説明

遊技機

【課題】当り遊技中に、一方の大入賞部品の入賞口が開いた状態から閉じた状態に変化した後、他方の大入賞部品の入賞口が閉じた状態から開いた状態に変化した場合において、一方の大入賞部品の入賞口に入らなかった球を他方の大入賞部品の入賞口に入賞させ易い構成の遊技機を提供する。
【解決手段】遊技盤3の遊技領域25の上部側に上大入賞部品70を備え、遊技領域25の下部側に下大入賞部品57を備えるとともに、当り遊技中に、上大入賞部品70の入賞口71が開いた状態から閉じた状態に変化した後、下大入賞部品57の入賞口78が閉じた状態から開いた状態に変化した場合において、上大入賞部品70の入賞口71に入らずに遊技領域25を流下する球を下大入賞部品57の入賞口78に入賞し易いように誘導する誘導手段80Aを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤の遊技領域に複数の大入賞部品を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技盤の前面の遊技領域に2つの大入賞部品を設け、1回の当り遊技において2つの大入賞部品の入賞口を交互に開放させる構成の遊技機(特許文献1参照)や、1回の当り遊技において所定ラウンドまでは一方の大入賞部品の入賞口を開放させ、所定ラウンド以降は他方の大入賞部品の入賞口を開放させる構成の遊技機(特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−305233号公報
【特許文献2】特開2005−131027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1;2に開示された遊技機によれば、当り遊技中に、一方の大入賞部品の入賞口が開いた状態から閉じた状態に変化した後、他方の大入賞部品の入賞口が閉じた状態から開いた状態に変化した場合において、一方の大入賞部品の入賞口に入らなかった球が他方の大入賞部品の入賞口にも入らずにアウト球になり易い。
そこで、本発明は上記課題を解決すべく、当り遊技中に、一方の大入賞部品の入賞口が開いた状態から閉じた状態に変化した後、他方の大入賞部品の入賞口が閉じた状態から開いた状態に変化した場合において、一方の大入賞部品の入賞口に入らなかった球を他方の大入賞部品の入賞口に入賞させ易い構成の遊技機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の遊技機は、遊技盤の遊技領域の上部側に上大入賞部品を備え、遊技領域の下部側に下大入賞部品を備えるとともに、当り遊技中に、上大入賞部品の入賞口が開いた状態から閉じた状態に変化した後、下大入賞部品の入賞口が閉じた状態から開いた状態に変化した場合において、上大入賞部品の入賞口に入らずに遊技領域を流下する球を下大入賞部品の入賞口に入賞し易いように誘導する誘導手段を備えたので、上大入賞部品の入賞口に入らなかった球が下大入賞部品の入賞口に入り易くなり、上大入賞部品の入賞口に入らなかった球が下大入賞部品の入賞口にも入らない可能性を少なくできる。
誘導手段は、釘により形成された誘導路と、上大入賞部品の入賞口に入らずに遊技領域を流下する球を誘導路に誘導する球受案内面を有した球受案内部材とを備えたので、球が球受案内部材から誘導路に誘導され、誘導路を経由して下大入賞部品の入賞口に入り易くなる。
誘導路においては、釘と釘との間に、球を下大入賞部品の入賞口に誘導せずに下大入賞部品の下方に誘導する可能性のある間隔が1つ以上形成され、当該間隔の合計寸法Xと下大入賞部品の入賞口の横幅寸法Yとの関係が、合計寸法X<横幅寸法Yとなるように構成されたので、球が下大入賞部品の入賞口に入らずに下大入賞部品の下方に誘導される可能性が少なくなり、球が下大入賞部品の入賞口に誘導される可能性が多くなる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】パチンコ機の正面図(実施形態1)。
【図2】遊技盤の右側遊技領域及び下側遊技領域を示す拡大図(実施形態1)。
【図3】遊技盤に取付けられたセンター役物の右飾り部を示す斜視図(実施形態1)。
【図4】遊技盤の下側遊技領域における誘導手段を示す拡大図(実施形態1)。
【図5】パチンコ機の制御ブロック図(実施形態1)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
【0008】
実施形態1
図1は、遊技機の一例としてのパチンコ機1の全体正面図である。同図を用いてパチンコ機1の概略について説明する。尚、本明細書において上下左右方向とは、図1における矢印で表される方向を言い、図1の紙面の前側をパチンコ機1の前側、図1の紙面の裏側をパチンコ機1の裏側と言うものとする。
【0009】
パチンコ機1は、遊技機枠2と、遊技機枠2に着脱可能に取付けられた遊技盤3と、遊技盤3の裏面又は遊技機枠2の裏面に取付けられたLCD,CRT,或いは、回転ドラム式等の画像表示装置4、払出装置160(図5参照)、制御装置100(図5参照)等の裏側部品とを備える。
【0010】
遊技機枠2は、遊技場の島と呼ばれる図外の遊技設置構造体に取付けられる外枠と呼ばれるような固定枠5と、固定枠5に開き戸状に開閉自在に取付けられた内枠と呼ばれるような開閉枠6と、開閉枠6の前側に開閉枠6に対して開き戸状に開閉自在に取付けられた前扉7及び皿構造体8とを備える。
開閉枠6は、例えば、左側のヒンジ9;9で前側横方向に片開き可能かつ着脱可能(交換可能)に固定枠5に取付けられる。
