説明

遊技機

【課題】複数種類の演出態様における演出の調整を行う機能を持たせた遊技機において、記憶容量に大きな負担を強いることなく、演出のバランスが良い遊技機を提供する。
【解決手段】「雨ゾーン」または「お突ゾーン」のいずれも実行されないと、1つの共通する演出リミッタ回数を更新し、「雨ゾーン」または「お突ゾーン」のいずれかが実行されると、1つの共通する演出リミッタ回数を初期化する。演出リミッタ回数が特定の回数以上になると、前回に実行した先読みゾーンとは異なる先読みゾーンの種類の出現率が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機や回胴式遊技機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、弾球遊技機としてのパチンコ遊技機では、遊技盤上に設けられた始動口に遊技球が入賞すると、大当たり抽選が行われ、大当たりの抽選に当選すると、特別遊技(大当たり)の制御を行うように構成されている。こうした特別遊技では、遊技盤上に設けられた大入賞口が開放され、遊技球の入賞を容易にして、当該大入賞口に入賞した遊技球に対応する賞球が遊技者に払い出されるように構成されている。
【0003】
また、一般的には特別遊技に移行しづらいことから、特別遊技に移行するまでの期間において、液晶表示装置等の画像表示装置、ランプ・LED等の発光装置、スピーカ等の音出力装置などを用いた複数の演出を実行することで、遊技の飽きを防止し、遊技機の稼働の維持を図っている。
【0004】
そして、複数の演出のうち、所定の演出の出現率に偏りがあると、所定の演出の出現率を調整する遊技機が知られている(特許文献1、2参照)。
【0005】
例えば、特許文献1には、複数の演出のうち、ロングリーチAとロングリーチBについて、実際に選択されたそれぞれの選択率を算出して、ロングリーチAまたはロングリーチBのいずれか一方の選択率が、予め定められた選択率よりも小さくなった場合に、ロングリーチA及び/又はロングリーチBの選択確率を高く変更することで、演出の出現率を調整することが記載されている。また、特許文献2には、特定のリーチ態様の連続選択回数が、上限回数に達した場合には、強制的に他のリーチ態様を選択することにより、演出の出現率を調整することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−350914号公報
【特許文献2】特開2002−346097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、非常に多くの演出態様を用いた演出が実行されてきており、上記特許文献1、2の記載の発明のように、それぞれの演出態様毎に演出の調整(リーチ毎の選択率の算出、リーチ毎の変動回数の算出等)を行う機能を持たせると、記憶容量に大きな負担を招いていた。
【0008】
また、それぞれの演出態様毎に演出の調整を行う機能を持たせる場合には、遊技機の開発者が、遊技機全体としての演出のバランスを考慮しながら、各種の演出態様の当選率を定めている。
このとき、開発者は、第1の演出態様の当選率の向上の有無、第2の演出態様の当選率の向上の有無、・・・、第nの演出態様の当選率の向上の有無等の組み合わせを考慮して、遊技機全体として演出が出すぎたり、演出が出なかったりすることをなくしながら、遊技機全体としてバランスの良い当選率を定めなければならず、開発効率にも大きな手間がかかり、演出のバランスが良い遊技機を提供することが困難であった。
【0009】
本発明の目的は、複数種類の演出態様における演出の調整を行う機能を持たせた遊技機において、記憶容量に大きな負担を強いることなく、演出のバランスが良い遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明は、所定の演出態様(例えば、先読みゾーン)で演出を実行する演出実行手段(例えば、画像制御基板150および画像表示装置31)と、演出開始条件が成立すると(例えば、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入賞すること)、予め設定された選択率で、複数種類の前記演出態様の中から、前記演出実行手段に実行させる演出態様を決定する演出態様決定手段(例えば、ステップS1622の先読みゾーン抽選処理を行うサブCPU120a)と、を備え、前記演出実行手段は、前記演出開始条件が成立すると、前記演出態様決定手段が決定した演出態様で演出を実行する遊技機において、
2以上の異なる前記演出態様を一群の演出態様群(例えば、「雨ゾーン」と「お突ゾーン」の先読みゾーンの演出態様群)として構成し、当該一群の演出態様群を構成している演出態様が前記演出実行手段によって実行された実行頻度について、その一群の演出態様群を構成しているそれぞれの演出態様で区別なく総合した総合実行頻度を算出する総合実行頻度算出手段(例えば、ステップS1623〜S1626で「雨ゾーン」と「お突ゾーン」との演出リミッタ回数をまとめて初期化・更新することにしたサブCPU120a)と、前記総合実行頻度算出手段によって算出された前記総合実行頻度を、予め定められた特定の実行頻度と比較する実行頻度比較手段(例えば、ステップS1621のテーブル選択処理で演出リミッタ回数が特定の回数以上であるか否かを判定する処理を行うサブCPU120a)と、前記実行頻度比較手段による前記総合実行頻度と前記特定の実行頻度との比較結果に基づいて、前記一群の演出態様群を構成している演出態様の前記選択率を変更して設定する選択率変更手段(例えば、ステップS1621のテーブル選択処理で先読みゾーン抽選テーブルを決定する処理を行うサブCPU120a)と、を備えることを特徴とする。
【0011】
第2の発明は、前記総合実行頻度算出手段は、前記演出開始条件が成立しても、前記一群の演出態様群を構成しているいずれの演出態様も前記演出実行手段によって実行されないと、一群の演出態様群を構成しているそれぞれの演出態様で区別なく、不実行回数を計数する不実行回数計数手段(例えば、ステップS1626で演出リミッタ回数の更新処理を行うサブCPU120a)と、前記演出開始条件が成立して、前記一群の演出態様群を構成しているいずれかの演出態様が前記演出実行手段によって実行されると、前記不実行回数計数手段が計数している不実行回数を初期化する回数初期化手段(例えば、ステップS1625で演出リミッタ回数の初期化処理を行うサブCPU120a)と、を有し、
前記実行頻度比較手段は、前記不実行回数計数手段によって計数された不実行回数を前記総合実行頻度として、予め定められた特定回数と比較し、前記選択率変更手段は、前記実行頻度比較手段による前記不実行回数と前記特定回数との比較結果に基づいて、前記一群の演出態様群を構成している演出態様の前記選択率を変更して設定することを特徴とする。
【0012】
第3の発明は、前記演出実行手段によって実行された演出態様を演出履歴情報として記憶する演出履歴記憶手段(例えば、ステップS1652で先読みゾーン履歴記憶領域に終了する先読みゾーンの種類に対応するデータを記憶する処理を行うサブCPU120a)と、を更に備え、前記選択率変更手段は、前記演出履歴記憶手段に記憶された演出履歴情報に基づいて、前記一群の演出態様群を構成している複数の演出態様の中から、前記選択率を変更する演出態様を決定し、決定した演出態様の前記選択率を変更して設定することを特徴とする。
【0013】
第4の発明は、前記実行頻度比較手段は、前記総合実行頻度が前記特定の実行頻度よりも下回っているか否かを判定し、前記選択率変更手段は、前記実行頻度比較手段によって前記総合実行頻度が前記特定の実行頻度よりも下回っていると判定された場合には、前記一群の演出態様群を構成している演出態様の前記選択率を、前記実行頻度比較手段によって前記総合実行頻度が前記特定の実行頻度よりも下回っていないと判定されたときよりも、向上して設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数種類の演出態様における演出の調整を行う機能を持たせた遊技機において、記憶容量に大きな負担を強いることなく、演出のバランスが良い遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】遊技機の正面図である。
【図2】遊技機の裏面側の斜視図である。
【図3】遊技機全体のブロック図である。
【図4】大当たり判定テーブル及び当たり判定テーブルを示す図である。
【図5】図柄決定テーブルを示す図である。
【図6】特別電動役物作動態様決定テーブルを示す図である。
【図7】大入賞口開放態様テーブルを示す図である。
【図8】特別図柄の変動パターン決定テーブルを示す図である。
【図9】事前判定テーブルを示す図である。
【図10】大当たり時の先読みゾーン抽選テーブルを示す図である。
【図11】ハズレ時の先読みゾーン抽選テーブルを示す図である。
【図12】先読みゾーン抽選テーブル決定テーブルを示す図である。
【図13】図柄変動演出パターン決定テーブルを示す図である。
【図14】お突ゾーン突入シナリオ決定テーブルを示す図である。
【図15】大当たり予告シナリオ決定テーブルを示す図である。
【図16】図柄番号と演出図柄画像の種類とを対応付けた図柄配列情報の構成を示す図である。
【図17】主制御基板におけるメイン処理を示す図である。
【図18】主制御基板におけるタイマ割込処理を示す図である。
【図19】主制御基板における入力制御処理を示す図である。
【図20】主制御基板における第1始動口検出スイッチ入力処理を示す図である。
【図21】主制御基板における特図特電制御処理を示す図である。
【図22】主制御基板における特別図柄記憶判定処理を示す図である。
【図23】主制御基板における大当たり判定処理を示す図である。
【図24】主制御基板における特別図柄変動処理を示す図である。
【図25】主制御基板における特別図柄停止処理を示す図である。
【図26】主制御基板における大当たり遊技処理を示す図である。
【図27】主制御基板における大当たり遊技終了処理を示す図である。
【図28】演出制御基板におけるメイン処理を示す図である。
【図29】演出制御基板におけるタイマ割込処理を示す図である。
【図30】演出制御基板におけるコマンド解析処理1を示す図である。
【図31】演出制御基板におけるコマンド解析処理2を示す図である。
【図32】演出制御基板における先読みゾーン制御処理を示す図である。
【図33】演出制御基板におけるシナリオ演出決定処理を示す図である。
【図34】先読みゾーンのタイムチャートを用いた説明図である。
【図35】「雨ゾーン」の表示画面の説明図である。
【図36】「お突ゾーン」の表示画面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0017】
(遊技機の構成)
次に、図1を参照して、遊技機1の構成について具体的に説明する。図1は本発明の遊技機1の正面図であり、図2は1つの遊技機1の裏面側の斜視図である。
【0018】
遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠60と、その外枠60と回動可能に支持されたガラス枠50とが備えられている(図1、図2参照)。また、外枠60には、遊技球が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2が設けられている。ガラス枠50には、回動操作されることにより遊技領域6に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル3と、スピーカからなる音声出力装置32と、複数のランプを有する演出用照明装置34と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン35とが設けられている。
【0019】
さらに、ガラス枠50には、複数の遊技球を貯留する受け皿が設けられ、受け皿に貯留された遊技球は、発射装置に誘導される。
【0020】
そして、遊技者が操作ハンドル3に触れることで、操作ハンドル3の内部に設けられているタッチセンサ3a(図3参照)が、操作ハンドル3と遊技者とが接触していることを検知する。その後、遊技者が操作ハンドル3を回動させると、操作ハンドル3に直結している発射ボリューム3bも回動し、発射ボリューム3bにより遊技球の発射強度が調整され、調整された発射強度で発射用ソレノイド4aに直結された打出部材が回転する。この打出部材が回転することで、打出部材により遊技球が打ち出され、遊技球が遊技領域6に発射されることとなる。
【0021】
上記のようにして発射された遊技球は、発射レール42からレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
【0022】
また、上記遊技領域6には、複数の一般入賞口12が設けられている。これら各一般入賞口12には、一般入賞口検出スイッチ12aが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ12aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
【0023】
また、上記遊技領域6の中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口14および第2始動口15が設けられている。
【0024】
この第2始動口15は、一対の可動片15bを有しており、これら一対の可動片15bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片15bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動口15が上記第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口15の真上に位置する障害物により、遊技球の受入れを不可能としている。一方で、第2始動口15が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片15bが受け皿として機能し、第2始動口15への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動口15は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。そして、一対の可動片15bを有する第2始動口15が始動可変入賞装置を構成している。
【0025】
ここで、第1始動口14には遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ14aが設けられ、第2始動口15には遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチ15aが設けられている。そして、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出すると、特別図柄判定用乱数値等を取得し、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
本実施形態では、始動口検出スイッチ14aおよび第2始動口検出スイッチ15aが始動領域検出手段を構成する。
【0026】
さらに、上記遊技領域6の右側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する普通図柄ゲート13と、遊技球が入球可能な第1大入賞口16と、遊技球が入球可能な第2大入賞口17が設けられている。
このため、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い力で打ち出された遊技球でないと、普通図柄ゲート13と第1大入賞口16と第2大入賞口17とには遊技球が、通過または入賞しないように構成されている。特に、後述する時短遊技状態に移行したとしても、遊技領域6の左側の領域に遊技球を流下させてしまうと、普通図柄ゲート13に遊技球が通過しないことから、第2始動口15にある一対の可動片15bが開状態とならず、第2始動口15に遊技球が入賞することが困難になるように構成されている。
【0027】
この普通図柄ゲート13には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ13aが設けられており、このゲート検出スイッチ13aが遊技球の通過を検出すると、普通図柄判定用乱数値を取得し、後述する「普通図柄の抽選」が行われる。
【0028】
第1大入賞口16は、通常は第1大入賞口開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、第1大入賞口開閉扉16bが開放されるとともに、この第1大入賞口開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。第1大入賞口16には第1大入賞口検出スイッチ16aが設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
【0029】
また、第2大入賞口17は、「出陣RUSH」というデザインが施され、1つの第2大入賞口可動片17bを有している。第2大入賞口17の第2大入賞口可動片17bも、通常は閉鎖状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、特別遊技が開始されると、第2大入賞口17の第2大入賞口可動片17bが、開放状態にされるとともに、この第2大入賞口可動片17bが遊技球を第2大入賞口17内に導く受け皿として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。第2大入賞口17にも第2大入賞口検出スイッチ17aが設けられており、この第2大入賞口検出スイッチ17aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
なお、本実施形態では、特別遊技の種類によって第1大入賞口16または第2大入賞口17のいずれか一方のみが開放し、同時に2つの第1大入賞口16と第2大入賞口17とが開放することはない。
【0030】
そして、本実施形態では、第1大入賞口開閉扉16bを有する第1大入賞口16および第2大入賞口可動片17bを有する第2大入賞口17が特別可変入賞装置を構成している。なお、本実施形態では、前記特別可変入賞装置及び/又は前記始動可変入賞装置が可変入賞装置を構成する。
【0031】
さらには、遊技領域6の最下部であって遊技領域6の最下部の領域には、一般入賞口12、第1始動口14、第2始動口15、第1大入賞口16および第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口11が設けられている。
【0032】
また、遊技領域6の中央には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材7が設けられている。この飾り部材7の略中央部分には、画像表示装置(LCD)31が設けられており、この画像表示装置31の上方には、ベルトの形をした演出用駆動装置33が設けられている。
なお、本実施形態においては、画像表示装置31を液晶表示装置として用いているが、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイを用いてもよいし、プロジェクター、円環状の構造物からなるリール、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス等の表示装置等を用いてもよい。
【0033】
この画像表示装置31は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、後述する大当りの抽選結果を報知するための3個の演出図柄画像36が表示され、特定の演出図柄画像36の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選結果として大当りが報知される。
【0034】
この演出図柄画像36は、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときには、後述する特別図柄の変動表示に合わせて変動表示するとともに、所定の変動時間経過後に後述する特別図柄の停止表示に合わせて停止表示する。すなわち、演出図柄画像36と特別図柄との変動表示のタイミング、演出図柄画像36と特別図柄との停止表示のタイミングは、それぞれが対応している(同じ時間になっている)。さらに、本実施形態では、この演出図柄画像36は、第1始動口14に遊技球が入球したときであっても、第2始動口15に遊技球が入球したときであっても、同じ種類の図柄が変動表示又は停止表示されるようになっている。ただし、第1始動口14に遊技球が入球したときと、第2始動口15に遊技球が入球したときとで異なる種類の演出図柄画像36が変動表示又は停止表示されるようにしても構わない。
【0035】
また、画像表示装置31は、この演出図柄画像39の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示する。画像表示装置31に表示された画像によって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしている。
【0036】
上記演出用駆動装置33は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。演出用駆動装置33は、例えば、ベルトが下方に移動したり、ベルト中央部の回転部材が回転したりする動作を行う。これら演出用駆動装置33の動作態様によって、遊技者にさまざまな期待感を与えるようにしている。
【0037】
さらに、上記の各種の演出装置に加えて、音声出力装置32は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行い、演出用照明装置34は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしている。
【0038】
また、演出ボタン35は、例えば、上記画像表示装置31に当該演出ボタン35を操作するようなメッセージが表示されたときのみ有効となる。演出ボタン35には、演出ボタン検出スイッチ35aが設けられており、この演出ボタン検出スイッチ35aが遊技者の操作を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
【0039】
