説明

遊技機

【課題】本発明は、遊技状態が変更された場合にも所望の演出を実行することができる遊技機を提供とする。
【解決手段】時短遊技状態に設定された後、大当たりの抽選が50回行われると非時短遊技状態に変更される。時短遊技状態に設定されると、同時に変動パターン選択オフセット識別子が「4」に、変動パターン選択用カウンタ値が「51」に設定される。変動パターン選択用カウンタ値は大当たりの抽選が行われるたびに「1」減算される。変動パターン選択オフセット識別子が「4」の場合には、時短遊技状態専用の変動パターン決定テーブルが選択される。大当たりの抽選が50回行われると、非時短遊技状態に変更され、変動パターン選択オフセット値が「0」に変更される。変動パターン選択オフセット識別子が「0」、変動パターン選択用カウンタ値が「1」の場合には、特殊変動パターン決定テーブルが選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技の進行条件を異にする複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態にて遊技が進行する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、始動条件が成立すると大当たりの抽選が行われ、この大当たりの抽選により大当たりに当選すると、多量の賞球を獲得可能な特別遊技が実行可能となり、また、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態や低確率遊技状態、時短遊技状態や非時短遊技状態等、遊技者の有利度合いを異にする複数の遊技状態の中からいずれかの遊技状態に設定される遊技機が知られている。
【0003】
こうした遊技機においては、大当たりの抽選によって導出された抽選結果に基づいて変動パターン(変動時間)が決定されるとともに、当該決定された変動パターンに基づいて変動演出が実行される。
【0004】
具体的には、遊技機には、変動パターンと変動パターン乱数とが対応付けられた変動パターン決定テーブルが、遊技状態に対応付けられて多数記憶されている。そして、変動演出を実行する際には、設定されている遊技状態に対応する変動パターン決定テーブルが選択され、当該選択された変動パターン決定テーブルを参照して変動パターン乱数の判定を行うことにより、変動パターンが決定される。
【0005】
そして、特許文献1に示される遊技機においては、所定の遊技状態に設定された場合であって、当該遊技状態における変動回数(大当たりの抽選回数)が所定回数である場合にのみ選択される特殊変動パターン決定テーブルを設け、予め定められたタイミングで特殊な変動パターンが決定されるようにしている。これにより、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態に設定されている場合に、当該遊技状態が継続するか否かを示唆する演出を、最適なタイミングで行うことが可能となる。
【0006】
また、例えば、遊技状態が、遊技者にとって有利な遊技状態から、遊技者にとって不利な遊技状態(初期状態)へと変更される場合において、有利な遊技状態における最後(初期状態に変更される直前)の変動パターンを特殊な変動パターンとすれば、遊技状態が変更される際の報知が最適な演出によって実現され、演出効果を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−10846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
遊技機の仕様や演出等によっては、遊技状態が変更された直後、換言すれば、遊技状態の変更後における最初の変動パターンを特殊変動パターンとすることが望ましい場合がある。しかしながら、上記の遊技機によれば、遊技状態が変更された後、予め設定されたタイミングで特殊変動パターンを決定することができず、どうしても演出に制約が生じてしまう。
【0009】
例えば、遊技者に有利な遊技状態から初期状態に変更された場合において、遊技状態の変更に伴って、所謂「右打ち」から「左打ち」のよう、発射操作を変更する必要がある場合には、発射操作の変更を促す必要がある。このとき、液晶表示装置等の演出装置が設けられた遊技機においては、発射操作の変更を促す画像を、演出用の画像に重畳表示することが可能である。
【0010】
しかしながら、LED等のランプからなるドット表示器で演出を行う遊技機においては、ランプを点灯表示させて大当たりの抽選結果を報知する合間に、発射操作の変更を促す点灯表示を行わなければならない。したがって、このような場合には、遊技状態が変更された直後においては、変動時間が長い特殊変動パターンが決定されることが望ましい。
【0011】
以上のように、遊技機の仕様や演出等によっては、遊技状態が変更された直後の変動パターンを特殊変動パターンとすることが望ましい場合があるものの、従来の遊技機においては、こうした要望に応えることができず、演出に制約が生じてしまうといった課題がある。
【0012】
そこで、本発明は、遊技状態が変更された場合にも所望の演出を実行することができる遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技の進行条件を異にする複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態にて遊技が進行する遊技機であって、始動条件の成立により、少なくとも遊技者に有利な特別遊技の実行可否が対応付けられた抽選結果を導出する抽選手段と、前記抽選結果を遊技者に報知するための変動演出の実行時間が対応付けられた1または複数の変動パターンが選択可能に割り振られた複数の変動パターン決定テーブルが記憶された記憶手段と、前記抽選手段によって抽選結果が導出された場合に、予め設定された選択条件にしたがって、前記記憶手段に記憶された複数の変動パターン決定テーブルの中からいずれかの変動パターン決定テーブルを選択するとともに、当該選択した変動パターン決定テーブルに割り振られている変動パターンの中からいずれかの変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、前記変動パターン決定手段によって決定された変動パターンに基づいて前記変動演出を実行する変動演出実行手段と、前記変動演出実行手段によって、前記特別遊技の実行を可能とする抽選結果が導出されたことを報知する変動演出が実行された場合に、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、前記特別遊技実行手段によって前記特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を、複数の遊技状態の中からいずれかの遊技状態に設定する遊技状態設定手段と、前記遊技状態設定手段によって設定された遊技状態において、前記特別遊技の実行を可能とする抽選結果が導出されることなく、前記抽選結果が予め設定された上限回数導出された場合に、前記遊技状態設定手段によって設定された遊技状態を終了して他の遊技状態に設定を変更する遊技状態変更手段と、を備え、前記遊技状態には、前記上限回数が第1の上限回数に設定された第1の遊技状態と、前記第1の遊技状態において前記特別遊技の実行を可能とする抽選結果が導出されることなく、前記抽選結果が前記第1の上限回数導出された場合に、前記遊技状態変更手段によって設定される第2の遊技状態と、が少なくとも含まれ、前記変動パターン決定テーブルを選択するための選択条件には、前記第1の遊技状態に設定されており、前記抽選結果が前記第1の上限回数以下であるときに選択する変動パターン決定テーブルが定められた第1の選択条件と、前記第1の上限回数を超えて前記第2の遊技状態に変更された後の抽選回数が特定回数になるまで選択する変動パターン決定テーブルが定められた第2の選択条件と、前記第2の遊技状態において前記抽選回数が特定回数に到達した後に選択する変動パターン決定テーブルが定められた第3の選択条件と、が含まれ、前記変動パターン決定手段は、前記特別遊技の終了後に前記第1の遊技状態に設定された場合に、前記第1の選択条件にしたがって前記変動パターン決定テーブルを選択するとともに、前記抽選回数が前記第1の上限回数を超えて前記第2の遊技状態に変更された場合に、前記抽選回数が前記特定回数になるまで前記第2の選択条件にしたがって前記変動パターン決定テーブルを選択し、かつ、前記抽選回数が前記特定回数に到達した後は前記第3の選択条件にしたがって前記変動パターン決定テーブルを選択することを特徴とする。
【0014】
また、前記第2の遊技状態は遊技機の初期状態であり、前記第1の遊技状態は前記初期状態よりも遊技者に有利な遊技状態であって、前記変動パターン決定手段は、リセット処理によって前記初期状態に設定された場合には、当該初期状態における前記抽選回数が前記特定回数になる以前であっても前記第3の選択条件にしたがって前記変動パターン決定テーブルを選択するとよい。
【0015】
また、前記第2の選択条件には、前記第2の遊技状態に変更された後、最初の抽選結果が導出されたときに選択する変動パターン決定テーブルが定められるとよい。
【0016】
また、遊技球を発射させる発射手段と、前記発射手段によって発射される遊技球が進入可能であって、前記発射手段の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを異にする第1遊技領域および第2遊技領域が形成される遊技盤と、を備え、前記第1の遊技状態における遊技の進行条件は、前記第1遊技領域よりも前記第2遊技領域に遊技球を進入させた方が有利に設定され、前記第2の遊技状態における遊技の進行条件は、前記第2遊技領域よりも前記第1遊技領域に遊技球を進入させた方が有利に設定されており、前記第1の上限回数に到達して遊技状態が前記第2の遊技状態に変更された後、前記特定回数に相当する回の抽選結果が導出されたときに選択される変動パターン決定テーブルには、前記第2の遊技状態において前記特定回数の抽選結果が導出された後に決定され得るもっとも短い変動時間よりも長い変動時間が対応付けられた1または複数の変動パターンが選択可能に割り振られているとよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】扉が開放された状態を示す遊技機の斜視図である。
【図2】遊技機の正面図である。
【図3】遊技機のブロック図である。
【図4】特別図柄判定テーブルを説明する図である。
【図5】図柄種別判定テーブルを説明する図である。
【図6】特別電動役物作動テーブルを説明する図である。
【図7】遊技状態設定テーブルを説明する図である。
【図8】変動パターンの決定条件を説明する図である。
【図9】(a)は、変動パターン選択オフセット識別子設定テーブルを説明する図であり、(b)は、変動パターン選択用カウンタ値設定テーブルを説明する図である。
【図10】変動パターン選択オフセット識別子変更テーブルを説明する図である。
【図11】発展後変動パターンコマンド決定テーブル選択用のテーブルを説明する図である。
【図12】発展後変動パターンコマンド決定テーブルの一例を説明する図である。
【図13】発展前変動パターンコマンド決定テーブルの一例を説明する図である。
【図14】普通図柄判定テーブルを説明する図である。
【図15】(a)は普通図柄変動パターン決定テーブルを説明する図であり、(b)は第2始動口開放制御テーブルを説明する図である。
【図16】主制御基板におけるメイン処理を示す図である。
【図17】主制御基板におけるタイマ割込処理を示す図である。
【図18】主制御基板における入力制御処理を示す図である。
【図19】主制御基板における第1始動口検出スイッチ入力処理を示す図である。
【図20】主制御基板におけるゲート検出スイッチ入力処理を示す図である。
【図21】主制御基板における特図特電処理を示す図である。
【図22】主制御基板における特別図柄変動開始処理を示す図である。
【図23】主制御基板における変動パターン決定処理を示す図である。
【図24】主制御基板における特別図柄変動停止処理を示す図である。
【図25】主制御基板における停止後処理を示す図である。
【図26】主制御基板における変動パターン選択用カウンタ値更新処理を示す図である。
【図27】主制御基板における時短遊技状態設定処理を示す図である。
【図28】主制御基板にける高確率遊技状態設定処理を示す図である。
【図29】主制御基板における特別電動役物制御処理を示す図である。
【図30】主制御基板における特別遊技終了処理を示す図である。
【図31】主制御基板における普図普電処理を示す図である。
【図32】主制御基板における普通図柄変動開始処理を示す図である。
【図33】主制御基板における普通図柄変動停止処理を示す図である。
【図34】主制御基板における普通図柄停止後処理を示す図である。
【図35】主制御基板における普通電動役物制御処理を示す図である。
【図36】変動演出を説明する図である。
【図37】特殊変動による変動演出を説明する図である。
【図38】副制御基板におけるメイン処理を示す図である。
【図39】副制御基板におけるタイマ割込処理を示す図である。
【図40】副制御基板における変動パターンコマンド受信処理を示す図である。
【図41】副制御基板における発展前演出決定処理を示す図である。
【図42】副制御基板における発展後演出決定処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0019】
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
【0020】
図1は、本実施形態の遊技機1の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、この外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠4と、この中枠4と同様に、ヒンジ機構によって外枠2に開閉自在に取り付けられた前枠6と、を備えている。
【0021】
中枠4は、外枠2と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤8が保持されている。また、前枠6には、ガラス製または樹脂製の透過板10が保持されている。そして、これら中枠4および前枠6を外枠2に対して閉じると、遊技盤8と透過板10とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機1の正面側から、透過板10を介して遊技盤8が視認可能となる。
【0022】
図2は、遊技機1の正面図である。この図に示すように、前枠6の下部には、遊技機1の正面側に突出する操作ハンドル12が設けられている。この操作ハンドル12は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル12を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル12の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤8に設けられたレール14a、14b間を上昇して遊技領域16に導かれることとなる。
【0023】
遊技領域16は、操作ハンドル12の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域16aおよび第2遊技領域16bを備えている。第1遊技領域16aは、遊技機1に正対した遊技者から見て遊技領域16の左側に位置し、第2遊技領域16bは、遊技機1に正対した遊技者から見て遊技領域16の右側に位置している。レール14a、14bが遊技領域16の左側にあることから、操作ハンドル12によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域16aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域16bに進入することとなる。
【0024】
また、遊技領域16には、遊技球が入球可能な一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22が設けられており、これら一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0025】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益(状態)が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
【0026】
また、第2始動口22は、可動片22bを開閉可能に備えており、この可動片22bの状態に応じて、第2始動口22への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、可動片22bは、遊技盤8の裏面側から正面側へと出没自在に設けられており、可動片22bが遊技盤8の裏面側に没入した閉状態にあるときには、第2始動口22への遊技球の入球が不可能もしくは困難となっている。
【0027】
これに対して、遊技領域16に設けられたゲート24を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片22bが所定時間、遊技盤8の正面側に突出した開状態に制御される。このように、可動片22bが開状態になると、当該可動片22bが遊技球を第2始動口22に導く受け皿として機能し、第2始動口22への遊技球の入球が容易となる。
【0028】
さらに、第1始動口20および第2始動口22よりも下方にはアタッカー装置26が設けられている。このアタッカー装置26は、遊技球が入球可能な大入賞口28と、この大入賞口28を開閉する開閉扉28bと、を備えており、通常、開閉扉28bが大入賞口28を閉扉して、大入賞口28への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の特別遊技が実行されると、開閉扉28bが遊技盤8の裏面側に没入して、大入賞口28への遊技球の入球が可能となる。そして、大入賞口28に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0029】
ここで、第1始動口20は、遊技領域16の下方寄りであって幅方向の中央に位置しており、第1遊技領域16aを流下する遊技球のみが入球可能であって、第2遊技領域16bを流下する遊技球は入球不可能となっている。一方で、第2始動口22は、第2遊技領域16bに位置しており、第2遊技領域16bを流下する遊技球のみが入球可能であって、第1遊技領域16aを流下する遊技球は入球不可能となっている。
【0030】
