説明

遊技機

【課題】 落下の可能性がなく、貯留ボックスの容量減少や払出口を塞ぐことのないように、可搬ボックスを載置することのできる遊技機を提供する。
【解決手段】 遊技機1は、遊技媒体を払い出す払出口30、及び、払い出された遊技媒体を貯留する貯留スペース36と該貯留スペース36の上方にて開口する開口部35とを有する貯留ボックス31、を備え、開口部35には、遊技者が遊技媒体の貯留及び携行に用いる可搬ボックスBの底部に当接し、貯留スペース36の上方にて可搬ボックスBを支持する支持フレーム40が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技結果に応じてメダル等の遊技媒体が払い出される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技者がメダル等の遊技媒体を投入することでゲームに参加でき、そのゲームの結果に応じて所定枚数の遊技媒体が払い出される遊技機がある。この種の遊技機は、ゲーム内容が表示される遊技フィールドを備える他、プレイ中の遊技者の近傍位置に、遊技媒体の投入口、操作部、各種の表示部、及び、払い出された遊技媒体を貯留する貯留ボックスなどを備えている。また、遊技機を管理する店舗では、一般的に、遊技者が遊技媒体を貯留及び携行するための可搬型のボックスを提供している。従って、遊技者は、この可搬ボックスに自身の遊技媒体を入れ、所望の遊技機に持ち運んでプレイする。そして、ある遊技機でプレイした後は、獲得した(払い出された)遊技媒体を自身の可搬ボックスに入れ、別の遊技機に可搬ボックスを持ち運び、そこで再びプレイすることができる。
【0003】
ところで、遊技機でプレイする際、持ち運んだ可搬ボックスは足元の床面に置かれたり、遊技者が座る椅子の片隅に置かれたり、椅子に座った遊技者の膝上に置かれたりしていた。しかしながら、可搬ボックスを床面に置くと、プレイの際に遊技媒体を取り出すのに不便であり、他の遊技者の歩行の邪魔になる。また、椅子の片隅や遊技者の膝上に置くと、遊技者の姿勢を拘束すると共に、誤って落下させてしまう可能性がある。そこで、このような事情を鑑みて、遊技機が備える貯留ボックスの前面部分に、係止溝又は係止突起などを設けて、可搬ボックスを貯留ボックスの手前に懸架するようにした構成が提案されている(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4570024号公報
【特許文献2】特許第4654397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1,2に開示された構成では、可搬ボックスを適切に懸架しなければ外れて落下してしまう可能性が否めない。また、貯留ボックスに対して遊技者側に可搬ボックスが懸架されるため、適切に懸架されていたとしても、遊技者の身体(膝など)が接触して落下する可能性もある。更に、可搬ボックスの寸法分だけ、遊技者は遊技機から余分に離れる必要があるため、遊技者に多少なりとも不自然な姿勢を強要することとなって好ましくない。
【0006】
一方、遊技者によっては、貯留ボックスが十分に大きいとその中に可搬ボックス全体を入れてしまうこともあり得る。しかしながら、この場合には貯留ボックスの容量が少なくなり、払い出された遊技媒体を十分に貯留できなくなる。また、遊技媒体の払出口を可搬ボックスが塞いでしまい、遊技媒体を払い出せなくなる可能性もある。
【0007】
そこで本発明は、遊技者との接触による落下を防止でき、貯留ボックスの容量減少や払出口が塞がれることのないように、可搬ボックスを載置することのできる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る遊技機は、遊技結果に応じて遊技媒体が払い出される遊技機であって、遊技媒体を払い出す払出口、及び払い出された遊技媒体を貯留する貯留スペースと該貯留スペースの上方にて開口する開口部とを有する貯留ボックス、を備え、前記開口部には、遊技者が遊技媒体の貯留及び携行に用いる可搬ボックスの底部に当接し、前記貯留スペースの上方にて前記可搬ボックスを支持する支持フレームが設けられている。
【0009】