遊技盤2の右下の遊技領域外には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25が設けられている。
【0040】
上記第1特別図柄表示装置20は、第1始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置20に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
【0041】
ここで、「大当たりの抽選」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか否かの判定する処理をいう。この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示装置20において特別図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。なお、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口15に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置20における特別図柄の表示態様と同一である。
【0042】
また、本実施形態において「大当たり」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。「大当たり遊技」においては、第1大入賞口16または第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16または第2大入賞口17の最大開放時間については予め定められた時間が設定されており、この間に第1大入賞口16または第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「大当たり遊技」は、第1大入賞口16または第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できる遊技である。
なお、この大当たり遊技には、複数種類の大当たりが設けられているが、詳しくは後述する。
【0043】
また、普通図柄表示装置22は、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、上記第2始動口15が所定時間、第2の態様に制御される。
【0044】
ここで、「普通図柄の抽選」とは、普通図柄ゲート13に遊技球が通過したときに、普通図柄判定用乱数値を取得し、取得した普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、普通図柄ゲート13を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置22において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
【0045】
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで、大当たりの抽選の権利が保留される。より詳細には、第1始動口14に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第1保留として記憶し、第2始動口15に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第2保留として記憶する。
これら両保留は、それぞれ上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24とに表示される。なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示器24においても、上記と同様に第2保留の保留個数が表示される。
そして、普通図柄の上限保留個数も4個に設定されており、その保留個数が、上記第1特別図柄保留表示器23および第2特別図柄保留表示器24と同様の態様によって、普通図柄保留表示器25において表示される。
【0046】
ガラス枠50は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板52を支持している。なお、ガラス板52は、ガラス枠50に対して着脱可能に固定されている。
【0047】
またガラス枠50は、左右方向の一端側(たとえば遊技機1に正対して左側)においてヒンジ機構部51を介して外枠60に連結されており、ヒンジ機構部51を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機1に正対して右側)を外枠60から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠50は、ガラス板52とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部51を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠60の内側部分を開放することができる。ガラス枠50の他端側には、ガラス枠50の他端側を外枠60に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠50には、ガラス枠50が外枠60から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ133も設けられている。
【0048】
そして、遊技機1の裏面には、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170、遊技情報出力端子板30などが設けられている。また、電源基板170に遊技機1に電力を給電するための電源プラグ171や、図示しない電源スイッチが設けられている。
【0049】
(遊技機全体のブロック図)
次に、図3の遊技機1全体のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
【0050】
主制御基板110は遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、第1始動口検出スイッチ14a等の各種検出信号を入力して、第1特別図柄表示装置20や第1大入賞口開閉ソレノイド16c等を駆動させて遊技を制御するものである。
【0051】
この主制御基板110は、メインCPU110a、メインROM110bおよびメインRAM110cから構成されるワンチップマイコン110mと、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)と少なくとも備えている。
【0052】
この主制御用の入力ポートには、払出制御基板130、一般入賞口12に遊技球が入球したことを検知する一般入賞口検出スイッチ12a、普通図柄ゲート13に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ13a、第1始動口14に遊技球が入球したことを検知する第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口15に遊技球が入球したことを検知する第2始動口検出スイッチ15a、第1大入賞口16に遊技球が入球したことを検知する第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口17に遊技球が入球したことを検知する第2大入賞口検出スイッチ17aが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板110に入力される。
【0053】
また、主制御用の出力ポートには、払出制御基板130、第2始動口15の一対の可動片15bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド15c、第1大入賞口開閉扉16bを動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16c、第2大入賞口可動片17bを動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17c、特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置20と第2特別図柄表示装置21、普通図柄を表示する普通図柄表示装置22、特別図柄の保留球数を表示する第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留表示器25、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板30が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
【0054】
メインCPU110aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM110bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
【0055】
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、大当たり抽選に参照される特別図柄表示装置用の大当り判定テーブル(図4(a)参照)、普通図柄の抽選に参照される普通図柄表示装置用の当り判定テーブル(図4(b)参照)、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル(図5参照)、大入賞口開閉扉の開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル(図6参照)、大入賞口の開放態様を決定する大入賞口開放態様テーブル(図7参照)特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル(図8参照)、大当たり抽選の結果を事前に判定するための事前判定テーブル(図9参照)、等がメインROM110bに記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
【0056】
主制御基板110のメインRAM110cは、メインCPU110aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM110cには、特図特電処理データ記憶領域、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、普通図柄データ記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、第1特別図柄乱数値記憶領域、第2特別図柄乱数値記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、大入賞口入球数(C)記憶領域、遊技状態記憶領域(高確率遊技フラグ記憶領域と時短遊技フラグ記憶領域)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタ、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタなど各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
【0057】
本実施形態では、第1特別図柄乱数値記憶領域を記憶するメインRAM110cが第1の保留記憶手段を構成し、第2特別図柄乱数値記憶領域を記憶するメインRAM110cが第2の保留記憶手段を構成する。
【0058】
遊技情報出力端子板30は、主制御基板110において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板30は、主制御基板110と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
【0059】
電源基板170は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給するとともに、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU110aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU110aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
【0060】
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対して、当該主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出スイッチ35a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。サブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0061】
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、画像表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるための演出用データを生成し、かかる演出用データを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
【0062】
演出制御基板120のサブROM120bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて図柄変動演出パターンを決定するための図柄変動演出パターン決定テーブル(図13参照)、「お突ゾーン」を実行するときに導入するシナリオを決定するためのお突ゾーン突入シナリオ決定テーブル(図14参照)、大当たりの期待度を示唆するシナリオを決定するための大当たり予告シナリオ決定テーブル(図15参照)、停止表示する演出図柄画像36の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル等がサブROM120bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
【0063】
演出制御基板120のサブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
サブRAM120cには、演出第1保留(Us1)記憶領域、演出第2保留(Us2)記憶領域、先読みゾーン成立フラグ記憶領域、演出リミッタ回数、先読みゾーン履歴記憶領域、先読みゾーン実行中フラグ記憶領域、雨ゾーン待機カウンタ、お突ゾーン待機カウンタ、激闘ゾーン待機カウンタ、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、図柄変動演出パターン記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
【0064】
払出制御基板130は、遊技球の払い出し制御を行う。この払出制御基板130は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板110に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ132、扉開放スイッチ133、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板110に送信する。また、払出制御基板130の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出装置の払出モータ131が接続されている。払出CPUは、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出装置の払出モータ131を制御して所定の遊技球を払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0065】
ランプ制御基板140は、演出制御基板120、演出用駆動装置33および演出用照明装置34と接続されている。このランプ制御基板140は、演出制御基板120から演出用データ(各種のコマンド)を受信し、受信した演出用データに基づいて、演出用駆動装置33を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源の通電制御、演出用照明装置34における光の点灯制御、光の照射方向を変更するためのモータの駆動制御を行う。
【0066】
画像制御基板150は、画像表示装置31の画像表示制御を行うためホストCPU、ホストCPUのワークエリアとして機能する一時的な記憶領域を有するホストRAM、ホストCPUの制御処理のプログラム等が記憶されたホストROM、画像データが記憶されたCGROM、画像データが描画されるフレームバッファを有するVRAM、画像プロセッサとなるVDP(Video Display Processor)と、音の制御を行う音制御回路とを備えている。
【0067】
ホストCPUは、演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、VDPにCGROMに記憶されている画像データを画像表示装置31に表示させる指示を行う。
VDPは、ホストCPUからの指示に基づいて、CGROMに記憶された画像データを
所定の優先順位に従ってVRAMのフレームバッファに描画していく。このとき、優先順位の低い画像データから描画していき、優先順位の高い画像データは、優先順位の低い画像データに上書きしていくことになる。次に、VRAMにある表示用のフレームバッファに記憶された画像データに基づいて映像信号(RGB信号等)を生成し、生成した映像信号を液晶表示装置に出力することを行う。
【0068】
音制御回路には、音声データが多数格納されている音声ROMが備えられており、音制御回路が、演出制御基板120から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置32における音声出力制御をする。
【0069】
発射制御基板160は、遊技球の発射制御を行う。この発射制御基板160は、入力側にタッチセンサ3aおよび発射ボリューム3bが接続されており、出力側に発射用ソレノイド4aおよび玉送りソレノイド4bを接続している。発射制御基板160は、タッチセンサ3aからのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム3bから供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aや玉送りソレノイド4bを通電させる制御を行う。
【0070】
タッチセンサ3aは、操作ハンドル3の内部に設けられ、遊技者が操作ハンドル3に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成される。タッチセンサ3aは、遊技者が操作ハンドル3に触れたことを検知すると、発射制御基板160(図3参照)に発射用ソレノイド4aの通電を許可するタッチ信号を出力する。発射制御基板160は、大前提としてタッチセンサ3aからタッチ信号の入力がなければ、遊技球を遊技領域6に発射させないように構成されている。
【0071】
発射ボリューム3bは、操作ハンドル3が回動する回動部に直結して設けられ、可変抵抗器から構成される。発射ボリューム3bは、その発射ボリューム3bに印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板160に供給する(発射制御基板160に供給する電圧を可変させる)。発射制御基板160は、発射ボリューム3bにより分圧された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aを通電して、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cを回転させることで、遊技球を遊技領域6に発射させる。
【0072】
発射用ソレノイド4aは、ロータリーソレノイドから構成され、発射用ソレノイド4aには打出部材4cが直結されており、発射用ソレノイド4aが回転することで、打出部材4cを回転させる。
【0073】
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板160に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
【0074】
玉送りソレノイド4bは、直進ソレノイドから構成され、受け皿40にある遊技球を、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cに向けて1個ずつ送り出す。
【0075】
次に、図4〜図9を参照して、メインROM110bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
【0076】
(大当たり判定テーブル)
図4(a)は、第1特別図柄表示装置20及び第2特別図柄表示装置21における「大当たりの抽選」に用いられる大当り判定テーブルを示す図である。
【0077】
具体的には、大当り判定テーブルは、現在の確率遊技状態と取得された特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図4(a)に示す特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であるときには、「7」、「8」という2個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定され、それ以外は「ハズレ」と判定される。一方、高確率遊技状態であるときには、「7」〜「26」の20個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定され、それ以外は「ハズレ」と判定される。
従って、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜598であるから、低確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/299.5であり、高確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は10倍アップして1/29.9である。
【0078】
(当たり判定テーブル)
図4(b)は、「普通図柄の抽選」に用いられる当り判定テーブルを示す図である。
