遊技機
【課題】演出態様を決定するデータテーブルの記憶容量を増大させずに、保留記憶数別に、上記複数の演出パターンの生起確率を容易に異ならせることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】本発明に係るパチンコ機１は、リーチ決定乱数の範囲に対して変動パターン種別との対応関係が登録された１つの変動パターン種別決定テーブルＴを備え、リーチ決定乱数の範囲内において、当たり決定乱数等を含む始動情報の記憶数別に、乱数範囲の異なる複数の第１段階乱数範囲を設定し、主制御装置２１０において、変動パターン種別の決定時における始動記憶数に対応する乱数範囲の乱数を対応の乱数カウンタから取得し、取得した乱数に対応する変動パターン種別を、当たり決定乱数の判定結果の報知演出に用いる変動パターン種別として決定する。
【解決手段】本発明に係るパチンコ機１は、リーチ決定乱数の範囲に対して変動パターン種別との対応関係が登録された１つの変動パターン種別決定テーブルＴを備え、リーチ決定乱数の範囲内において、当たり決定乱数等を含む始動情報の記憶数別に、乱数範囲の異なる複数の第１段階乱数範囲を設定し、主制御装置２１０において、変動パターン種別の決定時における始動記憶数に対応する乱数範囲の乱数を対応の乱数カウンタから取得し、取得した乱数に対応する変動パターン種別を、当たり決定乱数の判定結果の報知演出に用いる変動パターン種別として決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、遊技者に有利な遊技状態である特賞状態を生起させるか否かを決定するための特賞抽選乱数の保留記憶数別に、特賞抽選乱数の判定結果の報知演出に対応する演出パターンであって、複数種類の演出パターンの生起確率を異なるようにした遊技機に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、特賞抽選乱数の抽選結果に対応した演出の態様を選択するための複数の演出の態様が記憶されたデータテーブルを保留記憶数別に備え、演出の態様を保留記憶数に応じたデータテーブルから選択する構成の遊技機がある（特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００３−３４００４７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、特許文献１に係る遊技機は、保留記憶数別にデータテーブルを用意しているため、保留記憶数の最大数の増加に伴ってデータテーブルの数が増加する。また、演出態様の種類を増加させた場合に各テーブルに対応させる必要がある。そのため、かかる構成においては、仕様によって、データテーブルに必要な記憶容量が増大するといった問題があった。
【０００５】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものである。本発明に係る遊技機は、演出態様を決定するデータテーブルの記憶容量を増大させずに、保留記憶数別に、上記複数の演出パターンの生起確率を容易に異ならせることが可能な遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
〔発明１〕 上記目的を達成するために、発明１の遊技機は、始動入賞口に遊技球が入賞することを契機として、遊技者に有利な遊技状態となる特賞状態を生起させるか否かを決定するための特賞抽選乱数を取得する特賞抽選手段と、前記特賞抽選手段において取得された特賞抽選乱数を予め設定された最大保留数を上限として記憶する特賞抽選乱数記憶手段と、前記特賞抽選乱数記憶手段によって記憶された前記特賞抽選乱数について、所定の順序で、前記特賞状態を生起させるか否かの判定を行う特賞判定手段と、前記特賞抽選手段によって取得した特賞抽選乱数の判定結果に応じた報知演出の演出パターンについて、前記演出パターンを決定するための演出パターン抽選乱数の乱数範囲における各乱数値を、演出時間の異なる複数種類の演出パターンと対応付けて登録した演出パターン決定テーブルと、前記演出パターン抽選乱数の乱数範囲を最大範囲として、前記特賞抽選乱数の記憶数毎に異なる数値範囲に設定された複数の乱数範囲における各乱数範囲の乱数を発生する乱数発生手段と、遊技球が前記始動入賞口に入賞してから当該入賞に対応する前記特賞抽選乱数の判定結果に対する前記報知演出の演出パターンが決定されるまでの期間において、所定タイミングで、前記乱数発生手段の発生する乱数のうち、前記特賞抽選乱数の記憶数に対応する乱数範囲の乱数を、前記演出パターン抽選乱数として取得する演出パターン抽選手段と、前記演出パターン決定テーブルに登録された、前記演出パターン抽選手段で取得した演出パターン抽選乱数に対応する演出パターンを前記報知演出の演出パターンに決定する演出パターン決定手段と、前記演出パターン決定手段で決定した演出パターンに基づき、前記特賞抽選乱数の判定結果の報知演出を行う演出制御手段と、を備えることを特徴とする。
【０００７】
このような構成であれば、特賞抽選手段によって、特賞抽選乱数が取得されると、特賞抽選乱数記憶手段によって、最大保留数を上限に特賞抽選乱数が記憶される。一方、乱数発生手段によって、特賞抽選乱数の記憶数別に、演出パターンの乱数範囲を最大範囲として記憶数が多くなるほど乱数範囲の小さくなる複数の乱数範囲の各乱数範囲の乱数が発生させられる。また、演出パターン抽選手段によって、乱数発生手段から、遊技球の始動入賞口への入賞時から報知演出の開始時までの期間の所定タイミングにおける特賞抽選乱数の記憶数に応じた乱数範囲の乱数が、演出パターン抽選乱数として取得される。また、特賞判定手段によって、特賞抽選乱数記憶手段によって記憶された特賞乱数について、所定の順序で、特賞状態を生起させるか否かの判定が行われる。また、演出パターン決定手段によって、上記構成の演出パターン決定テーブルに登録された演出パターンのうち、演出パターン抽選手段で取得した演出パターン抽選乱数に対応する演出パターンが報知演出の演出パターンとして決定される。そして、演出制御手段によって、演出パターン決定手段で決定された演出パターンに基づき、特賞判定手段における特賞抽選乱数の判定結果の報知演出が行われる。
【０００８】
つまり、１つの演出パターン決定テーブルに対して、特賞抽選乱数の記憶数別に、異なる乱数範囲の乱数を発生させて、各記憶数に対して、演出時間の異なる複数種類の演出パターンの生起確率を異ならせるようにした。
これによって、演出パターン決定テーブルのデータ量はそのままに、各記憶数に対して、演出時間の異なる複数種類の演出パターンの生起確率を異ならせることが可能となる。
ここで、始動入賞口に遊技球が入賞するとは、遊技球が始動入賞口を通過すると共に、内部のセンサやスイッチ等によって遊技球の通過が検出される領域を通過することと同義である。このことは、以下の発明の記載において同様である。
【０００９】
〔発明２〕 さらに、発明２の遊技機は、発明１の遊技機において、前記演出パターン決定テーブルは、前記演出パターン抽選乱数の乱数範囲における各乱数値を、当該乱数値が小さいほど短い演出時間の演出パターンに対応し、かつ当該乱数値が大きいほど長い演出時間の演出パターンに対応するように演出時間の異なる複数種類の演出パターンと対応付けて登録したテーブルであり、前記複数の乱数範囲は、前記記憶数が多くなる毎に前記演出パターンの乱数範囲の最大値が小さくなるように設定された乱数範囲であることを特徴とする。
【００１０】
このような構成であれば、特賞抽選乱数の記憶数が多いほど乱数範囲の最大値が小さくなりかつ乱数範囲が小さくなる。そのため、特賞抽選乱数の記憶数が多いほど、小さくなった最大値以上の乱数値が出なくなり、比較的小さい乱数値が出やすくなる。その結果、演出時間の短い演出パターンが報知演出の演出パターンとして決定されやすくなる。つまり、特賞抽選乱数の記憶数が多ければ多いほど報知演出の演出時間が短くなり、次の特賞抽選乱数の当たり判定処理を実行するまでの時間を早くすることが可能となる。
【００１１】
〔発明３〕 さらに、発明３の遊技機は、発明１又は２の遊技機において、前記所定タイミングは、前記報知演出の演出パターンを決定時のタイミングであることを特徴とする。
このような構成であれば、演出パターン抽選手段によって、演出パターンを決定時における特賞抽選乱数の記憶数に応じた乱数範囲の乱数を乱数発生手段から取得することができる。
これによって、報知演出を実行時の特賞抽選乱数の記憶数に対応する演出パターンを当該報知演出の演出パターンとして決定することが可能となる。
【００１２】
〔発明４〕 さらに、発明４の遊技機は、発明１又は２の遊技機において、前記所定タイミングは、前記遊技球の前記始動入賞口への入賞時のタイミングであることを特徴とする。
このような構成であれば、演出パターン抽選手段によって、遊技球の前記始動入賞口への入賞時の特賞抽選乱数の記憶数に応じた乱数範囲の乱数を乱数発生手段から取得することができる。
これによって、特賞抽選乱数記憶手段で記憶された特賞抽選乱数に対応する演出パターンの種類を報知演出の実行前に知ることができるので、事前に知った演出パターン種類に応じた演出を行うことが可能となる。
【００１３】
ここで、演出パターン種類に応じた演出としては、例えば、特賞抽選乱数記憶手段で記憶された特賞抽選乱数に対して当たりが生起することを示唆するメッセージや図柄等を表示する演出が該当する。また、示唆するメッセージ等の表示に加えて、特賞抽選乱数の記憶数を明示する図柄を表示し、該図柄における示唆に該当する図柄の色や形状を変化させるなどの演出なども該当する。
【００１４】
〔発明５〕 さらに、発明５の遊技機は、発明１乃至４のいずれか１の遊技機において、前記特賞抽選手段において前記特賞抽選乱数が取得された際に、前記特賞抽選乱数記憶手段によって記憶された特賞抽選乱数のうち、当該取得された特賞抽選乱数より先に前記特賞判定手段による判定が行われる特賞抽選乱数に対応する演出パターン抽選乱数について、当該演出パターン抽選乱数に対応する演出パターンの種類に基づき、前記特賞抽選の結果を示唆する示唆演出を実行する示唆演出制御手段を備えることを特徴とする。
このような構成であれば、事前に知った演出パターンの種類に応じた示唆演出を行うことが可能となる。例えば、演出パターンの種類に応じて信頼度が設定されている場合に、該信頼度に応じた示唆演出を行うことが可能となる。
【００１５】
〔発明６〕 さらに、発明６の遊技機は、発明１乃至５のいずれか１の遊技機において、前記複数の乱数範囲における、前記各記憶数に対して共通の乱数範囲部分に対応する第１の演出パターン決定テーブルと、前記各記憶数に対して非共通の乱数範囲部分に対応する第２の演出パターン決定テーブルとを備え、前記演出パターン決定手段は、前記第１及び第２の演出パターン決定テーブルのうち、前記演出パターン抽選手段で取得した演出パターン抽選乱数に対応するパターンテーブルを用いて前記報知演出の演出パターンを決定し、前記示唆演出制御手段は、前記第１の演出パターン決定テーブルを用いて決定される演出パターンに対してのみ、前記示唆演出を行うことを特徴とする。
【００１６】
このような構成であれば、第１の演出パターン決定テーブルの乱数範囲を、複数の乱数範囲に共通の固定の乱数範囲として取り扱うことが可能となる。一方、第２の演出パターン決定テーブルの乱数範囲は、複数の乱数範囲に対して非共通となるので、不定の乱数範囲として取り扱うことが可能となる。そして、この固定の乱数範囲に対応する演出パターンに基づき示唆演出を行うことが可能となる。
これによって、不定値の範囲で決定される演出パターンについては示唆演出を行わないので、遊技球の始動入賞口への入賞時の特賞抽選乱数の記憶数と、報知演出開始時の特賞抽選乱数の記憶数とが食い違っていても、遊技者に違和感を生じさせない示唆演出を行うことが可能となる。
【００１７】
〔発明７〕 さらに、発明７の遊技機は、発明６の遊技機において、前記第１の演出パターン決定テーブルは、前記共通の乱数範囲部分の各乱数値を、当該乱数値が小さいほど短い演出時間となり、かつ当該乱数値が大きいほど長い演出時間となるように演出時間の異なる複数種類の演出パターンと対応付けて登録したものであり、前記第２の演出パターン決定テーブルは、前記非共通の乱数範囲部分の各乱数値を、当該乱数値が小さいほど短い演出時間となり、かつ当該乱数値が大きいほど長い演出時間となるように前記複数種類の演出パターンと対応付けて登録したものであることを特徴とする。
【００１８】
このような構成であれば、第１の演出パターン決定テーブルは、複数の乱数範囲に共通の乱数範囲部分に対して、複数種類の演出パターンが対応付けられているので、複数種類の演出パターンに基づく示唆演出を行うことが可能となる。
これによって、変化に富んだ示唆演出を行うことが可能となる。
【００１９】
〔発明８〕 さらに、発明８の遊技機は、発明１乃至７のいずれか１の遊技機において、図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能な表示手段を備え、前記演出制御手段は、前記報知演出として、前記表示手段において、前記図柄を変動表示した後、前記特賞抽選の結果に応じた態様で前記図柄を停止表示させる演出処理を行い、前記複数種類の演出パターンは、前記図柄の変動表示において前記特賞状態の生起する図柄で停止する可能性のあることを予告するリーチ演出を行わない演出パターンと、前記図柄の変動表示において前記リーチ演出を行う演出パターンとを含むことを特徴とする。
【００２０】
このような構成であれば、リーチ演出を行わない演出パターンは図柄の変動表示時間が短くなり、リーチ演出を行う演出パターンは図柄の変動表示時間が長くなる。従って、特賞抽選乱数の記憶数が多いときは、リーチ演出を行わない演出パターンが選択され易くなるので、記憶数が多いときほど図柄の変動表示時間を短くすることが可能となる。
【発明の効果】
【００２１】
以上説明したように、発明１乃至８のいずれか１によれば、保留記憶数別に、複数種類の演出パターンの生起確率を異なるものにするに際して、従来と比較して、演出パターン決定テーブルに必要なデータ量（記憶容量）を低減することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】パチンコ機における遊技盤面の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
【図２】パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
【図３】第一始動情報記憶領域及び第二始動情報記憶領域を説明するための図である。
【図４】特別図柄の停止図柄の態様を示す図である。
【図５】第１実施形態に係る主制御装置から演出制御装置に出力される演出制御コマンドの内容を示す図である。
【図６】（ａ）は、変動パターン種別決定テーブルの一例を示す図であり、（ｂ）は、各始動情報記憶数に対応する乱数範囲の一例を示す図であり、（ｃ）は、各始動情報記憶数に対する通常変動系の割合の一例を示す図である。
【図７】（ａ）〜（ｄ）は、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４について、各変動パターン種別に対して割り当てられる乱数の個数の一例を示す図である。
【図８】遊技制御処理を示すフローチャートである。
【図９】入賞スイッチ入力処理を示すフローチャートである。
【図１０】第一始動情報記憶更新処理を示すフローチャートである。
【図１１】変動設定処理を示すフローチャートである。
【図１２】当たり判定処理を示すフローチャートである。
【図１３】変動パターン決定処理を示すフローチャートである。
【図１４】演出制御装置が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。
【図１５】（ａ）〜（ｃ）は、変動パターン種別決定テーブルの変形例を示す図であり、（ｄ）は、各始動情報記憶数に対応する乱数範囲の一例を示す図である。
【図１６】第２実施形態に係る主制御装置から演出制御装置に出力される演出制御コマンドの内容を示す図である。
【図１７】第２実施形態に係る第一始動情報記憶更新処理を示すフローチャートである。
【図１８】リーチ決定乱数の取得処理を示すフローチャートである。
【図１９】事前判定処理を示すフローチャートである。予告演出実行処理を示すフローチャートである。
【図２０】第２実施形態に係る演出制御装置が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。補助演出実行処理を示すフローチャートである。
【図２１】事前判定情報コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図２２】演出図柄表示装置における予告演出表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００２３】
〔第１実施形態〕
以下、本発明の第１実施形態を図面に基づき説明する。図１〜図１４は、本発明に係る遊技機の第１実施形態を示す図である。
本実施形態は、本発明に係る遊技機を、図１に示すように、パチンコ機に適用したものである。
【００２４】
（遊技盤面の構成）
まず、パチンコ機１における遊技盤面１０２の構成を説明する。
図１は、パチンコ機における遊技盤面の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
図１に示すように、遊技盤面１０２のほぼ中央部には、演出画像を表示することが可能な演出図柄表示装置１０４が設けられている。演出図柄表示装置１０４は、例えば、液晶ディスプレイ、ＣＲＴ（Ｃａｔｈｏｄｅ Ｒａｙ Ｔｕｂｅ）ディスプレイ等の表示装置によって構成される。本実施形態では、演出図柄表示装置１０４に、背景等の演出画像及び複数の図柄を動画として可変表示することで、多彩な演出画像及び演出図柄の表示を実現する。
【００２５】
演出図柄表示装置１０４は、予め設定された第１，第２，第３の表示領域Ｒ１（左），Ｒ２（中），Ｒ３（右）のそれぞれにおいて、演出図柄Ｚ（Ｚ（左），Ｚ（中），Ｚ（右））の変動表示及び停止表示を行う。ここで、本実施形態では、演出図柄Ｚは、図柄中に数字画像を含んで構成される。そして、演出図柄Ｚの変動表示とは、第１，第２，第３の表示領域Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３のそれぞれにおいて、複数種類の演出図柄Ｚをスクロールさせた状態で表示することをいう。また、演出図柄Ｚの停止表示とは、第１，第２，第３の表示領域Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３のそれぞれにおいて、演出図柄Ｚを停止させた状態で表示することをいう。
【００２６】
そして、演出図柄表示装置１０４において、第１，第２，第３の表示領域Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３で停止表示される演出図柄Ｚの組み合わせによって、当たり抽選の結果を報知する。
演出図柄表示装置１０４の下方には、遊技球を左右方向及び前後方向に転動させることが可能なステージ１０８が設けられている。また、演出図柄表示装置１０４の左側には、流入した遊技球をステージ１０８に放出させるワープ入口１１２が設けられている。ステージ１０８は、前面側が開放しており、放出された遊技球を転動させた後、遊技盤面１０２に放出する。また、ステージ１０８の左右方向の中央部の奥側には、遊技球導出路１０８ａが設けられている。そして、遊技球導出路１０８ａに流入した遊技球は、遊技盤面１０２における、後述する第一始動入賞口１１１ａの真上に導出される。
【００２７】
演出図柄表示装置１０４の左側には、普通図柄始動ゲート１２２が設けられている。普通図柄始動ゲート１２２は、遊技球が通過すると、パチンコ機１内部の始動ゲートスイッチ（図示せず）の検出信号により遊技球の通過を検知し、普通図柄による抽選の契機を与える。また、普通図柄始動ゲート１２２の下方には、遊技球を常時入賞可能とする２つの一般入賞口１２４，１２５が設けられている。
【００２８】
演出図柄表示装置１０４の下方には、始動入賞装置１１１が設けられている。始動入賞装置１１１は、第一始動入賞口１１１ａと、第一始動入賞口１１１ａの下側に設けられた第二始動入賞口１１１ｂとを有している。第一始動入賞口１１１ａは、常時、遊技球が入賞可能となるように上向きに開口した入賞口（いわゆるヘソ）である。第二始動入賞口１１１ｂは、入賞確率を変更することが可能な電動役物（いわゆる電動チューリップ）である。第二始動入賞口１１１ｂは、通常時は、遊技球が入賞することができないように閉止状態であるが、普通図柄表示装置１０６の表示が特定の態様となったときに、所定パターンで開放状態となって遊技球を入賞可能とする。
【００２９】
第一始動入賞口１１１ａは、遊技球が入賞すると、パチンコ機１内部の第一始動入賞口スイッチ１３１ａ（図２参照）の検出信号により遊技球の入賞を検知し、演出図柄表示装置１０４における演出図柄Ｚの変動表示開始の契機及び特別図柄表示装置１０７ａにおける特別図柄の変動表示開始の契機を与える。また、第二始動入賞口１１１ｂは、遊技球が入賞すると、パチンコ機１内部の第二始動入賞口スイッチ１３１ｂ（図２参照）の検出信号により遊技球の入賞を検知し、演出図柄表示装置１０４における演出図柄Ｚの変動表示開始の契機及び特別図柄表示装置１０７ｂにおける特別図柄の変動表示開始の契機を与える。特別図柄及び演出図柄Ｚの変動表示は、所定の変動時間経過後に停止し、当たり抽選の結果の報知や演出が行われる。
【００３０】
本実施形態において、遊技球が入賞するとは、遊技球が入賞口又はゲートを通過すると共に、遊技球の通過を検出するスイッチの設けられた領域を通過することと同義である。例えば、第一始動入賞口１１１ａの場合は、遊技球が第一始動入賞口１１１ａを通過すると共に、内部の第一始動入賞口スイッチ１３１ａの設けられた領域を通過することと同義である。このことは、第二始動入賞口１１１ｂ、各種一般入賞口１２４，１２５、以下に説明する大入賞口１１５についても同様である。
【００３１】
始動入賞装置１１１の右側には、２つの特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂが設けられている。各特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂは、例えば、液晶ディスプレイ又はＣＲＴディスプレイ等の可変表示装置、７セグメントＬＥＤ、ドットマトリクスＬＥＤ等によって構成される。各特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂは、数字や図柄等からなる特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、各特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂは、停止表示された特別図柄によって、当たり抽選の結果を報知する。この際、特別図柄表示装置１０７ａは、第一始動入賞口１１１ａへの遊技球の入賞を契機として行われた当たり抽選の結果を報知する。また、特別図柄表示装置１０７ｂは、第二始動入賞口１１１ｂへの遊技球の入賞を契機として行われた当たり抽選の結果を報知する。ここで、各特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂにおいて停止表示された特別図柄が特定の図柄となって生起する遊技状態を「特賞状態（当たり）」という。特賞状態とは、遊技者へ多数の賞球を払い出す等の所定の遊技価値を付与する有利な遊技状態をいう。また、各特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂにおける特別図柄の表示と、演出図柄表示装置１０４における演出図柄Ｚの表示とは、互いに対応付けられている。
【００３２】
特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂの右側には、普通図柄表示装置１０６が設けられている。普通図柄表示装置１０６は、例えば、液晶ディスプレイ又はＣＲＴディスプレイ等の可変表示装置、７セグメントＬＥＤ、ドットマトリクスＬＥＤ等によって構成される。普通図柄表示装置１０６は、数字や図柄等からなる普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、普通図柄表示装置１０６は、停止表示された普通図柄によって、普通図柄による抽選の結果を報知する。
【００３３】
特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂの上側には、特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａ，１０９ｂ及び普通図柄始動情報記憶数表示装置１０３が設けられている。特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａ，１０９ｂ及び普通図柄始動情報記憶数表示装置１０３は、それぞれ、例えば、ＬＥＤ等によって構成されている。
【００３４】
特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａ，１０９ｂは、後述する特別図柄の始動情報が主制御装置２１０のＲＡＭ２４０における特別図柄用の始動情報記憶領域に記憶されることに連動して点灯し、始動情報記憶数（いわゆる、保留玉数）を表示する。ここで、パチンコ機１では、第一始動入賞口１１１ａへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数及び第二始動入賞口１１１ｂへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数を、それぞれ個別に表示する。すなわち、第一始動入賞口１１１ａへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数を特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａに表示するとともに、第二始動入賞口１１１ｂへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数を特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ｂに表示する。
【００３５】
普通図柄始動情報記憶数表示装置１０３は、普通図柄の始動情報が主制御装置２１０のＲＡＭ２４０における普通図柄用の始動情報記憶領域に記憶されることに連動して点灯し、連続して普通図柄の変動表示を行うことが可能な回数を表示する。
始動入賞装置１１１の下方には、大入賞口１１５が設けられている。大入賞口１１５は、通常時は閉止状態であるが、特賞状態が生起されたときに、所定パターンで開放状態となることによって遊技球を入賞可能とする。すなわち、大入賞口１１５は、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂに停止表示された特別図柄が特定の図柄となり特賞状態が生起された際に、大入賞口１１５の前面に設置された開閉部材１１５ａを開くことにより開放動作を行う。
【００３６】
大入賞口１１５の開放動作は、所定の時間（例えば、３０秒）経過するか、所定数（例えば１０個等）の遊技球が入賞するまで（１ラウンド）継続する。また、大入賞口１１５の開放動作は、特賞状態の種類に応じて設定されたラウンド数だけ繰り返し行われる。そして、大入賞口１１５に遊技球が入賞すると、パチンコ機１内部の大入賞口スイッチ１３２（図２参照）の検出信号により入賞が検出され、遊技球の入賞が検出される毎に賞球が払い出される。
【００３７】
そして、大入賞口１１５の下方であって遊技盤面１０２の最下方には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口１１０が設けられている。
なお、遊技盤面１０２においては、各入賞口に遊技球を導くように複数の釘（図示せず）が配置されている。
【００３８】
また、以下、特賞状態（当たり）の終了後に当たり抽選の当選確率が低確率（通常確率）となる遊技状態を「低確率状態」といい、特賞状態の終了後に当たり抽選の当選確率が低確率状態と比較して高確率（例えば、通常確率の１０倍）となる遊技状態を「確率変動状態」という。また、特別図柄及び演出図柄Ｚの変動時間が短縮する遊技状態を「時短状態」という。時短状態では、普通図柄の抽選確率が通常時の抽選確率と比較して高確率（例えば、１０倍）になるとともに、第二始動入賞口１１１ｂの開放時間が通常時の開放時間と比較して延長される。また、時短状態では、普通図柄の変動時間が通常時と比較して短くなる。
【００３９】
（制御系の構成）
次に、パチンコ機１における制御系の構成を説明する。
図２は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図２に示すように、パチンコ機１は、第一始動入賞口スイッチ１３１ａと、第二始動入賞口スイッチ１３１ｂと、大入賞口スイッチ１３２と、各種入賞口スイッチ１３３とを備えている。
【００４０】
第一始動入賞口スイッチ１３１ａは、第一始動入賞口１１１ａへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置２１０に出力する。第二始動入賞口スイッチ１３１ｂは、第二始動入賞口１１１ｂへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置２１０に出力する。大入賞口スイッチ１３２は、大入賞口１１５への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置２１０に出力する。各種入賞口スイッチ１３３は、普通図柄始動ゲート１２２への遊技球の通過等を検出し、検出信号を主制御装置２１０に出力する。
【００４１】
また、パチンコ機１は、制御部として、主に、主制御装置２１０及び演出制御装置１５０を備えている。不正行為防止等のため、主制御装置２１０及び演出制御装置１５０は、それぞれ別々の基板に実装される。また、主制御装置２１０から演出制御装置１５０への一方向にのみデータの送信が可能となっている。
【００４２】
主制御装置２１０は、主として、第一始動入賞口１１１ａへの遊技球の入賞の検出及び第二始動入賞口１１１ｂへの遊技球の入賞の検出に応じて、各種の乱数を発生（抽出）させる。そして、主制御装置２１０は、発生させた各種乱数に基づいて、制御コマンドの送信及び遊技全体の制御を行う。また、主制御装置２１０は、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂ、普通図柄表示装置１０６、特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａ，１０９ｂ、普通図柄始動情報記憶数表示装置１０３、賞球払出制御装置１５６、大入賞口ソレノイド１５８及び電動チューリップ（図示せず）を直接制御（ポート出力制御）する。
【００４３】
主制御装置２１０は、ＣＰＵ２２０と、ＲＯＭ２３０と、ＲＡＭ２４０と、入力ポート２５０と、出力ポート２５５とを備える。
入力ポート２５０は、第一始動入賞口スイッチ１３１ａ、第二始動入賞口スイッチ１３１ｂ、大入賞口スイッチ１３２及び各種入賞口スイッチ１３３のそれぞれから出力された検出信号をＣＰＵ２２０に出力する。
【００４４】
出力ポート２５５は、演出制御装置１５０、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂ、普通図柄表示装置１０６、特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａ，１０９ｂ、普通図柄始動情報記憶数表示装置１０３、賞球払出制御装置１５６及び大入賞口ソレノイド１５８のそれぞれに制御コマンドや制御信号を出力する。また、出力ポート２５５は、パチンコ機１の出玉情報や異常信号をホールコンピュータ５００に出力する。これにより、ホールコンピュータ５００においてパチンコ機１の遊技状況等を遠隔監視する。
【００４５】
ＲＯＭ２３０には、主制御装置２１０で実行されるパチンコ機１を制御するためのプログラム、遊技制御用のデータ等が記憶されている。遊技制御用のデータには、当たり、当たり種別、停止図柄、変動パターン種別、変動パターン等を決定するためのデータテーブルが含まれる。更に、遊技制御用のデータには、演出制御装置１５０を制御するための各種制御コマンド等が含まれる。ここで、各種制御コマンドとしては、図柄指定コマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、始動情報記憶数コマンド、演出開始コマンド、状態指定コマンド等がある。
【００４６】
ＲＡＭ２４０は、主制御装置２１０に対する入出力データ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等を一時的に記憶する。また、ＲＡＭ２４０は、特別図柄用の始動情報記憶領域及び普通図柄用の始動情報記憶領域を有する。ここで、特別図柄用の始動情報記憶領域には、第一始動入賞口１１１ａへの遊技球の入賞を契機として取得される始動情報（以下、第一始動情報とする）を記憶する領域（以下、第一始動情報記憶領域とする）が設けられている。更に、特別図柄用の始動情報記憶領域には、第二始動入賞口１１１ｂへの遊技球の入賞を契機として取得される始動情報（以下、第二始動情報とする）を記憶する領域（以下、第二始動情報記憶領域とする）が設けられている。
【００４７】
ここで、始動情報とは、始動入賞口１１１ａ，１１１ｂへの遊技球の入賞を契機として取得された各種乱数値等の情報（例えば、当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数等）をいう。これにより、特別図柄用の始動情報記憶領域では、第一始動情報及び第二始動情報が、それぞれ個別に記憶される。
図３は、第一始動情報記憶領域及び第二始動情報記憶領域を説明するための図である。
【００４８】
第一始動情報記憶領域及び第二始動情報記憶領域は、それぞれ、始動情報を所定上限数（所定数）まで記憶する。本実施形態では、図３に示すように、第一始動情報記憶領域は、１番目から４番目までの４つの記憶部（Ａ１からＡ４）を有しており、それぞれの記憶部に第一始動情報を記憶することにより、４つの第一始動情報を記憶する。また、第二始動情報記憶領域は、１番目から４番目までの４つの記憶部（Ｂ１からＢ４）を有しており、それぞれの記憶部に第二始動情報を記憶することにより、４つの第二始動情報を記憶する。
【００４９】
ここで、主制御装置２１０は、第一始動情報記憶領域及び第二始動情報記憶領域のそれぞれに記憶されている始動情報について、１番目の記憶部に記憶されている始動情報から順に当たり判定を行い、判定を行った始動情報を各始動情報記憶領域から削除する。
以下、始動情報に対して当たり判定を行い、判定を行った始動情報を始動情報記憶領域から削除する動作を「始動情報の消化」という。
【００５０】
また、普通図柄の始動情報記憶領域には、普通図柄始動ゲート１２２への遊技球の通過を契機として取得された乱数等の情報が所定上限数（本実施形態では、４つ）まで記憶される。
また、ＲＡＭ２４０は、演出制御装置１５０等に出力すべき制御コマンドを一時的に記憶しておくためのコマンド記憶領域を有する。そして、パチンコ機１では、停電等による電源遮断が発生した場合、停電から復帰した際に、ＲＡＭ２４０の記憶内容を停電直前の状態に復元し、ＲＡＭ２４０のコマンド記憶領域に記憶されている出力すべき制御コマンドを出力することにより、遊技状態を電源遮断前の状態に復帰させる。
【００５１】
また、主制御装置２１０には、電源供給を行うための電源回路２１２が接続されている。
演出制御装置１５０は、主制御装置２１０と同様に、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、入力ポート及び出力ポートを備える。
演出制御装置１５０のＲＯＭには、演出を制御するためのプログラム、各種データ等が記憶されている。演出制御装置１５０のＲＡＭには、主制御装置２１０から入力された制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶される。演出制御装置１５０のＣＰＵは、ＲＯＭに記憶されたプログラムにしたがって処理を実行することにより、表示制御部１５１による演出図柄表示装置１０４の制御、ランプ制御部１５２によるランプ１５４の制御及び効果音制御部１５３によるスピーカ１５５からの効果音の出力の制御を行う。
【００５２】
演出制御装置１５０は、演出図柄表示装置１０４における表示を制御する表示制御部１５１と、ランプ１５４の点灯、点滅等を制御するランプ制御部１５２と、スピーカ１５５からの効果音の出力を制御する効果音制御部１５３とを備える。演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から受信した制御コマンドに従って演出制御装置１５０内で送信される内部コマンドを生成し、該内部コマンドを送信することによって、表示制御部１５１、ランプ制御部１５２及び効果音制御部１５３のそれぞれを制御する。
【００５３】
特に、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から受信した制御コマンドに従って、表示制御コマンドを生成する。そして、演出制御装置１５０は、生成した表示制御コマンドを表示制御部１５１に送信することにより、表示制御部１５１を制御する。
ランプ制御部１５２は、演出制御装置１５０から入力される内部コマンドに応じて、実行すべきランプ演出を決定し、該ランプ演出に対応する制御データをＲＯＭから読み出して、該制御データに基づいてランプ１５４の点灯、点滅、消灯等を行う。
【００５４】
効果音制御部１５３は、演出制御装置１５０から入力される内部コマンドに応じて、実行すべき効果音演出を決定し、該効果音演出に対応する音響データをＲＯＭから読み出してスピーカ１５５に出力する。
表示制御部１５１は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、画像処理用ＶＤＰ（Ｖｉｄｅｏ Ｄｉｓｐｌａｙ Ｐｒｏｃｅｓｓｏｒ）、入力ポート及び出力ポートを備える。
【００５５】
表示制御部１５１のＲＯＭには、表示演出制御を行うためのプログラム、各種画像データ等が記憶されている。表示制御部１５１のＲＡＭには、ＣＰＵに対する入出力データや演算処理のためのデータが一時的に記憶され、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。
表示制御部１５１のＣＰＵは、演出制御装置１５０から入力された表示制御コマンドに応じて、ＲＯＭに記憶されたプログラムに従って、該表示制御コマンドに応じた画像データをＲＯＭから読み出して、該画像データをＶＤＰに出力する。画像処理用ＶＤＰは、ＣＰＵからの出力指示に従って、出力ポートを介して演出図柄表示装置１０４に画像データを出力する。
【００５６】
（特別図柄及び演出図柄の停止表示の態様）
次に、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂにおける特別図柄の停止表示の態様及び演出図柄表示装置１０４における演出図柄Ｚの停止表示の態様を説明する。
図４は、特別図柄の停止図柄の態様を示す図である。
パチンコ機１においては、図４に示すように、当たり（特賞状態）の種別として、「通常大当たり」、「確変１大当たり」、「確変２大当たり」、「確変３大当たり」及び「小当たり」の５つが規定されている。
【００５７】
通常大当たりとなったときは、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂにおいて特別図柄を通常図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを通常図柄で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを通常図柄で停止表示する場合、例えば、演出図柄表示装置１０４の第１，第２，第３の表示領域Ｒ１（左），Ｒ２（中），Ｒ３（右）において、「２，２，２」、「４，４，４」、「６，６，６」等の偶数の同一の数字が揃う組み合わせで演出図柄Ｚ（Ｚ（左），Ｚ（中），Ｚ（右））を停止表示させる。また、通常大当たりとなったときは、当たり時における大入賞口１１５の最高開放回数、すなわちラウンドの最高継続回数が１５回となり、当たり後の１００回の抽選において時短状態となる。さらに、通常大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が低確率状態に設定される。
【００５８】
確変１大当たりとなったときは、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂにおいて特別図柄を確変１図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを確変１図柄で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを確変１図柄で停止表示する場合、例えば、演出図柄表示装置１０４の第１，第２，第３の表示領域Ｒ１（左），Ｒ２（中），Ｒ３（右）において、「１，１，１」、「３，３，３」、「５，５，５」といった奇数の同一の数字が揃う組み合わせで演出図柄Ｚ（Ｚ（左），Ｚ（中），Ｚ（右））を停止表示させる。また、確変１大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が１５回となり、当たり後において時短状態となる。さらに、確変１大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【００５９】
確変２大当たりとなったときは、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂにおいて特別図柄を確変１図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを確変２図柄で停止表示させるように制御する。また、確変２大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が２回となり、当たり後において時短状態となる。さらに、確変２大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【００６０】
確変３大当たりとなったときは、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂにおいて特別図柄を確変１図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを確変３図柄で停止表示させるように制御する。また、確変３大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が２回となる。また、確変３大当たりとなったときは、当たり時（当たり発生を報知するための特別図柄の変動表示が開始された時点）に時短未作動状態である場合は、当たり後において時短状態となり、当たり時に時短状態である場合は、当たり後において時短状態を継続させる（時短継続制御）ように制御する。さらに、確変３大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【００６１】
確変２大当たり、確変３大当たりは、１ラウンドの期間（大入賞口１１５の開放時間）が通常大当たりと比較して短く（数ｍｓ程度）、ラウンドの最高継続回数も２回しかないので、遊技者に対しては、当たりとならずに確率変動状態に突然移行したかのような意外性を与えることができる。
【００６２】
小当たりとなったときは、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂにおいて特別図柄を小当たり図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを小当たり図柄で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置１０４において停止表示される確変３図柄及び小当たり図柄は、１又は複数の特定の図柄の組み合わせからなり、両者を区別することができないようになっている。また、小当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が２回となり、小当たり後において時短機能の作動、未作動が変化しないように制御する。さらに、小当たりとなったときは、小当たり終了後の遊技状態が、小当たり前の遊技状態と同じ遊技状態に設定される。
【００６３】
なお、当たりの種別は、上記種別に限られるものではなく、上記以外の別の種別を備える構成としても構わない。また、上記当たりの種別を全て備える必要はなく、その遊技機の特性に応じて、各当たりの種別を個々に組み合わせて構成することができる。
さらに、第一始動情報に基づいて生起され得る当たりの種別及び第二始動情報に基づいて生起され得る当たりの種別を互いに異なる構成とすることによって、より変化に富んだ遊技が提供され、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
【００６４】
（制御コマンドの構造及び内容）
次に、主制御装置２１０から演出制御装置１５０に出力される制御コマンドの構造及び内容を説明する。
図５は、主制御装置から演出制御装置に出力される演出制御コマンドの内容を示す図である。
制御コマンドは、図５に示すように、制御コマンドの分類を識別するための識別子で１バイト長のディジタルデータであるモード（ＭＯＤＥ）と、実行される制御コマンドの内容（機能）を示す１バイト長のディジタルデータであるイベント（ＥＶＥＮＴ）とからなる。
【００６５】
主制御装置２１０では、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号（ＤＵＳＴＢ）の１つ目の立ち上がりを契機として、モード（ＭＯＤＥ）データが出力され、次いでストローブ信号（ＤＵＳＴＢ）の２つ目の立ち上がりを契機として、イベント（ＥＶＥＮＴ）データが出力される。これに対応して、演出制御装置１５０では、ＣＰＵにより、ストローブ信号（ＤＵＳＴＢ）の入力に応じて割込を発生させ、割込処理によって演出制御コマンドが演出制御装置１５０のＲＡＭに格納される。
【００６６】
図５に示すように、演出制御コマンドとしては、図柄指定コマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、演出開始コマンド、状態指定コマンド等がある。
図柄指定コマンドは、演出図柄表示装置１０４において停止表示される演出図柄Ｚの組み合わせを指定するコマンドである。具体的には、図柄指定コマンドは、演出図柄表示装置１０４において停止表示させる演出図柄Ｚとして、はずれ演出図柄、時短図柄、確変１図柄、確変２図柄、確変３図柄及び小当たり図柄のいずれかを指定する。図柄指定コマンドは、演出図柄Ｚの変動開始時に出力される。ここで、演出図柄Ｚの変動開始時は、特別図柄の変動開始時とほぼ一致している。
【００６７】
変動パターンコマンドは、演出図柄表示装置１０４において表示する変動パターンとして、ｎ（ｎ＝１〜１０４）種類の変動パターンのうちいずれかを指定するためのコマンドである。変動パターンコマンドは、図柄指定コマンドとともに、演出図柄Ｚの変動開始時に出力される。
なお、変動パターンコマンドと図柄指定コマンドとは、どちらが先に出力される構成としても構わない。ただし、演出制御装置１５０では、図柄指定コマンドの受信を契機として演出に関わる様々な抽選を実行することが好ましい。従って、図柄指定コマンドが、変動パターンコマンドより先に出力される構成とすることが好ましい。これにより、演出制御装置１５０において、変動パターンの選択決定等の制御を行う前に演出に関わる抽選を実行することができ、制御負担を大幅に軽減することができる。
【００６８】
図柄停止コマンドは、演出図柄Ｚの停止表示を指定するためのコマンドである。図柄停止コマンドは、演出図柄Ｚの停止表示時に出力される。ここで、演出図柄Ｚの停止表示時は、特別図柄の停止表示時とほぼ一致している。
ここで、演出図柄Ｚの変動パターンを決定する際には、まず、リーチ決定乱数の値と変動パターン種別との対応が登録された変動パターン種別決定テーブルに基づいて、変動パターンの種別が決定される。本実施形態において、変動パターン種別決定テーブルは、当たり抽選の結果（当たり，はずれ）に対して１つのテーブルが設定されている。そして、各変動パターン種別決定テーブルから変動パターン種別を決定するに際して用いる乱数の範囲を、始動情報記憶数毎に異なる範囲に設定している。なお、当たり抽選の結果に対して、当たり時とはずれ時の２つの変動パターン種別決定テーブルを設定してもよい。
【００６９】
また、変動パターンの種別が決定された後、変動パターン決定乱数の値と変動パターン番号との対応が登録された変動パターン決定テーブルに基づいて、変動パターンが決定される。変動パターン決定テーブルは、それぞれの変動パターンの種別に対応して設定されている。
演出開始コマンドは、ｍ（ｍ＝１〜９５）種類の１５Ｒ当たり（通常大当たり、確変１大当たり）の演出開始、確変２大当たりの演出開始、確変３大当たりの演出開始及び小当たりの演出開始をそれぞれ指定するためのコマンドである。演出開始コマンドは、当たり開始時に出力される。
状態指定コマンドは、時短の終了及び開始をそれぞれ指定するためのコマンドである。状態指定コマンドは、時短の終了時及び時短の開始時のそれぞれに出力される。
【００７０】
（変動パターン種別決定テーブルの構造）
次に、変動パターン種別決定テーブルの構造について説明する。
図６（ａ）は、変動パターン種別決定テーブルの一例を示す図であり、（ｂ）は、各始動情報記憶数に対応する乱数範囲の一例を示す図であり、（ｃ）は、各始動情報記憶数に対する通常変動系の割合の一例を示す図である。
【００７１】
図６（ａ）に示すように、パチンコ機１では、変動パターン種別決定テーブルとして、各始動情報記憶数に共通の１つの変動パターン種別決定テーブルＴが設定されている。そして、変動パターン種別決定テーブルＴにおいては、通常変動系、擬似０変動、擬似１変動、リーチ変動１及びリーチ変動２の５種類の変動パターンの種別が設定されている。なお、変動パターン種別決定テーブルは、ＲＯＭ２３０に格納されている。
【００７２】
ここで、通常変動系とは、リーチ演出を実行しない変動をいう。リーチ演出とは、複数の表示領域Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３のうち二以上の表示領域において、特賞状態を生起させる組み合わせに含まれる演出図柄Ｚを仮停止表示させる演出をいう。擬似０変動及び擬似１変動とは、リーチ演出を実行しない変動であって、リーチになりそうでならない変動を行う。リーチ変動１及びリーチ変動２は、それぞれ、リーチ演出を実行する変動をいう。
【００７３】
リーチ２変動では、リーチ１変動と比較して、特賞状態を生起させる期待が高くなるような演出が設定されている。そして、リーチ２変動（信頼度高）、リーチ１変動（信頼度中）、擬似１変動（信頼度低の上）、擬似０変動（信頼度低の中）、通常変動系（信頼度低の下）の順に、特賞状態が生起される信頼度が高く設定されている。信頼度とは、特賞状態となる場合に当該変動パターン種別が選択される割合を、全体の当該変動パターン種別が選択される割合で除した値である。
【００７４】
また、「リーチ２変動の変動時間＞リーチ１変動の変動時間＞擬似１変動の変動時間＞擬似０変動の変動時間＞通常変動系の変動時間」の関係となるように、各変動時間が設定されている。
ここで、変動パターン種別決定テーブルＴにおいては、各変動パターン種別に対して、リーチ決定乱数の範囲（０〜４００１）における各乱数値が対応付けられて登録されている。
【００７５】
本実施形態において、変動パターン種別決定テーブルＴは、図６（ａ）に示すように、通常変動系に対してリーチ決定乱数の乱数範囲（０〜４００１）における乱数値「０〜３４４１」が対応付けられて登録されている。同様に、擬似０変動に対して乱数値「３４４２〜３６７１」が、擬似１変動に対して乱数値「３６７２〜３８９１」が対応付けられて登録されている。同様に、リーチ１変動に対して乱数値「３８９２〜３９７１」が、リーチ２変動に対して乱数値「３９７２〜４００１」が対応付けられて登録されている。
【００７６】
また、本実施形態では、始動情報記憶数別に、リーチ決定乱数の範囲（０〜４００１）において、４種類の乱数範囲（以下、第１段階乱数範囲という）が設定されている。そして、変動パターン決定処理（後述）における変動パターン種別決定時の始動情報記憶数に対応した第１段階乱数範囲から、リーチ決定乱数を取得して、変動パターン種別を決定する。
【００７７】
第１段階乱数範囲としては、例えば、図６（ｂ）に示すように、始動情報記憶数「０，１」に対して、第１段階乱数範囲ｒ０１「０〜４００１」が設定され、始動情報記憶数「２」に対して、第１段階乱数範囲ｒ２「０〜３９３１」が設定されている。更に、始動情報記憶数「３」に対して、第１段階乱数範囲ｒ３「０〜３８０１」が設定され、始動情報記憶数「４」に対して、第１段階乱数範囲ｒ４「０〜３７０１」が設定されている。
【００７８】
つまり、始動情報記憶数が少ないほど、乱数範囲の最大値及び数値範囲が大きくなるように設定されている。また、始動情報記憶数が多くなるほど、リーチ決定乱数の乱数範囲（０〜４００１）の最大値を小さくしていく形で各第１段階乱数範囲の数値範囲を設定している。これにより、下限側の数値範囲を固定している。
ここで、図７（ａ）〜（ｄ）は、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４について、各変動パターン種別に対して割り当てられる乱数の個数の一例を示す図である。
【００７９】
図７（ａ）〜（ｄ）に示すように、通常変動系及び擬似０変動の乱数範囲（０〜３６７１）については、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４の全てに含まれている。つまり、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４のいずれも、通常変動系への割当数が「３４４１」、擬似０変動への割当数が「２３０」となっている。そして、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ２については、擬似１変動の乱数範囲（３６７２〜３８９１）も全て含まれており、それぞれ割当数は「２２０」となっている。これに対して、第１段階乱数範囲ｒ３は、擬似１変動の乱数範囲に対して、乱数範囲（３６７２〜３８０１）が割り当てられ、その割当数は「１３０」となっている。更に、第１段階乱数範囲ｒ４は、擬似１変動の乱数範囲に対して、乱数範囲（３６７２〜３７０１）が割り当てられ、その割当数は「３０」となっている。また、第１段階乱数範囲ｒ３及びｒ４は、リーチ１及びリーチ２の乱数範囲（３８９２〜４００１）に対して、割当数が「０」となっている。一方、第１段階乱数範囲ｒ０１は、リーチ１及びリーチ２の乱数範囲を全て含んでいる。また、第１段階乱数範囲ｒ２は、リーチ１の乱数範囲に対して、乱数範囲「３８９２〜３９３１」が割り当てられており、割当数は「４０」となっている。また、第１段階乱数範囲ｒ２は、リーチ２の乱数範囲に対して、割当数が「０」となっている。
【００８０】
つまり、変動パターン種別決定テーブルを共通にし、始動情報記憶数別に乱数範囲を異ならせることで、擬似１変動以降の種別に対しては、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４のそれぞれにおいて、選択されるものと選択されないものとが発生する。また、乱数範囲が異なることから、各種別に対する選択確率が変動する。
例えば、図６（ｃ）に示すように、始動情報記憶数毎に通常変動系の割合が異なる。つまり、始動情報記憶数が多いほど、通常変動系の選択される割合が高くなる。このことは、通常変動系に限らず、他の種別にも言える。
【００８１】
（遊技制御処理）
次に、主制御装置２１０で実行される遊技制御処理を説明する。
ＣＰＵ２２０は、マイクロプロセッシングユニット等からなり、所定の動作クロック（例えば、４［ｍｓ］）で１サイクルを実行可能な遊技制御プログラムに基づいて動作し、ＲＯＭ２３０の所定領域に格納されている遊技制御プログラムを起動させ、図８のフローチャートに示す遊技制御処理を実行する。
まず、主制御装置２１０が実行する遊技制御処理を説明する。
【００８２】
図８は、遊技制御処理を示すフローチャートである。
遊技制御処理は、ＣＰＵ２２０において実行されると、図８に示すように、まず、ステップＳ１００に移行する。
ステップＳ１００では、遊技者の利益に直接影響する出玉の決定等に関わる各種乱数を更新する当たり決定乱数等更新処理を実行する。ここで、出玉の決定等に直接関わる各種乱数としては、当たりを生起させるか否かの当たり抽選に用いる乱数（以下、当たり決定乱数という）、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数等がある。なお、当たり決定乱数等更新処理では、当たり決定乱数が一巡するたびに初期値を変化させることにより、当たり決定乱数値を容易に予測することができないようにしている。
【００８３】
次いで、ステップＳ１０２に移行して、演出に関わる演出制御用乱数（例えば、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等）を更新する演出制御用乱数更新処理を実行し、ステップＳ１０４に移行する。
ステップＳ１０４では、入力ポート２５０を介して、各スイッチ１３１ａ，１３１ｂ，１３２，１３３からの信号を入力する入力処理を実行し、ステップＳ１０６に移行する。入力処理では、第一始動入賞口スイッチ１３１ａからの検出信号及び第二始動入賞口スイッチ１３１ｂからの検出信号を入力する。
【００８４】
ステップＳ１０６では、始動情報を更新する入賞スイッチ入力処理を実行し、ステップＳ１０８に移行する。
ステップＳ１０８では、当たりの判定を行うとともに演出図柄Ｚの変動パターンを決定する変動設定処理を実行し、ステップＳ１１０に移行する。
ステップＳ１１０では、大入賞口１１５を所定パターンで開放させる電動役物作動処理を実行し、ステップＳ１１２に移行する。
【００８５】
ステップＳ１１２では、賞球払出制御装置１５６に対して払出し動作を行わせるための制御コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納する賞球払出管理処理を実行し、ステップＳ１１４に移行する。
ステップＳ１１４では、遊技制御に関する外部情報信号をホールコンピュータ５００に出力する外部情報出力処理を実行し、ステップＳ１１６に移行する。
【００８６】
ステップＳ１１６では、パチンコ機１の検査に必要な遊技機検査信号を出力する遊技機検査信号出力処理を実行する。なお、場合によっては、ステップＳ１１６の処理は省略することもできる。
次いで、ステップＳ１１８に移行して、出力ポート２５５を介して、ＲＡＭ２４０に格納した制御コマンドを出力するポート出力処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【００８７】
ポート出力処理では、演出制御コマンドが、演出制御装置１５０に対して出力される。この際、演出制御装置１５０に対しては、まず、ストローブ信号を出力し、モード及びイベントからなる制御コマンドを出力する。また、ポート出力処理では、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂ、普通図柄表示装置１０６、大入賞口ソレノイド１５８、特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａ，１０９ｂ、普通図柄始動情報記憶数表示装置１０３等へも主制御装置２１０からの制御情報が出力される。
【００８８】
（入賞スイッチ入力処理）
次に、ステップＳ１０６の入賞スイッチ入力処理を説明する。
図９は、入賞スイッチ入力処理を示すフローチャートである。
入賞スイッチ入力処理は、ステップＳ１０６において実行されると、図９に示すように、まず、ステップＳ２００に移行する。
【００８９】
ステップＳ２００では、ステップＳ１０４の入力処理の処理結果に基づいて、第一始動入賞口スイッチ１３１ａから検出信号を入力したか否かを判定し、検出信号を入力したと判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ２０２に移行する。一方、ステップＳ２００で、第一始動入賞口スイッチ１３１ａから検出信号を入力しないと判定した場合（Ｎｏ）は、ステップＳ２０４に移行する。
ステップＳ２０２では、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶を更新する第一始動情報記憶更新処理を実行し、ステップＳ２０４に移行する。
【００９０】
ステップＳ２０４では、ステップＳ１０４の入力処理の処理結果に基づいて、第二始動入賞口スイッチ１３１ｂから検出信号を入力したか否かを判定し、検出信号を入力したと判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ２０６に移行する。一方、ステップＳ２０４で、第二始動入賞口スイッチ１３１ｂから検出信号を入力しないと判定した場合（Ｎｏ）は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップＳ２０６では、ＲＡＭ２４０の第二始動情報記憶領域における第二始動情報の記憶を更新する第二始動情報記憶更新処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【００９１】
（第一始動情報記憶更新処理及び第二始動情報記憶更新処理）
次に、ステップＳ２０２の第一始動情報記憶更新処理及びステップＳ２０６の第二始動情報記憶更新処理を説明する。
ここで、ステップＳ２０２の第一始動情報記憶更新処理及びステップＳ２０６の第二始動情報記憶更新処理は、同様の処理となる。従って、以下、ステップＳ２０２の第一始動情報記憶更新処理について説明し、ステップＳ２０６の第二始動情報記憶更新処理については説明を省略する。
図１０は、第一始動情報記憶更新処理を示すフローチャートである。
【００９２】
第一始動情報記憶更新処理は、ステップＳ２０２において実行されると、図１０に示すように、まず、ステップＳ３００に移行する。
ステップＳ３００では、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数が「４」以上であるか否かを判定し、第一始動情報の記憶数が「４」以上ではないと判定した場合（Ｎｏ）は、ステップＳ３０２に移行する。一方、ステップＳ３００で、第一始動情報の記憶数が「４」以上であると判定した場合（Ｙｅｓ）は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【００９３】
ステップＳ３０２では、当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数等を対応の乱数カウンタから取得し、取得した各乱数値（第一始動情報）を、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域における所定の記憶部に記憶する第一始動情報記憶処理を実行する。この際、取得された第一始動情報は、第一始動情報記憶領域において、第一始動情報が記憶されていない記憶部のうち最も上位の記憶部に記憶される。ここで、上位の記憶部とは、特賞状態を生起させるか否かを決定するための当たり判定処理（ステップＳ５０４又はＳ５０８）が先に行われる記憶部をいう（以下、同様）。すなわち、上位の記憶部に記憶されている始動情報は、当たり抽選の結果の表示（演出図柄Ｚの変動表示及び停止表示）が先に行われる。例えば、ＲＡＭ２４０の所定領域に記憶されている第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数（以下、第一始動情報記憶数という）が「１」である場合、取得した第一始動情報を、第一始動情報記憶領域における２番目の記憶部Ａ２に記憶する。同様に、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域における第一始動情報記憶数が「２」である場合、取得した第一始動情報を、第一始動情報記憶領域における３番目の記憶部Ａ３に記憶する。同様に、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域における第一始動情報記憶数が「３」である場合、取得した第一始動情報を、第一始動情報記憶領域における４番目の記憶部Ａ４に記憶する。これにより、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶数が更新される。
【００９４】
次に、ステップＳ３０４に移行して、ＲＡＭ２４０の所定領域に記憶されている第一始動情報記憶数を１加算する始動情報記憶数加算処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。また、始動情報記憶数加算処理では、ＲＡＭ２４０に記憶されている第一始動情報記憶数が更新されることに伴い、特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａにおいて表示する第一始動情報記憶数を「１」加算した表示とする。
以上の処理は、「第一」を「第二」に置き換えることで、第二始動情報記憶更新処理となる。
【００９５】
（変動設定処理）
次に、ステップＳ１０８の変動設定処理を説明する。
図１１は、変動設定処理を示すフローチャートである。
変動設定処理は、ステップＳ１０８において実行されると、図１１に示すように、まず、ステップＳ５００に移行する。
【００９６】
ステップＳ５００では、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚが変動中か否かを判定し、演出図柄Ｚが変動中でないと判定した場合（Ｎｏ）は、ステップＳ５０２に移行する。一方、ステップＳ５００で、演出図柄Ｚが変動中であると判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ５１０に移行する。
ステップＳ５０２では、第二始動情報記憶数が「１」以上であるか否かを判定し、第二始動情報記憶数が「１」以上であると判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ５０４に移行する。一方、ステップＳ５０２で、第二始動情報記憶数が「１」以上でないと判定した場合（Ｎｏ）は、ステップＳ５０６に移行する。
【００９７】
ステップＳ５０４では、第二始動情報記憶に基づく当たり判定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップＳ５０６では、第一始動情報記憶数が「１」以上であるか否かを判定し、第一始動情報記憶数が「１」以上であると判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ５０８に移行する。一方、ステップＳ５０６で、第一始動情報記憶数が「１」以上でないと判定した場合（Ｎｏ）は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップＳ５０８では、第一始動情報記憶に基づく当たり判定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【００９８】
ステップＳ５１０では、演出図柄の変動を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ５１２に移行する。一方、ステップＳ５１０で、演出図柄の変動を開始してから所定時間が経過していないと判定した場合（Ｎｏ）は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ここで、所定時間とは、後述するステップＳ６１０で設定される演出図柄Ｚの変動表示時間であり、後述するステップＳ６０８又はＳ６１６で決定した変動パターン番号に基づいて決定される。
【００９９】
ステップＳ５１２では、図柄停止コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納する図柄停止処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。これにより、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介して図柄停止コマンドが演出制御装置１５０に送信される。
以上に示すように、ステップＳ１０８の変動設定処理では、第二始動情報に基づく当たり判定処理が、第一始動情報に基づく当たり判定処理に対して優先して実行される。すなわち、主制御装置２１０は、ＲＡＭ２４０の第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報に対して、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報よりも優先して当たり判定処理を実行する。これにより、演出制御装置１５０は、演出図柄表示装置１０４において、第二始動情報に基づく演出図柄Ｚの変動表示及び停止表示を、第一始動情報に基づく演出図柄Ｚの変動表示及び停止表示に対して優先して実行する。
【０１００】
（当たり判定処理）
次に、ステップＳ５０４の第二始動情報に基づく当たり判定処理及びステップＳ５０８の第一始動情報に基づく当たり判定処理を説明する。
ここで、ステップＳ５０４の第二始動情報に基づく当たり判定処理及びステップＳ５０８の第一始動情報に基づく当たり判定処理は、同様の処理となる。従って、以下、ステップＳ５０４の第二始動情報に基づく当たり判定処理について説明し、ステップＳ５０８の第一始動情報に基づく当たり判定処理については説明を省略する。
図１２は、当たり判定処理を示すフローチャートである。
【０１０１】
当たり判定処理は、所定確率で特賞状態を生起させるために、所定の数値範囲に１個の当たり値を設定し、取得した当たり決定乱数と当たり値とが一致しているときに当たり（特賞状態）を生起させる処理である。
当たり判定処理は、ステップＳ５０４又はステップＳ５０８において実行されると、図１２に示すように、まず、ステップＳ６００に移行する。
【０１０２】
ステップＳ６００では、ＲＡＭ２４０の始動情報記憶領域から当たり決定乱数を読み出し、ステップＳ６０２に移行する。
ここで、当たり決定乱数の読み出しでは、ＲＡＭ２４０の第二始動情報記憶領域（第一始動情報記憶領域）における１番目の記憶部Ｂ１（Ａ１）に記憶されている始動情報（以下、最先始動情報とする）の当たり決定乱数が読み出される。
【０１０３】
ステップＳ６０２では、ステップＳ６００で読み出した当たり決定乱数の値が当たり値と一致しているか否かを判定し、読み出した当たり決定乱数の値が当たり値と一致していると判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ６０４に移行する。一方、ステップＳ６０２で、読み出した当たり決定乱数の値が当たり値と一致していないと判定した場合（Ｎｏ）は、ステップＳ６１４に移行する。
【０１０４】
ステップＳ６０４では、当たりの種別を決定する当たり種別決定処理を実行する。
ここで、ＲＯＭ２３０には、当たり種別決定乱数の値と当たり種別番号との対応を登録した当たり種別決定テーブルが格納されている。そして、当たり種別決定処理では、最先始動情報の当たり種別決定乱数を読み出し、該当たり種別決定乱数の値に対応する当たり種別番号を当たり種別決定テーブルから読み出して当たりの種別を決定する。これにより、通常大当たり、確変１大当たり、確変２大当たり、確変３大当たり、小当たりの別が決定される。
【０１０５】
次に、ステップＳ６０６に移行して、当たり時に停止表示する特別図柄及び演出図柄Ｚの組み合わせを決定する当たり時停止図柄決定処理を実行する。
ここで、ＲＯＭ２３０には、各当たり種別ごとに設定された停止図柄決定テーブルが格納されている。各停止図柄決定テーブルには、停止図柄決定乱数の値と停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせを示す停止図柄番号との対応が登録されている。そして、当たり時停止図柄決定処理では、まず、ステップＳ６０４で決定された当たり種別番号に対応する停止図柄決定テーブルを読み出す。そして、最先始動情報の停止図柄決定乱数を読み出し、該停止図柄決定乱数の値に対応する停止図柄番号を停止図柄決定テーブルから読み出す。さらに、読み出した停止図柄番号に対応する停止図柄指定コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納する。これにより、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介して停止図柄指定コマンドが演出制御装置１５０に送信される。
【０１０６】
一方、停止表示する特別図柄は、停止図柄決定乱数の値と停止表示する特別図柄との対応が登録された特別図柄決定テーブルに基づいて、演出図柄Ｚの場合と同様の処理により決定する。ただし、停止表示する特別図柄は、停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせの決定に先立って決定される。すなわち、停止表示する特別図柄を決定した後に、これに対応させて停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせを決定する。そのため、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせは、ともに、同一の停止図柄決定乱数値に基づいて決定される。そして、停止表示する特別図柄を指定するための指令情報をＲＡＭ２４０の所定領域に格納する。これにより、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介して特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂに指令情報が直接送信される。
【０１０７】
次いで、ステップＳ６０８に移行して、当たり時に変動表示する演出図柄Ｚの変動パターンを決定する当たり時変動パターン決定処理を実行して、ステップＳ６１０に移行する。
次いで、ステップＳ６１０に移行して、演出図柄Ｚの変動表示時間を設定する変動設定処理を実行する。演出図柄Ｚの変動表示時間は、ステップＳ６０８又はＳ６１６で決定した変動パターン番号に基づいて決定する。
【０１０８】
また、当たりを生起させる場合、変動設定処理では、大入賞口１１５の開放回数及び開放時間を設定する。具体的には、当たり種別番号が通常大当たり又は確変１大当たりを示すときは、ラウンド最高継続回数を１５回に設定するとともに、各ラウンドにおける大入賞口１１５の開放時間を約３０秒に設定する。また、当たり種別番号が確変２大当たり、確変３大当たり又は小当たりを示すときは、ラウンド最高継続回数を２回に設定するとともに、各ラウンドにおける大入賞口１１５の開放時間を約０．５秒に設定する。
【０１０９】
次に、ステップＳ６１２に移行して、始動情報記憶数を「１」減算する始動情報記憶数減算処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
