説明

遊技機

【課題】客待ちデモなどの表示情報を、ホール来店者から視認し易く表示可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ遊技機1は、遊技領域3が形成された遊技盤2と、遊技盤を内部に収納する遊技機枠40とを備える。遊技機枠は、前方から遊技領域を視認可能とする窓部45を備える。窓部には、前方から遊技領域を透視可能な導光板65(表示部)を有した導光板表示装置64が設けられる。パチンコ遊技機は、遊技中であるか否か判定する判定手段(メイン制御基板20及び演出制御基板22)と、導光板表示装置を制御して導光板における表示情報の表示を制御する表示制御手段(演出制御基板22及び画像制御基板23)とを備える。表示制御手段は、判定手段が遊技中でないと判定しているとき、導光板に、パチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字(所定の表示情報)を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特に、遊技機枠における遊技領域前方に表示部を設けた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、下記特許文献1に示すように、所定時間遊技がなされない場合に、遊技盤の中央に後方から取り付けられる液晶表示装置(装飾図柄変動表示演出を行う液晶表示装置)を用いて、遊技の開始待ち用のデモンストレーションである客待ちデモ表示をする遊技機が知られている。なお、この遊技機は、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、遊技盤を内部に収納する遊技機枠とを備え、遊技機枠には、前方から遊技領域を視認可能とする窓部が設けられている。この窓部越しに、遊技者は、液晶表示装置に表示される客待ちデモ表示を視認している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−050753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の遊技機では、遊技機枠に設けられた窓部よりも奥(後方)に配置された液晶表示装置を用いて、客待ちデモ表示をするため、客待ちデモ表示がホール来店者から見難いことがあった。
【0005】
特に近年の遊技機は、遊技機枠の前面外周から前方へ向かって窓部を囲うように突設された装飾壁を備えるものが多いため、液晶表示装置の表示画面に対して正対していない場合には、表示画面が装飾壁により遮られてしまう。そのため、客待ちデモ表示に対するホール来店者からの視認性の改善が望まれていた。
【0006】
そこで本願発明は、上記事情に鑑み、客待ちデモ表示などの表示情報を、ホール来店者から視認し易く表示する遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、前記遊技盤を内部に収納する遊技機枠と、を備え、前記遊技機枠は、前方から前記遊技領域を視認可能とする窓部を備え、前記窓部に、前方から前記遊技領域を透視可能な表示部を有した表示装置が設けられた遊技機において、当該遊技機が遊技中であるか否か判定する判定手段と、前記表示装置を制御して前記表示部における表示情報の表示を制御する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記判定手段が遊技中でないと判定しているとき、前記表示部に所定の表示情報を表示する。
【0008】
ここで、本発明の遊技機では、前記表示制御手段は、前記判定手段が遊技中であると判定しているとき、前記表示部に表示情報を表示しない構成とすることができる。
【0009】
また、本発明の遊技機では、前記遊技領域は、遊技球が流下する遊技球流下領域を含み、前記表示制御手段は、前記判定手段が遊技中であると判定しているとき、前記表示部における前記遊技球流下領域の前方を除く領域に、前記所定の表示情報又は前記所定の表示情報とは異なる他の表示情報を表示する構成とすることができる。
【0010】
また、本発明の遊技機では、前記遊技領域は、遊技に関する情報を表示する表示器が配される表示器配置領域を含み、前記表示制御手段は、前記判定手段が遊技中であると判定しているとき、前記表示部における前記表示器配置領域の前方を除く領域に、前記所定の表示情報又は前記所定の表示情報とは異なる他の表示情報を表示する構成とすることができる。
【0011】
また、本発明の遊技機では、前記表示制御手段は、前記判定手段が遊技中でないと判定しているとき、前記表示部における前記遊技領域の前方に位置する領域又は該領域を含む領域に、前記所定の表示情報を表示する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、従来のような遊技盤の中央に後方から取り付けられる液晶表示装置で行われる客待ちデモ表示よりも、ホール来店者にとって見やすい客待ちデモ表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】同実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技機枠の構造を示す分解斜視図である。
【図3】図2に示す導光板表示装置のA−A線断面図である。
【図4】同実施形態のパチンコ遊技機が備える導光板表示装置の表示態様を示す図であり、(a)は遊技中であるときの表示態様を示し、(b)は遊技中でないときの表示態様を示す。
【図5】同実施形態に係るパチンコ遊技機の電気系統の概略ブロック図である。
【図6】発射制御処理のフローチャートである。
【図7】メイン側タイマ割込処理のフローチャートである。
【図8】始動口SW処理のフローチャートである。
【図9】特別図柄処理のフローチャートである。
【図10】停止中処理のフローチャートである。
【図11】大入賞口処理のフローチャートである。
【図12】サブ側タイマ割込処理のフローチャートである。
【図13】コマンド受信処理のフローチャートである。
【図14】演出選択処理のフローチャートである。
【図15】変動演出終了中処理のフローチャートである。
【図16】当たり演出選択処理のフローチャートである。
【図17】エンディング演出選択処理のフローチャートである。
【図18】客待ちコマンド受信処理のフローチャートである。
【図19】演出ボタン処理のフローチャートである。
【図20】客待ちデモ停止処理のフローチャートである。
【図21】同実施形態のパチンコ遊技機によって構成された遊技島の様子を示す図である。
【図22】変更例に係るパチンコ遊技機による導光板表示装置の表示態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.実施形態
(1)パチンコ遊技機の構造
本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠40の内部に遊技盤2が取り付けられている。遊技盤2には、発射ハンドル装置56の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材11で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する案内釘(図示せず)が多数突設されている。遊技機枠40には、スピーカ17及び複数の枠ランプ18が配設されている。また、遊技盤2には、盤ランプ19が設けられている。なお、遊技領域3は、発射された遊技球が流下する遊技球流下領域3aと、後述する第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14b、及び普通図柄表示器13などの表示器類が配される表示器配置領域3bを含んで形成されている。遊技球流下領域3aは、遊技機枠40に設けられた窓部45から見える遊技盤前面のうちレール部材11(内レール11a)で囲まれた正面視略円形状の領域である。表示器配置領域3bは、窓部45から見える遊技盤前面の右下部のうち遊技球流下領域3aを構成する扇形部分を除いた領域である。窓部45からは遊技領域3が視認可能となっているほか、レール部材11である内レール11aと外レール11bの間に形成された球誘導通路12が設けられている左下部領域5も視認可能となっている。左下部領域5は、窓部45から見える遊技盤前面の左下部のうち遊技球流下領域3aを構成する扇形部分を除いた領域である。球誘導通路12は、発射ハンドル装置56の操作に基づいて発射された遊技球が上方へ向かって通過する通路である。
【0015】
遊技領域3における遊技球流下領域3aには、液晶表示装置である画像表示器4の表示画面4aが配置されている。画像表示器4は、客待ち用のデモ表示、装飾図柄変動演出、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出などを表示画面4aに表示する。装飾図柄変動演出は、数字等の装飾図柄と装飾図柄以外の演出画像とにより構成されて、変動表示を経て停止表示された装飾図柄により、大当たり抽選(即ち、大当たり乱数の取得とその大当たり乱数を用いた判定、特別図柄抽選ともいう)の結果を報知する演出である。この装飾図柄変動演出は、特別図柄変動に並行して行われる。また、大当たり抽選は、遊技球の第1始動口51aまたは第2始動口51bへの入賞に対して行われる。