具体的には、当たり判定テーブルは、時短遊技状態の有無と取得された普通図柄判定用乱数値に基づいて、「当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図4(b)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、「0」という1個の特定の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。一方、時短遊技状態であるときには、「0」〜「65534」の65535個の特定の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、普通図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜65535であるから、非時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は1/65536であり、時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は65535/65536=1/1.00002である。
【0079】
(図柄決定テーブル)
図5は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを示す図である。
図5(a)は、大当たりのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図5(b)は、ハズレのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルである。
【0080】
具体的には、図5に示す図柄決定テーブルによれば、特別図柄表示装置の種別(遊技球が入賞した始動口の種別)と、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値とに基づいて、特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定される。
例えば、第1特別図柄表示装置においては、大当たりのときには図5(a)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された大当たり図柄用乱数値が「1」であれば、停止図柄データとして「01」(特別図柄1(第1確変長当たり))を決定する。また、ハズレのときには、いずれの乱数値も参照せずに、停止図柄データとして「00」(特別図柄0(ハズレ))を決定する。
【0081】
そして、特別図柄の変動開始時には、決定した特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、特別図柄の情報としての演出図柄指定コマンドが生成される。ここで、演出図柄指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。このことは、後述する変動パターン指定コマンド等についても同様である。
【0082】
なお、後述するように、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり遊技終了後の遊技状態や、大当たり遊技の種類(図6参照)が決定されることから、特別図柄の種類が大当たり遊技終了後の遊技状態と大当たり遊技の種類を決定するものといえる。
【0083】
(特別電動役物作動態様決定テーブル)
図6は、大入賞口開放態様テーブルを決定するための特別電動役物作動態様決定テーブルである。図6に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照して、特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、大入賞口開放態様テーブルが決定される。
後述するように、この大入賞口開放態様テーブルに基づいて、大当たり遊技が実行されることから、大入賞口開放態様テーブルが大当たり遊技の種類を示すものといえる。なお、本実施形態では、「テーブル」のことを適宜省略して「TBL」と記載することにする。
【0084】
また、図6に示す特別電動役物作動態様決定テーブルの特徴としては、第2始動口15に遊技球が入球した場合に作動される第2特別図柄表示装置21においては、「短当たりTBL」が決定されないように構成されている。
これは、非時短遊技状態においては、第2始動口15にほとんど遊技球が入球しないのに、第2始動口15に遊技球が入球した場合に短当たりが決定されてしまうと、せっかく時短遊技状態を設けても、遊技者の遊技に対する意欲を減退させてしまうおそれがあるからである。なお、本実施形態では、第2特別図柄表示装置21においては、「短当たりTBL」が決定されないように構成したが、第2特別図柄表示装置21においても「短当たりTBL」を決定するように構成しても構わない。ただし、第2特別図柄表示装置21において「短当たりTBL」を決定する場合には、第1始動口14に遊技球が入球した場合に作動される第1特別図柄表示装置20と比べて、「短当たりTBL」が決定されにくく構成することが望ましい。
【0085】
(大入賞口開放態様テーブル)
図7は、図6で決定された大入賞口開放態様テーブルの構成を示す図であり、大入賞口開放態様テーブルによって第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口可動片17bの開閉条件が決定される。
図7は、大当たり遊技のときに参照される大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブル群であり、長当たりTBL、短当たりTBL、発展当たりTBLから構成されている。
そして、長当たりTBLに基づいて長当たり遊技が実行され、短当たりTBLに基づいて短当たり遊技が実行され、発展当たりTBLに基づいて発展当たり遊技が実行されることになる。
【0086】
図7に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルには、開放する大入賞口の種類(第1大入賞口16または第2大入賞口17)と、1回の大当たり遊技における最大ラウンド遊技回数(R)と、1つのラウンドにおける大入賞口への最大入賞個数を示す規定個数と、大当り遊技の開始から最初のラウンド遊技を実行するまでの開始インターバル時間と、各ラウンド遊技における大入賞口の最大開放回数(K)と、各ラウンド遊技の1回の開放に対しての大入賞口の開放時間と、各ラウンド遊技の1回の開放に対しての大入賞口の閉鎖時間と、1つのラウンド遊技の終了から次のラウンド遊技を実行するまでの大入賞口の閉鎖インターバル時間と、最後のラウンド遊技の終了から大当り遊技の終了までの終了インターバル時間とが記憶されている。
【0087】
ここで、図7に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの長当たりTBLによれば、第1大入賞口開閉扉16bを作動させて、遊技領域6の右側にある第1大入賞口16を、1ラウンドあたり最大29秒まで開放させることができる。ただし、開放時間が29秒を経過するまでに、規定個数(9個)の遊技球が第1大入賞口16に入賞すると、第1大入賞口開閉扉16bの作動が終了して、1ラウンドの遊技が終了することになる。
【0088】
また、図7に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの発展当たり1TBL、発展当たり2TBLによれば、第2大入賞口17の第2大入賞口可動片17bを作動させて、遊技領域6の右側にある第2大入賞口17を、1つのラウンドで複数の開放をさせることができる。ただし、長当たりTBLと同様に、1つのラウンドに対して規定個数(9個)の遊技球が第2大入賞口17に入賞すると、第2大入賞口17の第2大入賞口可動片17bの作動が終了して、1つのラウンドの遊技が終了することになる。すなわち、必ずしも1つのラウンドに対して3回(K=3)開放されるとは限らないのである。
【0089】
また、発展当たり1TBLと発展当たり2TBLとは、2ラウンド目までは開放態様が共通しているが、3ラウンド目以降は開放態様が相違している。
すなわち、発展当たり1TBLによれば、3ラウンド目以降は、第2大入賞口17の開放時間が極めて短く遊技球が入賞困難な状態となるが、発展当たり2TBLによれば、3ラウンド目は、第2大入賞口17の開放時間が比較的長く遊技球が入賞容易な状態となる。
これにより、所定のラウンド(2ラウンド目)までは複数の発展当たり遊技のうち、いずれの発展当たり遊技が行われているか判別困難とすることができ、発展当たり遊技という大当たり遊技中においても、よりも有利な発展当たり遊技(発展当たり2TBL)が制御されていることの期待を持たせることができる。
【0090】
なお、本実施形態では、発展当たり遊技の後半のラウンド(2ラウンド又は3ラウンド目以降)は、遊技球が入賞困難な状態としているが、最も有利な発展当たり遊技に関しては、遊技球が入賞困難な状態を設けなくてもよい。
【0091】
また、本実施形態では、発展当たり1TBLと発展当たり2TBLとの開放時間、閉鎖時間を全く同じ時間に設定した。しかしながら、全く同じ時間に設定せずとも、複数の発展当たり遊技のいずれであるかが判別困難となる程度の時間の差異を設けても構わない。
【0092】
また、図7に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルによれば、長当たり遊技、短当たり遊技、発展当たり遊技に関わらず、全ての大当たりのときの最大ラウンド遊技回数(R)を同一の回数に設定している。このため、従来のようにラウンド遊技回数を識別させるための表示装置を設ける必要がなくなる。
【0093】
上述したように、本実施形態においては、第1大入賞口16を長い開放時間で開放させる「長当たり遊技」と、第2大入賞口17を短い開放時間で開放させる「短当たり遊技」と、第2大入賞口17を1つのラウンドで複数の開放をさせる「発展当たり遊技」との3種類の「大当たり遊技」が設けられている。なお、本実施形態においては、「大当たり遊技」を「特別遊技」ということにする。
【0094】
(特別図柄の変動パターン決定テーブル)
図8は、後述するように特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルを示す図である。
【0095】
具体的には、図8に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルによって、作動する特別図柄表示装置(遊技球が入賞した始動口の種別)、大当たりの判定結果、停止する特別図柄、時短遊技状態の有無、特別図柄保留数(U1またはU2)、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンが決定される。そして、決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間が決定されるとともに、演出制御基板120に特別図柄の情報を送信する特別図柄の変動パターン指定コマンドが生成される。従って、「特別図柄の変動パターン」とは、少なくとも大当たりの判定結果及び特別図柄の変動時間を定めるものといえる。また、大当たりのときには、必ずリーチを行うように構成しているため、大当たりのときにはリーチ判定用乱数値を参照しないように構成されている。なお、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値は、乱数範囲が100個(0〜99)に設定されている。
【0096】
ここで、特別図柄の変動パターン指定コマンドは、コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、コマンドの内容(機能)を示す1バイトのDATAデータとから構成されている。そして、MODEデータとして「E6H」であるときには第1始動口14に遊技球が入賞したことに対応する(第1特別図柄表示装置20の)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示し、MODEデータとして「E7H」であるときには、第2始動口15に遊技球が入賞したことに対応する(第2特別図柄表示装置21の)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示している。
【0097】
また、この図8に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルの特徴として、大当たりの判定結果がハズレの場合に時短遊技状態であるときには、特別図柄の変動時間が短くなるように設定されている。例えば、大当たりの判定結果がハズレの場合に保留球数が2のときには、時短遊技状態であればリーチ判定用乱数値に基づいて95%の確率で変動時間が3000msの変動パターン9(短縮変動)が決定されるが、非時短遊技状態であれば変動時間が3000msを超える変動パターンが決定される。このように、時短遊技状態になると特別図柄の変動時間が短くなるように設定され、単時間あたりにより多くの大当たり抽選を受けることができるように構成されている。
【0098】
(特別図柄の事前判定テーブル)
図9は、大当たり抽選の結果を事前に判定するための事前判定テーブルを示す図である。
【0099】
図9に示す事前判定テーブルは、特別図柄表示装置の種類(遊技球が始動口に入賞したことを検出した始動口検出スイッチの種類)、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値等に基づいて、大当たり抽選の結果を事前に判定するための入賞情報が生成される。そして、生成された入賞情報に基づいて、大当たり抽選の結果を事前に判定するための始動入賞指定コマンドが生成される。
【0100】
ここで、始動入賞指定コマンドは、コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、コマンドの内容(機能)を示す1バイトのDATAデータとから構成される。本実施形態では、MODEデータとして「E8H」であるときには第1始動口14に遊技球が入賞したことに対応する始動入賞指定コマンドを示し、MODEデータとして「E9H」であるときには、第1始動口15に遊技球が入賞したことに対応する始動入賞指定コマンドを示している。
【0101】
上述した通り、特別図柄判定用乱数値によって「大当り」か「ハズレ」かが判定され、大当たり図柄用乱数値によって「長当たり」、「発展当たり」、「短当たり」かの特別遊技の種類と、「高確率遊技状態に移行するか否か」が判定される。
さらに、リーチ判定用乱数値によって「リーチの発生の有無」等が判定されるので、始動入賞指定コマンドのDATAデータによって、大当たりの種別、リーチの発生の有無を特別図柄の変動開始前に判別できることとなる。例えば、入賞情報1の「E8H01H」の始動入賞指定コマンドであれば、第1始動口入賞、確変長当たりという情報が判別できる。なお、大当たりの場合には必ず「リーチ」を伴うことから、大当たりということでリーチが発生することも判別できる。
【0102】
なお、図9に示す事前判定テーブルは、図8に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルと類似しているものである。
ただし、図9に示す事前判定テーブルは遊技球の始動口への入賞時に用いられるに対し、図8に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルは特別図柄の変動開始時に用いられると点で相違していることに加え、「保留球数」を参照するかしないかでも相違している。
このため、図9に示す事前判定テーブルでは、大当たりやリーチの種別は判別可能であるが、[通常変動]と「短縮変動」の判別のみが不可能となっている。
【0103】
次に、図10〜図16を参照して、サブROM120bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
【0104】
(先読みゾーン抽選テーブル)
図10、図11は、大当たり抽選の結果を事前に示唆する先読みゾーンの抽選を行う先読みゾーン抽選テーブルである。図10は、大当たり時の先読みゾーン抽選テーブル1を示す図であり、図11は、ハズレ時の先読みゾーン抽選テーブル2〜4を示す図である。
また、本実施形態では、「激闘ゾーン」、「雨ゾーン」、「お突ゾーン」の3種類の先読みゾーンが備えられている。
【0105】
図10、図11に示すそれぞれの先読みゾーン抽選テーブルは、主制御基板110から受信した始動入賞指定コマンドと演出用乱数値1と先読みゾーンの種類とが対応付けられて構成されている。なお、先読みゾーンの種類が対応付けられていないもの(「なし」)は、先読みゾーンを実行しないことを意味している。
【0106】
また、図11に示すように、ハズレ時の先読みゾーン抽選テーブルは、複数種類設けられており、図11(a)に示す先読みゾーン抽選テーブル2は、通常時の先読み抽選テーブルであり、図11(b)に示す先読みゾーン抽選テーブル3は、「雨ゾーン」の先読みゾーンの出現率を向上させた先読み抽選テーブルであり、図11(c)に示す先読みゾーン抽選テーブル4は、「お突ゾーン」の先読みゾーンの出現率を向上させた先読み抽選テーブルである。
なお、複数種類のハズレ時の先読みゾーン抽選テーブルは、次の図12に示す先読みゾーン抽選テーブル決定テーブルに基づいて、いずかの先読みゾーン抽選テーブルが決定されるように構成されている。
【0107】
ここで、上述した「激闘ゾーン」とは、大当たりとなることの期待度が高いことを事前に示唆する先読みゾーンであり、「雨ゾーン」とは、発展当たりとなることの期待度が高いことを事前に示唆する先読みゾーンであり、「お突ゾーン」とは、短当たりとなることの期待度が高いことを事前に示唆する先読みゾーンである。
なお、本実施形態では、第1始動口15に遊技球が入賞したときには短当たりとなることがないので(図6参照)、第1始動口15に遊技球が入賞したことに対応する始動入賞指定コマンド(「MODE」=「E9H」)を受信しても、「お突ゾーン」が決定されることはない。
【0108】
そして、いずれかの先読みゾーンに当選すると、当選した先読みゾーンの種類に対応するデータを、サブRAM120cの先読みゾーン成立フラグ記憶領域にセットする。具体的には、激闘ゾーンが決定されれば「01」、雨ゾーンが決定されれば「02」、お突ゾーンが決定されれば「03」を、先読みゾーン成立フラグ記憶領域にセットする。
なお、先読みゾーン成立フラグ記憶領域にセットされたデータのことを、適宜、「先読みフラグ(激闘ゾーンフラグ、雨ゾーンフラグ、お突ゾーンフラグ)」ということにする。
【0109】
(先読みゾーン抽選テーブル決定テーブル)
図12は、図11に示す複数種類のハズレ時の先読みゾーン抽選テーブルから、いずれかの先読みゾーン抽選テーブルを決定するための先読みゾーン抽選テーブル決定テーブルを示す図である。
【0110】
図12に示す先読みゾーン抽選テーブル決定テーブルは、前回当選した先読みモードの種類と、演出用乱数値5と、先読みゾーン抽選テーブルとが対応付けられて構成されている。
【0111】
詳しくは、後述するが、サブCPU120aは、先読みゾーンが実行されないと、先読みゾーンの出現率を調整するために、先読みゾーンが実行されなかった回数を演出リミッタ回数に計数して更新している。
そして、演出リミッタ回数が特定の回数以上になると、先読みゾーンの出現率を向上させるために、サブCPU120aは、図12に示す先読みゾーン抽選テーブル決定テーブルに基づいて、「雨ゾーン」の先読みゾーンの出現率を向上させた先読み抽選テーブル3、または「お突ゾーン」の先読みゾーンの出現率を向上させた先読み抽選テーブル4のいずれかを決定する。その後、サブCPU120aは、決定した先読み抽選テーブルに基づいて、先読みゾーンの当選の可否、及び実行する先読みゾーンの種類を決定することになる。
なお、「激闘ゾーン」、「雨ゾーン」、「お突ゾーン」のいずれかの先読みゾーンに当選すると、演出リミッタ回数は初期化され、サブCPU120aは、演出リミッタ回数が再び特定の回数となるまで、通常時の先読み抽選テーブル2を決定することになる。
【0112】
また、図12に示す先読みゾーン抽選テーブル決定テーブルの特徴として、前回当選した先読みモードの種類と異なる先読みモードの種類が出現しやすくなるように、先読みゾーン抽選テーブルが対応付けられて構成されている。
具体的には、前回当選した先読みモードの種類が「雨ゾーン」であると、演出用乱数値5により、「お突ゾーン」の先読みゾーンの出現率を向上させた先読み抽選テーブル4が決定されやすくなっており、前回当選した先読みモードの種類が「お突ゾーン」であると、演出用乱数値5により、「雨ゾーン」の先読みゾーンの出現率を向上させた先読み抽選テーブル3が決定されやすくなっている。
【0113】
本実施形態では、前回当選した先読みモードの種類が「雨ゾーン」であると、演出用乱数値5により、95%の確率で「お突ゾーン」の先読みゾーンの出現率を向上させた先読み抽選テーブル4が決定され、前回当選した先読みモードの種類が「お突ゾーン」であると、演出用乱数値5により、95%の確率で「雨ゾーン」の先読みゾーンの出現率を向上させた先読み抽選テーブル3が決定されやすくなっている。
なお、前回当選した先読みモードの種類が「雨ゾーン」であると、100%の確率で「お突ゾーン」の先読みゾーンの出現率を向上させた先読み抽選テーブル4を決定し、前回当選した先読みモードの種類が「お突ゾーン」であると、100%の確率で「雨ゾーン」の先読みゾーンの出現率を向上させた先読み抽選テーブル3を決定するように構成してもよい。
【0114】
(図柄変動演出パターン決定テーブル)
図13は、画像表示装置31等においての演出図柄画像36の変動態様を決定するための図柄変動演出パターン決定テーブルを示す図である。
【0115】
図柄変動演出パターン決定テーブルは、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンドと演出用乱数値2と図柄変動演出パターンとが対応付けて構成されている。
サブCPU120aは、演出用乱数値2を取得し、図13に示す図柄変動演出パターン決定テーブルを参照し、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンドと取得した演出用乱数値2に基づいて、図柄変動演出パターンを決定することになる。