始動情報記憶数減算処理では、第二始動情報記憶領域（第一始動情報記憶領域）における２番目以降Ｂ２（Ａ２）〜Ｂ４（Ａ４）の記憶部に記憶されている第二始動情報（第一始動情報）を、それぞれ、１つ上の順位の記憶部に繰り上げて記憶（上書き）する。これにより、ＲＡＭ２４０の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新される。
【０１１０】
また、始動情報記憶数減算処理では、ＲＡＭ２４０の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新されることに伴い、特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ｂ（１０９ａ）において表示する第二始動情報記憶数（第一始動情報記憶数）を「１」減算した表示とする。
さらに、始動情報記憶数減算処理では、ＲＡＭ２４０の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新されることに伴い、更新後の始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納する。これにより、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介して始動情報記憶数コマンドが演出制御装置１５０に送信される。例えば、ＲＡＭ２４０の第二始動情報記憶領域（第一始動情報記憶領域）に記憶されている第二始動情報（第一始動情報）が更新された結果、第二始動情報記憶数（第一始動情報記憶数）が「２」となった場合、第二始動情報記憶数（第一始動情報記憶数）が「２」であることを示す始動情報記憶数コマンドが演出制御装置１５０に送信される。
【０１１１】
一方、ステップＳ６１４では、はずれ時に停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせを決定するはずれ時停止図柄決定処理を実行して、ステップＳ６１６に移行する。
はずれ時停止図柄決定処理は、ステップＳ６０６と同様に構成される。ここで、はずれ時停止図柄決定処理では、演出図柄表示装置１０４で停止表示する具体的なはずれ演出図柄Ｚの組み合わせを指定するのではなく、当たり抽選の結果がはずれであるという結果だけを指定するためのコマンドであるはずれ演出図柄指定コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納する。これにより、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介してはずれ演出図柄指定コマンドが演出制御装置１５０に送信される。そして、演出制御装置１５０は、はずれ演出図柄指定コマンドを入力したときは、はずれになる演出図柄Ｚの組み合わせを決定し、決定した組み合わせで演出図柄Ｚを停止表示する。
ステップＳ６１６では、はずれ時に変動表示する演出図柄Ｚの変動パターンを決定するはずれ時変動パターン決定処理を実行し、ステップＳ６１０に移行する。
【０１１２】
（変動パターン決定処理）
次に、ステップＳ６０８又はＳ６１６の変動パターン決定処理を説明する。
図１３は、変動パターン決定処理を示すフローチャートである。
変動パターン決定処理は、ステップＳ６０８又はＳ６１６で実行されると、図１３に示すように、まず、ステップＳ７００に移行する。
ステップＳ７００では、ＲＡＭ２４０の所定領域に格納された第一又は第二始動情報記憶数のうち、ステップＳ６００で読み出した当たり決定乱数に対応する始動情報記憶数を取得して、ステップＳ７０２に移行する。具体的に、第一始動情報に含まれる当たり決定乱数であれば第一始動情報記憶数を、第二始動情報に含まれる当たり決定乱数であれば第二始動情報記憶数をＲＡＭ２４０から読み出して取得する。
【０１１３】
ステップＳ７０２では、ステップＳ７００で取得した始動情報記憶数が「０」又は「１」か否かを判定し、「０」又は「１」であると判定した場合(Yes)は、ステップＳ７０４に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップＳ７２４に移行する。
ステップＳ７０４に移行した場合は、第１段階乱数範囲ｒ０１の乱数を発生する乱数カウンタｒ０１からリーチ決定乱数を取得して、ステップＳ７０６に移行する。
【０１１４】
ステップＳ７０６では、ＲＯＭ２３０に格納されている変動パターン種別決定テーブルを読み出して、ステップＳ７０８に移行する。
ステップＳ７０８では、ステップＳ７０４，Ｓ７２６，Ｓ７３０，Ｓ７３２のいずれかで取得したリーチ決定乱数に対応する変動パターン種別を、変動パターン種別決定テーブルから選択する。そして、選択した変動パターン種別を、演出処理に用いる種別として決定して、ステップＳ７１０に移行する。
【０１１５】
ステップＳ７１０では、当たり決定乱数の判定結果が当たりであるか否かを判定し、当たりであると判定した場合(Yes)は、ステップＳ７１２に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップＳ７１８に移行する。
ステップＳ７１２に移行した場合は、変動パターン決定乱数発生用の乱数カウンタから変動パターン決定乱数を取得して、ステップＳ７１４に移行する。
【０１１６】
ステップＳ７１４では、ＲＯＭ２３０に格納された当たり時用の変動パターン決定テーブルを読み出して、ステップＳ７１６に移行する。つまり、ＲＯＭ２３０には、それぞれの変動パターンの種別に対応して設定された当たり時用の変動パターン決定テーブルが格納されている。各当たり時用の変動パターン決定テーブルには、変動パターン決定乱数と変動パターン番号との対応が登録されている。
【０１１７】
ステップＳ７１６では、当たり時用の変動パターン決定テーブルからステップＳ７１２で取得した変動パターン決定乱数に対応する変動パターン番号を読み出す。さらに、読み出した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。これにより、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介して変動パターンコマンドが演出制御装置１５０に送信される。
【０１１８】
一方、ステップＳ７１０において、当たり決定乱数の判定結果が当たりではなくステップＳ７１８に移行した場合は、変動パターン決定乱数発生用の乱数カウンタから変動パターン決定乱数を取得して、ステップＳ７２０に移行する。
ステップＳ７２０では、ＲＯＭ２３０に格納されたはずれ時用の変動パターン決定テーブルを読み出して、ステップＳ７２２に移行する。つまり、ＲＯＭ２３０には、それぞれの変動パターンの種別に対応して設定されたはずれ時用の変動パターン決定テーブルが格納されている。各はずれ時用の変動パターン決定テーブルには、変動パターン決定乱数と変動パターン番号との対応が登録されている。
【０１１９】
ステップＳ７２２では、はずれ時用の変動パターン決定テーブルからステップＳ７１８で取得した変動パターン決定乱数に対応する変動パターン番号を読み出す。さらに、読み出した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。これにより、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介して変動パターンコマンドが演出制御装置１５０に送信される。
【０１２０】
また、ステップＳ７０２において、始動情報記憶数が「０」又は「１」ではなくステップＳ７２４に移行した場合は、始動情報記憶数が「２」か否かを判定する。そして、「２」であると判定した場合(Yes)は、ステップＳ７２６に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップＳ７２８に移行する。
ステップＳ７２６に移行した場合は、第１段階乱数範囲ｒ２の乱数を発生する乱数カウンタｒ２からリーチ決定乱数を取得して、ステップＳ７０６に移行する。
【０１２１】
一方、ステップＳ７２８に移行した場合は、始動情報記憶数が「３」か否かを判定し、「３」であると判定した場合(Yes)は、ステップＳ７３０に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップＳ７３２に移行する。
ステップＳ７３０に移行した場合は、第１段階乱数範囲ｒ３の乱数を発生する乱数カウンタｒ３からリーチ決定乱数を取得して、ステップＳ７０６に移行する。
また、ステップＳ７３２に移行した場合は、第１段階乱数範囲ｒ４の乱数を発生する乱数カウンタｒ４からリーチ決定乱数を取得して、ステップＳ７０６に移行する。
【０１２２】
（演出制御処理）
次に、演出制御装置１５０で実行される処理を説明する。
演出制御装置１５０のＣＰＵは、所定の動作クロック（例えば、２［ｍｓ］）で１サイクルを実行可能な制御プログラムに基づいて動作し、ＲＯＭ２３０の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、図１４のフローチャートに示す演出制御処理を繰り返し実行する。
【０１２３】
図１４は、演出制御装置が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。
演出制御処理は、演出制御装置１５０のＣＰＵにおいて実行されると、図１４に示すように、まず、ステップＳ８００に移行する。
ステップＳ８００では、演出制御装置１５０は、変動パターンコマンドを受信する変動パターンコマンド受信処理を実行し、ステップＳ８０２に移行する。
【０１２４】
変動パターンコマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から変動パターンコマンドを受信する。そして、演出制御装置１５０は、受信した変動パターンコマンドに対応する表示制御コマンド（以下、変動パターン表示コマンドとする）を生成し、生成した変動パターン表示コマンドを表示制御部１５１に送信する。
そして、表示制御部１５１は、変動パターン表示コマンドを受信すると、演出図柄表示装置１０４において変動パターン表示コマンドで指定されている変動パターンによる演出図柄Ｚの変動表示を開始させる。
【０１２５】
ステップＳ８０２では、演出制御装置１５０は、図柄指定コマンドを受信する図柄指定コマンド受信処理を実行し、ステップＳ８０４に移行する。
図柄指定コマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から図柄指定コマンドを受信する。そして、演出制御装置１５０は、受信した図柄指定コマンドに対応する表示制御コマンド（以下、停止図柄表示コマンドとする）を生成し、生成した停止図柄表示コマンドを表示制御部１５１に送信する。
【０１２６】
ステップＳ８０４では、演出制御装置１５０は、図柄停止コマンドを受信する図柄停止コマンド受信処理を実行し、ステップＳ８０６に移行する。
図柄停止コマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から図柄停止コマンドを受信する。そして、演出制御装置１５０は、受信した図柄停止コマンドに対応する表示制御コマンドを生成し、生成した表示制御コマンドを表示制御部１５１に送信する。
【０１２７】
そして、表示制御部１５１は、図柄停止コマンドに対応する表示制御コマンドを受信すると、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを停止表示させる。この際、表示制御部１５１は、ステップＳ８０２で受信した図柄指定コマンドに対応する停止図柄表示コマンドで指定されている組み合わせで、演出図柄Ｚを停止表示させる。
ステップＳ８０６では、演出制御装置１５０は、演出開始コマンドを受信する演出開始コマンド受信処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
演出開始コマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から演出開始コマンドを受信して、受信した演出開始コマンドに応じて当たり演出を実行する。
【０１２８】
（パチンコ機１の動作）
次に、図７に基づき、本実施形態に係るパチンコ機１の動作を説明する。
遊技盤面１０２に発射された遊技球が始動入賞口１１１ａ，１１１ｂに入賞すると、始動入賞口スイッチ１３１ａ，１３１ｂにより検出信号が出力される。
主制御装置２１０では、始動入賞口スイッチ１３１ａ，１３１ｂから検出信号が入力されると（Ｓ２００又はＳ２０４のYes）、ほぼそのタイミングで当たり決定乱数、当たり種別決定乱数等の変動パターンの決定に係る乱数以外の各種乱数が取得される（Ｓ２０２又はＳ２０６）。そして、取得された各種乱数は、始動入賞情報として、ＲＡＭ２４０の始動入賞情報記憶領域に記憶される。この際、第一始動入賞口スイッチ１３１ａの検出信号を契機として取得された第一始動情報は、ＲＡＭ２４０における第一始動情報記憶領域に最大４つまで記憶される。また、第二始動入賞口スイッチ１３１ｂの検出信号を契機として取得された第二始動情報は、ＲＡＭ２４０における第二始動情報記憶領域に最大４つまで記憶される。
【０１２９】
そして、主制御装置２１０は、始動情報記憶領域に記憶されている始動情報について、当たり判定を行う。この際、主制御装置２１０は、第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報について、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報に対して優先して当たり判定を行う（Ｓ５００〜Ｓ５０８）。これにより、演出図柄表示装置１０４において、第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報に基づく演出表示（演出図柄Ｚの変動表示、停止表示等）が、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報に基づく演出表示に対して優先して実行される。ここでは、第二始動情報について、当たり判定が行われたこととする。
【０１３０】
そして、当たり判定の結果、当たりを生起させることを決定した場合（Ｓ６０２のYes）、当たりの種別、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせが決定される。続いて、当たり時の変動パターンが決定される（Ｓ６０４〜Ｓ６０８）。一方、当たり判定の結果、はずれを生起させることを決定した場合（Ｓ６０２のNo）、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせが決定される。続いて、はずれ時の変動パターンが決定される（Ｓ６１４〜Ｓ６１６）。
【０１３１】
主制御装置２１０は、変動パターン決定処理を開始すると、まず、ＲＡＭ２４０の所定領域に記憶された第二始動情報記憶数を読み出す（Ｓ７００）。そして、読み出した第二始動情報記憶数の判定を行う（Ｓ７０２、Ｓ７２４、Ｓ７２８）。
主制御装置２１０は、第二始動情報記憶数が「０」又は「１」であると判定した場合（Ｓ７０２のYes）は、第１段階乱数範囲ｒ０１「０〜４００１」の乱数を発生する乱数カウンタｒ０１からリーチ決定乱数を取得する（Ｓ７０４）。乱数カウンタｒ０１からは、「０〜４００１」のうちいずれかの数値を取得することができるので、図７（ａ）に示すように、全ての変動パターン種別からいずれか１つが選択される可能性を有している。
【０１３２】
一方、主制御装置２１０は、第二始動情報記憶数が「２」であると判定した場合（Ｓ７２４のYes）は、第１段階乱数範囲ｒ２「０〜３９３１」の乱数を発生する乱数カウンタｒ２からリーチ決定乱数を取得する（Ｓ７２６）。乱数カウンタｒ２からは、「０〜３９３１」のうちいずれかの数値を取得することができるので、図７（ｂ）に示すように、リーチ２変動以外の変動パターン種別からいずれか１つが選択される可能性を有している。つまり、リーチ２変動の選択確率が「０％」となっており、第二始動情報記憶数が「２」のときは、リーチ２変動が選択されないことになる。また、リーチ１の選択確率が、第二始動情報記憶数「０」又は「１」と比較して低くなっている。
【０１３３】
また、主制御装置２１０は、第二始動情報記憶数が「３」であると判定した場合（Ｓ７２８のYes）は、第１段階乱数範囲ｒ３「０〜３８０１」の乱数を発生する乱数カウンタｒ３からリーチ決定乱数を取得する（Ｓ７３０）。乱数カウンタｒ３からは、「０〜３８０１」のうちいずれかの数値を取得することができるので、図７（ｃ）に示すように、リーチ１及びリーチ２変動以外の変動パターン種別からいずれか１つが選択される可能性を有している。つまり、リーチ１及びリーチ２変動の選択確率が「０％」となっており、第二始動情報記憶数が「３」のときは、リーチ１及びリーチ２変動が選択されないことになる。また、擬似１変動の選択確率が、第二始動情報記憶数「０」〜「２」と比較して低くなっている。
【０１３４】
また、主制御装置２１０は、第二始動情報記憶数が「４」であると判定した場合（Ｓ７２８のNo）は、第１段階乱数範囲ｒ３「０〜３７０１」の乱数を発生する乱数カウンタｒ３から乱数を取得する（Ｓ７３２）。乱数カウンタｒ３からは、「０〜３７０１」のうちいずれかの数値を取得することができるので、図７（ｄ）に示すように、リーチ１及びリーチ２変動以外の変動パターン種別からいずれか１つが選択される可能性を有している。つまり、リーチ１及びリーチ２変動の選択確率が「０％」となっており、第二始動情報記憶数が「４」のときは、リーチ１及びリーチ２変動が選択されないことになる。また、擬似１変動の選択確率が、第二始動情報記憶数「０」〜「３」と比較して低くなっている。
【０１３５】
このように、第二始動情報記憶数に応じた乱数カウンタからリーチ決定乱数を取得し、変動パターン種別を決定すると、主制御装置２１０は、次に、当たり決定乱数の判定結果が当たりであるか否かを判定する（Ｓ７１０）。この判定によって、当たりであると判定すると（Ｓ７１０のYes）、対応する乱数カウンタから変動パターン決定乱数を取得する（Ｓ７１２）。次に、当たり時用の変動パターン決定テーブルをＲＯＭ２３０から読み出す（Ｓ７１４）。そして、読み出した当たり時用の変動パターン決定テーブルから、取得した変動パターン決定乱数に対応する変動パターン番号を読み出し、読み出した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納する（Ｓ７１６）。
【０１３６】
一方、当たり決定乱数の判定結果が当たりではないと判定すると（Ｓ７１０のNo）、対応する乱数カウンタから変動パターン決定乱数を取得する（Ｓ７１８）。次に、はずれ時用の変動パターン決定テーブルをＲＯＭ２３０から読み出す（Ｓ７２０）。そして、読み出したはずれ時用の変動パターン決定テーブルから、取得した変動パターン決定乱数に対応する変動パターン番号を読み出し、読み出した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納する（Ｓ７２２）。これにより、出力ポート２５５を介して変動パターンコマンドが演出制御装置１５０に送信される（Ｓ１１８）。
【０１３７】
演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から制御コマンドを受信すると、演出図柄表示装置１０４において、決定された変動パターンで演出図柄Ｚを変動表示させ、所定の変動時間経過後に、決定された組み合わせで演出図柄Ｚを停止表示させる。
このようにして、本実施形態のパチンコ機１は、１つの変動パターン種別決定テーブルを備え、該変動パターン種別決定テーブルに対して、第一及び第二始動情報記憶数別に設定された数値範囲の異なる複数種類（本実施形態では４種類）の第１段階乱数範囲を設定する。そして、この複数種類の第１段階乱数範囲のうち、変動パターン決定時の第一及び第二始動情報記憶数に対応する第１段階乱数範囲を用いて、リーチ決定乱数を取得し、変動パターン種別を決定することが可能となる。
【０１３８】
これにより、従来の、始動情報記憶数別に、それぞれ変動パターン種別決定テーブルを備えた構成と比較して、変動パターン種別決定テーブルのデータ量を低減することが可能となる。
また、変動パターン種別決定テーブルは、リーチ決定乱数の乱数範囲（例えば、０〜４００１）において、乱数値が若いものから順に、通常変動系に大部分が割り当てられている（例えば、０〜３４４１）。そして、擬似０変動（例えば、３４４２〜３６７１）、擬似１変動（例えば、３６７２〜３８９１）、リーチ１変動（例えば、３８９２〜３９７１）、リーチ２変動（例えば、３９７２〜４００１）の順で割り当てる乱数値を減少させている。また、通常変動系、擬似０変動、擬似１変動、リーチ１変動、リーチ２変動の順で、変動時間が長くなる。一方、第１段階乱数範囲は、リーチ決定乱数の範囲に対して、始動情報記憶数が多くなるほど、その最大値を減少していく形で乱数範囲が設定されている。例えば、始動情報記憶数の最大数が４の場合に、第１段階乱数範囲は、例えば、「０〜４００１」、「０〜３９３１」、「０〜３８０１」、「０〜３７０１」のように設定される。
【０１３９】
これにより、始動情報記憶数が多いほど、短い変動時間の変動パターン種別が選択されやすくなり、始動情報記憶数が多いほど変動時間を短くすることができるので、始動情報の消化効率を向上することが可能となる。
ここで、上記第１実施形態において、特賞抽選乱数は、当たり決定乱数に対応し、リーチ決定乱数は、演出パターン決定乱数に対応し、演出パターン決定テーブルは、変動パターン種別決定テーブルに対応する。
【０１４０】
また、上記第１実施形態において、Ｓ１０６は、特賞抽選手段に対応し、Ｓ５０２〜Ｓ５０８は、特賞判定手段に対応し、Ｓ２００〜Ｓ２０６は、特賞抽選乱数記憶手段に対応し、Ｓ６１２は、特賞抽選乱数削除手段に対応する。
また、上記第１実施形態において、乱数カウンタｒ０１、ｒ２、ｒ３、ｒ４は、乱数発生手段に対応し、Ｓ７００〜７０４、Ｓ７２４〜７３２は、演出パターン抽選手段に対応し、Ｓ７０６〜Ｓ７０８は、演出パターン決定手段に対応する。また、演出制御装置１５０は、演出制御手段に対応する。
【０１４１】
〔第２実施形態〕
次に、本発明の第２実施形態を図面に基づき説明する。図１５〜図２１は、本発明に係る遊技機の第２実施形態を示す図である。
（構成）
本実施形態は、上記第１実施形態のパチンコ機１と基本構成は同じとなるが、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４から、第一又は第二始動情報記憶数に応じた乱数を取得するタイミングが上記第１実施形態と異なる。具体的に、上記第１実施形態では、変動パターン決定時に乱数を取得していたのに対して、本実施形態では、遊技球が第一又は第二始動入賞口１１１ａ又は１１１ｂに入賞時に乱数を取得する。
【０１４２】
また、本実施形態では、遊技球が第一又は第二始動入賞口１１１ａ又は１１１ｂに入賞時に当たり決定乱数、リーチ決定乱数等を取得する抽選処理を実施することから、リーチ演出等の演出処理の実行前に、これら抽選の判定処理を実施する。そして、この事前の判定結果に基づき、当たりが出る可能性を示唆する示唆演出（予告演出）を実行する点も、上記第１実施形態と異なる。
以下、上記第１実施形態と同様の構成部については同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる点を詳細に説明する。
【０１４３】
（演出制御コマンドの内容）
図１５は、主制御装置から演出制御装置に出力される演出制御コマンドの内容を示す図である。
本実施形態において、ＲＯＭ２３０に記憶された、各種制御コマンドとして、図１５に示すように、上記第１実施形態における、図柄指定コマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、演出開始コマンド、状態指定コマンドに加えて、事前判定情報コマンド、始動情報記憶数コマンド等がある。
【０１４４】
事前判定情報コマンドは、事前判定情報を通知するためのコマンドである。ここで、事前判定情報とは、始動情報（第一始動情報、第二始動情報）が指定する各種抽選（当たり抽選、当たり種別抽選、リーチ抽選、変動パターン抽選等）の結果を示す情報をいう。主制御装置２１０は、始動入賞口１１１ａ，１１１ｂへの遊技球の入賞を契機として取得した始動情報について、該始動情報が指定する各種抽選結果を判定して、判定した各種抽選結果に応じた事前判定情報コマンドを演出制御装置１５０に出力する。
【０１４５】
始動情報記憶数コマンドは、正確な始動情報記憶数情報を演出制御装置１５０に通知するためのコマンドである。ここで、始動情報記憶数コマンドは、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数のそれぞれを区別して通知する。すなわち、主制御装置２１０は、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドを演出制御装置１５０に出力する。また、主制御装置２１０は、ＲＡＭ２４０の第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドを演出制御装置１５０に出力する。始動情報記憶数コマンドは、主制御装置２１０による第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数それぞれの更新時に出力される。すなわち、始動情報記憶数コマンドは、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数それぞれについて、増加又は減少があったときに出力される。
【０１４６】
（制御系の構成）
また、本実施形態において、ＲＡＭ２４０は、始動情報として、始動入賞口１１１ａ，１１１ｂへの遊技球の入賞を契機として取得された、当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等を記憶する。
また、本実施形態では、主制御装置２１０は、当たり抽選の結果が当たりである場合には、当たり種別を示す事前判定情報に応じた事前判定情報コマンドを演出制御装置１５０に出力する。本実施形態では、当たり種別を示す事前判定情報としては、「１５Ｒ通常大当たり（通常大当たり）」、「１５Ｒ確変大当たり（確変１大当たり）」、「２Ｒ確変大当たり（確変２大当たり又は確変３大当たり）」及び「小当たり」等が設定されている。なお、事前判定情報として設定される情報は、これに限られず、図柄指定に基づく当たりの種別から判別される情報であれば、他の情報を設定しても構わない。
【０１４７】
また、主制御装置２１０は、当たり抽選の結果がはずれである場合には、はずれであることを示す事前判定情報及び変動パターンを示す事前判定情報に応じた事前判定情報コマンドを演出制御装置１５０に出力する。本実施形態では、変動パターン種別を示す事前判定情報としては、「変動パターン不定」、「固定値変動１」、「固定値変動２」及び「固定値変動３」が設定されている。
【０１４８】
また、本実施形態において、変動パターン種別決定テーブルＴと、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４は、上記第１実施形態と同様となる。
ここで、本実施形態において、４つの第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４のそれぞれにおいては、該４つの第１段階乱数範囲に共通のリーチ決定乱数の範囲（０〜３７０１）が固定値として設定されている。そして、固定値に対応する変動パターンの種別として、リーチ演出を行わない通常変動系（固定値変動３）、擬似０変動（固定値変動２）、擬似１変動（固定値変動１）が設定されている。
【０１４９】
このように、変動パターン種別決定テーブルＴのリーチ決定乱数の範囲に対して、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４に共通の固定値を設けることによって、固定値変動であるか否かについては、始動情報の当たり判定処理以前においても判定することが可能となっている。また、固定値変動である場合の変動パターンについても、当該始動情報の当たり判定処理以前においても判定することが可能となっている。
一方、固定値以外の乱数範囲については、始動情報についての当たり判定処理の実行時の始動情報記憶数に応じて範囲が変動するため、それ以前の時点では不定となる。
【０１５０】
そして、「変動パターン不定」は、始動情報の取得時には変動パターン種別が不定となっている変動パターン種別を示す。
「固定値変動１」、「固定値変動２」及び「固定値変動３」は、変動パターンの種別が固定値範囲内にある変動パターン種別を示す。本実施形態では、図６（ａ）に示すように、固定値範囲（０〜３７０１）において、リーチ１変動及びリーチ２変動が選択されない。そのため、「固定値変動１」を、高信頼度変動の変動パターン種別とし、「固定値変動２」を、中信頼度変動の変動パターン種別とし、「固定値変動３」を、低信頼度変動の変動パターン種別とする。
そして、事前判定情報コマンドは、始動情報の取得時に出力される。
【０１５１】
（第一始動情報記憶更新処理及び第二始動情報記憶更新処理）
次に、本実施形態における、ステップＳ２０２の第一始動情報記憶更新処理及びステップＳ２０６の第二始動情報記憶更新処理を説明する。
ここで、ステップＳ２０２の第一始動情報記憶更新処理及びステップＳ２０６の第二始動情報記憶更新処理は、同様の処理となる。従って、以下、ステップＳ２０２の第一始動情報記憶更新処理について説明し、ステップＳ２０６の第二始動情報記憶更新処理については説明を省略する。
【０１５２】
図１６は、本実施形態における第一始動情報記憶更新処理を示すフローチャートである。
第一始動情報記憶更新処理は、ステップＳ２０２において実行されると、図１６に示すように、まず、ステップＳ３００に移行する。
ステップＳ３００では、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数が「４」以上であるか否かを判定し、第一始動情報の記憶数が「４」以上ではないと判定した場合（Ｎｏ）は、ステップＳ３０３に移行する。一方、ステップＳ３００で、第一始動情報の記憶数が「４」以上であると判定した場合（Ｙｅｓ）は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【０１５３】
ステップＳ３０３では、当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等を対応の乱数カウンタから取得し、取得した各乱数値（第一始動情報）を、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域における所定の記憶部に記憶する第一始動情報記憶処理を実行する。この際、取得された第一始動情報は、第一始動情報記憶領域において、第一始動情報が記憶されていない記憶部のうち最も上位の記憶部に記憶される。
【０１５４】
次に、ステップＳ３０４に移行して、ＲＡＭ２４０の所定領域に記憶されている第一始動情報記憶数を１加算する始動情報記憶数加算処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。また、始動情報記憶数加算処理では、ＲＡＭ２４０に記憶されている第一始動情報記憶数が更新されることに伴い、特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａにおいて表示する第一始動情報記憶数を「１」加算した表示とする。
【０１５５】
ステップＳ３０６では、ステップＳ３０２で取得した始動情報に基づいて、該始動情報が指定する各種抽選の結果を判定する事前判定処理を実行し、ステップＳ３０８に移行する。
ステップＳ３０８では、ステップＳ３０４の始動情報記憶数加算処理の処理結果に基づいて、更新後の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【０１５６】
これにより、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介して、始動情報記憶数コマンドが演出制御装置１５０に送信される。例えば、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域に新たな第一始動情報を記憶した結果、第一始動情報記憶数が「１」となった場合、第一始動情報記憶数が「１」であることを示す始動情報記憶数コマンドが演出制御装置１５０に送信される。
以上の処理は、「第一」を「第二」に置き換えることで、第二始動情報記憶更新処理となる。
【０１５７】
（リーチ決定乱数取得処理）
次に、ステップＳ３０３におけるリーチ決定乱数の取得処理を説明する。
図１７は、リーチ決定乱数の取得処理を示すフローチャートである。
リーチ決定乱数の取得処理は、ステップＳ３０３において実行されると、図１７に示すように、まず、ステップＳ９００に移行する。
【０１５８】
ステップＳ９００では、ＲＡＭ２３０の所定領域に格納された第一又は第二始動情報記憶数のうち該当する記憶数を取得して、ステップＳ９０２に移行する。
ステップＳ９０２では、ステップＳ９００で取得した始動情報記憶数が「０」又は「１」か否かを判定し、「０」又は「１」であると判定した場合(Yes)は、ステップＳ９０４に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップＳ９０６に移行する。
【０１５９】
ステップＳ９０４に移行した場合は、第１段階乱数範囲ｒ０１の乱数を発生する乱数カウンタｒ０１からリーチ決定乱数を取得して、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
また、ステップＳ９０６に移行した場合は、始動情報記憶数が「２」か否かを判定する。そして、「２」であると判定した場合(Yes)は、ステップＳ９０８に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップＳ９１０に移行する。
【０１６０】
ステップＳ９０８に移行した場合は、第１段階乱数範囲ｒ２の乱数を発生する乱数カウンタｒ２からリーチ決定乱数を取得して、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップＳ９１０に移行した場合は、始動情報記憶数が「３」か否かを判定し、「３」であると判定した場合(Yes)は、ステップＳ９１２に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップＳ９１４に移行する。
【０１６１】
ステップＳ９１２に移行した場合は、第１段階乱数範囲ｒ３の乱数を発生する乱数カウンタｒ３からリーチ決定乱数を取得して、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
また、ステップＳ９１４に移行した場合は、第１段階乱数範囲ｒ４の乱数を発生する乱数カウンタｒ４からリーチ決定乱数を取得して、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【０１６２】
（事前判定処理）
次に、ステップＳ３０６の事前判定処理を説明する。
図１８は、事前判定処理を示すフローチャートである。
事前判定処理は、ステップＳ３０６において実行されると、図１８に示すように、まず、ステップＳ１０００に移行する。
【０１６３】
ステップＳ１０００では、ステップＳ３０２で取得した当たり決定乱数に基づいて、該当たり決定乱数の値が当たり値と一致しているか否かを判定し、当たり値と一致していないと判定した場合（Ｎｏ）は、ステップＳ１００２に移行する。一方、ステップＳ１０００で、当たり値と一致していると判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ１００８に移行する。
【０１６４】
ステップＳ１００２では、ステップＳ３０２で取得したリーチ決定乱数に基づいて、該リーチ決定乱数の値が固定値（０〜３７０１）と一致しているか否かを判定し、固定値と一致していると判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ１００４に移行する。一方、ステップＳ１００２で、固定値と一致していないと判定した場合（Ｎｏ）は、ステップＳ１００６に移行する。
【０１６５】
ステップＳ１００４では、固定値変動を示す事前判定情報コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
この際、高信頼度変動、中信頼度変動又は低信頼度変動のいずれかであるかを判定し、該判定の結果に応じた事前判定情報コマンド（固定値変動１、固定値変動２又は固定値変動３）をＲＡＭ２４０の所定領域に格納する。
一方、ステップＳ１００６では、はずれ変動パターン不定を示す事前判定情報コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【０１６６】
一方、ステップＳ１００８では、大当たり又は小当たりを示す事前判定情報コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
この際、ステップＳ３０２で取得した当たり種別決定乱数に基づいて当たり種別（通常大当たり、確変１大当たり、確変２大当たり、確変３大当たり又は小当たり）を判定し、該判定の結果に応じた事前判定情報コマンド（１５Ｒ通常大当たり、１５Ｒ確変大当たり、２Ｒ確変大当たり又は小当たり）をＲＡＭ２４０の所定領域に格納する。
以上の処理により、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介して、事前判定情報コマンドが演出制御装置１５０に送信される。