【0016】
遊技球流下領域3aの中央部であって画像表示器4の前方には、センター役物装置30が配置されている。センター役物装置30は、遊技盤2に前面側から取り付けられる前飾り31と、遊技盤2に裏面側から取り付けられる液晶ベース(図示せず)とを備えている。前飾り31の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口から後述するステージ部33へ遊技球を流出するワープ部34が配設されている。前飾り31の下部には、上面を転動する遊技球を、第1始動口51aへと案内可能なステージ部33が形成されている。前飾り31の上部には、文字や図形等を表現した装飾部材35が配されている。また、図示しない液晶ベースには、「銭」を模った装飾可動体38が組み付けられており、装飾可動体38は、前飾り31の右部において前方へ露出している。装飾可動体38は、図示しない電動モータとともに可動役物装置37を構成し、その電動モータにより駆動されるものである。なお、液晶ベース(図示せず)は、中央に開口を有し、この開口から表示画面4aを前方へ臨ませるように後面側に画像表示器4が取り付けられた状態で、遊技盤2の裏面側に取り付けられる。
【0017】
遊技球流下領域3aの左右方向における中央下部には、始動入賞装置50が設けられている。始動入賞装置50は、遊技球の入球し易さが常時変わらない第1始動口51aと、電動チューリップ(以下「電チュー」という。)52により開閉される第2始動口51bとを備えている。電チュー52は、電チューソレノイド53(図5参照)により駆動される。第2始動口51bは、電チュー52が開いているときのみ遊技球が入賞可能となる。
【0018】
また、遊技球流下領域3aには、大入賞装置70が設けられている。大入賞装置70は、始動入賞装置50の右方に配置されており、大入賞口71と、大入賞口ソレノイド72(図5参照)により動作する開閉部材73とを備えている。大入賞口71は、開閉部材73により開閉される。
【0019】
また、遊技球流下領域3aには、複数の普通入賞装置90、遊技球が通過可能なゲート8が設けられている。各普通入賞装置90は、始動入賞装置50の左方に配置されている。各普通入賞装置90に入った遊技球は、その普通入賞装置90内の普通入賞口91に入賞する。ゲート8は、センター役物装置30の左方に配置されている。
【0020】
また、遊技盤面右下のレール部材11の外側は、表示器配置領域3bとなっており、表示器配置領域3bには、遊技に関する情報を表示する表示器として、普通図柄表示器13、第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14b、普通図柄保留ランプ15、第1特別図柄保留ランプ16a、及び、第2特別図柄保留ランプ16bが設けられている。なお実施形態では、表示器配置領域3bは、遊技球流下領域3aとともに遊技領域3を構成する。
【0021】
第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14bは、それぞれ、遊技球の第1始動口51a、第2始動口51bへの入賞を契機として行われる大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果を、変動表示を経て停止表示される特別図柄により報知する(これを「特別図柄変動」という)ものである。第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14bに停止表示された特別図柄が大当たり図柄又は小当たり図柄であれば、大入賞口71を所定回数開閉する当たり遊技が行われる。
【0022】
特別図柄の変動表示中または当たり遊技中に、遊技球が第1始動口51aまたは第2始動口51bに入賞すると、メイン制御基板20(図5参照)は、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の乱数を、第1始動口51aへの入賞であれば第1特図保留記憶部27a(図5参照)に、第2始動口51bへの入賞であれば第2特図保留記憶部27b(図5参照)に、特図保留記憶として記憶する。そして、特別図柄変動を実行可能になったときに、記憶しておいた特図保留記憶に基づいて大当たりか否かの判定を行い、特別図柄変動を実行する。
【0023】
第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16bは、それぞれ、第1特図保留記憶部27a、第2特図保留記憶部27bに記憶されている特図保留記憶の個数を表示するものである。なお、第1特図保留記憶部27a、第2特図保留記憶部27bに記憶される特図保留記憶の個数は、それぞれ4個が上限とされているため、第1特図保留記憶部27aに4個の特図保留記憶がある状態で遊技球が第1始動口51aに入賞したときや、第2特図保留記憶部27bに4個の特図保留記憶がある状態で遊技球が第2始動口51bに入賞したときは、その入賞に対して大当たり乱数等の乱数は取得されない。
【0024】
普通図柄表示器13は、遊技球のゲート8への通過を契機として行われる普通図柄抽選の結果を、変動表示を経て停止表示される普通図柄により報知する(これを「普通図柄変動」という)ものである。普通図柄表示器13に停止表示された普通図柄が当たり図柄であれば、所定時間及び所定回数、電チュー52を開く補助遊技が行われる。
【0025】
普通図柄の変動表示中または補助遊技中に、遊技球がゲート8を通過すると、メイン制御基板20(図5参照)は、その通過に対して取得した当たり乱数等の乱数を、普図保留記憶部28(図5参照)に普図保留記憶として記憶する。そして、普通図柄変動を開始可能な状態になったときに、記憶しておいた普図保留記憶に基づいて当たりか否かの判定を行い、普通図柄変動を実行する。
【0026】
普通図柄保留ランプ15は、普図保留記憶部28に記憶されている普図保留記憶の個数を表示するものである。なお、普図保留記憶部28に記憶される普図保留記憶の個数は、それぞれ4個が上限とされているため、普図保留記憶部28に4個の普図保留記憶がある状態で遊技球がゲート8を通過したときは、その通過に対して当たり乱数は取得されない。
【0027】
続いて、実施形態のパチンコ遊技機1の特徴的な構成について、図2〜4に基づいて説明する。図2は、遊技機枠40の要部構成を示す分解斜視図、図3は、図2に示す導光板表示装置64のA−A線断面図である。図2に示すように、遊技機枠40は、外枠41と内枠42と前枠43とを備えている。また、遊技機枠40は、左端部にヒンジ部44を備えて構成され、ヒンジ部44により、前枠43は、外枠41および内枠42に対してそれぞれ回動自在に連結され、内枠42は、外枠41および前枠43に対してそれぞれ回動自在に連結されている。なお、図2は、内枠42が外枠41に固定された状態を示している。外枠41は、パチンコ遊技機1の外郭部となる枠体であり、内枠42は、遊技盤2(図1参照)が取り付けられる枠体であり、前枠43は、遊技盤面を保護するとともに発射ハンドル装置56などが配設される枠体である。内枠42は、合成樹脂製とされ、前方から見て中央が貫通された略長方形の枠形状とされている。なお、図2において図示を省略するが、遊技盤2は、内枠42に対して前方から取り付けられ、内枠42に取り付けられた遊技盤2は、図示しない係止部材で、内枠42から外れないよう係止される。
【0028】
前枠43は、遊技盤2の前面に形成される遊技領域3及び左下部領域5(図1参照)を前方に臨ませるための開口45(以下「窓部45」という)を備えている。窓部45には、前方から遊技領域3を透視可能な導光板(表示部に相当する)65を備えた導光板表示装置64が取り付けられる。なお、正面から見た窓部45の形状と、導光板65の形状は略同じ形状であり、遊技者は、窓部45に取り付けられた導光板表示装置64の導光板65を介して、前方から遊技領域3を視認することとなる(図1参照)。
【0029】
ここで、前枠43の窓部45に対する導光板表示装置64の取り付けをより具体的に説明する。前枠43の裏面側の窓部45周縁には、後方から窓部45に合わせて配置した導光板表示装置64を前枠43から外れないように固定するための留め具46,46,46が設けられている。各留め具46は、前後方向に沿った回転軸周りに回動可能となっている。前枠43の裏面側に導光板表示装置64を配した後、留め具46の回転軸から離れた先端部を窓部45側へ突出させるように留め具46を回転させれば、導光板表示装置64の後述する樹脂フレーム77に設けられた被係止部78が留め具46に係止される。これにより、導光板表示装置64の後方への移動が規制され、導光板表示装置64は前枠43に対して取り付けられる。
【0030】
導光板表示装置64は、図2,3に示すように、2枚の透明な導光板(合成樹脂パネル)65を重ねて2枚のガラス板68,68の間に配し、導光板65の周囲に発光装置(光源)75を配置して、これらの周囲を合成樹脂製のフレーム部材77(以下「樹脂フレーム77」という)で囲った構造となっている。なお、導光板表示装置64は、図示しないリード線等を介して画像制御基板23に接続される(図5参照)。
【0031】
