遊技機
【課題】可動体による演出効果を向上する。
【解決手段】パチンコ機は、異なる意匠が夫々施された複数の表示面312を有し、少なくとも一面の表示面312が遊技盤20の前側から視認可能に配設された可動体310と、可動体310を動作し、遊技盤20の前側に臨ませる表示面312を切り替える駆動手段350とを備えている。パチンコ機では、制御手段によって、該パチンコ機の遊技状態またはパチンコ遊技機で実行される演出内容に応じて、遊技状態または該演出内容に関連する意匠が施された表示面312を遊技盤20の前側に臨ませるよう、駆動手段350を駆動制御される。
【解決手段】パチンコ機は、異なる意匠が夫々施された複数の表示面312を有し、少なくとも一面の表示面312が遊技盤20の前側から視認可能に配設された可動体310と、可動体310を動作し、遊技盤20の前側に臨ませる表示面312を切り替える駆動手段350とを備えている。パチンコ機では、制御手段によって、該パチンコ機の遊技状態またはパチンコ遊技機で実行される演出内容に応じて、遊技状態または該演出内容に関連する意匠が施された表示面312を遊技盤20の前側に臨ませるよう、駆動手段350を駆動制御される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、動作による演出を行う可動体が配設された遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば遊技機の代表例の一つであるパチンコ機は、機内にセットされる遊技盤の盤面にパチンコ球が打ち出される遊技領域が画成されて、該遊技盤における遊技領域の裏側に、各種図柄を変動表示して図柄変動演出を行う液晶パネル等の図柄表示装置が配設される。またパチンコ機は、遊技盤に形成した開口部等を介して図柄表示装置の表示面を前側から視認し得るよう構成される。この種のパチンコ機では、遊技盤の前面側に、遊技領域に打ち出されたパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置が配設され、該始動入賞装置へのパチンコ球の入賞により図柄表示装置での図柄変動演出が開始されるよう構成されている。そして、パチンコ機では、図柄変動演出の結果として図柄表示装置に所定の組み合わせで図柄が停止すると、遊技者に有利な所謂大当りが発生するようになっている。
【0003】
前記パチンコ機には、そのパチンコ機のモチーフに応じた可動部材が配設され、遊技に際して図柄表示装置に表示される図柄等の演出状態に合わせて可動部材に所定の動作を行わせて、遊技者の興趣を高めることが行われている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、第1の可動部材の回転軸を図柄表示装置の上辺近傍に配置すると共に、第2の可動部材の回転軸を図柄表示装置の左辺近傍に配置し、リーチ演出や大当り演出等の所定の遊技状態になった際に、モータによって各可動部材が回転軸を中心として図柄表示装置の前側を夫々揺動させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−54140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記パチンコ機では、非確変状態、確変状態や変短状態などを組み合わせた様々な遊技状態を有している。また、パチンコ機では、遊技状態に応じて図柄表示装置でリーチ演出や大当り演出等の演出内容が実行される。特許文献1の可動部材は、揺動動作を行うことで、大当り発生等の期待感を示唆することを主眼に置いている。しかしながら、遊技者への利益状態の異なる遊技状態であることや現在の遊技状態から異なる遊技状態への移行、あるいは演出内容のストーリーや結果等が、可動部材の動作によって示唆されるものではない。すなわち、特許文献1の可動部材は、遊技状態や演出内容との関連性が低く、遊技者の注意を長く引き留めることが難しい。
【0006】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、遊技状態や演出内容との関連性が高い可動体を備えた遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の遊技機は、
異なる意匠が夫々施された複数の表示面(312,313,314,315)を有し、少なくとも一面の表示面(312,313,314,315)が遊技盤(20)の前側から視認可能に配設された可動体(310)と、
前記可動体(310)を動作し、前記遊技盤(20)の前側に臨ませる表示面(312,313,314,315)を切り替える駆動手段(350)と、
前記駆動手段(350)を制御する制御手段(C)とを備え、
前記制御手段(C)は、遊技機(10)の遊技状態または該遊技機(10)で実行される演出内容に応じて、該遊技状態または該演出内容に関連する意匠が施された表示面(312,313,314,315)を遊技盤の前側に臨ませるよう、前記駆動手段(C)を駆動制御することを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、遊技機の遊技状態または該遊技機で実行される演出内容に応じて、該遊技状態または該演出内容に関連する意匠が施された表示面を遊技盤の前側に臨ませるので、遊技状態または演出内容と可動体の表示面とが密接に関連し、遊技状態または演出内容と可動体との一体感を高めることができる。また、遊技盤の前側に臨む可動体の表示面によって、遊技状態または演出内容に関連付けて遊技者の期待感をあおることができる。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記可動体(310)は、周面に設けられた前記表示面(312,313,314,315)が切り替わるよう回転可能に支持され、該可動体(310)は、複数の表示面(312,313,314,315)のうちの一面だけが前記遊技盤の前側に臨むように停止されることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、可動体は、複数の表示面のうちの一面だけが遊技盤の前側に臨むように停止されるので、遊技者に一つ一つの表示面の違いをはっきり認識させることができ、遊技盤の前側に臨んだ表示面による演出的な意義を明確化することができる。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記可動体(310)において前記遊技盤(20)の前側に臨んで停止した特定の表示面(315)の意匠と前記遊技盤(20)の前側に臨むように配設された装飾体(410,410)の意匠とが繋がって、一つの意匠体が構成されることを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、可動体における特定の表示面を遊技盤の前側に臨ませた際に、特定の表示面の意匠と装飾部の意匠とが繋がって、一つの意匠体を構成するので、装飾体と同調して可動体の表示面を越えた大きな演出を行うことができ、遊技者の興趣をより高めることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る遊技機によれば、可動体が遊技状態や演出内容と高い関連を有しているので、遊技者の興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好適な実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図2】実施例の遊技盤を示す正面図であって、可動体が第1表示面を前側に臨ませ、両移動体が退避位置にあり、両作動体が待機位置にあり、動作体が標準位置にある。
【図3】実施例の遊技盤を示す正面図であって、(a)は、可動体が第4表示面を前側に臨ませ、両移動体が退避位置にあり、両作動体が作動位置にあり、動作体が標準位置にある。(b)は、可動体が第4表示面を前側に臨ませ、両移動体が移動状態にあり、両作動体が作動位置にあり、動作体が動作位置にある。
【図4】(a)は図2のA−A線断面図であり、(b)は図2のB−B線断面図である。
【図5】(a)は図2のC−C線断面図であり、(b)は図2のD−D線断面図である。
【図6】実施例の遊技盤、設置部材および図柄表示装置を分解した状態で示す斜視図である。
【図7】実施例の設置部材と枠状装飾体との関係を説明する平面図である。
【図8】(a)は図7のE−E線要部断面図であり、(b)は図7のF−F線要部断面図である。
【図9】実施例の遊技盤を示す背面図である。
【図10】(a)は実施例の枠状装飾体を示す正面図であり、(b)は実施例の枠状装飾体を背面側から示す斜視図である。
【図11】実施例の設置部材を示す正面図である。
【図12】実施例の設置部材において、動作演出装置、作動演出装置および可動演出装置を取り外した状態を示す正面図である。
【図13】実施例の設置部材における全ての演出装置を取り外した状態を示し、(a)は正面図であり、(b)は右側面図である。
【図14】実施例の第1および第2移動演出装置を示す正面図である。
【図15】実施例の第1および第2移動演出装置を示す背面図である。
【図16】実施例の第1および第2移動演出装置を示す斜視図である。
【図17】実施例の第1移動演出装置を示す概略斜視図である。
【図18】実施例の第2移動演出装置を示す概略斜視図である。
【図19】(a)は実施例の移動体を示す正面図であり、(b)は実施例の移動体を示す背面図であり、(c)は(a)のG−G線断面図である。
【図20】(a)は図14のH−H線で第1移動体を破断した説明図であり、(b)は図14のI−I線で第2移動体を破断した説明図である。
【図21】実施例の可動体の第1表示面を前側に臨ませた可動演出装置を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は底面図であり、(d)は背面図であり、(e)は左側面図である。
【図22】図21(b)のJ−J線断面図である。
【図23】実施例の可動体を示す斜視図であって、(a)は右前側から見た状態であり、(b)は左前側から見た状態である。
【図24】実施例の可動演出装置の分解斜視図である。
【図25】実施例の支持軸において、(a)は正面図であり、(b)は右側面図であり、(c)は左側面図であり、(d)は照明手段被覆部を取り外した状態を示す正面図である。
【図26】図24のK矢視図である。
【図27】実施例の作動演出装置を示す正面図であって、(a)は作動体が待機位置にあり、(b)は作動体が係止位置にあり、(c)は作動体が作動位置にある。
【図28】実施例の作動演出装置において第2作動分体を省略した状態で示す正面図であって、作動体が待機位置にある。
【図29】実施例の作動演出装置において第2作動分体を省略した状態で示す正面図であって、作動体が係止位置にある。
【図30】実施例の作動演出装置において第2作動分体を省略した状態で示す正面図であって、作動体が作動位置にある。
【図31】実施例の作動体および作動手段を背面側から示す説明図であって、(a)は作動体が待機位置にあり、(b)は作動体が係止位置にあり、(c)は作動体が作動位置にある。
【図32】図27(a)のL−L線断面図である。
【図33】(a)は実施例の第2作動分体を示す背面図であり、(b)は実施例の第2作動分体を示す平面図である。
【図34】(a)は実施例の動作演出装置を示す正面図であり、(b)は実施例の動作演出装置を示す背面図である。
【図35】実施例の動作演出装置を背面側から示す動作機構の説明図である。
【図36】実施例の動作演出装置を背面側から示す進退移動機構の説明図であって、(a)はスライド本体が後退位置にあり、(b)はスライド本体が前進位置にある。
【図37】実施例の動作演出装置を後側から示す分解斜視図である。
【図38】実施例のパチンコ機の制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0013】
(パチンコ機)
図1に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図2または図3参照)が着脱可能に保持された本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられている。また、遊技盤20の後側には、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置13(図1または図6参照)が着脱し得るよう配設されている。中枠12の前面側には、遊技盤20を透視保護するガラス板を備えた装飾枠としての前枠14が開閉可能に組付けられると共に、前枠14の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前枠14の下部位置に下球受け皿15の上側に位置して、パチンコ球を貯留する上球受け皿16が一体的に組付けられており、前枠14の開閉に合わせて上球受け皿16も一体的に開閉するよう構成される。なお、実施例のパチンコ機10では、図柄表示装置13として、液晶画面からなる表示部13aで各種演出表示を行う液晶タイプが採用されている。なお、図柄表示装置13としては、液晶タイプに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、上球受け皿16は、前枠14と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0014】
(遊技盤)
前記中枠12に配設される遊技盤20は、図2または図3に示すように、前面(盤面)にパチンコ球が流下可能な遊技領域20aが画成され、ベニヤからなる平板状の板部材で構成される。遊技盤20の前面には、円弧状に形成した案内レール21が配設されると共に、該案内レール21の右方位置に、左端縁が右方に凹む円弧状に形成した盤面飾り部材22が配設される。そして、案内レール21および盤面飾り部材22により遊技領域20aが略円形状に画成され、中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が遊技領域20a内に打ち出され、該遊技領域20a内をパチンコ球が流下して遊技が行われる。また、遊技盤20の遊技領域20a内には、多数の遊技釘が植設されており、該遊技釘との接触により遊技領域20aを流下するパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成してある。
【0015】
前記遊技盤20には、図1または図2に示すように、後述する枠状装飾体28の下縁より下方位置に、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置24および特別入賞装置25が配設され、枠状装飾体28の下縁より左側方位置に、パチンコ球が通過可能なゲート26等が配設される。なお、図2の符号27は、遊技盤20に配設されて、常に入賞口を開放している普通入賞装置を示す。
【0016】
(枠状装飾体)
前記遊技盤20の中央には、前後に貫通する大型の中央貫通口22b(図9参照)が形成されており、該中央貫通口22bに対して前後に開口する窓口28aを有する枠状装飾体(所謂センター役物)28が嵌め込まれるように着脱可能に配設される(図1または図2参照)。そして、後述する設置部材40の表示開口部40aから臨む図柄表示装置13の表示部13aは、枠状装飾体28における前後に開口する窓口28aを介して遊技盤20の前側に露出して、前述した始動入賞装置24への入賞を契機として該図柄表示装置13の表示部13aで展開される図柄変動演出やリーチ演出等の演出を前側から視認し得るようになっている。枠状装飾体28には、図2または図10(a)に示すように、上縁部から左右両縁部に亘り、遊技盤20の前面より前側に突出する円弧状の庇状部28bが設けられており、遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を外周部の庇状部28bで案内し得ると共に、該パチンコ球が枠状装飾体28の窓口28aを横切って流下するのを該庇状部28bで規制している。
【0017】
図3または図10に示すように、枠状装飾体28には、窓口28aの内側に臨む後述する演出装置300,400の可動部材(装飾体)310,410,410の意匠に合わせて、遊技盤20の前側から視認可能な前側部分の意匠が構成された枠体装飾部(装飾部)29,30,31が庇状部28bの窓口28a側に設けられている。枠体装飾部29,30,31は、遊技領域20a側から窓口28a側に向かうにつれて前側から後側に向かうように前面が段状に傾斜している。また、枠体装飾部29,30,31は、光を透過可能でかつ光拡散処理が施されている。実施例の枠状装飾体28は、庇状部28bの上部内側に設けられた上部枠体装飾部29と、庇状部28bの右部内側に設けられた右部枠体装飾部30と、庇状部28bの左部内側に設けられた左部枠体装飾部31とを備えている。上部枠体装飾部29は、下側に位置して窓口28aの内側に臨む可動演出装置300(後述)の可動体310における第4表示面315に形成された意匠と合わせた意匠が形成される。そして、所定方向(実施例では正面側)から上部枠体装飾部29および第4表示面315を見た際に、上部枠体装飾部29の意匠と第4表示面315の意匠とが繋がって、一連の意匠を構成するようになっている(図3参照)。右部枠体装飾部30は、左側に位置して窓口28aの内側に臨む作動演出装置400(後述)の右部作動体410に形成された意匠と合わせてた意匠が形成されている。所定方向(実施例では正面側)から右部枠体装飾部30および右部作動体410を見た際に、右部枠体装飾部30の意匠と右部作動体410の意匠とが繋がって、一連の意匠を構成するようになっている(図3参照)。左部枠体装飾部31は、左側に位置して窓口28aの内側に臨む作動演出装置400の左部作動体410に形成された意匠と合わせた意匠が形成されている。所定方向(実施例では正面側)から左部枠体装飾部31および左部作動体410を見た際に、左部枠体装飾部31の意匠と左部作動体410の意匠とが繋がって、一連の意匠を構成するようになっている(図3参照)。上部枠体装飾部29、右部枠体装飾部30および左部枠体装飾部31は、共通する意匠で構成されている。
【0018】
(設置部材)
前記遊技盤20の後面には、各種の遊技部品が配設される合成樹脂材で形成された設置部材40(図6または図13参照)が配設され、この設置部材40の後側に図柄表示装置13が着脱可能に配設されている。設置部材40は、遊技盤20の後面に対向配置される設置板部41と、この設置板部41の周縁から前方に立設された周壁部42とからなる前側に開口する矩形箱状に形成されている(図13参照)。設置部材40は、周壁部42の前端部に形成された取付部を遊技盤20の後面に突き当ててネジ止め固定される。設置部材40には、遊技盤20の後面に対向する設置板部41に、前後に貫通する大型の表示開口部40aが設けられている(図12または図13参照)。設置部材40は、遊技盤20に取り付けた際に、該遊技盤20の中央貫通口20bの後側に表示開口部40aが重なると共に、設置板部41と遊技盤20との間に演出装置100,200,300,400,500等の各種遊技部品を配設可能な所要の設置空間43が画成される(図4または図5参照)。なお、実施例のパチンコ機10において、遊技盤20の盤面に沿う方向において表示部13aを向く方向を内方といい、設置部材40の周壁部42を向く側を外方という。
【0019】
図11および図12に示すように、設置部材40の前側には、所定の動作を行う可動部材110,210,310,410,410,510を備えた複数の演出装置100,200,300,400,500が表示開口部40aの周りに配設されている。図12に示すように、実施例の設置部材40には、第1移動演出装置100が設置板部41における表示開口部40aの上側(上辺部)と下側(下辺部)のスペースを用いて設置され、第2移動演出装置200が設置板部41における表示開口部40aの左側(左側辺部)と右側(右側辺部)のスペースを用いて設置されている。また、設置部材40における設置板部41の上辺部には、第1移動演出装置100の前側に位置して可動演出装置300が設置されている(図11参照)。更に、設置部材40における設置板部41の左側辺部および右側辺部には、第2移動演出装置200の前側に位置して作動演出装置400が設置されている(図4または図5参照)。更にまた、設置部材40における設置板部41の右側辺部には、作動演出装置400における右部作動ユニット402Aの前側に位置して動作演出装置500が設置されている(図11参照)。このように、パチンコ機10には、前記設置空間43、窓口28aの内側における設置板部41の前面から庇状部28bの前面までのスペースを用いて、演出装置100,200,300,400,500が前後に重ねて配設されている。
【0020】
(上部発光装置)
図11に示すように、設置部材40の上部には、前方に向けて光を照射し得る上部発光装置46が周壁部42の前端部に配設されている。設置部材40を遊技盤20に取り付けた際に、上部発光装置46は、上部枠状装飾部29の後側に位置して、制御手段C(図38参照)の制御下に上部枠状装飾部29を発光させ得るようになっている。図8に示すように、上部発光装置46は、前方へ光を照射し得るLED等の発光体46aを前面に複数備えた基板46bと、この基板46bの前面を覆う上部発光カバー(部材)47とから構成される。上部発光装置46は、上部枠状装飾部29の形状に合わせて横長に形成されて、可動演出装置300の上方に配置されている。なお、上部発光カバー47は、前面が平坦に形成された透明部材である。
【0021】
(制御手段)
パチンコ機10の裏側には、該パチンコ機10に設けられた各種電気部品を制御する制御手段Cが配設されている。図38に示すように、制御手段Cには、入賞装置24,25,26およびゲート27に配設された球検知センサからの信号や、演出装置100,200,300,400,500に設けられたフォトセンサ170,270,370,470,470,570からの信号等の各種の制御のための信号が入力される。また、制御手段Cは、図柄表示装置13、演出装置100,200,300,400,500の駆動源123,223,351,451,451,531,551および発光手段46,48,160,164,260,264,340,408,408,417,417,524,580等の機器に電気的に接続され、前記信号や該制御手段Cに設定されたプログラムに基づいて、図柄表示装置13、駆動源123,223,351,451,451,531,551および発光手段46,48,160,164,260,264,340,408,408,417,417,524,580等の機器を連係または独立して所定の制御を実行するようになっている。
【0022】
図38に示すように、実施例の制御手段Cは、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段)Dと、該メイン制御基板Dからの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)E,Fとが設けられている。すなわち、メイン制御基板Dでは、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板E,Fに出力されるようになっている。実施例のサブ制御基板は、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板Eと、図柄表示装置13での表示内容を制御する表示制御基板Fと、パチンコ機10が備える各種発光手段の発光制御を行うランプ制御基板Gと、パチンコ機10が備えるスピーカの音出力制御を行う音制御基板Hとを備えている。すなわち、メイン制御基板Dが出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、統括制御基板Eが表示制御基板F、ランプ制御基板Gおよび音制御基板Hを制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板Fは、統括制御基板Eから出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置13に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板Gは、統括制御基板Eから出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板Gは、統括制御基板Eから出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカからの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するものである。なお、メイン制御基板D、統括制御基板Eおよび表示制御基板Fは、制御処理を実行するCPU、該CPUが実行する制御プログラムを記憶するROM、CPUの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なRAM等を備えている。
【0023】
(移動演出装置)
図12に示すように、設置部材40には、所定方向に動作される第1移動体110を備えた第1移動演出装置100と、第1移動体110と交差する方向へ動作される第2移動体210を備えた第2移動演出装置200とが、設置板部41の前面に設置されている。両移動演出装置100,200は、第1移動体110と第2移動体210とを互いに独立または連動して動作し得るよう構成され、第1移動体110と第2移動体210とを、表示部13aの前側で交差させるように動作可能になっている(図3(b)参照)。なお、実施例では、第1移動体110が第2移動体210の前側に重なるようになっている。
【0024】
先ず、第1移動演出装置100と第2移動演出装置200との共通する構成について説明する。図12、図14〜図16に示すように、移動演出装置100,200は、表示開口部40aを介して遊技盤40の前側に臨む表示部13aの前側を通過可能に支持された移動体110,210と、この移動体110,210を支持すると共に移動体110,210を表示部13aの前側を通過するよう移動させる移動機構120,220とから構成される。移動体110,210は、遊技盤20の前側に臨む表示部13aの前側を一方の側から他方の側へ亘って延在する長尺な棒状に形成されている(図3(b)参照)。移動機構120,220は、表示部13aを挟んで対向する表示開口部40aの周辺部に分けて設置した2つの支持組120A,120B,220A,220Bから構成され、移動体110,210の一方の端部が移動機構120,220における一方の支持組120A,220Aで支持されると共に、移動体110,210の他方の端部が移動機構120,220における他方の支持組120B,220Bで支持されている。
【0025】
図19に示すように、移動体110,210は、真っ直ぐに延在するよう形成されている。移動体110,210は、透明(実施例)または半透明等の光透過性を有する合成樹脂からなる成形品であって、全体が光を透過可能に構成される。移動体110,210は、遊技盤20の盤面(表示部13aの前面)に平行して長手が延在する姿勢で移動機構120,220に支持されると共に、当該姿勢を保ったまま移動機構120,220によって盤面と平行に移動させられる(図14,図15の実線および2点鎖線参照)。図19(C)に示すように、移動体110,210は、前面が前方に凸となる円弧形状に形成され、両側面が前後方向に平行に延在する平面形状に形成されると共に、後面が表示部13aの前面と平行な平面形状に形成されている。移動体110,210は、その端面が遊技盤20の盤面と直交するよう延在するよう形成されると共に、短手方向に破断した基本的な断面形状が、一方の端面から他方の端面にかけて同じになっている。なお、移動体110,210は、後側の角部が切り欠かれて、後面が段状に形成されている(図19(c)参照)。
【0026】
(移動体の発光構造)
図20に示すように、移動演出装置100,200は、制御手段Cの制御下に移動体110,210を発光させる移動発光体(発光体)160,164,260,264を備えている。移動発光体160,164,260,264は、移動体110,210の端面に相対させて移動機構120,220における該移動体110,210の端部を支持する部位(後述の移動支持部(支持部)126,146,126,246)に配設されている。そして、移動体110,210は、移動発光体160,164,260,264による光の照射によって所定の発光領域(所定領域)が発光される。図14〜図16に示すように、移動体110,210は、その端部が移動機構120,220を構成する移動体支持部126,146,126,246で支持され、移動機構120,220により移動支持部126,146,126,246が移動されるのに伴って移動される。移動支持部126,146,126,246には、該移動支持部126,146,126,246に固定された移動体110,210の端面に相対するように移動発光基板161,165,261,265が配置され、この移動発光基板161,165,261,265における移動体110,210側の面に、LEDである移動発光体160,164,260,264が1つ実装されている。実施例の移動発光体160,164,260,264は、移動体110,210の端面中央に相対するように配置され、移動体110,210における長手の延在方向(以下、移動体延在方向という)に沿って光を照射し得るよう構成されている。このように、表示開口部40aの外側に延出して外方に向く移動体110,210の端面に対して、移動発光体160,164,260,264から表示部13a側となる内方に向けて光が照射される。実施例では、移動体110,210の両方の端部が移動体支持部126,146,126,246で夫々支持され、各移動体支持部126,146,126,246に設けられた移動体発光体160,164,260,264によって両端面から移動体110,210が照らされるよう構成される。
【0027】
(移動体の光拡散部)
図19に示すように、移動体110,210の周面には、該移動体110,210の端面に相対するように設けられた移動発光体160,164,260,264から照射された光を拡散する移動体光拡散部(光拡散部)112,114,212,214が設けられている。移動体光拡散部は、移動体110の後面に移動体延在方向と直交するよう形成された複数の第1拡散溝112,212(図19(b)参照)と、移動体110,210の前面に形成された複数の第2拡散溝114,214(図19(a)参照)とを有している。第1拡散溝112,212は、平坦に形成された移動体110,210の後面における移動体延在方向に直交する方向全体に亘る長さで線形に形成される。一方、第2拡散溝114,214は、第1拡散溝112,212よりも太い多角形状に形成されている。実施例の第2拡散溝114,214は、略菱形に形成されており、両対角線が移動体延在方向と交差する方向に延在している。移動体110,210の前面には、移動体延在方向に斜め交差する方向に複数(3つ)の第2拡散溝114,214を並べた溝列が、移動体延在方向に一定間隔で設けられている(図19(a)参照)。なお、各溝列において、前面中央に位置する第2拡散溝114,214が、両側の他の第2拡散溝114,214より大きく設定されている(図19(a)拡大図参照)。
【0028】
前記移動体光拡散部は、第1拡散溝112,212の溝幅(移動体延在方向の幅寸法)が、第2拡散溝114,214の溝幅(移動体延在方向の幅寸法)より狭く設定されている。移動体光拡散部は、移動体110,210における移動発光体160,164,260,264による所定の発光領域において、該発光領域を担当する移動発光体160,164,260,264から遠くなるにつれて第1拡散溝112,212の間隔(隣り合う第1拡散溝112,212における移動体延在方向の離間間隔)が狭くなるよう形成されている(図19(b)参照)。実施例の移動体110,210は、両方の端面から移動発光体160,164,260,264の光が夫々入射される構成であり、実施例では各移動発光体160,164,260,264の発光領域が移動体110,210における移動体延在方向長さの半分以上であるので、第1拡散溝112,212の間隔は、移動体110,210の各端面から移動体延在方向中央に向かうにつれて狭くなっている。なお、実施例の移動体110,210では、第1拡散溝112,212の最も広い間隔よりも第2拡散溝114,214の間隔が広くなっている。なお、移動体110,210は、該移動体110,210における移動発光体160,164,260,264による所定の発光領域において、該発光領域を担当する移動発光体160,164,260,264から遠くなるにつれて、後面を前側に向けて傾斜するよう形成してもよい。すなわち、実施例の移動体110,210では、後面が端部から中央部に向かうにつれて前側に傾斜する構成とすることができる。
【0029】
図12に示すように、移動機構120,220は、表示開口部40aを挟んで設置板部41に設けられた2つの支持組120A,120B,220A,220Bで構成されるが、一方の支持組120A,220Aのみに駆動源である移動モータ123,223が設けられ、他方の支持組120B,220Bが一方の支持組120A,220Aに連動して、移動体110,210の端部を移動可能に支持するようになっている。なお、以下の説明では、構成要素として移動モータ123,223を含む一方の支持組を駆動側支持組120A,220Aといい、他方の支持組を従動側支持組120B,220Bという。各移動演出装置100,200の移動機構120,220は、駆動側支持組120A,220Aと比べて従動側支持組120B,220Bの構成要素が簡易になっている。
【0030】
(第1移動演出装置)
第1移動演出装置100について具体的に説明する。図17に示すように、第1移動演出装置100は、表示部13aの前側を左右方向に移動される第1移動体110と、この第1移動体110を移動させる第1移動機構120とを備えている。第1移動機構120は、表示部13aの前側に上下に架け渡された第1移動体110の上端を、設置板部41の上辺部に配設された第1駆動側支持組120Aで支持し、第1移動体110の下端を、設置板部41の下辺部に設けられた第1従動側支持組120Bで支持するよう構成される。第1移動演出装置100は、第1移動体110が表示開口部40aから右側方(設置板部の右側辺部)に外れた基準位置(図14および図15の2点鎖線参照)において、設置板部41の右側辺部に設けられた後述する右部作動ユニット402Aの右部作動体410の後側に隠れるよう構成される(図2参照)。また、第1移動演出装置100は、第1移動体110が表示部13aの前側を通過して設置板部41の左側辺部まで第1移動機構120によって移動されるよう構成され、該左側辺部に位置した第1移動体110が該左側辺部に設けられた後述する左部作動ユニット402Bの左部作動体410の後側に隠れるようになっている。
【0031】
(上部ベース部材)
前記第1駆動側支持組120Aの構成部材は、設置板部41の上辺部に設置された上部ベース部材(補強部材)116に設けられ(図12または図17参照)、上部ベース部材116を介して設置板部41に着脱し得る1つのユニットとして取り扱い可能になっている。上部ベース部材116は、剛性を有する金属製の板材であり、設置板部41から前方に立ち上がるように設けられた上部ベース立設部117と、この上部ベース立設部117の左右の側部に下方に延出するように折り曲げ形成された上部ベース架設部118,118とを備えている(図14または図17参照)。すなわち、上部ベース部材116は、全体として前面視で下方に開口する略「コ」字状に形成されている。上部ベース部材116は、上部ベース立設部117が表示開口部40aの上縁と平行に延在するように、上部ベース立設部117の後縁に設けられた取付片を設置板部41の前面に突き当てて取り付けられる。また、上部ベース部材116は、上部ベース立設部117が表示開口部40aの上縁より長く設定されて、上部ベース立設部117が表示開口部40aよりも左右へ延出している(図12参照)。上部ベース部材116は、上部ベース立設部117の前縁に下方へ垂下するように載置片117aが折り曲げ形成され、この載置片117aで後述する可動ベース部材302の可動ベース本体部303を支持するようになっている。
【0032】
(第1駆動側支持組)
図17に示すように、第1駆動側支持組120Aは、上部ベース部材116に対して回転可能に支持された一対の第1回転体(回転体)121,122と、上部ベース部材116に設けられ、一方の第1回転体121を回転駆動する第1移動モータ(移動モータ)123と、一対の第1回転体121,122に巻き掛けられた第1ベルト(ベルト)124と、この第1ベルト124に沿って延在するように設けられた第1シャフト(シャフト)125とを有している。また、第1駆動側支持組120Aは、第1シャフト125に移動可能に支持されると共に第1ベルト124に接続され、第1移動体110の上端を支持して第1ベルト124の走行に伴って移動される上部移動支持部(支持部)126と、第1ベルト124を張るように付勢する第1張架手段127とを有している。第1ベルト124は、歯付きベルトが用いられ、これに対応して第1回転体121,122は、周面が両側縁より凹むように形成されると共に周面に歯が設けられた歯付きプーリが用いられている。そして、第1ベルト124は、第1移動体110を支持して該第1移動体110を該第1ベルト124の延在方向(実施例では左右方向)に沿って移動させる支持部材として機能している。一対の第1回転体121,122は、上部ベース部材116における上部ベース立設部117の右側部と、上部ベース本体部117の左側部とに左右に離間して配置されている。なお、右側に配置された第1回転体(特に区別する場合は第1駆動回転体という)121は、設置板部41において表示開口部40aよりも右側に位置し、左側に配置された第1回転体(特に区別する場合は第1従動回転体という)122は、表示開口部40aよりも左側に位置している。そして、各第1回転体121,122は、回転軸を上下方向に延在させて上部ベース立設部117の下側に設けられている。また、第1駆動回転体121の下端面には、第1回転体歯車128が一体形成されている(図14参照)。
【0033】
前記第1移動モータ123は、制御手段Cに制御されたパルス電力によって動作するステッピングモータ等の位置決め制御が可能なモータが用いられる。第1移動モータ123は、上部ベース立設部117の右側部上面に設置される(図16または図17参照)。第1移動モータ123は、上部ベース立設部117に上下に貫通形成された通口を介して出力軸を下方に臨ませた状態で設置され、出力軸は、一対の第1回転体121,122に巻き掛けた第1ベルト124のなす環の内側を通って該第1ベルト124の下方に延出している(図14参照)。第1移動モータ123の出力軸は、第1駆動回転体121より左側に位置し、先端部(下端部)に第1移動歯車129が固定されている。上部ベース立設部117の右側部下面には、第1回転体歯車128と第1移動歯車129との間に第1中間歯車130が回転可能に設けられ、第1中間歯車130が第1移動歯車129と第1回転体歯車128との両方に噛み合っている。なお、第1中間歯車130は、第1ベルト124の下側に配置され、第1中間歯車130の回転軸が、一対の第1回転体121,122に巻き掛けた第1ベルト124のなす環の内側を通っている。第1駆動側支持組120Aでは、制御手段Cの制御下に第1移動モータ123が回転駆動すると、第1移動歯車129、第1中間歯車130および第1回転体歯車128を介して第1駆動回転体121が回転されて、これに伴い第1ベルト124が走行する。
【0034】
図4または図8に示すように、第1ベルト124は、直線部が前後に重なると共に上下に貫通する環を形成するように一対の第1回転体121,122に巻き掛けられ、設置板部41の上辺部と上部ベース立設部117の載置片117aで支持される可動ベース部材302との間に配置されている。第1シャフト125は、金属製の丸棒材が用いられ、左右の上部ベース架設部118,118の間に第1ベルト124と平行に架設されている(図14参照)。第1シャフト125は、第1ベルト124の下側でかつ表示開口部40aより上側に位置して(図12参照)、第1ベルト124における前側の直線部と上下方向に重なる関係で配置されている。第1シャフト125は、設置板部41の前面から前側に離間しており、第1シャフト125と設置板部41との間に上部移動支持部126に設けられる上部移動発光体160の上部移動発光基板161に繋がる上部発光配線(図示せず)が通る上部配線収容部119(図8参照)が設けられている。第1シャフト125は、表示開口部40aの上縁より長く設定されて、第1シャフト125が表示開口部40aよりも左右へ延出している。
【0035】
図20(a)に示すように、上部移動支持部126は、第1ベルト124に取り付けられる上部ベルト取着部131と、この上部ベルト取着部131に設けられ、第1移動体110の上端が取り付けられる上部移動体受部132とから構成されている。上部ベルト取着部131には、第1ベルト124を挟持する角孔部131aが上部に設けられると共に、第1シャフト125が挿通される丸孔部131bが下部に設けられている。そして、上部ベルト取着部131は、角孔部131aで挟持固定された第1ベルト124の走行に伴って丸孔部131bに挿通された第1シャフト125に沿って摺動するようになっている。すなわち、上部移動支持部126は、第1シャフト125によって該第1シャフト125の軸線と交差する方向への移動が規制される。また、第1駆動支持組120Aでは、上部移動支持部126に加わる第1移動体110の重量等の負荷を第1シャフト125で受けて、第1ベルト124に対してその走行方向と交差する方向に負荷が加わらないようになっている。ここで、上部ベルト取着部131は、角孔部130aの後側半分を構成する後角溝および丸孔部130bの後側半分を構成する後丸溝を有する上部後半体130cと、角孔部130aの前側半分を構成する前角溝および丸孔部130bの前側半分を構成する前丸溝を有する上部前半体130dとからなり、第1ベルト124および第1シャフト125を対応の溝に嵌め合わせるように前後の半体130c,130dで前後から挟んでいる。ここで、角孔部130aを構成する角溝には、複数の凸条が第1ベルト124に当接するように設けられ、凸条が第1ベルト124の歯に噛み合うことで、上部移動支持部126が第1ベルト124の走行方向にズレないように固定される。
【0036】
図20(a)に示すように、上部移動体受部132は、上部ベルト取着部131の下部に後側にずらして設けられ、上部ベルト取着部131より下方へ延出している。上部移動体受部132は、表示開口部40aの上縁より上方に延出した第1移動体110の上端部が前面に取り付けられている(図12参照)。上部移動支持部126には、上部ベルト取着部131の後面と上部移動体受部132の前面との間に挟まれて、上部移動発光体160が下面に実装された上部移動発光基板161が配設され、この上部移動発光体160が上部移動体受部132の前面に取り付けられた第1移動体110の上端面の上方に対向配置されている(図20(a)参照)。上部移動支持部126は、表示開口部40aの上側に配置され、第1シャフト125に支持されたもとで所定の姿勢を保ったまま、第1ベルト124の走行に伴って表示開口部40aの上側に位置する上辺部を左右方向に移動される。
【0037】
図14に示すように、第1張架手段127は、上部ベース部材116における上部ベース立設部117の左側部下面に対して、左右方向(一対の第1回転体121,122が互いに接離する方向)に所定範囲で移動可能に保持された第1進退ブロック133と、この第1進退ブロック133の右側に離間して、上部ベース立設部117の左側部下面に固定された第1固定ブロック134と、第1進退ブロック133と第1固定ブロック134との間に設けられた第1弾性部材135とから構成されている。第1進退ブロック133の下面には、第1従動回転体122が回転可能に設けられ、第1進退ブロック133の左右方向の移動につれて第1従動回転体122が左右方向(第1駆動回転体121に対して進退する方向)に移動するようになっている。第1弾性部材135は、第1進退ブロック133を第1固定ブロック134から離間するように弾力的に付勢するコイルスプリングが用いられている。第1弾性部材135は、第1進退ブロック133に第1固定ブロック134に向けて突設されたピンにコイルを嵌め合わせると共に、第1固定ブロック134に第1進退ブロック133に向けて突設されたピンを嵌め合わせて取り付けられている。このように、第1張架手段127は、第1従動回転体122を第1駆動回転体121から離間するように弾力的に付勢することで、第1ベルト124が一対の第1回転体121,122間で引っ張られるように常にテンションをかけるようになっている。
【0038】
前記上部移動支持部126と共に移動する上部移動発光基板161に繋がる上部発光配線(図示せず)は、帯状のフラットケーブルが用いられている。上部移動支持部126の後側から延出する上部発光配線は、右方に凸となるよう湾曲させた状態で前側に開口する溝状に形成された上部配線収容部119に収容される。上部配線収容部119は、上部移動支持部126の移動方向に沿って設けられ、上部移動発光基板161の移動に伴って湾曲部分が変位する上部発光配線を保持して、該配線における他の部材への干渉を防止している。
【0039】
(第1従動側支持組)
図14〜図16に示すように、第1従動側支持組120Bは、左右方向に延在する下部ガイド(ガイド)144と、この下部ガイド144に移動可能に支持された第1下部支持部(支持部)146とから構成されている。下部ガイド144は、設置板部41における表示開口部40aの下方に設けられた下部区画壁44の前端部に設けられ(図4参照)、設置板部41の前面から離間配置されている。下部ガイド144は、下部区画壁44よりも上方に突出するように配設されている。なお、下部区画壁44は、設置板部41の前面に前方に立ち上がるように形成され、表示開口部40aの下縁と平行して左右方向に延在している。下部ガイド144は、前後に対向する壁片を下部で繋いだ上方に開口する断面「コ」字形状に形成されている。下部ガイド144は、上部移動支持部126の移動範囲に応じて表示開口部40aの下縁より長く設定されて、下部ガイド144が表示開口部40aよりも左右へ延出している。なお下部ガイド144は、後側の壁片が前側の壁片よりも上方へ突出している。
【0040】
図20(a)に示すように、下部移動支持部146は、該下部移動支持部146の後側を構成する下部後半体146aと、下部後半体146aの前側に取り付けられ、該下部移動支持部146の前側を構成する下部前半体146bとから構成される。下部移動支持部146は、下部後半体146aと下部前半体146bとの間に下部ガイド144における後側の壁片を挟むと共に、下部前半体146bが下部ガイド144における後側の壁片と前側の壁片との間に挟まれるようになっている(図16参照)。下部前半体146bには、表示開口部40aの下縁より下方に延出する第1移動体110の下端部が後面に取り付けられている。下部移動支持部146には、下部後半体146aの前面と下部前半体146bの後面との間に挟まれて、下部移動発光体164が上面に実装された下部移動発光基板165が配設され、この下部移動発光体164が下部前半体146bの上部後面に取り付けられた第1移動体110の下端面の下方に対向配置されている(図20(a)参照)。下部移動支持部146は、下部ガイド144と前後方向に引っ掛かることで、前後方向の移動が規制される一方、第1駆動側支持組120Aによって移動される第1移動体110の左右方向の移動につれて下部ガイド144に沿って移動し得るよう構成される。そして、下部移動支持部146は、表示開口部40aの下縁より下側に配置され、下部ガイド114に係合したもとで所定の姿勢を保ったまま、第1移動体110の移動に伴って表示開口部40aの下側の領域を左右方向に移動される。なお、下部移動支持部146の下部前半体146bは、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の摺動特性に優れた合成樹脂から形成されて、下部ガイド144と下部移動支持部146との間の摺動負荷が軽減されている。
【0041】