ただし、第1始動口20には、第2遊技領域16bを流下する遊技球が入球してもよく、また、第2始動口22には、第1遊技領域16aを流下する遊技球が入球してもよい。したがって、第1始動口20や第2始動口22の配置は一例にすぎず、具体的な盤面構成は特に限定されるものではない。
【0031】
なお、遊技領域16の最下部には、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、大入賞口28のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域16から遊技盤8の背面側に排出する排出口30が設けられている。
【0032】
そして、遊技盤8には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、LED等のランプによるドット表示器からなる演出表示装置50と、可動装置からなる演出役物装置52とが設けられている。演出表示装置50は、画像を表示する演出表示部50aを備えており、この演出表示部50aを、遊技盤8の略中央部分において、遊技機1の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部50aには、後述する演出図柄40a、40b、40c(図2においては不図示)が変動表示され、これら各演出図柄40a、40b、40cの停止表示態様によって大当たりの抽選結果が遊技者に報知されることとなる。
【0033】
また、遊技盤8の裏面側には演出役物装置52が設けられている。この演出役物装置52は、通常、遊技盤8の裏面側に隠れており、遊技機1の正面側から視認することができないが、アクチュエータが作動すると、図示のように演出表示部50aの前面側に露出して遊技者が視認できるようになっている。この演出役物装置52は、上記の演出図柄40a、40b、40cの変動表示中などに可動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
【0034】
また、遊技盤8には、点灯態様や発光色をさまざまに制御して演出を行うためのランプからなる演出照明装置54が設けられている。さらに、遊技機1の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板10よりも下方位置には、遊技者の押下操作を受け付けるボタンからなる演出操作装置56が設けられている。そして、前枠6の上部位置や外枠2の最下部位置には、遊技機1の正面側に向けられたスピーカからなる音声出力装置58が設けられている。
【0035】
なお、図中符号70は、遊技機1から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿70が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿72に導かれることとなる。また、この下皿72の底面には、当該下皿72から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ72aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ72aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿72の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
【0036】
また、遊技盤8には、遊技領域16の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、第1特別図柄保留表示器84、第2特別図柄保留表示器86、普通図柄表示器88、普通図柄保留表示器90が設けられている。これら各表示器80〜90は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
【0037】
(制御手段の内部構成)
図3は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
【0038】
主制御基板100は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板100は、メインCPU100a、メインROM100b、メインRAM100cを備えている。メインCPU100aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM100bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM100cは、メインCPU100aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0039】
上記主制御基板100には、一般入賞口18に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口20に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口22に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ22a、ゲート24を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ24a、大入賞口28に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ28aが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板100に検出信号が入力されるようになっている。
【0040】
また、主制御基板100には、第2始動口22の可動片22bを作動する始動口開閉ソレノイド22cと、大入賞口28を開閉する開閉扉28bを作動する大入賞口開閉ソレノイド28cと、が接続されており、主制御基板100によって、第2始動口22および大入賞口28の開閉制御がなされるようになっている。
【0041】
さらに、主制御基板100には、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、第1特別図柄保留表示器84、第2特別図柄保留表示器86、普通図柄表示器88、普通図柄保留表示器90が接続されており、主制御基板100によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
【0042】
また、本実施形態の遊技機1は、主に第1始動口20または第2始動口22への遊技球の入球によって開始される特別図柄遊技と、ゲート24を遊技球が通過することによって開始される普通図柄遊技とに大別される。そして、主制御基板100のメインROM100bには、特別図柄遊技および普通図柄遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0043】
また、主制御基板100には、払出制御基板120および副制御基板200が接続されている。
【0044】
払出制御基板120は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板120も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板100に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板120には遊技情報出力端子板110が接続されており、主制御基板100から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板120および遊技情報出力端子板110を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
【0045】
また、払出制御基板120には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ121が接続されている。払出制御基板120は、主制御基板100から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ121を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ122によって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
【0046】
また、払出制御基板120には、下皿72の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ123が接続されている。この皿満タン検出スイッチ123は、賞球として払い出される遊技球を下皿72に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板120に入力されるようになっている。
【0047】
そして、下皿72に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿72に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ123から払出制御基板120に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板120は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿72が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
【0048】
また、払出制御基板120には、発射制御基板130が双方向に通信可能に接続されている。この発射制御基板130は、払出制御基板120から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御基板130には、操作ハンドル12に設けられ、当該操作ハンドル12に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ12aと、操作ハンドル12の操作角度を検出する操作ボリューム12bと、が接続されている。そして、タッチセンサ12aおよび発射ボリューム12bから信号が入力されると、発射制御基板130において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド131を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
【0049】
副制御基板200は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板200は、サブCPU200a、サブROM200b、サブRAM200cを備えており、主制御基板100に対して、当該主制御基板100から副制御基板200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御基板210または電飾制御基板220に送信する。このとき、サブRAM200cは、サブCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0050】
画像制御基板210は、上記演出表示部50aに画像を表示させる画像表示制御を行うものであり、CPU、ROM、RAM、VRAMを備えている。この画像制御基板210のROMには、演出表示部50aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、CPUが、画像データをROMからVRAMに読み出して、演出表示部50aの画像表示を制御する。
【0051】
電飾制御基板220は、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、音声出力装置58から音声を出力させる音声出力制御を行う。また、電飾制御基板220は、副制御基板200から送信されるコマンドに基づいて、演出役物装置52を可動したり演出照明装置54を点灯制御したりする。さらには、演出操作装置56が押下操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ56aから操作検出信号が入力された際に、所定のコマンドを副制御基板200に送信する。
【0052】
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されている。この電源基板は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板100に出力するようになっている。
【0053】
次に、本実施形態の遊技機1における遊技について、メインROM100bに記憶されている各種テーブルを参照しながら説明する。
【0054】
前述したように、本実施形態の遊技機1は、特別図柄遊技と普通図柄遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
【0055】
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口28が開放される特別遊技を実行する権利獲得の確率が低く(本実施形態では1/273)設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、特別遊技を実行する権利獲得の確率が高く(本実施形態では1/27.3)設定された遊技状態である。
【0056】
また、非時短遊技状態というのは、可動片22bが開状態になりにくく、第2始動口22に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片22bが開状態になりやすく、第2始動口22に遊技球が入球しやすい遊技状態である。
【0057】
遊技者が操作ハンドル12を操作して遊技領域16に遊技球を発射させるとともに、遊技領域16を流下する遊技球が第1始動口20または第2始動口22に入球すると、遊技者に付与される遊技利益が対応付けられた特別図柄の決定処理(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。この大当たりの抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口28が開放されるとともに当該大入賞口28への遊技球の入球が可能となる特別遊技が実行され、また、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大当たりの抽選方法について説明する。
【0058】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、大当たりの抽選に係る種々の乱数値(特別図柄乱数、大当たり乱数、第1変動パターン乱数、第2変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM100cの保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口20に遊技球が入球して保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して第1保留とよび、第2始動口22に遊技球が入球して保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して第2保留とよぶ。
【0059】
この保留記憶領域は、第1保留記憶領域および第2保留記憶領域の2つの記憶領域を備えており、また、両保留記憶領域はそれぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口20に遊技球が入球して取得された乱数値は、4つを上限として第1保留記憶領域の第1〜4記憶部に第1保留として記憶され、第2始動口22に遊技球が入球して取得された乱数値は、4つを上限として第2保留記憶領域の第1〜4記憶部に第2保留として記憶される。
【0060】
したがって、第1保留記憶領域に4つの第1保留が記憶された状態で、第1始動口20に遊技球が入球した場合には、当該遊技球の入球に基づいて乱数値が記憶されることはなく、また、第2保留記憶領域に4つの第2保留が記憶された状態で、第2始動口22に遊技球が入球した場合には、当該遊技球の入球に基づいて乱数値が記憶されることはない。
【0061】
図4は、特別図柄判定テーブルを説明する図である。第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜545の範囲内から1つの特別図柄乱数が取得される。そして、遊技球が入球した始動口と、大当たりの抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態と、に応じて特別図柄判定テーブルが選択され、当該選択された特別図柄判定テーブルと取得された特別図柄乱数とによって大当たりの判定が行われる。
【0062】
低確率遊技状態において、第1保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、図4(a)に示す特別図柄判定テーブル1が参照される。この特別図柄判定テーブル1によれば、特別図柄乱数が7または107であった場合に大当たりと判定し、その他の特別図柄乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/273となる。
【0063】
また、高確率遊技状態において、第1保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、図4(b)に示す特別図柄判定テーブル2が参照される。この特別図柄判定テーブル2によれば、特別図柄乱数が7、17、27、37、47、57、67、77、87、97、107、117、127、137、147、157、167、177、187、197であった場合に大当たりと判定し、その他の特別図柄乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/27.3となる。このように、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たり確率が10倍となる。
【0064】
また、低確率遊技状態において、第2保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、図4(c)に示す特別図柄判定テーブル3が参照される。この特別図柄判定テーブル3も、特別図柄判定テーブル1と同様に、特別図柄乱数が7または107であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/273となる。
【0065】
