説明

遊技機

【課題】設置部材に対して演出装置を傾斜姿勢で安定的に取付ける。
【解決手段】姿勢保持部53が、設置部材30における設置壁部31の前側に設けられた当接部85と、演出装置50における装置本体51の後側に設けられた被当接部90とから構成される。演出装置50は、当接部85の当接面87と被当接部90の当接受面91とを当接させると、設置壁部31に設けられた表示開口34に近づくにつれて装置本体51の前面51Aが後側へ変位した傾斜姿勢で保持される。そして、設置壁部31に設けた第2取付部105Bに前側から固定した第2固定部材100Bを、装置本体51の前側を指向して設置壁部31と平行となる第2当受け部95Bに前側から当接させることで、傾斜姿勢に保持された演出装置50が設置壁部31に取付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技盤の後側に取付けられる設置部材に、演出装置を取付けた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等に代表される遊技機は、外枠に取り付けられる中枠と、裏側に設置部材が配設されて前記中枠に取り付けられる遊技盤と、前記中枠の前側に取り付けられる前枠等を備えている。前記遊技盤は、その前側に、案内釘、各種入賞装置および演出装置等が配設された遊技領域が画成され、盤面を前後に貫通する開口が前記遊技領域内に形成されている。前記開口の開口縁には、該開口縁に沿う形状に形成された環状の装飾部材(センター役物とも称される)が配設され、この装飾部材の内側開口が演出領域とされている。前記設置部材は、遊技盤の後面から後方へ離間して該後面と平行となる設置壁部を備えると共に、この設置壁部の中央には前記演出領域と前後に対向する表示開口が形成されている。前記設置壁部の後側には、表示演出部を前記表示開口に臨ませた状態で表示装置が取付けられると共に、該設置壁部の前側には、各種の演出装置が取付けられる。そして、前記表示装置の表示演出部および演出装置は、前記装飾部材の演出領域に臨んで遊技盤の前側から視認されるよう構成されている。このような遊技機は、パチンコ遊技に際して、前記遊技領域内へ打ち出した遊技球が該遊技領域における前記装飾部材の下方に配設した始動入賞装置に入賞すると、前記表示装置の表示演出部において図柄変動演出が行なわれると共に、この図柄変動演出に合わせて前記演出装置が所定の演出動作を行なうよう構成されている。
【0003】
前記演出装置は、前記設置壁部における前記表示開口を囲む上下や左右等に配設され、表示開口に臨む前記表示演出部での図柄変動演出に合わせて姿勢変位したり移動する演出部材を備えている。すなわち前記演出装置は、遊技機に搭載された制御手段により制御される駆動手段(例えば電気モータ、ロータリーソレノイド、リニアソレノイド、エアシリンダ等)を備えると共に、この駆動手段に前記演出部材が連係されており、駆動手段の駆動により演出部材が姿勢変位したり移動することで演出効果を高めるよう構成されている。このような可動演出装置は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−104281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の遊技機では、演出装置の演出効果を高めるため、該演出部材を前記設置壁部から前方へ離間させて配設して、前記装飾部材の演出領域に臨ませるようすることが多い。しかしながら、表示装置の表示演出部と演出装置の演出部材とが前後に離れて位置するようになるから、該表示演出部での図柄変動演出と演出部材の演出との連動性を図り難い問題が生ずる。そこで、前記演出装置の前面を、前記表示開口に近づくにつれて後方へ変位するよう傾斜させ、前記演出部材を表示開口に臨む表示演出部に近づけるよう構成した演出装置も提案されている。しかしながら前記演出装置が、該演出部材の前側から前記設置壁部側に固定される固定部材を使用して該設置壁部に固定されるようになっているから、演出部材の傾斜した前面と固定部材の後面とが平行にならず、演出部材の前面と固定部材の後面との間に隙間が形成されて該演出部材を設置壁部に安定的に固定できない問題がある。
【0006】
そこで本発明は、前述した課題を解決するために案出されたものであって、遊技盤の後側に配設される設置部材に対し、演出装置を傾斜姿勢で安定的に取付け得るよう構成した遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
演出領域(28A)が形成された遊技盤(D)に取付けられ、前記遊技盤(D)から後側に離間して該遊技盤(D)の後面と平行な設置壁部(31)を有する設置部材(30)と、前記設置壁部(31)に前記演出領域(28A)と前後に対向するよう設けた表示部(34)と、前記設置壁部(31)の前側に前記表示部(34)と隣接して取付けられ、前記演出領域(28A)を介して該遊技盤(D)の前側へ臨む演出装置(50)とを備えた遊技機において、
前記設置壁部(31)の前側に設けられた当接部(85)と前記演出装置(50)の装置本体(51)に設けられた被当接部(90)との当接により、前面(51A)が前記表示部(34)に近づくにつれて後側へ変位した傾斜姿勢で前記装置本体(51)を保持する姿勢保持部(53)と、
前記装置本体(51)に前側を指向するように設けられ、前記姿勢保持部(53)により該装置本体(51)が前記傾斜姿勢で保持された状態において前記設置壁部(31)と平行となる当受け部(95/95A,95B,95C)と、
前記設置壁部(31)に設けた取付部(105/105A,105B,105C)に前側から固定され、前記当受け部(95/95A,95B,95C)に前側から当接する固定部材(100/100A,100B,100C)とを備え、
前記固定部材(100/100A,100B,100C)と前記当受け部(95/95A,95B,95C)とが当接すると共に前記当接部(85)と被当接部(90)とが当接することで、前記装置本体(51)が前記傾斜姿勢に保持された状態で前記演出装置(50)が前記設置壁部(31)に取付けられるよう構成したことを要旨とする。
【0008】
従って、請求項1に係る発明によれば、演出装置の装置本体を、姿勢保持部における当接部および被当接部の当接により、前面が表示部に近づくにつれて後側へ変位した傾斜姿勢とすることができる。そして、設置壁部に設けた取付部に固定部材を固定することで、装置本体の前側に設けた当受け部に該固定部材が前側から当接すると共に、前記姿勢保持部の当接部と被当接部とが当接するので、装置本体を傾斜姿勢に保持した状態で設置壁部に演出装置を適切に取付けることができる。しかも、前記装置本体の前側に設けた当受け部が、該装置本体の傾斜姿勢において設置壁部と平行となるから、装置本体の傾斜方向へ該装置本体が移動することを防止し得る。そして演出装置は、装置本体の前面が表示部側に傾斜した状態に保持されるので、表示部における図柄変動演出と該演出装置の演出動作との連動性を図り易い。
【0009】
請求項2に記載の発明では、
前記当受け部(95/95A,95B,95C)は、前記装置本体(51)の前面(51A)より後側へ凹んだ形状に形成されたことを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、当受け部に当接させた固定部材を、装置本体の前面から突出しないようすることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、
