説明

遊技機

【課題】遊技者が遊技していない状況になっても直ぐに節電状態になることなく、デモ画像の表示を可能とするとともに、過去の遊技機の稼働状態の履歴に基いて、節電状態が開始される時期を調節可能な遊技機を提供する。
【解決手段】変動表示ゲームが行われなくなってから節電制御状態の開始までの節電開始時間を過去の遊技機の稼働状態の履歴に基づいて決定する。現在の時刻と略同じ時刻の履歴を見て、節電制御状態となっている場合に、遊技店に遊技者が少ない時刻であると推定して、節電開始時間を短くして、節電制御状態の開始を早める。また、逆に節電制御状態となっていない場合に、遊技店に遊技者が多くいる時刻であると推定して、節電開始時間を長くして、節電制御状態とするのを遅らせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置して使用される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
所謂デジパチと呼ばれるパチンコ遊技機は、例えば、液晶ディスプレイ等からなる可変表示装置(表示手段)を備え、この可変表示装置に、遊技球の始動入賞口への入賞に基いて、変動表示ゲームを表示するようになっている。変動表示ゲームは、パチンコ遊技機内部の制御装置で大当たりまたははずれが抽選で決定されるようになっている。変動表示ゲームが大当たりになると、所謂アタッカが開放されて、遊技者が多くの賞球(払い出される遊技球)を獲得可能になる。
【0003】
前述の可変表示装置では、遊技球が始動入賞口に入賞しない場合に変動表示ゲームが開始されず、変動表示ゲームが開始されない状態が所定継続時間だけ継続するといわゆるデモンストレーション画像(デモ画像)が表示される。例えば、遊技者がおらず遊技が行われていないパチンコ遊技機においては、当該パチンコ遊技機の紹介、宣伝を目的とする当該遊技機のデモンストレーションのためのデモ画像(動画を含む)が表示される。このような表示を、遊技するパチンコ遊技機を探している遊技者がパチンコ遊技機を選択する際に参考にするようになっている。
【0004】
このようなパチンコ遊技機においても、例えば、夏季の昼間の電力需要が切迫していることから節電が求められている。遊技店においては、店舗内の照明や音響のための電力使用の低減や、店舗外の看板のネオン等の電飾のための電力使用の低減による節電を図っているが、遊技店には、多くのパチンコ遊技機が設置されていることから、各パチンコ遊技機の節電を図ることにより、大きな節電効果を得ることができる。
【0005】
したがって、パチンコ遊技機における節電方法が各種提案されているが、基本的に遊技中にパチンコ遊技機で節電してしまうと、遊技の興趣を妨げてしまう虞があるので、上述のように遊技が行われていない状態のパチンコ遊技機において、節電が行われる(例えば、特許文献1、2)。
【0006】
なお、遊技が行われていない状態とは、上述のように液晶ディスプレイに変動表示ゲームが表示されていない状態や、遊技機の前に遊技者がいない状態であり、これらの状態が検知された場合に、例えば、パチンコ遊技機に設けられた電飾用ライトとしてのLEDの消灯や、液晶ディスプレイのバックライトの消灯等により節電が行われる。
【0007】
遊技店においては、ウイークデイの午後の早い時間帯たとえば1時から4時ぐらいは、客数が減少する場合があり、稼働していないパチンコ遊技機が増加している場合がある。このような状況で稼働していないパチンコ遊技機で節電を行うと、例えば、夏季の電力需要が最も切迫する時間帯における電力使用量を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2775682号公報
【特許文献2】特開平11−192382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、節電状態になっているパチンコ遊技機は、液晶ディスプレイのバックライトが消えていたり、電飾用のLEDが消灯していたりすることによって、暗い状態になってしまう。また、店舗内の照明に対しても節電が行われている状態で、客数が少ない状況では、店全体が暗くなってしまう虞がある。
また、逆に客数が多く、少ない数のパチンコ遊技機が節電状態になって完全にライトや液晶ディスプレイが消えた状態になっていると、節電されたパチンコ遊技機に慣れていない客が故障した遊技機だと思ってしまう虞がある。
【0010】
また、遊技者が遊技する遊技機を選択する際に、節電のために上述のデモンストレーション画像が表示されていない状態だと、初めて遊技する遊技機の場合に、どのようなパチンコ遊技機なのかを客が把握できず、客に対してパチンコ遊技機を宣伝できない状況になってしまう。遊技店側では、顧客としての遊技者に対して各パチンコ遊技機を最大限にアピールしたいのは山々であるが、遊技が行われていない状態の遊技機のアピールのために、例えば、消費電力がピークとなる時間帯に電力を消費するのは問題がある。しがって、遊技者へのアピールを可能にしつつ、さらなる節電をすることが求められている。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、遊技者が遊技していない状況になっても直ぐに節電状態になることなく、デモンストレーション画像の表示を可能とするとともに、過去の遊技機の稼働状態の履歴に基いて、節電状態が開始される時期を調節可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の遊技機は、変動表示ゲームを表示する表示手段と、
前記変動表示ゲームを含む遊技の演出のために点灯または消灯させられる複数の電飾ライトと、
前記変動表示ゲームの当たりまたははずれの抽選を行うとともに、前記変動表示ゲームの所定の開始条件の成立に基づく前記変動表示ゲームの開始および前記当たりまたははずれの抽選結果を報知することによる前記変動表示ゲームの終了と、前記変動表示ゲームで当たりの抽選結果を報知した後の当たり遊技状態の発生とを含む前記変動表示ゲームの進行を制御する主制御手段と、
前記変動表示ゲームの進行に基いて、前記変動表示ゲームを前記表示手段に表示させるとともに、前記電飾ライトの点灯および消灯を制御する副制御手段と
を備え、
前記主制御手段は、前記変動表示ゲームの進行に基いて、前記変動表示ゲームおよび前記当たり遊技状態の開始または終了を示す信号を前記副制御手段に送信し、
前記表示手段および前記電飾ライトの制御状態として、前記変動表示ゲームが前記表示手段に表示される際のゲーム表示制御状態と、電源投入時、はずれの抽選結果を報知する前記変動表示ゲームの終了を示す信号の入力時、前記当たり遊技状態の終了を示す信号の入力時のいずれかである状態移行起点時から、前記変動表示ゲームの開始を示す信号が入力されない状態が、設定されている継続時間以上継続される場合に前記ゲーム表示制御状態から移行されるゲーム開始待ち制御状態とを備え、
前記ゲーム開始待ち制御状態では、前記表示手段にゲーム開始待ち画像を表示させるとともに、複数の前記電飾ライトをそれぞれ点灯または消灯する制御を行い、
前記ゲーム開始待ち制御状態中に前記主制御手段から前記変動表示ゲームの開始を示す信号が入力した場合に、前記制御状態を前記ゲーム開始待ち制御状態から前記ゲーム表示制御状態に移行させる遊技機において、
前記副制御手段は、
前記制御状態として、前記ゲーム開始待ち制御状態の開始から前記ゲーム表示制御状態に移行することなく設定されている経過時間が経過した際に、少なくとも前記電飾ライトの一部を消灯することにより節電する節電制御状態を開始させ、かつ、前記主制御装置から前記変動表示ゲームの開始を示す信号が入力した場合に前記節電制御状態から前記ゲーム表示制御状態に移行させる節電制御手段と、
前記ゲーム開始待ち制御状態および前記節電制御状態のうちの少なくとも前記節電制御状態の発生の履歴である制御状態履歴を記億する制御状態履歴記億手段と、
前記制御状態履歴記億手段に記億されている前記制御状態履歴に基いて、前記状態移行起点時から前記節電制御状態開始時までの節電開始時間を決定する節電開始時間制御手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項1に記載の発明においては、電源投入時、はずれの抽選結果を報知する変動表示ゲームの終了を示す信号の入力時、当たり遊技状態の終了を示す信号の入力時のいずれかである状態移行起点時から、変動表示ゲームの開始を示す信号が入力されない状態が、設定されている継続時間以上継続される場合にゲーム表示制御状態からゲーム開始待ち制御状態に移行する。このゲーム開始待ち状態では、表示手段にゲーム開始待ち画像(デモンストレーション画像)を表示させるとともに、複数の電飾ライトをそれぞれ点灯または消灯する制御を行う。
【0014】
このゲーム開始待ち制御状態から変動表示ゲームが開始されるゲーム表示制御状態となることなく設定された経過時間が経過した際に、少なくとも電飾ライトの一部を消灯することにより節電する節電制御状態になる。
【0015】
この際に、状態移行起点時から節電制御状態の開始までの節電開始時間は、上述の継続時間に経過時間を加えたものとなる。この状態移行起点時から節電制御状態の開始までの節電開始時間が、過去のゲーム開始待ち制御状態および節電制御状態のうちの少なくとも節電制御状態の発生の履歴に基いて決定される。例えば、現在の時刻と略同じ時刻の履歴を見て、ゲーム表示制御状態となっている割合よりゲーム開始待ち制御状態または節電制御状態となっている割合の方が多い場合に、節電開始時間を短くし、ゲーム表示制御状態となっている割合よりゲーム開始待ち制御状態または節電制御状態となっている割合の方が少ない場合に、節電開始時間を長くするなどの制御が可能なる。
【0016】
すなわち、過去の履歴を見た場合に、ゲーム開始待ち状態や節電制御状態となっている割合が高い時間帯は、遊技店の客(遊技者)が少ない時間帯と考えられるので、変動表示ゲームが行われずにゲーム開始待ち状態から節電状態とする際に、早く節電制御状態としても、上述のような遊技者に対する影響が少ないことになる。
【0017】
一方、ゲーム開始待ち状態や節電制御状態となっている割合が低い時間帯は、遊技店の客が多い時間帯と考えられ、遊技機を節電制御状態とすることによる遊技者への影響が大きいことになる。この場合には、節電開始時間を長くすることにより、節電制御状態となるのを遅らせ、遊技者の節電制御状態による影響を低減することができる。例えば、節電制御状態の開始を遅らせることで、節電制御状態となる前に遊技者が遊技を開始する可能性が高くなる。
【0018】
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の発明において、前記制御状態履歴は、前記ゲーム開始待ち制御状態および前記節電制御状態のうちの少なくとも前記節電制御状態となっている時刻帯の履歴であり、前記節電開始時間制御手段は、前記制御状態履歴において、現在の時刻帯に対して過去の同時刻帯が前記ゲーム開始待ち制御状態および前記節電制御状態のうちの少なくとも前記節電制御状態の場合に、前記節電開始時間として短い時間を設定し、かつ、前記履歴において、現在時刻に対して過去の同時刻帯が前記ゲーム表示制御状態の場合に、前記節電開始時間として、前記短い時間より長い時間を設定することを特徴とする。
