74bと指称する場合がある。ここで、前記第1球受け通路76および第2球受け通路77の夫々は、対応する第1分岐入口74aおよび第2分岐入口74bから離間するにつれて後方へ緩やかに湾曲した湾曲形状に形成されており、各分岐入口74a,74bに受入れたアウト球を、対応するアウト球通路80,81へ向けてスムーズに誘導し得るようになっている。また、実施例では、前記第1球受け通路76および第2球受け通路77の夫々の延在長は同じ長さに設定されている。
【0041】
また、前記仕切部75における第1球受け通路76および第2球受け通路77に臨む側面には、上流側から下流側に向かうにつれて対応する球受け通路76,77の内側に向けて変位する傾斜面75a,75aが形成されている(図8参照)。すなわち、前記アウト口24を通過したアウト球は、前記アウト球受入れ部73に流入する際に、前記仕切部75により相互に離間する方向へ誘導されるようになっている。このように、アウト球がアウト球受入れ部73の各分岐入口74a,74bに流入するタイミングで、アウト球を相互に離れるよう誘導することで、該アウト球受入れ部73のアウト球入口74(第1分岐入口74aおよび第2分岐入口74b)においてパチンコ球が密集するのを防止している。
【0042】
前記アウト球通路80,81は、図7、図8に示すように、前記アウト球受入れ部73に形成された分岐入口74a,74b毎に対応するよう前記平板部71の裏側に形成されている。すなわち、実施例の球通路形成部材70には、前記第1球受け通路76に連通する第1アウト球通路80と、前記第2球受け通路77に連通する第2アウト球通路81とが設けられている。なお、前記各アウト球通路80,81は、前記平板部71の裏側(パチンコ機10の後方)へ突出すると共に、1個のパチンコ球が通過可能な間隔で離間する一対の画壁82により後方へ開口するよう形成されており、前記球通路形成部材70の裏側に配設される前記設置ベース56により後方開口を閉塞することで、各アウト球通路80,81が画成されるようになっている。そして、前記球通路形成部材70における下端部において、前記第1アウト球通路80および第2アウト球通路81の夫々が下方へ開口するよう形成されて、各アウト球通路80,81を通過したアウト球が球通路形成部材70の下方へ個別に排出されるようになっている。すなわち、実施例のアウト球排出通路72には、各分岐入口74a,74b(球受け通路76,77)に対応するよう排出口80a,81aが複数設けられており、各分岐入口74a,74bから対応の排出口80a,81aまで完全に独立した球通路を形成するようになっている。そして、前記アウト球排出通路72の排出口80a,81aが設置枠台に設けた球回収設備に連通するようになっている。すなわち、実施例のアウト球排出通路72には、前記第1球受け通路76および第1アウト球通路80から構成された分岐通路と、第2球受け通路77および第2アウト球通路81から構成された分岐通路とが前記各分岐入口74a,74b毎に個別に連通するよう分離独立して形成されている。
【0043】
また、前記第1アウト球通路80は、図7、図8に示すように、前記第1球受け通路76との連通部から下流側に向かうにつれて左方向(第2アウト球通路81から離間する方向)へ延在する第1上流側傾斜通路80bと、該第1上流側傾斜通路80bの下流端に接続して右方向(第2アウト球通路81に近接する方向)へ延在するよう折返す第1下流側傾斜通路80cと、該第1下流側傾斜通路80cの下流端に接続して下方へ延在する第1下流端通路80dとから蛇行状に形成されている。一方、前記第2アウト球通路81は、第1アウト球通路80とは逆に、前記第2球受け通路77との連通部から下流側に向かうにつれて右方向(第1アウト球通路80から離間する方向)へ延在する第2上流側傾斜通路81bと、該第2上流側傾斜通路81bの下流端に接続して左方向(第1アウト球通路80に近接する方向)へ延在するよう折返す第2下流側傾斜通路81cと、該第2下流側傾斜通路81cの下流端に接続して下方へ延在する第2下流端通路81dとから蛇行状に形成されている。すなわち、前記第1アウト球通路80および第2アウト球通路81を蛇行状に形成することで、アウト口24から排出されてアウト球受入れ部73に受入れられたアウト球を減勢するようになっている。