前記装置本体(51)には、前後に貫通する挿通部(106)が前記当受け部(95B)で開口するよう設けられ、
前記取付部(105B)は、前記挿通部(106)に後側から差し込み可能な形状で前記設置壁部(31)から前方へ突出するよう形成され、
前記固定部材(100B)は、前記挿通部(106)の開口より大きく形成されたことを要旨とする。
従って、請求項3に係る発明によれば、装置本体の前後に貫通する挿通部に後側から差し込んだ取付部が当受け部に臨むようになり、該取付部に固定部材を前側から取付けることで、該固定部材を当受け部に当接させることができる。そして、取付部を挿通部に差し込むことで、装置本体を設置壁部に位置決めすることができる。また挿通部を、装置本体の外縁部以外の部分に設けることができるから、当受け部も該装置本体の外縁部以外の部分に設けて固定部材を当接させることができ、姿勢保持部における当接部と被当接部とが当接した状態を適切に維持できる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、
前記当接部(85)における前記被当接部(90)との当接面(87)は、前記表示部(34)から離れるにつれて前記設置壁部(31)の前面から前側へ離間するよう傾斜して形成され、
前記被当接部(90)における前記当接部(85)の当接面(87)と当接する被当接面(91)は、前記装置本体(51)の前面(51A)と平行に形成されたことを要旨とする。
従って、請求項4に係る発明によれば、設置壁部に設けた当接部の当接面が該設置壁部の前面に対し傾斜して形成されると共に、装置本体に設けた被当接部の被当接面が該装置本体の前面と平行に形成されているので、当接部の当接面と被当接部の被当接面とを当接させると、該装置本体を設置壁部に対して適切な傾斜姿勢とすることができる。
【0012】
請求項5に記載の発明では、
前記当接部(85)における前記被当接部(90)との当接面(87)は、前記設置壁部(31)の前面と平行に形成され、
前記被当接部(90)における前記当接部(85)の当接面(87)と当接する被当接面(91)は、前記表示部(34)から離れるにつれて前記装置本体(51)の前面(51A)から後側へ離間するよう傾斜して形成されたことを要旨とする。
従って、請求項5に係る発明によれば、設置壁部に設けた当接部の当接面が該設置壁部の前面と平行に形成されると共に、装置本体に設けた被当接部の被当接面が該装置本体の前面に対し傾斜して形成されているので、当接部の当接面と被当接部の被当接面とを当接させると、該装置本体を設置壁部に対して適切な傾斜姿勢とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本願発明に係る遊技機によれば、遊技盤の後側に配設される設置部材に対し、演出装置を傾斜姿勢で安定的に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例のパチンコ機の正面図である。
【図2】実施例のパチンコ機における遊技盤の正面図である。
【図3】遊技盤の後側に配設される設置部材に、第1可動演出装置等を装着した状態を示す正面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】(a)は、固定部材を装置本体の当受け部から分離させた状態で前側から見た第1可動演出装置の斜視図であり、(b)は、固定部材を装置本体の当受け部に当接した状態で後側から見た第1可動演出装置の斜視図である。
【図6】第1可動演出装置の右側面図であって、設置部材の設置壁部に装着される姿勢を示している。
【図7】第1可動演出装置を前側から見た分解斜視図である。
【図8】第1可動演出装置を後側から見た分解斜視図である。
【図9】第1可動演出装置を設置部材の設置壁部から取り外した状態を示す斜視図である。
【図10】図3のX−X線断面図である。
【図11】図3のXI−XI線断面図である。
【図12】図3のXII−XII線断面図である。
【図13】第1可動演出装置および第2可動演出装置を設置部材から取り外した状態を示す斜視図である。
【図14】第1可動演出装置の前側に第2可動演出装置が重なった状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機Pを例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機Pを前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0016】
(パチンコ機)
実施例に係るパチンコ機Pは、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠Aの開口前面側に、遊技盤Dを着脱可能に保持する本体枠としての中枠Bが、開閉および着脱可能に組み付けられている。そして、前記遊技盤Dの裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置20への遊技球(パチンコ球)の入賞)を契機として演出用の図柄を変動表示させて図柄変動演出を行なう図柄表示装置(表示装置)Hが着脱可能に配設されている。また、前記中枠Bの前面側には、前記遊技盤Dを透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板26で前後に開口する窓部を覆うよう構成された装飾枠としての前枠Cが開閉可能に組み付けられると共に、該前枠Cの下方に遊技球を貯留する下球皿Fが前記中枠Bに組み付けられる。更に、前記前枠Cの下部位置に、遊技球を貯留する上球皿Eが一体的に組み付けられており、前枠Cの開閉に合わせて上球皿Eも一体的に開閉するよう構成される。
【0017】
前記中枠Bの右下方位置には、該中枠Bに配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドルGが設けられており、該操作ハンドルGの操作により打球発射装置が作動することで、前記上球皿Eに貯留された遊技球が所定間隔で1球ずつ前記遊技盤Dに向けて連続的に発射されるようになっている。なお実施例では、前記図柄表示装置Hとして、各種図柄を表示可能な液晶パネルからなる表示演出部H1を備えて該表示演出部H1を収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球皿Eは、前記前枠Cと別体に形成して中枠Bに対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0018】
(遊技盤)