前記下部移動支持部146と共に移動する下部移動発光基板165に繋がる下部発光配線(図示せず)は、帯状のフラットケーブルが用いられている。下部移動支持部146の後側から延出する下部発光配線は、右方に凸となるよう湾曲させた状態で設置板部41の下辺部と下部ガイド144との間に設けられた下部配線収容部147(図4参照)に収容される。下部配線収容部147は、下部移動支持部146の移動方向に沿って設けられ、下部移動発光基板165の移動に伴って湾曲部分が変位する下部発光配線を保持して、該配線における他の部材への干渉を防止している。
【0042】
(第1移動位置検知手段)
前記第1移動機構120は、第1移動体110の基準位置を検知する第1移動位置検知手段170,172を備えている(図16参照)。第1移動位置検知手段は、上部ベース立設部117の右側部下面に設けられ、第1移動歯車129の前側に位置する第1移動フォトセンサ170と、上部移動支持部126における上部ベルト取着部131の前面に、前方に突出形成された第1移動検知片172とから構成されている。第1移動機構120では、表示開口部40aの右側方に位置する第1移動体110の基準位置において、第1移動検知片172が、第1移動フォトセンサ170の投光部と受光部との間に臨み(図14の2点鎖線参照)、第1移動フォトセンサ170によって第1移動検知片172が検知される。一方、第1移動体110が基準位置から移動すると、第1移動検知片172が第1移動フォトセンサ170の投光部と受光部との間から外れ(図14の実線参照)、第1移動フォトセンサ170が第1移動検知片172の非検知状態となる。なお、制御手段Cは、第1移動フォトセンサ170の検知信号を受けて、第1移動モータ123の停止等の所定の制御を行う。
【0043】
(第2移動演出装置)
第2移動演出装置200について具体的に説明する。図18に示すように、第2移動演出装置200は、表示部13aの前側を上下方向に移動される第2移動体210と、この第2移動体210を移動させる第2移動機構220とを備えている。第2移動機構220は、表示部13aの前側に左右に架け渡された第2移動体210の左端を、設置板部41の左側辺部に配設された第2駆動側支持組220Aで支持し、第2移動体210の右端を、設置板部41の右側辺部に設けられた第2従動側支持組220Bで支持するよう構成される。第2移動演出装置200は、第2移動体210が表示開口部40aから下方(設置板部41の下辺部)に外れた基準位置(図12、図14および図15の2点鎖線参照)において、設置板部41の下辺部において第1移動演出装置100の第1従動側支持組120Bの前側に設けられた下部発光装置48(図11参照)の後側に隠れるよう構成される(図2参照)。また、第2移動演出装置200は、第2移動体210が表示部13aの前側を通過して設置板部41の上辺部まで第2移動機構220によって移動されるよう構成され、該上辺部に位置した第2移動体210が該上辺部に設けられた可動演出装置300の後側に隠れるようになっている。
【0044】
(左部ベース部材)
前記第2駆動側支持組220Aの構成部材は、設置板部41の左側辺部に設置された左部ベース部材(補強部材)202に設けられ(図12または図18参照)、左部ベース部材116を介して設置板部41に着脱し得る1つのユニットとして取り扱い可能になっている。左部ベース部材202は、剛性を有する金属製の板材であり、設置板部41の前面に沿って板面が延在する左部ベース本体部203と、この左部ベース本体部203の上下の端部に前方に延出するように折り曲げ形成された一対の左部ベース架設部204,204とを備えている(図14または図18参照)。左部ベース部材202は、左部ベース本体部203が表示開口部40aの左縁に沿って延在するように、該左部ベース本体部203を設置板部41の前面に突き当てて取り付けられる。また、左部ベース部材202は、左部ベース本体部203が表示開口部40aの左縁より長く設定されて、左部ベース本体部203が表示開口部40aよりも上下へ延出している(図12参照)。
【0045】
(第2駆動側支持組)
図18に示すように、第2駆動側支持組220Aは、左部ベース部材202に対して回転可能に支持された一対の第2左部回転体(回転体)221,222と、左部ベース部材202に設けられ、一方(実施例では下側)の第2左部回転体221を回転駆動する第2移動モータ(移動モータ)223と、一対の第2左部回転体221,222に巻き掛けられた第2左部ベルト(ベルト)224と、この第2左部ベルト224に沿って延在するように設けられた第2シャフト(シャフト)225とを有している。また、第2駆動側支持組220Aは、第2シャフト225に移動可能に支持されると共に第2左部ベルト224に接続され、第2移動体210の左端を支持して第2左部ベルト224の走行に伴って移動される左部移動支持部(支持部)226と、第2左部ベルト224を張るように付勢する第2左部張架手段227とを有している。第2左部ベルト224は、歯付きベルトが用いられ、これに対応して第2左部回転体221,222は、周面が両側縁より凹むように形成されると共に周面に歯が設けられた歯付きプーリが用いられている。一対の第2左部回転体221,222は、左部ベース部材202における左部ベース本体部203の下部と、左部ベース本体部203の上部とに上下に離間して配置されている。なお、下側に配置された第2左部回転体(特に区別する場合は第2左部駆動回転体という)221は、設置板部41において表示開口部40aよりも下側に位置し、上側に配置された第2左部回転体(特に区別する場合は第2左部従動回転体という)222は、表示開口部40aよりも上側に位置している(図12参照)。第2左部従動回転体222は、後述する連結シャフト256の左端に固定されている。第2左部従動回転体222は、回転軸を左右方向に延在させて左ベース本体部203の左側縁に前方へ向けて立設された回転体取付片203aの右側に回転可能に設けられている。また、第2左部駆動回転体221の右端面には、第2左部回転体歯車228が一体形成されている(図18参照)。
【0046】
前記第2移動モータ223は、制御手段Cに制御されたパルス電力によって動作するステッピングモータ等の位置決め制御が可能なモータが用いられる。第2移動モータ223は、左部ベース本体部203の下部に前方に延出するよう設けられた左部設置片205の右面に設置される(図16または図18参照)。第2移動モータ223は、出力軸を左方へ向けた姿勢で設置され、該出力軸の先端部(左端部)に第2移動歯車229が固定されている。そして、第2移動歯車229は、第2左部回転体歯車228に噛み合っている。第2駆動側支持組220Aでは、制御手段Cの制御下に第2移動モータ223が回転駆動すると、第2移動歯車229および第2左部回転体歯車128を介して第2左部駆動回転体221が回転されて、これに伴い第2左部ベルト224が走行する。
【0047】
図18に示すように、第2左部ベルト224は、直線部が前後に重なると共に左右に貫通する環を形成するように一対の第2左部回転体221,222に巻き掛けられ、設置板部41の左側辺部と該左側辺部前側に設けられる後述する左部作動ユニット402Bとの間に配置されている。第2シャフト225は、金属製の丸棒材が用いられ、上下の左部ベース架設部204,204の間に第2左部ベルト224と平行に架設されている(図14参照)。第2シャフト225は、第2左部ベルト224の右側でかつ表示開口部40aより左側に位置して(図12参照)、第2左部ベルト224における前側の直線部と上下方向に重なる関係で配置されている。第1シャフト225は、設置板部41の前面から前側に離間している。第2シャフト225は、表示開口部40aの左縁より長く設定されて、第2シャフト225が表示開口部40aよりも上下へ延出している。
【0048】
図20(b)に示すように、左部移動支持部226は、左側部に設けられ、第2左部ベルト224を挟持する角孔部226aと、右側部に設けられ、第2シャフト225が挿通される丸孔部226bとを備えている。左部移動支持部226は、丸孔部226bの後側半分を構成する後丸溝を有する左部後半体230と、丸孔部226bの前側半分を構成する前丸溝を有する左部前半体231とからなり、第2シャフト225を対応の溝に嵌め合わせて前後の半体230,231で前後から挟んでいる。また、左部前半体231の左側部前面には、左部ベルト取着カバー232が取り付けられ、左部前半体231と左部ベルト取着カバー232との間に画成される角孔部226aで第2左部ベルト224を挟持している。ここで、角孔部226aを構成する角溝には、複数の凸条が第2左部ベルト224に当接するように設けられ、凸条が第2左部ベルト224の歯に噛み合うことで、左部移動支持部226が第2左部ベルト224の走行方向にズレないように固定される。そして、左部移動支持部226は、角孔部226aで挟持固定された第2左部ベルト224の走行に伴って丸孔部226bに挿通された第2シャフト225に沿って摺動するようになっている。すなわち、左部移動支持部226は、第2シャフト225によって該第2シャフト225の軸線と交差する方向への移動が規制される。また、第2駆動支持組220Aでは、左部移動支持部226に加わる第2移動体210の重量等の負荷を第2シャフト225で受けて、第2左部ベルト224に対してその走行方向と交差する方向に負荷が加わらないようになっている。
【0049】
図20(b)に示すように、上部移動支持部226は、左部後半体230の右側部が左部前半体231より後方へ離間するよう形成することで、第2移動体210の左端部が取り付けられる左部移動体受部230aが設けられている。左部移動体受部230aには、表示開口部40aの左縁より左方に延出した第2移動体210の左端部が前面に取り付けられている。また、左部移動支持部226には、左部移動体受部230aと左部前半体231の後面との間に挟まれて、左部移動発光体260が右面に実装された左部移動発光基板261が配設され、この左部移動発光体260が左部移動体受部230aの前面に取り付けられた第2移動体210の左端面の左方に対向配置されている(図20(b)参照)。左部移動支持部226は、表示開口部40aの左側に配置され、第2シャフト225に支持されたもとで所定の姿勢を保ったまま、第2左部ベルト224の走行に伴って表示開口部40aの左側に位置する左側辺部を上下方向に移動される。
【0050】
図14または図18に示すように、第2張架手段227は、左部ベース部材202における上側の回転体取付片203aに対して、上下方向(一対の第2左部回転体221,222が互いに接離する方向)に所定範囲で移動可能に保持された第2左部進退ブロック233と、この第2左部進退ブロック233の下側に離間して、左部ベース本体部203の前面に固定された第2左部固定ブロック234と、第2左部進退ブロック233と第2左部固定ブロック234との間に設けられた第2左部弾性部材235とから構成されている。第2左部進退ブロック233の右面には、第2左部従動回転体222が回転可能に設けられ、第2左部進退ブロック233の上下方向の移動につれて第2左部従動回転体222が上下方向(第2左部駆動回転体221に対して進退する方向)に移動するようになっている。第2左部弾性部材235は、第2左部進退ブロック233を第2左部固定ブロック234から離間するように弾力的に付勢するコイルスプリングが用いられている。第2左部弾性部材235は、第2左部進退ブロック233に第2左部固定ブロック234に向けて突設されたピンにコイルを嵌め合わせると共に、第2左部固定ブロック234に第2左部進退ブロック233に向けて突設されたピンをコイルに嵌め合わせて取り付けられている。このように、第2左部張架手段227は、第2左部従動回転体222を第2左部駆動回転体221から離間するように弾力的に付勢することで、第2左部ベルト224が一対の第2左部回転体221,222間で引っ張られるように常にテンションをかけるようになっている。
【0051】
前記左部移動支持部226と共に移動する左部移動発光基板261に繋がる左部発光配線(図示せず)は、帯状のフラットケーブルが用いられている。左部移動支持部226の後側から延出する左部発光配線は、下方に凸となるよう湾曲させた状態で設置板部41の左側辺部と左部作動ユニット402Bの間に収容される。
【0052】
(右部ベース部材)
前記第2従動側支持組220Bの構成部材は、設置板部41の右側辺部に設置された右部ベース部材(補強部材)216に設けられ(図12または図18参照)、右部ベース部材216を介して設置板部41に着脱し得る1つのユニットとして取り扱い可能になっている。右部ベース部材216は、剛性を有する金属製の板材であり、設置板部41の前面に沿って板面が延在するよう形成されている(図14または図18参照)。右部ベース部材216は、表示開口部40aの右縁に沿って延在するように、設置板部41の前面に突き当てて取り付けられる。また、右部ベース部材216は、表示開口部40aの右縁より長く設定されて、右部ベース部材216が表示開口部40aよりも上下へ延出している(図12参照)。
【0053】
(第2従動側支持組)
図18に示すように、第2従動側支持組220Bは、右部ベース部材216に対して回転可能に支持された一対の第2右部回転体(回転体)241,242と、一対の第2右部回転体241,242に巻き掛けられた第2右部ベルト(ベルト)244とを有している。また、第2従動側支持組220Bは、第2右部ベルト244に接続されて、第2移動体210の右端を支持して第2右部ベルト244の走行に伴って移動される右部移動支持部(支持部)246と、第2右部ベルト244を張るように付勢する第2右部張架手段247とを有している。第2右部ベルト244は、歯付きベルトが用いられ、これに対応して第2右部回転体241,242は、周面が両側縁より凹むように形成されると共に周面に歯が設けられた歯付きプーリが用いられている。一対の第2右部回転体241,242は、右部ベース部材216の下部と上部とに上下に離間して配置されている。なお、下側に配置された第2右部回転体(特に区別する場合は第2右左部駆動回転体という)241は、設置板部41において表示開口部40aよりも下側に位置し、上側に配置された第2右部回転体(特に区別する場合は第2右部従動回転体という)242は、表示開口部40aよりも上側に位置している(図12参照)。第2右部従動回転体241は、後述する連結シャフト256の右端に固定されている。第2右部従動回転体242は、回転軸を左右方向に延在させて左ベース本体部203の左側縁に前方へ向けて立設された回転体取付片203aの左側に回転可能に設けられている。また、第2右部駆動回転体241の左端面には、第2右部回転体歯車248が一体形成されている(図18参照)。
【0054】
図18に示すように、第2右部ベルト244は、直線部が前後に重なると共に左右に貫通する環を形成するように一対の第1右部回転体241,242に巻き掛けられ、設置板部41の右側辺部と該右側辺部前側に設けられる後述する右部作動ユニット402Aとの間に配置されている。
【0055】
図20(b)に示すように、右部移動支持部246は、第2右部ベルト244に取り付けられる右部ベルト取着部249と、この右部ベルト取着部249に設けられ、第2移動体の右端が取り付けられる右部移動体受部250とから構成されている。右部ベルト取着部249には、第2右部ベルト244を挟持する角孔部131aが右側部に設けられている。右部ベルト取着部249は、角孔部246aの後側半分を構成する後角溝を有する右部後半体249aと、角孔部246aの前側半分を構成する前角溝を有する右部前半体249bとからなり、第2右部ベルト244を角溝に嵌め合わせて前後の半体249a,249bで前後から挟んでいる。ここで、角孔部246aを構成する角溝には、複数の凸条が第2右部ベルト244に当接するように設けられ、凸条が第2右部ベルト244の歯に噛み合うことで、右部移動支持部246が第2右部ベルト244の走行方向にズレないように固定される。
【0056】
図20(b)に示すように、右部移動体受部250は、右部ベルト取着部249の後側に設けられ、右部ベルト取着部249より左方へ延出している。右部移動体受部250は、表示開口部40aの右縁より右方に延出した第2移動体210の右端部が前面に取り付けられている(図12参照)。右部移動支持部246には、右部ベルト取着部249と右部移動体受部250との間に挟まれて、右部移動発光体264が左面に実装された右部移動発光基板265が配設され、この右部移動発光体264が右部移動体受部250の前面に取り付けられた第2移動体210の右端面の右方に対向配置されている(図20(b)参照)。右部移動支持部246は、表示開口部40aの右側に配置され、第2右部ベルト244の走行に伴って表示開口部40aの右側に位置する設置板部41の右側辺部前側を上下方向に移動される。
【0057】
図14または図18に示すように、第2右部張架手段247は、右部ベース部材216における上側の回転体取付片216aに対して、上下方向(一対の第2右部回転体241,242が互いに接離する方向)に所定範囲で移動可能に保持された第2右部進退ブロック253と、この第2右部進退ブロック253の下側に離間して、右部ベース部材216の前面に固定された第2右部固定ブロック254と、第2右部進退ブロック253と第2右部固定ブロック254との間に設けられた第2右部弾性部材255とから構成されている。第2右部進退ブロック253の左面には、第2右部従動回転体242が回転可能に設けられ、第2右部進退ブロック253の上下方向の移動につれて第2右部従動回転体242が上下方向(第2右部駆動回転体241に対して進退する方向)に移動するようになっている。第2右部弾性部材255は、第2右部進退ブロック253を第2右部固定ブロック254から離間するように弾力的に付勢するコイルスプリングが用いられている。第2右部弾性部材255は、第2右部進退ブロック253に第2右部固定ブロック254に向けて突設されたピンにコイルを嵌め合わせると共に、第2右部固定ブロック254に第2右部進退ブロック253に向けて突設されたピンをコイルに嵌め合わせて取り付けられている。このように、第2右部張架手段247は、第2右部従動回転体242を第2右部駆動回転体241から離間するように弾力的に付勢することで、第2右部ベルト244が一対の第2右部回転体241,242間で引っ張られるように常にテンションをかけるようになっている。
【0058】
図12に示すように、第2移動機構220は、第2駆動側支持組220Aの下側に配置された第2左部駆動回転体221と第2従動側支持組220Bの下側に配置された第2右部駆動回転体241とを繋ぐ連結シャフト256を備えている。連結シャフト256は、剛性を有する金属製の棒状体であって、第2左部駆動回転体221および第2右部駆動回転体241と同軸的に接続されている。連結シャフト256は、下部区画壁44の下側において左右方向に離間して設置板部41の前面に設けられた一対のシャフト保持部257,257によって回転可能に支持されている。連結シャフト256は、第2駆動側支持組220Aの第2左部駆動回転体221が第2移動モータ223によって回転されるのに伴って軸周りに回転し、これにより第2従動側支持組220Bの第2右部駆動回転体241が回転される。すなわち、第2従動側支持組220Bでは、第2右部ベルト244および右部移動支持部246が、第2駆動側支持組220Aの第2左ベルト224および左部移動支持部226と同期して移動される。連結シャフト256は、設置板部41の前側において表示開口部40aの下縁と平行するよう設けられて、表示開口部40aよりも左右に延出するようになっている。そして、連結シャフト256は、設置部材40における表示開口部40aの下側を補強する補強部材として機能するよう構成されている。
【0059】
前記右部移動支持部246と共に移動する右部移動発光基板265に繋がる右部発光配線(図示せず)は、帯状のフラットケーブルが用いられている。右部移動支持部246の後側から延出する右部発光配線は、下方に凸となるよう湾曲させた状態で設置板部41の右側辺部と右部作動ユニット402Aの間に収容される。
【0060】
(第2移動位置検知手段)
第2移動機構220は、第2移動体210の基準位置を検知する第2移動位置検知手段270,272を備えている(図16参照)。第2移動位置検知手段は、下部区画壁44の左側面に設けられた第2移動フォトセンサ270と、左部移動支持部226から下方へ突出形成された第2移動検知片272とから構成されている。第2移動機構220では、表示開口部40aの下方に位置する第2移動体210の基準位置において、第2移動検知片272が、第2移動フォトセンサ270の投光部と受光部との間に臨み(図14の2点鎖線参照)、第2移動フォトセンサ270によって第2移動検知片272が検知される。一方、第2移動体210が基準位置から移動すると、第2移動検知片272が第2移動フォトセンサ270の投光部と受光部との間から外れ(図14の実線参照)、第2移動フォトセンサ270が第2移動検知片272の非検知状態となる。なお、制御手段Cは、第2移動フォトセンサ270の検知信号を受けて、第2移動モータ223の停止等の所定の制御を行う。
【0061】
(可動演出装置)
図1または図2示すように、可動演出装置300は、窓口28aを介して遊技盤20の前側に臨むように配設されて、所定の動作を行う可動体(第2の装飾体)310と、この可動体310を動作させる駆動手段350(図23参照)とを備えている。図11に示すように、可動演出装置300は、第1移動演出装置100における上部ベース部材116の載置片117aの前側に設置された可動ベース部材(補強部材)302に、可動体310および駆動手段350が配設される(図21または図22参照)。可動演出装置300は、可動体310が表示部13aの上側に位置するように窓口28aの内側上部に配置され、可動体310がその場所(定位置)で動作するようになっている。なお、可動体310のその場所(定位置)での動作とは、可動体310が遊技盤20の盤面に沿う方向へ位置を変えることなく、可動体310が固定された支持軸320の軸周りに回転したり、可動体310が前後方向に進退移動したりすることをいい、実施例では可動体310が可動ベース部材302側に設けられた支持軸320の軸周りに回転するよう構成されている。
【0062】
(可動ベース部材)
前記可動ベース部材302は、剛性を有する金属製の板材であり、上部ベース部材116の前端に設けられた載置片117aで支持されて、設置板部41の上辺部から前側に離間して配設されている(図4または図8参照)。可動ベース部材302は、略矩形状の板面を設置板部41と平行にした状態で載置片117aで支持される可動ベース本体部303と、この可動ベース本体部303の両端下部を前方に折り曲げた可動ベース延出部304,304とを有している。なお、可動ベース本体部303は、左右方向に長手が延在している。
【0063】
図2または図3に示すように、可動ベース本体部303の前面には、可動装飾部306が設置されており、窓口28aの内側において該可動装飾部306によって可動体310の上側と上部枠体装飾部29との間を埋めている。可動装飾部306は、上部枠体装飾部29および可動体310の第4表示面315に施された意匠に合わせて、その前面の意匠が構成され、上部枠体装飾部29の意匠と可動装飾部306の意匠とが繋がるようになっている。また、可動体310が第4表示面315を遊技盤20の前側に臨ませた際に、第4表示面315の意匠と可動装飾部306の意匠とが繋がるようになっている。すなわち、可動装飾部306は、第4表示面315を前側に臨ませた可動体310や、枠体装飾部29,30,31が繋がって構成される後述する意匠体の一部となる(図3参照)。可動装飾部306は、前面が上端から下端に向かうにつれて後方へ傾くように形成されている。また、可動装飾部306は、光を透過可能とされると共に、光を拡散し得るよう構成される。左右の可動ベース延出部304,304の内側面には、可動体310の支持軸320を着脱可能に保持する軸保持部362,366を備えた軸保持部材360,364が夫々設けられると共に、右側の可動ベース延出部304に駆動手段350が設置されている。
【0064】
(可動体)
図23に示すように、可動体310は、可動ベース部材302に設けられた軸保持部362,366に保持された支持軸320と、光を透過可能な透過部を有する表示面312,314,316,318が設けられた筒状に形成され、支持軸320に対して回転可能に支持された演出体330とを備えており、可動ベース部材302に設置された駆動手段350によって演出体330が回転される。なお、可動体310の支持軸320は、可動ベース部材302に対して回転不能に軸保持部362,364で保持されて、支持軸320自体が回転等の変位を行わない。また、可動体310は、支持軸320に設けられて演出体330の内部に配置された照明手段340を備え、制御手段Cの制御下に照明手段340の照明体341から照射した光によって、該照明体341の前側に位置した表示面312,313,314,315を照明し得るようになっている(図8または図22参照)。また、可動体310は、演出体330の内外を挿通するように支持軸320に設けられ、照明手段340に接続されて可動ベース部材302側に取り回される照明手段配線(配線)Hsが挿通される配線通路344を備えている(図22参照)。ここで、可動演出装置300は、可動体310の演出体330が遊技盤20の盤面と平行に回転軸線が延在するよう支持軸320に支持されると共に、該演出体330の周回りに複数の表示面312,313,314,315が設けられ、駆動手段350によって演出体330が回転されることで、遊技盤20の前側に臨む表示面312,313,314,315を切り替えるようになっている。そして、可動演出装置300は、照明手段340の照明体341から前方に向けて光を照射して、遊技盤20の前側に臨んだ演出体330の表示面312,313,314,315を照らすよう構成される。
【0065】
前記可動体310は、演出体330の両方の端面から支持軸320が突出しており(図23参照)、これらの支持軸320が対応する側の可動ベース延出部304に設けられた軸保持部362,366に保持されることで、可動体310が左右の可動ベース延出部304,304の間に両持ち支持される(図22参照)。支持軸320は、演出体330の内部に配置されて照明手段340を収容保持する照明手段収容体(収容体)322と一体形成されて、演出体330の端面を構成する端面板部331に貫通形成された支持軸通口332を介して演出体330の内部から外方へ突き出ている(図22参照)。支持軸320における演出体330の外方に臨む外端部には、軸保持部362,366に保持される嵌込部321が設けられている。図25(b)および(c)に示すように、嵌込部321は、支持軸320の軸線の延在方向に突出形成された板状片を、前側を開放した「コ」字形状に延在するよう連ねて構成される。
【0066】
図24に示すように、演出体330は、長方形状に形成された4枚の表示板部335で周面を組み合わせて遊技盤20の前面に臨む周面が構成されると共に、4枚の表示板部335の側端面に正方形状の端面板部331が組み付けられて端面が塞がれている。すなわち、実施例の演出体330は、断面正方形の角筒部分で4面の表示面312,313,314,315からなる周面が構成されて、角筒部分の端面が塞がれて全体として中空の六面体となっている。各表示板部335は、演出体330となった際に内側に臨む面の側縁部に突出形成された板部取付片335aを備え、各板部取付片335aの角部にネジ孔335bが形成されると共に各板部取付片335aにおけるネジ孔335bの内側に支持軸320の軸線方向外側へ突出形成された取付ピン335cが形成されている。演出体330は、表示板部335の取付ピン335cを端面板部331に形成された対応の取付孔331aに嵌合すると共に、隣り合う表示板部335における板部取付片335aのネジ孔335bを重ね合わせて、重ねたネジ孔335bにネジN(図21(e)参照)を端面板部331の外側から螺合することで、4枚の表示板部335および端面板部331を互いに組み付けている。このように、演出体330は、端面板部331と表示板部335とを組み付けることで、4枚の表示板部335が端面板部331を介して位置決めされる。
【0067】
前記表示面312,313,314,315を構成する表示板部335は、光を透過可能な透過部を有しており、表示面312,313,314,315に設けられた光を透過しないめっき部分等による所要の模様と透過部とによって、表示面312,313,314,315に所定の意匠が形成されている。演出体330は、4つの表示面312,313,314,315が異なる態様の意匠で構成されており(図21(a)〜(d)参照)、可動体310は、演出体330を回転して前側に臨ませる表示面312,313,314,315を切り替えることで、異なる意匠が遊技盤20の前側に臨むようになっている。
【0068】
前記可動体310は、演出体330における少なくとも1つの表示面(実施例では全ての表示面)312,313,314,315の意匠の全部または一部が、演出手段としての照明手段340によって演出態様を変化し得る演出部316によって構成されている。実施例の可動体310は、透過部とこの透過部の所要領域を縁取る模様によって形成された文字形状で構成された演出部316と、透過部に形成された凹凸模様によって構成された演出部316とを備え、第1〜第3表示面312,313,314において左右方向に並ぶ演出部316によって複数の文字が表現されている。図21(b)に示すように、第1表示面312には、パチンコ機10におけるメインのモチーフを表す5文字のアルファベットの夫々を形成するように5つの演出部316が左右方向に一列に並べて設けられている。図21(c)に示すように、第2表示面313には、パチンコ機10においてメインのモチーフの敵方を表す5文字のアルファベットの夫々を形成するように5つの演出部316が左右方向に一列に並べて設けられている。図21(a)に示すように、第3表示面314には、パチンコ機10において遊技状態または演出内容を示す4文字のアルファベットの夫々を形成するように4つの演出部316が左右方向に一列に並べて設けられている。図21(d)に示すように、第4表示面315には、可動体310の周辺に配置された装飾部29,306や作動部410,410の意匠と繋がって(図3参照)、一つの意匠体を構成する意匠(特に区別する場合は表示面意匠という)を形成するように1つの演出部316が設けられている。なお、演出部316を構成する透過部には、光拡散処理が施されて照明体341から照射された光を拡散し得ると共に、当該光拡散処理によって外側から照明手段340を視認できないようになっている。
【0069】
図8または図22に示すように、照明手段340は、支持軸320に設けられて演出体330の内側に配置された照明手段収容体322に設置されている。可動体310では、動作ベース部材302との位置関係が変化しない支持軸320側に照明手段340が設けられて、照明手段340における照明体341の光の照射方向が前方へ固定されると共に、照明手段340と支持軸320(動作ベース部材302側)との位置関係が変わらないようになっている。照明手段340は、照明基板342とこの照明基板342の前面に実装され、LEDからなる照明体341とを備え(図24参照)、照明手段収容体322に設置された照明手段340が、照明体341から前方(一方向)に向けて光を照射し得るようになっている。照明手段340は、演出体330の回転動作により照明体341の光照射方向前側に位置する表示面312,313,314,315に設けられた演出部316の夫々を発光し得るように、照明体341が照明基板342の前面に複数配置されている(図25(d)参照)。照明手段340は、制御手段Cによって、前側に位置した表示面312,313,314,315における演出部316の後側に対応する照明体341が発光制御されて、演出部316毎に発光したり、全部または所定数の演出部316を発光し得るよう構成される。
【0070】
図25に示すように、照明手段収容体322は、左右の支持軸320の間に設けられた照明手段設置部323と、この照明手段設置部323の前側に取り付けられ、照明手段340の照明体341の光照射方向前側を覆う照明手段被覆部(被覆部)324とから構成されている。照明手段設置部323は、底部分が円弧状に形成された皿状に形成されて、上下に延在するリブが左右方向に所定間隔で設けられている(図24参照)。照明手段被覆部324は、底部分が照明手段設置部323よりも浅い円弧状に形成された皿状に形成されて、後方へ突出形成された収容体ボス324a(図8参照)を照明手段340の照明基板342に開設されたボス孔に挿通して、該収容体ボス324aを介して照明手段設置部323にネジ止めされる。そして、照明手段収容体322では、照明手段設置部323および照明手段被覆部324の上縁および下縁の間に、照明基板342の上縁および下縁が前後に挟まれて固定されている(図25(b)および(c)参照)。照明手段収容体322は、少なくとも照明手段被覆部324が光を透過可能に構成され、実施例では照明手段収容体322全体が透明な合成樹脂で構成されている。また、照明手段収容体322は、照明手段被覆部324に光拡散処理を施してもよい。なお、実施例では、円弧状に形成することでレンズとして作用する照明手段被覆部324によって、照明体341から照射された光が拡散される。
【0071】
図22または図24に示すように、可動体310は、演出体330の端面に支持軸320の軸線方向に沿って開口するよう形成された軸収容部333の内側に、支持軸320の外周に回転可能に嵌め合わせたスリーブ336を回転可能に収容して、スリーブ336を介して演出体330の両端が対応の支持軸320で夫々支持される。演出体330の端面を構成する端面板部331には、支持軸通口332を囲んで演出体330の内側に突出形成された円筒状の壁からなる軸収容部333が設けられ、支持軸通口332と軸収容部33の内部空間とが同軸的に形成されている。スリーブ336は、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の摺動特性に優れた合成樹脂から形成された円筒状の部材であって、その内径が支持軸320の外周に合わせて形成されると共に外径が軸収容部333の内側に整合するよう形成されている。可動体310は、スリーブ336を外周に嵌め合わせた支持軸320を支持軸通口332に挿通すると共に、スリーブ336を軸収容部333に収容することで、演出体330の半径方向の移動が規制され、演出体330が支持軸320に対してスリーブ336を介して回転可能に支持される。スリーブ336は、照明手段収容体322の側面とこの側面に対向する端面板部331の内面との間に挟まれて、照明手段収容体322の側面に位置規制されたスリーブ336によって、演出体330における軸方向の移動が規制される。
【0072】
(駆動手段)
図21または図23に示すように、駆動手段350は、右側の可動ベース延出部304の外側面に設置された駆動モータ(可動駆動源)351と、この駆動モータ351の出力軸に固定された第1駆動歯車352と、演出体330に設けられた第2駆動歯車353とから構成されている。駆動モータ351は、制御手段Cに制御されたパルス電力によって動作するステッピングモータ等の位置決め制御が可能なモータが用いられている。駆動モータ351は、右側の可動ベース延出部304に貫通形成された出力軸通口304aを介して該可動ベース延出部304の内側面から出力軸を突出させた状態で設置され、可動体310側に臨む出力軸の先端に第1駆動歯車352が固定されている。動作ベース部材302における可動ベース本体部303の右側部には、前方に延出する位置決め板片305が設けられ(図21(c)参照)、この位置決め板片305が第1駆動歯車352の可動体310側の端面の側方に位置して、第1駆動歯車352の左右方向(可動体310の軸方向)のブレを防いでいる。第2駆動歯車353は、演出体330における右側の端面板部331に、支持軸通口332を囲むように一体的に設けられて、第1駆動歯車352と噛み合っている。駆動手段350は、制御手段Cの制御下に駆動モータ351が回転駆動されると、第1駆動歯車352を介して第2駆動歯車353が回転されるのに伴い、演出体330を支持軸320の軸周りに回転動作させる。可動演出装置300は、駆動モータ351の停止状態にあっては、第1駆動歯車352および第2駆動歯車353を介してかかる駆動モータ351の回転方向の抵抗により、演出体330の停止状態が保持される。
【0073】
(可動演出装置の配線構造)
図22に示すように、可動体310は、演出体330の内部に配置された照明手段340に接続される照明手段配線Hsが挿通される配線通路344が形成された支持軸320を備えている。ここで、可動演出装置300では、駆動手段350が設けられた右側の支持軸320と反対側の左側の支持軸320に配線通路344が設けられている。配線通路344は、左側の支持軸320において演出部330の外側に突出する突出端部に設けられた嵌込部321から、該支持軸320と一体形成されて演出体330の内側に位置する照明手段収容体322の照明手段設置部323の左側部に亘って、該支持軸320の軸方向に延在するよう形成されている。配線通路344は、前方に開口する溝状に形成されており(図23(b)参照)、その開放方向が左側の支持軸320の突出端面に「コ」字状に設けられた嵌込部321の切欠部分の開放方向と同じになっている。配線通路344は、演出体330の内側において照明手段収容体322に収容された照明基板342の後側に開口するように形成され、照明基板342と照明手段設置部323との間の空間に臨むように照明基板342の後面左側部に設けられたソケット342aに配線通路344を通した照明手段配線Hsが接続される。配線通路344は、演出体330の内側において照明手段収容体322の左側面から左側の端面板部331の内面にかけて支持軸320の外周に嵌め合わせたスリーブ336で開口が覆われる。すなわち、配線通路344に挿通された照明手段配線Hsが、スリーブ336によって該配線通路344から半径方向前側へ抜けないないように位置規制される。
【0074】
(支持軸の取付構造)
図21に示すように、可動ベース延出部304の内側面には、軸保持部362,366が設けられた軸保持部材360,364が夫々設置されている。軸保持部362,366は、嵌込部321の外周に合わせて多角形に延在する壁で囲われた凹部であって、可動体310側に開口するよう形成されている。ここで、嵌込部321は、三方の壁および切欠部分を挟む対向する壁の端部を結んだラインが四角形の外周を構成しているので(図25(b)または(c)参照)、これに合わせて軸保持部362,366を構成する凹部が四角形状に形成されている(図24または図26参照)。また、右側の軸保持部362の内側には、嵌込部321の切欠部分に対応する位置に軸係止片362aが突設されている(図26参照)。すなわち、実施例の嵌込部321では、切欠部分が上下に対向する壁の間に形成されているので、軸係止片362aは、軸保持部362の内側において上下方向中央部前側に設けられる。左側の軸保持部366には、左側の支持軸320に設けられた配線通路344に対応して左右方向に貫通する配線通口366aが設けられ、左側の動作ベース延出部304に開設された配線切欠部304aと配線通口366aとが重なり、配線切欠部304aおよび配線通口366aを介して動作ベース延出部304の左側から配線通路344に照明手段配線Hsを挿通可能になっている(図21(e)参照)。支持軸320は、嵌込部321を対応の軸保持部362,366に嵌め合わせることで、嵌込部321の外周が軸保持部362,366の内側に当接して、上下左右方向の移動および回転変位が規制された状態で保持される。特に右側の支持軸320は、嵌込部321を軸保持部362に嵌め合わせることで、嵌込部321の切欠部分に軸係止片362aが嵌まるから、支持軸320の回転変位が軸係止片362aとの係合によっても規制される。
【0075】
(照明手段配線)
前記照明手段配線Hsは、一端が設置板部41の左上角隅部に設置された左上中継基板50(図11参照)に接続され、左側の動作ベース延出部304の配線切欠部304aおよび軸保持部366の配線通口366aを介して、左側の軸保持部366に保持された支持軸320の配線通路344を挿通して、演出体330の内部に配置された照明手段340のソケット342aに他端が接続される。可動体310は、軸保持部362,366や動作ベース延出部304を弾性変形させて、対向する軸保持部362,366間の間隔を広げることで、嵌込部321を軸保持部362,366に対して前側から着脱可能に構成されている。ここで、左側の動作ベース延出部304の配線切欠部304aおよび左側の軸保持部366の配線通口366aは、前側が開口するよう切り欠き形成されているので、可動体310の着脱に伴って、配線切欠部304aおよび配線通口366aに照明手段配線Hsを簡単に通すことができる。なお、配線通口366aは、軸保持部366(配線通路344)の上下の幅より小さく設定されて、照明手段配線Hsの抜け止めが図られている。
【0076】
(可動位置検知手段)
可動演出装置300は、演出体330の原点位置を検知する可動位置検知手段370,372を備えている。可動位置検知手段は、左側の可動ベース延出部304の内側面に設けられた可動フォトセンサ370と、演出体330における左側の端面板部331に可動フォトセンサ370に対向するように設けられた可動検知片372とから構成されている(図23(b)参照)。可動検知片372は、周面の一部が切り欠かれた円筒形状に形成され、可動フォトセンサ370の投光部と受光部との間を通過するように設置されている。なお、可動演出装置300は、演出体330の原点位置で第1表示面312が遊技盤20の前側に臨むように設定されている。
【0077】
(作動演出装置)
図27に示すように、作動演出装置400は、表示開口部40aの右側に移動可能に設けられた第1の装飾体としての右部作動体(作動体)410およびこの右部作動体410を移動させる右部作動手段(作動手段)450を有する右部作動ユニット402Aと、表示開口部40aの左側に移動可能に設けられた第1の装飾体としての左部作動体(作動手段)410およびこの左部作動体410を移動させる左部作動手段(作動手段)450を有する左部作動ユニット402Bとを備えている。作動演出装置400は、左右の作動体410,410が表示開口部40aを挟んで設置板部41における左右の辺部に配置され、左右の作動体410が互いに接離するように進退移動される(図27参照)。すなわち、作動演出装置400は、表示開口部40aを介して前側に臨む表示部13aを左右に挟んで一対の作動体410,410が配設され、一対の作動体410,410が左右方向にスライド移動するよう配設されている。作動演出装置400は、左右の作動体410および対応の作動手段450の構成が、その配置が左右対称であるものの、基本的な構成要素が同じであるので、一方の作動ユニット402A,402Bについて具体的に説明する。なお、左右の作動ユニット402A,402Bにおいて構成要素を区別する場合は、表示開口部40aの右側に位置する右部作動ユニット402Aの構成要素には名称に「右部」を付け、表示開口部40aの左側に位置する左部作動ユニット402Bの構成要素には名称に「左部」を付ける。
【0078】
前記右部作動ユニット402Aは、右部作動体410および右部作動手段450が、設置板部41の右側辺部前面から前方へ離間配置された右部作動ベース部材404に設置されて、右部作動体410が第2移動演出装置200における第2従動側支持組220Bの前側に配置される(図4(b)参照)。また、左部作動ユニット402Bは、左部作動体410および左部作動手段450が、設置板部41の左側辺部前面から前方へ離間配置された左部作動ベース部材404に設置されて、左部作動体410が第2移動演出装置200における第2駆動側支持組220Aの前側に配置される(図4(a)参照)。作動演出装置300では、左右の作動ユニット402A,402Bの夫々が、作動ベース部材404を介して設置板部41に着脱し得る1つのユニットとして取り扱い可能になっている。作動演出装置400は、制御手段Cによる左右の作動手段450,450の制御下に、左右の作動体410,410が同期して動作可能に構成される。すなわち、作動演出装置400は、一対の作動体410,410が表示開口部40aから臨む表示部13aの横側に退避した待機位置(図2、図11および図27(a)参照)から互いに近接するように同期してスライド移動されて、表示部13aの前側を覆う作動位置(図3および図27(c)参照)とされる。また、作動演出装置400は、一対の作動体410,410が作動位置から互いに離間するように同期してスライド移動されて、夫々の待機位置に戻される。
【0079】
(作動ベース部材)
前記作動ベース部材404は、透明な合成樹脂製の板状の部材であって、板面を設置板部41の側辺部前面と平行させた状態で、設置板部41の前面に立設された下部区画壁44やボス(図示せず)や周壁部42等によって設置板部41から離間させて支持されている。作動ベース部材404と設置板部41との間には、内方(表示開口部40a側)が開放した収容空間が画成され、この収容空間に第2移動機構220の前述した支持組220A,220Bが設置され、当該支持組220A,220Bに支持された第2移動体210の端部が収容空間を通過すると共に、収容空間に第1移動体110を収容し得るようになっている。
【0080】
(作動体)
図3または図11に示すように、作動体410は、設置板部41の側辺部前側に重なって表示開口部40aから臨む表示部13aの側方(周辺)に位置する待機位置および表示部13aの前側に重なる作動位置の間でスライド移動可能に支持されている。作動体410は、待機位置において遊技盤20または枠状装飾体28の後側に部分的または全部が隠されている(図2参照)。左部作動体410は、待機位置において枠状装飾体28および遊技盤20の後側に大部分が隠れて、遊技盤20の前側から判別し難くなっている。これに対して、右部作動体410は、待機位置において、右部作動ベース部材404の右縁前側に該右部作動ベース部材410の前面から離間するように設けられた作動体装飾部407の後側に右側部が隠される。作動体410は、作動位置において遊技盤20または枠状装飾体28(右部作動体410であれば作動体装飾部407も含む)の後側から表示部13aの前側に進出して、該作動体410における遊技盤20の前側から視認可能な領域が広がるよう構成されている。一方、表示部13aは、待機位置から作動位置に作動体410が向けうにつれて、作動体410によって隠される領域が大きくなって遊技盤20の前側から視認可能な領域が狭くなる(図3参照)。
【0081】
図4または図27に示すように、作動体410は、前後に重ねて設けられた複数の作動分体412,422から構成され、待機位置と作動位置との間の動作につれて前後の作動分体412,422が重なったり(図27(a)参照)、互いにずれたり(図27(c)参照)するよう構成されている。実施例の作動体410は、2枚の作動分体412,422で構成され、後側に位置する作動分体を第1作動分体412といい、第1作動分体412の前側に位置する作動分体を第2作動分体422という。各作動分体412,422は、板状に形成されて、板面が作動ベース部材404の前面と平行するように配設されている。作動体410は、前後の作動分体412,422の重なり状態(以下、分体重複状態という)で左右方向(作動方向)の幅が小さくなり(図27(a)参照)、前後の作動分体412,422が互いにずれた状態(以下、分体拡開状態という)で、全体として左右方向の幅が広くなる(図27(c)参照)。
【0082】
図27に示すように、作動体410は、第1作動分体412の前面に施された意匠と、第2作動分体422の前面に施された意匠とが、関連性を持たせて形成されている。作動体410は、分体重複状態で第2作動分体422の後側に第1作動分体412が隠れる態様から分体拡開状態に移行すると、第2作動分体422より内側に延出するようにずれて、前側に臨む第1作動分体412の意匠と第2作動分体422の意匠とが繋がって、一連なりの意匠を構成するようになっている(図27(c)参照)。右部作動ユニット402Aだけに設けられる作動カバー部407は、右部作動体410における第1および第2作動分体412,422の意匠と関連性を持たせて形成されている。そして、右部作動ユニット402Aは、右部作動体410が作動位置でかつ分体拡開状態となることで、右部枠体装飾部30から作動体装飾部407、第2作動分体422および第1作動分体412にかけてこれらの意匠が繋がって、意匠体の右側部分を構成するようになっている(図3参照)。また、左部作動ユニット402Bは、左部作動体410が作動位置でかつ分体拡開状態となることで、左部枠体装飾部31から第2作動分体422および第1作動分体412にかけてこれらの意匠が繋がって、意匠体の左側部分を構成するようになっている(図3参照)。実施例では、下部発光装置48の前面に施された意匠が、作動体410の意匠に合わせて形成され(図11参照)、左右の作動体410,410が作動位置でかつ分体拡開状態となることで、下部発光装置48の意匠と左右の作動体410,410の意匠が繋がって、意匠体の下部を構成するようになっている。
