遊技機
【課題】球受け皿の満杯を検出する検出手段と、本体枠に対する開閉部材の開放を検出する検出手段とを共通化する。
【解決手段】遊技盤が配設される中枠13の前側に、該中枠13に対して開閉可能な前枠14を備え、入賞口への入賞を契機として払出されるパチンコ球を払出し球通路75を介して球受け皿17aに案内すると共に、遊技盤20の遊技領域20aへ向けて発射されて該遊技領域20aに到達しないパチンコ球をファール球通路80を介して球受け皿に案内するよう構成する。そして、払出し球通路75へのパチンコ球の滞留に対応して作動位置に変位する第1作動部92と、ファール球通路80に対するパチンコ球の滞留に対応して作動位置に変位する第2作動部93と、中枠13に対する前枠14の開放に対応して作動位置に変位する第3作動部110と、第1〜第3作動部92,93,110の作動位置への変位を検出する単一の検出手段98とを備えた。
【解決手段】遊技盤が配設される中枠13の前側に、該中枠13に対して開閉可能な前枠14を備え、入賞口への入賞を契機として払出されるパチンコ球を払出し球通路75を介して球受け皿17aに案内すると共に、遊技盤20の遊技領域20aへ向けて発射されて該遊技領域20aに到達しないパチンコ球をファール球通路80を介して球受け皿に案内するよう構成する。そして、払出し球通路75へのパチンコ球の滞留に対応して作動位置に変位する第1作動部92と、ファール球通路80に対するパチンコ球の滞留に対応して作動位置に変位する第2作動部93と、中枠13に対する前枠14の開放に対応して作動位置に変位する第3作動部110と、第1〜第3作動部92,93,110の作動位置への変位を検出する単一の検出手段98とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技盤が配設された本体枠の前側に、開閉部材を開閉可能に備えると共に、遊技球を貯留可能な球受け皿を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば遊技機の代表例の一つであるパチンコ機は、特許文献1に記載されるように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の設置枠台に固定される固定枠としての外枠と、該外枠に対して開閉可能に支持されて遊技盤を着脱可能に保持する本体枠としての中枠と、該中枠の前側に開閉可能に支持されてパチンコ機前面を装飾すると共に遊技盤を透視保護する装飾枠としての前枠とを基本的に備えている。この遊技盤には、各種入賞装置や図柄表示装置等が機種に応じて配設されており、パチンコ機(中枠)の前面側に設けられた球受け皿に貯留されたパチンコ球を、遊技盤の遊技領域に打ち出すことで所要の遊技が行われる。そして、遊技盤に配設された各種の入賞装置にパチンコ球が入賞することで、パチンコ機の裏側に配設された球払出装置により所定数のパチンコ球が前記球受け皿に賞球として払出されて、遊技者側に還元されるようになっている。
【0003】
ここで、パチンコ機には、前記遊技盤の遊技領域に打ち出されるパチンコ球を貯留する上球受け皿を備えると共に該上球受け皿の下方に下球受け皿を備えた上下球受け皿分離タイプのものや、前記上球受け皿に相当する球受け皿のみを備えた上下球受け皿一体タイプのものが広く知られている。例えば、特許文献2に記載されるように、上下球受け皿分離タイプのパチンコ機では、賞球等のパチンコ球が前記上球受け皿に供給されて、該上球受け皿の貯留許容量を超えると、前記中枠等に形成された球通路を介してパチンコ球が下球受け皿に誘導されるようになっている。そして、前記下球受け皿に付設された球抜き装置を遊技者が操作することで、下球受け皿に貯留されたパチンコ球を遊技店に備えられた球箱等に移し替えるようになっている。なお、上下球受け皿一体タイプのパチンコ機であっても基本的には同様の構成とされ、上球受け皿に相当する球受け皿に付設された球抜き装置を遊技者が操作することで、該球受け皿から球箱等に直接パチンコ球を移し替え得るよう構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−35349号公報
【特許文献2】特開平5−64675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、大当り時のように多数の賞球が短時間で払出された場合には、前記球受け皿が満杯になり、入りきらないパチンコ球が球通路内に次第に滞留することがある。ここで、球通路内にパチンコ球が滞留した状態で賞球等の払出しが行われると、球詰まり等の不具合が生ずる虞がある。このため、パチンコ球の滞留量を検出する満杯検出用の検出手段を設けて、パチンコ球が一定量を超えて滞留した際に、球払出装置の動作を停止するよう構成されている。また、パチンコ機は、前述のように前記前枠は各種入賞装置を備えた遊技盤を透視保護しており、該前枠を不正に開放して不正行為が行われる可能性があることから、該前枠の開放を検出する検出センサを設けて、該開放検出用の検出センサの検出時に球払出装置の動作を停止するよう構成されている。このように、球払出装置の動作停止という共通の動作を行なわせるために、前記球受け皿の満杯検出用の検出手段と、前記前枠の開放検出用の検出手段とが個別に配設されており、コストの増大を招来すると共に、検出手段の設置スペースが嵩む問題が指摘される。
【0006】
そこで本発明は、従来の技術に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、球受け皿の満杯を検出する検出手段と、本体枠に対する開閉部材の開放を検出する検出手段とを共通化し得る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
遊技盤(20)が配設される本体枠(13)と、前記本体枠(13)の前側に設けられて該本体枠(13)に対して開閉可能な開閉部材(14)と、前記遊技盤(20)の遊技領域(20a)へ向けて発射される遊技球を貯留する球受け皿(17a)と、前記遊技盤(20)に設けられた入賞口への入賞を契機として払出される遊技球を前記球受け皿(17a)に案内する賞球払出し通路(75)と、前記遊技盤(20)の遊技領域(20a)へ向けて発射されて該遊技領域(20a)に到達しない遊技球を前記球受け皿(17a)に案内するファール球回収通路(80)とを備えた遊技機において、
前記賞球払出し通路(75)への遊技球の滞留状態に対応した作動位置および該賞球払出し通路(75)を遊技球が通過可能な状態に対応した待機位置に変位する第1作動部(92)と、
前記ファール球回収通路(80)に対する遊技球の滞留状態に対応した作動位置および該ファール球回収通路(80)を遊技球が通過可能な状態に対応した待機位置に変位する第2作動部(93)と、
前記本体枠(13)に対する前記開閉部材(14)の開放状態に対応した作動位置および該本体枠(13)に対する開閉部材(14)の閉鎖状態に対応する待機位置に変位する第3作動部(110)と、
前記第1作動部(92)の待機位置から作動位置への変位、第2作動部(93)の待機位置から作動位置への変位および第3作動部(110)の待機位置から作動位置への変位を検出する単一の検出手段(98)とを備えたことを要旨とする。
このように、入賞口への入賞を契機として払出される遊技球(賞球)が賞球払出し通路に滞留するのに伴う第1作動部の作動位置への変位と、本体枠に対する開閉部材の開閉に応じた第3作動部の作動位置への変位とを、単一の検出手段で検出するようにしたことで、1つの検出手段で球受け皿の満杯と、本体枠に対する開閉部材の開放とを検出することができる。更に、前記検出手段は、遊技領域に到達しない遊技球(ファール球)がファール球回収通路に滞留するのに伴う第2作動部の作動位置への変位も検出するよう構成したことで、球受け皿に過剰な遊技球が滞留するのを防止し得る。
【0008】
請求項2に係る発明は、
前記第3作動部(110)は、前記第1作動部(92)および第2作動部(93)に対して作動位置および待機位置へ独立して変位し得るよう構成されたことを要旨とする。
このように、第1および第2作動部に対して開閉部材の開放検出用の第3作動部を独立して変位するよう構成することで、本体枠に対する開閉部材の開放を正確に検出することができる。
【0009】
請求項3に係る発明は、
前記第1〜第3作動部(92,93,110)の何れか1つが作動位置にある状態では、他の作動部の作動位置への変位が規制されることを要旨とする。
このように、前記第1〜第3作動部の何れか一つが作動位置にある状態で、他の作動部の作動位置への変位が規制されることで、該第1〜第3作動部が重複して検出されるのを防止できる。しかも、作動位置にあった作動部が待機位置へ変位することで、他の作動部が作動位置へ変位し得るから、第1〜第3作動部の状態を確実に検出手段で検出することができる。
【0010】
請求項4に係る発明は、
前記第1〜第3作動部(92,93,110)の夫々は、常には待機位置に保持されて、前記ファール球回収通路(80)への遊技球の滞留に伴って前記第1作動部(92)が作動位置に変位して前記検出手段(98)で検出され、前記ファール球回収通路(80)への遊技球の滞留に伴って前記第2作動部(93)が作動位置に変位して前記検出手段(98)で検出されると共に、前記開閉部材の開放に伴って前記第3作動部(110)が作動位置に変位して前記検出手段(98)で検出されるよう構成されたことを要旨とする。
このように、第1〜第3作動部の夫々を常には待機位置に保持し、賞球払出し通路への遊技球の滞留に伴って第1作動部が作動位置に変位し、ファール球回収通路への遊技球の滞留に伴って第2作動部が作動位置に変位すると共に、開閉部材の開放に伴って第3作動部が作動位置に変位するよう構成したことで、開閉部材の開放や球受け皿への遊技球の滞留といった現象を確実に検出することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る遊技機によれば、賞球払出し通路に遊技球が滞留した状態およびファール球回収通路に遊技球が滞留した状態の何れであっても球受け皿の満杯状態として検出し得ると共に、球受け皿の満杯を検出する検出手段と、本体枠に対する開閉部材の開放を検出する検出手段とを共通化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例に係るパチンコ機の斜視図である。
【図2】実施例に係るパチンコ機を前枠を開放した状態で示す斜視図である。
【図3】図2におけるX部の拡大図である。
【図4】実施例に係る中枠を背面から視た状態で示す斜視図であって、異常検出手段を取り付けた状態を示す。
【図5】実施例に係る中枠基体部から合流通路ユニットを分解すると供に、ファール球受け部の形成位置を拡大して示す斜視図である。
【図6】実施例におけるパチンコ機を連絡通路の形成位置で縦断して示す側断面図である。
【図7】実施例に係る合流通路ユニットの分解斜視図である。
【図8】実施例に係る合流通路ユニットのベース部を示す斜視図であって、異常検出手段を取り付けた状態を示す。
【図9】実施例に係る異常検出手段の分解斜視図であって、機構設置部および検出センサの関係を示す。
【図10】実施例に係る合流通路ユニットをカバー部を取り外した状態で示す平面図である。
【図11】実施例に係る開閉部材の分解斜視図である。
【図12】実施例に係る合流通路ユニットのベース部を示す平面図である。
【図13】(a)は図16のC−C線断面図であって、第1および第2作動部が待機位置にあると共に第3作動部が作動位置にある状態を示し、(b)は図17のD−D線断面図であって、第1および第2作動部が作動位置にあると共に第3作動部が待機位置にある状態を示す。
【図14】図10のA−A線断面図であって、第1作動部が待機位置にある状態を示す。
【図15】図10のA−A線断面図であって、第1作動部が作動位置にある状態を示す。
【図16】図10のB−B線断面図であって、第2作動部が待機位置で、開閉弁が閉鎖位置にある状態を示す。
【図17】図10のB−B線断面図であって、第2作動部が作動位置で、開閉弁が閉鎖位置にある状態を示す。
【図18】図10のB−B線断面図であって、第2作動部が作動位置で、開閉弁が開放位置にある状態を示す。
【図19】実施例に係る合流通路ユニットの第3作動部と中枠に対する前枠の開閉状態との関係を断面で示す説明図であって、(a)は中枠から前枠を取り外した状態を示し、(b)は中枠に対して前枠を閉鎖した状態を示す。
【図20】別実施例に係る異常検出手段の関係を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機10を例にして説明する。なお、以下の説明において、前・後、左・右とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側から見た状態において指称するものとする。
【実施例】
【0014】
(パチンコ機10の概略構成について)
実施例に係るパチンコ機10の概略構成は、図1または図2に示すように、遊技店に設けられた図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11と、該外枠11に対して着脱および開閉可能に枢支され、各種制御装置等の遊技機構成部品が設置される本体枠としての中枠13と、該中枠13に着脱交換可能に取り付けられて所要の遊技領域20aが画成された遊技盤20と、該中枠13の前面側に着脱および開閉可能に枢支されると共に遊技盤20を透視保護する装飾枠としての前枠14とを基本的に備えている。また、実施例のパチンコ機10では、パチンコ球を貯留可能な球受け皿17aとしての球皿部材17が前記前枠14に一体的に配設されており、前枠14の開閉動作に合わせて球皿部材17が開閉するよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記前枠14が中枠13の前側で開閉可能な開閉体として機能すると共に、該前枠14が球皿部材17としても機能している。そして、前記パチンコ機10の前面側(実施例では前枠14)における右下部位置には、パチンコ球の発射を制御する制御手段としての発射・払出し制御装置140(図4参照)に接続された操作ハンドル18が配設されており、遊技者による操作ハンドル18の回動操作により後述する球送り装置19および打球発射装置45(図2参照)が作動して、球受け皿17aに貯留されたパチンコ球が遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるよう構成されている。
【0015】
(遊技盤20について)
ここで、前記遊技盤20は、図2に示すように、円弧状に湾曲する外レール21および内レール22が盤面(前面)に配設されて、該内外レール21,22の内側に画成される遊技領域20a内に、図柄表示装置や入賞装置等の遊技用部品(何れも図示せず)が配置されている。また、前記遊技盤20の左側部に位置する外レール21および内レール22は、パチンコ球が通過可能な距離だけ離間した状態で遊技領域20aの径方向に重なるよう構成されて、前記打球発射装置45から発射されたパチンコ球を遊技領域20aへ案内する発射通路23を画成している。ここで、図3に示すように、前記発射通路23は、遊技盤20の下端左寄り位置で下方に開口すると共に、遊技盤20の左上部位置で遊技領域20a内に開口しており、前記打球発射装置45から発射されて発射通路23の下方開口から飛翔するパチンコ球が遊技領域20aの上部位置に打ち出されるようになっている。そして、前記遊技領域20aを流下する過程で入賞装置に入賞したパチンコ球を図示しない入賞検出センサが検出することで、前記中枠13に配設された賞球や貸球の払出しを制御する制御手段としての発射・払出し制御装置140に入賞検出信号が入力され、該入賞検出信号の入力に応じて発射・払出し制御装置140が後述する球払出装置37(図4または図6参照)を作動制御して所定数の賞球を払い出すようになっている。なお、実施例では、パチンコ球の発射を制御する制御手段と賞球や貸球の払出しを制御する制御手段とが単一の制御装置により構成されているが、これに限られない。また、以下の説明においては、前記発射通路23の下方開口を始端開口部23aと指称する。また、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内における最下部位置に、遊技盤20の裏側に連通するアウト口24が形成されており、前記入賞装置に入賞することなく遊技領域20aの最下部まで流下したパチンコ球がアウト口24を介して遊技盤20の外側に排出されるよう構成してある。
【0016】
(外枠11について)
前記外枠11は、図2に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されており、該外枠11の左上部位置および左下部位置に、当該外枠11と中枠13とを開閉可能に連結する外枠側ヒンジ部11aが取り付けられている。なお、実施例では、前記外枠11は上縁を構成する上外枠部12aと、下縁を構成する下外枠部12bと、左縁を構成する左外枠部(図示せず)と、右縁を構成する右外枠部12cとから基本的に構成されて、上下の外枠部12a,12bが木製の板部材で形成されると共に、左右の外枠部12cがアルミ等の金属部材で形成されている。また、前記下外枠部12bの前端部には、左右方向の全長に亘って上方へ延出する輿板12dが備えられており、上外枠部12aおよび左右の外枠部12cと、下外枠部12bの輿板12dとにより、前記中枠13が臨む前後に開口した開口部を画成するようになっている。なお、前記輿板12dの高さは、遊技店において別途準備される球箱の高さよりも大きな寸法に設定されて、前枠14に設けられた前記球皿部材17の下方に位置するように球箱を輿板12dの前側に設置し得るよう構成される。
【0017】
(前枠14について)
前記前枠14は、図1、図2に示すように、前記外枠11の開口形状に略整合する矩形状に形成された前枠基体部15に、前後に貫通する窓口15aが開口する枠状に形成されており、該前枠14を中枠13に対して閉鎖した状態で、前記遊技盤20に形成された遊技領域20a(図2参照)が窓口15aを介して前方に露出するよう構成されている。そして、前記前枠基体部15の裏面側には、前記窓口15aの開設位置に対応してガラス板等の透明な透視保護板が着脱可能に配設されており、パチンコ機10の前側から遊技盤20を視認可能な状態で透視保護している。なお、図2では、前記前枠14に取り付けられる透視保護板を省略して示してある。また、前記前枠14(前枠基体部15)の左上部位置および左下部位置には、当該前枠14を中枠13に対して開閉可能に連結する前枠側ヒンジ部14aが設けられており、該前枠14を中枠13に対して閉鎖した際に、中枠13の前面全体が前枠14で被覆されるよう構成されている。
【0018】
前記前枠14(前枠基体部15)の前面側には、図1、図2に示すように、上方へ開口する球受け皿17aを備えた前記球皿部材17が前記窓口15aの下方位置に取り付けられており、該球受け皿17a内に所定数のパチンコ球を一時的に貯留し得るようになっている。そして、前記前枠14(前枠基体部15)の後面側に、前記発射・払出し制御装置140に接続する球送り装置19が前記球受け皿17aの下流端部に連通するよう設置されており、前記操作ハンドル18の回動操作に基づいて球送り装置19が作動して球受け皿17aに貯留されたパチンコ球を1球ずつ打球発射装置45に送出すよう構成されている。なお、実施例では、前記前枠14(前枠基体部15)における球皿部材17の右側方に、前記操作ハンドル18が設置されている。また、前記前枠14(前枠基体部15)には、球受け皿17aの左端部側で開口する給出口16が前後に貫通するよう開設されている。この給出口16は、前記前枠14を中枠13に対して閉鎖した状態で、中枠13に形成された後述の連絡通路55に連通接続するよう構成され、該連絡通路55を介してパチンコ球(賞球や貸球、ファール球)が球受け皿17aへ給出されるようになっている。
【0019】
また、実施例に係る前記球皿部材17には、前記球受け皿17aの内部(例えば底面)で開口すると共に該球皿部材17の下面に開口する球抜き路(図示せず)が形成されている。前記球抜き路の球受け皿17a側の開口は、前記球皿部材17に配設された球抜き操作ボタン17b(図1参照)の操作に応じて開閉するシャッタ部材(図示せず)により閉鎖されており、該球抜き操作ボタン17bを操作してシャッタ部材を開閉動作させることで、球受け皿17aに貯留されたパチンコ球を球皿部材17の下方に設置した球箱に直接抜き出し得るようになっている。このように、実施例のパチンコ機10は、パチンコ球を貯留する球受け皿17aを前面側に1つだけ備えた所謂「一枚皿タイプ」のパチンコ機10として構成されている。また、前記球皿部材17の上面には、貸球操作ボタン17cが上面に設けられており、該貸球操作ボタン17cを遊技者が押下することで、前記発射・払出し制御装置140に貸球払出し信号が入力され、前記中枠13に設けられた球払出装置37が作動されて所定数の貸球が球受け皿17aに払い出されるようになっている。なお、前記前枠基体部15の前面には、前記窓口15aの周囲を囲繞するよう各種の装飾部材15bやランプ装置等が配設されて、パチンコ機10の前面を装飾している。
【0020】
(中枠13について)
前記中枠13は、図2に示すように、前記外枠11の開口形状に略整合すると共に上方側に偏った位置で前後に開口する矩形枠状に形成されており、該中枠13の左上部位置および右下部位置に、当該中枠13と外枠11とを開閉可能に連結すると共に中枠13と前枠14とを開閉可能に連結する中枠側ヒンジ部13aが設けられている。すなわち、前記中枠13は、前記外枠側ヒンジ部11aと中枠側ヒンジ部13aとを連結することで、中枠13の左側部が外枠11に対して開閉可能に枢支され、中枠側ヒンジ部13aと前枠側ヒンジ部14aとを連結することで、中枠13および前枠14の左側部が相対的に開閉可能に枢支されるようになっている。また、実施例における外枠11、中枠13および前枠14の夫々は、各ヒンジ部11a,13a,14aに相対的に設けられた支持軸および軸孔の軸支構造により開閉可能に連結されるようになっている。
【0021】
ここで、前記中枠13は、図4に示すように、前記遊技機構成部品が設置される設置部として機能する中枠基体部30と、中枠基体部30の左右側部に設けられて中枠13の左右側縁をなす左右の中枠部32,33と、該左右の中枠部32,33の上端部に設けられて中枠13の上縁をなす上中枠部31とから構成されて、これら各部材30〜33を組み付けた際に、全体が前記外枠11の開口形状に整合する大きさの枠体状に形成される。そして、前記中枠基体部30と各中枠部31〜33とを組み付けた際に画成される開口部(以下、遊技盤設置部40という)の開口内側に、前記遊技盤20が着脱可能に設置されている。なお、前記中枠13を構成する中枠基体部30と各中枠部31〜33は独立した部材である必要はなく、中枠基体部30および各中枠部31〜33の内の複数または全てを樹脂等で一体成形することも可能である。
【0022】
また、図4に示すように、前記中枠13の裏側上方位置には、遊技店に設けられた図示しない球供給設備から供給されるパチンコ球を貯留する球タンク41が配置されると共に、該球タンク41に貯留されたパチンコ球を所定列数に整列して流下させるタンクレール42が設けられている。前記中枠13の裏側には、前記遊技盤設置部40の下方に、前記球受け皿17aに連通する合流通路ユニット60(図4、図5参照)が設けられており、前記球タンク41およびタンクレール42の下方に離間して合流通路ユニット60が配置されている。そして、前記タンクレール42および合流通路ユニット60に架け渡された球払出しユニット35を介して、該タンクレール42と合流通路ユニット60とを連通接続するよう構成されて、球タンク41に貯留されたパチンコ球がタンクレール42、球払出しユニット35および合流通路ユニット60を介して球受け皿17aに供給されるようになっている。
【0023】
ここで、前記球払出しユニット35は、図4、図6に示すように、前記タンクレール42に連通される上流側通路36と、前記合流通路ユニット60に連通される下流側通路38と、該上流側通路36の下流端および下流側通路38の上流端を連通して、前記発射・払出し制御装置140からの制御信号に基づいて作動する球払出装置37とを備えている。すなわち、前記球払出装置37が停止した状態においては前記設置枠台に設けた球供給設備から前記球タンク41に供給されたパチンコ球が前記上流側通路36に充填された状態で貯留され、前記発射・払出し制御装置140からの賞球または貸球の払出し信号に基づいて作動した球払出装置37により、該上流側通路36に貯留されたパチンコ球が下流側通路38に案内されることで、最終的に賞球または貸球として前記球受け皿17aに給出されるよう構成されている。なお、前記上流側通路36の下流端には、パチンコ機10の外部に設けられた球回収設備へパチンコ球を回収する球抜き通路39が分岐するよう設けられており(図6参照)、該分岐位置に設けた球抜き弁39aを開放することで、上流側通路36のパチンコ球が球抜き通路39を介して回収されるようになっている。