また、高確率遊技状態において、第2保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、図4(d)に示す特別図柄判定テーブル4が参照される。この特別図柄判定テーブル4も、特別図柄判定テーブル2と同様に、特別図柄乱数が7、17、27、37、47、57、67、77、87、97、107、117、127、137、147、157、167、177、187、197であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/27.3となる。
【0066】
図5は、特別図柄の種別を決定するための図柄種別判定テーブルを説明する図である。第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜299の範囲内から1つの大当たり乱数が取得される。そして、遊技球が入球した始動口と、上記の大当たりまたはハズレの判定結果と、に応じて図柄種別判定テーブルが選択され、当該選択された図柄種別判定テーブルと取得された大当たり乱数とによって特別図柄の種別が決定される。なお、大当たり乱数は、大当たりの判定結果が導出された場合に限らず、ハズレの判定結果が導出された場合にも、特別図柄の種別を決定する際に取得されるものである。以下では、大当たり乱数によって決定される特別図柄のうち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄とよび、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄とよぶ。
【0067】
ここで、上記した特別図柄判定テーブルによって第1保留を判定した結果、大当たりの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル1が参照される。この図柄種別判定テーブル1によれば、図示のとおり、0〜299の各大当たり乱数に特別図柄A〜Lの12種類の特別図柄が対応付けられており、例えば、大当たり乱数が「0」であった場合には、特別図柄Aが決定されることとなる。
【0068】
また、上記した特別図柄判定テーブルによって第2保留を判定した結果、大当たりの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル2が参照される。この図柄種別判定テーブル2によれば、図示のとおり、0〜299の各大当たり乱数に特別図柄A〜Lの12種類の特別図柄が対応付けられている。なお、ここでは、図柄種別判定テーブル1、2で同種類の特別図柄が決定されることとしたが、両テーブル1、2で異なる種類の特別図柄が決定されることとしてもよい。
【0069】
また、上記した特別図柄判定テーブルによって第1保留または第2保留を判定した結果、ハズレの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル3が参照される。この図柄種別判定テーブル3によれば、第1保留についてハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄の種別として必ず特別図柄Xが決定され、第2保留についてハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄の種別として必ず特別図柄Yが決定される。
【0070】
図6は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するための特別電動役物作動テーブルを説明する図である。特別電動役物作動テーブルは、特別遊技の実行中に大入賞口開閉ソレノイド28cを通電制御するために参照されるものであり、本実施形態においては、特別電動役物作動テーブルとして、作動テーブル1、2が設けられている。
【0071】
そして、特別図柄A〜Iが決定されると、作動テーブル1を参照して特別遊技が実行される。この作動テーブル1によれば、大入賞口28が29秒開放すること、または、大入賞口28に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が10回(R=10)実行される。なお、各ラウンド遊技中、大入賞口28は1回開放され、また、各ラウンド遊技間に設定される大入賞口28の閉鎖時間すなわちインターバル時間は、2.0秒に設定されている。
【0072】
また、特別図柄J、K、Lが決定されると、作動テーブル2を参照して特別遊技が実行される。この作動テーブル2によれば、大入賞口28が29秒開放すること、または、大入賞口28に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が15回(R=15)実行される。なお、各ラウンド遊技中、大入賞口28は1回開放され、また、各ラウンド遊技間に設定される大入賞口28の閉鎖時間すなわちインターバル時間は、2.0秒に設定されている。
【0073】
図7は、上記のようにして特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。この遊技状態設定テーブルによれば、特別図柄A、B、Cが決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態として低確率遊技状態に設定され、特別図柄D〜Lが決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態として高確率遊技状態に設定される。なお、特別遊技の終了後の遊技状態として高確率遊技状態に設定される場合には、高確率遊技状態における大当たりの最大抽選可能回数(上限回数)である高確回数が10000回に設定される。本実施形態においては、高確率遊技状態における大当たりの当選確率が1/27.3であることから、実質的には、次回大当たりに当選するまで高確率遊技状態が継続することとなる。
【0074】
また、特別遊技の終了後には、上記の高確率遊技状態または低確率遊技状態に設定されるのと同時に、時短遊技状態または非時短遊技状態に設定される。この時短遊技状態および非時短遊技状態は、決定された特別図柄の種別と、大当たり当選時の遊技状態と、に基づいて図示のとおりに決定される。
【0075】
例えば、非時短遊技状態において特別図柄Aが決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態として非時短遊技状態に設定され、時短遊技状態において特別図柄Aが決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態に設定される。なお、この場合、時短遊技状態における大当たりの最大抽選可能回数(上限回数)である時短回数は50回に設定される。また、例えば、特別図柄Lが決定された場合には、当該特別図柄Lが決定されたときの遊技状態を問わず、必ず、時短遊技状態に設定され、このとき、時短回数として10000回が設定されることとなる。
【0076】
図8は、変動パターンの決定条件を説明する図である。上記のようにして大当たりの抽選が行われると、数字等からなる演出図柄40a、40b、40cが演出表示部50aにおいて変動表示される変動演出が実行される。ここで、変動演出というのは、演出表示部50aにおいて演出図柄40a、40b、40cがスクロール表示される等、さまざまな態様で表示された後に、所定時間停止表示されるものである。最終的な停止表示態様には大当たりの抽選結果が対応付けられていることから、変動演出によって大当たりの抽選結果が遊技者に報知されることとなる。
【0077】
そして、変動パターンというのは、変動演出の開始から終了までの時間や、演出図柄40a、40b、40cの変動表示の態様が対応付けられたものであり、主制御基板100において変動パターンが決定されると、当該決定された変動パターンに基づいて、副制御基板200において変動演出のさらに詳細な態様が決定される。この変動パターンは、設定されている遊技状態、より詳細には、遊技状態に応じて副制御基板200で設定される表示モードに対応して決定されるが、本実施形態においては、変動パターン選択オフセット識別子および変動パターン選択用カウンタ値の2つのデータに基づいて変動パターンが決定される。
【0078】
メインROM100bには、複数の変動パターンコマンドが乱数値に対応付けて記憶された変動パターンコマンド決定テーブルが多数記憶されている。そして、変動パターンを決定する際には、変動パターン選択オフセット識別子と変動パターン選択用カウンタ値とに基づいて変動パターンコマンド決定テーブルが選択され、当該選択されたテーブルと、第1変動パターン乱数または第2変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンが決定されることとなる。
【0079】
具体的には、遊技状態が低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定されている場合には、変動パターン選択オフセット識別子が「0」または「1」に設定されている。また、変動パターン選択オフセット識別子が「0」に設定されている場合には、変動パターン選択用カウンタ値が「0」または「1」に設定されている。そして、変動パターン選択オフセット識別子が「0」に設定されている場合において、変動パターン選択用カウンタ値が「0」に設定されているときには、副制御基板200において「通常モード(初期設定)」に設定され、変動パターン選択用カウンタ値が「1」に設定されているときには、副制御基板200において「左打ち指示モード」に設定される。
【0080】
また、変動パターン選択オフセット識別子が「1」に設定されている場合には、変動パターン選択用カウンタ値が「1」〜「52」に設定されており、このとき、副制御基板200においては「示唆モード1」に設定される。
【0081】
また、遊技状態が高確率遊技状態および非時短遊技状態に設定されている場合には、変動パターン選択オフセット識別子が「2」または「3」に設定されている。そして、変動パターン選択オフセット識別子が「2」に設定されている場合には、変動パターン選択用カウンタ値が「1」〜「52」に設定され、変動パターン選択オフセット識別子が「3」に設定されている場合には、変動パターン選択用カウンタ値が「0」に設定されている。このとき、変動パターン選択オフセット識別子が「2」に設定されている場合には、副制御基板200において「示唆モード2」に設定され、変動パターン選択オフセット識別子が「3」に設定されている場合には、副制御基板200において「高確確定モード」に設定される。
【0082】
また、遊技状態が低確率遊技状態および時短遊技状態に設定されている場合には、変動パターン選択オフセット識別子が「4」に設定され、変動パターン選択用カウンタ値が「2」〜「51」に設定されている。そして、この場合には、副制御基板200において「チャンスモード1」に設定される。
【0083】
また、遊技状態が高確率遊技状態および時短遊技状態に設定されている場合には、変動パターン選択オフセット識別子が「5」または「6」に設定されている。そして、変動パターン選択オフセット識別子が「5」に設定されている場合には、変動パターン選択用カウンタ値が「1」〜「51」に設定され、変動パターン選択オフセット識別子が「6」に設定されている場合には、変動パターン選択用カウンタ値が「0」に設定されている。このとき、変動パターン選択オフセット識別子が「5」に設定されている場合には、副制御基板200において「チャンスモード2」に設定され、変動パターン選択オフセット識別子が「6」に設定されている場合には、副制御基板200において「ラッシュモード」に設定される。
【0084】
変動パターンを決定する際には、設定されている変動パターン選択オフセット識別子および変動パターン選択用カウンタ値を参照して対応する変動パターンコマンド決定テーブルが読み出され、当該読み出されたテーブルに基づいて第1変動パターン乱数または第2変動パターン乱数を判定することにより、変動パターンが決定されることとなる。
【0085】
図9(a)は、変動パターン選択オフセット識別子設定テーブルを説明する図であり、図9(b)は、変動パターン選択用カウンタ値設定テーブルを説明する図である。特別遊技が終了すると、図9(a)に示す変動パターン選択オフセット識別子設定テーブルを参照して変動パターン選択オフセット識別子が設定される。この変動パターン選択オフセット識別子設定テーブルによれば、各大当たり図柄(特別図柄A〜L)に対して、当該大当たり図柄が決定されたときの遊技状態ごとに変動パターン選択オフセット識別子が対応付けて記憶されている。
【0086】
この変動パターン選択オフセット識別子設定テーブルによれば、例えば、特別図柄Aが決定されたときの遊技状態が低確率遊技状態および非時短遊技状態であった場合には、特別遊技の終了後に、変動パターン選択オフセット識別子が「1」に設定される。また、特別図柄Aが決定されたときの遊技状態が高確率遊技状態および時短遊技状態であった場合には、特別遊技の終了後に、変動パターン選択オフセット識別子が「4」に設定される。
【0087】
なお、この変動パターン選択オフセット識別子設定テーブルによって設定される変動パターン選択オフセット識別子は、図7に示す遊技状態設定テーブルによって設定される遊技状態と対応している。つまり、図8に示すように、変動パターン選択オフセット識別子は、各遊技状態に対応付けられていることから、変動パターン選択オフセット識別子の設定にあたっては、遊技状態設定テーブルによって設定される遊技状態に対応する変動パターン選択オフセット識別子のみが設定されることとなる。
【0088】
また、特別遊技の終了後には、変動パターン選択オフセット識別子とともに、変動パターン選択用カウンタ値が設定される。ここでは、設定される変動パターン選択オフセット識別子が「1」の場合には、変動パターン選択用カウンタ値として「52」が設定される。同様に、変動パターン選択オフセット識別子が「2」の場合には、変動パターン選択用カウンタ値として「52」が設定され、変動パターン選択オフセット識別子が「4」または「5」の場合には、変動パターン選択用カウンタ値として「51」が設定され、変動パターン選択オフセット識別子が「6」の場合には、変動パターン選択用カウンタ値として「0」が設定される。なお、図9からも明らかなように、特別遊技の終了後には、変動パターン選択オフセット識別子として「1」、「2」、「4」、「5」、「6」のみが設定され、特別遊技の終了後に「0」または「3」が設定されることはない。
【0089】
上記のようにして設定された変動パターン選択用カウンタ値は、変動演出(主制御基板100において実行される特別図柄の変動表示)が終了するたびに、当該変動パターン選択用カウンタ値が0になるまで1ずつ減算されることとなる。
【0090】
図10は、変動パターン選択オフセット識別子変更テーブルを説明する図である。上記のように、特別遊技の終了後には、変動パターン選択オフセット識別子および変動パターン選択用カウンタ値の設定が行われるが、その後、遊技の進行に伴って変動パターン選択用カウンタ値が「0」になると、変動パターン選択オフセット識別子の設定変更が行われる。
【0091】
具体的には、変動パターン選択オフセット識別子が「1」に設定されているときに、変動パターン選択用カウンタ値が「0」になると、変動パターン選択オフセット識別子が「1」から「0」に変更される。同様に、変動パターン選択オフセット識別子が「2」に設定されているときに、変動パターン選択用カウンタ値が「0」になると、変動パターン選択オフセット識別子が「2」から「3」に変更される。また、変動パターン選択オフセット識別子が「5」に設定されているときに、変動パターン選択用カウンタ値が「0」になると、変動パターン選択オフセット識別子が「5」から「6」に変更される。このように、変動パターン選択用カウンタ値は、特別遊技の終了後に設定される変動パターン選択オフセット識別子が変更されるまでの変動回数として捉えることができる。
【0092】
なお、詳しくは後述するが、変動パターン選択オフセット識別子が「4」または「6」に設定されている場合には、遊技状態が時短遊技状態に設定されている。この場合には、時短遊技状態において50回または10000回の変動が終了すると非時短遊技状態へと遊技状態が変更され、これに伴って、変動パターン選択オフセット識別子が「4」または「6」から「0」に変更される。つまり、変動パターン選択オフセット識別子が「4」または「6」に設定されている場合には、変動パターン選択オフセット識別子変更テーブルを用いずに変動パターン選択オフセット識別子の設定変更が行われることとなる。
【0093】
また、変動パターン選択オフセット識別子が「3」に設定されている場合には、遊技状態が高確率遊技状態に設定されている。この場合には、高確率遊技状態から低確率遊技状態へと遊技状態が変更されるのに伴って、変動パターン選択オフセット識別子が「3」から「0」に変更される。したがって、変動パターン選択オフセット識別子が「3」に設定されている場合にも、変動パターン選択オフセット識別子変更テーブルを用いずに変動パターン選択オフセット識別子の設定変更が行われることとなる。
【0094】
なお、変動パターン選択オフセット識別子が「0」に設定されている場合には、「大当たり」に当選したことを条件として変動パターン選択オフセット識別子が変更されるため、上記と同様に、変動パターン選択オフセット識別子変更テーブルを用いずに変動パターン選択オフセット識別子の設定変更が行われることとなる。
【0095】
図11は、発展後変動パターンコマンド決定テーブル選択用のテーブルを説明する図である。本実施形態においては、発展前変動パターンコマンドに基づく発展前変動演出(変動演出の前半)と、発展後変動パターンコマンドに基づく発展後変動演出(変動演出の後半)とによって1回の変動演出が実行される。主制御基板100においては、まず、発展後変動パターンコマンドが決定され、決定された発展後変動パターンコマンドに基づいて発展前変動パターンコマンドが決定されることとなる。発展後変動パターンコマンドは、発展後変動パターンコマンド決定テーブルと、特別図柄乱数等と同時に取得された第2変動パターン乱数とに基づいて決定され、発展前変動パターンコマンドは、発展前変動パターンコマンド決定テーブルと、特別図柄乱数等と同時に取得された第1変動パターン乱数とに基づいて決定される。
【0096】
図11に示すように、発展後変動パターンコマンド決定テーブルは、始動口種別、特別図柄種別、変動パターン選択オフセット識別子、および、変動パターン選択用カウンタ値が対応付けられたテーブル1〜48に分類されている。メインCPU100aは、変動パターンを決定する際に、まず、始動口種別、特別図柄種別、変動パターン選択オフセット値、および、変動パターン選択用カウンタ値を参照して、対応する1の発展後変動パターンコマンド決定テーブルを選択する。
【0097】
