説明

遊技機

【課題】記憶媒体の取付作業を繁雑にすることなく、記憶媒体の不正交換の防止が十分に図れる遊技機の提供。
【解決手段】実時刻を示すRTデータを生成するRTC42から、偶然のタイミングで取得したRTデータを認証用のパスワードとして、ROM取外監視ユニット30側のRAM41A 及び画像処理部16E 側のRAM45B の両方に記憶しておく。すると、不正なROM取外監視ユニット30に交換された際に、不正なROM取外監視ユニット30側のRAM41A に記憶されたRTデータと、画像処理部16E 側のRAM45B に記憶されたRTデータとが一致しなくなり、ROM取外監視ユニット30が取り外されたと判定でき、ROM取外監視ユニット30の不正交換によって、ROM17の取り外しが検出できなくても、ROM17が不正交換されたことを報知することができ、従って、記憶媒体の不正交換の防止を十分に図れるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技の進行に伴って動作する遊技装置と、着脱可能に設けられた記憶媒体を有するとともに前記遊技装置の動作を制御する制御回路が形成された制御基板とを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スロットマシン等の遊技機は、遊技を行うのに必要な遊技装置、遊技装置の動作を制御する制御回路を有する主制御装置、遊技の演出を行う液晶表示装置等の演出装置の動作を制御する制御回路を有する副制御装置、及び、遊技装置及び制御基板に電力を供給する電源装置等を備えたものとなっている。
このうち、主制御装置及び副制御装置等の制御装置は、遊技動作を制御するプログラムを記憶したROM、及び、高速演算機能を有するLSI等からなるCPU等のハードウェアを備え、ROMに記憶されたプログラム等のソフトウェアをCPUで実行することで制御を行うものとなっている。
このため、メダル等の遊技媒体を容易に獲得することができる不正なプログラムが書き込まれたROMに交換されると、多量の遊技媒体が不正に獲得されてしまう。
【0003】
このような不正行為を防止するために、制御装置の主要部である制御回路が形成された回路基板を収納する箱状の基板ケースを設け、内部に回路基板を入れて閉じた基板ケースを封印、又は、封止しするようにした遊技機が知られている。
このような遊技機では、ROMの交換のために、基板ケースを開く際に、封印を剥がす又は封止を破ると、その痕跡が物理的に残るようになっており、この痕跡によってROMが交換されたことが判別でき、これにより、ROMの不正交換防止を図る物理的対策が講じられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような痕跡に基づく物理的な対策では、封印を剥がす、又は、封止を解除する際に、痕跡が残らないように丁寧な処理を行うと、痕跡の発見が難しくなり、視認がしにくくなり、ROMの不正交換防止が十分に図れないおそれがある。
さらに、各メーカーでは、遊技機の部品は汎用性や量産性を高められ、基板ケースについても、その金型が複数機種にわたって共通とされているため、金型のデッドコピーによって偽物基板ケースが製作され、この偽物基板ケースよる大規模な不正行為が行われるおそれがある。
【0005】
そこで、ICソケットにROMを取り付け、この状態でROM及びICソケットに電線を巻き付け、ROMを取り外すと、電線が断線するようにしておき、さらに、この断線を検出する電気回路である断線検出部を設け、ROMが取り外されると、電線が断線し、断線検出部からその旨を示す断線信号を出力させ、これにより、ROMの不正交換防止を図る電気的対策が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このような電線の切断に基づく電気的な対策では、遊技機の電源OFF時に、電線が断線したことを断線検出部に検出させるとともに、制御装置に設けられているRAMに、断線信号が出力されたことを記憶させるために、断線検出部及びRAMに電力を、常に、供給するためのバックアップ電源が用意されている。これにより、遊技機の停止時、すなわち、遊技機の電源OFF時に、制御装置のROMが取り外されると、電線が断線し、断線検出部から断線信号が出力され、断線信号が出力されたことがRAMに記憶される。
そして、遊技機が起動されると、ROMが不正交換されたことが遊技機の液晶表示装置等を通じて報知されるので、これにより、ROMの不正交換が報知可能となり、ROMの不正交換よるメダルの不正獲得が防止できるようになる。
【0006】
上述のような電線の切断に基づく電気的な対策によれば、ROMが取り外されたことを電線の断線で検出するので、基板ケースに施した封印を剥がす又は封止を破ることにより生じる痕跡が生じなくとも、また、偽物基板ケースを利用したとしても、ROMの不正交換を検出して報知することが可能となり、ROMの不正交換よってメダルの不正獲得を未然に防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−19310号公報
【特許文献2】特開2009−82454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のような電線の切断に基づく電気的な対策が施された遊技機では、ROMを取り付けるにあたり、ROM及びICソケットに電線を巻き付ける必要があるので、ROMの取付作業が繁雑となって時間がかかる。従って、記憶媒体の取付作業を繁雑にすることなく、記憶媒体の不正交換の防止を十分に図れるようにしたい、という要望がある。
【0009】
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、記憶媒体の取付作業を繁雑にすることなく、記憶媒体の不正交換の防止が十分に図れる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、前述の目的を達成するためになされたものである。以下に、各発明の特徴点を、図面に示した発明の実施の形態を用いて説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1に記載された発明は、遊技の進行に伴って動作する遊技装置(4E)と、着脱可能に設けられた記憶媒体(17)を有するとともに前記遊技装置(4E)の動作を制御する制御回路が形成された制御基板(16)とを備えた遊技機(1)であって、前記記憶媒体(17)の取り外しを検出し、前記記憶媒体(17)が取り外されたことを検出すると、取付状態を示す取付論理値から取外状態を示す取外論理値へ信号値が変更される媒体状態信号を出力する媒体取外検出手段(18)と、前記媒体取外検出手段(18)から出力される媒体状態信号を監視し、当該媒体状態信号に基づいて、前記記憶媒体(17)が取り外されたか否かを判定する媒体取外監視ユニット(30)と、前記記憶媒体(17)が取り外されたことを報知するための媒体取外報知手段(4E)と、前記媒体取外監視ユニット(30)によって、前記記憶媒体(17)が取り外されたと判定されると、前記媒体取外報知手段(4E)を制御して、前記記憶媒体(17)の取り外しを報知する動作を前記媒体取外報知手段(4E)に行わせる報知動作制御手段(16E) とを備え、前記媒体取外監視ユニット(30)は、所定の検出開始信号を受信すると、前記媒体取外検出手段(18)からの媒体状態信号を監視する監視動作を開始し、媒体状態信号の信号値が取付論理値から取外論理値へ変更されるのに応じて、正常状態を示す正常論理値から異常状態を示す異常論理値へ信号値が変更される警報信号を出力する媒体取外監視手段(41)と、この媒体取外監視手段(41)に独立して電力を供給することが可能な電力供給源(43)と、前記媒体取外監視手段(41)及び前記電力供給源(43)を外部から操作できないように、前記媒体取外監視手段(41)及び前記電力供給源(43)を内部に包み込む部材で前記媒体取外監視手段(41)及び前記電力供給源(43)を封止する封止手段(31)とを有し、且つ、前記制御基板(16)に着脱可能に設けられたものであり、
前記報知動作制御手段(16E) には、前記媒体取外監視ユニット(30)に関する情報を含む情報信号を当該媒体取外監視ユニット(30)から受け、この情報信号に基づいて、当該媒体取外監視ユニット(30)が取り外されたか否かの判定を行う監視ユニット取外判定手段(45)が設けられ、前記報知動作制御手段(16E) は、前記監視ユニット取外判定手段(45)によって、前記媒体取外監視ユニット(30)が取り外されたと判定されると、前記記憶媒体(17)の取り外しを報知する動作を前記媒体取外報知手段(4E)に行わせるように形成されていることを特徴とする。
【0012】
(請求項2)
(特徴点)
請求項2記載の発明は、前述した請求項1記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項2記載の発明は、前記媒体取外監視ユニット(30)には、一定の周期で所定の電気パルスを発する発振器と、この発振器の発する電気パルスの数を計数する発振数カウンタと、この発振数カウンタが計数した計数値を監視ユニット側記憶値として記憶するための監視ユニット側記憶部(41A) と、所定の記憶指令信号を受信すると、その時点における前記発振数カウンタの計数値を前記報知動作制御手段(16E) に知らせるとともに、前記報知動作制御手段(16E) に知らせた計数値を前記監視ユニット側記憶部(41A) に記憶させる計数値処理部(42)とが設けられ、前記監視ユニット取外判定手段(45)には、前記計数値処理部(42)によって知らされた前記発振数カウンタの計数値を制御手段側記憶値として記憶する制御手段側記憶部(45B) と、前記媒体取外監視ユニット(30)に記憶されている監視ユニット側記憶値を知らせることを前記媒体取外監視ユニット(30)に対して要求する記憶値要求信号を前記媒体取外監視ユニット(30)へ所定周期毎に送る記憶値要求手段(45C) と、前記媒体取外監視ユニット(30)から監視ユニット側記憶値が知らされると、知らされた監視ユニット側記憶値を、前記制御手段側記憶部(45B) に記憶されている制御手段側記憶と比較する記憶値比較手段(45C) とが設けられ、前記監視ユニット取外判定手段(45)は、前記記憶値比較手段(45C) が比較した結果、知らされた監視ユニット側記憶値が、前記制御手段側記憶部(45B) に記憶されている制御手段側記憶値と相違している場合、前記媒体取外監視ユニット(30)が取り外されたと判定するように形成されたものであり、前記報知動作制御手段(16E) は、前記監視ユニット取外判定手段(45)によって、前記媒体取外監視ユニット(30)が取り外されたと判定されると、前記記憶媒体(17)の取り外しを報知する動作を前記媒体取外報知手段(4E)に行わせるように形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