【0019】
請求項2に記載の発明においては、過去の一日のゲーム開始待ち制御状態および前記節電制御状態のうちの少なくとも前記節電制御状態の履歴を参照し、現在の時刻が過去の履歴で前記ゲーム開始待ち制御状態および前記節電制御状態のうちの少なくとも前記節電制御状態の場合に短い開始時間を節電開始時間に設定し、現在の時刻が過去の履歴でゲーム表示制御状態の場合には、前述の短い時間より長い時間を節電開始時間に設定する。
これにより、遊技店で遊技者が少ない時間帯と推定される時間帯では、上述の状態移行起点時からの節電開始時間が短くなり早く節電制御状態となる。また、遊技店に遊技者が多い時間帯と推定される場合に節電開始時間が長くなって、節電制御状態となるのが遅くなる。これにより、遊技場で遊技者が少ないと思われる時間帯では、早く節電制御状態とし、遊技者が多い時間帯では、節電制御状態の開始を遅らせることができる。なお、過去の一日の履歴としては、1週間前の同じ曜日の一日とすることが好ましい。
【0020】
請求項3に記載の遊技機は、請求項2に記載の発明において、前記節電開始時間制御手段は、前記ゲーム開始待ち制御状態の開始から節電制御状態開始までの前記経過時間を一定とし、前記状態移行起点時から前記ゲーム開始待ち制御状態開始までの前記継続時間を短い時間または短い時間より長い時間に設定することを特徴とする
【0021】
請求項3に記載の発明においては、上述の継続時間と経過時間とからなる節電開始時間のうちの継続時間を短い時間と、長い時間とに変更することにより、ゲーム開始待ち状態となっている経過時間は一定となり、節電制御状態となる前のゲーム開始待ち状態でゲーム開始待ち画像が電飾ライトの点灯、消灯の制御とともに表示される時間を短くすることなく、ゲーム表示制御状態が終了してから節電状態となるまでの時間を早くすることが可能になる。また、ゲーム開始待ち状態でデモ画像を表示する場合に、一定の経過時間に対応する一定の表示時間のデモ画像をゲーム開始待ち制御状態となる都度に表示することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、変動表示ゲームや当たり遊技状態(大当たり状態)の表示が終了した後に次の変動表示ゲームが開始されない状態が設定された継続時間が継続した際に所謂デモ画像を表示する状態になり、デモ画像が表示されてから設定された経過時間が経過すると節電制御状態となって、電飾ライト(例えば、LED)が消灯状態に維持されることにより、遊技機毎の節電が可能になる。この際に、過去のデモ画像の表示や節電制御状態の履歴を見ることにより、遊技店において客が少ない時間帯か多い時間帯かを推測することが可能になる。すなわち、客として遊技者がいない遊技機は、基本的にデモ状態または節電状態となり、遊技者が遊技している遊技機は、基本的にゲーム表示制御状態となっているので、それに基いて遊技者が多い状態か少ない状態かを推測することができる。
【0023】
遊技者が多い場合には、遊技者がいない遊技機であっても、遊技する遊技機を探している遊技者が頻繁に見に来る可能性があり、デモ画像が表示されていることもしくは節電制御状態となっていない(暗くなっていない)ことが好ましい。この場合に、節電状態となるのが遅れることにより、遊技者が見に来た際にデモ画像等が表示されている(明るくなっている)可能性が高くなる。一方、遊技者が少ない状態では、現状の時間帯に遊技されない遊技機は、その時間帯中に遊技者が遊技しない可能性が高い。また、遊技者が少ないので、当然、遊技する遊技機を探しまわる遊技者も少ないことになり、早く節電制御状態としても、遊技者に対する影響が少なく、かつ、節電制御状態を早く発生させれば、節電制御状態となっている時間を長くして、節電効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係るパチンコ遊技機を示す斜視図である。
【図2】前記パチンコ遊技機のガラス扉を開いた状態を示す斜視図である。
【図3】前記パチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図である
【図4】前記パチンコ遊技機の制御係を示すブロック図である。
【図5】前記パチンコ遊技機の可変表示装置の節電制御状態の表示画面を示す図である。
【図6】前記パチンコ遊技機の副制御部で行われる演出モード決定処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】前記パチンコ遊技機の副制御部に記憶される制御状態履歴を説明するためのタイムチャートである。
【図8】前記副制御部で行われる状態移行処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】前記状態移行処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】前記状態移行処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】前記状態移行処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】前記状態移行処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1から図3に示すように、この実施の形態のパチンコ遊技機は、所謂デジパチと呼ばれる種類のパチンコ遊技機としての基本的な構成を有するものである。図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機は、遊技店の島設備に設置される縦長の矩形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2に収納された遊技盤3と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部5が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部5に取り付けられた透明な二重ガラス板6と、前記ガラス扉4の前面の前記二重ガラス板6の下に設けられ、遊技球を収容する上皿7および上皿7から溢れる遊技球を収容する下皿8と、前記ガラス扉4の上皿7および下皿8の向かって右側に設けられる回転式操作ハンドル39とを備える。
【0026】
また、ガラス扉4の上皿7の前壁部分の中央部の上部には、操作入力手段としてのボタンスイッチ43が設けられている。
また、前面枠2の左側下端部にはガラス扉4に対して露出するようにスピーカ9(32a)が設けられている。また、ガラス扉4の上端部の左右にもそれぞれスピーカ10(32a)が設けられている。
ガラス扉4の開口部5の周囲には、左右と上側とにそれぞれ電飾ライト11a,11b,11cが設けられている。また、前記左右のスピーカ10にも電飾ライト11d,11eが設けられている。
【0027】
また、ボタンスイッチ43には、ボタンスイッチ43を内部から照らす状態のボタンスイッチ用の電飾ライト11fが設けられている。また、ボタンスイッチ43が設けられた上皿7の前面には、ボタンスイッチ43の左右にボタンスイッチ装飾用の電飾ライト11gが設けられている。
【0028】
これら電飾ライト11a〜11gは、図示しないが、プリント基板と、このプリント基板上に設けられた駆動回路およびLED(発光ダイオード)と、前記LED上を覆う透明または半透明のカバー上のレンズ部材とからなるもので、図1において、レンズ部材だけが電飾ライト11a〜11gとして図示されている。また、ここでのLEDは、例えば、プリント基板に表面実装されるタイプのもので、各LEDがそれぞれレンズに覆われた状態になっている。図1における電飾ライト11a〜11gの分け方は一例であり、実際には各プリント基板毎に分けられる。
【0029】
図3に示すように遊技盤3の盤面上の遊技領域3a内には、その略中央部に可変表示装置13が設けられている。可変表示装置13は、例えば、液晶表示装置からなるもので、主制御手段として機能する後述の主制御装置(主制御手段)14で行われる抽選の各種大当たりおよびはずれの抽選結果を表示するものであり、抽選結果の表示に際し、識別情報としての装飾図柄の変動表示ゲームを表示し、この変動表示ゲームの大当たりおよびはずれによって上述の抽選結果を報知するようになっている。
【0030】
遊技領域3aの下部には、第1および第2特図表示器3b,3cが設けられている。第1および第2特図表示器3b,3cは、例えば、7セグのLED表示装置からなる。第1および第2特図表示器3b,3cは、後述の変動パターンの一部として設定される変動表示時間だけ変動表示(一部のセグメントを点滅表示)した後に特図を停止表示(抽選結果表示)する。
【0031】
ここで、第1および第2特図表示器3b,3cの前記点滅表示後に特図を停止表示する特図の変動表示ゲームを、特図ゲームと称する。また、特図ゲームには、第1特図表示器3bで行われる第1特図ゲームと、第2特図表示器3cで行われる第2特図ゲームとがある。しかし、同時に第1特図ゲームと第2特図ゲームとが行われることがなく、第1特図ゲームと第2特図ゲームとの両方が開始可能な場合には、第2特図ゲームが優先して開始され、開始すべき第2特図ゲームが無い場合にだけ、第1特図ゲームが開始される。
【0032】
可変表示装置13で表示される変動表示ゲームは、実行されている第1特図ゲームもしくは第2特図ゲームに対応したものであり、第1特図ゲームが実行されている際には、この第1特図ゲームと同様の結果になる装飾図柄の変動表示ゲームが表示され、第2特図ゲームが実行されている際には、この第2特図ゲームと同様の結果になる装飾図柄の変動表示ゲームが表示されている。
【0033】
前記可変表示装置13の直ぐ下には、第1始動入賞口15が設けられている。
また、第1始動入賞口15の直ぐ下には第2始動入賞口16aを備えた所謂電チューと呼ばれる普通変動入賞装置16が設けられている。
この普通変動入賞装置16は、開閉動作自在な1対の可動片16bを備え、第2始動入賞口16aに遊技球が入賞できないように可動片16bが閉じた状態(閉状態)と、遊技球が入賞し易くなるように可動片16bが開いた状態(開状態)との間で変動するようになっている。
【0034】
第1始動入賞口15には、遊技球の入賞を検知する第1始動入賞球検知センサ15a(図2に図示)が設けられており、第1始動入賞球検知センサ15aは、主制御装置14に対して、遊技球が第1始動入賞口15に入賞した際に第1始動入賞信号を出力する。また、第2始動入賞口16aには、遊技球の入賞を検知する第2始動入賞球検知センサ16c(図2に図示)が設けられており、第2始動入賞球検知センサ16cは、主制御装置14に、遊技球が第2始動入賞口16aに入賞した際に第2始動入賞信号を出力する。主制御装置14は、第1始動入賞信号の入力(所定の乱数取得条件の成立)に基づいて第1特図ゲーム(変動表示ゲーム)の各大当たりおよびはずれを決める乱数を取得し、第2始動入賞信号の入力(所定の乱数取得条件の成立)に基づいて第2特図ゲーム(変動表示ゲーム)の各大当たりおよびはずれを決める乱数の取得を行う。