【0044】
ここで、前記第1アウト球通路80の全長(第1球受け通路76との連通部から排出口80aまでの中心長さ)は、前記第2アウト球通路81の全長(第2球受け通路77との連通部から排出口81aまでの中心長さ)よりも長くなるよう設定されている。すなわち、前記アウト球通路80において、前記第1球受け通路76および第1アウト球通路80から構成された分岐通路と、第2球受け通路77および第2アウト球通路81から構成された分岐通路との長さが異なるよう形成されている。前記アウト球受入れ部73の第1分岐入口74aおよび第2分岐入口74bに同じようなタイミングで流入したアウト球を、延在長の異なる前記第1アウト球通路80および第2アウト球通路81を介して排出することで、各アウト球通路80,81からアウト球が排出されるタイミングをずらし得るようになっている。また、前記アウト球排出通路72には、第1アウト球通路80および第2アウト球通路81の経路途中に、アウト球を検出するアウト球検出センサ83,84(図8参照)が夫々設けられており、各アウト球通路80,81を通過するアウト球の数を個別に検出し得るよう構成されている。
【0045】
(セーフ球排出通路85について)
図7、図8、図10に示すように、前記セーフ球排出通路85は、前記球通路形成部材70における平板部71の裏側上部位置に設けられ、前記遊技盤20に配設された入賞装置26に入賞したセーフ球を受けるセーフ球受入れ部86と、該セーフ球受入れ部86に連通すると共に当該セーフ球受入れ部86に受入れたセーフ球を中枠基体部30(球通路形成部材70)の下端部まで案内して下方へ排出するセーフ球通路88とから構成されている。ここで、前記セーフ球受入れ部86は、前記球通路形成部材70における平板部71の裏面から後方へ突出すると共に左右方向へ延在する画壁87により上方へ開口するよう形成されており(図5、図7、図8参照)、前記入賞装置26に入賞して遊技盤20の下方へ排出されたセーフ球が落下するよう構成されている。なお、前記セーフ球受入れ部86は、前記遊技盤20からセーフ球が排出落下する領域の全体に位置するよう形成される。また、前記セーフ球受入れ部86は、前記セーフ球通路88との接続口86aに向けて下方傾斜するよう形成されており、該セーフ球受入れ部86に受入れたセーフ球をセーフ球通路88に誘導するようになっている。
【0046】
前記セーフ球通路88は、図7、図8に示すように、前記平板部71の裏側(パチンコ機10の後方)へ突出すると共に1個のパチンコ球が通過可能な間隔で離間する一対の画壁89により後方へ開口するよう形成されており、前記球通路形成部材70の裏側に配設される前記設置ベース56により後方開口を閉塞することで、セーフ球通路88が画成されるようになっている。そして、前記球通路形成部材70における下端部において、前記セーフ球通路88が下方へ開口するよう形成されて、該セーフ球通路88を通過したセーフ球が球通路形成部材70の下方へ排出されると共に、当該セーフ球排出通路85(セーフ球通路88)の排出口88aが設置枠台に設けた球回収設備に連通するようになっている。すなわち、実施例のセーフ球排出通路85は、前記アウト球排出通路72とは完全に独立した球通路として形成されており、遊技により発生したアウト球とセーフ球とを区別して球回収設備へ回収し得るようになっている。ここで、前記セーフ球通路88は、前記第1アウト球通路80に沿って蛇行する蛇行形状に形成されると共に、蛇行する第1アウト球通路80の外周側を画成する画壁82が、当該セーフ球通路88の内周側を画成する画壁89の一部を兼用するよう形成されている。
【0047】
(回収球排出通路90について)
前記回収球排出通路90は、前記設置ベース56に形成された球通路59の下流端部に接続すると共に、該設置ベース56の球通路59を通過した回収球を中枠基体部30(球通路形成部材70)の下端部まで案内して下方へ排出するよう形成される。具体的には、前記平板部71の裏側(パチンコ機10の後方)へ突出すると共に1個のパチンコ球が通過可能な間隔で離間する一対の画壁91により後方へ開口するよう回収球排出通路90が形成されており、前記球通路形成部材70の裏側に配設される前記設置ベース56により後方開口を閉塞することで、回収球排出通路90が画成されるようになっている。そして、前記球通路形成部材70における下端部において、前記回収球排出通路90が下方へ開口するよう形成されて、該回収球排出通路90を通過した回収球が球通路形成部材70の下方へ排出されると共に、当該回収球排出通路90の排出口90aが設置枠台に設けた球回収設備に連通するようになっている。すなわち、実施例の回収球排出通路90は、前記アウト球排出通路72とは完全に独立した球通路形成部材70として形成されており、遊技により発生したアウト球と、遊技とは関係なく回収される回収球とを区別して球回収設備へ回収し得るようになっている。