【0083】
(作動体の支持構造)
図28〜図31に示すように、作動体410は、作動ベース部材404に対して2つの支持部材430,440によって第1作動分体412(最後尾の作動分体)が左右方向にスライド移動可能に支持される。作動体410は、第1作動分体412(前後に重なる作動分体のうちの後側の作動分体)に対して第2作動分体422(前後に重なる作動分体のうちの前側の作動分体)がスライド移動可能に支持されている。すなわち、前後に重なり合う2つの作動分体412,422は、左右方向に相対的にスライド移動可能に構成され、2枚の作動分体412,422からなる作動体410全体として、最後尾の第1作動分体412に繋がった作動手段450によって左右方向にスライド移動される。図28に示すように、作動ベース部材404の前面には、作動体410の上部を支持する第1支持部材430が上部に配置され、作動体410の下部を支持する第2支持部材440が下部に配置されている。
【0084】
(第1支持部材)
図31または図32に示すように、第1支持部材430は、作動体410の作動方向である左右方向に延在するように、作動ベース部材404の前面に配設されたスライドレール432と、ボールベアリング436を介してスライドレール432に対して左右方向にスライド可能に支持されたスライダー434とから構成されている。そして、スライダー434の前面には、第1作動分体412が固定されている。より具体的に説明すると、第1支持部材430は、前方に開放した略断面「コ」字状のスライドレール432と、後方に開放した略断面「コ」字状のスライダー434との間に、ボールベアリング436が収容されている(図32)。ボールベアリング436は、本体における上下の面の夫々に左右方向に延在する円弧状の溝が前後に離間して2条設けられ、後側の溝とスライドレール432の壁と間に金属球436aが挟持されると共に、前側の溝とスライダー434の壁との間に金属球(何れも図示せず)が挟持されている。第1支持部材430は、設置部材40側に固定されるスライドレール432に対してスライダー434が左右方向(作動体410の作動方向)のスライド移動が許容される一方、前後および上下(作動体410の作動方向と直交する方向)の移動が規制される。このように、作動体410(第1作動分体412)は、第1支持部材430によって左右方向のスライド移動が許容される一方、前後および上下の移動が規制される。
【0085】
(第2支持部材)
図27に示すように、第2支持部材440は、第1支持部材430と上下方向(作動体410の作動方向と直交する方向)に離間して、作動ベース部材404の下部前面に設けられている。第2支持部材440は、表示開口部40aの下側に位置して、表示開口部40aの下縁に沿って左右方向に延在するように配置される。第2支持部材440は、左右方向(作動方向)に延在するよう形成されたガイド溝442を備えている(図5(b)参照)。ガイド溝442は、前後に対向する壁の間に上方に開放するように画成され、最後尾の第1作動分体412の下端に下方へ延出形成されたガイド片413(図31参照)が挿入される。ここで、第2支持部材440は、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の摺動特性に優れた合成樹脂から形成される。第2支持部材440は、ガイド溝442に挿入されたガイド片413を前後の壁に挟んで、作動体410(第1作動分体412)の左右方向の移動を許容する一方、作動体410(第1作動分体412)の前後方向の移動を規制している。なお、ガイド片413の前後の面には、左右方向に延在する凸条413aが設けられて(図28〜図31参照)、この凸条がガイド溝442の壁に当接することで摺動負荷を軽減している。
【0086】
図28〜図31に示すように、作動体410は、後側に位置する第1作動分体412に左右方向に延在するように設けられたスライド溝414に、前側に位置する第2作動分体422に設けられたスライド軸423が挿入され、該スライド軸423がスライド溝414に左右方向に移動可能に支持される。第1作動分体412には、上下方向に離間して2条のスライド溝414,414が並行するように設けられている。 図33に示すように、第2作動分体422の後面には、左右方向に離間配置された一対のスライド軸423,423が、上側のスライド溝および下側のスライド溝の夫々に対応するように設けられ、1つのスライド溝414に対して左右2つのスライド軸423,423が嵌るようになっている。
【0087】
(作動手段)
図31に示すように、作動手段450は、作動体410の下側(作動体410の作動方向と直交する横側)に配置された作動モータ(作動駆動源)451と、作動体410に対して作動モータ451と同じ下側に配置され、該作動モータ451の回転駆動に連係して回転される作動回転体452と、この作動回転体452と作動体410(第1作動分体412)とを繋ぐ作動アーム453とを備えている。作動モータ451は、制御手段Cに制御されたパルス電力によって動作するステッピングモータ等の位置決め制御が可能なモータが用いられている。作動モータ451は、作動ベース部材404の下部後面に、出力軸を前方に向けた姿勢で設置される。作動モータ451は、第2移動演出装置200における連結シャフト256の下方に位置して、設置板部41の前面と作動ベース部材404の後面との間のスペースを用いて設置される。作動ベース部材404の前側に突出する作動モータ451の出力軸の先端には作動出力歯車454が固定され、この作動出力歯車454が作動ベース部材404の前面に回転可能に設けられた作動中継歯車455に噛み合っている(図28〜図30参照)。作動中継歯車455は、作動出力歯車454と、作動ベース部材404の前面において作動出力歯車454の斜め上側に回転可能に配置された作動回転体452との間に配置され、作動回転体452の周面に形成された歯部452aに噛み合っている。作動出力歯車454、作動中継歯車455および作動回転体452の前側は、作動ベース部材404の前面に取り付けられた作動ケース部456で覆われて、作動出力歯車454、作動中継歯車455および作動回転体452の回転軸の前端が作動ケース部456に設けられた軸受凹部456aに位置決めされている。
【0088】
図28〜図30に示すように、作動アーム453は、作動回転体452において該作動回転体452の径方向に延出するよう設けられると共に、その延出端が第1作動分体412に回転可能に接続され、作動回転体452の回転に伴って延出端が左右方向に揺動される。作動アーム453は、作動ケース部456の上端縁から突出した部位で前後方向にクランク状に折れ曲がって、延出端側が作動回転体452に繋がる根元側と比べて前側に位置し、該延出端側が第1作動分体412の前側に延在している(図28〜図30参照)。作動アーム453の延出端には、後方に開口するアーム接続溝453aが設けられ(図28〜図30参照)、下側のスライド溝414の上方に位置して第1作動分体412の外側縁部前面に突設されたアーム接続軸415に対してアーム接続溝453aを前側から嵌め合わせて、作動アーム453の延出端が第1作動分体412と接続される(図32参照)。アーム接続溝453aは、作動アーム453における延出端の揺動方向の寸法がアーム接続軸415と略同一に設定されると共に、作動アーム453の延出方向の寸法がアーム接続軸415よりも長く設定され、作動アーム453の揺動に伴う延出端とアーム接続軸415とのズレがアーム接続溝453aによって許容される。作動アーム453は、延出端側が外方が凸になると共に内方が凹になるよう湾曲され(図28〜図30参照)、下側のスライド溝414およびこのスライド溝414に支持される下側のスライド軸423と干渉しないよう構成され、スライド溝414にスライド軸423を介して支持された第2作動分体422のスライド移動範囲を確保しつつ、作動アーム453の揺動範囲を確保している。作動アーム453は、アーム接続軸415に対してアーム接続溝453aを前側から被せた状態で接続され、第1作動分体412に対して第2作動分体422を取り付けることで、延出端が第1作動分体412と第2作動分体422との間に位置して抜け止めされる(図32参照)。
【0089】
図28〜図30に示すように、作動アーム453の延出端は、第1作動分体412(作動体410)における作動モータ451に近い側である下側に偏倚した部位に接続されている。そして、作動体410の第1作動分体412は、作動モータ451より遠い側となる上側が第1支持部材430のスライダー434に固定されて、該第1支持部材430により上下および前後に移動規制された状態で支持される。また、第1作動分体412は、作動モータ451に近い側となる下側が第2支持部材440のガイド溝442に前後方向に移動規制された状態で支持される。このように、作動ユニット402A,402Bは、作動モータ451に近い側から作動体410に作動手段450より力が加えられ、作動体410において力が加えられる部位から遠い上側を、ボールベアリング436を用いて摺動負荷を軽減し得る第1支持部材430で支持して作動手段450にかかる負荷を軽減し、作動体410において力が加えられる部位から近い下側を、構成が簡単な第2支持部材440で支持している。
【0090】
前記作動体410は、待機位置で前後の作動分体412,422が分体重複状態になるよう構成され(図27(a)参照)、作動位置において後側の第1作動分体412が前側の第2作動分体422に連なって表示部13a側に延出する分体拡開状態になるよう構成されている(図27(c)参照)。また、作動体410は、待機位置および作動位置の間に係止位置が設定され(図27(b)、図27(b)、図29および図31(b)参照)、作動位置と係止位置の間で第1作動分体412および第2作動分体422が分体重複状態を保ったまま移動される一方、係止位置と作動位置との間で第2作動分体422から分離して第1作動分体412だけが移動されて、前記分体拡開状態になる。このように、作動体410は、作動手段450による第1作動分体412のスライド移動に伴って第2作動分体422が移動または分離させられる。
【0091】
(第1磁着手段)
図28〜図30に示すように、作動体410は、前後の作動分体412,422の一方に設けられた磁石からなる第1磁着体460と、前後の装飾体412,422の他方に設けられ、第1磁着体460に引き付けられる磁石または磁性体からなる第2磁着体461とから構成され、第1磁着体460および第2磁着体461の引き合いによる磁着によって前後の作動分体412,422を分体重複状態で保持する第1磁着手段(磁着手段)を有している。実施例では、第1作動分体412に第1磁着体460が設けられ、第2作動分体422に第2磁着体461が設けられている。第1作動分体412には、上側のスライド溝414の下側近傍に、前方および外側方に開口する凹状に形成された磁着体凹部416が設けられ(図28参照)、この磁着体凹部416の内側面に対向するように第1磁着体460が第1作動分体412の後面に設置される。実施例の第2磁着体461は、磁石に引き付けられる鉄等の磁性体が用いられている。図33に示すように、第2磁着体461は、第2作動分体422の後面から突出して磁着体凹部416に挿通するよう設置されている。第2磁着体461は、分体重複状態において磁着体凹部416の内側面に当接して(図28参照)、磁着体凹部416の内側面に対向配置された第1磁着体460の磁力により該内側面から離間する方向への移動が規制される。第2磁着体461は、分体拡開状態において磁着体凹部416の内側面から相対的に離間して(図29および図30参照)、第1磁着体460の磁力の影響を受けないようになっている。
【0092】
(第2作動分体の係止構造)
図28〜図30および図33に示すように、作動体410は、第2作動分体422の上端部に設けられた分体当接部424が、作動ベース部材404の上端前面に設けられた分体摺動部405に沿ってスライド移動するよう構成されている。分体当接部424は、第2作動分体422の後面から後方に突出するように設けられている。作動ベース部材404の上端縁に前方へ向けて立ち上がって左右方向に延在する上縁壁と、この上縁壁の下方に設けられた第1作動分体412の上面との間に形成された分体摺動部405に、分体当接部424が左右方向に移動可能な状態で収容される。ここで、分体摺動部405は、待機位置にある作動体410の内縁に合わせて形成された作動ベース部材404の内縁部より内側へ向けて延出するよう形成されて、表示開口部40aの上側に位置して該表示開口部40aの上縁に沿って左右方向に延在している。分体当接部424は、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の摺動特性に優れた合成樹脂から形成されて、分体摺動部405の前面に形成された凸条に、該分体当接部424の後面が当接される。
【0093】
図28〜図30に示すように、分体摺動部405の内側の端部には、第2作動分体422の分体当接部424と当接することで、作動体410の待機位置から作動位置への移動の途中(前述の係止位置)で第2作動分体422の作動位置側への移動を規制する分体係止部(係止部)406が設けられている。分体係止部406は、分体摺動部405に収容された分体当接部424に対して待機位置から作動位置に向けた移動方向前側に位置して前方に立ち上がる壁部分であって、待機位置と係止位置との間において第2作動分体422の左右方向のスライド移動を許容するよう構成される。図29に示すように、分体係止部406は、第2作動分体422の分体当接部424の係止位置を越えた作動位置側への移動を規制することで、第1作動分体412における係止位置を越えた作動位置側への変位に伴って、第1磁着体460と第2磁着体461とが引き離されて、係止位置と作動位置との間では第1作動分体412だけが第2作動分体422と独立して移動される(図30参照)。
【0094】
図28に示すように、作動体410は、分体重複状態において内側に位置するスライド軸423がスライド溝414の内側の端縁に係止され、分体拡開状態においてスライド軸423に対してスライド溝414が相対的に内側へ変位して、外側に位置するスライド軸423がスライド溝414の外側の端縁に係止される(図30参照)。すなわち、作動体410は、分体重複状態において第2作動分体422に対して第1作動分体412の相対的に内側へ向かう変位が許容され、分体拡開状態において第2作動分体422に対して第1作動分体412が相対的に外側へ向かう変位が許容される。作動体410は、待機位置と係止位置との間において、第1作動分体412の作動位置側への変位に対して第2作動分体422が第1磁着手段460,461の磁着のみにより追従して変位するよう構成される。また、作動体410は、第1作動分体412の待機位置側への変位に対して第2作動分体422が、内側に位置するスライド軸423およびスライド溝414の内側の端縁の係止並びに第1磁着手段460,461の磁着によって追従して変位するようになっている。そして、作動体410は、作動位置での分体拡開状態において、外側に位置するスライド軸423にスライド溝414の外側の端縁が係止されて、第1作動分体412の内方への移動が規制される(図30参照)。
【0095】
このように、作動体410は、分体係止部406によって第2作動分体422が移動規制されるまでは、第1磁着体460と第2磁着体461との磁着下に、第1作動分体412に接続された作動アーム453の揺動に伴って前後の作動分体412,422が分体重複状態で一体的に移動される(図27(a)および(b)参照)。また、作動体410は、分体係止部406によって第2作動分体422が移動規制されることで、第1磁着体460と第2磁着体461との磁着が解除されて第1作動分体412だけが移動し、作動位置において第1作動分体412が第2作動分体422の内側に連なって表示部13a側に延出する分体拡開状態となる(図27(c)参照)。そして、作動体410は、作動位置から待機位置に向けて第1作動分体412を移動すると、係止位置でスライド溝414にスライド軸423が引っ掛かると共に第1磁着体460と第2磁着体461とが磁着されて、係止位置を越えて待機位置側への移動に際して前後の作動分体412,422が分体重複状態で一体的に移動される。
【0096】
(第2磁着手段)
図29に示すように、各作動体ユニット402は、係止位置で第2作動分体422を保持する第2磁着手段462,463を備えている。第2磁着手段は、分体係止部406に設けられて、磁石からなる第3磁着体462と、分体係止部406に当接する第2作動分体422の分体当接部424に設けられ、第3磁着体462に引き付けられる磁石または磁性体からなる第4磁着体463とから構成される。第4磁着体463は、磁石に引き付けられる鉄等の磁性体が用いられ、実施例では分体当接部424における分体係止部406への当接面を構成する板金からなる。第2磁着手段462,463は、分体係止部406に分体当接部424が当接することで移動規制された第2作動分体422を、第3磁着体462と第4磁着体463との引き合いにより係止位置で保持するようになっている。また、第3磁着体462および第4磁着体463の引き合い力は、第1磁着体460および第2磁着体461の引き合い力よりも弱く設定される。
【0097】
(作動位置検知手段)
前記作動ユニット402A,402Bは、作動体410の待機位置を検知する作動位置検知手段470,472を備えている。作動位置検知手段は、作動回転体452の外側方に設けられた作動フォトセンサ470と、作動回転体452に設けられ、作動回転体452の周面から半径方向外側に延出する作動検知片472とから構成されている(図28〜図30参照)。作動ユニット402A,402Bでは、表示開口部40aの下方に位置する第2移動体210の基準位置において、表示部13aの前側から退避した作動体410の待機位置において、作動検知片472が作動フォトセンサ470の投光部と受光部との間に臨み(図28参照)、作動フォトセンサ470よって作動検知片472が検知される。一方、作動体410が待機位置から移動すると、作動検知片472が作動フォトセンサ470の投光部と受光部との間から外れ(図30参照)、作動フォトセンサ470が作動検知片472の非検知状態となる。なお、制御手段Cは、作動フォトセンサ470の検知信号を受けて、作動モータ451の停止等の所定の制御を行う。
【0098】
(作動体電飾手段)
前記作動体410を構成する第1作動分体412および第2作動分体422は、光を透過可能な合成樹脂の成形品であって、遊技盤20の前側に臨む前面等の所要部位に光拡散処理が施されている。作動体410は、光を照射し得る作動体電飾手段(電飾手段)417を備え(図31参照)、作動体410における光拡散処理が施された部位が作動体電飾手段417によって照明される。実施例の作動体410では、第1作動分体412のみに作動体電飾手段417が設置され、第1作動分体412の移動につれて作動体電飾手段417も一体的に移動するようになっている。作動体電飾手段417は、第1作動分体412の後側に配設されて、前方へ光を照射し得るLED等の発光体を前面に複数備えた基板から構成され、発光体から照射した光によって第1作動分体412の前面および該第1作動分体412の前側に重なる第2作動分体422の前面を照らすよう構成される。
【0099】
(作動ベース電飾手段)
図30に示すように、作動ベース部材404には、光を照射し得る作動ベース電飾手段408が設けられている。作動ベース部材404は、光を透過可能に構成されて、該作動ベース部材404の後側に作動ベース電飾手段408が設置される。作動ベース電飾手段408は、前方へ光を照射し得るLED等の発光体408aを前面に複数備えた基板から構成される。作動ベース電飾手段480は、作動体410の待機位置において該作動体410の後側に発光体408aが隠されている(図28参照)。作動体410は、作動位置に移動することで、作動ベース電飾手段408における発光体408aの前側を開放するようになっている(図30参照)。右部作動ユニット402Aでは、右部作動ベース電飾手段408の発光体408aが作動体装飾部407および右部枠体装飾部30の後側に配置され、制御手段Cの制御下に該発光体408aから前方に照射した光によって作動体装飾部407および右部枠体装飾部30が発光される。左部作動ユニット402Bでは、左部作動ベース電飾手段408の発光体408aが左部枠体装飾部31の後側に配置され、制御手段Cの制御下に該発光体408aから前方に照射した光によって左部枠体装飾部31が発光される。
【0100】
(動作演出装置)
図11に示すように、動作演出装置500は、右部作動ユニット402Aの前側に設けられている。図34〜図37に示すように、動作演出装置500は、右部作動ユニット402Aにおける右部作動ケース部456の前面に設置された動作ベース部材502に動作可能に支持された動作体510と、動作ベース部材502に配設され、動作体510を動作させる動作機構550とを備えている。動作演出装置500は、動作体510が標準位置から複数の動作位置に動作可能に配設され、動作機構550の動作モータ(動作駆動源)551により動作されることで各動作位置で指し示す方向が変わるよう構成されている(図2または図11参照)。ここで、動作体510が指し示す方向とは、動作体510の形状や模様、または動作位置間での動作と異なる動作や発光等の視認態様の変化等に基づいて、遊技盤20の前側から動作体510が指向していることが判る向きをいう。実施例の動作演出装置500では、動作体510が銃器の如き形状に形成されて、その先端部(銃口)が指向する方向が動作体510が指し示す方向となる。動作演出装置500は、動作体510が右部作動体410の前側に位置して表示部13aの前側から退避した標準位置(図2または図11の実線参照)と、動作体510が表示部13aの前側に位置した第1〜第5動作位置(図2または図11の二点鎖線参照)に動作するよう構成される。動作体510は、標準位置において、右部作動ユニット402Aの作動体装飾部407に設けられた演出部407aを指向している。また、動作体510は、第1〜第5動作位置において、可動体310の表示面312,313,314,315に設けられた演出部316を指向している。
【0101】
実施例では、第1表示面312および第2表示面313に並んだ5つの316に対して、動作体510の第1動作位置において最も左側に位置する演出部316を指向し、動作体510の第2動作位置において左から2番目に位置する演出部316を指向し、動作体510の第3動作位置において中央に位置する演出部316を指向し、動作体510の第4動作位置において右から2番目に位置する演出部316を指向し、動作体510の第5動作位置において最も右側に位置する演出部316を指向している。第3表示面314に並んだ4つの演出部316に対して、動作体510の第1動作位置において最も左側に位置する演出部316を指向し、動作体510の第2動作位置において左から2番目に位置する演出部316を指向し、動作体510の第3動作位置において左から3番目に位置する演出部316を指向し、動作体510の第4動作位置において最も右側に位置する演出部316を指向している。そして、第4表示面315に形成された1つの演出部316に対して、動作体510の第3動作位置において指向するようになっている。
【0102】
(動作ベース部材)
図37に示すように、動作ベース部材502は、前側に開口する略トレイ形状に形成され、該動作ベース部材502の後側部分を構成する後部ベース部503と、後側に開口する略トレイ形状に形成され、後部ベース部503の前端に整合して該動作ベース部材502の前側部分を構成する前部ベース部504とから構成される。動作ベース部材502には、後部ベース部503と前部ベース部504との間に空間が画成され、この空間に動作機構550の後述する歯車群552,553,554,555が収容されて、これらの歯車群が配線等の他の部材と干渉しないようになっている。
【0103】
(動作体)
図34に示すように、動作体510は、遊技盤20の前側から視認可能な意匠形状が銃器を模して全体として長尺に形成され、銃床側となる長手方向一端部(下端部)が動作ベース部材502に対して、前後方向に軸線が延在する動作軸511(図35または図36参照)を介して回転可能に支持されている。動作体510は、下端部を支持する動作軸511の半径方向上側に長手が延在して、銃口側となる長手方向他端部(上端部)が基本的に水平面より上方を指向するようになっている。動作体510は、動作機構550によって動作軸511を中心として遊技盤20の盤面に沿う方向に揺動され、揺動動作につれて上端部が指向する向きが変化する。ここで、動作体510が標準位置および各動作位置において指し示す位置には、照明手段340や右部作動ベース電飾手段408等の演出手段によって演出態様を変化し得る演出部316,407aが設けられている。また、動作体510は、複数の動作位置への揺動動作とは別に、動作位置で該動作体が指し示す演出部316,407aに対して進退ソレノイド(進退駆動源)331を備えた進退移動機構530により進退移動するよう構成されている(図36参照)。なお、動作体510は、その意匠形状のなす長手方向に沿って進退移動される。
【0104】
図35および図36に示すように、動作体510は、動作軸511に回転可能に支持されたスライドベース512と、このスライドベース512の前側にスライド移動可能に支持されたスライド本体518と、スライドベース512に対してスライド本体518をスライド移動させる進退移動機構530とを備えている。また、動作体510は、スライド本体518の後側に配設されて、該スライド本体518に設けられた動作光透過部519を発光させる動作発光手段524を備えている(図37参照)。
【0105】
図37に示すように、スライドベース512は、スライド本体518を支持する上側部分と比べて、動作軸511に支持される下側部分が後方に位置するようにクランク状に屈曲形成されて、この下側部分が動作機構550の動作回転体552の前面に固定されている。スライドベース512の上側部分には、動作軸511の半径方向に沿って長手が延在する動作スライド孔513が前後に貫通形成されている(図36参照)。なお、スライドベース512には、スライド本体518の進退移動方向およびこの進退移動方向と交差する横方向にずらして2つの動作スライド孔513,513が設けられている。一方、スライド本体518の後側には、動作スライド孔513,513の夫々に対応して、スライド本体518の進退移動方向に並ぶ一対の動作スライドボス520,520が後方へ向けて突出形成されている。なお、動作スライドボス520は、動作発光手段524を保持してスライド本体518の後面に固定される発光手段保持部525の後面に設けられている。動作体510は、一対の動作スライドボス520,520が対応の動作スライド孔513に嵌り、動作スライドボス520の動作スライド孔513の長手に沿う移動が許容される一方、該動作スライドボス520における動作スライド孔513の短手方向の移動が規制される。
【0106】
図34(a)および図37に示すように、スライド本体518は、動作体510において遊技盤20の前側から視認可能な意匠部分を形成している。スライド本体518には、動作光透過部519が動作軸511側における左右方向中央部に位置して、該スライド本体518の進退移動方向(動作体510の長手方向)に沿って設けられている。動作光透過部519は、光を透過可能で、かつ光拡散処理が施されている。スライド本体518における動作光透過部519の後側には、スライドベース512との間に位置して動作発光手段524の基板(図示せず)が配設され、この基板の前側に設けられたLED等の発光体から照射した光によって動作透過部519が発光される。なお、動作発光手段524は、制御手段Cによって発光制御される。
【0107】
(進退移動機構)
図36に示すように、スライド本体518を進退移動させる進退移動機構530は、スライドベース512の後面に設けられた進退ソレノイド(進退駆動源)531と、この進退ソレノイド531とスライド本体518とを繋ぐリンク手段532,533,534,535とから構成されている。進退ソレノイド531は、動作軸511側にプランジャ531aを向けた姿勢でスライドベース512の上側部分後面に配設され、制御手段Cの制御下に通電されることで、プランジャ531aを本体側に引き込む所謂プル形のソレノイドが採用されている。すなわち、動作軸511の上方に位置する進退ソレノイド531は、非通電時にプランジャ531aが重力の作用下に下方に伸びた状態にある(図36(a)参照)。スライドベース512は、下側部分と比べて上側部分を前側に位置させることで、該上側部分と右部作動ユニット402Aとの間に隙間を画成し、この隙間にスライドベース512の後面から後方に突出する進退ソレノイド531を収容している。進退ソレノイド531は、後面に開口が設けられたソレノイドカバー537で覆われ、このソレノイドカバー537から右方に延出する動作ガイド538が設けられている。動作ガイド538は、動作軸511を中心とする円弧状の長孔538aを備え、右部作動ケース部456の前面に設けられた動作ガイド軸539が該長孔538aに嵌るよう構成されている。そして、動作体510は、動作ガイド軸539と動作ガイド538の長孔538aとの係合によって、揺動動作に際してのガタツキが防止される。
【0108】
図36に示すように、リンク手段は、第1〜第4の4本のリンク532,533,534,535で構成されている。リンク手段532,533,534,535は、動作体510の長手方向に沿うプランジャ531aの進退移動に連動して、スライド本体518を動作軸511に対して接離するよう進退移動させる。具体的には、第1リンク532は、進退ソレノイド531よりも動作軸511側に設けられ、スライドベース512の後面に回転可能に軸支されて左右に延在し、プランジャ531aの先端から左方へ突き出した連結片531bに右端部が回転可能に接続される。第2リンク533は、進退ソレノイド531の左側を上下に延在するよう設けられ、下端部が第1リンク532の左端部に回転可能に接続される。第3リンク534は、進退ソレノイド531よりも動作体510の先端側に設けられ、スライドベース512の後面に回転可能に軸支されて左右方向に延在し、左端部が第2リンク533の上端部に回転可能に接続される。第4リンク535は、スライドベース512における上側の動作スライド孔513から後側に臨む動作スライドボス520に上端部が接続されると共に、下端部が第3リンク534の右端部に回転可能に接続される。なお、第4リンク535は、上端部がスライドベース512の中央部に位置し、下端部がスライドベース512の右側縁に位置するようにクランク状に屈曲している(図36参照)。第4リンク535には、第3リンク534との接続部の上方に位置して、前方に向けて突出するリンク突片(図示せず)が設けられ、このリンク突片がスライドベース512に第4リンク535の進退移動方向に延在するよう開設されたリンク長孔514に挿入されている。すなわち、第4リンク535は、リンク突片がリンク長孔514における長手の開口縁に位置規制されることで、進退移動方向と交差する方向のぶれを防止している。
【0109】
図36(a)に示すように、進退移動機構530は、進退ソレノイド531の非通電時にプランジャ531aが下方に延出されるのに伴い、第1リンク532の右端部が下降すると共に左端部が上昇し、第2リンク533により第3リンク534の左端部が押し上げられる。また、進退移動機構530は、第3リンク534の左端部が上昇すると共に右端部が下降することで、第4リンク535が下降し、これに伴いスライド本体518が動作軸511側にある後退位置とされる(図36(a)参照)。動作体510は、後退位置でスライド本体518が自重により保持される。進退移動機構530は、進退ソレノイド531の通電時にプランジャ531aが上方(本体側)に引き上げられるのに伴い、第1リンク532の右端部が上昇すると共に左端部が下降し、第2リンク533により第3リンク534の左端部が引き下がられる(図36(b)参照)。また、進退移動機構530は、第3リンク534の左端部が下降すると共に右端部が上昇することで、第4リンク535が上昇し、これに伴いスライド本体518が動作軸511側から離れた前進位置とされる。動作体510は、標準位置または動作位置でスライド本体518が前進位置とされることで、標準位置または動作位置で指し示す演出部316,407aにスライド本体518の先端が後退位置よりも近づくようになっている。
【0110】
(進退補助手段)
図36に示すように、進退移動機構530は、重力に抗して動作するスライド本体518の後退位置から前進位置への移動を補助すると共に、重力の作用下に動作するスライド本体518の前進位置から後退位置への移動を緩衝する進退補助手段540を備えている。進退補助手段540は、スライドベース512の後面に設けられた弾性体保持部515に保持された補助弾性体542と、この補助弾性体542の上部に保持され、第4リンク535の左側に延出形成されたリンク作用片536を受けるリンク受片543とを備えている。弾性体保持部515は、上側の動作スライド孔513の左側に配置されて、上面および後面上部が開口する箱状に形成されている。補助弾性体542は、コイルばねが採用され、弾性体保持部515に進退移動方向に沿って移動可能に保持されたリンク受片543を上方(後退位置側から前進位置側、動作軸から離れる方向)に向けて付勢するようになっている。
【0111】
前記リンク作用片536は、第4リンク535の上端部から左方へ延出した後に下方に屈曲するよう形成され、後退位置において下端部がリンク受片543で受け止められる(図36(a)参照)。動作体510は、スライド本体518の後退位置において第4リンク535が下降状態にあることで、リンク作用片536がリンク受片543を下方に押し下げて補助弾性体542を圧縮した状態で弾性体保持部515に上方から挿入される。第4リンク535は、補助弾性体542によってスライド本体518の自重を越えない力で後退位置から前進位置に向けて弾力的に付勢されており、進退ソレノイド531の通電時に第4リンク535が下降状態から上昇するのが補助弾性体542の弾力により補助される。これに対し、進退ソレノイド531の非通電状態においてスライド本体518が前進位置から後退位置に戻る際に、下降するリンク作用片536がリンク受片543を介して補助弾性体542によって弾力的に受け止められる。
【0112】
(動作機構)
図35に示すように、動作機構550は、動作ベース部材502(後部ベース部503)の後面に設けられ、出力軸を後部ベース部503と前部ベース部504との間に臨ませた動作モータ(動作体駆動源)551と、後部ベース部503と前部ベース部504との間において回転可能に軸支され、動作モータ551の出力軸に固定された動作駆動歯車553に噛み合う動作第1連係歯車554と、後部ベース部503と前部ベース部504との間において回転可能に軸支され、動作第1連係歯車554に噛み合う動作第2連係歯車555と、後部ベース部503と前部ベース部504との間において前記動作軸511により回転可能に軸支され、周面に設けられた動作歯部552aが動作第2連係歯車555に噛み合う動作回転体552とから構成される。動作モータ551は、制御手段Cに制御されたパルス電力によって動作するステッピングモータ等の位置決め制御が可能なモータが用いられる。動作回転体552の前面には、動作軸511で共通的に軸支されたスライドベース512の下端部が固定されている。スライドベース512(動作体510)は、動作モータ551の駆動により動作駆動歯車553、動作第1連係歯車554および動作第2動作連係歯車555、動作歯部552aを介して回動される動作回転体552と共に回動するようになっている。動作回転体552の後面には、回転体規制ボス552bが後方へ突出形成され、この回転体規制ボス552bが後部ベース部503において動作軸511を中心とする円弧状の長孔状に開設されたボス規制孔503aに挿入されている(図34(b)参照)。動作回転体552は、回転体規制ボス552bとボス規制孔503aとの係合によって、ガタツキなく回動される。
【0113】
(動作位置検知手段)
前記動作演出装置500は、動作体510の標準位置を検知する動作位置検知手段570,572を備えている。動作位置検知手段は、動作ベース部材502における動作回転体552の右側に設けられた動作フォトセンサ570と、動作回転体552に設けられ、該動作回転体552の周面から半径方向外側に延出する動作検知片572とから構成されている(図35参照)。動作演出装置500では、表示部13aの前側から退避した動作体510の標準位置において、動作検知片572の切欠部が、動作フォトセンサ570の投光部と受光部との間に臨んで動作検知片572が投光部と受光部との間から外れ、動作体510が動作位置に移動すると、動作検知片572が動作フォトセンサ570における投光部と受光部との間に臨む。
【0114】
(設置部材の補強構造)
図8および図12に示すように、設置部材40には、設置板部41における表示開口部40aの周辺部に金属製の補強部材116,202,216,256,302が配設されている。設置板部41の上辺部には、略矩形形状の表示開口部40aの上縁に並行するように延在する補強部材として、板金から構成された上部ベース部材116が設置される。上部ベース部材116は、前述の如く第1移動演出装置(第1の演出装置)100の第1駆動側支持組120Aの構成部材の設置基盤として用いられ、第1駆動側支持組120Aにおける上部ベルト124(支持部材)で移動される上部移動支持部126に支持されて、可動部材としての第1移動体110が左右方向に移動される。上部ベース部材116は、上部ベルト124の延在方向である左右方向に延在している。また、設置板部41の上辺部には、表示開口部40aの上縁に並行するように延在する補強部材として、板金から構成された可動ベース部材302が上部ベース部材116の前面に設置される。動作ベース部材302は、前述の如く可動演出装置300の構成部材の設置基盤として用いられる。設置板部41の左側辺部には、表示開口部40aの左縁に並行するように延在する補強部材として、板金から構成された左部ベース部材202が設置される。左部ベース部材202は、前述の如く第2移動演出装置200の第2駆動側支持組220Aの構成部材の設置基盤として用いられ、第2駆動側支持組220Aの左部移動支持部226に支持されて第2移動体210が上下方向に移動される。設置板部41の右側辺部には、表示開口部40aの右縁に並行するように延在する補強部材として、板金から構成された右部ベース部材216が設置される。右部ベース部材216は、前述の如く第2移動演出装置200の第2従動側支持組220Bの構成部材の設置基盤として用いられ、第2従動側支持組220Bの右部移動支持部246に支持されて第2移動体210が上下方向に移動される。設置板部41の下辺部には、表示開口部40aの下縁に並行するように延在する補強部材として、板金から構成された連結シャフト256が設置される。右部ベース部材256は、前述の如く第2移動演出装置200の第2駆動側支持組220Aと第2従動側支持組220Bとを連動させる部材である。このように、設置板部41の前面には、上部ベース部材116,左部ベース部材202,右部ベース部材216,連結シャフト256,可動ベース部材が、表示開口部40aの四辺を略全周に亘って囲むように設けられる。
【0115】
前記第2移動演出装置200の第2駆動側支持組220Aの前側には、作動演出装置400(第2の演出装置)の左部作動ユニット402Bが設けられ、該左部作動ユニット402Bにおいて左部作動体(第2の可動部材)410の上部を左右方向にスライド移動可能に支持する左部第1支持部材430が、上部ベース部材116の前側に位置して該上部ベース部材116の延在方向に沿って左右方向に延在している。また、左部作動ユニット402Bにおいて左部作動体410の下部を左右方向にスライド移動可能に支持する左部第2支持部材440が、連結シャフト256の前側に位置して該連結シャフト256の延在方向に沿って左右方向に延在している。すなわち、左部作動体410は、第1移動体110と同じ方向へ移動可能になっている。第2移動演出装置200の第2従動側支持組220Bの前側には、作動演出装置400の右部作動ユニット402Aが設けられ、該右部作動ユニット402Aにおいて右部作動体(第2の可動部材)410の上部を左右方向にスライド移動可能に支持する右部第1支持部材430が、上部ベース部材116の前側に位置して該上部ベース部材116の延在方向に沿って左右方向に延在している。また、右部作動ユニット402Aにおいて右部作動体410の下部を左右方向にスライド移動可能に支持する右部第2支持部材440が、連結シャフト256の前側に位置して該連結シャフト256の延在方向に沿って左右方向に延在している。すなわち、右部作動体410は、第1移動体110と同じ方向へ移動可能になっている。このように、設置板部41は、左右の第1支持部材430,430および第2支持部材440,440の配設位置の夫々に対応して、金属製の上部ベース部材116および連結シャフト256が並行するよう配置され、上部ベース部材116および連結シャフト256により補強されている。ここで、上部ベース部材116には、前後方向に延在する補強部としての上部ベース立設部117が設けられている。
【0116】
(意匠体)
図3に示すように、遊技盤20には、左右の作動体410,410(第1の装飾体)が作動位置にあると共に可動体(第2の装飾体)310の第4表示面(特定の表示面)315が前側に臨むことで、作動体410,410、第4表示面315、枠体装飾部29,30,31、可動装飾部306、作動体装飾部407および下部発光装置48の前面に施された意匠が繋がって、所定方向(実施例では遊技盤20の前側)から見た際に表示部13aを囲む1つの意匠体が構成される。意匠体は、遊技盤20の中央部に臨んでいる表示部13aを中心として、内外方向に同心状に延在する円弧状筋模様と、表示部13aを中心として内外方向に放射状に延在する放射筋模様とを備えている。また、意匠体は、複数の円弧状筋模様が外側から内側に向かうにつれて後方に偏倚するように段状に形成されている。すなわち、意匠体は、表示部13aに向けて焦点が集中するような形状に形成されている。ここで、「意匠が合う」とは、隣り合う装飾部29,30,31,48,306,315,407,410の前面に施された意匠が模様や形状が互いに繋がる関係に形成されることで、隣り合う意匠が連なって遊技者から一体的に見えたり(実施例)、隣り合う装飾部29,30,31,48,306,315,407,410の前面に施された意匠が互いに模様の線等や凹凸形状等が繋がっていないものの、意匠体全体としてみることで1つの模様や形状を想起させること(例えば、1つ1つの装飾部は、人の目や鼻等のパーツを構成し、意匠体全体として見た際に人の顔が構成される)をいう。より具体的には、可動体310が第4表示面315を遊技盤20の前側に臨ませた際に、第4表示面315の意匠と可動装飾部306の意匠とが繋がり、可動体310の第4表示面315、可動装飾部306および上部枠体装飾部29の意匠の繋がりによって、意匠体の上部が構成される。右部作動ユニット402Aは、右部作動体410が作動位置でかつ分体拡開状態となることで、右部枠体装飾部30から作動体装飾部407、第2作動分体422および第1作動分体412にかけてこれらの意匠が繋がって、意匠体の右側部分が構成される(図3参照)。また、左部作動ユニット402Bは、左部作動体410が作動位置でかつ分体拡開状態となることで、左部枠体装飾部31から第2作動分体422および第1作動分体412にかけてこれらの意匠が繋がって、意匠体の左側部分が構成される(図3参照)。左右の作動体410,410が作動位置でかつ分体拡開状態となることで、下部発光装置48の前面から第2作動分体422および第1作動分体412にかけてこれらの意匠が繋がって、意匠体の下側部分が構成される。
【0117】
図2または図3に示すように、作動体410は、左右方向に移動することで、作動位置で該意匠体の一部をなす一方、待機位置でその一部または大部分が遊技盤20や作動体装飾部407の後側に隠れて意匠体の一部が見えなくなる。また、可動体310は、4つの表示面312,313,314,315を有すると共に、遊技盤20の前側に臨ませる表示面312,313,314,315を切り替えるように定位置で回転動作される。すなわち、可動体310は、第4表示面315を前側に臨ませるように停止することで、意匠体の一部を構成するが、第4表示面315以外の表示面312,313,314を前側に臨ませて停止することで、意匠体を構成する意匠と異なる意匠が表れる。このように、遊技盤20では、左右の作動体410,410が待機位置にあると共に第4表示面315以外の表示面312,313,314に切り替えることで意匠体が消えて、表示部13aの周りが意匠体と異なる装飾がなされる。なお、左右の作動体410,410は、待機位置から作動位置に移動するのに伴って、表示部13aの前側に重なって該表示部13aにおける遊技盤20の前側から視認可能な領域を狭めるよう構成される。
【0118】
(可動演出装置の制御)
前記可動演出装置300は、異なる意匠が夫々施された4つ表示面312,313,314,315を有する可動体310が、制御手段Cの制御下に駆動手段350により前側に臨ませる表示面312,313,314,315を切り替えるように構成される。ここで、制御手段Cは、パチンコ機10の遊技状態または該パチンコ機10で実行される演出内容に応じて、該遊技状態または該演出内容に関連する意匠が施された表示面313,314,315を遊技盤20の前側に臨ませるよう、駆動手段350の駆動モータ351を駆動制御するようになっている。
【0119】
前記可動演出装置300の制御の説明の前にパチンコ機10の遊技について簡単に説明する。実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態を比べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
【0120】
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、164/65536)から高確率(実施例では、1518/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、実施例では、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間継続して確変状態が付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。ここで、所定条件としては、確変状態が付与されてからの図柄変動演出(特図変動表示)の変動回数とすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
【0121】
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、始動入賞装置24へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態を比べて増加する状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普通図柄(普図)の変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての始動入賞装置の始動入賞口を開放する開閉部材の開放時間を増やすこと、により始動入賞装置24へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての始動入賞口を開放する開閉部材の開放時間を増やすに際しては、開閉部材の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。なお、第1特典遊技状態が付与されている状態を確変状態としたが、これに限られるものではなく、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態を組み合わせた状態を確変状態とすることもできる。この場合に、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態の何れも付与されていない状態を非確変状態とすることができる。