図12は、発展後変動パターンコマンド決定テーブルの一例を説明する図であり、図12(a)はテーブル43を示し、図12(b)はテーブル44を示し、図12(c)はテーブル47を示している。テーブル43、44は、いずれも非時短遊技状態に設定されている場合において、第2保留によって「ハズレ」の抽選結果が導出された場合に選択されるテーブルであり、テーブル47は、時短遊技状態に設定されている場合において、第2保留によって「ハズレ」の抽選結果が導出された場合に選択されるテーブルである。
【0098】
各発展後変動パターンコマンド決定テーブルによれば、変動演出の開始時に留保されている保留数に応じてさらにテーブルが細分化されており、各テーブルにおいて、大当たりの抽選結果を報知する変動演出の態様(変動時間)が対応付けられた複数の変動パターンのそれぞれに乱数範囲が割り振られている。
【0099】
具体的には、発展後変動パターンコマンド決定テーブル(テーブル43)のうち、保留数(ここでは第2保留数)が「1」の場合に選択されるテーブルによれば、0〜699の第2変動パターン乱数に「通常ハズレ1(12秒)」が対応付けられ、700〜749の第2変動パターン乱数に「ガセ疑似ハズレ」が対応付けられ、750〜849の第2変動パターン乱数に「すべりハズレ」が対応付けられ、850〜899の第2変動パターン乱数に「SP発展ハズレ1」が対応付けられ、900〜949の第2変動パターン乱数に「SP発展ハズレ2」が対応付けられ、950〜999の第2変動パターン乱数に「SP発展ハズレ3」が対応付けられている。したがって、この発展後変動パターンコマンド決定テーブル(テーブル43)によれば、例えば、第2保留数が1の場合において、第2変動パターン乱数が「0」であった場合には、「通常ハズレ1(12秒)」が発展後変動パターンとして決定されることとなる。
【0100】
なお、図12(a)からも明らかなように、保留数が多くなると、通常ハズレ1(12秒)に代わって通常ハズレ2(8秒)や通常ハズレ3(4秒)が決定される。このように、保留数が多い場合には変動時間を短縮することにより、新たな保留が受け入れられない時間、換言すれば、遊技球の発射中断時間が長時間にならないようにしている。
【0101】
また、図12(b)に示す発展後変動パターンコマンド決定テーブル(テーブル44)によれば、保留数および第2変動パターン乱数を問わず、必ず、発展後変動パターンとして特殊変動(12秒)が決定されることとなる。なお、発展後変動パターンコマンド決定テーブル(テーブル20)も、このテーブル44と同様に、保留数および第2変動パターン乱数を問わず、必ず、発展後変動パターンとして特殊変動(12秒)が決定される。
【0102】
また、図12(c)に示す発展後変動パターンコマンド決定テーブル(テーブル47)によれば、第2保留数が「1」の場合と「2」〜「4」の場合とに細分化されている。そして、図示のとおり、第2保留数が「1」の場合には、発展後変動パターンとして「ハズレ1(10秒)」が選択可能に割り振られており、第2保留数が「2」〜「4」の場合には、この「ハズレ1(10秒)」に代わって「ハズレ2(2秒)」が割り振られている。
【0103】
発展後変動パターンコマンド決定テーブル(テーブル47)は、時短遊技状態に設定されている場合に選択されるが、時短遊技状態においては次々と第2保留が留保される。そこで、このテーブル47においては、第2保留数が「2」〜「4」の場合に変動時間を2秒と短くして、新たな第2保留を次々と留保することができるようにしている。
【0104】
このように、各発展後変動パターンコマンド決定テーブルには、大当たりの抽選結果を遊技者に報知するための変動演出の態様が対応付けられた1または複数の発展後変動パターンが選択可能に割り振られている。そして、大当たりの抽選結果が導出された場合に、当該抽選結果、および、予め設定された選択条件にしたがって、複数の発展後変動パターンコマンド決定テーブルの中からいずれかの発展後変動パターンコマンド決定テーブルが選択され、当該選択された発展後変動パターンコマンド決定テーブルに割り振られている発展後変動パターンの中からいずれかの発展後変動パターンが決定されることとなる。
【0105】
図13は、発展前変動パターンコマンド決定テーブルの一例を説明する図である。この発展前変動パターンコマンド決定テーブルは、遊技状態と、決定され得る発展後変動パターンとが対応付けられている。具体的には、「SP発展大当たり1〜3」の発展後変動パターンが決定された場合には、図13(a)の発展前変動パターンコマンド決定テーブル1を参照して発展前変動パターンが決定される。この発展前変動パターンコマンド決定テーブル1によれば、第1変動パターン乱数と発展前変動パターンとが対応付けられており、取得した第1変動パターン乱数に応じて、図示のとおりに、1の発展前変動パターンが決定されることとなる。
【0106】
このようにして、発展前変動パターンおよび発展後変動パターンが決定されると、当該決定された発展前変動パターンおよび発展後変動パターンに対応する発展前変動パターンコマンドおよび発展後変動パターンコマンドが副制御基板200に送信される。そして、副制御基板200においては、まず、発展前変動パターンコマンドに対応する変動演出(発展前変動演出)を実行制御し、その後、発展後変動パターンコマンドに対応する変動演出(発展後変動演出)を実行制御することとなる。
【0107】
また「ハズレ1、2」、「通常ハズレ1〜3」、「ガセ擬似ハズレ」、「すべりハズレ」、「特殊変動」の発展後変動パターンが決定された場合には、図13(b)の発展前変動パターンコマンド決定テーブル2を参照して発展前変動パターンが決定される。この発展前変動パターンコマンド決定テーブル2によれば、必ず「なし」が決定される。この「なし」というのは、発展前変動演出が行われないことを示すものであり、発展前変動演出の不実行を示す発展前変動パターンコマンドが副制御基板200に送信される。つまり、「ハズレ1、2」、「通常ハズレ1〜3」、「ガセ擬似ハズレ」、「すべりハズレ」、「特殊変動」の発展後変動パターンが決定された場合には、当該発展後変動パターンによってのみ変動演出が実行されることとなる。
【0108】
また「SP発展ハズレ1〜3」の発展後変動パターンが決定された場合には、図13(c)の発展前変動パターンコマンド決定テーブル3を参照して発展前変動パターンが決定される。この発展前変動パターンコマンド決定テーブル3によれば、第1変動パターン乱数と発展前変動パターンとが図示のように対応付けられている。
【0109】
上記のように、変動開始時には、大当たりの抽選結果に応じて発展前変動パターンコマンドおよび発展後変動パターンコマンドが副制御基板200に送信され、副制御基板200において、受信した変動パターンコマンドに対応する変動演出が実行制御される。これによって、大当たりの抽選結果が遊技者に報知されることとなる。
【0110】
図14は、普通図柄判定テーブルを説明する図である。遊技領域16を流下する遊技球がゲート24を通過すると、第2始動口22の可動片22bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の決定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
【0111】
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート24を通過すると、0〜19の範囲内から1つの普通図柄乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM100cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。したがって、普図保留記憶領域に4つの乱数値が記憶された状態で、遊技球がゲート24を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて乱数値が記憶されることはない。以下では、ゲート24を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された乱数値(普通図柄乱数)を普図保留とよぶ。
【0112】
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図14(a)に示す普通図柄判定テーブル1が参照される。この普通図柄判定テーブル1によれば、普通図柄乱数が0であった場合に当選と判定し、普通図柄乱数が1〜19あった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の当選確率は1/20となる。
【0113】
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図14(b)に示す普通図柄判定テーブル2が参照される。この普通図柄判定テーブル2によれば、普通図柄乱数が0〜18であった場合に当選と判定し、普通図柄乱数が19であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の当選確率は19/20となる。なお、普図抽選によって当選の判定結果が得られた場合には当たり図柄が決定され、ハズレの判定結果が得られた場合にはハズレ図柄が決定される。
【0114】
図15(a)は、普通図柄変動パターン決定テーブルを説明する図であり、図15(b)は、第2始動口開放制御テーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動パターンが決定される。ここでは、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が20秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器88が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器88が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器88が消灯する。
【0115】
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器88が点灯した場合には、第2始動口22の可動片22bが、普図抽選が行われたときの遊技状態に応じて図15(b)に示すように通電制御される。
【0116】
すなわち、非時短遊技状態において当たり図柄が決定された場合には、始動口開閉ソレノイド22cが0.1秒×1回=0.1秒のみ通電され、第2始動口22の可動片22bが0.1秒のみ開放する。また、時短遊技状態において当たり図柄が決定された場合には、始動口開閉ソレノイド22cが2.9秒×2回=5.8秒通電され、第2始動口22の可動片22bが合計で5.8秒開放する。
【0117】
このように、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口22に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート24を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口22が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、大当たりの抽選を行うことが可能となる。
【0118】
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
【0119】
(主制御基板のメイン処理)
図16を用いて、主制御基板100のメイン処理を説明する。
【0120】
電源基板より電源が供給されると、メインCPU100aにシステムリセットが発生し、メインCPU100aは、以下のメイン処理を行う。
【0121】
(ステップS1)
メインCPU100aは、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM100bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM100cに記憶されるフラグ等を初期化したり、副制御基板200に送信する各種のコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。
【0122】
(ステップS2)
次に、メインCPU100aは、変動パターン乱数(第1変動パターン乱数、第2変動パターン乱数)を更新する変動パターン乱数更新処理を行う。
【0123】
(ステップS3)
次に、メインCPU100aは、特別図柄乱数および大当たり乱数を更新する際に参照される初期値乱数の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS2とステップS3との処理を繰り返し行う。
【0124】
(主制御基板のタイマ割込処理)
図17を用いて、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
【0125】
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒、以下「2ms」という)毎にクロックパルスが発生されることで、以下のタイマ割込処理が実行される。
【0126】
(ステップS100)
まず、メインCPU100aは、各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
【0127】
(ステップS200)
次に、メインCPU100aは、特別図柄乱数、大当たり乱数、普通図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、それぞれの乱数カウンタを1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
【0128】
(ステップS300)
次に、メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口検出スイッチ22a、ゲート検出スイッチ24a、大入賞口検出スイッチ28aに入力があったか否か判定する入力制御処理を行う。
【0129】
(ステップS400)
次に、メインCPU100aは、特別図柄、特別電動役物の制御を行うための特図特電処理を行う。
【0130】
(ステップS500)
次に、メインCPU100aは、普通図柄、普通電動役物の制御を行うための普図普電処理を行う。
【0131】
(ステップS600)
次に、メインCPU100aは、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、大入賞口28に遊技球が入球したか否かを確認するとともに、遊技球の入球があった場合には、それぞれに対応する払出個数指定コマンドを払出制御基板120に送信する。
【0132】
(ステップS700)
次に、メインCPU100aは、外部情報データ、第2始動口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータ、各表示器80、82、84、86、88,90の表示データを作成する処理を行う。
【0133】
(ステップS800)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS700で作成した各データの信号を出力させるポート出力処理、および、上記各ステップでメインRAM100cの演出用伝送データ格納領域にセットされたコマンドを送信するコマンド送信処理を行う。
【0134】
以下に、上記したタイマ割込処理のうち、ステップS300の入力制御処理、ステップS400の特図特電処理、ステップS500の普図普電処理について、詳細に説明する。
【0135】
図18は、上記ステップS300の入力制御処理を説明するフローチャートである。
【0136】
(ステップS310)
まず、メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ18aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が一般入賞口18に入球したか否かを判定する。メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ18aから検出信号が入力された場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
【0137】
(ステップS320)
次に、メインCPU100aは、大入賞口検出スイッチ28aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が大入賞口28に入球したか否かを判定する。メインCPU100aは、大入賞口検出スイッチ28aから検出信号が入力された場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、大入賞口28に入球した遊技球を計数するための大入賞口入球カウンタを加算して更新する。
【0138】
(ステップS330)
次に、メインCPU100aは、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が第1始動口20に入球したか否かを判定して、大当たりの抽選を行うための所定のデータをセットする。詳しくは、図19を用いて後述する。
【0139】
(ステップS340)
次に、メインCPU100aは、第2始動口検出スイッチ22aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が第2始動口22に入球したか否かを判定する。なお、この第2始動口検出スイッチ入力処理は、各種データを異にする点を除いて、上記ステップS330の第1始動口検出スイッチ入力処理と同じである。
【0140】
(ステップS350)
次に、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ24aから信号が入力されたか、すなわち、遊技球がゲート24を通過したか否かを判定する。このゲート検出スイッチ入力処理については、図20を用いて後述する。
【0141】
図19は、上記ステップS330の第1始動口検出スイッチ入力処理を説明するフローチャートである。
【0142】
(ステップS330−1)
まず、メインCPU100aは、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたか否かを判定する。第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたと判定した場合にはステップS330−2に処理を移し、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されていないと判定した場合には、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0143】
(ステップS330−2)
