遊技機
【課題】始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて複数の識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の内容が自身の選択に基づいて決定されているという実感を遊技者が持てるようにする。
【解決手段】遊技機10は、第1始動入賞領域36と第2始動入賞領域37とを備え、遊技制御装置100は、第1始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき第1始動記憶を記憶し、第2始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき第2始動記憶を記憶する始動記憶保留手段100を備えている。そして、変動表示ゲームが行われる際に、変動表示ゲームの実行に関する設定内容と、当該変動表示ゲームの実行契機となった始動記憶の種類との組み合わせに基づいて、発生させる特別遊技状態を決定する。
【解決手段】遊技機10は、第1始動入賞領域36と第2始動入賞領域37とを備え、遊技制御装置100は、第1始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき第1始動記憶を記憶し、第2始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき第2始動記憶を記憶する始動記憶保留手段100を備えている。そして、変動表示ゲームが行われる際に、変動表示ゲームの実行に関する設定内容と、当該変動表示ゲームの実行契機となった始動記憶の種類との組み合わせに基づいて、発生させる特別遊技状態を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて複数の識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて複数の識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技領域の所定位置に第1始動口を、第1始動口とは異なる位置に第2始動口を有する変動入賞装置を設け、第1始動口への遊技球の入賞を契機として第1変動表示ゲームを、第2始動口への遊技球の入賞を契機として第2変動表示ゲームをそれぞれ実行するようにしたものが知られている。
【0003】
このような遊技機の中には、変動入賞装置が入賞容易な状態となる確率の低い第1動作状態(通常動作状態)から入賞容易な状態となる確率の高い第2動作状態(時短動作状態)へ移行する制御を可能とし、変動表示ゲームが特別結果態様となる場合に、振り分けテーブルを用いて所定の確率で抽選を行い、その抽選に当選した場合に変動入賞装置を第1動作状態から第2動作状態に移行するようにし、更に、第2変動表示ゲームで特別結果態様となった場合には、第1変動表示ゲームで特別結果態様となった場合よりも上記抽選に当選する確率が高くなるよう設定された振り分けテーブルを用いることにより、遊技球をどの始動口に入賞させるかによって異なる遊技性の遊技を実現可能としたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−289795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような遊技機では、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームとで抽選に当選する確率が異なるとはいえ、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームの何れにおいても第1動作状態から第2動作状態へ移行する場合と第1動作状態が継続する場合の両方が起こり得る。すなわち、遊技者が第2動作状態への移行を期待して第2始動口へ遊技球を入賞させ、第2変動表示ゲームを実行したとしても、必ずしも遊技者が望む内容とはならず(第2動作状態へ移行せずに第1動作状態が継続し)、遊技の興趣を低下させてしまう場合があった。つまり、遊技者にとって従来の遊技機は、遊技の内容が自身の選択に基づいて決められているという実感を得にくいものであった。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて複数の識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の内容が自身の選択に基づいて決定されているという実感を遊技者が持てるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
複数の識別情報を変動させる変動表示ゲームを表示可能な装飾表示装置と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた始動入賞領域へ遊技球が入賞したことに基づいて前記変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御装置と、当該遊技制御装置からの指令情報に基づき前記変動表示ゲームの表示制御を行う演出制御装置と、を備え、
前記変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記始動入賞領域は、所定位置に設けられる第1始動入賞領域と、前記第1始動入賞領域とは異なる位置に設けられる第2始動入賞領域と、を備え、
前記遊技制御装置は、
遊技者の得られる遊技価値の異なる複数の特別遊技状態を発生可能に構成され、
前記第1始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲームの実行に関する複数の乱数を抽出して第1始動記憶として記憶し、前記第2始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき第2変動表示ゲームの実行に関する複数の乱数を抽出して第2始動記憶として記憶する始動記憶保留手段を備え、
前記変動表示ゲームが行われた際に、前記変動表示ゲームの実行に関する設定内容と、当該変動表示ゲームの実行契機となった始動記憶の種類との組み合わせに基づいて、前記特別結果態様となった場合に発生させる特別遊技状態を複数の中から何れかに決定することを特徴としている。
【0008】
ここで、「遊技者の得られる遊技価値」とは、変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となる確率が変更されることや、入賞により払い出される賞球などを指す。また、特別遊技状態の発生を契機として遊技球が入賞可能となる入賞口を備える場合には、入賞可能な状態となる時間や回数も含まれる。また、遊技球が入賞困難な状態と入賞容易な状態とに変換可能な始動入賞領域を備える場合には、入賞容易な状態に変換する時間や回数も含まれる。なお、遊技価値を得ることができる時期は特別遊技状態の発生中であってもよいし特別遊技状態の終了後であってもよい。
また、「変動表示ゲームの実行に関する設定内容」とは、変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となる確率などを指す。また、遊技球が入賞困難な状態と入賞容易な状態とに変換可能な始動入賞領域を備える場合には、入賞容易な状態に変換する確率や、入賞容易な状態に変換する時間や回数(始動入賞領域への入賞の難易度、変動表示ゲームの実行頻度)も含まれる。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、変動表示ゲームが行われる際に、当該変動表示ゲームの実行に関する設定内容と、当該変動表示ゲームの実行契機となった始動記憶の種類との組み合わせに基づいて、特別結果態様となった場合に発生させる特別遊技状態の内容を決定するので、どの設定状態にあるときに第1,第2どちらの変動表示ゲームが実行されたかによって、特別遊技状態が発生した場合に遊技者が得られる遊技価値が異なってくる。従って、遊技者がいずれの始動入賞領域を狙うかの選択が、その後に得られる遊技価値に大きく関わるようになるため、遊技の興趣を高めることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となる確率として、通常確率または該通常確率よりも前記特別結果態様となる確率の高い高確率を設定可能な確率設定手段を備え、
前記変動表示ゲームの実行に関する設定内容には、前記確率設定手段により設定された確率が含まれることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、変動表示ゲームの実行に関する設定内容には、確率設定手段により設定された確率が含まれるので、高確率に設定されているか通常確率に設定されているかによって、所望の特別遊技状態を発生可能な変動表示ゲームの実行契機となる始動入賞領域が異なってくる。従って、有利な始動入賞領域はどちらかを遊技者に推理させるという新たな遊技性が生まれる。なお、設定された確率を報知するようにすれば、どちらの始動入賞領域に入賞させれば所望の遊技価値を得られるかが分かるようになるので、遊技者は極めて有利な状態で遊技を行うことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記第2始動入賞領域は、遊技球を受け入れ難い第1状態と遊技球を受け入れ易い第2状態とに変換可能な変換部材を備え、
前記遊技制御装置は、
所定条件の成立に基づき所定の確率で抽選を行い、該抽選に当選した場合に前記変換部材を所定時間に亘って前記第2状態から前記第1状態へ変換させる制御を実行可能な変換制御実行手段と、
該抽選に当選し前記変換制御実行手段が前記変換部材の変換制御を行う確率として、第1変換確率または該第1変換確率よりも高い第2変換確率を設定可能な変換確率設定手段と、を備え、
前記変動表示ゲームの実行に関する設定内容には、前記変換確率設定手段により設定された変換確率が含まれることを特徴としている。
ここで、「所定条件の成立」とは、遊技領域に設けられた所定の始動領域(普図始動ゲート)を遊技球が通過することなどを指す。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、変換確率設定手段によって第2変換確率が設定されると、第1変換確率が設定された場合よりも変換部材が頻繁に第2状態となるので、変換部材の動作(開放頻度)をみることにより、変換確率設定手段によって設定されている確率が第1,第2どちらの変換確率であるか推測することが可能となる。また、どちらの始動入賞領域に入賞させればどの特別遊技状態が発生可能となるのか手がかりを得ることができるので遊技の興趣が高まる。なお、第2変換確率が設定された状態では、第2変動表示ゲームにおいて(第2始動入賞領域への入賞を契機として)所望の特別遊技状態が発生可能となるように設定しておくことにより、第2変動表示ゲームの回転率が上がるだけでなく、大当りとなって高い遊技価値が得られる可能性も高まるので、遊技の興趣が高まる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機において、
前記装飾表示装置は、前記遊技領域の中央部に設けられ、
前記第2始動入賞領域は、前記装飾表示装置の右側を流下する遊技球のみ入賞可能となる位置に設けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、第2始動入賞領域を遊技領域の装飾表示装置よりも右側を流下する遊技球のみ入賞可能となる位置に設けたので、遊技機に備えられる打球発射装置の操作部を、遊技球が装飾表示装置の右側を流下するように操作する(右打ちを行う)ことにより、第2始動入賞領域へ集中して遊技球を入賞させることが可能となる。また、所望の始動入賞領域に入賞させるには操作部に対する高い操作精度が必要とされるので、狙い打ちを楽しみたい遊技者にとっては遊技の興趣が高まる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機において、
前記遊技制御装置は、
前記複数の特別遊技状態として、第1特別遊技状態と、前記第1特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の小さな第2特別遊技状態と、を発生可能であり、
前記通常確率状態においては、前記第1変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となった場合に前記第1特別遊技状態を、前記第2変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となった場合に前記第2特別遊技状態を発生可能とする一方、
前記高確率状態においては、前記第1変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となった場合に前記第2特別遊技状態を、前記第2変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となった場合に前記第1特別遊技状態を発生可能とすることを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、通常確率状態においては、第1変動表示ゲームの実行により第1特別遊技状態が、第2変動表示ゲームの実行により第2特別遊技状態がそれぞれ発生可能となり、高確率状態ではその逆になるので、遊技球を入賞させた始動入賞領域が第1,第2の何れであるかにより得られる遊技価値が異なってくる。このため、遊技価値の高い第1特別遊技状態を発生させたい遊技者は、通常確率状態では第1始動入賞領域に、高確率状態では第2始動入賞領域に遊技球が入賞するよう操作部を操作するようになる。このように、大当り終了後に設定される確率状態によって、遊技者が右打ち・左打ちのどちらを行うと所望の大当りを発生させられるかを考えながら打ち分けるので、発生させたい特別遊技状態(獲得したい遊技価値)を自ら選んでいるという感覚が高まり、遊技が単調になってしまうのを防ぐことができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の遊技機において、
前記遊技制御装置は、前記特別遊技状態が終了した後に所定回数実行される変動表示ゲームにおいては、前記変動表示ゲームの種類に関わらず、停止結果態様が特別結果態様となった場合に前記第2特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の大きな第3特別遊技状態を発生させることを特徴としている。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、特別遊技状態が終了した後に所定回数実行される変動表示ゲームにおいては、変動表示ゲームの種類に関わらず、第2特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の大きな第3特別遊技状態を発生させるので、入賞させたい始動入賞領域とは異なる始動入賞領域への入賞に基づく始動記憶が特別遊技状態終了時に既に存在した場合に、特別遊技状態終了後に現在の確率状態を予測して所望の始動入賞領域へ遊技球を入賞させたにもかかわらず、存在していた始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行され、遊技者が望まない(遊技価値の低い)特別結果態様となってしまうということを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、複数の識別情報を変動させる変動表示ゲームを表示可能な装飾表示装置を備え、変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の内容が自身の選択に基づいて決定されているという実感を遊技者に持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る遊技機を示す斜視図である。
【図2】図1の遊技機に設けられる遊技盤を示す正面図である。
【図3】図1の遊技機に設けられる制御システム及び遊技制御装置を示すブロック図である。
【図4】図3の制御システムにおける演出制御装置のブロック図である。
【図5】特図変動表示ゲームの結果が大当りA、Bとなるための条件について説明する図である。
【図6】図3の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行されるメイン処理のフローチャートである。
【図7】図6の続きを示すフローチャートである。
【図8】図3の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行されるタイマ割込み処理のフローチャートである。
【図9】図8のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理のフローチャートである。
【図10】図9の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
【図11】図10の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理のフローチャートである。
【図12】図11の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理のフローチャートである。
【図13】図9の特図ゲーム処理における特図普段処理のフローチャートである。
【図14】図13の特図普段処理における特図1変動開始処理のフローチャートである。
【図15】図14の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理のフローチャートである。
【図16】図15の特図1停止図柄設定処理における停止図柄情報設定処理のフローチャートである。
【図17】確率変動判定フラグについて説明するである。
【図18】図13の特図普段処理における特図2変動開始処理のフローチャートである。
【図19】図18の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理のフローチャートである。
【図20】図9の特図ゲーム処理における大当り終了処理のフローチャートである。
【図21】図20の大当り終了処理における大当り終了設定処理1のフローチャートである。
【図22】図20の大当り終了処理における大当り終了設定処理2のフローチャートである。
【図23】図20の大当り終了処理における大当り終了設定処理3のフローチャートである。
【図24】特図変動表示ゲームの結果が大当りA,Bとなる場合に遊技者が得られる遊技価値の設定例について説明する図である。
【図25】図24の設定例の変形例について説明する図である。
【図26】本発明の第2実施形態の遊技用マイコンによって実行される特図1停止図柄設定処理のフローチャートである。
【図27】特図変動表示ゲームの結果が大当りA,Bとなる場合に遊技者が得られる遊技価値の設定例について説明する図である。
【図28】図27の設定例の変形例について説明する図である。
【図29】本発明の第3実施形態に係る遊技盤を示す正面図である。
【図30】同実施形態の遊技用マイコンによって実行される特図1停止図柄設定処理のフローチャートである。
【図31】同実施形態の特図2停止図柄設定処理のフローチャートである。
【図32】同実施形態の遊技盤の変形例を示す正面図である。
【図33】本発明の第4実施形態に係る演出制御装置の主制御用マイコンによって実行される1stメイン処理のフローチャートである。
【図34】同実施形態の演出制御装置の映像制御用マイコンによって実行される2ndメイン処理のフローチャートである。
【図35】図34の2ndメイン処理における通常ゲーム処理のフローチャートである。
【図36】同実施形態の表示装置に表示する演出例について説明する図である。
【図37】同実施形態の確率状態示唆演出実行処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技機の斜視図である。
【0023】
本実施形態の遊技機10は、本体枠(外枠)11及び前面枠(内枠)12を備え、該前面枠12は本体枠11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
【0024】
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
【0025】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
【0026】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域30aに向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
【0027】
次に、遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域30aが形成されている。遊技領域30aは、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域30aの中央部には、開口部40aが形成された枠状のセンターケース40が配置されている。表示装置41(装飾表示装置41)は、センターケース40に設けられた開口部40aに、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は、表示装置41の表示面41aの周囲を囲うとともに、表示面よりも前方へ突出するように形成されていることになり、表示装置41は、遊技領域30aの中央部に設けられていることになる。
【0028】
センターケース40の左側部には、センターケース40の外側と内側(開口部40a)とを連通するワープ流路40bが形成されており、センターケース40の左側を流下する遊技球を、開口部40a内に誘導してセンターケース40下部に形成されたステージ40c上を左右方向に転動させた後、ステージ40c中央部に形成された落下口40dからセンターケース40の下方に落下させることが可能となっている。また、センターケース40の右上部には、右打ち規制部40eが上方へ盛り上がるように形成され、右打ち規制部40eの上面とその上方のガイドレール31との間が遊技球の直径より若干大きい程度に狭めている。右打ち規制部40eの左側面は遊技球をはね返すはね返し壁40fとなっている。
【0029】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0030】
遊技領域30aにおけるセンターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、遊技領域30aにおけるセンターケース40の右側には、遊技球が通過可能な普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が配設され、普通図柄始動ゲート34の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第2始動入賞口を内部に有する普通変動入賞装置(普電、第2始動入賞領域)37が配設されている。
普通図柄始動ゲート34および普通変動入賞装置37は、センターケース40の右側且つ、センターケース40の下端よりも上方に位置しており、センターケース40の右側を流下する(右打ちした)遊技球のみが通過若しくは入賞可能となっている。センターケース40の内側には表示装置41が設けられているので、普通変動入賞装置37は、表示装置41の右側を流下する遊技球のみ入賞可能となる位置に設けられていることになる。
【0031】
普通変動入賞装置37は、遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた遊技球を受け入れ難い状態(第1状態)と、上部に逆「ハ」の字状に開いた遊技球を受け入れ易い状態(第2状態)とに変換可能な一対の可動部材(変換部材)37b、37bを備えている。この一対の可動部材37b,37bは、常時は閉じた状態を保持しており、その上方には障害物37dが設けられているので、可動部材37b,37bが閉じた状態では、遊技球が入賞できないよう(遊技者にとって不利な状態)になっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、可動部材37b,37bが開いた状態になり、普通変動入賞装置37に遊技球が流入可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化するようになっている。
【0032】
また、遊技領域30aにおけるセンターケース40の落下口40dの下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が配設され、始動入賞口36の下方には、特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
始動入賞口36および特別変動入賞装置38は、センターケース40の下方に位置しているので、センターケースの右側、左側の何れを流下する遊技球も入賞可能となっている。ただし、センターケースの右側を流下する遊技球はこれらに入賞する前に普通変動入賞装置37に入賞する可能性があり、センターケース40の左側を流下する遊技球はワープ流路40cを通り落下口40dから落下して始動入賞口36に入賞する可能性があるので、始動入賞口36へ入賞する可能性は、センターケースの右側よりも左側を流下させた(左打ちした)方が高くなっている。
【0033】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉扉38cを閉じた状態(遊技球を受け入れない遊技者にとって不利な状態)から大入賞口を開放した状態(遊技球を受け入れ可能な遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を可能にし、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出するカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
【0034】
遊技領域30aにおける特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域30aの外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0035】
一括表示装置50は、図2に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
【0036】
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0037】
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0038】
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
【0039】
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
【0040】
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
【0041】
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
【0042】
エラー表示器58は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
【0043】
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0044】
本実施形態の遊技機10では、図示しない打球発射装置から遊技領域30aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打球発射装置は、操作部24の回動量が大きくなるほど遊技球を速く打ち出す(遠くに飛ばす)ように構成されている。このため、操作部24の回動量が小さい場合は打球発射装置から発射される遊技球の速度が遅いので、発射された遊技球は、センターケース40の左側部やはね返し壁40f等に当たってセンターケース40の左側を流下する(左打ちとなる)。一方、操作部24の回動量が大きい場合は打球発射装置から発射される遊技球の速度が速いので、発射された遊技球は、ガイドレール31に沿ってセンターケース40の上を飛び越え、センターケース40の右側を流下する(右打ちとなる)。
【0045】
遊技領域30aに打ち出された遊技球は、遊技領域30a内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域30aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域30aの最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
【0046】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域30a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
【0047】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0048】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0049】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54、55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
【0050】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される特別図柄の停止結果態様も特別結果態様となる。
【0051】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0052】
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
【0053】
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0054】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0055】
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0056】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0057】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0058】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0059】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0060】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0061】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
【0062】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0063】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0064】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0065】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0066】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機10全体の制御を行う。
また、図示は省略するが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0067】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
【0068】
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0069】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0070】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0071】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0072】
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0073】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0074】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0075】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0076】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0077】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0078】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0079】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0080】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0081】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0082】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0083】
