説明

遊技機

【課題】不正行為の発見が容易な遊技機を提供する。
【解決手段】係止片を有する蓋体部材と係止凸部を有する基体部材を、相互に所定の面を向けて組み合わせる。蓋体部材を基体部材に対しスライド移動し、係止片と係止凸部を当接させ、収納ボックス210を閉鎖状態に維持する。蓋体部材には突起状の当接部が設けられ、基体部材には蓋体部材のスライド移動に際して当接部が当接する被当接部を備えた痕跡形成部が設けられている。痕跡形成部は、一方向から当接部が被当接部に当接したことを契機に、被当接部が痕跡形成部から折れ曲がるための切欠部を備えている。そのため、収納ボックス210の外部から被当接部の状態を確認することにより不正開封を確認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球や遊技メダル等の遊技媒体を用いた遊技を制御する制御基板と、該制御基板を収納するための収納ボックスと、を備えたパチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機には、遊技機の動作を制御するIC、ROM等の電子部品を実装した制御基板が備えられている。近年、制御基板は、不正者によるROM等の交換や改造等、悪質な不正行為の標的となっている。このような制御基板に対する不正行為を排除する手段として、制御基板を所定の収納ボックス内に収納し、この収納ボックスを開封不能に封止するという対策が講じられてきた。そして、この封止手段として、収納ボックスの開閉部分を固定するネジ止め部に、締め付ける方向にのみ回転し、緩める方向に回転させようとすると締め付け工具が空回りするワンウェイビスを使用することがある。
【0003】
このような、封止手段によれば、ワンウェイビスを用いることで締め付け工具によるワンウェイビスの螺合解除が困難になるため、上記不正行為を行う不正行為者はネジ止め部やワンウェイビス自体を切断、破壊等しなければ収納ボックスを開封できなくなり、不正行為の実行を困難にするとともに、不正行為が行われた場合にも、ネジ止め部やワンウェイビスの破損、破壊箇所を確認することでその事実を発見することが可能となった。
【特許文献1】特開平9−276481号公報
【特許文献2】特開平10−295911号公報
【特許文献3】特開2001−111247号公報
【特許文献4】特開2001−161891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような封止手段では、不正開封時に破損したネジ止め部やワンウェイビスを巧妙に復元し、収納ボックスの不正開封後に復元したネジ止め部やワンウェイビスを用いて再度収納ボックスを封印することができるため、不正行為を隠蔽することも可能であった。このため、不正行為の事実を確実に残すことができていなかった。
【0005】
そこで、本発明は上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、開封痕跡を確実に残すことができる収納ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の遊技機は、
遊技を制御する制御基板と、前記制御基板を収納する収納ボックスを備えた遊技機において、
前記収納ボックスは、透明の基体部材及び蓋体部材から構成され、前記基体部材及び前記蓋体部材を所定の面を向けて組み付け、前記基体部材及び前記蓋体部材のいずれか一方を他方に対して第1方向にスライド移動して閉鎖するとともに、前記第1方向とは異なる第2方向にスライド移動して開放し、
前記基体部材及び前記蓋体部材のいずれか一方には、突起状の当接部が設けられるとともに、他方には、前記基体部材及び前記蓋体部材のいずれか一方が他方に前記第1方向及び前記第2方向へスライド移動することよって、前記当接部が当接する被当接部を有する痕跡形成部が設けられ、
前記基体部材及び前記蓋体部材のいずれか一方が他方に前記第1方向へスライド移動することによって、前記当接部は前記被当接部と接触しながら前記被当接部上を通過し、
前記基体部材及び前記蓋体部材のいずれか一方が他方に前記第2方向へスライド移動し、前記当接部が前記被当接部を第2方向へ押すことによって、前記被当接部が折れ曲がる又は切り離されることを特徴とする遊技機。
【0007】
請求項1の発明では、基体部材及び蓋体部材の何れか一方を他方に第1方向へスライド移動させ閉鎖するとともに、第1方向とは異なる第2方向へスライド移動させ開放する収納ボックスにおいて、一方には突起状の当接部が設けられ、他方には当接部を有する一方のスライド移動によって、当接部が当接する被当接部を有する痕跡形成部が設けられている。そのため、当接部を有する一方が第1方向へスライド移動すると当接部も第1方向から被当接部と当接し、当接部を有する一方が第2方向へスライド移動すると当接部も第2方向から被当接部と当接する。また、被当接部は、当接部を有する一方が第1方向へスライド移動することにより、当接部が第1方向へ当接する場合、当接部を接触させながら通過させる。また、当接部を有する一方が第2方向へスライド移動することにより、当接部が第2方向へ当接する場合、当接部が被当接部を第2方向へ押しながら、痕跡形成部から折れ曲がる又は切り離される。つまり、請求項1に記載の遊技機によれば、当接部が設けられたいずれか一方のスライド移動に伴って、当接部もスライド移動し、他方には当接部がスライド移動する経路上に被当接部が設けられている。そして、当接部を有する一方が第2方向へ移動すると、当接部が被当接部を第2方向へ押動して、被当接部は痕跡形成部から折れ曲げられる又は切り離されるため、開封痕跡が痕跡形成部に残ることとなる。
【0008】
このように、請求項1の発明の遊技機によると、収納ボックスが不正開封されたときの開封痕跡を痕跡形成部に残す構成となっている。また、基体部材及び蓋体部材が、透明な素材から構成されているため、収納ボックスの外部から開封痕跡が残った痕跡形成部を目視しやすくすることができる。
【0009】
また、各請求項の発明においては、収納ボックスを構成する部材を透明な素材(例えば、透明な合成樹脂)によって構成することが望ましい。収納ボックスの主要部が透明であると、収納ボックス内の制御基板に不正な改造が施された場合に、収納ボックスの外部から、「不正な改良」を発見することもできるからである。または、基体部材又は蓋体部材において、内部に配置された痕跡形成部を視認可能とする箇所を無色透明としてもよい。その結果、内部に収納された痕跡形成部の様子を基体部材及び蓋体部材の外部から確認することが容易であるからである。
【0010】
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、
前記痕跡形成部は、
前記基体部材及び蓋体部材のいずれか一方を他方に前記第2方向へスライド移動することによって、前記当接部が前記被当接部と当接することを防止する当接防止部と、前記当接防止部を前記痕跡形成部より分離させるための分離部と、を備え、
前記当接防止部が前記痕跡形成部より分離された状態で、前記基体部材及び前記蓋体部材のいずれか一方を他方に前記第2方向へスライド移動し、前記当接部が前記被当接部を前記第2方向へ押すことによって、前記被当接部が折れ曲がる又は切り離され、