ここで、同じ特別図柄の変動パターン指定コマンドであっても演出用乱数値2に基づいて、異なる図柄変動演出パターンが決定可能に構成されていることから、特別図柄の変動パターン指定コマンドの数を減少させて、主制御基板110における記憶容量の削減を図っている。
【0116】
なお、「図柄変動演出パターン」とは、特別図柄の変動中に行われる演出手段(画像表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34)における具体的な演出態様をいう。例えば、画像表示装置31においては、図柄変動演出パターンによって演出図柄画像36の変動態様が決定される。また、本実施形態でいう「リーチ」とは、特別遊技に移行することを報知する演出図柄画像36の組合せの一部が停止表示され、他の演出図柄画像36が変動表示を行っている状態をいう。例えば、大当たり遊技に移行することを報知する演出図柄画像36の組合せとして「777」の3桁の演出図柄画像36の組み合わせが設定されている場合に、2つの演出図柄画像36が「7」で停止表示され、残りの演出図柄画像36が変動表示を行っている状態をいう。
【0117】
サブCPU120aは、図柄変動演出パターンを決定すると、決定した図柄変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドを画像制御基板150のホストCPU150aに送信する。
具体的には、演出パターン指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。また、図柄変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドとしては、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動パターンに基づく図柄変動演出パターンのときには、「MODE」が「A1H」で設定され、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動パターンに基づく図柄変動演出パターンのときには、「MODE」が「B1H」で設定され、図柄変動演出パターンの識別番号に合わせて「DATA」が設定される。
【0118】
図示は省略するが、演出パターン指定コマンドは、図柄変動演出パターンに対応するもの以外にも、MODEの設定値を変化させて、「デモ演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=01H)」、「当たり開始演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=02H)」、「大当り演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=03H)」、「当たり終了演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=04H)」等の各種の演出パターン指定コマンドを画像制御基板150に送信する。
【0119】
(お突ゾーン突入シナリオ決定テーブル)
図14は、先読みゾーンとして「お突ゾーン」が決定され、「お突ゾーン」を実行するときに導入するシナリオを決定するためのお突ゾーン突入シナリオ決定テーブルを示す図である。
【0120】
お突ゾーン突入シナリオ決定テーブルは、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンドと演出用乱数値3とゾーン突入シナリオとが対応付けて構成されている。
【0121】
サブCPU120aは、「お突ゾーン」が実行可能となったときに、特別図柄の変動開始時に演出用乱数値3を取得し、図14に示すお突ゾーン突入シナリオ決定テーブルを参照し、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンドと取得した演出用乱数値3に基づいて、ゾーン突入シナリオを決定することになる。
【0122】
そして、サブCPU120aは、ゾーン突入シナリオを決定すると、決定したゾーン突入シナリオに対応する演出パターン指定コマンドを画像制御基板150のホストCPU150aに送信する。
【0123】
また、「お突ゾーン」のゾーン突入シナリオには、「雷演出」、「宝箱予告」、「会話予告」の3種類のゾーン突入シナリオを備えており、「雷演出」、「宝箱予告」または「会話予告」から「お突ゾーン」に移行する。
ここで、「雷演出」は、「お突ゾーン」に移行するための専用の演出となっており、「宝箱予告」または「会話予告」は、図15で後述する大当たり予告の予告シナリオを構成する一部の演出が共通している。
【0124】
例えば、「宝箱予告1」であれば、宝箱が出現し、宝箱が開くと「お突ゾーン突入」という風船が飛び出てきて、背景が「お突ゾーン」に変化して「お突ゾーン」に移行する。
これに対し、後述する大当たり予告で用いられる「宝箱予告2」であれば、宝箱が出現し、宝箱が開くと「ダイヤモンド」が出てきて、大当たりの期待度が高いことが報知されることになる。
【0125】
(大当たり予告シナリオ決定テーブル)
図15は、当該変動において、大当たりの期待度を示唆するシナリオを決定するための大当たり予告シナリオ決定テーブルを示す図である。
【0126】
大当たり予告シナリオ決定テーブルは、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンドと演出用乱数値4と予告シナリオとが対応付けて構成されている。
【0127】
サブCPU120aは、特別図柄の変動開始時に演出用乱数値4を取得し、図14に示す大当たり予告シナリオ決定テーブルを参照し、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンドと取得した演出用乱数値4に基づいて、予告シナリオを決定することになる。
【0128】
そして、サブCPU120aは、予告シナリオを決定し、決定した予告シナリオに対応する演出パターン指定コマンドを画像制御基板150のホストCPU150aに送信する。
【0129】
また、上述したように、予告シナリオを構成する一部の演出は、ゾーン突入シナリオを構成する一部の演出と共通するように構成されている。
【0130】
次に、図16を参照して、ホストROM150cに記憶されている図柄配列情報について説明する。
【0131】
(図柄配列情報)
図16(a)は、演出図柄の図柄番号と、その図柄番号で表示する演出図柄画像36の種類とを対応付けた図柄配列情報の構成を示す図である。図16(a)に示すように図柄配列情報は、演出図柄の図柄番号は「0〜7」の8つの番号で構成され、それぞれの番号に演出図柄画像36の種類を対応付けて記憶している。
【0132】
なお、演出図柄画像自体は、画像制御基板150に搭載されているCGROMに記憶され、演出図柄画像36の種類は、CGROMに記憶された演出図柄画像36のアドレス等示していることになる。
【0133】
そして、演出図柄画像36の変動表示を行うときには、0から7の順番に図柄番号に対応する演出図柄画像36を順番に変動表示させていく。
【0134】
ここで、図16(b)に示すように、先読みゾーンの「雨ゾーン」の実行中または「発展当たり」のときには、通常の演出図柄画像36に代わり、特殊な演出図柄画像36が差し替わって表示されることになる。
これにより、特殊な演出図柄画像36により、先読みゾーンとしての「雨ゾーン」が実行されていることを明確に把握することができる。
【0135】
また、「発展当たり」は、「出陣RUSH」というデザインが施された第2大入賞口17を開放させるものである。
そして、特殊な演出図柄画像36のデザインと、第2大入賞口17に施されたデザインとを共通にしたため、特殊な演出図柄画像36が停止表示されれば、第2大入賞口17が開放するということを遊技者にわかりやすく報知することができる。
【0136】
(遊技状態の説明)
次に、遊技が進行する際の遊技状態について説明する。本実施形態においては、大当たりの抽選に関する状態として「低確率遊技状態」と「高確率遊技状態」とを有し、第2始動口15が有する一対の可動片15bに関する状態として「非時短遊技状態」と「時短遊技状態」とを有する。この大当たりの抽選に関する状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)と一対の可動片15bに関する状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)とは、それぞれの状態を関連させることもでき、独立させることもできる。つまり、
(1)「低確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、
(2)「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合と、
(3)「高確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、
(4)「高確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合とを設けることが可能になる。
なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されており、この遊技状態を本実施形態においては「通常遊技状態」と称することとする。
【0137】
本実施形態において「低確率遊技状態」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たりの当選確率が、例えば1/299.5と低く設定された遊技状態をいう。これに対して「高確率遊技状態」というのは、低確率遊技状態と比べて大当たりの当選確率が向上し、大当たりの当選確率が、例えば1/29.95と高く設定された遊技状態をいう。したがって、「高確率遊技状態」では、「低確率遊技状態」よりも、大当たりに当選しやすいこととなる。
なお、低確率遊技状態から高確率遊技状態に変更するのは、後述する大当たり遊技を終了した後である。
【0138】
本実施形態において「非時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が例えば29秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が例えば0.2秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、普通図柄ゲート13を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われて、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示が行われるが、普通図柄は変動表示が開始されてから29秒後に停止表示する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、第2始動口15が0.2秒間、第2の態様に制御される。
【0139】
これに対して「時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が例えば3秒と、「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が例えば3.5秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。さらに、「非時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が例えば1/65536と低く設定され、「時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が例えば65535/65536と高く設定される。なお、この時短遊技状態のときには、後述する時短遊技フラグがセットされており、非時短遊技状態のときには、時短遊技フラグがオフになっている。
したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、普通図柄ゲート13を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動口15が第2の態様に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技者が遊技球を消費せずに遊技を進行することが可能となる。
また、普通図柄ゲート13が遊技領域6の右側の領域に設けられていることから、「時短遊技状態」のときには、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い発射強度で遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。
なお、普通図柄の抽選において当たりに当選する確率を「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらないように設定してもよい。
【0140】
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
【0141】
(主制御基板のメイン処理)
図17を用いて、主制御基板110のメイン処理を説明する。
【0142】
電源基板170により電源が供給されると、メインCPU110aにシステムリセットが発生し、メインCPU110aは、以下のメイン処理を行う。
【0143】
まず、ステップS10において、メインCPU110aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU110aは、電源投入に応じて、メインROM110bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM110cに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
【0144】
ステップS20において、メインCPU110aは、特別図柄の変動態様(変動時間)を決定するためのリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値の更新を行う演出用乱数値更新処理を行う。
【0145】
ステップS30において、メインCPU110aは、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、普通図柄判定用初期乱数値の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
【0146】
(主制御基板のタイマ割込処理)
図18を用いて、主制御基板110のタイマ割込処理を説明する。
【0147】
主制御基板110に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
【0148】
まず、ステップS100において、メインCPU110aは、メインCPU110aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
【0149】
ステップS110において、メインCPU110aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等などの特別遊技タイマカウンタの更新処理、普通図柄時間カウンタの更新処理、普電開放時間カウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通図柄時間カウンタ、普電開放時間カウンタから1を減算する処理を行う。
【0150】
ステップS120において、メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、普通図柄判定用乱数値の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数値及び乱数カウンタを+1加算して更新する。なお、加算した乱数カウンタが乱数範囲の最大値を超えた場合(乱数カウンタが1周した場合)には、乱数カウンタを0に戻し、その時の初期乱数値からそれぞれの乱数値を新たに更新する。
【0151】
ステップS130において、メインCPU110aは、ステップS30と同様に、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、普通図柄判定用初期乱数値を更新する初期乱数値更新処理を行う。
【0152】
ステップS200において、メインCPU110aは、入力制御処理を行う。
この処理において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15a、ゲート検出スイッチ13aの各種スイッチに入力があったか否か判定し、入力があった場合には所定のデータをセットする入力制御処理を行う。詳しくは、図19を用いて後述する。
【0153】
ステップS300において、メインCPU110aは、大当たりの抽選、特別電動役物、遊技状態の制御を行うための特図特電制御処理を行う。詳しくは、図21を用いて後述する。
【0154】
ステップS400において、メインCPU110aは、普通図柄の抽選、普通電動役物の制御を行うための普図普電制御処理を行う。
【0155】
普図普電制御処理は、具体的には、まず普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定し、普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていなければ、今回の普図普電制御処理を終了する。
普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、普通図柄保留記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた普通図柄判定用乱数値は上書きされて消去されることとなる。
そして、図4(b)に示す当たり判定テーブルを参照し、普通図柄保留記憶領域の第0記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理を行う。その後、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示を行って、普通図柄の変動時間が経過すると普通図柄の抽選の結果に対応する普通図柄の停止表示を行う。そして、参照した普通図柄判定用乱数値が「当たり」のものであれば、始動口開閉ソレノイド15cを駆動させ、第2始動口15を所定の開放時間、第2の態様に制御する。
ここで、非時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を29秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を0.2秒間、第2の態様に制御する。これに対して、時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を0.2秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を3.5秒間、第2の態様に制御する。
【0156】
ステップS500において、メインCPU110aは、払出制御処理を行う。
この払出制御処理において、メインCPU110aは、ぞれぞれの賞球カウンタを参照し、各種入賞口に対応する払出個数指定コマンドを生成して、生成した払出個数指定コマンドを払出制御基板130に送信する。
【0157】
ステップS600において、メインCPU110aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
【0158】
ステップS700において、メインCPU110aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記S600で作成した外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。
また、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21および普通図柄表示装置22の各LEDを点灯させるために、上記S600で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力する表示装置出力処理を行う。
さらに、メインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを演出制御基板120に送信するコマンド送信処理も行う。
【0159】
ステップS800において、メインCPU110aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU110aのレジスタに復帰させる。
【0160】
(主制御基板の入力制御処理)
図19を用いて、主制御基板110の入力制御処理を説明する。
【0161】
ステップS210において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ入力処理を行う。
この一般入賞口検出スイッチ入力処理では、一般入賞口検出スイッチ12aから検出信号を入力したか否かの判定を行う。一般入賞口検出スイッチ12aから検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移す。
一般入賞口検出スイッチ12aから検出信号を入力した場合には、一般入賞口用の賞球カウンタに所定のデータを加算して更新した後、次のステップに処理を移す。
【0162】
ステップS220において、メインCPU110aは、大入賞口検出スイッチ入力処理を行う。
この大入賞口検出スイッチ入力処理では、第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aから検出信号を入力したか否かの判定を行う。第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aから検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移す。
第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aからの検出信号を入力した場合には、大入賞口用の賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、第1大入賞口16または第2大入賞口17に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球数(C)記憶領域に1を加算して更新した後、次のステップに処理を移す。