前記遊技盤Dは、図2に示すように、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂製板やベニア等の木製合板を材質とし、前記中枠Bに設けた遊技盤保持部(図示せず)の内縁形状に整合する外縁形成された略矩形の平板状に形成され、その前側には遊技領域10が設けられると共に、その後側には図3、図4および図13に示す設置部材30が配設されている。また、前記遊技盤Dの前側には、左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール11と、この外レール11の内側に中央下部から左上部にかけて並べて配置された内レール12と、外レール11の右上部から内レール12の下部までの間に右方へ凹む湾曲形状に構成された盤面飾り部材13等が配設されており、両レール11,12および盤面飾り部材13で囲まれた内側が前記遊技領域10として構成されている。これにより、前記打球発射装置から発射された遊技球は、外レール11と内レール12との間を通って遊技領域10の左上部に打ち出された後、該遊技領域10内を流下する。但し、前記内レール12の延在長を大きく設定して、前記外レール11および該内レール12で遊技領域10を形成するように構成してもよい。
【0019】
前記遊技盤Dには、図4に示すように、中央に大きな貫通口14が形成され、演出領域として前後に開口した表示窓口28Aが形成された枠状装飾部材(装飾部材)28が、該貫通口14の開口縁を覆うように配設されている。この枠状装飾部材28には、遊技盤Dの前側に露出する部分に、前記設置部材30の後側に着脱可能に配設された前記図柄表示装置H(図4参照)の表示演出部H1で表示される図柄変動演出の内容に合わせた装飾が施されている。そして、図2に示すように、前記枠状装飾部材28の表示窓口28Aには、前記設置部材30の後側に配設された図柄表示装置Hの表示演出部H1や、該設置部材30の前側に配設される後述の第1、第2、第3の可動演出装置50,120,125や、照明装置を内部に備えた第1、第2、第3の装飾部材40,41,42(図3参照)等が臨むように構成されている(図1および図2では、第2可動演出装置120の演出部材122が第1装飾部材40の前側に重なっているため、該第1装飾部材40は前側から見えない)。
【0020】
また、前記遊技盤Dには、前記貫通口の真下における左右中央に第1装着口15(図4参照)が開設され、該貫通口の左下方(第1装着口15の左側)に第2装着口(図示せず)が開設されている。前記第1装着口15内の上方には始動入賞装置20が前側から配設されると共に、該第1装着口15内の下方には特別入賞装置21が前側から配設され、特別入賞装置21が始動入賞装置20の真下に位置している。実施例における前記始動入賞装置20は、第1始動入賞口20Aと、該第1始動入賞口20Aの真下に設けた第2始動入賞口20Bとを備えており、両始動入賞口20A,20Bの何れかに遊技球が入賞すると、これを契機として前記図柄表示装置Hが図柄変動演出を行なうようになっている。また、前記第2装着口には、図2に示すように、複数(実施例では3つ)の入賞口22Aが配列された普通入賞具22が配設されている。なお、遊技盤Dの前面における前記遊技領域10内には、多数の球案内釘23や回転球案内具24等が配設されている。
【0021】
前記始動入賞装置20、特別入賞装置21および普通入賞具22には、各々に入賞した遊技球を検知する球検知スイッチが個別に配設され、各球検知スイッチからの球検知信号は、前記設置部材30の後側に取り付けられて当該パチンコ機Pを総合的に制御する主制御装置(図示せず)に送出される。前記主制御装置は、前記始動入賞装置20の球検知スイッチからの検出信号を受けると、大当たり抽選を行なうと共に、前記設置部材30の後側に取り付けられた統括制御装置(図示せず)に制御信号を出力して前記図柄表示装置Hに図柄変動演出を行なわせると共に、前記中枠Bの後側に配設された払出制御装置(図示せず)に制御信号を出力して、球払出装置(図示せず)に所定数の賞球を払い出させる。そして、前記主制御装置における前記大当たり抽選の結果として大当たりが発生する場合には、図柄表示装置Hの表示演出部H1での図柄変動演出の後に、該表示演出部H1に所定の図柄組合わせで図柄が停止表示され、前記特別入賞装置21の開閉扉21Aが開放位置に姿勢変位して多数の遊技球の入賞が可能となる。また主制御装置は、前記特別入賞装置21の球検知スイッチからの検出信号を受けると、前記払出制御装置に制御信号を出力して前記球払出装置に所定数の賞球を払い出させる。更に主制御装置は、前記普通入賞具22の球検知スイッチからの検出信号を受けると、前記払出制御装置に制御信号を出力して前記球払出装置に所定数の賞球を払い出させる。
【0022】
(設置部材)
前記設置部材30は、図3、図4および図13に示すように、前方に開放する略矩形のケース状に一体成形された合成樹脂製の部材であって、前側の開放端を遊技盤Dの後面に突き合わせて該遊技盤Dに取り付けられる。この設置部材30は、遊技盤Dの後面に対して後方から所要の間隔で平行に対向して該遊技盤Dの後面を構成する設置壁部31と、この設置壁部31の周縁から前方へ延出形成された外周壁部32と、この外周壁部32の前端から外方に向けて屈曲した形状に形成された取付板部33等を備えている。すなわち設置部材30は、外周壁部32で囲われて遊技盤D側に開放する前部開口が矩形状に形成されると共に、取付板部33の外周縁が、遊技盤Dの外周縁より一回り小さい形状および大きさで形成されている。このような設置部材30は、取付板部33を遊技盤Dの後面にネジ止めすることで該遊技盤Dに固定され、遊技盤Dの後面から離間した設置壁部31の前側に、前記第1〜第3の各可動演出装置50,120,125や、第1〜第3の装飾部材40,41,42や、各種付属部品の設置を可能とする空間SPを画成する。
【0023】
前記設置部材30の設置壁部31には、図3および図4に示すように、前後に貫通する表示開口(表示部)34が形成されており、該設置壁部31の後側には、該表示開口34に前記表示演出部H1を臨ませた状態で前記図柄表示装置Hが着脱可能に取り付けられる。この図柄表示装置Hは、前記表示演出部H1を構成する液晶パネルが収容ケースに収容されたユニット部材であって、該収容ケースの後面には、該図柄表示装置Hの表示演出部H1の表示制御を行なう表示制御装置と、当該パチンコ機Pの遊技演出を統括的に制御する前記統括制御装置が配設される。統括制御装置には、前記図柄表示装置H、前記前枠Cに配設された照明装置や前記中枠Bに配設されたスピーカ等が電気的に接続されており、該統括制御装置から出力される制御信号に基づいて各装置が作動制御される。また統括制御装置には、設置壁部31の前側に配設された前記各装飾部材40,41,42や、前記第1〜第3の各可動演出装置50,120,125等が電気的に接続されており、該統括制御装置から出力される制御信号に基づいて各装飾部材40,41,42および各可動演出装置50,120,125の作動が制御される。なお実施例では、前記設置壁部31について、表示開口34の上側部分を上板部31A、表示開口34の下側部分を下板部31B、表示開口34の右側部分を右板部31C、表示開口34の左側部分を左板部31Dと各々指称する。前記設置壁部31の上板部31A、下板部31B、右板部31Cおよび左板部31Dは、前後方向への部分的な凹凸や段差があるものの、前記遊技盤Dの後面と平行になっている。
【0024】
実施例のパチンコ機Pでは、図3および図4に示すように、前記設置壁部31の上板部31Aの前面に第1可動演出装置50が配設され、右板部31Cの前面に第1装飾部材40が配設され、左板部31Dの前面上部に第2装飾部材41が配設されると共に、下板部31Bの前面には第3装飾部材42が該下板部31Bに近接するように配設されている。また、右板部31Cおよび上板部31Aには、第1装飾部材40の前側から第1可動演出装置50の前側に亘って略湾曲形状に延在するよう形成された第2可動演出装置120(図13参照)が配設されている。更に、上板部31Aにおける表示開口34に臨む前面下部には、第3可動演出装置125,125が配設されている。