前扉7は、例えば、図外の左側上部のヒンジで前側横方向に片開き可能かつ着脱可能(交換可能)に開閉枠6に取付けられる。前扉7は、前後方向に開放された窓10を囲む額縁形状の枠部11を備え、ガラス又は合成樹脂からなる光透過性を有する前面パネル12が窓10を裏側から覆うように枠部11の裏面に取付けられた構成である。前扉7の枠部11の前面には、LED等からなる複数の装飾ランプ15やスピーカ16が設けられる。
皿構造体8は、例えば、左側下部の図外のヒンジで前側横方向に片開き可能かつ着脱可能(交換可能)に開閉枠6に取付けられる。皿構造体8は、発射操作機構(発射ハンドル)13、受皿14等を備える。閉じられた皿構造体8の裏側に位置する開閉枠6の前面の下部側には、発射装置19が設けられる。
【0011】
遊技盤3は、基板となるベニヤ板の一方の板面にはセルと呼ばれる樹脂製のシート状化粧材が貼着されて当該シート状化粧材の表面が遊技盤面17となるように形成される。
遊技盤3には、遊技盤3の図外の裏面と遊技盤3の表面である遊技盤面17とに貫通する図外の貫通孔が形成される。貫通孔は、遊技機1の前側から画像表示装置4の表示画面4aを見えるようにするための中央貫通孔、遊技球(パチンコ球)P(以下、単に、球という)を遊技盤面17から遊技盤3の裏面側に導くための球排出用貫通孔等である。
【0012】
遊技盤面17の外周端部付近には、遊技盤面17の中心部を円中心とした円弧状のガイドレール18が取り付けられている。ガイドレール18で囲まれた内側の領域における遊技盤面17には、センター役物20、入賞部品、釘22、風車23、アウト口24等が設けられる。
遊技盤3は、閉じられた前扉7の前面パネル12の裏側に位置するように開閉枠6の前面の上部側に設けられた図外の遊技盤設置部に遊技盤面17を前側に向けて着脱可能に取付けられる。
【0013】
遊技盤設置部に遊技盤面17を前側に向けて取付けられた遊技盤3の遊技盤面17と閉じられた前扉7の前面パネル12との間に、発射装置19により発射された球の飛び交う遊技領域25が、ガイドレール18で囲まれた内側の領域として形成される。
ガイドレール18は、内ガイドレール18aと外ガイドレール18bとを備え、内ガイドレール18aと外ガイドレール18bとの間で球通路18cが形成され、発射操作機構13の操作により発射装置19から発射された球が球通路18cを経由して遊技領域25内に導かれる。
【0014】
役物装置としてのセンター役物20の構成を図1乃至図3を参照しながら説明する。
図1に示すように、センター役物20は、ガイドレール18で囲まれた内側の領域の遊技盤面17における例えば中央部と右上部とを覆うように遊技盤面17に取付けられる。
センター役物20は、画像表示装置4の表示画面4aの前側に位置される光透過性を有する透過パネル31と、透過パネル31の周囲を取り囲むように設けられた飾り部32とを備える。
【0015】
飾り部32は、遊技盤面17を装飾する部材であり、右上飾り部33、右飾り部34、左上飾り部35、左飾り部36、下飾り部37を備える。
左上飾り部35、左飾り部36、右上飾り部33、右飾り部34は、前面40と、前面の外端縁(遊技盤3の外周に近い側の端縁)より遊技盤面17に近づく方向に延長する外壁面41と、前面40の内端縁(遊技盤3の中心に近い側の端縁)より遊技盤面17に近づく方向に延長する内壁面42と、外壁面41より外側に延長するように設けられて遊技盤面17に止めねじ等の取付具により取付けられる取付フランジ43と、を備える。
下飾り部37は、遊技盤面17に止めねじ等の取付具により取付けられる取付フランジ45と、取付フランジ45の内端縁(遊技盤3の中心に近い側の端縁)より遊技盤3の裏面に近づく方向に延長する内壁面46と、を備える。
尚、当該内壁面46はステージ36bとして機能する。即ち、左飾り部36の下方の一部には、左飾り部36の外壁面41と内壁面42とに貫通するワープ通路36aが形成されており、左側遊技領域54からワープ通路36aに取り込まれた球は、ステージ36b上に導かれる。当該ワープ通路36aを介してステージ36b上に導かれた球は、ステージ36b上を左右方向に転動する過程において下方に落下するか、或いは、ステージ36bの中央部に開設された導出口36cに取り込まれた後、始動入賞部品56の入賞口56aの真上に位置するように取付フランジ45に設けられた落下口36dを介して下方に落下する。
【0016】
右上飾り部33の外壁面41は、外ガイドレール18bの右上側レール部に沿った形状に形成されており、右上飾り部33の外壁面41と外ガイドレール18bの右上側レール部の間で球を1個ずつ流下させることの可能な右側遊技領域導入路47が形成される。
右飾り部34の外壁面41と内ガイドレール18aの右側レール部との間の遊技盤面17には上大入賞部品70、スルーチャッカー50、可変入賞部品51、釘22が設けられて、球が飛び交い流下可能な右側遊技領域52が形成される。
左上飾り部35の外壁面41と外ガイドレール18bの上側レール部との間の遊技盤面17には釘22等が設けられて球が飛び交い流下可能な左上側遊技領域53が形成される。
左飾り部36の外壁面41と内ガイドレール18aの左側レール部との間の遊技盤面17には釘22、風車23等が設けられて、球が飛び交い流下可能な左側遊技領域54が形成される。