【0035】
また、可変表示装置13には、画面の周縁部分に後述の特図保留数の表示が行われる特図保留数表示領域13aが設定されている。主制御装置14では、第1始動入賞球検知センサ15aから始動入賞信号が入力した場合に、上限になる数値(たとえば4)の範囲内で第1特図保留数に1加算し、この始動入賞に基づいて特図ゲームおよび変動表示ゲームが開始される場合に、特図保留数から1減算する。この特図保留数が特図保留数表示領域13aにマークの数として表示される。同様に、主制御装置14では、第2始動入賞球検知センサ16cから始動入賞信号が入力した場合に、上限になる数値(たとえば4)の範囲内で第2特図保留数に1加算し、この始動入賞に基づいて特図ゲームおよび変動表示ゲームが開始される場合に、特図保留数から1減算する。この特図保留数が特図保留数表示領域13aにマークの数として表示される。
【0036】
また、可変表示装置13の下方で、さらに普通変動入賞装置16の下方に、大入賞口17aを有する特別変動入賞装置17が設けられている。この特別変動入賞装置17には、いわゆるアタッカとしての構成を有するもので、大入賞口17aを開閉する可動扉17bが備えられ、通常行われる通常遊技状態では、可動扉17bが遊技球を大入賞口17aに流入させないように立って閉じた閉状態になり、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームの結果が各大当たりになって大当たり状態が発生した場合に遊技球が流入し易いように前に略水平に倒れて開いた開状態になる。特別変動入賞装置17には、その大入賞口17aに入賞した遊技球を検知する大入賞球検知センサ17cが設けられている。
【0037】
なお、大当たりになった場合には、大当たり状態として、例えば、特別変動入賞装置17が閉塞状態から開放状態になって再び閉塞状態になる開閉動作としての1ラウンドの動作を、所定ラウンド数だけ行うようになっている。パチンコ遊技機によって異なる場合があるが、例えば、大当たり状態では、所定ラウンド数が10〜16程度になっている。
また、特別変動入賞装置17は、いわゆる突確、突時、潜確等の大当たりに対応する大当たり状態では、2ラウンドだけの動作を行うものになっており、これらを2ラウンド当たりと称する。大当たり状態における特別変動入賞装置17の制御は、主制御手段としての主制御装置14が行う。
【0038】
可変表示装置13の左側方には、普通図柄(普図と略す)始動口(スルーチャッカー)18が設けられている。また、普図始動口18に対応して、普図始動口18内を通過した遊技球を検知する通過球検知センサ18aが設けられ、通過球検知センサ18aは遊技球を検知すると主制御装置14に通過球検知信号を出力する。当該通過球検知信号の入力に基づいて主制御装置14は、普通変動入賞装置16を開状態とする当たりと、普通変動入賞装置16を閉状態のままとするはずれとを抽選する普図抽選を行う。なお、この普図抽選の結果は、普図の変動表示ゲーム(以下、普図ゲーム)を普図表示装置19で表示することにより報知される。上述の普図表示装置19の下には、普図保留数表示ランプ20が設けられており、特図保留数と同様に求められる普図保留数が表示される。
【0039】
上述のように、普図ゲームが当たりになった場合に、普通変動入賞装置16が開放し、普通変動入賞装置16(第2始動入賞口16a)への遊技球の入賞率が高まり、第2特図ゲームの開始機会が増加するようになっている。なお、このパチンコ遊技機では、普通変動入賞装置16が開放した場合にだけ、第2始動入賞口16aに遊技球が入賞可能になり、第2特図ゲームの開始機会が増加することになる。また、遊技領域3aの左側部には、複数の一般入賞口21が設けられている。また、一般入賞口21に対応して、一般入賞口21に入賞した遊技球を検知する一般入賞球検知センサ21aがそれぞれ設けられている。
【0040】
また、遊技盤3には、可変表示装置13の周囲の電飾ライト11hや、一般入賞口周囲の電飾ライト11iや、普通変動入賞装置16の電飾ライト11jなどが設けられている。なお、遊技盤3の電飾ライトは、パチンコ遊技機の機種によって大きく異なるものになっており、機種によっては極めて多くの電飾ライトが用いられており、特に、演出用の可動役物がある場合に、可動役物の部分に多くの電飾ライトが用いられている。なお、図3において、電飾ライト11h,11i,11jは、上述のようにプリント基板と駆動回路とLEDとレンズ部材とからなり、レンズ部材だけが図示されている。
【0041】
また、特別変動入賞装置17の下方の遊技領域3aの最下端部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3aの外部になる遊技盤3裏面に排出させるアウト口22が設けられている。また、遊技盤3の前面には、遊技球の流下方向を規制するとともに流下方向を転換する遊技釘12(一部だけ図示)や風車(図示略)等の流下規制転換部材が設けられている。
【0042】
次に、この例のパチンコ遊技機の制御系を図2に示されるブロック図を参照して説明する。パチンコ遊技機の制御系は、大きく分けて主制御部(主基板の制御装置としての主制御手段)23と、副制御部(サブ基板側の制御装置としての副制御手段)24と、これら主制御部23および副制御部24に電力を供給する電源供給装置25とから構成されている。主制御部23には、例えば、遊技機用のワンチップマイコン等で構成される主制御装置14が備えられ、主制御装置14には、プログラムを実行するCPU14a、プログラムやプログラムで使用するデータを記憶したROM14bや、プログラムに基づいて発生したデータやROM14bから読み出した各種データ等を記憶するRAM14cや周波数発生回路部14d等が備えられている。
【0043】
主制御装置14(CPU14a)には、パチンコ遊技機に設けられた各種センサからの信号が入力可能になっており、前述の第1および第2始動入賞球検知センサ15a,16c、大入賞球検知センサ17c、通過球検知センサ18a、一般入賞球検知センサ21aが接続されるとともに、遊技球の入賞に対応して賞球を払出す遊技球払出装置33から払い出された賞球を検知する遊技球払出検知センサ26、パチンコ遊技機におけるエラーを検知するエラー検知センサ27等が接続されている。
【0044】
また、主制御装置14は、パチンコ遊技機の各種装置を動作させるため各種信号を出力するようになっている。例えば、主制御装置14には、遊技店において設置された各遊技機のデータを集計管理するための集中管理装置28が主制御装置14からデータを入力可能に接続されている。また、主制御装置14には、サブ制御装置(副制御手段)としての払出制御装置29、図柄制御装置30、ランプ制御装置31、音声制御装置32が接続され、これらサブ制御装置に対してコマンド(制御指令)を出力可能とされている。
【0045】
なお、ここで、払出制御装置29は実質的に賞球を払出すためのパチンコ遊技機における遊技の主要な制御を行うことから主制御部23に含まれるものとし、遊技の演出に係わる図柄制御装置30、ランプ制御装置31、音声制御装置32は副制御部24に含まれるものになっている。
【0046】
また、主制御装置14には、第1および第2特図表示器3b,3cが接続され、主制御装置14が第1および第2特図表示器3b,3cにおける特図の表示制御を行う。
また、主制御装置14には、上述の普通変動入賞装置16の可動片16bを駆動する普通変動ソレノイド16dが接続されるとともに、特別変動入賞装置17の可動扉17bを駆動する特別変動ソレノイド17dが接続される。
【0047】
また、払出制御装置29には、払出制御装置29により制御されて賞球および貸球を払出す遊技球払出装置33が接続されるとともに、プリペードカード(記録媒体)34のデータを読み込で遊技球の貸出制御を行うためのCRユニット35が球貸信号制御装置36を介して接続されている。払出制御装置29は、主制御装置14からのコマンドに基づいて賞球を払出すとともに、CRユニット35から球貸信号制御装置36を介して入力される球貸信号に基づいて貸球を払出す制御を行う。
【0048】
また、主制御部23には、主制御装置14と直接接続されていないが、遊技球を遊技領域3aに発射する打球発射装置(図示略)の発射駆動装置37を制御する発射制御装置38が設けられ、発射制御装置38には、遊技球の発射を操作するための回転式操作ハンドル39、発射停止釦40、タッチセンサ41が接続されている。
【0049】
主制御部23の主制御装置14は、パチンコ遊技機における遊技の進行を制御するもので、第1および第2始動入賞球検知センサ15a,16c、大入賞球検知センサ17c、一般入賞球検知センサ21aから遊技球の検知信号が入力された場合、すなわち、各入賞口に遊技球が入賞した場合に、払出制御装置29にコマンドを出力して、賞球として遊技球の排出を行わせる。
【0050】
また、主制御装置14は、通過球検知センサ18aから遊技球の検知信号が入力した場合に、普図保留数が上限未満の場合に、上述の普図保留数を加算する処理を行うとともに、普図ゲームの当たり外れを決定する抽選処理で用いられる各種乱数を取得し、これら乱数を記憶する。また、所定の開始条件として、前の普図ゲームのはずれでの終了もしくは当たり後の普通変動入賞装置16の開閉動作の終了で普図ゲームを開始するとともに普図保留数を1減算する。この際に乱数による抽選処理によって、普図ゲームの当たり外れを決定し、普図ゲームの表示や結果の報知や演出のために図柄制御装置30やランプ制御装置31や音声制御装置32にコマンドを出力する。
【0051】
また、主制御装置14は、第1および第2始動入賞球検知センサ15a,16cからの始動入賞信号の入力と特図ゲームの開始に基づいて、上述の特図保留数の処理を行うとともに、特図ゲームの大当たり外れを決定する抽選処理で用いられる抽選決定情報としての各種乱数(当たり判定乱数、図柄乱数、演出乱数)を取得し、特図保留数が上限未満の場合に当該乱数をRAM14c(乱数記憶手段の一部)に記憶する。なお、前記抽選処理によって、当たり判定乱数に基づいて第1および第2特図ゲームの大当たりおよびはずれを決定し、第1および第2特図表示器3b,3cを制御して第1および第2特図ゲームを表示するとともに、可変表示装置13における装飾図柄の変動表示ゲームの表示や結果の報知や演出のために図柄制御装置30やランプ制御装置31や音声制御装置32等にコマンドを出力する。
【0052】
なお、第1および第2特図ゲーム(変動表示ゲーム)の開始条件(乱数判定条件)は、前の第1特図ゲームまたは第2特図ゲームがはずれで終了した際と、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが大当たりになったことにより、特別変動入賞装置17を開放する大当たり状態になった場合に、この大当たり状態が終了した際に、第1特図保留数(第2特図保留数)が1以上になっているか、第1始動入賞信号または第2始動入賞信号が入力した場合である。また、それに加えて第1特図ゲームでは、開始すべき第2特図ゲームが無いこと(第2特図保留数が0になっていること)が開始条件の1つになる。また、開始条件の成立(乱数判定条件の成立)に伴って、特図ゲームの開始時に、この特図ゲームに対応する乱数の大当たりおよびはずれ等の判定を行う。