前記当接防止部が前記痕跡形成部より分離されていない状態で、前記基体部材及び前記蓋体部材のいずれか一方を他方に前記第2方向へスライド移動すると、前記当接防止部は、前記当接部が前記被当接防止部を前記第2方向へ押すことを防止することを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明では、基体部材及び蓋体部材のいずれか一方がスライド移動することによって、当接部が被当接部を第2方向へ押すことを防止する当接防止部と、当接防止部を痕跡形成部から分離ための分離部と、を痕跡形成部に設けている。このため、痕跡形成部に当接防止部が設けられた状態で収納ボックスを開封すると、基体部材及び蓋体部材のいずれか一方が他方に第2方向へスライド移動したことによって、当接部が被当接を第2方向へ押すことを当接防止部が防止する。つまり、請求項2の発明の遊技機では、痕跡形成部から当接防止部が分離されない限り、収納ボックスの開封痕跡が痕跡形成部に残ることがない構造を備える。すなわち、収納ボックスの封印前に開封痕跡を残すか否かを適宜選択できるとともに、痕跡形成部から当接防止部を分離した場合、開封痕跡を確実に痕跡形成部に残すことができる。換言すると、収納ボックスの封印前に、痕跡形成部から当接防止部を切り離し、収納ボックスを封印すると、その後開封したときの開封痕跡を痕跡形成部に残すことができるが、収納ボックスの封印前に、痕跡形成部から当接防止部を切り離さないで収納ボックスを封印すると、その後開封したときの開封痕跡が痕跡形成部に残らない。
【発明の効果】
【0012】
上記したように各請求項の発明によると、開封痕跡を確実に残すことができる収納ボックスを備えた遊技機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例に係る遊技機を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る遊技機を示す正面図である。
【図3】本発明の実施例に係る遊技機において本体枠等を説明するための概略的な説明図である。
【図4】本発明の実施例に係る遊技機において遊技盤を示す正面図である。
【図5】(a)は左下表示装置の概略的な正面図であり、(b)は右下表示装置の概略的な正面図である。
【図6】本発明の実施例に係る遊技機を示す裏面図である。
【図7】本発明の実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施例に係る収納ボックスの斜視図である。
【図10】本発明の実施例に係る蓋体部材の斜視図である。
【図11】本発明の実施例に係る基体部材の斜視図である。
【図12】本発明の実施例に係る痕跡形成部を拡大した斜視図である。
【図13】基体部材の図12で示す(a―a)の断面図である。
【図14】本発明の実施例に係る収納ボックス分解縦断面図である。
【図15】本発明の実施例に係る基体部材及び蓋体部材の閉鎖取付前の状態を示した図である。
【図16】本発明の実施例に係る基体部材及び蓋体部材の閉鎖取付状態を示した図である。
【図17】(a)及び(b)は当接部92が痕跡形成部231に開封痕跡を残す過程を、上部スライド溝82jの上方向から観察した様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
【0015】
(1)機械的な構造
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図3を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。
【0016】
外枠2は、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されると共に遊技機本体Hを支持するためのものである。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21(図1及び2を参照)と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備
えている。
【0017】
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図1に示すように、本体枠3と、前面枠(ガラス扉枠)4と、上皿部材5と、下皿部材6と、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図6を参照)等を主要部としている。
【0018】
本体枠3は、図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、本体枠3の右端側には、施錠装置7が装着されている。この施錠装置7は、本体枠3を外枠2に施錠したり、前面枠4や上皿部材5を本体枠3に施錠するために用いられる。
【0019】
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3Mを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。つまり、突出部3cの突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3fが回動可能な状態で装着されている。そして、遊技盤10の前面部を前方に向けつつ突出部3cに嵌合するとともに、保持具3fの突端部を遊技盤10の後面部に当接させると、遊技盤10が本体枠3により保持される。
【0020】
本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を、窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図6参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。
【0021】
前面枠4は、図1に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された遊技領域11(図4参照)の外周形状に対応して略円周状に開設されている。そして、前面枠4を閉じたときにその背後に配置される遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
【0022】
前面枠4は、図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)とを備える。また、前面枠4の上端部側の左右には、各々スピーカSP1、SP2(図8参照)が内蔵されている。また、本遊技機1においては、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4(図8参照)が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させる。
【0023】
遊技機本体Hの前面部のうちで前面枠4の下方の部位には、上皿部材5と下皿部材6とが設けられている。すなわち、上皿部材5は前面枠4の下方に配置され、その略容器形状とされる内部に遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。尚、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図7参照)及び演出ボタン基板228(図8参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「球貸操作部5c」と操作スイッチSWとが配置されている。
【0024】
図1及び図2に示すように、下皿部材6は上皿部材5の下方に配置されている。この下
皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部材6の右端には発射ハンドル9が設けられている。また、下皿部材6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられ、下皿部材6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
【0025】
発射ハンドル9は発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9a装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニットが設けられている(図示を省略)。