次に、演出制御装置300について説明する。図4は、演出制御装置300の構成を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0084】
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
【0085】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
【0086】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0087】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0088】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0089】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0090】
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
【0091】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0092】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0093】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100は、所定条件の成立に基づき所定の確率で抽選を行い、該抽選に当選した場合に変換部材を所定時間に亘って第2状態から第1状態へ変換させる制御を実行可能な変換制御実行手段として機能している。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0094】
また、遊技制御装置100は、遊技状態として、普図変動表示ゲームが当り結果となる確率が低確率(第1変換確率)である普図低確率状態と、低確率に比べて高い高確率(第2変換確率)である普図高確率状態の何れかを設定可能となっている。
【0095】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
【0096】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
【0097】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が特別結果(当り)の場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0098】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、確変状態が発生してから所定回数の特図変動表示ゲームが実行されると確変状態を終了する制御を行う。この確変状態終了までの変動表示ゲームの実行回数は、特図変動表示ゲームの結果態様毎に異なる値が設定される。
【0099】
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41の表示内容やスピーカ19a,19bから出力する音声、各種LEDの発光を制御して、確変状態が発生しているか否か(確率状態が低確率状態であるか高確率状態であるか)を遊技者に報知する制御を実行可能となっている。この確変状態発生を報知する制御は、所定タイミングで行われる抽選に当選したり、所定条件が成立したりした場合に行われる。以下、演出制御装置300が確変状態発生を報知する制御を行っている状態を報知モード、報知しない制御を行っている状態を非報知モードと称する。
【0100】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御される。この時短状態により、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。なお、時短状態発生の有無は、普通変動入賞装置37の動作状態(開放時間、開放頻度)を見ることにより知ることができる。
また、遊技制御装置100は、時短状態が発生してから所定回数の特図変動表示ゲームが実行されると時短状態を終了する制御を行う。時短状態終了までの変動表示ゲームの実行回数は、特図変動表示ゲームの結果態様毎に異なる値が設定される。
【0101】
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。
また、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
【0102】
また、遊技制御装置100は、遊技者の得られる遊技価値の異なる複数の特別遊技状態を発生可能に構成されている。具体的には、特図変動表示ゲームの特別結果には複数の種類が設定されており、特別結果毎に特別遊技状態の発生を契機として遊技者に付与する遊技価値(特別遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値)が異なっている。なお、特別遊技状態の実行態様とは、実行可能なラウンド数や大入賞口の開放時間を指す。また、付加遊技価値とは、特別遊技状態の終了後の高確率状態発生の有無や、特別遊技状態の終了後の時短状態発生の有無、確変状態や時短状態が発生する場合の継続期間を指す。
【0103】
また、特図変動表示ゲームの結果が特別結果となるかはずれとなるかは、始動入賞球の検出時に特図始動記憶として記憶された大当り乱数に基づいて決定される。そして、特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合には、複数設定された特別結果のうちどの特別結果とするかが決定される。本実施形態では、特別結果になると判定されたときの時短状態発生の有無により特別結果の決定方法が異なるようにしてある。具体的には、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になると判定したときに時短状態が発生していなければ、特図始動記憶として記憶されている大当り図柄乱数に基づいて特別結果の内容を選択する。
一方、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になると判定したときに時短状態が発生していれば、そのときの特図変動表示ゲームの確率状態および当該特図変動表示ゲームが始動入賞口36と普通変動入賞装置37のどちらの入賞を契機とするものであるか(第1特図変動表示ゲームであるか第2特図変動表示ゲームであるか)に基づいて特別結果の内容を選択する。なお、遊技開始当初は時短状態が発生していないので、遊技開始後最初の大当り(初当り)として大当りA,Bが選択されることはない。
【0104】
本実施形態では、時短状態が発生している場合に選択可能な特別結果として、図5に示すように、大当りA、大当りBの2種類の大当りが設定されている。
大当りAは、時短中(時短状態かつ低確率状態)において、第1特図変動表示ゲームの結果が大当りとなると判定された場合、若しくは、電サポ付き確変中(時短状態かつ高確率状態)において、第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合に選択される。
大当りBは、電サポ付き確変中において、第1特図変動表示ゲームの結果が大当りとなると判定された場合、若しくは、時短中において、第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合に選択される。
【0105】
また、大当りAに当選すると第1特別遊技状態が発生し、大当りBに当選すると第2特別遊技状態が発生する。第1特別遊技状態と第2特別遊技状態は、遊技者に付与する遊技価値がそれぞれ異なるように(基本的に一方の遊技価値が他方より高くなるように)その内容が設定されている。この設定内容については後述する。
【0106】
このような設定とすることにより、遊技制御装置100は、複数の特別遊技状態として、第1特別遊技状態と、前記第1特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の小さな第2特別遊技状態と、を発生可能に構成されていることになる。また、遊技制御装置100は、通常確率状態においては、第1変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となった場合に第1特別遊技状態を、第2変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となった場合に第2特別遊技状態を発生させる一方、高確率状態においては、第1変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となった場合に第2特別遊技状態を、第2変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となった場合に第1特別遊技状態を発生させる機能を有していることになる。
【0107】
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6及び図7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図8に示すタイマ割込み処理とからなる。
【0108】
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行なってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0109】
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0110】
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがONしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがOFF(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内に複数設けられている停電検査領域のうち、停電検査領域1のデータの値をチェックし(ステップS10)、停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるか否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であると判定した場合(ステップS11;Yes)には、停電検査領域2のデータの値をチェックし(ステップS12)、停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるか否かの判定を行う(ステップS13)。このステップS13で停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、チェックサムと呼ばれるデータを算出する処理(ステップS14)を行い、算出したチェックサムと電源遮断時のチェックサムとを比較して(ステップS15)、値が一致するか否かを判定する(ステップS16)。
【0111】
また、ステップS9で初期化スイッチがONと判定した場合(ステップS9;Yes)、ステップS11で停電検査領域1の値が正常でないと判定した場合(ステップS11;No)、ステップS13で停電検査領域2の値が正常でないと判定した場合(ステップS13;No)、或いは、ステップS16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップS16;No)には、図7のステップS24へジャンプする。
【0112】
また、ステップS16でチェックサムが一致すると判定した場合(ステップS16;Yes)には、図7のステップS17へ移行して、全ての停電検査領域をクリアする処理(ステップS17)、チェックサム領域をクリアする処理(ステップS18)を行ってから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
【0113】
また、ステップS20で高確率であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(第4出力ポート136)にセーブして(ステップS22)、ステップS23へ移行する。ステップS23では、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを送信してステップS29へ進む。
【0114】
一方、ステップS9,S11,S13,S16からステップS24へジャンプした場合には、まずCPU111Aが使用するRAM内の、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアする処理(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする処理(ステップS25)を行ってから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。それから、RWMをクリアしたことに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS28)を行って、ステップS29へ進む。
【0115】
ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)
回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ms)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0116】
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0117】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0118】
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップS34)。そして、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックし、停電監視信号がONであるか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップS35;No)には、ステップS33に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0119】
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0120】
上記ステップS35において、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップS35;Yes)には、設定したチェック回数の分だけONが継続されたか否かを判定する(ステップS36)。そして、継続されなかったと判定した場合(ステップS36;No)には、ステップS35に戻り、停電が発生したか否かの判定(ループ処理)を繰り返し行う。また、ステップS36において、継続されたと判定した場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブする処理(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする処理(ステップS40)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)を行った後、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブして(ステップS42)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、停電等に伴う遊技機10の電源遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを、遊技機10の電源再投入時に判断することができる。
【0121】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図8のタイマ割込み処理が開始される。
【0122】
タイマ割込み処理においては、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
【0123】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。なお、特図ゲーム処理の詳細については後述する。
【0124】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行なって、タイマ割込み処理を終了する。
【0125】
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0126】
図9に示すように、特図ゲーム処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。この始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
【0127】
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
【0128】
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。この特図普段処理の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
【0129】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定、確変状態や時短状態を終了するための設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
【0130】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。この大当り終了処理の詳細については後述する。
【0131】
そして、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
【0132】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。
図10に示すように、始動口スイッチ監視処理では、まず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。この特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
【0133】
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定(ステップA113)する。ここで、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
【0134】
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0135】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。
特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
【0136】
図11に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブする(ステップA203)。
【0137】
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして(ステップA204)、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
【0138】
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。ここで、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA210)を行う。続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA211)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行う。
【0139】
続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA214)を行った後、大当り乱数を抽出し、準備する(ステップA215)。そして、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。そして、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA217)、大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA218)。次に、対応する変動パターン乱数1を抽出し、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA220)、次に、対応する変動パターン乱数3を抽出し、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(ステップA221)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA222)を行う。この特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
【0140】
続けて、ステップA203でセーブした始動口入賞フラグをロード(ステップA223)し、特図保留数の合計に対応する変動順序フラグセーブ領域のアドレスを算出(ステップA224)する。そして、ロードした始動口入賞フラグを変動順序フラグとして変動順序フラグセーブ領域にセーブして(ステップA225)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0141】
ステップA215〜A221でセーブされた一組の各種乱数が一個の始動記憶となる。本処理が始動入賞口36への入賞に基づいて行われればこの各種乱数は第1始動記憶となり、普通変動入賞装置37への入賞に基づいて行われれば第2始動記憶となる。従って、遊技制御装置100は、第1始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲームの実行に関する複数の乱数を抽出して第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき第2変動表示ゲームの実行に関する複数の乱数を抽出して第2始動記憶として記憶する始動記憶保留手段として機能することになる。
【0142】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA222)の詳細について説明する。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
【0143】
図12に示すように、特図保留情報判定処理では、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェックする(ステップA231)。
ここで、「先読み演出を実行してよい条件」とは、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であること、又は当該始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力の場合には、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中でない、すなわち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)でなく、且つ、大当り中でないことを意味する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
【0144】
そして、ステップA232にて、先読み演出を実行してよい条件を満たしていない場合(ステップA232;No)は、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合(ステップA232;Yes)は、大当り判定処理(ステップA233)を行う。この大当り判定処理では、始動記憶として記憶された大当り判定用の乱数を用いて、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるか否かを判定する。
【0145】
そして、ステップA233における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA234;Yes)には、監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA235)、大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA236)、ステップA238へ移行する。
一方、ステップA234における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA234;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA237)、ステップA238へ移行する。
【0146】
続けて、ステップA238では、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA238)。次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA239)。
【0147】
続けて、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA240)、監視対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備し(ステップA241)、特図情報設定処理(ステップA242)、後半変動パターン設定処理(ステップA243)、変動パターン設定処理(ステップA244)を行う。
そして、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE:遊技結果情報)を算出し、準備し(ステップA245)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION:遊技結果情報)として準備して(ステップA246)、コマンド設定処理(ステップA247)を行う。
【0148】
続けて、始動口入賞演出図柄コマンド(遊技結果情報)をロードし、準備して(ステップA248)、コマンド設定処理(ステップA249)を行い、特図保留情報判定処理を終了する。この始動口入賞演出図柄コマンドは演出制御装置300に送られ、保留の表示態様を設定するのに用いられる。
【0149】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理(図9参照)における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図13に示すように、特図普段処理では、まず、特図1保留数(第1始動記憶数)と特図2保留数(第2始動記憶数)が共に0であるかをチェックする(ステップA301)。ここで、特図1保留数、特図2保留数が共に0ではない、すなわち、第1始動記憶、第2始動記憶の何れかが少なくとも1つ以上記憶されていると判定した場合(ステップA302;No)は、RWMの変動順序フラグセーブ領域から最先の変動順序フラグをロード(ステップA303)し、この変動順序フラグが第1特図変動表示ゲームの開始を示しているかをチェック(ステップA304)する。
【0150】
ステップA305にて、変動表示フラグが第1特図変動表示ゲームの開始を示すものであると判定した場合(ステップA305;Yes)は、特図1変動開始処理(ステップA306)を行う。この特図1変動開始処理の詳細については後述する。そして、特図変動中処理移行設定処理(ステップA307)を行い、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA305にて、変動表示フラグが第1特図変動表示ゲームの開始を示すものではない、すなわち第2特図変動表示ゲームの開始を示すものであると判定した場合(ステップA305;No)は、特図2変動開始処理(ステップA308)を行う。この特図2変動開始処理の詳細については後述する。そして、特図変動中処理移行設定処理(ステップA309)を行い、特図普段処理を終了する。
【0151】
ステップA302にて、特図1保留数、特図2保留数が共に0であると判定した場合(ステップA302;Yes)は、既に客待ちデモが開始されているかをチェック(ステップA310)する。ここで、客待ちデモが開始されていない、即ち、開始済みでないと判定した場合(ステップA311;No)は、客待ちデモフラグを客待ちデモ中に設定する処理(ステップA312)を行う。そして、客待ちデモコマンドを準備(ステップA313)し、コマンド設定処理(ステップA314)を行う。そして、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA315)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
【0152】
一方、ステップA305にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずに特図普段処理を終了する。
以上の処理により、遊技球が、始動入賞口36と普通変動入賞装置37のどちらに入賞したのかに関係なく、入賞のあった順に(特図始動口スイッチ共通処理で付けられた順番どおりに)第1特図変動表示ゲームまたは第2特図変動表示ゲームが実行される。
【0153】
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA306)の詳細について説明する。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図14に示すように、まず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA321)を行う。
【0154】
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA322)を行う。この特図1停止図柄設定処理の詳細については後述する。そして、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA323)。
続いて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA324)。
【0155】
次に、特図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA325)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA326)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備して(ステップA327)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA328)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA329)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA330)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA331)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
【0156】
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA322)の詳細について説明する。
特図1停止図柄設定処理は、第1特図変動表示ゲームにおける停止図柄を設定する処理であり、図15に示すように、まず、大当りフラグ1が大当りを示すものであるか否か、即ち、大当り情報がセーブされているかをチェック(ステップA341)する。ここで、大当りフラグ1が大当りを示すものであると判定した場合(ステップA342;Yes)は、特図1の大当り図柄情報テーブルを設定(ステップA343)して、普電サポートが行われているか否か(時短状態が発生しているか否か)を判定(ステップA344)する。ここで、普電サポートが行われていないと判定した場合(ステップA344;No)は、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域(特図1用)から大当り図柄乱数をロード(ステップA345)し、この大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得・準備(ステップA346)する。そして、取得した停止図柄番号をRWMの特図1停止図柄領域にセーブ(ステップA347)し、停止図柄情報設定処理(ステップA351)を行う。この停止図柄情報設定処理の詳細については後述する。