【0048】
ここで、前記回収球排出通路90は、部分的に前記第2アウト球通路81に沿って延在するよう形成されると共に、蛇行する第2アウト球通路81の外周側を画成する画壁82が、当該回収球排出通路90を画成する画壁91の一部を兼用するよう形成されている。また、前記回収球排出通路90には、回収球を検出する回収球検出センサ92(図8参照)が経路途中に設けられており、該回収球排出通路90を通過する回収球の数を検出し得るよう構成されている。そして、前記アウト球排出通路72、セーフ球排出通路85および回収球排出通路90の排出口80a,81a,88a,90aは、前記球通路形成部材70の下端部において左右に隣接するよう設けられて、中枠基体部30における1箇所に纏まった位置でパチンコ球(アウト球、セーフ球、回収球)が排出されるようになっており、遊技店側の球回収設備の構成を簡略化し得るようになっている。
【0049】
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0050】
前記パチンコ機10の前面側に設けられた前記操作ハンドル18を遊技者が回転操作すると、前記球送り装置19が作動して球受け皿17aに貯留されたパチンコ球が1球ずつ打球発射装置45における発射レール45aの発射待機位置に送られると共に、該発射待機位置に保持されたパチンコ球が打球杆45bにより打球されて、該発射レール45aに沿って遊技盤20の発射通路23へ向けて発射される。前記発射通路23内に発射されたパチンコ球は、前記外レール21に沿って前記遊技盤20に画成された遊技領域20a内に誘導されて、遊技釘等に接触して流下方向を変更しながら該遊技領域20a内を流下する。そして、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が前記入賞装置26に入賞することで、前記図柄表示装置25での図柄変動演出が開始されると共に、前記発射・払出し制御装置130に賞球払出し信号が入力され、前記球払出装置37が作動して所定数の賞球が払出される。また、遊技の開始時等に前記パチンコ機10の前面側に設けられた貸球操作ボタン17cを遊技者が押下した場合には、前記発射・払出し制御装置130に貸球払出し信号が入力され、前記球払出装置37が作動して所定数の貸球が払出される。そして、前記遊技盤20に設置された入賞装置26に入賞することなく最下部位置までパチンコ球が流下すると、当該最下部位置に設けられたアウト口24を介して遊技盤20の裏側にパチンコ球が排出される。
【0051】
ところで、パチンコ機10において操作ハンドル18を操作して遊技が実行されると、遊技盤20の遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球の多くは入賞装置26に入賞することなく最下部位置まで流下することから、当該遊技盤20に形成されたアウト口24に多くのパチンコ球が集まる。ここで、実施例では、前記遊技盤20のアウト口24の横方向の開口幅をパチンコ球の直径2個分以上に設定したことで、遊技領域20aの最下部位置まで流下したパチンコ球をアウト球として速やかに排出することができるから、単位時間当りのパチンコ球の発射球数を減らすことなく遊技を行うことができ、遊技の進行がスムーズになる。
【0052】