【0026】
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図4等を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼
着されているが図示を省略する。
【0027】
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部は、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。
【0028】
この領域形成部10B(つまり、遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、始動入賞装置17と、下部装置30と、左下表示装置50と、右下表示装置60と、4個の一般入賞装置40、41、43、44と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。
【0029】
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、中央表示装置27とを備えている。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され、遊技領域11の上半部のうちで、左端側を除く部位を構成している。この取付部材(化粧板)21には、窓部形成孔21dが設けられている。そして、この窓部形成孔21dは、正面視で略矩形状の表示窓21eを構成している。
【0030】
取付部材21の頂部から右側縁部の下端に至る部位は、外側レール12に近接し、頂部から左側縁部の上端に至る部位には、上部装飾部材21nが前方に突出する状態に装着されている。また、取付部材21の左側縁部には、左側装飾部材21qが前方に突出する状態に装着され、取付部材21の下縁部には、ステージ部材21pが前方に突出する状態に装着されている。
【0031】
左側装飾部材21qは、内部に遊技球通路(図示を省略)が形成された造形物21rを備えている。この遊技球通路の進入口は、左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、メイン役物装置20の内部に進入させる。
【0032】
ステージ部材21pは、その上面部によって、遊技球の転動面を構成する。この転動面は、左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面として構成されている。但し、転動面
の中央部では、上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。また、ステージ部材21pには、転動面上の遊技球を、メイン役物装置20の外部に排出するための排出通路が設けられている。尚、排出通路の入口部21uは、転動面の中央部の背後において、この中央部と連続する位置で開口し、排出通路の出口部21v は、この中央部よりも下方の位置で開口している。
【0033】
本実施例では、遊技領域11を流下し、メイン役物装置20の内部に進入した遊技球は、転動面の左端部に到達し、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いを衰えたところで、この遊技球は、排出通路を通過してメイン役物装置20外に排出されるか、或いは、転動面の前縁部から、メイン役物装置20外に排出される。尚、出口部21vの直下に、後述する始動入賞装置17が位置している。
【0034】
中央表示装置27は、後述する右下表示装置60と同様に、可変表示装置の具体例を構成する。但し、この中央表示装置27においては、右下表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に連動する演出表示(変動表示および停止表示)を実行する。尚、本実施例では、右下表示装置60が、本図柄(特別図柄の一具体を示す)を表示するための「可変表示装置」を構成し、中央表示装置27が、疑似図柄(特別図柄の他の具体例を示す)を表示するための「可変表示装置」を構成する。
【0035】
中央表示装置27の表示画面27aは可変状態に用いられ、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この表示画面27aには、3つの疑似図柄表示部が出現し、これらの疑似図柄表示部において「3桁の疑似図柄」を用いた変動表示(順次、変更される疑似図柄の表示)と、停止表示(停止した疑似図柄の表示)等がなされる。
【0036】
普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、遊技領域11において、メイン役物装置20の左側方に位置する部位に配設されている。また、この普通図柄作動ゲート16内には普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s(図7参照)が配設されている。そして、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件」が成立すると、左下表示装置50(後述する)において、普通図柄の変動表示(具体的には、普通図柄用のランプ装置の点滅表示)を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、普通図柄の確定表示(点灯、若しくは、消滅)がなされる。そして、普通図柄の当り表示(点灯表示)がなされると、普通電動役物17(後述する)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
【0037】
始動入賞装置17は、ステージ部21dの排出路の直下に位置する部位に配設されている。そして、第1の始動入賞部17aと、第2の始動入賞部17bとを上下に配設した構成を備える。このうち、第1の始動入賞部17aは、上方に開口部、つまり、第1の始動口を開口させたポケット形状を備えている。この第1の始動口は、排出通路の出口部21vの直下に位置するため、排出通路を通過した遊技球は、この第1の始動口を通じて、始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。
【0038】
第2の始動入賞部17bは、第1の始動入賞部17aの略直下に位置すると共に、入口側部分に普通電動役物を備えている。この普通電動役物は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。つまり、第2の始動入賞部17bは、この一対の翼片部を作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図7参照) を備えている。そして、この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態とな
る。
【0039】
始動入賞装置17の内部には、第1の始動入賞部17a、若しくは、第2の始動入賞部17bを遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17s(図7参照)が配設されている。つまり、第1の始動入賞部17aに入賞した遊技球と、第2の始動入賞部17b に入賞した遊技球は、始動入賞装置17内の同一の通路(図示を省略)を通過し、この通路の経路途中に配設された始動入賞検出スイッチ17sによって検出される構成となってい
る。
【0040】
下部装置30は、始動入賞装置17の下方に配設されている。この下部装置30は、可変入賞装置(大入賞装置)31によって構成されている。この可変入賞装置31は、遊技盤10の前面部10aに装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は、「大入賞口入賞通路(大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための通路であり、図示を省略する)」に連絡されている。