以上のように構成されている本発明は、記憶媒体の取り外しを検出する媒体取外検出手段として、記憶媒体の取り外しによって、取付状態を示す取付論理値から取外状態を示す取外論理値へ信号値が変更される媒体状態信号を出力するものを採用したので、記憶媒体が取り外されると、その媒体状態信号の信号値が取外論理値となり、媒体状態信号の信号値を監視することで、記憶媒体の不正取外をリアルタイムで検出することができる。
従って、記憶媒体を制御基板に取り付けるにあたり、記憶媒体に電線を巻き付ける必要がなく、記憶媒体の取付作業が煩雑にならない。このため、記憶媒体の取付作業を繁雑にすることなく、記憶媒体の不正交換の防止を十分に図ることができ、以上により、前記目的が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態の全体を示す正面図である。
【図2】前記実施形態に係る筐体内部を示す正面図である。
【図3】前記実施形態に係る副基板ケースを示す斜視図である。
【図4】前記実施形態に係る副基板ケースを示す分解斜視図である。
【図5】前記実施形態に係るROM取外監視ユニットを示す斜視図である。
【図6】図5のIV−IV線における断面図である。
【図7】前記実施形態に係るROM取外監視ユニットを示す分解斜視図である。
【図8】前記実施形態に副制御基板の概略構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【図10】前記第2実施形態の動作を説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明を実施するための形態である第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
(スロットマシン1の概要)
図1には、本発明の第1実施形態に係る遊技機としてのスロットマシン1が示されている。図1において、スロットマシン1は、三個の回転リール11の各々に記された複数種類の図柄が所定の組み合わせとなるように、回転している回転リール11を停止させる遊技を行うものである。このスロットマシン1には、図1に示すように、当該スロットマシン1の各種装置を収納するとともに、正面形状が長方形となった筐体2が備えられている。
筐体2は、前面全体が開口された箱状の部材である。そして、筐体2の前面開口は、当該筐体2に回動可能に取り付けられた前扉3で塞がれるようになっている。なお、前扉3は、閉じられると、自動的に施錠されるようになっている。
【0016】
前扉3は、その前面をほぼ二分する上部パネル部4及び下部パネル部5を備えたものとなっている。そして、下部パネル部5の下方には、入賞時に払い出されるメダルを貯留する受皿部6Aが一体成形された受皿ユニット6が設けられている。また、また、上部パネル部4と下部パネル部5との間には、遊技に係る操作を行うための操作卓7が遊技者側に突出するように形成されている。
ここで、上部パネル部4及び下部パネル部5は、意匠的に優れた外観を確保するために、合成樹脂製の化粧板が表面に張り付けられたものとなっている。
【0017】
(上部パネル部4)
上部パネル部4には、図1中、操作卓7の上方且つ幅方向の中央部分において長方形状に形成された表示窓4Aが設けられている。
ここで、筐体2内部に設けられた三個の回転リール11の各々は、その外周面に複数種類の図柄(図示略)が記されている。そして、各回転リール11の図柄は、筐体2の外部から表示窓4Aを通して目視可能となっている。
【0018】
上部パネル部4の上端縁部分には、正面形状が逆台形状に形成された演出用照明装置4Bが設けられている。この演出用照明装置4Bは、上部パネル部4の上端縁部分のほぼ中央に配置されている。演出用照明装置4Bの両端部は、上部パネル部4の角隅部分まで達することなく、その手前の位置で途切れたものとなっている。
また、上部パネル部4の上側における両角近傍には、正面形状が湾曲した帯状に形成されるとともに、漢数字の「八」を描く一対の演出用照明装置4Cが設けられている。これらの演出用照明装置4Cの各々は、その上端部が演出用照明装置4Bの端部近傍に配置されるとともに、その下端側の部分が上部パネル部4の側縁へ向かって斜め下方に延びたものとなっている。
さらに、上部パネル部4の両方の側縁には、演出用照明装置4Cの下端に接続された別の演出用照明装置4Dがそれぞれ設けられている。これらの演出用照明装置4Dの各々は、演出用照明装置4Cと同様に、上下方向に細長い帯状に形成されたものであり、演出用照明装置4Cの下端から、上部パネル部4の側縁に沿って延び、操作卓7の直近まで達するものとなっている。
これらの演出用照明装置4B〜4Dの各々は、赤色のレンズの内部に配置された高輝度発光ダイオード等の光源を備え、遊技の進行に応じて、その光源の点灯又は点滅により、遊技における視覚的な演出効果を高めるものである。
【0019】
表示窓4A及び演出用照明装置4Bの間には、遊技の演出用画像を表示する液晶表示装置4Eが設けられている。この液晶表示装置4Eは、動画を含む様々な画像を、遊技の進行に応じて表示するものである。
液晶表示装置4Eの両側には、遊技に係る効果音を発生するスピーカを備えた音声出力部4Fがそれぞれ設けられている。
【0020】
(操作卓7)
操作卓7は、遊技における操作に必要な各種のスイッチ類が配置されたものである。
すなわち、操作卓7における図1中右端の部分には、前扉3の施錠を解除するための鍵が挿入される鍵穴7Aが設けられている。この鍵穴7Aの左斜め上方には、メダルを投入するためのメダル投入口7Bが開口されたメダル投入部7Cが設けられている。
メダル投入口7Bの左斜め下方には、三個の回転リール11のそれぞれを停止させる際に操作される三個のストップスイッチ7Dが設けられている。これら三個のストップスイッチ7Dのうち、左端に配置されているストップスイッチ7Dの左斜め上方には、一度の操作で最大枚数のメダルを賭けることができるマックスベットスイッチ7Eが設けられている。
また、左端のストップスイッチ7Dの左方であって、マックスベットスイッチ7Eの左斜め下方の位置には、三個の回転リール11を一斉に回転させる際に操作されるスタートレバー7Fが設けられている。このスタートレバー7Fの左斜め上方には、1回の操作で貯留されているメダルを1枚賭けることのできる、換言すると、メダルを1枚ずつ賭ける際に操作されるベットスイッチ7Gが設けられている。
さらに、ベットスイッチ7Gの左斜め下方には、精算時に貯留されているメダルを払い出させる精算スイッチ7Hが設けられている。
【0021】
(下部パネル部5及び受皿ユニット6)
下部パネル部5には、スロットマシン1のモデルタイプを表す象徴するキャラクタ等が描かれたパネル5Aが設けられている。
受皿ユニット6には、メダルを貯留する前述の受皿部6Aに加えて、入賞時に受皿部6Aへ向かって払い出されるメダルを排出させるメダル払出口6Bと、遊技に係る効果音を発生するスピーカを備えた音声出力部6Cとが設けられている。
【0022】
(筐体2に収納されている内部装置)
次いで、筐体2の内部に設けられている内部装置について簡単に説明する。
筐体2の内部には、図2に示すように、スロットマシン1の遊技動作を制御するマイクロコンピュータからなるCPUを備えた図示しない主制御基板を内蔵する主基板ケース2D、三個の回転リール11が回転自在に支持するとともに、これらの回転リール11のそれぞれを駆動する図示しないモータを備えたリールユニット10、内部に多数のメダルを貯留させる容器部12Aを備えるとともに受皿部6Aに向かってメダルを排出するホッパユニット12、及び、これらの装置に電力を供給する電源装置13等が設けられている。
【0023】
このうち、リールユニット10は、それぞれが円筒状に形成された複数の回転リール11を有するものである。そして、これらの回転リール11の各外周面には、特に図示していないが、複数種類の図柄が記されている。
また、電源装置13の前面には、スロットマシン1全体への電力供給のON/OFF操作を行うための電源スイッチ13A が設けられている。
以上において、主制御基板15は、スロットマシン1の遊技動作を制御する制御回路が形成されている制御基板となっている。
【0024】
前扉3の裏側の面には、表側の面に配置された液晶表示装置4Eに対応して、液晶表示装置4E、演出用照明装置4B〜4D及び音声出力部4F, 6Cの動作を制御する後述の副制御基板16を内蔵する副基板ケース20が設けられている。
また、前扉3の裏側の面には、表側の面に開口されたメダル投入口7Bに対応して、投入されたメダルの適否を判定するメダルセレクタ14が設けられている。
【0025】
(主制御基板15)
以下に、主制御基板15について説明する。この主制御基板15は、その構成・機能が従来のものとほぼ同等なので、以下の説明では、その構成・機能の概略を述べる。
主制御基板15は、各種の処理を行うCPU、制御用のプログラムを記憶したROM、処理に必要なデータを記憶するRAM、及び、外部との信号の送受信を行うための送受信ポートを備えたI/O部等を備えたものとなっている。
このような主制御基板15は、遊技における当選役の抽選処理など、遊技動作に関する処理を中心的に行うものであり、主制御基板15の処理により決定された当選役の抽選結果、入賞結果及び遊技状態等の各種遊技情報を、適宜、副制御基板16に送信する機能を備えている。
主基板ケース2Dは、主制御基板15を収容し、上述した主制御基板15を不正から保護するために、後述する副基板ケース20と同様に、外部から主制御基板15へのアクセスが行われた痕跡が残るように所謂カシメによる封止部2Eを備えている。
【0026】
(副基板ケース20)
次に、前述の副基板ケース20について説明する。
すなわち、副基板ケース20は、図3及び図4に示すように、副制御基板16を内部に収納可能な箱状に形成された本体部21と、この本体部21を筐体2に取り付けるために、直方体状の箱状に形成された取付ベース22とを有するものとなっている。
【0027】
本体部21は、図4の如く、副制御基板16が取り付けられるベース部23と、ベース部23に取り付けられた副制御基板16の全面を覆う蓋部24とを有するものである。
これらのベース部23及び蓋部24は、内部に収納した副制御基板16の全体を覆って保護するものであり、図示しないネジで相互に接合されるようになっている。
【0028】
ベース部23は、長方形状の平面形状を有するものである。ベース部23の四つの角部23A 〜23D、及び、図4中上方の端縁中央部23E には、それぞれから蓋部24へ向かって突出するボス23F が設けられている。
このボス23F は、蓋部24側に設けられた後述する凹部24Fの底に形成されているネジ挿通孔(図示略)に挿通されるネジを螺合させ、これにより、蓋部24をベース部23に接合させるためのものである。
また、ベース部23における図4中左右の側縁部23G の各々には、その下端から側方へ突出する耳部23H と、その上端から側方へ突出する係止鉤部23J とが設けられている。なお、図4には、図4中、右方の側縁部23G に設けられた係止鉤部23J のみが記され、左方の係止鉤部23J については記載が省略されている。