【0024】
(中枠基体部30について)
前記中枠基体部30の前面には、図2〜図3に示すように、前記遊技盤設置部40に設置された遊技盤20の盤面(前面)と略同一平面上に位置する発射装置設置部43が形成されており、前記操作ハンドル18の操作により作動してパチンコ球を前記発射通路23に向けて発射する打球発射装置45が発射装置設置部43に設置されている。前記打球発射装置45は、前記発射通路23の始端開口部23aを指向する傾斜姿勢で発射装置設置部43に設置されると共に前記球送り装置19から送出されるパチンコ球を発射待機位置に保持する発射レール45aと、操作ハンドル18の操作に応じて作動され、発射レール45aにおける発射待機位置に保持されたパチンコ球を打球する打球杆45bとを備えており、打球杆45bにより打球されたパチンコ球が発射レール45aに沿って発射通路23へ向けて発射されるようになっている。また、前記中枠基体部30の上端部には、前記発射レール45aの延長線上に、前記発射通路23の始端開口部23aに開口する発射口44が設けられており、前記発射レール45aに沿って発射されたパチンコ球が発射口44を介して発射通路23へ移動し得るよう構成されている。そして、前記発射通路23に発射されたパチンコ球が、前記外レール21に沿って遊技領域20aへ向けて案内される。
【0025】
また、前記中枠基体部30には、図3に示すように、前記前枠14を中枠13に対して閉鎖した状態で前記給出口16と対応する位置に、中枠基体部30の前後に貫通する連絡通路55が設けられて、該前枠14を中枠13に対して閉鎖することで連絡通路55の前方開口(球出口)に給出口16が連通接続するよう構成されている。前記連絡通路55の後方開口(球入口)には、前記合流通路ユニット60の球流下経路部65,75,80が連通接続するよう構成されており、該合流通路ユニット60の球流下経路部65,75,80に到来したパチンコ球(賞球や貸球、ファール球)が連絡通路55および給出口16を介して球受け皿17aに案内されるようになっている(図6参照)。なお、前記連絡通路55は、前記中枠基体部30の左端部近傍に位置するよう形成されている。
【0026】
また、前記中枠基体部30には、前記連絡通路55の球出口に、該連絡通路55をパチンコ球が通過不能な通過規制位置および当該連絡通路55をパチンコ球が通過可能な通過許容位置に回転変位可能な球止め部材56が配設されている。前記球止め部材56は、バネ等の付勢手段57により前記通過規制位置へ向けて常時付勢されており、前記中枠13に対して前枠14を開放して前記給出口16と連絡通路55とが分離した状態において、前記連絡通路55からパチンコ球が前方へ零れ落ちるのを防止するよう構成されている。また、前記中枠13に対して前枠14を閉鎖した状態では、前記前枠14の給出口16の開口縁に形成された押圧部16aが球止め部材56の作動片58を押圧することで、該球止め部材56を通過規制位置から通過許容位置へ強制変位させるよう構成されており、前記連絡通路55から球受け皿17aへパチンコ球が移動し得るようになっている。なお、図3では、球止め部材56を通過許容位置へ変位させた状態を示している。
【0027】
また、前記中枠基体部30には、図3に示すように、前記発射通路23に飛翔したパチンコ球の内で、前記遊技領域20aまで到達する勢いがなく発射通路23を逆流したパチンコ球(所謂ファール球)を回収するファール球受け部50が設けられている。前記ファール球受け部50は、前記中枠基体部30の上面(遊技盤20保持部側)で上方開口する受入れ口51と、該中枠基体部30の後面で後方開口する排出口52とを備え、該受入れ口51から排出口52へ向けて下方傾斜する皿状に形成されている。すなわち、前記ファール球受け部50の受入れ口51に流入したパチンコ球は、前記排出口52に誘導されて中枠基体部30の裏側へ排出されるようになっている。また、前記ファール球受け部50の排出口52は、後述するように前記合流通路ユニット60の球流下経路部65,75,80に連通接続しており、ファール球受け部50に受入れたファール球が合流通路ユニット60を介して球受け皿17aに回収されるようになっている。
【0028】
ここで、前記ファール球受け部50の受入れ口51は、図3に示すように、前記発射通路23の始端開口部23a内で開口するよう構成されており、該発射通路23を逆流したファール球がファール球受け部50に流入するよう構成されている。より具体的には、前記ファール球受け部50の受入れ口51が前記発射通路23を画成する外レール21の下端部で開口するよう前記中枠基体部30に設けられている。すなわち、前記中枠基体部30には、前記発射通路23の始端開口部23aにおいて、前記打球発射装置45により発射されたパチンコ球が通過する発射口44よりも外側(外レール21側)に前記ファール球受け部50が発射口44に隣接して設けられており、前記外レール21に沿って流下するファール球が発射口44側に戻ることなくファール球受け部50の受入れ口51に流入するようになっている。
【0029】
(合流通路ユニット60について)
次に、前記合流通路ユニット60の構成について説明する。図7に示すように、前記合流通路ユニット60は、ユニット本体としての本体部61と、該本体部61に形成されてパチンコ球が流下する球流下経路部65,75,80と、該球流下経路部65,75,80でのパチンコ球の滞留を検出する異常検出手段90とを備えており、前記中枠13(中枠基体部30)の裏側に本体部61がネジ等で固定されるようになっている。ここで、実施例の本体部61は、上方開口する箱状に形成されると共に前記球流下経路部65,75,80が画成されるベース部62と、該ベース部62に取り付けられて当該ベース部62(球流下経路部65,75,80)の上方開口を塞ぐカバー部63と、前記異常検出手段90が設置される機構設置部64とから構成されて、ベース部62に対してカバー部63および機構設置部64を取り付けた全体で、前記連絡通路55の球入口およびファール球受け部50の排出口52を塞ぐ大きさの箱状に形成されている。なお、前記合流通路ユニット60(本体部61)の上面および外側面は補強板60aで被覆されており、該合流通路ユニット60の剛性を高めている。
【0030】
また、前記合流通路ユニット60の本体部61には、前記連絡通路55の球入口およびファール球受け部50の排出口52と対応する位置に、前記球流下経路部65,75,80に開口する連通口61a,61bが夫々前方開口するよう開設されており、球流下経路部65,75,80から連絡通路55へのパチンコ球の移動を可能にすると共に、ファール球受け部50から球流下経路部65,75,80へのパチンコ球(ファール球)の移動を可能にしている。なお、以下の説明では、連絡通路55の球入口に連通する連通口を第1連通口61aと指称し、ファール球受け部50の排出口52に連通する連通口を第2連通口61bと指称する。すなわち、実施例では、第1連通口61aの右側方に第2連通口61bが位置するよう前記本体部61に各連通口61a,61bが形成されている。
【0031】
ここで、前記合流通路ユニット60に形成される前記球流下経路部65,75,80は、図7〜図8、図12に示すように、前記連絡通路55に連通する球貯留部(合流部)65と、前記球払出しユニット35の下流側通路38に連通すると共に球貯留部65に連通する払出し球通路75と、前記ファール球受け部50に連通すると共に球貯留部65に連通するファール球通路80とが設けられており、該合流通路ユニット60を介して下流側通路38およびファール球受け部50の夫々が連絡通路55(球受け皿17a)に連通するようになっている。すなわち、前記球払出装置37の作動により払出された賞球や貸球は、前記下流側通路38および払出し球通路75を介して球貯留部65に一旦移動した後に、前記球受け皿17aへ給出されると共に、前記打球発射装置45の発射に伴い発生したファール球は、前記ファール球受け部50およびファール球通路80を介して球貯留部65に一旦移動した後に、球受け皿17aへ回収されるようになっている。このように、実施例のパチンコ機10では、前記合流通路ユニット60の払出し球通路75が前記賞球を前記球受け皿17aへ案内する賞球払出し通路の一部を構成し、該合流通路ユニット60のファール球通路80が前記ファール球を前記球受け皿17aに案内するファール球回収通路の一部を構成しており、賞球や貸球として遊技者に払出されるパチンコ球が通過する経路と、発射不良に伴いファール球として回収されるパチンコ球が通過する経路とが球貯留部65において合流するようになっている。
【0032】
(球貯留部65について)
前記球貯留部65は、図5、図8に示すように、前記第1連通口61aを介して前記本体部61の前方へ開口するよう構成されており、前記合流通路ユニット60を中枠13(中枠基体部30)に取り付けた際に、該球貯留部65の第1連通口61aが前記連絡通路55の球入口に連通するようになっている。そして、前記球貯留部65の底面68は前方(第1連通口61a)へ向けて一様に下方傾斜するよう形成されており、該球貯留部65にあるパチンコ球を連絡通路55へ向けて転動させるよう構成されている。ここで、前記球貯留部65は、一定量のパチンコ球(例えば200〜300球程度)を貯留し得る容積の空間を画成しており、前記球受け皿17aが満杯になって受入れ不能なパチンコ球を、該球貯留部65に一時的に貯留し得るよう構成されている。
【0033】
前記球貯留部65の右側面を画成する右内側壁66には、図8、図10、図12に示すように、該球貯留部65に開口する第1接続口69および第2接続口70が前後に離間する位置に形成されており、該第1接続口69および第2接続口70に対応して前記払出し球通路75およびファール球通路80の夫々が個別に連通するようになっている。ここで、実施例では、前記球貯留部65の内部後方側(奥側)に位置する第1接続口69に、前記払出し球通路75が連通接続し、該球貯留部65の内部前方側(手前側)に位置する第2接続口70(ファール球通路80の球出口)に、前記ファール球通路80が連通接続するよう構成されている。すなわち、実施例では、前記ファール球通路80は、前記払出し球通路75よりも前記球貯留部65が球受け皿17aに連通する第1連通口61aに近接位置するよう設けられている。そして、第1接続口69が払出し球通路75の球出口として機能すると共に、第2接続口70がファール球通路80の球出口として機能している。
【0034】
また、前記球貯留部65の左側面を画成する左内側壁67は、図8、図10、図12に示すように、前記第1連通口61aに繋がる前端部から前記第1接続口69に対向する球貯留部65の後端部へ向かうにつれて、前記右内側壁66側に近接する湾曲面状に形成されている。これにより、前記第1接続口69または第2接続口70を介して球貯留部65に流入して左内側壁67側へ移動したパチンコ球(賞球や貸球、ファール球)を速やかに第1連通口61aへ誘導し得るようになっている。また、前記球貯留部65の底面68には、前記第1接続口69に対向する左内側壁67側に、該球貯留部65内に突出する膨出部68aが形成されており、該第1接続口69(払出し球通路75)を介して球貯留部65に流入したパチンコ球(賞球や貸球)の転動方向が速やかに第1連通口61aへ向くよう誘導している。すなわち、賞球や貸球の払出しが遅れて球受け皿17a内のパチンコ球がなくなるのを防止している。ここで、前記球貯留部65の底面68からの膨出部68aの突出高さは、該底面68から膨出部68a上にパチンコ球が乗り上げ可能な程度(例えばパチンコ球の直径の1/10〜1/3程度)に設定されており、該球貯留部65に貯留可能なパチンコ球数を減らすことなく、パチンコ球の転動方向を第1連通口61aへ誘導し得るようにしてある。なお、前記膨出部68aの周縁部は、円弧状に面取りされており、該膨出部68aへパチンコ球が容易に乗り上げ得るようにしてある。
【0035】
ここで、図8、図14等に示すように、前記球貯留部65の底面68は、前記払出し球通路75(後述する前方通路77)の底面75aよりも下方に位置するよう構成されている。また、前記球貯留部65の底面68には、前記払出し球通路75の合流位置(第1接続口69の直下流位置)に、上下に貫通する第1挿入孔71が開設されており、前記異常検出手段90における後述する第1作動部92が第1挿入孔71を介して球貯留部65内に突出するよう構成されている。すなわち、前記球貯留部65にパチンコ球が滞留した状態で前記払出し球通路75(前方通路77)を介して球貯留部65にパチンコ球(賞球や貸球)が流入するのに伴い、前記第1作動部92上にパチンコ球が滞留して作動するよう構成されている。
【0036】
また、前記第1挿入孔71の開口縁部には、図8、図14に示すように、球貯留部65の内部へ突出する規制壁72が形成されており、該球貯留部65に貯留可能なパチンコ球数を確保すると共に、第1挿入孔71を介して球貯留部65内に突出する前記第1作動部92の側面に、球貯留部65内に滞留したパチンコ球の圧力が掛かるのを抑制して、該第1作動部92の作動不良を防止している。なお、実施例では、前記球貯留部65の底面68からの規制壁72の突出高さは、パチンコ球の直径と同程度に設定されており、該球貯留部65の底面68上にあるパチンコ球が規制壁72に乗り上げるのを規制することにより、当該球貯留部65に積み重なるよう貯留されたパチンコ球の最下段にあるパチンコ球が第1作動部92に直接接触しないよう構成されている。
【0037】
(払出し球通路75について)
図8、図10、図12に示すように、前記払出し球通路75は、前記本体部61の後端部に形成されて前記球払出しユニット35の下流側通路38に連通する後方通路76と、該後方通路76を前記第1接続口69に接続させる前方通路77とから構成されている。ここで、前記後方通路76は、前記球払出しユニット35の下流側通路38の延在方向(実施例では図10において左から右方向)へ下方傾斜すると共に、該後方通路76の通路幅を1個のパチンコ球が一列で通過可能な寸法に設定されており、球払出しユニット35(下流側通路38)から合流通路ユニット60(払出し球通路75)に流入するパチンコ球(賞球や貸球)を、球詰まりすることなくそのままスムーズに流下させ得るようになっている。
【0038】
また、前記払出し球通路75の前方通路77は、前記後方通路76の下流端部(右端部)に連通すると共に当該後方通路76の前方側に重なるよう位置して、左方向へ下方傾斜する折返し形状に形成されている。ここで、前記前方通路77の通路幅は、複数個(実施例では2個)のパチンコ球が並んで通過可能な寸法に設定されており、払出し球通路75における折返し後の通路幅を拡大させることで、一度に多数払出されるパチンコ球(賞球や貸球)を速やかに球貯留部65へ案内し得るようになっている。なお、前記第1作動部92は、前記前方通路77の全幅に亘って臨むよう構成されており、払出し球通路75を通過したパチンコ球(賞球や貸球)の全てが第1作動部92上に移動するようになっている。また、前記払出し球通路75における後方通路76と前方通路77との接続部(すなわち払出し球通路75の折返し部)は、複数(実施例では2個)のパチンコ球が並んで通過可能な寸法に設定され、該後方通路76から前方通路77に流入するパチンコ球(賞球や貸球)の球詰まりを防止している。更に、前記払出し球通路75の折返し部は、前記後方通路76より前方通路77が下方に位置する段差状に形成されており(図8参照)、該折返し部で停留することなくパチンコ球(賞球や貸球)が後方通路76から前方通路77へスムーズに流下し得るようになっている。
【0039】
(ファール球通路80について)
前記ファール球通路80は、図8、図10、図12に示すように、前記第2連通口61bから第2接続口70へ向けて緩やかに屈曲するよう構成されており、前記合流通路ユニット60を中枠13(中枠基体部30)に取り付けた際に、該ファール球通路80の第2連通口61bが前記ファール球受け部50の排出口52に連通するようになっている。すなわち、前記ファール球通路80の後面を画成する後壁82は、前記第2連通口61bの右側開口縁から第2接続口70の後側開口縁に向かうにつれて緩やかに湾曲した曲面形状に形成されると共に、該ファール球通路80の前面を画成する前壁83は、第2連通口61bの左側開口縁から第2接続口70の前側開口縁に向かうにつれて緩やかに湾曲した曲面形状に形成されて、ファール球受け部50の排出口52から第2連通口61bを介してファール球通路80に流入するパチンコ球(ファール球)をスムーズに球貯留部65へ案内するよう構成されている。ここで、ファール球通路80の通路幅は、複数(実施例では2個)のパチンコ球が並んで流下可能な寸法に設定されており、前記ファール球受け部50からファール球通路80に流入するパチンコ球(ファール球)の球詰まりを防止しつつ、速やかに球貯留部65まで案内し得るようになっている。
【0040】
また、前記ファール球通路80における前記第2連通口61bの下縁部に連なる底面81には、図12に示すように、前記第2接続口70の直上流位置(球貯留部65との合流位置)に、上下および後方に貫通する第2挿入孔84が開設されており、前記異常検出手段90における後述する第2作動部93が第2挿入孔84を介して球貯留部65内に臨んでいる。すなわち、前記ファール球受け部50を介して流入するパチンコ球(ファール球)が前記ファール球通路80に滞留するのに伴い第2作動部93が作動し得るよう構成されている。ここで、前記第2挿入孔84は、前記ファール球通路80の下流端部において後方側(球貯留部65の奥側)に偏った位置に設けられており、該ファール球通路80の後壁82に沿って流下するパチンコ球(ファール球)が第2作動部93へ誘導されるようになっている。ここで、前記ファール球通路80の底面81は、前記後壁82に連設すると共に前記第2連通口61bから前記第2挿入孔84(第2作動部93)へ向けて連続して下方傾斜する後方傾斜面81aと、該後方傾斜面81aの前側に位置して前記前壁83に連設すると共に後側(後方傾斜面81a側)へ向けて下方傾斜する前方傾斜面81bとから構成されており、前記ファール球受け部50からファール球通路80に流入するパチンコ球(ファール球)を、後方傾斜面81aに沿って転動させて第2作動部93へ誘導するようになっている。
【0041】
更に、前記ファール球通路80における前記第2作動部93の下流側には、該ファール球通路80の底面81より所定高さだけ下がった段差部86が形成されており、該段差部86に前記第2接続口70が連通するようになっている。すなわち、前記ファール球通路80の底面81は、前記球貯留部65の底面68より上方に位置している。なお、実施例では、前記球貯留部65の底面68からの段差部86の高さは、パチンコ球の直径と同程度に設定してある。また、前記ファール球通路80の前壁83および後壁82には、前記第2挿入孔84(第2作動部93)と対応する位置に、後述する開閉部材100の揺動を規制する開放規制部85が設けられている。
【0042】
(異常検出手段90について)
次に、前記異常検出手段90について説明する。図7、図9に示すように、前記異常検出手段90は、前記払出し球通路75へのパチンコ球の滞留状態に対応した作動位置(図13(b)、図15、図17、図18参照)および該払出し球通路75をパチンコ球が通過可能な状態に対応した待機位置に変位する第1作動部92と、前記ファール球通路80へのパチンコ球の滞留状態に対応した作動位置および該ファール球通路80をパチンコ球が通過可能な状態に対応した待機位置に変位する第2作動部93と、中枠13に対する前記開閉部材としての前枠14の開放状態に対応した作動位置および該中枠13に対する前枠14の閉鎖状態に対応する待機位置に変位する第3作動部110と、第1〜第3作動部92,93,110の何れかの作動位置への変位を検出して検出状態に切り替わる検出手段としての検出センサ98とから基本的に構成されている。ここで、実施例の第1作動部92および第2作動部93は、前記機構設置部64に揺動自在に枢支される揺動部材91に一体的に設けられており、第1作動部92および第2作動部93の何れか一方の作動部92,93が作動位置へ変位するのに伴い他方の作動部92,93も作動位置に変位するよう構成されている。
【0043】
前記揺動部材91は、図9、図13、図14に示すように、前記第1作動部92の側縁部(図9の右側縁部)から延出片94が前方へ延出すると共に、該延出片94の前端部に、前記第2作動部93が形成されており、前記ベース部62と機構設置部64とを組み付けた際に、前記球貯留部65に形成された前記第1挿入孔71に第1作動部92が下方から挿入されると共に、前記ファール球通路80に形成された前記第2挿入孔84に第2作動部93が後方から挿入されるようになっている。また、前記揺動部材91の後端部には、左右方向に延在する軸孔91aが形成されており、該軸孔91aに挿通された揺動軸95を前記機構設置部64に枢支することで、揺動部材91が上下方向に揺動変位し得るよう機構設置部64に取り付けられている。そして、前記揺動軸95に付勢手段96としての捻りバネが介装されており、前記揺動部材91を上方(第1作動部92および第2作動部93が対応の第1挿入孔71および第2挿入孔84から上方へ突出する方向)へ向けて付勢するよう構成されている。
【0044】
ここで、前記揺動部材91には、前記第1作動部92の前端部に係合フック91bが形成されており、該係合フック91bが前記第1挿入孔71の開口下端縁に係合することで、揺動部材91の上方への揺動変位が規制されるようになっている(図14参照)。また、前記揺動部材91の下方への揺動変位は、該揺動部材91(第2作動部93)の前端下部が機構設置部64に接触することで規制されるよう構成されている。すなわち、前記揺動部材91(第1作動部92および第2作動部93)は、前記係合フック91bが第1挿入孔71の開口下端縁に係合する状態と、揺動部材91(第2作動部93)の前端下部が機構設置部64に接触する状態の範囲で揺動し得るようになっている。以下の説明では、前記捻りバネの付勢に伴い前記揺動部材91が上方へ揺動した状態における前記第1作動部92および第2作動部93の位置を待機位置と指称し(図13(a)、図14、図16参照)、該捻りバネの付勢に抗して揺動部材91が下方へ揺動した状態における第1作動部92および第2作動部93の位置を作動位置と指称するものとする(図13(b)、図15、図17、図18参照)。なお、図15等における符号Pはパチンコ球を示している。
【0045】
(第1作動部92について)
前記第1作動部92は、図8、図10、図14に示すように、前記第1挿入孔71の開口形状に略整合する形状に形成されており、前記払出し球通路75を通過したパチンコ球が第1挿入孔71から機構設置部64側に落下するのを防止している。ここで、前記第1作動部92が待機位置にある状態では、前記払出し球通路75(前方通路77)の底面75aと第1作動部92の上面92aとが同一面上に位置するか、或いは該払出し球通路75(前方通路77)の底面75aより第1作動部92の上面92aが下方に位置するよう構成されており、該払出し球通路75(前方通路77)を通過したパチンコ球が第1作動部92上に移動し得るようになっている。なお実施例では、前記第1作動部92が待機位置にある状態では、前記払出し球通路75(前方通路77)の底面75aより第1作動部92の上面92aが下方に位置している。また、前記第1作動部92が作動位置にある状態では、前記球貯留部65に形成された規制壁72の上端部より第1作動部92の上面92aが上方に位置するよう構成されており、該第1作動部92の上面92a上にあるパチンコ球の動きが規制壁72で制限されないようになっている。
【0046】
そして、前記第1作動部92上にパチンコ球(賞球や貸球)が乗ると、パチンコ球の重みによって前記揺動部材91が揺動して第1作動部92が待機位置から作動位置に移動すると共に(図14、図15参照)、当該第1作動部92上のパチンコ球が球貯留部65の底面68側に移動することで、前記捻りバネの付勢により揺動部材91が待機位置に復帰するよう構成されている。また、前記第1作動部92が待機位置および作動位置の何れにある状態にあっても、該第1作動部92の上面92aが前方(第1連通口61a)へ向けて下方傾斜するよう構成されている。すなわち、前記払出し球通路75を通過して第1作動部92上に到来したパチンコ球は、該第1作動部92が待機位置および作動位置の何れにある状態にあっても、前記第1連通口61aへ向けて球貯留部65の底面68側へ案内されるようになっている。
【0047】
(第2作動部93について)