このような構成とすることにより、遊技機の貯留ボックスの上部にて可搬ボックスを安定的に支持することができる。従って、遊技者の身体の接触による可搬ボックスの落下を防止することができる。また、貯留ボックスの貯留スペースの減少を回避でき、多くの遊技媒体を貯留ボックス内に溜められると共に、払出口が可搬ボックスによって塞がれるのを防止することができる。
【0010】
また、前記支持フレームは、該支持フレームに支持された前記可搬ボックスの底部において前記払出口に近接する部分である底部払出口側端部に当接する払出口側フレーム部を有し、該払出口側フレーム部は、前記可搬ボックスの下面に当接する下面当接部と、該下面当接部に立設されて前記可搬ボックスの側面に当接する側面当接部とを有していてもよい。このような構成とすることにより、可搬ボックスの底端部の位置を規制することができ、可搬ボックスを安定的に支持することができる。
【0011】
また、前記払出口側フレーム部が有する前記側面当接部は、遊技媒体が払い出される方向である前記払出口の向きに対して略平行に延設されており、前記側面当接部の外方には、前記払出口から払い出される遊技媒体が通る隙間が設けられていてもよい。このような構成とすることにより、払い出される遊技媒体が支持フレーム(特に、払出口側フレーム部)に干渉するのを防止することができる。
【0012】
また、前記側面当接部は、前記可搬ボックスが有する側面のうち、後側に位置する面に当接するように構成されていてもよい。このような構成とすることにより、可搬ボックスの底部後端部の位置を規制できる。そのため、可搬ボックスが後方遠くに載置され、遊技者から見た遊技フィールドの視界が妨げられるのを防止できる。なお、本明細書で用いる方向の概念は、特に言及する場合を除き、遊技機を基準としてこれをプレイする遊技者の位置する方向を「前方」とし、反対に、遊技者から遊技機へ向かう方向を「後方」とする。
【0013】
また、前記払出口は、前記貯留スペースに近接し且つ前記支持フレームの外方に位置していてもよい。このような構成とすることにより、支持フレームにより支持された可搬ボックスによって払出口が塞がれるのを、より確実に防止することができる。
【0014】
また、前記支持フレームのうち前記可搬ボックスの底部後端部に当接する後側フレーム部は、前記貯留ボックスの開口部の前縁部から所定距離だけ後方の位置にて左右方向に延設されており、前記可搬ボックスは、その底部後端部が前記後側フレーム部に当接すると共に、底部前端部が前記貯留ボックスの開口部に嵌入することで、後部に対して前部が下方に位置するように傾斜した状態で支持されるように構成されていてもよい。このような構成とすることにより、可搬ボックスは、その自重によって前方(遊技者側)へ付勢される。従って、貯留ボックスの後方に払出口が設けられている場合には、可搬ボックスによって払出口が塞がれるのをより確実に防止できる。また、可搬ボックスの上部開口が遊技者側へ向くため、遊技者は可搬ボックス内の遊技媒体を取り出しやすくなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、遊技者との接触による落下を防止でき、貯留ボックスの容量減少や払出口が塞がれることのないように、可搬ボックスを載置することのできる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1に係る遊技機の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す遊技機の側面図である。
【図3】遊技機の貯留ボックス周辺を拡大して示す図面である。
【図4】支持フレームの全体構成を示す斜視図である。
【図5】支持フレームに可搬ボックスを載置した状態を示す側面断面図である。
【図6】実施の形態2に係る遊技機の貯留ボックス近傍を拡大して示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係る遊技機について図面を参照しつつ説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る遊技機の全体構成を示す斜視図であり、図2は、図1に示す遊技機を右側から見たときの構成を示す側面図である。図1に示すように、遊技機1は、板金やアングルなどを組み合わせて骨格が形成された本体部10と、該本体部10の前面上部に設けられた操作部20とを備えている。なお本実施の形態では、遊技機1として、遊技媒体であるメダルを投入することによって遊技者にプレイする権限が与えられ、そのプレイ結果に応じて所定枚数のメダルが遊技者に払い出されるタイプのものを例示する。例えば、プレイ結果としては、メダルの落下、抽選での当選、クレジットされたメダルを払い出す操作などが例として挙げられ、遊技機1は、このようなプレイ結果に応じてメダルが払い出されるものである。