前記アウト口24から排出されたアウト球は、前記アウト球排出通路72を介してパチンコ機10の外部(下方)へ排出される。このとき、前記アウト球排出通路72におけるアウト球が流入するアウト球受入れ部73のアウト球入口74は、仕切部75によってパチンコ球1個の通入を許容する第1分岐入口74aおよび第2分岐入口74bに区画されると共に、該仕切部75の両側に各分岐入口74a,74bに対応する第1球受け通路76および第2球受け通路77が形成されているから、アウト口24から排出されたアウト球を1個ずつ個別に排出することができる。このように、アウト口24を通過したアウト球を複数の方向に分岐して流下させるようにしたので、一度に排出されるアウト球が密集することで球詰りが発生するのを抑制し得る。また、前記第1球受け通路76および第2球受け通路77には、第1アウト球通路80および第2アウト球通路81が個別に連通するよう構成されて、前記第1分岐入口74aおよび第2分岐入口74bに流入したアウト球が合流することなくパチンコ機10の外部に排出されるようになっている。このため、アウト口24を通過したパチンコ球がアウト球排出通路72の経路途中で球詰りすることはなく、確実に排出することができる。
【0053】
また、前記仕切部75における第1球受け通路76および第2球受け通路77に臨む側面は、上流側から下流側に向かうにつれて対応する球受け通路76,77の内側に向けて変位する傾斜面75a,75aが形成されている。このため、アウト口24を通過したアウト球をアウト球受入れ部73に受入れる際に、相互に離間する方向へ分岐して流下させ得るから、該アウト球受入れ部73のアウト球入口74(第1分岐入口74aおよび第2分岐入口74b)においてアウト球が密集するのを効果的に抑制することができ、球詰りの発生を防止することが可能となる。また、前記第1分岐入口74aおよび第2分岐入口74bは、対応の球受け通路76,77を介して個別に分離した第1アウト球通路80および第2アウト球通路81に接続し、該第1アウト球通路80および第2アウト球通路81の下流端部の排出口80a,81aから排出される。すなわち、アウト球排出通路72を介して排出されるアウト球が排出口80a,81aでの球詰りするのを効果的に防止することができる、また、アウト球排出通路72に設けた複数の排出口80a,81aからアウト球を分散して排出することで、該アウト球を回収する球回収設備の一箇所にアウト球が集中して当ることはなく、該球回収設備の損傷を抑制することにも繋がる。
【0054】
更に、前記第1アウト球通路80および第2アウト球通路81の夫々は、その延在長が異なるよう形成されているから、前記アウト球受入れ部73の第1分岐入口74aおよび第2分岐入口74bに同じようなタイミングでアウト球が流入したとしても、各アウト球通路80,81からアウト球が排出されるタイミングを適度にずらすことができる。このため、アウト球が第1アウト球通路80および第2アウト球通路81を通過して遊技店側の球回収設備へ流入する際に球詰りが発生することを防止できる。このように、アウト球が流入するアウト球入口74を仕切部75によって第1分岐入口74aおよび第2分岐入口74bに区画し、更に第1アウト球通路80および第2アウト球通路81の長さを異ならせることで、同じようなタイミングでアウト球が流入したとしても、各第1分岐入口74aおよび第2分岐入口74bに流入して排出されるまでの間にアウト球が球詰りを生ずるのを確実に防ぐことができるようになる。
【0055】
ところで、前記セーフ球は、遊技盤20から排出される前に入賞検出センサで検出されていることから、従来のパチンコ機の多くは遊技盤20からセーフ球が排出された時点でアウト球と区別することなくアウト球を排出する球排出通路を利用して遊技店側の球回収設備へ回収するよう構成されている。この場合には、セーフ球とアウト球が一度にアウト球排出通路72に流入することで球詰りの原因ともなり得る。ここで、実施例のパチンコ機10では、アウト球を排出するアウト球排出通路72とは別途独立したセーフ球排出通路85を形成してあるから、該アウト球排出通路72にセーフ球が流入することはない。このように、アウト球排出通路72とセーフ球排出通路85とを独立した通路として形成することで、アウト球排出通路72に流入するパチンコ球を少なくし得るので、球詰りの発生を抑えることができる。また、入賞装置26に入賞したセーフ球とアウト口24を通過したアウト球とをパチンコ機10から排出される最後まで区別することができる。従って、実施例のように前記第1アウト球通路80および第2アウト球通路81の夫々にアウト球を検出するアウト球検出センサ83,84を設けることで、アウト口24からアウト球として排出される数を測定することができ、パチンコ機10の稼働状況等を詳細に分析するデータとして利用することが可能となる。