【0157】
ステップA344にて、普電サポートが行われていると判定した場合(ステップA344;Yes)は、特図の確率状態が高確率状態になっているか否かを判定(ステップA348)する。ここで、高確率状態になっていないと判定した場合(ステップA348;No)は、大当りAに対応する停止図柄番号を準備(ステップA349)して、ステップA351以降の処理を行う。一方、高確率状態になっていると判定した場合(ステップA348;Yes)は、大当りBに対応する停止図柄番号を準備(ステップA350)して、ステップA351以降の処理を行う。
【0158】
ステップA342にて、大当りフラグ1が大当りを示すものではない、すなわち、はずれを示すものであると判定した場合(ステップA342;No)は、はずれ時の停止図柄番号をRWMの特図1停止図柄領域にセーブ(ステップA352)する。そして、はずれ時の図柄情報をRWMの図柄情報領域にセーブ(ステップA353)する。
【0159】
ステップA351またはステップA353の処理を行った後は、飾り特図コマンドテーブルを設定(ステップA354)する。そして、図柄情報に対応する飾り特図1コマンド(ACTION)を取得(ステップA355)し、飾り特図1コマンド(MODE)を設定(ステップA356)する。そして、これらのコマンドをRWMの飾り特図コマンド領域にセーブ(ステップA357)し、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域(特図1用)を0クリアして(ステップA358)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
【0160】
この処理により、普電サポート状態(時短状態)において第1特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、そのときの確率状態が高確率状態であれば大当りBとなり、低確率状態であれば大当りAとなる。
なお、普電サポート状態は、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が低確率のままであっても、普図変動表示ゲームの実行時間として第2の変動表示時間が、普通変動入賞装置37の開放時間として第2開放時間が、普通変動入賞装置37の開放回数として第2開放回数がそれぞれ設定されている状態を含んでもよい。
【0161】
〔停止図柄情報設定処理〕
次に、上述の特図1停止図柄設定処理における停止図柄情報設定処理(ステップA351)の詳細について説明する。
図16に示すように、停止図柄情報設定処理では、まず、上記特図1停止図柄設定処理のステップA347、A349,A350の何れかで準備された停止図柄番号を大当り図柄情報テーブルに参照し、対応する図柄情報、確率変動判定フラグ、ラウンド数上限値情報、大入賞口開放情報、時短変動回数情報をそれぞれ取得して、RWMの図柄情報領域、確率変動判定フラグ領域、ラウンド数上限値情報領域、大入賞口開放情報領域、時短変動回数情報領域にそれぞれセーブ(ステップA361〜A365)する。なお、時短変動回数は、特別遊技状態の終了後、時短状態で実行される特図変動表示ゲームの回数を示している。
【0162】
ここで、ステップA362の確率変動判定フラグについて説明する。確率変動判定フラグは、特図、普図の確率状態や普図変動表示ゲームの実行態様、普通変動入賞装置37の動作態様を決定するためのフラグで、本実施形態では、図17に示すように0,1,2の3種類が設定されている。
確率変動判定フラグが0に設定されると、特図ゲームモードフラグが低確率状態かつ時短状態を示すように設定され、普図ゲームモードフラグが普図高確率かつ普電サポート状態を示すように設定される。
確率変動判定フラグが1に設定されると、特図ゲームモードフラグが高確率状態かつ時短状態を示すように設定され、普図ゲームモードフラグが普図高確率かつ普電サポート状態を示すように設定される。
確率変動判定フラグが2に設定されると、特図ゲームモードフラグが高確率状態かつ時短なし状態を示すように設定され、普図ゲームモードフラグが普図低確率かつ普電サポートなし状態を示すように設定される。
【0163】
図16の説明に戻る。ステップA361〜A365で各種情報を取得・セーブした後は、確率変動判定フラグが特図高確率を示すものであるか否か、すなわち、確率変動判定フラグが1または2となっているか否かを判定(ステップA366)する。ここで、確率変動判定フラグが特図高確率を示すものではないと判定した場合(ステップA366;No)は、停止図柄情報設定処理を終了する。一方、確率変動判定フラグが特図高確率を示すものであると判定した場合(ステップA366;Yes)は、停止図柄番号に対応する高確ST変動回数情報を取得し、RWMの高確ST変動回数情報領域にセーブ(ステップA367)して、停止図柄情報設定処理を終了する。この高確ST変動回数は、特別遊技状態の終了後、確変状態で実行される特図変動表示ゲームの回数を示している。
【0164】
この処理により、大当りとなり特別遊技状態が発生した場合に遊技者に付与する遊技価値の内容が決定される。この内容を決定するための停止図柄番号は、大当りの種類に応じて決まるものであり、特に、大当りのうち大当りA,Bに対応する停止図柄番号は、上記の特図1停止図柄設定処理および後述する特図2停止図柄設定処理において、時短状態と確変状態の発生の有無によって決定される。つまり、遊技制御装置100は、変動表示ゲームが行われる際に、変動表示ゲームの実行に関する設定内容と、当該変動表示ゲームの実行契機となった始動記憶の種類との組み合わせに基づいて、特別結果態様となった場合に発生させる特別遊技状態を複数の中から何れかに決定する機能を有していることになり、変動表示ゲームの実行に関する設定内容には、確率設定手段により設定された確率と変換確率設定手段により設定された変換確率が含まれることになる。
【0165】
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理(図13参照)における特図2変動開始処理(ステップA308)の詳細について説明する。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図18に示すように、まず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA371)を行う。
【0166】
次に、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA372)を行う。特図2停止図柄設定処理の詳細については後述する。そして、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA373)。
続いて、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA374)。
【0167】
次に、特図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA375)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA376)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図2用)を準備して(ステップA377)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA378)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA379)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA380)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA381)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
【0168】
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA322)の詳細について説明する。
特図2停止図柄設定処理は、第2特図変動表示ゲームにおける停止図柄を設定する処理であり、図19に示すように、まず、大当りフラグ2が大当りを示すものであるか否か、即ち、大当り情報がセーブされているかをチェック(ステップA391)する。ここで、大当りフラグ2が大当りを示すものであると判定した場合(ステップA392;Yes)は、特図2の大当り図柄情報テーブルを設定(ステップA393)し、普電サポートが行われているか否か(時短状態が発生しているか否か)を判定(ステップA394)する。ここで、普電サポートが行われていないと判定した場合(ステップA394;No)は、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域(特図2用)から大当り図柄乱数をロード(ステップA395)し、この大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得・準備(ステップA396)する。そして、取得した停止図柄番号をRWMの特図2停止図柄領域にセーブ(ステップA397)し、停止図柄情報設定処理(ステップA401)を行う。この停止図柄情報設定処理は、前述した特図1停止図柄設定処理のステップA351における処理と同様である。
【0169】
ステップA394にて、普電サポートが行われていると判定した場合(ステップA394;Yes)は、特図の確率状態が高確率状態になっているか否かを判定(ステップA398)する。ここで、高確率状態になっていないと判定した場合(ステップA398;No)は、大当りBに対応する停止図柄番号を準備(ステップA399)して、ステップA401以降の処理を行う。一方、高確率状態になっていると判定した場合(ステップA398;Yes)は、大当りAに対応する停止図柄番号を準備(ステップA400)して、ステップA401以降の処理を行う。
【0170】
ステップA392にて、大当りフラグ2が大当りが大当りを示すものではない、すなわち、はずれを示すものであると判定した場合(ステップA392;No)は、はずれ時の停止図柄番号をRWMの特図2停止図柄領域にセーブ(ステップA402)する。そして、はずれ時の図柄情報をRWMの図柄情報領域にセーブ(ステップA403)する。
【0171】
ステップA401またはステップA403の処理を行った後は、飾り特図コマンドテーブルを設定(ステップA404)する。そして、図柄情報に対応する飾り特図2コマンド(ACTION)を取得(ステップA405)し、飾り特図2コマンド(MODE)を設定(ステップA406)する。そして、これらのコマンドをRWMの飾り特図コマンド領域にセーブ(ステップA407)し、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域(特図2用)を0クリアして(ステップA408)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
【0172】
この処理により、普電サポート状態(時短状態)において第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、そのときの確率状態が高確率状態であれば大当りAとなり、低確率状態であれば大当りBとなる。
【0173】
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理(図9参照)における大当り終了処理(ステップA15)について説明する。
図20に示すように、大当り終了処理では、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果態様の種類に基づき設定される確率変動判定フラグをロード(ステップA501)し、確率変動判定フラグによる分岐処理(ステップA502)を行う。
【0174】
確率変動判定フラグが「0」である、すなわち、特別遊技状態の終了後に特図低確率状態および時短状態を発生させる場合は、大当り終了設定処理1(ステップA503)を行う。また、確率変動判定フラグが「1」である、すなわち、特別遊技状態の終了後に特図高確率状態および時短状態を発生させる場合は、大当り終了設定処理2(ステップA504)を行う。また、確率変動判定フラグが「2」である、すなわち、特別遊技状態の終了後に特図高確率状態を発生させ時短状態を発生させない場合は、大当り終了設定処理3(ステップA505)を行う。この大当り終了設定処理1〜3の詳細については後述する。
【0175】
大当り終了設定処理1〜3の何れかを行った後は、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備(ステップA506)し、コマンド設定処理(ステップA507)を行う。確率情報コマンドは後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、この情報に基づき演出内容を設定する。そして、特図普段処理移行設定処理2(ステップA508)を行い、大当り終了処理を終了する。特図普段処理移行設定処理2(ステップA508)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
【0176】
〔大当り終了設定処理1〕
次に、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA503)について説明する。
図21に示すように、大当り終了設定処理1では、まず、時短状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブ(ステップA511)し、時短状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブ(ステップA512)する。次に、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブ(ステップA513)し、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率状態かつ普電サポート状態を示すフラグをセーブ(ステップA514)する。そして、特図ゲームモードフラグ領域に低確率状態かつ時短状態を示すフラグをセーブ(ステップA515)し、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブ(ステップA516)する。その後、RWMの時短変動回数領域に、停止図柄情報設定処理(図16参照)においてセーブされた時短変動回数情報に基づく時短変動回数初期値をセーブ(ステップA517)し、大当り終了設定処理1を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、所定回数(時短変動回数)の特図変動表示ゲームが実行されるまで時短状態が発生する。
【0177】
〔大当り終了設定処理2〕
次に、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA504)について説明する。
図22に示すように、大当り終了設定処理2では、まず、高確率状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブ(ステップA521)し、高確率状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブ(ステップA522)する。次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブ(ステップA523)し、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率状態かつ普電サポート状態を示すフラグをセーブ(ステップA524)する。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率状態かつ時短状態を示すフラグをセーブ(ステップA525)し、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブ(ステップA526)する。その後、RWMの時短変動回数領域に、時短変動回数情報に基づく時短変動回数初期値をセーブ(ステップA527)し、特図高確ST回数領域に、停止図柄情報設定処理(図16参照)においてセーブされた高確ST回数情報に基づく高確ST回数初期値をセーブ(ステップA528)して、大当り終了設定処理2を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、所定回数(高確ST回数)の特図変動表示ゲームが実行されるまで確変状態が発生するとともに、所定回数(時短変動回数)の特図変動表示ゲームが実行されるまで時短状態が発生する。
【0178】
〔大当り終了設定処理3〕
次に、上述の大当り終了処理(図23参照)における大当り終了設定処理3(ステップA505)について説明する。
図23に示すように、大当り終了設定処理3では、まず、潜伏確変状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブ(ステップA531)し、潜伏確変状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブ(ステップA532)する。次に、遊技状態表示番号領域に潜伏確変時の番号をセーブ(ステップA533)し、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率状態かつ普電サポートなし状態を示すフラグをセーブ(ステップA534)する。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率状態かつ時短なし状態を示すフラグをセーブ(ステップA535)し、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏確変)をセーブ(ステップA536)する。その後、時短変動回数領域をリセット(ステップA537)し、特図高確ST回数領域に高確ST回数初期値をセーブ(ステップA538)して、大当り終了設定処理3を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、所定回数(高確ST回数)の特図変動表示ゲームが実行されるまで確変状態が発生する。
【0179】
上記大当り終了設定処理2,3により、特別遊技状態の終了後に、特図変動表示ゲームで大当りとなる確率として高確率が設定される。そして、詳細は省略するが、所定回数(高確ST回数)目の特図表示中処理(ステップA11)で低確率が設定される。これらの処理を行うことにより、遊技制御装置100は、変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となる確率として、通常確率と、通常確率よりも前記特別結果態様となる確率の高い高確率と、を設定可能な確率設定手段として機能する。
また、上記大当り終了処理1,2により、特別遊技状態の終了後に、普図変動表示ゲームで当りとなる確率として高確率が設定される。そして、詳細は省略するが、所定回数(時短変動回数)目の特図表示中処理(ステップA11)で低確率が設定される。これらの処理を行うことにより、遊技制御装置は、抽選に当選し前記変換制御実行手段が前記変換部材の制御を行う確率として、第1変換確率と、前記第1変換確率状態よりも高い第2変換確率と、を設定可能な変換確率設定手段として機能する。
【0180】
次に、大当りに当選した場合に、遊技者に付与する遊技価値(特別遊技状態の実行態様および遊技者に付与する付加遊技価値)の具体的な設定例について説明する。
前述した大当り図柄情報テーブル(図15,19参照)には、特別遊技状態となった場合に遊技者に付与する遊技価値の内容を示す情報(ラウンド数上限値情報、確率変動判定フラグ、時短変動回数情報、高確ST回数情報)が大当りの種類毎に複数設定されており、大当りの種類が決定されると、大当り図柄情報テーブルから当選した大当りに対応する情報が取得され、この情報に基づいて遊技価値が付与されるようになっている。図24には、大当りAまたはBに当選した場合の設定例を示した。なお、以下の説明は、大当りA,Bの発生条件(図5参照)は遊技者にとって既知の情報であるものとして説明する。
【0181】
図24(a)は、最も基本的な設定例として、一方の大当り(ここでは大当りA)を他方(大当りB)よりも遊技者に有利に設定した場合を示したものである。具体的には、大当りAとなる場合の特別遊技状態(第1特別遊技状態)のラウンド数(ラウンド数上限値)を16に設定し、確率変動判定フラグを1(高確率状態および時短状態の発生)、時短状態が終了となるまでに実行される特図変動表示ゲームの回数(時短変動回数)および高確率状態が終了となるまでに実行される特図変動表示ゲームの回数(高確ST回数)をそれぞれ70回に設定している。一方、大当りBとなる場合の特別遊技状態(第2特別遊技状態)の実行態様として特別遊技状態のラウンド数を16に設定し、付加遊技価値として、確率変動判定フラグを0(低確率、時短)、時短変動回数を70回に設定している。大当りBの場合、確率状態が低確率状態となるので高確ST回数は設定していない。
【0182】
このような設定とすることにより、大当りAとBとでは、高確率状態が発生する点において、大当りAに当選した方が遊技者にとって有利になる。このため、非報知モードの場合には、始動入賞高36と普通変動入賞装置37のどちらに入賞させれば大当りAに当選するのか推理する楽しみが生まれ遊技の興趣が高まる。
また、前述したように、本実施形態の遊技盤30は、始動入賞口36または普通変動入賞装置37への狙い打ちが高い確率で成功するよう構成されているので、報知モードであれば、遊技者は大当りAを発生可能な特図変動表示ゲームの実行契機となる始動入賞口を狙って遊技球を打つことができる。こうすれば、高確率状態の継続期間が決められていても、その期間内に再び大当りAに当選して高確率状態が長続きし易くなる。このため、初当り(時短状態や確変状態が発生すること)のうれしさが一層大きくなるし、低確率状態に転落する心配をすることなく安心して遊技を楽しむことができる。
なお、報知モードの発生率が高すぎると、遊技が特定の始動入賞口を狙うだけのつまらないものとなってしまい、有利な大当りの有り難味が薄れてしまうため、報知モードの発生率は低く抑えておくのが好ましい。
【0183】
図24(b)は、大当りAと大当りBにそれぞれ異なる利点を持たせた場合を示したものである。具体的には、確率変動判定フラグ、ラウンド数上限値の設定内容は上記図24(a)に示した場合と同様とし、時短変動回数を、大当りAは50回、大当りBは100にそれぞれ設定している。また、高確ST回数を、大当りAは50回に設定し、大当りBには設定していない。
このような設定とすることで、高確率状態が発生する点においては大当りBよりも大当りAに当選した方が遊技者にとって有利になるが、時短状態の継続期間が長いという点においては大当りAよりも大当りBに当選した方が遊技者にとって有利になる。つまり、遊技者が得られる遊技価値の差が小さいので、大当りAと大当りBのどちらに当選した方が有利であるか一概に決定できなくなる。従って、非報知モードの場合には、大当りA,Bどちらであってもそれなりの遊技価値を得られるので安心して遊技を行うことができるし、報知モードの場合には、状況に応じて始動入賞口36と普通変動入賞装置37のどちらに入賞させるか選ぶ楽しみが生まれ、遊技の興趣が向上する。
【0184】
以上のように、本実施形態の遊技機10の始動入賞領域は、所定位置に設けられる第1始動入賞領域(始動入賞口36)と、第1始動入賞領域36とは異なる位置に設けられる第2始動入賞領域(普通変動入賞装置37)と、を備え、遊技制御装置100は、遊技者の得られる遊技価値の異なる複数の特別遊技状態を発生可能に構成され、第1始動入賞領域36への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の実行に関する複数の乱数を抽出して第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞領域37への遊技球の入賞に基づき第2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の実行に関する複数の乱数を抽出して第2始動記憶として記憶する始動記憶保留手段(遊技制御装置100)を備え、変動表示ゲームが行われる際に、変動表示ゲームの実行に関する設定内容と、当該変動表示ゲームの実行契機となった始動記憶の種類との組み合わせに基づいて、特別結果態様となった場合に発生させる特別遊技状態を複数の中から何れかに決定するようにしている。
【0185】
従って、どの設定状態にあるときに第1,第2どちらの変動表示ゲームが実行されたかによって、特別遊技状態が発生した場合に遊技者が得られる遊技価値が異なってくる。従って、遊技者がいずれの始動入賞領域を狙うかの選択が、その後に得られる遊技価値に大きく関わるようになるため、遊技の興趣を高めることができる。
【0186】
また、本実施形態の遊技機10は、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の停止結果態様が前記特別結果態様となる確率として、通常確率と、通常確率よりも前記特別結果態様となる確率の高い高確率と、を設定可能な確率設定手段(遊技制御装置100)を備え、変動表示ゲームの実行に関する設定内容には、確率設定手段100により設定された確率が含まれるようにしている。
【0187】
従って、高確率に設定されているか通常確率に設定されているかによって、所望の特別遊技状態を発生可能な変動表示ゲームの実行契機となる始動入賞領域が異なってくる。従って、有利な始動入賞領域はどちらかを遊技者に推理させるという新たな遊技性が生まれる。なお、設定された確率を報知するようにすれば、どちらの始動入賞領域に入賞させれば所望の遊技価値を得られるかが分かるようになるので、遊技者は極めて有利な状態で遊技を行うことができる。
【0188】
また、本実施形態の遊技機10の第2始動入賞領域(普通変動入賞装置37)は、遊技球を受け入れ難い第1状態と遊技球を受け入れ易い第2状態とに変換可能な変換部材(可動部材37b,37b)を備え、遊技制御装置100は、所定条件の成立に基づき所定の確率で抽選を行い、該抽選に当選した場合に変換部材37b,37bを所定時間に亘って前記第2状態から前記第1状態へ変換させる制御を実行可能な変換制御実行手段(遊技制御装置100)と、該抽選に当選し変換制御実行手段100が変換部材37b,37bの制御を行う確率として、第1変換確率と、第1変換確率状態よりも高い第2変換確率と、を設定可能な変換確率設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行に関する設定内容には、変換確率設定手段100により設定された変換確率が含まれるようにしている。
【0189】
従って、変換確率設定手段100によって第2変換確率が設定されると、第1変換確率が設定された場合よりも変換部材37b,37bが頻繁に第2状態となるので、変換部材37b,37bの動作をみることにより、変換確率設定手段100によって設定されている確率が第1,第2どちらの変換確率であるか推測することが可能となる。どちらの始動入賞領域に入賞させればどの特別遊技状態が発生可能となるのか手がかりを得ることができるので遊技の興趣が高まる。なお、第2変換確率が設定された状態では、第2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)において(第2始動入賞領域37への入賞を契機として)所望の遊技価値が獲得可能となるように設定することにより、第2変動表示ゲームの回転率が上がり、大当りとなって高い遊技価値が得られる可能性も高まるので、遊技の興趣が高まる。
【0190】
また、本実施形態の遊技機10の装飾表示装置(表示装置41)は、遊技領域30aの中央部に設けられ、第2始動入賞領域(普通変動入賞装置37)は、装飾表示装置41の右側を流下する遊技球のみ入賞可能となる位置に設けられている。
【0191】
従って、遊技機10に備えられる操作部24を、遊技球が装飾表示装置41の右側を流下するように操作することにより、第2始動入賞領域37への入賞率を高めることが可能となる。また、所望の始動入賞領域に入賞させるのに操作部24の高い操作精度を求められるので、狙い打ちを楽しみたい遊技者にとっては遊技の興趣が高まる。
【0192】
また、本実施形態の遊技機10は、遊技制御装置100は、複数の特別遊技状態として、第1特別遊技状態と、第1特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の小さな第2特別遊技状態と、を発生可能であり、通常確率状態においては、第1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の停止結果態様が特別結果態様となった場合に第1特別遊技状態を、第2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の停止結果態様が特別結果態様となった場合に第2特別遊技状態を発生可能とする一方、高確率状態においては、第1変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となった場合に第2特別遊技状態を、第2変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となった場合に第1特別遊技状態を発生可能とするようにしている。
【0193】
従って、遊技球を入賞させた始動入賞領域が第1,第2の何れであるかにより得られる遊技価値が異なってくる。このため、遊技価値の高い第1特別遊技状態を発生させたい遊技者は、通常確率状態では第1始動入賞領域(始動入賞口36)に、高確率状態では第2始動入賞領域(普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞するよう操作部を操作するようになる。このように、大当り終了後に設定される確率状態によって、遊技者が右打ち・左打ちのどちらを行うと所望の大当りを発生させられるかを考えながら打ち分けるので、発生させたい特別遊技状態(獲得したい遊技価値)を自ら選んでいるという感覚が高まり、遊技が単調になってしまうのを防ぐことができる。
【0194】
<第1実施形態変形例>
なお、図24に示した設定例のように、付与する遊技価値の内容を示す情報を全て大当り図柄情報テーブルに設定しておくのではなく、このうち一部の情報を、入賞時にRWMにセーブされた各種乱数を用いた抽選によって選択するようにしてもよい。
【0195】
図25(a)に示した例では、確率変動判定フラグとラウンド数上限値を乱数に基づいて選択するようにしている。具体的には、付与する遊技価値の内容を決定する際に、所定の乱数に基づいて、確率変動判定フラグを0と1の何れかに設定するとともに、ラウンド数上限値を16と10の何れかに設定するようになっている。また、時短変動回数を70回に設定している。高確ST回数は、確率変動判定フラグが1となった場合に70回が設定されるようになっている。
【0196】
こうすることで、例えば大当りAの確率変動判定フラグを1、ラウンド数を16に設定する抽選結果となった場合、大当りAが大当りBよりも圧倒的に有利な内容となり、大当りBの確率変動判定フラグを1、ラウンド数を10に設定する抽選結果となった場合には、大当りにはなるものの、特別遊技状態は短く、時短状態が発生しないことから、大当りAとBとで遊技価値に大きな差がなくなる。
【0197】
図25(b)に示した例では、確率変動判定フラグ、ラウンド数上限値、高確ST回数の設定については図25(a)の場合と同様とし、時短変動回数を、大当りAは70回、大当りBは40回にそれぞれ設定している。
こうすることで、大当りBに当選し、更に高確率状態が設定されることとなった場合には、高確率状態は70回の特図変動表示ゲームが実行されるまで継続されるが、時短状態は40回の特図変動表示ゲームが実行された時点で終了してしまうので、確変状態であっても早い段階で大当りに当選しなければ持ち球がどんどん減ってしまうことになり、遊技に緊迫感が生まれる。
【0198】
図25(c)に示した例では、確率変動判定フラグ、高確ST回数の設定については図25(a)の場合と同様とし、ラウンド数上限値を、大当りAは16、大当りBは10にそれぞれ設定し、時短変動回数を、大当りA,Bともに70回としている。
こうすることで、同じ確変状態が発生する大当りであっても、特別遊技状態のラウンド数が多い場合と少ない場合とが発生するようになる。
【0199】
なお、情報を選択するための抽選は、大当りが発生する毎に行ってもよいし、所定期間経過毎に行ってもよい。また、抽選を行う際、対象の全ての情報を同一の乱数を用いて決定してもよいし、情報毎に異なる乱数を用いてもよい。また、大当りAとBの両方に同じ情報が設定される場合があるようにしてもよい。また、確率変動判定フラグ、ラウンド数上限値を予め設定しておき、時短変動回数、高確ST回数を乱数によって決定するようにしてもよい。
【0200】
<第2実施形態>