【0019】
図2に示すように、本体部10は、ゲーム内容を表示する遊技フィールド11が上部に備え付けられ、その下方には、メダルの投入の有無、投入枚数、ゲームの進行、払出枚数などを管理する制御部12と、払い出し用のメダルをストックするメダル収容部(図示せず)とが備えられるようになっている。また、本体部10の前部には両開きの扉13が設けられており、この扉13を開くことによって本体部10内を視認及び検査できるようになっている。
【0020】
操作部20は、上述した扉13の上方に設けられており、遊技者がメダルの投入や各種の操作を行うための操作パネル21を備えている。該操作パネル21は、本体部10の左右部分から前方へ突出した側方突出部21L,21Rと、これらの側方突出部21L,21Rの間に架け渡された中央平板部21Cと、を有している。このような操作パネル21の上面は水平面を成しており、側方突出部21L,21Rの上部には、メダルを投入するための投入口22と遊技者がプレイの際に操作するレバー及びボタンなどの操作具23とが夫々配設されている。また、各側方突出部21L,21Rの前部には、下端部を軸にして上端部が下方へ開く扉24が設けられ、操作パネル21内を適宜メンテナンス可能になっている。なお、投入口22へ投入されたメダルは、該投入口22と接続されたノズル25を通じて遊技フィールド11へ送り出されるようになっている。
【0021】
なお、遊技フィールド11の具体的構成は図示していないが、投入されたメダルを使用して所定の遊技結果を出力できる構成であれば特に限定されない。例えば、遊技機1がプッシャー型メダルゲーム機である場合には、遊技フィールド11として、投入口22から投入されたメダルが載置される載置面と、載置されたメダルを押し出すように往復動する可動プレートと、可動プレートによって押し出されたメダルが落下する落下口とを備える構成とすることができる。この場合、落下したメダルは、後述する払出口30を通じて、本体部10外に設けられた貯留ボックス31へ払い出される。
【0022】
図1に示すように、操作パネル21の中央平板部21Cの下方には、メダルが払い出される払出口30と、払い出されたメダルを貯留するための貯留ボックス31とが備えられている。本実施の形態に係る遊技機1では、この貯留ボックス31の上部に可搬ボックスBを載置できるようになっている。そこで、以下では、このような貯留ボックス31周辺の構成について更に詳述する。なお、可搬ボックスBとは、上部が開口した直方体形状を成すメダル入れであり、一般的には、遊技機1を設置及び管理している店舗から、来店した遊技者に対して貸し出される。従って、遊技者は、可搬ボックスBに自身のメダルを入れて店舗内を持ち運ぶことができる。
【0023】
図3は、遊技機1の貯留ボックス31周辺を拡大して示す図面であり、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B線での平面断面図、(c)は(a)のC−C線での側面断面図である。図3(a)に示すように、操作パネル21の中央平板部21Cの下方であって、側方突出部21L,21Rにより左右から挟まれた部分には余剰スペース32が形成されている。貯留ボックス31は、上記の余剰スペース32の下方に設けられ、且つ、余剰スペース32の奥側(後側)を画定する鉛直後壁面32aに対して前方へ突設されている。
【0024】
貯留ボックス31は外観が横長の直方体形状を成しており、図3(c)に示すように、外観形状を画定する直方体形状の外壁33とその内方に設けられた内壁34とを備えている。貯留ボックス31は、その底部及び前部が、これら外壁33及び内壁34によって二重壁構造になっている。そして、上部には平面視で長方形状の開口部35が形成され(図3(b)参照)、内部にはメダルを貯留する貯留スペース36が形成されている。