【0122】
実施例のパチンコ機10は、図柄表示装置13で実行される図柄変動演出の演出内容(表示内容)が異なる複数(実施例では4つ)の遊技演出モード(遊技状態)を備えている。ここで、遊技演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に示唆すると共に、変短状態であるか否かを遊技者に示唆する遊技状態示唆画像を図柄表示装置13の表示部13aに表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで遊技演出モードが変更され得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの発生および大当り遊技後の図柄変動の変動回数(実施例では80回)がモード移行条件とされている。
【0123】
実施例に係るパチンコ機10の遊技演出モード(遊技状態)には、確変状態が付与されていない遊技状態となる通常モードと、確変状態が付与されている遊技状態となる確変モードと、確変状態が付与されていることを示唆する遊技状態となる(すなわち、確変状態が付与されている状態と付与されていない状態とがある)潜伏モードと、非確変状態で変短状態が付与されている遊技状態となる時短モードとが設定されている。そして、図柄表示装置13の表示部13aには、遊技演出モードに対応した内容の異なる遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、図柄表示装置13の飾図の背面に映し出される背景画像が遊技演出モード毎に異なるように設定されており、背景画像の種類から現在の遊技演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、各遊技演出モードでは、図柄表示装置13で行われる図柄変動演出の演出内容の一部または全部が異なっており、遊技演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。また、パチンコ機10で実行される演出内容とは、図柄表示装置13の表示部13aにおいての各種図柄が変動する図柄変動演出、リーチ演出、リーチ予告演出、大当り演出、該パチンコ機10のモチーフとなるキャラクターとその敵役となるキャラクターとが争うバトル演出等の表示による演出、スピーカからの音声出力による演出、光を照射し得る装置による光による演出等を指す。パチンコ機10の遊技状態または該パチンコ機10で実行される演出内容は、パチンコ機10の外側に現れない内部的であっても、パチンコ機10の外側に現れる外部的であっても何れであってもよい。
【0124】
例えば可動演出装置300は、パチンコ機10の遊技状態または該パチンコ機10で実行される演出内容に応じて表示面312,313,314,315を以下のように切り替えるよう構成される。制御手段Cは、通常モードにおいて大当りになり、当該大当りが確変大当りであることが確定して該大当りを報知することが選択された場合に、駆動モータ351を駆動制御して、回転中の演出体330を第1表示面312を前側に臨ませた状態で停止させ、あるいは第1表示面312以外の表示面313,314,315を前側に臨ませている演出体330を、第1表示面312を前側に臨ませるように切り替える。このように、可動演出装置300は、表示部13aでの演出表示に合わせて第1表示面312によって確変大当りが確定した旨を報知するようになっている。制御手段Cは、通常モードまたは確変モードにおいて、大当り演出に合わせて、回転中の演出体330を第3表示面314を前側に臨ませた状態で停止させ、あるいは第3表示面314以外の表示面312,313,315を前側に臨ませている演出体330を、第3表示面314を前側に臨ませるように切り替える。
【0125】
前記制御手段Cは、通常モードまたは確変モードにおいて、大当り演出としてバトル演出が選択された際に確変大当りの移行することを期待し得る演出パターンに合わせて、駆動モータ351を駆動制御して、回転中の演出体330を第2表示面313を前側に臨ませた状態で停止させ、あるいは第2表示面313以外の表示面312,314,315を前側に臨ませている演出体330を、第2表示面313を前側に臨ませるように切り替える。このように、可動演出装置300は、表示部13aでの演出表示に合わせて第2表示面313を前側に臨ませることで、確変状態への移行を示唆するようになっている。これに対して、前記制御手段Cは、通常モードまたは確変モードにおいて、大当り演出としてバトル演出が選択された際に確変大当りが確定して該大当りを報知することが選択されたことに合わせて、駆動モータ351を駆動制御して、回転中の演出体330を第1表示面312を前側に臨ませた状態で停止させ、あるいは第1表示面313以外の表示面313,314,315を前側に臨ませている演出体330を、第1表示面312を前側に臨ませるように切り替える。このように、可動演出装置300は、表示部13aでの演出表示に合わせて第1表示面312を前側に臨ませることで、確変大当りが確定した旨を報知するようになっている。
【0126】
前記制御手段Cは、通常モードまたは確変モードにおいて、表示部13aでの大当りの移行することを期待し得る演出パターンに合わせて、駆動モータ351を駆動制御して、回転中の演出体330を第4表示面315を前側に臨ませた状態で停止させ、あるいは第4表示面315以外の表示面312,313,314を前側に臨ませている演出体330を、第4表示面315を前側に臨ませるように切り替える。この際、作動演出装置400の左右の作動体410,410についても、制御手段Cによって作動位置に位置するよう動作制御されて、遊技盤20には前記意匠体が構成される。このように、可動演出装置300は、表示部13aでの演出表示に合わせて第4表示面315を前側に臨ませることで、大当りとなることを示唆する予告演出を行うようになっている。このように、可動体310の表示面312,313,314,315が、パチンコ機10の遊技状態や演出内容を報せる手段として用いられている。なお、可動体150の表示面312,313,314,315による遊技状態または演出内容の報知および示唆は、対応する遊技状態または演出内容になった際に必ず行われても、所定条件に基づいて選択的に行ってもよい。
【0127】
(動作体と演出部との関係)
パチンコ機10は、複数の動作位置に動作可能に配設され、動作機構550により動作されることで各動作位置で指し示す方向が変わる動作体510と、動作位置にある動作体510で指し示される位置に設けられ、演出手段としての照明手段340によって演出態様を変化し得る演出部316とを備えている。照明手段340は、制御手段Cで発光制御されて、動作体510を動作位置に移動させるよう動作機構550の動作モータ551を駆動制御すると共に、該動作体510に指し示された演出部316をその演出態様を変化させるよう照明手段340を発光制御するよう構成される。
【0128】
図2に示すように、表示部13aの前側に位置する動作位置において動作体510が指し示す位置には、制御手段Cの制御下に駆動する駆動モータ351によって動作される可動体310が設けられている。そして、可動体310には、演出部316が設けられている。可動体310は、複数の表示面312,313,314,315を有すると共に、駆動モータ351を備えた駆動手段350により遊技盤20の前側に臨ませる表示面312,313,314,315が切り替わるように動作される。第1〜第3表示面312,313,314には、複数の演出部316が設けられおり、制御手段Cは、第1〜3表示面312,313,314の何れか1つが遊技盤20の前側に臨んだ際に、動作体510を動作して可動体310における複数の演出部316を該動作体510で指し示すよう動作モータ551を駆動制御し、動作体510による指し示しに連動して対応の演出部316の演出態様が変化するよう照明手段340を発光制御している。
【0129】
前記動作体510は、複数の動作位置への揺動動作とは別に、動作位置で該動作体510が指し示す演出部316に対して進退ソレノイド531により進退移動するよう構成される。そして、制御手段Cは、進退ソレノイド531を制御して動作体510を演出部316に対して前進、後退または進退動作するのに同調して、対応する演出部316の演出態様を変化させるよう照明手段340を発光制御するようになっている。また、制御手段Cは、進退ソレノイド531を制御して動作体510を演出部316に対して前進、後退または進退動作するのに連動して、該動作体510で指し示されている可動体310を回転動作させるよう、駆動モータ351の駆動を開始する制御を行い得る。更に、制御手段Cは、進退ソレノイド531を制御して動作体510を演出部316に対して前進、後退または進退動作するのに連動して、該動作体510で指し示されている可動体310を回転停止させるよう、駆動モータ351の駆動を停止する制御を行い得る。
【0130】
(位置決め構造)
実施例のパチンコ機10は、設置部材40における枠状装飾体28の後面に臨む位置に設けられた第1位置決め部52(図6または図13参照)と、枠状装飾体28の後面において第1位置決め部52と整合する位置に設けられた第2位置決め部54(図9または図10(b)参照)とを備えている。図6〜図8に示すように、第1位置決め部52は、設置部材40において隣接配置された上部発光カバー47よりも前方に突出するよう形成されている。第1位置決め部52および第2位置決め部54の一方は、相手側に向けて開口する筒状に形成されると共に、第1位置決め部52および第2位置決め部54の他方は、相手側に向けて突出するピン状に形成されて、第1位置決め部52と第2位置決め部54とが嵌合して、設置部材40と枠状装飾体28とが位置決めされる(図7または図8参照)。実施例では、第1位置決め部52が、枠状装飾体28側に向けて開口する筒状に形成されると共に、第2位置決め部54が、設置部材40側に向けて突出するピン状に形成されている。そして、第1位置決め部52および第2位置決め部54の組は、複数(実施例では2組)設けられている。
【0131】
図13(a)に示すように、設置部材40の上縁には、左右に離間して2つの第1位置決め部52,52が設けられ、2つの第1位置決め部52,52に上部発光カバー47の上部が配置されている。第1位置決め部52は、設置部材40の上縁に延在する周壁部42に一体的に設けられ、前側が開口する円筒状に形成されている。第1位置決め部52は、周壁部42の前端よりも前方へ突出形成され、周壁部42の前端に支持された上部発光カバー47の前面よりも僅かに前方に突出している(図13(b)参照)。図9に示すように、枠状装飾体28には、中央貫通口20bの内側に臨む上縁部に左右に離間して、2つの第2位置決め部54,54が設けられている。第2位置決め部54は、枠状装飾体28の上縁後面に一体的に設けられ、後方に向けて突出する断面円形のピン状に形成されている。第2位置決め部54は、外形寸法が第1位置決め部52の内径に合わせて設定され、第1位置決め部52と第2位置決め部54とがガタツキなく嵌合するようになっている。なお、第2位置決め部54は、先端部に先細りになるようテーパが付されている。第2位置決め部54は、遊技盤20の後面から後方へ突出しない寸法で形成され、中央貫通口20bにおいて遊技盤20を構成するベニヤ板の厚みの範囲内に収まっている。
【0132】
実施例のパチンコ機10は、第1位置決め部52および第2位置決め部54の組とは別の位置決め組を備えている。別の位置決め組は、動作ベース部材502の下部に設けられた第3位置決め部55(図11参照)と、枠状装飾体28の後面において第3位置決め部55と整合する位置に設けられた第4位置決め部56(図9参照)とを備えている。第3位置決め部55は、動作ベース部材502において隣接配置された動作ベース発光手段580の動作ベース発光カバー582よりも前方に突出するよう形成されている。第3位置決め部55および第4位置決め部56の一方は、相手側に向けて開口する筒状に形成されると共に、第3位置決め部55および第4位置決め部56の他方は、相手側に向けて突出するピン状に形成されて、第3位置決め部55と第4位置決め部56とが嵌合して、設置部材40と枠状装飾体28とが位置決めされる。実施例では、第3位置決め部55が、第1位置決め部52と同様に枠状装飾体28側に向けて開口する筒状に形成されると共に、第4位置決め部56が、第2位置決め部54と同様に設置部材40側に向けて突出するピン状に形成されている。
【0133】
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用について説明する。
【0134】
(移動演出装置)
前記第1移動演出装置100は、第1移動体110が基準位置において、右部作動ユニット402Aの後側に隠れて、遊技盤20の前側から視認できない(図2参照)。同様に、第2移動演出装置200は、第2移動体210が基準位置において、下部発光装置48の後側に隠れて、遊技盤20の前側から視認できない。第1移動演出装置100は、パチンコ機10の遊技状態や該パチンコ機10の演出内容に応じて制御手段Cによって第1移動モータ123が駆動制御されて、第1移動体110を左右方向に移動させて表示部13aの前側で動作させたり、表示部13aの前側で上下に延在する第1移動体110を停止させたりする等、所定の動作による演出を行う(図3(b)参照)。第2移動演出装置200は、パチンコ機10の遊技状態や該パチンコ機10の演出内容に応じて制御手段Cによって第2移動モータ223が駆動制御されて、第2移動体210を上下方向に移動させて表示部13aの前側で動作させたり、表示部13aの前側で左右に延在する第2移動体210を停止させたりする等、所定の動作による演出を行う。また、第1移動演出装置100および第2移動演出装置200は、表示部13aの前側で交差する第1移動体110および第2移動体210が関連付けて動作され、表示部13aに表れた表示物に合わせてまたは追い掛ける等の関係を持たして、第1移動体110と第2移動体210の交点が変位したり、表示部13aの表示領域を所定の範囲で区画するように変位したりする等、図柄表示装置13の表示部13aでの表示態様に連動して第1移動体110および第2移動体210を移動してもよい。更に、第1移動演出装置100および第2移動演出装置200は、他の演出装置300,400,500の可動部材310,410,410,510の動作に連動させて、第1移動体110および第2移動体210を動作させてもよい。例えば、動作体510の揺動動作に伴って該動作体510が指し示す位置や先端に合わせて、第1移動体110と第2移動体210の交点を変位させてもよい。
【0135】
(移動演出装置の補強について)
前記第1移動演出装置100は、第1移動機構120における第1駆動側支持組120Aの設置部位に対応して設置板部41の上辺部に該設置板部41と比べて剛性を有する金属製の上部ベース部材116が設けられているので、該上部ベース部材116によって設置板部41の上辺部の歪み等の変形を防止し得る。すなわち、設置板部41の上辺部の前側に設けられる一対の第1回転体121,122の間に巻き掛けられる上部ベルト124の歪みが防止され、第1移動モータ123に過負荷をかけることなく該駆動側支持組120Aによって第1移動体110をスムーズに移動させることができる。第1移動演出装置100では、上部ベース部材116を第1駆動側支持組120Aの構成部材121,122,123,124,125,126,127の設置基盤として用いているので、構成部材121,122,123,124,125,126,127の位置ズレが防止され、第1移動体110をよりスムーズに移動させることができる。
【0136】
前記第2移動演出装置200は、第2移動機構220における第2駆動側支持組220Aの設置部位に対応して設置板部41の左側辺部に該設置板部41と比べて剛性を有する金属製の左部ベース部材202が設けられているので、該左部ベース部材202によって設置板部41の左側辺部の歪み等の変形を防止し得る。すなわち、設置板部41の左側辺部の前側に設けられる一対の第2左部回転体221,222の間に巻き掛けられる左部ベルト224の歪みが防止され、第2移動モータ223に過負荷をかけることなく該駆動側支持組220Aによって第2移動体210をスムーズに移動させることができる。また、第2移動演出装置200は、第2移動機構220における第2従動側支持組220Bの設置部位に対応して設置板部41の右側辺部に該設置板部41と比べて剛性を有する金属製の右部ベース部材216が設けられているので、該右部ベース部材216によって設置板部41の右側辺部の歪み等の変形を防止し得る。すなわち、設置板部41の右側辺部の前側に設けられる一対の第2右部回転体241,242の間に巻き掛けられる右部ベルト244の歪みが防止され、第2駆動側支持組220Aの第2移動モータ223に過負荷をかけることなく該従動側支持組220Bによって第2移動体210をスムーズに移動させることができる。第2移動演出装置200では、左部ベース部材202を第2駆動側支持組220Aの構成部材221,222,223,224,225,226,227の設置基盤として用いているので、構成部材221,222,223,224,225,226,227の位置ズレが防止され、第2移動体210をよりスムーズに移動させることができる。また、第2移動演出装置200では、右部ベース部材202を第2従動側支持組220Bの構成部材241,242,244,246,247の設置基盤として用いているので、該構成部材241,242,244,246,247の位置ズレが防止され、第2移動体210をよりスムーズに移動させることができる。このように、第2移動演出装置200では、第2駆動側支持組220Aおよび第2従動側支持組220Bの両方が対応のベース部材202,216で補強されているので、第2移動体210を両側からバランスよく支持し得る。
【0137】
前記第2移動演出装置200は、第2移動機構200において第2駆動側支持組220Aと第2従動側支持組220Bとを連動させる連結シャフト256が設置板部41の下辺部に左右に延在するように設けられ、設置板部41と比べて剛性を有する金属製の連結シャフト256によって、設置板部41における表示開口部40aの下側領域を補強することができる。すなわち、設置板部41の下辺部に左右に延在する第1移動演出装置100の下部ガイド144が連結シャフト256によって間接的に補強され、下部ガイド144の歪み等の変形を防止して、第1移動体110をスムーズに移動させることができる。設置部材40の設置板部41には、表示開口部40aを囲繞するように上部ベース部材116、左部ベース部材202、右部ベース部材216および連結シャフト256が配設されているので、設置板部41全体の歪みを適切に防止することができ、該設置板部41に設置される移動機構120,220によって両移動体110,210をスムーズに移動させることができる。
【0138】
前記第1移動演出装置100では、第1従動側支持組120Bが下部ガイド144と下部移動支持部146とで構成されて、第1駆動側支持組120Aと比べて構成が簡易であるので、設置部材40において第1従動側支持組120Bに要する設置スペースをコンパクトにできる。ここで、第1移動演出装置100では、第1移動体110の上端を支持する第1駆動側支持組120Aに該第1移動体110の荷重のほとんどがかかるので、第1従動側支持組120Bの構成を簡易にしても、第1移動体110の円滑な移動に悪影響を与えない。また、第2移動演出装置200では、第2従動側支持組220Bが連結シャフト256を介して第2駆動側支持組220Aと連動し、第2駆動側支持組220Aと比べて第2移動モータ223および第2シャフト225が省略されて構成が簡易になっている。従って、設置部材40において第2従動側支持組220Bに要する設置スペースをコンパクトにできる。
【0139】
(移動体の発光について)
前記移動演出装置100,200は、移動体110,210の端面に相対させて移動発光体160,164,260,264が設けられ、該移動発光体160,164,260,264から光を照射することで、移動体110,210の端面から入射した移動発光体160,164,260,264の光によって移動体110,210の周面を発光することができる。移動発光体160,164,260,264は、移動体110,210の動作や図柄表示装置13における表示部13aの表示等に合わせてまたは独立して、制御手段Cによって発光制御される。移動体110,210では、移動発光体160,164,260,264を点滅させたり、発光色を変化させたり、一方の移動発光体160,260を点灯して他方の移動発光体164,264を消灯することで発光させる領域を変化させたりする等の発光演出が行われる。また、図柄表示装置13における表示部13aの前側において移動体110,210は、後側に位置する表示部13aの画面表示が映り込んで、移動発光体160,164,260,264で照らすことなく該画面表示によっても移動体110,210を光による装飾を行うことができる。
【0140】
前記移動演出装置100,200は、移動体110,210の端部を支持する移動支持部126,146,226,246に移動発光体160,164,260,264を設ける構成であるので、移動体110,210自体に移動発光体160,164,260,264の取付スペースを必要とせず、移動体110,210が表示部13aの前側に位置した際にも移動発光体160,164,260,264が表示部13aの邪魔にならない。実施例の移動体110,210のように、細長くて、図柄表示装置13等の他の装置に重なる構成であり、移動発光体160,164,260,264の配設スペースに制限があっても、表示部13aの前側から外れた移動体110,210において移動支持部126,146,226,246で支持される部位を有効利用して移動発光体160,164,260,264を配設することで、移動体110,210の端面から入射した移動発光体160,164,260,264により移動体110,210を好適に発光させ得る。そして、移動体110,210を両端面から移動発光体160,164,260,264で照らすことで、移動体110,210をより明輝させることができる。
【0141】
前記移動演出装置100,200は、LEDが用いられる移動発光体160,164,260,264から照射した光の直線性を利用して、移動体110,210の周面の広い範囲を発光し得る。しかも、移動体110,210の周面には、光を拡散する光拡散部112,114,212,214が設けられているので、移動発光体160,164,260,264から照射した光を効率よく用いて移動体110,210をより広い範囲で発光させることができる。光拡散部は、移動体110,210の後面に該移動体110,210の延在方向と直交するよう筋状に形成された複数の第1拡散溝112,212と、移動体110,210の前面に略菱形に形成された複数の第2拡散溝114,214とを備えているので、移動体110,210の前後の面に設けられた拡散溝112,114,212,214が相乗して移動発光体160,164,260,264から入射された光を拡散できるので、移動体110,210において移動発光体160,164,260,264から遠い部位であっても明輝させることができる。また、1つの移動発光体160,164,260,264が担当する移動体110,210の発光領域において該移動発光体160,164,260,264から遠くなるにつれて第1拡散溝112,212の間隔が狭くなるよう形成することで、移動発光体160,164,260,264から遠くなって光が弱くなるにつれて第1拡散溝112,212の間隔が狭くなって光を干渉し易くなり、当該光を好適に拡散して移動発光体160,164,260,264から遠い部位であっても明輝させることができる。
【0142】
(可動演出装置)
前記可動演出装置300は、制御手段Cによって駆動モータ351が駆動制御されて、演出体330が支持軸320周りを回転して、遊技盤20の前側に臨ませる1つの表示面312,313,314,315を切り替えて停止される。4つの表示面312,313,314,315は、互いに異なる意匠とされているので、表示面312,313,314,315を切り替えることで、遊技者に与える印象を変えることができ、表示面312,313,314,315の意匠で構成される文字等によって、パチンコ機10の遊技状態または該パチンコ機10で実行される演出内容の示唆や報知を遊技者にすることができる。また、可動演出装置300は、制御手段Cによって照明手段340が発光制御されて、照明手段340の照明体341から前方に照射した光によって、遊技盤20の前側に臨んだ表示面312,313,314,315の演出部316が発光される。可動体310では、演出部316の一部または全部を点滅させたり、発光色を変化させたり、複数の演出部316を並びの一方から他方に向けて順次点灯したりする等の発光演出が行われる。
【0143】
前記可動体310は、支持軸320に設けた照明手段収容体322に照明手段340を収容する構成であるので、照明手段340を支持する構成を別途設ける必要なく、照明手段340を支持する構成を簡易にして、該構成をコンパクトにし得る。照明手段収容体322は、照明体341の光照射方向前側を覆う照明手段前覆部324が光拡散処理を施され、照明手段前覆部324が照明体341から照射した光を拡散するので、該照明手段前覆部324を介して照明される表示面312,313,314,315を全体的に明輝させることができる。照明手段340が、前方に向けて光を照射して、遊技盤20の前側に臨んだ表示面312,313,314,315を照らす構成であるので、照明手段340の光によって遊技者が注視する遊技盤20の前側に臨んだ表示面312,313,314,315を明輝させることができる。
【0144】
前記可動体310は、支持軸320および演出体330の両方に対して回転可能なスリーブ336を介して演出体330を支持軸320で支持する構成であるので、演出体330の回転時の摺動負荷を軽減し、演出体330をスムーズに回転させることができる。すなわち、可動体310は、演出体330を高速回転することが可能である。また、可動体310では、照明手段340が支持軸320に支持されて、演出体330が該可動体310の外殻を構成するだけで軽量化されており、演出体330の一層の高速回転を許容し得る。
【0145】
(可動演出装置の配線構造)
前記可動体310は、演出体330が支持軸320周りに回転する構成であると共に、支持軸320に照明手段340が設けられて、支持軸320と照明手段340との相対的な関係が変化しないので、演出体330の内外支持軸320に設けられた配線通路344に照明手段配線Hsを通すことで、照明手段配線Hsを演出体330と干渉させることなく演出体330の内部に配置された照明手段340まで容易に配設することができる。すなわち、演出体330との干渉を防ぐために照明手段配線Hsの取り回し構造を複雑にする必要がなく、可動体310全体としてコンパクトにできる。このように、実施例の可動演出装置300によれば、可動体310に設けた照明手段340に繋がる照明手段配線Hsの取り回しを容易にし得る。
【0146】
(可動演出装置の制御)
前記可動演出装置300は、パチンコ機10の遊技状態または該パチンコ機10で実行される演出内容に応じて、該遊技状態または該演出内容に関連する意匠が施された表示面312,313,314,315を遊技盤20の前側に臨ませるので、遊技状態または演出内容と可動体310の表示面312,313,314,315とが密接に関連し、遊技状態または演出内容と可動体310との一体感を高めることができる。また、遊技盤20の前側に臨む可動体310の表示面312,313,314,315によって、遊技状態または演出内容に関連付けて遊技者の期待感をあおることができる。可動体310は、4つの表示面312,313,314,315のうちの一面だけが遊技盤20の前側に臨むように停止されるので、遊技者に一つ一つの表示面312,313,314,315の違いをはっきり認識させることができ、遊技盤20の前側に臨んだ表示面312,313,314,315による演出的な意義を明確化することができる。そして、可動体310の第4表示面315を遊技盤20の前側に臨ませた際に、第4表示面315の意匠が、作動位置にある作動体410,410、枠体装飾部29,30,31、可動装飾部306、作動体装飾部407および下部発光装置48の前面に施された意匠が繋がって、表示部13aを囲む1つの意匠体が構成されるので、作動体410,410の動作と同調して可動体310の表示面315を越えた大きな演出を行うことができ、遊技者の興趣をより高めることができる。
【0147】
(作動演出装置)
前記作動演出装置400は、左右の作動体410,410が待機位置において、表示部13aから側方に退避すると共に、前後の作動分体412,422が分体重複状態にあり、表示部13aの前側が広く開放されている(図2参照)。同様に、作動演出装置400は、パチンコ機10の遊技状態や該パチンコ機10の演出内容に応じて制御手段Cによって左右の作動モータ451,451が同期して駆動制御されて、左右の作動体410,410が待機位置から作動位置へ向けて互いに近づくようにスライド移動される。各作動体410は、待機位置から係止位置までは前後の作動分体412,422が重なった分体重複状態のままで一体的にスライド移動し、係止位置において前側の第2作動分体422が位置規制されることで、係止位置から作動位置において後側の第1作動分体412だけがスライド移動して分体拡開状態となる。作動位置から待機位置まで戻る際は、各作動体410は、作動位置から係止位置までは後側の第1作動分体412だけがスライド移動し、係止位置において分体重複状態となった前後の作動分体412,422が係合することで、係止位置から待機位置において前後の作動分体412,422が一体的にスライド移動する。作動演出装置400は、左右の作動体410を左右にスライド移動させて、待機位置と作動位置の間で大きく移動させたり、細かく往復動させたり、途中で停止させたりする等、左右の作動体410による所定の動作による演出を行う。作動演出装置400は、左右の作動体410の,410動作によって図柄表示装置13における表示部13aの視認可能な領域を狭めたり、広げたりできるので、例えば作動体410,410の動作演出と連係した表示部13aの演出を行うことで、より演出効果を高めることができる。また、作動体電飾手段417の発光によっても、作動体410および表示部13aの演出を際立たせることができる。
【0148】
前記作動演出装置400は、作動モータ451に連係された作動回転体452の回転に伴う作動アーム453の揺動によって、該作動アーム453の延出端に接続された作動体410をスライド移動させる構成であるので、作動回転体452の回転角度が小さくても作動アーム453の延出端を大きな角度で揺動させることができる。すなわち、作動モータ451の駆動に対して、作動体410を大きくスライド移動させることができ、作動体410を機敏に動作させることができる。また、作動モータ410の能力を上げることなく作動体410の機敏なスライド移動を達成することができるので、小型の作動モータ451を用いることができる。従って、作動演出装置400によれば、コンパクトな作動手段450で機敏に作動体410を動かし得る。各作動ユニット402A,402Bは、ボールベアリング436を用いた第1支持部材430で作動体410を支持しているので、作動モータ451の小さい力で作動体410をスムーズに動作させることができる。特に、作動体410において作動アーム453の延出端が接続される部位から遠い側を第1支持部材430で支持しているので、作動アーム453への負荷を軽減して作動体410のよりスムーズな動作を達成し得る。しかも、第1支持部材430に並行配置された上部ベース部材116によって該第1支持部材430に対応して設置板部41が補強されて、第2支持部材440に並行配置された連結シャフト256によって該第2支持部材440に対応して設置板部41が補強されているので、第1および第2支持部材430,440の歪み等の変形を抑えて、これらの支持部材430,430で支持される作動体410をよりスムーズに動作させることができる。
【0149】
前記作動体410は、前後の作動分体412,422から構成され、前後の作動分体412,422の分体重複状態で左右寸法をコンパクトにすることができる。一方で、作動体410は、分体拡開状態において前後の作動分体412,422を連ねて左右に広げることができるので、作動体410全体として大きな意匠を構成してインパクトのある演出を行うことができる。また、作動体410は、前後の作動分体412,422を第1磁着体460および第2磁着体461の引き合いにより分体重複状態を保持できると共に、作動手段450による移動に伴って前側の第2作動分体422を分体係止部406で移動規制して、第1磁着体460および第2磁着体461を引き離して後側の第1作動分体412だけを動かすことができる。すなわち、後側の第1作動分体412を作動アーム453を介して動かすだけで、前後の作動分体412,422を連動させたり、後側の第1作動分体412だけを単独で動かすことができる。
【0150】
前記作動体410は、分体係止部406に分体当接部424が係止された際に、第3磁性体462と第4磁性体463とが引き合って前側の第2作動分体422を保持するので、前側の第2作動分体422の意図しない動作を防止できる。また、第3磁性体462および第4磁性体463の引き合い力は、第1磁着体460および第2磁着体461の引き合い力より弱く設定されているので、前後の作動分体412,422が分体重複状態になった際に、第3磁性体462と第4磁性体463との磁力による引き合い力に抗して、前側の第2作動分体422を後側の第1作動分体412と共に適切に動かすことができる。
【0151】
(動作演出装置)
前記動作演出装置500は、動作体510が退避位置において、表示部13aの右側方に位置して表示部13aの前側から退避している(図2参照)。動作演出装置500は、パチンコ機10の遊技状態や該パチンコ機10の演出内容に応じて制御手段Cによって動作モータ551が駆動制御されて、動作体510を左右方向に揺動させて表示部13aの前側で往復動作させたり、表示部13aの前側で動作体510を停止させたりする等、所定の動作による演出を行う(図3(b)参照)。
【0152】
(設置部材の補強構造)
前記設置板部41の前面には、上部ベース部材116,左部ベース部材202,右部ベース部材216、連結シャフト256および可動ベース部材302が、表示開口部40aの四辺を略全周に亘って囲むように設けられる。第1移動体110の上端を移動可能に支持する上部移動支持部126が取り付けられる上部ベルト124に並行配置された上部ベース部材116によって、設置板部41の上辺部が補強されて歪み難くなっており、上部ベルト124が適切な形状を保つことができるので、第1移動体110の上部をスムーズに移動させることができる。また、第1移動体110の下端を移動可能に支持する下部移動支持部146が取り付けられる下部ガイド144に並行配置された連結シャフト256によって、設置板部41の下辺部が補強されて歪み難くなっており、下部ガイド144が適切な形状を保つことができるので、第1移動体110の下部をスムーズに移動させることができる。すなわち、第1移動体110全体としてスムーズに移動させることができる。同様に、作動体410の上側を移動可能に支持する第1支持部材430に並行配置された上部ベース部材116によって、設置板部41の上辺部が補強されて歪み難くなっており、第1支持部材430が適切な形状を保つことができるので、作動体410の上側をスムーズに移動させることができる。また、作動体410の下側を移動可能に支持する第2支持部材440に並行配置された連結シャフト256によって、設置板部41の下辺部が補強されて歪み難くなっており、第2支持部材440が適切な形状を保つことができるので、作動体410の下側をスムーズに移動させることができる。すなわち、作動体410全体としてスムーズに移動させることができる。設置板部41の表示開口部40aを囲んで上部ベース部材116、左部ベース部材202、右部ベース部材216、連結シャフト256および可動ベース部材302が設けられているので、設置部材40全体の歪みを適切に防止することができ、設置板部41に設置される演出装置100,200,300,400,500の可動部材110,210,310,410,410,510をスムーズに移動させることができる。しかも、上部ベース部材116は、前後に延在する上部ベース立設部117を備えているので、設置部材40を更に歪み難くすることができる。
【0153】
(意匠体)
実施例のパチンコ機では、両作動体410,410が作動位置に配置されると共に可動体310が第4表示面315を前側に臨ませることで、両作動体410,410および第4表示面415の意匠、これらの周辺に設けられた枠体装飾部29,30,31、可動装飾部306、作動装飾体407、下部発光装置48の意匠が隣接する同士で繋がって、一つの大きな意匠体を構成するので、得られた意匠体が作動体410や第4表示面415等の1つ1つよりも大きくなる。すなわち、作動体410の動作による動的な演出効果だけでなく、作動410の大きさ以上となる意匠体によって、大きなインパクトを遊技者に与えることができる。また、作動体410の動作が可動体310の第4表示面315と結び付くので、作動体410の動作の結果に対して遊技者に期待を持たせることができるので、遊技者の興味を長く惹き付けることができる。また、可動体310は、演出体330を回転することで表示面412,413,414,415を切り替える構成であるので、可動体310の動作の結果に対しても遊技者に期待を持たせることができるので、遊技者の興味を長く惹き付けることができる。しかも、可動体310の動作と作動体410の動作とを組み合わせることで、より演出効果を高めることができる。
【0154】
(動作体と演出部との関係)
実施例のパチンコ機10では、動作体510の動作と該動作体510で指し示された演出部316の発光等の演出態様の変化とによって、連係した演出を行うことができる。そして、動作体510を動作することで、動作体510で指し示す演出部316を変えることができ、多彩なバリエーションで遊技者の興味をそそる効果的な演出を行うことができる。また、また可動体310は、演出体330を回転することで表示面412,413,414,415を切り替える構成であるので、演出体330の回転動作に伴って演出部316を動作させることができるので、遊技者の注意を惹く演出部316によって演出態様の変化を行うことができる。そして、表示面312,313,314,315の切り替えにより表れた演出部316と動作体510とを連係させて、遊技者の注意を惹く演出を行うことができる。更に、動作体510は、演出部316を揺動動作によって指し示すだけでなく、演出部316に向けて進退移動するよう構成され、動作体516の進退移動に連動して対応の演出部316での演出態様の変化させることで、揺動動作による指し示しとは別の連係態様で演出を行うことができる。更にまた、動作体510の進退移動に連動して、可動体310における演出体330の回転動作を開始または停止することで、動作体510の進退動作と可動体310の回転動作との関連性を高めることができる。
【0155】
(位置決め構造)
実施例のパチンコ機10は、設置部材40に設けられた第1位置決め部52と枠状装飾体28に設けられた第2位置決め部54とを嵌合することで、演出装置100,200,300,400,500が設置された設置部材40と枠状装飾体28とを位置決めすることができる。しかも、第1位置決め部52は、設置部材40において隣接配置された上部発光カバー47よりも前方へ突出しているので、第1位置決め部52と第2位置決め部54との嵌合作業を行い易い。このように、第1位置決め部52と第2位置決め部54との嵌合によって、遊技盤20に設置された枠状装飾体28と遊技盤20の後側に配設される設置部材40との位置ズレを防止し得る。また、第1位置決め部52および第2位置決め部54の組を2組備えているので、2つの位置合わせ部組で位置合わせすることで、設置部材40と枠状装飾体28とをより精度よく位置決めすることができる。第3位置決め部55と第4位置決め部56との嵌合によっても、遊技盤20に設置された枠状装飾体28と遊技盤20の後側に配設される設置部材40との位置ズレを防止し得る。設置部材40側の第1位置決め部52を、枠状装飾体28側に向けて開口する筒状に形成すると共に、枠状装飾体28側の第2位置決め部54を、遊技盤20の中央貫通口20bを介して設置部材40側に向けて突出するピン状に形成することで、遊技盤20の厚みの間に第2位置決め部54を収容することができる。前述した如く、枠状装飾体28に設けられた枠体装飾部29,30,31の意匠が、設置部材に設置された可動装飾部306、可動体310の第4表示面315、作動位置にある左右の作動体410,410および作動体装飾部407の意匠と結び付いて、ひとまとまりの意匠体を構成するが、設置部材40と枠状装飾体28とが精度よく位置決めされているので、枠体装飾部29,30,31、可動装飾部306、可動体310の第4表示面315、作動位置にある左右の作動体410,410および作動体装飾部407の意匠が適切に繋がって、ズレの少ない意匠体を構成し得る。
【0156】
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。
(1)光拡散処理としては、例えば光透過性を有する部材の表面に凹凸を形成するような表面加工や、光反射性を有する微粒子を含有する光拡散インクを種々の濃度分布で光透過性を有する部材の表面に印刷または塗布等する加工や、部材を構成する樹脂自体に光反射性を有する微粒子を分散させる例えばラメ加工や、透過する光の屈折率を変える加工等を指し、1つの加工だけであっても、複数の加工を組み合わせてもよい。なお、表面加工の具体例としては、溝加工、ダイヤモンドカット加工、シボ加工、ブラスト加工などが挙げられ、光の屈折率を変える加工としては、部材の表面に該部材と屈折率が異なる微細な凹凸を設けたシートレンズの如きものが挙げられる。
(2)発光体としてLEDを例に挙げたが、これに限定されず、電球や有機ELその他の光を照射し得るものであれば採用できる。
(3)実施例では、演出装置の位置検知手段として光センサを例に挙げたが、これに限定されず、マイクロスイッチ等の機械式や磁気センサあるいはその他の検知手段を採用し得る。
(4)実施例では、演出装置の駆動源として、モータやソレノイドをを用いたが、その他の流体圧シリンダ等のアクチュエータを用いてもよい。
(5)実施例では、遊技盤の裏側に設置部材を設けるよう構成したが、該設置部材を本体枠としての中枠に設置する構成も採用できる。
(6)実施例では、遊技盤としてベニヤ板を採用したが、これに限られるものではなく、遊技盤を透明な合成樹脂材から構成するようにしてもよい。
(7)実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
(8)実施例では演出部を可動演出装置の可動体に設ける例を説明したが、図柄表示装置における表示部の特定領域を該図柄表示装置の表示によって演出態様が変化する演出部として用いることができ、枠状装飾体や他の演出装置に演出部を設けてもよい。また、可動演出装置と図柄表示装置とに演出部を設けた場合には、可動体の揺動動作および/または進退動作に応じて(例えば図柄表示装置の演出部を可動体で撃つようなアクション)、図柄表示装置の演出部の表示演出を変更(当該演出部が破裂するような画像演出)するのに連動して、可動体を動作または可動体の演出部の演出態様を変化させる等、複数の演出部を連係させて演出態様を変更させてもよい。
(9)実施例においてメイン制御手段(CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(10)実施例において統括制御手段(CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(CPU)が備える機能の全部または一部を統括制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。そして実施例では、統括制御手段(CPU)と統括制御手段(CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における統括制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
【0157】
(11)移動体は、端面から内部にかけて光を透過可能に構成し、外周面を光を透過しない塗装等の被膜を設け、被膜の切れ目から発光させてもよい。
(12)移動体が片持ちであってもよい。この場合は、移動機構は、駆動側支持組だけで構成される。
(13)移動演出装置は、移動体の一方の端面だけに対応して移動発光体を設けてもよい。
(14)移動体は、一方の端面から他方の端面に亘って一直線に形成する構成に限定されず、端面から光を入射する移動発光体の発光範囲において直線形状であればよい。例えば両端面がから入射するのであれば、移動発光体の発光範囲の重なる移動体の中央部で屈曲する形状であってもよい。
(15)移動機構は、支持組の両方が駆動側支持組であってもよい。この場合、移動体と移動支持部との接続部位を回動可能に構成することで、対をなす支持組を同期して動作させるだけでなく、対をなす支持組をずらして動作することで、移動体を斜めに姿勢を変えることができる。
(16)ベルトを張る張架手段は、実施例の構成に限定されず、例えばベルトを押さえてテンションをかけてもよい。
【0158】
(17)演出体の形状は、断面正方形の角筒形状に限られず、断面三角形や五角形以上の多角形であってもよく、また断面円や楕円の丸筒形状であってもよい。
(18)可動体は、1つの支持軸で演出体を片持ちしてもよい。
(19)可動体は、表示面の1つだけを遊技盤の前側に臨ませる構成だけでなく、2面または3面以上の表示面を前側に臨ませてもよい。
【0159】
(20)左右の作動体を同期して動作させる例を挙げたが、左右の作動体を独立して動作させてもよい。
(21)作動体を遊技盤の盤面に沿って左右方向に動作させる例を示したが、遊技盤の盤面に沿って上下方向または斜め方向に動作させてもよい。
(22)作動体が左右方向に動作する構成において、作動モータを作動体の下方に配置したが、作動体の上方に配置してもよい。なお、作動体が上下方向に動作するのであれば、作動モータを作動体の右または左方に配置するとよい。
(23)磁石からなる第1磁着体を第1作動分体に設けて、これに対応する磁性体からなる第2磁着体を第2作動分体に設けたが、第1作動分体に第1磁着体を設けて、第2作動分体を第2磁着体を設けてもよい。第1磁着体および第2磁着体は、両方とも磁石であってもよい。
(24)作動体を2枚の作動分体で構成したが、1枚または3枚以上の作動分体で構成してもよい。
【0160】
(25)動作体は、揺動に限られず、スライド移動やその他の動作を行ってもよい。
【0161】
(26)補強部材としての上部ベース部材、右部ベース部材、左部ベース部材および連結シャフトを繋げて、あるいはこれらの部材を一体形成して表示開口部を囲うように構成してもよい。
(27)連結シャフトに代えて、上部ベース部材のような板金からなる補強部材を採用してもよい。
(28)実施例では、補強部としての上部ベース立設部を上部ベース部材と一体形成したが、補強部材を補強部と一体形成しても別体形成してもよい。
【符号の説明】
【0162】
10 パチンコ機
20 遊技盤
310 可動体
312 第1表示面(表示面)
313 第2表示面(表示面)
314 第3表示面(表示面)
315 第4表示面(表示面)
350 駆動手段
410 作動体(装飾体)
C 制御手段
【技術分野】
【0001】
この発明は、動作による演出を行う可動体が配設された遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば遊技機の代表例の一つであるパチンコ機は、機内にセットされる遊技盤の盤面にパチンコ球が打ち出される遊技領域が画成されて、該遊技盤における遊技領域の裏側に、各種図柄を変動表示して図柄変動演出を行う液晶パネル等の図柄表示装置が配設される。またパチンコ機は、遊技盤に形成した開口部等を介して図柄表示装置の表示面を前側から視認し得るよう構成される。この種のパチンコ機では、遊技盤の前面側に、遊技領域に打ち出されたパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置が配設され、該始動入賞装置へのパチンコ球の入賞により図柄表示装置での図柄変動演出が開始されるよう構成されている。そして、パチンコ機では、図柄変動演出の結果として図柄表示装置に所定の組み合わせで図柄が停止すると、遊技者に有利な所謂大当りが発生するようになっている。