【0163】
ステップS230において、メインCPU110aは、第1始動口検出スイッチ入力処理を行う。
この第1始動口検出スイッチ入力処理では、第1始動口検出スイッチ14aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1始動口14に入賞したか否かを判定して、大当たりの判定を行うための所定のデータをセットする。詳しくは、図20を用いて後述する。
【0164】
ステップS240において、メインCPU110aは、第2始動口検出スイッチ入力処理を行う。
この第2始動口検出スイッチ入力処理は、第2始動口検出スイッチ15aから検出信号を入力したか否かの判定を行う。第2始動口検出スイッチ15aから検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移す。
第2始動口検出スイッチ15aから検出信号を入力した場合には、まず第2始動口用の賞球カウンタに所定のデータを加算する。そして、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第2特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶した後、次のステップに処理を移す。
すなわち、後述する図20の第1始動口検出スイッチ入力処理と比較すると、データを記憶する領域が第1特別図柄記憶領域と第2特別図柄記憶領域とで相違するものの、同様の処理を行う。
【0165】
ステップS250において、メインCPU110aは、ゲート検出スイッチ入力処理を行う。
このゲート検出スイッチ入力処理は、ゲート検出スイッチ13aから検出信号を入力したか否かの判定を行う。ゲート検出スイッチ13aから検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移す。
ゲート検出スイッチ13aから検出信号を入力した場合には、ゲート通過指定コマンドを生成し、生成したゲート通過指定コマンドをメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットする。次に、普通図柄保留数(G)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に1を加算し、普通図柄判定用乱数値を取得して、取得した普通図柄判定用乱数値を普通図柄保留記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶した後、今回の入力制御処理を終了する。
【0166】
(主制御基板の第1始動口検出スイッチ入力処理)
図20を用いて、主制御基板110の第1始動口検出スイッチ入力処理を説明する。
【0167】
まず、ステップS230−1において、メインCPU110aは、第1始動口検出スイッチ14aからの検出信号を入力したか否かを判定する。
第1始動口検出スイッチ14aからの検出信号を入力した場合にはステップS230−2に処理を移し、第1始動口検出スイッチ14aからの検出信号を入力しなかった場合には、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0168】
ステップS230−2において、メインCPU110aは、賞球のために用いる始動口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する処理を行う。
【0169】
ステップS230−3において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であるか否かを判定する。第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であった場合には、ステップS230−4に処理を移し、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満でない場合には、今回の第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0170】
ステップS230−4において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に「1」を加算して記憶する。
【0171】
ステップS230−5において、メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した特別図柄判定用乱数値を記憶する。
【0172】
ステップS230−6において、メインCPU110aは、大当たり図柄用乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した大当たり図柄用乱数値を記憶する。
【0173】
ステップS230−7において、メインCPU110aは、演出用乱数値として、変動パターン用乱数値及びリーチ判定用乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した変動パターン用乱数値及びリーチ判定用乱数値を記憶する。
【0174】
以上より、第1特別図柄記憶領域の所定の記憶部には、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、変動パターン用乱数値、リーチ判定用乱数値が記憶されることとなる。
【0175】
ステップS230−8において、メインCPU110aは、事前判定処理を行う。
この事前判定処理では、図9に示す事前判定テーブルを参照し、今回取得した特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値およびリーチ判定用乱数値に基づいて、始動口の判定情報を事前に示すための入賞情報を生成する。
【0176】
ステップS230−9において、メインCPU110aは、上記ステップS230−8の事前判定処理で生成された入賞情報に基づいた始動入賞指定コマンドを、始動入賞指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。本処理を終了すると、今回の第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
これにより、入賞情報を始動入賞指定コマンドとして演出制御基板120へ送信することができ、始動入賞指定コマンドを受信した演出制御基板120のサブCPU120aは、始動入賞指定コマンドを解析して、今回の第1始動口への遊技球の入賞を契機とした特別図柄の変動が開始される前から、事前に所定の演出を実行することができる。
なお、第2始動口検出スイッチ入力処理においても、本ステップS230−8、S230−9と同様に、図9に示す事前判定テーブルを参照して入賞情報が生成され、入賞情報に基づいた始動入賞指定コマンドが演出制御基板120へ送信される。
る。
【0177】
ステップS230−10において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域されている値を参照し、上記ステップS230−4で更新された第1特別図柄保留数(U1)に対応する特別図柄記憶指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0178】
(主制御基板の特図特電制御処理)
図21を用いて、主制御基板110の特図特電制御処理を説明する。
【0179】
まず、ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば大当り遊技終了処理(ステップS350)に処理を移す。
この「特図特電処理データ」は、後述するように特図特電制御処理の各サブルーチンの中で必要に応じてセットされていくので、その遊技において必要なサブルーチンが適宜処理されていくことになる。
【0180】
以降に、ステップS310の特別図柄記憶判定処理、ステップS320の特別図柄変動処理、ステップS330の特別図柄停止処理、ステップS340の大当たり遊技処理、ステップS350の大当り遊技終了処理について順に説明していく。
【0181】
(主制御基板の特別図柄記憶判定処理)
図22を用いて、主制御基板110の特別図柄記憶判定処理を説明する。
【0182】
ステップS310−1において、メインCPU110aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ここで、特別図柄の変動表示中であれば(特別図柄時間カウンタ≠0)、今回の特別図柄記憶判定処理を終了し、特別図柄の変動表示中でなければ(特別図柄時間カウンタ=0)、ステップ310−2に処理を移す。
【0183】
ステップS310−2において、メインCPU110aは、特別図柄の変動中ではない場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域が1以上であるかを判定する。
メインCPU110aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域が1以上であると判定した場合にはステップS310−3に処理を移し、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域が1以上でない場合にはステップS310−4に処理を移す。
【0184】
ステップS310−3において、メインCPU110aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値から1を減算して更新する。
【0185】
ステップS310−4において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域が1以上であるかを判定する。
メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域が1以上であると判定した場合にはステップS310−5に処理を移し、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域が1以上でない場合には、今回の特別図柄記憶判定処理を終了する。
【0186】
ステップS310−5において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値から1を減算して更新する。
【0187】
ステップS310−6において、メインCPU110aは、上記ステップS310−2〜S310−5において減算された特別図柄保留数(U)記憶領域に対応する特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。ここで、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)にシフトさせる。このとき、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれるとともに、既に判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれていたデータは特別図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。これにより、前回の遊技で用いた特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、特図変動用乱数値が消去される。
なお、本実施形態では、ステップS310−2〜S310−6において第2特別図柄記憶領域を第1特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせることとしたが、始動口に入賞した順序で、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄記憶領域を第2特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
【0188】
ステップS310−7において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域及び第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値を参照し、第1特別図柄保留数(U1)及び第2特別図柄保留数(U2)に対応する特別図柄記憶指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0189】
ステップS311において、メインCPU110aは、上記ステップS310−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれたデータ(特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、)に基づいて、大当たり判定処理を実行する。詳しくは、図23を用いて、後述する。
【0190】
ステップS312においては、メインCPU110aは、変動パターン決定処理を行う。
変動パターン決定処理は、図8に示す変動パターン決定テーブルを参照して、大当たりの判定結果、特別図柄の種類、時短遊技状態の有無、特別図柄保留数(U)、取得したリーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値に基づいて、変動パターンを決定する。
【0191】
ステップS313において、メインCPU110aは、決定した変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0192】
ステップS314において、メインCPU110aは、変動開始時の遊技状態を確認し、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0193】
ステップS315において、メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄の変動表示(LEDの点滅)を行わせるための変動表示データを所定の処理領域にセットする。これにより、所定の処理領域に変動表示データがセットされていると、上記ステップS600でLEDの点灯または消灯のデータが適宜作成され、作成されたデータがステップS700において出力されることで、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の変動表示が行われる。
【0194】
ステップS316において、メインCPU110aは、上記のようにして特別図柄の変動表示を開始したら、特別図柄時間カウンタに上記ステップS312において決定した変動パターンに基づいた変動時間(カウンタ値)を特別図柄時間カウンタにセットする。なお、特別図柄時間カウンタは上記S110において4ms毎に減算処理されていく。
【0195】
ステップS317において、メインCPU110aは、特図特電処理データ=1をセットし、図24に示す特別図柄変動処理に処理を移して、今回の特別図柄記憶判定処理を終了する。
【0196】
(主制御基板の大当り判定処理)
図23を用いて、主制御基板110の大当り判定処理を説明する。
【0197】
ステップS311−1において、メインCPU110aは、確率遊技状態に基づいて、上記ステップS310−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた特別図柄判定用乱数値が「大当たり」の乱数値であるか否かを判定する。
より具体的には、図4(a)の特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照して、特別図柄判定用乱数値が「大当たり」であるか否かを判定する。
その判定結果として、大当りと判定された場合にはステップS311−2に処理を移し、大当りと判定されなかった場合にはステップS311−5に処理を移す。
【0198】
ステップS311−2において、メインCPU110aは、上記ステップS310−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた大当たり図柄用乱数値を判定して、特別図柄の種類(停止図柄データ)を決定し、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする大当たり図柄決定処理を行う。
具体的には、大当たりにおける図柄決定テーブル(図5(a)参照)を参照して、特別図柄表示装置の種類、大当たり図柄用乱数値に基づいて、停止する特別図柄の種類を示す停止図柄データを決定し、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
なお、決定された特別図柄は、後述するように図25の特別図柄停止処理において「大当たり図柄」を判定するのに用いられるとともに、図26の大当たり遊技処理において大入賞口の作動態様を決定するのにも用いられ、図27の大当たり遊技終了処理において大当たり終了後の遊技状態を決定するためにも用いられる。
【0199】
ステップS311−3において、メインCPU110aは、演出制御基板120に特別図柄に対応するデータを送信するため、大当たり用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成して、演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0200】
ステップS311−4において、メインCPU110aは、遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)にセットされた情報から大当たり当選時の遊技状態を判定し、大当たり当選時の遊技状態を示す遊技状態情報を遊技状態バッファにセットする。具体的には、時短遊技フラグと高確率遊技フラグの両方がセットされていなければ00Hをセットし、時短遊技フラグはセットされていないが高確率遊技フラグはセットされていれば01Hをセットし、時短遊技フラグがセットされているが高確率遊技フラグがセットされていなければ02Hをセットし、時短遊技フラグと高確率遊技フラグとの両方がセットされていれば03Hをセットする。
このように遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)とは別に、遊技状態バッファに大当たり当選時の遊技状態をセットすることとしたのは、大当たり遊技中には遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)にある高確率遊技フラグや時短遊技フラグがリセットされてしまうため、大当たり終了後に大当たりの当選時の遊技状態に基づいて、新たに大当たり終了時の遊技状態を決定する場合には、遊技状態記憶領域を参照することができないからである。このように、遊技状態記憶領域とは別に、大当たり当選時の遊技状態を示す遊技情報を記憶するための遊技状態バッファを設けることにより、大当たり終了後に遊技状態バッファにある遊技情報を参照することで、大当たり当選時の遊技状態に基づいて新たに大当たり終了後の遊技状態(時短遊技状態や時短回数など)を設定できる。
【0201】
ステップS311−5において、メインCPU110aは、図5(b)の図柄決定テーブルを参照してハズレ用の特別図柄を決定し、決定したハズレ用の停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
【0202】
ステップS311−6において、メインCPU110aは、演出制御基板120に特別図柄に対応するデータを送信するため、ハズレ用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成し、演出用伝送データ格納領域にセットして、大当たり判定処理を終了する。
本実施形態では、大当たり判定処理を行うメインCPU110aが特別遊技判定手段を構成する。
【0203】
(主制御基板の特別図柄変動処理)
図24を用いて、特別図柄変動処理を説明する。
【0204】
ステップS320−1において、メインCPU110aは、ステップS316においてセットされた変動時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、変動時間を経過していないと判定した場合には、今回の特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
【0205】
ステップS320−2において、メインCPU110aは、セットされた時間を経過したと判定した場合には、上記ステップS315でセットされた変動表示データをクリアして、上記ステップS311−2、S311−5でセットされた特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させるための、停止図柄データを所定の処理領域にセットする。これにより、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄が停止表示され、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
【0206】
ステップS320−3において、メインCPU110aは、図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0207】
ステップS320−4において、メインCPU110aは、上記のようにして特別図柄の停止表示を開始したら、特別図柄時間カウンタに図柄停止時間(0.5秒=125カウンタ)をセットする。なお、特別図柄時間カウンタは上記S110において4ms毎に1を減算して更新されていく。
【0208】
ステップS320−5において、メインCPU110aは、特図特電処理データに2をセットし、図25に示す特別図柄停止処理に処理を移して、今回の特別図柄変動処理を終了する。
【0209】
(主制御基板の特別図柄停止処理)
図25を用いて、特別図柄停止処理を説明する。
【0210】
ステップS330−1において、メインCPU110aは、ステップS320−4においてセットされた図柄停止時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、図柄停止時間を経過していないと判定した場合には、今回の特別図柄停止処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
【0211】