【0025】
より詳しく説明すると、内壁34のうち、貯留ボックス31の底部に対応する部分(内壁底部)34aは、後部から前部へ至るに従って下方に位置する前傾面を形成している。この内壁底部34aの前端部は、側面視で円弧状を成す湾曲部34bを介して、貯留ボックス31の前部に対応する部分(内壁前部)34cに接続されている。内壁前部34cは、外壁33からの距離が比較的小さい(即ち、二重壁部分の厚み寸法が小さい)下側部分と、該下側部分よりも後方に膨出した上側部分とを有し、これら下側部分及び上側部分は曲面によって滑らかに接続されている。
【0026】
なお、外壁33の前壁部及び左右の側壁部は、上端部分が内方へ向かって直角に屈曲することで、所定の幅寸法を有するフランジを形成している。そして、このフランジは、開口部35の開口形状を画定する開口縁部35aを成している。
【0027】
一方、本実施の形態では、貯留ボックス31の後部右上の位置に払出口30が配設されている。該払出口30は、遊技機1の本体部10内に備えられたメダル収容部から、ゲーム結果に応じて送り出されたメダルを排出する。払出口30から排出されたメダルは、開口部35を通じて貯留ボックス31内の後部に入る。従って、貯留スペース36内の貯留メダルが少なく、内壁底部34aが露出している場合、払い出されたメダルは前傾面を成す内壁底部34aにて跳ね返って前方(遊技者に近い方向)へと案内される。なお、上述したように、内壁底部34aの手前部分には湾曲部34bが形成されているため、遊技者は、底に貯まったメダルを湾曲部34bに沿って上方へ、手又は指を使って掻き出しやすくなっている。更に、湾曲部34bはその上方にて膨出した内壁前部34cに連なっているため、遊技者は、掻き上げたメダルを内壁前部34cに沿って移動させることで、手中に掴み取りやすいようになっている。
【0028】
このような貯留ボックス31の上部には、可搬ボックスBを支持するための支持フレーム40が設けられている。図4は、支持フレーム40の全体構成を示す斜視図である。本実施の形態に係る支持フレーム40は、長方形状の枠状を成す合成樹脂製であり、前側フレーム部41,後側フレーム部(払出口側フレーム部)42,左側フレーム部43,及び右側フレーム部44を有している。このうち前側フレーム部41,左側フレーム部43,及び右側フレーム部44は、水平面を形成する帯板状の部材で構成されている。
【0029】
これに対して後側フレーム部(払出口側フレーム部)42は、可搬ボックスBの底部下面に当接する下面当接部42aと、可搬ボックスBの側面(本実施の形態では、可搬ボックスBの全側面のうち後側に位置する底部後面)に当接する後面当接部(側面当接部)42bとを有している。下面当接部42aは、水平面を形成する帯板状の部材で構成され、左側フレーム部43及び右側フレーム部44の各後端部に接続されている。また、後面当接部42bは鉛直面を形成する帯板状の部材で構成されており、下面当接部42aの後端から上方へ向けて立設されている。
【0030】
なお、後側フレーム部42の下面当接部42aと、左側フレーム部43及び右側フレーム部44との各接続箇所には、補強用のテーパ部45が形成されている。従って、後側フレーム部42に加わる荷重を、左側フレーム部43及び右側フレーム部44へ分散できるようになっている。また、支持フレーム40全体の左右方向寸法は、貯留ボックス31の上部の左右方向寸法に整合するように設計されている。更に、支持フレーム40全体の前後方向寸法D1は、貯留ボックス31の前後方向寸法よりも小さい所定寸法となるように設計されている。
【0031】
また、前側フレーム部41,左側フレーム部43,及び右側フレーム部44の幅寸法(即ち、各フレーム部の長手方向に直交する水平方向の寸法)は、上述した開口縁部35a(図3参照)の幅寸法と略同一になっている。そして、このような支持フレーム40は、貯留ボックス31の上部に載置され、ビス等の締結具46によって固定されている。より詳しくは、支持フレーム40の前側フレーム部41,左側フレーム部43,及び右側フレーム部44が、貯留ボックス31の開口縁部35aの前部及び左右部分に上方から当接され、この状態で、開口縁部35aに対して締結具46によって締結される。