ここからは、本発明の第2実施形態に係る遊技機10について説明する。以下、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略することとし、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0201】
本実施形態の遊技機10は、大当りA,Bの他に、第3特別遊技状態を発生させる大当りCが設定されており、大当り発生後に行われる所定回数の特図変動表示ゲームにおいては、実行されたのが第1,第2どちらの特図変動表示ゲームであるかに関らず発生可能な大当りを大当りCのみとし、第1,第2特図変動表示ゲーム共に大当りとなった場合に付与する遊技価値を等しくしている。このため、本実施形態では、特図1停止図柄設定処理(ステップA322)や、特図2停止図柄設定処理(ステップA372)、停止図柄情報テーブルの設定内容が第1実施形態から下記のように変更されている。なお、特図2停止図柄設定処理の変更内容は特図1停止図柄設定処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0202】
〔特図1停止図柄設定処理〕
まず、特図1停止図柄設定処理(ステップA322)の変更点について説明する。
図26に示すように、本実施形態の特図1停止図柄設定処理は、ステップA343の後にステップA341a,A342aの処理が追加されている点で、第1実施形態の同処理(図15参照)と異なっている。具体的には、本処理では、ステップA343で特図1の大当り図柄情報テーブルを設定した後に、今回の処理に基づいて実行される特図変動表示ゲームが、直近の大当り発生から所定回数以内に実行されるものであるか否かを判定(ステップA341a)する。この所定回数とは、記憶可能な始動記憶の上限数以上の数(ここでは8回)である。ここで、所定回数以内であると判定した場合(ステップA341a;Yes)は、大当りCに対応する停止図柄番号を準備(ステップA342a)して、ステップA354以降の処理を行う。一方、所定回数以内ではない、すなわち、直近の大当り発生から所定回数特図変動表示ゲームが実行された後であると判定した場合(ステップA341a;No)は、ステップA344以降の処理を行う。
この処理により、大当りの発生から所定回数の特図変動表示ゲームにおいては、大当りとなる場合に、大当りCのみが発生し、大当りA,Bが発生しなくなる。
【0203】
次に、大当りに当選した場合に、遊技者に付与する遊技価値の設定例について説明する。
本実施形態の停止図柄情報テーブルには、大当りCに当選し特別遊技状態(第3特別遊技状態)となった場合に遊技者に付与する遊技価値の内容を示す情報が設定されている。大当りCは、大当りBよりは付与する遊技価値が大きいが、大当りAよりは小さくなるよう、その内容を設定している。
【0204】
図27(a)は、高確率状態の継続期間で差をつけた場合を示したものである。具体的には、大当りA,Bの設定については図24(a)の場合と同様とし、大当りCとなる場合のラウンド数上限値、確率変動判定フラグ、時短変動回数を大当りAと同様に設定し、高確ST回数を大当りAよりも少ない35回に設定している。
このような設定とすることで、大当りCは、高確率状態の継続期間が短い(ここでは半分になる)点において、大当りAよりも遊技者に付与する遊技価値が小さいが、高確率状態が発生する点において、大当りBよりも大きいものとなる。
なお、高確率状態の継続期間の長短で差をつけるのではなく、低確率と高確率の中間の中確率を設けるなどして差をつけるようにしてもよい。
【0205】
図27(b)は、時短状態の継続期間で差をつけた場合を示したものである。具体的には、大当りA,Bの設定については図24(a)の場合と同様とし、大当りCとなる場合のラウンド数上限値、確率変動判定フラグ、高確ST回数を大当りAと同様に設定し、時短変動回数を大当りAよりも少ない35回に設定している。
このような設定とすることで、大当りCは、時短状態の継続期間が短い(ここでは半分になる)点において、遊技者に付与する遊技価値が小さいが、時短状態が発生する点において、大当りBよりも大きいものとなる。
なお、時短状態の継続期間の長短で差をつけるのではなく、普図変動表示ゲームの実行時間や当選確率、普通変動入賞装置37の可動部材37bの開放時間などで差をつけるようにしてもよい。
【0206】
図27(c)は、特別遊技状態の実行態様(ラウンド数)で差をつけた場合を示したものである。具体的には、大当りA,Bの設定については図24(b)の場合と同様とし、大当りCとなる場合の確率変動判定フラグ、時短変動回数、高確ST回数を大当りAと同様に設定し、ラウンド数上限値を大当りAよりも少ない8に設定している。
このような設定とすることで、大当りCは、ラウンド数が少ない(ここでは半分になる)点において、大当りAよりも遊技者に付与する遊技価値が小さいが、高確率状態が発生する点において、大当りBよりも大きいものとなる。
なお、ラウンド数の多寡で差をつけるのではなく、大入賞口の開放時間や、入賞球1個あたりの賞球数などで差をつけるようにしてもよい。
【0207】
遊技制御装置100は、上記特図1停止図柄設定処理において、このような内容の大当りCを発生させる制御を行うことから、特別遊技状態が終了した後に所定回数実行される変動表示ゲームにおいては、変動表示ゲームの種類に関わらず、停止結果態様が特別結果態様となった場合に第2特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の大きな第3特別遊技状態を発生させる機能を有していることになる。
【0208】
以上のように、本実施形態の遊技機10の遊技制御装置100は、特別遊技状態が終了した後に所定回数実行される変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)においては、前記変動表示ゲームの種類に関わらず、停止結果態様が特別結果態様となった場合に第2特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の大きな第3特別遊技状態を発生させるようにしている。
【0209】
従って、入賞させたい始動入賞領域とは異なる始動入賞領域への入賞に基づく始動記憶が特別遊技状態終了時に既に存在した場合に、特別遊技状態終了後に現在の確率状態を予測して所望の始動入賞領域へ遊技球を入賞させたにもかかわらず、存在していた始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行され、遊技者が望まない特別結果態様となってしまうということを防ぐことができる。
【0210】
<第2実施形態変形例>
また、第1実施形態と同様、付与する遊技価値の内容を示す情報を全て大当り図柄情報テーブルに設定しておくのではなく、このうち一部の情報を、入賞時にRWMにセーブされた各種乱数を用いた抽選によって選択するようにしてもよい。
【0211】
図28(a)に示した例では、大当りA,Bの確率変動判定フラグ、ラウンド数上限値、高確ST回数の設定については図25(a)の場合と同様とし(ラウンド数上限値と確率変動判定フラグを抽選により決定し)、時短変動回数を大当りA,B共に70回に設定している。そして、大当りCとなる場合のラウンド数上限値を2、確率変動判定フラグを2(高確率、時短なし)、高確ST回数を70回に設定している。大当りCの場合、時短状態が発生しないので時短変動回数は設定していない。
このような設定とすることで、大当りCは、時短状態が発生しない点において、大当りA,Bよりも遊技者に付与する遊技価値が小さいが、確変状態が発生する点において、大当りAまたはBのうち確変状態が発生しない方の大当りよりも大きいものとなる。
【0212】
図28(b)に示した例では、大当りA,Bの設定については図24(a)の場合と同様とし、確率変動判定フラグを乱数に基づいて0と1の何れかに決定するようにしている。また、ラウンド数上限値を16、高確ST回数を70回にそれぞれ設定している。時短変動回数は、確率変動判定フラグが1に設定された場合のみ70回に設定される。
このような設定とすることで、大当りCは、確率変動判定フラグが0(低確率、時短)に設定された場合には、確変状態が発生しない点において、大当りAよりも遊技者に付与する遊技価値が小さいが、時短状態が発生する点において、大当りBよりも大きいものとなる。一方、確率変動判定フラグが1(高確率、時短)に設定された場合には、大当りAと等しい遊技価値が付与されるので、遊技者にとって極めて有利な状態となる。
【0213】
<第3実施形態>
ここからは、本発明の第3実施形態に係る遊技機10について説明する。以下、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略することとし、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0214】
本実施形態の遊技機10は、右打ちを行った場合の遊技球の始動入賞口36への入賞確率が左打ちを行った場合よりも高まるようにしている。また、確変状態が発生しているとき、始動入賞口36への入賞を契機とする第1特図変動表示ゲームでは、時短状態発生の有無に関らず、遊技者に有利な大当りAのみを発生可能とし、第2特図変動表示ゲームでは、時短状態発生の有無に関らず、遊技者に不利な大当りBのみを発生可能としている。このため、本実施形態では、遊技盤30の構成や、特図1停止図柄設定処理(ステップA322)、特図2停止図柄設定処理(ステップA372)が第1実施形態から下記のように変更されている。
【0215】
まず、遊技盤30の変更点について説明する。
図29に示すように、本実施形態の遊技盤30には、普通変動入賞装置37と始動入賞口36との間に球誘導板32が設けられている。球誘導板32は、センターケース40と普通変動入賞装置37との間を流下してきた遊技球が、センターケース40の右下に一箇所設けられた一般入賞口35や特別変動入賞装置38の方向へ流下するのを規制するので、普通変動入賞装置37へ入賞しなかった遊技球は、ほぼ始動入賞口36に入賞することになる。このようにして、本実施形態の遊技盤30は、左打ちよりも右打ちを行った方が始動入賞口36へ入賞する確率が高くなるよう構成されている。
なお、本実施形態では、球誘導板32を、遊技球が下方へ流下するのを完全に規制する長さに形成しているが、大当りA,Bの有利、不利の程度に応じてこれを調節することにより、遊技球がある程度始動入賞口36に到達する前に下方に落下するようにしてもよい。
【0216】
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、特図1停止図柄設定処理(ステップA322)の変更点について説明する。
図30に示すように、本実施形態の特図1停止図柄設定処理は、ステップA344;Noの後にステップA341bの処理が追加されている点で、第1実施形態の同処理(図15参照)と異なっている。具体的には、本処理では、ステップA344で普電サポートが行われていないと判定した後に、特図の確率状態が高確率状態になっているか否かを判定(ステップA341b)する。ここで、高確率状態になっていないと判定した場合(ステップA341b;No)は、ステップA345以降の処理を行う。一方、高確率状態になっていると判定した場合(ステップA341b;Yes)は、大当りAに対応する停止図柄番号を準備(ステップA350)して、ステップA351以降の処理を行う。
この処理により、高確率状態が発生していれば、時短状態発生の有無に関らず、第1特図変動表示ゲームで大当りとなる場合には、全て遊技者に有利な大当りAとなる。
【0217】
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、本実施形態における特図1停止図柄設定処理(ステップA372)の変更点について説明する。
図31に示すように、本実施形態の特図2停止図柄設定処理は、ステップA394;Noの後にステップA391bの処理が追加されている点で、第1実施形態の同処理(図19参照)と異なっている。具体的には、本処理では、ステップA394で普電サポートが行われていないと判定した後に、特図の確率状態が高確率状態になっているか否かを判定(ステップA391b)する。ここで、高確率状態になっていないと判定した場合(ステップA391b;No)は、ステップA395以降の処理を行う。一方、高確率状態になっていると判定した場合(ステップA391b;Yes)は、大当りBに対応する停止図柄番号を準備(ステップA350)して、ステップA401以降の処理を行う。
この処理により、高確率状態が発生していれば、時短状態発生の有無に関らず、第2特図変動表示ゲームで大当りとなる場合には、全て遊技者に不利な大当りBとなる。
【0218】
以上のように、本実施形態の遊技機10は、普通変動入賞装置37と始動入賞口36との間に、普通変動入賞装置37と始動入賞口36との間を遊技球が下方に流下してしまうのを規制する球誘導板32を備えることで、右打ちを行った場合に、普通変動入賞装置37へ入賞可能となる上に、始動入賞口36への入賞確率も高まるようにし、確変状態が発生しているとき、始動入賞口36への入賞を契機とする第1特図変動表示ゲームでは、時短状態発生の有無に関らず、遊技者に有利な(確変状態を継続させる)大当りAのみを発生可能とし、第2特図変動表示ゲームでは、時短状態発生の有無に関らず、遊技者に不利な(確変状態を終了させる)大当りBのみを発生可能としている。
【0219】
従って、始動入賞口36への入賞に基づく特図変動表示ゲームで遊技者に有利な(確変状態を継続させる)大当りAが発生可能となっている状態では、始動入賞口36への入賞確率が高い右打ちを行うことで、第1特図変動表示ゲームの実行回数を増やし、大当りAの発生率を高めることができるが、右打ちを行うと、普通変動入賞装置37へ入賞する可能性もある。普通変動入賞装置37への入賞を契機とする第2特図変動表示ゲームでは、大当りAよりも不利な大当りBが発生するため、右打ちは大当りAに当選する前に大当りBに当選してしまうというリスクを伴う。このため、このリスクをとって第1始動入賞口36への入賞率が高い右打ちを行うか、右打ちよりは始動入賞口36への入賞率が下がるが、普通変動入賞装置37への入賞の危険はない左打ちを行うか、を選択するという興趣の高いゲーム性が新たに生まれる。
【0220】
<第3実施形態変形例>
なお、遊技盤30において、右打ち規制部を、はね返した遊技球が全てセンターケース40の左側を流下するような形状に形成するのではなく、はね返った遊技球がセンターケース40の左右どちら側にも流下する可能性が残るように設けてもよい。例えば、図32に示すように、センターケース40の形状を変更してセンターケース40上方の空間を広く取り、センターケース40の上方に、右打ち規制部46を、その上下を遊技球が通過可能となるように設ける。そして、右打ち規制部46の左下であって、センターケース40の上部に上方へ向けて突出する山型の振り分け部40gを形成する。
【0221】
本変形例のようにすることで、右打ち規制部46のはね返し壁46aで跳ね返った遊技球が落下して振り分け部40gに当り、振り分け部40gの左右どちらの斜面に当たったかによってセンターケース40の右側と左側の何れかを流下するよう振り分けられる。このため、右打ち、左打ちのどちらを行うか迷っている遊技者は、右打ち規制部46めがけて遊技球を発射することで、遊技球がどちらへ行くか運に任せることができる。
【0222】
<第4実施形態>
ここからは、本発明の第4実施形態に係る遊技機10について説明する。以下、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略することとし、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0223】
本実施形態の遊技機10は、抽選で報知モードを発生させるのではなく、例えば図24(b)に示したように、高確率状態と通常確率状態とで時短変動回数を異なるように設定している場合に、非報知モードで所定回数の特図変動表示ゲームが実行された後に、時短状態が継続するか否かの演出を行うことで確率状態が分かるようにしている。
【0224】
まず、演出制御装置300での制御について説明する。図4に示したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。
【0225】
〔1stメイン処理〕
演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311では、図33に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
【0226】
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。
【0227】
次に、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
【0228】
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
【0229】
そして、遊技の演出の制御に関するシーン制御処理(ステップB22)を行う。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップB23)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理(例えば、スピーカからの音声の出力であれば、サウンド制御処理)において制御を行う。
【0230】
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB24)を行い、スピーカ(上スピーカ19、下スピーカユニット29)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB25)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
【0231】
〔2ndメイン処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、図34に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB31)を行い、RAMを0クリアして(ステップB32)、RAMの初期値を設定する(ステップB33)。次に、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップB34)を行い、各種割込みを許可する(ステップB35)。さらに、各種制御処理の初期化処理(ステップB36)を行い、画面描画を許可する(ステップB37)。
【0232】
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップB38)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップB39)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップB39)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップB39;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB40)、通常ゲーム処理(ステップB41)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB38)に戻る。
【0233】
〔通常ゲーム処理〕
次に、上述の2ndメイン処理における通常ゲーム処理(ステップB41)について説明する。
図35に示すように、通常ゲーム処理では、まず、受信コマンドチェック処理(ステップB51)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップB51)では、1stCPUから送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述する2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
【0234】
次に、背景の設定を行う背景処理(ステップB52)を行い、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップB53)を行う。さらに、特図1始動記憶表示器及び特図2始動記憶表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図保留数表示の設定を行う保留表示処理(ステップB54)を行う。
その後、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB55)を行う。そして、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定するシーン制御/表示処理(ステップB56)を行い、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB57)を行って、通常ゲーム処理を終了する。
【0235】
〔演出例〕
次に、大当りAまたはBに当選した場合の表示装置41の表示例について説明する。ここでは、特図変動表示ゲームの結果が大当りAまたはBとなる場合の付加遊技価値が図24(b)に示したよう(大当りAは確変あり、ST50回、時短50回、大当りB:確変なし、時短100回)に設定されている場合を例にとって説明する。
【0236】
大当りAまたはBの当選に当選し、図36(a)に示す特別遊技状態の最終ラウンドが終了すると、図36(b)に示すように、次の特図変動表示ゲーム(ここでは、第2始動記憶が記憶されていないため第1特図変動表示ゲーム)が実行されるとともに、時短状態が発生する。この時短状態は、その開始時に実行されたもの(図36(b)において実行中のもの)を含めて特図変動表示ゲームが所定回数(時短変動回数)実行されるまで継続される。時短状態のとき、表示装置41には、時短状態での特図変動表示ゲームが何回行われたか(何回転目であるか)を示す回転数表示(ここでは「時短1回転目」の文字)Nや、遊技状態を示すキャラクタC等を表示する。
この時短状態が発生すると、同時に確率状態が高確率状態または低確率状態に設定される。しかし、図36(b)に示した時点では非報知モードとし、表示装置41には、確率状態を報知するような内容は表示しない(ここでは、キャラクタCの表情を無表情にする)。
【0237】
当選したのが大当りAであった場合は、時短状態となってから50回目の特図変動表示ゲームの実行中、表示装置41には、例えば図36(c)に示すように、この後遊技者にとって不利な状態に移行することを示唆するような表示を行う(ここでは、キャラクタCの表情を険しくしている)。そして、50回目の特図変動表示ゲームが終了すると、確変状態および時短状態が終了し、表示装置41からは、図36(d)に示すように時短状態を示す演出画像(キャラクタCや回転数表示N等)が消え、通常の特図変動表示ゲームの実行画面に戻る。この時短状態の終了により、時短状態とともに確変状態が発生していたことが遊技者に分かるようになる。
【0238】
一方、当選したのが大当りBであった場合は、時短状態となってから50回目の特図変動表示ゲームの実行中、表示装置41には、例えば図36(e)に示すように、この後遊技者にとって有利な状態(時短状態)が継続することを示唆するような表示を行う(ここでは、キャラクタCの表情を明るくしている)。そして、50回目の特図変動表示ゲームが終了すると、時短状態が継続し、表示装置41には、図36(f)に示すように、引き続き時短状態を示す演出画像が表示される。この時短状態の継続により、時短状態の発生中、確変状態は発生していなかった(低確率であった)ことが遊技者に分かるようになるが、時短状態がまだ続くので、それまでの遊技価値が高くなかったことに対する失望感を和らげることができる。
【0239】
なお、大当りA,Bの付加遊技価値を図24(a)に示したように時短変動回数がA,Bともに同じ(例えば70回)になるよう設定してもよい。そうすれば、途中(例えば51回目)からキャラクタの表情変化によって確率状態を報知することができる。
【0240】
以上のように、本実施形態の遊技機10は、高確率状態と通常確率状態とで時短変動回数を異なるように設定している場合には、非報知モードで所定回数の特図変動表示ゲームが実行された後に、時短状態が継続するか否かの演出を行うようにしている。
【0241】
従って、時短状態の発生から所定回数の特図変動表示ゲームが実行された後、時短状態が継続するか否かによって、現在の遊技状態を認識することができ、遊技者は有利な始動口を狙い打ちすることができるようになる。また、時短状態発生の契機となった大当りがどちらの始動口への入賞に基づいて行われたものかを覚えておくことにより、当該大当りが確変状態を発生させたか否かも認識することができる。ST機においては、通常、残り回数の減少に伴い大当りに当選する期待感や遊技に対する意欲が低下していってしまうところを、所定回数の特図変動表示ゲームが実行されるまでに大当りとならない場合に確率状態が報知される(遊技者にとって少しいいことが起こる。いずれの始動口を狙う方が有利かを知ることができる。)ようにすることで、ST中になかなか当らない状態が続いても、遊技者の期待感や意欲が過度に低下してしまうことを防ぐことができる。
【0242】
<第4実施形態変形例>
なお、本実施形態のように遊技者が右打ちを行いたくなるような遊技機の構成では、普電サポートが行われると始動入賞口36への入賞が難しくなる。そこで、非報知モードの発生中に、普電サポートが行われ入賞させることが難しくなっている始動入賞口36を狙い打ちしていることが検出された場合に、現在の確率状態を示唆する演出を行うようにしてもよい。
【0243】
〔確率状態示唆演出実行処理〕
ここで、確率状態示唆演出実行処理について説明する。
確率状態示唆演出実行処理は、本実施形態の本実施形態の演出制御装置300において、始動入賞口36または普通変動入賞装置37への入賞毎に行われる処理である。
【0244】
図37に示すように、確率状態示唆演出実行処理では、まず、普電サポートが行われているか否かを判定(ステップB61)する。ここで、普電サポートが行われていないと判定した場合(ステップB61;No)は、確率状態示唆演出実行処理を終了する。一方、普電サポートが行われていると判定した場合(ステップB61;Yes)は、非報知モードが発生しているか否かを判定(ステップB62)する。ここで、非報知モードではない、すなわち、報知モードであると判定した場合(ステップB62;No)は、確率状態示唆演出実行処理を終了する。一方、非報知モードであると判定した場合(ステップB62;Yes)は、本処理開始の契機となる入賞までの所定時間(非報知モードの発生から当該入賞までに所定時間が経過していない場合は非報知モードの開始から当該入賞までの時間)において始動入賞口36へ入賞した遊技球数と普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球数をそれぞれチェック(ステップB63)する。
【0245】
そして、始動入賞口36への入賞数と普通変動入賞装置37との差が所定数以上であるか否かを判定(ステップB64)する。ここで、所定数以上ではないと判定した場合(ステップB64;No)は、確率状態示唆演出実行処理を終了する。一方、所定数以上であると判定した場合(ステップB64;Yes)は、特図の確率状態が高確率状態になっているか否かを判定(ステップB65)する。ここで、高確率状態であると判定した場合(ステップB65;Yes)は、確率状態示唆演出の演出パターンとしてパターンAを選択(ステップB66)する。一方、高確率状態ではない、すなわち、低確率状態であると判定した場合(ステップB65;No)は、確率状態示唆演出の演出パターンとしてパターンBを選択(ステップB66)する。ステップB66またはステップB67で演出パターンを選択した後は、選択した演出パターンで確率状態示唆演出を実行する処理(ステップB68)を行って、確率状態示唆演出実行処理を終了する。
この処理により、時短状態かつ非報知モードが発生した状態で始動入賞口36への狙い打ちを行うと、確率状態を示唆する確率状態示唆演出が実行される。
【0246】
本変形例のようにすれば、非報知モードにおいて、例えば、時短状態および確変状態が発生すると、遊技価値の高い大当りAが第2特図変動表示ゲームにおいて発生可能となり、普通変動入賞装置37への入賞も容易なことから遊技者にとって極めて有利な状態が発生する。しかし、確率状態が報知されていないので、遊技者の中には、大当りAが第1特図変動表示ゲームにおいて発生可能であると考え、普電サポートが行われているとしても敢えて回転率の悪い始動入賞口36を狙い打ちする人が出てくる。ここで、現在の確率状態を示唆する演出を行うことにより、遊技者は狙うべき始動入賞口がどちらであるのか、すなわち、それまでの自身の選択が誤っていたことを知ることができる。このため、誤った選択がいつまでも続けられ、遊技者の努力が無駄になってしまうのを防ぐことができる。
【0247】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
【0248】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0249】
10 遊技機
30 遊技盤
30a 遊技領域
36 始動入賞口(第1始動入賞領域)
37 普通変動入賞装置(第2始動入賞領域)
37b 可動部材(変換部材)
41 表示装置(装飾表示装置)
100 遊技制御装置(始動記憶保留手段、確率設定手段、変換制御実行手段、変換確率設定手段)
300 演出制御装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて複数の識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて複数の識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技領域の所定位置に第1始動口を、第1始動口とは異なる位置に第2始動口を有する変動入賞装置を設け、第1始動口への遊技球の入賞を契機として第1変動表示ゲームを、第2始動口への遊技球の入賞を契機として第2変動表示ゲームをそれぞれ実行するようにしたものが知られている。
【0003】
このような遊技機の中には、変動入賞装置が入賞容易な状態となる確率の低い第1動作状態(通常動作状態)から入賞容易な状態となる確率の高い第2動作状態(時短動作状態)へ移行する制御を可能とし、変動表示ゲームが特別結果態様となる場合に、振り分けテーブルを用いて所定の確率で抽選を行い、その抽選に当選した場合に変動入賞装置を第1動作状態から第2動作状態に移行するようにし、更に、第2変動表示ゲームで特別結果態様となった場合には、第1変動表示ゲームで特別結果態様となった場合よりも上記抽選に当選する確率が高くなるよう設定された振り分けテーブルを用いることにより、遊技球をどの始動口に入賞させるかによって異なる遊技性の遊技を実現可能としたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−289795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような遊技機では、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームとで抽選に当選する確率が異なるとはいえ、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームの何れにおいても第1動作状態から第2動作状態へ移行する場合と第1動作状態が継続する場合の両方が起こり得る。すなわち、遊技者が第2動作状態への移行を期待して第2始動口へ遊技球を入賞させ、第2変動表示ゲームを実行したとしても、必ずしも遊技者が望む内容とはならず(第2動作状態へ移行せずに第1動作状態が継続し)、遊技の興趣を低下させてしまう場合があった。つまり、遊技者にとって従来の遊技機は、遊技の内容が自身の選択に基づいて決められているという実感を得にくいものであった。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて複数の識別情報を変動させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の内容が自身の選択に基づいて決定されているという実感を遊技者が持てるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
複数の識別情報を変動させる変動表示ゲームを表示可能な装飾表示装置と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた始動入賞領域へ遊技球が入賞したことに基づいて前記変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御装置と、当該遊技制御装置からの指令情報に基づき前記変動表示ゲームの表示制御を行う演出制御装置と、を備え、
前記変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記始動入賞領域は、所定位置に設けられる第1始動入賞領域と、前記第1始動入賞領域とは異なる位置に設けられる第2始動入賞領域と、を備え、
前記遊技制御装置は、
遊技者の得られる遊技価値の異なる複数の特別遊技状態を発生可能に構成され、
前記第1始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲームの実行に関する複数の乱数を抽出して第1始動記憶として記憶し、前記第2始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき第2変動表示ゲームの実行に関する複数の乱数を抽出して第2始動記憶として記憶する始動記憶保留手段を備え、