導光板65は、前方からの遊技領域3の視認性を考慮して透過型とされ、また、前後方向を薄肉とする薄板形状とされている。導光板65は、前方側に配される第1導光板65aと、後方側に配される第2導光板65bを備えている。各導光板65a,65bには、微細凹凸加工により、文字や絵柄などの表示情報を表すドットパターン66(図4参照)が形成されている。ドットパターン66は、導光板65に入射された光に作用して所望の文字や絵柄を表示させるための溝である。
【0032】
具体的には、第1導光板65aには、図4(a)に示すように、「チャンス!!」の文字のドットパターン66aが左下部(遊技球流下領域3aの前方および表示器配置領域3bの前方を除く領域、すなわち左下部領域5の前方に位置する領域)に形成されている。一方、第2導光板65bには、図4(b)に示すように、パチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字のドットパターン66bが全域(遊技球流下領域3aの前方、表示器配置領域3bの前方、及び左下部領域5の前方からなる全域)にわたって形成されている。第1導光板65aに施された「チャンス!!」の文字は、画像表示器4の表示画面4aでなされる装飾図柄変動演出に並行して表示させることにより、大当たり抽選の結果、大当たりに当選している期待度が高いことを遊技者に示唆し、遊技を盛り上げるための表示情報である。一方、第2導光板65bに施されたパチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字は、画像表示器4の表示画面4aでなされる客待ちデモ表示とともに表示することにより(なお、画像表示器4の表示画面4aで客待ちデモ表示を行うことなく表示してもよい)、画像表示器4の表示画面4aで行う表示よりも見やすく、ホール来店者に対してスペックなどを紹介するための表示情報である(図21参照)。
【0033】
ガラス板68,68は、正面から見て導光板65と略同じ形状とされた無色透明の板である。遊技者はガラス板68を介して導光板65に表示される表示情報を視認することとなる。
【0034】
発光装置75は、第1導光板65aの周囲に配置されて、第1導光板65aに対して光を入射させる第1発光素子群(LED群)75aと、第2導光板65bの周囲に配置されて、第2導光板65bに対して光を入射させる第2発光素子群(LED群)75bとを備えている。
【0035】
第1発光素子群75aおよび第2発光素子群75bを構成する各LED76は、図3に示すように、樹脂フレーム77の内部に、内周面に沿って略等間隔で埋設され、第1導光板65aおよび第2導光板65bの側面に近接配置される。また、各LED76は、樹脂フレーム77の内壁を切り欠いて形成されたLED76と略同形状のソケット部79に取り付けられている。これにより、各LED76の先端を除く周囲は、樹脂フレーム77によって覆われるため、光が外部に漏れないようになっている。なお、発光装置75は、樹脂フレーム77の外周面の一部から導出される図示しないリード線により、画像制御基板23に接続されて、演出制御基板22により画像制御基板23を介して点灯制御される。
【0036】
樹脂フレーム77には、前枠43の窓部45周縁に形成された留め具46に係止される被係止部78が形成されている(図2参照)。導光板表示装置64は、被係止部78を留め具46により係止されることにより、前枠43に対して裏面側から取り付けられる。
【0037】
このように構成された導光板表示装置64では、第1発光素子群75aにより第1導光板65aに入射光が入射された場合には、図4(a)に示すように第1導光板65aに施されたドットパターン66aである「チャンス!!」の文字(「所定の表示情報とは異なる他の表示情報」に相当する)が表示され、第2発光素子群75bにより第2導光板65bに入射光が入射された場合には、図4(b)に示すように第2導光板65bに施されたドットパターン66bであるパチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字(所定の表示情報に相当する)が表示される。一方、発光装置75が点灯されていないときは、第1導光板65a及び第2導光板65bに、何ら文字や絵柄は表示されない。したがって、発光装置75が点灯されていないときは、パチンコ遊技機1を正面から視認した場合、ガラス板68越しに、導光板(透明の合成樹脂パネル)65を介して遊技領域3をはっきりと視認することができる。
【0038】
(2)パチンコ遊技機の電気系統
次に、実施形態のパチンコ遊技機1の電気系統について説明する。図5に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、メイン制御基板(遊技制御基板)20、払出制御基板21、サブ制御基板25、発射制御基板26を備えている。サブ制御基板25は、演出制御基板22、画像制御基板23、及び、ランプ制御基板24を備えている。そして、払出制御基板21及び演出制御基板22はメイン制御基板20に接続され、画像制御基板23及びランプ制御基板24は演出制御基板22に接続され、発射制御基板26は払出制御基板21に接続されている。発射制御基板26を除く各制御基板は、CPU、ROM、RAM等を備えている。また、メイン制御基板20は、RAM内に第1特図保留記憶部27aと第2特図保留記憶部27bを有する特図保留記憶部27、及び普図保留記憶部28を備えている。
【0039】
メイン制御基板20は、大当たりの抽選や遊技状態の移行など主に利益に関わる制御を行うものである。メイン制御基板20には、第1始動口51a内に設けられて第1始動口51aに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW(スイッチ)54a、第2始動口51b内に設けられて第2始動口51bに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW54b、電チュー52を駆動する電チューソレノイド53、ゲート8内に設けられてゲート8を通過した遊技球を検出するゲートSW80、大入賞口71内に設けられて大入賞口71に入賞した遊技球を検出する大入賞口SW74、開閉部材73を駆動する大入賞口ソレノイド72、各普通入賞口91内にそれぞれ設けられてその普通入賞口91に入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW92、第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16b、普通図柄保留ランプ15、第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14b、普通図柄表示器13がそれぞれ接続され、図5に矢印で示すように、各スイッチからはメイン制御基板20に信号が入力され、各ソレノイドやランプ等にはメイン制御基板20から信号が出力される。
【0040】
また、メイン制御基板20は、払出制御基板21に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板21から信号を受信する。払出制御基板21には、図示しない払出装置を駆動する払出駆動モータ29が接続され、払出制御基板21は、メイン制御基板20から受信したコマンドに従って払出駆動モータ29を動作させ、賞球の払出を行わせる。
【0041】
払出制御基板21に接続された発射制御基板26は、遊技球の発射に関する制御を行うものであり、払出制御基板21との間でコマンドや信号の送受信を行う。発射制御基板26には、遊技者が発射ハンドル装置56の回動ハンドル57(図1参照)に触れているか否かを検出するタッチセンサ58、回動ハンドル57の回動量に応じて発射する遊技球の飛距離を調整する発射ボリューム59、遊技球の発射を停止させる発射停止SW60、球受け皿10(図1参照)内にある遊技球を発射位置まで送る球送りクランクを作動させるための球送りソレノイド61、発射位置にある遊技球を遊技領域3の遊技球流下領域3aの上流へ向けて叩き出すための打撃槌を駆動する発射ソレノイド62、がそれぞれ接続され、図5に矢印で示すように、タッチセンサ58、発射ボリューム59、及び発射停止SW60からは発射制御基板26に信号が入力され、各ソレノイド61,62には発射制御基板26から信号が出力される。発射ソレノイド62及び球送りソレノイド61は、タッチセンサ58、発射ボリューム59、及び発射停止SW60からの信号に基づいて、駆動及び停止制御される。なお、払出制御基板21は、発射制御基板26から受信するタッチセンサ58がONであるかOFFであるかの信号を、所定時間ごとに、メイン制御基板20に対して送信するとともに、メイン制御基板20を介して演出制御基板22に対して送信している。
【0042】
また、メイン制御基板20は、演出制御基板22に対し各種コマンドを送信し、演出制御基板22は、画像制御基板23との間でコマンドや信号の送受信を行う。画像制御基板23には画像表示器4、スピーカ17、及び導光板表示装置64の第1発光素子群75a、第2発光素子群75bが接続されている。画像制御基板23は、演出制御基板22から受信したコマンドに従って、画像表示器4の表示画面4aに装飾図柄その他の画像を表示し、スピーカ17から音声を出力し、また、第1発光素子群75a及び第2発光素子群75bを点灯させて第1導光板65aおよび第2導光板65bに所定の文字を表示する。
【0043】