下飾り部37と内ガイドレール18aの下側レール部との間の遊技盤面17には釘22、球受案内部材55、始動入賞部品56、下大入賞部品57、一般入賞部品58、アウト口24等が設けられて、球が飛び交い流下可能な下側遊技領域59が形成される。始動入賞部品56は遊技領域25の下部における左右間の中央に設けられ、下大入賞部品57は遊技領域25の下部における左右間の中央寄り右側に設けられる。
飾り部32の前面40と前扉7が閉じられた状態での前面パネル12の裏面との間の間隔は球1個分の直径よりも小さく構成されており、前扉7が閉じられた状態の前面パネル12の裏面と飾り部32の前面40との間を球が通過することはない。よって、球が右側遊技領域52、左上側遊技領域53、左側遊技領域54から飾り部32の前面40を通過して飾り部32の内壁面42側(センター役物20の内側)に入ることはない。
【0017】
右飾り部34の外壁面41は、上側壁部60、球案内壁部61、上大入賞部品70の入賞口71への入賞導入壁部62、下側壁部63を備える。
上側壁部60は、右上飾り部33の外壁面41の下端より延長して内ガイドレール18aとは反対方向に湾曲するような湾曲壁面、即ち、上端から左下方向に延長した後に右下方向に延長するように湾曲した湾曲壁面により形成される。
球案内壁部61は、上側壁部60の下端より右方向に下るように延長する傾斜壁面により形成される。
【0018】
図2に示すように、上大入賞部品70の入賞口71への入賞導入壁部62は、球案内壁部61の右終端61eより左方向に下るように延長する傾斜壁面64と、傾斜壁面64の下端より下方に延長する上側上下方向壁面65と、当該上側上下方向壁面65の下端より左方向に延長する上側左右方向壁面66と、当該上側左右方向壁面66の左端より下方に延長する下側上下方向壁面67と、当該下側上下方向壁面67の下端より左側に膨らみながら下方向に延長する湾曲壁面68と、湾曲壁面68の下端より右方向に延長する下側左右方向壁面69とにより形成される。下側左右方向壁面69は右端から左端に向けて若干下るように傾斜する傾斜面に形成される。
下側壁部63は、入賞導入壁部62の下側左右方向壁面69の右端より略垂直方向に延長する上下方向壁面により形成される。
【0019】
図1に示すように、上側壁部60と球案内壁部61と内ガイドレール18aの右上側レール部との間で囲まれた遊技盤面17には、釘22とスルーチャッカー50とが設けられる。
右飾り部34には、上大入賞部品70と可変入賞部品51とが設けられる。
上大入賞部品70は、入賞導入壁部62と、入賞導入壁部62より内ガイドレール18aに近づく方向に延長するよう設けられて遊技盤面17に止めねじ等の取付具により取付けられる取付フランジ43aと、入賞導入壁部62の下側左右方向壁面69に当該壁面69を貫通するように形成された貫通孔よりなる入賞口71と、入賞口71に入った球を図外の球回収部に誘導する図外の回収樋と、当該回収樋に設けられた上大入賞球検出器121(図5参照)と、入賞口71への導入口72と、導入口72を開閉する羽根部材73と、図外のソレノイドのような羽根部材駆動装置151(図5参照)とを備える。
【0020】
図2に示すように、羽根部材73は、下端部が遊技盤面17と直交する回転中心軸73dに連結されて、上下方向に略垂直に延長する導入口閉状態Aと回転中心軸73d側から右上方向に延長する導入口開状態Bとに可変可能なように、羽根部材駆動装置151によって駆動される。回転中心軸73dは下側壁部63のほぼ真上に位置するよう設けられる。
【0021】
図2;図3に示すように、入賞導入壁部62は湾曲壁面68の前縁より右側に延長して遊技盤面17と平行な平板により形成された前側覆板74を備え、当該前側覆板74と湾曲壁面68と取付フランジ43aとで囲まれた空間により入賞口71への導入空間75が形成される。
また、当該前側覆板74の右端縁と下側上下方向壁面67の下端縁と入賞口71の右側開口縁と取付フランジ43aとで囲まれた開口により導入空間75への入口となる導入口72が形成される。
【0022】
上側左右方向壁面66は、導入口閉状態Aの羽根部材73の上端面と略平行に対向する壁面に形成される。
下側上下方向壁面67は、導入口閉状態Aの羽根部材73の上端側左側面と略平行に対向する壁面に形成される。
上側左右方向壁面66と導入口閉状態Aの羽根部材73の上端面との間の間隔、及び、下側上下方向壁面67と導入口閉状態Aの羽根部材73の上端側左側面との間の間隔は、球1個分の直径よりも小さい寸法に形成される。
羽根部材73の前面と前扉7が閉じられた状態での前面パネル12の裏面との間の間隔は球1個分の直径よりも小さく構成されている。
従って、羽根部材73の導入口閉状態Aにおいては、右側遊技領域52から導入口72への通路が羽根部材73により塞がれた状態となり、球が右側遊技領域52から導入口72を介して導入空間75に入って入賞口71に入賞することはない。
【0023】
図2に示すように、羽根部材73の左側面は、羽根部材73が導入口開状態Bとされた場合に右側遊技領域52からの球を受けて球を導入口72に導く球受面73aとして機能する。
即ち、羽根部材73の導入口開状態Bにおいては、球が右側遊技領域52から羽根部材73の球受面73a上を移動し、導入口72、導入空間75を経由して入賞口71に入る。
【0024】
可変入賞部品51は、上大入賞部品70の取付フランジ43aと下側壁部63と球受案内部材55とで囲まれた遊技盤面17に設けられる。
可変入賞部品51は、概略、遊技盤3の前後方向に貫通する入賞孔51Aと、当該入賞孔51Aの下縁部において遊技盤3の前後方向に進退動作するガイド片51Bと、遊技盤面17への取付フランジ51Cとを備える。具体的には、ガイド片51Bは、遊技盤3の前後方向に進退可能な舌片であって、当り遊技中以外の遊技中において、球がスルーチャッカー50を通過したことを示すスルーチャッカー通過球検出器123からの球検出信号を主制御部101が入力すると、主制御部101が抽選を行い、所定の確率で、遊技盤3の裏側において連結されたソレノイド等のガイド片駆動装置153(図5参照)を駆動することによって、ガイド片51Bが遊技盤面17よりも前側に突出する。そして、ガイド片51Bが前側に突出したタイミングで球がガイド片51B上に乗ることにより、球が入賞孔51A内に誘導される。尚、当り遊技中においては、主制御部101は、スルーチャッカー50の球検出器からの球検出信号の入力を無効にする。これにより、当り遊技中においては、ガイド片51Bが遊技盤面17よりも前側に突出することはない。
【0025】
球受案内部材55は、遊技盤面17に取付けられて遊技盤面17より前側に突出するフロック体により形成され、上面が球受案内面77に形成される。
球受案内部材55と内ガイドレール18aとの間、及び、球受案内部材55の前面と前扉7が閉じられた状態での前面パネル12の裏面との間の間隔は、球1個分の直径よりも小さく構成されており、球が球受案内部材55と内ガイドレール18aとの間や球受案内部材55の前面と前面パネル12の裏面との間に流入することはない。
【0026】
球受案内部材55の球受案内面77は、右端から左端に向けて下るように傾斜する傾斜面に形成される。そして、例えば、この球受案内面77の傾斜面とほぼ同一平面上に下側壁部63の下端面63aが位置するように構成される。
【0027】
図4に示すように、下大入賞部品57は、遊技盤面17に開口する横長矩形の入賞口78と、当該入賞口78の前方を閉塞し、前後方向に開閉自在な開閉体79とを備え、当該開閉体79が遊技盤3の背面に装着される図外のソレノイド等の開閉体駆動装置152(図5参照)による駆動によって下端部を回動中心として前方に回動し、入賞口78を開く開放状態となることにより、右側遊技領域52から流下してくる球を開閉体79の内面経由で入賞口78の内部に取り込むことが可能な構成である。入賞口78の内部には、入賞口78に取り込まれた球を検出する下大入賞球検出器122(図5参照)が設けられる。
【0028】
下大入賞部品57は、下飾り部37の取付フランジ45の右下端縁45xと球受案内部材55と始動入賞部品56と内ガイドレール18aの右下レール部分とで囲まれた遊技盤面17に設けられる。
特に、下大入賞部品57は、下飾り部37の取付フランジ45の下端、及び、球受案内部材55の下端よりも下方に位置され、かつ、羽根部材73よりも左側でかつ始動入賞部品56よりも右側に位置され、さらに、入賞口78の上縁が始動入賞部品56の入賞口56aとがほぼ同一水平面上に位置するように設けられる。
尚、例えば図2に示すように、球受案内部材55と下大入賞部品57と一般入賞部品58とは、共通の取付フランジ43bにより遊技盤面17に取付けられた一体品により構成される。
【0029】
実施形態1では、1回の当り遊技中において、上大入賞部品70の羽根部材73が閉じて下大入賞部品57の開閉体79が開く場合に、上大入賞部品70の入賞口71に入賞せずに右側遊技領域52から流下してくる球を下大入賞部品57の入賞口78に誘導する誘導手段80Aを備える。
誘導手段80Aは、上記球受案内部材55の球受案内面77と、遊技盤面17側から遊技盤3に打ち込まれた釘22により形成された誘導路80とにより構成される。
【0030】
図4に示すように、誘導路80は、第1誘導連釘81乃至第7誘導連釘87、第1誘導釘89乃至第5誘導釘93とにより形成される。尚、連釘とは、複数の釘22が並ぶように配置された構成の釘群を言う。連釘において互いに隣り合う釘22と釘22との間隔は1個の球の直径よりも小さい間隔に形成される。従って、球は連釘上を流下する。尚、釘22は、釘の頭と閉じられた前扉7の前面パネル12との間の間隔が1個の球の直径よりも小さい間隔となるように釘の先端側が遊技盤面17側から遊技盤3に打ち込まれている。
【0031】
第1誘導連釘81は、3個の釘により構成され、第1誘導連釘81の右端の釘と球受案内部材55の球受案内面77の左端との間隔が1個の球の直径よりも小さい間隔に形成される。従って、球が第1誘導連釘81の右端の釘と球受案内部材55との間から流下することはない。
第1誘導連釘81により形成されて球を流下させる傾斜路は、右側から左側に向けて下るように傾斜する傾斜路により形成される。この傾斜路の傾斜角度は、球受案内部材55の球受案内面77の傾斜角度よりも急な傾斜角度に形成される。
【0032】
第1誘導釘89は、第1誘導連釘81の左端の釘よりも下方で、かつ、第1誘導連釘81の左端の釘を通過する垂直線と第1誘導連釘81の中央の釘を通過する垂直線との間に位置されるように設けられる。
第1誘導釘89と第1誘導連釘81の左端の釘との間の間隔は、1個の球の直径よりも小さい間隔に形成される。
【0033】
第2誘導連釘82は、4個の釘により構成され、第2誘導連釘82の右端の釘と第1誘導連釘81の左端の釘との間の間隔aは1個の球の直径よりも大きい間隔、例えば、1個の球の直径の1.5倍〜2倍程度の間隔に形成される。
第2誘導連釘82により形成されて球が流下する傾斜路は、右側から左側に向けて下るように傾斜する傾斜路により形成される。この第2誘導連釘82により形成される傾斜路と第1誘導連釘81により形成される傾斜路とが同一傾斜面上に形成された同一傾斜角度の傾斜路に形成される。