ステップS330−2において、メインCPU110aは、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがセットされているか否かを判定し、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがセットされている場合には、時短回数(J)記憶領域に記憶されている時短回数(J)から1を減算して更新し、新たな時短回数(J)が「0」か否かを判定する。その結果、時短回数(J)が「0」である場合には、時短遊技フラグ記憶領域にセットされている時短遊技フラグをクリアし、時短回数(J)が「0」でない場合には、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されている時短遊技フラグをセットしたまま、ステップS330−3に処理を移す。
一方、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがセットされていない場合には、そのままステップS330−3に処理を移す。
【0212】
ステップS330−3において、メインCPU110aは、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグがセットされているか否かを判定し、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグがセットされている場合には、高確率遊技回数(X)記憶領域に記憶されている高確率遊技回数(X)から1を減算して更新し、新たな高確率遊技回数(X)が「0」か否かを判定する。その結果、高確率遊技回数(X)が「0」である場合には、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されている高確率遊技フラグをクリアし、高確率遊技回数(X)が「0」でない場合には、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されている高確率遊技フラグをセットしたまま、ステップS330−4に処理を移す。
一方、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグがセットされていない場合には、そのままステップS330−4に処理を移す。
【0213】
ステップS330−4において、メインCPU110aは、現在の遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0214】
ステップS330−5において、メインCPU110aは、大当たりであるか否かを判定する。具体的には停止図柄データ記憶領域に記憶されている停止図柄データが大当たり図柄(停止図柄データ=01〜09?)のものであるか否かを判定する。ここで、大当たり図柄と判定された場合には、ステップS330−10に処理を移し、大当たり図柄と判定されなかった場合には、ステップS330−6に処理を移す。
【0215】
ステップS330−6において、メインCPU110aは、特図特電処理データに0をセットし、図22に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
【0216】
ステップS330−10において、メインCPU110aは、特図特電処理データに3をセットし、図26に示す大当たり遊技処理に処理を移す。
【0217】
ステップS330−11において、メインCPU110aは、遊技状態や時短回数をリセットする。具体的には、高確率遊技フラグ記憶領域、高確率遊技回数(X)記憶領域、時短遊技フラグ記憶領域、時短回数(J)記憶領域に記憶されているデータをクリアする。
【0218】
ステップS330−12において、メインCPU110aは、大当たり開始準備設定処理を行う。
この大当たり開始準備設定処理では、図6に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照して、停止図柄データに基づいて、図7に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブル群から、「長当たりTBL」、「短当たりTBL」、「発展当たりTBL」のいずれかの大入賞口開放態様決定テーブルを決定する。
【0219】
ステップS330−13において、メインCPU110aは、上記ステップS330−12で決定された大入賞口開放態様決定テーブルに基づいて、特別遊技の種類(長当たり遊技、短当たり遊技、発展当たり遊技)を判定し、特別遊技の種類に応じたオープニング指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0220】
ステップS330−14において、メインCPU110aは、上記ステップS330−12で決定された大入賞口開放態様決定テーブルに基づいて、開始インターバル時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。本処理を終了したら、特別図柄停止処理を終了する。
【0221】
(主制御基板の大当たり遊技処理)
図26を用いて、大当たり遊技処理を説明する。
【0222】
まず、ステップS340−1において、メインCPU110aは、現在オープニング中であるか否かを判定する。具体的には、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に「0」が記憶されていれば、現在オープニング中であるので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域を参照し、現在オープニング中であるか判定する。現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS340−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判定した場合には、S340−6に処理を移す。
【0223】
ステップS340−2において、メインCPU110aは、上記ステップS330−14で決定された開始インターバル時間を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、開始インターバル時間を経過したと判定する。その結果、開始インターバル時間を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、開始インターバル時間を経過している場合にはステップS340−3に処理を移す。
【0224】
ステップS340−3において、メインCPU110aは、大当たり開始設定処理を行う。
大当たり開始設定処理は、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。ここでは、まだラウンド遊技が1回も行われていないので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には「1」が記憶されることとなる。
【0225】
ステップS340−4において、メインCPU110aは、大入賞口開放処理を行う。
大入賞口開放処理は、まず開放回数(K)記憶領域に記憶されている開放回数(K)に「1」を加算して更新する。また、第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口可動片17bを開放するために、第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データをセットするとともに、上記ステップS330−12で決定された大入賞口開放態様決定テーブル(図7参照)を参照して、現在のラウンド遊技回数(R)及び開放回数(K)に基づいて、第1大入賞口16または第2大入賞口17の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
【0226】
ステップS340−5において、メインCPU110aは、K=1であるか否かを判定し、K=1であった場合には、演出制御基板120にラウンド回数の情報を送信するため、ラウンド遊技回数(R)に応じて大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。例えば、大当たりの1ラウンド目の開始においては、ラウンド遊技回数(R)が「1」にセットされ、K=1となっているので、大入賞口開放1ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。一方、K=1でない場合には、大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットせずに、大当たり遊技処理を終了する。すなわち、K=1である場合というのはラウンドの開始を意味するので、ラウンドの開始のときのみ、大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを送信するようにしている。
【0227】
ステップS340−6において、メインCPU110aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS340−18に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS340−7に処理が移される。
【0228】
ステップS340−7において、メインCPU110aは、大入賞口の閉鎖中であるか否かを判定する。具体的には、第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データがセットされている否かが判定される。その結果、大入賞口の閉鎖中と判定された場合には、ステップS340−8に処理を移し、大入賞口の閉鎖中でないと判定された場合には、ステップS340−9に処理を移す。
【0229】
ステップS340−8において、メインCPU110aは、後述するステップS340−10において設定された閉鎖時間が経過したか判定される。なお、閉鎖時間は、後述するステップS340−10において開始インターバル時間と同様に特別遊技タイマカウンタにセットされ、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、閉鎖時間を経過していない場合には、大入賞口の閉鎖を維持するため大当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間を経過している場合には大入賞口を開放させるためステップS340−4に処理を移す。
【0230】
ステップS340−9において、メインCPU110aは、大入賞口の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。
この「開放終了条件」は、大入賞口入球カウンタ(C)の値が規定個数(9個)に達したこと、または開放回数(K)における1回あたりの開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が該当する。
そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS340−10に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
【0231】
ステップS340−10において、メインCPU110aは、大入賞口閉鎖処理を行う。
大入賞口閉鎖処理は、第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口可動片17bを閉鎖するために、第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データを停止する。次に、上記ステップS330−12で決定された大入賞口開放態様決定テーブル(図7)を参照して、現在のラウンド遊技回数(R)及び開放回数(K)に基づいて、第1大入賞口16または第2大入賞口17の閉鎖時間(閉鎖インターバル時間または1回の閉鎖時間)を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、大入賞口が閉鎖することになる。
【0232】
ステップS340−11において、メインCPU110aは、1回のラウンドが終了したか否かを判定する。具体的には、1回のラウンドは、大入賞口入球カウンタ(C)の値が規定個数(9個)に達したこと、または開放回数(K)が最大開放回数となることを条件に終了するので、かかる条件が成立したか否かを判定する。
そして、1回のラウンドが終了したと判定した場合にはステップS340−12に処理を移し、1回のラウンドが終了していないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
【0233】
ステップS340−12において、メインCPU110aは、開放回数(K)記憶領域に0をセットするとともに、大入賞口入球数(C)記憶領域に0をセットするラウンドデータ初期化処理を行う。すなわち、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域をクリアする。ただし、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)はクリアしない。
【0234】
ステップS340−13において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)が最大であるか否かを判定する。ラウンド遊技回数(R)が最大である場合には、ステップS340−15に処理を移し、ラウンド遊技回数(R)が最大でない場合には、ステップS340−14に処理を移す。
【0235】
ステップS340−14において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。
【0236】
ステップS340−15において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)をリセットする。
【0237】
ステップS340−16において、メインCPU110aは、上記ステップS330−12で決定された大入賞口開放態様決定テーブル(図7参照)に基づいて、特別遊技の種類(長当たり遊技、短当たり遊技、発展当たり遊技)を判定し、特別遊技の種類に応じたエンディング指定コマンドを演出制御基板120に送信するために演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0238】
ステップS340−17において、メインCPU110aは、上記ステップS330−12で決定された大入賞口開放態様決定テーブル(図7参照)に基づいて、大当たりの種別に応じた終了インターバル時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
【0239】
ステップS340−18において、メインCPU110aは、設定された終了インターバル時間を経過したか否かを判定し、終了インターバル時間を経過したと判定した場合にはステップS340−19において、メインCPU110aは、特図特電処理データに5をセットし、図27に示す大当たり遊技終了処理に処理を移す。一方、終了インターバル時間を経過していないと判定した場合には、そのまま当該大当たり遊技処理を終了する。
【0240】
(主制御基板の大当たり遊技終了処理)
図27を用いて、大当たり遊技終了処理を説明する。
【0241】
ステップS350−1において、メインCPU110aは、停止図柄データ記憶領域にセットされた停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報をロードする。
【0242】
ステップS350−2において、メインCPU110aは、上記S350−1においてロードした停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、大当り終了時に高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットさせるか否かの処理を行う。
本実施形態では、停止図柄データが「01〜04、06〜08」であれば、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットし、その以外の「05、09」であれば、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットしない。
【0243】
ステップS350−3において、メインCPU110aは、上記S350−1においてロードした停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域に所定の回数をセットさせる。
本実施形態では、停止図柄データが「01〜04、06〜08」であれば、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域に10000回をセットし、その以外の「05、09」であれば、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域に0回をセットする。
【0244】
ステップS350−4において、メインCPU110aは、上記S350−1においてロードした停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットさせるか否かの処理を行う。
本実施形態では、停止図柄データが「01〜09」であれば、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットする。
【0245】
ステップS350−5において、メインCPU110aは、上記S350−1においてロードした停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に所定の回数をセットさせる。
本実施形態では、停止図柄データが「01〜04、06〜08」であれば、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に10000回をセットし、その以外の「05、09」であれば、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に100回をセットする。
【0246】
ステップS350−6において、メインCPU110aは、遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0247】
ステップS350−7において、メインCPU110aは、特図特電処理データに0をセットし、図22に示す特別図柄記憶判定処理に処理を戻す。
【0248】
次に、演出制御基板120におけるサブCPU120aにより実行される処理について説明する。
【0249】
(演出制御基板のメイン処理)
図28を用いて、演出制御基板120のメイン処理を説明する。
【0250】
ステップS1000において、サブCPU120aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、電源投入に応じて、サブROM120bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM120cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。
【0251】
ステップS1100において、サブCPU120aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cに記憶される乱数(演出用乱数値1〜6、演出図柄決定用乱数値等)を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、上記ステップS1100の処理を繰り返し行う。
【0252】
(演出制御基板のタイマ割込処理)
図29を用いて、演出制御基板120のタイマ割込処理を説明する。
図示はしないが、演出制御基板120に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
【0253】
まず、ステップS1400において、サブCPU120aは、サブCPU120aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
【0254】
ステップS1500において、サブCPU120aは、演出制御基板120で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
【0255】
ステップS1600において、サブCPU120aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、図30および図31を用いて後述する。なお、演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS1600において受信したコマンドの解析処理が行われる。
【0256】
ステップS1700において、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aの信号のチェックを行い、演出ボタン35に関する演出入力制御処理を行う。
【0257】
ステップS1800において、サブCPU120aは、サブRAM120cの送信バッファにセットされている各種のコマンドをランプ制御基板140や画像制御基板150へ送信するデータ出力処理を行う。
【0258】
ステップS1900において、サブCPU120aは、ステップS1810で退避した情報をサブCPU120aのレジスタに復帰させる。
【0259】
(演出制御基板のコマンド解析処理)
図30および図31を用いて、演出制御基板120のコマンド解析処理を説明する。なお、図31のコマンド解析処理2は、図30のコマンド解析処理1に引き続いて行われるものである。
【0260】
ステップS1601において、サブCPU120aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したかを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファにコマンドがなければ、今回のコマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあればステップS1620に処理を移す。
【0261】
ステップS1610において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、特別図柄記憶指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが特別図柄記憶指定コマンドであれば、ステップS1611に処理を移し、特別図柄記憶指定コマンドでなければステップS1620に処理を移す。