【0032】
その結果、貯留ボックス31は、支持フレーム40の各フレーム部41〜44で画定される所定面積の開口47を通じて外部と貯留スペース36との間が連通し、遊技者はこの開口47を通じてメダルを取り出すことができる。なお、図3(c)に示すように、前側フレーム部41の幅寸法と、開口縁部35aの前部の幅寸法と、内壁前部34cの上端部の幅寸法とは、何れも略同一寸法になっている。従って、貯留ボックス31内のメダルを、上述したように掻き出して内壁前部34cに沿って開口部35外へ取り出す際、メダルが開口縁部35aや前側フレーム41に引っ掛かることがなく、取り出しやすくなっている。
【0033】
また、上述したように支持フレーム40の前後方向寸法D1は、貯留ボックス31の前後方向寸法よりも小さい所定寸法になっている。従って、図3(b),(c)に示すように支持フレーム40を貯留ボックス31に取り付けると、貯留ボックス31の開口部35の後部には、支持フレーム40に占有されない隙間37が形成される。そして、この隙間37を通じて、払出口30から払い出されたメダルが貯留ボックス31内へと入るようになっている。
【0034】
図5は、支持フレーム40に可搬ボックスBを載置した状態を示す側面断面図であり、(a)は可搬ボックスBが水平に置かれた状態、(b)は可搬ボックスBが前傾して置かれた状態を夫々示している。図5(a)に示す場合、可搬ボックスBは、その底面の前側部分が前側フレーム部41に当接し、後側部分が後側フレーム部42の下面当接部42aに当接することで、水平姿勢で支持されている。また、可搬ボックスBは、その後面下部が後側フレーム部42の後面当接部42bに当接することで、それ以上後方へズレしないように位置が規制されている。更に、可搬ボックスB及び支持フレーム40の後方では、払出口30からのメダルが隙間37を通じて貯留ボックス31内へ払い出されるためのスペースが確保されている。
【0035】
以上のような構成とすることにより、本実施の形態に係る遊技機1では貯留ボックス31の上方に可搬ボックスBを安定的に置くことができる。そのため、床面や椅子に置いた場合のように邪魔になることがなく、また、遊技者の身体が接触して落下するような事態が生じるのを防止することができる。また、払出口30から貯留スペース36へ至るルートは、可搬ボックスB等に塞がれることがないように確保されているため、払出口30からのメダルは適切に貯留ボックス31内へ払い出される。更に、支持フレーム40により、可搬ボックスB全体が貯留ボックス31内へ入らないようになっているため、可搬ボックスBを置いた場合であっても貯留スペース36の容量が低減しない。
【0036】
また、支持フレーム40は締結具46を用いて取り付けられているため、容易に着脱することができる。従って、遊技機1を設置及び管理している店舗で使用する可搬ボックスBの形状や寸法、あるいは遊技機1の貯留ボックス31の形状や寸法に応じ、それらに適した支持フレーム40を適宜容易に取り付けることが可能である。
【0037】
次に、図5(b)に示す場合について説明する。ここでは、図5(a)の場合に比べ、底部の前後方向寸法が若干小さい可搬ボックスBを使った場合を示している。より具体的には、可搬ボックスBの底部の前後方向寸法をD2、支持フレーム40の前側フレーム部41の後端から後側フレーム部42の後面当接部42bの前面までの寸法をD3とすると、図5(b)ではD2<D3となっている。
【0038】
この場合、可搬ボックスBは、その後側下部が支持フレーム40の後側フレーム42に当接する一方、その前側下部は支持フレーム40の開口47から下方に若干嵌入する。そして、可搬ボックスBは、その前壁面が、支持フレーム40の前側フレーム部41の後端あるいは貯留ボックス31の内壁前部34cに当接することで、前傾姿勢の状態で支持される。
【0039】
このように、可搬ボックスBを前傾姿勢で支持する構成とした場合には、可搬ボックスB(及びその中のメダル)の自重により、可搬ボックスBには前方への付勢力が作用する。従って、可搬ボックスBが、支持フレーム40の後側フレーム部42を超えて更に後方へと位置ズレするのを抑制することができる。また、可搬ボックスBが前傾姿勢となるため、遊技者は可搬ボックスB内のメダルを取り出しやすくなる。