【0025】
(第1可動演出装置)
前記第1可動演出装置50は、図3および図5〜図8に示すように、前記設置部材30の設置壁部31における前記上板部31Aの前側に固定され、前記図柄表示装置Hの前記表示演出部H1に臨む装置本体51と、前記装置本体51に配設され、前記図柄表示装置Hの遊技演出に合わせて回転可能な演出部材52とを備えている。前記演出部材52は、装置本体51に配設された駆動手段としての電動モータ75と連係機構80を介して連係されており、該電動モータ75の駆動力により前後方向に延在する軸周りに回転するようになっている。そして第1可動演出装置50は、図6および図9に示すように、前記設置壁部31の前側に設けられた当接部85および前記装置本体51に設けられた被当接部90からなる姿勢保持部53により、前面51Aが表示開口(表示部)34に近づくにつれて後側へ変位した傾斜姿勢で前記装置本体51を該設置壁部31の上板部31Aに固定して保持されるようになっている。
【0026】
(装置本体)
前記装置本体51は、図5〜図8に示すように、左右に長い横長の前半体55と、この前半体55に後側から取り付けられる後半体56とを有し、前半体55と後半体56とを前後に組み付けることで、内部に配設空間57が画成された中空のケース部材として構成されている。前記前半体55は、図7および図8に示すように、上端縁が左右方向において直線に延在し、下端縁が左右方向において両端から中央に向けて徐々に下方へ傾斜し、左右中央において上下幅が最大となる形状とされた前板55Aと、この前板55Aの外周縁が後方へ突出して該外周縁に沿って延在する外周リブ55Bとを備え、これら前板55Aおよび外周リブ55Bを一体に形成した成形部材である。前記後半体56は、前記前半体55の外周リブ55Bの内周輪郭形状と略同一の外周輪郭形状に形成され、該外周リブ55Bの後端に当接して前半体55の開口を覆蓋し得る形状に形成された板状の成形部材である。なお、前記前半体55は、透明または半透明の合成樹脂材から形成され、後側から照射された光の透過が可能に構成されている。
【0027】
前記前半体55には、図5(a)および図7に示すように、前記前板55Aの前面における左右中央部が、前記演出部材52を配設可能な広さの部材配設部58とされている。この部材配設部58には、前方へ円形に突出したボス状の支持部59が略中央に形成され、この支持部59には前後に貫通して前端面に開口する支持孔60が形成されている。前記支持孔60には、前記演出部材52に設けた回転軸71B(図7および図8参照)が貫通するようになっており、前記支持部59により該演出部材52が回転可能に支持されるようになっている。また、前記部材配設部58における前記支持部59の上側に、演出部材52に配設された第3照明基板72に配設されたコネクタ接続端子72Cが挿通する開口62が形成されている。一方、前記前板55Aの前面における左上部に、前記電動モータ75を設置するモータ設置部61が設けられている。このモータ設置部61には、前記電動モータ75の駆動軸が挿通可能な開口が形成されており、該電動モータ75は、該駆動軸を前記配設空間57内に突出させた状態で該モータ設置部61に固定される。
【0028】
前記配設空間57内は、前記モータ設置部61の後側から前記部材配設部58の後側までの領域が、前記連係機構80が配設される機構配設部57Aとされ、前記機構配設部57Aの下側領域が、発光体としてのLED68Aを前面に備えた第1照明基板68が配設される第1基板設置部57Bとされると共に、前記機構配設部57Aの右側領域が、LED69Aを前面に備えた第2照明基板69が配設される第2基板設置部57Cとされている。なお、前記前板55Aの裏面には、図8に示すように、該裏面から後方へ突出したリブ63,63が形成されており、該リブ63,63は、前記第1照明基板68および第2照明基板69を前側から支持するようになっている。
【0029】
前記前半体55の前板55Aには、図5(a)および図7に示すように、前記第1照明基板68の各LED68Aに対応する前側部分および前記第2照明基板69の各LED69Aに対応する前側部分にレンズ部64が形成されており、各LED68A,69Aから照射された光を前方へ透過させ得るようになっている。なお、前記第2可動演出装置120には、図13に示すように、前記第1可動演出装置50における前記設置本体51の前側に位置する装飾板124,124が設けられており、前記装置本体51の前記部材配設部58を除く左側部分および右側部分は、前記装飾板124,124で前側から覆われるようになっている(図2および図3参照)。従って、前記装飾板124,124は、前記第1照明基板68および第2照明基板69の各LED68A,69Aにより後側から照射されるようになっている。
【0030】
前記後半体56には、図5(b)、図7および図8に示すように、前記第1照明基板68に配設されたコネクタ接続端子68Bが臨む開口66Aや、前記第2照明基板69に配設されたコネクタ接続端子69Bが臨む開口66Bや、演出部材52に配設された前記第3照明基板72に配設されたコネクタ接続端子72Cが臨む開口66Cや、後述する従動ギア73が臨む開口66D等が形成されている。また、装置本体51の後面51Bとなる後半体56の後面には、前記各照明基板68,69,72のコネクタ接続端子68B,69B,72Cに接続された配線を掛止保持するための配線掛止部67が、所要位置に複数個形成されている。また、後半体56の後面には、図5(b)および図8に示すように、前記設置部材30の設置壁部31における上板部31Aの前側に、当該第1可動演出装置50を所要の傾斜姿勢で位置決めする前記姿勢保持部53を構成する被当接部90,90が形成されている。なお、姿勢保持部53については、後で詳細に説明する。
【0031】
(演出部材)
前記演出部材52は、図5(a)、図7および図8に示すように、前記装置本体51の前板55Aに設けられた前記部材配設部58に前側から固定される装飾枠部材70と、この装飾枠部材70の前側に配設された回転部材71と、前記前板55Aに前側から取付けられて前記装飾枠部材70内に収容される前記第3照明基板72とを備えている。前記装飾枠部材70は、中央に大きな開口が設けられた枠状に形成され、後方へ突出する外周リブ70Aが、外周縁に沿って延在するように形成されている。そして装飾枠部材70は、前記外周リブ70Aの後端を前記前板55Aの前面に当接した状態で前半体55の後側からビスにより部材配設部58に固定され、該前板55Aの前側との間に前記第3照明基板72が収容可能な空間を画成する。前記第3照明基板72は、円盤状に形成された基板の前側に、前方を照射する複数のLED72Aを備えていると共に、前半体55に設けられた前記支持部59が貫通可能な開口72Bが中央に形成されている。これにより第3照明基板72は、前記支持部59に対して前記開口72Bを前側から整合させることで、前板55Aの前面に接触した状態で固定される。なお、第3照明基板72の裏側の上部には、前記コネクタ接続端子72Cが設けられている(図8参照)。
【0032】