耳部23H には、取付ベース22に螺合させる図示しないネジが挿通されるネジ挿通孔23K が形成されている。
係止鉤部23J は、取付ベース22側の後述する係止輪部22A と係合する、L字形に折れ曲がった部位である。なお、図4には、図4中、右方の耳部23H のネジ挿通孔23K のみが記され、左方のネジ挿通孔23K については記載が省略されている。
【0029】
蓋部24は、図4中、ベース部23に対向するとともにベース部23に応じた大きさの天井部24A を有している。この天井部24A は、図4中、右上の角部が欠けた長方形状のものとなっている。
天井部24A における残った三つの角部24B 〜24D 、及び、図4中上方の端縁中央部24E には、円筒状に凹んだ凹部24F が設けられている。この凹部24F の底には、ベース部23側のボス23F と螺合する図示しないネジが挿通される、図示しないネジ挿通孔が設けられている。
ここで、蓋部24における角部が欠けた部分は、二つの側面が交差する入隅部24G となっている。入隅部24G の二つの側面には、当該側面から突出するとともに、当該側面におけるベース部23側の端縁に沿った段付部24H が形成されている。
【0030】
このような入隅部24G には、当該入隅部に応じた形状に形成された結合部材25が嵌め込まれるようになっている。
結合部材25は、蓋部24に設けられているのと同じ凹部24F が形成されているとともに、段付部24H を係止する図示しない係止部が設けられている。
【0031】
また、蓋部24における入隅部24G の近傍部分には、その表面が周囲よりも凹んだ凹部24J が形成されている。この凹部24J には、特に図示しないが、その底部の裏側の面からベース部23側へ向かって突出するとともに、当該裏側の面の周縁に沿って筒状に形成された筒状部が設けられている。この筒状部の内部には、金属製等の電気伝導体からなる導電部26が嵌め込まれている。
【0032】
さらに、蓋部24における、図3中、凹部24J の下方の部位には、副制御基板16に設置されている後述するROM17を押圧するために、図3中、手前側の表面では凹んでいるとともに、その裏側では、副制御基板16側へ向かって膨出するように形成された押さえ部24K が設けられている。
そして、蓋部24の図3中左右の側縁部分には、副制御基板16に設けられた後述するコネクタ16A, 16Bを外部に露出させるためのコネクタ用開口部24L, 24Mが形成されている。
このうち、図3中左方の側縁部分に形成されているコネクタ用開口部24L は、図3中上下方向に細長く形成されたコネクタカバー部材27によって塞がれるようになっている。なお、コネクタカバー部材27には、当該コネクタ16A に接続される図示しないケーブルを外部へ取り出すためのケーブル挿通孔27A が形成されている。
【0033】
以上のようなベース部23及び蓋部24は、蓋部24の入隅部に結合部材25が嵌め込まれた状態で、蓋部24及び結合部材25に形成された凹部24F のネジ挿通孔にネジが挿通され、ネジ挿通孔に挿通されたネジがベース部23に設けられたボス23B に螺合されることで、互いに接合され、閉じられるようになっている。
この際、副制御基板16には、ベース部23に設けられたボス23B に対応して、ネジが挿通されるネジ挿通孔16C が形成され、ベース部23及び蓋部24を相互に接合するにあたり、ベース部23及び蓋部24の間に配置され、ベース部23及び蓋部24を相互に接合するネジがネジ挿通孔16C され、ベース部23及び蓋部24をネジの接合と同時に、ベース部23に接合され、その内部に固定されるようになっている。
そして、ベース部23及び蓋部24を相互に接合するネジが内部に入った凹部24F は、筒状のカシメ部材28で塞がれるようになっている。これにより、ベース部23及び蓋部24を相互に接合するネジは、蓋部24における凹部24F の周辺部分、及び、カシメ部材28の少なくとも一方を破壊しないと、ボス23B への螺合を解除できないようになっている。
【0034】
取付ベース22は、図3中裏側を向いた面が開口された箱状に形成されたものである。取付ベース22は、裏側の開口から液晶表示装置4Eの液晶パネルがその内部に嵌め込まれ、当該液晶表示装置4Eの液晶パネルを収納するようになっている。
この取付ベース22には、図3中、左方の側縁及び右方の側縁のそれぞれから左方及び右方へ突出する耳部22C が設けられている。なお、図4には、図4中、右方の側縁に形成された耳部22C のみが記され、左方の右方の側縁に形成された耳部22C については記載が省略されている。
これらの耳部22C の各々は、前扉3の裏側に螺合させる図示しないネジが挿通される図示しないネジ挿通孔が底部に形成された凹部22D を備えたものとなっている。
また、取付ベース22には、ベース部23側の耳部23H に形成されたネジ挿通孔23K に挿通された図示しないネジを螺合させるネジ孔22B と、ベース部23側の係止鉤部23J を係合させるために、リング状に形成された前述の係止輪部22A と、図3中左側のネジ孔22B の近傍に配置されるとともに、金属フイルム等の電気伝導体からなる導電部22E とが設けられている。
【0035】
本体部21は、ベース部23の係止鉤部23J が係止輪部22A に係止された状態で、耳部23H のネジ挿通孔23K に挿通された図示しないネジをネジ孔22Bに螺合させることで、取付ベース22に取り付けられるようになっている。
取付ベース22は、液晶表示装置4Eの液晶パネルを内部に収納した状態で、耳部22C に形成されたネジ挿通孔に挿通されたネジを前扉3の裏側に螺合させることで、前扉3に取り付けられるようになっている。
そして、耳部22C の凹部22D は、前扉3に取付ベース22を接合するネジが内部に入った状態で、筒状に形成されたカシメ部材29で塞がれるようになっている。これにより、前扉3に取付ベース22を接合するネジは、耳部22C 及びカシメ部材29の少なくとも一方を破壊しないと、前扉3への螺合を解除できないようになっている。
【0036】
(副制御基板16)
副制御基板16は、前述の主制御基板15によって行われた遊技の動作に関する処理の結果に応じて、演出動作を制御するものである。
すなわち、主制御基板15は、前述したように、遊技における当選役の抽選処理等、遊技の動作に関する処理を行い、その結果である当選役の抽選結果、入賞結果及び遊技状態等の各種の遊技情報を含む制御指令信号を副制御基板16に送信するようになっている。
副制御基板16は、スロットマシン1の演出動作を行うための演出用装置、具体的には、演出用照明装置4B〜4D、液晶表示装置4E、及び、音声出力部4F, 6Cを制御する制御回路が形成されたものである。そして、副制御基板16は、主制御基板15からの制御指令信号に基づいて、演出用照明装置4B〜4D、液晶表示装置4E、及び、音声出力部4F, 6C等の演出用装置を制御するものとなっている。
このような副制御基板16は、図4中左右に並設された二つの処理部16D, 16Eを備えたものである。このうち、図4中、右側に配置された処理部16D は、演出用照明装置4B〜4D、液晶表示装置4E、及び、音声出力部4F, 6Cの演出動作を制御する動作処理部16D となっている一方、図4中、左側に配置された処理部16E は、液晶表示装置4Eに表示させる画像の処理を行う画像処理部16E となっている。
【0037】
動作処理部16D の図4中表側の面には、演出動作の制御に必要なプログラム及び演出動作制御用のデータの少なくとも一方が記憶された前述のROM17と、このROM17の取り外しを検出する図示しないROM着脱センサ18A と、蓋部24に設けられた導電部26の離隔を検出する渦巻状(蚊取り線香のような渦巻状)の配線パターンからなる離隔検出センサ16F と、ROM17の取り外しを監視するROM取外監視ユニット30と、図4には示していないが、演出動作における演算処理を行うCPU44とが設けられている。
このうち、離隔検出センサ16F は、図示しない離隔監視IC及び後述するCPU41と協調して、導電部26の離隔を検出するものである。離隔監視IC及びCPU41は、離隔検出センサ16F とともに、蓋部24側の導電部26が離れていくことを検出するものであり、導電部26が離れた方向へ移動すると、離隔検出センサ16F からの信号に基づいて、蓋部24が開いたことを検出し、その旨を知らせる蓋部開信号を発信するように形成されている。
【0038】
ROM着脱センサ18A は、ROM17が離れていくことを検出するためのものであり、離隔検出センサ16F と同様に、渦巻状(蚊取り線香のような渦巻状)の配線パターンを含んで構成されたセンサである。
このROM着脱センサ18A の配線パターンは、副制御基板16のプリントパターンの一部として、ROM17に対向する位置に形成された導体パターンとなっている。
ROM着脱センサ18A の導体パターンは、ROM17がICソケット18に搭載されたとき、或いは、ICソケット18が副制御基板16に実装されたときに、導体パターンの全部或いは一部がROM17又はICソケット18に隠れるように形成されたものである。
また、ROM着脱センサ18A の導体パターンは、ROM17が装着されるICソケットの実装面である副制御基板16の表面において、ROM17の接続端子に対応して形成されている半田取付用パターン(ランド)に重ならない位置に設けられている。
【0039】
例えば、ROM着脱センサ18A の導体パターンは、両側に複数の接続端子が配列されたROM17を利用する場合、半田取付用パターン(ランド)の間に形成されたものが採用され、あるいは、四つの辺のそれぞれに複数の接続端子が配列されたROM17を利用する場合、ROM17の取付位置の周辺、すなわち、ROM17の四つの辺に対応したランドの内側に形成されたものが採用される。
なお、本実施形態では、副制御基板16は、厚さ方向に積層された4層の基板が採用されており、離隔監視ICで行われる検出判定処理の精度を向上させるため、表面には、導体パターンが形成されているが、他の3層部分について、表面の導体パターンに重なる領域及びその周辺に導体のパターンが形成されないようになっている。
【0040】
図8において、ROM着脱センサ18A は、離隔検出センサ16F が接続された前述の離隔監視ICと同様の離隔監視IC18B (図8参照)と、ROM17が取り外されたか否かを判定するROM取外判定部41C (図8参照)と協調して、ROM17が取り外されたことを検出するものである。
離隔監視IC18B は、特に図示しないが、所定の周波数の交流電流を発生する発振回路部と、ROM着脱センサ18A の導体パターンに流れる交流電流の所定時間当たりの振動数をカウントするカウンタ部とを備えている。
【0041】
離隔監視IC18B の発振回路部は、ROM着脱センサ18A の導体パターンに与えるための所定周波数の交流電流を発生するものであり、水晶発振器を含んで構成された一般的な発振器である。