【0003】
前記パチンコ機には、そのパチンコ機のモチーフに応じた可動部材が配設され、遊技に際して図柄表示装置に表示される図柄等の演出状態に合わせて可動部材に所定の動作を行わせて、遊技者の興趣を高めることが行われている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、第1の可動部材の回転軸を図柄表示装置の上辺近傍に配置すると共に、第2の可動部材の回転軸を図柄表示装置の左辺近傍に配置し、リーチ演出や大当り演出等の所定の遊技状態になった際に、モータによって各可動部材が回転軸を中心として図柄表示装置の前側を夫々揺動させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−54140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記パチンコ機では、非確変状態、確変状態や変短状態などを組み合わせた様々な遊技状態を有している。また、パチンコ機では、遊技状態に応じて図柄表示装置でリーチ演出や大当り演出等の演出内容が実行される。特許文献1の可動部材は、揺動動作を行うことで、大当り発生等の期待感を示唆することを主眼に置いている。しかしながら、遊技者への利益状態の異なる遊技状態であることや現在の遊技状態から異なる遊技状態への移行、あるいは演出内容のストーリーや結果等が、可動部材の動作によって示唆されるものではない。すなわち、特許文献1の可動部材は、遊技状態や演出内容との関連性が低く、遊技者の注意を長く引き留めることが難しい。
【0006】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、遊技状態や演出内容との関連性が高い可動体を備えた遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の遊技機は、
異なる意匠が夫々施された複数の表示面(312,313,314,315)を有し、少なくとも一面の表示面(312,313,314,315)が遊技盤(20)の前側から視認可能に配設された可動体(310)と、
前記可動体(310)を動作し、前記遊技盤(20)の前側に臨ませる表示面(312,313,314,315)を切り替える駆動手段(350)と、
前記駆動手段(350)を制御する制御手段(C)とを備え、
前記制御手段(C)は、遊技機(10)の遊技状態または該遊技機(10)で実行される演出内容に応じて、該遊技状態または該演出内容に関連する意匠が施された表示面(312,313,314,315)を遊技盤の前側に臨ませるよう、前記駆動手段(C)を駆動制御することを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、遊技機の遊技状態または該遊技機で実行される演出内容に応じて、該遊技状態または該演出内容に関連する意匠が施された表示面を遊技盤の前側に臨ませるので、遊技状態または演出内容と可動体の表示面とが密接に関連し、遊技状態または演出内容と可動体との一体感を高めることができる。また、遊技盤の前側に臨む可動体の表示面によって、遊技状態または演出内容に関連付けて遊技者の期待感をあおることができる。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記可動体(310)は、周面に設けられた前記表示面(312,313,314,315)が切り替わるよう回転可能に支持され、該可動体(310)は、複数の表示面(312,313,314,315)のうちの一面だけが前記遊技盤の前側に臨むように停止されることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、可動体は、複数の表示面のうちの一面だけが遊技盤の前側に臨むように停止されるので、遊技者に一つ一つの表示面の違いをはっきり認識させることができ、遊技盤の前側に臨んだ表示面による演出的な意義を明確化することができる。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記可動体(310)において前記遊技盤(20)の前側に臨んで停止した特定の表示面(315)の意匠と前記遊技盤(20)の前側に臨むように配設された装飾体(410,410)の意匠とが繋がって、一つの意匠体が構成されることを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、可動体における特定の表示面を遊技盤の前側に臨ませた際に、特定の表示面の意匠と装飾部の意匠とが繋がって、一つの意匠体を構成するので、装飾体と同調して可動体の表示面を越えた大きな演出を行うことができ、遊技者の興趣をより高めることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る遊技機によれば、可動体が遊技状態や演出内容と高い関連を有しているので、遊技者の興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好適な実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図2】実施例の遊技盤を示す正面図であって、可動体が第1表示面を前側に臨ませ、両移動体が退避位置にあり、両作動体が待機位置にあり、動作体が標準位置にある。
【図3】実施例の遊技盤を示す正面図であって、(a)は、可動体が第4表示面を前側に臨ませ、両移動体が退避位置にあり、両作動体が作動位置にあり、動作体が標準位置にある。(b)は、可動体が第4表示面を前側に臨ませ、両移動体が移動状態にあり、両作動体が作動位置にあり、動作体が動作位置にある。
【図4】(a)は図2のA−A線断面図であり、(b)は図2のB−B線断面図である。
【図5】(a)は図2のC−C線断面図であり、(b)は図2のD−D線断面図である。
【図6】実施例の遊技盤、設置部材および図柄表示装置を分解した状態で示す斜視図である。
【図7】実施例の設置部材と枠状装飾体との関係を説明する平面図である。
【図8】(a)は図7のE−E線要部断面図であり、(b)は図7のF−F線要部断面図である。
【図9】実施例の遊技盤を示す背面図である。
【図10】(a)は実施例の枠状装飾体を示す正面図であり、(b)は実施例の枠状装飾体を背面側から示す斜視図である。
【図11】実施例の設置部材を示す正面図である。
【図12】実施例の設置部材において、動作演出装置、作動演出装置および可動演出装置を取り外した状態を示す正面図である。
【図13】実施例の設置部材における全ての演出装置を取り外した状態を示し、(a)は正面図であり、(b)は右側面図である。
【図14】実施例の第1および第2移動演出装置を示す正面図である。
【図15】実施例の第1および第2移動演出装置を示す背面図である。
【図16】実施例の第1および第2移動演出装置を示す斜視図である。
【図17】実施例の第1移動演出装置を示す概略斜視図である。
【図18】実施例の第2移動演出装置を示す概略斜視図である。
【図19】(a)は実施例の移動体を示す正面図であり、(b)は実施例の移動体を示す背面図であり、(c)は(a)のG−G線断面図である。
【図20】(a)は図14のH−H線で第1移動体を破断した説明図であり、(b)は図14のI−I線で第2移動体を破断した説明図である。
【図21】実施例の可動体の第1表示面を前側に臨ませた可動演出装置を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は底面図であり、(d)は背面図であり、(e)は左側面図である。
【図22】図21(b)のJ−J線断面図である。
【図23】実施例の可動体を示す斜視図であって、(a)は右前側から見た状態であり、(b)は左前側から見た状態である。
【図24】実施例の可動演出装置の分解斜視図である。
【図25】実施例の支持軸において、(a)は正面図であり、(b)は右側面図であり、(c)は左側面図であり、(d)は照明手段被覆部を取り外した状態を示す正面図である。
【図26】図24のK矢視図である。
【図27】実施例の作動演出装置を示す正面図であって、(a)は作動体が待機位置にあり、(b)は作動体が係止位置にあり、(c)は作動体が作動位置にある。
【図28】実施例の作動演出装置において第2作動分体を省略した状態で示す正面図であって、作動体が待機位置にある。
【図29】実施例の作動演出装置において第2作動分体を省略した状態で示す正面図であって、作動体が係止位置にある。
【図30】実施例の作動演出装置において第2作動分体を省略した状態で示す正面図であって、作動体が作動位置にある。
【図31】実施例の作動体および作動手段を背面側から示す説明図であって、(a)は作動体が待機位置にあり、(b)は作動体が係止位置にあり、(c)は作動体が作動位置にある。
【図32】図27(a)のL−L線断面図である。
【図33】(a)は実施例の第2作動分体を示す背面図であり、(b)は実施例の第2作動分体を示す平面図である。
【図34】(a)は実施例の動作演出装置を示す正面図であり、(b)は実施例の動作演出装置を示す背面図である。
【図35】実施例の動作演出装置を背面側から示す動作機構の説明図である。
【図36】実施例の動作演出装置を背面側から示す進退移動機構の説明図であって、(a)はスライド本体が後退位置にあり、(b)はスライド本体が前進位置にある。
【図37】実施例の動作演出装置を後側から示す分解斜視図である。
【図38】実施例のパチンコ機の制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0013】
(パチンコ機)
図1に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図2または図3参照)が着脱可能に保持された本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられている。また、遊技盤20の後側には、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置13(図1または図6参照)が着脱し得るよう配設されている。中枠12の前面側には、遊技盤20を透視保護するガラス板を備えた装飾枠としての前枠14が開閉可能に組付けられると共に、前枠14の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前枠14の下部位置に下球受け皿15の上側に位置して、パチンコ球を貯留する上球受け皿16が一体的に組付けられており、前枠14の開閉に合わせて上球受け皿16も一体的に開閉するよう構成される。なお、実施例のパチンコ機10では、図柄表示装置13として、液晶画面からなる表示部13aで各種演出表示を行う液晶タイプが採用されている。なお、図柄表示装置13としては、液晶タイプに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、上球受け皿16は、前枠14と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0014】
(遊技盤)
前記中枠12に配設される遊技盤20は、図2または図3に示すように、前面(盤面)にパチンコ球が流下可能な遊技領域20aが画成され、ベニヤからなる平板状の板部材で構成される。遊技盤20の前面には、円弧状に形成した案内レール21が配設されると共に、該案内レール21の右方位置に、左端縁が右方に凹む円弧状に形成した盤面飾り部材22が配設される。そして、案内レール21および盤面飾り部材22により遊技領域20aが略円形状に画成され、中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が遊技領域20a内に打ち出され、該遊技領域20a内をパチンコ球が流下して遊技が行われる。また、遊技盤20の遊技領域20a内には、多数の遊技釘が植設されており、該遊技釘との接触により遊技領域20aを流下するパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成してある。
【0015】
前記遊技盤20には、図1または図2に示すように、後述する枠状装飾体28の下縁より下方位置に、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置24および特別入賞装置25が配設され、枠状装飾体28の下縁より左側方位置に、パチンコ球が通過可能なゲート26等が配設される。なお、図2の符号27は、遊技盤20に配設されて、常に入賞口を開放している普通入賞装置を示す。
【0016】
(枠状装飾体)
前記遊技盤20の中央には、前後に貫通する大型の中央貫通口22b(図9参照)が形成されており、該中央貫通口22bに対して前後に開口する窓口28aを有する枠状装飾体(所謂センター役物)28が嵌め込まれるように着脱可能に配設される(図1または図2参照)。そして、後述する設置部材40の表示開口部40aから臨む図柄表示装置13の表示部13aは、枠状装飾体28における前後に開口する窓口28aを介して遊技盤20の前側に露出して、前述した始動入賞装置24への入賞を契機として該図柄表示装置13の表示部13aで展開される図柄変動演出やリーチ演出等の演出を前側から視認し得るようになっている。枠状装飾体28には、図2または図10(a)に示すように、上縁部から左右両縁部に亘り、遊技盤20の前面より前側に突出する円弧状の庇状部28bが設けられており、遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を外周部の庇状部28bで案内し得ると共に、該パチンコ球が枠状装飾体28の窓口28aを横切って流下するのを該庇状部28bで規制している。
【0017】
図3または図10に示すように、枠状装飾体28には、窓口28aの内側に臨む後述する演出装置300,400の可動部材(装飾体)310,410,410の意匠に合わせて、遊技盤20の前側から視認可能な前側部分の意匠が構成された枠体装飾部(装飾部)29,30,31が庇状部28bの窓口28a側に設けられている。枠体装飾部29,30,31は、遊技領域20a側から窓口28a側に向かうにつれて前側から後側に向かうように前面が段状に傾斜している。また、枠体装飾部29,30,31は、光を透過可能でかつ光拡散処理が施されている。実施例の枠状装飾体28は、庇状部28bの上部内側に設けられた上部枠体装飾部29と、庇状部28bの右部内側に設けられた右部枠体装飾部30と、庇状部28bの左部内側に設けられた左部枠体装飾部31とを備えている。上部枠体装飾部29は、下側に位置して窓口28aの内側に臨む可動演出装置300(後述)の可動体310における第4表示面315に形成された意匠と合わせた意匠が形成される。そして、所定方向(実施例では正面側)から上部枠体装飾部29および第4表示面315を見た際に、上部枠体装飾部29の意匠と第4表示面315の意匠とが繋がって、一連の意匠を構成するようになっている(図3参照)。右部枠体装飾部30は、左側に位置して窓口28aの内側に臨む作動演出装置400(後述)の右部作動体410に形成された意匠と合わせてた意匠が形成されている。所定方向(実施例では正面側)から右部枠体装飾部30および右部作動体410を見た際に、右部枠体装飾部30の意匠と右部作動体410の意匠とが繋がって、一連の意匠を構成するようになっている(図3参照)。左部枠体装飾部31は、左側に位置して窓口28aの内側に臨む作動演出装置400の左部作動体410に形成された意匠と合わせた意匠が形成されている。所定方向(実施例では正面側)から左部枠体装飾部31および左部作動体410を見た際に、左部枠体装飾部31の意匠と左部作動体410の意匠とが繋がって、一連の意匠を構成するようになっている(図3参照)。上部枠体装飾部29、右部枠体装飾部30および左部枠体装飾部31は、共通する意匠で構成されている。
【0018】
(設置部材)
前記遊技盤20の後面には、各種の遊技部品が配設される合成樹脂材で形成された設置部材40(図6または図13参照)が配設され、この設置部材40の後側に図柄表示装置13が着脱可能に配設されている。設置部材40は、遊技盤20の後面に対向配置される設置板部41と、この設置板部41の周縁から前方に立設された周壁部42とからなる前側に開口する矩形箱状に形成されている(図13参照)。設置部材40は、周壁部42の前端部に形成された取付部を遊技盤20の後面に突き当ててネジ止め固定される。設置部材40には、遊技盤20の後面に対向する設置板部41に、前後に貫通する大型の表示開口部40aが設けられている(図12または図13参照)。設置部材40は、遊技盤20に取り付けた際に、該遊技盤20の中央貫通口20bの後側に表示開口部40aが重なると共に、設置板部41と遊技盤20との間に演出装置100,200,300,400,500等の各種遊技部品を配設可能な所要の設置空間43が画成される(図4または図5参照)。なお、実施例のパチンコ機10において、遊技盤20の盤面に沿う方向において表示部13aを向く方向を内方といい、設置部材40の周壁部42を向く側を外方という。
【0019】
図11および図12に示すように、設置部材40の前側には、所定の動作を行う可動部材110,210,310,410,410,510を備えた複数の演出装置100,200,300,400,500が表示開口部40aの周りに配設されている。図12に示すように、実施例の設置部材40には、第1移動演出装置100が設置板部41における表示開口部40aの上側(上辺部)と下側(下辺部)のスペースを用いて設置され、第2移動演出装置200が設置板部41における表示開口部40aの左側(左側辺部)と右側(右側辺部)のスペースを用いて設置されている。また、設置部材40における設置板部41の上辺部には、第1移動演出装置100の前側に位置して可動演出装置300が設置されている(図11参照)。更に、設置部材40における設置板部41の左側辺部および右側辺部には、第2移動演出装置200の前側に位置して作動演出装置400が設置されている(図4または図5参照)。更にまた、設置部材40における設置板部41の右側辺部には、作動演出装置400における右部作動ユニット402Aの前側に位置して動作演出装置500が設置されている(図11参照)。このように、パチンコ機10には、前記設置空間43、窓口28aの内側における設置板部41の前面から庇状部28bの前面までのスペースを用いて、演出装置100,200,300,400,500が前後に重ねて配設されている。
【0020】
(上部発光装置)
図11に示すように、設置部材40の上部には、前方に向けて光を照射し得る上部発光装置46が周壁部42の前端部に配設されている。設置部材40を遊技盤20に取り付けた際に、上部発光装置46は、上部枠状装飾部29の後側に位置して、制御手段C(図38参照)の制御下に上部枠状装飾部29を発光させ得るようになっている。図8に示すように、上部発光装置46は、前方へ光を照射し得るLED等の発光体46aを前面に複数備えた基板46bと、この基板46bの前面を覆う上部発光カバー(部材)47とから構成される。上部発光装置46は、上部枠状装飾部29の形状に合わせて横長に形成されて、可動演出装置300の上方に配置されている。なお、上部発光カバー47は、前面が平坦に形成された透明部材である。
【0021】
(制御手段)
パチンコ機10の裏側には、該パチンコ機10に設けられた各種電気部品を制御する制御手段Cが配設されている。図38に示すように、制御手段Cには、入賞装置24,25,26およびゲート27に配設された球検知センサからの信号や、演出装置100,200,300,400,500に設けられたフォトセンサ170,270,370,470,470,570からの信号等の各種の制御のための信号が入力される。また、制御手段Cは、図柄表示装置13、演出装置100,200,300,400,500の駆動源123,223,351,451,451,531,551および発光手段46,48,160,164,260,264,340,408,408,417,417,524,580等の機器に電気的に接続され、前記信号や該制御手段Cに設定されたプログラムに基づいて、図柄表示装置13、駆動源123,223,351,451,451,531,551および発光手段46,48,160,164,260,264,340,408,408,417,417,524,580等の機器を連係または独立して所定の制御を実行するようになっている。
【0022】
図38に示すように、実施例の制御手段Cは、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段)Dと、該メイン制御基板Dからの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)E,Fとが設けられている。すなわち、メイン制御基板Dでは、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板E,Fに出力されるようになっている。実施例のサブ制御基板は、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板Eと、図柄表示装置13での表示内容を制御する表示制御基板Fと、パチンコ機10が備える各種発光手段の発光制御を行うランプ制御基板Gと、パチンコ機10が備えるスピーカの音出力制御を行う音制御基板Hとを備えている。すなわち、メイン制御基板Dが出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、統括制御基板Eが表示制御基板F、ランプ制御基板Gおよび音制御基板Hを制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板Fは、統括制御基板Eから出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置13に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板Gは、統括制御基板Eから出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板Gは、統括制御基板Eから出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカからの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するものである。なお、メイン制御基板D、統括制御基板Eおよび表示制御基板Fは、制御処理を実行するCPU、該CPUが実行する制御プログラムを記憶するROM、CPUの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なRAM等を備えている。
【0023】
(移動演出装置)
図12に示すように、設置部材40には、所定方向に動作される第1移動体110を備えた第1移動演出装置100と、第1移動体110と交差する方向へ動作される第2移動体210を備えた第2移動演出装置200とが、設置板部41の前面に設置されている。両移動演出装置100,200は、第1移動体110と第2移動体210とを互いに独立または連動して動作し得るよう構成され、第1移動体110と第2移動体210とを、表示部13aの前側で交差させるように動作可能になっている(図3(b)参照)。なお、実施例では、第1移動体110が第2移動体210の前側に重なるようになっている。
【0024】
先ず、第1移動演出装置100と第2移動演出装置200との共通する構成について説明する。図12、図14〜図16に示すように、移動演出装置100,200は、表示開口部40aを介して遊技盤40の前側に臨む表示部13aの前側を通過可能に支持された移動体110,210と、この移動体110,210を支持すると共に移動体110,210を表示部13aの前側を通過するよう移動させる移動機構120,220とから構成される。移動体110,210は、遊技盤20の前側に臨む表示部13aの前側を一方の側から他方の側へ亘って延在する長尺な棒状に形成されている(図3(b)参照)。移動機構120,220は、表示部13aを挟んで対向する表示開口部40aの周辺部に分けて設置した2つの支持組120A,120B,220A,220Bから構成され、移動体110,210の一方の端部が移動機構120,220における一方の支持組120A,220Aで支持されると共に、移動体110,210の他方の端部が移動機構120,220における他方の支持組120B,220Bで支持されている。
【0025】
図19に示すように、移動体110,210は、真っ直ぐに延在するよう形成されている。移動体110,210は、透明(実施例)または半透明等の光透過性を有する合成樹脂からなる成形品であって、全体が光を透過可能に構成される。移動体110,210は、遊技盤20の盤面(表示部13aの前面)に平行して長手が延在する姿勢で移動機構120,220に支持されると共に、当該姿勢を保ったまま移動機構120,220によって盤面と平行に移動させられる(図14,図15の実線および2点鎖線参照)。図19(C)に示すように、移動体110,210は、前面が前方に凸となる円弧形状に形成され、両側面が前後方向に平行に延在する平面形状に形成されると共に、後面が表示部13aの前面と平行な平面形状に形成されている。移動体110,210は、その端面が遊技盤20の盤面と直交するよう延在するよう形成されると共に、短手方向に破断した基本的な断面形状が、一方の端面から他方の端面にかけて同じになっている。なお、移動体110,210は、後側の角部が切り欠かれて、後面が段状に形成されている(図19(c)参照)。
【0026】
(移動体の発光構造)
図20に示すように、移動演出装置100,200は、制御手段Cの制御下に移動体110,210を発光させる移動発光体(発光体)160,164,260,264を備えている。移動発光体160,164,260,264は、移動体110,210の端面に相対させて移動機構120,220における該移動体110,210の端部を支持する部位(後述の移動支持部(支持部)126,146,126,246)に配設されている。そして、移動体110,210は、移動発光体160,164,260,264による光の照射によって所定の発光領域(所定領域)が発光される。図14〜図16に示すように、移動体110,210は、その端部が移動機構120,220を構成する移動体支持部126,146,126,246で支持され、移動機構120,220により移動支持部126,146,126,246が移動されるのに伴って移動される。移動支持部126,146,126,246には、該移動支持部126,146,126,246に固定された移動体110,210の端面に相対するように移動発光基板161,165,261,265が配置され、この移動発光基板161,165,261,265における移動体110,210側の面に、LEDである移動発光体160,164,260,264が1つ実装されている。実施例の移動発光体160,164,260,264は、移動体110,210の端面中央に相対するように配置され、移動体110,210における長手の延在方向(以下、移動体延在方向という)に沿って光を照射し得るよう構成されている。このように、表示開口部40aの外側に延出して外方に向く移動体110,210の端面に対して、移動発光体160,164,260,264から表示部13a側となる内方に向けて光が照射される。実施例では、移動体110,210の両方の端部が移動体支持部126,146,126,246で夫々支持され、各移動体支持部126,146,126,246に設けられた移動体発光体160,164,260,264によって両端面から移動体110,210が照らされるよう構成される。
【0027】
(移動体の光拡散部)
図19に示すように、移動体110,210の周面には、該移動体110,210の端面に相対するように設けられた移動発光体160,164,260,264から照射された光を拡散する移動体光拡散部(光拡散部)112,114,212,214が設けられている。移動体光拡散部は、移動体110の後面に移動体延在方向と直交するよう形成された複数の第1拡散溝112,212(図19(b)参照)と、移動体110,210の前面に形成された複数の第2拡散溝114,214(図19(a)参照)とを有している。第1拡散溝112,212は、平坦に形成された移動体110,210の後面における移動体延在方向に直交する方向全体に亘る長さで線形に形成される。一方、第2拡散溝114,214は、第1拡散溝112,212よりも太い多角形状に形成されている。実施例の第2拡散溝114,214は、略菱形に形成されており、両対角線が移動体延在方向と交差する方向に延在している。移動体110,210の前面には、移動体延在方向に斜め交差する方向に複数(3つ)の第2拡散溝114,214を並べた溝列が、移動体延在方向に一定間隔で設けられている(図19(a)参照)。なお、各溝列において、前面中央に位置する第2拡散溝114,214が、両側の他の第2拡散溝114,214より大きく設定されている(図19(a)拡大図参照)。
【0028】
前記移動体光拡散部は、第1拡散溝112,212の溝幅(移動体延在方向の幅寸法)が、第2拡散溝114,214の溝幅(移動体延在方向の幅寸法)より狭く設定されている。移動体光拡散部は、移動体110,210における移動発光体160,164,260,264による所定の発光領域において、該発光領域を担当する移動発光体160,164,260,264から遠くなるにつれて第1拡散溝112,212の間隔(隣り合う第1拡散溝112,212における移動体延在方向の離間間隔)が狭くなるよう形成されている(図19(b)参照)。実施例の移動体110,210は、両方の端面から移動発光体160,164,260,264の光が夫々入射される構成であり、実施例では各移動発光体160,164,260,264の発光領域が移動体110,210における移動体延在方向長さの半分以上であるので、第1拡散溝112,212の間隔は、移動体110,210の各端面から移動体延在方向中央に向かうにつれて狭くなっている。なお、実施例の移動体110,210では、第1拡散溝112,212の最も広い間隔よりも第2拡散溝114,214の間隔が広くなっている。なお、移動体110,210は、該移動体110,210における移動発光体160,164,260,264による所定の発光領域において、該発光領域を担当する移動発光体160,164,260,264から遠くなるにつれて、後面を前側に向けて傾斜するよう形成してもよい。すなわち、実施例の移動体110,210では、後面が端部から中央部に向かうにつれて前側に傾斜する構成とすることができる。
【0029】
図12に示すように、移動機構120,220は、表示開口部40aを挟んで設置板部41に設けられた2つの支持組120A,120B,220A,220Bで構成されるが、一方の支持組120A,220Aのみに駆動源である移動モータ123,223が設けられ、他方の支持組120B,220Bが一方の支持組120A,220Aに連動して、移動体110,210の端部を移動可能に支持するようになっている。なお、以下の説明では、構成要素として移動モータ123,223を含む一方の支持組を駆動側支持組120A,220Aといい、他方の支持組を従動側支持組120B,220Bという。各移動演出装置100,200の移動機構120,220は、駆動側支持組120A,220Aと比べて従動側支持組120B,220Bの構成要素が簡易になっている。
【0030】
(第1移動演出装置)
第1移動演出装置100について具体的に説明する。図17に示すように、第1移動演出装置100は、表示部13aの前側を左右方向に移動される第1移動体110と、この第1移動体110を移動させる第1移動機構120とを備えている。第1移動機構120は、表示部13aの前側に上下に架け渡された第1移動体110の上端を、設置板部41の上辺部に配設された第1駆動側支持組120Aで支持し、第1移動体110の下端を、設置板部41の下辺部に設けられた第1従動側支持組120Bで支持するよう構成される。第1移動演出装置100は、第1移動体110が表示開口部40aから右側方(設置板部の右側辺部)に外れた基準位置(図14および図15の2点鎖線参照)において、設置板部41の右側辺部に設けられた後述する右部作動ユニット402Aの右部作動体410の後側に隠れるよう構成される(図2参照)。また、第1移動演出装置100は、第1移動体110が表示部13aの前側を通過して設置板部41の左側辺部まで第1移動機構120によって移動されるよう構成され、該左側辺部に位置した第1移動体110が該左側辺部に設けられた後述する左部作動ユニット402Bの左部作動体410の後側に隠れるようになっている。
【0031】
(上部ベース部材)
前記第1駆動側支持組120Aの構成部材は、設置板部41の上辺部に設置された上部ベース部材(補強部材)116に設けられ(図12または図17参照)、上部ベース部材116を介して設置板部41に着脱し得る1つのユニットとして取り扱い可能になっている。上部ベース部材116は、剛性を有する金属製の板材であり、設置板部41から前方に立ち上がるように設けられた上部ベース立設部117と、この上部ベース立設部117の左右の側部に下方に延出するように折り曲げ形成された上部ベース架設部118,118とを備えている(図14または図17参照)。すなわち、上部ベース部材116は、全体として前面視で下方に開口する略「コ」字状に形成されている。上部ベース部材116は、上部ベース立設部117が表示開口部40aの上縁と平行に延在するように、上部ベース立設部117の後縁に設けられた取付片を設置板部41の前面に突き当てて取り付けられる。また、上部ベース部材116は、上部ベース立設部117が表示開口部40aの上縁より長く設定されて、上部ベース立設部117が表示開口部40aよりも左右へ延出している(図12参照)。上部ベース部材116は、上部ベース立設部117の前縁に下方へ垂下するように載置片117aが折り曲げ形成され、この載置片117aで後述する可動ベース部材302の可動ベース本体部303を支持するようになっている。
【0032】
(第1駆動側支持組)
図17に示すように、第1駆動側支持組120Aは、上部ベース部材116に対して回転可能に支持された一対の第1回転体(回転体)121,122と、上部ベース部材116に設けられ、一方の第1回転体121を回転駆動する第1移動モータ(移動モータ)123と、一対の第1回転体121,122に巻き掛けられた第1ベルト(ベルト)124と、この第1ベルト124に沿って延在するように設けられた第1シャフト(シャフト)125とを有している。また、第1駆動側支持組120Aは、第1シャフト125に移動可能に支持されると共に第1ベルト124に接続され、第1移動体110の上端を支持して第1ベルト124の走行に伴って移動される上部移動支持部(支持部)126と、第1ベルト124を張るように付勢する第1張架手段127とを有している。第1ベルト124は、歯付きベルトが用いられ、これに対応して第1回転体121,122は、周面が両側縁より凹むように形成されると共に周面に歯が設けられた歯付きプーリが用いられている。そして、第1ベルト124は、第1移動体110を支持して該第1移動体110を該第1ベルト124の延在方向(実施例では左右方向)に沿って移動させる支持部材として機能している。一対の第1回転体121,122は、上部ベース部材116における上部ベース立設部117の右側部と、上部ベース本体部117の左側部とに左右に離間して配置されている。なお、右側に配置された第1回転体(特に区別する場合は第1駆動回転体という)121は、設置板部41において表示開口部40aよりも右側に位置し、左側に配置された第1回転体(特に区別する場合は第1従動回転体という)122は、表示開口部40aよりも左側に位置している。そして、各第1回転体121,122は、回転軸を上下方向に延在させて上部ベース立設部117の下側に設けられている。また、第1駆動回転体121の下端面には、第1回転体歯車128が一体形成されている(図14参照)。
【0033】
前記第1移動モータ123は、制御手段Cに制御されたパルス電力によって動作するステッピングモータ等の位置決め制御が可能なモータが用いられる。第1移動モータ123は、上部ベース立設部117の右側部上面に設置される(図16または図17参照)。第1移動モータ123は、上部ベース立設部117に上下に貫通形成された通口を介して出力軸を下方に臨ませた状態で設置され、出力軸は、一対の第1回転体121,122に巻き掛けた第1ベルト124のなす環の内側を通って該第1ベルト124の下方に延出している(図14参照)。第1移動モータ123の出力軸は、第1駆動回転体121より左側に位置し、先端部(下端部)に第1移動歯車129が固定されている。上部ベース立設部117の右側部下面には、第1回転体歯車128と第1移動歯車129との間に第1中間歯車130が回転可能に設けられ、第1中間歯車130が第1移動歯車129と第1回転体歯車128との両方に噛み合っている。なお、第1中間歯車130は、第1ベルト124の下側に配置され、第1中間歯車130の回転軸が、一対の第1回転体121,122に巻き掛けた第1ベルト124のなす環の内側を通っている。第1駆動側支持組120Aでは、制御手段Cの制御下に第1移動モータ123が回転駆動すると、第1移動歯車129、第1中間歯車130および第1回転体歯車128を介して第1駆動回転体121が回転されて、これに伴い第1ベルト124が走行する。
【0034】
図4または図8に示すように、第1ベルト124は、直線部が前後に重なると共に上下に貫通する環を形成するように一対の第1回転体121,122に巻き掛けられ、設置板部41の上辺部と上部ベース立設部117の載置片117aで支持される可動ベース部材302との間に配置されている。第1シャフト125は、金属製の丸棒材が用いられ、左右の上部ベース架設部118,118の間に第1ベルト124と平行に架設されている(図14参照)。第1シャフト125は、第1ベルト124の下側でかつ表示開口部40aより上側に位置して(図12参照)、第1ベルト124における前側の直線部と上下方向に重なる関係で配置されている。第1シャフト125は、設置板部41の前面から前側に離間しており、第1シャフト125と設置板部41との間に上部移動支持部126に設けられる上部移動発光体160の上部移動発光基板161に繋がる上部発光配線(図示せず)が通る上部配線収容部119(図8参照)が設けられている。第1シャフト125は、表示開口部40aの上縁より長く設定されて、第1シャフト125が表示開口部40aよりも左右へ延出している。
【0035】
図20(a)に示すように、上部移動支持部126は、第1ベルト124に取り付けられる上部ベルト取着部131と、この上部ベルト取着部131に設けられ、第1移動体110の上端が取り付けられる上部移動体受部132とから構成されている。上部ベルト取着部131には、第1ベルト124を挟持する角孔部131aが上部に設けられると共に、第1シャフト125が挿通される丸孔部131bが下部に設けられている。そして、上部ベルト取着部131は、角孔部131aで挟持固定された第1ベルト124の走行に伴って丸孔部131bに挿通された第1シャフト125に沿って摺動するようになっている。すなわち、上部移動支持部126は、第1シャフト125によって該第1シャフト125の軸線と交差する方向への移動が規制される。また、第1駆動支持組120Aでは、上部移動支持部126に加わる第1移動体110の重量等の負荷を第1シャフト125で受けて、第1ベルト124に対してその走行方向と交差する方向に負荷が加わらないようになっている。ここで、上部ベルト取着部131は、角孔部130aの後側半分を構成する後角溝および丸孔部130bの後側半分を構成する後丸溝を有する上部後半体130cと、角孔部130aの前側半分を構成する前角溝および丸孔部130bの前側半分を構成する前丸溝を有する上部前半体130dとからなり、第1ベルト124および第1シャフト125を対応の溝に嵌め合わせるように前後の半体130c,130dで前後から挟んでいる。ここで、角孔部130aを構成する角溝には、複数の凸条が第1ベルト124に当接するように設けられ、凸条が第1ベルト124の歯に噛み合うことで、上部移動支持部126が第1ベルト124の走行方向にズレないように固定される。
【0036】
図20(a)に示すように、上部移動体受部132は、上部ベルト取着部131の下部に後側にずらして設けられ、上部ベルト取着部131より下方へ延出している。上部移動体受部132は、表示開口部40aの上縁より上方に延出した第1移動体110の上端部が前面に取り付けられている(図12参照)。上部移動支持部126には、上部ベルト取着部131の後面と上部移動体受部132の前面との間に挟まれて、上部移動発光体160が下面に実装された上部移動発光基板161が配設され、この上部移動発光体160が上部移動体受部132の前面に取り付けられた第1移動体110の上端面の上方に対向配置されている(図20(a)参照)。上部移動支持部126は、表示開口部40aの上側に配置され、第1シャフト125に支持されたもとで所定の姿勢を保ったまま、第1ベルト124の走行に伴って表示開口部40aの上側に位置する上辺部を左右方向に移動される。
【0037】
図14に示すように、第1張架手段127は、上部ベース部材116における上部ベース立設部117の左側部下面に対して、左右方向(一対の第1回転体121,122が互いに接離する方向)に所定範囲で移動可能に保持された第1進退ブロック133と、この第1進退ブロック133の右側に離間して、上部ベース立設部117の左側部下面に固定された第1固定ブロック134と、第1進退ブロック133と第1固定ブロック134との間に設けられた第1弾性部材135とから構成されている。第1進退ブロック133の下面には、第1従動回転体122が回転可能に設けられ、第1進退ブロック133の左右方向の移動につれて第1従動回転体122が左右方向(第1駆動回転体121に対して進退する方向)に移動するようになっている。第1弾性部材135は、第1進退ブロック133を第1固定ブロック134から離間するように弾力的に付勢するコイルスプリングが用いられている。第1弾性部材135は、第1進退ブロック133に第1固定ブロック134に向けて突設されたピンにコイルを嵌め合わせると共に、第1固定ブロック134に第1進退ブロック133に向けて突設されたピンを嵌め合わせて取り付けられている。このように、第1張架手段127は、第1従動回転体122を第1駆動回転体121から離間するように弾力的に付勢することで、第1ベルト124が一対の第1回転体121,122間で引っ張られるように常にテンションをかけるようになっている。
【0038】
前記上部移動支持部126と共に移動する上部移動発光基板161に繋がる上部発光配線(図示せず)は、帯状のフラットケーブルが用いられている。上部移動支持部126の後側から延出する上部発光配線は、右方に凸となるよう湾曲させた状態で前側に開口する溝状に形成された上部配線収容部119に収容される。上部配線収容部119は、上部移動支持部126の移動方向に沿って設けられ、上部移動発光基板161の移動に伴って湾曲部分が変位する上部発光配線を保持して、該配線における他の部材への干渉を防止している。
【0039】
(第1従動側支持組)
図14〜図16に示すように、第1従動側支持組120Bは、左右方向に延在する下部ガイド(ガイド)144と、この下部ガイド144に移動可能に支持された第1下部支持部(支持部)146とから構成されている。下部ガイド144は、設置板部41における表示開口部40aの下方に設けられた下部区画壁44の前端部に設けられ(図4参照)、設置板部41の前面から離間配置されている。下部ガイド144は、下部区画壁44よりも上方に突出するように配設されている。なお、下部区画壁44は、設置板部41の前面に前方に立ち上がるように形成され、表示開口部40aの下縁と平行して左右方向に延在している。下部ガイド144は、前後に対向する壁片を下部で繋いだ上方に開口する断面「コ」字形状に形成されている。下部ガイド144は、上部移動支持部126の移動範囲に応じて表示開口部40aの下縁より長く設定されて、下部ガイド144が表示開口部40aよりも左右へ延出している。なお下部ガイド144は、後側の壁片が前側の壁片よりも上方へ突出している。
【0040】
図20(a)に示すように、下部移動支持部146は、該下部移動支持部146の後側を構成する下部後半体146aと、下部後半体146aの前側に取り付けられ、該下部移動支持部146の前側を構成する下部前半体146bとから構成される。下部移動支持部146は、下部後半体146aと下部前半体146bとの間に下部ガイド144における後側の壁片を挟むと共に、下部前半体146bが下部ガイド144における後側の壁片と前側の壁片との間に挟まれるようになっている(図16参照)。下部前半体146bには、表示開口部40aの下縁より下方に延出する第1移動体110の下端部が後面に取り付けられている。下部移動支持部146には、下部後半体146aの前面と下部前半体146bの後面との間に挟まれて、下部移動発光体164が上面に実装された下部移動発光基板165が配設され、この下部移動発光体164が下部前半体146bの上部後面に取り付けられた第1移動体110の下端面の下方に対向配置されている(図20(a)参照)。下部移動支持部146は、下部ガイド144と前後方向に引っ掛かることで、前後方向の移動が規制される一方、第1駆動側支持組120Aによって移動される第1移動体110の左右方向の移動につれて下部ガイド144に沿って移動し得るよう構成される。そして、下部移動支持部146は、表示開口部40aの下縁より下側に配置され、下部ガイド114に係合したもとで所定の姿勢を保ったまま、第1移動体110の移動に伴って表示開口部40aの下側の領域を左右方向に移動される。なお、下部移動支持部146の下部前半体146bは、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の摺動特性に優れた合成樹脂から形成されて、下部ガイド144と下部移動支持部146との間の摺動負荷が軽減されている。
【0041】
前記下部移動支持部146と共に移動する下部移動発光基板165に繋がる下部発光配線(図示せず)は、帯状のフラットケーブルが用いられている。下部移動支持部146の後側から延出する下部発光配線は、右方に凸となるよう湾曲させた状態で設置板部41の下辺部と下部ガイド144との間に設けられた下部配線収容部147(図4参照)に収容される。下部配線収容部147は、下部移動支持部146の移動方向に沿って設けられ、下部移動発光基板165の移動に伴って湾曲部分が変位する下部発光配線を保持して、該配線における他の部材への干渉を防止している。
【0042】
(第1移動位置検知手段)
前記第1移動機構120は、第1移動体110の基準位置を検知する第1移動位置検知手段170,172を備えている(図16参照)。第1移動位置検知手段は、上部ベース立設部117の右側部下面に設けられ、第1移動歯車129の前側に位置する第1移動フォトセンサ170と、上部移動支持部126における上部ベルト取着部131の前面に、前方に突出形成された第1移動検知片172とから構成されている。第1移動機構120では、表示開口部40aの右側方に位置する第1移動体110の基準位置において、第1移動検知片172が、第1移動フォトセンサ170の投光部と受光部との間に臨み(図14の2点鎖線参照)、第1移動フォトセンサ170によって第1移動検知片172が検知される。一方、第1移動体110が基準位置から移動すると、第1移動検知片172が第1移動フォトセンサ170の投光部と受光部との間から外れ(図14の実線参照)、第1移動フォトセンサ170が第1移動検知片172の非検知状態となる。なお、制御手段Cは、第1移動フォトセンサ170の検知信号を受けて、第1移動モータ123の停止等の所定の制御を行う。
【0043】
(第2移動演出装置)
第2移動演出装置200について具体的に説明する。図18に示すように、第2移動演出装置200は、表示部13aの前側を上下方向に移動される第2移動体210と、この第2移動体210を移動させる第2移動機構220とを備えている。第2移動機構220は、表示部13aの前側に左右に架け渡された第2移動体210の左端を、設置板部41の左側辺部に配設された第2駆動側支持組220Aで支持し、第2移動体210の右端を、設置板部41の右側辺部に設けられた第2従動側支持組220Bで支持するよう構成される。第2移動演出装置200は、第2移動体210が表示開口部40aから下方(設置板部41の下辺部)に外れた基準位置(図12、図14および図15の2点鎖線参照)において、設置板部41の下辺部において第1移動演出装置100の第1従動側支持組120Bの前側に設けられた下部発光装置48(図11参照)の後側に隠れるよう構成される(図2参照)。また、第2移動演出装置200は、第2移動体210が表示部13aの前側を通過して設置板部41の上辺部まで第2移動機構220によって移動されるよう構成され、該上辺部に位置した第2移動体210が該上辺部に設けられた可動演出装置300の後側に隠れるようになっている。