【0056】
また同様に、前記球払出しユニット35に貯留されたパチンコ球を回収する際の回収球は、アウト球やセーフ球と同じく遊技店の球回収設備に回収されるパチンコ球であることから、従来のパチンコ機の多くは回収球をアウト球と区別することなくアウト球を排出する球排出通路を利用して遊技店側の球回収設備へ回収するよう構成されている。ここで、実施例のパチンコ機10では、アウト球を排出するアウト球排出通路72とは別途独立した回収球排出通路90を形成してあるから、該アウト球排出通路72に回収球が流入することはない。このように、回収球排出通路90を独立した通路として形成することで、該回収球排出通路90を通過した回収球をパチンコ機10から排出される最後まで区別することができる。従って、実施例のように前記回収球排出通路90に回収球を検出する回収球検出センサ92を設けることで、球払出しユニット35から回収球として排出されるパチンコ球の数を測定することができ、パチンコ機10の稼働状況等を詳細に分析するデータとして利用することが可能となる。
【0057】
また、前記アウト球排出通路72、セーフ球排出通路85および回収球排出通路90の排出口80a,81a,88a,90aは、前記球通路形成部材70の下端部において左右に隣接するよう設けられて、各通路72,85,90の排出口80a,81a,88a,90aからパチンコ球(アウト球、セーフ球、回収球)を分散して排出することで、回収されるパチンコ球が球回収設備の一箇所に集中して当ることはなく、該球回収設備の損傷を抑制することにも繋がる。また、中枠基体部30における1箇所に纏まった位置でパチンコ球(アウト球、セーフ球、回収球)が排出されることで、遊技店側の球回収設備の構成を簡略化することが可能になる。
【0058】
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず種々の変更が可能であり、その一例を以下に示す。
【0059】
(1) 実施例では、遊技盤に形成されるアウト口の横方向の開口幅を、遊技球2個分以上かつ3個分より小さく設定したが、これに限られるものではなく、遊技球3個分以上の開口幅に形成することもできる。同様に、アウト口の縦方向の開口幅も遊技球2個分以上に設定することも可能である。
(2) また、実施例では、アウト口に連通する球排出通路(アウト球排出通路)の入口(アウト球入口)を、仕切部によって2つの分岐入口に区画するようにしたが、これに限られるものではなく、前記アウト口の横方向の開口幅に合わせて遊技球1個の通入を許容する複数の分岐入口に区画するようにすればよい。例えば、アウト口の横方向の開口幅を遊技球3個分に設定した場合には、アウト口に連通する球排出通路(アウト球排出通路)の入口(アウト球入口)に仕切部を2つ設けて3つの分岐入口に区画するよう構成することで、各分岐入口に遊技球1個の通入を許容することができる。
(3) 実施例では、各分岐通路を独立した通路として構成したが、これに限られるものではなく、分岐通路が合流するよう構成してもよい。このように、分岐通路が合流するように形成しても、アウト口に連通する球排出通路(アウト球排出通路)の入口(アウト球入口)を仕切部で仕切ることで、当該入口での球詰りを防止することができる。また、アウト口に連通する球排出通路(アウト球排出通路)の全長の通路幅を、アウト口の横方向の開口幅以上となる寸法で形成し、球排出通路(アウト球排出通路)の入口(アウト球入口)だけを仕切部で仕切ることで、分岐通路を形成する形態であってもよい。
(4) 実施例では、各分岐通路の長さが異なるよう形成されたが、各分岐通路の長さを同じにすることも可能である。また、実施例では、各分岐通路が左右に蛇行するよう形成したが、これに限られるものではなく、上下に直線的に延在するよう形成してもよく、その他の形態であってもよい。