【0041】
そして、可変入賞装置(大入賞装置)31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイ31c(図7参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた入賞球検出スイッチ31s(図7参照)と、を備えている。この可変入賞装置(大入賞装置)31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、可変入賞装置(大入賞装置)31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aを開放されると共に、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、可変入賞装置(大入賞装置)31へ到達した遊技球を、大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
【0042】
左下表示装置50は、可変入賞装置(大入賞装置)31の左側方に配置されている。この左下表示装置50は、図5(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板51を備えている。そして、この取付板51には、普通図柄保留表示部52と、特別図柄保留表示部53と、遊技状態表示部55と、普通図柄表示部56とが設けられている。
【0043】
普通図柄保留表示部52は、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、後述する普通図柄表示部56において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示(抽選結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。
【0044】
特別図柄保留表示部53も、2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「始動入賞装置17に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、後述する特別図柄表示部61において、当該通過に伴う当否判定の結果の表示(判定結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
【0045】
尚、本実施例では、「遊技球が、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過すること条件に、主制御部200Aによって実行される判断、つまり、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)を開放状態とすべきか否かの判断を、「当否抽選」と称する。また、「遊技球が、始動入賞装置17に入賞すること条件に、主制御部200Aによって実行される判断、つまり、可変入賞装置(大入賞装置)31の開放を許容するか否かの判断(遊技機の遊技状態を、可変入賞装置31を閉鎖状態に維持する通常遊技状態から、可変入賞装置31の開閉を行う特別遊技状態にすべきか否かの判断)が「当否判定」の具体例を構成する。
【0046】
普通図柄保留表示部52及び特別図柄保留表示部53においては、同様な態様で、保留数の表示を行う。つまり、2個LEDを消灯させることで、「保留数」が「ゼロ」であることを示す。また、1個のLEDを点灯させ、1個のLEDを消灯させることで、「保留数」が「1」であることを示す。更に、2個のLEDを点灯させることで、「保留数」が「2」であることを示す。また、1個のLEDを点滅させ、1個LEDを点灯させることで、「保留数」が「3」であることを示す。更に、2個のLEDを点滅させることで、「保留数」が「4」であることを示す。
【0047】
遊技状態表示部55は、2個のLED55a 、55bを用いて構成され、遊技機1の現在の遊技状態を表示するために用いられる。つまり、2個のLED55a、55bを消灯させることで、「遊技機1の現在の遊技状態が通常遊技状態である」旨が表示される。また、一方のLED55aを点灯させ、他方のLED55bを消灯させて、「遊技機1の現在の遊技状態が確変遊技状態である」旨が表示される。更に、一方のLED55aを消灯させ、他方のLED55bを点灯させて、「遊技機1の現在の遊技状態が時短遊技状態である」旨が表示される。
【0048】
右下表示装置60は、可変入賞装置(大入賞装置)31の右側方に配置されている。この右下表示装置60 は、図5(b)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63と、が設けられている。
【0049】
特別図柄表示部62は、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」を用いて構成され、「始動入賞装置17 への遊技球の入賞(以下、「始動入賞」という。)に伴う当否判定の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、複数のLEDを用いて点灯表示) を経て実行する。つまり、この「当否判定に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、「7個のLED62a〜62g」を順次、点灯させる。具体的には、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」において、この「略長円状を周回する方向に沿って、7個のLED62a〜62g」が点灯することを内容とする。
【0050】
より具体的には、所定のLED(例えば、LED62a)が点灯状態となると、残りのLED(例えば、LED62b〜62g)は消灯状態となる。このLED(例えば、LED62a)が消灯状態となると、略長円状を周回する方向に隣合う1つのLED(例えば、LED62b)のみが点灯状態となる。そして、点灯状態となるLEDを、略長円状を周回する方向に沿って順次変更することで、特別図柄表示部62の変動表示が実行される。この変動表示(以下、「LED62b〜62gを用いた循環表示」という。)を実行し、「特別図柄に関する当否判定に関する結果の表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部62において、特別図柄の停止表示(確定表示)が実行される。尚、特別図柄表示部62において表示される遊技の結果(当否判定の結果)と、中央表示装置27において表示される遊技の結果(当否判定の結果)は一致するものとされる。
【0051】
大当り態様表示部63は、2個のLED63a、63bを用いて構成される。この大当り態様表示部63は、主に、「特別図柄に関する当否判定に関する結果が大当りである場合、その大当りの種類」を表示するために用いられる。つまり、特別図柄表示部62において大当り表示がなされていない場合には、2個のLED63a、63bは消灯状態とさせる。そして、特別図柄表示部62において大当り表示がなされる場合、何れかのLED63a、63bを点灯させて、当該大当りの種類が表示される。
【0052】
図5(a)に示すように、2個の一般入賞装置40、41は、左下表示装置50を構成する取付板51に一体化され、図5(b)に示すように、残りの2個の一般入賞装置43、44は、右下表示装置60を構成する取付板61に一体化されている。そして、各一般入賞装置40、41、43、44の内部には、遊技球の入賞を検出するための入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44s(図7参照)が配設されている。
【0053】
図4に戻り、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設され、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材15は、内レール13の先端部に取り付けられている。
【0054】
c . 遊技機1 の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図6を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏パック102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏パック102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
【0055】
裏パック102には、遊技球が蓄えられる賞球タンク105と、賞球の払出を行う賞球払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が収納された主制御基板ケース80と、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が収納された発射装置制御基板ケース130と、賞球払出装置109を制御する払出制御基板240が収納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。ここで、主制御基板ケース80は、「収納ボックス」の具体例を構成するが、その詳細については後述する。尚、本遊技機1を構成するその他の制御基板(例えば、後述する演出制御基板220)を収納する基板ケースを「収納ボックス」の具体例として構成してもよい。
【0056】
賞球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、賞球タンク105と賞球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図6において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。
【0057】
(2)制御回路の構成
次に、図7及び図8を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A 、240A 、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A 、260A)とを備えている。
【0058】
副制御部としては、(a)演出制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部220Aと、(b)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(c)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。
【0059】
これらの制御部(200A 、220A 、240A 、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM 、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図7及び図8の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図7では「主制御基板200以外の制御基板」について、搭載されているCPUや、RAM、ROM等の図示を省略している。
【0060】
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ40s、41s、43s、44s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、演出制御部200A(演出制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種のコマンドを出力する。また、主制御部200Aには、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。また、主制御部200Aは、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイ板31c、左下表示装置50、右下表示装置60、駆動モータ88に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。
【0061】
演出制御部220Aは、主制御部200Aからの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。即ち、中央表示装置(液晶表示装置)27を駆動する演出表示制御基板222やスピーカSP1〜SP4を駆動するアンプ基板224が接続されている。また、演出制御部220Aは、「各種LED4b〜4h搭載された基板」等の各種装飾用基板を駆動する装飾駆動基板226に駆動信号を出力することにより、遊技の演出を行う。尚、操作スイッチSWからの操作信号は、演出ボタン基板228を介して、演出制御部220Aに入力される。
【0062】
払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が受皿扉体5に設けられた球貸スイッチ5eや返却スイッチ5fを操作すると、この信号は、球貸表示基板242から中継端子板を介して、球貸装置に伝達される。
【0063】
主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出された賞球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後ろ側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。また、払出制御部240Aは、主制御部200Aの制御の下で、遊技球の発射を許可する信号(発射許可信号)を発射制御部260Aに向かって出力している。そして、発射制御部260Aは、この発射許可信号を受けて遊技球を発射するための各種制御を行っている。
【0064】
次に、演出制御部220A(演出制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、演出制御部220A(演出制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。
【0065】
演出制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンドを受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)中央表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSPで出力する効果音、更には、(c)各種LEDやランプ類4b〜4fの点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、中央表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出用図柄の変動停止表示を行う。このとき、表示されるキャラクタ図柄や背景図柄などの一部データについては、中央表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された演出表示ROM27rに格納されているデータを使用する。
【0066】
また、疑似図柄の変動停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LED4b〜4hの駆動信号を出力することによって、各種LED4b〜4hやランプ類の点灯・点滅動作等を制御する。更に、上皿部材5の前面側に設けられた操作スイッチSWを遊技者が操作すると、この操作信号が演出制御部220Aに供給される。そして、演出制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、中央表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
【0067】
(3)収納ボックス210の構成
収納ボックス210は、図9乃至図11に示すように、基体部材214と、蓋体部材216と、封止ビス96とを備えている。
【0068】
尚、この収納ボックス210は、図9に示すように、その前面部80Aを遊技機1の後方に向けるようにしつつ、裏パック102に装着される。そして、以下の説明において、「左」、「右」、「前」、「後」等の方向を、収納ボックス210が遊技機1に取り付けられた状態を基準に定める。つまり、「前」は、収納ボックス210を裏パック102に取り付けた状態にて、遊技機1の背後から見て前方(つまり、遊技者から離間する方向)」を示し、「後」は、遊技機1の背後から見て後方(つまり、遊技者に近接する方向)」を示す。また、「左」とは「遊技機1の背後から見て左(遊技者から見て右)」であることを示し、「右」とは「遊技機1の背後から見て右(遊技者から見て左)」であることを示す。
【0069】
基体部材214は、透明な合成樹脂を用いた一体成形品であり、図11、図14乃至図16に示すように、基体部材側封止部87を備えている。そして、基体部材214は、図11に示すように、略矩形の平面形状を備えつつ後面部に配設される後壁部82aと、後壁部82aの上縁部から前方に向かって略垂直に突出する上壁部82bと、後壁部82aの右側縁部から前方に向かって略垂直に突出する右壁部82cと、後壁部82aの下縁部から前方に向かって略垂直に突出する下壁部82dと、後壁部82aの左側縁部から前方に向かって突出する左壁部82eを備えている。
【0070】
図11に示すように、後壁部82aの前面部において上壁部82bに近接する部位には、前方に向かって略垂直に突出する上リブ82fが設けられ、後壁部82aの前面部において前面部82cに近接する部位には、前方に向かって略垂直に突出する右リブ82gが設けられている。また後壁部82aの前面部において下壁部82dに近接する部位にも、前方に向かって略垂直に突出する下リブ82hが設けられ、後壁部82aの前面部において左壁部82eに近接する部位には、前方に向かって略垂直に突出する左リブ82iが設けられている。
【0071】
図12に示すように、後壁部82aの前面部において上壁部82bと上リブ82fとの間に位置する部位には後壁部82aの横方向に長尺な空間部(以下、「上部スライド溝」という。)82jを設けている。また、図11に示すように、上部スライド溝82jの開口部において基体部材214の横方向に沿った6箇所には、後述の蓋体部材216に設けられた略L字型の係止片217と係止し、収納ボックス210を閉鎖状態に維持するための係止凸部82kが形成されている。これらの係止凸部82kは、略矩形板状の小片とされつつ、上部スライド溝82jを縦方向に縦断する状態(上リブ82fの突端部と上壁部82bとの間に掛け渡された状態)に形成されている。
【0072】
また、図11に示すように、後壁部82aの前面部において下部壁82dと下リブ82hとの間に位置する部位にも、後壁部82aの横方向に長尺な空間部(以下、「下部スライド溝」という。)82lを設けている。また、下部スライド溝82lの開口部において基体部材214の横方向に沿った6箇所にも、後述の蓋体部材216に設けられた略L字型の係止片217と係止し、収納ボックス210を閉鎖状態に維持する係止凸部82kが形成されている。これらの係止凸部82kも、略矩形状の小片とされつつ、下部スライド溝82lを縦方向に縦断する状態(下リブ82fの突端部と下壁部82dとの間に掛け渡された状態)に形成されている。
【0073】
また、図12に示すように、上部スライド溝82jの内部には、上リブ82fから上壁部82bの方向へ略垂直に突出した一体成形品の痕跡形成部231が2つ設けられている。この痕跡形成部231は、図17(a)、(b)に示すように、収納ボックス210の開閉時に後述の当接部92cがスライド移動する方向(AからBの位置への方向)と略水平方向に平面形状の上面231aと、上リブ82fから上壁部82bまでの突出量が上面231aよりも多く、上面231aと略直交する方向に直立し、収納ボックス210の開封に際して当接部92cが当接する直立面232aが設けられた被当接部232と、当接部92cが直立面232aと当接し、被当接部232を痕跡形成部から折れ曲がる又は切り離すための切欠部233と、から構成されている。尚、この切欠部233は、内部の形状が略三角形の凹部となっている。そのため、当接部92が被当接部232に対し第2方向へ所定の力を加えて押動させない限り、被当接部232が痕跡形成部231から切り離されることがない。つまり、誤って当接部92を押動してしまい、その結果、被当接部232が痕跡形成部231から折れ曲がることを防止している。
【0074】
また、図12及び図17(a)、(b)に示すように、痕跡形成部231には、切欠部233を間に挟んで被当接部232と対面する当接防止部234が設けられている。この当接防止部234は、収納ボックス210の開封時に当接部92cが被当接部232の直立面232aと当接することを防止している。また、上壁部82bから上リブ82fへ右下方向に傾斜する傾斜面を備えているため、収納ボックス210を開封する際の当接部92cのスライド移動を円滑に行わせることができる。また、痕跡形成部231には、当接防止部234を切り離すための切欠部235が設けられている。ここで、切欠部235は分離部の具体例を構成している。
【0075】
尚、本実施例では、切欠部233の凹部の形状を図17(a)に示したような例を挙げたが、本願発明はこの形状に限定されるものではない。例えば、図17(a)に示したように、切欠部233の凹部の形状を内部に肉薄の形状としてもよい。この構成によれば、被当接部232を痕跡形成部231から切り離す又は折り曲げるときの当接部92の押動力を、図17(a)に示す切欠部233と比べて、少なくすることができる。
【0076】
図11に示すように、右壁部82cには基体部材側封止部87が設けられている。この基体部材側封止部87は、右壁部82cの突端部の上方側の2箇所と、下方側の2箇所から右方向に突出する状態に設けられている。この基体部材側封止部87は、図11及び図14乃至図16に示すように、左右に長尺の略板形状に形成される封止本体87aと、封止本体87aの後方部右端部側から後方に突出する筒状部87bと、を備えている。
【0077】
図14乃至図16に示すように、封止本体87aには貫通孔871aが形成され、この貫通孔871aと筒状部87bの内部空間(略円柱状の空間)871bとが連結して封止ビス挿入孔87cを形成している。
【0078】
図10に示すように、蓋体部材216は、透明な合成樹脂を用いた一体成形品であり、後面部を開放部92kとする略容器形状に形成されている。この蓋体部材216は、蓋体部材側封止部922を備えている。そして、この蓋体部材216が基体部材214に装着されると、内部に前述の主制御基板200を収納する収容体を構成する。
【0079】
また、蓋体部材216は略矩形の正面形状を備えつつ前面部に配設される本体壁92aと、本体壁92aの上縁部から後方に向かって略垂直に突出した上部係止片92bと、本体壁92aの上縁部から後方に向かって突出する上当接部92cと、図示しないが本体壁92aの下縁部から後方に向かって略垂直に突出した下部係止片92dと、本体壁92aの下縁部から後方に向かって突出する下当接部92eとを備えている。ここで、上当接部92b及び下当接部92eは突起状の当接部の具体例を構成している。
【0080】
また、上部係止片92b、上当接部92c、下部係止片92d及び下当接部92eの突出量(本体壁92aの後方への突出量)は等しくされている。また、上当接部92c及び下当接部92eの形状は、略四角柱に構成されている。また、上部係止片92b、上当接部c、下部係止片92d及び下当接部92eとは略平行とされつつ、「上部スライド溝82j及び下部スライド溝82l間の距離」に相当する距離を隔てた状態で上下に配設されている。また、上部係止片92b及び下部係止片92dには、係止部92fが各々5個設けられている。つまり、上部係止片92bにおいて、上部スライド溝82jの各係止凸部82kと前後に位置合わせされる箇所には、各々係止部92fが形成されている。同様に、下部係止片92dにおいて、下部スライド溝82lの各係止凸部82kと前後に位置合わせされる箇所にも、各々係止部92fが形成されている。
【0081】
また、上部係止片92b及び下部係止片92dに設けられた合計10個の係止部92fは雌型に構成されている。そして、基体部材214に設けられた合計10個の係止凸部82kのうちで、前後に位置合わせされるものを、はめ込んで摺動可能とされている。また、上部係止片92bの各係止部92fは、図10に示すように、上部係止片92bの上下面を貫通しつつ左右に長い略矩形形状の孔を用いて構成されている。また、係止部92fの右半部は、上部係止片92bの上下面及び後端面で開口する切欠部92gと連続することによって、上部係止片92bの後端面で開放されている。
【0082】
また、図示しないが、下部係止片92eの各係止部92fも、下部係止片92eの上下面を貫通しつつ左右に長い略矩形状の孔を用いて構成される。また、この係止部92fの左半部も、下部係止片92dの上下面及び後端面で開口する切欠部92gと連続することによって、下部係止片92dの後端面で開放されている。尚、上部係止片92bの各係止部92fの右半部に対して、上部スライド溝82jの対応する係止凸部82kが進入し、下部係止片92dの各係止部92fの右半部に対して、下部スライド溝82lの対応する係止凸部82mが進入するので、計10個の係止部92fが各々対応した係止凸部82mに対して抜け止め方向(前後)に係止することとなる。つまり、基体部材214に装着された蓋体部材216を、前後方向に向かって取り外すことができなくなる。
【0083】
次に、図10及び図14乃至図16を用いて、基体部材216に設けられた蓋体部材側封止部922について説明する。蓋体部材側封止部922は、図10に示すように、本体壁92aの右側面の上方側の2箇所と、下方側の2箇所において右方向に突出する状態に設けられている。計4個設けられる蓋体部材側封止部922は、図14乃至図16に示すように、筒状部922aを備えている。このうち基体部材封止部922は略板状に構成され、前後に貫通する状態にビス装着孔922bを備えている。
【0084】
本実施例では、蓋体部材216の基体部材214への装着を完了すると、図16に示すように、蓋体部材側封止部922と基体部材側の封止本体87aとが重ね合された状態とされる。つまり、収納ボックス210においては、蓋体部材216の基体部材214への装着を完了したときに、「蓋体部材側封止部922及び基体部材側の封止本体87a」が前後に重なり合うように構成される。
【0085】
次に、図16を用いて、封止ビス96について説明する。封止ビス96は、頭部961と軸部962とを備えている。この軸部962には、雄ネジ962aが刻まれている。また、頭部961の一端面には、工具(ドライバー等)の先端を挿入し、雄ネジ962aをビス挿入孔87cに係止させるための工具溝961aが設けられている。
【0086】
(4)収納ボックス210の組立方法
蓋体部材216が基体部材214に対して以下の状態(以下、「閉鎖取付状態」という。)に取り付けられると、基体部材214が蓋体部材216で閉鎖され、蓋体部材216は基体部材214とともに内部に主制御基板200を収納する収納体を構成する。但し、この蓋体部材216の基体部材214に対する取付に先だって、主制御基板200がビス等を用いて基体部材214の内側に固定されるとともに、主制御基板200に設けられたコネクターを、挿通孔92gを通じて蓋体部材216の外部に突出させる。
【0087】
蓋体部材216を基体部材214に閉鎖状態で取り付けると、図16に示すように、蓋体部材側封止部922が、基体側封止部87の対応関係にある封止本体87aと重ね合された状態とされる。このとき、上部係止片92bの各係止部92fが、上部スライド溝82jの対応する係止凸部82kと係止し、上部係止片92bの上部スライド溝82jからの抜け止めが図られ、下部係止片92dの各係止部92fが、下部スライド溝82lの対応する係止凸部82mと係止し、下部スライド溝82lからの抜け止めが図られた状態となる。
【0088】
蓋体部材216を、基体部材214に装着する作業においては、蓋体部材216を基体部材214に対して「閉鎖取付状態」で取り付ける際には、以下の手順に従う。つまり、図15に示すように、蓋体部材216を基体部材214に対して、右方向にずらした状態(閉鎖状態を基準として右方向にずらした状態)で取り付ける。具体的には、上部係止片92b、下部係止片92d、上当接部92c及び下当接部92eを基体部材214の内側(上部スライド溝82j及び下部スライド溝82l内部)に挿入し(図16に示すAの位置)、上部係止片92bの各係止部92f右半部に切欠部92hを通じて、上部スライド溝82jの対応する係止凸部82kを進入させ、下部係止片92dの各係止部92fの右半部に切欠部92hを通じて、下部スライド溝82lの対応する係止凸部82mを進入させる(以下、「初期取付状態」という)。
【0089】
図15に示すように、蓋体部材216を「初期取付状態」にした後、蓋体部材216を右方向にスライド移動すると、蓋体部材216は「閉鎖取付状態」となる。つまり、上部係止片92bの各係止部92fの左半部に、上部スライド溝82jの対応する係止凸部82kが進入し、下部係止片92d各係止部92fの左半部に下部スライド溝82lの対応する係止凸部82mが進入し、蓋体部材216の各係止部92fが対応する係止凸部82k、82mに抜け止め状態(前後への抜け止め状態)に係止される。また、図17(a)に示すように、この各係止部92fのスライド移動に際して蓋体部材216の上当接部92cと下当接部92eは、上部スライド溝82j及び下部スライド溝82l内でAからBの位置へスライド移動する。
【0090】
図17(a)に示すように、当接防止部234が設けられている(切欠部235を軸として痕跡形成部231から切り離されていない)痕跡形成部231(a)においては、当接部92のAからBの位置へのスライド移動に際し当接部92が被当接部232の直立面232aと当接することを当接防止部234が防止している。そして、当接防止部234が設けられていない(切欠部235を軸として痕跡形成部231から切り離されている)痕跡形成部231(b)においては、当接部92のAからBの位置へのスライド移動に際し当接部92が被当接部232の直立面232aと当接し、被当接部232が切欠部233を軸として痕跡形跡部231から上リブ82fの方向へ折れ曲がっている。つまり、収納ボックス210の開封痕跡を痕跡形成部231(b)に残している。ここで、図17(a)に示す当接部92がAからBの位置へスライド移動する方向が、「第1方向」の具体例を示し、当接部92がAからBの位置へスライド移動する方向が、「第2方向」の具体例を示している。
【0091】