【０１６７】
（演出制御処理）
次に、本実施形態における演出制御装置１５０で実行される処理を説明する。
演出制御装置１５０のＣＰＵは、所定の動作クロック（例えば、２［ｍｓ］）で１サイクルを実行可能な制御プログラムに基づいて動作し、ＲＯＭ２３０の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、図２０のフローチャートに示す演出制御処理を繰り返し実行する。
【０１６８】
図１９は、演出制御装置が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。
演出制御処理は、演出制御装置１５０のＣＰＵにおいて実行されると、図１９に示すように、まず、ステップＳ１１００に移行する。
ステップＳ１１００では、演出制御装置１５０は、事前判定情報コマンドを受信する事前判定情報コマンド受信処理を実行し、ステップＳ１１０２に移行する。
【０１６９】
ステップＳ１１０２では、演出制御装置１５０は、始動情報記憶数コマンドを受信する始動情報記憶数コマンド受信処理を実行し、ステップＳ１１０４に移行する。
始動情報記憶数コマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から始動情報記憶数コマンドを受信し、受信した始動情報記憶数コマンドが示す始動情報記憶数をＲＡＭの所定領域に記憶する。この際、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から始動情報記憶数コマンドを受信するごとに、ＲＡＭの所定領域に記憶されている始動情報記憶数を更新する。ここで、演出制御装置１５０は、ＲＡＭの所定領域において、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数を、それぞれ個別に記憶する。
【０１７０】
また、演出制御装置１５０は、受信した始動情報記憶数コマンドに対応する表示制御コマンド（以下、始動情報記憶数表示コマンドとする）を生成し、生成した始動情報記憶数表示コマンドを表示制御部１５１に送信する。
そして、表示制御部１５１は、始動情報記憶数表示コマンドを受信すると、該始動情報記憶数表示コマンドが示す始動情報記憶数を、演出図柄表示装置１０４において表示させる。ここで、表示制御部１５１は、演出図柄表示装置１０４において、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数を、それぞれ個別に表示する。表示制御部１５１は、演出図柄表示装置１０４において表示される第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数のそれぞれを、新たな始動情報記憶数表示コマンドを受信するまで維持する。本実施形態では、演出図柄表示装置１０４において、第一始動情報記憶数を保留図柄Ｘによって表示し、第二始動情報記憶数を保留図柄Ｙによって表示する。
【０１７１】
ステップＳ１１０４では、演出制御装置１５０は、変動パターンコマンドを受信する変動パターンコマンド受信処理を実行し、ステップＳ１１０６に移行する。
変動パターンコマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から変動パターンコマンドを受信する。そして、演出制御装置１５０は、受信した変動パターンコマンドに対応する表示制御コマンド（以下、変動パターン表示コマンドとする）を生成し、生成した変動パターン表示コマンドを表示制御部１５１に送信する。
【０１７２】
そして、表示制御部１５１は、変動パターン表示コマンドを受信すると、演出図柄表示装置１０４において変動パターン表示コマンドで指定されている変動パターンによる演出図柄Ｚの変動表示を開始させる。
ステップＳ１１０６では、演出制御装置１５０は、図柄指定コマンドを受信する図柄指定コマンド受信処理を実行し、ステップＳ１１０８に移行する。
【０１７３】
図柄指定コマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から図柄指定コマンドを受信する。そして、演出制御装置１５０は、受信した図柄指定コマンドに対応する表示制御コマンド（以下、停止図柄表示コマンドとする）を生成し、生成した停止図柄表示コマンドを表示制御部１５１に送信する。
ステップＳ１１０８では、演出制御装置１５０は、図柄停止コマンドを受信する図柄停止コマンド受信処理を実行し、ステップＳ１１１０に移行する。
【０１７４】
図柄停止コマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から図柄停止コマンドを受信する。そして、演出制御装置１５０は、受信した図柄停止コマンドに対応する表示制御コマンドを生成し、生成した表示制御コマンドを表示制御部１５１に送信する。
そして、表示制御部１５１は、図柄停止コマンドに対応する表示制御コマンドを受信すると、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを停止表示させる。この際、表示制御部１５１は、ステップＳ１１０６で受信した停止図柄表示コマンドで指定されている組み合わせで、演出図柄Ｚを停止表示させる。
【０１７５】
ステップＳ１１１０では、演出制御装置１５０は、演出開始コマンドを受信する演出開始コマンド受信処理を実行し、ステップＳ１１１２に移行する。
演出開始コマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から演出開始コマンドを受信して、受信した演出開始コマンドに応じて当たり演出を実行する。
ステップＳ１１１２では、演出制御装置１５０は、事前判定情報コマンドに基づき、予告演出表示制御処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【０１７６】
（事前判定情報コマンド受信処理）
次に、ステップＳ１１００の事前判定情報コマンド受信処理を説明する。
図２０は、事前判定情報コマンド受信処理を示すフローチャートである。
事前判定情報コマンド受信処理は、ステップＳ１１００において実行されると、図２０に示すように、まず、ステップＳ１２００に移行する。
【０１７７】
ステップＳ１２００では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から事前判定情報コマンドを受信したか否かを判定し、事前判定情報コマンドを受信したと判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ８０２に移行する。一方、ステップＳ１２００で、事前判定情報コマンドを受信していないと判定した場合（Ｎｏ）は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【０１７８】
ステップＳ１２０２では、演出制御装置１５０は、受信した事前判定情報コマンドが示す事前判定情報を、最新の事前判定情報として、ＲＡＭの事前判定情報記憶領域に記憶し、ステップＳ１２０４に移行する。
ここで、演出制御装置１５０のＲＡＭには、第一始動情報に基づく事前判定情報（以下、第一事前判定情報とする）を記憶する領域（以下、第一事前判定情報憶領域とする）及び第二始動情報に基づく事前判定情報（以下、第二事前判定情報とする）を記憶する領域（以下、第二事前判定情報記憶領域とする）が設けられている。
【０１７９】
第一事前判定情報記憶領域は、図３に示す第一始動情報記憶領域に対応している。すなわち、第一事前判定情報記憶領域は、１番目から４番目までの４つの記憶部を有している。そして、第一事前判定情報記憶領域のそれぞれの記憶部は、第一始動情報記憶領域の同一の順位の記憶部に対応している。また、第二事前判定情報記憶領域は、第一事前判定情報記憶領域と同様に、図３に示す第二始動情報記憶領域に対応している。
【０１８０】
そして、演出制御装置１５０は、受信した事前判定情報コマンドが示す事前判定情報（第一事前判定情報、第二事前判定情報）を、ＲＡＭの事前判定情報記憶領域（第一事前判定情報記憶領域、第二事前判定情報記憶領域）における、該事前判定情報に係る始動情報が記憶されている記憶部に対応する記憶部に記憶する。
例えば、第一始動入賞口１１１ａへの遊技球の入賞を契機として取得された第一始動情報が第一始動情報記憶領域の３番目の記憶部Ａ３に記憶された場合、演出制御装置１５０は、該第一始動情報に係る第一事前判定情報を、第一事前判定情報記憶領域の３番目の記憶部に記憶する。
【０１８１】
また、演出制御装置１５０は、消化された始動情報に係る事前判定情報をＲＡＭの事前判定情報記憶領域から削除する。この際、演出制御装置１５０は、ＲＡＭの事前判定情報記憶領域（第一事前判定情報記憶領域又は第二事前判定情報記憶領域）における２番目以降の記憶部に記憶されている事前判定情報を、それぞれ、１つ上の順位の記憶部に繰り上げて記憶する。
【０１８２】
例えば、第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶が更新されて、第一始動情報記憶領域の３番目の記憶部Ａ３に記憶されていた第一始動情報が２番目の記憶部Ａ２に繰り上げて記憶された場合、演出制御装置１５０は、第一事前判定情報記憶領域の３番目の記憶部に記憶されていた第一事前判定情報を２番目の記憶部に繰り上げて記憶する。
以上により、演出制御装置１５０は、ＲＡＭの事前判定情報記憶領域における事前判定情報の記憶を、主制御装置２１０のＲＡＭ２４０の始動情報記憶領域における始動情報の記憶に対応させる。
【０１８３】
ステップＳ１２０４では、演出制御装置１５０は、予告演出実行処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。本実施の形態において、演出制御装置１５０は、事前判定情報コマンドが変動パターン不定の情報を含む場合は、予告演出表示制御処理を実行しないようになっている。
（パチンコ機１の動作）
次に、パチンコ機１の動作を説明する。
【０１８４】
図２１は、演出図柄表示装置における予告演出表示の一例を示す図である。
遊技盤面１０２に発射された遊技球が始動入賞口１１１ａ，１１１ｂに入賞すると、始動入賞口スイッチ１３１ａ，１３１ｂにより検出信号が出力される。
主制御装置２１０では、始動入賞口スイッチ１３１ａ，１３１ｂから検出信号が入力されると（Ｓ２００又はＳ２０４のYes）、ほぼそのタイミングで当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等の各種乱数が取得される（Ｓ２０２又はＳ２０６）。そして、取得された各種乱数は、始動入賞情報として、ＲＡＭ２４０の始動入賞情報記憶領域に記憶される。この際、第一始動入賞口スイッチ１３１ａの検出信号を契機として取得された第一始動情報は、ＲＡＭ２４０における第一始動情報記憶領域に最大４つまで記憶される。また、第二始動入賞口スイッチ１３１ｂの検出信号を契機として取得された第二始動情報は、ＲＡＭ２４０における第二始動情報記憶領域に最大４つまで記憶される。
【０１８５】
リーチ決定乱数の取得処理は、始動入賞口スイッチ１３１ａ，１３１ｂからの検出信号の入力に応じて実行される。ここでは、第一始動入賞口１１１ａに遊技球が入賞し、第一始動入賞口スイッチ１３１ａから検出信号が入力されたとする。これにより、主制御装置２１０は、ＲＡＭ２４０の所定領域に格納された第一始動情報記憶数を読み出す（Ｓ９００）。そして、読み出した第一始動情報記憶数の判定を行う（Ｓ９０２、Ｓ９０６、Ｓ９１０）。
【０１８６】
主制御装置２１０は、この判定により、第一始動情報記憶数が「０」又は「１」であると判定した場合（Ｓ９０２のYes）は、第１段階乱数範囲ｒ０１「０〜４００１」の乱数を発生する乱数カウンタｒ０１からリーチ決定乱数を取得する（Ｓ９０４）。
一方、主制御装置２１０は、第一始動情報記憶数が「２」であると判定した場合（Ｓ９０６のYes）は、第１段階乱数範囲ｒ２「０〜３９３１」の乱数を発生する乱数カウンタｒ２からリーチ決定乱数を取得する（Ｓ９０８）。
【０１８７】
また、主制御装置２１０は、第一始動情報記憶数が「３」であると判定した場合（Ｓ９１０のYes）は、第１段階乱数範囲ｒ３「０〜３８０１」の乱数を発生する乱数カウンタｒ３からリーチ決定乱数を取得する（Ｓ９１２）。
また、主制御装置２１０は、第一始動情報記憶数が「４」であると判定した場合（Ｓ９１０のNo）は、第１段階乱数範囲ｒ３「０〜３７０１」の乱数を発生する乱数カウンタｒ３から乱数を取得する（Ｓ９１４）。
【０１８８】
このようにして取得されたリーチ決定乱数は、第一始動情報として、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域に記憶される。
そして、主制御装置２１０は、ＲＡＭ２４０の所定領域に格納された第一始動情報記憶数を１加算する（Ｓ３０４）。
主制御装置２１０は、更新された第一始動情報数を示す始動情報記憶数コマンドを演出制御装置１５０に送信する。そして、演出制御装置１５０は、始動情報記憶数コマンドを受信すると、ＲＡＭの所定領域に記憶されている第一始動情報記憶数を更新し、更新した第一始動情報記憶数を、演出図柄表示装置１０４において表示させる。
【０１８９】
また、第一始動入賞口１１１ａへの遊技球の入賞を契機として、主制御装置２１０は、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報について、各乱数の事前判定処理を行う（Ｓ３０６）。
具体的に、主制御装置２１０は、当たり決定乱数の値が当たり値と一致しているか否かを判定する（Ｓ１０００）。ここでは、当たり値と一致してないと判定されたとする（Ｓ１０００のNo）。これにより、主制御装置２１０は、次に、リーチ決定乱数の値が固定値か否かを判定する（Ｓ１００２）。ここでは、第一始動情報記憶数が「２」であって、リーチ決定乱数として「３５６０」を取得したとする。本実施形態では、「０〜３７０１」を固定値としたので、主制御装置２１０は、固定値であると判定する（Ｓ１００２のYes）。主制御装置２１０は、「３５６０」が高信頼度変動、中信頼度変動又は低信頼度変動のいずれかであるかを判定する。本実施形態では、「３５６０」は擬似０変動に対応するため、中信頼度変動であると判定する。主制御装置２１０は、該判定の結果に応じた事前判定情報コマンド（固定値変動２）をＲＡＭ２４０の所定領域に格納する。
【０１９０】
これにより、出力ポート２５５を介して、事前判定情報コマンド（固定値変動２）が演出制御装置１５０に送信される。
次に、主制御装置２１０は、第一又は第二始動情報記憶領域に記憶されている始動情報について、当たり判定を行う。この際、主制御装置２１０は、第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報について、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報に対して優先して当たり判定を行う。これにより、演出図柄表示装置１０４において、第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報に基づく演出表示（演出図柄Ｚの変動表示、停止表示等）が、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報に基づく演出表示に対して優先して実行される。ここでは、第一始動情報記憶数が「２」、第二始動情報記憶数が「０」であるとする。従って、主制御装置２１０は、第一始動情報記憶領域に記憶されている始動情報について、当たり判定を行う。
【０１９１】
そして、当たり判定の結果、当たりを生起させることを決定した場合、当たりの種別、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせ、並びに当たり時の変動パターンが決定される。一方、当たり判定の結果、はずれを生起させることを決定した場合、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせ、並びにはずれ時の変動パターンが決定される。
【０１９２】
なお、変動パターン種別の決定及び変動パターンの決定は、始動情報に含まれるリーチ決定乱数及び変動パターン決定乱数を用いて、上記第１実施形態と同様に行う。
主制御装置２１０は、当たり判定により、当たり及びはずれのうちいずれかを生起させることを決定すると、演出図柄Ｚを変動表示し特定の組み合わせで停止表示させるために、変動パターンコマンド及び停止図柄指定コマンド等の制御コマンドを演出制御装置１５０に送信する。そして、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から制御コマンドを受信すると、演出図柄表示装置１０４において、決定された変動パターンで演出図柄Ｚを変動表示させ、所定の変動時間経過後に、決定された組み合わせで演出図柄Ｚを停止表示させる。
【０１９３】
具体的には、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚの変動表示を行う場合、第１，第２，第３の表示領域Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３のそれぞれにおいて、演出図柄Ｚが変動表示（スクロール表示）される。そして、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚの停止表示を行う場合、第１，第２，第３の表示領域Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３のそれぞれにおいて演出図柄Ｚが停止表示される。
【０１９４】
図２１に示すように、演出図柄表示装置１０４では、第一始動情報記憶数を表示する保留図柄Ｘが表示されるとともに、第二始動情報記憶数を表示する保留図柄Ｙが表示される。保留図柄Ｘは、第一始動情報記憶数に応じた数だけ点灯される。保留図柄Ｙは、第二始動情報記憶数に応じた数だけ点灯される。例えば、図２１では、保留図柄Ｘが２つ点灯するとともに、保留図柄Ｙが１つも点灯していないことによって、第一始動情報記憶数が２つ、第二始動情報記憶数が０であることを示す。従って、図２１の例では、第一始動情報に基づく制御コマンドが演出制御装置１５０に送信される。
【０１９５】
一方、演出制御装置１５０は、事前判定情報コマンドを受信した場合、該事前判定情報コマンドが示す事前判定情報を、ＲＡＭの事前判定情報記憶領域に記憶する。そして、演出制御装置１５０は、第一始動情報に基づく変動パターンコマンドを受信すると、予告演出表示処理を実行する。具体的には、演出制御装置１５０は、受信した変動パターンコマンドに係る演出図柄Ｚの変動表示に対応させて表示する予告演出を決定し、該予告演出を演出図柄表示装置１０４に表示させる。
【０１９６】
図２１に示すように、演出図柄表示装置１０４において、第一始動情報記憶領域の２番目の記憶部Ａ２に記憶されていた第一始動情報に基づく演出図柄Ｚの変動表示に対応して「アツイかも！？」というメッセージからなる予告演出が表示される。このメッセージは、固定値変動２に対応する。なお、固定値変動３の場合は、少し抑えめに、例えば、「チャンスかも！？」というメッセージからなる予告演出を表示し、固定値変動１の場合は、より期待を持たせるように、例えば、「激アツかも！？」というメッセージからなる予告演出を表示する。
【０１９７】
このようにして、本実施形態のパチンコ機１は、１つの変動パターン種別決定テーブルを備え、該変動パターン種別決定テーブルに対して、第一及び第二始動情報記憶数別に設定された数値範囲の異なる複数種類（本実施形態では４種類）の第１段階乱数範囲を設定する。そして、この複数種類の第１段階乱数範囲のうち、第一又は第二始動入賞口１１１ａ又は１１１ｂに遊技球が入賞時の第一及び第二始動情報記憶数に対応する第１段階乱数範囲を用いて、リーチ決定乱数を取得し、変動パターン種別を決定することが可能となる。
【０１９８】
これにより、従来の、始動情報記憶数別に、それぞれ変動パターン種別決定テーブルを備えた構成と比較して、変動パターン種別決定テーブルのデータ量を低減することが可能となる。
また、始動入賞口に遊技球が入賞時のタイミングでリーチ決定乱数を取得するようにしたので、上記事前判定による予告演出を行うことが可能となる。
【０１９９】
また、変動パターン種別決定テーブルは、リーチ決定乱数の乱数範囲（例えば、０〜４００１）において、乱数値が若いものから順に、通常変動系に大部分が割り当てられている（例えば、０〜３４４１）。そして、擬似０変動（例えば、３４４２〜３６７１）、擬似１変動（例えば、３６７２〜３８９１）、リーチ１変動（例えば、３８９２〜３９７１）、リーチ２変動（例えば、３９７２〜４００１）の順で割り当てる乱数値を減少させている。また、通常変動系、擬似０変動、擬似１変動、リーチ１変動、リーチ２変動の順で、変動時間が長くなる。一方、第１段階乱数範囲は、リーチ決定乱数の範囲に対して、始動情報記憶数が多くなるほど、その最大値を減少していく形で乱数範囲が設定されている。例えば、始動情報記憶数の最大数が４の場合に、第１段階乱数範囲は、例えば、「０〜４００１」、「０〜３９３１」、「０〜３８０１」、「０〜３７０１」のように設定される。
【０２００】
これにより、始動情報記憶数が多いほど、短い変動時間の変動パターン種別が選択されやすくなり、始動情報記憶数が多いほど変動時間が短くなる確率を高くすることができるので、始動情報の消化効率を向上することが可能となる。
ここで、上記第２実施形態において、特賞抽選乱数は、当たり決定乱数に対応し、リーチ決定乱数は、演出パターン決定乱数に対応し、演出パターン決定テーブルは、変動パターン種別決定テーブルに対応する。
【０２０１】
また、上記第２実施形態において、Ｓ１０６は、特賞抽選手段に対応し、Ｓ５０２〜Ｓ５０８は、特賞判定手段に対応し、Ｓ２００〜Ｓ２０６は、特賞抽選乱数記憶手段に対応し、Ｓ６１２は、特賞抽選乱数削除手段に対応する。
また、上記第２実施形態において、乱数カウンタｒ０１、ｒ２、ｒ３、ｒ４は、乱数発生手段に対応し、Ｓ７００〜７０４、Ｓ７２４〜７３２は、演出パターン抽選手段に対応し、Ｓ７０６〜Ｓ７０８は、演出パターン決定手段に対応する。また、演出制御装置１５０は、演出制御手段に対応する。
また、上記第２実施形態において、Ｓ１２０４は、示唆演出制御手段に対応し、演出図柄表示装置１０４は、表示手段に対応する。
【０２０２】
（変形例）
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態では、種々の変更を行うことが可能である。
（１）例えば、上記各実施形態において、リーチ決定乱数の範囲に対して１つの変動パターン種別決定テーブルを備える構成としたが、この構成に限らず、以下に示す構成としてもよい。
【０２０３】
図２２（ａ）〜（ｃ）は、変動パターン種別決定テーブルの変形例を示す図であり、（ｄ）は、各始動情報記憶数に対応する乱数範囲の一例を示す図である。
上記各実施形態では、１つの変動パターン種別決定テーブルに対して、複数種類の乱数範囲を設定する構成とした。これに対して、本変形例（１）では、複数種類の第１段階乱数範囲の共通の乱数範囲部分に対して生成した、変動パターン種別決定テーブルと、非共通の乱数範囲部分に対して生成した変動パターン種別決定テーブルとの２つのテーブルを備える構成とした点が異なる。
【０２０４】
ここで、上記各実施形態では、始動情報記憶数が「３」のときに、リーチ２変動が、始動情報記憶数が「４」のときに、リーチ１及びリーチ２変動が選択されない構成となっていた。これは、複数種類の乱数範囲を設定するに際し、変動パターン種別決定テーブルに対応するリーチ決定乱数の乱数範囲に対して、最大値を小さくすることで、数値範囲を異ならせるようにしたことが要因の一つである。また、変動パターン種別決定テーブルについても、乱数値の若い順に、通常変動系、擬似０変動、擬似１変動、リーチ１変動、リーチ２変動の順で乱数値を割当てている。加えて、通常変動系に乱数値の大部分を割当て、次いで、擬似０変動、擬似１変動、リーチ１変動、リーチ２変動の順に、割当数を少なくしている。特に、リーチ１変動、リーチ２変動に対しては、他と比較して割当数を少なくしている。このような割当て方も上記選択されない要因の一つとなっている。
【０２０５】
本変形例（１）では、各始動情報記憶数に対して選択されない種別が発生しないように、変動パターン種別テーブルを下記のように構成した。
まず、上記各実施形態と同様に、図２２（ｄ）に示す、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４の４種類の乱数範囲を設定する。これらに共通となる乱数部分は、第１段階乱数範囲「０〜３７０１」となる。
【０２０６】
本変形例（１）では、まず、「０〜３７０１」の共通の乱数範囲部分に対して、変動パターン種別決定テーブルを生成する。以下、この変動パターン種別決定テーブルを第１変動パターン種別決定テーブルという。具体的に、図２２（ａ）に示すように、「０〜３７０１」の各乱数値を、通常変動系、擬似０変動、擬似１変動、リーチ１変動、リーチ２変動の５種類の変動パターン種別に割り当てる。このとき、必ず、全ての種別が選択されるように、全ての種別に対して乱数値を割り当てる。
【０２０７】
図２２（ａ）の例では、通常変動系に乱数値「０〜３４１１（３４１１）」を割当て、擬似０変動に乱数値「３４１２〜３６４１（２３０）」を割当て、擬似１変動に乱数値「３６４２〜３６７１（３０）」を割当てている。更に、リーチ１変動に乱数値「３６７２〜３６９１（２０）」を割当て、リーチ２変動に乱数値「３６９２〜３７０１（１０）」を割り当てている。このようにして、第１変動パターン種別決定テーブルを生成する。
【０２０８】
次に、非共通の乱数範囲部分「３７０２〜４００１」についても、別途変動パターン種別決定テーブル（以下、第２の変動パターン種別決定テーブルという）を生成する。具体的に、共通の乱数範囲部分「０〜３７０１」の範囲で割り振った分を考慮して、非共通の乱数範囲部分「３７０２〜４００１」の各乱数値を、各変動種別に対して割り当てる。このとき、上記第１実施形態の図６（ｃ）のような、通常変動系の選択確率の関係に近くなるように構成するのが望ましい。
【０２０９】
図２２（ａ）の例では、通常変動系に乱数値「３７０２〜３７３１（３０）」を割当て、擬似０変動に乱数値「３７３２〜３７５１（２０）」を割当て、擬似１変動に乱数値「３７５２〜３９２１（１８０）」を割当てている。更に、リーチ１変動に乱数値「３９２２〜３９８１（６０）」を割当て、リーチ２変動に乱数値「３９８２〜４００１（２０）」を割り当てている。このようにして、第２変動パターン種別決定テーブルを生成する。
【０２１０】
このように、共通の乱数範囲部分と、非共通の乱数範囲部分とでテーブルを分けることで、各始動情報記憶数において、全ての変動パターン種別が選択される可能性を持たせることが可能となる。これによって、遊技者が、始動情報記憶数を見ただけで、遊技の展開を読めてしまうようなことを困難にすることが可能となる。特に、上記第２実施形態の予告演出（示唆演出）との組み合わせによって、始動情報記憶数と予告演出の内容とから、遊技者に遊技の展開を読ませるのを困難とすることができる。
【０２１１】
また、上記第２実施形態では、固定値の範囲において、通常変動系、擬似０変動、擬似１変動のいずれかしか選択されない構成となっており、そのために、これら３種類の種別に対して、遊技者に遊技の展開を読ませないために擬似的に信頼度を設定した。図２２（ａ）の例に示すように、固定値の範囲（第１変動パターン種別決定テーブルの乱数範囲）で全ての種別からいずれかを選択できるテーブル構成であれば、擬似的に信頼度を設定する必要が無くなり、各選択された種別に応じた信頼度を予告演出に用いることが可能となる。
【０２１２】
なお、変動パターン種別決定テーブルは、図２２（ａ）の例に限らず、図２２（ｂ）〜（ｃ）のような構成としてもよい。
図２２（ｂ）の例は、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４の共通の乱数範囲部分の一部「０〜３６７１」と、残りの乱数範囲部分「３６７２〜４００１」とに対して、図２２（ａ）と同様にテーブルを１つずつ作成したものである。
【０２１３】
また、図２２（ｃ）の例は、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４の共通の乱数範囲部分の一部「３４４１」と、残りの乱数範囲部分「３４４２〜４００１」とに対して、図２２（ａ）と同様にテーブルを１つずつ作成したものである。
図２２（ａ）〜（ｃ）は、各乱数値に対する割当て数等が異なるが、作用及び効果は同様となる。
【０２１４】
また、変動パターン種別決定テーブルは、図２２（ａ）〜（ｃ）に例示した構成に限らず、別の構成としてもよい。例えば、変動パターン種別として、別途固定値変動を設定し、更に、変動パターンテーブルとして、専用の固定値変動テーブルを用意する。そして、固定値変動に対応する範囲の乱数を取得した場合に、更に、変動パターン決定乱数に対応する固定値変動の変動パターン番号を専用テーブルから取得する。そして、固定値変動が選択された場合にのみ、示唆演出（予告演出）を実施する。
【０２１５】
上記変形例（１）において、第１変動パターン種別決定テーブルは、第１の演出パターン決定テーブルに対応し、第２変動パターン種別決定テーブルは、第２の演出パターン決定テーブルに対応する。
（２）上記各実施形態において、パチンコ機１が１つの変動パターン種別決定テーブルを備える構成としたが、この構成に限らない。例えば、当たり時用の変動パターン種別決定テーブル、はずれ時用の変動パターン種別決定テーブルといったように、当たりやはずれ等の条件別に各１つずつ変動パターン種別決定テーブルを備える構成としてもよい。
【０２１６】
（３）上記各実施形態において、リーチ決定乱数の乱数範囲を「０〜４００１」としたが、この構成に限らず、他の乱数範囲としてもよい。
（４）上記各実施形態において、リーチ決定乱数の乱数範囲の各乱数値を、各変動パターン種別に対して、図６（ａ）に示す割合で、割り当てる構成としたが、この構成に限らず、割当数等を変更してもよい。
（５）上記各実施形態において、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４を、図６（ｂ）に示す数値範囲としたが、この構成に限らず、別の数値範囲としてもよい。
【０２１７】
（６）上記第２実施形態においては、演出制御装置１５０が、予告演出実行処理を行う構成としたが、この構成に限らない。例えば、主制御装置２１０が、予告演出実行処理を行う構成としてもよい。
（７）上記各実施形態では、主制御装置２１０は、第二始動情報に基づく当たり判定処理を、第一始動情報に基づく当たり判定処理に対して優先して実行する。しかしながら、主制御装置２１０は、当たり判定処理を行う順番を、全ての始動情報を通じて、該始動情報が取得された順番としても構わない。さらに、主制御装置２１０は、遊技状態（低確率状態、高確率状態、時短状態等）に応じて、第二始動情報に基づく当たり判定処理を第一始動情報に基づく当たり判定処理に対して優先して実行するか、第一始動情報に基づく当たり判定処理を第二始動情報に基づく当たり判定処理に対して優先して実行するかを決定する構成としても構わない。
【０２１８】
（８）上記各実施形態では、演出制御装置１５０は、予告演出として、演出図柄表示装置１０４において画像を表示する構成となっている。しかしながら、演出制御装置１５０は、予告演出として、演出図柄表示装置１０４において画像を表示するとともに、スピーカ１５５から所定の音声を出力すること、ランプ１５４を所定パターンで点灯又は点滅させることを適宜組み合わせても構わない。
【０２１９】
（９）上記各実施形態では、主制御装置２１０が、当たり時に停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせを示す停止図柄番号を決定し、決定した停止図柄番号に対応する停止図柄指定コマンドを演出制御装置１５０に送信する構成となっている。しかしながら、演出制御装置１５０が、当たり時及びはずれ時に停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせを決定する構成としても構わない。この場合、主制御装置２１０は、当たり種別（当たり種別又ははずれ）を示す制御コマンドを演出制御装置１５０に送信する。そして、演出制御装置１５０は、受信した当たり種別を示す制御コマンドに基づいて、停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせを決定する。
【０２２０】
（１０）上記各実施形態において、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数の最大数を４としたが、この構成に限らず、法規等の許す範囲で別の数としてもよい。
（１１）上記各実施形態においては、パチンコ機１である遊技機に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他のアミューズメントゲーム機等の遊技機にも適用可能である。
【符号の説明】
【０２２１】
１０４ 演出図柄表示装置
１０７ａ，１０７ｂ 特別図柄表示装置
１０６ 普通図柄表示装置
１０９ａ，１０９ｂ 特別図柄始動情報記憶数表示装置
１１１ 始動入賞装置
１１１ａ 第一始動入賞口
１１１ｂ 第二始動入賞口
１１５ 大入賞口
１３１ａ 第一始動入賞口スイッチ
１３１ｂ 第二始動入賞口スイッチ
１５０ 演出制御装置
１５１ 表示制御部
１５２ ランプ制御部
１５３ 効果音制御部
１５４ ランプ
１５５ スピーカ
２１０ 主制御装置
２１２ 電源回路
２２０ ＣＰＵ
２３０ ＲＯＭ
２４０ ＲＡＭ
２５０ 入力ポート
２５５ 出力ポート
【技術分野】
【０００１】
本発明は、遊技者に有利な遊技状態である特賞状態を生起させるか否かを決定するための特賞抽選乱数の保留記憶数別に、特賞抽選乱数の判定結果の報知演出に対応する演出パターンであって、複数種類の演出パターンの生起確率を異なるようにした遊技機に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、特賞抽選乱数の抽選結果に対応した演出の態様を選択するための複数の演出の態様が記憶されたデータテーブルを保留記憶数別に備え、演出の態様を保留記憶数に応じたデータテーブルから選択する構成の遊技機がある（特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００３−３４００４７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、特許文献１に係る遊技機は、保留記憶数別にデータテーブルを用意しているため、保留記憶数の最大数の増加に伴ってデータテーブルの数が増加する。また、演出態様の種類を増加させた場合に各テーブルに対応させる必要がある。そのため、かかる構成においては、仕様によって、データテーブルに必要な記憶容量が増大するといった問題があった。
【０００５】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものである。本発明に係る遊技機は、演出態様を決定するデータテーブルの記憶容量を増大させずに、保留記憶数別に、上記複数の演出パターンの生起確率を容易に異ならせることが可能な遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
〔発明１〕 上記目的を達成するために、発明１の遊技機は、始動入賞口に遊技球が入賞することを契機として、遊技者に有利な遊技状態となる特賞状態を生起させるか否かを決定するための特賞抽選乱数を取得する特賞抽選手段と、前記特賞抽選手段において取得された特賞抽選乱数を予め設定された最大保留数を上限として記憶する特賞抽選乱数記憶手段と、前記特賞抽選乱数記憶手段によって記憶された前記特賞抽選乱数について、所定の順序で、前記特賞状態を生起させるか否かの判定を行う特賞判定手段と、前記特賞抽選手段によって取得した特賞抽選乱数の判定結果に応じた報知演出の演出パターンについて、前記演出パターンを決定するための演出パターン抽選乱数の乱数範囲における各乱数値を、演出時間の異なる複数種類の演出パターンと対応付けて登録した演出パターン決定テーブルと、前記演出パターン抽選乱数の乱数範囲を最大範囲として、前記特賞抽選乱数の記憶数毎に異なる数値範囲に設定された複数の乱数範囲における各乱数範囲の乱数を発生する乱数発生手段と、遊技球が前記始動入賞口に入賞してから当該入賞に対応する前記特賞抽選乱数の判定結果に対する前記報知演出の演出パターンが決定されるまでの期間において、所定タイミングで、前記乱数発生手段の発生する乱数のうち、前記特賞抽選乱数の記憶数に対応する乱数範囲の乱数を、前記演出パターン抽選乱数として取得する演出パターン抽選手段と、前記演出パターン決定テーブルに登録された、前記演出パターン抽選手段で取得した演出パターン抽選乱数に対応する演出パターンを前記報知演出の演出パターンに決定する演出パターン決定手段と、前記演出パターン決定手段で決定した演出パターンに基づき、前記特賞抽選乱数の判定結果の報知演出を行う演出制御手段と、を備えることを特徴とする。
【０００７】
このような構成であれば、特賞抽選手段によって、特賞抽選乱数が取得されると、特賞抽選乱数記憶手段によって、最大保留数を上限に特賞抽選乱数が記憶される。一方、乱数発生手段によって、特賞抽選乱数の記憶数別に、演出パターンの乱数範囲を最大範囲として記憶数が多くなるほど乱数範囲の小さくなる複数の乱数範囲の各乱数範囲の乱数が発生させられる。また、演出パターン抽選手段によって、乱数発生手段から、遊技球の始動入賞口への入賞時から報知演出の開始時までの期間の所定タイミングにおける特賞抽選乱数の記憶数に応じた乱数範囲の乱数が、演出パターン抽選乱数として取得される。また、特賞判定手段によって、特賞抽選乱数記憶手段によって記憶された特賞乱数について、所定の順序で、特賞状態を生起させるか否かの判定が行われる。また、演出パターン決定手段によって、上記構成の演出パターン決定テーブルに登録された演出パターンのうち、演出パターン抽選手段で取得した演出パターン抽選乱数に対応する演出パターンが報知演出の演出パターンとして決定される。そして、演出制御手段によって、演出パターン決定手段で決定された演出パターンに基づき、特賞判定手段における特賞抽選乱数の判定結果の報知演出が行われる。