【0040】
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2に係る遊技機1の貯留ボックス31近傍を拡大して示す側面断面図である。図6に示すように、この貯留ボックス31の前部には、外壁33及び内壁34を貫通するようにして連通口38が形成されている。本実施の形態では、この連通口38は貯留ボックス31の前部の中央より若干上側に設けられており、メダルを握った状態の遊技者の手が通る開口寸法を有している。なお、遊技機1のその他の構成は、実施の形態1において説明した対応する構成と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0041】
このような構成とすることにより、可搬ボックスBを貯留ボックス31の上方に載置した状態であっても、連通口38を通じて、貯留ボックス31内のメダルを取り出すことが可能である。
【0042】
なお、上述した実施の形態1,2の説明では、いわゆるゲームセンター等の店舗に設置されるタイプの遊技機について例示したが、本発明はパチスロ機などの他の遊技機についても適用することができる。また、遊技媒体としては、メダル形状のものの他、球状のものや他の形状のものであってもよい。また、払出口30の位置は貯留ボックス31の後部右上に限定されない。例えば、払出口30を支持フレーム40の下方又は後方に位置させた場合には、支持フレーム40又は可搬ボックスBがメダルの払い出しを邪魔することがない。
【0043】
また、払出口30を、より上方に設けてもよい。例えば、貯留ボックス31の上方に置いた可搬ボックスBの上端位置よりも、更に上方に払出口30を設置し、払出口30からのメダルが、支持フレーム40の開口47を通じて貯留ボックス31内へ入るようにしてもよい。この場合、可搬ボックスBが載置されていない状態では、前述のように支持フレーム40の開口47を通じて貯留ボックス31内へメダルが貯留される一方、可搬ボックスBが載置された状態では、払出口30からのメダルは可搬ボックスBへ貯留される。このようにしても、可搬ボックスBを貯留ボックス31の上方にて安定的に載置でき、払出口30は塞がれることはなく、貯留ボックス31の容量が低減することもない。
【0044】
また、実施の形態1,2では、右側後方に設けられた払出口30から左側に向かってメダルが払い出され、隙間37が貯留スペースの後側に設けられた例を示したが、これに限定されない。例えば、払出口30を支持フレーム40の右側後方(又は左側後方)に位置させた場合には、隙間37を貯留スペース36の右側(又は左側)に設け、この隙間37として、払い出されるメダルと干渉しない寸法を確保すればよい。この場合、払出口側フレーム部42の下面当接部42a及び側面当接部42bは、支持フレーム40の右側に位置させる。即ち、図4に示した支持フレーム40を参照すると、その右側フレーム部44を、上述した下面当接部42a及び側面当接部42bに相当する構成を備えるようにすればよい。
【0045】
また、側面当接部42bは、払出口30の向き(即ち、メダルが払い出される方向)に対して略平行になるように延設し、その側面当接部42bの外方に隙間37を設けるのが好ましい。例えば、実施の形態1,2のように払出口30が左右方向に沿った向きになっている場合には、側面当接部(後面当接部)42bを左右方向に沿うように延設する。また、上述したように支持フレーム40の右側(又は左側)に隙間37を設け、支持フレーム40の右側後方(又は左側後方)に設けた払出口30から前方へ向かってメダルが払い出される構成の場合は、支持フレーム40の右側部分(又は左側部分)に形成される側面当接部42bを前後方向に沿うように延設する。このようにすると、払い出されるメダルが支持フレーム40に干渉するのを防止することができる。
【0046】