【0053】
また、主制御装置14は、普図ゲームが当たりになった場合には、普通変動入賞装置16の可動片16bを駆動する普通変動ソレノイド16dを制御して普通変動入賞装置16を閉状態から開状態とする制御を行う。また、主制御装置14は、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが各大当たりになった場合には、特別変動入賞装置17の可動扉17bの特別変動ソレノイド17dを制御して所定の条件に基づいて特別変動入賞装置17を閉状態から開状態に変動させて上述の大当たり状態を発生させる制御を行う。
【0054】
また、抽選手段としての主制御装置14は、前述の始動入賞信号に基づいて第1特図ゲームおよび第2特図ゲームが大当たりになるかはずれになるかを決める抽選処理を行う。また、主制御装置14は、大当たりとはずれとのいずれかを示す第1特図ゲームまたは第2特図ゲームを順次表示する際に、確変大当たり等の発生に基づいて前記抽選処理により第1特図ゲームおよび第2特図ゲームが大当たりになる確率を低確率状態より高い高確率状態とし、通常大当たり等の発生に基づいて前記抽選処理により第1特図ゲームおよび第2特図ゲームが大当たりになる確率を高確率状態より低い低確率状態とする制御を行う。また、主制御装置14は、所定の大当たりの発生に基づいて、通常状態より普通変動入賞装置16の単位時間あたりの開放時間(開放回数)が多くなる時短状態(電チユーサポート状態)とする制御を行う。なお、確変状態(高確率支援状態)では、基本的に高確率状態になるとともに電チユーサポート状態になり、時短状態(支援状態)では、低確率状態で電チユーサポート状態になる。
【0055】
また、副制御部24の変動表示ゲーム表示制御手段としての図柄制御装置30は、可変表示装置13と、普図表示装置(LED表示装置)19とを制御するものであり、可変表示装置13がビデオディスプレイプロセッサ42を介して接続されている。上述の主制御装置14により決定された各大当たりおよびはずれと、変動パターンとしての変動表示時間等に基づいて、報知演出制御手段としての図柄制御装置30により装飾図柄の変動表示ゲームの可変表示装置13における表示が制御される。また、図柄制御装置30は、主制御装置14において、算出される特図保留数に基づいて、可変表示装置13の特図保留数表示領域13aにおける特図保留数のマークの表示を制御する。また、図柄制御装置30は、上述のボタンスイッチ(操作入力手段)43を遊技者等が操作した場合に、ボタンスイッチ43からの外部入力信号(操作入力信号)が入力するようになっている。
【0056】
なお、この実施形態では、後述のようにデータ入力用パスワードの入力を必要とする。データ入力用パスワードの入力方法よっては、ボタンスイッチ43のみで、操作可能であるが、例えば、カーソルキー、ジョグダイアル、操作レバー(アナログ式又はデジタル式)等を設けるものとしてもよい。
【0057】
副制御部24のランプ制御装置31は、遊技盤3の盤面に設けられた盤面関係の電飾ライト11h、11i、11jと、パチンコ遊技機の遊技盤3を支持する前面枠に設けられ、遊技盤3の前面を覆うガラス扉4関係の電飾ライト11a〜11gとが接続され、LEDによる演出を制御する。なお、各電飾ライト11a〜11jは、例えば、それぞれ異なるプリント基板に複数のLEDが搭載されるとともに、プリント基板上に設けられた駆動回路に接続され、駆動回路には電源供給装置25から電源線が接続されるとともに、ランプ制御装置31から信号線が接続されている。これにより、各電飾ライト11a〜11jは、プリント基板上の各LEDが駆動回路を介してランプ制御装置31の制御により点灯または消灯させられる。
【0058】
また、LEDには、単色のものと、2色や3色等のものがあり、2色や3色のLEDの場合には、点灯、消灯の制御の他に、点灯時の発光色の制御が行われる。また、ランプ制御装置31には、普図保留数表示ランプ20が接続されている。
なお、第1および第2特図表示器3b、3cは、LEDのセグメントを用いたものであるが、上述のようにランプ制御装置31ではなく、主制御装置14に制御される。また、第1および第2特図表示器3b、3cの近傍には、例えば、大当たりの場合のラウンド数を示すラウンド数表示ランプ等のLEDが設けられており、これも主制御装置14により制御される。
【0059】
音声制御装置32には、サウンドプロセッサ、アンプ、スピーカ9,10等からなる音声発生装置32aが接続されており、音声制御装置32は、演出用の効果音、音声、音楽等の出力を制御する。
また、副制御部(サブ基板)24には、第1演出モード、第2演出モード、節電モードを切り替えるモード切替スイッチ44(図4に図示)が設けられている。
【0060】
このモード切替スイッチ44は、副制御部24の図柄制御装置30に接続され、3段階に演出モードを切り替えるようになっているが、この例では、3段階の演出モードのうちの一つが節電モードになっている。なお、演出モードの切替は、主制御装置14からのコマンドに基く副制御部24の制御において、演出的部分だけを変更可能としたもので、例えば、演出表示として変動表示ゲームの表示が複数段のステージに分かれているような場合に、一部の段階のステージの表示を省略する第2演出モードと、省略しない第1演出モードとに分けたりするものである。
【0061】
これにより、表示演出の内容の一部を遊技店側で選択可能になる。このパチンコ遊技機においては、副制御部24のモード切替スイッチ44を節電モードに切り替えることにより、節電モード中の処理が行われる。これにより節電モードにするか否かを遊技店側で設定することができる。たとえば、店舗側の照明、音響、電飾、エアコン等で十分に節電している場合に、遊技機の節電を行わないなどの選択が可能になる。
なお、節電モード中の演出モードは、例えば上述の第1演出モードになる。また、モード切替スイッチ44は、例えば、3段階(複数段階)のいずれかのモードに固定される状態になり、パチンコ遊技機の電源をONとした際に読み取られる。したがって、モード切替スイッチ44を操作しただけでは、モードを切り替えられず、モード切替スイッチ44を操作してから電源をONとする(リセットする)必要がある。
【0062】
なお、ランプ制御装置31および音声制御装置32は、上述のように主制御装置14からのコマンドに基づいて処理を行うが、図柄制御装置30、ランプ制御装置31、音声制御装置32は、互いに信号を送受して、それぞれ連携して動作するようになっており、上述のモード切替スイッチ44で演出モードや節電モードが切り替わった場合に、切り替わったモードで制御を行うようになっている。
また、図柄制御装置30にボタンスイッチ43からの操作入力信号が入力した場合に、図柄制御装置30で行われる処理に基いて、ランプ制御装置31および音声制御装置32に信号が出力され、これら図柄制御装置30、ランプ制御装置31および音声制御装置32が連動して作動する。
【0063】
また、副制御部24(図柄制御装置30、ランプ制御装置31、音声制御装置32)の制御による可変表示装置13、電飾ライト11a〜11j、音声発生装置32aの制御には、第1特図ゲームか第2特図ゲームに対応している変動表示ゲームが行われている場合のゲーム表示制御状態と、このゲーム表示制御状態の一部として特別変動入賞装置17が開閉を繰り返している大当たり状態の場合の当たり遊技制御状態と、当たり遊技制御状態でもゲーム表示制御状態でもない状態で、次の変動表示ゲームが開始されない場合のゲーム開始待ち制御状態と、ゲーム開始待ち制御状態の場合に行われる上述の節電制御状態と、後述の会員用の会員専用制御状態とがある。
【0064】
このパチンコ遊技機においては、副制御部24の例えば主に図柄制御装置30の制御により、可変表示装置13に変動表示ゲームが表示されていない状態、すなわち、第1および第2始動入賞口15、16aに遊技球が入賞せずに、第1および第2特図保留数が0で、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームが開始されていない状態が所定時間継続するとゲーム開始待ち制御状態(デモ中)になり、さらに所定経過時間が経過した場合に、上述のモード切替スイッチ44が節電モードになっていると、節電制御状態が発生するようになっている。
【0065】
なお、前記継続時間と経過時間とを合わせた時間が節電開始時間になる。主制御装置14における継続時間(節電開始時間)の計時は、電源投入時、はずれの抽選結果を報知する前記変動表示ゲームの終了を示す信号の入力時、前記当たり遊技状態の終了を示す信号の入力時のいずれかである状態移行起点時に開始される。また、状態移行起点時から後述のように設定される継続時間が経過するまでは、ゲーム表示制御状態が維持されている。この場合に、状態移行起点時後の変動表ゲームの表示として、終了して停止した状態の変動表示ゲームが表示されている。
【0066】
上述の状態移行起点時に、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームの少なくとも1方の保留数が1以上ならば、継続時間の計時は開始されない。また、継続時間が終了するまでの間に第1始動入賞口15、第2始動入賞口16aに遊技球が入賞して、第1始動入賞信号または第2始動入賞信号が入賞した場合に、継続時間(節電開始時間)の計時を停止し、そのままゲーム表示制御状態が維持される。
【0067】
また、継続時間が経過してゲーム開始待ち状態となるが、設定された継続時間に至った際、すなわち、ゲーム開始待ち状態が開始した際に、経過時間の計時が開始される。
この際には、ゲーム開始待ち制御状態となっているが、第1始動入賞信号または第2始動入賞信号の入力で、経過時間(節電開始時間)の計時を停止し、ゲーム表示制御状態に移行する。
【0068】
ゲーム表示制御状態では、副制御部24により、可変表示装置13での変動表示ゲームの表示、電飾ライト11a〜11jの変動表示ゲームの演出のための照明(電飾)、音声発生装置32aの変動表示ゲームの音響による演出が行われる。同様に、当たり遊技制御状態では、副制御部24により、表示、照明、音響による大当たり状態の演出が行われる。ゲーム開始待ち制御状態では、パチンコ遊技機の機種を紹介・宣伝(デモンストレーション)するための情報出力画像を表示する。
【0069】
このゲーム開始待ち制御状態においても、音響と照明による演出が副制御部24の制御により行われる。また、節電モードでない場合には、一連の情報出力画像の表示が終了した場合に、再び、情報出力画像が表示され、繰り返し一連の情報出力画像が表示される。
このゲーム開始待ち制御状態で、第1始動入賞口15また第2始動入賞口16aに遊技球が入賞することによって変動表示ゲームが開始可能な状態になると、ゲーム表示制御状態に移行して、変動表示ゲームの表示制御が行われる。
【0070】