(5) 実施例では、入賞口に入賞した遊技球を機外に排出する球排出通路を、アウト口に連通する球排出通路とは独立して備えるようにしたが、入賞口に入賞した遊技球を機外に排出する球排出通路と、アウト口に連通する球排出通路とを途中で合流するようにしてもよい。同様に、球貯留部に貯留される遊技球を機外に排出する球排出通路を、アウト口に連通する球排出通路とは独立して備えるようにしたが、球貯留部に貯留される遊技球を機外に排出する球排出通路と、アウト口に連通する球排出通路とを途中で合流するようにしてもよい。更に、入賞口に入賞した遊技球を機外に排出する球排出通路と、アウト口に連通する球排出通路と、球貯留部に貯留される遊技球を機外に排出する球排出通路とを途中で合流させることもできる。
(6) 実施例では、アウト口に連通する球排出通路に遊技球検出用のセンサを設けたが、当該センサを省略することもできる。同様に、実施例では、球貯留部に貯留される遊技球を機外に排出する球排出通路に遊技球検出用のセンサを設けたが、当該センサを省略することもできる。
(7) 実施例では、賞球や貸球およびファール球を合流通路ユニットの球流下経路部において合流させるよう構成したが、これに限らず、賞球や貸球およびファール球の夫々が球受け皿に個別に連通するよう構成してもよい。また賞球や貸球、ファール球が同じ球受け皿に連通するよう構成したが、これに限られるものではなく、球受け皿を複数設けて球受け皿に案内されるようにしてもよい。
(8) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機等の遊技媒体として遊技球を用いる各種遊技機に採用し得る。
【0060】
また、実施例からは例えば以下の技術的思想を把握することが可能である。
請求項4に記載の遊技機に関し、
球貯留部(36)に貯留される遊技球を球受け皿(17a)に払出す球払出経路部(35)を備え、該球払出経路部(35)に設けた球抜き手段(39a)の作動によって球貯留部(36)から抜出される遊技球を機外に排出する第3の球排出通路(90)を、前記球排出通路(72)および第2の球排出通路(85)とは独立して備える。
このように、アウト口に通入した遊技球と、球貯留部から抜出される遊技球とを区別して排出することができる。
【符号の説明】
【0061】
20 遊技盤
20a 遊技領域
24 アウト口
26a 入賞口
72 アウト球排出通路(球排出通路)
74 アウト球入口(入口)
74a 第1分岐入口(分岐入口)
74b 第2分岐入口(分岐入口)
75 仕切部
75a 傾斜面
76 第1球受け通路(分岐通路)
77 第2球受け通路(分岐通路)
80 第1アウト球通路(分岐通路)
80a 排出口
81 第2アウト球通路(分岐通路)
81a 排出口
85 セーフ球排出通路(第2の球排出通路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域が前側に形成されると共に、該遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な入賞口を備えた遊技盤と、前記遊技盤に設けられて前記入賞口に入賞しなかった遊技球を遊技盤の裏側に排出するアウト口と、該アウト口から排出された遊技球を機外に排出案内する球排出通路とを備える遊技機において、
前記アウト口は、遊技球の直径2個分以上の開口幅で形成され、
前記アウト口に連通する前記球排出通路の入口は、前記アウト口の幅以上の寸法で形成されて、該球排出通路の入口に設けられた仕切部によって遊技球1個の通過を許容する複数の分岐入口に区画されると共に、該仕切部の両側に各分岐入口に対応する分岐通路が形成され、
前記仕切部における各分岐通路に臨む面に、上流側から下流側に向かうにつれて対応する分岐通路の内側に向けて変位する傾斜面が形成される
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記複数の分岐通路の長さが異なるように形成される請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記球排出通路の排出口は、前記複数の分岐通路に対応して複数設けられて、各分岐通路を通過した遊技球が対応の排出口から個別に排出されるよう構成された請求項1または2記載の遊技機。
【請求項4】
前記入賞口に入賞した遊技球を機外に排出する第2の球排出通路を、前記球排出通路とは独立して備える請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate