遊技機
【課題】 携帯端末等を用いて遊技者に特典を付与する場合に、特典付与に対する遊技者の興味を継続させ易い遊技機を提供する。
【解決手段】 変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、遊技者に特典を付与するための識別情報を出力する識別情報出力手段と、識別情報出力手段によって出力させる識別情報を、特典の種類に対応して用意されている複数種類の識別情報の中から選択する識別情報選択手段と、所定条件が成立した場合に識別情報選択手段によって選択された識別情報を識別情報出力手段に出力させる識別情報出力制御手段とを備え、識別情報選択手段は、変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連して識別情報を選択する第1選択手段と、変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連せずに、予め定められた選択割合に基づいて識別情報を選択する第2選択手段と有するようにした。
【解決手段】 変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、遊技者に特典を付与するための識別情報を出力する識別情報出力手段と、識別情報出力手段によって出力させる識別情報を、特典の種類に対応して用意されている複数種類の識別情報の中から選択する識別情報選択手段と、所定条件が成立した場合に識別情報選択手段によって選択された識別情報を識別情報出力手段に出力させる識別情報出力制御手段とを備え、識別情報選択手段は、変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連して識別情報を選択する第1選択手段と、変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連せずに、予め定められた選択割合に基づいて識別情報を選択する第2選択手段と有するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームの結果態様が予め定められた特別結果態様となった場合(大当りとなった場合)に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するように構成された遊技機が知られている。このような遊技機では、変動表示ゲームに関連して様々な演出が行われ、変動表示ゲームの進行を盛り上げるようになっている。
また、近年では遊技の進行に関連して、携帯電話等を介して待ち受け画像などの特典を付与するサービスを行う遊技機が提案されている。(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-075296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている発明においては、遊技において特定の条件を成立(大当り発生や所定ゲーム数の遊技など)させることで特典が付与されていたため、次回以降の遊技で再度同様の条件を成立させても、同様の特典が付与されることになり、遊技者の興味を継続させにくかった。
本発明は上記の課題に鑑みなされたもので、遊技の進行に関連して携帯端末等を用いて遊技者に特典を付与する場合に、特典付与に対する遊技者の興味を継続させやすい遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
遊技者に特典を付与するための識別情報を出力する識別情報出力手段と、
前記識別情報出力手段によって出力させる識別情報を、前記特典の種類に対応して用意されている複数種類の識別情報の中から選択する識別情報選択手段と、
所定条件が成立した場合に前記識別情報選択手段によって選択された識別情報を前記識別情報出力手段によって出力させる識別情報出力制御手段と、を備え、
前記識別情報選択手段は、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連して前記識別情報を選択する第1選択手段と、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連せずに、予め定められた選択割合に基づいて前記識別情報を選択する第2選択手段と、を備えることを特徴とすることを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、識別情報選択手段は、識別情報出力手段によって出力させる識別情報を、前記特典の種類に対応して用意されている複数種類の識別情報の中から選択するので、遊技する毎に付与される特典を異ならせることができるとともに、変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連して識別情報を選択する第1選択手段の他に、変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連せずに、予め定められた選択割合に基づいて識別情報を選択する第2選択手段を備えるので、所定の条件を満たすことでいずれの遊技者にも均等に特典を取得できる機会を付与することができるため、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易くすることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記識別情報出力制御手段は、前記第1選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件と、前記第2選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件と、を異ならせる制御を実行可能なことを特徴とする。
ここで、識別情報を出力させる条件を異ならせるとは、例えば大当りとなる変動表示ゲームが終了したこととか、変動表示ゲームを所定回数実行したこととか、などである。
請求項2に記載の発明によれば、識別情報出力制御手段は、異なる態様で選択される識別情報の出力条件を異ならせることが可能なので、特典付与の過程が単調とならず、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易い。また、識別情報を出力させる条件が異なるため、遊技者は出力された識別情報がいずれの態様で選択された識別情報であるか区別することができ、特典獲得条件を認識し易くなる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、
遊技者の前記遊技情報を遊技機に反映させるための認証情報の入力を受け付ける受付手段を備え、
前記第1選択手段は、前記認証情報によって反映される遊技情報に関連して前記識別情報を選択することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、「遊技情報」としては例えば遊技者の遊技履歴の情報があり、遊技履歴の情報に関連して特典を付与するための識別情報の種類を選択するようにした場合には、遊技を重ねた遊技者しか得られない特典などを用意することができ、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易いとともに、長時間遊技を継続することへの意欲を高めることができる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機において、
前記第1選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件には、前記変動表示ゲームを所定回数実行させることが含まれ、
前記第2選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件には、前記特別結果を導出させることが含まれることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、異なる態様で選択される識別情報の出力条件を達成するための難易度を異ならせることが可能なので、特典付与の過程が単調とならず、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易い。また、識別情報を出力させる条件が異なるため、遊技者は出力された識別情報がいずれの態様で選択された識別情報であるか区別することができ、特典獲得条件を認識し易くなる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機において、
日時を計時する計時手段を備え、
前記第2選択手段は、前記計時手段が計時する日付け又は時刻に応じて、前記選択割合を異ならせることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、日付け又は時刻によっていずれの特典が付与されるかの選択割合が変化するため、特典付与の確率が一定とならず、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易くなる。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の遊技機において、
前記第2選択手段は、前記計時手段が計時する時刻が、遊技店の開店時間から所定時間が経過するまで、又は、遊技店の閉店時間の所定時間前から当該閉店時間となるまでの期間において、前記選択割合を異ならせる制御を実行可能であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、日時によって選択割合を異ならせる制御を実行可能であるので、例えば、客が少ないと想定される日や時間帯に希少価値の高い特典が付与される確率を高くするように選択割合を変化させることにより、集客力を向上させることができる。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の遊技機において、
前記受付手段は、遊技者個人に対応して設定された一の日付に関連する特定認証情報の入力を受け付け可能とし、
前記第2選択手段は、遊技の開始時に前記受付手段が前記特定認証情報を受け付けた場合に、前記選択割合に関わらず、特定種類の前記識別情報を選択し、
前記識別情報出力制御手段は、前記第2選択手段が前記特定種類の識別情報を選択した場合には、前記第2選択手段によって選択される識別情報を出力させる前記条件に関わらず、当該特定種類の識別情報を出力可能であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、遊技者個人に対応して設定された特定の日(誕生日や何かの記念日)に、特定の特典を付与可能となるため、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易くなる。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の遊技機において、
所定期間において遊技に関連して発生する情報を遊技者の遊技履歴情報として一時的に保持する遊技情報保持手段と、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技履歴情報を表示する遊技履歴表示手段と、
前記遊技履歴表示手段による遊技履歴情報の表示形式を遊技者の選択に応じて変更する表示形式変更手段と、
を備え、
前記受付手段が受け付ける前記認証情報には、前記遊技履歴情報の表示形式に対する遊技者の選択情報が含まれ、
前記表示形式変更手段は、前記遊技者の選択情報に基づいて、前記遊技履歴情報の表示形式を変更することを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、遊技情報に関連して特典が付与された場合、例えば遊技者が取得した特典の付与条件等を知るために遊技履歴を確認する際に、遊技者の好みに応じた視認し易い表示形成で遊技履歴を表示できるため、遊技者の利便性が増すようになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、遊技の進行に関連して携帯端末等を用いて遊技者に特典を付与する場合に、特典付与に対する遊技者の興味を継続させやすい遊技機を実現することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る遊技機を適用した遊技システムの説明図である。
【図2】本発明に係る遊技機の一実施形態を示す斜視図である。
【図3】実施形態の遊技機の遊技盤の構成例を示す正面図である。
【図4】実施形態の遊技機の裏面に設けられる制御システムおよび遊技制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の演出制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の前半部分を示すフローチャートである。
【図7】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の後半部分を示すフローチャートである。
【図8】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちタイマ割込み処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
【図9】図8のタイマ割込み処理中に実行される特図ゲーム処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】実施形態の演出制御装置によって実行される演出制御のうち1stメイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】図10の1stメイン処理中に実行される1stシーン制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】図11の1stシーン制御処理中に実行される客待ち処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】図12の客待ち処理中に実行される遊技情報反映処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】図12の客待ち処理中に実行される遊技情報反映終了処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】図14の遊技情報反映終了処理中に実行される識別コード表示終了処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】図11の1stシーン制御処理中に実行される変動中処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】図16の変動中処理中に実行される遊技情報一時反映処理および遊技情報一時反映確認処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図18】遊技機において記憶される遊技情報の例、遊技情報の一例としての遊技レベルの例および特典付与条件の例を示す説明図である。
【図19】連動サービスを受ける際(ログイン時)の操作の流れを示す流れ図である。
【図20】連動サービスを終了する際(ログアウト時)の操作の流れを示す流れ図である。
【図21】第1実施形態の第1の変形例を適用した遊技機において記憶される共有データの例を示す説明図である。
【図22】第1の変形例を適用した遊技機における図12の客待ち処理中に実行される遊技情報反映処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図23】第1の変形例を適用した遊技機における図12の客待ち処理中に実行される遊技情報反映終了処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図24】第1実施形態の第2の変形例に係る遊技システムの説明図である。
【図25】第2の変形例における遊技機の記憶手段に記憶されるデータの例および外部サーバの記憶手段の管理領域に記憶されるデータの例を示す説明図である。
【図26】第2の変形例を適用した遊技機において演出制御装置によって実行される1stシーン制御処理中の客待ち処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図27】第2の変形例を適用した遊技機における図26の客待ち処理中に実行される遊技情報開示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図28】第2の変形例を適用した遊技機における図26の客待ち処理中に実行される遊技情報反映終了処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図29】第2の変形例を適用した遊技機における図27の遊技情報反映終了処理中に実行される遊技情報開示要求処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図30】第2の変形例を適用した遊技機における図27の遊技情報反映終了処理中に実行される共有実績反映処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図31】第2の変形例に係る遊技システムにおける処理の流れの概略を示す説明図である。
【図32】(A)は第2の実施形態における遊技機(演出制御装置)の概略構成を示すブロック図、(B)は第2の実施形態において演出制御装置が付与する特典と該特典に対応する識別コードおよび付与条件の例を示す説明図である。
【図33】第2の実施形態の演出制御装置によって実行される1stメイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図34】図33の1stメイン処理中に実行される特典選択処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図35】図34の特典選択処理の中の判定時刻と特典との関係および特典選択処理の中で参照される選択テーブルの例を示す説明図である。
【図36】第2の実施形態の演出制御装置によって実行される変動中処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図37】図36の変動中処理中に実行される特典付与制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図38】図36の変動中処理中に実行される限定特典付与制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図39】第2実施形態の第1の変形例における特典選択処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図40】図39の特典選択処理の中で参照される選択テーブルの例を示す説明図である。
【図41】第2実施形態の第2の変形例における遊技情報反映処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図42】図41の遊技情報反映処理中に実行されるプレミアム特典判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図43】第2実施形態の第2の変形例における客待ち処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図44】図43の客待ち処理中に実行されるプレミアム特典付与制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図45】第3の実施形態における客待ち処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図46】第3の実施形態における遊技履歴閲覧処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図47】第3の実施形態における遊技履歴の表示スタイルの例を示す説明図である。
【図48】第3の実施形態における遊技履歴の表示スタイル1の具体例を示す説明図である。
【図49】第3の実施形態における遊技履歴の表示スタイル2の具体例を示す説明図である。
【図50】本発明の他の実施形態の遊技システムの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る遊技機を使用した遊技システムの概略構成が示されている。
図1に示すように、本発明における遊技システムは、パチンコ機のような遊技媒体を用いた遊技を提供する遊技機10と、携帯電話機のような無線通信機能を有する携帯端末80と、サーバコンピュータ90とから構成され、携帯端末80とサーバコンピュータ90とは無線通信回線(インターネット)を介してデータの送受信が可能に構成される。
【0017】
サーバコンピュータ90は、外部サーバとも呼ばれるもので、CPU(マイクロプロセッサ)や、該CPUが実行するプログラムや固定データを記憶するROM(リードンオンリメモリ)、CPUの作業領域を提供したり遊技機の経歴データやユーザ(遊技客)のデータを記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)の他、通信機能などを備え、インターネットを介して情報を提供するウェブサーバとして機能するように構成されている。
【0018】
この遊技システムにおけるサーバコンピュータ90は、携帯端末80より受信したデータを解析し遊技情報を抽出して記憶する遊技情報保存手段91や、遊技機にアクセス可能にするためのパスワードを生成するパスワード生成手段92、遊技情報保存手段91に保存した遊技情報を公開する遊技情報公開手段93、携帯端末の待受け画像のようなコンテンツの提供など遊技者に特典を付与する特典付与手段94としての機能を有する。
上記遊技情報保存手段91は、遊技者が所有する携帯端末(情報端末)によって読み込まれた識別情報に基づくアクセスを受け付ける識別情報受付け手段と、該識別情報受付け手段が前記識別情報に基づくアクセスを受け付けることに対応して遊技者の遊技情報を抽出する遊技情報抽出手段と、抽出された遊技情報を遊技者と対応付けて記憶する遊技情報記憶手段とを備える。
【0019】
本実施例の遊技システムにおいては、人(遊技客)が遊技機10の前面に設けられている操作ボタンのような入力操作手段を操作すると、遊技機10の制御装置が表示装置41(図3参照)等によってQRコード(登録商標)に代表される二次元パターンコード(以下、識別コードあるいは二次元コードと称する)を表示する。そして、表示されたこの識別コードを、携帯端末80が備える撮影機能(デジカメ)により読み込んで、当該識別コードに基づいて無線通信回線を介してサーバコンピュータ90にアクセスし、遊技履歴などの遊技情報を保存できるように構成され、さらにサーバコンピュータ90からパスワードを取得し、取得したパスワードを遊技機前面に設けられている入力操作手段により入力することで遊技機10により特別な遊技態様による遊技などのサービスを受けることができるように構成されている。従って、表示装置41が遊技情報に対応する識別情報としての識別コード(2次元コード)を表示もしくは出力する識別情報表示手段もしくは識別情報出力手段として機能することとなる。
なお、二次元コードを表示する代わりに、赤外線などの無線通信信号により同様なコードを遊技機10から携帯端末80へ送信するように構成してもよい。この場合、遊技機の無線通信手段が、識別情報出力手段として機能することとなる。
【0020】
上記のような機能を実現するため、遊技機10は、パスワード受付手段114と、遊技情報を遊技の演出に反映する遊技情報反映手段115と、遊技データを複数の遊技者間で共有可能にする遊技データ共有手段116と、遊技中に発生した遊技情報を一時的に保持する遊技情報保持手段117と、遊技情報を反映した二次元コードのような識別コードを表示装置41に表示させる識別コード表示手段118とを備える。
また、携帯端末80は、識別コード表示手段119によって表示された識別コードを取得するCCDカメラなどの識別コード取得手段81と、取得した識別コードを送信してサーバコンピュータ90にアクセスする無線通信手段などからなるサーバアクセス手段82と、サーバコンピュータ90が発行したパスワードを受信するパスワード受信手段83と、サーバコンピュータ90が送信した遊技情報を受信し閲覧可能にする遊技情報閲覧手段84と、サーバコンピュータ90が付与した特典を受信し保存する特典保存手段85を備える。
【0021】
図2は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠(内枠)12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。前面枠12には、前面に遊技領域が形成され中央には表示装置41を有するセンターケース40(図3参照)が配設された遊技盤30(図3参照)が収納されるとともに、遊技盤の前方を覆う透明なカバーガラス14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、音響(例えば、効果音)を発する一対のスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、ガラス枠15の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18(図5参照)が設けられている。
【0022】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25aおよびセレクトボタン25bを備えた入力操作部25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が操作ダイヤル24を回動操作すると、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域に向かって発射する。また、遊技者が入力手段としての演出ボタン25を操作することによって、遊技経過情報を取得したり、表示装置41(図3参照)で実行される変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができるようにされている。
【0023】
次に、図3を用いて遊技盤30の一例について説明する。図3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。
この実施例の遊技盤においては、遊技領域32のほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
【0024】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0025】
さらに、本実施形態では、遊技領域32のセンターケース40の左側に、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図4参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
【0026】
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図4参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
【0027】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図4参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
【0028】
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図4参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0029】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部および各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を有するLED表示部53とを備える。また、一括表示装置50のLED表示部53には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
【0030】
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
このように、表示装置41とは別に、特図変動表示ゲームを実行する特図1表示器51と特図2表示器52が設けられているため、表示装置41では当該遊技機の変動表示ゲームに関する演出ではなく他の遊技機の演出と連動した演出を行うようにしても、当該遊技機の本来の変動表示ゲームはきちんと実行することができる。
【0031】
LED表示部53の普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
【0032】
LED表示部53の特図2保留表示器は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
【0033】
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。第3遊技状態表示器は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0034】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠の上皿又は下皿に排出される。
【0035】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図4参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50のLED表示部53の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
【0036】
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられたLED表示部53の変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
【0037】
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、LED表示部53の普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図4参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0038】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
【0039】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、一括表示装置50に設けられた特図1表示器または特図2表示器(変動表示装置)で第1または第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
【0040】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0041】
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0042】
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0043】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0044】
図4は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムの構成例を示す。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0045】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0046】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0047】
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する遊技制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0048】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0049】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0050】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
【0051】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0052】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0053】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理(図9参照)における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
【0054】
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0055】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0056】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0057】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0058】
また、入力部120には、遊技機10の前面枠等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0059】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0060】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0061】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。
なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0062】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。
また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を保証するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0063】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0064】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0065】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0066】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0067】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0068】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0069】
次に、図5を用いて、演出制御手段としての演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314と、現在時刻を計時するリアルタイムクロック回路316と、を備えている。リアルタイムクロック回路316は、電池などの内蔵電源を備え、電源遮断中も計時動作を継続できるように構成されている。
【0070】
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データ、コマンドリストが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には圧縮された音声データやフレーズ再生処理に必要なシーケンス、簡易アクセスのためのコマンド列等が記憶された音声ROM324が接続されている。
主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAM311a,312aは、それぞれのチップ内部に設けられているが、チップの外部に設けるようにしてもよい。
【0071】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)305や、画像データを描画処理するための描画回路306、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する表示回路308などが設けられている。VDP313については後に詳しく説明する。
【0072】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0073】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0074】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくる演出制御コマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
なお、本実施形態においては、演出制御コマンドは16ビットで構成されており、これを8ビットのデータバスとストローブ信号SSBTで送信するため、16ビットの演出制御コマンドを8ビットの前半コマンド(MODE)と後半コマンド(ACTION)とに分けて、ストローブ信号SSBTを2度立ち上げることで送信し、受信側ではSSBの立ち上がりに同期してコマンドを取り込むようになっている。
【0075】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠に設けられているLEDやモータ等の枠演出装置(例えば前述の光照射装置29のLEDや後述の振動装置のモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0076】
さらに、演出制御装置300には、遊技機の前面枠12に設けられ遊技者が操作可能な入力操作部25の演出ボタン25aやセレクトボタン25bに内蔵されているスイッチ、上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
【0077】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0078】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0079】
次に、遊技制御装置100および演出制御装置300において行われる大まかな遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、LED表示部53において、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、LED表示部53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
【0080】
なお、本実施形態においては、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、LED表示部53に、はずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)をRAM111Cに記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。従って、RAM111Cは、始動入賞記憶手段として機能する。
【0081】
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御情報(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1表示器や特図2表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
【0082】
一方、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器や特図2表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。この特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
【0083】
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器や特図2表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
【0084】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。以下、かかる制御モードを普電サポートと称する。
【0085】
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
【0086】
以下、上記のような遊技制御を実行する上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される処理について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6及び図7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図8に示すタイマ割込み処理とからなる。
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0087】
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ:RAM111C)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0088】
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、図7のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
【0089】
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、図7のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図7のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
【0090】
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
【0091】
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
【0092】
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0093】
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0094】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0095】
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0096】
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0097】
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
【0098】
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0099】
次に、タイマ割込み処理について図8のフローチャートを用いて説明する。
図8に示すタイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
【0100】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
【0101】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0102】
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について、図9を用いて説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図9に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
【0103】
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
【0104】
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
【0105】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
さらに、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
【0106】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
【0107】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0108】
そして、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
以上説明したように、本実施形態においては、遊技制御装置100が変動表示ゲーム実行手段および特別遊技状態制御手段として機能する。
【0109】
次に、上記演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される制御について説明する。
主制御用マイコン311による制御処理は、図10に示す1stメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるコマンド受信割込み処理とからなる。1stメイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
図10に示すように、1stメイン処理においては、先ず、割込みを禁止する処理(ステップB1)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB2)を行い、1stCPU311の初期化処理(ステップB3)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB4)を行い、乱数初期化処理(ステップB5)を行う。その後、各種割込みのタイマを起動する処理(ステップB6)を行い、割込みを許可する(ステップB7)。その後、主制御用マイコン311は、メインループ処理ステップB8〜B18を行う。
【0110】
このメインループ処理では、先ず、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB8)を行う。そして、演出操作ボタンSW25aからの入力処理(ステップB9)を行い、遊技制御コマンド解析処理(ステップB10)を行う。
この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(MODE)と、第2コマンド(ACTION)との一対のデータにより構成されている。
【0111】
そして、受信した第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾しない場合(例えば、MODE→ACTIONの順に受信した場合)に正しくコマンドを受信したと判定し、第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾する場合(例えば、ACTION→ACTIONの順やMODE→MODE→MODEの順に受信した場合)にコマンドの受信が異常であると判定するようになっている。
続いて、テストモード処理(ステップB11)を行った後、特図変動表示ゲームに関する処理を行う1stシーン制御処理(ステップB12)を行う。この1stシーン制御処理(ステップB12)については、後に詳しく説明する。
【0112】
その後、前面枠(内枠)12やガラス枠15の開放などのエラー発生の監視を行う遊技機エラー監視処理(ステップB13)、特図変動表示ゲームにおける演出に関する演出コマンド編集処理(ステップB14)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a、19bの駆動処理)であるサウンド制御処理(ステップB15)、前面枠に設けられた枠装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB16)を行う。そして、センターケース40に設けられた役物等を駆動させる盤演出モータ/SOL制御回路334の制御に関するモータ/SOL制御処理(ステップB17)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB18)を行い、ウォッチドッグタイマをクリアする処理(ステップB8)に戻る。
【0113】
〔1stシーン制御処理〕
図11には、図10に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB12)の具体的な手順の一例を示す。この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
【0114】
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
【0115】
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
【0116】
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB72)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB73)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB74)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB75)を行う。
【0117】
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB76)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB77)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB78)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(確率情報コマンド(低確率、高確率))に基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB79)を行う。
【0118】
本実施形態の遊技機においては、例えば客待ち画面の表示中に遊技者が図19に示すようなメニュー画面を選択してパスワードを入力することにより、サーバの機能と連動した演出内容の変更等のサービスの提供が可能に構成されており、それを支援するために、遊技開始時のパスワードの受付けや遊技終了時の識別コード(二次元コード)の発行などの処理を、図11に示す1stシーン制御処理における客待ち処理(ステップB70)の中で、演出制御装置300が行うようになっている。
なお、メニュー画面の選択やパスワードの入力は、遊技機前面の前記入力操作手段25(演出ボタン25a,セレクトボタン25b)によって行うことができる。この際、セレクトボタン25bはシフトキーとして機能し、演出ボタン25aは決定キーとして機能する。また、演出ボタン25aとセレクトボタン25bとからなる入力操作手段の代わりに、前後左右に傾動可能なシーソー式の操作ボタンを設けても良い。
【0119】
〔客待ち処理〕
図12には、図11に示す1stシーン制御処理における客待ち処理(ステップB70)の具体的な手順の一例が示されている。
この客待ち処理では、まず、遊技制御装置100からの変動開始コマンドを受信したか否か判定する(ステップB101)。ここで、変動開始コマンドを受信した(Yes)と判定した場合は変動中処理へ移行するための設定を行う変動中処理移行設定処理(ステップB102)を実行して、当該客待ち処理から抜ける。変動開始コマンドを受信したということは、既に遊技が開始されているということであり、変動表示ゲームを速やかに実行するためである。
一方、ステップB101で、変動開始コマンドを受信していない(No)と判定した場合は、後のステップB105で設定される遊技情報反映処理の実行中を示すフラグを参照して遊技情報反映処理中であるか否か判定する(ステップB103)。ここで、遊技情報反映処理実行中でない(No)と判定した場合は、次のステップB104へ移行して遊技情報反映処理を開始するか否か判定して、遊技情報反映処理を開始する(Yes)と判定した場合は、ステップB105で遊技情報反映処理中情報(フラグ)を設定してステップB106へ移行する。なお、このステップB104では、例えば、遊技者によってパスワードの入力操作を開始するための開始操作が行われたか否かを判定する。
【0120】
また、ステップB103で、遊技情報反映処理実行中である(Yes)と判定した場合は、ステップB104およびB105をスキップしてステップB106へ移行する。すなわち、既に遊技情報反映処理を開始してパスワードを入力している場合(入力している途中である場合)にステップB103からステップB106へ移行する。そして、ステップB106では、パスワードの入力により得られる遊技情報等に対応した演出を設定する遊技情報反映処理を実行して、当該客待ち処理から抜ける。遊技情報反映処理については、後に詳しく説明する。
ステップB104で遊技情報反映処理を開始しない(No)と判定した場合は、ステップB107へ移行して、遊技情報反映終了中を示すフラグを参照して二次元コード発行等を行う遊技情報反映終了中であるか否か判定する。ここで、遊技情報反映終了中でない(No)と判定した場合は、次のステップB108へ移行して遊技情報反映終了処理を開始するか否か判定して、遊技情報反映終了処理を開始する(Yes)と判定した場合は、ステップB109で遊技情報反映終了中情報(フラグ)を設定してステップB110へ移行する。
【0121】
また、ステップB107で、遊技情報反映終了処理中である(Yes)と判定した場合は、ステップB108およびB109をスキップしてステップB110へ移行する。そして、ステップB110では、遊技情報を共用データ格納領域に格納したり遊技中に記憶された遊技情報等に応じた二次元コードを発行したりする遊技情報反映終了処理を実行して、当該客待ち処理から抜ける。遊技情報反映終了処理については、後に詳しく説明する。
一方、ステップB108で遊技情報反映終了処理を開始しない(No)と判定した場合は、ステップB111へ移行して、遊技履歴の表示要求やミニゲームの実行要求など入力操作手段25による他の入力操作があったか否か判定する。ここで、他の入力操作があった(Yes)と判定した場合は操作に対応した表示の設定(ステップB112)を行って、当該客待ち処理から抜ける。なお、遊技履歴の表示については、後に詳しく説明する。また、ミニゲームとは遊技者の操作手段25への操作に基づいて、画面の表示内容を変化させるなどして、遊技の実行を伴わない演出を行うことである。
【0122】
また、ステップB111で、他の入力操作がない(No)と判定した場合は、ステップB113へ移行して、キャンセル操作があったか否か判定する。ステップB111で、他の入力操作があった(Yes)と判定した場合は、それまでに設定した各種処理情報をクリア(ステップB114)してから、ステップB116へ移行する。また、ステップB113で、キャンセル操作がない(No)と判定した場合は、直ちにステップB116へ移行する。そして、ステップB116では、所定時間が遊技が行われていない場合や所定時間始動入賞が発生していない場合に表示する客待ち画面を表示させる客待ち画面表示制御処理を実行して当該客待ち処理から抜ける。なお、キャンセル操作とは、実行途中の操作内容を無効にし、操作開始時の状態から変化させないように実行途中の操作を終了させることである。
【0123】
図13には、図12に示す客待ち処理における遊技情報反映処理(ステップB106)の具体的な手順の一例が示されている。
この遊技情報反映処理では、まず、後述の共有可能データの利用確認中であるか否か判定する(ステップB211)。ここで、共有可能データの利用確認中である(Yes)と判定した場合は、ステップB220へ移行する。また、ステップB211で、共有可能データの利用確認中でない(No)と判定した場合は、ステップB212へ進み、パスワードの入力があったか否か判定する。
そして、ステップB212でパスワードの入力があった(Yes)と判定した場合は、ステップB213へ進み、入力されたパスワードを取り込んだ後、ステップB214へ移行する。また、ステップB212で、パスワードの入力がない(No)と判定した場合は、ステップB213をスキップしてステップB214へ移行する。
【0124】
ステップB214では、パスワードの入力が確定したか否か判定する。パスワードの入力が確定は、決定ボタン(演出ボタン25a)が押されるかパスワードを構成する所定数の数字や文字が入力されることで確定とすることができる。そして、パスワードの入力があった(Yes)と判定した場合は、ステップB215へ進み、入力されたパスワードが有効なパスワードであるか確認してステップB216へ移行する。また、ステップB214で、パスワードが確定していない(No)と判定した場合は、一旦当該遊技情報反映処理から抜ける。
ステップB215の確認で有効なパスワードである(ステップB216:Yes)と判定した場合は、ステップB217へ進み、共有データ格納領域に共有可能データがあるか確認する。そして、共有可能データがある(ステップB218:Yes)と判定した場合は、ステップB219へ進み、共有可能データがない(ステップB218:No)と判定した場合は、ステップB225へ移行する。よって、本実施形態では、演出制御手段としての遊技制御装置300が識別情報に対応する遊技情報を遊技機に反映させるための認証情報としてのパスワードの入力を受け付ける受付手段として機能することとなる。また、ステップB216で、有効なパスワードでない(ステップB216:No)と判定した場合は、一旦当該遊技情報反映処理から抜ける。
【0125】
ステップB219では、共有可能データ利用確認中情報(フラグ)を設定し、ステップB220へ進む。ここで、共有可能データとは、前に当該遊技機で遊技をした者が利用を許可したデータを表し、共有可能データ利用確認は、これから遊技をしようとする者が前に当該遊技機で遊技をした者が利用を許可したデータを利用した遊技を希望するか確認するためのものであり、ステップB220で確認操作があったか否か判定する。
そして、ステップB220で確認操作がない(No)と判定した場合は、一旦当該遊技情報反映処理から抜ける。また、ステップB220で確認操作があった(Yes)と判定した場合は、ステップB221へ進み、ステップB219で設定した共有可能データ利用確認中情報(フラグ)をクリアして、ステップB222へ進む。ステップB220の確認操作は、データを利用するとする操作と利用しないとする操作を含む。
【0126】
ステップB222では、共有可能データを利用するか否か判定し、利用しない(No)と判定した場合は、ステップB225へ移行する。一方、ステップB222で、共有可能データを利用する(Yes)と判定した場合は、ステップB223へ進んで共有可能データに対応する遊技情報を演出に反映するための設定を行う。続いて、変動パターン情報設定パラメータとして、ステップB223で反映した共有データを設定(ステップB224)した後、ステップB225へ移行する。
よって、演出制御装置300が、遊技開始時に遊技情報保持手段に遊技情報が保持されている場合に、当該遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に基づいて演出の内容を制御する手段(第2演出制御手段)としての機能を有することが分かる。
【0127】
次に、ステップB225では、ステップB213で取得した入力パスワードに対応する遊技情報を演出に反映するための設定を行う。続いて、変動パターン情報設定パラメータとして、ステップB223で設定した遊技情報を設定する(ステップB226)。よって、演出制御手段としての演出制御装置300は、遊技開始時に認証情報としてのパスワードを受け付ける受付手段、および該受付手段によって認証情報を受け付けた場合に、当該認証情報によって反映される遊技情報に基づいて演出の内容を制御する手段(第1演出制御手段)としての機能を有することが分かる。
なお、ステップB218からB225へ移行した場合には自分のパスワードに基づく遊技情報のみに応じた変動パターンが実行されるような設定が行われ、ステップB224からB225へ移行した場合には前の遊技者が許可した共有データおよび自分のパスワードに基づく遊技情報の両方を加算したような情報に応じた変動パターンが実行されるような設定が行われるようになる。
その後、ステップB227へ移行して、遊技情報を反映したことを報知する報知表示を設定した後、図12のステップB105で設定した遊技情報反映処理中情報(フラグ)をクリアする(ステップB228)。続いて、ステップB224で変動パターン情報設定パラメータとして共有データを設定した場合には、共有データを利用していることを示す連動サービス利用中情報(フラグ)を設定する処理(ステップB229)を実行して当該遊技情報反映処理から抜ける。
【0128】
図14には、図12に示す客待ち処理における遊技情報反映終了処理(ステップB110)の具体的な手順の一例が示されている。この遊技情報反映終了処理は、遊技者が遊技を終了する際に実行する処理である。
この遊技情報反映終了処理では、まず、後のステップB250で設定される識別コード表示中情報(フラグ)を参照して識別コード(2次元コード)を表示中であるか否か判定する(ステップB231)。ここで、識別コードを表示中である(Yes)と判定した場合は、ステップB260へ移行して識別コード表示終了処理を実行して当該遊技情報反映終了処理から抜ける。また、ステップB231で、識別コードを表示中でない(No)と判定した場合は、ステップB232へ進み、後のステップB242で設定される表示内容確認中情報(フラグ)を参照して、生成する識別コードに共有データに基づく遊技を行ったという情報を含ませるか遊技者に確認する表示内容確認中であるか否か判定する。
【0129】
そして、ステップB232で表示内容確認中である(Yes)と判定した場合は、ステップB243へ移行する。また、ステップB232で表示内容確認中でない(No)と判定した場合は、ステップB233へ進み、共有許可確認中であるか否か判定する。ここで、共有許可確認中でない(No)と判定した場合は、ステップB234,B235をスキップしてステップB236へ移行する。一方、ステップB233で共有許可確認中である(Yes)と判定した場合は、演出制御装置300のRAM内の遊技履歴格納領域に格納された遊技情報を共有にするか遊技者に確認する処理(ステップB234)を実行した後、共有許可確認情報(フラグ)を設定(ステップB235)して、ステップB236へ移行する。
【0130】
ステップB236では、確認操作があったか否か判定し、確認操作がない(No)と判定した場合は、一旦当該遊技情報反映終了処理から抜ける。また、ステップB236で、確認操作があった(Yes)と判定した場合は、ステップB237へ進み、ステップB235で設定した共有許可確認情報(フラグ)をクリアする。その後、遊技者により遊技情報の共有が許可されたか否か判定(ステップB238)し、遊技情報の共有が許可されてない(ステップB238:No)と判定した場合は、ステップB239をスキップしてステップB240へ移行する。一方、ステップB238で遊技情報の共有が許可された(Yes)と判定した場合は、ステップB239へ進み、遊技履歴格納領域に格納された遊技情報を共有データ格納領域に格納してステップB240へ移行する。
【0131】
ステップB240では、既に共有データ利用中か否か判定し、共有データ利用中でない(ステップB240:No)と判定した場合は、ステップB247へ移行して遊技履歴格納領域に格納された遊技情報に対応する識別コード(2次元コード)を生成する。従って、本実施形態では、遊技制御装置300が遊技情報をサーバコンピュータに保存可能にするための識別情報としての識別コードを生成する識別情報生成手段として機能することとなる。
一方、ステップB240で共有データ利用中である(Yes)と判定した場合は、ステップB241へ進み、共有したデータに基づく遊技を行ったという情報を含む識別コード(2次元コード)を表示するか確認し、表示内容確認中であることを示す表示内容確認中情報(フラグ)を設定する(ステップB242)。その後、ステップB243で、確認操作があったか否か判定し、確認操作がない(No)と判定した場合は、一旦当該遊技情報反映終了処理から抜ける。また、ステップB243で、確認操作があった(Yes)と判定した場合は、ステップB244へ進み、ステップB242で設定した表示内容確認中情報(フラグ)をクリアし、ステップB245へ移行する。
【0132】
ステップB245では、ステップB243の確認操作の結果に応じて共有データに基づく遊技を行ったという情報を含ませるか否か判定し、共有データに基づく情報を含ませない(ステップB245:No)と判定した場合は、ステップB247へ移行して遊技履歴格納領域に格納された遊技情報に対応する識別コード(2次元コード)を生成する。一方、ステップB245で共有データに基づく情報を含ませる(Yes)と判定した場合は、ステップB246へ進み、遊技履歴格納領域に保持された遊技情報および共有可能データに基づく情報の両方に対応する識別コード(2次元コード)を生成する。なお、ステップB246では、遊技履歴格納領域に保持された遊技情報および共有可能データの一部の情報に対応する識別コード(2次元コード)を生成するようにしてもよい。
その後、ステップB246またはステップB247で生成した識別コードを表示装置41へ表示させ、図12のステップB109で設定した遊技情報反映終了処理中情報(フラグ)をクリア(ステップB249)した後、識別コード表示中情報(フラグ)を設定(ステップB250)し、さらに識別コード表示タイマを設定(ステップB251)して、当該遊技情報反映終了処理から抜ける。
【0133】
図15には、図14に示す遊技情報反映終了処理における識別コード表示終了処理(ステップB260)の具体的な手順の一例が示されている。この識別コード表示終了処理は、識別コードを表示した後に遊技情報反映終了処理を終了する際に実行する処理である。
この識別コード表示終了処理では、まず、ステップB251で設定したされる識別コード表示タイマを更新する(ステップB261)。続いて、ステップB262で、識別コード表示タイマがタイムアップしたか否か判定し、タイムアップしていない(No)場合には、ステップB263へ進み、遊技者による遊技の終了操作(すなわち表示中の識別コードを遊技者が取り込んだという確認操作)があったか否か判定する。ここで、終了操作がない(No)と判定した場合は、一旦当該識別コード表示終了処理から抜ける。
【0134】
また、終了操作があった(ステップB263:Yes)と判定した場合は、ステップB264へ移行して本来の客待ち画面を設定する処理を実行し、図14のステップB250で設定した識別コード表示中情報(フラグ)をクリアする。また、ステップB266で、遊技履歴格納領域をクリアし、ステップB267へ進み、図13のステップB229で設定したサービス利用中情報(フラグ)をクリアして、当該識別コード表示終了処理から抜ける。
以上、遊技者がパスワードを入力して遊技を開始した場合に、前の遊技者の残したデータを利用できるようにする場合の処理であるが、本実施形態では、遊技者がパスワードを入力せずに遊技を開始した場合にも、条件付きで前の遊技者の残したデータを利用できるようにしている。このようなことを可能にするため、図11に示す1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB71)の中に、図16に示すように、遊技情報一時反映処理および遊技情報一時反映確認処理を設けることで対応している。
【0135】
図16には、図11に示す1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB71)の具体的な手順の一例を示した。この変動中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB121)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
この演出リクエストフラグがある場合(ステップB121;Yes)は、前面枠等に設けられている遊技者が操作可能な演出操作ボタンの入力に関連する情報をクリアし(ステップB122)、役物装置の演出に関する可動体リクエストセット処理(ステップB123)を行う。次に、図13のステップB223やステップB226で設定されたパラメータに基づいて飾り特図変動表示ゲームの演出態様である変動パターンを設定するための変動パターン情報設定処理(ステップB124)を行い、その後、乱数シード初期化処理(ステップB125)を行ってから、ステップB124で設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB126)。
【0136】
シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。
その後、特定遊技状態とする回数等(普通変動入賞装置37を時短動作状態とする回数等)を管理する変動回数管理処理(ステップB127)、変動表示ゲーの変動時間を設定する変動時間設定処理(ステップB128)を行い、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB129)、遊技情報一時反映処理(ステップB130)を行い、ステップB135の遊技情報一時反映確認処理へ移行する。ステップB130の遊技情報一時反映処理およびステップB135の遊技情報一時反映確認処理については後に詳しく説明する。
【0137】
一方、ステップB121で、演出リクエストフラグがない(=No)と判定した場合は、更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB131)。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。ステップB131で、更新タイマの値が0でない(=No)と判定した場合は、ステップB133の遊技情報一時反映確認処理へ移行する。また、ステップB131で、更新タイマの値が0である(=Yes)と判定した場合は、次シーンデータの設定(ステップB132)を行い、ステップB135の遊技情報一時反映確認処理へ移行する。
【0138】
〔遊技情報一時反映処理〕
次に、図16の変動中処理のステップB130における遊技情報一時反映処理の具体的な手順の一例を、図17に示すフローチャートを用いて説明する。
図17(A)に示すように、遊技情報一時反映処理では、先ず、客待ち画面表示後の最初の変動開始であるか確認する(ステップB311)。そして、最初の変動開始でない(ステップB312:No)と判定した場合は、何もせずに当該遊技情報一時反映処理から抜ける。
【0139】
一方、最初の変動開始である(ステップB312:Yes)と判定した場合は、ステップB313へ進み、共有データを使用した連動サービス利用中であるか否か判定する。ここで、連動サービス利用中である(Yes)と判定した場合は、当該遊技情報一時反映処理から抜ける。既に利用している遊技者に重複して同じようなサービスを与える必要はないためである。なお、「最初の変動開始」を条件とする代わりに、所定のゲーム数経過を条件としても良い。
また、ステップB313で、連動サービス利用中でない(No)と判定した場合は、ステップB314へ進んで、前の遊技者が残した共有データがあるか否か判定する。そして、共有データがない(No)と判定した場合も、当該遊技情報一時反映処理から抜ける。一方、ステップB314で、前の遊技者が残した共有データがある(Yes)と判定した場合は、共有データ一時利用確認中であることを示す情報(フラグ)を設定(ステップB315)し、利用確認の画面を表示するための設定(ステップB316)をして、当該遊技情報一時反映処理から抜ける。
【0140】
〔遊技情報一時反映確認処理〕
次に、図16の変動中処理のステップB135における遊技情報一時反映確認処理の具体的な手順の一例を、図17(B)に示すフローチャートを用いて説明する。
遊技情報一時反映確認処理では、先ず、図17(A)のステップB315で設定される共有可能データ一時利用確認中情報(フラグ)を確認する(ステップB321)。そして、共有可能データ一時利用確認中でない(ステップB322:No)と判定した場合は、当該遊技情報一時反映処理から抜ける。一方、ステップB322で、共有可能データ一時利用確認中である(Yes)と判定した場合は、ステップB323へ進んで、変動が終了したか否か判定する。ここで、変動が終了していれば、ステップB328へ移行して、遊技情報を反映したことを報知する報知表示を設定した後、図17(A)のステップB315で設定した共有可能データ一時利用確認中情報(フラグ)をクリアして、当該遊技情報一時反映処理から抜ける。最初の変動中の確認で操作をしない遊技者は連動サービスを利用する意思がないと推測できるためである。
【0141】
ステップB323で、変動が終了していない(No)と判定した場合は、ステップB324へ移行して、遊技者による確認操作があったか否か判定する。ここで、確認操作がない(No)と判定した場合は、当該遊技情報一時反映処理から抜ける。また、ステップB324で、確認操作があった(Yes)と判定した場合は、ステップB325へ移行して、遊技者による確認操作が共有可能データを利用するものであるか否か判定する。そして、共有可能データを利用するものでない(No)と判定した場合は、図17(A)のステップB315で設定した共有可能データ一時利用確認中情報(フラグ)をクリアして、当該遊技情報一時反映処理から抜ける。
また、ステップB325で、共有可能データを利用するものである(Yes)と判定した場合は、ステップB326へ進んで、共有可能データに対応する遊技情報を所定ゲーム終了まで反映する設定を行う。続いて、変動パターン情報設定パラメータとして、ステップB326で設定した遊技情報を設定する(ステップB327)。
その後、ステップB328へ移行して、遊技情報を反映したことを報知する報知表示を設定した後、図17(A)のステップB315で設定した共有可能データ一時利用確認中情報(フラグ)をクリア(ステップB329)して、当該遊技情報一時反映処理から抜ける。
【0142】
次に、共有データを利用した連動サービスの供与の具体的な例について説明する。例えば、図18(A)に示すように、遊技機1〜3の共有データ格納領域に、共有データとして「遊技レベル10」、「当日大当り10回」、「特別演出出現」なるデータが遊技者1〜3によってそれぞれ残されたとすると、次に遊技機1〜3で遊技しようとする遊技者は上記のような共有データに対応した特典(図18(C)参照)を受けられるようにするものである。なお、図18(A)における「遊技レベル」とは、図18(B)に示すように、遊技機に用意されている複数の演出のうち出現させた演出の割合(達成率)に応じて付与されるデータである。なお、各遊技機の共有データ格納領域に格納される共有データは、図18(A)に示すように各遊技機に1つずつではなく、複数の共有データを格納できるようにしてもよい。
【0143】
遊技者に付与する「特典」に関しては、例えば図18(A)の遊技機1のように、共有データ格納領域に共有データとして「遊技レベル10」が格納されていて次の遊技者がその共有データを利用することとした場合には、図18(C)のように、「特典5」として先読み予告実行確率アップという利益が与えられる。また、図18(A)の遊技機2のように、共有データ格納領域に共有データとして「当日大当り10回」が格納されていた場合には、図18(C)のように、「特典10」として特別ラウンド演出1が出現するという利益が与えられる。
また、図18(A)の遊技機3のように、共有データ格納領域に共有データとして「特別演出出現」が格納されていた場合には、図18(C)のように、「特典12」として特殊な識別コードを表示するという利益が与えられる。「特殊な識別コード」を取得した遊技者は、例えばウェブサーバにアクセスして携帯端末の待ち受け画像のようなコンテンツデータを受け取ることができるという権利を付与することが考えられる。
特典を付与する条件としては、図18(C)に示されているような条件に限定されず、単に変動表示ゲームを所定回数以上実行したことなどの条件であっても良い。
【0144】
次に、遊技者が連動サービスの供与を受ける遊技機を開始する際に行う行為(ログイン)および遊技機を終了する際に行う行為(ログアウト)の手順について説明する。
遊技機にログインする場合には、図19(A)に示すように、表示装置41に客待ち画像が表示されている状態で例えば演出ボタン25aを操作すると、図19(B)に示すように、連動サービス設定メニューが表示される。ここで、セレクタボタン25bを操作して「パスワード入力」にカーソル(▼印)を合わせて演出ボタン25aを操作すると、図19(C)のように、パスワード入力画面が表示される。
【0145】
ここで、携帯端末80を使用してウェブサーバにアクセスして取得したパスワードを入力する。すると、遊技機の共有データ格納領域に共有データが格納されていない場合には、図19(D)のように、パスワード受付け完了を知らせるメッセージと共に前回の遊技で自分に与えられた遊技情報が表示される。一方、遊技機の共有データ格納領域に共有データが格納されていた場合には、図19(E)のように、パスワード受付け完了を知らせるメッセージと共に共有データを利用するか確認するための画面が表示される。ここで、セレクタボタン25bを操作して「パスワード入力」にカーソル(▼印)を合わせて演出ボタン25aを操作すると、図19(F)のように、前回の遊技で自分に与えられた遊技情報と、共有データによって与えられる遊技情報とが表示される。該遊技情報を使用した遊技が開始される。
【0146】
遊技機からログアウトする場合には、図20に示すように、変動表示ゲームが実行されていない状態で例えば演出ボタン25aを操作すると、連動サービス設定メニューが表示される。この際に、普図の保留に当りがある場合には警告メッセージを行うようにしても良い。連動サービス設定メニューで、セレクタボタン25bを操作して「遊技終了」にカーソル(▼印)を合わせて演出ボタン25aを操作すると、遊技情報を共有データとして利用可能にするか確認するための画面が表示される。
ここで、セレクタボタン25bを操作していずれかにカーソル(▼印)を合わせて演出ボタン25aを操作すると、今回の遊技で使用した先行遊技者の共有データを自分が取得した遊技情報に反映するか確認するための画面が表示される。ここで、セレクタボタン25bを操作していずれかにカーソル(▼印)を合わせて演出ボタン25aを操作すると、識別コードと終了確認メッセージとが表示される。遊技者が表示された識別コードを携帯端末80のカメラ機能を使用して取り込んでから、演出ボタン25aを操作すると、遊技情報の削除を許容するか確認するための画面が表示され、「YES」を選択すると遊技終了のメッセージとが表示されて、客待ち画面が表示される。なお、識別コードの表示の際には終了確認メッセージを省略して所定時間後に表示を終了するようにしても良い。これにより、遊技者が終了確認のための操作をせずに遊技機を離れることにより、識別コードが表示されたままとなって他の遊技者が識別コードを取得できる状況が生じるのを回避することができる。
【0147】
〔変形例〕
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
第1の変形例は、図21に示すように、各遊技機の共有データ格納領域に当該遊技機で遊技をした複数の遊技者の遊技情報を共有データとして格納できるようにするものである。ただし、格納できるデータの数は制限されており、図21の例では、5人の遊技者分までとしている。6人目以降の遊技者の遊技情報は、古い遊技情報から順に消して格納するようにされる。また、この変形例では、次に遊技を開始しようとする遊技者が、いずれの遊技情報を共有データとして利用するか選択できるように制御する。さらに、遊技を終了する際に生成される識別コードに、複数の遊技情報のうち遊技者が選択した遊技情報を反映させるように制御する。なお、ログインせずに遊技を開始した遊技者に対しては、例えば直前の遊技者が残した遊技情報だけを共有データとして利用できるようにしてもよい。
【0148】
図22および図23には、上記のような制御を可能にするために、演出制御装置300によって実行される遊技情報反映処理(図12のステップB106)と遊技情報反映終了処理(図12のステップB110)の具体的な手順の一例が示されている。図12の客待ち処理は、上記実施形態の場合と同様である。
図22の遊技情報反映処理の手順は、図13の遊技情報反映処理の手順とほぼ同じである。異なるのは、共有可能データを利用するか否か判定するステップB222の次に、遊技者が選択した共有可能データを確認する処理ステップB222aを追加している点と、次のステップB223で、遊技者が選択した共有可能データに対応する遊技情報を演出に反映する点である。それ以外は、同じであるので説明は省略する。
【0149】
図23の遊技情報反映終了処理の手順は、図14の遊技情報反映終了処理の手順とほぼ同じである。異なるのは、共有可能データを利用するか否か判定するステップB222の次に、遊技者が選択した共有可能データを確認する処理ステップB245aを追加している点と、次のステップB246で、遊技履歴格納領域に保持された遊技情報のうち遊技者が選択した遊技情報および共有可能データに対応する識別コードを生成する点である。それ以外は、同じであるので説明は省略する。なお、ステップB234では、遊技を終了する遊技者が共有データ格納領域に残す遊技情報の種類を選択できるようにしてもよい。
【0150】
以上の説明より、上記実施形態には、
識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
所定期間において遊技に関連して発生する情報を遊技者の遊技情報として一時的に保持する遊技情報保持手段と、
前記遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に対応する識別情報を出力する識別情報出力手段と、
前記識別情報出力手段により出力された識別情報に対応する遊技情報を遊技機に反映させるための認証情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記変動表示ゲームの進行に関連する演出を制御する演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
遊技開始時に前記受付手段によって認証情報を受け付けた場合に、当該認証情報によって反映される遊技情報に基づいて演出の内容を制御する第1演出制御手段と、
遊技開始時に前記遊技情報保持手段に遊技情報が保持されている場合に、当該遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に基づいて演出の内容を制御する第2演出制御手段と、を備えるようにした発明が含まれることが分かる。
【0151】
そして、かかる発明によれば、「遊技情報」として例えば一人の遊技者が持つ遊技履歴を引き継いで遊技機に反映させる以外に、先行して遊技した他の遊技者の遊技履歴を反映させることもできるため、遊技回数が少なく遊技履歴が不十分な遊技者であっても遊技回数が多く遊技履歴が十分な遊技者と同様の演出を体感することができ、遊技を重ねることに対して遊技者が興味を抱き易くなる。
【0152】
また、前記実施形態には、前記演出には、前記遊技情報の内容に関わらず制御可能な第1演出と、前記遊技情報に所定の遊技情報が含まれている場合に制御可能な第2演出が含まれるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技情報の内容に関わらず制御可能な第1演出と、遊技情報に所定の遊技情報が含まれている場合に制御可能な第2演出とがあるため、遊技履歴がないと出現しない演出があることになるので、遊技を重ねることに対して遊技者が興味を抱き易くなる。
【0153】
また、前記実施形態には、前記遊技情報保持手段に保持されている遊技情報には、当該遊技機で遊技した他の遊技者が前記特別結果を導出させた回数に関連する情報または実行した前記変動表示ゲームの回数に関連する情報が含まれるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技者が大当りを発生させた回数や遊技した変動表示ゲーム数に応じて演出を変化させることができるので、遊技をより多く重ねた遊技者が楽しむことができる希少価値の高い演出を設けた場合に、遊技回数が少ない遊技者であっても希少価値の高い演出を体感することができ、それによって遊技を重ねることに対して遊技者が興味を抱き易くなる。
【0154】
さらに、前記実施形態には、前記第1演出制御手段は、前記認証情報によって反映される遊技情報に基づく演出の制御を、遊技者の操作に基づいて終了させ、
前記第2演出制御手段は、前記遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に基づく演出の制御を、所定条件の成立に基づいて終了させるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、第2演出制御手段は、遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に基づく演出の制御を、所定条件の成立に基づいて終了させるため、遊技回数が少ない遊技者が、遊技を重ねた遊技者と同様の演出を体感したくても、必ずしも遊技者の意思で体感できるわけではなく、自由に体感できるようにするために自分で遊技回数を重ねようとするので、遊技意欲を高めることができる。
【0155】
また、前記実施形態には、遊技者が所定期間における遊技を終了するときに、その後の遊技において、前記第2演出制御手段が前記遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に基づく演出の制御を実行可能か否かを当該遊技者に選択させる遊技情報参照許可手段を備えるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、例えば、後続の遊技者が先行遊技者の遊技情報に基づく演出を体感可能かどうか当該先行遊技者が選択することができるので、先行遊技者の意思に反して遊技情報が利用されることがなく、個人の遊技情報を適切に扱うことができる。
【0156】
また、前記実施形態には、遊技を開始するときに、前記第2演出制御手段による前記遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に基づく演出の制御を実行させるか否か遊技者に選択させる選択手段を備えるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技者が、遊技回数を重ねた遊技者と同様の演出を体感したいと考えた場合にだけ当該演出が制御されるので、遊技者の希望に応じて演出を出現させることができる。
【0157】
さらに、前記実施形態には、前記遊技情報保持手段には、少なくとも前記特別結果が導出された回数に関連する情報及び実行された前記変動表示ゲームの回数に関連する情報を含む複数の遊技情報が保持され、前記遊技情報参照許可手段は、前記第2演出制御手段が前記遊技情報保持手段に保持されている複数の遊技情報のうち、いずれの遊技情報に基づく演出の制御を実行可能とするかを遊技者に選択させるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、先行遊技者が特定の遊技情報の利用を許可できるので、個人の遊技情報を適切に扱うことができる。
【0158】
また、前記実施形態には、前記識別情報出力手段は、前記遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に対応する識別情報を、遊技者が所有する情報端末により読み込み可能な形態で出力するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、識別情報を、遊技者が所有する情報端末により読み込み可能な形態で出力するため、遊技情報の保存が容易であり、遊技回数を重ねることに対して遊技者の負担が少なくて済むようになる。
【0159】
さらに、前記実施形態には、上記のような構成を有する遊技機と、遊技機が有する前記識別情報出力手段によって出力され、遊技者が所有する情報端末によって読み込まれた識別情報に基づくアクセスを受け付ける識別情報受付手段と、該識別情報受付手段が前記識別情報に基づくアクセスを受け付けることに対応して遊技者の遊技情報を抽出する遊技情報抽出手段と、抽出された遊技情報を遊技者と対応付けて記憶する遊技情報記憶手段とを備えるサーバコンピュータと、を有する遊技システムの発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、サーバコンピュータは、遊技者が所有する情報端末によって読み込まれた識別情報に基づくアクセスを受け付け、識別情報受付手段が識別情報に基づくアクセスを受け付けることに対応して遊技者の識別情報に対応する遊技情報を抽出し、抽出された遊技情報を遊技者と対応付けて記憶するので、遊技情報の保存が容易であり、遊技回数を重ねることに対して遊技者の負担が少なくて済むようになる。
【0160】
次に、図24〜図31を用いて、前記実施形態の第2の変形例について説明する。
第2の変形例は、共有可能データを残した先行遊技者が、その後にその遊技機においてどのような遊技情報が発生したかを知ることができるようにするものである。まず、第2の変形例における全体的な流れについて、図31を用いて説明する。
図31に示すように、データ共有遊技者すなわち共有可能データを残した遊技者Aは、外部サーバからパスワードを取得して遊技機10に入力することでそれまでの遊技情報が反映される。次に、遊技者Aは、遊技終了時に自己の遊技情報を他の遊技者が利用することを許可する設定を行う。これにより、遊技機10において、遊技情報の共有化が図られる。また、遊技者Aは、遊技終了後に遊技をした遊技機10においてその後どのような遊技情報が発生したか知りたいことを予め遊技情報開示要求として設定して遊技を終了する。
【0161】
一方、遊技者Aの遊技終了後、次に遊技を開始しようとする遊技者Bは、外部サーバからパスワードを取得して遊技機10に入力することでそれまでの遊技情報が反映される。また、遊技開始の際に遊技機10は利用可能な共有可能データを表示し、遊技者Bがその共有可能データを利用することを返答すると、その後の遊技に共有可能データが反映される。
そして、遊技者Bが遊技を終了する際に所定の遊技終了操作を行うと、遊技機10は共有データに対応するパスワード情報(遊技者A)を含んだ識別コード(二次元コード)を生成し表示する。その識別コードを遊技者Bが取得して外部サーバ90にアクセスすると、外部サーバ90は識別コードに含まれる遊技情報を遊技者BのIDと対応付けて保存するとともに、遊技者Aと遊技者Bとの対応付けを行う。その後、遊技者Aが外部サーバ90に対して遊技情報の閲覧要求を行うと、外部サーバ90は共有データ利用者である遊技者Bの遊技情報を閲覧可能に設定し、遊技者Aがその遊技情報を閲覧することができるようになる。
【0162】
上記のような共有データを提供した遊技者Aによる遊技情報の閲覧を可能にするため、図24に示すように、サーバコンピュータ90には、遊技者情報管理手段95を設けて、データを提供した遊技者とデータを利用した遊技者とを関連させるようにしている。また、遊技機においては、図25(A)のように、ログインがあったときに入力されたパスワードを入力の時刻とともに記憶しておき、ログアウトの際にはパスワードと入力時刻を反映した識別コードを生成する。
また、サーバコンピュータ90の遊技者情報管理手段95は、パスワードを発行する際に、図25(B)のように、生成したパスワードと生成時刻とを対応づけて遊技者毎にパスワード生成情報管理領域に記憶しておくとともに、識別コードによるアクセスがあった時に遊技者毎に共有データを利用した遊技者のパスワードと入力時刻を抽出して遊技情報保存情報管理領域に記憶しておくようになっている。
【0163】
さらに、遊技者情報管理手段95は、これらの管理領域を対比して同一のパスワードと時刻情報が一致する遊技者を、データ提供者とデータ利用者として対応させた遊技者対応付け管理領域を生成する。これにより、先に遊技をし共有可能データを提供した遊技者(AA002)が、その後にその遊技機においてどのような遊技情報を知りたい場合に、サーバコンピュータ90にアクセスすると遊技者情報管理手段95が上記管理領域を参照して、データを利用した遊技者(AA00B)の遊技情報を抽出して送信することでデータを提供した遊技者がその後の遊技機における遊技履歴を閲覧することが可能となる。
【0164】
なお、パスワード生成時刻とパスワード入力時刻とは必ず一致するとは限らず、タイムラグが発生するので、パスワードには有効時間を設けて、例えば10分間だけ有効にする等の管理を行うことで、数に限りがあるため同一のパスワードがたまたま同日に発行された場合であっても遊技情報の正確な把握が可能となる。また、この変形例の場合、データを提供した先行遊技者が上記のようなサービスを受けられるためには、後の遊技者が遊技終了後に識別コードをサーバコンピュータ90へ送信する必要があるので、例えば遊技終了後に直ちに識別コードをサーバコンピュータ90へ送信した遊技者に対しては別の特典(待受け画像やポイントなど)を付与するなどして、遊技情報ができるだけ早くサーバコンピュータ90の管理領域に反映されるようにするとよい。
【0165】
図26には、上記のような共有データを提供した遊技者Aによる遊技情報の閲覧を可能にするため、演出制御装置300によって実行される客待ち処理(図11のB70)のフローチャートが示されている。この客待ち処理は、図12の客待ち処理のフローチャートとほぼ同じである。異なる点は、変動開始コマンドを受信したか判定するステップB101の次に、遊技情報開示処理B101aを設けている点のみである。
図27には、上記遊技情報開示処理B101aの具体的な手順の一例が示されている。この遊技情報開示処理B101aにおいては、先ず遊技情報開示用の識別コードを表示済みか確認する(ステップB271)。ここで、表示済みである(ステップB272;Yes)と判定した場合は、当該遊技情報開示処理から抜ける。
【0166】
また、ステップB272で、遊技情報開示用の識別コードを表示済みでない(2No)と判定した場合は、ステップB273へ進んで、遊技情報開示要求情報を確認する。そして、遊技情報開示要求情報がない(ステップB274;No)と判定した場合は、当該遊技情報開示処理から抜ける。一方、遊技情報開示要求情報がある(ステップB274;Yes)と判定した場合は、対応付けされている先開示要求をしている遊技者のパスワード情報と現在の遊技情報とを反映した識別コードを生成して表示(ステップB275)し、当該遊技情報開示処理から抜ける。
上記のような処理により、客待ち画面が表示されている際に、パスワード情報と現在の遊技情報とを反映した識別コードが表示されるので、当該遊技機で遊技している者あるいは遊技店の店員がその識別コードを携帯端末のカメラ機能で読み込んでサーバへ送信することで、遊技機の遊技情報をサーバによって把握することができる。
なお、識別コードにあまり多くの情報を含ませることが困難であって、複数の遊技客が遊技情報開示の要求をしている場合には、最初に遊技情報開示要求を行った遊技者のパスワードのみを反映して識別コードを生成するようにしても良い。識別コードを表示する際には識別コードが表示されていることが分かるようにランプを点滅させるなどして報知するようにしても良い。
【0167】
図28には、第2変形例における図26の客待ち処理中の遊技情報反映終了処理(ステップB110)のフローチャートが示されている。この遊技情報反映終了処理は、図14の遊技情報反映終了処理のフローチャートとほぼ同じである。異なる点は、ステップB241の前に共有実績反映処理B240aを設けている点と、ステップB247の次に、遊技情報開示要求処理B247aを設けている点である。
次に、図28の遊技情報反映終了処理中の遊技情報開示要求処理B247aおよび共有実績反映処理B240aの具体的な手順の一例を、図29および図30に示すフローチャートを用いて説明する。
【0168】
図29に示すように、遊技情報開示要求処理では、遊技情報の開示要求確認中であるか否か判定する(ステップB281)。ここで、開示要求確認中である(ステップB281;Yes)と判定した場合は、当該遊技情報開示要求処理から抜ける。また、開示要求確認中でない(ステップB282;No)と判定した場合は、ステップB282へ進んで、後続の遊技者に遊技情報の開示要求を行うか確認する。そして、遊技情報開示要求がない(ステップB283;No)と判定した場合は、当該遊技情報開示要求処理から抜ける。一方、遊技情報開示要求がある(ステップB283;Yes)と判定した場合は、当該遊技者が入力したパスワード情報と対応付けて遊技情報開示要求情報を設定(ステップB284)して、当該遊技情報開示要求処理から抜ける。
【0169】
図38のステップB241aの共有実績反映処理は、共有データを利用する後の遊技者が共有データの利用を許可した前の遊技者に対してメッセージを送信できるようにするための処理であり、図30に示すように、先ずメッセージ確認中であるか否か判定し、メッセージ確認中である(ステップB291;Yes)と判定した場合は、当該共有実績反映処理から抜ける。また、メッセージ確認中でない(ステップB291;No)と判定した場合は、ステップB292へ進んで共有データを利用することを許可した遊技者が入力したパスワード情報を確認する。
次に、確認したパスワード情報と今回の遊技履歴(遊技情報)を対応付けて識別コードの生成に反映するように設定する(ステップB293)。続いて、共有データを利用することを許可した遊技者に対するメッセージを設定するか確認する(ステップB294)。そして、メッセージを設定しない(ステップB295;No)と判定した場合は、当該共有実績反映処理から抜ける。一方、メッセージを設定する(ステップB295;Yes)と判定した場合は、ステップB296へ進んで、メッセージの選択画面を表示し、選択されたメッセージを識別コードの生成に反映するように設定(ステップB297)して、共有実績反映処理から抜ける。
【0170】
以上の説明より、上記実施形態には、
識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
所定期間において遊技に関連して発生する情報を遊技者の遊技情報として一時的に保持する遊技情報保持手段と、
前記遊技情報保持手段に保持されている遊技情報を外部装置(サーバコンピュータ)に保存可能にするための第1識別情報を生成する識別情報生成手段と、
前記識別情報生成手段により生成された第1識別情報を表示する識別情報表示手段と、
前記外部装置から入手可能で遊技情報を遊技機に反映させるための認証情報の入力を受け付ける受付手段と、
を備え、
前記遊技情報保持手段は、
所定期間に遊技を行った第1遊技者が入力した前記認証情報を保持する認証情報保持手段と、
前記第1遊技者よりも後に遊技を行った第2遊技者の遊技に対応する後続遊技情報を保持する後続遊技情報保持手段と、
を備え、
前記識別情報生成手段は、前記第1遊技者が入力した認証情報と、前記後続遊技情報保持手段に保持される後続遊技情報と、に対応する第2識別情報を生成し、
前記識別情報表示手段は、前記第2識別情報を表示可能であるようにした発明が含まれることが分かる。
【0171】
そして、かかる発明によれば、先行して遊技した第1遊技者が入力した認証情報と、後から遊技した第2遊技者の遊技の遊技情報と、に対応する識別情報が表示されるので、後から遊技した遊技者又は遊技店の店員を含む第三者が当該識別情報に基づいて外部装置にアクセスすることで、外部装置上で第1遊技者が入力した認証情報と、後から遊技した第2遊技者の遊技の遊技情報とが対応付け可能になる。従って、当該対応付けにより、先行して遊技した第1遊技者が外部装置にアクセスすることで、自分の遊技した遊技機のその後の遊技情報を閲覧することができる。
【0172】
また、上記実施形態には、遊技者が操作可能な入力操作手段を備え、前記識別情報表示手段は、前記第1識別情報を前記入力操作手段による操作に基づいて表示し、前記第2識別情報を前記入力操作手段による操作に関わらず表示可能にした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、先行して遊技した第1遊技者が入力した認証情報と、後から遊技した第2遊技者の遊技の遊技情報と、に対応する第2識別情報は、入力操作手段の操作に関わらず表示可能なので、後から遊技した遊技者又は遊技店の店員を含む第三者が当該識別情報に基づいて外部装置にアクセスする手間がかからない。そのため、外部装置には、遊技情報が比較的高い頻度で保存されるようになり、先行して遊技した第1遊技者は後から遊技した第2遊技者の遊技の遊技情報を閲覧し易くなる。
【0173】
また、上記実施形態には、前記変動表示ゲームを表示する表示領域を有する表示装置を備え、前記識別情報表示手段は、前記識別情報の表示領域を前記表示装置の表示領域の一部に設定し、前記第2識別情報を前記変動表示ゲームが実行されていないときに表示可能にした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、先行して遊技した第1遊技者が入力した認証情報と、後から遊技した第2遊技者の遊技の遊技情報と、に対応する識別情報が入力操作手段の操作に関わらず表示されるようにしたとしても、変動表示ゲームが実行されていないときに表示されるので、変動表示ゲームの実行を妨げることがない。
【0174】
さらに、上記実施形態には、前記識別情報表示手段は、所定回数の変動表示ゲームが実行された場合、又は、前記特別結果が所定回数導出された場合に、前記第2識別情報を表示可能にした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、変動表示ゲームが実行されていない状態が発生するたびに第2識別情報が表示されるわけではないため、遊技者に不快感を与えずに、的確なタイミングで第2識別情報によるアクセスを促すことができる。
【0175】
さらに、上記実施形態には、上記のような構成を有する遊技機と、遊技機が有する前記識別情報表示手段によって表示され、遊技者が保持する情報端末によって読み込まれた前記識別情報に基づくアクセスを受け付ける識別情報受付け手段と、該識別情報受付け手段が前記識別情報に基づくアクセスを受け付けることに対応して、前記第1遊技者が入力した認証情報と、前記後続遊技情報保持手段に保持される後続遊技情報とを含む遊技情報を抽出する遊技情報抽出手段と、抽出された前記認証情報及び前記後続遊技情報とを対応付けする対応付け手段と、を備える外部装置と、を含むようにした遊技システムの発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、外部装置は、遊技者が保持する情報端末によって読み込まれた前記識別情報に基づくアクセスを受け付ける識別情報受付け手段と、該識別情報受付け手段が前記識別情報に基づくアクセスを受け付けることに対応して、前記第1遊技者が入力した認証情報と、前記後続遊技情報保持手段に保持される後続遊技情報を含む遊技情報を抽出する遊技情報抽出手段と、抽出された前記認証情報及び前記後続遊技情報とを対応付けする対応付け手段とを備えるので、先行して遊技した第1遊技者が外部装置にアクセスすることで、自分の遊技した遊技機のその後の遊技情報を閲覧することができる。
【0176】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
前述の第1の実施形態においては、図18(C)に示すように、遊技者がある程度長時間遊技を継続して所定の遊技情報を積み重ねることで特典を付与しているのに対し、第2の実施形態は、所定の条件を満たすことでいずれの遊技者にも均等に特典を取得できる機会を付与するようにしたものである。
具体的には、図32(A)に示すように、遊技機10(演出制御装置300)は、第1の実施形態の遊技機(図1参照)が備えるパスワード受付手段114、遊技情報反映手段115、遊技データ共有手段116、遊技情報保持手段117、識別コード表示手段118の他に、特典付与手段119を備える。そして、この特典付与手段119によって付与する特典および付与条件として、例えば図32(B)に示すようなものを設定している。図32(A)に示す構成以外は、第1の実施形態における遊技機と同様で良い。
【0177】
図32(B)において、「待ち受け画像」とは遊技者が所有する携帯端末の表示画面に表示可能な画像データを、「キャラボイス」とは遊技機の演出で登場するキャラクタの声等であって遊技者が所有する携帯端末のスピーカで再生可能な音声データを、また「識別コード」とはQRコード(登録商標)のような2次元コードを意味している。さらに、「付与条件」における「選択抽選」は乱数による抽選を、また「遊技者操作」とはミニゲームなどにおける遊技者による演出ボタン25aの操作を意味している。
なお、後述のように、大当りなど所定の条件の成立により表示する識別コードは、演出制御装置300が記憶保持している遊技情報に基づいて既に遊技者へ付与済みと判定された場合には表示しないようにしてもよい。遊技者にしてみれば、同じ特典が何度も付与されると満足感が得られない一方、次第に煩わしく感じるようになるおそれがあるためである。
【0178】
図33には、第2の実施形態を適用した場合に演出制御装置300によって実行される1stメイン処理の具体的な手順の例が示されている。図33のフローチャートは、第1の実施形態における図10のフローチャートに代わるもので、図10のフローチャートとの違いは、ステップB18の乱数更新処理の次に特典選択処理(ステップB19)を設けている点にある。この処理によって電源投入毎に遊技者に付与可能な特典が異なるように制御している。
図34に、この特典選択処理の具体的な手順の一例が示されている。図34に示すように、特典選択処理においては、特典選択済みであるか否か示す特典選択済み情報(フラグ)を参照して、既に特典選択済みであるか判定する(ステップB401)。ここで、特典選択済みである(Yes)と判定した場合はステップB409へ移行し、特典選択済みでない(ステップB401;No)と判定した場合はステップB402へ進んで現在の時刻を確認する。そして、特典選択時刻である(ステップB403;Yes)と判定した場合は、ステップB404へ進んで、例えば図35(A)のテーブルを参照して当該時刻に対応する特典を選択し、特典選択済み情報(フラグ)を設定(ステップB405)してからステップB409へ移行する。
【0179】
一方、ステップB403で、現在の時刻が特典選択時刻でない(No)と判定した場合は、ステップB406へ進んで、特典選択終了時刻であるか判定する。そして、特典選択終了時刻でない(ステップB406;No)と判定した場合はステップB409へ移行する。また、特典選択終了時刻である(ステップB406;Yes)と判定した場合は、ステップB407へ進んで、特典の選択を解除し、ステップB405で設定した特典選択済み情報(フラグ)をクリア(ステップB408)してからステップB409へ移行する。
そして、ステップB409では、限定特典を選択済みであるか否か示す特典選択済み情報(フラグ)を参照して、既に限定特典選択済みであるか判定する。ここで、限定特典選択済みである(Yes)と判定した場合は当該特典選択処理から抜ける。一方、ステップB409で、限定特典選択済みでない(No)と判定した場合はステップB412へ進んで、例えば図35(B)の選択テーブルを参照し乱数を使用していずれかの特典を選択した後、限定特典選択済み情報(フラグ)を設定(ステップB413)して当該特典選択処理から抜ける。なお、この限定特典選択済み情報(フラグ)は、遊技機の電源が遮断されるとクリアされる。従って、電源投入後に最初にこの特典選択処理を実行したときに限定特典が選択され、電源が遮断されるまで保持されることとなる。そのため、同じ種類の遊技機であっても、付与される特典が異なる可能性が生じ、当該種類の遊技機への遊技者の興味を持続させやすくなる。また、この特典選択処理は、特典を予め選択しておく処理であり、実際の特典付与は、図36の変動中処理の中で行われる。
【0180】
図36のフローチャートは、第1の実施形態における図16のフローチャートに代わるもので、図16のフローチャートとの違いは、ステップB132の次シーンデータ設定処理の次に、特典付与制御処理(ステップB133)および限定特典付与制御処理(ステップB134)を設けている点にある。
図37にステップB133の特典付与制御処理の具体的な手順の例が、また、図38にステップB134の限定特典付与制御処理の具体的な手順の例が示されている。
図37に示すように、特典付与制御処理においては、先ず、識別コードを表示中であるか否か示す識別コード表示中情報(フラグ)を参照して、既に付与する特典に対応する識別コードを表示中か確認する(ステップB421)。ここで、識別コード表示中である(ステップB422;Yes)と判定した場合はステップB430へ移行し、識別コード表示中でない(ステップB422;No)と判定した場合はステップB423へ進んで、図34のステップB405で設定される特典選択済み情報(フラグ)を確認する。そして、特典選択済みでない(ステップB424;No)と判定した場合は当該特典付与制御処理から抜ける。
【0181】
一方、特典選択済みである(ステップB424;Yes)と判定した場合は、ステップB425へ進んで、特典付与条件が成立しているか否か判定する。ここで、特典付与条件とは、例えば特典選択中に変動表示ゲームを所定回数(例えば5回)実行することなどが考えられる。ステップB425で特典付与条件が成立していない(No)と判定した場合は当該特典付与制御処理から抜ける。ステップB425で特典付与条件が成立している(Yes)と判定した場合はステップB426へ移行し、選択されている特典を確認する。そして、付与する特典に対応する識別コード(二次元コード)を表示装置41へ表示(ステップB427)してからステップB428へ移行する。
【0182】
ステップB428では、識別コード表示中情報(フラグ)を設定して、ステップB429へ進み、識別コード表示中タイマを設定する。その後、識別コード表示中タイマを更新(+1)する(ステップB430)。そして、次のステップB431で、該タイマがタイムアップしたか否か判定し、タイムアップしていない(ステップB431;No)と判定した場合は当該特典付与制御処理から抜ける。
一方、タイマがタイムアップした(ステップB431;Yes)と判定した場合は、ステップB432へ進んで、ステップB428で設定した識別コード表示中情報(フラグ)をクリアし、次のステップB433で特典の選択を解除してから、図34のステップB405で設定された特典選択済み情報(フラグ)をクリア(ステップB434)して、当該特典付与制御処理から抜ける。なお、ステップB425では、特典付与条件が成立しているか否かの判定の条件を、特典選択中に変動表示ゲームを所定回数(例えば5回)実行することとしているが、特典選択後、最初の大当りの発生を条件にして特典を付与するようにしても良い。
【0183】
図38に示すように、限定特典付与制御処理においては、先ず限定特典に対応する識別コードを表示中か確認する(ステップB441)。ここで、識別コード表示中である(ステップB442;Yes)と判定した場合はステップB448へ移行し、識別コード表示中でない(ステップB442;No)と判定した場合はステップB443へ進んで、大当り変動が終了か否か判定する。そして、大当り変動が終了していない(ステップB443;No)と判定した場合は当該限定特典付与制御処理から抜ける。
一方、ステップB443で、大当り変動が終了した(Yes)と判定した場合は、ステップB444へ進んで、選択されている特典を確認してから、付与する特典に対応する識別コード(二次元コード)を表示装置41へ表示する(ステップB445)。それから、ステップB446へ進み、識別コード表示中情報(フラグ)を設定してから、識別コード表示中タイマを設定する(ステップB447)。
【0184】
その後、識別コード表示中タイマを更新(+1)する(ステップB448)。そして、次のステップB449で、該タイマがタイムアップしたか否か判定し、タイムアップしていない(ステップB449;No)と判定した場合は当該特典付与制御処理から抜ける。
一方、タイマがタイムアップした(ステップB449;Yes)と判定した場合は、ステップB432へ進んで、ステップB446で設定した識別コード表示中情報(フラグ)をクリア(ステップB450)して、当該限定特典付与制御処理から抜ける。
【0185】
〔変形例〕
次に、第2実施形態の変形例について説明する。
第2実施形態の第1の変形例は、図35(B)に示す限定特典を選択するテーブルとして、図40(A),(B)に示すように、2種類の選択テーブルを設けておいて、特定の日時とそれ以外の日時とで選択テーブルを使い分けるようにして、特定の日時にはそれ以外の日時には獲得できない特典(図40では「特典26」)を獲得できるようにするものである。特定の日時の設定の仕方としては、例えば月曜日に客数が少なくなるのであれば、月曜日を特定の日時にしたり演出に登場するキャラクタに関連した日(記念日等)を特定の日時にしたりすることが考えられる。また、特定の日時としては、日や曜日の他に、遊技店の開店時間から所定時間が経過するまでとか、遊技店の閉店時間の所定時間前から閉店時間となるまでとか、時間帯とすることが考えられ、時間帯によって特典の選択割合を異ならせる制御を行うようにしても良い。
【0186】
図39には、第2実施形態の第1の変形例を適用した遊技機における特典選択処理の手順の例が示されている。なお、このフローチャートは、図34のフローチャートに代わるもので、図34のステップB409の次に、現在の日時を確認する処理(ステップB410)と、特定の日時であるか否か判定するステップB411とを設け、ステップB411で特定の日時でない(No)と判定した場合は、選択テーブルとして特典の種類の少ない図40(A)のテーブルを使用して特典を選択するステップB412aへ進み、ステップB411で特定の日時である(Yes)と判定した場合は、選択テーブルとして特典の種類の多い図40(B)のテーブルを使用して特典を選択するステップB412bへ移行するようにしたものである。
なお、図40(A),(B)に示すように、特典の種類が異なる2種類の選択テーブルを設ける代わりに、同一の特典であるが選択率が異なるテーブルを設けたり、3種類以上の選択テーブルを設けて抽選で使用するテーブルを決定するようにしても良い。さらに、遊技機の側で選択テーブルを切り替えることで特定の日時にはそれ以外の日時には獲得できない特典を獲得できるようにする代わりに、外部サーバの側で特定の日時にはそれ以外の日時には獲得できない特典を付与するように構成しても良い。
【0187】
図41〜図44には、第2実施形態の第2の変形例が示されている。この変形例は、例えば遊技者の誕生日とか遊技店がファンサービスデーを設定する場合にはその日を特定の日時として希少価値の高いプレミアム特典を獲得可能にするものである。
図41には、第2実施形態の第2の変形例を適用した遊技機における遊技情報反映処理の手順の例が示されている。なお、このフローチャートは、図23のフローチャートに代わるもので、図23のステップB225の前に、プレミアム特典判定処理B225aを設けている点が異なる。なお、プレミアム特典を付与する条件に該当する情報とは、連動サービスの利用開始時などに設定された遊技者の誕生日などの遊技者情報が含まれる。そして、例えば遊技者が遊技情報に基づく連動サービスを受けるためにログインする際に入力するパスワードに遊技者情報を含ませることでプレミアム特典の付与が可能となる。
【0188】
図42には、このプレミアム特典判定処理の具体的な手順の一例が示されている。図42に示すように、プレミアム特典判定処理においては、先ずパスワード等に含まれる遊技者の情報を確認する(ステップB451)。次に、遊技者情報の中にプレミアム特典を付与する条件に該当する情報が含まれているか確認する(ステップB452)。そして、プレミアム特典を付与する条件に該当する情報が含まれていない(ステップB453;No)と判定した場合は、当該プレミアム特典判定処理から抜ける。一方、ステップB453で、プレミアム特典を付与する条件に該当する情報が含まれている(Yes)と判定した場合は、ステップB454へ移行してプレミアム特典を設定する。その後、ステップB455で、プレミアム特典設定情報(フラグ)を設定して当該プレミアム特典判定処理から抜ける。
【0189】
図43には、第2実施形態の第2の変形例を適用した遊技機における客待ち処理の手順の例が示されている。なお、このフローチャートは、図26のフローチャートに代わるもので、図26の客待ち処理のステップB116の前に、プレミアム特典付与制御処理B115aを設けている点が異なる。
図44には、このプレミアム特典付与制御処理の具体的な手順の一例が示されている。図44に示すように、プレミアム特典付与制御処理においては、先ず、識別コードを表示中であるか否か示す識別コード表示中情報(フラグ)を参照して、既にプレミアム特典に対応する識別コードを表示中か確認する(ステップB461)。ここで、識別コード表示中である(ステップB462;Yes)と判定した場合はステップB468へ移行し、識別コード表示中でない(ステップB462;No)と判定した場合はステップB463へ進んで、プレミアム特典要求があるか否か判定する。
【0190】
ステップB463で、プレミアム特典要求がない(No)と判定した場合は当該プレミアム特典要求付与制御処理から抜ける。ステップB463でプレミアム特典要求がある(Yes)と判定した場合はステップB464へ移行して、図43のステップB455で設定されるプレミアム特典設定情報(フラグ)を確認する。
そして、プレミアム特典設定情報(フラグ)の設定がない(ステップB465;No)と判定した場合は当該プレミアム特典要求付与制御処理から抜ける。一方、プレミアム特典設定情報(フラグ)の設定がある(ステップB465;Yes)と判定した場合はステップB466へ移行して、プレミアム特典に対応する識別コード(二次元コード)を表示装置41へ表示してからステップB467へ移行する。
【0191】
ステップB467では、識別コード表示中情報(フラグ)を設定して、ステップB468へ進み、表示終了操作があったか否か判定し、表示終了操作がない(ステップB468;No)と判定した場合は当該特典付与制御処理から抜ける。一方、表示終了操作があった(ステップB468;Yes)と判定した場合は、ステップB469へ進んで、ステップB467で設定した識別コード表示中情報(フラグ)をクリアし、次のステップB470で客待ち画面の表示設定をして、当該特典付与制御処理から抜ける。
このように、第3実施形態の第2の変形例では、客待ち処理の中にプレミアム特典付与制御処理を設けているので、大当りのような特別な条件が成立しなくても、単に表示装置に客待ち画面が表示される際にプレミアム特典に対応する識別コード(二次元コード)を表示することができる。
【0192】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態は、遊技者が遊技履歴を閲覧可能に構成されている遊技機において、遊技履歴の表示スタイルを遊技者の好みに応じて切り替えることができるようにしたものである。遊技機による遊技者が希望する遊技履歴の表示スタイルの把握は、例えば遊技者が遊技情報に基づく連動サービスを受けるために、連動サービスの利用情報として事前に希望する表示スタイルを選択しておき、ログインする際に入力するパスワードに当該表示スタイルに関する情報を含ませることで可能である。また、遊技履歴情報を参照し、過去の遊技において遊技者が選択していた表示スタイルが選択されるようにしてもよい。
図45には、第3実施形態を適用した遊技機における客待ち処理の手順の例が示されている。なお、このフローチャートは、図43のフローチャートに代わるもので、図43の客待ち処理のステップB116の前に、遊技履歴閲覧処理B115bを設けている点が異なる。
図46には、この遊技履歴閲覧処理の具体的な手順の一例が示されている。図46に示すように、遊技履歴閲覧処理においては、先ず、遊技履歴閲覧中であるか否か示す遊技履歴閲覧中情報(フラグ)を参照して、既に遊技履歴閲覧中か否か判定する(ステップB471)。ここで、遊技履歴閲覧中である(Yes)と判定した場合はステップB477へ移行し、遊技履歴閲覧中でない(ステップB471;No)と判定した場合はステップB472へ進んで、遊技履歴閲覧要求があるか否か判定する。
【0193】
ステップB472で、遊技履歴閲覧要求がない(No)と判定した場合は当該遊技履歴閲覧処理から抜ける。ステップB472で遊技履歴閲覧要求がある(Yes)と判定した場合はステップB473へ移行して、パスワードを入力することで遊技情報を反映した遊技制御が実行される連動サービスを利用中であるか否か判定する。
そして、連動サービスを利用中でない(ステップB473;No)と判定した場合はデフォルトの表示スタイル1に対応する遊技履歴表示画面を設定する(ステップB474)。一方、連動サービスを利用中である(ステップB473;Yes)と判定した場合はステップB475へ移行して、遊技情報に対応する遊技者により選択されている表示スタイル(例えば表示スタイル2)により遊技履歴表示画面を設定する。ここで、表示スタイル1や2としては、例えば図47に示すように、一方は大当り回数に応じて表示する形態で、他方は変動内容の詳細に重点をおいて表示する形態とすることが考えられる。
【0194】
遊技履歴表示画面を設定した後は、ステップB476へ移行して、遊技履歴閲覧中であるか否か示す遊技履歴閲覧中情報(フラグ)を設定して、ステップB477へ進み、表示終了操作があったか否か判定し、表示終了操作がない(ステップB477;No)と判定した場合は当該遊技履歴閲覧処理から抜ける。一方、表示終了操作があった(ステップB477;Yes)と判定した場合は、ステップB478へ進んで、ステップB476で設定した遊技履歴閲覧中情報(フラグ)をクリアし、次のステップB479で客待ち画面の表示設定をして、当該遊技履歴閲覧処理から抜ける。
【0195】
図48には表示スタイル1の大当り回数に応じて表示する形態を選択した場合の表示例が、図49には表示スタイル2の変動内容の詳細に重点をおいて表示する形態を選択した場合の表示例が示されている。このうち、図48の表示スタイル1は、大当り回数が1〜10回の時は(A)のような1つの1リスト形態で表示し、大当り回数が1〜20回の時は(B)のような2つのリスト並べた形態で表示し、大当り回数が21回以上の時は(C)のようなグラフ形式で表示するようにしたものである。また、図49の表示スタイル2は、各大当りの内容をリーチの種類まで詳細に記述した履歴を表示するようにしたものである。このような遊技履歴の表示形態を、遊技開始時に遊技者が入力したパスワードに含まれる情報に従って切り替えることで、遊技者は自分の好みの形式で遊技履歴を閲覧することができるようになる。
【0196】
次に、本発明の他の実施形態を、図50を用いて説明する。図50の実施形態は、遊技機がパスワードの入力機能を持たない遊技システムの例である。この実施形態では、遊技機10は、遊技者による演出ボタン等の操作等、適当なタイミングで遊技開始を設定する遊技開始手段129と、遊技開始後に発生した遊技情報を保存する遊技情報暫定保存手段117と、遊技情報暫定保存手段に保存されている遊技情報に対応した識別コード(二次元コード)を生成し表示する識別コード表示手段118を備える。また、サーバコンピュータ90は、遊技者が所有する携帯端末で実行可能なアプリケーションソフト(いわゆる携帯アプリ)を、要求に応じて通信機能を使用して遊技者が所有する携帯端末80へ送信するアプリケーション提供手段96を備える。
【0197】
また、携帯端末80は、サーバコンピュータ90へアクセスするためのサーバアクセス手段82と、携帯アプリを取得するアプリケーション取得手段86と、アプリケーション保存手段87と、アプリケーション制御手段88と、データを閲覧するための閲覧手段84などを備える。ここで、アプリケーション保存手段87は、遊技機が表示した識別コードを取り込むための識別コード受信手段81や、識別コードに含まれる遊技情報を抽出して保存する遊技情報保存手段89、サーバコンピュータ90から取得した特典を保存する特典保存手段85などから構成される。さらに、上記装置以外に、携帯アプリが扱うデータを共有可能にするアプリケーション共有手段700を設けても良い。このようなアプリケーション共有手段700としては、例えば、パチンコ店に配備され、遊技者からの要求に応じて遊技に関するデータなどを提供するホール内端末装置などが考えられる。また、アプリケーションの取得によって予め特典のデータも取得することとし、その後、付与条件を満たすことで当該特典を参照可能になるように構成してもよい。
【0198】
上記説明より、上記実施形態には、
識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
遊技者に特典を付与するための識別情報を出力する識別情報出力手段と、
前記識別情報出力手段によって出力させる識別情報を、前記特典の種類に対応して用意されている複数種類の識別情報の中から選択する識別情報選択手段と、
所定条件が成立した場合に前記識別情報選択手段によって選択された識別情報を前記識別情報出力手段によって出力させる識別情報出力制御手段と、を備え、
前記識別情報選択手段は、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連して前記識別情報を選択する第1選択手段と、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連せずに、予め定められた選択割合に基づいて前記識別情報を選択する第2選択手段と、を備えるようにした発明が含まれることが分かる。
【0199】
そして、かかる発明によれば、識別情報選択手段は、識別情報出力手段によって出力させる識別情報を、前記特典の種類に対応して用意されている複数種類の識別情報の中から選択するので、遊技する毎に付与される特典を異ならせることができるとともに、変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連して識別情報を選択する第1選択手段の他に、変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連せずに、予め定められた選択割合に基づいて識別情報を選択する第2選択手段を備えるので、所定の条件を満たすことでいずれの遊技者にも均等に特典を取得できる機会を付与することができるため、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易くすることができる。
【0200】
また、上記実施形態には、前記識別情報出力制御手段は、前記第1選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件と、前記第2選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件と、を異ならせる制御を実行可能ようにした発明が含まれる。
ここで、識別情報を出力させる条件を異ならせるとは、例えば大当りとなる変動表示ゲームが終了したこととか、変動表示ゲームを所定回数実行したこととか、などである。かかる発明によれば、識別情報出力制御手段は、異なる態様で選択される識別情報の出力条件を異ならせることが可能なので、特典付与の過程が単調とならず、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易い。また、識別情報を出力させる条件が異なるため、遊技者は出力された識別情報がいずれの態様で選択された識別情報であるか区別することができ、特典獲得条件を認識し易くなる。
【0201】
また、上記実施形態には、遊技者の前記遊技情報を遊技機に反映させるための認証情報の入力を受け付ける受付手段を備え、前記第1選択手段は、前記認証情報によって反映される遊技情報に関連して前記識別情報を選択するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、「遊技情報」としては例えば遊技者の遊技履歴の情報があり、遊技履歴の情報に関連して特典を付与するための識別情報の種類を選択するようにした場合には、遊技を重ねた遊技者しか得られない特典などを用意することができ、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易いとともに、長時間遊技を継続することへの意欲を高めることができる。
【0202】
さらに、上記実施形態には、前記第1選択手段(または前記第2選択手段)によって選択される識別情報を出力させる条件には、前記変動表示ゲームを所定回数実行させることが含まれ、前記第2選択手段(または前記第1選択手段)によって選択される識別情報を出力させる条件には、前記特別結果を導出させることが含まれるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、異なる態様で選択される識別情報の出力条件を達成するための難易度を異ならせることが可能なので、特典付与の過程が単調とならず、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易い。また、識別情報を出力させる条件が異なるため、遊技者は出力された識別情報がいずれの態様で選択された識別情報であるか区別することができ、特典獲得条件を認識し易くなる。
【0203】
また、上記実施形態には、日時を計時する計時手段を備え、前記第2選択手段は、前記計時手段が計時する日付け又は時刻に応じて、前記選択割合を異ならせるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、日付け又は時刻によっていずれの特典が付与されるかの選択割合が変化するため、特典付与の確率が一定とならず、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易くなる。
【0204】
また、上記実施形態には、前記第2選択手段は、前記計時手段が計時する時刻が、遊技店の開店時間から所定時間が経過するまで、又は、遊技店の閉店時間の所定時間前から当該閉店時間となるまでの期間において、前記選択割合を異ならせる制御を実行可能であるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、日時によって選択割合を異ならせる制御を実行可能であるので、例えば、客が少ないと想定される日や時間帯に希少価値の高い特典が付与される確率を高くするように選択割合を変化させることにより、集客力を向上させることができる。
【0205】
さらに、上記実施形態には、前記受付手段は、遊技者個人に対応して設定された一の日付に関連する特定認証情報の入力を受け付け可能とし、前記第2選択手段は、遊技の開始時に前記受付手段が前記特定認証情報を受け付けた場合に、前記選択割合に関わらず、特定種類の前記識別情報を選択し、前記識別情報出力制御手段は、前記第2選択手段が前記特定種類の識別情報を選択した場合には、前記第2選択手段によって選択される識別情報を出力させる前記条件に関わらず、当該特定種類の識別情報を出力可能であるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技者個人に対応して設定された特定の日(誕生日や何かの記念日)に、特定の特典を付与可能となるため、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易くなる。
【0206】
また、上記実施形態には、所定期間において遊技に関連して発生する情報を遊技者の遊技履歴情報として一時的に保持する遊技情報保持手段と、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技履歴情報を表示する遊技履歴表示手段と、
前記遊技履歴表示手段による遊技履歴情報の表示形式を遊技者の選択に応じて変更する表示形式変更手段と、を備え、
前記受付手段が受け付ける前記認証情報には、前記遊技履歴情報の表示形式に対する遊技者の選択情報が含まれ、前記表示形式変更手段は、前記遊技者の選択情報に基づいて、前記遊技履歴情報の表示形式を変更するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技情報に関連して特典が付与された場合、例えば遊技者が取得した特典の付与条件等を知るために遊技履歴を確認する際に、遊技者の好みに応じた視認し易い表示形成で遊技履歴を表示できるため、遊技者の利便性が増すようになる。
【0207】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。例えば、前記実施形態では、遊技機で発生した遊技情報を識別コード(二次元コード)に反映させてサーバコンピュータに送信して管理するように構成したものについて説明したが、遊技機の情報を収集管理するホールコンピュータとサーバコンピュータとをデータ送信可能に構成して、遊技情報を遊技者のIDコードと関連付けてホールコンピュータからサーバコンピュータへ送信するように構成しても良い。
また、前記実施形態では、以前の遊技情報を遊技機における制御に反映させるためのパスワードを、入力操作手段(演出ボタン等)を使用して入力させるようにしているが、遊技機に例えば赤外線通信機能を設け、遊技者の携帯端末が有する赤外線通信機能を使用してパスワードもしくは遊技情報を入力できるように構成しても良い。
【符号の説明】
【0208】
10 遊技機
25a 演出ボタン(入力操作手段)
25b セレクタボタン(入力操作手段)
30 遊技盤
41 表示装置(液晶表示装置;識別情報出力手段、識別情報表示手段、遊技履歴表示手段)
90 サーバコンピュータ(外部サーバ)
91 遊技情報保存手段(識別情報受付手段、遊技情報抽出手段、遊技情報記憶手段)
100 遊技制御装置(遊技制御手段)
300 演出制御装置(演出制御手段、受付手段、第1演出制御手段、第2演出制御手段、識別情報生成手段、識別情報選択手段、識別情報出力制御手段、識別情報表示制御手段、表示形式変更手段)
311a RAM(遊技情報保持手段、認証情報保持手段、後続遊技情報保持手段)
316 リアルタイムクロック回路(計時手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームの結果態様が予め定められた特別結果態様となった場合(大当りとなった場合)に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するように構成された遊技機が知られている。このような遊技機では、変動表示ゲームに関連して様々な演出が行われ、変動表示ゲームの進行を盛り上げるようになっている。
また、近年では遊技の進行に関連して、携帯電話等を介して待ち受け画像などの特典を付与するサービスを行う遊技機が提案されている。(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-075296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている発明においては、遊技において特定の条件を成立(大当り発生や所定ゲーム数の遊技など)させることで特典が付与されていたため、次回以降の遊技で再度同様の条件を成立させても、同様の特典が付与されることになり、遊技者の興味を継続させにくかった。
本発明は上記の課題に鑑みなされたもので、遊技の進行に関連して携帯端末等を用いて遊技者に特典を付与する場合に、特典付与に対する遊技者の興味を継続させやすい遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
遊技者に特典を付与するための識別情報を出力する識別情報出力手段と、
前記識別情報出力手段によって出力させる識別情報を、前記特典の種類に対応して用意されている複数種類の識別情報の中から選択する識別情報選択手段と、
所定条件が成立した場合に前記識別情報選択手段によって選択された識別情報を前記識別情報出力手段によって出力させる識別情報出力制御手段と、を備え、
前記識別情報選択手段は、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連して前記識別情報を選択する第1選択手段と、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連せずに、予め定められた選択割合に基づいて前記識別情報を選択する第2選択手段と、を備えることを特徴とすることを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、識別情報選択手段は、識別情報出力手段によって出力させる識別情報を、前記特典の種類に対応して用意されている複数種類の識別情報の中から選択するので、遊技する毎に付与される特典を異ならせることができるとともに、変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連して識別情報を選択する第1選択手段の他に、変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連せずに、予め定められた選択割合に基づいて識別情報を選択する第2選択手段を備えるので、所定の条件を満たすことでいずれの遊技者にも均等に特典を取得できる機会を付与することができるため、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易くすることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記識別情報出力制御手段は、前記第1選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件と、前記第2選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件と、を異ならせる制御を実行可能なことを特徴とする。
ここで、識別情報を出力させる条件を異ならせるとは、例えば大当りとなる変動表示ゲームが終了したこととか、変動表示ゲームを所定回数実行したこととか、などである。
請求項2に記載の発明によれば、識別情報出力制御手段は、異なる態様で選択される識別情報の出力条件を異ならせることが可能なので、特典付与の過程が単調とならず、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易い。また、識別情報を出力させる条件が異なるため、遊技者は出力された識別情報がいずれの態様で選択された識別情報であるか区別することができ、特典獲得条件を認識し易くなる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、
遊技者の前記遊技情報を遊技機に反映させるための認証情報の入力を受け付ける受付手段を備え、
前記第1選択手段は、前記認証情報によって反映される遊技情報に関連して前記識別情報を選択することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、「遊技情報」としては例えば遊技者の遊技履歴の情報があり、遊技履歴の情報に関連して特典を付与するための識別情報の種類を選択するようにした場合には、遊技を重ねた遊技者しか得られない特典などを用意することができ、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易いとともに、長時間遊技を継続することへの意欲を高めることができる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機において、
前記第1選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件には、前記変動表示ゲームを所定回数実行させることが含まれ、
前記第2選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件には、前記特別結果を導出させることが含まれることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、異なる態様で選択される識別情報の出力条件を達成するための難易度を異ならせることが可能なので、特典付与の過程が単調とならず、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易い。また、識別情報を出力させる条件が異なるため、遊技者は出力された識別情報がいずれの態様で選択された識別情報であるか区別することができ、特典獲得条件を認識し易くなる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機において、
日時を計時する計時手段を備え、
前記第2選択手段は、前記計時手段が計時する日付け又は時刻に応じて、前記選択割合を異ならせることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、日付け又は時刻によっていずれの特典が付与されるかの選択割合が変化するため、特典付与の確率が一定とならず、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易くなる。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の遊技機において、
前記第2選択手段は、前記計時手段が計時する時刻が、遊技店の開店時間から所定時間が経過するまで、又は、遊技店の閉店時間の所定時間前から当該閉店時間となるまでの期間において、前記選択割合を異ならせる制御を実行可能であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、日時によって選択割合を異ならせる制御を実行可能であるので、例えば、客が少ないと想定される日や時間帯に希少価値の高い特典が付与される確率を高くするように選択割合を変化させることにより、集客力を向上させることができる。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の遊技機において、
前記受付手段は、遊技者個人に対応して設定された一の日付に関連する特定認証情報の入力を受け付け可能とし、
前記第2選択手段は、遊技の開始時に前記受付手段が前記特定認証情報を受け付けた場合に、前記選択割合に関わらず、特定種類の前記識別情報を選択し、
前記識別情報出力制御手段は、前記第2選択手段が前記特定種類の識別情報を選択した場合には、前記第2選択手段によって選択される識別情報を出力させる前記条件に関わらず、当該特定種類の識別情報を出力可能であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、遊技者個人に対応して設定された特定の日(誕生日や何かの記念日)に、特定の特典を付与可能となるため、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易くなる。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の遊技機において、
所定期間において遊技に関連して発生する情報を遊技者の遊技履歴情報として一時的に保持する遊技情報保持手段と、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技履歴情報を表示する遊技履歴表示手段と、
前記遊技履歴表示手段による遊技履歴情報の表示形式を遊技者の選択に応じて変更する表示形式変更手段と、
を備え、
前記受付手段が受け付ける前記認証情報には、前記遊技履歴情報の表示形式に対する遊技者の選択情報が含まれ、
前記表示形式変更手段は、前記遊技者の選択情報に基づいて、前記遊技履歴情報の表示形式を変更することを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、遊技情報に関連して特典が付与された場合、例えば遊技者が取得した特典の付与条件等を知るために遊技履歴を確認する際に、遊技者の好みに応じた視認し易い表示形成で遊技履歴を表示できるため、遊技者の利便性が増すようになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、遊技の進行に関連して携帯端末等を用いて遊技者に特典を付与する場合に、特典付与に対する遊技者の興味を継続させやすい遊技機を実現することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る遊技機を適用した遊技システムの説明図である。
【図2】本発明に係る遊技機の一実施形態を示す斜視図である。
【図3】実施形態の遊技機の遊技盤の構成例を示す正面図である。
【図4】実施形態の遊技機の裏面に設けられる制御システムおよび遊技制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の演出制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の前半部分を示すフローチャートである。
【図7】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の後半部分を示すフローチャートである。
【図8】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちタイマ割込み処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
【図9】図8のタイマ割込み処理中に実行される特図ゲーム処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】実施形態の演出制御装置によって実行される演出制御のうち1stメイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】図10の1stメイン処理中に実行される1stシーン制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】図11の1stシーン制御処理中に実行される客待ち処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】図12の客待ち処理中に実行される遊技情報反映処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】図12の客待ち処理中に実行される遊技情報反映終了処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】図14の遊技情報反映終了処理中に実行される識別コード表示終了処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】図11の1stシーン制御処理中に実行される変動中処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】図16の変動中処理中に実行される遊技情報一時反映処理および遊技情報一時反映確認処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図18】遊技機において記憶される遊技情報の例、遊技情報の一例としての遊技レベルの例および特典付与条件の例を示す説明図である。
【図19】連動サービスを受ける際(ログイン時)の操作の流れを示す流れ図である。
【図20】連動サービスを終了する際(ログアウト時)の操作の流れを示す流れ図である。
【図21】第1実施形態の第1の変形例を適用した遊技機において記憶される共有データの例を示す説明図である。
【図22】第1の変形例を適用した遊技機における図12の客待ち処理中に実行される遊技情報反映処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図23】第1の変形例を適用した遊技機における図12の客待ち処理中に実行される遊技情報反映終了処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図24】第1実施形態の第2の変形例に係る遊技システムの説明図である。
【図25】第2の変形例における遊技機の記憶手段に記憶されるデータの例および外部サーバの記憶手段の管理領域に記憶されるデータの例を示す説明図である。
【図26】第2の変形例を適用した遊技機において演出制御装置によって実行される1stシーン制御処理中の客待ち処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図27】第2の変形例を適用した遊技機における図26の客待ち処理中に実行される遊技情報開示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図28】第2の変形例を適用した遊技機における図26の客待ち処理中に実行される遊技情報反映終了処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図29】第2の変形例を適用した遊技機における図27の遊技情報反映終了処理中に実行される遊技情報開示要求処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図30】第2の変形例を適用した遊技機における図27の遊技情報反映終了処理中に実行される共有実績反映処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図31】第2の変形例に係る遊技システムにおける処理の流れの概略を示す説明図である。
【図32】(A)は第2の実施形態における遊技機(演出制御装置)の概略構成を示すブロック図、(B)は第2の実施形態において演出制御装置が付与する特典と該特典に対応する識別コードおよび付与条件の例を示す説明図である。
【図33】第2の実施形態の演出制御装置によって実行される1stメイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図34】図33の1stメイン処理中に実行される特典選択処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図35】図34の特典選択処理の中の判定時刻と特典との関係および特典選択処理の中で参照される選択テーブルの例を示す説明図である。
【図36】第2の実施形態の演出制御装置によって実行される変動中処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図37】図36の変動中処理中に実行される特典付与制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図38】図36の変動中処理中に実行される限定特典付与制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図39】第2実施形態の第1の変形例における特典選択処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図40】図39の特典選択処理の中で参照される選択テーブルの例を示す説明図である。
【図41】第2実施形態の第2の変形例における遊技情報反映処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図42】図41の遊技情報反映処理中に実行されるプレミアム特典判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図43】第2実施形態の第2の変形例における客待ち処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図44】図43の客待ち処理中に実行されるプレミアム特典付与制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図45】第3の実施形態における客待ち処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図46】第3の実施形態における遊技履歴閲覧処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図47】第3の実施形態における遊技履歴の表示スタイルの例を示す説明図である。
【図48】第3の実施形態における遊技履歴の表示スタイル1の具体例を示す説明図である。
【図49】第3の実施形態における遊技履歴の表示スタイル2の具体例を示す説明図である。
【図50】本発明の他の実施形態の遊技システムの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る遊技機を使用した遊技システムの概略構成が示されている。
図1に示すように、本発明における遊技システムは、パチンコ機のような遊技媒体を用いた遊技を提供する遊技機10と、携帯電話機のような無線通信機能を有する携帯端末80と、サーバコンピュータ90とから構成され、携帯端末80とサーバコンピュータ90とは無線通信回線(インターネット)を介してデータの送受信が可能に構成される。
【0017】
サーバコンピュータ90は、外部サーバとも呼ばれるもので、CPU(マイクロプロセッサ)や、該CPUが実行するプログラムや固定データを記憶するROM(リードンオンリメモリ)、CPUの作業領域を提供したり遊技機の経歴データやユーザ(遊技客)のデータを記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)の他、通信機能などを備え、インターネットを介して情報を提供するウェブサーバとして機能するように構成されている。
【0018】
この遊技システムにおけるサーバコンピュータ90は、携帯端末80より受信したデータを解析し遊技情報を抽出して記憶する遊技情報保存手段91や、遊技機にアクセス可能にするためのパスワードを生成するパスワード生成手段92、遊技情報保存手段91に保存した遊技情報を公開する遊技情報公開手段93、携帯端末の待受け画像のようなコンテンツの提供など遊技者に特典を付与する特典付与手段94としての機能を有する。
上記遊技情報保存手段91は、遊技者が所有する携帯端末(情報端末)によって読み込まれた識別情報に基づくアクセスを受け付ける識別情報受付け手段と、該識別情報受付け手段が前記識別情報に基づくアクセスを受け付けることに対応して遊技者の遊技情報を抽出する遊技情報抽出手段と、抽出された遊技情報を遊技者と対応付けて記憶する遊技情報記憶手段とを備える。
【0019】
本実施例の遊技システムにおいては、人(遊技客)が遊技機10の前面に設けられている操作ボタンのような入力操作手段を操作すると、遊技機10の制御装置が表示装置41(図3参照)等によってQRコード(登録商標)に代表される二次元パターンコード(以下、識別コードあるいは二次元コードと称する)を表示する。そして、表示されたこの識別コードを、携帯端末80が備える撮影機能(デジカメ)により読み込んで、当該識別コードに基づいて無線通信回線を介してサーバコンピュータ90にアクセスし、遊技履歴などの遊技情報を保存できるように構成され、さらにサーバコンピュータ90からパスワードを取得し、取得したパスワードを遊技機前面に設けられている入力操作手段により入力することで遊技機10により特別な遊技態様による遊技などのサービスを受けることができるように構成されている。従って、表示装置41が遊技情報に対応する識別情報としての識別コード(2次元コード)を表示もしくは出力する識別情報表示手段もしくは識別情報出力手段として機能することとなる。
なお、二次元コードを表示する代わりに、赤外線などの無線通信信号により同様なコードを遊技機10から携帯端末80へ送信するように構成してもよい。この場合、遊技機の無線通信手段が、識別情報出力手段として機能することとなる。
【0020】
上記のような機能を実現するため、遊技機10は、パスワード受付手段114と、遊技情報を遊技の演出に反映する遊技情報反映手段115と、遊技データを複数の遊技者間で共有可能にする遊技データ共有手段116と、遊技中に発生した遊技情報を一時的に保持する遊技情報保持手段117と、遊技情報を反映した二次元コードのような識別コードを表示装置41に表示させる識別コード表示手段118とを備える。
また、携帯端末80は、識別コード表示手段119によって表示された識別コードを取得するCCDカメラなどの識別コード取得手段81と、取得した識別コードを送信してサーバコンピュータ90にアクセスする無線通信手段などからなるサーバアクセス手段82と、サーバコンピュータ90が発行したパスワードを受信するパスワード受信手段83と、サーバコンピュータ90が送信した遊技情報を受信し閲覧可能にする遊技情報閲覧手段84と、サーバコンピュータ90が付与した特典を受信し保存する特典保存手段85を備える。
【0021】
図2は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠(内枠)12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。前面枠12には、前面に遊技領域が形成され中央には表示装置41を有するセンターケース40(図3参照)が配設された遊技盤30(図3参照)が収納されるとともに、遊技盤の前方を覆う透明なカバーガラス14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、音響(例えば、効果音)を発する一対のスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、ガラス枠15の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18(図5参照)が設けられている。
【0022】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25aおよびセレクトボタン25bを備えた入力操作部25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が操作ダイヤル24を回動操作すると、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域に向かって発射する。また、遊技者が入力手段としての演出ボタン25を操作することによって、遊技経過情報を取得したり、表示装置41(図3参照)で実行される変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができるようにされている。
【0023】
次に、図3を用いて遊技盤30の一例について説明する。図3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。
この実施例の遊技盤においては、遊技領域32のほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
【0024】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0025】
さらに、本実施形態では、遊技領域32のセンターケース40の左側に、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図4参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
【0026】
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図4参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
【0027】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図4参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
【0028】
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図4参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0029】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部および各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を有するLED表示部53とを備える。また、一括表示装置50のLED表示部53には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
【0030】
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
このように、表示装置41とは別に、特図変動表示ゲームを実行する特図1表示器51と特図2表示器52が設けられているため、表示装置41では当該遊技機の変動表示ゲームに関する演出ではなく他の遊技機の演出と連動した演出を行うようにしても、当該遊技機の本来の変動表示ゲームはきちんと実行することができる。
【0031】
LED表示部53の普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
【0032】
LED表示部53の特図2保留表示器は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
【0033】
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。第3遊技状態表示器は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0034】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠の上皿又は下皿に排出される。
【0035】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図4参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50のLED表示部53の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
【0036】
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられたLED表示部53の変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
【0037】
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、LED表示部53の普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図4参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0038】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
【0039】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、一括表示装置50に設けられた特図1表示器または特図2表示器(変動表示装置)で第1または第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
【0040】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0041】
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0042】
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0043】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0044】
図4は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムの構成例を示す。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0045】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0046】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0047】
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する遊技制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0048】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0049】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0050】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
【0051】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0052】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0053】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理(図9参照)における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
【0054】
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0055】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0056】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0057】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0058】
また、入力部120には、遊技機10の前面枠等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0059】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0060】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0061】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。
なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0062】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。
また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を保証するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0063】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0064】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0065】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0066】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0067】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0068】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0069】
次に、図5を用いて、演出制御手段としての演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314と、現在時刻を計時するリアルタイムクロック回路316と、を備えている。リアルタイムクロック回路316は、電池などの内蔵電源を備え、電源遮断中も計時動作を継続できるように構成されている。
【0070】
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データ、コマンドリストが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には圧縮された音声データやフレーズ再生処理に必要なシーケンス、簡易アクセスのためのコマンド列等が記憶された音声ROM324が接続されている。
主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAM311a,312aは、それぞれのチップ内部に設けられているが、チップの外部に設けるようにしてもよい。
【0071】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)305や、画像データを描画処理するための描画回路306、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する表示回路308などが設けられている。VDP313については後に詳しく説明する。
【0072】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0073】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0074】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくる演出制御コマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
なお、本実施形態においては、演出制御コマンドは16ビットで構成されており、これを8ビットのデータバスとストローブ信号SSBTで送信するため、16ビットの演出制御コマンドを8ビットの前半コマンド(MODE)と後半コマンド(ACTION)とに分けて、ストローブ信号SSBTを2度立ち上げることで送信し、受信側ではSSBの立ち上がりに同期してコマンドを取り込むようになっている。
【0075】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠に設けられているLEDやモータ等の枠演出装置(例えば前述の光照射装置29のLEDや後述の振動装置のモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0076】
さらに、演出制御装置300には、遊技機の前面枠12に設けられ遊技者が操作可能な入力操作部25の演出ボタン25aやセレクトボタン25bに内蔵されているスイッチ、上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
【0077】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0078】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0079】
次に、遊技制御装置100および演出制御装置300において行われる大まかな遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、LED表示部53において、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、LED表示部53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
【0080】
なお、本実施形態においては、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、LED表示部53に、はずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)をRAM111Cに記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。従って、RAM111Cは、始動入賞記憶手段として機能する。
【0081】
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御情報(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1表示器や特図2表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
【0082】
一方、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器や特図2表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。この特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
【0083】
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器や特図2表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
【0084】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。以下、かかる制御モードを普電サポートと称する。
【0085】
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
【0086】
以下、上記のような遊技制御を実行する上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される処理について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6及び図7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図8に示すタイマ割込み処理とからなる。
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0087】
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ:RAM111C)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0088】
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、図7のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
【0089】
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、図7のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図7のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
【0090】
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
【0091】
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
【0092】
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0093】
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0094】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0095】
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0096】
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0097】
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
【0098】
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0099】
次に、タイマ割込み処理について図8のフローチャートを用いて説明する。
図8に示すタイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
【0100】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
【0101】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0102】
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について、図9を用いて説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図9に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
【0103】
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
【0104】
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
【0105】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
さらに、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
【0106】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
【0107】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0108】
そして、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
以上説明したように、本実施形態においては、遊技制御装置100が変動表示ゲーム実行手段および特別遊技状態制御手段として機能する。
【0109】
次に、上記演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される制御について説明する。
主制御用マイコン311による制御処理は、図10に示す1stメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるコマンド受信割込み処理とからなる。1stメイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
図10に示すように、1stメイン処理においては、先ず、割込みを禁止する処理(ステップB1)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB2)を行い、1stCPU311の初期化処理(ステップB3)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB4)を行い、乱数初期化処理(ステップB5)を行う。その後、各種割込みのタイマを起動する処理(ステップB6)を行い、割込みを許可する(ステップB7)。その後、主制御用マイコン311は、メインループ処理ステップB8〜B18を行う。
【0110】
このメインループ処理では、先ず、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB8)を行う。そして、演出操作ボタンSW25aからの入力処理(ステップB9)を行い、遊技制御コマンド解析処理(ステップB10)を行う。
この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(MODE)と、第2コマンド(ACTION)との一対のデータにより構成されている。
【0111】
そして、受信した第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾しない場合(例えば、MODE→ACTIONの順に受信した場合)に正しくコマンドを受信したと判定し、第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾する場合(例えば、ACTION→ACTIONの順やMODE→MODE→MODEの順に受信した場合)にコマンドの受信が異常であると判定するようになっている。
続いて、テストモード処理(ステップB11)を行った後、特図変動表示ゲームに関する処理を行う1stシーン制御処理(ステップB12)を行う。この1stシーン制御処理(ステップB12)については、後に詳しく説明する。
【0112】
その後、前面枠(内枠)12やガラス枠15の開放などのエラー発生の監視を行う遊技機エラー監視処理(ステップB13)、特図変動表示ゲームにおける演出に関する演出コマンド編集処理(ステップB14)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a、19bの駆動処理)であるサウンド制御処理(ステップB15)、前面枠に設けられた枠装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB16)を行う。そして、センターケース40に設けられた役物等を駆動させる盤演出モータ/SOL制御回路334の制御に関するモータ/SOL制御処理(ステップB17)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB18)を行い、ウォッチドッグタイマをクリアする処理(ステップB8)に戻る。
【0113】
〔1stシーン制御処理〕
図11には、図10に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB12)の具体的な手順の一例を示す。この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
【0114】
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
【0115】
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
【0116】
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB72)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB73)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB74)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB75)を行う。
【0117】
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB76)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB77)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB78)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(確率情報コマンド(低確率、高確率))に基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB79)を行う。
【0118】
本実施形態の遊技機においては、例えば客待ち画面の表示中に遊技者が図19に示すようなメニュー画面を選択してパスワードを入力することにより、サーバの機能と連動した演出内容の変更等のサービスの提供が可能に構成されており、それを支援するために、遊技開始時のパスワードの受付けや遊技終了時の識別コード(二次元コード)の発行などの処理を、図11に示す1stシーン制御処理における客待ち処理(ステップB70)の中で、演出制御装置300が行うようになっている。
なお、メニュー画面の選択やパスワードの入力は、遊技機前面の前記入力操作手段25(演出ボタン25a,セレクトボタン25b)によって行うことができる。この際、セレクトボタン25bはシフトキーとして機能し、演出ボタン25aは決定キーとして機能する。また、演出ボタン25aとセレクトボタン25bとからなる入力操作手段の代わりに、前後左右に傾動可能なシーソー式の操作ボタンを設けても良い。
【0119】
〔客待ち処理〕
図12には、図11に示す1stシーン制御処理における客待ち処理(ステップB70)の具体的な手順の一例が示されている。
この客待ち処理では、まず、遊技制御装置100からの変動開始コマンドを受信したか否か判定する(ステップB101)。ここで、変動開始コマンドを受信した(Yes)と判定した場合は変動中処理へ移行するための設定を行う変動中処理移行設定処理(ステップB102)を実行して、当該客待ち処理から抜ける。変動開始コマンドを受信したということは、既に遊技が開始されているということであり、変動表示ゲームを速やかに実行するためである。
一方、ステップB101で、変動開始コマンドを受信していない(No)と判定した場合は、後のステップB105で設定される遊技情報反映処理の実行中を示すフラグを参照して遊技情報反映処理中であるか否か判定する(ステップB103)。ここで、遊技情報反映処理実行中でない(No)と判定した場合は、次のステップB104へ移行して遊技情報反映処理を開始するか否か判定して、遊技情報反映処理を開始する(Yes)と判定した場合は、ステップB105で遊技情報反映処理中情報(フラグ)を設定してステップB106へ移行する。なお、このステップB104では、例えば、遊技者によってパスワードの入力操作を開始するための開始操作が行われたか否かを判定する。
【0120】
また、ステップB103で、遊技情報反映処理実行中である(Yes)と判定した場合は、ステップB104およびB105をスキップしてステップB106へ移行する。すなわち、既に遊技情報反映処理を開始してパスワードを入力している場合(入力している途中である場合)にステップB103からステップB106へ移行する。そして、ステップB106では、パスワードの入力により得られる遊技情報等に対応した演出を設定する遊技情報反映処理を実行して、当該客待ち処理から抜ける。遊技情報反映処理については、後に詳しく説明する。
ステップB104で遊技情報反映処理を開始しない(No)と判定した場合は、ステップB107へ移行して、遊技情報反映終了中を示すフラグを参照して二次元コード発行等を行う遊技情報反映終了中であるか否か判定する。ここで、遊技情報反映終了中でない(No)と判定した場合は、次のステップB108へ移行して遊技情報反映終了処理を開始するか否か判定して、遊技情報反映終了処理を開始する(Yes)と判定した場合は、ステップB109で遊技情報反映終了中情報(フラグ)を設定してステップB110へ移行する。
【0121】
また、ステップB107で、遊技情報反映終了処理中である(Yes)と判定した場合は、ステップB108およびB109をスキップしてステップB110へ移行する。そして、ステップB110では、遊技情報を共用データ格納領域に格納したり遊技中に記憶された遊技情報等に応じた二次元コードを発行したりする遊技情報反映終了処理を実行して、当該客待ち処理から抜ける。遊技情報反映終了処理については、後に詳しく説明する。
一方、ステップB108で遊技情報反映終了処理を開始しない(No)と判定した場合は、ステップB111へ移行して、遊技履歴の表示要求やミニゲームの実行要求など入力操作手段25による他の入力操作があったか否か判定する。ここで、他の入力操作があった(Yes)と判定した場合は操作に対応した表示の設定(ステップB112)を行って、当該客待ち処理から抜ける。なお、遊技履歴の表示については、後に詳しく説明する。また、ミニゲームとは遊技者の操作手段25への操作に基づいて、画面の表示内容を変化させるなどして、遊技の実行を伴わない演出を行うことである。
【0122】
また、ステップB111で、他の入力操作がない(No)と判定した場合は、ステップB113へ移行して、キャンセル操作があったか否か判定する。ステップB111で、他の入力操作があった(Yes)と判定した場合は、それまでに設定した各種処理情報をクリア(ステップB114)してから、ステップB116へ移行する。また、ステップB113で、キャンセル操作がない(No)と判定した場合は、直ちにステップB116へ移行する。そして、ステップB116では、所定時間が遊技が行われていない場合や所定時間始動入賞が発生していない場合に表示する客待ち画面を表示させる客待ち画面表示制御処理を実行して当該客待ち処理から抜ける。なお、キャンセル操作とは、実行途中の操作内容を無効にし、操作開始時の状態から変化させないように実行途中の操作を終了させることである。
【0123】
図13には、図12に示す客待ち処理における遊技情報反映処理(ステップB106)の具体的な手順の一例が示されている。
この遊技情報反映処理では、まず、後述の共有可能データの利用確認中であるか否か判定する(ステップB211)。ここで、共有可能データの利用確認中である(Yes)と判定した場合は、ステップB220へ移行する。また、ステップB211で、共有可能データの利用確認中でない(No)と判定した場合は、ステップB212へ進み、パスワードの入力があったか否か判定する。
そして、ステップB212でパスワードの入力があった(Yes)と判定した場合は、ステップB213へ進み、入力されたパスワードを取り込んだ後、ステップB214へ移行する。また、ステップB212で、パスワードの入力がない(No)と判定した場合は、ステップB213をスキップしてステップB214へ移行する。
【0124】
ステップB214では、パスワードの入力が確定したか否か判定する。パスワードの入力が確定は、決定ボタン(演出ボタン25a)が押されるかパスワードを構成する所定数の数字や文字が入力されることで確定とすることができる。そして、パスワードの入力があった(Yes)と判定した場合は、ステップB215へ進み、入力されたパスワードが有効なパスワードであるか確認してステップB216へ移行する。また、ステップB214で、パスワードが確定していない(No)と判定した場合は、一旦当該遊技情報反映処理から抜ける。
ステップB215の確認で有効なパスワードである(ステップB216:Yes)と判定した場合は、ステップB217へ進み、共有データ格納領域に共有可能データがあるか確認する。そして、共有可能データがある(ステップB218:Yes)と判定した場合は、ステップB219へ進み、共有可能データがない(ステップB218:No)と判定した場合は、ステップB225へ移行する。よって、本実施形態では、演出制御手段としての遊技制御装置300が識別情報に対応する遊技情報を遊技機に反映させるための認証情報としてのパスワードの入力を受け付ける受付手段として機能することとなる。また、ステップB216で、有効なパスワードでない(ステップB216:No)と判定した場合は、一旦当該遊技情報反映処理から抜ける。
【0125】
ステップB219では、共有可能データ利用確認中情報(フラグ)を設定し、ステップB220へ進む。ここで、共有可能データとは、前に当該遊技機で遊技をした者が利用を許可したデータを表し、共有可能データ利用確認は、これから遊技をしようとする者が前に当該遊技機で遊技をした者が利用を許可したデータを利用した遊技を希望するか確認するためのものであり、ステップB220で確認操作があったか否か判定する。
そして、ステップB220で確認操作がない(No)と判定した場合は、一旦当該遊技情報反映処理から抜ける。また、ステップB220で確認操作があった(Yes)と判定した場合は、ステップB221へ進み、ステップB219で設定した共有可能データ利用確認中情報(フラグ)をクリアして、ステップB222へ進む。ステップB220の確認操作は、データを利用するとする操作と利用しないとする操作を含む。
【0126】
ステップB222では、共有可能データを利用するか否か判定し、利用しない(No)と判定した場合は、ステップB225へ移行する。一方、ステップB222で、共有可能データを利用する(Yes)と判定した場合は、ステップB223へ進んで共有可能データに対応する遊技情報を演出に反映するための設定を行う。続いて、変動パターン情報設定パラメータとして、ステップB223で反映した共有データを設定(ステップB224)した後、ステップB225へ移行する。
よって、演出制御装置300が、遊技開始時に遊技情報保持手段に遊技情報が保持されている場合に、当該遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に基づいて演出の内容を制御する手段(第2演出制御手段)としての機能を有することが分かる。
【0127】
次に、ステップB225では、ステップB213で取得した入力パスワードに対応する遊技情報を演出に反映するための設定を行う。続いて、変動パターン情報設定パラメータとして、ステップB223で設定した遊技情報を設定する(ステップB226)。よって、演出制御手段としての演出制御装置300は、遊技開始時に認証情報としてのパスワードを受け付ける受付手段、および該受付手段によって認証情報を受け付けた場合に、当該認証情報によって反映される遊技情報に基づいて演出の内容を制御する手段(第1演出制御手段)としての機能を有することが分かる。
なお、ステップB218からB225へ移行した場合には自分のパスワードに基づく遊技情報のみに応じた変動パターンが実行されるような設定が行われ、ステップB224からB225へ移行した場合には前の遊技者が許可した共有データおよび自分のパスワードに基づく遊技情報の両方を加算したような情報に応じた変動パターンが実行されるような設定が行われるようになる。
その後、ステップB227へ移行して、遊技情報を反映したことを報知する報知表示を設定した後、図12のステップB105で設定した遊技情報反映処理中情報(フラグ)をクリアする(ステップB228)。続いて、ステップB224で変動パターン情報設定パラメータとして共有データを設定した場合には、共有データを利用していることを示す連動サービス利用中情報(フラグ)を設定する処理(ステップB229)を実行して当該遊技情報反映処理から抜ける。
【0128】
図14には、図12に示す客待ち処理における遊技情報反映終了処理(ステップB110)の具体的な手順の一例が示されている。この遊技情報反映終了処理は、遊技者が遊技を終了する際に実行する処理である。
この遊技情報反映終了処理では、まず、後のステップB250で設定される識別コード表示中情報(フラグ)を参照して識別コード(2次元コード)を表示中であるか否か判定する(ステップB231)。ここで、識別コードを表示中である(Yes)と判定した場合は、ステップB260へ移行して識別コード表示終了処理を実行して当該遊技情報反映終了処理から抜ける。また、ステップB231で、識別コードを表示中でない(No)と判定した場合は、ステップB232へ進み、後のステップB242で設定される表示内容確認中情報(フラグ)を参照して、生成する識別コードに共有データに基づく遊技を行ったという情報を含ませるか遊技者に確認する表示内容確認中であるか否か判定する。
【0129】
そして、ステップB232で表示内容確認中である(Yes)と判定した場合は、ステップB243へ移行する。また、ステップB232で表示内容確認中でない(No)と判定した場合は、ステップB233へ進み、共有許可確認中であるか否か判定する。ここで、共有許可確認中でない(No)と判定した場合は、ステップB234,B235をスキップしてステップB236へ移行する。一方、ステップB233で共有許可確認中である(Yes)と判定した場合は、演出制御装置300のRAM内の遊技履歴格納領域に格納された遊技情報を共有にするか遊技者に確認する処理(ステップB234)を実行した後、共有許可確認情報(フラグ)を設定(ステップB235)して、ステップB236へ移行する。
【0130】
ステップB236では、確認操作があったか否か判定し、確認操作がない(No)と判定した場合は、一旦当該遊技情報反映終了処理から抜ける。また、ステップB236で、確認操作があった(Yes)と判定した場合は、ステップB237へ進み、ステップB235で設定した共有許可確認情報(フラグ)をクリアする。その後、遊技者により遊技情報の共有が許可されたか否か判定(ステップB238)し、遊技情報の共有が許可されてない(ステップB238:No)と判定した場合は、ステップB239をスキップしてステップB240へ移行する。一方、ステップB238で遊技情報の共有が許可された(Yes)と判定した場合は、ステップB239へ進み、遊技履歴格納領域に格納された遊技情報を共有データ格納領域に格納してステップB240へ移行する。
【0131】
ステップB240では、既に共有データ利用中か否か判定し、共有データ利用中でない(ステップB240:No)と判定した場合は、ステップB247へ移行して遊技履歴格納領域に格納された遊技情報に対応する識別コード(2次元コード)を生成する。従って、本実施形態では、遊技制御装置300が遊技情報をサーバコンピュータに保存可能にするための識別情報としての識別コードを生成する識別情報生成手段として機能することとなる。
一方、ステップB240で共有データ利用中である(Yes)と判定した場合は、ステップB241へ進み、共有したデータに基づく遊技を行ったという情報を含む識別コード(2次元コード)を表示するか確認し、表示内容確認中であることを示す表示内容確認中情報(フラグ)を設定する(ステップB242)。その後、ステップB243で、確認操作があったか否か判定し、確認操作がない(No)と判定した場合は、一旦当該遊技情報反映終了処理から抜ける。また、ステップB243で、確認操作があった(Yes)と判定した場合は、ステップB244へ進み、ステップB242で設定した表示内容確認中情報(フラグ)をクリアし、ステップB245へ移行する。
【0132】
ステップB245では、ステップB243の確認操作の結果に応じて共有データに基づく遊技を行ったという情報を含ませるか否か判定し、共有データに基づく情報を含ませない(ステップB245:No)と判定した場合は、ステップB247へ移行して遊技履歴格納領域に格納された遊技情報に対応する識別コード(2次元コード)を生成する。一方、ステップB245で共有データに基づく情報を含ませる(Yes)と判定した場合は、ステップB246へ進み、遊技履歴格納領域に保持された遊技情報および共有可能データに基づく情報の両方に対応する識別コード(2次元コード)を生成する。なお、ステップB246では、遊技履歴格納領域に保持された遊技情報および共有可能データの一部の情報に対応する識別コード(2次元コード)を生成するようにしてもよい。
その後、ステップB246またはステップB247で生成した識別コードを表示装置41へ表示させ、図12のステップB109で設定した遊技情報反映終了処理中情報(フラグ)をクリア(ステップB249)した後、識別コード表示中情報(フラグ)を設定(ステップB250)し、さらに識別コード表示タイマを設定(ステップB251)して、当該遊技情報反映終了処理から抜ける。
【0133】
図15には、図14に示す遊技情報反映終了処理における識別コード表示終了処理(ステップB260)の具体的な手順の一例が示されている。この識別コード表示終了処理は、識別コードを表示した後に遊技情報反映終了処理を終了する際に実行する処理である。
この識別コード表示終了処理では、まず、ステップB251で設定したされる識別コード表示タイマを更新する(ステップB261)。続いて、ステップB262で、識別コード表示タイマがタイムアップしたか否か判定し、タイムアップしていない(No)場合には、ステップB263へ進み、遊技者による遊技の終了操作(すなわち表示中の識別コードを遊技者が取り込んだという確認操作)があったか否か判定する。ここで、終了操作がない(No)と判定した場合は、一旦当該識別コード表示終了処理から抜ける。
【0134】
また、終了操作があった(ステップB263:Yes)と判定した場合は、ステップB264へ移行して本来の客待ち画面を設定する処理を実行し、図14のステップB250で設定した識別コード表示中情報(フラグ)をクリアする。また、ステップB266で、遊技履歴格納領域をクリアし、ステップB267へ進み、図13のステップB229で設定したサービス利用中情報(フラグ)をクリアして、当該識別コード表示終了処理から抜ける。
以上、遊技者がパスワードを入力して遊技を開始した場合に、前の遊技者の残したデータを利用できるようにする場合の処理であるが、本実施形態では、遊技者がパスワードを入力せずに遊技を開始した場合にも、条件付きで前の遊技者の残したデータを利用できるようにしている。このようなことを可能にするため、図11に示す1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB71)の中に、図16に示すように、遊技情報一時反映処理および遊技情報一時反映確認処理を設けることで対応している。
【0135】
図16には、図11に示す1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB71)の具体的な手順の一例を示した。この変動中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB121)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
この演出リクエストフラグがある場合(ステップB121;Yes)は、前面枠等に設けられている遊技者が操作可能な演出操作ボタンの入力に関連する情報をクリアし(ステップB122)、役物装置の演出に関する可動体リクエストセット処理(ステップB123)を行う。次に、図13のステップB223やステップB226で設定されたパラメータに基づいて飾り特図変動表示ゲームの演出態様である変動パターンを設定するための変動パターン情報設定処理(ステップB124)を行い、その後、乱数シード初期化処理(ステップB125)を行ってから、ステップB124で設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB126)。
【0136】
シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。
その後、特定遊技状態とする回数等(普通変動入賞装置37を時短動作状態とする回数等)を管理する変動回数管理処理(ステップB127)、変動表示ゲーの変動時間を設定する変動時間設定処理(ステップB128)を行い、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB129)、遊技情報一時反映処理(ステップB130)を行い、ステップB135の遊技情報一時反映確認処理へ移行する。ステップB130の遊技情報一時反映処理およびステップB135の遊技情報一時反映確認処理については後に詳しく説明する。
【0137】
一方、ステップB121で、演出リクエストフラグがない(=No)と判定した場合は、更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB131)。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。ステップB131で、更新タイマの値が0でない(=No)と判定した場合は、ステップB133の遊技情報一時反映確認処理へ移行する。また、ステップB131で、更新タイマの値が0である(=Yes)と判定した場合は、次シーンデータの設定(ステップB132)を行い、ステップB135の遊技情報一時反映確認処理へ移行する。
【0138】
〔遊技情報一時反映処理〕
次に、図16の変動中処理のステップB130における遊技情報一時反映処理の具体的な手順の一例を、図17に示すフローチャートを用いて説明する。
図17(A)に示すように、遊技情報一時反映処理では、先ず、客待ち画面表示後の最初の変動開始であるか確認する(ステップB311)。そして、最初の変動開始でない(ステップB312:No)と判定した場合は、何もせずに当該遊技情報一時反映処理から抜ける。
【0139】
一方、最初の変動開始である(ステップB312:Yes)と判定した場合は、ステップB313へ進み、共有データを使用した連動サービス利用中であるか否か判定する。ここで、連動サービス利用中である(Yes)と判定した場合は、当該遊技情報一時反映処理から抜ける。既に利用している遊技者に重複して同じようなサービスを与える必要はないためである。なお、「最初の変動開始」を条件とする代わりに、所定のゲーム数経過を条件としても良い。
また、ステップB313で、連動サービス利用中でない(No)と判定した場合は、ステップB314へ進んで、前の遊技者が残した共有データがあるか否か判定する。そして、共有データがない(No)と判定した場合も、当該遊技情報一時反映処理から抜ける。一方、ステップB314で、前の遊技者が残した共有データがある(Yes)と判定した場合は、共有データ一時利用確認中であることを示す情報(フラグ)を設定(ステップB315)し、利用確認の画面を表示するための設定(ステップB316)をして、当該遊技情報一時反映処理から抜ける。
【0140】
〔遊技情報一時反映確認処理〕
次に、図16の変動中処理のステップB135における遊技情報一時反映確認処理の具体的な手順の一例を、図17(B)に示すフローチャートを用いて説明する。
遊技情報一時反映確認処理では、先ず、図17(A)のステップB315で設定される共有可能データ一時利用確認中情報(フラグ)を確認する(ステップB321)。そして、共有可能データ一時利用確認中でない(ステップB322:No)と判定した場合は、当該遊技情報一時反映処理から抜ける。一方、ステップB322で、共有可能データ一時利用確認中である(Yes)と判定した場合は、ステップB323へ進んで、変動が終了したか否か判定する。ここで、変動が終了していれば、ステップB328へ移行して、遊技情報を反映したことを報知する報知表示を設定した後、図17(A)のステップB315で設定した共有可能データ一時利用確認中情報(フラグ)をクリアして、当該遊技情報一時反映処理から抜ける。最初の変動中の確認で操作をしない遊技者は連動サービスを利用する意思がないと推測できるためである。
【0141】
ステップB323で、変動が終了していない(No)と判定した場合は、ステップB324へ移行して、遊技者による確認操作があったか否か判定する。ここで、確認操作がない(No)と判定した場合は、当該遊技情報一時反映処理から抜ける。また、ステップB324で、確認操作があった(Yes)と判定した場合は、ステップB325へ移行して、遊技者による確認操作が共有可能データを利用するものであるか否か判定する。そして、共有可能データを利用するものでない(No)と判定した場合は、図17(A)のステップB315で設定した共有可能データ一時利用確認中情報(フラグ)をクリアして、当該遊技情報一時反映処理から抜ける。