前記第2作動部93は、図9,図11、図13(a)、図16に示すように、前記第2挿入孔84の開口形状に略整合する形状に形成されており、ファール球通路80を通過したパチンコ球が第2挿入孔84から機構設置部64側に落下するのを防止している。ここで、前記第2作動部93が待機位置にある状態では、前記ファール球通路80の底面81(後方傾斜面81a)と第2作動部93の上面93aとが同一面上に位置するか、或いは該ファール球通路80の底面81(後方傾斜面81a)より第2作動部93の上面93aが下方に位置するよう構成されており、該ファール球通路80を通過したパチンコ球が第2作動部93上に移動し得るようになっている。なお、実施例では、前記第2作動部93が待機位置にある状態において、前記ファール球通路80の底面81(後方傾斜面81a)と第2作動部93の上面93aとが略同一面上に位置している。そして、前記第2作動部93上にパチンコ球(ファール球)が乗ると、パチンコ球の重みによって前記揺動部材91が揺動して第2作動部93が待機位置から作動位置に移動すると共に、当該第2作動部93上のパチンコ球が球貯留部65の底面68側に移動することで、前記捻りバネの付勢により揺動部材91が待機位置に復帰するよう構成されている。
【0048】
図17に示すように、前記第2作動部93が作動位置にある状態では、前記段差部86の底面86a(球貯留部65の底面68)と第2作動部93の上面93aとが同一面上に位置するか、或いは該球貯留部65の底面68より第2作動部93の上面93aが上方に位置するよう構成されており、該作動位置にある第2作動部93上にあるパチンコ球が球貯留部65側へ転動し得るよう構成されている。なお、実施例では、前記第2作動部93が作動位置にある状態において、前記球貯留部65の底面68よりも第2作動部93の上面93aの方が僅かに上方に位置している。更に、前記第2作動部93が待機位置および作動位置の何れにある状態にあっても、該第2作動部93の上面93aが第2接続口70(球貯留部65)へ向けて下方傾斜するよう構成されており、当該第2作動部93上にあるパチンコ球を第1連通口61aへ案内するようになっている。
【0049】
また、前記揺動部材91には、前記第1作動部92と第2作動部93とを繋ぐ前記延出片94の下面側に、下方へ向けて延出する第1検出片(検出部)97が形成されている(図13参照)。そして、前記機構設置部64には、前記揺動部材91の第1検出片97と対応する位置に、該第1検出片97を検出する検出センサ98が設置されている。実施例では、前記検出センサ98として受光部98aと発光部98bとが所定間隔離間して対向配置されたフォトインタラプタが採用されており、該受光部98aおよび発光部98bの間の隙間が上下および後方へ開口する姿勢で、前記機構設置部64の下面側に検出センサ98が取り付けられている。すなわち、前記検出センサ98は、上方、下方および後方の異なる3方向に開口した開口部を有している。ここで、前記第1作動部92および第2作動部93が待機位置に保持された状態では、前記検出センサ98の上方に前記第1検出片97が退避して該検出センサ98が非検出となる一方で、該第1作動部92または第2作動部93が待機位置から作動位置へ変位した際に、当該検出センサ98の上方の隙間(上方差込口)に第1検出片97が差し込まれて検出されるよう構成されている。
【0050】
実施例では、前記検出センサ98が第1検出片97を検出する検出状態に切り替ってから、該検出状態が規定時間に亘って継続した場合に、前記球払出装置37による払出しを停止させるよう前記発射・払出し制御装置140が設定されている。ここで、前記球払出装置37による払出しを停止させる基準となる規定時間としては、前記払出し球通路75を通過するパチンコ球(賞球や貸球)が第1作動部92上を通過する際に、該パチンコ球の重みで待機位置から作動位置に第1検出片97が変位する時間だけ検出センサ98が検出する時間よりも長い時間に設定される。また同様に、規定時間としては、前記ファール球通路80を通過するパチンコ球(ファール球)が第2作動部93上を通過する際に、該パチンコ球の重みで待機位置から作動位置に第1検出片97が変位する時間だけ検出センサ98が検出する時間よりも長い時間に設定される。なお、実施例では規定時間として数秒(例えば3秒)の時間が設定されている。これにより、賞球や貸球が払出されたり、ファール球が発生する度に球払出装置37の作動が停止されるのを防止している。
【0051】
(第3作動部について)
前記第3作動部110は、図5、図9等に示すように、前後に延在する長尺な棒状に形成されており、前記機構設置部64の下面側における前記検出センサ98の隣接位置に、前方開口するよう形成された筒状ホルダ112に、該第3作動部110が前後移動可能な状態で後端部が挿入されている。前記第3作動部110は、前記筒状ホルダ112に取り付けた状態で、前記合流通路ユニット60の前面より大きく前方へ突出するよう構成されており、該合流通路ユニット60を中枠基体部30に取り付けた際に、中枠基体部30に前後に貫通するよう形成された貫通孔30a(図3、図5、図19参照)を介して中枠基体部30の前面側に第3作動部110の前端部が突出するよう構成されている。また、前記第3作動部110の後端部には、前記筒状ホルダ112の内底面との間にバネ部材(付勢手段)113が介挿されており、該バネ部材113により第3作動部110が常には前方へ向けて突出するよう付勢されている。なお、前記第3作動部110および筒状ホルダ112には、該筒状ホルダ112からの第3作動部110の脱落を防止する抜止め手段(図示せず)が設けられており、前記バネ部材113で付勢された第3作動部110の後端部が筒状ホルダ112の前方開口から抜け出ないよう構成されている。なお、前記抜止め手段としては、前記第3作動部110の前後移動を許容しつつ筒状ホルダ112からの脱落を防止し得る構成であれば任意の構成を採用可能であるが、一例として挙げれば、前記第3作動部110の周面に前後に延在する溝部を形成すると共に、該溝部に摺動する突起部を筒状ホルダ112の内周面に形成して、該溝部の後端縁に突起部が係止するよう構成することで実現可能である。
【0052】
ここで、前記バネ部材113により前方へ付勢された前記第3作動部110の前端部は、図19に示すように、前記中枠13に対して閉鎖した前枠14(前枠基体部15)の後面よりも前方へ突出するよう構成されている。これにより、前記中枠13に対して前枠14を閉鎖した状態では、該前枠14(前枠基体部15)の後面で第3作動部110の前端部が押圧されて、前記バネ部材113の付勢に抗して該第3作動部110が後方へ変位し、該中枠13に対して前枠14を開放することで、バネ部材113の付勢により第3作動部110が前方へ変位するようになっている。これにより、前記第3作動部110は、前記中枠13に対する前記前枠14の開放状態に対応した作動位置(図3、図13(a)、図19(a)参照)および該中枠13に対する前枠14の閉鎖状態に対応した待機位置(図13(b)、図19(b)参照)に変位し得るようになっている。
【0053】
また、図9、図13、図19に示すように、前記第3作動部110には、前記検出センサ98の後方開口と前後方向で整列する位置に、前後方向に延在する第2検出片(別の検出部)111が設けられており、該第3作動部110の前後移動に伴って検出センサ98の後方の隙間(後方差込口)を介して第2検出片111を挿脱し得るようになっている。ここで、第3作動部110が待機位置に保持された状態では、前記検出センサ98の後方に第2検出片111が退避して該検出センサ98が非検出となる一方で、該第3作動部110が待機位置から作動位置に前方へ変位した際に、第2検出片111が検出センサ98の後方差込口に差し込まれて検出されるよう構成されている。すなわち、前記第3作動部110は、パチンコ機10が遊技に供される通常の状態(すなわち前枠14を中枠13に対して閉鎖した状態)では、常には待機位置に保持されると共に、前記前枠14が開放した不正常な状態になることで前記第3作動部110が作動位置に変位して第2検出片111が前記検出センサ98で検出されるようになっている。なお、前記筒状ホルダ112には、前記第2検出片111と対応する位置に、前方および該筒状ホルダ112の内部に開口するスリット114が形成されており、前記第3作動部110が前後移動した際に、該スリット114を介して第2検出片111が出没し得るようになっている。
【0054】
ここで、前記検出センサ98は、パチンコ機10の全体を制御する制御手段としての主制御装置(図示せず)に配線接続されており、該検出センサ98が前記第1検出片97および第2検出片111の何れの検出部を検出した場合も共通の検出信号が主制御装置に出力されるようになっている。そして、前記検出センサ98からの共通の検出信号が主制御装置に入力されるのに伴って前記発射・払出し制御装置140が球払出装置37に対して払出停止信号を出力するよう設定されており、該払出停止信号の入力により球払出装置37がパチンコ球の払い出しを停止するようになっている。そして、前記検出センサ98が前記第1検出片97および第2検出片111の何れの検出部も非検出となった場合に共通の検出解除信号が主制御装置に入力されるのに伴って発射・払出し制御装置140が球払出装置37に対する払出停止信号の出力を停止するよう設定されている。すなわち、前記貸球操作ボタン17cの操作による貸球払出信号や前記入賞装置へのパチンコ球の入賞による入賞検出信号に基づいて前記球払出装置37が貸球や賞球の払出動作を行っている途中で、前記検出センサ98からの共通の検出信号が入力された場合には、該貸球や賞球の払い出しを一時的に中断するよう構成されている。そして、検出解除信号が入力されると、貸球や賞球の払い出しの中断が解除されて、未払出しの貸球や賞球の残数を払い出すよう発射・払出し制御装置140が前記球払出装置37を作動制御するよう設定されている。また、前記異常検出手段90の検出センサ98から共通の検出信号が入力されると、前記主制御装置から報知手段に異常検出信号を出力して異常の発生を報知するようになっている。
【0055】
ここで、前記報知手段としては、パチンコ機10に備えられた図柄表示装置やスピーカ26(図2参照)、発光手段等が適宜に採用される。実施例のパチンコ機10における異常検出手段90の検出に伴った具体的な報知制御としては、前記共通の検出信号の入力に伴って継続的にスピーカ26から警報音を出力するよう主制御装置が制御している。また、前記スピーカ26からは、警報音として「球を抜いて下さい」といった音声出力が行われるよう設定されている。すなわち、異常検出手段90の検出時には、遊技を行なっている際に発生する頻度が高い前記球受け皿17aへパチンコ球を供給不能な状態を基準にして報知するよう設定されている。また、スピーカ26からの警報音の出力と併せて、図柄表示装置上に「球を抜いて下さい」といった警告表示を表示することで、遊技者に視覚的に注意を促すようにしてもよい。
【0056】
また、前記異常検出手段90の検出に伴った異常報知(スピーカ26からの警報音出力)は、前記主制御装置に対する共通の検出信号の入力が停止するまで継続的に行われるように構成されている。このため、前枠14の開放に起因して前記共通の検出信号が主制御装置に入力されて異常報知が行われた場合に、前記球受け皿17aへパチンコ球を供給し得るように対処したとしても共通の検出信号の入力が停止せず、異常の報知が継続される。すなわち、前記球受け皿17aへパチンコ球を供給不能な状態になったことを基準にしてスピーカ26から警報音を出力して異常報知を行なっても、前枠14の開放に起因した異常が発生していることを認識することができる。
【0057】
また、実施例に係る異常検出手段90では、前記第1検出片97が待機位置にある状態では、該第1検出片97に干渉することなく前記第2検出片111が作動位置および待機位置の間で変位し得るよう構成されると共に、該第2検出片111が待機位置にある状態では、当該第2検出片111に干渉することなく第1検出片97が作動位置および待機位置の間で変位し得るよう構成されている。すなわち、前記第1検出片97および第2検出片111の夫々が作動位置および待機位置の間を独立して変位し得るよう構成されて、前枠14の開放と球受け皿17aにパチンコ球を供給し得ない満杯状態とを1つの装置で検出し得るようになっている。ここで、前記第1検出片97および第2検出片111は、直交座標の異なる軸線方向(例えば上下方向をX軸とし、前後方向をY軸とする)に移動するよう構成されると共に、該第1検出片97および第2検出片111の交点位置に前記検出センサ98が配置されている。
【0058】
そして、前記検出センサ98の上方差込口を介して前記第1検出片97が差し込まれた状態では、該第1検出片97と干渉して前記第2検出片111を検出センサ98の後方差込口へ差込不能となると共に、検出センサ98の後方差込口を介して第2検出片111が差し込まれた状態では、該第2検出片111と干渉して第1検出片97を検出センサ98の上方差込口へ差込不能となるよう構成されている。このように、実施例の異常検出手段では、前記第1検出片97が作動位置にある状態では、前記第2検出片111の作動位置への変位が第1検出片97で規制され、該第2検出片111が作動位置にある状態では、第1検出片97の作動位置への変位が第2検出片111で規制されて、前記検出センサ98により第1検出片97および第2検出片111の何れかを単独で検出し得るよう構成されている。
【0059】
(開閉弁102について)
次に、前記ファール球通路80に設けられる開閉部材100について説明する。図7、図8、図10、図11に示すように、前記開閉部材100は、前記合流通路ユニット60の本体部61に取り付けられる支持部101と、前記ファール球通路80の経路途中に位置するよう支持部101に揺動可能に支持され、該ファール球通路80を閉鎖する閉鎖位置(図16参照)および該通路80を開放する開放位置(図18参照)に変位可能な開閉弁102とから基本的に構成されている。実施例では、前記ファール球通路80の下流端部(第2接続口70)に前記開閉弁102が位置するよう前記開閉部材100が前記合流通路ユニット60の本体部61に取り付けられて、該第2接続口70を開閉弁102で開閉するよう構成されている。
【0060】
前記支持部101は、図8、図10等に示すように、前記ファール球通路80を横断する長さに形成された基部101aの両端部に係止爪101bを備えており、前記本体部61に形成された係止孔107に係止爪101bを係止することで、ファール球通路80を跨るよう本体部61に取り付けられる。また、前記支持部101の基部101aは、前記ファール球通路80の下流から上流側に向けて上方傾斜する傾斜状部101cが形成されており、第2接続口70側から挿入されて基部101aの傾斜状部101cに当接したワイヤ等の不正具を上方へ誘導して、前記第2連通口61bまで挿入されるのを防止している。また、前記支持部101には、前記基部101aの前側に、前記開閉弁102を枢支する軸部105を支持する軸受け部101dが設けられている。
【0061】
前記開閉弁102は、図11に示すように、前記第2接続口70を閉塞可能な略矩形板状に形成された弁本体103と、該弁本体103の上端部に沿って軸孔104aが延在する軸筒部104とを備えており、該軸筒部104の軸孔104aに挿通した軸部105を、前記支持部101の軸受け部101dで支持することで、開閉弁102が支持部101に対して揺動可能に支持される。このように、前記開閉弁102の上端部を枢支することで、前記第2接続口70を閉塞する閉鎖位置へ向けて弁本体103が自重により付勢されるようになっている。なお、前記閉鎖位置にある開閉弁102の上端部は、前記ファール球通路80の上面を画成する前記ベース部62から離間するよう形成されて、該開閉弁102の上端部とベース部62との隙間により開閉弁102の開閉動作を許容するようになっている。
【0062】
また、前記閉鎖位置にある状態では、前記ファール球通路80の前壁83および後壁82に形成された前記開放規制部85に前記開閉弁102(弁本体103)の左右側縁部が夫々当接するようになっている(図11、図13〜図17参照)。これにより、前記開閉弁102(弁本体103)を挟んで第2接続口70側からファール球通路80の内部(ファール球通路80の下流から上流側)への開閉弁102の揺動(開放動作)を規制すると共に、開閉弁102を挟んでファール球通路80の内部から第2接続口70側への開閉弁102の揺動(開放動作)を許容するようになっている。すなわち、前記ファール球通路80を通過するパチンコ球(ファール球)に押圧された開閉弁102が開放動作することで、該ファール球通路80から球貯留部65へパチンコ球(ファール球)が移動し得るようになっている。また、前記閉鎖位置にある状態では、前記開放規制部85に当接した開閉弁102が、上端部から下端部に向けて球貯留部65側(第2接続口70側)に傾斜する傾斜姿勢で保持されており、前記ファール球通路80を通過するパチンコ球(ファール球)に押圧された開閉弁102が開放動作を容易に行ない得るようになっている。
【0063】
ここで、前記開放規制部85は、前記ファール球通路80の底面81より上方側に位置する前記開閉弁102(弁本体103)の左右側縁部の全長が当接するよう形成されており(図11、図13〜図17参照)、前記球貯留部65から進入させたワイヤ等の不正具を、開閉弁102の左右側縁部からファール球通路80の内部への挿入を阻止するようになっている。また、前記閉鎖位置にある開閉弁102(弁本体103)の下端部は、前記ファール球通路80の底面81より下方に延在して前記段差部86に臨むよう構成されており、前記球貯留部65から進入させたワイヤ等の不正具を、開閉弁102の下縁部からファール球通路80の内部への挿入を阻止するようになっている。また、前記開閉弁102(弁本体103)の下端部は、上方から下方へ向かうにつれて前記第2接続口70から離間する湾曲形状に形成されており、該開閉弁102の下端部にワイヤ等の不正具が引っ掛けられて開閉弁102が強制開放されるのを防止している。更に、前記閉鎖位置にある開閉弁102における弁本体103の上端部は、前記支持部101の基部101aの下端部より上方に位置して、該弁本体103の上方側に形成される隙間が支持部101の基部101aと対向位置するよう構成されている。これにより、前記球貯留部65から進入させて弁本体103の上方側の隙間にワイヤ等の不正具が差し込まれたとしても、前記基部101aによりファール球通路80の内部へ不正具が進入するのを阻止し得るようになっている。
【0064】
また、前記開閉弁102には、図11、図16〜図18に示すように、前記軸筒部104から上方へ突出する揺動規制部106が設けられている。前記揺動規制部106は、前記閉鎖位置にある開閉弁102の開放方向に前記支持部101の基部101a(具体的には傾斜状部101c)から離間するよう構成されており、該開閉弁102の開放動作を許容する一方で、該開閉弁102の開放動作に伴い揺動規制部106が支持部101の基部101aに接触して開閉弁102の開放動作を規制するようになっている。ここで、図18に示すように、前記ファール球通路80を通過するパチンコ球(ファール球)に押圧された開閉弁102が開放位置に変位した状態では、前記揺動規制部106が支持部101の基部101aから開閉弁102の開放方向に僅かに離間しており、この状態で開閉弁102の僅かな開放動作を許容するよう構成されている。すなわち、前記ファール球通路80を通過するパチンコ球(ファール球)に押圧された開閉弁102が開放位置に変位した状態で開閉弁102の開放動作が許容されることで、該開閉弁102によりパチンコ球(ファール球)が噛み込まれて球詰まりするのを防止している。ここで、前記揺動規制部106が支持部101の基部101aに接触して開閉弁102の開放動作が規制された状態(すなわち開放位置から開閉弁102を開放動作した状態)では、該開閉弁102の下端部と球貯留部65の底面68とがパチンコ球の直径より僅かに広い間隔で離間するよう設定されている。すなわち、前記開閉弁102の開放動作は、前記ファール球通路80から1個のパチンコ球(ファール球)が1段で通過し得る程度に規制されて、当該開閉弁102が不必要に開放するのを規制している。
【0065】
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0066】
前記パチンコ機10の前面側に設けられた前記操作ハンドル18を遊技者が回転操作すると、前記球送り装置19が作動して球受け皿17aに貯留されたパチンコ球が1球ずつ打球発射装置45における発射レール45aの発射待機位置に送られると共に、該発射待機位置に保持されたパチンコ球が打球杆45bにより打球されて、該発射レール45aに沿って遊技盤20の発射通路23へ向けて発射される。前記発射通路23内に発射されたパチンコ球は、前記外レール21に沿って前記遊技盤20に画成された遊技領域20a内に誘導されて、遊技釘等に接触して流下方向を変更しながら該遊技領域20a内を流下する。そして、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が前記入賞装置に入賞することで、前記図柄表示装置での図柄変動演出が開始されると共に、前記発射・払出し制御装置140に賞球払出し信号が入力され、前記球払出装置37が作動して所定数の賞球が払出される。また、遊技の開始時等に前記パチンコ機10の前面側に設けられた貸球操作ボタン17cを遊技者が押下した場合には、前記発射・払出し制御装置140に貸球払出し信号が入力され、前記球払出装置37が作動して所定数の貸球が払出される。
【0067】
前記球払出装置37が作動すると、賞球または貸球としてのパチンコ球が前記球払出しユニット35の上流側通路36から下流側通路38に送出されて、前記合流通路ユニット60に流入する。そして、前記合流通路ユニット60に流入したパチンコ球(賞球や貸球)は、前記払出し球通路75を介して球貯留部65へ転動し、該球貯留部65の底面68に沿って第1連通口61aから中枠13の連絡通路55へ誘導されて、最終的に給出口16を介して球受け皿17aに払出されて、遊技に供されるようになっている。また、前記打球発射装置45により発射されたパチンコ球の勢いが弱い場合には、前記遊技盤20に画成された遊技領域20a内までパチンコ球が到達せず、前記外レール21に沿ってパチンコ球が逆流するファール球となる。このファール球は、前記ファール球受け部50を介して前記合流通路ユニット60に流入する。そして、前記合流通路ユニット60に流入したパチンコ球(ファール球)は、前記ファール球通路80を介して球貯留部65へ転動し、該球貯留部65の底面68に沿って第1連通口61aから中枠13の連絡通路55へ誘導されて、最終的に給出口16を介して球受け皿17aに払出されて、遊技に供されるようになっている。
【0068】
ここで、前記球受け皿17aに貯留可能なパチンコ球の貯留量を超えると、賞球や貸球として払出されたパチンコ球や、ファール球として回収されたパチンコ球が前記合流通路ユニット60の球貯留部65に滞留する。そして、前記球貯留部65にパチンコ球が滞留して前記払出し球通路75から到来するパチンコ球(賞球や貸球)が前記第1作動部92上に留まるようになると、該第1作動部92の待機位置から作動位置への変位を前記検出センサ98が検出して、前記球払出装置37の作動が停止される。また、前記球貯留部65にパチンコ球が滞留して前記ファール球通路80から到来するパチンコ球(ファール球)が前記第2作動部93上に留まるようになると、該第2作動部93の待機位置から作動位置への変位を前記検出センサ98が検出して、前記球払出装置37の作動が停止される。このように、入賞口への入賞を契機として払出されるパチンコ球(賞球)や貸球操作ボタン17cの操作を契機として払出されるパチンコ球(貸球)が払出し球通路75に滞留するのに伴う第1作動部92の作動位置への変位と、遊技領域20aに到達しないパチンコ球(ファール球)がファール球通路80に滞留するのに伴う第2作動部93の作動位置への変位とを単一の検出センサ98で検出することで、球受け皿17aへのパチンコ球の払出しが停止するようにしたことで、球受け皿17a(球貯留部65)に過剰なパチンコ球が滞留するのを防止し得る。また単一の検出センサ98で賞球や貸球の滞留とファール球の滞留とを検出するようにしたことで、検出センサ98の設置数を増やす必要がなく、コスト削減を図り得ると共に、省スペース化を図り得る。
【0069】
また、前記合流通路ユニット60では、球貯留部65に払出し球通路75が接続する第1接続口69よりも、該球貯留部65にファール球通路80が接続する第2接続口70を、当該球貯留部65が球受け皿17aに連通する第1連通口61aに近接位置するよう設けてある。これにより、球貯留部65に受入れ可能なパチンコ球数(賞球数や貸球数)を多くすることができ、賞球や貸球の払出しが滞るのを防止し得る。また、ファール球の滞留を速やかに検出できるから、球受け皿17aにおける過剰なパチンコ球の滞留を効果的に防止し得る。