上記ステップS330−1において、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU100aは、賞球のために用いる賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する処理を行う。
【0144】
(ステップS330−3)
次に、メインCPU100aは、保留記憶領域に記憶されている第1保留数(X1)が4未満であるか否かを判定する。その結果、第1保留数(X1)<4と判定した場合にはステップS330−4に処理を移し、第1保留数(X1)≧4と判定した場合には第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0145】
(ステップS330−4)
上記ステップS330−3において、第1保留数(X1)<4と判定した場合には、メインCPU100aは、第1保留数(X1)に「1」加算した値を新たな第1保留数(X1)として記憶する。
【0146】
(ステップS330−5)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS200で更新された特別図柄乱数を取得して、第1保留記憶領域にある第1記憶部から第4記憶部まで順に空いている記憶部を検索し、空いている記憶部に取得した特別図柄乱数を記憶する。
【0147】
(ステップS330−6)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS200で更新された大当たり乱数を取得するとともに、当該取得した大当たり乱数を、上記ステップS330−5で特別図柄乱数を記憶したのと同じ記憶部に記憶する。
【0148】
(ステップS330−7)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS2で更新された変動パターン乱数(第1変動パターン乱数、第2変動パターン乱数)を取得するとともに、上記ステップS330−5およびステップS330−6で各乱数を記憶したのと同じ記憶部に記憶する。
【0149】
(ステップS330−8)
次に、メインCPU100aは、第1保留が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域にセットし、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0150】
図20は、上記ステップS350のゲート検出スイッチ入力処理を説明するフローチャートである。
【0151】
(ステップS350−1)
まず、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたか否かを判定する。その結果、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたと判定した場合にはステップS350−2に処理を移し、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されていないと判定した場合には、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。
【0152】
(ステップS350−2)
上記ステップS350−1において、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU100aは、普図保留数(Y)が4未満であるかを判定する。その結果、普図保留数(Y)<4と判定した場合にはステップS350−3に処理を移し、普図保留数(Y)≧4と判定した場合には、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。
【0153】
(ステップS350−3)
上記ステップS350−2において、普図保留数(Y)<4と判定した場合には、メインCPU100aは、普図保留数(Y)に「1」加算した値を新たな普図保留数(Y)として記憶する。
【0154】
(ステップS350−4)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS200で更新された普通図柄乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶して、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。なお、普図保留記憶領域は、第1記憶部〜第4記憶部の4つの記憶部を有しており、普通図柄乱数が取得されると、第1記憶部から順に普通図柄乱数が記憶されていない空きの記憶部が検索され、空いている記憶部のうちもっとも番号(序数)の小さい記憶部に、取得した普通図柄乱数が記憶される。以下では、普図保留記憶領域の記憶部に記憶された普通図柄乱数を普図保留とよぶ。
【0155】
次に、図21〜図30を用いて、主制御基板100において実行される上記の特別図柄遊技に係る処理について説明する。
【0156】
図21は、上記ステップS400の特図特電処理を説明するフローチャートである。
【0157】
(ステップS410)
まず、メインCPU100aは、特図特電データの値をロードする。この特図特電データとしては、特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、停止後処理の実行を示すデータ「02」と、特別電動役物制御処理の実行を示すデータ「03」と、特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、が設けられている。
【0158】
そして、メインCPU100aは、上記ステップS410でロードした特図特電データの値に基づいて、特別図柄変動開始処理(ステップS420)、特別図柄変動停止処理(ステップS430)、停止後処理(ステップS440)、特別電動役物制御処理(ステップS450)、特別遊技終了処理(ステップS460)を実行する。これら各処理について、以下に、図面を参照して説明する。
【0159】
図22は、上記ステップS420の特別図柄変動開始処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動開始処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=00であると判定した場合に実行される。
【0160】
(ステップS420−1)
メインCPU100aは、第2保留記憶領域に第2保留が記憶されているか(第2保留数(X2)≧1)を判定する。その結果、第2保留が記憶されていると判定した場合にはステップS420−2に処理を移し、第2保留は記憶されていないと判定した場合にはステップS420−3に処理を移す。
【0161】
(ステップS420−2)
上記ステップS420−1において、第2保留記憶領域に第2保留が記憶されていると判定した場合には、メインCPU100aは、第2保留記憶領域に記憶されている第2保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部に記憶されている各乱数を第1記憶部にシフトさせて記憶する。同様に、第2記憶部〜第4記憶部に各乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を番号(序数)の1つ小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留は、留保された順に処理領域に書き込まれることとなる。したがって、記憶部に記憶された第2保留は、先に記憶された乱数から順に読み出されて、大当たりの抽選を行う際の判定に用いられることとなる。また、このとき、第2保留数(X2)から「1」減算した値を新たな第2保留数(X2)として記憶する。
【0162】
(ステップS420−3)
また、上記ステップS420−1において、第2保留記憶領域に第2保留は記憶されていないと判定した場合には、メインCPU100aは、第1保留記憶領域に第1保留が記憶されているか(第1保留数(X1)≧1)を判定する。その結果、第1保留が記憶されていると判定した場合にはステップS420−4に処理を移し、第1保留は記憶されていないと判定した場合にはステップS420−10に処理を移す。
【0163】
(ステップS420−4)
上記ステップS420−3において、第1保留記憶領域に第1保留が記憶されていると判定した場合には、メインCPU100aは、第1保留記憶領域に記憶されている第1保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部に記憶されている各乱数を第1記憶部にシフトさせて記憶する。同様に、第2記憶部〜第4記憶部に各乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を番号(序数)の1つ小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留は、留保された順に処理領域に書き込まれることとなる。したがって、記憶部に記憶された第1保留は、先に記憶された乱数から順に読み出されて、大当たりの抽選を行う際の判定に用いられることとなる。また、このとき、第1保留数(X1)から「1」減算した値を新たな第1保留数(X1)として記憶する。
【0164】
(ステップS420−5)
次に、メインCPU100aは、特別図柄判定テーブル(図4参照)のうち、現在の遊技状態に対応するテーブルを選択し、当該選択したテーブルと、上記ステップS420−2または上記ステップS420−4において処理領域に複写された特別図柄乱数とに基づいて大当たりの抽選結果を導出する。そして、導出した抽選結果に応じて図柄種別判定テーブル(図5参照)を選択するとともに、当該選択したテーブルと、上記ステップS420−2または上記ステップS420−4において処理領域に複写された大当たり乱数とに基づいて特別図柄を決定する。そして、当該決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM100cの所定の領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現在の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定したときの遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。
【0165】
このように、この特別図柄変動開始処理によれば、第1保留および第2保留の双方が記憶されている場合には、第2保留に基づいて特別図柄決定処理がなされる。つまり、ここでは、第2保留が第1保留に優先して処理されることとなる。
【0166】
(ステップS420−6)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS420−5で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板200に伝送されることとなる。
【0167】
(ステップS421)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS420−2または上記ステップS420−4において処理領域に上書きされた変動パターン乱数を、発展前変動パターンコマンド決定テーブルおよび発展後変動パターンコマンド決定テーブルに基づいて判定することにより変動パターンを決定する。この変動パターン決定処理については、図23を用いて後述する。
【0168】
(ステップS420−7)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82において、特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示器80が点滅表示を開始するとともに、第2保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示器82が点滅表示を開始する。なお、ここで制御される点滅表示とは、各表示器80、82において「−」が所定の間隔で点滅することをいうものである。また、第1保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1保留が1つ減ることを示すように、第1特別図柄保留表示器84が表示制御され、第2保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2保留が1つ減ることを示すように、第2特別図柄保留表示器86が表示制御される。
【0169】
(ステップS420−8)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS421で導出した合計変動時間を変動時間カウンタにセットする。
【0170】
(ステップS420−9)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、特図特電データに「01」をセットし、当該特別図柄変動開始処理を終了する。
【0171】
(ステップS420−10)
また、上記ステップS420−3において、第1保留は記憶されていないと判定した場合には、メインCPU100aは、デモ判定処理を実行する。このデモ判定処理において、メインCPU100aは、特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、所定時間にわたって特別図柄の変動表示が行われない場合には、演出表示部50aにデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
【0172】
図23は、上記ステップS421の変動パターン決定処理を説明するフローチャートである。
【0173】
(ステップS421−1)
まず、メインCPU100aは、始動口種別(第1始動口または第2始動口)、特別図柄決定処理によって決定された特別図柄の種別、変動パターン選択オフセット識別子、変動パターン選択用カウンタ値を参照し、発展後変動パターンコマンド決定テーブル選択用のテーブル(図11参照)にしたがってテーブル種別(図12参照)を選択する。
【0174】
(ステップS421−2)
次に、メインCPU100aは、処理領域に記憶された第2変動パターン乱数と、上記ステップS421−1で選択した発展後変動パターンコマンド決定テーブルとに基づいて発展後変動パターンコマンドを判定する。
【0175】
(ステップS421−3)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS421−2で判定された発展後変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0176】
(ステップS421−4)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS421−2で判定された発展後変動パターンに基づいて、発展前変動パターンコマンド決定テーブルを選択する(図13参照)。
【0177】
(ステップS421−5)
次に、メインCPU100aは、処理領域に記憶された第1変動パターン乱数と、上記ステップS421−4で選択した発展前変動パターンコマンド決定テーブルとに基づいて発展前変動パターンコマンドを判定する。
【0178】
(ステップS421−6)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS421−5で判定された発展前変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0179】
(ステップS421−7)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS421−2で判定された発展後変動パターンの変動時間と、上記ステップS421−5で判定された発展前変動パターンの変動時間とから、合計変動時間を演算して当該変動パターン決定処理を終了する。
【0180】
図24は、上記ステップS430の特別図柄変動停止処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動停止処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=01であると判定した場合に実行される。
【0181】
(ステップS430−1)
メインCPU100aは、変動時間(ステップS420−8でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、変動時間が経過したと判定した場合にはステップS430−2に処理を移し、変動時間は経過していないと判定した場合には当該特別図柄変動停止処理を終了する。
【0182】
(ステップS430−2)
上記ステップS430−1において、変動時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、上記ステップS420−5で決定、記憶された特別図柄を、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82に停止表示するための停止表示データをセットする。
【0183】
(ステップS430−3)
次に、メインCPU100aは、図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0184】
(ステップS430−4)
次に、メインCPU100aは、上記のようにして特別図柄の停止表示を開始したら、停止表示時間カウンタに図柄を停止表示する時間をセットする。
【0185】
(ステップS430−5)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において停止後処理が実行されるように、特図特電データに「02」をセットし、当該特別図柄変動停止処理を終了する。
【0186】
図25は、上記ステップS440の停止後処理を説明するフローチャートである。この停止後処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=02であると判定した場合に実行される。
【0187】
(ステップS440−1)
メインCPU100aは、停止表示時間(ステップS430−4でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、停止表示時間は経過していないと判定した場合には当該停止後処理を終了し、停止表示時間を経過したと判定した場合にはステップS440−2に処理を移す。
【0188】
(ステップS440−2)
上記ステップS440−1において、停止表示時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、現在設定されている遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。