【0034】
第3誘導連釘83は、第2誘導連釘82の下方に設けられた7個の釘により構成され、第3誘導連釘83の右端の釘と第1誘導釘89との間の間隔bが1個の球の直径よりも大きい間隔、例えば、1個の球の直径の1倍以上2倍未満の間隔に形成され、球が2個並んで一緒に通過できない間隔となっている。
第3誘導連釘83により形成されて球が流下する傾斜路は、右側から左側に向けて下るように傾斜する傾斜路により形成される。この第3誘導連釘83により形成される傾斜路の傾斜角度は、第1誘導連釘81により形成される傾斜路の傾斜角度と同じ傾斜角度に形成される。
【0035】
第4誘導連釘84は、2個の釘により構成され、第3誘導連釘83の左端の釘よりも下方で、かつ、第3誘導連釘83の左端の釘よりも左側に位置されるとともに、下大入賞部品57の入賞口78の右端部の上方に位置するように設けられる。
第4誘導連釘84の右端の釘と第3誘導連釘83の左端の釘との間の間隔cが1個の球の直径よりも大きい間隔、例えば、1個の球の直径の1倍以上2倍未満の間隔に形成され、球が2個並んで一緒に通過できない間隔となっている。
第4誘導連釘84により形成されて球が流下する傾斜路は、右側から左側に向けて下るように傾斜する傾斜路により形成される。この第4誘導連釘84により形成される傾斜路の傾斜角度は、第3誘導連釘83により形成される傾斜路の傾斜角度よりもさらに急な傾斜角度に形成される。
【0036】
第5誘導連釘85は、第4誘導連釘84よりも左側に設けられた4個の釘により構成される。
第5誘導連釘85の左端の釘は、第4誘導連釘84の左端の釘とほぼ同一平面上に位置するように設けられる。
第5誘導連釘85の右端の釘は、第3誘導連釘83の左端の釘とほぼ同一平面上に位置するように設けられる。
第5誘導連釘85により形成されて球が流下する傾斜路は、右側から左側に向けて下るように傾斜するとともに左側に若干膨出するような湾曲傾斜路により形成される。この第5誘導連釘85により形成される湾曲傾斜路の傾斜角度は、第4誘導連釘84により形成される傾斜路の傾斜角度とほぼ同じ傾斜角度に形成される。
第5誘導連釘85と第4誘導連釘84との間の間隔は、1個の球の直径よりも大きい間隔、例えば、1個の球の直径の1.5倍〜2倍程度の間隔に形成される。
【0037】
第2誘導釘90は、第5誘導連釘85の右端の釘よりも上方で、第2誘導連釘82の左端の釘よりも下方に位置し、かつ、第5誘導連釘85の右端の釘よりも右側に位置されるとともに、第4誘導連釘84の左端の釘よりも左側に位置するように設けられる。
第2誘導釘90と第5誘導連釘85の右端の釘との間の間隔dは、1個の球の直径よりも大きい間隔、例えば、1個の球の直径の1.5倍〜2倍程度の間隔に形成される。
第2誘導釘90と第2誘導連釘82の左端の釘との間の間隔eは、間隔a、b、c、dのそれぞれの間隔よりもさらに大きい間隔に形成される。
【0038】
第6誘導連釘86は、9個の釘により構成され、第6誘導連釘86により形成されて球が流下する傾斜路は、右側から左側に向けて下るように傾斜する傾斜路により形成される。この第6誘導連釘86により形成される傾斜路の傾斜角度は、第1誘導連釘81、第2誘導連釘82、第3誘導連釘83により形成される傾斜路の傾斜角度と同じ傾斜角度に形成される。
即ち、第3誘導連釘83により形成される傾斜路と、第1誘導連釘81及び第2誘導連釘82により形成される傾斜路と、第6誘導連釘86により形成される傾斜路とが、図4の二点鎖線の仮想線で示す互いに平行な3つの傾斜面p、q、r上に位置するように形成され、互いに隣り合う傾斜面と傾斜面との間の間隔が1個の球の直径よりも大きい間隔、例えば、球の直径の1.5倍〜2倍程度の間隔に形成される。第3誘導連釘83の傾斜路が一番下方の傾斜面r上に形成され、第6誘導連釘86の傾斜路が一番上方の傾斜面p上に形成され、第1誘導連釘81及び第2誘導連釘82の傾斜路が傾斜面pと傾斜面rとの間に位置する傾斜面q上に形成される。
第6誘導連釘86の右端の釘は、第2誘導釘90のほぼ真上に設けられ、第6誘導連釘86の右端の釘と第2誘導釘90との間の間隔は、1個の球の直径よりも小さい間隔に形成される。
【0039】
第7誘導連釘87は、4個の釘により構成され、第7誘導連釘87により形成されて球が流下する傾斜路は、右側から左側に向けて下るように傾斜する傾斜路により形成される。
第7誘導連釘87により形成される傾斜路は、第6誘導連釘86により形成される傾斜路を形成する傾斜面と同一の傾斜面上に形成される。
第7誘導連釘87の右端の釘と第6誘導連釘86の左端の釘との間の間隔gは、1個の球の直径よりも大きい間隔、例えば、1個の球の直径の1.5倍〜2倍程度の間隔に形成される。
第7誘導連釘87の右端の釘は、下大入賞部品57の入賞口78の左端部の上方に位置するように設けられる。
第7誘導連釘87の左端の釘は、下大入賞部品57の入賞口78の左端よりも左側の上方に位置するように設けられる。
第7誘導連釘87と下大入賞部品57の入賞口78との間の最短の間隔sは、1個の球の直径よりも大きい間隔、例えば、1個の球の直径の1倍以上2倍未満の間隔に形成され、球が2個並んで一緒に通過できない間隔となっている。
【0040】
第3誘導釘91は、第6誘導連釘86の左端の釘のほぼ真下の位置に設けられる。
第3誘導釘91と第6誘導連釘86の左端の釘との間の間隔は、1個の球の直径よりも小さい間隔に形成される。