前記回転部材71は、図5(a)、図7および図8に示すように、前記装飾枠部材70の外周輪郭サイズより一回り小さい外周輪郭サイズに形成された光拡散部71Aと、この光拡散部71Aの後部中央から後方へ延出した回転軸71Bとを備えている。前記光拡散部71Aは、前記第3照明基板72のLED72Aからの照射光を透過可能な透明の合成樹脂材から形成され、前面および裏面は不規則に凹凸した凹凸面として形成されて、LED72Aからの照射光を乱反射させると共に透過させ得るようになっている。なお、前記光拡散部71Aの外周部分は、メッキ等の表面処理がなされた装飾リング74が配設される。前記回転軸71Bは、前記支持部59に設けた前記支持孔60に前側から挿通して、後端が前記配設空間57へ延出する長さに設定され、該支持部59に対して軸心方向を回転中心として回転自在に支持される。そして、前記回転軸71Bの後端には、図5(b)に示すように、平歯車からなる従動ギア73が固定されている。
【0033】
(電動モータ)
駆動手段としての前記電動モータ75は、統括制御装置により駆動制御される正逆回転制御が可能なステッピングモータ等である。この電動モータ75は、図5(a)、図7および図8等に示すように、減速用のギアボックスを備えており、このギアボックスから前記駆動軸が延出している。そして電動モータ75は、駆動軸を後向きとした姿勢で、前記モータ設置部61に対して前側から取付けられ、前記駆動軸が、前記モータ設置部61に設けた前記開口62を介して配設空間57内の機構配設部57Aに臨むようになっている。そして、前記駆動軸の配設空間57内に延出した先端には、平歯車からなる駆動ギア77が固定されている。なお駆動手段としては、前記電動モータに限らず、流体を使用するアクチュエータや、ロータリーソレノイド等であってもよい。
【0034】
(連係機構)
前記連係機構80は、図7および図8に示すように、前記前板55Aの後側に左右方向へ所要間隔毎に支持された複数(実施例では3つ)の支軸に回転自在に配設された第1、第2、第3の中間ギア81,82,83を備えている。前記第1中間ギア81は、前記電動モータ75の駆動軸に固定された駆動ギア77に噛合し、第2中間ギア82は第1中間ギア81に噛合し、第3中間ギア83は、第2中間ギア82および前記演出部材52の回転軸71Bに取付けた前記従動ギア73に夫々噛合している。従って、前記駆動ギア77と従動ギア73とは、前記連係機構80の各中間ギア81,82,83により連係され、電動モータ75の作動により駆動ギア77が回転することで従動ギア73が回転して、演出部材52の回転部材71が回転するよう構成されている。
【0035】
(姿勢保持部)
実施例の第1可動演出装置50は、図5、図9〜図12に示すように、設置壁部31の上板部31Aに設けられた前記当接部85および前記装置本体51に設けられた被当接部90とからなる前記姿勢保持部53と、前記装置本体51に前側を指向するように設けられ、前記姿勢保持部53により該装置本体51が傾斜姿勢で保持された状態において前記設置壁部31(上板部31A)と平行となる当受け部95と、前記設置壁部31に設けた取付部105に前側から固定され、前記当受け部95に前側から当接する固定部材100とを備えている。そして第1可動演出装置50は、前記固定部材100と前記当受け部95とが当接すると共に前記当接部85と被当接部90とが当接することで、前記装置本体51が前記傾斜姿勢に保持された状態で前記設置壁部31の上板部31Aに取付けられるよう構成されている。
【0036】
(当接部)
前記姿勢保持部53を構成する前記当接部85は、図4、図6および図9に示すように、前記設置壁部31の上板部31Aの前面において左右中央を挟む左右両側に、夫々1組ずつ設けられている。各当接部85は、左右に離間した2つの当接リブ86,86を備えている。各当接リブ86は、表示開口34側の最下部において前方への突出量が最も小さく、上方に向かうにつれて前方への突出量が徐々に大きくなり、最上部において前方への突出量が最も大きくなっている。すなわち各当接部85は、当接リブ86における前側を指向して前記被当接部90が当接する当接面87が、前記表示開口34から離れるにつれて設置壁部31の上板部31Aの前面から前側へ離間する傾斜状に形成されている。また各当接部85は、図9に示すように、両当接リブ86,86の上端部に連設されて水平に延在する上リブ88と、両当接リブ86,86の下端部に連設されて水平に延在する下リブ89とを備えている。従って各当接部85は、両当接リブ86,86および上下のリブ88,89により前方へ開口した略矩形の枠状に構成されている。
【0037】
(被当接部)
前記姿勢保持部53を構成する前記被当接部90は、図5(b)、図6および図9に示すように、前記装置本体51の後面51Bとなる後半体56の後面において左右中央を挟む左右両側に、夫々1組ずつ設けられている。すなわち、装置本体51の後面51Bには、略矩形の枠状に形成された前記各当接部85の開口内に前側から突入可能に形成された位置決め突部92,92が突設されており、前記被当接部90は、各位置決め突部92の左右両側に隣接して設けられて、前記当接部85の当接面87に前側から当接する当接受面(被当接面)91,91からなる。なお実施例では、被当接部90の当接受面91,91が、後半体56の後面と段差なしに面一となっており、かつ装置本体51の前面51Aと平行に形成されている。
【0038】
すなわち、実施例の姿勢保持部53では、前記当接部85における当接面87が、前記表示開口34から離れるにつれて上板部31Aの前面から前側へ離間する傾斜状に形成されていると共に、前記被当接部90における当接受面91が、装置本体51の前面51Aと平行に形成されている。従って装置本体51は、当接部85の当接面87に被当接部90の当接受面91が前側から当接すると、その前面51Aが表示開口34に近づくにつれて後側へ変位した傾斜姿勢で上板部31Aの前面にセットすることが可能である。
【0039】
(位置決め突部)
前記各当接部85に対応して設けられた前記位置決め突部92は、図5(b)に示すように、左右に隣接して形成された2つの突リブ93,93から構成されている。ここで、図9に示すように、各位置決め突部92における各突リブ93の左右方向での外側面間隔)W1は、対応する当接部85における各当接リブ86の左右方向での内側面間隔W2と同一に設定されていると共に、各位置決め突部92における各突リブ93の上下方向の端面間隔L1は、対応する当接部85の上リブ88および下リブ89の内側面間隔L2と同一に設定されている。従って、2組の位置決め突部92,92が対応する2組の当接部85,85内に各々突入することで、設置壁部31の上板部31Aに対する第1可動演出装置50の左右方向の位置決めおよび上下方向の位置決めが図られる。そして、前記各位置決め突部92が対応の各当接部85に突入したもとで、各当接部85の当接面87が各被当接部90の当接受面91に当接することで、装置本体51が適切な前記傾斜姿勢で位置決めされる。
【0040】
そして、実施例の第1可動演出装置50では、図3、図5、図7〜図9に示すように、前記当受け部95、固定部材100および取付部105の各1つずつにより構成される組を、複数(実施例では3組)備えている。従って図3において、当受け部95は、正面左側から第1当受け部95A、第2当受け部95B、第3当受け部95Cと指称し、固定部材100は、正面左側から第1固定部材100A、第2固定部材100B、第3固定部材100Cと指称すると共に、取付部105は、正面左側から第1取付部105A、第2取付部105B、第3取付部105Cと指称する。