また、演出制御基板22は、ランプ制御基板24との間でコマンドや信号の送受信を行う。ランプ制御基板24には枠ランプ18、盤ランプ19、及び可動役物装置37が接続され、ランプ制御基板24は、演出制御基板22から受信したコマンドに従って、枠ランプ18や盤ランプ19を点灯・消灯し、可動役物装置37を動作させる。
【0044】
なお、演出制御基板22には、演出ボタン6(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW6aが接続されており、演出ボタン6が押下されると、演出ボタン検出SW6aから演出制御基板22に対して信号が出力される。
【0045】
(3)遊技状態等の説明
次に、実施形態のパチンコ遊技機1の遊技状態等について説明する。実施形態のパチンコ遊技機1では、設定される遊技状態として、通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態、潜確遊技状態の4つの遊技状態がある。また、実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄抽選の結果実行される遊技として、大当たり遊技(15Rの大当たり遊技と2Rの大当たり遊技)、小当たり遊技があり、普通図柄抽選の結果実行される遊技として、補助遊技がある。
【0046】
時短遊技状態とは、通常遊技状態よりも第2始動口51bへ遊技球が入賞し易い状態をいい、通常遊技状態では、普通図柄抽選の当選確率が1/20、普通図柄変動時間が12秒となっており、第2始動口51bの開放パターンとして、0.2秒の開放を1回おこなう短開放パターン(当たり図柄が短開放図柄であるとき)と、0.2秒の開放ののち4.0秒の開放をおこなう長開放パターン(当たり図柄が長開放図柄であるとき)とがあるのに対して、時短遊技状態では、普通図柄抽選の当選確率が19/20、普通図柄変動時間が0.5秒となっており、第2始動口51bの開放パターンとして、3.0秒の開放を1回おこなう短開放パターン(当たり図柄が短開放図柄であるとき)と、5.0秒の開放を1回おこなう長開放パターン(当たり図柄が長開放図柄であるとき)とがある。
【0047】
確変遊技状態とは、通常遊技状態よりも大当たりに当選しやすく、かつ第2始動口51bへ遊技球が入賞し易い状態をいい、通常遊技状態では、大当たり当選確率が1/300であるのに対して、確変遊技状態では、大当たり当選確率が10/300となっている。また、確変遊技状態では、普通図柄抽選の当選確率、普通図柄変動時間、第2始動口51bの開放パターンは、時短遊技状態と同様となっている。
【0048】
潜確遊技状態とは、通常遊技状態よりも大当たりに当選しやすい状態をいい、潜確遊技状態では、大当たり当選確率は、確変遊技状態と同様となっており、普通図柄抽選の当選確率、普通図柄変動時間、第2始動口51bの開放パターンは、通常遊技状態と同様となっている。
【0049】
そして、初期状態では(即ち、電源が投入されて最初の遊技が開始されるときは)通常遊技状態であり、大当たりに当選すると、大入賞口71を所定回数開閉する大当たり遊技を経て、その大当たりの種類に応じた遊技状態に遷移する。大当たりの種類には、ほとんど賞球の獲得が望めない短当たりとして、2R(ラウンド)潜確大当たりがあり、多くの賞球を獲得可能な長当たりとして、15R(ラウンド)確変大当たり、15R(ラウンド)通常大当たりがある。また、これら大当たりの他に小当たりがある。なお、ラウンドとは大入賞口71の開放期間を言う。2R潜確大当たりでは、大入賞口71を極短時間2回開放する大当たり遊技を行った後、潜確遊技状態に遷移し、15R確変大当たりでは、大入賞口71を15回開放する大当たり遊技を行った後、確変遊技状態に遷移し、15R通常大当たりでは、大入賞口71を15回開放する大当たり遊技を行った後、時短遊技状態に遷移する。また、小当たりは、見かけ上2R潜確大当たりと変わらない動作をするもので、大入賞口71を極短時間2回開放する小当たり遊技を行うが、遊技状態は遷移しない。なお、時短遊技状態において途中で大当たりが発生することなく100回の特別図柄変動が行われたときも、通常遊技状態に遷移する。
【0050】
(4)パチンコ遊技機の動作
次に、図6に基づいて遊技球の発射制御処理について説明し、図7〜11に基づいてメイン制御基板20の動作について説明し、図12〜20に基づいて演出制御基板22の動作について説明する。
【0051】
まず、図6に基づいて遊技球の発射制御処理について説明する。発射制御処理は、払出制御基板21及び発射制御基板26により実行される。発射制御処理では、まずタッチセンサ58がONされているか否かを判定し(ステップS001)、その後発射停止SW60がONであるか否かを判定する(ステップS002)。遊技者が、回動ハンドル57を回動操作しており、発射停止ボタン(図示せず)を押下していなければ、タッチセンサ58がONであり(ステップS001でYES)、発射停止SW60がOFFとなっているので(ステップS002でNO)、遊技球の発射準備処理を行う(ステップS003)。遊技球の発射準備処理では、球送りソレノイド61を作動させて球受け皿10内の遊技球を発射位置へ送るとともに、発射ボリューム59の回動量に基づいて生成された発射強度信号に応じた強度で遊技球を打ち出すよう、発射ソレノイド62の励磁力を調整する。その後、発射ソレノイド62を作動させて、発射位置にある遊技球を打撃槌により叩いて遊技球流下領域3aへ向けて打ち出し(ステップS004)、発射制御処理を終える。なお、遊技者が回動ハンドル57を回動操作している間は、遊技球が1分間に約100球程度の割合で連続的に発射されるよう、球送りソレノイド61及び発射ソレノイド62への通電・非通電が所定間隔で繰返し行われる。また、遊技者が、回動ハンドル57を把持していない場合や、発射停止ボタンを押している場合には、タッチセンサ58がOFFとなるか(ステップS001でNO)、発射停止SW60がONとなるため(ステップS002でYES)、遊技球は発射されない。
【0052】
次に、図7〜11に基づいてメイン制御基板20の動作について説明する。なお、後述する各カウンタは、RAMに設けられ、パチンコ遊技機1の電源投入時にゼロクリアされる。
【0053】
[メイン側タイマ割込処理]メイン制御基板20は、図7に示すメイン側タイマ割込処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。メイン側タイマ割込処理では、まず、メイン制御基板20は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たり図柄の種類(15R通常図柄、15R確変図柄、または2R潜確図柄)を決めるための大当たり図柄乱数、装飾図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、装飾図柄変動演出の変動パターン(例えばスーパーリーチ演出や擬似連を行うかなど)を決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる当たり乱数、当たり図柄の種類(長開放図柄、短開放図柄)を決めるための当たり図柄乱数等を更新する乱数更新処理を行う(ステップS101)。
【0054】
次に、メイン制御基板20は、後述する始動口SW処理(S102)、ゲートSW処理(S103)、大入賞口SW処理(S104)及び普通入賞口SW処理(S105)を行う。ゲートSW処理(S103)は、ゲートSW80がONしていれば、すでに記憶されている当たり乱数が4個未満であることを条件に当り乱数を取得する処理である。大入賞口SW処理(S104)は、大入賞口SW74がONしていれば、大当たり遊技中又は小当たり遊技中か否かを判定して、大当たり遊技中又は小当たり遊技中であれば、入賞個数カウンタの値に1を加算するとともに、大入賞口カウンタの値に1を加算する処理である。普通入賞口SW処理(S105)は、普通入賞口SW92がONしていれば、普通入賞口カウンタの値に1を加算する処理である。
【0055】
次に、メイン制御基板20は、後述する特別図柄処理(S106)、普通図柄処理(S107)、後述する大入賞口処理(S108)、及び、電チュー処理(S109)を行う。普通図柄処理(S107)は、ゲートSW処理にて取得した当り乱数を判定し、その判定結果を報知するための普通図柄変動の開始および停止をする処理である。電チュー処理(S109)は、普通図柄処理の結果、補助遊技に当選していた場合に、所定の開放パターン(開放回数、1回当りの開放時間)に従って電チュー52を開放させる処理である。
【0056】
次に、メイン制御基板20は、始動入賞口カウンタの値に応じた数の賞球(実施形態では1カウントあたり3球)、大入賞口カウンタの値に応じた数の賞球(実施形態では1カウントあたり15球)、及び、普通入賞口カウンタの値に応じた数の賞球(実施形態では1カウントあたり10球)を払い出すためのコマンドをセットして、それらのカウンタをゼロクリアする賞球処理(S110)を行い、以上の各処理においてセットしたコマンドを払出制御基板21及び演出制御基板22に出力する出力処理(S111)を行う。
【0057】