【0189】
(ステップS441)
次に、メインCPU100aは、変動パターン選択用カウンタ値更新処理を行う。この変動パターン選択用カウンタ値更新処理については、図26を用いて後述する。
【0190】
(ステップS442)
次に、メインCPU100aは、時短遊技状態設定処理を行う。この時短遊技状態設定処理については、図27を用いて後述する。
【0191】
(ステップS443)
次に、メインCPU100aは、高確率遊技状態設定処理を行う。この高確率遊技状態設定処理については、図28を用いて後述する。
【0192】
(ステップS440−3)
次に、メインCPU100aは、停止表示されている図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、停止表示されている図柄は大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS440−4に処理を移し、停止表示されている図柄は大当たり図柄であると判定した場合にはステップS440−5に処理を移す。
【0193】
(ステップS440−4)
上記ステップS440−3において、停止表示されている図柄は大当たり図柄ではないと判定した場合には、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、特図特電データに「00」をセットし、当該停止後処理を終了する。これにより、次の特別図柄の変動表示が開始可能となる。
【0194】
(ステップS440−5)
一方、上記ステップS440−3において、停止表示されている図柄は大当たり図柄であると判定した場合には、メインCPU100aは、変動開始時の遊技状態を遊技状態バッファに記憶した後、遊技状態(高確遊技フラグ、時短遊技フラグ)をリセットする処理を行う。
【0195】
(ステップS440−6)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において特別電動役物制御処理が実行されるように、特図特電データに「03」をセットする。これにより、大当たり図柄が停止表示した後に特別遊技が開始されることとなる。
【0196】
(ステップS440−7)
次に、メインCPU100aは、現在の遊技状態を確認し、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットして当該停止後処理を終了する。
【0197】
図26は、上記ステップS441の変動パターン選択用カウンタ値更新処理を説明するフローチャートである。
【0198】
(ステップS441−1)
まず、メインCPU100aは、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいか、換言すれば、「0」以外であるかを判定する。その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいと判定した場合にはステップS441−2に処理を移し、変動パターン選択用カウンタ値は「0」よりも大きくない(変動パターン選択用カウンタ値=0)と判定した場合には、当該変動パターン選択用カウンタ値更新処理を終了する。
【0199】
(ステップS441−2)
上記ステップS441−1において、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいと判定した場合には、メインCPU100aは、メインRAM100cに記憶されている変動パターン選択用カウンタ値から「1」減算した値を新たな変動パターン選択用カウンタ値として記憶する。
【0200】
(ステップS441−3)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS441−2において更新した変動パターン選択用カウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「0」であると判定した場合にはステップS441−4に処理を移し、変動パターン選択用カウンタ値は「0」ではないと判定した場合には当該変動パターン選択用カウンタ値更新処理を終了する。
【0201】
(ステップS441−4)
上記ステップS441−3において、変動パターン選択用カウンタ値が「0」であると判定した場合には、メインCPU100aは、現在設定されている変動パターン選択オフセット識別子が「1」、「2」、「5」のいずれかであるかを判定する。その結果、現在、変動パターン選択オフセット識別子が「1」、「2」、「5」のいずれかに設定されていると判定した場合にはステップS441−5に処理を移し、変動パターン選択オフセット識別子は「1」、「2」、「5」のいずれでもないと判定した場合には当該変動パターン選択用カウンタ値更新処理を終了する。
【0202】
(ステップS441−5)
上記ステップS441−4において、現在設定されている変動パターン選択オフセット識別子が「1」、「2」、「5」のいずれかであると判定した場合には、メインCPU100aは、変動パターン選択オフセット識別子を変更する処理を行う。ここでは、現在設定されている変動パターン選択オフセット識別子を参照するとともに、図10に示す変動パターン選択オフセット識別子変更テーブルにしたがって、変動パターン選択オフセット識別子を変更する。具体的には、現在設定されている変動パターン選択オフセット識別子が「1」の場合には、変動パターン選択オフセット識別子を「0」に変更し、現在設定されている変動パターン選択オフセット識別子が「2」の場合には、変動パターン選択オフセット識別子を「3」に変更し、現在設定されている変動パターン選択オフセット識別子が「5」の場合には、変動パターン選択オフセット識別子を「6」に変更する。
【0203】
図27は、上記ステップS442の時短遊技状態設定処理を説明するフローチャートである。
【0204】
(ステップS442−1)
まず、メインCPU100aは、現在の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンしているかを判定する。その結果、時短遊技フラグがオンしていると判定した場合にはステップS442−2に処理を移し、時短遊技フラグはオンしていないと判定した場合には当該時短遊技状態設定処理を終了する。
【0205】
(ステップS442−2)
上記ステップS442−1において、時短遊技フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU100aは、メインRAM100cに記憶されている時短回数から「1」減算した値を新たな時短回数としてメインRAM100cに記憶する。
【0206】
(ステップS442−3)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS442−2において更新した時短回数が「0」であるかを判定する。その結果、時短回数が「0」であると判定した場合にはステップS442−4に処理を移し、時短回数は「0」ではない(時短回数>0)と判定した場合には当該時短遊技状態設定処理を終了する。
【0207】
(ステップS442−4)
上記ステップS442−3において、時短回数は「0」であると判定した場合には、メインCPU100aは時短遊技フラグをオフする。
【0208】
(ステップS442−5)
次に、メインCPU100aは、変動パターン選択オフセット識別子を「0」に変更する。
【0209】
ここで、上記ステップS442−3において、時短回数が「0」であると判定される場合というのは、特別遊技の終了後に、時短遊技状態に設定されるとともに、時短回数が「50」もしくは「10000」に設定された後(図7参照)、大当たりに当選することなく、50回目もしくは10000回目の特別図柄の変動表示が終了した場合である。また、時短回数が設定されるときには、変動パターン選択オフセット識別子および変動パターン選択用カウンタ値が同時に設定されるが、時短回数が50回に設定される場合には、必ず、変動パターン選択オフセット識別子が「4」に設定され、変動パターン選択用カウンタ値が「51」に設定される(図9参照)。
【0210】
これにより、変動パターン選択オフセット識別子が「4」に設定されてから、大当たりに当選することなく50回目の変動演出が終了した場合には、上記ステップS441−2において変動パターン選択用カウンタ値が「1」に更新され、上記ステップS442−2において時短回数が「0」に更新される。したがって、特別遊技の終了後に時短回数が「50」に設定された場合には、時短遊技状態の終了とともに、変動パターン選択オフセット識別子が「0」に変更されるが、このとき、変動パターン選択用カウンタ値は「1」となっている。
【0211】
上記したように、変動パターンを決定する際には、変動パターン選択オフセット識別子および変動パターン選択用カウンタ値に基づいて、発展後変動パターンコマンド決定テーブルが選択される。そして、変動パターン選択オフセット識別子が「0」、変動パターン選択用カウンタ値が「1」であり、大当たりの抽選結果がハズレであった場合には、テーブル20、44のいずれかが選択される(図11参照)。このとき、テーブル20、44によれば、発展後変動パターンとして、必ず、特殊変動(12秒)が決定される。つまり、時短遊技状態が終了した次の変動が「ハズレ」であった場合には、必ず、発展後変動パターンとして特殊変動(12秒)が決定されることとなる。このように、時短遊技状態が終了して非時短遊技状態に設定された場合に、その最初の変動演出が12秒に設定されることから、「右打ち」から「左打ち」への変更を促す報知時間を確実に確保することが可能となっている。
【0212】
なお、特別遊技の終了後に時短回数が「10000」に設定され、大当たりに当選することなく、特別図柄の変動表示が10000回行われた場合にも、ステップS442−5において、変動パターン選択オフセット識別子が「0」に変更される。この場合には、変動パターン選択用カウンタ値が「0」に設定されているため、次の変動開始時に変動パターンを決定する際に、特殊変動(12秒)が決定されることはない。これは、大当たりの当選確率が1/27.3または1/273であり、10000回にわたって大当たりに当選しないといった事態が実質的に生じないからである。ただし、この場合にも、特殊変動(12秒)を決定されるように、変動パターン選択用カウンタ値を「10001」に設定しても構わない。
【0213】
図28は、上記ステップS443の高確率遊技状態設定処理を説明するフローチャートである。
【0214】
(ステップS443−1)
まず、メインCPU100aは、現在の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンしているかを判定する。その結果、高確遊技フラグがオンしていると判定した場合にはステップS443−2に処理を移し、高確遊技フラグはオンしていないと判定した場合には当該高確遊技状態設定処理を終了する。
【0215】
(ステップS443−2)
上記ステップS443−1において、高確遊技フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU100aは、メインRAM100cに記憶されている高確回数から「1」減算した値を新たな高確回数としてメインRAM100cに記憶する。
【0216】
(ステップS443−3)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS443−2において更新した高確回数が「0」であるかを判定する。その結果、高確回数が「0」であると判定した場合にはステップS443−4に処理を移し、高確回数は「0」ではない(高確回数>0)と判定した場合には当該高確率遊技状態設定処理を終了する。
【0217】
(ステップS443−4)
上記ステップS443−3において、高確回数は「0」であると判定した場合には、メインCPU100aは高確遊技フラグをオフする。
【0218】
(ステップS443−5)
次に、メインCPU100aは、変動パターン選択オフセット識別子を「0」に変更する。なお、本実施形態においては、高確率遊技状態に設定された場合に、同時に時短遊技状態に設定されていた場合には、上記ステップS442−5において、既に変動パターン選択オフセット識別子が「0」に変更されている。したがって、ここでは、変動パターン選択オフセット識別子が既に「0」に変更されている場合には、特段の処理を行うことなく、そのまま次の処理に移されることとなる。
【0219】
図29は、上記ステップS450の特別電動役物制御処理を説明するフローチャートである。この特別電動役物制御処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=03であると判定した場合に実行される。
【0220】
(ステップS450−1)
メインCPU100aは、まず、特別遊技を開始するにあたってオープニング開始処理を実行する。メインCPU100aは、特別遊技の開始にあたって、まずオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、予め設定されたオープニング時間が経過するまで待機することとなる。なお、すでにオープニングコマンドが送信されている場合には、そのままステップS450−2に処理を移すこととなる。
【0221】
(ステップS450−2)
次に、メインCPU100aは、現在、オープニング中であるか、すなわち、オープニング時間が経過したかを判定する。その結果、オープニング時間が経過していると判定した場合にはステップS450−3に処理を移し、オープニング時間は経過していないと判定した場合には当該特別電動役物制御処理を終了する。
【0222】
(ステップS450−3)
上記ステップS450−2において、オープニング時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、特別遊技実行処理を行う。ここでは、停止表示されている特別図柄の種別に応じて、作動テーブル1、2のいずれかをセットするとともに、当該セットしたテーブルを参照して、大入賞口開閉ソレノイド28cの通電制御が行われることとなる。
【0223】
(ステップS450−4)
次に、メインCPU100aは、大入賞口28の全開閉が終了したかを判定する。その結果、大入賞口28の全ての開閉が終了したと判定した場合にはステップS450−5に処理を移し、大入賞口28の全ての開閉が終了していないと判定した場合には当該特別電動役物制御処理を終了する。
【0224】
(ステップS450−5)
上記ステップS450−4において、大入賞口28の全開閉が終了したと判定した場合には、メインCPU100aは、エンディング開始処理を実行する。ここでは、エンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットするとともに、所定のエンディング時間が経過するまで待機する。
【0225】
(ステップS450−6)
次に、メインCPU100aは、エンディング時間が経過したか否かを判定する。その結果、エンディング時間が経過したと判定した場合にはステップS450−7に処理を移し、エンディング時間は経過していないと判定した場合には当該特別電動役物制御処理を終了する。
【0226】
(ステップS450−7)
上記ステップS450−6において、エンディング時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、特図特電処理において特別遊技終了処理が実行されるように、特図特電データに「04」をセットし、当該特別電動役物制御処理を終了する。
【0227】
図30は、上記ステップS460の特別遊技終了処理を説明するフローチャートである。この特別遊技終了処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=04であると判定した場合に実行される。
【0228】
(ステップS460−1)
まず、メインCPU100aは、メインRAM100cに記憶された特別図柄データ、および、遊技状態バッファに記憶された大当たり当選時の遊技状態に係るデータをロードする。そして、図7に示す遊技状態設定テーブルを参照し、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、高確遊技フラグ、高確回数、時短遊技フラグ、時短回数を設定する。
【0229】
(ステップS460−2)
次に、メインCPU100aは、図9(a)に示す変動パターン選択オフセット識別子設定テーブルにしたがって、メインRAM100cに記憶された特別図柄データ、および、遊技状態バッファに記憶された大当たり当選時の遊技状態に係るデータに基づき、変動パターン選択オフセット識別子を設定する。
【0230】
(ステップS460−3)
次に、メインCPU100aは、図9(b)に示す変動パターン選択用カウンタ値設定テーブルにしたがって、メインRAM100cに記憶された特別図柄データ、および、遊技状態バッファに記憶された大当たり当選時の遊技状態に係るデータに基づき、変動パターン選択用カウンタ値を設定する。
【0231】
(ステップS460−4)
次に、メインCPU100aは、遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドは、上記ステップS460−1で設定された高確遊技フラグ、高確回数、時短遊技フラグ、時短回数、特別遊技の実行契機となった大当たり図柄の種別に係る情報を有している。
【0232】
(ステップS460−5)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、特図特電データに「00」をセットし、当該特別遊技終了処理を終了する。
【0233】
次に、図31〜図35を用いて、主制御基板100において実行される上記の普通図柄遊技に係る処理について説明する。
【0234】
図31は、上記ステップS500の普図普電処理を説明するフローチャートである。
【0235】
(ステップS510)
まず、メインCPU100aは、普図普電データの値をロードする。この普図普電データは、普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、普通電動役物制御処理の実行を示すデータ「13」と、が設けられている。
【0236】
次に、メインCPU100aは、普通図柄変動開始処理(ステップS520)、普通図柄変動停止処理(ステップS530)、普通図柄停止後処理(ステップS540)、普通電動役物制御処理(ステップS550)を実行する。これら各処理について、以下に、図面を参照して説明する。
【0237】
図32は、上記ステップS520の普通図柄変動開始処理を説明するフローチャートである。
【0238】