【0041】
(取付部)
前記第1〜第3の各取付部105A,105B,105Cは、図9〜図12に示すように、前記設置壁部31の上板部31Aの前面から前方へ突出したボス状の突起である。第1〜第3の各取付部105A,105B,105Cは、設置部材30をインジェクション成形する際の成形型の型開き方向に突出しており、前記設置壁部31の上板部31Aの前面に対して鉛直に立設され、よって前方へ水平に延出している。図3および図9に示すように、前記第1取付部105Aは、前記第1可動演出装置50の装置本体51から左側に外れた位置に設けられると共に、前記第3取付部105Cは、該装置本体51から右側に外れた位置に設けられる。一方、前記第2取付部105Bは、前記装置本体51と前後に重なる位置に設けられており、該装置本体51に前後に貫通形成された挿通部106に後側から差し込み可能な形状で上板部31Aの前面から前方へ突出しており、該挿通部106に差し込むとその先端が前記装置本体51の前側に臨むように構成されている。そして、第1〜第3の各取付部105A,105B,105Cの前端には、図9〜図12に示すように、取付ネジ108をねじ込んで締結可能なネジ締結孔107が形成されている。
【0042】
(当受け部)
前記第1〜第3の各当受け部95A,95B,95Cは、図5(a)、図6、図9〜図12に示すように、装置本体51に前側を指向するように設けられ、かつ前記各当接部85の当接面87と前記被当接部90の当接受面91との当接状態において、前記設置壁部31の上板部31Aの前面と平行となる向きに形成されている。すなわち、前記第1〜第3の各当受け部95A,95B,95Cは、前記各当接部85の当接面87と前記各被当接部90の当接受面91との当接状態において、前記上板部31Aの前面と平行となり、略垂直に延在している。そして、前記第1〜第3の各当受け部95A,95B,95Cは、装置本体51の前面51Aより後方へ凹んだ形状に形成されている(図5(a)参照)。前記第1当受け部95Aは、前記装置本体51の前面51Aにおける左縁上部において縦長に延在して該装置本体51の左端および上端に臨むように設けられていると共に、前記第3当受け部95Cは、前記第1当受け部95Aと左右対称の形状に形成され、前記装置本体51の前面51Aにおける右縁上部において縦長に延在して該装置本体51の右端および上端に臨むように設けられている。また、前記第2当受け部95Bは、前記装置本体51の前面51Aにおける前記部材配設部58の右隣りにおいて縦長に延在して該装置本体51の上端に臨むように設けられている。
【0043】
(固定部材)
前記第1〜第3の各固定部材100A,100B,100Cは、図5、図7、図10〜図12に示すように、前記対応する第1〜第3の各当受け部95A,95B,95Cに前側から面接触する当接面101と、前記対応する第1〜第3の各取付部105A,105B,105Cに締結させる前記取付ネジ108の挿通を許容するネジ孔102とが設けられている。前記第1固定部材100Aは、前記設置壁部31の上板部31Aの前面に形成された左支持部110と前記第1当受け部95Aとに跨がる形状に形成され、かつ該左支持部110に設けられた2つのボス111,111に各々係合する開口112および凹部113が形成されている。これにより第1固定部材100Aは、前記開口112および凹部113が各ボス111,111に係合することで、当接面101が前記第1当受け部95Aに前側から整合すると共に、ネジ孔102が前記第1取付部105Aのネジ締結孔107と整合するように形成されている(図10参照)。従って、ネジ孔102を介してネジ締結孔107に取付ネジ108を締結することで、第1固定部材100Aの当接面101と第1当受け部95Aとが適切に面接触する。また、前記第3固定部材100Cは、前記設置壁部31の上板部31Aの前面に形成された右支持部115と前記第3当受け部95Cとに跨がる形状に形成され、かつ該右支持部115に設けられた2つのボス116,116に各々係合する開口117および凹部118が形成されている。これにより第2固定部材100Bは、前記開口117および凹部118が各ボス116,116に係合することで、当接面101が前記第3当受け部95Cに前側から整合すると共に、ネジ孔102が前記第3取付部105Cのネジ締結孔107と整合するように形成されている(図11参照)。従って、ネジ孔102を介してネジ締結孔107に取付ネジ108を締結することで、第3固定部材100Cの当接面101と第3当受け部95Cとが適切に面接触する。
【0044】
更に、前記第2固定部材100Bは、前記第2当受け部95Bに整合する略長方形状に形成され、該第2当受け部95Bに前側から整合させることで、当接面101が前記第2当受け部95Bに前側から整合すると共に、ネジ孔102が前記挿通部106に挿通した前記第2取付部105Bのネジ締結孔107と整合するように形成されている(図12参照)。従って、ネジ孔102を介してネジ締結孔107に取付ネジ108を締結することで、第2固定部材100Bの当接面101と第2当受け部95Bとが適切に面接触する。なお、前記第2固定部材100Bは、前記第2当受け部95Bに形成された挿通部106の前側開口より大きく形成されている。
【0045】
(第2可動演出装置)
前記第2可動演出装置120は、図13に示すように、設置壁部31の右板部31Cの前側から上板部31Aの前側に亘り延在し、前記表示開口34を略1/2周に亘って囲む形状、サイズの装置である。すなわち第2可動演出装置120は、設置壁部31の右板部31Cの前面に配設した前記第1装飾部材40および該設置壁部31の上板部31Aの前面に配設した前記第1可動演出装置50の各々と前後に重なった状態で、該右板部31Cおよび上板部31Aに取付けられる。このような第2可動演出装置120は、前記表示開口34を囲む外側において該表示開口34の略1/2周を囲むよう円弧状に湾曲した形状の装置本体121と、この装置本体121に円弧状に設けたガイド部123に沿って往復移動可能に配設されて、前記表示開口34の外側に沿って移動する演出部材122とを備えている。前記第2可動演出装置120は、図14に示すように、前記演出部材122が前記装置本体121より後側へ突出しているが、前述したように前記第1可動演出装置50が、前記装置本体51の前面51Aが表示開口34に近づくにつれて後側へ変位した傾斜姿勢で上板部31Aに取付けられることで、第1可動演出装置50の前側に重ねて配設することが許容される。なお、第2可動演出装置120の装置本体121には、前記第1可動演出装置50の装置本体51の前側に位置する前記装飾板124,124が設けられ、前記第1可動演出装置50に配設された第1照明基板68および第2照明基板69の各LED68A,69Aにより、装飾板124の後側から照射されるようになっている。
【0046】
(第3可動演出装置)