【0041】
第4誘導釘92は、下大入賞部品57の入賞口78の左右間の中間位置の上方で、かつ、第3誘導釘91と第5誘導連釘85の右端の釘との間のほぼ中間位置に設けられる。
第4誘導釘92と第3誘導釘91と第5誘導連釘85の右端の釘とを通過する傾斜面と球受案内部材55の球受案内面77の傾斜面とが同じ方向に傾斜し、かつ、これら傾斜面の傾斜角度が略同じ傾斜角度に形成される。
第4誘導釘92と第3誘導釘91との間の間隔h、第4誘導釘92と第5誘導連釘85との間の最短間隔iは、1個の球の直径よりも大きい間隔、例えば、1個の球の直径の1.5倍〜2倍程度の間隔に形成される。
【0042】
第5誘導釘93は、下大入賞部品57の入賞口78の左右間の中間位置よりも左側の上方で、かつ、第3誘導釘91と第4誘導釘92との間のほぼ中間位置の下方に設けられる。第5誘導釘93と第4誘導連釘84の左端の釘と第5誘導連釘85の左端の釘とがほぼ同一水平面上に位置するように設けられる。
第5誘導釘93と第3誘導釘91との間の間隔j、第5誘導釘93と第4誘導釘92との間の間隔m、第5誘導釘93と第5誘導連釘85の左端の釘と間の間隔nは、1個の球の直径よりも大きい間隔、例えば、1個の球の直径の1.5倍〜2倍程度の間隔に形成される。
【0043】
以上説明したような誘導手段80Aを備えるので、球が始動入賞部品56の入賞口56aに入賞し、主制御部101が、始動入賞部品56内に設けられた始動入賞球検出器124(図5参照)から球検出信号を入力して当り外れ抽選を行って当りであると判定し、上大入賞部品70の羽根部材73を所定時間開く開閉動作を所定回数行った後に下大入賞部品57の開閉体79を所定時間開く開閉動作を所定回数行う当り遊技を行う場合において、上大入賞部品70の羽根部材73が開いた状態から閉じた状態に変化した場合に、上大入賞部品70の入賞口71に入らずに右側遊技領域52を流下する球が誘導手段80Aにより下大入賞部品57の方向に誘導されて、開状態の開閉体79の内側を介して入賞口78に入賞し易くなる。
【0044】
即ち、上大入賞部品70の羽根部材73が開いた状態から閉じた状態に変化した場合において、右側遊技領域52から球受案内部材55の球受案内面77上に落下した球は、第1誘導連釘81上に移動し、第2誘導連釘82上に移動するか、或いは、間隔aを介して流下する。
右飾り部34の下側壁部63と球受案内部材55の球受案内面77の左端との間の最短距離L(図2参照)の幅である右側遊技領域52から下側遊技領域59への球通路を介して下側遊技領域59に流下した球は、第1誘導連釘81上又は第2誘導連釘82上に移動するか、或いは、間隔aを介して流下する。
間隔aを介して流下した球は、第3誘導連釘83上に移動するか、或いは、間隔bを介して流下して一般入賞部品58に入賞する。
第2誘導連釘82上に移動した球は、間隔eを介して流下する。
間隔eを介して流下した球、或いは、第3誘導連釘83上を流下した球は、第5誘導連釘85と第4誘導連釘84との間を経由して開状態の開閉体79の内側に移動して下大入賞部品57の入賞口78に入賞するか、間隔c又は間隔dを介して流下する。
間隔dを介して流下した球は、第4誘導釘92、第6誘導連釘86、第5誘導釘93、第3誘導釘91、第5誘導連釘85の1つ以上に衝突し、間隔i、h、m、n、jを介して開状態の開閉体79の内側に移動して下大入賞部品57の入賞口78に入賞するか、間隔sを介して流下する。
即ち、誘導路80は、間隔b、間隔cを介して流下せずに、間隔dを介して流下する球や第5誘導連釘85と第4誘導連釘84との間を経由して流下する球が大入賞部品57の入賞口78に高い確率で入賞するように構成される。
【0045】
誘導路80において、右側遊技領域52から誘導手段80Aを経由する球を下大入賞部品57の入賞口78に誘導せずに下大入賞部品57の下方に誘導する可能性のある間隔は、間隔b、間隔c、間隔sである。
即ち、間隔bは下大入賞部品57の入賞口78の横幅寸法Yで規定される間口の真上に位置せず、かつ、間隔bを通過する球は誘導釘95と誘導釘96との間を通過してアウト口24に流下したり、誘導釘96と誘導釘97との間を通過して一般入賞部品58に入る可能性が高いので、間隔bを通過して流した球が下大入賞部品57の入賞口78に入る可能性はほとんど無い。また、間隔sは下大入賞部品57の入賞口78の間口の真上に位置せず、かつ、間隔sを通過する球は下大入賞部品57の下方に誘導されてアウト口24に流下する可能性が高く、間隔sを通過した球が下大入賞部品57の入賞口78に入る可能性はほとんど無い。また、間隔cは、下大入賞部品57の入賞口78の右端の上方に位置するように設けられているので、間隔cを通過した球は下大入賞部品57の入賞口78に入らずに下大入賞部品57の下方に誘導される可能性がある。例えば、間隔cは、下大入賞部品57の入賞口78の右端の真上に間隔cの中心点が位置するように設けられており、間隔cの右半分が下大入賞部品57の入賞口78の間口の真上に位置しないので、間隔cを通過した球は下大入賞部品57の入賞口78に入らない可能性が高くなる。即ち、間隔cは、少なくとも一部が下大入賞部品57の入賞口78の間口の真上に位置しないように設けられることで、間隔cのすべてが下大入賞部品57の入賞口78の間口の真上に位置するように設けられている場合と比べて、間隔cを通過した球が下大入賞部品57の入賞口78に入らずに下大入賞部品57の下方に誘導される可能性が高くなる。