この発振回路部は、所定のタイミングで発振を開始する、例えば、CPU41から所定時間おきに送信される発振命令信号を受信したことを契機に発振を開始するようになっている。また、発振回路部は、発振を開始してから所定時間が経過するまで、所定の周波数で発信し、所定時間が経過すると、発振を停止するように設定されている。
ここで、本実施形態では、発振回路部の発信周波数は、例えば、140MHzに設定され、発振回路部を発振させる所定時間としては、ROM17が取り外されたか否かを判定するのに必要なデータのサンプリング時間が採用される。
【0042】
ここで、ROM着脱センサ18A の導体パターンは、離隔監視ICの発振回路部から所定周波数の交流電流を受けると、当該導電パターンから発生した磁力線でROM17の導体部分に渦電流を発生させ、この渦電流によって誘導される誘導交流電流を、発振回路部が発生する交流電流に重畳させるものとなっている。
離隔監視IC18B のカウンタ部は、発振回路部の所定時間の発振開始を契機に、誘導交流電流が重畳された発振回路部の発生する交流電流の振動数のカウントを開始する。そして、離隔監視IC18B のカウンタ部は、発振回路部の所定時間の発振終了を契機に振動数のカウントを終了し、カウントしたカウント値を示すカウント値信号を後述するCPU41へ送信する。
(記憶媒体取外判断部41C)
ROM取外判定部41C は、後述するCPU41で実行されるプログラムによって構成されるものである。このROM取外判定部41C は、離隔監視IC18B のカウンタ部のカウントしたカウント値に基づいて、ROM17が副制御基板16から取り外されたか否かを判断するものである。
換言すると、CPU41には、離隔監視IC18B のカウンタ部のカウントしたカウント値に基づいて、ROM17が取り外されたか否かを判断するプログラムが記憶されており、CPU41がこのプログラムを実行することで、ROM17の取り外しを判定するようになっている。
【0043】
すなわち、CPU41の内部に形成されたROM取外判定部41C は、離隔監視IC18B のカウンタ部から送信されたカウント値が所定の範囲から外れる否かに基づいて、ROM17の取り外しを判断するものである。ROM取外判定部41C は、カウント値が所定の範囲から外れている場合には、ROM17が副制御基板16から取り外されたと判定するようになっている。
【0044】
具体的な例をあげて説明すると、ROM17がICソケット18に装着されており、ROM17とROM着脱センサ18A との間隔が所定の距離(例えば、約5mm)となっている状態で、離隔監視IC18B の発振回路部からROM着脱センサ18A に所定の周波数(例えば、140MHz)の交流信号が供給された場合、ROM着脱センサ18A とROM17内の導体部分(ウエハや内部パターン)との距離に応じた周波数の渦電流が、ROM17内部にある導体部分に生じるようになっている。ここで、ROM着脱センサ18A は、一種のトランスであるので、ROM着脱センサ18A には、発振回路部が発振する交流電流に発生した渦電流を重畳する交流電流が流れるようになっている。
このため、ROM着脱センサ18A に流れる交流電流の周波数は、渦電流の影響で、発振回路部の発振周波数(例えば、140MHz)からずれ、一定範囲の周波数帯(本実施形態では145〜155MHz)から逸脱しない範囲内で上昇するので、ROM着脱センサ18A に流れる交流電流の所定時間当たりの振動数も所定の範囲に収まるようになっている。
【0045】
従って、ROM着脱センサ18A に流れる交流電流の振動数を、離隔監視IC18B のカウンタ部でカウントし、カウンタ部でカウントした所定時間当たりのカウント値が所定の範囲に収まる場合、ROM取外判定部41C は、ROM17がICソケット18に装着されていると判定するようになっている。
【0046】
一方、ROM17がICソケット18から取り外され、ROM17がROM着脱センサ18A から遠ざかると、ROM17内部にある導体部分に渦電流が生じなくなるので、離隔監視IC18B の発振回路部からROM着脱センサ18A に供給される交流信号に、ROM17の内部で発生した渦電流が重畳されないようになっている。これにより、ROM着脱センサ18A に流れる交流電流は、離隔監視IC18B の発振回路部が発する交流電流の周波数に近い値(例えば、140MHz〜142MHzの範囲内の値)に低下し、離隔監視IC18B のカウンタ部がカウントした所定時間当たりのカウント値が、前述の所定の範囲から逸脱するようになっている。
【0047】
従って、ROM着脱センサ18A に流れる交流電流の振動数を、離隔監視IC18B のカウンタ部でカウントし、カウンタ部でカウントした所定時間当たりのカウント値が所定の範囲から逸脱する場合、ROM取外判定部41C は、ROM17がICソケット18から取り外されたと判定するようになっている。
そして、ROM取外判定部41C は、ROM17が取り外されたことを検出すると、取付状態を示す取付論理値から取外状態を示す取外論理値へ信号値が変更されるROM状態信号を出力するものとなっている。
【0048】
ここにおいて、ROM着脱センサ18A 、離隔監視IC18B 及びROM取外判定部41C は、ROM17の取り外しを検出し、ROM17が取り外されたことを検出すると、取付状態を示す取付論理値から取外状態を示す取外論理値へ信号値が変更されるROM状態信号を出力する媒体取外検出手段を構成するものとなっている。
そして、本実施形態に係る媒体取外検出手段は、要約すると、ROM17が装着されている場合には、所定周波数の交流電流をROM着脱センサ18A に流通させると、ROM17の内部に渦電流が発生し、発生した渦電流が誘導によってROM着脱センサ18A にも流れ、所定周波数の交流電流に重畳して、ROM着脱センサ18A に流れる交流電流の周波数を上昇させることを利用して、ROM17の取り外しを検出するものとなっている。
【0049】
図4に戻って、動作処理部16D の図4中裏側の面には、取付ベース22に設けられた導電部22E の離隔を検出する渦巻状の配線パターンからなる離隔検出センサ16G が設けられている。
離隔検出センサ16G は、ROM着脱センサ18A と同様の構造・機能を有し、離隔監視IC18B と同様の離隔監視ICに接続され、この離隔監視IC及びCPU41と協調して、取付ベース22側の導電部22E が離れていくことを検出するものである。離隔監視IC及びCPU41は、導電部22E が離れた方向へ移動すると、副基板ケース20の本体部21が取付ベース22から取り外されたことを報知するための本体状態信号を発信するように形成されている。
【0050】
画像処理部16E の図4中表側の面には、液晶表示装置4Eの画像処理に必要なプログラム及び画像処理用のデータ等が記憶された画像処理用ROM16H と、液晶表示装置4Eの画面に表示されるキャラクタに関するデータが記憶されたキャラクタROM16J と、図4には示していないが、画像処理における演算処理を行うCPU45とが設けられている。
【0051】
以上において、演出用照明装置4B〜4D、液晶表示装置4E、及び、音声出力部4F, 6Cは、遊技の進行に伴って動作する遊技装置となっている。
また、ROM17は、ICソケット18を介して副制御基板16に取り付けられることによって、副制御基板16に着脱可能に設けられた記憶媒体となっている。
そして、副制御基板16は、着脱可能に設けられたROM17を有するとともに、演出用照明装置4B〜4D、液晶表示装置4E、及び、音声出力部4F, 6Cの動作を制御する制御回路が形成された制御基板となっている。
【0052】
ROM取外監視ユニット30は、電源装置13(図2参照)に設けられている電源スイッチ13A の接点信号を所定の検出開始信号として受信し、検出開始信号を受信すると、ROM取外判定部41C からのROM状態信号を監視する監視動作を開始するものである。
すなわち、ROM取外監視ユニット30のCPU41は、所定の検出開始信号を受信すると、ROM取外判定部41C からのROM状態信号を監視する監視動作を開始し、ROM状態信号の信号値が取付論理値から取外論理値へ変更されるのに応じて、正常状態を示す正常論理値から異常状態を示す異常論理値へ信号値が変更される警報信号を出力する媒体取外監視手段となっている。
また、ROM取外監視ユニット30は、監視動作の開始後、警報信号の信号値を正常論理値から異常論理値に変更すると、異常論理値を維持するように形成されている。
【0053】
(ROM取外監視ユニット30)
以下に、ROM取外監視ユニット30について詳しく説明する。
図5〜図7において、ROM取外監視ユニット30は、離隔監視IC18B からのカウント値信号を受信し、受信したカウント値信号に基づいて所定の監視処理を行う監視基板40と、監視基板40を収納するケース部31とを備えたものである。
このうち、ケース部31は、直方体状の箱体であり、図5中、右方側面の上端部分及び左方側面の下端部分のそれぞれに、当該側面から突出するネジ止め膨出部31A が形成されたものとなっている。
このようなケース部31は、図4の如く、副制御基板16における動作処理部16D 側の所定位置に配置され、図6に示すように、副制御基板16の基板そのものである本体平板部16K に着脱可能に取り付けられている。換言すると、ROM取外監視ユニット30は、副制御基板16に着脱可能に設けられたものとなっている。
ケース部31には、監視基板40が取り付けられるベース部32と、ベース部32に取り付けられた監視基板40を覆う蓋部33とが備えられている。
【0054】
ベース部32は、図7に示すように、蓋部33側の面が開口された箱状の部材である。このベース部32には、監視基板40が取り付けられる底部32A と、この底部32A に取り付けられた監視基板40の周囲を囲む筒状の側壁部32B とが設けられている。そして、底部32A の周縁部分は、側壁部32B の外側面から突出する鍔部32C となっている。
ここで、ベース部32の鍔部32Cにおける前述のネジ止め膨出部31A に対応する部位は、当該ネジ止め膨出部31A に応じて拡張されたバルジ部32D となっている。このバルジ部32D には、ネジ止め用のボス32E が立設されている。
また、底部32A における側壁部32B に囲まれた部分には、監視基板40に形成されている後述するコネクタ40A を露出させるためのコネクタ挿通孔32F が設けられている。
【0055】
蓋部33は、図7の如く、ベース部32側の面が開口された箱状の部材である。このベース部32には、ベース部32の底部32A と対向する平板状の部位として形成された天井部33A と、この天井部33A の周縁部に沿って立設された筒状の側壁部33B とが設けられている。
ここで、蓋部33の側壁部33B における前述のネジ止め膨出部31A に対応する部位は、当該ネジ止め膨出部31A に応じて膨出したバルジ部33D となっている。このバルジ部33D には、ネジ止め用の凹部33E が形成されている。
【0056】