[始動口SW処理]図8に示すように、始動口SW処理では、メイン制御基板20は、第1始動口SW54aがONしたか否かを判定し(S201)、ONしていなければステップS205に進み、ONしていれば、第1特図保留記憶部27aに記憶されている大当たり乱数の個数を数える第1始動口保留カウンタの値U1が、上限値の4未満か否かを判定する(S202)。4未満でない場合はステップS205に進み、4未満の場合は、U1に1を加算し(S203)、各種乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)を取得して第1特図保留記憶部27aに格納する(S204)。
【0058】
ステップS205では、メイン制御基板20は第2始動口SW54bがONしたか否かを判定し、ONしていなければ始動口SW処理を終え、ONしていれば、第2特図保留記憶部27bに記憶されている大当たり乱数の個数を数える第2始動口保留カウンタの値U2が、上限値の4未満か否かを判定する(S206)。4未満でない場合は始動口SW処理を終え、4未満の場合は、U2に1を加算し(S207)、各種乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)を取得して第2特図保留記憶部27bに格納する(S208)。
【0059】
[特別図柄処理]図9に示すように、特別図柄処理では、メイン制御基板20は、当たり遊技中か否かを示す当たり遊技フラグ(即ち、小当たり遊技フラグ、長当たり遊技フラグ、又は、短当たり遊技フラグ)がONか否かを判定し(S401)、ONであれば特別図柄処理を終え、ONでなければ特別図柄の変動中か否かを判定する(S402)。そして、変動中であればステップS416に進み、変動中でなければ、第2始動口保留カウンタの値U2又は第1始動口保留カウンタの値U1が1以上か否かを判定する(S403,S405)。そして、U2、U1が共に1以上でなければ、客待ち状態中か否かを示す客待ちフラグがONであるか否かを判定し(S407)、ONであれば特別図柄処理を終え、ONでなければ遊技球が発射されているか否かを判定する(S408)。遊技球が発射されているか否かの判定は、払出制御基板21から送られてくるタッチセンサ58がONであるかOFFであるかの信号に基づいて行う。遊技球が発射されていれば、遊技中であると判断して客待ちコマンドをセットすることなく特別図柄処理を終え、遊技球が発射されていなければ、遊技中でないと判断して客待ちコマンドをセットして(S409)、客待ちフラグをONした後(S410)、特別図柄処理を終える。一方、U2又はU1が1以上であればU2又はU1から1を減算して(S404,S406)、客待ちフラグをOFFした後(S411)、ステップS204又はS208で格納しておいた大当たり乱数を用いて大当たり判定処理を行う(S412)。
【0060】
大当たり判定処理(S412)では、メイン制御基板20は、大当たり判定用テーブルを用いてステップS204又はS208で格納した大当たり乱数が大当たりか否かの判定を行い、大当たりであれば大当たり図柄乱数がどの大当たり図柄を示すものかを判定して、その大当たり図柄をセットし、小当たりであれば小当たり図柄をセットし、大当たりでも小当たりでもなければハズレ図柄をセットする。なお、大当たり図柄によって、大当たりの種類が決まる。
【0061】
続いて、メイン制御基板20は、変動パターン選択処理を行う(S413)。変動パターン選択処理では、直前の大当たり判定処理において大当たりと判定していれば、乱数値と変動パターンとの対応を示す変動パターンテーブルとして大当たり用テーブルを参照し、小当たりと判定していれば小当たり用テーブルを参照し、大当たりでも小当たりでもないと判定していればハズレ用テーブルを参照して、ステップS204又はS208で格納しておいた変動パターン乱数がいずれの変動パターンを示すかの判定を行い、変動パターンをセットする。なお、変動パターンには変動時間を示す情報が含まれている。
【0062】
その後、メイン制御基板20は、第1特別図柄表示器14aまたは第2特別図柄表示器14bにおいて特別図柄の変動を開始し(S414)、変動開始コマンドをセットして(S415)、ステップS416に進む。ステップS416では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、経過していなければ特別図柄処理を終えるが、経過していれば特別図柄の変動を停止して、大当たり判定処理でセットされた図柄で特別図柄を確定表示し(S417)、変動停止コマンドをセットする(S418)。そして、後述する停止中処理(S419)を行って、特別図柄処理を終える。
【0063】
[停止中処理]図10に示すように、停止中処理では、メイン制御基板20は、時短遊技状態か否かを示す時短遊技フラグがONか否かを判定し(S701)、ONでない場合はステップS705に進むが、ONの場合は、時短遊技状態中の特別図柄の変動回数を数える時短変動カウンタの値Jを1減算し(S702)、Jが0であれば時短遊技状態を終えるために時短遊技フラグをOFFして(S703、704)、ステップS705に進む。
【0064】
ステップS705では、メイン制御基板20は、確変遊技状態か否かを示す確変遊技フラグ又は潜確遊技状態か否かを示す潜確遊技フラグがONか否かを判定し(S705)、ONでない場合はステップS709に進むが、ONの場合は、確変遊技状態中又は潜確遊技状態中の特別図柄の変動回数を数える確変潜確変動カウンタの値Xを1減算し(S706)、Xが0であれば確変遊技状態又は潜確遊技状態を終えるために確変遊技フラグ又は潜確遊技フラグをOFFして(S707、708)、ステップS709に進む。
【0065】
ステップS709では、メイン制御基板20は、大当たりか否か(即ち、停止した特別図柄が大当たり図柄か否か)を判定し、大当たりである場合は(S709でYES)、その大当たりが長当たりであるか否か判定する(S710)。長当たりである場合は、長当たり遊技フラグをセットし(S711)、一方、長当たりでない場合は、短当たりであるので、短当たりフラグをセットする(S712)。そして、時短変動カウンタの値J及び確変潜確変動カウンタの値Xをゼロクリアするとともに(S713)、時短遊技フラグ、確変遊技フラグ、潜確遊技フラグをOFFして(S714)、ステップS717に進む。
【0066】
一方、大当たりでない場合は(S709でNO)、メイン制御基板20は、小当たりか否か(即ち、停止した特別図柄が小当たり図柄か否か)を判定し(S715)、小当たりでない場合には停止中処理を終え、小当たりである場合には、小当たり遊技フラグをONして(S716)、ステップS717に進む。
【0067】
ステップS717では、メイン制御基板20は、当たり遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)のオープニングを開始するとともに(S717)、オープニングコマンドをセットして(S718)、停止中処理を終える。
【0068】
[大入賞口処理]図11に示すように、大入賞口処理では、メイン制御基板20は、まず、当たり遊技フラグがONか否かを判定し(S901)、ONでなければ大入賞口処理を終えるが、ONであれば、オープニング中であるか否かを判定する(S902)。オープニングとは、当たり遊技の開始から第1ラウンドの開始までの期間をいう。メイン制御基板20は、オープニング中と判定した場合には、オープニング時間が経過したか否かを判定し(S903)、経過していなければ大入賞口処理を終え、経過していれば、当たりの種類に応じた最大R数(ラウンド数)と作動パターンとを設定する(S904)。そして、入賞個数カウンタの値Cをゼロクリアし(S905)、ラウンドカウンタの値Rに1を加算し(S906)、大入賞口71の作動(開放)を開始する(S907)。
【0069】
次に、メイン制御基板20は、大入賞口71の作動時間(開放時間。実施形態では、長当たりであれば29.5秒、短当たりまたは小当たりであれば0.1秒)が経過したか否かを判定し(S908)、経過していれば大入賞口71を閉口し(S910)、経過していなければ、入賞個数カウンタの値Cが規定個数(実施形態では、9個)であるか否かを判定して(S909)、規定個数でなければ大入賞口処理を終え、規定個数であれば大入賞口71を閉口する(S910)。
【0070】
そして、メイン制御基板20は、ラウンドカウンタの値Rが最大R数であるか否かを判定し(S911)、最大R数でなければ大入賞口処理を終え、最大R数であれば、エンディングを開始して(S912)、エンディングコマンドをセットし(S913)、ラウンドカウンタの値Rをゼロクリアする(S914)。なお、エンディングとは、最終ラウンドの終了から当たり遊技の終了までの期間をいう。次に、メイン制御基板20は、エンディング時間が経過したか否かを判定し(S917)、経過していなければ大入賞口処理を終え、経過していれば遊技状態設定処理を行って(S918)、当たり遊技フラグをOFFする(S919)。遊技状態設定処理では、メイン制御基板20は、終了する当たり遊技が、小当たりであれば、遊技状態を遷移させないので遊技状態設定処理を終え、15R通常大当たりであれば、時短遊技状態に遷移させるため時短遊技フラグをONするとともに時短変動カウンタの値Jを100とし、15R確変大当たりであれば、確変遊技状態に遷移させるため確変遊技フラグをONするとともに確変潜確変動カウンタの値Xを10000とし、2R潜確大当たりであれば、潜確遊技状態に遷移させるため潜確遊技フラグをONするとともに確変潜確変動カウンタの値Xを10000とする。
【0071】