【0070】
そして、前記第1作動部92および第2作動部93の夫々を単一の揺動部材91に設けたことで、合流通路ユニット60の構成を単純化してコスト削減を図り得ると共に、該合流通路ユニット60をコンパクトにして省スペース化を図り得る。また、前記賞球や貸球の滞留を検出する第1作動部92を、前記揺動部材91における揺動軸95側に設けることで、払出し球通路75から到来するパチンコ球(賞球や貸球)が第1作動部92を通過する際に、該第1作動部92が待機位置から作動位置に変位し難くできることから、球貯留部65にパチンコ球が滞留していない正常な状態で払出されるパチンコ球(賞球や貸球)が第1作動部92上を通過する際に、前記検出センサ98が誤検出するのを防止し得る。また、前記ファール球の滞留を検出する第2作動部93を、前記揺動部材91における揺動軸95から離間する端部に設けることで、ファール球の滞留時における第2作動部93の応答性が高くなり、ファール球通路80へのパチンコ球(ファール球)の滞留を素早く検出することが可能となる。
【0071】
また、実施例のファール球通路80には、前記球貯留部65に接続する第2接続口70(ファール球通路80の経路途中)に、ファール球通路80を開閉する開閉弁102が設けられて、当該ファール球通路80を流下するパチンコ球に押圧された場合に限り開閉弁102が開放動作し得るよう構成してある。これにより、前記球貯留部65に滞留したパチンコ球がファール球通路80に進入(逆流)するのを防止できる。また、前記開閉弁102は、前記第2作動部93よりもファール球通路80の下流側に位置するよう配置されているから、球貯留部65に滞留したパチンコ球により第2作動部93が誤作動することはなく、ファール球の発生に伴いファール球通路80にパチンコ球(ファール球)の滞留が生じたことを第2作動部93で正確に検出することが可能となる。また、第2作動部93の下流側に開閉弁102が位置することで、球貯留部65に滞留したパチンコ球が第2作動部93に接触して第2作動部93が損傷することも防止できる。更に、前記開閉弁102は自重によりファール球通路80を閉鎖する閉鎖位置へ向けて付勢されるよう構成してあるから、該開閉弁102を作動する機構を別途設ける必要がなく、コスト削減を図り得ると共に、開閉弁102の開閉構造をコンパクトにして省スペース化を図り得る。
【0072】
更に、前記開閉弁102の弁本体103は、前記第2接続口70を閉塞可能な略矩形板状に形成されると共に、球貯留部65側からファール球通路80側への開放動作を規制するよう構成されている。このため、前記球受け皿17aの給出口16から球貯留部65内にワイヤ等の不正具を挿入して開閉弁102を押圧された場合に、該開閉弁102が開放位置に変位することはない。従って、球貯留部65側から差し込まれた不正具がファール球通路80を介して遊技盤20まで挿入されるのを確実に防止できる。また、前記開閉弁102の外周部から不正具をファール球通路80へ進入させるよう試みたとしても、前記段差部86、開放規制部85および開閉部材100の基部101aにより阻止されるから、該ファール球通路80を介した不正具の挿入による不正行為を防止することが可能となる。また前述したように、前記第2作動部93の下流側に開閉弁102が位置しているから、不正具を利用した不正行為が試みられた際に第2作動部93が損傷するのを防止し得ると共に、当該第2作動部93自体に対する不正行為や悪戯を開閉弁102で防止することができる。
【0073】
ところで、前記前枠14が中枠13に対して開放された状態では、前記球払出装置37の作動に伴う賞球や貸球が払出されたり、ファール球が発生したりして、中枠基体部30の連絡通路55を通過したパチンコ球が前記球受け皿17aに供給されることなく零れ落ちる虞がある。ここで、前記中枠13(中枠基体部30)の前面には、前記異常検出手段90の第3作動部110が露出するよう構成されており、遊技に供される前枠14が閉鎖した通常の状態では、該第3作動部110が前枠14(前枠基体部15)に押圧されて、前記異常検出手段90が備えた検出センサ98の後方差込口から抜き出された待機位置に第3作動部110の第2検出片111が保持されるのに対し、遊技を行なうには不正常な前枠14が開放した状態にされると、前記バネ部材113の付勢により第3作動部110が前方へ移動して、検出センサ98の後方差込口に第2検出片111が差し込まれて検出されるようになる。このように、バネ部材113により第3作動部110を中枠13(中枠基体部30)の前面に突出する作動位置へ付勢することで、異常検出手段90から分離独立した前枠14の開閉動作を該異常検出手段90で検出することができる。そして、前記異常検出手段90が備える検出センサ98が第3作動部110の第2検出片111を検出するのに伴って前記球払出装置37の払出しが停止されるから、前記前枠14の開放によるパチンコ球の零れ落ちを防止し得る。しかも、前枠14が開放した不正常な状態では、前記球払出装置37の作動が停止されるから、該前枠14を開放して不正行為が行われたとしても、不正なパチンコ球の払出しが行われるのを確実に防止し得る。
【0074】
このように、前記異常検出手段90は、前記中枠13に対する前枠14の開閉に応じて第3作動部110が作動位置および待機位置に変位するよう構成されると共に、前記球受け皿17aに対するパチンコ球を供給可能な状態および供給不能な状態(満杯状態)への変化に応じて第1検出片97が作動位置および待機位置に変位するよう構成されて、該第1検出片97(すなわち第1作動部92または第2作動部93)の作動位置への変位および第2検出片111(すなわち第3作動部110)の作動位置への変位を単一の検出センサ98で検出するようになっているから、個別に検出センサを設ける構成に較べてコスト削減を図り得ると共に、省スペース化を図り得る。また、前記第1検出片97および第2検出片111の夫々は、作動位置および待機位置の間を独立して変位し得るよう構成されているから、中枠13に対する前枠14の開放および球受け皿17aの満杯状態を、個別に検出することができる。更に、前記検出センサ98が第1検出片97または第2検出片111を検出した際に出力される共通の検出信号に基づいて、主制御装置が前記球払出装置37の払出しを停止するよう作動制御するから、前枠14を開放してパチンコ球の払出しを不正に行なう不正行為が行われるのを防止し得ると共に、球受け皿17aに過剰に供給されたパチンコ球に起因した球詰まり等の不具合の発生を確実に防止し得る。
【0075】
そして、正常な遊技が行われる状態において前記第1検出片97および第2検出片111の夫々が常には待機位置に保持されて、前枠14の開放に伴って第2検出片111が作動位置に変位すると共に、球受け皿17aへのパチンコ球の滞留に伴って第1検出片97が作動位置に変位することで、前枠14の開放や球受け皿17aへのパチンコ球の滞留といった現象を確実に検出することができる。しかも、前記第1検出片97および第2検出片111の何れか一方が作動位置に変位した状態では、他方の検出片の作動位置への変位が規制されるから、該第1検出片97および第2検出片111が検出センサ98に重複して検出されるのを防止できる。しかも、先に作動位置にあった第1検出片97または第2検出片111が待機位置へ変位すると、他方の検出片が作動位置へ速やかに変位することができるから、第1検出片97および第2検出片111の状態を確実に検出センサ98で検出することができる。
【0076】
そして、前記異常検出手段90は、合流通路ユニット60のケースとなる本体部61に配設された1つの検出センサ98に対して、複数の検出片97,111を夫々異なる方向から近接および離間移動するよう構成することで、該複数の検出片97,111が作動位置および待機位置へ変位するのを1つの検出センサ98で検出することができ、コスト削減を図り得ると共に省スペース化を図り得る。また、受光部98aと発光部98bとを対向させた検出センサ98に対して直交方向から第1検出片97および第2検出片111が移動するよう構成したことで、第1検出片97および第2検出片111が作動位置および待機位置を変位する過程で相互に干渉するのを防止でき、該検出センサ98の誤検出を防止し得る。
【0077】
(別実施例)
次に、前記異常検出手段の別の実施例を説明する。なお、別実施例に係る異常検出手段において、前述の実施例において説明した異常検出手段90と同一の機能を有する構成・部材に関しては同一の符号を付して詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0078】
別実施例に係る異常検出手段90は、図20に示すように、払出し球通路75へのパチンコ球(賞球や貸球)の滞留に伴い待機位置から作動位置に変位する第1作動部92を備えた第1部材120と、ファール球通路80へのパチンコ球(ファール球)の滞留に伴い待機位置から作動位置に変位する第2作動部93を備えた第2部材125と、中枠13に対する前記前枠14の開放状態に伴い作動位置に変位する第3部材130とを備えている。また、前記検出センサ98は、前記受光部98aと発光部98bとの間の隙間を上方、下方および側方へ開口させた姿勢で前記本体部61(機構設置部64)に設置されている。
【0079】
前記第1部材120は、前記第1挿入孔71に第1作動部92を臨ませた状態で上下移動し得るよう前記合流通路ユニット60(機構設置部64)に配設されると共に、該第1作動部92の側方へ延出するよう設けられた延出部121に対して下方へ延出する第1検出部122が設けられており、該第1部材120(第1作動部92)が待機位置から作動位置へ変位した際に、該第1検出部122が前記検出センサ98における上方開口を介して受光部98aと発光部98bとの間に差し込まれるよう構成されている。すなわち、前記第1作動部92上にパチンコ球が滞留して作動位置に変位することで、該第1検出部122が検出センサ98により検出されて、前記球払出装置37による賞球や貸球の払出しが停止されるよう構成されている。なお、前記第1部材120は、バネ等の付勢手段123により待機位置へ向けて付勢されており、常には前記第1検出部122が前記検出センサ98から退避して位置するよう構成されている。
【0080】
また、前記第2部材125は、前記第2挿入孔84に第2作動部93を臨ませた状態で上下移動し得るよう前記合流通路ユニット60(機構設置部64)に配設されると共に、該第2作動部93の下方へ延出するよう第1作動杆126が設けられると共に、前記検出センサ98における側方開口を介して受光部98aと発光部98bとの間に差し込み得るようスライド移動可能な第2検出部127を備えている。また、前記第2部材125には、前記第1作動杆126および第2検出部127を連繋接続する第1アーム部128を備えており、該第2部材125(第2作動部93)が待機位置から作動位置へ変位した際に、該第2検出部127が検出センサ98における側方開口(側方差込口)を介して受光部98aと発光部98bとの間に差し込まれるよう構成されている。なお、前記第2部材125は、バネ等の付勢手段129により待機位置へ向けて付勢されており、常には前記第2検出部127が前記検出センサ98から退避して位置するよう構成されている。
【0081】
また、前記第3部材130は、前記中枠13(中枠基体部30)の貫通孔30aに第3作動部110を挿通した状態で前後移動し得るよう前記合流通路ユニット60(機構設置部64)の筒状ホルダ112に配設されると共に、前記検出センサ98における下方開口を介して受光部98aと発光部98bとの間に差し込み得るようスライド移動可能な第3検出部132を備えている。また、前記第3部材130には、前記第3作動部110および第3検出部132を連繋接続する第2アーム部133を備えており、該第3部材130(第3作動部110)が待機位置から作動位置へ変位した際に、該第3検出部132が検出センサ98における下方開口(下方差込口)を介して受光部98aと発光部98bとの間に差し込まれるよう構成されている。なお、前記第3部材130は、バネ等の付勢手段113により作動位置へ向けて付勢されており、中枠13に対して前枠14を閉鎖した通常の状態において前記第3検出部132が前記検出センサ98から退避して位置するよう構成されている。
【0082】
このように、別実施例に係る異常検出手段90のように、第1作動部92と第2作動部93と第3作動部110とを夫々独立した部材に設けるようにしても、前述した実施例と同様の作用効果を得ることができる。また、前記第1作動部92、第2作動部93および第3作動部110の夫々が作動位置および待機位置の間を独立して変位することで、払出し球通路75にパチンコ球(賞球や貸球)が滞留した状態、ファール球通路80にパチンコ球(ファール球)が滞留した状態および前枠14が開放した状態を個別に検出することが可能となる。また、第1作動部92が待機位置から作動位置へ変位する際の第1検出部122の移動方向と、第2作動部93が待機位置から作動位置へ変位する際の第2検出部127の移動方向とを交差(直交)させることで、第1検出部122または第2検出部127が検出センサ98で検出された状態で、他の検出部に押圧されたとしても、検出センサ98で検出されている検出部が押し出されることはなく、検出センサ98による誤検出が発生するのを防止できる。また、第2作動部93が待機位置から作動位置へ変位する際の第2検出部127の移動方向と、第3作動部110が待機位置から作動位置へ変位する際の第3検出部132の移動方向とを交差(直交)させることで、第2検出部127または第3検出部132が検出センサ98で検出された状態で、他の検出部に押圧されたとしても、検出センサ98で検出されている検出部が押し出されることはなく、検出センサ98による誤検出が発生するのを防止できる。また、前記第1〜第3作動部92,93,110の何れかが検出センサ98で検出される作動位置にある状態では、他の作動部の作動位置への変位が規制されるから、第1〜第3作動部92,93,110が重複して検出されるのを防止できる。しかも、作動位置にあった何れかの作動部が待機位置へ変位することで、他の作動部が作動位置へ変位し得るから、第1〜第3作動部92,93,110の状態を確実に検出センサ98で検出することができる。
【0083】
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず種々の変更が可能であり、その一例を以下に示す。
【0084】
(1) 実施例では、賞球が払出される賞球払出し通路(払出し球通路)と、ファール球を回収するファール球回収通路(ファール球通路)とを合流部(球貯留部)において合流させるよう構成したが、これに限らず、該賞球払出し通路(払出し球通路)およびファール球回収通路(ファール球通路)の夫々が球受け皿に個別に連通するよう構成してもよい。
(2) 実施例では、賞球払出し通路(払出し球通路)およびファール球回収通路(ファール球通路)の夫々が同じ球受け皿に連通するよう構成したが、これに限られるものではなく、球受け皿を複数設けて、賞球払出し通路(払出し球通路)およびファール球回収通路(ファール球通路)が異なる球受け皿に連通するよう構成することもできる。具体的には、遊技機前面側に上下の球受け皿を設けて、上側の球受け皿に賞球払出し通路(払出し球通路)を連通させ、下側の球受け皿にファール球回収通路(ファール球通路)を連通させる構成とすることもできる。
(3) 実施例では、第1作動部および第2作動部の作動位置への変位を単一の検出手段で検出するよう構成したが、各作動部の作動位置への変位を個別に検出するよう構成することもできる。また、検出手段としては、実施例に示したフォトインタラプタに限定されるものではなく、作動部の作動位置への変位を検出可能な検出手段であれば、各種近接センサやマイクロスイッチ、その他従来公知の各種手段を採用することができる。
(4) 実施例では、第1作動部および第2作動部を揺動部材に形成するようにしたが、上下方向にスライドする部材に形成するようにしてもよい。すなわち、待機位置および作動位置に変位し得る形態であればよい。
(5) 実施例では、ファール球回収通路(ファール球通路)の球出口を、賞球払出し通路(払出し球通路)の球出口よりも合流部(球貯留部)が球受け皿へ連通する連通口に近接位置するよう構成したが、逆の位置関係で形成することもでき、また両球出口を上下の位置関係に形成することもできる。
(6) 実施例では、ファール球回収通路(ファール球通路)の球出口に開閉弁を配置したが、これに限られるものではなく、ファール球回収通路(ファール球通路)の球入口側に開閉弁を配置してもよく、ファール球回収通路の経路途中の任意位置に開閉弁を設けることができる。
(7) 開閉弁の開放動作を規制する開放規制部は、実施例のように、開閉弁の左右側縁に当接するものに限られるものではなく、開閉弁の下端部に当接するよう形成してもよく、該開閉弁を挟んだファール球回収通路の下流から上流側への開放動作を規制し得る位置および形態で開放規制部を形成することができる。
(8) 実施例では、開閉弁を自重により閉鎖位置に向けて付勢されるよう構成したが、これに限られるものではなく、バネ等の付勢手段により閉鎖位置へ向けて付勢されるよう構成してもよい。
(9) 実施例では、ファール球回収通路(ファール球通路)へのファール球の滞留により作動する作動部(第2作動部)より下流側に位置するよう開閉弁を設置したが、該作動部(第2作動部)の上流側に開閉弁を設置しても、パチンコ球の逆流や不正具の挿入を阻止することが可能である。
(10) 実施例では、開閉弁を板状に形成したが、これに限られるものではない、すなわち、遊技球の逆流を防止する構成であれば、遊技球が通過不能な開口が開設された形態であってもよく、同様に不正具の挿入を阻止する構成であれば、当該不正具を挿入不能な開口が開設された形態とすることもできる。
(11) 実施例では、開閉弁を1つ設けた形態を示したが、複数の開閉弁を設けるようにしてもよい。また、開閉弁を複数に分割して、当該複数の開閉弁によりファール球回収通路(ファール球通路)を閉鎖するようにしてもよい。
(12) 実施例では、開閉弁の上端部を枢支するよう構成したが、側部を枢支するよう構成することも可能である。
(13) 実施例では、球受け皿を備えた前枠を開閉部材として、該前枠の開閉を異常検出手段で検出するよう構成したが、これに限られるものではなく、本体枠に対して開閉可能な独立した球皿部材を開閉部材として設けて、該球皿部材の開閉を異常検出手段で検出することも可能である。
(14) 実施例では、開閉部材の開閉に伴って第3作動部が前後方向にスライド移動することで作動位置および待機位置に変位するよう構成したが、これに限らず第3作動部を揺動させるよう構成してもよく、本体枠に対する前記開閉部材の開放状態に対応した作動位置および該本体枠に対する開閉部材の閉鎖状態に対応する待機位置に変位するよう構成されていればよい。
(15) 実施例では、前記第1〜第3作動部の何れかが作動位置にある状態では、他の作動部の作動位置への変位が規制されるよう構成したが、第1〜第3検出部の夫々が同時に作動位置に変位し得るよう構成することもできる。具体的には、実施例の検出センサにおける受光部および発光部の間隔を、複数の検出部を同時に差し込み得るよう拡げることで実現可能である。
(16) 実施例では、揺動部材(第1作動部および第2作動部)に設けた第1検出片および第3作動部に設けた第2検出片が直交する方向に移動するよう構成したが、これに限られるものではなく、各検出片(検出部)の作動位置から待機位置への移動方向を夫々異ならせることで、作動位置から待機位置へ移動する検出片同士が干渉するのを効果的に防止し得る。例えば、第1検出片を作動位置から待機位置へ直線的に移動するよう構成すると共に、第2検出片が作動位置から待機位置へ向けて第1検出片の移動方向と逆向きに移動するよう構成することが可能である。別実施例のように、第1〜第3作動部の夫々に対応して検出部を独立して設ける構成にあっても同様で、各作動部の検出部の移動方向が直交する必要は必ずしもない。
(17) 実施例では、制御手段として主制御装置および発射・払出し制御装置を遊技機が少なくとも備える構成を示したが、これに限られるものではなく、単一の制御装置のみを備える構成であってもよい。また、複数の制御装置を備える構成の場合にあっては、各制御装置の機能として実施例に示したものに限られるものではなく、例えば、発射制御装置と払出し制御装置とを個別に備えてもよい。
(18) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機等の遊技媒体として遊技球を用いる各種遊技機に採用し得る。
【0085】
また、実施例からは例えば以下の技術的思想を把握することが可能である。
【0086】
請求項1〜4に記載の遊技機に関して、
前記検出手段(98)は、異なる3方向に開口した開口部を有し、前記待機位置から作動位置へ変位した第1〜第3作動部(92,93,110)に対応する検出部(97,111,122,127,132)が検出手段(98)の異なる開口部から臨んで検出されるよう構成されたことを要旨とする。
このように、待機位置から作動位置へ変位した第1〜第3作動部に対応した検出部が検出手段に設けられた異なる開口部から臨んで検出されるようにすることで、第1〜第3作動部の相互の干渉を防止し得る。
【0087】
請求項1〜4に記載の遊技機に関して、
前記賞球払出し通路(75)の球出口(69)およびファール球回収通路(80)の球出口(70)が開口すると共に前記球受け皿(17a)に連通する合流部(65)を備え、該賞球払出し通路(75)を通過した遊技球およびファール球回収通路(80)を通過した遊技球が合流部(65)を介して球受け皿に案内されると共に、
前記ファール球回収通路(80)の球出口(70)は、前記賞球払出し通路(75)の球出口(69)よりも前記合流部(65)が球受け皿(17a)へ連通する連通口(61a)に近接位置するよう設けられたことを要旨とする。
このように、ファール球回収通路の球出口を、賞球払出し通路の球出口よりも合流部が球受け皿へ連通する連通口に近接位置するよう設けることで、受入れ可能な賞球数を多くすることができ、賞球払出しが滞るのを防止し得る。また、ファール球の発生を速やかに検出できるから、球受け皿における過剰な遊技球の滞留を効果的に防止し得る。
【0088】
請求項1〜4に記載の遊技機に関して、
前記第1作動部(92)および第2作動部(93)は、単一の可動部材(91)に設けられると共に、該第1作動部(92)または第2作動部(93)が作動位置へ変位した際に、前記検出手段(98)で検出される検出部(97)が可動部材(91)に形成されたことを要旨とする。
このように、第1作動部および第2作動部を単一の可動部材に設けることで、装置構成を単純化してコスト削減や省スペース化を図り得る。
【符号の説明】
【0089】
13 中枠(本体枠)
14 前枠(開閉部材)
17a 球受け皿
20 遊技盤
20a 遊技領域
75 払出し球通路(賞球払出し通路)
80 ファール球通路(ファール球回収通路)
92 第1作動部
93 第2作動部
98 検出センサ(検出手段)
110 第3作動部
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技盤が配設された本体枠の前側に、開閉部材を開閉可能に備えると共に、遊技球を貯留可能な球受け皿を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば遊技機の代表例の一つであるパチンコ機は、特許文献1に記載されるように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の設置枠台に固定される固定枠としての外枠と、該外枠に対して開閉可能に支持されて遊技盤を着脱可能に保持する本体枠としての中枠と、該中枠の前側に開閉可能に支持されてパチンコ機前面を装飾すると共に遊技盤を透視保護する装飾枠としての前枠とを基本的に備えている。この遊技盤には、各種入賞装置や図柄表示装置等が機種に応じて配設されており、パチンコ機(中枠)の前面側に設けられた球受け皿に貯留されたパチンコ球を、遊技盤の遊技領域に打ち出すことで所要の遊技が行われる。そして、遊技盤に配設された各種の入賞装置にパチンコ球が入賞することで、パチンコ機の裏側に配設された球払出装置により所定数のパチンコ球が前記球受け皿に賞球として払出されて、遊技者側に還元されるようになっている。
【0003】