【0044】
(左部ベース部材)
前記第2駆動側支持組220Aの構成部材は、設置板部41の左側辺部に設置された左部ベース部材(補強部材)202に設けられ(図12または図18参照)、左部ベース部材116を介して設置板部41に着脱し得る1つのユニットとして取り扱い可能になっている。左部ベース部材202は、剛性を有する金属製の板材であり、設置板部41の前面に沿って板面が延在する左部ベース本体部203と、この左部ベース本体部203の上下の端部に前方に延出するように折り曲げ形成された一対の左部ベース架設部204,204とを備えている(図14または図18参照)。左部ベース部材202は、左部ベース本体部203が表示開口部40aの左縁に沿って延在するように、該左部ベース本体部203を設置板部41の前面に突き当てて取り付けられる。また、左部ベース部材202は、左部ベース本体部203が表示開口部40aの左縁より長く設定されて、左部ベース本体部203が表示開口部40aよりも上下へ延出している(図12参照)。
【0045】
(第2駆動側支持組)
図18に示すように、第2駆動側支持組220Aは、左部ベース部材202に対して回転可能に支持された一対の第2左部回転体(回転体)221,222と、左部ベース部材202に設けられ、一方(実施例では下側)の第2左部回転体221を回転駆動する第2移動モータ(移動モータ)223と、一対の第2左部回転体221,222に巻き掛けられた第2左部ベルト(ベルト)224と、この第2左部ベルト224に沿って延在するように設けられた第2シャフト(シャフト)225とを有している。また、第2駆動側支持組220Aは、第2シャフト225に移動可能に支持されると共に第2左部ベルト224に接続され、第2移動体210の左端を支持して第2左部ベルト224の走行に伴って移動される左部移動支持部(支持部)226と、第2左部ベルト224を張るように付勢する第2左部張架手段227とを有している。第2左部ベルト224は、歯付きベルトが用いられ、これに対応して第2左部回転体221,222は、周面が両側縁より凹むように形成されると共に周面に歯が設けられた歯付きプーリが用いられている。一対の第2左部回転体221,222は、左部ベース部材202における左部ベース本体部203の下部と、左部ベース本体部203の上部とに上下に離間して配置されている。なお、下側に配置された第2左部回転体(特に区別する場合は第2左部駆動回転体という)221は、設置板部41において表示開口部40aよりも下側に位置し、上側に配置された第2左部回転体(特に区別する場合は第2左部従動回転体という)222は、表示開口部40aよりも上側に位置している(図12参照)。第2左部従動回転体222は、後述する連結シャフト256の左端に固定されている。第2左部従動回転体222は、回転軸を左右方向に延在させて左ベース本体部203の左側縁に前方へ向けて立設された回転体取付片203aの右側に回転可能に設けられている。また、第2左部駆動回転体221の右端面には、第2左部回転体歯車228が一体形成されている(図18参照)。
【0046】
前記第2移動モータ223は、制御手段Cに制御されたパルス電力によって動作するステッピングモータ等の位置決め制御が可能なモータが用いられる。第2移動モータ223は、左部ベース本体部203の下部に前方に延出するよう設けられた左部設置片205の右面に設置される(図16または図18参照)。第2移動モータ223は、出力軸を左方へ向けた姿勢で設置され、該出力軸の先端部(左端部)に第2移動歯車229が固定されている。そして、第2移動歯車229は、第2左部回転体歯車228に噛み合っている。第2駆動側支持組220Aでは、制御手段Cの制御下に第2移動モータ223が回転駆動すると、第2移動歯車229および第2左部回転体歯車128を介して第2左部駆動回転体221が回転されて、これに伴い第2左部ベルト224が走行する。
【0047】
図18に示すように、第2左部ベルト224は、直線部が前後に重なると共に左右に貫通する環を形成するように一対の第2左部回転体221,222に巻き掛けられ、設置板部41の左側辺部と該左側辺部前側に設けられる後述する左部作動ユニット402Bとの間に配置されている。第2シャフト225は、金属製の丸棒材が用いられ、上下の左部ベース架設部204,204の間に第2左部ベルト224と平行に架設されている(図14参照)。第2シャフト225は、第2左部ベルト224の右側でかつ表示開口部40aより左側に位置して(図12参照)、第2左部ベルト224における前側の直線部と上下方向に重なる関係で配置されている。第1シャフト225は、設置板部41の前面から前側に離間している。第2シャフト225は、表示開口部40aの左縁より長く設定されて、第2シャフト225が表示開口部40aよりも上下へ延出している。
【0048】
図20(b)に示すように、左部移動支持部226は、左側部に設けられ、第2左部ベルト224を挟持する角孔部226aと、右側部に設けられ、第2シャフト225が挿通される丸孔部226bとを備えている。左部移動支持部226は、丸孔部226bの後側半分を構成する後丸溝を有する左部後半体230と、丸孔部226bの前側半分を構成する前丸溝を有する左部前半体231とからなり、第2シャフト225を対応の溝に嵌め合わせて前後の半体230,231で前後から挟んでいる。また、左部前半体231の左側部前面には、左部ベルト取着カバー232が取り付けられ、左部前半体231と左部ベルト取着カバー232との間に画成される角孔部226aで第2左部ベルト224を挟持している。ここで、角孔部226aを構成する角溝には、複数の凸条が第2左部ベルト224に当接するように設けられ、凸条が第2左部ベルト224の歯に噛み合うことで、左部移動支持部226が第2左部ベルト224の走行方向にズレないように固定される。そして、左部移動支持部226は、角孔部226aで挟持固定された第2左部ベルト224の走行に伴って丸孔部226bに挿通された第2シャフト225に沿って摺動するようになっている。すなわち、左部移動支持部226は、第2シャフト225によって該第2シャフト225の軸線と交差する方向への移動が規制される。また、第2駆動支持組220Aでは、左部移動支持部226に加わる第2移動体210の重量等の負荷を第2シャフト225で受けて、第2左部ベルト224に対してその走行方向と交差する方向に負荷が加わらないようになっている。
【0049】
図20(b)に示すように、上部移動支持部226は、左部後半体230の右側部が左部前半体231より後方へ離間するよう形成することで、第2移動体210の左端部が取り付けられる左部移動体受部230aが設けられている。左部移動体受部230aには、表示開口部40aの左縁より左方に延出した第2移動体210の左端部が前面に取り付けられている。また、左部移動支持部226には、左部移動体受部230aと左部前半体231の後面との間に挟まれて、左部移動発光体260が右面に実装された左部移動発光基板261が配設され、この左部移動発光体260が左部移動体受部230aの前面に取り付けられた第2移動体210の左端面の左方に対向配置されている(図20(b)参照)。左部移動支持部226は、表示開口部40aの左側に配置され、第2シャフト225に支持されたもとで所定の姿勢を保ったまま、第2左部ベルト224の走行に伴って表示開口部40aの左側に位置する左側辺部を上下方向に移動される。
【0050】
図14または図18に示すように、第2張架手段227は、左部ベース部材202における上側の回転体取付片203aに対して、上下方向(一対の第2左部回転体221,222が互いに接離する方向)に所定範囲で移動可能に保持された第2左部進退ブロック233と、この第2左部進退ブロック233の下側に離間して、左部ベース本体部203の前面に固定された第2左部固定ブロック234と、第2左部進退ブロック233と第2左部固定ブロック234との間に設けられた第2左部弾性部材235とから構成されている。第2左部進退ブロック233の右面には、第2左部従動回転体222が回転可能に設けられ、第2左部進退ブロック233の上下方向の移動につれて第2左部従動回転体222が上下方向(第2左部駆動回転体221に対して進退する方向)に移動するようになっている。第2左部弾性部材235は、第2左部進退ブロック233を第2左部固定ブロック234から離間するように弾力的に付勢するコイルスプリングが用いられている。第2左部弾性部材235は、第2左部進退ブロック233に第2左部固定ブロック234に向けて突設されたピンにコイルを嵌め合わせると共に、第2左部固定ブロック234に第2左部進退ブロック233に向けて突設されたピンをコイルに嵌め合わせて取り付けられている。このように、第2左部張架手段227は、第2左部従動回転体222を第2左部駆動回転体221から離間するように弾力的に付勢することで、第2左部ベルト224が一対の第2左部回転体221,222間で引っ張られるように常にテンションをかけるようになっている。
【0051】
前記左部移動支持部226と共に移動する左部移動発光基板261に繋がる左部発光配線(図示せず)は、帯状のフラットケーブルが用いられている。左部移動支持部226の後側から延出する左部発光配線は、下方に凸となるよう湾曲させた状態で設置板部41の左側辺部と左部作動ユニット402Bの間に収容される。
【0052】
(右部ベース部材)
前記第2従動側支持組220Bの構成部材は、設置板部41の右側辺部に設置された右部ベース部材(補強部材)216に設けられ(図12または図18参照)、右部ベース部材216を介して設置板部41に着脱し得る1つのユニットとして取り扱い可能になっている。右部ベース部材216は、剛性を有する金属製の板材であり、設置板部41の前面に沿って板面が延在するよう形成されている(図14または図18参照)。右部ベース部材216は、表示開口部40aの右縁に沿って延在するように、設置板部41の前面に突き当てて取り付けられる。また、右部ベース部材216は、表示開口部40aの右縁より長く設定されて、右部ベース部材216が表示開口部40aよりも上下へ延出している(図12参照)。
【0053】
(第2従動側支持組)
図18に示すように、第2従動側支持組220Bは、右部ベース部材216に対して回転可能に支持された一対の第2右部回転体(回転体)241,242と、一対の第2右部回転体241,242に巻き掛けられた第2右部ベルト(ベルト)244とを有している。また、第2従動側支持組220Bは、第2右部ベルト244に接続されて、第2移動体210の右端を支持して第2右部ベルト244の走行に伴って移動される右部移動支持部(支持部)246と、第2右部ベルト244を張るように付勢する第2右部張架手段247とを有している。第2右部ベルト244は、歯付きベルトが用いられ、これに対応して第2右部回転体241,242は、周面が両側縁より凹むように形成されると共に周面に歯が設けられた歯付きプーリが用いられている。一対の第2右部回転体241,242は、右部ベース部材216の下部と上部とに上下に離間して配置されている。なお、下側に配置された第2右部回転体(特に区別する場合は第2右左部駆動回転体という)241は、設置板部41において表示開口部40aよりも下側に位置し、上側に配置された第2右部回転体(特に区別する場合は第2右部従動回転体という)242は、表示開口部40aよりも上側に位置している(図12参照)。第2右部従動回転体241は、後述する連結シャフト256の右端に固定されている。第2右部従動回転体242は、回転軸を左右方向に延在させて左ベース本体部203の左側縁に前方へ向けて立設された回転体取付片203aの左側に回転可能に設けられている。また、第2右部駆動回転体241の左端面には、第2右部回転体歯車248が一体形成されている(図18参照)。
【0054】
図18に示すように、第2右部ベルト244は、直線部が前後に重なると共に左右に貫通する環を形成するように一対の第1右部回転体241,242に巻き掛けられ、設置板部41の右側辺部と該右側辺部前側に設けられる後述する右部作動ユニット402Aとの間に配置されている。
【0055】
図20(b)に示すように、右部移動支持部246は、第2右部ベルト244に取り付けられる右部ベルト取着部249と、この右部ベルト取着部249に設けられ、第2移動体の右端が取り付けられる右部移動体受部250とから構成されている。右部ベルト取着部249には、第2右部ベルト244を挟持する角孔部131aが右側部に設けられている。右部ベルト取着部249は、角孔部246aの後側半分を構成する後角溝を有する右部後半体249aと、角孔部246aの前側半分を構成する前角溝を有する右部前半体249bとからなり、第2右部ベルト244を角溝に嵌め合わせて前後の半体249a,249bで前後から挟んでいる。ここで、角孔部246aを構成する角溝には、複数の凸条が第2右部ベルト244に当接するように設けられ、凸条が第2右部ベルト244の歯に噛み合うことで、右部移動支持部246が第2右部ベルト244の走行方向にズレないように固定される。
【0056】
図20(b)に示すように、右部移動体受部250は、右部ベルト取着部249の後側に設けられ、右部ベルト取着部249より左方へ延出している。右部移動体受部250は、表示開口部40aの右縁より右方に延出した第2移動体210の右端部が前面に取り付けられている(図12参照)。右部移動支持部246には、右部ベルト取着部249と右部移動体受部250との間に挟まれて、右部移動発光体264が左面に実装された右部移動発光基板265が配設され、この右部移動発光体264が右部移動体受部250の前面に取り付けられた第2移動体210の右端面の右方に対向配置されている(図20(b)参照)。右部移動支持部246は、表示開口部40aの右側に配置され、第2右部ベルト244の走行に伴って表示開口部40aの右側に位置する設置板部41の右側辺部前側を上下方向に移動される。
【0057】
図14または図18に示すように、第2右部張架手段247は、右部ベース部材216における上側の回転体取付片216aに対して、上下方向(一対の第2右部回転体241,242が互いに接離する方向)に所定範囲で移動可能に保持された第2右部進退ブロック253と、この第2右部進退ブロック253の下側に離間して、右部ベース部材216の前面に固定された第2右部固定ブロック254と、第2右部進退ブロック253と第2右部固定ブロック254との間に設けられた第2右部弾性部材255とから構成されている。第2右部進退ブロック253の左面には、第2右部従動回転体242が回転可能に設けられ、第2右部進退ブロック253の上下方向の移動につれて第2右部従動回転体242が上下方向(第2右部駆動回転体241に対して進退する方向)に移動するようになっている。第2右部弾性部材255は、第2右部進退ブロック253を第2右部固定ブロック254から離間するように弾力的に付勢するコイルスプリングが用いられている。第2右部弾性部材255は、第2右部進退ブロック253に第2右部固定ブロック254に向けて突設されたピンにコイルを嵌め合わせると共に、第2右部固定ブロック254に第2右部進退ブロック253に向けて突設されたピンをコイルに嵌め合わせて取り付けられている。このように、第2右部張架手段247は、第2右部従動回転体242を第2右部駆動回転体241から離間するように弾力的に付勢することで、第2右部ベルト244が一対の第2右部回転体241,242間で引っ張られるように常にテンションをかけるようになっている。
【0058】
図12に示すように、第2移動機構220は、第2駆動側支持組220Aの下側に配置された第2左部駆動回転体221と第2従動側支持組220Bの下側に配置された第2右部駆動回転体241とを繋ぐ連結シャフト256を備えている。連結シャフト256は、剛性を有する金属製の棒状体であって、第2左部駆動回転体221および第2右部駆動回転体241と同軸的に接続されている。連結シャフト256は、下部区画壁44の下側において左右方向に離間して設置板部41の前面に設けられた一対のシャフト保持部257,257によって回転可能に支持されている。連結シャフト256は、第2駆動側支持組220Aの第2左部駆動回転体221が第2移動モータ223によって回転されるのに伴って軸周りに回転し、これにより第2従動側支持組220Bの第2右部駆動回転体241が回転される。すなわち、第2従動側支持組220Bでは、第2右部ベルト244および右部移動支持部246が、第2駆動側支持組220Aの第2左ベルト224および左部移動支持部226と同期して移動される。連結シャフト256は、設置板部41の前側において表示開口部40aの下縁と平行するよう設けられて、表示開口部40aよりも左右に延出するようになっている。そして、連結シャフト256は、設置部材40における表示開口部40aの下側を補強する補強部材として機能するよう構成されている。
【0059】
前記右部移動支持部246と共に移動する右部移動発光基板265に繋がる右部発光配線(図示せず)は、帯状のフラットケーブルが用いられている。右部移動支持部246の後側から延出する右部発光配線は、下方に凸となるよう湾曲させた状態で設置板部41の右側辺部と右部作動ユニット402Aの間に収容される。
【0060】
(第2移動位置検知手段)
第2移動機構220は、第2移動体210の基準位置を検知する第2移動位置検知手段270,272を備えている(図16参照)。第2移動位置検知手段は、下部区画壁44の左側面に設けられた第2移動フォトセンサ270と、左部移動支持部226から下方へ突出形成された第2移動検知片272とから構成されている。第2移動機構220では、表示開口部40aの下方に位置する第2移動体210の基準位置において、第2移動検知片272が、第2移動フォトセンサ270の投光部と受光部との間に臨み(図14の2点鎖線参照)、第2移動フォトセンサ270によって第2移動検知片272が検知される。一方、第2移動体210が基準位置から移動すると、第2移動検知片272が第2移動フォトセンサ270の投光部と受光部との間から外れ(図14の実線参照)、第2移動フォトセンサ270が第2移動検知片272の非検知状態となる。なお、制御手段Cは、第2移動フォトセンサ270の検知信号を受けて、第2移動モータ223の停止等の所定の制御を行う。
【0061】
(可動演出装置)
図1または図2示すように、可動演出装置300は、窓口28aを介して遊技盤20の前側に臨むように配設されて、所定の動作を行う可動体(第2の装飾体)310と、この可動体310を動作させる駆動手段350(図23参照)とを備えている。図11に示すように、可動演出装置300は、第1移動演出装置100における上部ベース部材116の載置片117aの前側に設置された可動ベース部材(補強部材)302に、可動体310および駆動手段350が配設される(図21または図22参照)。可動演出装置300は、可動体310が表示部13aの上側に位置するように窓口28aの内側上部に配置され、可動体310がその場所(定位置)で動作するようになっている。なお、可動体310のその場所(定位置)での動作とは、可動体310が遊技盤20の盤面に沿う方向へ位置を変えることなく、可動体310が固定された支持軸320の軸周りに回転したり、可動体310が前後方向に進退移動したりすることをいい、実施例では可動体310が可動ベース部材302側に設けられた支持軸320の軸周りに回転するよう構成されている。
【0062】
(可動ベース部材)
前記可動ベース部材302は、剛性を有する金属製の板材であり、上部ベース部材116の前端に設けられた載置片117aで支持されて、設置板部41の上辺部から前側に離間して配設されている(図4または図8参照)。可動ベース部材302は、略矩形状の板面を設置板部41と平行にした状態で載置片117aで支持される可動ベース本体部303と、この可動ベース本体部303の両端下部を前方に折り曲げた可動ベース延出部304,304とを有している。なお、可動ベース本体部303は、左右方向に長手が延在している。
【0063】
図2または図3に示すように、可動ベース本体部303の前面には、可動装飾部306が設置されており、窓口28aの内側において該可動装飾部306によって可動体310の上側と上部枠体装飾部29との間を埋めている。可動装飾部306は、上部枠体装飾部29および可動体310の第4表示面315に施された意匠に合わせて、その前面の意匠が構成され、上部枠体装飾部29の意匠と可動装飾部306の意匠とが繋がるようになっている。また、可動体310が第4表示面315を遊技盤20の前側に臨ませた際に、第4表示面315の意匠と可動装飾部306の意匠とが繋がるようになっている。すなわち、可動装飾部306は、第4表示面315を前側に臨ませた可動体310や、枠体装飾部29,30,31が繋がって構成される後述する意匠体の一部となる(図3参照)。可動装飾部306は、前面が上端から下端に向かうにつれて後方へ傾くように形成されている。また、可動装飾部306は、光を透過可能とされると共に、光を拡散し得るよう構成される。左右の可動ベース延出部304,304の内側面には、可動体310の支持軸320を着脱可能に保持する軸保持部362,366を備えた軸保持部材360,364が夫々設けられると共に、右側の可動ベース延出部304に駆動手段350が設置されている。
【0064】
(可動体)
図23に示すように、可動体310は、可動ベース部材302に設けられた軸保持部362,366に保持された支持軸320と、光を透過可能な透過部を有する表示面312,314,316,318が設けられた筒状に形成され、支持軸320に対して回転可能に支持された演出体330とを備えており、可動ベース部材302に設置された駆動手段350によって演出体330が回転される。なお、可動体310の支持軸320は、可動ベース部材302に対して回転不能に軸保持部362,364で保持されて、支持軸320自体が回転等の変位を行わない。また、可動体310は、支持軸320に設けられて演出体330の内部に配置された照明手段340を備え、制御手段Cの制御下に照明手段340の照明体341から照射した光によって、該照明体341の前側に位置した表示面312,313,314,315を照明し得るようになっている(図8または図22参照)。また、可動体310は、演出体330の内外を挿通するように支持軸320に設けられ、照明手段340に接続されて可動ベース部材302側に取り回される照明手段配線(配線)Hsが挿通される配線通路344を備えている(図22参照)。ここで、可動演出装置300は、可動体310の演出体330が遊技盤20の盤面と平行に回転軸線が延在するよう支持軸320に支持されると共に、該演出体330の周回りに複数の表示面312,313,314,315が設けられ、駆動手段350によって演出体330が回転されることで、遊技盤20の前側に臨む表示面312,313,314,315を切り替えるようになっている。そして、可動演出装置300は、照明手段340の照明体341から前方に向けて光を照射して、遊技盤20の前側に臨んだ演出体330の表示面312,313,314,315を照らすよう構成される。
【0065】
前記可動体310は、演出体330の両方の端面から支持軸320が突出しており(図23参照)、これらの支持軸320が対応する側の可動ベース延出部304に設けられた軸保持部362,366に保持されることで、可動体310が左右の可動ベース延出部304,304の間に両持ち支持される(図22参照)。支持軸320は、演出体330の内部に配置されて照明手段340を収容保持する照明手段収容体(収容体)322と一体形成されて、演出体330の端面を構成する端面板部331に貫通形成された支持軸通口332を介して演出体330の内部から外方へ突き出ている(図22参照)。支持軸320における演出体330の外方に臨む外端部には、軸保持部362,366に保持される嵌込部321が設けられている。図25(b)および(c)に示すように、嵌込部321は、支持軸320の軸線の延在方向に突出形成された板状片を、前側を開放した「コ」字形状に延在するよう連ねて構成される。
【0066】
図24に示すように、演出体330は、長方形状に形成された4枚の表示板部335で周面を組み合わせて遊技盤20の前面に臨む周面が構成されると共に、4枚の表示板部335の側端面に正方形状の端面板部331が組み付けられて端面が塞がれている。すなわち、実施例の演出体330は、断面正方形の角筒部分で4面の表示面312,313,314,315からなる周面が構成されて、角筒部分の端面が塞がれて全体として中空の六面体となっている。各表示板部335は、演出体330となった際に内側に臨む面の側縁部に突出形成された板部取付片335aを備え、各板部取付片335aの角部にネジ孔335bが形成されると共に各板部取付片335aにおけるネジ孔335bの内側に支持軸320の軸線方向外側へ突出形成された取付ピン335cが形成されている。演出体330は、表示板部335の取付ピン335cを端面板部331に形成された対応の取付孔331aに嵌合すると共に、隣り合う表示板部335における板部取付片335aのネジ孔335bを重ね合わせて、重ねたネジ孔335bにネジN(図21(e)参照)を端面板部331の外側から螺合することで、4枚の表示板部335および端面板部331を互いに組み付けている。このように、演出体330は、端面板部331と表示板部335とを組み付けることで、4枚の表示板部335が端面板部331を介して位置決めされる。
【0067】
前記表示面312,313,314,315を構成する表示板部335は、光を透過可能な透過部を有しており、表示面312,313,314,315に設けられた光を透過しないめっき部分等による所要の模様と透過部とによって、表示面312,313,314,315に所定の意匠が形成されている。演出体330は、4つの表示面312,313,314,315が異なる態様の意匠で構成されており(図21(a)〜(d)参照)、可動体310は、演出体330を回転して前側に臨ませる表示面312,313,314,315を切り替えることで、異なる意匠が遊技盤20の前側に臨むようになっている。
【0068】
前記可動体310は、演出体330における少なくとも1つの表示面(実施例では全ての表示面)312,313,314,315の意匠の全部または一部が、演出手段としての照明手段340によって演出態様を変化し得る演出部316によって構成されている。実施例の可動体310は、透過部とこの透過部の所要領域を縁取る模様によって形成された文字形状で構成された演出部316と、透過部に形成された凹凸模様によって構成された演出部316とを備え、第1〜第3表示面312,313,314において左右方向に並ぶ演出部316によって複数の文字が表現されている。図21(b)に示すように、第1表示面312には、パチンコ機10におけるメインのモチーフを表す5文字のアルファベットの夫々を形成するように5つの演出部316が左右方向に一列に並べて設けられている。図21(c)に示すように、第2表示面313には、パチンコ機10においてメインのモチーフの敵方を表す5文字のアルファベットの夫々を形成するように5つの演出部316が左右方向に一列に並べて設けられている。図21(a)に示すように、第3表示面314には、パチンコ機10において遊技状態または演出内容を示す4文字のアルファベットの夫々を形成するように4つの演出部316が左右方向に一列に並べて設けられている。図21(d)に示すように、第4表示面315には、可動体310の周辺に配置された装飾部29,306や作動部410,410の意匠と繋がって(図3参照)、一つの意匠体を構成する意匠(特に区別する場合は表示面意匠という)を形成するように1つの演出部316が設けられている。なお、演出部316を構成する透過部には、光拡散処理が施されて照明体341から照射された光を拡散し得ると共に、当該光拡散処理によって外側から照明手段340を視認できないようになっている。
【0069】
図8または図22に示すように、照明手段340は、支持軸320に設けられて演出体330の内側に配置された照明手段収容体322に設置されている。可動体310では、動作ベース部材302との位置関係が変化しない支持軸320側に照明手段340が設けられて、照明手段340における照明体341の光の照射方向が前方へ固定されると共に、照明手段340と支持軸320(動作ベース部材302側)との位置関係が変わらないようになっている。照明手段340は、照明基板342とこの照明基板342の前面に実装され、LEDからなる照明体341とを備え(図24参照)、照明手段収容体322に設置された照明手段340が、照明体341から前方(一方向)に向けて光を照射し得るようになっている。照明手段340は、演出体330の回転動作により照明体341の光照射方向前側に位置する表示面312,313,314,315に設けられた演出部316の夫々を発光し得るように、照明体341が照明基板342の前面に複数配置されている(図25(d)参照)。照明手段340は、制御手段Cによって、前側に位置した表示面312,313,314,315における演出部316の後側に対応する照明体341が発光制御されて、演出部316毎に発光したり、全部または所定数の演出部316を発光し得るよう構成される。
【0070】
図25に示すように、照明手段収容体322は、左右の支持軸320の間に設けられた照明手段設置部323と、この照明手段設置部323の前側に取り付けられ、照明手段340の照明体341の光照射方向前側を覆う照明手段被覆部(被覆部)324とから構成されている。照明手段設置部323は、底部分が円弧状に形成された皿状に形成されて、上下に延在するリブが左右方向に所定間隔で設けられている(図24参照)。照明手段被覆部324は、底部分が照明手段設置部323よりも浅い円弧状に形成された皿状に形成されて、後方へ突出形成された収容体ボス324a(図8参照)を照明手段340の照明基板342に開設されたボス孔に挿通して、該収容体ボス324aを介して照明手段設置部323にネジ止めされる。そして、照明手段収容体322では、照明手段設置部323および照明手段被覆部324の上縁および下縁の間に、照明基板342の上縁および下縁が前後に挟まれて固定されている(図25(b)および(c)参照)。照明手段収容体322は、少なくとも照明手段被覆部324が光を透過可能に構成され、実施例では照明手段収容体322全体が透明な合成樹脂で構成されている。また、照明手段収容体322は、照明手段被覆部324に光拡散処理を施してもよい。なお、実施例では、円弧状に形成することでレンズとして作用する照明手段被覆部324によって、照明体341から照射された光が拡散される。
【0071】
図22または図24に示すように、可動体310は、演出体330の端面に支持軸320の軸線方向に沿って開口するよう形成された軸収容部333の内側に、支持軸320の外周に回転可能に嵌め合わせたスリーブ336を回転可能に収容して、スリーブ336を介して演出体330の両端が対応の支持軸320で夫々支持される。演出体330の端面を構成する端面板部331には、支持軸通口332を囲んで演出体330の内側に突出形成された円筒状の壁からなる軸収容部333が設けられ、支持軸通口332と軸収容部33の内部空間とが同軸的に形成されている。スリーブ336は、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の摺動特性に優れた合成樹脂から形成された円筒状の部材であって、その内径が支持軸320の外周に合わせて形成されると共に外径が軸収容部333の内側に整合するよう形成されている。可動体310は、スリーブ336を外周に嵌め合わせた支持軸320を支持軸通口332に挿通すると共に、スリーブ336を軸収容部333に収容することで、演出体330の半径方向の移動が規制され、演出体330が支持軸320に対してスリーブ336を介して回転可能に支持される。スリーブ336は、照明手段収容体322の側面とこの側面に対向する端面板部331の内面との間に挟まれて、照明手段収容体322の側面に位置規制されたスリーブ336によって、演出体330における軸方向の移動が規制される。
【0072】
(駆動手段)
図21または図23に示すように、駆動手段350は、右側の可動ベース延出部304の外側面に設置された駆動モータ(可動駆動源)351と、この駆動モータ351の出力軸に固定された第1駆動歯車352と、演出体330に設けられた第2駆動歯車353とから構成されている。駆動モータ351は、制御手段Cに制御されたパルス電力によって動作するステッピングモータ等の位置決め制御が可能なモータが用いられている。駆動モータ351は、右側の可動ベース延出部304に貫通形成された出力軸通口304aを介して該可動ベース延出部304の内側面から出力軸を突出させた状態で設置され、可動体310側に臨む出力軸の先端に第1駆動歯車352が固定されている。動作ベース部材302における可動ベース本体部303の右側部には、前方に延出する位置決め板片305が設けられ(図21(c)参照)、この位置決め板片305が第1駆動歯車352の可動体310側の端面の側方に位置して、第1駆動歯車352の左右方向(可動体310の軸方向)のブレを防いでいる。第2駆動歯車353は、演出体330における右側の端面板部331に、支持軸通口332を囲むように一体的に設けられて、第1駆動歯車352と噛み合っている。駆動手段350は、制御手段Cの制御下に駆動モータ351が回転駆動されると、第1駆動歯車352を介して第2駆動歯車353が回転されるのに伴い、演出体330を支持軸320の軸周りに回転動作させる。可動演出装置300は、駆動モータ351の停止状態にあっては、第1駆動歯車352および第2駆動歯車353を介してかかる駆動モータ351の回転方向の抵抗により、演出体330の停止状態が保持される。
【0073】
(可動演出装置の配線構造)
図22に示すように、可動体310は、演出体330の内部に配置された照明手段340に接続される照明手段配線Hsが挿通される配線通路344が形成された支持軸320を備えている。ここで、可動演出装置300では、駆動手段350が設けられた右側の支持軸320と反対側の左側の支持軸320に配線通路344が設けられている。配線通路344は、左側の支持軸320において演出部330の外側に突出する突出端部に設けられた嵌込部321から、該支持軸320と一体形成されて演出体330の内側に位置する照明手段収容体322の照明手段設置部323の左側部に亘って、該支持軸320の軸方向に延在するよう形成されている。配線通路344は、前方に開口する溝状に形成されており(図23(b)参照)、その開放方向が左側の支持軸320の突出端面に「コ」字状に設けられた嵌込部321の切欠部分の開放方向と同じになっている。配線通路344は、演出体330の内側において照明手段収容体322に収容された照明基板342の後側に開口するように形成され、照明基板342と照明手段設置部323との間の空間に臨むように照明基板342の後面左側部に設けられたソケット342aに配線通路344を通した照明手段配線Hsが接続される。配線通路344は、演出体330の内側において照明手段収容体322の左側面から左側の端面板部331の内面にかけて支持軸320の外周に嵌め合わせたスリーブ336で開口が覆われる。すなわち、配線通路344に挿通された照明手段配線Hsが、スリーブ336によって該配線通路344から半径方向前側へ抜けないないように位置規制される。
【0074】
(支持軸の取付構造)
図21に示すように、可動ベース延出部304の内側面には、軸保持部362,366が設けられた軸保持部材360,364が夫々設置されている。軸保持部362,366は、嵌込部321の外周に合わせて多角形に延在する壁で囲われた凹部であって、可動体310側に開口するよう形成されている。ここで、嵌込部321は、三方の壁および切欠部分を挟む対向する壁の端部を結んだラインが四角形の外周を構成しているので(図25(b)または(c)参照)、これに合わせて軸保持部362,366を構成する凹部が四角形状に形成されている(図24または図26参照)。また、右側の軸保持部362の内側には、嵌込部321の切欠部分に対応する位置に軸係止片362aが突設されている(図26参照)。すなわち、実施例の嵌込部321では、切欠部分が上下に対向する壁の間に形成されているので、軸係止片362aは、軸保持部362の内側において上下方向中央部前側に設けられる。左側の軸保持部366には、左側の支持軸320に設けられた配線通路344に対応して左右方向に貫通する配線通口366aが設けられ、左側の動作ベース延出部304に開設された配線切欠部304aと配線通口366aとが重なり、配線切欠部304aおよび配線通口366aを介して動作ベース延出部304の左側から配線通路344に照明手段配線Hsを挿通可能になっている(図21(e)参照)。支持軸320は、嵌込部321を対応の軸保持部362,366に嵌め合わせることで、嵌込部321の外周が軸保持部362,366の内側に当接して、上下左右方向の移動および回転変位が規制された状態で保持される。特に右側の支持軸320は、嵌込部321を軸保持部362に嵌め合わせることで、嵌込部321の切欠部分に軸係止片362aが嵌まるから、支持軸320の回転変位が軸係止片362aとの係合によっても規制される。
【0075】
(照明手段配線)
前記照明手段配線Hsは、一端が設置板部41の左上角隅部に設置された左上中継基板50(図11参照)に接続され、左側の動作ベース延出部304の配線切欠部304aおよび軸保持部366の配線通口366aを介して、左側の軸保持部366に保持された支持軸320の配線通路344を挿通して、演出体330の内部に配置された照明手段340のソケット342aに他端が接続される。可動体310は、軸保持部362,366や動作ベース延出部304を弾性変形させて、対向する軸保持部362,366間の間隔を広げることで、嵌込部321を軸保持部362,366に対して前側から着脱可能に構成されている。ここで、左側の動作ベース延出部304の配線切欠部304aおよび左側の軸保持部366の配線通口366aは、前側が開口するよう切り欠き形成されているので、可動体310の着脱に伴って、配線切欠部304aおよび配線通口366aに照明手段配線Hsを簡単に通すことができる。なお、配線通口366aは、軸保持部366(配線通路344)の上下の幅より小さく設定されて、照明手段配線Hsの抜け止めが図られている。
【0076】
(可動位置検知手段)
可動演出装置300は、演出体330の原点位置を検知する可動位置検知手段370,372を備えている。可動位置検知手段は、左側の可動ベース延出部304の内側面に設けられた可動フォトセンサ370と、演出体330における左側の端面板部331に可動フォトセンサ370に対向するように設けられた可動検知片372とから構成されている(図23(b)参照)。可動検知片372は、周面の一部が切り欠かれた円筒形状に形成され、可動フォトセンサ370の投光部と受光部との間を通過するように設置されている。なお、可動演出装置300は、演出体330の原点位置で第1表示面312が遊技盤20の前側に臨むように設定されている。
【0077】
(作動演出装置)
図27に示すように、作動演出装置400は、表示開口部40aの右側に移動可能に設けられた第1の装飾体としての右部作動体(作動体)410およびこの右部作動体410を移動させる右部作動手段(作動手段)450を有する右部作動ユニット402Aと、表示開口部40aの左側に移動可能に設けられた第1の装飾体としての左部作動体(作動手段)410およびこの左部作動体410を移動させる左部作動手段(作動手段)450を有する左部作動ユニット402Bとを備えている。作動演出装置400は、左右の作動体410,410が表示開口部40aを挟んで設置板部41における左右の辺部に配置され、左右の作動体410が互いに接離するように進退移動される(図27参照)。すなわち、作動演出装置400は、表示開口部40aを介して前側に臨む表示部13aを左右に挟んで一対の作動体410,410が配設され、一対の作動体410,410が左右方向にスライド移動するよう配設されている。作動演出装置400は、左右の作動体410および対応の作動手段450の構成が、その配置が左右対称であるものの、基本的な構成要素が同じであるので、一方の作動ユニット402A,402Bについて具体的に説明する。なお、左右の作動ユニット402A,402Bにおいて構成要素を区別する場合は、表示開口部40aの右側に位置する右部作動ユニット402Aの構成要素には名称に「右部」を付け、表示開口部40aの左側に位置する左部作動ユニット402Bの構成要素には名称に「左部」を付ける。
【0078】
前記右部作動ユニット402Aは、右部作動体410および右部作動手段450が、設置板部41の右側辺部前面から前方へ離間配置された右部作動ベース部材404に設置されて、右部作動体410が第2移動演出装置200における第2従動側支持組220Bの前側に配置される(図4(b)参照)。また、左部作動ユニット402Bは、左部作動体410および左部作動手段450が、設置板部41の左側辺部前面から前方へ離間配置された左部作動ベース部材404に設置されて、左部作動体410が第2移動演出装置200における第2駆動側支持組220Aの前側に配置される(図4(a)参照)。作動演出装置300では、左右の作動ユニット402A,402Bの夫々が、作動ベース部材404を介して設置板部41に着脱し得る1つのユニットとして取り扱い可能になっている。作動演出装置400は、制御手段Cによる左右の作動手段450,450の制御下に、左右の作動体410,410が同期して動作可能に構成される。すなわち、作動演出装置400は、一対の作動体410,410が表示開口部40aから臨む表示部13aの横側に退避した待機位置(図2、図11および図27(a)参照)から互いに近接するように同期してスライド移動されて、表示部13aの前側を覆う作動位置(図3および図27(c)参照)とされる。また、作動演出装置400は、一対の作動体410,410が作動位置から互いに離間するように同期してスライド移動されて、夫々の待機位置に戻される。
【0079】
(作動ベース部材)
前記作動ベース部材404は、透明な合成樹脂製の板状の部材であって、板面を設置板部41の側辺部前面と平行させた状態で、設置板部41の前面に立設された下部区画壁44やボス(図示せず)や周壁部42等によって設置板部41から離間させて支持されている。作動ベース部材404と設置板部41との間には、内方(表示開口部40a側)が開放した収容空間が画成され、この収容空間に第2移動機構220の前述した支持組220A,220Bが設置され、当該支持組220A,220Bに支持された第2移動体210の端部が収容空間を通過すると共に、収容空間に第1移動体110を収容し得るようになっている。
【0080】
(作動体)
図3または図11に示すように、作動体410は、設置板部41の側辺部前側に重なって表示開口部40aから臨む表示部13aの側方(周辺)に位置する待機位置および表示部13aの前側に重なる作動位置の間でスライド移動可能に支持されている。作動体410は、待機位置において遊技盤20または枠状装飾体28の後側に部分的または全部が隠されている(図2参照)。左部作動体410は、待機位置において枠状装飾体28および遊技盤20の後側に大部分が隠れて、遊技盤20の前側から判別し難くなっている。これに対して、右部作動体410は、待機位置において、右部作動ベース部材404の右縁前側に該右部作動ベース部材410の前面から離間するように設けられた作動体装飾部407の後側に右側部が隠される。作動体410は、作動位置において遊技盤20または枠状装飾体28(右部作動体410であれば作動体装飾部407も含む)の後側から表示部13aの前側に進出して、該作動体410における遊技盤20の前側から視認可能な領域が広がるよう構成されている。一方、表示部13aは、待機位置から作動位置に作動体410が向けうにつれて、作動体410によって隠される領域が大きくなって遊技盤20の前側から視認可能な領域が狭くなる(図3参照)。
【0081】
図4または図27に示すように、作動体410は、前後に重ねて設けられた複数の作動分体412,422から構成され、待機位置と作動位置との間の動作につれて前後の作動分体412,422が重なったり(図27(a)参照)、互いにずれたり(図27(c)参照)するよう構成されている。実施例の作動体410は、2枚の作動分体412,422で構成され、後側に位置する作動分体を第1作動分体412といい、第1作動分体412の前側に位置する作動分体を第2作動分体422という。各作動分体412,422は、板状に形成されて、板面が作動ベース部材404の前面と平行するように配設されている。作動体410は、前後の作動分体412,422の重なり状態(以下、分体重複状態という)で左右方向(作動方向)の幅が小さくなり(図27(a)参照)、前後の作動分体412,422が互いにずれた状態(以下、分体拡開状態という)で、全体として左右方向の幅が広くなる(図27(c)参照)。
【0082】
図27に示すように、作動体410は、第1作動分体412の前面に施された意匠と、第2作動分体422の前面に施された意匠とが、関連性を持たせて形成されている。作動体410は、分体重複状態で第2作動分体422の後側に第1作動分体412が隠れる態様から分体拡開状態に移行すると、第2作動分体422より内側に延出するようにずれて、前側に臨む第1作動分体412の意匠と第2作動分体422の意匠とが繋がって、一連なりの意匠を構成するようになっている(図27(c)参照)。右部作動ユニット402Aだけに設けられる作動カバー部407は、右部作動体410における第1および第2作動分体412,422の意匠と関連性を持たせて形成されている。そして、右部作動ユニット402Aは、右部作動体410が作動位置でかつ分体拡開状態となることで、右部枠体装飾部30から作動体装飾部407、第2作動分体422および第1作動分体412にかけてこれらの意匠が繋がって、意匠体の右側部分を構成するようになっている(図3参照)。また、左部作動ユニット402Bは、左部作動体410が作動位置でかつ分体拡開状態となることで、左部枠体装飾部31から第2作動分体422および第1作動分体412にかけてこれらの意匠が繋がって、意匠体の左側部分を構成するようになっている(図3参照)。実施例では、下部発光装置48の前面に施された意匠が、作動体410の意匠に合わせて形成され(図11参照)、左右の作動体410,410が作動位置でかつ分体拡開状態となることで、下部発光装置48の意匠と左右の作動体410,410の意匠が繋がって、意匠体の下部を構成するようになっている。
【0083】
(作動体の支持構造)
図28〜図31に示すように、作動体410は、作動ベース部材404に対して2つの支持部材430,440によって第1作動分体412(最後尾の作動分体)が左右方向にスライド移動可能に支持される。作動体410は、第1作動分体412(前後に重なる作動分体のうちの後側の作動分体)に対して第2作動分体422(前後に重なる作動分体のうちの前側の作動分体)がスライド移動可能に支持されている。すなわち、前後に重なり合う2つの作動分体412,422は、左右方向に相対的にスライド移動可能に構成され、2枚の作動分体412,422からなる作動体410全体として、最後尾の第1作動分体412に繋がった作動手段450によって左右方向にスライド移動される。図28に示すように、作動ベース部材404の前面には、作動体410の上部を支持する第1支持部材430が上部に配置され、作動体410の下部を支持する第2支持部材440が下部に配置されている。
【0084】
(第1支持部材)
図31または図32に示すように、第1支持部材430は、作動体410の作動方向である左右方向に延在するように、作動ベース部材404の前面に配設されたスライドレール432と、ボールベアリング436を介してスライドレール432に対して左右方向にスライド可能に支持されたスライダー434とから構成されている。そして、スライダー434の前面には、第1作動分体412が固定されている。より具体的に説明すると、第1支持部材430は、前方に開放した略断面「コ」字状のスライドレール432と、後方に開放した略断面「コ」字状のスライダー434との間に、ボールベアリング436が収容されている(図32)。ボールベアリング436は、本体における上下の面の夫々に左右方向に延在する円弧状の溝が前後に離間して2条設けられ、後側の溝とスライドレール432の壁と間に金属球436aが挟持されると共に、前側の溝とスライダー434の壁との間に金属球(何れも図示せず)が挟持されている。第1支持部材430は、設置部材40側に固定されるスライドレール432に対してスライダー434が左右方向(作動体410の作動方向)のスライド移動が許容される一方、前後および上下(作動体410の作動方向と直交する方向)の移動が規制される。このように、作動体410(第1作動分体412)は、第1支持部材430によって左右方向のスライド移動が許容される一方、前後および上下の移動が規制される。