また、ゲーム開始待ち制御状態において、ボタンスイッチ43が操作させ、ボタンスイッチ43から図柄制御装置30(副制御部24)に操作入力信号が入力すると、会員専用制御状態になり、可変表示装置13で、後述の会員用のログイン表示またはログアウト表示が行われ、会員としての遊技者によりログインもしくはログアウトの操作が為された場合(ログインまたはログアウトの終了の操作が為された場合)、または所定時間が経過した場合に、再び、ゲーム開始待ち制御状態になりゲーム終了時画像の表示が行われた後に情報出力画像の表示が行われる。なお、ボタンスイッチ43による会員専用制御状態への移行は、状態移行起点時から可能としてもよい。すなわち、状態移行起点時からゲーム開始待ち制御状態開始までの間に、ボタンスイッチ43を操作した場合にも、会員専用制御状態に移行するものとしてもよい。
【0071】
また、節電モードでは、ゲーム開始待ち制御状態になって、上述の情報出力画像の1回分(所定時間分)が表示され、次いで、節電制御状態になる。基本的には、ゲーム開始待ち制御状態から所定経過時間が経過後に、節電制御状態になる。
【0072】
節電制御状態では、パチンコ遊技機に設けられたLEDのうちの上述の電飾ライト11a〜11jのうちの電飾ライト11f,11gを除く電飾ライト11a〜11eおよび電飾ライト11h〜11jが消灯された状態に維持される。なお、節電制御状態以外の状態、例えば、ゲーム開始待ち制御状態では、電飾ライト11a〜11jの全てが常時点灯しているわけではないが、例えば、一部が点灯した状態に保持されるように制御されるとともに、残りが点灯したり消灯したりするように制御される。なお、演出として、電飾ライト11a〜11jの全てを一瞬消灯するような制御が行われる場合もある。
【0073】
また、電飾ライト11fは、ボタンスイッチ43を内部から照明するものであり、この電飾ライト11fが点灯している間は、ボタンスイッチ43が有効であることを示している。なお、パチンコ遊技機において、ボタンスイッチ43は、一般的であり、ボタンスイッチ43が内部から照明されて光っている場合に有効になっていることも一般的である。したがって、電飾ライト11fが点灯した状態は、遊技者にボタンスイッチ43を押すように報知されている状態である。また、電飾ライト11gは、ボタンスイッチ43の左右の近傍に配置されたものであり、ボタンスイッチ43を光で装飾するためのもので、ゲーム開始待ち制御状態や、節電制御状態等の各制御状態に応じて、点灯したり消灯したりしている状態になり、この電飾ライト11gによりボタンスイッチ43の位置を遊技者に強調して見せる効果がある。
【0074】
節電制御状態の際のボタンスイッチ43を押下すると、ゲーム開始待ち制御状態に移行するようになっている。
節電モードにおいて、ゲーム開始待ち制御状態から節電制御状態に移行すると、図柄制御装置30における制御処理に基く信号に基いて、ランプ制御装置31は、電飾ライト11a〜11eおよび電飾ライト11h〜11jを消灯させる。なお、ゲーム開始待ち制御状態で、可変表示装置13に情報出力画像が表示されている状態においては、ランプ制御装置31において、情報出力画像の表示に対応して、電飾ライト11a〜11eおよび電飾ライト11h〜11jの点灯、消灯および発光色が制御された状態になっている。また、ゲーム開始待ち制御状態においては、ボタンスイッチ43を押下することにより、後述の会員向けサービスのログイン表示またはログアウト表示に移行するようになっており、ボタンスイッチ43の電飾ライト11fが点灯した状態になっている。この際には、電飾ライト11gがランプ制御装置31の制御に基いて点灯もしくは点灯したり消灯したりする状態になっている。
【0075】
上述のようにゲーム開始待ち制御状態から節電制御状態に移行すると、電飾ライト11a〜11eおよび電飾ライト11h〜11jがランプ制御装置31の制御により消灯した状態に保持され、点灯しない状態になる。これにより、ガラス扉4に設けられた電飾ライト11a〜11eと、遊技盤3の盤面に設けられた電飾ライト11h〜11jが消灯する。
【0076】
節電制御状態中は、図柄制御装置30の制御により可変表示装置13に節電中表示が行われる。節電中表示は、例えば、現在節電が行われていることを示す表示と、ボタンスイッチ43を操作することによって節電(節電制御状態)から通常(ゲーム開始待ち制御状態)に復帰することを示す表示が行われる。
【0077】
例えば、図5に示すように、可変表示装置13に「節電中」という文字の表示と、ボタンスイッチ43を示す画像の表示と、「ボタンを押したら復帰します」という表示が為される。また、これらの表示の背景は、黒などの暗色とされ、可変表示装置13は全体で暗い状態、すなわち、バックライトの光がある程度遮られた状態になっている。なお、この例では、上述の節電中表示を行うため、バックライトは点灯した状態になっている。
【0078】
なお、節電中表示を行うとともに、バックライトを消灯するものとしてもよく、この場合に、表示が少しだけ視認できる。また、バックライトが点灯していても可変表示装置13の画面を暗くする理由は、可変表示装置13が明るく表示されることによって、節電されているにもかかわらず、節電していない状態と区別し難い状態になるのを防止するためである。すなわち、遊技に関係ない部分で、節電を行う場合に、これが遊技者に好印象を与える可能性がある。そこで、節電中であることを強調するために可変表示装置13のバックライトを消灯するものとしてもよい。しかし、節電中であることをアピールする上では、可変表示装置13のバックライトを消さずに、可変表示装置13に節電中であることを表示することが好ましい。
【0079】
上述のように、可変表示装置13としての液晶ディスプレイのバックライトを点灯した状態であっても、画面が暗い表示になっていることから、可変表示装置13の画面が暗く、画面の明かりに照らされる部分も暗くなっている。また、遊技盤3の盤面の電飾ライト11h〜11jが消灯されるとともに、ガラス扉4の電飾ライト11a〜11eが消灯した状態になっているので、遊技盤3の盤面の遊技領域は暗い状態になっており、略電源を落とした状態の明るさと大きく違わない状態になっている。この場合に、遊技機が節電中ではなく、電源オフになっていると勘違いされる可能性が生じるが、この例では、上皿7の部分で、ボタンスイッチ43用の電飾ライト11fと、その左右の電飾ライト11gが点灯した状態になっているので、パチンコ遊技機が電源オフの状態ではないことを認識可能になっている。これにより、複数台に渡って節電中のパチンコ遊技機が並ぶことにより、遊技店の雰囲気が暗くなり過ぎてしまうのを防止できる。
【0080】
また、節電制御状態では、音声制御装置32による音声の発生も停止しており、BGMや効果音等を停止した状態とすることによって節電が図られている。
また、パチンコ遊技機のライト(LED)としては、上述の電飾ライト11g〜11j以外に、上述の第1および第2特図表示器3b、3cや、上述のラウンド数ランプやその他のランプ等が設けられているが、これらは主制御装置14により制御されているので、副制御部24による制御の影響を受けることがなく、節電制御状態であっても、通常の表示状態が維持される。たとえば、第1および第2特図表示器3b,3cでは、前回の変動表示ゲーム終了時の表示が維持された状態になっており、一部のLEDが点灯した状態になっている。したがって、節電制御状態であっても、第1および第2特図表示器3b、3cを見ることにより、電源がOFFになっていないことを確認することができる。また、副制御部24側で節電により一部の電力供給を切るような処理を行っても、主制御装置14側の第1および第2特図ゲームのゲーム進行の制御に影響を与えることがない。
【0081】
一方、この例のパチンコ遊技機では、会員用のウエブサイトで会員登録を行い、かつ、パチンコ遊技機で上述のゲーム開始待ち制御状態からボタンスイッチ43の操作により、ログイン画面に移行してログインすると、パチンコ遊技の遊技に基いてポイントを獲得できるようになっている。このログインのためには、予め例えばウェブサイト(携帯電話用ウェブサイト)で、会員登録し、データ入力用パスワードを取得しておく必要がある。なお、このパチンコ遊技機は、データベースを有し、ウェブサイトをインターネット上に公開するウェブサーバとともに遊技システムを構成するようになっている。例えば、携帯電話でパチンコ遊技機の会員用のウェブサイトにアクセスして、会員登録を行い、ID、パスワード等からなるアカウントを設定すると、上記ウェブサイトに会員専用ページが作成される。また、上述のデータ入力用パスワードが、会員専用ページに表示されるか、携帯電話にメールされる。
【0082】
また、パチンコ遊技機は、上述のデータ入力用パスワードが入力されてから行われた遊技の遊技データおよび後述のように発生したポイントを二次元バーコードとして例えば可変表示装置13に表示することによって出力する(エキスポートする)ことになっている。
この二次元コードには、例えば、上述のウェブサーバにより公開されているウェブサイトのURLが登録されるとともに、会員(パスワードを入力した遊技者)の該当するパチンコ遊技機の遊技データとポイントが登録されている。なお、携帯電話等の携帯端末で読み取り可能な形式のデータならば、データのエキスポートは、二次元コードに限られるものではない。
【0083】
携帯電話から上述の二次元コードに登録されたウェブサイトのURLにアクセスすると、例えば、上述のアカウントで会員専用ページにアクセスできる。なお、携帯電話毎に予め登録されて出力されるユニークなIDを用いて、上述のアカウントのデータを用いることなく、会員専用ページにアクセスできるようにしてもよい。なお、この場合も一度会員登録することにより上述のユニークなIDをウェブサイト側に認識させる必要がある。この場合に、上述のウェブサイトのアクセスボタン等を押すことにより、アカウントを入力することなく、アクセス可能になる。アクセスした場合に、読み込まれた二次元コード中の遊技データおよびポイントが携帯電話からウェブサーバ側に出力される。これら遊技データ、ポイントが入力されたウェブサーバ側は、携帯電話の上述のユニークなIDもしくはこのIDに対応して会員登録時に作成されたアカウントに関連付けて上述の遊技データやポイントの値のデータを記憶するようになっている。
【0084】
なお、上述の二次元コードを読み取った状態で、会員用ウェブサイトにアクセスする毎に、上述のように遊技データとポイントの値のデータが入力されるが、この際には、更新記憶するのではなく、前のデータに加えるように遊技データおおびポイントのデータが記憶される。すなわち、今回のデータが例えば上述のIDと入力時の日付および時間に対応して記憶される。この際に、前に既に記憶されているデータとの積算等の処理が行われ、トータルの変動表示ゲーム数や、大当たりの回数等が算出されて記憶される。
【0085】
また、この遊技データを用いて遊技者のレベル、例えば、初級者レベル、中級者レベル、上級者レベル、名人レベル等のレベルが算出される。なお、レベルは、変動表示ゲーム数や、大当たり数などの遊技データの値のいずれか一つまたは複数に対応づけられており、例えば、変動表示ゲームの回数および大当たりの回数が多いほどレベルアップするようになっている。なお、遊技データのうちの複数種の値に対応する場合には、例えば、各値にそれぞれ対応した定数を乗算するなどして、重み付けをしてから各数値の総和を求め、この総和の値に対応してレベルを決定するものとしてもよい。