前記変動表示ゲームが行われた際に、前記変動表示ゲームの実行に関する設定内容と、当該変動表示ゲームの実行契機となった始動記憶の種類との組み合わせに基づいて、前記特別結果態様となった場合に発生させる特別遊技状態を複数の中から何れかに決定することを特徴としている。
【0008】
ここで、「遊技者の得られる遊技価値」とは、変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となる確率が変更されることや、入賞により払い出される賞球などを指す。また、特別遊技状態の発生を契機として遊技球が入賞可能となる入賞口を備える場合には、入賞可能な状態となる時間や回数も含まれる。また、遊技球が入賞困難な状態と入賞容易な状態とに変換可能な始動入賞領域を備える場合には、入賞容易な状態に変換する時間や回数も含まれる。なお、遊技価値を得ることができる時期は特別遊技状態の発生中であってもよいし特別遊技状態の終了後であってもよい。
また、「変動表示ゲームの実行に関する設定内容」とは、変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となる確率などを指す。また、遊技球が入賞困難な状態と入賞容易な状態とに変換可能な始動入賞領域を備える場合には、入賞容易な状態に変換する確率や、入賞容易な状態に変換する時間や回数(始動入賞領域への入賞の難易度、変動表示ゲームの実行頻度)も含まれる。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、変動表示ゲームが行われる際に、当該変動表示ゲームの実行に関する設定内容と、当該変動表示ゲームの実行契機となった始動記憶の種類との組み合わせに基づいて、特別結果態様となった場合に発生させる特別遊技状態の内容を決定するので、どの設定状態にあるときに第1,第2どちらの変動表示ゲームが実行されたかによって、特別遊技状態が発生した場合に遊技者が得られる遊技価値が異なってくる。従って、遊技者がいずれの始動入賞領域を狙うかの選択が、その後に得られる遊技価値に大きく関わるようになるため、遊技の興趣を高めることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となる確率として、通常確率または該通常確率よりも前記特別結果態様となる確率の高い高確率を設定可能な確率設定手段を備え、
前記変動表示ゲームの実行に関する設定内容には、前記確率設定手段により設定された確率が含まれることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、変動表示ゲームの実行に関する設定内容には、確率設定手段により設定された確率が含まれるので、高確率に設定されているか通常確率に設定されているかによって、所望の特別遊技状態を発生可能な変動表示ゲームの実行契機となる始動入賞領域が異なってくる。従って、有利な始動入賞領域はどちらかを遊技者に推理させるという新たな遊技性が生まれる。なお、設定された確率を報知するようにすれば、どちらの始動入賞領域に入賞させれば所望の遊技価値を得られるかが分かるようになるので、遊技者は極めて有利な状態で遊技を行うことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記第2始動入賞領域は、遊技球を受け入れ難い第1状態と遊技球を受け入れ易い第2状態とに変換可能な変換部材を備え、
前記遊技制御装置は、
所定条件の成立に基づき所定の確率で抽選を行い、該抽選に当選した場合に前記変換部材を所定時間に亘って前記第2状態から前記第1状態へ変換させる制御を実行可能な変換制御実行手段と、
該抽選に当選し前記変換制御実行手段が前記変換部材の変換制御を行う確率として、第1変換確率または該第1変換確率よりも高い第2変換確率を設定可能な変換確率設定手段と、を備え、
前記変動表示ゲームの実行に関する設定内容には、前記変換確率設定手段により設定された変換確率が含まれることを特徴としている。
ここで、「所定条件の成立」とは、遊技領域に設けられた所定の始動領域(普図始動ゲート)を遊技球が通過することなどを指す。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、変換確率設定手段によって第2変換確率が設定されると、第1変換確率が設定された場合よりも変換部材が頻繁に第2状態となるので、変換部材の動作(開放頻度)をみることにより、変換確率設定手段によって設定されている確率が第1,第2どちらの変換確率であるか推測することが可能となる。また、どちらの始動入賞領域に入賞させればどの特別遊技状態が発生可能となるのか手がかりを得ることができるので遊技の興趣が高まる。なお、第2変換確率が設定された状態では、第2変動表示ゲームにおいて(第2始動入賞領域への入賞を契機として)所望の特別遊技状態が発生可能となるように設定しておくことにより、第2変動表示ゲームの回転率が上がるだけでなく、大当りとなって高い遊技価値が得られる可能性も高まるので、遊技の興趣が高まる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機において、
前記装飾表示装置は、前記遊技領域の中央部に設けられ、
前記第2始動入賞領域は、前記装飾表示装置の右側を流下する遊技球のみ入賞可能となる位置に設けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、第2始動入賞領域を遊技領域の装飾表示装置よりも右側を流下する遊技球のみ入賞可能となる位置に設けたので、遊技機に備えられる打球発射装置の操作部を、遊技球が装飾表示装置の右側を流下するように操作する(右打ちを行う)ことにより、第2始動入賞領域へ集中して遊技球を入賞させることが可能となる。また、所望の始動入賞領域に入賞させるには操作部に対する高い操作精度が必要とされるので、狙い打ちを楽しみたい遊技者にとっては遊技の興趣が高まる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機において、
前記遊技制御装置は、
前記複数の特別遊技状態として、第1特別遊技状態と、前記第1特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の小さな第2特別遊技状態と、を発生可能であり、
前記通常確率状態においては、前記第1変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となった場合に前記第1特別遊技状態を、前記第2変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となった場合に前記第2特別遊技状態を発生可能とする一方、
前記高確率状態においては、前記第1変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となった場合に前記第2特別遊技状態を、前記第2変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となった場合に前記第1特別遊技状態を発生可能とすることを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、通常確率状態においては、第1変動表示ゲームの実行により第1特別遊技状態が、第2変動表示ゲームの実行により第2特別遊技状態がそれぞれ発生可能となり、高確率状態ではその逆になるので、遊技球を入賞させた始動入賞領域が第1,第2の何れであるかにより得られる遊技価値が異なってくる。このため、遊技価値の高い第1特別遊技状態を発生させたい遊技者は、通常確率状態では第1始動入賞領域に、高確率状態では第2始動入賞領域に遊技球が入賞するよう操作部を操作するようになる。このように、大当り終了後に設定される確率状態によって、遊技者が右打ち・左打ちのどちらを行うと所望の大当りを発生させられるかを考えながら打ち分けるので、発生させたい特別遊技状態(獲得したい遊技価値)を自ら選んでいるという感覚が高まり、遊技が単調になってしまうのを防ぐことができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の遊技機において、
前記遊技制御装置は、前記特別遊技状態が終了した後に所定回数実行される変動表示ゲームにおいては、前記変動表示ゲームの種類に関わらず、停止結果態様が特別結果態様となった場合に前記第2特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の大きな第3特別遊技状態を発生させることを特徴としている。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、特別遊技状態が終了した後に所定回数実行される変動表示ゲームにおいては、変動表示ゲームの種類に関わらず、第2特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の大きな第3特別遊技状態を発生させるので、入賞させたい始動入賞領域とは異なる始動入賞領域への入賞に基づく始動記憶が特別遊技状態終了時に既に存在した場合に、特別遊技状態終了後に現在の確率状態を予測して所望の始動入賞領域へ遊技球を入賞させたにもかかわらず、存在していた始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行され、遊技者が望まない(遊技価値の低い)特別結果態様となってしまうということを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、複数の識別情報を変動させる変動表示ゲームを表示可能な装飾表示装置を備え、変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の内容が自身の選択に基づいて決定されているという実感を遊技者に持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る遊技機を示す斜視図である。
【図2】図1の遊技機に設けられる遊技盤を示す正面図である。
【図3】図1の遊技機に設けられる制御システム及び遊技制御装置を示すブロック図である。
【図4】図3の制御システムにおける演出制御装置のブロック図である。
【図5】特図変動表示ゲームの結果が大当りA、Bとなるための条件について説明する図である。
【図6】図3の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行されるメイン処理のフローチャートである。
【図7】図6の続きを示すフローチャートである。
【図8】図3の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行されるタイマ割込み処理のフローチャートである。
【図9】図8のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理のフローチャートである。
【図10】図9の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
【図11】図10の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理のフローチャートである。
【図12】図11の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理のフローチャートである。
【図13】図9の特図ゲーム処理における特図普段処理のフローチャートである。
【図14】図13の特図普段処理における特図1変動開始処理のフローチャートである。
【図15】図14の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理のフローチャートである。
【図16】図15の特図1停止図柄設定処理における停止図柄情報設定処理のフローチャートである。
【図17】確率変動判定フラグについて説明するである。
【図18】図13の特図普段処理における特図2変動開始処理のフローチャートである。
【図19】図18の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理のフローチャートである。
【図20】図9の特図ゲーム処理における大当り終了処理のフローチャートである。
【図21】図20の大当り終了処理における大当り終了設定処理1のフローチャートである。
【図22】図20の大当り終了処理における大当り終了設定処理2のフローチャートである。
【図23】図20の大当り終了処理における大当り終了設定処理3のフローチャートである。
【図24】特図変動表示ゲームの結果が大当りA,Bとなる場合に遊技者が得られる遊技価値の設定例について説明する図である。
【図25】図24の設定例の変形例について説明する図である。
【図26】本発明の第2実施形態の遊技用マイコンによって実行される特図1停止図柄設定処理のフローチャートである。
【図27】特図変動表示ゲームの結果が大当りA,Bとなる場合に遊技者が得られる遊技価値の設定例について説明する図である。
【図28】図27の設定例の変形例について説明する図である。
【図29】本発明の第3実施形態に係る遊技盤を示す正面図である。
【図30】同実施形態の遊技用マイコンによって実行される特図1停止図柄設定処理のフローチャートである。
【図31】同実施形態の特図2停止図柄設定処理のフローチャートである。
【図32】同実施形態の遊技盤の変形例を示す正面図である。
【図33】本発明の第4実施形態に係る演出制御装置の主制御用マイコンによって実行される1stメイン処理のフローチャートである。
【図34】同実施形態の演出制御装置の映像制御用マイコンによって実行される2ndメイン処理のフローチャートである。
【図35】図34の2ndメイン処理における通常ゲーム処理のフローチャートである。
【図36】同実施形態の表示装置に表示する演出例について説明する図である。
【図37】同実施形態の確率状態示唆演出実行処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技機の斜視図である。
【0023】
本実施形態の遊技機10は、本体枠(外枠)11及び前面枠(内枠)12を備え、該前面枠12は本体枠11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
【0024】
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
【0025】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
【0026】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域30aに向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
【0027】
次に、遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域30aが形成されている。遊技領域30aは、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域30aの中央部には、開口部40aが形成された枠状のセンターケース40が配置されている。表示装置41(装飾表示装置41)は、センターケース40に設けられた開口部40aに、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は、表示装置41の表示面41aの周囲を囲うとともに、表示面よりも前方へ突出するように形成されていることになり、表示装置41は、遊技領域30aの中央部に設けられていることになる。
【0028】
センターケース40の左側部には、センターケース40の外側と内側(開口部40a)とを連通するワープ流路40bが形成されており、センターケース40の左側を流下する遊技球を、開口部40a内に誘導してセンターケース40下部に形成されたステージ40c上を左右方向に転動させた後、ステージ40c中央部に形成された落下口40dからセンターケース40の下方に落下させることが可能となっている。また、センターケース40の右上部には、右打ち規制部40eが上方へ盛り上がるように形成され、右打ち規制部40eの上面とその上方のガイドレール31との間が遊技球の直径より若干大きい程度に狭めている。右打ち規制部40eの左側面は遊技球をはね返すはね返し壁40fとなっている。
【0029】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0030】
遊技領域30aにおけるセンターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、遊技領域30aにおけるセンターケース40の右側には、遊技球が通過可能な普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が配設され、普通図柄始動ゲート34の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第2始動入賞口を内部に有する普通変動入賞装置(普電、第2始動入賞領域)37が配設されている。
普通図柄始動ゲート34および普通変動入賞装置37は、センターケース40の右側且つ、センターケース40の下端よりも上方に位置しており、センターケース40の右側を流下する(右打ちした)遊技球のみが通過若しくは入賞可能となっている。センターケース40の内側には表示装置41が設けられているので、普通変動入賞装置37は、表示装置41の右側を流下する遊技球のみ入賞可能となる位置に設けられていることになる。
【0031】
普通変動入賞装置37は、遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた遊技球を受け入れ難い状態(第1状態)と、上部に逆「ハ」の字状に開いた遊技球を受け入れ易い状態(第2状態)とに変換可能な一対の可動部材(変換部材)37b、37bを備えている。この一対の可動部材37b,37bは、常時は閉じた状態を保持しており、その上方には障害物37dが設けられているので、可動部材37b,37bが閉じた状態では、遊技球が入賞できないよう(遊技者にとって不利な状態)になっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、可動部材37b,37bが開いた状態になり、普通変動入賞装置37に遊技球が流入可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化するようになっている。
【0032】
また、遊技領域30aにおけるセンターケース40の落下口40dの下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が配設され、始動入賞口36の下方には、特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
始動入賞口36および特別変動入賞装置38は、センターケース40の下方に位置しているので、センターケースの右側、左側の何れを流下する遊技球も入賞可能となっている。ただし、センターケースの右側を流下する遊技球はこれらに入賞する前に普通変動入賞装置37に入賞する可能性があり、センターケース40の左側を流下する遊技球はワープ流路40cを通り落下口40dから落下して始動入賞口36に入賞する可能性があるので、始動入賞口36へ入賞する可能性は、センターケースの右側よりも左側を流下させた(左打ちした)方が高くなっている。
【0033】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉扉38cを閉じた状態(遊技球を受け入れない遊技者にとって不利な状態)から大入賞口を開放した状態(遊技球を受け入れ可能な遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を可能にし、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出するカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
【0034】
遊技領域30aにおける特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域30aの外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0035】
一括表示装置50は、図2に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
【0036】
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0037】
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0038】
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
【0039】
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
【0040】
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
【0041】
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
【0042】
エラー表示器58は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
【0043】
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0044】
本実施形態の遊技機10では、図示しない打球発射装置から遊技領域30aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打球発射装置は、操作部24の回動量が大きくなるほど遊技球を速く打ち出す(遠くに飛ばす)ように構成されている。このため、操作部24の回動量が小さい場合は打球発射装置から発射される遊技球の速度が遅いので、発射された遊技球は、センターケース40の左側部やはね返し壁40f等に当たってセンターケース40の左側を流下する(左打ちとなる)。一方、操作部24の回動量が大きい場合は打球発射装置から発射される遊技球の速度が速いので、発射された遊技球は、ガイドレール31に沿ってセンターケース40の上を飛び越え、センターケース40の右側を流下する(右打ちとなる)。
【0045】
遊技領域30aに打ち出された遊技球は、遊技領域30a内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域30aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域30aの最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
【0046】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域30a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
【0047】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0048】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0049】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54、55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
【0050】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される特別図柄の停止結果態様も特別結果態様となる。
【0051】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0052】
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
【0053】
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0054】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0055】
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0056】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0057】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0058】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0059】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0060】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0061】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
【0062】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0063】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0064】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0065】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0066】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機10全体の制御を行う。
また、図示は省略するが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0067】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
【0068】
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0069】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0070】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0071】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0072】
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0073】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0074】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0075】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0076】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0077】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0078】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0079】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0080】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0081】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0082】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0083】
次に、演出制御装置300について説明する。図4は、演出制御装置300の構成を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0084】
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
【0085】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
【0086】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0087】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0088】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0089】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0090】
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
【0091】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0092】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0093】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100は、所定条件の成立に基づき所定の確率で抽選を行い、該抽選に当選した場合に変換部材を所定時間に亘って第2状態から第1状態へ変換させる制御を実行可能な変換制御実行手段として機能している。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0094】
また、遊技制御装置100は、遊技状態として、普図変動表示ゲームが当り結果となる確率が低確率(第1変換確率)である普図低確率状態と、低確率に比べて高い高確率(第2変換確率)である普図高確率状態の何れかを設定可能となっている。
【0095】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
【0096】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
【0097】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が特別結果(当り)の場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0098】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、確変状態が発生してから所定回数の特図変動表示ゲームが実行されると確変状態を終了する制御を行う。この確変状態終了までの変動表示ゲームの実行回数は、特図変動表示ゲームの結果態様毎に異なる値が設定される。
【0099】
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41の表示内容やスピーカ19a,19bから出力する音声、各種LEDの発光を制御して、確変状態が発生しているか否か(確率状態が低確率状態であるか高確率状態であるか)を遊技者に報知する制御を実行可能となっている。この確変状態発生を報知する制御は、所定タイミングで行われる抽選に当選したり、所定条件が成立したりした場合に行われる。以下、演出制御装置300が確変状態発生を報知する制御を行っている状態を報知モード、報知しない制御を行っている状態を非報知モードと称する。
【0100】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御される。この時短状態により、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。なお、時短状態発生の有無は、普通変動入賞装置37の動作状態(開放時間、開放頻度)を見ることにより知ることができる。
また、遊技制御装置100は、時短状態が発生してから所定回数の特図変動表示ゲームが実行されると時短状態を終了する制御を行う。時短状態終了までの変動表示ゲームの実行回数は、特図変動表示ゲームの結果態様毎に異なる値が設定される。
【0101】
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。
また、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
【0102】
また、遊技制御装置100は、遊技者の得られる遊技価値の異なる複数の特別遊技状態を発生可能に構成されている。具体的には、特図変動表示ゲームの特別結果には複数の種類が設定されており、特別結果毎に特別遊技状態の発生を契機として遊技者に付与する遊技価値(特別遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値)が異なっている。なお、特別遊技状態の実行態様とは、実行可能なラウンド数や大入賞口の開放時間を指す。また、付加遊技価値とは、特別遊技状態の終了後の高確率状態発生の有無や、特別遊技状態の終了後の時短状態発生の有無、確変状態や時短状態が発生する場合の継続期間を指す。