【0085】
(第2支持部材)
図27に示すように、第2支持部材440は、第1支持部材430と上下方向(作動体410の作動方向と直交する方向)に離間して、作動ベース部材404の下部前面に設けられている。第2支持部材440は、表示開口部40aの下側に位置して、表示開口部40aの下縁に沿って左右方向に延在するように配置される。第2支持部材440は、左右方向(作動方向)に延在するよう形成されたガイド溝442を備えている(図5(b)参照)。ガイド溝442は、前後に対向する壁の間に上方に開放するように画成され、最後尾の第1作動分体412の下端に下方へ延出形成されたガイド片413(図31参照)が挿入される。ここで、第2支持部材440は、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の摺動特性に優れた合成樹脂から形成される。第2支持部材440は、ガイド溝442に挿入されたガイド片413を前後の壁に挟んで、作動体410(第1作動分体412)の左右方向の移動を許容する一方、作動体410(第1作動分体412)の前後方向の移動を規制している。なお、ガイド片413の前後の面には、左右方向に延在する凸条413aが設けられて(図28〜図31参照)、この凸条がガイド溝442の壁に当接することで摺動負荷を軽減している。
【0086】
図28〜図31に示すように、作動体410は、後側に位置する第1作動分体412に左右方向に延在するように設けられたスライド溝414に、前側に位置する第2作動分体422に設けられたスライド軸423が挿入され、該スライド軸423がスライド溝414に左右方向に移動可能に支持される。第1作動分体412には、上下方向に離間して2条のスライド溝414,414が並行するように設けられている。 図33に示すように、第2作動分体422の後面には、左右方向に離間配置された一対のスライド軸423,423が、上側のスライド溝および下側のスライド溝の夫々に対応するように設けられ、1つのスライド溝414に対して左右2つのスライド軸423,423が嵌るようになっている。
【0087】
(作動手段)
図31に示すように、作動手段450は、作動体410の下側(作動体410の作動方向と直交する横側)に配置された作動モータ(作動駆動源)451と、作動体410に対して作動モータ451と同じ下側に配置され、該作動モータ451の回転駆動に連係して回転される作動回転体452と、この作動回転体452と作動体410(第1作動分体412)とを繋ぐ作動アーム453とを備えている。作動モータ451は、制御手段Cに制御されたパルス電力によって動作するステッピングモータ等の位置決め制御が可能なモータが用いられている。作動モータ451は、作動ベース部材404の下部後面に、出力軸を前方に向けた姿勢で設置される。作動モータ451は、第2移動演出装置200における連結シャフト256の下方に位置して、設置板部41の前面と作動ベース部材404の後面との間のスペースを用いて設置される。作動ベース部材404の前側に突出する作動モータ451の出力軸の先端には作動出力歯車454が固定され、この作動出力歯車454が作動ベース部材404の前面に回転可能に設けられた作動中継歯車455に噛み合っている(図28〜図30参照)。作動中継歯車455は、作動出力歯車454と、作動ベース部材404の前面において作動出力歯車454の斜め上側に回転可能に配置された作動回転体452との間に配置され、作動回転体452の周面に形成された歯部452aに噛み合っている。作動出力歯車454、作動中継歯車455および作動回転体452の前側は、作動ベース部材404の前面に取り付けられた作動ケース部456で覆われて、作動出力歯車454、作動中継歯車455および作動回転体452の回転軸の前端が作動ケース部456に設けられた軸受凹部456aに位置決めされている。
【0088】
図28〜図30に示すように、作動アーム453は、作動回転体452において該作動回転体452の径方向に延出するよう設けられると共に、その延出端が第1作動分体412に回転可能に接続され、作動回転体452の回転に伴って延出端が左右方向に揺動される。作動アーム453は、作動ケース部456の上端縁から突出した部位で前後方向にクランク状に折れ曲がって、延出端側が作動回転体452に繋がる根元側と比べて前側に位置し、該延出端側が第1作動分体412の前側に延在している(図28〜図30参照)。作動アーム453の延出端には、後方に開口するアーム接続溝453aが設けられ(図28〜図30参照)、下側のスライド溝414の上方に位置して第1作動分体412の外側縁部前面に突設されたアーム接続軸415に対してアーム接続溝453aを前側から嵌め合わせて、作動アーム453の延出端が第1作動分体412と接続される(図32参照)。アーム接続溝453aは、作動アーム453における延出端の揺動方向の寸法がアーム接続軸415と略同一に設定されると共に、作動アーム453の延出方向の寸法がアーム接続軸415よりも長く設定され、作動アーム453の揺動に伴う延出端とアーム接続軸415とのズレがアーム接続溝453aによって許容される。作動アーム453は、延出端側が外方が凸になると共に内方が凹になるよう湾曲され(図28〜図30参照)、下側のスライド溝414およびこのスライド溝414に支持される下側のスライド軸423と干渉しないよう構成され、スライド溝414にスライド軸423を介して支持された第2作動分体422のスライド移動範囲を確保しつつ、作動アーム453の揺動範囲を確保している。作動アーム453は、アーム接続軸415に対してアーム接続溝453aを前側から被せた状態で接続され、第1作動分体412に対して第2作動分体422を取り付けることで、延出端が第1作動分体412と第2作動分体422との間に位置して抜け止めされる(図32参照)。
【0089】
図28〜図30に示すように、作動アーム453の延出端は、第1作動分体412(作動体410)における作動モータ451に近い側である下側に偏倚した部位に接続されている。そして、作動体410の第1作動分体412は、作動モータ451より遠い側となる上側が第1支持部材430のスライダー434に固定されて、該第1支持部材430により上下および前後に移動規制された状態で支持される。また、第1作動分体412は、作動モータ451に近い側となる下側が第2支持部材440のガイド溝442に前後方向に移動規制された状態で支持される。このように、作動ユニット402A,402Bは、作動モータ451に近い側から作動体410に作動手段450より力が加えられ、作動体410において力が加えられる部位から遠い上側を、ボールベアリング436を用いて摺動負荷を軽減し得る第1支持部材430で支持して作動手段450にかかる負荷を軽減し、作動体410において力が加えられる部位から近い下側を、構成が簡単な第2支持部材440で支持している。
【0090】
前記作動体410は、待機位置で前後の作動分体412,422が分体重複状態になるよう構成され(図27(a)参照)、作動位置において後側の第1作動分体412が前側の第2作動分体422に連なって表示部13a側に延出する分体拡開状態になるよう構成されている(図27(c)参照)。また、作動体410は、待機位置および作動位置の間に係止位置が設定され(図27(b)、図27(b)、図29および図31(b)参照)、作動位置と係止位置の間で第1作動分体412および第2作動分体422が分体重複状態を保ったまま移動される一方、係止位置と作動位置との間で第2作動分体422から分離して第1作動分体412だけが移動されて、前記分体拡開状態になる。このように、作動体410は、作動手段450による第1作動分体412のスライド移動に伴って第2作動分体422が移動または分離させられる。
【0091】
(第1磁着手段)
図28〜図30に示すように、作動体410は、前後の作動分体412,422の一方に設けられた磁石からなる第1磁着体460と、前後の装飾体412,422の他方に設けられ、第1磁着体460に引き付けられる磁石または磁性体からなる第2磁着体461とから構成され、第1磁着体460および第2磁着体461の引き合いによる磁着によって前後の作動分体412,422を分体重複状態で保持する第1磁着手段(磁着手段)を有している。実施例では、第1作動分体412に第1磁着体460が設けられ、第2作動分体422に第2磁着体461が設けられている。第1作動分体412には、上側のスライド溝414の下側近傍に、前方および外側方に開口する凹状に形成された磁着体凹部416が設けられ(図28参照)、この磁着体凹部416の内側面に対向するように第1磁着体460が第1作動分体412の後面に設置される。実施例の第2磁着体461は、磁石に引き付けられる鉄等の磁性体が用いられている。図33に示すように、第2磁着体461は、第2作動分体422の後面から突出して磁着体凹部416に挿通するよう設置されている。第2磁着体461は、分体重複状態において磁着体凹部416の内側面に当接して(図28参照)、磁着体凹部416の内側面に対向配置された第1磁着体460の磁力により該内側面から離間する方向への移動が規制される。第2磁着体461は、分体拡開状態において磁着体凹部416の内側面から相対的に離間して(図29および図30参照)、第1磁着体460の磁力の影響を受けないようになっている。
【0092】
(第2作動分体の係止構造)
図28〜図30および図33に示すように、作動体410は、第2作動分体422の上端部に設けられた分体当接部424が、作動ベース部材404の上端前面に設けられた分体摺動部405に沿ってスライド移動するよう構成されている。分体当接部424は、第2作動分体422の後面から後方に突出するように設けられている。作動ベース部材404の上端縁に前方へ向けて立ち上がって左右方向に延在する上縁壁と、この上縁壁の下方に設けられた第1作動分体412の上面との間に形成された分体摺動部405に、分体当接部424が左右方向に移動可能な状態で収容される。ここで、分体摺動部405は、待機位置にある作動体410の内縁に合わせて形成された作動ベース部材404の内縁部より内側へ向けて延出するよう形成されて、表示開口部40aの上側に位置して該表示開口部40aの上縁に沿って左右方向に延在している。分体当接部424は、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の摺動特性に優れた合成樹脂から形成されて、分体摺動部405の前面に形成された凸条に、該分体当接部424の後面が当接される。
【0093】
図28〜図30に示すように、分体摺動部405の内側の端部には、第2作動分体422の分体当接部424と当接することで、作動体410の待機位置から作動位置への移動の途中(前述の係止位置)で第2作動分体422の作動位置側への移動を規制する分体係止部(係止部)406が設けられている。分体係止部406は、分体摺動部405に収容された分体当接部424に対して待機位置から作動位置に向けた移動方向前側に位置して前方に立ち上がる壁部分であって、待機位置と係止位置との間において第2作動分体422の左右方向のスライド移動を許容するよう構成される。図29に示すように、分体係止部406は、第2作動分体422の分体当接部424の係止位置を越えた作動位置側への移動を規制することで、第1作動分体412における係止位置を越えた作動位置側への変位に伴って、第1磁着体460と第2磁着体461とが引き離されて、係止位置と作動位置との間では第1作動分体412だけが第2作動分体422と独立して移動される(図30参照)。
【0094】
図28に示すように、作動体410は、分体重複状態において内側に位置するスライド軸423がスライド溝414の内側の端縁に係止され、分体拡開状態においてスライド軸423に対してスライド溝414が相対的に内側へ変位して、外側に位置するスライド軸423がスライド溝414の外側の端縁に係止される(図30参照)。すなわち、作動体410は、分体重複状態において第2作動分体422に対して第1作動分体412の相対的に内側へ向かう変位が許容され、分体拡開状態において第2作動分体422に対して第1作動分体412が相対的に外側へ向かう変位が許容される。作動体410は、待機位置と係止位置との間において、第1作動分体412の作動位置側への変位に対して第2作動分体422が第1磁着手段460,461の磁着のみにより追従して変位するよう構成される。また、作動体410は、第1作動分体412の待機位置側への変位に対して第2作動分体422が、内側に位置するスライド軸423およびスライド溝414の内側の端縁の係止並びに第1磁着手段460,461の磁着によって追従して変位するようになっている。そして、作動体410は、作動位置での分体拡開状態において、外側に位置するスライド軸423にスライド溝414の外側の端縁が係止されて、第1作動分体412の内方への移動が規制される(図30参照)。
【0095】
このように、作動体410は、分体係止部406によって第2作動分体422が移動規制されるまでは、第1磁着体460と第2磁着体461との磁着下に、第1作動分体412に接続された作動アーム453の揺動に伴って前後の作動分体412,422が分体重複状態で一体的に移動される(図27(a)および(b)参照)。また、作動体410は、分体係止部406によって第2作動分体422が移動規制されることで、第1磁着体460と第2磁着体461との磁着が解除されて第1作動分体412だけが移動し、作動位置において第1作動分体412が第2作動分体422の内側に連なって表示部13a側に延出する分体拡開状態となる(図27(c)参照)。そして、作動体410は、作動位置から待機位置に向けて第1作動分体412を移動すると、係止位置でスライド溝414にスライド軸423が引っ掛かると共に第1磁着体460と第2磁着体461とが磁着されて、係止位置を越えて待機位置側への移動に際して前後の作動分体412,422が分体重複状態で一体的に移動される。
【0096】
(第2磁着手段)
図29に示すように、各作動体ユニット402は、係止位置で第2作動分体422を保持する第2磁着手段462,463を備えている。第2磁着手段は、分体係止部406に設けられて、磁石からなる第3磁着体462と、分体係止部406に当接する第2作動分体422の分体当接部424に設けられ、第3磁着体462に引き付けられる磁石または磁性体からなる第4磁着体463とから構成される。第4磁着体463は、磁石に引き付けられる鉄等の磁性体が用いられ、実施例では分体当接部424における分体係止部406への当接面を構成する板金からなる。第2磁着手段462,463は、分体係止部406に分体当接部424が当接することで移動規制された第2作動分体422を、第3磁着体462と第4磁着体463との引き合いにより係止位置で保持するようになっている。また、第3磁着体462および第4磁着体463の引き合い力は、第1磁着体460および第2磁着体461の引き合い力よりも弱く設定される。
【0097】
(作動位置検知手段)
前記作動ユニット402A,402Bは、作動体410の待機位置を検知する作動位置検知手段470,472を備えている。作動位置検知手段は、作動回転体452の外側方に設けられた作動フォトセンサ470と、作動回転体452に設けられ、作動回転体452の周面から半径方向外側に延出する作動検知片472とから構成されている(図28〜図30参照)。作動ユニット402A,402Bでは、表示開口部40aの下方に位置する第2移動体210の基準位置において、表示部13aの前側から退避した作動体410の待機位置において、作動検知片472が作動フォトセンサ470の投光部と受光部との間に臨み(図28参照)、作動フォトセンサ470よって作動検知片472が検知される。一方、作動体410が待機位置から移動すると、作動検知片472が作動フォトセンサ470の投光部と受光部との間から外れ(図30参照)、作動フォトセンサ470が作動検知片472の非検知状態となる。なお、制御手段Cは、作動フォトセンサ470の検知信号を受けて、作動モータ451の停止等の所定の制御を行う。
【0098】
(作動体電飾手段)
前記作動体410を構成する第1作動分体412および第2作動分体422は、光を透過可能な合成樹脂の成形品であって、遊技盤20の前側に臨む前面等の所要部位に光拡散処理が施されている。作動体410は、光を照射し得る作動体電飾手段(電飾手段)417を備え(図31参照)、作動体410における光拡散処理が施された部位が作動体電飾手段417によって照明される。実施例の作動体410では、第1作動分体412のみに作動体電飾手段417が設置され、第1作動分体412の移動につれて作動体電飾手段417も一体的に移動するようになっている。作動体電飾手段417は、第1作動分体412の後側に配設されて、前方へ光を照射し得るLED等の発光体を前面に複数備えた基板から構成され、発光体から照射した光によって第1作動分体412の前面および該第1作動分体412の前側に重なる第2作動分体422の前面を照らすよう構成される。
【0099】
(作動ベース電飾手段)
図30に示すように、作動ベース部材404には、光を照射し得る作動ベース電飾手段408が設けられている。作動ベース部材404は、光を透過可能に構成されて、該作動ベース部材404の後側に作動ベース電飾手段408が設置される。作動ベース電飾手段408は、前方へ光を照射し得るLED等の発光体408aを前面に複数備えた基板から構成される。作動ベース電飾手段480は、作動体410の待機位置において該作動体410の後側に発光体408aが隠されている(図28参照)。作動体410は、作動位置に移動することで、作動ベース電飾手段408における発光体408aの前側を開放するようになっている(図30参照)。右部作動ユニット402Aでは、右部作動ベース電飾手段408の発光体408aが作動体装飾部407および右部枠体装飾部30の後側に配置され、制御手段Cの制御下に該発光体408aから前方に照射した光によって作動体装飾部407および右部枠体装飾部30が発光される。左部作動ユニット402Bでは、左部作動ベース電飾手段408の発光体408aが左部枠体装飾部31の後側に配置され、制御手段Cの制御下に該発光体408aから前方に照射した光によって左部枠体装飾部31が発光される。
【0100】
(動作演出装置)
図11に示すように、動作演出装置500は、右部作動ユニット402Aの前側に設けられている。図34〜図37に示すように、動作演出装置500は、右部作動ユニット402Aにおける右部作動ケース部456の前面に設置された動作ベース部材502に動作可能に支持された動作体510と、動作ベース部材502に配設され、動作体510を動作させる動作機構550とを備えている。動作演出装置500は、動作体510が標準位置から複数の動作位置に動作可能に配設され、動作機構550の動作モータ(動作駆動源)551により動作されることで各動作位置で指し示す方向が変わるよう構成されている(図2または図11参照)。ここで、動作体510が指し示す方向とは、動作体510の形状や模様、または動作位置間での動作と異なる動作や発光等の視認態様の変化等に基づいて、遊技盤20の前側から動作体510が指向していることが判る向きをいう。実施例の動作演出装置500では、動作体510が銃器の如き形状に形成されて、その先端部(銃口)が指向する方向が動作体510が指し示す方向となる。動作演出装置500は、動作体510が右部作動体410の前側に位置して表示部13aの前側から退避した標準位置(図2または図11の実線参照)と、動作体510が表示部13aの前側に位置した第1〜第5動作位置(図2または図11の二点鎖線参照)に動作するよう構成される。動作体510は、標準位置において、右部作動ユニット402Aの作動体装飾部407に設けられた演出部407aを指向している。また、動作体510は、第1〜第5動作位置において、可動体310の表示面312,313,314,315に設けられた演出部316を指向している。
【0101】
実施例では、第1表示面312および第2表示面313に並んだ5つの316に対して、動作体510の第1動作位置において最も左側に位置する演出部316を指向し、動作体510の第2動作位置において左から2番目に位置する演出部316を指向し、動作体510の第3動作位置において中央に位置する演出部316を指向し、動作体510の第4動作位置において右から2番目に位置する演出部316を指向し、動作体510の第5動作位置において最も右側に位置する演出部316を指向している。第3表示面314に並んだ4つの演出部316に対して、動作体510の第1動作位置において最も左側に位置する演出部316を指向し、動作体510の第2動作位置において左から2番目に位置する演出部316を指向し、動作体510の第3動作位置において左から3番目に位置する演出部316を指向し、動作体510の第4動作位置において最も右側に位置する演出部316を指向している。そして、第4表示面315に形成された1つの演出部316に対して、動作体510の第3動作位置において指向するようになっている。
【0102】
(動作ベース部材)
図37に示すように、動作ベース部材502は、前側に開口する略トレイ形状に形成され、該動作ベース部材502の後側部分を構成する後部ベース部503と、後側に開口する略トレイ形状に形成され、後部ベース部503の前端に整合して該動作ベース部材502の前側部分を構成する前部ベース部504とから構成される。動作ベース部材502には、後部ベース部503と前部ベース部504との間に空間が画成され、この空間に動作機構550の後述する歯車群552,553,554,555が収容されて、これらの歯車群が配線等の他の部材と干渉しないようになっている。
【0103】
(動作体)
図34に示すように、動作体510は、遊技盤20の前側から視認可能な意匠形状が銃器を模して全体として長尺に形成され、銃床側となる長手方向一端部(下端部)が動作ベース部材502に対して、前後方向に軸線が延在する動作軸511(図35または図36参照)を介して回転可能に支持されている。動作体510は、下端部を支持する動作軸511の半径方向上側に長手が延在して、銃口側となる長手方向他端部(上端部)が基本的に水平面より上方を指向するようになっている。動作体510は、動作機構550によって動作軸511を中心として遊技盤20の盤面に沿う方向に揺動され、揺動動作につれて上端部が指向する向きが変化する。ここで、動作体510が標準位置および各動作位置において指し示す位置には、照明手段340や右部作動ベース電飾手段408等の演出手段によって演出態様を変化し得る演出部316,407aが設けられている。また、動作体510は、複数の動作位置への揺動動作とは別に、動作位置で該動作体が指し示す演出部316,407aに対して進退ソレノイド(進退駆動源)331を備えた進退移動機構530により進退移動するよう構成されている(図36参照)。なお、動作体510は、その意匠形状のなす長手方向に沿って進退移動される。
【0104】
図35および図36に示すように、動作体510は、動作軸511に回転可能に支持されたスライドベース512と、このスライドベース512の前側にスライド移動可能に支持されたスライド本体518と、スライドベース512に対してスライド本体518をスライド移動させる進退移動機構530とを備えている。また、動作体510は、スライド本体518の後側に配設されて、該スライド本体518に設けられた動作光透過部519を発光させる動作発光手段524を備えている(図37参照)。
【0105】
図37に示すように、スライドベース512は、スライド本体518を支持する上側部分と比べて、動作軸511に支持される下側部分が後方に位置するようにクランク状に屈曲形成されて、この下側部分が動作機構550の動作回転体552の前面に固定されている。スライドベース512の上側部分には、動作軸511の半径方向に沿って長手が延在する動作スライド孔513が前後に貫通形成されている(図36参照)。なお、スライドベース512には、スライド本体518の進退移動方向およびこの進退移動方向と交差する横方向にずらして2つの動作スライド孔513,513が設けられている。一方、スライド本体518の後側には、動作スライド孔513,513の夫々に対応して、スライド本体518の進退移動方向に並ぶ一対の動作スライドボス520,520が後方へ向けて突出形成されている。なお、動作スライドボス520は、動作発光手段524を保持してスライド本体518の後面に固定される発光手段保持部525の後面に設けられている。動作体510は、一対の動作スライドボス520,520が対応の動作スライド孔513に嵌り、動作スライドボス520の動作スライド孔513の長手に沿う移動が許容される一方、該動作スライドボス520における動作スライド孔513の短手方向の移動が規制される。
【0106】
図34(a)および図37に示すように、スライド本体518は、動作体510において遊技盤20の前側から視認可能な意匠部分を形成している。スライド本体518には、動作光透過部519が動作軸511側における左右方向中央部に位置して、該スライド本体518の進退移動方向(動作体510の長手方向)に沿って設けられている。動作光透過部519は、光を透過可能で、かつ光拡散処理が施されている。スライド本体518における動作光透過部519の後側には、スライドベース512との間に位置して動作発光手段524の基板(図示せず)が配設され、この基板の前側に設けられたLED等の発光体から照射した光によって動作透過部519が発光される。なお、動作発光手段524は、制御手段Cによって発光制御される。
【0107】
(進退移動機構)
図36に示すように、スライド本体518を進退移動させる進退移動機構530は、スライドベース512の後面に設けられた進退ソレノイド(進退駆動源)531と、この進退ソレノイド531とスライド本体518とを繋ぐリンク手段532,533,534,535とから構成されている。進退ソレノイド531は、動作軸511側にプランジャ531aを向けた姿勢でスライドベース512の上側部分後面に配設され、制御手段Cの制御下に通電されることで、プランジャ531aを本体側に引き込む所謂プル形のソレノイドが採用されている。すなわち、動作軸511の上方に位置する進退ソレノイド531は、非通電時にプランジャ531aが重力の作用下に下方に伸びた状態にある(図36(a)参照)。スライドベース512は、下側部分と比べて上側部分を前側に位置させることで、該上側部分と右部作動ユニット402Aとの間に隙間を画成し、この隙間にスライドベース512の後面から後方に突出する進退ソレノイド531を収容している。進退ソレノイド531は、後面に開口が設けられたソレノイドカバー537で覆われ、このソレノイドカバー537から右方に延出する動作ガイド538が設けられている。動作ガイド538は、動作軸511を中心とする円弧状の長孔538aを備え、右部作動ケース部456の前面に設けられた動作ガイド軸539が該長孔538aに嵌るよう構成されている。そして、動作体510は、動作ガイド軸539と動作ガイド538の長孔538aとの係合によって、揺動動作に際してのガタツキが防止される。
【0108】
図36に示すように、リンク手段は、第1〜第4の4本のリンク532,533,534,535で構成されている。リンク手段532,533,534,535は、動作体510の長手方向に沿うプランジャ531aの進退移動に連動して、スライド本体518を動作軸511に対して接離するよう進退移動させる。具体的には、第1リンク532は、進退ソレノイド531よりも動作軸511側に設けられ、スライドベース512の後面に回転可能に軸支されて左右に延在し、プランジャ531aの先端から左方へ突き出した連結片531bに右端部が回転可能に接続される。第2リンク533は、進退ソレノイド531の左側を上下に延在するよう設けられ、下端部が第1リンク532の左端部に回転可能に接続される。第3リンク534は、進退ソレノイド531よりも動作体510の先端側に設けられ、スライドベース512の後面に回転可能に軸支されて左右方向に延在し、左端部が第2リンク533の上端部に回転可能に接続される。第4リンク535は、スライドベース512における上側の動作スライド孔513から後側に臨む動作スライドボス520に上端部が接続されると共に、下端部が第3リンク534の右端部に回転可能に接続される。なお、第4リンク535は、上端部がスライドベース512の中央部に位置し、下端部がスライドベース512の右側縁に位置するようにクランク状に屈曲している(図36参照)。第4リンク535には、第3リンク534との接続部の上方に位置して、前方に向けて突出するリンク突片(図示せず)が設けられ、このリンク突片がスライドベース512に第4リンク535の進退移動方向に延在するよう開設されたリンク長孔514に挿入されている。すなわち、第4リンク535は、リンク突片がリンク長孔514における長手の開口縁に位置規制されることで、進退移動方向と交差する方向のぶれを防止している。
【0109】
図36(a)に示すように、進退移動機構530は、進退ソレノイド531の非通電時にプランジャ531aが下方に延出されるのに伴い、第1リンク532の右端部が下降すると共に左端部が上昇し、第2リンク533により第3リンク534の左端部が押し上げられる。また、進退移動機構530は、第3リンク534の左端部が上昇すると共に右端部が下降することで、第4リンク535が下降し、これに伴いスライド本体518が動作軸511側にある後退位置とされる(図36(a)参照)。動作体510は、後退位置でスライド本体518が自重により保持される。進退移動機構530は、進退ソレノイド531の通電時にプランジャ531aが上方(本体側)に引き上げられるのに伴い、第1リンク532の右端部が上昇すると共に左端部が下降し、第2リンク533により第3リンク534の左端部が引き下がられる(図36(b)参照)。また、進退移動機構530は、第3リンク534の左端部が下降すると共に右端部が上昇することで、第4リンク535が上昇し、これに伴いスライド本体518が動作軸511側から離れた前進位置とされる。動作体510は、標準位置または動作位置でスライド本体518が前進位置とされることで、標準位置または動作位置で指し示す演出部316,407aにスライド本体518の先端が後退位置よりも近づくようになっている。
【0110】
(進退補助手段)
図36に示すように、進退移動機構530は、重力に抗して動作するスライド本体518の後退位置から前進位置への移動を補助すると共に、重力の作用下に動作するスライド本体518の前進位置から後退位置への移動を緩衝する進退補助手段540を備えている。進退補助手段540は、スライドベース512の後面に設けられた弾性体保持部515に保持された補助弾性体542と、この補助弾性体542の上部に保持され、第4リンク535の左側に延出形成されたリンク作用片536を受けるリンク受片543とを備えている。弾性体保持部515は、上側の動作スライド孔513の左側に配置されて、上面および後面上部が開口する箱状に形成されている。補助弾性体542は、コイルばねが採用され、弾性体保持部515に進退移動方向に沿って移動可能に保持されたリンク受片543を上方(後退位置側から前進位置側、動作軸から離れる方向)に向けて付勢するようになっている。
【0111】
前記リンク作用片536は、第4リンク535の上端部から左方へ延出した後に下方に屈曲するよう形成され、後退位置において下端部がリンク受片543で受け止められる(図36(a)参照)。動作体510は、スライド本体518の後退位置において第4リンク535が下降状態にあることで、リンク作用片536がリンク受片543を下方に押し下げて補助弾性体542を圧縮した状態で弾性体保持部515に上方から挿入される。第4リンク535は、補助弾性体542によってスライド本体518の自重を越えない力で後退位置から前進位置に向けて弾力的に付勢されており、進退ソレノイド531の通電時に第4リンク535が下降状態から上昇するのが補助弾性体542の弾力により補助される。これに対し、進退ソレノイド531の非通電状態においてスライド本体518が前進位置から後退位置に戻る際に、下降するリンク作用片536がリンク受片543を介して補助弾性体542によって弾力的に受け止められる。
【0112】
(動作機構)
図35に示すように、動作機構550は、動作ベース部材502(後部ベース部503)の後面に設けられ、出力軸を後部ベース部503と前部ベース部504との間に臨ませた動作モータ(動作体駆動源)551と、後部ベース部503と前部ベース部504との間において回転可能に軸支され、動作モータ551の出力軸に固定された動作駆動歯車553に噛み合う動作第1連係歯車554と、後部ベース部503と前部ベース部504との間において回転可能に軸支され、動作第1連係歯車554に噛み合う動作第2連係歯車555と、後部ベース部503と前部ベース部504との間において前記動作軸511により回転可能に軸支され、周面に設けられた動作歯部552aが動作第2連係歯車555に噛み合う動作回転体552とから構成される。動作モータ551は、制御手段Cに制御されたパルス電力によって動作するステッピングモータ等の位置決め制御が可能なモータが用いられる。動作回転体552の前面には、動作軸511で共通的に軸支されたスライドベース512の下端部が固定されている。スライドベース512(動作体510)は、動作モータ551の駆動により動作駆動歯車553、動作第1連係歯車554および動作第2動作連係歯車555、動作歯部552aを介して回動される動作回転体552と共に回動するようになっている。動作回転体552の後面には、回転体規制ボス552bが後方へ突出形成され、この回転体規制ボス552bが後部ベース部503において動作軸511を中心とする円弧状の長孔状に開設されたボス規制孔503aに挿入されている(図34(b)参照)。動作回転体552は、回転体規制ボス552bとボス規制孔503aとの係合によって、ガタツキなく回動される。
【0113】
(動作位置検知手段)
前記動作演出装置500は、動作体510の標準位置を検知する動作位置検知手段570,572を備えている。動作位置検知手段は、動作ベース部材502における動作回転体552の右側に設けられた動作フォトセンサ570と、動作回転体552に設けられ、該動作回転体552の周面から半径方向外側に延出する動作検知片572とから構成されている(図35参照)。動作演出装置500では、表示部13aの前側から退避した動作体510の標準位置において、動作検知片572の切欠部が、動作フォトセンサ570の投光部と受光部との間に臨んで動作検知片572が投光部と受光部との間から外れ、動作体510が動作位置に移動すると、動作検知片572が動作フォトセンサ570における投光部と受光部との間に臨む。
【0114】
(設置部材の補強構造)
図8および図12に示すように、設置部材40には、設置板部41における表示開口部40aの周辺部に金属製の補強部材116,202,216,256,302が配設されている。設置板部41の上辺部には、略矩形形状の表示開口部40aの上縁に並行するように延在する補強部材として、板金から構成された上部ベース部材116が設置される。上部ベース部材116は、前述の如く第1移動演出装置(第1の演出装置)100の第1駆動側支持組120Aの構成部材の設置基盤として用いられ、第1駆動側支持組120Aにおける上部ベルト124(支持部材)で移動される上部移動支持部126に支持されて、可動部材としての第1移動体110が左右方向に移動される。上部ベース部材116は、上部ベルト124の延在方向である左右方向に延在している。また、設置板部41の上辺部には、表示開口部40aの上縁に並行するように延在する補強部材として、板金から構成された可動ベース部材302が上部ベース部材116の前面に設置される。動作ベース部材302は、前述の如く可動演出装置300の構成部材の設置基盤として用いられる。設置板部41の左側辺部には、表示開口部40aの左縁に並行するように延在する補強部材として、板金から構成された左部ベース部材202が設置される。左部ベース部材202は、前述の如く第2移動演出装置200の第2駆動側支持組220Aの構成部材の設置基盤として用いられ、第2駆動側支持組220Aの左部移動支持部226に支持されて第2移動体210が上下方向に移動される。設置板部41の右側辺部には、表示開口部40aの右縁に並行するように延在する補強部材として、板金から構成された右部ベース部材216が設置される。右部ベース部材216は、前述の如く第2移動演出装置200の第2従動側支持組220Bの構成部材の設置基盤として用いられ、第2従動側支持組220Bの右部移動支持部246に支持されて第2移動体210が上下方向に移動される。設置板部41の下辺部には、表示開口部40aの下縁に並行するように延在する補強部材として、板金から構成された連結シャフト256が設置される。右部ベース部材256は、前述の如く第2移動演出装置200の第2駆動側支持組220Aと第2従動側支持組220Bとを連動させる部材である。このように、設置板部41の前面には、上部ベース部材116,左部ベース部材202,右部ベース部材216,連結シャフト256,可動ベース部材が、表示開口部40aの四辺を略全周に亘って囲むように設けられる。
【0115】
前記第2移動演出装置200の第2駆動側支持組220Aの前側には、作動演出装置400(第2の演出装置)の左部作動ユニット402Bが設けられ、該左部作動ユニット402Bにおいて左部作動体(第2の可動部材)410の上部を左右方向にスライド移動可能に支持する左部第1支持部材430が、上部ベース部材116の前側に位置して該上部ベース部材116の延在方向に沿って左右方向に延在している。また、左部作動ユニット402Bにおいて左部作動体410の下部を左右方向にスライド移動可能に支持する左部第2支持部材440が、連結シャフト256の前側に位置して該連結シャフト256の延在方向に沿って左右方向に延在している。すなわち、左部作動体410は、第1移動体110と同じ方向へ移動可能になっている。第2移動演出装置200の第2従動側支持組220Bの前側には、作動演出装置400の右部作動ユニット402Aが設けられ、該右部作動ユニット402Aにおいて右部作動体(第2の可動部材)410の上部を左右方向にスライド移動可能に支持する右部第1支持部材430が、上部ベース部材116の前側に位置して該上部ベース部材116の延在方向に沿って左右方向に延在している。また、右部作動ユニット402Aにおいて右部作動体410の下部を左右方向にスライド移動可能に支持する右部第2支持部材440が、連結シャフト256の前側に位置して該連結シャフト256の延在方向に沿って左右方向に延在している。すなわち、右部作動体410は、第1移動体110と同じ方向へ移動可能になっている。このように、設置板部41は、左右の第1支持部材430,430および第2支持部材440,440の配設位置の夫々に対応して、金属製の上部ベース部材116および連結シャフト256が並行するよう配置され、上部ベース部材116および連結シャフト256により補強されている。ここで、上部ベース部材116には、前後方向に延在する補強部としての上部ベース立設部117が設けられている。
【0116】
(意匠体)
図3に示すように、遊技盤20には、左右の作動体410,410(第1の装飾体)が作動位置にあると共に可動体(第2の装飾体)310の第4表示面(特定の表示面)315が前側に臨むことで、作動体410,410、第4表示面315、枠体装飾部29,30,31、可動装飾部306、作動体装飾部407および下部発光装置48の前面に施された意匠が繋がって、所定方向(実施例では遊技盤20の前側)から見た際に表示部13aを囲む1つの意匠体が構成される。意匠体は、遊技盤20の中央部に臨んでいる表示部13aを中心として、内外方向に同心状に延在する円弧状筋模様と、表示部13aを中心として内外方向に放射状に延在する放射筋模様とを備えている。また、意匠体は、複数の円弧状筋模様が外側から内側に向かうにつれて後方に偏倚するように段状に形成されている。すなわち、意匠体は、表示部13aに向けて焦点が集中するような形状に形成されている。ここで、「意匠が合う」とは、隣り合う装飾部29,30,31,48,306,315,407,410の前面に施された意匠が模様や形状が互いに繋がる関係に形成されることで、隣り合う意匠が連なって遊技者から一体的に見えたり(実施例)、隣り合う装飾部29,30,31,48,306,315,407,410の前面に施された意匠が互いに模様の線等や凹凸形状等が繋がっていないものの、意匠体全体としてみることで1つの模様や形状を想起させること(例えば、1つ1つの装飾部は、人の目や鼻等のパーツを構成し、意匠体全体として見た際に人の顔が構成される)をいう。より具体的には、可動体310が第4表示面315を遊技盤20の前側に臨ませた際に、第4表示面315の意匠と可動装飾部306の意匠とが繋がり、可動体310の第4表示面315、可動装飾部306および上部枠体装飾部29の意匠の繋がりによって、意匠体の上部が構成される。右部作動ユニット402Aは、右部作動体410が作動位置でかつ分体拡開状態となることで、右部枠体装飾部30から作動体装飾部407、第2作動分体422および第1作動分体412にかけてこれらの意匠が繋がって、意匠体の右側部分が構成される(図3参照)。また、左部作動ユニット402Bは、左部作動体410が作動位置でかつ分体拡開状態となることで、左部枠体装飾部31から第2作動分体422および第1作動分体412にかけてこれらの意匠が繋がって、意匠体の左側部分が構成される(図3参照)。左右の作動体410,410が作動位置でかつ分体拡開状態となることで、下部発光装置48の前面から第2作動分体422および第1作動分体412にかけてこれらの意匠が繋がって、意匠体の下側部分が構成される。
【0117】
図2または図3に示すように、作動体410は、左右方向に移動することで、作動位置で該意匠体の一部をなす一方、待機位置でその一部または大部分が遊技盤20や作動体装飾部407の後側に隠れて意匠体の一部が見えなくなる。また、可動体310は、4つの表示面312,313,314,315を有すると共に、遊技盤20の前側に臨ませる表示面312,313,314,315を切り替えるように定位置で回転動作される。すなわち、可動体310は、第4表示面315を前側に臨ませるように停止することで、意匠体の一部を構成するが、第4表示面315以外の表示面312,313,314を前側に臨ませて停止することで、意匠体を構成する意匠と異なる意匠が表れる。このように、遊技盤20では、左右の作動体410,410が待機位置にあると共に第4表示面315以外の表示面312,313,314に切り替えることで意匠体が消えて、表示部13aの周りが意匠体と異なる装飾がなされる。なお、左右の作動体410,410は、待機位置から作動位置に移動するのに伴って、表示部13aの前側に重なって該表示部13aにおける遊技盤20の前側から視認可能な領域を狭めるよう構成される。
【0118】
(可動演出装置の制御)
前記可動演出装置300は、異なる意匠が夫々施された4つ表示面312,313,314,315を有する可動体310が、制御手段Cの制御下に駆動手段350により前側に臨ませる表示面312,313,314,315を切り替えるように構成される。ここで、制御手段Cは、パチンコ機10の遊技状態または該パチンコ機10で実行される演出内容に応じて、該遊技状態または該演出内容に関連する意匠が施された表示面313,314,315を遊技盤20の前側に臨ませるよう、駆動手段350の駆動モータ351を駆動制御するようになっている。
【0119】
前記可動演出装置300の制御の説明の前にパチンコ機10の遊技について簡単に説明する。実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態を比べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
【0120】
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、164/65536)から高確率(実施例では、1518/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、実施例では、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間継続して確変状態が付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。ここで、所定条件としては、確変状態が付与されてからの図柄変動演出(特図変動表示)の変動回数とすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
【0121】
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、始動入賞装置24へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態を比べて増加する状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普通図柄(普図)の変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての始動入賞装置の始動入賞口を開放する開閉部材の開放時間を増やすこと、により始動入賞装置24へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての始動入賞口を開放する開閉部材の開放時間を増やすに際しては、開閉部材の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。なお、第1特典遊技状態が付与されている状態を確変状態としたが、これに限られるものではなく、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態を組み合わせた状態を確変状態とすることもできる。この場合に、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態の何れも付与されていない状態を非確変状態とすることができる。
【0122】
実施例のパチンコ機10は、図柄表示装置13で実行される図柄変動演出の演出内容(表示内容)が異なる複数(実施例では4つ)の遊技演出モード(遊技状態)を備えている。ここで、遊技演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に示唆すると共に、変短状態であるか否かを遊技者に示唆する遊技状態示唆画像を図柄表示装置13の表示部13aに表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで遊技演出モードが変更され得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの発生および大当り遊技後の図柄変動の変動回数(実施例では80回)がモード移行条件とされている。
【0123】
実施例に係るパチンコ機10の遊技演出モード(遊技状態)には、確変状態が付与されていない遊技状態となる通常モードと、確変状態が付与されている遊技状態となる確変モードと、確変状態が付与されていることを示唆する遊技状態となる(すなわち、確変状態が付与されている状態と付与されていない状態とがある)潜伏モードと、非確変状態で変短状態が付与されている遊技状態となる時短モードとが設定されている。そして、図柄表示装置13の表示部13aには、遊技演出モードに対応した内容の異なる遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、図柄表示装置13の飾図の背面に映し出される背景画像が遊技演出モード毎に異なるように設定されており、背景画像の種類から現在の遊技演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、各遊技演出モードでは、図柄表示装置13で行われる図柄変動演出の演出内容の一部または全部が異なっており、遊技演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。また、パチンコ機10で実行される演出内容とは、図柄表示装置13の表示部13aにおいての各種図柄が変動する図柄変動演出、リーチ演出、リーチ予告演出、大当り演出、該パチンコ機10のモチーフとなるキャラクターとその敵役となるキャラクターとが争うバトル演出等の表示による演出、スピーカからの音声出力による演出、光を照射し得る装置による光による演出等を指す。パチンコ機10の遊技状態または該パチンコ機10で実行される演出内容は、パチンコ機10の外側に現れない内部的であっても、パチンコ機10の外側に現れる外部的であっても何れであってもよい。