【０００８】
つまり、１つの演出パターン決定テーブルに対して、特賞抽選乱数の記憶数別に、異なる乱数範囲の乱数を発生させて、各記憶数に対して、演出時間の異なる複数種類の演出パターンの生起確率を異ならせるようにした。
これによって、演出パターン決定テーブルのデータ量はそのままに、各記憶数に対して、演出時間の異なる複数種類の演出パターンの生起確率を異ならせることが可能となる。
ここで、始動入賞口に遊技球が入賞するとは、遊技球が始動入賞口を通過すると共に、内部のセンサやスイッチ等によって遊技球の通過が検出される領域を通過することと同義である。このことは、以下の発明の記載において同様である。
【０００９】
〔発明２〕 さらに、発明２の遊技機は、発明１の遊技機において、前記演出パターン決定テーブルは、前記演出パターン抽選乱数の乱数範囲における各乱数値を、当該乱数値が小さいほど短い演出時間の演出パターンに対応し、かつ当該乱数値が大きいほど長い演出時間の演出パターンに対応するように演出時間の異なる複数種類の演出パターンと対応付けて登録したテーブルであり、前記複数の乱数範囲は、前記記憶数が多くなる毎に前記演出パターンの乱数範囲の最大値が小さくなるように設定された乱数範囲であることを特徴とする。
【００１０】
このような構成であれば、特賞抽選乱数の記憶数が多いほど乱数範囲の最大値が小さくなりかつ乱数範囲が小さくなる。そのため、特賞抽選乱数の記憶数が多いほど、小さくなった最大値以上の乱数値が出なくなり、比較的小さい乱数値が出やすくなる。その結果、演出時間の短い演出パターンが報知演出の演出パターンとして決定されやすくなる。つまり、特賞抽選乱数の記憶数が多ければ多いほど報知演出の演出時間が短くなり、次の特賞抽選乱数の当たり判定処理を実行するまでの時間を早くすることが可能となる。
【００１１】
〔発明３〕 さらに、発明３の遊技機は、発明１又は２の遊技機において、前記所定タイミングは、前記報知演出の演出パターンを決定時のタイミングであることを特徴とする。
このような構成であれば、演出パターン抽選手段によって、演出パターンを決定時における特賞抽選乱数の記憶数に応じた乱数範囲の乱数を乱数発生手段から取得することができる。
これによって、報知演出を実行時の特賞抽選乱数の記憶数に対応する演出パターンを当該報知演出の演出パターンとして決定することが可能となる。
【００１２】
〔発明４〕 さらに、発明４の遊技機は、発明１又は２の遊技機において、前記所定タイミングは、前記遊技球の前記始動入賞口への入賞時のタイミングであることを特徴とする。
このような構成であれば、演出パターン抽選手段によって、遊技球の前記始動入賞口への入賞時の特賞抽選乱数の記憶数に応じた乱数範囲の乱数を乱数発生手段から取得することができる。
これによって、特賞抽選乱数記憶手段で記憶された特賞抽選乱数に対応する演出パターンの種類を報知演出の実行前に知ることができるので、事前に知った演出パターン種類に応じた演出を行うことが可能となる。
【００１３】
ここで、演出パターン種類に応じた演出としては、例えば、特賞抽選乱数記憶手段で記憶された特賞抽選乱数に対して当たりが生起することを示唆するメッセージや図柄等を表示する演出が該当する。また、示唆するメッセージ等の表示に加えて、特賞抽選乱数の記憶数を明示する図柄を表示し、該図柄における示唆に該当する図柄の色や形状を変化させるなどの演出なども該当する。
【００１４】
〔発明５〕 さらに、発明５の遊技機は、発明１乃至４のいずれか１の遊技機において、前記特賞抽選手段において前記特賞抽選乱数が取得された際に、前記特賞抽選乱数記憶手段によって記憶された特賞抽選乱数のうち、当該取得された特賞抽選乱数より先に前記特賞判定手段による判定が行われる特賞抽選乱数に対応する演出パターン抽選乱数について、当該演出パターン抽選乱数に対応する演出パターンの種類に基づき、前記特賞抽選の結果を示唆する示唆演出を実行する示唆演出制御手段を備えることを特徴とする。
このような構成であれば、事前に知った演出パターンの種類に応じた示唆演出を行うことが可能となる。例えば、演出パターンの種類に応じて信頼度が設定されている場合に、該信頼度に応じた示唆演出を行うことが可能となる。
【００１５】
〔発明６〕 さらに、発明６の遊技機は、発明１乃至５のいずれか１の遊技機において、前記複数の乱数範囲における、前記各記憶数に対して共通の乱数範囲部分に対応する第１の演出パターン決定テーブルと、前記各記憶数に対して非共通の乱数範囲部分に対応する第２の演出パターン決定テーブルとを備え、前記演出パターン決定手段は、前記第１及び第２の演出パターン決定テーブルのうち、前記演出パターン抽選手段で取得した演出パターン抽選乱数に対応するパターンテーブルを用いて前記報知演出の演出パターンを決定し、前記示唆演出制御手段は、前記第１の演出パターン決定テーブルを用いて決定される演出パターンに対してのみ、前記示唆演出を行うことを特徴とする。
【００１６】
このような構成であれば、第１の演出パターン決定テーブルの乱数範囲を、複数の乱数範囲に共通の固定の乱数範囲として取り扱うことが可能となる。一方、第２の演出パターン決定テーブルの乱数範囲は、複数の乱数範囲に対して非共通となるので、不定の乱数範囲として取り扱うことが可能となる。そして、この固定の乱数範囲に対応する演出パターンに基づき示唆演出を行うことが可能となる。
これによって、不定値の範囲で決定される演出パターンについては示唆演出を行わないので、遊技球の始動入賞口への入賞時の特賞抽選乱数の記憶数と、報知演出開始時の特賞抽選乱数の記憶数とが食い違っていても、遊技者に違和感を生じさせない示唆演出を行うことが可能となる。
【００１７】
〔発明７〕 さらに、発明７の遊技機は、発明６の遊技機において、前記第１の演出パターン決定テーブルは、前記共通の乱数範囲部分の各乱数値を、当該乱数値が小さいほど短い演出時間となり、かつ当該乱数値が大きいほど長い演出時間となるように演出時間の異なる複数種類の演出パターンと対応付けて登録したものであり、前記第２の演出パターン決定テーブルは、前記非共通の乱数範囲部分の各乱数値を、当該乱数値が小さいほど短い演出時間となり、かつ当該乱数値が大きいほど長い演出時間となるように前記複数種類の演出パターンと対応付けて登録したものであることを特徴とする。
【００１８】
このような構成であれば、第１の演出パターン決定テーブルは、複数の乱数範囲に共通の乱数範囲部分に対して、複数種類の演出パターンが対応付けられているので、複数種類の演出パターンに基づく示唆演出を行うことが可能となる。
これによって、変化に富んだ示唆演出を行うことが可能となる。
【００１９】
〔発明８〕 さらに、発明８の遊技機は、発明１乃至７のいずれか１の遊技機において、図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能な表示手段を備え、前記演出制御手段は、前記報知演出として、前記表示手段において、前記図柄を変動表示した後、前記特賞抽選の結果に応じた態様で前記図柄を停止表示させる演出処理を行い、前記複数種類の演出パターンは、前記図柄の変動表示において前記特賞状態の生起する図柄で停止する可能性のあることを予告するリーチ演出を行わない演出パターンと、前記図柄の変動表示において前記リーチ演出を行う演出パターンとを含むことを特徴とする。
【００２０】
このような構成であれば、リーチ演出を行わない演出パターンは図柄の変動表示時間が短くなり、リーチ演出を行う演出パターンは図柄の変動表示時間が長くなる。従って、特賞抽選乱数の記憶数が多いときは、リーチ演出を行わない演出パターンが選択され易くなるので、記憶数が多いときほど図柄の変動表示時間を短くすることが可能となる。
【発明の効果】
【００２１】
以上説明したように、発明１乃至８のいずれか１によれば、保留記憶数別に、複数種類の演出パターンの生起確率を異なるものにするに際して、従来と比較して、演出パターン決定テーブルに必要なデータ量（記憶容量）を低減することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】パチンコ機における遊技盤面の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
【図２】パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
【図３】第一始動情報記憶領域及び第二始動情報記憶領域を説明するための図である。
【図４】特別図柄の停止図柄の態様を示す図である。
【図５】第１実施形態に係る主制御装置から演出制御装置に出力される演出制御コマンドの内容を示す図である。
【図６】（ａ）は、変動パターン種別決定テーブルの一例を示す図であり、（ｂ）は、各始動情報記憶数に対応する乱数範囲の一例を示す図であり、（ｃ）は、各始動情報記憶数に対する通常変動系の割合の一例を示す図である。
【図７】（ａ）〜（ｄ）は、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４について、各変動パターン種別に対して割り当てられる乱数の個数の一例を示す図である。
【図８】遊技制御処理を示すフローチャートである。
【図９】入賞スイッチ入力処理を示すフローチャートである。
【図１０】第一始動情報記憶更新処理を示すフローチャートである。
【図１１】変動設定処理を示すフローチャートである。
【図１２】当たり判定処理を示すフローチャートである。
【図１３】変動パターン決定処理を示すフローチャートである。
【図１４】演出制御装置が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。
【図１５】（ａ）〜（ｃ）は、変動パターン種別決定テーブルの変形例を示す図であり、（ｄ）は、各始動情報記憶数に対応する乱数範囲の一例を示す図である。
【図１６】第２実施形態に係る主制御装置から演出制御装置に出力される演出制御コマンドの内容を示す図である。
【図１７】第２実施形態に係る第一始動情報記憶更新処理を示すフローチャートである。
【図１８】リーチ決定乱数の取得処理を示すフローチャートである。
【図１９】事前判定処理を示すフローチャートである。予告演出実行処理を示すフローチャートである。
【図２０】第２実施形態に係る演出制御装置が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。補助演出実行処理を示すフローチャートである。
【図２１】事前判定情報コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図２２】演出図柄表示装置における予告演出表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００２３】
〔第１実施形態〕
以下、本発明の第１実施形態を図面に基づき説明する。図１〜図１４は、本発明に係る遊技機の第１実施形態を示す図である。
本実施形態は、本発明に係る遊技機を、図１に示すように、パチンコ機に適用したものである。
【００２４】
（遊技盤面の構成）
まず、パチンコ機１における遊技盤面１０２の構成を説明する。
図１は、パチンコ機における遊技盤面の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
図１に示すように、遊技盤面１０２のほぼ中央部には、演出画像を表示することが可能な演出図柄表示装置１０４が設けられている。演出図柄表示装置１０４は、例えば、液晶ディスプレイ、ＣＲＴ（Ｃａｔｈｏｄｅ Ｒａｙ Ｔｕｂｅ）ディスプレイ等の表示装置によって構成される。本実施形態では、演出図柄表示装置１０４に、背景等の演出画像及び複数の図柄を動画として可変表示することで、多彩な演出画像及び演出図柄の表示を実現する。
【００２５】
演出図柄表示装置１０４は、予め設定された第１，第２，第３の表示領域Ｒ１（左），Ｒ２（中），Ｒ３（右）のそれぞれにおいて、演出図柄Ｚ（Ｚ（左），Ｚ（中），Ｚ（右））の変動表示及び停止表示を行う。ここで、本実施形態では、演出図柄Ｚは、図柄中に数字画像を含んで構成される。そして、演出図柄Ｚの変動表示とは、第１，第２，第３の表示領域Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３のそれぞれにおいて、複数種類の演出図柄Ｚをスクロールさせた状態で表示することをいう。また、演出図柄Ｚの停止表示とは、第１，第２，第３の表示領域Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３のそれぞれにおいて、演出図柄Ｚを停止させた状態で表示することをいう。
【００２６】
そして、演出図柄表示装置１０４において、第１，第２，第３の表示領域Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３で停止表示される演出図柄Ｚの組み合わせによって、当たり抽選の結果を報知する。
演出図柄表示装置１０４の下方には、遊技球を左右方向及び前後方向に転動させることが可能なステージ１０８が設けられている。また、演出図柄表示装置１０４の左側には、流入した遊技球をステージ１０８に放出させるワープ入口１１２が設けられている。ステージ１０８は、前面側が開放しており、放出された遊技球を転動させた後、遊技盤面１０２に放出する。また、ステージ１０８の左右方向の中央部の奥側には、遊技球導出路１０８ａが設けられている。そして、遊技球導出路１０８ａに流入した遊技球は、遊技盤面１０２における、後述する第一始動入賞口１１１ａの真上に導出される。
【００２７】
演出図柄表示装置１０４の左側には、普通図柄始動ゲート１２２が設けられている。普通図柄始動ゲート１２２は、遊技球が通過すると、パチンコ機１内部の始動ゲートスイッチ（図示せず）の検出信号により遊技球の通過を検知し、普通図柄による抽選の契機を与える。また、普通図柄始動ゲート１２２の下方には、遊技球を常時入賞可能とする２つの一般入賞口１２４，１２５が設けられている。
【００２８】
演出図柄表示装置１０４の下方には、始動入賞装置１１１が設けられている。始動入賞装置１１１は、第一始動入賞口１１１ａと、第一始動入賞口１１１ａの下側に設けられた第二始動入賞口１１１ｂとを有している。第一始動入賞口１１１ａは、常時、遊技球が入賞可能となるように上向きに開口した入賞口（いわゆるヘソ）である。第二始動入賞口１１１ｂは、入賞確率を変更することが可能な電動役物（いわゆる電動チューリップ）である。第二始動入賞口１１１ｂは、通常時は、遊技球が入賞することができないように閉止状態であるが、普通図柄表示装置１０６の表示が特定の態様となったときに、所定パターンで開放状態となって遊技球を入賞可能とする。
【００２９】
第一始動入賞口１１１ａは、遊技球が入賞すると、パチンコ機１内部の第一始動入賞口スイッチ１３１ａ（図２参照）の検出信号により遊技球の入賞を検知し、演出図柄表示装置１０４における演出図柄Ｚの変動表示開始の契機及び特別図柄表示装置１０７ａにおける特別図柄の変動表示開始の契機を与える。また、第二始動入賞口１１１ｂは、遊技球が入賞すると、パチンコ機１内部の第二始動入賞口スイッチ１３１ｂ（図２参照）の検出信号により遊技球の入賞を検知し、演出図柄表示装置１０４における演出図柄Ｚの変動表示開始の契機及び特別図柄表示装置１０７ｂにおける特別図柄の変動表示開始の契機を与える。特別図柄及び演出図柄Ｚの変動表示は、所定の変動時間経過後に停止し、当たり抽選の結果の報知や演出が行われる。
【００３０】
本実施形態において、遊技球が入賞するとは、遊技球が入賞口又はゲートを通過すると共に、遊技球の通過を検出するスイッチの設けられた領域を通過することと同義である。例えば、第一始動入賞口１１１ａの場合は、遊技球が第一始動入賞口１１１ａを通過すると共に、内部の第一始動入賞口スイッチ１３１ａの設けられた領域を通過することと同義である。このことは、第二始動入賞口１１１ｂ、各種一般入賞口１２４，１２５、以下に説明する大入賞口１１５についても同様である。
【００３１】
始動入賞装置１１１の右側には、２つの特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂが設けられている。各特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂは、例えば、液晶ディスプレイ又はＣＲＴディスプレイ等の可変表示装置、７セグメントＬＥＤ、ドットマトリクスＬＥＤ等によって構成される。各特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂは、数字や図柄等からなる特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、各特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂは、停止表示された特別図柄によって、当たり抽選の結果を報知する。この際、特別図柄表示装置１０７ａは、第一始動入賞口１１１ａへの遊技球の入賞を契機として行われた当たり抽選の結果を報知する。また、特別図柄表示装置１０７ｂは、第二始動入賞口１１１ｂへの遊技球の入賞を契機として行われた当たり抽選の結果を報知する。ここで、各特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂにおいて停止表示された特別図柄が特定の図柄となって生起する遊技状態を「特賞状態（当たり）」という。特賞状態とは、遊技者へ多数の賞球を払い出す等の所定の遊技価値を付与する有利な遊技状態をいう。また、各特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂにおける特別図柄の表示と、演出図柄表示装置１０４における演出図柄Ｚの表示とは、互いに対応付けられている。
【００３２】
特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂの右側には、普通図柄表示装置１０６が設けられている。普通図柄表示装置１０６は、例えば、液晶ディスプレイ又はＣＲＴディスプレイ等の可変表示装置、７セグメントＬＥＤ、ドットマトリクスＬＥＤ等によって構成される。普通図柄表示装置１０６は、数字や図柄等からなる普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、普通図柄表示装置１０６は、停止表示された普通図柄によって、普通図柄による抽選の結果を報知する。
【００３３】
特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂの上側には、特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａ，１０９ｂ及び普通図柄始動情報記憶数表示装置１０３が設けられている。特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａ，１０９ｂ及び普通図柄始動情報記憶数表示装置１０３は、それぞれ、例えば、ＬＥＤ等によって構成されている。
【００３４】
特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａ，１０９ｂは、後述する特別図柄の始動情報が主制御装置２１０のＲＡＭ２４０における特別図柄用の始動情報記憶領域に記憶されることに連動して点灯し、始動情報記憶数（いわゆる、保留玉数）を表示する。ここで、パチンコ機１では、第一始動入賞口１１１ａへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数及び第二始動入賞口１１１ｂへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数を、それぞれ個別に表示する。すなわち、第一始動入賞口１１１ａへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数を特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａに表示するとともに、第二始動入賞口１１１ｂへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数を特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ｂに表示する。
【００３５】
普通図柄始動情報記憶数表示装置１０３は、普通図柄の始動情報が主制御装置２１０のＲＡＭ２４０における普通図柄用の始動情報記憶領域に記憶されることに連動して点灯し、連続して普通図柄の変動表示を行うことが可能な回数を表示する。
始動入賞装置１１１の下方には、大入賞口１１５が設けられている。大入賞口１１５は、通常時は閉止状態であるが、特賞状態が生起されたときに、所定パターンで開放状態となることによって遊技球を入賞可能とする。すなわち、大入賞口１１５は、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂに停止表示された特別図柄が特定の図柄となり特賞状態が生起された際に、大入賞口１１５の前面に設置された開閉部材１１５ａを開くことにより開放動作を行う。
【００３６】
大入賞口１１５の開放動作は、所定の時間（例えば、３０秒）経過するか、所定数（例えば１０個等）の遊技球が入賞するまで（１ラウンド）継続する。また、大入賞口１１５の開放動作は、特賞状態の種類に応じて設定されたラウンド数だけ繰り返し行われる。そして、大入賞口１１５に遊技球が入賞すると、パチンコ機１内部の大入賞口スイッチ１３２（図２参照）の検出信号により入賞が検出され、遊技球の入賞が検出される毎に賞球が払い出される。
【００３７】
そして、大入賞口１１５の下方であって遊技盤面１０２の最下方には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口１１０が設けられている。
なお、遊技盤面１０２においては、各入賞口に遊技球を導くように複数の釘（図示せず）が配置されている。
【００３８】
また、以下、特賞状態（当たり）の終了後に当たり抽選の当選確率が低確率（通常確率）となる遊技状態を「低確率状態」といい、特賞状態の終了後に当たり抽選の当選確率が低確率状態と比較して高確率（例えば、通常確率の１０倍）となる遊技状態を「確率変動状態」という。また、特別図柄及び演出図柄Ｚの変動時間が短縮する遊技状態を「時短状態」という。時短状態では、普通図柄の抽選確率が通常時の抽選確率と比較して高確率（例えば、１０倍）になるとともに、第二始動入賞口１１１ｂの開放時間が通常時の開放時間と比較して延長される。また、時短状態では、普通図柄の変動時間が通常時と比較して短くなる。
【００３９】
（制御系の構成）
次に、パチンコ機１における制御系の構成を説明する。
図２は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図２に示すように、パチンコ機１は、第一始動入賞口スイッチ１３１ａと、第二始動入賞口スイッチ１３１ｂと、大入賞口スイッチ１３２と、各種入賞口スイッチ１３３とを備えている。
【００４０】
第一始動入賞口スイッチ１３１ａは、第一始動入賞口１１１ａへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置２１０に出力する。第二始動入賞口スイッチ１３１ｂは、第二始動入賞口１１１ｂへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置２１０に出力する。大入賞口スイッチ１３２は、大入賞口１１５への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置２１０に出力する。各種入賞口スイッチ１３３は、普通図柄始動ゲート１２２への遊技球の通過等を検出し、検出信号を主制御装置２１０に出力する。
【００４１】
また、パチンコ機１は、制御部として、主に、主制御装置２１０及び演出制御装置１５０を備えている。不正行為防止等のため、主制御装置２１０及び演出制御装置１５０は、それぞれ別々の基板に実装される。また、主制御装置２１０から演出制御装置１５０への一方向にのみデータの送信が可能となっている。
【００４２】
主制御装置２１０は、主として、第一始動入賞口１１１ａへの遊技球の入賞の検出及び第二始動入賞口１１１ｂへの遊技球の入賞の検出に応じて、各種の乱数を発生（抽出）させる。そして、主制御装置２１０は、発生させた各種乱数に基づいて、制御コマンドの送信及び遊技全体の制御を行う。また、主制御装置２１０は、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂ、普通図柄表示装置１０６、特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａ，１０９ｂ、普通図柄始動情報記憶数表示装置１０３、賞球払出制御装置１５６、大入賞口ソレノイド１５８及び電動チューリップ（図示せず）を直接制御（ポート出力制御）する。
【００４３】
主制御装置２１０は、ＣＰＵ２２０と、ＲＯＭ２３０と、ＲＡＭ２４０と、入力ポート２５０と、出力ポート２５５とを備える。
入力ポート２５０は、第一始動入賞口スイッチ１３１ａ、第二始動入賞口スイッチ１３１ｂ、大入賞口スイッチ１３２及び各種入賞口スイッチ１３３のそれぞれから出力された検出信号をＣＰＵ２２０に出力する。
【００４４】
出力ポート２５５は、演出制御装置１５０、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂ、普通図柄表示装置１０６、特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａ，１０９ｂ、普通図柄始動情報記憶数表示装置１０３、賞球払出制御装置１５６及び大入賞口ソレノイド１５８のそれぞれに制御コマンドや制御信号を出力する。また、出力ポート２５５は、パチンコ機１の出玉情報や異常信号をホールコンピュータ５００に出力する。これにより、ホールコンピュータ５００においてパチンコ機１の遊技状況等を遠隔監視する。
【００４５】
ＲＯＭ２３０には、主制御装置２１０で実行されるパチンコ機１を制御するためのプログラム、遊技制御用のデータ等が記憶されている。遊技制御用のデータには、当たり、当たり種別、停止図柄、変動パターン種別、変動パターン等を決定するためのデータテーブルが含まれる。更に、遊技制御用のデータには、演出制御装置１５０を制御するための各種制御コマンド等が含まれる。ここで、各種制御コマンドとしては、図柄指定コマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、始動情報記憶数コマンド、演出開始コマンド、状態指定コマンド等がある。
【００４６】
ＲＡＭ２４０は、主制御装置２１０に対する入出力データ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等を一時的に記憶する。また、ＲＡＭ２４０は、特別図柄用の始動情報記憶領域及び普通図柄用の始動情報記憶領域を有する。ここで、特別図柄用の始動情報記憶領域には、第一始動入賞口１１１ａへの遊技球の入賞を契機として取得される始動情報（以下、第一始動情報とする）を記憶する領域（以下、第一始動情報記憶領域とする）が設けられている。更に、特別図柄用の始動情報記憶領域には、第二始動入賞口１１１ｂへの遊技球の入賞を契機として取得される始動情報（以下、第二始動情報とする）を記憶する領域（以下、第二始動情報記憶領域とする）が設けられている。
【００４７】
ここで、始動情報とは、始動入賞口１１１ａ，１１１ｂへの遊技球の入賞を契機として取得された各種乱数値等の情報（例えば、当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数等）をいう。これにより、特別図柄用の始動情報記憶領域では、第一始動情報及び第二始動情報が、それぞれ個別に記憶される。
図３は、第一始動情報記憶領域及び第二始動情報記憶領域を説明するための図である。
【００４８】
第一始動情報記憶領域及び第二始動情報記憶領域は、それぞれ、始動情報を所定上限数（所定数）まで記憶する。本実施形態では、図３に示すように、第一始動情報記憶領域は、１番目から４番目までの４つの記憶部（Ａ１からＡ４）を有しており、それぞれの記憶部に第一始動情報を記憶することにより、４つの第一始動情報を記憶する。また、第二始動情報記憶領域は、１番目から４番目までの４つの記憶部（Ｂ１からＢ４）を有しており、それぞれの記憶部に第二始動情報を記憶することにより、４つの第二始動情報を記憶する。
【００４９】
ここで、主制御装置２１０は、第一始動情報記憶領域及び第二始動情報記憶領域のそれぞれに記憶されている始動情報について、１番目の記憶部に記憶されている始動情報から順に当たり判定を行い、判定を行った始動情報を各始動情報記憶領域から削除する。
以下、始動情報に対して当たり判定を行い、判定を行った始動情報を始動情報記憶領域から削除する動作を「始動情報の消化」という。
【００５０】
また、普通図柄の始動情報記憶領域には、普通図柄始動ゲート１２２への遊技球の通過を契機として取得された乱数等の情報が所定上限数（本実施形態では、４つ）まで記憶される。
また、ＲＡＭ２４０は、演出制御装置１５０等に出力すべき制御コマンドを一時的に記憶しておくためのコマンド記憶領域を有する。そして、パチンコ機１では、停電等による電源遮断が発生した場合、停電から復帰した際に、ＲＡＭ２４０の記憶内容を停電直前の状態に復元し、ＲＡＭ２４０のコマンド記憶領域に記憶されている出力すべき制御コマンドを出力することにより、遊技状態を電源遮断前の状態に復帰させる。
【００５１】
また、主制御装置２１０には、電源供給を行うための電源回路２１２が接続されている。
演出制御装置１５０は、主制御装置２１０と同様に、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、入力ポート及び出力ポートを備える。
演出制御装置１５０のＲＯＭには、演出を制御するためのプログラム、各種データ等が記憶されている。演出制御装置１５０のＲＡＭには、主制御装置２１０から入力された制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶される。演出制御装置１５０のＣＰＵは、ＲＯＭに記憶されたプログラムにしたがって処理を実行することにより、表示制御部１５１による演出図柄表示装置１０４の制御、ランプ制御部１５２によるランプ１５４の制御及び効果音制御部１５３によるスピーカ１５５からの効果音の出力の制御を行う。
【００５２】
演出制御装置１５０は、演出図柄表示装置１０４における表示を制御する表示制御部１５１と、ランプ１５４の点灯、点滅等を制御するランプ制御部１５２と、スピーカ１５５からの効果音の出力を制御する効果音制御部１５３とを備える。演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から受信した制御コマンドに従って演出制御装置１５０内で送信される内部コマンドを生成し、該内部コマンドを送信することによって、表示制御部１５１、ランプ制御部１５２及び効果音制御部１５３のそれぞれを制御する。
【００５３】
特に、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から受信した制御コマンドに従って、表示制御コマンドを生成する。そして、演出制御装置１５０は、生成した表示制御コマンドを表示制御部１５１に送信することにより、表示制御部１５１を制御する。
ランプ制御部１５２は、演出制御装置１５０から入力される内部コマンドに応じて、実行すべきランプ演出を決定し、該ランプ演出に対応する制御データをＲＯＭから読み出して、該制御データに基づいてランプ１５４の点灯、点滅、消灯等を行う。
【００５４】
効果音制御部１５３は、演出制御装置１５０から入力される内部コマンドに応じて、実行すべき効果音演出を決定し、該効果音演出に対応する音響データをＲＯＭから読み出してスピーカ１５５に出力する。
表示制御部１５１は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、画像処理用ＶＤＰ（Ｖｉｄｅｏ Ｄｉｓｐｌａｙ Ｐｒｏｃｅｓｓｏｒ）、入力ポート及び出力ポートを備える。
【００５５】
表示制御部１５１のＲＯＭには、表示演出制御を行うためのプログラム、各種画像データ等が記憶されている。表示制御部１５１のＲＡＭには、ＣＰＵに対する入出力データや演算処理のためのデータが一時的に記憶され、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。
表示制御部１５１のＣＰＵは、演出制御装置１５０から入力された表示制御コマンドに応じて、ＲＯＭに記憶されたプログラムに従って、該表示制御コマンドに応じた画像データをＲＯＭから読み出して、該画像データをＶＤＰに出力する。画像処理用ＶＤＰは、ＣＰＵからの出力指示に従って、出力ポートを介して演出図柄表示装置１０４に画像データを出力する。
【００５６】
（特別図柄及び演出図柄の停止表示の態様）
次に、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂにおける特別図柄の停止表示の態様及び演出図柄表示装置１０４における演出図柄Ｚの停止表示の態様を説明する。
図４は、特別図柄の停止図柄の態様を示す図である。
パチンコ機１においては、図４に示すように、当たり（特賞状態）の種別として、「通常大当たり」、「確変１大当たり」、「確変２大当たり」、「確変３大当たり」及び「小当たり」の５つが規定されている。
【００５７】
通常大当たりとなったときは、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂにおいて特別図柄を通常図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを通常図柄で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを通常図柄で停止表示する場合、例えば、演出図柄表示装置１０４の第１，第２，第３の表示領域Ｒ１（左），Ｒ２（中），Ｒ３（右）において、「２，２，２」、「４，４，４」、「６，６，６」等の偶数の同一の数字が揃う組み合わせで演出図柄Ｚ（Ｚ（左），Ｚ（中），Ｚ（右））を停止表示させる。また、通常大当たりとなったときは、当たり時における大入賞口１１５の最高開放回数、すなわちラウンドの最高継続回数が１５回となり、当たり後の１００回の抽選において時短状態となる。さらに、通常大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が低確率状態に設定される。
【００５８】
確変１大当たりとなったときは、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂにおいて特別図柄を確変１図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを確変１図柄で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを確変１図柄で停止表示する場合、例えば、演出図柄表示装置１０４の第１，第２，第３の表示領域Ｒ１（左），Ｒ２（中），Ｒ３（右）において、「１，１，１」、「３，３，３」、「５，５，５」といった奇数の同一の数字が揃う組み合わせで演出図柄Ｚ（Ｚ（左），Ｚ（中），Ｚ（右））を停止表示させる。また、確変１大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が１５回となり、当たり後において時短状態となる。さらに、確変１大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【００５９】
確変２大当たりとなったときは、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂにおいて特別図柄を確変１図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを確変２図柄で停止表示させるように制御する。また、確変２大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が２回となり、当たり後において時短状態となる。さらに、確変２大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【００６０】
確変３大当たりとなったときは、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂにおいて特別図柄を確変１図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを確変３図柄で停止表示させるように制御する。また、確変３大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が２回となる。また、確変３大当たりとなったときは、当たり時（当たり発生を報知するための特別図柄の変動表示が開始された時点）に時短未作動状態である場合は、当たり後において時短状態となり、当たり時に時短状態である場合は、当たり後において時短状態を継続させる（時短継続制御）ように制御する。さらに、確変３大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【００６１】