一方、メイン制御基板20は、ステップS902においてオープニング中でないと判定したときは、大入賞口71がエンディング中であるか否かを判定し(S915)、エンディング中であればステップS917に移行し、エンディング中でなければ大入賞口71の作動中か否かを判定する(S916)。そして、作動中でなければステップS905に移行し、作動中であればステップS908に移行する。
【0072】
以上のメイン制御基板20における処理と並行して、演出制御基板22では図12〜20に示す処理を行う。以下、演出制御基板22の動作について説明する。
【0073】
[サブ側タイマ割込処理]演出制御基板22は、図12に示すようなサブ側タイマ割込処理を所定の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割込処理では、後述するコマンド受信処理(S1201)、演出ボタン処理(S1202)、及び客待ちデモ停止処理(S1203)と、コマンド受信処理、演出ボタン処理、及び客待デモ停止処理でセットしたコマンドを画像制御基板23やランプ制御基板24に送信するコマンド送信処理(S1204)とを行う。コマンド送信処理が実行されると、各種コマンドを受信した画像制御基板23やランプ制御基板24は、各種演出装置(画像表示器4、スピーカ17、枠ランプ18、盤ランプ19、可動役物装置37、及び導光板表示装置64)を用いて各種演出等(装飾図柄変動演出、大当たり演出、客待ちデモ表示など)を実行する。
【0074】
[コマンド受信処理]図13に示すように、コマンド受信処理では、演出制御基板22は、メイン制御基板20から変動開始コマンドを受信していれば後述する演出選択処理を行い(S1301,S1302)、変動停止コマンドを受信していれば後述する変動演出終了中処理を行う(S1303,S1304)。そして、演出制御基板22は、オープニングコマンドを受信していれば、後述する当たり演出選択処理を行い(S1305,S1306)、エンディングコマンドを受信していれば、後述するエンディング演出選択処理を行う(S1307,S1308)。続いて、演出制御基板22は、後述する客待ちコマンド受信処理を行って(S1309)、コマンド受信処理を終える。
【0075】
[演出選択処理]図14に示すように、演出選択処理では、演出制御基板22は、まず、メイン制御基板20から受信した変動開始コマンドを解析するとともに(S1401)、演出モードを示すモードフラグを参照する(S1402)。変動開始コマンドには、現在の遊技状態を示す情報、大当たり抽選において選択された特別図柄及び変動パターンを示す情報が含まれている。また、演出モードとは、画像表示器4における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタや背景画像が異なる等、画像表示器4に表示される画像が異なり、装飾図柄変動演出も演出モードに応じたものが実行される。例えば演出モードには、時短遊技状態であることを示す時短モード、確変遊技状態であることを示す確変モード、潜確遊技状態であることを示唆する潜確モード、通常遊技状態であることを示す通常モードなどがあり、各モード中に実行される背景画像等の演出を、それぞれ、時短モード演出、確変モード演出、潜確モード演出、通常モード演出という。
【0076】
続いて、演出制御基板22は、変動演出パターンテーブルをセットし、セットした変動演出パターンテーブルを参照するとともに、解析した変動開始コマンド及び参照した演出モードに基づいて、変動演出パターンを選択する(S1403)。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出などを含めて装飾図柄変動演出としてどのような演出を行うかが決定される。そして、選択した変動演出パターンにて装飾図柄変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをセットし(S1404)、演出選択処理を終了する。
【0077】
ステップS1404でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(図12のステップS1104参照)により画像制御基板23およびランプ制御基板24に送信されると、画像制御基板23は、画像表示器4の表示画面4aにおいて装飾図柄変動演出を開始し、ランプ制御基板24は、盤ランプ19及び枠ランプ18を所定の態様で点灯させる。また、画像制御基板23は、受信した変動演出開始コマンドが導光板表示装置64を用いた表示を行う演出を指示している場合には、第1発光素子群75aを点灯させ、図4(a)に示すように、第1導光板65aに形成された「チャンス!!」の文字を表示する。これにより、遊技者は変動中の装飾図柄変動演出の結果が大当たりへの当選を示すものであるかもしれないとの期待感を抱くため、遊技興趣が高められる。
【0078】
[変動演出終了中処理]図15に示すように、変動演出終了中処理では、演出制御基板22は、変動停止コマンドを解析し(S1501)、モードフラグを参照する(S1502)。次に、今終了しようとする装飾図柄変動演出が当たり(大当たり又は小当たり)を報知するものか否かを判定して(S1503)、当たりを報知するものであればモードフラグ変更処理を行う(S1508)。モードフラグ変更処理では、その当たりの種類に応じた演出モードを示すものにモードフラグを変更するとともに、変更後の演出モードが通常モードでない場合には、その演出モードに対応するカウンタの値Mに上限回数をセットする。
【0079】
一方、演出制御基板22は、今終了しようとする装飾図柄変動演出が当たりを報知するものでなければ(S1503でNO)、モードフラグが0か否かを判定し(S1504)、0であればステップS1509に進む。なお、モードフラグが0とは通常モードであることを示し、初期状態では(即ち、電源が投入されて最初の遊技が開始されるときは)モードフラグは0である。一方、モードフラグが0でなければ、現在の演出モード用のカウンタの値Mを1減少させて(S1505)、その値Mが0にならなければ(S1506でNO)、ステップS1509に進むが、0になれば(S1506でYES)、通常モードに戻すためにモードフラグを0として(S1507)、ステップS1509に進む。ステップS1509では、演出制御基板22は、装飾図柄変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。
【0080】
[当たり演出選択処理]図16に示すように、当たり演出選択処理では、演出制御基板22は、オープニングコマンドを解析して(S1601)、解析したオープニングコマンドに基づいて、当たり演出のパターンを選択する当たり演出パターン選択処理を行う(S1602)。そして、演出制御基板22は、当たり演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをセットする(S1603)。なお、当たり演出とは、小当たり遊技時又は大当たり遊技時に実行される演出をいう。
【0081】
[エンディング演出選択処理]図17に示すように、エンディング演出選択処理では、演出制御基板22は、エンディングコマンドを解析するとともに(S1701)、モードフラグを参照し(S1702)、解析したエンディングコマンドおよび参照したモードフラグに基づいて、エンディング演出のパターンを選択するエンディング演出パターン選択処理を行う(S1703)。そして、演出制御基板22は、エンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをセットする(S1704)。なお、エンディング演出とは、当たり遊技の終了を遊技者に報知するための演出である。
【0082】
[客待ちコマンド受信処理]図18に示すように、客待ちコマンド受信処理では、演出制御基板22は、客待ちコマンドを受信したか否かを判定し(S1801)、受信していれば、客待ち演出を実行するまでの時間の計測を開始するとともに計測フラグをONして(S1802、S1803)、ステップS1805に進む。一方、受信していなければ、計測フラグがONされているか否か判定し(S1804)、オンされていなければ、客待ち演出実行までの時間の計測中ではないので処理を終え、オンされていればタイムアップか、すなわち、いま計測している時間が客待ち演出実行までの時間として設定した所定時間に達したか否か判定する(S1805)。そして、タイムアップでなければ、処理を終え、タイムアップであれば、計測フラグをOFFするとともに(S1806)、客待ち演出を開始するための客待ち演出開始コマンドをセットする(S1807)。
【0083】
ステップS1807でセットされた客待ち演出開始コマンドが、コマンド送信処理(図12のステップS1104参照)により画像制御基板23およびランプ制御基板24に送信されると、画像制御基板23は、画像表示器4の表示画面4aにおいて所定の客待ちデモ表示(例えば、遊技機の機種名のロゴ表示)を行い、ランプ制御基板24は、盤ランプ19及び枠ランプ18を所定の態様で点灯させる。加えて、画像制御基板23は、第2発光素子群75bを点灯させ、図4(b)に示すように、第2導光板65bに形成された「パチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字」を表示する。これにより、図21に示すように、画像表示器4の表示画面4aよりも前方に位置する導光板表示装置64の第2導光板65bに、客待ちデモ表示として「パチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字」が表示されるため、遊技島と遊技島の間の通路を歩いているホール来店者Pの目につきやすい客待ちデモ表示を実行することができる。