また、ステップB325で、共有可能データを利用するものである(Yes)と判定した場合は、ステップB326へ進んで、共有可能データに対応する遊技情報を所定ゲーム終了まで反映する設定を行う。続いて、変動パターン情報設定パラメータとして、ステップB326で設定した遊技情報を設定する(ステップB327)。
その後、ステップB328へ移行して、遊技情報を反映したことを報知する報知表示を設定した後、図17(A)のステップB315で設定した共有可能データ一時利用確認中情報(フラグ)をクリア(ステップB329)して、当該遊技情報一時反映処理から抜ける。
【0142】
次に、共有データを利用した連動サービスの供与の具体的な例について説明する。例えば、図18(A)に示すように、遊技機1〜3の共有データ格納領域に、共有データとして「遊技レベル10」、「当日大当り10回」、「特別演出出現」なるデータが遊技者1〜3によってそれぞれ残されたとすると、次に遊技機1〜3で遊技しようとする遊技者は上記のような共有データに対応した特典(図18(C)参照)を受けられるようにするものである。なお、図18(A)における「遊技レベル」とは、図18(B)に示すように、遊技機に用意されている複数の演出のうち出現させた演出の割合(達成率)に応じて付与されるデータである。なお、各遊技機の共有データ格納領域に格納される共有データは、図18(A)に示すように各遊技機に1つずつではなく、複数の共有データを格納できるようにしてもよい。
【0143】
遊技者に付与する「特典」に関しては、例えば図18(A)の遊技機1のように、共有データ格納領域に共有データとして「遊技レベル10」が格納されていて次の遊技者がその共有データを利用することとした場合には、図18(C)のように、「特典5」として先読み予告実行確率アップという利益が与えられる。また、図18(A)の遊技機2のように、共有データ格納領域に共有データとして「当日大当り10回」が格納されていた場合には、図18(C)のように、「特典10」として特別ラウンド演出1が出現するという利益が与えられる。
また、図18(A)の遊技機3のように、共有データ格納領域に共有データとして「特別演出出現」が格納されていた場合には、図18(C)のように、「特典12」として特殊な識別コードを表示するという利益が与えられる。「特殊な識別コード」を取得した遊技者は、例えばウェブサーバにアクセスして携帯端末の待ち受け画像のようなコンテンツデータを受け取ることができるという権利を付与することが考えられる。
特典を付与する条件としては、図18(C)に示されているような条件に限定されず、単に変動表示ゲームを所定回数以上実行したことなどの条件であっても良い。
【0144】
次に、遊技者が連動サービスの供与を受ける遊技機を開始する際に行う行為(ログイン)および遊技機を終了する際に行う行為(ログアウト)の手順について説明する。
遊技機にログインする場合には、図19(A)に示すように、表示装置41に客待ち画像が表示されている状態で例えば演出ボタン25aを操作すると、図19(B)に示すように、連動サービス設定メニューが表示される。ここで、セレクタボタン25bを操作して「パスワード入力」にカーソル(▼印)を合わせて演出ボタン25aを操作すると、図19(C)のように、パスワード入力画面が表示される。
【0145】
ここで、携帯端末80を使用してウェブサーバにアクセスして取得したパスワードを入力する。すると、遊技機の共有データ格納領域に共有データが格納されていない場合には、図19(D)のように、パスワード受付け完了を知らせるメッセージと共に前回の遊技で自分に与えられた遊技情報が表示される。一方、遊技機の共有データ格納領域に共有データが格納されていた場合には、図19(E)のように、パスワード受付け完了を知らせるメッセージと共に共有データを利用するか確認するための画面が表示される。ここで、セレクタボタン25bを操作して「パスワード入力」にカーソル(▼印)を合わせて演出ボタン25aを操作すると、図19(F)のように、前回の遊技で自分に与えられた遊技情報と、共有データによって与えられる遊技情報とが表示される。該遊技情報を使用した遊技が開始される。
【0146】
遊技機からログアウトする場合には、図20に示すように、変動表示ゲームが実行されていない状態で例えば演出ボタン25aを操作すると、連動サービス設定メニューが表示される。この際に、普図の保留に当りがある場合には警告メッセージを行うようにしても良い。連動サービス設定メニューで、セレクタボタン25bを操作して「遊技終了」にカーソル(▼印)を合わせて演出ボタン25aを操作すると、遊技情報を共有データとして利用可能にするか確認するための画面が表示される。
ここで、セレクタボタン25bを操作していずれかにカーソル(▼印)を合わせて演出ボタン25aを操作すると、今回の遊技で使用した先行遊技者の共有データを自分が取得した遊技情報に反映するか確認するための画面が表示される。ここで、セレクタボタン25bを操作していずれかにカーソル(▼印)を合わせて演出ボタン25aを操作すると、識別コードと終了確認メッセージとが表示される。遊技者が表示された識別コードを携帯端末80のカメラ機能を使用して取り込んでから、演出ボタン25aを操作すると、遊技情報の削除を許容するか確認するための画面が表示され、「YES」を選択すると遊技終了のメッセージとが表示されて、客待ち画面が表示される。なお、識別コードの表示の際には終了確認メッセージを省略して所定時間後に表示を終了するようにしても良い。これにより、遊技者が終了確認のための操作をせずに遊技機を離れることにより、識別コードが表示されたままとなって他の遊技者が識別コードを取得できる状況が生じるのを回避することができる。
【0147】
〔変形例〕
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
第1の変形例は、図21に示すように、各遊技機の共有データ格納領域に当該遊技機で遊技をした複数の遊技者の遊技情報を共有データとして格納できるようにするものである。ただし、格納できるデータの数は制限されており、図21の例では、5人の遊技者分までとしている。6人目以降の遊技者の遊技情報は、古い遊技情報から順に消して格納するようにされる。また、この変形例では、次に遊技を開始しようとする遊技者が、いずれの遊技情報を共有データとして利用するか選択できるように制御する。さらに、遊技を終了する際に生成される識別コードに、複数の遊技情報のうち遊技者が選択した遊技情報を反映させるように制御する。なお、ログインせずに遊技を開始した遊技者に対しては、例えば直前の遊技者が残した遊技情報だけを共有データとして利用できるようにしてもよい。
【0148】
図22および図23には、上記のような制御を可能にするために、演出制御装置300によって実行される遊技情報反映処理(図12のステップB106)と遊技情報反映終了処理(図12のステップB110)の具体的な手順の一例が示されている。図12の客待ち処理は、上記実施形態の場合と同様である。
図22の遊技情報反映処理の手順は、図13の遊技情報反映処理の手順とほぼ同じである。異なるのは、共有可能データを利用するか否か判定するステップB222の次に、遊技者が選択した共有可能データを確認する処理ステップB222aを追加している点と、次のステップB223で、遊技者が選択した共有可能データに対応する遊技情報を演出に反映する点である。それ以外は、同じであるので説明は省略する。
【0149】
図23の遊技情報反映終了処理の手順は、図14の遊技情報反映終了処理の手順とほぼ同じである。異なるのは、共有可能データを利用するか否か判定するステップB222の次に、遊技者が選択した共有可能データを確認する処理ステップB245aを追加している点と、次のステップB246で、遊技履歴格納領域に保持された遊技情報のうち遊技者が選択した遊技情報および共有可能データに対応する識別コードを生成する点である。それ以外は、同じであるので説明は省略する。なお、ステップB234では、遊技を終了する遊技者が共有データ格納領域に残す遊技情報の種類を選択できるようにしてもよい。
【0150】
以上の説明より、上記実施形態には、
識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
所定期間において遊技に関連して発生する情報を遊技者の遊技情報として一時的に保持する遊技情報保持手段と、
前記遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に対応する識別情報を出力する識別情報出力手段と、
前記識別情報出力手段により出力された識別情報に対応する遊技情報を遊技機に反映させるための認証情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記変動表示ゲームの進行に関連する演出を制御する演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
遊技開始時に前記受付手段によって認証情報を受け付けた場合に、当該認証情報によって反映される遊技情報に基づいて演出の内容を制御する第1演出制御手段と、
遊技開始時に前記遊技情報保持手段に遊技情報が保持されている場合に、当該遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に基づいて演出の内容を制御する第2演出制御手段と、を備えるようにした発明が含まれることが分かる。
【0151】
そして、かかる発明によれば、「遊技情報」として例えば一人の遊技者が持つ遊技履歴を引き継いで遊技機に反映させる以外に、先行して遊技した他の遊技者の遊技履歴を反映させることもできるため、遊技回数が少なく遊技履歴が不十分な遊技者であっても遊技回数が多く遊技履歴が十分な遊技者と同様の演出を体感することができ、遊技を重ねることに対して遊技者が興味を抱き易くなる。
【0152】
また、前記実施形態には、前記演出には、前記遊技情報の内容に関わらず制御可能な第1演出と、前記遊技情報に所定の遊技情報が含まれている場合に制御可能な第2演出が含まれるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技情報の内容に関わらず制御可能な第1演出と、遊技情報に所定の遊技情報が含まれている場合に制御可能な第2演出とがあるため、遊技履歴がないと出現しない演出があることになるので、遊技を重ねることに対して遊技者が興味を抱き易くなる。
【0153】
また、前記実施形態には、前記遊技情報保持手段に保持されている遊技情報には、当該遊技機で遊技した他の遊技者が前記特別結果を導出させた回数に関連する情報または実行した前記変動表示ゲームの回数に関連する情報が含まれるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技者が大当りを発生させた回数や遊技した変動表示ゲーム数に応じて演出を変化させることができるので、遊技をより多く重ねた遊技者が楽しむことができる希少価値の高い演出を設けた場合に、遊技回数が少ない遊技者であっても希少価値の高い演出を体感することができ、それによって遊技を重ねることに対して遊技者が興味を抱き易くなる。
【0154】
さらに、前記実施形態には、前記第1演出制御手段は、前記認証情報によって反映される遊技情報に基づく演出の制御を、遊技者の操作に基づいて終了させ、
前記第2演出制御手段は、前記遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に基づく演出の制御を、所定条件の成立に基づいて終了させるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、第2演出制御手段は、遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に基づく演出の制御を、所定条件の成立に基づいて終了させるため、遊技回数が少ない遊技者が、遊技を重ねた遊技者と同様の演出を体感したくても、必ずしも遊技者の意思で体感できるわけではなく、自由に体感できるようにするために自分で遊技回数を重ねようとするので、遊技意欲を高めることができる。
【0155】
また、前記実施形態には、遊技者が所定期間における遊技を終了するときに、その後の遊技において、前記第2演出制御手段が前記遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に基づく演出の制御を実行可能か否かを当該遊技者に選択させる遊技情報参照許可手段を備えるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、例えば、後続の遊技者が先行遊技者の遊技情報に基づく演出を体感可能かどうか当該先行遊技者が選択することができるので、先行遊技者の意思に反して遊技情報が利用されることがなく、個人の遊技情報を適切に扱うことができる。
【0156】
また、前記実施形態には、遊技を開始するときに、前記第2演出制御手段による前記遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に基づく演出の制御を実行させるか否か遊技者に選択させる選択手段を備えるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技者が、遊技回数を重ねた遊技者と同様の演出を体感したいと考えた場合にだけ当該演出が制御されるので、遊技者の希望に応じて演出を出現させることができる。
【0157】
さらに、前記実施形態には、前記遊技情報保持手段には、少なくとも前記特別結果が導出された回数に関連する情報及び実行された前記変動表示ゲームの回数に関連する情報を含む複数の遊技情報が保持され、前記遊技情報参照許可手段は、前記第2演出制御手段が前記遊技情報保持手段に保持されている複数の遊技情報のうち、いずれの遊技情報に基づく演出の制御を実行可能とするかを遊技者に選択させるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、先行遊技者が特定の遊技情報の利用を許可できるので、個人の遊技情報を適切に扱うことができる。
【0158】
また、前記実施形態には、前記識別情報出力手段は、前記遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に対応する識別情報を、遊技者が所有する情報端末により読み込み可能な形態で出力するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、識別情報を、遊技者が所有する情報端末により読み込み可能な形態で出力するため、遊技情報の保存が容易であり、遊技回数を重ねることに対して遊技者の負担が少なくて済むようになる。
【0159】
さらに、前記実施形態には、上記のような構成を有する遊技機と、遊技機が有する前記識別情報出力手段によって出力され、遊技者が所有する情報端末によって読み込まれた識別情報に基づくアクセスを受け付ける識別情報受付手段と、該識別情報受付手段が前記識別情報に基づくアクセスを受け付けることに対応して遊技者の遊技情報を抽出する遊技情報抽出手段と、抽出された遊技情報を遊技者と対応付けて記憶する遊技情報記憶手段とを備えるサーバコンピュータと、を有する遊技システムの発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、サーバコンピュータは、遊技者が所有する情報端末によって読み込まれた識別情報に基づくアクセスを受け付け、識別情報受付手段が識別情報に基づくアクセスを受け付けることに対応して遊技者の識別情報に対応する遊技情報を抽出し、抽出された遊技情報を遊技者と対応付けて記憶するので、遊技情報の保存が容易であり、遊技回数を重ねることに対して遊技者の負担が少なくて済むようになる。
【0160】
次に、図24〜図31を用いて、前記実施形態の第2の変形例について説明する。
第2の変形例は、共有可能データを残した先行遊技者が、その後にその遊技機においてどのような遊技情報が発生したかを知ることができるようにするものである。まず、第2の変形例における全体的な流れについて、図31を用いて説明する。
図31に示すように、データ共有遊技者すなわち共有可能データを残した遊技者Aは、外部サーバからパスワードを取得して遊技機10に入力することでそれまでの遊技情報が反映される。次に、遊技者Aは、遊技終了時に自己の遊技情報を他の遊技者が利用することを許可する設定を行う。これにより、遊技機10において、遊技情報の共有化が図られる。また、遊技者Aは、遊技終了後に遊技をした遊技機10においてその後どのような遊技情報が発生したか知りたいことを予め遊技情報開示要求として設定して遊技を終了する。
【0161】
一方、遊技者Aの遊技終了後、次に遊技を開始しようとする遊技者Bは、外部サーバからパスワードを取得して遊技機10に入力することでそれまでの遊技情報が反映される。また、遊技開始の際に遊技機10は利用可能な共有可能データを表示し、遊技者Bがその共有可能データを利用することを返答すると、その後の遊技に共有可能データが反映される。
そして、遊技者Bが遊技を終了する際に所定の遊技終了操作を行うと、遊技機10は共有データに対応するパスワード情報(遊技者A)を含んだ識別コード(二次元コード)を生成し表示する。その識別コードを遊技者Bが取得して外部サーバ90にアクセスすると、外部サーバ90は識別コードに含まれる遊技情報を遊技者BのIDと対応付けて保存するとともに、遊技者Aと遊技者Bとの対応付けを行う。その後、遊技者Aが外部サーバ90に対して遊技情報の閲覧要求を行うと、外部サーバ90は共有データ利用者である遊技者Bの遊技情報を閲覧可能に設定し、遊技者Aがその遊技情報を閲覧することができるようになる。
【0162】
上記のような共有データを提供した遊技者Aによる遊技情報の閲覧を可能にするため、図24に示すように、サーバコンピュータ90には、遊技者情報管理手段95を設けて、データを提供した遊技者とデータを利用した遊技者とを関連させるようにしている。また、遊技機においては、図25(A)のように、ログインがあったときに入力されたパスワードを入力の時刻とともに記憶しておき、ログアウトの際にはパスワードと入力時刻を反映した識別コードを生成する。
また、サーバコンピュータ90の遊技者情報管理手段95は、パスワードを発行する際に、図25(B)のように、生成したパスワードと生成時刻とを対応づけて遊技者毎にパスワード生成情報管理領域に記憶しておくとともに、識別コードによるアクセスがあった時に遊技者毎に共有データを利用した遊技者のパスワードと入力時刻を抽出して遊技情報保存情報管理領域に記憶しておくようになっている。
【0163】
さらに、遊技者情報管理手段95は、これらの管理領域を対比して同一のパスワードと時刻情報が一致する遊技者を、データ提供者とデータ利用者として対応させた遊技者対応付け管理領域を生成する。これにより、先に遊技をし共有可能データを提供した遊技者(AA002)が、その後にその遊技機においてどのような遊技情報を知りたい場合に、サーバコンピュータ90にアクセスすると遊技者情報管理手段95が上記管理領域を参照して、データを利用した遊技者(AA00B)の遊技情報を抽出して送信することでデータを提供した遊技者がその後の遊技機における遊技履歴を閲覧することが可能となる。
【0164】
なお、パスワード生成時刻とパスワード入力時刻とは必ず一致するとは限らず、タイムラグが発生するので、パスワードには有効時間を設けて、例えば10分間だけ有効にする等の管理を行うことで、数に限りがあるため同一のパスワードがたまたま同日に発行された場合であっても遊技情報の正確な把握が可能となる。また、この変形例の場合、データを提供した先行遊技者が上記のようなサービスを受けられるためには、後の遊技者が遊技終了後に識別コードをサーバコンピュータ90へ送信する必要があるので、例えば遊技終了後に直ちに識別コードをサーバコンピュータ90へ送信した遊技者に対しては別の特典(待受け画像やポイントなど)を付与するなどして、遊技情報ができるだけ早くサーバコンピュータ90の管理領域に反映されるようにするとよい。
【0165】
図26には、上記のような共有データを提供した遊技者Aによる遊技情報の閲覧を可能にするため、演出制御装置300によって実行される客待ち処理(図11のB70)のフローチャートが示されている。この客待ち処理は、図12の客待ち処理のフローチャートとほぼ同じである。異なる点は、変動開始コマンドを受信したか判定するステップB101の次に、遊技情報開示処理B101aを設けている点のみである。
図27には、上記遊技情報開示処理B101aの具体的な手順の一例が示されている。この遊技情報開示処理B101aにおいては、先ず遊技情報開示用の識別コードを表示済みか確認する(ステップB271)。ここで、表示済みである(ステップB272;Yes)と判定した場合は、当該遊技情報開示処理から抜ける。
【0166】
また、ステップB272で、遊技情報開示用の識別コードを表示済みでない(2No)と判定した場合は、ステップB273へ進んで、遊技情報開示要求情報を確認する。そして、遊技情報開示要求情報がない(ステップB274;No)と判定した場合は、当該遊技情報開示処理から抜ける。一方、遊技情報開示要求情報がある(ステップB274;Yes)と判定した場合は、対応付けされている先開示要求をしている遊技者のパスワード情報と現在の遊技情報とを反映した識別コードを生成して表示(ステップB275)し、当該遊技情報開示処理から抜ける。
上記のような処理により、客待ち画面が表示されている際に、パスワード情報と現在の遊技情報とを反映した識別コードが表示されるので、当該遊技機で遊技している者あるいは遊技店の店員がその識別コードを携帯端末のカメラ機能で読み込んでサーバへ送信することで、遊技機の遊技情報をサーバによって把握することができる。
なお、識別コードにあまり多くの情報を含ませることが困難であって、複数の遊技客が遊技情報開示の要求をしている場合には、最初に遊技情報開示要求を行った遊技者のパスワードのみを反映して識別コードを生成するようにしても良い。識別コードを表示する際には識別コードが表示されていることが分かるようにランプを点滅させるなどして報知するようにしても良い。
【0167】
図28には、第2変形例における図26の客待ち処理中の遊技情報反映終了処理(ステップB110)のフローチャートが示されている。この遊技情報反映終了処理は、図14の遊技情報反映終了処理のフローチャートとほぼ同じである。異なる点は、ステップB241の前に共有実績反映処理B240aを設けている点と、ステップB247の次に、遊技情報開示要求処理B247aを設けている点である。
次に、図28の遊技情報反映終了処理中の遊技情報開示要求処理B247aおよび共有実績反映処理B240aの具体的な手順の一例を、図29および図30に示すフローチャートを用いて説明する。
【0168】
図29に示すように、遊技情報開示要求処理では、遊技情報の開示要求確認中であるか否か判定する(ステップB281)。ここで、開示要求確認中である(ステップB281;Yes)と判定した場合は、当該遊技情報開示要求処理から抜ける。また、開示要求確認中でない(ステップB282;No)と判定した場合は、ステップB282へ進んで、後続の遊技者に遊技情報の開示要求を行うか確認する。そして、遊技情報開示要求がない(ステップB283;No)と判定した場合は、当該遊技情報開示要求処理から抜ける。一方、遊技情報開示要求がある(ステップB283;Yes)と判定した場合は、当該遊技者が入力したパスワード情報と対応付けて遊技情報開示要求情報を設定(ステップB284)して、当該遊技情報開示要求処理から抜ける。
【0169】
図38のステップB241aの共有実績反映処理は、共有データを利用する後の遊技者が共有データの利用を許可した前の遊技者に対してメッセージを送信できるようにするための処理であり、図30に示すように、先ずメッセージ確認中であるか否か判定し、メッセージ確認中である(ステップB291;Yes)と判定した場合は、当該共有実績反映処理から抜ける。また、メッセージ確認中でない(ステップB291;No)と判定した場合は、ステップB292へ進んで共有データを利用することを許可した遊技者が入力したパスワード情報を確認する。
次に、確認したパスワード情報と今回の遊技履歴(遊技情報)を対応付けて識別コードの生成に反映するように設定する(ステップB293)。続いて、共有データを利用することを許可した遊技者に対するメッセージを設定するか確認する(ステップB294)。そして、メッセージを設定しない(ステップB295;No)と判定した場合は、当該共有実績反映処理から抜ける。一方、メッセージを設定する(ステップB295;Yes)と判定した場合は、ステップB296へ進んで、メッセージの選択画面を表示し、選択されたメッセージを識別コードの生成に反映するように設定(ステップB297)して、共有実績反映処理から抜ける。
【0170】
以上の説明より、上記実施形態には、
識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
所定期間において遊技に関連して発生する情報を遊技者の遊技情報として一時的に保持する遊技情報保持手段と、
前記遊技情報保持手段に保持されている遊技情報を外部装置(サーバコンピュータ)に保存可能にするための第1識別情報を生成する識別情報生成手段と、
前記識別情報生成手段により生成された第1識別情報を表示する識別情報表示手段と、
前記外部装置から入手可能で遊技情報を遊技機に反映させるための認証情報の入力を受け付ける受付手段と、
を備え、
前記遊技情報保持手段は、
所定期間に遊技を行った第1遊技者が入力した前記認証情報を保持する認証情報保持手段と、
前記第1遊技者よりも後に遊技を行った第2遊技者の遊技に対応する後続遊技情報を保持する後続遊技情報保持手段と、
を備え、
前記識別情報生成手段は、前記第1遊技者が入力した認証情報と、前記後続遊技情報保持手段に保持される後続遊技情報と、に対応する第2識別情報を生成し、
前記識別情報表示手段は、前記第2識別情報を表示可能であるようにした発明が含まれることが分かる。
【0171】
そして、かかる発明によれば、先行して遊技した第1遊技者が入力した認証情報と、後から遊技した第2遊技者の遊技の遊技情報と、に対応する識別情報が表示されるので、後から遊技した遊技者又は遊技店の店員を含む第三者が当該識別情報に基づいて外部装置にアクセスすることで、外部装置上で第1遊技者が入力した認証情報と、後から遊技した第2遊技者の遊技の遊技情報とが対応付け可能になる。従って、当該対応付けにより、先行して遊技した第1遊技者が外部装置にアクセスすることで、自分の遊技した遊技機のその後の遊技情報を閲覧することができる。
【0172】
また、上記実施形態には、遊技者が操作可能な入力操作手段を備え、前記識別情報表示手段は、前記第1識別情報を前記入力操作手段による操作に基づいて表示し、前記第2識別情報を前記入力操作手段による操作に関わらず表示可能にした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、先行して遊技した第1遊技者が入力した認証情報と、後から遊技した第2遊技者の遊技の遊技情報と、に対応する第2識別情報は、入力操作手段の操作に関わらず表示可能なので、後から遊技した遊技者又は遊技店の店員を含む第三者が当該識別情報に基づいて外部装置にアクセスする手間がかからない。そのため、外部装置には、遊技情報が比較的高い頻度で保存されるようになり、先行して遊技した第1遊技者は後から遊技した第2遊技者の遊技の遊技情報を閲覧し易くなる。
【0173】
また、上記実施形態には、前記変動表示ゲームを表示する表示領域を有する表示装置を備え、前記識別情報表示手段は、前記識別情報の表示領域を前記表示装置の表示領域の一部に設定し、前記第2識別情報を前記変動表示ゲームが実行されていないときに表示可能にした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、先行して遊技した第1遊技者が入力した認証情報と、後から遊技した第2遊技者の遊技の遊技情報と、に対応する識別情報が入力操作手段の操作に関わらず表示されるようにしたとしても、変動表示ゲームが実行されていないときに表示されるので、変動表示ゲームの実行を妨げることがない。
【0174】
さらに、上記実施形態には、前記識別情報表示手段は、所定回数の変動表示ゲームが実行された場合、又は、前記特別結果が所定回数導出された場合に、前記第2識別情報を表示可能にした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、変動表示ゲームが実行されていない状態が発生するたびに第2識別情報が表示されるわけではないため、遊技者に不快感を与えずに、的確なタイミングで第2識別情報によるアクセスを促すことができる。
【0175】
さらに、上記実施形態には、上記のような構成を有する遊技機と、遊技機が有する前記識別情報表示手段によって表示され、遊技者が保持する情報端末によって読み込まれた前記識別情報に基づくアクセスを受け付ける識別情報受付け手段と、該識別情報受付け手段が前記識別情報に基づくアクセスを受け付けることに対応して、前記第1遊技者が入力した認証情報と、前記後続遊技情報保持手段に保持される後続遊技情報とを含む遊技情報を抽出する遊技情報抽出手段と、抽出された前記認証情報及び前記後続遊技情報とを対応付けする対応付け手段と、を備える外部装置と、を含むようにした遊技システムの発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、外部装置は、遊技者が保持する情報端末によって読み込まれた前記識別情報に基づくアクセスを受け付ける識別情報受付け手段と、該識別情報受付け手段が前記識別情報に基づくアクセスを受け付けることに対応して、前記第1遊技者が入力した認証情報と、前記後続遊技情報保持手段に保持される後続遊技情報を含む遊技情報を抽出する遊技情報抽出手段と、抽出された前記認証情報及び前記後続遊技情報とを対応付けする対応付け手段とを備えるので、先行して遊技した第1遊技者が外部装置にアクセスすることで、自分の遊技した遊技機のその後の遊技情報を閲覧することができる。
【0176】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
前述の第1の実施形態においては、図18(C)に示すように、遊技者がある程度長時間遊技を継続して所定の遊技情報を積み重ねることで特典を付与しているのに対し、第2の実施形態は、所定の条件を満たすことでいずれの遊技者にも均等に特典を取得できる機会を付与するようにしたものである。
具体的には、図32(A)に示すように、遊技機10(演出制御装置300)は、第1の実施形態の遊技機(図1参照)が備えるパスワード受付手段114、遊技情報反映手段115、遊技データ共有手段116、遊技情報保持手段117、識別コード表示手段118の他に、特典付与手段119を備える。そして、この特典付与手段119によって付与する特典および付与条件として、例えば図32(B)に示すようなものを設定している。図32(A)に示す構成以外は、第1の実施形態における遊技機と同様で良い。
【0177】
図32(B)において、「待ち受け画像」とは遊技者が所有する携帯端末の表示画面に表示可能な画像データを、「キャラボイス」とは遊技機の演出で登場するキャラクタの声等であって遊技者が所有する携帯端末のスピーカで再生可能な音声データを、また「識別コード」とはQRコード(登録商標)のような2次元コードを意味している。さらに、「付与条件」における「選択抽選」は乱数による抽選を、また「遊技者操作」とはミニゲームなどにおける遊技者による演出ボタン25aの操作を意味している。
なお、後述のように、大当りなど所定の条件の成立により表示する識別コードは、演出制御装置300が記憶保持している遊技情報に基づいて既に遊技者へ付与済みと判定された場合には表示しないようにしてもよい。遊技者にしてみれば、同じ特典が何度も付与されると満足感が得られない一方、次第に煩わしく感じるようになるおそれがあるためである。
【0178】
図33には、第2の実施形態を適用した場合に演出制御装置300によって実行される1stメイン処理の具体的な手順の例が示されている。図33のフローチャートは、第1の実施形態における図10のフローチャートに代わるもので、図10のフローチャートとの違いは、ステップB18の乱数更新処理の次に特典選択処理(ステップB19)を設けている点にある。この処理によって電源投入毎に遊技者に付与可能な特典が異なるように制御している。
図34に、この特典選択処理の具体的な手順の一例が示されている。図34に示すように、特典選択処理においては、特典選択済みであるか否か示す特典選択済み情報(フラグ)を参照して、既に特典選択済みであるか判定する(ステップB401)。ここで、特典選択済みである(Yes)と判定した場合はステップB409へ移行し、特典選択済みでない(ステップB401;No)と判定した場合はステップB402へ進んで現在の時刻を確認する。そして、特典選択時刻である(ステップB403;Yes)と判定した場合は、ステップB404へ進んで、例えば図35(A)のテーブルを参照して当該時刻に対応する特典を選択し、特典選択済み情報(フラグ)を設定(ステップB405)してからステップB409へ移行する。
【0179】
一方、ステップB403で、現在の時刻が特典選択時刻でない(No)と判定した場合は、ステップB406へ進んで、特典選択終了時刻であるか判定する。そして、特典選択終了時刻でない(ステップB406;No)と判定した場合はステップB409へ移行する。また、特典選択終了時刻である(ステップB406;Yes)と判定した場合は、ステップB407へ進んで、特典の選択を解除し、ステップB405で設定した特典選択済み情報(フラグ)をクリア(ステップB408)してからステップB409へ移行する。
そして、ステップB409では、限定特典を選択済みであるか否か示す特典選択済み情報(フラグ)を参照して、既に限定特典選択済みであるか判定する。ここで、限定特典選択済みである(Yes)と判定した場合は当該特典選択処理から抜ける。一方、ステップB409で、限定特典選択済みでない(No)と判定した場合はステップB412へ進んで、例えば図35(B)の選択テーブルを参照し乱数を使用していずれかの特典を選択した後、限定特典選択済み情報(フラグ)を設定(ステップB413)して当該特典選択処理から抜ける。なお、この限定特典選択済み情報(フラグ)は、遊技機の電源が遮断されるとクリアされる。従って、電源投入後に最初にこの特典選択処理を実行したときに限定特典が選択され、電源が遮断されるまで保持されることとなる。そのため、同じ種類の遊技機であっても、付与される特典が異なる可能性が生じ、当該種類の遊技機への遊技者の興味を持続させやすくなる。また、この特典選択処理は、特典を予め選択しておく処理であり、実際の特典付与は、図36の変動中処理の中で行われる。
【0180】
図36のフローチャートは、第1の実施形態における図16のフローチャートに代わるもので、図16のフローチャートとの違いは、ステップB132の次シーンデータ設定処理の次に、特典付与制御処理(ステップB133)および限定特典付与制御処理(ステップB134)を設けている点にある。