【0262】
ステップS1611において、サブCPU120aは、特別図柄記憶指定コマンドを解析して、サブRAM120cの演出第1保留(Us1)記憶領域及び演出第2保留(Us2)記憶領域に、第1特別図柄保留数(U1)及び第2特別図柄保留数(U2)に対応する値を記憶する特別図柄記憶数更新処理を行う。
なお、メインRAM110cの第1特別図柄保留数(U1)記憶領域とサブRAM120cの演出第1保留(Us1)記憶領域とが対応し、メインRAM110cの第2特別図柄保留数(U2)記憶領域とサブRAM120cの演出第2保留(Us2)記憶領域とが対応し、それぞれには同じ保留数を示すデータが記憶されることになる。
【0263】
ステップS1620において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、始動入賞指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが始動入賞指定コマンドであれば、ステップS1621に処理を移し、始動入賞指定コマンドでなければステップS1630に処理を移す。
【0264】
ステップS1621において、サブCPU120aは、大当たりの判定結果、演出リミッタ回数、および前回当選した先読みゾーンの種類に基づいて、図10、図11に示す先読みゾーン抽選テーブルの中から、いずれか1つの先読みゾーン抽選テーブルを決定するテーブル選択処理を行う。
【0265】
具体的には、このテーブル選択処理では、まず、始動入賞指定コマンドが大当たりに対応するものであるか否かを判定し、始動入賞指定コマンドが大当たりに対応するものであると、図10に示す大当たり時の先読みゾーン抽選テーブル1を決定する。
一方、ハズレであると判定すると、さらに後述する演出リミッタ回数を参照し、演出リミッタ回数が特定の回数以上(例えば、100回以上)であるか否かを判定し、演出リミッタ回数が特定の回数以上でないと、図11(a)に示す先読みゾーン抽選テーブル2を決定する。
【0266】
また、演出リミッタ回数が特定の回数以上であると、演出用乱数値5を取得し、図12に示す先読みゾーン抽選テーブル決定テーブルを参照して、前回当選した先読みモードの種類および取得した演出用乱数値5に基づいて、図11(b)に示す先読み抽選テーブル3、または図11(c)に示す先読み抽選テーブル4のいずれかを決定する。
上述した通り、図12に示す先読みゾーン抽選テーブル決定テーブルでは、前回当選した先読みモードの種類とは異なる先読みモードの種類が当選しやすくなっている先読み抽選テーブルが決定されやすくなっている。
【0267】
ステップS1622において、サブCPU120aは、先読みゾーンの実行の可否と、実行するときの先読みゾーンの種類を決定する先読みゾーン抽選処理を行う。
【0268】
この先読みゾーン抽選処理では、上記ステップS1100で更新されている演出用乱数値1から1つの演出用乱数値1を取得し、上記ステップS1621で決定した先読み抽選テーブルを参照して、始動入賞指定コマンドの種類および取得した演出用乱数値1に基づいて、先読みゾーンの実行の可否と、実行するときの先読みゾーンの種類を決定する。
ここで、実行する先読みゾーンの種類が決定された場合には、サブRAM120cの先読みゾーン成立フラグ記憶領域に、先読みゾーンの種類に対応するフラグをセットする。
具体的には、激闘ゾーンが決定されれば「01」、雨ゾーンが決定されれば「02」、
お突ゾーンが決定されれば「03」を、先読みゾーン成立フラグ記憶領域にセットする。
【0269】
ステップS1623において、サブCPU120aは、先読みゾーン成立フラグ記憶領域を参照し、先読みゾーン当選か(先読みゾーンを行うと決定されたか)を確認する。
サブCPU120aは、先読みゾーン当選であれば、ステップS1624に処理を移し、先読みゾーン当選でなければ、ステップS1626に処理を移す。
【0270】
ステップS1624において、サブCPU120aは、先読みゾーン制御処理を行う。
この先読みゾーン制御処理は、先読みの実行タイミング等を制御するものであるが、詳しくは、図32を用いて後述する。
【0271】
ステップS1625において、サブCPU120aは、先読みゾーンに当選していると、サブRAM120cに記憶されている演出リミッタ回数を初期化する初期化処理を行う。本実施形態では、初期化処理として、演出リミッタ回数に0をセットするように構成している。
【0272】
ここで、「演出リミッタ回数」とは、先読みゾーンが実行されなかった回数を計数するものである。そして、この演出リミッタ回数が特定の回数以上(例えば、100回以上)になると、先読みゾーンの出現率を向上させた先読みゾーン抽選テーブル3、4が決定されるように構成されている。これにより、先読みゾーンがしばらく出現しないと、先読みゾーンの出現率を向上させ、先読みゾーンの出現率の調整を図ることができる。
【0273】
ステップS1626において、サブCPU120aは、先読みゾーンに当選していないと、サブRAM120cに記憶されている演出リミッタ回数に1を加算して更新する更新処理を行う。
【0274】
なお、本実施形態では、演出リミッタ回数の初期化および更新について、「激闘ゾーン」、「雨ゾーン」、「お突ゾーン」の複数種類の先読みゾーンで区別なく、演出リミッタ回数の初期化および更新の処理を行っているが、出現率が変化する「雨ゾーン」、「お突ゾーン」の2種類の先読みゾーンが当選・落選したきにのみ、演出リミッタ回数の初期化および更新の処理を行ってもよい。すなわち、「激闘ゾーン」が当選しても、演出リミッタ回数の初期化処理を行わないように構成してもよい。
【0275】
ステップS1630において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであれば、ステップS1631に処理を移し、演出図柄指定コマンドでなければステップS1640に処理を移す。
【0276】
ステップS1631において、サブCPU120aは、受信した演出図柄指定コマンドの内容に基づいて、画像表示装置31に停止表示させる演出図柄画像36を決定する演出図柄決定処理を行う。
具体的には、演出図柄指定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に基づいて、左図柄・中図柄・右図柄の3つの演出図柄の停止図柄番号を決定し、決定された3つの停止図柄番号を演出図柄記憶領域にセットするとともに、停止図柄番号を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、3つの停止図柄番号を示す停止図柄指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
【0277】
さらに、本実施形態の演出図柄決定処理では、発展当たりの場合(演出図柄指定コマンド=「E0H02H」、「E0H03H」、「E0H07H」、「E0H08H」の場合)には、中図柄の停止図柄番号に対応する演出図柄を、図16(b)に示すような特殊な演出図柄画像に差し替えるために、「中図柄の停止図柄番号」の画像を差し替えることを指示する差替図柄指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
【0278】
ステップS1632において、サブCPU120aは、後述するサブRAM120cの先読みゾーン実行中フラグ記憶領域を参照し、雨ゾーン実行中であるか否かを判定する。
サブCPU120aは、雨ゾーン実行中であれば、ステップS1633に処理を移し、雨ゾーン実行中でなければ、今回のコマンド解析処理を終了する。
【0279】
ステップS1633において、サブCPU120aは、雨ゾーン実行中であると、中の演出図柄を、特殊な演出図柄画像に差し替えるための特殊図柄差替処理を行う。
この特殊図柄差替処理は、上記ステップS1631で差替図柄指定コマンドが送信されていないことを条件として、上記ステップS1631で決定された中図柄の停止図柄番号に対して−1した図柄番号を「差替番号」として、差替番号に対応する演出図柄を、図16(b)に示すような特殊な演出図柄画像に差し替えるために、「差替番号」の画像を差し替えることを指示する差替図柄指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
これにより、最終的に中図柄の演出図柄画像36を停止表示する前に、特殊な演出図柄画像が止まりそうな停止表示を行うことができる。
【0280】
ステップS1640において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであれば、ステップS1641に処理を移し、変動パターン指定コマンドでなければステップS1650に処理を移す。
【0281】
ステップS1641において、サブCPU120aは、上記ステップ1100において更新されている演出用乱数値2から1つの演出用乱数値2を取得し、取得した演出用乱数値2、受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、複数の図柄変動演出パターンの中から1つの図柄変動演出パターンを決定する図柄変動演出パターン決定処理を行う。
具体的には、図13に示す図柄変動演出パターン決定テーブルを参照し、取得した演出用乱数値2に基づいて1つの図柄変動演出パターンを決定し、決定した図柄変動演出パターンを図柄変動演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した図柄変動演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した図柄変動演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。例えば、変動パターン指定コマンドとして「E6H01H」を受信したときには、取得した演出用乱数値1が「0〜49」であれば図柄変動演出パターン1を決定し、取得した演出用乱数値が「50〜99」であれば図柄変動演出パターン2を決定し、決定した図柄変動演出パターンを図柄変動演出パターン記憶領域にセットする。さらに、決定した図柄変動演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
その後、かかる演出パターンに基づいて、画像表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34が制御されることになる。なお、ここで決定した図柄変動演出パターンに基づいて、演出図柄画像36の変動態様が決定されることとなる。
【0282】
ステップS1642において、サブCPU120aは、図14に示すお突ゾーン突入シナリオ決定テーブル、図15に示す大当たり予告シナリオ決定テーブルを参照し、各種のシナリオ演出を決定するシナリオ演出決定処理を行う。
このシナリオ演出決定処理についても、図33を用いて後述する。
【0283】
ステップS1650において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであれば、ステップS1651に処理を移し、図柄確定コマンドでなければステップS1660に処理を移す。
【0284】
ステップS1651において、サブCPU120aは、演出図柄画像36を停止表示させるために、演出図柄画像を停止表示させるための停止指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする演出図柄停止表示処理を行う。
【0285】
ステップS1652において、サブCPU120aは、先読みゾーンの当選の契機となった演出図柄画像の変動表示が停止表示されたときには、先読みゾーン終了処理を行う。
【0286】
この先読みゾーン終了処理では、先読みゾーンの当選の契機となった演出図柄画像の変動表示が停止表示されたときには、画像制御基板150とランプ制御基板140に先読みゾーンを終了させるため、先読みゾーンの終了を指示する先読み終了指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
【0287】
その後、先読みゾーン終了処理では、サブRAM120cの先読みゾーン実行中フラグ記憶領域に記憶されたデータを参照し、終了する先読みゾーンの種類に対応するデータを、サブRAM120cの先読みゾーン履歴記憶領域に記憶する。具体的には、終了する先読みゾーンが「激闘ゾーン」であれば、先読みゾーン履歴記憶領域に「01」のデータを記憶し、終了する先読みゾーンが「雨ゾーン」であれば、先読みゾーン履歴記憶領域に「02」のデータを記憶し、終了する先読みゾーンが「お突ゾーン」であれば、先読みゾーン履歴記憶領域に「03」のデータを記憶する。
なお、サブRAM120cの先読みゾーン履歴記憶領域は、1つの先読みゾーンの種類に対応するデータのみ記憶可能となっており、新たに先読みゾーンが終了すると、そのデータが過去のデータに上書きされていくことになる。
【0288】
最後に、先読みゾーン終了処理で、先読みゾーン成立フラグ記憶領域、及び先読みゾーン実行中フラグ記憶領域から、終了したゾーンに対応するデータのみをクリアする。
【0289】
ステップS1660において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであればステップS1661に処理を移し、遊技状態指定コマンドでなければステップS1670に処理を移す。
【0290】
ステップS1661において、サブCPU120aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を示すデータをサブRAM120cにある遊技状態記憶領域にセットする。
【0291】
ステップS1670において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニングコマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドであればステップS1671に処理を移し、オープニングコマンドでなければステップS1680に処理を移す。
【0292】
ステップS1671において、サブCPU120aは、当たり開始演出パターンを決定する当たり開始演出パターン決定処理を行う。
具体的には、オープニングコマンドに基づいて当たり開始演出パターンを決定し、決定した当たり開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり開始演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり開始演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
【0293】
ステップS1680において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであればステップS1681に処理を移し、大入賞口開放指定コマンドでなければステップS1690に処理を移す。
【0294】
ステップS1681において、サブCPU120aは、大当たり演出パターンを決定する大当たり演出パターン決定処理を行う。
具体的には、大入賞口開放指定コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
【0295】
ステップS1690において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディングコマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドであればステップS1691に処理を移し、エンディングコマンドでなければコマンド解析処理を終了する。
【0296】
ステップS1691において、サブCPU120aは、当たり終了演出パターンを決定する当たり終了演出パターン決定処理を行う。
具体的には、エンディングコマンドに基づいて当たり終了演出パターンを決定し、決定した当たり終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり終了演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり終了演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。本処理を終了すると、コマンド解析処理が終了する。
【0297】
以上により、演出制御基板120から各種コマンドを受信したランプ制御基板140及び画像制御基板150は、受信した各種コマンドに従って演出用照明装置34を制御したり、音声出力装置32における音声を出力制御したり、画像表示装置31における画像表示を制御したりする。
【0298】
(演出制御基板の先読みゾーン制御処理)
図32を用いて、演出制御基板120の先読みゾーン制御処理を説明する。
【0299】
ステップS1623−1において、サブCPU120aは、先読みゾーン成立フラグ記憶領域を参照し、雨ゾーンに当選したか否かを判定する。具体的には、先読みゾーン成立フラグ記憶領域に新たに雨ゾーンを示す「02」のデータが記憶されたか否を判定する。
サブCPU120aは、雨ゾーンに当選していれば、ステップS1623−2に処理を移し、雨ゾーンに当選していなければ、ステップS1623−5に処理を移す。
【0300】
ステップS1623−2において、サブCPU120aは、先読みゾーン成立フラグ記憶領域を参照し、既に激闘ゾーン又はお突ゾーンが成立しているかを判定する。具体的には、先読みゾーン成立フラグ記憶領域に既に激闘ゾーンを示す「01」のデータ又はお突ゾーンを示す「03」のデータが記憶されているか否を判定する。
サブCPU120aは、既に激闘ゾーン又はお突ゾーンが成立していれば、ステップS1623−4に処理を移し、既に激闘ゾーン又はお突ゾーンが成立していなければ、ステップS1623−3に処理を移す。
【0301】
ステップS1623−3において、サブCPU120aは、先読みゾーン実行中フラグ記憶領域に雨ゾーンを示す「02」のデータを記憶し、画像制御基板150とランプ制御基板140に雨ゾーンを実行させるため、雨ゾーンの実行を指示する雨ゾーン実行指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
【0302】
ステップS1623−4において、サブCPU120aは、激闘ゾーン及びお突ゾーンの全ゾーンが終了するまでの変動回数に対応するカウンタを、雨ゾーン待機カウンタにセットする。
【0303】
ステップS1623−5において、サブCPU120aは、先読みゾーン成立フラグ記憶領域を参照し、お突ゾーンに当選したか否かを判定する。具体的には、先読みゾーン成立フラグ記憶領域に新たにお突ゾーンを示す「03」のデータが記憶されたか否を判定する。
サブCPU120aは、お突ゾーンに当選していれば、ステップS1623−6に処理を移し、お突ゾーンに当選していなければ、ステップS1623−9に処理を移す。
【0304】
ステップS1623−6において、サブCPU120aは、先読みゾーン成立フラグ記憶領域を参照し、既に激闘ゾーン又は雨ゾーンが成立しているかを判定する。具体的には、先読みゾーン成立フラグ記憶領域に既に激闘ゾーンを示す「01」のデータ又は雨ゾーンを示す「02」のデータが記憶されているか否を判定する。
サブCPU120aは、既に激闘ゾーン又は雨ゾーンが成立していれば、ステップS1623−8に処理を移し、既に激闘ゾーン又は雨ゾーンが成立していなければ、ステップS1623−7に処理を移す。
【0305】
ステップS1623−7において、サブCPU120aは、サブRAM120cの演出第1保留(Us1)記憶領域または演出第2保留(Us2)記憶領域に記憶された保留数を参照し、どの保留に対応した演出図柄画像の変動表示が開始されるときに、お突ゾーンを実行させるかを決定する実行時期決定処理を行う。
この実行時期決定処理では、始動入賞指定コマンドが第1特別図柄表示装置20に対応するものであるときには、演出第1保留(Us1)記憶領域に記憶された最大4の保留データ数から1つの保留数を決定する。また、始動入賞指定コマンドが第2特別図柄表示装置21に対応するものであるときには、演出第1保留(Us1)記憶領域及び演出第2保留(Us2)記憶領域に記憶された最大8の保留データ数から1つの保留データ数を決定する。そして、決定した保留データ数を、お突ゾーン待機カウンタにセットする。
【0306】
より具体的には、上記ステップS1100で更新されている演出用乱数値5から1つの演出用乱数値5を取得する。そして、始動入賞指定コマンドが第1特別図柄表示装置20に対応するものであるときには、取得した演出用乱数値5の値を、演出第1保留(Us1)記憶領域に記憶された保留データ数で除算して余りの値(mod)を算出する。この算出した余りの値(mod)を決定した保留データ数として、お突ゾーン待機カウンタにセットする。
例えば、取得した演出用乱数値5が「10」であり、演出第1保留(Us1)記憶領域に記憶された保留データ数が「3」であれば、余りの値(mod)としての「1」をお突ゾーン待機カウンタにセットすることになる。
これは、始動入賞指定コマンドが第2特別図柄表示装置21に対応するものであるときにも同様である。
【0307】
ステップS1623−8において、サブCPU120aは、激闘ゾーン及び雨ゾーンの全ゾーンが終了するまでの変動回数に対応するカウンタを、お突ゾーン待機カウンタにセットする。
【0308】
ステップS1623−9において、サブCPU120aは、先読みゾーン成立フラグ記憶領域を参照し、激闘ゾーンに当選したか否かを判定する。具体的には、先読みゾーン成立フラグ記憶領域に新たに激闘ゾーンを示す「01」のデータが記憶されたか否を判定する。
サブCPU120aは、激闘ゾーンに当選していれば、ステップS1623−10に処理を移し、激闘ゾーンに当選していなければ、今回の先読みゾーン制御処理を終了する。
【0309】
ステップS1623−10において、サブCPU120aは、先読みゾーン成立フラグ記憶領域を参照し、既にお突ゾーン又は雨ゾーンが成立しているかを判定する。具体的には、先読みゾーン成立フラグ記憶領域に既にお突ゾーンを示す「03」のデータ又は雨ゾーンを示す「02」のデータが記憶されているか否を判定する。
サブCPU120aは、既にお突ゾーン又は雨ゾーンが成立していれば、ステップS1623−12に処理を移し、既にお突ゾーン又は雨ゾーンが成立していなければ、ステップS1623−11に処理を移す。