そして、実施形態では、これらの球を下大入賞部品57の入賞口78に誘導せずに下大入賞部品57の下方に誘導する可能性のある1つ以上の間隔、即ち、間隔b、間隔c、間隔sの合計寸法Xと、下大入賞部品57の入賞口78の横幅寸法Yとの関係が、合計寸法X<横幅寸法Yとなるように構成されたため、右側遊技領域52から誘導手段80Aを経由する球が下大入賞部品57の入賞口78に入らずに下大入賞部品57の下方に誘導される可能性が少なくなり、右側遊技領域52から誘導手段80Aを経由する球が下大入賞部品57の入賞口78に誘導される可能性が多くなる。
例えば、球の直径は11mmなので、間隔b、間隔c、間隔sはいずれも11mm以上22mm未満(1個の球の直径の1倍以上2倍未満)に形成される。具体的な一例として、間隔b及び間隔cが15mm、間隔sが20mmで合計寸法Xが50mm、入賞口78の横幅寸法Yが55mmとされることで、合計寸法X<横幅寸法Yに構成されている。
【0046】
また、釘22と釘22との間で形成される間隔b及び間隔cは、傾斜面上において上流側から下流側にかけて間欠させた構成であるので、傾斜面により球の流下速度が速くなり、水平面において間欠させて設けられた間隔と比べて、球が間隔を飛び越えて間隔に入らない可能性が高くなるので、球が下大入賞部品57に誘導され易くなる。
さらに、間隔b及び間隔cが形成される傾斜面の傾斜角度、即ち、間隔b及び間隔cの傾斜角度は、第1誘導連釘81、第2誘導連釘82、第3誘導連釘83により形成される傾斜路の傾斜角度よりも急な角度に形成されているので、第1誘導連釘81上を流下して間隔aを介して落下する球が間隔bを飛び越えて第3誘導連釘83上に誘導され易くなり、また、第3誘導連釘83上を流下する球が間隔cを飛び越え易くなるので、球が下大入賞部品57に誘導され易くなる。
【0047】
図2に示すように、右側遊技領域52の右下に球受案内部材55が設けられ、右側遊技領域52から下側遊技領域59への球通路における球の流下可能幅(右飾り部34の下側壁部63と球受案内部材55の球受案内面77の左端との間の最短の距離L)が、羽根部材73よりも下方に位置する右側遊技領域52における球の流下可能幅(右飾り部34の下側壁部63と内ガイドレール18aの右側レール部分との間の最短の距離H)よりも狭く設定されたので、右側遊技領域52からの球が球受案内部材55の球受案内面77上に落下し、球受案内面77の傾斜面を移動することにより勢いの付いた球が間隔aを飛び越して第2誘導連釘82上に移動する可能性が高くなる。これにより、球が間隔bを介して流下して下大入賞部品57の入賞口78に誘導されない可能性が低くなり、球が下大入賞部品57の入賞口78に誘導される可能性が高くなる。
【0048】
このように、実施形態1のパチンコ機によれば、遊技機枠2の開閉枠6の前面に取付けられた遊技盤3のガイドレール18の内側の右側遊技領域52に上大入賞部品70を備え、右側遊技領域52よりも下方の下側遊技領域59に下大入賞部品57を備えるとともに、主制御部101が、1回の当り遊技において、上大入賞部品70の入賞口71を開いた状態(羽根部材73が導入口開状態Bである入賞可能状態)から閉じた状態(羽根部材73が導入口閉状態Aである入賞不可能状態)に変化させた後、下大入賞部品57の入賞口78を閉じた状態(開閉体79が入賞口78を閉じた入賞不可能状態)から開いた状態(開閉体79が下部を回転中心として遊技盤面17の前方に回動された入賞可能状態)に変化させた場合において、上大入賞部品70の入賞口71に入らずに遊技領域52を流下する球を下大入賞部品57の入賞口78に入賞し易いように誘導する誘導手段80Aを備えたので、上大入賞部品70の入賞口71に入らなかった球が下大入賞部品57の入賞口78に入り易くなり、上大入賞部品70の入賞口71に入らなかった球が下大入賞部品57の入賞口78にも入らない可能性を少なくできる。
【0049】
次に、図5を参照しながらパチンコ機1の制御系について説明する。
パチンコ機10の制御装置100は、主制御部101、演出制御部102、払出制御部103、図柄制御部104、発射制御部105を備える。
主制御部101には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部101からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
主制御部101からは盤用外部端子110を介して遊技店に設置される図外の管理コンピュータへ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当り情報信号、図柄確定回数信号)が送信される。
【0050】
主制御部101には、入力系として、上大入賞球検出器121、下大入賞球検出器122、スルーチャッカー通過球検出器123、始動入賞球検出器124、可変入賞球検出器125、一般入賞球検出器126が接続されている。
主制御部101には、出力系として、羽根部材駆動装置151、開閉体駆動装置152、ガイド片駆動装置153が接続されている。
【0051】
演出制御部102には、装飾ランプ15、スピーカ16が接続されているとともに、図柄制御部104を介して画像表示装置4が接続されている。
演出制御部102は、装飾ランプ15の点灯、消灯、及び点滅を制御し、さらに、スピーカ16を作動させて効果音等の音声出力を制御する。また、演出制御部102により制御される図柄制御部104は、画像表示装置4の表示画面4aに表示する演出図柄の表示制御を行う。