(ステップS520−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=10と判定した場合にはステップS520−2に処理を移し、普図普電データ=10ではないと判定した場合には当該普通図柄変動開始処理を終了する。
【0239】
(ステップS520−2)
上記ステップS520−1において、普図普電データ=10と判定した場合には、メインCPU100aは、普図保留数(Y)が1以上であるかを判定する。その結果、普図保留数(Y)≧1と判定した場合にはステップS520−3に処理を移し、普図保留数(Y)<1と判定した場合には当該普通図柄変動開始処理を終了する。
【0240】
(ステップS520−3)
上記ステップS520−2において、普図保留数(Y)≧1と判定した場合には、メインCPU100aは、普図保留数(Y)から「1」減算した値を新たな普図保留数(Y)として記憶する。
【0241】
(ステップS520−4)
次に、メインCPU100aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部に記憶されている乱数を第1記憶部にシフトさせて記憶する。同様に、第3記憶部および第4記憶部に乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を番号(序数)の1つ小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された普図保留は、記憶された順に処理領域に書き込まれることとなる。つまり、普図保留記憶領域に記憶された乱数は、先に記憶された乱数から順に読み出されて、当選判定処理に用いられることとなる。
【0242】
(ステップS520−5)
次に、メインCPU100aは、処理領域に複写された普通図柄乱数の当選判定処理を行う。具体的には、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、図14(a)に示す普通図柄判定テーブル1を参照して、処理領域に複写された普通図柄乱数を判定する。また、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、図14(b)に示す普通図柄判定テーブル2を参照して、処理領域に複写された普通図柄乱数を判定する。
【0243】
(ステップS520−6)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS520−5の当選判定処理の結果が当選であるか否かを判定する。その結果、当選の判定結果が得られた場合にはステップS520−7に処理を移し、当選ではなくハズレの判定結果が得られた場合にはステップS520−8に処理を移す。
【0244】
(ステップS520−7)
上記ステップS520−6において、判定結果が当選であると判定した場合には、メインCPU100aは、当たり図柄データをメインRAM100cの所定の領域に記憶する。
【0245】
(ステップS520−8)
一方、上記ステップS520−6において、判定結果がハズレであると判定した場合には、メインCPU100aは、ハズレ図柄データをメインRAM100cの所定の領域に記憶する。
【0246】
(ステップS520−9)
次に、メインCPU100aは、現在の遊技状態が、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、現在の遊技状態に応じて普図変動時間をセットする。具体的には、図15(a)に示すように、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに20秒をセットし、時短遊技状態である場合には普図変動時間カウンタに1秒をセットする。
【0247】
(ステップS520−10)
次に、メインCPU100aは、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示器88が点滅表示を開始する。また、普通図柄の変動表示が開始するのと同時に、普図保留が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示器90が表示制御される。
【0248】
(ステップS520−11)
次に、メインCPU100aは、現在の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。
【0249】
(ステップS520−12)
次に、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図普電データに「11」をセットし、当該普通図柄変動開始処理を終了する。
【0250】
図33は、上記ステップS530の普通図柄変動停止処理を説明するフローチャートである。
【0251】
(ステップS530−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=11と判定した場合にはステップS530−2に処理を移し、普図普電データ=11ではないと判定した場合には当該普通図柄変動停止処理を終了する。
【0252】
(ステップS530−2)
上記ステップS530−1において、普図普電データ=11と判定した場合には、メインCPU100aは、普図変動時間(ステップS520−9でセット)が経過したかを判定する。その結果、普図変動時間が経過したと判定した場合にはステップS530−3に処理を移し、普図変動時間は経過していないと判定した場合には当該普通図柄変動停止処理を終了する。
【0253】
(ステップS530−3)
上記ステップS530−2において、普図変動時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、普通図柄表示器88に普通図柄を停止表示するための停止表示データをセットする。
【0254】
(ステップS530−4)
次に、メインCPU100aは、上記のようにして普通図柄の停止表示を開始したら、停止表示時間カウンタに図柄を停止表示する時間をセットする。
【0255】
(ステップS530−5)
次に、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図普電データに「12」をセットし、当該普通図柄変動停止処理を終了する。
【0256】
図34は、上記ステップS540の普通図柄停止後処理を説明するフローチャートである。
【0257】
(ステップS540−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=12と判定した場合にはステップS540−2に処理を移し、普図普電データ=12ではないと判定した場合には当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0258】
(ステップS540−2)
上記ステップS540−1において、普図普電データ=12と判定した場合には、メインCPU100aは、停止表示時間(ステップS530−4でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、停止表示時間は経過していないと判定した場合には当該普通図柄停止後処理を終了し、停止表示時間を経過したと判定した場合にはステップS540−3に処理を移す。
【0259】
(ステップS540−3)
上記ステップS540−2において、停止表示時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、停止表示されている図柄が当たり図柄であるかを判定する。その結果、停止表示されている図柄は当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS540−5に処理を移し、停止表示されている図柄は当たり図柄であると判定した場合にはステップS540−4に処理を移す。
【0260】
(ステップS540−4)
上記ステップS540−3において、停止表示されている図柄は当たり図柄であると判定した場合には、メインCPU100aは、普図普電処理において普通電動役物制御処理が実行されるように、普図普電データに「13」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0261】
(ステップS540−5)
一方、上記ステップS540−3において、停止表示されている図柄は当たり図柄ではない(ハズレ図柄である)と判定した場合には、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図普電データに「10」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0262】
図35は、上記ステップS550の普通電動役物制御処理を説明するフローチャートである。
【0263】
(ステップS550−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通電動役物制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=13と判定した場合にはステップS550−2に処理を移し、普図普電データ=13ではないと判定した場合には当該普通電動役物制御処理を終了する。
【0264】
(ステップS550−2)
上記ステップS550−1において、普図普電データ=13と判定した場合には、メインCPU100aは、普通電動役物が制御中であるか、すなわち、すでに始動口開閉ソレノイド22cが通電制御中であるかを判定する。その結果、普通電動役物が制御中であると判定した場合には、ステップS550−5に処理を移し、普通電動役物は制御中ではないと判定した場合にはステップS550−3に処理を移す。
【0265】
(ステップS550−3)
上記ステップS550−2において、普通電動役物は制御中ではないと判定した場合には、メインCPU100aは、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれであったかを判定する。
【0266】
(ステップS550−4)
次に、メインCPU100aは、始動口開閉ソレノイド22cの通電制御を開始すべく、上記ステップS550−3において確認した遊技状態に応じて通電制御データをセットする。具体的には、普通図柄の変動開始時の遊技状態が非時短遊技状態であった場合には始動口開閉ソレノイド22cの通電制御データとして、開放回数=1回、1回の開放時間=0.1秒となる通電制御データをセットする。また、普通図柄の変動開始時の遊技状態が時短遊技状態であった場合には、開放回数=2回、1回の開放時間=2.9秒となる通電制御データをセットする。
【0267】
(ステップS550−5)
また、上記ステップS550−2において、普通電動役物が制御中であると判定した場合には、メインCPU100aは、上記ステップS550−4でセットされた通電時間を経過したかを判定する。その結果、通電時間を経過したと判定した場合にはステップS550−6に処理を移し、通電時間は経過していないと判定した場合には当該普通電動役物制御処理を終了する。
【0268】
(ステップS550−6)
上記ステップS550−5において、通電時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、始動口開閉ソレノイド22cの通電を停止する処理を行う。
【0269】
(ステップS550−7)
次に、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図普電データに「10」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0270】
以上のように、主制御基板100において各種の処理が実行されることにより、特別図柄遊技および普通図柄遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板100から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板200において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。以下では、副制御基板200において決定、制御され、特別図柄の変動表示中に演出表示部50aに表示される変動演出について、具体的に説明する。
【0271】
図36は、変動演出を説明する図である。この図に示すように、非時短遊技状態においては、演出表示部50aに表示される3つの演出図柄40a、40b、40cの組み合わせによって、大当たりの抽選結果を遊技者に報知するようにしている。
【0272】
演出図柄40a、40b、40cのそれぞれは、例えば1〜8の数字が記された8種類の図柄から構成されている。そして、特別図柄の変動表示中には、演出図柄40a、40b、40cのそれぞれが、8種類の図柄を縦方向にスクロール表示(変動表示)する。なお、図36(b)における矢印は、演出図柄40a、40b、40cが変動表示中(縦方向のスクロール表示中)であることを示している。そして、特別図柄の変動表示が終了して、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82に特別図柄が停止表示するのとほぼ同じタイミングで、演出表示部50aに、全ての演出図柄40a、40b、40cが停止表示される。
【0273】
そして、停止表示された演出図柄40a、40b、40cの組み合わせにより、大当たりの抽選結果が遊技者に報知される。ここでは、「大当たり」の抽選結果が導出された場合には、演出図柄40a、40b、40cが全て同一図柄で停止表示され、「ハズレ」の抽選結果が導出された場合には、演出図柄40a、40b、40cの少なくとも1つが、他の図柄と異なる図柄で停止表示される。
【0274】
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態においては、変動演出の態様が「リーチなし演出」と「リーチ演出」とに大別される。「リーチなし演出」は、「なし」の発展前変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動演出である。一方、「リーチ演出」は、「ノーマルリーチ」、「疑似1リーチ」、「疑似2リーチ」、「疑似3リーチ」の発展前変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動演出である。
【0275】
「リーチ演出」は、「大当たり」の抽選結果が導出された場合、および、「ハズレ」の抽選結果が導出された場合の双方で実行されるが、「リーチなし演出」は、「ハズレ」の抽選結果が導出された場合にのみ実行される。「リーチなし演出」においては、演出図柄40a、40b、40cが変動表示を開始してから所定時間経過後に、まず、演出図柄40aが停止表示する。その後、さらに所定時間経過後に、演出図柄40cが演出図柄40aと異なる図柄で停止表示し、その後、さらに所定時間が経過したところで、最後に演出図柄40bが停止表示する。このとき、演出図柄40a、40b、40cの全てが同一の図柄で停止表示することはなく、これによって大当たりの抽選結果がハズレであったことが遊技者に報知される。
【0276】
これに対して「リーチ演出」においては、演出図柄40a、40b、40cが変動表示を開始してから所定時間経過後に、まず、演出図柄40aが停止表示される。その後、さらに所定時間経過後に、演出図柄40cが演出図柄40aと同じ図柄で停止表示される。そして、演出表示部50aにおいて、「リーチ」という文字が表示されるとともに、演出表示部50aにおいて種々の表示がなされた後に、演出図柄40a、40b、40cが停止表示する。この「リーチ演出」は、「リーチなし演出」よりも変動時間が長くなっており、本実施形態においては、例えば、20秒〜60秒程度で構成されている。
【0277】
図37は、特殊変動による変動演出を説明する図である。この図に示すように、主制御基板100において、発展後変動パターンとして「特殊変動(12秒)」が決定された場合には、変動演出中に、「左打ち」を促すメッセージが演出表示部50aに表示される。つまり、特別遊技の終了後に時短遊技状態に設定され、このとき、時短回数が「50」に設定された場合において、時短遊技状態に設定されてから50回の大当たりの抽選結果が全て「ハズレ」であると、遊技状態が時短遊技状態から非時短遊技状態に変更される。そして、特別遊技の終了後、51回目の大当たりの抽選結果、換言すれば、時短遊技状態から非時短遊技状態に変更されて最初の大当たりの抽選結果が「ハズレ」であった場合には、必ず「特殊変動(12秒)」の発展後変動パターンコマンドが副制御基板200に送信される。
【0278】
副制御基板200においては、「特殊変動(12秒)」の発展後変動パターンコマンドを受信した場合、図37(a)に示すように、演出表示部50aの全体に、約9秒間にわたって「左打ち」を促すメッセージを表示する。その後、図37(b)に示すように、演出図柄40a、40b、40cを変動表示させるとともに、図37(c)に示すように、演出図柄40a、40b、40cを停止表示させる。
【0279】
上記したように、時短遊技状態においては、次々と第2始動口22に遊技球が入球するため、時短遊技状態から非時短遊技状態に変更された直後には、第2保留が多数留保されている可能性が高い。一方で、保留数が多い場合には、新たな保留を受け入れるべく、保留数が少ない場合よりも変動時間が短くなるように設定されている(図12参照)。そのため、時短遊技状態から非時短遊技状態に変更された場合に、通常時に用いられる変動パターンコマンド決定テーブルを参照して変動パターンを決定してしまうと、短い変動パターンが決定される可能性が高い。
【0280】
そして、変動演出においては、大当たりの抽選の権利が確定したことを明確に遊技者に報知すべく、演出表示部50aに、一定時間、演出図柄40a、40b、40cを停止表示する必要がある。そのため、非時短遊技状態に変更された直後に、短い変動時間で「左打ち」を促そうとすると、「左打ち」のメッセージが遊技者に認識されにくくなってしまう。
【0281】
本実施形態においては、時短遊技状態から非時短遊技状態に変更されたときに、特殊変動(12秒)が決定されることにより、「左打ち」のメッセージを表示するための変動時間が確保される。しかも、本実施形態においては、時短遊技状態に設定する際に、当該時短遊技状態から非時短遊技状態に変更された後に選択すべき変動パターンコマンド決定テーブルをも定めている。換言すれば、いずれの変動パターンコマンド決定テーブルを選択するのかについて、新たに設定する遊技状態の間についてのみ定めるのではなく、遊技状態の変更点を超えて、選択する変動パターンコマンド決定テーブルを定めることとしている。
【0282】