図6に戻って、蓋部33側のバルジ部33D に形成されている凹部33E の底部には、図6に示すように、ボス32E と螺合するネジを挿通させるネジ挿通孔33F が設けられている。
ここで、ベース部32及び蓋部33は、ベース部32の開口を蓋部33で閉じると、ベース部32の側壁部32B の外側に、蓋部33の側壁部33B が重なり、底部32A のコネクタ挿通孔32F を除いた部分が密閉されるように形成されている。このような側壁部32B 及び側壁部33B は、互いに重なり合う二重構造の壁を形成し、これにより、外部からの不正アクセスを非常に困難なものにし、ROM取外監視ユニット30の防犯性を向上させるものとなっている。
【0057】
ベース部32の開口を蓋部33で閉じた状態で、蓋部33側の凹部33E の底部に形成されたネジ挿通孔33F にネジ34を挿通し、このネジ34をベース部32側のボス32E と螺合することで、ベース部32及び蓋部33が互いに接合され、これにより、ケース部31が閉鎖されるようになっている。
この際、ネジ34が内部に入った凹部33E は、筒状のカシメ部材35で塞がれるようになっている。これにより、ネジ34は、蓋部33における凹部33E の周辺部分、及び、カシメ部材35の少なくとも一方を破壊しないと、ボス32E への螺合を解除できないようになっている。換言すると、ケース部31は、蓋部33における凹部33E の周辺部分、及び、カシメ部材35の少なくとも一方を破壊しないと、ネジ34のボス32E への螺合が解除できず、当該ケース部31を開けることができないようになっている。
【0058】
一方、監視基板40は、前述したコネクタ40A及び図示しないケーブルを介して、副制御基板16に電気的に接続されている。また、監視基板40は、副制御基板16の動作処理部16D に設けられた離隔監視IC18B からのカウント値信号に基づいて、動作処理部16D からROM17が取り外されたか否かの検出及び判定を行うとともに、ROM17が取り外されると、ROM17の取外を検出した取外検出時刻等を記憶するように形成されたものである。
この監視基板40には、各種の演算処理を行う演算処理部及び演算処理に欠かせないデータを記憶するRAM等の記憶部を含む必要な要素が1つのチップ内に詰め込まれたCPU41と、認証用データとしての乱数を取得するために実時刻を示す時刻データを発生させる要素が1つのチップ内に詰め込まれたRTC42と、停電時にCPU41及びRTC43への電力供給を行うバックアップ用の二次電池43とが設けられている。
ここにおいて、ケース部31は、CPU41(媒体取外監視手段)及び二次電池43(電力供給源)を外部から操作できないように、CPU41及び二次電池43を内部に包み込む部材であり、CPU41及び二次電池43を封止する封止手段となっている。
【0059】
(副制御基板16の電気的構成)
図8には、副制御基板16の電気的な概略構成が示されている。以下に、副制御基板16の電気的構成について説明する。
副制御基板16は、前述したように、演出動作を制御する動作処理部16D と、液晶表示装置4Eに表示させる画像を処理する画像処理部16E と、動作処理部16D に取り付けられたROM17の取り外しを監視するROM取外監視ユニット30とを有するものである。
【0060】
このうち、ROM取外監視ユニット30のCPU41には、図8に示すように、ROM17が取り外されたこと等を記録として記憶するRAM41A と、動作処理部16D からROM17が取り外されたことを示す警報信号を出力するとともに、当該警報信号の出力を維持する信号維持部41B と、前述のROM取外判定部41C とが設けられている。
また、画像処理部16E のCPU45には、ROM取外監視ユニット30からの警報信号に受信すると、ROM17が取り外されたことの警報表示を行わせるためのROM取外警報表示部45A と、ROM取外監視ユニット30のRTC42から出力される後述のリアルタイムデータ(以下、「RTデータ」という。)信号等を記憶するRAM45B と、当該RTデータ信号の比較を行う比較演算部45C とが設けられている。
以上において、画像処理部16E には、図8の如く、停電でRAM45B の記憶内容が消去されないように、停電時にRAM45B に駆動用電力を供給するためのバックアップ電池45D が設けられている。
【0061】
ここで、副制御基板16には、電源装置13が電気的に接続され、電源装置13から駆動用電力が供給されるとともに、電源スイッチ13A の投入(電源スイッチ13A がONになったこと)を示す起動信号が入力されるようになっている。
【0062】
動作処理部16D は、演出動作を制御する部位であり、液晶表示装置4Eで行われる演出動画の選択等も行うようになっている。
例えば、スロットマシン1には、遊技を開始すると、回転リール11を停止させた際に所定の図柄の組み合わせが停止されるストップスイッチ7Dの押し順を液晶表示装置4Eの画面に表示する演出動作を伴うアシストタイムゲーム(以下、「ATゲーム」という。)が設定されている。
【0063】
ここで、動作処理部16D のCPU44は、ATゲームへ移行するか否かを選択する抽選を行うとともに、画像処理部16E 側のCPU45へ比較指令信号を所定周期毎に送出するものとなっている。
また、動作処理部16D のROM17には、ATゲームへの移行抽選を行うために、抽選テーブルが記憶されている。
【0064】
ROM取外監視ユニット30は、離隔監IC18B から出力されるカウント値信号を受信し、当該カウント値信号に基づいて、前記ROM17が取り外されたか否かを判定する媒体取外監視ユニットとなっている。
ROM取外監視ユニット30のCPU41は、二次電池43を介して電源装置13から駆動電力を受けるようになっており、これにより、停電しても、二次電池43からの駆動電力を受けることができ、停電時にも、ROM17の取外監視が可能となっている。
ここにおいて、二次電池43は、媒体取外監視手段であるCPU41に独立して電力を供給することが可能な電力供給源となっている。
また、ROM取外監視ユニット30のCPU41には、デジタルデータ信号が入力されるデータ入力端子と、データ割込入力を無効にすることができる、換言するとマスク可能な通常の割込入力端子(以下、「INT入力端子」という。)と、割込入力を無効にすることができない、換言するとマスク不可能な割込入力端子であるNMI入力端子とが設けられている。
このうち、CPU41のデータ入力端子には、離隔監IC18B からのカウント値信号が入力され、CPU41のINT入力端子には、電源スイッチ13A からの起動信号が入力されるようになっている。
【0065】
CPU41の信号維持部41B は、CPU41の内部のハードウェアあるいはソフトウェアによって形成された処理手段であり、INT入力端子に入力された起動信号及びROM取外判定部41C からのROM状態信号の両方を受信するようになっている。
また、信号維持部41B は、INT入力端子に入力された起動信号を受信すると、起動信号に応じたRTデータ要求信号をRTC42へ出力するようになっている。
具体的に説明すると、信号維持部41B は、INT入力端子に入力された起動信号を受信すると、RTC42へ出力するRTデータ要求信号の信号値を送信不要値から送信要求値へ変更し、送信要求値に変更した後、RTデータ要求信号の信号値を送信要求値に維持し続けるものとなっている。
これにより、CPU41は、電源スイッチ13A から最初に受信した起動信号のみを受け付け、その後に、電源スイッチ13A が起動信号を繰り返し何度も送信しても、その都度、電源スイッチ13A からの起動信号を無視するようになっている。
【0066】
さらに、信号維持部41B は、電源スイッチ13A から起動信号を受信すると、ROM取外判定部41C からのROM状態信号を監視する監視動作を開始し、受信したROM状態信号に応じた警報信号を、画像処理部16E 側のROM取外警報表示部45A へ出力するようになっている。
監視動作を開始した後の信号維持部41B について、さらに具体的に説明すると、信号維持部41B は、ROM状態信号の信号値が取付論理値から取外論理値へ変更されるのに応じて、警報信号の信号値を正常状態を示す正常論理値から異常状態を示す異常論理値へ変更し、異常論理値に変更した後、警報信号の信号値を異常論理値に維持し続けるものとなっている。
例えば、ROM状態信号の取付論理値及び取外論理値のそれぞれが「0」及び「1」に設定されている場合、信号維持部41B は、ROM状態信号の信号値が最初に「0」から「1」に変化したことを唯一のトリガとして、警報信号の信号値を正常論理値から異常論理値へ変更するものとなっており、その後、信号値が「0」から「1」、あるいは「1」から「0」へ変化しても、警報信号の信号値を変更しないようになっている。
これにより、CPU41は、ROM状態信号の信号値が取付論理値から取外論理値へ変更されると、その後、電源装置13からの電力供給が停止しても、そのRAMやレジスタに記憶された信号の状態や値を変化させる処理を実行せず、この結果、警報信号の信号値を異常論理値に維持し続けるようになっている。
【0067】
RTC42は、信号維持部41B からのRTデータ要求信号に応じて、その時点の実時刻を示すRTデータ信号を、同じROM取外監視ユニット30のCPU41に設けられているRAM41A と、画像処理部16E 側のCPU45に設けられているRAM45B とに送信するようになっている。
さらに詳しく説明すると、RTC42は、信号維持部41B からのRTデータ要求信号の信号値が送信不要値から送信要求値へ変更すると、その変更時の実時刻を示すRTデータ信号をCPU41のRAM41A 及びCPU45のRAM45B へ送信するようになっている。
ここで、信号維持部41B からのRTデータ要求信号は、一旦、その信号値が送信要求値に変更されると、送信要求値を維持するので、RTC42によるRTデータ信号の送信回数は、1回に限られるようになっている。
【0068】
ここで、RTC42は、一定の周期で所定の電気パルスを発する図示しない発振器と、この発振器の発する電気パルスの数を計数する図示しない発振数カウンタとを備え、時刻表示を開始する際の時刻に、発振数カウンタで発振器の発する電気パルスの数を計数することで、実時間のデータであるRTデータを取得するものである。
RAM41A は、RTC42に内蔵された発振数カウンタで計数された計数値でもあるRTデータの値を監視ユニット側記憶値として記憶するための監視ユニット側記憶部となっている。
【0069】
RAM41A は、RTC42からRTデータ信号が送られてくると、送られてきたRTデータ信号が示すRTデータを記憶するとともに、比較演算部45C から記憶値要求信号が送られてくるたびに、記憶しているRTデータである監視ユニット側記憶値を示すユニット側記憶値信号を比較演算部45C へ送信するものとなっている。
【0070】
画像処理部16Eは、信号維持部41B から警報信号に応じてROM17の取り外しが行われたことの表示を液晶表示装置4Eに行わせる機能と、ROM取外監視ユニット30が副制御基板16から取り外されたか否かを判定する機能とを有するものとなっている。