【0086】
上述のデータ入力用パスワードは、ウェブサーバにおいて算出されるもので、上述の遊技者のレベルと、遊技者のポイントとのデータをコード化したものであり、パチンコ遊技機において、遊技者のレベルと、遊技者の今まで総ポイントとにデコード可能になっている。なお、コード化の方法は限定されるものではなく、周知のコード化を用いることができる。なお、コード化されたパスワードは、例えば、ASCIIコードからなる複数の文字の文字列(記号等を含む)からなるものである。なお、予めデータ入力用パスワードと、ポイントおよび遊技者のレベルとを対応づけたデータテーブルを作成しておき、当該データテーブルで、データ入力用パスワードと、遊技者レベルおよびポイントとを変換するものとしてもよい。いずれにせよデータ入力用パスワードは上述のようにデータに対応して変わるものであり、会員のアカウントのパスワードとは異なるものである。
【0087】
また、遊技データは、遊技者が上述のようにデータ入力用のパスワードをパチンコ遊技機に入力して遊技を行った場合に、副制御部24の例えば図柄制御装置30で、変動表示ゲームの回数、大当たりの回数等をカウントし、カウントされた値を更新記憶するようになっている。すなわち、変動表示ゲームの開始の度にゲーム数カウンタをカウントアップし、大当たり状態の開始時に大当たり数カウンタをカウントアップするような処理を行う。
【0088】
また、ポイントは、遊技者が上述のようにデータ入力用のパスワードをパチンコ遊技機に入力して遊技を行った場合に、例えば、第1始動入賞口15および第2始動入賞口16aへの始動入賞に基いて、主制御装置14から図柄制御装置30に入力する信号に対応してポイントを発生するものとしても良いし、変動表示ゲームの開始時にポイントを発生するものとしてもよいし、大当たり状態の開始時にポイントを発生するものとしてもよい。
【0089】
また、変動表示ゲームの変動パターンが特定の変動パターン(例えば、プレミアムリーチの変動パターン)の際にポイントを発生するものとしてもよい。すなわち、遊技盤3上の遊技領域3aを流下する遊技球の各種入賞と、それに基いて行われる処理とのいずれか少なくとも一つに基いてポイントを発生させるものとすることができる。発生されたポイントは、図柄制御装置30で積算されて記憶される。
【0090】
これら遊技データおよびポイント(のデータ)は、二次元コードにコード化されて、デモ中にボタンスイッチ43が操作されてログアウト処理が行われた場合に、二次元コードとして表示される。遊技者は、これを携帯電話で撮影して読み取り、上述のように会員専用ページにアクセスする。これにより、ウェブサーバでは、携帯電話から遊技データと、ポイントのデータが入力され、その前に記憶されている遊技データや、ポイントのデータに積算して記憶する。
積算された遊技データから上述の遊技者レベルを決定するとともにポイントの総和を求め、これら遊技者レベルとポイントの総和とのデータを上述のデータ入力用パスワードにコード化して、携帯電話に出力する。
【0091】
このようなパチンコ遊技機においては、上述のようにゲーム開始待ち制御状態において、ボタンスイッチ43を押下すると、会員専用制御状態になる。この際に、ログイン処理が行われていない場合には、可変表示装置13にログイン表示が行われる。また、ログイン処理が既に行われた状態でボタンスイッチ43を押下すると、ログアウト表示が行われる。ログイン表示中に上述のデータ入力用パスワードが入力可能になり、データ入力用パスワードが入力されると、会員専用制御状態からゲーム開始待ち制御状態になって上述のゲーム終了時画像が表示される。
【0092】
また、既にログイン済みの状態で、ゲーム開始待ち制御状態において、ボタンスイッチ43が押下されて、操作入力信号が図柄制御装置30に入力されると、会員専用制御状態になるとともにログアウト表示が行われる。ログアウト表示では、上述のポイントと、遊技データを示す二次元コードが表示され、会員が携帯電話(スマートフォン含む)で二次元コードを撮影して認識させ、上述のウェブページにアクセスすることによって、ポイントと遊技データを登録可能になる。なお、この状態でもう一度ボタンスイッチ43を押下することによって、ゲーム開始待ち制御状態に移行する。
【0093】
次に、図6の上述のモード切替スイッチによる演出モード切替処理を説明する。この処理は、副制御部24の図柄制御装置30で行われる処理であるが、各演出モード(節電モードを含む)の設定は、図柄制御装置30の設定に基いて、ランプ制御装置31、音声制御装置32も同様のものになる。すなわち、副制御部24全体が上述の設定された演出モードになる。
【0094】
この処理は、上述のように電源ONになった際にだけに行われる。電源ON時にモード切替スイッチ44が第1演出モードにセットされているか否かを判定し(ステップS1)、第1演出モードになっている場合には、演出モードを第1演出モードとする(ステップS2)。モード切替スイッチ44が第1演出モードになっていない場合には、モード切替スイッチ44が第2演出モードに設定されているか否かを判定し(ステップS3)、第2演出モードに設定されている場合には、演出モードを第2演出モードとする(ステップS4)。また、第2演出モードに設定されていない場合には、節電モードに設定されているので、演出モードを節電モードとする(ステップS5)。
【0095】
演出モードが節電モードになっている場合には、上述のようにゲーム開始待ち制御状態から節電制御状態に移行し、上述のように電飾ライト11a〜11eおよび電飾ライト11h〜11jが消灯させられる。使用されるLEDの量や、LEDのスペック等によって異なるが、電飾ライト11a〜11jの多くを消灯状態とすることによって、例えば、パチンコ遊技機の総電力使用量の30%程度を節電できる可能性がある。
【0096】
ここで、この実施形態においては、上述の状態移行起点時から節電制御状態開始までの節電開始時間が複数設定されており、この複数の設定時間から1つの設定時間を選択するようになっている。
選択に際しては、節電制御状態(ゲーム開始待ち制御状態を含んでいてよい)の発生の履歴である制御状態履歴を参照して選択するようになっている。制御状態履歴においては、営業日毎に、開店時刻から閉店時刻までの間に、節電制御状態の開始時刻と終了時刻とが記億されている。
【0097】
なお、ゲーム開始待ち制御状態と節電制御状態とを遊技者が遊技していない非稼働状態とした場合には、ゲーム開始待ち制御状態が開始された際に非稼働状態が開始され、ゲーム開始待ち制御状態が節電制御状態となることなく終了となった場合と、ゲーム開始待ち制御状態から節電制御状態が開始されて節電制御状態が終了となった場合に非稼働状態が終了したものとして、非稼働状態の開始時刻と終了時刻とを記億するものとしてもよい。また、非稼働状態でない場合には、ゲーム表示制御状態となるので、ゲーム表示制御状態の開始時刻と終了時刻とを制御状態履歴として記億するものとしてもよい。
【0098】
ゲーム開始待ち制御状態は、上述のように情報出力画像一回分の継続時間が終了すると節電制御状態となるが、一旦節電制御状態となると上述のように変動表示ゲームが開始されるか、ボタンスイッチ43が操作されるまで、節電制御状態となっている。
従って、遊技機に当該遊技機で遊技する遊技者がいない非稼働状態のほとんどは、節電制御状態となっている。したがって、この実施形態では、節電制御状態となっている時間は、非稼働状態となっている時間に近似しており、非稼働状態の履歴として節電制御状態の履歴を制御状態履歴として記億するものとしている。
【0099】
このような制御状態履歴により、複数の節電開始時間から1つの節電開始時間を選択する方法としては、例えば、一時間毎等の時刻帯(時間帯)ごとに、例えば、1週間や1ヶ月間の履歴に基いて、例えば、各時刻帯において、非稼働状態(節電制御状態)となっている平均時間が20分以下、20分より長く40分以下、40分より長く60分以下かを判定し、各時間範囲毎に対応して短い節電開始時間から長い節電開始時間までの複数段階の節電開始時間から1つの節電開始時間を選択するようにしてもよい。
【0100】
また、所定期間の各営業日のデータを曜日毎にまとめて、現在と同じ曜日の各時刻帯の非可動時間の平均や上述の複数段階の非稼働状態となっている割合を用いて節電開始時間を決めるようにしてもよい。
【0101】
なお、制御状態履歴において、現状と同時刻帯が制御状態履歴において、非稼働状態となっている割合が高いほど、節電開始時刻を短くするようになっている。
すなわち、非稼働状態となっている時間が長い場合には、遊技店の客としての遊技者が少なく、非稼働状態となっている時間が短いほど遊技店の客が多いと推定でくる。
したがって、非稼働状態となっている時間が長い場合には、節電開始時間を短くして、節電制御状態を早く開始することにより節電制御状態を長くしても、影響を受ける遊技者が少ないことになる。
【0102】
一方、非稼働状態が短い場合には、節電開始時間を長くして、節電制御状態を遅く開始することにより節電制御状態を短くし、遊技者が影響を受ける時間を短くしている。
この実施形態では、データの記億容量や、データ処理を簡略化するため、1週間分の制御状態履歴を記億するものとし、現状の曜日と同じ曜日となる一週間前の営業日の現状と同時刻が非稼働状態か稼働状態かを判定するようになっている。
この場合は、稼働状態の場合に短い節電開始時間を選択し、非稼働状態の場合に短い節電開始時間より長い節電開始時間を選択する。
【0103】
例えば、図7のタイムテーブルに示すように制御状態履歴は、例えば、営業開始時刻の10時から営業終了時刻の22時までの非稼働状態となっている時刻の履歴を示すものである。
なお、この際に同時刻ではなく、例えば、1分間や10分間や1時間等の幅のある同時刻帯の例えば、5割以上の時間が非稼働状態となっているか否かを判定するものとしてもよい。この場合には、現在と同じ時刻帯の5割以上が非稼働状態であれば、短い節電開始時間を選択し、非稼働状態が5割より低い場合に、長い節電開始時間を選択する。
【0104】
図7に示すように節電制御状態開始から終了までが非稼働状態となり、それ以外の時間が主にゲーム表示制御状態である稼働状態となる。なお、節電制御状態にゲーム開始待ち制御状態を合わせて、両方とも非稼働状態としてもよく、さらに、会員専用制御状態を非稼働状態に加えてもよい。なお、会員制御状態が無い場合には、例えば、ゲーム表示制御状態が稼働状態とし、それ以外の節電制御状態およびゲーム開始待ち制御状態が非稼働状態としてもよい。
【0105】
通常のウイークデイでは、例えば、開店からお昼までが客が少なく非稼働状態になり易いが、12時から13時までは、昼休みとなって客が増加して稼働状態となり易く、13時をすぎると再び客が減って非稼働状態となり易い、また、17時ごろに再び客が増えて稼働状態となり易く、21時ぐらいから、また非稼働状態となる可能性が高くなる。なお、非稼働状態となり易い時刻は、店舗によって異なり、例えば、学生街、商店街、オフィス街のそれぞれの店舗で混む時間帯が異なる可能性がある。また、非稼働状態になり易いか否かは遊技機の機種によっても異なる。