このようにすることで、メインRAM100cをクリアする等して非時短遊技状態に設定された場合には、特殊変動(12秒)が決定されることはなく、時短遊技状態から非時短遊技状態に移行した場合にのみ特殊変動(12秒)を決定することが可能となり、遊技機の仕様や演出等を問わずに、所望の演出を最適なタイミングで実行することができる。
【0283】
次に、上記の変動演出を実行するための副制御基板200の処理について、図38〜図40を用いて簡単に説明する。
【0284】
(副制御基板200のメイン処理)
図38は、副制御基板200のメイン処理を説明するフローチャートである。
【0285】
(ステップS1000)
サブCPU200aは、電源投入に応じて、サブROM200bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM200cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
【0286】
(ステップS1001)
次に、サブCPU200aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1001の処理を繰り返し行う。
【0287】
(副制御基板200のタイマ割込処理)
図39は、副制御基板200のタイマ割込処理を説明するフローチャートである。副制御基板200には、所定の周期(2ms)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU200aはタイマ割込処理プログラムを読み込んで当該タイマ割込処理を開始する。
【0288】
(ステップS1100)
まず、サブCPU200aは、副制御基板200で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
【0289】
(ステップS1200)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板200においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
【0290】
(ステップS1300)
次に、サブCPU200aは、実行中の演出進行状況に応じて、演出操作装置56の操作の受け付け可否を判定するとともに、演出操作装置検出スイッチ56aの信号のチェックを行う。そして、演出操作装置検出スイッチ56aから操作信号が入力されたときに、演出操作装置56の操作受け付け中であった場合には、演出操作装置56が操作されたことを画像制御基板210に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。
【0291】
(ステップS1400)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cの送信バッファにセットされているコマンドを画像制御基板210や電飾制御基板220へ送信し、タイマ割込処理を終了する。
【0292】
図40は、上記コマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動パターンコマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、この変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動パターン決定処理(図23参照)のうち、ステップS421−3およびステップS421−6でセットされた後、ステップS800の出力制御処理(図17参照)によって副制御基板200に送信される。
【0293】
(ステップS1210)
変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、まず、サブCPU200aは、発展前演出決定処理を行う。この発展前演出決定処理については、図41を用いて後述する。
【0294】
(ステップS1220)
次に、サブCPU200aは、発展後演出決定処理を行う。この発展後演出決定処理については、図42を用いて後述する。
【0295】
図41は、発展前演出決定処理を説明するフローチャートである。
【0296】
(ステップS1210−1)
まず、サブCPU200aは、上記ステップS1001で更新された第1演出乱数を取得する。
【0297】
(ステップS1210−2)
次に、サブCPU200aは、受信した発展前変動パターンコマンドを解析する。
【0298】
(ステップS1210−3)
次に、サブCPU200aは、受信した発展前変動パターンコマンドの種別、現在の遊技状態等に基づいて、1の発展前演出決定テーブルを選択する。この発展前演出決定テーブルは、発展前変動パターンコマンドの種別ごとに、また、遊技状態ごとに多数設けられており、受信した発展前変動パターンコマンドの種別、現在の遊技状態等に基づいて、対応する1の発展前演出決定テーブルが選択されることとなる。なお、発展前演出決定テーブルは、演出表示部50aに表示する画像の内容や、演出役物装置52の可動態様、演出照明装置54の点灯態様、音声出力装置58の音声出力態様等が演出乱数に対応付けて記憶されたものである。
【0299】
(ステップS1210−4)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS1210−3で選択された発展前演出決定テーブルと、上記ステップS1210−1で取得した第1演出乱数とに基づいて、発展前演出パターンを決定する。
【0300】
(ステップS1210−5)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS1210−4で決定された発展前演出パターンに対応する発展前演出実行コマンドをサブRAM200cの所定領域にセットする。ここでセットされた発展前演出実行コマンドは、画像制御基板210および電飾制御基板220に送信され、画像制御基板210および電飾制御基板220において、受信したコマンドに基づく各種の演出が実行制御されることとなる。なお、「なし(0秒)」の発展前変動パターンコマンドを受信した場合には、上記ステップS1210−4において、発展前演出パターン=「なし」が決定され、発展前演出が実行されないことを示すコマンドがセットされる。
【0301】
図42は、発展後演出決定処理を説明するフローチャートである。
【0302】
(ステップS1220−1)
まず、サブCPU200aは、上記ステップS1001で更新された第2演出乱数を取得する。
【0303】
(ステップS1220−2)
次に、サブCPU200aは、受信した発展後変動パターンコマンドを解析する。
【0304】
(ステップS1220−3)
次に、サブCPU200aは、受信した発展後変動パターンコマンドの種別、現在の遊技状態等に基づいて、1の発展後演出決定テーブルを選択する。この発展後演出決定テーブルは、発展後変動パターンコマンドの種別ごとに、また、遊技状態ごとに多数設けられており、受信した発展後変動パターンコマンドの種別、現在の遊技状態等に基づいて、対応する1の発展後演出決定テーブルが選択されることとなる。なお、発展後演出決定テーブルは、演出表示部50aに表示する画像の内容や、演出役物装置52の可動態様、演出照明装置54の点灯態様、音声出力装置58の音声出力態様等が演出乱数に対応付けて記憶されたものである。
【0305】
(ステップS1220−4)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS1220−3で選択された発展後演出決定テーブルと、上記ステップS1220−1で取得した第2演出乱数とに基づいて、発展後演出パターンを決定する。
【0306】
(ステップS1220−5)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS1220−4で決定された発展後演出パターンに対応する発展後演出実行コマンドをサブRAM200cの所定領域にセットする。ここでセットされた発展後演出実行コマンドは、画像制御基板210および電飾制御基板220に送信され、画像制御基板210および電飾制御基板220において、受信したコマンドに基づく各種の演出が実行制御されることとなる。
【0307】
なお、本実施形態においては、複数の遊技状態として高確率遊技状態または低確率遊技状態と、時短遊技状態または非時短遊技状態との組み合わせにより、遊技者の有利度合いを異にする複数の遊技状態を設定することとしたが、各遊技状態の内容はこれに限定されるものではない。例えば、大当たりの当選確率を常に一定とし、時短遊技状態もしくは非時短遊技状態の2種類の遊技状態のみを設けることとしてもよいし、また、これとは逆に、高確率遊技状態もしくは低確率遊技状態の2種類の遊技状態のみを設けることとしてもよい。
【0308】
また、本実施形態において、図22のステップS420−5に示す処理を実行するメインCPU100aが抽選手段に相当する。また、本実施形態においては、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球することを始動条件として大当たりの抽選が行われることとしたが、始動条件はこれに限らない。いずれにしても、予め設定された始動条件が成立した場合に、大当たりの抽選が行われることとすればよい。
【0309】
なお、本実施形態において、図11に示す発展後変動パターンコマンド決定テーブル選択用のテーブルによって定められる条件が選択条件に相当する。
【0310】
また、本実施形態における発展後変動パターンコマンド決定テーブルおよび発展前変動パターンコマンド決定テーブルが変動パターン決定テーブルに相当し、変動パターンコマンド決定テーブルが記憶されたメインROM100bが記憶手段に相当する。なお、本実施形態においては、発展後変動パターンおよび発展前変動パターンによって1つの変動パターンが構成されることとしたが、1つの変動パターンのみを決定することとしてもよい。
【0311】
また、本実施形態において、図23に示す変動パターン決定処理を実行するメインCPU100aが変動パターン決定手段に相当する。なお、本実施形態においては、変動パターンに乱数値を対応付けておき、取得した乱数値に基づいて1の変動パターンを決定することとしたが、変動パターンの決定方法は特に限定されるものではない。
【0312】
また、本実施形態において、図40〜図42に示す処理を実行するサブCPU200aが変動演出実行手段に相当する。
また、本実施形態において、図29に示す処理を実行するメインCPU100aが特別遊技実行手段に相当する。
また、本実施形態において、図30のステップS460−1に示す処理を実行するメインCPU100aが遊技状態設定手段に相当する。
また、本実施形態において、図27および図28に示す処理を実行するメインCPU100aが遊技状態変更手段に相当する。
【0313】
また、本実施形態において、低確率遊技状態および時短遊技状態が第1の遊技状態に相当し、このとき設定される時短回数である「50」が第1の上限回数に相当する。
また、本実施形態において、低確率遊技状態および非時短遊技状態が第2の遊技状態であり初期状態に相当する。
また、本実施形態において、図11に示す変動パターン選択オフセット識別子が「4」であることが第1の選択条件に相当し、変動パターン選択オフセット識別子が「0」であり、かつ、変動パターン選択用カウンタ値が「1」であることが第2の選択条件に相当し、変動パターン選択オフセット識別子が「0」であり、かつ、変動パターン選択用カウンタ値が「0」であることが第3の選択条件に相当する。
【0314】
なお、本実施形態においては、第2の選択条件により、第1の遊技状態から第2の遊技状態に変更された場合における最初の抽選結果が導出されたときに選択する変動パターン決定テーブルのみが定められている。しかしながら、例えば、第2の遊技状態に変更された後、例えば5回等、特定回数の抽選結果が導出されるまで選択する変動パターン決定テーブルを第2の選択条件によって定めることとしてもよい。
【0315】
また、本実施形態においては、第2の遊技状態に変更された後の最初の変動演出において、必ず、12秒の特殊変動パターンが決定されることとしたが、複数種類の特殊変動パターンを設けておき、いずれかの特殊変動パターンが決定されることとしてもよい。この場合、第2の遊技状態に変更された後、最初(特定回数に相当する回)の抽選結果が導出されたときに選択される変動パターン決定テーブルには、第2の遊技状態において特定回数の抽選結果が導出された後に決定され得るもっとも短い変動時間よりも長い変動時間が対応付けられていることが望ましい。
【0316】
また、本実施形態においては、第2の遊技状態に変更された後、最初の変動演出において「左打ち」を報知することとしたが、変動演出の具体的な内容は特に限定されるものではない。例えば、遊技状態の変更を示唆するための特別な演出を実行する等、遊技状態の変更に伴う演出を適宜実行すればよい。
【0317】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0318】
1 遊技機
100 主制御基板
100a メインCPU
100b メインROM
100c メインRAM
200 副制御基板
200a サブCPU
200b サブROM
200c サブRAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の進行条件を異にする複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態にて遊技が進行する遊技機であって、
始動条件の成立により、少なくとも遊技者に有利な特別遊技の実行可否が対応付けられた抽選結果を導出する抽選手段と、
前記抽選結果を遊技者に報知するための変動演出の実行時間が対応付けられた1または複数の変動パターンが選択可能に割り振られた複数の変動パターン決定テーブルが記憶された記憶手段と、
前記抽選手段によって抽選結果が導出された場合に、予め設定された選択条件にしたがって、前記記憶手段に記憶された複数の変動パターン決定テーブルの中からいずれかの変動パターン決定テーブルを選択するとともに、当該選択した変動パターン決定テーブルに割り振られている変動パターンの中からいずれかの変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段によって決定された変動パターンに基づいて前記変動演出を実行する変動演出実行手段と、
前記変動演出実行手段によって、前記特別遊技の実行を可能とする抽選結果が導出されたことを報知する変動演出が実行された場合に、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記特別遊技実行手段によって前記特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を、複数の遊技状態の中からいずれかの遊技状態に設定する遊技状態設定手段と、
前記遊技状態設定手段によって設定された遊技状態において、前記特別遊技の実行を可能とする抽選結果が導出されることなく、前記抽選結果が予め設定された上限回数導出された場合に、前記遊技状態設定手段によって設定された遊技状態を終了して他の遊技状態に設定を変更する遊技状態変更手段と、を備え、
前記遊技状態には、
前記上限回数が第1の上限回数に設定された第1の遊技状態と、
前記第1の遊技状態において前記特別遊技の実行を可能とする抽選結果が導出されることなく、前記抽選結果が前記第1の上限回数導出された場合に、前記遊技状態変更手段によって設定される第2の遊技状態と、が少なくとも含まれ、
前記変動パターン決定テーブルを選択するための選択条件には、
前記第1の遊技状態に設定されており、前記抽選結果が前記第1の上限回数以下であるときに選択する変動パターン決定テーブルが定められた第1の選択条件と、前記第1の上限回数を超えて前記第2の遊技状態に変更された後の抽選回数が特定回数になるまで選択する変動パターン決定テーブルが定められた第2の選択条件と、前記第2の遊技状態において前記抽選回数が特定回数に到達した後に選択する変動パターン決定テーブルが定められた第3の選択条件と、が含まれ、
前記変動パターン決定手段は、
前記特別遊技の終了後に前記第1の遊技状態に設定された場合に、前記第1の選択条件にしたがって前記変動パターン決定テーブルを選択するとともに、前記抽選回数が前記第1の上限回数を超えて前記第2の遊技状態に変更された場合に、前記抽選回数が前記特定回数になるまで前記第2の選択条件にしたがって前記変動パターン決定テーブルを選択し、かつ、前記抽選回数が前記特定回数に到達した後は前記第3の選択条件にしたがって前記変動パターン決定テーブルを選択することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第2の遊技状態は遊技機の初期状態であり、前記第1の遊技状態は前記初期状態よりも遊技者に有利な遊技状態であって、
前記変動パターン決定手段は、
リセット処理によって前記初期状態に設定された場合には、当該初期状態における前記抽選回数が前記特定回数になる以前であっても前記第3の選択条件にしたがって前記変動パターン決定テーブルを選択することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記第2の選択条件には、
前記第2の遊技状態に変更された後、最初の抽選結果が導出されたときに選択する変動パターン決定テーブルが定められていることを特徴とする請求項1または2記載の遊技機。
【請求項4】
遊技球を発射させる発射手段と、
前記発射手段によって発射される遊技球が進入可能であって、前記発射手段の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを異にする第1遊技領域および第2遊技領域が形成される遊技盤と、を備え、
前記第1の遊技状態における遊技の進行条件は、前記第1遊技領域よりも前記第2遊技領域に遊技球を進入させた方が有利に設定され、前記第2の遊技状態における遊技の進行条件は、前記第2遊技領域よりも前記第1遊技領域に遊技球を進入させた方が有利に設定されており、
前記第1の上限回数に到達して遊技状態が前記第2の遊技状態に変更された後、前記特定回数に相当する回の抽選結果が導出されたときに選択される変動パターン決定テーブルには、前記第2の遊技状態において前記特定回数の抽選結果が導出された後に決定され得るもっとも短い変動時間よりも長い変動時間が対応付けられた1または複数の変動パターンが選択可能に割り振られていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公開番号】特開2013−63123(P2013−63123A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202271(P2011−202271)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】