ここで、パチンコ機には、前記遊技盤の遊技領域に打ち出されるパチンコ球を貯留する上球受け皿を備えると共に該上球受け皿の下方に下球受け皿を備えた上下球受け皿分離タイプのものや、前記上球受け皿に相当する球受け皿のみを備えた上下球受け皿一体タイプのものが広く知られている。例えば、特許文献2に記載されるように、上下球受け皿分離タイプのパチンコ機では、賞球等のパチンコ球が前記上球受け皿に供給されて、該上球受け皿の貯留許容量を超えると、前記中枠等に形成された球通路を介してパチンコ球が下球受け皿に誘導されるようになっている。そして、前記下球受け皿に付設された球抜き装置を遊技者が操作することで、下球受け皿に貯留されたパチンコ球を遊技店に備えられた球箱等に移し替えるようになっている。なお、上下球受け皿一体タイプのパチンコ機であっても基本的には同様の構成とされ、上球受け皿に相当する球受け皿に付設された球抜き装置を遊技者が操作することで、該球受け皿から球箱等に直接パチンコ球を移し替え得るよう構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−35349号公報
【特許文献2】特開平5−64675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、大当り時のように多数の賞球が短時間で払出された場合には、前記球受け皿が満杯になり、入りきらないパチンコ球が球通路内に次第に滞留することがある。ここで、球通路内にパチンコ球が滞留した状態で賞球等の払出しが行われると、球詰まり等の不具合が生ずる虞がある。このため、パチンコ球の滞留量を検出する満杯検出用の検出手段を設けて、パチンコ球が一定量を超えて滞留した際に、球払出装置の動作を停止するよう構成されている。また、パチンコ機は、前述のように前記前枠は各種入賞装置を備えた遊技盤を透視保護しており、該前枠を不正に開放して不正行為が行われる可能性があることから、該前枠の開放を検出する検出センサを設けて、該開放検出用の検出センサの検出時に球払出装置の動作を停止するよう構成されている。このように、球払出装置の動作停止という共通の動作を行なわせるために、前記球受け皿の満杯検出用の検出手段と、前記前枠の開放検出用の検出手段とが個別に配設されており、コストの増大を招来すると共に、検出手段の設置スペースが嵩む問題が指摘される。
【0006】
そこで本発明は、従来の技術に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、球受け皿の満杯を検出する検出手段と、本体枠に対する開閉部材の開放を検出する検出手段とを共通化し得る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
遊技盤(20)が配設される本体枠(13)と、前記本体枠(13)の前側に設けられて該本体枠(13)に対して開閉可能な開閉部材(14)と、前記遊技盤(20)の遊技領域(20a)へ向けて発射される遊技球を貯留する球受け皿(17a)と、前記遊技盤(20)に設けられた入賞口への入賞を契機として払出される遊技球を前記球受け皿(17a)に案内する賞球払出し通路(75)と、前記遊技盤(20)の遊技領域(20a)へ向けて発射されて該遊技領域(20a)に到達しない遊技球を前記球受け皿(17a)に案内するファール球回収通路(80)とを備えた遊技機において、
前記賞球払出し通路(75)への遊技球の滞留状態に対応した作動位置および該賞球払出し通路(75)を遊技球が通過可能な状態に対応した待機位置に変位する第1作動部(92)と、
前記ファール球回収通路(80)に対する遊技球の滞留状態に対応した作動位置および該ファール球回収通路(80)を遊技球が通過可能な状態に対応した待機位置に変位する第2作動部(93)と、
前記本体枠(13)に対する前記開閉部材(14)の開放状態に対応した作動位置および該本体枠(13)に対する開閉部材(14)の閉鎖状態に対応する待機位置に変位する第3作動部(110)と、
前記第1作動部(92)の待機位置から作動位置への変位、第2作動部(93)の待機位置から作動位置への変位および第3作動部(110)の待機位置から作動位置への変位を検出する単一の検出手段(98)とを備えたことを要旨とする。
このように、入賞口への入賞を契機として払出される遊技球(賞球)が賞球払出し通路に滞留するのに伴う第1作動部の作動位置への変位と、本体枠に対する開閉部材の開閉に応じた第3作動部の作動位置への変位とを、単一の検出手段で検出するようにしたことで、1つの検出手段で球受け皿の満杯と、本体枠に対する開閉部材の開放とを検出することができる。更に、前記検出手段は、遊技領域に到達しない遊技球(ファール球)がファール球回収通路に滞留するのに伴う第2作動部の作動位置への変位も検出するよう構成したことで、球受け皿に過剰な遊技球が滞留するのを防止し得る。
【0008】
請求項2に係る発明は、
前記第3作動部(110)は、前記第1作動部(92)および第2作動部(93)に対して作動位置および待機位置へ独立して変位し得るよう構成されたことを要旨とする。
このように、第1および第2作動部に対して開閉部材の開放検出用の第3作動部を独立して変位するよう構成することで、本体枠に対する開閉部材の開放を正確に検出することができる。
【0009】
請求項3に係る発明は、
前記第1〜第3作動部(92,93,110)の何れか1つが作動位置にある状態では、他の作動部の作動位置への変位が規制されることを要旨とする。
このように、前記第1〜第3作動部の何れか一つが作動位置にある状態で、他の作動部の作動位置への変位が規制されることで、該第1〜第3作動部が重複して検出されるのを防止できる。しかも、作動位置にあった作動部が待機位置へ変位することで、他の作動部が作動位置へ変位し得るから、第1〜第3作動部の状態を確実に検出手段で検出することができる。
【0010】
請求項4に係る発明は、
前記第1〜第3作動部(92,93,110)の夫々は、常には待機位置に保持されて、前記ファール球回収通路(80)への遊技球の滞留に伴って前記第1作動部(92)が作動位置に変位して前記検出手段(98)で検出され、前記ファール球回収通路(80)への遊技球の滞留に伴って前記第2作動部(93)が作動位置に変位して前記検出手段(98)で検出されると共に、前記開閉部材の開放に伴って前記第3作動部(110)が作動位置に変位して前記検出手段(98)で検出されるよう構成されたことを要旨とする。
このように、第1〜第3作動部の夫々を常には待機位置に保持し、賞球払出し通路への遊技球の滞留に伴って第1作動部が作動位置に変位し、ファール球回収通路への遊技球の滞留に伴って第2作動部が作動位置に変位すると共に、開閉部材の開放に伴って第3作動部が作動位置に変位するよう構成したことで、開閉部材の開放や球受け皿への遊技球の滞留といった現象を確実に検出することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る遊技機によれば、賞球払出し通路に遊技球が滞留した状態およびファール球回収通路に遊技球が滞留した状態の何れであっても球受け皿の満杯状態として検出し得ると共に、球受け皿の満杯を検出する検出手段と、本体枠に対する開閉部材の開放を検出する検出手段とを共通化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例に係るパチンコ機の斜視図である。
【図2】実施例に係るパチンコ機を前枠を開放した状態で示す斜視図である。
【図3】図2におけるX部の拡大図である。
【図4】実施例に係る中枠を背面から視た状態で示す斜視図であって、異常検出手段を取り付けた状態を示す。
【図5】実施例に係る中枠基体部から合流通路ユニットを分解すると供に、ファール球受け部の形成位置を拡大して示す斜視図である。
【図6】実施例におけるパチンコ機を連絡通路の形成位置で縦断して示す側断面図である。
【図7】実施例に係る合流通路ユニットの分解斜視図である。
【図8】実施例に係る合流通路ユニットのベース部を示す斜視図であって、異常検出手段を取り付けた状態を示す。
【図9】実施例に係る異常検出手段の分解斜視図であって、機構設置部および検出センサの関係を示す。
【図10】実施例に係る合流通路ユニットをカバー部を取り外した状態で示す平面図である。
【図11】実施例に係る開閉部材の分解斜視図である。
【図12】実施例に係る合流通路ユニットのベース部を示す平面図である。
【図13】(a)は図16のC−C線断面図であって、第1および第2作動部が待機位置にあると共に第3作動部が作動位置にある状態を示し、(b)は図17のD−D線断面図であって、第1および第2作動部が作動位置にあると共に第3作動部が待機位置にある状態を示す。
【図14】図10のA−A線断面図であって、第1作動部が待機位置にある状態を示す。
【図15】図10のA−A線断面図であって、第1作動部が作動位置にある状態を示す。
【図16】図10のB−B線断面図であって、第2作動部が待機位置で、開閉弁が閉鎖位置にある状態を示す。
【図17】図10のB−B線断面図であって、第2作動部が作動位置で、開閉弁が閉鎖位置にある状態を示す。
【図18】図10のB−B線断面図であって、第2作動部が作動位置で、開閉弁が開放位置にある状態を示す。
【図19】実施例に係る合流通路ユニットの第3作動部と中枠に対する前枠の開閉状態との関係を断面で示す説明図であって、(a)は中枠から前枠を取り外した状態を示し、(b)は中枠に対して前枠を閉鎖した状態を示す。
【図20】別実施例に係る異常検出手段の関係を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機10を例にして説明する。なお、以下の説明において、前・後、左・右とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側から見た状態において指称するものとする。
【実施例】
【0014】
(パチンコ機10の概略構成について)
実施例に係るパチンコ機10の概略構成は、図1または図2に示すように、遊技店に設けられた図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11と、該外枠11に対して着脱および開閉可能に枢支され、各種制御装置等の遊技機構成部品が設置される本体枠としての中枠13と、該中枠13に着脱交換可能に取り付けられて所要の遊技領域20aが画成された遊技盤20と、該中枠13の前面側に着脱および開閉可能に枢支されると共に遊技盤20を透視保護する装飾枠としての前枠14とを基本的に備えている。また、実施例のパチンコ機10では、パチンコ球を貯留可能な球受け皿17aとしての球皿部材17が前記前枠14に一体的に配設されており、前枠14の開閉動作に合わせて球皿部材17が開閉するよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記前枠14が中枠13の前側で開閉可能な開閉体として機能すると共に、該前枠14が球皿部材17としても機能している。そして、前記パチンコ機10の前面側(実施例では前枠14)における右下部位置には、パチンコ球の発射を制御する制御手段としての発射・払出し制御装置140(図4参照)に接続された操作ハンドル18が配設されており、遊技者による操作ハンドル18の回動操作により後述する球送り装置19および打球発射装置45(図2参照)が作動して、球受け皿17aに貯留されたパチンコ球が遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるよう構成されている。
【0015】
(遊技盤20について)
ここで、前記遊技盤20は、図2に示すように、円弧状に湾曲する外レール21および内レール22が盤面(前面)に配設されて、該内外レール21,22の内側に画成される遊技領域20a内に、図柄表示装置や入賞装置等の遊技用部品(何れも図示せず)が配置されている。また、前記遊技盤20の左側部に位置する外レール21および内レール22は、パチンコ球が通過可能な距離だけ離間した状態で遊技領域20aの径方向に重なるよう構成されて、前記打球発射装置45から発射されたパチンコ球を遊技領域20aへ案内する発射通路23を画成している。ここで、図3に示すように、前記発射通路23は、遊技盤20の下端左寄り位置で下方に開口すると共に、遊技盤20の左上部位置で遊技領域20a内に開口しており、前記打球発射装置45から発射されて発射通路23の下方開口から飛翔するパチンコ球が遊技領域20aの上部位置に打ち出されるようになっている。そして、前記遊技領域20aを流下する過程で入賞装置に入賞したパチンコ球を図示しない入賞検出センサが検出することで、前記中枠13に配設された賞球や貸球の払出しを制御する制御手段としての発射・払出し制御装置140に入賞検出信号が入力され、該入賞検出信号の入力に応じて発射・払出し制御装置140が後述する球払出装置37(図4または図6参照)を作動制御して所定数の賞球を払い出すようになっている。なお、実施例では、パチンコ球の発射を制御する制御手段と賞球や貸球の払出しを制御する制御手段とが単一の制御装置により構成されているが、これに限られない。また、以下の説明においては、前記発射通路23の下方開口を始端開口部23aと指称する。また、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内における最下部位置に、遊技盤20の裏側に連通するアウト口24が形成されており、前記入賞装置に入賞することなく遊技領域20aの最下部まで流下したパチンコ球がアウト口24を介して遊技盤20の外側に排出されるよう構成してある。
【0016】
(外枠11について)
前記外枠11は、図2に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されており、該外枠11の左上部位置および左下部位置に、当該外枠11と中枠13とを開閉可能に連結する外枠側ヒンジ部11aが取り付けられている。なお、実施例では、前記外枠11は上縁を構成する上外枠部12aと、下縁を構成する下外枠部12bと、左縁を構成する左外枠部(図示せず)と、右縁を構成する右外枠部12cとから基本的に構成されて、上下の外枠部12a,12bが木製の板部材で形成されると共に、左右の外枠部12cがアルミ等の金属部材で形成されている。また、前記下外枠部12bの前端部には、左右方向の全長に亘って上方へ延出する輿板12dが備えられており、上外枠部12aおよび左右の外枠部12cと、下外枠部12bの輿板12dとにより、前記中枠13が臨む前後に開口した開口部を画成するようになっている。なお、前記輿板12dの高さは、遊技店において別途準備される球箱の高さよりも大きな寸法に設定されて、前枠14に設けられた前記球皿部材17の下方に位置するように球箱を輿板12dの前側に設置し得るよう構成される。
【0017】
(前枠14について)
前記前枠14は、図1、図2に示すように、前記外枠11の開口形状に略整合する矩形状に形成された前枠基体部15に、前後に貫通する窓口15aが開口する枠状に形成されており、該前枠14を中枠13に対して閉鎖した状態で、前記遊技盤20に形成された遊技領域20a(図2参照)が窓口15aを介して前方に露出するよう構成されている。そして、前記前枠基体部15の裏面側には、前記窓口15aの開設位置に対応してガラス板等の透明な透視保護板が着脱可能に配設されており、パチンコ機10の前側から遊技盤20を視認可能な状態で透視保護している。なお、図2では、前記前枠14に取り付けられる透視保護板を省略して示してある。また、前記前枠14(前枠基体部15)の左上部位置および左下部位置には、当該前枠14を中枠13に対して開閉可能に連結する前枠側ヒンジ部14aが設けられており、該前枠14を中枠13に対して閉鎖した際に、中枠13の前面全体が前枠14で被覆されるよう構成されている。
【0018】
前記前枠14(前枠基体部15)の前面側には、図1、図2に示すように、上方へ開口する球受け皿17aを備えた前記球皿部材17が前記窓口15aの下方位置に取り付けられており、該球受け皿17a内に所定数のパチンコ球を一時的に貯留し得るようになっている。そして、前記前枠14(前枠基体部15)の後面側に、前記発射・払出し制御装置140に接続する球送り装置19が前記球受け皿17aの下流端部に連通するよう設置されており、前記操作ハンドル18の回動操作に基づいて球送り装置19が作動して球受け皿17aに貯留されたパチンコ球を1球ずつ打球発射装置45に送出すよう構成されている。なお、実施例では、前記前枠14(前枠基体部15)における球皿部材17の右側方に、前記操作ハンドル18が設置されている。また、前記前枠14(前枠基体部15)には、球受け皿17aの左端部側で開口する給出口16が前後に貫通するよう開設されている。この給出口16は、前記前枠14を中枠13に対して閉鎖した状態で、中枠13に形成された後述の連絡通路55に連通接続するよう構成され、該連絡通路55を介してパチンコ球(賞球や貸球、ファール球)が球受け皿17aへ給出されるようになっている。
【0019】
また、実施例に係る前記球皿部材17には、前記球受け皿17aの内部(例えば底面)で開口すると共に該球皿部材17の下面に開口する球抜き路(図示せず)が形成されている。前記球抜き路の球受け皿17a側の開口は、前記球皿部材17に配設された球抜き操作ボタン17b(図1参照)の操作に応じて開閉するシャッタ部材(図示せず)により閉鎖されており、該球抜き操作ボタン17bを操作してシャッタ部材を開閉動作させることで、球受け皿17aに貯留されたパチンコ球を球皿部材17の下方に設置した球箱に直接抜き出し得るようになっている。このように、実施例のパチンコ機10は、パチンコ球を貯留する球受け皿17aを前面側に1つだけ備えた所謂「一枚皿タイプ」のパチンコ機10として構成されている。また、前記球皿部材17の上面には、貸球操作ボタン17cが上面に設けられており、該貸球操作ボタン17cを遊技者が押下することで、前記発射・払出し制御装置140に貸球払出し信号が入力され、前記中枠13に設けられた球払出装置37が作動されて所定数の貸球が球受け皿17aに払い出されるようになっている。なお、前記前枠基体部15の前面には、前記窓口15aの周囲を囲繞するよう各種の装飾部材15bやランプ装置等が配設されて、パチンコ機10の前面を装飾している。
【0020】
(中枠13について)
前記中枠13は、図2に示すように、前記外枠11の開口形状に略整合すると共に上方側に偏った位置で前後に開口する矩形枠状に形成されており、該中枠13の左上部位置および右下部位置に、当該中枠13と外枠11とを開閉可能に連結すると共に中枠13と前枠14とを開閉可能に連結する中枠側ヒンジ部13aが設けられている。すなわち、前記中枠13は、前記外枠側ヒンジ部11aと中枠側ヒンジ部13aとを連結することで、中枠13の左側部が外枠11に対して開閉可能に枢支され、中枠側ヒンジ部13aと前枠側ヒンジ部14aとを連結することで、中枠13および前枠14の左側部が相対的に開閉可能に枢支されるようになっている。また、実施例における外枠11、中枠13および前枠14の夫々は、各ヒンジ部11a,13a,14aに相対的に設けられた支持軸および軸孔の軸支構造により開閉可能に連結されるようになっている。
【0021】
ここで、前記中枠13は、図4に示すように、前記遊技機構成部品が設置される設置部として機能する中枠基体部30と、中枠基体部30の左右側部に設けられて中枠13の左右側縁をなす左右の中枠部32,33と、該左右の中枠部32,33の上端部に設けられて中枠13の上縁をなす上中枠部31とから構成されて、これら各部材30〜33を組み付けた際に、全体が前記外枠11の開口形状に整合する大きさの枠体状に形成される。そして、前記中枠基体部30と各中枠部31〜33とを組み付けた際に画成される開口部(以下、遊技盤設置部40という)の開口内側に、前記遊技盤20が着脱可能に設置されている。なお、前記中枠13を構成する中枠基体部30と各中枠部31〜33は独立した部材である必要はなく、中枠基体部30および各中枠部31〜33の内の複数または全てを樹脂等で一体成形することも可能である。
【0022】
また、図4に示すように、前記中枠13の裏側上方位置には、遊技店に設けられた図示しない球供給設備から供給されるパチンコ球を貯留する球タンク41が配置されると共に、該球タンク41に貯留されたパチンコ球を所定列数に整列して流下させるタンクレール42が設けられている。前記中枠13の裏側には、前記遊技盤設置部40の下方に、前記球受け皿17aに連通する合流通路ユニット60(図4、図5参照)が設けられており、前記球タンク41およびタンクレール42の下方に離間して合流通路ユニット60が配置されている。そして、前記タンクレール42および合流通路ユニット60に架け渡された球払出しユニット35を介して、該タンクレール42と合流通路ユニット60とを連通接続するよう構成されて、球タンク41に貯留されたパチンコ球がタンクレール42、球払出しユニット35および合流通路ユニット60を介して球受け皿17aに供給されるようになっている。
【0023】
ここで、前記球払出しユニット35は、図4、図6に示すように、前記タンクレール42に連通される上流側通路36と、前記合流通路ユニット60に連通される下流側通路38と、該上流側通路36の下流端および下流側通路38の上流端を連通して、前記発射・払出し制御装置140からの制御信号に基づいて作動する球払出装置37とを備えている。すなわち、前記球払出装置37が停止した状態においては前記設置枠台に設けた球供給設備から前記球タンク41に供給されたパチンコ球が前記上流側通路36に充填された状態で貯留され、前記発射・払出し制御装置140からの賞球または貸球の払出し信号に基づいて作動した球払出装置37により、該上流側通路36に貯留されたパチンコ球が下流側通路38に案内されることで、最終的に賞球または貸球として前記球受け皿17aに給出されるよう構成されている。なお、前記上流側通路36の下流端には、パチンコ機10の外部に設けられた球回収設備へパチンコ球を回収する球抜き通路39が分岐するよう設けられており(図6参照)、該分岐位置に設けた球抜き弁39aを開放することで、上流側通路36のパチンコ球が球抜き通路39を介して回収されるようになっている。
【0024】
(中枠基体部30について)
前記中枠基体部30の前面には、図2〜図3に示すように、前記遊技盤設置部40に設置された遊技盤20の盤面(前面)と略同一平面上に位置する発射装置設置部43が形成されており、前記操作ハンドル18の操作により作動してパチンコ球を前記発射通路23に向けて発射する打球発射装置45が発射装置設置部43に設置されている。前記打球発射装置45は、前記発射通路23の始端開口部23aを指向する傾斜姿勢で発射装置設置部43に設置されると共に前記球送り装置19から送出されるパチンコ球を発射待機位置に保持する発射レール45aと、操作ハンドル18の操作に応じて作動され、発射レール45aにおける発射待機位置に保持されたパチンコ球を打球する打球杆45bとを備えており、打球杆45bにより打球されたパチンコ球が発射レール45aに沿って発射通路23へ向けて発射されるようになっている。また、前記中枠基体部30の上端部には、前記発射レール45aの延長線上に、前記発射通路23の始端開口部23aに開口する発射口44が設けられており、前記発射レール45aに沿って発射されたパチンコ球が発射口44を介して発射通路23へ移動し得るよう構成されている。そして、前記発射通路23に発射されたパチンコ球が、前記外レール21に沿って遊技領域20aへ向けて案内される。
【0025】
また、前記中枠基体部30には、図3に示すように、前記前枠14を中枠13に対して閉鎖した状態で前記給出口16と対応する位置に、中枠基体部30の前後に貫通する連絡通路55が設けられて、該前枠14を中枠13に対して閉鎖することで連絡通路55の前方開口(球出口)に給出口16が連通接続するよう構成されている。前記連絡通路55の後方開口(球入口)には、前記合流通路ユニット60の球流下経路部65,75,80が連通接続するよう構成されており、該合流通路ユニット60の球流下経路部65,75,80に到来したパチンコ球(賞球や貸球、ファール球)が連絡通路55および給出口16を介して球受け皿17aに案内されるようになっている(図6参照)。なお、前記連絡通路55は、前記中枠基体部30の左端部近傍に位置するよう形成されている。
【0026】
また、前記中枠基体部30には、前記連絡通路55の球出口に、該連絡通路55をパチンコ球が通過不能な通過規制位置および当該連絡通路55をパチンコ球が通過可能な通過許容位置に回転変位可能な球止め部材56が配設されている。前記球止め部材56は、バネ等の付勢手段57により前記通過規制位置へ向けて常時付勢されており、前記中枠13に対して前枠14を開放して前記給出口16と連絡通路55とが分離した状態において、前記連絡通路55からパチンコ球が前方へ零れ落ちるのを防止するよう構成されている。また、前記中枠13に対して前枠14を閉鎖した状態では、前記前枠14の給出口16の開口縁に形成された押圧部16aが球止め部材56の作動片58を押圧することで、該球止め部材56を通過規制位置から通過許容位置へ強制変位させるよう構成されており、前記連絡通路55から球受け皿17aへパチンコ球が移動し得るようになっている。なお、図3では、球止め部材56を通過許容位置へ変位させた状態を示している。