【0124】
例えば可動演出装置300は、パチンコ機10の遊技状態または該パチンコ機10で実行される演出内容に応じて表示面312,313,314,315を以下のように切り替えるよう構成される。制御手段Cは、通常モードにおいて大当りになり、当該大当りが確変大当りであることが確定して該大当りを報知することが選択された場合に、駆動モータ351を駆動制御して、回転中の演出体330を第1表示面312を前側に臨ませた状態で停止させ、あるいは第1表示面312以外の表示面313,314,315を前側に臨ませている演出体330を、第1表示面312を前側に臨ませるように切り替える。このように、可動演出装置300は、表示部13aでの演出表示に合わせて第1表示面312によって確変大当りが確定した旨を報知するようになっている。制御手段Cは、通常モードまたは確変モードにおいて、大当り演出に合わせて、回転中の演出体330を第3表示面314を前側に臨ませた状態で停止させ、あるいは第3表示面314以外の表示面312,313,315を前側に臨ませている演出体330を、第3表示面314を前側に臨ませるように切り替える。
【0125】
前記制御手段Cは、通常モードまたは確変モードにおいて、大当り演出としてバトル演出が選択された際に確変大当りの移行することを期待し得る演出パターンに合わせて、駆動モータ351を駆動制御して、回転中の演出体330を第2表示面313を前側に臨ませた状態で停止させ、あるいは第2表示面313以外の表示面312,314,315を前側に臨ませている演出体330を、第2表示面313を前側に臨ませるように切り替える。このように、可動演出装置300は、表示部13aでの演出表示に合わせて第2表示面313を前側に臨ませることで、確変状態への移行を示唆するようになっている。これに対して、前記制御手段Cは、通常モードまたは確変モードにおいて、大当り演出としてバトル演出が選択された際に確変大当りが確定して該大当りを報知することが選択されたことに合わせて、駆動モータ351を駆動制御して、回転中の演出体330を第1表示面312を前側に臨ませた状態で停止させ、あるいは第1表示面313以外の表示面313,314,315を前側に臨ませている演出体330を、第1表示面312を前側に臨ませるように切り替える。このように、可動演出装置300は、表示部13aでの演出表示に合わせて第1表示面312を前側に臨ませることで、確変大当りが確定した旨を報知するようになっている。
【0126】
前記制御手段Cは、通常モードまたは確変モードにおいて、表示部13aでの大当りの移行することを期待し得る演出パターンに合わせて、駆動モータ351を駆動制御して、回転中の演出体330を第4表示面315を前側に臨ませた状態で停止させ、あるいは第4表示面315以外の表示面312,313,314を前側に臨ませている演出体330を、第4表示面315を前側に臨ませるように切り替える。この際、作動演出装置400の左右の作動体410,410についても、制御手段Cによって作動位置に位置するよう動作制御されて、遊技盤20には前記意匠体が構成される。このように、可動演出装置300は、表示部13aでの演出表示に合わせて第4表示面315を前側に臨ませることで、大当りとなることを示唆する予告演出を行うようになっている。このように、可動体310の表示面312,313,314,315が、パチンコ機10の遊技状態や演出内容を報せる手段として用いられている。なお、可動体150の表示面312,313,314,315による遊技状態または演出内容の報知および示唆は、対応する遊技状態または演出内容になった際に必ず行われても、所定条件に基づいて選択的に行ってもよい。
【0127】
(動作体と演出部との関係)
パチンコ機10は、複数の動作位置に動作可能に配設され、動作機構550により動作されることで各動作位置で指し示す方向が変わる動作体510と、動作位置にある動作体510で指し示される位置に設けられ、演出手段としての照明手段340によって演出態様を変化し得る演出部316とを備えている。照明手段340は、制御手段Cで発光制御されて、動作体510を動作位置に移動させるよう動作機構550の動作モータ551を駆動制御すると共に、該動作体510に指し示された演出部316をその演出態様を変化させるよう照明手段340を発光制御するよう構成される。
【0128】
図2に示すように、表示部13aの前側に位置する動作位置において動作体510が指し示す位置には、制御手段Cの制御下に駆動する駆動モータ351によって動作される可動体310が設けられている。そして、可動体310には、演出部316が設けられている。可動体310は、複数の表示面312,313,314,315を有すると共に、駆動モータ351を備えた駆動手段350により遊技盤20の前側に臨ませる表示面312,313,314,315が切り替わるように動作される。第1〜第3表示面312,313,314には、複数の演出部316が設けられおり、制御手段Cは、第1〜3表示面312,313,314の何れか1つが遊技盤20の前側に臨んだ際に、動作体510を動作して可動体310における複数の演出部316を該動作体510で指し示すよう動作モータ551を駆動制御し、動作体510による指し示しに連動して対応の演出部316の演出態様が変化するよう照明手段340を発光制御している。
【0129】
前記動作体510は、複数の動作位置への揺動動作とは別に、動作位置で該動作体510が指し示す演出部316に対して進退ソレノイド531により進退移動するよう構成される。そして、制御手段Cは、進退ソレノイド531を制御して動作体510を演出部316に対して前進、後退または進退動作するのに同調して、対応する演出部316の演出態様を変化させるよう照明手段340を発光制御するようになっている。また、制御手段Cは、進退ソレノイド531を制御して動作体510を演出部316に対して前進、後退または進退動作するのに連動して、該動作体510で指し示されている可動体310を回転動作させるよう、駆動モータ351の駆動を開始する制御を行い得る。更に、制御手段Cは、進退ソレノイド531を制御して動作体510を演出部316に対して前進、後退または進退動作するのに連動して、該動作体510で指し示されている可動体310を回転停止させるよう、駆動モータ351の駆動を停止する制御を行い得る。
【0130】
(位置決め構造)
実施例のパチンコ機10は、設置部材40における枠状装飾体28の後面に臨む位置に設けられた第1位置決め部52(図6または図13参照)と、枠状装飾体28の後面において第1位置決め部52と整合する位置に設けられた第2位置決め部54(図9または図10(b)参照)とを備えている。図6〜図8に示すように、第1位置決め部52は、設置部材40において隣接配置された上部発光カバー47よりも前方に突出するよう形成されている。第1位置決め部52および第2位置決め部54の一方は、相手側に向けて開口する筒状に形成されると共に、第1位置決め部52および第2位置決め部54の他方は、相手側に向けて突出するピン状に形成されて、第1位置決め部52と第2位置決め部54とが嵌合して、設置部材40と枠状装飾体28とが位置決めされる(図7または図8参照)。実施例では、第1位置決め部52が、枠状装飾体28側に向けて開口する筒状に形成されると共に、第2位置決め部54が、設置部材40側に向けて突出するピン状に形成されている。そして、第1位置決め部52および第2位置決め部54の組は、複数(実施例では2組)設けられている。
【0131】
図13(a)に示すように、設置部材40の上縁には、左右に離間して2つの第1位置決め部52,52が設けられ、2つの第1位置決め部52,52に上部発光カバー47の上部が配置されている。第1位置決め部52は、設置部材40の上縁に延在する周壁部42に一体的に設けられ、前側が開口する円筒状に形成されている。第1位置決め部52は、周壁部42の前端よりも前方へ突出形成され、周壁部42の前端に支持された上部発光カバー47の前面よりも僅かに前方に突出している(図13(b)参照)。図9に示すように、枠状装飾体28には、中央貫通口20bの内側に臨む上縁部に左右に離間して、2つの第2位置決め部54,54が設けられている。第2位置決め部54は、枠状装飾体28の上縁後面に一体的に設けられ、後方に向けて突出する断面円形のピン状に形成されている。第2位置決め部54は、外形寸法が第1位置決め部52の内径に合わせて設定され、第1位置決め部52と第2位置決め部54とがガタツキなく嵌合するようになっている。なお、第2位置決め部54は、先端部に先細りになるようテーパが付されている。第2位置決め部54は、遊技盤20の後面から後方へ突出しない寸法で形成され、中央貫通口20bにおいて遊技盤20を構成するベニヤ板の厚みの範囲内に収まっている。
【0132】
実施例のパチンコ機10は、第1位置決め部52および第2位置決め部54の組とは別の位置決め組を備えている。別の位置決め組は、動作ベース部材502の下部に設けられた第3位置決め部55(図11参照)と、枠状装飾体28の後面において第3位置決め部55と整合する位置に設けられた第4位置決め部56(図9参照)とを備えている。第3位置決め部55は、動作ベース部材502において隣接配置された動作ベース発光手段580の動作ベース発光カバー582よりも前方に突出するよう形成されている。第3位置決め部55および第4位置決め部56の一方は、相手側に向けて開口する筒状に形成されると共に、第3位置決め部55および第4位置決め部56の他方は、相手側に向けて突出するピン状に形成されて、第3位置決め部55と第4位置決め部56とが嵌合して、設置部材40と枠状装飾体28とが位置決めされる。実施例では、第3位置決め部55が、第1位置決め部52と同様に枠状装飾体28側に向けて開口する筒状に形成されると共に、第4位置決め部56が、第2位置決め部54と同様に設置部材40側に向けて突出するピン状に形成されている。
【0133】
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用について説明する。
【0134】
(移動演出装置)
前記第1移動演出装置100は、第1移動体110が基準位置において、右部作動ユニット402Aの後側に隠れて、遊技盤20の前側から視認できない(図2参照)。同様に、第2移動演出装置200は、第2移動体210が基準位置において、下部発光装置48の後側に隠れて、遊技盤20の前側から視認できない。第1移動演出装置100は、パチンコ機10の遊技状態や該パチンコ機10の演出内容に応じて制御手段Cによって第1移動モータ123が駆動制御されて、第1移動体110を左右方向に移動させて表示部13aの前側で動作させたり、表示部13aの前側で上下に延在する第1移動体110を停止させたりする等、所定の動作による演出を行う(図3(b)参照)。第2移動演出装置200は、パチンコ機10の遊技状態や該パチンコ機10の演出内容に応じて制御手段Cによって第2移動モータ223が駆動制御されて、第2移動体210を上下方向に移動させて表示部13aの前側で動作させたり、表示部13aの前側で左右に延在する第2移動体210を停止させたりする等、所定の動作による演出を行う。また、第1移動演出装置100および第2移動演出装置200は、表示部13aの前側で交差する第1移動体110および第2移動体210が関連付けて動作され、表示部13aに表れた表示物に合わせてまたは追い掛ける等の関係を持たして、第1移動体110と第2移動体210の交点が変位したり、表示部13aの表示領域を所定の範囲で区画するように変位したりする等、図柄表示装置13の表示部13aでの表示態様に連動して第1移動体110および第2移動体210を移動してもよい。更に、第1移動演出装置100および第2移動演出装置200は、他の演出装置300,400,500の可動部材310,410,410,510の動作に連動させて、第1移動体110および第2移動体210を動作させてもよい。例えば、動作体510の揺動動作に伴って該動作体510が指し示す位置や先端に合わせて、第1移動体110と第2移動体210の交点を変位させてもよい。
【0135】
(移動演出装置の補強について)
前記第1移動演出装置100は、第1移動機構120における第1駆動側支持組120Aの設置部位に対応して設置板部41の上辺部に該設置板部41と比べて剛性を有する金属製の上部ベース部材116が設けられているので、該上部ベース部材116によって設置板部41の上辺部の歪み等の変形を防止し得る。すなわち、設置板部41の上辺部の前側に設けられる一対の第1回転体121,122の間に巻き掛けられる上部ベルト124の歪みが防止され、第1移動モータ123に過負荷をかけることなく該駆動側支持組120Aによって第1移動体110をスムーズに移動させることができる。第1移動演出装置100では、上部ベース部材116を第1駆動側支持組120Aの構成部材121,122,123,124,125,126,127の設置基盤として用いているので、構成部材121,122,123,124,125,126,127の位置ズレが防止され、第1移動体110をよりスムーズに移動させることができる。
【0136】
前記第2移動演出装置200は、第2移動機構220における第2駆動側支持組220Aの設置部位に対応して設置板部41の左側辺部に該設置板部41と比べて剛性を有する金属製の左部ベース部材202が設けられているので、該左部ベース部材202によって設置板部41の左側辺部の歪み等の変形を防止し得る。すなわち、設置板部41の左側辺部の前側に設けられる一対の第2左部回転体221,222の間に巻き掛けられる左部ベルト224の歪みが防止され、第2移動モータ223に過負荷をかけることなく該駆動側支持組220Aによって第2移動体210をスムーズに移動させることができる。また、第2移動演出装置200は、第2移動機構220における第2従動側支持組220Bの設置部位に対応して設置板部41の右側辺部に該設置板部41と比べて剛性を有する金属製の右部ベース部材216が設けられているので、該右部ベース部材216によって設置板部41の右側辺部の歪み等の変形を防止し得る。すなわち、設置板部41の右側辺部の前側に設けられる一対の第2右部回転体241,242の間に巻き掛けられる右部ベルト244の歪みが防止され、第2駆動側支持組220Aの第2移動モータ223に過負荷をかけることなく該従動側支持組220Bによって第2移動体210をスムーズに移動させることができる。第2移動演出装置200では、左部ベース部材202を第2駆動側支持組220Aの構成部材221,222,223,224,225,226,227の設置基盤として用いているので、構成部材221,222,223,224,225,226,227の位置ズレが防止され、第2移動体210をよりスムーズに移動させることができる。また、第2移動演出装置200では、右部ベース部材202を第2従動側支持組220Bの構成部材241,242,244,246,247の設置基盤として用いているので、該構成部材241,242,244,246,247の位置ズレが防止され、第2移動体210をよりスムーズに移動させることができる。このように、第2移動演出装置200では、第2駆動側支持組220Aおよび第2従動側支持組220Bの両方が対応のベース部材202,216で補強されているので、第2移動体210を両側からバランスよく支持し得る。
【0137】
前記第2移動演出装置200は、第2移動機構200において第2駆動側支持組220Aと第2従動側支持組220Bとを連動させる連結シャフト256が設置板部41の下辺部に左右に延在するように設けられ、設置板部41と比べて剛性を有する金属製の連結シャフト256によって、設置板部41における表示開口部40aの下側領域を補強することができる。すなわち、設置板部41の下辺部に左右に延在する第1移動演出装置100の下部ガイド144が連結シャフト256によって間接的に補強され、下部ガイド144の歪み等の変形を防止して、第1移動体110をスムーズに移動させることができる。設置部材40の設置板部41には、表示開口部40aを囲繞するように上部ベース部材116、左部ベース部材202、右部ベース部材216および連結シャフト256が配設されているので、設置板部41全体の歪みを適切に防止することができ、該設置板部41に設置される移動機構120,220によって両移動体110,210をスムーズに移動させることができる。
【0138】
前記第1移動演出装置100では、第1従動側支持組120Bが下部ガイド144と下部移動支持部146とで構成されて、第1駆動側支持組120Aと比べて構成が簡易であるので、設置部材40において第1従動側支持組120Bに要する設置スペースをコンパクトにできる。ここで、第1移動演出装置100では、第1移動体110の上端を支持する第1駆動側支持組120Aに該第1移動体110の荷重のほとんどがかかるので、第1従動側支持組120Bの構成を簡易にしても、第1移動体110の円滑な移動に悪影響を与えない。また、第2移動演出装置200では、第2従動側支持組220Bが連結シャフト256を介して第2駆動側支持組220Aと連動し、第2駆動側支持組220Aと比べて第2移動モータ223および第2シャフト225が省略されて構成が簡易になっている。従って、設置部材40において第2従動側支持組220Bに要する設置スペースをコンパクトにできる。
【0139】
(移動体の発光について)
前記移動演出装置100,200は、移動体110,210の端面に相対させて移動発光体160,164,260,264が設けられ、該移動発光体160,164,260,264から光を照射することで、移動体110,210の端面から入射した移動発光体160,164,260,264の光によって移動体110,210の周面を発光することができる。移動発光体160,164,260,264は、移動体110,210の動作や図柄表示装置13における表示部13aの表示等に合わせてまたは独立して、制御手段Cによって発光制御される。移動体110,210では、移動発光体160,164,260,264を点滅させたり、発光色を変化させたり、一方の移動発光体160,260を点灯して他方の移動発光体164,264を消灯することで発光させる領域を変化させたりする等の発光演出が行われる。また、図柄表示装置13における表示部13aの前側において移動体110,210は、後側に位置する表示部13aの画面表示が映り込んで、移動発光体160,164,260,264で照らすことなく該画面表示によっても移動体110,210を光による装飾を行うことができる。
【0140】
前記移動演出装置100,200は、移動体110,210の端部を支持する移動支持部126,146,226,246に移動発光体160,164,260,264を設ける構成であるので、移動体110,210自体に移動発光体160,164,260,264の取付スペースを必要とせず、移動体110,210が表示部13aの前側に位置した際にも移動発光体160,164,260,264が表示部13aの邪魔にならない。実施例の移動体110,210のように、細長くて、図柄表示装置13等の他の装置に重なる構成であり、移動発光体160,164,260,264の配設スペースに制限があっても、表示部13aの前側から外れた移動体110,210において移動支持部126,146,226,246で支持される部位を有効利用して移動発光体160,164,260,264を配設することで、移動体110,210の端面から入射した移動発光体160,164,260,264により移動体110,210を好適に発光させ得る。そして、移動体110,210を両端面から移動発光体160,164,260,264で照らすことで、移動体110,210をより明輝させることができる。
【0141】
前記移動演出装置100,200は、LEDが用いられる移動発光体160,164,260,264から照射した光の直線性を利用して、移動体110,210の周面の広い範囲を発光し得る。しかも、移動体110,210の周面には、光を拡散する光拡散部112,114,212,214が設けられているので、移動発光体160,164,260,264から照射した光を効率よく用いて移動体110,210をより広い範囲で発光させることができる。光拡散部は、移動体110,210の後面に該移動体110,210の延在方向と直交するよう筋状に形成された複数の第1拡散溝112,212と、移動体110,210の前面に略菱形に形成された複数の第2拡散溝114,214とを備えているので、移動体110,210の前後の面に設けられた拡散溝112,114,212,214が相乗して移動発光体160,164,260,264から入射された光を拡散できるので、移動体110,210において移動発光体160,164,260,264から遠い部位であっても明輝させることができる。また、1つの移動発光体160,164,260,264が担当する移動体110,210の発光領域において該移動発光体160,164,260,264から遠くなるにつれて第1拡散溝112,212の間隔が狭くなるよう形成することで、移動発光体160,164,260,264から遠くなって光が弱くなるにつれて第1拡散溝112,212の間隔が狭くなって光を干渉し易くなり、当該光を好適に拡散して移動発光体160,164,260,264から遠い部位であっても明輝させることができる。
【0142】
(可動演出装置)
前記可動演出装置300は、制御手段Cによって駆動モータ351が駆動制御されて、演出体330が支持軸320周りを回転して、遊技盤20の前側に臨ませる1つの表示面312,313,314,315を切り替えて停止される。4つの表示面312,313,314,315は、互いに異なる意匠とされているので、表示面312,313,314,315を切り替えることで、遊技者に与える印象を変えることができ、表示面312,313,314,315の意匠で構成される文字等によって、パチンコ機10の遊技状態または該パチンコ機10で実行される演出内容の示唆や報知を遊技者にすることができる。また、可動演出装置300は、制御手段Cによって照明手段340が発光制御されて、照明手段340の照明体341から前方に照射した光によって、遊技盤20の前側に臨んだ表示面312,313,314,315の演出部316が発光される。可動体310では、演出部316の一部または全部を点滅させたり、発光色を変化させたり、複数の演出部316を並びの一方から他方に向けて順次点灯したりする等の発光演出が行われる。
【0143】
前記可動体310は、支持軸320に設けた照明手段収容体322に照明手段340を収容する構成であるので、照明手段340を支持する構成を別途設ける必要なく、照明手段340を支持する構成を簡易にして、該構成をコンパクトにし得る。照明手段収容体322は、照明体341の光照射方向前側を覆う照明手段前覆部324が光拡散処理を施され、照明手段前覆部324が照明体341から照射した光を拡散するので、該照明手段前覆部324を介して照明される表示面312,313,314,315を全体的に明輝させることができる。照明手段340が、前方に向けて光を照射して、遊技盤20の前側に臨んだ表示面312,313,314,315を照らす構成であるので、照明手段340の光によって遊技者が注視する遊技盤20の前側に臨んだ表示面312,313,314,315を明輝させることができる。
【0144】
前記可動体310は、支持軸320および演出体330の両方に対して回転可能なスリーブ336を介して演出体330を支持軸320で支持する構成であるので、演出体330の回転時の摺動負荷を軽減し、演出体330をスムーズに回転させることができる。すなわち、可動体310は、演出体330を高速回転することが可能である。また、可動体310では、照明手段340が支持軸320に支持されて、演出体330が該可動体310の外殻を構成するだけで軽量化されており、演出体330の一層の高速回転を許容し得る。
【0145】
(可動演出装置の配線構造)
前記可動体310は、演出体330が支持軸320周りに回転する構成であると共に、支持軸320に照明手段340が設けられて、支持軸320と照明手段340との相対的な関係が変化しないので、演出体330の内外支持軸320に設けられた配線通路344に照明手段配線Hsを通すことで、照明手段配線Hsを演出体330と干渉させることなく演出体330の内部に配置された照明手段340まで容易に配設することができる。すなわち、演出体330との干渉を防ぐために照明手段配線Hsの取り回し構造を複雑にする必要がなく、可動体310全体としてコンパクトにできる。このように、実施例の可動演出装置300によれば、可動体310に設けた照明手段340に繋がる照明手段配線Hsの取り回しを容易にし得る。
【0146】
(可動演出装置の制御)
前記可動演出装置300は、パチンコ機10の遊技状態または該パチンコ機10で実行される演出内容に応じて、該遊技状態または該演出内容に関連する意匠が施された表示面312,313,314,315を遊技盤20の前側に臨ませるので、遊技状態または演出内容と可動体310の表示面312,313,314,315とが密接に関連し、遊技状態または演出内容と可動体310との一体感を高めることができる。また、遊技盤20の前側に臨む可動体310の表示面312,313,314,315によって、遊技状態または演出内容に関連付けて遊技者の期待感をあおることができる。可動体310は、4つの表示面312,313,314,315のうちの一面だけが遊技盤20の前側に臨むように停止されるので、遊技者に一つ一つの表示面312,313,314,315の違いをはっきり認識させることができ、遊技盤20の前側に臨んだ表示面312,313,314,315による演出的な意義を明確化することができる。そして、可動体310の第4表示面315を遊技盤20の前側に臨ませた際に、第4表示面315の意匠が、作動位置にある作動体410,410、枠体装飾部29,30,31、可動装飾部306、作動体装飾部407および下部発光装置48の前面に施された意匠が繋がって、表示部13aを囲む1つの意匠体が構成されるので、作動体410,410の動作と同調して可動体310の表示面315を越えた大きな演出を行うことができ、遊技者の興趣をより高めることができる。
【0147】
(作動演出装置)
前記作動演出装置400は、左右の作動体410,410が待機位置において、表示部13aから側方に退避すると共に、前後の作動分体412,422が分体重複状態にあり、表示部13aの前側が広く開放されている(図2参照)。同様に、作動演出装置400は、パチンコ機10の遊技状態や該パチンコ機10の演出内容に応じて制御手段Cによって左右の作動モータ451,451が同期して駆動制御されて、左右の作動体410,410が待機位置から作動位置へ向けて互いに近づくようにスライド移動される。各作動体410は、待機位置から係止位置までは前後の作動分体412,422が重なった分体重複状態のままで一体的にスライド移動し、係止位置において前側の第2作動分体422が位置規制されることで、係止位置から作動位置において後側の第1作動分体412だけがスライド移動して分体拡開状態となる。作動位置から待機位置まで戻る際は、各作動体410は、作動位置から係止位置までは後側の第1作動分体412だけがスライド移動し、係止位置において分体重複状態となった前後の作動分体412,422が係合することで、係止位置から待機位置において前後の作動分体412,422が一体的にスライド移動する。作動演出装置400は、左右の作動体410を左右にスライド移動させて、待機位置と作動位置の間で大きく移動させたり、細かく往復動させたり、途中で停止させたりする等、左右の作動体410による所定の動作による演出を行う。作動演出装置400は、左右の作動体410の,410動作によって図柄表示装置13における表示部13aの視認可能な領域を狭めたり、広げたりできるので、例えば作動体410,410の動作演出と連係した表示部13aの演出を行うことで、より演出効果を高めることができる。また、作動体電飾手段417の発光によっても、作動体410および表示部13aの演出を際立たせることができる。
【0148】
前記作動演出装置400は、作動モータ451に連係された作動回転体452の回転に伴う作動アーム453の揺動によって、該作動アーム453の延出端に接続された作動体410をスライド移動させる構成であるので、作動回転体452の回転角度が小さくても作動アーム453の延出端を大きな角度で揺動させることができる。すなわち、作動モータ451の駆動に対して、作動体410を大きくスライド移動させることができ、作動体410を機敏に動作させることができる。また、作動モータ410の能力を上げることなく作動体410の機敏なスライド移動を達成することができるので、小型の作動モータ451を用いることができる。従って、作動演出装置400によれば、コンパクトな作動手段450で機敏に作動体410を動かし得る。各作動ユニット402A,402Bは、ボールベアリング436を用いた第1支持部材430で作動体410を支持しているので、作動モータ451の小さい力で作動体410をスムーズに動作させることができる。特に、作動体410において作動アーム453の延出端が接続される部位から遠い側を第1支持部材430で支持しているので、作動アーム453への負荷を軽減して作動体410のよりスムーズな動作を達成し得る。しかも、第1支持部材430に並行配置された上部ベース部材116によって該第1支持部材430に対応して設置板部41が補強されて、第2支持部材440に並行配置された連結シャフト256によって該第2支持部材440に対応して設置板部41が補強されているので、第1および第2支持部材430,440の歪み等の変形を抑えて、これらの支持部材430,430で支持される作動体410をよりスムーズに動作させることができる。
【0149】
前記作動体410は、前後の作動分体412,422から構成され、前後の作動分体412,422の分体重複状態で左右寸法をコンパクトにすることができる。一方で、作動体410は、分体拡開状態において前後の作動分体412,422を連ねて左右に広げることができるので、作動体410全体として大きな意匠を構成してインパクトのある演出を行うことができる。また、作動体410は、前後の作動分体412,422を第1磁着体460および第2磁着体461の引き合いにより分体重複状態を保持できると共に、作動手段450による移動に伴って前側の第2作動分体422を分体係止部406で移動規制して、第1磁着体460および第2磁着体461を引き離して後側の第1作動分体412だけを動かすことができる。すなわち、後側の第1作動分体412を作動アーム453を介して動かすだけで、前後の作動分体412,422を連動させたり、後側の第1作動分体412だけを単独で動かすことができる。
【0150】
前記作動体410は、分体係止部406に分体当接部424が係止された際に、第3磁性体462と第4磁性体463とが引き合って前側の第2作動分体422を保持するので、前側の第2作動分体422の意図しない動作を防止できる。また、第3磁性体462および第4磁性体463の引き合い力は、第1磁着体460および第2磁着体461の引き合い力より弱く設定されているので、前後の作動分体412,422が分体重複状態になった際に、第3磁性体462と第4磁性体463との磁力による引き合い力に抗して、前側の第2作動分体422を後側の第1作動分体412と共に適切に動かすことができる。
【0151】
(動作演出装置)
前記動作演出装置500は、動作体510が退避位置において、表示部13aの右側方に位置して表示部13aの前側から退避している(図2参照)。動作演出装置500は、パチンコ機10の遊技状態や該パチンコ機10の演出内容に応じて制御手段Cによって動作モータ551が駆動制御されて、動作体510を左右方向に揺動させて表示部13aの前側で往復動作させたり、表示部13aの前側で動作体510を停止させたりする等、所定の動作による演出を行う(図3(b)参照)。
【0152】
(設置部材の補強構造)
前記設置板部41の前面には、上部ベース部材116,左部ベース部材202,右部ベース部材216、連結シャフト256および可動ベース部材302が、表示開口部40aの四辺を略全周に亘って囲むように設けられる。第1移動体110の上端を移動可能に支持する上部移動支持部126が取り付けられる上部ベルト124に並行配置された上部ベース部材116によって、設置板部41の上辺部が補強されて歪み難くなっており、上部ベルト124が適切な形状を保つことができるので、第1移動体110の上部をスムーズに移動させることができる。また、第1移動体110の下端を移動可能に支持する下部移動支持部146が取り付けられる下部ガイド144に並行配置された連結シャフト256によって、設置板部41の下辺部が補強されて歪み難くなっており、下部ガイド144が適切な形状を保つことができるので、第1移動体110の下部をスムーズに移動させることができる。すなわち、第1移動体110全体としてスムーズに移動させることができる。同様に、作動体410の上側を移動可能に支持する第1支持部材430に並行配置された上部ベース部材116によって、設置板部41の上辺部が補強されて歪み難くなっており、第1支持部材430が適切な形状を保つことができるので、作動体410の上側をスムーズに移動させることができる。また、作動体410の下側を移動可能に支持する第2支持部材440に並行配置された連結シャフト256によって、設置板部41の下辺部が補強されて歪み難くなっており、第2支持部材440が適切な形状を保つことができるので、作動体410の下側をスムーズに移動させることができる。すなわち、作動体410全体としてスムーズに移動させることができる。設置板部41の表示開口部40aを囲んで上部ベース部材116、左部ベース部材202、右部ベース部材216、連結シャフト256および可動ベース部材302が設けられているので、設置部材40全体の歪みを適切に防止することができ、設置板部41に設置される演出装置100,200,300,400,500の可動部材110,210,310,410,410,510をスムーズに移動させることができる。しかも、上部ベース部材116は、前後に延在する上部ベース立設部117を備えているので、設置部材40を更に歪み難くすることができる。
【0153】
(意匠体)
実施例のパチンコ機では、両作動体410,410が作動位置に配置されると共に可動体310が第4表示面315を前側に臨ませることで、両作動体410,410および第4表示面415の意匠、これらの周辺に設けられた枠体装飾部29,30,31、可動装飾部306、作動装飾体407、下部発光装置48の意匠が隣接する同士で繋がって、一つの大きな意匠体を構成するので、得られた意匠体が作動体410や第4表示面415等の1つ1つよりも大きくなる。すなわち、作動体410の動作による動的な演出効果だけでなく、作動410の大きさ以上となる意匠体によって、大きなインパクトを遊技者に与えることができる。また、作動体410の動作が可動体310の第4表示面315と結び付くので、作動体410の動作の結果に対して遊技者に期待を持たせることができるので、遊技者の興味を長く惹き付けることができる。また、可動体310は、演出体330を回転することで表示面412,413,414,415を切り替える構成であるので、可動体310の動作の結果に対しても遊技者に期待を持たせることができるので、遊技者の興味を長く惹き付けることができる。しかも、可動体310の動作と作動体410の動作とを組み合わせることで、より演出効果を高めることができる。
【0154】
(動作体と演出部との関係)
実施例のパチンコ機10では、動作体510の動作と該動作体510で指し示された演出部316の発光等の演出態様の変化とによって、連係した演出を行うことができる。そして、動作体510を動作することで、動作体510で指し示す演出部316を変えることができ、多彩なバリエーションで遊技者の興味をそそる効果的な演出を行うことができる。また、また可動体310は、演出体330を回転することで表示面412,413,414,415を切り替える構成であるので、演出体330の回転動作に伴って演出部316を動作させることができるので、遊技者の注意を惹く演出部316によって演出態様の変化を行うことができる。そして、表示面312,313,314,315の切り替えにより表れた演出部316と動作体510とを連係させて、遊技者の注意を惹く演出を行うことができる。更に、動作体510は、演出部316を揺動動作によって指し示すだけでなく、演出部316に向けて進退移動するよう構成され、動作体516の進退移動に連動して対応の演出部316での演出態様の変化させることで、揺動動作による指し示しとは別の連係態様で演出を行うことができる。更にまた、動作体510の進退移動に連動して、可動体310における演出体330の回転動作を開始または停止することで、動作体510の進退動作と可動体310の回転動作との関連性を高めることができる。
【0155】
(位置決め構造)
実施例のパチンコ機10は、設置部材40に設けられた第1位置決め部52と枠状装飾体28に設けられた第2位置決め部54とを嵌合することで、演出装置100,200,300,400,500が設置された設置部材40と枠状装飾体28とを位置決めすることができる。しかも、第1位置決め部52は、設置部材40において隣接配置された上部発光カバー47よりも前方へ突出しているので、第1位置決め部52と第2位置決め部54との嵌合作業を行い易い。このように、第1位置決め部52と第2位置決め部54との嵌合によって、遊技盤20に設置された枠状装飾体28と遊技盤20の後側に配設される設置部材40との位置ズレを防止し得る。また、第1位置決め部52および第2位置決め部54の組を2組備えているので、2つの位置合わせ部組で位置合わせすることで、設置部材40と枠状装飾体28とをより精度よく位置決めすることができる。第3位置決め部55と第4位置決め部56との嵌合によっても、遊技盤20に設置された枠状装飾体28と遊技盤20の後側に配設される設置部材40との位置ズレを防止し得る。設置部材40側の第1位置決め部52を、枠状装飾体28側に向けて開口する筒状に形成すると共に、枠状装飾体28側の第2位置決め部54を、遊技盤20の中央貫通口20bを介して設置部材40側に向けて突出するピン状に形成することで、遊技盤20の厚みの間に第2位置決め部54を収容することができる。前述した如く、枠状装飾体28に設けられた枠体装飾部29,30,31の意匠が、設置部材に設置された可動装飾部306、可動体310の第4表示面315、作動位置にある左右の作動体410,410および作動体装飾部407の意匠と結び付いて、ひとまとまりの意匠体を構成するが、設置部材40と枠状装飾体28とが精度よく位置決めされているので、枠体装飾部29,30,31、可動装飾部306、可動体310の第4表示面315、作動位置にある左右の作動体410,410および作動体装飾部407の意匠が適切に繋がって、ズレの少ない意匠体を構成し得る。
【0156】
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。
(1)光拡散処理としては、例えば光透過性を有する部材の表面に凹凸を形成するような表面加工や、光反射性を有する微粒子を含有する光拡散インクを種々の濃度分布で光透過性を有する部材の表面に印刷または塗布等する加工や、部材を構成する樹脂自体に光反射性を有する微粒子を分散させる例えばラメ加工や、透過する光の屈折率を変える加工等を指し、1つの加工だけであっても、複数の加工を組み合わせてもよい。なお、表面加工の具体例としては、溝加工、ダイヤモンドカット加工、シボ加工、ブラスト加工などが挙げられ、光の屈折率を変える加工としては、部材の表面に該部材と屈折率が異なる微細な凹凸を設けたシートレンズの如きものが挙げられる。
(2)発光体としてLEDを例に挙げたが、これに限定されず、電球や有機ELその他の光を照射し得るものであれば採用できる。
(3)実施例では、演出装置の位置検知手段として光センサを例に挙げたが、これに限定されず、マイクロスイッチ等の機械式や磁気センサあるいはその他の検知手段を採用し得る。
(4)実施例では、演出装置の駆動源として、モータやソレノイドをを用いたが、その他の流体圧シリンダ等のアクチュエータを用いてもよい。
(5)実施例では、遊技盤の裏側に設置部材を設けるよう構成したが、該設置部材を本体枠としての中枠に設置する構成も採用できる。
(6)実施例では、遊技盤としてベニヤ板を採用したが、これに限られるものではなく、遊技盤を透明な合成樹脂材から構成するようにしてもよい。
(7)実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
(8)実施例では演出部を可動演出装置の可動体に設ける例を説明したが、図柄表示装置における表示部の特定領域を該図柄表示装置の表示によって演出態様が変化する演出部として用いることができ、枠状装飾体や他の演出装置に演出部を設けてもよい。また、可動演出装置と図柄表示装置とに演出部を設けた場合には、可動体の揺動動作および/または進退動作に応じて(例えば図柄表示装置の演出部を可動体で撃つようなアクション)、図柄表示装置の演出部の表示演出を変更(当該演出部が破裂するような画像演出)するのに連動して、可動体を動作または可動体の演出部の演出態様を変化させる等、複数の演出部を連係させて演出態様を変更させてもよい。
(9)実施例においてメイン制御手段(CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(10)実施例において統括制御手段(CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(CPU)が備える機能の全部または一部を統括制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。そして実施例では、統括制御手段(CPU)と統括制御手段(CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における統括制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
【0157】
(11)移動体は、端面から内部にかけて光を透過可能に構成し、外周面を光を透過しない塗装等の被膜を設け、被膜の切れ目から発光させてもよい。
(12)移動体が片持ちであってもよい。この場合は、移動機構は、駆動側支持組だけで構成される。
(13)移動演出装置は、移動体の一方の端面だけに対応して移動発光体を設けてもよい。
(14)移動体は、一方の端面から他方の端面に亘って一直線に形成する構成に限定されず、端面から光を入射する移動発光体の発光範囲において直線形状であればよい。例えば両端面がから入射するのであれば、移動発光体の発光範囲の重なる移動体の中央部で屈曲する形状であってもよい。
(15)移動機構は、支持組の両方が駆動側支持組であってもよい。この場合、移動体と移動支持部との接続部位を回動可能に構成することで、対をなす支持組を同期して動作させるだけでなく、対をなす支持組をずらして動作することで、移動体を斜めに姿勢を変えることができる。
(16)ベルトを張る張架手段は、実施例の構成に限定されず、例えばベルトを押さえてテンションをかけてもよい。
【0158】
(17)演出体の形状は、断面正方形の角筒形状に限られず、断面三角形や五角形以上の多角形であってもよく、また断面円や楕円の丸筒形状であってもよい。
(18)可動体は、1つの支持軸で演出体を片持ちしてもよい。
(19)可動体は、表示面の1つだけを遊技盤の前側に臨ませる構成だけでなく、2面または3面以上の表示面を前側に臨ませてもよい。
【0159】
(20)左右の作動体を同期して動作させる例を挙げたが、左右の作動体を独立して動作させてもよい。
(21)作動体を遊技盤の盤面に沿って左右方向に動作させる例を示したが、遊技盤の盤面に沿って上下方向または斜め方向に動作させてもよい。
(22)作動体が左右方向に動作する構成において、作動モータを作動体の下方に配置したが、作動体の上方に配置してもよい。なお、作動体が上下方向に動作するのであれば、作動モータを作動体の右または左方に配置するとよい。
(23)磁石からなる第1磁着体を第1作動分体に設けて、これに対応する磁性体からなる第2磁着体を第2作動分体に設けたが、第1作動分体に第1磁着体を設けて、第2作動分体を第2磁着体を設けてもよい。第1磁着体および第2磁着体は、両方とも磁石であってもよい。
(24)作動体を2枚の作動分体で構成したが、1枚または3枚以上の作動分体で構成してもよい。
【0160】
(25)動作体は、揺動に限られず、スライド移動やその他の動作を行ってもよい。
【0161】
(26)補強部材としての上部ベース部材、右部ベース部材、左部ベース部材および連結シャフトを繋げて、あるいはこれらの部材を一体形成して表示開口部を囲うように構成してもよい。
(27)連結シャフトに代えて、上部ベース部材のような板金からなる補強部材を採用してもよい。
(28)実施例では、補強部としての上部ベース立設部を上部ベース部材と一体形成したが、補強部材を補強部と一体形成しても別体形成してもよい。
【符号の説明】
【0162】
10 パチンコ機
20 遊技盤
310 可動体
312 第1表示面(表示面)
313 第2表示面(表示面)
314 第3表示面(表示面)
315 第4表示面(表示面)
350 駆動手段
410 作動体(装飾体)
C 制御手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる意匠が夫々施された複数の表示面を有し、少なくとも一面の表示面が遊技盤の前側から視認可能に配設された可動体と、
前記可動体を動作し、前記遊技盤の前側に臨ませる表示面を切り替える駆動手段と、
前記駆動手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、遊技機の遊技状態または該遊技機で実行される演出内容に応じて、該遊技状態または該演出内容に関連する意匠が施された表示面を遊技盤の前側に臨ませるよう、前記駆動手段を駆動制御する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記可動体は、周面に設けられた前記表示面が切り替わるよう回転可能に支持され、該可動体は、複数の表示面のうちの一面だけが前記遊技盤の前側に臨むように停止される請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記可動体において前記遊技盤の前側に臨んで停止した特定の表示面の意匠と前記遊技盤の前側に臨むように配設された装飾体の意匠とが繋がって、一つの意匠体が構成される請求項1または2記載の遊技機。
【請求項1】
異なる意匠が夫々施された複数の表示面を有し、少なくとも一面の表示面が遊技盤の前側から視認可能に配設された可動体と、
前記可動体を動作し、前記遊技盤の前側に臨ませる表示面を切り替える駆動手段と、
前記駆動手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、遊技機の遊技状態または該遊技機で実行される演出内容に応じて、該遊技状態または該演出内容に関連する意匠が施された表示面を遊技盤の前側に臨ませるよう、前記駆動手段を駆動制御する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記可動体は、周面に設けられた前記表示面が切り替わるよう回転可能に支持され、該可動体は、複数の表示面のうちの一面だけが前記遊技盤の前側に臨むように停止される請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記可動体において前記遊技盤の前側に臨んで停止した特定の表示面の意匠と前記遊技盤の前側に臨むように配設された装飾体の意匠とが繋がって、一つの意匠体が構成される請求項1または2記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公開番号】特開2013−59471(P2013−59471A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199385(P2011−199385)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
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