確変２大当たり、確変３大当たりは、１ラウンドの期間（大入賞口１１５の開放時間）が通常大当たりと比較して短く（数ｍｓ程度）、ラウンドの最高継続回数も２回しかないので、遊技者に対しては、当たりとならずに確率変動状態に突然移行したかのような意外性を与えることができる。
【００６２】
小当たりとなったときは、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂにおいて特別図柄を小当たり図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを小当たり図柄で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置１０４において停止表示される確変３図柄及び小当たり図柄は、１又は複数の特定の図柄の組み合わせからなり、両者を区別することができないようになっている。また、小当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が２回となり、小当たり後において時短機能の作動、未作動が変化しないように制御する。さらに、小当たりとなったときは、小当たり終了後の遊技状態が、小当たり前の遊技状態と同じ遊技状態に設定される。
【００６３】
なお、当たりの種別は、上記種別に限られるものではなく、上記以外の別の種別を備える構成としても構わない。また、上記当たりの種別を全て備える必要はなく、その遊技機の特性に応じて、各当たりの種別を個々に組み合わせて構成することができる。
さらに、第一始動情報に基づいて生起され得る当たりの種別及び第二始動情報に基づいて生起され得る当たりの種別を互いに異なる構成とすることによって、より変化に富んだ遊技が提供され、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
【００６４】
（制御コマンドの構造及び内容）
次に、主制御装置２１０から演出制御装置１５０に出力される制御コマンドの構造及び内容を説明する。
図５は、主制御装置から演出制御装置に出力される演出制御コマンドの内容を示す図である。
制御コマンドは、図５に示すように、制御コマンドの分類を識別するための識別子で１バイト長のディジタルデータであるモード（ＭＯＤＥ）と、実行される制御コマンドの内容（機能）を示す１バイト長のディジタルデータであるイベント（ＥＶＥＮＴ）とからなる。
【００６５】
主制御装置２１０では、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号（ＤＵＳＴＢ）の１つ目の立ち上がりを契機として、モード（ＭＯＤＥ）データが出力され、次いでストローブ信号（ＤＵＳＴＢ）の２つ目の立ち上がりを契機として、イベント（ＥＶＥＮＴ）データが出力される。これに対応して、演出制御装置１５０では、ＣＰＵにより、ストローブ信号（ＤＵＳＴＢ）の入力に応じて割込を発生させ、割込処理によって演出制御コマンドが演出制御装置１５０のＲＡＭに格納される。
【００６６】
図５に示すように、演出制御コマンドとしては、図柄指定コマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、演出開始コマンド、状態指定コマンド等がある。
図柄指定コマンドは、演出図柄表示装置１０４において停止表示される演出図柄Ｚの組み合わせを指定するコマンドである。具体的には、図柄指定コマンドは、演出図柄表示装置１０４において停止表示させる演出図柄Ｚとして、はずれ演出図柄、時短図柄、確変１図柄、確変２図柄、確変３図柄及び小当たり図柄のいずれかを指定する。図柄指定コマンドは、演出図柄Ｚの変動開始時に出力される。ここで、演出図柄Ｚの変動開始時は、特別図柄の変動開始時とほぼ一致している。
【００６７】
変動パターンコマンドは、演出図柄表示装置１０４において表示する変動パターンとして、ｎ（ｎ＝１〜１０４）種類の変動パターンのうちいずれかを指定するためのコマンドである。変動パターンコマンドは、図柄指定コマンドとともに、演出図柄Ｚの変動開始時に出力される。
なお、変動パターンコマンドと図柄指定コマンドとは、どちらが先に出力される構成としても構わない。ただし、演出制御装置１５０では、図柄指定コマンドの受信を契機として演出に関わる様々な抽選を実行することが好ましい。従って、図柄指定コマンドが、変動パターンコマンドより先に出力される構成とすることが好ましい。これにより、演出制御装置１５０において、変動パターンの選択決定等の制御を行う前に演出に関わる抽選を実行することができ、制御負担を大幅に軽減することができる。
【００６８】
図柄停止コマンドは、演出図柄Ｚの停止表示を指定するためのコマンドである。図柄停止コマンドは、演出図柄Ｚの停止表示時に出力される。ここで、演出図柄Ｚの停止表示時は、特別図柄の停止表示時とほぼ一致している。
ここで、演出図柄Ｚの変動パターンを決定する際には、まず、リーチ決定乱数の値と変動パターン種別との対応が登録された変動パターン種別決定テーブルに基づいて、変動パターンの種別が決定される。本実施形態において、変動パターン種別決定テーブルは、当たり抽選の結果（当たり，はずれ）に対して１つのテーブルが設定されている。そして、各変動パターン種別決定テーブルから変動パターン種別を決定するに際して用いる乱数の範囲を、始動情報記憶数毎に異なる範囲に設定している。なお、当たり抽選の結果に対して、当たり時とはずれ時の２つの変動パターン種別決定テーブルを設定してもよい。
【００６９】
また、変動パターンの種別が決定された後、変動パターン決定乱数の値と変動パターン番号との対応が登録された変動パターン決定テーブルに基づいて、変動パターンが決定される。変動パターン決定テーブルは、それぞれの変動パターンの種別に対応して設定されている。
演出開始コマンドは、ｍ（ｍ＝１〜９５）種類の１５Ｒ当たり（通常大当たり、確変１大当たり）の演出開始、確変２大当たりの演出開始、確変３大当たりの演出開始及び小当たりの演出開始をそれぞれ指定するためのコマンドである。演出開始コマンドは、当たり開始時に出力される。
状態指定コマンドは、時短の終了及び開始をそれぞれ指定するためのコマンドである。状態指定コマンドは、時短の終了時及び時短の開始時のそれぞれに出力される。
【００７０】
（変動パターン種別決定テーブルの構造）
次に、変動パターン種別決定テーブルの構造について説明する。
図６（ａ）は、変動パターン種別決定テーブルの一例を示す図であり、（ｂ）は、各始動情報記憶数に対応する乱数範囲の一例を示す図であり、（ｃ）は、各始動情報記憶数に対する通常変動系の割合の一例を示す図である。
【００７１】
図６（ａ）に示すように、パチンコ機１では、変動パターン種別決定テーブルとして、各始動情報記憶数に共通の１つの変動パターン種別決定テーブルＴが設定されている。そして、変動パターン種別決定テーブルＴにおいては、通常変動系、擬似０変動、擬似１変動、リーチ変動１及びリーチ変動２の５種類の変動パターンの種別が設定されている。なお、変動パターン種別決定テーブルは、ＲＯＭ２３０に格納されている。
【００７２】
ここで、通常変動系とは、リーチ演出を実行しない変動をいう。リーチ演出とは、複数の表示領域Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３のうち二以上の表示領域において、特賞状態を生起させる組み合わせに含まれる演出図柄Ｚを仮停止表示させる演出をいう。擬似０変動及び擬似１変動とは、リーチ演出を実行しない変動であって、リーチになりそうでならない変動を行う。リーチ変動１及びリーチ変動２は、それぞれ、リーチ演出を実行する変動をいう。
【００７３】
リーチ２変動では、リーチ１変動と比較して、特賞状態を生起させる期待が高くなるような演出が設定されている。そして、リーチ２変動（信頼度高）、リーチ１変動（信頼度中）、擬似１変動（信頼度低の上）、擬似０変動（信頼度低の中）、通常変動系（信頼度低の下）の順に、特賞状態が生起される信頼度が高く設定されている。信頼度とは、特賞状態となる場合に当該変動パターン種別が選択される割合を、全体の当該変動パターン種別が選択される割合で除した値である。
【００７４】
また、「リーチ２変動の変動時間＞リーチ１変動の変動時間＞擬似１変動の変動時間＞擬似０変動の変動時間＞通常変動系の変動時間」の関係となるように、各変動時間が設定されている。
ここで、変動パターン種別決定テーブルＴにおいては、各変動パターン種別に対して、リーチ決定乱数の範囲（０〜４００１）における各乱数値が対応付けられて登録されている。
【００７５】
本実施形態において、変動パターン種別決定テーブルＴは、図６（ａ）に示すように、通常変動系に対してリーチ決定乱数の乱数範囲（０〜４００１）における乱数値「０〜３４４１」が対応付けられて登録されている。同様に、擬似０変動に対して乱数値「３４４２〜３６７１」が、擬似１変動に対して乱数値「３６７２〜３８９１」が対応付けられて登録されている。同様に、リーチ１変動に対して乱数値「３８９２〜３９７１」が、リーチ２変動に対して乱数値「３９７２〜４００１」が対応付けられて登録されている。
【００７６】
また、本実施形態では、始動情報記憶数別に、リーチ決定乱数の範囲（０〜４００１）において、４種類の乱数範囲（以下、第１段階乱数範囲という）が設定されている。そして、変動パターン決定処理（後述）における変動パターン種別決定時の始動情報記憶数に対応した第１段階乱数範囲から、リーチ決定乱数を取得して、変動パターン種別を決定する。
【００７７】
第１段階乱数範囲としては、例えば、図６（ｂ）に示すように、始動情報記憶数「０，１」に対して、第１段階乱数範囲ｒ０１「０〜４００１」が設定され、始動情報記憶数「２」に対して、第１段階乱数範囲ｒ２「０〜３９３１」が設定されている。更に、始動情報記憶数「３」に対して、第１段階乱数範囲ｒ３「０〜３８０１」が設定され、始動情報記憶数「４」に対して、第１段階乱数範囲ｒ４「０〜３７０１」が設定されている。
【００７８】
つまり、始動情報記憶数が少ないほど、乱数範囲の最大値及び数値範囲が大きくなるように設定されている。また、始動情報記憶数が多くなるほど、リーチ決定乱数の乱数範囲（０〜４００１）の最大値を小さくしていく形で各第１段階乱数範囲の数値範囲を設定している。これにより、下限側の数値範囲を固定している。
ここで、図７（ａ）〜（ｄ）は、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４について、各変動パターン種別に対して割り当てられる乱数の個数の一例を示す図である。
【００７９】
図７（ａ）〜（ｄ）に示すように、通常変動系及び擬似０変動の乱数範囲（０〜３６７１）については、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４の全てに含まれている。つまり、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４のいずれも、通常変動系への割当数が「３４４１」、擬似０変動への割当数が「２３０」となっている。そして、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ２については、擬似１変動の乱数範囲（３６７２〜３８９１）も全て含まれており、それぞれ割当数は「２２０」となっている。これに対して、第１段階乱数範囲ｒ３は、擬似１変動の乱数範囲に対して、乱数範囲（３６７２〜３８０１）が割り当てられ、その割当数は「１３０」となっている。更に、第１段階乱数範囲ｒ４は、擬似１変動の乱数範囲に対して、乱数範囲（３６７２〜３７０１）が割り当てられ、その割当数は「３０」となっている。また、第１段階乱数範囲ｒ３及びｒ４は、リーチ１及びリーチ２の乱数範囲（３８９２〜４００１）に対して、割当数が「０」となっている。一方、第１段階乱数範囲ｒ０１は、リーチ１及びリーチ２の乱数範囲を全て含んでいる。また、第１段階乱数範囲ｒ２は、リーチ１の乱数範囲に対して、乱数範囲「３８９２〜３９３１」が割り当てられており、割当数は「４０」となっている。また、第１段階乱数範囲ｒ２は、リーチ２の乱数範囲に対して、割当数が「０」となっている。
【００８０】
つまり、変動パターン種別決定テーブルを共通にし、始動情報記憶数別に乱数範囲を異ならせることで、擬似１変動以降の種別に対しては、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４のそれぞれにおいて、選択されるものと選択されないものとが発生する。また、乱数範囲が異なることから、各種別に対する選択確率が変動する。
例えば、図６（ｃ）に示すように、始動情報記憶数毎に通常変動系の割合が異なる。つまり、始動情報記憶数が多いほど、通常変動系の選択される割合が高くなる。このことは、通常変動系に限らず、他の種別にも言える。
【００８１】
（遊技制御処理）
次に、主制御装置２１０で実行される遊技制御処理を説明する。
ＣＰＵ２２０は、マイクロプロセッシングユニット等からなり、所定の動作クロック（例えば、４［ｍｓ］）で１サイクルを実行可能な遊技制御プログラムに基づいて動作し、ＲＯＭ２３０の所定領域に格納されている遊技制御プログラムを起動させ、図８のフローチャートに示す遊技制御処理を実行する。
まず、主制御装置２１０が実行する遊技制御処理を説明する。
【００８２】
図８は、遊技制御処理を示すフローチャートである。
遊技制御処理は、ＣＰＵ２２０において実行されると、図８に示すように、まず、ステップＳ１００に移行する。
ステップＳ１００では、遊技者の利益に直接影響する出玉の決定等に関わる各種乱数を更新する当たり決定乱数等更新処理を実行する。ここで、出玉の決定等に直接関わる各種乱数としては、当たりを生起させるか否かの当たり抽選に用いる乱数（以下、当たり決定乱数という）、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数等がある。なお、当たり決定乱数等更新処理では、当たり決定乱数が一巡するたびに初期値を変化させることにより、当たり決定乱数値を容易に予測することができないようにしている。
【００８３】
次いで、ステップＳ１０２に移行して、演出に関わる演出制御用乱数（例えば、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等）を更新する演出制御用乱数更新処理を実行し、ステップＳ１０４に移行する。
ステップＳ１０４では、入力ポート２５０を介して、各スイッチ１３１ａ，１３１ｂ，１３２，１３３からの信号を入力する入力処理を実行し、ステップＳ１０６に移行する。入力処理では、第一始動入賞口スイッチ１３１ａからの検出信号及び第二始動入賞口スイッチ１３１ｂからの検出信号を入力する。
【００８４】
ステップＳ１０６では、始動情報を更新する入賞スイッチ入力処理を実行し、ステップＳ１０８に移行する。
ステップＳ１０８では、当たりの判定を行うとともに演出図柄Ｚの変動パターンを決定する変動設定処理を実行し、ステップＳ１１０に移行する。
ステップＳ１１０では、大入賞口１１５を所定パターンで開放させる電動役物作動処理を実行し、ステップＳ１１２に移行する。
【００８５】
ステップＳ１１２では、賞球払出制御装置１５６に対して払出し動作を行わせるための制御コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納する賞球払出管理処理を実行し、ステップＳ１１４に移行する。
ステップＳ１１４では、遊技制御に関する外部情報信号をホールコンピュータ５００に出力する外部情報出力処理を実行し、ステップＳ１１６に移行する。
【００８６】
ステップＳ１１６では、パチンコ機１の検査に必要な遊技機検査信号を出力する遊技機検査信号出力処理を実行する。なお、場合によっては、ステップＳ１１６の処理は省略することもできる。
次いで、ステップＳ１１８に移行して、出力ポート２５５を介して、ＲＡＭ２４０に格納した制御コマンドを出力するポート出力処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【００８７】
ポート出力処理では、演出制御コマンドが、演出制御装置１５０に対して出力される。この際、演出制御装置１５０に対しては、まず、ストローブ信号を出力し、モード及びイベントからなる制御コマンドを出力する。また、ポート出力処理では、特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂ、普通図柄表示装置１０６、大入賞口ソレノイド１５８、特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａ，１０９ｂ、普通図柄始動情報記憶数表示装置１０３等へも主制御装置２１０からの制御情報が出力される。
【００８８】
（入賞スイッチ入力処理）
次に、ステップＳ１０６の入賞スイッチ入力処理を説明する。
図９は、入賞スイッチ入力処理を示すフローチャートである。
入賞スイッチ入力処理は、ステップＳ１０６において実行されると、図９に示すように、まず、ステップＳ２００に移行する。
【００８９】
ステップＳ２００では、ステップＳ１０４の入力処理の処理結果に基づいて、第一始動入賞口スイッチ１３１ａから検出信号を入力したか否かを判定し、検出信号を入力したと判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ２０２に移行する。一方、ステップＳ２００で、第一始動入賞口スイッチ１３１ａから検出信号を入力しないと判定した場合（Ｎｏ）は、ステップＳ２０４に移行する。
ステップＳ２０２では、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶を更新する第一始動情報記憶更新処理を実行し、ステップＳ２０４に移行する。
【００９０】
ステップＳ２０４では、ステップＳ１０４の入力処理の処理結果に基づいて、第二始動入賞口スイッチ１３１ｂから検出信号を入力したか否かを判定し、検出信号を入力したと判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ２０６に移行する。一方、ステップＳ２０４で、第二始動入賞口スイッチ１３１ｂから検出信号を入力しないと判定した場合（Ｎｏ）は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップＳ２０６では、ＲＡＭ２４０の第二始動情報記憶領域における第二始動情報の記憶を更新する第二始動情報記憶更新処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【００９１】
（第一始動情報記憶更新処理及び第二始動情報記憶更新処理）
次に、ステップＳ２０２の第一始動情報記憶更新処理及びステップＳ２０６の第二始動情報記憶更新処理を説明する。
ここで、ステップＳ２０２の第一始動情報記憶更新処理及びステップＳ２０６の第二始動情報記憶更新処理は、同様の処理となる。従って、以下、ステップＳ２０２の第一始動情報記憶更新処理について説明し、ステップＳ２０６の第二始動情報記憶更新処理については説明を省略する。
図１０は、第一始動情報記憶更新処理を示すフローチャートである。
【００９２】
第一始動情報記憶更新処理は、ステップＳ２０２において実行されると、図１０に示すように、まず、ステップＳ３００に移行する。
ステップＳ３００では、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数が「４」以上であるか否かを判定し、第一始動情報の記憶数が「４」以上ではないと判定した場合（Ｎｏ）は、ステップＳ３０２に移行する。一方、ステップＳ３００で、第一始動情報の記憶数が「４」以上であると判定した場合（Ｙｅｓ）は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【００９３】
ステップＳ３０２では、当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数等を対応の乱数カウンタから取得し、取得した各乱数値（第一始動情報）を、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域における所定の記憶部に記憶する第一始動情報記憶処理を実行する。この際、取得された第一始動情報は、第一始動情報記憶領域において、第一始動情報が記憶されていない記憶部のうち最も上位の記憶部に記憶される。ここで、上位の記憶部とは、特賞状態を生起させるか否かを決定するための当たり判定処理（ステップＳ５０４又はＳ５０８）が先に行われる記憶部をいう（以下、同様）。すなわち、上位の記憶部に記憶されている始動情報は、当たり抽選の結果の表示（演出図柄Ｚの変動表示及び停止表示）が先に行われる。例えば、ＲＡＭ２４０の所定領域に記憶されている第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数（以下、第一始動情報記憶数という）が「１」である場合、取得した第一始動情報を、第一始動情報記憶領域における２番目の記憶部Ａ２に記憶する。同様に、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域における第一始動情報記憶数が「２」である場合、取得した第一始動情報を、第一始動情報記憶領域における３番目の記憶部Ａ３に記憶する。同様に、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域における第一始動情報記憶数が「３」である場合、取得した第一始動情報を、第一始動情報記憶領域における４番目の記憶部Ａ４に記憶する。これにより、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶数が更新される。
【００９４】
次に、ステップＳ３０４に移行して、ＲＡＭ２４０の所定領域に記憶されている第一始動情報記憶数を１加算する始動情報記憶数加算処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。また、始動情報記憶数加算処理では、ＲＡＭ２４０に記憶されている第一始動情報記憶数が更新されることに伴い、特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａにおいて表示する第一始動情報記憶数を「１」加算した表示とする。
以上の処理は、「第一」を「第二」に置き換えることで、第二始動情報記憶更新処理となる。
【００９５】
（変動設定処理）
次に、ステップＳ１０８の変動設定処理を説明する。
図１１は、変動設定処理を示すフローチャートである。
変動設定処理は、ステップＳ１０８において実行されると、図１１に示すように、まず、ステップＳ５００に移行する。
【００９６】
ステップＳ５００では、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚが変動中か否かを判定し、演出図柄Ｚが変動中でないと判定した場合（Ｎｏ）は、ステップＳ５０２に移行する。一方、ステップＳ５００で、演出図柄Ｚが変動中であると判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ５１０に移行する。
ステップＳ５０２では、第二始動情報記憶数が「１」以上であるか否かを判定し、第二始動情報記憶数が「１」以上であると判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ５０４に移行する。一方、ステップＳ５０２で、第二始動情報記憶数が「１」以上でないと判定した場合（Ｎｏ）は、ステップＳ５０６に移行する。
【００９７】
ステップＳ５０４では、第二始動情報記憶に基づく当たり判定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップＳ５０６では、第一始動情報記憶数が「１」以上であるか否かを判定し、第一始動情報記憶数が「１」以上であると判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ５０８に移行する。一方、ステップＳ５０６で、第一始動情報記憶数が「１」以上でないと判定した場合（Ｎｏ）は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップＳ５０８では、第一始動情報記憶に基づく当たり判定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【００９８】
ステップＳ５１０では、演出図柄の変動を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ５１２に移行する。一方、ステップＳ５１０で、演出図柄の変動を開始してから所定時間が経過していないと判定した場合（Ｎｏ）は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ここで、所定時間とは、後述するステップＳ６１０で設定される演出図柄Ｚの変動表示時間であり、後述するステップＳ６０８又はＳ６１６で決定した変動パターン番号に基づいて決定される。
【００９９】
ステップＳ５１２では、図柄停止コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納する図柄停止処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。これにより、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介して図柄停止コマンドが演出制御装置１５０に送信される。
以上に示すように、ステップＳ１０８の変動設定処理では、第二始動情報に基づく当たり判定処理が、第一始動情報に基づく当たり判定処理に対して優先して実行される。すなわち、主制御装置２１０は、ＲＡＭ２４０の第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報に対して、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報よりも優先して当たり判定処理を実行する。これにより、演出制御装置１５０は、演出図柄表示装置１０４において、第二始動情報に基づく演出図柄Ｚの変動表示及び停止表示を、第一始動情報に基づく演出図柄Ｚの変動表示及び停止表示に対して優先して実行する。
【０１００】
（当たり判定処理）
次に、ステップＳ５０４の第二始動情報に基づく当たり判定処理及びステップＳ５０８の第一始動情報に基づく当たり判定処理を説明する。
ここで、ステップＳ５０４の第二始動情報に基づく当たり判定処理及びステップＳ５０８の第一始動情報に基づく当たり判定処理は、同様の処理となる。従って、以下、ステップＳ５０４の第二始動情報に基づく当たり判定処理について説明し、ステップＳ５０８の第一始動情報に基づく当たり判定処理については説明を省略する。
図１２は、当たり判定処理を示すフローチャートである。
【０１０１】
当たり判定処理は、所定確率で特賞状態を生起させるために、所定の数値範囲に１個の当たり値を設定し、取得した当たり決定乱数と当たり値とが一致しているときに当たり（特賞状態）を生起させる処理である。
当たり判定処理は、ステップＳ５０４又はステップＳ５０８において実行されると、図１２に示すように、まず、ステップＳ６００に移行する。
【０１０２】
ステップＳ６００では、ＲＡＭ２４０の始動情報記憶領域から当たり決定乱数を読み出し、ステップＳ６０２に移行する。
ここで、当たり決定乱数の読み出しでは、ＲＡＭ２４０の第二始動情報記憶領域（第一始動情報記憶領域）における１番目の記憶部Ｂ１（Ａ１）に記憶されている始動情報（以下、最先始動情報とする）の当たり決定乱数が読み出される。
【０１０３】
ステップＳ６０２では、ステップＳ６００で読み出した当たり決定乱数の値が当たり値と一致しているか否かを判定し、読み出した当たり決定乱数の値が当たり値と一致していると判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ６０４に移行する。一方、ステップＳ６０２で、読み出した当たり決定乱数の値が当たり値と一致していないと判定した場合（Ｎｏ）は、ステップＳ６１４に移行する。
【０１０４】
ステップＳ６０４では、当たりの種別を決定する当たり種別決定処理を実行する。
ここで、ＲＯＭ２３０には、当たり種別決定乱数の値と当たり種別番号との対応を登録した当たり種別決定テーブルが格納されている。そして、当たり種別決定処理では、最先始動情報の当たり種別決定乱数を読み出し、該当たり種別決定乱数の値に対応する当たり種別番号を当たり種別決定テーブルから読み出して当たりの種別を決定する。これにより、通常大当たり、確変１大当たり、確変２大当たり、確変３大当たり、小当たりの別が決定される。
【０１０５】
次に、ステップＳ６０６に移行して、当たり時に停止表示する特別図柄及び演出図柄Ｚの組み合わせを決定する当たり時停止図柄決定処理を実行する。
ここで、ＲＯＭ２３０には、各当たり種別ごとに設定された停止図柄決定テーブルが格納されている。各停止図柄決定テーブルには、停止図柄決定乱数の値と停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせを示す停止図柄番号との対応が登録されている。そして、当たり時停止図柄決定処理では、まず、ステップＳ６０４で決定された当たり種別番号に対応する停止図柄決定テーブルを読み出す。そして、最先始動情報の停止図柄決定乱数を読み出し、該停止図柄決定乱数の値に対応する停止図柄番号を停止図柄決定テーブルから読み出す。さらに、読み出した停止図柄番号に対応する停止図柄指定コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納する。これにより、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介して停止図柄指定コマンドが演出制御装置１５０に送信される。
【０１０６】
一方、停止表示する特別図柄は、停止図柄決定乱数の値と停止表示する特別図柄との対応が登録された特別図柄決定テーブルに基づいて、演出図柄Ｚの場合と同様の処理により決定する。ただし、停止表示する特別図柄は、停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせの決定に先立って決定される。すなわち、停止表示する特別図柄を決定した後に、これに対応させて停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせを決定する。そのため、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせは、ともに、同一の停止図柄決定乱数値に基づいて決定される。そして、停止表示する特別図柄を指定するための指令情報をＲＡＭ２４０の所定領域に格納する。これにより、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介して特別図柄表示装置１０７ａ，１０７ｂに指令情報が直接送信される。
【０１０７】
次いで、ステップＳ６０８に移行して、当たり時に変動表示する演出図柄Ｚの変動パターンを決定する当たり時変動パターン決定処理を実行して、ステップＳ６１０に移行する。
次いで、ステップＳ６１０に移行して、演出図柄Ｚの変動表示時間を設定する変動設定処理を実行する。演出図柄Ｚの変動表示時間は、ステップＳ６０８又はＳ６１６で決定した変動パターン番号に基づいて決定する。
【０１０８】
また、当たりを生起させる場合、変動設定処理では、大入賞口１１５の開放回数及び開放時間を設定する。具体的には、当たり種別番号が通常大当たり又は確変１大当たりを示すときは、ラウンド最高継続回数を１５回に設定するとともに、各ラウンドにおける大入賞口１１５の開放時間を約３０秒に設定する。また、当たり種別番号が確変２大当たり、確変３大当たり又は小当たりを示すときは、ラウンド最高継続回数を２回に設定するとともに、各ラウンドにおける大入賞口１１５の開放時間を約０．５秒に設定する。
【０１０９】
次に、ステップＳ６１２に移行して、始動情報記憶数を「１」減算する始動情報記憶数減算処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
始動情報記憶数減算処理では、第二始動情報記憶領域（第一始動情報記憶領域）における２番目以降Ｂ２（Ａ２）〜Ｂ４（Ａ４）の記憶部に記憶されている第二始動情報（第一始動情報）を、それぞれ、１つ上の順位の記憶部に繰り上げて記憶（上書き）する。これにより、ＲＡＭ２４０の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新される。
【０１１０】
また、始動情報記憶数減算処理では、ＲＡＭ２４０の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新されることに伴い、特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ｂ（１０９ａ）において表示する第二始動情報記憶数（第一始動情報記憶数）を「１」減算した表示とする。
さらに、始動情報記憶数減算処理では、ＲＡＭ２４０の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新されることに伴い、更新後の始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納する。これにより、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介して始動情報記憶数コマンドが演出制御装置１５０に送信される。例えば、ＲＡＭ２４０の第二始動情報記憶領域（第一始動情報記憶領域）に記憶されている第二始動情報（第一始動情報）が更新された結果、第二始動情報記憶数（第一始動情報記憶数）が「２」となった場合、第二始動情報記憶数（第一始動情報記憶数）が「２」であることを示す始動情報記憶数コマンドが演出制御装置１５０に送信される。
【０１１１】
一方、ステップＳ６１４では、はずれ時に停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせを決定するはずれ時停止図柄決定処理を実行して、ステップＳ６１６に移行する。
はずれ時停止図柄決定処理は、ステップＳ６０６と同様に構成される。ここで、はずれ時停止図柄決定処理では、演出図柄表示装置１０４で停止表示する具体的なはずれ演出図柄Ｚの組み合わせを指定するのではなく、当たり抽選の結果がはずれであるという結果だけを指定するためのコマンドであるはずれ演出図柄指定コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納する。これにより、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介してはずれ演出図柄指定コマンドが演出制御装置１５０に送信される。そして、演出制御装置１５０は、はずれ演出図柄指定コマンドを入力したときは、はずれになる演出図柄Ｚの組み合わせを決定し、決定した組み合わせで演出図柄Ｚを停止表示する。
ステップＳ６１６では、はずれ時に変動表示する演出図柄Ｚの変動パターンを決定するはずれ時変動パターン決定処理を実行し、ステップＳ６１０に移行する。
【０１１２】
（変動パターン決定処理）
次に、ステップＳ６０８又はＳ６１６の変動パターン決定処理を説明する。
図１３は、変動パターン決定処理を示すフローチャートである。
変動パターン決定処理は、ステップＳ６０８又はＳ６１６で実行されると、図１３に示すように、まず、ステップＳ７００に移行する。
ステップＳ７００では、ＲＡＭ２４０の所定領域に格納された第一又は第二始動情報記憶数のうち、ステップＳ６００で読み出した当たり決定乱数に対応する始動情報記憶数を取得して、ステップＳ７０２に移行する。具体的に、第一始動情報に含まれる当たり決定乱数であれば第一始動情報記憶数を、第二始動情報に含まれる当たり決定乱数であれば第二始動情報記憶数をＲＡＭ２４０から読み出して取得する。
【０１１３】
ステップＳ７０２では、ステップＳ７００で取得した始動情報記憶数が「０」又は「１」か否かを判定し、「０」又は「１」であると判定した場合(Yes)は、ステップＳ７０４に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップＳ７２４に移行する。
ステップＳ７０４に移行した場合は、第１段階乱数範囲ｒ０１の乱数を発生する乱数カウンタｒ０１からリーチ決定乱数を取得して、ステップＳ７０６に移行する。
【０１１４】
ステップＳ７０６では、ＲＯＭ２３０に格納されている変動パターン種別決定テーブルを読み出して、ステップＳ７０８に移行する。
ステップＳ７０８では、ステップＳ７０４，Ｓ７２６，Ｓ７３０，Ｓ７３２のいずれかで取得したリーチ決定乱数に対応する変動パターン種別を、変動パターン種別決定テーブルから選択する。そして、選択した変動パターン種別を、演出処理に用いる種別として決定して、ステップＳ７１０に移行する。
【０１１５】
ステップＳ７１０では、当たり決定乱数の判定結果が当たりであるか否かを判定し、当たりであると判定した場合(Yes)は、ステップＳ７１２に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップＳ７１８に移行する。
ステップＳ７１２に移行した場合は、変動パターン決定乱数発生用の乱数カウンタから変動パターン決定乱数を取得して、ステップＳ７１４に移行する。
【０１１６】
ステップＳ７１４では、ＲＯＭ２３０に格納された当たり時用の変動パターン決定テーブルを読み出して、ステップＳ７１６に移行する。つまり、ＲＯＭ２３０には、それぞれの変動パターンの種別に対応して設定された当たり時用の変動パターン決定テーブルが格納されている。各当たり時用の変動パターン決定テーブルには、変動パターン決定乱数と変動パターン番号との対応が登録されている。