【0103】
また、特図変動表示ゲームの結果が特別結果となるかはずれとなるかは、始動入賞球の検出時に特図始動記憶として記憶された大当り乱数に基づいて決定される。そして、特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合には、複数設定された特別結果のうちどの特別結果とするかが決定される。本実施形態では、特別結果になると判定されたときの時短状態発生の有無により特別結果の決定方法が異なるようにしてある。具体的には、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になると判定したときに時短状態が発生していなければ、特図始動記憶として記憶されている大当り図柄乱数に基づいて特別結果の内容を選択する。
一方、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になると判定したときに時短状態が発生していれば、そのときの特図変動表示ゲームの確率状態および当該特図変動表示ゲームが始動入賞口36と普通変動入賞装置37のどちらの入賞を契機とするものであるか(第1特図変動表示ゲームであるか第2特図変動表示ゲームであるか)に基づいて特別結果の内容を選択する。なお、遊技開始当初は時短状態が発生していないので、遊技開始後最初の大当り(初当り)として大当りA,Bが選択されることはない。
【0104】
本実施形態では、時短状態が発生している場合に選択可能な特別結果として、図5に示すように、大当りA、大当りBの2種類の大当りが設定されている。
大当りAは、時短中(時短状態かつ低確率状態)において、第1特図変動表示ゲームの結果が大当りとなると判定された場合、若しくは、電サポ付き確変中(時短状態かつ高確率状態)において、第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合に選択される。
大当りBは、電サポ付き確変中において、第1特図変動表示ゲームの結果が大当りとなると判定された場合、若しくは、時短中において、第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合に選択される。
【0105】
また、大当りAに当選すると第1特別遊技状態が発生し、大当りBに当選すると第2特別遊技状態が発生する。第1特別遊技状態と第2特別遊技状態は、遊技者に付与する遊技価値がそれぞれ異なるように(基本的に一方の遊技価値が他方より高くなるように)その内容が設定されている。この設定内容については後述する。
【0106】
このような設定とすることにより、遊技制御装置100は、複数の特別遊技状態として、第1特別遊技状態と、前記第1特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の小さな第2特別遊技状態と、を発生可能に構成されていることになる。また、遊技制御装置100は、通常確率状態においては、第1変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となった場合に第1特別遊技状態を、第2変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となった場合に第2特別遊技状態を発生させる一方、高確率状態においては、第1変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となった場合に第2特別遊技状態を、第2変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となった場合に第1特別遊技状態を発生させる機能を有していることになる。
【0107】
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6及び図7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図8に示すタイマ割込み処理とからなる。
【0108】
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行なってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0109】
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0110】
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがONしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがOFF(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内に複数設けられている停電検査領域のうち、停電検査領域1のデータの値をチェックし(ステップS10)、停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるか否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であると判定した場合(ステップS11;Yes)には、停電検査領域2のデータの値をチェックし(ステップS12)、停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるか否かの判定を行う(ステップS13)。このステップS13で停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、チェックサムと呼ばれるデータを算出する処理(ステップS14)を行い、算出したチェックサムと電源遮断時のチェックサムとを比較して(ステップS15)、値が一致するか否かを判定する(ステップS16)。
【0111】
また、ステップS9で初期化スイッチがONと判定した場合(ステップS9;Yes)、ステップS11で停電検査領域1の値が正常でないと判定した場合(ステップS11;No)、ステップS13で停電検査領域2の値が正常でないと判定した場合(ステップS13;No)、或いは、ステップS16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップS16;No)には、図7のステップS24へジャンプする。
【0112】
また、ステップS16でチェックサムが一致すると判定した場合(ステップS16;Yes)には、図7のステップS17へ移行して、全ての停電検査領域をクリアする処理(ステップS17)、チェックサム領域をクリアする処理(ステップS18)を行ってから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
【0113】
また、ステップS20で高確率であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(第4出力ポート136)にセーブして(ステップS22)、ステップS23へ移行する。ステップS23では、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを送信してステップS29へ進む。
【0114】
一方、ステップS9,S11,S13,S16からステップS24へジャンプした場合には、まずCPU111Aが使用するRAM内の、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアする処理(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする処理(ステップS25)を行ってから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。それから、RWMをクリアしたことに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS28)を行って、ステップS29へ進む。
【0115】
ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)
回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ms)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0116】
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0117】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0118】
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップS34)。そして、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックし、停電監視信号がONであるか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップS35;No)には、ステップS33に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0119】
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0120】
上記ステップS35において、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップS35;Yes)には、設定したチェック回数の分だけONが継続されたか否かを判定する(ステップS36)。そして、継続されなかったと判定した場合(ステップS36;No)には、ステップS35に戻り、停電が発生したか否かの判定(ループ処理)を繰り返し行う。また、ステップS36において、継続されたと判定した場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブする処理(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする処理(ステップS40)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)を行った後、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブして(ステップS42)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、停電等に伴う遊技機10の電源遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを、遊技機10の電源再投入時に判断することができる。
【0121】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図8のタイマ割込み処理が開始される。
【0122】
タイマ割込み処理においては、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
【0123】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。なお、特図ゲーム処理の詳細については後述する。
【0124】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行なって、タイマ割込み処理を終了する。
【0125】
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0126】
図9に示すように、特図ゲーム処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。この始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
【0127】
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
【0128】
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。この特図普段処理の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
【0129】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定、確変状態や時短状態を終了するための設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
【0130】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。この大当り終了処理の詳細については後述する。
【0131】
そして、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
【0132】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。
図10に示すように、始動口スイッチ監視処理では、まず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。この特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
【0133】
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定(ステップA113)する。ここで、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
【0134】
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0135】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。
特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
【0136】
図11に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブする(ステップA203)。
【0137】
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして(ステップA204)、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
【0138】
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。ここで、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA210)を行う。続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA211)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行う。
【0139】
続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA214)を行った後、大当り乱数を抽出し、準備する(ステップA215)。そして、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。そして、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA217)、大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA218)。次に、対応する変動パターン乱数1を抽出し、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA220)、次に、対応する変動パターン乱数3を抽出し、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(ステップA221)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA222)を行う。この特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
【0140】
続けて、ステップA203でセーブした始動口入賞フラグをロード(ステップA223)し、特図保留数の合計に対応する変動順序フラグセーブ領域のアドレスを算出(ステップA224)する。そして、ロードした始動口入賞フラグを変動順序フラグとして変動順序フラグセーブ領域にセーブして(ステップA225)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0141】
ステップA215〜A221でセーブされた一組の各種乱数が一個の始動記憶となる。本処理が始動入賞口36への入賞に基づいて行われればこの各種乱数は第1始動記憶となり、普通変動入賞装置37への入賞に基づいて行われれば第2始動記憶となる。従って、遊技制御装置100は、第1始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲームの実行に関する複数の乱数を抽出して第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき第2変動表示ゲームの実行に関する複数の乱数を抽出して第2始動記憶として記憶する始動記憶保留手段として機能することになる。
【0142】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA222)の詳細について説明する。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
【0143】
図12に示すように、特図保留情報判定処理では、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェックする(ステップA231)。
ここで、「先読み演出を実行してよい条件」とは、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であること、又は当該始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力の場合には、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中でない、すなわち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)でなく、且つ、大当り中でないことを意味する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
【0144】
そして、ステップA232にて、先読み演出を実行してよい条件を満たしていない場合(ステップA232;No)は、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合(ステップA232;Yes)は、大当り判定処理(ステップA233)を行う。この大当り判定処理では、始動記憶として記憶された大当り判定用の乱数を用いて、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるか否かを判定する。
【0145】
そして、ステップA233における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA234;Yes)には、監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA235)、大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA236)、ステップA238へ移行する。
一方、ステップA234における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA234;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA237)、ステップA238へ移行する。
【0146】
続けて、ステップA238では、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA238)。次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA239)。
【0147】
続けて、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA240)、監視対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備し(ステップA241)、特図情報設定処理(ステップA242)、後半変動パターン設定処理(ステップA243)、変動パターン設定処理(ステップA244)を行う。
そして、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE:遊技結果情報)を算出し、準備し(ステップA245)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION:遊技結果情報)として準備して(ステップA246)、コマンド設定処理(ステップA247)を行う。
【0148】
続けて、始動口入賞演出図柄コマンド(遊技結果情報)をロードし、準備して(ステップA248)、コマンド設定処理(ステップA249)を行い、特図保留情報判定処理を終了する。この始動口入賞演出図柄コマンドは演出制御装置300に送られ、保留の表示態様を設定するのに用いられる。
【0149】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理(図9参照)における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図13に示すように、特図普段処理では、まず、特図1保留数(第1始動記憶数)と特図2保留数(第2始動記憶数)が共に0であるかをチェックする(ステップA301)。ここで、特図1保留数、特図2保留数が共に0ではない、すなわち、第1始動記憶、第2始動記憶の何れかが少なくとも1つ以上記憶されていると判定した場合(ステップA302;No)は、RWMの変動順序フラグセーブ領域から最先の変動順序フラグをロード(ステップA303)し、この変動順序フラグが第1特図変動表示ゲームの開始を示しているかをチェック(ステップA304)する。
【0150】
ステップA305にて、変動表示フラグが第1特図変動表示ゲームの開始を示すものであると判定した場合(ステップA305;Yes)は、特図1変動開始処理(ステップA306)を行う。この特図1変動開始処理の詳細については後述する。そして、特図変動中処理移行設定処理(ステップA307)を行い、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA305にて、変動表示フラグが第1特図変動表示ゲームの開始を示すものではない、すなわち第2特図変動表示ゲームの開始を示すものであると判定した場合(ステップA305;No)は、特図2変動開始処理(ステップA308)を行う。この特図2変動開始処理の詳細については後述する。そして、特図変動中処理移行設定処理(ステップA309)を行い、特図普段処理を終了する。
【0151】
ステップA302にて、特図1保留数、特図2保留数が共に0であると判定した場合(ステップA302;Yes)は、既に客待ちデモが開始されているかをチェック(ステップA310)する。ここで、客待ちデモが開始されていない、即ち、開始済みでないと判定した場合(ステップA311;No)は、客待ちデモフラグを客待ちデモ中に設定する処理(ステップA312)を行う。そして、客待ちデモコマンドを準備(ステップA313)し、コマンド設定処理(ステップA314)を行う。そして、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA315)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
【0152】
一方、ステップA305にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずに特図普段処理を終了する。
以上の処理により、遊技球が、始動入賞口36と普通変動入賞装置37のどちらに入賞したのかに関係なく、入賞のあった順に(特図始動口スイッチ共通処理で付けられた順番どおりに)第1特図変動表示ゲームまたは第2特図変動表示ゲームが実行される。
【0153】
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA306)の詳細について説明する。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図14に示すように、まず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA321)を行う。
【0154】
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA322)を行う。この特図1停止図柄設定処理の詳細については後述する。そして、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA323)。
続いて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA324)。
【0155】
次に、特図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA325)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA326)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備して(ステップA327)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA328)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA329)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA330)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA331)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
【0156】
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA322)の詳細について説明する。
特図1停止図柄設定処理は、第1特図変動表示ゲームにおける停止図柄を設定する処理であり、図15に示すように、まず、大当りフラグ1が大当りを示すものであるか否か、即ち、大当り情報がセーブされているかをチェック(ステップA341)する。ここで、大当りフラグ1が大当りを示すものであると判定した場合(ステップA342;Yes)は、特図1の大当り図柄情報テーブルを設定(ステップA343)して、普電サポートが行われているか否か(時短状態が発生しているか否か)を判定(ステップA344)する。ここで、普電サポートが行われていないと判定した場合(ステップA344;No)は、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域(特図1用)から大当り図柄乱数をロード(ステップA345)し、この大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得・準備(ステップA346)する。そして、取得した停止図柄番号をRWMの特図1停止図柄領域にセーブ(ステップA347)し、停止図柄情報設定処理(ステップA351)を行う。この停止図柄情報設定処理の詳細については後述する。
【0157】
ステップA344にて、普電サポートが行われていると判定した場合(ステップA344;Yes)は、特図の確率状態が高確率状態になっているか否かを判定(ステップA348)する。ここで、高確率状態になっていないと判定した場合(ステップA348;No)は、大当りAに対応する停止図柄番号を準備(ステップA349)して、ステップA351以降の処理を行う。一方、高確率状態になっていると判定した場合(ステップA348;Yes)は、大当りBに対応する停止図柄番号を準備(ステップA350)して、ステップA351以降の処理を行う。
【0158】
ステップA342にて、大当りフラグ1が大当りを示すものではない、すなわち、はずれを示すものであると判定した場合(ステップA342;No)は、はずれ時の停止図柄番号をRWMの特図1停止図柄領域にセーブ(ステップA352)する。そして、はずれ時の図柄情報をRWMの図柄情報領域にセーブ(ステップA353)する。
【0159】
ステップA351またはステップA353の処理を行った後は、飾り特図コマンドテーブルを設定(ステップA354)する。そして、図柄情報に対応する飾り特図1コマンド(ACTION)を取得(ステップA355)し、飾り特図1コマンド(MODE)を設定(ステップA356)する。そして、これらのコマンドをRWMの飾り特図コマンド領域にセーブ(ステップA357)し、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域(特図1用)を0クリアして(ステップA358)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
【0160】
この処理により、普電サポート状態(時短状態)において第1特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、そのときの確率状態が高確率状態であれば大当りBとなり、低確率状態であれば大当りAとなる。
なお、普電サポート状態は、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が低確率のままであっても、普図変動表示ゲームの実行時間として第2の変動表示時間が、普通変動入賞装置37の開放時間として第2開放時間が、普通変動入賞装置37の開放回数として第2開放回数がそれぞれ設定されている状態を含んでもよい。
【0161】
〔停止図柄情報設定処理〕
次に、上述の特図1停止図柄設定処理における停止図柄情報設定処理(ステップA351)の詳細について説明する。
図16に示すように、停止図柄情報設定処理では、まず、上記特図1停止図柄設定処理のステップA347、A349,A350の何れかで準備された停止図柄番号を大当り図柄情報テーブルに参照し、対応する図柄情報、確率変動判定フラグ、ラウンド数上限値情報、大入賞口開放情報、時短変動回数情報をそれぞれ取得して、RWMの図柄情報領域、確率変動判定フラグ領域、ラウンド数上限値情報領域、大入賞口開放情報領域、時短変動回数情報領域にそれぞれセーブ(ステップA361〜A365)する。なお、時短変動回数は、特別遊技状態の終了後、時短状態で実行される特図変動表示ゲームの回数を示している。
【0162】
ここで、ステップA362の確率変動判定フラグについて説明する。確率変動判定フラグは、特図、普図の確率状態や普図変動表示ゲームの実行態様、普通変動入賞装置37の動作態様を決定するためのフラグで、本実施形態では、図17に示すように0,1,2の3種類が設定されている。
確率変動判定フラグが0に設定されると、特図ゲームモードフラグが低確率状態かつ時短状態を示すように設定され、普図ゲームモードフラグが普図高確率かつ普電サポート状態を示すように設定される。
確率変動判定フラグが1に設定されると、特図ゲームモードフラグが高確率状態かつ時短状態を示すように設定され、普図ゲームモードフラグが普図高確率かつ普電サポート状態を示すように設定される。
確率変動判定フラグが2に設定されると、特図ゲームモードフラグが高確率状態かつ時短なし状態を示すように設定され、普図ゲームモードフラグが普図低確率かつ普電サポートなし状態を示すように設定される。
【0163】
図16の説明に戻る。ステップA361〜A365で各種情報を取得・セーブした後は、確率変動判定フラグが特図高確率を示すものであるか否か、すなわち、確率変動判定フラグが1または2となっているか否かを判定(ステップA366)する。ここで、確率変動判定フラグが特図高確率を示すものではないと判定した場合(ステップA366;No)は、停止図柄情報設定処理を終了する。一方、確率変動判定フラグが特図高確率を示すものであると判定した場合(ステップA366;Yes)は、停止図柄番号に対応する高確ST変動回数情報を取得し、RWMの高確ST変動回数情報領域にセーブ(ステップA367)して、停止図柄情報設定処理を終了する。この高確ST変動回数は、特別遊技状態の終了後、確変状態で実行される特図変動表示ゲームの回数を示している。
【0164】
この処理により、大当りとなり特別遊技状態が発生した場合に遊技者に付与する遊技価値の内容が決定される。この内容を決定するための停止図柄番号は、大当りの種類に応じて決まるものであり、特に、大当りのうち大当りA,Bに対応する停止図柄番号は、上記の特図1停止図柄設定処理および後述する特図2停止図柄設定処理において、時短状態と確変状態の発生の有無によって決定される。つまり、遊技制御装置100は、変動表示ゲームが行われる際に、変動表示ゲームの実行に関する設定内容と、当該変動表示ゲームの実行契機となった始動記憶の種類との組み合わせに基づいて、特別結果態様となった場合に発生させる特別遊技状態を複数の中から何れかに決定する機能を有していることになり、変動表示ゲームの実行に関する設定内容には、確率設定手段により設定された確率と変換確率設定手段により設定された変換確率が含まれることになる。