図37にステップB133の特典付与制御処理の具体的な手順の例が、また、図38にステップB134の限定特典付与制御処理の具体的な手順の例が示されている。
図37に示すように、特典付与制御処理においては、先ず、識別コードを表示中であるか否か示す識別コード表示中情報(フラグ)を参照して、既に付与する特典に対応する識別コードを表示中か確認する(ステップB421)。ここで、識別コード表示中である(ステップB422;Yes)と判定した場合はステップB430へ移行し、識別コード表示中でない(ステップB422;No)と判定した場合はステップB423へ進んで、図34のステップB405で設定される特典選択済み情報(フラグ)を確認する。そして、特典選択済みでない(ステップB424;No)と判定した場合は当該特典付与制御処理から抜ける。
【0181】
一方、特典選択済みである(ステップB424;Yes)と判定した場合は、ステップB425へ進んで、特典付与条件が成立しているか否か判定する。ここで、特典付与条件とは、例えば特典選択中に変動表示ゲームを所定回数(例えば5回)実行することなどが考えられる。ステップB425で特典付与条件が成立していない(No)と判定した場合は当該特典付与制御処理から抜ける。ステップB425で特典付与条件が成立している(Yes)と判定した場合はステップB426へ移行し、選択されている特典を確認する。そして、付与する特典に対応する識別コード(二次元コード)を表示装置41へ表示(ステップB427)してからステップB428へ移行する。
【0182】
ステップB428では、識別コード表示中情報(フラグ)を設定して、ステップB429へ進み、識別コード表示中タイマを設定する。その後、識別コード表示中タイマを更新(+1)する(ステップB430)。そして、次のステップB431で、該タイマがタイムアップしたか否か判定し、タイムアップしていない(ステップB431;No)と判定した場合は当該特典付与制御処理から抜ける。
一方、タイマがタイムアップした(ステップB431;Yes)と判定した場合は、ステップB432へ進んで、ステップB428で設定した識別コード表示中情報(フラグ)をクリアし、次のステップB433で特典の選択を解除してから、図34のステップB405で設定された特典選択済み情報(フラグ)をクリア(ステップB434)して、当該特典付与制御処理から抜ける。なお、ステップB425では、特典付与条件が成立しているか否かの判定の条件を、特典選択中に変動表示ゲームを所定回数(例えば5回)実行することとしているが、特典選択後、最初の大当りの発生を条件にして特典を付与するようにしても良い。
【0183】
図38に示すように、限定特典付与制御処理においては、先ず限定特典に対応する識別コードを表示中か確認する(ステップB441)。ここで、識別コード表示中である(ステップB442;Yes)と判定した場合はステップB448へ移行し、識別コード表示中でない(ステップB442;No)と判定した場合はステップB443へ進んで、大当り変動が終了か否か判定する。そして、大当り変動が終了していない(ステップB443;No)と判定した場合は当該限定特典付与制御処理から抜ける。
一方、ステップB443で、大当り変動が終了した(Yes)と判定した場合は、ステップB444へ進んで、選択されている特典を確認してから、付与する特典に対応する識別コード(二次元コード)を表示装置41へ表示する(ステップB445)。それから、ステップB446へ進み、識別コード表示中情報(フラグ)を設定してから、識別コード表示中タイマを設定する(ステップB447)。
【0184】
その後、識別コード表示中タイマを更新(+1)する(ステップB448)。そして、次のステップB449で、該タイマがタイムアップしたか否か判定し、タイムアップしていない(ステップB449;No)と判定した場合は当該特典付与制御処理から抜ける。
一方、タイマがタイムアップした(ステップB449;Yes)と判定した場合は、ステップB432へ進んで、ステップB446で設定した識別コード表示中情報(フラグ)をクリア(ステップB450)して、当該限定特典付与制御処理から抜ける。
【0185】
〔変形例〕
次に、第2実施形態の変形例について説明する。
第2実施形態の第1の変形例は、図35(B)に示す限定特典を選択するテーブルとして、図40(A),(B)に示すように、2種類の選択テーブルを設けておいて、特定の日時とそれ以外の日時とで選択テーブルを使い分けるようにして、特定の日時にはそれ以外の日時には獲得できない特典(図40では「特典26」)を獲得できるようにするものである。特定の日時の設定の仕方としては、例えば月曜日に客数が少なくなるのであれば、月曜日を特定の日時にしたり演出に登場するキャラクタに関連した日(記念日等)を特定の日時にしたりすることが考えられる。また、特定の日時としては、日や曜日の他に、遊技店の開店時間から所定時間が経過するまでとか、遊技店の閉店時間の所定時間前から閉店時間となるまでとか、時間帯とすることが考えられ、時間帯によって特典の選択割合を異ならせる制御を行うようにしても良い。
【0186】
図39には、第2実施形態の第1の変形例を適用した遊技機における特典選択処理の手順の例が示されている。なお、このフローチャートは、図34のフローチャートに代わるもので、図34のステップB409の次に、現在の日時を確認する処理(ステップB410)と、特定の日時であるか否か判定するステップB411とを設け、ステップB411で特定の日時でない(No)と判定した場合は、選択テーブルとして特典の種類の少ない図40(A)のテーブルを使用して特典を選択するステップB412aへ進み、ステップB411で特定の日時である(Yes)と判定した場合は、選択テーブルとして特典の種類の多い図40(B)のテーブルを使用して特典を選択するステップB412bへ移行するようにしたものである。
なお、図40(A),(B)に示すように、特典の種類が異なる2種類の選択テーブルを設ける代わりに、同一の特典であるが選択率が異なるテーブルを設けたり、3種類以上の選択テーブルを設けて抽選で使用するテーブルを決定するようにしても良い。さらに、遊技機の側で選択テーブルを切り替えることで特定の日時にはそれ以外の日時には獲得できない特典を獲得できるようにする代わりに、外部サーバの側で特定の日時にはそれ以外の日時には獲得できない特典を付与するように構成しても良い。
【0187】
図41〜図44には、第2実施形態の第2の変形例が示されている。この変形例は、例えば遊技者の誕生日とか遊技店がファンサービスデーを設定する場合にはその日を特定の日時として希少価値の高いプレミアム特典を獲得可能にするものである。
図41には、第2実施形態の第2の変形例を適用した遊技機における遊技情報反映処理の手順の例が示されている。なお、このフローチャートは、図23のフローチャートに代わるもので、図23のステップB225の前に、プレミアム特典判定処理B225aを設けている点が異なる。なお、プレミアム特典を付与する条件に該当する情報とは、連動サービスの利用開始時などに設定された遊技者の誕生日などの遊技者情報が含まれる。そして、例えば遊技者が遊技情報に基づく連動サービスを受けるためにログインする際に入力するパスワードに遊技者情報を含ませることでプレミアム特典の付与が可能となる。
【0188】
図42には、このプレミアム特典判定処理の具体的な手順の一例が示されている。図42に示すように、プレミアム特典判定処理においては、先ずパスワード等に含まれる遊技者の情報を確認する(ステップB451)。次に、遊技者情報の中にプレミアム特典を付与する条件に該当する情報が含まれているか確認する(ステップB452)。そして、プレミアム特典を付与する条件に該当する情報が含まれていない(ステップB453;No)と判定した場合は、当該プレミアム特典判定処理から抜ける。一方、ステップB453で、プレミアム特典を付与する条件に該当する情報が含まれている(Yes)と判定した場合は、ステップB454へ移行してプレミアム特典を設定する。その後、ステップB455で、プレミアム特典設定情報(フラグ)を設定して当該プレミアム特典判定処理から抜ける。
【0189】
図43には、第2実施形態の第2の変形例を適用した遊技機における客待ち処理の手順の例が示されている。なお、このフローチャートは、図26のフローチャートに代わるもので、図26の客待ち処理のステップB116の前に、プレミアム特典付与制御処理B115aを設けている点が異なる。
図44には、このプレミアム特典付与制御処理の具体的な手順の一例が示されている。図44に示すように、プレミアム特典付与制御処理においては、先ず、識別コードを表示中であるか否か示す識別コード表示中情報(フラグ)を参照して、既にプレミアム特典に対応する識別コードを表示中か確認する(ステップB461)。ここで、識別コード表示中である(ステップB462;Yes)と判定した場合はステップB468へ移行し、識別コード表示中でない(ステップB462;No)と判定した場合はステップB463へ進んで、プレミアム特典要求があるか否か判定する。
【0190】
ステップB463で、プレミアム特典要求がない(No)と判定した場合は当該プレミアム特典要求付与制御処理から抜ける。ステップB463でプレミアム特典要求がある(Yes)と判定した場合はステップB464へ移行して、図43のステップB455で設定されるプレミアム特典設定情報(フラグ)を確認する。
そして、プレミアム特典設定情報(フラグ)の設定がない(ステップB465;No)と判定した場合は当該プレミアム特典要求付与制御処理から抜ける。一方、プレミアム特典設定情報(フラグ)の設定がある(ステップB465;Yes)と判定した場合はステップB466へ移行して、プレミアム特典に対応する識別コード(二次元コード)を表示装置41へ表示してからステップB467へ移行する。
【0191】
ステップB467では、識別コード表示中情報(フラグ)を設定して、ステップB468へ進み、表示終了操作があったか否か判定し、表示終了操作がない(ステップB468;No)と判定した場合は当該特典付与制御処理から抜ける。一方、表示終了操作があった(ステップB468;Yes)と判定した場合は、ステップB469へ進んで、ステップB467で設定した識別コード表示中情報(フラグ)をクリアし、次のステップB470で客待ち画面の表示設定をして、当該特典付与制御処理から抜ける。
このように、第3実施形態の第2の変形例では、客待ち処理の中にプレミアム特典付与制御処理を設けているので、大当りのような特別な条件が成立しなくても、単に表示装置に客待ち画面が表示される際にプレミアム特典に対応する識別コード(二次元コード)を表示することができる。
【0192】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態は、遊技者が遊技履歴を閲覧可能に構成されている遊技機において、遊技履歴の表示スタイルを遊技者の好みに応じて切り替えることができるようにしたものである。遊技機による遊技者が希望する遊技履歴の表示スタイルの把握は、例えば遊技者が遊技情報に基づく連動サービスを受けるために、連動サービスの利用情報として事前に希望する表示スタイルを選択しておき、ログインする際に入力するパスワードに当該表示スタイルに関する情報を含ませることで可能である。また、遊技履歴情報を参照し、過去の遊技において遊技者が選択していた表示スタイルが選択されるようにしてもよい。
図45には、第3実施形態を適用した遊技機における客待ち処理の手順の例が示されている。なお、このフローチャートは、図43のフローチャートに代わるもので、図43の客待ち処理のステップB116の前に、遊技履歴閲覧処理B115bを設けている点が異なる。
図46には、この遊技履歴閲覧処理の具体的な手順の一例が示されている。図46に示すように、遊技履歴閲覧処理においては、先ず、遊技履歴閲覧中であるか否か示す遊技履歴閲覧中情報(フラグ)を参照して、既に遊技履歴閲覧中か否か判定する(ステップB471)。ここで、遊技履歴閲覧中である(Yes)と判定した場合はステップB477へ移行し、遊技履歴閲覧中でない(ステップB471;No)と判定した場合はステップB472へ進んで、遊技履歴閲覧要求があるか否か判定する。
【0193】
ステップB472で、遊技履歴閲覧要求がない(No)と判定した場合は当該遊技履歴閲覧処理から抜ける。ステップB472で遊技履歴閲覧要求がある(Yes)と判定した場合はステップB473へ移行して、パスワードを入力することで遊技情報を反映した遊技制御が実行される連動サービスを利用中であるか否か判定する。
そして、連動サービスを利用中でない(ステップB473;No)と判定した場合はデフォルトの表示スタイル1に対応する遊技履歴表示画面を設定する(ステップB474)。一方、連動サービスを利用中である(ステップB473;Yes)と判定した場合はステップB475へ移行して、遊技情報に対応する遊技者により選択されている表示スタイル(例えば表示スタイル2)により遊技履歴表示画面を設定する。ここで、表示スタイル1や2としては、例えば図47に示すように、一方は大当り回数に応じて表示する形態で、他方は変動内容の詳細に重点をおいて表示する形態とすることが考えられる。
【0194】
遊技履歴表示画面を設定した後は、ステップB476へ移行して、遊技履歴閲覧中であるか否か示す遊技履歴閲覧中情報(フラグ)を設定して、ステップB477へ進み、表示終了操作があったか否か判定し、表示終了操作がない(ステップB477;No)と判定した場合は当該遊技履歴閲覧処理から抜ける。一方、表示終了操作があった(ステップB477;Yes)と判定した場合は、ステップB478へ進んで、ステップB476で設定した遊技履歴閲覧中情報(フラグ)をクリアし、次のステップB479で客待ち画面の表示設定をして、当該遊技履歴閲覧処理から抜ける。
【0195】
図48には表示スタイル1の大当り回数に応じて表示する形態を選択した場合の表示例が、図49には表示スタイル2の変動内容の詳細に重点をおいて表示する形態を選択した場合の表示例が示されている。このうち、図48の表示スタイル1は、大当り回数が1〜10回の時は(A)のような1つの1リスト形態で表示し、大当り回数が1〜20回の時は(B)のような2つのリスト並べた形態で表示し、大当り回数が21回以上の時は(C)のようなグラフ形式で表示するようにしたものである。また、図49の表示スタイル2は、各大当りの内容をリーチの種類まで詳細に記述した履歴を表示するようにしたものである。このような遊技履歴の表示形態を、遊技開始時に遊技者が入力したパスワードに含まれる情報に従って切り替えることで、遊技者は自分の好みの形式で遊技履歴を閲覧することができるようになる。
【0196】
次に、本発明の他の実施形態を、図50を用いて説明する。図50の実施形態は、遊技機がパスワードの入力機能を持たない遊技システムの例である。この実施形態では、遊技機10は、遊技者による演出ボタン等の操作等、適当なタイミングで遊技開始を設定する遊技開始手段129と、遊技開始後に発生した遊技情報を保存する遊技情報暫定保存手段117と、遊技情報暫定保存手段に保存されている遊技情報に対応した識別コード(二次元コード)を生成し表示する識別コード表示手段118を備える。また、サーバコンピュータ90は、遊技者が所有する携帯端末で実行可能なアプリケーションソフト(いわゆる携帯アプリ)を、要求に応じて通信機能を使用して遊技者が所有する携帯端末80へ送信するアプリケーション提供手段96を備える。
【0197】
また、携帯端末80は、サーバコンピュータ90へアクセスするためのサーバアクセス手段82と、携帯アプリを取得するアプリケーション取得手段86と、アプリケーション保存手段87と、アプリケーション制御手段88と、データを閲覧するための閲覧手段84などを備える。ここで、アプリケーション保存手段87は、遊技機が表示した識別コードを取り込むための識別コード受信手段81や、識別コードに含まれる遊技情報を抽出して保存する遊技情報保存手段89、サーバコンピュータ90から取得した特典を保存する特典保存手段85などから構成される。さらに、上記装置以外に、携帯アプリが扱うデータを共有可能にするアプリケーション共有手段700を設けても良い。このようなアプリケーション共有手段700としては、例えば、パチンコ店に配備され、遊技者からの要求に応じて遊技に関するデータなどを提供するホール内端末装置などが考えられる。また、アプリケーションの取得によって予め特典のデータも取得することとし、その後、付与条件を満たすことで当該特典を参照可能になるように構成してもよい。
【0198】
上記説明より、上記実施形態には、
識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
遊技者に特典を付与するための識別情報を出力する識別情報出力手段と、
前記識別情報出力手段によって出力させる識別情報を、前記特典の種類に対応して用意されている複数種類の識別情報の中から選択する識別情報選択手段と、
所定条件が成立した場合に前記識別情報選択手段によって選択された識別情報を前記識別情報出力手段によって出力させる識別情報出力制御手段と、を備え、
前記識別情報選択手段は、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連して前記識別情報を選択する第1選択手段と、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連せずに、予め定められた選択割合に基づいて前記識別情報を選択する第2選択手段と、を備えるようにした発明が含まれることが分かる。
【0199】
そして、かかる発明によれば、識別情報選択手段は、識別情報出力手段によって出力させる識別情報を、前記特典の種類に対応して用意されている複数種類の識別情報の中から選択するので、遊技する毎に付与される特典を異ならせることができるとともに、変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連して識別情報を選択する第1選択手段の他に、変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連せずに、予め定められた選択割合に基づいて識別情報を選択する第2選択手段を備えるので、所定の条件を満たすことでいずれの遊技者にも均等に特典を取得できる機会を付与することができるため、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易くすることができる。
【0200】
また、上記実施形態には、前記識別情報出力制御手段は、前記第1選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件と、前記第2選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件と、を異ならせる制御を実行可能ようにした発明が含まれる。
ここで、識別情報を出力させる条件を異ならせるとは、例えば大当りとなる変動表示ゲームが終了したこととか、変動表示ゲームを所定回数実行したこととか、などである。かかる発明によれば、識別情報出力制御手段は、異なる態様で選択される識別情報の出力条件を異ならせることが可能なので、特典付与の過程が単調とならず、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易い。また、識別情報を出力させる条件が異なるため、遊技者は出力された識別情報がいずれの態様で選択された識別情報であるか区別することができ、特典獲得条件を認識し易くなる。
【0201】
また、上記実施形態には、遊技者の前記遊技情報を遊技機に反映させるための認証情報の入力を受け付ける受付手段を備え、前記第1選択手段は、前記認証情報によって反映される遊技情報に関連して前記識別情報を選択するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、「遊技情報」としては例えば遊技者の遊技履歴の情報があり、遊技履歴の情報に関連して特典を付与するための識別情報の種類を選択するようにした場合には、遊技を重ねた遊技者しか得られない特典などを用意することができ、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易いとともに、長時間遊技を継続することへの意欲を高めることができる。
【0202】
さらに、上記実施形態には、前記第1選択手段(または前記第2選択手段)によって選択される識別情報を出力させる条件には、前記変動表示ゲームを所定回数実行させることが含まれ、前記第2選択手段(または前記第1選択手段)によって選択される識別情報を出力させる条件には、前記特別結果を導出させることが含まれるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、異なる態様で選択される識別情報の出力条件を達成するための難易度を異ならせることが可能なので、特典付与の過程が単調とならず、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易い。また、識別情報を出力させる条件が異なるため、遊技者は出力された識別情報がいずれの態様で選択された識別情報であるか区別することができ、特典獲得条件を認識し易くなる。
【0203】
また、上記実施形態には、日時を計時する計時手段を備え、前記第2選択手段は、前記計時手段が計時する日付け又は時刻に応じて、前記選択割合を異ならせるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、日付け又は時刻によっていずれの特典が付与されるかの選択割合が変化するため、特典付与の確率が一定とならず、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易くなる。
【0204】
また、上記実施形態には、前記第2選択手段は、前記計時手段が計時する時刻が、遊技店の開店時間から所定時間が経過するまで、又は、遊技店の閉店時間の所定時間前から当該閉店時間となるまでの期間において、前記選択割合を異ならせる制御を実行可能であるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、日時によって選択割合を異ならせる制御を実行可能であるので、例えば、客が少ないと想定される日や時間帯に希少価値の高い特典が付与される確率を高くするように選択割合を変化させることにより、集客力を向上させることができる。
【0205】
さらに、上記実施形態には、前記受付手段は、遊技者個人に対応して設定された一の日付に関連する特定認証情報の入力を受け付け可能とし、前記第2選択手段は、遊技の開始時に前記受付手段が前記特定認証情報を受け付けた場合に、前記選択割合に関わらず、特定種類の前記識別情報を選択し、前記識別情報出力制御手段は、前記第2選択手段が前記特定種類の識別情報を選択した場合には、前記第2選択手段によって選択される識別情報を出力させる前記条件に関わらず、当該特定種類の識別情報を出力可能であるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技者個人に対応して設定された特定の日(誕生日や何かの記念日)に、特定の特典を付与可能となるため、特典の付与に対する遊技者の興味を持続させ易くなる。
【0206】
また、上記実施形態には、所定期間において遊技に関連して発生する情報を遊技者の遊技履歴情報として一時的に保持する遊技情報保持手段と、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技履歴情報を表示する遊技履歴表示手段と、
前記遊技履歴表示手段による遊技履歴情報の表示形式を遊技者の選択に応じて変更する表示形式変更手段と、を備え、
前記受付手段が受け付ける前記認証情報には、前記遊技履歴情報の表示形式に対する遊技者の選択情報が含まれ、前記表示形式変更手段は、前記遊技者の選択情報に基づいて、前記遊技履歴情報の表示形式を変更するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技情報に関連して特典が付与された場合、例えば遊技者が取得した特典の付与条件等を知るために遊技履歴を確認する際に、遊技者の好みに応じた視認し易い表示形成で遊技履歴を表示できるため、遊技者の利便性が増すようになる。
【0207】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。例えば、前記実施形態では、遊技機で発生した遊技情報を識別コード(二次元コード)に反映させてサーバコンピュータに送信して管理するように構成したものについて説明したが、遊技機の情報を収集管理するホールコンピュータとサーバコンピュータとをデータ送信可能に構成して、遊技情報を遊技者のIDコードと関連付けてホールコンピュータからサーバコンピュータへ送信するように構成しても良い。
また、前記実施形態では、以前の遊技情報を遊技機における制御に反映させるためのパスワードを、入力操作手段(演出ボタン等)を使用して入力させるようにしているが、遊技機に例えば赤外線通信機能を設け、遊技者の携帯端末が有する赤外線通信機能を使用してパスワードもしくは遊技情報を入力できるように構成しても良い。
【符号の説明】
【0208】
10 遊技機
25a 演出ボタン(入力操作手段)
25b セレクタボタン(入力操作手段)
30 遊技盤
41 表示装置(液晶表示装置;識別情報出力手段、識別情報表示手段、遊技履歴表示手段)
90 サーバコンピュータ(外部サーバ)
91 遊技情報保存手段(識別情報受付手段、遊技情報抽出手段、遊技情報記憶手段)
100 遊技制御装置(遊技制御手段)
300 演出制御装置(演出制御手段、受付手段、第1演出制御手段、第2演出制御手段、識別情報生成手段、識別情報選択手段、識別情報出力制御手段、識別情報表示制御手段、表示形式変更手段)
311a RAM(遊技情報保持手段、認証情報保持手段、後続遊技情報保持手段)
316 リアルタイムクロック回路(計時手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
遊技者に特典を付与するための識別情報を出力する識別情報出力手段と、
前記識別情報出力手段によって出力させる識別情報を、前記特典の種類に対応して用意されている複数種類の識別情報の中から選択する識別情報選択手段と、
所定条件が成立した場合に前記識別情報選択手段によって選択された識別情報を前記識別情報出力手段によって出力させる識別情報出力制御手段と、を備え、
前記識別情報選択手段は、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連して前記識別情報を選択する第1選択手段と、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連せずに、予め定められた選択割合に基づいて前記識別情報を選択する第2選択手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記識別情報出力制御手段は、前記第1選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件と、前記第2選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件と、を異ならせる制御を実行可能なことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
遊技者の前記遊技情報を遊技機に反映させるための認証情報の入力を受け付ける受付手段を備え、
前記第1選択手段は、前記認証情報によって反映される遊技情報に関連して前記識別情報を選択することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第1選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件には、前記変動表示ゲームを所定回数実行させることが含まれ、
前記第2選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件には、前記特別結果を導出させることが含まれることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
日時を計時する計時手段を備え、
前記第2選択手段は、前記計時手段が計時する日付け又は時刻に応じて、前記選択割合を異ならせることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記第2選択手段は、前記計時手段が計時する時刻が、遊技店の開店時間から所定時間が経過するまで、又は、遊技店の閉店時間の所定時間前から当該閉店時間となるまでの期間において、前記選択割合を異ならせる制御を実行可能であることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記受付手段は、遊技者個人に対応して設定された一の日付に関連する特定認証情報の入力を受け付け可能とし、
前記第2選択手段は、遊技の開始時に前記受付手段が前記特定認証情報を受け付けた場合に、前記選択割合に関わらず、特定種類の前記識別情報を選択し、
前記識別情報出力制御手段は、前記第2選択手段が前記特定種類の識別情報を選択した場合には、前記第2選択手段によって選択される識別情報を出力させる前記条件に関わらず、当該特定種類の識別情報を出力可能であることを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
【請求項8】
所定期間において遊技に関連して発生する情報を遊技者の遊技履歴情報として一時的に保持する遊技情報保持手段と、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技履歴情報を表示する遊技履歴表示手段と、
前記遊技履歴表示手段による遊技履歴情報の表示形式を遊技者の選択に応じて変更する表示形式変更手段と、
を備え、
前記受付手段が受け付ける前記認証情報には、前記遊技履歴情報の表示形式に対する遊技者の選択情報が含まれ、
前記表示形式変更手段は、前記遊技者の選択情報に基づいて、前記遊技履歴情報の表示形式を変更することを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項1】
識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
遊技者に特典を付与するための識別情報を出力する識別情報出力手段と、
前記識別情報出力手段によって出力させる識別情報を、前記特典の種類に対応して用意されている複数種類の識別情報の中から選択する識別情報選択手段と、
所定条件が成立した場合に前記識別情報選択手段によって選択された識別情報を前記識別情報出力手段によって出力させる識別情報出力制御手段と、を備え、
前記識別情報選択手段は、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連して前記識別情報を選択する第1選択手段と、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技情報に関連せずに、予め定められた選択割合に基づいて前記識別情報を選択する第2選択手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記識別情報出力制御手段は、前記第1選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件と、前記第2選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件と、を異ならせる制御を実行可能なことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
遊技者の前記遊技情報を遊技機に反映させるための認証情報の入力を受け付ける受付手段を備え、
前記第1選択手段は、前記認証情報によって反映される遊技情報に関連して前記識別情報を選択することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第1選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件には、前記変動表示ゲームを所定回数実行させることが含まれ、
前記第2選択手段によって選択される識別情報を出力させる条件には、前記特別結果を導出させることが含まれることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
日時を計時する計時手段を備え、
前記第2選択手段は、前記計時手段が計時する日付け又は時刻に応じて、前記選択割合を異ならせることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記第2選択手段は、前記計時手段が計時する時刻が、遊技店の開店時間から所定時間が経過するまで、又は、遊技店の閉店時間の所定時間前から当該閉店時間となるまでの期間において、前記選択割合を異ならせる制御を実行可能であることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記受付手段は、遊技者個人に対応して設定された一の日付に関連する特定認証情報の入力を受け付け可能とし、
前記第2選択手段は、遊技の開始時に前記受付手段が前記特定認証情報を受け付けた場合に、前記選択割合に関わらず、特定種類の前記識別情報を選択し、
前記識別情報出力制御手段は、前記第2選択手段が前記特定種類の識別情報を選択した場合には、前記第2選択手段によって選択される識別情報を出力させる前記条件に関わらず、当該特定種類の識別情報を出力可能であることを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
【請求項8】
所定期間において遊技に関連して発生する情報を遊技者の遊技履歴情報として一時的に保持する遊技情報保持手段と、
前記変動表示ゲームの実行結果を含む遊技履歴情報を表示する遊技履歴表示手段と、
前記遊技履歴表示手段による遊技履歴情報の表示形式を遊技者の選択に応じて変更する表示形式変更手段と、
を備え、
前記受付手段が受け付ける前記認証情報には、前記遊技履歴情報の表示形式に対する遊技者の選択情報が含まれ、
前記表示形式変更手段は、前記遊技者の選択情報に基づいて、前記遊技履歴情報の表示形式を変更することを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【公開番号】特開2013−78502(P2013−78502A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220657(P2011−220657)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
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