【0310】
ステップS1623−11において、サブCPU120aは、上記ステップS1623−7と同様に、サブRAM120cの演出第1保留(Us1)記憶領域または演出第2保留(Us2)記憶領域に記憶された保留数を参照し、どの保留に対応した演出図柄画像の変動表示が開始されるときに、激闘ゾーンを実行させるかを決定する実行時期決定処理を行う。
この実行時期決定処理では、上記ステップS1623−7と同様に保留データ数を決定し、決定した保留データ数を、激闘ゾーン待機カウンタにセットする。
【0311】
ステップS1623−12において、サブCPU120aは、お突ゾーン及び雨ゾーンの全ゾーンが終了するまでの変動回数に対応するカウンタを、激闘ゾーン待機カウンタにセットする。
【0312】
(演出制御基板のシナリオ演出決定処理)
図33を用いて、演出制御基板120のシナリオ演出決定処理を説明する。
【0313】
ステップS1642−1において、サブCPU120aは、先読みゾーン実行中フラグ記憶領域を参照し、激闘ゾーン、雨ゾーン、お突ゾーンのいずれかの先読みゾーンを実行しているか否かを判定する。
サブCPU120aは、先読みゾーンを実行していれば、ステップS1642−2に処理を移し、先読みゾーンを実行していなければ、ステップS1642−3に処理を移す。
【0314】
なお、後述するように、激闘ゾーン実行中であれば先読みゾーン実行中フラグ記憶領域に「01」のデータが記憶され、雨ゾーン実行中であれば先読みゾーン実行中フラグ記憶領域に「02」のデータが記憶され、お突ゾーン実行中であれば先読みゾーン実行中フラグ記憶領域に「03」のデータが記憶されていることになる。
【0315】
ステップS1642−2において、サブCPU120aは、予告シナリオを決定する大当たり予告シナリオ決定処理を行う。
この大当たり予告シナリオ決定処理は、上記ステップS1100で更新されている演出用乱数値4から1つの演出用乱数値4を取得し、図15に示す大当たり予告シナリオ決定テーブルを参照し、取得した演出用乱数値4に基づいて、予告シナリオを決定する。そして、決定した予告シナリオの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した予告シナリオに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
【0316】
ステップS1642−3において、サブCPU120aは、先読みゾーン成立フラグ記憶領域を参照し、激闘ゾーン、雨ゾーン、お突ゾーンのいずれかの先読みゾーンが成立しているか否かを判定する。
サブCPU120aは、先読みゾーンが成立していれば、ステップS1642−4に処理を移し、先読みゾーンが成立していなければ、ステップS1642−7に処理を移す。
【0317】
ステップS1642−4において、サブCPU120aは、各種の先読みゾーンの待機カウンタから1を減算する待機カウンタ減算処理を行う。
これにより、演出図柄画像の変動表示が開始される(変動パターン指定コマンドを受信する)毎に、待機カウンタが減算されていくことになる。
【0318】
ステップS1642−5において、サブCPU120aは、各種の先読みゾーンの待機カウンタ=0であるか否かの判定を行う。
サブCPU120aは、待機カウンタ=0であれば、ステップS1642−6に処理を移し、待機カウンタ=0でなければ、ステップS1642−7に処理を移す。
【0319】
ステップS1642−6において、サブCPU120aは、先読みゾーン成立フラグ記憶領域にデータが記憶され(先読みゾーンが成立し)、待機カウンタ=0となっている先読みゾーンに対して、先読みを実行させるための処理を行う。
【0320】
具体的には、先読みゾーン成立フラグ記憶領域に激闘ゾーンを示す「01」が記憶され、激闘ゾーン待機カウンタ=0であれば、激闘ゾーンのシナリオ決定処理を行う。
また、先読みゾーン成立フラグ記憶領域に雨ゾーンを示す「02」が記憶され、雨ゾーン待機カウンタ=0であれば、上記ステップS1623−3と同じく雨ゾーン実行処理を行う。
また、先読みゾーン成立フラグ記憶領域にお突ゾーンを示す「03」が記憶され、お突ゾーン待機カウンタ=0であれば、お突ゾーンのシナリオ決定処理を行う。
【0321】
ここで、お突ゾーンのシナリオ決定処理は、上記ステップS1100で更新されている演出用乱数値3から1つの演出用乱数値3を取得し、図14に示すお突ゾーン突入シナリオ決定テーブルを参照し、取得した演出用乱数値4に基づいて、ゾーン突入シナリオを決定する。そして、決定したゾーン突入シナリオの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定したゾーン突入シナリオに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットするとともに、先読みゾーン実行中フラグ記憶領域に雨ゾーンを示す「03」のデータを記憶する。
【0322】
このことは、激闘ゾーンのシナリオ決定処理でも同様であり、激闘ゾーン突入シナリオ決定テーブル(図示省略)を参照して、ゾーン突入シナリオを決定し、決定したゾーン突入シナリオに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットするとともに、先読みゾーン実行中フラグ記憶領域に激闘ゾーンを示す「01」のデータを記憶する。
【0323】
ステップS1642−7において、サブCPU120aは、予告シナリオを決定する大当たり予告シナリオ決定処理を行う。この処理は、ステップS1642−2と同じ処理である。
【0324】
次に、ランプ制御基板140と画像制御基板150について簡単に概略を説明する。
【0325】
ランプ制御基板140においては、演出制御基板120から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて演出用駆動装置作動プログラムを読み出して、演出用駆動装置33を作動制御するとともに、受信した演出用のコマンドに基づいて演出用照明装置制御プログラムを読み出して、演出用照明装置34を制御する。
【0326】
画像制御基板150において、演出制御基板120から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて、音声CPUが音声ROMから音声出力装置制御プログラムを読み出して、音声出力装置32における音声を出力制御するとともに、ホストCPU150aが画像ROMからアニメーション制御プログラムを読み出して、画像表示装置31における画像表示を制御する。
【0327】
最後に、図34〜図36を用いて、先読みゾーンの一例について説明する。図34は、先読みゾーンのタイムチャートを用いた説明図であり、図35は、「雨ゾーン」の表示画面の説明図であり、図36は、「お突ゾーン」の表示画面の説明図である。
【0328】
図34(a)に示すように、第1始動口検出スイッチ14aにより遊技球が検出されると、メインCPU110aにより特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、変動パターン用乱数値、リーチ判定用乱数値が取得され、入賞情報が生成されて、始動入賞指定コマンドが送信される(図9参照)。
【0329】
ここで、第1始動口検出スイッチ14aにより遊技球が1回目に検出されたときには、メインCPU110aにより入賞情報6(リーチ有ハズレ)が生成され、第1始動口検出スイッチ14aにより遊技球が2回目に検出されたときには、メインCPU110aにより入賞情報5(リーチ無ハズレ)が生成され、第1始動口検出スイッチ14aにより遊技球が3回目に検出されたときには、メインCPU110aにより入賞情報5(リーチ無ハズレ)が生成され、第1始動口検出スイッチ14aにより遊技球が4回目に検出されたときには、メインCPU110aにより入賞情報3(発展当たり)が生成されたものとする。
【0330】
さらに、図34(a)では、第1始動口検出スイッチ14aにより遊技球が4回目に検出されたときには、入賞情報3により「雨ゾーン」に当選したものとする。
【0331】
そして、入賞情報3により「雨ゾーン」に当選したときには、他の先読みゾーンが実行されていないので、すぐさま「雨ゾーン」が実行されることになる。
この「雨ゾーン」が実行されると、画像表示装置31では「雨背景」の画像が表示され、通常の演出図柄画像36に代わり、特殊な演出図柄画像36が差し替わって表示されることになる。
【0332】
ただし、このとき画像表示装置31でリーチ演出が実行されていると、画像制御基板150上では「雨ゾーン」の背景画像等の表示制御を行っているものの、「雨ゾーン」の背景画像データの描画の優先順位は、「リーチ演出」の画像データよりも描画の優先順位が低く、リーチ演出の実行中には「雨ゾーン」の背景画像の全体に「リーチ演出」の画像の全体が上書きされてしまうので、「雨ゾーン」の背景画像は表示されることはないように構成されている。そして、リーチ演出が終了すると、すぐさま「雨ゾーン」の背景画像が表示されることになる。
【0333】
それ以降は、「雨ゾーン」に当選した入賞情報3に対応する第1特別図柄表示装置20の特別図柄の変動表示が終了するまでは、「雨ゾーン」が継続して実行されることになる。
【0334】
図34(b)は、図34(a)のケースと似ているが、第1始動口検出スイッチ14aにより遊技球が4回目に検出されたときに、入賞情報3により「雨ゾーン」に当選しただけではなく、第1始動口検出スイッチ14aにより遊技球が3回目に検出されたときに、既に入賞情報5により「お突ゾーン」に当選している点で大きく相違している。
【0335】
図34(b)に示すように、2回目の特別図柄の変動表示の開始時に、「お突ゾーン」のゾーン突入シナリオとして、「宝箱予告1」が決定されとものとする。
【0336】
そうすると、2回目の特別図柄の変動表示中には、画像表示装置31では、宝箱が出現する画像が表示され、宝箱が開くと「お突ゾーン突入」という風船が飛び出てくる画像が表示される。その後、背景が「お突ゾーン」の背景画像に変化して「お突ゾーン」に移行することになる。
【0337】
そして、「お突ゾーン」に当選した入賞情報5に対応する第1特別図柄表示装置20の特別図柄の変動表示が終了するまでは、「お突ゾーン」が継続して実行されることになる。
【0338】
その後、「お突ゾーン」が終了すると、すぐさま「雨ゾーン」が実行されることになる。
このように、複数の先読みゾーンを備えた場合であっても、複数の先読みゾーンが重複して実行されないように制御されている。
【0339】
(雨ゾーンの表示画面)
図35(a)に示すように、「雨ゾーン」が実行される前には、画像表示装置31では通常の背景画像が表示されている。
【0340】
そして、「雨ゾーン」が実行されると、図35(b)に示すように、画像表示装置31では「雨」の背景画像が表示され、通常の演出図柄画像36に代わり、特殊な演出図柄画像36が差し替わって表示される。
【0341】
「雨ゾーン」が実行中には、図35(c)に示すように、特殊な演出図柄画像36が差し替わって表示されていることをより強く印象付けるために、画像表示装置31では、特殊な演出図柄画像36が光のエフェクトとともに、所定期間表示されることになる。
【0342】
「雨ゾーン」の実行中において、画像表示装置31で演出図柄画像36を停止表示するときには、図35(d)〜図35(f)に示すように、その特殊な演出図柄画像36で停止するか、その特殊な演出図柄画像36の1コマ後のハズレで停止表示するように構成されている。
これにより、最終的に中図柄の演出図柄画像36を停止表示する前には、特殊な演出図柄画像36が止まりそうな停止表示を行うことができる。
【0343】
そして、図35(e)に示すように、画像表示装置31で特殊な演出図柄画像36が停止表示されると、大当たりとして「発展当たり」の遊技が実行されることが報知されることになる。
【0344】
また、図35(f)に示すように、画像表示装置31で特殊な演出図柄画像36が停止表示されないと、「雨ゾーン」が終了するか、次回の特別図柄の変動表示でも「雨ゾーン」が実行されることになる。
すなわち、「雨ゾーン」に当選した入賞情報に対応する第1特別図柄表示装置20の特別図柄の変動表示が終了するまでは、「雨ゾーン」が継続して実行されることになる。
【0345】
(お突ゾーンの表示画面)
図36(a)に示すように、「お突ゾーン」が実行される前には、画像表示装置31では通常の背景画像が表示されている。そして、特別図柄の変動表示の開始時には、「お突ゾーン」のゾーン突入シナリオとして、「宝箱予告1」が決定されたものとする。
【0346】
そして、図36(b)に示すように、「宝箱予告1」として、画像表示装置31において、宝箱が出現する画像が表示される。
【0347】
その後、図36(c)に示すように、画像表示装置31において、宝箱が開き、「お突ゾーン突入」という風船が飛び出てくる画像が表示される。
【0348】
なお、「宝箱予告2」では、画像表示装置31において、宝箱が開き、「ダイヤモンド」の画像が表示され、「宝箱予告3」では、画像表示装置31において、宝箱が開き、「ぬいぐるみ」の画像が表示される。この「宝箱予告2」及び「宝箱予告3」では、当該変動における大当たりの期待度を示唆している。
このように「宝箱予告」は、大当たりの期待度を示唆する演出と、先読みゾーンに移行する演出との一部が共通して構成されている。
【0349】
そして、図36(d)に示すように、画像表示装置31では「お突ゾーン」の背景画像に変化して「お突ゾーン」に移行することになる。
【0350】
以上の本実施形態によれば、「雨ゾーン」と「お突ゾーン」との2つの先読みゾーンに対して、1つの演出リミッタ回数を備えるだけで済み、演出制御基板120のサブRAM120cにおける記憶容量の負担を軽減することができる。
また、「雨ゾーン」と「お突ゾーン」との2つの先読みゾーンに対して、1つの演出リミッタ回数を備えることだけで済むことからも、遊技機の開発者は、先読みゾーンの出現率の設計値の計算が容易になり、開発効率に大きな手間をかけることなく、遊技機全体としてバランスの良い先読みゾーンの当選率を定めることができる。
【0351】
また、本実施形態によれば、先読みゾーンの報知時期を多様化にしたので、大当たり抽選の結果を事前に報知を行う場合であっても、より遊技の興趣を向上させることができる。
すなわち、「雨ゾーン」であれば、第1始動口または第2始動口への遊技球の入賞時、リーチ終了時、「雨ゾーン」以外の先読みモード終了後の変動開始時に、「雨ゾーン」の報知を行うことができ、先読みゾーンの報知時期が多様になり、より遊技の興趣を向上させることができる。
【0352】
また、本実施形態によれば、「お突ゾーン」は特別図柄の変動途中から報知されることになるので、特別図柄の変動途中でも、「お突ゾーン」が報知されることの期待を持たせることができ、より遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、「お突ゾーン」は、保留記憶のなかからランダムに開始時期が決定されるので、先読みゾーンの開始時期が多様化し、よりいっそう遊技の興趣を向上させることができる。
【0353】
なお、本実施形態では、「激闘ゾーン」、「雨ゾーン」、「お突ゾーン」の3種類の先読みゾーンを備えるように構成したが、2種類以上の先読みゾーンを備えればよく、4種類の先読みゾーンを備えても構わない。
【0354】
また、本実施形態によれば、図10、図11に示すように、実行する先読みゾーンを決定するにあたり、先読みゾーンの当選および実行する先読みゾーンの種類をまとめて判定するように構成した。
しかしながら、先読みゾーンの当選と、実行する先読みゾーンの種類とを別々に判定するように構成してもよい。この場合には、演出リミッタ回数が特定の回数以上になると、先読みゾーンの当選率を向上させて、先読みゾーンに当選すると、前回に実行した先読みゾーンの種類と異なる先読みゾーンを決定するように構成してもよい。
【0355】
さらに、本実施形態によれば、図10に示すように、大当たり時の先読みゾーン抽選テーブル1では、演出リミッタ回数が特定の回数以上になっても、先読みゾーンの出現率は向上しないように構成したが、大当たり時の先読みゾーン抽選テーブル1でも、図11(b)(c)と同様に、先読みゾーンの出現率を向上させてもよい。
【0356】
さらに、本実施形態によれば、図11に示すように、演出リミッタ回数が特定の回数以上になると、「雨ゾーン」または「お突ゾーン」のいずれか一方の先読みゾーンの出現率を向上させるように構成したが、「雨ゾーン」および「お突ゾーン」の両方の先読みゾーンの出現率を向上させるように構成してもよい。もちろん、「激闘ゾーン」を含めた、全ての先読みゾーンの出現率を向上させるように構成してもよい。
【0357】
さらに、本実施形態によれば、図30に示すように、演出リミッタ回数により、先読みゾーンの出現率を管理するように構成したが、実際の出現率(実行した先読ゾーンの回数/(実行した先読ゾーンの回数+実行しなかった先読ゾーンの回数))を算出して、先読みゾーンの出現率を管理するように構成してもよい。
【0358】
さらに、本実施形態によれば、先読みゾーンに当選しかなった回数を、演出リミッタ回数として計数し、演出リミッタ回数が特定の回数以上になると、先読みゾーンの出現率を向上させるように構成した。
しかしながら、先読みゾーンに当選した回数を、演出リミッタ当選回数として計数し、演出リミッタ当選回数が所定の回数以上になると、先読みゾーンの出現率を低下させるように構成してもよい。
【0359】
また、本実施形態では、演出リミッタ回数の対象を、事前に大当たり抽選の結果を示唆する先読みゾーンとして、先読みゾーンの出現率を調整するように構成したが、演出リミッタ回数の対象を所謂リーチ演出及び/又は予告演出として、リーチ演出及び/又は予告演出の出現率を調整するように構成してもよい。
【0360】
さらに、本実施形態によれば、パチンコ遊技機に用いる遊技機について説明をしたが、回胴式遊技機(スロットマシン)、じやん球遊技機、アレンジボール遊技機に用いてもよい。
【符号の説明】
【0361】
1 遊技機
2 遊技盤
14 第1始動口
14a 第1始動口検出スイッチ
15 第2始動口
15a 第2始動口検出スイッチ
16 第1大入賞口
16a 第1大入賞口検出スイッチ
17 第2大入賞口
17a 第2大入賞口検出スイッチ
20 第1特別図柄表示装置
21 第2特別図柄表示装置
31 画像表示装置
110 主制御基板
110a メインCPU
110b メインROM
110c メインRAM
120 演出制御基板
120a サブCPU
120b サブROM
120c サブRAM
150 画像制御基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の演出態様で演出を実行する演出実行手段と、
演出開始条件が成立すると、予め設定された選択率で、複数種類の前記演出態様の中から、前記演出実行手段に実行させる演出態様を決定する演出態様決定手段と、を備え、
前記演出実行手段は、前記演出開始条件が成立すると、前記演出態様決定手段が決定した演出態様で演出を実行する遊技機において、
2以上の異なる前記演出態様を一群の演出態様群として構成し、当該一群の演出態様群を構成している演出態様が前記演出実行手段によって実行された実行頻度について、その一群の演出態様群を構成しているそれぞれの演出態様で区別なく総合した総合実行頻度を算出する総合実行頻度算出手段と、
前記総合実行頻度算出手段によって算出された前記総合実行頻度を、予め定められた特定の実行頻度と比較する実行頻度比較手段と、
前記実行頻度比較手段による前記総合実行頻度と前記特定の実行頻度との比較結果に基づいて、前記一群の演出態様群を構成している演出態様の前記選択率を変更して設定する選択率変更手段と、を備える、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記総合実行頻度算出手段は、
前記演出開始条件が成立しても、前記一群の演出態様群を構成しているいずれの演出態様も前記演出実行手段によって実行されないと、一群の演出態様群を構成しているそれぞれの演出態様で区別なく、不実行回数を計数する不実行回数計数手段と、
前記演出開始条件が成立して、前記一群の演出態様群を構成しているいずれかの演出態様が前記演出実行手段によって実行されると、前記不実行回数計数手段が計数している不実行回数を初期化する回数初期化手段と、を有し、
前記実行頻度比較手段は、前記不実行回数計数手段によって計数された不実行回数を前記総合実行頻度として、予め定められた特定回数と比較し、
前記選択率変更手段は、前記実行頻度比較手段による前記不実行回数と前記特定回数との比較結果に基づいて、前記一群の演出態様群を構成している演出態様の前記選択率を変更して設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出実行手段によって実行された演出態様を演出履歴情報として記憶する演出履歴記憶手段と、を更に備え、
前記選択率変更手段は、前記演出履歴記憶手段に記憶された演出履歴情報に基づいて、前記一群の演出態様群を構成している複数の演出態様の中から、前記選択率を変更する演出態様を決定し、決定した演出態様の前記選択率を変更して設定する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記実行頻度比較手段は、前記総合実行頻度が前記特定の実行頻度よりも下回っているか否かを判定し、
前記選択率変更手段は、前記実行頻度比較手段によって前記総合実行頻度が前記特定の実行頻度よりも下回っていると判定された場合には、前記一群の演出態様群を構成している演出態様の前記選択率を、前記実行頻度比較手段によって前記総合実行頻度が前記特定の実行頻度よりも下回っていないと判定されたときよりも、向上して設定する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3にいずれかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図16】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2013−111418(P2013−111418A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263079(P2011−263079)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】