前記第3可動演出装置125は、前記設置壁部31の上板部31Aの前側において、前記第1可動演出装置50の下側に配設され、左右中央を挟んで左右両側に各々1基ずつ配設されている。各第3可動演出装置125は、前記上板部31Aに取付けられた装置本体126と、この装置本体126に揺動可能に枢支されたレバー状の主可動部材127と、この主可動部材127に枢支されて左右方向に並んで配設されて複数(実施例では4個)の従可動部材128とを備えている。前記主可動部材127は、装置本体126に配設された駆動手段(電磁ソレノイド等)により自由端側が上下方向に変位するように揺動し、前記各従可動部材128は、前記主可動部材127の揺動により発生する慣性力により左右方向へ不規則に姿勢変位するよう構成されている。
【0047】
(実施例の作用)
前述のように構成された実施例のパチンコ機Pでは、図13に示すように、遊技盤Dの後側へ取付ける前の設置部材30の設置壁部31に対して、前記第1〜第3の各可動演出装置50,120,125や、前記第1〜第3の各装飾部材40,41,42およびその他の部品や部材等が取付けられる。
【0048】
予め組立てられた前記第1可動演出装置50は、図9に示すように、前記装置本体51の後面51Bに形成された前記各位置決め突部92,92を、設置部材30の設置壁部31における上板部31Aの前面に設けた前記各当接部85,85に前側から整合させて差し込むことで、各当接部85の当接面87と各被当接部90の当接受面91とが当接して設置壁部31に対して位置決めされる。すなわち、前記第1可動演出装置50は、各当接部85に各位置決め突部92が突入することで設置壁部31に対して左右方向および上下方向の位置決めが図られ、各当接部85と各被当接部90とが当接することで、装置本体51の前面51Aが表示開口34に近づくにつれて後側へ変位する傾斜姿勢で位置決めされる。なお、第1可動演出装置50を設置壁部31にセットするに際し、装置本体51に設けた前記挿通部106に前記第2取付部105Bを後側から差し込むことで、各当接部85に各位置決め突部92を差し込む前に装置本体51の大まかな位置決めが図られるため、各当接部85に対する各位置決め突部92の差し込みが容易になる。
【0049】
次に、第1〜第3の各取付部105A,105B,105Cに、第1〜第3の各固定部材100A,100B,100Cを前側から固定して、該第1〜第3の各固定部材100A,100B,100Cを、装置本体51の前側に設けた前記第1〜第3の各当受け部95A,95B,95Cに前側から当接させる。これにより、第1〜第3の各固定部材100A,100B,100Cと第1〜第3の各当受け部95A,95B,95Cとが各々当接すると共に、前記各当接部85,85の当接面87と前記各被当接部90,90の当接受面91,91とが当接するから、前記装置本体51が前記傾斜姿勢に保持された状態で、第1可動演出装置50が前記設置壁部31の上板部31Aに取付けられる。
【0050】
そして、前記第1〜第3の各可動演出装置50,120,125および各装飾部材40,41,42等を配設した設置部材30を遊技盤Dの後側に取付けることで、各可動演出装置50,120,125および各装飾部材40,41,42が、遊技盤Dに設けた前記表示窓口28Aに臨むようになる。なお、実施例の第1可動演出装置50は、図2に示すように、表示窓口28Aの上方に位置するようになる。
【0051】
前述のように構成された実施例のパチンコ機Pでは、前記遊技盤Dの遊技領域10へ打ち出された遊技球が前記始動入賞装置20の第1始動入賞口20Aまたは第2始動入賞口20Bに入賞して、該始動入賞装置20に配設された球検知スイッチによる球検知信号を前記主制御装置が受けると、該主制御装置は、大当たり抽選を行なうと共に、前記統括制御装置に制御信号を出力して前記図柄表示装置Hの表示演出部H1において図柄変動演出を行なわせる。そして主制御装置は、前記大当たり抽選の結果として大当たりが発生すると、前記統括制御装置を介して図柄表示装置Hの表示演出部H1に所定の図柄組合わせで図柄を停止表示させ、前記特別入賞装置21の開閉扉21Aを開放動作させて入賞口を開放させる。
【0052】
また前記統括制御装置は、前記主制御装置からの制御信号に基づき、前記第1可動演出装置50、第2可動演出装置120および第3可動演出装置125を、前記図柄表示装置Hの表示演出部H1での遊技内容に合わせて総合的に作動制御する。すなわち統括制御装置は、前記図柄表示装置Hの表示演出部H1での図柄変動演出に基づき、前記第1〜第3の各可動演出装置50,120,125の何れかを単独で作動させたり、各可動演出装置50,120,125を同時または同期的に作動させる。また統括制御装置は、前記第1〜第3の装飾部材40,41,42等に配設した照明装置を点灯制御すると共に、電動式の各種遊技部品を作動制御する。
【0053】
前記第1可動演出装置50は、前記統括制御装置により前記電動モータ75が駆動すると、前記連係機構80を介して演出部材52が回転すると共に、第3照明基板72のLED72Aが発光制御されることで該演出部材52が明輝するようになる。また、前記第1照明基板68および第2照明基板69の各LED68A,69Aが発光制御されることで、装置本体51の前面51Aが明輝するようになる。
【0054】
前述のように構成された実施例のパチンコ機Pによれば、第1可動演出装置50の装置本体51を、姿勢保持部53における設置壁部31の上板部31Aに設けた当接部85および装置本体51の後面51Bに設けた被当接部90の当接により、前面51Aが表示開口34に近づくにつれて後側へ変位した傾斜姿勢とすることができる。すなわち、設置壁部31の上板部31Aに設けた当接部85の当接面87が該上板部31Aの前面に対し傾斜して形成されると共に、装置本体51の後面51Bに設けた被当接部90の当接受面91が該装置本体51の前面51Aと平行に形成されているので、当接部85の当接面87と被当接部90の当接受面91とを当接させると、該装置本体51を設置壁部31に対して適切な傾斜姿勢とすることができる。
【0055】
そして、図3、図10〜図12に示すように、設置壁部31の上板部31Aに設けた第1〜第3の各取付部105A,105B,105Cに、第1〜第3の各固定部材100A,100B,100Cの夫々を固定することで、装置本体51の前側に設けた第1〜第3の各当受け部95A,95B,95Cの夫々に各固定部材100A,100B,100Cが前側から当接すると共に、前記姿勢保持部53の当接部85と被当接部90とが当接するよう構成したので、装置本体51を傾斜姿勢に保持した状態で設置壁部31に第1可動演出装置50を適切に取付けることができる。従って第1可動演出装置50は、装置本体51の前面が表示開口34側に傾斜した状態に保持されるので、図柄表示装置Hの該表示開口34に臨む表示演出部H1における図柄変動演出と該第1可動演出装置50の演出動作との連動性を図り易い。
【0056】
また、前記装置本体51の前側に設けた第1〜第3の各当受け部95A,95B,95Cが、該装置本体51の傾斜姿勢において設置壁部31の上板部31Aの前面と平行となるから、装置本体51の傾斜方向へ該装置本体51が移動することを防止し得る。しかも、第1〜第3の各当受け部95A,95B,95Cが、装置本体51の前面51Aより後側へ凹んだ形状に形成されているから、各当受け部95A,95B,95Cに当接させた第1〜第3の固定部材100A,100B,100Cを、装置本体51の前面51Aから突出しないようすることができる。これにより、装置本体51の前側に、第2可動演出装置120を配設するに際して、前記各固定部材100A,100B,100Cと該第2可動演出装置120とが干渉することを回避し得ると共に、該第2可動演出装置120を第1可動演出装置50に近づけて配設することが可能である。