【0165】
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理(図13参照)における特図2変動開始処理(ステップA308)の詳細について説明する。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図18に示すように、まず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA371)を行う。
【0166】
次に、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA372)を行う。特図2停止図柄設定処理の詳細については後述する。そして、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA373)。
続いて、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA374)。
【0167】
次に、特図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA375)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA376)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図2用)を準備して(ステップA377)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA378)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA379)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA380)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA381)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
【0168】
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA322)の詳細について説明する。
特図2停止図柄設定処理は、第2特図変動表示ゲームにおける停止図柄を設定する処理であり、図19に示すように、まず、大当りフラグ2が大当りを示すものであるか否か、即ち、大当り情報がセーブされているかをチェック(ステップA391)する。ここで、大当りフラグ2が大当りを示すものであると判定した場合(ステップA392;Yes)は、特図2の大当り図柄情報テーブルを設定(ステップA393)し、普電サポートが行われているか否か(時短状態が発生しているか否か)を判定(ステップA394)する。ここで、普電サポートが行われていないと判定した場合(ステップA394;No)は、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域(特図2用)から大当り図柄乱数をロード(ステップA395)し、この大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得・準備(ステップA396)する。そして、取得した停止図柄番号をRWMの特図2停止図柄領域にセーブ(ステップA397)し、停止図柄情報設定処理(ステップA401)を行う。この停止図柄情報設定処理は、前述した特図1停止図柄設定処理のステップA351における処理と同様である。
【0169】
ステップA394にて、普電サポートが行われていると判定した場合(ステップA394;Yes)は、特図の確率状態が高確率状態になっているか否かを判定(ステップA398)する。ここで、高確率状態になっていないと判定した場合(ステップA398;No)は、大当りBに対応する停止図柄番号を準備(ステップA399)して、ステップA401以降の処理を行う。一方、高確率状態になっていると判定した場合(ステップA398;Yes)は、大当りAに対応する停止図柄番号を準備(ステップA400)して、ステップA401以降の処理を行う。
【0170】
ステップA392にて、大当りフラグ2が大当りが大当りを示すものではない、すなわち、はずれを示すものであると判定した場合(ステップA392;No)は、はずれ時の停止図柄番号をRWMの特図2停止図柄領域にセーブ(ステップA402)する。そして、はずれ時の図柄情報をRWMの図柄情報領域にセーブ(ステップA403)する。
【0171】
ステップA401またはステップA403の処理を行った後は、飾り特図コマンドテーブルを設定(ステップA404)する。そして、図柄情報に対応する飾り特図2コマンド(ACTION)を取得(ステップA405)し、飾り特図2コマンド(MODE)を設定(ステップA406)する。そして、これらのコマンドをRWMの飾り特図コマンド領域にセーブ(ステップA407)し、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域(特図2用)を0クリアして(ステップA408)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
【0172】
この処理により、普電サポート状態(時短状態)において第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、そのときの確率状態が高確率状態であれば大当りAとなり、低確率状態であれば大当りBとなる。
【0173】
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理(図9参照)における大当り終了処理(ステップA15)について説明する。
図20に示すように、大当り終了処理では、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果態様の種類に基づき設定される確率変動判定フラグをロード(ステップA501)し、確率変動判定フラグによる分岐処理(ステップA502)を行う。
【0174】
確率変動判定フラグが「0」である、すなわち、特別遊技状態の終了後に特図低確率状態および時短状態を発生させる場合は、大当り終了設定処理1(ステップA503)を行う。また、確率変動判定フラグが「1」である、すなわち、特別遊技状態の終了後に特図高確率状態および時短状態を発生させる場合は、大当り終了設定処理2(ステップA504)を行う。また、確率変動判定フラグが「2」である、すなわち、特別遊技状態の終了後に特図高確率状態を発生させ時短状態を発生させない場合は、大当り終了設定処理3(ステップA505)を行う。この大当り終了設定処理1〜3の詳細については後述する。
【0175】
大当り終了設定処理1〜3の何れかを行った後は、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備(ステップA506)し、コマンド設定処理(ステップA507)を行う。確率情報コマンドは後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、この情報に基づき演出内容を設定する。そして、特図普段処理移行設定処理2(ステップA508)を行い、大当り終了処理を終了する。特図普段処理移行設定処理2(ステップA508)では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
【0176】
〔大当り終了設定処理1〕
次に、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA503)について説明する。
図21に示すように、大当り終了設定処理1では、まず、時短状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブ(ステップA511)し、時短状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブ(ステップA512)する。次に、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブ(ステップA513)し、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率状態かつ普電サポート状態を示すフラグをセーブ(ステップA514)する。そして、特図ゲームモードフラグ領域に低確率状態かつ時短状態を示すフラグをセーブ(ステップA515)し、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブ(ステップA516)する。その後、RWMの時短変動回数領域に、停止図柄情報設定処理(図16参照)においてセーブされた時短変動回数情報に基づく時短変動回数初期値をセーブ(ステップA517)し、大当り終了設定処理1を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、所定回数(時短変動回数)の特図変動表示ゲームが実行されるまで時短状態が発生する。
【0177】
〔大当り終了設定処理2〕
次に、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA504)について説明する。
図22に示すように、大当り終了設定処理2では、まず、高確率状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブ(ステップA521)し、高確率状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブ(ステップA522)する。次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブ(ステップA523)し、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率状態かつ普電サポート状態を示すフラグをセーブ(ステップA524)する。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率状態かつ時短状態を示すフラグをセーブ(ステップA525)し、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブ(ステップA526)する。その後、RWMの時短変動回数領域に、時短変動回数情報に基づく時短変動回数初期値をセーブ(ステップA527)し、特図高確ST回数領域に、停止図柄情報設定処理(図16参照)においてセーブされた高確ST回数情報に基づく高確ST回数初期値をセーブ(ステップA528)して、大当り終了設定処理2を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、所定回数(高確ST回数)の特図変動表示ゲームが実行されるまで確変状態が発生するとともに、所定回数(時短変動回数)の特図変動表示ゲームが実行されるまで時短状態が発生する。
【0178】
〔大当り終了設定処理3〕
次に、上述の大当り終了処理(図23参照)における大当り終了設定処理3(ステップA505)について説明する。
図23に示すように、大当り終了設定処理3では、まず、潜伏確変状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブ(ステップA531)し、潜伏確変状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブ(ステップA532)する。次に、遊技状態表示番号領域に潜伏確変時の番号をセーブ(ステップA533)し、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率状態かつ普電サポートなし状態を示すフラグをセーブ(ステップA534)する。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率状態かつ時短なし状態を示すフラグをセーブ(ステップA535)し、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏確変)をセーブ(ステップA536)する。その後、時短変動回数領域をリセット(ステップA537)し、特図高確ST回数領域に高確ST回数初期値をセーブ(ステップA538)して、大当り終了設定処理3を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、所定回数(高確ST回数)の特図変動表示ゲームが実行されるまで確変状態が発生する。
【0179】
上記大当り終了設定処理2,3により、特別遊技状態の終了後に、特図変動表示ゲームで大当りとなる確率として高確率が設定される。そして、詳細は省略するが、所定回数(高確ST回数)目の特図表示中処理(ステップA11)で低確率が設定される。これらの処理を行うことにより、遊技制御装置100は、変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となる確率として、通常確率と、通常確率よりも前記特別結果態様となる確率の高い高確率と、を設定可能な確率設定手段として機能する。
また、上記大当り終了処理1,2により、特別遊技状態の終了後に、普図変動表示ゲームで当りとなる確率として高確率が設定される。そして、詳細は省略するが、所定回数(時短変動回数)目の特図表示中処理(ステップA11)で低確率が設定される。これらの処理を行うことにより、遊技制御装置は、抽選に当選し前記変換制御実行手段が前記変換部材の制御を行う確率として、第1変換確率と、前記第1変換確率状態よりも高い第2変換確率と、を設定可能な変換確率設定手段として機能する。
【0180】
次に、大当りに当選した場合に、遊技者に付与する遊技価値(特別遊技状態の実行態様および遊技者に付与する付加遊技価値)の具体的な設定例について説明する。
前述した大当り図柄情報テーブル(図15,19参照)には、特別遊技状態となった場合に遊技者に付与する遊技価値の内容を示す情報(ラウンド数上限値情報、確率変動判定フラグ、時短変動回数情報、高確ST回数情報)が大当りの種類毎に複数設定されており、大当りの種類が決定されると、大当り図柄情報テーブルから当選した大当りに対応する情報が取得され、この情報に基づいて遊技価値が付与されるようになっている。図24には、大当りAまたはBに当選した場合の設定例を示した。なお、以下の説明は、大当りA,Bの発生条件(図5参照)は遊技者にとって既知の情報であるものとして説明する。
【0181】
図24(a)は、最も基本的な設定例として、一方の大当り(ここでは大当りA)を他方(大当りB)よりも遊技者に有利に設定した場合を示したものである。具体的には、大当りAとなる場合の特別遊技状態(第1特別遊技状態)のラウンド数(ラウンド数上限値)を16に設定し、確率変動判定フラグを1(高確率状態および時短状態の発生)、時短状態が終了となるまでに実行される特図変動表示ゲームの回数(時短変動回数)および高確率状態が終了となるまでに実行される特図変動表示ゲームの回数(高確ST回数)をそれぞれ70回に設定している。一方、大当りBとなる場合の特別遊技状態(第2特別遊技状態)の実行態様として特別遊技状態のラウンド数を16に設定し、付加遊技価値として、確率変動判定フラグを0(低確率、時短)、時短変動回数を70回に設定している。大当りBの場合、確率状態が低確率状態となるので高確ST回数は設定していない。
【0182】
このような設定とすることにより、大当りAとBとでは、高確率状態が発生する点において、大当りAに当選した方が遊技者にとって有利になる。このため、非報知モードの場合には、始動入賞高36と普通変動入賞装置37のどちらに入賞させれば大当りAに当選するのか推理する楽しみが生まれ遊技の興趣が高まる。
また、前述したように、本実施形態の遊技盤30は、始動入賞口36または普通変動入賞装置37への狙い打ちが高い確率で成功するよう構成されているので、報知モードであれば、遊技者は大当りAを発生可能な特図変動表示ゲームの実行契機となる始動入賞口を狙って遊技球を打つことができる。こうすれば、高確率状態の継続期間が決められていても、その期間内に再び大当りAに当選して高確率状態が長続きし易くなる。このため、初当り(時短状態や確変状態が発生すること)のうれしさが一層大きくなるし、低確率状態に転落する心配をすることなく安心して遊技を楽しむことができる。
なお、報知モードの発生率が高すぎると、遊技が特定の始動入賞口を狙うだけのつまらないものとなってしまい、有利な大当りの有り難味が薄れてしまうため、報知モードの発生率は低く抑えておくのが好ましい。
【0183】
図24(b)は、大当りAと大当りBにそれぞれ異なる利点を持たせた場合を示したものである。具体的には、確率変動判定フラグ、ラウンド数上限値の設定内容は上記図24(a)に示した場合と同様とし、時短変動回数を、大当りAは50回、大当りBは100にそれぞれ設定している。また、高確ST回数を、大当りAは50回に設定し、大当りBには設定していない。
このような設定とすることで、高確率状態が発生する点においては大当りBよりも大当りAに当選した方が遊技者にとって有利になるが、時短状態の継続期間が長いという点においては大当りAよりも大当りBに当選した方が遊技者にとって有利になる。つまり、遊技者が得られる遊技価値の差が小さいので、大当りAと大当りBのどちらに当選した方が有利であるか一概に決定できなくなる。従って、非報知モードの場合には、大当りA,Bどちらであってもそれなりの遊技価値を得られるので安心して遊技を行うことができるし、報知モードの場合には、状況に応じて始動入賞口36と普通変動入賞装置37のどちらに入賞させるか選ぶ楽しみが生まれ、遊技の興趣が向上する。
【0184】
以上のように、本実施形態の遊技機10の始動入賞領域は、所定位置に設けられる第1始動入賞領域(始動入賞口36)と、第1始動入賞領域36とは異なる位置に設けられる第2始動入賞領域(普通変動入賞装置37)と、を備え、遊技制御装置100は、遊技者の得られる遊技価値の異なる複数の特別遊技状態を発生可能に構成され、第1始動入賞領域36への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の実行に関する複数の乱数を抽出して第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞領域37への遊技球の入賞に基づき第2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の実行に関する複数の乱数を抽出して第2始動記憶として記憶する始動記憶保留手段(遊技制御装置100)を備え、変動表示ゲームが行われる際に、変動表示ゲームの実行に関する設定内容と、当該変動表示ゲームの実行契機となった始動記憶の種類との組み合わせに基づいて、特別結果態様となった場合に発生させる特別遊技状態を複数の中から何れかに決定するようにしている。
【0185】
従って、どの設定状態にあるときに第1,第2どちらの変動表示ゲームが実行されたかによって、特別遊技状態が発生した場合に遊技者が得られる遊技価値が異なってくる。従って、遊技者がいずれの始動入賞領域を狙うかの選択が、その後に得られる遊技価値に大きく関わるようになるため、遊技の興趣を高めることができる。
【0186】
また、本実施形態の遊技機10は、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の停止結果態様が前記特別結果態様となる確率として、通常確率と、通常確率よりも前記特別結果態様となる確率の高い高確率と、を設定可能な確率設定手段(遊技制御装置100)を備え、変動表示ゲームの実行に関する設定内容には、確率設定手段100により設定された確率が含まれるようにしている。
【0187】
従って、高確率に設定されているか通常確率に設定されているかによって、所望の特別遊技状態を発生可能な変動表示ゲームの実行契機となる始動入賞領域が異なってくる。従って、有利な始動入賞領域はどちらかを遊技者に推理させるという新たな遊技性が生まれる。なお、設定された確率を報知するようにすれば、どちらの始動入賞領域に入賞させれば所望の遊技価値を得られるかが分かるようになるので、遊技者は極めて有利な状態で遊技を行うことができる。
【0188】
また、本実施形態の遊技機10の第2始動入賞領域(普通変動入賞装置37)は、遊技球を受け入れ難い第1状態と遊技球を受け入れ易い第2状態とに変換可能な変換部材(可動部材37b,37b)を備え、遊技制御装置100は、所定条件の成立に基づき所定の確率で抽選を行い、該抽選に当選した場合に変換部材37b,37bを所定時間に亘って前記第2状態から前記第1状態へ変換させる制御を実行可能な変換制御実行手段(遊技制御装置100)と、該抽選に当選し変換制御実行手段100が変換部材37b,37bの制御を行う確率として、第1変換確率と、第1変換確率状態よりも高い第2変換確率と、を設定可能な変換確率設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行に関する設定内容には、変換確率設定手段100により設定された変換確率が含まれるようにしている。
【0189】
従って、変換確率設定手段100によって第2変換確率が設定されると、第1変換確率が設定された場合よりも変換部材37b,37bが頻繁に第2状態となるので、変換部材37b,37bの動作をみることにより、変換確率設定手段100によって設定されている確率が第1,第2どちらの変換確率であるか推測することが可能となる。どちらの始動入賞領域に入賞させればどの特別遊技状態が発生可能となるのか手がかりを得ることができるので遊技の興趣が高まる。なお、第2変換確率が設定された状態では、第2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)において(第2始動入賞領域37への入賞を契機として)所望の遊技価値が獲得可能となるように設定することにより、第2変動表示ゲームの回転率が上がり、大当りとなって高い遊技価値が得られる可能性も高まるので、遊技の興趣が高まる。
【0190】
また、本実施形態の遊技機10の装飾表示装置(表示装置41)は、遊技領域30aの中央部に設けられ、第2始動入賞領域(普通変動入賞装置37)は、装飾表示装置41の右側を流下する遊技球のみ入賞可能となる位置に設けられている。
【0191】
従って、遊技機10に備えられる操作部24を、遊技球が装飾表示装置41の右側を流下するように操作することにより、第2始動入賞領域37への入賞率を高めることが可能となる。また、所望の始動入賞領域に入賞させるのに操作部24の高い操作精度を求められるので、狙い打ちを楽しみたい遊技者にとっては遊技の興趣が高まる。
【0192】
また、本実施形態の遊技機10は、遊技制御装置100は、複数の特別遊技状態として、第1特別遊技状態と、第1特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の小さな第2特別遊技状態と、を発生可能であり、通常確率状態においては、第1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の停止結果態様が特別結果態様となった場合に第1特別遊技状態を、第2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の停止結果態様が特別結果態様となった場合に第2特別遊技状態を発生可能とする一方、高確率状態においては、第1変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となった場合に第2特別遊技状態を、第2変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となった場合に第1特別遊技状態を発生可能とするようにしている。
【0193】
従って、遊技球を入賞させた始動入賞領域が第1,第2の何れであるかにより得られる遊技価値が異なってくる。このため、遊技価値の高い第1特別遊技状態を発生させたい遊技者は、通常確率状態では第1始動入賞領域(始動入賞口36)に、高確率状態では第2始動入賞領域(普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞するよう操作部を操作するようになる。このように、大当り終了後に設定される確率状態によって、遊技者が右打ち・左打ちのどちらを行うと所望の大当りを発生させられるかを考えながら打ち分けるので、発生させたい特別遊技状態(獲得したい遊技価値)を自ら選んでいるという感覚が高まり、遊技が単調になってしまうのを防ぐことができる。
【0194】
<第1実施形態変形例>
なお、図24に示した設定例のように、付与する遊技価値の内容を示す情報を全て大当り図柄情報テーブルに設定しておくのではなく、このうち一部の情報を、入賞時にRWMにセーブされた各種乱数を用いた抽選によって選択するようにしてもよい。
【0195】
図25(a)に示した例では、確率変動判定フラグとラウンド数上限値を乱数に基づいて選択するようにしている。具体的には、付与する遊技価値の内容を決定する際に、所定の乱数に基づいて、確率変動判定フラグを0と1の何れかに設定するとともに、ラウンド数上限値を16と10の何れかに設定するようになっている。また、時短変動回数を70回に設定している。高確ST回数は、確率変動判定フラグが1となった場合に70回が設定されるようになっている。
【0196】
こうすることで、例えば大当りAの確率変動判定フラグを1、ラウンド数を16に設定する抽選結果となった場合、大当りAが大当りBよりも圧倒的に有利な内容となり、大当りBの確率変動判定フラグを1、ラウンド数を10に設定する抽選結果となった場合には、大当りにはなるものの、特別遊技状態は短く、時短状態が発生しないことから、大当りAとBとで遊技価値に大きな差がなくなる。
【0197】
図25(b)に示した例では、確率変動判定フラグ、ラウンド数上限値、高確ST回数の設定については図25(a)の場合と同様とし、時短変動回数を、大当りAは70回、大当りBは40回にそれぞれ設定している。
こうすることで、大当りBに当選し、更に高確率状態が設定されることとなった場合には、高確率状態は70回の特図変動表示ゲームが実行されるまで継続されるが、時短状態は40回の特図変動表示ゲームが実行された時点で終了してしまうので、確変状態であっても早い段階で大当りに当選しなければ持ち球がどんどん減ってしまうことになり、遊技に緊迫感が生まれる。
【0198】
図25(c)に示した例では、確率変動判定フラグ、高確ST回数の設定については図25(a)の場合と同様とし、ラウンド数上限値を、大当りAは16、大当りBは10にそれぞれ設定し、時短変動回数を、大当りA,Bともに70回としている。
こうすることで、同じ確変状態が発生する大当りであっても、特別遊技状態のラウンド数が多い場合と少ない場合とが発生するようになる。
【0199】
なお、情報を選択するための抽選は、大当りが発生する毎に行ってもよいし、所定期間経過毎に行ってもよい。また、抽選を行う際、対象の全ての情報を同一の乱数を用いて決定してもよいし、情報毎に異なる乱数を用いてもよい。また、大当りAとBの両方に同じ情報が設定される場合があるようにしてもよい。また、確率変動判定フラグ、ラウンド数上限値を予め設定しておき、時短変動回数、高確ST回数を乱数によって決定するようにしてもよい。
【0200】
<第2実施形態>
ここからは、本発明の第2実施形態に係る遊技機10について説明する。以下、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略することとし、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0201】
本実施形態の遊技機10は、大当りA,Bの他に、第3特別遊技状態を発生させる大当りCが設定されており、大当り発生後に行われる所定回数の特図変動表示ゲームにおいては、実行されたのが第1,第2どちらの特図変動表示ゲームであるかに関らず発生可能な大当りを大当りCのみとし、第1,第2特図変動表示ゲーム共に大当りとなった場合に付与する遊技価値を等しくしている。このため、本実施形態では、特図1停止図柄設定処理(ステップA322)や、特図2停止図柄設定処理(ステップA372)、停止図柄情報テーブルの設定内容が第1実施形態から下記のように変更されている。なお、特図2停止図柄設定処理の変更内容は特図1停止図柄設定処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0202】
〔特図1停止図柄設定処理〕
まず、特図1停止図柄設定処理(ステップA322)の変更点について説明する。
図26に示すように、本実施形態の特図1停止図柄設定処理は、ステップA343の後にステップA341a,A342aの処理が追加されている点で、第1実施形態の同処理(図15参照)と異なっている。具体的には、本処理では、ステップA343で特図1の大当り図柄情報テーブルを設定した後に、今回の処理に基づいて実行される特図変動表示ゲームが、直近の大当り発生から所定回数以内に実行されるものであるか否かを判定(ステップA341a)する。この所定回数とは、記憶可能な始動記憶の上限数以上の数(ここでは8回)である。ここで、所定回数以内であると判定した場合(ステップA341a;Yes)は、大当りCに対応する停止図柄番号を準備(ステップA342a)して、ステップA354以降の処理を行う。一方、所定回数以内ではない、すなわち、直近の大当り発生から所定回数特図変動表示ゲームが実行された後であると判定した場合(ステップA341a;No)は、ステップA344以降の処理を行う。
この処理により、大当りの発生から所定回数の特図変動表示ゲームにおいては、大当りとなる場合に、大当りCのみが発生し、大当りA,Bが発生しなくなる。
【0203】
次に、大当りに当選した場合に、遊技者に付与する遊技価値の設定例について説明する。
本実施形態の停止図柄情報テーブルには、大当りCに当選し特別遊技状態(第3特別遊技状態)となった場合に遊技者に付与する遊技価値の内容を示す情報が設定されている。大当りCは、大当りBよりは付与する遊技価値が大きいが、大当りAよりは小さくなるよう、その内容を設定している。
【0204】
図27(a)は、高確率状態の継続期間で差をつけた場合を示したものである。具体的には、大当りA,Bの設定については図24(a)の場合と同様とし、大当りCとなる場合のラウンド数上限値、確率変動判定フラグ、時短変動回数を大当りAと同様に設定し、高確ST回数を大当りAよりも少ない35回に設定している。
このような設定とすることで、大当りCは、高確率状態の継続期間が短い(ここでは半分になる)点において、大当りAよりも遊技者に付与する遊技価値が小さいが、高確率状態が発生する点において、大当りBよりも大きいものとなる。
なお、高確率状態の継続期間の長短で差をつけるのではなく、低確率と高確率の中間の中確率を設けるなどして差をつけるようにしてもよい。
【0205】
図27(b)は、時短状態の継続期間で差をつけた場合を示したものである。具体的には、大当りA,Bの設定については図24(a)の場合と同様とし、大当りCとなる場合のラウンド数上限値、確率変動判定フラグ、高確ST回数を大当りAと同様に設定し、時短変動回数を大当りAよりも少ない35回に設定している。
このような設定とすることで、大当りCは、時短状態の継続期間が短い(ここでは半分になる)点において、遊技者に付与する遊技価値が小さいが、時短状態が発生する点において、大当りBよりも大きいものとなる。
なお、時短状態の継続期間の長短で差をつけるのではなく、普図変動表示ゲームの実行時間や当選確率、普通変動入賞装置37の可動部材37bの開放時間などで差をつけるようにしてもよい。
【0206】
図27(c)は、特別遊技状態の実行態様(ラウンド数)で差をつけた場合を示したものである。具体的には、大当りA,Bの設定については図24(b)の場合と同様とし、大当りCとなる場合の確率変動判定フラグ、時短変動回数、高確ST回数を大当りAと同様に設定し、ラウンド数上限値を大当りAよりも少ない8に設定している。
このような設定とすることで、大当りCは、ラウンド数が少ない(ここでは半分になる)点において、大当りAよりも遊技者に付与する遊技価値が小さいが、高確率状態が発生する点において、大当りBよりも大きいものとなる。
なお、ラウンド数の多寡で差をつけるのではなく、大入賞口の開放時間や、入賞球1個あたりの賞球数などで差をつけるようにしてもよい。
【0207】
遊技制御装置100は、上記特図1停止図柄設定処理において、このような内容の大当りCを発生させる制御を行うことから、特別遊技状態が終了した後に所定回数実行される変動表示ゲームにおいては、変動表示ゲームの種類に関わらず、停止結果態様が特別結果態様となった場合に第2特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の大きな第3特別遊技状態を発生させる機能を有していることになる。
【0208】
以上のように、本実施形態の遊技機10の遊技制御装置100は、特別遊技状態が終了した後に所定回数実行される変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)においては、前記変動表示ゲームの種類に関わらず、停止結果態様が特別結果態様となった場合に第2特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の大きな第3特別遊技状態を発生させるようにしている。