【0052】
払出制御部103には、払出装置160及び発射制御部105が接続され、発射制御部105には発射装置19が接続されている。この払出制御部103は、払出装置160を作動させて、入賞口への入賞に対する賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。また、発射制御部105は、遊技者による発射操作機構13の操作により発射装置19を作動させて、球の発射開始、及び、発射操作機構13の操作量に応じた発射力を制御する。
さらに、払出制御部103は、枠用外部端子111を介して賞球又は貸球の払い出しに関する情報である払出情報を遊技店に設置された図外の管理コンピュータへ送信する。
【0053】
実施形態1のパチンコ機1の動作を説明する。
遊技者が発射操作機構13を操作することで駆動する発射装置19により遊技領域25に発射された球が入賞口に入賞せずに遊技領域25の下端部に至った場合はアウト口24から図外の排出樋を介して回収される。
球が各入賞口に入賞したことを球検出器から入力した主制御部101は、それぞれの遊技制御に基づく処理(例えば、抽選等)を実行すると共に、演出制御部102に対して画像表示装置4への画像表示演出、スピーカ16を用いた音演出、装飾ランプ15を用いた光演出等を行うよう指示する。
【0054】
球が始動入賞部品56の入賞口56aに入賞したこと示す球検出信号を始動入賞球検出器124から入力した主制御部101は、当り外れ抽選を行うとともに、画像表示装置4を制御して表示画面4aに図柄演出表示を行わせる。主制御部101は、当り外れ抽選の結果が当りであれば、画像表示装置4を制御して画像表示装置4の表示画面4aに当り図柄を表示させるとともに、遊技者に所謂右打ち遊技を指示するための図柄を表示画面4a等に表示させ、大当り遊技、又は、大役遊技と呼ばれる当り遊技に移行する。
主制御部101は、1回の当り遊技において、例えば、まず上大入賞部品70の羽根部材73を所定時間開く開閉動作を所定回数行うように羽根部材駆動装置151に駆動信号を出力した後に、下大入賞部品57の開閉体79を所定時間開く開閉動作を所定回数行うように開閉体駆動装置152に駆動信号を出力する。
1回の当り遊技では、例えば、上大入賞球検出器121、或いは、下大入賞球検出器122による10回の検出又は羽根部材73や開閉体79の開放から所定時間の経過のうち、いずれか早い条件が成立するまでを1ラウンドとして、当該ラウンドが例えば15回繰り返される。
実施形態1では、例えば、主制御部101は、1回の当り遊技において、上大入賞部品70によって1ラウンドから5ラウンドまでを消化させ、その後、下大入賞部品57によって6ラウンドから15ラウンドまでを消化させるような制御を行う。
この場合、5ラウンドが終了して上大入賞部品70の羽根部材73が閉じてから(導入口閉状態A)6ラウンドが始まって開閉体79が開く入賞可能状態となるまでの時間は、右側遊技領域52を通過して上大入賞部品70の入賞口71に入らなかった球が下大入賞部品57の入賞口78に到達するのに必要な時間よりも短い時間、例えば、0秒〜1秒程度に決められている。
【0055】
実施形態2
実施形態1では、右側遊技領域52に上大入賞部品70を設け、下側遊技領域59の右側領域に下大入賞部品57を設けた構成を示したが、左側遊技領域54に上大入賞部品を設け、下側遊技領域59の左側領域に下大入賞部品を設けた構成としてもよい。
【0056】
尚、上大入賞部品、下大入賞部品は、それぞれ複数個設けてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 パチンコ機(遊技機)、3 遊技盤、22 釘、25 遊技領域、
55 球受案内部材、57 下大入賞部品、70 上大入賞部品、71 入賞口、
77 球受案内面、78 入賞口、80A 誘導手段、80 誘導路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤の遊技領域の上部側に上大入賞部品を備え、遊技領域の下部側に下大入賞部品を備えるとともに、当り遊技中に、上大入賞部品の入賞口が開いた状態から閉じた状態に変化した後、下大入賞部品の入賞口が閉じた状態から開いた状態に変化した場合において、上大入賞部品の入賞口に入らずに遊技領域を流下する球を下大入賞部品の入賞口に入賞し易いように誘導する誘導手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
誘導手段は、釘により形成された誘導路と、上大入賞部品の入賞口に入らずに遊技領域を流下する球を誘導路に誘導する球受案内面を有した球受案内部材とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
誘導路においては、釘と釘との間に、球を下大入賞部品の入賞口に誘導せずに下大入賞部品の下方に誘導する可能性のある間隔が1つ以上形成され、当該間隔の合計寸法Xと下大入賞部品の入賞口の横幅寸法Yとの関係が、合計寸法X<横幅寸法Yとなるように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−56039(P2013−56039A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196209(P2011−196209)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】