【0106】
制御状態履歴は、例えば、非稼働状態を節電制御状態とした場合に、副制御部24に設けられたRTC(リアルタイムクロック)により時刻が計測されている状態で、節電制御状態が開始させられる時刻から節電制御状態が終了させられる時刻までを非稼働状態とし、節電制御状態が終了させられた時刻から節電制御状態が開始させられる時刻までを稼働状態としている。
【0107】
なお、非稼働状態にゲーム開始待ち制御状態を含める場合には、ゲーム開始待ち制御状態が開始させられる時刻からゲーム開始待ち制御状態が終了させられる時刻までを非稼働状態に含めることになる。
【0108】
次に、節電制御手段、制御状態履歴記憶手段、節電開始時間制御手段としての副制御部24(例えば、主に図柄制御装置23)で行われる状態移行処理を説明する。状態移行処理では、ゲーム開始待ち制御状態、節電制御状態、会員専用制御状態、ゲーム表示制御状態を切り替える。また、この例では、制御状態履歴の記億も行われる。この処理は、例えば、5μ秒等の極めて短い間隔で繰り返し行われる処理である。
【0109】
まず、状態移行起点フラグがセットされているか否かが判定される(ステップS11)。この状態移行起点フラグは、上述の状態移行起点時となった場合にセットされるフラグである。状態移行起点時は、基本的には変動表示ゲームが行われなくなる時点であり、変動表示ゲームが開始可能な状況となったにも関わらず、変動表示ゲームの保留数が0で変動表示ゲームが開始されない場合に、状態移行起点時になる。
この状態移行起点時からゲーム開始待ち制御状態までの期間であることを示すのが状態移行起点時フラグである。
【0110】
この状態移行起点時フラグがセットされていない場合には、開始待ち制御フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS12)。このゲーム開始待ち制御フラグは、ゲーム開始待ち制御状態であることを示すフラグである。
このゲーム開始待ち制御フラグがセットされていない場合には、節電制御フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS13)。この節電制御フラグは、節電制御状態であることを示すものである。
【0111】
節電制御フラグがセットされていない場合には、会員専用フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS14)。会員専用フラグは、上述の会員専用制御状態であることを示すフラグである。
【0112】
会員専用フラグがセットされていない場合には、状態移行起点時コマンドが主制御装置14から入力されているか否かを判定する(ステップS15)。この状態移行起点時は、上述のように主制御装置14で変動表示ゲームも大当たり状態も行われない状態となった際に副制御部24に出力されるコマンドであり、上述のゲーム開始待ち制御状態の開始の契機の1つとなり、上述のコマンドが入力してから設定された時間(継続時間)が経過するとゲーム開始待ち制御状態が開始される。
【0113】
上述の各フラグがセットされず、かつ、状態移行起点時コマンドが入力していない場合には、変動表示ゲームが行われている状態であり、ゲーム表示制御状態となっており、状態移行処理を終了する。
【0114】
状態移行起点時コマンドが入力されるタイミングの場合には、状態移行起点フラグをセットする(ステップS16)。また、過去の制御状態履歴を参照する(ステップS17)。この際には、一週間分記億されている過去の制御状態履歴から一週間前の現在と同じ曜日の制御状態履歴を参照する。この際にRTCを参照して現在時刻を求める。求められた時刻が対応する一週間前の制御状態履歴の時刻が、稼働状態となっているか、非稼働状態となっているかを判定し(ステップS18)、非稼働状態となっている場合に、短い継続時間を選択し(ステップS19)、稼働状態となっている場合には長い継続時間を選択する(ステップS20)。
【0115】
これにより、非稼働状態となっていることで、現在時刻が含まれる時刻帯の客が少ないと推測される場合には、状態移行起点時からゲーム開始待ち制御状態(デモ状態)となるまでの継続時間が短くなり、ゲーム開始待ち制御状態が早く開始され、それにともなって節電制御状態が早く開始される。これにより、節電制御状態となっている時間が長くなる。
それに対して、制御状態履歴を参照した際に一週間前の同時刻が稼働状態となっている場合には、客が多いものとみなして、継続時間を長くする。これにより、制御移行起点時からゲーム開始待ち制御状態となるまでの時間が長くなり、それに伴って節電制御状態となるのが遅れることになる。
【0116】
この状態移行起点時からゲーム開始待ち制御状態までの継続時間を決定した後に継続時間の計時を開始する(ステップS21)。次に、上述のように状態移行起点フラグがセットされた場合には、上述のステップS11において、状態移行起点フラグがセットされていると判定され、図9に示すステップS22の処理を行う。すなわち、変動表示ゲームが開始か否かを判定する(ステップS22)。これは、主制御装置14から副制御部24に出力される変動表示ゲーム開始コマンドの入力により判定される。
【0117】
変動表示ゲームが開始される場合には、ゲーム開始待ち制御状態となることなく、ゲーム表示制御状態が維持されるので、状態移行起点フラグをリセットするとともに、継続時間の計時時間をリセットする(ステップS23)。
変動表示ゲームが開始されることによりゲーム表示制御状態が維持される(ステップS24)。
【0118】
また、ステップS22で、変動表示ゲームの開始のタイミングでない場合には、ボタンスイッチ43が押されたか否かを判定する(ステップS25)。状態移行起点時からゲーム開始待ち制御状態の終了までの間は、会員によるログイン、ログアウトの受付期間となっており、この期間にボタンスイッチ43を押すと、複製業部24にボタンスイッチの信号が送られ、会員専用制御状態になる。したがって、ボタンスイッチがオンとなっている場合には、ゲーム表示制御状態を終了して会員専用制御状態を開始する(ステップS26)。この際には、会員専用フラグをセットする(ステップS27)。
【0119】
ステップS25において、ボタンスイッチ43からのオンの信号が入力していない場合には、制御移行起点時から計測開始した継続時間(長い継続時間または短い継続時間)が経過(タイムアップ)したか否かを判定する(ステップS28)。経過していない場合には状態移行処理を終了する。また、継続時間がタイムアップした場合には、ゲーム表示制御状態を終了して、ゲーム開始待ち制御状態とする(ステップS29)。
【0120】
また、上述の状態移行起点フラグをリセットし、ゲーム開始待ち制御状態の開始待ち制御フラグをセットする(ステップS30)。これにより、変動表示ゲームが開始されない状態のゲーム表示制御状態からゲーム開始待ち制御状態となり、上述のようにデモ画像が表示される。この際に、所定の経過時間として一連のデモ画像一回分の表示時間となる一定の経過時間の計時を開始する(ステップS31)。
【0121】
開始待ち制御フラグがセットされると、上述のステップS12において、開始待ち制御フラグがセットされていると判定され、図12に示すように、変動表示ゲームが開始されるタイミングか否かが判定される(ステップS32)。
変動表示ゲームが開始される場合には、開始待ち制御フラグをリセットし(ステップS33)、ゲーム開始待ち制御状態を終了してゲーム表示制御状態を開始し(ステップS34)、変動表示ゲームを表示する。また、ゲーム開始待ち制状態から節電制御状態に移行することがなくなったので継続時間の計時をリセット(終了)し(ステップS35)、状態移行処理を終了する。
【0122】
ステップS32で変動表示ゲームの開始のタイミングでない場合には、ボタンスイッチ43が操作されてオン信号が入力したか否かを判定する(ステップS36)。
バタンスイッチ43がオンの場合には、ゲーム開始待ち制御状態を終了して、会員専用制御状態を開始する(ステップS37)。この際に、開始待ち制御フラグをリセットするとともに会員専用制御状態を示す会員専用フラグをセットし(ステップS38)、状態移行処理を終了する。
【0123】
ステップS36でボタンスイッチ43が押されたタイミングでない場合には、上述の経過時間が経過したか否かが判定される(ステップS39)。この所定の経過時間が経過していない場合には、状態移行処理を終了する。上述の経過時間が経過したタイミングの場合には、ゲーム開始待ち制御状態を終了し、節電制御状態を開始する(ステップS40)。これにより、遊技機の節電が可能になる。この際に、開始待ち制御フラグをリセットして節電制御フラグをセットする(ステップS41)。
【0124】
この際に、現在の制御状態履歴に非稼働状態開始をRTCから読み取られる時刻(日時)と伴に非稼働状態開始を記億する(ステップS42)。なお、副制御部24には、不揮発性メモリもしくは電源でバックアップされた揮発性メモリを備え、各営業日毎に非稼働状態(節電制御状態または節電制御状態およびゲーム開始待ち制御状態)の開始と終了が記億されるようになっている。これにより、遊技機の電源のオン・オフに関わらず状態移行履歴が保存される。
【0125】
また、状態移行履歴は、上述のように一週間(7日)分が記億されるので、営業日一日分の状態移行履歴が記億された際に、すなわち、遊技店が閉店した後に電源をオフとする際、またはその次の開店時に電源をオンとする際に、最も古い状態移行履歴の一日分のデータが削除される。なお、この削除される一日分のデータに対応する新たな一日分のデータは、上述のようにデータが消去される前に既に記億されている状態になる。
【0126】
上述のように節電制御フラグがセットされることで、上述のステップS13において、節電制御フラグがセットされていると判定される。この場合も、図11に示すように、変動表示ゲームが開始されるタイミングか否かを判定する(ステップS43)。変動表示ゲームが開始されるタイミングの場合には、節電制御状態を終了して、ゲーム表示制御状態を開始する(ステップS44)。
【0127】
この際には、節電制御フラグをリセットする(ステップS45)。また、節電状態が終了して変動表示ゲームが開始されるので、現状の制御状態履歴に非稼働状態終了をRTCから読み取られる時刻(日時)とともに記億する。(ステップS46)
【0128】
また、ステップS43で変動表示ゲームが開始されるタイミングでないと判定された場合には、ボタンスイッチ43がオンとなっているか否かが判定される(ステップS47)。すなわち、ボタンスイッチ43からオン信号が入力したタイミングか否かを判定する。ボタンスイッチ43が操作されたタイミングでない場合には、状態移行処理を終了する。ボタンスイッチ43が操作されたタイミングの場合には、節電制御状態を終了し、ゲーム開始待ち制御状態を開始する(ステップS48)。この際には、節電制御フラグをリセットし、開始待ち制御フラグをセットする(ステップS49)。
【0129】