すなわち、画像処理部16E のROM取外警報表示部45A は、信号維持部41B から警報信号を受信し、受信した警報信号の信号値が異常論理値になっている場合に、ROM17の取り外しが行われたことを液晶表示装置4Eの画面に表示させるものとなっている。
ここで、液晶表示装置4Eは、ROM17が取り外されたことを報知するための媒体取外報知手段となっている。
【0071】
RAM45B は、RTC42からRTデータ信号が送られてくると、送られてきたRTデータ信号が示すRTデータを記憶するとともに、比較演算部45C から記憶値要求信号が送られてくるたびに、記憶しているRTデータである制御手段側記憶値を示す基板側記憶値信号を比較演算部45C へ送信するものとなっている。
比較演算部45C は、動作処理部16D のCPU44から周期的に送信されてくる比較指令信号を受信するごとに、ROM取外監視ユニット30側のCPU41に設けられているRAM41A と、同じCPU45に設けられているRAM45B とに、それぞれが記憶しているRTデータの値の送信を要求する記憶値要求信号を送信するようになっている。
【0072】
そして、比較演算部45C は、RAM41A からのユニット側記憶値信号及びRAM45B からの基板側記憶値信号を受信すると、ユニット側記憶値信号の信号値と基板側記憶値信号の信号値とを比較し、比較した結果に応じた警報信号をROM取外警報表示部45A へ出力するようになっている。
さらに詳しく説明すると、比較演算部45C は、ユニット側記憶値信号の信号値と基板側記憶値信号の信号値とを比較した結果、ユニット側記憶値信号の信号値と基板側記憶値信号の信号値とが相違していると、警報信号の信号値を正常状態を示す正常論理値から異常状態を示す異常論理値へ変更するものとなっている。
ここで、ROM取外警報表示部45A は、比較演算部45C から受信した警報信号の信号値が異常論理値に変更されると、信号維持部41B から警報信号の信号値が異常論理値になっている場合と同様に、ROM17の取り外しが行われたことを液晶表示装置4Eの画面に表示させて、その旨を報知させる、換言すると、液晶表示装置4Eで警報を発報するようになっている。
【0073】
以上において、画像処理部16E は、ROM取外監視ユニット30によって、ROM17が取り外されたと判定されると、液晶表示装置4Eを制御して、ROM17の取り外しを報知する動作を液晶表示装置4Eに行わせる報知動作制御手段となっている。
また、CPU45は、ROM取外監視ユニット30に関する情報としてのRTデータを含む情報信号であるRTデータ信号をROM取外監視ユニッ30から受け、このRTデータ信号に基づいて、当該ROM取外監視ユニット30が取り外されたか否かの判定を行う監視ユニット取外判定手段となっている。
【0074】
さらに、画像処理部16E は、CPU45によって、ROM取外監視ユニット30が取り外されたと判定されると、ROM17の取り外しを報知する動作を液晶表示装置4Eに行わせるように形成されたものとなっている。
また、RTC42は、所定の記憶指令信号であるRTデータ要求信号を受信すると、内蔵している発振数カウンタが計数している、その時点における計数値であるRTデータを画像処理部16E に知らせるとともに、画像処理部16E に知らせたRTデータをRAM41A に記憶させる計数値処理部となっている。
【0075】
さらに、RAM45B は、計数値処理部であるRTC42によって知らされた発振数カウンタの計数値であるRTデータを制御手段側記憶値として記憶する制御手段側記憶部となっている。
また、比較演算部45C は、CPU44から所定周期毎に送出される比較指令信号を受信する毎に、ROM取外監視ユニット30に記憶されている監視ユニット側記憶値を知らせることをROM取外監視ユニット30に対して要求する記憶値要求信号をROM取外監視ユニット30へ送るものである。換言すると、比較演算部45C は、記憶値要求信号をROM取外監視ユニット30へ所定周期毎に送る記憶値要求手段となっている。
さらに、比較演算部45C は、ROM取外監視ユニット30から監視ユニット側記憶値が知らされると、知らされた監視ユニット側記憶値を、RAM45B に記憶されている制御手段側記憶と比較する記憶値比較手段となっている。
【0076】
また、監視ユニット取外判定手段としてのCPU45は、比較演算部45C が比較した結果、知らされた監視ユニット側記憶値が、そのRAM45B に記憶されている制御手段側記憶値と相違している場合、ROM取外監視ユニット30が取り外されたと判定するように形成されたものである。
さらに、報知動作制御手段としての画像処理部16E は、CPU45によって、ROM取外監視ユニット30が取り外されたと判定されると、ROM17の取り外しを報知する動作を液晶表示装置4Eに行わせるように形成されている。
【0077】
このような副制御基板16を備えたスロットマシン1では、ROM17が不正なROMに交換されると、ROM取外監視ユニット30が出力する警報信号の信号値が異常論理値に変更され、これにより、液晶表示装置4Eの画面にROM17が取り外されたことが表示され、換言すると、液晶表示装置4Eで警報が発報され、ROM17の不正取外行為が報知される。
【0078】
また、ROM取外監視ユニット30に二次電池43を設け、一旦、ROM取外監視ユニット30が出力する警報信号の信号値が異常論理値に変更されると、その後、当該異常論理値に維持されるようにしたので、電源スイッチ13A がOFFの状態で、ROM17の不正交換がなされても、その際におけるROM17の取り外しによって、警報信号の信号値が異常論理値に変更され、その後も、当該異常論理値が維持されるので、スロットマシン1の電源が再投入されると、液晶表示装置4Eの画面にROM17が取り外されたことが表示され、これにより、ROM17の不正取外行為が報知される。
なお、ROM取外監視ユニット30は、一旦、ROM取外監視ユニット30が出力する警報信号の信号値が異常論理値に変更されると、二次電池43に蓄積されている電力によって、スロットマシン1から取り外されても、スロットマシン1から取り外された状態で放置し、二次電池43を完全に放電した後、スロットマシン1に取り付ければ、警報信号の信号値が元の状態にリセットされるので、再使用することができる。
【0079】
しかも、ROM取外監視ユニット30を取り外すと、CPU41のINT入力端子とROM着脱センサ18A との電気的接続が遮断されるので、CPU41のINT入力端子の信号受信状態は、ROM着脱センサ18A からROM17が取り外された状態と同じとなり、ROM取外監視ユニット30を取り外した状態で、ROM17の不正交換がなされても、警報信号の信号値が異常論理値に変更され、これにより、液晶表示装置4Eの画面にROM17が取り外されたことが表示されて、ROM17の不正取外行為が報知される。
【0080】
さらに、ROM17を不正なROMに交換する際に、ROM取外監視ユニット30についても不正なROM取外監視ユニット30への交換がなされると、CPU45の比較演算部45C によって、ROM取外監視ユニット30からの監視ユニット側記憶値と、CPU45のRAM45B に記憶されている制御手段側記憶との比較がなされ、不正なROM取外監視ユニット30からの監視ユニット側記憶値と、CPU45のRAM45B に記憶されている制御手段側記憶とが一致することがないので、比較演算部45C から出力される警報信号の信号値が異常論理値に変更され、これにより、液晶表示装置4Eの画面にROM17が取り外されたことが表示されて、ROM17の不正取外行為が報知される。
【0081】
なお、ROM17を不正なROMに交換する際に、ROM取外監視ユニット30が取り外された場合、ROM取外監視ユニット30からの監視ユニット側記憶値が出力されず、従って、比較演算部45C の比較処理において、監視ユニット側記憶値と、CPU45のRAM45B に記憶されている制御手段側記憶とが一致することがないので、この場合にも、比較演算部45C から出力される警報信号の信号値が異常論理値に変更され、これにより、液晶表示装置4Eの画面にROM17が取り外されたことが表示されて、ROM17の不正取外行為が報知される。
【0082】
(実施形態の効果)
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、記憶媒体であるROM17の取り外しを検出する媒体取外検出手段として、ROM17が取り外されたことを検出すると、取付状態を示す取付論理値から取外状態を示す取外論理値へ信号値が変更されるROM状態信号を出力するROM着脱センサ18A 、離隔監視IC18B 及びROM取外判定部41C を設け、ROM17が不正に取り外された際に、そのROM状態信号の信号値が取外論理値に変更されるようにしたので、ROM状態信号の信号値を監視することで、ROM17が不正に取り外された否かがリアルタイムで検出されるようになる。
また、前述のようなROM着脱センサ18A 、離隔監視IC18B 及びROM取外判定部41C に加えて、検出開始信号として、電源スイッチ13A がONとなったことを示す起動信号を受信すると、ROM取外判定部41C からのROM状態信号を監視する監視動作を開始し、ROM状態信号の信号値が取付論理値から取外論理値へ変更されるのに応じて、正常状態を示す正常論理値から異常状態を示す異常論理値へ信号値が変更される警報信号を出力するCPU41を設け、警報信号の信号値が異常論理値に変更されたことを契機に、液晶表示装置4Eで警報を発報するようにしたので、スロットマシン1が動作している間に、ROM17が不正に取り外ずされると、速やかに、液晶表示装置4Eによって警報が発報されるようになり、これにより、ROM17の不正取外をリアルタイムで報知することができる。
【0083】
ここで、CPU41は、監視動作の開始後、警報信号の信号値を正常論理値から異常論理値に変更すると、電源スイッチ13A のON/OFF状態にかかわらず、異常論理値を維持することができるので、スロットマシン1の電源がOFFの状態で、液晶表示装置4Eによる警報が発報されない時に、ROM17が交換されても、スロットマシン1の電源が再度投入されると、画像処理制部16E によって、警報信号の信号値が異常論理値であることが認識され、液晶表示装置4Eによって、ROM17が不正交換されたことを報知でき、換言すると、液晶表示装置4Eによって警報を発報することができ、従って、ROM17の不正交換の防止を十分に図ることができる。
しかも、ROM17の不正交換後、速やかに、液晶表示装置4Eを制御する画像処理制部16E に設けられたRAM45B の電源ラインが切断され、RAM45B の電源が遮断され、RAM45B に記憶されたROM17の交換記録が強制的にクリアされた場合でも、CPU41が発する警報信号の信号値は異常論理値を維持するので、スロットマシン1の電源が再度投入されると、画像処理制部16E によって、警報信号の信号値が異常論理値であることが認識され、液晶表示装置4Eによって、ROM17が不正交換されたことを報知でき、換言すると、液晶表示装置4Eによって警報を発報することができ、従って、ROM17の不正交換の防止を十分に図ることができる。