【0027】
また、前記中枠基体部30には、図3に示すように、前記発射通路23に飛翔したパチンコ球の内で、前記遊技領域20aまで到達する勢いがなく発射通路23を逆流したパチンコ球(所謂ファール球)を回収するファール球受け部50が設けられている。前記ファール球受け部50は、前記中枠基体部30の上面(遊技盤20保持部側)で上方開口する受入れ口51と、該中枠基体部30の後面で後方開口する排出口52とを備え、該受入れ口51から排出口52へ向けて下方傾斜する皿状に形成されている。すなわち、前記ファール球受け部50の受入れ口51に流入したパチンコ球は、前記排出口52に誘導されて中枠基体部30の裏側へ排出されるようになっている。また、前記ファール球受け部50の排出口52は、後述するように前記合流通路ユニット60の球流下経路部65,75,80に連通接続しており、ファール球受け部50に受入れたファール球が合流通路ユニット60を介して球受け皿17aに回収されるようになっている。
【0028】
ここで、前記ファール球受け部50の受入れ口51は、図3に示すように、前記発射通路23の始端開口部23a内で開口するよう構成されており、該発射通路23を逆流したファール球がファール球受け部50に流入するよう構成されている。より具体的には、前記ファール球受け部50の受入れ口51が前記発射通路23を画成する外レール21の下端部で開口するよう前記中枠基体部30に設けられている。すなわち、前記中枠基体部30には、前記発射通路23の始端開口部23aにおいて、前記打球発射装置45により発射されたパチンコ球が通過する発射口44よりも外側(外レール21側)に前記ファール球受け部50が発射口44に隣接して設けられており、前記外レール21に沿って流下するファール球が発射口44側に戻ることなくファール球受け部50の受入れ口51に流入するようになっている。
【0029】
(合流通路ユニット60について)
次に、前記合流通路ユニット60の構成について説明する。図7に示すように、前記合流通路ユニット60は、ユニット本体としての本体部61と、該本体部61に形成されてパチンコ球が流下する球流下経路部65,75,80と、該球流下経路部65,75,80でのパチンコ球の滞留を検出する異常検出手段90とを備えており、前記中枠13(中枠基体部30)の裏側に本体部61がネジ等で固定されるようになっている。ここで、実施例の本体部61は、上方開口する箱状に形成されると共に前記球流下経路部65,75,80が画成されるベース部62と、該ベース部62に取り付けられて当該ベース部62(球流下経路部65,75,80)の上方開口を塞ぐカバー部63と、前記異常検出手段90が設置される機構設置部64とから構成されて、ベース部62に対してカバー部63および機構設置部64を取り付けた全体で、前記連絡通路55の球入口およびファール球受け部50の排出口52を塞ぐ大きさの箱状に形成されている。なお、前記合流通路ユニット60(本体部61)の上面および外側面は補強板60aで被覆されており、該合流通路ユニット60の剛性を高めている。
【0030】
また、前記合流通路ユニット60の本体部61には、前記連絡通路55の球入口およびファール球受け部50の排出口52と対応する位置に、前記球流下経路部65,75,80に開口する連通口61a,61bが夫々前方開口するよう開設されており、球流下経路部65,75,80から連絡通路55へのパチンコ球の移動を可能にすると共に、ファール球受け部50から球流下経路部65,75,80へのパチンコ球(ファール球)の移動を可能にしている。なお、以下の説明では、連絡通路55の球入口に連通する連通口を第1連通口61aと指称し、ファール球受け部50の排出口52に連通する連通口を第2連通口61bと指称する。すなわち、実施例では、第1連通口61aの右側方に第2連通口61bが位置するよう前記本体部61に各連通口61a,61bが形成されている。
【0031】
ここで、前記合流通路ユニット60に形成される前記球流下経路部65,75,80は、図7〜図8、図12に示すように、前記連絡通路55に連通する球貯留部(合流部)65と、前記球払出しユニット35の下流側通路38に連通すると共に球貯留部65に連通する払出し球通路75と、前記ファール球受け部50に連通すると共に球貯留部65に連通するファール球通路80とが設けられており、該合流通路ユニット60を介して下流側通路38およびファール球受け部50の夫々が連絡通路55(球受け皿17a)に連通するようになっている。すなわち、前記球払出装置37の作動により払出された賞球や貸球は、前記下流側通路38および払出し球通路75を介して球貯留部65に一旦移動した後に、前記球受け皿17aへ給出されると共に、前記打球発射装置45の発射に伴い発生したファール球は、前記ファール球受け部50およびファール球通路80を介して球貯留部65に一旦移動した後に、球受け皿17aへ回収されるようになっている。このように、実施例のパチンコ機10では、前記合流通路ユニット60の払出し球通路75が前記賞球を前記球受け皿17aへ案内する賞球払出し通路の一部を構成し、該合流通路ユニット60のファール球通路80が前記ファール球を前記球受け皿17aに案内するファール球回収通路の一部を構成しており、賞球や貸球として遊技者に払出されるパチンコ球が通過する経路と、発射不良に伴いファール球として回収されるパチンコ球が通過する経路とが球貯留部65において合流するようになっている。
【0032】
(球貯留部65について)
前記球貯留部65は、図5、図8に示すように、前記第1連通口61aを介して前記本体部61の前方へ開口するよう構成されており、前記合流通路ユニット60を中枠13(中枠基体部30)に取り付けた際に、該球貯留部65の第1連通口61aが前記連絡通路55の球入口に連通するようになっている。そして、前記球貯留部65の底面68は前方(第1連通口61a)へ向けて一様に下方傾斜するよう形成されており、該球貯留部65にあるパチンコ球を連絡通路55へ向けて転動させるよう構成されている。ここで、前記球貯留部65は、一定量のパチンコ球(例えば200〜300球程度)を貯留し得る容積の空間を画成しており、前記球受け皿17aが満杯になって受入れ不能なパチンコ球を、該球貯留部65に一時的に貯留し得るよう構成されている。
【0033】
前記球貯留部65の右側面を画成する右内側壁66には、図8、図10、図12に示すように、該球貯留部65に開口する第1接続口69および第2接続口70が前後に離間する位置に形成されており、該第1接続口69および第2接続口70に対応して前記払出し球通路75およびファール球通路80の夫々が個別に連通するようになっている。ここで、実施例では、前記球貯留部65の内部後方側(奥側)に位置する第1接続口69に、前記払出し球通路75が連通接続し、該球貯留部65の内部前方側(手前側)に位置する第2接続口70(ファール球通路80の球出口)に、前記ファール球通路80が連通接続するよう構成されている。すなわち、実施例では、前記ファール球通路80は、前記払出し球通路75よりも前記球貯留部65が球受け皿17aに連通する第1連通口61aに近接位置するよう設けられている。そして、第1接続口69が払出し球通路75の球出口として機能すると共に、第2接続口70がファール球通路80の球出口として機能している。
【0034】
また、前記球貯留部65の左側面を画成する左内側壁67は、図8、図10、図12に示すように、前記第1連通口61aに繋がる前端部から前記第1接続口69に対向する球貯留部65の後端部へ向かうにつれて、前記右内側壁66側に近接する湾曲面状に形成されている。これにより、前記第1接続口69または第2接続口70を介して球貯留部65に流入して左内側壁67側へ移動したパチンコ球(賞球や貸球、ファール球)を速やかに第1連通口61aへ誘導し得るようになっている。また、前記球貯留部65の底面68には、前記第1接続口69に対向する左内側壁67側に、該球貯留部65内に突出する膨出部68aが形成されており、該第1接続口69(払出し球通路75)を介して球貯留部65に流入したパチンコ球(賞球や貸球)の転動方向が速やかに第1連通口61aへ向くよう誘導している。すなわち、賞球や貸球の払出しが遅れて球受け皿17a内のパチンコ球がなくなるのを防止している。ここで、前記球貯留部65の底面68からの膨出部68aの突出高さは、該底面68から膨出部68a上にパチンコ球が乗り上げ可能な程度(例えばパチンコ球の直径の1/10〜1/3程度)に設定されており、該球貯留部65に貯留可能なパチンコ球数を減らすことなく、パチンコ球の転動方向を第1連通口61aへ誘導し得るようにしてある。なお、前記膨出部68aの周縁部は、円弧状に面取りされており、該膨出部68aへパチンコ球が容易に乗り上げ得るようにしてある。
【0035】
ここで、図8、図14等に示すように、前記球貯留部65の底面68は、前記払出し球通路75(後述する前方通路77)の底面75aよりも下方に位置するよう構成されている。また、前記球貯留部65の底面68には、前記払出し球通路75の合流位置(第1接続口69の直下流位置)に、上下に貫通する第1挿入孔71が開設されており、前記異常検出手段90における後述する第1作動部92が第1挿入孔71を介して球貯留部65内に突出するよう構成されている。すなわち、前記球貯留部65にパチンコ球が滞留した状態で前記払出し球通路75(前方通路77)を介して球貯留部65にパチンコ球(賞球や貸球)が流入するのに伴い、前記第1作動部92上にパチンコ球が滞留して作動するよう構成されている。
【0036】
また、前記第1挿入孔71の開口縁部には、図8、図14に示すように、球貯留部65の内部へ突出する規制壁72が形成されており、該球貯留部65に貯留可能なパチンコ球数を確保すると共に、第1挿入孔71を介して球貯留部65内に突出する前記第1作動部92の側面に、球貯留部65内に滞留したパチンコ球の圧力が掛かるのを抑制して、該第1作動部92の作動不良を防止している。なお、実施例では、前記球貯留部65の底面68からの規制壁72の突出高さは、パチンコ球の直径と同程度に設定されており、該球貯留部65の底面68上にあるパチンコ球が規制壁72に乗り上げるのを規制することにより、当該球貯留部65に積み重なるよう貯留されたパチンコ球の最下段にあるパチンコ球が第1作動部92に直接接触しないよう構成されている。
【0037】
(払出し球通路75について)
図8、図10、図12に示すように、前記払出し球通路75は、前記本体部61の後端部に形成されて前記球払出しユニット35の下流側通路38に連通する後方通路76と、該後方通路76を前記第1接続口69に接続させる前方通路77とから構成されている。ここで、前記後方通路76は、前記球払出しユニット35の下流側通路38の延在方向(実施例では図10において左から右方向)へ下方傾斜すると共に、該後方通路76の通路幅を1個のパチンコ球が一列で通過可能な寸法に設定されており、球払出しユニット35(下流側通路38)から合流通路ユニット60(払出し球通路75)に流入するパチンコ球(賞球や貸球)を、球詰まりすることなくそのままスムーズに流下させ得るようになっている。
【0038】
また、前記払出し球通路75の前方通路77は、前記後方通路76の下流端部(右端部)に連通すると共に当該後方通路76の前方側に重なるよう位置して、左方向へ下方傾斜する折返し形状に形成されている。ここで、前記前方通路77の通路幅は、複数個(実施例では2個)のパチンコ球が並んで通過可能な寸法に設定されており、払出し球通路75における折返し後の通路幅を拡大させることで、一度に多数払出されるパチンコ球(賞球や貸球)を速やかに球貯留部65へ案内し得るようになっている。なお、前記第1作動部92は、前記前方通路77の全幅に亘って臨むよう構成されており、払出し球通路75を通過したパチンコ球(賞球や貸球)の全てが第1作動部92上に移動するようになっている。また、前記払出し球通路75における後方通路76と前方通路77との接続部(すなわち払出し球通路75の折返し部)は、複数(実施例では2個)のパチンコ球が並んで通過可能な寸法に設定され、該後方通路76から前方通路77に流入するパチンコ球(賞球や貸球)の球詰まりを防止している。更に、前記払出し球通路75の折返し部は、前記後方通路76より前方通路77が下方に位置する段差状に形成されており(図8参照)、該折返し部で停留することなくパチンコ球(賞球や貸球)が後方通路76から前方通路77へスムーズに流下し得るようになっている。
【0039】
(ファール球通路80について)
前記ファール球通路80は、図8、図10、図12に示すように、前記第2連通口61bから第2接続口70へ向けて緩やかに屈曲するよう構成されており、前記合流通路ユニット60を中枠13(中枠基体部30)に取り付けた際に、該ファール球通路80の第2連通口61bが前記ファール球受け部50の排出口52に連通するようになっている。すなわち、前記ファール球通路80の後面を画成する後壁82は、前記第2連通口61bの右側開口縁から第2接続口70の後側開口縁に向かうにつれて緩やかに湾曲した曲面形状に形成されると共に、該ファール球通路80の前面を画成する前壁83は、第2連通口61bの左側開口縁から第2接続口70の前側開口縁に向かうにつれて緩やかに湾曲した曲面形状に形成されて、ファール球受け部50の排出口52から第2連通口61bを介してファール球通路80に流入するパチンコ球(ファール球)をスムーズに球貯留部65へ案内するよう構成されている。ここで、ファール球通路80の通路幅は、複数(実施例では2個)のパチンコ球が並んで流下可能な寸法に設定されており、前記ファール球受け部50からファール球通路80に流入するパチンコ球(ファール球)の球詰まりを防止しつつ、速やかに球貯留部65まで案内し得るようになっている。
【0040】
また、前記ファール球通路80における前記第2連通口61bの下縁部に連なる底面81には、図12に示すように、前記第2接続口70の直上流位置(球貯留部65との合流位置)に、上下および後方に貫通する第2挿入孔84が開設されており、前記異常検出手段90における後述する第2作動部93が第2挿入孔84を介して球貯留部65内に臨んでいる。すなわち、前記ファール球受け部50を介して流入するパチンコ球(ファール球)が前記ファール球通路80に滞留するのに伴い第2作動部93が作動し得るよう構成されている。ここで、前記第2挿入孔84は、前記ファール球通路80の下流端部において後方側(球貯留部65の奥側)に偏った位置に設けられており、該ファール球通路80の後壁82に沿って流下するパチンコ球(ファール球)が第2作動部93へ誘導されるようになっている。ここで、前記ファール球通路80の底面81は、前記後壁82に連設すると共に前記第2連通口61bから前記第2挿入孔84(第2作動部93)へ向けて連続して下方傾斜する後方傾斜面81aと、該後方傾斜面81aの前側に位置して前記前壁83に連設すると共に後側(後方傾斜面81a側)へ向けて下方傾斜する前方傾斜面81bとから構成されており、前記ファール球受け部50からファール球通路80に流入するパチンコ球(ファール球)を、後方傾斜面81aに沿って転動させて第2作動部93へ誘導するようになっている。
【0041】
更に、前記ファール球通路80における前記第2作動部93の下流側には、該ファール球通路80の底面81より所定高さだけ下がった段差部86が形成されており、該段差部86に前記第2接続口70が連通するようになっている。すなわち、前記ファール球通路80の底面81は、前記球貯留部65の底面68より上方に位置している。なお、実施例では、前記球貯留部65の底面68からの段差部86の高さは、パチンコ球の直径と同程度に設定してある。また、前記ファール球通路80の前壁83および後壁82には、前記第2挿入孔84(第2作動部93)と対応する位置に、後述する開閉部材100の揺動を規制する開放規制部85が設けられている。
【0042】
(異常検出手段90について)
次に、前記異常検出手段90について説明する。図7、図9に示すように、前記異常検出手段90は、前記払出し球通路75へのパチンコ球の滞留状態に対応した作動位置(図13(b)、図15、図17、図18参照)および該払出し球通路75をパチンコ球が通過可能な状態に対応した待機位置に変位する第1作動部92と、前記ファール球通路80へのパチンコ球の滞留状態に対応した作動位置および該ファール球通路80をパチンコ球が通過可能な状態に対応した待機位置に変位する第2作動部93と、中枠13に対する前記開閉部材としての前枠14の開放状態に対応した作動位置および該中枠13に対する前枠14の閉鎖状態に対応する待機位置に変位する第3作動部110と、第1〜第3作動部92,93,110の何れかの作動位置への変位を検出して検出状態に切り替わる検出手段としての検出センサ98とから基本的に構成されている。ここで、実施例の第1作動部92および第2作動部93は、前記機構設置部64に揺動自在に枢支される揺動部材91に一体的に設けられており、第1作動部92および第2作動部93の何れか一方の作動部92,93が作動位置へ変位するのに伴い他方の作動部92,93も作動位置に変位するよう構成されている。
【0043】
前記揺動部材91は、図9、図13、図14に示すように、前記第1作動部92の側縁部(図9の右側縁部)から延出片94が前方へ延出すると共に、該延出片94の前端部に、前記第2作動部93が形成されており、前記ベース部62と機構設置部64とを組み付けた際に、前記球貯留部65に形成された前記第1挿入孔71に第1作動部92が下方から挿入されると共に、前記ファール球通路80に形成された前記第2挿入孔84に第2作動部93が後方から挿入されるようになっている。また、前記揺動部材91の後端部には、左右方向に延在する軸孔91aが形成されており、該軸孔91aに挿通された揺動軸95を前記機構設置部64に枢支することで、揺動部材91が上下方向に揺動変位し得るよう機構設置部64に取り付けられている。そして、前記揺動軸95に付勢手段96としての捻りバネが介装されており、前記揺動部材91を上方(第1作動部92および第2作動部93が対応の第1挿入孔71および第2挿入孔84から上方へ突出する方向)へ向けて付勢するよう構成されている。
【0044】
ここで、前記揺動部材91には、前記第1作動部92の前端部に係合フック91bが形成されており、該係合フック91bが前記第1挿入孔71の開口下端縁に係合することで、揺動部材91の上方への揺動変位が規制されるようになっている(図14参照)。また、前記揺動部材91の下方への揺動変位は、該揺動部材91(第2作動部93)の前端下部が機構設置部64に接触することで規制されるよう構成されている。すなわち、前記揺動部材91(第1作動部92および第2作動部93)は、前記係合フック91bが第1挿入孔71の開口下端縁に係合する状態と、揺動部材91(第2作動部93)の前端下部が機構設置部64に接触する状態の範囲で揺動し得るようになっている。以下の説明では、前記捻りバネの付勢に伴い前記揺動部材91が上方へ揺動した状態における前記第1作動部92および第2作動部93の位置を待機位置と指称し(図13(a)、図14、図16参照)、該捻りバネの付勢に抗して揺動部材91が下方へ揺動した状態における第1作動部92および第2作動部93の位置を作動位置と指称するものとする(図13(b)、図15、図17、図18参照)。なお、図15等における符号Pはパチンコ球を示している。
【0045】
(第1作動部92について)
前記第1作動部92は、図8、図10、図14に示すように、前記第1挿入孔71の開口形状に略整合する形状に形成されており、前記払出し球通路75を通過したパチンコ球が第1挿入孔71から機構設置部64側に落下するのを防止している。ここで、前記第1作動部92が待機位置にある状態では、前記払出し球通路75(前方通路77)の底面75aと第1作動部92の上面92aとが同一面上に位置するか、或いは該払出し球通路75(前方通路77)の底面75aより第1作動部92の上面92aが下方に位置するよう構成されており、該払出し球通路75(前方通路77)を通過したパチンコ球が第1作動部92上に移動し得るようになっている。なお実施例では、前記第1作動部92が待機位置にある状態では、前記払出し球通路75(前方通路77)の底面75aより第1作動部92の上面92aが下方に位置している。また、前記第1作動部92が作動位置にある状態では、前記球貯留部65に形成された規制壁72の上端部より第1作動部92の上面92aが上方に位置するよう構成されており、該第1作動部92の上面92a上にあるパチンコ球の動きが規制壁72で制限されないようになっている。
【0046】
そして、前記第1作動部92上にパチンコ球(賞球や貸球)が乗ると、パチンコ球の重みによって前記揺動部材91が揺動して第1作動部92が待機位置から作動位置に移動すると共に(図14、図15参照)、当該第1作動部92上のパチンコ球が球貯留部65の底面68側に移動することで、前記捻りバネの付勢により揺動部材91が待機位置に復帰するよう構成されている。また、前記第1作動部92が待機位置および作動位置の何れにある状態にあっても、該第1作動部92の上面92aが前方(第1連通口61a)へ向けて下方傾斜するよう構成されている。すなわち、前記払出し球通路75を通過して第1作動部92上に到来したパチンコ球は、該第1作動部92が待機位置および作動位置の何れにある状態にあっても、前記第1連通口61aへ向けて球貯留部65の底面68側へ案内されるようになっている。
【0047】
(第2作動部93について)
前記第2作動部93は、図9,図11、図13(a)、図16に示すように、前記第2挿入孔84の開口形状に略整合する形状に形成されており、ファール球通路80を通過したパチンコ球が第2挿入孔84から機構設置部64側に落下するのを防止している。ここで、前記第2作動部93が待機位置にある状態では、前記ファール球通路80の底面81(後方傾斜面81a)と第2作動部93の上面93aとが同一面上に位置するか、或いは該ファール球通路80の底面81(後方傾斜面81a)より第2作動部93の上面93aが下方に位置するよう構成されており、該ファール球通路80を通過したパチンコ球が第2作動部93上に移動し得るようになっている。なお、実施例では、前記第2作動部93が待機位置にある状態において、前記ファール球通路80の底面81(後方傾斜面81a)と第2作動部93の上面93aとが略同一面上に位置している。そして、前記第2作動部93上にパチンコ球(ファール球)が乗ると、パチンコ球の重みによって前記揺動部材91が揺動して第2作動部93が待機位置から作動位置に移動すると共に、当該第2作動部93上のパチンコ球が球貯留部65の底面68側に移動することで、前記捻りバネの付勢により揺動部材91が待機位置に復帰するよう構成されている。
【0048】
図17に示すように、前記第2作動部93が作動位置にある状態では、前記段差部86の底面86a(球貯留部65の底面68)と第2作動部93の上面93aとが同一面上に位置するか、或いは該球貯留部65の底面68より第2作動部93の上面93aが上方に位置するよう構成されており、該作動位置にある第2作動部93上にあるパチンコ球が球貯留部65側へ転動し得るよう構成されている。なお、実施例では、前記第2作動部93が作動位置にある状態において、前記球貯留部65の底面68よりも第2作動部93の上面93aの方が僅かに上方に位置している。更に、前記第2作動部93が待機位置および作動位置の何れにある状態にあっても、該第2作動部93の上面93aが第2接続口70(球貯留部65)へ向けて下方傾斜するよう構成されており、当該第2作動部93上にあるパチンコ球を第1連通口61aへ案内するようになっている。
【0049】
また、前記揺動部材91には、前記第1作動部92と第2作動部93とを繋ぐ前記延出片94の下面側に、下方へ向けて延出する第1検出片(検出部)97が形成されている(図13参照)。そして、前記機構設置部64には、前記揺動部材91の第1検出片97と対応する位置に、該第1検出片97を検出する検出センサ98が設置されている。実施例では、前記検出センサ98として受光部98aと発光部98bとが所定間隔離間して対向配置されたフォトインタラプタが採用されており、該受光部98aおよび発光部98bの間の隙間が上下および後方へ開口する姿勢で、前記機構設置部64の下面側に検出センサ98が取り付けられている。すなわち、前記検出センサ98は、上方、下方および後方の異なる3方向に開口した開口部を有している。ここで、前記第1作動部92および第2作動部93が待機位置に保持された状態では、前記検出センサ98の上方に前記第1検出片97が退避して該検出センサ98が非検出となる一方で、該第1作動部92または第2作動部93が待機位置から作動位置へ変位した際に、当該検出センサ98の上方の隙間(上方差込口)に第1検出片97が差し込まれて検出されるよう構成されている。
【0050】