【０１１７】
ステップＳ７１６では、当たり時用の変動パターン決定テーブルからステップＳ７１２で取得した変動パターン決定乱数に対応する変動パターン番号を読み出す。さらに、読み出した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。これにより、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介して変動パターンコマンドが演出制御装置１５０に送信される。
【０１１８】
一方、ステップＳ７１０において、当たり決定乱数の判定結果が当たりではなくステップＳ７１８に移行した場合は、変動パターン決定乱数発生用の乱数カウンタから変動パターン決定乱数を取得して、ステップＳ７２０に移行する。
ステップＳ７２０では、ＲＯＭ２３０に格納されたはずれ時用の変動パターン決定テーブルを読み出して、ステップＳ７２２に移行する。つまり、ＲＯＭ２３０には、それぞれの変動パターンの種別に対応して設定されたはずれ時用の変動パターン決定テーブルが格納されている。各はずれ時用の変動パターン決定テーブルには、変動パターン決定乱数と変動パターン番号との対応が登録されている。
【０１１９】
ステップＳ７２２では、はずれ時用の変動パターン決定テーブルからステップＳ７１８で取得した変動パターン決定乱数に対応する変動パターン番号を読み出す。さらに、読み出した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。これにより、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介して変動パターンコマンドが演出制御装置１５０に送信される。
【０１２０】
また、ステップＳ７０２において、始動情報記憶数が「０」又は「１」ではなくステップＳ７２４に移行した場合は、始動情報記憶数が「２」か否かを判定する。そして、「２」であると判定した場合(Yes)は、ステップＳ７２６に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップＳ７２８に移行する。
ステップＳ７２６に移行した場合は、第１段階乱数範囲ｒ２の乱数を発生する乱数カウンタｒ２からリーチ決定乱数を取得して、ステップＳ７０６に移行する。
【０１２１】
一方、ステップＳ７２８に移行した場合は、始動情報記憶数が「３」か否かを判定し、「３」であると判定した場合(Yes)は、ステップＳ７３０に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップＳ７３２に移行する。
ステップＳ７３０に移行した場合は、第１段階乱数範囲ｒ３の乱数を発生する乱数カウンタｒ３からリーチ決定乱数を取得して、ステップＳ７０６に移行する。
また、ステップＳ７３２に移行した場合は、第１段階乱数範囲ｒ４の乱数を発生する乱数カウンタｒ４からリーチ決定乱数を取得して、ステップＳ７０６に移行する。
【０１２２】
（演出制御処理）
次に、演出制御装置１５０で実行される処理を説明する。
演出制御装置１５０のＣＰＵは、所定の動作クロック（例えば、２［ｍｓ］）で１サイクルを実行可能な制御プログラムに基づいて動作し、ＲＯＭ２３０の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、図１４のフローチャートに示す演出制御処理を繰り返し実行する。
【０１２３】
図１４は、演出制御装置が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。
演出制御処理は、演出制御装置１５０のＣＰＵにおいて実行されると、図１４に示すように、まず、ステップＳ８００に移行する。
ステップＳ８００では、演出制御装置１５０は、変動パターンコマンドを受信する変動パターンコマンド受信処理を実行し、ステップＳ８０２に移行する。
【０１２４】
変動パターンコマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から変動パターンコマンドを受信する。そして、演出制御装置１５０は、受信した変動パターンコマンドに対応する表示制御コマンド（以下、変動パターン表示コマンドとする）を生成し、生成した変動パターン表示コマンドを表示制御部１５１に送信する。
そして、表示制御部１５１は、変動パターン表示コマンドを受信すると、演出図柄表示装置１０４において変動パターン表示コマンドで指定されている変動パターンによる演出図柄Ｚの変動表示を開始させる。
【０１２５】
ステップＳ８０２では、演出制御装置１５０は、図柄指定コマンドを受信する図柄指定コマンド受信処理を実行し、ステップＳ８０４に移行する。
図柄指定コマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から図柄指定コマンドを受信する。そして、演出制御装置１５０は、受信した図柄指定コマンドに対応する表示制御コマンド（以下、停止図柄表示コマンドとする）を生成し、生成した停止図柄表示コマンドを表示制御部１５１に送信する。
【０１２６】
ステップＳ８０４では、演出制御装置１５０は、図柄停止コマンドを受信する図柄停止コマンド受信処理を実行し、ステップＳ８０６に移行する。
図柄停止コマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から図柄停止コマンドを受信する。そして、演出制御装置１５０は、受信した図柄停止コマンドに対応する表示制御コマンドを生成し、生成した表示制御コマンドを表示制御部１５１に送信する。
【０１２７】
そして、表示制御部１５１は、図柄停止コマンドに対応する表示制御コマンドを受信すると、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを停止表示させる。この際、表示制御部１５１は、ステップＳ８０２で受信した図柄指定コマンドに対応する停止図柄表示コマンドで指定されている組み合わせで、演出図柄Ｚを停止表示させる。
ステップＳ８０６では、演出制御装置１５０は、演出開始コマンドを受信する演出開始コマンド受信処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
演出開始コマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から演出開始コマンドを受信して、受信した演出開始コマンドに応じて当たり演出を実行する。
【０１２８】
（パチンコ機１の動作）
次に、図７に基づき、本実施形態に係るパチンコ機１の動作を説明する。
遊技盤面１０２に発射された遊技球が始動入賞口１１１ａ，１１１ｂに入賞すると、始動入賞口スイッチ１３１ａ，１３１ｂにより検出信号が出力される。
主制御装置２１０では、始動入賞口スイッチ１３１ａ，１３１ｂから検出信号が入力されると（Ｓ２００又はＳ２０４のYes）、ほぼそのタイミングで当たり決定乱数、当たり種別決定乱数等の変動パターンの決定に係る乱数以外の各種乱数が取得される（Ｓ２０２又はＳ２０６）。そして、取得された各種乱数は、始動入賞情報として、ＲＡＭ２４０の始動入賞情報記憶領域に記憶される。この際、第一始動入賞口スイッチ１３１ａの検出信号を契機として取得された第一始動情報は、ＲＡＭ２４０における第一始動情報記憶領域に最大４つまで記憶される。また、第二始動入賞口スイッチ１３１ｂの検出信号を契機として取得された第二始動情報は、ＲＡＭ２４０における第二始動情報記憶領域に最大４つまで記憶される。
【０１２９】
そして、主制御装置２１０は、始動情報記憶領域に記憶されている始動情報について、当たり判定を行う。この際、主制御装置２１０は、第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報について、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報に対して優先して当たり判定を行う（Ｓ５００〜Ｓ５０８）。これにより、演出図柄表示装置１０４において、第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報に基づく演出表示（演出図柄Ｚの変動表示、停止表示等）が、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報に基づく演出表示に対して優先して実行される。ここでは、第二始動情報について、当たり判定が行われたこととする。
【０１３０】
そして、当たり判定の結果、当たりを生起させることを決定した場合（Ｓ６０２のYes）、当たりの種別、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせが決定される。続いて、当たり時の変動パターンが決定される（Ｓ６０４〜Ｓ６０８）。一方、当たり判定の結果、はずれを生起させることを決定した場合（Ｓ６０２のNo）、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせが決定される。続いて、はずれ時の変動パターンが決定される（Ｓ６１４〜Ｓ６１６）。
【０１３１】
主制御装置２１０は、変動パターン決定処理を開始すると、まず、ＲＡＭ２４０の所定領域に記憶された第二始動情報記憶数を読み出す（Ｓ７００）。そして、読み出した第二始動情報記憶数の判定を行う（Ｓ７０２、Ｓ７２４、Ｓ７２８）。
主制御装置２１０は、第二始動情報記憶数が「０」又は「１」であると判定した場合（Ｓ７０２のYes）は、第１段階乱数範囲ｒ０１「０〜４００１」の乱数を発生する乱数カウンタｒ０１からリーチ決定乱数を取得する（Ｓ７０４）。乱数カウンタｒ０１からは、「０〜４００１」のうちいずれかの数値を取得することができるので、図７（ａ）に示すように、全ての変動パターン種別からいずれか１つが選択される可能性を有している。
【０１３２】
一方、主制御装置２１０は、第二始動情報記憶数が「２」であると判定した場合（Ｓ７２４のYes）は、第１段階乱数範囲ｒ２「０〜３９３１」の乱数を発生する乱数カウンタｒ２からリーチ決定乱数を取得する（Ｓ７２６）。乱数カウンタｒ２からは、「０〜３９３１」のうちいずれかの数値を取得することができるので、図７（ｂ）に示すように、リーチ２変動以外の変動パターン種別からいずれか１つが選択される可能性を有している。つまり、リーチ２変動の選択確率が「０％」となっており、第二始動情報記憶数が「２」のときは、リーチ２変動が選択されないことになる。また、リーチ１の選択確率が、第二始動情報記憶数「０」又は「１」と比較して低くなっている。
【０１３３】
また、主制御装置２１０は、第二始動情報記憶数が「３」であると判定した場合（Ｓ７２８のYes）は、第１段階乱数範囲ｒ３「０〜３８０１」の乱数を発生する乱数カウンタｒ３からリーチ決定乱数を取得する（Ｓ７３０）。乱数カウンタｒ３からは、「０〜３８０１」のうちいずれかの数値を取得することができるので、図７（ｃ）に示すように、リーチ１及びリーチ２変動以外の変動パターン種別からいずれか１つが選択される可能性を有している。つまり、リーチ１及びリーチ２変動の選択確率が「０％」となっており、第二始動情報記憶数が「３」のときは、リーチ１及びリーチ２変動が選択されないことになる。また、擬似１変動の選択確率が、第二始動情報記憶数「０」〜「２」と比較して低くなっている。
【０１３４】
また、主制御装置２１０は、第二始動情報記憶数が「４」であると判定した場合（Ｓ７２８のNo）は、第１段階乱数範囲ｒ３「０〜３７０１」の乱数を発生する乱数カウンタｒ３から乱数を取得する（Ｓ７３２）。乱数カウンタｒ３からは、「０〜３７０１」のうちいずれかの数値を取得することができるので、図７（ｄ）に示すように、リーチ１及びリーチ２変動以外の変動パターン種別からいずれか１つが選択される可能性を有している。つまり、リーチ１及びリーチ２変動の選択確率が「０％」となっており、第二始動情報記憶数が「４」のときは、リーチ１及びリーチ２変動が選択されないことになる。また、擬似１変動の選択確率が、第二始動情報記憶数「０」〜「３」と比較して低くなっている。
【０１３５】
このように、第二始動情報記憶数に応じた乱数カウンタからリーチ決定乱数を取得し、変動パターン種別を決定すると、主制御装置２１０は、次に、当たり決定乱数の判定結果が当たりであるか否かを判定する（Ｓ７１０）。この判定によって、当たりであると判定すると（Ｓ７１０のYes）、対応する乱数カウンタから変動パターン決定乱数を取得する（Ｓ７１２）。次に、当たり時用の変動パターン決定テーブルをＲＯＭ２３０から読み出す（Ｓ７１４）。そして、読み出した当たり時用の変動パターン決定テーブルから、取得した変動パターン決定乱数に対応する変動パターン番号を読み出し、読み出した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納する（Ｓ７１６）。
【０１３６】
一方、当たり決定乱数の判定結果が当たりではないと判定すると（Ｓ７１０のNo）、対応する乱数カウンタから変動パターン決定乱数を取得する（Ｓ７１８）。次に、はずれ時用の変動パターン決定テーブルをＲＯＭ２３０から読み出す（Ｓ７２０）。そして、読み出したはずれ時用の変動パターン決定テーブルから、取得した変動パターン決定乱数に対応する変動パターン番号を読み出し、読み出した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納する（Ｓ７２２）。これにより、出力ポート２５５を介して変動パターンコマンドが演出制御装置１５０に送信される（Ｓ１１８）。
【０１３７】
演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から制御コマンドを受信すると、演出図柄表示装置１０４において、決定された変動パターンで演出図柄Ｚを変動表示させ、所定の変動時間経過後に、決定された組み合わせで演出図柄Ｚを停止表示させる。
このようにして、本実施形態のパチンコ機１は、１つの変動パターン種別決定テーブルを備え、該変動パターン種別決定テーブルに対して、第一及び第二始動情報記憶数別に設定された数値範囲の異なる複数種類（本実施形態では４種類）の第１段階乱数範囲を設定する。そして、この複数種類の第１段階乱数範囲のうち、変動パターン決定時の第一及び第二始動情報記憶数に対応する第１段階乱数範囲を用いて、リーチ決定乱数を取得し、変動パターン種別を決定することが可能となる。
【０１３８】
これにより、従来の、始動情報記憶数別に、それぞれ変動パターン種別決定テーブルを備えた構成と比較して、変動パターン種別決定テーブルのデータ量を低減することが可能となる。
また、変動パターン種別決定テーブルは、リーチ決定乱数の乱数範囲（例えば、０〜４００１）において、乱数値が若いものから順に、通常変動系に大部分が割り当てられている（例えば、０〜３４４１）。そして、擬似０変動（例えば、３４４２〜３６７１）、擬似１変動（例えば、３６７２〜３８９１）、リーチ１変動（例えば、３８９２〜３９７１）、リーチ２変動（例えば、３９７２〜４００１）の順で割り当てる乱数値を減少させている。また、通常変動系、擬似０変動、擬似１変動、リーチ１変動、リーチ２変動の順で、変動時間が長くなる。一方、第１段階乱数範囲は、リーチ決定乱数の範囲に対して、始動情報記憶数が多くなるほど、その最大値を減少していく形で乱数範囲が設定されている。例えば、始動情報記憶数の最大数が４の場合に、第１段階乱数範囲は、例えば、「０〜４００１」、「０〜３９３１」、「０〜３８０１」、「０〜３７０１」のように設定される。
【０１３９】
これにより、始動情報記憶数が多いほど、短い変動時間の変動パターン種別が選択されやすくなり、始動情報記憶数が多いほど変動時間を短くすることができるので、始動情報の消化効率を向上することが可能となる。
ここで、上記第１実施形態において、特賞抽選乱数は、当たり決定乱数に対応し、リーチ決定乱数は、演出パターン決定乱数に対応し、演出パターン決定テーブルは、変動パターン種別決定テーブルに対応する。
【０１４０】
また、上記第１実施形態において、Ｓ１０６は、特賞抽選手段に対応し、Ｓ５０２〜Ｓ５０８は、特賞判定手段に対応し、Ｓ２００〜Ｓ２０６は、特賞抽選乱数記憶手段に対応し、Ｓ６１２は、特賞抽選乱数削除手段に対応する。
また、上記第１実施形態において、乱数カウンタｒ０１、ｒ２、ｒ３、ｒ４は、乱数発生手段に対応し、Ｓ７００〜７０４、Ｓ７２４〜７３２は、演出パターン抽選手段に対応し、Ｓ７０６〜Ｓ７０８は、演出パターン決定手段に対応する。また、演出制御装置１５０は、演出制御手段に対応する。
【０１４１】
〔第２実施形態〕
次に、本発明の第２実施形態を図面に基づき説明する。図１５〜図２１は、本発明に係る遊技機の第２実施形態を示す図である。
（構成）
本実施形態は、上記第１実施形態のパチンコ機１と基本構成は同じとなるが、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４から、第一又は第二始動情報記憶数に応じた乱数を取得するタイミングが上記第１実施形態と異なる。具体的に、上記第１実施形態では、変動パターン決定時に乱数を取得していたのに対して、本実施形態では、遊技球が第一又は第二始動入賞口１１１ａ又は１１１ｂに入賞時に乱数を取得する。
【０１４２】
また、本実施形態では、遊技球が第一又は第二始動入賞口１１１ａ又は１１１ｂに入賞時に当たり決定乱数、リーチ決定乱数等を取得する抽選処理を実施することから、リーチ演出等の演出処理の実行前に、これら抽選の判定処理を実施する。そして、この事前の判定結果に基づき、当たりが出る可能性を示唆する示唆演出（予告演出）を実行する点も、上記第１実施形態と異なる。
以下、上記第１実施形態と同様の構成部については同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる点を詳細に説明する。
【０１４３】
（演出制御コマンドの内容）
図１５は、主制御装置から演出制御装置に出力される演出制御コマンドの内容を示す図である。
本実施形態において、ＲＯＭ２３０に記憶された、各種制御コマンドとして、図１５に示すように、上記第１実施形態における、図柄指定コマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、演出開始コマンド、状態指定コマンドに加えて、事前判定情報コマンド、始動情報記憶数コマンド等がある。
【０１４４】
事前判定情報コマンドは、事前判定情報を通知するためのコマンドである。ここで、事前判定情報とは、始動情報（第一始動情報、第二始動情報）が指定する各種抽選（当たり抽選、当たり種別抽選、リーチ抽選、変動パターン抽選等）の結果を示す情報をいう。主制御装置２１０は、始動入賞口１１１ａ，１１１ｂへの遊技球の入賞を契機として取得した始動情報について、該始動情報が指定する各種抽選結果を判定して、判定した各種抽選結果に応じた事前判定情報コマンドを演出制御装置１５０に出力する。
【０１４５】
始動情報記憶数コマンドは、正確な始動情報記憶数情報を演出制御装置１５０に通知するためのコマンドである。ここで、始動情報記憶数コマンドは、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数のそれぞれを区別して通知する。すなわち、主制御装置２１０は、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドを演出制御装置１５０に出力する。また、主制御装置２１０は、ＲＡＭ２４０の第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドを演出制御装置１５０に出力する。始動情報記憶数コマンドは、主制御装置２１０による第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数それぞれの更新時に出力される。すなわち、始動情報記憶数コマンドは、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数それぞれについて、増加又は減少があったときに出力される。
【０１４６】
（制御系の構成）
また、本実施形態において、ＲＡＭ２４０は、始動情報として、始動入賞口１１１ａ，１１１ｂへの遊技球の入賞を契機として取得された、当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等を記憶する。
また、本実施形態では、主制御装置２１０は、当たり抽選の結果が当たりである場合には、当たり種別を示す事前判定情報に応じた事前判定情報コマンドを演出制御装置１５０に出力する。本実施形態では、当たり種別を示す事前判定情報としては、「１５Ｒ通常大当たり（通常大当たり）」、「１５Ｒ確変大当たり（確変１大当たり）」、「２Ｒ確変大当たり（確変２大当たり又は確変３大当たり）」及び「小当たり」等が設定されている。なお、事前判定情報として設定される情報は、これに限られず、図柄指定に基づく当たりの種別から判別される情報であれば、他の情報を設定しても構わない。
【０１４７】
また、主制御装置２１０は、当たり抽選の結果がはずれである場合には、はずれであることを示す事前判定情報及び変動パターンを示す事前判定情報に応じた事前判定情報コマンドを演出制御装置１５０に出力する。本実施形態では、変動パターン種別を示す事前判定情報としては、「変動パターン不定」、「固定値変動１」、「固定値変動２」及び「固定値変動３」が設定されている。
【０１４８】
また、本実施形態において、変動パターン種別決定テーブルＴと、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４は、上記第１実施形態と同様となる。
ここで、本実施形態において、４つの第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４のそれぞれにおいては、該４つの第１段階乱数範囲に共通のリーチ決定乱数の範囲（０〜３７０１）が固定値として設定されている。そして、固定値に対応する変動パターンの種別として、リーチ演出を行わない通常変動系（固定値変動３）、擬似０変動（固定値変動２）、擬似１変動（固定値変動１）が設定されている。
【０１４９】
このように、変動パターン種別決定テーブルＴのリーチ決定乱数の範囲に対して、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４に共通の固定値を設けることによって、固定値変動であるか否かについては、始動情報の当たり判定処理以前においても判定することが可能となっている。また、固定値変動である場合の変動パターンについても、当該始動情報の当たり判定処理以前においても判定することが可能となっている。
一方、固定値以外の乱数範囲については、始動情報についての当たり判定処理の実行時の始動情報記憶数に応じて範囲が変動するため、それ以前の時点では不定となる。
【０１５０】
そして、「変動パターン不定」は、始動情報の取得時には変動パターン種別が不定となっている変動パターン種別を示す。
「固定値変動１」、「固定値変動２」及び「固定値変動３」は、変動パターンの種別が固定値範囲内にある変動パターン種別を示す。本実施形態では、図６（ａ）に示すように、固定値範囲（０〜３７０１）において、リーチ１変動及びリーチ２変動が選択されない。そのため、「固定値変動１」を、高信頼度変動の変動パターン種別とし、「固定値変動２」を、中信頼度変動の変動パターン種別とし、「固定値変動３」を、低信頼度変動の変動パターン種別とする。
そして、事前判定情報コマンドは、始動情報の取得時に出力される。
【０１５１】
（第一始動情報記憶更新処理及び第二始動情報記憶更新処理）
次に、本実施形態における、ステップＳ２０２の第一始動情報記憶更新処理及びステップＳ２０６の第二始動情報記憶更新処理を説明する。
ここで、ステップＳ２０２の第一始動情報記憶更新処理及びステップＳ２０６の第二始動情報記憶更新処理は、同様の処理となる。従って、以下、ステップＳ２０２の第一始動情報記憶更新処理について説明し、ステップＳ２０６の第二始動情報記憶更新処理については説明を省略する。
【０１５２】
図１６は、本実施形態における第一始動情報記憶更新処理を示すフローチャートである。
第一始動情報記憶更新処理は、ステップＳ２０２において実行されると、図１６に示すように、まず、ステップＳ３００に移行する。
ステップＳ３００では、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数が「４」以上であるか否かを判定し、第一始動情報の記憶数が「４」以上ではないと判定した場合（Ｎｏ）は、ステップＳ３０３に移行する。一方、ステップＳ３００で、第一始動情報の記憶数が「４」以上であると判定した場合（Ｙｅｓ）は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【０１５３】
ステップＳ３０３では、当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等を対応の乱数カウンタから取得し、取得した各乱数値（第一始動情報）を、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域における所定の記憶部に記憶する第一始動情報記憶処理を実行する。この際、取得された第一始動情報は、第一始動情報記憶領域において、第一始動情報が記憶されていない記憶部のうち最も上位の記憶部に記憶される。
【０１５４】
次に、ステップＳ３０４に移行して、ＲＡＭ２４０の所定領域に記憶されている第一始動情報記憶数を１加算する始動情報記憶数加算処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。また、始動情報記憶数加算処理では、ＲＡＭ２４０に記憶されている第一始動情報記憶数が更新されることに伴い、特別図柄始動情報記憶数表示装置１０９ａにおいて表示する第一始動情報記憶数を「１」加算した表示とする。
【０１５５】
ステップＳ３０６では、ステップＳ３０２で取得した始動情報に基づいて、該始動情報が指定する各種抽選の結果を判定する事前判定処理を実行し、ステップＳ３０８に移行する。
ステップＳ３０８では、ステップＳ３０４の始動情報記憶数加算処理の処理結果に基づいて、更新後の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【０１５６】
これにより、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介して、始動情報記憶数コマンドが演出制御装置１５０に送信される。例えば、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域に新たな第一始動情報を記憶した結果、第一始動情報記憶数が「１」となった場合、第一始動情報記憶数が「１」であることを示す始動情報記憶数コマンドが演出制御装置１５０に送信される。
以上の処理は、「第一」を「第二」に置き換えることで、第二始動情報記憶更新処理となる。
【０１５７】
（リーチ決定乱数取得処理）
次に、ステップＳ３０３におけるリーチ決定乱数の取得処理を説明する。
図１７は、リーチ決定乱数の取得処理を示すフローチャートである。
リーチ決定乱数の取得処理は、ステップＳ３０３において実行されると、図１７に示すように、まず、ステップＳ９００に移行する。
【０１５８】
ステップＳ９００では、ＲＡＭ２３０の所定領域に格納された第一又は第二始動情報記憶数のうち該当する記憶数を取得して、ステップＳ９０２に移行する。
ステップＳ９０２では、ステップＳ９００で取得した始動情報記憶数が「０」又は「１」か否かを判定し、「０」又は「１」であると判定した場合(Yes)は、ステップＳ９０４に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップＳ９０６に移行する。
【０１５９】
ステップＳ９０４に移行した場合は、第１段階乱数範囲ｒ０１の乱数を発生する乱数カウンタｒ０１からリーチ決定乱数を取得して、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
また、ステップＳ９０６に移行した場合は、始動情報記憶数が「２」か否かを判定する。そして、「２」であると判定した場合(Yes)は、ステップＳ９０８に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップＳ９１０に移行する。
【０１６０】
ステップＳ９０８に移行した場合は、第１段階乱数範囲ｒ２の乱数を発生する乱数カウンタｒ２からリーチ決定乱数を取得して、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップＳ９１０に移行した場合は、始動情報記憶数が「３」か否かを判定し、「３」であると判定した場合(Yes)は、ステップＳ９１２に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップＳ９１４に移行する。
【０１６１】
ステップＳ９１２に移行した場合は、第１段階乱数範囲ｒ３の乱数を発生する乱数カウンタｒ３からリーチ決定乱数を取得して、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
また、ステップＳ９１４に移行した場合は、第１段階乱数範囲ｒ４の乱数を発生する乱数カウンタｒ４からリーチ決定乱数を取得して、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【０１６２】
（事前判定処理）
次に、ステップＳ３０６の事前判定処理を説明する。
図１８は、事前判定処理を示すフローチャートである。
事前判定処理は、ステップＳ３０６において実行されると、図１８に示すように、まず、ステップＳ１０００に移行する。
【０１６３】
ステップＳ１０００では、ステップＳ３０２で取得した当たり決定乱数に基づいて、該当たり決定乱数の値が当たり値と一致しているか否かを判定し、当たり値と一致していないと判定した場合（Ｎｏ）は、ステップＳ１００２に移行する。一方、ステップＳ１０００で、当たり値と一致していると判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ１００８に移行する。
【０１６４】
ステップＳ１００２では、ステップＳ３０２で取得したリーチ決定乱数に基づいて、該リーチ決定乱数の値が固定値（０〜３７０１）と一致しているか否かを判定し、固定値と一致していると判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ１００４に移行する。一方、ステップＳ１００２で、固定値と一致していないと判定した場合（Ｎｏ）は、ステップＳ１００６に移行する。
【０１６５】
ステップＳ１００４では、固定値変動を示す事前判定情報コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
この際、高信頼度変動、中信頼度変動又は低信頼度変動のいずれかであるかを判定し、該判定の結果に応じた事前判定情報コマンド（固定値変動１、固定値変動２又は固定値変動３）をＲＡＭ２４０の所定領域に格納する。
一方、ステップＳ１００６では、はずれ変動パターン不定を示す事前判定情報コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【０１６６】
一方、ステップＳ１００８では、大当たり又は小当たりを示す事前判定情報コマンドをＲＡＭ２４０の所定領域に格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
この際、ステップＳ３０２で取得した当たり種別決定乱数に基づいて当たり種別（通常大当たり、確変１大当たり、確変２大当たり、確変３大当たり又は小当たり）を判定し、該判定の結果に応じた事前判定情報コマンド（１５Ｒ通常大当たり、１５Ｒ確変大当たり、２Ｒ確変大当たり又は小当たり）をＲＡＭ２４０の所定領域に格納する。
以上の処理により、ステップＳ１１８のポート出力処理では、出力ポート２５５を介して、事前判定情報コマンドが演出制御装置１５０に送信される。
【０１６７】
（演出制御処理）
次に、本実施形態における演出制御装置１５０で実行される処理を説明する。
演出制御装置１５０のＣＰＵは、所定の動作クロック（例えば、２［ｍｓ］）で１サイクルを実行可能な制御プログラムに基づいて動作し、ＲＯＭ２３０の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、図２０のフローチャートに示す演出制御処理を繰り返し実行する。
【０１６８】
図１９は、演出制御装置が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。
演出制御処理は、演出制御装置１５０のＣＰＵにおいて実行されると、図１９に示すように、まず、ステップＳ１１００に移行する。
ステップＳ１１００では、演出制御装置１５０は、事前判定情報コマンドを受信する事前判定情報コマンド受信処理を実行し、ステップＳ１１０２に移行する。
【０１６９】
ステップＳ１１０２では、演出制御装置１５０は、始動情報記憶数コマンドを受信する始動情報記憶数コマンド受信処理を実行し、ステップＳ１１０４に移行する。
始動情報記憶数コマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から始動情報記憶数コマンドを受信し、受信した始動情報記憶数コマンドが示す始動情報記憶数をＲＡＭの所定領域に記憶する。この際、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から始動情報記憶数コマンドを受信するごとに、ＲＡＭの所定領域に記憶されている始動情報記憶数を更新する。ここで、演出制御装置１５０は、ＲＡＭの所定領域において、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数を、それぞれ個別に記憶する。
【０１７０】
また、演出制御装置１５０は、受信した始動情報記憶数コマンドに対応する表示制御コマンド（以下、始動情報記憶数表示コマンドとする）を生成し、生成した始動情報記憶数表示コマンドを表示制御部１５１に送信する。
そして、表示制御部１５１は、始動情報記憶数表示コマンドを受信すると、該始動情報記憶数表示コマンドが示す始動情報記憶数を、演出図柄表示装置１０４において表示させる。ここで、表示制御部１５１は、演出図柄表示装置１０４において、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数を、それぞれ個別に表示する。表示制御部１５１は、演出図柄表示装置１０４において表示される第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数のそれぞれを、新たな始動情報記憶数表示コマンドを受信するまで維持する。本実施形態では、演出図柄表示装置１０４において、第一始動情報記憶数を保留図柄Ｘによって表示し、第二始動情報記憶数を保留図柄Ｙによって表示する。
【０１７１】
ステップＳ１１０４では、演出制御装置１５０は、変動パターンコマンドを受信する変動パターンコマンド受信処理を実行し、ステップＳ１１０６に移行する。
変動パターンコマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から変動パターンコマンドを受信する。そして、演出制御装置１５０は、受信した変動パターンコマンドに対応する表示制御コマンド（以下、変動パターン表示コマンドとする）を生成し、生成した変動パターン表示コマンドを表示制御部１５１に送信する。
【０１７２】
そして、表示制御部１５１は、変動パターン表示コマンドを受信すると、演出図柄表示装置１０４において変動パターン表示コマンドで指定されている変動パターンによる演出図柄Ｚの変動表示を開始させる。
ステップＳ１１０６では、演出制御装置１５０は、図柄指定コマンドを受信する図柄指定コマンド受信処理を実行し、ステップＳ１１０８に移行する。
【０１７３】
図柄指定コマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から図柄指定コマンドを受信する。そして、演出制御装置１５０は、受信した図柄指定コマンドに対応する表示制御コマンド（以下、停止図柄表示コマンドとする）を生成し、生成した停止図柄表示コマンドを表示制御部１５１に送信する。
ステップＳ１１０８では、演出制御装置１５０は、図柄停止コマンドを受信する図柄停止コマンド受信処理を実行し、ステップＳ１１１０に移行する。
【０１７４】
図柄停止コマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から図柄停止コマンドを受信する。そして、演出制御装置１５０は、受信した図柄停止コマンドに対応する表示制御コマンドを生成し、生成した表示制御コマンドを表示制御部１５１に送信する。
そして、表示制御部１５１は、図柄停止コマンドに対応する表示制御コマンドを受信すると、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚを停止表示させる。この際、表示制御部１５１は、ステップＳ１１０６で受信した停止図柄表示コマンドで指定されている組み合わせで、演出図柄Ｚを停止表示させる。
【０１７５】
ステップＳ１１１０では、演出制御装置１５０は、演出開始コマンドを受信する演出開始コマンド受信処理を実行し、ステップＳ１１１２に移行する。
演出開始コマンド受信処理では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から演出開始コマンドを受信して、受信した演出開始コマンドに応じて当たり演出を実行する。
ステップＳ１１１２では、演出制御装置１５０は、事前判定情報コマンドに基づき、予告演出表示制御処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【０１７６】