【0084】
[演出ボタン処理]図19に示すように、演出ボタン処理では、演出制御基板22は、演出ボタン検出SW6aからの信号により、演出ボタン6が押下されたか(ONされたか)否かを判定し(S1901)、ONされていなければ処理を終え、ONされていれば装飾図柄変動演出中か否かを判定する(S1902)。そして、装飾図柄変動演出中でなければ処理を終え、装飾図柄変動演出中であれば、その装飾図柄変動演出において演出ボタン6を操作するよう指示がでているか否かを判定する(S1903)。そして、演出ボタン6の操作指示中でなければ処理を終え、演出ボタン6の操作指示中であれば、その装飾図柄変動演出が大当たりを報知するものであるか否かを判定する(S1904)。そして、大当たりを報知するものでなければ処理を終え、大当たりを報知するものであれば、可動役物装置37を動作させるための可動役物装置作動コマンドをセットして処理を終える(S1905)。ステップS1905でセットされた可動役物装置作動コマンドが、コマンド送信処理(図12のステップS1104参照)によりランプ制御基板24に送信されると、ランプ制御基板24は、図示しない電動モータを駆動して装飾可動体38を動作させる。
【0085】
[客待ちデモ停止処理]図20に示すように、客待ちデモ停止処理では、まず、演出制御基板22は、遊技球が発射されているか否かを判定する(S2001)。遊技球が発射されているか否かの判定は、払出制御基板21からメイン制御基板20を介して送られてくるタッチセンサ58がONであるかOFFであるかの信号に基づいて行う。遊技球が発射されていなければ処理を終了し、遊技球が発射されていれば、さらに客待ちデモ表示の実行中か否かを判定する(S2002)。客待ちデモ表示の実行中であれば、客待ちデモ表示を停止させるための客待ちデモ停止コマンドをセットして(S2003)処理を終える。一方、客待ちデモ表示の実行中でなければ、ステップS1803(図18参照)でONされる計測フラグがONされているか否か(すなわち、客待ち演出を実行するまでの時間の計測中であるか否か)を判定し(S2004)、ONでなければ処理を終え、ONであれば、計測フラグをOFFするとともに計測をやめて(S2005,S2006)、処理を終える。このように実施形態では、客待ちデモ表示の実行中に回動ハンドル57が握られタッチセンサがONされた場合は、遊技中であると判断して、客待ちデモ表示を停止し、また、客待ちデモ表示を開始するまでの時間を計測しているときに回動ハンドル57が握られタッチセンサがONされた場合も、遊技中であると判断して計測をやめることとしている。
【0086】
(5)実施形態の効果
以上説明したように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技領域3が形成された遊技盤2と、遊技盤2を内部に収納する遊技機枠40とを備え、遊技機枠40は、前方から遊技領域3を視認可能とする窓部45を備え、窓部45に、前方から遊技領域3を透視可能な導光板65(表示部)を有した導光板表示装置64が設けられている。さらにパチンコ遊技機1は、当該遊技機が遊技中であるか否か判定する判定手段(メイン制御基板20及び演出制御基板22により構成される)と、導光板表示装置64を制御して導光板65(表示部)における表示情報の表示を制御する表示制御手段(演出制御基板22及び画像制御基板23により構成される)とを備え、表示制御手段は、判定手段が遊技中でないと判定しているとき、導光板65(表示部)に、パチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字(所定の表示情報)を表示する。
【0087】
よって実施形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技中でないとき、遊技機枠40の窓部45に配された導光板65(表示部)に、パチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字(所定の表示情報)が表示されるため、従来のような遊技盤2の中央に後方から取り付けられる画像表示器(液晶表示装置)4で行われる客待ちデモ表示よりも表示情報が前方に表示される(図21参照)。よって、ホール来店者Pにとって見やすい客待ちデモ表示が可能となる。
【0088】
また、実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技領域3は、遊技球が流下する遊技球流下領域3aを含み、表示制御手段(演出制御基板22及び画像制御基板23により構成される)は、判定手段(メイン制御基板20及び演出制御基板22により構成される)が遊技中であると判定しているとき、導光板65(表示部)における遊技球流下領域3aの前方を除く領域に、「チャンス!!」の文字(所定の表示情報とは異なる他の表示情報)を表示する(図4(a)参照)。
【0089】
よって実施形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技中は、導光板65(表示部)における遊技球流下領域3aの前方を除く領域に「チャンス!!」の文字(表示情報)を表示するため、遊技領域3を流下する遊技球や遊技球流下領域3a内で行われる種々の演出を視認し難くさせることなく、遊技を盛り上げることができる。
【0090】
また、実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技領域3は、第1特別図柄表示器14aなどの表示器が配される表示器配置領域3bを含み、表示制御手段(演出制御基板22及び画像制御基板23により構成される)は、判定手段(メイン制御基板20及び演出制御基板22により構成される)が遊技中であると判定しているとき、導光板65(表示部)における表示器配置領域3bの前方を除く領域に、「チャンス!!」の文字(所定の表示情報とは異なる他の表示情報)を表示する(図4(a)参照)。
【0091】
よって実施形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技中は、導光板65(表示部)における表示器配置領域3bの前方を除く領域に表示情報を表示するため、第1特別図柄表示器14aなどの表示器に表示される遊技機に関する情報(特別図柄変動の結果など)を視認し難くさせることなく、遊技を盛り上げることができる。
【0092】
また、実施形態のパチンコ遊技機1では、表示制御手段(演出制御基板22及び画像制御基板23により構成される)は、判定手段(メイン制御基板20及び演出制御基板22により構成される)が遊技中でないと判定しているとき、導光板65(表示部)における遊技領域3の前方に位置する領域を含む略全域に、パチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字(所定の表示情報)を表示する(図4(b)参照)。
【0093】
よって実施形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技中でないとき、導光板65(表示部)における遊技領域3の前方に位置する領域を含む略全域に、パチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字(表示情報)を表示するため、客待ちデモ表示が大きく表示されることとなり、ホール来店者Pの注意を引きやすい表示となる。また、遊技中でないときは、導光板65(表示部)の全域を使って大きく「パチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字(表示情報)」を表示していたのに、遊技が開始された途端、客待ちデモ表示が停止されて「パチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字(表示情報)」が消えるため、遊技者に斬新な演出であるとの印象を与えることができる(図20のステップS2003参照)。
【0094】
2.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、実施形態のパチンコ遊技機1と同様の符号を付して説明を省略する。
【0095】
実施形態では、導光板表示装置64を用いて実行する客待ちデモ表示として、パチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字を表示するように構成したが、図22(a)(b)に示すように、遊技機のモチーフに関係するキャラクタや乗り物などの絵柄を、導光板65に表示する構成としてもよい。
【0096】
例えば、導光板表示装置64の第1導光板65aには、図22(a)に示すように、手前に向かって延びる線路のドットパターン82を、正面から見て画像表示器4の表示画面4aよりも下の領域に形成し、導光板表示装置64の第2導光板65bには、図22(b)に示すように、汽車や線路、エフェクト表示のドットパターン83,84,85を、正面から見て画像表示器4の表示画面4aと重なる領域を含めた略全域に形成する。