実施例では、前記検出センサ98が第1検出片97を検出する検出状態に切り替ってから、該検出状態が規定時間に亘って継続した場合に、前記球払出装置37による払出しを停止させるよう前記発射・払出し制御装置140が設定されている。ここで、前記球払出装置37による払出しを停止させる基準となる規定時間としては、前記払出し球通路75を通過するパチンコ球(賞球や貸球)が第1作動部92上を通過する際に、該パチンコ球の重みで待機位置から作動位置に第1検出片97が変位する時間だけ検出センサ98が検出する時間よりも長い時間に設定される。また同様に、規定時間としては、前記ファール球通路80を通過するパチンコ球(ファール球)が第2作動部93上を通過する際に、該パチンコ球の重みで待機位置から作動位置に第1検出片97が変位する時間だけ検出センサ98が検出する時間よりも長い時間に設定される。なお、実施例では規定時間として数秒(例えば3秒)の時間が設定されている。これにより、賞球や貸球が払出されたり、ファール球が発生する度に球払出装置37の作動が停止されるのを防止している。
【0051】
(第3作動部について)
前記第3作動部110は、図5、図9等に示すように、前後に延在する長尺な棒状に形成されており、前記機構設置部64の下面側における前記検出センサ98の隣接位置に、前方開口するよう形成された筒状ホルダ112に、該第3作動部110が前後移動可能な状態で後端部が挿入されている。前記第3作動部110は、前記筒状ホルダ112に取り付けた状態で、前記合流通路ユニット60の前面より大きく前方へ突出するよう構成されており、該合流通路ユニット60を中枠基体部30に取り付けた際に、中枠基体部30に前後に貫通するよう形成された貫通孔30a(図3、図5、図19参照)を介して中枠基体部30の前面側に第3作動部110の前端部が突出するよう構成されている。また、前記第3作動部110の後端部には、前記筒状ホルダ112の内底面との間にバネ部材(付勢手段)113が介挿されており、該バネ部材113により第3作動部110が常には前方へ向けて突出するよう付勢されている。なお、前記第3作動部110および筒状ホルダ112には、該筒状ホルダ112からの第3作動部110の脱落を防止する抜止め手段(図示せず)が設けられており、前記バネ部材113で付勢された第3作動部110の後端部が筒状ホルダ112の前方開口から抜け出ないよう構成されている。なお、前記抜止め手段としては、前記第3作動部110の前後移動を許容しつつ筒状ホルダ112からの脱落を防止し得る構成であれば任意の構成を採用可能であるが、一例として挙げれば、前記第3作動部110の周面に前後に延在する溝部を形成すると共に、該溝部に摺動する突起部を筒状ホルダ112の内周面に形成して、該溝部の後端縁に突起部が係止するよう構成することで実現可能である。
【0052】
ここで、前記バネ部材113により前方へ付勢された前記第3作動部110の前端部は、図19に示すように、前記中枠13に対して閉鎖した前枠14(前枠基体部15)の後面よりも前方へ突出するよう構成されている。これにより、前記中枠13に対して前枠14を閉鎖した状態では、該前枠14(前枠基体部15)の後面で第3作動部110の前端部が押圧されて、前記バネ部材113の付勢に抗して該第3作動部110が後方へ変位し、該中枠13に対して前枠14を開放することで、バネ部材113の付勢により第3作動部110が前方へ変位するようになっている。これにより、前記第3作動部110は、前記中枠13に対する前記前枠14の開放状態に対応した作動位置(図3、図13(a)、図19(a)参照)および該中枠13に対する前枠14の閉鎖状態に対応した待機位置(図13(b)、図19(b)参照)に変位し得るようになっている。
【0053】
また、図9、図13、図19に示すように、前記第3作動部110には、前記検出センサ98の後方開口と前後方向で整列する位置に、前後方向に延在する第2検出片(別の検出部)111が設けられており、該第3作動部110の前後移動に伴って検出センサ98の後方の隙間(後方差込口)を介して第2検出片111を挿脱し得るようになっている。ここで、第3作動部110が待機位置に保持された状態では、前記検出センサ98の後方に第2検出片111が退避して該検出センサ98が非検出となる一方で、該第3作動部110が待機位置から作動位置に前方へ変位した際に、第2検出片111が検出センサ98の後方差込口に差し込まれて検出されるよう構成されている。すなわち、前記第3作動部110は、パチンコ機10が遊技に供される通常の状態(すなわち前枠14を中枠13に対して閉鎖した状態)では、常には待機位置に保持されると共に、前記前枠14が開放した不正常な状態になることで前記第3作動部110が作動位置に変位して第2検出片111が前記検出センサ98で検出されるようになっている。なお、前記筒状ホルダ112には、前記第2検出片111と対応する位置に、前方および該筒状ホルダ112の内部に開口するスリット114が形成されており、前記第3作動部110が前後移動した際に、該スリット114を介して第2検出片111が出没し得るようになっている。
【0054】
ここで、前記検出センサ98は、パチンコ機10の全体を制御する制御手段としての主制御装置(図示せず)に配線接続されており、該検出センサ98が前記第1検出片97および第2検出片111の何れの検出部を検出した場合も共通の検出信号が主制御装置に出力されるようになっている。そして、前記検出センサ98からの共通の検出信号が主制御装置に入力されるのに伴って前記発射・払出し制御装置140が球払出装置37に対して払出停止信号を出力するよう設定されており、該払出停止信号の入力により球払出装置37がパチンコ球の払い出しを停止するようになっている。そして、前記検出センサ98が前記第1検出片97および第2検出片111の何れの検出部も非検出となった場合に共通の検出解除信号が主制御装置に入力されるのに伴って発射・払出し制御装置140が球払出装置37に対する払出停止信号の出力を停止するよう設定されている。すなわち、前記貸球操作ボタン17cの操作による貸球払出信号や前記入賞装置へのパチンコ球の入賞による入賞検出信号に基づいて前記球払出装置37が貸球や賞球の払出動作を行っている途中で、前記検出センサ98からの共通の検出信号が入力された場合には、該貸球や賞球の払い出しを一時的に中断するよう構成されている。そして、検出解除信号が入力されると、貸球や賞球の払い出しの中断が解除されて、未払出しの貸球や賞球の残数を払い出すよう発射・払出し制御装置140が前記球払出装置37を作動制御するよう設定されている。また、前記異常検出手段90の検出センサ98から共通の検出信号が入力されると、前記主制御装置から報知手段に異常検出信号を出力して異常の発生を報知するようになっている。
【0055】
ここで、前記報知手段としては、パチンコ機10に備えられた図柄表示装置やスピーカ26(図2参照)、発光手段等が適宜に採用される。実施例のパチンコ機10における異常検出手段90の検出に伴った具体的な報知制御としては、前記共通の検出信号の入力に伴って継続的にスピーカ26から警報音を出力するよう主制御装置が制御している。また、前記スピーカ26からは、警報音として「球を抜いて下さい」といった音声出力が行われるよう設定されている。すなわち、異常検出手段90の検出時には、遊技を行なっている際に発生する頻度が高い前記球受け皿17aへパチンコ球を供給不能な状態を基準にして報知するよう設定されている。また、スピーカ26からの警報音の出力と併せて、図柄表示装置上に「球を抜いて下さい」といった警告表示を表示することで、遊技者に視覚的に注意を促すようにしてもよい。
【0056】
また、前記異常検出手段90の検出に伴った異常報知(スピーカ26からの警報音出力)は、前記主制御装置に対する共通の検出信号の入力が停止するまで継続的に行われるように構成されている。このため、前枠14の開放に起因して前記共通の検出信号が主制御装置に入力されて異常報知が行われた場合に、前記球受け皿17aへパチンコ球を供給し得るように対処したとしても共通の検出信号の入力が停止せず、異常の報知が継続される。すなわち、前記球受け皿17aへパチンコ球を供給不能な状態になったことを基準にしてスピーカ26から警報音を出力して異常報知を行なっても、前枠14の開放に起因した異常が発生していることを認識することができる。
【0057】
また、実施例に係る異常検出手段90では、前記第1検出片97が待機位置にある状態では、該第1検出片97に干渉することなく前記第2検出片111が作動位置および待機位置の間で変位し得るよう構成されると共に、該第2検出片111が待機位置にある状態では、当該第2検出片111に干渉することなく第1検出片97が作動位置および待機位置の間で変位し得るよう構成されている。すなわち、前記第1検出片97および第2検出片111の夫々が作動位置および待機位置の間を独立して変位し得るよう構成されて、前枠14の開放と球受け皿17aにパチンコ球を供給し得ない満杯状態とを1つの装置で検出し得るようになっている。ここで、前記第1検出片97および第2検出片111は、直交座標の異なる軸線方向(例えば上下方向をX軸とし、前後方向をY軸とする)に移動するよう構成されると共に、該第1検出片97および第2検出片111の交点位置に前記検出センサ98が配置されている。
【0058】
そして、前記検出センサ98の上方差込口を介して前記第1検出片97が差し込まれた状態では、該第1検出片97と干渉して前記第2検出片111を検出センサ98の後方差込口へ差込不能となると共に、検出センサ98の後方差込口を介して第2検出片111が差し込まれた状態では、該第2検出片111と干渉して第1検出片97を検出センサ98の上方差込口へ差込不能となるよう構成されている。このように、実施例の異常検出手段では、前記第1検出片97が作動位置にある状態では、前記第2検出片111の作動位置への変位が第1検出片97で規制され、該第2検出片111が作動位置にある状態では、第1検出片97の作動位置への変位が第2検出片111で規制されて、前記検出センサ98により第1検出片97および第2検出片111の何れかを単独で検出し得るよう構成されている。
【0059】
(開閉弁102について)
次に、前記ファール球通路80に設けられる開閉部材100について説明する。図7、図8、図10、図11に示すように、前記開閉部材100は、前記合流通路ユニット60の本体部61に取り付けられる支持部101と、前記ファール球通路80の経路途中に位置するよう支持部101に揺動可能に支持され、該ファール球通路80を閉鎖する閉鎖位置(図16参照)および該通路80を開放する開放位置(図18参照)に変位可能な開閉弁102とから基本的に構成されている。実施例では、前記ファール球通路80の下流端部(第2接続口70)に前記開閉弁102が位置するよう前記開閉部材100が前記合流通路ユニット60の本体部61に取り付けられて、該第2接続口70を開閉弁102で開閉するよう構成されている。
【0060】
前記支持部101は、図8、図10等に示すように、前記ファール球通路80を横断する長さに形成された基部101aの両端部に係止爪101bを備えており、前記本体部61に形成された係止孔107に係止爪101bを係止することで、ファール球通路80を跨るよう本体部61に取り付けられる。また、前記支持部101の基部101aは、前記ファール球通路80の下流から上流側に向けて上方傾斜する傾斜状部101cが形成されており、第2接続口70側から挿入されて基部101aの傾斜状部101cに当接したワイヤ等の不正具を上方へ誘導して、前記第2連通口61bまで挿入されるのを防止している。また、前記支持部101には、前記基部101aの前側に、前記開閉弁102を枢支する軸部105を支持する軸受け部101dが設けられている。
【0061】
前記開閉弁102は、図11に示すように、前記第2接続口70を閉塞可能な略矩形板状に形成された弁本体103と、該弁本体103の上端部に沿って軸孔104aが延在する軸筒部104とを備えており、該軸筒部104の軸孔104aに挿通した軸部105を、前記支持部101の軸受け部101dで支持することで、開閉弁102が支持部101に対して揺動可能に支持される。このように、前記開閉弁102の上端部を枢支することで、前記第2接続口70を閉塞する閉鎖位置へ向けて弁本体103が自重により付勢されるようになっている。なお、前記閉鎖位置にある開閉弁102の上端部は、前記ファール球通路80の上面を画成する前記ベース部62から離間するよう形成されて、該開閉弁102の上端部とベース部62との隙間により開閉弁102の開閉動作を許容するようになっている。
【0062】
また、前記閉鎖位置にある状態では、前記ファール球通路80の前壁83および後壁82に形成された前記開放規制部85に前記開閉弁102(弁本体103)の左右側縁部が夫々当接するようになっている(図11、図13〜図17参照)。これにより、前記開閉弁102(弁本体103)を挟んで第2接続口70側からファール球通路80の内部(ファール球通路80の下流から上流側)への開閉弁102の揺動(開放動作)を規制すると共に、開閉弁102を挟んでファール球通路80の内部から第2接続口70側への開閉弁102の揺動(開放動作)を許容するようになっている。すなわち、前記ファール球通路80を通過するパチンコ球(ファール球)に押圧された開閉弁102が開放動作することで、該ファール球通路80から球貯留部65へパチンコ球(ファール球)が移動し得るようになっている。また、前記閉鎖位置にある状態では、前記開放規制部85に当接した開閉弁102が、上端部から下端部に向けて球貯留部65側(第2接続口70側)に傾斜する傾斜姿勢で保持されており、前記ファール球通路80を通過するパチンコ球(ファール球)に押圧された開閉弁102が開放動作を容易に行ない得るようになっている。
【0063】
ここで、前記開放規制部85は、前記ファール球通路80の底面81より上方側に位置する前記開閉弁102(弁本体103)の左右側縁部の全長が当接するよう形成されており(図11、図13〜図17参照)、前記球貯留部65から進入させたワイヤ等の不正具を、開閉弁102の左右側縁部からファール球通路80の内部への挿入を阻止するようになっている。また、前記閉鎖位置にある開閉弁102(弁本体103)の下端部は、前記ファール球通路80の底面81より下方に延在して前記段差部86に臨むよう構成されており、前記球貯留部65から進入させたワイヤ等の不正具を、開閉弁102の下縁部からファール球通路80の内部への挿入を阻止するようになっている。また、前記開閉弁102(弁本体103)の下端部は、上方から下方へ向かうにつれて前記第2接続口70から離間する湾曲形状に形成されており、該開閉弁102の下端部にワイヤ等の不正具が引っ掛けられて開閉弁102が強制開放されるのを防止している。更に、前記閉鎖位置にある開閉弁102における弁本体103の上端部は、前記支持部101の基部101aの下端部より上方に位置して、該弁本体103の上方側に形成される隙間が支持部101の基部101aと対向位置するよう構成されている。これにより、前記球貯留部65から進入させて弁本体103の上方側の隙間にワイヤ等の不正具が差し込まれたとしても、前記基部101aによりファール球通路80の内部へ不正具が進入するのを阻止し得るようになっている。
【0064】
また、前記開閉弁102には、図11、図16〜図18に示すように、前記軸筒部104から上方へ突出する揺動規制部106が設けられている。前記揺動規制部106は、前記閉鎖位置にある開閉弁102の開放方向に前記支持部101の基部101a(具体的には傾斜状部101c)から離間するよう構成されており、該開閉弁102の開放動作を許容する一方で、該開閉弁102の開放動作に伴い揺動規制部106が支持部101の基部101aに接触して開閉弁102の開放動作を規制するようになっている。ここで、図18に示すように、前記ファール球通路80を通過するパチンコ球(ファール球)に押圧された開閉弁102が開放位置に変位した状態では、前記揺動規制部106が支持部101の基部101aから開閉弁102の開放方向に僅かに離間しており、この状態で開閉弁102の僅かな開放動作を許容するよう構成されている。すなわち、前記ファール球通路80を通過するパチンコ球(ファール球)に押圧された開閉弁102が開放位置に変位した状態で開閉弁102の開放動作が許容されることで、該開閉弁102によりパチンコ球(ファール球)が噛み込まれて球詰まりするのを防止している。ここで、前記揺動規制部106が支持部101の基部101aに接触して開閉弁102の開放動作が規制された状態(すなわち開放位置から開閉弁102を開放動作した状態)では、該開閉弁102の下端部と球貯留部65の底面68とがパチンコ球の直径より僅かに広い間隔で離間するよう設定されている。すなわち、前記開閉弁102の開放動作は、前記ファール球通路80から1個のパチンコ球(ファール球)が1段で通過し得る程度に規制されて、当該開閉弁102が不必要に開放するのを規制している。
【0065】
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0066】
前記パチンコ機10の前面側に設けられた前記操作ハンドル18を遊技者が回転操作すると、前記球送り装置19が作動して球受け皿17aに貯留されたパチンコ球が1球ずつ打球発射装置45における発射レール45aの発射待機位置に送られると共に、該発射待機位置に保持されたパチンコ球が打球杆45bにより打球されて、該発射レール45aに沿って遊技盤20の発射通路23へ向けて発射される。前記発射通路23内に発射されたパチンコ球は、前記外レール21に沿って前記遊技盤20に画成された遊技領域20a内に誘導されて、遊技釘等に接触して流下方向を変更しながら該遊技領域20a内を流下する。そして、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が前記入賞装置に入賞することで、前記図柄表示装置での図柄変動演出が開始されると共に、前記発射・払出し制御装置140に賞球払出し信号が入力され、前記球払出装置37が作動して所定数の賞球が払出される。また、遊技の開始時等に前記パチンコ機10の前面側に設けられた貸球操作ボタン17cを遊技者が押下した場合には、前記発射・払出し制御装置140に貸球払出し信号が入力され、前記球払出装置37が作動して所定数の貸球が払出される。
【0067】
前記球払出装置37が作動すると、賞球または貸球としてのパチンコ球が前記球払出しユニット35の上流側通路36から下流側通路38に送出されて、前記合流通路ユニット60に流入する。そして、前記合流通路ユニット60に流入したパチンコ球(賞球や貸球)は、前記払出し球通路75を介して球貯留部65へ転動し、該球貯留部65の底面68に沿って第1連通口61aから中枠13の連絡通路55へ誘導されて、最終的に給出口16を介して球受け皿17aに払出されて、遊技に供されるようになっている。また、前記打球発射装置45により発射されたパチンコ球の勢いが弱い場合には、前記遊技盤20に画成された遊技領域20a内までパチンコ球が到達せず、前記外レール21に沿ってパチンコ球が逆流するファール球となる。このファール球は、前記ファール球受け部50を介して前記合流通路ユニット60に流入する。そして、前記合流通路ユニット60に流入したパチンコ球(ファール球)は、前記ファール球通路80を介して球貯留部65へ転動し、該球貯留部65の底面68に沿って第1連通口61aから中枠13の連絡通路55へ誘導されて、最終的に給出口16を介して球受け皿17aに払出されて、遊技に供されるようになっている。
【0068】
ここで、前記球受け皿17aに貯留可能なパチンコ球の貯留量を超えると、賞球や貸球として払出されたパチンコ球や、ファール球として回収されたパチンコ球が前記合流通路ユニット60の球貯留部65に滞留する。そして、前記球貯留部65にパチンコ球が滞留して前記払出し球通路75から到来するパチンコ球(賞球や貸球)が前記第1作動部92上に留まるようになると、該第1作動部92の待機位置から作動位置への変位を前記検出センサ98が検出して、前記球払出装置37の作動が停止される。また、前記球貯留部65にパチンコ球が滞留して前記ファール球通路80から到来するパチンコ球(ファール球)が前記第2作動部93上に留まるようになると、該第2作動部93の待機位置から作動位置への変位を前記検出センサ98が検出して、前記球払出装置37の作動が停止される。このように、入賞口への入賞を契機として払出されるパチンコ球(賞球)や貸球操作ボタン17cの操作を契機として払出されるパチンコ球(貸球)が払出し球通路75に滞留するのに伴う第1作動部92の作動位置への変位と、遊技領域20aに到達しないパチンコ球(ファール球)がファール球通路80に滞留するのに伴う第2作動部93の作動位置への変位とを単一の検出センサ98で検出することで、球受け皿17aへのパチンコ球の払出しが停止するようにしたことで、球受け皿17a(球貯留部65)に過剰なパチンコ球が滞留するのを防止し得る。また単一の検出センサ98で賞球や貸球の滞留とファール球の滞留とを検出するようにしたことで、検出センサ98の設置数を増やす必要がなく、コスト削減を図り得ると共に、省スペース化を図り得る。
【0069】
また、前記合流通路ユニット60では、球貯留部65に払出し球通路75が接続する第1接続口69よりも、該球貯留部65にファール球通路80が接続する第2接続口70を、当該球貯留部65が球受け皿17aに連通する第1連通口61aに近接位置するよう設けてある。これにより、球貯留部65に受入れ可能なパチンコ球数(賞球数や貸球数)を多くすることができ、賞球や貸球の払出しが滞るのを防止し得る。また、ファール球の滞留を速やかに検出できるから、球受け皿17aにおける過剰なパチンコ球の滞留を効果的に防止し得る。
【0070】
そして、前記第1作動部92および第2作動部93の夫々を単一の揺動部材91に設けたことで、合流通路ユニット60の構成を単純化してコスト削減を図り得ると共に、該合流通路ユニット60をコンパクトにして省スペース化を図り得る。また、前記賞球や貸球の滞留を検出する第1作動部92を、前記揺動部材91における揺動軸95側に設けることで、払出し球通路75から到来するパチンコ球(賞球や貸球)が第1作動部92を通過する際に、該第1作動部92が待機位置から作動位置に変位し難くできることから、球貯留部65にパチンコ球が滞留していない正常な状態で払出されるパチンコ球(賞球や貸球)が第1作動部92上を通過する際に、前記検出センサ98が誤検出するのを防止し得る。また、前記ファール球の滞留を検出する第2作動部93を、前記揺動部材91における揺動軸95から離間する端部に設けることで、ファール球の滞留時における第2作動部93の応答性が高くなり、ファール球通路80へのパチンコ球(ファール球)の滞留を素早く検出することが可能となる。
【0071】
また、実施例のファール球通路80には、前記球貯留部65に接続する第2接続口70(ファール球通路80の経路途中)に、ファール球通路80を開閉する開閉弁102が設けられて、当該ファール球通路80を流下するパチンコ球に押圧された場合に限り開閉弁102が開放動作し得るよう構成してある。これにより、前記球貯留部65に滞留したパチンコ球がファール球通路80に進入(逆流)するのを防止できる。また、前記開閉弁102は、前記第2作動部93よりもファール球通路80の下流側に位置するよう配置されているから、球貯留部65に滞留したパチンコ球により第2作動部93が誤作動することはなく、ファール球の発生に伴いファール球通路80にパチンコ球(ファール球)の滞留が生じたことを第2作動部93で正確に検出することが可能となる。また、第2作動部93の下流側に開閉弁102が位置することで、球貯留部65に滞留したパチンコ球が第2作動部93に接触して第2作動部93が損傷することも防止できる。更に、前記開閉弁102は自重によりファール球通路80を閉鎖する閉鎖位置へ向けて付勢されるよう構成してあるから、該開閉弁102を作動する機構を別途設ける必要がなく、コスト削減を図り得ると共に、開閉弁102の開閉構造をコンパクトにして省スペース化を図り得る。
【0072】
更に、前記開閉弁102の弁本体103は、前記第2接続口70を閉塞可能な略矩形板状に形成されると共に、球貯留部65側からファール球通路80側への開放動作を規制するよう構成されている。このため、前記球受け皿17aの給出口16から球貯留部65内にワイヤ等の不正具を挿入して開閉弁102を押圧された場合に、該開閉弁102が開放位置に変位することはない。従って、球貯留部65側から差し込まれた不正具がファール球通路80を介して遊技盤20まで挿入されるのを確実に防止できる。また、前記開閉弁102の外周部から不正具をファール球通路80へ進入させるよう試みたとしても、前記段差部86、開放規制部85および開閉部材100の基部101aにより阻止されるから、該ファール球通路80を介した不正具の挿入による不正行為を防止することが可能となる。また前述したように、前記第2作動部93の下流側に開閉弁102が位置しているから、不正具を利用した不正行為が試みられた際に第2作動部93が損傷するのを防止し得ると共に、当該第2作動部93自体に対する不正行為や悪戯を開閉弁102で防止することができる。