【0084】
さらに、ROM17の取り外しを検出するために、ROM17の取り外しによって、取付状態を示す取付論理値から取外状態を示す取外論理値へ信号値が変更されるROM状態信号を出力するROM着脱センサ18A 、離隔監視IC18B 及びROM取外判定部41C を設けたので、ROM17が取り外されると、そのROM状態信号の信号値が取外論理値となり、ROM状態信号の信号値を監視することで、ROM17の不正取外をリアルタイムで検出することができる。
この際、ROM取外判定部41C からのROM状態信号を監視し、ROM状態信号の信号値が取付論理値から取外論理値へ変更されるのに応じて、正常状態を示す正常論理値から異常状態を示す異常論理値へ信号値が変更される警報信号を出力するCPU41と、このCPU41に独立して電力を供給することが可能な二次電池43とをROM取外監視ユニット30に設けたので、スロットマシン1の電源がOFFとなっても、二次電池43によって電力供給がなされ、ROM取外監視ユニット30は、正常論理値から異常論理値に変更された警報信号の信号値を異常論理値に維持するようになる。
従って、スロットマシン1の電源がOFF状態で、液晶表示装置4Eが警報を発報することができない時に、ROM17が交換され、その後、たとえ、画像処理部16E のRAM45B の電源が遮断され、RAM45B に記憶されたROM17の交換記録がクリアされたとしても、CPU41は、警報信号の信号値を異常論理値に維持するので、スロットマシン1の電源の再度投入後、警報信号の信号値が異常論理値であることを画像処理部16Eが認識すると、ROM17が不正交換されたことの報知動作を液晶表示装置4Eに行わせるようになり、これにより、ROM17の不正交換の防止を十分に図ることができる。
【0085】
ここで、ROM取外監視ユニット30のCPU41及び二次電池43をケース部31で封止し、これにより、CPU41及び二次電池43に対して外部から不正な操作が行えないようにしたので、ROM取外監視ユニット30を破壊することなく、外部からの操作でCPU41がROM17の取り外しを検出する動作を妨害することはできなくなり、この点からも、ROM17が不正交換されたことを確実に報知できるようになり、従って、ROM17の不正交換防止を十分に図れることができる。
【0086】
また、一定の周期で所定の電気パルスを発する発振器と、この発振器の発する電気パルスの数を計数する発振数カウンタとを備えるとともに、発振数カウンタの計数値であるRTデータ信号を出力するRTC42を設け、さらに、このRTC42が出力するRTデータ信号が示す計数値を監視ユニット側記憶値として記憶するためのRAM41A をCPU41に設け、RTC42として、RTデータ要求信号を受信すると、その時点における発振数カウンタの計数値であるRTデータを画像処理部16E に知らせるとともに、画像処理部16E に知らせた計数値をRAM41A に記憶させるものを採用し、さらに、RTC42によって知らされたRTデータを制御手段側記憶値として記憶するRAM45B をCPU45に設けたので、認証用パスワードとしての計数値(監視ユニット側記憶値及び制御手段側記憶値)が自動的に設定されるようになり、それぞれのスロットマシン1毎に異なる認証用のパスワードを設定する作業、及び、当該パスワードをCPU45及びROM取外監視ユニット30に登録する登録作業が不要となるうえ、パスワードとなる認証用の計数値は、スロットマシン1が設置される遊技場の係員や、スロットマシン1を作製する工場の作業員でさえ知ることができず、これにより、ROM17の不正交換に対する防犯性を向上することができる。
【0087】
そして、スロットマシン1に設置されていた真正のROM取外監視ユニット30が取り外されて、不正なROM取外監視ユニット30に交換された際には、ROM取外監視ユニット30に設けられたCPU41のRAM41A に記憶されているパスワードとしての監視ユニット側記憶値と、CPU45のRAM45B に記憶されているパスワードとしての制御手段側記憶値とが相違するので、CPU45でROM取外監視ユニット30が取り外されたか否かの判定が行え、この判定結果に応じて、液晶表示装置4EがROM17の取り外しを報知するようになる。
以上により、認証用のパスワードの設定作業や登録作業が不要となるうえ、認証用のパスワードの設定作業や登録作業を行わなくても、ROM取外監視ユニット30の不正交換がなされたか否かの判定が正確に行えるので、ROM取外監視ユニット30の不正交換がなされ、ROM17の取り外しが検出できなくとも、ROM17が不正交換されたことを報知することができ、従って、記憶媒体の不正交換の防止を十分に図れるようになる。
【0088】
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明において、前記第1実施形態と同様の装置や部位等には、同一符号を付し、その説明を省略又は簡略する。
本第2実施形態は、前記第1実施形態において媒体取外検出手段として採用したROM着脱センサ18A 、離隔監視IC18B 及びROM取外判定部41C を、ICソケット18に一体化されたフォトインターラプタあるいはリミットスイッチ等の近接スイッチからなるROM着脱センサとしたものである。
[第2実施形態]
さらに、前記実施形態では、媒体取外検出手段として、ROM着脱センサ18A 、離隔監視IC18B 及びROM取外判定部41C を含んで構成されたものを採用したが、ICソケット18に一体化されたフォトインターラプタあるいはリミットスイッチ等の近接スイッチを含んで構成されたROM着脱センサを採用してもよい。
このようなROM着脱センサは、ROM着脱センサのみでROM17の取り外しを検出することが可能なので、媒体状態信号であるROM状態信号を、ROM取外監視ユニット30のCPU41に備えられている信号維持部41B に直接出力するものとなる。
ここで、ROM着脱センサから出力されるROM状態信号は、ROM着脱センサがROM17が取り外されたことを検出すると、取付状態を示す取付論理値から取外状態を示す取外論理値へ信号値が変更される信号となっている。
【0089】
また、ROM着脱センサのROM状態信号は、媒体取外監視手段を構成するCPU41のNMI入力端子に入力されるように。なお、CPU41のINT入力端子には、前述したように、電源スイッチ13A からの起動信号が入力されるようになっている。
【0090】
ここで、INT入力端子に起動信号が入力されるとともに、NMI入力端子にROM状態信号が入力されるCPU41の内部処理について、図9を参照しながら説明する。
CPU41は、二次電池43に充分な電力が充電されると、メインルーチン処理を開始し、メインルーチン処理の一処理として、INT入力端子に起動信号が入力されるまで、図9(A)に示す手順でINT入力処理を行うようになっている。
【0091】
すなわち、図9(A)に示すように、ステップS1000で、INT入力端子で信号を入力することが許可されているか否かの判定を行う。
ステップS1000で、INT入力端子で信号を入力することが許可されていると判定された場合は、次のステップS1100へ進む一方、INT入力端子で信号を入力することが許可されていると判定されなかった場合は、メインルーチン処理へ戻る。
【0092】
ステップS1100では、INT入力端子に起動信号が入力されたか否かを判定する。このステップS1100で、INT入力端子に起動信号が入力されたと判定された場合は、次のステップS1200へ進む一方、INT入力端子に起動信号が入力されたと判定されなかった場合は、メインルーチン処理へ戻る。
【0093】
ステップS1200では、RTC42へRTデータを要求するRTデータ要求信号を出力するRTデータ要求信号出力処理を行い、このRTデータ要求信号出力処理が終了したら、次のステップS1300へ進む。
ステップS1300では、RTデータ信号を取得するRTデータ信号取得処理を行い、このRTデータ信号取得処理が終了したら、次のステップS1400へ進む。
【0094】
ステップS1400では、取得したRTデータ信号のRTデータをRAM41A に書き込むRTデータRAM書込処理を行い、このRTデータRAM書込処理が終了したら、次のステップS1500へ進む。
ステップS1500では、INT入力端子で信号を入力することが許可しないようにするINT入力不許可処理を行い、このINT入力不許可処理が終了したら、メインルーチン処理へ戻る。
【0095】
一方、CPU41は、図9(B)に示す手順でNMI入力処理を行うようになっている。
すなわち、図9(B)に示すように、ステップS2000で、INT入力端子で信号を入力することが不許可となっているか否かの判定を行う。
ステップS2000で、INT入力端子で信号を入力することが不許可となっていると判定された場合は、次のステップS2100へ進む一方、INT入力端子で信号を入力することが不許可となっていると判定されなかった場合は、メインルーチン処理へ戻る。
【0096】
ステップS2100では、NMI入力端子に入力されているROM状態信号が取外論理値となったか否かを判定する。このステップS2100で、ROM状態信号が取外論理値となったと判定された場合は、次のステップS2200へ進む一方、ROM状態信号が取外論理値となったと判定されなかった場合は、メインルーチン処理へ戻る。
【0097】
ステップS2200では、画像処理部16E のCPU45へ異常信号を出力する異常信号出力処理を行い、この異常信号出力処理が終了したら、メインルーチン処理へ戻る。
【0098】
以上のように処理を行うCPU41は、INT入力端子に起動信号が1回だけ入力することを許し、それ以降、起動信号の入力を許可せず、従って、RTデータの取得・書込も1回のみ行うようになっている。
また、CPU41は、INT入力端子に起動信号が入力されたことを条件に、ROM状態信号が取外論理値になったか否かの判定を行い、INT入力端子に起動信号が既に入力される場合は、ROM状態信号が取外論理値になると、異常信号を出力するが、INT入力端子に起動信号が未だ入力されていない場合は、ROM状態信号が取外論理値になっても、異常信号を出力することがない。
【0099】
以下に、前述のようなCPU41の動作を図10のタイムチャートを参照しながら説明する。
図10において、CPU41は、スロットマシン1が起動する前から作動している。そして、CPU41は、スロットマシン1が起動するまでは、換言すると、スロットマシン1が起動する以前においては、図10に示すように、NMI入力端子に入力されているROM状態信号が取外論理値になっても(※1参照)、異常信号を出力しない。
【0100】