また、上述した説明では、支持フレーム40が前後左右の4つのフレーム部41〜44を備える構成を示したが、これに限られない。例えば、支持フレーム40が後側フレーム部42,左側フレーム部43,及び右側フレーム部44を備え、前側フレーム部41を備えない構成であってもよい。あるいは、支持フレーム40が後側フレーム部42のみを備える構成であってもよい。但し、何れの場合であっても、少なくとも可搬ボックスBの底部において払出口30に近接する部分に当接する払出口側フレーム部は備える。そして、実施の形態1,2で示したように払出口側フレーム部として後側フレーム部42を備える場合は、該後側フレーム部42は貯留ボックス31の開口部35の前縁部から所定距離だけ後方に位置させることとする。それにより、図5(a)に示したように可搬ボックスBを水平姿勢で支持するか、又は、図5(b)に示したように可搬ボックスBを前傾姿勢で支持するものとすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、遊技者との接触による落下を防止でき、貯留ボックスの容量減少や払出口が塞がれることのないように、可搬ボックスを載置することのできる遊技機に適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 遊技機
10 本体部
20 操作部
30 払出口
31 貯留ボックス
35 開口部
36 貯留スペース
37 隙間
38 連通口
40 支持フレーム
41 前側フレーム部
42 後側フレーム部(払出口側フレーム部)
42a 下面当接部
42b 後面当接部(側面当接部)
43 左側フレーム部
44 右側フレーム部
45 テーパ部
46 締結具
B 可搬ボックス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技結果に応じて遊技媒体が払い出される遊技機であって、
遊技媒体を払い出す払出口、及び
払い出された遊技媒体を貯留する貯留スペースと該貯留スペースの上方にて開口する開口部とを有する貯留ボックス、を備え、
前記開口部には、遊技者が遊技媒体の貯留及び携行に用いる可搬ボックスの底部に当接し、前記貯留スペースの上方にて前記可搬ボックスを支持する支持フレームが設けられていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記支持フレームは、該支持フレームに支持された前記可搬ボックスの底部において前記払出口に近接する部分である底部払出口側端部に当接する払出口側フレーム部を有し、該払出口側フレーム部は、前記可搬ボックスの下面に当接する下面当接部と、該下面当接部に立設されて前記可搬ボックスの側面に当接する側面当接部とを有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記払出口側フレーム部が有する前記側面当接部は、遊技媒体が払い出される方向である前記払出口の向きに対して略平行に延設されており、前記側面当接部の外方には、前記払出口から払い出される遊技媒体が通る隙間が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記側面当接部は、前記可搬ボックスが有する側面のうち、後側に位置する面に当接するように構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記払出口は、前記貯留スペースに近接し且つ前記支持フレームの外方に位置していることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の遊技機。
【請求項6】
前記支持フレームのうち前記可搬ボックスの底部後端部に当接する後側フレーム部は、前記貯留ボックスの開口部の前縁部から所定距離だけ後方の位置にて左右方向に延設されており、
前記可搬ボックスは、その底部後端部が前記後側フレーム部に当接すると共に、底部前端部が前記貯留ボックスの開口部に嵌入することで、後部に対して前部が下方に位置するように傾斜した状態で支持されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の遊技機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−59538(P2013−59538A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200729(P2011−200729)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000129149)株式会社カプコン (192)