尚、上記実施例では、痕跡形成部231(a)、(b)が、上リブ82fに設けられ、当接部92の当接により上リブ82fの方向へ分離される例を説明したが、痕跡形成部231(a)、(b)が、上壁部82b(又は、後壁部82a)に設けられ、当接部92の当接により上リブ82fの方向へ分離することとしてもよい。または、痕跡形成部231(a)、(b)が、上リブ82f(又は、後壁部82a)に設けられ、当接部92の当接により上壁部82bの方向へ分離されることとしてもよい。また、上記実施例では、痕跡形成部231が基体部材214に設けられ、当接部92が蓋体部材216に設けられた例を挙げたが、本発明はこれに限定されず、例えば、痕跡形成部231が蓋体部材216に設けられ、当接部92が基体部材214に設けられることとしてもよい。
【0092】
次に、収納ボックス210の開封後に痕跡形成部231(a)から切欠部235を軸として当接防止部234を分離し、その後収納ボックス210を再度封印した後、収納ボックス210の2回目に開封される様子を図17(b)にて説明する。収納ボックス210の開封後、痕跡形成部231(a)に設けられた当接防止部234を切り離し、収納ボックス210を封印する。その後、収納ボックス210が開封されると当接部92のスライド移動に際して、被当接部232の直立面232aと当接部92が当接し、痕跡形成部231から被当接部232が折れ曲がる又は切り離される。
【0093】
このように、痕跡形成部231に当接防止部234及び切欠部235を設けることによって、収納ボックス210の開封痕跡を残す場合、又は開封痕跡を残さない場合を適宜選択することができる。また、痕跡形成部231から当接防止部234を切り離し、収納ボックス210を封印した場合(開封痕跡を残す場合)、上記説明したように収納ボックス210の開封痕跡を痕跡形成部231に確実に残すことができる。
【0094】
また、本実施例の収納ボックス210においては、痕跡形成部231の様子を外部から容易に視認可能とするため、無色透明の合成樹脂からなる基体部材214を例にして挙げたが、開封痕跡を更に一層容易に確認することができる構成を例示することができる。例えば、図12に示すように、上壁部82bのすぐ真下に各痕跡形成部231が配置される部分に拡大用レンズ236を夫々設ける。このようにすることにより、痕跡形成部231の様子を基体部材214の外部から、より一層容易に確認することができる。また、図示しないが、基体部材214の後壁部82aの裏面部において、痕跡形成部231を水平に視認可能とする箇所に拡大用レンズ236を設ける例も挙げられる。
【0095】
また、本実施例の収納ボックス210においては、収納ボックス210の開封痕跡を残す痕跡形成部231を基体部材214に2つ設けた例を挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、基体部材214又は蓋体部材216に痕跡形成部231を1つ又は3つ以上設けることとしてもよい。つまり、収納ボックス210の開封痕跡を残す回数(収納ボックス210の開封回数)に応じて、痕跡形成部231の個数を設定することとすればよい。このような構成にすることにより、収納ボックス210を管理する者が、意図して痕跡形成部231から当接防止部234を切り離して収納ボックス210を封印した後に収納ボックス210が不正開封された場合の開封痕跡を、痕跡形成部231の被当接部232の状態から容易に確認することができる。また、上記構成により、基体部材及び蓋体部材のいずれか一方に設けた全ての被当接部が当接部により折れ曲げられる又は切り離されない限り、一の基体部材及び蓋体部材を使用した収納ボックスを得ることができる。
【0096】
また、上記実施例では、本発明を、パチンコ遊技機の主制御基板(遊技制御基板)102を収納する収納ボックス210に適用した構成を例に挙げて説明したが、この構成に限定されるものではなく、サブ制御基板を収納する収納ボックス212、払出制御基板を収納する収納ボックス202、発射制御基板を収納する収納ボックス204及び電源基板を収納する収納ボックス208等、他の遊技に関連した基板を収納する収納ボックスにも容易に適用することができる。更に、上記実施例では、本発明をパチンコ遊技機に適用した例を説明したが、アレンジボール遊技機や、回胴式遊技機の遊技制御を行う制御基板を収納する収納ボックスに本発明を適用できることは言うまでもない。
【0097】
以上、本発明について上記実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、且つ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【符号の説明】
【0098】
210 収納ボックス
214 基体部材
216 蓋体部材
82a 後壁部
82b 上壁部
82c 右壁部
82d 下壁部
82e 左壁部
82f 上リブ
82g 右リブ
82h 下リブ
82i 左リブ
82j 上部スライド溝
82l 下部スライド溝
82k、82m 係止凸部
87 基体部材側封止部
87a 封止本体(基体部材側)
87b 筒状部
87c ビス挿入孔
871a 貫通孔
871b 内部空間部(略円柱状)
922 蓋体部材側封止部
922a 筒状部
922b ビス装着孔
92b、92d 係止片
92c、92e 当接部
92f 係止部
92g 挿通孔
96 ビス(封止ビス)
961 頭部
961a 工具溝
962 軸部
962a 雄ネジ
231 痕跡形成部
231a 上面
232 被当接部
232a 直立面
233 第1の切欠部
234 当接防止部
235 第2の切欠部(分離部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を制御する制御基板と、前記制御基板を収納する収納ボックスを備えた遊技機において、
前記収納ボックスは、透明の基体部材及び蓋体部材から構成され、前記基体部材及び前記蓋体部材を所定の面を向けて組み付け、前記基体部材及び前記蓋体部材のいずれか一方を他方に対して第1方向にスライド移動して閉鎖するとともに、前記第1方向とは異なる第2方向にスライド移動して開放し、
前記基体部材及び前記蓋体部材のいずれか一方には、突起状の当接部が設けられるとともに、他方には、前記基体部材及び前記蓋体部材のいずれか一方が他方に前記第1方向及び前記第2方向へスライド移動することよって、前記当接部が当接する被当接部を有する痕跡形成部が設けられ、
前記基体部材及び前記蓋体部材のいずれか一方が他方に前記第1方向へスライド移動することによって、前記当接部は前記被当接部と接触しながら前記被当接部上を通過し、
前記基体部材及び前記蓋体部材のいずれか一方が他方に前記第2方向へスライド移動し、前記当接部が前記被当接部を第2方向へ押すことによって、前記被当接部が折れ曲がる又は切り離されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記痕跡形成部は、
前記基体部材及び蓋体部材のいずれか一方を他方に前記第2方向へスライド移動することによって、前記当接部が前記被当接部と当接することを防止する当接防止部と、前記当接防止部を前記痕跡形成部より分離させるための分離部と、を備え、
前記当接防止部が前記痕跡形成部より分離された状態で、前記基体部材及び前記蓋体部材のいずれか一方を他方に前記第2方向へスライド移動し、前記当接部が前記被当接部を前記第2方向へ押すことによって、前記被当接部が折れ曲がる又は切り離され、
前記当接防止部が前記痕跡形成部より分離されていない状態で、前記基体部材及び前記蓋体部材のいずれか一方を他方に前記第2方向へスライド移動すると、前記当接防止部は、前記当接部が前記被当接防止部を前記第2方向へ押すことを防止することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2013−111163(P2013−111163A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258797(P2011−258797)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】