そして、図10における時刻T1において、INT入力端子に起動信号が入力されると、CPU41は、RTC42へRTデータを要求し、及び、RTC42から取得したRTデータを利用して、ROM取外監視ユニット30が取り外されたか否かの判定を行えるようにする。
これらの処理が完了したら、CPU41は、NMI入力端子への信号入力に基づく異常処理を実行できるようにするとともに、INT入力端子への信号入力を不許可状態にする。従って、この後、図10中時刻T2において、NMI入力端子に入力されているROM状態信号が取付論理値から取外論理値へ変更されると、図10の如く、CPU41は、異常信号を出力するとともに、異常信号の信号の論理値を変化させない、換言すると、時刻T2における値に維持するようになっている。
【0101】
また、時刻T1以降は、INT入力端子への信号入力を不許可状態にするので、図10の如く、INT入力端子に起動信号が入力されても(※2参照)、CPU41は、異常信号等の信号の論理値を変化させない。
さらに、CPU41は、異常信号の出力後においては、異常信号の信号の論理値を変化させず、時刻T2における値に維持するので、時刻T2の経過後、NMI入力端子に入力されているROM状態信号が取付論理値から取外論理値へ変更されても(※3参照)、異常信号等の信号の論理値が変化することはない。
異常のような本実施形態によっても、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0102】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良などをも含むものである。
例えば、前記第1実施形態では、認証用のパスワードとなる計数値を取得する手段として、実時刻を計測するRTCを採用したが、これに限らず、一定の周期で所定の電気パルスを発する発振器と、この発振器の発する電気パルスの数を計数する発振数カウンタとを備え、任意のタイミングで発振数カウンタから計数値を取り出す乱数取得手段でもよい。
また、前記第1実施形態では、RTC42を利用して、認証用のパスワードとなる計数値を自動的に設定するようにしたが、認証用のパスワードとしては、遊技機側で自動的に設定するものに限らず、遊技機の製造時に、それぞれの遊技機に対して、異なる認証用のパスワードを設定し、且つ、当該パスワードを監視ユニット取外判定手段及び媒体取外監視ユニットの両方にパスワードを登録しておき、不正な媒体取外監視ユニットに交換されると、登録されたパスワードが一致しなくなるように形成してもよい。
【0103】
さらに、遊技機用回路基板としては、副制御基板16に限らず、リールユニット10やホッパユニット12の動作を制御する主制御基板でもよく、要するに、遊技機に設けられている装置の動作を制御するための制御回路が形成されている回路基板であればよい。
また、前記第1実施形態では、遊技動作を制御する主制御基板15と、演出動作を制御する副制御基板16とを別個に設けたが、制御基板の形態は、これに限らず、主制御基板を構成する電子部品と副制御基板を構成する電子部品とを一つの基板に設け、主制御基板及び副制御基板を一体化してもよい。
【0104】
また、前記第1実施形態では、画像処理部16E を比較演算部45C に設けたが、これに限らず、画像処理部16E をROM取外監視ユニット30に設け、ROM取外監視ユニット30から警報信号を出力するようにしてもよい。
この場合、前記第1実施形態では、動作処理部16D から比較演算部45C へ比較指令信号を周期的に出力するようにしていたが、比較指令信号の出力元は、動作処理部16D に限らず、ROM取外監視ユニット30に設けた画像処理部16E に対して、画像処理部16E から比較指令信号を出力するようにしてもよい。
【0105】
さらに、前記第1実施形態では、ROM17の取り外しの報知動作と、を液晶表示装置4Eに行わせたが、ROM17の取り外しの報知を動作するデバイスとしては、液晶表示装置4Eに限らず、他のデバイス、例えば、LED等の低消費電力の照明装置で行ってもよい。低消費電力の照明装置で、ROM17の取り外しを報知する場合、ROM17が正常に取り付けられている場合は、低消費電力の照明装置を連続点灯させ、ROM17が取り外された場合は、低消費電力の照明装置を点滅させて、この照明装置の点滅動作で、ROM17の取り外しを報知することが望ましい。ROM取外監視ユニット30が取り外されたと判定されると、ROM17の取り外しを報知する動作を液晶表示装置4Eに行わせるように形成されたものとなっている。
【0106】
また、前記第1実施形態では、ROM取外監視ユニット30が取り外された場合、液晶表示装置4EでROM17が取り外されたと報知するようにし、ROM取外監視ユニット30の取り外しと、ROM取外監視ユニット30が取り外しとが、液晶表示装置4Eの報知動作だけでは判別できないようにしたが、ROM取外監視ユニット30の取り外しを報知する態様・動作は、これに限らず、ROM取外監視ユニット30が取り外された場合、液晶表示装置4Eで、ROM取外監視ユニット30が取り外されたと報知し、ROM取外監視ユニット30の取り外しと区別できるようにしてもよく、ROM取外監視ユニット30の取り外しを報知する専用のデバイス、例えば、前述した低消費電力の照明装置を点滅させることで報知してもよい。
【0107】
さらに、前記第1実施形態では、ROM取外監視ユニット30が取り外された場合、あるいは、ROM17が取り外された場合、液晶表示装置4Eでその旨を報知するにとどめたが、ROM取外監視ユニット30、あるいは、ROM17が取り外されたことを契機として、副制御基板16の機能の一部、例えば、三つのストップスイッチ7Dの操作順を案内するナビゲータ機能を停止する、若しくは、副制御基板16の全機能を停止するようにしてもよい。
また、遊技機としては、スロットマシンに限らず、パチンコ機等の弾球遊技機でもよく、要するに、本発明は、内蔵する装置の動作制御する制御回路が形成された回路基板を備えた遊技機全般に適用できる。
【符号の説明】
【0108】
1 遊技機であるスロットマシン
4E 遊技装置及び媒体取外報知手段としての液晶表示装置
16 制御基板としての副制御基板
16E 報知動作制御手段としての画像処理部
17 記憶媒体としてのROM
18 媒体取外検出手段であるROM着脱センサ
30 媒体取外監視ユニット
31 封止手段としてのケース部
41 媒体取外監視手段であるCPU
41A 監視ユニット側記憶部としてのRAM
42 発振器及び発振数カウンタを備えた計数値処理部としてのRTC
43 電力供給源としての二次電池
45 監視ユニット取外判定手段としてのCPU
45B 制御手段側記憶部としてのRAM
45C 記憶値要求手段を兼用する記憶値比較手段である比較演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の進行に伴って動作する遊技装置と、着脱可能に設けられた記憶媒体を有するとともに前記遊技装置の動作を制御する制御回路が形成された制御基板とを備えた遊技機であって、
前記記憶媒体の取り外しを検出し、前記記憶媒体が取り外されたことを検出すると、取付状態を示す取付論理値から取外状態を示す取外論理値へ信号値が変更される媒体状態信号を出力する媒体取外検出手段と、
前記媒体取外検出手段から出力される媒体状態信号を監視し、当該媒体状態信号に基づいて、前記記憶媒体が取り外されたか否かを判定する媒体取外監視ユニットと、
前記記憶媒体が取り外されたことを報知するための媒体取外報知手段と、
前記媒体取外監視ユニットによって、前記記憶媒体が取り外されたと判定されると、前記媒体取外報知手段を制御して、前記記憶媒体の取り外しを報知する動作を前記媒体取外報知手段に行わせる報知動作制御手段とを備え、
前記媒体取外監視ユニットは、
所定の検出開始信号を受信すると、前記媒体取外検出手段からの媒体状態信号を監視する監視動作を開始し、媒体状態信号の信号値が取付論理値から取外論理値へ変更されるのに応じて、正常状態を示す正常論理値から異常状態を示す異常論理値へ信号値が変更される警報信号を出力する媒体取外監視手段と、
この媒体取外監視手段に独立して電力を供給することが可能な電力供給源と、
前記媒体取外監視手段及び前記電力供給源を外部から操作できないように、前記媒体取外監視手段及び前記電力供給源を内部に包み込む部材で前記媒体取外監視手段及び前記電力供給源を封止する封止手段とを有し、
且つ、前記制御基板に着脱可能に設けられたものであり、
前記報知動作制御手段には、前記媒体取外監視ユニットに関する情報を含む情報信号を当該媒体取外監視ユニットから受け、この情報信号に基づいて、当該媒体取外監視ユニットが取り外されたか否かの判定を行う監視ユニット取外判定手段が設けられ、
前記報知動作制御手段は、前記監視ユニット取外判定手段によって、前記媒体取外監視ユニットが取り外されたと判定されると、前記記憶媒体の取り外しを報知する動作を前記媒体取外報知手段に行わせるように形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記媒体取外監視ユニットには、
一定の周期で所定の電気パルスを発する発振器と、
この発振器の発する電気パルスの数を計数する発振数カウンタと、
この発振数カウンタが計数した計数値を監視ユニット側記憶値として記憶するための監視ユニット側記憶部と、
所定の記憶指令信号を受信すると、その時点における前記発振数カウンタの計数値を前記報知動作制御手段に知らせるとともに、前記報知動作制御手段に知らせた計数値を前記監視ユニット側記憶部に記憶させる計数値処理部とが設けられ、
前記監視ユニット取外判定手段には、
前記計数値処理部によって知らされた前記発振数カウンタの計数値を制御手段側記憶値として記憶する制御手段側記憶部と、
前記媒体取外監視ユニットに記憶されている監視ユニット側記憶値を知らせることを前記媒体取外監視ユニットに対して要求する記憶値要求信号を前記媒体取外監視ユニットへ所定周期毎に送る記憶値要求手段と、
前記媒体取外監視ユニットから監視ユニット側記憶値が知らされると、知らされた監視ユニット側記憶値を、前記制御手段側記憶部に記憶されている制御手段側記憶と比較する記憶値比較手段とが設けられ、
前記監視ユニット取外判定手段は、前記記憶値比較手段が比較した結果、知らされた監視ユニット側記憶値が、前記制御手段側記憶部に記憶されている制御手段側記憶値と相違している場合、前記媒体取外監視ユニットが取り外されたと判定するように形成されたものであり、
前記報知動作制御手段は、前記監視ユニット取外判定手段によって、前記媒体取外監視ユニットが取り外されたと判定されると、前記記憶媒体の取り外しを報知する動作を前記媒体取外報知手段に行わせるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−106689(P2013−106689A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252399(P2011−252399)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】