【0209】
従って、入賞させたい始動入賞領域とは異なる始動入賞領域への入賞に基づく始動記憶が特別遊技状態終了時に既に存在した場合に、特別遊技状態終了後に現在の確率状態を予測して所望の始動入賞領域へ遊技球を入賞させたにもかかわらず、存在していた始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行され、遊技者が望まない特別結果態様となってしまうということを防ぐことができる。
【0210】
<第2実施形態変形例>
また、第1実施形態と同様、付与する遊技価値の内容を示す情報を全て大当り図柄情報テーブルに設定しておくのではなく、このうち一部の情報を、入賞時にRWMにセーブされた各種乱数を用いた抽選によって選択するようにしてもよい。
【0211】
図28(a)に示した例では、大当りA,Bの確率変動判定フラグ、ラウンド数上限値、高確ST回数の設定については図25(a)の場合と同様とし(ラウンド数上限値と確率変動判定フラグを抽選により決定し)、時短変動回数を大当りA,B共に70回に設定している。そして、大当りCとなる場合のラウンド数上限値を2、確率変動判定フラグを2(高確率、時短なし)、高確ST回数を70回に設定している。大当りCの場合、時短状態が発生しないので時短変動回数は設定していない。
このような設定とすることで、大当りCは、時短状態が発生しない点において、大当りA,Bよりも遊技者に付与する遊技価値が小さいが、確変状態が発生する点において、大当りAまたはBのうち確変状態が発生しない方の大当りよりも大きいものとなる。
【0212】
図28(b)に示した例では、大当りA,Bの設定については図24(a)の場合と同様とし、確率変動判定フラグを乱数に基づいて0と1の何れかに決定するようにしている。また、ラウンド数上限値を16、高確ST回数を70回にそれぞれ設定している。時短変動回数は、確率変動判定フラグが1に設定された場合のみ70回に設定される。
このような設定とすることで、大当りCは、確率変動判定フラグが0(低確率、時短)に設定された場合には、確変状態が発生しない点において、大当りAよりも遊技者に付与する遊技価値が小さいが、時短状態が発生する点において、大当りBよりも大きいものとなる。一方、確率変動判定フラグが1(高確率、時短)に設定された場合には、大当りAと等しい遊技価値が付与されるので、遊技者にとって極めて有利な状態となる。
【0213】
<第3実施形態>
ここからは、本発明の第3実施形態に係る遊技機10について説明する。以下、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略することとし、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0214】
本実施形態の遊技機10は、右打ちを行った場合の遊技球の始動入賞口36への入賞確率が左打ちを行った場合よりも高まるようにしている。また、確変状態が発生しているとき、始動入賞口36への入賞を契機とする第1特図変動表示ゲームでは、時短状態発生の有無に関らず、遊技者に有利な大当りAのみを発生可能とし、第2特図変動表示ゲームでは、時短状態発生の有無に関らず、遊技者に不利な大当りBのみを発生可能としている。このため、本実施形態では、遊技盤30の構成や、特図1停止図柄設定処理(ステップA322)、特図2停止図柄設定処理(ステップA372)が第1実施形態から下記のように変更されている。
【0215】
まず、遊技盤30の変更点について説明する。
図29に示すように、本実施形態の遊技盤30には、普通変動入賞装置37と始動入賞口36との間に球誘導板32が設けられている。球誘導板32は、センターケース40と普通変動入賞装置37との間を流下してきた遊技球が、センターケース40の右下に一箇所設けられた一般入賞口35や特別変動入賞装置38の方向へ流下するのを規制するので、普通変動入賞装置37へ入賞しなかった遊技球は、ほぼ始動入賞口36に入賞することになる。このようにして、本実施形態の遊技盤30は、左打ちよりも右打ちを行った方が始動入賞口36へ入賞する確率が高くなるよう構成されている。
なお、本実施形態では、球誘導板32を、遊技球が下方へ流下するのを完全に規制する長さに形成しているが、大当りA,Bの有利、不利の程度に応じてこれを調節することにより、遊技球がある程度始動入賞口36に到達する前に下方に落下するようにしてもよい。
【0216】
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、特図1停止図柄設定処理(ステップA322)の変更点について説明する。
図30に示すように、本実施形態の特図1停止図柄設定処理は、ステップA344;Noの後にステップA341bの処理が追加されている点で、第1実施形態の同処理(図15参照)と異なっている。具体的には、本処理では、ステップA344で普電サポートが行われていないと判定した後に、特図の確率状態が高確率状態になっているか否かを判定(ステップA341b)する。ここで、高確率状態になっていないと判定した場合(ステップA341b;No)は、ステップA345以降の処理を行う。一方、高確率状態になっていると判定した場合(ステップA341b;Yes)は、大当りAに対応する停止図柄番号を準備(ステップA350)して、ステップA351以降の処理を行う。
この処理により、高確率状態が発生していれば、時短状態発生の有無に関らず、第1特図変動表示ゲームで大当りとなる場合には、全て遊技者に有利な大当りAとなる。
【0217】
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、本実施形態における特図1停止図柄設定処理(ステップA372)の変更点について説明する。
図31に示すように、本実施形態の特図2停止図柄設定処理は、ステップA394;Noの後にステップA391bの処理が追加されている点で、第1実施形態の同処理(図19参照)と異なっている。具体的には、本処理では、ステップA394で普電サポートが行われていないと判定した後に、特図の確率状態が高確率状態になっているか否かを判定(ステップA391b)する。ここで、高確率状態になっていないと判定した場合(ステップA391b;No)は、ステップA395以降の処理を行う。一方、高確率状態になっていると判定した場合(ステップA391b;Yes)は、大当りBに対応する停止図柄番号を準備(ステップA350)して、ステップA401以降の処理を行う。
この処理により、高確率状態が発生していれば、時短状態発生の有無に関らず、第2特図変動表示ゲームで大当りとなる場合には、全て遊技者に不利な大当りBとなる。
【0218】
以上のように、本実施形態の遊技機10は、普通変動入賞装置37と始動入賞口36との間に、普通変動入賞装置37と始動入賞口36との間を遊技球が下方に流下してしまうのを規制する球誘導板32を備えることで、右打ちを行った場合に、普通変動入賞装置37へ入賞可能となる上に、始動入賞口36への入賞確率も高まるようにし、確変状態が発生しているとき、始動入賞口36への入賞を契機とする第1特図変動表示ゲームでは、時短状態発生の有無に関らず、遊技者に有利な(確変状態を継続させる)大当りAのみを発生可能とし、第2特図変動表示ゲームでは、時短状態発生の有無に関らず、遊技者に不利な(確変状態を終了させる)大当りBのみを発生可能としている。
【0219】
従って、始動入賞口36への入賞に基づく特図変動表示ゲームで遊技者に有利な(確変状態を継続させる)大当りAが発生可能となっている状態では、始動入賞口36への入賞確率が高い右打ちを行うことで、第1特図変動表示ゲームの実行回数を増やし、大当りAの発生率を高めることができるが、右打ちを行うと、普通変動入賞装置37へ入賞する可能性もある。普通変動入賞装置37への入賞を契機とする第2特図変動表示ゲームでは、大当りAよりも不利な大当りBが発生するため、右打ちは大当りAに当選する前に大当りBに当選してしまうというリスクを伴う。このため、このリスクをとって第1始動入賞口36への入賞率が高い右打ちを行うか、右打ちよりは始動入賞口36への入賞率が下がるが、普通変動入賞装置37への入賞の危険はない左打ちを行うか、を選択するという興趣の高いゲーム性が新たに生まれる。
【0220】
<第3実施形態変形例>
なお、遊技盤30において、右打ち規制部を、はね返した遊技球が全てセンターケース40の左側を流下するような形状に形成するのではなく、はね返った遊技球がセンターケース40の左右どちら側にも流下する可能性が残るように設けてもよい。例えば、図32に示すように、センターケース40の形状を変更してセンターケース40上方の空間を広く取り、センターケース40の上方に、右打ち規制部46を、その上下を遊技球が通過可能となるように設ける。そして、右打ち規制部46の左下であって、センターケース40の上部に上方へ向けて突出する山型の振り分け部40gを形成する。
【0221】
本変形例のようにすることで、右打ち規制部46のはね返し壁46aで跳ね返った遊技球が落下して振り分け部40gに当り、振り分け部40gの左右どちらの斜面に当たったかによってセンターケース40の右側と左側の何れかを流下するよう振り分けられる。このため、右打ち、左打ちのどちらを行うか迷っている遊技者は、右打ち規制部46めがけて遊技球を発射することで、遊技球がどちらへ行くか運に任せることができる。
【0222】
<第4実施形態>
ここからは、本発明の第4実施形態に係る遊技機10について説明する。以下、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略することとし、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0223】
本実施形態の遊技機10は、抽選で報知モードを発生させるのではなく、例えば図24(b)に示したように、高確率状態と通常確率状態とで時短変動回数を異なるように設定している場合に、非報知モードで所定回数の特図変動表示ゲームが実行された後に、時短状態が継続するか否かの演出を行うことで確率状態が分かるようにしている。
【0224】
まず、演出制御装置300での制御について説明する。図4に示したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。
【0225】
〔1stメイン処理〕
演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311では、図33に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
【0226】
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。
【0227】
次に、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
【0228】
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
【0229】
そして、遊技の演出の制御に関するシーン制御処理(ステップB22)を行う。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップB23)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理(例えば、スピーカからの音声の出力であれば、サウンド制御処理)において制御を行う。
【0230】
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB24)を行い、スピーカ(上スピーカ19、下スピーカユニット29)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB25)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
【0231】
〔2ndメイン処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、図34に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB31)を行い、RAMを0クリアして(ステップB32)、RAMの初期値を設定する(ステップB33)。次に、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップB34)を行い、各種割込みを許可する(ステップB35)。さらに、各種制御処理の初期化処理(ステップB36)を行い、画面描画を許可する(ステップB37)。
【0232】
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップB38)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップB39)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップB39)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップB39;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB40)、通常ゲーム処理(ステップB41)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB38)に戻る。
【0233】
〔通常ゲーム処理〕
次に、上述の2ndメイン処理における通常ゲーム処理(ステップB41)について説明する。
図35に示すように、通常ゲーム処理では、まず、受信コマンドチェック処理(ステップB51)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップB51)では、1stCPUから送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述する2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
【0234】
次に、背景の設定を行う背景処理(ステップB52)を行い、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップB53)を行う。さらに、特図1始動記憶表示器及び特図2始動記憶表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図保留数表示の設定を行う保留表示処理(ステップB54)を行う。
その後、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB55)を行う。そして、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定するシーン制御/表示処理(ステップB56)を行い、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB57)を行って、通常ゲーム処理を終了する。
【0235】
〔演出例〕
次に、大当りAまたはBに当選した場合の表示装置41の表示例について説明する。ここでは、特図変動表示ゲームの結果が大当りAまたはBとなる場合の付加遊技価値が図24(b)に示したよう(大当りAは確変あり、ST50回、時短50回、大当りB:確変なし、時短100回)に設定されている場合を例にとって説明する。
【0236】
大当りAまたはBの当選に当選し、図36(a)に示す特別遊技状態の最終ラウンドが終了すると、図36(b)に示すように、次の特図変動表示ゲーム(ここでは、第2始動記憶が記憶されていないため第1特図変動表示ゲーム)が実行されるとともに、時短状態が発生する。この時短状態は、その開始時に実行されたもの(図36(b)において実行中のもの)を含めて特図変動表示ゲームが所定回数(時短変動回数)実行されるまで継続される。時短状態のとき、表示装置41には、時短状態での特図変動表示ゲームが何回行われたか(何回転目であるか)を示す回転数表示(ここでは「時短1回転目」の文字)Nや、遊技状態を示すキャラクタC等を表示する。
この時短状態が発生すると、同時に確率状態が高確率状態または低確率状態に設定される。しかし、図36(b)に示した時点では非報知モードとし、表示装置41には、確率状態を報知するような内容は表示しない(ここでは、キャラクタCの表情を無表情にする)。
【0237】
当選したのが大当りAであった場合は、時短状態となってから50回目の特図変動表示ゲームの実行中、表示装置41には、例えば図36(c)に示すように、この後遊技者にとって不利な状態に移行することを示唆するような表示を行う(ここでは、キャラクタCの表情を険しくしている)。そして、50回目の特図変動表示ゲームが終了すると、確変状態および時短状態が終了し、表示装置41からは、図36(d)に示すように時短状態を示す演出画像(キャラクタCや回転数表示N等)が消え、通常の特図変動表示ゲームの実行画面に戻る。この時短状態の終了により、時短状態とともに確変状態が発生していたことが遊技者に分かるようになる。
【0238】
一方、当選したのが大当りBであった場合は、時短状態となってから50回目の特図変動表示ゲームの実行中、表示装置41には、例えば図36(e)に示すように、この後遊技者にとって有利な状態(時短状態)が継続することを示唆するような表示を行う(ここでは、キャラクタCの表情を明るくしている)。そして、50回目の特図変動表示ゲームが終了すると、時短状態が継続し、表示装置41には、図36(f)に示すように、引き続き時短状態を示す演出画像が表示される。この時短状態の継続により、時短状態の発生中、確変状態は発生していなかった(低確率であった)ことが遊技者に分かるようになるが、時短状態がまだ続くので、それまでの遊技価値が高くなかったことに対する失望感を和らげることができる。
【0239】
なお、大当りA,Bの付加遊技価値を図24(a)に示したように時短変動回数がA,Bともに同じ(例えば70回)になるよう設定してもよい。そうすれば、途中(例えば51回目)からキャラクタの表情変化によって確率状態を報知することができる。
【0240】
以上のように、本実施形態の遊技機10は、高確率状態と通常確率状態とで時短変動回数を異なるように設定している場合には、非報知モードで所定回数の特図変動表示ゲームが実行された後に、時短状態が継続するか否かの演出を行うようにしている。
【0241】
従って、時短状態の発生から所定回数の特図変動表示ゲームが実行された後、時短状態が継続するか否かによって、現在の遊技状態を認識することができ、遊技者は有利な始動口を狙い打ちすることができるようになる。また、時短状態発生の契機となった大当りがどちらの始動口への入賞に基づいて行われたものかを覚えておくことにより、当該大当りが確変状態を発生させたか否かも認識することができる。ST機においては、通常、残り回数の減少に伴い大当りに当選する期待感や遊技に対する意欲が低下していってしまうところを、所定回数の特図変動表示ゲームが実行されるまでに大当りとならない場合に確率状態が報知される(遊技者にとって少しいいことが起こる。いずれの始動口を狙う方が有利かを知ることができる。)ようにすることで、ST中になかなか当らない状態が続いても、遊技者の期待感や意欲が過度に低下してしまうことを防ぐことができる。
【0242】
<第4実施形態変形例>
なお、本実施形態のように遊技者が右打ちを行いたくなるような遊技機の構成では、普電サポートが行われると始動入賞口36への入賞が難しくなる。そこで、非報知モードの発生中に、普電サポートが行われ入賞させることが難しくなっている始動入賞口36を狙い打ちしていることが検出された場合に、現在の確率状態を示唆する演出を行うようにしてもよい。
【0243】
〔確率状態示唆演出実行処理〕
ここで、確率状態示唆演出実行処理について説明する。
確率状態示唆演出実行処理は、本実施形態の本実施形態の演出制御装置300において、始動入賞口36または普通変動入賞装置37への入賞毎に行われる処理である。
【0244】
図37に示すように、確率状態示唆演出実行処理では、まず、普電サポートが行われているか否かを判定(ステップB61)する。ここで、普電サポートが行われていないと判定した場合(ステップB61;No)は、確率状態示唆演出実行処理を終了する。一方、普電サポートが行われていると判定した場合(ステップB61;Yes)は、非報知モードが発生しているか否かを判定(ステップB62)する。ここで、非報知モードではない、すなわち、報知モードであると判定した場合(ステップB62;No)は、確率状態示唆演出実行処理を終了する。一方、非報知モードであると判定した場合(ステップB62;Yes)は、本処理開始の契機となる入賞までの所定時間(非報知モードの発生から当該入賞までに所定時間が経過していない場合は非報知モードの開始から当該入賞までの時間)において始動入賞口36へ入賞した遊技球数と普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球数をそれぞれチェック(ステップB63)する。
【0245】
そして、始動入賞口36への入賞数と普通変動入賞装置37との差が所定数以上であるか否かを判定(ステップB64)する。ここで、所定数以上ではないと判定した場合(ステップB64;No)は、確率状態示唆演出実行処理を終了する。一方、所定数以上であると判定した場合(ステップB64;Yes)は、特図の確率状態が高確率状態になっているか否かを判定(ステップB65)する。ここで、高確率状態であると判定した場合(ステップB65;Yes)は、確率状態示唆演出の演出パターンとしてパターンAを選択(ステップB66)する。一方、高確率状態ではない、すなわち、低確率状態であると判定した場合(ステップB65;No)は、確率状態示唆演出の演出パターンとしてパターンBを選択(ステップB66)する。ステップB66またはステップB67で演出パターンを選択した後は、選択した演出パターンで確率状態示唆演出を実行する処理(ステップB68)を行って、確率状態示唆演出実行処理を終了する。
この処理により、時短状態かつ非報知モードが発生した状態で始動入賞口36への狙い打ちを行うと、確率状態を示唆する確率状態示唆演出が実行される。
【0246】
本変形例のようにすれば、非報知モードにおいて、例えば、時短状態および確変状態が発生すると、遊技価値の高い大当りAが第2特図変動表示ゲームにおいて発生可能となり、普通変動入賞装置37への入賞も容易なことから遊技者にとって極めて有利な状態が発生する。しかし、確率状態が報知されていないので、遊技者の中には、大当りAが第1特図変動表示ゲームにおいて発生可能であると考え、普電サポートが行われているとしても敢えて回転率の悪い始動入賞口36を狙い打ちする人が出てくる。ここで、現在の確率状態を示唆する演出を行うことにより、遊技者は狙うべき始動入賞口がどちらであるのか、すなわち、それまでの自身の選択が誤っていたことを知ることができる。このため、誤った選択がいつまでも続けられ、遊技者の努力が無駄になってしまうのを防ぐことができる。
【0247】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
【0248】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0249】
10 遊技機
30 遊技盤
30a 遊技領域
36 始動入賞口(第1始動入賞領域)
37 普通変動入賞装置(第2始動入賞領域)
37b 可動部材(変換部材)
41 表示装置(装飾表示装置)
100 遊技制御装置(始動記憶保留手段、確率設定手段、変換制御実行手段、変換確率設定手段)
300 演出制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の識別情報を変動させる変動表示ゲームを表示可能な装飾表示装置と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた始動入賞領域へ遊技球が入賞したことに基づいて前記変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御装置と、当該遊技制御装置からの指令情報に基づき前記変動表示ゲームの表示制御を行う演出制御装置と、を備え、
前記変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記始動入賞領域は、所定位置に設けられる第1始動入賞領域と、前記第1始動入賞領域とは異なる位置に設けられる第2始動入賞領域と、を備え、
前記遊技制御装置は、
遊技者の得られる遊技価値の異なる複数の特別遊技状態を発生可能に構成され、
前記第1始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲームの実行に関する複数の乱数を抽出して第1始動記憶として記憶し、前記第2始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき第2変動表示ゲームの実行に関する複数の乱数を抽出して第2始動記憶として記憶する始動記憶保留手段を備え、
前記変動表示ゲームが行われる際に、前記変動表示ゲームの実行に関する設定内容と、当該変動表示ゲームの実行契機となった始動記憶の種類との組み合わせに基づいて、前記特別結果態様となった場合に発生させる特別遊技状態を複数の中から何れかに決定することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となる確率として、通常確率または該通常確率よりも前記特別結果態様となる確率の高い高確率を設定可能な確率設定手段を備え、
前記変動表示ゲームの実行に関する設定内容には、前記確率設定手段により設定された確率が含まれることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第2始動入賞領域は、遊技球を受け入れ難い第1状態と遊技球を受け入れ易い第2状態とに変換可能な変換部材を備え、
前記遊技制御装置は、
所定条件の成立に基づき所定の確率で抽選を行い、該抽選に当選した場合に前記変換部材を所定時間に亘って前記第2状態から前記第1状態へ変換させる制御を実行可能な変換制御実行手段と、
該抽選に当選し前記変換制御実行手段が前記変換部材の変換制御を行う確率として、第1変換確率または該第1変換確率よりも高い第2変換確率を設定可能な変換確率設定手段と、を備え、
前記変動表示ゲームの実行に関する設定内容には、前記変換確率設定手段により設定された変換確率が含まれることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記装飾表示装置は、前記遊技領域の中央部に設けられ、
前記第2始動入賞領域は、前記装飾表示装置の右側を流下する遊技球のみ入賞可能となる位置に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記遊技制御装置は、
前記複数の特別遊技状態として、第1特別遊技状態と、前記第1特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の小さな第2特別遊技状態と、を発生可能であり、
前記通常確率状態においては、前記第1変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となった場合に前記第1特別遊技状態を、前記第2変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となった場合に前記第2特別遊技状態を発生可能とする一方、
前記高確率状態においては、前記第1変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となった場合に前記第2特別遊技状態を、前記第2変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となった場合に前記第1特別遊技状態を発生可能とすることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技制御装置は、前記特別遊技状態が終了した後に所定回数実行される変動表示ゲームにおいては、前記変動表示ゲームの種類に関わらず、停止結果態様が特別結果態様となった場合に前記第2特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の大きな第3特別遊技状態を発生させることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項1】
複数の識別情報を変動させる変動表示ゲームを表示可能な装飾表示装置と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた始動入賞領域へ遊技球が入賞したことに基づいて前記変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御装置と、当該遊技制御装置からの指令情報に基づき前記変動表示ゲームの表示制御を行う演出制御装置と、を備え、
前記変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記始動入賞領域は、所定位置に設けられる第1始動入賞領域と、前記第1始動入賞領域とは異なる位置に設けられる第2始動入賞領域と、を備え、
前記遊技制御装置は、
遊技者の得られる遊技価値の異なる複数の特別遊技状態を発生可能に構成され、
前記第1始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲームの実行に関する複数の乱数を抽出して第1始動記憶として記憶し、前記第2始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき第2変動表示ゲームの実行に関する複数の乱数を抽出して第2始動記憶として記憶する始動記憶保留手段を備え、
前記変動表示ゲームが行われる際に、前記変動表示ゲームの実行に関する設定内容と、当該変動表示ゲームの実行契機となった始動記憶の種類との組み合わせに基づいて、前記特別結果態様となった場合に発生させる特別遊技状態を複数の中から何れかに決定することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となる確率として、通常確率または該通常確率よりも前記特別結果態様となる確率の高い高確率を設定可能な確率設定手段を備え、
前記変動表示ゲームの実行に関する設定内容には、前記確率設定手段により設定された確率が含まれることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第2始動入賞領域は、遊技球を受け入れ難い第1状態と遊技球を受け入れ易い第2状態とに変換可能な変換部材を備え、
前記遊技制御装置は、
所定条件の成立に基づき所定の確率で抽選を行い、該抽選に当選した場合に前記変換部材を所定時間に亘って前記第2状態から前記第1状態へ変換させる制御を実行可能な変換制御実行手段と、
該抽選に当選し前記変換制御実行手段が前記変換部材の変換制御を行う確率として、第1変換確率または該第1変換確率よりも高い第2変換確率を設定可能な変換確率設定手段と、を備え、
前記変動表示ゲームの実行に関する設定内容には、前記変換確率設定手段により設定された変換確率が含まれることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記装飾表示装置は、前記遊技領域の中央部に設けられ、
前記第2始動入賞領域は、前記装飾表示装置の右側を流下する遊技球のみ入賞可能となる位置に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記遊技制御装置は、
前記複数の特別遊技状態として、第1特別遊技状態と、前記第1特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の小さな第2特別遊技状態と、を発生可能であり、
前記通常確率状態においては、前記第1変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となった場合に前記第1特別遊技状態を、前記第2変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となった場合に前記第2特別遊技状態を発生可能とする一方、
前記高確率状態においては、前記第1変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となった場合に前記第2特別遊技状態を、前記第2変動表示ゲームの停止結果態様が前記特別結果態様となった場合に前記第1特別遊技状態を発生可能とすることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技制御装置は、前記特別遊技状態が終了した後に所定回数実行される変動表示ゲームにおいては、前記変動表示ゲームの種類に関わらず、停止結果態様が特別結果態様となった場合に前記第2特別遊技状態よりも遊技者の得られる遊技価値の大きな第3特別遊技状態を発生させることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【公開番号】特開2013−111138(P2013−111138A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258394(P2011−258394)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
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