（事前判定情報コマンド受信処理）
次に、ステップＳ１１００の事前判定情報コマンド受信処理を説明する。
図２０は、事前判定情報コマンド受信処理を示すフローチャートである。
事前判定情報コマンド受信処理は、ステップＳ１１００において実行されると、図２０に示すように、まず、ステップＳ１２００に移行する。
【０１７７】
ステップＳ１２００では、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から事前判定情報コマンドを受信したか否かを判定し、事前判定情報コマンドを受信したと判定した場合（Ｙｅｓ）は、ステップＳ８０２に移行する。一方、ステップＳ１２００で、事前判定情報コマンドを受信していないと判定した場合（Ｎｏ）は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【０１７８】
ステップＳ１２０２では、演出制御装置１５０は、受信した事前判定情報コマンドが示す事前判定情報を、最新の事前判定情報として、ＲＡＭの事前判定情報記憶領域に記憶し、ステップＳ１２０４に移行する。
ここで、演出制御装置１５０のＲＡＭには、第一始動情報に基づく事前判定情報（以下、第一事前判定情報とする）を記憶する領域（以下、第一事前判定情報憶領域とする）及び第二始動情報に基づく事前判定情報（以下、第二事前判定情報とする）を記憶する領域（以下、第二事前判定情報記憶領域とする）が設けられている。
【０１７９】
第一事前判定情報記憶領域は、図３に示す第一始動情報記憶領域に対応している。すなわち、第一事前判定情報記憶領域は、１番目から４番目までの４つの記憶部を有している。そして、第一事前判定情報記憶領域のそれぞれの記憶部は、第一始動情報記憶領域の同一の順位の記憶部に対応している。また、第二事前判定情報記憶領域は、第一事前判定情報記憶領域と同様に、図３に示す第二始動情報記憶領域に対応している。
【０１８０】
そして、演出制御装置１５０は、受信した事前判定情報コマンドが示す事前判定情報（第一事前判定情報、第二事前判定情報）を、ＲＡＭの事前判定情報記憶領域（第一事前判定情報記憶領域、第二事前判定情報記憶領域）における、該事前判定情報に係る始動情報が記憶されている記憶部に対応する記憶部に記憶する。
例えば、第一始動入賞口１１１ａへの遊技球の入賞を契機として取得された第一始動情報が第一始動情報記憶領域の３番目の記憶部Ａ３に記憶された場合、演出制御装置１５０は、該第一始動情報に係る第一事前判定情報を、第一事前判定情報記憶領域の３番目の記憶部に記憶する。
【０１８１】
また、演出制御装置１５０は、消化された始動情報に係る事前判定情報をＲＡＭの事前判定情報記憶領域から削除する。この際、演出制御装置１５０は、ＲＡＭの事前判定情報記憶領域（第一事前判定情報記憶領域又は第二事前判定情報記憶領域）における２番目以降の記憶部に記憶されている事前判定情報を、それぞれ、１つ上の順位の記憶部に繰り上げて記憶する。
【０１８２】
例えば、第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶が更新されて、第一始動情報記憶領域の３番目の記憶部Ａ３に記憶されていた第一始動情報が２番目の記憶部Ａ２に繰り上げて記憶された場合、演出制御装置１５０は、第一事前判定情報記憶領域の３番目の記憶部に記憶されていた第一事前判定情報を２番目の記憶部に繰り上げて記憶する。
以上により、演出制御装置１５０は、ＲＡＭの事前判定情報記憶領域における事前判定情報の記憶を、主制御装置２１０のＲＡＭ２４０の始動情報記憶領域における始動情報の記憶に対応させる。
【０１８３】
ステップＳ１２０４では、演出制御装置１５０は、予告演出実行処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。本実施の形態において、演出制御装置１５０は、事前判定情報コマンドが変動パターン不定の情報を含む場合は、予告演出表示制御処理を実行しないようになっている。
（パチンコ機１の動作）
次に、パチンコ機１の動作を説明する。
【０１８４】
図２１は、演出図柄表示装置における予告演出表示の一例を示す図である。
遊技盤面１０２に発射された遊技球が始動入賞口１１１ａ，１１１ｂに入賞すると、始動入賞口スイッチ１３１ａ，１３１ｂにより検出信号が出力される。
主制御装置２１０では、始動入賞口スイッチ１３１ａ，１３１ｂから検出信号が入力されると（Ｓ２００又はＳ２０４のYes）、ほぼそのタイミングで当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等の各種乱数が取得される（Ｓ２０２又はＳ２０６）。そして、取得された各種乱数は、始動入賞情報として、ＲＡＭ２４０の始動入賞情報記憶領域に記憶される。この際、第一始動入賞口スイッチ１３１ａの検出信号を契機として取得された第一始動情報は、ＲＡＭ２４０における第一始動情報記憶領域に最大４つまで記憶される。また、第二始動入賞口スイッチ１３１ｂの検出信号を契機として取得された第二始動情報は、ＲＡＭ２４０における第二始動情報記憶領域に最大４つまで記憶される。
【０１８５】
リーチ決定乱数の取得処理は、始動入賞口スイッチ１３１ａ，１３１ｂからの検出信号の入力に応じて実行される。ここでは、第一始動入賞口１１１ａに遊技球が入賞し、第一始動入賞口スイッチ１３１ａから検出信号が入力されたとする。これにより、主制御装置２１０は、ＲＡＭ２４０の所定領域に格納された第一始動情報記憶数を読み出す（Ｓ９００）。そして、読み出した第一始動情報記憶数の判定を行う（Ｓ９０２、Ｓ９０６、Ｓ９１０）。
【０１８６】
主制御装置２１０は、この判定により、第一始動情報記憶数が「０」又は「１」であると判定した場合（Ｓ９０２のYes）は、第１段階乱数範囲ｒ０１「０〜４００１」の乱数を発生する乱数カウンタｒ０１からリーチ決定乱数を取得する（Ｓ９０４）。
一方、主制御装置２１０は、第一始動情報記憶数が「２」であると判定した場合（Ｓ９０６のYes）は、第１段階乱数範囲ｒ２「０〜３９３１」の乱数を発生する乱数カウンタｒ２からリーチ決定乱数を取得する（Ｓ９０８）。
【０１８７】
また、主制御装置２１０は、第一始動情報記憶数が「３」であると判定した場合（Ｓ９１０のYes）は、第１段階乱数範囲ｒ３「０〜３８０１」の乱数を発生する乱数カウンタｒ３からリーチ決定乱数を取得する（Ｓ９１２）。
また、主制御装置２１０は、第一始動情報記憶数が「４」であると判定した場合（Ｓ９１０のNo）は、第１段階乱数範囲ｒ３「０〜３７０１」の乱数を発生する乱数カウンタｒ３から乱数を取得する（Ｓ９１４）。
【０１８８】
このようにして取得されたリーチ決定乱数は、第一始動情報として、ＲＡＭ２４０の第一始動情報記憶領域に記憶される。
そして、主制御装置２１０は、ＲＡＭ２４０の所定領域に格納された第一始動情報記憶数を１加算する（Ｓ３０４）。
主制御装置２１０は、更新された第一始動情報数を示す始動情報記憶数コマンドを演出制御装置１５０に送信する。そして、演出制御装置１５０は、始動情報記憶数コマンドを受信すると、ＲＡＭの所定領域に記憶されている第一始動情報記憶数を更新し、更新した第一始動情報記憶数を、演出図柄表示装置１０４において表示させる。
【０１８９】
また、第一始動入賞口１１１ａへの遊技球の入賞を契機として、主制御装置２１０は、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報について、各乱数の事前判定処理を行う（Ｓ３０６）。
具体的に、主制御装置２１０は、当たり決定乱数の値が当たり値と一致しているか否かを判定する（Ｓ１０００）。ここでは、当たり値と一致してないと判定されたとする（Ｓ１０００のNo）。これにより、主制御装置２１０は、次に、リーチ決定乱数の値が固定値か否かを判定する（Ｓ１００２）。ここでは、第一始動情報記憶数が「２」であって、リーチ決定乱数として「３５６０」を取得したとする。本実施形態では、「０〜３７０１」を固定値としたので、主制御装置２１０は、固定値であると判定する（Ｓ１００２のYes）。主制御装置２１０は、「３５６０」が高信頼度変動、中信頼度変動又は低信頼度変動のいずれかであるかを判定する。本実施形態では、「３５６０」は擬似０変動に対応するため、中信頼度変動であると判定する。主制御装置２１０は、該判定の結果に応じた事前判定情報コマンド（固定値変動２）をＲＡＭ２４０の所定領域に格納する。
【０１９０】
これにより、出力ポート２５５を介して、事前判定情報コマンド（固定値変動２）が演出制御装置１５０に送信される。
次に、主制御装置２１０は、第一又は第二始動情報記憶領域に記憶されている始動情報について、当たり判定を行う。この際、主制御装置２１０は、第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報について、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報に対して優先して当たり判定を行う。これにより、演出図柄表示装置１０４において、第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報に基づく演出表示（演出図柄Ｚの変動表示、停止表示等）が、第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報に基づく演出表示に対して優先して実行される。ここでは、第一始動情報記憶数が「２」、第二始動情報記憶数が「０」であるとする。従って、主制御装置２１０は、第一始動情報記憶領域に記憶されている始動情報について、当たり判定を行う。
【０１９１】
そして、当たり判定の結果、当たりを生起させることを決定した場合、当たりの種別、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせ、並びに当たり時の変動パターンが決定される。一方、当たり判定の結果、はずれを生起させることを決定した場合、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせ、並びにはずれ時の変動パターンが決定される。
【０１９２】
なお、変動パターン種別の決定及び変動パターンの決定は、始動情報に含まれるリーチ決定乱数及び変動パターン決定乱数を用いて、上記第１実施形態と同様に行う。
主制御装置２１０は、当たり判定により、当たり及びはずれのうちいずれかを生起させることを決定すると、演出図柄Ｚを変動表示し特定の組み合わせで停止表示させるために、変動パターンコマンド及び停止図柄指定コマンド等の制御コマンドを演出制御装置１５０に送信する。そして、演出制御装置１５０は、主制御装置２１０から制御コマンドを受信すると、演出図柄表示装置１０４において、決定された変動パターンで演出図柄Ｚを変動表示させ、所定の変動時間経過後に、決定された組み合わせで演出図柄Ｚを停止表示させる。
【０１９３】
具体的には、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚの変動表示を行う場合、第１，第２，第３の表示領域Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３のそれぞれにおいて、演出図柄Ｚが変動表示（スクロール表示）される。そして、演出図柄表示装置１０４において演出図柄Ｚの停止表示を行う場合、第１，第２，第３の表示領域Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３のそれぞれにおいて演出図柄Ｚが停止表示される。
【０１９４】
図２１に示すように、演出図柄表示装置１０４では、第一始動情報記憶数を表示する保留図柄Ｘが表示されるとともに、第二始動情報記憶数を表示する保留図柄Ｙが表示される。保留図柄Ｘは、第一始動情報記憶数に応じた数だけ点灯される。保留図柄Ｙは、第二始動情報記憶数に応じた数だけ点灯される。例えば、図２１では、保留図柄Ｘが２つ点灯するとともに、保留図柄Ｙが１つも点灯していないことによって、第一始動情報記憶数が２つ、第二始動情報記憶数が０であることを示す。従って、図２１の例では、第一始動情報に基づく制御コマンドが演出制御装置１５０に送信される。
【０１９５】
一方、演出制御装置１５０は、事前判定情報コマンドを受信した場合、該事前判定情報コマンドが示す事前判定情報を、ＲＡＭの事前判定情報記憶領域に記憶する。そして、演出制御装置１５０は、第一始動情報に基づく変動パターンコマンドを受信すると、予告演出表示処理を実行する。具体的には、演出制御装置１５０は、受信した変動パターンコマンドに係る演出図柄Ｚの変動表示に対応させて表示する予告演出を決定し、該予告演出を演出図柄表示装置１０４に表示させる。
【０１９６】
図２１に示すように、演出図柄表示装置１０４において、第一始動情報記憶領域の２番目の記憶部Ａ２に記憶されていた第一始動情報に基づく演出図柄Ｚの変動表示に対応して「アツイかも！？」というメッセージからなる予告演出が表示される。このメッセージは、固定値変動２に対応する。なお、固定値変動３の場合は、少し抑えめに、例えば、「チャンスかも！？」というメッセージからなる予告演出を表示し、固定値変動１の場合は、より期待を持たせるように、例えば、「激アツかも！？」というメッセージからなる予告演出を表示する。
【０１９７】
このようにして、本実施形態のパチンコ機１は、１つの変動パターン種別決定テーブルを備え、該変動パターン種別決定テーブルに対して、第一及び第二始動情報記憶数別に設定された数値範囲の異なる複数種類（本実施形態では４種類）の第１段階乱数範囲を設定する。そして、この複数種類の第１段階乱数範囲のうち、第一又は第二始動入賞口１１１ａ又は１１１ｂに遊技球が入賞時の第一及び第二始動情報記憶数に対応する第１段階乱数範囲を用いて、リーチ決定乱数を取得し、変動パターン種別を決定することが可能となる。
【０１９８】
これにより、従来の、始動情報記憶数別に、それぞれ変動パターン種別決定テーブルを備えた構成と比較して、変動パターン種別決定テーブルのデータ量を低減することが可能となる。
また、始動入賞口に遊技球が入賞時のタイミングでリーチ決定乱数を取得するようにしたので、上記事前判定による予告演出を行うことが可能となる。
【０１９９】
また、変動パターン種別決定テーブルは、リーチ決定乱数の乱数範囲（例えば、０〜４００１）において、乱数値が若いものから順に、通常変動系に大部分が割り当てられている（例えば、０〜３４４１）。そして、擬似０変動（例えば、３４４２〜３６７１）、擬似１変動（例えば、３６７２〜３８９１）、リーチ１変動（例えば、３８９２〜３９７１）、リーチ２変動（例えば、３９７２〜４００１）の順で割り当てる乱数値を減少させている。また、通常変動系、擬似０変動、擬似１変動、リーチ１変動、リーチ２変動の順で、変動時間が長くなる。一方、第１段階乱数範囲は、リーチ決定乱数の範囲に対して、始動情報記憶数が多くなるほど、その最大値を減少していく形で乱数範囲が設定されている。例えば、始動情報記憶数の最大数が４の場合に、第１段階乱数範囲は、例えば、「０〜４００１」、「０〜３９３１」、「０〜３８０１」、「０〜３７０１」のように設定される。
【０２００】
これにより、始動情報記憶数が多いほど、短い変動時間の変動パターン種別が選択されやすくなり、始動情報記憶数が多いほど変動時間が短くなる確率を高くすることができるので、始動情報の消化効率を向上することが可能となる。
ここで、上記第２実施形態において、特賞抽選乱数は、当たり決定乱数に対応し、リーチ決定乱数は、演出パターン決定乱数に対応し、演出パターン決定テーブルは、変動パターン種別決定テーブルに対応する。
【０２０１】
また、上記第２実施形態において、Ｓ１０６は、特賞抽選手段に対応し、Ｓ５０２〜Ｓ５０８は、特賞判定手段に対応し、Ｓ２００〜Ｓ２０６は、特賞抽選乱数記憶手段に対応し、Ｓ６１２は、特賞抽選乱数削除手段に対応する。
また、上記第２実施形態において、乱数カウンタｒ０１、ｒ２、ｒ３、ｒ４は、乱数発生手段に対応し、Ｓ７００〜７０４、Ｓ７２４〜７３２は、演出パターン抽選手段に対応し、Ｓ７０６〜Ｓ７０８は、演出パターン決定手段に対応する。また、演出制御装置１５０は、演出制御手段に対応する。
また、上記第２実施形態において、Ｓ１２０４は、示唆演出制御手段に対応し、演出図柄表示装置１０４は、表示手段に対応する。
【０２０２】
（変形例）
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態では、種々の変更を行うことが可能である。
（１）例えば、上記各実施形態において、リーチ決定乱数の範囲に対して１つの変動パターン種別決定テーブルを備える構成としたが、この構成に限らず、以下に示す構成としてもよい。
【０２０３】
図２２（ａ）〜（ｃ）は、変動パターン種別決定テーブルの変形例を示す図であり、（ｄ）は、各始動情報記憶数に対応する乱数範囲の一例を示す図である。
上記各実施形態では、１つの変動パターン種別決定テーブルに対して、複数種類の乱数範囲を設定する構成とした。これに対して、本変形例（１）では、複数種類の第１段階乱数範囲の共通の乱数範囲部分に対して生成した、変動パターン種別決定テーブルと、非共通の乱数範囲部分に対して生成した変動パターン種別決定テーブルとの２つのテーブルを備える構成とした点が異なる。
【０２０４】
ここで、上記各実施形態では、始動情報記憶数が「３」のときに、リーチ２変動が、始動情報記憶数が「４」のときに、リーチ１及びリーチ２変動が選択されない構成となっていた。これは、複数種類の乱数範囲を設定するに際し、変動パターン種別決定テーブルに対応するリーチ決定乱数の乱数範囲に対して、最大値を小さくすることで、数値範囲を異ならせるようにしたことが要因の一つである。また、変動パターン種別決定テーブルについても、乱数値の若い順に、通常変動系、擬似０変動、擬似１変動、リーチ１変動、リーチ２変動の順で乱数値を割当てている。加えて、通常変動系に乱数値の大部分を割当て、次いで、擬似０変動、擬似１変動、リーチ１変動、リーチ２変動の順に、割当数を少なくしている。特に、リーチ１変動、リーチ２変動に対しては、他と比較して割当数を少なくしている。このような割当て方も上記選択されない要因の一つとなっている。
【０２０５】
本変形例（１）では、各始動情報記憶数に対して選択されない種別が発生しないように、変動パターン種別テーブルを下記のように構成した。
まず、上記各実施形態と同様に、図２２（ｄ）に示す、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４の４種類の乱数範囲を設定する。これらに共通となる乱数部分は、第１段階乱数範囲「０〜３７０１」となる。
【０２０６】
本変形例（１）では、まず、「０〜３７０１」の共通の乱数範囲部分に対して、変動パターン種別決定テーブルを生成する。以下、この変動パターン種別決定テーブルを第１変動パターン種別決定テーブルという。具体的に、図２２（ａ）に示すように、「０〜３７０１」の各乱数値を、通常変動系、擬似０変動、擬似１変動、リーチ１変動、リーチ２変動の５種類の変動パターン種別に割り当てる。このとき、必ず、全ての種別が選択されるように、全ての種別に対して乱数値を割り当てる。
【０２０７】
図２２（ａ）の例では、通常変動系に乱数値「０〜３４１１（３４１１）」を割当て、擬似０変動に乱数値「３４１２〜３６４１（２３０）」を割当て、擬似１変動に乱数値「３６４２〜３６７１（３０）」を割当てている。更に、リーチ１変動に乱数値「３６７２〜３６９１（２０）」を割当て、リーチ２変動に乱数値「３６９２〜３７０１（１０）」を割り当てている。このようにして、第１変動パターン種別決定テーブルを生成する。
【０２０８】
次に、非共通の乱数範囲部分「３７０２〜４００１」についても、別途変動パターン種別決定テーブル（以下、第２の変動パターン種別決定テーブルという）を生成する。具体的に、共通の乱数範囲部分「０〜３７０１」の範囲で割り振った分を考慮して、非共通の乱数範囲部分「３７０２〜４００１」の各乱数値を、各変動種別に対して割り当てる。このとき、上記第１実施形態の図６（ｃ）のような、通常変動系の選択確率の関係に近くなるように構成するのが望ましい。
【０２０９】
図２２（ａ）の例では、通常変動系に乱数値「３７０２〜３７３１（３０）」を割当て、擬似０変動に乱数値「３７３２〜３７５１（２０）」を割当て、擬似１変動に乱数値「３７５２〜３９２１（１８０）」を割当てている。更に、リーチ１変動に乱数値「３９２２〜３９８１（６０）」を割当て、リーチ２変動に乱数値「３９８２〜４００１（２０）」を割り当てている。このようにして、第２変動パターン種別決定テーブルを生成する。
【０２１０】
このように、共通の乱数範囲部分と、非共通の乱数範囲部分とでテーブルを分けることで、各始動情報記憶数において、全ての変動パターン種別が選択される可能性を持たせることが可能となる。これによって、遊技者が、始動情報記憶数を見ただけで、遊技の展開を読めてしまうようなことを困難にすることが可能となる。特に、上記第２実施形態の予告演出（示唆演出）との組み合わせによって、始動情報記憶数と予告演出の内容とから、遊技者に遊技の展開を読ませるのを困難とすることができる。
【０２１１】
また、上記第２実施形態では、固定値の範囲において、通常変動系、擬似０変動、擬似１変動のいずれかしか選択されない構成となっており、そのために、これら３種類の種別に対して、遊技者に遊技の展開を読ませないために擬似的に信頼度を設定した。図２２（ａ）の例に示すように、固定値の範囲（第１変動パターン種別決定テーブルの乱数範囲）で全ての種別からいずれかを選択できるテーブル構成であれば、擬似的に信頼度を設定する必要が無くなり、各選択された種別に応じた信頼度を予告演出に用いることが可能となる。
【０２１２】
なお、変動パターン種別決定テーブルは、図２２（ａ）の例に限らず、図２２（ｂ）〜（ｃ）のような構成としてもよい。
図２２（ｂ）の例は、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４の共通の乱数範囲部分の一部「０〜３６７１」と、残りの乱数範囲部分「３６７２〜４００１」とに対して、図２２（ａ）と同様にテーブルを１つずつ作成したものである。
【０２１３】
また、図２２（ｃ）の例は、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４の共通の乱数範囲部分の一部「３４４１」と、残りの乱数範囲部分「３４４２〜４００１」とに対して、図２２（ａ）と同様にテーブルを１つずつ作成したものである。
図２２（ａ）〜（ｃ）は、各乱数値に対する割当て数等が異なるが、作用及び効果は同様となる。
【０２１４】
また、変動パターン種別決定テーブルは、図２２（ａ）〜（ｃ）に例示した構成に限らず、別の構成としてもよい。例えば、変動パターン種別として、別途固定値変動を設定し、更に、変動パターンテーブルとして、専用の固定値変動テーブルを用意する。そして、固定値変動に対応する範囲の乱数を取得した場合に、更に、変動パターン決定乱数に対応する固定値変動の変動パターン番号を専用テーブルから取得する。そして、固定値変動が選択された場合にのみ、示唆演出（予告演出）を実施する。
【０２１５】
上記変形例（１）において、第１変動パターン種別決定テーブルは、第１の演出パターン決定テーブルに対応し、第２変動パターン種別決定テーブルは、第２の演出パターン決定テーブルに対応する。
（２）上記各実施形態において、パチンコ機１が１つの変動パターン種別決定テーブルを備える構成としたが、この構成に限らない。例えば、当たり時用の変動パターン種別決定テーブル、はずれ時用の変動パターン種別決定テーブルといったように、当たりやはずれ等の条件別に各１つずつ変動パターン種別決定テーブルを備える構成としてもよい。
【０２１６】
（３）上記各実施形態において、リーチ決定乱数の乱数範囲を「０〜４００１」としたが、この構成に限らず、他の乱数範囲としてもよい。
（４）上記各実施形態において、リーチ決定乱数の乱数範囲の各乱数値を、各変動パターン種別に対して、図６（ａ）に示す割合で、割り当てる構成としたが、この構成に限らず、割当数等を変更してもよい。
（５）上記各実施形態において、第１段階乱数範囲ｒ０１〜ｒ４を、図６（ｂ）に示す数値範囲としたが、この構成に限らず、別の数値範囲としてもよい。
【０２１７】
（６）上記第２実施形態においては、演出制御装置１５０が、予告演出実行処理を行う構成としたが、この構成に限らない。例えば、主制御装置２１０が、予告演出実行処理を行う構成としてもよい。
（７）上記各実施形態では、主制御装置２１０は、第二始動情報に基づく当たり判定処理を、第一始動情報に基づく当たり判定処理に対して優先して実行する。しかしながら、主制御装置２１０は、当たり判定処理を行う順番を、全ての始動情報を通じて、該始動情報が取得された順番としても構わない。さらに、主制御装置２１０は、遊技状態（低確率状態、高確率状態、時短状態等）に応じて、第二始動情報に基づく当たり判定処理を第一始動情報に基づく当たり判定処理に対して優先して実行するか、第一始動情報に基づく当たり判定処理を第二始動情報に基づく当たり判定処理に対して優先して実行するかを決定する構成としても構わない。
【０２１８】
（８）上記各実施形態では、演出制御装置１５０は、予告演出として、演出図柄表示装置１０４において画像を表示する構成となっている。しかしながら、演出制御装置１５０は、予告演出として、演出図柄表示装置１０４において画像を表示するとともに、スピーカ１５５から所定の音声を出力すること、ランプ１５４を所定パターンで点灯又は点滅させることを適宜組み合わせても構わない。
【０２１９】
（９）上記各実施形態では、主制御装置２１０が、当たり時に停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせを示す停止図柄番号を決定し、決定した停止図柄番号に対応する停止図柄指定コマンドを演出制御装置１５０に送信する構成となっている。しかしながら、演出制御装置１５０が、当たり時及びはずれ時に停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせを決定する構成としても構わない。この場合、主制御装置２１０は、当たり種別（当たり種別又ははずれ）を示す制御コマンドを演出制御装置１５０に送信する。そして、演出制御装置１５０は、受信した当たり種別を示す制御コマンドに基づいて、停止表示する演出図柄Ｚの組み合わせを決定する。
【０２２０】
（１０）上記各実施形態において、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数の最大数を４としたが、この構成に限らず、法規等の許す範囲で別の数としてもよい。
（１１）上記各実施形態においては、パチンコ機１である遊技機に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他のアミューズメントゲーム機等の遊技機にも適用可能である。
【符号の説明】
【０２２１】
１０４ 演出図柄表示装置
１０７ａ，１０７ｂ 特別図柄表示装置
１０６ 普通図柄表示装置
１０９ａ，１０９ｂ 特別図柄始動情報記憶数表示装置
１１１ 始動入賞装置
１１１ａ 第一始動入賞口
１１１ｂ 第二始動入賞口
１１５ 大入賞口
１３１ａ 第一始動入賞口スイッチ
１３１ｂ 第二始動入賞口スイッチ
１５０ 演出制御装置
１５１ 表示制御部
１５２ ランプ制御部
１５３ 効果音制御部
１５４ ランプ
１５５ スピーカ
２１０ 主制御装置
２１２ 電源回路
２２０ ＣＰＵ
２３０ ＲＯＭ
２４０ ＲＡＭ
２５０ 入力ポート
２５５ 出力ポート
【特許請求の範囲】
【請求項１】
始動入賞口に遊技球が入賞することを契機として、遊技者に有利な遊技状態となる特賞状態を生起させるか否かを決定するための特賞抽選乱数を取得する特賞抽選手段と、
前記特賞抽選手段において取得された特賞抽選乱数を予め設定された最大保留数を上限として記憶する特賞抽選乱数記憶手段と、
前記特賞抽選乱数記憶手段によって記憶された前記特賞抽選乱数について、所定の順序で、前記特賞状態を生起させるか否かの判定を行う特賞判定手段と、
前記特賞抽選手段によって取得した特賞抽選乱数の判定結果に応じた報知演出の演出パターンについて、前記演出パターンを決定するための演出パターン抽選乱数の乱数範囲における各乱数値を、演出時間の異なる複数種類の演出パターンと対応付けて登録した演出パターン決定テーブルと、
前記演出パターン抽選乱数の乱数範囲を最大範囲として、前記特賞抽選乱数の記憶数毎に異なる数値範囲に設定された複数の乱数範囲における各乱数範囲の乱数を発生する乱数発生手段と、
遊技球が前記始動入賞口に入賞してから当該入賞に対応する前記特賞抽選乱数の判定結果に対する前記報知演出の演出パターンが決定されるまでの期間において、所定タイミングで、前記乱数発生手段の発生する乱数のうち、前記特賞抽選乱数の記憶数に対応する乱数範囲の乱数を、前記演出パターン抽選乱数として取得する演出パターン抽選手段と、
前記演出パターン決定テーブルに登録された、前記演出パターン抽選手段で取得した演出パターン抽選乱数に対応する演出パターンを前記報知演出の演出パターンに決定する演出パターン決定手段と、
前記演出パターン決定手段で決定した演出パターンに基づき、前記特賞抽選乱数の判定結果の報知演出を行う演出制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項２】
前記演出パターン決定テーブルは、前記演出パターン抽選乱数の乱数範囲における各乱数値を、当該乱数値が小さいほど短い演出時間の演出パターンに対応し、かつ当該乱数値が大きいほど長い演出時間の演出パターンに対応するように演出時間の異なる複数種類の演出パターンと対応付けて登録したテーブルであり、
前記複数の乱数範囲は、前記記憶数が多くなる毎に前記演出パターンの乱数範囲の最大値が小さくなるように設定された乱数範囲であることを特徴とする請求項１に記載の遊技機。
【請求項３】
前記所定タイミングは、前記遊技球の前記始動入賞口への入賞時のタイミングであることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の遊技機。
【請求項４】
前記特賞抽選手段において前記特賞抽選乱数が取得された際に、前記特賞抽選乱数記憶手段によって記憶された特賞抽選乱数のうち、当該取得された特賞抽選乱数より先に前記特賞判定手段による判定が行われる特賞抽選乱数に対応する演出パターン抽選乱数について、当該演出パターン抽選乱数に対応する演出パターンの種類に基づき、前記特賞抽選の結果を示唆する示唆演出を実行する示唆演出制御手段を備えることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載の遊技機。
【請求項５】
前記複数の乱数範囲における、前記各記憶数に対して共通の乱数範囲部分に対応する第１の演出パターン決定テーブルと、前記各記憶数に対して非共通の乱数範囲部分に対応する第２の演出パターン決定テーブルとを備え、
前記演出パターン決定手段は、前記第１及び第２の演出パターン決定テーブルのうち、前記演出パターン抽選手段で取得した演出パターン抽選乱数に対応するテーブルを用いて前記報知演出の演出パターンを決定し、
前記示唆演出制御手段は、前記第１の演出パターン決定テーブルを用いて決定される演出パターンに対してのみ、前記示唆演出を行うことを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれか１項に記載の遊技機。
【請求項６】
前記第１の演出パターン決定テーブルは、前記共通の乱数範囲部分の各乱数値を、当該乱数値が小さいほど短い演出時間となり、かつ当該乱数値が大きいほど長い演出時間となるように演出時間の異なる複数種類の演出パターンと対応付けて登録したものであり、
前記第２の演出パターン決定テーブルは、前記非共通の乱数範囲部分の各乱数値を、当該乱数値が小さいほど短い演出時間となり、かつ当該乱数値が大きいほど長い演出時間となるように前記複数種類の演出パターンと対応付けて登録したものであることを特徴とする請求項５に記載の遊技機。
【請求項１】
始動入賞口に遊技球が入賞することを契機として、遊技者に有利な遊技状態となる特賞状態を生起させるか否かを決定するための特賞抽選乱数を取得する特賞抽選手段と、
前記特賞抽選手段において取得された特賞抽選乱数を予め設定された最大保留数を上限として記憶する特賞抽選乱数記憶手段と、
前記特賞抽選乱数記憶手段によって記憶された前記特賞抽選乱数について、所定の順序で、前記特賞状態を生起させるか否かの判定を行う特賞判定手段と、
前記特賞抽選手段によって取得した特賞抽選乱数の判定結果に応じた報知演出の演出パターンについて、前記演出パターンを決定するための演出パターン抽選乱数の乱数範囲における各乱数値を、演出時間の異なる複数種類の演出パターンと対応付けて登録した演出パターン決定テーブルと、
前記演出パターン抽選乱数の乱数範囲を最大範囲として、前記特賞抽選乱数の記憶数毎に異なる数値範囲に設定された複数の乱数範囲における各乱数範囲の乱数を発生する乱数発生手段と、
遊技球が前記始動入賞口に入賞してから当該入賞に対応する前記特賞抽選乱数の判定結果に対する前記報知演出の演出パターンが決定されるまでの期間において、所定タイミングで、前記乱数発生手段の発生する乱数のうち、前記特賞抽選乱数の記憶数に対応する乱数範囲の乱数を、前記演出パターン抽選乱数として取得する演出パターン抽選手段と、
前記演出パターン決定テーブルに登録された、前記演出パターン抽選手段で取得した演出パターン抽選乱数に対応する演出パターンを前記報知演出の演出パターンに決定する演出パターン決定手段と、
前記演出パターン決定手段で決定した演出パターンに基づき、前記特賞抽選乱数の判定結果の報知演出を行う演出制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項２】
前記演出パターン決定テーブルは、前記演出パターン抽選乱数の乱数範囲における各乱数値を、当該乱数値が小さいほど短い演出時間の演出パターンに対応し、かつ当該乱数値が大きいほど長い演出時間の演出パターンに対応するように演出時間の異なる複数種類の演出パターンと対応付けて登録したテーブルであり、
前記複数の乱数範囲は、前記記憶数が多くなる毎に前記演出パターンの乱数範囲の最大値が小さくなるように設定された乱数範囲であることを特徴とする請求項１に記載の遊技機。
【請求項３】
前記所定タイミングは、前記遊技球の前記始動入賞口への入賞時のタイミングであることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の遊技機。
【請求項４】
前記特賞抽選手段において前記特賞抽選乱数が取得された際に、前記特賞抽選乱数記憶手段によって記憶された特賞抽選乱数のうち、当該取得された特賞抽選乱数より先に前記特賞判定手段による判定が行われる特賞抽選乱数に対応する演出パターン抽選乱数について、当該演出パターン抽選乱数に対応する演出パターンの種類に基づき、前記特賞抽選の結果を示唆する示唆演出を実行する示唆演出制御手段を備えることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載の遊技機。
【請求項５】
前記複数の乱数範囲における、前記各記憶数に対して共通の乱数範囲部分に対応する第１の演出パターン決定テーブルと、前記各記憶数に対して非共通の乱数範囲部分に対応する第２の演出パターン決定テーブルとを備え、
前記演出パターン決定手段は、前記第１及び第２の演出パターン決定テーブルのうち、前記演出パターン抽選手段で取得した演出パターン抽選乱数に対応するテーブルを用いて前記報知演出の演出パターンを決定し、
前記示唆演出制御手段は、前記第１の演出パターン決定テーブルを用いて決定される演出パターンに対してのみ、前記示唆演出を行うことを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれか１項に記載の遊技機。
【請求項６】
前記第１の演出パターン決定テーブルは、前記共通の乱数範囲部分の各乱数値を、当該乱数値が小さいほど短い演出時間となり、かつ当該乱数値が大きいほど長い演出時間となるように演出時間の異なる複数種類の演出パターンと対応付けて登録したものであり、
前記第２の演出パターン決定テーブルは、前記非共通の乱数範囲部分の各乱数値を、当該乱数値が小さいほど短い演出時間となり、かつ当該乱数値が大きいほど長い演出時間となるように前記複数種類の演出パターンと対応付けて登録したものであることを特徴とする請求項５に記載の遊技機。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
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【図９】
【図１０】
【図１１】
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【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【公開番号】特開２０１３−６６５６３（Ｐ２０１３−６６５６３Ａ）
【公開日】平成２５年４月１８日（２０１３．４．１８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２０６４３２（Ｐ２０１１−２０６４３２）
【出願日】平成２３年９月２１日（２０１１．９．２１）
【出願人】（０００１５４６７９）株式会社平和 (1,976)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年４月１８日（２０１３．４．１８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年９月２１日（２０１１．９．２１）
【出願人】（０００１５４６７９）株式会社平和 (1,976)
【Ｆターム（参考）】
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