【0057】
そして、前記装置本体51に、前後に貫通する挿通部106を第2当受け部95Bに開口するよう設け、第2取付部105Bを、前記挿通部106に後側から差し込み可能な形状で設置壁部31の上板部31Aの前面から前方へ突出するよう形成したことで、装置本体51を上板部31Aの前面にセットするに際して、第2取付部105Bを挿通部106に後側から差し込むことで、装置本体51を設置壁部31に対し大まかに位置決めすることができ、姿勢保持部53の当接部85と被当接部90との当接を簡易かつ迅速に行なうことを可能とする。また、第1〜第3の各取付部105A,105B,105Cに、取付ネジ108により各固定部材100A,100B,100Cを固定する作業を行なうに際し、該第2取付部105Bを挿通部106に挿通させておくことで、設置部材30を垂直または垂直近くまで立て掛けた状態であっても、第1可動演出装置50の位置決めを保持することができ、片手で装置本体51を把持する必要がないから各固定部材100A,100B,100Cの固定作業を簡易に行なうことができる。更に、挿通部106を装置本体51の端縁部ではなく中央寄りに設けることで、設置壁部31に対して装置本体51が前方へ変形した状態で固定されることがなくなり、当接部85と被当接部90とが確実に当接した状態に保持することができる。
【0058】
そして、第1可動演出装置50を、表示開口34に近づくにつれて設置壁部31に近づくよう傾斜姿勢で該設置壁部31に取付けるようにしたので、該第1可動演出装置50の前側に画成されるスペースが大きくなるから、第2可動演出装置120を該第1可動演出装置50の前側に重ねて配設することを可能とする。
【0059】
〔変更例〕
本発明に係る遊技機は、実施例に例示の形態に限らず種々の変更が可能である。
(1)姿勢保持部53は、当接部85における被当接部90との当接面87を、前記設置壁部31の上板部31Aの前面と平行に形成すると共に、前記被当接部90における前記当接部85の当接面87と当接する当接受面(被当接面)91を、前記表示開口34から離れるにつれて装置本体51の前面51Aから後側へ離間するよう傾斜して形成するようにしてもよい。前記当接部85および被当接部90をこのように形成しても、該当接部85の当接面87と被当接部90の被当接面91とが当接することで、前記装置本体51を前記傾斜姿勢で位置決めすることが可能である。
(2)前記当接部85および被当接部90の配設数は、実施例のように2個に限定されるものではなく、装置本体51の形状やサイズに応じて1個または3個以上であってもよい。
(3)当受け部95は、装置本体51に前側を指向するように設けられて、姿勢保持部53により該装置本体51が前記傾斜姿勢で保持された状態において前記設置壁部と平行となれば、該装置本体51の前面51Aより前側に突出するように形成してもよい。
(4)取付部105、当受け部95および固定部材100の配設数は、実施例の3個ずつに限定されず、装置本体51の形状やサイズに応じて1個以上の適宜数に設定することが可能である。
(5)第1可動演出装置50の配設位置は、表示開口34の上側に限らず、設置壁部31における該表示開口34の下側となる下板部31Bの前側、表示開口34の右側となる右板部31Cの前側または該表示開口34の左側となる左板部31Dの前側であってもよい。なお、設置壁部31の何れの位置に取付けられる第1可動演出装置であっても、装置本体51の前面51Aが表示開口34から離れるにつれて設置壁部31から前側へ離間する傾斜姿勢となるように、当接部85および被当接部90が設定される。
(6)実施例では、遊技機としてのパチンコ機を示したが、遊技機はパチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機等であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
28A 表示窓口(演出領域),30 設置部材,31 設置壁部,34 表示開口(表示部)
50 第1可動演出装置(演出装置),51A 前面,53 姿勢保持部,85 当接部
87 当接面,90 被当接部,91 当接受面(被当接面)
95 当受け部(95A 第1当受け部,95B 第2当受け部,95C 第3当受け部)
105 取付部(105A 第1取付部,105B 第2取付部,105C 第3取付部)
100 固定部材(100A 第1固定部材,100B 第2固定部材
100C 第3固定部材),106 挿通部,D 遊技盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出領域が形成された遊技盤に取付けられ、前記遊技盤から後側に離間して該遊技盤の後面と平行な設置壁部を有する設置部材と、前記設置壁部に前記演出領域と前後に対向するよう設けた表示部と、前記設置壁部の前側に前記表示部と隣接して取付けられ、前記演出領域を介して該遊技盤の前側へ臨む演出装置とを備えた遊技機において、
前記設置壁部の前側に設けられた当接部と前記演出装置の装置本体に設けられた被当接部との当接により、前面が前記表示部に近づくにつれて後側へ変位した傾斜姿勢で前記装置本体を保持する姿勢保持部と、
前記装置本体に前側を指向するように設けられ、前記姿勢保持部により該装置本体が前記傾斜姿勢で保持された状態において前記設置壁部と平行となる当受け部と、
前記設置壁部に設けた取付部に前側から固定され、前記当受け部に前側から当接する固定部材とを備え、
前記固定部材と前記当受け部とが当接すると共に前記当接部と被当接部とが当接することで、前記装置本体が前記傾斜姿勢に保持された状態で前記演出装置が前記設置壁部に取付けられるよう構成した
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記当受け部は、前記装置本体の前面より後側へ凹んだ形状に形成された請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記装置本体には、前後に貫通する挿通部が前記当受け部で開口するよう設けられ、
前記取付部は、前記挿通部に後側から差し込み可能な形状で前記設置壁部から前方へ突出するよう形成され、
前記固定部材は、前記挿通部の開口より大きく形成された請求項1または2記載の遊技機。
【請求項4】
前記当接部における前記被当接部との当接面は、前記表示部から離れるにつれて前記設置壁部の前面から前側へ離間するよう傾斜して形成され、
前記被当接部における前記当接部の当接面と当接する被当接面は、前記装置本体の前面と平行に形成された請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記当接部における前記被当接部との当接面は、前記設置壁部の前面と平行に形成され、
前記被当接部における前記当接部の当接面と当接する被当接面は、前記表示部から離れるにつれて前記装置本体の前面から後側へ離間するよう傾斜して形成された請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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