節電状態では、基本的に遊技機が暗くなっていることにより、人によっては遊技しづらいと感じる可能性がある。節電制御状態の遊技機を遊技者が遊技する場合には、上述のようにボタンスイッチ43を使って節電状態からゲーム開始待ち制御状態とすることで、遊技機を明るい状態としてから遊技を開始することが好ましい。しかし、節電状態でも、回転式操作ハンドル39を操作可能であり、回転式操作ハンドル39を操作して始動入賞口15,16aに遊技球を入賞させて上述のように変動表示ゲームを開始させることにより、節電制御状態を終了させて、ゲーム表示制御状態を開始させることができる。
【0130】
上述のようにゲーム開始待ち制御状態となったことに対応して上述の所定長さの経過時間の計時を開始する(ステップS50)。これにより、開始待ち制御フラグがセットされていることで、経過時間が経過しても変動表示ゲームが開始されない場合に、再び節電制御状態とする事が可能である。例えば、遊技者が遊技する遊技機を探している場合に、ボタンスイッチ43を操作して、デモ画像を表示さても、その遊技機で遊技しなかった場合に、再び節電制御状態として、節電を効率的に行うことができる。
【0131】
この場合も、節電制御状態が終了するので、現状の制御状態履歴に、RTCから読み取られた時刻とともに、非稼働状態終了を記録する。
【0132】
上述のステップS27またはステップS38で、会員専用フラグがセットされた場合には、ステップS14で、会員専用フラグがセットされていると判定される。この場合も、図12に示すように、変動表示ゲームが開始されるタイミングか否かが判定される(ステップS52)。
変動表示ゲームが開始されるタイミングの場合には、会員専用制御状態を終了して、ゲーム表示制御状態を開始する(ステップS53)。会員専用制御状態終了に対応して会員専用フラグをリセットして状態移行処理を終了する(ステップS54)。
【0133】
また、変動表示ゲームが開始されるタイミングでない場合には、ボタンスイッチ43からのオン信号が入力したか否かを判定し(ステップS55)、ボタンスイッチ43からオン信号が入力している場合に、会員専用制御状態を終了し、ゲーム開始待ち制御状態を開始する(ステップS56)。すなわち、ゲーム開始待ち制御状態においてボタンスイッチ43を操作すると会員専用制御状態に移行し、会員専用制御状態においておタンスイッチ43を操作するとゲーム開始待ち制御状態になる。
【0134】
会員専用制御状態を終了し、ゲーム開始待ち制御状態を開始したことに対応して、会員専用フラグをリセットし、開始待ち制御フラグをセットする(ステップS57)。
また、ゲーム開始待ち制御状態となったことで、所定経過時間が消化されることで、節電制御状態とするために、経過時間の計測を開始し、状態移行処理を終了する。
【0135】
このような遊技機にあっては、デモ画像が表示されるゲーム開始待ち制御状態となってから所定時間が経過することにより節電制御状態となるが、この際に、過去の遊技機の稼働状態か非稼働状態かの制御状態履歴に基づいて、上述の状態移行起点時から節電制御状態までの節電開始時間が変化するようになっている。基本的には、現在の時刻に対して過去の同時刻帯が稼働状態(基本的にゲーム表示制御状態、但し、ゲーム開始待ち制御状態が含まれていてもよく、さらに会員専用制御状態が含まれてもよい)であることが多い場合に、長い節電開始時間が設定される。
【0136】
すなわち、遊技機が稼働状態となる場合が多いのは、遊技店の客が多い時刻帯と推定でき、客の多いときには、節電制御状態となるのを遅らせて、遊技者が遊技する遊技機を選択する際に遊技機を明るい状態となっている可能性を高くして、遊技機の選択をし易くしている。
【0137】
また、現在の時刻に対して過去の同時刻帯が非稼働状態(基本的に節電制御状態、但し、ゲーム開始待ち制御状態を含んでもよく、さらに会員専用制御状態を含んでもよい、なお、この際には、ゲーム開始待ち制御状態、会員専用制御状態は、稼働状態に含まれない)なっていることが多い場合に、短い節電開始時間が設定される。
【0138】
すなわち、遊技機が非稼働状態となる場合が多いのは、遊技店の客が少ない時刻帯と推定でき、客の少ないときには、遊技する遊技機を探す客が少ないので、遊技者のいない遊技機を早く節電制御状態として、節電効率を高めることができる。
【0139】
また、制御状態履歴は、遊技機が各時刻において、稼働状態であったか、非稼働状態であったかを記憶するものであるが、例えば、統計的に処理して、複数日のデータをまとめて、各時刻帯毎に、稼働状態であった場合が多いか、非稼働状態であった場合が多いかを求めるものとしてもよい。また、稼働状態である割合や、非稼働状態である割合を段階的に求め、各段階毎に対応して、異なる節電開始時間を設定するものとしてもよい。
【0140】
この例では、制御状態履歴として、1週間分の各営業日の制御状態履歴として、非稼働状態の開始時刻と、非稼働状態の終了時刻とを記憶し、現在の時刻に対して一週間前の同じ曜日の同じ時刻の制御状態履歴が非稼働状態か否かを判定し、非稼働状態の場合に、短い節電開始時間を選択し、稼働状態の場合に長い節電開始時間を選択するようになっている。この場合も、基本的に上述の場合と同様に遊技店が混む時間帯か空いている時間帯かに適した節電開始時間を選択することができる。
【0141】
この実施形態では、制御状態履歴において、同じ時刻帯で平均を取るなどの統計処理を行っておらず、処理を簡略化している。また、制御状態履歴は、一週間分の非稼働状態の開始時刻と終了時刻とを記憶しているだけなので、管理する処理が容易で、かつ、記憶容量を抑えることができる。したがって、各遊技機でそれぞれ節電開始時間を決定するものとしても、記憶容量や処理能力に与える影響が少ない。
【0142】
また、遊技店の各時間帯の客の数は、曜日によって異なる事が多く、特にウイークデイとウイークエンドでは、混む時間帯が異なるが、この曜日の違いによる時間帯毎の客数の違いに対応することができる。
【0143】
また、この例では、状態移行起点時から節電制御状態開始までの節電開始時間(継続時間+経過時間)の調節を状態移行起点時からゲーム開始待ち状態開始時までの継続時間で行いゲーム開始待ち状態、すなわち、デモ画像を表示している時間を一定としているので、節電開始時間が異なっても一連のデモ画像を表示する時間を確保することができる。すなわち、節電開始時間が短くなってもデモ画像を表示する時間が短くならず、遊技機の遊技者に対するデモンストレーションを一定の時間だけ必ず行うことができる。
【0144】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述および図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【符号の説明】
【0145】
11a〜11j 電飾ライト
13 可変表示装置(表示手段)
14 主制御装置(主制御手段)
23 主制御部(主制御手段)
24 副制御部(副制御手段、節電制御手段、制御状態履歴記億手段、節電開始時間制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変動表示ゲームを表示する表示手段と、
前記変動表示ゲームを含む遊技の演出のために点灯または消灯させられる複数の電飾ライトと、
前記変動表示ゲームの当たりまたははずれの抽選を行うとともに、前記変動表示ゲームの所定の開始条件の成立に基づく前記変動表示ゲームの開始および前記当たりまたははずれの抽選結果を報知することによる前記変動表示ゲームの終了と、前記変動表示ゲームで当たりの抽選結果を報知した後の当たり遊技状態の発生とを含む前記変動表示ゲームの進行を制御する主制御手段と、
前記変動表示ゲームの進行に基いて、前記変動表示ゲームを前記表示手段に表示させるとともに、前記電飾ライトの点灯および消灯を制御する副制御手段と
を備え、
前記主制御手段は、前記変動表示ゲームの進行に基いて、前記変動表示ゲームおよび前記当たり遊技状態の開始または終了を示す信号を前記副制御手段に送信し、
前記表示手段および前記電飾ライトの制御状態として、前記変動表示ゲームが前記表示手段に表示される際のゲーム表示制御状態と、電源投入時、はずれの抽選結果を報知する前記変動表示ゲームの終了を示す信号の入力時、前記当たり遊技状態の終了を示す信号の入力時のいずれかである状態移行起点時から、前記変動表示ゲームの開始を示す信号が入力されない状態が、設定されている継続時間以上継続される場合に前記ゲーム表示制御状態から移行されるゲーム開始待ち制御状態とを備え、
前記ゲーム開始待ち制御状態では、前記表示手段にゲーム開始待ち画像を表示させるとともに、複数の前記電飾ライトをそれぞれ点灯または消灯する制御を行い、
前記ゲーム開始待ち制御状態中に前記主制御手段から前記変動表示ゲームの開始を示す信号が入力した場合に、前記制御状態を前記ゲーム開始待ち制御状態から前記ゲーム表示制御状態に移行させる遊技機において、
前記副制御手段は、
前記制御状態として、前記ゲーム開始待ち制御状態の開始から前記ゲーム表示制御状態に移行することなく設定されている経過時間が経過した際に、少なくとも前記電飾ライトの一部を消灯することにより節電する節電制御状態を開始させ、かつ、前記主制御装置から前記変動表示ゲームの開始を示す信号が入力した場合に前記節電制御状態から前記ゲーム表示制御状態に移行させる節電制御手段と、
前記ゲーム開始待ち制御状態および前記節電制御状態のうちの少なくとも前記節電制御状態の発生の履歴である制御状態履歴を記億する制御状態履歴記億手段と、
前記制御状態履歴記億手段に記億されている前記制御状態履歴に基いて、前記状態移行起点時から前記節電制御状態開始時までの節電開始時間を決定する節電開始時間制御手段とを備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記制御状態履歴は、前記ゲーム開始待ち制御状態および前記節電制御状態のうちの少なくとも前記節電制御状態となっている時刻帯の履歴であり、前記節電開始時間制御手段は、前記制御状態履歴において、現在の時刻帯に対して過去の同時刻帯が前記ゲーム開始待ち制御状態および前記節電制御状態のうちの少なくとも前記節電制御状態の場合に、前記節電開始時間として短い時間を設定し、かつ、前記履歴において、現在時刻に対して過去の同時刻帯が前記ゲーム表示制御状態の場合に、前記節電開始時間として、前記短い時間より長い時間を設定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記ゲーム開始待ち制御状態の開始から節電制御状態開始までの前記経過時間を一定とし、前記状態移行起点時から前記ゲーム開始待ち制御状態開始までの前記継続時間を短い時間または短い時間より長い時間に設定することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−81674(P2013−81674A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224498(P2011−224498)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】