【0073】
ところで、前記前枠14が中枠13に対して開放された状態では、前記球払出装置37の作動に伴う賞球や貸球が払出されたり、ファール球が発生したりして、中枠基体部30の連絡通路55を通過したパチンコ球が前記球受け皿17aに供給されることなく零れ落ちる虞がある。ここで、前記中枠13(中枠基体部30)の前面には、前記異常検出手段90の第3作動部110が露出するよう構成されており、遊技に供される前枠14が閉鎖した通常の状態では、該第3作動部110が前枠14(前枠基体部15)に押圧されて、前記異常検出手段90が備えた検出センサ98の後方差込口から抜き出された待機位置に第3作動部110の第2検出片111が保持されるのに対し、遊技を行なうには不正常な前枠14が開放した状態にされると、前記バネ部材113の付勢により第3作動部110が前方へ移動して、検出センサ98の後方差込口に第2検出片111が差し込まれて検出されるようになる。このように、バネ部材113により第3作動部110を中枠13(中枠基体部30)の前面に突出する作動位置へ付勢することで、異常検出手段90から分離独立した前枠14の開閉動作を該異常検出手段90で検出することができる。そして、前記異常検出手段90が備える検出センサ98が第3作動部110の第2検出片111を検出するのに伴って前記球払出装置37の払出しが停止されるから、前記前枠14の開放によるパチンコ球の零れ落ちを防止し得る。しかも、前枠14が開放した不正常な状態では、前記球払出装置37の作動が停止されるから、該前枠14を開放して不正行為が行われたとしても、不正なパチンコ球の払出しが行われるのを確実に防止し得る。
【0074】
このように、前記異常検出手段90は、前記中枠13に対する前枠14の開閉に応じて第3作動部110が作動位置および待機位置に変位するよう構成されると共に、前記球受け皿17aに対するパチンコ球を供給可能な状態および供給不能な状態(満杯状態)への変化に応じて第1検出片97が作動位置および待機位置に変位するよう構成されて、該第1検出片97(すなわち第1作動部92または第2作動部93)の作動位置への変位および第2検出片111(すなわち第3作動部110)の作動位置への変位を単一の検出センサ98で検出するようになっているから、個別に検出センサを設ける構成に較べてコスト削減を図り得ると共に、省スペース化を図り得る。また、前記第1検出片97および第2検出片111の夫々は、作動位置および待機位置の間を独立して変位し得るよう構成されているから、中枠13に対する前枠14の開放および球受け皿17aの満杯状態を、個別に検出することができる。更に、前記検出センサ98が第1検出片97または第2検出片111を検出した際に出力される共通の検出信号に基づいて、主制御装置が前記球払出装置37の払出しを停止するよう作動制御するから、前枠14を開放してパチンコ球の払出しを不正に行なう不正行為が行われるのを防止し得ると共に、球受け皿17aに過剰に供給されたパチンコ球に起因した球詰まり等の不具合の発生を確実に防止し得る。
【0075】
そして、正常な遊技が行われる状態において前記第1検出片97および第2検出片111の夫々が常には待機位置に保持されて、前枠14の開放に伴って第2検出片111が作動位置に変位すると共に、球受け皿17aへのパチンコ球の滞留に伴って第1検出片97が作動位置に変位することで、前枠14の開放や球受け皿17aへのパチンコ球の滞留といった現象を確実に検出することができる。しかも、前記第1検出片97および第2検出片111の何れか一方が作動位置に変位した状態では、他方の検出片の作動位置への変位が規制されるから、該第1検出片97および第2検出片111が検出センサ98に重複して検出されるのを防止できる。しかも、先に作動位置にあった第1検出片97または第2検出片111が待機位置へ変位すると、他方の検出片が作動位置へ速やかに変位することができるから、第1検出片97および第2検出片111の状態を確実に検出センサ98で検出することができる。
【0076】
そして、前記異常検出手段90は、合流通路ユニット60のケースとなる本体部61に配設された1つの検出センサ98に対して、複数の検出片97,111を夫々異なる方向から近接および離間移動するよう構成することで、該複数の検出片97,111が作動位置および待機位置へ変位するのを1つの検出センサ98で検出することができ、コスト削減を図り得ると共に省スペース化を図り得る。また、受光部98aと発光部98bとを対向させた検出センサ98に対して直交方向から第1検出片97および第2検出片111が移動するよう構成したことで、第1検出片97および第2検出片111が作動位置および待機位置を変位する過程で相互に干渉するのを防止でき、該検出センサ98の誤検出を防止し得る。
【0077】
(別実施例)
次に、前記異常検出手段の別の実施例を説明する。なお、別実施例に係る異常検出手段において、前述の実施例において説明した異常検出手段90と同一の機能を有する構成・部材に関しては同一の符号を付して詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0078】
別実施例に係る異常検出手段90は、図20に示すように、払出し球通路75へのパチンコ球(賞球や貸球)の滞留に伴い待機位置から作動位置に変位する第1作動部92を備えた第1部材120と、ファール球通路80へのパチンコ球(ファール球)の滞留に伴い待機位置から作動位置に変位する第2作動部93を備えた第2部材125と、中枠13に対する前記前枠14の開放状態に伴い作動位置に変位する第3部材130とを備えている。また、前記検出センサ98は、前記受光部98aと発光部98bとの間の隙間を上方、下方および側方へ開口させた姿勢で前記本体部61(機構設置部64)に設置されている。
【0079】
前記第1部材120は、前記第1挿入孔71に第1作動部92を臨ませた状態で上下移動し得るよう前記合流通路ユニット60(機構設置部64)に配設されると共に、該第1作動部92の側方へ延出するよう設けられた延出部121に対して下方へ延出する第1検出部122が設けられており、該第1部材120(第1作動部92)が待機位置から作動位置へ変位した際に、該第1検出部122が前記検出センサ98における上方開口を介して受光部98aと発光部98bとの間に差し込まれるよう構成されている。すなわち、前記第1作動部92上にパチンコ球が滞留して作動位置に変位することで、該第1検出部122が検出センサ98により検出されて、前記球払出装置37による賞球や貸球の払出しが停止されるよう構成されている。なお、前記第1部材120は、バネ等の付勢手段123により待機位置へ向けて付勢されており、常には前記第1検出部122が前記検出センサ98から退避して位置するよう構成されている。
【0080】
また、前記第2部材125は、前記第2挿入孔84に第2作動部93を臨ませた状態で上下移動し得るよう前記合流通路ユニット60(機構設置部64)に配設されると共に、該第2作動部93の下方へ延出するよう第1作動杆126が設けられると共に、前記検出センサ98における側方開口を介して受光部98aと発光部98bとの間に差し込み得るようスライド移動可能な第2検出部127を備えている。また、前記第2部材125には、前記第1作動杆126および第2検出部127を連繋接続する第1アーム部128を備えており、該第2部材125(第2作動部93)が待機位置から作動位置へ変位した際に、該第2検出部127が検出センサ98における側方開口(側方差込口)を介して受光部98aと発光部98bとの間に差し込まれるよう構成されている。なお、前記第2部材125は、バネ等の付勢手段129により待機位置へ向けて付勢されており、常には前記第2検出部127が前記検出センサ98から退避して位置するよう構成されている。
【0081】
また、前記第3部材130は、前記中枠13(中枠基体部30)の貫通孔30aに第3作動部110を挿通した状態で前後移動し得るよう前記合流通路ユニット60(機構設置部64)の筒状ホルダ112に配設されると共に、前記検出センサ98における下方開口を介して受光部98aと発光部98bとの間に差し込み得るようスライド移動可能な第3検出部132を備えている。また、前記第3部材130には、前記第3作動部110および第3検出部132を連繋接続する第2アーム部133を備えており、該第3部材130(第3作動部110)が待機位置から作動位置へ変位した際に、該第3検出部132が検出センサ98における下方開口(下方差込口)を介して受光部98aと発光部98bとの間に差し込まれるよう構成されている。なお、前記第3部材130は、バネ等の付勢手段113により作動位置へ向けて付勢されており、中枠13に対して前枠14を閉鎖した通常の状態において前記第3検出部132が前記検出センサ98から退避して位置するよう構成されている。
【0082】
このように、別実施例に係る異常検出手段90のように、第1作動部92と第2作動部93と第3作動部110とを夫々独立した部材に設けるようにしても、前述した実施例と同様の作用効果を得ることができる。また、前記第1作動部92、第2作動部93および第3作動部110の夫々が作動位置および待機位置の間を独立して変位することで、払出し球通路75にパチンコ球(賞球や貸球)が滞留した状態、ファール球通路80にパチンコ球(ファール球)が滞留した状態および前枠14が開放した状態を個別に検出することが可能となる。また、第1作動部92が待機位置から作動位置へ変位する際の第1検出部122の移動方向と、第2作動部93が待機位置から作動位置へ変位する際の第2検出部127の移動方向とを交差(直交)させることで、第1検出部122または第2検出部127が検出センサ98で検出された状態で、他の検出部に押圧されたとしても、検出センサ98で検出されている検出部が押し出されることはなく、検出センサ98による誤検出が発生するのを防止できる。また、第2作動部93が待機位置から作動位置へ変位する際の第2検出部127の移動方向と、第3作動部110が待機位置から作動位置へ変位する際の第3検出部132の移動方向とを交差(直交)させることで、第2検出部127または第3検出部132が検出センサ98で検出された状態で、他の検出部に押圧されたとしても、検出センサ98で検出されている検出部が押し出されることはなく、検出センサ98による誤検出が発生するのを防止できる。また、前記第1〜第3作動部92,93,110の何れかが検出センサ98で検出される作動位置にある状態では、他の作動部の作動位置への変位が規制されるから、第1〜第3作動部92,93,110が重複して検出されるのを防止できる。しかも、作動位置にあった何れかの作動部が待機位置へ変位することで、他の作動部が作動位置へ変位し得るから、第1〜第3作動部92,93,110の状態を確実に検出センサ98で検出することができる。
【0083】
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず種々の変更が可能であり、その一例を以下に示す。
【0084】
(1) 実施例では、賞球が払出される賞球払出し通路(払出し球通路)と、ファール球を回収するファール球回収通路(ファール球通路)とを合流部(球貯留部)において合流させるよう構成したが、これに限らず、該賞球払出し通路(払出し球通路)およびファール球回収通路(ファール球通路)の夫々が球受け皿に個別に連通するよう構成してもよい。
(2) 実施例では、賞球払出し通路(払出し球通路)およびファール球回収通路(ファール球通路)の夫々が同じ球受け皿に連通するよう構成したが、これに限られるものではなく、球受け皿を複数設けて、賞球払出し通路(払出し球通路)およびファール球回収通路(ファール球通路)が異なる球受け皿に連通するよう構成することもできる。具体的には、遊技機前面側に上下の球受け皿を設けて、上側の球受け皿に賞球払出し通路(払出し球通路)を連通させ、下側の球受け皿にファール球回収通路(ファール球通路)を連通させる構成とすることもできる。
(3) 実施例では、第1作動部および第2作動部の作動位置への変位を単一の検出手段で検出するよう構成したが、各作動部の作動位置への変位を個別に検出するよう構成することもできる。また、検出手段としては、実施例に示したフォトインタラプタに限定されるものではなく、作動部の作動位置への変位を検出可能な検出手段であれば、各種近接センサやマイクロスイッチ、その他従来公知の各種手段を採用することができる。
(4) 実施例では、第1作動部および第2作動部を揺動部材に形成するようにしたが、上下方向にスライドする部材に形成するようにしてもよい。すなわち、待機位置および作動位置に変位し得る形態であればよい。
(5) 実施例では、ファール球回収通路(ファール球通路)の球出口を、賞球払出し通路(払出し球通路)の球出口よりも合流部(球貯留部)が球受け皿へ連通する連通口に近接位置するよう構成したが、逆の位置関係で形成することもでき、また両球出口を上下の位置関係に形成することもできる。
(6) 実施例では、ファール球回収通路(ファール球通路)の球出口に開閉弁を配置したが、これに限られるものではなく、ファール球回収通路(ファール球通路)の球入口側に開閉弁を配置してもよく、ファール球回収通路の経路途中の任意位置に開閉弁を設けることができる。
(7) 開閉弁の開放動作を規制する開放規制部は、実施例のように、開閉弁の左右側縁に当接するものに限られるものではなく、開閉弁の下端部に当接するよう形成してもよく、該開閉弁を挟んだファール球回収通路の下流から上流側への開放動作を規制し得る位置および形態で開放規制部を形成することができる。
(8) 実施例では、開閉弁を自重により閉鎖位置に向けて付勢されるよう構成したが、これに限られるものではなく、バネ等の付勢手段により閉鎖位置へ向けて付勢されるよう構成してもよい。
(9) 実施例では、ファール球回収通路(ファール球通路)へのファール球の滞留により作動する作動部(第2作動部)より下流側に位置するよう開閉弁を設置したが、該作動部(第2作動部)の上流側に開閉弁を設置しても、パチンコ球の逆流や不正具の挿入を阻止することが可能である。
(10) 実施例では、開閉弁を板状に形成したが、これに限られるものではない、すなわち、遊技球の逆流を防止する構成であれば、遊技球が通過不能な開口が開設された形態であってもよく、同様に不正具の挿入を阻止する構成であれば、当該不正具を挿入不能な開口が開設された形態とすることもできる。
(11) 実施例では、開閉弁を1つ設けた形態を示したが、複数の開閉弁を設けるようにしてもよい。また、開閉弁を複数に分割して、当該複数の開閉弁によりファール球回収通路(ファール球通路)を閉鎖するようにしてもよい。
(12) 実施例では、開閉弁の上端部を枢支するよう構成したが、側部を枢支するよう構成することも可能である。
(13) 実施例では、球受け皿を備えた前枠を開閉部材として、該前枠の開閉を異常検出手段で検出するよう構成したが、これに限られるものではなく、本体枠に対して開閉可能な独立した球皿部材を開閉部材として設けて、該球皿部材の開閉を異常検出手段で検出することも可能である。
(14) 実施例では、開閉部材の開閉に伴って第3作動部が前後方向にスライド移動することで作動位置および待機位置に変位するよう構成したが、これに限らず第3作動部を揺動させるよう構成してもよく、本体枠に対する前記開閉部材の開放状態に対応した作動位置および該本体枠に対する開閉部材の閉鎖状態に対応する待機位置に変位するよう構成されていればよい。
(15) 実施例では、前記第1〜第3作動部の何れかが作動位置にある状態では、他の作動部の作動位置への変位が規制されるよう構成したが、第1〜第3検出部の夫々が同時に作動位置に変位し得るよう構成することもできる。具体的には、実施例の検出センサにおける受光部および発光部の間隔を、複数の検出部を同時に差し込み得るよう拡げることで実現可能である。
(16) 実施例では、揺動部材(第1作動部および第2作動部)に設けた第1検出片および第3作動部に設けた第2検出片が直交する方向に移動するよう構成したが、これに限られるものではなく、各検出片(検出部)の作動位置から待機位置への移動方向を夫々異ならせることで、作動位置から待機位置へ移動する検出片同士が干渉するのを効果的に防止し得る。例えば、第1検出片を作動位置から待機位置へ直線的に移動するよう構成すると共に、第2検出片が作動位置から待機位置へ向けて第1検出片の移動方向と逆向きに移動するよう構成することが可能である。別実施例のように、第1〜第3作動部の夫々に対応して検出部を独立して設ける構成にあっても同様で、各作動部の検出部の移動方向が直交する必要は必ずしもない。
(17) 実施例では、制御手段として主制御装置および発射・払出し制御装置を遊技機が少なくとも備える構成を示したが、これに限られるものではなく、単一の制御装置のみを備える構成であってもよい。また、複数の制御装置を備える構成の場合にあっては、各制御装置の機能として実施例に示したものに限られるものではなく、例えば、発射制御装置と払出し制御装置とを個別に備えてもよい。
(18) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機等の遊技媒体として遊技球を用いる各種遊技機に採用し得る。
【0085】
また、実施例からは例えば以下の技術的思想を把握することが可能である。
【0086】
請求項1〜4に記載の遊技機に関して、
前記検出手段(98)は、異なる3方向に開口した開口部を有し、前記待機位置から作動位置へ変位した第1〜第3作動部(92,93,110)に対応する検出部(97,111,122,127,132)が検出手段(98)の異なる開口部から臨んで検出されるよう構成されたことを要旨とする。
このように、待機位置から作動位置へ変位した第1〜第3作動部に対応した検出部が検出手段に設けられた異なる開口部から臨んで検出されるようにすることで、第1〜第3作動部の相互の干渉を防止し得る。
【0087】
請求項1〜4に記載の遊技機に関して、
前記賞球払出し通路(75)の球出口(69)およびファール球回収通路(80)の球出口(70)が開口すると共に前記球受け皿(17a)に連通する合流部(65)を備え、該賞球払出し通路(75)を通過した遊技球およびファール球回収通路(80)を通過した遊技球が合流部(65)を介して球受け皿に案内されると共に、
前記ファール球回収通路(80)の球出口(70)は、前記賞球払出し通路(75)の球出口(69)よりも前記合流部(65)が球受け皿(17a)へ連通する連通口(61a)に近接位置するよう設けられたことを要旨とする。
このように、ファール球回収通路の球出口を、賞球払出し通路の球出口よりも合流部が球受け皿へ連通する連通口に近接位置するよう設けることで、受入れ可能な賞球数を多くすることができ、賞球払出しが滞るのを防止し得る。また、ファール球の発生を速やかに検出できるから、球受け皿における過剰な遊技球の滞留を効果的に防止し得る。
【0088】
請求項1〜4に記載の遊技機に関して、
前記第1作動部(92)および第2作動部(93)は、単一の可動部材(91)に設けられると共に、該第1作動部(92)または第2作動部(93)が作動位置へ変位した際に、前記検出手段(98)で検出される検出部(97)が可動部材(91)に形成されたことを要旨とする。
このように、第1作動部および第2作動部を単一の可動部材に設けることで、装置構成を単純化してコスト削減や省スペース化を図り得る。
【符号の説明】
【0089】
13 中枠(本体枠)
14 前枠(開閉部材)
17a 球受け皿
20 遊技盤
20a 遊技領域
75 払出し球通路(賞球払出し通路)
80 ファール球通路(ファール球回収通路)
92 第1作動部
93 第2作動部
98 検出センサ(検出手段)
110 第3作動部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤が配設される本体枠と、前記本体枠の前側に設けられて該本体枠に対して開閉可能な開閉部材と、前記遊技盤の遊技領域へ向けて発射される遊技球を貯留する球受け皿と、前記遊技盤に設けられた入賞口への入賞を契機として払出される遊技球を前記球受け皿に案内する賞球払出し通路と、前記遊技盤の遊技領域へ向けて発射されて該遊技領域に到達しない遊技球を前記球受け皿に案内するファール球回収通路とを備えた遊技機において、
前記賞球払出し通路への遊技球の滞留状態に対応した作動位置および該賞球払出し通路を遊技球が通過可能な状態に対応した待機位置に変位する第1作動部と、
前記ファール球回収通路に対する遊技球の滞留状態に対応した作動位置および該ファール球回収通路を遊技球が通過可能な状態に対応した待機位置に変位する第2作動部と、
前記本体枠に対する前記開閉部材の開放状態に対応した作動位置および該本体枠に対する開閉部材の閉鎖状態に対応する待機位置に変位する第3作動部と、
前記第1作動部の待機位置から作動位置への変位、第2作動部の待機位置から作動位置への変位および第3作動部の待機位置から作動位置への変位を検出する単一の検出手段とを備えた
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第3作動部は、前記第1作動部および第2作動部に対して作動位置および待機位置へ独立して変位し得るよう構成された請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1〜第3作動部の何れか1つが作動位置にある状態では、他の作動部の作動位置への変位が規制される請求項1または2記載の遊技機。
【請求項4】
前記第1〜第3作動部の夫々は、常には待機位置に保持されて、前記賞球払出し通路への遊技球の滞留に伴って前記第1作動部が作動位置に変位して前記検出手段で検出され、前記ファール球回収通路への遊技球の滞留に伴って前記第2作動部が作動位置に変位して前記検出手段で検出されると共に、前記開閉部材の開放に伴って前記第3作動部が作動位置に変位して前記検出手段で検出されるよう構成された請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技盤が配設される本体枠と、前記本体枠の前側に設けられて該本体枠に対して開閉可能な開閉部材と、前記遊技盤の遊技領域へ向けて発射される遊技球を貯留する球受け皿と、前記遊技盤に設けられた入賞口への入賞を契機として払出される遊技球を前記球受け皿に案内する賞球払出し通路と、前記遊技盤の遊技領域へ向けて発射されて該遊技領域に到達しない遊技球を前記球受け皿に案内するファール球回収通路とを備えた遊技機において、
前記賞球払出し通路への遊技球の滞留状態に対応した作動位置および該賞球払出し通路を遊技球が通過可能な状態に対応した待機位置に変位する第1作動部と、
前記ファール球回収通路に対する遊技球の滞留状態に対応した作動位置および該ファール球回収通路を遊技球が通過可能な状態に対応した待機位置に変位する第2作動部と、
前記本体枠に対する前記開閉部材の開放状態に対応した作動位置および該本体枠に対する開閉部材の閉鎖状態に対応する待機位置に変位する第3作動部と、
前記第1作動部の待機位置から作動位置への変位、第2作動部の待機位置から作動位置への変位および第3作動部の待機位置から作動位置への変位を検出する単一の検出手段とを備えた
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第3作動部は、前記第1作動部および第2作動部に対して作動位置および待機位置へ独立して変位し得るよう構成された請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1〜第3作動部の何れか1つが作動位置にある状態では、他の作動部の作動位置への変位が規制される請求項1または2記載の遊技機。
【請求項4】
前記第1〜第3作動部の夫々は、常には待機位置に保持されて、前記賞球払出し通路への遊技球の滞留に伴って前記第1作動部が作動位置に変位して前記検出手段で検出され、前記ファール球回収通路への遊技球の滞留に伴って前記第2作動部が作動位置に変位して前記検出手段で検出されると共に、前記開閉部材の開放に伴って前記第3作動部が作動位置に変位して前記検出手段で検出されるよう構成された請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図11】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−106662(P2013−106662A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252092(P2011−252092)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
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