【0097】
そして、画像制御基板23が、客待ち演出開始コマンド(図18のステップS1807参照)を受信すると、まず、図22(a)に示すように、画像表示器4の表示画面4aに、線路を走る汽車の動画87を表示するとともに、第1発光素子群75aを点灯させて導光板表示装置64の第1導光板65aに光を入射して第1導光板65aの下部に線路を表示し、その後、図22(b)に示すように、第2発光素子群75bを点灯させて導光板表示装置64の第2導光板65bに光を入射して第2導光板65bの略全域にて線路を走る汽車を表示する。
【0098】
このような客待ちデモ表示とすれば、汽車が後方から前方へ向けて移動してきたかのような印象をホール来店者に与えることができる。また、図22(a)に示すように、画像表示器(液晶表示装置)4で汽車及び線路を表示し、画像表示器4で表示した線路に続く線路を導光板表示装置64で表示することにより、画像表示器(液晶表示装置)4による表示と導光板表示装置64による表示とが一体不可分の連続した絵柄を表示することとなり、ホール来店者に対して斬新な客待ちデモ演出を提供することができる。
【0099】
また、実施形態では、装飾図柄変動演出とともに、第1導光板65aに施された「チャンス!!」の文字を表示し、客待ちデモ表示として、パチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字を表示する構成としたが、導光板表示装置64を、パチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字を示すドットパターン66bが施された導光板65のみを備える構成とし、遊技中であるときは導光板表示装置64による表示を行わず、遊技中でないとき(すなわち客待ち状態のとき)のみ、パチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字を表示するよう構成してもよい。このように、「判定手段(メイン制御基板20及び演出制御基板22により構成される)が遊技中であると判定しているときは、表示制御手段(演出制御基板22及び画像制御基板23により構成される)が導光板65(表示部)に表示情報を表示しない」構成とすれば、遊技者を遊技に集中させることができる。
【0100】
また、実施形態では、装飾図柄変動演出とともに表示する第1導光板65aに施した表示と、客待ちデモ表示として表示する第2導光板65bに施した表示を、異なる表示情報の表示として構成したが、客待ちデモ表示として表示する第2導光板65bの全域に施した表示情報(例えばキャラクタ)を、縮小して、第1導光板65aにおける左下部(すなわち、遊技球流下領域3aの前方及び表示器配置領域3bの前方を除く領域)に施して、これを遊技中であるときに表示する構成としてもよい。このような構成とすれば、遊技中でないときは、導光板65(表示部)の略全域を使って大きく表示情報(キャラクタ)を表示していたのに、遊技が開始された途端、同じ表示情報(キャラクタ)が小さく表示されるため、遊技者に斬新な印象を与えることができる。
【0101】
また、実施形態では、第2導光板65bの略全域(遊技球流下領域3aの前方、表示器配置領域3bの前方、及び左下部領域5の前方)を使って、客待ちデモ表示(パチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字の表示)を実行するよう構成したが、遊技球流下領域3aの前方に位置する領域、又は表示器配置領域3bの前方に位置する領域のみを使って客待ちデモ表示を実行するよう構成してもよい。
【0102】
また、実施形態では、遊技機枠40の窓部45に設ける表示装置として、導光板表示装置64を用いて構成したが、他の表示装置を用いて構成してもよい。例えば、透明なガラス板と、ガラス板略全域に後方から配置される透明な液晶パネルと、液晶パネルに後方から光を照射する複数のLEDとを備える透過型液晶表示装置を用いて構成してもよい。この透過型液晶表示装置では、複数のLEDがそれぞれ液晶パネルの異なる一部領域を照らすように配置され、複数のLEDにより液晶パネルに対して後方から光を照射することで、液晶パネルに種々の画像を遊技者から視認可能に表示する。なお、LEDは、画像制御基板23により点灯を制御される。このような透過型液晶表示装置を用いて構成すれば、実施形態のパチンコ遊技機1と同様の効果を奏することができる。
【0103】
また、発光体を蒸着した透明なガラス基板又は透明でフレキシブルなアクリル基板を備え、このガラス基板又はアクリル基板の背面に設けた電極に電圧をかけることによりガラス基板又はアクリル基板に画像を表示する有機ELディスプレイを用いて構成したり、所定の表示情報がプロセス印刷されたガラス板を備え、LEDにより印刷部分に光を当てると表示情報が光って表示されるよう構成された表示装置を用いて構成したりしてもよい。この場合、ガラス基板、アクリル基板、又はガラス板が、本発明の表示部に相当する。これらの表示装置を用いて構成しても、実施形態のパチンコ遊技機1と同様の効果を奏することができる。
【0104】
また、実施形態では、演出制御基板22は、変動開始コマンド(図9のステップS415参照)を受信したことに基づいて実行する装飾図柄変動演出とともに、導光板表示装置64による「チャンス!!」の文字表示を行うよう構成したが、オープニングコマンド(図10のステップS718)を受信したことに基づいて実行する当たり演出とともに、導光板表示装置64による文字や絵柄などの表示を行うよう構成してもよい。
【0105】
なお、本実施形態における普通図柄表示器13、特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14b、普通図柄保留ランプ15、第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16bは、本発明の表示器に相当する。
本実施形態における導光板表示装置64が、本発明の表示装置に相当する。
本実施形態における導光板65が、本発明の表示部に相当する。
また、本実施形態における「チャンス」の文字やパチンコ遊技機1のスペックを紹介する文字が、本発明の表示情報に相当する。
また、本実施形態の「メイン制御基板20、演出制御基板22」が、本発明の判定手段を構成する。
本実施形態における「演出制御基板22、画像制御基板23」が、本発明の表示制御手段を構成する。
【符号の説明】
【0106】
1…パチンコ遊技機
2…遊技盤
3…遊技領域
3a…遊技球流下領域
3b…表示器配置領域
40…遊技機枠
45…窓部
64…導光板表示装置
65…導光板(表示部)
65a…第1導光板(表示部)
65b…第2導光板(表示部)
13…普通図柄表示器
14a…第1特別図柄表示器
14b…第2特別図柄表示器
15…普通図柄保留ランプ
16a…第1特別図柄保留ランプ
16b…第2特別図柄保留ランプ
20…メイン制御基板
22…演出制御基板
23…画像制御基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤を内部に収納する遊技機枠と、を備え、
前記遊技機枠は、前方から前記遊技領域を視認可能とする窓部を備え、
前記窓部に、前方から前記遊技領域を透視可能な表示部を有した表示装置が設けられた遊技機において、
当該遊技機が遊技中であるか否か判定する判定手段と、
前記表示装置を制御して前記表示部における表示情報の表示を制御する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記判定手段が遊技中でないと判定しているとき、前記表示部に所定の表示情報を表示することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記判定手段が遊技中であると判定しているとき、前記表示部に表示情報を表示しないことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技領域は、遊技球が流下する遊技球流下領域を含み、
前記表示制御手段は、前記判定手段が遊技中であると判定しているとき、前記表示部における前記遊技球流下領域の前方を除く領域に、前記所定の表示情報又は前記所定の表示情報とは異なる他の表示情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技領域は、遊技に関する情報を表示する表示器が配される表示器配置領域を含み、
前記表示制御手段は、前記判定手段が遊技中であると判定しているとき、前記表示部における前記表示器配置領域の前方を除く領域に、前記所定の表示情報又は前記所定の表示情報とは異なる他の表示情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記判定手段が遊技中でないと判定しているとき、前記表示部における前記遊技領域の前方に位置する領域又は該領域を含む領域に、前記所定の表示情報を表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の遊技機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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